委員長 | 河野ゆうき君 |
副委員長 | 山田ひろし君 |
副委員長 | 鈴木 烈君 |
北口つよし君 | |
もり 愛君 | |
たかく則男君 | |
石島 秀起君 | |
上田 令子君 | |
藤井あきら君 | |
大山とも子君 |
欠席委員 なし
出席説明員警視庁 | 警視総監 | 緒方 禎己君 |
副総監警務部長事務取扱特殊詐欺対策本部長事務取扱 サイバーセキュリティ対策本部長事務取扱 | 森元 良幸君 | |
総務部長 | 久田 誠君 | |
交通部長 | 日下 真一君 | |
警備部長 | 聖成 竜太君 | |
地域部長 | 武田 宗洋君 | |
公安部長 | 中島 寛君 | |
刑事部長 | 親家 和仁君 | |
生活安全部長 | 佐野 裕子君 | |
組織犯罪対策部長 | 村瀬 智行君 | |
総務部参事官企画課長事務取扱 | 山口 博君 | |
総務部会計課長 | 羽田 保義君 | |
デジタルサービス局 | 局長 | 山田 忠輝君 |
次長 | 丸山 雅代君 | |
総務部長 | 深井 稔君 | |
調整担当部長DX推進統括担当部長兼務 | 繁宮 賢君 | |
企画調整担当部長DX推進担当部長兼務 | 尾関 元君 | |
情報セキュリティ担当部長デジタル基盤担当部長兼務 | 田畑 伸哉君 | |
デジタル戦略部長 | 芹沢 孝明君 | |
二〇三〇戦略担当部長こどもDX推進担当部長兼務 | 福田 厳君 | |
区市町村DX協働担当部長 | 芝崎 晴彦君 | |
DX推進調整担当部長 | 佐藤 直樹君 | |
デジタル改革担当部長 | 小林 直樹君 | |
デジタルサービス推進部長スマートシティ推進担当部長兼務 | 巻嶋 國雄君 | |
データ利活用担当部長スマートシティ・データ連携担当部長兼務 | 池田 庸君 | |
つながる東京整備担当部長 スマートシティ推進担当部長つながる東京推進担当部長兼務 | 小野寺 圭君 | |
デジタル基盤部長 | 斎藤 圭司君 | |
子供政策連携室 | 室長 | 田中 愛子君 |
総合推進部長DX推進担当部長兼務 | 山本 公彦君 | |
企画調整部長 | 小松 義昌君 | |
少子化対策担当部長 | 吉川健太郎君 | |
プロジェクト推進担当部長 | 臼井 宏一君 |
本日の会議に付した事件
令和五年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
警視庁関係
・令和五年度東京都一般会計決算(質疑)
デジタルサービス局関係
・令和五年度東京都一般会計決算(質疑)
子供政策連携室関係
・令和五年度東京都一般会計決算(質疑)
○河野委員長 ただいまから令和五年度各会計決算特別委員会第一分科会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、警視庁、デジタルサービス局及び子供政策連携室関係の決算に対する質疑を行います。
これより警視庁関係に入ります。
初めに、過日の分科会で紹介できませんでした幹部職員について、警視総監から紹介があります。
○緒方警視総監 前回の分科会には、公務のため欠席させていただきました当庁の幹部職員を紹介させていただきます。
刑事部長親家和仁でございます。
どうぞよろしくお願いいたします。
〔理事者挨拶〕
○河野委員長 紹介は終わりました。
○河野委員長 決算の審査を行います。
令和五年度東京都一般会計決算中、警視庁所管分を議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○久田総務部長 去る十月十一日に当分科会から要求のありました信号機及び音響式信号機の設置数の推移、エスコートゾーンの設置数の推移につきましては、お手元の資料のとおりでございます。
よろしくお願いいたします。
○河野委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○藤井委員 警視庁への決算質疑をさせていただきたいと思います。
昨今、何よりも注目を集めているのが、トクリュウと呼ばれる匿名・流動型犯罪グループに関することかと思います。今年の警察白書でも特集が組まれまして、その対策について確認をさせていただきたいと思います。
先週、十月十八日、関東で多発する広域強盗事件を受け、警視庁と神奈川、埼玉、千葉の四都県警は合同捜査本部を設置したとの報道もあったところであります。SNSのヤミバイト等を通じて集まったトクリュウによる強盗が過激化し、最近は毎日テレビでも報道されておりますので、私も地域を回っていても、多くの不安の声を住民の市民の皆さんからいただくところであります。
警察庁は今年度から、暴力団対策と同様、事件がいわゆるトクリュウによるものか、都道府県警が認定する仕組みを導入するとのことでありまして、総力を挙げて取締りを推進するとしております。
都内の昨年度の匿名・流動型犯罪グループ、トクリュウによる犯罪の特徴と、それに対する警視庁の取組を伺います。
○村瀬組織犯罪対策部長 匿名・流動型犯罪グループは、匿名性の高い通信手段を使いながら離合集散を繰り返し、特殊詐欺や強盗、違法風俗、賭博、悪質リフォーム等の様々な資金獲得犯罪に関与しております。
警視庁では、情報収集、分析による実態解明を進めるとともに、スマートフォンの解析等、様々な手法を駆使しながら、首謀者の突き上げ捜査を徹底しております。
また、いわゆるヤミバイト対策として、SNSのリプライ警告や高校、大学等への働きかけを行うなど、新たな実行犯を生まないための施策を推進しているほか、今回の一連の強盗事件を受けて、脅迫されていることなどを理由に犯罪に加担しようとする者への呼びかけや保護等の活動を強化し、犯罪の実行に至らないよう取組を進めております。
○藤井委員 ありがとうございます。しっかりと首謀者を突き止めるというところと、さらに、大学生などヤミバイトに関わらないようにするための取組をされているということでありました。
また、ご答弁にもありましたが、地域を回っておりますと、屋根の修理などを装って家の中に入ってこようとする業者がいるということはよく聞くことでありまして、そういったものもこういったトクリュウの犯罪に関わっているということでありまして、より一層注意を促していかなければいけないなと思ったところであります。
また、国の方でも少し動いていると聞いておりますが、防犯カメラや防犯機器の設置の補助をしてほしいという声も住民の皆さんからいただくところでありまして、こちらは警視庁ではないと思いますが、東京都としてもしっかりと進めていくよう提案をしていきたいと思います。都民の安全と安心のために、さらに強力にご対応をしていただくように要望させていただきます。
匿名・流動型犯罪グループ、トクリュウについては、SNS投資詐欺、特殊詐欺にも関係しているといわれているということであります。
最近、著名人の名前やフェイク画像を使ったSNS投資詐欺の話をよく聞くところでありまして、昨年度の都内におけるSNS型投資詐欺の件数、そして被害金額、特徴、それに対する警視庁の取組及び都内における特殊詐欺の傾向について伺います。
○森元副総監 令和五年度の都内におけるSNS型投資詐欺の被害状況は、認知件数が約三百件、被害金額約七十四億円であり、幅広い年齢層が被害に遭っているほか、一件ごとの被害が高額になる傾向があります。
また、本年一月から九月末までの特殊詐欺の被害状況を見ますと、認知件数及び被害金額ともに前年同期比で増加しており、特にオレオレ詐欺や還付金詐欺が大幅に増加しています。
警視庁では、こうした情勢を踏まえ、あらゆる機会を通じた広報啓発活動をはじめ、SNS事業者に対する偽広告等の削除要請や金融機関に対する通報体制強化の働きかけを行っているほか、特殊詐欺連合捜査班を活用した迅速かつ効果的な捜査を実施するなど、防犯と検挙の両面から各種対策を推進しております。
○藤井委員 SNS型投資詐欺の被害状況と、また特徴についてご答弁いただきましたが、幅広い年齢層が被害に遭っているということで、これまでのオレオレ詐欺だと、イメージとしてはやはり高齢者が多かったところが、幅広い被害者が出ているというところでありました。また、金額も七十四億円と、かなり大きいなというところでありまして、こちらも引き続き対策をしていかなければいけないなと思っております。
また、昨日報道もありましたが、フェイスブックやインスタグラムを運営するメタ社に対して、SNS投資詐欺の被害者が提訴をするということも起きております。
警視庁の方では、こういったSNS事業者に対する偽広告等の削除要請をしているということでありますが、こういった虚偽の広告への規制等も含めて、しっかりと考えていかなければならないところまで来ていると考えているところであります。引き続きの取組をよろしくお願いいたします。
続きまして、話題を少し変えまして、警視庁におけるデジタル化、DXの取組についてお伺いをさせていただきます。
警視庁におけるDXの取組として、AIにおける信号機制御を実施しているということでありますが、昨年度の取組と、どのような効果があったのかお伺いいたします。
○日下交通部長 警視庁では、道路交通のさらなる円滑化に向け、AIを活用した渋滞予測及び検知による信号制御を一部の交差点に試験的に導入しております。
昨年度は、過去の渋滞発生状況等を踏まえ、川越街道などの交差点十か所については渋滞を予測し渋滞の発生を先回りした信号制御を、水戸街道などの交差点十八か所については渋滞を検知した信号制御をそれぞれ実施したところ、当該路線における渋滞の長さや到着までに要する時間が短縮され、一定の効果があったことを確認しております。
○藤井委員 AIを活用した渋滞予測及び検知によって渋滞が短縮されるなど、一定の効果があったということであります。
しっかりとその知見を生かしていただきまして、横展開、私の地元の町田市なんかも結構渋滞が起きていますので、町田に限らずですが、都内全域に広げていただきたいと思います。
続いて、警視庁では行政手続のオンライン化を拡充しておりまして、遺失物の返還手続をオンラインで始めたり、警視庁でも先端技術を使った警察業務の高度化や、デジタル、オンライン化による都民の利便性向上の取組をしているということであります。
昨年度の行政手続のオンライン化の実績と、今後の警視庁におけるDX推進への決意をお伺いします。
○久田総務部長 警視庁では昨年度、遺失届等のオンライン申請を約七万件受理したほか、新たに二輪、四輪交通安全教室の申込手続をオンライン化し、約四千人の受講者全ての申込みを受理したところです。
今後も、警視庁行政手続オンラインサイトの対象となる手続を順次拡大して、都民の皆様の利便性向上に努めるとともに、社会の変容に即した警察業務の高度化に取り組んでまいります。
○藤井委員 ありがとうございます。今後も順次拡大していくということで、しっかりと進めていただきたいと思います。
これはほかの局でも伝えているところなんですけれども、東京都では、スタートアップとの協業という一環で進めていて、都政の現場において、様々スタートアップと協働していくということを進めております。
警視庁は現在、その対象ではないというふうには聞いてはいるんですが、こういった先ほどのAIを使った信号機の制御であったりとか、様々スタートアップの持つ知見を生かすこともできるかと思いますので、ぜひ警視庁でも、先端技術を使った、こういった高度化やデジタル化、オンライン化に対して、そういった協業もご検討いただければと思います。
以上で質疑を終わらせていただきます。
○鈴木委員 私からは、大川原化工機に対する冤罪事件について質問させていただきたいと思います。
本事件は、我が会派の五十嵐えりさんを中心に関わってきた問題でございます。五十嵐さんがこのたび衆議院選立候補のため辞職をいたしましたので、私が引き継いで質問をさせていただきたいと思います。
改めて事件の経緯を振り返りますと、警視庁公安部が二〇二〇年三月、同社の噴霧乾燥装置が軍事転用可能な輸出規制対象品にもかかわらず国の許可を得ず不正に輸出したとして、大川原正明社長ら三名を外為法違反、無許可輸出の疑いで逮捕したわけでございます。
東京地検は一旦三人を起訴したものの、初公判直前の二一年七月に規制対象に当たるか疑義が生じたとして、起訴を取り消しました。大川原社長ら二名の勾留期間は約十一か月に及び、顧問だった相嶋静夫さんは、がんの診断後もしばらく保釈が認められず、起訴取消し前に七十二歳で亡くなるという痛ましいことも起こったわけでございます。
同社側は同年九月、損害賠償を求めて国と都を提訴、二三年十二月の一審、東京地裁判決は、複数の同社従業員が輸出規制の要件の一つである殺菌性能については、具体的な疑義を挟んでいたのに再実験を行わないまま逮捕、起訴に至っており、必要な捜査をせずに漫然と逮捕したなどとして、国と都に約一億六千万円の賠償を命じているわけでございます。
二〇二四年一月十日、国と都は判決を不服として東京高裁に控訴し、現在控訴審で審理中、現在に至っております。
東京都は、控訴をしているとはいえ、一審で認められた捜査の違法性について争うことが目的で、冤罪であったこと自体は受け入れていらっしゃるというふうに理解をしているところでございます。
そこで質問させていただきたいと思います。まず、本件事案に関し、警視庁は今までに行った検証の過程で、冤罪を生み出した原因をどのように分析されていらっしゃいますでしょうか。
○中島公安部長 本件事案をめぐる刑事訴訟においては、公訴が取消しとなっているところ、これは結果として、立証が尽くせていなかったということであると認識しており、真摯に受け止めております。
なお、本件事案をめぐる国家賠償請求訴訟においては、噴霧乾燥器の規制対象該当性に係る捜査並びに原告の一名の方に対する取調べ及び弁解録取書作成に関する一審の判断に重大な事実誤認等があると考えられることから、上級審の判断を仰ぐことといたしましたところ、本件捜査に係る事実関係等につきましては、控訴審での審理に対応する過程で引き続き確認、整理をしてまいります。
○鈴木委員 ありがとうございます。
公訴取消しとなっているわけで、結果として立証が尽くせていなかったというのは聞かなくても分かることでございまして、なぜこうした冤罪事件が起こってしまったのかという点についてはご説明をいただけなかったなというふうに感じているところでございます。
一方で、本件捜査に係る事実関係等については、控訴審での審理に対応する過程で引き続き確認、整理を行っていくというふうに、今後の作業について前向きなご答弁をいただいたというふうに、そこは評価をさせていただきたいというふうに思います。
裁判が終わったときなのかどうか分かりませんけれども、事実関係の確認、整理作業が終わった時点で、ぜひ議会にもご報告をいただきたいというふうに思います。
次の質問に移ります。
警視庁として、このようなことが再び発生しないようにどのような対策を講じていかれるおつもりなのか、ご説明をいただきたいと思います。
○中島公安部長 捜査が法と証拠に基づき緻密かつ適正に行われるべきことは当然であり、こうした観点から、警視庁ではこれまでも証拠の十分な吟味、供述の裏づけ捜査の徹底、取調べにおける基本の遵守、捜査指揮の徹底等について教養を実施してまいりました。
一方で、本件事案をめぐる刑事訴訟においては、公訴が取消しになったことについて真摯に受け止めておりますところ、今回の件を契機といたしまして、警視庁では、緻密かつ適正な捜査の確保に向けて、公安部に新たに捜査指導官を置いた上で、本部や警察署の捜査に関する指導を強化するとともに、捜査幹部の研修を充実させて、指揮官としての能力の向上を図るなど、部内教養を強化しているところであります。
警視庁としましては、こうした取組を通じて、緻密かつ適正な捜査を引き続き推進をしてまいります。
○鈴木委員 ありがとうございました。
捜査が法と証拠に基づき緻密かつ適正に行われるように、公安部に新たに捜査指導官を置かれて捜査に関する指導を強化するということだと理解をいたしましたので、一応理屈の通った対策が取られているんだなというふうに受け止めさせていただいたところでございます。
被害者の方々のお気持ちを思うと、冤罪というものはあってはならないものなんだというふうに思うところでございますが、一方で、捜査をされる捜査員の方々も生身の人間でいらっしゃるかと思います。捜査のミスや行き過ぎ等は起こり得るものとして受け入れていくことが、警視庁幹部の皆様だけでなく、我々議会も含めて必要なことだと思います。
今回の事件では、私から見ると、警視庁内部の正義感と勇気ある方々の証言や告発もあって、結果としては起訴取消しとなり、また被害者の方々に対して賠償が認められているというわけで、これは嫌味じゃなくて本当に、嫌みではないんですけれども、逆説的なんですけれども、警視庁の皆さんの組織としての自己抑制力が示されたんじゃないかというふうに感じている気持ちもあるわけでございます。
今後、被害者の方々に誠意を尽くして対応していくことをお願いする一方で、ぜひ事件捜査の事実関係の確認、整理作業を続けていく中で、意見や情報を提供してくれた職員や内部告発をしてくれた職員が、その告発した内容が正しくても間違っても、どちらであれ、不利益を被ることがないように、極力開かれた検証が行われることを要望して、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○上田委員 衆院選でお忙しいところ、多岐にわたりますけれども、端的にさせていただきたいと思います。
電動キックボード、ペダル付原動機付自転車です。
二〇二三年七月、改正道交法施行で電動キックボードの規制が緩和され、最高時速二十キロ以下、長さ百九十センチ以下、幅六十センチ以下など一定要件を満たせば、特定小型原動機付自転車と分類され、十六歳以上は免許なしで運転可能となりました。
規制緩和後の一年間、警視庁として、都民の安全を守るためにどのような対策を実施してきたかを伺います。
○日下交通部長 警視庁では、飲酒運転や歩道通行などの悪質、危険な違反行為に対する指導取締りを強化するとともに、交通ルールの周知や交通安全教育、事業者等と連携した広報啓発などを実施してまいりました。
○上田委員 一方で、そうしていただいてはいるんですけれども、キックボードが関係する交通違反や事故が多発しております。
警視庁によると、昨年七月から今年五月、信号無視などの交通違反の摘発が二万一千五百六十二件あり、事故は百九十件起きました。
都内では一月から五月、電動キックボード利用者が最も過失が重い第一当事者となった人身事故が五十六件発生し、そのうち二五%に当たる十四件が飲酒運転でした。この飲酒運転の割合は、一%程度とされる乗用車やバイクと比べて突出しておりまして、気軽に乗れることが飲酒運転への意識を低下させているという見方もできます。
世界最大手のLime社が本年八月十九日より、都内六区、渋谷、新宿、世田谷、目黒、豊島、中野で特定小型原動機付自転車サービスを開始し、利用者の増加に伴い、今後さらに多発するであろう事故からどのようにして都民を守るのか、取締りや啓発活動について今後の見解を伺います。
○日下交通部長 当庁では、引き続き悪質、危険な違反行為に対する指導取締りを行うとともに、交通ルールの周知や交通安全教育、事業者等と連携した広報啓発などを実施してまいります。
○上田委員 政府は、規制改革推進会議で押し切るようにキックボードの規制緩和並びに大手企業の参入を認めています。一方で、警察による厳しい取締りを行っても安全が守り切れていない現状があり、日本の交通安全が脅かされていることに対し、都民から不安の声が上がっています。
二〇一八年にシェアリングサービスを導入したフランスのパリ市は、昨年二月に、事故の多発からサービスの存続を問う住民投票を実施し、廃止が大多数を占めたため、同年九月から廃止となっています。世界の潮流に日本は逆行している中で、警視庁としてより厳しい対応を求めさせてください。
キックボードと同様に、販売店も通さず個人でも輸入が可能となっているペダル付原動機付自転車に対する安全対策も喫緊の急務です。
ペダル付原動機付自転車は、ペダルがあることで自転車のルールで走れると考える利用者もいますが、道交法上は原付バイクと同じ扱いで、公道を走るには運転免許やヘルメットの着用が必要です。ただ、電動アシスト自転車として販売されるケースもあり、ルールを知らずに運転している人も多いとされています。
警視庁として具体的な取組と安全対策について伺います。
○日下交通部長 当庁では、事故や違反の多い若年層などに対する交通安全教育、SNS等による情報発信や販売事業者に対する安全指導を実施するとともに、無免許運転などの悪質、危険な違反行為に対する指導取締りを継続してまいります。
○上田委員 トラブル続出のキックボードなんですけど、大手Luupに都民ファーストの会だった樋口高顕現千代田区長の父親である元警視総監が監査役に就任しています。天下りで入って、事故などももみ消すのではないかという的外れな批判でSNS上で炎上しましたが、警察での三十五年の経験を生かし、Luupが提供する移動インフラの安全性向上に貢献されるという力強い発言もされていることですから、OBでもありますし、関係性もあると思料することですので、警視庁において事故防止、安全運用の徹底を、大体これはちっちゃい子供とかが犠牲になる場合が多いと私も心配しておりますので、業界全体を巻き込んでの対策を強く求めるものでございます。
次に、DV、ストーカー対策です。
私は、初当選直後、かねてより懸念をし対策を求めていたにもかかわらず、平成二十五年十月八日に三鷹市ストーカー殺人事件が発生しました。杉並警察と三鷹警察の連携がうまく図れなかったことから、犯人が自宅に侵入、待ち伏せした犯人に刺され、高校生の被害者は亡くなりました。
平成二十五年、同年十二月六日、私は一般質問でこの件を質問している最中、ストーカー・DV総合対策本部、後の人身安全関連事案総合対策本部設立の記者会見が行われたことは、議員生活の中でも忘れ得ぬ経験です。
その後も痛ましい事件が全国で後を絶たない中、令和五年の都内ストーカー相談件数は一千四百四十四件、前年比二百三十七件増、DVの相談件数は九千九十二件、これは七百三件増、いずれも増加の一途をたどっているということです。
これを受けて警視庁は、本年四月一日、虐待やストーカー、DV事案などに対応する人身安全対策課を生活安全部に発足しました。同部と刑事部の複数の部署にまたがる混成部隊だった人身安全関連事案総合対策本部を廃止し、生活安全部の一つの課として新設。指揮系統を一本化し、相談件数が増え続けるストーカー、DV事案などの対策を迅速に対応するということでございます。
平成二十五年の同本部以降のストーカー、DV事案の相談件数等の推移と、今般の組織改編を踏まえ、今後、被害者が心身を傷つけられ、命を奪われることがないよう、どのように取り組むのか伺います。
○佐野生活安全部長 警視庁では、ストーカー、DV事案等の人身安全関連事案が重大事件に発展する危険性が高いことを念頭に、各種法令を適用した被疑者の検挙や関係機関と連携した事案対処など、被害者等の安全確保を最優先とした迅速かつ的確な対処を引き続き推進してまいります。
○上田委員 生活安全部はすごく、DVから認知症の対応とか、本当に忙しい部署で、さらにこの重要な使命を持つということで、私も議会人の立場で応援したいと思っております。
平成二十八年に開始された加害者の再発防止に向けた取組状況について伺います。
○佐野生活安全部長 警視庁では、医療機関と連携し、加害者に対してカウンセリングなどの有用性を教示し受診の働きかけを行っているほか、本年四月からは、ストーカー規制法に基づく禁止命令等を行った加害者に対する定期連絡を行うなど、再犯防止策に努めております。
○上田委員 再犯性が高くて、出所してまた傷つけられる、殺されてしまう場合もありますので、引き続いての徹底取組をお願いします。
ストーカー、DV被害者に対する取締りや相談時において、どのような配慮や取組をしているのか伺います。
○佐野生活安全部長 ストーカー、DV被害者からの相談等を受理する際は、警察署の相談室等の適切な施設で行うなど、被害者の安全確保やプライバシー保護に十分配意するとともに、被害者が希望する性別の警察官が対応するなど、心情に配慮した対応に努めております。
また、被害者等に危害が加えられる危険性や切迫性が極めて高いと認められる場合には、安全な場所への避難措置を速やかに講じており、経済的、その他の事情により一時避難が困難な被害者等に対しては、公費による支援等を実施しております。
○上田委員 大分拡充されてきました。
被害者支援制度として、傷害などの被害者に対して事件の立証に必要な診断書の費用と、診断書を作成するために受診した際の診察料、カウンセリング費用の一部を公費で支出する制度もありますが、性犯罪被害者に関しては、緊急避妊薬費用、人工妊娠中絶費用も対象としているとのことです。
緊急避妊薬はまさに緊急を要し、警察に行くのが後になることもあると思います。どのようにこの制度が活用されているか時系列でご説明の上、昨年度の利用状況や制度はどのタイミングで被害者や家族に説明されているのかも伺います。
○久田総務部長 警視庁では、性犯罪被害の届出がなされた際に、被害者や家族に対して公費支出の対象や手続等の説明を行っているほか、医療機関の受診時に捜査員が付き添い、医師への協力要請を行うなど、被害者が医療機関の受診をちゅうちょすることがないよう、経済的不安等の払拭に努めております。
また、医療機関受診後に届出がなされた場合でも公費支出が可能な場合があることから、同様の説明を行っております。
令和五年度については、緊急避妊薬の処方を受けた百九十九人、性感染症の検査を受けた三百三十人に公費を支出しております。
○上田委員 利用されていただいて、ほっとしたところです。
スクールサポーターです。
警察と学校の連携体制につきまして、かねてより警視庁から教育委員会及び教育庁への情報発信は、教育庁からよりも本当に桁が、もう二桁ぐらい違うほどに情報提供をされています。
その象徴として活用されるスクールサポーター制度そのものが、教育委員会や学校関係者、特に校長先生はご存じでも、担任レベルが知らないことがあり、浸透、活用されていないと指摘をさせていただいております。
直近五年間平均では、警察から学校への情報提供は千二十四件ですが、学校から警察は僅か十一人、相変わらずとどまっております。深刻ないじめ、傷害事件、自殺、殺人に至る事例も全国にはあり、あまりにも学校から警察への情報提供が少な過ぎます。被害者より加害者をかばっているのではないかと、被害者家族からも私は相談も受けたことがございます。
サポーターを積極的に活用し、学校等の関係機関との連携に努め、その活動の浸透を図ってきた警視庁におけます現状の所見を伺います。
○佐野生活安全部長 昨今のいじめ事案等、少年の健全育成を阻害する問題に的確に対応し、非行、被害防止を効果的に推進するためには、学校をはじめとする関係機関との連携は極めて重要であると認識しております。
警視庁では、学校との緊密な連携を図るため、九十四署に百三十二名のスクールサポーターを配置し、学校訪問による情報交換等を推進しているほか、児童生徒の健全育成に関する警察と学校との相互連絡制度に基づく各種会議や、学校からの電話相談などを通じた情報共有により児童の安全確保に努めております。
○上田委員 しっかりと、警察の方はいつも頑張ってくださっていると頼りにしております。
虐待防止です。
平成二十六年、二十八年と、警察・消防委員会や決算審査で、私は子供たちを守るために学校や児相など関係各機関との連携強化による早期対応、解決の取組の必要性を訴えてきましたが、残念ながら、その二年後に目黒区五歳女児虐待死事件が発生しました。
折しも、これも一般質問の二日前で、どの会派も腫れ物を扱うかのごとく質疑をしない中、私だけがただしましたが、議場では、また上田が騒いでいるというような白けた空気でしたが、その後、警視庁のご尽力によりまして、お願い、許してノートが公表され、世論が動き、私の質問に端を発した虐待防止、警察と児相連携が形となり、子供への虐待の防止等に関する条例が制定され、児童虐待対応の連携強化に関する協定書を警視庁と締結されました。
昨年六月、神戸市西区の草むらで、当時六歳だった男児の遺体が発見されました。死因は打撲による外因性ショックでした。男児は日常的に虐待を受けていたと見られ、これまでに母親や叔父などきょうだい四人が傷害致死などの罪で起訴されております。
神戸市の児相では、これまで虐待が認められる事案のみ、月に一回、警察と情報共有をしていて、男児の場合、虐待のリスクがあるという判断にとどまったことから、警察に共有されていませんでした。
この件を教訓に兵庫県では、十月一日から児相が受理した虐待情報のリアルタイム共有を開始したとのことです。都道府県単位でこうしたシステムの運用を始めるのは埼玉県に続き全国で二例目となりますが、私は、目黒区虐待死事件の前から、警察の虐待情報全件共有を求め続けております。
全国最多の虐待事案を抱える都としても、一刻も早く同システム導入、虐待情報の児相と警視庁、警察署の全件共有を強く求めるものです。なぜならば、虐待死根絶には警視庁と児相間での虐待情報の全件共有が必須だからです。緊急性とリスクが高いケースとは誰がどう判断するのか、基準も今もって曖昧です。
また、これまでの悲惨な虐待死事例を見れば分かるように、リスクはない、緊急性は低いと児相が判断するような場面で取り返しのつかない事態を招いてまいりました。
そこで、悲惨な虐待死の防止に向けた児相との連携状態について伺います。
○佐野生活安全部長 警視庁では、認知した児童虐待の疑いを含む全ての事案の取扱状況を児童相談所に提供しているほか、児童相談所からは、危険性が高い虐待事案情報の全てが定期的に当庁に提供されており、相互の情報共有を図ってまいりました。
また、本年八月から、児童の負傷が繰り返し確認されるなど、直ちに児童の安全を確保する必要がある事案について、その都度、児童相談所から情報提供がなされ、相互に危険性の評価を行うことといたしました。
○上田委員 やはり警察が全件を共有してくださるという強みは−−目黒の事件は前科が二犯あったんですね、あのお父さんは。それをもしも警察が全件共有をしていれば、前科が即時に確認ができるということが、私はここは強みだというふうに思っています。
これは福祉局は確認できないので、ぜひ全件共有の上、これからリアルタイムでやるといっても、これ全件では東京はないので、ただシステムを使うだけで、今までと中身にとっては変わらないということで、警視庁の方からでも歩み寄っていただければということで質問させていただきました。
公安委員会に寄せられた苦情件数は、五年平均百九十九件、苦情処理は百九十七件、警察へは受理六百六十七件、処理六百四十三件です。このたび、カスハラ条例も制定されましたところですが、どのような苦情が多いのか気になるところです。
公安委員会や警察に寄せられる苦情の傾向について伺います。
○久田総務部長 令和元年から令和五年までに東京都公安委員会が受理した苦情内容を見ますと、交通指導取締り、告訴、告発と、逮捕、捜索、差押えなどの捜査活動に関する苦情が多い傾向にあります。
また、警視庁が受理したものでは、一一〇番通報等による現場での取扱い、交通指導取締り、職務質問に関する苦情が多い傾向にあります。
○上田委員 苦情処理体制、確認しましたが、一方で、カスハラに遭うような警察官も多いと思いますので、条例に沿った、また、庁内での対策もお願いしたいところです。
警視庁では、ハラスメントのない良好な勤務環境を形成するため、各所属においてハラスメント防止ハンドブックや視聴覚教材を活用し、ハラスメントの皆無に、絶無に向けた教養を実施されています。幹部に対する研修、各種会議等において指導教育を行うなど、意識の浸透を図ってこられました。
警察署員が相談しやすい体制になっているのか、何となくこう見る感じ、上下関係きつそうかなというふうに見受けますので、現状について伺います。
○森元副総監 警視庁では、各種の研修や会議等での指示を通じて、ハラスメントのない職場環境の構築の重要性について職員全体に周知し、各種の対策に取り組んでいるところでございます。
職員が相談しやすい体制に関しましては、各所属に男女各一名以上のハラスメント相談員を配置しておりますほか、二十四時間対応の相談窓口としてハラスメントホットラインを設置するなど、様々なチャンネルを用意し、職員の悩みを早期に把握して必要な対応を取ることができる体制を構築してございます。
○上田委員 やはり綱紀粛正も大事なんですけれども、時に厳しく指導しなくてはならない、まあ都民の命を守る仕事なので分かりますけれども、ちょっと次の質問にあるようなことがないようにお願いしたいと思います。
平成二十六年、二十七年度と連続して拳銃自殺事案があり、当時もただしたんですが、令和に入ってからも六件発生しております。全てが勤務中であり、警察署内の倉庫や休憩室、トイレなどでした。警察官にとって拳銃の目的外使用は、最も本人がいさめるべきと分かっていながらの選択をするに至る何かがあったのではないでしょうか。胸が痛むものです。
拳銃自殺を受けての対応、防止対策等の現状について伺います。
○森元副総監 職員の自殺事案につきましては、当該職員が悩み事や不安を抱えているケースが見受けられるため、快適な職場環境の構築に向けた取組を推進し、職員のメンタルヘルスの保持増進を図るとともに、職員の悩みや不安を早期に把握し、必要な支援を行うよう取り組んでいるところでございます。
また、職員に対し、拳銃が警察の責務を果たすために貸与されているということを再認識させるための指導教養を徹底しております。
○上田委員 DX化についてです。
デジタル社会の実現に向けた重点計画に掲げる取組の実現を図るとともに、警察業務をデジタル社会に対応させることを通じて、警察活動の効率化、高度化を実現することを目的として策定されております。
私、道路使用許可、年がら年中、ほぼほぼ取っているんですけど、一回一回、葛西警察に行かなきゃいけなくて、個人的には全ての道路使用許可もウェブ上でできるとありがたいなと思いますが、QR決済が可能となったのは大きな前進で、高く評価をいたします。
デジタル社会の実現に向けたこの中長期計画に基づき、警察活動の効率化、高度化を推進していると思われますが、この計画にある現状と課題について、その解決に向けて、警視庁としてどのように取り組んでいるのか伺います。
○久田総務部長 警視庁では、当庁が保有するシステムの統合、集約をはじめ、警察庁が整備する共通基盤との連携を推進しているほか、各種手続をオンラインで申請可能な警視庁行政手続オンラインサイトの対象となる手続を順次拡充するなど、都民の皆様の利便性向上に努めております。
○上田委員 最後に、大川原化工機事件でございます。
先ほど来、ほかの委員からも指摘がありましたけれども、この大川原化工機の大川原社長は、二〇二〇年三月、経産省の許可を得ずに精密機械を不正に輸出したとして、同社元取締役や元顧問と共に外為法違反容疑で公安部に逮捕され、東京地検によって起訴され、その後、国賠訴訟となり、東京地裁は昨年十二月二十七日、一連の捜査の違法性を認め、国と都の双方に対し、原告側に賠償するよう命じる判決をいい渡すことになりました。
一応裁判となりまして係争して、答えられないこともあるかと思いますので、一般論として伺います。
警視庁公安部で捜査を担当した警察官らの証人尋問ですが、現在も同部に所属する男性警部が事件は捏造だと証言をしております。現職職員が裁判上、警視庁に不利益になるかもしれない証言をする場合も、訴訟となった場合は発生すると思います。こうした職員にあって、不利益取扱いなどすることはもってのほかだと考えます。
かつて、愛媛県警での裏金問題を内部告発した仙波敏郎さん、警察学校をトップクラスで出たんですけれども、自分が仲間と同じように裏金をもらわないでいたらば、生涯お巡りさんで終わってしまって出世ができなかった。告発した後は、この方は狭い部屋に入れられて、もう何も仕事がない中、ただただ松山城を見るという日々を送って、こうした不当人事に関しても、裁判で彼は勝っております。
このような目に遭わせてはならないと考えますので、自分の正義に従って内部告発した職員や参考人として証言した職員を不利益な扱いや不当人事からいかに守るのか、所見を伺います。
○森元副総監 これまでも、内部通報や証言をしたことをもって不利益な扱いや不当な人事が行われることのないよう取り組んできたところでありまして、引き続き適切に対応してまいります。
○上田委員 よろしくお願いをいたします。
一方で、元顧問が七十二歳で胃がんで亡くなったのは、勾留中の東京拘置所で適切な医療を受けられなかったためだとして遺族が国に損害賠償を求めた訴訟で、原告側は四月四日、請求を棄却した東京地裁判決を不服として東京高裁に控訴しました。三月二十一日の地裁判決は、拘置所の医師に違法な行為があったとはいえないと判断しております。
前定例会でも、警察署内で糖尿病が悪化して亡くなった勾留者の和解金の議案が上がってきておりました。
留置場が適切な医療を受けられる環境となっているのか、例えば職員が適切に判断して医療につなげているかなど、警察署の被留置者の健康管理等について現状を伺います。
○久田総務部長 留置を開始する際には、法令により、被留置者に対し既往症等の健康状態について聴取しているほか、健康診断の実施、被留置者の体調に応じた診療や救急要請等、適切な医療上の措置を講じています。
本年一月から八月末までに被留置者が医療機関を受診した件数は、急な体調不良に伴う緊急診療が二百七十四件、診療要望や急を要しない診療が二千五百二件であります。
留置を担当する職員に対し、講習や本部指導員による具体的な現場指導を通じて、適切な救急要請に資する教養を行うなど、留置業務の万全を期してまいります。
○上田委員 ご遺族も、裁判の行方をあずかり知らないまま亡くなっていったことは大変心残りだと思います。
また、鈴木委員には、非常に真摯な、この裁判におけましてご答弁をされておりまして、今後変わっていくこと、そして、私の方も苦情処理の方も適切に処理をされていることも確認させていただきました。
一方で、私は江戸川区なんで、大体ドラマでいうと小松川警察で、池袋で騒いでも新宿で騒いでも、逮捕の場所が江戸川区の署内ということで、そういったところで外国人犯罪も、川口市もひどい状況であります。
警察の仕事が、さっきいったように、動物がいなくなった、認知症のおばちゃんが見当たらないから、DVから、非常に多彩な、もう多岐に分かれる業務を一手に担っておりますが、毎年確認をしておりますけど、なかなかこの人員が、日本全体でのバランスを考えるということで、東京都の人員体制が拡充されないのが大変私はいつも心残りだというふうに思っております。
特に先ほどいったように、生活安全部の方のぜひ拡充のお願いを心から、よく私もいろんなご相談、必ず生活安全部なんですね、ご近所トラブルとか、大変お世話になっておりますことからも、この点だけを何とか拡充をしていただきたいとお願い申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○河野委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○河野委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で警視庁関係を終わります。
○河野委員長 これよりデジタルサービス局関係に入ります。
決算の審査を行います。
令和五年度東京都一般会計決算中、デジタルサービス局所管分を議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○深井総務部長 去る十月十一日の当分科会におきまして要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
恐れ入りますが、令和五年度各会計決算特別委員会第一分科会要求資料の表紙をおめくりください。目次に記載のとおり、資料は全部で十項目ございます。
一ページをご覧ください。1、一般財団法人GovTech東京設立の経緯及び役員の選任に関する規定でございます。
(1)に、設立の経緯について、時系列で記載してございます。また、(2)に、役員の選定に関する規定について、GovTech東京の定款を抜粋したものを記載してございます。
次に、二ページをご覧ください。2、一般財団法人GovTech東京の職員構成でございます。
GovTech東京の固有職員数、固有職員のうち都退職者及び都の派遣職員数を記載してございます。
次に、三ページをご覧ください。3、デジタルサービス局における特定任期付職員数の状況及び退職後の一般財団法人GovTech東京への再就職状況でございます。
特定任期付職員数及び退職後にGovTech東京へ再就職した職員数を記載してございます。
次に、四ページをご覧ください。4、デジタルサービス局における懲戒処分の状況でございます。
令和三年度以降の処分の実施日、事故者、処分の内容等を記載してございます。
次に、五ページをご覧ください。5、CIO補佐官連絡会の開催実績でございます。
令和五年度の連絡会について、実施日、実施内容を記載してございます。
次に、六ページをご覧ください。6、都・区市町村CIO協議会の開催実績でございます。
令和五年度に開催した協議会について、実施日、議題等、参画市町村の内訳を記載してございます。
次に、七ページをご覧ください。7、デジタルサービスフェロー一覧でございます。
フェローの氏名、現職等について記載してございます。
次に、八ページをご覧ください。8、デジタルサービス局が委託している東京デジタルアカデミーの都職員向け研修事業でございます。
令和五年度に委託により実施した研修の対象、研修名、修了者数、業務委託先を記載してございます。
次に、九ページをご覧ください。9、都知事杯オープンデータ・ハッカソンの実績でございます。
令和五年度の応募者数、受賞チームについて記載してございます。
次に、一〇ページをご覧ください。10、空飛ぶクルマを活用したサービスのビジネスモデル構築等事業の決算額推移でございます。
各年度の決算額について記載してございます。
以上、簡単ではございますが、資料についてご説明させていただきました。よろしくお願い申し上げます。
○河野委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○石島委員 DX推進に向けた区市町村への支援について伺います。
昨年九月のGovTech東京の事業開始から一年余りが経過しました。これまでも我が党は、区市町村のニーズを踏まえたデジタル化の後押しが重要と主張してまいりました。
都庁だけではなく、行政の現場を担っている区市町村を含めた東京全体のDXを推進していく新たな枠組みを生かし、区市町村のデジタル化が加速することが重要であります。私のところにも区市町村から、専門知識を持ってデジタル化を推進する人材が不足しており、GovTech東京のサポートに期待するとの声が届いています。
デジタルの力を生かし、自治体業務の効率化や住民サービスの向上につなげていくためにも、GovTech東京と共に区市町村の意見を丁寧に聞きながら、実効性ある支援をしていくことが重要だと考えます。
まず、GovTech東京の設立後、東京全体のDX推進に向け、これまで区市町村との間でどのような体制を構築し、区市町村のニーズを把握してきたのか伺います。
○芝崎区市町村DX協働担当部長 昨年九月のGovTech東京の事業開始に合わせまして、都、区市町村及びGovTech東京の三者で協働する事業の方向性やテーマを協議する都・区市町村CIO協議会を設置し、オール東京のDX推進に向けた活発な意見交換を行っております。
加えて、よりフラットに顔の見える関係を築くため、複数自治体のDXを担当する幹部職員が参加するCIO座談会を開催しております。昨年度は五十五区市町村が参加し、各区市町村が抱える課題や先進的な取組について議論しております。
都は、こうした取組を通じてニーズの把握に努めており、区市町村からは、GovTech東京の専門性を生かした技術的なサポートや人材の確保、育成に係る支援のさらなる充実に期待するご意見をいただいているところでございます。
○石島委員 CIОを中心に様々なレベルで区市町村と意見交換を行っており、GovTech東京のデジタル人材による支援への期待も大きいようであります。
デジタル人材に限りがある中、限られたリソースを有効に活用し、現場のニーズを踏まえた効果的なサポートを展開していくことが重要です。
そこで、GovTech東京の事業開始の初年度、都内区市町村にどのような技術的なサポートを行ってきたのか伺います。
○芝崎区市町村DX協働担当部長 都は、区市町村でデジタル化のニーズの高い共通課題につきまして、GovTech東京のデジタル人材とデジタルサービス局職員がその解決に向けて継続的な支援を行うプロジェクト型伴走サポートを実施してございます。
令和五年度は、ウェブサイトの課題分析、改善や学童クラブの利用申請、公共施設予約のデジタル化といった三つのテーマで実施いたしました。延べ二十二自治体に対して状況に応じたきめ細かなサポートを行い、参加自治体からは五点満点で四・九点の評価をいただいたところでございます。
また、DX担当課だけではなく、事業所管課が主体的に取り組むことでBPRや業務改善の手法等のノウハウが蓄積できたという声をいただいております。
○石島委員 三つのテーマで伴走サポートを実施し、参加した自治体からは高い満足度、四・九の評価を獲得しているとのご答弁でした。
今後、より多くの区市町村の参加を得て、質の高い行政サービスが広がるように取り組んでいただきたいと思います。
一方で、区市町村のデジタルの課題は共通するものばかりとは限りません。都内区市町村は規模や地域特性も千差万別であり、抱えている課題も多岐にわたると考えます。
そこで、各自治体の個別のデジタルに関する課題にどのように対応しているのか伺います。
○芝崎区市町村DX協働担当部長 都は、区市町村がデジタル化を進める上で直面する個別の課題につきまして、GovTech東京のデジタル人材が解決に向けたサポートを行うスポット相談を実施しております。
ウェブフォームによりまして、デジタル担当課はもとより、事業所管課が直接相談できる窓口となっており、昨年度はペーパーレス化や仕様書のレビューなど、三十六自治体から延べ七十四件の相談に対応いたしました。
これらの相談対応を通じまして、区市町村の業務やデジタル化の実情を把握し、ノウハウを蓄積することで効果的な支援につなげてまいります。
○石島委員 個別の課題についてもデジタル人材がしっかりと対応していることは理解しました。より多くの自治体が利用し、頼れる相談先となるよう、引き続き支援を充実させていただきたいと思います。
ここまで、都やGovTech東京における技術的なサポートについて確認させていただきましたが、DXを進めるには、現場の実情をよく知っている職員が中心となり取り組んでいくことが不可欠であるということはいうまでもありません。区市町村が自立的にDXを推進できるよう、区市町村のデジタル人材の確保や実務を担う職員のデジタル力の底上げを図ることが重要です。
都では、区市町村のデジタル人材の確保や育成の支援にも取り組んでいるとのことですが、昨年度の取組について伺います。
○芝崎区市町村DX協働担当部長 都は、区市町村のデジタル人材育成を支援するため、各種勉強会や研修会を実施しております。
昨年度からはGovTech東京とも連携し、DXの基礎セミナーや生成AIなどのデジタルツールの実践的な使い方を学ぶ研修会を開催したほか、職員の意識変革を促し行動につなげるマインドセット研修などを自治体単位で実施し、延べ六千五百人以上の区市町村職員が参加してございます。
さらに、今年二月には、公共分野での活躍を希望するデジタル人材を紹介するGovTech東京パートナーズ事業を開始いたしまして、区市町村の人材確保を後押ししております。
○石島委員 GovTech東京も二年目に入り、真価が問われる一年になると思います。これまでの取組の成果や課題を踏まえるとともに、引き続き区市町村の声を丁寧に聞きながら、区市町村DXを牽引していただきたいと思います。
続いて、文書生成AIについて伺います。
ChatGPTの登場から二年がたち、文書生成AIの技術革新は目覚ましく、行政分野においても導入が進みつつあります。
文章生成AIは、業務効率化やサービスの向上に大きく寄与されることが期待される一方、回答の正確性や著作権の侵害など様々なリスクも指摘されており、十分に注意しながら活用していくことが必要です。
そこでまず、そうした課題も含め、都は昨年度の文書生成AIの利用開始に当たりどのように取り組んだのか伺います。
○斎藤デジタル基盤部長 都は、昨年八月の文書生成AIの導入に当たりまして、職員が入力したデータが外部のサーバーで利用、保存されることのない安全な利用環境を独自に整備した上で、全庁で活用を開始いたしました。
また、職員が文書生成AIの特性を理解し、回答の根拠や裏づけを確認するなど、正しく使いこなすことが重要であることから、利用上のルールを定めたガイドラインを有識者の意見を取り入れながら策定し、各局に周知を図ってまいりました。
さらに、職員が文書生成AIを利用する前にはeラーニング研修の受講を義務化し、ガイドラインに定めたルールの遵守を徹底いたしました。
○石島委員 私もガイドラインを拝見しました。文章生成AIの活用方法やリスク管理について非常に分かりやすくまとめられており、全国の自治体からも、都のガイドラインを参考にしたいとの声が寄せられていることは伺いました。引き続き、こうした都の取組を全国の自治体に積極的に発信してほしいと思います。
さて、このような革新的なツールが庁内に導入されたとしても、職員がそのツールを活用し、業務の効率化を図らなければ意味がありません。また、文章生成AIに適切な質問をしないと期待した回答が得られないなど、質問文、いわゆるプロンプトについてもこつのようなものがあると伺っており、好事例を共有することが重要であります。
そこで、職員による文書生成AIの活用に向けてどのような取組を行ったのか伺います。
○斎藤デジタル基盤部長 昨年十月に実施した職員アンケートでは、主にアイデア出しや文書作成に文書生成AIが活用されていることが分かりました。
一方で、業務への活用方法が分からない、効果的なプロンプトの事例を共有してほしいといった声も多くございました。
そのため、十一月から本年一月まで、職員間のディスカッションを通じて効果的な活用方法を考える庁内アイデアソンを九回開催いたしました。各局から百人以上の職員が参加し、挨拶文の原稿作成や議事録の要約、行政課題の解決案の提案といった業務に根差した活用事例や効果的なプロンプト事例など、百を超えるアイデアが出されました。
こうした職員のアイデアを含め、特に効果が期待できる三十四の事例についてまとめた活用事例集を一月末に作成し、継続的にメールマガジン等で各局職員に周知してございます。
今後とも、職員の声を聞きながら、文書生成AIの業務へのさらなる活用に向けて取り組んでまいります。
○石島委員 生成AIの技術を活用し業務の効率化を進めていく上では、常に新しい技術をキャッチアップし、それを活用することは大変重要であります。昨今では、回答精度を高める新たな技術の開発も進んでいると聞いています。
引き続き、生成AIについては、GovTech東京の技術力も生かし、行政の様々な分野で活用し、よりよい都政の実現に生かしていくことを期待して、質問を終わります。
○藤井委員 デジタルサービス局への決算質疑をさせていただきます。
最初に、都政の構造改革、シン・トセイについて伺います。
コロナ禍で、現金給付の支給の遅れや、また、都でも保健所とのやり取りがファクスであることがボトルネックとなって感染者数の把握ができないなど、日本の、特に行政のデジタル化が世界に取り残されていることが明らかになりました。
そういった課題を克服し、世界から選ばれる東京となるために、制度の根本から改革するということで始まったのが都政の構造改革、シン・トセイであります。
シン・トセイの取組も約四年が経過いたしまして、紙や判こが基本のアナログ環境からの脱却、ウェブなどを使った外部との打合せ、また、都民利用施設のキャッシュレス化など、DXをてことした改革は進んでいると認識をしております。またもしコロナ禍のようなことが起きても、同じようなことは起きないと確信をしているところであります。
一方で、デジタル化やDX自体は目的ではなく、都民の生活がよくなるということが非常に重要だということは、これまでも総務委員会の質疑などを通して皆様にも伝えてきたところであります。
そこで、昨年度、都民サービスの向上につながる都政の構造改革にどのように取り組んできたのかお伺いいたします。
○小林デジタル改革担当部長 都は、都民や事業者に対し便利で快適なサービスを提供するため、行政手続のデジタル化を進めており、令和五年度末には目標としていた七〇%を超える七八・九%のデジタル化を達成いたしました。
また、紙や対面で行っていた契約手続をオンラインで可能とする東京都契約請求システムを構築し、システム概要や稼働時期等を事業者に周知の上、本年四月にはデジタルサービス局から先行稼働しました。
都民との身近な接点である窓口につきましては、先行的に取り組む約百二十か所を選定し、昨年八月からデジタルツールの活用によるBPRを通じた改善提案を行いました。
さらに、サービス改善の輪を広げるため、好事例等を含む窓口業務改善に向けた取組指針を策定し、全庁展開を行いました。
加えて、昨年度中に都民からの意見をさらなるサービスの質向上につなげるユーザーレビューを全ての窓口に導入いたしました。
○藤井委員 私たちが提案をしてきましたデジタルファースト条例によりまして、都の行政手続の七八・九%のデジタル化を達成したということであります。
ただいま答弁がありましたように、行政手続や契約請求手続がオンラインでできるようになったり、窓口サービスも、ユーザーレビューを踏まえて日々改善が図られているということでありまして、都民の生活、都民がより使いやすい環境になってきているんだということを確認することができたところであります。
加えて、都民一人一人に行政手続が便利になったと思ってもらうためには、やはり何といっても、区市町村との連携した取組が欠かせないと思います。こちらは、GovTech東京等と併せて、今後もまたやり取りをさせていただきたいと思います。
シン・トセイの構造改革を前進させるためには、行政サービスの最前線で働く職員一人一人が改革マインドを持って取組を進めていただくことが重要です。
改革に向けた意識を職員に定着させていくため、昨年度、どのような取組を行ってきたのかお伺いいたします。
○小林デジタル改革担当部長 現場で改革を実践する職員に構造改革の意義や目標を共有するため、取組の展開方針やプロジェクトの内容、目標時期を明確に示したシン・トセイ4のデジタルブックを配信し、周知いたしました。
また、専用ポータルサイトを通じて最新の取組状況を共有するとともに、SNSのnoteを用いて、自ら考え実践する職員の取組をインタビュー形式で掲載するなど、顔の見える情報発信を昨年度は十六回行い、シン・トセイの取組の浸透を図りました。
さらに、職員一人一人が高い意欲を持って力を発揮できるオープン・アンド・フラットな組織づくりに向けて、全職員を対象とした研修を実施するとともに、組織や職層を超えて議論する場を十一回設け、延べ三百名ほどの若手職員が参加し、アイデアを改革に反映する取組を行いました。
○藤井委員 ありがとうございます。
noteの取組、今ご答弁いただきましたが、私も非常にいいなと思っておりまして、都庁の職員だけでなく、多分他の行政職員だったりとかも見ているものだと思いますし、私も最近見たのですと、アナログ規制の見直しの推進というものを見ておりまして、アナログ規制の見直しはこのnoteで発信しているだけではなくて、さらに規制の対象となっているものを見える化していて、ダッシュボード化するという取組もされていまして、まさにこのシン・トセイで取り組んできたことが一つの形になっているんじゃないかなと思います。
これに限らず、都庁の中でBIツールなどを使って見える化するということが今当たり前になってきているなと思っておりまして、本当にこれはシン・トセイの中で取り組んできたことの成果、効果なんだなというふうに確認をさせていただきました。
また、このnoteの活用というのも他の自治体にも広がっておりますので、東京都発でぜひこういった取組、さらに進めていただきたいと思います。
続いて、都のデジタル関連経費について伺います。
これまでも議会質問などを通じて、都のデジタル関連経費の見える化を進めるべきだと提案をしてまいりました。
第一歩として、台帳管理の強化などを進めてきたことをやり取りさせていただいておりましたが、昨年度、デジタル関連費用等の見える化はどの程度、どのように進んでいるのかお伺いいたします。
○佐藤DX推進調整担当部長 デジタル関連経費は、デジタル関連施策を効果的かつ効率的に推進するため、情報システムだけでなく、デジタル技術を活用した各局の事業に関する経費を全庁的に取りまとめたものでございます。
まず、全庁のシステムについて、予算額や機器構成、更新予定時期などの情報を一元的に管理するシステム台帳の整備からスタートし、令和四年度からは範囲を拡大し、人、物、ソフトウエアといった分野別での金額の見える化を行うなど、全庁的な取りまとめを行ってまいりました。
さらに、令和五年度からは、効果的なデジタルサービスの提供につなげるため、セキュリティやAI、クラウドに係る経費など用途別の分析を行うとともに、各局のサーバーを統合し、効率化を図るなどの取組を行ったところでございます。
○藤井委員 ありがとうございます。
見える化をなぜ進めるべきかというところなんですけれども、当然まず把握しないと、ITですので、デジタル機器など、やっぱり量をまとめてコストメリットを出していくだったりとかしていく必要があって、更新のタイミングとか様々なものが、かつてはデジタルサービス局、デジタル担当の方では把握できていない状況だったところが、今のご答弁の中で、かなりのところまで把握できるようになっているということだと思います。
今年の予算の本の方にもこのデジタル関連経費というものが出ておりまして、令和六年度は三千三百七十一億円と、前年度から六百十三億円増額しているということであります。しっかりと全体を把握した上で進めているということで認識をしておりますが、かつサーバー統合等、費用的にも抑えていくような方向で進めているということをご答弁の中で確認をさせていただきました。
一方で、やっぱりどうしても力を入れているというところもあって、デジタル関連経費というのがどんどん増えていく傾向にあって、どこが最適かという話はあるんですが、国ではデジタル庁をつくったことによって、ある程度そのデジタル関連経費を抑えていこうという話もあります、まあこれも何度も申し上げているんですけれども。いずれのタイミングかで最適なデジタル関連費用、ITの費用というものをしっかりとデジタルサービス局がコントロールしていくというか、必要があるんじゃないかと思っておりますので、そちらも併せてご検討をいただければと思います。
国ではデジタル庁がデジタル関連予算を一括計上してコントロールしている、各省庁に影響を与えているということでありますので、そういったことも含めて、都でも考えていっていただきたいと思います。
続きまして、つながる東京についてお伺いをいたします。
都では、二〇一九年に5Gの整備から、TOKYO Data Highwayというものを始めまして、さらに、つながる東京に向けては5Gに限らず、4GやWi-Fi、衛星通信など様々な通信手段を適材適所で活用して、都内全域で、いつでも、誰でも、どこでも、何があってもつながる東京の実現に向けて取り組んでいるところでございます。
都内の良好な通信環境を実現するつながる東京について、昨年度の取組状況をお伺いいたします。
○小野寺つながる東京整備担当部長スマートシティ推進担当部長つながる東京推進担当部長兼務 都民生活に欠くことのできない重要なインフラである通信基盤のさらなる整備に向けて、昨年度「つながる東京」展開方針を策定し、取組を進めてございます。
5Gについては、人が多く集まる駅や区市町村本庁舎などの周辺を高周波数帯5Gの重点整備エリアに設定し、アンテナ基地局の整備促進を進めております。具体的には、まちづくりの計画段階から通信事業者とデベロッパーが連携し、通信環境を整備する新たな取組を開始いたしました。
また、都保有アセットの開放を進めるとともに、区市町村の取組も後押しするため、定期的にワークショップを開催するなど、ノウハウを提供し、これまで五区市が保有アセット開放を行っております。
公衆Wi-Fiの整備については、安全で利便性が高い国際規格であるオープンローミング対応Wi-Fiを昨年度都立病院などの都施設六百三十四か所に整備し、アクセス数は、年度末に月当たり約百七十五万回となり、多くの方にご利用いただいております。
○藤井委員 つながる東京の実現に向けて、様々な通信手段の確保をしているということで確認をさせていただきました。
オープンローミングの取組など、都の施設で六百三十四か所に整備をしているということでありまして、さらなる横展開、特に海外の方が来て使えるのが多分望ましいかなと思いますので、さらなる横展開を期待するところであります。
また、私たちの会派は、二〇二一年に小池知事に、公立図書館での無料のインターネット環境の整備であったりとか、公民館におけるインターネット環境の整備も提案してきたところでありまして、これらの状況というのも、今後確認をぜひさせていただきたいと思います。
5Gの整備促進やWi-Fiの設置による通信環境の改善は非常に重要な取組でありますが、山間・島しょなど、通信困難地域もまだ存在しているところであります。
こういった地域には、今までの取組に加え、多様な通信手段の確保が重要であり、都も昨年度から衛星通信サービスの実証を行っているところです。
民間の衛星通信サービスの活用に向けた実証の取組状況について伺います。
○小野寺つながる東京整備担当部長スマートシティ推進担当部長つながる東京推進担当部長兼務 都は、通信困難地域の解消に向けて、衛星通信サービス活用の実証を昨年九月から開始いたしました。
具体的には、山間部や島しょ部の二施設及び海上船舶二隻に衛星通信アンテナや気象センサーなどを設置し、通信品質の検証を行っております。
昨年度の実証では、局所的な降雨や降雪時において一時的な通信品質の低下が見られたものの、いずれの場所でもウェブサービスや動画閲覧などが問題なく利用できる通信速度が計測されております。利用者のアンケートでは、約八割の方から、通信環境に好意的な回答を得ております。
○藤井委員 ありがとうございます。昨年度の実証の中で、局地的な降雨や降雪時に通信品質の低下が見られるものの、全体としては問題のない、いずれの場所でも問題なく利用できるものであるという知見が得られたということでありまして、また、満足度も約八割の方から好意的な回答が得られているということで、ぜひこういったところ、進めていっていただきたいなと思います。
山間・島しょ部及び海上を効率的にカバーできるこの衛星通信というのは、自然災害をはじめとする非常時の通信手段として有用であることが今般の能登半島の地震でも立証されているところであります。
今後とも、いつでも、誰でも、どこでも、何があってもつながる東京の実現に向けまして、衛星通信等の最新技術も取り入れながら、着実に取り組んでいただくことを要望いたします。
続きまして、基幹業務システムの標準化についてお伺いをいたします。これは基礎自治体、区市町村のものになります。
都はこれまで、開発事業者のリソースの逼迫などの状況を踏まえて、十分な移行期間や必要な移行経費の確保などを国に対して働きかけてまいりました。しかし、現在、都内でデジタル庁が移行困難システムの判定をしたシステムというのが十九自治体、三十六システムに及んでおります。いわゆるガバメントクラウドへの移行という、標準化というやつですが、十九自治体、三十六システムが期限までに移行は難しいとされております。
そこで、都は昨年度、基幹業務システムの標準化に関して、区市町村をどのように支援してきたのかお伺いいたします。
○芝崎区市町村DX協働担当部長 都は、区市町村の基幹業務システムの標準化に関して効果的な支援を行うため、国の進捗管理ツールを基に課題を精緻に把握、分析する独自のダッシュボードを昨年度構築いたしました。
これを活用し、各区市町村の個別課題の解決に向け、スポット相談窓口を設けまして、システム構成に応じたガバメントクラウドへの接続方法などの具体的な対応について、GovTech東京と連携して技術的な助言を行ったところでございます。
これに加え、税や生活保護など、各業務分野に共通する課題の解決に向けまして、区市町村と都の関係局で構成する六つのワーキンググループを設置いたしました。計二十二回のワーキングを通じて、現行システムの移行により生じる課題の洗い出しなどを行いまして、基幹業務システムに係る標準仕様書の解釈運用に関する国との調整や、新システムの構築に向けた区市町村の支援などを行ったところでございます。
○藤井委員 これは二十の基幹業務のシステムをガバメントクラウドに標準仕様に基づいて移行するというものなんですが、その国の標準仕様書がようやく出そろったのが昨年三月末のことであります。各市町村が本格的な移行作業に着手した昨年度の段階で、東京都も支援をしたということが確認できました。
また、東京都は今年十月十八日、先日ですね、国に対して、このガバメントクラウドに関して緊急要望というものを行っております。これはベンダーの一社であります富士通さんが期限までに標準化対応が間に合わないということを全国の約三百の自治体に通達したことが原因の一つでありますが、同じことがまたほかのベンダーさんで起きることも可能性として考えられますので、引き続き注視をしていっていただきたいと思います。
標準化をすることによって、各自治体のシステムが連携できたり、国の方でもしっかり対応ができるといったメリットはたくさんあると思いますので、これは何としても進めていただかなければいけないなと思う一方で、東京都のいうとおり、まだそのデータ、システム間の調整だったりとか、データ連携についての具体的な方針が示されていないなど、様々課題もありますので、しっかりと都内の区市町村を東京都としても支えていっていただきたいと思います。
GovTech東京をつくった東京都の担うべき非常に重要な役割だと思っておりますので、ガバメントクラウドへの移行、こちらの支援もしっかりとお願いをいたします。
続きまして、デジタル人材についてお伺いをさせていただきます。
デジタルサービス局の発足後、デジタル人材については、行政職員としてICT職を採用してきたところでありますが、一方で、これまで都庁のデジタル化の推進というのは、昨年度まで任用していた民間企業等出身のエンジニアを積極的に登用してきて、その方々が大きく寄与しているものだと思います。私もこれまで質疑等を通じて、その採用と適材適所での活躍を後押ししてきたところであります。
昨年度、高度な知識やスキルを有するデジタル専門人材は、DX推進にどのような役割を果たしたのかお伺いいたします。
○繁宮調整担当部長DX推進統括担当部長兼務 都は昨年まで、デジタル分野で高い専門性を有する特定任期付職員を任用しており、UI・UXデザイン、プロジェクトマネジメント、セキュリティなど、様々な分野の人材が令和五年四月一日時点で四十一名在籍しておりました。
都庁各局のデジタルサービス、システムの開発、ウェブなどの改善や、区市町村の伴走型支援などにおいて、高度なデジタルスキルを生かした技術的サポートを行うとともに、ICT職の育成などにも力を発揮いたしました。
○藤井委員 これまで応援をしてきた民間出身のデジタル専門人材の実績について、改めて確認ができました。
一方で、中長期的な視点を考えますと、DX施策全般を企画立案する都にとって、行政とデジタル双方に精通したICT職を確保し、そして育成していくということが重要です。
昨年度のICT職の職員数と育成に向けた取組状況について伺います。
○繁宮調整担当部長DX推進統括担当部長兼務 都は令和三年度から、デジタルの力で行政サービスの課題解決を担う人材としてICT職の採用を開始し、令和五年四月一日時点で百四十八名の職員がデジタルサービス局をはじめ各局の職場でDX推進に取り組みました。
ICT職の育成については、職員が有するスキルを可視化し、一元的に把握するデジタルスキルマップを活用し、個々のスキルに応じて強みを伸ばすとともに、不足する分野を補うための外部専門家による講座やグループ演習などのカリキュラムを柔軟に受講できるようにいたしました。
また、各職場のDX推進に必要な技術を学ぶため、ニーズの高いスキルを各局から聞き取り、昨年度は重点分野にクラウドサービスを追加するなど、ICT職がDXの牽引役として力を発揮するための取組を充実いたしました。
○藤井委員 外部から人材を確保するだけでなく、ICT職を採用してそのスキルを見える化するなどして、個々のスキルに応じて様々な研修を実施するなど、職員の育成にも着実に取り組んでいるというご答弁でありました。
また、必要な技術を学ぶため、ニーズの高いスキルを各局から聞き取って、クラウドサービスみたいなものも追加しているということで、柔軟な対応もされているということも確認をさせていただきました。
こういった専門人材に加えて、一方で、都庁のような大規模な組織でデジタルトランスフォーメーションを隅々まで普及、浸透させるためには、全職員のデジタルの力、デジタル力を底上げするということが重要です。
ICT職以外の全職員向けのリテラシー向上やリスキリングに関する昨年度の取組状況と今後の展開について伺います。
○繁宮調整担当部長DX推進統括担当部長兼務 デジタルリテラシー向上に向けましては、全職員を対象としたeラーニング研修を実施しており、昨年度は、職員からの声も踏まえ、実務に役立つツール活用の講座を充実させるなど、基礎から最新技術まで幅広く知識を習得できるようにいたしました。
また、各職場でノーコードツールを活用した業務改善を推進するため、実践型のリスキリング研修を実施いたしました。
さらに、昨年十一月に開設した東京デジタルアカデミーのポータルサイトには、職員向けセミナーや文書生成AI利活用ガイドラインなど八十九件のコンテンツを掲載し、職員が時間を有効利用して学習できる環境を整備いたしました。
昨年度末には、東京都デジタル人材確保・育成基本方針を改定したところであり、GovTech東京と連携しながら、オール東京のDXを推進する人材育成をさらに充実させてまいります。
○藤井委員 ありがとうございます。様々な研修、特にノーコードツールを活用した研修であったりとか、あとまたポータルサイトもつくっていただきまして、その中での様々な情報共有などもされているということであります。
全庁的にデジタル人材の育成が進んでいるということでありまして、例えば今後、都庁DXアワード、これ毎年やっているかと思いますが、こういったエントリー件数というのも増加していると聞いておりますので、こういった研修が一つよい影響を与えているんじゃないかと思うところであります。各職場にDXのマインド、機運が徐々に醸成されてきていることのまさに証明の一つではないかと思います。
今後は、このノーコードのツール、これは簡単につくれるものでありますが、より高いレベルで職員がアプリ等を内製する力の育成が重要であると考えております。場合によってはプログラミングをするであったりとか、そういったことも必要だと考えておりますので、そうすることによって、外部に発注する、その力もつくことになると思いますので、しっかりとその育成を進めていっていただきたいと思います。
先般、デジタル人材確保・育成基本方針が改定されたところでありますが、今後はGovTech東京の専門人材を生かしつつ、人材育成が一層充実していくことを期待しております。
最後になりますが、GovTech東京についてお伺いをいたします。
私たちがかねてより要望しておりました外部のデジタルの専門人材を扱うGovTech東京というのが、昨年九月から本格始動したところであります。都庁に限らず、東京全体での持続的な成長のため、区市町村を含めた東京全体のデジタルトランスフォーメーション、DXを実現していくというものであります。デジタルの技術者集団、GovTech東京の今後の取組に大いに期待をしているところであります。
昨年度、GovTech東京の民間出身のデジタル人材が取り組んだ主な取組と成果についてお伺いいたします。
○繁宮調整担当部長DX推進統括担当部長兼務 GovTech東京は、昨年九月から事業を開始し、都庁各局からの支援依頼に昨年度は三百件以上対応いたしました。
デザインやセキュリティ、プロジェクトマネジメントなど、個別課題に応じた高度な専門スキルを有するデジタル人材が参画することで、利便性の高いウェブサイトの構築など、都民満足度の高いサービスの提供につなげました。
また、区市町村支援につきましては、自治体共通の課題に対応するプロジェクト型伴走サポートを三つのテーマで延べ二十二自治体で行いました。デジタル人材の技術力や知見を生かした提案、現場でのハンズオン支援などによりまして、参加自治体から高い評価を得ることができました。自治体の個別課題に対応して、解決に向けたサポートを行うスポット相談も実施いたしました。
さらに、サービス変革の突破口として、都が推進するこどもDXについても、GovTech東京が子育て支援制度レジストリを作成するとともに、子育て支援情報をプッシュ型で配信するサービスを二自治体で昨年九月から開始するに当たり、大きく貢献いたしました。
○藤井委員 ありがとうございます。しっかりと取り組んでいるということを確認させていただきました。
ご答弁の中で、子育て支援制度レジストリをGovTech東京が二自治体と一緒に整備をしたということがあります。これは都内だけでなく、全国に横展開できる内容だと思いますし、たしかこども家庭庁でそういった取組をされているというふうにも聞いておりますので、こども家庭庁やデジタル庁とも連携をして、しっかりとこれ全国に普及できるように取り組んでいっていただきたいと思います。
昨年度まで、デジタルサービス局の民間出身のデジタル人材が都庁各局や区市町村を支援し、それぞれのDXを推進してきたところでありまして、今後はGovTech東京の技術者集団がその役割を担い、質、量両面から大きな成果を上げることでオール東京のDXを次のステージへと押し上げてもらいたいと期待をしているところであります。
一方で、まだなかなか都の注力する案件、例えば〇一八サポートみたいなものでも、申込みのサービス、ウェブの公開後になかなか、何ですかね、手間がかかるだったりとか、都民からの苦情というか、満足できないという声をいただくことがありますので、ぜひこういった大型の取組には早め早めに参加をして、より都民の満足度を上げていただくような取組もしていただきたいと要望させていただきまして、私からの質疑を終えさせていただきます。どうもありがとうございました。
○繁宮調整担当部長DX推進統括担当部長兼務 ただいまの答弁で、こどもDXのところなんですが、二自治体で昨年度三月から開始ということで、失礼いたしました、三月から開始が正しいものでございます。失礼いたしました。
○北口委員 私からも何点か確認をさせてください。
初めに、都政のDX推進に向けました各局へのサポートについてお伺いをいたします。
DXの推進は、都政が直面する様々な課題を解決し、都民の暮らしをより豊かにしていく上で極めて重要だというふうに考えております。また、DXを推進していくことで各局職員の皆様の業務がより効率的に働きやすくなっていくことも必要だというふうに思います。
都議会公明党はこれまでも、都民や事業者の方々の利便性を高めるため、都政の様々な分野でデジタルの力を最大限に活用した取組を進めるべきというふうに指摘をし、さらにデジタルサービス局が積極的に各局を支援し、都政のDXを牽引していくことが重要であるというふうに申し上げてまいりました。
昨年九月に新たにGovTech東京が発足し、デジタルサービス局との協働の下、都政のDXはさらに加速していくものというふうに期待しているところでございます。
そこでまず、都庁各局のDX推進に向けまして、令和五年度にどのようなサポートを実施していたのか伺わせていただきます。
○佐藤DX推進調整担当部長 デジタルサービス局では、各局が構築するシステムやホームページをはじめとするデジタルサービスの開発におきまして、その企画立案、設計、開発などの各段階で、GovTech東京のデジタル人材と共に、最適なデジタル技術の提案やUI・UXの向上に向けた助言、ユーザーテストの支援などを実施しております。
令和五年度は、都民、事業者向けの様々な支援策を分かりやすく情報提供するTokyo支援ナビの構築や、都内の高校生を対象としたプログラミングコンテストの開催を支援したほか、〇一八サポートにつきましてはマイナンバーカードをかざして簡単、便利に申請できる新たなシステムを構築するとともに利便性の向上を図るなど、三百六十一件の各局サポートを実施いたしました。
○北口委員 昨年度、合計で三百六十一件もの案件のサポートを実施したという答弁でございました。
それだけ多くのサポートの要請が各局からあるということに、都庁全体のデジタル化の取組が加速をしているというふうな証左であるかなというふうにも思っております。
一方で、このサービス、品質の面でどうかといいますと、先ほどもありましたけれども、例えば〇一八サポートについて、昨年九月の最初の申請受付開始時は、申請方法が分かりづらい、時間がかかるといった声があったというところでございます。
その後、利用者の声を丁寧に聞き、申請時間が大幅に短縮するなど、利用者目線での改善が図られたというふうにも聞いております。こうしたこの地道な取組を継続して、サービス品質を向上させていくということが大変重要でございます。
そこで、各局のデジタルサービス品質を向上させていくために、デジタルサービス局、GovTech東京が令和五年度に行った取組についてお伺いをいたします。
○佐藤DX推進調整担当部長 都庁各局のデジタルサービスの品質向上に向け、令和五年度から開発の段階で品質をチェックする新たな基準を定め、デジタルサービス局、GovTech東京が各局のサービス開発に当たり、技術的な関与を行う仕組みを導入いたしました。
具体的には、デジタルサービスの企画立案段階において、事業の目的や課題、成果等を明らかにするサービスキャンバスの作成や、一定規模以上の事業について、デジタル開発工程の各段階で当局への協議を義務づけ、基準に適合しているかを確認することで品質の確保につなげております。
さらに、全庁の重要な新規プロジェクトを重点DX事業と位置づけ、予算編成過程で技術的な観点から当局が評価を行うとともに、サービスリリースに向け、GovTech東京と連携し、企画段階から一貫したサポートを行っております。
これらの取組を通じ、各局への技術的関与を強化することで、都民が真に利便性を実感できるデジタルサービスの提供に貢献してまいります。
○北口委員 GovTech東京も二年目に入ります。今後ますますこの成果が求められてまいります。
このデジタルサービス局、GovTech東京が、高度な技術的知見に基づき、協働して各局DX推進の牽引役としての力量を一層発揮し、真に都民、事業者に利便性を実感してもらえるようなサービス創出をしていくことを今後も期待をしております。どうぞよろしくお願いいたします。
次に、区市町村のDX支援についても伺わせていただきます。
この都政のDXと併せまして、住民に身近な区市町村のデジタル化の支援を行うことも大変重要でございます。
先ほど来も質疑ございますけれども、都内六十二の全ての区市町村が参画してこのGovTech東京がスタートを切ることができたということは、非常に意義のあるものというふうに考えております。
時間や空間の制約にとらわれずにサービスを提供できるのがデジタルの強みであるというふうに思いますけれども、その実現には、デジタルツールなどの活用が不可欠でございます。
しかしながら、様々なツールの中から機能を評価し、行政として使い勝手のよいものを選ぶということが大変重要でございますけれども、そういったスキルのある人材が不足していることや、多額の予算が必要となるということから、都内区市町村ではこの導入をちゅうちょするケースがあるとも聞いております。
都とこの六十二区市町村のスケールを生かして、優れたツールやシステムを各区市町村が単独で調達するよりも有利な条件で導入することができれば、区市町村にとっても大きなメリットが生まれて導入や活用に弾みがつき、デジタル化が進んでいくものというふうに考えております。
GovTech東京では、都と区市町村で連携した共同調達を進めておりますけれども、令和五年度における共同調達の実施状況についてお伺いをいたします。
○芝崎区市町村DX協働担当部長 区市町村のDXを推進するため、ニーズが高く、費用面でのスケールメリットが見込めるデジタルツールやデバイスなどにつきまして、複数の自治体分を取りまとめて購入する共同調達を昨年度から開始いたしました。
令和五年度は、GovTech東京がツール等の選定や事業者の募集、決定を行いまして、パソコンやAI議事録、eラーニングなど五つの項目で共同調達を実施し、都内三十の自治体等が参加したところでございます。
これにより、単独で購入するよりも、自治体によっては一〇から五〇%超のコストメリットを創出することができ、五つの項目全体で約二十億円を超えるコスト削減を実現いたしました。
○北口委員 GovTech東京が事業を開始して初めての共同調達でございましたけれども、にもかかわらず三十の自治体等が参加をして、二十億円ものコストメリットを創出したということでありまして、区市町村にとっても大きなメリットがあったことを確認させていただきました。
購入を一本化したことには、コスト以外のメリットもあったと考えます。
そこで、今回、この共同調達に参加した自治体にとって、コストメリット以外でどのような効果があったのかお伺いをいたします。
○芝崎区市町村DX協働担当部長 GovTech東京が調達の取りまとめ役となることで専門的な知見を活用し、ツールの技術的な評価選定や仕様書の作成、事業者の募集決定などを一元的に行いまして、参加自治体等の負担を軽減いたしました。
また、共同調達したツール等につきまして、事業者による操作講習会の開催や事例紹介、行政現場での効果的活用方法の提案などを実施し、参加自治体間でのノウハウの共有や業務効率化につながる付加価値を創出いたしました。
○北口委員 共同調達によるコスト面といった直接的なものだけではなくて、このノウハウの共有などの効果も出ているということでございます。こうした効果を多くの区市町村に広げていけるよう、共同調達のテーマや、そして参加自治体の拡大に精力的に取り組んでほしいと思うところでございます。
GovTech東京の事業開始初年度ということもあり、まずは導入が比較的容易な既存のツールの共同調達から開始したものだというふうに思いますけれども、私は住民サービスや業務で使うシステムについても、区市町村がばらばらに構築するのではなくて、共通化することが望ましいというふうに考えております。
将来的には、このGovTech東京がその技術力を生かしまして、区市町村が共同で利用できるシステムを開発するなど、よりさらなるコスト削減や業務効率化につなげてほしいというふうに思うところです。
また、都庁DX、この区市町村DXに加えまして、東京都の各種財団など、都行政の一翼を担う関連団体のDXもぜひ進めていただきたいということを要望して、次の質問に移らせていただきます。
続いて、最後に、サイバーセキュリティ対策についてお伺いをいたします。
社会全体のデジタル化により都民の利便性が高まる一方で、デジタルサービスの安全・安心な提供や、増え続ける重要データの保護など、このサイバーセキュリティ対策がますます重要となってまいります。
サイバー攻撃は日々巧妙化、複雑化しておりまして、令和四年には大阪急性期・総合医療センター、そして、令和五年には名古屋港においてランサムウエア被害が発生し、社会経済や住民生活に大きな影響を及ぼしました。都においても、都民生活を支えるこの重要なインフラや行政サービスを提供するシステムのセキュリティ対策が急務でございます。
都は令和五年度に、サイバーセキュリティ対策として六億五千万円余りを執行しております。サイバー攻撃に対する新たな強靱化対策に取り組んだとのことでございます。
そこで、令和五年度に都が新たに行ったセキュリティの強靱化対策について、その取組をお伺いします。
○田畑情報セキュリティ担当部長デジタル基盤担当部長兼務 東京都は、サイバーセキュリティポリシーに基づき、不正アクセスなどの技術的対策や全職員を対象とした定期的な研修などを通じまして全庁的な取組を進めてまいりました。
令和五年度につきましては、高度化、巧妙化するサイバー攻撃に対応するため、重要システムを対象とした実践的なセキュリティ対策を新たに開始いたしましたところです。
関係局とも連携し、外部専門家の知見も取り入れながら、高度で実践的な攻撃者視点のテストや訓練などを行うことで、各局の重要システムのサイバー攻撃への対応力のさらなる向上に取り組んできたところでございます。
○北口委員 重要システムがサイバー攻撃を受けますと都民生活に重大な影響を及ぼしかねないため、しっかり対策を行う必要があります。
具体的な内容についてもちょっと確認をさせてください。
まず、この攻撃者視点のセキュリティテストの取組について、都の取組を伺わせていただきます。
○田畑情報セキュリティ担当部長デジタル基盤担当部長兼務 令和五年度は、病院や水道などの重要インフラに関連するシステムなど八システムを対象としまして、サイバー攻撃による重要情報へのアクセスや保有データの改ざんなどを防止できるか、技術的に検証するためのテストを実施いたしました。
具体的には、外部の専門家が対象システムの設計図や運用マニュアルを確認の上、都庁外から疑似的な攻撃を行い、システムに脆弱性や設定の不備が存在しないかを確認いたしました。
本テストで明らかになった脆弱性などについては、各局が速やかに対策を実施し、セキュリティレベルの向上を図ってまいりましたところです。
○北口委員 都がサイバー攻撃に対応するため、高度なセキュリティテストに取り組んでいることを確認させていただきました。
日々、サイバー攻撃は高度化しておりまして、いつどのシステムが攻撃を受けても不思議ではありません。ぜひ今後とも継続的に取組を進めていただきたいと思います。
さて、こうした技術的な対策のレベルアップは重要でございますけれども、サイバー攻撃が発生した際には、職員の迅速な初動対応も大事なポイントとなります。現場で対応に当たるシステム担当者の教育や訓練が重要と考えます。
そこで、サイバー攻撃を想定した実践的な訓練の取組についてお伺いをいたします。
○田畑情報セキュリティ担当部長デジタル基盤担当部長兼務 令和五年度は、都民向けの情報提供サイトや業務系インフラなど四システムの運用担当者や委託事業者などを対象といたしました。
外部の専門家がシステムごとの運用状況やリスクを踏まえて実際に起こり得る重大なサイバー攻撃を想定したシナリオを作成し、これに基づいた訓練を実施いたしました。シナリオを事前に知らせないブラインド型で訓練を行い、想定外の事態が発生した際の職員の判断や対応を専門家が検証し、改善に向けたフィードバックを行いました。
参加者からは、重大なサイバー被害を想定した訓練でリアリティーがあった、事故対応の課題が可視化できたといった声がございまして、職員の対応能力の向上に貢献いたしました。
○北口委員 DXを推進していく上で、都民が安心してデジタルサービスを利用できる環境が重要でございます。セキュリティ対策をデジタル化の両輪として一層力を入れていただくことが求められます。
都が引き続き最新の知見や技術を活用してセキュリティ対策を強化していただくことを要望しまして、私の質問を終わります。
○大山委員 それでは、私、生成AIについて質問します。
今、様々な分野でAIが社会に大きな変化をもたらしています。とりわけ、生成AI、この進歩には目をみはるものがあります。
その一方で、生成AIの基盤である深層学習の技術を確立してノーベル物理学賞を受賞したカナダ・トロント大学のジェフリー・ヒントン名誉教授からは、AIが人間のコントロールを超えるおそれについて注意を払う必要があると度々警告が発せられています。
多くの技術と同様に、生成AIの進歩を止めることはできません。生成AIの拡大に遅れることなくルールや必要な規制を行って、混乱や悪影響を抑える必要があります。この立場で質問したいと思います。
都は昨年度から、文書作成において生成AIの活用を始めました。都が使用している生成AIはどのような情報を学習しているんでしょうか。また、その情報の中には、匿名加工情報を含め、個人情報が含まれているのかも併せて伺います。
○斎藤デジタル基盤部長 都が導入した安全な文書生成AI利用環境において使用している生成AIは、その開発事業者によると、大規模言語モデルの学習には、インターネット上で自由かつオープンに利用、入手可能な公開情報のみを使用しているとされております。
個人情報など、開発事業者が学習するべきでないと判断した情報は、フィルターをかけて取り除くこととされてございます。
○大山委員 生成AIは何を学習しているのかというと、インターネット上で自由かつオープンに利用、入手可能な公開情報のみを使用していると開発事業者がそういっていると。また、匿名加工情報を含め、個人情報が含まれているのかということについては、開発事業者が学習させるべきではないと判断した情報は、フィルターをかけて取り除くということですね。
つまり、学習することも学習すべきでないものを判断するのも、開発事業者ということでいいですね。
○斎藤デジタル基盤部長 開発事業者によれば、モデルの学習は、個人データ保護に係る高いコンプライアンスの下で行い、大量の個人情報を集約しているウェブサイトを除外するなど、個人情報の処理を減らすための適切な措置を講じているとしてございます。
また、都では、文書生成AI利活用ガイドラインを定め、職員の利用に当たりましては、個人情報など権利侵害がないことを慎重に確認することをルールとしてございます。
○大山委員 今のご答弁の中にありました大量の個人情報を集約しているウェブサイトというのは、どういうものを想定しているんでしょうか。
○斎藤デジタル基盤部長 開発事業者は、ご指摘のウェブサイトを具体的に公表しておりませんが、開発事業者によれば、モデルの学習は、個人データ保護に係る高いコンプライアンスの下で行い、個人情報の処理を減らすための適切な措置を講じているとしております。
○大山委員 大量の個人情報を集約しているウェブサイトというのはどのようなものかというのは分からないけれど、開発事業者がちゃんとやっているといっているから大丈夫だと思っているということでしょうか。
つまり、生成AIの肝になる、何を学習するか学習すべきでないかは開発事業者任せということです。ネット上の情報は真実もありますが、うそや根拠の乏しい情報もあります。個人情報や著作権に触れるものもあるということです。それだけに活用には慎重さが求められます。
現在、生成AIは日進月歩で発展し、その活用の場も広がっていますが、社会的なインフラと呼ぶにはまだまだ揺籃期だと。都はどのように認識していますか。
○斎藤デジタル基盤部長 職員が文書生成AIを活用するに当たりましては、安全な利用環境の下で、文書生成AIの特性を理解し、回答の根拠や裏づけを確認するなど正しく使いこなすことが重要であることから、利用上のルールを定めたガイドラインを策定し、周知を図っております。
○大山委員 文書生成AIの特性を理解することや、回答の根拠や裏づけを確認することなど、ガイドラインをつくって周知しているということなんですけれども、そのこと自体は必要なことですが、まだまだ生成AIについては揺籃期です。そして、社会的に活用していくには、まだまだ問題点、課題が多くあります。そのことへの認識は今示されませんでした、答弁の中でね。
伺いますけれども、生成AIが作成したもの、回答したものには、事実に基づかないものが生成される場合があります。こうした現象をハルシネーションと呼ぶそうですけれども、都はこうした事実に基づかないものをどのように見分けて対策を取っているんでしょうか。
○斎藤デジタル基盤部長 都は、ガイドラインで、文書生成AIが生成した回答の根拠や裏づけを必ず自ら確認することをルールとして明記するとともに、eラーニング研修やメールマガジン等を通じてルールの遵守を徹底しております。
○大山委員 こちらも回答の根拠や裏づけを自ら確認ということですね。しかし、生成AIで生成された偽情報を見分けることは非常に困難だといわれています。
また、生成AIに限らず、AIを利用する際の問題点としてイライザ効果というものもあります。これは一九六六年に発表された対話型ロボットのイライザに由来するものですけれども、そのロボット、AIとの対話は、プログラムやアルゴリズムの設定で行われていると理解していても、無意識に人間的な回答と感じて感情移入してしまうという現象です。そのことにより誤りや正確さを見落としてしまうリスクがあります。ただ自分で確認すればいいというだけにはならない場合も想定する必要があります。
次に、生成AIが生成したものは、予期せず著作権に抵触したり、個人情報が含まれていたりすることがあります。都はそうした対策をどのように行っていますか。
○斎藤デジタル基盤部長 都は、ガイドラインで、文書生成AIが生成した回答を外部に公表する場合には、権利侵害がないことを慎重に確認することをルールとして明記し、必要に応じて専門家による調査や確認等を行うことを求めてございます。
○大山委員 慎重に確認ということですけれども、つまり外部に公表する際は、権利侵害などのリスクがあるということです。
先ほど、都の使用している生成AIは、開発事業者のシステムを使い、インターネット上の情報を学習させているというご答弁ありました。インターネット上には、時限的に無料で公開されている作品だとか、新聞、雑誌などの記事などの情報があふれています。これらは著作権に関わります。また、インターネット上やSNSなどで部分的に公開されている個人情報でも、集積することで個人が特定できてしまうリスクもあります。これらのデータは、個人の行動だとか、嗜好だとか、政治信条など非常に機微な情報を含みます。
個人情報は、EUでは一般データ保護規則で、個人情報は情報主体である個人のものであると明確にして、情報の基となる個人によるアクセス権、訂正の権利、消去の権利、取扱いの制限の権利、異議を述べる権利などの権利を定めています。
しかし、日本では、個人情報保護や権利の観点が極めて脆弱です。こうしたリスクは、生成AIの活用範囲を広げれば広げるほど大きくなります。
現在は文書作成を生成AIで行っていますが、活用の範囲を広げていく検討や議論はなされているのか伺います。
○斎藤デジタル基盤部長 業務効率化や都民サービスの向上に向け、最新の技術動向を踏まえながら検討を進めてまいります。
○大山委員 業務効率化や行政サービスの向上も、リスクと表裏一体では意味がありません。最新技術には、想定外の危険性も潜んでいることは少なくありません。活用分野を広げる際には、都民や議会や専門家などの意見をよく聞いて、慎重に行うことを求めておきます。
EUでは、生成AIの活用について、利便性とともにその危険性も視野に入れて、規制が二〇二六年から全面施行されます。基本的人権の侵害や生命への影響、サブリミナル効果による行動操作、行動に基づき個々人をランクづけする、そして、なりすましや詐欺などのリスクが挙げられていますが、日本ではこのようなリスクを回避する規制はありません。
都は、こうした生成AIのリスクについてどのように認識していますか。
○斎藤デジタル基盤部長 国は、AI戦略会議を設置し、自治体を含む事業者がAIを安全・安心に活用できるようガイドラインを策定するとともに、技術の変化や国際動向を踏まえたAI制度の在り方について継続的に検討を行っております。
都といたしましても、国の動きを注視しながら、適切に対応してまいります。
○大山委員 経済産業省が四月にまとめたAI事業者向けガイドラインでは、公平性、透明性などの十原則を掲げて偽情報対策を強化する方針ですが、厳しい罰則を伴う法整備を進めているEUとは異なって、法制での規制をしないで、事業者の自主性に委ねる方針です。
EUでは、AIの開発や運用を規制する世界初の包括的なAI規制法が発効しました。
EUのAI規制法というのは、ちょっと見てみましたが、AIのリスクを四つの段階に分類して、高いほど規制を厳しくしているんですね。一番リスクが高いものは直ちに禁止です。また、二番目の高いリスクには、事前審査や利用記録の保持といった厳格な規制を遵守させます。三番目の限定的なリスクの場合は、文書や画像をAIで作成した旨を明示するように義務づけています。ゲームなど今まで述べてきたリスクに該当しないAIの利用は最小限のリスクとして、強制的な義務は課さないで行動規範にとどめると。違反した企業には、最大三千五百万ユーロ、約五十五億円、もしくは世界の年間売上高の七%という巨額の制裁金を課す規定も設けています。
これまで述べてきたように、生成AIにはまだまだ問題点があり、そうしたリスクから都民を守る上でも、都の生成AI活用には慎重を期して、国にも権利尊重とリスクを回避する規制の検討を求めるよう要望して、質問を終わります。
○もり委員 デジタルサービス局関係について伺います。
令和五年度はスマート東京の実現など、東京のDXを推進するためのデジタル関連経費は二千七百五十八億円が計上され、令和四年度に比べ四百二十四億円増加しました。
デジタルサービスの目的は、都政のDXにより、都民が実感のできる利便性の向上、都政のQOS、クオリティー・オブ・サービスの向上にあります。高齢者、子育て世代、障害者といった行政サービスにアクセスしにくい方がデジタルの力によって行政サービスを利用しやすくなることを願い、幾つかお伺いをいたします。
高齢者DXの推進が、かえって利用できない方の参加や情報格差を生まぬよう、デジタルに不慣れな方に寄り添う情報格差の解消、デジタルデバイド対策が重要です。
令和五年度の新規事業として、高齢者のQOL向上のためのデジタル活用支援に二億円が計上されております。また、TOKYOスマホサポーター制度は、令和四年度の八千万円から二億円と大きく増額をされました。
それぞれの実績と取組から見えた課題を伺います。
○巻嶋デジタルサービス推進部長スマートシティ推進担当部長兼務 都は、デジタルを活用した高齢者のQOL向上に向けて、区市町村と連携しながら、身近な施設で気軽にデジタルについて相談、交流できる場の創出を進めており、令和五年度は約千三百回実施いたしました。利用者アンケートでの満足度も高く好評であり、区市町村からは、独自の工夫を取り入れてさらに取組を進めたいとの声がありました。
TOKYOスマホサポーターについては、令和五年度末で約千四百名が登録しており、都主催のスマホ体験会や相談会を中心に活動いただきました。さらに、サポーターの活動の場を広げるため、区市町村などにも活用を働きかけました。
○もり委員 ありがとうございます。
高齢者の方、特にコロナ禍では本当に孤立をしていたような現状もありましたので、こういったスマホに触れることで地域の活動につながったり、また、今スマホサポーターの方、大学生の方など様々な年代の方が登録をいただいているということで、ぜひ区市町村でも活用が広がるよう、さらなる取組をお願い申し上げます。
東京都では、こどもDXの取組など、これまでの申請主義からサービスを必要とする方へプッシュ型でサービスを届けるとしており、先ほども質疑がございましたが、この点について、令和五年度の事業の進捗について確認をさせていただきます。
○福田二〇三〇戦略担当部長こどもDX推進担当部長兼務 都は令和五年九月に、東京デジタル二〇三〇ビジョンを策定し、都民の利便性を飛躍的に向上させるためのサービス変革にこどもDXを突破口として取り組んでおります。
プッシュ型子育てサービスにつきましては、GovTech東京と協働し、自治体における支援制度のデータベースを整備した上で、子育て世代がふだん利用している民間アプリと連携し、本年三月に二つの自治体からプッシュ配信を開始いたしました。
○もり委員 ありがとうございます。
子育てサービスは、子育てでいっぱいになっているお母さんにとっては、プッシュ型でお知らせが来るというのは本当に助かることで、様々なよい行政サービスがありながら、必要としている方に届いていないということをなくすためにも、様々な分野でプッシュ型の行政サービスの提供が図られることを願っております。
先行事例としては、江戸川区と瑞穂町で先行実施をされている旨を伺いました。ぜひよい事例で得た知見については、より取組が区市町村に広がるように要望をいたします。
こうした取組について、自治体におけるDXが求められますが、先ほどデジタル人材の不足の課題については他の委員からも質問がありましたので、省略をいたします。
GovTech東京の事業によって、区市町村の人材確保の後押し、また、昨年度は延べ六千五百名以上の区市町村の職員が研修会に参加をされたということで、小さい自治体ですと本当に研修に出かけることも困難という現状もありますので、eラーニングに取り組んでいただいていることを伺いました。ぜひ多くの自治体の方が参加できるように、さらなる取組をお願いいたします。
令和五年度の新規事業では、デジタル技術を活用した聴覚障害者コミュニケーション支援事業など、所管はこれは福祉保健局になりますけれども、情報保障機器の普及促進は、来年のデフリンピック二〇二五大会の開催に向けても加速化が求められると考えます。共生社会の実現に向けて、デジタル技術の果たす役割はますます大きくなっており、障害者のデジタルデバイドの解消も急務になっていると考えます。
障害者のデジタルデバイド対策について、令和五年度どのように取り組んだのかお伺いをいたします。
○巻嶋デジタルサービス推進部長スマートシティ推進担当部長兼務 都は、視覚障害者や聴覚障害者を対象としたスマートフォン体験会を令和五年度に開始いたしまして、年度末までに約百回開催し、延べ二百五十名以上が参加いたしました。
体験会では、基本操作に加え、便利なアプリ等の体験をプログラムに盛り込むとともに、少人数、複数回制で段階的に学べるようにしたほか、点字教材の事前配布や手話通訳の用意など、きめ細かくサポートを行いました。
○もり委員 ありがとうございます。
障害のある方が、本当にデジタル技術を活用して、より社会にアクセスがしやすくなることを願っております。
デジタル化の推進とともに、公共施設等においてもタッチパネルの設置が増えておりますが、視覚障害者の方にはタッチパネルだと何があるのかが分かりづらい、読み取ることができず困ってしまうことがあるとの声も伺ってまいりました。都内の合理的な配慮の取組が前進するよう願うものです。誰もが情報にアクセスしやすくなるよう、さらなる取組もお願いをいたします。
デジタルサービス局では、都有施設でも、誰でも使えるWi-Fiアクセスポイントの整備に取り組んでおり、一方で、二〇二〇年をピークに東京メトロや大手コンビニが無料Wi-Fiサービスを終了させるなど、公共無料Wi-Fiのサービスを終了させています。
訪日外国人向けの旅行情報サイト、GOOD LUCK TRIPの令和五年五月の調査では、訪日外国人旅行者が訪日中に困ったことの一位がWi-Fi環境と答えています。
Wi-Fi環境の整備は訪日外国人への対策としても有効だと考えますが、令和五年の取組についてお伺いをいたします。
○小野寺つながる東京整備担当部長スマートシティ推進担当部長つながる東京推進担当部長兼務 都は、昨年八月に策定した「つながる東京」展開方針に基づき、インバウンド対応としても有効な国際規格であるオープンローミング対応Wi-Fiの整備を推進しております。
昨年度は、旅行者なども多く訪れる都立の美術館や都立公園など六百三十四か所への整備を行い、運用を開始いたしました。
○もり委員 ありがとうございます。本当に多くの都有施設において整備が進んでいるというご答弁をいただきました。
そのことなんですけれども、TOKYO強靱化プロジェクトにおいても通信の途絶対策があり、災害時において通信網は重要な命綱の一つであります。誰もが必要とするときにインターネットにアクセスできるよう、さらなる取組をお願いするとともに、先ほど藤井委員の質疑においては、山間部ですとか海上においても衛星を使った通信網が拡充をされているということを伺いましたので、ぜひ一層の取組を求めるものです。
デジタルサービス局は、各局が実施をしている行政サービスにアクセスしやすくするためのツールとして、本当にいろいろな様々な取組をしていることを確認させていただきました。
一方で、私が区議時代には、当時、住基ネットのシステム構築を自治体で見てきたんですけど、そのときかなりな巨額なシステムを構築して、数年でまたシステム更新費をかけて、今はあまり使われずにマイナンバーに移行しているような現状があって、何がいいたいかというと、やっぱりデジタル化が目的になってはいけなくて、本当に都民の利便性の向上につながるように、先ほどデジタル関連経費については、デジタルサービス局が局の取組について一元的に管理をするのが望ましいという質疑もありました。
デジタル化の推進においては、システム更新費も多額なため、デジタル化によって本当にサービスが向上したのか、過大な投資になっていないか、費用対効果についても検証と見える化を求め、質問を終わります。ありがとうございます。
○河野委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
午後三時十六分休憩
午後三時四十分開議
○河野委員長 休憩前に引き続き分科会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○上田委員 私は、デジ局の設立から、GovTech東京の開始から疑義を、疑義というか必要性と存在意義について、常に定点観測をさせていただきまして、このたび決算に入れまして、デジ局の審査に当たれるということは大変ありがたいなと思って、そういった観点から質疑をさせていただきます。
デジタルファースト推進でございます。
東京デジタルファースト条例及び東京デジタルファースト推進計画に基づいた行政手続のデジタル化に向けての取組の進捗、行動指針、規範の浸透は順調でしょうか。
決算年度に見えてきた課題について伺いたいのですが、事業概要は見れば分かりますので、事業概要にあるような通り一遍なことではなく、やはりデジタル化といっても、かなり悲喜こもごもの格闘がやっぱりあると思うんですね。立ち行かないことを乗り越えたことなど、忌憚なくご説明いただければと思います。
○芹沢デジタル戦略部長 デジタルファースト推進計画に基づく行政手続のデジタル化でございますが、第一期の最終年度である令和五年度末には、デジタル化率は七八・九%となり、目標の七〇%を達成いたしました。
また、職員がデジタルサービスに携わる上での共通の価値観としてデジタル十か条を定めており、全職員を対象とした研修や周知を行った結果、令和五年度末の十か条の認知度は約八五%に達しております。
職員への浸透は進んでおりますが、こうした共通の価値観を実践し、デジタルサービスを提供していると考えている職員はまだ少ない状況でございます。令和五年度に各局CIO補佐官を通じたさらなる取組等を行うことで、十か条を実践している職員の割合は二〇%超に向上したところでございます。
○上田委員 デジタル十か条を「政策って、デザインだ。」都庁職員みんなで実践する#デジタル十か条ということで取り組んでいることですが、なかなか一足飛びにはいかないようであります。
その中でやはり中心人物が必要ということから、CIO補佐官を決算年度から各局に設定されていらっしゃいます。ただ、私は、人事委員会でも総務局でもですね、職員の、やはりコロナが、本当に皆さんもまた私自身も、一つのトラウマというのではないんですけれども、大変だったことがどうしても心に残っております。
都庁もかなり頑張っていらっしゃって、混乱をしたっていうことが記憶に残っているので、日常業務で忙しい管理職がやはり就任されております。プロジェクト管理など、業務が何か増えないかなと老婆心ながら心配しております。
負担にならずに、無事デジタルサービスの品質向上に貢献できているか。CIO統括補佐官が取りまとめ、逆にスムーズに進めるために開始して改善したこともあろうと思います。成果、評価と前向きな課題解決に向けた取組を伺います。
○佐藤DX推進調整担当部長 CIO補佐官は、各局のデジタルサービス開発の企画立案からリリースまでの各工程の進捗管理や、品質の確認などの取組を通じて、各局のデジタルサービスの品質向上を推進しております。
デジタルサービス局では、CIO補佐官が統一的にその役割を果たせるよう、昨年度は四回の連絡会を開催し、必要な情報をタイムリーに提供するとともに、クラウドサービスやサイバーセキュリティ等、最新の技術動向に関するセミナーを行うなど、リテラシー向上を支援しております。
さらに、各局のプロジェクトの進捗を一元的に管理できるツールを提供し、業務を効率的に行える環境を整え、CIO補佐官の負担の軽減を図っております。
○上田委員 各局にCIO補佐官がいるということで、今回、私、目玉の事業だなと思うのが、各局の予算編成過程におきます技術的評価を、デジ局が中心と、まあCIO補佐官も中心となってやっていると思うんですけれども、決算年度は各局にどのような意見をしたのか、去年の予算編成つくっているときに意見をしたと思うので、ご説明ください。
○佐藤DX推進調整担当部長 予算編成過程において、各局の一定規模以上のプロジェクトに対しまして、当局がデジタルサービス品質の確保、向上の観点から技術的な評価を行っております。
昨年度の例では、行政分野を横断する情報管理システムの構築に当たりまして、より効果的な運用が可能となる基盤としていくことや、ユーザビリティー向上などの技術的意見を付しております。
○上田委員 システム構築は屋上屋に重ねてもいけませんし、ユーザビリティーが悪かったりすると、日常業務に支障を来すということで、非常にここ重要だと思います。評価をしたいと思います。
東京のDX推進強化に向けた新たな展開として、都と区市町村が共同してDXを効果的に進めるための新たな枠組みをつくるとして、ほかの委員も指摘していましたが、デジタル専門人材を共同活用する取組、共同調達などを行う取組をしております。
中でもCIO協議会による連携強化に着目をしております。資料を見れば、かなりの自治体が参加しております。勉強会や研修会、協議会も大切なんですけれども、DX推進というのは日々の業務ですから、継続的な作業が遅滞なく進むことが肝要で、あれ、どうするんだっけっていうことが結構多発すると思うんですよね。
GovTech東京と共に区市町村をきめ細かくサポートしていくということが前提ですので、こうした日常的なフォローも大切に思います。所見や成果、課題を伺います。
○芝崎区市町村DX協働担当部長 都は、都・区市町村CIO協議会などを通じて把握した課題のうち、デジタル化のニーズが高く共通する課題につきまして、GovTech東京のデジタル人材と共に、継続的な支援を行うプロジェクト型伴走サポートを実施しており、延べ二十二自治体が参加してございます。
また、区市町村ごとに個別に抱える課題も様々であることから、実情に応じたきめ細かなサポートにつなげるスポット相談も設けており、三十六自治体から延べ七十四件の相談に対応いたしました。
○上田委員 うちみたいな七十万都市から三多摩地区とそれぞれ個性も地勢も違うと思います。スポット相談も受け付けているところでございました。
デジタル人材については、特定任期付、会計年度任用で確保しているということなんですが、技術と技術者の定着も大切と思います。
令和五年度は転職希望者や学生に対して、ICT職の採用活動を強化したということですが、成果はいかがでしたか、状況を伺います。
○繁宮調整担当部長DX推進統括担当部長兼務 ICT職の採用については、昨年度新たに転職を希望する社会人向けのオンライン配信イベントを開催したほか、新卒の学生などを対象にインターンシップを複数回実施いたしました。
また、昨年十月には、東京都デジタル人材採用情報サイトを開設し、ICT職の採用情報等に加え、業務内容や魅力を職員インタビューの記事を通じて伝えるなど、採用PR活動を強化いたしました。
結果として、今年度のICT職への採用申込者数につきましては、前年度比約一五%増の二百四名となりました。
○上田委員 確保ができつつあるということでございます。
一方、情報解析、DX化の進展は、まさに日進月歩でございます。都庁ホームページにおけますウェブアクセシビリティーの向上に向けての取組と課題、統一基準に従っていることは承知しておりますけれども、デジ局も設置され、取組強化もされておりますことから、障害者、情報弱者等対策を例にアクセシビリティー対応につき、具体的にご説明ください。
○佐藤DX推進調整担当部長 デジタルサービス局では、各局のホームページ等のアクセシビリティーに関する統一基準を策定し、音声読み上げ機能や文字サイズ、色合い変更機能等の導入促進を図っております。
また、統一基準に係る準拠状況を調査するなど、各局と連携してウェブアクセシビリティーの確保、向上に取り組んでおります。
○上田委員 統一基準どおりはありがたいんですけど、今ちょうど、ほかの委員もそうだと思うんですけど、事務事業の状況でございまして、令和六年度の事務事業なのに、局によっては令和五年度のまま、なおかつPDFが上がっているんですけど、文字検索ができない。そのたびに局に内線して、六年度上げてください、文字検索できるようにしてくださいっていわなきゃいけなくて、こうしたアナログ的な部分でも、ちょっとチェックをしていただけるとありがたいなと思っております。
空飛ぶクルマです。
都内における空飛ぶクルマを活用したサービスの早期事業化を目指し、プロジェクト実施者に空飛ぶクルマを活用した検討及び事業化に向けた実証実験に対する支援、飛行実証に対する支援を行うんだそうです。
令和四年度はビジネスモデルの具体化、令和五年度以降の飛行実証の計画、準備の支援を行ったそうですね。機体の開発状況や、国による制度整備の動向等を踏まえつつ、令和五年度は二月頃に行うヘリコプターを用いた飛行実証によるオペレーションの検証等に向け支援を行っておりますが、これまで一億近く支出をしております。
都民のお金ですので、どのような支援を行ったのか、具体的に、この資料の10でございますね、令和四年度が一千六百五十万円と、令和五年度が八千万近いということでございますので、具体的な民間事業者名を明示の上、ご説明ください。
また、都が支出する必然性と、将来的にはどこを、空飛ぶクルマじゃないんですけどね、着地点としているのか、いつまで支援し続けるかも伺います。
○巻嶋デジタルサービス推進部長スマートシティ推進担当部長兼務 空飛ぶクルマは、渋滞の回避や交通不便地域における移動手段の確保など、東京が抱える社会課題の解決策となり得るため、都は、その社会実装を「未来の東京」戦略に位置づけて取組を進めており、本事業では民間事業者によるビジネスモデル構築を目指して支援を行っております。
令和四年度から、三菱地所株式会社等三者で構成されるコンソーシアムのビジネスモデル検証を支援し、令和五年度には、機体の代替としてヘリコプターを用いて、公募したモニターを乗せた飛行を行い、運航上の課題などを検証いたしました。本事業の成果を将来の社会実装につなげてまいります。
○上田委員 大阪万博でも目玉だったんですけど、結局間に合わなかったっていうことがありまして、検証の検証をどこまで都がやるのかっていうのを都度していただければと思います。
TOKYO Data Highwayです。
都は、5Gを中心とした高速モバイルネットワーク電波の道、TOKYO Data Highwayとして整備を推進するために、令和元年八月二十九日に基本戦略を策定、令和五年度には公衆Wi-Fiや衛星通信などの通信手段を加え、「つながる東京」展開方針を策定、これが目指す全体像と通信手段ごとの整備、活用に関する取組の方向性、二〇三〇年を目標としたロードマップを示した上で、新たな施策を展開しておりますが、つながる東京について、昨年度の取組状況を伺います。
○小野寺つながる東京整備担当部長スマートシティ推進担当部長つながる東京推進担当部長兼務 重要なインフラである通信基盤のさらなる整備に向けて、昨年度「つながる東京」展開方針を策定し、取組を進めてございます。
5Gにつきましては、人が多く集まる駅や区市町村本庁舎などの周辺において、アンテナ基地局の整備促進を進めるとともに、まちづくりの計画段階から通信環境を整備する取組を行っております。
また、都保有アセットの開放に加え、ノウハウの提供を通じて、区市町村の取組も後押ししております。
公衆Wi-Fiについては、国際規格であるオープンローミング対応Wi-Fiを昨年度都施設六百三十四か所に整備いたしました。
○上田委員 区市町村も本庁舎周辺で頑張ってくれているんですけど、さっき例のデジタル十か条を検索して出したいなと思って、デザインだっていっていたのがなかなか上がってくれなくて、「政策って、デザインだ。」都庁職員みんなで実践する#デジタル十か条だったんですが、本当つながらない都議会なので、ぜひつながる都議会Wi-Fiにしていただきたく、デジ局からも都議会の方にご協力を、お願いしていただきたいと思っております。
デジタルツインです。
令和五年度は、庁内の地理空間データを局横断的に連携するための連携基盤の本格運用を開始するとともに、都市のデジタルツイン構想に向けて、センサー等により取得したリアルタイムデータの活用可能性の実証など、デジタルツインの将来的な社会実装に資する技術検証、試行実施事業に取り組んだとのことですが、成果の報告と、3Dモデルで見る東京サイトはどのくらい活用されているのか確認したく、アクセス数と利用事例などもお願いしたいんですね。これ読んでいる私も八割ぐらいから何やっているのか分からないので、ご丁寧にご説明いただければと思います。
○池田データ利活用担当部長スマートシティ・データ連携担当部長兼務 昨年度運用を開始した庁内データ連携基盤については、各局が保有する建物の属性情報などの地理空間データを掲載しており、約四百二十のデータを庁内で横断的に利用することが可能となりました。
また、リアルタイムデータの検証事業では、関係局と連携し、AIカメラや自動車の走行データを活用した交通量把握の実証等を行い、今後のデジタルツインへの活用に向けた課題等を整理いたしました。
東京の3D都市モデルに様々な情報を重ねられる東京都デジタルツイン3Dビューアーは、昨年度は約四万八千回閲覧されており、利用事例といたしましては、河川のリアルタイムの水位や洪水、浸水想定区域の把握などがございます。
○上田委員 私の江戸川区のような東部低地帯には、非常に必要不可欠なリアルタイムの水位、洪水、浸水想定の把握が生かされているとのことでございました。
また、ちょっとよく分からないので、確認させてもらいたいんですが、オープンデータです。
東京都オープンデータカタログサイトの利用状況と、都知事杯ハッカソンの令和五年度の応募者数は六百五十九名とのことですが、順調に増えてきているのかご報告ください。
また、エントリーした方々からもオープンデータに関する使い勝手など、使う人たちで、結構そういう人たちって詳しいと思うんですよね、貴重なご意見もいただけるかと思いますが、そうした双方向的なやり取りはやっているのでしょうか。五年度は八件のサービスが社会実装に至ったことですので、詳細な説明もお願いいたします。
○池田データ利活用担当部長スマートシティ・データ連携担当部長兼務 東京都オープンデータカタログサイトでは、昨年度末時点で各種支援制度やバリアフリー施設情報など、約六万三千件のデータを掲載し、多くのデジタルサービスに活用されておりまして、例えば子育て世帯向けの検索サイト等のサービスに利用されております。
都知事杯オープンデータ・ハッカソンの応募者は、令和三年度は百八十六名、令和四年度は四百二十三名、昨年度は六百五十九名と着実に増加しております。アイデアソンや意見交換会等では、参加者から様々なご意見をいただき、取組に生かしております。
昨年度は八件が実装され、都知事杯を受賞したサービス、支援みつもりヤドカリくんは、社会福祉施設等一覧のオープンデータを利用した都民が必要な行政支援にアクセスするためのシミュレーターでございます。
○上田委員 このヤドカリくんですけど、議員もよくこういうご相談を受けるので、これは大変使えるなというふうに思いましたし、これを使うことで区市町村に問合せが、もうこれで済んじゃうというようなことで、業務が大分軽減されることが期待できるなというふうに思った次第でございます。
デジ局とGovTech東京の健全性担保についてでございます。
福祉局、総務局に次いで、またデジ局が残業が多く、私のところへも苛酷な勤務状態について、複数匿名での告発のようなお問合せがありました、ご家族からもありました。
デジ局の残業状態はどうなっているのでしょうか。過労死ラインを超える職員数と比率をご説明ください。
また、残業申請ができにくい環境になっていませんか。サービス残業を結果的にさせてしまう風土、無理やりじゃないんですけど、遠慮しちゃって、いえないような風土になっていないか、ちょっと心配しているんです。過労死ラインの実質把握はできているでしょうか、所見を伺います。
デジ局だけではなく、同じくGovTech東京においても確認します。
○深井総務部長 デジタルサービス局において、長時間労働面接の対象となった職員は、令和五年度の月平均で約四十五名、在籍職員に対する比率は約一三%となっております。
職員の勤務状況について、管理職は適切に確認を行い、超過勤務手続が適正に行われるよう徹底してございます。また、健康障害を防止するため、所属長が長時間労働面接を通じて職員の健康状況等を把握し、指導助言を行い、職場環境の改善に努めております。
一般財団法人GovTech東京においては、労働基準法等に基づき適切に対応しており、令和五年度に三六協定に定める上限を超えて超過勤務をした職員はおりませんでした。
○上田委員 資料、2にも、都の派遣職員が三十六人いるということでございますから、GovTech東京の方も、もちろん労働基準法に基づくのは当然のことでございますが、派遣の職員からも状況が聞けるような関係性があるかと思うので、よい意味で実行していただければと思います。
同じく、局の職員のやはり残業一三%っていうのは結構あるかなというふうに思っておりますので、引き続き改善に努めるということでよろしくお願いいたします。
当初、博報堂が受け、トラブルが出続けた時短協力金申請業務は、随意契約でトランス・コスモスが急遽受注していました。従前から指摘をしておりますが、一般社団法人コード・フォー・ジャパン、株式会社デジタルガレージ、トランス・コスモス株式会社のどの企業も宮坂副知事のヤフー時代に提携など深い関係があった企業です。
これらの事業者と副知事の就任以来も含めて、何らかの利害関係があるのか。また、この三社において、ほかの都政事業における受注状況と実績、その評価を一般質問で宮坂副知事に確認したところ、なぜか政策企画局長が、副知事が所管ですからと、なぜか局長が答えました。
デジ局にも、GovTech東京について宮坂副知事に質問したところ、GovTech東京の設立準備に関する業務を所管する立場として私が答えると、何か局長がやっぱり答えてくれたんですね。
宮坂副知事は、局長答弁でもよさそうなほかの議員の質疑には喜々として答弁しているのに、副知事にしか答えられない私の質問に関して、今までただの一度も答えていただいたことがありません。
副知事の存在意義とは何か、疑問なことから、宮坂副知事と局長の所管の内訳、責任分界点、何が副知事で、何が局長なのか、議決機関、我々への答弁も含めて、改めて確認させてください。
○深井総務部長 地方自治法によれば、副知事は、知事を補佐し、知事の命を受け、政策及び企画をつかさどり、その補助機関である職員の担任する事務を監督することとされており、局長については、東京都組織規程において、知事及び副知事の命を受け、局の事務をつかさどり、所属職員を指揮監督することとされており、関係規定に基づき適切に事務を執行しております。
議会においては、質問のご趣旨に応じて適切に答弁を行っております。
○上田委員 だから、政策について聞いているんだけど、局の事務をつかさどる局長が答えちゃったということで、でも論旨がこれで何だかすっきりしましたし、質問の趣旨に応じて適切に答弁ということでありますので、過去ほかの議員には副知事が答えたことを、例えば今日の問題としてブラッシュアップしたら、きっと宮坂副知事はお答えになるんだろうなということの確約を得たような形として、確認をさせていただきました。
デジ局において、この三社、コード・フォー・ジャパン、デジタルガレージ、トランス・コスモスが関わっている事業はあるのか確認をいたします。あるとすれば、利害関係、健全性、決定に至る経緯を、公明、公正に行われているのか、確認をいたします。
○深井総務部長 令和五年度において、一般社団法人コード・フォー・ジャパンとの契約は二件、株式会社デジタルガレージは一件、トランス・コスモス株式会社は一件となっております。
契約については、地方自治法や東京都契約事務規則など関係法令等にのっとり、公正かつ適正に行っております。
○上田委員 上田ロックオン三社は、やはり四件あったということでございます。
私は、GovTech東京新設直前に、外郭団体は外部の目が届きにくく、民主的統制の観点から、この団体のガバナンスに外部の目をどのように入れていくのでしょうか、トップとなった宮坂副知事が連れてきたフェローが要職に就くことになりますまいか、DXの私物化を大いに危惧するものです、よもやそのようなことがないのか、宮坂副知事に説明を求めますと質問をしました。これさっきのとおり。そうしたら、副知事、これ政策ですよね、根幹ですよね、そうしたら局長がお答えに出てきましてね、新団体が効果的に機能するガバナンスや経営管理体制など、設立構想の具体化に向け幅広く検討を進めているところでございますと答えました。副知事じゃなくて局長が答えました。
こちらの資料、7をご覧いただけますれば、フェローにコード・フォー・ジャパンの代表理事の関治之さんが就任しています、あのコロナサイトですね、緑のですね。本当混乱の中、契約日の翌日、たった一日でリリースされたコード・フォー・ジャパンです。
私もIT関係の会社におりましたが、事前に仕様書などない限り、一日でリリースなどできるわけがありません。私としては、大変疑わしい人選と都民に疑われるのではないかと危惧するものでございます。
このコロナサイト、受注の健全性も含めて、この人選で私物化はない、健全性が保たれているとする根拠が見いだしにくいので、都民に説明できるように所見を伺います。
○深井総務部長 デジタルサービスフェローについては、デジタルの力を活用した行政の総合的な推進等に関する助言、支援等を目的として設置しており、デジタル分野の専門知識を有する適切な人材をデジタルサービス局が委嘱しております。
フェローには、規定に基づき、任期中及び任期後を通じて、職務上知り得た秘密について守秘義務を課すとともに、情報の利用を禁じています。
なお、契約は、地方自治法や東京都契約事務規則など関係法令等にのっとり、公正かつ適正に行っております。
○上田委員 私の予言どおり、コード・フォー・ジャパンの関さんが、予言というか、心配した、フェローになって、やっぱり五年度は二件、コード・フォー・ジャパンとの契約をデジ局において発注しているということでございますので、手続上は問題ないかもしれませんけれども、引き続き注視をさせていただきたいと思います。
デジ局が誕生する前の当時の政策企画局職員が委託事業者に対して契約外の業務の実施を指示し、戦略政策情報推進本部職員がこの下請業者に予算額をあらかじめ示し、二名が懲戒処分が下されたことを指摘しましたが、一般質問では利害関係はないとの答弁をいただいております、これ宮坂副知事とですね。
宮坂副知事就任以降、民間登用という名の下に、活発にベンダーやメーカーの人材を採用してきたことに着目してきました。この職員の前歴やその後の去就なども、ずっと注視をしております。その後、資料、4のとおり、副参事が決算年度に懲戒処分を受けております。
DX政策に不正や癒着が入り込まないよう危惧しております。というのが、このDX政策って目に見えないんですよね。箱物だと、道路だとか建物だとか、何となく国民、都民、区民も目につくんですけれども、私は見えない箱物というふうに思っているんですけれども、採用も含めた厳しい再発防止策を講じるべきですが、よもや副知事とは利害関係はないか、これら懲戒処分を受けての所見も含め、対応を伺います。
○深井総務部長 当局の特定任期付職員の採用に当たっては、書類選考、面接に加え、デジタル分野の専門性や実務経験を確認した上で、人事委員会の承認を得て、公平、公正に実施してまいりました。
特定任期付職員に対しては、地方公務員が遵守すべき服務規律や契約事務手続等に関する研修を採用時に実施するとともに、チェックリストによる自己点検やコンプライアンスを高めるための啓発を適宜実施しております。
○上田委員 改めまして、GovTech東京について、起案、稟議、合議、決裁、決定につき、時系列でつまびらかにした上で、都の出資規模、具体的組織、運営方法、出向者とプロパー職員の比率も含め、これまでの経緯をご説明ください。
○繁宮調整担当部長DX推進統括担当部長兼務 都は、令和四年九月にGovTech東京設立構想を発表し、令和五年四月に設立準備委員会を発足させ、設立手続等を進め、七月に一般財団法人GovTech東京を設立いたしました。
都からの出捐金は八億円でございます。GovTech東京は、令和五年九月に事業を開始し、法令等にのっとり、評議員会、理事会を設置し、運営しております。組織は、テクノロジー本部等四本部であり、令和五年度末の職員数は、都派遣職員三十六名、固有職員三十四名でございます。
○上田委員 最後になりますけど、このGovTech東京に退職後に再就職した二十五人ですが、先ほど私が指摘したように、懲戒処分を受けた職員は就職していまいか懸念しますし、ヤフー関係者、ベンダー、メーカーの中途採用者を、一回都庁に勤めて、そのまんまGovTech東京にスライドなどしていないか気になりますことから、この点の健全性が担保するのか伺います。
○深井総務部長 都を退職後、GovTech東京に採用された職員についてでございますが、退職管理条例に基づき適正に手続を行うとともに、GovTech東京において、面接等選考を行い採用しております。
○上田委員 ベンダーやメーカー出身者の職員をどんどん採用していくっていうのは、一つ、技術の確保や安定には貢献すると思いますが、それらから都に発注をする場合がございます。今こういう時代なので、そこで東京都に転職した人の元いた会社が、そこに発注が決まって、その人が中心的に関わっているとか、そういった情報も、こういう時代なので入るし、調べれば分かるというような状況の中、先ほど来いっているように、新しい目に見えない箱物として、本来はデジタル化することで要らない経費を圧縮していくということが目的でございますので、そうした無駄や不正が入らないような、引き続きましての運営を求めるものでございますし、最後に、やはり残業体制の方は本当に見直していただきたいと思います。
貴重なやっぱり技術者で人材でありまして、今回一五%増えたということで、彼らが疲弊したり、長期休暇を取ったりするような、ましてや退職することのない組織風土−−もともとデジタル局って、そうした若い人っていうか、やる気がある人たちが入ってきて、風通しはいいように拝見をしておりますので、大事に育てて、また環境の整備を、アナログな人間関係とかそういったところも、デジタル局だからこそ推進してつくってほしいなということを申し上げまして、私の質疑を終わらせていただきます。
○河野委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○河野委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上でデジタルサービス局関係を終わります。
○河野委員長 これより子供政策連携室関係に入ります。
決算の審査を行います。
令和五年度東京都一般会計決算中、子供政策連携室所管分を議題といたします。
本件につきましては既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○山本総合推進部長DX推進担当部長兼務 去る十月十一日の当分科会におきまして要求のございました資料についてご説明申し上げます。
恐れ入りますが、お手元の令和五年度各会計決算特別委員会第一分科会要求資料の表紙をおめくりいただきまして、目次をご覧ください。資料は七点でございます。
一ページをご覧ください。東京都こども基本条例の普及啓発等の実績でございます。
東京都こども基本条例の解説動画の制作など、普及啓発等の取組及びその内容を記載しております。
二ページをご覧ください。子供政策連携室で実施した子供の声や意見を聴く取組とその規模またそれをどのように生かしたのかでございます。
二ページから三ページにかけて、子供の居場所におけるヒアリングや、こども都庁モニターなど、子供の声、意見を聞いた取組とその規模、意見の反映例を記載しております。
四ページをご覧ください。「チルドレンファーストの社会の実現に向けた子供政策強化の方針二〇二三」及び「こども未来アクション二〇二四」(概要)でございます。
四ページから五ページにかけて、それぞれの資料の公表日や位置づけなどを記載しております。
六ページをご覧ください。組織横断的な取組の推進に関する主な取組実績でございます。
六ページから九ページにかけて、乳幼児「子育ち」応援プログラム推進事業外九件の取組について、概要及び実績を記載しております。
一〇ページをご覧ください。こどもスマイルムーブメントの主な取組実績でございます。
令和五年度における主な取組につきまして、時系列で記載しております。
一一ページをご覧ください。「子供の居場所におけるヒアリング」の主な取組実績でございます。
(1)には、ヒアリングの実施状況を記載しております。(2)には、当室で作成しました子供の居場所で聴いた声の冊子の配布状況を記載しております。
一二ページをご覧ください。子供・長寿・居場所区市町村包括補助事業の区市町村参加状況でございます。
一二ページから一三ページにかけて、当室所管のChildren分野につきまして、新規採択年度、自治体名などを記載しております。
以上、簡単ではございますが、資料の説明を終わらせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○河野委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○石島委員 子供は遊びを通して、他者と関わりながら、様々な体験を重ね、人間性や社会性を培っていきます。遊びは、子供の健全な成長、発達に欠かすことができません。
我が会派は、従来の行政の領域を超えた遊びという政策課題こそ、子供政策連携室が中心となって真正面から取り組むべきであること、そして、子供が思い切り遊べる場は、身近な地域につくり出すことが重要であることを訴えてまいりました。
都は、子供の遊び場等整備事業補助金によって、区市町村が実施する遊び場等の整備を後押ししていると認識しています。
そこでまず、子供の遊び場等整備事業補助金について、事業内容と昨年度の採択状況について伺います。
○小松企画調整部長 子供の遊び場等整備事業補助金では、区市町村が子供の意見を踏まえながらプレーパークやボール遊び場をはじめ、地域資源を活用した多様な遊び場を整備する取組に対し、補助率十分の十、一か年度当たり一億円を限度に最大三か年の補助を行っております。
昨年度は十三の区市町から申請がございまして、六区市の事業を採択いたしました。
○石島委員 補助率十分の十、補助期間が最大三か年というのは、遊び場等の整備に取り組もうとする区市町村にとって、財政面からは強力な後押しになるというふうに考えます。
また、補助の対象となる事業は、子供の意見を踏まえることとなっており、これは子供のニーズに応じた遊び場等の整備促進につながる大変重要な視点でもあります。
区市町村が子供に意見を聞いて、整備内容に反映させていくことは、これまでの公園整備などではあまり見られないアプローチだと思いますが、昨年度採択した事業において、どのような工夫がされているのか伺います。
○小松企画調整部長 昨年度の採択事業におきましては、例えば近隣の小学校や特別支援学校に通う子供たちを対象にワークショップなどを実施し、ボール遊び場やプレーパークの整備、インクルーシブ遊具の設置など、公園整備の設計に反映している取組がございます。
また、未就学児の保護者向けのワークショップや小学校での授業形式の意見聴取、中高生向けのウェブアンケートなど、多様な手法によりまして、異なる年代の子供たちの声を集め、未就学児、保護者のための子育て広場や青少年を対象とした学習交流機能などを持った屋内施設の設計に反映し、整備する取組などがございます。
○石島委員 子供の意見を反映させる取組が着実に進んでいることは理解しました。
区市町村の中には、子供の意見を聞き取って反映することにハードルを感じるところもあるかと思いますので、優良事例の共有など、都として丁寧かつ効果的な区市町村への支援を要望して、次の質問に移ります。
遊び場整備の質疑で、子供の意見を踏まえた区市町村の取組を都が支援していることが分かりました。遊び場の話に限らず、子供政策を推進していくためには、当事者である子供の声を丁寧に聞くことが大切です。
そのためには、多様な手法を用いて子供との対話を行い、その声を政策に反映するとともに、統計調査から得られた客観的なデータに基づいて政策を進めていく視点も大変重要であります。
昨年、都は、子供に関する定点調査であるとうきょうこどもアンケートを開始しました。
この調査は、子供の置かれている環境や子供の意識などについて幅広く聞いていくもので、子供の実像を客観的に把握することができる調査だと認識していますが、定点調査の具体的な内容とその活用状況について伺います。
○小松企画調整部長 定点調査は、従来の行政分野の枠組みにとらわれることなく、子供に関する実態や意識の変化を継続的に把握するため、昨年度開始した取組でございます。
昨年の調査では、全体の傾向といたしまして、自分自身への肯定感が高く人間関係や周囲の環境に満足しているなど、肯定的な評価をしている子供が多い結果となりました。一方で、育児を男女で同じぐらいするべきと回答した割合が、男性の方が女性よりも一〇ポイント以上低いなど、ギャップがある実態も明らかとなりました。
調査結果につきましては、子供政策を推進するためのエビデンスとして、各局に共有するとともに、毎年度継続的に実施することで経年変化について分析を行うなど、より実効性ある子供政策の推進に生かしてまいります。
○石島委員 昨年の調査結果の概要と、その内容が庁内で共有されていることは確認できました。長期的に調査結果を評価、分析することで、なすべき課題を浮き彫りにし、子供政策を推進する根拠の基盤として、都庁全体で活用が進むよう求め、次の質問に移ります。
東京都こどもホームページについて伺います。
東京都こどもホームページは、子供と都政をつなぐプラットフォームとして、令和四年度に公開されました。昨年の各会計決算特別委員会において、我が党は、子供が単にホームページに触れて楽しむだけではなく、そこから得られた発見や気づきを基に、東京の歴史や文化を学び、郷土愛を育むことにつながっていくことを期待すると述べたところであります。
そこで、都は、このホームページを通じて、東京の魅力や愛着を感じてもらうために昨年度どのような取組を行ったのか伺います。
○臼井プロジェクト推進担当部長 未来を担う子供が楽しみながら東京の魅力を感じ、都政への関心を高めてもらうことを目指し、東京都こどもホームページの公開後も継続的に子供から意見やアイデアを聞き取り、コンテンツの充実を図っております。
具体的には、学校の活動や地域の魅力を紹介するこども新聞、地域マップの作品を追加したほか、クイズ形式で都内の自然や文化を巡る東京の魅力すごろくの内容を拡充し、都内全区市町村の魅力を学べるようにいたしました。
また、新たなコンテンツとして、都内の観光名所や地域の名産等をタイピングしながら学ぶ東京こどもタイピングレースを公開するなど、ホームページのバージョンアップを図りました。
○石島委員 子供たちが常に新たな発見や気づきを得る魅力的なホームページとなるよう、子供の声も聞きながら、継続的にバージョンアップを図っているという答弁がありました。
一方で、どんなに労力をかけて改善を重ねても、子供たちの目に触れる機会を増やさなければ意味がありません。内容の充実と利用機会の増加という両輪があって、初めてこのホームページが掲げる子供と都政をつなぐというコンセプトが実現されるものと考えます。
そこで、東京都こどもホームページの一層の活用の促進に向けて、どのような取組を行っているのか伺います。
○臼井プロジェクト推進担当部長 当事者である子供の認知度向上を図るため、SNSによる発信や「広報東京都こども版」への掲載など、家庭や学校に対し広く周知を行ってまいりました。
また、公立小学校における一人一台端末への本ホームページの導入に向けまして、区市町村教育委員会と連携を進めた結果、導入済みの自治体数は、令和四年度の一区から、昨年度は二区に拡大し、今年度は現在十七区市までさらに拡大をしております。
こうした活用促進策によりまして、学校において日常的に子供がホームページに触れることが可能となったことと相まって、昨年度から導入した東京こどもタイピングレースが好評を博しまして、人気コンテンツとして浸透したことなどにより、閲覧数につきましては、令和四年度月平均約三万ページビューから、昨年度は月平均約九万ページビューに大幅に拡大いたしました。さらに、今年度は、単月ベースで最大約一千百万ページビューにまで飛躍的に増加しております。
引き続き、東京都こどもホームページがより多くの子供の目に触れ活用されるよう、様々な工夫を凝らしながら、戦略的に取り組んでまいります。
○石島委員 区市町村教育委員会との連携や、ホームページの継続的なバージョンアップが実を結び、東京都こどもホームページのアクセス数が飛躍的に向上し、広く子供たちが日常的に活用していることは理解しました。
今年度に入ってから、単月ベースで最大一千百万ページビューまで増加したとのことですが、このアクセス数は行政のホームページとしては極めて異例の画期的な数字で、民間サイトでも一千万ページビューという数字はプレス発表に値するインパクトのある数字だと思います。
東京都こどもホームページは、子供と都政をつなぐというコンセプトを掲げ立ち上げられたものですが、これだけ多くの子供たちと都政がつながっていることは、高く評価されるものであり、このポテンシャルをいかに活用していくかが今後の課題であると考えます。
現在、一人一台端末へのホームページの導入が十七区市まで拡大しているとのことですが、さらなる拡大を強く希望するところです。
これからも子供たちが楽しみながら、東京の歴史や文化を学び、郷土愛を育むことにつながるよう、内容の充実と利用機会の増加を車の両輪に、東京都こどもホームページのさらなるバージョンアップと活用促進を強力に推進することを求め、質問を終わります。
○山田委員 子供政策連携室には、これまでの都庁の各政策を改めて子供目線で検証して、行政の縦割りの構造を超えて、よりよい取組へと進化させていくということが期待されております。
その第一歩として、私、令和五年予算特別委員会の締めくくり総括質疑において、都は子供政策連携室が各局で行っている都の子供に関わる政策全般を子供目線で毎年度ごとに確認して、よりよい事業につなげていく仕組みを構築すべきと質問いたしました。
そこで、こども都庁モニターの取組など子供の声を取り入れながら、都政の政策全般に対する子供の意見やニーズを継続的に把握する、その取組の状況と成果について伺います。
○小松企画調整部長 令和五年度は、従来から取り組んできた子供の居場所におけるヒアリングやSNSアンケートなどに加えまして、年代別に公募した千二百人のモニターに対し、各局施策に関するアンケートを行うこども都庁モニターを新たに創設するなど、多様な手法を用いて、一万八千人の子供の声を聞き、子供政策のバージョンアップに取り組んでまいりました。
例えばボール遊びやスポーツができる場所を求める声が多かったことから、子供の遊び場等整備事業におきまして、ボール遊びやスケートボードができる場所を整備する事業を採択いたしました。
また、ヤングケアラーの理解促進を図るためには、学校の授業で実施するのがよいという意見が多かったことから、学校で出前授業を行うなどの取組を実施いたしました。
○山田委員 ありがとうございます。一万八千人ということで、非常に多くの子供の声を確認して、施策に反映してきたということが理解できました。ぜひ今後も同様の取組、継続していただいて、政策を不断に強化していただきたいと思います。
次に、とうきょうすくわくプログラムについて伺います。
私たち、就学前教育の質の向上を訴えてまいりましたけれども、その観点から、非認知能力や探究の習慣をつけていく幼稚園、保育園に共通する就学前教育のプログラムが極めて重要であります。
都は昨年度、CEDEP、東京大学大学院教育学研究科附属発達保育実践政策学センターと連携したプログラムの開発を進めて、とうきょうすくわくプログラムを策定しております。
そこでまず、この幼保共通のプログラムの開発について、昨年度の取組の状況とその成果について伺います。
○小松企画調整部長 都は、とうきょうすくわくプログラムの策定に向けまして、令和五年度、都内四つの自治体の幼稚園、保育所十四園に協力いただき、東京大学CEDEPと連携しながら、ベータ版プログラムを実践いたしました。
具体的には、園庭で集めた葉っぱを光る台の上に乗せて色の違いを観察する取組や、絵本の内容を基に想像した世界を絵で自由に表現する取組など、各園の環境や強みに応じて様々なテーマを設定し、子供の興味、関心に応じた探究活動の実践を繰り返し行ったところでございます。
○山田委員 ありがとうございます。
今ご答弁あったように、今のベータ版の実践を踏まえて取りまとめられましたすくわくプログラムですけれども、こちら今年度から都内全域に拡大しているということですけれども、そういった全域展開に当たっては、取組を行う園で適切にプログラムを実践できることが不可欠でありますけれども、昨年度の先行事例の成果をどのように生かしていくのか伺います。
○小松企画調整部長 とうきょうすくわくプログラムの全域展開に当たりましては、令和五年度のベータ版プログラムの実践を通じて得られた知見を新たに実践する園へ共有し、理解を深めていくことが重要でございます。
このため、昨年度、都内全ての幼稚園や保育所などを対象とした実践報告会を開催し、プログラムの意義や探究活動の流れのほか、ベータ版プログラムを実践した園が取り組んだ具体的な活動内容や、活動の際に行った工夫などについて広く共有を図ったところでございます。
こうした先行事例の成果を生かして、今年度より全域展開を進めてまいります。
○山田委員 ありがとうございます。
この今のプログラムで育んでいこうとしている非認知能力などの資質は、認知能力に比べて数値化が難しく、様々な評価方法が今検討されている段階だというふうに認識しております。
私たち、適切な効果検証を通じたプログラムの改善と、国内の乳幼児教育の改善につなげていくべきということを求めてまいりましたので、ぜひその点、改めて要望させていただきまして、次の質問に移りたいと思います。
次に、プレーパークについて伺います。
私たちは、子供が自由な発想で自然の中で冒険をするような遊び、創造性や自主性を育むプレーパークのような遊びのメソッドやプログラムを拡大していくべきということを求めてまいりました。
令和五年度におけるプレーパークの導入状況について伺います。
○小松企画調整部長 子供が自由な発想で遊び、友達同士で関わり合いながら、様々な経験をして成長することができる遊び場を地域に広げるため、都は、子供の遊び場等整備事業補助金におきまして、プレーパークやボール遊び場の整備事業を都として区市町村の積極的な取組を期待する事業と位置づけまして、区市町村の取組を後押ししております。
令和五年度は、二区市において、プレーパークの整備を含む事業を採択いたしました。
○山田委員 ありがとうございます。プレーパークの整備が着実に進んできている、進みつつあるということが分かりました。ぜひこういった先行事例を踏まえて、都内でさらに広がっていくような取組の強化もお願いしたいと思います。
さて、世田谷区にある都立の砧公園に初めて都が整備したインクルーシブ公園というのがありますけれども、これも本当に東京都だけじゃなくて、日本中に広がってきております。私たちは、このインクルーシブ公園において、遊具の整備だけではなくて、障害のある子もない子も、そしてその家族、さらにはその地域に暮らす多様な方々が参加する、そういったインクルーシブなコミュニティの形成につなげていくことが大切であるということを訴えてまいりました。
その一方、現状では、子供たち同士、そして親も、どのように一緒に遊んだらいいのか分からないといったようなお声も伺っております。心のバリアを取り除いて、インクルーシブな環境を広げて、インクルーシブな遊びや関わりをサポートしていく、そんなプレーリーダーが求められているということも訴えてきたところであります。
そこで、令和五年度より始まった子供の「遊び」推進プロジェクトにおけるインクルーシブな遊びの視点を研修に取り入れたプレーリーダーの育成の取組状況とその成果について伺います。
○小松企画調整部長 都は、子供の「遊び」推進プロジェクトにおきまして、プレーリーダーとして必要なスキルを学ぶ研修を実施し、その中でインクルーシブな遊び場づくりに必要な実践的な視点を盛り込んでおります。
本研修を受けた方は、その後に開催されました障害のある子供がプレーパークで遊ぶイベントにプレーリーダーとして参加をし、子供への寄り添い方や声かけなど、研修で学んだことを生かしながら、子供たちが安全な環境の下で自由に遊べるようサポートを行ったと聞いております。
○山田委員 そういったインクルーシブな遊びや関わりをサポートするプレーリーダーの育成というのも進んできているということでありました。ぜひこういった取組を起点にしていただいて、先ほど指摘させていただいたような多様な方々が参加する、そういったインクルーシブなコミュニティの形成につながっていくというようなこともぜひ進めていただきたいと思います。
次に、最後の質問になります。最後、ヤングケアラーについて伺います。
ヤングケアラーは、当事者となる子供自身や家族の間で問題として認識されにくい、そういった難しさ、困難さがあります。
本来中学生から高校生の世代は、自分自身の個性であったり、可能性を十分に伸ばしていく時期でありまして、都として、ヤングケアラーの問題と向き合って、社会的な支えを構築していくということが重要となります。
都では、ヤングケアラーに関する組織横断の推進チームにおいて、子供政策連携室や福祉局、教育庁などの関係局が連携しながら、ヤングケアラーの当事者、関係者への支援に取り組んでいるものと理解はしております。
こうした中で子供政策連携室の令和五年度の取組状況と成果について伺います。
○小松企画調整部長 子供政策連携室は、ヤングケアラーに関する正しい知識や都の支援策等を広く発信する普及啓発事業に取り組んでおり、昨年度は専用ホームページ、ヤングケアラーのひろばを公開いたしました。
ホームページの制作に当たりましては、当事者の声を内容に反映するため、ヤングケアラーや元ヤングケアラーの方十一名が参加したワークショップを開催し、ケアをしていて感じている不安や必要な支援など、ヤングケアラー当事者の思いや社会に伝えたいことなどについて様々な意見をいただきました。
こうした意見をヤングケアラーのリアルボイスとして紹介するとともに、ヤングケアラーについて分かりやすくまとめたアニメーション動画に活用するなど、当事者目線の内容を盛り込んだコンテンツの充実につなげ、発信を行いました。
○山田委員 ありがとうございます。子供政策連携室として、普及啓発事業に力を入れてきたということでありました。ぜひ今後も関係各局と連携しながら、ヤングケアラーへの問題の支援体制の強化、進めていただきたいと思います。
子供政策連携室、本当に様々な観点で取組を進められていると思いますので、ぜひ引き続き縦割り構造を超えて、取組の強化を期待いたしまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。
○たかく委員 それでは、私の方からは、最初に日本語を母語としない子供の支援について伺います。
現在、都内の在留外国人は増加傾向にあり、今後も増加が見込まれております。こうした方々の中には、文化の違いや、また日本語や生活上のルールが分からないなどの理由から、地域とのつながりをなかなか持てない人も多いと思います。日本語指導が必要な子供も増加傾向にあり、日本語を母語としない子供への支援が急務となっております。
そこでまず、海外から日本に来て言葉が分からない子供の幅広い悩みに対して、都としてどのように取り組んでいるのかお伺いいたします。
○小松企画調整部長 日本語を母語としない子供は、日本語の習得や学校、地域への適応、日常生活に必要なスキルの習得など、様々な困難を抱えております。
そこで、都は、子供政策連携室、教育庁、生活文化スポーツ局などの関係局で構成する組織横断の推進チームを立ち上げまして、子供政策連携室が総合調整機能を担いながら、日本語学習の機会の充実や、困り事や悩みに寄り添う相談体制の強化、子供が集い交流する居場所の創出など、関係局が連携して多面的な支援を行っております。
○たかく委員 今の答弁ですと、子供政策連携室が、教育庁であるとか、また生活文化スポーツ局等を通して、関係する局と連携を取りながら進んでいるというのはお聞きいたしました。各局施策に横串を刺しながら政策を前に進めていることは、子供政策連携室ができた大きな意義だと考えております。
学校や地域における日本語学習の機会の充実については、教育庁や生活文化スポーツ局において実施しているものと思われますが、子供政策連携室はどのような取組を行ったのか、具体的な取組内容と効果についてお伺いいたします。
○小松企画調整部長 子供政策連携室は、日本語を母語としない子供が集い交流する地域の居場所として、学習、相談、交流等の機能を一体的に備えた多文化キッズサロンを設置する区市町村への補助制度を昨年度立ち上げました。
具体的には、建物等の改修経費や情報システム構築費などの整備費に加えまして、運営に係る経費を補助対象とすることで、区市町村の取組を後押ししております。
昨年度は、目黒区と八王子市において、多文化キッズサロンが設置されまして、日本語教室の開催に加え、子供や保護者の相談対応や地域の日本の子供たちとの交流など、学習面や心理面、生活面から一体的に子供へのサポートに取り組んでおります。
○たかく委員 目黒区や八王子において、昨年度、多文化キッズサロンが開設されたとのことです。
日本語を母語としない子供に対して丁寧な支援を行うためには、身近な地域で行われる区市町村の取組が大変重要であります。日本語指導が必要な子供に対して、日本語教育の機会を確実に提供するため、区市町村はそれぞれ工夫しながら取り組んでいると思いますが、その中には他の自治体の参考となるような効果的な実践なるものがあると考えます。
こうした取組を区市町村間で共有を図ることも有益であると考えますが、そういった取組状況についてお伺いいたします。
○小松企画調整部長 都は、日本語を母語としない子供に日本語教育の機会を提供する取組を把握するため、昨年度、都内の全区市町村にアンケートを行うとともに、特徴的な事例につきまして個別にヒアリング調査を行いました。
例えば、学校の日本語指導と地域の日本語教室の間で教材や指導方法を統一することにより、学校内外において継続的な学習を支援する取組や、国際交流協会と学校が子供の学習状況や生活上の困り事などを共有することなどにより、緊密な連携の下、子供に寄り添ったきめ細かな支援を行う取組などがございます。
こうした取組を日本語教育につなぐ事例集として取りまとめ都のホームページに掲載するとともに、区市町村の関係部署に広く配布をしております。
○たかく委員 日本語を母語としない子供一人一人が自分らしく生き生きと活躍できる社会を目指して、都の関係各局や区市町村と連携しながら、きめ細やかな支援を実現していただきたいということを要望して、次の質問に移ります。
先ほど質問もありましたが、私の方からもヤングケアラーについてお伺いさせていただきたいと思います。
今年六月に改正されました改正子ども・若者育成支援推進法では、ヤングケアラーを家族の介護その他の日常生活上の世話を過度に行っていると認められる子供、若者と定義し、国や自治体の支援対象として明記されたところです。
今年度から全区市町村で設置が努力義務となった子供家庭センター、子家センを通じて、当事者に確実な支援が行き届く環境整備が進められております。
このヤングケアラーは、家庭内の問題であることや、本人、家族に自覚がない等の理由から、支援が必要な状況にあっても表面化しにくい構造にあります。そのため、本人やその家族はもちろん、社会全体でヤングケアラーについて理解を深めていくことが重要と考えます。
そこで、子供政策連携室では、昨年度どのような課題認識の下に普及啓発の取組を行ってきたのか伺います。
○小松企画調整部長 国が令和二年度に実施いたしました実態調査によりますと、対象となった中高生の八割以上がヤングケアラーについて聞いたことはないと回答するなど、中高生世代の認知度の低さが課題の一つであると認識しております。
また、ヤングケアラーの方が必要な支援につながるため、周囲の大人がその存在に早期に気づき手を差し伸べることができるよう、社会全体でヤングケアラーについて理解を深めていく必要がございます。
こうした認識の下、ヤングケアラーの社会的認知度の向上や正しい知識の浸透を図るため、昨年度専用ホームページ、ヤングケアラーのひろばを開設いたしました。
○たかく委員 ヤングケアラーを取り巻く課題を踏まえて、広く社会に対してヤングケアラーに関する情報を発信していくために、ホームページを新たに開設したとのことで理解しました。
当事者である子供に加えて、周囲の大人に対し必要な情報を幅広く届けるために、そのホームページにはどのような内容を掲載したのかお伺いいたします。
○小松企画調整部長 ホームページには、都内支援団体の協力の下、ヤングケアラーの声を丁寧に聞き取り、当事者目線の内容を盛り込んだところでございます。
具体的には、当事者からのメッセージや当事者の経験談に基づいたドキュメンタリー動画など、ヤングケアラーの思いや実情を分かりやすく伝えるコンテンツを掲載しております。
また、ヤングケアラーとその家族を支援する児童福祉や教育などの関係機関に向けまして、ヤングケアラーに気づくためのポイントや、他の支援機関と連携する上で参考となる具体的な事例などをまとめた支援マニュアルを紹介しております。
○たかく委員 今回、国の方で改正された法律のヤングケアラーへの主な支援内容としては、介護保険サービスや障害福祉サービス、子育て世帯訪問支援事業等を活用し、本人が担うケアを外部サービスで代替していくであるとか、日常的なケアから離れた、いわゆるレスパイトの機会を確保していくなど盛り込まれてございます。
しかし、このヤングケアラーは、自身を当事者として認識していない場合が多く、周囲の大人も深刻な状況に気づきにくい実態があるのが現状でございます。
こうした観点からも、ヤングケアラーに対して、社会の理解を深める広報啓発にしっかり取り組んでいくことが求められます。そのことをしっかり東京都として進めていくことを要望して、私からの質問を終わらせていただきます。
○大山委員 質問します。
子供政策連携室は、こども基本条例を所管しているというところですね。遊ぶ権利の保障だとか子供の意見を聞くこと、今までの質問の中にもいろいろと出てきましたけれども、子供の意見を聞くこと、そして、こども基本条例を実現することですね。
決算で、支出総額で二十九億八千八百万円程度のこじんまりとした子供政策連携室ですけれども、子供を中心に据えて考えることができるという、本当にいい局ということですね。今日は、子供政策連携室が、東京都こども基本条例を東京都政で実現してほしいという観点で質問したいと思います。
二〇二三年度版の子供政策連携室の事業概要を見ますと、(4)、東京都こども基本条例の普及啓発があります。その冒頭に、東京都こども基本条例では、子どもの権利条約の精神にのっとり、子供を権利の主体として尊重し、子供の最善の利益を最優先にするという基本理念を明確化しているとなっている、これ、本当に重要なことだと思っています。
ここにきちんとこの文章を書き込んだ、その趣旨は何でしょう。
○小松企画調整部長 子供政策の推進に当たりましては、東京都こども基本条例の基本理念等を踏まえ対応しております。
東京都こども基本条例の第三条では基本理念を定めており、子供は大いなる可能性を秘めたかけがえのない存在であるとの認識の下、子どもの権利条約の精神にのっとり、子供を権利の主体として尊重し、子供の最善の利益を最優先とすることで、全ての子供が、今と将来への希望を持って伸び伸びと健やかに育っていけるよう、社会全体で子供を育む環境を整備していかなければならないとしております。
○大山委員 まさに、子どもの権利条約とこども基本条例を東京都政にしっかりと据えるために、子供政策連携室があるということですね。
こども未来アクションをつくるときには、子供たちの声を聞いて反映させているということなんですけれども、そのほかで政策を決めるとき、とりわけ子供たちに関わる政策に関して、子供たちの意見、聞いていますか。
○小松企画調整部長 子供政策の推進に当たりましては、子供の居場所におけるヒアリングやSNSアンケートなどに加えまして、令和五年度には、こども都庁モニターを創設し、様々な手法で子供の意見を聞き、施策に反映する取組を進めてまいりました。
○大山委員 資料を出していただいて、二ページから三ページにかけて出していただきました。
同じ資料を昨年の決算のときの資料でも出していただいています。子供の声や意見を聞く取組は、二〇二二年度と比べると、取組自体が二二年度は六つだったんですけど、二三年度は十三に増えています。参加者は、ざっと数えたんですけれども、六倍以上になっているという状況です。
出していただいた資料を見ますと、今紹介してくれたこども都庁モニターには千二百人もの子供たちが参加したと。それから、子供の居場所に出かけていって話を聞くとか、それから出前授業をするとかということも含めて、様々な手法で子供の意見を聞いているんだということなんですね。
実際に、子供の声や意見を聞いて実現した具体的な事例はありますか。
○小松企画調整部長 例えば年代別に公募したモニターに対しまして、各局施策に関するアンケートを行うこども都庁モニターにおきまして、こどもスマイルムーブメントのロゴマークの投票を行い決定をするなど、子供目線の取組を推進しております。
○大山委員 こどもスマイルムーブメントのロゴマーク、みんなで投票したんだということです。
東京都が聞きたいことについて、子供の意見は様々聞いているということは分かります。子供の意見表明権、意識しているんですよね。そういうことですね。
二〇二二年四月から子供政策総合推進本部が発足しています。子供政策総合推進本部は、教育庁も含めて全ての局が参加していますから、政策をつくるとき、施策を進めるときは、とりわけ子供たちが関係する政策については、意見を聞いて施策に反映するということは、全庁の共通認識になっていますか。
○山本総合推進部長DX推進担当部長兼務 子供政策総合推進本部は、都政の政策全般を子供目線で捉え直し、子供政策を総合的に推進するため設置されたものでございまして、本部長を知事、副本部長を全副知事及び教育長、本部員を各局等の長としております。
なお、昨年度は令和六年二月一日に開催いたしまして、子供目線で捉え直した政策の現在地と子供との対話を通じた継続的なバージョンアップの指針となるこども未来アクション二〇二四を議題とするなど、子供政策の全体方針の共有等を図ったところでございます。
○大山委員 いろいろ答弁されましたけれども、私は、政策をつくるとき、施策を進めるときは、とりわけ子供たちが関係する政策については、意見を聞いて施策に反映するということは、全庁の共通認識になっているんですかって聞きました。
子供政策の全体方針の共有等を図ったと答弁されましたけれども、それはつまり、こども基本条例に基づいて子供政策を推進していくということは、全庁の共通認識にしたということでいいですね。
○山本総合推進部長DX推進担当部長兼務 子供政策の推進に当たりましては、東京都こども基本条例の基本理念等を踏まえ対応しております。
こども未来アクション二〇二四につきましては、子供目線で捉え直した政策の現在地と子供との対話を通じた継続的なバージョンアップの指針となるものでございまして、令和六年二月一日に開催した子供政策総合推進本部では、こども未来アクション二〇二四を議題とするなど、子供政策の全体方針の共有等を図ったところでございます。
○大山委員 同じことは答弁しなくていいです。
それで、こども基本条例に基づいて東京都の行政を進めていくということは、都庁内のどの局にも共通認識になっているんだということを確認しているんですけど、それについて答えてください。共通認識になっているのか、なっていないのか。なっているんだったら、なっているって答えてくれればいいです。
○山本総合推進部長DX推進担当部長兼務 子供政策総合推進本部は、本部長を知事、副本部長を全副知事及び教育長、本部員を各局等の長としております。
先ほどもご答弁申しましたが、子供政策の推進に当たりましては、東京都こども基本条例の基本理念等を踏まえて対応しておりまして、また、子供政策総合推進本部におきましては、子供政策の基本となるこども未来アクション二〇二四、子供目線で捉え直した政策の現在地、そして子供との対話を通じた継続的なバージョンアップの指針、このこども未来アクション二〇二四などを議題としていまして、子供政策の全体方針の共有等を図ったところでございます。
○大山委員 共有を図ったんだと。共有を図って、全庁の認識になっているかどうかということが重要なんですよね。東京都政でこそ、こども基本条例を実践することが重要です。
しかし、都政で子供の権利を、都政でですよ、子供の権利を侵害していることが起こっている場合、子供政策連携室としてはどう対応するんですか。
○小松企画調整部長 東京都こども基本条例の第十四条では、都は、子供の健やかな成長を支援するため、権利侵害その他の不利益を受けた場合等において、専門的知見に基づいて適切かつ迅速に子供の救済を図ることができるよう、国、区市町村その他の関係機関と連携し、社会状況の変化に応じ、子供の権利及び利益を擁護するための体制の充実その他の必要な措置を講ずるものとしております。
子供の権利の向上等を図るため、福祉局の子供の権利擁護専門相談事業におきまして、いじめ、虐待、体罰など、様々な悩みや訴えを受け付けていると認識しております。
○大山委員 今答弁してくれたのは、いじめだとか体罰だとか虐待といった権利侵害を受けたときやそれに気づいたとき、あるいはそのことで悩んでいるときに相談ができますという子供の権利擁護電話相談員だとか、子供の権利擁護専門員が、公平、中立な第三者的立場として、子供自身が相談できると。これはこれで重要な役割があります。
しかし、私が質問したのは、東京都政、東京行政で、子供たちの権利を侵害していることが起こっている場合、こども基本条例を東京都政に実現することが役割である子供政策連携室はどう対応するんですかって質問したんです。
例えば、英語スピーキングテスト、ESAT-Jについては、昨年度も生徒からも、イヤーマフ越しに音漏れや装着時の痛みや苦痛など人権侵害に当たる状況や、未経験や単発アルバイトの試験監督の不適切な対応などの声が生徒や保護者などから寄せられました。
英スピ議連等、都民の四団体が行ったESAT-J実施状況調査には、昨年度に続き、スピーキングテストなのに周りの生徒が何をいっているか分かったという証言が八十六件も寄せられました。ところが、都教委は深刻な事態だということさえ認めないで、生徒から申出があれば個別に対応するといって、事実確認を拒否しています。
これらのことは、子供たちへの権利侵害その他の不利益といえるんじゃないんでしょうか。どう認識していますか。
○小松企画調整部長 お話の事業は、教育庁が所管でございます。各事務事業の実施の在り方につきましては、各事業所管部署で適切に判断されているものと認識しております。
○大山委員 そういうね、無責任な答弁をするんですか。各事業所管で適切に判断されている、そんなこといいますけれども、子供の意見や声に聞く耳を持たないことは、毎定例会のように、我が党だけでなく多くの会派が指摘しているじゃありませんか。
子供政策連携室の事業は、東京都こども基本条例の普及啓発があって、東京都こども基本条例では、子どもの権利条約の精神にのっとり、子供を権利の主体として尊重し、子供の最善の利益を最優先にするという基本理念を明確化していると位置づけています。そして、子供政策の推進に当たっては、東京都こども基本条例の基本理念等を踏まえ対応させていただいていると、さっき答弁しましたよね。
子どもの権利条約とこども基本条例を東京都政にしっかりと据えるために、子供政策連携室があるんじゃないんですか。都政でこども基本条例を実現することは、子供政策連携室の役割じゃないんですか。
○山本総合推進部長DX推進担当部長兼務 子供政策連携室は、都政の政策全般を子供目線で捉え直し、子供政策を総合的に推進する体制を構築するため、令和四年四月に設置されたところでございます。
子供政策の推進に当たりましては、先ほどもご答弁申し上げましたとおり、東京都こども基本条例の基本理念等を踏まえ対応しております。
なお、東京都こども基本条例の第三条では基本理念を定めており、子供は大いなる可能性を秘めたかけがえのない存在であるとの認識の下、子どもの権利条約の精神にのっとり、子供を権利の主体として尊重し、子供の最善の利益を最優先とすることで、全ての子供が、今と将来への希望を持って伸び伸びと健やかに育っていけるよう、社会全体で子供を育む環境を整備していかなければならないとしております。
○大山委員 全てのところで実践していかなきゃいけないんだっていっているわけですよね。それを実践するのが、全庁的に実践するようにしていく、だからこそ子供政策総合推進本部もあるわけですよね、つくったわけですよね。それが子供政策連携室の役割じゃないんですか。
昨年度から始まった、例えば中一、中二のテストも問題だらけです。受験した生徒は、新事業者のブリティッシュ・カウンシルが用意した新しいヘッドホンでも、周りの解答が聞こえると訴えていますよ。また、テストは二か月にわたって順次実施されるのに、問題が同じなので、先に受験した友達からその内容を聞くことができます。これで実力や到達度を測り、今後に生かすテストの意味があるのかと、中学生自身が疑問の声を上げています。
こういう人権侵害の事態が起きている、東京都の中で、行政の中で起きている。こども基本条例十条は、都は、子供を権利の主体として尊重し、子供が社会の一員として意見を表明することができ、かつ、その意見が施策に適切に反映されるよう、環境の整備を図るものとしています。
中学生たちは、実際に発言しているじゃありませんか。こうやって書いてあるけれども、十条にちゃんと書いてあるけれども、東京都は、中学生の意見は聞かなくていいっていうことなんですか。
○小松企画調整部長 お話の事業は、教育庁が所管をしております。各事務事業の実施の在り方につきましては、各事業所管部署で適切に判断されるものと認識しております。
○大山委員 そういう無責任なことでは、東京都政の中でこども基本条例、そして子どもの権利条約、きちんと実践できるっていうことにはならないじゃないですか。しかも、私、さっき聞いたのは、中学生の話は聞かなくていいんですかって聞いたんです。
子供政策連携室は、東京都こども基本条例では、子どもの権利条約の精神にのっとり、子供を権利の主体として尊重し、子供の最善の利益を最優先にするという基本理念を明確化していると位置づけ、それを全庁の共通認識にするために、子供政策総合推進本部を設置したわけじゃありませんか。
それだけに、その事務局である、その中心になるべき子供政策連携室がきちんと全庁で共通認識になって、都政で、こども基本条例、子どもの権利条約が実現できるようにするために仕事をしてほしいということを求めて、終わります。
○もり委員 私からも、子供政策連携室関連についての質問をさせていただきます。
子供政策連携室は、国内外の先進事例の調査等を基に政策立案機能を担う、主に関係局との連携体制を構築し、子供に関わる複合的な課題に対応し、多様な主体と連携することで、福祉や教育の枠組みにとらわれない幅広い視点で先進的な事業を展開するとして、これまで幾つかの部局に分かれていた子供政策について横串を刺し、子供政策が推進することを期待しております。
令和五年度予算規模は三十六億四千五百五十六万円ですが、執行率は八二%、六億五千七百三十三万円の不用額が生じております。その理由についてお伺いをいたします。
○山本総合推進部長DX推進担当部長兼務 令和五年度決算におけます不用額の理由でございますが、契約に係る落札差金で約三億七千三百十六万円、職員費の実績残で約四千九百三十一万円、管理事務の実績残で約三千二百五十三万円、子供政策の連携推進の実績残で約二億二百三十三万円でございます。
○もり委員 子供政策連携室の事業内容を見ていても、本当にわくわくするような子供の遊び場事業ですとか、こういった中で、先ほどの質疑の中で、遊び場事業では一億円で六自治体が三年間というようなことですと、本当に多くの希望する自治体に、こういった不用額についてもぜひ届けて活用していただきたいと願っております。
令和三年、議員提案により、東京都こども基本条例が全会一致で成立し、私もその際に、厚生委員として条例策定に携わった中で、子どもの権利条約の精神にのっとり、子供の最善の利益を最優先にする基本理念の下、子供が権利の主体として尊重される東京都の実現を目指す上で、まずは、子供自身が権利の主体として尊重される存在であるということを理解することが欠かせません。
こども基本条例第十二条においても、広報啓発の推進が書かれており、分かりやすいパンフレットなどもつくっていただいておりますが、配布するのみではなく、理解を深める取組が求められると考えます。
令和五年度における子供の権利の理解促進の取組についてお伺いをいたします。
○小松企画調整部長 都は令和四年度に、子供たちが編集者として活動し、条例の内容を分かりやすくまとめたハンドブックを制作するとともに、令和五年度は、小学生から高校生の子供たちが企画段階から参画し、プロのクリエーターなどと対話を重ねながら、条例の理念を分かりやすく解説するアニメーション動画を制作いたしました。
制作した条例ハンドブックや条例解説動画につきましては、学校や児童館などにおいて実施をいたしましたこども基本条例をテーマとした出前授業で活用いたしましたほか、SNSやデジタルサイネージなどの媒体を通じて広く発信しております。
○もり委員 ありがとうございます。
今、小学生も一人一台端末でタブレットを持っておりますし、また、先ほどは学校と連携することでホームページのビューが一千万を超えたという中で、本当にそういった、タブレットを活用して全ての子供たちが目にして理解を深めていただくことを願っております。
第十条、子供の意見表明と施策への反映とあります。子供の意見表明権を明記するかについては、私もこれだけは譲れない点として、強い思い入れで明記していただいた経緯があります。
令和五年度において、子供の意見を聞くためにどのように取り組んだのかお伺いをいたします。
○小松企画調整部長 令和四年度より実施をしております子供の居場所におけるヒアリングやSNSアンケートに加えまして、令和五年度にはこども都庁モニターを新たに開始するなど、多様な手法を用いまして、一万八千人の子供の意見を聞いたところでございます。
○もり委員 都政の政策全般を子供目線で捉え直す取組として、子供との対話に取り組む、令和五年度には一万八千人の子供から意見を聞いたとの答弁いただきました。
都は、こうした取組を、子供へのヒアリングを通じた意見聴取に関する実践事例集として公表しております。
子供の意見を聞く取組から見えた課題と、子供たちの声をどのように都政に反映させたのかお伺いをいたします。
○小松企画調整部長 子供の意見を的確に把握するためには、幅広い年代の子供たちから意見を聞くことや、様々な環境下にある子供の意見を聞くことが重要であるということを認識いたしました。
例えば、子供食堂やユースセンターなど子供が日常を過ごす居場所で行ったヒアリングでは、不安や悩みに気軽に相談できる人や場所の必要性など、子供たちが様々な意見を持っていることが分かりました。
こうした意見につきましては、SNS等を活用し、子供などが気軽に相談をできますプラットフォーム、子供・子育てメンターギュッとチャットの構築に向けた検討などの政策に反映をしております。
○もり委員 ありがとうございます。
様々な場所に出向いて意見を聞いていただいていることは、本当に重要なことだと思っております。
令和五年度にまとめられた子供の居場所で聴いた声には、様々な子供の居場所で聞かれた子供の生の声が寄せられて、そこから家庭でも学校でもない場所、子供食堂やプレーパークなど子供に寄り添う第三の場所の必要性と、不安やつらいことを気軽に相談できる場所の必要性が見えてきます。
そういった際に、アドボケートの必要性については東京都児童福祉審議会からも、児童相談所が関連する子供の意見表明権を支援する仕組み、子供のアドボケートの在り方について提言が出ておりますので、児童相談所は区市町村への移管も進んでいますが、ぜひ子供政策連携室としても、全ての子供を尊重し取り残さない社会に向けて、アドボケートの必要性についてもぜひ連携して取り組んでいただきたいと、こちらは要望させていただきます。
一方で、この子供の居場所で聴いた声の中に、相談しても変わらない、話は聞いてくれるけど何も変わらないというような声が見られました。相談だけではなく、解決に向けた動きが求められます。
具体の取組は、福祉局や学校であれば教育庁とそれぞれの所管となりますが、局横断的に横串を刺す子供政策連携室としてどのように取り組んでいくのかお伺いをいたします。
○小松企画調整部長 子供との対話を通じて培いました様々なヒアリングのノウハウにつきましては、実践事例集としてまとめ、昨年度、庁内各局等と共有をしたところでございます。
引き続き各局と連携し、都庁全体で子供目線に立った施策を推進してまいります。
○もり委員 ありがとうございます。
取りまとめていただいたこと、都庁、あと各局と共有をしていただいているということで、本当に一層全庁を挙げた取組が進むように願うものです。
令和五年四月には、国においてこども基本法が施行され、子供を対象とする施策において、子供の意見を反映するための取組が義務化をされました。
子供の意見を直接聞く取組や、地域の公園づくりやプレーパークがもっと欲しいという声、地域のまちづくり等に子供たちの意見が反映されることには、直接住民サービスを担っている区市町村との連携が欠かせません。
都として、区市町村の取組を支援する令和五年度の取組についてお伺いをいたします。
○小松企画調整部長 令和五年度は、子供の遊び場等整備補助金におきまして、区市町村が子供の意見を踏まえながらプレーパークなど多様な遊び場を整備する取組を支援しておりまして、六自治体の事業を採択いたしたところでございます。
また、子供・長寿・居場所区市町村包括補助事業におきまして、子供の意見を取り入れた公園整備や交流拠点整備など、区市町村の先駆的分野横断的な取組を支援しておりまして、こちらも六自治体の事業を採択したところでございます。
○もり委員 ありがとうございます。
私も、プレーパークの推進について区議時代から取り組んでまいりました。そういった中で、自治体は、やはり場所の確保ですとか、今、六自治体に対しても一億円、三年間ということで、本当に自治体を財政的にも応援をいただいております。
また、プレーパークは、場所だけではなく、プレーリーダーさんとの関わりの中で、子供が自然の中で自主的に遊びを通じて学ぶ場となっていると実感していますので、ぜひそういった場所とともに、プレーリーダーさんの研修は行っているという答弁も先ほどあったんですけれども、ぜひ、プレーリーダーが非正規でなかなか安定して雇用ができないという現場の課題も聞いていますので、そういったところにも活用できるような支援もお願いをいたします。
子供たち自身の声が地域のまちづくりや公園づくりに反映されることで、そうした小さな成功体験を重ねることは、自分たちが地域の主体であり、自分たちの意見が社会に反映されているという子供たちの声が地域を動かす、子供たちの主権者意識やシティズンシップ教育の意識を育む視点からも大変有効であると考えますので、一層取組の充実を求めまして、質問を終わります。ありがとうございます。
○上田委員 私も、先ほどデジタルサービス局と、スタ・国、ちょっと忘れちゃいました正式名称、あと子供政策連携室も、私の中では何か唐突感を持って、随分と再編されて、それぞれ今まで取り組んでいた局もある中、総務局でも確認しましたけど、デジ局とか子供室とかスタ・国を重複して、役職者もすごく多いということで、何のために発足したのだろうかという思いも持ちまして、いろいろと存在意義というのを確認させていただきたいということで、決算に今回取り組ませていただいております。
資料の3で、「チルドレンファーストの社会の実現に向けた子供政策強化の方針二〇二三」及び「こども未来アクション二〇二四」(概要)資料の方も取り寄せていただきましたが、令和五年七月に策定され、毎年度更新されていくという理解でおりますが、このチルドレンファーストの社会の実現に向けた子供政策強化の方針と未来アクション、こどもスマイルムーブメントの関係性がいま一つ分からないことがございますので、理念的なことではなく、具体的な事業体を事例に挙げてのご説明をお願いします。
○小松企画調整部長 チルドレンファーストの社会の実現に向けた子供政策強化の方針は、子供を取り巻く環境を踏まえた子供政策の課題と今後の政策強化の方向を示すものであり、本方針に基づき、次年度予算編成において子供政策のさらなる加速につなげるとともに、その内容を反映したこども未来アクションを策定したところでございます。
こども未来アクション二〇二四は、都庁全体で取り組む子供政策を四つの柱に分類いたしまして、重点アクションを整理するとともに、政策分野の垣根を越えて取り組む八つのリーディングプロジェクトを盛り込んでおります。
こどもスマイルムーブメントは、こども未来アクションにおける政策の柱の重点アクションの一つでございまして、企業やNPO、学校、区市町村など社会の多様な主体と連携し、官民一体となって子供を大切にする機運の醸成を目指す取組でございます。
○上田委員 今、分かったような、分かるような、ちょっとまた確認をさせていただきますけれども、若干具体事例が入りまして、この三つが連関しながら、庁内で、あるいは区市町村とか、ほかの企業とか、そういったところで連関して取り組むということは確認させていただきました。
政策強化の方針は、政策の柱1は、様々な困難を抱える子供に寄り添い、一人一人の状況に応じた支援を強化する、2は、子育て家庭のニーズを踏まえ、質、量の両面から安心して子供を育てられる環境づくり、3は、変化の激しい時代において、DXも活用しながら、誰一人取り残さず、一人一人の学び、挑戦を支援、4は、官民一体となって子供の社会参加の機会を創出するとともに、多様な働き方をさらに推進ということですが、それぞれ柱に沿って、具体的にどの事業でどのような強化が図れているのか伺います。当然、東京都こども基本条例と関連づけられると思いますので、具体的な事業、実績を含めてお答えください。
○小松企画調整部長 東京都こども基本条例の基本理念等を踏まえて策定をいたしました子供政策強化の方針二〇二三を踏まえ、こども未来アクション二〇二四において、政策の柱ごとに重点アクションを整理しております。
具体的には、政策の柱1につきましては、いじめ対策、不登校児童生徒対策など、政策の柱2につきましては、子育て世帯の家事、育児の負担軽減など、ライフステージを通じた切れ目ない子育て支援など、政策の柱3につきましては、障害のある子供など特別な支援を必要とする児童生徒に対する教育の充実や学校現場でのデジタル教育の推進など、政策の柱4につきましては、社会の多様な主体と連携し、官民一体となって子供を大切にする機運の醸成を目指すこどもスマイルムーブメントなどにつきまして、新規、拡充の取組などを盛り込んでおります。
○上田委員 かなり具体的に理解ができました。
この方針二〇二三をベースに、都民や都議会、区市町村、各分野の有識者から幅広く意見を伺うとともに、様々工夫を凝らしながら、多様な手法で子供の声や思いをつぶさに把握、当事者である子供の声を中心に捉えた子供政策を推進していくとのことでしたので、決算に当たり、どう推進の実現ができたのか、具体、実績のご説明をお願いいたします。
○小松企画調整部長 子供政策強化の方針二〇二三は、令和五年東京都議会第三回定例会に報告し質疑いただくとともに、区市町村の福祉分野や教育分野の課長会など様々な機会を捉えて説明し、意見交換を行いました。
また、有識者から意見を聞くため、学校外での子供の多様な学びに関する有識者会議の開催や、子供の事故情報データベースの構築に向けた専門家ヒアリングなどを実施し、得られた知見を政策強化に生かしております。
子供の声や思い等の把握につきましては、子供の居場所におけるヒアリングやSNSアンケート等に加えまして、令和五年度にこども都庁モニターを創設し、様々な手法で子供の意見を聞き、施策に反映する取組を推進しております。
○上田委員 情報収集と共有を各方面で行っているということでございました。
令和三年四月一日に施行された東京都こども基本条例に基づき、本当にお膝元ですので、事業を展開されてきたと思料いたします。
チルドレンファーストの社会の実現に向けた子供政策強化の方針、こども未来アクションに、どうこの条例がひもづけられているのか、施行以降、決算年度までの条例制定の実績の報告をお願いいたします。
当然、子供への虐待防止条例、児童福祉法、まあ改正もされましたからね、去年ね、教育基本法などとも連関すると思いますので、その点も含めた所見を伺います。
○小松企画調整部長 東京都こども基本条例は、子供を権利の主体として尊重し、子供の最善の利益を最優先とすることで、全ての子供が、今と将来への希望を持って伸び伸びと健やかに育っていけるよう、社会全体で子供を育む環境を整備することを基本理念としております。
この基本理念を踏まえまして、チルドレンファーストの社会の実現に向けた子供政策強化の方針及びこども未来アクションでは、子供との対話を実践し、子供の意見やエビデンスを踏まえて政策をつくり上げ、実践していくことを基軸に据えております。
また、こども未来アクションでは、児童虐待防止対策や子育て支援、一人一人の個性や能力を最大限に伸ばす学びなど、子供、子育てに係る条例や法律等に基づく事務事業を所管する関係局と連携をしながら、子供政策のバージョンアップを図っております。
○上田委員 やはりほかの委員からもるる指摘ありましたが、子供のアドボカシーですよね、意見表明。私、児童福祉審議会は、もうよっぽどのことがない限り全部傍聴をさせていただいておりまして、非常に活発な議論をされておりましたが、しっかりと多分、福祉局と関係局と連携しながら、政策のバージョンアップを図っているということでございますので、こちらの方も、後でもお願いするところでございますが、引き続きお願いをいたします。
リーディングプロジェクトです。
子供室では、既存の枠組みでは対応が難しいテーマごとに、この子供室が核となり、政策分野の垣根を越えて関係局から成る推進チームを組成し、リーディングプロジェクトとして組織横断的に取り組んでいるということでございますので、プロジェクトごとに確認をいたします。
子供の居場所におけるヒアリングです。
委託事業と思料いたしますが、どのような形で、誰がどのくらいの金額でヒアリングを実施したのでしょうか。組織や対象の子供たちの属性、性別、学年、置かれている環境など、どのように抽出したのかも伺います。
○小松企画調整部長 子供の居場所におけるヒアリングは、一般社団法人TOKYO PLAYに委託して実施しておりまして、契約金額は一千八百九十四万四千九百九十九円でございます。様々な環境下にある子供の意見を聞くため、子供との対話経験豊富なファシリテーターが、子供が日常を過ごす居場所に足を運んでヒアリングを行っております。
令和五年度は、児童館や子供食堂、放課後等デイサービス、児童養護施設などにおいて、小学生から高校生などを対象に、地域や年代のバランスを踏まえ、実施をしております。
○上田委員 主な効果として、資料も見ますと、フリースクール利用者の支援内容検討というのもありますけれども、不登校、あるいは学校ではなくフリースクールでの学びを選んだ子供たちの声を聞いたのであろうと思っているんですが、実際にそちらで得た知見を、どこの局のどの事業に効果を及ぼすことができたのか気になるところなんですね。
ヒアリングを実施した施設ごとにご説明をお願いいたします。
○小松企画調整部長 フリースクールにおけるヒアリングでは、学校生活になじめず生きづらさを抱える子供たちから、学校外での学びに関することや利用料に関することなど、様々な意見が寄せられました。
こうした子供の声も踏まえ、フリースクール等に通う場合の経済的負担を軽減するため、利用料に対する助成制度を令和六年度に創設するなど、学校外の学び、居場所の創出に向けた取組を開始したところでございます。
○上田委員 その中で、やっぱり学校にいづらいとか、正直、担任にこんなことやられたとか、そういったいろいろな学校に対する不満というか不安も聞いていると思いますので、それについては教育庁や、あるいは都区市町村の教育委員会の方でですね、こちらも共有していただけるといいかなというふうに思っておりますが、フリースクールに通うための情報提供はしているということでありました。
私は、江戸川区でイの一番に、子供食堂を地域の保護者と共に二〇一六年四月に開設して、毎月一回、もう重ねて間もなく百回近くになって、あしたもハロウィンえどがわ子ども食堂をやるんですけれども、今般ですね、実は偶然なんですけど、この子供の居場所で聴いた声のヒアリング対象施設としてTOKYO PLAYさんにお選びいただきまして、昨年十月二十八日に、子供食堂の開催前の準備期間からおいでいただいて、そのNPOの人たちに、お菓子の袋詰めとかテーブル並べるとか手伝っていただきながらの上で、前段として、子供たちがリラックスできるような形でヒアリングの対応をさせていただきました。
今年三月一日に、この子供の居場所で聴いた声を十冊程度お送りいただきまして、集計から印刷まで苦労がしのばれる内容となっておりました。
しかしながら、誰が読む想定でつくられたのか、どういう効果を狙っているのか、ちょっと届いたときに分かりかねてしまったんです、すごい豪華ですしね。資料を見ますと、約千部をヒアリング実施施設に、私たちのところですよね、配布して、残り七百冊は次年度の取組に生かすということでした。
まず、ヒアリングを通じて得られた課題や新たな発見についてご説明ください。実践事例や、こちらの聴いた声は決算年度に作成されたものではありますが、今後どう活用されることを想定しているのか、活用されているのか、ご活用いただくために、どこに、学校なのか、各種子供の施設なのか、学童なのか、都民や子供や保護者の方なのか、どのように情報を提供しているのか伺いたいと思います。
○小松企画調整部長 令和五年度は、多様な環境下にある子供約六百人から、悩みの相談や学習環境、遊び場、居場所などについて様々な意見を伺いました。引き続き子供の実情に寄り添いながら、きめ細かく意見を聞いていく必要があると認識しております。
こうした集めた子供の意見や都の施策への反映状況につきましては、子供向けに分かりやすい表現で冊子として取りまとめ、ヒアリングに参加した子供へフィードバックを行いました。
加えまして、令和六年度の居場所ヒアリング時においても取りまとめた冊子を活用いたしまして、昨年度の子供の意見や施策への反映状況について改めて意見を聞くなど、対話の質の向上に不断に取り組んでいるところでございます。
○上田委員 生かしてほしいと思って聞いているんですが、事前のこのヒアリングに対しての子供と保護者へのご案内をいただきました。時間は全部で九十分くらいです、早く終わることもあります、四人から六人のグループでお話を聞かせてください、もっと少ないこともあります、皆さんが話してくれたことは、誰がどんな話をしたか分からないようにします、聞きたいことは、居場所や遊び場、勉強のことや困ったときにどうしているかなどです、飲物やお菓子も用意しています、気軽に話しに来てください、一緒に楽しい時間を過ごしましょう、このようなご案内をいただいており、私たちも保護者と子供たちにお伝えしました。
なので、私も子供たちが当日何を話したか全く聞いていませんでしたが、アンケート結果にもありますが、とても楽しそうで、子供は日頃、もう説教ばっかり、家でも叱られる、学校でも叱られる、通りすがりでも説教されていわれっ放しなので、大人へきちんと思いを伝える機会は本当になくて、聞いてほしいんだなと思い、いうって貴重な機会で、これは非常に感動したわけでございます。
余談ですけれども、ですので私の子供食堂では、食育は一切やりません。せっかく楽しい時間で、牛がげっぷをするからCO2がどうして、食育で肉はなんてやられたらリラックスできないので、昔の駄菓子屋のおばちゃんみたいな感じでやらせてもらっているんですけれども、このほっこりした温度感がアンケートや数字ではなかなか伝わらなくて、もったいないなと思っております。
せめて、リーディングプロジェクトの担当となる関係局の担当者には伝えたいところなので、都庁内部でのこのヒアリングの結果の共有をどうしているのか伺いたいんですね。
さっきいったように、学校現場では定期的にいじめなどのアンケートを取っていますが、それも担任の先生にはばれるから担任の悪口書けないとか、そんな話を子供食堂で聞いているんです。アンケート、素直にいえないよとか、書いたら大変な目に遭うよねみたいな感じなので、それら他局の児童生徒に係るアンケートとは大分違う内容だと思うんですよね。
ぜひ学校側とかそういったところ、生活文化スポーツ局も私学ありますので、そちら、すり合わせをしていないか、もう学校アンケートよりもヒアリングの方が、よっぽど素直な意見が得られていると思いますので、活用していただきたいと思いを込めて、確認をさせてください。
○小松企画調整部長 子供との対話を通じて培った様々なヒアリングのノウハウにつきましては、実践事例集としてまとめ、昨年度、庁内各局等と共有をいたしました。
引き続き各局と連携し、都庁全体で子供目線に立った政策を推進してまいります。
○上田委員 このTOKYO PLAYさんですか、独自でもすごく子供向けのいい取組をされておりますし、千八百万円かかっただけのお仕事はされていると思うんですが、千八百万ですし、実は、私たちのところにヒアリング料として三万円の、何ていうんですか、いただくことになっちゃっていて、お断りしたんですけど、事業としては、ただではできないということで、ありがたく受けて、しっかりと会計処理をして、子供たちの、例えばハロウィンのプリンにしようとか、そういうふうにしているので、ぜひこれは生かしていただきたいなというふうに思っております。
乳幼児「子育ち」応援プログラム推進事業です。
年度末も迫ったところで、とうきょうすくわくプログラムが策定されました、今年の年度末。都内四つの連携自治体の実践協力園でプログラムを実践されたとのことですが、実施の様子や園からの意見など実例を挙げながらご説明の上、これを受けて決算年度中の要綱設置とプログラム策定に至るまでの経緯をお示しください。今後、このプログラムをどのように活用していただくことを想定しているのかも併せて伺います。
○小松企画調整部長 令和五年度は、東京大学CEDEPと連携をし、ベータ版プログラムを実践いたしました。
具体的には、絵本の内容を基に想像した世界を絵で自由に表現する取組など、各園の環境や強みに応じて様々なテーマを設定し、子供の興味、関心に応じた探究活動を行いました。
園の先生方からは、子供のなぜ、何という疑問に目を向けることの大切さを再確認できたといった前向きな意見をいただきました。
こうしたベータ版プログラムの実践を通じて得られた知見を事例とともに取りまとめ、完成版プログラムを策定するとともに、その内容を盛り込んだ事業実施要綱を制定いたしました。
完成版プログラムにつきましては、実践研修会等を通じて、都内全ての幼稚園や保育所等と共有を図り、令和六年度からの全域展開につなげております。
○上田委員 これも保育や児童教育のプロたちと話を聞くわけですから、逆にフィードバックなんかもあると思いますので、生かしていただきたいと思います。
ファミリー・アテンダント先進事例創出事業を実施し、意欲ある自治体とこれも連携して、定期訪問による見守りや、傾聴、協働による伴走支援の事例を創出、訪問支援員に対して実務研修を実施したということですが、このファミリー・アテンダント事業について、具体的にご報告ください。
○小松企画調整部長 定期訪問等による見守りにつきましては、ゼロ歳児家庭を対象とした毎月の親子との対面による見守り訪問や、地域の身近な相談相手である民生委員、児童委員による赤ちゃん訪問などの取組が実施されております。
傾聴、協働による伴走支援につきましては、子育て広場を運営するNPO法人が子育て家庭を訪問し、不安や悩みを聞き、一緒に子供と遊ぶなどの取組が実施されております。
また、都が開催した訪問支援員に対する実務研修では、傾聴、協働による伴走支援に取り組む自治体との連携の下、実践的なロールプレーイング、訪問時を想定した事例研究などを実施したところでございます。
○上田委員 これ中長期的に虐待防止につながると思いますので、しっかりと事例を取り入れて施策に反映していただきたいと思います。
子供・子育てメンターでございます。
子供、保護者の意見を聞く取組を実施し、アンケート三千二百人、出前授業三校十二学級とのことです。これらの成果も貴重だと思います。
アンケートで得られた課題や新たな発見についてご説明ください。また、さっきいったんですが、居場所ヒアリングとのすり合わせや各局での共有など、連携についても同じくご説明ください。
○小松企画調整部長 都は、日常的な不安や悩みを匿名で気軽に相談できる環境を整備するため、SNS相談、ギュッとチャットの準備を進めております。
昨年度、チャット相談の事業運営やシステム機能などを検討するために実施しました子供や保護者などへのアンケートでは、悩みを話すツールとしてSNSチャットのニーズが高いことや、相談相手の選択、継続に対して、好意的な意見が多いことなどが明らかとなりました。
これらの意見などにつきましては、こども未来アクション二〇二四に掲載するとともに、SNS相談のシステム構築に反映をいたしました。
○上田委員 ギュッとチャットの完成を、また私の方も注視してまいりたいと思います。
子供の「遊び」推進プロジェクトですが、これも都内で八つの遊び体験イベント、今後のプロジェクトに生かせる知見実績も得たと思います。
プレーリーダーとして必要なスキルを学ぶ研修を実施し、その結果、どう遊び体験の機会創出につなげるのか、具体的にご説明ください。これらも関係各局と共有していると思いますから、その点についても触れてください。
○小松企画調整部長 子供の「遊び」推進プロジェクトでは、実施団体に対しまして、座学やグループワーク、実地研修などの機会を創出し、プレーリーダーとしての子供への関わり方や、遊び場における危険管理など、多岐にわたる経験やノウハウの習得を図ったところでございます。
これらの経験やノウハウにつきましては、プロジェクトの実施団体が各地域における自主的な取組において活用しております。
また、プロジェクトの内容につきましては、組織横断の推進チームにおいて共有し、各局と連携しながら、遊びの推進に取り組んでいるところでございます。
○上田委員 江戸川区は都内屈指に公園が多くて、プレーパークの会とか結構ありますので、ぜひそうした地域で既に実績あるところともつながっていただきたいと思います。
セーフティ・レビューです。
関係各局と連携し、事故事例データの収集、分析、専門家の知見を生かしたエビデンスベースの事故防止策の提言を取りまとめ、発信。専用ホームページ、こどもセーフティプロジェクトを公開し、子供の成長や行動に合わせて、危ないところを変えるという環境づくりの重要性を発信しているとのことですが、ホームページはどのぐらい活用されているのでしょうか。また、具体的にどのような施設、現場で活用されているのかもご説明ください。
○小松企画調整部長 都は昨年十二月に、専用ホームページ、東京都こどもセーフティプロジェクトを公開いたしました。令和五年度におけるホームページへのアクセス数は、約六万件となっております。
ホームページでは、子育て家庭や事業者等に向けた情報発信を行っておりまして、例えばイベント情報のページでは、子供を事故から守る環境づくりとはをテーマに、都が本年三月に開催をいたしましたオンラインセミナーの内容を掲載しております。
このセミナーには、保育士やベビーシッター、ベビー用品関連企業の従事者などが参加していたことから、保育現場等において活用されていると考えております。
○上田委員 六万件ということは、十二月、一、二、三月で六万件ということで、行政のホームページとしては、まあまあ見られて、こらからも定着していくのかなということを確認させていただきました。
事故事例データの収集、分析といいますと、東京都は、監察医務院、都立病院、消防庁、医学総合研究所などのデータ情報が、殊に生かされると思います。事例も随時アップデートしていることでしょうから、このデータも含めた局内連携状況を伺います。
○小松企画調整部長 都では、子供を事故から守る環境づくりをテーマとした組織横断の推進チームにおきまして、子供政策連携室や生活文化スポーツ局、東京消防庁等の関係局が連携し、エビデンスベースの事故予防策を展開しております。
昨年度、転落をテーマに事故予防策を取りまとめた際は、東京消防庁の救急搬送データに基づき、事故事例データの収集、分析を実施いたしました。
○上田委員 私も次男を落っことしまして、都立病院がもういっぱいで、聖路加にお世話になった苦い記憶を、このホームページを見ながら思い出しておりまして、役に立っていただきたいと思います。
事故防止情報等リ・デザイン事業です。
乳幼児、小学校低学年、小学校高学年、中高生の四区分で、子供の事故予防ハンドブックを制作しております。ハンドブックの制作に当たり、子供の意見を聞く取組は、ワークショップ七か所百三十七人、出前授業三校七学級ということですが、ハンドブックとアンケート結果の利活用状況、各局連携をですね、特に教育庁、区市町村教育委員会、前述した趣旨で確認をいたします。
○小松企画調整部長 子供の事故予防ハンドブックの制作に当たりましては、教育庁を含む推進チームの関係局の意見を踏まえるとともに、都内の学校などにおいて、ワークショップや出前授業を実施し、表紙にインパクトがあると読んでみたくなる、自分に身近な事故の例を入れてほしいなどの子供たちの声を内容に反映をいたしました。
このハンドブックは本年三月に公表するとともに、都内の公立学校や子育て関連施設、病院などに周知をしております。
○上田委員 私学も無償化ということで、ぜひ私学の方にも、生活文化スポーツ局と共に浸透していただきたいと思います。
事故情報等データベース構築事業です。
現在、CDRの実施に向け、各会派から活発な要望や意見も出ているところです。これは、いずれ虐待情報とも共有していくべきではないかと思っております。
子供の事故が起きにくい環境づくりの推進に向け、事故情報を産官学民で利活用できるオープンデータベースを構築して、現在、データベースの在り方について専門家との意見交換や民間ヒアリング等を実施。多分野からの意見を踏まえ、子供の事故情報データベースの要件定義を実施ということですが、具体的な決算年度においての進捗をご説明ください。
また、こちらについては、CDR及び虐待や虐待死の情報、データとともに合体していくのかなと私は想像しております。また、児童虐待死亡事例等検証部会の結果の共有も不可欠と思います。その観点はあるのか、各局連携についても確認いたします。
○小松企画調整部長 昨年度は、子供の事故情報データベースの設計開発に向けまして、要件定義を実施いたしました。
具体的には、傷害予防やデータサイエンス、法律などの専門家を構成員とするワーキンググループを設け、専門的見地からご意見をいただきました。あわせて、子供の事故予防に取り組む企業や自治体などへのヒアリングを行い、データベースに対する具体的なニーズの把握に努めました。
また、子供の死亡原因の上位は、転落、転倒、熱傷などの不慮の事故でございます。不慮の事故は、子供の年齢、発達に応じた効果的な事故予防策を講じることによりまして、発生のリスクを軽減することが可能でございますことから、都は、不慮の事故に着目し、組織横断の推進チームにおいて子供の事故予防に取り組んでおります。その中で、福祉局のCDRの担当部署も含めて、データベースの構築状況などについて情報共有を図っております。
なお、事業所管局であります福祉局からは、児童虐待死亡事例等検証部会からの提言につきましては、児童相談所の職員研修やOJTなどを通じてケースワークに生かすよう徹底するとともに、区市町村や教育委員会等へ周知を行っていると聞いております。
○上田委員 不慮の事故は虐待が含まれるかもしれないことについては、私は監察医務院での、子供の死亡については、悉皆で監察医務院マターになるのは解剖してほしいということをずっといい続けているのは、虐待による死亡だったりするかもしれないということでございまして、まず、初期段階として、一歩、関係各局でデータ共有していくということは、いずれ私がお願いしております虐待情報全件共有の先駆けになるようなことを期待したいと思っております。
皆さんから質問もたくさんあった、ヤングケアラーです。
当事者の経験談に基づいたコンテンツを掲載したホームページを制作するとともに、ケアラーについての理解を深めるために、ホームページ、ヤングケアラーのひろばを公開していますが、確実に当事者に届いておりますでしょうか。アクセスや利活用状況を伺います。
○小松企画調整部長 都では本年三月下旬に、ヤングケアラーについて理解を深めるため、ヤングケアラー当事者や元ヤングケアラーの意見をいただきながら制作したホームページ、ヤングケアラーのひろばを公開し、令和五年度のアクセス数は約六千件となっております。
また、ホームページの制作に協力していただいたヤングケアラーの方や支援団体等と共有するとともに、区市町村の児童福祉や教育の所管部署に周知を図るなど、活用促進に取り組んでおります。
○上田委員 五年度で六千件で、さっきのこどもセーフティプロジェクトのホームページが六万件となると、約十分の一と。対象分母が違うと思うんですけれども、ううんというふうに思いますね。
ヤングケアラーについては、かねてより埼玉県のような実態調査をすべきだと、厚生委員だったので福祉局に求めてきましたが、厚労省実施のものを援用するという消極的な姿勢を確認してきました。
福祉局は、現場があって実業があり忙しいというのであれば、子供室は、発足の趣旨が先ほどいったように組織横断的取組なわけですから、旗振り役として実態調査をすべきと、東京都のヤングケアラーの悉皆調査をすべきと考えます。
実施した事業を通じて、そのような使命感や、必要だなというような、これは悉皆調査が必要だという課題認識を抱かなかったかも伺いたいと思います。
○小松企画調整部長 昨年度実施いたしましたワークショップでは、参加したヤングケアラー当事者の方から、サポートがあるという存在すら知らなかった、相談できる人、場所があることを伝えたいなど、ヤングケアラーを必要な支援につなげるための情報発信の重要性について意見を頂戴いたしました。
こうした意見を踏まえまして、子供政策連携室では、当事者等の気づきや支援につながるきっかけとなるよう普及啓発に取り組むとともに、組織横断の推進チームを組成いたしまして、関係局と連携しながら、ヤングケアラーに対する多面的、継続的な支援などに取り組んでおります。
○上田委員 やっぱり存在すら知らなかったとか、そういうことですね。相談できる場所、人があることを伝えたいとケアラーを支援するような人たちがいっていたということで、やっぱりこれ実態把握をしないと、取るべき手だてっていうのはできないと思うんですよ。
埼玉県は、調べるだけじゃなくて条例までつくっておりますので、これも求めておりましたけれども、子供室での悉皆調査と条例制定に向け、全庁横断的に旗振り役としての期待をするところです。
学齢期の子育ちでございます。
学校生活になじめず生きづらさを抱える子供が、自分らしくありのままで成長できるよう、学校外の多様な学び、居場所の創出に向け、政策の企画立案を実施しているということです。
都内フリースクールへのアウトリーチ型ヒアリングを通じて、現場の声や実情を把握したとのことですが、もう私は口が酸っぱくなるほど、学校重大事故、指導死、いじめの問題を取り上げてきました。ヒアリングした結果はどうだったでしょうか。
学校にもそもそも行かないでいいという選択肢を確認できませんでしたか。学校に行かなければ救えた命、永遠に癒されない傷ついた心を抱えることもなかった場合が多々あります。
教育庁や福祉局、生活文化スポーツ局と違う立場だからこそ、こういう価値観を子供室は持ち得ると期待しますが、ヒアリング結果と所見を伺います。
○小松企画調整部長 昨年度実施いたしましたフリースクール等に対する実態調査の結果、フリースクールのスタッフは子供への対応を優先しているため事務作業にまで手が回っていないことや、心理や福祉の専門家派遣などを望む声など、現場が抱える様々な課題が明らかになりました。
こうした現場の実態を踏まえまして、子供目線に立った取組を行うフリースクール等に対する支援を今年度より開始したところでございまして、引き続き関係局と連携しながら、子供の学び、居場所の多様な選択肢の創出に取り組んでまいります。
○上田委員 私もいうだけ番長ではなくて、統廃合になりました江戸川区の小学校では−−葛飾には東京シューレの中学がありまして、小学校が欲しいと、葛飾区と江戸川区の子供たちと保護者がいうことで、江戸川区では東京シューレ小学校、葛飾では中学部ということで居場所をつくって、そこから京都大学とか、宇宙工学とか、そんなような子供がしっかり成長していっておりますので、重要だと思っております。学校以外の学びの場のこと、子供室の方も、その取組を期待させていただきます。
こどもスマイルムーブメントです。
プロジェクトやイベント、広報活動を多岐にわたり実施されていますが、この取組が官民一体となって、子供の笑顔があふれる社会、安心して子供を産み育てられる社会にどう貢献したのか、包括的に確認します。
○臼井プロジェクト推進担当部長 こどもスマイルムーブメントでは、社会全体で子供を大切にする機運を醸成することを目指し、官民一体となって様々な取組を展開しております。
具体的には、昨年度、本ムーブメントに参画する企業、団体の先進的な取組を表彰するこどもスマイルムーブメント大賞を新たに創設しました。受賞した取組であります小中学生が職業を体験するプログラムや、駅など外出先で気軽にベビーカーをレンタルできるサービスなどにつきましては、テレビ番組や新聞等、多くのメディアで取り上げられたところでございます。
また、各界の第一線で活躍する八名の方々をアンバサダーに任命いたしまして、本ムーブメントの意義や参画企業、団体が実施している様々なイベントを紹介するため、戦略的な広報を展開いたしました。
例えば、PRポスターの都内主要駅構内やデジタルサイネージの掲出、動画の公開等を行いました。動画につきましては、令和五年度末の総視聴数は百万回を超えてございます。
こうした取組によりまして、参画企業、団体数は、令和三年十二月のキックオフ時の八百六十八団体から、令和五年度末には千六百十七団体まで伸びております。さらに、現時点では、キックオフ時の二倍を超える千八百五十団体まで拡大しておりまして、官民一体となった子供の目線を大切にした取組が一層加速しております。
○上田委員 私、ペーパードライバーなんで都営交通のヘビーユーザーで、地下鉄もバスもよく乗りますけれども、ひしひしとそういった機運は生まれて、ベビーカーで舌打ちされることも大分減ってきたというふうに思いますが、イベントを打つだけではなく、何度もいっているように実業を持っている福祉局とかそういったところと取組をし、交通局等もやっていると思いますけれども、機運を醸成するだけでなく、事務事業にもつなげていく根拠となることを期待したいと思います。
次に、育業ドラマ、育児と仕事の両立を考える動画の委託選定から決定までの経緯と、決定事業者とその金額、開設以来の月間平均視聴数と総視聴数をお示しください。
その上で、この動画が、どう安心して働きながら子供を産み育てられる東京都に貢献できたのか、費用対効果の観点から所見を伺います。
○臼井プロジェクト推進担当部長 夫婦で育児と仕事に取り組むことの重要性を伝える育業ドラマ及び育児と仕事の両立を考える動画につきまして、総合評価方式により、令和五年三月十七日に、委託先を吉本興業株式会社に決定しております。
育業ドラマの制作に係る経費は一千五百三十万円、税抜きでございまして、令和五年十二月に動画公開以来、令和五年度末までの総視聴数は、目標の五万回に対しまして約十万五千回、四か月間の月間平均視聴数は約二万六千回でございます。
また、育児と仕事の両立を考える動画の制作に係る経費は七百十万円、税抜きでございまして、令和六年三月に動画公開以来、令和五年度末までの総視聴数は、目標の六万回に対しまして約十万八千回でございます。
これらの動画につきましては、当初の目標を大きく超えて視聴されており、多くの子育て世帯に対して、男女を問わず育業することの重要性を伝えることができたと考えてございます。
○上田委員 ちょっと育業って言葉はどうなのかなと、まだ違和感はあるんですが、せっかくつくった動画が予想以上に見ていただいているということで、一回見て終わりじゃなくて、常に新しいユーザーというか、対象者となるお父さん、お母さん、プレパパ、プレママが見て口コミで広がっているのかなということは確認させていただきました。
子供・長寿・居場所区市町村包括補助事業でございます。
少子化対策区分を新設、区市町村が地域の実情を踏まえて実践する少子化対策を積極的に都が後押ししているとのことで、これまで延べ二十六自治体が参加しています。コロナもありましたが、令和五年度が十二自治体と増加傾向でありますが、やはりそれでも、それほど利用されていないのかどうかと考えております。
既に、結構区市町村って自分たちでいろんなことやっているので、そちらで回していって、必要がなく、手挙げが少ないのかなという印象を持ちました。今般の実績評価と区市町村の需要について、所見を伺います。
○小松企画調整部長 子供・長寿・居場所区市町村包括補助事業のうち、子供政策連携室が所管をしております子供分野では、区市町村の先駆的、分野横断的な子供政策や少子化対策の取組を支援してきました。
自治体からは、実施自体が困難であった事業にチャレンジすることができた、ふだんの業務ではない連携ができ今後の事業展開の新しい形が見えたなどの評価をいただいております。
また、予算額を超えた申請があるなど、本事業に対する区市町村の関心は高いと考えております。
○上田委員 手挙げなので、別に自分でやるから大丈夫というところと、やっぱり都の事業をやりたいというところが、濃淡があるのかなというふうに評価をさせていただきました。
最後に、今の子供・長寿・居場所の包括事業が象徴しているように、区市町村は独自の地域特性をつかんだ子育て支援、ヤングケアラー、子供の居場所づくり、少子化対策等、子供室が手がけているほとんどの事業を実施しています。私からすると、都区財調割合や総合交付金を増やして、渡しちゃって、全部都が抱え込まないで、区市町村の自由にしてもいいのではないかなって思う部分もあります。
もしもあえて東京都がやるとなれば、例えばヤングケアラーや子供の居場所における大規模アンケート、子供をめぐる虐待、学校事故を含め、CDRと連動した大規模事故データベース構築といったところではないでしょうか。
最後に、改めて、各局とは別に設立し、それでも重任幹部職が多い子供室における決算年度の実績の評価と、東京都子供室でなければならない存在意義についての所見を伺わせていただきます。
○山本総合推進部長DX推進担当部長兼務 令和五年度は、子供の居場所におけるヒアリングやこども都庁モニターなど、多様な手法を用いて子供との対話の実施規模を令和四年度の約七倍となる一万八千人に大幅に増やすとともに、子供の居場所ヒアリングのノウハウ等を実践事例集として取りまとめ、庁内各局等と共有することで、子供との対話の質の向上を図ったところでございます。
また、子供政策連携室が子供政策の企画立案機能、総合調整機能、これらを一元的に担うことで、従来の延長線にとどまらない政策に踏み出し、実践してきたところでございます。
具体的には、子供の遊びという政策課題を新たに設定し、組織横断の推進チームを立ち上げ、政策を実践するとともに、フリースクール等の支援や、幼稚園、保育所といった施設類型の垣根を越えた共通プログラムの策定など、既存の枠組みでは対応が難しい政策課題に取り組んでまいりました。
引き続き、子供や子育て家庭が直面する複雑化、複合化した課題に対し、分野横断的な観点から企画調整機能を発揮するとともに、政策分野の垣根を越えた先進的な取組に挑戦してまいります。
○上田委員 子供に着眼しているこの子供室ということは、私、やっぱり評価したいというのが、少子化対策って、大人になって結婚して子供を産めといわれても、子供時代、楽しかったのかなとかネガティブな思いがあると、やっぱり子供を産みたくないってなると思うんですが、今を生きている子供たちが、あっ、こんなところで話を聞いてもらえたとか、自分が子供時代の子育ての環境にすごく肯定的になることが、長期的でございますけれども、やっぱり少子化、また、子供を産もうとか家族を持ちたいというところにつながっていくというふうに思っております。
私も、江戸川ワークマムという子育て支援グループを一九九九年に立ち上げまして、自分も待機児童の親となりまして、もう三十年近く、立ち上げたのは九九年ですけど、三十年近く子育て支援をやってきておりまして、目の前の子供が本当に、何度も出てきたように自己肯定感を持って、一人一人の子供と向き合って救っていくことが、将来、あのとき、あのおばちゃんにああいわれて、落ち込んだときに、あっ、かけがえのない僕なんだ、私なんだってことが生きるよすがになるし、あそこでわいわいして楽しかった、僕も私も、子供を持って子育てしたいなと思えるような、これ、割と長期的な取組になっていくと思います。
イベントをどんどん打つのもいいんですけれども、あまり焦らないでじっくりと、やっぱりデータベースができてくると思うのでね、皆さんの中で新しく。もちろんデータベースの構築だけじゃなくて、知見のデータベースができてくると思いますので、こちらも横断的に教育庁、そして区市町村、そして福祉局、生活文化スポーツ局と、関係各局と連携を図りながら、子供中心の東京都の温かい社会をつくっていくことに寄与していただきたいということで、私の質疑を終わらせていただきます。
○河野委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○河野委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で子供政策連携室関係を終わります。
以上をもちまして第一分科会における決算の審査は終了いたしました。
なお、本分科会の審査報告書につきましては、分科会委員長において取りまとめの上、委員会委員長に提出いたしますので、ご了承願います。
これをもちまして第一分科会を閉会いたします。
午後六時三分散会
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