令和五年度各会計決算特別委員会速記録第三号

令和六年十一月二十日(水曜日)
第十五委員会室
午後一時開議
出席委員 三十一名
委員長川松真一朗君
副委員長福島りえこ君
副委員長小磯 善彦君
副委員長河野ゆうき君
理事山田ひろし君
理事本橋たくみ君
理事鈴木  烈君
理事伊藤こういち君
理事曽根はじめ君
理事林あきひろ君
北口つよし君
かまた悦子君
増山あすか君
こまざき美紀君
もり  愛君
清水とし子君
たかく則男君
石島 秀起君
遠藤ちひろ君
上田 令子君
銀川ゆい子君
原 のり子君
加藤 雅之君
成清梨沙子君
宮瀬 英治君
伊藤しょうこう君
藤井あきら君
本橋ひろたか君
とや英津子君
中村ひろし君
大山とも子君

欠席委員 なし

出席説明員
知事小池百合子君
副知事中村 倫治君
副知事宮坂  学君
副知事栗岡 祥一君
副知事松本 明子君
教育長坂本 雅彦君
東京都技監都市整備局長兼務谷崎 馨一君
政策企画局長佐藤  章君
総務局長佐藤 智秀君
財務局長山下  聡君
子供政策連携室長田中 愛子君
スタートアップ・国際金融都市戦略室長吉村 恵一君
デジタルサービス局長山田 忠輝君
主税局長武田 康弘君
生活文化スポーツ局長古屋 留美君
生活文化スポーツ局生活安全担当局長竹迫 宜哉君
環境局長須藤  栄君
福祉局長山口  真君
保健医療局長雲田 孝司君
消防総監吉田 義実君
産業労働局長田中 慎一君
建設局長花井 徹夫君
港湾局長松川 桂子君
会計管理局長梅村 拓洋君
水道局長西山 智之君
住宅政策本部長小笠原雄一君
中央卸売市場長早川 剛生君
選挙管理委員会事務局長川上 秀一君
人事委員会事務局長田中  彰君
監査事務局長小林 忠雄君
労働委員会事務局長堀越弥栄子君
収用委員会事務局長有金 浩一君
議会局長児玉英一郎君

本日の会議に付した事件
議席について
令和五年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について(質疑)
・令和五年度東京都一般会計決算
・令和五年度東京都特別区財政調整会計決算
・令和五年度東京都地方消費税清算会計決算
・令和五年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計決算
・令和五年度東京都国民健康保険事業会計決算
・令和五年度東京都母子父子福祉貸付資金会計決算
・令和五年度東京都心身障害者扶養年金会計決算
・令和五年度東京都地方独立行政法人東京都立病院機構貸付等事業会計決算
・令和五年度東京都中小企業設備導入等資金会計決算
・令和五年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計決算
・令和五年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計決算
・令和五年度東京都と場会計決算
・令和五年度東京都都営住宅等事業会計決算
・令和五年度東京都都営住宅等保証金会計決算
・令和五年度東京都都市開発資金会計決算
・令和五年度東京都用地会計決算
・令和五年度東京都公債費会計決算
・令和五年度東京都臨海都市基盤整備事業会計決算
・令和五年度東京都工業用水道事業清算会計決算

○川松委員長 ただいまから令和五年度各会計決算特別委員会を開会いたします。
 初めに、議席についてお諮りいたします。
 本委員会室における議席につきましては、ただいまご着席のとおりといたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○川松委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○川松委員長 本日は、小池知事並びに中村副知事、宮坂副知事、栗岡副知事及び松本副知事にご出席いただいております。本日はお忙しいところご出席いただきましてありがとうございます。
 これより決算の審査を行います。
 令和五年度東京都各会計歳入歳出決算の認定についてを議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 なお、去る十月九日から行われました各分科会における局別審査につきましては、お手元配布のとおり、報告書が提出されました。
 朗読は省略いたします。

   〔分科会審査報告書は本号末尾に掲載〕

○川松委員長 これより質疑を行います。
 この際、一言申し上げます。
 質疑に当たりましては、さきにご決定をいただいております委員会実施要領等に従いまして運営してまいります。
 委員の皆様方には、質疑を行う際、令和五年度決算の審査から逸脱しないよう、ご協力のほどよろしくお願いいたします。
 なお、持ち時間につきましては、終了五分前に振鈴で一点、時間満了時に二点を打ち、お知らせいたします。質疑時間はお守り願います。
 次に、理事者に申し上げます。
 答弁に際しましては、質疑の要旨をよく把握し、簡潔明瞭に答弁されるようお願いいたします。
 なお、発言の際には、必ず職名を告げ、委員長の許可を得た上で発言されますようお願いいたします。
 これより順次発言を許します。
 河野ゆうき副委員長の発言を許します。

○河野委員 自民党の河野ゆうきでございます。予算と決算の関係につきまして質問させていただきます。
 決算の審議を通じて予算執行の成果を検証し、次年度以降の予算編成に生かしていくことは極めて重要であります。決算の審査は、単年度の財政健全性の確認のみならず、今後の予算編成を踏まえた中長期的な視点に立って検証が求められます。
 まず、翌年度予算編成において、前年度決算の内容はどのように反映されるのかをお伺いします。

○山下財務局長 社会経済情勢の変化を捉え、山積する都政の諸課題に的確に対応していくためには、一つ一つの事業について不断の見直しを行い、絶えず改善を図っていくことが重要でございます。
 そのため、予算編成に当たりましては、前年度の決算について評価制度などを活用しながら、その成果や執行状況を厳しく検証し、浮かび上がってきた課題に対して的確に対策を講じることとしております。
 こうした評価制度の取組等を通じ、決算から予算編成に至るPDCAサイクルを有効に機能させることで、翌年度予算編成において、一つ一つの事業の効果を最大限に発揮させております。

○河野委員 一方、都はこれまで、事業評価の取組などを通じて各事業を検証し、効率性、実効性を向上させてきました。決算をしっかりと分析し、成果、課題を翌年度予算に生かしていく観点から、事業評価において、前年度の決算の内容はどのように活用されているかをお伺いいたします。

○山下財務局長 事業評価では、各事業について、前年度の成果や決算の分析など多面的な検証を行い、必要な見直しや事業の再構築につなげております。
 令和六年度予算編成におきましても、例えば複数の局で実施していた住宅の省エネ改修促進事業について、前年度決算における各局の取組状況等を踏まえ、補助制度を一本化することで、都民の利便性の向上と経費の縮減を図りました。
 今後とも、事業評価による取組などを通じ、各局と連携しながら、決算の状況など的確に検証を行い、より効率的で実効性の高い施策の構築につなげてまいります。

○河野委員 私の地元の板橋区をはじめ、区議会などでの決算審査において事業評価を活用されている議会もございます。
 都は、予算編成の一環として事業評価を実施しており、これまで評価制度における政策評価の導入や外部有識者の意見聴取など、様々な改善を図られてまいりました。
 しかし、この決算特別委員会の場においては、事業評価が間に合っておりません。この事業評価の成果の分析を議論するに当たり、事業評価が決算審議の前に発表されると、より深い議論ができるのではないかと考えます。先ほど申しましたとおり、板橋区議会などでの決算審議の前に、事業評価、事務事業評価の発表をしておりますので、この時期をぜひ検討していただくことを強くお願いしたいと思います。評価制度に関しましては、より一層の改善を求めて、要望させていただきたいと思います。
 次に、物価対策、減税対策についてお伺いします。
 長引く物価高騰の影響によって、多くの都民の方々が経済的に疲弊をしております。国交省の調査によると、東京の可処分所得は全国で最下位であります。三年前の都議会議員選挙で、我が会派は、公約の中に個人住民税の減税を掲げたわけであります。様々な理由があり、現在、実現には至っておりませんが、その理由の一つとして、減税を行った際に、起債の発行の際、総務省の許可が必要になってくるということでございます。
 許可に当たっては、例えば二千億円の個人住民税の減税を実施した場合、その同額と、同じだけの歳入確保や歳出削減を行政効果の中で行わなければならないということで、総務省に認めてもらわなければなりません。効果の判断基準は明示されておらず、総務省の裁量であり、この点、減税を行っている名古屋市などでは苦慮されていると聞いております。
 地方自治体の権限と責任で減税を行うことができたとしても、ほかの部分で国の関与が生じて、財政運営が縛られているのは問題だと私は思います。
 地方分権の観点から、起債の許可制度など、財政運営上の地方の自主性を損ねる制度の見直しを国に求めていくべきだと考えますが、都の見解を伺います。

○山下財務局長 都はこれまでも、地方債制度の見直しや国庫補助負担金の改革など、地方の裁量の拡大に向け、国に対して要望を行ってまいりました。
 現行の制度では、地方財政法におきまして、都道府県が普通税の税率を標準税率未満とした場合、地方債を起こすに当たりましては、総務大臣の許可を受けなければならないと規定されております。
 真の地方自治は、自らの権限と財源に基づく主体的な行財政運営により実現できるものでございまして、国と地方の役割分担の見直しなど、引き続き、国に働きかけてまいります。

○河野委員 三年前の都議選で、我が会派は、コロナ禍で苦しいときだからこそ、減税の断行と訴えてまいりました。今もまさに未曽有の物価高にあります。減税をはじめとした可処分所得を増やすための対策は重要であり、減税が難しいというのであれば、還付など対応していただくことを強く要望したいと思います。こうした取組の柔軟性で実施できるように、財政運営の自主性、自立性の担保のため、国に対して強く要望していただきたいと思います。
 次の質問に移ります。
 都立病院は、コロナ五類移行後も入院患者数が戻らず、厳しい経営状況だと聞いております。令和五年度に都立病院に受け入れられた入院患者数について、コロナ前と比較して、令和五年度の決算の状況についてお伺いいたします。

○雲田保健医療局長 都立病院全体の令和五年度の延べ入院患者数は約百五十九万人であり、コロナ禍前の令和元年度と比較して約三十四万人減少しております。また、都立病院機構の令和五年度決算は、収入総額二千三百七十七億六千七百万円、支出総額二千五百六十億六千二百万円であり、百八十二億九千五百万円の純損失となりました。
 主な要因といたしましては、患者数の減少により医業収益が伸びていないこと、五類への移行に伴い、コロナ関係の補助金収益が大幅に減少したこと、物価高騰の影響により材料費等が増加したことなどが挙げられます。

○河野委員 令和五年度の適切な支出の徹底の取組と、職員のコスト意識醸成の取組について伺います。

○雲田保健医療局長 都立病院では、将来にわたり安定的、継続的に役割を果たすため、経営力強化プロジェクトを立ち上げ、適切な支出の徹底や、職員のコスト意識の醸成などに取り組んでおります。
 令和五年度は、国立大学病院等との共同交渉を通じた調達により、診療材料の十四品目で費用削減を実現するなど、支出の縮減に取り組みました。また、経営改善に関する勉強会につきまして、新たに看護師や薬剤師など職種別に、それぞれの役割を踏まえた経営の着眼点などをテーマに開催したほか、日々の病床稼働状況などの経営指標を病院のシステム上で共有するなど、職員のコスト意識の醸成を図っているところでございます。

○河野委員 医療を受けた患者さんは、受益者負担の観点から、未収金などを減らす必要があります。都の未収金対策について伺います。

○雲田保健医療局長 都立病院では、未収金の縮減に向けて、発生防止と回収促進の双方の観点から取組を進めております。
 令和五年度は、発生防止について、支払い相談や公的助成制度の案内をきめ細かく行うとともに、複数の病院で患者アプリにより診療費を精算できるサービスを導入するなど、支払い方法の多様化を図りました。また、未収金発生後は、速やかな催告を徹底するとともに、ケースにより早期に弁護士へ回収を委任するなど、適切に対応いたしました。
 こうした取組により、令和五年度に発生した未収金額は約四億一千万円で、患者が負担する診療費の総額に対する割合は二・六%となり、前年度と比較して一・四ポイント改善いたしました。

○河野委員 未収金が約四億一千万円ということですが、未収金の督促や回収のために、事務的な労力や時間を割かれていると思います。昨今は、受益者が負担する医療費の補償をするサービスなどもあり、民間病院などでは導入が増えているそうです。このような取組もぜひ検討していただきたいと思います。
 本日の質疑は、都立病院の決算状況についてお伺いしましたが、民間病院の経営状況も、さらに厳しい環境にあると思います。民間病院からも、コロナが二類から五類になった後、患者の動きが変わったということで、患者の数が戻らず、厳しい状況と聞いております。
 先日は、武蔵野市の二次救急医療機関が先月から休止しているということでございます。この経営を取り巻く環境は、都立も民間病院も同様であり、都立においては、さらなる経営の改善と、また、民間病院に対しましても状況をしっかりと把握していただき、取組を進めていただくことを要望して、次の質問に移ります。
 不登校児のヘルスケア対策についてお聞きします。
 各教育委員会では、不登校児の子供たちのサポートのために、スクールカウンセラーやメンタルヘルスやバーチャルラーニングプラットフォームなどの学習支援など、様々な支援をされているかと思います。
 しかし、成長期の子供たちの健康な体をつくる支援は、大きな課題だと思っております。特に、不登校が長期化し、ひきこもりがちな児童に対して、積極的なヘルスケアが必要だと考えます。
 不登校により学校で健康診断が受けられなかった児童生徒への取組と、健診の受診状況について伺います。

○坂本教育長 児童生徒等が健康診断を長期欠席などにより受けられなかった場合の対応について、国は、事前に保護者に伝えることなどを定めているところです。都教育委員会は、この内容を都立学校や区市町村教育委員会に対して周知を行いました。
 具体的には、都立学校におきましては、健康診断を当日に欠席をした生徒等に対し、学校医の診療所で後日、診断を受けられるなどの対応を行っているところです。
 都内公立学校の健康診断の受診率でございますが、最新のデータである令和四年度の実績では九七・五%となっております。これらによりまして、児童生徒等の健康保持を着実に進めたところでございます。

○河野委員 健康な体をつくることでホルモンバランスを整え、メンタルヘルスにもプラスの要因になるとも期待されます。ぜひ、様々な最新の技術なども駆使してサポートしていただくことを望みます。
 次に、増大する救急需要への対応について伺います。
 令和五年度は、救急出動件数が最多を更新し、本年度は、さらに増加すると聞いております。救急需要対策の一環として、患者等搬送事業者である民間救急を利活用することで、不要不急な救急の利用を減らし、真に救急車が必要な傷病者の下へいち早く向かうことができるようになると思われます。
 そこで、都民が民間救急を利用しやすい環境を整えるべきと考えますが、東京消防庁の見解を伺います。

○吉田消防総監 患者等搬送事業者については、転院や通院等の手段として都民に利用されており、救急車の適時適切な利用に寄与しているものと認識しております。
 このため、東京消防庁では、都民が安全に利用できるよう、患者等搬送事業者認定表示制度を設け、乗務員の応急手当てに関する資格や、資器材等の基準を満たしている事業者を認定し、公表等を行ってまいりました。
 さらに、各地域の救急業務連絡協議会に、患者等搬送事業者の参画を図り、消防機関や各医療機関等との連携を促進しております。
 引き続き、都民が患者等搬送事業者を利用しやすい環境の整備に努めてまいります。

○河野委員 各地域での救急業務連絡協議会に民間救急事業者の方々も参加されているのは、大きな前進かと思います。
 一方で、都の政策連携団体である東京防災救急協会には、民間救急コールセンターが設置されております。また、民間救急の事業者が運営する、充実したポータルサイトなどもあります。ぜひ、これらの事業者間のネットワークを利用して、GovTech東京などのデジタル局さんも協力していただき、このような取組を一層進めていただくことを要望いたします。
 次に、増大する福祉需要への対応について伺います。
 福祉事業を行うに当たり、福祉人材、とりわけ有識者の絶対数が足りないという問題につきまして質問させていただきます。
 障害者の就労支援や、障害児の放課後の居場所である放課後等デイサービスなど、それらの事業者の需要はますます増大化しております。しかし、事業所を増やそうとしても、様々な障壁があり、開所できず、結果、需要と供給が合わず、待機されている障害児の子供たちは多くなっているというのが現状であります。その障壁となっている一つが有識者不足であり、募集をかけても見つからないということでございます。
 私が知る事業所では、児童発達支援管理責任者が体調を崩したため、急遽退職することになりましたが、採用活動を実施してもなかなか見つからなかったということで、児童発達管理責任者の条件が厳し過ぎるという意見もございました。また、サービス管理責任者や児童発達支援管理責任者が長期不在となると、事業所の経営にも影響しかねません。障害福祉サービス事業所では、こうした場合の措置として、退職、急病などの事業者の責に帰さない事由により欠如した場合は、一時的みなし配置が認められております。
 しかし、こうした対応は一時的なものであり、一定の基準を満たした研修修了者を配置するのが望ましいと考えます。この研修については東京都が実施しておりますが、この状況を踏まえて、都の取組状況について伺います。

○山口福祉局長 都は、障害福祉サービス等事業所における支援の質を確保するため、個別支援計画の作成などを行うサービス管理責任者などの養成研修を実施しております。これまで、研修の開催回数を拡充するとともに、オンライン講義の導入や、都内各地域での演習会場の確保など、より受講しやすい環境の整備を進めておりまして、その結果、受講者数は年々増加し、令和五年度には約千百人のサービス管理責任者等を養成しております。
 引き続き、研修の受講ニーズに的確に対応し、事業所におけるサービス提供の要となる人材の確保を支援してまいります。

○河野委員 資格を取るハードルが高いため、資格者の絶対数が少ない。それが逆に質の低下を招きかねない状況があります。よりよい制度構築を望みたいと思います。国に要望していただきたいと思います。
 次に、大島波浮港の整備についてお聞きします。
 波浮港は、伊豆大島の南端にある港で、漁港の拠点としての役割だけでなく、歴史的なまち並みが残り、また、文学作品の舞台にもなったことで、観光名所となっている港であります。
 近年、気候変動や地盤沈下の影響により、波浮港では、台風や、風雨が強いときや、高潮時には、物揚げ場の高さを超えて海水が流入し、周辺地域も浸水してしまう状況が生じております。こうした状況を踏まえ、都は、平成二十二年度から、波浮港の物揚げ場のかさ上げ工事を進めてきましたが、一部では、まだ工事が完了していないと聞いております。
 そこで、まず、なぜ工事が完了していない部分があるのかを伺います。

○松川港湾局長 大島波浮港の物揚げ場は、地盤沈下が進行しておりまして、台風や大潮などの高潮位の際には、周辺地域が浸水することで、港湾における荷役作業などに影響を及ぼしております。
 このため、都は、平成二十二年度から物揚げ場のかさ上げ工事を順次進めておりまして、令和五年度には約六割が完成いたしました。未整備箇所は、物揚げ場と民地が接している部分でございまして、この部分をかさ上げすることで民地との高低差が生じ、人の出入りなどに支障が生じることになります。
 このことから、現在、かさ上げの手法について、地域住民の方々と調整を進めているところでございます。

○河野委員 物揚げ場の工事は、荷役利用などがあるため、関係者といろいろな調整をしながら、可能な限り速やかに工事を進めていただきたいと思います。
 一方、民地との高低差が生じることから、かさ上げの手法について調整がつかず、工事が着手できていない部分があることは理解できますが、高潮時に浸水が生じており、できる限り早期に事業を完了させる必要があります。今後も、地元の方の理解を得られるように、様々な観点から、早期の整備完了を目指していくことが重要であります。
 そこで、波浮港の物揚げ場の整備を着実に進めていくための今後の取組について伺います。

○松川港湾局長 物揚げ場のかさ上げにつきましては、これまで可能な限り、民地との高低差が生じない整備手法を検討してまいりました。
 しかしながら、排水など技術的な課題から、港湾施設内におきまして民地との高低差を完全に解消することは困難なため、今後は、民地側での高低差の解消につきまして、必要な機能を補償することを視野に入れて検討を実施してまいります。
 今後とも、民地の所有者に高低差解消の手法について丁寧に説明していくことで、事業への理解を促進し、かさ上げの早期完成を実現してまいります。

○河野委員 都としても、これまでの検討に加え、民地側で必要な機能を補償するという考え方を取り入れた整備を進めていくとの新たな答弁をいただきました。波浮港の物揚げ場のかさ上げについては、地元関係者から強い要望もあります。引き続き、地元の方の話を丁寧に耳を傾けていただき、早期整備に向けて、積極的な取組を進めていただきたいと思います。
 次に、順番でいいますと都市整備の質問でございましたが、時間の都合で、最後の項目のところで、築地の整備のところで一緒に質問させていただきたいと思います。
 続きまして、ZEVの普及についてお伺いします。
 ゼロエミッションビークル、ZEVの普及促進に向けた取組について伺います。
 東京都は、ZEVの購入に対する補助事業を行っておりますが、令和五年度に実施した事業の内容と実績を伺います。

○田中産業労働局長 都は、都民や事業者がZEVを購入する際の負担軽減を図るため、その費用に対する補助を行っております。これまで、車両の種別に応じた定額での補助に加えまして、ZEVの購入者が太陽光発電設備を併せて設置する場合等に、上乗せして支援を行ってまいりました。
 令和五年度は、自動車メーカーのZEVの車種や販売台数を増やす取組を促すため、販売実績の高いメーカーの車両につきまして、補助額を最大十万円上乗せする仕組みを新たに導入いたしました。
 こうした取組を通じまして、令和五年度は、前年度の約一・四倍となる一万五千四百七十五台、約七十七億六千万円の交付決定を行い、その普及を後押しいたしました。

○河野委員 ZEVの普及のため、こうしたZEVの購入に対する支援に加え、機運を高めることも必要だと考えます。今年の三月に、フォーミュラE東京大会が初めて日本の公道を使用する形式で開催をされ、大きな反響を呼んでおります。
 都はこれまで、フォーミュラE東京大会にどのように関わってきたのか伺います。

○田中産業労働局長 都は、フォーミュラE東京大会がZEVの普及に寄与するものと考え、大会時に後援名義の使用を承認しております。開催に当たりましては、東京大会が安全・安心に開催できるよう、交通管理者である警察等や道路管理者との調整に協力いたしました。
 さらに、この開催に合わせて、都もZEV普及に向けたイベントを同時に開催しております。これらによりまして、多くの都民に脱炭素化に役立ちますZEVの魅力をPRすることができてございます。

○河野委員 来年も開催をされるということでございますので、今後もこうした機会を捉え、ZEVの普及と併せて、東京の魅力をぜひ発信していただきたいと思います。
 続きまして、外国人対策についてお伺いいたします。
 都内在住の外国人は、コロナ禍を経て増え続け、都内の都心部の商業地区だけではなく、いわゆる地元密着の商店街、地元の商店街などにもかなり外国の方を見かけるようになりました。コロナ禍の令和四年には、都内在住外国人の数が五十万人まで減少しましたが、今年十月には七十万人を超えたということでございます。文化や習慣の違う外国人が生活ルールやごみ出しなどのマナーを守らずに、地域でトラブルが起きている事例も住民の方から聞かれております。
 今後、さらに東京に住む外国人は増えていくと思います。外国人を一くくりにするわけではありませんが、数が多くなると、ルール、マナーが崩壊していく可能性、おそれもあります。こうした外国人の方々が地域でのルール、マナーを守れる一員になってもらえることが、安心・安全のためのまちづくりとして必須だと考えます。
 地域で生活するために必要なルールを伝えることが重要だと考えますが、都の取組を伺います。

○古屋生活文化スポーツ局長 都はこれまで、困り事を抱えた外国人が適切な窓口につながるよう、東京都多言語相談ナビにおきまして、十五言語で電話の対応をしてまいりました。
 今年度は、外国人がより気軽に相談できるよう、このナビをフリーダイヤル化し、在住外国人が通う飲食店等で周知しているところでございます。
 また、例えばごみの捨て方など、地域で生活していく上で必要な情報を区市町村と連携して整理しておりまして、今後、外国人向けサイトで発信する予定でございます。サイトにつながるQRコードつきのカードも作成して、区市町村や町会、自治会等を通じて配布してまいります。

○河野委員 一方で、外国人の不法就労の問題についても対応することが必要だと考えます。雇用主側へは、どのような取組を行っているかお聞きします。

○竹迫生活文化スポーツ局生活安全担当局長 都では、外国人に不法就労させない環境づくりを進めるため、企業の人事担当者等向けに、外国人を雇用する際の注意点を解説したマニュアルを作成、配布するとともに、雇用主への講習会を実施しております。昨年度は四十回開催をしております。
 あわせて、例年六月と十二月を外国人適正雇用推進月間とし、関係機関と連携して繁華街等の店舗を訪問するなど、外国人の適正雇用と不法就労防止を呼びかけるキャンペーンを実施しております。

○河野委員 外国人の方が増えることによって、地域の高齢者の方たちなどから、不安である、もしくは、肌感覚として治安が悪くなったという声があることも事実であります。多文化共生の立場から、誰一人取り残さない、これは当然、外国人も含めてなことだと思います。
 しかし、モラルハザードが起きているところもございます。先日、テレビで放映されて反響を起こしている事案として、外免切替えという、外国の免許を日本の免許に切り替える方法があると聞いております。国際的な価値の高い日本の免許が欲しいということで、取りに来る方がいらっしゃる。日本に住所を有していなくても、一時帰国(滞在)証明書というものがあると取れるそうです。宿泊しているホテルなどで証明書を書いてもらい、そして、発行される免許証の住所はホテルの所在地だそうです。このようなやり方で日本の免許が発行されるということでは、日本の信頼や価値の失墜につながりかねません。
 また、ルールが分かっていないがゆえの交通事故の増加も懸念がされます。
 先ほど申しましたとおり、コロナ禍では、外国人籍の住民の方の数が都内五十万人だったのが、今年十月には都内で七十万人を超え、都内の総人口の五%でございます。新宿や豊島区、そして荒川区では一〇%を超えております。新宿では一三・二%まで超えたそうです。
 誰一人取り残さない、これは当然のスローガンでありますが、主権者たる国民の権利、安心・安全が脅かされてはならないと思います。他県で起きているような一部の外国人の問題、東京では起こさせないでほしいと思います。そして、何より懸念されるのは、諸外国の大都市には必ずといっていいほどあるスラム街、この我がまち東京の一角がスラム化するようなことがないようにしっかりとした対応をお願いして、次の質問に移ります。
 社会の不安にどのように寄り添うのか。高齢者、高齢単身者や、子供のいない夫婦のみの世帯や、親やきょうだいと疎遠になっている方、八〇五〇問題や障害者を抱えている世帯など、みんな将来に向かって様々悩みと課題を抱えていると思います。
 かつては、大家族であり、隣近所や地域での相談役がいたり、悩みや課題を解決していましたが、今は無縁社会となっています。こうした様々な悩みや課題を解決するため、年代や属性にこだわらず、新たな取組が始まっておりますが、都内区市町村での取組状況について伺います。また、八〇五〇問題に代表されるひきこもり対策についても、併せて伺います。

○山口福祉局長 地域住民が抱える課題が複雑化、複合化する中で、高齢者、障害者、子供、生活困窮者など、対象者別の支援の仕組みでは解決が難しいひきこもりなどのニーズに対応できるよう、都は、重層的支援体制整備事業に取り組む区市町村に対しまして、昨年度から経費の一部を補助しております。昨年度は、十二区市が都の支援も活用して、対象や世代を問わない包括的な相談体制の整備や、社会とのつながりをつくるための支援などに取り組んでおります。
 このほか、ひきこもり対策として、都内各地で相談などを行う二十六の団体と協定を締結しておりまして、これらの団体と連携しながら、当事者や家族などをサポートするよう、区市町村に働きかけております。

○河野委員 重層的な支援体制整備の取組がより進むよう、都として支援を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。

○山口福祉局長 都は、地域共生社会の実現に向け、都、区市町村、関係団体及び地域住民などが一体となって地域福祉を推進することを目的に策定した地域福祉支援計画について、令和五年度に中間の見直しを行いまして、新たな地域生活課題への対応として、重層的支援体制整備の推進を盛り込みました。
 具体的な取組としましては、区市町村における円滑な体制の整備に向け、必要な助言を行うとともに、今年度は、区市町村や社会福祉協議会の職員などを対象としたシンポジウムを開催しまして、取組事例の共有や意見交換を行い、区市町村の取組を支援しております。

○河野委員 先日公表された国立社会保障・人口問題研究所の都道府県別世帯数の将来推計によると、二〇五〇年の全世帯を占める一人暮らしの割合は、東京都では五四・一%に高まるとの予測が示されました。
 孤独、孤立は、誰にとっても身近に生じる深刻な問題となっております。こうした都民の不安を払拭していくために、都は、孤独、孤立の解消に向けてどのように取り組んでいくのか、知事の見解を伺います。

○小池知事 価値観の多様化や社会環境の変化などによりまして、人と人とのつながりが希薄化する中で、不安、そして困難を抱えた方が、望まない孤独、孤立に陥らないよう、支援の充実が必要でございます。
 そのため、「未来の東京」戦略の下、高齢者や生活困窮者、ひきこもりの方々など、一人一人の悩みに正面から向き合って、あらゆる分野で支援を充実してまいりました。また、区市町村によるそれぞれの地域での分野横断的な相談支援体制の構築、また、多様な居場所を創出する取組を支援してまいりました。
 今後も、区市町村や関係機関と連携しながら、全庁を挙げまして取組を推進していくことで、誰一人取り残さない社会を実現してまいります。

○河野委員 ありがとうございました。一人一人に寄り添い、不安を取り除いていく。それが一人一人のウエルビーイングにつながっていくと思います。そんな東京をつくっていただきたいと思います。
 続きまして、都市整備の問題につきまして質問させていただきます。
 踏切対策につきまして質問いたします。
 都内には、いまだ数多くの踏切が残されており、道路渋滞や踏切事故の危険性など多くの課題を抱えております。都は、平成十六年に踏切対策基本方針を策定し、鉄道立体化の検討対象区間として二十区間、それ以外の重点区間については、鉄道立体化以外の対策の検討対象区間として位置づけて、踏切対策を進めてまいりました。安全なまちづくりの観点から、踏切対策は早急に進める必要があります。
 そこで、都が昨年度実施した都内における踏切の現地調査の結果と、立体化の検討対象区間について、進捗状況について伺います。

○谷崎東京都技監 都は、鉄道事業者等と連携し、踏切対策を進めてまいりましたが、都内には約千四十か所の踏切が存在し、交通渋滞やまちの分断などの課題が残っております。
 令和五年度は、踏切対策の実施状況を把握するため、重点踏切を対象に現地調査等を実施したところ、踏切対策が着実に進捗している一方、歩行者等の踏切交通遮断量の大幅な増加など、新たに課題が生じた踏切が存在することも確認いたしました。
 また、踏切対策基本方針における鉄道立体化の検討対象区間につきましては、一路線一か所で連続立体交差事業が完了し、五路線七か所で事業中、三路線三か所で事業化に向けた準備を進めております。

○河野委員 私の地元であります板橋区では、東武東上線の大山駅付近区間と、ときわ台から上板橋付近の区間が検討対象区間として抽出されております。
 そこで、大山駅付近における連続立体交差事業のこれまでの取組について伺います。

○花井建設局長 東武東上本線の連続立体交差事業は、大山駅付近、約一・六キロメートル区間の鉄道を高架化し、八か所の踏切を除却することで、道路ネットワークの形成を促進し、交通渋滞や地域分断を解消するとともに地域の活性化に資する、極めて効果の高い事業でございまして、令和三年十二月に事業認可を取得し、事業に着手しております。
 令和五年度は、高架橋の詳細設計や用地測量などを行いました。今月九日と十四日には、工事説明会を開催し、工事の進め方や安全対策について説明したところでございます。
 今後、用地取得を進めますとともに、工事にも着手してまいります。引き続き、地元区や鉄道事業者と連携しながら、事業を着実に推進してまいります。

○河野委員 東上線では、ほかにもときわ台−上板橋付近が立体化検討対象区間に位置づけられております。ここでは上板橋の南口の再開発が進んでおり、また、ときわ台駅地区ではまちづくり協議会も発足するなど、まちづくりの機運が高まっております。
 また、令和五年度末には板橋区議会の皆さんが、東武東上線中板橋駅・ときわ台駅・上板橋駅連続立体化促進議員協議会として、中板橋駅も含む区間について、早期の立体化の実現を都に要望したところでございます。次期踏切対策基本計画を策定する際には、ぜひともこのときわ台−上板橋区間ももちろんのこと、中板橋区間も、住民からの要望を受けて位置づけをしていただきたいということを要望させていただきたいと思います。
 また、ときわ台から上板橋区間に関しましては、複々線化を希望する声もたくさん聞かれます。交通審議会などに地元から要望を上げることも併せて取組を行うことで利用者の利便性向上を図っていけるものと考えます。立体化の取組を進めていただくよう強く要望しまして、次の質問に移ります。
 都市整備局が所管をします特定整備路線の令和五年度決算での不用額と執行率及び用地取得の進捗状況について伺います。

○谷崎東京都技監 都市整備局では、六地区の特定整備路線を所管しており、その令和五年度決算での不用額は三十二億円で、執行率は四一%でございます。用地取得率につきましては、令和六年三月末時点では、目黒本町地区は一〇〇%、鐘ヶ淵Ⅱ期地区は約七四%、原町、洗足地区は約九六%、志茂地区は約四七%、戸越公園駅周辺地区は約三二%、大山中央地区は約五一%でございます。

○河野委員 この大山中央地区、板橋にあります大山中央地区に関しましては、大変進捗が遅いと思います。この整備路線は、ハッピーロード大山商店街を斜めに分断し、商店街の三分の一が道路計画にかかるという計画で、当初より反対の意見が多かったエリアであります。
 しかしながら、二十年ほど前から地元でまちづくり協議会を立ち上げ、機運を醸成し、様々な地域の皆さんの努力により現在に至っております。この路線整備は、クロスポイント再開発とピッコロ・スクエア再開発という二つの再開発と、東武東上線の連続立体化事業、また、駅前広場整備事業と同時に進んでおり、板橋区にとっては一大プロジェクトでございます。
 今年度末には、クロスポイントの地域が、開発が竣工する予定でございます。前提として、道路と開発する時期を合わせて開発を進めていこうというのが当初の目的で、目標でありました。連立については、先ほど質問したとおり工事説明会も終わって、粛々と進んでおります。再開発エリアに関しましてはアーケードも撤去されるということで、商店街は、今、二分されているような感じがございます。
 整備の遅れというのは、まちづくりにとっても大変致命的であります。また、この整備区間は千川上水が流れており、この上に、まだ、都有地にかかわらず営業されている方たちもいらっしゃいます。
 そこで、なぜ道路整備が遅れているのかということを考えるのかと、また、これらの道路使用者の方たち、所有者の方たちに対しまして、積極的なアプローチを進めていただきたいと思います。質問は、ちょっと時間の都合で質問はできませんが、要望させていただきたいと思います。また、この事業というのは首都直下型、または−−今、取組についてまずは伺います。

○谷崎東京都技監 商店街に多数の店舗があり、移転先の選定に時間を要することや、土地建物等に係る権利関係が複雑であることなどの事情があることから、一層の用地取得推進に向け、東京都都市づくり公社に用地取得業務の一部を委託し、執行体制の強化などに取り組んでまいりました。
 また、沿道を含めた地域の方々に対し、事業の意義や重要性について説明を行うとともに、関係権利者を訪問して折衝を重ね、合意が得られた権利者の建物から物件調査、物件移転補償費の算定を実施してまいりました。
 引き続き、関係権利者との合意形成に努め、用地取得に向けて取り組んでまいります。

○川松委員長 河野ゆうき副委員長の発言は終わりました。(拍手)
 機材の準備を行いますので、しばらくお待ちください。
 福島りえこ副委員長の発言を許します。

○福島委員 では、よろしくお願いします。
 都政運営に当たっては、一刻の猶予もないこの少子化対策や都市の強靱化など、積極的な施策展開が求められる一方で、財政の健全性を維持する必要があります。このため、知事は、一期目よりワイズスペンディングを掲げて取り組まれてきました。結果、令和五年度の決算において、都の経常収支比率や公債費負担比率などは、都道府県平均と比べても良好な状況を維持しています。決算審査に当たって八年間を振り返り、この間どのような財政運営を行ってきたのか、知事の見解を伺います。

○小池知事 これまで、二期八年間の中で、新型コロナウイルス感染症との闘い、そして東京二〇二〇大会の開催など、都政の歴史に残る数々の課題に対しまして全力で取り組んでまいりました。
 加えまして、急速に進行する少子高齢化への対応や、激甚化する災害への備えなど、未来の東京の実現に向けました施策をスピード感を持って展開をしてまいったところでございます。
 一方で、東京大改革の旗印の下で、事業の無駄をなくす取組を徹底いたしまして、八年間で八千百億円に及びます財源を生み出すなど、ワイズスペンディングの取組の強化を図ってまいりました。
 また、都債の発行を抑制しまして、その残高を平成二十八年度末の四・七兆円から、令和五年度末には三・七兆円と減少させるなど、将来に備えました財政対応力も培ってまいったところでございます。
 今後とも、こうした取組にさらに磨きをかけることで、積極的な施策展開を支え得る強靱な財政基盤を堅持し、持続可能な財政運営を行ってまいります。

○福島委員 ワイズスペンディングを徹底し、積極的な施策展開と健全な財政の両立をなし得てきたことを確認しました。
 これを支える基盤として、私たちは、かねてより求めた効果が得られたかというアウトカム視点の事業評価を求めてまいりました。特に、要因が複数あるため評価が難しいとされてきた事案については、統計的手法が有効です。
 そこで、令和六年度予算編成における評価制度の取組のポイントについて伺います。

○山下財務局長 令和六年度予算編成では、例えばプラスチックの分別収集拡大に向けた区市町村への補助制度の効果検証に際しまして、補助制度の活用の有無による収集量の差を統計的に分析するなど、データ分析を有効に活用することで、効果的な事業構築につなげたところでございます。
 また、新たに政策連携団体の事業に着目した評価を導入し、政策評価、事業評価と一体的に実施することで、都庁グループ全体における事業の効果や効率性の向上を図りました。
 今後とも、こうした取組にさらに磨きをかけ、より成果重視の視点から、効率性、実効性の高い施策構築につなげてまいります。

○福島委員 補助制度の効果を統計的手法を用いて検証したり、政策連携団体も対象にした政策評価を行うなど、アウトカム視点の評価に取り組んでいることを確認しました。さらに、この評価結果を実効性の高い事業構築につなげていくとのことで、EBPMの取組が都においても進んでいることを高く評価をいたします。
 私たち都民ファーストの会は、これまでの政治では取組が不足していた未来への投資、これを拡充してまいりました。今回は、子育て、そして教育施策について伺います。
 知事は、チルドレンファーストを掲げ、子供や子育てに関する政策を大きく前進させてきました。私たちが求めた所得制限のない子育て支援、〇一八サポートを受け取った皆様からは、都が子育て世代を応援してくれていることが実感できてうれしいとの喜びの声を寄せていただいています。
 〇一八サポートの令和五年度における実績と、どのように取り組んできたのかを伺います。

○山口福祉局長 〇一八サポートは、子供一人一人の成長をひとしく支えるため、ゼロ歳から十八歳までの全ての子供に月額五千円を支給する事業として、令和五年度から開始いたしました。本事業を都民に広く周知するため、「広報東京都」への掲載やSNS等を活用した広報を実施しまして、令和五年度は、対象となる子供の約九割に当たる約百八十一万人に対し、千五十九億円を支給いたしました。
 また、申請に関していただいた様々なご意見に速やかに対応し、申請者への案内の充実、申請サイトの表示の見直し、システムの増強による待ち時間の短縮などの改善を図りまして、申請者の利便性向上に取り組みました。

○福島委員 〇一八サポートの実現により、児童手当における所得制限の撤廃など、国内の政治における子育て支援策の優先順位は大きく引き上げられました。広域自治体である都が対象となる二百万人に対して直接給付に乗り出すという新しい取組であるからこそ、引き続き、課題に対する速やかな対応、アジャイルの取組を要望し、次の質問に移ります。
 今の子供たちが社会に出る頃には、国内外問わず活躍できる力が今まで以上に求められます。私たちは、英語教育の強化や、学生のうちから海外と交流を行うことの重要性を訴えてまいりました。
 令和五年度予算には、中一、中二への実施を含めた中学校英語スピーキングテストの強化が盛り込まれ、都立高校生の海外交流事業も、私たちの求めに応じて大幅に拡充されました。
 会派の仲間が参加した成果報告会では、現地の高校生と交流して価値観が変わった、初めての海外だったが挑戦して本当によかったとの参加生徒の感想に加えまして、この報告を聞いた生徒からも、挑戦したいという言葉を聞くことができました。
 令和五年度における都立高校生の海外交流事業の取組状況と成果について伺います。

○坂本教育長 グローバル人材の育成をより一層推進するため、都立高校生等を海外へ派遣し、現地生徒と世界を取り巻く課題を議論するほか、大学や企業などで最先端の研究や事業を学ぶ等、国内で得られない体験をすることが重要でございます。
 このため、都教育委員会は、昨年度、アジア、欧米、中東等の八か国に二百十六名の生徒を派遣いたしました。
 参加生徒のアンケートによれば、海外の大学で勉強したい、海外で働いてみたいとの意見も出ておりまして、グローバルなキャリアづくりのきっかけ等を提供することができたと考えております。
 また、こうした生徒による報告会での内容について、都立学校全体にオンラインで紹介をして、海外で学ぶ意欲の喚起につなげるなどの工夫を行ったところでございます。

○福島委員 渡航する高校生のサポートにも時間を要することから、これに取り組む教育庁の体制を強化し、無限の可能性を持つ高校生のためのプログラム内容のさらなる充実を求め、次の質問に移ります。
 デジタルの消費者ではなく、デジタルを使って価値創造する側の人材になるための教育機会を平等に設けることは、希望する子供たちにとってはもちろんのこと、東京が国際競争力を持つためにも重要です。
 私は、令和四年第三回定例会の総務委員会において、デジタルによる表現活動や学びの場所として、米国のコンピュータークラブハウスの例を紹介し、会派の令和五年度予算への重点要望へとつなげてまいりました。これを受けて、都は昨年度から、子供向けデジタル体験向上プロジェクトをスタート、今年は連携する自治体数や期間を拡充するとともに、愛称をくりらぼと定め、十月にはSusHi Tech Squareでの常設拠点、くりらぼベースも開設されました。積極的な事業展開を評価するものです。
 令和五年度の実施で明らかになったことと、令和六年度以降の事業に反映した内容について伺います。

○山田デジタルサービス局長 都が昨年度開始いたしました子供向けデジタル体験向上プロジェクトでは、十五自治体の児童館などで体験会を実施し、小中学生六百人以上が参加いたしました。子供たちは、ロボットやゲーム制作等の創作に集中して取り組み、満足度は非常に高く、また参加したい、いつでも体験できる場所が欲しいとの声も九割を超えております。
 そこで、今年度は、体験会を二十六自治体、約百回に倍増するとともに、十月には、SusHi Tech Squareに常設拠点を設け、休日や放課後に八種類の多様な創作に挑戦できるようにいたしました。
 今後は、IT企業などと立ち上げましたくりらぼネットワークを通じて、そのアイデアや技術を生かした多様な体験を届けてまいります。次代を担う子供たちの創造性を育む取組を引き続き充実させてまいります。

○福島委員 会派の複数の仲間も、視察を通じて子供たちがデジタルに親しむ姿を見てまいりました。子供たちの好きを進路選択、そして仕事につなげていく意味で、ロールモデルとの出会いは重要です。IT事業者のさらなる参画に取り組むことを求め、次の質問に移ります。
 学校現場における一人一台環境の整備による学び方のアップデートが教育のデジタル化であるならば、このデジタル化によって収集した情報を活用し、教師の仕事の負担軽減や、指導の質の向上につなげるのが教育DXです。
 令和五年度のTOKYO教育DX推進校におけるデータ活用の取組について伺います。

○坂本教育長 都教育委員会は、昨年度、都立の十九の学校をTOKYO教育DX推進校に指定をし、デジタルを活用し作成したエビデンスに基づく指導について研究を実施いたしました。これらの学校では、校務支援システムから得られる生徒の出欠や保健室の利用状況のデータを分析し、不登校の未然防止のための生徒指導を行ったところです。
 また、定期考査採点・分析システムの設問ごとの採点データを活用し、生徒の理解度を基に、授業の計画やテストの内容の改善につなげました。これらに関し優れた成果を上げた四つの学校が、全ての都立高校を対象とする説明会で取組の内容を発表し、エビデンスによる指導の普及につなげたところでございます。

○福島委員 この設問ごとの採点データという新たな情報を得られたことで、授業の改善につなげていることを確認しました。
 一方で、このデータの保持にはコストがかかります。この分野の研究は日進月歩であり、今後のシステム開発において自前主義に陥らないためにも、先行事例について、鋭意情報収集することを求めます。
 少子高齢化が進む中、誰一人取り残さない東京の前提になるのは、稼ぐ東京です。そのためには、都内経済の活性化や働き方改革について幾つか伺いたいと思います。
 この稼ぐ東京とは、すなわち、国内外から求められる商品やサービスが生まれる東京です。そのため、私たちは、繰り返しグローバルな課題解決に取り組むスタートアップの支援を求めてきました。これを受け、都は、令和四年十一月にスタートアップ戦略を公表、昨年度にスタートアップ・国際金融都市戦略室を発足、さらには、国内外のスタートアップの交流拠点、Tokyo Innovation Base、TIBをオープンさせました。
 この間、知事も、海外のユニコーンを生み出すエコシステムを視察するなど精力的に取り組まれてきましたが、海外と日本との違い、東京からグローバルに活躍するユニコーン企業を生み出すには何が必要か、昨年度を振り返り、知事に伺います。

○小池知事 世界の都市に足を運び、強く感じましたのは、失敗を恐れず挑戦する若者たちであります。当たり前のように世界と交流する国際感覚、そして行政や民間支援者の熱量とスピード感であります。
 世界との競争を勝ち抜くために、ボーングローバルをキーワードといたしまして、スタートアップ戦略を策定いたしました。みんなでつくるを合い言葉に、官民の力を結集して、一年後にTIBを稼働、そしてさらに半年後には、アジア最大級のスタートアップイベント、SusHi Tech Tokyoを開催いたしました。これらは、東京のエコシステムの中心をなすプラットフォームであります。
 国内外の投資家や支援者、大企業、大学など、プラットフォームに集う多様なプレーヤーが、それぞれの強みを掛け合わせることで、有望なスタートアップの世界市場への挑戦を強力に後押しをし、東京発ユニコーンの創出につなげてまいります。

○福島委員 私たちは、本年の予算特別委員会にて、スタートアップ企業の視座を高める目的で、世界トップ人材によるスタートアップ企業への直接指導を求め、先日、台湾の元デジタル担当相のオードリー・タンさんによる直接の指導の機会が設けられました。国際感覚と発信力を兼ね備えた知事による、引き続きのリーダーシップに期待をいたします。
 都の中小企業振興策を都民の暮らしの向上につなげるため、私は、令和二年の事務事業質疑以降、都の支援を受けて生産性向上のための設備を導入した場合、生まれた利益を従業員の待遇改善につなげる仕組みを導入するよう求めてまいりました。
 これを受け、都は、令和四年度より、生産性向上のためのデジタル技術活用推進事業において、賃金引上げ計画を策定した事業者の補助率を高める枠組みを創設し、中小企業の賃上げに向けた取組を後押ししています。
 そこで、令和五年度の賃上げに向けた支援の実績について伺います。

○田中産業労働局長 都は、中小企業の賃上げの原資となる収益を確保する取組を後押しするため、ITの専門家が生産性向上に向けた助言を行いますほか、社内のデジタル化の成果を賃上げにつなげる計画を策定した場合に、その実現に必要となる経費について助成率を引き上げております。
 昨年度は、専門家を二百五十七社に派遣し、生成AIを活用した業務の効率化や、RPAの導入によります内部管理事務の自動化などにより、従業員の賃上げを図る十八社に約四千三百万円の交付決定を行いました。
 また、競争力強化につながる最新設備等を導入する助成事業も、同様に助成率を引き上げておりまして、二十八社に約九億七千万円の交付決定を行ってございます。

○福島委員 賃上げに取り組む意欲的な事業者の支援が進んでいることを確認させていただきました。引き続き、都の中小企業振興策の検討に当たっては、その成果が都民に還元されるまでを念頭に置いた制度設計を求めます。
 次に、いわゆる小一の壁への対応について伺います。
 知事のリーダーシップの下、都内の待機児童問題がほぼ解消する中、次なる課題が小一の壁です。私たちの求めもあり、学童保育の待機児童解消に向けた検討も進んでいると認識していますが、現状、学童クラブの開所時間が保育所より短いことなどが課題になっています。
 令和四年予算特別委員会において、我が会派の成清都議より、小一の壁への対応として、小学生の子供を持つ都職員に対する勤務時間を短縮できる制度の創設を訴え、知事からは、都職員のライフ・ワーク・バランスの充実を目指すとの答弁を得ています。
 都職員の両立支援に係るこれまでの取組と今後の方向性について伺います。

○佐藤総務局長 これまで都は、全管理職によるイクボス宣言により意識改革を進めてきたほか、テレワークの一層の活用や時差勤務の拡充など、状況に応じて柔軟で多様な働き方を推進してまいりました。
 また、いわゆる小一の壁に対応するため、小学校就学後の子供を育てる公務員が部分休業を取得できるよう、国に法改正を要求しております。国による制度改正が実現するまでの間、小学校一年生から三年生までの子供を育てる都職員が勤務する時間を短縮できる新たな休暇制度を導入いたします。
 今後、来年度実施に向けまして、具体的な制度の構築を進めてまいります。

○福島委員 国の制度改正を待つことなく都が動くことで、小学生の子供を持つ親が仕事を諦めずに済む職場環境の整備が社会に根づくことを加速するものと考えます。取組を高く評価し、次の質問に移ります。
 都内一次産業活性化に向けた新しい切り口として、私は多摩・島しょ部におけるグリーンツーリズムの導入について意見交換を重ねてまいりました。農林水産省の資料によればグリーンツーリズムとは、緑豊かな農村地域においてその自然、文化、人々との交流を楽しむ滞在型の余暇活動とされており、これによって、農村と都市の相互補完と共生が進むことが期待されます。
 これに関連して、さきの産業労働局の事務事業質疑において、農業の六次産業化などに取り組む農業者に対する支援について確認したところですが、都民の郷土愛とシビックプライドの醸成を目的に、令和四年度からは、あしたの東京プロジェクトが実施されています。この事業の中で、昨年度は、多摩地域での農業体験が行われたと聞きましたが、グリーンツーリズムにもつながるその取組実績について伺います。

○田中産業労働局長 都は、自然や文化など、東京の多様な観光の魅力を都民が体感できるキャンペーンにより、地元への理解や愛着を深める取組を行っております。昨年度は、多摩地域におきまして、江戸東京野菜などを栽培する農地での見学や収穫体験に加え、直売所の訪問や、地元の食材を使った料理の試食などを行いました。
 これらによりまして、多摩の豊かな自然に触れる機会を提供するほか、農家との交流を通じて、農業の魅力を効果的に伝えております。参加した都民からは、多摩の魅力を再発見できたなどの感想が、農家からは、農業の楽しさを知ってもらえたなどの感想が寄せられております。

○福島委員 東京の農地には、都心から近いという強みがあります。一都三県に住む人口が日本の総人口の三割を占める中、帰省先も都会という子供も増え、一次産業に触れる機会が減っています。一次産業の振興と理解の促進、エシカル消費の推進、関係人口の創出、そして観光資源化と数多くの効果が期待されるグリーンツーリズムについて、農林、そして漁業者の皆様のお声を聞きながら、一層推進することを求めます。
 一人一人が自分らしく生きられるように、私たちは支援が行き届いてこなかった分野での取組を後押ししてきました。その中から幾つか伺います。
 令和四年第三回定例会の代表質問で、私たちは、子供を持ちたい親の思いに応える支援の一つとして、妊孕性を高め、不妊治療の短期化も期待される卵子凍結に対する支援の創設を求めてまいりました。
 続く第四回定例会で、知事より、検討するとの答弁があり、令和五年度予算において、卵子凍結への支援が盛り込まれました。
 事業の実施に当たっては、都民が安全かつ安心して卵子凍結を行えるように支援していくことを求めてまいりましたが、令和五年度の取組について伺います。

○山口福祉局長 都は、女性が自分らしく人生を送るための選択肢を広げられるよう、加齢などによる妊娠機能低下を理由に、卵子凍結を希望する方への助成を令和五年度から開始いたしました。
 助成対象となる医療機関につきましては、常勤の生殖医療専門医の配置などを要件とする登録制とし、登録医療機関は昨年度末時点で六十二か所となっております。また、助成希望者には、卵子凍結を正しく理解するための説明会への参加を義務づけております。
 昨年度は七千五百八十六人が説明会に参加し、想定を大きく上回る方からの助成金の申請を受けております。このうち、先月末時点で千四百五十二人に対して支給を決定しております。

○福島委員 想定を上回る申請があったとのことで、女性の生き方の選択肢を広げる新たな一歩になったと評価をします。関連事業の執行を通じた丁寧な取組を求め、次の質問に移ります。
 私たちは、不登校の子供たちの学びの機会の確保という社会的役割を担うフリースクールに関して、会派内のプロジェクトチームでの検討も踏まえ、利用者や運営事業者に対する行政支援の創設を求めてまいりました。
 都は、令和三年より保護者を対象にした調査を開始、令和六年よりフリースクールの利用者と運営事業者への支援に踏み出したことは、全国的にも注目をされています。
 令和五年度に教育庁が行った調査研究や、子供政策連携室が行ったフリースクール事業者の実態調査によって明らかになった利用者や運営事業者のニーズを踏まえ、令和六年度の利用者への支援事業と運営事業者を対象にした、この支援事業の制度設計にどのように反映したのか伺います。

○田中子供政策連携室長 教育庁が行いましたフリースクール等に通う不登校児童・生徒支援調査研究事業では、約九割の保護者がフリースクール利用料に負担を感じていることが明らかになりました。
 また、当室が実施しましたフリースクール等への実態調査では、スタッフは子供への対応を優先し、事務作業まで手が回らないといった声や、心理や福祉に関する専門家派遣を望む声など、現場の実情やニーズを把握することができました。調査結果を踏まえまして、利用者に対して、経済的負担の軽減を目的とした利用料に対する助成制度を創設するとともに、運営事業者に対しまして、子供一人一人のサポートプランの作成等に係る人件費補助や、心のケアの充実に資する専門家派遣などの支援を開始いたしました。

○福島委員 引き続き、当事者に寄り添った支援の実施を求めて、次の質問に移ります。
 インクルーシブな社会の実現に向け、私たちは知事と共に、就労に困難を抱える方の個性や能力に応じた活躍を引き出すソーシャルファームの創設、これを共に推し進めてまいりました。
 一方で、雇用契約の下で働くことが難しい方の就労や生産活動の場を提供するB型事業所では、客観的に見れば魅力ある製品やサービスを生み出しているにもかかわらず、それに見合う工賃が設定されていない場合があります。このようなB型事業所とソーシャルファームが連携すれば、障害者の処遇をより高められるのではないでしょうか。
 ソーシャルファーム支援事業について、B型事業所の運営主体によるソーシャルファーム経営事例について伺います。

○田中産業労働局長 企業などで働くことが困難な障害者が通いますB型事業所とソーシャルファームが連携し、障害者の雇用促進と処遇向上を図ることは重要でございます。
 都は、障害者がコーヒーを提供する店舗を運営しているソーシャルファームにつきまして、同一法人が運営するB型事業所で製造された高品質な製品の販売促進を支援いたしました。また、障害者がB型事業所からソーシャルファームに移り、キャリアアップする仕組みの構築も後押ししてございます。
 同様に、B型事業所とソーシャルファームであるフラワーショップの両方を経営する事業者につきましても、昨年度、販路開拓を支援し、受注を増やすことによりまして、就労困難者の雇用の拡大につなげてございます。

○福島委員 障害のある子供の保護者からは、親亡き後の子供の経済状況に関するご相談の声をしばしばいただきます。
 その理由の一つが、B型事業所の工賃の安さです。B型就労での仕事内容の中には、コーヒー豆の選別など、高い集中力とその持続が必要な、健常者でも難しい仕事もあります。こういった就労を評価するのがソーシャルファームです。事例を分析し、福祉局と連携して広げることを要望し、次の質問に移ります。
 要介護高齢者に対する自立支援や重度化予防の取組を促進するため、私たちはこれらに取り組む事業者に対する都独自のインセンティブを求めてきました。
 これを受け、都は、令和五年度から科学的介護の定着促進のための啓発と、利用者のADL、日常生活動作及び要介護度の維持改善を達成した事業者への報奨金の支給の二つの事業を始めています。
 令和五年度のそれぞれの実績と成果について伺います。

○山口福祉局長 都は令和五年度から、科学的介護の導入を促進するため、約四百事業所が参加した講演会のほか、オンラインによる動画配信も実施いたしまして、科学的介護の取組を評価する国の加算を取得した都内の事業所は、令和五年四月の約三千七百事業所から一年間で約一割増加いたしました。
 また、利用者のADLや要介護度の維持改善に資する取組を行う事業所に対し、独自の報奨金を支給しておりまして、令和五年度の交付実績は四百七十事業所で、そのうち三割強の事業所で、要介護度の維持改善が見られました。
 今後、科学的介護のさらなる導入促進に向けまして取組を強化してまいります。

○福島委員 都がインセンティブを創設したことにより、取組が前進していることを確認させていただきました。
 私たちは、都市の持続可能性を高めるための具体的な提案も重ねてまいりました。
 その一つが、雨水流出抑制や、まち中の緑として人の心を豊かにするなど、多様な機能を有するグリーンインフラを、東京のまちづくりに生かすことです。
 令和五年度は、グリーンインフラについて、より都民に知っていただくため、身近に感じられる場所への先行導入を求め、今年に入って、都は、公共空間三十か所で先行実施に取り組んでいます。
 スピード感を持ってグリーンインフラを導入していくに当たり、公共施設で行うことは理解できますが、建物や公園などの公共施設の種類も多くある中、令和五年度にどのような観点で検討したのか伺います。

○谷崎東京都技監 雨水流出抑制に資するグリーンインフラの導入を拡大するためには、都民にその役割を認識してもらうことが重要であり、多くの方が利用する公園等で設置することが効果的でございます。
 このため、令和五年度は、既にグリーンインフラが設置されている区立公園の現地調査や、都立公園の管理者へのヒアリングなどを行いました。
 こうした調査等から、雨水排水に課題がある箇所に対し、植栽を伴うレインガーデンを導入することで、景観にも配慮した排水機能の改善状況を確認するとともに、先行実施に向け、候補となる都立公園の検討を行いました。

○福島委員 グリーンインフラは民間での取組が広がることで、より効力を発揮します。そのためには、まずは多くの都民に身近な、そして雨水排水に課題がある箇所を選定したことを確認させていただきました。
 景観にも配慮とのことですが、日本には海外からの評価も高い日本庭園を支える造園技術があります。今後、グリーンインフラの取組を進めるに当たり、造園技術の継承とも絡めた取組を求め、次の質問に移ります。
 都民の身近な移動手段としてバス路線は重要です。
 本年第二回定例会の一般質問では、私の地元世田谷区でも、コロナ禍を経て、バス路線が廃止または減便され、移動に困るとの声が多く届いていることを紹介しました。
 人口密度の高い都内では、これまで交通事業が成り立ちやすく、民間事業者により都市交通が維持されてきましたが、コロナ禍で収支が悪化した事業者が電車やバス便を減便したり、バス路線を廃止したとしても、都は現状直接交渉する立場にありません。
 都は、地域公共交通については区市町村による取組を支援するという立場ですが、これまでの地域公共交通の支援事業の内容と令和五年度の実績について伺います。

○谷崎東京都技監 都は、令和三年度に、東京における地域公共交通の基本方針を策定し、高齢者や子育て世代等の気軽な外出を支える移動手段の充実や、利用者が行政区域を意識することのない移動の実現などに向け、区市町村の主体的な取組を後押ししております。
 具体的な支援といたしましては、区市町村による地域公共交通計画の策定や、コミュニティバスなど地域公共交通の事業に対し、その経費の一部を補助しており、令和五年度は三十一自治体に対し、計約二億七千万円を交付いたしました。
 また、都と区市町村から成る行政連絡会を令和五年度は三回開催し、国の最新動向やバス共通データの利活用事例等の情報共有などを行いました。

○福島委員 令和三年度に策定した基本方針に準拠し、令和五年度まで、都として基礎自治体の取組を支援してきたことを確認しました。
 私たちは都内の公共交通政策の重要性に鑑み、勉強会を重ね、専門家の意見を聞いてまいりました。
 そこで分かったのは、都市交通政策の目的は、観光客の受入れや、高齢者の免許返納、渋滞解消やCO2の削減、そして経済性と利便性向上と、大変多岐にわたっており、交通空白地域の解消を目的とした国の公共交通施策ではカバーし切れていないということです。
 このような状況を踏まえ、首都東京の将来を見据えた交通政策において、都が果たすべき役割について、知事の見解を伺います。

○小池知事 交通政策の推進に当たりましては、利用者本位で使いやすい、総合的な交通体系を実現することが重要でございます。
 都はこれまで、高密な鉄道網の整備とともに、駅を中心にバス等の交通モードを組み合わせ、乗換え利便性の高い交通環境を充実してまいりました。
 また、日々の都民生活の豊かさにも直結する地域公共交通につきましては、区市町村の主体的な取組を技術的、財政的に支援してまいりました。
 一方、バス交通につきましては、二〇二四年問題などに起因いたしまして、運転士不足が深刻化し、バス事業を取り巻く環境がより厳しさを増しているところでございます。
 引き続き、ハードとソフトの両面から首都圏の交通ネットワークを充実するとともに、都民生活を支えるバス交通に係る課題につきましても、事業者などと緊密に連携するなど、広域的な立場から総合的に取り組みまして、持続可能な公共交通を実現してまいります。

○福島委員 都自らがバス事業者と緊密に連携し、広域的な立場から持続可能な公共交通を実現していくことをご答弁いただきました。大変画期的なことであり、私たちも都民の立場から共に進めてまいりたいと思います。
 都民の命を守る取組についても確認をさせていただきます。
 令和五年に新型コロナウイルスが感染症法上の第五類に移行しました。
 知事のリーダーシップの下、医療従事者、都庁職員、都民、事業者など、この未知なる感染症に対して総力を挙げてこられた皆様に改めて敬意を表します。
 そして、将来の未知なるウイルスに対して早期かつ効果的な対応が取れるよう、私たちは新型ウイルス感染症での経験を踏まえた対策を求めてまいりました。
 令和五年度のコロナ対策に関する認識と、コロナ対策の経験を新たな感染症危機への備えにどのように生かしていくのか伺います。

○雲田保健医療局長 都は、新型コロナの五類移行後も高齢者等のハイリスク層を守りながら、より多くの医療機関がコロナ患者に対応できる体制の構築に取り組んでおります。
 昨年度改定いたしました感染症予防計画では、コロナ対応における最大時の保健医療提供体制を踏まえて数値目標を設定しており、現在、検査機関や保健所の体制強化などを図るとともに、医療機関と病床確保等に係る協定締結を進めております。
 さらに、これらの医療機関に対して設備整備の支援や医療従事者向けの研修を実施しております。
 今後、関係機関等との連携を進め、新たな感染症が発生した際に、都全域で統一的かつ機動的な感染症対策が講じられる体制を構築してまいります。

○福島委員 新型コロナウイルス感染症の感染が最も拡大したときを参考に数値目標を設定し、病床の確保と人材育成に取り組んでいることを確認させていただきました。
 とはいえ、感染患者を受け入れた病院や診療所の医療機能がその後低下するようなことがあってはなりません。都内の医療ネットワークが損なわれることがないよう、適切な支援を求め、次の質問に移ります。
 令和五年度は関東大震災から百年という節目の年でした。都民に自助、共助をはじめ、常日頃からの備えの大切さを伝えるべく、都は様々な事業を行ったと認識しています。
 中でも、私たちは都民の七割が居住していながら、町会、自治会への加入が低調な集合住宅に向けた防災対策の重要性を訴えてまいりました。
 これを受け、都は昨年、東京都LCP住宅の名称を東京とどまるマンションと分かりやすく変更するとともに、マンション向けの防災施策を抜本的に強化してまいりました。
 さきの分科会質疑において、昨年度、東京とどまるマンションに防災備蓄資器材の補助制度を新たに設けたところ、一昨年度までは七件、二千六百四十戸だった登録数が、昨年度新たに二百十九件、五万一千百四戸が追加され、大幅に増加したことを確認したところです。
 そこで、これらのマンションで防災力を実際に向上させるため、令和五年度の補助制度を実施するに当たって、どのような工夫を行ったのか、また、それによってどのような効果があったのか伺います。

○小笠原住宅政策本部長 都は昨年度、新たに東京とどまるマンションの登録マンションに防災備蓄資器材の購入補助を実施いたしました。災害時の停電、エレベーターでの閉じ込め、トイレの利用停止などに対応するため、ポータブルの発電機や蓄電池、エレベーター用防災キャビネット、簡易トイレなど、多くのマンションで状況に応じた資器材が購入されました。
 補助に当たっては、実効性ある防災への備えを促すため、購入した資器材を用いた訓練の実施と報告を求めております。蓄電池からの充電や簡易トイレの組立てなどを体験したマンションからは、実践的な訓練により参加者が増え、防災意識も高まった。顔見知りが増えて、コミュニティ形成にも役立ったなどの報告がございました。

○福島委員 ニーズの高い資器材の購入の支援に加え、訓練を義務づけたことで、防災意識の高まりとコミュニティ形成へとつなげたことを高く評価をいたします。
 ただいまの答弁でコミュニティ形成について言及がありました。最後に、コミュニティ活性化について質問します。
 地域コミュニティは防災のみならず、防犯、子育て支援、高齢者の見守り、フレイル予防など、様々な分野で重要な役割を担っています。
 このため、都においてはそれぞれの事業を管轄する局が独自に地域コミュニティの活性化を図ってきました。私たちも計画時には、都と事業者、そして行政機関で組まれていたTOKYO強靱化プロジェクトの推進体制にコミュニティの追加を求めたり、さきに述べたマンション防災に続く取組として、町会、自治会との連携を目的とした町会・マンションみんなで防災訓練を提案するなど、地域コミュニティの形成を念頭に置いた提案を重ねてまいりました。
 知事は令和三年度の予算編成方針において、Children、Choju、そしてCommunityの重要性を三Cとして特出しし、これを受けて、政策企画局は三C補助を開始しました。さきの分科会で藤井都議の質疑を通じて、これまでの進捗を確認したところです。
 今回の質疑の冒頭で、アウトカム視点の評価の重要性について述べました。地域コミュニティが関わる様々な施策をブラッシュアップするためには、それらが本当にコミュニティの活性化に貢献したかの観点は重要です。
 そのための指標の候補として、私はこれまでソーシャルキャピタルを提案してきました。
 ソーシャルキャピタルは、社会関係資本とも訳されまして、その調査には、あなたは一般的にこの地域の人々を信頼できますか、あなたは地域のイベントや活動にどのくらい参加していますか、そして、この地域では困ったときにお互いに助け合う文化がありますかといった質問項目が使われます。これらを通じて安心で豊かな暮らしの基盤である地域コミュニティが形成されているかどうか、これを把握するものです。
 ソーシャルキャピタルに関する様々な研究では、政治への参画、治安、そして地域経済、健康、さらには子供の出生や教育と関係するといった報告もなされてきています。
 国や基礎自治体もソーシャルキャピタルの調査に取り組む中、都においても、私の働きかけに応じて、各局でソーシャルキャピタルに関する調査が個別に始まっています。
 これ、平成十四年の少し古い調査ですが、(画像表示)内閣府が委託した調査では、このつきあい・交流指数、信頼指数、社会参加指数の数値は、都市部で低くなっており、東京都も例外ではありません。ここですね、低くなっています。
 町会、自治会をはじめとする地域コミュニティや、これらが育んできた人と人とのネットワークは長い時間をかけて築かれていくものであり、一度機能を失うとなかなか取り戻すことができません。
 そのようなことにならないよう、地域コミュニティの活性化にしっかりと取り組んでいく必要があると考えますが、知事の見解を伺います。

○小池知事 地域や社会とのつながりが希薄化する中で、人と人とのつながりを結び直し、コミュニティを活性化していくことは、安全・安心の確保や魅力ある地域づくりのために重要でございます。
 都におきましては、「未来の東京」戦略の下、地域の中核である町会、自治会のほか、民生委員や消防団等と連携いたしまして、子供、高齢者の見守り活動をはじめ、マンション防災の取組を通じました地域防災力の向上など、様々な課題の解決に取り組んでおります。
 さらに、人が輝く東京の実現に向けました三つのCの一つといたしまして、地域交流拠点の創出など、コミュニティの活性化を図る区市町村の取組を強力に支援をいたしております。
 今後も、全庁を挙げまして、地域の実情に即した取組、これを効果的に進めることでコミュニティにおける人々のつながりと支え合いの機能を育んでまいります。

○福島委員 今後も全庁を挙げて、この人々のつながりと支え合いの機能を育んでいくと、こういった大変心強いご答弁をいただきました。
 人と人とのつながりは、まさにソーシャルキャピタルそのものです。町会、自治会の取組を応援する地域の底力発展事業助成をはじめとする都の事業は、申請し慣れた町会や自治会が手を挙げる傾向があるとも聞きます。地域の実情に即した取組を効果的に進めるためには、こういった知識と、この手を挙げた地域とそれ以外の地域でソーシャルキャピタルを比較することは有効ではないでしょうか。国内を牽引する取組を望みます。
 以上、私たち都民ファーストの会は、知事が進める人に焦点を当てた政治改革、東京大改革三・〇を共に前進させるために、議会において建設的な議論と提案を続けていくことをお誓い申し上げ、質疑を終わります。ありがとうございました。(拍手)

○川松委員長 福島りえこ副委員長の発言は終わりました。
 たかく則男委員の発言を許します。

○たかく委員 都議会公明党を代表し、令和五年度各会計決算について質疑を行います。
 初めに、繰越金の活用について伺います。
 都の財政状況については分科会質疑でも確認し、健全であることを確認しております。
 一方、少子化対策や防災対策など、未来への投資に加え、長引く物価高騰に対応した足元の対策など、都には膨大な財政需要が存在しております。
 都議会公明党が推進し、都が全国に先駆けて導入した新公会計制度も、分析ツールとして活用した事業評価の取組の徹底により、都は財源確保に努めておりますが、膨大な財政需要が生じる中、あらゆる財源を活用することが一層重要であると考えます。
 令和五年度一般会計決算では、歳入として、前年度からの繰越金が約二千八百億円計上されており、こうした財源の効果的な活用が求められております。
 そこで、令和五年度決算における前年度からの繰越金の活用状況について伺います。

○山下財務局長 令和五年度決算における繰越金は、令和四年度において、事業の性質上またはやむを得ない事情により、その執行が翌年度にまたがった事業に係る財源を五年度に持ち越したものでございます。
 この繰越金につきましては、事業の実施状況を踏まえ、繰り越した事業の財源として活用したほか、令和五年度最終補正予算の財源として二千二百九十七億円を計上しております。

○たかく委員 ただいまの答弁にあったとおり、令和五年度の二千八百億円の繰越金のうち、最終補正予算において約二千三百億円が活用されていることを確認しました。
 令和六年度において、都は令和五年度決算からの繰越金の一部を活用して、さきに三百七十七億円の補正予算を編成し、物価高騰対策を実施しており、昨年度の最終補正予算の水準で考えれば、粗く見積もっても一千五百億円以上の活用ができるものと考えます。
 繰り越された事業の着実な推進や、中長期の財政運営を見据えた基金の積立てなどに活用することも重要でありますが、緊張感が高まっている国際情勢や長引く物価高騰など、今後の見通しの困難さが高まっております。
 このため、今後の社会経済情勢を踏まえながら、こうした繰越金など、あらゆる財源を活用して幅広く物価高騰対策を実施するなど、機動的に都民の生活を守ることを求め、次の質問に移ります。
 都議会公明党は、政策目標、チャレンジエイトに、ゼロ歳から二歳の第二子の保育料の無償化と高校三年生までの医療費の無償化を掲げてきました。
 そこで、この二つの施策について質問いたします。
 まず、第二子の保育料の無償化についてです。
 都議会公明党はこれまで、本会議代表質問などで繰り返し提案をした結果、小池知事の決断で、昨年十月からスタートしたことを高く評価するものです。
 そこでまず、令和五年十月からスタートしたゼロ歳から二歳の第二子の保育料の無償化について、小池知事の思いを伺います。

○小池知事 私は、子供を持ちたいと願う方々が安心して子供を産み育てることができる環境を整備するため、待機児童対策をはじめとする様々な子供、子育て支援施策を強力に推進してまいりました。
 第二子の保育料の無償化につきましては、経済的な理由で子供を二人以上育てたいという願いを諦めずに済むよう、令和五年十月から都独自に開始したものでございます。
 今後とも、子供を持ちたいという一人一人の思いに真剣に向き合い、子供とその家庭への支援に全力で取り組んでまいります。

○たかく委員 知事から、第二子無償化の取組についての思いを伺いました。保護者の皆様からも大変に喜ばれております。
 知事のご答弁を踏まえて、具体的な実施状況について、認可保育所と認証保育所、認可外保育施設に分けて質問してまいります。
 都はこれまで、どのような考え方で第二子の保育料無償化に取り組んできたのか、認可保育所等における令和五年度の実施状況と併せて伺います。

○山口福祉局長 国は、認可保育所などを対象として第二子以降の保育料を軽減しておりますが、世帯収入や第一子の年齢によって支援の対象外となるため、都は、令和五年十月から、収入や第一子の年齢にかかわらず、第二子の保育料を半額、第三子以降の保育料を無償化する取組を開始いたしました。
 令和元年十月からは、二人以上の子供を育てたいと願う方々の経済的負担をさらに軽減するため、認可保育所、認定こども園、小規模保育などに通う児童を対象に、第二子の保育料無償化に取り組んでおります。
 令和五年度は五十五の自治体が都の補助制度を活用しておりまして、補助対象の児童数は六万二千四百八十一人でございました。

○たかく委員 令和五年四月一日時点で、国制度により多子世帯負担軽減を受けている児童数は、都によると三万二千七百四十九人ということであり、都の取組によって多くの児童が対象になっていることが分かります。
 その上で、認可外保育施設については、区市町村によって実施していないところもあり、また、ご家庭への助成額が違うなど課題が残りました。
 今年の予算特別委員会でもこの問題を取り上げ、その後、福祉局とも区市町村にアンケート調査などをすることにより、実施状況と課題が明らかになったと聞いております。
 そこで、認証保育所や企業主導型保育施設等の認可外保育施設に通う児童の保育料の第二子無償化について、令和五年度の実施状況と、さらなる補助金の活用促進に向けた都の取組を伺います。

○山口福祉局長 認証保育所や企業主導型保育施設などの認可外保育施設の保育料の第二子無償化につきましては、都の多子世帯に対する補助制度を活用して、保育の実施主体である区市町村が地域の実情に応じて実施をしております。
 昨年度、第二子の保育料の負担軽減に取り組んだのは五十自治体でございまして、全ての自治体が認証保育所を対象とし、三十六自治体が企業主導型保育施設等の認可外保育施設を対象といたしました。
 今年度は待機児童対策協議会などで区市町村に補助制度の活用を働きかけるとともに、未実施自治体に個別勧奨を行いまして、企業主導型保育施設などの認可外保育施設を対象に、四十七自治体が補助制度を活用予定でございます。

○たかく委員 認可外保育施設における無償化については課題がありますので、第一子無償化の議論に当たっては、このような課題を含めて取り組んでいただくことを要望いたします。
 次に、高校生世代までの医療費の無償化について質問いたします。
 都議会公明党の提案を受け、小池知事が決断をして、令和五年四月から実現した高校生世代までの医療費の無償化について、高く評価するものです。
 そこで、昨年度からの実施状況についてお伺いいたします。

○山口福祉局長 都は、生涯にわたる健康づくりの基礎を培う大切な時期にある高校生の世代が、自らの健康をコントロールし改善することができるよう、令和五年度より、高校生などを対象とした医療費助成制度を開始いたしました。
 本事業は、所得制限や一部自己負担を設けた上で、都と区市町村との負担割合を二分の一とすることを基本的な枠組みとしておりまして、全ての区市町村で早期に実施されるよう、令和五年度からの三年間は都の負担割合を十分の十としております。
 昨年四月より、都内全ての区市町村が本事業を実施しております。

○たかく委員 都の助成制度は所得制限がありますが、二十三区は全ての自治体で所得制限を撤廃し、自己負担なしでの医療費の無償化が始まりました。
 しかし、多摩地域等においては、財政力によって所得制限が撤廃されている自治体とそうでない自治体があることから、小池知事は来年十月から所得制限撤廃を目指し、総合交付金による対応を念頭に置いて、市町村との協議を加速すると述べられました。
 第三回定例会の都議会公明党の代表質問に対しても、財政事情によることなく、全ての市町村が持続的に事業を実施できるよう、総合交付金を措置することを念頭に置き、早期の合意を得ていくとの答弁がありました。
 そこで、都の子供医療費助成の所得制限撤廃を進めるに当たり、二十三区及び市町村との協議の状況を明らかにするとともに、今後の取組についてお伺いいたします。

○山口福祉局長 高校生等医療費助成事業につきましては、令和四年度に、都と区、都と市町村との間でそれぞれ協議の場を設置しまして、令和五年度は、区市町村の実施状況を確認するとともに、所得制限の取扱いや令和八年度以降の財源に関して意見交換を行ってまいりました。
 都は、全ての子供の健全な育ちと子育て世帯の経済的負担の軽減を進めるため、乳幼児、義務教育就学児、高校生などの各子供の医療費助成について、来年十月からの所得制限撤廃に向け、現在協議を行っておりまして、早期の合意を目指してまいります。

○たかく委員 次に、障害者休養ホーム事業について伺います。
 この事業は、障害者が家族や仲間とくつろげる保養施設を指定し、利用施設の宿泊利用料の一部を助成する制度として利用されてきており、令和五年度は六千六百六十人が利用されました。コロナの時期よりも利用者数は回復傾向にある一方、最近の物価上昇により、宿泊料金が土日利用においては、七、八千円も値上がりした施設もあると聞いており、さらに付添いが必要な場合や車椅子利用者のリフトバス利用などの場合は負担が増え、利用を諦めざるを得ないとの声も伺っております。
 しかも、この補助額は約三十年にわたって見直しがされておりません。まずは暫定措置として、一泊だけでも利用を希望する場合には、二泊分の補助額の範囲内で利用できるようにするなど、工夫の余地が必要です。
 そこで、より多くの障害者やその家族の利用が増えるよう、交通至便な訪れやすい地域での指定宿泊施設を増やすべきです。また、利用をためらう方がどの程度いるのかを含めて実態把握を行い、今後に生かすべきと考えます。併せて都の見解を求めます。

○山口福祉局長 障害者休養ホーム事業は、障害者が指定された宿泊施設で家族などと宿泊した場合に、宿泊料の一部を助成する事業でございまして、令和五年度は三十一施設を指定しております。
 これまでも、指定に当たって様々な地域の宿泊施設を選択できるよう配慮しているほか、実際に利用された方からのご意見や利用状況などを踏まえ、指定施設の見直しを行っておりまして、引き続き、交通の利便性が高く、バリアフリーに対応した施設の充実を図ってまいります。
 本事業が一層活用されるよう、今後、当事者団体や区市町村の協力を得まして、利用ニーズの把握やより分かりやすい周知方法について検討してまいります。

○たかく委員 障害者やそのご家族などが大変楽しみにしている事業です。単なる休養だけではなく、歩行訓練等、工夫をしている団体もあります。物価上昇はまだしばらく続きますので、障害者が利用を諦めることがないよう、ぜひ見直しにつなげていただくよう求めておきます。
 次に、里親等社会的養育の推進について伺います。
 この夏、都議会公明党で都内のファミリーホームに伺い、現場の現状、課題などをヒアリングしてまいりました。
 社会的養育の必要な子供は全国で約四万二千人、東京都では約四千人いらっしゃいます。平成二十八年、児童福祉法改正では、家庭的養育優先の理念が規定され、児童が家庭で養育されるよう保護者を支援するのが第一ではありますが、家庭で暮らせない場合は施設ではなく、里親養育が望ましいという方針が打ち出されました。
 新しい社会的養育ビジョンでは、未就学児の里親等委託率を七五%以上、学齢期以降は五〇%以上にする目標に対し、令和四年度末の全国平均では二四・三%、東京都では一七・二%の水準です。里親委託率の伸びない理由としては、里親制度の認知度が低い、関心はあるが周りの支援がないと子供の養育が難しい、里親に委託するためには実親の同意が必要であるが実親の同意が得づらい、自宅が狭く子供を迎えられないなど、様々な理由が考えられております。
 里親委託率向上に向けて、福岡市や新潟市は官民連携したリクルート活動、里親制度説明会の開催回数の増加、里親支援体制の強化などに取り組んで成果を上げたとのことであります。
 都においても、里親委託を促進するため、積極的な取組を進めていくべきと考えますが、里親委託率向上に向けた令和五年度の都の取組を伺います。

○山口福祉局長 都は、社会的養育推進計画に基づきまして、家庭における養育が困難な場合でも家庭と同様の環境で養育できるよう、里親等への委託を推進しております。
 委託の推進に当たりましては、里親制度の周知や理解促進が重要なことから、広報紙やホームページなどによる普及啓発のほか、毎年十月、十一月の里親月間を中心に、都内各地で養育家庭体験発表会を実施しておりまして、令和五年度は五十か所で開催をいたしました。
 また、里親のリクルートや研修、委託後のフォローなどを包括的に行うフォスタリング機関事業を、各児童相談所の所管区域に順次導入しておりまして、昨年度は五つの区域で実施いたしました。

○たかく委員 様々な普及啓発や民間の力も活用したリクルート活動を行っているとのことですが、現在の委託率を見るとまだまだ十分ではないと考えます。
 家庭養育優先を進めていくためには、児童相談所において児童それぞれの現状やニーズを見極め、児童や保護者にきめ細かく対応していく必要があります。施設に入所している児童であっても、定期的に方針を見直すことが重要です。
 里親への委託を進めていくために、都はどのように対応していくのかお聞きいたします。

○山口福祉局長 児童相談所は、施設入所児童の里親委託を検討するため、児童福祉司による面会などを通じまして、児童の意向などを随時確認するとともに、児童を里親へ委託する際には、実親の同意を得るための丁寧な説明や、子供家庭支援センターなどの関係機関と連携したフォロー体制を整えるなど、きめ細かな対応を行っております。
 現在、新たな社会的養育推進計画の策定に向け、児童福祉審議会専門部会において、児童相談所の体制強化や人材育成の充実などを検討しておりまして、今後、里親委託を優先したケースワークを一層推進してまいります。

○たかく委員 現在、社会的養育推進計画の策定に向け、検討を行っているとのことですが、さらなる里親制度の普及促進、積極的活用、児童相談所の体制強化など、計画の中に具体的に明示すべきと考えます。
 また、里親のリクルートや委託後のフォローをしっかりと行うためにも、今後フォスタリング機関事業の評価を行い、児童福祉法に新たに規定された里親支援センターへの移行に向けた検討を行っていくことを要望いたします。
 次に、中学校における吃音のある生徒に対する支援について伺います。
 吃音のある生徒はおよそ百人に一人いるといわれておりますが、完全な治療方法はいまだ確立されておりません。そのため、吃音があったとしても、自信を持って自分らしく学校生活を送れるような支援を充実させていくことが大切です。
 この夏、私は吃音のある人が活動されている交流会に参加し、多くの方からお声をいただきました。吃音のある中学生の中には、吃音があることを隠したいという気持ちからいいたいことをいえなかったり、また、吃音の症状が軽度であったとしても、本人は吃音のことを深く悩んでいる場合があるとも聞いております。
 中学校において、吃音に対する理解を広げていくためには、教員に対する研修の充実が不可欠と考えますが、都教育委員会の取組を伺います。

○坂本教育長 都教育委員会は、昨年度、特別支援教育に関する研修テキストを改訂いたしまして、吃音のある生徒の指導の充実に向けて、言語障害への理解や指導上の工夫、通常の学級での指導の際の留意点等を新たに明示をいたしました。
 本テキストは、教職員向けのホームページに掲載し、全ての教員が常に活用できるようにしたところでございます。
 また、中学校を含めた全ての公立学校の特別支援教育を推進するコーディネーターの役割を持つ教員を対象とした研修を行いました。これによりまして、本研修を受講したコーディネーターが校内において教員の言語障害に対する理解を深めるための取組を促進いたしました。

○たかく委員 中学生の吃音に対しては、生徒一人一人の吃音の状態を理解し、不安な心情に寄り添った支援が重要です。
 このような吃音に対する理解を、小学校の教員も含めた、より多くの教員にも深めてもらうためには、研修の実施はもとより、様々な機会を捉えて理解啓発を重ねていくべきであると考えますが、都教育委員会の取組を伺います。

○坂本教育長 都教育委員会は、吃音に関する啓発資料を配布し、各中学校において周囲との関係や進路等に関し、思春期の生徒の持つ不安な心情を理解し、個々の吃音の状態に応じた支援や配慮を行うよう促しております。
 昨年度は公立小中学校の特別支援学級の担任を対象とする講習会におきまして、吃音のある小学生への指導事例を取り上げ、指導方法や配慮事項を中学校に引き継ぐ重要性について周知をいたしました。
 これらの取組によりまして、言語障害について教員の理解を深めたところでございます。

○たかく委員 都立特別支援学校による特別支援教育のセンター的機能ですが、言語障害についての支援を担うのは都立ろう学校とお聞きしております。しかし、ろう学校は都内四校で、地元にろう学校がない地区の中学校の教員からすれば、気軽に相談しにくい状況があります。特別支援学校側から、言語障害についてもセンター的機能の一環として相談を受けることを、中学校に向けて、より積極的に周知を図っていただくことを要望いたします。
 次に、産休、育業代替教員の確保について伺います。
 教員が安心して出産や育児に専念できる環境を整えるためにも、そして子供たちが安心して学べる環境を確保するためにも、代替教員の確保は、教育委員会が最優先で取り組むべき課題の一つであります。
 しかしながら、学校現場からは、特に年度途中で産休や育業を取得する教員の代替教員を確保することに苦労しているとの声を多く聞きます。
 そこで、令和五年度の産休、育業の取得者のうち、学校から代替教員について申請があった件数及び臨時的任用教員等の任用に向けた取組と状況についてお伺いいたします。

○坂本教育長 昨年度の年間を通じた産休、育業取得件数のうち、区市町村教育委員会や都立学校からの代替教員の補充申請の件数は約六千九百件でございました。
 産休、育業の申請は取得の時期や期間が様々でございまして、代替となる臨時的任用教員等の任用は随時行われ、申請案件ごとの補充状況の確認はしておりません。
 臨時的任用教員等の確保については、各学校が都の採用情報マッチング支援システムや東京都教育支援機構、TEPROによる候補者の紹介などを活用し、任用につなげております。
 これらによりまして、昨年度に任用した臨時的任用教員等の数は約六千七百件となっております。

○たかく委員 途中で代替教員が見つかり任用された場合でも、見つかるまでの間、副校長等が通常の業務とは別に担任業務を担っているわけであり、その間の苦労はこの数字には表れておりません。
 そこで、教育委員会は学校の負担軽減を図るためにも、臨時的任用教員の候補者数を増やす取組を加速させるべきと考えます。
 そこで、産休、育業代替教員等の候補者の増加に向けた令和五年度の都教育委員会の取組及び成果についてお伺いいたします。

○坂本教育長 都教育委員会では、臨時的任用教員等の候補者を増やすため、教員採用セミナー、TOKYO教育Festa!の場を活用し、来訪した教職志望者に臨時的任用の仕組みをきめ細かく紹介をいたしました。
 また、約二千二百人の来訪のある民間の大規模な転職フェアにおきまして、臨時的任用の個別相談を実施いたしました。
 さらに、教員養成系大学等で説明会を開くほか、転職サイトでの募集も行ったところです。
 加えまして、電車広告や地域の掲示板を活用し、教員免許を持つ方に対する学校への就業の働きかけを実施したところでもございます。
 これらによりまして、令和五年度末時点で、その候補者名簿に登録のあった数は七千百五十一名となり、令和四年度末時点と比べ、一千八百三十四名増加をいたしました。

○たかく委員 今答弁にありましたとおり、都教育委員会が様々な工夫をしていることは理解しておりますが、代替教員が見つからない状況が一人でも発生しますと、その学校は毎日毎日子供たちの学びの環境を確保し、無事に下校させるまで、想像を絶するような苦労を重ねながら、日々の教育活動を進めていくこととなります。
 この毎日の激務がどれほどの苦労があるかということを、いま一重考えていただき、教育委員会の皆様には、例えば学校訪問の際には学校のニーズに耳を傾けていただいたり、学校が人探しをしなくて済む対策を再度構築するなど、学校の力になる取組を確実に進めていただきたいことを強く要望しまして、次の質問に移ります。
 次に、児童生徒の心のケアについて伺います。
 都教育委員会におけるSNS相談は、都議会公明党の平成三十年第一回定例会での提案を受け、同年夏からスタートしました。そして、令和二年予算特別委員会で、教育相談全体の質を一層高めるために、SNS、電話、面接などの教育相談窓口の一体的な運用を求め、教育相談センターに高度な専門性を有するSNS教育相談支援員が配置されました。
 そこで、この間のSNSやチャットによる教育相談の充実と実績について、教育長の答弁を求めます。

○坂本教育長 都教育委員会は、教育相談センターに子供の悩みへの対応に関する高い専門性を持つ人材を支援員として配置をし、児童や生徒などからの様々な相談を受け止め、助言をするSNS等相談員のサポートを行っております。
 SNS等相談員でございますが、この支援員からの数多くの助言によりまして、子供たちからの多様な相談への対応の力を着実に高めております。
 こうした中、昨年度より相談を受ける対象をこれまでの中学生と高校生等に加えまして、小学生にも拡大をいたしました。これらの取組によりまして、昨年度の相談件数は六千三百九十四件となりまして、前年度から四百五十八件増加し、子供の悩みに質と量の両面から、より適切に対応をする成果を上げております。

○たかく委員 都議会公明党は、令和三年第一回定例会において、コロナ禍の中で多くの児童生徒が問題を抱え込んでいる可能性を指摘し、精神不調や自殺リスクを発見するITツールを活用し、児童生徒の心をケアする体制を強化すべきと提案しました。
 これを受けて、令和三年度からシステムの実証研究が開始されたところ、令和五年第一回定例会では、早期に全都立高校に導入することを訴えました。
 そこで、都教育委員会が開発したメンタルヘルスのオンラインシステムの令和五年度の利用実績と対応について、教育長の答弁を求めます。

○坂本教育長 都教育委員会は、昨年度から全ての都立高校生等を対象に、心身の変化を早期に確認できるオンラインシステム、コンディションレポートを導入し、教員による適切な対応の強化につなげております。
 この利用実績は約百八万八千件で、そのうち教員からの声かけなどの対応が必要な案件約一万七千件につきまして、生徒の状況に応じ、教員がよりきめ細かい対応を行ったところでございます。
 また、こうしたコンディションレポートからの情報と教員による対応の状況についてスクールカウンセラーとも共有し、福祉などの部署と連携した専門的な支援にもつなげることができたところでございます。

○たかく委員 潜在的なリスクを抱える生徒を教員が見過ごすことなく適切な支援につなげていくには、生徒の状況を継続的に把握することが重要と考えますが、教育長の見解を求めます。

○坂本教育長 都教育委員会では、全ての都立高校等において、年に三回、コンディションレポートを生徒が積極的に活用する期間を設けるとともに、その継続的な利用も促したところでございます。
 これに合わせまして、同レポートについて教員が効果的に活用するための工夫や要望などに関わるアンケートも実施をいたしました。
 その内容を踏まえまして、生徒が入力した継続的な記録を教員が一覧で見ることのできる仕組みを導入するなどのシステム改修を速やかに行いました。
 このレポートやSNS等による教育相談など、デジタルの力を活用し、子供の心のケアを効果的に進めたところです。

○たかく委員 ありがとうございます。
 次に、農の風景育成地区制度について質問いたします。
 農の風景育成地区は、減少しつつある農地を地元自治体が農家や住民等と連携して守っていくための制度で、私の地元世田谷区の喜多見地域も育成地区に指定されております。
 改めて、この制度の概要とこれまでの指定状況についてお伺いいたします。

○谷崎東京都技監 都は、農地を保全し、農のある風景を将来に引き継いでいくため、平成二十三年度に農の風景育成地区制度を創出いたしました。
 この制度は、区市町が候補地を選定し、緑地や農地の保全、活用等に関する計画を策定した上で、都が地区を指定し、農業者や地域住民などが区市町と連携して、将来に引き継ぐべき農のある風景を保全するものでございます。
 昨年度指定した江戸川区内と町田市内の二地区を含め、これまでに七地区、計約三百六十六ヘクタールを指定しております。

○たかく委員 導入から十年以上が経過したわけですが、制度の趣旨である農のある風景を保全していくためにも、さらなる指定に向けた取組が重要であると考えます。
 本制度は、候補地の選定から運営まで地域が主体となりますが、令和五年度における都の区市町に対する支援の状況について見解を求めます。

○谷崎東京都技監 指定を進め、制度の効果を発揮していくためには、区市町との連携が重要でございます。
 都は、区市町が行う候補地選定に向けた調査や計画策定に加え、指定後三年間は普及啓発イベントやボランティア育成等について、その経費を補助することにより、各自治体の取組を支援しております。
 令和五年度は、八王子市及び町田市に対し、計画策定費用等への補助を、また、江戸川区に対し、指定後の情報発信等への補助を実施いたしました。
 今後もこうした取組を進め、農の風景の保全、育成に努めてまいります。

○たかく委員 育成地区に指定されている練馬区南大泉地域では、南大泉農の風景育成地区実行委員会を立ち上げ、今週末に農フェスタと題し、収穫体験やマルシェを行うなど積極的な活動を進めております。
 一方、育成地区に指定されているある農家の方からは、地域住民に対し、育成地区の意義をもっと都がPRすべきとの声や、指定後の展望が見えず、都のビジョンを示してもらいたいとの意見が聞かれております。
 地域や農家による自立的、継続的な取組につなげ、農の風景の保全、育成をさらに進めていくためにも、今後支援の強化を図っていくことを要望いたします。
 次に、持続可能な地域公共交通実現に向けた都の支援について伺います。
 高齢化が進む中、地域住民の足となり、住民が自由に移動できる手段を確保するためにも公共交通の役割は重要です。今後の少子高齢化、人口減少社会を見据え、鉄道ネットワークを生かしながら、地域の特性に応じた効率的な地域公共交通ネットワークの形成を促進し、移動しやすい、利便性の高い都市の実現に向けた取組が必要とされます。
 都内でも、持続可能な地域公共交通の実現に向け、多くの区市町村による取組が進められております。区市町村が主体となった地域公共交通の取組に対する都の役割をお伺いいたします。

○谷崎東京都技監 人口減少や少子高齢社会の進行など、都民を取り巻く環境が変化する状況におきましては、地域公共交通の利便性を高め、日々の生活を豊かにしていくことが重要でございます。
 都は、令和三年度に策定いたしました東京における地域公共交通の基本方針に基づき、地域公共交通の確保、充実に向けて、区市町村が主体的に地域の交通課題の解決に取り組めるよう、技術的、財政的に支援する役割を担っております。

○たかく委員 私の地元の世田谷区においては、交通不便地域での移動手段を確保するために、昨年度より、区が主体のデマンド交通の運行が行われており、そこに都も財政支援をしております。こうした都の支援は非常に重要であると考えます。
 区市町村が主体となったデマンド交通の導入支援に関する都のこれまでの取組と、令和五年度の区市町村への補助件数についてお聞きいたします。

○谷崎東京都技監 地域に適した移動サービスを構築するためには、区市町村が関係者と緊密な連携を図りながら、主体的に取り組むことが重要でございます。
 デマンド交通は、路線やダイヤをあらかじめ定めないなど、利用者のニーズに応じて柔軟に運行する手段であり、都内各地で導入が進んでおります。
 都は、導入時の車両購入費や運行経費の一部について補助しており、令和五年度は世田谷区を含む三件の運行経費補助を実施いたしました。
 引き続き、こうした支援を通じ、区市町村の取組を一層後押しし、地域公共交通の充実に取り組んでまいります。

○たかく委員 東京都の運行経費に対する補助事業は三年間の期間限定であります。現在、世田谷区で運行されているデマンド交通は、東京都からの財政支援がなくなった場合、区の単費で経費を捻出していく必要に迫られます。継続していくためには、区として経費削減やスポンサーを募るなど、収入増への独自の取組が求められるところではありますが、都のさらなる継続的支援を求め、次の質問に移ります。
 次に、モニタリング分析等について伺います。
 新型コロナウイルス感染症の法令上の位置づけが令和五年五月八日から五類に引き下げられました。しかし、五類移行後もコロナがなくなったわけではなく、昨年夏と冬には感染者数が大きく増加した一方で、患者数が定点把握になったことで、感染状況のリアルタイムでの把握や傾向と対策が難しくなったともいわれております。
 都は、五類移行前の最後のモニタリング会議において、引き続きモニタリング分析を続けていくとしましたが、具体的にはどのようなことを行ってきたのかを伺います。

○雲田保健医療局長 都は、昨年五月の新型コロナの五類移行後も、感染状況などのモニタリングを継続しております。
 具体的には、都が指定した四百十九か所の医療機関からの患者報告数により、感染動向を把握するとともに、二十五か所の病院からの入院患者報告数などにより、医療提供体制の負荷を確認しております。
 さらに、新たな変異株の発生などを監視するため、ゲノムを解析する病原体サーベイランスを行っております。
 こうしたモニタリングの状況につきましては、毎週ホームページで公表するとともに、専門家も参画する感染症対策連絡会議などを活用して、都民に注意喚起を行っております。

○たかく委員 病原体サーベイランスには、下水中のウイルスを検査、監視する下水サーベイランスという手法もあります。現在、都が実施しているモニタリング分析に含まれていませんが、受診行動や検査数等の影響を受けることなく、無症状感染者を含めた感染状況を反映する客観的指標として活用が期待されております。
 さきの定例会で、我が党より、下水サーベイランスの迅速な対応を求めてきたところでありますが、改めて都のこれまでの取組を伺い、私からの質問を終わります。

○雲田保健医療局長 下水中のウイルスを検査、監視する下水サーベイランスは、地域の感染状況を把握する指標の一つでございます。
 都は令和二年度から、健康安全研究センターにおきまして、下水を活用した新型コロナウイルスの調査を試験的に行い、五類に移行した令和五年度におきましても、都内全二十か所の水再生センターを対象に調査を実施いたしました。
 今年度、国は新型コロナの定点報告による感染動向の把握を補完するため、下水サーベイランスを予防接種法に基づく感染症流行予測調査に位置づけましたことから、都はこれに基づく調査を開始しており、今後、都民や関係機関等に対する情報提供や、感染拡大時の注意喚起に活用してまいります。

○川松委員長 たかく則男委員の発言は終わりました。(拍手)
 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時十五分休憩

   午後三時三十分開議

○川松委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 大山とも子委員の発言を許します。

○大山委員 神宮外苑再開発と知事の政治姿勢について質問します。
 小池知事は、神宮外苑再開発は、知事選の争点ではないといっていました。その考えは今も変わりませんか、知事。

○小池知事 神宮外苑地区のまちづくりに関してのご質問でございます。
 神宮外苑地区のまちづくりは、明治神宮など民間事業者が自らの所有地で行うものである、このことは大前提でございます。その上で、まちづくりにおきましては、多くの都民の理解と共感を得ることが重要である。都は、既存の樹木の保全などに取り組むよう再三事業者に求めてきておりまして、当時、事業者において検討中であった、こうした状況をお答えしたものでございます。

○大山委員 多くの都民の理解と共感を得ることというのは重要ですね。いろいろおっしゃいましたけれども、要するに争点ではなかったということのご答弁ですね。
 それでは、知事選の際の世論調査、ありました。七割の都民が神宮外苑再開発に反対しました。都民の意思は明瞭でした。そして、知事が、この都民の意思に一貫して背を向け続けていることもまた明瞭です。
 知事、知事は、都民と共にっていうことを繰り返しているわけですけれども、そういいながら、なぜ都民の意思に一貫して背を向け続けている態度を取っているのかということなんです。
 小池知事、伺いますけれども、知事は二〇二三年度に政治資金パーティーを何回開きましたか。民間企業では、どういう企業にパーティー券を買ってもらったんでしょうか。

○小池知事 勉強会についてのお尋ねでございます。
 勉強会につきましては、常に法に基づき適切に対応しておりまして、その内容については政治資金収支報告書に掲載をしているとおりでございます。

○大山委員 政治資金パーティーは勉強会っていうんですね。
 それでは、具体的に伺いますけれども、知事、三井不動産に小池知事の政治資金パーティー、そのパーティー券を買ってもらったことはありますか。(佐藤政策企画局長発言を求む)知事です。

○佐藤政策企画局長 勉強会につきましては、先ほど知事がお答えしているとおりでございます。

○大山委員 私は、政治姿勢、知事の政治姿勢、政治家としての知事に聞いたんです。そして、買ってもらったか、買ってもらわなかったということをだけを聞いたんですね。都政の利害関係の企業、利害関係がある企業にパーティー券を買ってもらったかどうかっていう、これ重大な問題なのに、なぜ知事が答弁できないんでしょうか。
 買ってもらったか買ってもらったことはないか、イエスかノーか、答えは二つしかないんですね。知事、政治家として答弁してください。

○小池知事 先ほどからお答えしておりますように、勉強会につきましては、法に基づいて適切に対応しております。そして、その内容について、政治資金収支報告書に掲載をしていると、このようにお答えしております。

○大山委員 政治資金報告書に書いてありますからっていうことなんですけれども、知事がこの場で、議会の場で答弁できない、これ重大ですよね。しかし、否定はできない。つまり買ってもらっているっていうことを認めているっていうことではないでしょうか。
 三井不動産は、半ば認めています。外苑再開発の事業者が九月二十八日に行った住民説明会で、三井不動産は、市民から萩生田光一氏や小池知事のパーティー券を買っているかと質問されて、政治資金パーティーついては、国民生活の安定や政治、日本経済の成長、業界活動を取り巻く環境整備に寄与すると考える政党、政治家のパーティー券を、政治資金規正法等を遵守し、適切に購入していますと答えています。否定しなかったわけですね。買っていますかって聞かれて否定しなかったわけです。
 こうした事業者との癒着ともいうべき関係を改めない限り、知事が都民の声に正面から向き合うことは決してできないということを冒頭にまずはっきり指摘しておきます。
 昨年九月十二日に東京都は、事業者に対し神宮外苑地区のまちづくりにおける樹木の保全について要請しています。環境影響評価書で事業者が約束した既存樹木の保全等の検討結果が示されていないので、新ラグビー場敷地の既存樹木の伐採に着手する前までに見直し案を示すよう求めたものです。
 当時、半年前に事業を認可したものの、都民の皆さんの声に押されて、都としても何らかの対応をせざるを得なかったわけです。その結果、事業者は、計画の見直しを迫られ、一年後の今、改めて幾つかの行政手続を進める必要が生じています。
 都民の世論とこれまでの経過を踏まえれば、これからの手続をやすやすと進めさせるわけにはいかないということはいうまでもありません。知事の責任が今いよいよ厳しく問われています。
 事業者は、先日九月三十日に、環境影響評価手続における変更届と事後調査報告書を提出しました。都が昨年、事業者に出した要請では、その冒頭で、神宮外苑まちづくりの推進に当たっては、先ほども知事答弁された、多くの都民の理解と共感を得ることが極めて重要と述べていますが、今回事業者が示した回答は果たしてどうでしょうか。
 知事は、昨年九月の要請に対し事業者がきちんと回答を示したと考えているんでしょうか。知事、答弁してください。

○須藤環境局長 昨年九月に都市整備局長及び環境局長名で、事業者に既存樹木の伐採に着手する前までに、環境影響評価書で示された検討を行った結果として、樹木の保全に関する具体的な見直し案を示すよう求めております。
 都の要請を受け事業者は、樹木医の意見も聞きながら、既存樹木の活力度調査やイチョウの根系調査などを行い、その結果を踏まえ、施設計画の見直しなどを進め、本年九月に樹木保全の見直し案が取りまとめられたものと認識をしております。
 見直し案は審議会に報告され、環境に著しい影響を及ぼすとの意見はなかったことが確認されております。

○大山委員 私は知事に聞いているんです。しかも、私の聞いたことに全く答えていません。事業者の見直し案を知事はどう評価したのか、そう聞いたんです。
 建国記念文庫の森の樹木伐採がこうやって始まってしまいました。知事はどのように受け止めていますか、知事。

○谷崎東京都技監 神宮外苑のまちづくりは、明治神宮など民間事業者が自らの所有地において実施するものであり、都はこれまでも事業者に対し既存樹木の保全などに取り組み、都民の理解と共感を得てまちづくりを進めるよう再三にわたり要請してまいりました。
 昨年九月には都市整備局長及び環境局長名で、事業者に既存樹木の伐採に着手する前までに、環境影響評価書で示された検討を行った結果として、樹木の保全に関する具体的な見直し案を示すよう求めました。
 都の要請を受け、事業者は樹木医の意見も聞きながら、既存樹木の活力度調査等を行い、その結果を踏まえ、施設計画の見直しなどを進め、建国記念文庫周辺の樹木も含め、本年九月に樹木保全の見直し案が取りまとめられたものと認識しております。

○大山委員 知事、知事の受け止めを聞いたのにどうして答弁もしないんですか。今、技監が答弁された中にも、さっきも知事もおっしゃっていましたけれども、都民の理解と共感を得るよう求めてきたと答弁ありましたけれども、それは知事ご自身さっきもおっしゃったように何度も発言をされてきたことです。
 知事、聞きますよ、聞いてくださいね。質問を聞いてください。知事は、この再開発が都民の理解と共感を得ていると思っているんですか。知事です、知事です。

○谷崎東京都技監 神宮外苑のまちづくりは、明治神宮など民間事業者が自らの所有地において実施するものでございます。都は事業者に対し、都民の理解と共感を得られるよう、引き続き情報発信などにしっかりと取り組むよう伝えております。

○大山委員 引き続き理解と共感を得られるように努めていく。じゃあ今は共感を得られていないという認識なんですかね。実際、理解と共感など全く得られていません。
 知事、こっち見てください。知事、現地に行ってみてください。伐採される樹木を悲痛な思いで見守っている都民の声を聞いてください。樹木伐採の開始に際して、新聞各社も一斉に社説で異議を唱えました。結局知事は、事業者が見直し案を提出したという形だけ整えば、中身は問うつもりはないということです。
 小池知事は、神宮外苑が百年の歴史を重ねて育んだ樹木や生態系、景観を何も考えずにいともたやすく大なたを振るってずたずたにした初めての都知事として、歴史にその名を刻みました。恥ずべきことです。
 本来であれば、知事は厳しい態度で環境影響評価に臨むべきでした。環境影響評価条例は、自然環境及び歴史的環境の保全、景観の保持について適正な配慮がなされることを期し、もって都民の健康で快適な生活の確保に資することを目的としていますが、知事も同じ立場で環境影響評価に臨んでいますか。

○須藤環境局長 都の環境影響評価は、東京都環境影響評価条例に基づき、事業者が自ら作成した環境影響評価図書を審議会で説明し、その内容について、審議会委員から専門的かつ公正な立場で審査いただく一連の手続でございます。
 環境影響評価手続につきましては、東京都環境影響評価条例や、既に得られております科学的知見に基づき、対象計画の策定及び対象事業の実施が環境に及ぼす影響を明らかにするために必要な調査などについての項目、方法、範囲、その他の事項について定めた東京都環境影響評価技術指針などに沿って適切に進めております。

○大山委員 知事にどういう立場で臨んでいるのか。それを知事自身の臨んでいる姿勢を聞いたんですよ。それなのに答弁もしない。
 事業者の見直し案に対する環境影響評価は、条例の目的として、第一条がうたう理念、これを体現していると胸を張れるような状況ではない、そう思います。
 建国記念文庫の森に新ラグビー場が建設されれば、僅かに残された木々も大きな影響を受け、百年かけて移り変わった生態系が完全に破壊されることは、誰が見ても明らかです。ラグビー場の形を少々手直しした程度で済む話ではありません。
 事実、計画の変更前後で、ラグビー場がつくり出す日影に顕著な変化はなく、その影響や樹木の種類との関係などについて突っ込んだ議論はありませんでした。専門家は、残された緑地の持続的維持に関わる日影の評価が行われておらず、科学的根拠に欠けると指摘しています。
 仮移植から本移植へと変更された建国記念文庫の森から移植する樹木の移転先についても、図面が一部しか示されておらず、きちんと保全がされるかどうかについての議論の前提すら欠く状態でした。
 知事、樹木の移植というのは、そんな簡単なことではないんですよ。外苑のすぐ隣に実例があります。知事は、新国立競技場の建設時に移植した樹木が枯れて撤去された事実をご存じですか。

○谷崎東京都技監 新国立競技場は、独立行政法人日本スポーツ振興センターにおいて運営及び維持管理されているものでございます。
 日本スポーツ振興センターからは、移植樹木に限らず、国立競技場の敷地内の樹木について、定期的に樹木医による点検を行うとともに、適宜土壌改良等を実施するなど、その都度必要な対応をしており、移植した樹木の大半が枯れたという事実はないと聞いております。

○大山委員 大半が枯れたなんていっていないでしょう。
 そんなこといっていますけれども、こちらご覧ください。二枚の写真です。(パネルを示す)新国立競技場の北側、出陣学徒壮行の地という碑の脇に移植された樹木です。これですね、これが碑です。移植された木です。枯れて、もう電信柱みたいになっている。これが二〇二二年の四月十七日撮影したものです。
 そして、二か月後、これは、見てください、伐採されました。そして、根っこだけ、切り株だけ残っている、そういう状況になっています。
 国立競技場の木々、枯れて−−写真撮ってくれた方は、この後も枯死して撤去された木もある、そう話していらっしゃいました。
 新国立競技場周辺に移植した樹木について、東京新聞の依頼で、樹木の生態に詳しい濱野周泰氏が現地確認をして、樹木の生態的な特性を理解しているとはいい難い、少なくとも移植木に関しては負のレガシーだと批判しています。
 その後、中央大学研究開発機構の石川幹子氏が濱野氏の指摘を踏まえ、新国立競技場周辺の樹木を調査した結果、移植前の美しい樹形を生かした移植樹と判断したのは、新宿区の天然記念物のスダジイを含む三本ほどだった、狭い空間に所狭しと詰め込まれており、森の生態系が再生されていないと指摘しています。
 知事、これが移植の現実です。このままいけば、僅かに残る建国記念文庫の森も、移植した樹木も、悲惨な結果が待ち受けているのは確実です。
 ただ一つ、知事の責任で回避する道があります。環境影響評価条例では、その六十三条で、ある事業について変更が生じた場合、知事が環境に著しい影響を及ぼすおそれがあると認めるときは、審議会の意見を聴いた上で、当該事業者に対し、既に完了している手続の全部または一部を再度実施するよう求めるものとする、つまり再アセスの実施を求めることができます。
 知事、今からでも知事の責任で、事業者に再度アセスメントの実施を求めるべきです。いかがですか、知事。

○須藤環境局長 先般提出のありました新ラグビー場棟の設計変更に伴う変更届につきましては、新ラグビー場棟北東部分がセットバックされたことにより、伐採樹木や日影の範囲が減少するなど、いずれの評価項目におきましても改善、低減などが見込まれることから、今回の変更が環境に著しい影響を及ぼすおそれがあるとは認められず、このことについては、専門家から成る審議会において適切であったと確認されております。

○大山委員 そういう悲壮な認識、上辺だけ樹木の伐採を容認したわけです。自然環境及び歴史的環境の保全、景観の保持について適正な配慮がなされているなどと全くいえないんじゃないですか。外苑再開発の環境影響評価に対する知事の責任は全く果たされていません。
 今回ラグビー場の設計に伴う変更届と一緒に事後調査報告書が事業者から提出されました。イチョウ並木の保全について述べられています。ここでも事業者と都の環境影響評価の不備が浮き彫りになっています。
 既に二〇二二年十二月にイコモスが指摘していた四列のイチョウ並木の衰退について、事業者は今年九月に発表した報告書でようやく認めました。イコモスの指摘が正しかったことが明らかになりましたが、知事はどのように受け止めていますか。知事の受け止めを伺います。

○須藤環境局長 事業者は、四列のイチョウ並木の生育状況につきまして、二〇一九年十一月より、一部のイチョウが他のイチョウと比較して、落葉が早い状態であることは認識しており、プロジェクトサイトにおいて、専門家の見解を踏まえ、施肥や土壌改良措置などの対応を実施していることを適宜公表しております。
 その後も、事業者は四列イチョウ並木のモニタリングを行いながら、さらに乾燥を防ぐための稲わらによるマルチングや、自動で定期的に水分供給が可能なかん水設備の設置などを行っており、先般の審議会総会において事業者から、今年七月のイチョウの活力度につきましては、昨年七月と比べて改善していると報告されております。

○大山委員 事業者もイチョウ並木の衰退は知っていたといいたいんだと思いますけれども、そうであるならばなおさら、環境影響評価書にそれが反映されず、二年もたった今回の事後調査報告書でようやく記載されるようなことが問題だといっているんです。このことはイコモスが繰り返し指摘してきたことでした。
 重大なのは、このような事態が生じたとき、今の都の環境影響評価の仕組みには異議申立ての手段がないということです。
 まず、外部の専門家が意見を述べる道が閉ざされている。さらに、評価書に誤りがあることを想定していないため、知事がこれを是正する手続がありません。さらにいえば、早期の段階から複数の代替案が示され、別の選択肢を選ぶことができる。
 また、簡易アセスを積み重ね、情報公開と市民とのコミュニケーションを深めるというやり方が世界のアセスの主流です。神宮外苑再開発がその対極にあることは、今日、多くの人が知るところです。
 知事、環境影響評価条例の改正を行い、神宮外苑再開発を事業者の問答無用で進めるのではなくて、今からでも市民と専門家の良識が反映する道を開くべきではありませんか。知事、環境影響評価条例を世界レベルに引き上げるために直ちに改正すべきではありませんか。知事、お願いします。

○須藤環境局長 都の環境影響評価制度については、国に先駆け、昭和五十五年に条例を制定し、翌昭和五十六年から実施しております。
 この制度は、事業者自らが事業に伴う環境への影響を予測、評価した結果を記載した環境影響評価図書について、専門的立場から審議会で審査を行い、事業者に環境配慮を促すものでございます。
 これまで条例について、六回の改正を経ながら、多くの案件を取り扱い、大規模事業が環境に与える影響の低減に資するよう審議会で審議を行い、東京の環境保全の向上に大きな成果を上げてきたことが審議会総会でも確認されております。
 都としては、引き続き環境影響評価手続について、環境影響評価条例や環境影響評価技術指針などにのっとって適切に進めてまいります。

○大山委員 今、問題点、指摘したわけですよ。結局、事業者の問答無用が続くということです。事業者に厳しい態度を取ることができない。小池知事の弱点がもろに表れています。
 知事がやらないというのであれば、議会がやるしかありません。我が党は、環境影響評価条例の改正案の提出を議会の皆さんに呼びかけるものです。日本共産党都議団は、引き続き神宮外苑の森と空、歴史的景観を守るために、都民の皆さんと力を合わせ、全力を挙げることを表明して、次の質問に移ります。
 次のテーマ、シルバーパスです。
 まず、伺いますけれども、二〇二二年度と二〇二三年度の高齢社会対策費と少子社会対策費の決算額、お答えください。

○山口福祉局長 高齢社会対策費の決算額でございますが、令和四年度が約二千二百三十一億二千百万円、令和五年度が約二千二百二十八億六千六百万円でございます。
 また、少子社会対策費の決算額でございますが、令和四年度が約三千二百十七億一千二百万円、令和五年度が約四千四百二十五億六百万円でございます。
 いずれも高齢者施策、子供、子育て施策に必要な予算を計上し、必要な事業を着実に実施をいたしました。

○大山委員 少子社会対策費が約一・四倍の大幅増、これは重要な、大事なことです。〇一八サポートなど大事な内容も多く含まれています。
 しかし、一方、高齢社会対策費は、ほぼ横ばいで、二〇二三年度決算では少子社会対策費の半分です。高齢者福祉にもっと光を当てて手厚くして、高齢者が安心して生活できるようにしていくことが必要です。
 高齢者福祉の中でもシルバーパスへの期待と関心は高く、都民の皆さんに定着していて、高齢者にとって都政を一番といっていいほど身近に実感できるものです。シルバーパス条例の目的は、高齢者の社会参加を助長し、もって高齢者の福祉の向上を図ることとなっています。
 つまり東京都の役割は、シルバーパスを高齢者に使ってもらって、高齢者の誰もが社会参加できるようにして、高齢者の福祉の向上を図ることができるようにすることだと思いますが、どう認識していますか。

○山口福祉局長 シルバーパス制度は、高齢者の社会参加を助長し、もって高齢者の福祉の向上を図ることを目的としておりまして、現在、多くの高齢者がシルバーパスの発行を受けて、社会参加と生きがいの活動に活用されております。

○大山委員 都内で活動している女性団体がシルバーパスについてアンケートしました。
 その中でも、外出する機会が増えたとか、シルバーパスのことを知ったとき早く七十歳にならないかなと楽しみにしていました。シルバーパスを手にしたときはやったと思った。六十歳まで勤めていた職場の仲よし三人組でいろいろなところに遊びに行き楽しみました。今も一年に何回か、いろいろ調べてあっちこっちと遊びに行き楽しんでいますなど、シルバーパスはその事業目的に沿う大事な役割を果たしていることがうかがえます。
 しかし、二〇〇〇年に現在の制度になってから二十五年が経過し、我が党が繰り返し求めてきた制度の改善、拡充がいよいよ切実な課題となっています。
 最大の問題は費用負担です。所得が百三十五万円以下の方も千円の負担があり、百三十五万円を超えると二万五百十円に一気に跳ね上がります。現行制度へ経過措置が終わった二〇〇三年度と決算年度の二〇二三年度の二万五百十円のパスの発行数は、それぞれ何枚ですか。そして、それぞれの七十歳以上人口も教えてください。

○山口福祉局長 シルバーパスの二万五百十円パスの発行枚数でございますが、平成十五年度が約十一万四千枚、令和五年度が約十万二千枚でございます。
 七十歳以上の高齢者は、平成十五年一月一日現在で約百三十七万人、令和五年一月一日現在で約二百四十八万人でございます。

○大山委員 パネルにしてみました。七十歳以上人口は一・八倍、百十一万人増えているのに、二万五百十円のパスを購入する人は実数で一万二千人も減っています。これですね、一万二千人。
 先ほど紹介した女性団体のアンケートには、次のような声も寄せられています。
 生活のために働いている僅かな給料のために高額になってしまうシルバーパスは使えません。誰もが使えるようにもっと安くしてほしいです。シルバーパス代金が高いため買えない。自転車や徒歩で移動しているが、夏場の暑いとき、冬場の雪、雨の日、また体調により使いたいが、高過ぎるので我慢。
 知事は、シルバーパスの改善を知事選の公約に掲げましたが、こうした切実な声をどう受け止めますか。

○山口福祉局長 シルバーパスにつきまして、様々なご意見があることは承知をしております。
 なお、令和六年第三回定例会において答弁しましたとおり、シルバーパスにつきましては、現行制度導入以降の健康寿命の延伸や交通事情の変化などを踏まえまして、高齢者施策全体を総合的に議論する中で検討することとしております。

○大山委員 私は、知事に具体的な声を示して、それに対しての受け止めを聞いたんです。知事の受け止めは知事自身にしか分かりませんから、局長が答えられないのは当然です。しかも、知事は、局長に答えさせて、平然としている。当事者としての自覚がなさ過ぎるんじゃないんでしょうか。
 ここにアンケートをまとめたものをもらっています。様々な意見がびっしりです。取得しない理由で多いのが高額過ぎるというものです。検討するというなら、費用負担の軽減を検討することは欠かせません。交通費の負担は、高齢者にとって重いものです。
 高齢者の移動、外出、社会参加を保障するために、シルバーパス制度の改善、拡充は早急に取り組むべき重要な課題です。費用負担の軽減について、我が党は全面無料化、望ましいと考えますが、所得制限をなくして一律千円にすること、これも選択肢です。来年度予算で踏み出すことを求めます。
 多摩都市モノレールも同様です。
 以上です。(拍手)

○川松委員長 大山とも子委員の発言は終わりました。
 鈴木烈理事の発言を許します。

○鈴木委員 都議会立憲民主党の鈴木烈と申します。
 まず、都の財政運営についてお伺いいたします。
 私、前職はベンチャー企業の経営者をしておりました。経営者として十五年間、毎月、毎年、自社の財務諸表に向かい合ってまいりました。
 しかしながら、昨年都議になりまして、予算審議に加わらせていただけて、本当に単式簿記方式の予算資料は非常に難解で、よく分からないと途方に暮れていたのが正直なところでございます。
 しかし、今回の決特で慣れ親しんだ複式簿記方式の決算資料に接することができ、ようやく都の財政の全体像が見えてきたと感じています。複式簿記方式の会計制度導入にご尽力くださった都政の先達の皆さん、特に都議会公明党の皆様の功績が大きいと伺っておりますが、ここに謝意を表させていただきたいと存じます。
 そこで、まずは会計管理局作成の令和五年度の財務諸表についてお伺いいたします。
 議論の前提として確認をさせていただきたいんですが、平成十八年から複式簿記方式による現行の新たな公会計制度が始まったわけです。
 例えば都有資産の評価方法とか、毎年の減価償却費の計上方法などで、企業会計でいうところの純利益に当たる一年間の正味資産の増加額及び自己資本比率等の重要な指標を大きく左右してしまうような課題や改善点は現状あるんでしょうか、教えていただきたいと思います。

○梅村会計管理局長 新公会計制度で用いる会計基準は、行政の特質を考慮しつつ、民間企業の会計基準を幅広く導入しております。
 具体的には、有形固定資産の評価について、取得原価を計上する方法を原則としているほか、減価償却については、毎期一定額を費用として計上する定額法により、償却をしております。
 毎年度、公認会計士で構成する東京都会計基準委員会の議論も得ながら、継続的な会計基準の見直しを行っておりまして、都が所有する資産などの状況を正確に反映させた財務諸表を作成しております。

○鈴木委員 ご説明ありがとうございます。都の財務諸表が、財政政策を論じる上で信用に値するものであるということが確認をできました。
 それでは次に、都の財務諸表の中身に触れていきたいと思います。
 改めて、都の財務諸表を分析すると、フローの観点から、企業の純利益に当たる毎年の正味資産の増加額を見ても、ストックの観点から自己資本比率を確認しても、超優良な財務状況であることが確認できます。
 毎年の都の純利益を確認すると、令和五年度は五千六百四十六億円の黒字、令和元年以降の過去五年間の平均値で四千九百八十四億円の純利益を計上し、それを内部に留保していることが確認できます。
 ストックの観点から自己資本比率を確認すると、東京都の令和五年度の自己資本比率は八二・六%、一般の企業経営者の方にとっては驚くべきすばらしい数字でございます。ほかの自治体と比べると、大阪府が二一・三%、愛知県が二九・〇%、東京都がほぼ無借金経営というべき強固な財政基盤を有していることが確認できます。
 財務状況が優良であることは悪いことではないんですけれども、問題提起をしたいのは、知らず知らずのうちに緊縮財政に陥っている可能性がないのかという点でございます。
 世間一般でいわれる税の世代間の公平性の問題がありますけれども、世間一般でいわれる意味とは逆の意味で、世代間の不公平性の問題が発生していないんでしょうか。
 本来、現在の納税者が享受できるはずの福祉が受けられていないとか、もしくは単純に税金を取り過ぎている可能性があるんじゃないかというふうに感じているところでございます。
 そこで、ご質問させていただきます。将来的な福祉費の増大などの不安もあろうかと思いますけれども、財務当局の財政に対する基本的な考えを伺います。
 都の財政運営は緊縮財政に陥っていないでしょうか。毎年約五千億円もの正味資産が増加を続けていること、八二・六%という非常に高い自己資本比率をどのように考えていらっしゃるんでしょうか、説明をいただきたいと思います。

○山下財務局長 都はこれまでも、物価高騰など、足元の課題に迅速に対処いたしますとともに、子育て家庭への支援の充実や都市の強靱化など、将来を見据えた施策を積極果敢に展開をしてまいりました。と同時に、評価制度のさらなる進化を図りまして、これはかつての財政再建の時期の教訓を踏まえてのものでございますけれども、事業の無駄をなくす取組を徹底することで、施策の効率性、実効性を高めてございます。
 今後とも持続可能な財政運営にも配慮しながら、必要な施策に的確に財源を振り向けてまいります。

○鈴木委員 今の答弁を皆さんどう聞かれたかと思うんですけれども、私は今の答弁を伺うと、財務局の皆さんは複式簿記方式の財務諸表をあまりご覧になっていないんじゃないのかなと、活用されていないんじゃないかなというふうに感じました。
 お話を伺って、目の前の政策課題に一生懸命取り組んでいるんだと、お金使っているんだと、無駄がないようにも見ているんだと、そういうご姿勢は分かるんですね。
 でも、それをちゃんと客観的な立場から俯瞰されていますかと。せっかくこの複式簿記の財務諸表があるわけです。全体像を俯瞰して、財政が緊縮、極端な緊縮に偏ってもいけないし、積極財政に偏り過ぎてもいけないわけでございますから、それをしっかりチェックしていただきたいなというふうに思っております。
 例えば、毎年の予算審議の段階で、予算のPL、BS、CFを作成して、きちんとバランスの取れた予算になっているのか、そういう活用を進めていくことが重要だということを述べさせていただきたいと思います。
 次に、都の非正規公務員問題についてお伺いしたいと思います。
 東京都という組織は、いうまでもなく、都民サービスを行う行政体であるわけでございますけれども、同時に、正規職員だけで十六万五千人、非正規職員を含めると、私の概算ですけれども、恐らく二十四万人程度を擁する巨大事業体であるわけでございます。
 この二十四万という数字は、都内の全就業者数のおよそ三%を占める大きさでございまして、東京都の人事政策が、都内の賃金市場はじめ、都民の労働環境に大きな影響を与えていることが推測されます。
 私が今回の決特の審議を通じて得た問題意識は、都は巨大なブラック企業として、都内のみならず、日本全体に悪影響を与えてしまっているのではないかという懸念でございます。
 毎年およそ五千億円もの利益を内部に留保する一方で、雇用する職員の三割は非正規雇用、外部調達は価格重視で、公契約条例の検討すら始めていません。行政体としては、サステーナビリティーを重視した政策を打ち出しながらも、一事業体としては、圧倒的な優越的な立場を活用して、従業員を使い捨てにし、取引先企業を安く買いたたく。
 もちろん都庁幹部の皆さんが悪意でこういう振る舞いをしているとは思いませんけれども、会計年度任用職員制度のような旧態依然の慣習や制度に従って運営しているうちに、時代錯誤なブラック企業的振る舞いを東京都がしてしまっているのではないかと懸念をするわけでございます。
 昨年、東京都のこういったブラック企業的イメージを決定づける象徴的な事件がありました。スクールカウンセラーの大量雇い止め事件でございます。都教委は昨年、契約更新を希望する二百五十名のスクールカウンセラーを雇い止めにいたしました。この数字は、都内のスクールカウンセラー総数の千五百名の一七%に当たる驚くべき数字です。
 当時私は、雇い止めに遭った多くのスクールカウンセラーの方々に直接お話を伺いました。
 長年スクールカウンセラーとして仕事をしてきて、現場の校長からも評価されてきたけれども、毎年の勤務評定が全く考慮されず、僅か二十分の面接で首にされた。スクールカウンセラーとしての収入だけで家族を養ってきたが、今後どう生活すればいいのか分からない。自分に何の問題があって、首になったのかも分からず、反省のしようもない。
 幸い契約更新できたスクールカウンセラーの方も、こんなに簡単に首を切られてしまうことを考えると、このままこの仕事を続けていくことに疑問を感じる。そんなふうにおっしゃっていらっしゃいました。
 なぜこんな悲劇、民間では起こり得ない不条理が起こるかといえば、それは会計年度任用職員制度の運用に当たって、東京都が定めているいわゆる五年ルールが原因だと考えます。
 東京都は、会計年度任用職員の更新限度について、四回、五年までと規定し、限度を超えて任用継続を希望するスクールカウンセラーは、更新を認めず、他の新規応募者とともにゼロから公募手続に応募するように定めています。
 そこで、質問します。東京都はなぜこのような不合理で不公正な五年ルールを定めているのでしょうか。都の人事政策の最高責任者である総務局長のお考えを聞かせてください。

○佐藤総務局長 会計年度任用職員は、特定の学識、経験に基づく専門的業務や補助的業務等を担う職でございます。任用に当たりましては、現職以外の外部の方にも公平な機会を提供し、競争によって能力本位の任用を行うことが重要であります。そのため、原則は公募による採用となっております。
 一方で、人材確保の観点も考慮する必要があることから、都では毎年度の能力実証を前提に、公募によらない再度任用を四回まで可能とすることで、外部の方も含めた競争による能力本位の任用と人材確保の観点の両立を図っているという、そういうものでございます。
 なお、上限回数に達した場合でも、公募を経た選考を行った上で、その成績により、引き続き任用をしております。
 こうしたことから、再度任用の上限回数を設定していることにつきまして、理不尽で不公正なものとは考えておりません。
 また、都庁がブラック企業かのようなご発言がございましたけど、そういったご指摘も当たらないものと考えております。

○鈴木委員 ちょっとそこを深掘りさせていただきたいと思うんですけれども、外部の方との競争に照らされるって、確かにそういう観点もあるのかなと思うんですけれども、なぜスクールカウンセラーだけが、非正規公務員だけが、会計年度任用職員の方が外部と競争させられて、正規の方が−−正規の職員は、そういうことがなく一生安泰して仕事ができるわけですね。この理不尽が何なのかという点を教えていただきたいんです。
 今回具体例として取り上げさせていただいているスクールカウンセラー、多くの方にお話を伺いましたけれども、ほとんどの方がこのスクールカウンセラーとしての収入がメインで仕事、生活をされていらっしゃいます。これ専業なんですね。
 加えて、スクールカウンセラーという仕事は、これは皆さんも想像できると思うんですけれども、子供に向かい合って、いろんな事例で経験を積んでいくたびに、いい経験、いいサービスができるようになる仕事だと思うんです。
 こういう仕事こそ、正規の職員として、もしくは会計年度任用職員であったとしても、なるべく長く働いていただくようにすべきだと思うんですけれども、なぜこういう仕事を五年ルールで入れ替えなければいけないのか、ご説明をいただきたいと思います。

○佐藤総務局長 会計年度任用職員は、現在の業務に従事しながら、民間企業や他の自治体などで働くこともできることや、定年年齢がないことなど、任期の定めのない常勤職員の働き方と大きく異なっております。このため、単純に両者を比較することはできないと認識しています。
 なお、常勤職員であっても、庁内で人材確保できないような高度な専門的な知識、経験等を有する者につきましては、特定任期付職員として、五年以内の任期を定めて任用しております。
 また、一般論として、常勤の職とするか、会計年度の任用の職とするかについては、専門性の有無だけではなく、機動的な人材の確保や業務量、権限や責任の度合い、今後の事業動向など様々な要素を総合的に勘案して判断をしております。
 先ほど申し上げたとおり、会計年度任用職員、スクールカウンセラーもそうですけれども、現職以外の外部の方、外部の方も、東京都以外でも様々なご経験等をされております。そういった方も含めて、公平な機会を与えて、競争によって能力本位の任用を行うということでございます。
 スクールカウンセラーの任用に当たっても、再度任用の上限回数を設定していることは適切なものであると認識をしております。

○鈴木委員 本当にそれが適切といえるのかなというところに強い疑問を感じているわけでございます。
 例えば、国は今年の六月、国の非正規公務員の再任用ルールについて、今まで三年ルールというのをやっていたんですけれども、撤廃すると発表しています。
 東京都内の多くの基礎自治体も、昨年までは東京都に倣って、非正規公務員の再任用について、五年ルールを採用しておりましたけれども、毎日新聞の九月二十日の記事によると、七割の自治体が五年ルールの撤廃、もしくは対応を検討するというふうに答えているそうでございます。
 都のスクールカウンセラー大量雇い止め事件も影響しているんじゃないのかなと。もちろん国の動きに倣っている自治体も多いと思います。
 こういった中で東京都が非常に出遅れているんじゃないかというふうに危機意識を持つところでございますので、ぜひ今後、来年に向けて検討をしていただきたいというふうに思うところでございます。
 続きまして、PFAS問題について伺いたいと思います。
 資料の配布をお願いいたします。
 二〇二三年度のPFAS汚染に関する水質調査の概要、進捗状況、その結果、特に汚染源の特定は進んでいるのかどうなのか、ご説明をいただきたいと思います。

○須藤環境局長 都は令和三年度より、都内全域の地下水中のPFOSなどの状況を把握するための調査を実施しており、令和五年度は当該年度分の調査に加え、令和六年度に予定していた調査を前倒しして実施し、四年かけて行う予定であった都内全域二百六十地点の調査を三年で終了いたしました。
 都民の不安払拭を図っていくためには、地下水の実態把握による飲用しない取組が重要であり、引き続きこうした取組を徹底してまいります。

○鈴木委員 すみません、調査の結果どうなったのかという点を伺っておりまして、特に汚染源の特定は進んでいるんでしょうか。

○須藤環境局長 繰り返しのご答弁になりますが、都は令和三年度より、都内全域の地下水中のPFOSなどの状況を把握するための調査を実施しており、令和五年度は当該年度分の調査に加え、令和六年度に予定していた調査を前倒しして実施し、四年かけて行う予定であった都内全域二百六十地点の調査を三年で終了いたしました。
 都民の不安払拭を図っていくためには、地下水の実態把握による飲用しない取組が重要であり、引き続きこうした取組を徹底してまいります。

○鈴木委員 もう同じ答弁だったら、読み上げなくて結構ですので、時間が限られておりますので。
 なかなか原因の特定は進んでいないんだろうなというふうに感じたところでございます。
 二〇二三年九月の現代ビジネスの記事によると、多摩地域の多くの学校や病院で地下水を利用した専用水道から、国の暫定目標値を超えるPFASが検出され、地下水からの取水停止に追い込まれています。
 地下水の利用を諦めて、水道水に切り替えた結果、ある大学では、年間の水道代が千七百万円に上っているとのことでございます。
 今回、我々都議会立憲民主党は、この記事に名前の出ていた複数の学校にインタビューを申し込みましたけれども、風評被害をおそれて、インタビューに答えていただくことができませんでした。
 私の地元立川市でも多くの方々が風評被害をおそれ、口をつぐんでいます。都の地下水の調査を拒否されるという市民の方も多いと伺っています。
 そんな中ですが、今回私は地元立川市民の方から、どうしても納得できないので、我が家の地下水の検査資料を提供するので、小池都知事に現状を訴えてもらいたいとご要望いただきました。
 皆さんのお手元にお配りしておりますこの二枚物の資料をご覧いただきたいというふうに思います。
 一枚目が、通常行われている水質試験検査の成績書です。
 こちらのお宅の水は、一般細菌や大腸菌、水銀等、様々な項目検査をした結果、結論部分が下の方の赤字で囲ったところなんですけれども、水道法水質基準に、適合しているということが明らかになっています。
 区部の方には、これちょっとした驚きかもしれませんけれども、多摩地域では今までも地下水はおいしく飲むことのできる大切な資産であり続けてきたわけでございます。
 話が脱線いたしましたけれども、資料の二枚目、分析結果報告書をめくっていただきたいと思います。こちらは同じ井戸水をPFOS及びPFOAの項目で検査したものです。
 結果は〇・〇〇〇二〇ミリグラム・パー・リッター、国の暫定基準値で定められている単位ナノグラム・パー・リッターに直すと二百ナノグラム・パー・リッターとなります。これは国の暫定基準値五十ナノグラム・パー・リッターを、僅かですが超えてしまうもので、この井戸の所有者の方は、検査機関の方から、もうこの水は飲まないでくださいと告げられたそうでございます。
 こちらの所有者は、おいしい地下水が飲みたいという思いで、二十数年前に数百万円を投じて、地下百メーターまでボーリングして、すばらしい地下水に囲まれた生活を手に入れられました。それが残念ながらPFAS汚染によって奪い取られ、このような不条理を誰に訴えればいいのか分からない、途方に暮れていらっしゃいます。
 そこで、質問いたします。地下水は誰の資産なのでしょうか。そして、この地下水が化学薬品等によって人為的に汚染された場合、その問題に対応すべきなのは、市町村なのでしょうか、東京都なのでしょうか、国なのでしょうか。

○須藤環境局長 我が国では、地下水の所有権についての明確な法律の規定はございません。ございませんが、民法の所有権に関する規定に基づき、地下水は原則として、その土地の所有者に権利があるとされております。
 また、地下水へのPFOS等の排出源の調査につきましては、法令に規定はございません。
 都は、都民の不安払拭を図るため、国に先んじて、水道水における都独自の水質検査を実施し、一部の水源井戸からの取水を停止してまいりました。
 加えて、地下水のきめ細かい調査などを行い、関係局が連携して、暫定指針値を超える地下水を飲用しない取組を徹底しており、令和六年度は、これまで複数年かけて実施してきた都内全域の調査を一年間で行っております。
 区市町村でも独自の調査が行われており、都の調査を補完する調査を実施する区市町村に対して、その費用の一部を負担しております。

○鈴木委員 水質汚濁防止法、環境局でもご検討いただいていると思うんですけれども、こちらでは化学薬品による汚染があった場合、広域自治体が対応するというふうに書かれているように私は理解をしているところでございます。ぜひご検討いただきたいなというふうに思います。
 次の質問に移りたいというふうに思います。
 昨年、令和五年七月に、横田基地において、PFASを含む泡消火剤七百六十リットルが二日間にわたって漏れ出し、地域に広がったと報じられています。国を経由して東京都にも報告されていると伺っています。
 過去に何度も横田基地では同様の漏出事故が起こっておりまして、二〇一二年では三千三十リットルの泡消火剤が敷地内に漏れ出したとされています。
 東京都は昨年度、沖縄県のように横田基地に立入検査をして、少なくとも再発防止について米軍側と協議すべきだったと思いますけれども、どうしてしなかったんでしょうか、ご説明をいただきたいと思います。

○谷崎東京都技監 都は令和五年七月、横田飛行場内において、平成二十二年から二十四年までの間にPFOS等を含む泡消火剤の漏出が三件あったことを確認した旨の情報提供を国から受けました。
 都は情報提供を受け、直ちに基地周辺自治体と共に、漏出場所や漏出量等の詳細な情報を迅速に提供すること、国の責任において、基地内のPFOS等の漏出に関わる地下水への影響について調査分析、評価を行い、その結果を公表する等、必要な対応を行うことなどを国に要請いたしました。
 国からは、都の要請を踏まえ、日米の関係者において、様々な場を活用して、米側と協議を進めてきているところであり、引き続き米側及び関係省庁と連携しつつ対応していくと聞いております。

○鈴木委員 いろいろご説明いただきましたけれども、結局全て国任せなんだなということが分かりました。
 NHKの先月十月の記事によると、横田基地内でまた今年も泡消火剤の漏出事故が起こったそうです。今回は四万七千リットルの汚染水が敷地内に漏れ出したというふうに報じられています。
 先ほどもいいましたけれども、東京都が昨年、ちゃんと立入検査をして調査をして米軍側と協議をしてくれていれば、こういった事故を防げたんじゃないのかなと思うところでございます。
 計画を前倒しして、二百六十地点、いろいろ調査していますよというお話を伺ったんですけれども、調査も大切なんですけれども、毎年毎年漏れ出しているわけですよ、事故を起こして。これを止める努力をぜひ皆さんにしていただきたいということを申し上げたい。
 小池都知事は、さきの都知事選挙で首都防衛を掲げて再選されました。私は、都知事とは政治的立場が異なりますけれども、首都防衛、つまり都民の命や健康、財産を守るというスローガンには大いに共鳴をいたします。
 そこで、小池都知事にお伺いをしたいと思います。
 都議会の議事録を確認いたしましたけれども、残念ながら、知事は過去一度もこのPFAS問題について言及されていらっしゃらないようです。
 PFAS問題は、都民の命や健康に関わる重大な問題であると同時に、今日触れましたとおり、地下水は都民の大切な財産です。子供や孫の世代へと引き継いでいく宝物だと私は思います。
 PFASの健康に関する影響について、まだ解明されていない部分も多いわけですけれども、少なくとも多くの都民や事業者が、PFAS問題によって地下水の取水を断念し、経済的、心理的被害を受けているのが現実です。
 今回この資料を提出してくださった都民の方も、保守的な思想をお持ちで、恐らくは小池都知事に期待し、さきの都知事選挙でも小池都知事に投票されたんじゃないかなというふうに感じています。
 そこで、質問いたします。小池都知事は、この都民の声を無視されるんでしょうか。どんなことでも構いませんので、PFAS問題に関する小池知事の見解や思いを語っていただけないでしょうか。よろしくお願いいたします。
   〔小池知事、須藤環境局長発言を求む〕

○小池知事 PFOS等の問題につきましてのご質問でございます。私の方から答弁させていただきます。
 PFOS等の問題でございますが、都は飲用水の安全・安心を確保するために、国に先んじまして、水道水の水質検査を実施しているという旨について先ほどからご答弁させていただいております。一部の水源の井戸からの取水、その結果として停止をしているところであります。
 また、都内全域二百六十地点において、きめの細かい地下水の調査を実施して、暫定指針の値を超える場合には飲用しない取組の徹底を図っております。
 そして、さらに国に対しましても、これまでも健康、環境への影響に関しましては、科学的根拠に基づいた知見を示すように要望いたしております。
 これらについて、様々な機会を通じ、私からも発信をしていく、そして都民の不安の払拭に努めているところでございます。

○川松委員長 鈴木烈理事の発言は終わりました。(拍手)
 機材の準備を行いますので、しばらくお待ちください。
 もり愛委員の発言を許します。

○もり委員 神宮外苑についてお伺いをいたします。
 令和五年九月十二日、東京都は事業者に対して、神宮外苑のまちづくりにおける樹木の保全について要請を行い、新ラグビー場敷地の既存樹木の伐採に着手する前までに、環境影響評価書で示された検討を行った結果として、樹木の保全に関する具体的な見直し案を求め、その他の区域においても設計の工夫等、さらなる樹木の保全策を求めました。
 都の要請により、事業者による見直しが行われましたが、四列のイチョウ並木の育成について、高層ビル建設によるヒートアイランド現象や新野球場建設による土壌の影響などの調査が不十分であり、私も先日現地を見てまいりましたが、紅葉する前に先端に枯れが見られるなど、このままではとてもイチョウ並木を守れないと懸念をしております。
 当初の樹木の活力度においても重大な虚偽申請であり、十分な審議が行われていない旨、再審議が必要であると日本イコモス国内委員会の石川幹子先生からも指摘をされています。
 そこで、都市計画の前提となる公園まちづくり制度における未供用区域についてお伺いをいたします。
 東京都都市計画審議会の審議の前提には、東京二〇二〇大会後の神宮外苑地区のまちづくり検討会が二〇一八年十一月に取りまとめたまちづくり指針があります。
 令和六年第二回定例会の田の上都議の一般質問に対し、東京都技監は、独立行政法人日本スポーツ振興センター法で設置をされている秩父宮ラグビー場や国立競技場について、明治神宮外苑は供用としているが、JSCの敷地は明治神宮外苑には含まれないと答弁しました。つまり供用していないとしています。
 さらに、米川都議の文書質問には、土地交換により、明治神宮外苑の敷地でなくなる新秩父宮ラグビー場について、広く一般に公開される予定であるから供用としています。
 こちらになっているんですけれども、確認のため質問させていただきます。(画像表示)JSCの敷地上の、JSCの各施設である新旧の国立競技場、現在の秩父宮ラグビー場、そして新しく建設される秩父宮ラグビー場は、東京都公園まちづくり制度では、それぞれ供用、未供用のどちらになるのかを、供用、未供用のいずれかに該当するか、端的にお答えをお願いします。

○谷崎東京都技監 これまでも申し上げておりますが、公園まちづくり制度における供用とは、都市公園、児童遊園等を広く一般に開放することとしております。
 都市公園とは、緑とオープンスペースの創出を通して、多くの人々に開放する施設であり、人々のレクリエーションの空間となるほか、都市環境の改善、都市の防災性の向上等、多様な機能を有する都市の根幹的な施設でございます。
 宗教法人明治神宮が所有する明治神宮外苑は、大正十五年の創建当時から今日まで、体力の向上や心身の鍛錬の場、文化芸術の普及の拠点として、緑地や広場、文化スポーツ施設の提供を通じて、多くの人々に開放されてきたことから、都市公園に準ずるものとして、昭和五十年から供用としております。
 新国立競技場と現在の秩父宮ラグビー場は、明治神宮外苑には含まれておりません。

○もり委員 端的に、時間限られておりますので、簡潔な答弁をお願いします。
 今、未供用という答弁があったんですけれども、新秩父宮ラグビー場についてはお答えがありません。新秩父宮ラグビー場は供用ですか、未供用ですか、お答えください。

○谷崎東京都技監 公園まちづくり制度における供用とは、都市公園、児童遊園等を広く一般に開放することとしております。
 新たに整備されるラグビー場は、広く一般に開放される予定であることから供用となると認識しており、整備完了後の状況等を踏まえ判断してまいります。

○もり委員 明治神宮に含まれないため供用していないと同じとするべきですが、新国立競技場と現秩父宮ラグビー場が未供用、新秩父宮ラグビー場を供用扱いとする答弁は大変矛盾をしていると思っています。
 新国立競技場は、五階部分に一周八百五十メートルの遊歩道、空の杜が設置をされ、国立競技場を歩きましょうというウオーキングマップも作成されるなど、新しく建設をされる新秩父宮ラグビー場と同様に、明らかに広く一般に公開されているため、新国立競技場は供用ではないかと考えます。都の答弁は矛盾し、一貫していません。
 また、新設された国立競技場、現在の秩父宮ラグビー場及び新しく建設をされる新秩父宮ラグビー場も全て明治神宮外苑に含まれないため、供用していない、つまり未供用とすべきですが、新秩父宮ラグビー場は、ただいま供用との答弁がありました。都の答弁は矛盾をしています。
 次に、東京都には、東京都スポーツ施設条例により設置をされている東京体育館があります。
 東京都の解釈では、都立明治公園の開園区域内にある陸上競技場は供用ですが、メインアリーナと屋内プールは開園区域外にあり、また明治神宮外苑の敷地にも含まれないため未供用になりますが、それでいいのか、確認のためお伺いをいたします。

○谷崎東京都技監 まず、新たに整備されるラグビー場につきましては、広く一般に開放される予定であることから供用となると認識しておりますが、整備完了後の状況等を踏まえて判断をしていくものでございます。
 お尋ねの陸上競技場も含む東京体育館周辺は、昭和三十九年十二月一日に都立公園条例に基づき、都立明治公園の一部として開園の告示をしておりますが、現在のメインアリーナと屋内プールの区域につきましては、これらの施設の整備に合わせ、昭和六十一年五月三十一日に都立明治公園の区域を廃止する告示をしており、開園区域からは除外されております。

○もり委員 東京体育館のメインアリーナ、屋内プール、そして陸上競技場は、東京都スポーツ施設条例により設置された施設です。なぜ施設によって供用、未供用と扱いが異なるのか、その理由についてお答えください。

○谷崎東京都技監 公園まちづくり制度における供用、繰り返しになりますが、都市公園、児童遊園等を広く一般に開放することとしております。陸上競技場は、都立明治公園区域内にあることから供用となります。東京体育館のメインアリーナと屋内プールは、これに当たりません。

○もり委員 秩父宮ラグビー場を未供用として、東京都公園まちづくり制度を適用していますが、この前提が間違っていれば、都市計画審議会の審議の前提が誤りであり、答申は誤った前提に基づいたものと考えます。
 神宮外苑開発に東京都公園まちづくり制度を適用したことについて検証すべきですが、見解をお伺いいたします。

○谷崎東京都技監 これにつきましても、これまでに申し上げておりますが、事業者は神宮外苑地区について、質の高い公園的空間を創出するとともに、青山通り沿道等において、土地の高度利用等によるにぎわいの創出を図るため、東京都公園まちづくり制度実施要綱に基づく周辺住民への説明会を実施した上で、都に対して公園まちづくり計画の提案書を提出いたしました。
 都は、これを受けまして、地元自治体が参画する検討会や学識経験者から成る専門部会を経て、適正に審査を実施し、本制度を適用する旨を事業者に通知いたしました。
 その後、都は法令等に基づき、地区計画等に関する都市計画の案を作成し、説明会や公告縦覧、都市計画審議会の審議等を経て、適切に都市計画変更を行っております。

○もり委員 ただいま供用、未供用について確認をしたことで、本当に恣意的に制度が活用されていることが分かりました。これは神宮外苑地区のまちづくりの根本に関わる問題ですので、引き続きミライ会議でも追及をしていくことを申し上げ、次の質問に移ります。
 東京一極集中について伺います。
 東京には、政府の中枢機関があるだけでなく、人、企業、税金などが集中しています。総務省が発表した令和五年の人口移動報告によると、東京圏への人口一極集中が再び強まっています。
 東京一極集中とは、日本全体の数字を分母として、東京の数字を分子とするときに、割合について判断するものですが、日本全体の人口が既に減少に転じている中で、東京都の人口集中割合が将来さらに高くなると推測されることについて知事の見解を伺います。
 また、小池知事の都政の基本方針である都民ファーストは、国内における一種の自由経済政策によって東京に企業が集積し人口が集中している東京独り勝ち状況に一極集中は人為的に進められた、及び政策によって東京一極集中を是正するという政府の認識について、知事の見解をお伺いいたします。

○佐藤政策企画局長 人口問題は、国全体の問題であり、国と地方とが一致団結して取り組むべき課題であると考えております。そのため、東京と地方が共に支え合い発展する共存共栄に向けた取組が重要であると認識しております。

○もり委員 次に、都税収入と富の再分配について伺います。
 都税収入の推移を見ますと、令和二年にコロナ禍の影響を受けて減収になったものの、令和五年は三年連続の増収となり、過去最高を記録しています。
 税収は好転したものの、長引いたコロナ禍で傷ついた地域経済は、燃油価格の高騰、物価高と都民生活に追い打ちをかけ、多くの都民は過去最高の税収の果実を都民生活で実感できず、格差が広がっています。
 行政の役割は、政策や税による富の再分配にあると考えますが、物価高騰の影響に苦しむ多くの都民や事業者を守るため、都は令和五年度にどう取り組んだのかお伺いをいたします。

○山下財務局長 令和五年度は、物価高騰の影響から都民や事業者を守るため、当初予算におきまして、セーフティーネット支援や賃上げに向けた事業者支援など、総額一千百五十億円に及ぶ重層的な対策を講じました。
 加えまして、長引く物価高騰の影響を踏まえ、三度にわたり補正予算を編成し、価格転嫁が困難な事業者に対する燃料費の支援や低所得世帯への緊急支援を行うなど、対策の充実を図りました。

○もり委員 高層ビルの建設ラッシュにあおられた東京の住宅価格の高騰は深刻です。
 二十三区の賃貸マンションが平均十九万円を超え、新築マンションの価格は一億円を超えています。今、三十代、四十代の世帯が東京都から流出をしている現状があります。そうした世帯が住み続けられるよう、また、東京都の総住宅に占める空き家の割合は一〇・九%と増加の一途をたどっています。
 東京都の住宅ストックについては既に十分であるとして、都は新たな都営住宅の整備は行っておりませんが、都営住宅のストックと必要とする方のミスマッチについて、これらの空き家を都が借り上げ、必要なリフォームを行って供給する等の仕組みが必要だと考えます。
 三十代、四十代の世代が住み続けられる安い価格で住宅を供給すること、増加する独居高齢者の住まいの不足が顕著な中、誰一人取り残さない住宅セーフティーネットの拡充に取り組むべきと考えますが、令和五年度の取組と併せ都の見解を伺います。

○小笠原住宅政策本部長 都は、令和五年度に、東京における空き家施策実施方針に基づき、区市町村に対する財政支援を拡充するなど、空き家対策を強化しております。
 また、民間賃貸住宅のオーナーが高齢者等の入居を拒まない東京ささエール住宅へと改修する取組などへの補助を実施するとともに、都営住宅におきましては、若年夫婦、子育て世帯向け住戸の提供に加えまして、結婚を希望する方々のための申込枠を新設し、募集を開始するなど、セーフティーネット機能の強化を図っております。

○もり委員 こうやってファミリー世帯の住宅が不足をしている中、晴海フラッグの土地は全て都有地ですが、過去の事例を振り返って、将来に生かしていくためですが、晴海フラッグは百二十九億円で三井不動産に売却され、東京都は価値を高めましたが、今、晴海フラッグの転売において、希望者が購入できないという状況が見られますが、なぜ転売の規制を講じなかったのか、都の見解を伺います。

○谷崎東京都技監 販売方法につきましては、建物の所有権を有する特定建築者が決定するものでございますが、販売を進める中で購入申込みが高倍率となるなどの状況が発生したため、都は再開発事業の施行者の立場から、状況の改善に向けた配慮を特定建築者に要請いたしました。
 これを受け、特定建築者が令和五年七月の販売から一名義につき申込み二戸までとする対策を講じました。さらに、同年十一月の販売から、同一代表者である複数法人名義での申込みは受け付けないとする対策を強化いたしました。

○川松委員長 もり愛委員の発言は終わりました。(拍手)
 機材の撤去を行います。
 上田令子委員の発言を許します。

○上田委員 自由を守る会でございます。
 財政からです。
 市町村総合交付金ですが、政策連携枠に恣意的運用がないか懸念するものです。積算の考え方と各市町村の要望への対応状況をお示しください。

○佐藤総務局長 市町村総合交付金は、市町村の一般財源の補完を通じて、市町村の経営努力を促進し、自主性、自立性の向上に資するとともに、地域の振興を図り、もって市町村の行政水準の向上と住民福祉の増進を図るための制度でございまして、要綱に基づいて制度を適切に運用しております。
 政策連携枠につきましては、東京が抱える喫緊の行政課題を市町村と連携して解決していくため、平成三十年度に導入したものでございまして、令和五年度は少子化対策やゼロエミッションの推進、消防団活動の充実、行政のデジタル化などの項目を設定しております。
 また、交付額の算定に当たりましては、各市町村と綿密な意見交換を実施いたしまして、それぞれの地域の実情をきめ細かく把握した上で行うなど適切に対応しております。

○上田委員 消防団、大事です。ゆめゆめ市町村の統括のような道具にされないよう希望いたします。
 都区財調です。
 交付配分においては、現状五五・一から、特別区が求める割合、五五・六から五五・八%を認めることを強く求め続けてきました。
 これまで都区財調、都区財政調整協議会を設けて、毎年協議を行っていますが、住民に最も近い特別区により自主的運営を実現していただくために、配分割合を都は受け入れるべきではないでしょうか、見解を伺います。

○佐藤総務局長 都区制度ですけれども、人口が高度に集中する特別区の区域のみに適用される大都市制度でございまして、都は通常の府県事務に加えて、消防や上下水道、港湾、地下鉄、あるいは都市計画など、通常の県であれば、市や政令市などが行っている大都市事務の一部を、市の事務を行っております。また、特別区は、基礎的自治体として、住民に身近な事務を担っている、そういう役割分担でございます。
 その都区制度の下で運用されている都区財政調整は、都区間並びに特別区相互間の財源配分の均衡化を図り、特別区行政の自主的かつ計画的な運営を確保するための制度でございます。
 特別区は、直接地方交付税の対象とはされておらず、財調制度を通じまして、財源保障される制度となっております。
 地方自治法施行令では、特別区の財源に、年度を越えて引き続き著しい過不足が生じる場合、配分割合を変更することが定められておりまして、その要件には該当しておりません。

○上田委員 うち江戸川区は、区児相がありますので、特にご配慮を、児相を持っている特別区には配慮をお願いしたいと思います。
 次です。例えば〇一八サポート、私学無償化、おこめクーポン、一万円の商品券支給など、巨額の予算が動くというのに、都議会には何の説明もなく、恥ずかしながら、マスコミを通じて都民と一緒に都議が知るということになるような事案が繰り返されております。
 執行部も寝耳に水ということも仄聞しておりますが、執行機関と議決機関との円滑な連絡は知事の責務と考えます。
 知事の意思決定が各局と情報共有し、政策実現できていたのか、議会軽視となっていなかったのか、知事選直前のばらまきではないのか、知事のご所見を伺います。(山下財務局長発言を求む)知事のご所見を伺います。(山下財務局長発言を求む)知事のご所見を伺います。

○山下財務局長 議会との連絡を担当しております財務局でございます。
 予算の編成に当たりましては、その時々の社会経済情勢などを的確に把握をし、庁内におきまして議論を重ねながら、必要な予算を適切に計上してございます。
 また、当初予算案の発表に当たりましては、都議会に対して、内容を事前に説明をするなど、議決機関への丁寧な説明に努めております。

○上田委員 COP29の最中の伊豆諸島の伊豆諸島沖の洋上風力発電も寝耳に水でございました。
 全国的に教員の不適切指導が後を絶たない中、昨年四月、教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律施行に当たって、都はどのような対策、全教職員への研修や周知徹底の取組をしているのか、ご報告ください。

○坂本教育長 都教育委員会では、教職員による児童生徒への性暴力や体罰等は断じてあってはならないという考え方の下、発生防止の徹底を図るため、全教職員による自己点検や研修等を実施しております。また、第三者相談窓口を設置するとともに、啓発ポスターの掲示等を行っております。

○上田委員 令和四年に施行された改正児童福祉法により、ようやく子供の意見表明を保障する環境が整ってきました。
 保護拒否、措置の解除を求める子供の意見は具現化できていますか。要保護児童がどれだけの期間、施設にいるのか。一時保護所入所期間九十日以上の子供、施設での自殺の把握、支援員の人材育成、アドボケート等につき、決算年度におけます要保護児童の取組と進捗と課題について伺います。

○山口福祉局長 都の児童相談所では、ケアニーズの高い児童への対応など、丁寧なケースワークに取り組んでおりまして、一時保護所における令和五年度の退所児童の平均入所期間は五十四・六日、退所児童のうち入所期間が九十日を超える児童は三百九十九名となっております。
 また、児童養護施設の入所児童が事故などで亡くなった場合、現地での状況確認や必要な運営指導を行っております。
 児童の意見表明等支援につきましては、昨年度、外部有識者などで構成する委員会で検討を行いまして、今年度、支援員の養成や、一部の一時保護所で先行実施をしております。

○上田委員 チルドレンファーストは、要保護児童に光を当てることが最も私は効果があると思っております。引き続きまして、この問題を取り組んでいただきたいと思います。
 滝山病院、昨日、私は行ってまいりました。名前が今度変わるということで、説明会に行ってまいりました。まさに、先進医療の闇を象徴する事件でした。
 都は、医療法に基づいて医療法人や機関を指導する権限があります。精神保健福祉法に基づき、入院中の者に対する虐待などの緊急性が高い場合は予告なく立入検査ができる厚労省通知も受けており、様々な権限を都は持っております。
 この権限を駆使して、患者の人権擁護を最優先にした取組が講じられてきたのか。また、虐待の疑いで何件通告なしの立入検査を行ったのか。滝山病院の件も含めて、反省を込めての都の所見を伺います。

○山口福祉局長 都は、関係法令などに基づきまして、定期の立入検査に加え、入院患者に対する虐待が強く疑われ、緊急性が高い場合などについては、迅速に事前の予告なしで立入検査を実施しております。
 昨年度は、虐待の疑いによる事前の予告なしの立入検査を延べ十七回実施いたしました。立入検査の結果、法令違反が認められたときは改善指導などを行っております。

○上田委員 今後改築等行われると思いますけど、滝山だけでなく、全ての精神医療につきまして厳しい措置をお願い申し上げます。
 太陽光パネル義務化条例です。来年に近づいてまいりました。その当時とは状況が変わり、ウクライナ侵攻が起き、燃料コストは爆上がりの一途をたどり、状況が激変しております。
 パネル設置によって、小池知事が度々発言しているように、六年で元が取れるのでしょうか。都も物価高騰対策を続けているように、高い電気料金にあえぐ一般都民が負担せざるを得ない状況が外部不経済にならないのか、所見を伺います。

○須藤環境局長 既に太陽光Q&Aで示しておりますとおり、令和五年八月時点の試算では、四キロワットの太陽光パネルを設置し、現行の補助金を活用した場合は、初期費用は八年程度で回収可能としております。
 また、初期費用なしでパネル設置できるサービスにも補助しており、制度導入などを契機として、サービス事業者の取組も拡大しております。

○上田委員 六年から八年になりましたね。また次聞くと、八年から十年になるかもしれない。確認をさせていただきたいと思います。
 プロジェクションマッピング事業ですが、その巨額予算において、都民のみならず、全国的に批判を受けております。批判に耐えかねてか、今月早々、広告投影を開始するといい出しました。ODAIBAファウンテンもそうですが、物価高に苦しむ都民において、何ら寄与するとは残念ながら思えません。
 経済波及効果の数学的、論理的積算根拠を明示の上、このような観光産業振興政策があまねく都民に寄与すると知事が意思決定した理由と経緯、決算年度における所見、都民からの評価の受け止めについて、知事に伺います。

○田中産業労働局長 プロジェクションマッピングにつきましては、東京の観光振興に係る有識者会議や観光事業審議会におきまして、夜間観光の魅力的なコンテンツになる等の意見をいただいております。
 都は、これを踏まえ、観光産業の振興プランで、観光資源として集客効果や都市景観の向上が期待できるとの考え方を明らかにしております。
 また、都庁舎のプロジェクションマッピングの経済波及効果は、東京都産業連関表を用いた分析ツールにより、映像制作や観覧者の観光消費による効果等につきまして、昨年度の予算額七億円に対し十八億円と試算しております。
 二月末の上映開始から年度末までの約一か月で、観覧者数は約六万四千人となり、アンケートでは約九割の観覧者が満足と回答しております。

○上田委員 世界最大級が、知事もね、ご自慢なのでございますから、知事のご答弁をいただいところでございますが、いかがでしょうか。(田中産業労働局長発言を求む)いや、結構です。
 葛西臨海水族園でございます。
 海に溶け込んだ美しいガラスドーム、こちらを守るために本年八月にガラスドームプロジェクトが発足しました。当初は撤去という方向性であった。私もそれで動いてきたと思いますが、転換した経緯についてご説明ください。
 また、ランドスケープを守るために、私は設計者である谷口吉生氏のご意見は不可欠と思います。これまでにも専門家や建築者、有識者と意見交換しておりますけれども、この点のことをどう想定して進めてきたのか、ご報告ください。

○花井建設局長 都は、上部がガラスドームとなっている現在の本館建物につきまして、これまでも保存を前提に在り方を検討する旨、示してきておりまして、撤去の方針をお示ししたことはございません。
 本年二月にファクトシートにおきまして、この建物を新水族園オープン後も保存していく旨を改めて示しております。
 また、現在の本館建物をどのように保存し利用していくかにつきまして、建築家をはじめとした有識者の方々などとの意見交換や調査検討等を進めていくこととしており、本年八月に実施したシンポジウムでは、葛西臨海水族園における建築の可能性と題して、若手建築家や構造設計等の専門家、国際的に著名な建築家にご登壇いただきました。
 なお、現水族園の設計者でいらっしゃる谷口氏ご本人に現本館建物の保存方針を説明した際には、感謝と新たな水族園への期待の言葉をいただいております。

○上田委員 谷口事務所との意見交換をお願いいたします。
 小池知事は、築地は守る、豊洲は生かすといいながら、結局、築地は更地になってしまいましたが、埋蔵文化財である浴恩園の本掘が可能になりました。調査状況と文化財の取扱いについてご報告ください。

○谷崎東京都技監 築地地区のまちづくりについて、都は令和二年度から埋蔵文化財の試掘調査を実施しており、現在も引き続き調査中でございます。
 調査に当たりましては、文化財所管部局の指導を受けながら、調査範囲を定めており、令和五年度は約千百平方メートルで実施いたしました。
 これまでの調査では、隅田川の旧護岸と見られる石積みや、旧築地市場の基礎等で破損している池の護岸と見られる石積みの一部などが出土しております。令和五年度の調査結果も含め、既にホームページで公表しております。
 出土いたしました遺構の取扱い等につきましては、文化財を所管する都の教育庁や中央区教育委員会などと協議、調整しながら適切に対応してまいります。

○上田委員 庭園文化を再現させ、希有な汐入の庭園を連続させ、舟運に築地川も利用することが、小池知事も三期目公約に掲げていた江戸、東京文化世界遺産になじむと考えます。所見を伺います。

○谷崎東京都技監 都は平成三十一年に、都民の意見等を踏まえ、まちづくりの将来像や方向性を示す築地まちづくり方針を策定し、その後、事業実施方針等を公表した上で、事業者の募集を行うなど適切に進めてまいりました。
 事業者の募集に当たっては、長期的なまちづくりの観点から、土地を民間に売却することなく、都が所有し、貸し付けることとしております。
 また、募集要項におきましては、水と緑に囲まれた都心の大規模な土地、歴史、文化資源などのポテンシャルを生かすことや、浜離宮側に船着場を整備するなど、舟運ネットワークの導入を図ることなどを示しております。
 令和五年八月には、事業者からの提案を受け付け、外部有識者による審査委員会において、公正かつ丁寧に審査を実施し、本年四月に事業予定者を選定しております。

○川松委員長 上田令子委員の発言は終わりました。
 以上で、本日予定しておりました質疑は全て終了いたしました。
 お諮りいたします。
 令和五年度東京都各会計歳入歳出決算の認定についてに対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○川松委員長 異議なしと認めます。よって、本件に対する質疑は終了いたしました。
 なお、十一月二十六日の十二時四十五分から理事会を、また、十三時から委員会を第十二委員会室で開会いたしますので、よろしくお願いいたします。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後五時十一分散会


令和5年度各会計決算特別委員会 第1分科会審査報告書

 第1分科会で行われた令和5年度東京都一般会計決算等に関する審査の概要を次のとおり報告する。
令和6年10月31日

令和5年度各会計決算特別委員会
第1分科会委員長 河野 ゆうき

令和5年度各会計決算特別委員長
川松 真一朗 殿

1 本分科会の設置及び審査の経過
・本分科会は、令和6年9月26日に設置され、次の案件を審査した。
 令和5年度東京都一般会計決算中、政策企画局、子供政策連携室、スタートアップ・国際金融都市戦略室、総務局、財務局、デジタルサービス局、主税局、会計管理局、選挙管理委員会事務局、人事委員会事務局、監査事務局、収用委員会事務局、議会局、東京消防庁、警視庁所管分
 令和5年度東京都特別区財政調整会計決算
 令和5年度東京都地方消費税清算会計決算
 令和5年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計決算
 令和5年度東京都用地会計決算
 令和5年度東京都公債費会計決算

・本分科会は、次のとおり各所管局ごとに審査し、終了した。
 10月9日(説明聴取・資料要求) 会計管理局、東京消防庁、財務局、主税局、政策企画局、人事委員会事務局、収用委員会事務局、議会局
 10月11日(説明聴取・資料要求) 警視庁、子供政策連携室、スタートアップ・国際金融都市戦略室、総務局、デジタルサービス局、選挙管理委員会事務局、監査事務局
 10月18日(質疑) 会計管理局、東京消防庁、議会局、財務局
 10月21日(質疑) 人事委員会事務局、選挙管理委員会事務局、主税局、政策企画局
 10月23日(質疑) 収用委員会事務局、監査事務局、総務局、スタートアップ・国際金融都市戦略室
 10月25日(質疑) 警視庁、デジタルサービス局、子供政策連携室

2 本分科会における質疑の概要
(1)政策企画局所管分
 〔1〕 実務者協議会における国との協議内容と成果及び進捗状況について
 〔2〕 他の地方自治体との連携と成果及び東京一極集中の是正と地方の活性化について
 〔3〕 東京ベイeSGプロジェクトについて
  ア プロジェクトの目的及び採択した事業の概要と実績について
  イ 新技術の発信と理解促進の取組について
  ウ 空飛ぶクルマの社会実装に向けた取組と意義について
 〔4〕 戦略的な広報について
  ア 広報東京都に関する取組と都民の評価について
  イ 多様な媒体による広報の効果分析と結果について
  ウ ポータルサイトMy TOKYOの改善と効果について
  エ 各局に対する支援の実績について
 〔5〕 都市外交について
  ア 海外都市との連携強化の取組及びG-NETSの特徴と取組について
  イ 都市外交政策の経緯と友好都市提携の過程について
  ウ 知事の海外出張先と出張の成果について
 〔6〕 3つのCに係る取組の実績と好事例について
 〔7〕 東京グリーンビズ創設の経緯と各局事業との関係について
 〔8〕 デジタルコンテンツ体感拠点運営における関係局との役割分担について
 〔9〕 都庁マネジメント本部の取組及び政策立案と総合調整機能の実現について
 〔10〕 各プロジェクトの作成における費用対効果と成果の検証について
 〔11〕 知事特命の施策における政策企画立案と成果実績について
 〔12〕 顧問と参与制度の実績について
 〔13〕 予算に関連する事案の外部への公表について
 〔14〕 知事宛ての会派からの要望の取扱いについて
 〔15〕 前年度の決算審査等への対応と対処方法について

(2)子供政策連携室所管分
 〔1〕 東京都こどもホームページの取組と活用促進について
 〔2〕 子供に関する定点調査の内容と活用状況について
 〔3〕 子供への意見聴取について
  ア こども都庁モニターによる意見把握の取組と成果について
  イ 子供の意見を政策に反映させる取組と各局連携について
  ウ 子供の居場所におけるヒアリングの成果と情報共有について
 〔4〕 東京都こども基本条例制定の実績と普及啓発及び子供の権利侵害への対応について
 〔5〕 チルドレンファーストの社会の実現に向けた子供政策強化の方針、こども未来アクション、こどもスマイルムーブメントの事業と実績について
 〔6〕 子供の遊び場等整備事業補助金の概要と採択状況及び工夫について
 〔7〕 プレーパークの導入状況とプレーリーダー育成の取組について
 〔8〕 とうきょう すくわくプログラム策定の経緯と取組及び成果について
 〔9〕 ファミリー・アテンダント先進事例創出事業の取組状況について
 〔10〕 子供・子育てメンター事業のアンケート結果と各局連携について
 〔11〕 フリースクールへのヒアリング結果について
 〔12〕 ヤングケアラーへの支援と成果及び実態調査と普及啓発について
 〔13〕 ヤングケアラーのひろばのホームページの内容と利活用状況について
 〔14〕 子供の事故予防について
  ア 東京都こどもセーフティプロジェクトのホームページ及び子供の事故予防ハンドブックとアンケートの活用について
  イ 子供の事故情報データベース構築の進捗と各局連携について
 〔15〕 日本語を母語としない子供への取組と学習機会の充実及び区市町村間での共有について
 〔16〕 育業ドラマと広報動画の委託先選定経緯と効果について
 〔17〕 3C区市町村包括補助事業の実績と需要について
 〔18〕 子供政策連携室の実績評価と存在意義について

(3)スタートアップ・国際金融都市戦略室所管分
 〔1〕 スタートアップ支援について
  ア SusHi Tech Tokyoの意義と取組及びブランド名について
  イ 都政における活用状況と課題及び都民への還元と目標について
  ウ 大学発スタートアップの支援の取組と各大学の状況について
  エ 起業家人材拡大の取組及び官民協働の取組と成果について
  オ アントレプレナーシップ育成プログラム推進事業の実績と成果について
  カ キングサーモンプロジェクトの実績と協働促進サポーター選定について
  キ 公共調達への参入支援の実績について
 〔2〕 Tokyo Innovation Base(TIB)について
  ア 意義と取組状況及び全国との連携について
  イ プレオープンの成果と海外向けの工夫について
  ウ 各機能の実績について
  エ 東京開業ワンストップセンターとビジネスコンシェルジュ東京の実績及び他制度とのすみ分けについて
 〔3〕 国際金融都市・東京について
  ア 数値目標と「豊かな都民生活」実現との関連及び国の役割について
  イ 経費の推移と費用対効果及び国際金融都市ランキングの状況について
  ウ 都内資産運用業者数の目標達成状況と取組について
  エ 新興資産運用業者育成プログラムの実績と効果について
  オ サステナビリティ経営促進事業の取組状況と実績について
  カ フィンテック企業によるイノベーション加速について
  キ ESG債の取組状況と資金調達の目的の動向について
 〔4〕 官民連携ファンドについて
  ア 活用意義と実績及び資金の回収想定と清算済ファンドの評価について
  イ 各ファンドの期間と清算時期及び運営事業者の評価について
  ウ サステナブルエネルギーファンドの第1号投資案件に係る経緯と事業内容について
 〔5〕 特区・外国企業誘致について
  ア 金融・資産運用特区の指定に向けた取組と都内企業との連携について
  イ 外国企業誘致の意義・目標と実績・効果及び都内企業との協業について
  ウ 入管法の特例を活用した取組について
 〔6〕 スタートアップ・国際金融都市戦略室の業務体制と人材育成及び民間人材の採用について

(4)総務局所管分
 〔1〕 防災対策について
  ア 複合災害を踏まえた都政BCP改定と各局マニュアル見直しへの支援について
  イ 各計画の関連と災害対策本部のDX推進について
  ウ 防災ブックと防災アプリの改定及び普及啓発と成果について
  エ 水害対策における広域避難と国や区市町村との情報共有及び水害リスク診断書の配布と東京マイ・タイムラインの普及について
  オ 大規模噴火降灰対応指針策定と民間事業者との連携及び火山灰処分先の選定について
  カ 出火防止対策促進事業と感震ブレーカーの配布・普及啓発について
  キ 一斉帰宅抑制に関する認知度と職員の一時滞在対策について
  ク 区市町村災害対応力向上支援事業とトイレ確保対策への補助及び区市町村庁舎の非常用電源設置状況について
  ケ マンション防災の普及啓発強化の取組と成果について
  コ 都庁舎の帰宅困難者受入態勢と福祉避難所としての都施設の活用について
 〔2〕 復興支援について
  ア 東日本大震災復興支援の取組と都内避難者への支援及び被災地支援福島県事務所の取組について
  イ 東日本大震災風化防止イベントの実績と復興業務の継承について
  ウ 能登半島地震への支援と教訓について
 〔3〕 スタートアップ活用の実績について
 〔4〕 職員の専門性向上の取組について
 〔5〕 事務職の新卒者採用とキャリア活用採用選考の倍率について
 〔6〕 障害者の採用及びオフィスサポートセンターでの実習生受入れと業務拡大について
 〔7〕 会計年度任用職員の雇止めと再度任用の上限回数及び給与改定について
 〔8〕 都立大学について
  ア 留学生・帰国子女の受入状況及びスタートアップ支援とアントレプレナーシップ教育の成果について
  イ ハラスメント防止対策と申立人の人権配慮及び学長に係る苦情の申立てについて
 〔9〕 人権施策について
  ア 犯罪被害者支援相談と経済的支援の実績及び転居費用助成の実績と対象拡大について
  イ ヘイトスピーチの状況となくすための取組及び関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典への追悼文送付中止について
 〔10〕 パートナーシップ宣誓制度の実績と利用者の声及び自治体や民間企業との連携について
 〔11〕 島しょ山村対策及び多摩・島しょ暮らし体験ツアーと島しょ山村地域における移住体験住宅整備補助の事業実績について
 〔12〕 小笠原村の救急搬送の実績と課題について
 〔13〕 都区制度における区の自立性と行政の一体性及び都区財政調整協議の経緯について
 〔14〕 市町村総合交付金について
  ア 各自治体の財政の健全性確保に向けた取組について
  イ 経営努力割の評価方法とヒアリング及び財政上のペナルティについて
 〔15〕 職員の職場環境について
  ア 都の組織風土と女性職員の活躍促進及び女性管理職の比率について
  イ 残業の実態と削減状況及び働きやすい勤務体制と男性職員の育業取得について
  ウ 自殺者と病気休暇・病気休職及び普通退職者の傾向について
  エ 元気回復事業の活用状況について
  オ 懲戒・行政監察・服務事故の対応状況について
  カ 職員食堂の打合せスペースとしての開放について
 〔16〕 職員団体事務所としての都庁舎の無償貸与について
 〔17〕 公益通報制度の周知と受理件数及び対応状況と調査の徹底について
 〔18〕 目安箱投かん者の保護及び都知事への指摘や都事業以外の事案への対応について
 〔19〕 服務監察の公表状況及び予防監察の事前通知と活用について
 〔20〕 包括外部監査結果の反映状況と全庁的な活用について
 〔21〕 子供政策連携室、スタートアップ・国際金融都市戦略室及びデジタルサービス局の設置の経緯について
 〔22〕 開示請求の件数と開示基準の妥当性について
 〔23〕 政策連携団体等について
  ア 経営目標の達成と事業の経営評価及び役員業績評価について
  イ 透明性・公平性・経済性の担保及び都事業との重複の確認について
  ウ 東京都立病院機構の経営改善状況及びGovTech東京の健全性担保について
  エ 総務局所管の団体における人事制度改革の取組について
  オ ハラスメント対策について
 〔24〕 行政訴訟の終結事件の概要及び他局の民事訴訟事案への対応について
 〔25〕 行政不服審査法の理念と機能及び都民の不服申立ての意義について
 〔26〕 東京都行政不服審査会の答申と行政不服審査結果の共有について
 〔27〕 ミサイル攻撃への対応について
 〔28〕 東京都尖閣諸島寄附金による尖閣諸島活用基金の経緯と方向性について
 〔29〕 国勢調査の調査員・指導員の確保と高齢化対策について
 〔30〕 公文書の管理・廃棄と課題及び公文書館の運用について

(5)財務局所管分
 〔1〕 財政運営について
  ア 今後の財政需要の見通しについて
  イ 偏在是正措置の影響額及び都の見解と取組について
  ウ 都債の発行金利の動向と今後の都債発行に係る影響について
  エ 2035年問題の財政的影響及び都債の償還と発行の抑制について
  オ 一般会計からの繰出金について
 〔2〕 入札制度について
  ア 課題と対策及び改革継続と契約調整機能について
  イ 東京都入札監視委員会の状況と各監視部会の委員構成について
  ウ 東京都契約関係暴力団等対策連絡協議会の現状と実績及び開催状況について
 〔3〕 新公会計制度による資産と負債のストック情報及び経常収支比率と公債費負担比率について
 〔4〕 事業評価の評価方法と外部への予算公表時期について
 〔5〕 事業提案制度の周知及び大学研究者による取組の成果と今後の取組について
 〔6〕 電子契約導入の目的と今後の取組及び事業者側の課題について
 〔7〕 工事における総合評価方式の類型と実績及び有効活用について
 〔8〕 技術者育成モデルJV工事の実績と効果及び今後の取組について
 〔9〕 公共工事における週休二日の取組及び工事関係書類の削減と施工時期の平準化について
 〔10〕 有識者会議における公契約条例の議論と条例の制定について
 〔11〕 都有財産の売却・貸与時の検討経過と有効活用及び情報公開について
 〔12〕 職員組合事務所への都有財産の無償供与について
 〔13〕 都民広場の人工芝による環境負荷と健康被害について
 〔14〕 知事専用車の適正利用について
 〔15〕 決算特別委員会における財務局の役割について

(6)デジタルサービス局所管分
 〔1〕 区市町村のDX推進について
  ア GovTech東京の設立経緯と職員の健全性担保及び民間出身のデジタル人材による取組と成果について
  イ 区市町村との体制構築と支援の実績及び共同調達の取組と効果について
  ウ 基幹業務システム標準化に関する区市町村への支援について
  エ 区市町村におけるデジタル人材の確保と育成の支援について
 〔2〕 都政の構造改革と改革意識の定着及びデジタル関連費用の見える化の進捗について
 〔3〕 各局のDX推進に向けた支援とデジタルサービス品質向上の取組について
 〔4〕 各局の予算編成過程における技術的評価の取組について
 〔5〕 セキュリティの強じん化対策とセキュリティテストの取組及びサイバー攻撃想定訓練について
 〔6〕 デジタル人材のDX推進における役割について
 〔7〕 ICT職職員の育成と採用強化及び特定任期付職員の適正な採用について
 〔8〕 リテラシー向上及びリスキリングに関する取組と展開について
 〔9〕 文章生成AIについて
  ア 職員による活用に向けた取組と認識について
  イ 情報学習の内容と正確性・著作権・個人情報への対策及びリスク対応と今後の展開について
 〔10〕 通信について
  ア 「つながる東京」の取組及び民間衛星通信サービス活用に向けた実証の取組について
  イ 訪日外国人対策としてのWi-Fiの整備について
 〔11〕 行政手続デジタル化の取組とプッシュ型子育てサービス事業の進捗について
 〔12〕 高齢者のQOL向上のためのデジタル活用支援及びTOKYOスマホサポーターの実績と課題について
 〔13〕 障害者のデジタルデバイド対策とアクセシビリティ対応の取組について
 〔14〕 空飛ぶクルマを活用したサービスのビジネスモデル構築等事業の取組について
 〔15〕 デジタルツインの社会実装に向けた取組と「3Dモデルでみる東京」サイトの利用状況について
 〔16〕 東京都オープンデータカタログサイトとオープンデータ・ハッカソンの実績及び実用化されたサービスについて
 〔17〕 副知事と局長の役割分担及び各局へのCIO補佐官設置の取組の成果について
 〔18〕 局とGovTech東京における残業状況について
 〔19〕 事業者との利害関係とデジタルサービスフェローの人選について

(7)主税局所管分
 〔1〕 都税収入について
  ア 都税収入増収の要因と法人二税が増収となった業種について
  イ コロナ禍前からの都税収入の推移と金利上昇による影響について
 〔2〕 徴収率上昇の要因と個人都民税の徴収率向上の取組について
 〔3〕 税務基幹システムの再構築に向けた取組と成果及びベンダーロックイン対策について
 〔4〕 各納税者サービスの向上と効果及びキャッシュレス納税の割合と取組周知について
 〔5〕 ふるさと納税制度による都と区市町村における影響額及び制度への認識と都民への普及啓発について
 〔6〕 租税教育のデジタルコンテンツの概要とユーザー目線での取組について
 〔7〕 都独自の税制措置実施における判断基準について
 〔8〕 不燃化特区支援税制及び耐震化促進税制の活用状況と効果について
 〔9〕 児童館への減免に対する見解と保育所等整備促進税制の周知について
 〔10〕 生活扶助を受けている都民に対する減免額の傾向について
 〔11〕 都と区市町村におけるたばこ税の推移と傾向について
 〔12〕 犯則取締りの状況について
 〔13〕 法人特別調査班の概要及び実績と効果について
 〔14〕 滞納整理の実績及び動産の差押えとインターネット公売の売却金額の推移について
 〔15〕 実態のない生産緑地に対する宅地並み課税の実績について

(8)会計管理局所管分
 〔1〕 新公会計制度について
  ア 財務諸表の意義と庁内における活用及び情報公開について
  イ 国の「統一的な基準」との差異と都方式の他自治体への導入状況について
 〔2〕 公金管理について
  ア 歳計現金と基金の運用状況及び運用収入低下への対策について
  イ 専門性を持つ人材の確保について
  ウ 公金管理の三原則と国際金融都市・東京の実現について
 〔3〕 会計事務について
  ア 財務会計システムに係る取組実績と改修状況について
  イ 会計事務のペーパーレス化やはんこレス化について
  ウ 契約・支出関連事務のデジタル化について
  エ 収納事務における納付方法の割合について
  オ 公金支出におけるチェック機能について
  カ 決算情報の公開について
  キ 内部統制の取組について
 〔4〕 決算特別委員会における会計管理局の役割と決算資料の在り方について

(9)選挙管理委員会事務局所管分
 〔1〕 予算現額と執行率について
 〔2〕 投票率の分析と投票率向上への取組について
 〔3〕 郵便等投票の対象者と対象の拡大及び国への要望について
 〔4〕 歩行困難者の投票保障の重要性と投票所への移動支援について
 〔5〕 投票所における障害者への合理的配慮と秘密保持について
 〔6〕 投票所における筆記具について
 〔7〕 障害者への情報伝達及び点字版選挙公報と音声版選挙公報の提供時期について
 〔8〕 主権者教育について
 〔9〕 衆議院選挙における小選挙区の変更への対応について
 〔10〕 DXの取組について
 〔11〕 選挙争訟における適正な準司法的機能の担保について

(10)人事委員会事務局所管分
 〔1〕 職員採用試験について
  ア 実施試験数と申込者数及び決算額について
  イ 受験者数減少を踏まえた課題認識及び受験者数増加の取組と実績について
  ウ 大学卒業程度の試験に関する取組状況について
  エ 都外人材への働き掛けについて
  オ 障害者への働き掛けと受験対象者の拡大及び雇用率向上への認識について
 〔2〕 DX関係の取組と民間技術の活用事例について
 〔3〕 働き方改革における定期監督の活用状況と監督後の対応について
 〔4〕 女性職員の管理職選考受験率と管理職比率について
 〔5〕 給与勧告における公民の比較方法及び諸手当に関する取組状況と今後の方向性について
 〔6〕 職員からの苦情相談件数と対応及び勤務条件に関する措置要求への対応について
 〔7〕 職員団体の運営と職員の加入率及び都有財産の提供について

(11)監査事務局所管分
 〔1〕 デジタル技術活用監査の取組と発展及び成果について
 〔2〕 代表監査委員と主査監査委員の役割について
 〔3〕 専門性を捉えた監査委員の選任と議員からの選任について
 〔4〕 監査委員からの指摘事項の決定方法について
 〔5〕 住民監査請求における適正な監査の確保及び制度活用と都民支援の取組について
 〔6〕 監査報告における各局の措置状況と監査結果のフィードバックについて
 〔7〕 職員の専門性の確保と工事監査の在り方について

(12)収用委員会事務局所管分
 〔1〕 DXの取組と職員のテレワークの活用状況について
 〔2〕 相談支援センターにおける相談件数の減少傾向とセンターの役割について
 〔3〕 都が起業者である事件の動向について
 〔4〕 収用手続の処理日数と訴訟に至った事件について
 〔5〕 損失の適正な補償と生産緑地の買取制度における協議について
 〔6〕 公共の利益への貢献について

(13)議会局所管分
 〔1〕 議会運営費の執行率及び費用弁償の概要と執行状況について
 〔2〕 都議会ホームページについて
  ア リニューアルの内容とアクセス件数の改善について
  イ 本会議会議録とネットリポートの掲載に要する日数について
  ウ 請願・陳情の掲載内容と公用車使用状況報告書の掲載方法について
 〔3〕 議員用タブレット・パソコンに要する経費と議事堂のWi-Fi環境について
 〔4〕 職員のテレワーク実施時における議員へのアクセス状況について
 〔5〕 都議会図書館について
  ア 議員及び職員への貸出し実績と都民の利用状況について
  イ レファレンスサービスの実績と機能の充実に向けた取組について
 〔6〕 議会の調査機能の強化と調査結果の共有について
 〔7〕 本会議における配布資料の削減について
 〔8〕 他の道府県議会の議会運営における一人会派の扱いと都議会テレビ番組における一人会派や少数会派の出演について
 〔9〕 会派控室への非常勤職員の配置経過と各会派の執行額について

(14)東京消防庁所管分
 〔1〕 救急業務について
  ア 救急隊の隊数の増強と救急車の適正利用及び救急隊への妨害行為に対する対応について
  イ 救急車の出動回数と平均活動時間及び搬送が過去最多を更新した要因について
  ウ 頻回要請者の数と症状及び軽症者の搬送削減の取組と周知啓発について
  エ 救急相談センターの充実強化及び通信員の削減と看護師の業務委託について
  オ 救急相談センターの相談内容と事業周知及び救急出動件数の抑制効果について
  カ 救急活動に関する情報共有と救急医療体制における問題への取組について
  キ 職員の労働状況とメンタルヘルスケア対策について
  ク 救急出場の地域特性と事由に応じた他機関との連携について
 〔2〕 災害対策について
  ア カヌー・スラロームセンターを活用した救助訓練の取組について
  イ 能登半島地震に対する支援と災害対応及び事業への反映について
  ウ 航空災害対策の取組について
  エ 震災時における危険物取扱いの安全対策に関する情報提供と指導について
 〔3〕 防火対策について
  ア 防火査察における違反の状況と対応について
  イ 要配慮者に対する防火防災対策の取組について
  ウ 火災調査の人員体制と人材育成及び調査結果の業務への反映について
  エ 放火対策と警視庁との連携状況及び火災原因と喫煙率の関連について
 〔4〕 消防車の適正管理とEV車の適性について
 〔5〕 消防団について
  ア 消防団員の欠員と充足状況及び特別区学生消防団活動認証制度の活用と災害時支援ボランティアと連携した人材確保について
  イ 団員増が見込めない原因と団員へのアンケートの実施について
  ウ 女性消防団員の推移と執務環境の整備について
  エ 各種装備・備品の供給、施設整備への要望と対応及び絶縁手袋等の資器材の配置と技術指導について
  オ 消防団員の研修及び資格取得促進の取組状況と成果について
  カ 施設の用地確保への要望件数と対応状況及び適正な用地がない場合の対応について
  キ 始式などの合理的な開催について
 〔6〕 消防学校における職員の育成と規範意識の醸成及びハラスメント対策について
 〔7〕 デジタル技術の実装に係る公募事業及びUPGRADE with TOKYO参加の実績と効果について
 〔8〕 デジタル技術とスタートアップの活用について
 〔9〕 職員の能力と技術及び資質向上の取組について

(15)警視庁所管分
 〔1〕 都内の匿名・流動型犯罪グループによる犯罪の特徴と取組について
 〔2〕 SNS型投資詐欺の件数・被害金額と取組及び特殊詐欺の傾向について
 〔3〕 AIによる信号機制御の取組と効果について
 〔4〕 DX推進と行政手続のオンライン化及び業務のデジタル化の取組について
 〔5〕 大川原化工機事件におけるえん罪の原因分析と再発防止対策について
 〔6〕 電動キックボードの安全対策及び取締りと啓発活動について
 〔7〕 ペダル付き原動機付自転車に対する取組と安全対策について
 〔8〕 ストーカー・DV事案の相談と取組及び再犯防止対策と被害者への配慮について
 〔9〕 被害者支援制度における医療費等の助成活用と周知について
 〔10〕 警視庁スクールサポーターの活用状況について
 〔11〕 虐待死防止に向けた児童相談所との連携について
 〔12〕 公安委員会や警視庁に寄せられる苦情の傾向について
 〔13〕 職員のハラスメント相談体制及び拳銃自殺事案への対応と防止対策について
 〔14〕 内部告発者や参考人として証言した職員への不利益な取扱いからの保護について
 〔15〕 警察署における被留置者の健康管理について


令和5年度各会計決算特別委員会 第2分科会審査報告書

 第2分科会で行われた令和5年度東京都一般会計決算等に関する審査の概要を次のとおり報告する。
令和6年10月31日

令和5年度各会計決算特別委員会
第2分科会委員長 福島 りえこ

令和5年度各会計決算特別委員長
川松 真一朗 殿

1 本分科会の設置及び審査の経過
・本分科会は、令和6年9月26日に設置され、次の案件を審査した。
 令和5年度東京都一般会計決算中、生活文化スポーツ局、福祉局、保健医療局、教育庁所管分
 令和5年度東京都国民健康保険事業会計決算
 令和5年度東京都母子父子福祉貸付資金会計決算
 令和5年度東京都心身障害者扶養年金会計決算
 令和5年度東京都地方独立行政法人東京都立病院機構貸付等事業会計決算

・本分科会は、次のとおり各所管局ごとに審査し、終了した。
 10月9日(説明聴取・資料要求) 福祉局、保健医療局、生活文化スポーツ局、教育庁
 10月18日(質疑) 福祉局
 10月21日(質疑) 保健医療局
 10月23日(質疑) 生活文化スポーツ局
 10月25日(質疑) 教育庁

2 本分科会における質疑の概要
(1)生活文化スポーツ局所管分
 〔1〕 ワイズスペンディングと今後の方向性について
 〔2〕 私立学校について
  ア 私立高等学校の公費負担額と学費負担軽減制度の取組について
  イ 不登校と発達障害の状況及び人権に関する対応強化の取組について
  ウ 私立中学校等特別奨学金補助と私立学校安全対策促進事業費補助の執行率について
  エ 私立外国人学校教育運営費補助の基準と実績について
 〔3〕 文化振興について
  ア 東京芸術文化相談サポートセンターの実績と今後の取組及び創作環境の整備について
  イ 多摩地域における芸術文化事業の実績と拡充について
 〔4〕 スポーツ振興について
  ア スポーツ振興施策の実績と参加者の声及び観戦機会の提供について
  イ 東京2025デフリンピックにおける人材育成及びボランティアの検討状況について
  ウ 東京2020大会のレガシー継承に関する取組について
  エ 東京2020大会に向けて整備した5施設の収支と改善の取組について
  オ 区市町村が設置するプールの数と区市町村への支援について
 〔5〕 東京ボランティアレガシーネットワークの実績と機運の拡大について
 〔6〕 国際手話人材の育成と東京都国際手話普及促進事業の実績について
 〔7〕 外国人おもてなし語学ボランティアの実績と今後の取組について
 〔8〕 町会・自治会活動について
  ア 関東大震災100年町会・自治会防災力強化助成の実績と活用及び防災力向上の取組について
  イ 地域の底力発展事業と東京都つながり創生財団への助成について
 〔9〕 防犯カメラの設置実績と維持管理費の補助について
 〔10〕 消費者行政について
  ア 消費者被害防止に向けた情報発信について
  イ 消費生活相談の実績と機能性表示食品の相談対応及び消費生活相談員の育成と処遇について
  ウ 霊感商法やフィッシングメール詐欺の相談対応と啓発強化について
 〔11〕 東京都若者総合相談センター(若ナビα)における相談対応について
 〔12〕 スポーツイベント等と連携した公衆浴場利用促進事業補助(東京1010クーポン)の実績と成果について
 〔13〕 結婚支援事業の対象者と実績及び問合せ対応について
 〔14〕 電動キックボード等の交通安全対策とヘルメット購入補助の実績について
 〔15〕 痴漢被害実態把握調査の結果と痴漢撲滅プロジェクトの取組について
 〔16〕 認定特定非営利活動法人数の推移と情報提供の取組について
 〔17〕 東京空襲資料展における証言映像の公開と常設化について

(2)福祉局所管分
 〔1〕 018サポート事業の周知と実績及び課題への対応について
 〔2〕 保育所等における送迎バス等安全対策支援事業の取組及び障害児通所支援事業所における送迎バスの安全対策の取組について
 〔3〕 高校生等医療費助成事業の開始の経緯と区市町村との調整について
 〔4〕 とうきょうママパパ応援事業について
  ア 多胎児家庭支援事業の移動経費補助の成果と家事育児サポーターの派遣事業の課題について
  イ 家事育児サポーターにおける人材育成事業の実績と周知について
 〔5〕 都型放課後等デイサービス事業の実績と区市町村への支援について
 〔6〕 学童クラブにおける待機児童の解消と支援員の待遇改善について
 〔7〕 児童相談所について
  ア 入所児童数と家庭復帰への支援について
  イ 児童福祉司の人材確保について
  ウ 一時保護所の定員の拡充について
 〔8〕 ケアリーバーへの支援について
 〔9〕 障害者グループホームの質を確保するための取組と体制強化支援事業の実績について
 〔10〕 精神保健福祉センターにおける相談支援及び区市町村と連携した困難ケースへの取組について
 〔11〕 小児慢性特定疾病児童等自立支援事業の学習支援について
 〔12〕 こどもホスピスへの支援の検討状況について
 〔13〕 重症心身障害児者短期入所施設への受入枠増加と重度障害者グループホームの整備について
 〔14〕 都外の医療型障害児入所施設に対するサービス推進費について
 〔15〕 生活訓練事業所のオンライン出席について
 〔16〕 都立児童養護施設の入所状況について
 〔17〕 デジタル機器導入促進支援事業と次世代介護機器導入促進支援事業の実績及び機器活用の支援について
 〔18〕 介護の現場のDX・タスクシェア促進事業の実績と導入の効果について
 〔19〕 介護人材確保に向けた取組について
 〔20〕 高齢者施設の整備と第9期東京都高齢者保健福祉計画の達成状況について
 〔21〕 特別養護老人ホーム経営支援事業における視覚障害を持つあん摩マッサージ指圧師の雇用について
 〔22〕 シルバーパスについて
  ア 利用者負担額の現状と制度の改善について
  イ 多摩都市モノレールとコミュニティバスへの適用について
 〔23〕 TOKYO長寿ふれあい食堂推進事業の実績と活用拡大への取組について
 〔24〕 身寄りのない遺体の取扱いと葬祭扶助の件数について
 〔25〕 義眼に関する調査の実施状況について
 〔26〕 東京おこめクーポン事業の検証について

(3)保健医療局所管分
 〔1〕 DXの推進及びワイズスペンディングと今後の方向性について
 〔2〕 新型コロナウイルス感染症対策について
  ア 東京iCDCの対応と今後の取組及びリスクコミュニケーションチームによる調査の目的と活用について
  イ 後遺症相談窓口と5類感染症移行後の対策について
  ウ 感染症に対する平時からの備えについて
  エ 医療体制の確保に関する執行率及びPCR等検査無料化事業に係る収入未済について
 〔3〕 がん患者へのアピアランスケア支援事業の実績と今後の取組について
 〔4〕 がん患者の治療と仕事の両立支援事業と緩和ケア推進事業の執行率及び取組状況について
 〔5〕 在宅医療推進強化事業と24時間診療体制の確保及び在宅人工呼吸器使用者療養支援事業の取組について
 〔6〕 医師・看護師等の確保と多摩地域公立病院への支援及び看護職員再就業支援事業について
 〔7〕 東京都地域医療支援ドクター事業の概要と医師の増員について
 〔8〕 都立病院について
  ア 独立行政法人化の理由と運営状況及び実績について
  イ 行政的医療と人材の確保及び医療機能の強化について
  ウ 業務実績評価における財務状況の改善について
  エ 整備事業とオンライン診療等の取組について
  オ 松沢病院の外来看護相談と依存症患者、大塚病院の児童・思春期精神科外来、小児総合医療センターの外来予約の対応について
  カ ギャンブル依存症の対策について
 〔9〕 都保健所について
  ア 体制・機能と市町村との連携の強化及び健康危機対処計画の策定について
  イ 多摩地域での再配置と新型コロナウイルス感染症への対応について
 〔10〕 東京都リハビリテーション病院における地域の人材の育成支援について
 〔11〕 アレルギー疾患対策について
  ア 医療提供体制の整備と情報の提供について
  イ 子供のアレルギー予防と花粉症対策及び外食のアレルギー対応について
 〔12〕 帯状疱疹ワクチン任意接種補助事業の利用自治体数と接種状況について
 〔13〕 火葬の現状と今後の在り方及び新型コロナウイルス感染症対策について
 〔14〕 公立病院運営事業補助制度の充実について

(4)教育庁所管分
 〔1〕 教員の人材不足解消と産休・育休代替教員の確保及び障害者の雇用について
 〔2〕 働きやすい職場作りの取組と成果及び教職員アウトリーチ型フォローアッププログラムの実績について
 〔3〕 部活動の地域連携・地域移行の実績と指導者の確保及び実証実験の成果と発信について
 〔4〕 教員による性暴力の未然防止と早期発見の取組及び相談実績について
 〔5〕 笑顔と学びの体験活動プロジェクトの実績について
 〔6〕 都立高校における海外派遣研修と東京体験スクールの実績について
 〔7〕 TOKYO GLOBAL GATEWAYとサマーキャンプの実績及び成果について
 〔8〕 小中学校における日本語学級の設置状況と支援及び日本語指導に関する区市町村への支援について
 〔9〕 不登校対策について
  ア 不登校の状況と教員の加配実績及び学びの多様化学校の設置状況について
  イ 不登校・中途退学対策といじめ総合対策推進事業の成果について
  ウ 家庭と子供の支援員の導入状況と成果及び都教育委員会の取組について
  エ フリースクール等に通う不登校児童・生徒支援調査研究事業の目的と結果及び学校とフリースクール等との協議会の成果について
  オ チャレンジスクールの入試倍率と定員の拡充について
  カ 高校中退後の学びの支援について
  キ 校則が定める範囲に対する都教育委員会の見解について
 〔10〕 放課後等デイサービスの利用状況と学校との連携について
 〔11〕 進学指導推進校の学力向上支援の実績と評価について
 〔12〕 スクールカウンセラーを活用した支援体制検証事業の結果とスクールソーシャルワーカー活用事業の執行率について
 〔13〕 スクールカウンセラーの配置状況と雇止めへの対応について
 〔14〕 体育授業の中止基準と熱中症予防指導及び水泳指導の意義と機会の確保について
 〔15〕 学校図書館の運営と専門職員の配置及び公立図書館の設置状況と子供の図書の充実について
 〔16〕 都立学校の照明のLED化及び体育館・調理室などの空調設備の整備状況と断熱対策支援について


令和5年度各会計決算特別委員会 第3分科会審査報告書

 第3分科会で行われた令和5年度東京都一般会計決算等に関する審査の概要を次のとおり報告する。
令和6年10月31日

令和5年度各会計決算特別委員会
第3分科会委員長  小磯 善彦

令和5年度各会計決算特別委員長
川松 真一朗 殿

1 本分科会の設置及び審査の経過
・本分科会は、令和6年9月26日に設置され、次の案件を審査した。
 令和5年度東京都一般会計決算中、都市整備局、住宅政策本部、環境局、産業労働局、建設局、港湾局、労働委員会事務局所管分
 令和5年度東京都中小企業設備導入等資金会計決算
 令和5年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計決算
 令和5年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計決算
 令和5年度東京都と場会計決算
 令和5年度東京都都営住宅等事業会計決算
 令和5年度東京都都営住宅等保証金会計決算
 令和5年度東京都都市開発資金会計決算
 令和5年度東京都臨海都市基盤整備事業会計決算
 令和5年度東京都工業用水道事業清算会計決算

・本分科会は、次のとおり各所管局ごとに審査し、終了した。
 10月9日(説明聴取・資料要求) 環境局、建設局、都市整備局、住宅政策本部、中央卸売市場
 10月11日(説明聴取・資料要求) 産業労働局、港湾局、水道局 労働委員会事務局
 10月18日(質疑) 中央卸売市場、環境局、都市整備局
 10月21日(質疑) 港湾局、産業労働局
 10月23日(質疑) 労働委員会事務局、建設局
 10月25日(質疑) 水道局、住宅政策本部

2 本分科会における質疑の概要
(1)都市整備局所管分
 〔1〕 住宅の耐震化に関する助成実績について
 〔2〕 特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化の進捗状況について
 〔3〕 木密地域の不燃化の進捗状況と今後の取組について
 〔4〕 豪雨対策について
  ア 東京都豪雨対策基本方針の改訂と流域対策の進捗状況について
  イ 雨水流出抑制事業の補助制度の活用について
  ウ グリーンインフラの強化と評価方法の調査状況及び樹木の機能について
  エ 地下街等の浸水対策と池袋地区における取組状況について
  オ 広報活動について
 〔5〕 東京都運輸事業者向け燃料費高騰緊急対策事業の周知と実績について
 〔6〕 鉄道駅のバリアフリー化について
  ア 鉄道駅総合バリアフリー推進事業の補助実績について
  イ ホームドアの整備状況及び大泉学園における整備について
  ウ 小竹向原駅の2ルート目の確保に向けたエレベーター設置について
 〔7〕 鉄道の混雑緩和に向けた取組について
 〔8〕 コミュニティバスとバス事業者への支援について
 〔9〕 都心及びベイエリアにおける緑の創出への取組について
 〔10〕 「多摩のまちづくり戦略」(素案)の取組と企業立地の促進ついて
 〔11〕 「多摩ニュータウンの新たな再生方針」(素案)について
  ア 関係自治体との連携について
  イ 南大沢スマートシティプロジェクトと諏訪・永山まちづくり計画及び多摩センター駅周辺再構築の取組について
 〔12〕 多摩地域を支える交通ネットワークに関する基礎調査結果とJR中央線の複々線化の検討成果について
 〔13〕 高島平地域のまちづくりの取組状況と地元の意見について
 〔14〕 神宮外苑地区第一種市街地再開発事業における樹木の保全について
 〔15〕 多摩サービス補助施設の返還と米軍基地の返還・撤去の取組状況について

(2)住宅政策本部所管分
 〔1〕 都営住宅について
  ア 結婚予定者向け入居募集の実績と課題及び入居者への就労支援について
  イ 困難を抱える入居者への支援について
  ウ 大学と連携したコミュニティ支援の実績と課題及び拡大への取組について
  エ 建替えと修繕の状況及び修繕の費用負担区分について
  オ 桐ケ丘団地の建替え事業及び南田中アパートの建替え検討と修繕実績について
 〔2〕 自治会運営への支援と自治会専用ダイヤルにおける相談対応について
 〔3〕 都営住宅等におけるウクライナ避難民への支援について
 〔4〕 住宅セーフティネット制度について
  ア 貸主応援事業と居住支援法人等応援事業の実績及び活用促進について
  イ 東京ささエール住宅(専用住宅)の拡大・充実に向けた取組及び国の補助制度の課題に対する働き掛けについて
 〔5〕 マンション社会的機能向上支援事業の概要と実績について
 〔6〕 東京とどまるマンションについて
  ア 登録促進に向けた取組状況と地元自治体との連携及び普及啓発について
  イ 防災備蓄資器材購入費用補助の実績と効果について
 〔7〕 マンションと地域の自治会等とが連携した防災対策及びマンション防災の普及啓発について
 〔8〕 東京こどもすくすく住宅認定制度の成果と事業者への支援及び集合住宅における取組について
 〔9〕 トレーラーハウスやコンテナハウスの応急仮設住宅としての活用について
 〔10〕 住宅価格高騰への対策と成果及び先進事例を踏まえた取組について

(3)環境局所管分
 〔1〕 既存住宅の断熱改修の実績と周知について
 〔2〕 東京ゼロエミ住宅導入促進事業の実績について
 〔3〕 東京ゼロエミポイント事業の実績と効果について
 〔4〕 小売電気事業者による再エネ電源先行拡大事業の意義と実績について
 〔5〕 太陽光発電設置義務化の取組とサプライチェーンにおける人権への配慮について
 〔6〕 都有施設における太陽光発電設置の取組状況について
 〔7〕 省エネ型ノンフロン機器普及促進事業と先進技術を活用したフロン排出削減事業の実績について
 〔8〕 土壌汚染対策アドバイザー派遣制度と工場跡地等における持続可能な土壌汚染対策支援事業の概要及び実績について
 〔9〕 災害廃棄物の処理期間の短縮に向けた取組について
 〔10〕 SAFの製造に向けた取組と成果について
 〔11〕 食品ロス対策について
  ア フードテックを活用した食品ロス削減推進事業の実績について
  イ 未利用食品マッチングシステムによる災害備蓄食品の活用実績と取組拡大に向けたポータルサイト等の整備について
 〔12〕 衣類のリサイクル拡大に向けた取組と実績について
 〔13〕 UDタクシーへの補助の実績と制度の活用に向けた取組について
 〔14〕 DXを活用した野生動植物情報の収集について
 〔15〕 伊豆大島におけるキョンの繁殖への対策について
 〔16〕 生物多様性の保全と湧水の復活に向けた取組について
 〔17〕 中小企業の再エネ・省エネ導入への支援における報告書制度拡大の取組について
 〔18〕 神宮外苑地区第一種市街地再開発事業における樹木の保全について
 〔19〕 人工芝の過加熱への対応について

(4)産業労働局所管分
 〔1〕 中小企業支援について
  ア 中小企業制度融資の実績について
  イ 中小企業人的資本経営支援事業の実績について
  ウ デジタル化支援と賃上げに向けた生産性向上のための設備投資への支援の実績について
  エ 安全・安心な東京の実現に向けた製品開発支援事業と成長産業分野への事業転換に向けた製品開発支援事業の実績について
  オ 女性ベンチャー成長促進事業と女性活躍のためのフェムテック開発支援・普及促進事業の実績について
  カ TOKYO地域資源等を活用したイノベーション創出事業の実績について
  キ XR・メタバースを活用した産業の振興の実績について
  ク 原油価格高騰等に伴う経営基盤安定化緊急対策事業の実績について
  ケ 東京たま未来メッセの活用事例について
  コ 取引対策と下請企業等への支援について
 〔2〕 産業・エネルギー対策について
  ア 大企業と連携した中小企業・スタートアップの成長促進に向けた人材交流支援事業の実績について
  イ 大企業等と連携した中小企業のゼロエミッションの実現に向けた取組への支援について
  ウ 中小企業等における排出量取引創出に向けた社会実装事業の実績について
  エ 中小企業の省エネ・再エネ設備導入への支援の実績と強化について
  オ 金融機関等と連携した海外企業誘致促進事業の実績について
  カ 燃料電池商用車の実装化推進の取組について
  キ ガソリンスタンドにおける省エネ設備の導入支援の実績について
  ク パイプラインを含めた水素供給体制構築事業と山梨県と連携したグリーン水素の製造・利活用の実績について
 〔3〕 観光振興について
  ア 東京2020大会のレガシーの活用など全国各地と連携した取組について
  イ 都庁舎プロジェクションマッピングの成果について
  ウ 観光産業振興費の収入について
 〔4〕 雇用就業対策について
  ア 高齢者の就業支援の取組と実績について
  イ 女性しごと応援ナビの取組と実績について
  ウ ES(社員満足度)向上による若手人材確保・定着事業の実績について
  エ テレワークの定着に向けた支援について
  オ 東京障害者職業能力開発校における肢体不自由者向けのカリキュラムと寮について
  カ TOKYO障害者マッチング応援フェスタの特別支援学校への周知と肢体不自由者の参加について
  キ 東京都立職業能力開発センターにおける受講実績の減少について
  ク 高年齢者・障害者等の就業促進等に要する就業促進費について
 〔5〕 農林水産対策について
  ア 多摩産材のPRの取組と実績について
  イ 都市農地の賃借促進の取組状況について
  ウ 島しょ地域の遊休農地への支援と利用拡大への取組について
  エ 有機農業の促進に向けた取組と学校給食への普及について

(5)中央卸売市場所管分
 〔1〕 と場の老朽化対策及びと体の大型化への対策について
 〔2〕 衛生管理に関するハード・ソフトの両面における取組について
 〔3〕 と室内における作業員の環境確保に関する取組について
 〔4〕 牛・豚の取扱頭数について
 〔5〕 輸出の拡大に向けた取組について
 〔6〕 食肉需要が増加する年末年始における取組について

(6)建設局所管分
 〔1〕 区部と多摩地域の都市計画道路の整備実績及び事業効果の早期発現に向けた取組について
 〔2〕 立川東大和線の整備状況について
 〔3〕 都道の無電柱化の実績と区市町村道の無電柱化に対する支援について
 〔4〕 JR南武線(谷保駅から立川駅間)連続立体交差化計画の取組状況について
 〔5〕 特定整備路線補助第82・86号線の整備における用地取得について
 〔6〕 街路樹の役割・効果と管理及び街路樹診断マニュアルの改訂について
 〔7〕 東京外かく環状道路の陥没事故に係る地盤補修について
 〔8〕 東部低地帯における河川施設の耐震・耐水対策の進捗状況について
 〔9〕 洪水時の住民避難に係るソフト面の対策について
 〔10〕 調節池の整備状況と効果及び工事の安全対策について
 〔11〕 日野橋架替事業の取組状況について
 〔12〕 都立公園について
  ア 魅力向上に向けた官民連携の取組について
  イ 石神井公園の三宝寺池沼沢植物群落の保全と生物多様性の保全について
  ウ 練馬城址公園における樹木の管理及び古城の塔の保存・活用について
  エ 中川公園の防災拠点化の取組状況と占用料の免除について
  オ 日比谷公園の自由の鐘の周知とイベントの実施及び維持管理について
 〔13〕 都立動物園等における主な取組及び魅力を伝える取組について

(7)港湾局所管分
 〔1〕 東京港の整備と物流機能強化について
  ア 中央防波堤外側コンテナふ頭Y3バースと青海コンテナふ頭の整備状況について
  イ 海岸保全施設の耐震対策と気候変動への対応について
  ウ DX推進の取組と国際競争力強化に向けた取組ついて
  エ 東京港における港湾DX加速化補助金の実績と遠隔操作荷役機械導入の目的ついて
  オ CONPASを活用したコンテナ搬出入予約制の効果と課題及び普及促進について
  カ 東京港における荷役機械のFC化プロジェクトの目的と取組状況について
 〔2〕 島しょ地域について
  ア 利島港の東側防波堤と西側岸壁の整備及び御蔵島港と青ヶ島港の整備について
  イ 波浮港における浸水対策と住民への被害状況について
  ウ 離島港湾DXにおける離島港湾情報プラットフォームによる情報提供とBIM/CIMの進捗状況及び今後の取組について
  エ 新たな海上貨物運賃補助制度の概要と実績及び運用事務の負担軽減について
 〔3〕 東京港と島しょ地域の港湾施設における無電柱化の取組について
 〔4〕 海の森公園の整備目的と執行率及びイベントの開催と健康増進への取組について
 〔5〕 カジノを含むIR誘致に関する調査の実施状況について
 〔6〕 調布飛行場の自家用機分散移転に関する要望と移転先の調査について
 〔7〕 東京港埠頭株式会社への支出額と支出の妥当性について

(8)水道局所管分
 質疑なし

(9)労働委員会事務局所管分
 〔1〕 東京都労働委員会の設置目的と構成及び紛争解決に向けた取組について
 〔2〕 取扱件数と全国に占める割合及び事件の内容について
 〔3〕 労働組合に加入していない労働者個人やフリーランスなどの労働問題への対応について