令和六年度各会計決算特別委員会第三分科会速記録第四号

令和七年十月二十四日(金曜日)
第九委員会室
午後一時開議
出席委員 十名
委員長鈴木  烈君
副委員長山田ひろし君
副委員長清水とし子君
さんのへあや君
ゆもと良太郎君
星  大輔君
松岡あつし君
大竹さよこ君
岩永やす代君
福井ゆうた君

欠席委員 なし

出席説明員
中央卸売市場市場長猪口 太一君
次長松田 健次君
管理部長住野 英進君
事業部長飯野 雄資君
渉外調整担当部長DX推進担当部長兼務東山 正行君
市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務石井 浩二君
財政調整担当部長高橋 葉夏君
環境改善担当部長中井  宏君
スタートアップ戦略推進本部本部長吉村 恵一君
理事戦略推進部長事務取扱DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務片山 和也君
プロモーション推進部長鈴木のり子君
イノベーション推進担当部長小澤 常裕君
東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務松本 克己君
スタートアップ戦略推進担当部長岩井 志奈君
スタートアップ戦略推進担当部長前林 一則君
環境局局長須藤  栄君
総務部長荒田 有紀君
環境政策担当部長生物多様性担当部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務三浦亜希子君
政策調整担当部長関   威君
気候変動対策部長小林 洋行君
再生可能エネルギー実装推進担当部長長谷川徳慶君
率先行動担当部長真島 建司君
建築物担当部長松岡 公介君
環境改善部長中島 隆行君
環境改善技術担当部長丹野 紀子君
自然環境部長生物多様性担当部長兼務宮武 和弘君
資源循環推進部長宗野 喜志君
資源循環技術担当部長横山 英範君
資源循環計画担当部長木村 真弘君

本日の会議に付した事件
令和六年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
中央卸売市場関係
・令和六年度東京都と場会計決算(質疑)
スタートアップ戦略推進本部関係
・令和六年度東京都一般会計決算(質疑)
環境局関係
・令和六年度東京都一般会計決算(質疑)

○鈴木委員長 ただいまから令和六年度各会計決算特別委員会第三分科会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、中央卸売市場、スタートアップ戦略推進本部及び環境局関係の決算に対する質疑を行います。
 これより中央卸売市場関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 令和六年度東京都と場会計決算を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○ゆもと委員 それでは、令和六年度のと場会計決算についてお伺いをいたします。
 芝浦と場は大消費地である東京において、全国の産地から牛や豚を集荷し、と畜解体を通じて都民の食卓に安全・安心で新鮮な食肉を安定供給するという重要な役割を担っております。しかしながら、と場施設の多くは昭和六十年代に整備されたものであり、施設設備の老朽化が進行している状況にあると聞いております。
 このため、施設設備を適切に管理、更新をしていくことは、と場機能を維持する上で極めて重要であると考えます。
 そこで、令和六年度に行った設備、施設の改修等の工事内容と執行額についてお伺いいたします。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 令和六年度は、大動物Cラインの改修工事や設備機器の経年劣化が進行している水処理センターについて、二系統ある排水処理のうち一つの系統で再構築工事などを行いました。
 また、小動物の皮剥ぎ装置改修工事や、大動物の病畜と室にある角を切るためのホーンカッター更新工事などを行いました。
 執行額につきましては、大動物Cラインの改修工事で約六億八千万円、水処理センターの改修工事で約三億二千万円となっており、これらを含む施設整備費は、と場会計全体で約十四億円となっております。

○ゆもと委員 令和六年度において、と畜解体に必要な施設設備の改修に当たっては、様々な取組が行われていることが確認できました。
 と畜解体は、と場施設内に配置をされた様々な種類の機械設備の一つ一つが一体として機能することにより成り立っております。都民への新鮮な食肉の安定供給に当たっては、まず何より施設設備の計画的な維持更新が必要であり、継続した取組、着実した取組をお願いいたします。
 先ほどの答弁で、水処理センターの工事の話がございました。と場内の様々な施設の中においても、水処理センターは牛、豚のと畜解体作業で発生する大量の汚水を処理する必要不可欠な施設であります。しかしながら、聞くところによると、水処理センターは竣工から二十五年以上が経過をし、設備の老朽化が進んでおり、私は計画的に改修を進めていくことが重要であると考えております。
 そこで、水処理センターの老朽化対策として令和六年度にどのような取組を行ったのかお伺いをいたします。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 水処理センターにつきましては、設備機器の抜本的な再構築に向けて、令和二年度に実施した調査委託結果を踏まえ、現在、再構築の取組を進めております。
 令和六年度は、水処理の初期段階で汚水を一時的に貯留する設備である原水槽の改修工事を行うとともに、汚水中の有機物を微生物の働きによって分解、除去する設備である反応槽の改修工事に着手いたしました。
 また、処理工程で発生する臭気への対策として、今後更新を予定している脱臭設備について、移設場所に関する検討や機器の選定を行いました。

○ゆもと委員 水処理センターの老朽化対策が着実に進んでいることが分かりました。水処理センターの安定的な稼働は、水質や臭気など周辺の環境対策にも資する取組だと思います。
 脱臭設備については、今後工事に着手する予定だと聞いておりますが、地域への配慮という観点からも、引き続き改修を適切に行っていただくよう要望いたします。
 あわせて、水処理センター以外の施設についても老朽化が進んでいることから、計画的な維持更新を進めていただくことをお願いし、次の質問に移ります。
 食肉市場においては、老朽化対策だけではなく、販路拡大に向けた取組も必要です。昨年度、本分科会において我が会派の本橋議員が輸出対応を見据えた品質、衛生管理の高度化に向けた取組について質問し、市場局からは、大動物Cラインにおいて衛生管理の高度化への対応に着手したとの答弁がございました。
 令和六年度の東京食肉市場協会からの要望事項にも、大動物Cラインの改修工事に伴う輸出対象国拡大の推進が掲げられておりますが、私も市場関係者の関心の高い輸出に向けた衛生管理の高度化を進めることは重要であると考えております。
 そこで、輸出認定の取得に向けた令和六年度の取組としてどのようなことを行ったのかお伺いをいたします。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 食肉市場は、大動物のCラインにおける台湾、シンガポールへの輸出が可能となるよう、ハード、ソフト両面での取組を進めてきました。
 令和六年度には、と畜解体作業を輸出基準に適合させるための特殊機械設備の改修工事を実施するとともに、作業手順の見直しの検討など、品質衛生管理の高度化への対応を行いました。

○ゆもと委員 市場協会が重視する輸出対象国の拡大を後押しする、と室の衛生管理の高度化に向けた取組が着実に進んでいることが確認をできました。
 こうした取組は販路拡大につながることから、市場業者の経営基盤強化に資するものでもあり、食肉市場の発展にとって、とても大切なことであると考えます。
 芝浦と場の日々の安定的な運営はもとより、こうした輸出に向けた対応など、将来を見据えた取組を市場業者と連携をして、しっかりと進めていただくことを要望し、私の質問を終わります。

○大竹委員 よろしくお願いいたします。
 と場会計の令和六年度の決算審査に当たり、まず、と畜解体作業を行う、と室における作業環境についてお伺いいたします。
 芝浦と場は、職員の皆様によると畜解体作業を通じて食肉を安定的に供給し、都民の豊かな食生活を支える重要な施設であります。私自身、この八月に現場を視察させていただきましたが、職員の皆様が懸命に作業に従事されている様子を目の当たりにしました。と室内におきましては衛生管理に万全を期す必要上、常に八十度を超えた熱湯を用いた消毒をしながらの作業が不可欠と聞いております。大変重要な取組だと思います。
 その反面、特に夏季においては高温多湿の状態になり、熱中症や集中力の低下によるけがの発生等が心配をされます。
 そこで、と室内における作業環境に対する都の認識と、これまでの対策についてお伺いいたします。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 と室内は空調設備の老朽化が著しい状況にあるほか、ナイフ熱湯消毒槽の導入などにより、施設の稼働当初と比べて、特に夏季を中心に温度、湿度が高くなっていることから、作業環境の確保は重要だと認識しております。
 こうした状況を踏まえ、都ではこれまでも、空調が十分に行き渡らない作業ポジションに対しまして大型扇風機やスポットクーラーの設置を行うなど、職員の熱中症対策に資する取組を進めてまいりました。

○大竹委員 都がこれまでも、と室の作業環境改善に向けた取組を行っていることが確認できました。しかしながら、大型扇風機の設置や、またスポットクーラーの設置といった取組は局所的なものであります。我が党はかねてから、と室全体にわたる、より踏み込んだ対策が必要であると要望してきました。真夏日や猛暑日の最多日数が年々増加傾向にあり、厳しい気象状況に対応した職員の作業環境の確保がより一層重要になってきていると考えます。
 そこで、令和六年度において、と室内の暑さ対策としてどのような取組を行ったのかお伺いいたします。

○石井市場政策担当部長女性活躍推進担当部長兼務 令和六年度におきましては、と室内の温度を下げるため、大動物Cラインにおいて空調設備の増設などの改修工事を行いました。具体的には、空調の吹き出し口の増設や高温水の使用により発生する熱気を効率的に排出するための排気設備を増設するなどの改修工事を行いました。
 これらの取組により、と室内の空調効率と除湿機能が向上し、作業環境の改善につながりました。

○大竹委員 令和六年度において、大動物Cラインのと室内全体の温度、湿度対策を実施し、作業環境の改善につながったとのことでございます。
 一方で、大動物Cライン以外のと室につきましては、まだまだ作業環境の改善の余地があると認識をしております。引き続き、都においては芝浦と場の現場で働く職員の皆様が安心して業務に従事できるよう、作業環境の改善を着実に進めていただくことを要望し、私の質問を終わります。

○鈴木委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で中央卸売市場関係を終わります。

○鈴木委員長 これよりスタートアップ戦略推進本部関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 令和六年度東京都一般会計決算中、スタートアップ戦略推進本部所管分を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○片山理事 十月十日の当分科会で要求のございました資料につきましてご説明を申し上げます。
 恐れ入ります、お手元配布の第三分科会要求資料の目次をご覧ください。要求のありました資料は五件でございます。順次おめくりいただきたいと存じます。
 一ページをご覧ください。Tokyo Innovation Base(TIB)につきまして、経緯、入場者数及び決算額を記載してございます。
 次の二ページでございますが、官民連携ファンドの出資額につきまして、ファンド別に都出資額をそれぞれ記載してございます。
 次の三ページは、海外プロモーション活動等の状況について、海外に向けた情報発信拠点でございますAccess to Tokyoの実績及び委託先、経費、また、東京のスタートアップエコシステムの海外プロモーション活動の実績及び経費を記載しております。
 次の四ページは、東京ベイeSGプロジェクトの事業別経費と契約案件別支出一覧でございます。
 最後の五ページでございますが、情報公開における一部開示一覧でございまして、件名、不開示部分及び根拠規定を記載してございます。
 資料に関するご説明は以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○鈴木委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○松岡委員 松岡あつしです。よろしくお願いします。
 スタートアップ戦略推進本部の令和六年度決算について質疑を行わせていただきます。
 スタートアップ戦略推進本部は、令和四年十一月にスタートアップ戦略、Global Innovation with STARTUPSを策定し、各種施策を展開しているとお聞きしております。
 戦略の冒頭には、挑戦者が生まれ、世界から集まり、挑戦者を応援する東京を目指すことを掲げ、ボーングローバルをキーワードに、東京の強みを生かし、多様なプレーヤーとともに取り組んでいくなど、現在の取組の基本が示されています。
 具体的な指標としては、テン・バイ・テン・バイ・テンのイノベーションビジョン、東京発ユニコーン数、都内の起業数、東京都の協働実践数をそれぞれ五年で十倍にするという意欲的な目標が掲げられています。
 この目標に対する令和六年度の実績を確認させてください。

○小澤イノベーション推進担当部長 都は、戦略に掲げたビジョンの実現のため、SusHi Tech Tokyo、Tokyo Innovation Base、TIBというイノベーションを生み出す大きなプラットフォームづくりを進め、スタートアップの成長につなげてまいりました。
 昨年度は生成AIの開発を行う企業など、時価総額一千億円を超える企業が四社生まれ、都内の新規スタートアップの企業数は、民間データベースで約七百七十社となっております。
 さらに、都がファーストカスタマーとなる官民協働実践数は昨年度二百五十二件となり、当初の二十八倍まで増加しております。

○松岡委員 官民協働などの取組が着実に進み、また起業からたった一年でユニコーンとなった企業が生まれていることを確認ができました。
 都市の社会課題解決につながるスタートアップが数多く生まれ、グローバルに成長することにより、持続可能な社会や都民の豊かな暮らしを実現していくことが重要です。
 策定から三年経過する中で、これまで以上に取組を加速させていただくことを要望したいと思います。
 こうしたスタートアップ支援のために設置されたのがTokyo Innovation Base、TIBです。
 TIBは、世界中のイノベーションの結節点へというコンセプトを掲げており、世界各地のスタートアップ関係者が集まる日本のハブを目指しています。世界からスタートアップや投資家、支援機関などが東京に集まり、日本のエコシステムが世界とつながることでグローバルに活躍するスタートアップの輩出につながると考えます。
 そこで伺いますが、TIBは昨年度、昨年、世界のエコシステムやプレーヤーと具体的にどのような連携をしてきたのか伺いたいと思います。

○小澤イノベーション推進担当部長 昨年五月のTIBのグランドオープン時のイベントには、世界の二十の国、都市からスタートアップ支援機関等が参加し、東京と世界各国のエコシステムが協力してイノベーションを起こしていくことを共有いたしました。
 九月には、都とMOUを締結している台湾の支援機関と連携し、TIBでスタートアップ等の相互交流を図ったほか、十月にはアメリカの著名なアクセラレーターによる大規模なグローバルカンファレンスを開催いたしました。
 これらを含め、昨年度は三十の国、地域から百を超える政府機関や大学、VC等がTIBを訪問し、キーパーソンとの関係を構築するなど、TIBを起点に、世界のエコシステムやプレーヤーとの連携が着実に進んでおります。

○松岡委員 世界各国の支援機関などと関係構築を進めていくことが分かりました。スタートアップが世界に飛び出していくために不可欠な取組であり、さらなる連携を期待したいと思います。
 さて、スタートアップの方にお話を伺いましたが、起業に当たっては、事業計画策定から製品開発、資金調達などの多くのタスクを一人でこなす必要があり、事業を円滑に進めていくためには、気軽に相談できる起業家仲間やコミュニティを持ち、経営者ならではの悩みの共有や相談ができる場を持つことが重要だという意見が多いです。
 多くの起業家や様々な関係者が集まるTIBは、こうした起業家の悩み相談など、一歩進んだ関係づくりを行う場としても期待されます。
 そこで、TIBでの交流を活性化するために、昨年度、具体的にどのような取組を行ってきたのかを伺いたいと思います。

○小澤イノベーション推進担当部長 TIBでは、各フロアのコミュニティマネジャーが利用者からの相談に応じるとともに、スタートアップや支援者、全国の自治体職員をはじめ、ユーザー同士の関係を深めるカジュアルな交流会であるミートアップを昨年度は百回以上開催いたしました。
 また、TIBの立ち上げ期から企画運営に参画するスタートアップ支援のキーパーソン、通称スタメンが主体となりまして、創業間もないスタートアップや起業を目指す方々の抱える課題や悩みを解決するメンタリングイベントを計十回開催いたしました。

○松岡委員 コミュニティマネジャーやスタートアップ関係者を中心に、TIBで交流を生み出す取組が行われていることが分かりました。引き続き日々工夫をしながら、コミュニティ形成を進めていただきたいと思います。
 こうしたオープンな形での交流に加え、我が会派は将来有望な才能ある起業家にグローバルの第一線で活躍する経営者をメンターとして引き合わせることや、成功した経営者の考え方を都が聞き取り、整理して広く共有することがスタートアップの成長支援として必要という主張も行ってきました。
 そこで、東京都は、将来性のあるスタートアップの飛躍に、きっかけとなる、こうした取組をどのように進めてきたのかを伺いたいと思います。

○岩井スタートアップ戦略推進担当部長 都は昨年度、トップクラスの経営者等の協力を得まして、将来有望なスタートアップに対しアドバイスを行うプレミアムメンタリングを開始いたしました。
 昨年度は十六歳でIT企業を設立した元台湾デジタル発展相のオードリー・タン氏と、複数の企業を成功に導いた連続起業家がメンターを務め、GX促進に取り組むスタートアップなどと面談を行いました。
 また、メンター自身の経験談や、これから起業する方へのメッセージなどを記事にまとめ、TIBのホームページに掲載するとともに、SNS等を通じた情報発信を行い、広くスタートアップの成長を後押ししております。

○松岡委員 スタートアップや様々な支援者等の結節点であるTIBでこれらの取組が着実に実施されていることが確認できました。引き続きメンタリング等の充実に向けて取組を進めていくことを期待したいと思います。
 これまでの取組で東京が世界のスタートアップ都市として確実に存在感を高めていることが分かりました。
 一方で、こうした取組が都民生活の中でどのように価値として還元されるか、ここが次のステージの焦点だと考えます。
 特に経営者だけではなく、そこに関わる労働者、納税者、投資家といった多様な関係者を支える総合的な支援策が求められると思います。
 また、起業家精神、アントレプレナーシップを育む教育を小中学生の段階から体系的に進めていくことも重要です。
 スタートアップが生み出す技術やビジネスは単なる経済成長の手段だけではなく、子育て、環境、防災、医療、地域産業など都民生活の質を高める社会実装へと結びついてこそ意義があります。そのため、Tokyo Innovation Base、TIBを中心に、行政、大学、地域、市民社会との連携をさらに広げ、都民が実感できる形での成果創出を要望いたします。今後とも、挑戦する人と、それを支える社会の好循環が東京から生まれるよう、引き続きの取組を強く期待したいと思います。
 次に、官民連携ファンドについて伺いたいと思います。
 スタートアップの成長に必要なものは、一つは支援者や共同創業者、パートナーといった人との出会いとつながりであります。そして、もう一つが資金です。
 こうしたスタートアップへの資金供給を支援する重要な取組である官民連携ファンドについて、何点か伺いたいと思います。
 まず初めに、都がファンド事業を行う意義について改めて確認をさせてください。

○小澤イノベーション推進担当部長 官民連携ファンドは、資金供給が十分でない黎明期にある領域に都が出資を行うことで、これを呼び水に民間資金やノウハウを引き出し、新たな資金の流れの創出や政策実現につなげることを目的としております。
 ファンドのスキームを活用し、長期的な支援が必要な技術の開発等を通じて、社会課題解決に取り組むスタートアップを支援し、グローバル市場への飛躍を後押ししております。

○松岡委員 民間の投資が集まりづらい新しい領域に、都がファーストペンギンとして資金を出していくものであるということは理解をしましたが、官民ファンドは単に資金を供給する器ではなく、日本におけるリスクマネー文化を醸成する社会的装置でもあると思います。都が果敢にファーストペンギンとして投資を行うことは民間資金を呼び込むこととなり、東京のイノベーションエコシステムを形成する上で不可欠です。
 一方で、海外の成功事例のように、ファンド運営の透明性や成果指標の明確化が求められます。都としても単年度的な成果だけではなく、長期的な技術、人材、市場創出の視点からPDCAを確立し、真に社会課題を解決するイノベーションを後押ししていただきたいと要望します。
 そこで、東京都の令和六年度の官民ファンドの方針を確認したいと思います。具体的にどういった分野でファンドを設立してきたのか伺います。

○小澤イノベーション推進担当部長 技術の社会実装までに長期間を要する大学の優れた研究や研究開発型のディープテック企業の技術開発を支援する大学発スタートアップ等促進ファンドを昨年二月に組成し、本格的に活動を開始いたしました。
 また、グロース期の資金供給の不足を背景として、今年三月に社会課題の解決に向けて大きなポテンシャルを有するグロース期のスタートアップを支援する官民連携インパクトグロースファンドを組成いたしました。

○松岡委員 都が率先して資金供給をすることで、社会課題解決につながる分野に資金の流れを広げていこうとしていることは分かりました。
 一方で、公金を用いたファンドを通じて成果を出していくためには、しっかりとした目利き力を持った質の高い運営事業者を適切に選ぶことが重要です。
 そこで、官民連携ファンドの運営事業者をどのように選考したのか、またどのような視点で選んだのかを伺いたいと思います。

○小澤イノベーション推進担当部長 ファンド運営事業者の選定は、応募者からの提案内容につきまして、専門事業者による適正調査を実施した上で、法律や会計、投資分野等の専門家を含めた選定委員会での厳正な審査等を経て行っております。その際、事業者の経営の健全性やファンドの趣旨に即した資金供給先の発掘能力、ファンドスキームの実現性等の観点から確認を行っております。

○松岡委員 外部専門家の参加をする委員会において、様々な観点からファンド運営事業者を選考していることが確認できました。先ほど答弁のあったファンドの意義が着実に実現されるよう、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 さて、イノベーションを生み出すためには、様々な人が交わるダイバーシティの視点も重要です。同じようなバックグラウンドを持つ方だけではなく、例えば女性や海外との強いネットワークを持つ事業者など、多様な関係者が活動に関わっていくことが大切であり、投資においてもこうした性別、専門、地域、海外連携などの多様性が求められます。
 その点、昨年組成した大学発スタートアップ等促進ファンドは、多様なファンドと連携して、スタートアップへの資金供給に向けた活動を進めていると聞いておりますけれども、大学発スタートアップ等促進ファンドについて、その状況と成果を伺いたいと思います。

○小澤イノベーション推進担当部長 大学発スタートアップ等促進ファンドは、スタートアップへと資金供給を行うファンドに対して出資をするファンド・オブ・ファンズの仕組みを取っておりまして、昨年度、八つのファンドへの出資決定を行いました。
 例えば理学系の博士号を持つ女性二名が立ち上げたヘルスケア特化ファンドや、大学発スタートアップのCFOとして海外市場で大型の資金調達を実現した経験者が運営するファンドなど、多様な出資先となっております。
 これらのファンドを通じまして、大学と連携した案件発掘や協働支援などを行い、将来性のある研究開発型スタートアップへの大きな資金の流れをつくり出し、その成長を支援してまいります。

○松岡委員 ご答弁ありがとうございました。スタートアップの成長に不可欠な資金供給を様々なファンドの目利き力を生かして取り組んで行おうとしていることが分かりました。この質疑を通して、都がスタートアップ戦略に掲げた取組を着実に前に進めており、それらの成果が出始めていることも確認できました。
 我が国では民間のリスクマネーが十分に供給されず、ユニコーン企業の創出数も、欧米やアジア主要国に比べると極めて少ない現状があります。こうした中で、東京都の官民連携ファンドは、民間のリスク回避傾向を補完し、新たな市場を開く重要な政策的試みです。
 しかし、その真価は、投資額や採択件数だけではかれるものではなく、どれだけ社会に新たな価値や雇用を生み出せるかにあると思います。
 東京都は、成果指標の高度化とともに、成功事例の可視化を通じて、民間の投資によって社会的インパクトをぜひ牽引し、都民に対して官民ファンドが社会課題をどう解決するかを可視化すべきであると要望します。
 今後も東京都のスタートアップエコシステムがさらに大きく成長していくことを期待し、私からの質問を終わります。ありがとうございました。

○ゆもと委員 我が国が人口減少や国際競争力の低下に直面をする中、東京からイノベーションを生み出し、日本の成長を牽引していくことが重要であります。そして、イノベーションの担い手として期待されるのがスタートアップでございますが、スタートアップが持つ有望な技術を世の中に普及をさせていくためには、大企業、投資家、大学、支援機関などと交流し、新たなビジネスを生み出すためのアイデアをぶつけ合い、適切な支援を提供できるパートナーを見つけていくことが欠かせない点であります。
 また、未来を担う子供や若者たちの新たな起業家が生まれるよう、好奇心やチャレンジ精神を高めていくことも大切であると思います。
 こうしたスタートアップ育成の取組の柱として、大規模イベント、SusHi Tech Tokyoを毎年開催をしていることと思います。
 そこでまず、今年五月のSusHi Tech Tokyo 二〇二五の開催に向け、どのような準備を進め、開催内容の強化、また発展に取り組んだのかお伺いをいたします。

○前林スタートアップ戦略推進担当部長 世界中からスタートアップとその支援者を集め、イノベーション創出の場として発展させるため、会場規模を一・三倍に拡大し、出展数を増加させるべく、大企業、国内外の都市への参加打診に注力をしてまいりました。また、成長分野における有力なプレーヤーの参加や交流を生み出すため、AI、量子技術、フードテックというイノベーションが期待される技術領域をFocus onとして定め、様々な関係者の協力を得ながら、最前線の研究者や企業によるセッション、技術展示などを集中的に企画してまいりました。
 さらに、子供や学生等がイノベーションのすばらしさを体感し、挑戦する意欲を高める機会として、パブリックデーの新設に向け、準備を進めてまいりました。

○ゆもと委員 様々な角度から強化を図り、質、量ともに充実させるべく取り組んでこられたことが分かりました。
 さらにいえば、有望なスタートアップが大きく成長していくためには、東京に集積し、高い技術力と販売網を有する大企業との協業、そして国内外の有力な投資家からの資金調達、これら二つが極めて重要であります。
 こうしたパートナーとの出会いの機会を提供することがスタートアップを育むカンファレンスとして肝要だと考えます。
 スタートアップとの協業に意欲のある大企業や有力な投資家の参加を増やしていくために、どのようなことに取り組んできたのかお伺いをいたします。

○前林スタートアップ戦略推進担当部長 日本を代表する大手自動車メーカー、電機メーカーやメガバンクなど多くの大企業にアプローチし、オープンイノベーションの取組を発信する展示や企業トップのセッション登壇への協力を取り付けてまいりました。
 また、国内企業との事前マッチングなど、きめ細かな対応により、海外の有力投資家を誘致し、VCステージでの登壇や、その後の交流の場の設定により、スタートアップとの出会いの機会を提供することとしてまいりました。
 こうした取組が大企業をはじめとしたコーポレートパートナー四十七社、海外投資家五百名以上の参加につながりました。

○ゆもと委員 スタートアップが成長していくために必要なパートナーとの出会いを提供し、新たなビジネスを生み出す場として着実に発展させるべく取り組まれていることが分かりました。こうした取組は、具体的な成果としてしっかり結実していくことが重要であります。
 昨年度まで過去二回の開催の中でどのような成功事例が生まれたのか、この点についてお伺いいたします。

○前林スタートアップ戦略推進担当部長 例えばスタートアップのピッチコンテスト、SusHi Tech Challengeの優勝企業では、核融合炉の研究開発を行う企業が百億円の資金調達を実現した事例や、優れた発酵技術を有する企業が大手飲料メーカーとの協業により新製品を開発した事例が生まれています。
 また、学生向けのピッチコンテストでは、入賞した学生起業家が資金調達に成功した事例があるほか、水害対策などに取り組む海外都市とその課題解決に貢献する技術を持つスタートアップが協働し、現地で実証事業を行う事例が生まれています。

○ゆもと委員 SusHi Techに――何ていうんですか、出展をされて様々な発信をされる。しかし、発信をすることがうまくても、ビジネスにつながらなければ、それは意味がないというふうに思いますので、こういう成功事例をたくさん積み上げていくこと、地道かもしれませんが、これが開催をする意義であり、東京の発展につながる、資する取組になっていくと考えております。
 資金調達や協業など、実際に成果といえる事例が生まれたことが分かりました。こうした事例をさらに増やしていっていただきたいと思います。
 こうしたスタートアップの成長を支える取組のもう一つの柱が、スタートアップや、その支援者等の結節点として設置運営されているTokyo Innovation Base、TIBであります。オープン以来、都内だけではなく、全国からも起業家や自治体関係者などがたくさん訪れていると伺いました。社会課題の解決と経済成長の好循環を生み出す原動力であるスタートアップ振興は我が国全体の課題であり、日本の首都である東京が地方と連携して取り組むことで、全国のスタートアップの成長につなげていくことが重要であると考えます。
 そこで、TIBを活用し、全国との連携をどのように進めてきているのかお伺いいたします。

○岩井スタートアップ戦略推進担当部長 TIBでは、都内のみならず、全国の自治体と連携し、スタートアップや支援機関などを結びつける様々な取組を行ってまいりました。
 昨年十一月の一周年アニバーサリーウイークでは、全国四十七都道府県に所在する自治体のスタートアップ支援担当者等が一堂に会する交流イベント、ALL JAPAN ECOSYSTEM MEETUP 二〇二四を初めて開催いたしました。
 さらに、各自治体がそれぞれの地域のスタートアップ等をPRするピッチイベントなどを昨年度四十回以上開催しておりまして、関係者の交流を深める場としてTIBが広く活用されております。

○ゆもと委員 様々な機会を捉えて、全国との結節点としてTIBが発展してきていることを評価させていただきたいと思います。こうした取組を重ねることにより培った全国とのつながりを生かして、具体的にスタートアップの成長を後押ししていくことが重要であります。
 都は、行政が率先してスタートアップのファーストカスタマーとなる公共調達に力を入れておりますが、この取組においても全国との連携を進めていると伺いました。
 そこで、公共調達に関する全国連携の取組の内容や成果をお伺いいたします。

○岩井スタートアップ戦略推進担当部長 スタートアップからの公共調達を推進するため、都は昨年度、全国八つの自治体と連携しまして、スタートアップの魅力ある製品やサービスの情報をカタログ化して発信し、自治体相互の活用につなげるファーストカスタマー・アライアンスの取組を開始いたしました。
 全国の自治体に職員が出向くなどして参画を働きかけておりまして、この仕組みを利用し、福岡市が認定した、災害時に少量の水だけで一週間以上光るライトを都が購入するなど、行政課題解決に向けた連携が進んでおります。

○ゆもと委員 非常に興味深い成果だというふうに思います。全国との連携の仕組みを立ち上げて、具体的な事例も生まれてきていることが確認をできました。スタートアップの成長への支援を通じて日本全国の成長につなげていけるよう、さらに取組を推進していただきたいと考えます。
 最後に、中堅、中小企業との連携についてお伺いをしたいと思います。
 私の地元大田区には、規模は小さくても世界に誇れる優れた技術を持つ企業が数多く活躍をしております。そうした技術とスタートアップのアイデアを結びつけることで、革新的なものづくりが実現ができるのではないかと考えております。
 TIBは、あらゆる挑戦者が集い、交流する場でございますが、中小企業も参画できることがより望ましいと考えます。
 昨年度、TIBでは中小企業との連携がどのように行われたのかお伺いをいたします。

○岩井スタートアップ戦略推進担当部長 昨年度、スタートアップと中小企業、研究機関等が協働し、高度な技術とアイデアを掛け合わせ製品開発を進める、ものづくり支援のエリア、FABを新設しまして、年度末の会員数は約四百者となりました。
 FABでは、区の支援機関等と連携して新たなビジネスを立ち上げるスタートアップ等に対して、製品開発を協働で進める中小企業を紹介するなど、技術面からのマッチングを約三十件行いました。
 また、TIBで東京商工会議所と連携に向けた意見交換を行い、スタートアップと中堅、中小企業とをつなげるピッチイベントを開催いたしました。

○ゆもと委員 中小企業、特に長い歴史を持つ中小企業は、まさに今の東京をつくってきた、その技術をたくさん蓄積をしております。ですが、その技術を応用していったり、さらには、その技術をいろいろな人に知ってもらう発信、こういうものがなかなか苦手であって、実はそのすばらしさが生かし切れていない。こういう部分を埋めていくことが、まさにこの事業の取組の中で私は期待をしていきたい部分であります。東京の強みである中堅、中小企業の力とスタートアップをつなぐ取組を継続し、成果を生み出していってほしいと考えます。
 スタートアップの大きな成長とともに、都内の中堅、中小企業がさらに元気になり、そして東京全体の経済活動の活性化、さらには社会の課題解決、このようなことにつながっていく取組を推進していただくことを要望し、私の質問を終わらせていただきます。

○大竹委員 都はスタートアップ戦略、Global Innovation with STARTUPSを策定し、スタートアップの挑戦を後押しする様々な施策を展開しております。その大きな柱の一つが、有楽町にあるTokyo Innovation Base、TIBであります。
 先日、私も足を運んでまいりましたが、多くのスタートアップや、それを応援する企業等が集まって、活発な交流や熱を帯びた議論が行われておりました。ここから新たなイノベーションが次々と生まれてくるという期待を強く感じました。
 デジタルツールが発達する世の中ではありますが、イノベーションを生み出すためには、フェース・ツー・フェースでの出会いや交流が重要であるほか、それをスタートアップのビジネス展開に生かしていくという視点が大事であります。
 そこで、都は有楽町というアクセスのよい場所にスタートアップ拠点を設置し、リアルな交流を通じて、どのようにスタートアップの事業展開や若者の挑戦を後押ししているのかお伺いいたします。

○小澤イノベーション推進担当部長 有楽町は東京駅に隣接するなどアクセスに優れておりまして、多くの人が集まるその高いポテンシャルを生かし、TIBでは様々なイベントを連日開催し、スタートアップや支援者等が対面で活発に交流を行っております。
 歩道に面する一階では、一般向け製品を扱うスタートアップが期間限定で試験販売を行い、昨年度は約一万点が購入されるとともに、現地を訪れた企業との出会いをきっかけに、商業施設等への販路開拓が十四件成立いたしました。
 また、起業等に関心のある学生によるコミュニティが毎週活動を行っておりまして、異なる大学の学生たちが様々な形で交流し、刺激し合うなど、TIBのリアルな場を生かして、スタートアップの事業拡大や若者の成長につなげております。

○大竹委員 TIBでのリアルな出会いがスタートアップの成長を後押ししていることが確認できました。引き続き多くのスタートアップがTIBを活用し、事業を成長させるつながりを得ることを期待して、次の質問に移ります。
 次に、官民協働の推進についてです。
 都が抱える様々な課題を解決するためには、都政現場でスタートアップの知恵やアイデアを生かして、官民協働や公共調達を広げていくことが重要であると考えます。
 都議会公明党はこれまで、行政がスタートアップとの協働を進めることは、スタートアップの成長のみならず、住民サービスの向上にもつながることから、積極的に都庁全体で推進することを求めてきました。
 一方で、スタートアップを目指している方にとって、役所に行って行政職員と話をすることは、こうしたことに対してハードルが高いと感じる場面もあると思います。行政とスタートアップが協働できる仕組みをつくり、都からスタートアップ当事者に歩み寄り、寄り添う姿勢を示していくことが重要と考えます。
 都は、行政とスタートアップが対話を通じて協働を進めるプロジェクトや、スタートアップからの提案を都政課題解決に生かす事業を実施しており、とても効果的でよい取組であると考えます。
 そこで、スタートアップ戦略推進本部がスタートアップと都政現場との橋渡し役となり、こうした取組を積極的に進めていくべきと考えますが、昨年度どのような実績があったのかお伺いいたします。

○前林スタートアップ戦略推進担当部長 都ではスタートアップの優れた技術を都のあらゆる現場で活用し、都政課題の解決に向けて取り組んでまいりました。都政の様々な課題を提示し、スタートアップと都庁各局の現場職員が対話を重ねながら課題解決を図るプロジェクトを昨年度は十九件実現いたしました。
 また、スタートアップからの都政課題解決に資する自由な提案を幅広く受け付け、当本部職員が各局とスタートアップのサポート役となり、十一件の試験導入につなげてまいりました。

○大竹委員 ただいま昨年度の実績について確認をいたしましたが、都民の方々にスタートアップの持つアイデアを、こうした技術を暮らしの中で実感してもらうことが重要と考えます。
 そこで、都民の暮らし向上に向けてどのような官民協働の取組があったのか、具体的な事例をお伺いいたします。

○前林スタートアップ戦略推進担当部長 各局から提示された課題に対しまして、スタートアップのプロダクトやサービスを活用して、都民への分かりやすい情報発信やサービスの向上などにつなげております。
 昨年度は、例えばメタバースを活用して、江戸時代の計量器を操作する体験コンテンツを制作することで、生活に身近な計量の大切さを都民に体感していただく機会を提供させていただきました。
 また、事業者からの提案では、高い冷却性能を持つ素材を都営バスの天井部などに張りつけることにより、温度上昇を抑える技術を検証いたしまして、そのスタートアップが持つ技術がほかの都庁の現場でも導入された事例などがありました。

○大竹委員 都民生活に役立つスタートアップの製品、サービスが様々な都民生活の役に立っていることが確認できたと同時に、行政課題の解決につながるだけでなく、行政が率先して導入することで、スタートアップの成長にもつながる重要な取組であることが確認できました。
 通常の契約の仕組みだけでは難しい部分を、こういった取組を通じスタートアップの力が生かせる官民協働、公共調達を進めていくことが大切であると考えます。引き続き、スタートアップ戦略推進本部が旗振り役となって、全庁を挙げて進めていっていただきたいと要望いたします。
 TIBとともに、スタートアップエコシステムを推進するプラットフォームとなっているのが、国内外から多くのスタートアップが出展、交流するSusHi Tech Tokyoであります。
 スタートアップはイノベーションを生み出し、東京を発展させていくための原動力であり、SusHi Tech Tokyoはスタートアップの成長に向けて重要な役割を担っていると認識しています。
 国内外で数多くのスタートアップイベントが存在しますが、SusHi Techが世界の中でプレゼンスを発揮していくためには、国内はもとより、アジアの中でも最も充実したイベントにすることが重要であります。
 SusHi Tech Tokyoは、過去三回の開催を経て、アジア最大級のイノベーションカンファレンスになったと聞いておりますが、世界中から多くの参加者を集めるため、これまでどのように取り組み、成長させてきたのかお伺いをいたします。

○前林スタートアップ戦略推進担当部長 世界中からスタートアップや支援者が集まるカンファレンスにするため、世界各地の展示会に職員が直接赴き、SusHi TechをPRするとともに、現地支援機関などのキープレーヤーと関係づくりを進めてまいりました。
 また、TIBで海外機関の来訪を百六十回以上受け入れたほか、各国在京大使館を訪問するなど、スタートアップ育成に係る意見交換を重ねてまいりました。
 こうした相互のやり取りを通じて信頼関係を構築し、海外都市の出展や、地元スタートアップを帯同した来場などにつなげることで世界中から参加者を増やし、アジア最大級のイノベーションカンファレンスへ成長させてきております。

○大竹委員 国内外における職員の地道な取組により、アジア最大級というにふさわしい、世界中の人々が参加するイベントに成長させてきたことが分かりました。引き続きSusHi Tech Tokyoを発展させていくことでスタートアップの成長に結びつけ、その効果を都民に還元していくことを期待して、私からの質問を終わります。

○福井委員 国民民主党東京都議団の福井ゆうたでございます。質問をさせていただきます。
 アメリカでは、新興企業であるGAFAMが大きく成長を牽引するなど、スタートアップ企業は今や成長のドライバーであり、将来の雇用、所得、財政を支える新たな担い手となっております。そうした状況であるにもかかわらず、日本はユニコーン企業創出をしているものの、そのスピードはアメリカのみならず、中国やインドにも及ばず、世界との差は広がるばかりであります。安定を求めてリスクを取らない、これまでの制度や慣行や組織体制の変革も含め、今こそ東京都が、スタートアップが迅速かつ大きく育つ環境を整備して、世界最高にスタートアップフレンドリーな東京を実現する、そうした必要があると考えております。
 令和六年度予算においては、東京都はスタートアップの挑戦を後押しすることでイノベーションを創出するとして、百九十億円規模の予算を計上し、スタートアップ戦略を推進していると認識をしております。
 そして、令和六年五月には、国内外からスタートアップや支援者が集い交流する一大拠点として、Tokyo Innovation Baseを開場したと、そのように認識をしております。
 ほかの委員の方と一部ちょっと重複する部分があって恐縮ではございますが、お伺いをさせていただきたいと思います。
 令和六年度までのTIBの利用者数やイベント実績数といった、この実績と、この実績に対する東京都の受け止めをお伺いしたいと思います。

○小澤イノベーション推進担当部長 昨年グランドオープンいたしましたTIBは、みんなでつくるをコンセプトに掲げ、投資家や民間企業、大学、自治体等の多くのスタートアップ関係者が集い、交流する大きなプラットフォームを目指して活動を行っております。
 昨年度末までに都と協働して取り組む企業、団体であるパートナーは五百者を超え、こうした方々と連携いたしまして、イノベーションの創出やスタートアップの成長を後押しするイベントやプログラムを約八百回開催しておりまして、来場者数は延べ十七万人に達しております。

○福井委員 ありがとうございます。ただいまのご答弁から、また、ほかの委員のご質問のご答弁からも、やはりこのTIBの様々なイベントやプログラムが展開されることによって、投資家であり、起業家、大学、行政など多くのプレーヤーの結節点として機能したと、そのように理解をいたしました。
 起業にチャレンジする初期の段階から、きめ細かく支援を行って、起業の裾野の拡大を図っていくことは本当に大切だと思います。イベント実施数や来場者数、この数字から見ても、TIBが起業の裾野の拡大に貢献しているんじゃないかと、こうしたことが推測できると思います。
 一方で、このスタートアップ先進国アメリカと比べて、日本は特許の出願数に対してスタートアップの設立数が少ないと、そうした傾向がございます。つまり、技術のシーズはあるにもかかわらず、それが事業化につながっていないと、そうした可能性も指摘をされております。事業化に進むために、この関門はいわゆる死の谷と呼ばれております。裾野の拡大、ここまでしっかりできているのかなと思いますので、その後しっかりと事業化に向けた支援ができるかは本当に肝要だと思っております。
 先月、TIBを視察させていただいた際には、アイデアがあるが事業化できない若者を応援するTIB STUDIO、そうしたプログラムがあると、そうしたお話もお伺いをしました。
 そこで、質問をさせていただきます。このTIB STUDIOの概要や、また令和六年度の支援実績をお伺いします。

○小澤イノベーション推進担当部長 TIB STUDIOは、起業家の持つ独創的なアイデアをブラッシュアップし、ビジネスへと磨き上げるプログラムでございまして、それぞれ強みとする領域や手法を持つ十七の支援事業者から最適な支援者をマッチングし、事業成長に向けたビジネスモデルの検証や事業計画策定等のきめ細かな伴走支援を行っております。
 昨年度は約百者の若手起業家等を支援しておりまして、大手通信会社からスピンアウトした、AI技術を活用したアニメ制作支援を手がけるスタートアップなどが本プログラムを通じ、資金調達に至っております。

○福井委員 ありがとうございます。この事業化への関門を越えていくために、伴走支援を都として行っているということが認識をできました。繰り返しになりますが、この事業化に向けた死の谷をどう乗り越えていくか、どう支援していくか、これがスタートアップフレンドリーな東京の実現に向けては非常に大切だと考えております。TIB STUDIOによる支援拡充や、また、この伴走支援の効果検証、こういったことも要望させていただき、次の質問に移りたいと思います。
 事業化と同じく、起業家にとって大きな壁となるのが資金面の問題でございます。欧米における資金供給環境との比較において、日本発スタートアップへの資金供給額が相対的に小さいといわれています。有望なスタートアップの成長を促進するために、資金供給面において行政の後押しが必要だと考えております。
 都は、成長可能性があるスタートアップを資金面で支援するためのファンドの出資を行っておりますが、この取組を成功させるためには、適切な投資先を選定する目利き力を有した、そして成長に必要な経営支援を行えるファンド運営事業者が選定されることが最も重要だと思います。
 そこで、質問させていただきます。本年三月に組成された官民連携インパクトグロースファンドにおいて、運営事業者の実績や経営面で行う支援の特徴について教えてください。

○小澤イノベーション推進担当部長 官民連携インパクトグロースファンドは、グローバルに活躍するスタートアップの創出等を目指し、社会課題の解決に向け、大きなポテンシャルを有するスタートアップを支援するため、今年三月、都が百億円を出資いたしました。昨年十月に選定された運営事業者は、日本に加え、海外四拠点を有するグローバルVCでございまして、累計で約一千七百億円のファンドを通じて、二百三十社以上のスタートアップに投資し、十七社のIPOを実現した実績を有しております。
 本ファンドでは、グローバルで活躍するスタートアップの創出に向け、世界規模の戦略コンサルティングファームとも提携し、グローバルネットワークを活用した事業開発や販路開拓の支援を行ってまいります。

○福井委員 ありがとうございます。スタートアップの大きな成長が生み出されるように、ファンド運営事業者が行う投資活動であったり、また経営支援の状況、また都が実施した出資がしっかりと出資の呼び水になっているかどうか、そうした点を都は継続的に確認をしていっていただきたいなというふうに思います。
 続いて、Access to Tokyoの取組についてお伺いします。
 Access to Tokyoは海外に向けた情報発信拠点として、現地での広報活動やハブ機関等の連携を行っており、令和六年度にはインド・ベンガルールに新規開設されるなど、世界五か所に窓口が設置されています。戦略的な海外プロモーションを展開し、海外からの資金を呼び込むことはスタートアップエコシステムを構築していく上で非常に重要です。
 そこでお伺いをします。昨年度、Access to Tokyoは取組を強化しておりますが、その内容も含め、令和六年度の実績についてお伺いします。また、その結果として、どのような成果につながったかをお伺いしたいと思います。

○鈴木プロモーション推進部長 令和六年度は、これまで実施してきた東京の市場環境や魅力についての情報発信に加えまして、東京のエコシステム活動についての積極的なPRを開始するとともに、成長著しいインドのベンガルールに新たに窓口を開設いたしました。
 各窓口では、SNSの活用やセミナーの開催、展示会への訪問など、多様な手段を用いて、現地のスタートアップ支援機関や投資機関、企業など、計五千三百二者にSusHi Tech Tokyo、TIBや各種支援施策等を紹介いたしました。
 また、三百八十八の企業や団体と個別に面談を行いまして、本年五月のSusHi Tech Tokyoへの参加やブース出展、TIBの利用等につなげたところでございます。

○福井委員 ありがとうございます。Access to Tokyoを通じて、進出企業希望への、企業への誘致活動の裾野が広がっていると理解をしました。今後は、こうした取組が実際のディールにつながっていくか十分注視をいただきながら、引き続き情報発信を強化していただきたいと思います。
 最後になりますが、国民民主党東京都議団は、現役世代の手取りを増やすと訴えて、さきの都議選を戦ってまいりました。今や、このスタートアップ企業は世界中で成長のドライバーとなっております。事業化、資金、海外進出など、まだ課題は多くありますけれども、スタートアップフレンドリーな東京を実現して、現役世代の将来の雇用や所得を支える新たな担い手を多くつくり出していくべく、スタートアップ戦略を力強く推進をしていただくようお願いを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。

○さんのへ委員 まず、東京ベイeSGプロジェクトについて伺います。
 本プロジェクトは臨海副都心を国際イノベーション拠点として再構築し、環境、経済、社会の調和を図るとされています。もともと東京ベイとされる臨海副都心は、台場、青海、有明北、有明南の四つの地区に分かれ、総面積は四百四十二万平方メートル、東京ドームおよそ九十四個分に相当する埋立地です。
 東京都は、一九八五年から東京テレポート構想として未来型の都市を目指し、開発を進めてきた経緯があります。この東京テレポート構想は二兆円もの事業費が費やされたものの、バブル崩壊を経て、ビジネス拠点ではなく観光地として発展しましたが、特に青海地区においては更地となった場所や、船の科学館はまさに今解体作業が進められており、その将来像が十分に共有されていない状況です。
 私は江東区選出の議員として地元住民や事業者の方から、残してほしかった施設も計画や契約の名の下に次々となくなってしまった、今後どんなまちになるのかが分からない、地域の声が届かないという不安の声を多く伺っています。
 そこでまず、東京ベイeSGプロジェクトにおける台場、青海地区の戦略としての位置づけや令和六年度決算において、台場、青海地区に関連する支出の主な内容と金額の内訳をお示しください。

○松本東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務 台場、青海地区を含む臨海副都心は、職、住、学、遊の機能や、水辺、緑に親しめる公園等がバランスよく立地し、東京二〇二〇大会関連施設、民間のエンタメ施設等、新たな魅力が生まれるエリアでありまして、東京ベイeSGプロジェクトは、このエリアと中央防波堤エリアをフィールドに、五十年、百年先を見据え、自然と便利が融合する持続可能な都市を構想し、様々な取組を展開しております。
 プロジェクトの経費につきましては、台場、青海地区など特定の地区を対象としたものではなく、プロジェクト全体に係る事業費となっております。

○さんのへ委員 五十年、百年先を見据えているとのことですが、都がいかに壮大な構想を掲げても、地域住民とビジョンを共有できなければ、未来のまちづくりとはいえません。今後は、現場の声を起点とした説明と対話を重ね、都民が誇れる臨海副都心の再構築を進めていただくことを要望します。
 次に、資料要求で提出いただいた東京ベイeSGプロジェクトの事業別経費及び契約案件別支出についてです。
 令和六年度は四月から五月の約一か月間、SusHi Tech Tokyo 二〇二四ショーケースプログラムを開催し、この開催経費は決算額で十五億五千七百七十九万千九百三十八円となっています。単年度事業としては極めて大きな金額であり、都として、その支出の妥当性をどのように説明するのか伺います。
 この事業は、未来の都市モデルを世界に発信するとの名目で、東京ベイエリアを舞台に実施されたものです。実際は展示や演出に相当の費用がかけられた一方で、都民や地元事業者への具体的な還元や経済波及効果が見えにくいとの指摘が多くあります。この事業により、どのような経済波及効果、国際的評価が得られたのでしょうか。
 また、都内スタートアップ企業の海外展開支援や投資誘致など、実際の成果につながった具体的な数値はあるのか伺います。

○松本東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務 ショーケースプログラムがSusHi Tech Tokyo 二〇二四を構成するグローバルスタートアッププログラム、シティリーダーズプログラムとともに実施した三つのプログラムのうちの一つであります。都民や国内外からの来場者が、最先端技術が実装された未来の東京を体感できるプログラムとして、四月二十七日から約一か月間にわたり、日本科学未来館、シンボルプロムナード公園などの四つの会場で開催し、百六十七のコンテンツを展開しました。
 期間中、延べ約六十一万二千人が来場し、約二百者の企業、団体が協賛パートナーとして参加し、様々なテクノロジーの展示の実施、普及を図ってまいりました。

○さんのへ委員 十五億かけた事業だというのに、この経済波及効果すら調査、精査されていないということに驚きを隠せません。経費の多くがイベントとしての演出やPR活動が中心で、一過性で終わっていないかという点も懸念します。
 実施後のフォローアップとして、都はどのように効果検証を行い、効果が得られなかったイベントや事業の中止、廃止、統廃合もされていると思いますので、その結果も報告の上、今後の事業にどう反映させているのか、検証を外部評価など第三者的視点から行っているのか、都民の生活、地域経済にどのような価値をもたらしたかを伺います。

○松本東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略推進担当部長兼務 ショーケースプログラムは外部の有識者を交えた実行委員会方式で実施し、様々な意見を取り入れて開催したほか、終了後も関係者の意見を踏まえ、開催報告書を取りまとめ、公開しております。
 来場者アンケート調査の結果、イベント満足度は八二・六%となり、自分たちの手でよりよい未来をつくっていきたいと思った、便利な未来を身近に感じられたなどの声を多くいただきました。
 こうした内容をSusHi Tech Tokyo 二〇二五のパブリックデーなどに生かしております。

○さんのへ委員 答弁の中で、来場者アンケートの結果、イベント満足度八二・六%とありました。イベント報告書では、事業者である技術パートナーに対してのアンケート結果も掲載されています。こちらでは、あなたは今後同じような東京都のイベントが開催された場合、どの程度参画したいですかという問いに対して、二六%の事業者が参画したくない、どちらともいえないと回答しています。多額のお金をかけてSusHi Tech Tokyoを開催することの根本的な意義が問われていますので、こうした意見はしっかりと精査して受け止めていただきたいと思います。
 次に、資料要求した海外プロモーション活動等の状況について伺います。
 まず、海外に向けた情報発信拠点、Access to Tokyoでは、ロンドン、パリ、サンフランシスコ、シンガポール、ベンガルールに窓口を設置し、現地での広報活動や支援機関との連携等を図っているとあります。実績として、現地企業、機関へのコンタクト数五千三百二件とされていますが、このコンタクト数とはどのような定義でしょうか。メールでのやり取りもこのコンタクト数に含まれるでしょうか。また、現地での広報活動や支援機関との連携等の具体的な内容についても、事例を挙げて包括的にご報告ください。

○鈴木プロモーション推進部長 コンタクト数とは、現地企業やエコシステム関係者に対しまして、東京のエコシステム等に関する情報提供を実施した件数でございまして、メールやSNSのダイレクトメッセージを活用するほか、現地の展示会やイベント等において対面で会話するなどによりまして先方にコンタクトをした件数でございます。

○さんのへ委員 コンタクト数の定義というところも極めて曖昧であると感じます。対面での会話もコンタクト数とされているようですが、どうやってカウントされているのか疑問を持たざるを得ません。
 また、相談対応数として延べ三百八十八件とあります。実際に寄せられた相談内容と、都としてどのような対応をされたのか教えてください。

○鈴木プロモーション推進部長 日本でのビジネス展開等に役立つ情報やコネクションを求める企業の相談に対しまして、東京都の支援制度や相談窓口を紹介するほか、SusHi Tech Tokyoの出展案内等を行いました。
 また、現地の商工会議所やスタートアップ支援機関等に対しまして、Tokyo Innovation Baseをはじめとする東京のエコシステム等を紹介し、今後の連携について意見交換を実施いたしました。

○さんのへ委員 情報発信拠点の委託先であるデロイトトーマツベンチャーサポート株式会社に対し、委託契約がどのように行われたのか、選定過程、契約、入札方法、契約金額とその妥当性及び再委託の有無について教えてください。

○鈴木プロモーション推進部長 本事業の受託者でございますけれども、総合評価一般競争入札により選定しておりまして、入札参加者の技術提案書を外部委員を含む運営委託技術審査委員会において審査、評価し、技術点と価格点の合計である総合評価点が最も高い者と契約を行いました。
 再委託はございません。

○さんのへ委員 再委託はないとのことでしたが、令和七年度も同じ会社が委託されていると伺っています。
 行政事業を発注、委託、入札するに当たっては、当然広い選択肢の中から事業者選定をすべきですので、総合評価点が最も高い者といわれても、その評価を十分に精査することが非常に難しいです。
 資料要求において、海外プロモーション活動等の実績を確認したところ、実績として、世界各地での国際的イベントへの出展や参加についてが挙げられています。このイベント出展に伴い、副知事または本部長が登壇する場面もあったと伺っています。しかしながら、今回の質疑骨子をお伝えした三日前の十月二十一日時点で、スタートアップ戦略推進本部のホームページには、令和六年度は宮坂副知事が参加されたパリ出張、サンフランシスコ出張、ニューヨーク出張の三件の海外出張の情報しか公開されていませんでした。
 局長級職員の海外出張について、他局では出張日程、訪問国、目的、費用等が原則として公表されていますが、本部では過去分にわたり本部長の海外出張経費について確認ができません。
 ホームページ上で公表されていない海外出張の件数、総費用は幾らですか。海外出張で得られた成果、一緒に行った職員の数も含めて、つまびらかにご報告ください。

○鈴木プロモーション推進部長 当本部では、局長の海外出張の実績につきまして、先般公表を行ったところでございます。旧スタートアップ・国際金融都市戦略室長の令和六年度の海外出張は八件、一千二百三十五万七千四百十四円でございます。
 一緒に行った職員等の人数ということでございますけれども、それはホームページの方で公表してございます。
 以上です。

○さんのへ委員 今おっしゃっていただいた内容ですが、今日のこの質疑の前日である十月二十三日になり、突如としてホームページ上で公表されていました。しかも、令和五年度に行った海外出張五件分も併せて公表されました。これは質疑で指摘される前に出せば問題ないという発想そのものだと強く非難します。こうした対応を見て都民はどう感じるか、ガバナンス上の問題をどう認識しているのかを問います。
 公金を使った出張である以上、都民に対する説明責任を果たすことは当然に求められます。また、局長級の海外出張については公表が義務とされていますが、なぜ本部だけが公表を怠っていたのか、理由を明確に伺います。

○片山理事 当本部の海外プロモーション活動等につきましては、これまで事業概要のほか、SNSでの発信、国内エコシステム関係者との会合などにおいて適宜報告を行ってきたところでございます。
 お尋ねの旧スタートアップ・国際金融都市戦略室長の海外出張の実績を公表することにつきましては、本年度夏頃に認識をし、準備をしてきたところでございまして、昨日公表を行ったところでございます。

○さんのへ委員 公表する準備をしてきたとのことですが、であれば、いつ公表するつもりだったのでしょうか。私に指摘されて、昨日慌てて準備ができたのでしょうか。どう考えても都の準備をしてきたという説明は公表の遅延理由になっておらず、出張費用を血税で払ってくださっている都民への説明責任を果たしていません。いつでも出せたが出さなかったということではないですか。つまり、それは可能な限り公表したくなかったということではないですか。
 この判断によって、令和五年度、令和六年度と、議会並びに都民のチェックの目から逃れていた期間が発生してしまいました。東京都としてこの責任は極めて重く、都は後ろめたい情報をあえて隠したいのだと都民に疑われても仕方がありません。ガバナンスの基本は自発的な説明責任であり、都議に指摘されてようやく動くというのは、都政の信頼を根底から揺るがす大問題です。指摘されなければ出さないという文化を変える意思はあるのでしょうか。
 繰り返しますが、令和五年度分についても、先日、二十三日付で公表されました。一年間以上なぜ公表されなかったのでしょうか。区市町村や政府とはまた違った、東京都の公務員としての矜持と自負を持って長年構築してきた都庁文化の崩壊を目の当たりにする思いで伺います。
 都民の目から隠されていた海外出張は三年間で合計十七件、その経費は合計二千八百万円でした。他局の局長や副知事、知事の海外出張経費は全て公表されているにもかかわらず、本部だけあえて公表されなかったのはなぜでしょうか。遅れた理由、そしてその成果の実態について、本部長並びに海外出張の最終決裁者である同本人に、その自負を持ってお答えください。

○吉村スタートアップ戦略推進本部長 今理事の方からご答弁させていただいたとおりでございますけれども、海外プロモーションの状況につきましては、事業概要であるとかSNSなどを通じまして発信してございます。隠す意図があるのであればSNSでの発信等は行いませんので、その点についてはご理解いただきたいと思います。
 我が国の都市の魅力であるとかテクノロジーの魅力、これをSusHi Techのコンセプトに乗せまして世界に発信をし、イノベーションを生み出すために、展示会の出展であるとか海外プロモーションを展開してきております。世界の支援拠点を訪問し、関係を構築して、エコシステムをつなぐ作業を進めてきております。
 たくさんの海外プレーヤーとの関係構築は一朝一夕でできるものではなくて、様々なきっかけを捉えて話し、こちらから出向いたり、日本に来られたときにまた話したりという形で強くなってきているものでございます。この結果、海外でSusHi Techという言葉や理念などが徐々に浸透しまして、日本へのスタートアップデレゲーションなどが多くなってきております。五月のSusHi Techでの海外都市パビリオンの増加につながっております。これは、まさに職員が一生懸命取り組んできた成果だと考えております。
 世界から見える、それから世界から選ばれる都市となるために、新しいチャレンジをこの二年間繰り返してまいりました。今後とも試行錯誤しながら取り組んでまいりたいと思いますし、私自身、組織のトップとしてその先頭に立って取り組んでまいりたいと思っています。
 そして、公表につきましては先ほど答弁ありましたように、本部として認識し、準備を進め、公表したところでございます。こうした海外プロモーションの活動状況につきましては、都民の理解が得られるよう適切に発信、公表するなどの取組を進めてまいります。

○さんのへ委員 答弁がかみ合っていなかったので、再度お伺いします。
 出張経費がSNSで随時公表されていたのでしょうか伺います。

○吉村スタートアップ戦略推進本部長 海外プロモーションの状況につきまして、随時、適宜公表しているところでございます。

○さんのへ委員 経費については、令和五年度分も含めて全く公表されていない状況が続いておりましたことが判明いたしました。
 慌てて昨日公表された報告書、こちら全て拝見しましたが、ほかの局長の出張報告書と比較して、その中身は異質であるといわざるを得ません。まず、本来であれば国ごとに公表されているものですが、スタートアップ推進本部のみ、室長の出張、本部長の出張として、複数の出張が一つにまとめられて公表されています。そして、出張目的も、視察、意見交換、PRにとどまるものが多く、なぜ室長自らが出向く必要があったのか、その必要性も説明されていません。
 一年間の間に八件の海外出張は、他局としても異常に多く、その費用対効果はしっかりと分析しなければなりません。
 決算審査に挑む都議や、都民の不信感を抱く隠蔽工作が疑われるような事態となったわけですから、今後はスタートアップ戦略推進本部として、本部長が出席される全ての海外出張について、訪問先、期間、目的、費用を決算説明資料の中で公表すべきではないかと考えますが、見解を伺います。

○片山理事 当本部の本部長の海外出張の実績公表については、先ほどご答弁申し上げたとおり、昨日行ったところでございます。
 今後、適宜内容を、海外出張の実績の内容を取りまとめの上、ホームページで広く公表を行ってまいります。

○さんのへ委員 今後も適宜内容を取りまとめの上とのことですが、これまで適宜内容を取りまとめもせず公表しなかったわけですから、今後、本当に適宜内容を取りまとめて、最低限他局同様のタイミングで公表してください。その際は、本部長出張として一つにまとめることなく、費用対効果を可視化することこそが肝要です。
 海外出張の目的として、スタートアップ支援、国際連携の強化、都内企業の海外展開支援などが掲げられていますが、実際にどのような成果を上げたのか、定量的な把握、説明、海外提携件数など、具体的な成果指標を示してください。

○鈴木プロモーション推進部長 都では、海外エコシステム機関や現地関係者とのネットワークを構築し、東京のエコシステムをPRすることを目的として、職員自らが海外に赴き、展示会への出展等のプロモーション活動を実施しております。
 二〇五〇東京戦略におきましては、海外機関との連携件数を令和九年に四百件、令和十七年に五百件を目標に掲げておりまして、令和六年度の実績は二百五十四件となってございます。

○さんのへ委員 PRや意見交換だけでは次につながりません。職員の海外出張が血税で行く海外旅行であってはならないことから確認いたします。
 展示会、レセプション等の参加実績を都民の利益にどう結びつけて評価していますか。

○鈴木プロモーション推進部長 展示会等を通じて、海外のエコシステム機関や現地関係者との意見交換等を行いコネクションを強化しておりまして、その結果、SusHi Tech Tokyoでの多くの国、都市、地域のパビリオン出展やTIBへの関係機関の訪問、連携イベントの実施などにつながっております。
 例えば、TIB視察などの関係機関とのネットワーク構築の令和六年度の実績は百七十四件に上っておりますほか、SusHi Tech Tokyoの国、都市パビリオンの出展数は昨年の五から今年の十六へと大きく増加いたしました。
 東京と世界のプレーヤーが交流し、イノベーションを生み出すことによりまして、社会課題の解決や経済成長をもたらし、それが都民の豊かな暮らしの実現に資するものと考えております。

○さんのへ委員 私はこの質疑の場において、eSGプロジェクトの費用対効果、スタートアップ推進本部長による海外出張経費の非公表問題を中心に、都の情報公開とガバナンスの在り方についてただしました。都政が都民に対してどれほど誠実に説明責任を果たしているか、その姿勢そのものを問いかけています。
 東京都は、国内外でスタートアップ支援を推進し、世界都市東京の旗を掲げています。
 しかし、その効果の見えづらさや事業自体の分かりにくさをいいことに、無尽蔵に税金をつぎ込んでいいことにはなりません。都政が担っているのは予算執行の権限ではなく、都民の信頼という責任です。だからこそ、一つ一つの事業が都民にとって本当に必要か、その成果が都民に還元されているのかを常に問い直さなければなりません。
 今回の一件を単なる指摘を受けて情報を出したという処理で終わらせず、都民の利益に資する行政とは何かを自ら問いかける、問い続ける契機としていただきたいです。どうか都の理事者には、この重責を肝に銘じ、都民の信頼を礎とした誠実な行政運営を徹底されるよう強く求め、私の質疑を終わります。ありがとうございました。

○山田委員 我が国の国際競争力を高めていくに当たりまして、やっぱりスタートアップの力は欠かすことができません。都民ファーストの会としても、強くこの点を求めてまいりまして、TIBであったりSusHi Tech Tokyoなど、様々なプラットフォームづくりが進められてきたというふうに思っております。今後は、さらにこうしたエコシステムから生まれるスタートアップ、これをしっかりと大きく育てていこうと、そういった取組が重要になってくると思います。
 そういった視点に立ちますと、我が国の産業を支え、グローバルに活躍している大企業の力を活用していくということも一つ重要なポイントだと思います。スタートアップの革新的な技術を大企業などと結びつける、いわゆるオープンイノベーションですね、これを推進していくことで、スピード感と、また面的な広がりを持ったビジネス展開というのが可能になると考えております。
 そこで、スタートアップと大企業などとの協業を促進する取組として、令和六年度に開始したTIB CATAPULTについて、昨年度の取組状況を伺います。

○岩井スタートアップ戦略推進担当部長 TIB CATAPULTは、東京の強みとするビジネスや技術の領域に焦点を当て、大企業やVCなどによるクラスターを組成し、スタートアップとの協働プロジェクトを進め、大きな飛躍につなげる事業でございます。
 昨年度採択したクラスターは、City-tech、宇宙、クライメートテック、アグリテック、ライフサイエンス、鉄道・交通の六つでございまして、大企業が管理する商業施設や建設現場などの実証フィールドや保有する技術を提供し、スタートアップのビジネス実装を支援しております。三年間でスタートアップと大企業等との協働プロジェクトを百二十件以上創出することを目標としており、昨年度は四十二件を組成いたしました。

○山田委員 ありがとうございます。今ご答弁いただいたところでして、成長領域に重点的に支援を行っていくというのも一つ重要なアプローチだと思います。今ご答弁いただいたクラスターですけれども、いずれも今後の期待が持てる領域だと思っております。
 中でも、やっぱり期待が大きいと考えております、その一つが宇宙の分野だと思っておりまして、私も昨年の第三回定例会の一般質問でも取り上げさせていただいたところであります。
 宇宙は無重力であったり高い放射線量など、極限の環境であるということから、やっぱりそれに対応し得る製品等の開発というのが新しいイノベーションにつながっていく、そういった可能性を秘めているというふうに思います。
 そして、宇宙用に磨かれた新技術、これから私たちの日々の暮らしであったり、様々な社会問題の解決にも役立っていくであろう、そういった革新的な製品やサービスが生まれて、大きく成長していく、そういった可能性を持っているものだと思います。
 こうした広い裾野を持つ大きな市場において、高い技術を持つ様々な大企業が長年培ってきた技術やノウハウ、それをスタートアップと共に世界に挑戦していくと。それこそ、日本の今後成長に向けての一つの重要な道だというふうに思っております。
 そこで、TIB CATAPULTの宇宙のクラスターについて、そのメンバー構成と支援内容について伺います。

○岩井スタートアップ戦略推進担当部長 宇宙事業のクラスターは、大企業が保有する多様なアセットにより宇宙ビジネスへの参入障壁を下げ、その先の地球課題の解決を目指して活動をしております。
 令和六年九月におけるクラスター組成時に、九つの大企業により活動を開始しておりますが、昨年度末時点のメンバーは十四に拡大し、通信や映像、飲料、金属加工など、様々な産業分野の大企業が参画しております。
 これらの大企業が保有する高解像度なデジタルツイン環境を構築するための高性能コンピューターや飲料の製造技術や原材料などのアセットをスタートアップに対して提供をしております。

○山田委員 ありがとうございます。様々な分野で大きな大企業さんの様々な協力というのもやられてきていると。このように、スタートアップと一緒に宇宙を舞台にして新しい産業の創出に取り組んでいく。こういった大企業の輪を広げていくためには、やっぱり実際にやって成功した、いい協業の事例を次々に生み出していく、そしてそれを対外的にも発信していく、PRしていくということが重要だと思います。
 そういった地上での活用に大きなポテンシャルを持つ宇宙品質の製品、サービスから成長可能性のあるプロジェクトをしっかりとつくって、これで大企業の販路ネットワークなども活用して、幅広く展開していこうということが重要だと思います。
 そこで、宇宙のクラスターについて、プロジェクトの組成状況とこれまでの成果を伺います。

○岩井スタートアップ戦略推進担当部長 宇宙事業のクラスターにつきましては、昨年度九件のプロジェクトを組成しており、昨年度中に大企業等との実証を開始したものが六件で、うち二件が大企業と連携したビジネス化を進めております。
 例えば、スタートアップが開発した衛星画像の解析技術を、テレビ局における、災害などの撮影困難なエリアの報道に活用する成果が生まれました。
 このサービスにつきましては、他メディア企業への提案に加え、医療など他分野へ展開していく支援も現在行っているところでございます。
 実証実験からビジネス展開まで、クラスターを構成するメンバーの力を結集してスタートアップの成長を大きく後押ししてまいります。

○山田委員 ありがとうございます。ぜひ実証実験、そして実際へのビジネスへの実装というところを引き続き後押ししていただきたいと思います。そういった一つ一つのプロジェクトを、いずれも丁寧にしっかりと引き続き後押ししていただきたいと思います。
 最後になりますけれども、スタートアップ施策、やっぱり経済成長のためにも極めて重要であるということに加えて、今もご答弁の中でもいろいろお話しいただきましたけれど、社会をより豊かにしていく、都民生活を豊かにしていくということにもしっかりつながっていくものだと思います。
 今お話取り上げた宇宙空間に関しても、例えば人工衛星を活用して、気候変動対策であったり災害対応であったり、また農業など、宇宙空間の利用というのが現実に我々の生活を豊かに変えつつあるというところであります。
 引き続き都民の皆様の暮らし、都民の皆様の利益をしっかりと最大化していこうというところの目線に立っていただきまして、リスクを恐れずに新規事業にチャレンジしていく、そういった起業家を官民が連携していきながら、スタートアップの力が社会をよりよくしていこうという姿の実現に向けて引き続き取り組んでいただきたいと思います。
 以上です。

○鈴木委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上でスタートアップ戦略推進本部関係を終わります。

○鈴木委員長 これより環境局関係に入ります。
 初めに、理事者の欠席について申し上げます。
 緑川次長は、公務のため、本日の分科会に出席できない旨の申出がありました。ご了承願います。
 決算の審査を行います。
 令和六年度東京都一般会計決算中、環境局所管分を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○荒田総務部長 去る十月十日の当分科会で要求いただきました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の令和六年度各会計決算特別委員会第三分科会資料をご覧ください。
 表紙をおめくり願います。目次にありますとおり十六項目ございます。
 まず、一ページをお開き願います。1、大規模事業所のエネルギー消費量及び二酸化炭素排出量の推移(過去十年分)でございます。
 (1)、エネルギー消費量につきまして、平成二十五年度から令和四年度までの各年度におけるエネルギー消費量を記載しております。
 二ページをお開き願います。(2)、二酸化炭素排出量につきまして、平成二十五年度から令和五年度までの各年度における二酸化炭素排出量を記載しております。なお、令和五年度は速報値となっております。
 三ページをお開きください。2、大規模事業所の床面積当たりの二酸化炭素排出量の推移、用途別(過去十年分)でございます。
 平成二十五年度から令和四年度までの各年度における事務所、情報通信、放送局等の各用途について、床面積当たりの二酸化炭素排出量を記載しております。
 四ページをお開き願います。3、中小規模事業所のエネルギー消費量及び二酸化炭素排出量の推移(過去十年分)でございます。
 (1)、エネルギー消費量につきまして、平成二十五年度から令和四年度までの各年度におけるエネルギー消費量を記載しております。
 五ページをお開き願います。(2)、二酸化炭素排出量につきまして、平成二十五年度から令和五年度までの各年度における二酸化炭素排出量を記載しております。なお、令和五年度は速報値となっております。
 六ページをお開きください。4、二酸化窒素、浮遊粒子状物質及び微小粒子状物質の全国上位十局の推移でございます。
 (1)、二酸化窒素につきまして、令和元年度から令和五年度までの各年度における全国の測定局の年平均値上位十局を記載しております。
 七ページをお開き願います。(2)、浮遊粒子状物質につきまして、同様に記載しております。
 八ページをお開き願います。微小粒子状物質につきまして、同様に記載しております。
 九ページをお開き願います。5、産業廃棄物として都内から排出されるアスベストの廃棄量(過去十年分)でございます。
 平成二十五年度から令和四年度までの各年度における廃石綿等と石綿含有産業廃棄物の排出量を記載しております。
 一〇ページをお開き願います。6、都内の土壌汚染対策法における要措置区域等の指定件数の推移でございます。
 令和二年度から令和六年度までの各年度における要措置区域及び形質変更時要届出区域の指定件数を記載しております。
 一一ページをお開き願います。7、横田基地周辺における騒音発生回数の推移でございます。
 令和元年度から令和五年度までの各年度における昭島、瑞穂、福生及び武蔵村山の各測定局の一年間の騒音発生回数及び一年間で最も騒音の発生が多かった日の騒音発生回数を記載しております。
 一二ページをお開き願います。8、東京都レッドデータブックに掲載されたエリアごとの絶滅種数及び絶滅危惧種数の推移でございます。
 (1)、区部につきまして、二〇一三年と二〇二三年における絶滅種数及び絶滅危惧種数(I類、Ⅱ類)を分類群別に記載しております。
 一三ページをお開き願います。(2)、北多摩につきまして、同様に記載しております。
 一四ページをお開き願います。(3)、南多摩につきまして、同様に記載しております。
 一五ページをお開き願います。(4)、西多摩につきまして、同様に記載しております。
 一六ページをお開き願います。9、令和六年度における再エネ発電設備に係る補助事業の支払件数及び決算額並びにCO2削減量でございます。
 令和六年度における事業ごとの支払件数、決算額、CO2削減量を記載してございます。
 一七ページをお開き願います。10、都有施設(知事部局等)における電力使用量の実績(過去十年分)でございます。
 知事部局等の都有施設につきまして、平成二十六年度から令和五年度までの各年度における電力使用量を記載しております。
 一八ページをお開き願います。11、都有施設(知事部局等)に設置した太陽光発電システムの設備容量の実績(過去十年分)でございます。
 知事部局等の都有施設につきまして、平成二十六年度から令和五年度までの各年度における太陽光発電システムの設備容量を記載しております。
 一九ページをお開き願います。12、産業廃棄物処理業者への行政指導、行政処分件数(過去十年分)でございます。
 平成二十七年度から令和六年度までの各年度における行政指導と行政処分の件数を記載しております。
 二〇ページをお開き願います。13、都内における騒音、悪臭、地盤沈下など公害苦情対応件数(過去十年分)でございます。
 平成二十六年度から令和五年度までの各年度における騒音、大気汚染、悪臭などの苦情対応件数を記載しております。
 二一ページをお開き願います。14、みどり率の推移でございます。
 区部と多摩、それぞれについて、平成十年から令和五年まで五年ごとのみどり率を記載しております。
 二二ページをお開き願います。15、環境アセスメント案件数(過去十年分)でございます。
 平成二十七年度から令和六年度までの各年度における環境アセスメントの案件数を記載しております。
 二三ページをお開き願います。16、調布市、虎狛橋における野川の水質データ(過去十年分)でございます。
 平成二十七年度から令和六年度までの各年度における水素イオン濃度、溶存酸素量等を記載してございます。
 以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○鈴木委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○松岡委員 都民ファースト、松岡あつしです。よろしくお願いします。
 まず、太陽光について伺います。都内の太陽光発電設備の導入状況について伺いたいと思います。
 東京都は、二〇三〇年カーボンハーフの達成に向け、再エネの基幹エネルギー化に取り組んでおり、太陽光発電設備導入量については、二〇三〇年、二百万キロワット以上とする目標を掲げています。この目標に対する令和五年度内の都内太陽光発電設備導入量は八十・一万キロワットで、年々増加しているとお聞きしております。
 環境局では毎年補助事業を拡充するなど、目標達成に向けた取組を強化しておりますが、令和六年度の補助事業により導入された太陽光発電設備の支援状況や、その実績効果について伺いたいと思います。

○小林気候変動対策部長 都は、太陽光発電設備の導入を拡大する取組として、新築住宅や既存住宅への設置補助に加え、初期費用ゼロでパネルを設置する事業への支援や、小売電気事業者による再エネ電源開発支援など、幅広い都民や事業者を対象に工夫を凝らした多様な施策を展開し、普及拡大を図っております。
 その結果、令和六年度、当局の補助事業による導入量は約十万キロワットとなり、前年度の約二倍の水準となりました。これに伴うCO2削減量は約四万トンであり、一般家庭約二万世帯分の排出量に相当いたします。
 また、都民から、電気代の削減や防災性の向上にもつながったとの声も寄せられております。
 様々な取組を通じまして、太陽光発電をはじめとした都内再エネの一層の利用拡大を推進してまいります。

○松岡委員 令和六年度環境局の太陽光設備の設置等に係る補助事業が令和五年度から大きく増加したとのことです。
 さて、今年度から、新築住宅等への太陽光義務化制度がスタートしました。都は、令和四年の環境確保条例改正以降、制度開始等に向け、様々な施策を展開してきました。今年度は新築を対象としていますが、既存住宅の動向も注視をさせていただきたいと思います。
 太陽光発電設備と併せて蓄電池設置も支援し、CO2削減だけではなく、住宅のレジリエンスも高める視点も重要であります。
 そこで、主に既存住宅向けの支援事業である断熱・太陽光住宅普及拡大事業について、昨年度の事業実績について伺いたいと思います。

○小林気候変動対策部長 都は令和四年度より、主に既存住宅の再エネや省エネ化を支援する断熱・太陽光住宅普及拡大事業を開始し、これまで補助率の引上げや補助メニューの充実などを行ってきました。また、住宅関連団体等を通じた助成制度の周知のほか、建物の脱炭素化に向けた意識醸成を図るため、SNS発信や知名度の高いキャラクターの活用など、様々な広報を展開しました。その結果、令和六年度の申請実績は、太陽光発電設備や蓄電池を中心に大きく件数が伸長し、全体で前年度の約二倍となる十万件程度となりました。申請規模で約九百九十五億円、太陽光発電設備導入量のCO2削減効果は年間約二万六千トンでございます。
 今後もこうした取組により、脱炭素でレジリエントな住宅を推進してまいります。

○松岡委員 既存住宅向けの施策として、これまで継続的に取組を行い、大きな実績につながっていることは確認できました。飛躍的に増加した申請は、脱炭素化に係る都民の機運上昇の表れであり、こうした傾向は今後も続いていくことが予想されます。
 今後も費用負担、中小企業への影響、都民の理解を得ながら、様々な取組を着実に積み重ね、二〇三〇年カーボンハーフ実現に向けた施策を進めていただきたいと思います。
 これまで都民の再エネ導入について伺ってきましたが、エネルギーを大量に消費する都庁自身への太陽光発電設備の導入や地域のレジリエンス強化の観点から、都内区市町村などの公共施設において太陽光発電設備の導入を率先して進めているとお聞きしております。
 都はこれまでも、都有施設への太陽光発電設備の率先導入や区市町村への導入支援を行ってきましたが、設置拡大に向けた取組状況について伺いたいと思います。

○小林気候変動対策部長 都は、都有施設への太陽光発電設備の設置促進に向け、局横断的な推進体制を構築し、全庁一丸となった取組を進めてきました。この結果、令和六年度は知事部局等で約三千キロワット、都営住宅や公営企業施設等で約三千キロワット、都有施設全体で約六千キロワットを設置しました。
 また、都は区市町村公共施設への再生可能エネルギー設備への導入補助の実施や区市町村職員向けの省エネ、再エネ研修会も開催してきました。これにより、令和六年度は前年度の二倍を超える七百七十三キロワットの太陽光発電設備の申請があるなど、区市町村公共施設への再エネ導入が進んでおります。
 引き続き、庁内各局及び区市町村と緊密に連携を図りながら、都内公共施設への太陽光発電設備の設置を拡大してまいります。

○松岡委員 都有施設や区市町村の公共施設への太陽光発電設備の導入が拡大していることを理解しました。また、地域のレジリエンス強化の観点からも、さらなる公共施設への太陽光の発電設備の導入に向けた取組が不可欠です。
 引き続き都有施設への率先導入を進めるとともに、大量の再エネを余すことなく使い切るために、再エネを融通する都庁版VPPを推進し、そのノウハウ等も区市町村に対して還元できるよう要望をしたいと思います。
 次に、Airソーラーの普及拡大に関する質問です。
 Airソーラーは軽量かつ柔軟という特徴を持つため、建物の壁や窓などに設置することで、建物の発電ポテンシャルが有効活用でき、再生可能エネルギーの導入拡大につながることが期待できます。
 Airソーラーの実用化においては、発電性能や耐久性の向上、施工方法の確立などが課題といわれており、都は下水道施設など都有施設を活用した実証事業にいち早く取り組み、実用化に向けた取組をリードしてきました。
 普及に向けた取組を加速するため、都は昨年度、二〇三五年までに都内に一ギガワット導入する目標と具体的な取組の方向性をまとめたロードマップを策定しています。
 そこで、Airソーラーの普及に向けた令和六年度の取組状況について伺いたいと思います。

○長谷川再生可能エネルギー実装推進担当部長 都は、都有施設等を活用し、Airソーラーの耐久性や施工方法等の課題解決を図るため、民間企業と連携した実装検証に取り組んでまいりました。
 昨年度は、都庁展望室や東京国際クルーズターミナルなど、より多様な環境下において、発電性能、耐風圧、塩害への耐性等の検証を実施いたしました。
 さらに、開発事業者向けに実証経費を助成し、早期の実用化を促す支援を開始しており、Airソーラーを搭載した庭園灯の実装検証の取組を採択いたしました。
 また、Airソーラーの有用性等を広くPRするため、東京国際クルーズターミナルでキックオフイベントを開催し、広くメディアに周知したほか、国内外からの視察団等を実装検証現場に案内いたしました。
 今後もこうした取組などによりまして、Airソーラーの導入拡大を着実に進めてまいります。

○松岡委員 東京都が民間企業と連携し、Airソーラーの普及に向けた取組を進めていることが確認できました。薄く、軽く、曲がるという特徴を持った日本生まれの太陽光電池であるAirソーラーは、今年度、国内企業による製品化、実装化が進みつつあり、大いに期待をしたいと思います。
 こうした取組を着実に進め、普及に向けた取組を加速していただくことを要望し、次の質問に移ります。
 次は、太陽光パネルのリサイクルについて伺います。
 二〇一二年に再生可能エネルギーの利用拡大を図るため、固定価格買い取り制度が導入され、太陽光パネルは急速に普及が進みました。
 パネルの耐用年数は二十五年から三十年程度とされており、二〇三〇年代半ば以降には廃棄の本格化が見込まれることから、環境負荷の低減と資源循環の観点から、リサイクルは非常に重要な課題です。
 パネルにはガラスや金属など様々な素材が使用されており、設備の構造も複雑です。大量に発生する廃棄パネルを安定的にリサイクルしていくためには、その処理技術が十分に確立されていることが必要です。
 そこで、パネルリサイクルに係る技術動向について伺いたいと思います。

○木村資源循環計画担当部長 太陽光パネルを高度にリサイクルするためには、アルミ枠を取り外した後、密着しているガラスとセル等を分離する設備が必要でございます。そのための設備には、ガラスとセル等の接着面を加熱したナイフで分離する方法や、ガラスを破砕して分離する方法などがありまして、既に首都圏の中間処理施設においても導入が進んでおります。
 分離後のガラスについては、従来から主として建築、土木資材として再生利用されており、近年は再びガラスとして水平リサイクルできる技術も実用化されています。
 また、セル等に含まれる銀や銅などの有用金属も精錬によって取り出され、再資源化されております。

○松岡委員 パネルのリサイクル技術は既に確立されており、廃棄物処理施設での設備の導入が進んでいることは分かりました。ぜひ都民への分かりやすい広報をお願いしたいと思います。
 今後は、その技術を十分活用して、環境負荷の少ない高度循環利用への誘導を一層推進すべきと考えます。
 そこで、こうした技術を活用したリサイクル推進に向けた昨年度の取組と成果について伺いたいと思います。
 あわせて、近年、災害時の非常用電源やレジャー用としてポータブル型の太陽光電池も人気が高まっていますが、その廃棄処理に関する状況について伺いたいと思います。

○木村資源循環計画担当部長 都は令和五年度から、首都圏においてパネルを高度に再生利用できる設備を有する施設を指定し、再資源化を促進しております。
 昨年度はガラスをローラーで挟みながら砕く設備を導入した施設と、ハンマーで砕く施設を導入した施設の二か所を追加し、合計八か所の指定となりました。
 また、これらの施設で処理される住宅用パネルを対象として、埋立処分に比べ割高になるリサイクル費用を補助しており、住宅からの廃棄はまだ少ない中、昨年度は六件の補助を実施しました。
 なお、ポータブル型の太陽光電池につきましてはメーカーが回収を行っているほか、自治体ごとのごみの出し方に応じて処理されております。

○松岡委員 東京都がリサイクル技術の動向を踏まえて、パネルの高度循環利用を促進していることが分かりました。将来のパネルの廃棄の本格化を見据えて、今後も先行的に取組を進めていただくことを要望して、次の質問に移ります。
 これまで再エネに係る質疑を行いましたけれども、省エネの取組も重要です。都内の住宅ストックは、戸建てと集合住宅を合わせて約七百万戸と膨大であり、既存住宅の断熱、省エネルギー化を進めなければなりません。特に賃貸住宅は都内住戸の約半数を占めることから、断熱対策を抜本的に強化することが必要です。
 都は既存住宅の省エネ化に向け、以前より断熱、高断熱窓への改修を支援する事業を行い、年々事業内容を充実してきています。
 そこで、令和六年度における既存住宅の断熱改修の実績について伺いたいと思います。

○小林気候変動対策部長 都は平成二十九年度から、断熱効果の高い窓への改修支援を開始し、その後、対象の拡充や補助率の引上げなど、支援の強化を図ってきました。
 令和六年度からは補助率を三分の二とする賃貸住宅独自の新たな補助を開始しており、省エネ診断費用にも支援を行っております。
 また、断熱改修メリットや助成制度について関係局と連携し、住宅関連団体へ周知を行うとともに、普及啓発イベントを開催するなど、様々な広報を展開してきました。
 その結果、令和六年度における断熱窓等への改修支援の申請数は約四万八千戸に上り、令和五年度と比べて約四割増加しました。
 新たな賃貸住宅支援につきましても、予算規模百戸を大きく上回る三百五十二戸の申請がありました。
 両事業によるCO2削減効果は、年間約四千トンでございます。

○松岡委員 実績を着実に伸ばしていることが確認できました。引き続き都民ニーズを踏まえつつ、断熱、省エネ性能の高い住宅を推進していただきたいと思います。
 次に、データセンターの脱炭素化について伺います。
 デジタル社会において生成AIなどの技術を利用する上で、大量の情報やデータを処理するデータセンターは、今や重要な社会インフラです。
 一方でデータセンターは、サーバーやネットワーク機器が二十四時間稼働するほか、機器を冷却するための空調等に大きな電力が必要となります。
 我が会派では、さきの代表及び一般質問においても、環境への配慮などとの整合性を図った上でデータセンターの整備をすることが重要であると申し上げてきました。
 データセンターの整備と併せて、省エネ、再エネ利用を促進するべきと考えますが、都の取組状況を伺いたいと思います。

○小林気候変動対策部長 都は、条例に基づく義務制度を強化し、データセンターを含む大規模な建築物の計画から運用までの各段階において、省エネの深掘りや再エネの利用促進を図る取組を進めております。
 令和六年度は、新築建物を対象とした建築物環境計画書制度において省エネ性能基準を引き上げるとともに、既存建物を対象としたキャップ・アンド・トレード制度において、CO2削減義務率の引上げや再エネ利用の拡大に向けた制度強化を図りました。
 加えて、国に対しても、データセンターの整備状況を踏まえた再エネの普及拡大を働きかけました。
 こうした取組を通じて省エネ、再エネ利用を促進し、データセンターの脱炭素化を推進してまいります。

○松岡委員 条例に基づく制度を強化し、データセンターの脱炭素化を進めていることは分かりました。整備に当たっては、環境への配慮に加え、地元住民との円滑なコミュニケーションなど、地域への配慮は非常に重要な観点です。今後もデータセンターの整備をする上で徹底した省エネ、再エネ、地域理解への取組を促すことを要望して、次の質問に移ります。
 脱炭素社会実現のためには運輸部門の取組も重要であり、ZEVの普及促進が必要不可欠です。ZEVの普及を推し進めるためには、都民がどこでも手軽に充電できる環境の整備が欠かせません。特に最も身近な充電場所である住宅における充電インフラの整備が重要であり、中でも都民の約七割の世帯が居住する集合住宅に導入を進める必要があります。
 都は平成三十年度から、EV充電設備の設置を支援する事業を実施していますが、令和六年度における本事業の実績を伺います。

○小林気候変動対策部長 都は二〇三〇年カーボンハーフに向け、運輸部門では二〇三〇年までに二〇〇〇年比約六五%削減を目標に掲げ、ZEVの導入支援に加え、住宅におけるEV充電設備の導入や、その設置工事に対して補助を実施してきました。
 令和六年度には合計で七百二十件、二千百八十三口の充電設備設置申請を受け付けており、前年度に比べ、件数では約一・八倍に増加しました。
 特に集合住宅につきましては、居住者の合意形成等を助言するアドバイザーの派遣や、充電設備設置後の電気料金の補助など、きめ細かな支援を行いまして、前年度の二倍を上回る申請がありました。
 今後も都民ニーズを踏まえながら、都民や事業者に対して様々な支援を行い、住宅におけるEV充電設備の普及を推進してまいります。

○松岡委員 堅調な取組実績を確認できました。都民がどこでも手軽に充電できる環境の整備のためには、住宅だけではなく、公共施設や商業施設等における取組も促進していく必要があります。
 また、EVは、災害時には動く蓄電池として活用することも期待できます。EVの普及は、ゴールではなく出発点です。都としては、安全性、再資源効率化、コスト低減を目指し、全固体電池、リチウムイオン電池の改良など、次世代バッテリーの開発支援、リユース、リサイクルの制度設計、そして産業育成を関係局と連携し、一体で進めるべきと考えます。走る東京から循環する東京へ、これが真のゼロエミッション都市の実現につながると考えます。
 続いて、持続可能な航空燃料、SAFについて伺います。
 国内におけるSAFの活用は、昨年末に、大阪で廃食用油を原料とするSAFの大規模プラントが完成したことで大きく動き出し、航空機への供給も始まっています。
 SAFは、従来の航空燃料に比べCO2の排出を約八割も削減できることから、その原料となる廃食用油を無駄なく活用することが資源循環の観点からも重要です。
 業界団体の廃食用油の推計によると、全国で事業系は三十八万トン発生し、その大部分は回収され、再資源化されているのに対して、家庭から発生した十万トンについては回収が約四千トンにとどまっており、まだまだ活用の余地があると考えます。
 家庭からの回収を増やしていくには、貴重な資源であることを分かりやすく伝え、理解を広げていくことが重要です。
 そこで、昨年度、都が実施した都民への理解促進の取組を伺いたいと思います。

○宗野資源循環推進部長 都は昨年度、区市町村や廃食用油の回収を促進する事業者と連携して、SAFの普及啓発を行ってまいりました。
 具体的には、都内の自治体が主催する十三の環境イベントにおきまして、廃食用油がSAFに生まれ変わるまでの過程をVRで体験できるコンテンツを活用いたしまして、参加した子供から大人まで幅広い層に対してSAFの認知度向上を図ってまいりました。
 また、中学校で実施したSAFに関する出前授業では、生徒と活発な質疑が行われまして、各家庭で使い終わった油で飛行機が飛ばせることに大きな驚きと関心が寄せられました。
 今後とも、自治体や事業者と連携し、SAFの普及に向けた都民の理解と行動変容を促し、廃食用油の回収拡大につなげてまいります。

○松岡委員 家庭から出る廃食用油は、飛行機を飛ばせる貴重な資源であることを子供たちが理解し、環境問題に関心を持ってもらうことで、家庭における廃食用油の回収に対する意識が高まっていく有効な事業であると考えます。都には引き続き、事業者と連携して取組を推進していただくことを要望いたします。
 次に、リチウムイオン電池対策について伺います。
 昨今、リチウムイオン電池を原因とする火災が頻発しています。東京消防庁管内のリチウムイオン電池関連の火災件数は、令和五年度で百六十七件と、過去五年間で約二倍に増えています。
 火災の原因となっている製品は、モバイルバッテリーのほか、スマートフォン、コードレス掃除機などであり、私たちの生活の身近にある数多くの製品にリチウムイオン電池が含まれています。
 これらの製品を捨てる際、リチウムイオン電池が入っているかどうかを意識せずに、ほかのごみと一緒に捨ててしまうことで、収集運搬や廃棄物処理の途中で発火し、収集運搬車両や処理施設の火災も起きています。
 このような火災を防ぐためには、都民一人一人が製品の中にリチウムイオン電池が含まれていることを意識して、その製品を分別して捨てるよう都民への普及啓発を行っていくことが重要です。
 まず、昨年度の都の分別の徹底に向けた啓発の取組について伺いたいと思います。

○宗野資源循環推進部長 都は昨年八月から、「リチウムイオン電池 混ぜて捨てちゃダメ!」プロジェクトを開始いたしまして、リチウムイオン電池を捨てる際の注意喚起を実施しております。
 具体的には、内蔵製品のイラストを記載した注意喚起ポスターを作成し、自治体や事業者団体等を通じて周知を図っておりまして、分別の重要性ですとか、廃棄の方法を分かりやすく伝える動画も作成し、広く発信してまいりました。
 さらに、ごみの排出が増える年末から年度末にかけては、自治体等と連携し、広報紙やホームページ、SNSなど様々な媒体を活用して分別の徹底を呼びかける一斉注意喚起活動に取り組みました。
 今後とも、都民への広報活動を広く展開し、リチウムイオン電池の適切な分別の促進を図ってまいります。

○松岡委員 昨年度から、リチウムイオン電池の分別に関する普及啓発を強化して取り組んでいることは分かりました。都民がリチウムイオン電池であることを意識して、ほかのごみと分けて捨てることが定着するまで、しっかりと取組を継続していただくよう要望いたします。
 一方で、これらの取組により、都民がリチウムイオン電池をしっかりと認識して、正しく分別して捨てようとしても、区市町村がその電池や内蔵製品を回収しなければ、リチウムイオン電池の安全な処理にはつながりません。
 都では昨年度、住民が区市町村に分別して出した電池を広域的に回収する事業を実施していますが、この事業の狙いと実施状況について伺いたいと思います。

○宗野資源循環推進部長 自治体によるリチウムイオン電池等の回収には、処理費用の負担ですとか、専門の処理業者が少ないことなどの課題がございます。そのため、都は昨年度、各自治体により集められたリチウムイオン電池等について、都が広域的に調整し、複数自治体分をまとめて資源化事業者に売却するモデル事業を試行いたしました。
 本事業には、七区六市、二つの一部事務組合が参加いたしまして、約十三トンを資源化事業者に売却をいたしました。
 試行を通じて、各自治体では、回収量が少なく買取りに至らないリチウムイオン電池等を売却して資源化することができました。
 今後とも、市町村によるリチウムイオン電池等の回収を後押しし、適切な処理とリサイクルにつなげてまいります。

○松岡委員 都民が分別したリチウムイオン電池を身近な場所で安全に廃棄できる環境をつくっていくことが重要です。都が引き続き区市町村の回収の取組をしっかりとサポートしていただき、適切な処理と再資源化につなげていくことを要望して、次の質問に移ります。
 次は、事業者によるプラスチック対策について伺います。
 都は二〇五〇年東京戦略において、サーキュラーエコノミーの実現に向け、二〇三五年度までに家庭や大規模オフィスビルから排出されるプラスチックの焼却量を二〇一七年度比で半減する目標を掲げています。
 都内には多数の大規模オフィスビル等が存在しており、東京全体で資源の循環利用を進めるためには、事業者から排出されるプラスチックのリデュース、リユースに加え、再びプラスチックとして資源化する、いわゆる水平リサイクルの取組が重要です。
 都は令和六年度から、サーキュラーエコノミーへの移行推進事業を開始し、持続可能なプラスチック利用に向けた事業者の取組を支援しています。
 そこでまず、事業者による2Rビジネス、水平リサイクルの社会実装に向けた本補助事業の実績について伺いたいと思います。

○木村資源循環計画担当部長 都は令和六年度から、プラスチックの排出抑制、再使用や再資源化への転換を促進するため、設備の導入やリサイクルへの切替えに要する経費等を対象に、最大三年間にわたる補助事業を開始いたしました。
 昨年度は、社会実装化の取組を行う五社を支援しました。具体的には、オフィスビルにおいてマイボトルの利用を促進するため、CO2削減量等の環境貢献度を見える化する機能を備えたボトル洗浄機等の導入を後押ししました。その結果、これまで三万個以上の使い捨てプラカップの削減を実現しております。
 また、クリーニング会社において、複数店舗で不要となったプラ製衣類カバーを集め、それらを圧縮梱包する機械や計量システム等を導入し再資源化事業者に引き渡すことで、従来焼却していた衣類カバーを年間約一万トン分、緩衝材等に循環利用する事業を進めております。

○松岡委員 都が補助事業を通じて、事業者による2Rの取組や水平リサイクルの促進を図っていることが分かりました。今後、プラスチック焼却量をさらに削減していくためには、衣類カバーなどのきれいなプラスチックにとどまらず、プラ製のお弁当の容器など、幅広くリサイクルする必要があります。
 こうした取組は、まず一事業者としての多量の資源を消費する都自ら先導的に取り組むことが重要であると考えますが、昨年度の実績について伺いたいと思います。

○木村資源循環計画担当部長 都は本庁舎において、ペットボトルのボトル・ツー・ボトルの取組に加え、オフィスで排出される容器包装や製品プラスチックのリサイクルにも率先して取り組んでいます。
 昨年度は、再資源化事業者と調整を行った上で、調味料やシールが付着するなど多少汚れたプラスチックであっても回収対象になることを視覚的に分かりやすく記したポスターを掲示するなどして、職員等に排出抑制や分別の徹底を図ってまいりました。
 こうした取組の結果、可燃ごみとプラスチックを合わせたごみの総量が前年度比で約六・三%削減されるとともに、ペットボトル約二十二トン、オフィスプラスチック約七十七トンを水平リサイクルにつなげることができました。

○松岡委員 非常によい取組だと思います。新庁舎におけるオフィスプラスチックの水平リサイクルの取組は、他のオフィスビルにとってもモデルケースとなり得るものです。都がこれまで培ってきたノウハウを積極的に公開し、民間事業者による取組を牽引し、しっかりと後押しをしていくことを要望し、次の質問に移りたいと思います。
 最後に、有機フッ素化合物、PFASについて伺います。
 地下水中のPFASについては都内でも各所で検出されており、都民からも不安の声が寄せられております。我が会派は、地下水中のPFASの実態把握と不安払拭に向けた取組の強化を要望してまいりました。
 こうした中、都はこれまで複数年かけて実施してきた概況調査を、令和六年は一年間で実施するなど、地下水調査の取組を強化してきたとのことですが、その結果について伺いたいと思います。

○丹野環境改善技術担当部長 都は、都内全域における地下水中のPFOS等の検出状況を把握するため、令和六年度は都内全域二百六十地点での概況調査を実施しまして、二十九地点で指針値の超過を新たに確認いたしました。また、指針値を超過した周辺の状況を把握するための追加調査を百四地点で行っております。
 さらに、令和五年度までに指針値を超過していた五十地点につきまして、継続的に監視するための調査も実施いたしました。
 調査結果はホームページで公表するとともに、指針値を超過した地点につきましては関係局と連携し、飲用しない取組の徹底を図っております。

○松岡委員 地元の皆さんの不安払拭のためには、地元自治体と連携して実態把握を行うことも重要です。私がかつて所属していた小平市議会においても請願が出るなど、重要なテーマであります。
 都は令和六年度から、都と連携して地下水の調査を行う区市町村に対して支援を開始しましたが、その内容と実績について伺いたいと思います。

○丹野環境改善技術担当部長 都は令和六年度から、比較的高濃度のPFOS等が検出された地域におきまして、都の追加調査を補完する調査を実施する市区町村に対しまして支援を実施しており、昨年度は七市一区、計六十九地点の調査に支援いたしました。
 また、市区町村が住民の不安解消のために有識者を招聘する場合につきましても支援を実施し、昨年度は一市三名について支援を行っております。
 引き続き都民の不安払拭のため、市区町村と連携しながらPFOS等の地下水調査等を進めてまいります。

○松岡委員 東京都が地元自治体と連携し、しっかり調査等を進めていることが分かりました。これからも積極的に調査を行うとともに、情報発信を行って、風評被害の防止や都民の不安払拭に向けて着実に取り組んでいただくよう要望します。よろしくお願いします。
 ところで、今年においても、西東京市や八王子市の駐車場でPFOSを含む泡消火薬剤の流出事故がありました。泡消火設備は、火災時だけでなく、車両衝突や老朽化、誤作動によっても漏出することがあるので、早期にPFOSを含まない泡消火薬剤に交換することが重要です。
 こうした中、まずは都が率先して都有施設の交換を進めていくべきと考えますが、令和六年度の状況について伺いたいと思います。

○丹野環境改善技術担当部長 令和五年度に都有施設や政策連携団体等が保有する施設の実態を調査した結果、三十二施設においてPFOS含有泡消火薬剤の保有を確認いたしました。これらにつきましては積極的に交換を促すことにより、各施設の管理者が計画的にPFOS非含有泡消火薬剤への交換を進めまして、令和六年度末時点で二十九施設で交換が完了しております。
 また、残りの施設につきましても、既に交換に着手しております。

○松岡委員 都有施設等のPFOS含有泡消火薬剤の交換について、着実に取り組んでいることが分かりました。
 一方で、今年の流出事故の事例からも分かるように、民間の施設においてもPFOS含有泡消火薬剤を相当数保有しているのではないかと懸念をしているところです。
 東京都は昨年度から、民間施設のPFOS含有泡消火薬剤の交換補助を行っていますけれども、その普及に向けた取組について伺いたいと思います。

○丹野環境改善技術担当部長 令和六年度の環境省調査によりますと、都内には駐車場施設を中心に約三十二万リットルのPFOS含有泡消火薬剤の在庫が存在しており、迅速に非含有のものに交換していく必要がございます。
 このため、都は令和六年七月から、泡消火薬剤の交換に係る費用の一部につきまして補助を開始いたしました。
 また、支援内容につきましては都及び環境公社のホームページに分かりやすく掲載するとともに、東京消防庁や市区町村、業界団体と連携し、広く周知を行っているところでございます。
 今後もこれらの取組を着実に行い、PFOS非含有泡消火薬剤への転換促進を図ってまいります。

○松岡委員 ご答弁ありがとうございました。PFOSは既に製造、輸入等が禁止されておりますが、新たな環境中への排出を最大限防ぐため、一刻も早くPFOS非含有泡消火薬剤への交換を進めていく必要があります。
 引き続きこの取組をしっかり進めていただくことを要望して、質問を終えます。ありがとうございました。

○鈴木委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時二十四分休憩

   午後三時四十分開議

○鈴木委員長 それでは、休憩前に引き続き分科会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○岩永委員 それでは、質問をいたします。
 環境対策は多様で多岐にわたります。化学物質による健康被害や環境汚染が二十年、三十年後に影響が明らかになることもあります。気候危機や生態系の変化を引き起こしている地球温暖化など、待ったなしの課題も山積しています。
 人口も産業も集中している東京の環境を守り、持続可能な環境を次世代に受け渡していくために、都の環境施策を進めていくことが重要です。
 まず最初に、アスベスト対策について伺います。
 アスベストは、高度経済成長期に建材として広く使用されました。耐火性があり便利ということで多用されましたが、その後、肺がんや中皮腫などの健康被害が深刻化し、大きな社会問題となりました。
 現在、アスベストを含む製品は、輸入や使用などが全面禁止になっていますが、アスベストを含む建材が使用されている建築物の解体は続いています。
 大気汚染防止法や廃棄物処理法など複数の環境関連法で規制され、飛散防止や適正処理が義務づけられており、二〇二二年の大気汚染防止法の改正では、一定規模以上の解体、改修工事においてアスベストの事前調査の報告が義務化されました。
 そこで、アスベストを含有する可能性のある建材が使用された建物の解体棟数について、今後の推移の見込みを伺います。

○中島環境改善部長 飛散性の高いアスベスト含有建材が使用された可能性が高い非木造建築物の都内における解体棟数は既にピークを迎えていると考えられ、今後二〇五〇年頃まで現在の水準が続くことが見込まれております。

○岩永委員 今後、二〇五〇年頃まで高い水準が続くということですが、そのような状況を踏まえ、都が二〇二四年度に行ったアスベスト対策の具体的な内容を伺います。

○中島環境改善部長 都は、専門職員による解体現場における監視指導や、改正法の周知を実施いたしました。また、工事発注者に対しても改正法の周知を行うとともに、現場指導を担う自治体に対しては研修会の開催や資格取得等の支援を実施いたしました。

○岩永委員 今、昨年度の取組をお答えいただきました。
 次に、アスベスト対策に欠かせない調査と除去工事への助成について伺います。
 二〇二四年度末でアスベストの調査と分析に関する補助制度がある都内の自治体数は、区部で十九区、市部で二市となっております。また、除去工事に関する補助制度については、区部では十二区、市部では一市と、限定的です。区部ではアスベスト調査への補助制度が増えておりますが、一方で財政規模の小さい市部では、補助制度がほとんど行われておりません。
 高度成長期の建築物が多くある東京都の問題として、アスベスト対策に取り組むべきです。
 そこで、アスベスト調査と除去工事について、市区町村に対して財政的支援を講じる必要があると考えますが、いかがでしょうか。

○中島環境改善部長 都は、アスベスト事前調査の費用を補助する市区町村に対する支援を令和五年度から開始し、令和六年度も継続して実施いたしました。

○岩永委員 二〇二三年度から事前調査の費用の補助の支援が開始をされたということです。
 先ほどのご答弁では、自治体に対して研修会を行っているということですので、例えば財政支援の制度の周知なども併せて行っていただき、広く制度を広めていただくことを要望いたします。
 次に、PFAS汚染対策について伺います。
 有機フッ素化合物、PFASについて、国はPFOSとPFOAの水質基準値を五十ナノグラム・パー・リットルと決め、都は既に暫定基準として水道水を基準値内に収めています。
 しかし、東京の地下水、特に多摩地域の湧水は、水道水だけではなく井戸にも活用され、身近な湧水としても親しまれています。豊かな財産であった多摩の地下水にとってPFAS汚染は、とても大きな損失です。原因を究明し、将来的には安全な地下水を取り戻すことを視野に、長期的な環境政策の展望が望まれます。
 そこで、市区町村と連携をしたPFOS等地下水調査の二〇二四年度の実施自治体数と箇所数をお示しください。

○丹野環境改善技術担当部長 先ほども答弁しましたとおり、都は追加調査を補完する調査を実施する市区町村に対しまして支援を実施しており、八自治体、計六十九地点分の調査費用の一部を支援いたしました。
 市区町村が実施しました調査も含めた地下水中のPFOS等の調査結果につきましては、ホームページで公表しております。

○岩永委員 自治体との連携調査は、地域での安全確認や対策のために必要なだけではなく、都の過去の調査や定点調査と併せて貴重なデータ蓄積となります。
 健康影響への未然防止の視点で取水を止めることは当然必要なことではありますが、蓋をするだけでは根本解決にはつながりません。データ集約による汚染原因の究明と、除去方法の技術の確立も必要と考えます。
 そこで伺います。東京都環境科学研究所と連携をした、汚染経路や除去後の処理に関する調査研究は行っているでしょうか。国や大学等の研究機関との連携はどうなっているのか伺います。

○丹野環境改善技術担当部長 国は、令和五年七月に発出したPFASに関する今後の対応の方向性におきまして、飲用による暴露防止の徹底を掲げております。都は飲用水の安全・安心を高めるため、水道水の安全性の確保と地下水の実態把握による、飲用しない取組の徹底を図ってまいります。

○岩永委員 暴露防止や飲用しない取組をしているという答弁でありました。しかし、先ほど申し上げたように、それだけでは安全な地下水を取り戻すことはできません。もちろん汚染源は一つではなく、複数の要因がある可能性がありますし、地下水の経路を特定することも簡単ではないことは認識をしています。
 しかし、環境科学研究所のこれまでの取組に加えて、ご答弁にはありませんでしたが、国や大学などの研究機関との連携でPFAS対策を行うことを模索することは可能ではないでしょうか。検討を強く要望いたします。
 続いて、泡消火薬剤の交換について伺います。
 PFOS等含有泡消火薬剤の転換促進事業について、都内の在庫把握や周知をどのように行っているのでしょうか。
 また、都からの発信に加えて、自治体を通しての周知の実施状況についても伺います。

○丹野環境改善技術担当部長 令和六年度の環境省調査によりますと、都内には駐車場施設を中心に約三十二万リットルのPFOS含有泡消火薬剤の在庫があることを把握しております。
 都は、泡消火薬剤交換のための補助制度につきまして、ホームページへの掲載や、自治体、業界団体等と連携しながら周知を図っております。

○岩永委員 都内には三十二万リットルのPFOS含有泡消火剤があるということです。民間を含めて、どこにあるのかの把握というのはなかなか困難であるということは想像に難くはありません。だからこそ、交換をすることが必要だという情報発信が大切でありますから、ホームページの掲載というだけでは不十分です。
 先日、民間施設での交換は進んでおらず、都の補助利用も想定の三割という報道がありました。事業者に近い距離にある自治体を通して、一方的ではなくて、双方向にやり取りができる取組が有効と考えますので、把握数や交換数の目標値を定めるなどしながら、着実に、そしてより積極的に取り組むことを要望いたします。
 次に、都の公共施設等のPFAS含有泡消火剤の入替え状況を伺います。
 都内の自治体所有の消火剤の在庫状況を把握する必要があると思います。民間だけではなく、自治体へも補助拡大が必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。

○丹野環境改善技術担当部長 令和五年度に把握しました都有施設や政策連携団体等のPFOS含有泡消火薬剤を保有している三十二施設につきましては、令和六年度末時点で二十九施設の交換が完了しておりまして、残りの施設につきましても既に交換に着手しております。
 また、国に対しまして、PFOS等非含有泡消火薬剤への代替を促進するための財政的支援等について要望しているところでございます。

○岩永委員 都の公共施設の交換は着実に進んでいるということは分かりました。公共施設であっても、設置している消火剤がPFAS含有であるかどうかを調べるということが難しい場合もあるようです。
 都としての情報提供やアドバイスもできるのではないかと思いますし、また、財政支援は、交換をしていくことを促進するインセンティブになると考えますので、ぜひ国に先んじて東京都が実施することを要望いたします。
 地下水はくみ上げる場所だけではなくて、その地下では自治体を越えてつながっております。広域的な取組が必要です。
 水は川を経て東京湾に流れ込みます。PFAS対策は国の責任ということではありますが、東京都としましても一千四百万人が暮らすまちの環境保全を行う責任があります。より積極的な対策を講じることを求めまして、次の質問に移ります。
 続きまして、環境影響評価条例について質問いたします。
 東京都環境影響評価条例は、都市の持続可能性と住民の生活環境を守る制度として重要な役割を果たしてきました。一九八〇年に条例ができて以来、何度か制度の見直しは行われてきており、直近では二〇一八年に改正がありました。近年の社会状況の変化や制度運用上の課題を踏まえると、現在の制度では捉え切れない環境影響が存在しております。他自治体では先進的な制度改正が進んでおり、東京都でも制度の見直しが必要です。
 環境アセスが都市の持続可能性と住民の生活環境を守る制度として機能するために、新たな社会状況に合わせて制度の見直しを求める視点で質問します。
 二〇二四年度に環境影響評価が行われた事業の中に、GLP昭島プロジェクトがあります。近年、都市のヒートアイランド現象や猛暑が深刻化しています。しかし、現行の評価項目には、排熱や熱環境が位置づけられていないため、排熱に関わる環境影響の調査は行われませんでした。建築物の設備からの熱放出、また、地表の温度の上昇、地下空間の蓄熱など、都市の温熱が環境に与える影響は、市民の住環境にも、自然環境にも大きな影響が及ぶ重要な項目です。
 そこで、排熱、熱環境を環境影響評価の評価項目として追加する必要があると考えますが、見解を伺います。

○関政策調整担当部長 東京都環境影響評価条例では、評価項目は公害の防止、自然環境等について規則で定めるもののうちから選択するものとしています。

○岩永委員 評価項目追加の必要性についてのご見解はいただけませんでしたが、GLP昭島プロジェクトは、年間のCO2排出量が昭島市の地球温暖化対策実行計画目標を大幅に上回る計画になっており、東京都全体から見ても看過できない数値になっています。
 国は、データセンターの整備は首都圏に偏らないように地方にとしておりますが、昭島のほかにも都内では複数のデータセンター建設が予定されており、対策としての評価項目の追加を要望します。
 また、計画段階からCO2排出量、電力使用量、エネルギー効率値の公表と併せて、自治体や地域住民との協議の場の設置、ZEB基準のクリアの要件化も必要であり、新しい仕組みづくりを求めます。
 次に、累積的な評価の仕組みについて伺います。
 二〇二四年度に環境影響評価調査計画書が出された南武線谷保駅から立川駅間の連続立体交差事業と国立都市計画道路三・三・一五号線、国立市の谷保駅から富士見台四丁目の区間の事業は、同じ時期に同じ地域で行われる事業でありますが、異なった事業であるため、それぞれ環境影響評価が行われています。
 しかし、例えば電車と車が同時に交差する地点での騒音の影響を複合的に捉えて評価する視点や、エリア全体での地下水や湧水への影響など、総合的な視点での影響評価が抜け落ちてしまいます。
 都市開発が集中する地域では複数の事業が同時並行で進行することにより、騒音、交通、熱、緑地減少や地下水脈への影響などの環境負荷が累積的に発生します。個別事業ごとの評価では捉え切れない、これらの評価を地域単位で評価する仕組みが必要です。例えば福岡県など、地域単位での環境管理を強化している自治体もあります。
 そこで、東京都でも累積的な影響を地域単位で評価する仕組みを条例に盛り込むべきと考えますが、見解を伺います。

○関政策調整担当部長 都の環境影響評価は、原則、個々の事業者の責任において行うものであり、東京都環境影響評価技術指針に基づき、周辺地域の概況を把握した上で実施することとしています。

○岩永委員 技術指針では、周辺地域の概況を把握した上で実施というふうにあるということですが、とても大枠の表現になるため、累積的な影響であったり複合的な影響と読めるかは、事業者の判断になってしまいます。
 現に南武線連続立体交差事業と都市計画道路国立三・三・一五号線の環境影響評価書案では、それぞれの事業では水循環の調査は必要ないと判断され、調査項目からは外れています。
 しかし、現場の近くには崖線があり、湧水を集めて流れる矢川があるため、周辺の工事による地下水脈への影響が矢川の水がれを引き起こすのではないかと懸念する声もあります。
 特に連続立体交差事業では、崖線部分の地下深くに、くいを打つこともあり、調査項目に水循環を選択しないことは、周辺地域の概況を勘案した調査とはいえないのではないかと指摘せざるを得ません。しっかりと検討をいただくことを要望いたします。
 次に、神宮外苑再開発事業をはじめ、再開発事業における環境への影響については、住民合意や住民の納得感も大きな問題となる事例も多くあります。環境アセスでの住民意見を踏まえて、事業の修正や見直しが行われている他地域での事例もあるように、住民意見や地域文化との整合性が評価されることで社会的受容性が広がり、制度の信頼性と民主性を高めることができるのではないでしょうか。
 そこで、住民意見や地域の歴史や文化との整合性を評価する仕組みを導入すべきと考えますが、見解を伺います。

○関政策調整担当部長 都の環境影響評価は、評価書案について都民等からの意見書の提出を受けるほか、対面による都民の意見を聴く会を実施することとしています。
 また、技術指針に基づき、周辺地域の概況を把握した上で実施することとしています。

○岩永委員 都民の意見を聞くということですが、聞くだけということではなくて、聞いた結果、それがどのように反映されたのかということを示すこと、また、異なる意見を交わし合いながら住民同士が合意形成をするプロセスがあって初めて、社会的受容性を高めて、住民の納得感にもつながるのだと考えます。
 また、現在の環境影響評価制度では、事業実施を前提とした案のみが提示される傾向がありますが、真に環境影響を考慮するためには、その結果によっては事業を行わないという選択肢も含めた複数案の提示が必要です。
 そこで、条例において、事業廃止を含む複数案の提示を義務づけることを検討すべきではないでしょうか、見解を伺います。

○関政策調整担当部長 都の環境影響評価手続は、事業者が大規模な開発事業を実施する際に、あらかじめその事業が環境に与える影響を予測、評価し、その内容について専門的立場からの審査を受ける、一連の手続でございます。

○岩永委員 なかなか前向きなご答弁がないわけですけれども、これまでのように、都の環境影響評価制度には様々な課題があると認識しております。こうした課題に対応していくために、都は環境影響評価制度の見直しの検討に着手をすべきと考えますが、見解を伺います。

○関政策調整担当部長 都の環境影響評価制度については、これまで六回の条例改正を経ながら多くの案件を取り扱い、大規模事業が環境に与える影響の低減に資するよう審議会で審議を行い、東京の環境保全の向上に大きな成果を上げてきたことが審議会総会でも確認されています。
 都としては、引き続き環境影響評価手続について、条例や技術指針などにのっとって適切に進めてまいります。

○岩永委員 見直しの検討を着手していただきたいという質問をさせていただきましたが、現状のご答弁、やっていらっしゃることについてのご答弁ということにとどまりました。
 六回、これまで改正をされてきたというこれまでの経緯を踏まえますと、やはり必要性がある、社会状況が変化しているということをしっかりと捉えて、それにそぐう制度になるような改正が行われてきたと認識をしております。
 昨今の社会状況の変化を踏まえまして、よりよい制度となるように検討、また改定をしていくことを求めまして、この質問は終わります。
 次に、データセンターについてです。
 デジタル化の進展に伴い、データセンターは必要な社会インフラだと認識していますが、建設計画では様々な問題も起きています。
 先ほどの環境影響評価条例の質問で例示をしました昭島GLPプロジェクトは、その重大な事例です。データセンター設置に当たっては、国も都も再エネ、省エネに努める方針を挙げてはいますが、義務化はされていません。CO2排出量と電力消費量、排熱は地球温暖化対策に直結する事項です。この夏の猛暑がつい先日まで続いていた現実を考えると、ゼロエミッション東京戦略の目標達成にも、都内に建設するデータセンターについての対策が必要です。
 そこで、都内のデータセンター建設に当たって、二〇二四年度の都の取組状況を伺います。

○小林気候変動対策部長 都は、環境確保条例に基づく地域における脱炭素化に関する計画制度、建築物環境計画書制度、キャップ・アンド・トレード制度を強化するなど、省エネ、再エネを促進してきました。

○岩永委員 昨年、環境確保条例の改正が行われまして、脱炭素の取組の強化はされましたが、キャップ・アンド・トレードの制度の効力が発生するのは、実際に施設が出来上がって稼働をしてからになります。特に電力の消費量とCO2排出量が多いデータセンターについては、計画段階から環境配慮も組み込んでおかなければ、ゼロエミッションの達成は遠のくばかりです。
 必要な社会インフラだからこそ、再エネ一〇〇%を含めたCO2排出実質ゼロ、排熱による地域のヒートアイランド対策を都として講じること、十分な住民説明と合意形成の仕組みづくりを求めます。
 既存の制度では対応できない課題もあると認識しておりますので、繰り返しになりますが、新たな制度構築も含めて要望しまして、次の質問に移ります。
 地球温暖化を超えて、地球沸騰といわれるほど気候危機は目の前の現実となりました。
 都は、二〇二四年度は気候変動対策費として約一千三百五十四億四千六百八十五万円の当初予算を組み、地球温暖化防止対策、環境エネルギー、ZEV普及、再生可能エネルギーの促進、推進事業も行っております。特に再エネ推進の取組を大きく増やして、予算も拡充、総額六十七億八千百万円の予算が計上されました。
 二〇二四年度末にはゼロエミッション東京戦略 Beyond カーボンハーフを策定し、二〇三五年までに温室効果ガス排出量を二〇〇〇年比から六〇%以上削減する新たな目標と、その達成に向けた三十一の個別目標を設定し、実効性ある施策を推進する方針を掲げています。
 そこでまず、断熱改修事業についてお聞きします。
 巨大エネルギー消費地である東京都においては、引き続き省エネを進めることは気候変動対策の柱の一つです。既存建物の省エネ策としては断熱改修が有効とされております。そして、断熱改修は、気候変動対策としてだけではなく、都民のより健康で快適な暮らしにつながる大事な取組にもなります。
 そこで、二〇二四年度における既存住宅の断熱改修の実績について伺います。

○小林気候変動対策部長 都はこれまで、断熱効果の高い窓、ドア等の支援を行うとともに、事業者に対して幅広く広報を展開してきました。その結果、令和六年度における断熱窓等への改修支援の申請数は約四万八千戸に上り、令和五年度と比べて約四割増加しました。

○岩永委員 住宅の断熱改修は、窓のほかに、ドア、壁なども対象で、実際に工事をした都民の方からは、冷房や暖房の使用の頻度が下がったことや、室内が快適になったという声を聞いています。
 改修補助は改修工事へのインセンティブにつながり、省エネに寄与します。ただ、国の制度に比べて手続が煩雑で、取り扱っていない事業者もあるという話を聞いています。ぜひそこは改善をすることを求めます。
 また、東京都は全国で最も持家率が低く、賃貸物件の多い都市です。既存住宅の断熱改修は、持家だけではなく、賃貸住宅の断熱改修の促進が必要です。賃貸住宅の断熱改修に対する補助の実績について伺います。

○小林気候変動対策部長 都は、賃貸集合住宅の高断熱化や省エネ性能の診断、表示等による省エネ化を支援してきました。
 令和六年度に開始した賃貸住宅の断熱・再エネ集中促進事業においては、窓、ドア等の断熱改修で予算規模の百戸を上回る三百五十二戸の申請がございました。

○岩永委員 予想を三倍以上ですね、大きく上回る申請があったということで、都民の関心の高さが表れています。先ほども述べたように、断熱効果が高い住宅は光熱費の負担が少ないというメリットがありますが、実際の工事費を負担するオーナーにとってのインセンティブが何かということも考える必要があります。
 現在は物件ごとの断熱性能がどのようになっているのか分かりにくいので、賃貸物件を借りる際に、断熱情報を表示する仕組みや、不動産業者が把握をして、物件を借りたい人が断熱性能を確認できるような仕組みを構築してはどうでしょうか。今後の検討を要望いたします。
 次に、再生可能エネルギーについてお聞きします。
 都内のCO2排出の六五%は電力に由来しますが、これは化石燃料による電力が八割であるためです。二〇三〇年までのカーボンハーフの達成までには、できることは全てやらなければ達成は無理です。
 東京都を含めた都内の自治体での公共施設での再エネの導入は着手をしやすいと思います。そこで、地産地消の再生可能エネルギーの創出のため、公共施設等への再エネ導入促進補助を行っていますが、その実施状況について伺います。

○小林気候変動対策部長 都は平成二十六年度から、区市町村公共施設への再生可能エネルギー設備の導入補助を実施してきました。令和六年度は、前年度の二倍を超える七百七十三キロワットの太陽光発電設備の申請がございました。

○岩永委員 補助導入の開始からちょうど十年たった二〇二四年度において、前年の約二倍の太陽光発電の導入支援の申請があったということです。
 都内の自治体には、公共施設に設置した太陽光や風力発電について、私たちのまちの発電所として発電量を公表して、見える化をしているところもあります。また、公共施設による創エネは、地域新電力の設立に寄与していく可能性もあり、引き続きの拡充をお願いします。
 東京都全体のポテンシャルは高く、ゼロエミッションに向けた取組を加速することを求めておきます。
 次に、洋上風力についてお聞きします。
 島しょ地域の再生可能エネルギー利用拡大について、特に洋上風力発電についての二〇二四年度の検討、実施状況について伺います。

○長谷川再生可能エネルギー実装推進担当部長 洋上風力の導入に当たりましては、地域の方々のご理解、ご協力が必要であることから、令和六年度、各町村における地域研究・検討会議を設置し、意見聴取、検討を行ったほか、住民の方々への説明会を開催いたしました。

○岩永委員 洋上風力は日本での活用の可能性が非常に高いといわれつつ、進んでいないエネルギー源です。現在は技術進歩により、着床式ではなくて浮体式が主流になっていると聞いています。環境への配慮や住民の方々の理解と協力を得ながら、地域にもメリットがある形で導入を進めていくことを要望いたします。
 次に、視点を変えて、充電設備についてお聞きします。
 脱炭素のために取り組む一環として、充電設備普及促進事業について、住宅における充電設備に対する補助実績について伺います。

○小林気候変動対策部長 都は、ZEVの普及拡大に向け、住宅における充電設備の導入への補助を行ってきました。令和六年度には合計で七百二十件、二千百八十三口の申請を受けており、前年度に比べ、件数では約一・八倍に増加しました。

○岩永委員 充電施設というのも非常に再エネを使っていくためにも重要な設備でもあります。引き続き推進をしていただきたいと思います。
 以上、省エネ、再エネ創出については、二〇三〇年カーボンハーフ、二〇三五年温室効果ガス排出量を六〇%以上削減、二〇五〇年ネットゼロ達成という大きな目標のためには相当な取組が必要です。日本としての気候危機対策に遅れがある中で、莫大なエネルギー消費と温室効果ガスを排出している巨大都市東京としての責任を果たすことを求めます。
 さて、ゼロエミに向けた施策を進める上で、東京でのポテンシャルの高い太陽光パネル導入を進めるに当たり、一方では廃棄やリサイクルの問題が出ています。
 二〇三〇年代後半には大量の太陽光パネルが寿命を迎えると予測されており、国では再資源化の義務化の法制化に向けた議論も行われているところです。
 都では指定事業者によるリサイクルを進めていますが、新たな環境負荷を極力減らし、廃棄を避ける対策が必要です。
 そこでまず、都のパネルリサイクルについて、昨年度の取組の成果について伺います。

○木村資源循環計画担当部長 まず、大変申し訳ございませんが、先ほどの私からの松岡委員に対する答弁の一部に誤りがございましたので、訂正させていただきます。
 クリーニング会社で循環利用された衣類カバーについてでございますが、年間約一万トンと申し上げましたが、正しくは一トンでございます。
 また、都庁舎において水平リサイクルされたオフィスプラスチックは約七十七トンではなく、正しくは七十二トンでございました。
 大変失礼いたしました。
 それでは、岩永委員からのご質問に対してお答えさせていただきます。
 都は、太陽光パネルを高度にリサイクルできる施設を指定し、これらの施設で処理される住宅用パネルを対象にリサイクル費用を補助しておりまして、昨年度は六件の補助を実施しております。

○岩永委員 二〇二四年度の実績、補助の実績は六件ということです。
 先日、私も川崎市にある太陽光パネルをリサイクルする施設に視察に伺ってまいりました。これからというようなところで、様々な地域での取組が広がっていくことを期待しておりますが、リサイクルを進めていくことと同時に、リユースのパネルの市場拡大やメンテナンスでの活用も併せて拡大を進めていただきたいと思います。
 それから、先ほどもありましたが、持ち運びができたり、大がかりな工事がなくても、ベランダなどで使用できるポータブルタイプの太陽光パネルの普及も進んでいます。防災用品としても多くの家庭で昨今では常備をされるようになりました。このリユース、またリサイクルも進めていただきたいところでございますが、ポータブル太陽光電池の廃棄、処理状況はどのようになっているのか伺います。

○木村資源循環計画担当部長 ポータブル太陽電池につきましては、現在メーカーが回収を行っているほか、自治体ごとのごみの出し方に応じて処理されてございます。

○岩永委員 まだリサイクルということではなくて、廃棄ということのみの処理ということです。ごみとして処理されるものが少しでも少なくなるように、都としても自治体と連携して、リサイクルの取組も併せて進めることを求めます。
 こうしたリサイクル、さらには今後の課題としてリユース推進の取組を進めることは、太陽光パネルを都民が安心して導入できることにもつながります。そして、何よりも3Rの発想から、まずはパネルを少しでも長く使用することが大前提です。どうしたら長寿命化できるのかのノウハウや修理に関する知識を導入した事業者や個人が行えるような啓発も必要です。
 そこで、メンテナンス等に関する情報提供はどのようになっているのか伺います。

○木村資源循環計画担当部長 都は、太陽光パネルの定期的な点検や維持管理等に関する普及啓発資料を作成し、ホームページに掲載するとともに、事業者等への周知を実施しております。

○岩永委員 エネルギー効率を保ちながら、長く、そして大切に使うことが再エネ普及の先にあるゼロエミッション実現のためにも求められています。
 都はパワーコンディショナーの取替え費用の助成を行っていますが、こうした情報とともに、事業者にも安易に全て取り替える全取替えを進めることがないように、しっかりと情報発信と啓発をお願いします。
 太陽光パネルのリサイクル義務化については、今年、法案が見送りになりました。であればなおのこと、長寿命化を図ることと併せて、普及を拡大することを要望いたします。
 また、都は次世代型と呼んでいたペロブスカイト太陽電池、公募でAirソーラーの愛称になったようですが、薄型で、曲げて使えるパネルがサーキュラーエコノミーの視点で有益なものとなるよう期待しています。普及後は同様に、リサイクルや長寿命化への取組を進めることを要望します。
 次に、太陽光パネルとセットで普及を進めている蓄電池の廃棄、リサイクルについて、二〇二四年度の取組を伺います。

○木村資源循環計画担当部長 都は、蓄電池の導入補助を交付する際に、メーカー回収を案内するリーフレットを配布してございます。
 なお、メーカーが中心となって回収している蓄電池についてでございますが、業界団体では、今後、利便性や回収の効率性を重視し、業界として回収スキームを構築する計画でございます。

○岩永委員 業界での回収スキームの構築の計画があるということですが、都としてコミットできる部分があるか検討をしていただくことを要望します。
 また、資源循環の推進、資材の高騰への対策としても、蓄電池を含めて、あらゆる資源を再利用していくことが必要です。小型家電については法整備され、レアメタルを回収、またリサイクルするルートは確立されていますが、リチウムイオン電池については、最近事故の多いモバイルバッテリーと携帯電話、加熱式たばこ機器についてはこれからで、現時点では別ルートの回収の強化が必要です。
 二〇二四年度、自治体での分別や回収をより進めるために、スケールメリットを高めるための取組や、自治体間の情報交換や共有を都としてサポートした取組を伺います。

○宗野資源循環推進部長 都は都内自治体によるリチウムイオン電池の分別回収を促進するため、広域的にまとまった量を回収し、リサイクル事業者へ売却する取組を実施するとともに、自治体の先行事例などを共有いたしました。

○岩永委員 これまでの好事例を共有して、今後の回収強化につなげることを求めます。
 回収率、リサイクル率を高め、資源化することは、安全のためにも必要です。同時に、使い捨てではない製品に転換することがサーキュラーエコノミーの実践であるということで、次に、プラスチックの削減、発生抑制についての質問をいたします。
 プラスチック包装材、ワンウエープラスチック製品の削減やリサイクルについて、二〇二四年度に都庁舎で取り組んだ実績を伺います。

○木村資源循環計画担当部長 都は令和六年度、職員等に対して、ポスターの掲示などを通じてプラスチックの排出抑制や分別の徹底を呼びかけ、約七十二トンの水平リサイクルを実現しております。

○岩永委員 水平リサイクル七十二トンということです。都庁内での取組を進めることは当然のことと思います。あわせて、民間でのワンウエープラスチック削減にも積極的に都として取り組んでください。
 かつてレジ袋の有料化が提案されたときには、影響が大きいとされて、施策化は非現実とされていた時期もありました。しかし、それが法制化され、義務化までされています。
 環境対策はすぐには影響は出ない、まさに次世代への責任です。プラスチックを燃やすことでも、カーボンハーフ、カーボンゼロは遠のきます。プラスチックの発生抑制、削減に対して、都としての一層の努力を求めます。
 最後に、保全地域について質問します。
 地球沸騰化といわれるように、東京でも夏の猛暑が続き、ヒートアイランド現象も起きています。都市の緑を増やすこと、生態系を守ることが喫緊の課題となっています。そのような中で、市街地にある樹林地や水辺地などの緑と自然のある保全地域は生活に潤いを与え、生物多様性の回復や気候危機対策としても大変貴重です。
 そこで、都の保全地域の現状と二〇二四年度の維持管理と整備費について伺います。

○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 令和七年三月末現在、都が指定している保全地域は五十一か所、約七百六十一ヘクタールでございます。
 昨年度の決算は、保全地域の管理や希少種の保全、ボランティア団体に対する技術的な支援など維持管理に要した経費は約十一億五千万円、施設改修や安全対策工事等の整備費は約二億八千万円でございます。

○岩永委員 この保全地域は少しずつこれまでも増やしてきて、指定が増えているという状況でありますが、今七百六十一ヘクタール、全体の面積としてはお答えをいただきました。
 その中の一つ、立川市と国立市の市境にある矢川緑地は、立川崖線からの湧水が集まり、湿地帯になっています。この湧水が集まって矢川の源流となっており、矢川緑地保全地域として指定をされ、保全をされています。
 湿地帯には木道が整備され、自然観察や散策に適した環境です。私も昨年、矢川緑地の自然観察の会に参加して、周辺を歩き、湿地帯の風景を楽しみました。また、先日は、国立ウオーキングで多くの市民の方と中を歩いてきました。
 矢川緑地は市民ボランティアが保全活動を続けていますが、木道や樹木の管理など、ボランティアだけでは作業が難しい整備や作業もあります。
 そこで、都は矢川緑地保全地域の維持管理や整備を行っておりますが、二〇二四年度の取組について伺います。

○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 矢川緑地保全地域については、年間を通じた巡視や樹木の管理に加え、昨年度は、外来種のキショウブやアライグマの駆除を実施するとともに、老朽化した木道と橋の改修を行っております。

○岩永委員 この矢川緑地を源泉として、湧水を集めて立川市内から国立市内を流れる矢川というのは、南武線の矢川駅の駅名にもなっています。小さな、そして環境変化の影響を受けやすい川でして、過去に何度か水がれをしたことがあります。多くの市民がその矢川の水量や水辺の環境について大変気にかけております。
 国立市の調査によりますと、一九四五年頃と比べて、市内の地下水の涵養量は約六割も減少しており、湧水の流量にも影響を与えているとされています。
 また、樹木については、数年前にはナラ枯れが流行して、都内のあちこちで一度に多くの樹木が被害を受けました。貴重な湿地帯の生態系が守られるように、また樹木が保全されるように、維持管理をお願いいたします。
 以上、様々な環境対策について質問しましたが、一千四百万人が暮らす東京が持続可能な生活のまち東京となるように、国に先駆けて環境政策を東京都から牽引していくことを求め、質問を終わります。

○ゆもと委員 断熱と省エネ性能の高い住宅の普及状況についてお伺いをしたいと思います。
 今年の夏の記録的な暑さなど、気候危機の一層の深刻化は明らかであり、ゼロエミッション東京の実現に向けた各種施策の推進が必要であります。
 特に住宅は、一度建設されると長期間使用されるため、その対策が急がれております。
 都は令和元年度から、国の断熱、省エネ基準を上回る環境性能を有する新築住宅に対して建築費用の一部を助成する東京ゼロエミ住宅普及促進事業を実施しております。この事業では、令和四年度より、より細かく環境性能を評価するために基準の多段階化を導入し、令和五年度には申請者の負担軽減を図るために、工事着手前の事前申請を廃止するなど、様々な見直しを行っております。
 そこで、令和六年度の取組と実績についてお伺いをいたします。

○松岡建築物担当部長 都は令和六年十月に、より環境性能の高い住宅への誘導を進めるため、国内最高レベルの省エネ性能を備えた基準に強化し、東京ゼロエミ住宅の助成額を引き上げました。
 集合住宅については、住棟単位から住戸単位へ認証方法を見直すことで、より水準の高い住戸の普及を促しました。
 見直しの結果、東京ゼロエミ住宅の実績について、令和六年度は九千五百七十八件の助成金交付申請があり、当該年度の都内新築住宅の四棟に一棟が東京ゼロエミ住宅となりました。
 申請金額は約四百五億円で、当初予算額約二百四十八億円を大幅に上回りました。

○ゆもと委員 より環境性能の高い住宅の普及を進めるための見直しを行うとともに、助成金が想定よりも非常に多くの都民の方に活用されていることを確認いたしました。
 基準が強化されたことは分かりましたが、より高い水準の住宅の普及につなげていくことが重要です。
 そこで、この見直し後における最も高い水準の住宅の割合についてもお伺いをいたします。

○松岡建築物担当部長 令和六年十月から令和七年三月までの水準別の申請戸数の内訳は、水準Aが二千七百三十二戸、水準Bが二千五百七十六戸、水準Cが七百五十三戸となりました。
 環境性能が最も高い水準Aの割合は想定を大幅に上回り、申請戸数の半数近くに達しており、集合住宅では六割に迫る割合となりました。

○ゆもと委員 集合住宅も含め、より水準の高い住宅の普及が進んでいることも分かりました。
 今後も東京ゼロエミ住宅のさらなる普及に向け、PRに努めるとともに、都民、事業者の取組をしっかりと後押ししていくことを要望いたします。
 次に、Airソーラーの社会実装に関する質問をさせていただきます。
 日本で生まれた技術であるAirソーラーは、軽量、柔軟で、建物の屋根、窓、壁など様々な場所への設置が期待をされております。
 主要な原材料のヨウ素は国内で調達ができることから、サプライチェーンを海外に過度に依存する必要がなく、経済安全保障の面からも普及を進めるべきと考えます。
 一部の企業から今年度中に商用化される見込みですが、海外企業も量産化に向けた動きを加速するなど、国際競争が激化をしております。
 都は昨年度、Airソーラーの実用化に向けた課題を解決し、早期の社会実装を後押しするため、開発企業向けの支援事業を開始しました。
 そこで、開発支援事業について、令和六年度の実績をお伺いいたします。

○長谷川再生可能エネルギー実装推進担当部長 都はこれまで、Airソーラーの開発企業と連携し、都有施設等において、耐久性や施工方法等の検証を行ってまいりました。昨年度から早期の実用化を一層促すため、開発事業者の製品化に向けた支援を開始しており、配線が不要で、災害時の自立型電源としても活用可能なAirソーラーを搭載した庭園灯の実装検証の取組を採択いたしました。
 本事業で用いられているAirソーラーは、国内メーカーが持つ生産性に優れたインクジェット技術を活用して製造されています。
 こうしたAirソーラーを搭載した庭園灯を東京体育館周辺に設置し、発電量や耐久性を検証することとし、認知度向上を図るため、東京二〇二五世界陸上とも連携した取組を進めました。
 今後もこうした取組などによりまして、Airソーラーの普及拡大を強力に後押ししてまいります。

○ゆもと委員 開発企業への支援が成果を上げていることが確認をできました。都が引き続きこのAirソーラーの普及拡大に向けた取組をしっかりと進めることを要望し、次の質問に移ります。
 フロン対策についてお伺いをいたします。
 フロンは熱を効率よく運ぶ物質であることから、オフィスや商業施設など、空調設備やスーパーのショーケースなどの冷凍冷蔵設備の冷媒として広く活用されておりますが、二酸化炭素の数十倍から一万倍以上の温室効果があり、都内温室効果ガス排出量の約一割にも及んでおります。
 都は、昨年度末にゼロエミッション東京戦略 Beyond カーボンハーフを策定し、フロンについては二〇三五年までに二〇一四年度比で排出量を七〇%削減する目標を掲げており、その対策は急務であります。
 そこで、本日はフロン排出の状況及び令和六年度決算の観点から、取組状況について質問をいたします。
 初めに、都内におけるフロンの排出の状況についてお伺いいたします。

○中島環境改善部長 二〇二三年度における都内のフロン排出量速報値は、CO2換算で約五百一万トンであり、これまでの増加傾向から横ばいとなりました。
 内訳については、業務用機器からの排出量が約六割、家庭用エアコンからの排出量が約三割でございます。
 国に先駆けて都が推進しているノンフロン機器への転換や先進技術の活用、立入検査の強化等による使用時、廃棄時の漏えい対策やフロンの国際的な取組であるモントリオール議定書による規制の効果が都内フロン排出量の抑制につながっております。

○ゆもと委員 これまで増加傾向であった都内のフロンの排出量が二〇二三年度の速報値では横ばいになったとの答弁でした。取組が成果を上げているということの証左だと思います。
 今後、都の取組や国際的な取組による効果がさらに現れ、減少に転じること、これを強く期待いたします。
 フロン排出量の減少を確実なものにするためには、冷凍冷蔵ショーケース等の機器のノンフロン化のさらなる推進が不可欠であります。
 しかしながら、ノンフロン機器はフロン機器に比べて価格が高いことが導入を後押しする上で大きな課題になっております。
 こうした中、都は、省エネ型ノンフロン機器普及促進事業を令和元年度から展開をしております。
 昨年度は、それまで中小企業等に限定していた支援対象者を大企業にまで拡大をしたほか、中小企業等への補助率も二分の一から拡充をしたと聞いております。その実績についてお伺いをいたします。

○中島環境改善部長 昨年度、本事業では、大企業は補助率二分の一、中小企業等については補助率三分の二に拡充し、支援を強化いたしました。
 加えて、本事業開始後は業界団体主催の講習会やセミナーでの講演、展示会でのリーフレット配布、機関誌やウェブへの広告掲載など、様々な機会を通じて事業内容を丁寧に周知しております。
 こうした取組により、昨年度は大企業が二百十八件、中小企業等が二百六十五件、合計四百八十三件の申請があり、最も申請が多かった令和四年度の三百一件を大幅に上回ったところでございます。

○ゆもと委員 昨年度支援内容を拡充したことにより、ノンフロン機器の導入が大幅に進んだことが分かりました。
 今年度は、本事業において、中小企業等については設備の撤去費を支援対象に加えたとも伺っております。今年度も都の支援が事業者に着実に届くよう丁寧に周知をすることを要望して、次の質問に移ります。
 産業廃棄物のDX推進について質問をいたします。
 産業廃棄物処理業界は、持続可能な資源循環に向けて、廃棄物の適正処理とリサイクルという重要な役割を担っておりますが、中小零細企業が多く、働き方改革や人手不足の深刻化、労務費や物価上昇への対応などに追われている現状にあります。
 こうした状況を踏まえ、廃棄物業界における効率的な収集運搬や処理工程の高度化を進めていくことが重要と考えます。
 そこで、昨年度の産業廃棄物処理業者におけるDX推進に向けた都の取組内容、実績についてお伺いをいたします。

○宗野資源循環推進部長 都は、産業廃棄物処理業者を対象といたしまして、DXを活用したサーキュラーエコノミーに貢献する新たな取組に対して、令和六年度から補助を実施し、合計八事業を採択いたしました。
 具体的には、これまで手作業で行われてきた電子基板の選別をAI判定装置を用いて、高純度のレアメタルを含む基板を効率的に選別回収する事業や、多数の収集現場の排出状況をICT技術によりリアルタイムで把握し、効率的な収集ルートを構築する事業などを支援してまいりました。
 引き続き最先端の技術を活用した新たなビジネスモデルの構築を後押しし、産業廃棄物処理業界のDXを促進してまいります。

○ゆもと委員 ごみ問題は、都民生活にとって、また産業活動にとっても、切っても切れない大変重要な課題であります。DXを使って事業の効率化を図りながらサーキュラーエコノミーを実現していくことは、廃棄物処理業者にとって大変有益なものになると考えます。こうした取組を業界全体に広げていくように要望をいたします。
 国では昨年度、再資源化事業等高度化法を制定し、廃棄物を循環資源として最大限活用することで、循環経済への移行を推進しております。
 この機会を捉えて、再生資源の利用拡大を図っていくためには、リサイクル事業者や廃棄物処理業者といった静脈産業だけでなく、製造や販売を担う動脈産業へも働きかけを行い、動静脈連携を促すことで活用事例を積み上げていくことが重要と考えますが、昨年度の都の取組状況についてお伺いをいたします。

○宗野資源循環推進部長 都は、産業廃棄物処理業者に対してコーディネーターを派遣し、リサイクル材を活用したい建設会社等とのマッチングや利用促進に向けた技術を行う、技術支援を行う制度を昨年度から開始いたしまして、合計八社を支援いたしました。
 具体的には、解体した建物の廃棄ガラスをカレットに再生し、板ガラスの原料として水平リサイクルすることを見据え、静脈事業者と動脈事業者間の連携に向けたコーディネートを実施いたしました。
 また、解体により発生したコンクリート塊を再生処理し、利用するまでの流通過程を可視化してトレーサビリティーを確保する方法等について技術支援を行いました。
 今後ともコーディネーターによる技術支援やマッチングを促進することで活用事例を積み上げるとともに、優良事例の公表等を行うことで水平展開し、利用の拡大を図ってまいります。

○ゆもと委員 建築資材の一大消費地である東京でリサイクル材の活用が進めば、新たな資源の採掘を減らすことができます。資源循環の推進に加え、CO2の削減や生物多様性の保全にもつながる取組と思いますので、引き続きしっかり取り組んでいただくことを要望し、質問を終わります。

○大竹委員 よろしくお願いいたします。
 まず、災害廃棄物対策についてお伺いします。
 伊豆諸島の八丈島と青ヶ島では十月九日には台風二十二号、その四日後の十三日には台風二十三号が相次いで通過し、暴風や大雨をもたらしました。その影響で停電や断水など甚大な被害に見舞われ、被災された住民の皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
 早期の復旧に向けて、災害廃棄物の迅速な処理は不可欠です。本日は決算特別委員会となりますので、昨年度の災害廃棄物処理に関する都の取組状況についてお伺いします。
 都は、令和六年一月一日に発生した能登半島地震において、都議会公明党の要請に応じて、早期の復興に向け様々な支援に取り組んできました。
 まず、都における石川県内の被災自治体に対する取組実績についてお伺いいたします。

○宗野資源循環推進部長 都は、能登半島地震の発災直後から八か月間にわたり、都及び区市町村等の職員を延べ五百人以上派遣いたしまして、災害廃棄物処理の支援を行ってまいりました。
 具体的には、発災直後には仮置場の開設準備と効率的な運営体制の構築等を支援するとともに、昨年五月以降は公費解体の発注や倒壊した家屋に係る解体作業の迅速化に向けた工程管理など、各段階に応じた支援に取り組んでまいりました。
 また、昨年九月末から本年十月三日までの間、区市町村等と連携し、鉄道コンテナを用いた輸送により、都内清掃工場で可燃物を受け入れるなど広域的な処理を支援し、早期の復興に貢献してまいりました。

○大竹委員 都は、能登地方の災害廃棄物処理を支援するため、多くの区市町村職員の協力を得て、被災地の復旧に貢献をしてきました。こうした能登支援で得た知見を生かしながら、切迫する首都直下地震等を想定し、迅速な災害廃棄物処理に向けた実効性を確保することが重要です。
 そこで、災害廃棄物処理の担い手となる自治体職員の人材育成について、令和六年度の取組状況をお伺いいたします。

○宗野資源循環推進部長 都はこれまで、区市町村の職員を対象に、災害廃棄物処理の図上訓練等を実施することにより、継続的に対応力向上に向けた人材育成を支援してまいりました。
 加えて令和六年度は、倒壊家屋の解体撤去に伴う解体廃棄物用の仮置場の運用支援等に関して、経験や課題を踏まえて、二十六自治体、三十四名の参加を得て、災害廃棄物の仮置場の運営方法の工夫など、より実践的な訓練を実施してまいりました。
 具体的には、適切な分別により迅速な処理が行われるよう、仮置場のレイアウトの作成や設営作業を職員が実際に行うとともに、粗大ごみや不燃ごみ等を現場に用意し、高齢者等が持ち込むことを想定した荷下ろし作業や、排出量の確認等に関する業務を実践するなど、災害対応力の向上を図ってまいりました。

○大竹委員 区市町村と連携した取組を通じて災害廃棄物の処理を迅速かつ確実に実施できるよう、人材育成の充実を図っていることが確認できました。
 八丈島や青ヶ島においても、災害廃棄物が多く発生をしております。能登支援などの災害廃棄物処理を経験した職員の知見も生かしながら、迅速な復旧につなげていただくよう要望いたしまして、次の質問に移ります。
 次に、容器包装プラスチックのリサイクルについてお伺いします。
 都は、プラスチックの焼却削減量について、二〇三〇年までに二〇一七年度比で四〇%削減、二〇三五年までに五〇%削減することを掲げています。特に生活のあらゆる場面で使用される容器包装プラスチックを分別収集し、リサイクルすることで、資源として有効活用する取組を加速化していくことが重要です。
 そのため、都では令和二年度から、プラ製容器包装・再資源化支援事業を開始し、自治体のプラスチックの分別収集を後押ししています。
 私の地元の足立区においても、令和六年度から容器包装プラスチックの収集が一部地域で開始され、令和八年度から全域での収集を予定するなど、多摩地域に比べ取組が遅れていた区部においても容器包装プラスチックのリサイクルの取組が徐々に進んできております。
 そこでまず、新たにプラスチックの回収に取り組む自治体への都の補助事業の内容と各自治体の取組状況についてお伺いいたします。

○宗野資源循環推進部長 都は令和二年度から、区市町村によるプラスチックの分別収集を拡大するため、新たに事業を開始する区市町村向けに、調査費等の準備経費と収集運搬業務経費を最大四年間にわたり支援をしております。
 令和六年度は、区部で十七自治体、多摩地域で四自治体に支援しており、これまでに区部で十九自治体、多摩地域で七自治体が支援を活用しております。
 その結果、支援を活用した自治体を含め、プラスチックの分別収集を実施している自治体は、令和六年度末時点で区部で二十一自治体、多摩地域で二十六自治体となっております。

○大竹委員 都の補助を活用し、多摩地域だけでなく、区部の自治体においてもプラスチックの分別収集が進んできたことが分かりました。しかし、プラスチックの分別収集の実効性を高めるためには、各自治体において、ごみ排出時の分別の徹底など、可燃ごみとして捨てられるプラスチックを減らしていくための継続した取組が不可欠です。
 そこで、住民の方々へのプラスチックの分別への意識の浸透を図りながら、収集されるプラスチックの割合を一層高め、リサイクルの拡大を図っていく必要があると考えますが、これらの取組への都の支援についてお伺いいたします。

○宗野資源循環推進部長 都は、プラスチックの分別収集に既に取り組む自治体に対し、レベルアップ支援として、分別実績の向上に向けた住民への普及啓発に要する経費に加えまして、効果的な分別収集方法や中間処理施設の増強に向けた検討等に要する費用について、最大二年間の支援を実施しております。
 令和六年度は多摩地域の三自治体に支援をしておりまして、これまでに区部で五自治体、五つの自治体、多摩地域で六つの自治体が支援を活用しておりまして、プラスチックの分別収集の向上に取り組んでおります。
 これに加え、先行する自治体による効果的な分別収集に関する取組事例や先進的なリサイクル事業者に関する情報など、区市町村による分別収集の推進に有益な情報の共有を行ってまいりました。
 今後とも区市町村へのきめ細かな支援を行いながら、プラスチックの循環利用を一層推進してまいります。

○大竹委員 区市町村のプラスチックのリサイクルは、循環型社会の実現に不可欠な取組です。今後も都は、都内のプラスチックの再資源化に向けて、各地域の課題や取組状況を把握しながら、区市町村の取組をしっかりと後押ししていくことを要望いたしまして、次の質問に移ります。
 次に、東京ゼロエミポイント事業についてお伺いします。
 我が党は、家庭で取り組みやすく、省エネ効果を実感しやすい省エネ家電への買換えを促進する東京ゼロエミポイント事業の拡充を繰り返し要望してまいりました。
 こうした中、都は令和元年に事業を開始して以降、対象機器の拡大やポイントの引上げを行うなど、取組を強化してきました。特に令和六年十月からは、購入時に店舗で直接値引きする方式へ変更することで、大変活用しやすい事業へと変わっております。
 事業の拡充が着実に都民の省エネ行動に結びついているものと考えますが、本事業による昨年度の家電の買換え等の実績とCO2削減効果についてお伺いいたします。

○小林気候変動対策部長 都は、令和元年より行ってきた東京ゼロエミポイント事業について、幅広い都民が利用できるよう、対象製品の拡大や製品価格上昇も考慮した付与ポイントの引上げを実施してきました。
 令和六年十月からは、製造から長期間経過したエアコンや冷蔵庫の買換えについては付与ポイントを最大八万円分と大幅拡充したほか、購入時に店舗で直接値引きを行う方式への変更や新規購入も対象とするなど、さらなる事業拡充を行いました。
 その結果、昨年度の実績は、エアコンが約二十二万三千台、冷蔵庫が十九万七千台、給湯器が約三万八千台、LED照明器具が約十四万五千台、全体で約六十万三千台となり、前年度に比べ約五割増と大幅に増加しました。
 本実績によるCO2排出の削減量は、五万四千トン程度と試算しております。

○大竹委員 昨年十月の事業リニューアル等により、家庭の省エネ家電の買換えに着実につながっていることが確認できました。
 東京ゼロエミポイント事業は、猛暑状況等を踏まえ、熱中症リスクの高い高齢の方や障害のある方を対象に、本年八月三十日からエアコン購入における大幅なポイント拡充が図られました。これからも都民が身近に取り組むことができ、省エネに資する施策の展開を期待いたしまして、次の質問に移ります。
 次に、都有施設の再エネ導入の率先行動についてお伺いします。
 都は、二〇三〇年のカーボンハーフ達成を目指し様々な施策を進めておりますが、目標達成に向けては都民や事業者の理解を得ることが必要不可欠であり、そのために都が自ら率先して行動し、都民、事業者等の取組を牽引することが重要です。
 都においては、二〇三〇年度までに設置可能な全ての都有施設に太陽光発電設備を設置するため、まずは二〇二四年度までに知事部局等で一般家庭約五千世帯分の年間電力消費量に相当する累計二万キロワットの設置を目標に取組を進めてきましたが、令和六年度の環境局の取組状況と実績をお伺いいたします。

○真島率先行動担当部長 都は、自ら率先して都有施設への太陽光発電設備の設置を進めていくため、局横断的に設置を進める体制を構築し、全庁一丸となって設計、施工を進めております。
 この体制の下、既存建物への設置を前倒しで進めるため、設計から施工までを一括して行うPPA手法等を率先して活用することで、さらなる取組の加速化を図りました。
 あわせて、債務負担行為を活用し、早期に工事等に着手した結果、令和六年度は前年度と比較して三十三施設増となる九十施設で太陽光発電設備設置工事を行うことができました。
 こうした取組により、令和六年度までの累積設置量は、工事着手済み分を含め、目標である二万キロワットをおおむね達成いたしました。

○大竹委員 約二万キロワットの太陽光発電設備を設置する、したという、ある意味挑戦的な目標を達成したことを高く評価したいと思います。今後も都有施設への率先的な取組により、都内での再エネ導入拡大を牽引していただくよう要望いたします。
 一方、太陽光発電設備のように、発電量が季節や天候などに左右される再エネの導入が進んでいくと、電力の安定供給を維持するため、電力をつくる側と使う側のバランスが重要になります。
 都では再エネが大量導入される時代を見据え、AIやIoTを活用して再エネ電力を都有施設の間で効率的にシェアするバーチャルパワープラント、いわゆるVPPの取組を開始しておりますが、令和六年度の取組状況と成果についてお伺いいたします。

○真島率先行動担当部長 都では、再生可能エネルギーが大量に導入される時代を見据え、再エネ電力を余すことなく有効利用する都庁版VPPの構築に取り組んでおります。
 令和六年度は、学校や都立公園など十二施設に太陽光発電設備等を設置するとともに、様々な用途の施設を組み合わせた高度なエネルギーマネジメントによるシステム運用を一部の先行施設で開始いたしました。
 このプロジェクトは全国自治体で初めての取組であり、先行運用では、都営住宅四棟の再エネ電力を、重要文化財のため太陽光パネルの設置ができない東京都庭園美術館で活用し、消費電力の約一割を賄っております。
 今後も太陽光発電設備等の分散型エネルギーを活用した電力の有効活用等を通じて、再エネの基幹エネルギー化を後押ししてまいります。

○大竹委員 都有施設における電力の有効活用の取組が進んでいることが確認できました。
 東京都全体の再エネ設備の設置と電力の活用拡大を牽引するためにも、都有施設における先駆的な取組を今後も継続していただくよう要望いたしまして、私の質問を終わります。

○鈴木委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後五時六分休憩

   午後五時二十五分開議

○鈴木委員長 それでは、休憩前に引き続き分科会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○清水委員 共産党都議団の清水とし子です。
 近年、昭島、日野市、江東区、小平市など都内各地で巨大なデータセンターの建設計画が明らかになり、住環境への配慮や自治体の気候危機対策との整合性などを求めて、周辺住民や市民の運動が起きています。
 データセンターの誘致を進めてきた千葉県の印西市でも、駅周辺地域へのデータセンター建設は不適切とする決議が全会一致で可決をされました。京都府の精華町では、学研地区への新たなデータセンターの誘致を行わないことを決定しました。
 私も昨年、第四回定例会の一般質問で、住宅地に隣接した地域にデータセンターはつくるべきではない、こういうことを求めてきました。
 最初に、令和六年度、都が把握しているデータセンター計画について、駅周辺や住宅地に隣接して建設するものはあるかお伺いします。

○松岡建築物担当部長 建築物環境計画書制度上、駅周辺や住宅地への隣接状況の報告は求めておりませんが、令和六年度に建物用途をデータセンターとして提出されたものは一件ございます。

○清水委員 ご答弁があった一件というのは、青梅市で計画されているデータセンターのことだとお聞きしました。
 公表資料、それから事業者のホームページを見ると、敷地面積は四・六ヘクタール、受電容量は百十メガワットということです。
 一方、昨年度、市民の間では、昭島市でも、日野市でも、巨大なデータセンター計画に対して大きな住民運動が起きました。昭島のデータセンター計画は、敷地面積十八ヘクタール、受電容量は四百十四メガワット、日野の三井不動産のデータセンター計画は敷地面積は十一ヘクタールを超え、受電容量は推計で二百メガワットとされています。いずれも、先ほどの青梅の計画をはるかに上回る大きな規模です。
 ところが、皆さんがお聞きになったとおり、都の正式な議会答弁としては、これらの計画は把握すらされていないということになります。ここからして、既に都の既存の制度ではデータセンター問題に適切に対応できないことは明らかだと思います。
 以下、さらに具体的にお伺いしていきます。
 昭島市のデータセンターは、全体の電力消費量が昭島市全体の約六倍に達すると予測されています。また、CO2の排出量は約四倍に上るとされています。日野市のデータセンターも、市民の試算では、電力消費量は日野市全体の三倍、CO2排出量は二倍と見込まれています。
 まず、前提としてお伺いしますが、ご答弁にあった建築物環境計画書制度とはどのような制度ですか、ご説明をお願いします。

○松岡建築物担当部長 建築物環境計画書制度は、建物の省エネルギーや緑化等の環境配慮の取組について記載した計画書の作成、都への提出を義務づける制度でございます。

○清水委員 建築物環境計画書制度というのは、環境に配慮した質の高い建築物ができるように、自主的に事業者の皆さんに取組をしてもらう、それを東京都に届ける、こういう制度なんですけれども、それでは令和六年度、都が把握しているデータセンター計画では、再エネの一〇〇%利用や消費エネルギー対策はどのように取り組まれるのかお伺いします。

○松岡建築物担当部長 空調負荷の低減による省エネ性能の向上等に取り組むこととなってございます。

○清水委員 青梅の計画については、省エネについては空調負荷の低減による省エネ性能の向上、こういう対策があるということですけれども、再エネ一〇〇%についてはお答えがありませんでした。
 建築物環境計画書制度は、再エネ一〇〇%を課す制度ではありません。建築物環境計画書制度は、建物の省エネ性能の向上などを誘導するものということなんですけれども、この制度はCO2の削減目標を課すことはできますか。

○松岡建築物担当部長 ただいまご説明したとおり、建築物環境計画書制度は、建物の省エネルギーや緑化等の環境配慮の取組について記載した計画書の作成、それから都への提出を義務づけておるものであります。

○清水委員 この制度は建築主にあくまでも自主的な取組を求めるもので、削減目標も、履行義務もありません。自治体における排出総量をはるかに上回るCO2を排出するデータセンターが次々と建設されても、地元の自治体や東京都の気候危機対策の範囲内に抑制させる、こういう強制力はありません。これでは都の気候危機対策は計画どおりにはいかず、破綻する事態にすらなりかねません。都はそういう認識はお持ちですか。

○松岡建築物担当部長 ただいま委員からのご質問のあったものとは認識してございません。

○鈴木委員長 松岡部長、ごめんなさい、ちょっと聞き取りにくくて。もう少しゆっくり、はっきり。

○松岡建築物担当部長 失礼しました。
 ただいま委員からのご質問にあったような認識は持ってございません。

○清水委員 計画が破綻する、そういう認識は持っていないということでしたが、既に昨年の十二月の私の一般質問でも明らかにしているんですけれども、地域における脱炭素化に関する計画制度は、省エネ、再エネの目標を設定することを義務づけるものですが、実際の削減を義務づけるものではありません。
 建築物環境計画書制度は、これまでの質疑でも明らかなように、建物の省エネ、再エネの取組を求めるもので、そのことによってどれくらいの量を削減するのかといった目標も、義務づけもありません。CO2排出の削減義務があるのは、キャップ・アンド・トレード制度だけなんです。
 ところが、このキャップ・アンド・トレード制度は、建物が完成して稼働が始まってからのことなんです。建物の建設をやめさせるような、そういう歯止めにはならないんです。したがって、この三制度では、莫大なCO2排出など、データセンターが引き起こす問題を解決することはできません。都の認識は極めて甘いといわざるを得ません。
 次に、都の気候危機対策の計画とデータセンター計画との整合性や総量規制について、昨年度どのような検討がされたのかお伺いします。

○小林気候変動対策部長 都は昨年度、条例に基づく義務制度を強化いたしまして、データセンターを含む建築物の脱炭素化に向けて、省エネ、再エネを促進してまいりました。

○清水委員 それでは全く不十分です。そもそも住宅地に隣接した地域につくらせないといった立地の規制や、少なくとも計画段階で消費エネルギーそのものを大きく削減する、さらに再エネ一〇〇%、こういうふうにする規制をつくることが必要です。抜本的な見直しを求めます。
 そもそもデータセンターを計画する際、少なくとも住民に十分な情報を提供することは最低限の前提です。
 そこでお聞きしますけれども、昨年度都が把握した計画のうち、自治体の総量を上回る規模の電力量、CO2排出量のデータセンター計画はあるのか、またこれまでにそのようなデータセンター計画はあったのかお伺いします。

○松岡建築物担当部長 建築物環境計画書制度では、電力使用量、CO2排出量等の報告は求めてございません。

○清水委員 建築物環境計画書制度では、一定規模以上の建築物の建築主に省エネ、再エネの計画を提出させる。それは義務づけているんだけれども、電力量やCO2排出量については報告することになっていません。ですから、データセンターが建設される自治体の数倍の電力を使って数倍のCO2を出すことについて、この制度では分からないということになります。
 私が住んでいる日野市のまちづくり条例は、人と自然が培ってきた私たちの暮らしを取り巻く環境や文化、そして市民の力、市民の知恵、市民と市の輪、それら全てが日野の豊かさであり、誇りである。この豊かさを守り、育み、誇りに思う日野を次世代に継承していくことが私たちの責務である。市民、事業者、市は知恵を絞り、一丸となってまちづくりに取り組んでいかなければならない。そのためには、私たち自らが日野の豊かさを共有し、まちづくりに対して高い意識を持ち、自ら考え、決定し、責任を持って実行するまちづくりの仕組みを定めることが必要である。こういう考え方に基づいてまちづくり条例が制定されました。
 そして、まちづくり条例では、市民は良好なまちづくりを推進するための計画に参画をし、必要な提案を行う権利を有する。そして、市民は、良好なまちづくりを推進するために、地域環境に影響を及ぼす行為の内容を知るとともに、当該行為を行おうとする者に対して、必要な意見や要望を表明する権利を有する。このように市民のまちづくり権を保障する条項を設けています。
 ところが、日野市のデータセンター計画においては、事業者は電力量、CO2排出量、排熱量、こういった地球環境に影響を及ぼす行為の内容を明らかにしていません。
 先ほど私が述べた受電容量は、市民が試算をして推計をした数値です。事業者から出てきたものではありません。そのために、市民は、計画に対する意見や要望を表明する権利が侵害されています。
 そこで伺いますが、令和六年度の都が把握しているデータセンター計画では、電力使用量、CO2排出量、排熱量の情報は周辺住民や市民に対して提供されていますか。

○松岡建築物担当部長 空調負荷の低減による省エネ性能の向上等、環境配慮の取組の内容を公表してございます。

○清水委員 お聞きしたことに答えられなくて、環境配慮の取組の内容を公表しているという答弁だったんですけれども、昨年度の都が把握しているデータ計画のうち、排熱に関する情報が明らかにされたものはありますか。

○松岡建築物担当部長 建物からの排熱対策等の取組内容を公表してございます。

○清水委員 建物からの排熱対策の取組は公表されたということなんですが、それでは伺いますが、排熱量、それからそのデータセンターができることによって、どれぐらい周りの気温が上昇するのか。それから、排熱対策の取組をするんだというふうに報告があったということですが、その対策によって何度ぐらい気温上昇が抑えられるのか。こうした具体的な数字は明らかにされていますか。

○松岡建築物担当部長 建築物環境計画書制度におきましては、建物からの排熱対策等の取組内容を公表してございます。

○清水委員 取組内容を公表されているということは伺ったので、承知をしました。
 では、その内容について、その具体的な数字、対策によってどういうふうに変わるのか。こういうことは、その内容に入っているんですか。改めて答弁をお願いします。

○松岡建築物担当部長 繰り返しになって恐縮ですけれども、建築物環境計画書制度では建物からの排熱等の取組内容を公表しております。

○清水委員 同じ答弁を繰り返すということは、排熱量や、そのデータセンターによってどれぐらい気温が上昇するのか、対策を取ることによってそれがどれぐらい抑えられるのか、具体的な数字はないということだというふうに思うんです。
 改めて伺いますけれども、令和六年度、都が把握しているデータセンター計画や、同じく昨年度計画が持ち上がった日野市のデータセンターで起きた電力量やCO2の排出量、排熱量、こういった地球環境に影響を及ぼす行為の内容が明らかにされない、こういう事態は市民のまちづくり権の保障に関わる問題だと思いますが、いかがですか。都の認識を伺います。

○松岡建築物担当部長 東京都として、そのような認識は持ってございません。

○清水委員 東京都として、そういう情報が市民に提供されるということは重要ではないと。市民のまちづくり権の、市民がこの建物計画の是非を判断するときに、どうしても必要な情報だと思うんです。それをなくして市民は判断することができません。その情報を提供することそのもの、これを否定されるんですか。

○松岡建築物担当部長 建築物環境計画書制度は、建築主に環境に対する自主的な取組を求める制度でございます。

○清水委員 東京都が持っているその制度では、報告する義務はないと、そういう項目も入っていないと。だから、実際にはそれが提供されていない。そのことによって市民が大事な情報を得られない、こういう状況が起きているわけです。そういう制度のことは置いておいて、百歩譲って置いておいてですよ、市民が計画の是非を判断するときに必要な情報をちゃんと提供されること、そのものの重要性について東京都の認識をお伺いしています。それは必要だと思いませんか。改めて答弁をお願いいたします。

○松岡建築物担当部長 建築物環境計画書制度は、ただいま申したとおり、建築主に対しまして環境に対する自主的な取組を求めるという、そういう制度でございます。

○鈴木委員長 いや、松岡部長、それは違う質問の答弁書を今読み上げられているんだと思うんですけれども。ご質問の趣旨がちょっと違うと思うんですけれども。
 答えられないんだったら、もう答えられないっていっていただいたらいいと思うし。

○松岡建築物担当部長 失礼しました。
 ただいまの質問に対しては、お答えすることはできません。

○清水委員 東京都として市民のまちづくり権を保障する、そのために情報が提供されることは重要だという認識が示されないというのは本当に残念だと思います。ぜひ考え直していただきたいと思います。
 日野市のまちづくり条例は、土地については公共の福祉を優先させるものとの土地基本法の理念及び環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会の構築を旨とする環境基本法の理念を踏まえて行わなければならないというふうに定めています。
 つまり、自分の土地だから何をつくってもいい、そういうものではないと。その影響を受ける人たちの合意が得られるようなものにしていかなければいけない。さらに、経済効率優先ではなくて、環境への配慮、こういうものを優先すべきだ、こういう立場で土地の活用を図っていこうではないか。そのために市民も、事業者も、市も努力をしていこうというふうに定めているわけです。
 東京都も、ぜひこの土地基本法、環境基本法の理念を踏まえて、データセンター問題に取り組んでいただくことを強く求めておきます。
 次に、情報提供の問題についてお伺いします。
 令和六年度五月に計画が発表された日野自動車跡地のデータセンター計画について、都の地域における脱炭素化に関する計画制度や東京都建築物環境計画書制度の届出の時期についてお伺いします。

○小林気候変動対策部長 ご質問のございました二制度におきまして、該当の案件は提出されておりません。
 なお、地域における脱炭素化に関する計画制度では建築確認申請等の三百日前までに、また、建築物環境計画書制度では建築確認申請等の提出日までに提出が必要となります。

○清水委員 脱炭素化に関する計画制度では建築確認申請の前、三百日前、それから建築物環境計画書制度では建築確認申請の提出日までに提出をしなければいけない、こういうルールになっているということでした。どちらも建築確認申請の前には出さなければいけない。市民はそこで知ることができる。こういう仕組みになっているということです。
 日野市のまちづくり条例は、五千平米以上の土地を売却する際には、周りに与える影響が大きいので、土地取引の三か月前までに、その内容を市長に届け出なければならない、こういうふうに定めているんです。土地取引の前ですよ、三か月前。そうやって市民は、大規模な土地が売られる前に、どういうことが起きるのか予想することができます。
 その後どういうことが行われるかというと、大規模土地取引の届出が行われた後、今度、売却をして、購入をした、その事業者は土地利用構想の届出というものを出します。こういうことをやっていこうと思うんだという住民の説明会をやります。市民はそれに対して意見を出す。その市民の意見に対して、今度は事業者がその見解を述べる、こういうことをやります。それを受けて日野市は必要な助言を出します。
 そして、次に開発基本計画が出たときにも、やっぱり住民説明会が行われ、丁寧な協議がされる、こういう仕組みになっています。
 そして、開発事業計画が出たときも周辺住民への説明が行われます。そして、周辺住民は意見を出すことができるというふうに保障されています。
 さらに、この話合いがどうしても平行線になっている、そういう場合には調整会というものを開いて、事業者と市民が同じテーブルに着いて、市民まちづくり会議という第三者機関の前で意見をお互いに述べ、市民まちづくり会議がそれを調整する。こういう行為が行われて、市との調整をやって、事業の認可の方に、許可の方に進んでいくわけです。いわゆる市民と事業者との話合いの最終段階を迎えているんですが、去年の五月にこの計画は明らかになって、今年の秋、この調整会になっているんです。一年以上かけているんです。ところがです、最終段階の市民との調整会が開かれる段階になっても、事業者からは電力量、CO2排出量、排熱量、こうした情報の提供はありませんでした。
 ご説明の二つの都制度が動き出すのは、早くても建築確認申請の三百日前です。日野市のデータセンターの計画では、二〇二四年の七月に計画が発表をされました。住民との話合いは一年以上にわたって行われてきました。ただ、この事業計画では、建築工事は二〇二六年の十一月を予定しているんです。だから、都制度では全く歯が立たないんです。今出していなくても全然問題にならない、こういうことになってしまうんです。
 また、もしこの制度が、この制度にのっとって提出したとしても、先ほど指摘したように、市民が必要とする情報を得ることが全くできないんです。住民の判断材料となる情報が住民と事業者との協議の前に提出されるように、都の制度を抜本的に見直すべきだと考えますが、いかがですか。

○小林気候変動対策部長 繰り返しになりますが、地域における脱炭素化に関する計画制度では建築確認申請等の三百日前、また、建築物環境計画書制度では建築確認申請等の提出日までに提出が必要となってございます。

○清水委員 そういう制度では全く役に立たないと、歯が立たないんだということを繰り返し指摘をさせていただいて、やっぱり住民の計画の是非を判断する、そういう材料は、そういう情報は住民と事業者の協議の前に必ず提出されるように、制度を抜本的に改善するように求めておきます。
 次に、都のアセス制度についても一点指摘をしたいと思います。
 東京都の環境影響評価の項目に排熱は入っていますか。

○関政策調整担当部長 都の環境影響評価の評価項目は、規則で定めているとおりでございます。

○清水委員 規則で定められていることは承知をしています。お聞きしているのは、排熱がその項目の中に入っているのかどうかということです。入っているのか、入っていないのか。項目で決められているわけですから、客観的にすぐ判断ができると思いますので、入っているのか、入っていないのか、端的にお答えください。

○関政策調整担当部長 繰り返しのご答弁となりますが、都の環境影響評価の評価項目は規則で定めているとおりでございます。

○鈴木委員長 すみません、関部長、答弁にお答えいただきたいんです。答えられないんだったら、答えられないといえばいいし、聞かれていることに対して答弁をお願いしたいと思います。

○関政策調整担当部長 では、改めてご答弁申し上げます。
 環境影響評価の項目は規則第六条に定められておりまして、大気汚染、悪臭、騒音・振動、水質汚濁、土壌汚染、地盤、地形・地質、水循環、生物・生態系、日影、電波障害、風環境、景観、史跡・文化財、自然との触れ合い活動の場、廃棄物、温室効果ガスその他知事が定める項目でございます。

○清水委員 今挙げられた項目の中には排熱は入っていません。
 私たち議会としては、東京都がやっている事業について真摯に向き合って議論をして、お互いにいいものにしていく、そういう努力をしたいと思っています。ですから、答えにくいことであったとしても、少なくとも決まっていることについてはどうなのかということは普通に答えていただけたらというふうに思います。私たちもなるべく皆さんに分かりやすいような質疑にするような努力もいたしますけれども、答弁についてもぜひ努力をしていただきたいというふうに思います。
 地球温暖化、猛暑で命さえ危険にさらされている昨今、排熱の影響は周辺住民にとっても、市民にとっても大きな懸念材料です。日野市の住民の皆さんの試算では、データセンターの隣の地域では気温が三度上昇すると予測されています。熱中症による救急搬送や、日野では梨が特産物なんですけれども、梨など農産物への被害が一層深刻化することが心配されます。こういう項目こそアセスに入れるべきではないでしょうか。ぜひ入れることを求めます。
 アセスを含めて、都の届出制度には、周辺住民が懸念している排熱に関する情報は網羅されていません。データセンターを環境アセスの対象事業に加えて、建物の高さや電力、CO2排出量や排熱量などについて周辺環境への影響を評価し、市民や関係自治体の意見も反映できるようにすべきと考えますが、いかがですか。

○関政策調整担当部長 都の環境影響評価の対象事業は条例別表に掲げる事業で、その実施が環境に著しい影響を及ぼすおそれのあるものとして、その内容及び規模が規則に定める要件に該当するものとしております。

○清水委員 その制度の説明は分かりました。そういう制度で、先ほど挙げられた項目の中に排熱は入っていないと。今の課題として、排熱というものは住民の環境に及ぼす影響も多いし、住民の皆さんの関心も高い。そういうものは、環境影響評価の項目に入れるべきではないのかと。そういうことを入れる。それは必要だ、そういう認識はお持ちですか。

○関政策調整担当部長 都の環境影響評価の対象事業は条例別表に掲げる事業で、その実施が環境に著しい影響を及ぼすおそれのあるものとして、その内容及び規模が規則に定める要件に該当するものとしております。

○清水委員 今、都内各地でつくられている大規模なデータセンターは、これまでのまちづくりの想定を超える影響を及ぼします。新たな対象として、きちんと環境影響評価の中に位置づけるというのは当然のことではないでしょうか。改めて、データセンターをアセスの対象とすることを強く求めます。
 次に、昨年度、海外の環境配慮型のデータセンターや規制について情報収集や調査研究はされていますか。

○小林気候変動対策部長 都は、様々な機会を通じて脱炭素化に関する最新の動向の情報収集等を行っております。

○清水委員 様々な機会を通じて、脱炭素に関する最新の動向、情報収集をしているということだったんですが、データセンター問題に特化して調査は行ったことはありますか。

○小林気候変動対策部長 都は、脱炭素化に関する最新動向の情報収集等を行っております。

○清水委員 脱炭素化に関する情報という答弁を繰り返されました。ということは、データセンター問題に特化した情報収集や調査、ましてや研究は行っていないということだと思います。
 そもそも巨大データセンターは、住宅地に隣接した土地につくるべきではありません。現在の都の制度では、計画の早い段階から情報を公表させることも、消費電力量やCO2排出量、排熱量などを抑制することも、規制することもできません。このままで進めば、地元自治体や東京都の気候危機対策の計画は破綻しかねません。データセンターをアセスの対象として、計画段階から環境への影響を明らかにすること、地元自治体や東京都の計画の範囲内に抑える総量規制をすることなど強く求めて、私の質問を終わります。

○福井委員 国民民主党東京都議団の福井ゆうたでございます。
 本日は、再生可能エネルギー等の拡充、また脱炭素化に向けた取組についてお伺いをしようと思います。
 東京都は、二〇三〇年のカーボンハーフ、そしてその先のゼロエミッションの実現に向けて省エネを最大化、そして東京のポテンシャルを生かした再エネ実装を加速させるとしており、令和六年度においても多くの事業に予算を計上していると認識をしております。
 国民民主党東京都議団は、火力、原子力、再生可能エネルギーなど、多様な電源構成で安定的な電力を供給し、そしてカーボンニュートラルを実現するべきであるという立場であり、東京都にはぜひ引き続き脱炭素化を目指す取組を拡充していただきたいと考えております。
 まずは持続可能な航空燃料、SAFについてお伺いをします。
 東京都は、「東京 油で空飛ぶ 大作戦 Tokyo Fry to Fly Project」と銘打ち、非常に面白い名前だなと思うわけですけれども、廃食用油の回収促進キャンペーンに取り組んでおります。この取組は、航空分野における脱炭素への一歩となるだけではなくて、この取組の身近さや、分かりやすさから、都民の皆さんに東京のゼロエミッションに向けた取組を周知する意味でも非常に重要だというふうに考えております。
 ただ、先ほど松岡委員からもご指摘あったように、この原料となる廃食用油は、現状、家庭から排出されるものは、ほとんどが捨てられているという形でございます。こうした状況を打破していくために、都民に廃食用油が有用な資源であることを分かりやすく周知するとともに、都民に身近で利用しやすい回収拠点を設置することで、しっかりとサプライチェーンを構築していくことが重要だと考えます。
 私の地元、大田区にあるショッピングセンターでも、SAFの原料となる家庭用の油を回収しているのを拝見させていただきました。
 そこでお伺いします。この事業の令和六年度の成果についてお伺いをさせていただきます。

○宗野資源循環推進部長 都は、令和五年度に廃食用油回収の拡大を図る事業者を公募いたしまして、大手スーパーを主体とする三年間の事業を採択いたしました。
 昨年度は、大手スーパーの大規模店舗におきまして、石油元売や専門商社等と共にイベントを開催し、テレビや新聞等のメディアを通じて、廃食用油の有用性と身近な店舗での回収を広く呼びかけいたしました。
 また、回収拠点となる店舗を年度当初の九店舗から順次拡大いたしまして、年度末には四十七店舗としたほか、来店客には、廃食用油を入れやすく、繰り返し使える専用容器を配布して、回収の拡大を図っております。

○福井委員 ありがとうございます。消費者、我々はスーパーへ買物に行くついでにトレーやペットボトルなどを店頭に持っていく、こういった取組はかなり定着をしてきていると思いますので、こうした身近なスーパーに廃食用油の回収場所を設置するというのは理にかなった取組なのかなというふうに思います。
 令和六年度において四十七店舗まで回収拠点を増やし、順調に取組を進めていると認識をしました。ただ、実装化に向けては、まだまだこれからというところだと思いますので、引き続き事業者と連携をして回収場所の増加に向けた取組を進めてサプライチェーンを構築するとともに、今後、国産SAFの普及活用に向けて供給量の強化、また企業のスコープ3対応の支援など、国産SAFの社会実装に向けた取組を拡充することを要望して、次の質問に移らせていただきます。
 次に、環境性能の高い住宅の普及に向けた取組についてお伺いをします。
 近年、気候変動は一層深刻化し、今夏は都内でも熱中症になる搬送者数が八千人を超えるなど、都民の生活に影響を及ぼしております。都内CO2排出量は、建物関連が七割以上とのことで、その対策は急務です。
 都は、断熱、省エネ性能の高い新築住宅に対して、建築費用に一部を助成する東京ゼロエミ住宅促進事業を実施しており、その普及に努めていると認識をしております。特に令和六年の十月から東京ゼロエミ住宅の認証基準を見直し、より環境性能の高い住宅へ誘導を行っていると承知をしております。
 この認証基準に関する質問をしようと思いましたが、先ほどゆもと委員の質疑の中で既にご質問をいただきましたので質問はしませんが、先ほどの答弁の中で、既にこの水準Aのところで、全体の約半数近い、申請のうちの約半数がこの水準Aで出てきているというところ、また、新築の住宅の四戸に一戸が東京ゼロエミ住宅になっているというようなご答弁がありました。
 こうした形で、基準を厳しくすることによって申請を控えるようなこともあるのではないかという懸念もありましたが、約半数が最もこの厳しい環境基準の水準Aで申請をされたということは、この基準見直しの効果がしっかりと出ているということだと認識をしておりますし、都民や事業者の皆さんの意識がかなり変わってきているんじゃないかというふうにも感じております。ぜひ引き続き環境性能の高い住宅の普及に向けて、取組の拡充と事業の周知を要望して、次の質問に移りたいと思います。
 一方で、既存の住宅における太陽光設備の普及についてですけれども、都内の再生エネルギーを推進するに当たっては、新築の住宅だけではなくて、大きなポテンシャルを持っている既存住宅の屋根、これを活用するべきだというふうに考えております。
 また、この事業は再生可能エネルギーの取組への貢献のみならず、新築住宅の価格高騰や空家の増加といった社会情勢の中で、この既存住宅を長期的に有効活用する、そうした視点でも大切な取組ではないかと考えます。
 そこで質問いたします。主に既存住宅向けの断熱・太陽光住宅普及拡大事業について、昨年度の太陽光発電設備の補助実績についてお伺いをします。

○小林気候変動対策部長 都は令和四年度より、主に既存住宅向けである断熱・太陽光住宅普及拡大事業を開始しまして、これまで太陽光発電設備の補助メニューの拡充、充実に加え、業界団体や区市町村を通じた広報など、様々な機会を活用して、助成制度や設置メリットを発信してきました。その結果、令和六年度の太陽光発電設備の申請実績は約二万九千件であり、令和五年度の二倍程度となりました。
 今後もこうした取組を通じまして、住宅への太陽光発電設備の設置を強力に推進してまいります。

○福井委員 ありがとうございます。太陽光発電設備の申請が二倍に増加するなど、既存住宅での設置が順調に進捗をしていると認識しました。引き続き新築、そして既存、この両輪でCO2排出量の削減の取組を推進するよう要望させていただきまして、次の質問に移りたいと思います。
 次に、フロン対策についてお伺いをします。
 フロンは、ビルの空調設備や業務用冷蔵庫など冷媒として幅広く使用されています。しかし、温室効果が二酸化炭素の数十倍から一万倍と異常に高く、機器を適切に管理、そして廃棄をしないと大気中に放出されて、気候変動に大きな影響を及ぼします。
 フロンの大気中への排出は都内の温室効果ガス総排出量の約一割にも及ぶことから、フロンの排出削減を強力に進めていかなければなりません。
 こちらも先ほどゆもと委員との質疑の中で、政策目標に向けて排出量七〇%の削減というところ、改善の傾向はあるけれども、まだ道半ばであると、そうしたことがご答弁からも分かりました。今後の取組をやはりしっかりと拡充をしていく必要があると考えます。
 特にフロンの排出は約六割が業務用の機器からの漏えいが占めていて、対策の強化が必要だと考えております。
 そこで質問をさせていただきます。この業務用機器からのフロン漏えい対策として、都は令和六年度、どのように取り組んできたかお伺いをさせていただきます。

○中島環境改善部長 都は、冷媒にフロンを使用しない省エネ型ノンフロン機器を導入する事業者に対して、導入経費などの支援を令和元年度から実施しており、令和六年度の申請件数は四百八十三件でございました。
 また、ノンフロン機器が存在しない空調機器等について、遠隔で漏えいを早期に検知する公募技術六件の検証を実施いたしました。
 その結果、これらの遠隔監視技術により漏えいの早期発見が可能であり、消費電力を抑える効果も確認されております。
 こうした技術を導入するメリットを危機管理者や業界団体等に向け分かりやすく周知するため、セミナーを三回開催し、延べ二百九十人の参加を得ております。
 さらに、専門職員による建物解体現場等への立入りを四百八十六件行い、適切なフロン回収を指導いたしました。

○福井委員 ありがとうございます。ノンフロン機器の導入支援、また先進的な技術の導入に向けた取組を進めるとともに、フロンの適切な回収を指導するなど、幅広く実施をしているということが確認できました。
 二〇三〇年カーボンハーフ実現と、その先の未来を見据えて、フロン排出抑制につなげる取組を加速することが必要です。都には今後もフロン対策を積極的に展開するよう要望させていただきます。
 最後になりますが、天然資源が少ない日本において、この再生可能エネルギーはエネルギー供給の安定性を高め、経済安全保障の観点からも非常に重要であると考えます。多様な電源構成で安定的な電力供給とカーボンニュートラルを両立すべく、取組を継続いただきたいと思います。
 また、これらの取組は都民や事業者の理解が必要不可欠です。新築住宅の四軒に一軒が東京ゼロエミ住宅となるなど、こういった数字は非常に前向きな兆候であるというふうに感じています。ぜひ引き続き取組の趣旨や内容がしっかりと都民に伝わるような仕組みづくりの強化を要望させていただいて、質問を終わりにしたいと思います。ありがとうございました。

○さんのへ委員 脱炭素政策について伺います。
 環境局が推進する住宅分野の脱炭素政策は、東京都民の生活の質を高めながらCO2を削減するという点で重要な取組であると認識しています。
 一方で、補助金を中心とした再エネ、省エネ事業が乱立し、費用対効果が不明なまま予算規模が拡大し続けていることを懸念しております。
 資料として提出していただいた令和六年度における再エネ発電設備に係る補助事業の支払件数及び決算額並びにCO2削減量の一覧についてです。
 東京ゼロエミ住宅導入普及促進事業では、令和六年度における支払件数が四千百四十六件、決算額は三十一億円、CO2削減量は一万三百九十六トンであり、これを単純に試算すると、CO2を一トン削減するために約二十九万八千円の公費が使われていることになります。
 断熱・太陽光住宅普及拡大事業の実績について、令和六年度の支払件数は一万四千百八十七件、決算額は八十九億円、CO2削減量は二万六千三百九十七トン。同様に計算すると、一トン削減当たり約三十三万七千円の公費が投じられています。
 都として、このCO2削減単価をどのように評価しているのか伺います。

○小林気候変動対策部長 太陽光発電設備は、再エネ電力の有効活用に加えまして、電気代削減による経済性や停電時に電気を使用できる防災性など、多様なメリットを有しております。こうしたことから、都はこれまで、住宅への導入支援を行ってきました。
 令和六年度、当局の補助事業による導入量は約十万キロワット、これに伴うCO2削減量は約四万トンであり、これは一般家庭約二万世帯分の排出量に相当いたします。

○さんのへ委員 今いただいたご答弁では、太陽光発電設備の多面的な効果についてご説明がありました。確かに、経済性や防災性といった効果は非常に重要です。しかしながら、都の脱炭素政策の根幹は、限られた財源の中でどれだけ効果的にCO2を減らせるか、そしてそれが持続可能的であるかどうかという点にあります。
 補助金依存型の事業構造が続く中で、今後どのように費用対効果を高めていくのか、検証と見直しの仕組みをしっかりと構築する必要があります。
 この点を踏まえ、次に都市環境全体の最適化という観点から、みどり率の問題について移ります。
 都内のみどり率は平成二十五年度以降微減しており、この背景について都の見解を求めます。
 開発による緑地喪失が進む中でも、高コストなCO2削減事業を進めることが本当に環境全体の最適化につながっているのか疑問に感じます。脱炭素を掲げながら、他方で都内の緑地や自然環境が減少している現状について、都としてどう認識し、整合性を取られているのでしょうか。

○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 令和五年のみどり率調査では、農用地等が減少する一方、公園、緑地は増加しております。都は自然と調和した持続可能な都市を目指した緑の取組として、東京の緑を守る、育てる、生かす東京グリーンビズを展開しております。

○さんのへ委員 農地等が減少している一方で、公園や緑地が増加しているとのご答弁でした。
 しかし、繰り返しとなりますが、都全体としてのみどり率は依然として微減傾向にあり、緑の量よりも、むしろ質の低下が懸念されます。脱炭素を掲げながらも、開発に伴う自然喪失が進むこの構造そのものを見直さなければ、本質的な環境改善とはいえません。
 そして、次にみどり率の算定方法が現在の都市実態を正しく反映しているのかどうかについて伺います。
 緑の総量が減少している一方で、小規模緑化や屋上プランターなどが緑化面積として計上されており、実際にヒートアイランドの緩和や生態系維持に寄与するとされる質のある緑が減っている可能性があります。
 環境局として、現在のみどり率の算定方法が都市の実態を正確に反映しているというお考えでしょうか。また、緑の質的評価を導入する考えはあるでしょうか。

○宮武自然環境部長生物多様性担当部長兼務 都は、生物多様性の保全や人々の安らぎや潤いなど、緑の持つ多面的な機能に着目したみどり率により、緑の現状及び推移を把握しております。

○さんのへ委員 現在の算定方法により、緑の多面的な機能を把握しているというご答弁でしたが、人工的な緑化やプランターを緑として同列に扱うことが本当に都市環境の実態を示しているのか、私は乖離があるように感じています。
 環境施策の真の目的は、数字を積み上げることでなく、自然と調和した都市の持続性を守ることにあります。この点を踏まえて、環境の質を評価する仕組みの強化を求めつつ、次に、環境影響評価制度について伺います。
 環境影響評価制度、いわゆる環境アセスメントは、開発行為や事業活動がもたらす環境への評価を事前に評価し、適切な回避、低減策を講じるための極めて重要な制度ですが、東京都の運用状況を見ると、実用性、実効性があるものなのか疑問を抱いています。
 要求資料によれば、過去十年間の環境アセスメント案件数は、この間、都内では大規模再開発やインフラ整備、物流施設やデータセンターなど、新しいタイプの事業が増加しているにもかかわらず、アセス件数はむしろ減少傾向にあります。
 まず、この十年間でアセス件数が増えていない理由をどう分析しているのか、環境局の認識を伺います。

○関政策調整担当部長 環境影響評価図書は事業者が提出するものでございまして、都としては事業者から図書が提出され次第、条例に基づき環境影響評価手続を進めることになります。

○さんのへ委員 今のご答弁では、事業者の提出があって初めて手続を進めるとの説明でした。しかし、制度の運用が事業者任せになっている現状こそが都の環境アセスの実効性を損なっている最大の要因ではないかと考えます。
 開発が増えているにもかかわらずアセス件数が減っているというのは、制度が実情に追いついていないことが推察されます。
 そこで、次に都市構造の変化に対応するため、アセス対象の見直しをどのように検討しているのか伺います。都内の開発動向を踏まえると、十年間で年間平均僅か七件というのは、やはり少ない数字ではないかと思います。
 先ほど来からご紹介ありましたけれども、近年急増しているデータセンター、私の地元江東区では千石と塩浜という、それぞれ住環境から極めて近い場所に建設が進められています。千石に至っては、道一本隔てることなく、もう文字どおり集合住宅にデータセンターが隣接していることになっています。
 清水副委員長からもご指摘があったとおり、データセンターは電力消費や排熱の観点から地域に重大な環境負荷をもたらしますが、現行制度ではアセス対象外となっています。
 環境アセスの対象範囲が今の都市構造に追いついていないのではないかと推察しますが、都としてデータセンターをはじめとした対象事業の追加や規模要件の見直しを検討する考えはあるでしょうか。

○関政策調整担当部長 都の環境影響評価の対象事業は条例別表に掲げる事業で、その実施が環境に著しい影響を及ぼすおそれのあるものとして、その内容及び規模が規則に定める要件に該当するものとしております。

○さんのへ委員 このご答弁では、条例別表に掲げる事業を対象にしているとのことだったんですけれども、この環境影響評価の対象事業としての定義は、知事が別に定めるものなど、都としてもかなり柔軟に対応できるものと認識しております。環境負荷や周辺環境への影響が大きいデータセンターや大型物流施設など、新たなタイプの開発が増えているこの現状を踏まえれば、既存の枠組みにとらわれたままでは環境保全機能を果たし切れません。清水委員からも重要なご指摘ありましたけれども、都として現行制度の限界を認識した上で、社会の変化に対応した柔軟な制度への転換を強く求めます。
 加えて、環境政策として、環境全体の最適化を見据えた政策体系として一貫性を持たせることが重要です。真に持続可能な東京の未来に向けて政策を進化させていただくことを強く求めて、質問を終わります。

○鈴木委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で環境局関係を終わります。
 これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
   午後六時二十三分散会