| 委員長 | 河野ゆうき君 |
| 副委員長 | こまざき美紀君 |
| 副委員長 | もり 愛君 |
| いいだ健一君 | |
| せりざわ裕次郎君 | |
| せいの恵子君 | |
| 高野たかひろ君 | |
| たかく則男君 | |
| とや英津子君 |
欠席委員 一名
出席説明員| 都民安全総合対策本部 | 本部長 | 竹迫 宜哉君 |
| 総合推進部長 | 馬神 祥子君 | |
| 治安対策担当部長事業推進担当部長兼務 | 田邉 雅彦君 | |
| 若年支援事業担当部長 | 村上 章君 | |
| 生活文化局 | 局長 | 古屋 留美君 |
| 次長 | 蜂谷 典子君 | |
| 総務部長 | 加倉井祐介君 | |
| 都民生活部長 | 柏原 弘幸君 | |
| 消費生活部長 | 志村 公久君 | |
| 私学部長 | 井上 直君 | |
| 文化振興部長 | 片岡 容子君 | |
| 企画担当部長 | 田中 正之君 | |
| 都民活躍支援担当部長 | 久松 千恵君 | |
| 男女平等参画担当部長 | 両角 真一君 | |
| 女性活躍推進担当部長 | 樋口 桂君 | |
| デジタル推進担当部長 | 宮永 浩美君 |
本日の会議に付した事件
令和六年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
都民安全総合対策本部関係
・令和六年度東京都一般会計決算(質疑)
生活文化局関係
・令和六年度東京都一般会計決算(質疑)
○河野委員長 ただいまから令和六年度各会計決算特別委員会第二分科会を開会いたします。
本日から四日間にわたり、本分科会所管局の決算に対する局別質疑を行います。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、都民安全総合対策本部及び生活文化局関係の決算に対する質疑を行います。
これより都民安全総合対策本部関係に入ります。
決算の審査を行います。
令和六年度東京都一般会計決算中、都民安全総合対策本部所管分を議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○馬神総合推進部長 去る十月十日の当分科会におきまして要求のございました資料についてご説明いたします。
令和六年度各会計決算特別委員会第二分科会要求資料をご覧ください。
目次に記載のとおり、今回要求のございました資料は一件でございます。
それでは、一ページをご覧ください。1、子供・若者自立等支援体制整備事業補助実績の推移でございます。
令和二年度から令和六年度までの区市町村別の実績を記載しております。
以上、簡単ではございますが、要求のありました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○河野委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○高野委員 都民ファーストの会、高野たかひろです。よろしくお願いします。
東京都における治安対策は、都民が日々安心して暮らし、社会経済活動を営むための基盤であり、極めて重要な位置づけにあると考えております。地域の安全・安心を守るためには、行政の取組に加え、町会、自治会、商店街といった地域団体による見守り活動が不可欠であります。
本事業は、防犯設備の整備等に対して補助を行い、地域での主体的な活動を支える重要な施策であります。特に、防犯カメラ設置、移設支援や補助率の引上げは、地域の負担軽減につながるものと評価されます。
そこで、まず、令和六年度に計上されました七億二千四百二十万円の予算について、決算額及び執行率はどの程度か、また、補助率引上げにより地域団体からの申請数の増加はあったのか伺います。
○田邉治安対策担当部長事業推進担当部長兼務 都は、地域の防犯力向上のため、防犯カメラの設置を契機として地域の見守り活動が活発に展開されるよう、町会、自治会や商店街等の地域団体に対し、区市町村を通じ設置費用等の補助を行っております。令和六年度における決算額は約五億七千三百五十三万円、執行率は約七九%でございます。
また、令和六年度の地域団体からの設置補助申請は三百九十四件であり、令和五年度に比べて十五件増加いたしました。
なお、令和七年度から二年間、緊急対策として補助率をさらに引き上げ、地域団体への支援を強化しております。
○高野委員 防犯カメラの設置補助については、補助率を引き上げるなど支援が強化されており、引き続き設置が進むものと期待されております。
しかしながら、設置した防犯カメラが適切に稼働しなければ、地域の防犯力を維持することはできません。
そこで、次に、既に防犯カメラなどを設置した地域において、機器が適切に稼働しているか、また、更新や移設のニーズをどのように把握しているのか伺います。
○田邉治安対策担当部長事業推進担当部長兼務 都は毎年、区市町村を通じた調査により、防犯カメラの設置状況を把握しております。加えて、防犯カメラの正常な稼働を維持するため、区市町村の申請に基づき、保守点検など維持管理に係る経費を補助しております。
また、設置後の防犯カメラの更新や移設のニーズについては、日頃から区市町村の所管部署を通じて把握しております。
○高野委員 設置後の防犯カメラが適切に稼働していることは確認することができました。
また、更新や移設のニーズについては、引き続き丁寧に把握していただきたいです。
最後に、都の防犯カメラの設置補助は、防犯カメラの設置を契機として、地域の見守り活動が活発に展開されるよう実施しているということですが、防犯カメラ設置、移設による効果について、犯罪防止や安心感の向上など、住民からどのような評価や声が寄せられているのか伺います。
○田邉治安対策担当部長事業推進担当部長兼務 都は、防犯カメラの設置補助に当たって、地域団体に、防犯に関する見守り活動を月一回以上行うことを求めており、地域の防犯意識の向上を図っております。
また、地域団体の活動状況につきましては、区市町村を通じて把握しており、地域団体から、見守り活動により地域の安全・安心につながっている、地域の防犯に対する意識が高まった等の声が寄せられていると伺っています。
今後とも、区市町村と連携し、地域の防犯力向上のための取組への支援を進めてまいります。
○高野委員 ありがとうございます。地域の安全・安心を守るため、町会、自治会や商店街など地域団体による見守り活動は不可欠であります。引き続き、地域住民の安心感の向上につながる施策を推進していただきたいと思います。
次に、都民の安全・安心な暮らしを脅かす深刻な社会問題である特殊詐欺に関しての対策について伺います。
都民が被害に遭わないように啓発していくことは重要であり、特に若年層が、いわゆる闇バイトとして加担してしまう事例や、外国人住民が言葉や法律、習慣の違いなどから加担してしまう事例は見過ごすことができません。
都民安全総合対策本部が実施する本事業は、被害や加害を未然に防ぐ観点から極めて重要な施策であると認識しています。
そこで、まず、令和六年度に計上された八千五百七十一万円の予算について、決算額及び執行率を伺います。また、計画に対し啓発事業はどのように進捗しているのか伺います。
○田邉治安対策担当部長事業推進担当部長兼務 令和六年度、特殊詐欺対策として計上した約八千五百七十一万円の予算額に対する決算額は約七千百六万円で、執行率は約八三%でございます。
特殊詐欺対策について、令和六年度は、主に高齢者を対象とした被害防止対策と若者を対象とした加害防止対策を両輪として啓発を実施し、ほぼ計画どおり事業を実施することができております。
○高野委員 予算の執行率はおよそ八三%で、啓発事業は、ほぼ計画どおり実施できたとのこと、把握することができました。ありがとうございます。
昨年は、いわゆる闇バイトによる強盗など凶悪事件の発生も報道されまして、社会的な問題となったところであります。闇バイトは犯罪であり、一度関わってしまうと、被害者のみならず、加害者自身の人生を台なしにするものです。
そこで、若年層に対する闇バイト防止の啓発は、どのような媒体や方法で展開しているのか、また、令和六年度に新たに作成した外国人向けの加害防止リーフレットについては、具体的にどこで配布しているのか伺います。
○田邉治安対策担当部長事業推進担当部長兼務 闇バイトに関する若年層への啓発につきましては、闇バイトの危険性や相談窓口等を記載したリーフレットを警察署や区市町村、大学のほか、都内のインターネットカフェ約百か所に配布しております。
あわせて、十五歳から三十九歳の若者等が高額収入等と検索した場合に、闇バイトの危険性を呼びかける動画を表示するターゲティング広告を、若者の利用頻度が高い検索サイトやSNSで発信し、特設サイトに誘導しております。
また、闇バイトによる凶悪事件の社会問題化を受け、闇バイト強盗の記載を新たに追加したリーフレットの周知を、三月に都内の全高等学校に依頼いたしました。
さらに、保護者に対するターゲティング広告及び主要駅周辺でのデジタルサイネージによる注意喚起を行いました。
外国人向けの加害防止リーフレットにつきましては、分かりやすい日本語とともに三か国語を併記したものであり、警察署や区市町村のほか、希望に応じて都内の日本語学校に配布しており、留学生への啓発に利用していただいております。
○高野委員 若年層への啓発は、闇バイトの危険性などが多くの人に届くよう、今後も効果的な発信媒体や手法を検討していっていただきたいと思っています。
また、外国人への啓発についても、リーフレットを多くの人が手に取ってくれる場所で配布するなど、さらなる工夫をしていっていただきたいと思っています。
特殊詐欺の加害防止に向けて、様々な啓発を実施していることは理解することができました。
一方、特殊詐欺の被害については、昨年は過去最悪の被害金額であったと承知しています。被害防止に向けた対策も適切に実施していくことが重要だと考えています。
そこで、令和六年度に行った、主に高齢者に対する被害防止のための啓発について、どのような内容で実施し、都民からどのような反応が寄せられているのか伺いたいです。
○田邉治安対策担当部長事業推進担当部長兼務 被害防止のための啓発といたしましては、被害防止リーフレットの配布のほか、実際に特殊詐欺の手口等を体験してもらう体験型啓発事業と、プロの俳優による演劇形式の実演型講話を行っております。
特に、体験型啓発事業につきましては、心理学の専門家の監修により、だまされるメカニズムなどを実際に体験しながら分かりやすく学べるようになっており、アンケート回答者の約八八%から、体験会を受けたことによって、自らもだまされる可能性が高いということが分かったという回答をいただいており、一定の効果が出ていると認識しております。
○高野委員 高齢者の方の意識について、一定の効果が出ているとのことであり、特殊詐欺の被害に遭わないためには、自らも被害に遭う可能性があるのだということを自分事として意識していただくことが重要だと考えています。
本年に入っても、昨年を上回るペースで被害額は推移しており、警察官をかたるなど新しい手口によって、高齢者だけでなく全年齢層に被害が拡大している厳しい現状であります。現に私自身も、西新宿署の警官と名のる人物から電話がかかってきました。巧妙化する特殊詐欺に対し、都民の被害が一件でも減少するよう、引き続き効果的な啓発を検討して取り組んでいただきたいと思っています。
最後に、自転車に小さいステッカーを貼る事業を実施に至った経緯と、令和六年度に予算計上された六千九百十五万円の決算額及び執行率はどの程度か、また、ステッカーの配布枚数や配布経路はどのようになっているのか伺います。
○馬神総合推進部長 本事業は、都民による事業提案制度において提案され、令和六年度に事業化したものでございます。事業案に対するインターネット投票の意見を踏まえ、自転車は左側通行に加えて、ヘルメット着用の二種類を作成いたしました。予算額約六千九百十五万円に対する決算額は約三千七百九十四万円で、執行率は約五五%であり、差額は契約差金によるものでございます。
配布枚数は、令和七年九月時点で約百八十四万枚であり、都内国公立の小学三年生以上の全ての児童生徒に加え、自転車販売店、区市町村、警視庁等を通じて幅広く都民に配布いたしました。
○高野委員 執行状況などを確認することができました。
重要なのは、本事業の目的に対してどのように取り組んだかだと思っています。ステッカーを受け取った方々が自転車などに貼っていただくために取り組んだ工夫や反響など、お聞かせください。
○馬神総合推進部長 自転車に貼り付けるに当たり、反射材ステッカーとして製作し、実用性を確保いたしました。また、シェアサイクル約一万台や地域警察官が使用する約一万台の警ら用自転車にも貼ることによって、周囲の人への啓発を図りました。
交通安全イベント等では、学校でもらい自転車に貼っている、ヘルメットに貼った、周りにも配りたいといった声をいただいたほか、区市町村や警察署から、交通安全教室等で活用したいとの要望をいただくなど、都民の安全意識の向上に寄与したと認識しております。
今後とも、警視庁、区市町村と連携し、自転車の安全利用に向けた取組を推進してまいります。
○高野委員 本事業が都民による事業提案制度から生まれたことは、都民の声を政策へと反映させる意義深い取組であり、こうした仕組みを通じて、今後も都政をより効果的に推進していただきたいと思っています。
また、自転車に加え、近年利用が拡大している電動キックボードなどについても、安全啓発やマナー向上の取組を一層推進していくよう要望したいと思います。
以上です。
○せりざわ委員 よろしくお願いします。
私からは、身近な犯罪防止対策について、先ほどの答弁と重ならないような形でなるべく質問したいと思います。
身近な犯罪の防止対策のうち、まず、特殊詐欺対策についてお伺いをします。
昨年は、いわゆる闇バイトの応募をした者によって、強盗などの凶悪事件の報道があり、社会問題となったところであります。若い世代の方々が、軽い気持ちで高額な報酬につられて犯罪の実行者になっていく。特に大学生や高校生、時には中学生といった方も巻き込まれていく事態も発展をしております。
この闇バイトの実態や危険性などを伝える啓発というのは非常に重要だと考えていますが、昨年度、東京都では、若者が闇バイトについて正しい知識を身につけて犯罪に加担しないようにする、そういった取組を行ったのか、お聞かせください。
○田邉治安対策担当部長事業推進担当部長兼務 都では、昨年度、闇バイトに応募した若者が犯罪に加担する事案が社会問題化したことについて深刻に受け止め、対策に取り組んでおります。
令和四年度より、闇バイトの危険性を正しく理解し、巻き込まれないための情報等を掲載している特設サイトを開設しておりまして、令和六年度は緊急のコラムを掲載するなど、内容をさらに充実させるとともに、関係機関や民間企業の協力の下、広く都民に特設サイトの周知を図り、その結果、当該特設サイトが年間で約六十五万回閲覧されました。
特に、クイズ形式で危険な求人情報の見分け方を解説したコラムにつきましては、闇バイト募集特有のキーワードを具体的に例示するなど、効果的なコンテンツとして各種メディアに取り上げられるなど、高い関心を集めました。
○せりざわ委員 闇バイト防止に対しての有用な情報が掲載されている特設サイトというのは、今後もコンテンツの充実や、何より若者に届く情報発信について、引き続き取り組んでいただきたいと思います。
この加害ゼロを目指していくのと併せて、当然、被害のゼロというのも目指していかなければならない中で、特殊詐欺の被害については、昨年、過去最悪の被害額となっております。
本年にあっても、昨年を上回るペースで推移していると承知をしており、深刻な状況であることに変わりありません。高齢者だけでなく、あらゆる年代に被害が広がっているということから、被害防止対策についても、ぜひ効果的な広報啓発に取り組んでいただければと思います。
続けて、女性の犯罪被害防止対策についてもお伺いします。
ストーカーや盗撮などは卑劣な犯罪行為であって、当事者が被害に遭わないように気をつけるとともに、当事者だけではなく、社会全体でそのような行為を許さない、そして見て見ぬふりをしないという機運醸成が大変重要だと考えております。
そこで、東京都として、女性の犯罪被害防止のために、昨年度、具体的にどのような取組を進めてきたのか、お聞かせください。
○田邉治安対策担当部長事業推進担当部長兼務 都では、専門講師による犯罪被害防止講習会の実施や、注意点、相談先等を記載したリーフレットの作成、配布を行い、被害防止のための啓発を行うとともに、若年層を対象に、現場に居合わせた第三者が見て見ぬふりをしない社会機運の醸成にも力を入れております。
第三者が、未然防止のために取り得るさりげない行動事例を、ちょこっとアクションとして紹介する特設サイトを昨年度新たに開設し、動画で分かりやすく伝えるとともに、広く都民に啓発を行うイベントの開催、大学等へのブース出展なども行いました。
また、自分自身でもできる行動事例をホームページ等から募集し、集まった好事例を特設サイトに掲載するキャンペーンも実施し、自ら行動を起こすことに不安や迷いを感じている若年層に行動変容を促す周知も併せて行いました。
掲載した事例を基に、今年度、大学生と協働して若者が共感できる啓発動画を制作しております。今後、情報発信を予定しており、都民が被害に遭わないための効果的な対策を引き続き実施してまいります。
○せりざわ委員 盗撮などの女性の犯罪被害に限らずですけれども、犯罪をする人とされる人のほかの、居合わせた人というか、が行動を起こすというのは大変勇気のあることで、非常にハードルのあるものだとは考えますが、当事者となる大学生の意見を聞きながら、ぜひ、有効的な手段というのを模索していただいて、同世代に共感できる啓発というのを期待しております。
引き続き、見て見ぬふりをしない東京の社会機運の醸成に努めて、犯罪被害が一件でも少なくなるように、そして犯罪被害がゼロになるように取り組んでいただくことを求めて、次の質問に移ります。
防犯カメラのお話をお聞かせいただきたいと思います。
これも平成十六年度から防犯カメラの補助事業というのをスタートしてきて、我が会派としても、地域における防犯カメラの設置促進というのには尽力をしてきたと思います。
結果として、カメラの設置補助台数というのは三万五千台規模まで至っていると聞いていますが、一般的にカメラの耐用年数というのは五から十年、平均で七年ぐらいというふうにも聞いています。
今後、一定の治安水準を維持していくというためにも、更新費用の適切な補助というのが必要だと考えます。東京都では、令和六年度、町会、自治会、商店街等に防犯カメラの新設、更新する際の補助率、先ほど引き上げられているというお話もありました。地域の防犯活動に対する支援強化というのは、都民の安全・安心にもつながるものだと評価をしております。
東京都で実施してきたこの町会、自治会、商店街に対する補助について、先ほど執行率というのは出てきたと思うんですが、令和六年度の新設等補助の台数というのをお聞かせいただきたいのと、補助額についても改めてお聞かせください。
○田邉治安対策担当部長事業推進担当部長兼務 都は、地域の防犯力向上のため、防犯カメラの設置を契機として地域の見守り活動が活発に展開されるよう、町会、自治会や商店街等の地域団体に対し、区市町村を通じて設置費用等の補助を行っております。
令和五年には、令和四年に二十年ぶりに増加に転じた刑法犯認知件数がさらに一万件以上増加しており、治安対策への都民ニーズが高まりました。
加えて、地域団体が設置している防犯カメラの多くが更新時期を迎えることから、令和六年度から三年間の緊急措置として補助率を引き上げ、地域の防犯力向上を図りました。
令和六年度における防犯カメラの新設及び更新の補助台数は二千五十八台、補助額は約五億三百七十八万円でございます。
○せりざわ委員 ありがとうございました。私も区議会の頃に様々なこの申請のお手伝い等させていただいて、実際にカメラがあるところとないところで、やはり様々な意見があって、自分の地域はカメラがあったから犯罪が少ないねというようなお話だったりとか、残念ながら被害があったところは、カメラがあったらというようなお話もたくさんあって、この東京都の防犯カメラの設置補助というのは、地域の安全・安心に大きな寄与をしていると思っております。
一方で、防犯カメラの設置後の維持管理費用、これも非常に大きなもので、地域の継続的な活動を支えるには、引き続きこの設置後の支援というのも必要だと思っております。
町会、自治会、商店街が防犯カメラを設置した後の維持管理費というのを都はどのように行っているのか、特に令和六年度の取組状況をお聞かせください。
○田邉治安対策担当部長事業推進担当部長兼務 都は、防犯カメラに係る保守点検費や修繕費などの維持管理費、電気料金や共架料などの運用経費について、原則として、町会、自治会等の負担割合が六分の一、商店街等の負担割合が三分の一となるよう、区市町村と連携し、補助しております。
令和六年度における補助台数は一万二千四百九十台、補助額は三千二百十七万円でございます。今後とも、区市町村と連携し、地域における見守り活動が活発に展開されるよう支援してまいります。
○せりざわ委員 設置後の防犯カメラの維持管理に関わる経費についても補助しているということで、まさに地域の防犯活動の支えになっているということを高く評価をいたします。
特に、個々の自宅の防犯カメラだけではなく、こういう地域ぐるみでやっていただいているということが町会の存在意義にもつながっていくと思いますし、地域の共助の認識としても大きな意味があるかなと思っております。
また、設置後の負担については非常に重くないことを考えれば、この設置後の負担補助が設置促進にもつながるものと期待をしております。引き続き、防犯カメラの設置及び維持管理に関わる補助事業についてしっかり取り組むことを要望して、終わります。ありがとうございます。
○もり委員 都民安全治安対策についてお伺いをいたします。
東京都には、毎年多くの外国人旅行者が訪れ、都は、インバウンド対策、都庁プロジェクションマッピング等、ナイトエコノミーに力を入れていますが、限られた財源の中で本当に行う事業であるのか、民間が行うものではないのか。自治体の役割は、まず、都民の住環境、安全・安心を守ることこそが責務であると考えます。
地元大田区では、特区民泊が静かな住宅街にも増えることで都民が不安を覚え、事業者が住民説明会も開催せぬままの状況に、反対運動が起こっている状況があり、都民安全総合対策本部では、外国人旅行者マニュアルを作成しており、ごみの出し方等、旅行者へのマナー啓発として期待をされておりますが、これはオリ・パラの際に作成し、ホームページにはあるものの、令和六年度決算として予算執行はない事業というようなことですので、質問はいたしませんが、オリ・パラの際につくったものでも、引き続き効果が見込まれる事業については、ぜひ活用していただきたいと思います。
また、民泊に関する都民の不安から、どのように住環境を守るか。先ほど防犯カメラについては、既に質疑が行われましたので、こちらも質疑はいたしませんが、設置後の防犯カメラに係るランニングコストに対しても支援をしていただいているとご答弁がありました。こうした民泊など新たな課題も生じており、不安を感じている住民の方にも寄り添うよう、引き続き設置と維持管理における支援をよろしくお願いいたします。
次に、東京都は、都民安全総合対策本部を中心に女性に対する犯罪防止施策を推進してまいりました。都民の安全・安心を守るために、特に痴漢や性犯罪など未然に防ぐ対策強化は重要です。女性の犯罪被害防止について、どのような取組を行ったのか、令和六年度の取組についてお伺いをいたします。
○田邉治安対策担当部長事業推進担当部長兼務 被害防止リーフレットの配布や専門講師による講習会を通じて、防犯対策を周知いたしております。
あわせて、特設サイトや動画などを活用し、現場に居合わせた第三者が、例えば盗撮被害に遭いそうな人と疑わしい人の間を通り抜けるなどのさりげない行動で犯罪を未然に防ぐ啓発を行うことで、社会全体で犯罪を抑止する機運の醸成に努めております。
○もり委員 都民の安全を守るためには、啓発にとどまらず、実効性のある支援体制と、居合わせた第三者が見て見ぬふりをすることなく、一人一人が意識を持って行動することが求められます。さりげない行動は、誰もができる小さな一歩でありながら、犯罪抑止に大きな力を発揮することから、ぜひ多くの都民の皆様に知っていただきたいと思います。
TokyoちょこっとActionsの動画も拝聴させていただきました。若い世代への啓発として、とてもよい取組だと感じましたので、一層の周知をお願いいたします。
次に、東京都痴漢撲滅プロジェクトについてお伺いをいたします。
令和五年度から二年目となりますが、令和六年度の痴漢の検挙実績についてお伺いをいたします。
○田邉治安対策担当部長事業推進担当部長兼務 警視庁によりますと、令和六年の東京都迷惑防止条例違反行為の痴漢に係る検挙件数は七百二十五件であったと承知しております。
○もり委員 受験期の痴漢、特に受験シーズンに試験会場に急いで向かわなければならない背景を悪用した、受験生を狙った痴漢被害が増えると、これは地元の学齢期の保護者の皆様からも対策強化について求める声が上がっており、決して許されない犯罪です。
令和六年度における受験期の痴漢対策、痴漢撲滅キャンペーンの取組についてお伺いをいたします。
○田邉治安対策担当部長事業推進担当部長兼務 都は、受験生を狙った痴漢被害が懸念される受験シーズンに合わせて、警視庁、都内で運行する鉄道事業者等とキャンペーンを実施しております。
令和六年度は、鉄道事業者等との意見交換を踏まえ、痴漢は重大な犯罪であるという共通メッセージとスライドを新たに作成し発信したほか、駅構内等で啓発グッズの配布、呼びかけ等を行いました。
○もり委員 駅構内、電車などでの被害が多いということから、鉄道事業者との連携は大変重要だと考えます。
東京都は、六年度、鉄道事業者との連携に取り組んだとのことですが、六年度の事業者との連携内容と成果について、取組を伺います。
○田邉治安対策担当部長事業推進担当部長兼務 都は、昨年十月にJR東日本、都内に路線を持つ民間鉄道事業者、東京都交通局等と連絡会を立ち上げております。
鉄道事業者には、受験期の痴漢撲滅キャンペーン期間中の共通メッセージの車内、駅構内での放送、デジタルサイネージ等での発信などに協力をいただいております。
○もり委員 令和六年度には痴漢被害実態調査が行われ、ウェブなどによって、被害者と目撃者六千三百十五人の声が寄せられたとのことです。四割の被害者が、我慢した、何もできなかったと回答し、また被害者の約五割は、被害直後に誰にも連絡していないとの回答から、声を上げられない被害者の声をすくい上げる取組が求められます。
犯罪被害者の相談窓口は、総務局人権部の担当となりますが、犯罪被害者の相談から見えた課題については、ぜひ局横断的に取り組んでいただきたいと思います。
また、被害時に周辺の人が気づいたのは二割強、三割の目撃者は、確証が持てず行動できなかったとの回答ですが、二割のうち約半数が助けてくれた、目撃者の七割以上が行動を起こしたとのことから、被害者を見つけた際にどのように行動すべきか、目撃者が行動しやすくなるような一層の周知啓発も求められます。
東京都痴漢撲滅プロジェクトにおける都民への令和六年度の周知啓発の取組と成果についてお伺いをいたします。
○田邉治安対策担当部長事業推進担当部長兼務 都は、昨年九月に、痴漢目撃時の対応方法や被害に遭った場合の相談支援機関等を紹介する専用サイトを開設いたしました。
加えて、都のSNSを活用したサイト利用の呼びかけ、都内の全国公私立高校の入学予定者約十万人への啓発リーフレットの配布を実施いたしました。キャンペーン期間中には、およそ二十か所の駅構内において啓発グッズを配布するなど、広く都民への周知を行っております。
○もり委員 ありがとうございます。若者に届くようなSNSの活用や、また、都内の都立高校との連携など大変有効だと思いますので、引き続きの取組をお願い申し上げます。
また、警視庁のデジポリスなど、声を上げられなくても、スマートフォンを活用し、周囲に知らせるアプリも大変有効であり、また学校との連携、児童生徒への啓発等、局横断的な取組が求められますが、令和六年度の取組についてお伺いをいたします。
○田邉治安対策担当部長事業推進担当部長兼務 都では、令和五年三月に関係各局及び警視庁と痴漢撲滅プロジェクトチームを立ち上げ、連携して取組を進めております。
令和六年度は、警視庁と防犯アプリ、デジポリスを周知したほか、都内の国公私立高校の全入学予定者とその保護者に対するリーフレットの配布において、教育庁、生活文化局と連携しております。
○もり委員 ありがとうございます。大変、局横断的な取組で、都立高校の入学予定者にもリーフレットの配布など取り組んでいただいておりますので、引き続き教育庁、生活文化局、また警視庁等、多様な局横断的に連携をしながら対策の強化に取り組んでいただきたいとお願いいたします。
また、特殊詐欺について先ほど質疑がありましたので、そちらは質問を飛ばさせていただきます。
そして、子供、若者の自立等支援体制事業補助についてお伺いをいたします。
子供、若者自立における、昨年度この補助金を活用した自治体数と主な取組についてお伺いをいたします。
○村上若年支援事業担当部長 昨年度、補助金を活用した自治体は四区一市でございます。相談センターへの相談管理システムの導入や、居場所づくりに関する検討会の運営などで利用されました。
○もり委員 ありがとうございます。この補助金は、若者支援にとって大変重要なものと考えます。昨年度、多摩地域の自治体が一市だけと少ない現状がありますが、市町村の活用を促すべきと考えますが、取組についてお伺いをいたします。
○村上若年支援事業担当部長 補助金を活用した好事例の提供や現地視察を実施するとともに、多摩地域を中心に都の職員が直接赴き、補助金の利用を働きかけております。
○もり委員 ぜひ地域間格差のないよう、引き続きの取組をお願いいたします。
若ナビαの相談件数について、これも大変重要な事業だと思いますが、昨年度、何件の相談を受けたのか、お伺いをいたします。
○村上若年支援事業担当部長 昨年度、若ナビαが受けた相談件数は九千八百八十八件でございます。
○もり委員 本当にかなり多い印象を受けます。潜在的なニーズがあると考えますので、約一万件の相談を受けたとのことですが、相談の質を確保するため、相談員はどのような方が携わり、また、どのような人的体制で行ってきたのか、お伺いをいたします。
○村上若年支援事業担当部長 若ナビαでは、大学院において心理や福祉学科を修了したなどの一般相談員四名に加えまして、臨床心理士や社会福祉士等の資格を持ち、五年以上の勤務経験がある専門相談員二名の配置で対応してきております。
○もり委員 専門人材の皆様の活用をされていることを確認させていただきました。
相談窓口や地域の支援体制につながっていない、また、見えない層の存在も課題だと考えます。こうした若者に対する都の取組についてお伺いをいたします。
○村上若年支援事業担当部長 悩みを抱える若者が誰一人取り残されず、自分に合ったサポートや居場所を見つけることができるよう、昨年十一月に、都内三百九十一の支援情報を掲載したポータルサイト、若ぽたプラスを開設いたしました。
このポータルサイトでは、支援団体の取組や居場所の様子、利用者のリアルな声を動画等で分かりやすく紹介し、相談や支援を受けることをちゅうちょする若者を後押ししてございます。
○もり委員 ありがとうございます。居場所のない若者が犯罪につながってしまったり、先ほども若者の闇バイトなどもありましたけれども、そういった潜在的な課題を抱える若者にも届くよう、引き続き取組をお願いいたします。
最後に、若者の声を都政に反映していくことが大切だと考えますが、この反映をしていく取組について、昨年度の取組を伺います。
○村上若年支援事業担当部長 本年三月、都は、第三期子供・若者計画を策定いたしました。計画の検討に際しては、二十代から三十代の若者で構成する部会を青少年問題協議会に設置しまして、意見を聞き、反映してきてございます。
○もり委員 若者の声を聞くのは大変重要だと思います。東京都は、こども基本条例も策定をして、子供の声を聞く体制整備を進めていますが、それに加えてチルドレンファーストの、子供だけではなく若者の声がしっかりと都政に反映をされるよう、引き続きの取組をお願いします。
次に、都内の保護司の状況について伺います。
○田邉治安対策担当部長事業推進担当部長兼務 法務省によりますと、令和七年一月現在、都内の保護司の定数は四千三百七十五人のところ、三千二百九十三人が委嘱されており、充足率は約七五%でございます。
○もり委員 再犯から、どのようにその方一人一人の立ち直りを支援するのか、保護司の活動を支援することは大変重要です。令和六年度の取組についてお伺いをいたします。
○田邉治安対策担当部長事業推進担当部長兼務 都は、犯罪をした者等の社会復帰に携わる支援者の立ち直りを支援する力の向上を図るため、保護司等を対象とした研修会を実施いたしました。また、再犯防止に資する社会資源等の情報を掲載したガイドブックを毎年度作成し、更生保護に携わる関係者に配布しており、保護司の活動の一助としていただいております。
さらに、再犯防止に関する情報を集約したポータルサイトを運営し、保護司への再犯防止に関わる情報提供に努めております。
○もり委員 ありがとうございます。本当に保護司の活動は多岐にわたり、また、障害を負っているがゆえに犯罪を犯してしまった方など福祉職との連携も必要だと思っています。都内でも活動するTSネットさんなどもありますので、ぜひそういったところも、福祉とも連携をしながら、引き続き保護司活動の支援を続けていただきたいと思います。
また一方で、都内の保護司は不足しているとの声も伺います。都ではどのように認識をしているのか、お伺いをいたします。
○田邉治安対策担当部長事業推進担当部長兼務 保護司は、高齢化により減少傾向であることに加え、地域社会の人間関係の希薄化、活動に伴う精神的な負担等により、新規の担い手確保が難しくなっております。
国は、持続可能な保護司制度の確立に向けた検討会で報告書を出し、今後講じていく方策等をまとめており、都としても、保護司の確保は重要な課題と認識しております。
○もり委員 皆さん、本当に大変志高く取り組んでいただいていますので、引き続き都としても支援の強化をお願いいたします。
保護司の活動を含めた再犯防止の取組を進めていくためには、様々な主体が連携して対応していく必要がありますが、都の昨年度の取組についてお伺いをいたします。
○田邉治安対策担当部長事業推進担当部長兼務 都は、国の関係機関や区市町村、民間団体等と、当面の課題への対応等について包括的に協議するため、東京都再犯防止推進協議会を設置しています。再犯防止の推進に向けた情報交換や支援策の検討を協議会では行っております。
令和六年度におきましては、啓発活動の推進等について協議し、関係機関の間で連携の重要性に関わる認識を共有いたしました。今後とも、関係機関や団体の協力を得ながら、再犯防止施策を推進してまいります。
○たかく委員 それでは、私の方から、都民安全総合対策本部の質疑を行います。
さきにも出ておりましたが、私の方からも特殊詐欺対策について何点かお伺いいたします。
都内における令和六年の特殊詐欺被害は、認知件数が三千四百九十四件、前年比で五百七十六件の増、また被害総額は百五十三億円、これも前年比で七十一億円増ということで、昨年に比べて認知件数、被害金額とも増加しており、被害金額は過去最悪の状況となっております。
私のところにも、いわゆるロマンス詐欺に遭ったとかですね、また、FX詐欺に遭ったということで、いろんな深刻な相談をいただいており、当然警視庁にも被害届を出しておりますが、なかなか解決していない状況があります。
私の自宅にも、こういった詐欺と思われる電話も届く状況で、こういった特殊詐欺対策はもう待ったなしの状況で、しっかりと警視庁と連携して徹底した取締り強化、そして啓発に努めるべきと考えております。
昨年、若者を中心として、いわゆる闇バイトへの加担が強盗事件など凶悪な事件に発展する事例が相次ぎ、社会問題となりました。簡単な作業で高額収入などの誘い文句につられて軽い気持ちで応募した結果、特殊詐欺の受け子として、知らない間に加害者になってしまうケースもあり、将来ある若者が犯罪に巻き込まれてしまう、こういったことを何とかして防いでいく必要があると思います。
若者に対しては、闇バイトが犯罪であること、バイトじゃないよと、犯罪だよということで、この危険性を訴えて、加担することを思いとどまらせるための啓発を効果的に推進する必要があると考えますが、令和六年度において東京都はどのように取り組んできたのか伺います。
○田邉治安対策担当部長事業推進担当部長兼務 闇バイトは犯罪実行者の募集であり、一度でも関わると、個人情報を基に加担し続けるよう脅迫されるなど、被害者はもちろん、若者自身の人生をも台なしにするものでございます。
都では昨年度、闇バイトに加担させないことを目的に、高額収入等をウェブ上で検索する若者に対して、闇バイトの危険性を訴えるターゲティング広告を実施いたしました。広告を通じて、闇バイトの危険性や勧誘の手口、相談窓口等を掲載した特設サイトに誘導するなど、若者を対象に、闇バイトに巻き込まれない啓発を推進いたしました。
○たかく委員 インターネットで情報収集する若者に対して、今お話あったターゲティング広告によって情報発信を行ってきたとのことです。若者に対し、ウェブ上で闇バイトの危険性などについて知ってもらう啓発は非常に重要な取組であり、継続して実施する必要があると考えます。
一方、特殊詐欺の受け子、出し子などの闇バイトの背後には、匿名性の高い通信手段等を活用しながら、役割を細分化させ、組織の把握が容易でない匿名・流動型犯罪グループ、いわゆるトクリュウが存在しているといわれております。若者に対して、トクリュウといわれるものの危険性を認識させて、このような犯罪グループに関わらないために、啓発をしっかりと行っていくことが重要と考えます。
昨年度、東京都は、若者がトクリュウに関与しないようにするための注意喚起や啓発活動をどのように講じてこられたのか伺います。
○田邉治安対策担当部長事業推進担当部長兼務 都では、若者がトクリュウに関わらないために、その危険性や関わらないための心構え等を分かりやすく記載した啓発リーフレットを作成し、関係機関やイベント等を通じて配布するなどしております。
また、これらの犯罪グループは、先輩、後輩、知人等の人間関係やSNS等を介し、巧妙な手口で若者を勧誘することから、若者自身が対応力や判断力を養うことが必要でございます。
そこで、トクリュウを題材に、身近に潜む危険について若者が関心を持ちやすいよう、プロの俳優による演劇を活用した啓発を、昨年度は高校等で計三十一回、約一万人の生徒に対し実施いたしました。
生徒からは、印象深く残り、よい学びになった、実際にどうやって巻き込まれていくのかよく分かったなどという感想をいただいており、若者が気づかないうちに犯罪実行者になり得るリスク意識の向上に一定の効果を上げております。
○たかく委員 今お話ありました演劇でのものは、やはり臨場感もあって、私、見たことがないんですけれども、非常に若者に対して有効になるんではないかと思います。引き続きターゲティング広告と並行して、こういった演劇なども、多様な手法で若者の心に響く啓発活動を実施して、トクリュウなどの犯罪グループから若者を守るための啓発に取り組んでいただきたいと思います。
また、最近では、警察官かたりなど新しい手口により、若者自身が特殊詐欺の被害に巻き込まれるケースも増えていると聞いております。特殊詐欺の新しい手口による若者の被害の増加に対して、都としてどのように取り組んでいるのか見解を伺います。
○田邉治安対策担当部長事業推進担当部長兼務 都では、昨年度まで被害が目立っていた高齢者を対象に被害防止の啓発を実施してまいりました。
被害があらゆる年齢層に拡大していることを踏まえ、今後は、幅広い年代に向けたターゲティング広告の実施など、創意工夫を重ねながら被害防止対策に全力で取り組んでまいります。
○たかく委員 被害、そして加害の両面において、巧妙な手口で若者が犯罪に巻き込まれる事例が増えております。今後も警察や教育機関等と協力し、若者にとって身近で分かりやすいSNS等の手法を活用した啓発などを進めていくとともに、都民が被害者にも加害者にもならないための対策を推進していくことを要望して、次の質問に移ります。
次は、電動キックボード等の規制等についてです。
令和五年七月に改正道路交通法が施行され、電動キックボードを含む特定小型原動機付自転車については、新しい区分として規定されたと聞いております。
私の知り合いのバスの運転手からは、こういった電動キックボードでのルール違反者が多く見られて大変危ないと、何とか取締り強化をしてほしいとの要望も現にいただいております。
電動キックボード等の特定原付に乗る利用者にルールをしっかりと守ってもらい、交通事故発生をなくしていくことが必要と考えます。
警視庁によりますと、令和六年には、実際に都内で二百四十四件の事故が発生しているとのことでした。
私ごとでございますけれども、私も先日、この電動キックボードに乗ってみました。乗ってみたというか、乗るためにはテストがあるということで、十四問のテストを受けましたが、最初、二問外れてしまいまして、二回、三回やってようやくクリアできたんですが、シェアリングに乗ってみた感想ですが、自転車よりも結構安定感がないなというのが分かりました。危険だと、若干危険なんだというふうに思いました。
そこで、令和六年度の電動キックボードの交通安全対策について、課題認識と取組についてお伺いいたします。
○馬神総合推進部長 電動キックボードを含む特定小型原動機付自転車の利用には、運転免許が不要でございます。運転免許取得時のような交通安全教育を受けないことから、新しいルールを周知するため、安全利用を促進する取組を進めております。
令和六年度は、啓発リーフレットを作成したほか、前年度に作成した啓発動画をポイントごとに編集し、ターゲティング広告に活用するとともに、ホームページからも閲覧できるようにするなど、広く展開をいたしました。
○たかく委員 実際利用しているところを見ると、シェアリングによる利用者が多いのは見受けられております。利用者により身近なシェアリング事業者などと連携して安全運転の啓発に取り組むことが効果的ではあると考えます。どのように取り組んできたのかを伺います。
○馬神総合推進部長 都は、シェアリング事業者などを構成メンバーとする団体との協定に基づき、連携して安全利用に関する啓発活動に取り組んでまいりました。
具体的には、交通安全イベントなど都の安全啓発活動に協力を求めるとともに、事業者団体が安全啓発活動を行う際には、都が作成した啓発動画やリーフレットなどの広報物を提供しております。
さらに、事業者団体との意見交換会を実施し、都民の声などを共有するとともに、事業者の対策状況等を聴取し、引き続き連携して普及啓発していくことを確認いたしました。
○たかく委員 事業者団体と意見交換を実施して、都民の声を聴取していくということでございますが、今後も電動キックボードをはじめとする特定原付の利用者は増加していくことが予想されます。利用者の安全利用が図れるように、しっかりと取り組んでいただきたいことを要望して、次の質問に移ります。
次に、きみまも@歌舞伎町についてお聞きいたします。
歌舞伎町では、様々な不安や悩みを抱えた青少年、若者がSNS等を通じて、いわゆるトー横に集まり、市販薬乱用や性被害など様々な問題が発生していることから、社会的に対応が求められておりました。
これに対して東京都は、昨年度、きみまも@歌舞伎町を開設したところです。私も先日、現地に視察にお伺いさせていただいてまいりました。
まず、そのきみまも@歌舞伎町の設立の経緯と目的についてお伺いいたします。
○田邉治安対策担当部長事業推進担当部長兼務 都はこれまで、トー横問題に対して各種対策の検討を重ねてきた中、第三十三期青少年問題協議会におきまして、従来の支援活動にとらわれない、青少年、若者と同じ目線に立ち、不安や悩みに寄り添うことのできる相談窓口等の体制を構築すべきであるとの答申をいただきました。
これを受け、昨年一月に臨時相談窓口を実施し、その成果も踏まえて、青少年や若者が犯罪被害やトラブルに巻き込まれることを防ぐための常設の相談窓口、きみまも@歌舞伎町を昨年五月三十一日開設いたしました。
○たかく委員 先日視察に行った際には、きみまもというネーミングは、君を守りたいという思いを込めてネーミングされたというふうに聞いております。
また、この機能としては、歌舞伎町周辺における声かけ、また、一息つけるフリースペースの提供、安全な相談場所、課題解決に向けた専門機関へのつなぎ、トー横に集まる若い世代の実態把握であるとか犯罪被害等への防止啓発、こういったことが機能として挙げられております。
このようなことで、相談窓口があることで、歌舞伎町を訪れる青少年、若者の安心につながるものと考えます。
そこで、施設の運営に当たって工夫している点についてお伺いしたいと思います。
○田邉治安対策担当部長事業推進担当部長兼務 軽食や無料Wi-Fiを提供するほか、静かに過ごしたい利用者のためのスペースを設けるなど、利用者がそれぞれ安心して過ごせる環境を確保しております。
また、七夕や節分など季節の催しを企画するなど、青少年、若者が気軽に立ち寄り、安心して相談できる場所となるよう環境を整備しております。
さらに、民間支援団体の協力を得て、生きづらさを話せる場を設けることにより、利用者の不安や孤立感の解消に努めております。
○たかく委員 きみまも@歌舞伎町の運営時間は、午後三時から午後九時とのことであります。しかし、午後九時以降もトー横にはたくさんの若者が集まってきているのは事実でございます。時間延長もしっかり検討すべきであると思いますし、また、日曜、祝日、月曜日がここは休みになっておりますけれども、トー横に来る若者は、日曜、祝日に関係なく来てもおりますので、こういった三百六十五日対応も検討すべきと考えております。
この運営時間等についてですが、きみまも@歌舞伎町の運営時間を設定した経緯について伺います。
○田邉治安対策担当部長事業推進担当部長兼務 運営時間につきましては、臨時相談窓口を設置した際の利用状況や犯罪被害防止等の観点を踏まえ、設定したものでございます。窓口では、深夜帯には犯罪等に巻き込まれるリスクが高くなることから、午後九時をもって帰宅を促しております。
また、困難を抱え、リスクが高いと判断される利用者に対しましては、民間支援団体等と連携し、夜間に受入れ可能な施設に引き継ぐなど、個々の状況に応じた支援を行っております。
○たかく委員 今の答弁ですと、困難を抱え、リスクが高いと判断される利用者には、個々の状況に応じて対応しているということでございます。
しかし、時間帯や曜日にかかわらず歌舞伎町に居場所を求めて集まる若者は多く存在します。運営時間、また開所日については、しっかりと再検討すべきと要望させていただきます。
それから、次に、昨年度どのくらいの青少年、若者がきみまもを利用したのか、また、利用者に対してどのような支援を行っているのか、お聞きいたします。
○田邉治安対策担当部長事業推進担当部長兼務 きみまも@歌舞伎町では、居場所を求める青少年、若者に対して、安全で安心できる場所を提供しております。令和六年度は、延べ八千八百五十八人の利用がございました。
利用者の中には、友人、家族とのトラブルや性被害、オーバードーズ、自傷、希死念慮、生活困窮など多様かつ複合的な課題を抱えている者がおり、課題が明らかになった利用者に対しましては、児童相談所や警察等の関係行政機関をはじめ、医療機関や民間支援団体等につなぎ、安全の確保や就労支援など、それぞれの課題に応じた適切な支援を行っております。
○たかく委員 きみまも閉所以降の夜間の対策を強化するとともに、トー横にいる未成年に対しては、民間団体とも連携して支援を強化していくことが必要と考えます。
トー横には多くの若者が集まり続けていることから、若者に支援の手はまだまだ届いていないことも考えられます。
そこで、若者に対して、このきみまもに来所を促すとともに、被害に遭わないための注意喚起は極めて重要だと思いますが、令和六年度における取組についてお伺いいたします。
○田邉治安対策担当部長事業推進担当部長兼務 民間支援団体と連携し、歌舞伎町において、青少年、若者に周知カードを配布するなど、声かけを通じて来所を促しております。
また、SNSによるターゲティング広告や歌舞伎町のデジタルサイネージを活用し、青少年、若者に注意喚起をするとともに、悪意ある大人に警告メッセージを発することにより、犯罪被害に遭わないための啓発を行っております。
○たかく委員 家出をした子であるとか、また、家に居場所がない子供は、きみまもを利用したとしても、閉館時間が来れば、家に帰らず再びまちに戻ってしまう子もいると聞いております。
歌舞伎町にきみまもの案内を配る方がいたり、また、トー横エリアに入る前に、若者の目に留まりやすい場所にきみまもの案内があれば、様々な被害から若者を守ることができるとも考えます。トー横に来る若者が、きみまも@歌舞伎町のスタッフといち早く出会えるような周知啓発に努めていただきたいことを要望して、私の質問を終わります。
○せいの委員 日本共産党のせいの恵子です。資料の提出をありがとうございました。
私からも引き続き、きみまも@歌舞伎町について質問をいたします。
昨年の五月三十一日に開所して、もうすぐ一年半です。
まず、きみまも@歌舞伎町の令和六年度実績及び運営状況について伺います。また、最新の実績も併せて簡単にお示しいただければと思います。
○田邉治安対策担当部長事業推進担当部長兼務 きみまも@歌舞伎町では、居場所を求める青少年、若者に対して、安全で安心できる場所を提供しております。
令和六年度は、延べ八千八百五十八人の利用がございました。男女別は、男性四千三百四十人、女性四千二百二十五人、性別未回答の方が二百九十三人でございます。年代別では、十八歳未満の利用が三分の一、十代が半数強を占めますが、二十代前半の若者の利用が多い状況がございます。
令和七年度も、引き続き多くの利用がございまして、開設以来、延べ一万人を超える利用者を受け入れております。
○せいの委員 お答え、ありがとうございました。利用者の性別は、男女ほぼ半数、年代は十代が半数強と多くて、二十代の利用も多いということ。また、いただいている資料などを見ると、十八歳未満の利用の内訳が、十四歳までが五・八%、十七歳までが二五・四%で、利用者の三分の一と。そして、男女比で見ても、男性が十八歳から二十四歳の割合が高くて六七・一%、女性は十八歳未満が約五割というふうになっています。
なぜ私がこのように男女比と年齢を見ているかというと、やはりきみまもの目的として、きみまもというところが安全な場所であって、専門員の目もあって相談もできる、そして青少年に寄り添える場所であるということが大切だからと思うからです。
今年九月に開かれました「トー横」等における青少年・若者の被害等の防止に係る情報連絡会の資料をいただきまして、その中に、相談窓口きみまも@歌舞伎町の取組、令和六年度を確認いたしました。
いわゆるトー横などの歌舞伎町周辺では、各地から集まった青少年、若者が、悪意のある大人によって犯罪、トラブルに巻き込まれる状況や、悪質ホストによる金銭被害、オーバードーズなど問題が発生している。そうした現状に対して、東京都は、悩みを抱える青少年、若者が気軽に相談しやすい常設の窓口を設け、様々な悩みを聞く環境を整えるとともに、適切な支援につなげ、犯罪被害等の防止を図っていくというふうにされています。
しかしですね、昨年十一月の文教委員会での我が党のとや英津子都議も質問したとおり、きみまも内でも様々なトラブルも起こっています。このようなことを受けまして、令和六年度に行った改善点について伺いたいと思います。
○田邉治安対策担当部長事業推進担当部長兼務 想定以上の利用がありましたことから、利用者が安全な環境の中で過ごし、一人一人の悩みに寄り添った支援が行えるよう相談員の増員等体制を強化し、利用ルールを見直すなどの対応を行いました。
○せいの委員 今のお答えで、相談員が増員されたというところ、強化されたということ、本当によかったと思います。また、安全な環境で過ごすことも大切というお答えもいただきました。
そして、やはり今何よりもご答弁の中で大切だと思ったのは、一人一人に寄り添った支援が行えるようにというふうにお答えをいただいたところ、ここはとても大切だと思っていますので、ぜひ今後の改善点にもその視点を生かしていただきたいと思っております。
そして、次にお聞きしたいのが、令和六年度の事業費の予算と決算額及び体制強化に要した経費について伺いたいと思います。
○田邉治安対策担当部長事業推進担当部長兼務 犯罪被害等のリスクを抱える青少年への支援の予算額は、若者への注意喚起支援事業を含め、二億八千四百六十万円でございます。決算額は二億八百五十万円であり、そのうち体制の強化に要した経費は、相談員の増員で二千七十五万円、警備員の増員で三百十六万円、計二千三百九十一万円でございます。
○せいの委員 今お答えいただきまして、予算額よりも決算額が七千六百十万円のマイナスになっていると。執行率で見ると七三%になっています。当初予定していなかった体制強化に要した費用が二千三百九十一万円ということになっていますが、これを加えても七千六百十万円のマイナスということになります。
このきみまもの事業というのは、事業における三つの視点と施策の三本柱というのがありまして、一つ目には、きみまもの運営のために、社会福祉法人に委託をしたりして、青少年の相談業務ですね、こういう費用。そして二つ目が、注意喚起のためのSNSやデジタルサイネージ等を使って犯罪防止の費用。そして三つ目に、行政や警察、民間支援機関と連携をしていくという、こういう費用。三つあるわけなんですが、このあたりの経費の内訳を教えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○田邉治安対策担当部長事業推進担当部長兼務 今ご指摘にありました経費の内訳につきましてでございますが、きみまも@歌舞伎町につきましては、歌舞伎町に設置しているということがございまして、施設の運営に関わる経費及び施設の借上げに関わる経費が大半を占めているという状況ではございます。その他、先ほど申しました啓発に係る費用や連携に係る費用というところを計上しているという状況でございます。
○せいの委員 ありがとうございます。今、ざっくりとお答えをいただいた感じなんですが、ぜひこれを詳しくですね、内訳などを示していただけるといいかなと思います。
これ、なぜ私こういうことをお聞きしているかというと、やっぱり子供たちや若者を守るための支援というところで、どれぐらいの経費がかかっているかというのをしっかりと見て、決算を審議するというのがこの場だと思いますので、ぜひ後ほどにでもお示しいただければというふうに要望しておきます。
そして、次に質問を変えてお聞きしていきたいと思います。
きみまも@歌舞伎町利用者からの声、こういうものも届いているかと思います。利用者の方がどのような課題を抱え、支援を求めているとお考えなのか伺います。
○田邉治安対策担当部長事業推進担当部長兼務 利用者の中には、友人、家族とのトラブルや性被害、オーバードーズ、自傷、希死念慮、生活困窮など、多様かつ複合的な課題を抱えている者がおり、それぞれの課題に応じた適切な支援を行っております。
○せいの委員 続けてお聞きしますが、男女の利用者が半数程度ずつというふうに混在しております。利用者の安全についてはどのようにお考えでしょうか。
○田邉治安対策担当部長事業推進担当部長兼務 きみまも@歌舞伎町は、悩みを抱える青少年、若者の誰もが利用できる窓口でございまして、運営に当たっては、相談員、警備員等のスタッフによる見守りを行うことで、利用者の安全を確保しております。
○せいの委員 今お答えにもありましたが、青少年や若者は、多様かつ複合的な課題を抱えていると。私もそう思います。そして、意図せず性被害に遭ってしまって、心の傷を負ってしまったとか、あとやはり現実がもうつらくてというところで、そういう状況からオーバードーズをしてしまう、そして命の危険を冒してしまう。こういう青少年や若者の痛みに寄り添う支援というのが、今求められているんだと感じています。
歌舞伎町という土地柄、男女問わず、やはり仲間同士で一緒に来所をするということもあると思います。そして、男女や年齢問わず、抱えている悩みや痛みに対して、これは支援が求められていると思います。
しかし、歌舞伎町というこの場所の特性というか、そういうところも考えると、利用者の大半が、先ほどもお示ししましたように、半数が十八歳未満であるんですね。こういうことを考えると、やはり居場所のない若年の女性が、悪意のある大人から性被害など搾取に遭う危険というところは、ここはしっかりと対策をしていかなければいけないのではないかというふうに思っています。
私たち会派は、この間も要望をさせていただいておりますが、相談体制、居場所の確保は男女別に、そして年齢も、未成年者その他の若者で、その年代に合った居場所や相談を行えるように改善するというところを改めて要望しておきたいと思います。
そして、やはり寄り添う支援、ここをしっかり行っていくということに対しては、きみまもという場所だけでは、やはり足りないと思います。きみまもも民間団体と今連携をしているというところですが、その実績と具体例、これをお伺いいたします。
○田邉治安対策担当部長事業推進担当部長兼務 令和六年度、きみまも@歌舞伎町では、十五の民間支援団体が参加した意見交換会を行うとともに、百三十件のケースについて、関係行政機関、民間支援団体等につなぐことで支援を行いました。
具体的には、帰宅できないリスクを抱えた女性利用者に対して、シェルター等の居場所を確保した事例がございます。
○せいの委員 続けてお聞きしたいんですが、先ほどのアンケートの結果で、居住地を見ると、都外、都内、これがほぼ同率というふうになっております。都外利用者の相談や外部への支援のつなぎ、こういうことはどのように行っているのでしょうか。
○田邉治安対策担当部長事業推進担当部長兼務 いわゆるトー横などの歌舞伎町周辺には、都内のみならず、他道府県からの青少年、若者が多く集まってきている状況でございます。きみまも@歌舞伎町では、原則、都内在住、在学、在勤の方を対象としつつ、来所した方は分け隔てなく受け入れ、必要に応じて利用者の居住地を管轄する自治体等とも適切に連携しております。
○せいの委員 連携をしていただけているというところで、ありがとうございます。このきみまもがある歌舞伎町という場所柄、様々な年代や人が集まるという場所ですから、やはりきみまもに来る人にとっては、まさにここが相談の入り口にもなるという重要な場所だと考えます。
先ほども、生きづらさを抱える若者が話せる場所というようなお答えがありましたが、青少年、若者が歌舞伎町に集まる背景、ここにはやはり心や体の悩み、家族の不和や虐待、生活困窮、様々な課題がある。そういう中でアウトリーチの支援の強化、そして安全で安心できる場所の提供、そして何より伴走型の寄り添った支援をですね、民間の団体やNPOと一緒に一層強化して取り組んでいただきたい。このことを要望しまして、次の質問に移ります。
次の質問は、子供・若者自立等支援体制整備事業についてお聞きをいたします。
まず、子供・若者自立等支援体制整備事業について、昨年度、補助を行った自治体名を伺います。
また、居場所整備事業が新たなメニューとなりましたが、この活用はあったのでしょうか。
○村上若年支援事業担当部長 昨年度は、港区、墨田区、品川区、荒川区、調布市に対して補助を行いました。
居場所整備事業につきましては、港区が活用いたしました。
○せいの委員 今お答えいただきまして、思ったより実績が少ないかなという印象です。事前にいただいた資料を見ますと、毎年大体、五から六程度の自治体が利用されておりますが、昨年度、居場所整備事業が新たなメニューになって、早々に港区が活用されたというところは本当によかったと思います。
こういう事業ですね、せっかくありますし、今やっぱり若い方への居場所支援を含め相談支援、こういうところは、これからしっかりと自治体で行っていかなければいけないということを考えると、ぜひこの事業を活用してもらいたいというふうに思うんですが、令和六年度の実績に対する都としての評価、これはどのようにお考えでしょうか。
○村上若年支援事業担当部長 この補助金を活用した四区一市では、居場所づくりに関する検討会の運営やSNS相談の開始に伴う広報、相談管理システムの導入など、それぞれの地域ニーズに応じた事業で活用されておりまして、社会的自立に困難を有する若者支援の推進に寄与しているものと認識してございます。
○せいの委員 様々な地域ニーズに応じて事業を活用していただけているということですので、ぜひこれ一層周知をお願いしたいと思います。
先ほども質疑しましたが、青少年、若者が歌舞伎町という場所に集まる背景、これは様々な課題がある。そして、これを共有できる仲間がいるということが、やはりそこに自分の居場所があるというふうになるということなんだと思うんです。
私、先日、地元の北区でですね、河川敷で女子高生二人が、本当に何もないところで二人で楽しそうに長時間、話をしているのを見ました。近くには学校はないし、何でこんなところにいるのかなと思ったんですが、やっぱり誰の目も気にしないでゆっくり話ができる、そういう場所としては河川敷っていい場所なんだなと思った反面、もっと身近に気楽に安心して利用できる場所があれば、皆さんもっと利用できるんじゃないかなと感じました。
若者支援や居場所づくりは、いまだに自治体間の差が大きいのが現状です。若者は、居住地と学校やアルバイト先、遊び場など、行動範囲が広いことを考えても、やはり様々なところに安心して友人などと利用できる居場所が必要なのではないかと考えます。ぜひ多くの自治体にこの事業を利用していただきたい。
そして、居場所が拡充される中で、やはり居場所の目的や対象の明確化、さらに若者がどのようなニーズを持って居場所を必要としているのか、こういう視点が大切だと思っておりますので、ぜひこのような視点も踏まえて、自治体への利用促進をさらに図っていただくよう要望いたしまして、私の質問を終わります。
○いいだ委員 よろしくお願いいたします。
まず、若ナビαについてお伺いをしたいと思います。
都議会公明党は、平成二十一年の予算特別委員会におきまして、若者が抱える多様な課題に寄り添い、包括的な支援を提供するための総合的な相談窓口の必要性を強く訴え、その結果、若ナビが創設されました。
その後、平成二十九年には、社会情勢の変化や若者のニーズの多様化に対応するため、機能強化が図られ、通称若ナビαとして、そのサービスがさらに充実されました。
これまで都議会公明党は、議会質問や予算要望等の様々な機会を通じて、一貫して本事業の重要性を強調し、その内容の充実と拡大を強力に推進してまいりました。こうした経緯を踏まえ、私も、若ナビαの事業が若者支援において果たす役割の大きさを認識し、そのさらなる発展を期する観点から、次の質問を行います。
まず、若ナビαが令和六年度に受け付けた相談件数についてお伺いいたします。
加えて、若者がどのような手段で相談にアクセスしているのか、主な相談ツール別の状況と、相談内容の傾向として特にどのような特徴が見られるのか。例えば年齢層や性別、あるいは特定の相談テーマ、メンタルヘルス、人間関係、学業、仕事の悩みなどが顕著であるかなど、その内容について伺います。
これらのデータは、若ナビαが若者のどのような悩みに応え、どのような層に利用されているかを把握する上で極めて重要であるというふうに考えます。よろしくお願いいたします。
○村上若年支援事業担当部長 令和六年度の相談件数は九千八百八十八件で、そのうち、電話による相談が六一%を占め、次いでLINEによる相談が三七%となっています。
相談の特徴としては、二十代女性からの相談が二千八百七十件と最も多く、前年度から九十三件の増となっております。
相談内容といたしましては、メンタル面の不調や希死念慮といった自分自身に関する悩みが最も多く、全体の四二%を占めております。
○いいだ委員 ご答弁ありがとうございます。相談件数が九千八百八十八件に上り、特に二十代の女性からの相談が最も多く、内容では、メンタル面の不調や希死念慮といった深刻な悩みが約四二%を占めているという実態を大変重く受け止めております。
十代、二十代、三十代の死因のトップが自殺という極めて憂慮すべき現状において、若ナビαが若者のメンタル不調や希死念慮といった相談の重要な受皿となっていることは、本事業の必要性の高さを明確に物語っています。
しかし、これだけ重要な事業でありながら、まだこの存在を知らず、一人で悩みを抱え込んでいる若者が大勢いるはずです。今、まさに苦しんでいる一人でも多くの若者にこの窓口の存在を知っていただき、ためらわずに利用していただくことが、尊い命を守ることに直結いたします。
この点については、昨年の事務事業質疑において我が会派が質問を行い、その際、都は、若ナビの認知度向上を図るため、従来の広報に加え、若者が身近に利用するコンビニやスーパーにおいて新たに広告を展開するとの答弁がございました。
そこで、昨年度に実施をされた新たな広報戦略、特にコンビニエンスストアでのCM展開などが、若ナビαの認知度向上にどのような具体的な効果をもたらしたのかについてお伺いをいたします。
○村上若年支援事業担当部長 若ナビαでは、利用者の大半がホームページを経由して電話相談やLINE相談につながっており、昨年度は八万九千三百三十九人の方がホームページを訪れております。また、若ナビαのホームページは、ウェブやSNSの広告をクリックして流入する方が多く、直接若ナビαを検索して訪れる方は、従来三割程度で推移しておりましたが、昨年度は約五割まで増えております。
さらに、本年七月に行った認知度調査も一七・六%と、調査開始以来最も高い数値となっておりまして、これらのことは、昨年度にコンビニエンスストアで流れたCMなどが寄与しているものと思われます。
○いいだ委員 ありがとうございます。コンビニCM等の新たな広告展開により、ホームページへの直接検索が三割から五割に増加し、認知度調査も過去最高の一七・六%になったということで、着実な効果が出ていることを評価いたします。
悩みは、いついかなるときに襲ってくるか分かりません。一七・六%という数字は、裏を返せば、まだ八割以上の方に知られていないというのが現実でもあります。いざというときに若ナビを誰もが思い浮かべられるよう、この認知度向上の取組の手を緩めず、より一層の拡大を図っていただきたいと思います。
そして、利用していただくためには、知ってもらうことと同時に、利用のしやすさが極めて重要であります。電話が六一%、LINEが三七%という答弁にもあるとおり、若者のニーズは多様化しています。
昨年の決算特別委員会で我が会派の伊藤こういち議員が求めたように、こうした若者のニーズの変化を的確に酌み取りながら、相談しやすい環境整備を引き続き強力に推進をしていくことを強く要望し、次の質問に移ります。
続いて、高齢運転者による交通事故は、依然として深刻な社会課題であると認識しております。警察庁の統計でも、高齢者が関与する事故、特に死亡事故の割合の高さが指摘をされています。加齢に伴う認知機能や判断力の低下が事故の一因とされる中、運転免許の自主返納の促進をはじめ、実効性のある交通安全対策の強化が求められています。
そこで、決算に関連してお伺いをいたします。
令和六年度における高齢運転者交通安全対策について、予算の執行状況と実施された主な取組について伺います。
○馬神総合推進部長 予算額約六千五百二十九万円に対する決算額は約四千六百三万円、執行率は約七一%、不用額は、主に契約に係る落札差金でございます。
主な取組としては、高齢運転者とその家族とが運転免許の自主返納について話し合う機会としていただくよう、正月休みに合わせて新聞折り込み広告を行いました。
また、免許返納を促すだけでなく、自動ブレーキを搭載しているなどのサポカーを紹介する動画を作成し、病院などのサイネージを活用した啓発を行いました。
○いいだ委員 ありがとうございました。令和六年度の高齢運転者交通安全対策について、予算の執行結果と主な取組を確認させていただきました。
特に、運転免許の自主返納を促すに当たり、高齢運転者ご本人だけでなく、そのご家族にも働きかける新聞折り込み広告やサポカーの理解を深めるための動画を作成し、サイネージで啓発するなど、多様な媒体を活用した取組を推進されていることを評価いたします。
決算額については、不用額が生じておりますけれども、これが主に契約に関わる落札差金によるもの、すなわち効率的な予算執行に努められた結果であるということを確認いたしました。
高齢運転者による痛ましい事故は、依然として大きな社会課題であります。加齢に伴う心身の変化は個人差も大きく、きめ細やかな対応が必要であります。引き続き、こうした啓発の取組を継続、強化することはもちろん、高齢者が安全に運転を続けられる技術、サポカーの普及啓発や、免許返納後の移動手段の確保といった課題にも目を配り、高齢者の尊厳と都民の安全が両立できるように、実効性のある対策を求めます。
次に、自転車安全対策についてお伺いをいたします。
私も以前、地元の調布市でPTAの活動に携わっておりましたけれども、その当時から、保護者の皆様より、子供たちが自転車の安全な乗り方や基本的な交通ルールを体系的に学ぶ機会が少ないといった切実なお声を伺っておりました。こうした状況は今も変わっていないと認識しております。
加えて、来年四月からは自転車の違反行為に対する交通反則通告制度、いわゆる青切符の導入も予定されております。これを契機とし、自転車事故を未然に防ぐためにも、都民に対し、安全利用のためのルール普及啓発により一層取り組んでいくことが重要であると考えます。
そこで、決算に関連してお伺いをさせていただきます。
令和六年度における自転車安全対策について、予算の執行状況と実施された主な取組について伺います。
○馬神総合推進部長 予算額約四億八百三十七万円に対する決算額約二億八千百三十一万円、執行率は約六九%でございます。
主な取組としては、小中学校等において、自転車のルールを分かりやすく習得できる自転車シミュレーターや、スマートフォン等で自転車運転の疑似体験が可能な学習アプリ、輪トレを活用した交通安全教室を開催いたしました。
また、子供や保護者、高齢者、事業者等、対象者別に六種類の自転車安全利用普及啓発リーフレットを作成し、都内全ての幼稚園や学校、事業者団体等を通じて、広く都民へ配布いたしました。
さらに、区市町村が行う自転車点検整備や自転車安全利用を促進する事業に対して補助を行いました。
○いいだ委員 ありがとうございました。令和六年度において、小中学校等における自転車シミュレーターや学習アプリ、輪トレを活用した安全教室の開催、対象別のリーフレット配布、さらには区市町村が行う点検整備等への補助など、現場の実情に合わせた多角的な取組を推進してこられたことを、まずは評価したいというふうに思います。
私が、以前PTA活動などを通じて伺っておりました子供たちがルールを学ぶ機会が少ないという課題に対して、まさに応えていただくような事業であり、大変有意義であるというふうに認識をしております。
来年四月には、青切符制度の導入という大きな節目を迎えます。都民の交通安全意識を抜本的に高めるためにも、これまでの取組を緩めるわけにはいきません。
つきましては、これらの有意義な取組が一部の先進的な学校や特定の地域にとどまることなく、都内全域の子供たち、そして全ての都民へ、より幅広く行き渡るよう、周知啓発の方法を一層工夫し、取組をさらに強化していただくことを強く要望いたします。
そして、都民が交通事故を起こさない、そして交通事故に遭わない安全な交通環境の実現に向け、引き続き実効性のある事業展開を求め、私の意見とし、質疑を終わります。
○河野委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○河野委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で都民安全総合対策本部関係を終わります。
この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩します。
午後二時三十三分休憩
午後二時四十九分開議
○河野委員長 休憩前に引き続き分科会を開きます。
これより生活文化局関係に入ります。
決算の審査を行います。
令和六年度東京都一般会計決算中、生活文化局所管分を議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○加倉井総務部長 去る十月十日の当分科会において要求のありました資料につきましてご説明いたします。
令和六年度各会計決算特別委員会第二分科会要求資料をご覧ください。
目次に記載のとおり、今回要求のございました資料は十件でございます。
それでは、一ページをご覧ください。1、私立高等学校等授業料軽減助成事業の所得区分別の実績の推移でございます。
令和二年度から令和六年度までの所得区分別の実績を記載しております。
二ページをご覧ください。2、私立学校経常費補助における授業料減免補助実績の推移でございます。
令和二年度から令和六年度までの学校種別の実績を記載しております。
三ページをご覧ください。3、私立学校経常費補助における授業料減免制度整備促進補助を受けた学校数及び授業料減免補助を受けた人数の推移(私立小中学校・高等学校)でございます。
令和二年度から令和六年度までの学校種別の補助校数と補助人数を記載しております。
四ページをご覧ください。4、東京都育英資金一般貸付の規模の推移でございます。
令和二年度から令和六年度までの貸付額と貸付人員を記載しております。
五ページをご覧ください。5、都道府県別私立高等学校生徒納付金平均額(令和六年度)でございます。
生徒納付金の平均額について、都道府県別に記載しております。
六ページをご覧ください。6、私立高等学校等就学支援金の予算額と決算額及び所得区分ごとの受給者数と実績額(令和六年度)でございます。
予算額と決算額及び所得区分ごとの受給者数と実績額を記載しております。
七ページをご覧ください。7、私立学校デジタル教育環境整備費補助の実績及びICT機器等の整備状況でございます。
令和二年度から令和六年度までの補助実績と整備状況を記載しております。
八ページをご覧ください。8、東京ウィメンズプラザの施設利用率、相談件数及び相談員数の推移でございます。
令和二年度から令和六年度までの実績を記載しております。
九ページをご覧ください。9、結婚支援事業の内訳と予算及び決算の推移でございます。
平成二十八年度から令和六年度までの予算額と決算額及びその内訳を記載しております。
一〇ページをご覧ください。10、町会・自治会への支援一覧とその実績でございます。
令和二年度から令和六年度までの各支援の実績を記載しております。
以上、簡単ではございますが、要求のありました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○河野委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○こまざき委員 都民ファーストの会のこまざき美紀です。よろしくお願いいたします。
私立学校等授業料軽減助成金について伺います。
都は、望む人の希望をかなえる東京の実現に向け、教育費負担の軽減に積極的に取り組んでいます。私たちの求めにより、私立中学校等授業料軽減助成金の制度が大きく拡充されました。
令和五年度までには、世帯年収約九百十万円未満を対象としてきましたが、令和六年度から所得制限を撤廃し、年額十万円を上限とする支援を全世帯に拡大しました。この画期的な制度改正により、助成対象者は約七万人へと大幅に増加し、多くの子育て世帯の教育費負担軽減に大きく寄与することを高く評価いたします。
私立高校授業料の実質無償化に続くこの思い切った制度拡充は、教育機会の均等化と子育て支援の両面で意義深い取組であるといえます。
そこで、二点質問いたします。
私立高校授業料の実質無償化では、都内平均授業料相当額までを支援とする一方、私立中学校の授業料軽減助成金では年額十万円を上限としています。まずは、この私立中学校への支援制度を開始した背景について伺います。
○井上私学部長 都内では、中学生の四人に一人が私立中学校に通っており、全国平均の三倍を上回っております。また、多くの私立学校で中高一貫教育を推進しておりまして、中学入学の時点で、将来の進路を決める生徒や保護者が多くなっております。
こうした東京における私学の特殊性に加えまして、国が行っていた私立中学校への支援事業が終了したことも踏まえ、令和五年度より、都が独自に私立中学校への授業料のうち十万円を助成することといたしました。
○こまざき委員 ご答弁ありがとうございました。国の支援事業終了後も都が独自に支援を継続し、さらに令和六年度から所得制限を撤廃したことで、都内の私立中学生の四人に一人という実態に即した支援が実現したことは評価いたします。
それでは、この制度拡充の具体的な成果について伺いたいと思います。
令和六年度における私立中学校等授業料軽減助成金の予算執行状況について、制度拡充前の令和五年度と比較した予算額、決算額、執行率、受給者数をお示しください。また、制度拡充による具体的な効果をどのように把握、評価しているか、見解を伺います。
○井上私学部長 所得制限撤廃前の令和五年度におきましては、予算額は約四十億円、決算額は約十八億円、執行率が約四六%、受給者数は一万四千人でございました。
所得制限を撤廃した令和六年度では、予算額は約八十一億円、決算額は約七十四億円、執行率は約九二%、受給者数は約六万九千人となっております。
以上、制度拡充により受給者が約五万五千人増加しまして、子育て世代における教育費の負担軽減に貢献することができたと考えております。
○こまざき委員 ご答弁ありがとうございます。受給者数が約一万四千人から約六万九千人へと約五倍に増加し、執行率も四六%から九二%へと大幅に向上したことは、所得制限撤廃により、支援が真に必要とする多くの子育て世帯に確実に届いていることの証左でありまして、高く評価したいと思います。引き続き、全ての子供たちの教育機会の充実に向けた取組を推進していただくことを期待いたします。
こうした教育費負担軽減の取組をさらに前進するため、最後に要望を申し上げます。
都内私立中学校における一人一台端末の整備率は九五・七%に達していますが、その七五・一%は保護者負担となっているとの調査結果があります。私立学校の多くは中高一貫校であり、生徒は中学入学時に端末を購入し、高校まで継続使用するのが一般的です。
しかし、現行の支援制度は高校入学時点が対象であり、中高一貫校では途中入学者が僅かなため、実際に支援が必要な大多数の生徒、保護者には恩恵が及びません。都立高校で実施されている端末購入支援金と同様の制度を、私立中学校まで対象を拡大していただくよう強く要望し、次の質問に移ります。
町会、自治会関連事業に関して伺います。
少子高齢化やライフスタイルの多様化により、地域コミュニティの希薄化が進む中、町会、自治会は、地域社会を支える重要な役割を担っています。お祭りなどの季節行事を通じた住民同士の交流促進、防災訓練や防犯パトロール、清掃活動など多岐にわたる活動により、地域の安全・安心と活力ある地域社会の実現に貢献されています。
特に、高齢者の孤立防止や子育て世帯への支援など、行政と連携しながら、地域に密着したきめ細やかな支援を行う貴重な存在となっています。
このような町会、自治会の自主的な活動を財政面から支援するのが、東京都の地域の底力発展事業助成です。地域の底力発展事業助成の令和六年度の助成件数と助成金額、令和五年度との増減について伺います。また、申請された事業の内訳についても併せて伺います。
○柏原都民生活部長 地域の底力発展事業助成では、令和六年度八百八十五件の助成を行い、助成額は二億六千万円でございました。令和五年度と比較いたしますと、助成件数は百八十三件の増加となり、助成額も一・三倍となっております。
内容別では、住民同士の交流につながるお祭りなどが四百七十七件、防災訓練などの防災活動が二百八件、デジタルを活用した取組が百四十二件となっております。
○こまざき委員 ご答弁ありがとうございました。令和五年度と比べて助成額が一・三倍になり、件数も大きく増えたことが分かりました。その中でも、防災活動が二百八件となっており、お祭りなどに続いて多くの申請があったとのことです。私も、北区の地域の防災訓練などによく伺いますが、日頃から地域の皆さんが協力して災害に備えていただくことの重要性を感じています。
首都直下型地震は、三十年以内に七〇%の確率で発生すると予測されており、いつ大規模な災害が起こってもおかしくない状況にあります。また、近年も令和六年の能登半島地震をはじめ各地で大きな地震が発生しており、改めて地域の防災力を高めることの重要性が認識されています。
災害時には、地域コミュニティの共助が大きな力を発揮することから、日頃から顔の見える関係を築き、町会、自治会による防災活動を後押ししていくことが不可欠です。
そこで、地域の底力発展事業助成においては、多くの町会、自治会が防災活動で活用されるよう取り組むべきと考えますが、都の見解を伺います。
○柏原都民生活部長 地域における防災活動の要となる町会、自治会の取組が進みますよう、昨年度から地域の底力発展事業助成において、防災活動の助成率を二分の一から十分の十に引き上げて後押しを行っております。より多くの町会、自治会におきまして活用が進むよう、助成率が引き上げられたことや防災訓練の好事例などを区市町村を通じて周知しておりますほか、町会、自治会との会合の場などにおきましても、丁寧に説明を行っております。
○こまざき委員 助成額を十分の十に引き上げるという大変手厚い支援をしていただいているとのことで、心強く思います。防災訓練の好事例の周知により、さらに多くの町会、自治会で活用が進むことを期待しております。
次に、町会・マンションみんなで防災訓練について伺います。
地域の防災活動を推進する上で、都民の約七割がマンションなどの集合住宅に住んでいるという東京の実情を踏まえることが重要です。災害に備えるには、マンション居住者自らの備えはもとより、マンション内の住民同士、さらには周辺地域の方々との連携が不可欠です。
そこで、昨年度、都は、町会とマンションの住民同士が合同で防災訓練を行う事業である町会・マンションみんなで防災訓練を開始いたしました。その趣旨について伺います。
○柏原都民生活部長 本事業は、日頃接点が持ちにくい町会とマンションの住民が合同で防災訓練を行うことを通じて、いざというときに助け合える関係を構築し、地域防災力の強化につなげるものでございます。
○こまざき委員 町会とマンションが助け合える関係を構築するという、まさに地域防災の要となる取組であると思います。
そこで、実際の取組状況について伺います。令和六年度実施した町会・マンションみんなで防災訓練に参加した町会、自治会とマンションの実績と、参加された方の声について伺います。
○柏原都民生活部長 昨年度は、本事業を通じて十九の町会、自治会が、二十六のマンション管理組合と合同防災訓練を実施いたしました。
参加された町会からは、これまで交流がなかったマンションとつながる場が持てた、これをきっかけに交流を継続していきたいという声や、町会とマンションのつながりの形成に有効だという声がありました。
○こまざき委員 ありがとうございます。十九の町会、自治会と二十六のマンション管理組合が参加され、これまで交流がなかったマンションとつながる場が持てたという大変前向きな声をいただいているとのことで、事業の効果が現れていると思います。
こうした声を受けまして、都として、町会、自治会とマンション住民の連携を強化していくべきと考えますが、都の見解を伺います。
○柏原都民生活部長 都は、今年度から、マンションとの合同防災訓練を実施いたします町会等に対しまして、翌年度以降も訓練を継続することを条件に、防災資機材の購入経費の助成を行い、地域のつながりの強化を後押ししております。
あわせまして、昨年度訓練を実施した町会からインタビューを行い、合同防災訓練の内容や訓練により得られた効果などを事例集として取りまとめ、区市町村などを通じて配布するほか、ホームページに掲載するなどして普及を図ってまいります。
○こまざき委員 ご答弁ありがとうございました。日頃、接点を持ちにくい町会とマンションが、防災訓練を通じて顔の見える関係を築いていくことは、地域防災力の向上に極めて重要だと思います。都には、本事業の一層の推進を強く求めまして、私からの質問を終わります。
○せりざわ委員 私からも、町会、自治会支援についてお伺いをさせていただきます。
先ほどから質疑がありますけれども、町会、自治会というのは地域の大切なコミュニティでありまして、共助にとっても大きな要であると思っております。
先月の九月十一日には東京で局所的な大雨があって、私の品川区にも多くの被害がありました。その中でも、町会の横のつながりで様々な、土のうの運搬から設置であったりとか、浸水の排水であったりとか、様々な横のつながりを持った町会の活躍というのを私自身も確認をしております。
一方で、東京都というのは、いうまでもなく人口の流動性が非常に高くて、町会、自治会というのが古いコミュニティといいますか、古くから住んでいる方のコミュニティであって、自分たちは関係ないと思っていらっしゃる方も少なくありません。その新しい方が入らないコミュニティというのは、当然、継続性に課題が出てきますから、これまで東京都であったり区市町村がお願いしてきた町会、自治会の活動というのが、これからできなくなっていくというようなことが懸念をされております。
まず、東京都として、令和六年度に行ってきた町会、自治会の支援の全体像をお聞かせください。
○柏原都民生活部長 都は、地域の底力発展事業助成により、防災や防犯、高齢者の見守りなど、町会、自治会が取り組む地域課題の解決に資する事業を支援いたしましたほか、町会とマンションの住民による合同防災訓練を支援し、地域の共助が進むよう後押しを行いました。
また、区市町村やつながり創生財団と連携し、町会、自治会の課題解決に向けた伴走支援のパイロット事業である町会・自治会応援キャラバンなどから成る地域コミュニティ活性化事業を行いました。
○せりざわ委員 ありがとうございます。昨今のニーズを捉えて、先ほどの話もありましたけれども、マンションとの合同の事業というか、防災訓練をやっているということも大変すばらしい取組だと思っております。
また、東京都での町会、自治会支援といえば、区民の方が皆さん喜んでいらっしゃる地域の底力助成だと思っております。私も各地域を回っていて、例えば夏祭りを通じて、地域住民同士のこれまでなかった交流が図られたということを多くの地域からいわれておりまして、これも非常に好評だと思っております。
しかしながら、この住民同士の交流がある――これまで東京という、このコミュニティが希薄化していく中で住民同士の交流がなかったわけですから、これをまず創設していくというのは非常に意義があるものの、その交流が生まれてもなお、まだ町会、自治会の加入がなかなか進んでこなかったというのも、実態としてあるんだろうと思っております。
これから町会、自治会のさらなる支援をしていただいて、より多くの、これまで町会、自治会に入ってこなかった都民の方々に対しても、このコミュニティの意義を理解していただくということも必要なんだと思っています。
そこで、令和六年度の東京都として、地域コミュニティ活動推進フォーラムというのを新たに開催されていると思いますので、その趣旨と開催状況をお伺いします。
○柏原都民生活部長 東京都は、多くの都民に地域活動を自分事として考えていただくため、地域コミュニティなどの有識者を招いたパネルディスカッションや、防災イベントなどを通じて連携を広げた町会、自治会からの事例紹介から成るフォーラムを令和七年二月に初めて開催いたしました。
一般都民、町会関係者、自治体職員など七十四名が参加し、参加者からは、町会活動に関わっていけたらと思うという声や、よい話が聞けた、自分の町会でも頑張りたいという声をいただきました。
○せりざわ委員 この町会、自治会の支援というところの新たな取組だと思っておりますので、これは大変に期待をしております。
まだまだ一方で、この七十四名の参加ということで、東京全域で考えれば、もう少し支援をこれからできる伸び代があるんだろうと思っております。こうした取組をぜひ継続していただいて、都民の方々に対して、町会、自治会の意義というのをこれからもさらに強く伝えていただければと思いますが、今年度の取組状況についてもお聞かせください。
○柏原都民生活部長 地域コミュニティ活動推進フォーラムにつきましては、有識者の発言や事例紹介などをまとめた開催報告書を、区市町村の町会担当を通じて周知を行いましたほか、町会、自治会関係者との会合の場などでも紹介をいたしました。
また、本年十二月と来年一月に、地域とつながる若者フォーラムを開催し、町会、自治会の加入が少ない若者層に対しまして、町会、自治会活動の参加を考えるきっかけづくりとなる取組を行います。
○せりざわ委員 昨年のフォーラムのある意味拡充というか、聞いていなかった方に対しても情報の発信をしていくというのと、新たな拡大というか、ほかの方々に対しても情報発信をしていくということが分かりました。
この町会、自治会というのは、いうまでもなく基礎的自治体との連携というのが必要不可欠であって、予算として東京都が出しても、区市町村が実際の業務を行うというケースも少なくありません。
区市町村と連携した支援策である町会・自治会応援キャラバンというのも行っていると思いますので、取組についてお聞かせください。
○柏原都民生活部長 都は、つながり創生財団と共に実施いたしました町会・自治会応援キャラバンにおきまして、区市と連携して、町会、自治会の困り事などを聞く相談会を行い、解決につながる事業の企画や実施を支援いたしました。
この事業を通じまして、地域の国際交流協会などと連携した防災訓練が行われるなど、町会、自治会の新たに連携した取組が生まれたほか、区市町村の支援力向上にもつながりました。
○せりざわ委員 ありがとうございます。今年度からは、区市町村と加入促進に向けた共同事業を実施して、区市町村の職員から地域の状況や都に求める支援内容などを確認しているという話も聞きました。
やはり現場の町会からは、もう町会を閉じたいというような厳しいお声もいただいているところも幾つかありまして、ここが分岐点になるんだろうと思いながら、日々危機感を持ちながら、この町会支援というのをこれまでも私自身も行ってきたつもりであります。
各都道府県、町会、自治会の支援というのを行っておりますけれども、東京は極めて流動性が高く、また、若い人口が非常に多い、そしてコミュニティの希薄化も進んでいる、そういった自治体でありますので、東京が進んで、引き続きこの町会、自治会の支援というのを強く進めていただくことを要望して、質問を終わります。ありがとうございます。
○もり委員 私からは、まず初めに、男女平等参画施策の推進について質問させていただきます。
今般、東京都は、女性活躍推進条例を制定する予定ですが、東京都は、平成十二年に東京都男女平等参画基本条例を策定し、条例に基づいて女性活躍の施策を推進してきました。これまで男女平等参画を推進してきた所管局として、新たな条例策定においても、ぜひ連携して取り組んでいただきたいと思います。
また、都における女性相談事業は、福祉局の女性相談支援センターの事業など、専門性により各局に分かれておりますが、女性の悩み相談サイト、TOKYOメンターカフェでは、九十名のメンターさんに、女性の日々のちょっとした悩みに無料で相談できるサイトですが、専門家の相談ではハードルが高い場合にも相談しやすい体制整備は有効だと感じます。
一方で、専門的な行政サービスにつなげた方がよい場合もあると考えますが、令和六年度の取組についてお伺いをいたします。
○樋口女性活躍推進担当部長 TOKYOメンターカフェは、仕事や子育てなどの経験を持つ都民メンターが多様な悩みに寄り添い、アドバイスを行う女性のための相談サイトでございまして、専門性や緊急性の高い相談につきましては、専門機関への相談を促してございます。
○もり委員 ありがとうございます。大変明るいサイトで、大変利用しやすいという雰囲気を感じました。
一方で、本当にちょっとした日々の悩みだけではなく、かなり、本当に逼迫したような質問に対しては、しっかりと専門機関につなげていただきたいと要望いたします。
次に、女性活躍推進の機運醸成事業についてお伺いをいたします。
東京都は、女性活躍推進大賞により、平成二十六年度から毎年、女性の活躍に資する事業部門、地域部門の表彰を行っており、昨年度の受賞実績を拝見いたしましたが、子供、若者のためのまちの保健室による女性と子供に寄り添う医療、また思春期外来の取組や、男性の育休取得一〇〇%の企業の取組、地域ネットワークによる子育て支援等、表彰されたすばらしい取組が、より多くの事業者、自治体においても横展開をし、取組が進むよう後押しすべきと考えます。都の見解と、令和六年度の取組についてお伺いをいたします。
○樋口女性活躍推進担当部長 女性活躍推進大賞では、受賞団体の先進的な取組を、区市町村会議のほか、経済団体からも構成される女性も男性も輝くTOKYO会議で紹介するとともに、就活サイトなどへの掲載や事例集の作成により、広く発信しております。
○もり委員 ありがとうございます。この女性活躍推進大賞に選ばれた企業や、また地域の取組が、就活サイトなど、本当に若い女性の職業選択の場にもつながるというのは大変すばらしいと思いますので、ぜひ引き続きの取組をお願いいたします。
また、アンコンシャスバイアスが本当に潜在意識に働きかける重要な取組です。令和六年度は、キッザニア東京との連携事業で、三歳から十五歳に向けて、性別による職業の思い込みを払拭する子供向けの普及活動が行われたとのことです。
無意識の偏見や思い込みを払拭する幼少期からの取組が大変重要だと考えますが、令和六年度の取組を受けて、教育庁や自治体とも連携し、より多くの子供、若者向けの啓発事業へと拡大してはいかがと考えます。都の見解をお伺いいたします。
○樋口女性活躍推進担当部長 令和六年度は、キッザニア東京との連携により親子参加型のイベントを実施し、五千人を超える参加がございました。
令和七年度は、小学生新聞とタイアップし、小学生と保護者をターゲットに、職業に対するアンコンシャスバイアスの特集記事を作成し、教育庁や区市町村教育委員会の協力を得て、都内に広く啓発を行っております。
○もり委員 ありがとうございます。未来を担う子供、若者の皆さんが、無意識のアンコンシャスバイアスについて理解を深めることは大変重要だと考えますので、引き続きの取組をお願いいたします。
次に、エシカル消費についてお伺いをいたします。
令和六年度のエシカル消費の推進の取組について、東京都では、TOKYOエシカルプロジェクトを中心に、令和六年度には二百七十を超えるパートナー企業、団体と連携したキャンペーンが展開をされましたが、令和五年度に都が実施した都民の消費生活に関する意識調査によれば、エシカル消費を知っているとの回答が五三%である一方で、実際に実践したことがあり、今後も取り組みたいと答えた方は三一・四%にとどまっており、認識と行動の間にギャップがあることが明らかになっています。
そこで、令和六年度における情報発信の取組と、令和六年度に実施されたエシカル消費関連事業における事業やキャンペーンについてどのような評価を行っているのか、都民の行動変容や企業の活動拡大に寄与したのか、令和六年度における事業評価についてお伺いをいたします。
○志村消費生活部長 TOKYOエシカルアクションプロジェクトでは、事業やキャンペーン等について、特設ホームページやインスタグラムなどを通じ発信しております。
また、令和六年度は、エシカル消費を体験する場としてのマルシェを開催いたしました。十二月に八王子市と連携して開催したマルシェには約二万八千人が来場し、多くの都民にエシカル消費について考えるきっかけを与えることができたと認識しております。
○もり委員 ありがとうございます。このTOKYOエシカルのサイトを見せていただきましたが、大変明るくて、ぜひ多くの若い方にも見ていただきたいと感じました。
また、二万八千人の方が来場したということで、多くの都民に考えるきっかけとなったということですので、ぜひこちらも多くの自治体と連携をして、また開催をしていただきたいと思います。
エシカル消費推進事業に充てられた予算の執行状況について、今後の予算編成にどのように反映をさせていくのか、見解をお伺いいたします。
○志村消費生活部長 令和六年度は、予算額一億三千七百七十二万円に対し、決算額は一億三千二百万円で、執行率は約九六%でございました。今後も、都民のエシカル消費の理解を促進し、実践しやすい環境を構築していくための取組を進めてまいります。
○もり委員 ありがとうございます。大変高い執行率で事業が行われていることを、ご答弁をいただきました。こちらは、イベントとしても大変いい事業となっているんですけれども、一方で、参加パートナー企業さんと連携をして、日頃消費者の方が、やっぱり日常の消費活動というのは一票と同じで、本当に持続可能な社会にどういった製品がエシカル消費につながるか、これはイベントだけではなく、常時の取組としても一歩進んだ、どういったものがエシカル消費につながるのかというのは、見える化などにも取り組んでいただきたいと。これは、今後の要望とさせていただきます。
エシカル消費、未来を担う子供、若者、子育て世代への理解促進が重要だと考えますが、令和六年度では、子供向けワークショップや学校との連携事業も見られましたが、今後さらに教育現場との連携強化が求められると考えます。令和六年度の取組と都の見解についてお伺いをいたします。
○志村消費生活部長 令和六年度に実施した中高生向けワークショップでは、参加者の募集に当たり学校現場に協力を求めたほか、高校の教員向けに配信しているメールマガジンでも周知を行いました。
引き続き学校現場とも連携しながら、子供、若者に向けたエシカル消費の普及啓発を行ってまいります。
○もり委員 ありがとうございます。所管局を横断して、また、学校現場で子供たちが理解を深めるというのは大変重要な取組だと考えますので、引き続きの取組をお願いいたします。
次に、私も大好きな公衆浴場について質問させていただきます。
東京都における公衆浴場は、地域の交流拠点であり、健康増進や福祉の視点からも大変重要な社会インフラです。
しかし、施設の老朽化や後継者の不足などにより、都内の銭湯数は年々減少している現状があります。令和六年度の廃業浴場数は十四軒となっておりますが、令和六年度における都の公衆浴場対策とその成果、今後の課題についてお伺いをいたします。
○志村消費生活部長 都は、健康増進のための改築など公衆浴場の施設整備や利用促進についての補助を実施し、公衆浴場を支援いたしました。
現在、公衆浴場の利用者数は下げ止まっておりますが、自家風呂の普及による利用者の減少や経営者の高齢化、後継者不足などにより、公衆浴場の数は減少しております。
○もり委員 私の地元大田区においては、かつて百八十軒あった銭湯数は年々減少しており、現在、長期休業中の銭湯も合わせて三十三軒と都内最多の銭湯数を誇ってはおりますが、武蔵野市においては、一軒だけとなっている現状があると伺いました。
事業継承のための支援は大変重要です。令和六年度における事業承継支援についてお伺いをいたします。
○志村消費生活部長 都は、公衆浴場利用促進事業補助において、東京都公衆浴場業生活衛生同業組合が実施している銭湯の後継者養成を支援いたしました。この後継者養成では、公募で選ばれた志願者を対象に、公衆浴場経営に必要な基本的知識の習得、営業体験などを行う担い手養成講座を開催いたしました。
○もり委員 ありがとうございます。令和六年度における担い手養成講座の参加人数、今後の展望についてお伺いをいたします。
○志村消費生活部長 令和六年度の担い手養成講座には、延べ四十二人が参加しております。
浴場組合では、養成講座の修了者を名簿登録し、後継者を探す浴場とのマッチングを行うことで、公衆浴場の存続につなげていく予定と聞いております。
○もり委員 ありがとうございます。区内の銭湯でも今休業中のところもあって、そういったところと、講座のこの研修を受けていただいた方がマッチングをして、ぜひ営業再開を願っているところです。この事業に大変期待をしておりますので、引き続きお願いをいたします。
公衆浴場の入浴料金は、物価統制令に基づく統制料金となっており、令和三年から毎年の料金の値上げが行われていることはやむを得ません。しかし、それが利用控えにならないよう利用者への支援も求められると考えます。
令和六年の利用人数のこの十年の推移を確認すると、平成二十七年の約二千四百万人から、コロナ禍の影響もあり、令和三年には二千万人を切り、その後、盛り返しているものの、令和六年は約二千百万人となっております。
都における令和六年度の利用者拡大の取組についてお伺いをいたします。
○志村消費生活部長 都と浴場組合が連携して、令和六年度の新規事業として、WELCOME!SENTO Campaignを開始いたしました。多言語での接客など、外国人観光客の方も気軽に利用できる環境整備の支援や、国内外の観光客への割引入浴クーポン配布などにより、銭湯の魅力を発信し、利用者拡大の取組を支援いたしました。
○もり委員 ありがとうございます。地元の銭湯でも、英語で外国人の方向けの入浴のマナーを記したポスターが貼ってあったり、また、子供が銭湯を利用する際のルールやマナーのタオルを貸出ししているなど、各それぞれのいい取組もありますので、ぜひ利用者拡大の取組について引き続きお願いいたします。
また、区市町村によっては独自に利用料金の支援を行っており、地元大田区では、いきいき高齢者入浴証を発行し、七十歳以上の利用者が一回二百円で銭湯を利用できるような支援も行っております。
高齢者にとって、銭湯は大変重要な交流の場となっておりますので、引き続きの支援の取組が求められると考えます。令和六年度における健康増進と地域交流の取組についてお伺いをいたします。
○志村消費生活部長 令和六年度は、健康増進型改築支援事業として一軒の施設改修に補助を実施いたしました。この補助によりまして、浴槽やカラン、トイレ等に手すりをつけるなどバリアフリー化を行うとともに、地域の方々が参加して体操を行うことが可能な広さのロビーが設置されております。
○もり委員 健康増進型改築支援事業は、予算現額一億七千万円に対し、実績額が二千五百万円にとどまっております。また、クリーンエネルギー化等推進事業は、予算現額二億一千二百七十六万円に対し、実績額一億四百二十四万九千円となっております。都として、事業がより現場で活用されるようどのように取り組んできたのか、よい取組は、都内でぜひ拡大するように展開していただきたいと考えますが、都の認識と取組についてお伺いをいたします。
○志村消費生活部長 都の支援が事業者に活用されるためには、現状に即した使いやすい支援制度とすることが重要でございます。そのため、支援制度について対象範囲などの見直しを行うとともに、浴場組合を通じて、制度の趣旨や活用事例などについて広く周知を行っております。
○もり委員 ありがとうございます。地域コミュニティの現場であり、また介護予防としても、高齢者の方が毎日楽しみにされている、そういった現状があります。ぜひ引き続きの支援をお願いいたします。
次に、ウィメンズプラザでの事業についてお伺いをいたします。
男性のための悩み相談事業がウィメンズプラザで実施をされておりますが、令和六年度の相談件数と件数の傾向についてお伺いをいたします。
○両角男女平等参画担当部長 令和六年度の東京ウィメンズプラザにおける男性のための悩み相談の件数は千四百件であり、増加傾向にございます。
○もり委員 ウィメンズプラザというと、やはり女性のための施設という印象が強かったので、そこに男性からも千四百件を超える相談があり、増加傾向というのは大変驚きもありました。
予算や人数が限られている、また、多摩地区に対しては、東京ウィメンズプラザがどのような支援や連携を行っているのか、お伺いをいたします。
○両角男女平等参画担当部長 東京ウィメンズプラザでは、区市町村の職員を対象にした男女平等参画に関する研修や、相談員を対象にした専門研修を実施するほか、関係機関による連携会議などを多摩地域も含めて開催しております。
○もり委員 ありがとうございます。都内全域の支援体制の強化として、よろしくお願いいたします。
また、これも地元からの声とのことなんですが、悩みを抱える男性は、相談員の方が男性の方が話しやすいという声が聞かれました。東京ウィメンズプラザにおける男性相談員の配置状況や育成支援についてお伺いをいたします。
○両角男女平等参画担当部長 男性のための悩み相談の実施に当たっては、社会福祉士等資格を有する専門相談員を、男性を含めて配置するとともに、研修などを通じてスキルアップを図っております。
○もり委員 まだ数としてはやや少ない男性相談とのことですが、公益性が望まれますので、そういった中で、東京都として公益の役割を果たしていただきたいと思います。
また、女性にとっても男性にとっても、生きづらさや悩みに寄り添う事業は大変重要です。男女ともに、更年期により仕事を辞めざるを得ないという声も聞かれました。これは、まだ職場での理解が十分ではない現状もありますので、ぜひ相談内容から見えた課題ですとか、また専門窓口につないでいただき、社会課題をこのウィメンズプラザを中心に共有をしていただきたいと思います。
また、ウィメンズプラザは、都内で男女平等参画や配偶者暴力被害者支援に取り組む民間団体に対し、どのような支援を行っているのか、お伺いをいたします。
○両角男女平等参画担当部長 東京ウィメンズプラザでは、民間団体に対し、研修会や連携会議の開催のほか、施設の優先貸出しなどを行っております。
また、配偶者暴力被害者支援については、団体の自主的な活動に対し、経費の一部を助成しております。
○もり委員 ぜひウィメンズプラザが拠点となり、そういった地域の団体に対しても連携をしながら、事業の一層の推進をお願い申し上げます。
次に、私学について質問をさせていただきます。
都内では、高校においては、半数以上が私学に進学をしており、私学に進学しているご家庭においても、ひとり親家庭や、裕福な家庭のお子さんばかりではない状況が、先ほど共有をしていただいた所得の資料からも見えてまいりました。
賛否は別として、少子化といわれていても、子供たちの競争の早期化、過激化するという、ある意味逆の現象も実感をしてきたことが指摘をされています。私学を選択することが珍しくないという東京の特徴をベースに、質問をいたします。
令和六年度における私立中学校と高校の生徒一人当たりの経常費補助の平均額は幾らか、お伺いをいたします。
○井上私学部長 令和六年度の経常費補助の生徒一人当たりの平均補助額でございますが、私立中学校では約三十七万円、私立全日制高等学校では約四十二万八千円となっております。
○もり委員 近年、物価高騰が著しい現状がありますが、私立学校の経常費補助においては、物価高騰分もどのように考慮しているのか、お伺いをいたします。
○井上私学部長 私立の小中高等学校の経常費補助につきましては、都内公立学校の決算値を基にいたしまして、消費者物価指数の対前年度比等を参考にした物価高騰分も考慮いたしまして私立学校の標準的運営費を算出し、その二分の一を補助してございます。
○もり委員 物価高騰分は、タイムラグが生じないよう配慮されているという答弁をいただきましたが、経常費補助、授業料軽減補助、また施設整備費補助の一人当たりを比べると、公立と私立の補助の開きは三・五倍になるというデータもあります。経常費補助等、支援の拡充を要望いたします。
私立中学校の授業料の軽減制度の所得制限を撤廃した背景については、先ほど質疑がありました。都内では、中学校の四人に一人が私立に進学をしており、また多くの、特に女子校は中高一貫ですので、本当に中学においても、より支援が求められるという中で、国の支援終了後も十万円支援をしていただいていることは、高く評価をされます。
そういった中で、都内私立高校における所得制限の撤廃をしていただきまして、子育て支援における教育の負担軽減に貢献をしていただいていること、全てのお子さんが、ご家庭の所得の格差にかかわらず学校の選択ができるということを高く評価をしております。
次に、都内の私立学校におけるいじめ防止対策推進法第二十八条第一項に規定する重大事態の直近の発生件数についてお伺いをいたします。
○井上私学部長 令和五年度の都内私立学校における重大事態の発生件数でございますが、小中高校と特別支援学校の合計で四十六件でございます。
○もり委員 いじめ問題の対応について、都は、私立学校にどのような支援を行っているのか、お伺いをいたします。
○井上私学部長 都は、学校の教職員を対象とした研修を行うなど、日頃から法令等にのっとって適切な対応を取るよう学校に促すとともに、生徒や保護者から意見、相談があった場合には、学校に対して適宜情報を提供し、必要な助言等を行っております。
○もり委員 令和六年度に私立学校の生徒、保護者等から生活文化局私学部に寄せられた相談の件数と主な内容について、お伺いをいたします。
○井上私学部長 私学部に寄せられた電話やメール等での相談件数は、令和六年度は約四千百件でございます。
主な相談内容といたしましては、いじめや不登校、進級、進学相談などが挙げられます。
○もり委員 大変、四千百件と多くの相談が寄せられております。私も地元の方などから相談を受けた際、やはり私学だと、なかなか地元の教育委員会が相談に関与をすることができないため、大変苦慮しているという現状などもあります。
東京の多様な教育の厚みを支えてきた私立学校ですが、私立学校においては、学校間での情報共有が難しく、ノウハウを蓄積することが困難ともいわれています。また、教員が手続を十分に理解しないケースなど、重大事態が起こった際の第三者調査機関をぜひ立ち上げてほしいという声もありますが、それに要する経費が大変、財政負担が多いともいわれています。
こうした状況を踏まえ、都が主導して広域的な教員の研修の実施や、私学を含めた共通マニュアルの整備を進め、全ての子供に子供の権利が守られるよう必要な支援策を要望し、最後の質問に移ります。
笹岡委員の地元の武蔵野市の状況などについても、今日、併せて質問させていただきます。
武蔵野市は、全市的な町会、自治会はありません。昭和四十六年のコミュニティ構想において、コミュニティを市民生活の基礎単位と位置づけ、市民による自主参加、自主企画、自主運営の原則に立った自律的、自発的なコミュニティづくりを目指しています。
町会、自治会の実態調査を見ると、町会の役員の七割以上が七十代を超えるなど高齢化が進んでおり、担い手の不足や加入の低下などの課題があります。もちろん、町会、自治会への支援は大切です。武蔵野市のような自治体もあること、町会、自治会のみを軸にした地域力の支援は課題があるのではないかと考えます。
地域で活動を行う町会、自治会について、都の現状認識と、それに応じて都が令和六年度に行った取組についてお伺いをいたします。
○柏原都民生活部長 町会、自治会は、地域コミュニティの中核として、住民同士の交流や防災対策など地域課題に取り組む組織でございまして、その活動の活性化や担い手の確保などが課題となっております。
そこで、令和六年度は、地域活動への助成やマンションとの合同防災訓練への支援など、多くの住民が町会活動に参加するよう支援いたしました。また、地域コミュニティ活動推進フォーラムを開催し、地域活動を考えるきっかけづくりを行ったところでございます。
○もり委員 もう一つの課題として、地域の底力発展事業助成の採択団体においても、まちづくりに取り組む協議会や地域の自主防災組織、各種団体など、地域力を向上させるために支援対象を広げていくべきだと考えます。
地域の実態に即して、地域の底力発展事業助成の支援対象を、多様な地域の団体に拡大していただきたいという声があります。都の見解についてお伺いをいたします。
○柏原都民生活部長 地域の底力発展事業助成は、町会、自治会を対象に、防災、防犯や高齢者の見守りなど、地域の課題解決のための活動を支援しております。
また、町会、自治会がPTAやNPOのような他の地域団体と連携して実施する取組につきましては、助成限度額を増額しております。
○もり委員 ありがとうございます。私の地元の大田区は、本当に自治会、町会が、行政の隙間である事業をしっかりと担っていただいたり、本当に自治会、町会の日頃の活動に敬意を表するところなんですが、今回、笹岡委員の問題意識として、武蔵野市のような町会、自治会がない自治体もあるとの課題を伺いました。
地域力は、重層的で多様な担い手とコミュニティで成り立っています。地域の実情などを踏まえて、これらの自治体の自主性をうまく引き出せるような、地域力への支援につながるような運営をしていかれることを強く要望し、全質問を終わります。ありがとうございます。
○たかく委員 それでは、生活文化局所管の質問を行います。
初めに、私立学校のグローバル人材育成に向けた支援ということで、私立高等学校海外留学推進助成事業並びに教員の海外留学支援についてお伺いいたします。
土地もない、資源もない日本においては、これからも発展し続けていくためには、人材育成こそが全てであると思っております。人材さえいれば、日本は十年後、また二十年後、五十年後も発展し続けていくことができると考えております。
特に、高校生の頃から海外における交流を経験し、国際感覚を醸成することは、将来、世界で通用する人材の育成につながるものと考えております。
昨年、私は、都立高校の海外派遣研修成果報告会に出てまいりました。その海外に派遣された都立高校の生徒さんからは、多文化共生を学んできたと、また、世界には多くの価値観があって、それを体と心で知ることができた、また、言葉は通じないものの新しいことに挑戦する勇気をもらったなどと、極めて前向きな報告をいただいたのを覚えております。
現在、東京都は、都内の私立高校に在学する生徒が海外に留学する際に、私立高等学校海外留学推進補助事業で支援をしていると聞いておりますが、この補助制度の意義と内容について、改めてお伺いいたします。
○井上私学部長 本補助につきましてでございますが、都内私立高校の生徒が豊かな国際感覚や語学力を身につけ、世界で活躍する人材として成長することを目的としておりまして、私立高校が実施する海外留学プログラムに生徒が参加する場合に、参加費用の一部を助成し、保護者の負担を軽減するものでございます。
○たかく委員 ありがとうございます。今回の本補助事業については、一校当たりの補助上限額を、令和六年度に従来の六百六十万円から八百万円に引き上げた、それによって制度を活用する学校も増えたということで聞いておりますが、本補助の昨年度を含む過去三年間の利用学校数と人数の実績についてお伺いいたします。
○井上私学部長 過去三か年の利用学校数と人数でございますが、令和四年度は百六校から七百四十八人、令和五年度は百三十一校から八百二十八人、補助上限額を八百万円に引き上げた令和六年度でございますが、百四十三校から九百八十四人でございます。
○たかく委員 令和六年度に一校当たりの補助上限額を引き上げたことによって、利用した生徒が大幅に増加したことが分かりました。
今、円安ということで海外に留学するのもお金もかかることもあり、今後も私立学校の声を聞いていただいて、補助の充実に向けて取り組んでいただきたいと思いますし、また、併せて海外留学補助の私立中学への拡充もお願いしたいと思います。
それから、東京都は、私立学校教員の海外研修への補助も行っていると聞いております。補助の内容と、過去三か年の利用学校数と人数の実績についても併せて伺います。
○井上私学部長 本事業は、教員の指導力向上を目的とした海外派遣研修を行う私立の小学校、中学校、高等学校を対象に、研修受講や現地での滞在費用、渡航費用など、海外派遣研修に要する費用の一部を補助するものであります。
過去三か年の利用学校数と人数でございますが、令和四年度は一校から一人、令和五年度は七校から七人、令和六年度は八校から八人でございます。
なお、今年度からは、より多くの教員が海外で先駆的な教授法を学ぶことができるよう、私立学校の現場の声を踏まえまして、補助の要件を緩和しております。
○たかく委員 こういったグローバル化社会の中で、教員の先生が海外で先駆的な教授法を学び、また、それを、生徒への指導力を強化していくということは大変重要だと思っております。
今のお話では、今年度、令和七年度から補助要件を緩和したということでありますが、その内容についてお伺いいたします。
○井上私学部長 補助要件の緩和といたしましては、対象教科をこれまでの主要の五教科から全ての教科に広げたことに加えまして、研修先についても、英語が公用語等である国以外も可能といたしました。
また、夏休みなど長期休暇での利用がしやすくなるよう、派遣期間をこれまでの最低四週間程度から、最低二週間程度に短縮しております。
さらに、昨今の物価高騰を踏まえまして、補助の限度額を、教員一人当たり百万円から百五十万円に増額したところでございます。
○たかく委員 今のお話では、より先生が海外に行きやすいような制度に変えたということで、補助要件の様々な緩和をしたということであり、このことをしっかりと周知をしていただいて、より多くの私立学校教員に補助を活用してもらえるように努めていただきたいと思います。
次に、結婚支援について何点かお伺いいたします。
昨年、二〇二四年の日本の出生数は六十八万六千六十一人で、統計開始以来、初めて七十万を下回り、過去最低を更新しました。合計特殊出生率も、前年の一・二から低下し、過去最低の一・一五となりました。これは、少子化対策にもかかわらず少子化が加速している状況を示しているものと思われます。
少子化の原因、要因には、結婚しない未婚化、また晩婚化、子育てにお金がかかるなど、様々な要因があると思われます。要因の一つである未婚の課題について、内閣府が実施した調査では、未婚者に結婚していない理由を聞いたところ、男女とも、適当な相手に巡り会わなかったが五七%と過半数を占めておりました。
あくまでも結婚というのは、個人が自分の人生観に基づいて結婚をするものであって、結婚するしないというのは個人の自由でもあります。
都議会公明党は、結婚を希望しながら、もう一歩を踏み出せないでいる方への後押しをするということは重要なことだと以前から考え、これまでも何度にわたって議会でも取り上げ、応援をしてまいりました。私も、令和五年の三月の予算特別委員会で、東京都ならではの出会いのきっかけとなる交流イベントの実施についても求めてきたところであります。
その結果、令和五年度は、出会いの機会を広げる取組として、十月に交流イベントを実施するとともに、十二月にはAIマッチングシステム、TOKYO縁結びが開始されました。これらの取組は好評を得ていると私は聞いておりますが、まずは、令和六年度のAIマッチングシステム、TOKYO縁結びの実績についてお伺いいたします。
○久松都民活躍支援担当部長 AIマッチングシステム、TOKYO縁結びは、都内在住、在勤、在学の十八歳以上の独身の方を対象としており、入会に当たりましては、本人確認書類や独身証明書の提出を必須とし、面談も行っております。安心・安全な仕組みを提供しております。
令和六年度末の時点で、申込者数は二万人を超え、二十六組が成婚しております。
○たかく委員 今の答弁ですと、申込者数二万人を超えているということで、結婚を希望する都民の出会いの機会が広がって、多くの方にお申込みいただいていることが分かりました。
一方、結婚を希望されている方にとって、リアルな出会いの場である交流イベントも重要ではないかと思います。
そこで、令和六年度のリアルの交流イベントの実績と参加した方の声について、何かあればお伺いいたします。
○久松都民活躍支援担当部長 令和六年度の交流イベントは、前年度の二倍となる十回開催し、約八百人の参加に対して三千五百人を超える応募があり、大変人気のイベントとなりました。
都の施設の活用や区市との連携によりまして、都ならではの特色のある企画を開催し、十月には、浅草花やしきを会場とした約四百人が参加する大規模イベントも実施いたしました。
参加した方からは、いろいろな人と話せてよかったや、今後もイベントを続けてほしいとの声をいただいております。
○たかく委員 応募実績や参加者の声からも、より多くの出会いの機会の提供が必要とされていると考えられますので、引き続き交流イベントの開催に取り組んでいただきたいと思います。
より多くの方に出会いの機会を提供するためには、行政だけではなく、やはり民間の活力も活用することが有効であると考えます。令和六年度に民間とどのような連携を図ってきたか、お聞きいたします。
○久松都民活躍支援担当部長 昨年六月、マッチングアプリ、結婚相談所、式場、婚礼関係の各事業者から成る四つの団体と官民連携会議、結婚おうえんTOKYOミーティングを開催いたしました。行政と民間団体が一堂に会して議論する全国初の取組であり、連携、協働して社会全体の結婚機運を醸成していくことを確認いたしました。
十一月に有楽町で開催いたしました機運醸成イベントでは、民間団体と連携し、お試し結婚相談所やマッチングアプリのセミナーを実施したところでございます。
○たかく委員 今後とも社会全体の結婚機運を盛り上げるためにも、様々な事業展開をして、民間とも連携しながら結婚支援事業を続けていっていただければと思います。
次に、演劇などの創作環境の整備、創作場所の創出について、また何点か伺いたいと思います。
東京の芸術文化を振興していくためには、その担い手となるアーティストや芸術文化団体等が継続的に活動できるように支援することが重要と考えます。
芸術関係の団体からは、創作活動の場が不足しているとの声も多く寄せられており、特に若手アーティストが創作活動を継続するための活動の場の提供が求められております。
東京都は、こうしたニーズを受けて、都営住宅などの空きスペースを活用して創作環境を提供するSTART Box事業を行っているわけですが、その利用実績など、START Box事業のこれまでの取組についてお伺いいたします。
○宮永デジタル推進担当部長 都は、アトリエを持つことが難しい若手のアーティストを支援するために、手の届きやすい料金で創作場所を提供するSTART Box事業として、令和五年四月にSTART Box ササハタハツを六室、十一月にSTART Boxお台場を一室開設し、現在利用中のアーティストを含め、これまで六十三名が利用しております。
あわせて、アーティスト同士や地域住民と交流する機会や作品発表の場を提供するなど、アーティストの活動を多面的に支援しております。
利用したアーティストは、START Boxで制作した作品を含めた個展の開催や、海外のコンテストでの受賞など、利用後も精力的に活動し、活躍の場を広げております。
○たかく委員 今の答弁ありましたように、若いアーティストにアトリエの提供を始めたことは、いい取組であります。
これに加えて、都議会公明党では、演劇等の稽古場などの創作場所を提供する取組をさらに拡充していくべきだと主張してまいりました。昨年の第四回都議会定例会での都議会公明党の質問に対して、アトリエに加え、稽古場の整備も検討していくとの答弁をいただいた次第でございます。
私の住んでいる世田谷区、家は下北沢というところに近いんですが、下北といえば演劇のまち、ライブハウスのまち、また、古着屋のまちといわれておりますが、この下北沢かいわいの演劇関係者とも、多くの方から演劇に必要不可欠な稽古場が不足しているので、しっかりと整備してほしいという依頼を受けて、私も、二〇二四年三月の文教委員会で、都有施設や都営住宅などの空き施設を活用した創作環境の提供を求めたところでございます。
そこで、今、稽古場の整備に向けた取組についてお伺いいたします。
○宮永デジタル推進担当部長 舞台芸術分野においても、小規模な劇団を中心に、創作や練習を行う場所について高いニーズがあり、演劇や舞踊などの稽古場を提供することは重要でございます。
墨田区の都営住宅の空き店舗を活用して、来年一月の稽古場開設に向けた準備を進めております。
○たかく委員 今、墨田区で都営団地を活用して、来年一月から稽古場開設に向けて準備中ということで、大きく前進できたものと思います。引き続き、こういった都内でも創作環境の整備をさらに進めていただきたいことをお願い申し上げます。
舞台芸術活動を行っている方からは、活動の維持継続が経済的にも容易ではなく、アルバイトをしながら何とか活動を続けているとの話をお聞きいたします。
舞台芸術がコロナ禍で大きな打撃を受けたことを受け、都がアートにエールを!東京プロジェクトでの支援を皮切りに、コロナ禍終了後も舞台芸術分野への助成に力を入れてきたことは承知しております。
そこで、令和六年度に都が舞台芸術活動に対しどのような助成を実施してきたのか、その実績、そしてまた成果についてお伺いいたします。
○片岡文化振興部長 都は、中小の団体による舞台芸術活動を支援するため、令和五年に創設した東京ライブ・ステージ応援助成で、公演に係る会場費や出演費など、対象経費の二分の一を、百万円を上限に助成しております。
令和六年度は、都内の芸術文化団体から五百五十三件の申請がありまして、三百十六件を採択いたしました。予算額三億五千万円に対し、決算額は三億四千九百万円余りとなっておりまして、ほぼ満額を執行いたしました。
助成団体からは、活動の継続、拡大への意欲が向上した、観客の増加や認知度向上につながった、新たな表現や企画への挑戦が可能になった等の声が寄せられております。
○たかく委員 今お話ありましたように、東京都はこのような舞台芸術団体に寄り添った支援を行っていることは心強く感じます。
東京の芸術文化の魅力は、常に新たな表現を生み出している様々な舞台芸術団体の力により支えられているともいえます。こうした団体からは、多様な表現にチャレンジし、活動を継続発展させるためには支援が必要と聞いております。都民が、身近で多様で豊かな芸術文化に触れることができる環境を維持向上させていくためにも、さらなる支援を継続していっていただきたいと思います。
それでは、最後に、東京都の消費生活センターの役割についてお聞きいたします。
ネットによる詐欺まがいの不動産ビジネスで、ある人からのお話なんですが、被害に遭った青年が東京都消費生活総合センターに相談しました。その相談員が、関係する法テラスであるとか警察と連携を取っていただいて、最終的には、その若者の取られたお金を取り戻すことができたということで、市議会議員の方からお電話をいただいた次第でございます。
いろいろ点検商法であるとか通販トラブル、架空不当請求、電話勧誘トラブルなど、様々なトラブルに対して、消費生活センターがしっかりと取り組んでいただきたいということを思い、質問に至った次第でございます。
まず最初に、都の消費生活センターの役割についてお聞きいたします。
○志村消費生活部長 東京都消費生活総合センターは、消費生活行政の第一線の事業所として、都民の主体的かつ合理的な消費生活を支援するため、消費生活相談、消費者教育、消費生活情報の提供等を行っております。
都内全体に及ぶ広域的な事業を展開するとともに、区市町村の消費生活行政を支援し、連携を深め、センター・オブ・センターズとしての役割を果たしております。
○たかく委員 近年、SNSやインターネットを利用した悪質な手口が増加しているとも聞いております。私のところに相談に来られてお話があった方も、SNSアプリを通じて勧誘を受けて、被害に遭ったということでございます。
都内の消費生活センターに寄せられた相談の実績、傾向についてお伺いいたします。
○志村消費生活部長 令和六年度に都内の消費生活センターに寄せられた相談件数は、前年度比二・二%増の十三万二千五百四十二件でございました。
特徴といたしまして、インターネット通販が全体の二四%を占めており、そのうち、SNSの広告をきっかけとした契約トラブルなどの相談の割合が増加したこと、医療脱毛事業者の破産手続に関する報道に関連して美容医療の相談が大幅に増加したこと、害虫駆除サービス等の緊急時レスキュー商法関連の相談が増加傾向であることなどが挙げられます。
○たかく委員 今のお話では、いろんなこういった問題があって被害を受けているというのは分かりました。
それでは、悪質商法の被害者への対応、被害防止に向けて、消費生活センターではどのように取り組んでいるのか、お伺いいたします。
○志村消費生活部長 東京都消費生活総合センターでは、専門の相談員を配置して、都民に対し、トラブル解決のための助言、あっせん及び情報提供等を行っております。
また、都内全域の相談窓口で適切な対応が図られるよう、都と区市町村で毎月、情報連絡会を開催し、高度専門的な知識を要する相談事例などを共有しております。
さらに、都のホームページやSNSなどを通じて、被害の事例や被害に遭わないための情報を都民に広く発信し、注意喚起を行っております。
○たかく委員 悪質な事業者の裏には、トクリュウなどの組織が関与している可能性も非常に大きいといわれております。詐欺的な被害から都民を守るためには、やはり警察との連携が必要でありますが、警察との連携についてどのように取り組んでいるのかお聞きいたします。
○志村消費生活部長 詐欺などの犯罪が疑われる事例につきましては、地元警察署への相談を促しております。また、警視庁とは適宜情報を共有し、連携を図っております。
○たかく委員 こういった都民の人がいろんなことでトラブルを受けない、そしてまた、トラブルで被害を受けないようにしっかりと取り組んでいただきたいことをお願いして、私からの質問を終了いたします。
○せいの委員 日本共産党のせいの恵子です。資料の提出、ありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。
私からは、町会、自治会の支援について伺います。
私も地元で自治会の役員をしています。活動の中で感じるのは、地域生活の基礎を支える役割があるということです。例えば身近なところでいえば、防犯灯の維持管理、空き缶や空き瓶の回収、防災訓練、お祭り、餅つき大会などのイベントの企画運営など多岐にわたっており、町会、自治会は、防犯、防災、高齢者の見守りなどで重要な役割を担っています。
しかし、昨今では、町会、自治会活動は、加入者の減少、役員の高齢化などが課題になっています。
また、近隣との関係が希薄になっている中で、その地域で生まれ育った住民と、他の地域から転入してきた住民や独居世帯、外国籍の方など、町会、自治会活動に参加することは、思いのほかハードルが高い。そしてなおかつ、活動自体が知られていないことも多く、集合住宅に居住している場合は、その中で管理組合や自治会などが組織されていることもあって、一層町会、自治会活動への隔たりが生まれやすい、このように感じています。
そこでお聞きいたします。
生活文化スポーツ局が行いました令和六年四月の調査に発表した町会・自治会活動に関する調査報告書、これが出されましたが、その中において、近所付き合いについてどのような結果が出ているでしょうか、伺います。
○柏原都民生活部長 令和六年四月に公表いたしました調査では、近隣住民との付き合いの程度につきまして、付き合っているが二五・七%、付き合っていないが七一・三%でございまして、年齢が若いほど付き合っている割合が少なくなっておりました。
○せいの委員 今お答えがありましたが、近隣住民と付き合っていないという方が約七割いらっしゃると。そしてその理由として、ほかの住民との接点がないというふうにお答えになった方が六一・九%いらっしゃいました。
町会、自治会への加入状況を見ても、町会、自治会への加入、これ自体が本当に低い。そして、非加入者が加入者を上回っている。さらに、加入しているのは二七・三%で、マンション全体で見てみても、加入しているのは一四・一%と、そのような感じになっています。
また、今お答えありましたが、二十代、三十代の非加入率というのが高くなっていて、二十代で五八・四%、三十代で六二・五%という結果も出ています。
先ほど、町会、自治会が抱える課題、またその解決についてというところは、他の会派が伺ってお答えがありましたが、やはり私も、この町会、自治会というところの認識など、お伺いしたいなと思っていたわけですが、そのお答えの中で、やっぱり私、大切だと思っているのは、町会、自治会というのが、地域コミュニティの中核として地域課題に取り組む組織だという、そういうご説明あったんですけど、もちろんこれも大切です。
でも、やはり町会、自治会は、行政の下請という扱いではなくて、地域における自主的な組織であるということが、ここが忘れてはならない大事な点だと思っています。町会、自治会は、その地域の住民による自主的な組織であって、相互交流や相互理解を促進して、助け合いながら良好な地域社会を築く、そういう活動を行っています。
とりわけ災害時に、その活動が大事だと住民からも認識されますし、また、行政からも期待されている存在でもあると思います。
自主的な組織であるだけに、その活動を民主的に進めて、また魅力的なものにしていくことが重要ですし、行政は、町会、自治会の自主的な活動を尊重していただきながら、寄り添った支援をしていただく。そして、加入促進や担い手の確保のためにも、これを生かしていただくことが求められると思っています。
そこでお聞きしますが、これまでの様々な取組があったと思うんですが、都の町会、自治会支援事業で執行率が高かった事業、これにはどのようなものがあるかお答えください。
○柏原都民生活部長 令和五年度に実施いたしました関東大震災百年町会・自治会防災力強化助成と、令和六年度の地域の底力発展事業助成は、一〇〇%の執行率でございました。
○せいの委員 私が役員をしている自治会でも、関東大震災百年町会・自治会防災力強化助成、これは利用させていただきました。そして、防災用品を購入するというところで大変喜ばれています。
また、地域の底力発展事業助成、これ執行率が一〇〇%ということですが、事業内容が広いというところもあって、あることは知っていても、どのようなことに利用できるのかというのが、まだ知らないという自治会さんもあるように感じています。
そこでなんですが、区市町村自治体が窓口となって知らせるなど、利用しやすい方法について都の取組や工夫、このようなことが必要だと思うんですが、いかがでしょうか。
○柏原都民生活部長 助成事業の募集を開始するに当たりましてプレス発表を行い、都のホームページで周知を行いますとともに、区市町村の地域活動の所管部署を通じまして、町会、自治会関係者にお知らせをしております。
地域の底力発展事業助成では、好事例などを取りまとめた事例集を作成、配布して、活用の促進を図っているところでございます。
○せいの委員 ありがとうございます。先ほども、町会、自治会の課題で挙げさせていただきましたが、やはり今、町会、自治会、高齢化していることもあって、自ら東京都や自治体のホームページを開いて情報を探すということはなかなか難しくなっています。ぜひ、区市町村の地域活動の所管部署の方というのは、やはり地域とじかに面識もありますし、そういう方を通じて周知していただきたいと思っています。
また、あわせて、東京都としても、申請の簡素化や事業を行う際のコーディネーターの派遣、事前の相談体制、こういうことしっかりと周知をしていただいて、伴走型の支援、これを要望しておきたいと思っています。
次の質問に移ります。町会・マンションみんなで防災訓練について伺います。
地域活動において、一緒に何かに取り組むということでお互いの顔が見える、そして分かって、挨拶が交わせるようになる。こういうような小さな積み重ねが、地域の中では大切だと感じています。一緒に何かに取り組む、そういうことを考えると、防災というのは年代に関係なく関心が高いこともあって、やはり防災訓練は一つの方法ではないかと思います。
町会・自治会活動に関する調査報告書、これにおいても、加入したい町会、自治会の条件、この中で、一番が負担にならない範囲で活動に参加できる仕組みがある、これが一八・九%。二番目が、本当に必要な活動のみ残して運営がスリム化されている、これが一五%。そして三番目に、大規模災害に備え防災活動や備蓄を行っていると、一三%、これが挙げられているんです。
一方、大規模な地震や水害等の災害の発生に対する近隣の方との助け合いというところのアンケート結果では、町会、自治会など地域コミュニティの仲間同士で話をしているというふうに答えた方は、僅か六・七%です。そして、日頃の近所のお付き合いから災害の備えについて話をしているというふうに答えた方も六・一%と、一割未満というふうになっていて、話をしていないという方が圧倒的に、八五・九%です。
こういうことを考えると、地域において災害時の対応や避難所等について共通の認識を持っておくということも大切なことではないかと考えます。そういう中で、町会・マンションみんなで防災訓練というのが、やはり町会、自治会とマンションの居住者を結ぶ事業になり得るのではないかと考えているところなんですが、都の認識をお伺いいたします。
○柏原都民生活部長 地域におきまして、住民がいざというときに助け合える関係を構築し、地域防災力の強化につなげるために、昨年度から、町会とマンションの住民の合同防災訓練を支援しております。
○せいの委員 ありがとうございます。住民がいざというときに助け合える関係、これを構築するということ、お答えいただきましたが、私もそこを大切にしていきたいと思っております。
町会・マンションみんなで防災訓練の令和六年度の実績や利用者の反応の声というのは、先ほど他の会派の質疑でお答えがありましたが、この町会・マンションみんなで防災訓練なんですが、今年度から防災備品の購入が可能となっております。その意図や目的、これはどのようなものでしょうか、お示しください。
○柏原都民生活部長 都は、今年度から、マンションとの合同防災訓練を実施する町会等に対しまして、翌年度以降も訓練を継続することを条件に、防災資機材の購入経費の助成を行い、地域のつながりの強化を後押ししておるものでございます。
○せいの委員 やはり町会、自治会とマンションの居住者を結ぶ上で、この事業、非常に大切なものだと感じました。それだけに、実績を見てみると、令和六年度は十九件しか実施されていないと。これはちょっともったいないなというふうに感じています。ぜひ事業の内容を積極的にお知らせをしていただきたいと思います。
そして、町会、自治会とマンションが共催すること、このことには双方から不安の声や課題も出ていると感じています。そして認識もしています。都として、実施した事例、これまとめて共有する、また課題把握の調査を行う、こういうことを求めますが、いかがでしょうか。
○柏原都民生活部長 昨年度、合同防災訓練の内容や、訓練により得られた効果などを事例集として取りまとめ、区市町村などを通じて配布することとしております。また、町会、自治会等の相談を受けてコーディネーターを派遣し、橋渡しを行う取組を行っておるところでございます。
○せいの委員 区市町村を通じてというところがとても大切だと思います。やはり先ほども申しましたが、区市町村の担当者、地域等とのつながりを持っております。この町会・マンションみんなで防災訓練に限らず、都の事業が町会、自治会の手に届いてこそだと思いますので、よろしくお願いをいたします。
最後に、地域の底力発展事業についてお伺いいたします。
この事業、認知度は五七・八%と高くなっておりまして、活用している町会、自治会も多くあります。先ほどの話にもありましたが、令和五年度、関東大震災百年町会・自治会防災力強化助成金、これ執行率が一〇〇%ということでした。
そして、このような事業を希望する声、大変多くいただいております。今年度の事業ですが、町会・自治会防災備蓄倉庫設置等助成金、これも大変好評で、申込み多数で受付が終了したという報告をいただいております。
防災意識の高まり、町会、自治会のニーズに合うものが求められている。そして、地域の底力発展事業でも、防災での取組、これに対して二百八件の取組があったという答弁も先ほどありました。
この中で、防災、節電活動、これが助成の対象になります。事業例として、防災マニュアルを作成して、そのマニュアルを活用した訓練、節電講習会が例示をされています。備蓄用の物品は、その中で助成対象にならないというふうにも明記がされています。
しかし、やはり防災訓練や防災マニュアル作成時というのは、一度見直しを行う時期、最も大切な時期にも当たると思います。そのときに防災用品の見直しというのも、やはり行われるということは十分考えられるのではないでしょうか。
そこでお聞きをいたします。
継続した防災への取組や備えを行えるように、地域の底力発展事業助成、これを防災備蓄品の購入などに対象を広げるなど、拡大する必要もあるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○柏原都民生活部長 地域の底力発展事業助成は、物品の購入を目的とするものは対象としておらず、町会、自治会が行う防災、防犯など、地域の課題解決のための取組を支援しております。
引き続き、防災訓練等の支援を通じまして、地域の共助の推進や防災力の向上を図ってまいります。
○せいの委員 課題解決への取組、これも大変必要だと思いますが、ぜひ防災備蓄品の購入の補助なども引き続きご検討をいただければと思います。
また、町会、自治会の自主的な活動を支援して、ニーズに合った施策、これを拡充していただけるように要望をいたしまして、私の質問を終わります。
○河野委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後四時二十六分休憩
午後四時四十三分開議
○河野委員長 休憩前に引き続き分科会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○いいだ委員 それでは、公明党、私から質疑をさせていただきます。
東京芸術文化相談サポートセンター、アートノトの取組に関し質問をさせていただきます。
私ども都議会公明党は、これまで長きにわたり、本会議や委員会、予算、決算の質疑の場など、あらゆる機会を通じて繰り返し粘り強く、このアートノトに関して主張を続けてまいりました。
すなわち、アーティストをはじめ我が国の貴重な財産である芸術文化を未来へと継承し、それを担い、高い志を持って日々活動されている方々の活動を東京都が主体となって強力に支援していくことの重要性であります。
文化芸術は、人々の心に潤いと感動を与え、人生を豊かにするものであると同時に、都市の魅力や活力の源泉であり、国際的な都市間競争においても、その都市の文化的な厚みこそが、真の競争力となると確信をしております。
しかしながら、多くのアーティスト、とりわけ活動の初期段階にある方々が不安定な経済基盤、また複雑な契約関係、あるいは活動の継続に関わる様々な困難に直面していることもまた事実であります。
こうした方々が創造活動に専念できる環境を整備することなくして、文化芸術の真の振興はあり得ません。だからこそ、私どもは単なる一過性の支援ではなく、継続的かつ包括的なサポート体制を構築することが都の責務であると、強く求めてきた次第であります。
このアートノトが開設以来、多くのアーティストの方々や様々な文化団体の皆様にとって、活動を行う上での重要な支えとなり、セーフティーネットとして機能し始めている現状を、私どもとしても高く評価をしております。
そこで、まず第一点目の質問として、令和六年度における具体的な利用実績及び取組について伺います。
○宮永デジタル推進担当部長 東京芸術文化相談サポートセンター、アートノトでは、相談窓口、情報提供、スクールの三つの機能により、アーティスト等の持続的な活動を支援しております。
昨年度の相談対応件数は一千六十一件であり、平均月間対応件数は、令和五年度の四十七件から令和六年度は七十七件と増加いたしました。助成金やハラスメントに関する相談が多く寄せられております。
また、情報提供では、LINEを活用したプッシュ型の配信を開始し、スクールでは、フリーランス法など最新の社会課題を取り上げた講座を実施するなど、充実を図りました。
○いいだ委員 ありがとうございました。昨年度の相談対応件数が千六十一件と千件の大台を超え、かつ平均月間対応件数も増加傾向にあるとのことで、これはアートノトの認知度が着実に向上し、多くのアーティストにとって頼られる存在になっているという証左である、そういうふうに受け止めました。
また、相談内容として、活動の生命線ともいえる助成金に関するもの、そして昨今、業界全体でも喫緊の課題となっているハラスメントに関する相談が多いというご報告は、まさにアートノトが、アーティストが直面する現実的かつ切実な課題に応える重要な受皿となっていることを示しております。
さらに、情報提供におけるプッシュ型の配信開始や、スクールにおける最新の社会課題を取り上げた講座の実施など、支援の質を高めるための具体的な取組も進められていることを確認いたしました。
しかしながら、どれほど優れた支援体制を整備したとしても、その支援を最も必要としている意欲ある若手の皆様がこうした支援の存在そのものを知らなければ、宝の持ち腐れとなってしまいます。支援を必要とする人に確実に情報を届ける努力、いわば届ける広報こそが不可欠であると思います。
そこで、第二点目として改めてお伺いをいたします。
このアートノトの存在や多岐にわたる支援の取組を、未来を担う若い世代の担い手の方々に広く深く知ってもらうため、現在、都としてどのような周知の工夫、あるいはアプローチを行っているのでしょうか、その具体的な手法についてお伺いします。
○宮永デジタル推進担当部長 アートノトが若手アーティスト等にとって、より一層身近な存在となり、気軽にご利用いただけるよう、出張相談や出張講座のアウトリーチ活動を行っております。
出張相談では、アートフェスティバルや舞台芸術祭など都内のイベントに出向き、気軽に対面で相談できる機会を提供しており、今年度は五か所で実施いたします。
また、今年度から新たに六つの芸術系大学と連携した大学出張講座を開講し、多くの学生に好評をいただいております。
○いいだ委員 ありがとうございます。ただいま若手の担い手に知ってもらうための工夫として、施設内で待つのではなく、都の側から積極的に外に出ていくアウトリーチ活動、これに力を入れているとのご説明がございました。
具体的には、若手アーティストが多く集うイベントの現場に出向いての出張相談、さらには、まさに私どもが求めていた現場へのアプローチとして、今年度からは芸術系大学と連携した大学出張講座を開講されたとのこと、大変心強く感じました。特に芸術系大学との連携は、これからプロフェッショナルとして社会に出ようとする学生たちにとって、卒業後のキャリアパスを考える上で極めて有益な取組であると評価いたします。引き続き、アートノトの今後の活動に私どもも大いに期待するものであります。
ご答弁にあったとおり、アートノトの支援は、相談件数の増加、アウトリーチ活動の展開など、着実に前進しています。今後は、この取組を点から線へ、そして面へと拡大をさせていくフェーズであるというふうに思います。
まず、より多くのアーティスト支援を実現するため、そしてアートノトの取組をさらに認知をしてもらうため、今行っているアウトリーチ活動を一層強力に推進していただくことを強く要望いたします。
東京の、そして日本が誇る文化芸術の灯を輝かせていくために、その担い手である一人一人のアーティストに寄り添い、支え、そして彼らの可能性を世界へと押し広げる、そのようなアートノトの役割は今後ますます重要となると思います。都におかれましては、このアートノトの事業を文化芸術政策の重要な柱として今後も強く推進をしていただくことを強く要望申し上げ、次の質問に移らせていただきます。
続いて、エシカル消費の推進に関する都の取組について質問をさせていただきます。
近年、私たちは気候変動の深刻化、国内外における貧困や人権の問題、資源の枯渇、生物多様性の損失など、地球規模の様々な課題に直面をしております。これらの課題は、私たちの日常生活と密接に結びついています。私たちが日々何げなく行っている消費という行為が、知らず知らずのうちに、地球環境や社会、あるいは生産の現場にいる人々に多大な影響を与えていることは論をまちません。
こうした背景の中、自らの消費行動を見直し、人や社会、そして地球環境に配慮した製品やサービスを、倫理的な、エシカルな視点から積極的に選択していこうというエシカル消費の概念が、世界的に、そして日本国内においても急速に広がりを見せております。これはSDGsの達成に向けた、私たち一人一人が実践できる最も身近で強力なアクションの一つであると確信をいたします。
都は、こうした社会の要請に応えて、持続可能な社会の実現に向け、早くからこのエシカル消費の重要性に着目をされてきました。そして、企業、団体と強固なネットワークを構築し、このエシカル消費を一部の意識の高い人々だけではなく、全ての都民の日常にするため、TOKYOエシカルアクションプロジェクトに力を入れておられます。私ども都議会公明党は、都のこの取組を、未来の東京、そして地球環境を見据えた極めて重要な施策として評価するものであります。
そこで、まず一点目として、このTOKYOエシカルアクションプロジェクトの具体的な取組についてお伺いいたします。
○志村消費生活部長 TOKYOエシカルでは、都民に向け、日常生活の中でエシカル消費が実践できる情報発信を行うとともに、エシカル消費を体験、体感できる場としてのマルシェを昨年五月と十二月に開催いたしました。
また、次世代を担う子供向けの企画として、昨年度は、中高生がエシカル消費の視点でファッションウエアを制作しながら、消費の背景にある社会課題とその解決を考えるワークショップを実施いたしました。
さらに、ウェブ、テレビ、車内での広告や、本プロジェクトに参画するパートナー企業の店舗等での発信など、都民にエシカル消費を一斉集中的に広報するTOKYOエシカルキャンペーンを、昨年度初めて十月から十一月にかけて展開いたしました。
○いいだ委員 ありがとうございます。都民がエシカルな産品に直接触れ、生産者の思いを感じることができるマルシェの開催、また、これからの未来を担う中高生を対象に、ファッションという身近なテーマを通じて社会課題を深く考えるワークショップの実施、そして秋の時期に集中的に行われたTOKYOエシカルキャンペーンなど、多岐にわたる具体的な取組が令和六年度、精力的に推進されたことを確認いたしました。
これらの啓発活動や情報発信は、都民一人一人の心にエシカル消費の種をまき、その重要性についての理解を深める上で、着実な成果を上げておられるものと評価いたします。
しかしながら、このエシカル消費を、プロジェクトの目的である日常のものとして社会に根づかせていくためには、啓発、すなわち知る段階から実際の購買行動へと都民の背中を押す、もう一段階強力な仕組みづくりが不可欠であります。
都民がエシカルな商品を買いたいと思ったときに、いつでも、どこでも、気軽にそれを選べる環境が整備されていなければ、せっかく芽生えた意識も、実際の行動には結びつきません。そして、その買える環境を整備する主役は、いうまでもなく商品やサービスを提供する企業、団体の皆様であります。
そこで、第二点目として、今後の取組の発展についてお伺いいたします。
本プロジェクトを単なる啓発活動にとどめることなく、さらに力強く推進していくためには、より多くの企業、団体の皆様にプロジェクトの趣旨にご賛同いただき、その参画を促すことが極めて重要であります。都の具体的な購買行動に直結する取組へと実質的に発展させていくべきであると考えますが、見解を伺います。
○志村消費生活部長 令和四年度に始まりましたTOKYOエシカルのパートナー企業、団体は、現時点で二百八十を超え、お互いの強みを生かした連携により、エシカル消費推進のための取組が生まれております。
今年度から、複数のパートナーが連携して実施する取組を広く都民に知ってもらうため、広報費等を支援する助成制度を開始いたしました。
引き続き、より多くの企業に参画を呼びかけ、エシカル消費の裾野を広げてまいります。
○いいだ委員 ありがとうございました。パートナー企業、団体が、現時点で既に二百八十を超えているとのことで、都の呼びかけに対し、多くの企業が応えてくれている現状を心強く感じます。
また、単なる登録にとどまらず、パートナー同士の互いの連携による取組が自然発生的に生まれているという点は、このプロジェクトが持つ可能性の大きさを示すものとして、高く評価したいと思います。
さらに、今年度から、こうした企業の具体的な取組を後押しするための助成制度を新たに開始されたとのこと。これは、まさに購買行動への直結を促すための有効な一手であるというふうに考えます。
ご答弁にあったとおり、TOKYOエシカルアクションプロジェクトは、パートナー企業の数を確保する段階から、その質を高め、具体的なアクションへとつなげる新たなフェーズに入りました。この流れを確実なものとするため、まず、新たに開始された助成制度が、意欲ある企業、特に資金力やノウハウに限りがある中小企業の皆様にとって、真に活用しやすい制度となるよう、積極的な周知等きめ細やかな申請サポート体制の構築を強く要望いたします。
エシカル消費は、持続可能な社会の実現に向け、私たち都民一人一人が自らの意思で未来を選択する行為そのものであります。都におかれましては、この東京の力、消費の在り方を変革し、人や社会、環境に配慮した持続可能な都市モデルを世界に示すのだという気概を持って、引き続き企業の参画を呼びかけ、エシカル消費の裾野を拡大されますよう期待を申し上げ、私の質問を終わります。
○とや委員 共産党のとやです。よろしくお願いします。
まず、私立学校について質問をいたします。
私立学校は、独自の伝統や方針に基づく教育を進め、東京では、六割近くの高校生が私立高校に通っています。
しかし、学費が高額なことから私立への進学を諦めざるを得ない生徒もおり、関係者からは、授業料の負担軽減について都議会にも要望が届き、この間、私どもは文教委員会でも、授業料の無償化、その他の学費の保護者負担の軽減、学費の補助に関わる手続の簡素化、経常経費補助の引上げなどを求めてきました。
こうした中、学校関係者や都議会からの要望も受け、東京都は、令和六年度、二〇二四年度ですね、ここから国に先駆けて私立高等学校の授業料軽減制度に係る所得制限を撤廃し、授業料無償化を実施しています。
まず、無償化したことで新たに生じた都の負担について、決算額をお尋ねします。
○井上私学部長 都の特別奨学金補助につきましては、令和五年度の決算額は約百三十四億円、令和六年度の決算額は約五百十三億円でありました。
○とや委員 一昨年が百三十四億円、昨年が約五百十三億円の決算ということで、つまりその差額の三百七十九億円が、所得制限撤廃による都の支出の増ということになります。この三百七十九億円は、国が授業料を無償化するまでの間、東京都が生徒の学びの選択を妨げないようにと、東京都の私立高校の授業料の平均額、そして今年度でいえば四十九万円までの負担軽減を決断したと理解をいたします。
しかし、毎回指摘をしていますが、授業料以外にも平均で約二十五万円を超える入学金、施設整備費など、納入する負担が残るわけです。今日お示しいただいた資料でも、東京は、納入金額九十六万五千八百九十四円です。ここから授業料四十八万六千五百三十一円引いたとしても、結局四十七万九千円残るわけです。生活保護世帯からも、非常に高い金額の負担が残ると訴えも届いています。
東京では、やっぱり六割近い生徒が私立に通っているにもかかわらず、負担の格差が埋まっていません。せめて入学金の支援をとの声もあって、非常に深刻なことが分かります。
そこで確認ですが、高校の入学金について、都立と私立の平均額の差について伺います。
○井上私学部長 令和六年度の全日制高等学校の入学金でございますが、私立は学校によって様々でありますが、その平均額は約二十五万四千円、都立につきましては五千六百五十円でございます。
○とや委員 約二十万円もの差があります。しかも、都立高校の入学金は変わらないわけですが、物価高騰もあって、私立高校の入学金の引上げが行われています。都の資料によれば、東京都内所在の私立高等学校の二〇二四年度初年度納付金について取りまとめています。
令和六年度、都内私立高等学校全日制の学費の状況として公表しておりますが、都内私立高校二百三十二校のうち、七十一校が値上げを実施しています。値上げ率は、最大で一八・九%増になります。二〇二五年度は、さらに九十校も値上げが行われています。入学金など経済的な理由で、行きたい学校に行くことができない状況を生み出してはならないと思います。
神奈川県は、生活保護及び非課税世帯には二十一万一千円、それ以上、七百五十万円未満の世帯には十万円の入学金補助をしています。東京都も行うべきではないですか。
○井上私学部長 都では、入学に必要な費用に係る貸付制度を設けておりまして、負担軽減を図っておりますほか、生活保護世帯や住民税非課税世帯等に対しましては、授業料以外の教育費の助成も行っているところでございます。
○とや委員 こうした質問しますとね、東京都は毎回、貸付けがあるというわけです。返済が迫られるのであれば諦めるという人もいらっしゃいます。また、生活保護や非課税世帯が対象となる助成制度は、最高でも年間十五万二千円です。教科書や修学旅行など授業料以外のものに使える制度ですが、全く足りません。
国は、来年度から高校の授業料を無償化するための高校就学支援金の私立高校への補助額を、現在の最高三十九万六千円から一律四十五万七千円に増額をします。現在、九百十万円となっている所得制限も撤廃する方向です。その一部は今年度先行実施し、年収九百十万円以上の生徒についても十一万八千八百円を補助するということになっています。
国が所得制限の撤廃をすることで四十五万七千円まで支援してくれるとなると、最初の答弁で明らかになった都独自の負担、五百十三億円がかなり浮くと考えられます。来年度、国が四十五万七千円まで支援してくれた場合、都独自の負担は、平均授業料四十九万円と四十五万七千円の差額、三万三千円掛ける生徒数、約十五万人、今日いただきました資料の1にも記載されていますが、ここで四十九億五千万円になるわけです。半分の学校の授業料は平均以下ですから、実際にはもっと小さい金額になると考えられます。
つまり、これまで私立高校の授業料実質無償化のための都独自の支出は、二〇二四年度は五百十三億だったのが、来年度は五十億円弱になると。四百億円台の後半から五百億近く減ると見込まれると思います。東京都が決断した授業料無償化のための予算は国が負担するということになれば、ほかのことに使えます。ぜひ入学金の補助として活用していただくことを求めます。さらに、施設費などの学校納付金の負担軽減にも充てていただくことを求めておきます。
次にお聞きしたいのが、私立の中学生に給付している十万円の問題です。先ほども出ていました。
私立中学校の保護者の負担軽減として、十万円の給付を受けた保護者の数と、それに要した昨年度の決算額について伺います。
○井上私学部長 令和六年度に給付を受けた保護者の数は約六万九千人、決算額は事務経費も含めまして約七十四億円でございました。
○とや委員 国は、私立小中学校に通う児童生徒への経済的支援で、年収四百万円未満の世帯の児童生徒について授業料の負担の軽減を行いつつ、義務教育において私立学校を選択している理由や家庭の経済状況などについて、実態把握のための調査を行うことを目的として、五年間の実証事業を行っています。これは令和三年度で終了しました。
東京都は、このとき私立中学校のみ十万円の給付をすることを決めて、私立中学校のみ支給されています。実証事業を行い、協力だけはお願いしておいて、終了したら何もないと、こういう国も問題ではありますが、今残されているのは、私立の小学校です。
この質問も、この間、何度も何度もしてきているんですけど、ぜひ都としても検討していただきたいと思っています。
そこでまずお聞きしたいんですが、都内の私立中学校、小学校に通っている生徒児童の数について伺います。
○井上私学部長 令和七年五月一日現在の数字でございますが、都内私立中学校の生徒数は約八万四千人、小学校の児童数は約二万五千人でございます。
○とや委員 中学校の給付に必要なお金は約七十四億円になっているわけですが、単純計算でも、小学校二万五千人の児童の給付にすれば二十五億円ぐらいで済むわけです。
この間の質疑の中で、私立小学校に通う児童への十万円の給付を求めると、割合が四%であることを理由に授業料支援をしていないわけです。一体、何%の児童が通学すれば支給をしてもらえるのか、こういう声だって届いているわけです。
また、中高一貫教育を実施していることが、なぜ中学校の授業料十万円の補助の理由になるのか。この答弁も、いつもいっているんですけどね、その理由を伺いたいと思います。
○井上私学部長 私立学校に通う児童生徒の割合は、小学校が約四%であるのに対しまして、中学校は約二六%、高校は約五八%となっておりまして、状況は大きく異なっているところでございます。
また、都内の私立学校の多くが中高一貫教育という事情がございまして、中学入学の時点で進路を決める生徒や保護者が多いと、そういった特殊性がございます。
そうしたことから、一人一人が個性に応じた学校選択ができるよう、中学に関しては都独自の補助を実施しているところでございます。
○とや委員 今ご答弁に、個性に応じた教育ができる、学校選択ができるようにとご答弁がありましたが、これって小学校も同じじゃないですか。いかがですか。
○井上私学部長 繰り返しの答弁になりますけれども、中学校につきましては、やはり四分の一を超える生徒が私立に通っている、そして中高一貫というような状況がございますので、その二つを複合的に考えた話でございます。
○とや委員 いや、私が聞いているのは、個性に応じた学校選択ができるようにというご答弁を受けてお聞きしたんですね。小学校だって、個性に応じた学校選択は必要ではないでしょうか。この給付金の問題以前にお答えいただきたいです。
○井上私学部長 小学校につきましても個性に応じた教育選択、そういったことは必要なところだとは考えてございますが、実際給付金の話になりますと、やはり小学校の割合、それから中学の割合、あとは中高一貫、そういった状況を勘案して判断しているところでございます。
○とや委員 個性に応じた学校選択、小学校であろうが中学校であろうが高校であろうが大事だと思うんですね。その立場で考えていただきたいと思うし、とりわけ小中は、毎回いうんですけど、義務教育なんですよ。義務教育というのは無償なんですよね。そこら辺をぜひ考えていただきたい。
もちろん、国の責任は重たいんですけれども、東京都としても、東京で学んでいる子供たちのために、小学校についても給付金の支給を求めておきたいと思います。
私立小学校に通う児童の中には、いじめなどで公立から転校する子もいるし、公立の校風が合わずに私立を選択する児童もおります。子供たちの多様性を踏まえて、学ぶ権利を保障するため、小学校についても授業料の補助が必要だと考えています。ご答弁はいいです。
毎回訴えているんですが、私立、公立問わず、今もいいましたが、義務教育です。学びの選択を広げ、経済的理由でその子に合った教育が保障できなければ、国も自治体も責任を果たしているとはいえません。小学校へも十万円の給付を強く求めておきます。
次に、私立学校のICT化の関係に関連して伺います。
学校で使用するパソコンの購入費補助は、中学校と高校、それぞれどうなっていますか。
○井上私学部長 義務教育段階である私立中学校につきましては、国のGIGAスクール構想を踏まえまして、学校が生徒に貸し出す教育用端末等の整備に要する経費の一部を補助してございます。
一方、私立高等学校につきましては、一人一台端末整備を促進するため、学校による端末整備に加えまして、保護者による端末購入費用の負担軽減に取り組む学校に対しましては、その経費の一部を補助しております。これにつきましては、今年度、補助上限額を六万円から七万円にと引き上げたところでございます。
○とや委員 ありがとうございます。この質問、先ほどもあったんですけど、私立中学については一校二千万円と聞きました。そして、二分の一を上限に補助しているとお聞きしています。
高校に入ると異なるやり方になります。東京は中高一貫校が多い中、この制度の違いが本当に合理的といえるのか、疑問に感じております。
私立学校から、中学で本人が購入した場合にも補助をしてほしいとの要望が私学部にも届いていると思いますが、どのような理由によるものでしょうか。お答えください。
○井上私学部長 私立中学校からは、端末を学校が整備する方法に限られているため、高校と同様の補助をしてほしいという趣旨の要望を受けてございます。
○とや委員 そうなんですよ。私たちにも、私学の関係者から強く声が届いております。制度の改善が求められていると思います。
生徒自身の購入に対して、中学、高校の間に一人の生徒が一回補助を受けると考えれば、やっぱりそれは中学入学時でもよいのではないでしょうか。お答えください。
○井上私学部長 義務教育段階である私立中学校につきましては、繰り返しになってしまいますが、国のGIGAスクール構想を踏まえまして、学校が生徒に貸し出す教育用端末等の整備に要する経費の一部を補助しているところでございます。
○とや委員 今、国のGIGAスクール構想だと、これを踏まえてということですが、より学校や生徒が使いやすいやり方を検討していただきたいということを求めておきます。
私学については、多くの要望が届いており、ぜひ生活文化局としても受け止めていただき、各事業の拡充をしてほしいと思います。
経常経費についても、いまだに私立学校に対する補助は、毎年、私学関係者から要望が上がっていますが、高校生でも一人当たりの公費支出の三割にとどまっていると聞いております。先ほど申し上げたように、国の授業料無償化の拡充により、都独自の負担が五百億円近く減るということになれば、それを高校の授業料以外の学費の負担軽減、小中学校の授業料補助の創設、充実、また教材への支援などにぜひ活用していただくことを重ねて要望します。
私立学校が公教育として今や重要な役割を担っていることは、東京都も承知しているはずです。経常経費の仕組みをいうのであれば、直ちに助成を引き上げ、公私格差是正にも踏み出していただきたいと思います。これらを併せて求めて、この質問は終わります。
次に、平和事業について伺いたいと思います。
今年は戦後八十年、東京空襲八十年、被爆八十年です。各地で市民レベルでも様々な取組が行われていますが、東京都こそ、戦後八十年にふさわしい取組が求められています。この立場で平和事業などについて質問をいたします。
この間、証言映像の公開が一昨年から始まっています。この二年間の実施状況、期間や実施場所、来場人数などを伺います。
○片岡文化振興部長 証言映像のうち、公開や活用についての同意をいただいた方の映像をデジタル化し、令和五年度から都が開催する東京空襲資料展において公開しております。
令和五年度は、令和六年二月から三月に三鷹市など都内四か所の会場で計五千五人、令和六年度は、令和七年二月から三月に千代田区など都内五か所の会場で計二千八百三十三人が参加されました。
○とや委員 一昨年は四か所で五千人、昨年は五か所で二千八百人ということです。私も、一昨年は東京芸術劇場で観覧させていただきました。駅から近くて、誰でも知っている施設でもあります。ぜひこうした都立の施設も活用して、より多くの人たちに見ていただきたいと思います。
最初の年と比較して観覧人数が減っています。やっぱり最初の年は、マスコミの報道があって注目も高まっていたということで、広報をはじめ、見ていただくための取組が重要だと思います。
証言映像は、アンケートも取って、編集もして、ようやく日の目を見たものです。多くの方々が戦争の悲惨さ、平和の大切さを知る機会として広めていただくことが重要です。
そこで伺いますが、昨年の実施状況から、証言映像を多くの人たちに見てもらうための取組の改善など、どのような検証を行いましたか。
○片岡文化振興部長 証言映像につきましては、資料の活用を進めるべきとの企画検討委員会の意見も踏まえまして、今年度から区市町村への貸出しを行っております。
○とや委員 資料を有効に活用するために、様々な意見も取り入れて、昨年度は日の出町に貸出しを行ったということで、昨年一月の平和の日記念行事企画検討委員会で、日の出町の田村町長が発言をされておりました。
今年度からは区市町村への貸出しも始まりました。既に十を超える自治体に貸出しが行われていると聞きました。さらに広げていくため、貴重な証言映像や資料を多くの人たちに見てもらうために、広報活動、あるいはその規模の拡充を求めます。
また、空襲資料展についても、観覧した人が再び戦争の惨禍を繰り返してはならないとの気持ちを再確認できるようにしていただきたい。そういったものにするための工夫をすべきと考えますが、いかがでしょうか。
○片岡文化振興部長 平和の大切さを伝えていくことは重要でありまして、都は、東京空襲資料展の開催など平和関連事業を実施しております。
事業の実施に当たりまして、企画検討委員会の意見も伺いながら検討しておりまして、本年度は、広報動画をユーチューブやインスタグラムに掲載するほか、子供向け新聞への広告を追加するなど、若者に向けた発信を強化することとしております。空襲資料展につきましても、資料のより広い活用方法の検討を進めております。
○とや委員 平和の大切さは重要との答弁です。ならば、その言葉どおり取り組んでいただきたいと思います。
ご答弁にあったユーチューブ、十五秒ほどですけどね、私も拝見しました。しかし、大空襲によって焼け野原になったと、東京がね、こういうふうにいっているんですけれども、なぜ大空襲が起きたのか。一夜でね、一夜で十万人もの命が奪われたことは一言もないんです。インスタグラムで若者に見てもらえるようにということですが、これも残念ながらインスタグラムで探してみたんですけど、見つからないんですよ。
今年は戦後八十年です。東京空襲体験者や遺族の方々も年齢を重ねています。そうした人たちの思いに応えてほしいと思います。再び戦争の惨禍を繰り返してはならないとの気持ちを再確認するということがどういうことなのか、よく局としても考え、検討していただくことを求めておきます。
平和祈念館の建設を求める皆さんは、戦時中の記憶を風化させないことは、戦争の美化や正当化を防ぎ、平和な社会を守ることにつながるとおっしゃっております。だからこそ、平和祈念館をつくることが必要なのだといっているわけです。戦後八十年を超えて、戦争を語る人が本当に少なくなっている今、平和祈念館の建設や空襲資料展を思い切って各地で開催するよう、努力を惜しまず行っていただくことを求めておきます。
また、私たちは、八十年の節目に当たり小池知事に申入れも行ってきました。また、度々代表質問などでも取り上げ、質問をしてきました。
その中で、東京空襲全体の犠牲者の数、名前など調査を開始するよう求めたんですよね。そうしたところ、都は、東京空襲名簿への登載については都のホームページ等で呼びかけるほか、区市町村に協力を依頼しておりますとご答弁されています。ホームページで呼びかけて、何人の方が新たに名簿に登載されたんでしょうか。また、区市町村にはどのように呼びかけていらっしゃるのか、お答えください。
○片岡文化振興部長 東京空襲犠牲者名簿への登載につきましては、都のホームページ等で呼びかけるほか、区市町村との担当者会議等で協力を依頼しておりまして、令和六年度の東京空襲犠牲者名簿への登載者の人数は九十四名でございました。
○とや委員 ありがとうございます。九十四名ということですが、さらにお聞きします。
東京空襲で亡くなった方々について、過去五年間の新たな名簿登載者の人数を年度別にお答えください。
○片岡文化振興部長 東京空襲犠牲者名簿の年度ごとの新たな登載者の人数は、令和二年度二十二名、三年度三十名、四年度百三名、五年度六十一名、六年度九十四名でございます。
○とや委員 終戦末期、東京空襲で亡くなった方々の人数は正確には分かっていません。慰霊堂に納められている人は、現在八万一千人余ということでありますが、戦後八十年となった今でも、家族や友人、親戚が空襲で亡くなったけれど、その名前は刻まれているのだろうかと東京都に問い合わせる人もいて、少しずつ名簿登載が増えているのだと思います。
遺族会をはじめ市民団体の皆さんは、戦災者一人一人に向き合う思いを持ってほしいと、そして、より正確な犠牲者数が明らかになるよう改めて調査、検証し、公表することを求めています。
東京都は、今もって名簿を公表していませんが、遺族会と市民団体の皆さんは、せめて名前だけでもということで、自主的にタペストリーに名前を刻む作業もしております。犠牲者の名前をいつでも見ることができる、触れることができる記念碑のようなものをつくりたいという気持ちだそうです。
十万人もの人々の名前を刻むことで、虐殺されるそのときまで、人々は確かに生き、暮らし、信じ、おびえ、笑い、泣き、抱き締め合い、寄り添って生きてきた。そのことを後世に伝えたい、十万人の魂を静め、死者を弔い、二度と愚かな戦争を繰り返させないために、こつこつと行われてきました。
東京都は、こうした人々の思いを理解して、名簿をちゃんと公表して、改めて調査して、実相を明らかにすべきです。
タペストリーをつくった人たちは、将来的には、沖縄の平和の礎と同じ石を使おうと話しているそうです。こうした市民の取組をちゃんと受け止めて、市民がこうしたことをやる前に、ぜひ東京都として実現していただくことを求めておきます。
沖縄県では、戦後八十周年の平和祈念事業として特設ページも設け、四十事業の実施を計画し、毎月様々な平和のイベントを開催しています。東京都としても、こうした例に倣って平和の取組の強化を行うべきです。
八十周年の平和事業についてどのような検討をしましたか。実施する予定となったのはどのような事業でしょうか。
○片岡文化振興部長 都は、戦争の惨禍を再び繰り返さないことを誓い、三月十日を東京都平和の日と定め、この趣旨を広く都民の皆様に伝え、次の世代に語り継ぐため、毎年、平和の日記念式典等を着実に実施しております。
○とや委員 平和の日企画検討委員会の議事録を読ませていただきました。八十年の節目にふさわしい取組を求める委員が、我が党の大山都議はじめ複数いました。
沖縄は、三か月間で約二十四万人が亡くなっていますが、東京大空襲も、世界に類を見ない悲惨な戦争を浮き彫りにしています。沖縄や広島、長崎のように、都として、節目節目に都民がしっかり認識できるような取組をしてほしいです。
皆さんは、やるべきことはやっているんだと、そのように思うかもしれません。しかし、遺族や体験者、市民団体の皆さんは、東京都の主催で営まれた式典、記念行事を見たとき、そこに大きな落差を感じざるを得ないということが残念でならないとおっしゃっているわけです。
そこで確認をしておきたいんですが、三月に実施している平和記念行事の参加人数、伺います。
○片岡文化振興部長 令和六年度に実施しました東京都平和の日記念式典には三百六十七人が参加されました。
○とや委員 平和記念行事については、戦争の記憶を風化させず、平和な社会を次世代に引き継ぐためにも、多くの人が参加できるよう広い場所を確保し、実施すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○片岡文化振興部長 東京都平和の日記念式典は、例年、都庁舎内でも最も収容人数の大きい第一本庁舎五階の大会議場で実施しております。
○とや委員 それは、都庁の中では一番大きい会場かもしれません。
しかし、以前から、事前申込みを求めず、希望する人は誰でも参加できるように改善してほしいとか、犠牲者一万一千八十七人の遺体を仮埋葬した都立猿江公園など、東京空襲ゆかりの地を選定することなど、皆さん求めているんですよ。
また、式典の内容も、空襲体験者の話は、挨拶ではなくて、この間ちょっとだけね、挨拶延長してくださいましたけど、プログラムの中に空襲体験を語るという項目をつくって、数十分確保することも求めています。
先日、都庁内で被爆者の団体の東友会の皆さんの被爆の実相を聞く会を都議会の超党派で行いましたが、このときの語り部は、お二人で大体四十五分おやりになりました。本当にこのぐらいやって初めて分かるんですよ、実態が。戦争を知らない私たちの世代、子供の世代が、東京空襲当時をイメージするには、やっぱりこのくらいの時間が必要ではないでしょうか。ぜひ時間を取って、今のうちに空襲体験を生で聞く機会も設けていただきたいと思います。
東京都は、証言映像の公開と併せて東京空襲関連資料のデジタル化を図り、活用を進める作業をしています。これ自体は本当に前進だと思って、歓迎したいと思っています。
現在、庭園美術館には東京空襲の関連資料が保管されています。保管資料について、何人の学芸員がどのような管理や研究を行っているのか、また、昨年度のデジタル化などの作業内容についても改めて伺っておきたいと思います。
○片岡文化振興部長 都が所有する東京空襲関連資料は、学芸員の資格を有する都職員一名が一括して適切に管理しております。
昨年度は、実物資料のデジタル化や当事者の意向確認を実施した証言映像の編集等を行いました。
○とや委員 その学芸員は正規ですか、それとも会計年度任用職員ですか、お答えください。
○片岡文化振興部長 当該学芸員は、専門知識を有する会計年度任用の東京空襲関連資料活用専門員としまして、都が所有する東京空襲関連資料の適切な保存活用を行っております。
○とや委員 もう百年近くたとうとしている空襲関連資料を管理して、保管して、今後、体験者とか遺族会の皆さんはちゃんと研究してほしいということをおっしゃっています。そういう意味でも、学芸員の方が今やっている仕事は、非常に重要なお仕事だと思うんです。それだけに、やはり会計年度任用職員ではなくて、きちんと正規で雇用して、継続して仕事をしていただきたいと思っています。それは求めておきたいと思います。
戦災資料については、デジタル化がされても、学芸員の手による整理保管など、重要な仕事がこれからも引き続きあると考えますが、いかがでしょうか。
○片岡文化振興部長 東京空襲関連資料は、学芸員によってデジタル化後も引き続き適切に管理してまいります。
○とや委員 ありがとうございます。学芸員の方に、ぜひこの空襲関連資料、しっかり保管して管理していただいて、研究材料としても活用してほしいなと思っています。
一人の学芸員の方が五千点の資料を管理し、デジタル化の作業も行ってきて、まあ、いろんな人たちと一緒にやってきたんでしょうけれども、貴重な資料を保管し、今後活用していくということを考えれば、先ほども申し上げましたが、人数も増やして、正規の学芸員として働いていただくのが適切だと考えます。ぜひ貴重な資料を保管、管理するにふさわしい、そして力を発揮できるよう、正規の学芸員を配置するよう重ねて求めておきます。
東京都平和祈念館の建設をすすめる会の皆さんや東京の遺族会の方々は、長年、祈念館の建設を求めてきました。しかし、東京空襲八十年を経てなお、無差別に市民が殺りくされる戦争は世界でも拡大しています。こうしたときだからこそ、東京都が積極的に平和を発信すべきと考えます。
それなのに、いまだに東京都は祈念館の建設に踏み出そうとしないで、付帯決議があるからなどといっています。
しかし、付帯決議はそのときの予算に対して出されたものであって、知事が決断して、平和祈念館建設について提案し、議会の合意を得る努力をすることは、何ら付帯決議に反するものではありません。付帯決議にも沿った当然の進め方であります。
戦争体験者に残された時間は僅かです。戦争の記憶を風化させないため、平和の大切さを都民誰もが考える機会となる平和祈念館の建設を重ねて求めて、質問を終わります。ありがとうございました。
○河野委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○河野委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたします。
以上で生活文化局関係を終わります。
これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
午後五時三十七分散会
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