委員長 | 小磯 善彦君 |
副委員長 | 本橋たくみ君 |
副委員長 | 曽根はじめ君 |
かまた悦子君 | |
遠藤ちひろ君 | |
銀川ゆい子君 | |
宮瀬 英治君 | |
伊藤しょうこう君 | |
本橋ひろたか君 | |
とや英津子君 |
欠席委員 なし
出席説明員労働委員会事務局 | 局長 | 堀越弥栄子君 |
建設局 | 局長 | 花井 徹夫君 |
次長 | 上林山 隆君 | |
道路監 | 湯川 雅史君 | |
総務部長 | 荒井 芳則君 | |
用地部長 | 澤井 晴美君 | |
道路管理部長 | 上田 貴之君 | |
道路建設部長 | 久野健一郎君 | |
三環状道路整備推進部長 | 福本 充君 | |
公園緑地部長 | 佐々木 珠君 | |
河川部長 | 斉藤 有君 | |
企画担当部長 | 山本 聡君 | |
無電柱化推進担当部長 | 今宮 正純君 | |
道路計画担当部長 | 松島 進君 | |
公園計画担当部長 | 大道 和彦君 | |
公園建設担当部長 | 水谷 正史君 | |
河川防災担当部長 | 小木曽正隆君 |
本日の会議に付した事件
令和五年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
労働委員会事務局関係
・令和五年度東京都一般会計決算(質疑)
建設局関係
・令和五年度東京都一般会計決算(質疑)
○小磯委員長 ただいまから令和五年度各会計決算特別委員会第三分科会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、労働委員会事務局及び建設局関係の決算に対する質疑を行います。
これより労働委員会事務局関係に入ります。
決算の審査を行います。
令和五年度東京都一般会計決算中、労働委員会事務局所管分を議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○堀越労働委員会事務局長 去る十月十一日の当分科会におきまして要求のありました資料についてご説明申し上げます。
お手元配布の令和五年度各会計決算特別委員会第三分科会要求資料をご覧ください。
表紙をおめくりいただき、目次をご覧ください。資料は三点ございます。
一ページをお開きください。管理職を除く当局の職員定数について、令和元年度から令和五年度までの状況を記載しております。
二ページをご覧ください。管理職を除く職員の平均局在職年数について、令和元年度から令和五年度までの状況を記載しております。
三ページをご覧ください。東京都労働委員会における取扱件数について、判定的機能及び調整的機能の区分ごとに令和元年度から令和五年度までの実績を記載しております。
以上で要求資料の説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○小磯委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○本橋(ひ)委員 よろしくお願いします。
まずは労働委員会の設置目的などについてであります。
現在、非正規労働のみならず、フリーランスとして働いたり、ウーバーイーツのようにアプリを利用して配達を請け負うなど、多様な働き方が拡大しております。
こうした状況におきまして、労使紛争を適切に解決し、良好な労使関係を構築していくための機関として、労働委員会がその役割をしっかりと果たしていくことが重要となってまいります。
そこでまず、労働委員会とはどのような機関なのか、設置目的と構成メンバーについて、改めてこの際お伺いいたします。
○堀越労働委員会事務局長 労働委員会は、労働組合法に基づき、国及び都道府県に設置された合議制の行政機関でございます。
公平な立場の第三者として集団的労使紛争を解決することにより、労働基本権の保護と労使関係の安定、正常化を図ることを目的としております。
学識経験者から選ばれた公益委員、当事者の立場をよく理解する労働者委員と使用者委員の三者で構成されています。
○本橋(ひ)委員 次に、そもそも紛争解決のため、労働委員会では具体的にどのような取組を行っているのかもお伺いいたします。
○堀越労働委員会事務局長 労働委員会では、労働組合と使用者との間の、いわゆる集団的労使紛争の解決に向けまして、不当労働行為の審査や労働争議の調整を行っています。
不当労働行為の審査事件では、使用者が労働組合の組合員であることを理由に、労働者を不利益に取り扱ったり、正当な理由がないのに団体交渉を拒否するなどの申立てがあった場合、使用者の行為が労働組合法第七条に規定する不当労働行為に当たるかどうかを判定し、救済命令などの措置を行います。
労働争議の調整事件では、賃金や雇用などをめぐって紛争が発生し、労使の自主的な解決が困難な場合に、申請に基づき、労働委員会があっせん等を行います。
○本橋(ひ)委員 次に、取扱実績についてお伺いします。
都内には数多くの企業や労働組合があり、大勢の方々が働いていることから、労使紛争の数も多くなるものと思われます。
そこで、東京都労働委員会が令和五年度に取り扱った事件の数、全国の事件に占める割合について、それぞれお伺いいたします。
○堀越労働委員会事務局長 令和五年度の取扱件数は、不当労働行為の審査事件が四百十八件、労働争議の調整事件が七十五件でございます。
取扱件数は、近年おおむね横ばいで推移しており、全国の事件数に対して、審査事件は約五割、調整事件は約三割を占めております。
○本橋(ひ)委員 ただいまのご答弁から、全国的に見ましても多くの事件を取り扱っていることが理解できたところであります。
東京都労働委員会は、令和四年に、いわゆるギグワーカーといった雇用契約の形態を取らずに就労する方々が、労働組合法上の労働者に当たるとの国内初の判断をするなど、全国のリーディングケースとなる命令を出しておりまして、大きな役割を果たしていると思います。
その後、どんな事件を取り扱っているのか、令和五年度の状況についてお伺いいたします。
○堀越労働委員会事務局長 令和五年度の不当労働行為の取扱件数は、組合員であることを理由に解雇するなどの不利益取扱いが最も多く、次いで、会社が組合員に対して脱退を働きかけて、組合の弱体化を図るなどの支配介入となっております。
また、昨年度におきましても、雇用契約の形態を取らずに就労する者の労働者性が争われた事件を取り扱っています。
例えば、形式的には業務委託契約を結んで、ヨガ等のインストラクターに従事している者について、就労の実態を詳細に検証し、このインストラクターを労働組合法上の労働者に当たると判断いたしました。
○本橋(ひ)委員 最後に、労働組合に関わらない労働者個人の労働問題への対応についてであります。
昨年度も、労働者であるかどうかが争われた事件について判断を示すなど、先進的な労働問題に取り組んでいることは大変評価できるところでございます。
一方、労働委員会が取り扱う案件は、労働組合と使用者との間の、いわゆる集団的労使紛争ですが、現在は労働組合に加入していない方が多くなってきております。労働問題に適切に対応するためには、こうした方々への対応も重要だと思います。
そこで、労働組合に加入していない労働者個人やフリーランスなどの労働問題について、どのように扱っているのかお伺いいたします。
○堀越労働委員会事務局長 労働者個人の賃金未払いや解雇など、個別労働紛争につきましては、産業労働局の労働相談情報センターや国の東京労働局などが、相談やあっせん等を行っています。
また、フリーランスの方に対しては、厚生労働省がフリーランス・トラブル一一〇番の窓口を設置しています。
さらに、労働者個人の紛争を迅速に審理し判断する手続として、裁判所が労働審判制度を設けています。
労働委員会も含めまして、こうした問題の解決に関わる機関が、それぞれの支援制度の情報などを交換し、利用者に適切な窓口を案内するなど、相互に連携し、対応しております。
○本橋(ひ)委員 ありがとうございました。
東京都や国は、様々な制度で対応しているということであり、その一翼を担う東京都労働委員会は、全国と比較して多くの労使紛争を扱うなど、大きく貢献していることが分かりました。
昨今では、働き方の多様化が進み、今後も個別や集団を問わず、労働問題は複雑化していくことと思われます。
こうした状況に対応するため、労働委員会は、産業労働局など関係諸機関と連携して情報を共有しつつ、労働問題の解決に積極的に取り組んでいくことを求めまして、私からの質疑を終えます。
○小磯委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小磯委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で労働委員会事務局関係を終わります。
○小磯委員長 これより建設局関係に入ります。
決算の審査を行います。
令和五年度東京都一般会計決算中、建設局所管分を議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○荒井総務部長 去る十月九日の当分科会において要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
お手元の令和五年度各会計決算特別委員会第三分科会要求資料をご覧いただきたいと存じます。
表紙をおめくりいただきますと、目次に十六件の資料の件名が記載してございます。
一ページをご覧ください。骨格幹線道路(主要路線)の予算・決算額の推移でございます。
この表は、骨格幹線道路の整備につきまして、令和元年度から令和五年度までの予算額と決算額を表したものでございます。
二ページをご覧ください。道路・街路整備における予算・決算額の推移でございます。
この表は、道路、街路の整備につきまして、令和元年度から令和五年度までの予算額と決算額及び決算額を区部、多摩部、島しょ部別に表したものでございます。
三ページをご覧ください。特定整備路線の予算・決算額の推移(建設局施行)でございます。
三ページから四ページまでの表は、特定整備路線の整備につきまして、令和元年度から令和五年度までの予算額と決算額を路線別に表したものでございます。
五ページをご覧ください。五ページから一三ページまでの表は、骨格幹線・地域幹線道路の計画概要と進捗状況でございます。
この表は、骨格幹線道路と地域幹線道路につきまして、整備計画の概要と進捗状況及び用地取得率を路線別に表したものでございます。
一四ページをご覧ください。代替地購入費の予算・決算額の推移でございます。
この表は、代替地購入費につきまして、平成二十六年度から令和五年度までの予算額、決算額、購入件数及び購入面積を表したものでございます。
一五ページをご覧ください。直轄事業負担金の決算額の推移でございます。
この表は、直轄事業負担金につきまして、令和元年度から令和五年度までの道路及び河川の決算額を財源別に表したものでございます。
一六ページをご覧ください。建設局に係る中小企業への工事発注実績の推移でございます。
この表は、建設局が発注した工事における中小企業への発注実績につきまして、令和元年度から令和五年度までの件数と金額を表したものでございます。
一七ページをご覧ください。東京都自転車通行空間整備推進計画に基づく自転車通行空間の整備実績及び整備率でございます。
この表は、自転車通行空間の整備につきまして、優先整備区間の計画延長と、令和三年度から令和五年度までの整備延長、累計整備延長及び計画延長に対する整備率を表したものでございます。
一八ページをご覧ください。建設局発注工事における一者応札の実績でございます。
この表は、建設局発注工事における一者応札の実績につきまして、令和三年度から令和五年度までの一者応札の件数、総件数に占める割合及び令和五年度の総件数に占める割合、契約金額合計に占める割合を表したものでございます。
一九ページをご覧ください。建設局発注工事における入札不調件数でございます。
この表は、建設局発注工事につきまして、令和三年度から令和五年度までの入札不調件数を表したものでございます。
二〇ページをご覧ください。建設局発注案件における随意契約の件数及び金額と割合でございます。
この表は、建設局発注案件における随意契約につきまして、令和三年度から令和五年度までの件数、金額及び契約計に占める随意契約の割合を示したものでございます。
二一ページをご覧ください。都立葬儀所の稼働状況でございます。
この表は、都立葬儀所における令和三年度から令和五年度までの稼働状況について、青山葬儀所、瑞江葬儀所別に表したものでございます。
二二ページをご覧ください。都立霊園施設別・霊園別の公募状況でございます。
この表は、都立霊園における令和五年度の公募状況につきまして、霊園名、施設の種類及び使用料並びに倍率を表したものでございます。
二三ページをご覧ください。連続立体交差事業の予算・決算額の推移でございます。
この表は、連続立体交差事業における令和元年度から令和五年度までの予算額と決算額及び主な箇所等について表したものでございます。
二四ページをご覧ください。練馬城址公園の整備費の予算・決算額の推移でございます。
この表は、練馬城址公園の整備における令和元年度から令和五年度までの予算額と決算額を表したものでございます。
二五ページをご覧ください。都道における街路樹の維持管理費の推移でございます。
この表は、都道における令和元年度から令和五年度までの街路樹の維持管理費を表したものでございます。
以上で要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○小磯委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○本橋(た)委員 よろしくお願いいたします。
道路整備について、まず伺ってまいります。
道路は、都市活動や都民生活を支える最も基礎的な社会基盤です。平常時には快適で利便性が高く、震災時にも円滑な交通を確保し、防災性を向上させる幹線道路の整備は不可欠です。
今年の元旦に発生した能登半島地震でも、私も改めて自然災害の脅威を痛感し、人命救助、救援など応急対応にも寄与する道路ネットワークの重要性を再認識したところであります。
多摩地域では、現在、着実に南北主要五路線の整備が進められていますが、立川東大和線は唯一未着手区間が残されており、整備を推進すべきと考えます。
そこでまず、立川東大和線の重要性について、どのように認識しているか伺います。
○松島道路計画担当部長 多摩南北主要五路線の一つである立川東大和線は、立川三・三・三〇号線及び国立三・三・一五号線で構成され、日野バイパスから立川市を経由して、青梅街道に至る延長約九・二キロメートルの路線です。
本路線は、多摩地域における主要な幹線道路であり、人や物の流れの円滑化のみならず、立川広域防災基地へのアクセスルートともなり、災害時における物資輸送や救助、救援活動など、防災性の向上にも寄与する極めて重要な路線でございます。
○本橋(た)委員 立川東大和線は、TOKYO強靱化プロジェクトのリーディング事業にも位置づけられている重要な路線であり、いつ起きるか分からない首都直下地震に備え、一日も早く開通させるべきだと思います。
そこで、立川東大和線の令和五年度の取組について伺います。
○松島道路計画担当部長 立川三・三・三〇号線のうち、令和四年三月に事業認可を取得した延長約二・五キロメートルの立川区間では、現在、用地取得を進めております。
令和五年度は、立川国際中等教育学校附属小学校付近において、事業用地を活用した暫定的な歩行空間を整備し、安全性の向上を図っております。
また、国立三・三・一五号線のうち、JR南武線と交差する延長約五百メートルの区間では、昨年九月に都市計画変更素案説明会を開催いたしました。
○本橋(た)委員 立川三・三・三〇号線については、引き続き用地取得を進めていっていただければと思います。
また、私の地元である国立三・三・一五号線については、都市計画変更素案説明会が開催され、地元から早期の整備を求める声も上がっています。
そこで、国立三・三・一五号線の当該区間における取組について伺います。
○松島道路計画担当部長 国立三・三・一五号線では、現在、道路の設計や東京都環境影響評価条例に基づく環境現況調査等を実施中です。
今後、都市計画変更案及び環境影響評価書案の取りまとめに向けて、関係機関と調整を行ってまいります。
引き続き、本区間の事業化に向けて取り組んでまいります。
○本橋(た)委員 国立三・三・一五号線についても、事業化に向けて着実に取組を進めていただければと思います。
引き続き、立川駅付近の渋滞の緩和や立川広域防災基地へのアクセスルートともなり、東京の強靱化に資する立川東大和線の全線開通を目指し、全力で取り組んでいただきたいと思います。
次に、JR南武線の谷保駅から立川駅間の鉄道立体化について伺います。
先ほどの質問で確認した国立三・三・一五号線の都市計画道路とJR南武線が交差していることから、道路の整備とともに鉄道の立体化が必要です。JR南武線の谷保駅から立川駅間の鉄道立体化について計画が進んでいると聞いています。
そこで、令和五年度の取組を伺います。
○久野道路建設部長 本区間については、多摩地域の主要な幹線道路である南北方向の立川東大和線や東西方向の新奥多摩街道など、都市計画道路と五か所で交差するほか、二十一か所の踏切があり、鉄道の立体化が必要でございます。
都は、平成三十年四月に、国から着工準備採択を受け、構造形式や施工方法などの検討を進め、令和五年三月に、国と構造形式などに関する比較設計協議を行いました。昨年八月に、都市計画素案説明会を開催し、都市計画手続に着手したところでございます。
○本橋(た)委員 JR南武線の鉄道立体化についても都市計画手続を着実に進めていただき、ぜひ一日も早く実現をしていただきたいと思います。
そこで、事業化に向けた取組状況について伺います。
○久野道路建設部長 現在、東京都環境影響評価条例に基づき、環境現況調査等を実施しております。
今後、都市計画案及び環境影響評価書案の取りまとめに向けまして、関係機関と調整を行ってまいります。
引き続き、立川東大和線などの都市計画道路の整備と併せ、地元市や鉄道事業者と連携し、本区間の事業化に向けて取り組んでまいります。
○本橋(た)委員 都内にはいまだ数多くの踏切が残されており、慢性的な交通渋滞が発生するとともに、道路ネットワークの形成を進めていく上で大きな妨げとなっています。
JR南武線でも、矢川通りなどの踏切で渋滞しているほか、鉄道による地域の分断や踏切事故の危険性などの問題を抱えています。このような問題を解決するためには、数多くの踏切を一挙に除去する連続立体交差事業の推進が欠かせないと考えます。
引き続き、東京都には、踏切解消に向けて全力で取り組んでいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、河川施設のハード、ソフト対策について伺ってまいります。
一月一日に発生した令和六年能登半島地震では、建物倒壊や土砂崩れ等に加えて、津波による浸水被害が発生しました。都内においても、三十年以内に七〇%の確率で発生する可能性があるとされる首都直下型地震に対して備えを万全に期していくためには、ハード、ソフト両面から水害リスク軽減のための取組を進める必要があります。
三百万人の都民が暮らす東部低地帯は、都市機能が高度に集積し、市街地が形成されている一方、これまでの地盤沈下等の影響により、地盤高が満潮位より低いゼロメートル地帯が広く分布するなど、災害に脆弱な地域となっています。一たび水害が発生すると、広範囲で長期間の浸水被害が想定されることから、都民の生命、財産に加え、我が国を支える首都東京の経済活動を守っていくためにも、ハード、ソフト両面において実効性の高い対策を推進すべきだと考えます。
ハード対策では、堤防や水門等の耐震、耐水対策をより一層推進していくことが重要であります。そこで、東部低地帯における河川施設の耐震、耐水対策の進捗について伺います。
○斉藤河川部長 都はこれまで、東日本大震災を受け、策定した計画に基づき、河川施設の耐震、耐水対策を推進しております。
令和五年度は、中川などの堤防三・七キロメートル、上平井水門など六施設の対策が完了いたしました。これにより、堤防の計画延長約百三十キロメートルのうち、約七十二キロメートル、水門など二十二施設のうち、十九施設の対策が完了しました。
○本橋(た)委員 東部低地帯における河川施設の耐震、耐水対策が着実に進められており、安全性が高まっていることが確認できました。
今年は九月二十日頃から前線が停滞し、正月に地震で被害を受けた能登半島を大雨が襲い、大きな被害が出ました。東京も記録的短時間大雨情報が三回発表されるなどの大雨があり、先日の台風十号では、空堀川など氾濫が発生しました。
こうした大雨に対して、都内で活動する全ての人が適切な避難行動を取れるよう、地域の震災リスクや近くの河川の増水状況の把握ができるなど、東部低地帯だけでなく、他の区部や多摩部も含め、ソフト対策の充実を図ることが重要であります。
そこで、住民の避難につながるソフト対策を進めるべきであると考えますが、令和五年度の取組状況について伺います。
○小木曽河川防災担当部長 洪水時の円滑かつ迅速な避難を確保するため、水防法に基づき、これまで十九河川で洪水浸水想定区域を指定してまいりました。令和六年二月には、新たに七十一河川を追加し、これにより、対象となる九十河川全てにおいて指定が完了いたしました。
また、河川の状況をリアルタイムで伝えるため、河川監視カメラの設置と映像の公開を進めており、令和五年度は、神田川や柳瀬川など二十四か所で新たに映像を公開いたしました。これにより、年度末における公開箇所数は合計で百四十九か所となってございます。
○本橋(た)委員 ソフト対策の取組について確認することができました。
こうした取組は重要であると考えますので、取組を引き続き進めていっていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
以上で質問を終わります。
○遠藤委員 続きまして、私、都民ファースト、遠藤ちひろです。
先日、私は恩賜上野動物園を視察しました。平日でしたけれども、子供から大人まで多くの来園者が訪れ、動物の展示やその解説を熱心に見入っている様子が見受けられました。また、外国語も大変にぎやかに飛び交っておりまして、インバウンドも完全復活、パンダの展示では、平日にもかかわらず四十分待ちの行列ができておりました。
建設局では、恩賜上野動物園ほか、多摩動物公園、井の頭自然文化園、葛西臨海水族園の四園を所管しており、これらの動物園は、都の政策連携団体であります東京動物園協会が指定管理者として運営し、動物の展示をはじめとする様々な業務を行っておられます。
決算ですので、まず、これらの動物園等におきます令和五年度の主な取組、また決算額について伺います。
○佐々木公園緑地部長 都は、動物園等の管理運営について東京動物園協会を指定管理者とし、動物の飼育展示、飼育繁殖や調査研究による野生生物の保全、学校などと連携した普及啓発、魅力発信の広報やイベントなど利用者サービス、施設維持管理等の安全・安心の確保に取り組んでおります。
これらに基づき、令和五年度は、四つの動物園等における飼育展示のほか、二十六年ぶりとなるスマトラトラの繁殖成功、動物園の取組を紹介する出張授業の実施、環境問題に取り組む技術者や企業などが参加する環境総合展示会への出展などを行いました。
これらの指定管理業務に係る令和五年度の決算額は七十億二千三百万円でございます。
○遠藤委員 多様な野生動物の行動や生態、また生育環境、その保全に取り組む必要性を多くの方に認識してもらうように取り組んでおられることが分かりました。
動物園では、来園者の方が入場料を支払い、その入場料収入が都の歳入となっております。都には、継続的な歳入確保の努力に取り組んでいただきたいわけですが、そのためには多くの方に来園してもらえるような展示の工夫が必要だと考えます。
また、子供たちが動物園のファンとなり、リピーターとなって、末永く足を運んでもらうためには動物の生態などをしっかり分かりやすく伝え、興味、関心を持ってもらえるようなアプローチも有効だと思います。
こうしたことを踏まえまして、動物園の魅力を伝え、多くの方に来園してもらうために、令和五年度、どのような取組を行ったかお答えください。
○佐々木公園緑地部長 令和五年度は、日頃目にすることのできない夜間の動物の生態を観察できるナイトツアーや、泥遊びなど象本来の生き生きとした動きを引き出す土の山を設置するなど、各園で工夫を凝らしたイベント、展示を実施いたしました。併せてホームページやSNSを活用した広報のほか、観光情報センターでPR動画を放映することで、季節ごとのイベント情報や動物のトピックを国内外の旅行者に発信し、より多くの方に来園を呼びかける取組を展開いたしました。
また、子供たちに動物の生態等を伝える取組の一環として、小学校教員を対象に、教材として活用できる動画や資料などの提供を行い、多くの授業でご利用をいただきました。
○遠藤委員 上野動物園では、園内の売店、いわゆる動物の縫いぐるみとか、いろんなものを売っている売店があるんですけど、この売上げの一部が動物の保護に寄附されるという仕組みが出来上がっておりまして、大変有意義でした。私自身も驚きました。結構な取組だと思います。
一方、インバウンド向けには、一部の案内サインやパンフレットなどは、日本語のほかに、英語、中国語、韓国語、この三か国語に対応していますが、園内にはまだまだ日本語、英語のみでの表記が見られるため、さらに、中国、韓国などアジア地域からの訪問者への配慮も進めてもらいたいと要望します。
今回の視察では、協会職員の動物保護への熱意や強い愛情を感じました。本当に動物を愛しているんだなということをつくづく感じる視察でありました。
今後は、協会と都が定期的に意見を交換した上で、上野のみならず、全四園において役割を分担し、それぞれ先進的な取組に挑戦し、より多くの方に来園をしてもらえるよう、動物園の魅力向上に取り組むことを要望して、次の質問に移ります。
次に、道路整備について伺います。
道路は、豊かな都民の生活に欠くことができない重要な都市インフラであります。東京を成長と成熟が両立した持続可能な都市へ発展をさせていくためには、まさに都市の骨格を形づくる幹線の道路ネットワークの早期形成が極めて重要であります。
都は、おおむね十年間で優先的に整備する路線を定めた事業化計画を策定し、都市計画道路の整備を進めていると聞いております。
そこでまず、区部、多摩地域、それぞれの都市計画道路の完成率について伺います。
○久野道路建設部長 都市計画道路は、交通、物流機能の向上による経済の活性化のみならず、日々の生活を支えるとともに、災害時には救助、救援活動を担う重要な都市基盤でございます。
都内の都市計画道路は、都市高速道路や自動車専用道路を除きますと、約三千二百キロメートルございまして、令和四年度末時点で、区部では約六七%、多摩地域では約六三%が完成しております。
○遠藤委員 先ほどの要求資料にもありましたけれども、完成率についてご説明いただきましたが、区部、多摩地域ともに六割程度ということですので、まだまだ道半ばだという状況だと思います。
道路の整備はまちづくりの基本であり、開通すれば絶大な効果をまた永続的に発揮するわけですが、効果を発揮するまでには、用地の取得、地域への説明、また合意形成など、多くの費用と時間を要します。事業が進められている地域におきましては、一刻も早い道路の開通が望まれております。
そこで、令和五年度の道路の開通実績と、事業効果の早期発現に向けた取組について伺います。
○久野道路建設部長 区部においては、練馬区内の放射第三五号線や世田谷区内の補助第五四号線、多摩においては、大久野青梅線、梅ヶ谷トンネルなど、合わせて六路線が開通しました。
このうち、放射第三五号線では、環状第八号線との立体交差部を暫定的に二車線で交通開放しました。補助第五四号線では、一部の区間を先行して交通開放することで、並行する都道の交通渋滞の緩和が図られました。
○遠藤委員 引き続き、道路の開通に向けまして、様々な工夫をしながら早期実現に向けて着実に事業を進めていただきたいと思います。
昨年度開通しました青梅市と日の出町をつなぐ梅ヶ谷トンネル、これは小池都知事が開通記念式典を主催されました。このトンネルは、令和元年の台風十九号により孤立化した地域の防災力向上に寄与するなど、防災上極めて効果が高い道路が整備されたと認識しております。
この台風十九号ですが、多摩川に架かります日野橋にも大きな影響を与えました。橋脚が沈下し、約七か月にわたって通行止め、改めて地域への影響の大きさと橋の重要性を認識したところであります。
日野橋は古くから甲州街道の要衝となっておりまして、地域の連携強化に資するとともに、災害時には緊急輸送道路として防災上重要な役割を担っております。現在、日野橋では架け替え事業が進められており、地元も大きな期待を寄せています。
これまで我が会派でも、度々取り上げてきているところでありますが、日野橋の架け替え事業の令和五年度取組状況を伺います。
○久野道路建設部長 本橋梁は、架橋から約百年が経過し、老朽化が進んでいることから、架け替えることとし、令和二年度に工事に着手しました。
令和五年度は、仮橋の橋桁の架設が完了し、仮橋に接続する取付け道路の工事に着手しました。令和七年の春頃に、仮橋へ交通を切り替える予定でございます。
引き続き、橋梁本体工事の着手に向けまして、着実に事業を推進してまいります。
○遠藤委員 新たな道路やトンネルが開通するなど、確実に道路整備が進んでいることが分かってまいりました。渋滞解消ですとか、国際競争力の強化に寄与する道路ネットワークの整備、ぜひこれを引き続き進めていただきたいと思います。
無電柱化についてです。
昨今、激甚化する暴風や台風、いつ来てもおかしくない首都直下型地震など、自然災害への備えが急務となっております。災害対策の中でも、無電柱化、これが電柱の倒壊を防いで、迅速な避難ですとか、救急活動を行うことに直結する重要な事業だと思います。
都は、現在、私の地元であります多摩市と稲城市におきまして、鎌倉街道や鶴川街道等で無電柱化事業を実施しています。とりわけ、多摩南北五路線の一つであります鎌倉街道は地域の中で特に防災上重要な幹線道路であることから、着実に無電柱化を進めていくことが重要と考えます。
令和五年度の多摩市内の鎌倉街道における無電柱化事業の取組状況について伺います。
○今宮無電柱化推進担当部長 都は、現在、令和三年に改定いたしました東京都無電柱化計画に基づき、第一次緊急輸送道路などにおいて無電柱化事業を進めております。
多摩市内の鎌倉街道では約四・六キロメートルで事業を実施しており、このうち、令和五年度は、関戸地区や乞田地区の約一・二キロメートルにおきまして、沿道建物への引込み管工事を実施し、永山地区の約一・〇キロメートルの区間におきましては、電線共同溝本体工事に向けた詳細設計や支障となります埋設物の移設工事を実施いたしました。
引き続き、都市防災機能の強化に向け、都道の無電柱化に積極的に取り組んでまいります。
○遠藤委員 鎌倉街道におきまして無電柱化が着実に進められていることが確認できました。
一方、都道のみならず、市民、都民の生活により密着した、また場合によっては歩道が狭い区市町村道、ここにおいても無電柱化を推進することが重要であります。
区市町村道は、日常の通勤や通学、買物、そして有事の際には避難所までの大変重要な道路となるからです。多摩市と稲城市におきましても、一部の道路では市道の無電柱化が進んでおります。
都は、こうした区市町村道の無電柱化を促進するため、無電柱化チャレンジ支援事業など、区市町村の取組を積極的に支援しています。
ということで、区市町村道の無電柱化に対する令和五年度、都の支援について伺います。
○今宮無電柱化推進担当部長 都内全域で無電柱化を推進するには、都道はもとより、都内の道路延長の約九割を占めます区市町村道の無電柱化を促進することが重要でございます。このため、防災に寄与する路線に対する支援や、チャレンジ支援事業制度などにより、財政支援や技術支援を実施してございます。
令和五年度は、多摩市など三十九の区市町村が、これらの補助制度を活用し、無電柱化推進計画の策定や設計、工事を実施してございます。都は、約十一億円の補助を行ってございます。
今後とも、区市町村と連携を図りながら、都内全域での無電柱化の推進に積極的に取り組んでまいります。
○遠藤委員 都が区市町村に対して積極的に支援をしていることはよく分かりました。しかし、今お話にもありましたように、道路の九割が区市町村道ということですね。ここに、てこ入れが必要であるということがまた認識されたわけであります。
無電柱化は、ご説明いただきましたけれども、地域への説明から工事期間を含めて、一般的に四百メートル当たり七年ぐらい時間がかかると。電柱を地下に埋める四百メートル当たりの無電柱化、四百メートルに七年かかるんだという上に、国交省の試算ですけど、一キロ当たり約五・三億円の公費が必要であります。これは国交省の試算ですけれども、一キロ当たり五・三億円、つまり、百メートル当たり五千三百万ということですよね。
非常に大きな時間的、また経済的負担がかかる事業でありますので、引き続き区市町村の負担感を軽減できるよう、都からの後押しで取組を一歩、二歩と前進させ、無電柱化を推進していただきたいと思います。
以上、要望しまして、質問を終わります。
○かまた委員 それでは、始めさせていただきます。
今年は、都内区部中心に、記録的短時間大雨情報が発令をされましたり、また八月の台風十号では、多摩地区で総雨量四百ミリを超える降雨があるなど、豪雨対策は喫緊の課題となっております。
これまでも激甚化する豪雨による河川氾濫の対策としまして、調節池の整備を、都議会公明党の政策目標、チャレンジエイトに掲げ、都の取組を後押ししてまいりました。
都もこれまで、調節池等の整備を進め、この夏の豪雨では、中小河川の水位の低下に効果を発揮したところであります。
私も、地元を流れる石神井川で整備を行っております城北中央公園調節池の工事現場を確認しまして、調節池が果たす役割の重要性を肌で感じてまいりました。今後も気候変動により、降雨量が増加していくことが予想されるため、豪雨から都民の安心・安全を確保するためにも効果の高い調節池等の整備をさらに進めていくことが重要です。
そこで、調節池の令和五年度の実施状況と、これまでの整備効果についてお伺いをいたします。
○斉藤河川部長 激甚化、頻発化する豪雨から都民の命と暮らしを守るため、都は、護岸の整備と併せて、調節池の整備を進めております。
令和五年度は、八か所で調節池の工事を実施し、このうち、下高井戸調節池の本体工事を完了するとともに、城北中央公園調節池では、二つのケーソンを下部で接続する工事が完了しました。
令和六年八月末の台風十号による大雨の際には、これまで都が整備をしてきた二十七か所の調節池のうち、十一か所で洪水を取水し、水位を低下させる効果を発揮いたしました。
○かまた委員 ありがとうございます。
ぜひ引き続き、豪雨対策に重要な施設である調節池の工事を着実に進めていただきたいと思います。
そして一方で、工事に当たりましては、地域住民の皆様のご理解、ご協力をいただけるよう、十分に丁寧にご対応いただくことはいうまでもありません。
しかし、先日も広島でシールド工事により陥没事故が発生しましたが、地下を掘る工事につきましては、住民が安全性に不安を感じることもあると思います。
そこで、調節池工事を進めるに当たりまして、どのような安全対策を実施しているのかについてもお伺いをいたします。
○斉藤河川部長 調節池工事の安全対策としては、事前に地質調査を行った上で、施工中の地下水調査や地盤変形調査などを十分実施し、異常がないことを確認しながら工事を進めております。
例えば、環状七号線地下広域調節池などのシールド工事では、調査で把握した地質に応じて管理値を設け、土砂の過大な取り込みによる地盤の変形を防止し、地表面の測量も日々実施しております。
今後とも、施工管理に万全を期し、安全かつ着実に工事を進めてまいります。
○かまた委員 安全対策をしっかり進めていることも分かりました。引き続き、豪雨対策に重要な施設である調節池の工事を着実に進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
続きまして、東部低地帯での対策についてお伺いをいたします。
ゼロメートル地帯が広がる東部低地帯では、大地震によって堤防等が損壊すると、地域全体に甚大な浸水被害が想定されることから、河川施設の耐震、耐水対策は重要であります。
都では既に、東部低地帯の河川施設の耐震、耐水対策に取り組んでおり、令和三年度には、対策範囲を拡大した第二期計画を作成したと聞いておりますが、今後も着実にこの対策を進めていくことが重要であります。
そこで、令和五年度に実施をしました東部低地帯における河川施設の耐震、耐水対策工事についてお伺いをいたします。
○斉藤河川部長 令和五年度は、堤防の耐震対策として、新中川における堤防の変形を抑制する地盤改良など、十二河川で工事を実施しました。また、水門などの耐震、耐水対策として、今井水門における管理棟の建て替えや、非常用発電設備の設置など、水門六施設、樋門二施設、排水機場一施設で工事を実施いたしました。
○かまた委員 ぜひ引き続き、地域の安全性を確保する取組を着実に進めていただきますよう、よろしくお願いいたします。
次に、私からも無電柱化についてお伺いをいたします。
都議会公明党はこれまで、首都直下地震に備えるため、震災への対策強化について求めてまいりました。本年一月に発生をしました能登半島地震では、三千本を超える電柱の倒壊等により、避難や救援活動に非常に大きな影響を与えたとのことです。震災時、電柱の倒壊に伴う道路閉鎖により、避難や救助活動が進まないという状況を起こさないための対策は重要であり、無電柱化の一層の推進が必要となります。
そのため、都は、無電柱化計画に基づき整備を進めていることと思いますが、令和五年度末の都道における無電柱化の整備実績についてお伺いをいたします。
○今宮無電柱化推進担当部長 これまで都は、数期にわたります計画に基づき、無電柱化を推進してきております。計画幅員で完成いたしました歩道幅員二・五メートル以上の都道における令和五年度末までの整備実績は、整備対象延長二千三百二十八キロメートルに対しまして、千九十四キロメートル、地中化率は約四七%でございます。
○かまた委員 今のご答弁で、計画に基づき着実に整備が進められていることは確認いたしましたけれども、首都直下型地震の切迫性が高まっている状況にある中、大規模災害が発生した際でも、地震直後の緊急物資の輸送、復旧及び復興を円滑に進めるための対策は必要不可欠であります。特に、震災時に緊急輸送道路の交通機能を確保するためには、無電柱化が重要であるため、都は現在、第一次緊急輸送道路における無電柱化を積極的に進めております。
そこで、令和五年度の第一次緊急輸送道路における無電柱化の取組についてお伺いをいたします。
○今宮無電柱化推進担当部長 第一次緊急輸送道路につきましては、環状七号線や新奥多摩街道などで事業を進めてございます。令和五年度は、約二十三キロメートルの電線共同溝本体工事が完了し、累計で約二百六十七キロメートルの整備が完了いたしました。
引き続き、都市防災機能の強化に向け、二〇三五年度の完了を目指して、無電柱化の整備を推進してまいります。
○かまた委員 都は、精力的に無電柱化事業を進めておりますが、無電柱化工事を行うには、道路の地下に電線共同溝を設置するスペースを確保する必要があり、埋設物の移設に向けた調整や工事には、多くの時間を要すると伺っております。このため、地下埋設物等の3Dデータ化を進め、調整の効率化を図るなど、さらに無電柱化を推進する取組を要望させていただきます。そして、都民が安全・安心を実感できる強靱で持続可能な都市を実現していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは最後に、都立公園の官民連携についてお伺いをいたします。
私の地元にも都立公園がありますが、地域住民の皆さんは、この公園を自分たちの地域の誇りであると考えていますし、さらに、人が集い合う魅力ある公園にしたいと考えております。そのため私は、令和五年第一回定例会におきまして、都立公園の魅力をさらに高めるために、民間との連携をさらに推進していくべきだということを求めさせていただきました。
そこで、令和五年度の取組について、改めてお伺いをいたします。
○佐々木公園緑地部長 都は、緑とオープンスペースがもたらす公園の本来の機能を確保しつつ、利用者ニーズや採算性などを踏まえ、官民連携を推進することとしております。
令和五年度は、公募により選定された事業者が、飲食店など公園利用者の利便の向上に資する施設を設置し、その収益を活用して園路や広場などの整備等を一体的に行うパークPFI制度により、十月に明治公園を供用開始いたしました。
○かまた委員 今、ご答弁をいただきましたように、民間との連携につきましては、収益を活用するという観点が伴いますので、非常に厳しい状況であることは十分承知をしております。
しかしながら、地域住民が我が地域の都立公園の魅力向上を願う気持ちにつきましては、しっかりと応えていくということが重要であると考えますので、ぜひ今後も様々な方法で、都立公園の魅力度アップを考えていただきたいことを要望いたしまして、私の質問を終わります。
○とや委員 共産党のとや英津子です。よろしくお願いいたします。
私からは、まず、都立石神井公園三宝寺池と生物多様性について伺っていきたいと思います。
都立石神井公園の中にある三宝寺池の中には、天然記念物である沼沢植物群落があります。昭和四十年代から周辺の都市化に伴って湧水は激減をしてしまって、池の水が干上がり、結局、湧水は枯渇してしまいました。また、指定された当時と比べ、植物群落は衰退をしていますが、この間、NPOやボランティアの皆さんが懸命に取り組んで、カキツバタの移植などで群落が拡大しているところも見られています。
昨年策定された生物多様性地域戦略では、武蔵野三大湧水の一つ、三宝寺池の湧水復活が位置づけられました。どのように復活に向けて取り組むのでしょうかお答えください。
○水谷公園建設担当部長 湧水につきましては、三宝寺池を含む石神井公園において樹林を維持することなどにより、湧水の源となる地下水の涵養を図ることとしております。
○とや委員 環境局の質疑でも、私、取り上げさせていただいたこの課題ですが、湧水は、豊かな自然環境を育んで、都民に潤いと安らぎをもたらす東京の多様な生態系の一部として、地域戦略では二〇五〇年の将来像として、武蔵野三大湧水の復活を掲げており、区市町村と連携した雨水浸透施策の推進や、湧水等の保護及び回復に関する普及啓発を進めているとご答弁があったんですね。
三宝寺池の湧水枯渇の主な原因は、保存計画によれば、周辺地域の都市化であります。公園内の樹林の保全は極めて重要ですが、それだけではとても湧水復活はできません。ぜひ関係各局と連携し、湧水復活に尽力していただくよう求めておきます。
沼沢植物群落の保存、活用は、今申し上げました三宝寺池沼沢植物群落保存活用計画で位置づけられて、植物の調査、保全管理、住民による保全活動が活発に行われています。
この九月、私も三宝寺池の、中の島にある植物群落の見学に参加をさせていただきました。カンガレイやヒメミクリなどの希少植物、本当に初めて拝見させていただき、感動しました。それから、中の島からの風景も、あそこに行かなければ見られない風景ですから、それを楽しむ貴重な機会を得ることができました。この自然をしっかりと守る必要があります。
そこで伺いますが、三宝寺池保存活用計画の実施状況についてです。都が文化庁に報告していると思いますが、文化庁は管理状況について、どのような意見を述べて、どのような評価をしているのか伺います。
○水谷公園建設担当部長 文化庁の報告については、文化財保護法に基づく現状変更申請の更新の際に行うこととしており、直近の令和四年十二月の報告の際には、文化庁から、三宝寺池は、武蔵野台地全体の湧水環境という意味を特徴づける植生が見られるということも押さえた上で、将来その価値がなくならないような管理を丁寧に、慎重にやっていただきたいという趣旨の意見等をいただいております。
○とや委員 湧水環境という意味を特徴づける植生が見られると。そして、将来その価値がなくならないような管理を丁寧に、慎重にやっていただきたいと、重要な指摘であります。
では、湧水環境の価値を維持保全するためにどうするかということです。保存計画では、沼沢植物群落が天然記念物に指定をされたときから今日の状態まで衰退した主な要因として、湧水の減少や富栄養化、水中の生物相の変化による水環境の悪化、また、外来種の増加や植生遷移の進行に伴う光環境というんですか、また、立地条件が考えられるとありました。
立地条件自体は変えることはなかなか難しいんですが、植物遷移の抑制や、あるいは外来種については、駆除することは可能だと思います。
そこで、かい掘りが考えられるわけですが、かい掘りは、水質改善や外来種の駆除に有力な方法であり、保存活用計画に採用されていますが、三宝寺池は、現在までに池のかい掘りは行ったことがありません。
行うには、文化財保護法の許可、あるいは文化庁などの協議が必要な行為と思われます。今までに出されてきた文化庁の意見を伺います。
○水谷公園建設担当部長 令和四年十二月の文化庁への報告では、三宝寺池のかい掘りについて、文化庁から、かい掘りがすぐにできるわけではないが、条件が整ったときには、もしかするとやらないという判断も出るかもしれないが、客観的に判断できるようにしていただけるとありがたいとの意見をいただいております。
○とや委員 文化庁も慎重な意見を出しているんじゃないかと思いますが、天然記念物である三宝寺池沼沢植物群落を保全し、湧水環境の価値を維持保全するためには、かい掘りの実施も視野に入れての検討が必要です。
保存計画では、かい掘りを実施し、底の、底地ですね、や透明度に係る水質の改善、埋土種子を含む泥土の効果的、効率的な採取を図ると。そして、外来種対策として、かい掘り前の駆除と、かい掘り時に本格的駆除を行い、個体数を極力減らすと記載されています。
そのためには、三宝寺池の土地を所有している練馬区教育委員会との協議が必要だと思います。ぜひ、しっかり協議をしていただきたいということを求めておきます。
湧水の枯渇状態が長く続く下で、水質を良好に保つと同時に、水量、水を増やすことが重要です。沼沢植物群落保存計画の中では、一日一万トンの水量が必要と記載がありますが、現在の揚水量はどのぐらいになっていますか。
○水谷公園建設担当部長 石神井公園の三宝寺池における令和五年のポンプの揚水量の実績については、平均すると一日当たり約一千四百立方メートルでございます。
○とや委員 天然記念物である沼沢植物群落を維持保全するには、全く足りない状況であることが分かりました。
都は、三宝寺池の水質を良好に保つため、保存計画における水環境の目標を、湧水に供給水を加えた流入水量によって水質改善が見込める滞留時間を、三日程度以下である状態に達成するといっているんですね。そのためには、井戸の改修や新設等が必要としています。
しかし、この間、井戸の老朽化によってポンプが故障して、更新されたポンプの出力は、更新前の出力が三十キロワットであったものが十八・五キロワットへと変更されています。毎分一・五立方メートルは更新前と同様に確保されているものの、不足する水量を補うには足りません。湧水が枯渇した下で、どう水量を確保し、充実できるか、大きな課題だと思います。
東京都は現在、池の水は、平成三十年度のかい掘り以降、お水を下水に流して下水道料金を支払っています。しかし、もともと池の水は石神井川に流れていたもので、旧水路があるにもかかわらず、下水道に行くようになったわけですけれども、私、ちょっと気になるのが、やっぱり下水道に流すことによって料金がかさんでしまう。料金がかさむと、揚水量を上げることがなかなか判断としてできないんではないか、そういう疑問が晴れません。
そこで伺いたいんですが、石神井池のかい掘りの際、池の水は石神井川に流したことがあったわけですが、どのように流したのか教えてください。
○水谷公園建設担当部長 令和二年度に実施しました石神井池のかい掘りに際しては、石神井池と石神井川とが約二百五十メートル距離が隔たっている上、高低差の関係で自然流下が困難であったことから、池側にポンプを設置し、仮設のホースを通して、石神井川に排水いたしました。
○とや委員 高低差があるから、ポンプを設置して、ホースを通して排水したということです。つまり、水路にホースを通したわけで、高低差を解消することは技術的には可能だから、その気になれば河川放流ができるというふうに判断します。
さらに、じゃあどうしたら河川に流せるのかと文書質問で聞きますと、公共下水道管理者において審査基準に基づき審査を受ける、そして、許可された下水については、河川法の許可を受け、排水施設を設置し、排水することができるという回答でした。つまり、水質に問題なければ放流できるのではないかと思います。
水質を示す指標にCODがあります。これは水中に含まれる有機物などの汚染物質が酸化剤によって分解される際に必要な酸素量を示す指標で、水質汚濁の度合いを表しますとありました。CODの値が大きいほど、水中の有機物が多いことを示しており、水質汚濁の程度も大きくなる傾向があるというものです。
池の水を河川放流している都立公園は、例えば善福寺公園がありますが、ここの水は善福寺川に放流されていまして、CODを見ますと、令和五年、井荻橋で、五月十日が二・二、九月二十日は一・一、十一月五日は一・九ミリグラムでした。堀之内橋は、同じく令和五年は、五月十日で三・七、九月二十日で二・六、十一月十五日は一・九ミリグラムです。そして、石神井公園三宝寺池の近くを流れる石神井川の数値を見ますと、昨年九月一・三、今年二月で二・三ミリグラムで、良好な水質を保っています。
そこで、水質について、善福寺池のCODについて最近の数値を伺います。また、三宝寺池の水質についても同様に伺います。
○水谷公園建設担当部長 杉並区の環境白書によりますと、令和五年七月に区が実施した水質調査では、善福寺公園、上の池のCODは二十四ミリグラム・パー・リットル、下の池は十七ミリグラム・パー・リットルでございました。また、令和五年八月に都が実施した水質調査では、三宝寺池のCODは七ミリグラム・パー・リットルでございました。
○とや委員 善福寺の上の池というんですね、二十四ミリ、下の池が十七ミリ、そして三宝寺池は七ミリと、水質については三宝寺池の方が良好です。東京都がその気になれば、先ほども申し上げましたけれど、河川放流は可能であります。もちろん井戸の追加にはハードルがありますが、揚水量を増やし、水質改善をするために、ぜひ他局とも協議していただきたいと思っております。よろしくお願いします。
次は、石神井公園内における生物多様性について伺います。
昨年は、生物多様性地域戦略が策定され、都立公園内の生物多様性の保全の重要性も増しています。
そこで、都立公園条例の目的について伺っておきたいと思います。
○佐々木公園緑地部長 都立公園条例は、都立公園の設置、管理等について必要な事項を定め、都立公園の健全な発達と利用の適正化を図り、都民の福祉の増進と生活文化の向上に寄与することをもって、条例の目的としています。
○とや委員 この条例、昭和三十三年とかなり古いときにできたものでありますが、都立公園の健全な発達と利用の適正化を図りますとご答弁いただきました。
その適正化、利用の適正化が危ういのではないかという事例があります。石神井公園内では、マルタンヤンマなど貴重な生物の採取、捕獲が行われていると聞いています。生物多様性保全の立場からも、レッドリストに掲載されていない昆虫についても守ることが重要ではないでしょうか。
○大道公園計画担当部長 都では、石神井公園など三十一公園において、多様な生物が生息できる環境の整備や、モニタリング等の実施による順応的な管理を行うこととしております。
石神井公園においては、生物種を確認するモニタリング調査や、昆虫のすみかとなるよう草刈りの高さの調整などに継続的に取り組んでおり、令和五年度においても、希少種だけでなく、多様な生物の生息に配慮した管理を行っております。
○とや委員 大変重要な答弁です。マルタンヤンマは希少種ではありませんが、とても高く売れるそうです。私たちが聞いた話によれば、わざわざ北海道からやってきて捕獲して売買しているとか、何万円もする大きな網で捕獲しているということでした。子供が昆虫採取するレベルではありません。
そして、沼沢植物群落の保全計画ではこう書いてあります。
三宝寺池では、グンバイトンボやアオハダトンボなどの豊富な湧水に基づく流水性のトンボ類が早い段階で見られなくなった。湿生植物や水生植物に依存するマルタンヤンマやモノサシトンボ、アジアイトトンボなどのトンボ類は残存率が高く、それは三宝寺池の湿生植物群落が維持されていたことを表していると記載されていました。
つまり、三宝寺池の沼沢植物群落の維持保全とマルタンヤンマなどのトンボ類の生存は、つながっていると、一体だということであります。
ところが、せっかく植物群落を保全しようと様々な取組も行われているのに、人の手でマルタンヤンマは捕獲され、今や石神井公園でも見られるのが少なくなっているというそうです。売買目的で捕獲する人たちは、注意をすると、条例にないではないかと反論することもあるそうです。これでは、条例目的の適正な利用にも、多様な生物の生息に配慮した管理もできません。
都立公園条例では、第十六条で、行為の制限が定められています。鳥獣魚貝の類を捕獲しまたは殺傷すること、これが制限になっているんですけれども、この条項に昆虫類は含まれていますか。
○佐々木公園緑地部長 都立公園条例第十六条では、都市公園内でしてはならない行為を行為の制限として定めております。この中には、鳥獣魚貝の類を捕獲しまたは殺傷することという項目があり、これに昆虫類は含まれませんが、第十六条にはほかに、都市公園の管理に支障がある行為をすることという項目が行為の制限として定められており、公園環境の保全の妨げとなるような昆虫の捕獲や商業用の収集がこれに該当いたします。
一般的な公園利用の範囲内で昆虫の収集等を楽しむなどの行為は、この項目には該当いたしません。
○とや委員 条例の鳥獣魚貝の類のところの制限項目には含まれていないけれど、都市公園の管理に支障がある行為をすることに含まれているということです。
しかし、この条例の意味を理解する人は少ないのではないかと思います。多くの昆虫、もともと三宝寺池で生息していたトンボ類が消滅している下で、マルタンヤンマのようなトンボについては守れるよう、ぜひ管理を含め、また周知も含めて強化をしていただけるよう求めておきます。
次に伺いたいのが、街路樹についてです。
気候危機が深刻な状態になって、今年も去年も、灼熱の暑さが続きました。石炭火力発電や原発をゼロにして、CO2の排出削減を急ぐ必要があります。
しかし、東京大学の研究者が発表した論文によれば、二〇二二年までの九年間で、東京二十三区の樹冠被覆率は約九%から七%へ、二割も減っています。知事が再開発で緑が増えたと誇る都心三区合計でも、樹冠被覆面積は減っていて、公園や街路の減少が目立って、オフィスビルエリアで増えていないんです。樹木を増やし、樹冠被覆率を上げることは、CO2排出削減にも、地面の冷却にも、生物多様性維持にも、人々の暮らしの潤いにも役立ちます。
そこで伺いたいのが、私たちの身近にある街路樹です。令和五年度の実績を踏まえた街路樹の維持管理について伺います。都道などには街路樹が植樹されて、維持管理を行っています。街路樹の役割、効果、メリットを具体的に述べてください。木陰ができる面積の割合である樹冠被覆率を引き上げることによる効果についてもお答えください。
○大道公園計画担当部長 街路樹は、沿道の生活環境の保全や都市環境の改善、交通の安全確保、景観の向上など、様々な役割がございます。街路樹の緑陰は、夏の強い日差しを遮るなどの機能を有しております。
○とや委員 大変、街路樹というのは多面的な役割を持っていることが分かります。適切な管理と樹冠被覆率を引き上げ、環境をよくしてほしいと思います。一口に街路樹といっても、様々な種類の樹木が植えてあって、高木、低木と併せて植樹されているのが都道では確認できます。そして、その樹木によっても維持管理の方法が違うし、街路樹は庭木とも違うので、剪定方法も変わってくると聞きました。
そこでお聞きしますが、令和五年度の街路樹の維持管理においても、東京都は二〇二一年に改定した街路樹診断等マニュアルを使用していますよね。改定の目的について、まず確認させてください。
○大道公園計画担当部長 街路樹の健全な育成や、不健全木の更新など、適切な街路樹の維持管理を推進するため、街路樹診断等マニュアルを改定し、診断後の処置方法の充実や、根の保護に関するガイドラインの追加等を行っております。
○とや委員 最近は、無電柱化も進んできて、道路には、電気とか水道とかガスなど様々な埋設物もあります。それらの掘削工事の際に、街路樹の根を傷めないように、適切に工事が行えるように樹木医が立ち会って、剪定してよい根と温存しておきたい根を判断し、剪定する根に関しても、適切に処理するためのアドバイスを樹木医によって行うことが重要だと思います。
マニュアルには、道路工事で街路樹の根を保護するため、配慮事項が設けられていますが、マニュアルどおりに設計工事が行われていますか。樹木医の立会いが記載されていますが、立ち会った上で、埋設物から根を守る対策を取っているんでしょうかお答えください。
○大道公園計画担当部長 本マニュアルには、根に対する配慮が必要な範囲や処置方法など、街路樹に配慮する事項のほか、路線の地域性や特殊性により事情が異なることから、実情に応じて行っていくことを定めております。街路樹周辺の工事は、マニュアルにのっとって実施されております。
○とや委員 そうしてもらいたいところなんですが、マニュアルについては私も読ませていただきました。
追加された根の保護に関するガイドラインでは、都道における街路樹の健全状態は向上したけれど、近年は従来の地下埋設物の改修や敷設に加え、電線共同溝工事などによる歩道改修の機会が増えており、誤って根が切断されたり、傷つけられたりするおそれもある、東京都では、これまで街路樹周辺の工事に対しての配慮事項などを定めてこなかったが、工事の際の根の損傷により倒木するリスクを回避するためにも、根の周辺で工事を行う際の配慮事項をあらかじめ示しておくことが求められると。
そして、今回の診断マニュアル改定に合わせて、新たに、街路樹の根の保護のガイドラインを作成し、今後は街路樹診断とともに根の保護も行っていくこととするとありました。二一年の改定で、ガイドラインではっきりと書き込まれたのは、大変よかったと思っています。
ただ、先日私は、樹木の専門家と一緒に、都道の街路樹を見て歩きました。都道にあるC・C・BOXを見て、根を保護するために、本来は車道の方に設置すべきとのお話も聞きました。根本的に、道路設計から見直す必要があるのではないでしょうか。
それだけではありません。建築限界をクリアしなければならないところにハナミズキが植えてあって、歩道の幅などから見て、樹木が生育できないといわれました。また、剪定についても、無理に剪定したため胴吹き状態になり、大変心配をされる声もありました。指摘がありました。きちんと指示をしているのか、疑問に感じるという指摘があったんですね。
剪定は、街路樹の役割を生かすように行われているのでしょうか。どのような仕様で発注をかけているのか伺います。また、剪定後の確認はしているのか伺います。
○大道公園計画担当部長 街路樹の剪定は、樹木の健全な育成や、安全で円滑な交通を確保するため、夏季剪定や冬季剪定など、樹種の特性に応じて適切な時期や回数を設定し、実施しております。
また、良好な樹形を維持するため、街路樹剪定士の資格を有する者を現場代理人とするとともに、都監督員立会いの上、街路樹剪定士が事前に見本となる剪定を行い、剪定業務従事者がその見本に倣うこととしております。剪定終了後には、委託業務の完了検査を実施しております。
○とや委員 その剪定のやり方が、都のマニュアルどおりにやられているのか疑問なのです。
都道のトチノキを見ました。本来、もっと高くして、枝を張らなければならないともおっしゃっていたんですよね。車道部分でいえば、夏場は五十度から六十度になるわけで、枝を伸ばせば夜間の温度が下がる。しかし、その意識はないんではないかという話も聞きました。切る必要のない枝も切られているところが見られました。
プラタナスの根本にツツジの植え込みがあって、そこには笹がいっぱい出ていました。樹木が弱ったときにキノコが出ることがあるけれど、植え込みが鬱蒼としていて、観察することができない状態でした。少なくともその場所で、低木は空けるべきとの意見でありました。樹木医にも見てもらって、必要な処理をしていただきたいと思います。そして、もっと樹木を守ってください。こうした状態を見ると、本当に街路樹の役割を生かし、適切な剪定管理が行われているのかなと思ってしまうんですね。
そこでお聞きしたいんですが、街路樹は、剪定を含めマニュアルに定められた内容を、都の職員がどのように身につけ、継承しているのか教えてください。
○大道公園計画担当部長 令和五年度においても、街路樹を担当する職員が参加する連絡会や、技術研修等の機会を通じてマニュアル等の周知を図るなど、職員の技術力の維持向上に継続的に取り組んでおります。
○とや委員 研修を実施しているということですが、それはそれで大事だと思います。同時に、やっぱり実技の研修も含めてやっていただきたいなと思っています。また、外部の専門家も呼んで、研修や講演などを行ってはどうでしょうか。
マニュアルには外国の事例も載っていますし、実際に参考にできる、日本の街路樹とは全く違う考えで街路樹を植えている事例も見たことがあります。
私の地元練馬では、中央分離帯に樹木を植えている都道もあります。大幅に樹冠被覆率が上がれば、歩道側と両方からの灼熱の道路の温度を下げることにもつながって、景観としても美しくなるのではないかと感じました。樹木の持つ力を最大限に引き出せるよう、剪定や維持管理についても見直していただくよう求めておきます。
次に、練馬城址公園について伺っていきたいと思います。
都立練馬城址公園は、昨年五月に開園しているんですけれど、園内には、桜を中心に様々な樹木が植えてあります。そして、開園前には、現在のハリー・ポッターの場所に合った樹木などが移植され、開園エリアである花のふれあいゾーンに移植されたんだと思うんですが、桜などの移植が行われたスケジュール、移植までのスケジュールややり方、方法について伺います。
○大道公園計画担当部長 本公園では、遊園地等の特殊な施設や設備は撤去が必要なことや、公園整備と施設撤去がふくそうすることから、安全、円滑かつ早期の公園整備を推進するため、既存施設や現場の状況等に精通した土地所有者と協定を締結しております。この協定に基づき、花のふれあいゾーンの樹木移植を含む整備工事は、受託者が実施したものでございます。
○とや委員 現場の状況に精通した土地所有者と協定を締結して、花のふれあいゾーンの樹木の移植が行われたということなんですが、東京都は、花のふれあいゾーンを含めた練馬城址公園エリアについて、西武鉄道と協定を結んでいます。そして、その受託者は、開園しているエリアは、公園の設計や造成も行っています。
ところが、移植した、例えば桜四本は根がつかなくて、弱って伐採されました。どうしてこうなるのか。移植のやり方も専門家に聞きましたが、一年半から二年前から根回しや環状剥皮もして準備しなければならないのに、全然やらずに、ただ移植しただけなのではないかと。あまりにも雑じゃないか、そういった指摘がありました。私も実際見てきました。また、ケヤキとコブシの距離も短過ぎて、コブシの樹勢がよくありませんでした。配置にも問題があると思います。
協定書、これは開示請求しておいたものですが、改めて確認しました。この公園について、細かな仕様は全くないです。協定締結後に速やかに実施計画案をつくること、委託費の精算や支払いなど、簡単に記載されているのみでした。こういう丸投げな委託をやっていたのかと、ちょっと驚きました。ほかに文書があるのかと思ったんですよ、私。そうしたら、ないんですよね。としまえんが閉園し、公園審議会でわざわざ審議をして、公園の在り方について答申があって、公園が整備されていったにもかかわらず、肝腎の部分が本当におざなりになっているのではないかと思います。
さらにお聞きします。公園内には、桜の園芸種が多く植樹されているんですが、開園エリアはどのような土質、土の質があるのか。土壌調査を行った上で植樹をされたんでしょうか。
○大道公園計画担当部長 花のふれあいゾーンの植栽地は、既存の表土を撤去した上で、植物に適した良質土による客土を全面的に行っております。土壌調査は実施しておりません。
○とや委員 植物に適した土は、私、ちょっと調べましたら、一般的に水はけもよくて水持ちがよい、通気性がある土といわれているんですけど、桜が植わっているところを見ましたら、根鉢も小さくて深植え状態で、土はかちかちで粘土でした。一体本当に植物に適した土なのでしょうか。通気性をよくする対策をきちんとして、土壌調査もしていただくよう求めておきます。
これは本当に、何であんなに雑な植え方しているんだろうと思っちゃったんですよね。それがもう幾つもあるんですよね。良質土による客土を実施したって、これちゃんと確認した方がいいと思いますよ。
それで次は、園内の自然について伺いたいと思います。
としまえんが開園していた時代には、多くの昆虫や植物が確認できました。都として把握しているでしょうか。そして、現在の状況はどうなっているのか伺います。
○大道公園計画担当部長 都では、練馬城址公園の整備着手前の平成二十六年度から平成二十七年度にかけて、基本計画策定に向けた基礎調査等を実施しており、その中で、動植物の生息、生育状況について把握しております。
現在の状況については、公園用地の大半が事業中であることから、把握しておりません。
○とや委員 先ほど、協定書のお話がありましたよね。対象範囲の維持管理も、それから調査も入っているんですよね。工事中だからとかといってないがしろにしないでほしい。受託者がちゃんと調査をするべきだと思います。
樹木については開示請求して、どこにどの樹木が植わっているのか分かりました。生き物については、東京都が先ほどおっしゃったように作成した資料で確認はできています。公園の中というより、周辺の生き物ですよね。二〇一二年、練馬区の自然環境調査もありまして、植物は三百六十三種、豊島園地区は、その三三%が確認されたそうです。昆虫類は百六十九種で、トンボは七種、バッタは十四種、鳥類は十九種だそうです。
しかし、昨年開園したエリアは、まだ開園したばかりなので、生き物はほとんど見られていません。だからこそ、先ほど申し上げたように樹木も土も環境も大事にして、生物多様性の保全に努めてほしいんですよ。これから開園するエリアについては、ここまでしてきたようなことは絶対ないようにしてください。誠実に、住民と共に公園づくりをしていただくよう求めておきます。
次に、まだ開園していない練馬城址公園Dゾーンについてです。
樹木についてはどのように管理されていますか。
○大道公園計画担当部長 本公園では、安全、円滑かつ早期の公園整備を推進するため、既存施設の現場の状況等に精通した土地所有者と協定を締結し、これに基づき、Dゾーンの樹木は、令和五年度まで受託者が維持管理を実施しております。
○とや委員 その後はどうなっているか、教えていただけますか。
○大道公園計画担当部長 令和六年度からは、東京都が管理をしております。
○とや委員 ぜひしっかり管理していただきたいんですが、未開園のゾーンに私たちは行くことはできません。しかし、川の向こうから眺めることができます。すると、樹木が茂っているんですが、全く管理がされておらず、葛が絡みついて、何の木か分からない状態になっています。
そこで、葛を取り払ってもらうことを要請しましたが、まだ不十分です。やってくださっているのは重々承知しているんだが、もうちょっと頑張ってほしいんですよね。葛は絡むと樹木が光合成ができなくなるそうで、弱ってしまいます。実際、先日見てもらったら、桜が一本駄目になっているといわれました。今ある樹木を大事にして、新たに開園するときに生かしてほしいんです。汚いからとか、邪魔だからと伐採するようなことはしないで、仮に移植するのであれば、先ほど申し上げたように時間をかけて、そして正しいやり方で丁寧にお願いしておきます。
ここからは、古城の塔、としまえんにあった古城の塔について、今もありますね、伺っていきます。
としまえん時代には、木馬の会の事務所として使用されていた古城の塔ですが、これは一九二六年のとしまえん開園に合わせて建てられたものです。昭和の時代は食堂などにも使われたり、閉園前は年間フリーパスの木馬の会を販売する事務所にもなっていたんですが、古い絵はがきや遊園地の全景図があって、食堂とか、喫茶とか、古城の塔の記載で紹介をされているのも私も拝見しています。
としまえんの設計は、造園を欧米で学んだ邦人初のランドスケープアーキテクトとして活躍した戸野琢磨さんによるものですが、古城の塔も戸野琢磨氏が関わって、遊園地の造園と一体的に設計されたといわれています。この建物については、練馬城址公園の計画にある、歴史を継承するにふさわしい建物であると日本建築学会の評価もあります。
ところが、東京都は、練馬城址公園の計画策定に当たりコンサルに審議会開催のための調査を委託をしたんですが、その成果物には、ちゃんと古城の塔について資料があるんです。しかし、公園審議会にその存在も報告せず、議論の俎上にものせていませんでした。そしてそのまま、今年五月、古城の塔の調査結果が出て、その後、方針が出ておりますが、練馬城址公園の計画に当たって諮問の際に、公園審議会で議題にもならなかったのはなぜでしょうか。
○大道公園計画担当部長 都市計画練馬城趾公園の整備計画の策定に当たりましては、公園審議会に諮問し、地域住民を含む都民の意見を広く求めるため、パブリックコメントを実施いたしました。この中には、古城の塔に関する意見も含まれており、パブリックコメント実施後にも審議会を開催し、答申を受けた後、令和三年五月に整備計画を策定しております。
○とや委員 それが意味不明なんですよね。私は、古城の塔の歴史的意義は、開園時から存在している唯一の建物であるというふうに説明をしました。諮問当時からつい最近まで、古城の塔を残してほしいと署名活動も行われていました。当然議題にしなければならなかったのではないでしょうか。
しかし、都は、そのことは一言も触れず、パブコメで意見が出て、やっとほかの意見と並べて報告をしたのではないでしょうか。しかも、パブコメは、としまえんのことだけで三百九件も寄せられていました。そのうち七十一件が古城の塔のことで、開園当初からの貴重な建物であるため、保存、活用してほしいとあったんですよ。これだけの声があるのに、結局審議会での議題にならなかったんです。これは明らかに東京都の瑕疵ではないでしょうか。
としまえんが閉園し、シンボルであったカルーセルエルドラドは撤去されました。防災公園になるのであれば、なおのこと残してほしいと要望も上がっていたプールも壊されてしまいました。残ったのは古城の塔のみです。古城の塔は、開園当初から約百年存在しているんですよね。こうした重要な建築物のことを議題にしないというのは、重大な瑕疵です。
そして、都は、審議会というオープンな場での議論もなく調査に入っていくわけですが、古城の塔の存在、歴史、どういう使われ方をしてきたのかについて、諮問に当たって審議会で説明したかどうか。また、建築物の劣化状況など調査に入ることを、公園審議会の委員には、あらかじめお伝えになりましたか。
○大道公園計画担当部長 公園審議会は、公園及び霊園の整備充実と、その適正な運営等を図るため設置しております。一般に、公園の整備計画を審議会に諮問する際、公園の位置や概要の説明と整備の方針案、審議のスケジュールなどを説明しており、個別の施設の詳細を取り上げて説明することはしておりません。
お話の古城の塔に関する調査結果については、令和五年には劣化状況等、令和六年には建物の取扱い等をホームページにより公表しております。
なお、本年七月の公園審議会では、古城の塔を含む練馬城址公園全体について、審議会委員による視察も実施しております。
○とや委員 一般的に概要等の説明はしない、個別の建物等の説明はしないと、今、おっしゃいましたよね。結局、報告していないんですよ。説明していないんです。先ほどもいったように、この古城の塔という建物については、ほかの遊具とかそういうものとはまた違う位置づけだということが、東京都には分かっていらっしゃらないんじゃないかということを指摘したいと思います。
そういった状況だから、当時の議事録を読んだ方々からも疑義が上がっているんですよ、古城の扱いに対する検討プロセスに問題があるのではないかと。その一つが、日本建築学会関東支部であったり、あるいは、古城の塔の保存活動に奮闘している方々なんです。
日本建築学会の関東支部からは、意見、要望も出ているんですが、古城の塔が建てられた歴史的経緯、英国式のデザイン、地形を生かした配置などを紹介しつつ、四点挙げています。
一点目が、我が国を代表する近代遊園地としまえんの記憶を継承する価値がある。そして、震災後間もない鉄筋コンクリートづくりの建築としての価値、土地の歴史を継承する価値を認め、保存の要請もしています。
こうした観点からの議論も全くされていないんですよね。
古城の塔の保存について、日本建築学会関東支部の要望、見解が出ていますが、どのように受け止めていらっしゃいますか。
○大道公園計画担当部長 お話の建物の保存、活用について、令和三年三月に、日本建築学会関東支部から都に要望書が提出され、保存を要望する趣旨の要望をいただいております。
その後、都が実施した調査によりますと、大規模な地震により倒壊する危険性が高く、耐震化、改修を実施した場合には、原形を大きく改変せざるを得ず、建物本来の姿を残すことは困難でございます。また、展示のために建物を保存する場合には、広範囲にわたる立入禁止エリアが必要となり、公園利用に影響を及ぼします。このため、既存建物全体を保存することは課題が多く、極めて困難であることが分かりました。
このため、建物は撤去し、建物部材の一部を保存する等、記憶を継承する方法を検討することとし、このことを公表するとともに、建築学会関東支部にも説明しているところでございます。
○とや委員 説明したからいいのだということにはならないんですよ。先ほどからいっていますけれども、あの施設については、都民にとって、あそこを閉園を惜しむ人々にとって特別の位置づけがあって、だからこそ様々な意見、特に保存、活用してほしい、残してほしいという意見もあったし、建築学会からも専門的な見地から意見があったわけですよね。そこはちゃんと受け止めてください。
令和三年三月に、練馬城址公園整備計画作成委託、これが出されているんですよね。審議会に使っていただく、そのための資料なんですが、公園の古城の塔の存在、歴史、また食堂として利用されていたことが記載されているため、都は、古城の塔の歴史的意義を理解していたはずなんじゃないかって思うんですね。古城の塔の歴史的意義について、どう認識しているか、改めて確認させてください。
○大道公園計画担当部長 お話の建物は、古い城の外観を有し、大正末期から昭和初期に普及し始めた鉄筋コンクリートづくりの建物であり、遊園地開設時から、食堂や事務所として利用されてきたものであると認識しております。
○とや委員 何回もいっているから認識していらっしゃると思うんですけど、そういった価値のある建物を東京都の判断だけで決めないでほしいんですよね、その扱いを。
それで、古城の塔の調査に関わって開示請求をしたんですが、委託先から古城を残す場合の幾つかの案が出ていたと思います。どのようなものなのか、技術的には残せるということでよいかどうかお答えください。
○大道公園計画担当部長 古城の塔の建物の取扱いの検討に当たりましては、立入り可能な建築物として利活用する案、立入り不可能な建物として保存する案、建築物を撤去し、記録として保存する案を比較検討しております。
お話の建物は、耐震化、改修を実施した場合には、原形を大きく改変せざるを得ず、建物本来の姿を残すことは困難でございます。また、展示のために建物を保存する場合には、広範囲にわたる立入禁止エリアが必要となり、公園利用に影響を及ぼします。このため、既存建物全体を保存することは課題が多く、極めて困難であることが明らかになっております。
○とや委員 委託先からの提案を受けて、技術的には残せるだろうという質問に対して、課題は多いけれども、保存することは技術的には可能だということだと思います。
都民からは、古城の塔の保存、活用について、専門家による検討が必要じゃないかという意見もあります。そして、調査委託先の、先ほど申し上げたアーバンコンサルタントの打合せメモでも、専門家による検討が必要じゃないかと聞かれていらっしゃったと思います。検討会などを設置して、意見を聞くべきではありませんか。
○大道公園計画担当部長 議事録の記載内容については、承知しているところでございます。
お話の建物については、耐震化、改修を実施した場合には、原形を大きく改変せざるを得ず、建物本来の姿を残すことは困難でございます。また、展示のために建物を保存する場合には、広範囲にわたる立入禁止エリアが必要であり、公園利用に影響を及ぼします。このため、既存建物全体を保存することは課題が多く、極めて困難であるという報告を調査委託先から受けております。
○とや委員 委託先からの意見も承知しているということです。やろうと思えばできるんですよ。ですから、専門家からの意見も聞けるような検討会などを設置するべきです。
打合せの議事録を見ますと、やっぱり東京都は、特別な費用をかけて保存、維持することは考えていないとか、あるいは専門的な意見を聞く考えはないといっているんですが、これはやっぱり都民の知らないところで勝手に決められる事案ではないと思うんですね。
ですから、きちんとその声も聞いていただいて、検討会など設置していただく。そして、継続的に検討していただきたいと思うんです。解体先にありきでなく、地元住民にも、都民にも、意見、要望を聞くべきだと考えます。改めてお答えください。
○大道公園計画担当部長 整備計画の策定に際し実施したパブリックコメントの中には、古城の塔に関する意見も含まれており、パブリックコメント実施後の審議会においても、報告等を行った上で答申を受け、整備計画を策定しております。
調査結果については、本年七月にホームページに掲載したほか、保存要望活動を行ってきた団体等にも説明を行ってございます。
○とや委員 先ほども申し上げましたけれど、パブコメの意見は、七十一件全て古城の塔の保存、活用を望むものです。そして、私が指摘しているのは、最初にも述べましたが、審議会という正式な知事の諮問機関に、古城の塔について何も報告もしない、俎上にも上げないというのは、東京都のミスであり、瑕疵であるということです。今からでも、もう一度やり直すべき事案だと思います。
古城の塔が都民にとって、保存活動をしている人たちにとって、どのような存在なのか、ぜひ認識していただきたい。そして、百年の歴史を経て存在する貴重な建築物の取扱いを、東京都の判断だけで決めるべきではないと申し上げているんです。
まだ時間はあります。都民と共に、今後も継続して検討することを求めて、質問を終わります。
○小磯委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後二時五十二分休憩
午後三時七分開議
○小磯委員長 休憩前に引き続き分科会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○銀川委員 都議会立憲民主党の銀川と申します。遅くなって申し訳ございませんでした。本日はよろしくお願いいたします。
それでは、今回は二つのテーマで質疑をさせていただきます。
まず、都立中川公園の防災拠点化について伺います。
足立区からも、都立中川公園を防災拠点として整備していきたいとの声が届いていると思います。
そこで、東京都として、防災公園の基本的な取組方及び令和五年度の決算における都立中川公園の防災拠点化の取組状況について伺います。
○大道公園計画担当部長 防災公園の位置づけのある都立公園では、火災などから都民の安全を確保する避難場所等としての機能を発揮できるよう整備することとしております。
中川公園では、これまで防災トイレ等を整備してきており、令和五年度は、停電時も管理所が機能を発揮するための非常用発電設備や非常用照明の整備に向けた設計を実施しました。
○銀川委員 都立中川公園に隣接する土づくりの里の覆蓋化工事が終了しなければ、防災拠点として充実できないと思いますが、地域住民からは、自分たちが生きている間に、防災拠点として整備されることはないと落胆の声が寄せられています。
中川処理場連絡協議会及び中川公園整備検討協議会への説明はあるにしても、地域住民の多くの方への説明はほとんどないに等しい、いつ災害が起こるか分からない状況で不安に思う地域住民のためにも、計画案の早期提示や、下水道局と連携をして工事期間の短縮を進めるべきと思いますが、いかがでしょうか。
○大道公園計画担当部長 中川公園の既開園区域においては防災関連施設の整備を進めておりますが、隣接する公園計画区域では、下水道施設の覆蓋化の完成後に、その上部を公園として整備することとしており、下水道局と連携して取り組んでおります。
覆蓋上部を含めた中川公園の整備について、地元区が設置した協議会において、地元自治会等と意見交換を行っており、令和五年度は十二月に開催されております。
○銀川委員 下水道局で覆蓋化の工事を進めているというところですけれども、建設局として、防災拠点ともなる覆蓋化の上部への車両上り下りについて、道路幅や荷重制限など、どのように考えているのでしょうか。通常であれば、下水道局で進めている建物と一体化したスロープを検討していると思いますが、いかがでしょうか。
○大道公園計画担当部長 覆蓋上部は、公園管理車両の通行を踏まえた荷重条件とするほか、既開園区域と一体的に活用できるよう、覆蓋を整備する下水道局と調整をしております。
○銀川委員 これまでのご答弁から、下水道局が行っている覆蓋化整備が終わるまでは、建設局としては、その経過を待つだけという印象を持ちました。建設局も地域住民からの声が届いていると思いますが、それを下水道局に伝えるだけではなく、連携しているというのなら、実際に計画案の早期提示や、工事短縮などに関しても、積極的に建設局から下水道局に働きかける姿勢をこれから期待しています。
次に、都立中川公園の占用料について伺います。
一般会計決算書によると、公園及び附属施設の歳入の公園地占用の一時占用として約四億三千万円と記載されています。この公園の占用料について伺います。
町会、自治会と営業、事業目的の団体で、占用料の違いはあるのでしょうか。
○佐々木公園緑地部長 公園内を排他的、独占的に使用する場合、すなわち占用を行う場合、占用者は、都立公園条例等に基づき占用料を支払うこととなっています。
占用料は、占用の目的にかかわらず、全ての占用者が支払うこととなっております。
○銀川委員 東京都立公園条例第二十二条の中で、知事は、相当の理由があると認めるときは、使用料または占用料の一部または全部を免除することができるとありますが、町会、自治会が対象になっていないとすれば、入れる方向性を検討できないのでしょうか。
一例として、今年の夏、都立中川公園で盆踊りがあった際、準備、撤去を含む四日間で四万五千五百六十円の占用料の支払いがありました。
地域コミュニティ発展のためにも、地域の団体で積極的に活用してもらった方がいいのではないか、都の見解を伺います。
○佐々木公園緑地部長 公園内を占用する場合、占用者が占用料を支払うこととなっています。
お話の条例第二十二条に定める占用料の減免については、国または地方公共団体が公用または公共用のため、工作物、その他物件等を設ける場合、あるいは公園事業に寄与する催しで東京都が主催、共催または後援をする場合等に限定されておりまして、これらに該当しない場合については、占用目的のいかんにかかわらず減免は適用されません。
○銀川委員 都立公園の占用料が、町会、自治会などが盆踊りなどの地域行事で使用する場合と、営業目的の民間団体が使用する場合で占用料が変わらないのは非常に残念に思います。
足立区や葛飾区、江戸川区などでは、町会、自治会等が地域行事で使用する場合は免除となる制度も設けています。同時に、町会、自治会と民間がそれぞれ年間に何団体使い、それぞれ幾らの収入があるのかを集計していないとも聞きました。東京都がそのような粗い収支計算でよいのでしょうか。
年々、町会、自治会の加入率が減少し、盆踊りなどの行事を開催しない町会も出てきています。子供たちも含めた地域の結束、活性化のために使用しているのなら、また都としても町会、自治会の加入や活性化を推進しているのなら、町会、自治会等の占用料の割引や免除を都としてもぜひご検討いただきたいと思います。
そして、都として、収支の把握もしっかりと行っていただきたいことを要望し、私の質問を終わります。
○曽根委員 私からは、初めに、外環道の陥没事故後の地盤補修工事について質問させていただきます。
この地盤補修工事は、陥没から丸二年たった二二年から、入間川の護岸に沿ってセメントミルクのパイプを、三百メートルぐらいでしょうか、敷設をして、陥没事故周辺の約〇・五ヘクタールぐらいですかね、ここの住宅などを除却し、高圧噴射でセメントミルクを地中に吹き込んで、二百本以上のコンクリートの柱を地下に形成するという異例のものであります。
それが、この調布市内の地盤補修工事の進捗が遅れているということを地元から聞いているんですが、昨年度の実績はどのようになっていますでしょうか。
○福本三環状道路整備推進部長 事業者は、陥没、空洞事故発生以降、緩んだ地盤を早急に元に戻すため、繰り返し、オープンハウス及び意見交換会を行った上で、買取り等にご協力いただいた場所から地盤補修工事を進めてきております。
地盤補修工事の進捗状況につきましては、令和六年四月三十日時点で、地盤改良体、約二百二十本のうち、おおむね二割の造成が完了していると聞いております。
事業者は、住民の皆様のご不安な気持ちを早く解消していただくため、少しでも早い地盤補修の完了に向けて、家屋の解体工事や地盤補修工事を進めていくとしております。
○曽根委員 当初は、工事期間は、実際にセメントミルクの噴射工事が始まってから約二年程度というふうに私は聞いたんですが、実態は今年の四月末時点で二割程度ということですので、実際の計画予定のペースよりも半分ぐらいの状態だと思います。
これはもともと大深度地下利用法で、大深度のシールドマシンなどのトンネル工事については地上への影響はないということを前提にした工事が破綻して法の大前提が崩れた上での、地上の住宅に買取りに協力してもらって立ち退きをしてもらって、その上での任意の協力に応じた上での工事ですから、やっぱり非常に住民に対してきちんとした対応が求められるのは当然です。
そこの中で、先ほど、少しでも早い地盤補修の完了ということが住民の不安な気持ちを解消するために必要だというふうな答弁でしたが、しかし、あくまで任意の協力に応じての工事ですから、急ぐあまり、いささかでも住民の皆さんへの圧力のようなものは絶対に許されないということをあえて申し上げておきたいと思います。
それから、工事に伴って起きている、昨年秋に発見された直近の入間川での気泡の問題、それから少し離れた野川の川底からも、少量ですが、川底からの気泡が発見されているということで、これが継続しているというふうに聞いていますが、関連性についての調査はきちんと行ったんでしょうか。
○福本三環状道路整備推進部長 令和五年十一月に地盤補修工事中の入間川で発生した気泡について、事業者は、周辺環境への影響を確認するため、気体調査や水質調査等を行い、気泡の発生原因と今後の対応について取りまとめ、その内容を令和六年一月に公表いたしました。
その際、気泡が発生した原因及び入間川から発生した空気が周辺環境へ影響を与えるものではないことを有識者に確認しており、今後、同様のメカニズムで空気が漏出する可能性はあるが、引き続き周辺環境のモニタリングを継続し、安全を確保しながら地盤補修を進めていくとしております。
野川につきましては、現在、工事に伴う気泡が出ているとは認識してございません。
○曽根委員 入間川については、明らかに上からセメントミルクを大量に地中に噴射しているわけですから、それに伴って出てくる水や泥やなんかをくみ上げてはいるんですけれども、くみ上げ切れない分はすぐ直近の入間川の方に空気が出てくることはあり得ると。
しかし、ここにもしセメントミルクなどが入間川で検出されたら、これは深刻な、工事の見直しそのものが求められるというもう非常に難しい問題になってしまいますので、本当に慎重にやっていただきたいということが一つと、それから野川についてはかなり離れていますが、しかし、相変わらず気泡が少しずつですが出ていると。これは入間川と同じように、少量でも、その気体が何であるかについては、ただのメタンガスなのか、それとも酸欠空気になるようなものなのか、これによって人工の工事によるものかどうかがほぼ大体分かってきますので、気体の調査というのはやっぱりやるべきだろうというふうに申し上げておきたいと思います。
地下のシールド工事で、泥水噴出事故や、それから気泡が発生したり、また地面の陥没などがほかの工事でも見られています。大型のシールドマシンの工事については、より厳密な再検討が必要ではないかと思いますが、いかがですか。
○福本三環状道路整備推進部長 事業者からは、大泉側本線シールド及び東名、中央ジャンクションランプシールド工事において、東京外環トンネル施工等検討委員会で再発防止対策等が有効に機能していることを丁寧に確認しつつ、オープンハウス及び意見交換会により地元住民へ説明した上で、慎重に掘進を行っており、今後とも丁寧に工事を進めていくと聞いております。
都は、事業者に対し、安全を最優先に工事を進め、再発防止対策等の確実な実施、住民の不安払拭に向けた丁寧な説明やきめ細やかな対応などを要望してきており、引き続き丁寧に取り組んでいくよう求めてまいります。
○曽根委員 この外環道に関していえば、既にこの陥没事故、またそのためのその後の修復の事業などによって大きな工事費の増大があり、また今後、地中でランプと本線をつなぐ地中拡幅工事の大変難しい難工事がまだ始まっていない段階ですので、こういうところで物すごく事業費が膨らむ、もう既に五千億円膨らみましたが、まだ設計が完全に終了していないランプもありますので、全体としては、いわゆるBバイC、経済便益効果が一・〇一まで落ちており、今後、一を割り込むだろうということはほぼ確実ということは、繰り返し私指摘してきました。
経済的には、百年かかっても工事費を取り戻せない道路ということはほぼ確実になっているわけですが、その上、こうした事故によって、大深度地下であってもシールドマシンが繰り返し事故を起こすようなことがあれば、この地下のトンネル工事そのものが国民からの信頼を完全に失うということになりかねません。もちろんこれはほかの、例えば新幹線の工事にも当然影響が出ます。
そういう点では、外環道の事業そのものは、大幅な見直し、根本的に中止を含む見直しを行うべきことを繰り返し申し上げておきたいと思います。
次に、特定整備路線の進捗状況について、特に今回お聞きしたいのは、上池袋付近の補助八二号線の状況について、この五年間の用地取得率の推移はどうなっているのか、またこの路線の昨年度の予算の執行状況はどうかについてお聞きします。
○澤井用地部長 特定整備路線である補助第八二号線の豊島区上池袋、池袋本町地区は、豊島区上池袋三丁目から板橋区大山金井町に至る延長約一・一キロメートルの都市計画道路でございます。
過去五か年における用地取得率の推移は、令和元年度末で五五%、令和二年度末で六一%、令和三年度末で六九%、令和四年度末で七三%、令和五年度末で七五%でございます。
また、令和五年度の予算額は十九億三千二百万円、決算額は五億五百万円でございます。
○曽根委員 少しずつ用地買収は進んでいるということですが、予算額は毎年二十億円弱ぐらいの予算をつけていながら、決算はその四分の一ちょっと超えるぐらいというのを繰り返していて、これは大型道路全体にもいえることですが、私、この地域の補助八二号線についてお聞きしているのは、さきの第二回定例議会で私が一般質問で、この道路に集中的に新しく組織された機動取得推進課の大体半分近い職員が投入されていくという計画を情報の開示で知ったものですから、なぜわざわざこの地域に、八二号線に、このように集中的に職員を配置して用地買収に当たるのかと、この点に非常に不可解な思いをしたわけです。
昨年度の実績を見れば、ほかの道路計画に対して特段大きな理由は見当たらないんですが、集中的に道路事業の用地買収工作をここに集中させる、その理由は何だろうかと。昨年度の中で何か重要な変化があったのか。例えばこの地域では、ほかの主な特定整備路線については、道路整備の認可に対する取消しの住民訴訟がこの十年近く行われてきましたが、この地域では訴訟が起きていないというのが、例えばそういうふうな用地買収を集中させる要因になっているのかどうか、この点はいかがでしょうか。
○澤井用地部長 特定整備路線は、市街地の延焼を遮断し、避難路や緊急車両の通行路となるなど、防災上極めて重要な道路でございます。そのため、避難路を兼ねた暫定的な歩行者空間の確保など、事業効果の発現が早期に見込まれる用地の取得を推進しております。補助第八二号線におきましても同様でございます。
○曽根委員 ほかの特定整備路線と同様だということで、防災上、重要な道路であるということは、この間、繰り返しお答えになっているんですが、だったらば、なぜここに集中するのかということについて、例えば、この間私が取り上げた、いわば土地収用の運用規定の見直しの中で、土地収用をかける条件として二つあって、一つは事業開始から五年以上たっている、これは特定整備路線、全部五年以上たっています。もう一つが、用地買収が八割を超えているということが、どちらかがあった場合には、どうしてもこの事業効果を上げたいと思ったときには、都の側で土地収用を積極的に進めていくというようなニュアンスの文書が今回出されているので、八二号線の用地買収が、この間、六一%から四年間で七五%まで来ていると。あと五%用地買収が進むと、八〇%を超えるので、土地収用をかけやすくなると。もちろん事業期間はもう五年過ぎてますけれどね。そういうことを考慮して、そこに集中的に職員も投入するというようなことが行われているんじゃないかと非常に危惧するわけです。そうすると、ほかにも危ない道路がいっぱいあるなという気がしているわけです。こういうやり方が本当に行政としての公平性が担保されているのかということについても大変危惧をします。
そこでお聞きしたいんですが、たまたまですけれども、北区の補助八六号線は二つの事業区間に分かれていて、西側は赤羽西区間で、こちらは建設局が担当していて、京浜東北線の東側は志茂一丁目区間で、こちらは担当局が違います、都市整備局になっています。
東側の担当の都市整備局は、土地収用制度を具体的に活用することなどは全く検討していませんよということを、現地の用地買収のことについて心配している住民の方にはいっているそうなんです。これは私が聞いた話です。
しかし、西側の赤羽西区間については、建設局が担当していますから、今後、ここの土地買収の割合が八〇%に近づくと東池袋のようなことになっていくんじゃないかと、住民の方は非常に不安を高めているわけです。
こういうことが、土地収用制度の活用検討も含めて、違いが出てくるということになるんでしょうか。
○澤井用地部長 都の用地取得は、話合いによって任意に土地をお譲りいただくことを原則としております。
しかしながら、土地建物等について争いがあるなど、話合いが整わないときや、補償金等に合意が得られないなど、ご理解いただけない場合には、既にご協力いただいた多くの方々との公平性の確保の観点や、事業の状況等を考え合わせまして、土地収用法の定める手続によって土地を取得させていただく場合もございます。
補助第八六号線の赤羽西区間におきましても、引き続き、関係権利者の皆様の理解と協力を得ながら用地取得を進めてまいります。
○曽根委員 そうすると、やはり建設局が担当している特定整備路線の区域は、非常に今回の土地収用制度の運用規定の見直しでもって、非常に職員の配置も含めて、重点的に土地買収に動きやすくなっているという点では、住民にとっては同じ特定整備路線といっても局の対応が違う、都の対応が違ってくるということがあり得るということになりますので、私としては、こうした行政として統一性のないやり方、特に建設局のこの間の突出した土地買収の動きについては厳しくやはり警告をしなければならないと、組織編成も含めて見直すべきだということを申し上げて、質問を終わります。
○宮瀬委員 では、よろしくお願いいたします。
私の方からは、日比谷公園の維持管理について質問させていただきます。
日比谷公園には、自由の鐘という鐘がございます。過去、都議会の議事録で検索しても一切出てこないといったことで、初めてのテーマになるかと思いますが、アメリカのペンシルベニア州フィラデルフィアの独立記念館北側の国立歴史公園内のリバティーベルセンターに自由の鐘が設置されております。この鐘には、全国土の全住民のために自由を要求すると刻まれておりまして、一七七六年七月、アメリカ独立宣言が公布されたときに、この鐘が鳴らされたことで有名でございます。
実は、日比谷公園には、このフィラデルフィアの自由の鐘と同様に、青銅製で高さ約一・一メートル、直径約一・二メートル、重さ約一トンあります実物大で、フランス・パッカード社がナンバー五十六号として製造された由緒あるものが設置されているという状況です。
まず、日比谷公園の自由の鐘が設置された経緯について伺います。
○佐々木公園緑地部長 自由の鐘につきましては、米国民間の匿名有志が連合軍総司令官を通じて、日本の民間団体にこの鐘を寄附し、昭和二十七年にこの民間団体から東京都に寄贈されたという旨が自由の鐘の塔に設置されている銘板に記されております。
○宮瀬委員 今、自由の鐘の銘板という話がありましたので、改めて少し読み上げます。
自由の鐘。自由の鐘は、一七七六年、米国の独立宣言に際し自由の喜びを天下に告げた歴史的記念物である。しかし、この鐘はその鐘銘の聖句にもあるとおり、全ての国とその住民に自由を告げる自由の象徴である。米国民間の匿名有志は、その複製を連合軍総司令官リッジウェイ大将に託し、これを広く日本国民に贈りたいと申し出た。よって、リッジウェイ大将は、自由の擁護者たる新聞を通じ広く日本国民に送ることが最も寄附の趣旨に沿うものとして、昭和二十七年四月、日本新聞協会に寄贈された。日本新聞協会は、日比谷の一角に自由の鐘塔を建造して、これを東京都に寄贈し広く国民と共に、自由の鐘の歴史的意義を銘記せんとするものである。昭和二十七年十月、社団法人日本新聞協会と書かれてあります。
しかし、その後、鐘の中の中心部の振り子が壊れてしまいまして、失われてしまいまして、音が鳴らなくなってしまったと。塔自体も老朽化して、そういった状況でずっと続いてしまったと。
こうした状況を嘆いた日本の有志の皆さんが、日比谷公園内自由の鐘修復募金委員会を結成しまして、修復資金づくりのために募金活動を開始され、二〇一一年十月一日に再び鐘が復活したという経緯がございます。
このような経緯を見ますと、お上が設置したというよりかは、アメリカや日本の政府ではなくて、民から、国民同士が全世界の国の人たちの自由を願う、しかも有志の匿名、アメリカの方は匿名でありますが、すばらしい鐘であります。私は日米友好の象徴だと思っておりますし、今、毎日十二時正午に鐘が鳴っているということも私も聞いてまいりました。
改めて、この鐘に対する都の見解について伺います。
○佐々木公園緑地部長 自由の鐘は、東京のシンボルである日比谷公園を構成する公園施設の一つでありまして、多くの人の募金によって修復がなされたという経緯のある、来園者等に親しまれてきた大切な鐘であると認識をしております。
○宮瀬委員 部長の口から、東京都の方から、大切な鐘だというご答弁をいただきました。過去、こういった認識を示す答弁はなかったと思うんですけれども、残念なことに、この鐘の意義の大きさから見ても、ほとんどの都民にはあまり知られていないといった現状があります。
建設局の運営しております、正確には東京都公園協会が各都立公園を紹介しているわけでありますが、日比谷公園の部分を見ますと、見どころといったところに、各種記念碑、彫刻類とかというのが書いてある中で、オオカミの乳を飲んでいるきょうだいの銅像とか、こういった彫刻は紹介されているんですけれども、実際、自由の鐘に関しては書いていないということで、案内板は、私が見た以前はなかったんですが、今の案内板には、自由の鐘の場所だけ書いてあるといった状況でございます。やっぱりしっかりと告知、周知をすべきだと考えますが、見解を伺います。
○佐々木公園緑地部長 自由の鐘につきましては、日比谷公園の公式ホームページに掲載している園内マップや現地案内板に表示をしております。
今後は、公式ホームページの見どころの欄に自由の鐘についての記載を追加するなど、一層の周知を図ってまいります。
○宮瀬委員 ぜひよろしくお願いいたします。ホームページもなかなか、見る人も限られていたりしますので、いろいろ、公園内での、パンフレットですとか、いろんなところでぜひ、外国人観光客も大変東京へ来ていますので、アメリカの方とか、見てみたいという方も恐らくいると思いますので、多言語対応を含めてよろしくお願いいたします。
その中で、この自由の鐘を目にする機会が増えるようなイベントを行う方がいいのかなと思うんですけれども、決算ですから、令和五年度の自由の鐘に関する行われたイベントの実績、また令和五年度以前におきましても行われたイベントがありましたら、併せて伺います。
○佐々木公園緑地部長 令和五年度、自由の鐘に関するイベントが開催された実績はございません。
過去には、鐘の修復工事が完了した平成二十三年度に自由の鐘修復工事完成式典が開催された実績がございます。
○宮瀬委員 つくった、設置したときは、恐らくイベントやったんじゃないのかなと思いますが、多分記録も残っていないとか、相当昔の話ですので、直近では本当に平成二十三年以降はないと。やっぱりこういったイベントというのは行っていった方がいいんじゃないのかなと、こういったというのは自由の鐘に関するですね、と思いますが、見解を伺います。
○佐々木公園緑地部長 自由の鐘に関するイベントを開催したいなどの相談があれば、占用許可申請の手続についてご案内をするなど、条例等の規定に基づき適切に対応してまいります。
○宮瀬委員 申出があればといったことでありますので、恐らくこの鐘の認知が上がっていけば、いろいろやりたいと、大使館とか含めていろんな動きもあるんじゃないのかなと思います。大変重要な答弁だと思います。
しかし、私もあの現場に行きますと、いろんな思いを持っている方が、現在も公園職員に鐘周辺の維持管理でいろいろ要望もしているようでありますが、職員の結構不遜な対応ですとか、それは相手のあることですけれども、満足できるような回答が得られなかったと聞いています。
やはりこういった歴史的な意義も考えまして、草が伸びて生い茂っている状況もありますし、草刈りなど適切な維持管理をすべきですし、また職員の対応ももう少し丁寧にやっていただきたいと思います。
令和五年の管理状況について、含めて伺います。
○水谷公園建設担当部長 日比谷公園では、指定管理者がエリアごとの草刈りなど、維持管理の内容を定め、適切に実施しております。
令和五年度は、自由の鐘付近において草刈りを六回実施しており、このほか、毎日の巡回時に適宜ごみ拾いなどの清掃を行っております。また、鐘の保守点検等を二回実施してございます。
職員の対応については、今後とも丁寧な接遇に努めてまいります。
○宮瀬委員 ぜひ、自由の鐘の周辺を含めまして、適切な環境整備、維持管理を行っていただきたいと思います。
自由の鐘は、有志による募金活動により二〇一一年に修復が行われまして、正午の時間に自動で鐘が鳴るようになりました。こういった日米の協力によって、友情のあかしとしてあるものでありますから、東日本大震災の際におきましては、アメリカ軍だけではありませんが、米軍も大分救助活動等、ご尽力いただいたと思っております。
こうした経緯も踏まえまして、地震が発生した三月十一日二時四十六分に鐘を鳴らしてほしいといった声もありますが、見解を伺います。
○佐々木公園緑地部長 自由の鐘の音は大きく、遠くまでよく響くことから、二〇一一年、平成二十三年の修復後の鐘の運用に当たっては、近隣の関係者等と十分な調整を行い、毎日正午に鳴らすことでご理解をいただいた経緯があると聞いております。
正午以外の時間に鐘を鳴らすことについては、こうした事情等も踏まえまして、適切に判断をいたします。
○宮瀬委員 ありがとうございます。ぜひ検討していただいて、悪いことではないと思いますので、十二時に鳴らしているということは、その日一日だけ、二時四十六分に鳴らしても問題ないのかなと、いろんな事情ある人もいますので、それは改めて要望させていただきます。
今年は、新たにアメリカ大統領が誕生する予定でございます。こういったその鐘の趣旨は、戦後七十九年の日米友好のあかしとして大変価値のあるものと認識しております。
私が調べた範囲で恐縮ですが、アメリカ大統領が就任しますと、必ず日本を訪れるということでありますが、あまり東京都内でどこに行ったという報道は、会議体、どこかと会議した、大使館に行ったとか、そういった報道は調べられたんですけれども、オバマ大統領のときを調べますと、鎌倉の大仏を見てアイスクリームを食べているとか、ちょっとそういう状況なので、日比谷公園は東京の中心中の中心のど真ん中でありますので、ぜひ、やはり東京で訪問していただく場所もあったらいいなと思っておりますので、それは皆さんにいう話ではありませんが、日比谷公園の自由の鐘をちゃんと整備していただいて、新大統領が来日するときにはぜひ候補の一つに入れていただきたいなと、皆さんにいう話ではないかもしれませんが、要望させていただきます。
次に、土砂災害対策についてでございます。
本年七月三十一日に板橋区において、練馬もそうだと思いますが、ゲリラ豪雨が発生いたしまして、大変大きな雨が降りました。約二百か所以上で床上、床下、また道路の冠水がありまして、私のところにも崖崩れが心配だといったお電話がかかってまいりました。
板橋区は、崖が多い地域でありまして、ちょうど今、かまた都議もいらっしゃいますが、荒川が流れています。台地があって、崖があって、また平地になる。ちょうど板橋区の真ん中が膨らんでいるような状況でございます。当然崖が多いので、二十三区内では北区と板橋区が最も土砂災害特別警戒区域の指定が多い、多摩の方ももちろん多いと思います、二十三区ではその二区が突出していると。約百五十か所と聞いております。
そこで、いろいろ調べていきますと、東京都土砂災害危険度情報、これ大変すばらしい取組で、議事録を検索してもあまり質疑も出ていないんですが、ぜひほかの委員の皆さんにもいいたいんですが、十分ごとのリアルタイムで地図が出てきて、一キロメッシュで、自分の住んでいるところが崖崩れが起きそうだから逃げる段階が四段階で、雨の豪雨災害のときのように、赤は高齢者等は避難、紫は全員避難だと、それが同時に住んでいる地域、崖も出て、ハザードマップと連携しているので、大雨が降ったときにそれを見れば、もうやばいとか、逃げなきゃというのが分かると。大変すばらしい仕組みなのであります。
しかし、今日は決算なので要望にとどめておきますが−−知られていませんという大きな、特に土砂災害指定地域に住んでいる人にはちゃんといわなきゃいけないと。また、そのサイトもラベルのチェックボタンの中にチェックを入れないと出てきませんので、ワンタッチで表示されるように、また、そこに避難所も出ていれば、危険地域と雨の様子と避難所がワンクリックで見られれば、非常に一刻を争うようなときに役に立つと思いますので、こちらは要望として今回は上げさせていただきます。
次に、パークミーティングについて申し上げます。
やはり都立公園は、いろんな人が使う割には、その運営に携わる方が、関係者がなかなか意見をいう機会がないといったことでご提案をさせていただきました、パークミーティング。
赤塚公園でも、令和五年でパークミーティングを、初で地元の町会含めて呼んで、約十九団体が参加したという報告を受けております。
その中で、あまり都議会の現場で細かい話をするのも恐縮なんですが、最近子供の遊ぶ場所がないと。特にサッカーということで、公園が整備された時代は野球が全盛のときで、なかなかサッカー人口も少なかったんですが、今子供はサッカーやる子も多いと。しかも、公園では自由にボールが蹴れないといったことがあります。パークミーティングの中でも、ミニサッカー場でいいからそういったものをつくってほしいという要望が出ております。
いろいろ課題はあると思いますが、高速の向こう側という表現で恐縮ですが、そこの地域は、私が小さい頃から何十年も人通りが少なくて、ほとんど活用されていないエリアでございます。
もちろん自然環境の整備等ありますが、野鳥がいるとかね。ただ、広大なエリアなので、ぜひそういったところにミニサッカー場なりフットサルなり、子供がボールを蹴れる場を、ここは本当にないんですよ、ぜひつくっていただくよう、これも要望いたしまして、私の質問を終わります。
○小磯委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小磯委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で建設局関係を終わります。
これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
午後三時五十六分散会
Copyright © 1999
Tokyo Metropolitan Assembly All Rights Reserved.