令和五年度各会計決算特別委員会第三分科会速記録第六号

令和六年十月二十五日(金曜日)
第九委員会室
午後一時開議
出席委員 十名
委員長小磯 善彦君
副委員長本橋たくみ君
副委員長曽根はじめ君
かまた悦子君
遠藤ちひろ君
銀川ゆい子君
宮瀬 英治君
伊藤しょうこう君
本橋ひろたか君
とや英津子君

欠席委員 なし

出席説明員
水道局局長西山 智之君
技監松田 信夫君
総務部長長嶺 浩子君
経営改革推進担当部長小澤 賢治君
多摩水道改革推進本部本部長山田 則人君
住宅政策本部本部長小笠原雄一君
技監青柳 一彦君
住宅企画部長松崎伸一郎君
民間住宅部長鈴木 誠司君
都営住宅経営部長栗谷川哲雄君
住宅政策担当部長丸山 宏司君
民間住宅施策推進担当部長三宅 雅崇君
経営改革担当部長小町 高幹君
都営住宅企画担当部長平松 紀晴君
建設推進担当部長小久保信一君
営繕担当部長小野寺弘樹君
再編利活用推進担当部長木村 宣代君

本日の会議に付した事件
令和五年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
水道局関係
・令和五年度東京都工業用水道事業清算会計決算(質疑)
住宅政策本部関係
・令和五年度東京都一般会計決算(質疑)
・令和五年度東京都都営住宅等事業会計決算(質疑)
・令和五年度東京都都営住宅等保証金会計決算(質疑)

○小磯委員長 ただいまから令和五年度各会計決算特別委員会第三分科会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、水道局及び住宅政策本部関係の決算に対する質疑を行います。
 これより水道局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 令和五年度東京都工業用水道事業清算会計決算を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。−−発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小磯委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で水道局関係を終わります。

○小磯委員長 これより住宅政策本部関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 令和五年度東京都一般会計決算中、住宅政策本部所管分、令和五年度東京都都営住宅等事業会計決算、令和五年度東京都都営住宅等保証金会計決算を一括して議題といたします。
 本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○松崎住宅企画部長 去る十月九日の当分科会で要求のございました資料につきまして、ご説明申し上げます。
 お配りしております当本部の令和五年度各会計決算特別委員会第三分科会資料をご覧ください。資料は、全部で二十件でございます。
 まず、一ページ、ご覧ください。1、都営住宅建設事業に係る中小企業への工事発注実績でございます。
 発注実績及びそのうちの中小企業への実績につきまして、件数及び金額を過去五年間、年度別に財務局契約及び住宅政策本部契約別に記載してございます。
 二ページ、ご覧ください。2、都営住宅の管理戸数、空き住戸数、募集停止戸数の状況でございます。
 都営住宅の管理戸数、そのうちの事業用空き住戸及び募集用空き住戸につきまして、戸数及び割合を過去五年間、年度別に記載してございます。あわせて、募集停止戸数につきまして、年度別に記載してございます。
 三ページ、ご覧ください。3、都営住宅、公社住宅のエレベーター設置状況でございます。
 (1)では、既設都営住宅へのエレベーター設置状況を、(2)では、都営住宅のエレベーター設置率を、それぞれ過去五年間、年度別に記載してございます。
 四ページ、ご覧ください。(3)では、公社住宅のエレベーター設置状況を、(4)では、公社住宅のエレベーター設置率を、それぞれ過去五年間、年度別に記載してございます。
 五ページ、ご覧ください。4、都営住宅、公社住宅の入居者の年齢別世帯数の状況及び単身入居者の年齢別世帯数の状況、都営住宅の平均居住年数、都営住宅の使用料の収入未済率でございます。
 (1)では、都営住宅の入居者、(2)では、そのうちの単身入居につきまして、名義人の年齢区分別に、世帯数及び割合をそれぞれ過去三年間、年度別に記載してございます。
 六ページ、ご覧ください。(3)では、都営住宅の入居者の平均居住年数を、(4)では、都営住宅の使用料の収入未済率を、それぞれ過去三年間、年度別に記載してございます。(5)では、公社住宅の入居者、七ページの(6)では、そのうちの単身入居者につきまして、名義人の年齢区分別に、世帯数及び割合をそれぞれ過去三年間、年度別に記載してございます。
 八ページ、ご覧ください。5、都営住宅使用承継事由発生件数、申請件数及び使用承継が認められた件数でございます。
 各件数を過去五年間、使用承継事由発生期間別に記載してございます。
 九ページ、ご覧ください。6、公営住宅使用承継制度厳格化の実施状況でございます。
 都道府県及び政令市別に、令和六年三月三十一日現在の実施状況を記載してございます。
 一〇ページ、ご覧ください。7、都営住宅における収入階層別世帯数でございます。
 令和六年三月三十一日現在の各世帯数を記載してございます。
 一一ページ、ご覧ください。8、都営住宅使用料一般減免の状況でございます。
 減免件数を過去五年間、年度別に記載してございます。
 一二ページ、ご覧ください。9、都営住宅建替えによる型別供給実績でございます。
 型別供給の内訳を過去三年間、年度別に記載してございます。
 一三ページ、ご覧ください。10、都営住宅における期限付き入居の募集戸数、申込者数及び平均倍率でございます。
 都営住宅における期限付入居の募集戸数、申込者数及び平均倍率を過去五年間、年度別に記載してございます。
 一四ページ、ご覧ください。11、都営住宅の使用料収入でございます。
 調定額、収入済額、収入率を過去五年間、年度別に記載してございます。
 一五ページ、ご覧ください。12、公社一般賃貸住宅及び都民住宅の空き住戸状況でございます。
 (1)では、公社一般賃貸住宅の管理戸数及び空き住戸数を、(2)では、都民住宅の管理戸数及び空き住戸数を、都施行型、公社施行型、公社借上げ型及び法人管理型別に、それぞれ過去三年間、年度別に記載してございます。
 一六ページ、ご覧ください。13、区市町村居住支援協議会の一覧と各居住支援協議会の構成メンバーでございます。
 一六ページから一九ページにかけまして、令和六年三月三十一日現在の協議会名及び構成メンバーをそれぞれ記載してございます。
 二〇ページ、ご覧ください。14、東京都の空き家数・空き家率の推移でございます。
 平成十五年度以降の空き家数及び空き家率を五年ごとに記載してございます。
 二一ページ、ご覧ください。15、区市町村別東京ささエール住宅の登録戸数及び専用住宅の登録戸数、それぞれの登録戸数の合計でございます。
 令和六年三月三十一日現在の東京ささエール住宅の登録戸数及びそのうちの専用住宅の戸数を区市町村別に記載してございます。あわせて、欄外にはそれぞれの登録戸数の合計を記載してございます。
 二二ページ、ご覧ください。16、住宅確保要配慮者向け賃貸住宅に係る家賃低廉化補助を実施している自治体及び補助実績でございます。
 各自治体の補助実績を過去五年間、年度別に記載してございます。
 二三ページ、ご覧ください。17、居住支援法人の指定数の推移でございます。
 法人の種別ごとの指定数を過去五年間、年度別に記載してございます。
 二四ページ、ご覧ください。18、サービス付き高齢者向け住宅等供給実績でございます。
 過去五年間の供給戸数及び累計の戸数を、それぞれの高齢者向け住宅別に記載してございます。
 二五ページ、ご覧ください。19、政策連携団体・事業協力団体の職員構成でございます。
 過去五年分の職員構成を団体別に記載してございます。
 二六ページ、ご覧ください。20、都営住宅の大学連携事業の実績と入居学生数でございます。
 本事業開始以降、各年度三月三十一日現在における協定を締結した大学数及び累計大学数並びに入居中の学生数を記載してございます。
 以上で資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○小磯委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○伊藤委員 まず、東京ささエール住宅について伺います。
 住まいを探す際に、入居を拒まれやすい高齢者や障害者などの居住の安定を図るため、都は、住宅確保要配慮者の入居を拒まない東京ささエール住宅の供給を進めており、そのうち特に要配慮者のみ入居できる専用住宅について、登録を促進しています。
 令和五年度からは、専用住宅の登録促進に向けて、貸主や居住支援法人の取組を支援するため、東京ささエール住宅貸主応援事業と、東京ささエール住宅居住支援法人等応援事業という二つの補助制度を創設しました。
 そこで、新たに開始したこの二つの補助制度について、どのような制度であるのか確認のため伺います。

○鈴木民間住宅部長 東京ささエール住宅貸主応援事業は、貸主に分かりやすく魅力的な補助制度となるよう、これまで個々に申請が必要であった住宅設備や見守り機器設置などへの補助に、令和五年度から新たに耐震改修費補助を加えてパッケージ化し、一回の申請で、貸主の実情に応じて様々なメニューを活用できるようにしたものでございます。
 また、東京ささエール住宅居住支援法人等応援事業は、入居中の事故や、空室リスクなどの貸主の不安を軽減できるよう、居住支援法人がサブリース物件として新たに専用住宅に登録し、住宅確保要配慮者に生活支援等を行う場合に、運営費等を補助する制度でございます。いずれも都独自の制度でございます。

○伊藤委員 それでは、この貸主応援事業と居住支援法人等応援事業の二つの補助制度について、令和五年度は、どのような案件を支援してきたのか伺います。

○鈴木民間住宅部長 貸主応援事業につきましては、旧耐震基準の木造戸建住宅を高齢者や障害者、子育て世帯の少なくともいずれかを対象とする専用住宅にするため、耐震改修やバリアフリー工事などを複数年度にわたって計画している案件につきまして、令和五年度は、耐震診断等に係る費用に関して交付決定をしております。
 なお、居住支援法人等応援事業につきましては、事前相談は複数いただいたものの、申請には至ってございません。

○伊藤委員 どちらの補助制度も、貸主や居住支援法人を支援するため意義のある制度であると考えますが、ご答弁によりますと、残念ながら実績はあまり上がっていないとのことでした。制度改善初年度とはいえ、実績が上がっていない理由をどのように認識しているのか伺います。

○鈴木民間住宅部長 貸主応援事業の実績が伸びていないことにつきましては、貸主や不動産業団体等からは、専用住宅は入居者が要配慮者に限定されるため空室リスクの懸念があること、また、補助制度を活用した際のメリットが貸主に十分に伝わっていないという意見を伺っております。加えまして、耐震改修費補助は、耐震診断から工事完了までに相応の期間や費用を要するため、判断に時間を要している面もあるものと考えております。
 次に、居住支援法人等応援事業につきましては、居住支援法人から、要配慮者の属性や要望に合ったサブリース物件を入居のタイミングに合わせて確保することが困難であるなどの意見を伺っております。

○伊藤委員 実績が上がっていない理由、すなわち制度運用の課題を確認いたしました。貸主等との関わりの深い不動産業団体からは、補助制度の活用促進に向け、貸主などにとって利用しやすい制度とすることが重要であるといった声もいただいております。
 今行っている二つの事業は、貸主等の状況に応じた支援を行えるように創設したものであり、一定の評価はできますが、今後、補助制度の活用を図り、専用住宅の登録を進めていくためには、こうした団体の協力も不可欠です。専用住宅の登録を進めていくため、不動産業団体とも協力しながら補助制度の活用促進に取り組むことが重要ですが、見解を伺います。

○鈴木民間住宅部長 補助制度の活用促進には、現場の実態を把握している不動産業や賃貸管理業等の賃貸住宅に関わる業界団体と連携していくことが重要でございます。引き続き、これらの団体と意見交換を行い、多くの貸主や居住支援法人にとって補助制度が利用しやすいものとなるよう改善に努めてまいります。
 また、これらの団体が発行する広報紙やホームページに補助制度のPRを行うほか、団体の研修会やイベント等において、会員企業向けに補助制度の利用促進を働きかけるなど、普及啓発に取り組んでまいります。

○伊藤委員 専用住宅の登録促進に向け、これらの補助制度が活用されるよう、不動産業団体とも意見交換を重ね、利用者が活用しやすい制度となるよう努めていただくことを求めておきます。
 次に、分譲マンション社会的機能向上支援事業について伺います。
 都民の三分の二以上がマンション等の共同住宅に居住しており、その防災力向上は重要な課題です。そして、マンションにおける防災の取組には、管理組合の主体的な取組が求められます。熱心に防災に取り組むマンションがある一方で、何から始めてよいか分からず、取組が進まないマンションも少なくないのが実情です。
 こうしたマンションでは、まずは専門家のアドバイスを受け、基本的な防災対策から始めることが重要であり、昨年度から都は、防災力向上などに取り組む管理組合を支援するため、マンション管理士の派遣を開始したと聞いています。
 そこで、改めてこの事業の概要と目的についてと、併せて令和五年度の実績についても伺います。

○三宅民間住宅施策推進担当部長 都は、令和五年度から、防災対策や認知症の居住者対応といった地域社会にも影響のある課題に、管理組合が適切に対応することができるよう、マンション社会的機能向上支援事業を開始し、講習を受講したマンション管理士を管理組合に派遣しております。
 防災対策に関しては、自主防災組織の立ち上げや、安否確認に必要な居住者名簿の整備の方法などにつきましてアドバイスを行ったところでございまして、昨年度の実績は、本事業全体の派遣数百二十二件のうち、防災対策に関するものは六十二件でございました。

○伊藤委員 マンション防災に関心がありながら、具体的にどこから進めればよいか分からない管理組合にとっては、無料派遣でアドバイスを受けられることは有益と考えます。そして、都民ニーズに応え、本事業が効果的なものとなるためには、アドバイザーが個々のマンションの状況や課題をしっかりと把握し、それに応じた実践的な助言を行っていく必要があります。
 そこで、本事業では、例えば具体的にどのようなアドバイスなどがなされたのか伺います。

○三宅民間住宅施策推進担当部長 マンションの構造や設備、居住者のニーズ等、個別の状況や課題を踏まえて、具体的で実践的なアドバイスを行っております。防災訓練をしても居住者が集まらないという声に対しましては、全てを自分たちで行おうとするのではなく、地元自治体に起震車や煙体験ハウスの利用を申し込むなど、居住者の興味を引く工夫をすることを提案しております。
 また、共用部に防災備蓄資器材の保管場所の余裕が少ない場合につきましては、発電機等を共用備品として管理組合が確保する一方で、水や食料などは自助の備えとすることなどを提案しております。

○伊藤委員 アドバイザー派遣において、個々のマンションの状況に応じて実践的なアドバイスが行われていることを確認しました。
 しかし、アドバイスを受けるだけでは、マンションの防災力向上が進むとはいえません。アドバイスを踏まえて、防災力向上に向けた実際の取組に結びつけていくことこそが重要と考えますが、都の見解を伺います。

○三宅民間住宅施策推進担当部長 本事業におきましては、マンション管理士からのアドバイスに加えまして、東京とどまるマンション登録制度の要件や、防災備蓄資器材の購入補助等の登録した場合のメリットなどについても、詳しくご案内しているところでございます。その結果、昨年度、防災対策に関して派遣を受けたマンションのうち、約四割がとどまるマンションに既に登録しておりまして、防災訓練の実施や防災備蓄資器材の整備など、防災の取組を実践しております。
 これまでの派遣で得られた経験を生かしながら、より実践的なアドバイスを提供することによりまして、とどまるマンションへの登録を一層促し、マンションの防災力向上を図ってまいります。

○伊藤委員 アドバイザー派遣を通じて、とどまるマンションの登録につなげて、防災力の向上に努めていることを確認しました。
 さて、東京全体の安全性を高めるためには、分譲のみならず、賃貸についても、防災力向上の取組を進めていく必要があります。さきの第三回定例会での我が会派の代表質問に対し、都は、今年度から賃貸マンションにも対象を広げ、居住者の入れ替わりが激しいなどの特性を踏まえ、災害発生時に居合わせた居住者だけで安否確認などの初動対応ができるよう、実践的な提案を行う事業を開始したとの答弁もありました。
 分譲、賃貸ともに、マンション全体の防災力の向上への取組を強くお願いし、質問を終わります。

○遠藤委員 それでは、ウクライナ避難民への支援についてお伺いいたします。
 二〇二二年の二月から、ロシアの侵攻によって始まったこのウクライナ戦争ですけれども、既に二年半が経過をしております。ウクライナの人口も五千万から四千万へと、約八百万から一千万ぐらい減少している。出生率も一・〇と落ち込んで、大変に厳しい状況が続いております。
 東京都や日本ができることは多いはずだと思っておりますが、都営住宅等におきますウクライナ避難民の方の受入れについて質問いたします。
 ウクライナ避難民の方への支援、特に生活の基盤となる住宅の提供は、大変に重要であると思います。令和五年度におけるウクライナ避難民の方の都営住宅への受入れ状況について伺います。また、令和四年度末と比較してどの程度増えているか、この観点からも伺います。

○小町経営改革担当部長 令和五年度末までの受入れ数は三百二十五組、五百六人でございます。令和四年度末までの受入れ数は二百三十三組、三百八十五人でございまして、九十二組、百二十一人の増加となってございます。

○遠藤委員 令和四年度末から五年度末の間に九十二組、百二十一名の増加が見られているということが分かりました。
 都営住宅等に受け入れている避難民の方々への支援としまして、生活に不可欠な備品などの供給、提供に加えて、避難生活が長くなるにつれて、言葉も違う避難民の方と団地居住者の方、この円滑な意思疎通が図れるような支援、これも重要になってくると思います。
 こうした観点から、都が都営住宅等において避難民と団地の自治会、この両者に提供している支援の内容と、その支援に要した費用の決算額、避難民への支援の内容と、その支援に要した費用の決算額について伺います。

○小町経営改革担当部長 都は、避難民には、都営住宅等の住戸を無償で提供するとともに、照明器具やエアコン、冷蔵庫、洗濯機、テレビ等の備品をあらかじめ用意しているほか、光熱水費等の支援も行いました。
 あわせて、避難民の方が居住する都営住宅等の自治会に対する支援として、自治会の方が避難民の方と円滑にコミュニケーションを図るために、多言語翻訳機を無償で貸与しており、その実績は、令和五年度末で六十自治会に六十二台となっており、令和四年度末より九自治会、九台増加しております。これらの支援に要した費用の令和五年度決算額は、約一億二千九百万円でございます。

○遠藤委員 生活の基盤である住まいに関して、幅広く支援がなされていることが分かりました。
 今後も避難民の方に都営住宅等で安心して暮らしていただくためには、備品やツールの提供だけではなくて、団地に住んでいる方々、居住者との交流が深まるような取組、これも重要であると思います。これら取組の実績について具体的に伺います。

○小町経営改革担当部長 避難民の方と団地居住者の方との交流の場として、令和四年度に引き続き、令和五年度も東京みんなでサロンを開催し、書道体験を通じた交流の機会を提供いたしました。
 実績としましては、開催順に足立区、昭島市、葛飾区、三鷹市、台東区の五か所の都営住宅の集会所で実施し、ウクライナ避難民四十人、団地居住者四十六人、合計八十六人の方にご参加いただきました。参加した避難民の方々からは、書道を初めて体験して貴重な体験となったとの声や、団地居住者からは、避難民の方と交流できて楽しかったなどの感想をいただきました。

○遠藤委員 書道体験の感想が今お話ありましたけど、大変すばらしいことだと思います。やっぱりウクライナから日本に来て、言葉もできないし知人もいない、そういう環境にいる中で、本当に心細いと思うんですね。そして、戦争もいつ終わるか分からない。こういった意味におきましては、アウトリーチというんでしょうか、一種余計なお世話というか、少しこちら側からプッシュしていくような、そういったアプローチが大変重要ではないかと思います。住宅を貸すことも重要ですが、生活的な部分での絆も、これはぜひ他局とも協力してやっていただきたいと思います。
 次の質問に参ります。
 私ども都民ファーストは、都営住宅につきまして、そのセーフティーネットとしての役割にとどまらず、スタートアップなどのチャレンジする人に向けた就労支援等サポートとしての役割の強化を求めてきました。
 内閣府、令和二年度少子化社会に関する国際意識調査では、独身の理由について、経済的に余裕がないという回答が約三割に上りまして、諸外国と比べてその割合が高いんですね。実際に、パートナーはいるけれども、経済的な事情によって結婚や子供を持つことをためらう都民も多いことも事実です。
 まずは、都が新たに、結婚予定者を対象に都営住宅等を提供するとともにその、後押しをしていることは、高く評価をいたします。
 そこでまず、この結婚予定者対象の都営住宅提供の取組の目的と内容について伺います。

○平松都営住宅企画担当部長 令和五年度から新たに開始いたしました都営住宅における結婚予定者向け募集は、結婚を希望しながらも住居費などに不安をお持ちの方々が、安心して新たな生活に踏み出せるよう支援することを目的としております。
 本事業では、都営住宅の毎月募集におきまして、これから婚姻届を出す予定の方や、パートナーシップ関係になる予定の方を対象に、交通利便性の高い住宅を年間二百五十戸、原則十年間の定期使用住宅として提供してございます。

○遠藤委員 目的と内容について理解いたしました。
 次に、令和五年度の応募状況、そして課題についてお伺いします。

○平松都営住宅企画担当部長 令和五年度は、SNS等を活用した情報発信や、テレビ、新聞等のマスコミを通じた積極的な広報活動の結果、募集戸数二百五十戸に対しまして、七百四十二件の応募がございました。応募数は順調な一方で、住戸ごとの応募倍率には偏りがございまして、応募がない住戸もあることが課題となっております。
 そこで、本年一月の結婚予定者向け募集から、補欠または落選となった方を対象に、その月で応募がなかった住戸に先着順で申し込むことができる二次募集を実施するなどの工夫を行っております。

○遠藤委員 この結婚予定者向け募集の入居者は、一定期間の入居に限られているわけですので、この間に、入居期間後の将来の設計や自立について一応のめどを立てられるようにすること、これも大切だと、大事だと思います。そういった意味では、入居者への就労支援ですとか、就労相談、所得増、ライフプランの構築など、こういった支援も必要ではないでしょうか。
 そこで、結婚予定者向け募集の入居者に対する就労支援の取組と、その目的について伺います。

○平松都営住宅企画担当部長 結婚予定者向け募集の入居者に対しましては、入居手続の際に就労支援に関するリーフレットを提供するなど、就労を希望されている方が就職に関する様々な情報を得やすいよう情報発信を行っております。この取組は、居住者が経済基盤を整え、将来の良好な生活設計を組み立てることを後押しすることを目的としてございます。

○遠藤委員 都営住宅には、経済的な不安を抱える結婚予定者以外にも、ひとり親など様々な困難を抱える入居者もいらっしゃいます。
 そこで、このような方々には、どのような支援を行っているのか伺います。

○平松都営住宅企画担当部長 就労支援を本来必要とする居住者に対しましては、居住者向けの広報紙「すまいのひろば」を活用いたしまして、就労支援に関する情報を提供しております。
 また、昨年度は、新たに関係局と連携いたしまして、港区と練馬区の二か所の都営住宅の集会所において就労に関するセミナーを開催するとともに、希望者には個別相談を実施してございます。
 港区では、子育て中の女性にも人気のあるヨガ教室を、練馬区では、時短家事の講演を就労セミナーと組み合わせたほか、開催時には託児コーナーを設けるなど、都営住宅の居住者がより参加しやすいイベントとなるよう工夫してございます。

○遠藤委員 都営住宅の集会所を活用した就労支援では、単に就労に関わる情報提供だけではなくて、興味を持ちやすい話題などを工夫して、参加したくなるようなイベントにしていることが感じられました。これからも実施に当たりましては、就労支援を本来必要とする、より多くの方に参加いただけるように、工夫を重ねながら取組を進めていただきたいと思います。
 次いで、東京ささエール住宅、重複しないように質疑してまいります。
 住まいの確保は、豊かな暮らしの大前提であります。その意味では、この東京ささエール住宅の支援策をバージョンアップするなどして、高齢の方など入居に配慮が必要な方が安心して利用できる賃貸住宅の環境整備は、喫緊の課題であると考えます。
 東京ささエール住宅の専用住宅は、現状では戸数は極めて限定的でありまして、取組の抜本的な強化が必要です。民間物件の貸主の理解を得られるような支援に加えて、整備費補助などの拡大、民間連携による中古物件のリノベーションであったり、公社物件の活用などを通じた物件の供給拡大など、様々な取組が考えられます。
 海外では、アフォーダブル住宅といった事例があります。また、ミックスインカムでは、民間で整備する物件の一定割合を低所得者向けにする代わりに、容積率の緩和などを行う仕組みであります。こういった民間誘導やまちづくり手法の活用を検討するべきではないでしょうか。東京都のこれまでの東京ささエール住宅専用住宅拡大と充実に向けた取組を伺います。

○鈴木民間住宅部長 都は、住宅確保要配慮者の居住の安定を図るため、東京ささエール住宅の専用住宅の供給を促進しており、貸主の負担軽減を図るため、国の補助制度を活用して、貸主へ改修費等の補助を行う区市町村に対し財政支援を行うほか、令和五年度からは、貸主等に対する都独自の新たな支援策も開始しております。
 また、住宅ストックの有効活用という観点から、空き家を改修して専用住宅として活用する事業者を支援する取組も行っております。
 さらには、まちづくりとの連携という観点から、都市開発諸制度において、東京ささエール住宅を誘導する仕組みを導入するなど、専用住宅の供給促進に向け、様々な観点から取組を行っております。

○遠藤委員 これまで、都独自に支援制度の拡充を図ってきたということでありますが、住宅セーフティーネット制度はそもそも国の制度でありまして、東京ささエール住宅の戸数を増やしていくためにも、国の補助制度の見直し、これが必要であると考えております。
 中でも、家賃の低廉化補助は、入居者の家賃負担を軽減するものであり、住宅セーフティーネット制度における重要な補助制度と認識をしております。国の補助制度の課題とその解決に向けて、都は、国にどのように働きかけを行ってきたのか伺います。

○鈴木民間住宅部長 国の家賃低廉化補助は、住宅確保要配慮者の受入れに当たり、貸主が抱く不安を軽減するため設けられておりますが、家賃水準が高い東京都におきましては、対象世帯の収入基準を引き上げる必要があることや、補助期間は国費の補助総額の範囲内で定める必要があるため、要配慮者の実情に応じた適正な家賃と補助期間の設定が可能となるよう国費の総額を見直す必要があるなど、様々な課題がございます。
 都としましては、要配慮者や貸主の実情を踏まえた補助制度となるよう、補助要件の見直し等を国に提案要求しており、国費の総額が変わらない範囲内で自治体が地域の実情に応じた補助期間を定められるようになるなど、一部改善が図られております。
 引き続き、活用しやすい制度となるよう国に要求してまいります。

○遠藤委員 国に対して制度改善を要望し、一定程度は改善されたということでありました。今後も国に対して必要な要望を行い、貸主と入居者の双方が活用しやすい制度となるよう努めていただくようお願いいたします。
 最後の質問です。都は、団地や地域の活力あるコミュニティ形成に役立つよう、都内の大学と連携し、学生が都営住宅に入居して、自治会活動を支援する取組を進めていると聞いております。大学と連携していくということですね。高齢化の進む団地コミュニティでは、学生の入居を期待しているところも多いと思います。
 そこで、こうした思いに応えて事業を拡大していくため、令和五年度では、どのように大学や各区市へ働きかけたのか、また、大学との協定締結数と、学生の都営住宅への入居者数について伺います。

○小町経営改革担当部長 区市の大学連携部門等の会合におきまして、本事業の紹介を行ったほか、地域への貢献に関心のある大学を直接訪問するなど働きかけた結果、令和五年度における協定締結大学は合計九つとなり、入居実績は十一団地で、計五十四人となっております。

○遠藤委員 ただいま答弁いただきましたデータから、多くの学生たちが都営住宅に入居して、団地のコミュニティに参加している様子がうかがえます。自治会の活動は、団地ごとに定例的なものですとか、独自のものなど様々な活動がございます。学生が入居することで、新たな取組も生まれてきたんではないでしょうか。
 そこで次に、令和五年度に、学生が主となって行った自治会活動の取組について伺います。また、入居している学生からはどのような声があるのか、併せて伺います。

○小町経営改革担当部長 入居した学生は、月一回程度の共用部分の清掃や資源回収活動に加え、春や夏のお祭りの手伝いに参加するなど、自治会活動の活性化に貢献しております。
 多摩地域にある団地の自治会では、令和五年度に団地居住者の小学生を対象とした夏休み学習教室を三日間開催し、学生が子供たちの夏休みの宿題を教える活動も行ったほか、団地によっては青少年委員の一員として、夏の夜間パトロールや秋の運動会などの運営を行いました。
 学生からは、経験したことのない活動なので刺激となり、よい経験になったといった声や、団地の方から頑張っているねと声をかけてもらい、自治会活動参加への励みになったといった声などを聞いております。

○遠藤委員 協定を締結している大学も増えまして、入居した学生が自治会支援に力を尽くしていることが見えてまいりました。とはいえ学生たちは、学生の本分であります学業、また生活のためのアルバイトなど、学生生活と自らが居住する地域コミュニティ活動の両立、これに悩む面や、社会経験の浅さから来る課題もあるのではないかと思います。
 こうした学生を取り巻く課題として、令和五年度にはどのようなものがあったのか、そして、そうした課題に都はどのように取り組んできたのか伺います。

○小町経営改革担当部長 学生が自治会支援活動に熱心に取り組む中で、ごく一部ではございますが、活動への参加が不十分なケースや、自治会の期待と学生の対応に僅かながらそごが生じるケースも見受けられました。こうしたケースに対しましては、自治会と学生との懇談会の場などを活用して、本事業の趣旨を学生に再認識してもらうとともに、コミュニケーションの円滑化を図り、自治会支援活動と学生生活の両立に向けた相互理解を深めていくよう取り組んでまいりました。

○遠藤委員 ありがとうございました。私は、前職は多摩の市議会議員だったんですけれども、まさに多摩ニュータウンを抱える地域ということで、この団地の中に学生が住むという事業については、随分前から着目して、事例を調べてきました。
 先行したのはURなんですね。URと団地の事例がとても先行しておりまして、愛知県でも優れた事例がありますし、京都でもあるし、東京でもあったんですけれども、ただ残念なことに、あんまり長く続かないケースが散見されております。
 学生は、やっぱり四年間、最長四年で卒業しますので、そのときの引継ぎというのがなかなかうまくできなくてコミュニティ形成までに至らないとか、うまくいっていない事例を幾つか見ますと、学生のリーダーが卒業しちゃうとコミュニティが崩壊しちゃうとか、自治会側から比較的単純な掃除とか、学生側に要望をしっ放しのケースもうまくいかない。こういった中で、ぜひこの事業には、過去の先行事例をしっかり研究してもらって、続く、そして拡大できるような仕組みにしていただきたいと思っています。
 一個の事例として、愛知県の中部大学とURの事例が本当にこれはうまくいっているなと思うんですが、教員が関わったり、単位にするとか、大学を巻き込んでいくことが必要なんですね。学生と団地だけでやってもなかなか継続しているケースが少ないんですよ。
 多摩ニュータウンでも、都立大学のケースも、多摩大学のケースも、実はもう存在していない。ぜひこういった過去の事例をしっかり見ていただきまして、互恵的というんでしょうか、学生と団地両方にメリットがある、こういった事業として育てていっていただきたいと思います。
 都と自治会、学生、三者が力を合わせて改善を図りながら、本事業を地域コミュニティの活性化につながる持続可能な取組へと発展させていただきたいということを要望しまして、質問を終わります。

○かまた委員 それでは、質問させていただきます。
 都内の約三分の二の世帯がマンション等の共同住宅に居住していることから、首都直下型地震に備えるマンション防災対策は必要不可欠であります。
 都は、平成二十四年度から、東京都LCP住宅として、停電時でもエレベーターの運転等に必要な最小限の電源の確保や、防災マニュアルを策定し、防災訓練を実施することによって、災害に備え、自宅での生活を継続しやすいマンションを登録する制度を運用し、令和四年度には、東京とどまるマンションへと名称変更を行いました。
 昨年度からは、とどまるマンションを普及させるため、登録マンションに対して防災備蓄資器材の補助を開始しておりますが、昨年度の東京とどまるマンションの登録件数と、防災備蓄資器材の補助の実績、その効果についてお伺いをいたします。

○三宅民間住宅施策推進担当部長 東京とどまるマンションは、令和五年度に新たに二百十九件が登録されました。また、このうち昨年度中に防災備蓄資器材の補助を利用したマンションは百三十六件でございまして、簡易トイレやエレベーター用防災キャビネット等、それぞれのマンションに必要な資器材の購入を行ってございます。
 利用したマンションからは、在宅避難の準備が進み、安心感が得られたなどの声をいただいているところでございます。

○かまた委員 新たに二百十九件の登録ということで、防災備蓄資器材補助が有効であったのだと思います。
 しかしながら、都内の共同住宅の数を考えますと、今後さらに登録件数が増えていくよう、一層の普及が必要であります。ぜひ、登録できないマンションは何が壁になっているのかを探る努力も、より一層進めていただきたいと思いますが、住宅や防災に関する取組は、都だけではなく、区市町村においても様々な取組が実施されております。そのため、取組を広げるためには、地元自治体との連携が有効だと考えますが、昨年度の普及啓発に向けた取組についてお伺いをいたします。

○三宅民間住宅施策推進担当部長 都は、東京とどまるマンションの普及のため、区市町村を通じてパンフレットやホームページ、広報紙等による制度周知を行っております。
 さらに、地元自治体が開催したマンション管理に関するセミナーや防災訓練の場におきまして、都の職員が出向き、マンション防災の取組の重要性、東京とどまるマンションの制度や支援策についての説明を参加者に直接行ってまいりました。

○かまた委員 今後も、現在対象になっていない共同住宅も含めまして、一層の普及に向けた取組をお願いいたします。
 続きまして、次の質問に移ります。
 令和四年第一回定例会一般質問で、我が党は、自治会の担い手不足や自治会活動への参加者減少など、地域コミュニティの活力低下に対応するため、全国各地で行われ始めていた公共賃貸住宅の空き住戸を大学と連携して学生向けに活用する取組を紹介し、都営住宅においても導入することを提案いたしました。
 そして今年、令和六年度は、都営住宅への学生入居を始めて三年目となります。地元板橋区には、残念ながらまだ該当団地がありませんが、地域の方からは、ぜひ我が団地にも若い学生に入居してほしいとの声を多く伺いますので、本事業がさらに拡大することを願いつつ、私からも質問させていただきます。
 まず、一問目の実績につきましては、先ほども質問がありましたので省きたいと思いますけれども、年々、協定締結した大学についても、入居している学生数についても、拡大されているとのことです。
 本事業は、高齢化に悩む自治会が活性化されるという利点はもちろんのこと、近い将来社会に巣立つ学生たちが学業とは別に自らが住む地域に貢献することは、学生の教育という意味でも価値が大きいと考えますし、また何よりも学生の皆さんには、日本のよき伝統であります人と人とのつながりと協力で、地域の住み心地のよさをつくり上げるという体験をぜひ若いうちに味わってほしいと願います。
 そこで、これまで協定を締結した大学からは、自らの大切な学生たちが都営住宅に住み、自治会支援活動に取り組むことについて、どのような声があるのかについてお伺いをいたします。

○小町経営改革担当部長 これまで協定を締結した大学からは、大学と地域が連携し、お互いが活性化していくことは、よりよい社会づくりに必要なことであるといった声や、学生が地域のコミュニケーションづくりに関わることはよい経験であり、卒業後もこの経験は役立つといった声などを聞いております。また、自治会にとっても若返りという側面があり、学生にとっても都心の一人暮らしが実現できるウイン・ウインの事業であるといった声も聞いております。

○かまた委員 先ほども委員の方から課題があるというのを伺いましたけれども、自治会にとっても、また学生にとってもメリットがあるという、ウイン・ウインの事業であるとの声があったということはとてもうれしく思います。また、大学側にも、この事業の意義がしっかりと伝わっているのだと思います。
 都営住宅における高齢化と、それに伴う自治会活動の困難化は、どの地域でも起き始めている課題と重なります。そのため、本事業の手法や効果が、これらの課題を克服する解決策の一つとなり得ると私も思いますので、注目をさせていただいております。また、ほかにも学生入居を希望する自治会がありますので、ぜひこの取組を広げていく努力をしていただきたいと思います。
 しかしながら一方で、空き住戸を活用した目的外使用という本事業の性質から、空き住戸のある団地と大学が立地の関係で必ずしもうまくマッチングできない事情もあると伺っております。そこで、昨年度の決算特別委員会において我が党は、協定締結大学の近隣の団地に限定をせずに、学生の通学に支障のない範囲で、大学と入居する団地のマッチングを行うことを提案いたしました。
 そこで、こうした提案を含めて、都としても、大学との協定締結を増やすため、令和五年度、どのような具体的な取組を行ったのかについてお伺いをいたします。

○小町経営改革担当部長 令和五年度は、大学との協定締結に向けまして、区市の大学連携部門等の会合において本事業の紹介を行ったほか、地域貢献に関心のある大学を直接訪問するなどして、本事業への理解と協力を求めてまいりました。
 また、協定の締結を希望する大学の近隣に空き住戸のある都営住宅がないケースでは、目黒区にある大学と同じ鉄道沿線にある北区の団地で、活用可能な空き住戸を確保し、自治会の希望を確認した上で、学生の入居に結びつけることができたところでございます。

○かまた委員 大学と入居する団地のマッチングが具体的に進み、よかったと思います。本事業は、自治会からの期待も大きい事業でありますので、様々な工夫をしながら事業充実に取り組んでいただきますよう要望しまして、次の質問に移りたいと思います。
 続きまして、自治会に対する支援についてお伺いをいたします。
 まず、現在、自治会等が果たしている役割について、都はどのように考えているのか確認をさせてください。

○平松都営住宅企画担当部長 都は、都営住宅の自治会等につきましては、入居者が生活するに当たりまして、共用部分の管理や、入居者の共同の福祉等を実現するために必要であり、共用部分の清掃や、入居者相互の親睦、良好な環境づくり、防火防災活動など、入居者が快適に過ごすために重要な役割を果たしていると考えてございます。

○かまた委員 今、ご答弁いただきましたように、自治会は、入居者が快適に過ごすために重要な役割を果たしてくださっていますが、どの地域でも高齢化が進みまして、これまでと同じような自治会運営ができなくなっていることが課題となっております。
 そこで、高齢化の進展により自治会運営が困難なところに対し、都は、どのような支援を行っているのかについてお伺いをいたします。

○平松都営住宅企画担当部長 都営住宅の自治会等は、近年、居住者の高齢化等によりまして担い手が減少し、運営に様々な影響が生じております。
 このため、都は、平成二十九年度から共益費徴収事業の実施、令和四年度からは自治会専用ダイヤルの設置、団地内の居住者間トラブル等に関する無料の弁護士相談の実施など、支援の充実を図ってきております。

○かまた委員 令和四年度からは自治会専用ダイヤルを設置してくださったとのことで、この専用ダイヤルが自治会の役員の方々にとりまして、安心できる、頼れる存在であってほしいと期待するところであります。
 そこで、自治会専用ダイヤルについて、令和五年度に問合せがあった件数及びその相談内容についてお伺いをいたします。

○平松都営住宅企画担当部長 都は、自治会等の円滑な運営を支援することを目的といたしまして、指定管理者である東京都住宅供給公社の十六の窓口センターごとに、自治会専用ダイヤルを令和四年八月に開設いたしました。
 令和五年度の相談件数は千五百八十七件でありまして、相談内容としては、共用部分の水漏れや電管球交換、共益費徴収事業の利用など、自治会等の運営管理に関することが多く寄せられております。

○かまた委員 相談内容は、自治会等の運営管理関連が多いとのことですが、私が自治会の方に呼ばれましてお話を伺いますと、住人同士のトラブル対応や、また自治会のルールを守らない等の迷惑行為、また精神疾患等が原因で起きる問題など、自治会の方々にお任せするのにはあまりにも酷であると感じる事例が多くありました。
 そこで、この自治会専用ダイヤルが救いの手となると考えますが、問合せがあった相談について、都や公社では、自治会に対してどのように対応してきたのかについてお伺いをいたします。

○平松都営住宅企画担当部長 専用ダイヤルに寄せられました問合せや相談については、窓口センター内で共有いたしまして、迅速に対応してございます。特に不適正使用や近隣トラブルなどの困難案件につきましては、都とも連携して、公社の本社が丁寧に対応に当たり、現地に赴き是正指導等を行っております。

○かまた委員 現地にも赴いてくださっているケースもあるということが分かりました。ありがとうございます。
 自治会の方が抱えるお悩みは、時には、最初の質問で確認をさせていただきました自治会の役割を大きく超えるものが出てきております。現地の自治会の方々のご苦労を思いますと、問題解決には、ぜひ行政の皆様も前のめりにならなければいけない、そういう時期が来ていると感じております。
 ぜひ引き続き、現在都営団地で起きているあらゆる課題に対しまして、自治会の役割と都の役割を再考していただきたいことを最後に要望しまして、私の質問を終わります。

○とや委員 共産党のとや英津子です。よろしくお願いします。
 私からは、都営住宅について伺います。
 東京都は、都営住宅については約二十五万戸を管理していますが、民間賃貸住宅に入居する方たちから、家賃が高くて払えない、物価高騰で年金だけでは生活ができなくなり、預金も貯金も底をついてきた、こうした悲痛な声が上がっています。
 二〇二二年度の都営住宅の応募者数は九万九千三百三十一人、これに対して募集戸数は八千三百五戸ということで、その倍率は十二倍となっています。つまり、希望者の十二人に一人しか入居できない状況にあります。この背景には、東京都が二十五年間、新規建設を行っていなかった、これが大きな要因だと思います。思い切った新増設を行って、希望者が入れる都営住宅を目指していただくよう、まず最初に求めておきます。
 本日は、現在お住まいになっている方々の居住環境について伺います。
 順次建て替えや大規模修繕などが行われていると思いますが、まず、建て替えについてから伺います。
 昨年度の都営住宅の建築工事の契約件数について伺います。

○小久保建設推進担当部長 令和五年度の都営住宅の建築工事の契約件数は二十二件でございます。

○とや委員 二十二件ということですが、順次建て替えに向けて準備を行って、契約をしているんだと思いますが、私の地元練馬でも、既に旭丘や上石神井団地が現在建て替え中、また、東大泉団地でも建て替えということになっておりました。一方、老朽化が著しい住宅にお住まいの皆さんからは、いつ建て替えになるかなどの声が寄せられております。
 そこで伺います。建て替えの検討対象となる都営住宅はどのような住宅なのか、また、工事に着手するまでの設計等の流れについて確認させてください。

○小久保建設推進担当部長 現在、昭和四十年代以前に建設された住棟を中心として、地域の特性や老朽化の度合い等を勘案しながら、計画的に建て替えを実施しております。
 都営住宅の建て替えに当たりましては、団地の建て替え計画の策定後、各住棟の基本設計、実施設計を経て、工事に着手しております。

○とや委員 昭和四十年代以前ということで、かなり年数がたった住宅が建て替えの対象になるということです。なったとしても、その後、基本計画や設計、実施設計ということで、工事に着手をしてお住まいになれるまで、非常に長く時間がかかるんだなということが分かります。
 そしてまた、建て替えの対象になるには、建て替えの計画戸数が百戸以上であるとか、建設年度が古いもの、あるいは老朽化が著しい、移転とか、移転の転用住宅が確保されている、また、当該団地の利用計画が適正に図られていることなどが対象になるとも聞いています。
 練馬には、築年数が非常に長くて老朽化している住宅で、都営南田中アパートがありますが、この都営南田中アパートは建て替え対象の住宅なのか、改めて確認をします。

○小久保建設推進担当部長 都営南田中アパートは、昭和四十年代以前に建設された住棟が中心となっており、建て替えの検討の対象となります。

○とや委員 都営南田中アパートは、古くは一九六六年ということで非常に古い住宅です。新しいもので大体八五年ぐらいと、一九八五年ぐらいに建設された一団地の住宅です。途中、エレベーターを後づけしていただいた住棟もあるんですが、階段室タイプの建物もあって、最上階は五階、外に出ること自体が困難な方々もいらっしゃいます。
 私がご相談を受けた八十代のご夫婦は、この階段室タイプの号棟の五階にお住まいで引っ越しをご希望されていましたが、他の都営へ居住することを考えていましたけれど、住み慣れた環境は変え難く、諦めています。高齢者が五階の階段を上り下りするというのは、至難の業であります。都におかれましては、住民合意を得ながら、早期に建て替えを進めていただくよう求めておきます。
 次に伺いたいのは、修繕です。
 都営住宅における昨年度の計画修繕や一般修繕について、それぞれ主な内容と実績を伺います。

○小野寺営繕担当部長 都営住宅における計画修繕の主な内容は、外壁や屋上防水、鉄部塗装、住宅設備等の維持更新であります。令和五年度の実績は約九十億一千万円でございます。
 一般修繕は、日常的に発生する小規模な工事や安全確保等の緊急修繕で、令和五年度の実績は約七十八億一千万円でございます。

○とや委員 かなり大きな金額を使っていらっしゃるんだと思うんですけれども、やっぱり築年数が長いと、計画修繕をするにしても、一般修繕をするにしても、それなりのお金がかかるのかなというふうに思います。
 今申し上げた練馬区内の南田中アパートですが、この五年間、計画修繕、定期点検は行っていますか。

○小野寺営繕担当部長 都営南田中アパートにおきまして、令和元年度から令和五年度までの五か年で、計画修繕では主に浴室設備等の更新、一般修繕では老朽化いたしました鉄部の塗装等の修繕、定期点検では法令に基づく必要な内容を実施いたしました。

○とや委員 それなりにやってくださっているとは思うんですけれども、居住者の方々からお話を聞きますと、まだまだ一部じゃないかという声が寄せられております。そして、今のご答弁ですと、浴室整備等の更新はやったけれども、それ以外は居室以外、外のメンテナンスということであります。浴室ですが、都営住宅のうち一九八〇年、八一年以前に建設された住居の中には、浴室の準備はされているけれど、浴槽は入居者が自らの負担で更新、設置する必要があるものが多数残されております。
 二〇〇八年度以降、空き住戸が発生した住戸から順次東京都において浴槽を設置することになったものの、それ以前に入居された住民は、自費で更新する仕組みが継続してきました。二〇〇八年度より以前に入居し、自ら浴槽、給湯設備を設置した住居でも、都の責任で浴槽を更新してほしいという要望が住民や関係団体の切実な要求となって寄せられておりました。
 この問題について私たちは、この間、二〇一六年九月頃には知事に申入れをしたり、繰り返し議会でも取り上げて求めてまいりました。浴室について、風呂釜が壊れたり、浴槽が使用不能だったり、浴槽が居住者の実態に合わないなど取替えが必要な場合、取替えや修理は都の負担で行うものだと考えますが、居住者負担で取り替えなければならない事例はありますか。

○小野寺営繕担当部長 居住者が設置をいたしました浴室設備が故障した際の更新につきましては、都の負担により希望者を募って実施しております。
 都が設置した浴槽をまたぎの低い浴槽に交換を希望する場合につきましては、居住者の負担で対応いただいているところでございますけれども、高齢者や身体に障害のある方など、居住者の事情に応じまして、申請により都の負担で浴室の手すり設置等の対応を行ってございます。

○とや委員 ようやく居住者が設置した浴槽設備については都負担になったということで、本当によかったと思います。
 しかし、更新をすることによって家賃の値上げがあるようです。これは見直していただきたいです。更新した後も、今のままの家賃で徴収していただくことを求めておきます。
 一方、都が設置した浴室設備については、更新時期以外は自己負担というのは、ちょっとこれは現実的じゃないんじゃないかなと思います。
 自己負担する場合、非常に高額で取り替えることができないという方が、私も相談を受けています。先日も光が丘団地の方が、高齢なので浴室を浴槽のまたぎの低いものに取り替えたいと希望していましたが、それは有料だといわれました。浴槽が自己負担になると十五万から二十万かかります。
 今、都営住宅は、高齢の方が多くなり、それ自体様々な課題を抱えています。先ほども学生さんのお話がありましたが、年齢にかかわらず、快適に暮らすことは権利だと思います。都として、高齢者への対応については特別に考える必要があるんではないかと思います。
 いただいた資料を見ますと、例えば都営住宅の入居者の年齢別世帯数の状況、これを見ますと、名義人の年齢区分が令和五年度、昨年で四七・九%が七十五歳以上だというふうになっています。そして、単身入居者、年齢別世帯数の状況で見ると、やはり七十五歳以上、何と五七・四%、六割なんですよね。
 都営住宅にお住まいの方々というのは、低所得者が多いと。高齢の方々は、年金暮らしや生活保護世帯です。そうなると、浴槽を自分の体に合わせてまたぎの低いものに替えようと思ったって、お金ないですよ。ですから、ぜひこうした実態に合わせた見直しをお願いしたいと思います。
 また、老朽化した住宅は、水回りの劣化も激しいです。修繕を求める声が居住者から多数上がっています。また、居室内での改修については都は基本的に行っていませんが、お話を聞きますと、床がぶかぶかになっているとか、天井がひび割れていて地震が起きたら落ちてしまうのではないかとか、もう天井も床も、上も下も危険になっているんです。耐震改修をしたとしてもですよ、外側の壁は崩れなくても家の中が崩れてしまったら、ここで暮らしていけないと、命に関わる問題だと思います。そして、床も傾斜しているそうです。日常的にこのような環境でお住まいの方々が実際にいらっしゃいます。これは公営住宅において、あってはならないことではないでしょうか。住まいは人権といいます。ぜひ居住者の身になって相談に乗って、改修をお願いしたいと思います。
 そこで伺っておきたいんですが、建て替え対象の都営住宅の修繕はどのように行っているのか、お願いします。

○小野寺営繕担当部長 建て替え対象の都営住宅の修繕につきましては、過去の修繕実施状況等を勘案いたしまして、日常的な修繕や、緊急時の修繕等を実施しております。居住者から修繕に関しまして具体的な相談があった場合につきましては、修繕費用の負担区分に応じて対応を行ってございます。

○とや委員 負担区分なんですけれども、例えば、修繕費用の負担区分でURを見ました。
 URは、天井や壁について断熱材の剥がれ、壁もクロスや塗装の著しい剥がれがあれば、URが負担です。一方、東京都は、天井の汚れや染み、カビ、塗装の剥がれ、クロスの剥がれ、壁の塗装の剥がれも全て居住者負担となっています。
 コンセントは、壊れたり、照明スイッチが壊れたということであれば、URが負担です。しかし、東京都は、都が取り付けたコンセントが不良でも居住者負担となっています。
 そして、サッシは、スムーズに開閉しないとか本体の変形、がたつき、ガラスの破損もURが負担をします。しかし、同じ項目で都負担は、サッシの開閉の不良だけです。
 負担区分の見直しが必要ではないでしょうか、お答えください。

○小野寺営繕担当部長 繰り返しの答弁で恐縮でございますけれども、居住者から室内についての修繕の具体的なご相談があった場合につきましては、今申し上げた費用負担の区分に応じて対応しているところでございまして、この費用負担区分につきましては、入居の際に内容をご案内しているところでございます。

○とや委員 入居の際にご案内をしていらっしゃるのみというのは存じ上げています。だけど、それは居住者の皆さんが納得しているわけではないんですよ。
 今申し上げたように高齢化が進んで、低所得者の方々が住んでいる、民間じゃないんです、公設の住宅なわけですよね。やっぱり都として責任を持って、お住まいになっている方々の快適に暮らしていく、普通に暮らせる権利を守っていただきたいと思うんです。そういう意味で、URの事例なども参考にして、さらなる負担区分の見直しを求めておきたいと思います。
 現在、南田中アパートは、一街区で壁の剥離があって、都が修復工事をしています。住民の皆さんからは、もうこの建物も限界ではないかと、耐用年数を過ぎているから、ほかでもこうした剥離が起きかねないと声が上がっているんです。壁が落ちたら、けが人が出かねません。
 今年度、東京都は、南田中団地の建て替えに向けて、ようやく基本計画策定、これを発注していますが、このペースでいけば第一期の基本設計は二〇二五年度、実施設計は二〇二六年度、第一期の工事が始まるのは早くても二〇二七年度になるんではないかと思います。ここの住宅は戸数が非常に多く、約一千八百世帯ありますから、五期ぐらいに分けるというふうにも聞いています。そうなると、最後の人は一体何年後になるんだろうかというふうに思っちゃうんですよね。相当の年数がかかるわけですよ。
 都として、建て替えを待たずにしっかり見て、住民の声をよく聞いていただいて、必要な修繕をしていただくよう求めて、質問を終わります。ありがとうございました。

○宮瀬委員 どうぞよろしくお願いいたします。
 私の方からは、住宅価格の高騰について伺いたいと思います。
 二〇二二年六月の私の一般質問におきまして、東京における、とりわけ二十三区における住宅の購入の価格が高過ぎると。もちろん民間同士の民民の取引ですから、あまり行政が口を挟む問題ではないといったところもあるんですけれども、新築のマンションの平均価格は、一般質問のときにはバブル期を上回り、八千四百四十九万円の過去最高だと述べさせていただきました。
 私は民間企業にいたときに、出版社の方で住宅、ハウスメーカーとか不動産屋さんを担当していたんですが、やはり家を買うタイミングは、結婚したタイミングと、子供ができたタイミングといったところが一番多いんですよね。今まで賃貸で払っていたのが手狭になって、家を買おうかというところだと思いますが、八千四百四十九万円となりますと、なかなか家を、マンションを二十三区内で買うというのが難しい状況なのではないかなと思っております。
 住宅価格について、新築分譲マンションと新築戸建て住宅の二十三区における昨年度末時点の価格は幾らになっているのか東京都にお伺いしましたら、都は価格調査を行っていないといったことでありますので、株式会社不動産経済研究所と株式会社東京カンテイの月別レポートからお答えください。また、五年前の同月の価格はどうなっていたのか、併せてお伺いいたします。

○丸山住宅政策担当部長 株式会社不動産経済研究所の本年四月の月別レポートによりますと、その前月である三月の二十三区の新築分譲マンションの平均価格は一億二千四百七十六万円、また、五年前の平成三十一年、同月三月の平均価格は七千七百四十四万円と公表をされております。
 また、株式会社東京カンテイの本年四月の月別レポートによりますと、同じくその前月である三月の二十三区の新築一戸建て住宅の平均価格は九千二十六万円、また、五年前の平成三十一年、同月三月の平均価格は六千八百三十四万円と公表をされております。

○宮瀬委員 もう新築マンションを二十三区で買おうとしたら、分譲ですね、一・二億という価格です。マンションがたった五年で一・六倍、戸建ては一・三倍まで価格が上がっています。
 つい昨今までマイホームを買う予算の目安というのは、一般的には年収の五倍だといわれています。大体厚労省の二〇二二年の調査によりますと、日本の平均世帯年収は五百四十五万円ですので、マンションはもう二十三倍、戸建ては十六倍まで来ていると。年収の五倍どころじゃない数字になってしまいまして、家を、二十三区内で住まいを買えないと。子供ができたタイミングでというのはありますけれども、つまり東京で子育て、二十三区内で子育てするのが大変難しい状況だと私は思っています。
 率直にお伺いします。この状況は問題があるとお思いなのか、それとも問題がないとお思いなのか伺います。

○丸山住宅政策担当部長 先ほどお答えをいたしました民間のレポートによりますと、新築の分譲マンション、新築の一戸建て住宅ともに、平均の住宅価格は五年前と比較いたしまして二千万円以上高くなっております。
 なお、住宅価格の要因につきましては、民間において様々な調査結果があることは承知をしております。

○宮瀬委員 それは分かっているんですけれども、答弁がですね、様々な調査結果があるよと、数字について、こういう数字がありますと、その数字を受けて、やっぱり高過ぎるんじゃないか、問題なのか問題じゃないのかをお伺いしていますが、もう一回お伺いします。

○丸山住宅政策担当部長 民間におきまして、住宅価格の要因として様々な調査結果があるということは承知をしており、先ほどお答えをした民間のレポートでは、平均の住宅価格が五年前と比較して高くなっているという状況も承知をしているところでございます。

○宮瀬委員 私は、問題かどうか、課題があるかどうか聞いているんですけれども、承知しているというのはどういう意味なんでしょうか。私は課題があると思っています。それは数字をお伝えしました。皆さん、承知しているというのは、課題はあると承知しているんでしょうか。

○丸山住宅政策担当部長 繰り返しで恐縮ですが、先ほどお答えをさせていただきました民間レポートによりますと、平均の住宅価格が五年前と比較いたしまして高くなっているという事象があることを承知をしているところでございます。

○宮瀬委員 もう繰り返しになってしまいますし、多分、同じことを聞いても、同じ今おっしゃったご答弁を読み続けるんじゃないのかなと思いますけれども、この住宅価格のことについて、東京都は承知はしているけれども、問題が、課題があるという認識をいわれないというところが、結構私は課題なんじゃないのかなと思います。
 例えば、今課題となっている物価高、食料品の問題ですとか、いろいろな高騰のことについて東京都は、やっぱり課題があるからいろんな施策を打ってきていると。住宅に関しましては承知しているというだけで、課題認識を持たれていないといったところは、物価高でいろいろ東京都が支援している中で、私は矛盾があるんじゃないのかなと。
 人生で一番大きな買物は、家です、住まいです。そこで資材の高騰等もあって、不動産投資の高騰もあって、やっぱり課題なんじゃないかなと思います。一番お金を使うところで、もう家を買うには一・二億も出さなきゃ家を買えないということは承知をしているのは当たり前ですけれども、それを課題だとやっぱり認識していただかないと私はいけないと思います。
 ご答弁も三回も聞いて、承知しています、承知していますというのは、いろいろな角度を変えて聞いているんですけれども、私はちょっと大変不誠実だと思っています。
 次に、では、都は、住宅を取得しやすくなるように、令和五年はどういう取組を行ってきたのか。
 私も一般質問をした際に、いろいろご提案をさせていただいているんですけれども、税制上の取組ですとか、中古市場を増やしていく、中古物件を増やしていくことで価格が下がっていくんじゃないかとか、様々ご提案を、空き家をうまく活性化、空き家がなくなっていけば戸数が増えますので、流通が増えていけば価格も落ちていくんじゃないのかなといったことで様々ご提案させていただきましたが、改めて都は、令和五年度に都民が住宅を取得しやすくなるようにどのような取組を行ってきたのかお伺いいたします。

○丸山住宅政策担当部長 都は、良質な住宅の供給促進や、既存住宅の流通の促進、不動産取引における公正性の確保など、都民がニーズに応じた住宅を取得できるよう総合的に取組を推進してまいりました。

○宮瀬委員 ご答弁、都民が住宅を取得しやすくなるように良質な住宅の供給促進、二つ目が既存住宅の流通の促進、三つ目が不動産取引における公平性の確保など三点挙げられております。その三つをやってきたよということなんですけれども、その効果を、それぞれどうだったのか、どれぐらい都民が住宅を取得しやすくなったのか伺います。

○丸山住宅政策担当部長 住宅価格の要因は複合的でありますが、様々な取組については着実に進めているところでございます。

○宮瀬委員 着実に進めているという漠とした、三点ご答弁があって聞いていて、様々な取組について着実にやっていますと。三点聞いているわけですが、数値で着実に進めているところを教えてください。

○丸山住宅政策担当部長 繰り返しで恐縮でございます。住宅の価格の要因は複合的でございますが、それぞれ様々な取組について着実に進めているところでございます。

○宮瀬委員 ですから、着実に進められていることを数字で語ってください。お願いします。

○丸山住宅政策担当部長 住宅価格の要因は複合的でございまして、都として、それぞれの取組について着実に進めているところでございますので、住宅価格の動向について引き続き注視をしているところでございます。

○宮瀬委員 委員長、さすがにご答弁が、着実にやっていただいていると、それを数字でいってほしいということで、三回同じ答弁が続いて、また問題が、住宅価格のこともご用意された答弁を三回繰り返し続けられるんで、さすがに私はもうちょっと、こういう公の場で都議会議員として聞いていて、いろいろな角度からお伺いをしているんですけれども、委員長、私はこれはよくないと思います。
 もう一回聞きますね、最後にこの点。ぜひ、着実に進めているのであれば、それは数字をもって答えていただきたい。よく知事が、全ての事業にPDCAサイクルを設けて、目標を持ってちゃんとやっていきましょうよということを掲げているじゃないですか。だから、これは令和五年度初め、こういうのはどうだったんですかと。答弁が全部着実に進めていますって、いろいろ、いろんな局とか部に聞いてそれだけだと質疑にならないと思うんですよね。答えられますか、どうですか。−−じゃあお願いします。

○丸山住宅政策担当部長 それぞれの取組について着実に進めているところでございますが、今ご指摘いただきましたそれぞれの取組の具体的な数字につきましては、持ち合わせてございませんので、改めてご答弁をさせていただければと思います。

○宮瀬委員 数字を持っていないということで、改めてというのはいつ答弁になるのかな。改めて答弁というのは分かりませんが、最後に答えていただけるのかどうか分かりませんが、もう一回答えられますか。そんなに別に意地悪なことを聞いているつもりはないです、私は。後ほどという答弁というのは、いつなのかちょっと分かりませんので、一旦ちょっと進めさせていただきます。
 いずれにせよ、住宅の供給促進ですとか、既存住宅の流通の促進、不動産取引における公平性を確保していけば、価格が下落をして、都民が住宅を購入しやすくなっていくんだよといったことでありますので、じゃ、この三つの施策がどれぐらい効果があって、どう都民が住宅を購入しやすくなったのか数値を持っていないというのは、やはりPDCAサイクルどころか、ドゥーしかない。プランがあれば教えてほしいですけれども、数値がないということは本当に、やっているだけと、ちょっと厳しいですけれども、いわざるを得ません。
 ちょっと批判ばかりなトーンになってしまうのはよくないので、私はご提案で、ほかの自治体を、先行事例ですかね、先進事例を参考にすべきだと訴えております。
 例えば神戸市では、倒壊のおそれ等がある空き家に関しましては、固定資産税の特例をなくしました。つまり倒壊のおそれがあるような空き家は、ちゃんと固定資産税を払ってねということでございます。また、京都では、空き家に対しまして新たな課税、税を導入するといったことで、空き家を持っていると税金を払わなきゃいけなくなるから、空き家をどんどんなくしてやっていきましょうといった税からのアプローチが有効ではないかなと。
 先ほどの、既存住宅の流通促進のパートの部分でありますが、こういった取組は都として大変参考になる取組で、なかなか東京都の空き家対策の事業も、空き家がほとんど減っていないと、昔質疑しましたが、空き家が減っていない状況も打開できるんじゃないのかなと思いますけれども、こういった提案に対しまして、都は、どのようにお考えで、取り組んでいくのか伺います。

○丸山住宅政策担当部長 ご指摘いただきました神戸市や京都市の取組については、東京都としても承知をしているところでございます。今後とも、東京都として、都民がニーズに応じた住宅を取得できるよう取組を進めてまいります。

○宮瀬委員 ぜひお願いします。今後ともとご答弁ありましたが、ちょっと今までの取組がよく分からない中で、都民のニーズは、東京で住み続けたい、でも、価格が高過ぎて住まいに手が届かない。やっぱりそこで本当に夫婦共働きで、一生懸命おうちを買うために頑張ろうといっている人たちがとても多くいると。今後とも都民のニーズとありましたが、これからちゃんと新たにやっていっていただきたいなと。
 ご提案でありますが、二〇二三年四月にシンガポールにおきましては、過熱する住宅市場を冷やすために、外国人の投資目的の購入に対する課税を今までの二倍にしたりとか、こういった取組も功を奏していると聞いております。
 私自身は、東京二十三区内のマンションの価格が高騰している要因としては、外国人、特に中華圏の人たちが、東京の不動産は安いといったことで不動産投資の目的で買われていて、実際は住んでおらず、運用の中でリターンを得ていると。ただ、そういった方は、自分のおうちはあるわけですよね。でも、それによって価格が上がり過ぎてしまって、私たち、日本人であり都民である私たちが家を買えなくなってしまうほど価格が上がるのは、やっぱりどこかで見直しをかけなきゃいけないのではないかなと思っています。
 このまま行けば、価格二億とか行っちゃいますよ。そうすると、本当に東京都の職員だってみんな東京に住んでいない職員ばかり、埼玉とか神奈川とかってなってしまうと思います。ぜひ、切実な子育て層の方々がおうちを買いたいという願いを、ぜひかなえていただけますよう要望いたしまして、質問を終わります。

○丸山住宅政策担当部長 先ほどの点についてお答えをさせていただきます。
 先ほど私、答弁とお答えさせていただきましたが、修正をさせていただければと思っております。別途ご説明をさせていただければと思っております。数字が確認でき次第、速やかに別途ご説明をさせていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

○本橋(ひ)委員 若干重なる部分もございますが、質疑のちょっと流れもございますので、お付き合いいただければありがたいと思います。
 ちょっと、東京とどまるマンションはかぶるところがあるかと思うんですけれども、さて、都民の約七割は、集合住宅に居住しているわけでございます。また、その多くは町会、自治会に加入しておらず、地域との連携不足は否めません。そこは、災害時の弱点ともなり得るわけであります。
 また、避難所の収容力も課題でございます。災害時にマンションなどの集合住宅で生活が継続できるよう、ハード面、ソフト面、両面の対策の充実が必要であります。私どもの会派は、マンション防災のなお一層の強化に向けまして、東京都LCP住宅の解消とともに、必要な備品を助成することを提案してまいりました。
 まずは、これまでの都の東京とどまるマンションの登録促進に向けた取組、進捗状況をお伺いいたします。

○三宅民間住宅施策推進担当部長 都は、災害時でも住み慣れた自宅にとどまることができ、生活が継続しやすいマンションを普及させるため、平成二十四年度から、東京都LCP住宅として登録、公表する制度を開始いたしました。令和四年度には、より都民に伝わりやすくなるよう、東京とどまるマンションへと名称を変更いたしました。
 さらに、令和五年度からは、登録を一層促進するため、登録マンションを対象とした防災備蓄資器材の補助制度を開始しておりまして、名称変更前の登録が七件であったのに対しまして、昨年度は新たに二百十九件の登録がございました。

○本橋(ひ)委員 昨年度新たに開始した、登録促進に向けたマンションの防災力を強化するために必要な備品の助成に関する取組についてもお伺いいたします。

○三宅民間住宅施策推進担当部長 都は、登録マンションを対象に、在宅避難に役立つ防災備蓄資器材の購入に対し、補助率三分の二、上限額六十六万円を補助する制度を昨年六月から開始いたしました。
 昨年度は百三十六件の登録マンションに補助を実施しておりまして、エレベーター用防災キャビネット、ポータブル蓄電池、簡易トイレの利用が多い状況でございました。購入後、これらの資器材を活用した防災訓練の実施を求めることによりまして、災害時の備えを促しております。

○本橋(ひ)委員 東京とどまるマンションの普及とともに、さらなる防災上の備えが進み、マンションの防災力が高まっていることが今確認できたところでございます。
 令和四年五月に公表されました都による新たな被害想定では、最大二万二千件のエレベーター閉じ込めが起こる可能性があることが示されました。エレベーターでの閉じ込めに際して重要なのが、マンションなどにおけるエレベーター用防災キャビネットの設置であります。
 都は、防災備蓄資器材の補助において、エレベーター用防災キャビネットも対象としているとのことですが、東京とどまるマンションに登録するマンションに対するエレベーター用防災キャビネットについての支援状況、その効果、住民の満足度をお伺いいたします。

○三宅民間住宅施策推進担当部長 都は、登録マンションに対する百三十六件の防災備蓄資器材の補助のうち、七十六件におきましてエレベーター用防災キャビネットの設置支援を行いました。
 エレベーター用防災キャビネットは、閉じ込めが発生した際に体調不良等が発生しないよう、水や携帯トイレ、防寒用ブランケットなどが格納されておりまして、高齢者等が座れるようになっているものもございます。補助を受けたマンションからは、安心感が増したなどの感想が寄せられております。

○本橋(ひ)委員 都内には、五万棟を超える分譲マンションが林立しております。大規模災害時には、マンション内にとどまってもらう在宅避難が想定されます。在宅避難のためには、自助として一人一人が食料など日頃から備えることはもちろん、共助としてお互いの安否確認や救出、救助など、住民同士が協力し合えるコミュニティ形成というものが重要であります。
 また、非常用電源設備設置など、ハード面での備えも進めることが有効であります。令和五年度、確かに都は、東京とどまるマンション情報登録・閲覧制度の拡充とともに、必要な備蓄品を支援するなど、マンション防災対策を強化していることは評価するところであります。これによって、マンションコミュニティの形成も進んでいくと思われます。
 一方で、多くのマンションが立地する中、地域全体の防災力を高めていくという視点も重要であります。
 そこで、都は、マンションと地域の町会や自治会などとの連携について、どう捉えているのかお伺いいたします。

○三宅民間住宅施策推進担当部長 地域の防災力向上には、マンションと近隣の居住者との連携を図り、一体となった対応を行うことが重要でございます。発災直後の初期消火や救出、救護などに加えまして、その後の生活を支える仮設トイレの設置、大型炊き出し器による食事の提供、情報収集に不可欠なスマートフォン充電のための発電などにつきまして、日頃からマンションと周辺の町会等が連携協力して訓練することで、地域全体での災害時の安心感を向上させることにつながります。

○本橋(ひ)委員 都内各地において取組を拡大させていくためには、都として、マンション防災に積極的に取り組んでいる先進事例を広く紹介したり、セミナーを開催するなど、マンション防災の普及啓発にしっかり取り組み、都民の安全・安心を確保すべきと考えますが、都の所見をお伺いいたします。

○三宅民間住宅施策推進担当部長 都はこれまで、管理組合等を対象としたマンション管理ガイドブックや、都内の全世帯に配布した防災ブックなどを活用し、マンション防災の普及啓発を実施しております。
 こうした取組に加え、管理組合に具体的な防災対策の実施を促すには、マンション防災に係る先進事例を紹介することが有効でございまして、昨年度には、管理組合を対象としたマンション防災に関するセミナーを開催し、非常用電源等を設置した事例のほか、町会等と連携を図る重要性などを紹介いたしました。
 また、PRキャラクター、トドまるくんが登場するパンフレットや動画を新たに作成しまして、とどまるマンションでの取組事例も紹介しているところでございます。

○本橋(ひ)委員 さて、マンションから子供の転落事故などを防ぐには、家庭における安全対策が重要であります。子供は日々成長し、行動範囲も広がるため、家庭で思いがけない事故に巻き込まれることがあります。親の見守りや注意喚起だけで事故を防ぐのは難しいということがあります。
 令和四年第四回定例会で、私どもの会派から、家庭における安全対策が重要課題であるとの認識を示し、乳幼児の家庭内での事故防止策をはじめ、チャイルド・デス・レビューとの連携や科学的な手法も取り入れながら、子供の状況に応じた効果的な安全対策を講じていくべきと主張いたしました。これに対して小池都知事からは、死亡事例を含む子供の事故情報や検証内容を一元的に収集、分析した上で、成長発達段階に応じたエビデンスベースの事故予防策を講じていくとの答弁がなされたところです。
 事故予防には、何よりも子育てがしやすく、安全・安心な住宅の整備は極めて重要であります。しかし、平成二十七年度創設の東京都子育て支援住宅認定制度は、令和四年度末時点での認定実績が二千四十六戸にとどまっております。
 その後、都は、制度を再構築するとともに、東京こどもすくすく住宅認定制度に改称したところであります。改めてこの制度の意義と目的、それに実際の取組と効果、特に住宅事業者が利用しやすい制度となっているか、果たして子育てしやすい住宅の供給が進んだのかお伺いいたします。

○鈴木民間住宅部長 東京こどもすくすく住宅認定制度は、子供の転落事故など、家庭内での事故が依然として発生している状況等を踏まえまして、子供の安全性の確保や家事のしやすさなどに配慮され、子育てに適した住宅の供給促進を図ることを目的として、従前制度を見直し、再構築して、令和五年度に創設したものでございます。
 見直しに当たりましては、事業者の様々な取組への対応が可能となるよう認定モデルを三段階に拡大して、柔軟性の高い仕組みとし、幅広い事業者の参入を促しております。令和五年度の認定実績は三十五件、千八百七十四戸となっており、従前制度が約七年間で三十六件、二千四十六戸であったのに対し、大幅に伸びているところでございます。

○本橋(ひ)委員 また、こうした子育て支援住宅に、特に積極的、前向きな住宅事業者への支援は重要であります。これに関する支援策の内容と、その効果についてお伺いいたします。

○鈴木民間住宅部長 認定住宅の供給を都内全域で推進するため、認定制度の創設に合わせて、住宅事業者に対して整備費の一部を都が直接補助する制度を開始しており、各認定モデルに応じ、分譲と賃貸、新築と改修の区分ごとに補助額等を設定しております。
 例えば、子供の安全性の向上に特化したセーフティーモデルでは、賃貸住宅の新築及び改修で一戸当たり最大五十万円などとなっております。
 補助制度の効果としましては、大手事業者に加え、中小事業者や個人オーナーなどの取組を促すとともに、認定の取得を通じて、住戸内や共用部分の子供の安全性等に関わる整備水準を引き上げております。

○本橋(ひ)委員 集合住宅には、専有部分と共用部分があり、子育てスペースなどの共用部分の充実、推進が重要であります。これに関する取組をお伺いいたします。

○鈴木民間住宅部長 この補助制度には、認定住宅に子育て世帯の交流を促進することを目的としたスペースを設ける場合に、補助を上乗せする仕組みを設けております。また、住宅事業者が認定住宅を計画する際に活用することができるよう作成した子育てに配慮した住宅のガイドラインにおきまして、キッズスペース等を設けて居住者間のコミュニティ形成に役立てている先行事例を示し、広く住宅事業者の取組を促しております。
 こうした取組等により、ウエルカムパーティー等のイベントにも利用できるキッズルームの設置や、子供が遊べる親水空間を備えた屋外空間の整備などが進んでおります。

○本橋(ひ)委員 ぜひとも集合住宅での、特に子供の事故がないことを願うわけでございまして、その点に対する整備を心からお願いいたしたいと思います。
 さて、ここ最近の地震や水害による応急仮設住宅として、トレーラーハウスやコンテナハウスなどが一部の地方自治体で採用されております。都と協定を結んでいるハウスメーカーによるプレハブなどの仮設住宅の建設もさることながら、より迅速に設置ができ、その後、機敏に移動することも可能なトレーラーハウスやコンテナハウスを災害時に活用する取組が必要とされております。
 例えば、熊本地震などでは、平時はキャンプ施設などで利用していたトレーラーハウスを災害時の住宅などに利用していたりしています。また、能登半島地震後、トレーラーハウスであったならば、その後起きた豪雨災害の際、移動などさせることにより、豪雨被害低減も見込めたとも思います。
 これまでのトレーラーハウスやコンテナハウスなどの活用に関する検討状況をお伺いいたします。

○丸山住宅政策担当部長 都では、災害時に応急仮設住宅等を迅速に提供するため、公的住宅や民間賃貸住宅の空き住戸のストックを活用するほか、必要に応じて大規模災害の発生時には建設型応急住宅を提供することとしております。
 コンテナハウスなどによる建設型応急住宅に関しましては、これまで、他県等における協定締結状況の把握や、実際の取組状況などをヒアリングし、設営上の課題を整理してきたところでございます。また、令和五年度については、業界団体と連携して実施された設置訓練に参加し、意見交換を実施しており、今後の対応について引き続き検討をしてまいります。

○本橋(ひ)委員 ぜひとも都におかれましては、都民の命と暮らしを守るべく、あらゆる状況に対応できるよう、引き続き取り組んでいっていただきたいと思います。そう要望いたしまして、私の質疑を終えます。

○曽根委員 私が最後の質問となりますので、よろしくお願いします。
 私からは、北区にあります都営桐ケ丘団地の再生事業について、いよいよ六期目に、最終期に入りまして、この再生事業は一九八六年、私が区議会議員になったのが八七年なので、その前の年ですが、構想が出されて、国の方がコンクリートの建物の期間を法定年限の半分まで進んだものは建て替えを認めるという方針が出されて、その第一号として、たしか構想が出されました。
 九〇年代半ばまでかかって一応計画がつくられて、近隣の北区浮間というところに第一期の建て替えの移転用の団地の建設を始めてから、今日、約三十年の事業となっています。現在六期目で、団地の中央商店街の取壊しと新しい商業施設の整備計画の段階に入っています。
 ちょっと小さめですみませんが、一応団地の略図を描いてきました。(パネルを示す)これ、ちょっと小さく見えますけど、五百メートルがこの距離ですから、全体で二十五ヘクタールぐらいの、都内で最大の都営団地になっていると思うんですね。昔、村山団地が五千二十戸あったんですが、これが最終的には五千戸を標榜していますので、都内の最大のマンモス都営団地ということになります。
 この都営団地は、ほかの団地とやっぱり若干状況が違っていて、今、東京都がこれまで進めてきたような団地の中のいわゆるげた履きの住宅、二階より上が住宅で、下の一階にお店を入れていると、それが賃貸ではなかなか経営が難しいというので、区分所有者になっていると。建て替えに当たっては、区分所有権を全部東京都が買い取って、お店は、出したい人は外に出してもらうと、団地の外にですね。
 そうすると、これを桐ケ丘に適用すると、桐ケ丘の全部の建物に商業施設がなくなりますと大変なことになりますし、超高齢化していますので、やはりどうしても団地の中の一定の区画に商業施設を誘致しなければ、これは成り立たないだろうと。外から入ってくる移動車による移動販売による商売だけでは、もうとてももたないということを繰り返し住民から要望が出ていましたが、ようやく昨年、この商業施設を取って、この部分に商業施設を誘致することになりました。
 こっちには区民センターという区民施設をつくるわけですが、それで去年のプロポーザル開始から、今年になって商業施設のプロポーザルに複数の事業者が応募しましたが、イオングループの事業者が当選したと聞くんですが、事実としてはどういう経過でしょうか。

○木村再編利活用推進担当部長 北区桐ケ丘一丁目地区まちづくりプロジェクトにつきまして、都は、令和六年十月三日に、イオンリテール株式会社を代表企業とする民間企業グループを事業予定者として決定し、公表してございます。

○曽根委員 イオングループのイオンリテール株式会社が代表企業となって、JVを組んで民間事業者がこの商業施設をやるということになりました。競争相手でありました昔の都民生協、コープみらいという名前になっていますが、このコープみらいが団地の中の一角に店舗を現在持っているわけです。
 このコープみらいも、それが中心となって事業者として名のりを上げていたんですが、落札というか当選したのがイオングループということで、このコープみらいは区分所有権をもちろん持っているんですが、これが中央商店街には入っていないんですね。別個の場所に店を出しているということで、この場合、イオングループの商業集積の中に参入するということはできるのかどうかということを確認しておきます。

○木村再編利活用推進担当部長 事業予定者となりましたグループの提案は、代表企業がスーパーマーケットや福祉施設等を自ら運営する予定となってございます。

○曽根委員 そうすると、コープみらいのお店は、区分所有権を東京都が買い取るという今までの基本的なやり方で、この団地からお店が出ていかなきゃならないということに、このままではなっていきます。
 二つ問題が私はあると思うんですが、もともとの都民生協という生活協同組合からスタートしているんですが、この団地は昭和二十九年から建設が始まった当時、都民生協は第一号店がこの桐ケ丘の店なんですね。当然ながら共同購入の組合と、それから店舗による購入の両方をやっていて、歴史があるわけです。組合員も、この間お聞きしたら千人以上の方、組合員がこの団地を中心にいるということで、それなりの歴史を持って活動している、いわば生活協同組合なわけです。
 この組合をつくったのが、この居住者の、当時自治会をつくったんですかね、キューポラのある街という映画をつくった浦山監督だとか、その後、東久留米の市長さんになった稲葉三千男さんという東大の先生とかが中心になって、団地の生活者として同じ生活を共同で維持していこうということで、自主的に始まったものが今日の都民生協の原点だそうです。そういう意味では、組合員の人たちのそうした拠点のお店がなくなってしまっていいのかということと、それからもう一つの大きな問題は、今度商業施設を東京都が用意しているのは、これは南側の一番南の外れです。
 しかし、二十五ヘクタールぐらいある団地のこの中央の道路から北側に、団地の三分の一、千数百世帯がこれから暮らすことになる。こちら側には店が全く予定されていないということで、こちらにいる高齢者をはじめとする団地居住者の商業施設は、このままでは大変なことになるんじゃないかという心配があって、住民の皆さんから先日も要望が東京都に出されました。
 こういう点では、元のこちら、N地区といったところですが、ノースのNだったと思うんですけど、N地区の建て替えの中で商業施設の計画は今ありませんが、広い団地であまりに不便になるとの声があるので、この地域の商業店舗配置を改めて検討すべきじゃないかと思いますが、団地の再生計画の中で、このN地区の商業施設などの位置づけはどうなっているでしょうか。

○木村再編利活用推進担当部長 都営桐ケ丘団地北側は、桐ケ丘一・二丁目地区地区計画におきまして、福祉施設などの公共公益施設を導入する地区、都営住宅の建て替え等を適切に誘導する地区などとされてございます。

○曽根委員 こちらが一丁目、この道路を挟んで北側が二丁目に分かれるんですが、この二丁目の方の計画で、ここにちょっと青っぽく見えるところが、これから使い方を考えていく、検討する予定の地域で、この中には、今お話のあったように、公共公益施設を導入する地区ということで位置づけられていて、公共公益施設ということであれば、中心は福祉や医療や介護などの施設だと思いますが、その中には、生活利便施設などで一定の商業スペースも当然あり得ると考えます。その点では、この福祉などの施設の利用者とともに、この周辺に住んでいる千数百世帯が、このエリアに新たに商業施設を確保することで生活利便施設として利用できる、このことは当然ながら考えなければならないと思います。
 今、桐ケ丘団地では、一番大きな自治会が先日解散宣言をしまして、次にまた隣の自治会も解散宣言をするんじゃないかという流れになっており、自治会がほとんどないような状態になりつつあるわけです。そうしますと、南側には区民センターもでき、商業施設もできますから、一定のコミュニティの集積がありますけれども、この北側の方では、改めて皆さんが集まったり、それから生活の共同のいろんな行事を行うコミュニティの中心の部分がどうしても必要になりますので、そうした点で、ぜひ今後も商業施設をはじめとして、この団地の五千世帯を支えることができるようなまちづくりを、都としては責任持って、都営団地ですから、考えていただきたいということを申し上げて、私の質問を終わります。

○小磯委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小磯委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で住宅政策本部関係を終わります。
 以上をもちまして第三分科会における決算の審査は終了いたしました。
 なお、本分科会の審査報告書につきましては、分科会委員長において取りまとめの上、委員会委員長に提出いたしますので、ご了承願います。
 これをもちまして第三分科会を閉会いたします。
   午後三時十一分散会