令和六年度各会計決算特別委員会第二分科会速記録第四号

令和七年十月二十七日(月曜日)
第十委員会室
午後一時開議
出席委員 十名
委員長河野ゆうき君
副委員長こまざき美紀君
副委員長もり  愛君
いいだ健一君
せりざわ裕次郎君
笹岡ゆうこ君
せいの恵子君
高野たかひろ君
たかく則男君
とや英津子君

欠席委員 なし

出席説明員
教育庁教育長坂本 雅彦君
次長岩野 恵子君
教育監瀧沢 佳宏君
総務部長山本 謙治君
都立学校教育部長佐藤 直樹君
地域教育支援部長神永 貴志君
指導部長グローバル人材育成調整担当部長兼務山田 道人君
グローバル人材育成部長坂本 教喜君
人事部長秋田 一樹君
福利厚生部長渋谷 恵美君
教育政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務相川 隆史君
デジタル推進担当部長DX推進担当部長兼務池田  庸君
高校改革推進担当部長光永 功嗣君
教育改革推進担当部長寺島 雅夫君
特別支援教育推進担当部長西山公美子君
指導推進担当部長伊東 直晃君
人事企画担当部長教職員支援担当部長兼務矢野 克典君

本日の会議に付した事件
令和六年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
教育庁関係
・令和六年度東京都一般会計決算(質疑)

○河野委員長 ただいまから令和六年度各会計決算特別委員会第二分科会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、教育庁関係の決算に対する質疑を行います。
 これより教育庁関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 令和六年度東京都一般会計決算中、教育庁所管分を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○山本総務部長 去る十月十日の当分科会において要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 令和六年度各会計決算特別委員会第二分科会要求資料の目次をご覧ください。
 今回要求のございました資料は十五件でございます。
 初めに、一ページをご覧ください。1、都立高等学校等における高等学校等就学支援金の歳出予算及び決算(令和六年度)でございます。
 就学支援金について、歳出における予算につきましては受給対象者数及び支給額を、決算につきましては受給者数及び支給額を、区分別にそれぞれ記載しております。
 二ページをご覧ください。2、都立高等学校等における奨学のための給付金の給付区分ごとの歳出予算及び決算(令和六年度)でございます。
 奨学のための給付金について、歳出における予算につきましては給付対象者数及び給付額を、決算につきましては給付者数及び給付額を、給付区分別にそれぞれ記載しております。
 三ページをご覧ください。3、都立学校等給付型奨学金の給付区分ごとの歳出予算及び決算(令和六年度)でございます。
 (1)、高校一人一台端末購入費以外の費用等に係る給付型奨学金について、歳出における予算につきましては受給対象者数及び予算額を、決算につきましては受給者数及び支給額を、区分別にそれぞれ記載しております。
 また、四ページの(2)、高校一人一台端末購入費に係る給付型奨学金につきまして、同内容を記載しております。
 五ページをご覧ください。4、都立高等学校等の授業料減免の実績(全日制・定時制)(令和二年度から令和六年度まで)でございます。
 授業料を免除または減額した人数について、区分別、年度別、課程別にそれぞれ記載しております。
 六ページをご覧ください。5、都内公立中学校夜間学級在籍者のうち、中学校を卒業している生徒の数(令和三年度から令和七年度まで)でございます。
 夜間学級に在籍していて、既に中学校を卒業している生徒の人数及びその人数を含む全体の在籍者数を年度別にそれぞれ記載しております。
 七ページをご覧ください。6、令和七年度都立高等学校(全日制・定時制・通信制)入試の受検者数及び合格者数でございます。
 都立高等学校全日制、定時制、通信制における受検者数、合格者数について、募集の区分別にそれぞれ記載しております。
 八ページをご覧ください。7、区市町村立小・中学校の情緒障害等通級指導学級及び特別支援教室設置校数・拠点校数・児童生徒数・教員数・専門員数(令和三年度から令和七年度まで)でございます。
 (1)、区市町村立小学校における特別支援教室の設置校数及び拠点校数について、九ページの(2)、児童数、教員数及び専門員数について、区市町村別、年度別にそれぞれ記載しております。
 また、一〇ページの(3)、区市町村立中学校における情緒障害等通級指導学級及び特別支援教室の設置校数及び拠点校数について、一一ページの(4)、生徒数、教員数及び専門員数について、区市町村別、年度別にそれぞれ記載しております。
 一二ページをご覧ください。8、区市町村立小・中学校の自閉症・情緒障害特別支援学級(固定)設置状況(令和三年度から令和七年度まで)でございます。
 (1)、区市町村立小学校における自閉症・情緒障害特別支援学級(固定)の設置校数及び学級数について、区市町村別、年度別にそれぞれ記載しております。
 また、一三ページの(2)、区市町村立中学校につきまして、同内容を記載しております。
 一四ページをご覧ください。9、都立学校「自立支援チーム」の実績とユースアドバイザー、ユースソーシャルワーカー(主任)及びユースソーシャルワーカーの新規採用人数でございます。
 (1)は、都立学校自立支援チームが令和二年度から令和六年度までの各年度において支援を行った学校数、支援対応生徒数及び支援累計回数について、区分ごとにそれぞれ記載しております。
 また、一五ページの(2)、ユースアドバイザー等の新規採用人数について、採用年月別、職種別にそれぞれ記載しております。
 一六ページをご覧ください。10、都内教育支援センターの区市町村別設置数と学びの多様化学校及びチャレンジクラス一覧でございます。
 (1)は、令和六年五月一日現在における都内教育支援センターの区市町村別の設置数について記載しております。(2)は、令和七年四月一日現在における学びの多様化学校の学校名、管理機関及び開校年月についてそれぞれ記載しております。(3)は、令和六年四月一日現在におけるチャレンジクラスの学校名、管理機関及び設置年月についてそれぞれ記載しております。
 一八ページをご覧ください。11、改築、大規模改修等の工事中又は工事予定のある都立学校でございます。
 令和七年三月三十一日現在における高等学校等と特別支援学校の状況について、それぞれ記載しております。
 一九ページをご覧ください。12、東京都中学校英語スピーキングテスト事業におけるトラブルや機器不具合などの報告内容及び決算額(令和六年度)でございます。
 (1)は、都教育委員会との協定に基づき本事業を実施したブリティッシュ・カウンシルから報告のあったトラブルや機器不具合等を記載しております。また、(2)は、令和六年度における本事業の決算額及び主な支出項目を記載しております。
 二〇ページをご覧ください。13、中学校英語スピーキングテスト事業者の最終報告書(令和六年度)でございます。
 本事業を実施したブリティッシュ・カウンシルから提出のあった令和六年度における報告書の写しでございます。
 ページが飛びますが、一〇三ページをご覧ください。14、中学校英語スピーキングテストの実施協定(令和六年度)でございます。
 本事業について、都教育委員会とブリティッシュ・カウンシルが締結した令和六年度の実施協定の写しでございます。
 ページが飛びまして、一三八ページをご覧ください。15、都内公立小・中学校及び高等学校の不登校児童・生徒数と不登校出現率の推移(平成十六年度から令和五年度まで)でございます。
 各年度における不登校児童生徒数と不登校出現率を校種別に記載しております。
 要求のございました資料の説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○河野委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○高野委員 都民ファーストの会、高野たかひろです。よろしくお願いします。
 障害のある方や高齢者との交流や体験を通じて互いの理解を深めることは、共生社会の実現に欠かせない学びであります。
 都立高校で実施されるインクルーシブ体験プログラムは、若い世代にインクルーシブ社会の価値を実感させ、将来の担い手を育成する極めて重要な取組でもあります。
 そこで、インクルーシブ体験プログラムとは具体的にどのような取組を行っているのか、令和六年度は、都立高校における実績について併せて伺います。

○神永地域教育支援部長 都教育委員会は、障害のある人もない人も、一人一人がお互いを認め合い、尊重し合う社会の実現等に向け、都立高校の授業等におきまして、障害者理解を深める体験的なプログラムを実施しております。
 具体的には、インクルーシブな学びの支援に取り組む企業、NPO等と連携し、多様な参加者がそれぞれの体で表現するダンスや、パラスポーツの楽しさや魅力を体験するプログラムなどを行っております。
 令和六年度は、三十七の都立高校におきまして七十八プログラムを実施いたしました。

○高野委員 インクルーシブな体験は、単なる学習活動にとどまらず、生徒一人一人が他者の存在を尊重し、自らの生き方を見詰め直す貴重な機会でもあります。
 この事業の実施により、生徒にどのような成果や効果を期待しているのか、また、どのように効果を検証しているのか伺います。

○神永地域教育支援部長 本プログラムの実施を通じまして、都立高校生等が障害のある人等と関わり、当事者の生活や思いについて実際に触れ、共生社会の必要性を理解することで、インクルーシブ社会の担い手となる人材の育成を目指しております。
 また、プログラム実施後は、有識者で構成する会議におきまして評価を行い、その内容を踏まえ、プログラムの改善に努めておるところでございます。

○高野委員 ありがとうございます。生徒が実際の体験を通じて共生社会への理解を深めている点は、大変意義深い取組だと思います。今後は、こうした学びをより多くの学校に広げていくことが重要ですので、引き続き取り組んでいただきたいです。
 次に、区市町村への不登校対応支援事業について伺います。
 不登校の児童生徒数は年々増加し、各家庭が抱える課題も多様化しています。その解決に当たり、家庭、学校、福祉をつなぐ役割を担うスクールソーシャルワーカーの存在は極めて重要であります。
 本事業は、都立学校で培ったノウハウを区市町村にも広げ、不登校児童生徒への対応力を高めるものとして大きな意義を持つと考えています。
 そこで、令和六年度にスクールソーシャルワーカーの機能強化のために新たな予算が計上されていますが、その内容及び取組状況について伺います。

○神永地域教育支援部長 都教育委員会は、令和六年度から区市町村教育委員会のスクールソーシャルワーカーの質の維持向上を図るための支援を開始いたしました。
 具体的には、専門性の高い都のユースソーシャルワーカー等を区市町村教育委員会に派遣し、助言、サポート等を行うほか、スクールソーシャルワーカーを対象に、実務や児童虐待等の課題に関する研修を八回実施いたしまして、延べ六百九十六人の参加がございました。
 また、区市町村の教育委員会担当者を対象にいたしまして、スクールソーシャルワーカーの業務への理解等を深める研修を二回実施し、三十八自治体の参加がございました。
 加えて、令和七年三月には、スクールソーシャルワーカーの活用に当たっての留意点等をまとめたガイドラインを作成し、区市町村教育委員会へ周知を行ったところでございます。

○高野委員 今ご答弁いただいたとおり、都においては、研修やガイドラインの策定など、スクールソーシャルワーカーの資質向上に向けた取組が着実に進められています。
 一方で、現場の支援力をさらに高めていくためには、都立学校で培われた実践的なノウハウを区市町村にも広く共有していくことが重要です。
 そこで伺います。
 都立学校で培ったユースソーシャルワーカーの専門性を、区市町村にどのように還元していくのか伺います。

○神永地域教育支援部長 都教育委員会は、生徒一人一人の状況やニーズに対応した支援を行うユースソーシャルワーカーを都立学校に派遣し、教員や生徒との日常的なコミュニケーションを通じて関係を構築し、相談しやすい関係をつくるとともに、生徒の日々の変化を早期に把握し、支援するためのノウハウを蓄積してまいりました。
 こうしたノウハウを生かしまして、令和六年度は、経験豊富なユースソーシャルワーカーをスーパーバイザーとして、月に一回程度、四つの区市へ派遣し、困難な事案の対応や教員との連携について助言を行うなど、スクールソーシャルワーカーの育成支援を行いました。

○高野委員 都の取組により、スクールソーシャルワーカーの専門性向上と体制強化が進んでいることは評価します。
 一方で、自治体間で支援体制やノウハウの共有に差が見られることから、今後は、ユースソーシャルワーカーの知見を生かした実地研修や伴走支援の仕組みづくりをより進めるべきと考えます。現場の課題に即した支援が全ての地域で実現するよう、さらなる展開を強く求めます。
 次に、チャレンジクラスの設置について伺います。
 不登校児童生徒数が増加する中、一人一人のニーズに応じた学びの場を確保することは、教育行政にとって喫緊の課題であります。
 令和六年度に新たに設置されたチャレンジクラスは、学びから長く離れてしまうことのないよう生徒を支える重要な施策であり、将来の社会参加へとつながる大切な取組と考えます。チャレンジクラスの設置について、対象となる中学校の令和六年度の人員配置や教室整備の状況及び執行率について伺います。

○山田指導部長グローバル人材育成調整担当部長兼務 都教育委員会は、令和六年度から中学校を十校選び、各学年に一つずつ学級を設け、教員を配置し、不登校の生徒に学びを提供するチャレンジクラスの仕組みを開始いたしました。
 設置に際しては、各学校が机や椅子、ロッカーやパーティション等の備品購入や空調等の設備整備を行うなど、生徒の学習環境の充実を図ることができるよう支援を行いました。
 令和六年度予算の執行率は六三・七%となっております。

○高野委員 環境整備として着実に進められていることが分かりました。現在は十校とはいえ、こうした取組が各校で安定的に機能し、生徒一人一人の状況に応じた支援につながるよう、今後の運営体制のさらなる充実を図っていただくことを要望します。
 また、このチャレンジクラスについて、不登校生徒数の減少や学び直しの機会確保といった観点から、どのような達成目標を設定しているのか、また、その達成状況と併せて伺います。

○山田指導部長グローバル人材育成調整担当部長兼務 チャレンジクラスは、不登校生徒が安心して学校生活を送ることができるようなゆとりある時間割を実現し、生徒の状況等に応じた支援を行うことを目的としています。
 都教育委員会が定めたチャレンジクラスに係るガイドラインにおいて、登校日数の増加、学校内外の機関等や教員による相談、指導等を受けていない生徒の解消等を具体的な達成目標として設定しております。
 この学級に通った生徒の約七割が前年度より出席の日数は増え、着実な学習に取り組んでおりました。
 また、チャレンジクラスの教員が不登校の子供の家庭を訪問し、子供をサポートする様々な関係機関につなぐなどの成果を上げることができました。

○高野委員 チャレンジクラスを設置することは、不登校生徒の学びの継続だけでなく、自己肯定感の向上といった効果もあるのではないかと考えています。家庭、地域との連携も含め、社会的自立に向けて取り組み、充実が図れるよう期待しております。
 次に、不登校生徒に関して伺います。
 早期に気づき、支援につながることは、不登校の未然防止や子供たちの健やかな成長を守るために極めて重要であります。
 令和六年度から都立小台橋高校に設置されました校内居場所カフェについて、校内居場所カフェはどのように運営しているのか、ユースソーシャルワーカーがどのように生徒をサポートし、不登校の未然防止や日常的な相談対応を行っているのか伺います。

○神永地域教育支援部長 校内居場所カフェでは、ユースソーシャルワーカーが生徒との日常的なコミュニケーションを通して信頼関係を構築することによりまして、生徒が抱える進路や生活、家庭等の様々な課題、悩みを早期に発見し、一人一人の生徒に応じた支援を実施しているところでございます

○高野委員 生徒に寄り添いながらのラポールの形成は大変意義深いと感じております。
 その上で、より効果的な支援のためには、教員や関係機関との包括的な連携が欠かせません。
 次に、こうした連携やネットワーク体制について伺います。
 教員との連携や校内外の支援機関とのネットワークがどのように構築されているのか伺います。

○神永地域教育支援部長 校内居場所カフェを利用した生徒のうち、困難な課題を抱える生徒に関する状況等につきましては、定期的にユースソーシャルワーカーが教員と情報共有を行っております。また、必要に応じまして、福祉や医療、就労等の関係機関につなげるなど、生徒の社会的、職業的自立に向けた支援を行っております。

○高野委員 教員との情報共有や各関係機関への連携が進んでいる点は、非常に重要な取組であると評価します。
 特に、ユースソーシャルワーカーが日常的な関係構築を通して生徒の課題を早期に発見し、専門機関へとつなげていく仕組みは、学校現場における福祉と教育の接点として大きな意義があります。
 一方で、こうした支援の輪が持続的に機能していくためには、現場の教員やスクールソーシャルワーカーとの連携を形式的な報告、共有にとどめず、実際に支援方針を共に考える伴走的なチーム支援として定着させていくことが求められています。
 次に、校内居場所カフェの取組においてどのような効果や成果があったのか伺います。

○神永地域教育支援部長 令和六年度、都立小台橋高校の校内居場所カフェを利用した延べ生徒数は約三千三百名でございます。この取組につきまして、教員からは、気軽に話を聞いてほしいという生徒にとって、よい場所であるという意見がございました。また、校内居場所カフェに通うことで生徒の安定的な登校につながったなどの成果も見られたところでございます。

○高野委員 校内居場所カフェの取組は、生徒にとって安心できる居場所をつくり、ユースソーシャルワーカーを中心に、早期支援へとつなげる意義ある施策であると評価します。
 令和六年度は、小台橋高校の一校での実施ですが、こうした取組をモデルとして検証し、今後はより多くの都立学校へと広げていくことが重要だと思っています。一人一人の生徒が孤立することなく、自分のペースで学びに戻れるような環境づくりに向けて、継続的な支援と展開を進めていただくことを要望し、質問を終わらせていただきます。

○せりざわ委員 よろしくお願いします。
 私からは、まず、教員の成り手不足について質問をさせていただきます。
 近年、全国的に全ての自治体で教員の成り手不足というのが深刻な課題となっております。文科省の調査だと、令和六年度の選考試験では、全国平均が三・二倍と過去最低となっています。校種別に見ても、小学校が二・二、中学校が四・〇、高等学校四・三と、いずれも低下傾向が続いており、特に小学校の志願者の減少というのが顕著な状態であります。
 東京都においても同様の傾向でありまして、倍率が一・七倍と僅かに改善したものの、依然として厳しい状況が続いております。
 こうした状況の中で、教員の採用選考のそもそもの応募者数を増やすということは喫緊の課題であり、昨年の第二分科会において我が党の増山都議が、教員志望者の幅広い掘り起こしのための選考制度の見直しやPRの強化について質疑を行ったところであります。
 教員選考の応募者数を増やすという意味で、この採用選考の応募者数を増やすための令和六年度東京都の教育委員会がどのような取組を行ってきたのか、また実績も含めて、まずお聞かせください。

○秋田人事部長 都教育委員会では、学生の負担軽減に向けた大学三年生での一部前倒し受験の導入や、選考時に教員免許を持たない方も受験可能な社会人選考の年齢要件の緩和、一定の教員経験を有する方を主任教諭として任用するキャリア選考など、採用選考制度の見直しを行ってきたところでございます。
 令和六年度におきましては、先ほど申し上げました大学三年生の前倒し選考につきましては、前年度の通過者である約一千三百名が本選考を受験しているほか、初めて実施いたしましたキャリア選考におきましては、二百三十五名の方に受験をしていただいております。
 また、さらに幅広く志望者層を掘り起こすということの目的で、現職教員との直接交流であるとか、授業づくり等を体験できるイベントとして、TOKYO教育Festa!を実施しておりまして、令和六年度につきましては、一千名を超える学生、社会人等の方々にご来場いただいております。

○せりざわ委員 まだ教員免許を持っていない方に対しても募集をしていくというような、様々新しい取組というのも確認をさせていただきました。
 都の教育委員会のプレス発表資料によれば、今年の夏の採用選考者数は九千九十九人と、三年続けて増加をしていると。五年ぶりに九千人台を回復したということであって、答弁のあった取組の効果が少しずつ現れてきたものと評価をさせていただきます。
 一方で、メンタルケアであったりとか働き方改革、いわゆる先ほどの入り口を増やしていくっていうところとは別に、離職者数を減らしていく、もしくは休職者数を減らしていくという取組も非常に大切な問題かと思います。
 東京都において、メンタル不調になってしまって退職してしまうという方も一部いらっしゃるのかと思いますが、その未然防止として、誰もが気軽に専門家に相談できる機会の確保が重要なのかと考えております。
 東京都の教育委員会の方から、臨床心理士等の専門家が学校を訪問するアウトリーチ型の相談事業を実施していると聞いていますが、本事業の令和六年度の実績や現場の声なども含めて、成果を教えてください。

○矢野人事企画担当部長教職員支援担当部長兼務 都教育委員会は、安心して働ける環境づくりを推進するため、令和六年度、臨床心理士が小中学校及び都立学校を訪問し、教員と面談するアウトリーチ型相談事業を行いました。
 面談を希望した約五百校の全教員とともに、小学校の全ての新規採用教員等を対象に、合わせて二万三千百二十五件の面談を実施したところでございます。
 面談を受けた教員からは、気軽に相談することができ安心感につながった、話をしていろいろと気づきがあったなどの声が寄せられております。
 また、面談結果等を分析いたしまして各学校に提供することで、職場の環境改善にもつなげております。

○せりざわ委員 都内の多くの、二万件を超える面談実績ということで、派遣相談を実施したことは大変評価をさせていただきます。
 先ほどの質疑の中でも、子供の家庭を取り巻く環境が多様化しているという話もありましたが、この教員のストレスについても非常に多様化が進んでいると思います。カスタマーハラスメントであったりとか様々な原因があって、人事行政調査でも、休職者数というのはまだまだ増加傾向という話も伺っております。ぜひ東京都として、この事業、好評であることを伺いましたので、引き続きのメンタルケア、メンタル対策について取り組んでいただければと思います。
 また、教員一人一人が生き生きと働ける環境をつくる、これがストレスの緩和剤になっていく、そしてやりがいになっていくと確信をしております。教員という職の魅力向上、もしくは離職の防止、確保にもつながっていくと考えております。
 教員が安心して働き続けるためには、例えば長時間勤務の改善であったりとか、負担軽減を図っていく働き方改革を東京都として実施をしていただきたいと思います。
 令和六年度の都教育委員会として、業務の見直しや外部人材の活用もしくは教員の働き方改革について、どのような取組を行ってきたのか、お聞かせください。

○矢野人事企画担当部長教職員支援担当部長兼務 都教育委員会は、令和六年度、学校の業務改革を支援するため、小中高校等四つの学校で、コンサルタントを活用いたしまして伴走型で支援する取組をモデル的に行いました。教員自ら働き方や職場運営の課題について検討を行い、会議時間や電話対応の時間の制限、定時退勤日の設定など、具体的な改善策を順次実行いたしまして、教員の意識改革にもつなげました。
 また、教員の業務負担を軽減するため、資料の印刷など、教員でなくてもできる業務を代わりに行いますスクールサポートスタッフを小中学校に千九百九十五人配置いたしました。
 さらに、小中高校等を対象にいたしまして、昇任間もない副校長がいる学校や業務負担の大きい学校などには、副校長を補佐する支援員を千三百二十三人配置するなどいたしまして、外部人材を積極的に活用いたしました。

○せりざわ委員 コンサルタントによる第三者視点の業務改革であったり、外部人材の手厚い配置を取り組んでいることは評価をさせていただきます。
 働きやすい職場づくりを進めるため、さらなる教員の負担軽減が必要であります。せっかく子供たちの教育を担おうと思った、夢を持った人材が、様々な原因でそこの職から離れていくということは、少しでもなくしていきたいと思いますので、今後の学校の働き方改革、積極的に引き続き取り組んでいただければと思います。
 続けて、偽・誤情報もしくはAIといったリテラシーの教育についてお伺いをさせていただきます。
 近年、AI技術の向上であったりとかSNSの普及であったりとか、子供を取り巻くデジタル環境というのは年々変わってきていると思います。特に、生成AIの誕生によって子供の教育というのが大きく変化をしたと思っております。
 生成AIでアイデアや質問を投げかけて、回答やフィードバックをもらって、新しい視点、発想を得るなど、様々な学びが進化をしている一方で、課題も顕在化していると思います。
 生成AIのディープフェイク技術を使って、実在する人物の偽動画であったりとか、災害映像の偽動画というのが簡単に作成をできて、我々選挙の際にも非常に対応に苦慮することもありました。
 SNSで短時間に広範囲に情報が拡散されるようになったこともあり、総務省が今年の五月に公表したICTリテラシー実態調査によると、偽・誤情報に接触した人のうち、約二五%が何らかの形で情報の拡散をしてしまっていると。そして批判的な手法をもって、してしまっているという調査があって、批判的思考をもって、この情報が正しいんだろうかということをしっかり読み解く力を身につけることが急務だと考えております。
 まず、偽・誤情報に対して、学校教育の中でこのリテラシー向上に向けてどのような取組を行ってきたのか、お聞かせください。

○池田デジタル推進担当部長DX推進担当部長兼務 都教育委員会は、公立学校向けに作成しているGIGAワークブックとうきょうにおいて、偽・誤情報への対策を取り上げており、昨年度も教材を二件開発いたしまして、計十八件と内容を充実させました。
 本教材では、ファクトチェックの方法について示しております。具体的には、一次情報であるかの確認や情報の発表時期の確認、得られた情報とほかの情報との突き合わせなど、発達段階に応じて活用できるよう示しております。
 昨年度は、情報活用能力育成研究校において、これらの教材を活用した授業実践を行い、効果的な事例として展開することで、学校での活用を促進いたしました。
 また、都立高校等においては、情報源の信頼度や検証など、より高度な内容についても、必修科目である教科、情報Ⅰにおいて指導しております。

○せりざわ委員 偽・誤情報対応ということで、既に様々対策を取られているということが分かりました。特に、この対応力の向上というのは、スマートフォンを持ち始めることの多い小学校中学年から体系的に育成をしていくことが重要だと考えております。
 デジタル技術の進展により、どんどん巧妙化していく偽・誤情報、かつてはよく見れば、よく調べれば分かったものが、なかなかよく見ても調べても分かりづらいような偽・誤情報というのが増えてきておりますので、引き続き新しい情報を取り入れながら、この対策、取組というのを推進していくことを要望いたします。
 次に、生成AIに特化したリテラシーについても確認をさせていただきます。
 先ほど申し上げたように、生成AIは、子供たちが適切に活用すれば、思考力や表現力を向上させることのできる有効なツールである一方で、偏りのある情報の生成や、依存、過信といったリスクも存在をします。
 こうしたメリットと注意点を正しく理解をして、適切に、排除するんではなくて、適切に活用するための教育が必要だと考えております。AIリテラシーの向上について、この取組をお聞かせください。

○池田デジタル推進担当部長DX推進担当部長兼務 昨年度は、生成AIの効果的な活用について研究を深めるため、都立高校や特別支援学校等から研究校を二十校指定いたしまして、ハルシネーションやバイアス等の特性を理解するための授業内容や、各教科における生成AIの利活用方法等について検討を行い、リテラシーを高めるための指導事例を開発しました。
 例えば化学の授業においては、生成AIが作成した実験計画や注意事項について、生徒が批判的思考を持って精査することで、適切な実験結果を得るための正しい手順の確認、適切な実験機器の選定、安全性の確保など、実験を多面的に考えさせる指導事例を開発いたしました。
 また、これらの成果を踏まえ、都立学校生成AI利活用ガイドラインや、初回授業用のモデル指導案と教材の素案を作成しました。

○せりざわ委員 ありがとうございます。生成AIに頼ると、子供の思考力や表現力が育たなくなるという懸念もしばしば耳にします。そして、それを理由に排除しようというような方もいらっしゃるんですが、私は、学校現場において生成AIの効果的な活用を研究していただきたいと思っておりますし、授業で利活用をつなげたというのは、大きく評価できるものだと思います。今後も生成AIを適切に活用できるように取組を進めていくことを要望させていただきます。
 最後に、デフリンピックについてお伺いをいたします。
 来月、いよいよ日本で初開催となるデフリンピックでありますが、教育委員会として、聴覚障害者の当事者であるろう学校の子供たちに対して、令和六年度どのような取組を行ってきたのか、お聞かせください。

○西山特別支援教育推進担当部長 都教育委員会は、令和六年度、都立ろう学校におきまして、デフアスリート派遣による競技体験や国際手話の学習会の開催等を行ってございます。
 また、デフスポーツ環境等をさらに向上するため、体育館などにおいて、審判の笛を発光ランプで知らせる装置を設置するなどの取組を充実し、スポーツへの理解、関心や国際理解教育の推進を図り、デフリンピック開催の機運を醸成いたしました。

○せりざわ委員 様々な取組について理解をさせていただきました。
 こういった、パラリンピックもそうですけれども、一番大切なのはレガシー教育だと思っております。当事者も含めて、そして当事者以外の方も含めて、デフリンピックを契機に、様々な学びが東京でどんどん発展していくことを要望して、質問を終わります。

○もり委員 私からも、令和六年度の教育庁関連の事業について質問をさせていただきます。
 まず初めに、不登校支援について伺います。
 令和五年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査によると、令和五年度、都内公立小中学校における不登校児童生徒数は約三万一千人に達し、十一年連続で増加しています。これは、教育現場における喫緊の課題であり、子供たちの学びの保障と社会的自立の支援が急務となっています。
 令和六年度、東京都教育庁は様々な不登校対策を講じてきましたが、その成果と課題について、決算の視点から伺ってまいります。
 不登校児童数は過去最多を更新し、東京都は、不登校、中途退学対策として令和六年度予算現額十七億五千三百五十一万八千円を計上し、対策強化に取り組んできたところですが、支出済額は九億三千六百五十九万八千三百九十七円、執行率は五三・四%にとどまっております。その主な理由を伺います。

○山田指導部長グローバル人材育成調整担当部長兼務 都教育委員会は、不登校、中途退学対策として、校内の別室に支援員を配置する事業などを行いました。
 令和六年度については、計画どおり公立小中学校三百八十八校に配置する中で、支援員の配置を工夫することにより、事業の効率的な執行などが図られたものでございます。

○もり委員 東京都は、学びの多様化校として不登校特例校の設置を支援し、全国二十四校のうち、令和五年度は都内公立五校が設置されましたが、令和六年度の取組実績についてお伺いをいたします。

○山田指導部長グローバル人材育成調整担当部長兼務 都内の区市町村が設置する学びの多様化学校は、令和六年四月一日時点で、本校型、分教室型合わせて六校でございます。

○もり委員 特例校では、自分に合った学びを通して意欲を高める子供が増加したとのよさが示されておりますが、一方で保護者からは、家に近い学校に通うことができないのに、特例校を設置するよりも、身近な学校に通えるよう校内フリースクールの設置を望む声が多く聞かれます。
 令和六年度に新規設置されたチャレンジクラス、不登校対応校内分教室について、中学校十校三十学級の整備計画が示されました。生徒一人一人の状況に応じた柔軟な学びにより、出席率や学習意欲向上などが期待されますが、令和六年度の取組実績と具体的な成果をどのように評価するのか、そこから見える課題についてお伺いをいたします。

○山田指導部長グローバル人材育成調整担当部長兼務 都教育委員会は、令和六年度、中学校十校にチャレンジクラスを設置しました。このクラスでは、生徒が安心して学校生活を送ることができ、出席日数が増えるなどの成果が上げられております。

○もり委員 ただいま効果について、生徒が安心して通うことができ、出席日数が増えると、成果についてご答弁いただきました。
 地元大田区においても、不登校特例校の設置を進めておりますが、保護者の希望に寄り添う取組として、児童が安心して通い、学校生活を送ることができるよう、自治体と連携しながらチャレンジクラスの設置を拡充していただきたいと要望いたします。
 令和六年度新規事業として、不登校対応巡回教員の配置、校内別室指導員の拡充について、令和六年度の配置数、活動内容、支援効果についてお伺いをいたします。特に、令和六年度における好事例など現場での具体的な成果があれば教えてください。

○山田指導部長グローバル人材育成調整担当部長兼務 都教育委員会は、令和六年度、中学校百四十三校を対象に三十三人の巡回教員を配置いたしました。これにより、子供へのきめ細かい支援を行い、生徒が安心して利用できる校内別室の環境を実現するなどの成果が出ました。
 また、区市町村に対して、小学校百五十六校、中学校二百三十二校分の校内別室指導支援員の配置経費を補助いたしました。この支援員の付添いにより、子供が授業に参加できるようになるなどの成果が出ております。

○もり委員 ありがとうございます。子供たちへのきめ細やかな支援に取り組んでいただいていることを高く評価いたします。引き続き、不登校の要因は様々ですが、学習面でのつまずきや人間関係など、子供たちが不登校の初期の段階で安心できる居場所となるよう、引き続き現場の必要に応じて支援員の配置を推進していただきますようお願いいたします。
 また、令和六年八月、東京都教育委員会と国立大学法人東京学芸大学により、フリースクール等に通う不登校児童・生徒支援調査研究事業報告書により、令和四年、五年と、千二百八十二名の声が取りまとめられました。そこから見えたフリースクール等に通う不登校児童への支援の課題と、どのように都の施策に反映したのかをお伺いいたします。

○山田指導部長グローバル人材育成調整担当部長兼務 フリースクールに通う児童等に係る研究の報告書により、不登校の未然防止、早期支援の充実の重要性などの考えが示されました。これにより、不登校の子供への効果的な対応事例を集めたデータベースの活用を教員に周知いたしました。

○もり委員 ありがとうございます。不登校の子供たちが、一人一人安心して学びの場を選べるよう、制度の柔軟性と支援の充実が求められます。自治体における多様な学び学校、校内フリースクールの設置に向けた支援拡充、また、子供たちに向き合うきめ細やかな人員の拡充等、フリースクールの支援助成はまた別の局となりますが、連携強化など、令和七年度以降も継続的な改善と予算確保を強く要望いたします。
 次に、新しい学校づくり重点支援事業について伺います。
 令和六年度予算現額二千万円が計上され、執行率は四一・六%と五割を切っておりますが、その理由をどのように検証しているのか、お伺いをいたします。

○神永地域教育支援部長 新しい学校づくり重点支援事業では、区市町村の新しい学校づくりに必要な経費への補助を行っております。
 この事業につきまして、令和六年度は、申請のあった内容に比べて実際にかかった経費が少なく、補助の執行率が低くなっているところでございます。

○もり委員 備品等の契約差金であるとのご答弁でした。区市のニーズに応じて活用しやすい事業となるよう、引き続きよろしくお願いいたします。
 次に、教育現場における働き方改革の取組についてお伺いいたします。
 都内の公立学校において、教員不足は深刻かつ喫緊の課題であり、その原因となっている教員の長時間労働、保護者対応や生徒指導の負担が挙げられ、都では、学校における働き方改革等の推進に取り組んでおります。
 一方で、決算において、働きやすい職場づくり支援事業は、予算現額四億四千一万二千円、支出済額は一億九千九百四十七万八千五百四円、執行率は四五・三%にとどまっております。その理由と実施状況についてお伺いをいたします。

○矢野人事企画担当部長教職員支援担当部長兼務 働きやすい職場づくり支援事業は、臨床心理士が小中学校及び都立学校を訪問し、教員と面談するアウトリーチ型相談事業等でございまして、二万三千百二十五件の面談を実施いたしました。
 執行率につきましては、事業を担う民間事業者との間で、予定を下回る水準で契約できたものでございます。

○もり委員 先ほども質疑がありましたが、二万件を超える面談を実施していただいていることを高く評価をいたします。
 新任教員の離職率が高い現状があり、一年以内に辞めるケースの背景には、十分な研修やサポートが受けられないまま即戦力として教壇に立たねばならず、現場での対応に苦慮されていることが指摘をされています。
 東京都教育庁では、新任教諭が小学校において、年齢の近い先輩教員にいつでも相談を行える新規採用教員メンターが令和六年度新たに導入され、現場定着と人材育成の向上から期待をされます。令和六年度の執行率は五四%となっております。令和六年度の取組状況についてお伺いをいたします。

○矢野人事企画担当部長教職員支援担当部長兼務 都教育委員会は、小学校におきまして、年齢の近い先輩教員に相談を行える新規採用教員メンターの仕組みを導入いたしました。これにより、千七百八十七名の教員がメンターとしてサポートを実施いたしました。
 この取組により、新規採用教員からは、メンターの行動を見て学べ、不安なく働けているなどの声が寄せられています。

○もり委員 現場からも、とてもよい事業であるという声を伺っております。ぜひ引き続きの拡充をお願い申し上げます。
 メンタルヘルスの不調による病気休職者の割合が増加している現状があります。都として原因を究明し、対策に取り組む必要があり、都は、一か月当たり四十五時間を超える教員をゼロにするとの目標を掲げていますが、令和六年度における取組状況と、東京都の教員における精神不調による病気休職者が令和五年度時点で八百三十名となっていることを踏まえ、昨年度どのような取組を行ったのか、お伺いをいたします。

○矢野人事企画担当部長教職員支援担当部長兼務 都教育委員会は、令和六年度、小中高校四つの学校で、コンサルタントを活用いたしまして伴走型で業務改革を支援する取組をモデル的に行いましたほか、スクールサポートスタッフなどの外部人材を配置する取組を行いました。
 さらに、教員の円滑な復帰及び再休職の防止を目的といたしました職場復帰訓練を実施しておりまして、令和六年度には八十二名が参加いたしました。

○もり委員 ありがとうございます。八十二名の方が参加されたということで、子供を取り巻く環境の多様化や、先生が大変多忙化している現状もあります。令和五年度、病気休職中の方が八百三十名という中においては、より多くの方がこの事業に参加をしていただきたいと考えます。
 また、その休職の原因がどこにあるのか、業務改革と職場復帰につなげていただきたいと、引き続きの取組に期待をしております。
 続きまして、エデュケーションアシスタントについてお伺いをいたします。
 令和六年度の利用実績と今後の課題について伺います。

○矢野人事企画担当部長教職員支援担当部長兼務 都教育委員会は、令和六年度、小学校低学年で副担任相当の業務を担うエデュケーションアシスタントを七百七十六校に配置する取組を後押しいたしました。その人材の確保に向けまして、区市町村教育委員会に対し、東京都教育支援機構、TEPROによります紹介を利用するよう促しております。

○もり委員 地域の学校現場から、大変助かっているという声を多くいただく一方で、派遣会社から全く教育経験のない方が派遣をされ、辞めてもらったとの声も伺いました。せっかく予算がついても、人の確保は各学校に任されていて、負担があるとの課題もあります。
 人材確保の支援について、都は令和二年より、東京都教育支援機構、TEPROにより、都内公立学校が必要とする多様な人材の開発、確保を行う人材バンク事業に取り組んでいただいております。令和六年度の登録人数と、学校現場への人材の紹介に当たりどのような研修を行ったのか、令和六年度の事業実績と取組、そこから見えた課題についてお伺いをいたします。

○相川教育政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 東京都教育支援機構、TEPROのSupporter Bank事業への登録者は、令和六年度末で一万六千二百六十二人でございます。
 この事業では、紹介した人材が学校で円滑に活動を開始できるよう、基本的な校内のルール等を学ぶ研修を行いました。引き続き、多様な人材の確保とその情報の提供を適切に行ってまいります。

○もり委員 今のご答弁でも、一万六千二百六十二名と多くの人材が登録をいただいており、教員の負担軽減に向け一層活用されるよう、現場からどのような人材が求められているのか、教育現場の声を反映させながら、事業の一層の充実に取り組んでいただきたいと考えます。
 先生方が生徒と向き合い、教えることに専念できるよう、専門性を持った外部人材の活用が、より図られることを願っています。
 そこで、令和六年三月、学校における働き方改革の推進に向けた実行プログラム別冊として、東京都公立学校における働き方改革取組事例集が取りまとめられ、学校、教員が担うべき業務の精査を行い、多様な外部人材の配置、拡充による教員の負担軽減に取り組んだ自治体の取組の好事例が掲載をされておりました。
 区費によるスクールカウンセラーの派遣により、いじめや不登校の問題解決と早期発見につながった事例、TEPRO、民間事業者との連携によるスクールロイヤー相談制度を実施した荒川区の事例が示されており、東京都いじめ対策委員会の答申においても、初期の段階からスクールカウンセラー、スクールロイヤー等が関わることの有効性、副校長会等の教育現場からも、スクールロイヤーを校内全地区に一定数配置を求める声が聞かれます。
 令和六年度におけるスクールロイヤーの配置について、取組と見解を伺います。

○山田指導部長グローバル人材育成調整担当部長兼務 都教育委員会は、弁護士が公立学校や保護者等に助言を行う取組や、東京都教育支援機構、TEPROを通じ、都立学校を対象とした弁護士による相談対応を行いました。
 また、いじめの早期解決に向け、弁護士が保護者をサポートする仕組みもつくっております。

○もり委員 いじめは本当に人権問題という立場からも、しっかりと弁護士さんが、学校の先生の負担にならない形で介入をしていただくというのは、大変意義がある事業であると思いますので、ぜひこの弁護士さん、スクールロイヤーの配置について、より一層の取組をお願いいたします。
 また、特別支援学校から、知的障害の小中学校におけるスクールカウンセラーの配置がないと、設置を望む声が聞かれます。令和六年度の取組と見解についてお伺いをいたします。

○山田指導部長グローバル人材育成調整担当部長兼務 都教育委員会は、昨年度、知的障害特別支援学校高等部の就業技術科等にスクールカウンセラーを配置するモデル事業を実施しております。これにより、スクールカウンセラーの活用について検討しております。

○もり委員 こちら、知的障害の特別支援学校の保護者の方にとっても、このスクールカウンセラーさんに相談できる体制というのは大変望まれております。今、検討というご答弁をいただきましたが、ぜひ、現場からも、保護者の方からも望む声が聞かれておりますので、一層の推進をお願いいたします。
 東京都は、インクルーシブ教育支援員配置の支援として、区市町村において、特別支援学校への就学が適当と判定された児童生徒が、より身近な区市町村立小中学校に就学し、日常生活上の介助や学習支援等を行うインクルーシブ教育支援員を配置した場合に、都教育委員会が財政的な支援を行うことで、障害のある児童生徒の多様な学びの場の整備に取り組んでおります。
 令和六年度の取組と進捗についてお伺いをいたします。

○西山特別支援教育推進担当部長 都教育委員会は、令和六年度、特別支援学校への就学が適当と判定された児童生徒が、公立小中学校で学ぶことを希望する場合の支援員配置に係る経費を支援してございます。これによりまして、二百二十六校の三百十九名の支援員に係る経費について助成を行いました。

○もり委員 心のバリアフリーを推進する段階でも、本当に小中学校の幼いうちから、子供たちの心のバリアを払拭する、また、様々なお子さんが同じ教室にいることで、健常の子供たちにとっても多くの学びを得る機会となると思います。親御さん、また本人の希望に合わせて、子供たちが一人一人に応じた教育現場を選べるよう、より一層の支援をお願いいたします。
 次に、教育現場における専門性を求める声が聞かれます。
 都立の特別支援学校において、都立ろう学校から盲学校への異動など、せっかく専門性を身につけた教員が、また一から手話や点字を獲得しなければならない状況があるとの声が聞かれます。学校現場の先生方からも、就任後にOJTで手話を学んだ、児童が先生に手話を教えているとの声も聞かれました。
 令和六年度の専門性を持った教員の育成と配置について、そのような異動が実際にあったのか、現状と課題についてお伺いをいたします。

○秋田人事部長 都教育委員会は、教員の定期的な異動を行っておりまして、多様な経験を積むということによって、教員の資質と能力の向上を図っております。
 令和六年度におきましても、異なる障害種別の特別支援学校の間での人事異動を実施しているところでございます。

○もり委員 実際に、異なる障害種別の特別支援学校の間で異動が行われているということで、多様な経験を積むということは大変重要なことであるんですけれども、一方で、保護者の方も、やはり特別な支援をより一層受けられるから、その学校を選んだという背景もあります。ぜひ、せっかく専門性を身につけた教員がその専門性をさらに深めていかれるような視点も大変重要だと思いますので、先生の希望にも沿っていただいて、この課題には引き続き検討をいただきたいと思います。
 次に、デフリンピックの開催に向け、いよいよ百回大会という記念すべき大会が、来月十一月十五日から始まります。デフリンピックの開催に向け、令和六年度教育庁の取組について、決算額と取組についてお伺いをいたします。

○西山特別支援教育推進担当部長 都教育委員会は、令和六年度、都立ろう学校におきまして、デフアスリート派遣による競技体験や国際手話の学習会の開催等を行ってございます。また、体育館等において、審判の笛を発光ランプで知らせる装置を設置するなどの取組も行いました。これによる決算額は約一千八百五十万円となっております。

○もり委員 令和六年度は、都立ろう学校においての実施ということでしたが、ぜひこちらは、より多くの子供たちがこのデフリンピックを契機に、多様なコミュニケーションの在り方というのを学んでいただく機会にしていただきたいと思います。引き続き、レガシーとしてもデフ教育の推進、また、一過性にとどまらない手話の教育などは、より普通学級のお子さんたちにも広げていただきたいと要望をいたします。
 次に、英語スピーキングテストについてお伺いをいたします。
 令和六年度に実施された中学校英語スピーキングテストの実施状況についてお伺いをいたします。

○山田指導部長グローバル人材育成調整担当部長兼務 英語スピーキングテストは、生徒の英語を話す力を伸ばす優れたきっかけとなり、学習意欲を高める効果を持ち、長年の英語教育の転換を実現する重要な取組として実施いたしました。
 YEAR3については七万七百四十一人、YEAR2については六万八千二百三十六人、YEAR1は六万七千七百四十三人が受験をいたしました。

○もり委員 昨年度、不具合があった児童が二百五十五名、再受験者が出るに至った要因をどのように考えるのか、お伺いをいたします。

○山田指導部長グローバル人材育成調整担当部長兼務 機器の不具合や現場対応の誤り等の理由によるものでございます。

○もり委員 機器の不具合や現場対応の誤りというのは、以前のベネッセの頃から、改善については、度重ねて議会からも要望してまいりました。
 受験者からの声、現場監督からどのような声が寄せられたのか、また、その声を受けてどのように対応したのか、お伺いをいたします。

○山田指導部長グローバル人材育成調整担当部長兼務 英語スピーキングテストでは、生徒の申出を直接聞く体制を整えており、自分の声の状況など録音に関するものや、テストの採点に関する問合せなどがあり、様々な確認を行うなどの対応を実施いたしました。
 また、スピーキングテストの事業者からは、適切に実施されたとの報告を受けております。

○もり委員 子供たちの声が、やはり様々問題があったという声を私たち議会の議連でも受けています。にもかかわらず、やはりこうしたことが起きてしまったということ。
 また、事業者からは適切に実施されたとの報告があるとのことですが、二百五十五名の再受験者が出るに至った、こういったことは、やはり適切に実施をされていないのではないかとの疑念があります。
 令和六年度にどのような改善を行っていただいたのか、取組についてお伺いをいたします。

○山田指導部長グローバル人材育成調整担当部長兼務 受験上の配慮が必要な生徒が余裕を持って申請できるよう、申請期間を延長いたしました。また、結果返却の内容については、様式を変更し、生徒一人一人が学習改善に一層つなげることができる工夫を行いました。
 さらに、中学校の教員の事務作業時間を一層確保するため、中学校への結果返却の日程を早めるなどの改善を行いました。

○もり委員 結果返却の内容について、様式を変更していただいたということなんですけれども、これ生徒が学習改善につなげることができるような内容には見てとることができませんでした。
 また、中学校に聞いても高校に伺っても、この結果がその後の授業で生かされたということが全く現状として、現場で生かされたようなものが見られないのも大変残念に思います。ぜひ、アチーブメントテストという名目で始まったこの事業ですけれども、やはり受検に使うためだけになっていないかという思いがあります。
 今回、私立中学校から令和六年度に都立学校に進学した生徒数についてどのように把握をしているのか、お伺いをいたします。

○佐藤都立学校教育部長 私立中学校から都立高校に進学した生徒数については把握しておりません。

○もり委員 では、私立中学校からESAT-Jを受験した生徒数について教えてください。

○山田指導部長グローバル人材育成調整担当部長兼務 私立中学校からの受験者数については公表しておりません。

○もり委員 先日は生文の質疑がありましたので、私は、その中で私立の担当の方に、日比谷高校ですとか、都立でもすごくいい学校については、私学からも入学をしている生徒がいる背景がありますので、ぜひ私学担当として、このESAT-Jを受験した生徒数についてどのように把握をしているか聞いたところ、このESAT-Jは、都教委の事業であるので、私学の担当としては全く把握をしていないということでした。
 また、受検に使われるということで、私学から都立高校を受検する生徒がESAT-Jを受けていない場合は、不受験者として、ほかの生徒の点数が付与される。一体どのぐらいの生徒が不受験者として点数が付与されたのか。こういったことを生文の私学担当の方に伺ったところ、大変驚いていらっしゃいました。受検で、ほかの生徒の点数が付与されるって、そんなことあっていいんですかと、私学の担当者もびっくりをしている、こういった現状があります。
 私たちは、議連でも毎年この課題について取り組んでいるんですけれども、子供たちが英語の話す能力を高めるような教育というのは、もっともっとやっていただきたいと思います。
 一方で、このESAT-Jにおいては、自分が受験をしなくても、ほかの生徒の点数が付与されるなど、受検としては本当にあってはならない課題がまだまだあるということを、ぜひ今後の改善に取り組んでいただくことを強く改めて要望をいたします。
 次に、都内の公立小中高に通う外国ルーツの子供たちへの偏見や差別、ヘイトスピーチから守るための教育の取組についてお伺いをいたします。
 都教委の調査では、外国人児童生徒が小学校に一万五千八百三十八人、中学校に四千九百十七人、高等学校に千六百三十九人が通っています。これは令和六年五月の数字ですが、年々増加している現状があります。
 しかし、現在、ネット上やSNS、街頭などで、外国人を排除するヘイトスピーチ等が飛び交い、外国ルーツの子供たちが安心して学校に通うことができているのか、懸念をする声が聞かれています。
 東京都教育委員会は、その目標に、誰一人取り残さず、全ての子供が将来への希望を持って、自ら伸び、育つ教育の実現を図っていくとあります。
 また、外国人の人権については、国がヘイトスピーチ解消法を制定し、その中でも、地方公共団体は、国との適切な役割分担を踏まえて、当該地域の実情に応じた差別行動の解消をするための教育活動を実施するものとされております。
 また、東京都は、オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例が東京都でも制定をされ、その中でも、不当な差別行動を解消するための啓発等を推進するものとあります。
 さらに、二〇一五年においても東京都人権施策推進指針が示され、その中にも、そういった外国人施策の方向性が示されており、都民に対し、外国人への理解を深め、偏見や誤解をなくすよう啓発を進めていくことが求められます。
 学校においては、広い視野を持ち、異文化を尊重する態度や異なる習慣、文化を持った人々と共に生きていく態度を育成するための教育の充実を図っていくとしています。
 また、ヘイトスピーチは、一人一人の人権が尊重され豊かで安心して生活できる成熟した社会を実現する観点からあってはならないことであり、国と連携した啓発を一層強化していくとともに、スポーツ団体等との連携により、多文化共生の重要性を訴えていきますと書かれております。
 ここで伺います。
 東京都教育委員会は、このような国の法律と都の条例の趣旨にのっとり、東京に住み、東京の公立学校に通う子供たちの多様性と人権を尊重する教育を進めるためにどのような取組をしているのでしょうか。
 さらに、もし万が一、子供たちが学校の内外からヘイトスピーチなどの被害を受けた場合、どのような対策を取るのか、令和六年度の取組と課題についてお伺いをいたします。

○山田指導部長グローバル人材育成調整担当部長兼務 都教育委員会は、人権教育の実践的な手引である人権教育プログラムに、人権課題、外国人に関わる内容を掲載し、公立学校の教員に配布しております。
 また、児童生徒が不安や悩みを抱えたときに信頼できる大人に相談することの大切さについて指導を行うよう、都立学校や区市町村教育委員会に周知しております。

○もり委員 既に、東京都いじめ防止対策推進条例において、都、区市町村、学校におけるいじめの未然防止、いじめの早期発見及びいじめへの対応のための対策が取られていますが、特に外国ルーツの子供たちがどのように安全に、そして安心して学校に通うことができるような取組は行われているのか、令和六年度の取組についてお伺いをいたします。

○山田指導部長グローバル人材育成調整担当部長兼務 都教育委員会は、いじめの早期発見や早期解決などに役立てるため、学校が実施する定期的なアンケートのほか、子供が利用しやすいSNSによる相談対応などを行いました。

○もり委員 ぜひ全ての子供たちが安心して未来に希望を持って学べるよう、さらなる対策について要望をいたします。
 次に、都立学校の入試、補欠募集における多くの不合格についての課題について伺います。
 都立高校の入試では、これまで都民の教育への期待と、都民の税金で成り立っている都立高校においては、希望する全ての受検生を、各学校が募集人数に満ちていない場合、その定員まで合格をさせていました。これは、都立学校の在り方として望ましいと考えます。
 しかしながら、補欠募集、つまり新一年生の入試以外の転入試験や編入試験の一から四年生の学期の途中や年度当初の入試においては、定員に満ちていない場合でも不合格の受検生を多く出しているという現場からの課題が挙げられています。
 これまで、補欠募集において、どれだけの受検生が、応募人数に満たない定員内での不合格になっているのか、その人数をお聞きします。また、募集人数と定員内不合格者について、この三年間のデータでお示しください。

○佐藤都立学校教育部長 全日制の高校におきまして、令和四年度の第一学年の二学期の募集人員は二千九名、受検者は百五十名、合格者は七十四名、不合格となった者は七十六名、そのうち定員内で不合格となった者は六十三名でございます。
 令和五年度の第一学年の二学期の募集人員は一千七百十八名、受検者は二百十五名、合格者は九十名、不合格となった者は百二十五名、そのうち定員内で不合格となった者は七十六名でございます。
 令和六年度の第一学年の二学期の募集人員は千四百九十八名、受検者は二百三十名、合格者は百三名、不合格となった者は百二十七名、そのうち定員内で不合格となった者は七十三名でございます。

○もり委員 定員内であっても、多くの生徒さんが入学をできていない現状についてご答弁がありました。例えば令和七年度の一学期だけで、全日制では五十七名が不合格、定時制は一人が不合格。単位制、三部制の学校などは、不合格が七十三名に上っています。特に、新しいタイプの昼夜間の定時制高校が不合格を多く出していることが指摘をされており、さらに二学期、三学期の補欠募集が追加され、年間の不合格者数はさらに増加すると思われます。
 新一年生と補欠募集では、どうしてこのような受検上の合否の違いがあるのか伺います。また、都民への説明責任を都教委はどのように考えているのか、お伺いをいたします。

○佐藤都立学校教育部長 新一年生の選考につきましては、定員を満たすこと、満たさない場合には、できるだけ定員を満たすことを重視して合格者を決定しております。
 一方、転学、編入学募集における選考では、入学後に学習活動についていくことができるかなどの判断基準を重視して合格者を決定しております。こうした考え方につきましては、実施要項等を事前に公表し、その中で明確に示してございます。

○もり委員 昨年度の入試においては、定時制高校だけではなく、全日制高校においても、新一年生の入試では募集倍率が一を切り、定員に満ちていない学校が見られました。また、今般私学の無償化の影響もあり、都立高校の定員数減少が予想される中、今後、都立高校を希望する受検生を、定員内での不合格とせずに、補欠募集においても積極的な受入れを行い、多様な生徒に対して学びのセーフティーネットとなっていただきたいと考えます。
 見解についてお伺いをいたします。

○佐藤都立学校教育部長 転学、編入学募集における選考におきましては、入学後に学習活動についていくことができるかなどの判断基準を重視して、合格者を決定してございます。

○もり委員 これまで東京都教育委員会は、小山台定時制や立川定時制などの募集を停止し、廃課程にする理由として、三部制の新設やクラス増を掲げてきましたが、今回の三部制の不合格の実態は、夜間定時制に代わるものとして、その役割を果たしていないのではないかということが懸念をされます。
 特に、補欠募集の不合格は、定時制の夜間高校がほとんどないのに対して、三部制、夜間定時制高校は相当数の不合格を出していますが、その理由についてお伺いをいたします。

○佐藤都立学校教育部長 定時制課程の高校におきましても、転学、編入学募集における選考では、入学後に学習活動についていくことができるかなどの判断基準を重視して、合格者を決定してございます。

○もり委員 夜間定時制では、補欠募集でほとんど不合格者を出していませんので、全ての子供たちのためには、夜間定時制を残してほしいとの声がいまだ根強く、また多くあります。三部制も、そのものが大き過ぎて、セーフティーネットの役割を果たしていないとの指摘が教育現場に携わる先生方からも聞かれ、大きな定時制を小さくして、子供に寄り添った学校に変えるべきではないでしょうか。
 一方で、学ぶ意欲を有する生徒に対して学びの場が保障されることは重要であり、そうした観点から、各教育委員会等においては、令和六年度、高等学校入学者選抜の改善等に関する状況調査等を通じて、定員内不合格を出さないよう取り扱っている例も含め、他の教育委員会における入学者選抜の実施方法等を参照するなどしていただくとともに、合理的な説明になっているかについて改めて検討いただきますようにお願いを申し上げます。
 特に、全日制において不登校になった生徒たちは、例えば学校の雰囲気や校則が自分に合わなかった、クラスでいじめなど人間関係に悩んでいた、アルバイトをして、学校に通わざるを得なくなったなど、様々な背景を持つ生徒たちがいます。
 都立学校は、都教委が目標とする誰一人取り残さない教育の実現のためにも、様々な理由で進路変更や中途退学をせざるを得なかった生徒たちを都立高校で積極的に受け入れていくべきだと考えます。
 都立高校における生徒の学びのセーフティーネットの視点から、多様な生徒を受け入れるセーフティーネットの学校をしっかりとつくり直すか、また、夜間定時制をなくさずに充実発展をさせていただきたいこと、こういった課題がいまだあるということを強く要望し、全質問を終わります。ありがとうございました。

○いいだ委員 よろしくお願いいたします。
 私からは、都政の喫緊の課題であります特別支援教育の充実、その中でも、特に学校現場における医療的ケア児への支援体制について伺います。
 現在、都立の特別支援学校におきましては、たんの吸引や経管栄養、人工呼吸器の管理など、日常的に医療的ケアを必要とする多くの児童生徒が在籍をし、保護者の皆様の多大なるご尽力の下、日々の学びを続けております。
 これらの子供たちが、他の児童生徒と同様に安全な環境の下で安心して学校生活を送り、その持つ可能性を最大限に伸ばしていくためには、専門的な知識と技術を有する看護師の配置が不可欠であります。
 医療的ケア児が在籍する学校現場において適切なケア体制を構築することは、子供たちの学ぶ権利を実質的に保障するための、まさに土台となる取組であります。
 都教育委員会におかれましても、これまで看護師の配置拡充に努めてこられたことは承知をしておりますけれども、医療的ケアのニーズは年々多様化、高度化しており、現場からはさらなる体制の充実を求める声が絶えません。
 そこで、看護師の配置について、令和六年度における都教育委員会の取組と実績についてお伺いをいたします。

○西山特別支援教育推進担当部長 都教育委員会は、医療的ケアが必要な幼児、児童生徒が在籍している全ての都立特別支援学校に看護師を配置し、安全かつ適切な医療的ケアの実施が可能な体制を整備してございます。
 令和六年度は、四十二校に対し延べ七百十名の看護師を配置いたしました。

○いいだ委員 ただいま、医療的ケア児が在籍する全ての都立特別支援学校、すなわち四十二校全てにおいて看護師を配置し、安全かつ適切な医療的ケアの実施が可能な体制を整備したとのご報告をいただきました。そして、令和六年度の具体的な配置実績として、延べ七百十名の看護師を配置されたと、このように伺いました。
 医療的ケアは、児童生徒の生命に直結する極めて重要な業務であり、その実施体制には、一瞬の隙も許されません。各学校において、児童生徒が必要とする時間帯に必要なケアが途切れることなく提供される体制を真に構築し、維持し続けていく必要があります。
 特に、児童生徒の登下校時、スクールバスでの移動中や、あるいは宿泊行事、校外学習といった教室を離れた活動の場面においても、看護師によるケア体制が万全なものとなるよう、引き続き強く要望をいたします。
 また、重要なのは、配置という量の側面だけではありません。学校現場で最も重要なのは、チームとしての対応です。看護師が単独でケアを担うのではなく、担当教員、養護教諭、そして管理職が、児童生徒の健康状態やケアに関する情報を緊密に共有をし、万が一の急変時には、学校全体として迅速かつ的確に対応できる連携体制の構築、そして具体的な緊急時対応訓練の実施を各学校現場で徹底するよう、都として一層強力に推進をしていただく必要があります。
 延べ七百十名という配置実績を確かな安心につなげるため、看護師の安定的な確保、定着に向けた処遇改善や働きやすい環境整備も含め、都教育委員会には、単なる配置にとどまらない、質の高い支援体制の継続的な構築と強化を強く要望し、次の質問に移ります。
 続きまして、学校看護師の専門性の向上についてお伺いをいたします。
 先ほどは、看護師の配置、すなわち量の側面について質疑させていただきましたが、次に問いたいのは、その質の担保であります。
 近年、医療の進化は目覚ましく、それに伴い、学校現場で必要とされる医療的ケアも年々高度化、複雑化の一途をたどっております。例えば、新しいタイプの人工呼吸器やITを活用したモニタリング機器など、一昔前には想定されていなかったような高度な医療機器を日常的に使用している児童生徒も増えてまいりました。
 こうした状況下にあって、学校でケアを担う看護師の皆様には、病院の看護師とはまた異なる学校現場特有の環境下で、最新の医療的知見と高度な技術を持って対応することが求められています。日々の業務に追われる中で、看護師が個人の努力だけに頼って最新の情報を学び続けることには限界があります。
 そこで、学校看護師が医療的ケアに関する最新の情報を得ながら医療的ケアを実施するための都教育委員会の取組について伺います。

○西山特別支援教育推進担当部長 都教育委員会は、毎年度の夏季休業中に、看護師等を対象といたしまして医学的知見の習得などを目的とした講習会を開催しております。令和六年度は、最新の排たん補助装置を用いた実技講習会を実施するなど、専門的な知識、技術を習得する機会を看護師に付与しております。
 今後とも、最新の医療情報や医療機器の取扱いに関する講習会を実施するなど、看護師の専門性の向上に取り組んでまいります。

○いいだ委員 看護師の専門性向上のため、毎年度、夏季休業中に講習会を開催しているとのお答えをいただきました。特に令和六年度の取組として、最新の排たん補助装置を用いた実技講習会を実施されたことは極めて重要です。
 その上で、今後のさらなる充実に向け、この夏季休業中の講習会を継続、拡充していただくとともに、例えば年度の途中であっても、新たな医療機器が導入された際には、迅速に情報共有や研修を開催できるような、より機動的な体制の構築もご検討いただければと思います。
 また、日常的に困難な事例に直面している看護師同士が、学校の垣根を越えて情報交換を行ったり専門医等に気軽に相談したりできるようなネットワークの構築支援や、オンラインを活用した継続的な学びのプラットフォーム整備も、専門性を維持向上させる上で非常に有効だと思います。
 都教育委員会におかれましては、配置された看護師の皆様が、常に自信と誇りを持って最新最善のケアを子供たちに提供し続けられるよう、その専門性の向上に対する支援の手を緩めることなく、より一層、多角的かつ継続的に講じていただくことを強く要望いたしまして、次の質問に移ります。
 続いて、現在、公立学校教員採用試験の競争率は全国的に過去最低水準にあり、特に令和五年度の全国平均は三・二倍と、深刻な教員不足が懸念をされております。
 都教育委員会におきましても、応募者数を増やすための多様な取組を進めておられることは承知をしております。
 しかしながら、近年、一部自治体では、合格者の採用辞退が大きな課題となっており、多大な労力をかけて採用した優秀な人材が、最終的に現場に着任しないという事態が生じております。
 この採用辞退の背景には、長時間労働や無償の地域活動参加といった教職の厳しい労働環境の懸念に加え、特に、一度教育現場から離れた、いわゆるペーパーティーチャーを含む合格者が抱える着任前の具体的な不安が大きく影響していると拝察をいたします。
 すなわち、今の現場についていけるか、指導スキルが通用するかといった実践的なスキルへの不安や、現場のリアルな実情に対する懸念であります。
 東京都においても、この合格者の不安を解消し、着任への意欲を醸成する対策は、応募者増の施策と並ぶ教員確保の生命線であると考えます。
 そこで、お伺いをいたします。
 応募者を増やすだけでなく、合格者の辞退を減らし、採用につなげる取組が重要と考えますが、令和六年度における都教育委員会の取組と実績について伺います。

○秋田人事部長 都教育委員会は、教員採用選考の合格者の不安解消と、四月からの着任に向けて意欲の醸成を図るための取組を実施しております。
 具体的には、教職経験のない方や教育現場から離れていた方も安心して着任できるよう、大学と連携いたしまして、模擬授業等の実践的な講習を実施しております。令和六年度につきましては、いわゆるペーパーティーチャーなど、延べ約四百七十名の合格者に参加していただいております。
 また、現役教員が合格者からの不安や疑問にオンラインでお答えする個別相談会や、他の合格者との交流会も実施しております。令和六年度の実績といたしましては、それぞれ約千名、約三百八十名の合格者が参加しておりまして、採用につなげているところでございます。

○いいだ委員 合格者の辞退防止という極めて重要な課題に対し、都教育委員会が、応募者増の入り口だけでなく、合格者を確実に現場につなぐ出口として手厚いフォローアップを実施されている点を評価いたします。
 特に、現場経験が少ない方々への模擬授業等の実践的な講習には、延べ約四百七十名もの参加があり、また、仕事のリアルな不安に答える現役教員による個別相談会には、実に約一千名もの合格者が参加をされました。さらに、仲間づくりを支援する交流会も行われています。
 これらの具体的かつきめ細やかな施策は、合格者が抱える実践スキルの不安や、現場のリアルな不安を解消する上で極めて有効であり、東京の採用競争力を高める重要な取組であるというふうに認識をしております。
 この充実したフォローアップ体制をより強固なものとするため、これらの施策が実際にどの程度採用辞退の抑制に結びついているのか、参加者と非参加者の辞退率などを比較し、エビデンスに基づいた評価を徹底して行っていただきたいというふうに思います。
 また、合格者の不安というソフト面の支援は不可欠でありますが、長時間労働や過度な地域活動といった教職のハード面の課題が解決されなければ、採用後の離職を防ぐことはできません。今後、このきめ細やかなフォローアップと並行して、教員が誇りを持って健康的に長く働ける環境整備に、さらに強力に取り組んでいただくよう重ねて要望をいたします。
 これらの取組を両輪で進めることが、未来の教育を担う優秀な人材の確保に直結するものと確信をし、次の質問に移らせていただきます。
 近年、スマートフォンの急速な普及に伴い、子供たちの悩みや不安は、いじめや友人関係、学業、家庭環境など従来のものに加え、SNSを通じたトラブルといった、より複雑で目に見えにくいものへと変化をしています。こうした悩みは、教員や保護者など、周りの大人が把握し切れないケースも少なくなく、子供たちが誰にも相談できず一人で抱え込み、不登校や、最悪の場合、自ら命を絶つといった事態に至ることは断じて避けなければなりません。
 そのような中、子供たちにとって最も身近なコミュニケーションツールであるSNSを活用し、匿名性も確保しながら気軽に相談できるSNS等教育相談は、悩みや不安を抱える子供たちにとって、まさに命のセーフティーネットともいえる大変重要な支援の窓口となっています。
 そこで伺います。
 子供たちが抱える不安や悩みへの対応について、都教育委員会が実施をしているSNS等教育相談の概要を伺います。

○山田指導部長グローバル人材育成調整担当部長兼務 都教育委員会は、いじめや友人関係等の様々な不安や悩みについて、子供が抱え込まずに気軽に相談できるよう、都内全ての小学生、中学生及び高校生を対象に、心理等の専門家が対応するSNS等教育相談を通年で実施しております。
 毎日午後三時から十一時まで、五人の相談員がチャットによる相談を受け付け、特に子供たちが不安を抱きやすいと考えられる長期休業が終了する前後の時期などには、十人体制で対応することとしております。

○いいだ委員 都内の全ての小中高生を対象に、通年で、しかも毎日午後三時から十一時という子供たちが最も相談しやすい時間帯に窓口を開設されていることを承知いたしました。特に、長期休業明けなど子供たちの不安が高まる時期を見据えて体制を十人に増強をし、相談の受皿を広げている点は、きめ細やかな配慮であり、重要な取組であるというふうに評価をいたします。
 しかし、どれほどすばらしい体制を整えても、それが実際に悩みを抱える子供たちに届き、利用されていなければ、その真価は発揮されません。この事業の有効性を測り、また、都内の子供たちがどのような悩みを抱えているのか、その実態を正確に把握するためには、具体的な利用状況の確認が不可欠であります。
 そこで、次に、実際のSNS等教育相談の昨年度の実績を伺います。

○山田指導部長グローバル人材育成調整担当部長兼務 令和六年度における相談件数の合計は五千九百九十一件であります。その内訳は、小学生千四百二十九件、中学生千九百五十四件、高校生二千二百九十七件、その他不明等が三百十一件であります。主な相談内容は友人関係が最も多く、次いで家族関係などでございます。

○いいだ委員 ありがとうございます。昨年度の相談件数が合計で約六千件、この数字の重みを改めて感じているところでございます。
 私自身も、小学生の子供を持つ親の一人であります。その立場からしますと、小学生から千四百件を超える相談が寄せられているという事実は、決して他人事とは思えません。いずれ我が子もSNSに本格的に触れるようになると思いますけれども、そのとき、もし友人関係や家族関係といった、親や先生にはなかなかいい出せない悩みを考えてしまったら。そう考えると、こうしたSNSの窓口があるとないとでは、私たち親の安心感も全く違うと思います。
 この窓口は、子供たちにとっての、そして私たち親にとっても本当に重要な駆け込み寺のような存在なのだと実感をいたしました。だからこそ、この大切な窓口の存在をまだ知らない子供たちにもしっかりと届けていただきたいと思います。
 そして、寄せられたSOSが、学校や児童相談所など具体的なサポートに確実につながるよう、連携体制の強化を引き続きお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

○とや委員 共産党のとや英津子です。よろしくお願いします。
 まず、資料の提出、ありがとうございました。
 本日は、私からは障害児の教育環境について伺います。
 障害を持つ子も持たない子も精いっぱい力を発揮することができ、伸び伸びと遊び、学び、生きていける環境を保障することは、国や地方自治体の重要な役割です。そして、子供の尊厳と権利が尊重され、適した環境で教育を受けることは、子供の成長にとって欠かせません。
 都は、今年三月、特別支援教育推進計画(第二期)第三次実施計画を策定しましたが、より実効あるものとして、また充実、改善をしていただきたいと、まず要望をしておきます。
 今日は、最初に、特別支援学級の固定級について伺いたいと思っています。
 この固定級は、区市町村の小中学校に設置している学級で、教科や特別活動などについて、通常学級との密接な連携を図ったり、障害のない児童生徒との活動を共にすることが比較的容易にできるという特色があります。特別支援学校とは、支援の範囲や教員の配置も違います。
 特別支援学校は、食事や着替え、排せつなど、生活する上で基本的な行動を支援しますし、教員の配置も、小中学部の普通級では六対一と、重度重複学級では三対一と手厚くなっております。
 これに対して特別支援学級固定級は、ある程度基本的に日常生活が送れる児童生徒が在籍し、学習面を主に支援しているというふうな形で運営をされています。
 そこで、まず確認です。
 特別支援学級の固定級は、知的や肢体不自由、情緒障害を持つ子供たちが対象となって設置されていますが、固定級で学ぶことによる、子供の成長にとっての期待される効果について伺います。

○山田指導部長グローバル人材育成調整担当部長兼務 児童生徒の障害の状況に応じた支援を実施することができます。

○とや委員 随分素っ気ない答弁だと思いますが、その子が落ち着いて学ぶことができるよう、物理的にも人的にも十分な配慮があることで、持っている能力が伸び、大きく成長することができます。
 私が出会った情緒障害を持つお子さんは、こだわりが強くて、なかなか周りから理解がされませんでしたが、丁寧に育ててくれる先生たちに囲まれ、大学にも行って、社会人として自立している姿を見て、本当に驚きました。
 知的障害を持つ子が保育園から特別支援学校に通って、就職をして、最近も元気な姿を見せてくれました。その子に合った支援が受けられることで、本当に自分らしく生きることができるのだと、特別支援教育については本当にそう思います。
 どの子も豊かな教育環境で学んでほしいと思っていますが、近年、知的障害や情緒障害特別支援学級の固定級、情緒障害特別支援教室が対象となる児童が大変増加をしています。それに見合った体制を組んで、教育環境の整備をしてほしいと思っていますが、まず、小学校の知的障害児の特別支援学級、固定級の在籍児童の五年間の推移と、教員数の推移をお答えください。

○西山特別支援教育推進担当部長 都内公立小学校の知的障害特別支援学級在籍児童数は、各年度五月一日時点で、令和二年度が六千八百九十七人、三年度が七千百五十人、四年度が七千五百十三人、五年度が七千七百九十九人、六年度が八千百五十八人となっております。
 教員数は、令和二年度が一千三百六十一人、三年度が一千四百人、四年度が一千四百五十人、五年度が一千四百九十五人、六年度が一千五百五十四人となっております。

○とや委員 この五年間で、小学校だけで知的障害児の固定級は一千二百六十一人も増えています。これだけ在籍児童が増えれば、区市町村は現場の環境を整えるのも大変だろうと思います。
 私の地元練馬区でも、知的障害児の特別支援学級の固定級がありますが、増加が著しく、教室が足らないくらい大規模化をしています。ある中学校では六十人の子供たちが在籍する、小学校は五十人もいるという大規模な学校もあります。
 また、私がお聞きしたある自治体の学校では、四月当初は四十一人の子供が在籍していたんですが、子供が増えて学級増になり七クラスになるところ、教室がなくて六クラスで我慢せざるを得ず、特別支援教室の教員がほかの学校を巡回している間に教室を借りるしかないという話も聞いています。
 教室の不足は、子供の成長にとって障壁となり、教員の負担も大きいことは明らかです。一人の子を見ている間に、ほかの子に手が回らない、支援員を配置してほしいが全く足りないなど、特別支援学級の先生が本当に苦労しているお話も聞きました。
 子供に目が行き届かない状況が続くと、学習にも参加できず、不登校になってしまう子もいるそうです。これでは、先ほどご答弁をいただいた障害に応じた支援といえないのではありませんか。
 この状態を改善するには、固定級の設置校を増やして小規模化すること、支援が行き届く環境をつくるために教員定数を改善することが必要だと思います。
 そこでお聞きしますが、特別支援学級の障害別の教員の配置基準について伺います。

○秋田人事部長 特別支援学級の固定学級につきまして、教員の配置基準でございますが、こちら都の配置基準に基づきまして、原則として学級数に一人を加えた人数を配置しております。

○とや委員 学級数に一人を加えた人数を配置しているということですが、何人に一人ということもお答えいただきたいんですが。

○秋田人事部長 失礼いたしました。
 こちら固定学級の学級編制基準の方でございますけれども、こちらは都の基準に基づきまして、児童生徒八人までで一学級を設置しております。

○とや委員 児童生徒八人まで一学級と、教員については原則として、学級数に一人を加えた人数を配置しているということであります。
 しかし、この配置では、例えば二クラスなら教員三人の配置なので、教員一人当たりの子供は五・三人、五クラスになれば六・六六人、八クラスであれば七人に一人の教員となり、クラスが多くなるほど、子供に十分な支援が行き届かなくなるという現象が起きます。先ほど申し上げた大規模校は、本当に手薄になってしまうということになるわけです。
 練馬では、小学校は九十九校あるんですが、知的の特別支援学級の固定級は十六校しかありません。空き教室がなくて、つくれないという声もあって、転学希望があっても受け入れられない実態も聞きました。通学距離の長さから来る本人と家族の負担と合わせて、設置校を増やすなどの改善が必要だと思います。
 子供は、丁寧で適切な指導、援助があれば、相対的にゆっくりであっても発達を遂げていきます。同年齢の通常級に在籍する子供たちが通過したどこかの地点を、時間が余計にかかったとしても発達していくものだと思いますし、その速度が遅かったり早かったり一人一人違うので、その子らしく成長するには、一人一人に合わせた教育支援が必要なのだと思います。
 固定級の先生からお話を聞いた際、人数が増えれば障害も多様になると。その子に合った教育支援をするためには、もっともっと教員の配置を改善してほしいとずっと訴え、求めてきたとおっしゃっています。
 一クラスの人数を今より減らすこと、そして配置学校数を増やすことが必要ではないでしょうか。教員定数の改善を国に求めるとともに、都としても支援すべきではないでしょうか。

○西山特別支援教育推進担当部長 特別支援学級の学級編制につきましては、国の法令に基づく都の編制基準により適切に対応しており、設置については、区市町村教育委員会の判断において行ってございます。

○とや委員 設置は区市町村教育委員会でしょう。しかし、東京で学んでいる子供たちの教育環境に責任を持つのは、東京都であるわけです。特別支援教育について計画を立てているではありませんか。人ごとみたいにいうのは無責任だと思います。
 特別支援学級の固定級も特別支援教室も、子供の持っている能力を引き出し、成長、発達するにふさわしい環境をつくってください。そのために東京都ができることは、まず人を手当てすることです。そして、施設整備費補助も増やして教室不足も解消できるよう支援をしていただくよう強く求めておきます。
 次に、自閉症・情緒障害特別支援学級の、ここも固定級について伺います。
 情緒障害の固定学級の設置も求められていると考えますが、配置されていない自治体は、現在幾つになりますでしょうか。

○西山特別支援教育推進担当部長 令和六年度におきまして、情緒障害に係る特別支援学級を設置していない自治体は二十四区市町村でございます。

○とや委員 二十四区市町村がまだ設置していないということです。
 私が相談を受けた方のお子さんは通常級に在籍をしていますが、情緒固定級が練馬区にないために、隣の市の情緒障害の特別支援学級、固定級に通わせたいと思いましたが、固定級は自治体を越えての転入ができず、大変困っていました。
 練馬区でも今、情緒障害の特別支援学級、固定級を設置する方向と聞いていますが、都の資料によれば、平成二十七年度、二〇一五年度五百六人が、令和六年度、二〇二四年度二千百二十三人と、十年間で約四倍に増えています。
 情緒障害の固定級は、どこでも求められています。ぜひ東京都として、都教委として各区市町村の実態もつかんでいただいて、設置の支援をお願いいたします。
 そして、この情緒も含めた、次に伺いたいのが複式学級のことです。
 情緒障害の固定級では、特に一年生から四年生ぐらいまで一クラスなど、複数の学年の子供たちが在籍をしているところもあると聞いています。情緒の教育課程は準ずる教育となり、教科指導は通常の教育課程となります。
 通常級の場合は、二学年で複式学級が条件ですが、特別支援教育は、そのルールから外れています。そうなると、同じ教室で順番に学年に合わせた教科指導を、一年生から四年生までとか、一年生から六年生までとか、やっていくことになるわけですが、とても先ほど聞いた配置基準、例えば担任二人ではやれないという声が届いています。
 特別支援学級で複式学級にする場合、学年の近い学級編制で二学年までにすべきだと考えますが、いかがでしょうか。

○西山特別支援教育推進担当部長 国の法律におきましては、小学校または中学校の特別支援学級に編制する二以上の学年の児童または生徒の数の合計数が八人以下である場合は、一学級にできるとされてございます。

○とや委員 つまり、二学年以上の子供が一つのクラスで学んでもいいということなんであります。
 都教委は、平成二十八年、二〇一六年に作成した自閉症・情緒障害特別支援学級の教育課程の在り方の中で、自閉症・情緒障害特別支援学級では、学級担任以外に教科担任の教員が指導を行うこと、また、児童生徒一人一人の実態を的確に把握し、課題及び指導、支援方法を明確にして、ほかの教員と連絡し連携を図り、指導に当たることが必要ですと、こうした旨、記載をしております。
 この文書どおりにやろうと思えば、学年が二学年以下が限度ではないでしょうか。実際、一クラスに三学年以上の子供たちがいれば、同じ教室で順番に教えるが、これでは子供たちに十分な教育やその子に合った支援ができないという声が先生たちから寄せられております。特別支援教育の場では、大規模校は教室不足と教員の支援が行き届かず、学校も親も悩んで、小規模校では、一年生から六年生まで同じクラスでも教科指導が求められる。それに必要な担任の手当てはしてもらえない。
 私は、国の責任も重たいと思いますが、こうした実態をよくつかんでもらって、都として、もっと支援をするべきだと思います。一番影響を受けるのは、子供たちです。都として支援を強化していただくことを求めておきます。
 次に、支援員について伺います。先ほども出ていましたが、改めて伺っていきたいと思います。
 東京都は、昨年からインクルーシブ教育を進めるという方針の下で、特別支援学校に相当するお子さんも普通校に通学できるようにと、支援員の制度をつくりました。この制度をはじめ、通常学級に配置している支援員について伺いたいと思います。
 小中学校に各種支援員が配置されていますが、インクルーシブ教育支援員制度のうち、特別支援学校就学相当児童生徒支援事業の実績と、利用している児童生徒の特別支援学級と通常級の在籍児童人数の内訳を伺います。

○西山特別支援教育推進担当部長 令和六年度の特別支援学校就学相当児童生徒支援事業におきまして、二百二十六校の三百十九名の支援員に係る経費について助成を行っております。この支援では、児童生徒が一校につき一名以上在籍していることを条件としてございます。

○とや委員 二百二十六校、三百十九名ということです。この制度は、補助率二分の一、支援員一人当たりの上限は二百八万二千五百円で、該当児童が三名以上の場合、二名分が限度となっています。つまり四名でも五名でも、二名分ということだと思います。
 問題は、利用している児童生徒の内訳もつかんでいないということです。特別支援のインクルーシブ教育という名称を使うのであれば、なおさらしっかり実態を把握すべきだと思います。
 この間、幾つかの自治体で私、お聞きしたところ、例えばある自治体では、四十人以上の児童生徒が公立小中学校に在籍をしていますが、ほとんど特別支援学級に在籍をしています。特別支援学校相当のお子さんは、特別支援学級、固定級のお子さんと比較をして、軽重でいえば比較的重たい障害を持ったお子さんです。そういったお子さんが入ってくると。しかも、この支援員制度は資格を問わないので、教員が増えるわけではありません。
 こうした実態を見ずにインクルーシブといわれても、実態が伴っていないといわれても仕方ありません。
 今後、特別支援学校相当で公立小学校を希望するお子さんも増えることが予想されます。そして、その環境の中で、子供たちはほかの子供たちと関わりながら、様々なことに挑戦をしたり、背伸びをしてみたり、失敗しながら育っていくのだと思います。ぜひ制度の改善をしていただいて、子供の数に見合った支援員の配置、教員の増員をお願いしたいと思います。
 さらに、もう一つの制度があります。特別支援教室に在籍あるいは退室した児童生徒がいる場合、配置できる支援員の制度であります、発達障害教育等支援員配置促進事業といいますが、この制度の実績、学校数や派遣人数などを伺います。
   〔委員長退席、こまざき副委員長着席〕

○西山特別支援教育推進担当部長 令和六年度の発達障害教育等支援員配置促進事業では、八百五十二校に対しまして、支援員を配置した時間に応じて経費の助成を行っております。

○とや委員 公立小中学校は、都内で千八百校ぐらいあるわけです。どこの学校でも支援員が不足しているのに、なぜ八百五十二校しか活用していないのか、大変疑問であります。
 私がお聞きした自治体は、この制度を活用せずに、区の単費、区の負担で支援員を配置している学校でした。学校にも行きました。その学校では、五、六人の配置を要求したが、支援員の配置は二・五人だったそうです。
 しかし、一学年に六名の情緒障害や知的障害を持つお子さんが在籍していて、登校時から校長先生や支援員さんは、子供が教室に入るよう促しているんですけれども、そう簡単にはいっていませんでした。
 そのうちお子さんの二人は、教室の前に来ても、寝っ転がったりじゃれ合ったりして、なかなか教室に入らない。一人は外に出てしまって、担任の先生が探しに教室を出て、走って校内を探していました。
 その間、教室、小学校一年生です。生徒だけになって授業が始まりませんでした。そこで、支援員さんと校長先生が担任に代わって教室に入れない子を追いかけて、しばらく戻ってきませんでした。その様子を私、ずっと見ていました。ほかのクラスでも、児童が複数廊下に出ていました。
 今、多くの学校でこのような状態があります。しかも、支援員と子供の相性、あるいは適性もあって、一人の支援員さんは、子供に唾を吐かれたり、たたかれたりしたと。辞めたいといわれて、配置替えをしたそうです。
 支援が必要な子供は、集団が苦手だったり、がやがやしているのが嫌だったり、じっと机の前に座っているのも苦手であったり、様々です。ストレスもたまって、支援員さんにね、ちょっと手を出してしまったりすることがあるわけです。
 校長先生は、その子は自由にさせてあげれば落ち着いてくるということは分かっているけれど、学校は集団で過ごす場所であり、制約もある、ルールもあるから、子供が苦しいのはよく分かるが、仕方がないんだというふうにおっしゃっていました。
 今、小学校は学級規模が三十五人になっていますが、それでも多くて、子供が苦しい思いをしていると。もっと学級規模が小さくなれば違うと、特別支援の先生からもお聞きをしています。
 担任も校長も副校長も支援員も、総出で支援が必要な子を一日中見守る。それ以外にも知的障害のあるお子さんがいて、保護者が知的固定級を希望しておらず、情緒の特別支援教室も、知的があるから対象外になるわけですよ。入室できないから通常級に在籍をしています。その子に対して必要な支援員がやっぱりついていないわけです。そして、支援員も足りないと。その子は、実際には学習に参加できているとはいえない状況でした。
 もう一人のお子さんは、特別支援教室の判定会議にこれからかけるそうですが、入学時は通常級の判定であったわけですが、その後、特別支援教室の対象児童であるということが分かってきた事例であります。
 その特別支援教室も、多くのところでいっぱいになって、東京都は特別支援教員を十対一から十二対一に改悪をしました。そういったこともあって、今、十二対一なのに二十対一にもなっているところもあるそうです。教員不足のしわ寄せも特別支援教室に出ています。
 練馬区では、三名の通常級の教員不足があって、それを埋めるために特別支援教員が回されています。こうした玉突き状態の学校現場が非常に多いわけです。人手不足が解消されていません。都の制度が活用できるならぜひ活用したいと。今申し上げた制度ですね、支援員の制度、区市町村の教育委員会も希望しているわけです。でも、配置されていないんですよ。
 ところが、この制度は、発達障害教育等支援員配置促進事業は、十項目の条件があります。あまりにも厳しいため、活用していない自治体があるわけです。少しでも条件を緩和していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
   〔こまざき副委員長退席、委員長着席〕

○西山特別支援教育推進担当部長 発達障害教育等支援員配置促進事業につきましては、区市町村教育委員会が判断をして活用をしてございます。補助の申請に当たりましては、都教委としては相談対応をしてございます。

○とや委員 この事業については、改善はしないけれども相談に乗るということであります。
 この支援員の制度は、原則、指導期間の設定ということとか求めていて、子供の実態に合うのかという疑問もありますが、区市町村教育委員会からすれば、少しでも人件費が補助してもらえるならと活用を希望する自治体は多くあるはずです。
 だけど、できないんですよ、ハードルが高くて。だから、千八百校もあるのに八百校ぐらいしか活用できていないという実態があるわけです。私がお聞きしたところでは、十項目の条件のうち、判定委員会の委員に教育学、医学または心理学の専門家を参画させるとともに、判定委員会を少なくとも学期に一回は開催する、この条件がハードルが高くて、せっかくある制度を活用できないということでありました。特に、心理学の専門家が見つからないということです。
 小学校でも中学校でも情緒障害を持つ子はおり、今、東京都は、特別支援教室は原則一年で卒業としていますから、状況が変わらないのに退室せざるを得ないお子さんもいます。そうした子供たちをケアし、適切な支援をするために設けられた制度なのに、使えないのはおかしいです。使いやすい制度に改善するとともに、区市町村教育委員会からの相談には親身に乗っていただいて、活用できるよう最大限の配慮を求めておきます。
 特別支援教育については、特別支援学校の大規模化と教員の不足、教室の不足、通常級に在籍する支援を必要とする子供たちの増加、特別支援学級、固定級の大規模化、教員不足、ありとあらゆる場面で矛盾が噴き出て、親も子も苦しんでいる実態がどこでも見受けられます。課題も解決されているとはいえない状況です。
 教員の専門性も問われる中、新任教員が特別支援学級や特別支援教室に配置され、悩んでいる教員もいるし、ベテラン教員の負担もはかり知れません。
 障害者の差別解消法が施行されて約十年になりますが、障害のある子供たちへの教育環境の整備等、合理的配慮が国にも東京都にも求められています。このことに照らしても、東京の特別支援教育は課題が多く、職員の皆さんもご苦労されていると思いますが、ここで抜本的に見直して、責任ある東京の特別支援教育を実施していただくことを求めて、質問を終わります。ありがとうございました。

○たかく委員 私の方からは、都立通信制高校とチャレンジスクールの二点についてお伺いいたします。
 最初に、都立通信制高校についてですが、都立の通信制高校は、一橋高校、新宿山吹高校、砂川高校と三校あります。通信制高校では、仕事をしながら、目標を持って通信制に通学される生徒もいれば、中学校時代に不登校状態になって通信制を選んだ生徒の方、また、人間関係、成績、体調不良、家庭の事情等で全日制高校をやめざるを得なくなって通信制に入学するケースや、学業以外の活動を行うために通信制に入学するケースなど、様々な理由があると思います。
 昨年三月の文教委員会で、私は通信制高校について質問をさせていただきました。
 通信制高校の生徒は全国的に増加傾向で、これは私立、都立含めて高校生の約十人に一人は通信制に通っていて、通信制を希望する中学生も増えているという状況です。
 そういった中で、都立の通信制課程に入った生徒の令和四年度の退学率は一五・三%と聞いております。全日制課程の退学率が〇・九%と聞いておりますので、全日制に比べて、通信制は極めて高い退学率でもございます。通信制高校の退学率の算出方法と最新の退学率についてを伺います。

○山田指導部長グローバル人材育成調整担当部長兼務 退学率の算出方法は、当該年度の四月一日に在籍する生徒数に対する当該年度一年間に退学した生徒数の割合でございます。
 最新の退学率は、文部科学省、令和五年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査によると、令和五年四月一日に在籍する生徒数千六百八十八人、退学した生徒数二百十四人であり、退学率は一二・七%でございます。

○たかく委員 今の答弁では、一二・七%の退学率ということでございますけれども、先ほど申しましたように、全日制課程が〇・九%ということで、極めて高い水準であるというふうに認識いたします。
 先ほど申し述べましたように、通信制課程というのは、仕事をしながら通学する人もいれば、また、不登校の状況で通信制を選んだ生徒、様々いらっしゃると思いますけれども、改めてこの通信制高校の設置趣旨として、どのような生徒を対象にしているのか伺います。

○寺島教育改革推進担当部長 国の令和四年の通信制高等学校の在り方に関する会議では、通信制高等学校は、当初は勤労青年を主たる対象としておりましたが、近年は、不登校経験など多様な入学動機や学習経歴を持つ生徒が入学するなど、自立して自学自習を行う生徒を対象としてきた制度の前提が変化しているとされており、都においても同様の傾向となってございます。

○たかく委員 この通信制課程では、スクーリングとして、通学するのは週一回よりも少なくて、自宅で教科書を使って学んだり、レポートを提出してテストを受けるとも聞いております。規則正しい生活環境を送り、自分自身で自分をコントロールする力がないと、なかなか継続していくのは難しい学び方であると思います。
 小中学校というのは基本的に義務教育で、不登校のお子さんや様々な困難を抱えた児童生徒の卒業に向けては、家庭であったり、学校、行政も、そして地域も全力で義務教育を卒業できるように取り組んでいるかと思います。
 しかし、一旦中学校を卒業して義務教育段階というのを終えた途端、行政から支援も少なくなり、困難を抱えた若者たちへの支援というのは、親御さん等以外、なかなかこういった伴走型支援の仕組みも少なくなっているのも実情だと思います。
 そういった意味からも、学校だけではなく、行政はもとより福祉や医療や、あらゆる分野と連携して、この通信制の高校生への支援をより一層進めていく必要があると私は思っております。
 通信制高校で生徒が学業に励み、退学しないように、学習面、生活面においてもしっかりとサポートすべきであると、私は、昨年三月の文教委員会で質問をして、その質問に対して東京都教育庁では、年間二十四回登校して学ぶ規定となっておりますスクーリングに加えまして、生徒が主体的に登校する機会に教員が対面での指導や面談等を行うとともに、スクールカウンセラーやユースソーシャルワーカーが心理面や福祉面からの相談に応じております云々ということで、様々な事情を抱える多様な生徒が退学しないように、スクールカウンセラーやユースソーシャルワーカー、また、外部機関とも連携してフォローしていくとのことで答弁がありましたが、どのような取組状況になっているのか伺います。

○寺島教育改革推進担当部長 都教育委員会では、全ての都立高校の通信制課程において生徒の学びを支援するため、スクールカウンセラーやユースソーシャルワーカーによる相談体制を構築するとともに、インターネットを活用したレポート提出等、多様な学び方に対応した環境整備を進めてまいりました。
 また、子供、若者支援の実績があるNPOとも連携し、学校生活に困難を抱えている通信制課程の生徒に対して、学習支援や就労に向けた支援、進路相談、生活相談、生徒同士の交流機会の提供等、幅広い支援によって、個々の生徒に応じてきめ細かく対応する学びのセーフティネット事業を実施しており、令和六年度七百十八人の参加がございました。

○たかく委員 今、七百十八名の参加ということで、多いのか少ないのかちょっと判断分からないですが、教職員をはじめスクールカウンセラーやユースソーシャルワーカーなど、あらゆる手を尽くして、中退防止に取り組んでいただきますようお願い申し上げたいと思います。
 また、通信制高校を退学してしまった場合においても、その後フォローしていけるような仕組みづくりを全庁的、オール都庁でしっかりと進めていくことを求めて、次の質問に移ります。
 次は、チャレンジスクールについてです。
 チャレンジスクールは、主に小中学校での不登校の経験や高校での中途退学の経験により、これまで能力や適性を十分に生かし切れなかった生徒が、自分の目標を見つけ、それに向かってチャレンジする学校と聞いております。
 昼夜間の定時制、総合学科、単位制の高校で、自分のライフスタイルや学習ペースに合わせて各時間帯、午前、午後、夜間の三部で、選んで入学することができます。学力検査や中学校からの調査書によらず、生徒の学習や学校生活への意欲を重視した試験も行い、また、基礎、基本を重視した学習を行うとともに、総合学科の特性を生かし、職業系を含め、いろいろな専門科目を設置しているとも聞いております。
 そこで、令和七年度入学選抜におけるチャレンジスクールの倍率について伺います。

○光永高校改革推進担当部長 令和七年度入学者選抜におけるチャレンジスクールの一学年相当の応募倍率は、八王子拓真高校のチャレンジ枠を含めて一・四六倍でございました。

○たかく委員 一・四六倍ということです。今回、立川緑高校の開設等、新たなチャレンジスクールに取り組んできたことは評価いたします。
 不登校児童生徒の増加に伴い、チャレンジスクールへの入学を希望する生徒が増えており、新たなチャレンジスクールへの生徒や保護者、関係者の期待は高まっているところでございます。
 今までいろいろな理由で不登校になっている生徒さんが再チャレンジをすべく、希望を持って受検しているのが、このチャレンジスクールです。全員が学ぶことができるように、チャレンジスクールの整備をすべきと考えております。チャレンジスクールの拡充の状況についてお伺いいたします。

○光永高校改革推進担当部長 都教育委員会は、困難を抱える生徒の多様なニーズに対応していくため、令和六年十月に策定した都立高校におけるチャレンジサポートプランにおいて、チャレンジスクール及び昼夜間定時制の規模を拡大し、十分な受入れ環境を確保することとしております。
 同プランに基づき、チャレンジスクールについては、令和八年度大江戸高校及び六本木高校の増学級を行うことといたしました。

○たかく委員 今お話にあった令和六年十月に発表されたチャレンジサポートプランでは、チャレンジスクールの拡充に加え、令和八年度から世田谷区の深沢高校を、柔軟できめ細やかな教育課程等を備えるよう改編していくとも聞いております。
 今後ともチャレンジスクールを拡充して、様々な困難を抱える生徒の多様なニーズに応えていくために、教育環境のさらなる整備を進めていただきたいことをお願い申し上げ、私からの質疑を終わります。

○せいの委員 日本共産党のせいの恵子です。よろしくお願いいたします。
 資料の提出、ありがとうございます。
 私からは、日本語学級についてお聞きします。
 日本で働く外国人の増加に伴い、住民基本台帳に基づく学齢相当の外国籍の子も増えています。
 文部科学省が行った令和六年度における学齢相当の外国人の子供の就学状況によると、住民基本台帳の人数で、学齢相当の外国人の子供の人数は十六万三千三百五十八人、前回調査より一万二千六百六十三人増加しました。そのうち、設置主体が当該市町村教育委員会とは異なる学校に在籍している可能性はあるとしつつも、不就学の可能性があると考えられる外国人の子供の数は一万三千百八十三人だということです。
 東京都は、全国で一番外国人が多く、令和七年七月一日現在で七十五万六千四百二十一人が暮らしています。外国人の増加とともに、外国につながる子供の教育は、今後一層必要性を増すことが考えられます。そして、行政の役割もさらに重要になってまいります。
 そこで、お聞きします。
 日本語指導が必要な子供は、東京に何人いますか、日本国籍と外国籍それぞれ教えてください。

○坂本グローバル人材育成部長 令和六年度日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査によれば、令和六年五月一日時点で、都内公立学校における日本語指導が必要な児童生徒数は、日本国籍八百九十九人、外国籍六千三十六人でございます。

○せいの委員 今のお答えでは、日本国籍と外国籍を合わせて六千九百三十五人の児童生徒が日本語指導を必要としているということが分かりました。
 ホームページで公表されている日本語指導が必要な児童生徒の在籍状況を見ますと、小学校では四千二百六人、中学校では千七百五十四人となります。
 実際には、日本語指導が必要にもかかわらず、学校に認識してもらえずに調査から漏れてしまっている子供たちもいると指摘されています。
 令和六年に日本語指導推進ガイドラインが作成されました。都教育委員会としても、日本語指導が必要な児童生徒数が増加していることからガイドラインを策定されたと考えますが、日本語指導推進ガイドラインを策定した理由をご説明ください。

○坂本グローバル人材育成部長 都教育委員会は、多文化共生社会を見据え、都内の外国人児童生徒等の教育の基本的な方針を示すため、日本語指導推進ガイドラインを作成いたしました。

○せいの委員 東京が全国で最も多くの外国につながる子供たちが集まっているという状況の中で、必要な取組だと思っています。
 このガイドラインでは、外国人児童生徒の背景や実情の把握、多様性の尊重が強調されています。保護者の都合で、本人の意に沿わずに来日するケースや、国際情勢の影響で日本での滞在を余儀なくされているケースなども紹介されています。
 日本語を母語としない子供たちの教育を考える上でも、こども基本条例は、なくてはならない視点を示していると思います。
 このこども基本条例の第八条、ここには、都は、子供の学ぶ意欲や学ぶ権利を尊重し、子供の可能性を最大限に伸ばすことができるよう、一人一人の個性に着目し、自立性や主体性を育むために必要な環境の整備を図るとともに、子供に寄り添ったきめ細かな支援に取り組むものとすると、こうあります。
 翻って、日本語学級の現状についてお聞きします。
 日本語学級は小中学校に設置され、日本語指導が必要な子供たちが、週に数時間通級して指導を受ける学校です。都内の日本語学級が設置されている区市町村数、学校数、学級数を教えてください。また、日本語学級がない区市町村は幾つありますか。全ての小学校と中学校ごとにお答えください。

○坂本グローバル人材育成部長 令和六年度公立学校統計調査報告書によれば、五月一日時点で日本語学級が設置されている区市町村数、学校数、学級数は、小学校等が十五自治体二十八校五十九学級、中学校が十二自治体十八校三十一学級でございます。
 また、日本語学級を設置していない区市町村は、小学校等については四十七自治体、中学校については五十自治体でございます。

○せいの委員 計算しますと、日本語学級を設置している自治体は、小学校で二四%、中学校で一九%にすぎないということになります。
 日本語学級に通っている児童生徒数を教えてください。小学校と中学校に分けて、日本国籍と外国籍、それぞれについてお答えをいただきたいと思います。

○坂本グローバル人材育成部長 令和六年度公立学校統計調査報告書によれば、令和六年五月一日時点で、日本語学級の児童生徒数は、公立の小学校等で八百七十二人、中学校で四百九十六人でございます。
 日本語学級の児童生徒の国籍につきましては、把握してございません。

○せいの委員 先ほど申し上げたとおり、日本語指導が必要な子供は、小学校で四千二百六人、中学校で千七百五十四人ですから、このうち、日本語学級に通えているのは二割から三割にすぎないということになります。
 平成二十七年からの十年で見てみると、小学校は九校、中学校は五校しか伸びていません。日本語学級以外の方法で初期指導などをやっている自治体もありますが、教育が必要とされている子供たちに十分に行き届いていないというのが現状ではないでしょうか。
 こども基本条例に照らせば、日本語学級の数はあまりにも少ないといわざるを得ないと思いますが、いかがでしょうか。

○坂本グローバル人材育成部長 日本語学級の設置につきましては、区市町村教育委員会が判断を行ってございます。

○せいの委員 私、先日、北区の日本語学級を視察してまいりました。お話を聞いてきましたけれども、そのときの先生のお話の中で、心に残っているお話があります。
 今、日本にいる子供みんなに居場所があり、社会の一員になれるスタートに立たせてあげたい、日本語学級がどの学校にもあってほしい、こういうお話でした。
 どんな背景を持っている子供でも、一人一人の個性を大切にして、輝き成長できる、そういった環境を整えることが私は必要だと思います。視察では、日本語学級の充実は必要だが、充実すればするほど、日本語教育を必要とする子供たちとそのご家族も集まってきてしまうのが悩ましいという切実な訴えもお聞きしました。
 子供のことを考えるなら、やれるだけやってあげたい。けれども、現状では限界があるということだと思います。誰一人取り残さない教育というのであれば、日本語学級の数を底上げしていく、特に一刻も早く空白の自治体をなくすことが求められると思いますが、都の見解を伺います。

○坂本グローバル人材育成部長 日本語学級の設置につきましては、区市町村教育委員会が判断を行ってございます。

○せいの委員 先ほどから、日本語学級の設置は区市町村教育委員会が判断しているというお答えが繰り返されておりますが、都として、都内の外国人児童生徒の教育の基本的な方針を示すために、日本語指導推進ガイドラインを作成しましたと。基本的な方針を定めたから、あとは市区町村の判断だから、日本語教育が必要な児童生徒がこれだけ増えていて、日本語学級が少なくても、都としては知らないですよといっているように聞こえます。それでは、あまりにも無責任ではないでしょうか。
 では、都教育委員会として、区市町村にどういう案内をしているのか、また、区市町村が設置する場合、どういう手順になるのか教えてください。

○神永地域教育支援部長 日本語学級の設置につきましては、区市町村教育委員会の判断において行っておりまして、都教育委員会は、その申請を受け、認証を行っております。こうした認証の仕組みにつきまして、毎年度、区市町村教育委員会に説明を行っております。

○せいの委員 日本語学級は東京都独自の制度なので、申請があれば認証するということです。
 認証の仕組みを説明しても、認証は行うけど、設置するかどうかは市区町村に任せる、これでは、市区町村側も具体的に動くことが難しいのではないかと感じます。
 日本語学級の設置目標を策定し、日本語指導が必要な子供のいる全ての区市町村に設置できるよう、積極的に区市町村と協議をして、学級を増やしていくことを要望しておきます。
 日本語学級の問題は、数が少な過ぎることだけではありません。小学生は親の送迎が必要なので、それがネックで通えない子供もいます。学級数は三月三十一日に認定されるので、九月の一番増えるような時期に、増えた生徒がいた場合に対応ができない。その結果、比較的日本語ができる生徒を卒級させたという声も聞いています。
 抱えている課題や習熟度が千差万別なので、本当はマンツーマンが一番効果的だが、子供の数が多いため、一対三などにならざるを得ない、こういう声もお聞きしました。日本語学級があっても、課題があるということだと思います。
 各地域の現場の関係者から広く意見を聴取し、情報交換を十分行い、政策に反映させることを要望しますが、いかがでしょうか。

○坂本グローバル人材育成部長 都教育委員会は、日本語教育について、区市町村教育委員会と情報交換等を行い、日本語指導推進ガイドラインの作成等、様々な取組を進めてございます。

○せいの委員 現場で指導に当たっている先生は、日本語を分かりやすく伝えるために様々な工夫をされています。そして自ら、自分の担当の教科でない教科を教えるために勉強されたりと、日々頑張っていらっしゃいます。そういう中で、複数の児童生徒を相手に授業を行う、そういうご苦労を先日の視察で感じたところです。
 また、現場の関係者というのは、区市町村の教育委員会だけとは限りません。地域では、日本語の学習支援を行っている教室や支援に取り組む団体やNPO、多文化共生に取り組む大学など、様々な方が活動をしています。幅広く意見を聞き、情報交換を行っていただくように要望しておきます。
 次に、日本語指導の実際について伺います。
 都の制度として、日本語指導教員加配がありますが、日本語加配をしている学校数と教員数、それぞれ小学校と中学校ごとに教えてください。

○秋田人事部長 令和六年度に日本語指導加配を行った学校数及び教員数は、小学校で五十二校五十五人、中学校等で十四校十五人でございます。

○せいの委員 日本語加配は、一校に五人以上日本語指導が必要な児童生徒がいる場合に配置でき、日本語学級に通級していない子供でも日本語指導を受けることが可能になりますが、やはり配置数があまりにも少ないといわざるを得ません。
 また、日本語指導の経験のない教員が配属され、一人で孤軍奮闘することになり、教員の集団が形成できる日本語学級に比べ、苦労が多いという話も聞いています。実情をよくつかみ、配置の充実と課題の解決を図っていただきたいと思います。
 次に、来日三年以内の児童生徒数を小学校と中学校ごとに教えてください。

○坂本グローバル人材育成部長 来日三年以内の児童生徒数については把握してございません。

○せいの委員 都立高校の在京外国人枠を受検できるのは、来日三年以内なんです。三年では短いという声もありますが、少なくとも三年までは、都教育委員会としても日本語が十分身につけられないと考えているということだと思います。施策の充実を目安の一つとして、これ把握していただきたい。このことを要望しておきます。
 次に、特別の教育課程の実施数を小学校と中学校ごとに教えてください。

○坂本グローバル人材育成部長 令和六年度日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査によれば、東京都公立学校における日本語指導が必要な児童生徒の特別の教育課程の実施状況は、小学校等で千四百九十二人、中学校で七百二十六人でございます。

○せいの委員 東京都公立学校における日本語指導が必要な児童生徒の特別の教育課程の実施の状況、私もこれを確認いたしました。日本語指導が必要な児童生徒数は六千九百三十五人、この中で、学校において特別な配慮に基づく指導を受けている児童生徒数は六千四百三十六人、さらに日本語指導における特別の教育課程による指導を受けている児童生徒数は二千三百二十人と、三分の一となってしまいます。
 日本語指導における特別の教育課程、これは児童生徒が日本語を用いて学校生活を営むとともに、学習に取り組むことができるようにすることを目的として、児童生徒が学校生活を送る上や、教科等の授業を理解する上で必要な日本語の指導を在籍学級の教育課程に位置づけて、在籍学級以外の教室で行う教育の形態です。
 東京の日本語教育を考える会が東京都に出した要望書では、日本語指導推進ガイドラインでも、学習言語能力は最低でも五年程度かかるとされていること、また、東京都には短時間の初期指導のみで支援から取り残されている児童生徒が多くいるが、そうした児童生徒が、日本語指導が必要な児童生徒として把握されていないというふうに指摘をされています。
 日本語指導の必要な子供たちがどんな指導を受け、学校で何に困っているのか、人数把握にとどまらない実態調査を行い、公表して、施策を充実させていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。

○坂本グローバル人材育成部長 都教育委員会は、日本語教育について、区市町村教育委員会と情報交換等を行い、様々な取組を進めてございます。

○せいの委員 今年三月末に、日本語指導推進ガイドライン実践編も出されました。実践事例が共有され、日本語指導の推進につながるのは大切です。
 しかし、日本語学級の現場では、一見同じように見えても、課題や習熟度が一人一人異なる児童生徒に、先生が本当はマンツーマンの方が一番効果が上がるのになと思いながらも、人数が多くて、一対三などの対応にならざるを得ない、こういう中で指導をされています。
 日本語指導が必要な児童生徒一人一人の実態に応じた指導となるためには、人数把握にとどまらない現場の実情を把握する実態調査を行うことが必要ではないでしょうか。
 また、日本語学級の定員数を改善すること、原則として全ての自治体に、小中学校に対応する日本語学級を設置すること、学校が必要とする教員の加配を行い、研修も充実させること、日本語の能力に応じた教育課程を必要な学校においても実施することも併せて強く要望して、私の質問を終わります。ありがとうございました。

○河野委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○河野委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたします。
 以上で教育庁関係を終わります。
 これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
   午後三時三十一分散会