令和五年度各会計決算特別委員会第一分科会速記録第四号

令和六年十月二十一日(月曜日)
第十一委員会室
午後一時開議
出席委員 十名
委員長河野ゆうき君
副委員長山田ひろし君
副委員長鈴木  烈君
北口つよし君
もり  愛君
たかく則男君
石島 秀起君
上田 令子君
藤井あきら君
大山とも子君

欠席委員 なし

出席説明員
人事委員会事務局局長田中  彰君
任用公平部長DX推進担当部長兼務古賀 元浩君
審査担当部長米今 俊信君
試験部長谷 理恵子君
選挙管理委員会事務局局長川上 秀一君
主税局局長武田 康弘君
総務部長DX推進担当部長兼務入佐 勇人君
税制部長辻谷 久雄君
税制調査担当部長筒井 宏守君
調整担当部長小林 孝幸君
課税部長蓮沼 正史君
資産税部長齋藤 栄一君
徴収部長小谷  健君
特別滞納整理担当部長上野 正之君
政策企画局局長佐藤  章君
次長土村 武史君
技監朝山  勉君
戦略広報調整監理事兼務久保田直子君
理事計画調整部長事務取扱佐久間巧成君
総務部長早川 八十君
政策部長大出  仁君
政策担当部長赤塚 慎一君
政策担当部長川田 正敏君
政策担当部長渉外担当部長自治制度改革推進担当部長兼務宮崎 正徳君
戦略広報部長鈴木  成君
戦略広報担当部長伊藤 正勝君
戦略広報担当部長企画担当部長DX推進担当部長兼務西田雄一郎君
報道担当部長大島 貴俊君
グリーンビズ推進担当部長計画調整担当部長兼務本木 一彦君
東京eSGプロジェクト推進担当部長久松 千恵君
都市強靱化プロジェクト担当部長
東京eSGプロジェクト推進担当部長次世代モビリティ推進担当部長兼務
有江 誠剛君
カーボンハーフ担当部長大学連携担当部長都市強靱化プロジェクト担当部長兼務佐藤 義昭君
外務部長村永 伸司君
国際戦略担当部長飯野 雄資君
外務担当部長石岡 由江君

本日の会議に付した事件
令和五年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
人事委員会事務局関係
・令和五年度東京都一般会計決算(質疑)
選挙管理委員会事務局関係
・令和五年度東京都一般会計決算(質疑)
主税局関係
・令和五年度東京都一般会計決算(質疑)
・令和五年度東京都地方消費税清算会計決算(質疑)
政策企画局関係
・令和五年度東京都一般会計決算(質疑)

○河野委員長 ただいまから令和五年度各会計決算特別委員会第一分科会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、人事委員会事務局、選挙管理委員会事務局、主税局及び政策企画局関係の決算に対する質疑を行います。
 これより人事委員会事務局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 令和五年度東京都一般会計決算中、人事委員会事務局所管分を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布しております。
 資料について理事者の説明を求めます。

○古賀任用公平部長DX推進担当部長兼務 十月九日の当分科会において要求のありました資料につきましてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の要求資料の表紙をおめくりください。目次にございますとおり要求のありました資料は九件でございます。
 一ページをご覧ください。この表は、勤務条件に関する措置の要求や不利益処分に関する審査請求、苦情相談について、過去五年分の件数と主な内容を記載したものでございます。
 二ページをお開き願います。この表は、人事委員会が実施した令和五年度の採用試験及び選考につきまして、試験ごとに職種別の申込者数、受験者数、合格者数などの状況をお示ししたものでございます。次の三ページから一一ページには、平成二十六年度から令和四年度までの実施状況をお示ししてございます。
 一二ページをお開き願います。この表は、人事委員会が実施した平成二十六年度から令和五年度の障害者を対象とする採用選考につきまして、応募状況、障害種別、合格率をお示ししたものでございます。
 一三ページをお開き願います。この表は、人事委員会が実施している障害者を対象とする採用選考における合理的配慮の具体的取組状況をお示ししたものでございます。
 一四ページをお開き願います。この表は、人事委員会が実施した令和五年度の学生向け採用PRイベントなどの取組状況をお示ししたものでございます。
 一五ページをお開き願います。この表は、ハラスメントに係る苦情相談及び対応を行ったものの、過去三年分の件数と主な内容を記載したものでございます。
 一六ページをお開き願います。この表は、歴代の人事委員の中で、公務員としての経歴を持つ方をまとめたものでございます。一六ページには東京都の出身者を、一七ページには高等裁判所長官など国家公務員歴を持つ方をまとめてございます。
 一八ページをお開き願います。この表は、定期監督における法令上の指導状況について、過去五年分の件数と主な内容を記載したものでございます。
 一九ページをお開き願います。この表は、人事委員会が実施した過去十年分の管理職選考及び主任級職選考につきまして、種別ごとに申込者数、受験者数、合格者数、合格率の状況をお示ししたものでございます。
 以上、簡単ではございますが、資料についての説明を終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。

○河野委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○石島委員 それでは、東京都職員の採用試験について質問させていただきます。
 組織にとって人は重要な経営資源であり、このことは都庁においても例外ではありません。中小企業支援、子育て政策、環境政策をはじめ、大規模災害から都民の生命、財産を守るための防災力の強化等、都政の重要課題に、将来にわたり積極的に取り組んでいくためには、資質、能力の高い職員を継続的かつ確実に採用していくことが不可欠です。
 しかし、少子化の進展による労働者人口の減少に加え、民間企業の採用活動の活発化、早期化により、人材獲得競争は厳しさを増しています。都の採用の大部分を占める大学卒業程度の採用試験についても、厳しい申込み状況にあります。
 このような状況において、より多くの方に採用試験を受験してもらうため、昨年度どのような取組を行ったのかお伺いします。

○谷試験部長 都では、大学卒業程度のⅠ類B採用試験におきまして、従来からの一般方式に加え、民間企業への就職希望者等をターゲットとした新方式を実施しております。
 令和五年度は、行政、土木、建築、機械及び電気の区分で、これまで一年で失効することとしていた採用候補者名簿の有効期間を三年に延長いたしました。これにより、採用試験合格後、最大三年後まで採用希望年度を選択することが可能となりました。
 秋には、従来の春試験に加え、土木、建築、機械及び電気の区分で、九年ぶりに二回目の試験を一般方式により実施いたしました。また、令和六年度以降の就職希望者に向けて、若手職員の話をリアルタイムで聞くことができる都庁WEBセミナーのほか、対面とオンラインの併用方式による都庁Career Meetingを、全十八の職種に対象を拡大して実施いたしました。

○石島委員 人材確保に向けて、採用試験の見直し等に積極的に取り組んでいるという答弁がありました。
 これらの取組の実績について伺います。

○谷試験部長 令和五年度の春に実施いたしましたⅠ類B採用試験の申込者数は、前年度と比較して行政で三百七十九人、一六・一%の減、技術系の土木、建築、機械及び電気の四区分合計で五十七人、一〇・四%の減でございました。
 また、秋に実施いたしました二回目の試験では、合格者数が採用予定者数を下回りましたが、この二回目の試験を実施いたしましたことで、春と秋を合算した技術系の試験区分の申込者数は前年度並みとなりました。
 こうした状況も踏まえ、都庁WEBセミナーを四回実施し、約六百人がリアルタイムで参加いたしました。セミナーの様子は、職員採用ホームページ上でも配信し、約千九百人が視聴いたしました。
 また、二月に実施いたしました都庁Career Meetingには約千二百人の参加を得るなど、採用PRの強化を図ってまいりました。

○石島委員 依然として採用申込者数の減少は続いているようです。この状況を食い止め、より多くの方に採用試験を受けていただくためには、不断の見直しを図っていくことが必要だと思います。
 そこで、令和五年度の申込み状況も踏まえ、大学卒業程度の採用試験について、どのような取組を行っているのか伺います。

○谷試験部長 採用試験の申込者数を増やすためには、民間企業の採用活動の早期化にも対応した上で、民間企業との併願者などにとって、より受験しやすい試験を実施する必要がございます。
 そのため、令和六年度は、春のⅠ類B新方式におきまして、最終合格発表の時期を約一か月早めますとともに、従来の教養試験に代えて、民間企業の採用において広く活用されている適性検査を導入いたしました。
 また、申込み状況が特に厳しい技術系の区分におきましては、秋に二回目の試験を適性検査を導入した新方式で実施することといたしました。さらにこの試験では、受験可能年齢の下限を一歳引き下げ、都のⅠ類採用試験では初めて大学三年生相当年齢、二十一歳から受験可能といたしました。
 こうした取組により、民間企業との併願者など、幅広い層の人材がより一層チャレンジしやすい試験となるよう、見直しを図っております。
 今後とも、より有為な人材が確保できるよう取組を進めてまいります。

○石島委員 熾烈を極める人材獲得競争の中で、有為な人材が確保できるよう、様々な工夫を凝らしていることは理解しました。
 今後とも都政を支える優秀な人材を着実に採用していくために、さらなる積極的な取組を期待して、質問を終わります。

○藤井委員 私からも、人事委員会事務局の皆さんに質問をさせていただきます。
 先ほど石島委員からもありましたとおり、本当にこの人材確保というのは、都庁の様々な課題を解決していくためにも一番重要なものであると思っております。私からは、その中でも特に、システムの観点であったりとか、新しいものの取組というところで三問ほど質問させていただければと思います。
 三年前の二〇二一年の各会計決算特別委員会で、人事委員会の事務局の持っているシステムについて質疑をしました。その際は、東京都職員採用試験システムというものがあるということでありましたが、昨年度の採用試験等の数と申込者数、そして決算額をお伺いいたします。そして、前回より何か進捗があれば、併せてお伺いをさせていただきます。

○谷試験部長 令和五年度に実施いたしました採用試験等は七種類、申込者数は約八千人でございます。
 また、採用に関するシステム関連経費の決算額は約三千九百万円でございます。この内訳は、東京都職員採用試験システムが約三千万円、受験手続ウェブシステムが約九百万円となっております。
 なお、受験手続ウェブシステムは、採用試験等の申込受付から最終の合否通知までの受験手続を一貫してオンラインで対応するものでございまして、令和五年度から運用を開始いたしました。

○藤井委員 ありがとうございます。ご答弁の中で、申込者数八千人に上る職員採用試験システムであるということで、これは前回もご答弁いただいたところで、金額感もほとんど変わっていないかと思います。そこに加えて、昨年から運用が始まりました受験手続ウェブシステム、これはいわゆるマイページみたいなものができて、その中で受験の申込みから合否の通知まで確認することができるものというご答弁であったと思います。こういったものも新たにつくっているということで、進捗している部分ということ、確認をさせていただきました。
 続きまして、この令和五年度決算におきまして、電算処理委託料が計上されておりますが、ここに関連いたしまして、昨年度こういったDX関連での取組があれば、お伺いをいたします。

○古賀任用公平部長DX推進担当部長兼務 人事委員会勧告の基礎的資料とするため、約十四万人の都職員給与等の実態を把握する目的で毎年実施しております職員給与等実態調査システムの再構築を昨年度行いました。
 再構築に当たりましては、クラウド上にデータベースを構築することで、これまで行っておりました各局等とのメールによるデータのやり取りや、紙資料を使ったデータ確認などに加えまして、人事委員会事務局と各局等がネットワークを通じて直接システムにデータの入力、修正、確認ができるようにいたしました。
 再構築によりまして、双方向での処理が可能になったことから、作業工程の短縮やデータ処理速度の向上といったメリットが得られております。

○藤井委員 ありがとうございます。毎年実施している職員給与の実態調査のシステムに関してのご答弁でありました。
 再構築に当たっては、基盤もクラウド基盤ということで、都庁でも進めているもの、ものというかクラウド基盤を使ったり、また内容も、これまでメール等でやり取りをしていて、多分各局から給与の実態をエクセルか何かで送ってもらって、それをシステムに転記してとか、一個一個紙で確認したりとかというふうにしていたところを、各局から直接入力できるようになったということで、人事委員会事務局側の入力ミスを省くことができますし、ダブルチェック、そういったところの手間も省けるということで、間違いがあれば、各局から直接、そのまま直せるようなシステムをつくったということで、双方にとってメリットのあるシステムになったんじゃないかと思います。
 今後もぜひ、こういった、まさにデジタル化することの意味のあるところだと思いますので、こういった取組は人事委員会事務局でも進めていっていただきたいと思います。
 そのほか、昨年度の事業におきまして、民間の技術等を取り入れた新しい事例があればお伺いさせていただきます。

○古賀任用公平部長DX推進担当部長兼務 昨年、主任級職選考につきまして改正に向けた検討を行いまして、職員が受験しやすくなる観点などから、それまでのマークシートによる教養択一に代わる基礎力確認テストを新設することといたしました。
 基礎力確認テストは、職員がライフステージや業務の繁閑に合わせて、受験する日時や会場を選択でき、パソコンで出題、回答するCBT方式を採用いたしました。
 このテストは複数のテスト会場を有し、CBTサービスを提供できる事業者に委託して実施することといたしまして、令和六年十月から開始をいたしております。

○藤井委員 主任級選考について、検討、改正を行ったということで、民間のコンピューター・ベースド・テスティングシステム方式の採用をされたということであります。そうすることによって、これまでたしか年に一回、決まった場所で受けなきゃいけなかった昇任の試験というのを、いわゆる昇任の試験だと思うんですが、どこでも、そのCBTのセンターで受けられるようにしたということで、職員が挑戦しやすい環境をつくったということだと思います。
 最初の採用のところで、有為な人物を採ってくるということも必要ですし、中で育てて、そして上がっていってもらうということも非常に重要だと思いますので、また、職員の生活環境が変わることによって、想定していたところで、受けたいタイミングで受けられなかったりもするものですので、早め早めに受けられるような環境をつくったというのは、とてもすばらしいことだなというふうに思います。
 最後に一言ですが、都では現在、スタートアップ等の力を借りた取組、都政に活用する取組というのを進めております。産業労働局では、UPGRADE with TOKYOという、まさに都政課題に対して、スタートアップがいろんな提案をしてもらうような事業もやっておりまして、なかなか人事委員会事務局ということで難しいところもあるかもしれませんが、そういったスタートアップの活用というものも、ぜひ人事委員会や事務局でご検討いただければと思います。
 以上で私からの質疑を終わらせていただきます。

○上田委員 まずは、大変大変だったと思いますけれども、資料の方の作成、どうもありがとうございました。こうして委員の皆様と共有することで、どのような、何ていうんですか、受験者数とかが、どういう経緯で十年単位で減っていっているのかとか、それもこうしたⅠ類、Ⅱ類、Ⅲ類とか、キャリアとか、種別を分けて俯瞰できるということは、大変これは、この委員会にとっても勉強になることでございますし、障害者の方もですね、採用についても具体的にお示しをいただきました。
 では、質問をさせてもらいます。
 人事委員会は、民主的、効率的な人事行政の推進を図りまして、地方自治の本旨の実現に資するために、任命権者から独立した専門的な人事行政機関であるということでございます。
 この人事委員会におきまして、今、東京都は、民間企業に働き方改革宣言といって、いろいろな企画等をしまして、改善を進めているところでございますが、本家本元のこの都庁におけます旗振り役であるはずの人事委員会におきまして、知事が提唱することの庁内働き方改革をどう徹底しているのか。また、定期監督を、その働き方改革という一つの立ち上げた政策に基づきましてどう生かされているのか、所見を伺いたいと思います。

○古賀任用公平部長DX推進担当部長兼務 人事委員会は、都立学校や都税事務所などのいわゆる非現業事業場に勤務する職員について、労働基準監督機関として、労働基準法等の適用状況や勤務時間等の勤務条件などに関し、事業場に対し定期監督等を実施し、指導や監督を行っております。
 定期監督等においては、超過勤務の状況や年次有給休暇の取得状況を含めた職員の勤務状況等を確認し、改善が必要な事項については、期限を付して改善状況の報告を求めるなど、実効性のある対応に努めております。

○上田委員 総務局の方でも資料要求をしておりまして、長時間面接の対象者人数ということで、五年度が四千八百六十と。昨年が五千、その前が二千三百、その前コロナでしょうね、令和二年は五千八百と。令和元年度は三千ということで、まだまだこれは検討の余地があると。
 超過勤務状況の一人月平均、これも総務局で調べましたけれども、平成三十年度は十三・七時間だったんですが、四年度は十六・八時間ということで、激減はしていないのかなというふうに思っておりますので、状況を確認して、総務局はじめ共有をしまして、改善に向けたご努力を支援、支援といいますか、サポートの方をお願いしたいと思っております。
 公務員給与、毎年十一月ぐらいですか、上げるか下げるかというところの勧告、人事委員会勧告が出てきます。私は例年、反対をさせていただいております。
 その理由の大きな一つとしては、勧告の比較の方法の民間企業、規模五十人以上かつ事業所規模五十人以上の都内一万九百十八事業所を調査母集団として、そのうちの千二百三十三事業所を無作為抽出して調査ということでありました。
 しかしながらですね、何度もいっているんですけど、事業所規模五十人以上とかありますけど、日本って九九%が中小零細企業ですよね。本当数%の大企業とか中堅企業の平均と実際の差ってすごくあるから、私はちょっと残念ながら、公務員給与が上がるときは反対せざるを得ないという態度を取っておりますが、一方で、同じ東京都である産労調査の民間平均給与は三十五万円なんですね。これホームページに上がっております。でも、人事委員会勧告では四十万円。これ五万円、月額ですね、開きがあると。結構これ年にすると大きな開きになると思うんですね。
 この比較方法ですね、民間とそごがないような形で公務員給与を決めるということでございますが、どのような経緯で決定しているのか、改めてご説明ください。

○古賀任用公平部長DX推進担当部長兼務 地方公務員法では、職員の給与は、国及び他の地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与等を考慮して定める必要があるとされております。
 そのため、公民の給与比較におきましては、民間従業員の給与をより広く把握し、職員の給与水準に反映させる観点から、国の機関である人事院及び全国の人事委員会が同一の条件で実施をしてございます。

○上田委員 とはいえ、やはり大企業の給料が上がった分、下請が泣かされて、中小企業の給料が実際上がっていないというところで、国と、あと地方と横並びというところでありますけれども、国に先駆けて声を上げていく必要があるのではないかなと思っております。
 また、給与だけではなく各種公務員手当について、都は状況の変化に即して、必要な対応を検討されてきました。
 不必要なもの、おかしいものとかですね、ある程度整理がされてきたと思いますが、人事委員会として、決算年度におけます手当についての適正化ですね、お取組状況、現状と方向性について、具体的にお示しいただければ幸いです。

○古賀任用公平部長DX推進担当部長兼務 昨年の勧告におきましては、人事院勧告の内容や、働き方やライフスタイルが多様化する中での都の手当の支給状況などを踏まえまして、必要に応じて対応を検討していく旨、言及をしてございます。
 今後とも適切に対応してまいります。

○上田委員 手当の中身の精査、ライフスタイル、総務局でもやりますけれども、今、夫婦あるいは同性カップル等、いろいろ多様になってきていて判断が難しい手当なんかもあるかと思うので、適正に対応していくということでございますので、お願いしたいと思っております。
 このように、公務員給与や待遇の民間格差是正を私もかねがね求めてきたところではあるんですけれども、一方、恵まれているはずの東京都の公務員だったはずが、こちらの渾身の人事委員会の資料がですね、十年前は八千人も受験していたⅠ類Bが今や三千三百人と半分以下。Ⅰ類Aに至っては三千七百人が受けていたのに、八百十五名と四分の一以下となると。新卒受験者が激減しております。
 小池都政は働き方改革はじめ、様々奇抜な施策を打ち出してきましたよね。〇一八サポートもそうですし、チルドレンファーストもそうですし、スマイルムーブメント、デジタル何とかデバイス構想とかですね、若者受けするような奇をてらったものをばんばん打ち出しているのに、実際は新卒受験者が激減しているということです。
 公務員試験って、結構先輩の話を聞いたりとかしながら受けたりするような大学生も多いと思うんですけれども、こうした若年世代には、東京都の職員、都の職員って大変そうなんだろうかとか、あまり魅力的に映っていないのではないのかなと思います。
 これまでのこの十年にわたるデータ、出してもらいました。傾向を踏まえました課題と認識と所見を伺います。

○古賀任用公平部長DX推進担当部長兼務 人材獲得競争が激化する中、公務部門全体で採用試験の申込者数が減少しております。
 一方、都職員の職業について、ハード、ソフト両面にわたる都市インフラの維持、改善など、やりがいある職務を通じ、社会的貢献と自己成長を果たすことのできる意義深い仕事と考えてございます。
 その魅力が認識されるよう、想定する求職者のターゲットごとに、効果的な情報発信を行ってございます。

○上田委員 このシビアな採用、受験者が激減しているということを、総務局とか各局で共有していただきまして、この数字のデータが語っておりますので、魅力的な東京になる、受験したくなる東京都採用試験ということで、ぜひデータを基に各局のお尻をたたいていただきたいと思います。
 大学院出た人の合格率も−−すごくこれが、そんな中でも受けてもらっているんですね、かなり低くて大変なんだなということは、小計で二八%ということですので、やっぱりたくさん受けてもらわないと魅力的な人材が確保できないのかなというふうにも感じた次第でございます。
 となりますと、もちろん都内の大学にもアプローチしていると思いますが、都外人材への働きかけの今日的な取組も伺います。

○谷試験部長 就職先としての東京都の魅力を、都内にお住まいの方以外に対してもお伝えするため、オンラインによるイベントを実施しております。
 令和五年度は、若手職員の話をリアルタイムで聞くことができるWEBセミナーを職種ごとに実施いたしますとともに、都庁Career Meetingを対面、オンライン併用で実施いたしました。

○上田委員 私が一期目も確認させてもらっていたんですけれども、その頃は本当に一生懸命地方の大学に出向いたりとか、また来てもらうとかっていうようなことをやっていたのが、今コロナもありましてオンラインになって、その分気軽に参加いただけるのかなと期待をしたいということでございます。
 こうして新しい人材が都庁で働くことを楽しみに入庁しても、希望が絶望に変わらないか、総務局でも確認していますのは、退職を待たない離職者です。人権が守られているのか、各種ハラスメントについて伺いたいと思います。
 資料から見えてくるのは、人事委員会に持ち込まれる前に、局内でかなり解決、解消ができているのかなということでございます。人事委員会は、各種ハラスメントを含め、苦情の申出があった場合、当該の局と連携し、問題の解決に向けて誠実に対応してきたとのことですが、職員の人権とワーク・ライフ・バランスを鑑みまして、人事委員会における各局との連携の成果、対応と相談数についての決算年度の評価、ご所見を伺います。

○米今審査担当部長 人事委員会は、地方公務員法の規定に基づき、職員からの勤務条件その他の人事管理に関する職員の苦情に迅速かつ適切に対応するため、専門相談窓口を設け、電話や面談等の方法により相談を受けており、令和五年度には、相談件数二百二十九件のうち、ハラスメントに関するものとして四十五件の相談がございました。
 各種ハラスメントを含め苦情の申出があった場合、相談内容を十分に把握した上で、必要に応じて各局の協力を得ながら、問題の解決に向けて中立、公正な立場から誠実に対応しております。

○上田委員 先ほど申し上げた各局の取組の根源となるというようなところで、人事委員会の存在意義があるかと思いますので、引き続きましてのご対応をお願いしたいですし、いろいろなケースもあるかと思うので、そちらの共有もお願いしたいところです。
 資料の一九ページの管理職と主任級選考なんですけれども、昇進試験、これですね、十年スパンで見ますと、数字だけ見ると、数だけ見ると伸び悩んでいるようには思料いたします。
 特に、やっぱり女性管理職の受験率が気になるところですが、分析もされていると思われますので、ご説明いただければ幸いです。

○谷試験部長 管理職選考受験者に占める女性の割合は、この十年間ほぼ横ばいで推移しており、若手職員からの早期選抜を目的とする種別Aが一一・九%、中堅職員からの選抜を目的とする種別Bについては昨年度一〇・〇%でございました。いずれも前年度と同様の水準となっております。
 都におきましては、育児休業や配偶者同行休業を取得中の職員も管理職選考の論文、口頭試問等の受験を可能としたほか、種別Bの記述試験の免除期間を三年間から五年間に延長するなど、職員のライフスタイルに合わせて受験できる機会を拡充する取組を進めております。

○上田委員 確かに今、育業ですか、何かやってもらっていますけれども、私もワーキングマザーでしたので、多くの民間企業や公務員の友達もいますから、この昇進試験がなかなか子育て中だと大変だということ。あるいは、そこまでしてなりたくないみたいなのもあるようなところでもございますが、今般、知事もですね、女性活躍推進条例をつくるんだとぶち上げておりますことから、そうした中で、一応地道にやっていらっしゃる人事委員会が、さっきのような受けやすい体制はつくっていただいているということなので、しっかりとしたサポート体制は確認させていただきまして、あとはさっきの新卒でもないですけど、本当に楽しい、本当すばらしい、受けてみたいと思われるような、やっぱり環境、風土が大事なのかなと思っております。
 管理職の適正確保なんですけれども、横ばいというか、横ばいで推移ということでございますが、小池都政になって目まぐるしく部局が増えたり、正直全部覚え切れないんですね。子育て、政治連携、デジタル、国際何とかって、もう全然、都議でも覚えられないぐらい部局が増えたり、再編成になっております。
 現状の管理職比率って、もう本当に課長さん見ていて大丈夫なのかなと思ったりするんですが、適切なのかどうか所見を伺います。

○古賀任用公平部長DX推進担当部長兼務 地方自治法第百五十八条において、普通地方公共団体の長は、その権限に属する事務を分掌させるため、必要な内部組織を設けることができる。この場合において、当該普通地方公共団体の長の直近下位の内部組織の設置及びその分掌する事務については、条例で定めるものとするとされてございます。

○上田委員 ということは、条例のとおり、長が、知事がそれについても把握するということでございますけれども、その末疲れてしまったとか、人事的にしんどいというところになると、皆さんは本当に救う立場になるかと思いますので、ぜひそこら辺、存在意義が高まったかなというふうに、人事委員会のですね、確認をさせていただきました。
 やっぱり人事委員会といえば、定期監督です。これを受けた後の改善状況や再発防止にどうつなげているのか伺います。

○古賀任用公平部長DX推進担当部長兼務 定期監督等において改善指導を行った事案につきましては、その後の対応状況について任命権者に報告を求めており、当該年度内に改善または改善に着手していることを確認してございます。

○上田委員 しているということでございます。
 一方でですね、都の職員だってこれは不公平だと思うこともあると思うんですよね。公平審査のうち、勤務条件に関する措置の要求なんですけれども、まずは審査に至るまでの経緯を具体的に時系列でご説明の上、令和四年度の判定は却下三、不受理一、令和五年度は棄却、却下二、却下四件ということでございます。
 これまで、要求が認められたことは果たしてあるのでしょうか。職員の労働基本権が制約されることに対する代償措置として認められたものであり、職員の権利利益を確保し、その勤務条件の適正化を図る制度が機能しているのか伺います。

○米今審査担当部長 人事委員会は、地方公務員法に基づき、職員から勤務条件に関する措置の要求がなされた場合、中立、公正な立場から、当事者の意見を十分に踏まえた上で事案の審査を行い、判定を行います。
 判定により、要求事項の全部または一部を認めた場合は、自らの権限に属する事項は実行し、その他の事項は当該事項に関し、権限を有する機関に対して必要な勧告を行っております。

○上田委員 ということで、一応声を上げることの権利は保障はされているということでございますね。そうした中で、集団で声を上げるというようなことも必要なのかもしれません。
 職員団体ですけれども、職員団体は条例で定めたところによりまして申請をすることができて、適正にいろんな規定に適合あるときは、規約及び登録申請書の記載事項を登録し、この登録によりまして、職員団体が自主的に組織され、かつ民主的に運営されていることを保障する制度でございますね。
 ということなんですけれども、現在の登録団体が自主的に組織され、かつ民主的に運営されているか、職員の加入率を含め伺います。

○米今審査担当部長 人事委員会は、職員団体から登録の申請が行われた場合、規約及び登録申請書の記載事項を確認し、地方公務員法の規定に適合するものであるときは、登録を行っています。
 その際には、規約に名称や目的等の必要な事項が記載されていること、規約の作成や変更、役員の選挙等の重要な事項が民主的な手続で決定されていること、構成員が同一の地方公共団体の職員のみで構成されていることの三点について確認しております。
 なお、職員団体への職員の加入率は登録の要件となっておりません。

○上田委員 総務局でも加入率は調べさせていただいているんですが、漸減しているかなというところであります。
 そうしたところで、加入率が登録の要件とはなっていないんですが、都庁の庁舎、高い高いこの一等地で無償貸与を職員団体にしているということを、るる指摘をさせていただいております。この間も、財務局の方でもやらせていただきました。
 人事委員会の権限の範囲内で適正な判断が、職員団体への事務所の無償貸与についてですけれども、今後なされることを期待しておりますが、所見を伺います。

○古賀任用公平部長DX推進担当部長兼務 地方公務員法に定める人事委員会の権限には、都有財産の管理は含まれてございません。したがいまして、当人事委員会は、判断する立場にはございません。

○上田委員 じゃ、登録と運営、民主的なですね、こちらの管理の徹底をよろしくお願いをします。
 障害者への合理的配慮です。
 障害者権利条約が発効し、区市町村の具体的な取組として地域包括ケアも展開、地域で障害者が暮らし、働く機運が高まってきました。
 地域で暮らす上では、収入の確保が必須となります。作業所の工賃ではとても生活ができないということも私の耳には多く届いております。障害者雇用促進法は、民間のみならず、行政も法定雇用率を課しております。さらに、雇用率に達しない民間事業者には雇用納付金を課しており、民間は切迫感を持って取り組んでいることであります。
 行政に雇用納付金制度はございませんが、当然のこととして、民間以上に率先して障害者が自分らしく働く場をつくり出していかねばなりません。条例で決められた合理的配慮の具体的取組は、資料で見られましたけれども、採用予定数、応募ともなかなか伸び悩んでいるのかなと、数字を見て思っております。
 都内障害者は七十万人以上おり、人口から考えると少し少ないのではないのかなというふうに思っております。応募にすら結びつかない障害者が相当数いるのではないかと懸念するものであります。
 都において、障害者雇用を一層促進し、様々な行政分野でおのおの能力を生かし活躍してもらうため、昭和五十六年度から一般の職員採用試験選考とは別枠で採用枠を実施され、選考案内を都内の盲・ろう・特別支援学校や都内区市町村ほか、社会福祉協議会、障害者職業能力開発校等の関係機関に対し、周知に努めていらっしゃいましたが、その後の障害ある学生や受験希望者への具体的な働きについて伺います。

○谷試験部長 一般の職員採用試験、選考とは別に実施しております障害者を対象とする採用選考の申込みに当たっては、選考案内を都内の盲・ろう・特別支援学校、都立高校、東京近郊の高校、大学の障害学生支援部門のほか、都内区市町村、福祉事務所、社会福祉協議会、東京近郊のハローワークなどの関係機関に送付し、障害のある学生だけでなく、就労を希望する方々に向け、広く周知に努めております。

○上田委員 バランスとしては、やっぱり精神障害の方々がかなり受けていただいているのかなというふうに思っております。これは裏を返せば、そちらの精神障害者の方には情報が行き届いているのかなということは、ちょっと評価したいというふうには思っております。
 受験に当たって、補聴器、ルーペの補助器具の使用や試験問題及び解答用紙の文字の拡大、手話通訳者の配置等の配慮を行ってきました。
 近年、議員提案の手話言語条例も制定され、その後、受験資格の見直しなど、受験対象者の拡大をどう図っているのか伺います。

○谷試験部長 障害者を対象とする採用選考については、身体障害者に加え、平成二十九年度から精神障害者、知的障害者にも対象を広げて実施しております。
 また、令和四年度には雇用機会の拡大を図るため、受験資格における上限年齢を四十歳未満から六十歳未満に引き上げました。

○上田委員 江戸川区でも、区長室でダウン症の職員が生き生きと働いている姿を見て、非常に、毎回お邪魔するたびに心強く思っております。東京都での取組も期待するところでございます。
 最後に、障害者雇用率向上に向けての目標達成についての所見を伺います。

○古賀任用公平部長DX推進担当部長兼務 令和五年の勧告で述べておりますとおり、任命権者において、障害のある職員一人一人に応じた合理的配慮の提供について、周囲の職員が相談できる環境を整備するなど、障害を有する職員を受け入れる組織に対するサポートを充実していくことが重要と考えてございます。

○上田委員 職員採用の入り口から、また働いている最中の職員の健全な人事行政を常に担っている人事委員会といたしまして、私はこれはもう本当に、例えば早期退職者をなくすとか、多彩な人材を育成するとか、そこの要となっております今後のまた人事委員会の地道な機能を期待いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
 以上です。

○河野委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○河野委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で人事委員会事務局関係を終わります。

○河野委員長 これより選挙管理委員会事務局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 令和五年度東京都一般会計決算中、選挙管理委員会事務局所管分を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○川上選挙管理委員会事務局長 去る十月十一日の当分科会において要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 令和五年度各会計決算特別委員会第一分科会要求資料をご覧いただきたいと存じます。
 表紙の次のページにございます目次に、七件の資料の件名を記載してございます。この順番に従いましてご説明申し上げます。
 一ページをご覧ください。資料第1号、投票率の推移一覧(過去十年)でございます。
 平成二十六年から令和四年までに執行されました各選挙の投票率をお示ししております。
 二ページをご覧ください。資料第2号、投票率向上のために行った啓発事業でございます。
 投票率向上に向けて令和五年に執行された都議会議員補欠選挙時における主な啓発事業と、令和五年度中に実施した主な常時啓発の事業についてお示ししております。
 三ページをご覧ください。資料第3号、年代別投票率でございます。
 直近の衆議院議員選挙、参議院議員選挙、都知事選挙、都議会議員選挙における年代別投票率をお示ししております。
 四ページをご覧ください。資料第4号、各選挙の執行額及び執行率でございます。
 直近の衆議院議員選挙、参議院議員選挙、都知事選挙、都議会議員選挙における予算額、決算額及び執行率をお示ししております。
 五ページをご覧ください。資料第5号、東京都議会議員選挙投票率(過去十年)でございます。
 平成二十九年及び令和三年に執行されました都議会議員選挙の投票率をお示ししております。
 六ページをご覧ください。資料第6号、選挙管理委員の都議経験等の有無並びに就任時役職について(過去十年)でございます。
 直近三期分の歴代選挙管理委員につきまして、都議会議員等の経験及び就任時の役職をお示ししております。
 七ページをご覧ください。資料第7号、令和五年度実施区市町村選管職員研修一覧でございます。
 令和五年度に実施いたしました区市町村選管職員向けの研修をお示ししております。
 以上で要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○河野委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○大山委員 質問します。
 ただいま総選挙の真っ最中で、選挙は民主主義の基本ですから、それだけに一人一人が投票する権利を行使できるように条件整備することが、自治体としての役割だと思っています。
 選挙するとき、候補者の政策や主張が誰にでも伝わるようにすることは基本です。障害を持っている人にも、障害を持っていない人と同じ情報が同じ時期に届くということは重要だと思いますけれども、どう認識されていますか。

○川上選挙管理委員会事務局長 選挙管理委員会といたしましては、全ての国民に平等に認められております参政権が、可能な限り心身の障害などによる制約を受けることなく行使できる環境が必要であると考えてございます。

○大山委員 ちょっと気になるんですけど、わざわざ可能な限りっていうのは、どういうことを想定していらっしゃるんですか。

○川上選挙管理委員会事務局長 例えば、点字版の選挙公報ですとか音声版の選挙公報というのは、そういうのはどうしても作成に物理的な制約があって数日遅れるとかですね、そういうことがございますので、それも可能な限り早く対応するようにしておりますけれども、そういったものについて申し上げたということでございます。

○大山委員 今、点字版の話もありましたけれども、例えば視覚障害者は墨字見えませんから、選挙公報、点字版を読むことになるわけですが、今おっしゃったように、点字版の選挙公報は、本当に視覚障害者にとっては重要な情報です。
 ところが、今ご答弁されたように、この点字版の公報が視覚障害者の手に届くのが遅くて、投票日の間際であったり、それから投票日の後になることもまれじゃないっていうふうに聞いています。墨字の公報と同じ時期に届くことがやはり重要で、改善が求められていますが、どうですか。

○川上選挙管理委員会事務局長 選挙公報は、候補者が行う選挙運動の一つであることから、候補者が提出した原稿を原文のまま掲載するものとされてございます。選挙公報の点字版である選挙のお知らせは、候補者からの提出原稿を基に、障害者団体等の受託事業者が手作業も含め作成しているため、配布時期に差が生じているものでございます。
 都選管といたしましては、可能な限り迅速な情報提供を行うため、点字版である選挙のお知らせのほか、都選管ホームページに選挙公報の音声読み上げデータ等を掲載するとともに、CDに録音した音声版等を作成し、区市町村選管や希望する視覚障害者の方々へ配布しているところでございます。

○大山委員 障害者団体などが手作業を含めて作成しているから、どうしても遅くなってしまうんだということ、選挙公示されないと公報も、原稿も来ないわけですね。
 今おっしゃったように、点字版の選挙公報のほかにも、選挙公報の音声読み上げデータの掲載だとか、CD音声版などの配布もあるということなんですけれども、それはちゃんと通常の選挙公報と同時に出るんでしょうか。

○川上選挙管理委員会事務局長 これにつきましても、点字版の公報と同様でございますけれども、提出原稿を基にその後作成しておりますので、配布時期に差が出ているところでございます。

○大山委員 選挙公報の読み上げだとか、音声データだとかというのは、ちゃんとね、ぜひなるべく早く行けるようにということと、あと選択肢を増やしているんだということなんですけれども、それも有効だと思いますし、様々な機器も常に改善するでしょうし、それから受け手が分かりやすいように、よりよくできるように、視覚障害者団体の皆さんとも意見交換しながら、常に改善できるようにしていただきたいと思います。
 出してもらった資料の3なんですけれども、どの選挙を見てもですね、例えば令和二年七月の、これ都知事選ですね、七十歳から七十四歳は投票率が六五・五三%です。八十歳以上になりますと、それが四五・七九%。それから、令和三年の七月の都議選は、七十歳から七十四歳は五七・六六%、八十歳以上は四一・〇四%。その年の衆議院選挙は、七十歳から七十四歳が七二・七三%で、八十歳以上になると五一・八九%。そして令和四年の七月の参院選では、七十歳から七十四歳六九・二六%で、八十歳以上になると四八・七二%になってしまうと。
 この七十歳から七十四歳が投票率の、どの選挙を見てもピークなんですね。それから、八十歳以上になりますと、二割ぐらい、がくんと投票率が下がってしまうということなんですけれども、この理由についてどう分析していらっしゃいますか。

○川上選挙管理委員会事務局長 都選管といたしましては、詳細な分析は行っておりません。一般的に、高齢者は身体機能が低下傾向にありまして、投票所へ赴くことが困難な状況もあると考えてございます。

○大山委員 選管としては、詳細な分析はしていないんだけれど、高齢者は身体機能が低下傾向にあって、投票所へ赴くことが困難なんだと答弁されましたが、まさにそうなんですよ。それで、自分の周りでも皆さんの周りでも考えると、今まで選挙に行かないことなどなかったっていう方でも、八十代ぐらいになりますと、歩けないからとか、歩きづらいとか、それで行きたいけど行けないんですっていう人が出てくるんですね。
 このように、投票に行きたいと思っても、歩きづらかったり行けない方々の投票を保障すること、重要だと思うんですけれども、重要ではないですか。

○川上選挙管理委員会事務局長 身体の障害や病気などにより、自ら投票所に行けない有権者が投票を行う方法として、現行制度では不在者投票指定施設における投票と郵便等投票がございます。
 不在者投票指定施設における投票は、都道府県選管から指定された病院や老人ホームなどに入院、入所中の有権者がその施設内で投票を行うものでございます。また、郵便等投票は身体の障害の程度や介護保険法の要介護度において、一定の要件に該当する有権者が自宅などで投票用紙に記載し、それを郵便等で送付することにより、投票を行う制度でございます。
 都選管といたしましては、区市町村選管とも連携し、有権者に対してこれらの制度について周知を図ってまいります。

○大山委員 自ら投票所に行けない有権者には、不在者投票と郵便投票があるんだということなんですけれども、不在者投票は、さっきも答弁されたように、指定された病院や老人ホームです。ですから、指定されていないところに入院されている方はできませんね。
 郵便投票ができる対象者は、どういう要件になっていますか。

○川上選挙管理委員会事務局長 郵便等投票につきましては、身体の障害の程度や、介護保険法の要介護度において、一定の要件に該当する有権者が対象になる制度でございます。

○大山委員 一定の要件を具体的にいっていただきたかったんですけれども、見ました。身体障害者手帳所持者で、一定の障害の程度を有する方ということなんですけれども、具体的には、一つは、身体障害者手帳に両下肢、体幹、移動機能の障害の程度が一級または二級。二番目が、身体障害者手帳に心臓、腎臓、呼吸器、膀胱、直腸、小腸の障害の程度が一級または三級。そして、身体障害者手帳に免疫、肝臓の障害の程度が一級から三級ということで、介護保険では、要介護状態の区分が要介護五です。あとは戦傷病者手帳所持者ということですけれども、要介護五といったら、ほとんど寝たきり状態の方ですね。身体障害者手帳でも一級か二級、内部障害で一級から三級ということですから、本当に重度でないと郵便投票の要件には合わないんです。
 伺いますけれども、先ほど、高齢者は身体機能が低下傾向にあり、投票所へ赴くことが困難と答弁されましたけれども、こういう歩くときにふらついたり、足が弱くなってしまってゆっくりしか歩けない程度の方では、郵便投票はできないんですね。このような方々が安心して投票できるようにすることは、重要じゃないんでしょうか。

○川上選挙管理委員会事務局長 都選管では、公職選挙法における必要な改正等について、都道府県選挙管理委員会連合会を通じて、国への要望等を行ってございます。
 その中で、郵便等投票のできる者及び郵便等投票における代理記載のできる者等の範囲拡大の観点から、重度の視覚障害者を対象にすることなどを要望しているところでございます。

○大山委員 拡大を求めているんだということですから、ゆっくりしか歩けない程度だとか、それから足が弱くなってしまった方々だとかにも、ちゃんと安心して投票できるようにしなきゃいけないなという認識は、あるということでいいんですか。

○川上選挙管理委員会事務局長 必要に応じて国への要望等を行っているところでございます。

○大山委員 郵便投票は、要件が厳し過ぎるっていうのが実態なわけで、投票に行きたいけど行けないっていう方がいるんですよね。一番最初に答弁された、国民に認められている参政権が、可能な限り制約を受けることなく行使できる環境が必要っていうことを実現することが、やっぱり東京都の役割だと思います。
 郵便投票を求めている方々は、重度の身体障害者や寝たきり状態の方たちだけじゃありません。圧迫感や緊張感によって、投票所に行くことが困難な精神障害のある人だとか、要介護度はそれほどでもないけれども、外出が困難な高齢者だとか、病気で自宅療養中だとか、不在者投票所の指定を受けていない病院に入院中の人だとか、多くの人にニーズがあります。郵便投票の対象を広げることが求められているわけです。
 法改正、さっき法改正だから、法改正必要だから国に求めているんだとおっしゃっていましたね。ですから国に要望しているわけですけれども、具体的には何を要望していますか。

○川上選挙管理委員会事務局長 令和四年度の都選管からの要望の中では、郵便等投票のできる者及び郵便等投票における代理記載のできる者について、参政権の保障という観点から範囲を拡大すること。さらに、特に重度の視覚障害者、例えば視覚障害一級の者を郵便等投票の対象者に加えることを明記してございます。

○大山委員 郵便投票の代理、拡大を求めているんだと。具体的に例を挙げているのは視覚障害者の一級、例えば視覚障害一級の方を郵便投票の対象に加えるということは明記しているんですということなんですね。視覚障害者への拡大ももちろん必要ですから、求めることは重要です。しかしそれだけではないと。
 NHKのみんなの選挙という特設サイトには、精神障害のある方たちからも、投票所に行くことが難しいという悩みが多く寄せられているというんですね。例えば、人が多くて行けないとか、慣れないところに行くとパニックが起こるとか、それから、精神障害で強い不安を感じやすい、もたもたせずに書かないと迷惑だと思って、緊張してしまい手が震える、こういう声が寄せられています。
 このようなケースの方々も、郵便投票ならできるわけですね。要介護度はそれほどではないけれど外出が困難な高齢者とか、病気で自宅療養、そして不在者投票所の指定を受けていない病院に入院中の人なども、多くの人にニーズがありますから、伺いますけれども、このような方々は、投票する権利が今保障されていないということになっちゃうわけですね。このような状況をそのままにしておいていいんでしょうか。

○川上選挙管理委員会事務局長 先ほど申し上げましたとおり、必要に応じて国への要望等を行ってまいりたいと考えてございます。

○大山委員 国への要望、やっているわけですよね。しかし、なかなか郵便投票の拡大もされていないという状況ですから、誰もが投票を保障されるように、当事者の意見だとか、現状を聞いて改善していくことを求めておきたいと思います。
 郵便投票の対象者を拡大していく努力しながらも、拡大するまでの間、手をこまねいているわけにはいかないと。郵便投票の対象を拡大するとともに、移動支援、重要だと思うんです。
 タクシー券を例えば出すなどが全ての区市町村でできるように、都としても支援することが必要ではないですか。

○川上選挙管理委員会事務局長 全国の選管の中には、特に投票区の統廃合が進む地域などにおいて、その代替措置として、投票所までの移動支援を行う事例があると聞いてございます。ただし、障害者の方の移動補助が目的の場合には、一般的には福祉関連の移動支援制度が活用されており、その中で投票を目的とした場合には、完全無料となる運用もございます。
 都選管としては、引き続き区市町村選管との情報共有等、連携をしてまいります。

○大山委員 手帳を持っていない方も高齢者も、より投票しやすいようにすることが求められていると思います。区市町村の選管と相談して、東京都はその地域に合った移動支援を支援していただきたいと思います。
 投票所への移動支援については、投票所までの巡回、送迎バスの運行やバスの無料乗車券の発行など、選挙人の投票の機会を幅広く確保する観点から、積極的に講じられますようお願いしますと、総務省の自治行政局選挙部管理課から事務連絡が来ているようなんですけれども、都内の自治体でどれぐらい実施されていますか。

○川上選挙管理委員会事務局長 国は、地域の都市化や過疎化の状況、投票区の地理的条件や交通の利便性等の特性等を踏まえまして、投票所までの距離が遠い選挙人などの投票機会の幅広い確保の観点から、選挙人に対する投票所への移動支援を講じることについて通知をしてございます。
 都内においては、一般に公共交通機関が充実しているため、移動支援に関する取組事例は少ないところでございますが、山間部の投票区を統合した奥多摩町などにおいて、投票所までの送迎を行っている事例もございます。

○大山委員 都内だと奥多摩町などではやっているんだということですけれども、一般に公共交通が充実しているんだとおっしゃいますけれども、最近、運転手さんの不足などで路線が廃止になっちゃったりというようなところもありますし、それから、バス停までの道だって、例えば私新宿ですけれども、高低差が大きいんですよね。ですから、バス停まで行くのも上り下りが大変だということもあります。ですから、東京での移動支援の在り方も、区市町村選管と相談して改善していっていただきたいと思います。
 あともう一つは、投票所まで行っても、投票用紙に書くことが困難という方もいらっしゃいます。投票用紙に書くときの筆記具は、通常鉛筆ということなんですね。しかし、腕に麻痺がある方だとか弱視の方などは、太いボールペンだとか、サインペンだとか、クレヨンなどがより書きやすいんだという方々もいらっしゃいます。
 投票所に鉛筆以外も用意しておくことが必要じゃないでしょうか。

○川上選挙管理委員会事務局長 選挙の投票用紙につきましては、プラスチック製の材質によるものが多く、太いボールペンやサインペン等を用いた場合、インクが完全に乾燥する前に投票箱に投函されることにより、他の投票用紙等を汚損するおそれがございます。そのため、一般的には鉛筆の利用が推奨されておりますが、感染症対策の一環として、自治体が投票所に自身で用意した筆記用具を持ち込むことを認める場合もあると聞いてございます。
 また、投票用紙への候補者氏名の自書が行えない方は、投票所で申し出ることにより、代理投票制度を活用することができるものでございます。

○大山委員 一般的には鉛筆で大丈夫なんです。しかし、鉛筆が本当に持ちにくい方もいらっしゃるわけですから、投票用紙の材質がプラスチックなんでっていいますけれども、そういう材質でも大丈夫な筆記具というのはありますよね。ですから、そういうのが材質でも大丈夫な様々な筆記具を置いておくことぐらいはできるんじゃないでしょうか。
 代理投票できますっていいますけれども、私も以前、鉛筆持つのが大変なんですっておっしゃっていた方に、代理投票もできるんですよってお伝えしたら、その人に、だって誰に投票するか分かっちゃうから嫌なのっていわれたんです。だから、その代理投票についてもちょっと改善が必要なのかなということも思っています。
 全ての有権者に投票を保障することが実現できるように、引き続き実態把握して、当事者の声を聞いて、改善できるように求めて、質問を終わります。

○もり委員 私からも、選挙管理委員会事務局に質問させていただきます。
 令和五年度は、都内各自治体の統一地方選挙と補欠選挙が実施され、今まさに解散総選挙が行われていますが、先日テレビで街頭インタビューに答えた十九歳の若者が、投票っていわれてもどうやって投票するのか、どこへ行ったらいいのか全く分からないと回答していて驚愕をいたしました。
 令和五年度は統一地方選挙が行われ、投票率の推移を見ますと、都内の統一地方選挙の投票率が最も高かった昭和二十四年は七七・二%、昭和四十年代は七〇%近く、五十年代は五〇%後半、平成に入り五〇%を切るようになり、近年は四〇%前半が続いております。
 世界統計、グローバルノートによると、二〇二三年の最新値で、日本の議会選挙投票率は百九十四か国中百三十三位と、先進国の中でも日本は最も投票率の低い国の一つといわれていることが、民意が十分に政治に反映されず、民主主義の根幹を揺るがす問題であると考えます。
 選挙管理委員会の重要な役割の一つに、投票率向上の取組があります。投票率の向上には、選挙の前だけではなく、日頃から選挙、政治への関心を高める取組が欠かせません。政治とは、難しくとらわれがちな経済や財政の課題のみならず、子供たち、若者に身近な学校のことや教育のこと、学生さんであったら奨学金や大学の授業料のこと、子育てや介護、雇用と手取りを増やすことも政治に密接に関わっています。
 世代に応じて、私たちの生活に政治がどのように関わっているのかを伝えながら、政治に関心を向けてもらえるような取組が求められると考えます。
 令和五年度における投票率向上のための取組についてお伺いをいたします。

○川上選挙管理委員会事務局長 都選管では、令和五年度の取組といたしまして、区市町村や教育機関等と連携し、主に高校生を対象とした選挙出前授業、模擬選挙を実施しましたほか、幅広く選挙に対する関心を高めてもらうため、小学生、中学生及び高校生を対象とした明るい選挙ポスターコンクールを実施いたしました。
 さらに、都内在学の中学三年生を対象に、選挙学習冊子「Let’s Study選挙」を配布いたしました。

○もり委員 本日いただいた資料を見ましても、初めて選挙権を得た十八歳は、令和二年でもう六〇%を超えるように本当に高い投票率があるんですけれども、子育て世代、二十歳の前半ですとか、また子育て世代の三十代前半などは四〇%台と低い投票率になっていることから、区市町村とも連携をした出前授業を実施していただいているということなんですけれども、ぜひお子さんの親御さんの子育て世代の方であったり、広く地域の方や保護者の方の参加も呼びかけていただきたいと要望いたします。
 東京では、小選挙区が区部で四、多摩で一増え、地元大田区においても新たな選挙区が増えたことにより、先日も自分の家が何区になったのか分からないと、地元の方からお問合せがありました。
 直接は、区市町村選挙管理委員会の事務になると思うのですが、都内の選挙区の変更に際して、都はどのように対応したのか。令和五年度の取組を確認させていただきます。

○川上選挙管理委員会事務局長 令和四年十二月二十八日施行の改正公職選挙法により、衆議院議員選挙の小選挙区において、新たな区割りが行われ、以降実施される衆院選に適用されることとされてございました。
 都といたしましては、法改正後、特に選挙区が変更される地域の有権者の皆様に対しまして、分かりやすい情報となるよう配慮しながら、各区市町村選管と連携し、ホームページやSNS、広報紙などによる周知を行ってまいったところでございます。

○もり委員 大変重要なことですので、ぜひ引き続きの広報をお願いいたします。
 また、選挙看板のポスター掲示については、公営掲示板の設置やポスターの印刷費等、多くのコストがかかり、またポスター掲示に際しては各候補者の負担も多く、立候補の届出の際に、事前確認をした際に提出した際、あらかじめ印刷済みの看板を立てるですとか、今後の在り方については、時代に応じた改革も求められると感じています。
 また、都知事選挙の際に、同じポスターが何枚も貼られる事態についても、国における法改正が求められますが、選挙ポスターの掲示場所の写真のウェブ化に取り組んでいる方も見られ、よい取組であると感じました。
 候補者の情報を伝える公報においても、より情報が届くよう、DXの推進が求められます。令和五年度における選挙管理委員会のDXの取組についてお伺いをいたします。

○川上選挙管理委員会事務局長 都選管では、令和五年度におけるDXの取組といたしまして、選挙公報の電子ファイルをホームページに掲載することに加えまして、音声読み上げによる選挙公報の情報提供を追加し、多様な手法により、候補者情報の提供に取り組んでまいりました。
 また、X等のSNSも活用いたしまして、若年層を中心に候補者情報にアクセスしやすいよう、情報発信を行ってまいったところでございます。

○もり委員 日々の生活が政治であり、その政治を選択するための政治に参加する手段として選挙があります。政治と選挙に関心を持ってもらうことで、投票率の向上が、上がることを願っています。
 また、海外の取組ですと、本当に投票所がお祭りのようになっていて、親子で、幼い頃から選挙が楽しいものである認識ですとか、また投票済券を持っていくと割引になるなど、各自治体でも様々な向上率の取組があると思いますので、都としても、そういった自治体の取組についても応援をいただけるよう要望いたしまして、質問を終わります。

○上田委員 図らずもただいま衆議院議員選挙の真っ最中でございます。急な、もう最短の解散ということでありました。
 気になるのは、やはり予算現額と執行率でございます。このような予期せぬことが、選挙はちょっと、特に国会だとあるわけでございまして、都議会もその大昔ですね、黒い霧事件で解散したりすることもありましたけれども、そんなときに未執行なんかが出ております。
 これは補正予算で対応しているということですが、今回の解散総選挙のような不測の事態を想定し、ある程度の余地を持って予算を立てていると勘案はするものの、これまでの予算の査定は適切だったのか、対応策も含めて、このところの傾向と所見をお示しください。

○川上選挙管理委員会事務局長 過去の選挙におきます予算額と執行額の差の主な要因は、実際の選挙の立候補者数が見積りより少なく、選挙運動費用の公費負担額等が予算を下回ったこと、投票用紙や選挙公報等、印刷物の入札等により経費が節減されたことなどによるものでございます。
 今後とも選挙の執行に支障が生じないよう、過去の選挙の予算執行状況なども踏まえて、適切な予算の計上に努めてまいります。
 なお、直近の各選挙の執行率は、おおむね九八%程度となってございます。

○上田委員 資料の四ページの方にありますね、九八%平均ということであります。また今回解散がありましたので、今後も見ていきたいと思います。
 るる先ほども委員からご指摘ありました、投票所における障害者への合理的配慮と秘密保持です。
 先ほど大山委員がおっしゃっていたように、障害者によっては、口頭で候補者名をいって代筆してもらう代理投票があるんですけれども、その声が丸聞こえで、秘密保持が担保されない場合があるというのは、私も届いているところでございます。
 実際に、うちで政務調査員として活躍した高木章成、よくご存じだと思うんですが、今、小金井で市議会議員をさせていただいておりますが、彼自身の経験でもそういうことがあったということですが、改善は図られましたでしょうか。
 ついては、総務省の障害者に係る投票環境向上に関する検討会報告書以降の現状も確認したいところです。あわせて、障害者の権利条約、障害者差別禁止法施行後の都の対応状況について、区市町村との連携も併せまして、何しろ投票所は区市町村ですので、ご説明をください。

○川上選挙管理委員会事務局長 代理投票につきましては、国は平成三十年に、代理投票時における投票の秘密に配慮した取組事例等についての文書を発出し、その中で設備等の整備や意思確認の方法、障害者等の投票支援に係る選管の取組事例を紹介してございます。
 都選管では、区市町村選管に、知的障害者や発達障害者など本人の意思の確認が困難な選挙人の代理投票の受付に当たっては、この総務省通知について周知徹底を図ってございます。
 さらに、都選管では、障害のある方への投票所での対応について、毎年、区市町村選管職員を対象に、東京都心身障害者福祉センターの講師による研修を実施してございます。また、選挙執行前には、区市町村選管職員を対象とした事務説明会を開催し、障害者等への特段の配慮をお願いしてございます。
 引き続き、こうした取組を通じまして、障害のある方への適切な対応について区市町村選管を後押ししてまいります。

○上田委員 障害当事者とか高齢者っていうのは、福祉の当事者であり、非常に選挙に関しては、私はやっぱり欠くことのできない一人一人の一票だと思いますので、これはもう最重要課題として取り組んでいただきたいと思います。
 歴代選管委員についてです。
 選挙管理委員は議会が選ぶわけではありますが、地方自治法では、委員は、人格が高潔、政治及び選挙に関して公正な識見を有する者とされ、厳しく公正、公明、平等が求められると考えます。
 もう私、これに長く取り組んでいまして、平成二十三年の統一地方選、渋谷区選挙管理委員会が当選と認定したものを、都選管が一票が無効であると認定し、法廷闘争にまで発展しました。結果、くじ引になり、当選した議員の方がバッジを失いました。
 当時の都選管の委員長は渋谷区選出の元都議会議員の元渋谷区長であり、当時の渋谷区選出の自民党都議会議員の実の父親という構図でした。選挙管理委員長は親族等、関係者の利害に関わる審査、裁決に関与してはならない旨の地方自治法百八十九条二項に抵触しまいかという事案でございました。これも、私の仲間がバッジ取られましたので、関わりました。
 平成二十七年の統一地方選でも、足立区議会議員選挙において、一・九六八票差で次点に泣いた候補が、最下位当選者の投票無効の異議申立てを提出しました。これ、投票した人がまた私の親しい議員でありました。これも嫌な予感がしたんですね。やっぱり異議申立てが出たと。
 こちらは、再度投票用紙を数え直したところ−−これ、足立区なので近藤区長なんですよ、都議の大先輩の、非常に速く動いて都選管まで持ち込まず、四票に票差が広がって、区選管の認定どおりの結果となりました。
 平成二十九年十一月、葛飾区議選では、自由を守る会で擁立した候補も一票差で−−もう本当に何か私の関わる選挙、一票差が多いんですよ。当選したのに逆転される憂き目に遭いました。二千百七十六票で当選した自由を守る会候補に一歩及ばず、二千百七十五票で落選した候補との間で無効票があるのではないかと異議申立てがされました。
 これについて都選管は、その年の二月二十一日、自由を守る会候補得票に無効票が二票含まれていたとして投票を無効とする、要するに、葛飾区では自由を守る会候補をカウントして投票とみなしましたが、都選管でまたひっくり返されちゃったんですよね。区選管の決定を都選管がこれまたひっくり返しまして、その後、東京高裁に提訴をしましたが、棄却されたことは私は永遠に忘れ得ぬ経験値でございます。
 これまで選挙争訟の審理における公平性の確保につきましてただした際には、総務局としては公平性について担保されているとしていますが、資料の委員の人選を見れば分かる偏りにより、都民や当事者が疑念を持つおそれは否めません。要するに元都議がいるということですね。
 そして、選管は、選挙に関する争訟への準司法的機能を有しているということでございますが、適正に機能できているのか、委員構成でですね、今の元都議、また某政党さん、大きな与党ですよ、そちらがいたりするわけで、公正、公平、公明性は担保できているのか伺います。

○川上選挙管理委員会事務局長 都選管の委員は、地方自治法の規定によりまして、人格が高潔で、政治及び選挙に関し公正な識見を有する者のうちから、都議会において選挙されてございます。また、四人の委員のうち、同一の政党、その他の政治団体に所属する者が二名以上となることはできず、委員自身や親族に直接の利害関係のある事件に関する議事への参加はできない等が地方自治法に規定されてございます。
 このように委員の選挙や議事について規定されておりまして、公正、公平に運営されていると認識をしてございます。

○上田委員 これ、議会から選んだりもする場合がございまして、私はやはり監査委員も反対させていただきました。議員選出っていうのは、もう時代に合わないということで、こうした観点を我々も含めて持っていくことが重要と思います。
 ちなみにこれ、一生懸命一票差で最高裁まで闘おうとした自由を守る会の元議員はですね、残念ながら政府・与党に今行っちゃって、葛飾でご活躍しているそうでございます。
 次に、主権者教育についてでございます。
 去る七月の東京都知事選、都議補欠選挙では、殊に小池知事の学歴問題など注目を集め、六〇%という、近年まれに見る高い投票率となりましたが、都議選単体の平均投票率は、資料を見る限り低迷を続けております。
 十八歳投票権実施以降の主権者教育の取組を説明いただいた上で、都知事、都議選における推移、傾向、分析、評価を伺います。

○川上選挙管理委員会事務局長 都選管では、選挙権年齢を十八歳に引き下げる公職選挙法改正が平成二十七年六月に行われて以来、高校などの教育機関と連携いたしまして、選挙出前授業、模擬選挙をはじめとした様々なアプローチを行ってございます。
 投票率は、当日の天候、そのときの争点、有権者の政治や選挙への関心の度合いなど様々な要因が関わって変動するものと認識してございまして、個々の取組との関係性を見いだすことは困難でございます。

○上田委員 本当に難しいところでございます。やっぱり選挙に行かない親の子供は選挙に行かないなっていうのも、私も子育て支援をしてきて感じた次第でございます。
 ただ、十八歳から二十四歳までの投票率を見ますと、高校での主権者教育がやっぱり功を奏しておりまして、最も十八歳が高いんですが、その後、二十四ぐらいで落ち込んで、またちょっと上がるんですよね。社会に出て、いろいろ問題意識を持ったりしたりするのか、この点についての分析を伺います。

○川上選挙管理委員会事務局長 投票率は、当日の天候、そのときの争点、有権者の政治や選挙の関心の度合いなど様々な要因が関わって変動するものと認識してございます。そのため、投票率について一概に分析を説明することは困難でございます。

○上田委員 分析困難でも、今、会社を投票で休んでもペナルティーにならないんですよね。
 例えば土日仕事がある医療関係者とか、日曜日にある場合は、期日前投票をしたいということで、何か日勤表を変えるということも可能だと思うので、今後は、やっぱり二十代の職員というか、従業員向けのですね、投票で会社を休んでも大丈夫だということを、経営者とか、その当事者にいってもらうと。やっぱり納税者になったときも一つ狙い目。十八歳も狙い目ですけど、納税者になって、えっ、この税金どこに使われているんだというのも、一つの若い人たちの投票行動の一因になると思いますので、これ産労さんになるのかな、ぜひちょっと新しいアイデアで進めていただければとお願い申し上げまして、私の質問を終わります。

○河野委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○河野委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で選挙管理委員会事務局関係を終わります。

○河野委員長 これより主税局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、主税局長に武田康弘君が就任されました。
 武田局長から挨拶があります。
 武田康弘君を紹介いたします。

○武田主税局長 去る十月十五日付で主税局長に就任をいたしました武田康弘でございます。
 河野委員長をはじめ委員の皆様方のご指導、ご鞭撻を賜り、当局の使命である都税収入の確保に向けて職責をしっかり果たしてまいりたいと思います。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。

○河野委員長 挨拶は終わりました。

○河野委員長 決算の審査を行います。
 令和五年度東京都一般会計決算中、主税局所管分及び令和五年度東京都地方消費税清算会計決算を一括して議題といたします。
 本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布しております。
 資料について理事者の説明を求めます。

○入佐総務部長DX推進担当部長兼務 去る十月九日の当分科会において要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の令和五年度各会計決算特別委員会第一分科会要求資料の表紙をおめくりください。
 目次をご覧いただきたいと存じます。今回要求のございました資料は十件でございます。この順番に従いましてご説明申し上げます。
 それでは、一ページをお開き願います。要求資料第1号、特別区内の生産緑地農地として課税している筆数、地積及び税額の総額でございます。
 この表は、特別区内の生産緑地農地につきまして、筆数、課税地積及び固定資産税額、都市計画税額の五年度分をお示ししたものでございます。
 次に、二ページをお開き願います。要求資料第2号、特別区内の生産緑地農地として課税している筆数、地積及び税額、特別区別でございます。
 この表は、特別区内の生産緑地農地につきまして、特別区別の筆数、課税地積及び固定資産税額、都市計画税額を五年度分お示ししたものでございます。
 次に、七ページをお開き願います。要求資料第3号、徴税費と都税収入百円に対する徴税コストでございます。
 この表は、令和元年度から令和五年度までの職員費及び事業費に基づいて、都税収入百円に対する徴税コストをお示ししたものでございます。
 次に、八ページをお開き願います。要求資料第4号、都税(除く個人都民税)の滞納整理における税目別滞納額及び不納欠損額でございます。
 この表は、区市町村が徴収する個人都民税を除く都税の滞納整理における滞納額と不納欠損額を五年度分お示ししたものでございます。
 次に、九ページをお開き願います。要求資料第5号、eLTAX主要税目別利用状況の過去十年の推移でございます。
 この資料は、法人二税、事業所税、償却資産に係る固定資産税及び都民税、利子割、配当割、株式等譲渡所得割につきまして、過去十年間のeLTAXによる電子申告の件数及び利用率の推移と利用率をグラフにしたものでございます。
 次に、一〇ページをお開き願います。要求資料第6号、不燃化特区支援税制の区別減免適用件数、減免税額でございます。
 この表は、不燃化特区支援税制につきまして、特別区別の減免適用件数及び固定資産税、都市計画税の減免税額を三年度分お示ししたものでございます。
 次に、一三ページをお開き願います。要求資料第7号、耐震化促進税制の区別減免適用件数、減免税額でございます。
 この表は、耐震化促進税制につきまして、特別区別の減免適用件数及び固定資産税、都市計画税の減免税額を三年度分お示ししたものでございます。
 次に、一六ページをお開き願います。要求資料第8号、法人二税に係る調査実績でございます。
 この表は、法人二税の実地調査件数及びその捕捉額を三年度分お示ししたものでございます。
 次に、一七ページをお開き願います。要求資料第9号、多角的公売による実績・金額・件数でございます。
 この表は、インターネット公売及び合同公売等の実績、金額、件数を三年度分お示ししたものでございます。
 次に、一八ページをお開き願います。要求資料第10号、個人都民税の徴収率向上に向けた区市町村連携の取組と実績についてでございます。
 この表は、個人都民税の徴収率向上のため、都が区市町村と連携した取組と実績を三年度分お示ししたものでございます。
 要求のございました資料に関する説明は、以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○河野委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○石島委員 都税収入について伺います。
 都税は、都民の方々の労働や消費、企業の活動などの過程において、その一部分を負担いただいているものであり、都内の経済活動を反映しているものと思います。
 令和五年度の我が国経済を振り返ってみますと、三十年ぶりとなる高水準の賃上げや企業の高い投資意欲など、経済には前向きな動きが見られ、コロナ禍の三年間を乗り越え、改善しつつある状況にありました。こうした状況を反映して、令和五年度の実質経済成長率は〇・八%増となっており、令和五年度の都税収入は三年連続の増収となりました。
 都税収入を分析することで、今後の財政運営や施策展開につなげていく観点から質問をさせていただきますが、そこでまず、令和五年度の都税収入が増収となった主な要因について伺います。

○辻谷税制部長 令和五年度の都税収入は六兆三千四百四十三億円で、前年度から千七百九十九億円、二・九%の増収となりました。その内訳は、法人二税が二兆三千二百九十九億円で前年度から六百八億円、固定資産税、都市計画税が一兆七千百四十八億円で前年度から六百四十六億円、個人都民税が一兆九百三十二億円で前年度から五百三十億円と、それぞれ増収となりました。
 主な増収要因は、法人二税については、企業収益が堅調に推移したこと、固定資産税、都市計画税は、土地の価格が上昇傾向にあったことなどによるものです。

○石島委員 令和五年度は、主な税目のそれぞれで増収になっているとの答弁でしたが、やはり中でも景気の変動を受けやすい法人二税が、都税収入全体に与える影響は大きいものと考えます。
 当時は、日米の金利差が原因とされる円安が進行していたことにより、輸出が好調だったことも都税収入が伸びた要因であったのではないかと考えます。
 そこで確認させていただきますが、令和五年度において法人二税が増収となった業種について伺います。

○辻谷税制部長 令和五年度の法人二税は、輸出企業を含む幅広い業種で増収が見られました。中でも、商社などの卸売業が資源価格の高騰を受けて売上げが好調でした。また、コンテナ運賃の高騰により、海運業などの運輸業の収益が堅調でした。

○石島委員 令和五年度の主な増収の要因となった業種については、特に円安等に伴う物価の高騰が背景にあるということは理解しました。
 しかし、一方で、物価の高騰は、都内事業者や都民生活を脅かす要因ともなります。第三回定例会では物価高騰の影響を受ける都内事業者などを支援するための補正予算が組まれたように、支援に当たっては、都内事業者や都民の状況を十分に把握することが必要です。
 都税収入の分析は経済活動のトレンドを把握する上で重要であり、こうした分析を今後の財政運営や施策展開に生かしていくことを期待したいと思います。
 現在、都税収入は幸いにも好調を維持していますが、足元もしっかりと見据えておかなければなりません。特に足元では、今年三月に日銀がいわゆるマイナス金利政策の解除を決定、七月には政策金利を〇・二五%に引き上げると決め、金利ある世界に戻りつつあります。
 こうした金利の変動は法人の企業活動にも影響を与え、少なからず都税収入に影響があるのではないかと考えますが、金利が上昇することによる都税収入への影響について伺います。

○辻谷税制部長 金利が上昇することによって、直接的には預貯金の利息収入が増え、それに伴い都民税利子割が増加する可能性があります。また、一般的には、金融業の収益の増加が見込まれる一方で、企業等の資金借入れコストの増加により企業活動が抑制されることや、住宅ローンの利息負担の増加により新築住宅の買い控えが予測されるなど、税収にはマイナスに働く影響も考えられます。
 このように、金利の変動は様々な経済活動に影響を及ぼすため、都税収入の動向については、今後も注意深く見極めていく必要があると認識しております。

○石島委員 金利の上昇は、都税収入にとって、一部の税目によるプラスの影響も考えられますが、企業の資金調達の負担が重くなったり、不動産の購入を控えたりと、マイナスの影響の可能性もあるとのことでした。
 帝国データバンクが全国の企業に対して行った金利上昇による企業への影響調査によると、約四割の企業がマイナスの影響の方が大きいと回答しているという調査報告書もあります。加えて、為替の動向など金融資本市場の変動や、また世界に目を向けると、この一年の中東地域をめぐる情勢や欧米、中国の海外景気にも十分注意する必要があります。
 こうした状況を踏まえると、都税収入の先行きは決して楽観できるものではありません。都税収入は都政の様々な施策を展開していく上で最も重要な基盤となるものでありますから、今後も社会情勢の変化や景気動向などを踏まえ、都税収入を的確に把握することを期待します。そして、この都税収入を安定的に確保していくことが極めて重要であります。
 そこで、次に、徴税に関する取組について伺います。
 決算概要資料によりますと、都税の徴収率は、コロナ禍が始まった令和二年度には九八・三%でしたが、令和五年度には九九・三%となっています。
 令和五年度の徴収率は過去最高とのことですが、この徴収率上昇の主な要因をどのように分析しているのか伺います。

○小谷徴収部長 令和五年度は、円安により輸出企業の業績が好調であったことなどから景気が回復したこと、また加えて、スマートフォン決済アプリ収納の拡大等、納税者の利便性向上に取り組んだことなどが徴収率の向上につながりました。
 滞納が発生した場合には、納税者の資力に応じ、猶予制度等の納税緩和措置を適時適切に講ずるなどきめ細やかな滞納整理を実施するとともに、納税に誠意の見られない滞納者に対しましては、法の規定に基づいた財産の差押えなどを適切に行い、都税収入の確保に努めてまいりました。
 今後も、キャッシュレス納税の拡充をはじめとした納税環境の整備を進めることで、納税者の利便性向上と納期内納税の推進を図るとともに、滞納の早期解決を目指した滞納整理に取り組んでまいります。

○石島委員 税の公平性を保ちつつ、都民の暮らしを支える都税収入をしっかり確保していくためには、徴収率の維持向上が不可欠であります。
 都税徴収率は過去最高の九九・三%とのことでしたが、一方、個人都民税の徴収率も九八・〇%と、過去最高とはいえ、都税全体の徴収率に比べ、低い水準にあります。都税全体の徴収率のさらなる向上のためには、個人都民税の徴収率の底上げを図る必要があります。
 まず、個人都民税の徴収率向上に向け、どのような取組を行ってきたのか伺います。

○上野特別滞納整理担当部長 都は、個人都民税の徴収率向上を図るため、都内区市町村からの実務研修生の受入れや各種研修の開催などの人材育成、都職員の派遣、地方税法に基づく困難事案の引継ぎを中心に区市町村支援に取り組んでおります。
 令和五年度は、DXによる事務の効率化やキャッシュレス納税の推進など新たな課題をテーマとした担当者会議を開催したほか、各区市町村の滞納整理や収納管理の取組のデータベース化など情報共有を強化する取組を推進いたしました。
 加えて、徴収率の向上に伴い、個別具体に多様化、高度化する滞納整理の課題に応えるため、都の職員派遣を、従来の四団体から十団体へ拡充し、きめ細かで着実な支援を実施しております。
 今後とも、徴収率の向上に向けまして、都と区市町村との連携に努めてまいります。

○石島委員 今後の都税全体の徴収率を向上させていくためにも、または区市町村における滞納整理の課題解決に向けて、丁寧な支援を行うとともに、情報共有を積極的に進めて、より一層区市町村との連携を深めていくなど、引き続き、しっかりと取り組んでいただくことを要望して、質問を終わります。

○山田委員 まず、税務基幹システムについて伺います。
 私たちはこれまで、人手不足が顕在化する中で、納税環境の利便性を向上させ、業務の簡素化、重点化を図るために、税務行政のデジタル化を強力に推進すべきと主張してきました。
 主税局では税務基幹システムの再構築が今進んでいますけれども、令和五年度における税務基幹システムの再構築に向けた取組状況とその成果について伺います。

○小林調整担当部長 税務基幹システムは、都税に関する課税から納税、滞納整理までの業務を網羅的、集中的に管理しておりまして、適正かつ公平な賦課徴収に欠かせない重要な役割を担っております。
 今般の再構築は、主税局のDXを進めまして、納税者の利便性向上や税務行政のさらなる円滑化を図る要となる取組でございまして、令和八年度の稼働を目指して進めているところでございます。
 令和五年度の取組状況でございますが、まず、システムの骨格となりますアプリケーションの設計業務のうち、六月までに基本設計を終えまして、七月から詳細設計に着手したところでございます。また、サーバーやネットワークなどハードウエアの導入をはじめとした四つの調達につきまして、令和六年度当初からの作業に着手できるよう、年度末までに準備契約を行ったところでございます。

○山田委員 ありがとうございます。着実に進展しているということが理解できました。
 新しい今の税務基幹システムは、主税局が目指す税務行政のDXの根幹をなす極めて重要なものであると理解しております。いいシステムとなるよう、しっかりと進める必要がありますが、他方で、賢い支出となるように費用面の精査も必要です。
 特に以前から指摘していますけれども、システム開発に当たってベンダーロックイン、つまりソフトウエアのアップデートなど継続して利用するために必要な作業が、システムを構築した事業者以外が実施することができないと、そういったために特定のシステムベンダーを利用し続けなくてはならない状態の危険性というのも指摘されております。特定の事業者にのみ依存しなければならないような事態は、賢い支出の徹底観点からも課題であります。
 ベンダーロックインを防ぐための対策についての取組状況について伺います。

○小林調整担当部長 主税局の税務基幹システムは、大規模かつ複雑なシステムとなっておりますが、再構築の業者選定におきましては、価格や品質の面で競争性を確保していくことは重要であると考えております。
 そのため、要件定義の段階から、より多くの事業者が応札できるよう、ITコンサルタント企業による専門的かつ第三者の視点に立った助言を受けてまいりました。また、仕様を広く公開して、広く事業者から意見を公募するRFI、リクエスト・フォー・インフォメーションを行ってまいりました。
 さらには、入札は総合評価方式を採用いたしまして、システム開発に知見を有する学識経験者を交えた技術審査委員会におきまして、仕様書案への意見の聴取を行ってまいりました。
 こうした取組によりまして、競争性の確保に努めてまいります。

○山田委員 様々な取組が行われているということは分かりました。都のシステムは大型の開発案件であって、責任を持って対応できる事業者が限られているという面があるとは理解しておりますけれども、引き続きそういったベンダーロックイン対策であったり、入札の競争性の確保など、しっかり進めていただくことを求めたいと思います。
 次に、ふるさと納税について伺います。
 ふるさと納税は地域の活性化や、納税者が返礼品を受け取ることができる、そういった側面ありますけれども、自分が住んで、道路、学校、福祉であったり、行政サービスを受けている自治体に納める税金の一部がほかの自治体に納められるというのは果たして妥当であるのかなど、課題も多いと認識しています。
 まず、ふるさと納税による令和五年度分の東京都と都内区市町村における影響額について、令和四年度分との比較も含めて伺います。

○辻谷税制部長 令和五年度分のふるさと納税による減収額は、東京都が六百七十八億円、都内区市町村が千一億円、合わせて千六百七十九億円となっています。
 令和四年度分と比較いたしますと、東京都と都内区市町村とを合わせた減収額は二百三十三億円の増となっています。

○山田委員 今のご答弁にありましたように、特に基礎自治体においてかなり影響が大きくなってきているということでありまして、またその影響額も増加傾向にあるということです。
 最近では、ネット販売最大手のアマゾンジャパンがふるさと納税の仲介事業への参入を目指すと、そういった報道もありまして、今後さらにふるさと納税市場の拡大が進んでいくと、都や都内区市町村の減収額、これはますます大きくなっていくのではないかと危惧しています。
 こういったふるさと納税の状況に関する都の認識を伺います。

○辻谷税制部長 ふるさと納税は、自らが居住する地方自治体の行政サービスに使われるべき住民税を寄附金を通じて他の地方自治体に移転させるものであり、受益と負担という地方税の原則をゆがめるものです。また、返礼品競争が続き、寄附本来の趣旨を促す制度となっておらず、仲介サイト手数料などの経費により寄附先の地方自治体が活用できる額は受入額の五割程度にとどまっているなどの問題があります。
 こうしたことから、都は、ふるさと納税の対象として国の指定を受けるための申出を行っていません。今後、大手EC事業者の参入等により、都民のために使われるべき税のさらなる流出など、事態は一層深刻になる懸念があります。
 都としては、制度の問題点をより多くの方にご理解いただくための広報を戦略的に実施しつつ、都内の区市町村とも連携しながら、国に対して制度の抜本的な見直しを引き続き求めてまいります。

○山田委員 ありがとうございます。今のご答弁にありましたとおり、ふるさと納税には、都内自治体からの税の流出に加えて、仲介サイトに流れる、そういった金額が多く、寄附先の自治体が受け取ることができる金額も低くなってしまう、そういった実態もあるということでした。
 現在のふるさと納税の制度がこういった様々な課題を抱えている中で、都の対応として、今、普及啓発や国への要望など様々やられているとは思いますけれども、本当にそれだけでいいのかと、より踏み込んだ対応も必要ではないかとは考えているところであります。
 例えば京都府では、ふるさと納税について、府が寄附を受け付けて、その一部を市町村に配分する、そういった新しい仕組みも始めているというふうなことも聞いております。
 都も、自ら積極的にふるさと納税の獲得を行った上で、都内自治体を支援するなど、抜本的な対策を検討すべき時期にも来ているのではないかと感じております。
 そういったほかの自治体の取組なども参考にしながら、現在のふるさと納税制度が抱える課題の是正に向けて、引き続き取り組んでいただきたいと思います。
 以上で終わります。

○北口委員 私からは、租税教育についてお伺いします。
 最近の都税収入は、コロナ禍においても前年増を続けておりまして、コロナの影響も落ち着いてきたこの令和五年度、先ほど来答弁もございました六兆三千四百四十三億円余りとなり、過去最高の税収となりました。この都税の徴収率は実に九九・三%となっており、主税局の皆様の努力の結果と、改めて評価をするところでございます。
 こうした徴税の努力により広く都民にご負担をいただいた税金が、どのように使い方が決められて、そしてまた、何に使われているのか。またもっと根本的な、税とは何で、なぜ必要なのか、こうしたことを次代を担う子供たちに、その仕組みや使い道など分かりやすく理解してもらう租税教育は大変重要であるというふうに思っております。
 以前、租税教育に関する都議会公明党の質疑においても、関係団体で構成する協議会で、税について理解を深めてもらうための副教材を作成し、小中高等学校に配布しているとの答弁がございました。現在、小学校高学年、そして中学校、高校向けの副教材を作成し、各学校で租税教育を実施しているというふうに聞いております。こうした取組は大変重要でございます。
 令和六年度の副教材を拝見させていただきました。各年代に合わせてつくられておりまして、大変有用な資料であるというふうに感じております。私の子供時代にはこの租税教育を受けた記憶がございませんので、こうした地道な取組が、この高い徴収率に最終的にはつながっているのかなというふうにも感じております。
 こうした租税教育を一層進めるために、昨今、GIGAスクールの時代でございますので、デジタルの活用も重要でございます。現在の子供たちは、生まれたときからインターネットやスマートフォンが身近にある、いわゆるデジタルネーティブ世代でございます。子供たちに対するアプローチとして、このデジタルによる租税教育も進めていくべきであるというふうに考えます。
 そこで、昨年度、主税局では租税教育のデジタルコンテンツを作成したということでございますが、その概要についてお伺いをいたします。

○入佐総務部長DX推進担当部長兼務 未来の納税者である子供たちに対し、税に対する理解の促進を図る租税教育の取組は非常に重要でございます。学校教育においても、タブレットなどデジタルツールの利用が日常のものとなっているところでございます。
 そこで、デジタルを活用して、子供たちが税金について、いつでもどこでも楽しく学ぶことができる機会を提供するため、小学校高学年を対象とした、まちの中から税金が使われているものを探す税発見タックスタウンや、すごろくゲームである税のタイムトラベルすごろくを制作し、昨年七月に主税局ホームページに公開したところでございます。

○北口委員 子供向けのデジタルコンテンツは、デジタルネーティブ世代の子供たちにとっては親和性が高く、取り組みやすいものであるというふうにも考えております。
 さらに、この本コンテンツは、ユーザー目線での取組が評価され、今年六月に実施された都庁DXアワードで特別賞を受賞したというふうにも聞いております。
 そこで、本コンテンツにおいて、ユーザー目線での取組をどう行ったのか伺います。

○入佐総務部長DX推進担当部長兼務 デジタルコンテンツは、ユーザーの声を踏まえ、よりよいものに改善していくというプロセスが大切でございます。
 そのため、本コンテンツは、公開以降、様々な広報を実施し、多くの子供たちに体験してもらい、アンケートの形で多様な意見を頂戴したところでございます。
 収集した意見を踏まえ、コンテンツ内容の充実を図り、今年三月に改良版を公開いたしました。その結果、二千件を超えるユーザーレビューをいただき、七割以上から、楽しかった、税金について知ることができたと高評価をいただいており、楽しみながら税について知る機会の提供につながったものと考えております。

○北口委員 年度の途中で、ユーザーの声を反映し、そしてコンテンツをバージョンアップして再リリースをしたということでございます。こうした取組は、デジタルの即応性を有効に活用したものであるというふうに高く評価するところです。
 さらに、実際のユーザーである子供たちの評価が高いということでありましたので、ユーザーである子供たちの声を聞いて、よりよいものに改善されたという成果でありまして、結果、現在の子供世代に楽しんでもらえるコンテンツになっているということも、併せて評価をしたいというふうに思います。
 次代を担う子供たちが税の役割を正しく理解をして、国や社会の在り方を主体的に考えていくことは極めて重要であり、本コンテンツも改良、改善を続けながら、しっかり活用していただいて、より租税教育が身近なものになっていくことを期待して、次の質問に移りたいと思います。
 次に、キャッシュレス納税についてお伺いをします。
 税金は、かつては金融機関や役所まで赴かなければならず、窓口が開いている平日の日中に支払いに行くということは、国民の義務とはいえ、多くの労働者にとっては煩わしさもあったというふうに思います。
 その後、コンビニでの収納ができるようになり、さらにはクレジットカードでの納税が導入されるなど、納税方法が順次拡充されてきたことは、納税の手間を減らせるという点で大変意義深いものと考えております。
 とりわけ、現金を持たずに納税できるキャッシュレス納税は、社会全体のキャッシュレス化やデジタル化にもつながる取組でありまして、一層の利用の拡大が望まれるところでございます。
 そこでまず、改めてこれまでの都税のキャッシュレス化の取組について伺うとともに、過去三年間におけるキャッシュレス納税の割合の変化についてお伺いをいたします。

○小谷徴収部長 主税局はこれまでも、納税者の利便性向上を図るため、口座振替やクレジットカード収納を導入するなど、キャッシュレス納税方法の拡充に取り組んでまいりました。
 最近では、令和二年度にスマートフォン決済アプリ収納を導入し、その後も順次、対象アプリを追加しております。
 また、過去三年における都税の納付件数のうち、キャッシュレスにより納付された割合は、令和三年度が四四・六%、令和四年度が四六・二%、令和五年度が四八・五%であります。

○北口委員 キャッシュレス納税の拡充の取組の成果もありまして、着実にキャッシュレスでの納税の割合が拡大していることを確認させていただきました。
 他方、日常生活における都内キャッシュレス決済の割合は、令和五年度に実施した東京都の調査によりますと六四・八%となっており、まだまだ伸び代があるようにも思います。この納税のキャッシュレス化をさらに進めていくためには、納税者一人一人にキャッシュレスという手段の存在や便利さをしっかりと伝えることが重要になってくるものというふうに考えます。
 そこで、都民に対してどのように周知活動を行ってきたのかお伺いをいたします。

○小谷徴収部長 都税事務所による納税キャンペーンの実施をはじめ、税理士会や法人会等の納税関係団体と協力したPR活動を実施してまいりました。
 昨年五月には、キャッシュレス利用意欲の高い三十代から五十代をターゲットにメディア向けのPRイベントを実施したほか、固定資産税等の納税通知書にPRチラシを同封するなど、より多くの納税者にキャッシュレス納税を利用していただけるよう、時宜を捉えた広報を実施してまいりました。
 さらに、SNSやデジタルサイネージを活用するなど、年間を通じてキャッシュレス納税の周知を行い、様々な媒体を活用した広報を展開してまいりました。

○北口委員 様々な取組を行っていただいていることに感謝申し上げます。
 都民の方への広報に当たりましては、その情報を見ていただけるか、理解していただけるかという視点を持ちながら実施していくことが重要だというふうに思います。
 現在、既に納税通知書に印刷されたQRコードを読み込むと、キャッシュレス決済が可能なようになっているということでございますけれども、目立つように印刷するなど工夫の余地があるようにも感じております。
 引き続き、この積極的なPR活動と、さらなる改善によりまして、納税者が利便性を実感できるように取り組んでいただき、キャッシュレス納税の利用につながることを期待して、私の質問を終わります。

○もり委員 私からもふるさと納税制度についてお伺いをいたします。
 東京都におけるふるさと納税による減収額は、制度創設以来、右肩上がりに伸びております。私の地元の大田区においても、ふるさと納税に伴う流出額が非常に多いのですけれども、初めに、先ほどもございましたが、令和五年度の都と都内区市町村における流出額の合計についてお伺いをいたします。

○辻谷税制部長 令和五年度分のふるさと納税による減収額は、都と都内区市町村を合わせて千六百七十九億円です。

○もり委員 私は、ふるさと納税制度は税の負担の公平性をゆがめるものとの認識ですが、地方自治体がふるさと納税制度による税収の確保に向け、様々な工夫を行っていることも事実です。
 私の地元の大田区も、ふるさと納税による流出額が都内でも多く、それならば都の誇るものづくりの製品等、自治体の強みを生かして発信し、逆にふるさと納税制度を活用する手もあるのではないかと区議会議員時代に提案したこともありましたが、まだ勝海舟記念館の年間フリーパスはされているんですけれども、活用し切れているとは思えない状況があります。
 一方で、都民が支払った税金がどのように使われているのかというのを見える化することも大事だと思っています。消費税導入の際には一〇〇%福祉目的税であると聞いたのが、ほとんど福祉目的税に使われていなかった等、支払った税金がきちんと使われる、税に対する信頼が重要であると申し述べさせていただきます。
 その上で、市川市の一%条例など、税を納める都民が目的を定めて納めることは、ふるさと納税ではありませんが、都民の税への関心を深め、より能動的な納税として有効なのではないかと考えます。
 ふるさと納税制度が本来の目的を離れ、カタログギフトのようにスマートフォンから手軽に利用されている現状は、本来都民サービスの向上に資する税収が流出をしており、令和五年度の都民税分六百七十八億円は、ホームページからも、老人ホーム約六十施設分に相当するような税収が流出しており、東京都は毎年国へのふるさと納税制度の見直しに関する要望書を提出しておりますが、本来都民生活の向上に資する税収が流出する事実を都民に正しく理解していただくことが重要であると考えます。
 令和五年度における主税局における都民への理解啓発にどのように取り組んだのかお伺いをいたします。

○辻谷税制部長 都は、ふるさと納税の問題点や都政への影響について分かりやすく伝えるため、都の見解を主税局のホームページに掲載するとともに、SNSや広報紙、デジタルサイネージなどを通じた発信を行っております。

○もり委員 ぜひそういったものが、アクセスしようとしている方に本当に届くような広報に一層努めていただきたいと求めて、質問を終わります。ありがとうございます。

○上田委員 主税局におきましても、大変重厚な資料の方をありがとうございました。
 まずは、犯則取締りについてでございます。
 都税を免れたりする一部の悪質な者に対して、都民全体の利益のため厳正な処分を行い、納税秩序の維持向上を図る必要から行っているものでございます。
 これが通告二十事案、告発十事案ということで、都の人口規模、事業所規模からすると少ないのではないかなという実感ですが、まず、告発についてはちゅうちょなく行っているのか。件数の少なさは、犯則に至る前の取組で食い止めているのか、状況のご説明をお願いいたします。

○蓮沼課税部長 都では、適正、公平な課税のため、申告内容の確認などの税務調査を適宜行っており、不備や誤りがあれば、必要に応じ、指導等によって是正を図っております。そうした中で、脱税等の悪質な事例が判明した場合には、より厳しい処分を科するために、犯則調査によりその事実を明らかにし、罰金相当額の納付を通告する通告処分や、検察官に対して刑事訴追を求める告発を行うなど、厳正に対処しております。

○上田委員 犯罪行為になる前の段階で、とにかく、逆に犯罪行為で逮捕されるよりも納税していただくことの方がもう重要だと思いますので、こうしたお取組ということでございました。
 都は、やっぱり人口が集中して、今、投機目的も問題視されていまして、地価の高い東京になってきました。事業者、都民負担を鑑みた独自の税制措置を、るる事業概要にも書いてありますけれども、減免措置等ですね、独自の税制措置を実施されてきました。
 実施するに当たって、様々な種類あるんですけれども、そのきっかけや判断基準など、所見を大局的に伺いたいと思います。

○辻谷税制部長 都では、二十三区の固定資産評価額が全国と比較して極めて高い水準となっていること等から、都民や中小企業者等の税負担を考慮し、小規模住宅用地の都市計画税等の軽減措置を講じております。

○上田委員 私も東京生まれの東京育ちの江戸っ子ですけれども、どんどん土地が高くなって、江戸川区はそうでもなかったんですが、今度、船堀駅前にタワマンが建って、もしかして江戸川初の億ションになるんじゃないかというようなことになっておりまして、東京都民がなかなか住みづらい東京都になっていってはいけないと思いますし、また、いろいろな経済格差のある人が住んで、生き続けられるというのも東京都のミッションであると思います。その中で、やっぱり一番大きいのは固定資産税ということで、こうしたことを講じてきたということです。
 こういったように、やっぱりなかなか生活が苦しいというところの中で、生活保護法による扶助を受けている都民に対する非課税、減免措置についてですが−−やはり江戸川区も私が区議になったときは、年間、本当に区民の収入と生活保護がひっくり返るのではないかなんていっていたところが、今まさに財調もらわないと、江戸川区の自分たちで稼いでくる区民税よりも、生活保護が増えていくというような状況になって、今後も対象者が増加の一途をたどることも想定されますことからも、ここ二十年程度の税金の推移を踏まえた傾向と所見を伺います。

○蓮沼課税部長 生活保護法による生活扶助を受けていることによる税の減免制度について、個人都民税は、区市町村が区市町村民税と併せて賦課徴収を行うこととされており、そのため、減免手続等についても各区市町村で対応しているところであります。

○上田委員 しかしながら、やっぱり傾向、トレンドは情報共有ということで、主税局も把握されていると思うので、この場で説明できるような形にしていただきたいなというふうには思った次第でございます。
 たばこ税です。
 東京都では受動喫煙防止条例を制定し、健康増進事業に余念なく取り組んできました。一方で、たばこ税は、区市町村への歳入に貢献することから安定した税収担保という、痛しかゆしという側面もあります。
 都は、ほかの自治体より喫煙率は低いと思料しますし、約五十年間で喫煙率が低下してまいりましたが、近年は下げ止まりの傾向にあるようです。
 総本数、都と区市町村それぞれの収入額の、これも二十年程度の推移を、金額も踏まえた傾向と所見を伺います。

○蓮沼課税部長 都たばこ税における本数と収入額の推移についてでございますが、二十年前の平成十五年度は約三百五十九億本、約三百三十四億円、直近の実績である令和五年度は約百六十三億本、約百七十五億円となっております。
 喫煙人口の減少などにより、本数、収入額とも減少の傾向にございます。

○上田委員 税の減収というのは、ちょっと痛いところでございますが、吸い続けることでの福祉費の増大を考えると、これはむべなるかなということになります。百七十五億円ということで、本当に半減していますけれども、百七十億分のですね、本当に東京都におきまして節約をしていただければ、これに依存しなくてもいいのではないかというふうに思った次第です。
 都税収入の推移と景気の動向、伸び率と国内成長率の推移を事業概要で確認させていただいております。
 都税収入と景気の関連について、基本的には都税収入の増減率が名目成長率と同じ方向へ連動する傾向を持つものの、景気に敏感な法人二税が都税の根幹をなしているため、経済情勢によっては名目成長率以上に激しく振れると分析もされていますが、未曽有の事態となったコロナ禍前から決算年度におけます都税収の状況についてご説明の上、所見を伺います。

○辻谷税制部長 新型コロナウイルス感染症の影響により、企業収益が悪化したことなどから、令和二年度の都税収入は減収となりましたが、令和三年度以降は増収に転じ、令和五年度は前年度比二・九%増の六兆三千四百四十三億円となりました。
 都税収入が早期に増収に転じたのは、都や国による積極的な財政出動等により企業収益が持ち直し、その後も堅調に推移したことが主な要因と考えております。

○上田委員 堅調な今こそ、入るを量りていずるをなすということが大事だなというふうに、財務局でも、この税収の推移等を確認させていただいたところでございますので、こちら、入りの方の主税局でも確認させていただきました。
 主税局ビジョンでございます。
 eLTAX活用ほか各種納税者サービスの向上の状況と、実際に漏れない徴収、税収アップに貢献しているのか、資料も、eLTAX主要税目別利用状況の過去十年の推移ですね、これもぜひ委員の皆さんも見ていただきたいんですけれども、やっておしまいではなくて、着実に成果が出ているかと思料しますけれども、所見を伺います。

○入佐総務部長DX推進担当部長兼務 地方公共団体が共同で運営するシステムであるeLTAXを活用した電子申告の利用率は年々向上しております。また、都では、スマートフォン決済アプリ収納を導入するなどキャッシュレス納税の推進にも取り組んでおります。
 これらの取組は、いつでもどこでも申告や納税ができるなど、納税者サービスの向上に寄与するとともに、その利便性の高さから、税収確保にも貢献しているものと認識しております。

○上田委員 特に先ほど重要視しました法人二税に至っては、平成二十六年が利用率四七・五%から、五年度は八五・九%ということで、評価をしたいと思います。
 徴税についてですけれども、資料を確認しますと、極めて低いコストであることが分かります。確認させていただきました。
 個人都民税対策課では、個人都民税の徴収率向上のため、人材育成、業務連携及び情報連携を柱として、都と区市町村が連携した取組を推進していることのようですが、資料でも、都区連携で徴税への研さんをされていることを確認しております。
 この取組の実績、効果、徴税率アップに貢献しているかについて伺いたいと思います。

○上野特別滞納整理担当部長 都は、平成十六年度以降、個人都民税の徴収対策として、都職員の派遣や実務研修生の受入れ、困難事案の引受けなどの区市町村支援を実施してまいりました。
 この結果、平成十六年度に九一・三%だった個人都民税の徴収率は、令和五年度には九八・〇%まで向上いたしました。

○上田委員 あと二%で一〇〇%ということでありまして、この資料ですね、委員会資料は、徴税費と都税収入百円に対する徴税コスト、都税収百円に対する徴税コストが一・一六円ということでございまして、高く評価をしたいと思います。
 子育て支援税制でございます。
 個別の事案なんですけれども、児童館を特別区で運営している株式会社が、固定資産税の減免措置が受けられないことが判明しました。
 地方税法三百四十八条二項一号から四十五号までに、固定資産税を課さない対象を具体的に規定しています。福祉関連では十号に規定しており、十号の三では社福が児童福祉施設に用いる固定資産税は課税しない旨、規定されております。
 児童館は児童福祉法七条に規定する児童福祉施設ですので、社会福祉法人や公益社団法人、NPOとかは地方税法に基づき課税されません。都独自の取扱いとして、主税局において子育て支援に向けた税制制度の一環として、保育所などに使用する土地に固定資産税及び都市計画税の減免要綱を定めておりますが、保育以外で都独自に減免扱いしているものはなかったんですね。
 減免要綱第一条に目的を規定しておりますが、待機児童の解消に向け、民有地を活用した保育所等の整備促進を税制面から支援するためとしております。
 ただ、政府においては異次元の少子化対策、都においてはチルドレンファーストを爆速で進めているところですし、国も都も児童福祉においては民間活用を、これもまた進めているところであります。
 この事案も株式会社に決定するまでは、これもよかったんですね、民活だ、新しいメニューだということで、児童館を株式会社が受託するというのはすばらしかったんですけれども、その後、この固定資産税が減免にならないことに気づくというてんまつとなりました。
 子育て支援のメニューも請け負う事業者も、社福、NPO、株式会社と、よい意味で多様化してきた中での、まさに税制度のエアポケットという事例に私も出くわしました。
 固定資産税は、都区財調交付金の調整税となりますことから、定めた際には特別区とも協議を行っていると思料しておりまして、今後再検討の余地も考えておりまして、所見を伺います。

○辻谷税制部長 特定の税負担の軽減を図る政策税制は、事業所管局における施策の動向や効果、税収への影響など様々な観点から慎重に検討することが必要であると考えております。

○上田委員 児童館と保育所って連綿とつながるものでありますので、これ、皆さん、全然悪意なくつくってきた制度の中に、少し落とし穴といいますか、そこから漏れてしまうということがあったということで、ここはちょっと、まずは認識していただくことから始めていただければと思います。
 また、この制度については、認証保育所の設置を検討する事業者に対して、都は、制度の周知をしているということですが、ほかの認可保育施設にはどう周知されているのでしょうか。認証は東京都の鳴り物入り、石原慎太郎さんが立ち上げて、私もいろいろな子育て会議に当時は普通のママとしてですね、石原慎太郎と語ろう会なんて出まして、いろいろな提案させていただいて結実したものでございますから、都がやるのは、何かそうなのかなと思いますが、ほかの認可施設はどうなのでしょうか。
 具体的に主税局はどう関わっているのか、これまでの取組の実績も踏まえた所見と報告を伺います。

○齋藤資産税部長 民有地を活用した保育所等整備促進税制は、待機児童の解消に向け、民有地を活用した保育所等の整備促進を税制面から支援するため創設したもので、福祉局や特別区の所管部署と連携し、保育事業者を通じて土地所有者に広く周知を図っております。
 令和五年度の適用実績は八百三十六件、固定資産税及び都市計画税の減免額は約八億円であり、民有地を活用した保育所等の整備促進に寄与していると認識しております。

○上田委員 そうですね、民有地の整備も主税局で促進に寄与してくださっていると。
 また、東京都が持っている土地は、財務局にも確認いたしましたが、とうきょう保育ほうれんそうで、保育園にももちろん寄与していますけれども、最近は区市町村からの要望も聞いて、保育事業以外の使途にも使わせてあげていただいているということで、ある市の駐車場なんかに都有地も利用してもらっているということで、これもこうした財産管理とか、しっかりと確認をしていることでできるのかというふうに、あと、納税者を管理しているということで実現できているのかと思いますので、引き続きまして、ぜひ周知の徹底をお願いいたします。
 防災まちづくり推進に向けての税制制度ですが、こちらも資料をいただきました。対象となる区市町村も活用され、不燃化特区推進の事業に、こちら、本当に経年でかなり皆さん知らないところで、いろいろなご活用があるのかなと思っております。
 これ、税制が優遇されるということで手挙げも楽になって、不燃化特区推進の貢献をしているのではないかと思いますので、その所見を伺います。

○齋藤資産税部長 不燃化特区支援税制は、木造住宅密集地域のうち、特に重点的、集中的に改善を図るべき地域における不燃化のための建て替え及び老朽住宅の除却推進を税制面から支援するため創設したものでございます。
 これまで延べ一万八千七百六十八件、固定資産税及び都市計画税約二十三億九千万円を減免しており、事業所管局等における助成事業など様々な施策の効果と相まって、住宅の不燃化の促進に寄与しているものと認識しております。

○上田委員 地震、雷、火事、おやじといいますけれども、今度は耐震化の方の、こちらの促進税についてもお願いいたします。

○齋藤資産税部長 耐震化促進税制は、旧耐震基準に基づき建築された家屋の建て替え及び耐震改修等を税制面から支援することにより、災害に強い東京を実現することを目的として創設したものでございます。
 これまで延べ十八万二千六十二件、固定資産税及び都市計画税約二百十二億円を減免しており、事業所管局等における助成事業など様々な施策の効果と相まって、住宅の耐震化の促進に寄与しているものと認識しております。

○上田委員 私の選挙区の江戸川は人口も多いですし、また、下町の風情が残っておりますから木密対策も必須のところでありまして、資料を見る限りでも、江戸川区の方においてもしっかりと活用されていることを確認させていただきました。
 法人調査ですが、法人二税の調査事務が、近年様々な業態もありますし、外国人誘致ということでいろいろ何か、いろんな経営者や業態、あるいはベンチャー企業化ということも出てきまして、複雑困難化しております。
 そこで、令和四年度に大規模法人に対する調査を専門に行う法人特別調査班を課税部に新設し、法人調査体制を強化されております。適正、公平な課税を通じて、税収確保及び適正申告の実現につながると同時に、調査ノウハウを貯蓄、継承し、事務所へ還元していくことで、法人調査に関わる人材の育成、調査体制全体のスキル向上に取り組んでいます。
 法人特別調査班の人選はどのようにされ、通常業務プラスアルファでスキル向上をしているのか、具体的にご説明ください。また、実績、効果についてもお願いいたします。

○蓮沼課税部長 法人特別調査班では、都税事務所において、法人二税の業務経験が豊富な職員を配置しており、班内で調査事例の情報交換や意見交換を活発に行うことで職員のスキルアップを図り、組織全体のレベルアップにつなげております。
 こうした取組が、法人調査の件数、捕捉税額の増加につながっており、効果を上げております。

○上田委員 本当にデジタルな世の中になってきますけど、これはまさに徒弟制度、マエストロじゃないんですけど、この技術こそが、私は主税局の一番の財産ではないのかなというふうに思っております。
 また、その財産の一つでもあるんですけれども、本当創意工夫した滞納整理です。
 差押えに向けてタイヤロック、ミラーズロック、これ、要するに差し押さえられた車のタイヤをロックするとか、もういろいろなスキルと方法を持っているんですね。都税事務所職員の健闘、奮闘が目に浮かぶようでございます。
 滞納から滞納整理に至るまでの典型例などを挙げて、時系列、できれば最高額を押さえたときの話だの、臨場感を込めてご説明をいただければ幸いです。あわせて、決算年度の滞納整理状況もお願いいたします。

○小谷徴収部長 徴収部門では、納税交渉を行い、個々の納税者の実情を把握し、また納税の誠意が見られない場合には滞納処分を行うなど、状況に応じた滞納整理を進めております。
 令和五年度に差し押さえ、公売を行い、最高額となったものは、イタリア製の高級スポーツカーが約三千百万円で落札された事案であります。
 令和五年度の個人都民税を除く都税の滞納額は約五百八十三億円でありました。滞納整理を進めた結果、翌年度への滞納繰越額は約百六十二億円となりました。

○上田委員 イタリア製スポーツカー、何となく想定がつきますが、三千一百万でございました。
 こうして苦労の末に差し押さえた財産において、多角的公売を全国に先駆けて平成十六年からインターネット販売を開始しています。令和五年度は、動産等を対象とした競り売り方式を五回、不動産を対象とした入札方式を一回、合計六回の公売を実施、この公売は、捜索による動産、自動車の差押えに連動した公売の一手法として効果を上げているとのことで、高く評価をします。車からブランドバッグ、宝石など、涙ぐましい取組を痛感いたします。
 となりますと、マルサの女並みの目利きが職員においでだと思料いたしますが、一見見落としてしまうものの、実は付加価値が高い物品などを差し押さえているのか、これも事例を挙げて、例えば根付とかは、こんなにちっちゃいんですけど、すごい金額になったりしますので、ご説明いただければ幸いです。また、こうした公売の売却金額の近年の推移についても伺います。

○小谷徴収部長 インターネット公売で売却されている動産は、貴金属や腕時計などが代表的なものとして挙げられます。このように差押えとなる動産については、滞納者と納税交渉している中で判明する場合や、居宅や事務所の捜索を行って発見される場合などがあります。
 また、インターネット公売の売却金額の近年の推移は、令和三年度は約百三十万円、令和四年度は約三百五十万円、令和五年度は約四千三百万円となっております。

○上田委員 こうしたことを行うことで、全体の金額からすると小さくても、四千三百万とかっていうことで、これやっぱり人々に伝わっていくんですよね、差し押さえられたなということで。そうした形で徴税意識が高まっていくと思料いたします。
 生産緑地についてです。最後になります。
 資料の方も、皆さんの委員さんのところにも実は生産緑地ってまだ残っている、ほかの委員の自治体にも残っているのを注視していただきたいと思うんですけれども、都市化が進んでいるとはいえ、緑地保存策として生産緑地法に基づく農地の需要をこちらの方で確認することができました。
 近年、法改正も行われました。耕作放棄農家が実在するに当たっての管理指導は、東京都では産業労働局、これは農家に対してですよね、区市町村では農業委員会、税の見地では主税局と縦割りになっております。本来宅地並みの課税を取れる土地が恣意的に生産緑地に指定されているのは、都民の税金の確保のみならず、公平性の担保の観点から極めて重要でございます。
 なぜならば、江戸川区の、私は生産緑地議員といいましてですね、草ぼうぼうのところを全部指摘をして回って、区議のときは、もう税金取れ、税金取れといっていたんですけれども、農業委員会に私また無所属で入れない。大地主さんで何も手がつけられない。都議になって、主税局にお願いします、お願いしますといったら、結果的には宅地並み課税が課されることになりまして、やっぱり主税局の力を実感した次第でございます。
 こうした主税局は、生産緑地の課税に当たり継続的に現地調査を行われ、利用状況を確認しております。その上で、農地利用状況調査や農家への指導を行っております各区の農業委員会と情報共有を行うなどいたしまして連携を図りつつ、適正な課税に努めてきてくれたことを私も実際に経験をしております。
 近年及び決算年度において、生産緑地の実態がなく宅地並み課税を実施するなどの対応をした件数や、その税収などをご説明ください。

○齋藤資産税部長 特別区内の生産緑地農地として課税した実績は、令和五年度五千二十筆、令和四年度五千三百三十四筆となっており、令和五年度は、前年度と比較し三百十四筆を除外いたしました。これは、継続的な現地調査や区の農業委員会からの通知等に基づき実施したものでございます。
 農地課税から除外した筆は宅地並み課税をすることにより、近傍と同等の固定資産税を課税しております。

○上田委員 地元の名士だか何だか知りませんけれども、しっかりと徴税をしていただいていることを高く評価させていただき、また、公売も含めて、取れるところから軒並み取っていく主税局の今後の活躍に期待をさせていただきまして、私の質問を終わります。
 以上です。

○河野委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○河野委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で主税局関係を終わります。
 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後三時四十分休憩

   午後三時五十九分開議

○河野委員長 休憩前に引き続き分科会を開きます。
 これより政策企画局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、政策企画局長に佐藤章君が就任されました。
 佐藤局長から挨拶があります。
 佐藤章君を紹介いたします。

○佐藤政策企画局長 去る十月十五日付で政策企画局長を拝命いたしました佐藤章でございます。
 河野委員長はじめ委員の皆様方のご指導、ご鞭撻をいただきながら、全力で事務事業に取り組んでまいる所存でございます。
 どうぞよろしくお願いいたします。

○河野委員長 挨拶は終わりました。
 次に、先般の人事異動及び過日の委員会で紹介できませんでした幹部職員について、局長から紹介があります。

○佐藤政策企画局長 さきの人事異動に伴い就任いたしました当局の幹部職員を紹介させていただきます。
 総務部長の早川八十でございます。
 続きまして、過日の分科会を欠席させていただきました当局の幹部職員を紹介させていただきます。
 カーボンハーフ担当部長で大学連携担当部長及び都市強靱化プロジェクト担当部長を兼務いたします佐藤義昭でございます。外務部長の村永伸司でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○河野委員長 紹介は終わりました。

○河野委員長 決算の審査を行います。
 令和五年度東京都一般会計決算中、政策企画局所管分を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○早川総務部長 十月九日の分科会におきまして要求のございました資料についてご説明申し上げます。
 お手元資料、令和五年度各会計決算特別委員会第一分科会要求資料の目次をご覧ください。資料は全部で七点でございます。
 初めに、一ページをご覧ください。小池知事の海外出張の状況でございます。
 次に、五ページをご覧ください。外務長の海外出張の状況でございます。
 次に、八ページをご覧ください。夏の全国知事会議の都知事出欠状況でございます。
 次に、九ページをご覧ください。九都県市首脳会議の都知事出欠状況でございます。
 次に、一〇ページをご覧ください。海外要人等と知事の面会の件数、相手国(地域)・所属組織・目的一覧でございます。
 次に、一七ページをご覧ください。秘書事務として受理した知事宛て陳情書、投書でございます。
 最後に、一八ページをご覧ください。「未来の東京」戦略、TOKYO強靱化プロジェクト、東京グリーンビズ、シン・トセイ都政の構造改革QOSアップグレード戦略、東京ベイeSGプロジェクトの時系列、関連局及び具体的事業でございます。
 以上で資料の説明を終わらせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

○河野委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○石島委員 都政を取り巻く環境を見渡しますと、国際情勢は不安定さを増し、世界経済の先行きはますます不透明となっています。
 国内に目を向けましても、進行する少子高齢化や激甚化する自然災害など、東京が直面する課題の解決は一層困難なものとなっています。
 こうした中において、東京が世界一の都市へと成長していくためには、国や地方、海外都市といった様々なプレーヤーと連携を深め、東京の都市力を高める取組をより強固に推進していくことが必要です。本日は、こうした観点から質問をさせていただきます。
 まず初めに、国との連携の取組について質問します。
 東京の都市力を高め日本全体の成長につなげていくためには東京の活力の増進が必要であり、東京の重要施策の実現に対する国の協力が不可欠であります。
 こうした観点から、平成三十年十二月、都議会自民党、そして自民党東京都連の要望を踏まえ、当時の菅官房長官より、東京の重要な政策について、国が最大限に協力し、その具体的な推進を図るべく、国と都の実務者協議会を設置することが示され、平成三十一年一月にこの協議会が立ち上がりました。都が直面する課題の解決に向けては、この実務者協議会をいかに活用し、具体的な成果につなげていくかが重要であります。
 そこで、これまで実務者協議会を通じて、どのような内容について協議したのか伺います。

○赤塚政策担当部長 東京の国際競争力を強化し、国全体の発展に資する様々な重要施策を進めるべく、平成三十一年に設置された実務者協議会を積極的に活用し、国への働きかけを行ってまいりました。
 具体的には、首都圏空港、港湾機能の充実や、道路ネットワークの早期完成、首都圏鉄道網の拡充などのハード整備のほか、東京の都市力向上につながる国際金融都市の実現や、DXの推進、少子高齢社会への備えなど、都の重要施策について協議を進めてまいりました。
 これに加え、令和五年度からは、スタートアップの推進や、エネルギー、脱炭素化の推進、世界陸上とデフリンピック開催への支援について新たに協議を開始するなど、国の予算化や制度構築などに向けて働きかけを行っております。

○石島委員 かねてより協議してきた要求内容に加えて、時勢に応じた喫緊の課題にも対応するなど、工夫して取り組んでいるとのことでした。
 そうした取組によって、実務者協議会では、これまでにどのような成果が上がったのか、主な進捗状況について伺います。

○赤塚政策担当部長 これまでの継続的な協議により、鉄道や道路などの重要なインフラの整備促進や、国際都市としての東京への投資を促す規制緩和などを着実に実現してまいりました。
 例えば、羽田空港では、空港容量の拡大や空港アクセスの強化など、機能強化が進められております。東京八号線及び品川地下鉄では、令和四年に国の事業許可を取得し、本年六月の都市計画決定につながっております。
 また、国際金融都市の実現に向けては、高度外国人材の家事使用人の雇用要件が緩和されました。
 世界陸上とデフリンピックでは、本年二月に国として協力することの閣議了解を得るなどの成果につながりました。

○石島委員 幅広い分野で成果が出ているということは理解しました。
 首都東京のさらなる発展のためには、我が党の働きかけにより設置された実務者協議会の場も活用して、いかに国から早期かつ具体的な協力を引き出せるのかが重要であります。
 今後も協議事項については不断に見直し、その時々において重要な課題は反映させるめり張りをつけるなど、必要な対策を国と協議していくことを要望します。
 次に、東京と全国各地との連携について伺います。
 東京は、日本のエンジンとして日本全体の成長を牽引していく役割を担っており、東京の成長が地方の底上げにもつながっていきます。一方で、東京の都市活動は地方で生産された食料やエネルギーなどに支えられており、東京と地方が共に発展していくことが、東京が世界一の都市へと成長していくために必要不可欠であります。
 そのために、地方の発展に向けて、東京が汗をかき、貢献することが重要であることを、我が党は一貫して主張してまいりました。全国各地に赴いて、現地の生の声や情報をしっかりと聞きながら、東京と地方が互いに連携する必要があります。
 昨年度、都は地方との連携にどのように取り組んだのかお伺いします。

○赤塚政策担当部長 日本全体の成長と発展を実現していくためには、国内でパイの奪い合いをするのではなく、東京と地方が共に支え合い発展する共存共栄の取組を進めることが重要でございます。
 そのため、都は、各道府県の東京事務所や本庁を直接訪問し、スポーツや文化の振興、環境対策、復興支援など幅広く意見交換を行い、地方の声を丁寧に聞き、具体的な連携ニーズを把握してまいりました。
 こうしたニーズを都庁内の地方連携推進PTにおいて速やかに共有し、連携事業の推進に向け全庁を挙げて取り組んでまいりました。また、東京の強みである発信力を生かして、全国各地のイベント等を紹介する共存共栄ポータルサイトや、相互に事業や魅力等をPRする取組を実施し、道府県の情報発信ニーズに応えてまいりました。

○石島委員 道府県の東京事務所や本庁の訪問等を通じて、地方の実情をしっかりと聞き、連携に向けて取り組んできたとのことです。引き続き、地方の声に真摯に耳を傾けていただきたいと思います。
 東京と全国各地が共に発展していくためにも、地方連携の取組を着実に進め、具体的な成果を上げていくことが必要です。東京と全国各地の連携の昨年度の成果について伺います。

○赤塚政策担当部長 これまで道府県のニーズを踏まえ、各地の農林水産物の販売促進や山梨県産グリーン水素の都内での活用などを進めてまいりました。
 令和五年度は、新たに山形県と女性視点を生かした観光推進に向け協議会を設置するとともに、観光キャンペーンなどを実施いたしました。また、相互PR事業においては、愛知県や石川県など七県と合意書を締結し、各地方の魅力のPRやイベントの周知、復興支援などを実施いたしました。
 これらの取組を通じて、人や情報、企業活動などが集積する東京の強みを生かすとともに、高度化、広域化する行政課題に対し、地方との連携を深めることで国全体の活性化につなげております。

○石島委員 観光振興や環境などの分野において、全国各地と連携する都の取組が地方の発展に貢献しているとの答弁でありました。
 これらの分野に加えて、第三回都議会定例会の代表質問でも申し上げましたが、都の強みであり、今後の地方の成長においても重要なポイントたるデジタルやスタートアップ等の分野における連携が重要です。
 GovTech東京を通じたデジタル化のサポートや、Tokyo Innovation Baseの活用によるスタートアップの活性化の働きかけなどをしっかりと進めていただくよう要望させていただきます。
 最後の質問になりますが、海外との連携について伺います。
 世界で一番の都市東京を実現するためには、世界の中における東京のプレゼンスを高めていくことが不可欠です。そのためにも、気候変動や激甚化する自然災害への対応など、世界の都市が共通する大きな課題に直面する中において、都が海外都市との連携をさらに深めながら、これらの課題解決に向けた取組を牽引していくことが重要です。
 都はこれまでも、シティ・リーダーズプログラムをはじめとした国際会議の開催や海外への出張などを通じて、相互に人が行き来することによって、多くの海外都市との間で良好な関係を構築してきました。
 また、各都市との合意書の取り交わしや多様な国際ネットワークへの参画など、海外都市の連携に向けて様々な取組も展開しています。
 そこで改めて、海外都市との連携強化に向けた取組の実施状況について伺います。

○村永外務部長 都は、世界から選ばれる都市の実現に向け、環境や先端インフラ技術など、東京の強みを生かした東京発の世界的ネットワークの構築や、二都市間、多都市間の交流を通して、都政の国際展開力の強化を図ってまいりました。
 令和五年度は、ヘルシンキやロサンゼルス等を訪問し、子育て施策や危機管理に関する意見交換を行うなど、様々なレベルで先方との関係を構築いたしますとともに、ニューサウスウェールズ州やアブダビ首長国といった都市との間で、環境、教育、都市づくりなどに関する合意書を締結いたしました。
 また、U20などの国際ネットワークに参画し、都の施策について発信するほか、本年五月のシティ・リーダーズプログラムの開催を見据えた海外都市との調整を推進いたしました。

○石島委員 都として、様々な形で幅広い分野における海外都市との連携強化に向けた取組を進めているということは理解しました。
 東京を世界で一番の都市としていくためには、こうした取組を東京のプレゼンスの向上と都の施策の発展へと着実につなげていくことが求められます。
 さらに、海外都市の方が東京を訪れる機会となる都内での国際会議の開催に当たっては、その内容を充実させていくことが今後ますます重要になってきます。
 都は、都が立ち上げた国際ネットワーク、G-NETS、Global City Network for Sustainabilityにおいて、様々な取組を展開していますが、改めて、G-NETSの特徴と昨年度の取組状況について伺います。

○飯野国際戦略担当部長 都市の時代といわれる現在、激甚化する自然災害や気候危機などの課題は、都市において先鋭的に表れております。
 このため都は、海外都市との知見の共有や連携強化を図ることで、世界の都市が共通して抱える課題の解決を目指し、令和四年度にG-NETSを設立いたしました。
 G-NETSは、首長級、実務責任者級、実務担当者級の三つの階層構造を有することを特徴としておりまして、それぞれのレベルにおいて課題解決に向けた多角的な議論を行い、知見の共有などの取組を推進しております。
 令和五年度は、実務担当者によるワーキンググループを開催し、女性活躍や自然災害への適応などの取組に関する知見を共有いたしました。
 また、二月に開催した実務責任者級会議には五十一都市が参加し、都と海外都市が連携して進める共同プロジェクトに関する合意を形成するとともに、五月のシティ・リーダーズプログラム開催を見据えて、安全・安心や環境などのテーマに関する議論を実施いたしました。

○石島委員 このG-NETSは、世界の都市が抱える共通課題の解決を目指して実践的な取組を重ねていく大変意義深い取組であります。東京を訪れた海外都市の方々に有意義であったと感じていただけるよう、引き続き内容の充実を図っていただきたい。
 今答弁にありました共同プロジェクトについていえば、今年度はスタートアップとの連携などの取組が本格的に動き始めたと聞いています。引き続きしっかりと取り組んでいただくことを求めて、質問を終わります。

○藤井委員 それでは、政策企画局への決算の質疑をさせていただきたいと思います。
 最初に、東京ベイeSGプロジェクトに関連しまして、都が進める空飛ぶクルマの社会実装について伺います。
 本年五月のSusHi Tech Tokyo 二〇二四では、私も視察をいたしましたが、東京ビッグサイトで空飛ぶクルマの都内での初飛行を行ったところであります。
 空飛ぶクルマの実装に向けましては、機体の開発や各地への離着陸場、いわゆるバーティポートの整備、そして運航事業者をはじめ、様々な企業が関わることとなります。
 私は、そのような企業を巻き込むためにも、いつまでに何をするのか目標を持って取り組むことができるよう、都としても計画的に進める指針となるロードマップが必要だと昨年九月の一般質問でも提案をし、会派の代表質問や予算特別委員会でもこの空飛ぶクルマに関しては推進をしてまいりました。
 そこで、昨年度、令和五年度の空飛ぶクルマの社会実装に向けた取組について伺います。

○有江都市強靱化プロジェクト担当部長東京eSGプロジェクト推進担当部長次世代モビリティ推進担当部長兼務 都は、東京ベイeSGプロジェクトにおいて、空飛ぶクルマに関する事業を採択し、社会実装に向け取組を進めてきました。
 さらに、取組を加速するため、本年一月にロードマップを策定いたしました。ロードマップでは、機体メーカーや運航事業者、通信や管制システムの関係者などが一堂に会し、一体的に取り組む場を構築し、具体的な議論を進め、実装に向けた環境を整えることといたしました。
 今後、国における機体認証や離着陸場、運航の基準などの検討状況を踏まえつつ、二〇三〇年代の市街地への展開を目標として、空飛ぶクルマの活用事例を積み上げていくこととしております。

○藤井委員 ありがとうございます。
 私の一般質問での提案も踏まえて、空飛ぶクルマの社会実装までの道しるべとなるロードマップを作成したこと、これは高く評価をしております。ロードマップを基に、事業者等を巻き込んで着実に進めていただきたいと思います。
 国内では、当初、来年の大阪万博に向けて空飛ぶクルマにお客様を乗せたフライトを実施するとのことでしたが、機体認証等が間に合わないということもありましてデモフライトのみとなり、商用運航は見送りとなったのが今の現状であります。
 民間事業者からは、以前より、ぜひ都内での飛行を実現したいという声も上がっておりましたし、また、空飛ぶクルマは新たな移動手段として非常に夢のある取組でもありますので、官民が連携して、ぜひ東京で実現をしていただきたいと思います。
 最先端技術の社会実装に向けて東京の国際的なプレゼンスを高めていくためには、東京発日本の技術を世界にしっかりとアピールしていくことが重要です。
 eSGプロジェクトでは、官民連携により社会課題解決に資する様々な新技術を国内外に広げる取組を進めていますが、令和五年度はどのような発信を行ってきたのか伺います。

○久松東京eSGプロジェクト推進担当部長 東京ベイeSGプロジェクトでは、その理念である持続可能な未来の都市モデルを国内外へ広げるため、東京ベイeSGパートナー制度をつくり、官民学連携で最先端技術を発信しております。パートナーには二百を超える企業、団体が参画し、国内外大規模展示会に出展しております。
 昨年度は、多くの外国人も訪れる国内の展示会や、海外で開催されたスマートシティの展示会などへ出展し、無色透明の発電ガラスや舗装式の太陽光発電、3Dフードプリンターなど、海外からも注目を集める新技術を紹介し、東京発日本の技術を発信いたしました。

○藤井委員 ありがとうございます。
 ご答弁にありましたパートナーの一覧等、二百を超える企業、団体が参画しているということですが、大企業から、メディアであったりとか、大学など様々な参加があり、その中で交流をしたり、また国内外の展示へ出展されているということでありました。東京発の技術を発信されているということで、非常に期待をしているところであります。
 私も、二〇二〇年の予算特別委員会において、当時は産業労働局に、CESなど、日本発の企業を派遣することを提案しておりまして、まさに、ベイeSGプロジェクトの中では、そういった取組をされているということで確認をさせていただきました。しっかりと日本発の技術をこれからも届けていってほしいと思います。
 その成果についても確認をしたいところなんですが、ちょっと通告をしていなかったので、今後の事務事業質疑等で確認をさせていただきたいと思います。
 続きまして、Children、Choju、Communityのいわゆる三Cの区市町村への補助事業についてお伺いをいたします。
 私の地元町田市でも東京都のこの補助を活用しまして、学校を拠点に地域の学生による学習支援などを行うコミュニティ活性化事業や、高齢者のデジタルデバイド解消事業が行われたと聞いております。
 積極的に補助を活用する区市町村では、分野を横断した先進的な事例も生まれていると私たちの会派の福島都議からも聞いておりまして、そこで、この子供・長寿・居場所区市町村包括補助事業につきまして、これまでの実績とChojuやChildrenとCommunityが連携した好事例について伺います。

○佐久間理事 お話の三C補助による支援は、令和五年度までの三年間で、子供分野で二十自治体、長寿分野で二十三自治体、コミュニティ分野で十七自治体まで広がっております。
 連携した事例といたしましては、立川市において、地域のコミュニティ施設で高齢者による子育て世代を対象とした裁縫教室等を開催し、子育て世代の孤独、孤立防止や、高齢者の社会参加を促進する事業を支援しております。
 このほか、利島村において、子供の遊び場や学習スペースと併設した施設におきまして、移住者が地元の高齢者から郷土料理などの伝統文化を学び、交流する事業などを支援しております。

○藤井委員 ありがとうございます。
 まさに、子供や子育て世代、そしてご高齢の方が地域のコミュニティでいろいろと交流をするという事例、答えていただきました。
 これまでの町会、自治会、これはどうしてもコロナ禍もあったりとか、だんだんと加入率が下がっていたりとか、力が落ちているといわれている中で、新しい事例をつくって、それをまた既存のそういった仕組みの中にも返していくというのがこの事業自体のコンセプトだと思いますので、しっかりと好事例をさらに発展させていただきまして、横展開していくことに期待をしております。
 続きまして、戦略広報の取組について確認をさせていただきます。
 最近の「広報東京都」に関連してちょっと質問をしたいなと思っております。
 著名人の方であったりとか、デザインであったりとか、大変最近分かりやすい、表紙が目を引くようになっているものに変わってきたなというのを感じているところであります。
 What’s脱炭素化みたいな形であったりとか、これまでの「広報東京都」だと、どうしても役所がつくる、何かあまり手に取りたくないようなものだったのが、一目で目を引くようになっておりまして、そして中身も大変分かりやすくて、以前とは大きく変わってきたことを感じているところであります。
 「広報東京都」について、昨年度をはじめ、これまでどのような工夫をしてきたのか、その変化に対して都民の評価等の声があれば、併せてお伺いいたします。

○伊藤戦略広報担当部長 「広報東京都」は、五十代以上の方が主たる読者層でございますが、昨年度、若年層を含め、幅広い方々に読んでいただくため、紙面のリニューアルを行いました。
 具体的には、漫画家や著名人を起用した興味、関心を喚起する表紙デザインや、都政の理解を促進する企画記事の充実などにより、見やすく、読み応えのある紙面となるよう工夫してまいりました。
 その結果、リニューアル後の調査では、約八割の方々にレイアウトや記事の見やすさを評価していただいたほか、小学校の先生からは授業で活用したいとの声もいただきました。
 今後とも、こうした都民の評価等を改善に生かすとともに、都政への共感を呼ぶ紙面づくりに取り組んでまいります。

○藤井委員 ありがとうございます。
 「広報東京都」についてのリニューアル等について、ご答弁をいただきました。
 リニューアル後の調査では評判が、八割の方々が見やすさを評価しているということであったりとか、小学校等で活用するというような声もあったということでありまして、しっかりとリニューアルの効果も出ているということで、今後もまたこういった分かりやすい発信、東京都の特に重要施策についての発信に期待をしているところであります。
 政策企画局は、今ご答弁いただきました「広報東京都」のような紙媒体から、またデジタルサイネージやウェブ媒体など、様々な広報媒体を活用して広報を行っておりますが、どのような広報効果の分析をして、どのような結果があったのか、昨年度の取組、お伺いいたします。

○伊藤戦略広報担当部長 都では、ウェブ媒体の視聴数やクリック率のアクセス解析、都民へのアンケート調査など、多角的な分析を行い、ターゲットに届く効果的な広報を展開しております。
 例えば、TOKYO強靱化プロジェクトでは、過去の防災広報を検証し、若年層の関心の低さが判明したため、若年層に人気のタレントを起用した短編動画をSNSで発信し、二百万回を超える再生がございました。
 また、HTTの広報におきましても、ターゲットになる都民の年代等の属性情報を分析し、「広報東京都」やデジタルサイネージを含む効果的な媒体を選択して広報を展開してまいりました。
 さらに、各局に対し、目標設定や効果測定の研修を実施するなど、きめ細やかな支援により全庁的な広報のPDCAサイクルの推進を図ってまいりました。

○藤井委員 ありがとうございます。
 ご答弁にありましたウェブ媒体の視聴数やクリック率のアクセス解析というのがありましたが、私たちもこれまで要望しておりまして、都庁のサイトにはグーグルアナリティクスというウェブサイトのアクセス解析、分析ツールが使えるようになっているかと思います。この活用を進めてきているというご答弁だったというふうに理解をいたしました。
 また、都庁では、ウェブの方はこういった分析が今進んでいるというご答弁でしたが、紙の広報物というのも非常に多いので、ぜひ今後はウェブに限らず、難しいことは理解しておりますが、紙媒体や、またデジタルサイネージにおいても、効果分析に取り組んでいただけますと幸いでございます。
 戦略広報では、ポータルサイト、My TOKYOを公開し、都民個人個人に合った情報提供を開始しているところであります。
 つくって完成ではなく、ユーザーテストなどを繰り返し改善しているところでありますが、昨年度行った改善とその課題や、結果としてアクセス数の改善など、どのような効果があったのかお伺いをいたします。

○西田戦略広報担当部長企画担当部長DX推進担当部長兼務 My TOKYOにつきましては、昨年四月にユーザーの利便性を高める視点から、興味ある分野を選択することでその分野の関連情報も表示されるなど、パーソナライズ機能の充実を図っております。
 昨年度は、ユーザーテストにおきまして、ぴったりの有意義な情報が見つかったとの回答が低かったことから、よりユーザーの嗜好に合った記事に出会えるよう、トップページに掲出するお勧めの記事を六から十二に増やす改善などを行いました。
 こうした取組によりまして、My TOKYOのページビュー数は令和四年度の約八十万回から、令和五年度は約百二十万回に増加いたしました。

○藤井委員 今ご答弁の中で令和四年度の八十万回から、令和五年度は百二十万回にページビュー数が約一・五倍になったというご答弁がありました。
 また、その人に合った、ぴったりな情報が提供できているということで、それであればサイトの利用時間も伸びているのではないかと推測できるところであります。
 My TOKYOのアクセス自体は百二十万回ということで、都庁全体のアクセス数から考えると、まだ物足りないものがあるところではありますが、My TOKYOを使ってアクセスしてくださっている方々は、都のいわゆるロイヤルカスタマーに当たるような方々ではないかと思います。
 サイトを改善し続けて、こういった方々がより使っていただいて、それがさらに広がっていくということが非常に重要だと思いますので、取り組み続けていただきたいと思います。
 最後の質問になりますが、最近、フェイクニュースといわれるような事実と異なる主張が発信されたり、意図的に切り抜かれた情報だったりとかがSNSに拡散されることが増えております。
 情報が正しく伝わらずに、誤解や混乱を招く事態というのが社会問題にもなっているところであります。一度炎上すると、なかなか落ち着く、鎮火するのが難しい面もありまして、リスクコミュニケーションというのは非常に重要だと考えております。
 戦略広報では各局支援にも力を入れているところでありまして、都民の理解と共感が不可欠な重要政策である〇一八サポートやプロジェクションマッピング、新設住宅へのソーラーパネル設置では、どのような支援を行ってきたのかお伺いをいたします。

○伊藤戦略広報担当部長 都民に正しい事実をしっかりと伝えることが重要であることから、戦略広報部では、各局が効果的かつ分かりやすい情報発信を行えるよう、専門的見地から広報支援に力を入れております。
 〇一八サポートでは、円滑に申請が行えるよう、申請方法を解説する動画制作を支援し、子育て世代にSNS発信を行った結果、申請率約九割を達成いたしました。
 都庁舎のプロジェクションマッピングでは、その意義や魅力を正しく理解していただくため、プレス資料の作成やデジタル配信を支援し、国内外のメディアに露出した結果、多くの方にご来場いただきました。
 新築住宅等への太陽光パネル設置義務化では、取組の重要性を分かりやすく解説したファクトシートの発信を支援するとともに、動画や特設ホームページ等、様々な広報手法の活用を助言し、施策への認知、理解促進につなげました。

○藤井委員 ありがとうございます。
 最初にご答弁いただきました都民に正しい事実をしっかりと伝えることが重要であるということで、ファクトシートをつくったり、正しい情報というのを正確に伝えていくということでご対応いただいたことが確認をできました。
 これからも多分こういったことも起きてくるかと思いますので、適宜支援をいただければと思います。また、我々の方からも提案をさせていただきたいと思います。
 最後になりますが、政策企画局は、東京ベイeSGプロジェクトを通じて新技術やスタートアップの支援を直接的にまさに行っているところでありますが、今質問をしました戦略広報もはじめ、今後の政策企画局自身の事務事業を進めるに当たりまして、都庁で進めているスタートアップの直接的な契約だったりとか、利活用を通じた業務の改善、こういったことにもぜひ検討してほしいと思いますので、要望させていただきまして、私の質疑を終えさせていただきます。ありがとうございました。

○たかく委員 私の方からも、東京ベイeSGプロジェクトについて何点か質問させていただきます。
 東京が抱える様々な社会課題を解決し、都民が安心して生活していくためには、最先端技術の活用が必要であると考えております。東京ベイeSGプロジェクトでは、そのような最先端技術の実装に取り組んでいるとお聞きしております。
 今年五月に開催されたSusHi Tech Tokyo 二〇二四のショーケースプログラムでは、東京ベイeSGプロジェクトで実装を進めている最先端技術が紹介されておりました。私も訪問させていただきましたが、海の森エリアの会場では、洋上に浮かぶ太陽光発電や移動が簡易な風力発電などのテクノロジーを実際に子供たちが体験する姿を見ることができて、未来につながるイベントであったんではないかと考えております。
 最初に、この東京ベイeSGプロジェクトの目的について伺います。

○久松東京eSGプロジェクト推進担当部長 東京ベイeSGプロジェクトは、ベイエリアを舞台に最先端技術の社会実装を進め、未来の都市像を発信するプロジェクトでございます。
 五十年、百年先を見据え、自然と便利が融合する持続可能な都市をつくり上げていくとともに、こうした世界が目指すべき都市像を発信することで、国際的なプレゼンスを高めながら未来の東京を築いていくことを目的としております。

○たかく委員 自然と便利が融合する持続可能な都市をつくり上げていくとともに、都市像を発信し、国際的なプレゼンスを高め、未来の東京を築いていくということで、目的は理解いたしました。
 私が実際に見た最先端技術では、この目的を実現するため、東京ベイeSGプロジェクトが先行プロジェクトとして中央防波堤エリアでの実装を進めているとお聞きしました。
 先行プロジェクトでは、令和四年度からスタートして、毎年新たな事業を想定しているとのことですが、令和五年度に採択された事業について伺います。

○有江都市強靱化プロジェクト担当部長東京eSGプロジェクト推進担当部長次世代モビリティ推進担当部長兼務 先行プロジェクトは、最先端技術の社会実装を進めることで、直面する社会課題を解決することを目的としております。
 次世代モビリティー、最先端再生可能エネルギー、環境改善・資源循環の三つのテーマで募集を行い、令和五年度は六件を採択いたしました。具体的には、空飛ぶクルマや水素生産船、コンクリートへのCO2固定化などの事業であります。
 こうした取組に対して、三か年を事業期間として、必要なフィールドの提供や支援費の支出、国をはじめとする関係機関との調整など、実装に向けた支援を行っております。

○たかく委員 今のご説明では、空飛ぶクルマ、また水素生産船、コンクリートへのCO2固定化などの事業を行っていると。
 今、説明のあった三事業について、具体的にどのように進捗があったのか伺います。

○有江都市強靱化プロジェクト担当部長東京eSGプロジェクト推進担当部長次世代モビリティ推進担当部長兼務 空飛ぶクルマは、国土交通省をはじめとした関係機関と飛行に向けた安全対策などの調整を行いました。
 水素生産船は、事業者による船の設計に加え、海上保安庁など関係機関と航行ルートに関する調整などを行いました。
 コンクリートへのCO2固定化は、中央防波堤エリアにコンクリートブロックを設置し、データ測定などを開始いたしました。

○たかく委員 今、具体的に取組については確認させていただきました。
 今年度も新たに五件の事業を採択したと聞いております。これらを今後もしっかりと支援して、社会実装につなげていっていただきたいと思います。
 あわせて、技術の社会実装に向けて、多くの人々の理解を得ていくことは欠かせないと思います。理解の促進には、SusHi Tech Tokyo 二〇二四で私も体験したように、実際に技術に触れていただくことが何よりも有効と考えております。
 令和五年度には、人々の理解を得ていくために、どのような取組を行ってきたのか伺います。

○有江都市強靱化プロジェクト担当部長東京eSGプロジェクト推進担当部長次世代モビリティ推進担当部長兼務 最先端技術の社会実装を進めるためには、その安全性や利便性等を多くの方々に理解していただき、技術が広く受容されていくことが重要であり、国内外へ取組を発信することが不可欠であります。
 そのため、令和五年度には、東京国際フォーラムにて先行プロジェクトの技術を紹介する展示を行い、二日間で延べ約六千人の方々に来場いただきました。
 また、プロジェクトを官民学連携で推進する東京ベイeSGパートナーと共に、ジャパンモビリティショーやバルセロナでのスマートシティエキスポなど、国内外の大規模展示会に出展し、幅広い方の理解を得る取組を進めてまいりました。
 さらに、未来を担う子供たちから、人気ゲーム、マインクラフトを通じ、まちづくりのアイデアを集め、その姿をウェブで発信するなど、様々な世代に向けて働きかけてまいりました。

○たかく委員 海外から多くの人が訪れるイベントや海外のイベントへの出展、こういったことで日本の持つ高い技術力を直接PRすることは非常に有意義な取組であると考えます。
 今後も着実に取組を進めて、多くの最先端技術を社会に広げることで東京のプレゼンスを高め、都民の豊かな生活につなげていただきたいと要望し、質問を終わります。

○鈴木委員 重なってしまって恐縮ですが、私も空飛ぶクルマの事業について伺いたいと思います。
 東京都は、東京ベイeSGプロジェクトにおいて、空飛ぶクルマに関する事業を実施しているわけでございます。機体の開発は当然民間企業が行っておりまして、東京都はあくまで、空飛ぶクルマの社会実装のためのインフラ整備及びその検討を担っているというふうに理解をしています。
 ただ、先日、市民の方から、東京都が空飛ぶクルマを開発していると聞いたんだけど、それは民間の仕事じゃないの、そんなこと東京都の仕事じゃないんじゃないのという疑問の声をいただきました。
 正直申し上げて私自身も、まちづくりの長期的な観点から、交通インフラの整備のために民間の事業に関わることはあり得るというふうに思っているんですけれども、一方で、国や自治体などの公共の団体が、どういった最先端技術が将来社会インフラになるのかって分からないわけですから、そういう段階で分不相応に最先端技術の事業に深入りすることを懸念しているというのが正直なところでございます。
 そこで伺いたいんですが、まず、空飛ぶクルマの事業について、東京都が取り組む意義を東京都がどのように考えているのか、説明をいただきたいと思います。

○有江都市強靱化プロジェクト担当部長東京eSGプロジェクト推進担当部長次世代モビリティ推進担当部長兼務 空飛ぶクルマの社会実装は、渋滞の回避や交通不便地域における移動手段の確保など、東京が抱える社会課題の解決策となり得るため、「未来の東京」戦略に位置づけ、官民連携して取組を進めております。

○鈴木委員 渋滞の回避や交通不便地域における移動手段の確保というのは確かに重要な社会課題で、東京都が関わることに意義がある社会的な課題だというふうに理解をしました。
 一方で、多摩地域選出の一議員としては、運転手不足によるバス路線の減便や廃止の方が交通不便地域における移動手段の確保としては非常に重要な問題でして、ほかにもっと調査研究、もしくは支援していただきたい社会的な課題ってあるんじゃないのかなというふうに感じているところでございます。
 一方で、せっかく始めた事業ですし、空飛ぶクルマが多摩地域の交通問題に貢献する日が来るのかどうか分かりませんけれども、そこは、せっかく始めた以上は、しっかりと答えが出るようにやるべきことをやってもらいたいなというふうに思っているところでございます。
 ここで二つ目の質問なんですけれども、このプロジェクトにおいて、東京都は民間企業から提案を受けて事業を採択して、実装に向けた支援を行っているというスキームだというふうに伺っています。
 令和五年度に採択した事業はどのような計画の下で提案され、その計画に対してどんな実績が上がっているのか説明をいただきたいと思います。

○有江都市強靱化プロジェクト担当部長東京eSGプロジェクト推進担当部長次世代モビリティ推進担当部長兼務 令和五年度は、空飛ぶクルマに関する事業を二件採択し、事業者と共にプロジェクトを推進してまいりました。具体的には、海上へ浮かべる離着陸場の整備及び実証などを行う事業と、実機による飛行実証を行う事業であります。
 いずれも、令和五年度は計画どおり実証に向けた準備として、国をはじめとした関係者との調整等を行いました。

○鈴木委員 ありがとうございます。
 ご説明を伺っていると、令和五年度はいろんな調整をしていただいて、令和六年度に、いよいよその成果として、空飛ぶクルマの飛行実証を海上に浮かべる完成した離着陸場を使って行われるのかなというふうに理解をしたところでございます。
 実証実験という段階なのでしょうから、成功することもあれば失敗することもあるかと思います。こういう巨大なプロジェクトでございますので、役割分担とスケジュール管理を明確化して、社会実装に向けて試行錯誤を繰り返していくことが大切なんだろうと、一般論として考えるところでございます。
 懸念するのは、社会実装がゴールのはずですので、イベントばっかりいろんな華やかなものを行って、結局目指していた空飛ぶクルマの社会実装ができないまま雲散霧消してしまうとか、もしくは実現の見込みが立たないのに、いつまでも事業を継続することにこだわって無駄な公費が投入され続けるということは絶対に避けていただきたいなというところでございますので、担当部門の皆様には、しっかりと進捗状況を議会に報告して、都度議論に付すというふうにやっていただきたいということを要望して、私の質問を終わりにさせていただきたいと思います。

○もり委員 最初に、知事の海外出張についてお伺いいたします。
 小池知事の出張先は隣接する国々や近隣の親日国、東南アジアとの交流より、アラブ諸国に比重を置いており、偏っているその理由についてお伺いをいたします。

○村永外務部長 知事の海外出張は、国際会議への出席等による東京の取組や魅力の発信、海外都市との連携強化等を目的に実施しておりまして、目的を踏まえて出張先を決定しております。
 なお、近年、COPをはじめ、多くの国際会議が中東で開催されております。

○もり委員 知事の学歴問題においても様々な疑義がある中で、令和四年には公務で二回にわたってエジプト・カイロに出張されています。令和五年度は都立高校生の国際交流について、新規にエジプトが新たな派遣先として都立高校の生徒十二名が派遣をされました。
 首都東京として、多様な国々との交流を深めることはすばらしいと感じる一方で、知事がカイロに出張したことで、どのような便宜が東京都並びに都民に図られたかということは、しっかりと情報公開を行っていただき、都民と議会に疑念を抱かせることのないよう取り組んでいただきたいと申し述べさせていただきます。
 次に、政策企画局は、東京都の大変大きな方向を指し示す局横断的な計画作成を担っています。
 令和五年に発足した東京グリーンビズは、百年先を見据えた緑と生きるまちづくりとして、自然と調和し、持続可能な都市を目指し、東京の緑を守る、育てる、生かす取組を進めるとしています。
 令和五年度、環境・建設委員会に私は所属をしておりましたので、環境局の生物多様性地域戦略との整合性、建設局のパークマネジメントマスタープランとの整合性等、それぞれ樹木の保全とグリーンビズの取組について質疑を委員会で行う予定でしたが、グリーンビズの所管は政策企画局の所管とのことで、ご答弁をいただけませんでした。
 神宮外苑開発や日比谷公園、葛西臨海公園等での建て替え等、都内の大型開発に際して移植を有する計画が数多くあり、樹木を守る新たな取組としてツリーバンクの創設があったのではと考えますが、各局の取組に横串を刺す政策企画局のプロジェクトが、かえって所管外とのことで新たな壁をつくるものであってはならないと考えます。
 東京グリーンビズを創設した経緯についてお伺いをいたします。

○本木グリーンビズ推進担当部長計画調整担当部長兼務 都はこれまでも、緑の量的な底上げと質の向上を図るため、「未来の東京」戦略におきまして、庁内横断の緑あふれる東京プロジェクトを位置づけ、各局と連携し、取組を進めてまいりました。
 近年、気候危機などを背景に、自然環境と都市機能の調和が一層求められていることから、各局の緑に関する取組を強化するため、東京グリーンビズを始動いたしました。

○もり委員 東京の緑を守る、育てる、生かすを柱として、都市の緑化や生物多様性の保全を推進し、自然と調和した持続可能な都市へと進化させていくとしておりますが、さきに述べた生物多様性地域戦略ですとかパークマネジメントなど、各局の計画との整合性と所管局との役割についてお伺いをいたします。

○本木グリーンビズ推進担当部長計画調整担当部長兼務 緑に関する様々な施策は、事業を所管する各局において取り組んでおりまして、政策企画局は、各局の取組の総合調整を担い、全庁一丸となって東京グリーンビズを推進しております。

○もり委員 政策企画局は、各局の取組の総合調整を担うもので、事業の主体は各局であることを確認させていただきました。
 令和五年度、私は環境・建設委員会で、樹木を守る新たな取組としてツリーバンクについて質問したんですけれども、ツリーバンクや東京グリーンビズは政策企画局が所管であると、委員会ではご答弁いただけませんでした。
 ツリーバンクといっても、大きく育った樹木の受入れと新たな場所での活用については本当にたやすいことではなく、国立競技場での建て替えの際に、JSCによると百三十本の樹木が移植をされましたが、国立周辺の樹木を調査した結果、移植前の美しい樹形を生かした移植樹として判断されたのは僅か三本ほどだったと石川幹子先生からの報告もあり、また、新宿の天然記念物のスダジイでは、一本の移植に対して千四百万円ほどの予算で移植が行われています。
 ツリーバンクで受けられた樹木の管理については、都立公園であれば建設局ですし、また再開発であれば都市整備局になると思うのですが、近年の大規模開発で、グリーンビズの計画の報告書の中では六万ヘクタールの緑が新たに生まれているとしています。
 屋上緑化や壁面緑化はヒートアイランド対策の一助ではありますけれども、どれだけCO2を吸収するのか、緑の質について、専門的な知見から緑を守る取組がしっかりと実証されたのかということについては、総合調整を行う政策企画局として、それぞれ所管する局の取組を検証し、事業効果を都民に見える化していただくよう強く要望し、質問を終わります。

○上田委員 こちら、資料の方も取り寄せていただいたところでございます。各委員からも、eSGのプロジェクトが、いろいろと鋭い指摘があったところですけど、ちょっと包括して、資料を取り寄せさせていただきました。
 「未来の東京」戦略、TOKYO強靱化プロジェクト、東京グリーンビズ、シン・トセイですね。それからるる今、議論がありました東京ベイeSGプロジェクトなんですけれども、何か、何やっているのか正直、分からない。何につながっているのか分からない。説明を聞いても、多分しゃべっている人も分かんないんじゃないのかなって思いながら、私たちも説明を聞いているわけでございまして、資料はすごいんですよ、もう分厚く、各このプロジェクト、毎回更新をしたり、いろいろ微調整されているんですけれども、これは職員が作成していると想定しているんですけど、結構手間暇がかかると思うんですね。業務委託など、コンサルやページのレイアウト等、お願いはしていないと思いますが、確認させていただきました。
 資料も提出いただきましたけど、政策企画局内、担当部局などとどのように作成し、その時間、コストに見合う−−これ、うちの小岩で、もう物価高でひいひいいっている焼き鳥屋のおばちゃんに、何か寄与するのかなと思いながら見ています。この費用対効果がどうあるのか、コストに見合う、かなりこれ時間かかると思うんですよね、職員の皆様がつくるに当たってもですね。これ、単体では政策企画局つくれませんから、具体的事業は何なのということで、ここにも書いてもらって、関連局とかというのも書かせてもらっています。例えばシン・トセイは全局、二文字って感じでございまして、取りまとめ結構大変じゃないのかなと思いますので、この費用対効果を確認させてください。

○佐久間理事 「未来の東京」戦略や各プロジェクトにつきましては、政策企画局と関係各局の職員とが議論を重ね、政策を練り上げた上で、職員が作成しております。

○上田委員 確かにこれ、毎週金曜日の二時にプレス発表したり、何かやった感を出すには使い勝手がいいのでしょうが、これを読破する都民は−−まあ都議会議員でも読破しているのか、都議会議員も一応都民としてそれはしていると思いますが、皆無なんじゃないかなと思うんですよね。
 改めて何のためにつくっていて、通常の都政事業や業務にどう貢献しているのでしょうか、成果の検証はされていますか。各局事業に効果的に、的確にひもづいているのか伺います。

○佐久間理事 都政を取り巻く行政課題に対し、大きな政策の方向性を示すことが重要でございます。そのため、関係各局との議論を通じ練り上げた政策を、デジタルツールなども活用しながら、都民に分かりやすく示してきております。
 また、毎年度、各プロジェクトの進捗状況、課題の把握、分析を行い、各局の施策や事業の強化につなげてきております。

○上田委員 やっぱり、生活に根差した事務事業っていうのが非常に重要だと思います。こちらも皆さん方のコストかなり割かれちゃっていると思いますので、今ある事業を丁寧に検証していくことを、私は、自分自身も望むし、都民も望んでいるのかなというふうに思っています。
 さっき、ちょっと空飛ぶクルマ、eSGの話で出たんですね。これ私、デジ局で聞こうと思っているんですけど、令和四年度は一千六百万円ですね、五年度は七千九百万、一億ぐらいこれ、もう空飛ぶクルマのビジネスモデル構築等、決算額がかかっているということで、問題意識持っていたのは私だけではなかったと。
 これ、民間がやることの応援をするのはいいと思いますよ。場所を、むしろお金をもらって貸してやるとか、そういった形で、どんどんどんどん東京都が出すことよりも、やっぱりこれから超少子高齢化待ったなしの人口問題も、二〇二七年問題とかも待ったなしということで、ここら辺はあまりこう大風呂敷を広げずに堅実にやっていきたいプロジェクトを期待するというふうに思っております。
 政策企画立案についてです。
 決算年度におけます知事特命に係る重要な政策企画立案と成果、実績について、ご説明いただければと思います。

○大出政策部長 決算説明書に記載しております政策の立案等の具体的内容として、デジタルコンテンツを活用した東京の魅力発信事業、デジタルコンテンツの体感拠点事業、歴史・文化を軸にした東京の魅力発信事業などを実施し、東京の魅力を多くの人に発信してまいりました。

○上田委員 大批判になりましたデジタルコンテンツの一環としまして、プロジェクションマッピングであるとか、歴史、文化を軸にした東京の魅力発信といいながら、先ほど、もり委員もいいましたように、うちの地元の、もう本当に近代建築財産であります葛西臨海水族園もあんな形で、非常に許し難い形での再構築が、計画が決まっていくということで、グリーンビズといっても、古きよき東京の歴史文化を、どんどんまちを壊して、全部ビルにしちゃうのと、築地においてもそうですけれども、そのプログラムに対する本当に違和感が、知事の特命による重要な政策企画立案について、常に首をかしげざるを得ないということで、確認をさせていただきました。
 今のご説明聞いても、具体的に何がどうなのっていうところも分からなくて、私は常に具体的に説明をお願いしたいといっても、本当にしゅっとした説明で、やっぱりこれ、小岩の焼き鳥屋のおばちゃんにどう寄与するのかなというふうに受け止めさせていただきます。
 顧問と参与制度の、知事を支えるということですね、決算年度の実績をご報告願います。

○大出政策部長 令和五年度は、都政全般に関して、総合的な進言、助言を得ることを目的として顧問を一名、また、都の感染症対策、都市づくりなど、都政の様々な課題について専門的立場から進言、助言を得ることを目的として、参与を四名選任いたしました。

○上田委員 顧問制度、確かに外部のこうした意見聞く、たしか顧問だった人が都民ファーストの何だか事務方トップになって、何か告発しているのかなというふうにも思ったりしておりまして、本当にこれ機能しているのか。やっぱりちょっとこれも具体的に、何が都民に、知事に寄与しているんじゃなくて、都民に寄与しているのかなという課題認識を持たせていただいております。
 デジタルコンテンツ体感拠点の運営ですけれども、政策企画局は、デジ局とスタ国とどうすみ分けているのか、これも本当にややこしくて分からないんですね、役割分担をしているのか、分かりやすく説明をお願いします。

○川田政策担当部長 政策企画局は、SusHi Tech Tokyoを旗印といたしまして、東京の多彩な魅力を発信する観点で、デジタルコンテンツの体感拠点を各局と連携を図りながら運営しております。

○上田委員 SusHi Techって、TIBでもやっているんですよね。でもそれは、スタートアップの部分だということで、分かるような分からないような形だと思うんですけれども、ちょっとこれも、これからいろいろ予算も割いていることですから、分かりやすくご説明というか、都民に明示していっていただきたいと思います。
 るるこの季節になりますと問題になります一極集中問題でございます。
 人口と税収の一極集中の批判の声が、もう全国自治体からため息とともに上がっております。知事も政策企画局もユーチューブ動画を作成して火消しに躍起でございます。
 八月の全国知事会は、地域社会が抱える課題について認識を共有するとともに、有効な対策を国に要望するなど決議することが通例となっております。今年は人口減少問題を日本が抱える最大の問題として取り上げ、東京一極集中の是正を本格的に図る必要があると、開催地の名を冠した福井宣言を決議することが話し合われました。
 この議論の中で、小池知事は、人口減少問題と一極集中の因果関係は不明確だと発言し、特定の地域に人口や産業が集中しているという文言を削除するように要求されましたが、これほどまでに私は、不可思議なことを口にすることに舌を巻いた次第でございます。
 この小池知事の発言に対しては、やっぱり多くの地方の知事から反論が相次いだわけですよ。構図としては、小池知事バーサス四十六道府県知事だったというふうに思っております。とりわけ、知事の発言に猛烈に反発したのは丸山島根県知事です。ちょいちょい彼は本当に発言していますけど、事前のすり合わせ段階では、東京一極集中と東京を名指しせずに特定の地域への集中と表現を和らげたにもかかわらず、削除せよというならば、東京一極集中と明確に記載するということも俎上にのせるべきだと強い口調で反論されていました。
 その後、自民党総裁告示翌日の九月十三日、全国知事会の村井宮城県知事と阿部長野県知事は、総裁候補と面会し、持続可能で活力ある地域を実現するための提言書を手渡しました。福井宣言では、小池知事がクレームをつけたせいか、東京一極集中の是正、偏在是正は触れられなかったものの、提言には東京一極集中が残ったわけで、政策企画局は、緊急宣言では触れられていない内容で、削除すべきだったと不満をにじませたと報道されております。
 決算年度においても、私はこの点はもうずっと問題提起されたと思っておりますので、令和五年の決算に当たっての所見を求めます。

○宮崎政策担当部長渉外担当部長自治制度改革推進担当部長兼務 令和五年度におきましては、日本全体の人口減少と東京一極集中を結びつけるような議論は行われておりません。

○上田委員 そのような受け止めということでございました。
 島根県知事は度々、しっかりと小池都政については物おじせずに指摘をされてきました。また都立高無償化、私学補助所得制限撤廃などにおいては、千葉、神奈川、埼玉県知事と事前に丁寧な調整をせず、指摘を受けたことも看過してはならないと思います。
 コロナ禍では、都の担当部局にも伝えていない、福祉保健局にもいっていないんですね、どころか、この三県知事を本当にだますような形で官邸に乗り込んで緊急事態宣言を要請するなど、常に国に先駆けと、おのれの実績を残す、選挙前のPRに都政を利用してきたと思わざるを得ません。
 このときは、神奈川県知事は、埼玉県知事が官邸に行けっていっている、神奈川には埼玉が、埼玉には千葉がっていう感じで、三人の男子が話してみたらば、いや、誰もそんなこといっていなくて、小池知事が、とにかく官邸に乗り込んだということが報道され、神奈川県知事が、元ニュースキャスターでありますから、非常に憤りを持って発言されたことも記憶に新しいことでございます。
 やっぱり、こうした態度が、東京都への不信感が一極集中批判につながっていると謙虚に受け止めなければならないと思います。都民の多くが他道府県出身者であることを鑑みれば、全ての自治体、日本国に寄与する首都東京の姿勢を示すべきであったのに、真逆のことをやってきたわけですから、私は自業自得と冷めた目で見ております。
 海外との都市外交は非常に熱心な小池知事です。来月も行きますよね、エジプト。
 全国知事会、九都県市首脳会議はじめ、日本の首都東京のガバナーとして、各首長との日頃の緊密な協力連絡体制は不可欠だと思うんですよね。国に先駆けてと都独自の施策をいきなりぶち上げる前に、影響の出る自治体に事前に連絡するなどの調整は行われてきたのですか。日本国内の都市間外交はどう構築してきたのか、できていないのか伺います。

○宮崎政策担当部長渉外担当部長自治制度改革推進担当部長兼務 都は、東京と地方が共に支え合い発展することが重要との認識から、各地方の魅力のPRなど、共存共栄の取組を進めてきたところでございます。

○上田委員 今、都庁の一庁でよく福島県支援フェスとかいって、私も日本酒買ったりとか応援させていただいておりますが、知事は全国知事会の記者会見で、またこういうこといっていますね。パイの切り合いをしても発展は望めない、むしろ、いかにしてパイを増やすか議論すべきではないのか、あそこのコミュニティ−−知事会のことですよね、ちょっと違う色合いだなと思った次第と発言されていました。
 パイを独り占めしているから指摘されるというのに、私からすると違和感しかない発言ですが、小池知事のいうところのパイを増やすとは、これは別に、この間の決算年度は六年じゃなくて、もう決算年度の五年のときのほかのインタビューでも答えていますので、これは伺いたいと思います。

○宮崎政策担当部長渉外担当部長自治制度改革推進担当部長兼務 パイを増やすということは、人口や経済などの東京の持つ集積を取り崩して国内で分け合うことではなく、全体を増やしていくということでございます。

○上田委員 全体を幸せにするということですよね。パイを増やすことを含めて、東京一極集中を是正することが、この令和の時代、いや応なく訪れてしまったと私は思うんですよね。東京だけが独り勝ちしても、結局地方から人口は流入するわけで、地方が本当に寂れていっちゃうと、そこで子供も生まれなくなってしまうし、長期的には地方を活性化しなければ東京の繁栄も続かないと考えますけれども、見解を伺います。

○宮崎政策担当部長渉外担当部長自治制度改革推進担当部長兼務 都は、東京と地方が共に支え合い発展する、共存共栄の取組を進めているところでございます。

○上田委員 能登支援ブース、またそこでも、いろいろお買物したいと思います、共存共栄ということで。
 私は、共存共栄の思いが小池都政にあるかというと、ちょっとはてなマークな一方、国際戦略はもう本当ね、小池都政となったら、在京イスラム諸国外交団との情報連絡会議が度々開催されています。これで検索しても、亡き安倍総理が本当一回ぐらいやったかなと、舛添さんとか過去の知事ではほとんど情報連絡会議やっていないんですよ。突如としてやり始めました。
 先ほど、もり委員もいった国際交流プログラム、都立高のですね、これ私が指摘をさせていただいた令和五年度六億円で、このときは、都立高生と海外高生の交流ということで、アラブ首長国連邦、エジプト、マレーシアという感じで、結構もう堂々と載っけていたんですよね、イスラムの国に行くことが、中東の何とかっていうことで。
 だけど、私がこれ大分公表させていただいたせいか、令和六年度になると、よく分からないダイバーシティ、オリパラシティ、グローバルスペシャリスト、グローバルライフコースといって、こういう形で私からすると中東色を薄めるような表記に変わっていて、やっぱり指摘が痛かったんだろうなというふうに思っております。これ、中東国が大きなウエートを占めていました。
 東京が世界やアジアの各都市とネットワークづくりするなら分かるんですけど、この中東に偏っているのは異常であり、都市外交の枠をはるかに超えています。外交は国の専権事項であるはずなのに、都市がここまで中東との関係を特出、肩入れする理由はなぜなのか、ずっとただしております。
 知事の海外出張でも、UAEにて知事は、突如現地で中東の教育連携を取り付けてきたこともあります。エジプトでもカイロ大でもですね。外交は何度もいうように、国の専権事項なんですね。ガザ地区紛争もさらに深刻化している中、空手形を切って児童生徒を危険にさらすリスクを懸念しているんですね。
 実際に、去年の国際交流プログラムですよ、十一月十八から二十四日、この高校生たちどこにやろうとしたか知っていますか、ヨルダンですよ。十月には、ハマスによるイスラエルの攻撃があって、一番きな臭いところに行こうとさせていたわけ。いつ何が起こるか分からないんです、あの地域は。ヨルダンは中止になりました。当たり前ですよね。でも、その一月前にこういうことが起こるとも、アラビア通なのに予測もしないで決めたということは、非常に私はこの都立高生を危険にさらしたなということで、もう本当に怒り心頭に思っております。
 本来の都政が基軸とする都市外交とは何か。そのときの知事の意向に、中東に肩入れしたり、突如友好都市提携を結んだり、そのときの知事の意向で決められるのか、事前に庁内で起案や決裁を行っているのか、原点をまず伺いたいと思います。

○村永外務部長 都は、世界の都市が抱える共通課題を多様な都市と共に解決するため、都市外交を通じて各都市と連携を深めております。
 これら都市外交の取組は、組織として適切な意思決定過程を経て、推進しております。

○上田委員 政策企画局は意思決定をしているということでございますが、そこをチェックさせていただくのは我々都議会議員の仕事でございますね。令和五年は、私はヨルダンに決定したことには非常に疑義を持たせていただきたいと思っております。
 一応、舛添都知事が策定した都市外交基本戦略は、もうぶつ切れになるともったいないので、皆さんも本当労力かけておりますので、どのように継承され、見直しをされ、現在の都市外交政策となっているのかも、経緯として教えてください。

○村永外務部長 平成二十六年十二月に策定された東京都都市外交基本戦略の理念を継承しつつ、令和四年六月に「未来の東京」戦略を踏まえ、都政の国際展開力を高めていくための方向性を整理した「国際都市戦略プロジェクト」推進方針を取りまとめました。

○上田委員 継承をしているというふうに受け止めていいのかなと思います。
 知事の出張の方、ホームページ見れば分かるんですけど、俯瞰させていただきたく資料を出していただきましてありがとうございます。
 十九回出張のうち、世界は百九十六か国あるんですよね、百九十六のうち、中東諸国って七%なんですけれども、にもかかわらず二割に及ぶ四回も中東諸国に出張していますが、このバランスに違和感は持たれないのか。知事への意見具申など、政策企画局として、さっきもいろいろ顧問だの何だのいるわけでございますから、意見具申がないか、見解と所見を伺います。

○村永外務部長 知事の海外出張は、国際会議への出席等による東京の取組や魅力の発信、海外都市との連携強化等を目的に実施しておりまして、目的を踏まえて出張先を決定しております。
 なお、近年、COPをはじめ、多くの国際会議が中東で開催されております。

○上田委員 国際会議も結構なんですけれども、目をみはる、例えば州知事の取組とか、あちらの地方自治体の首長とか、その都市の、何ていうんですか、研究、視察の方を私はしていただいて、国際会議って別にもう、こうしたネットでも出られるわけですから、私はその血肉になるものに、もし海外に行くならやっていただきたいなというふうに思っております。
 また、知事の面会についても、お手数かけましたが全部出してもらいました。
 これも中東の方がよく訪れているなと、本当は前の知事のも全部確認したかったんですけど、お手数だと思いますので、これ中東の方が訪れる比重は高いと思料しますけれども、同様に所見等見解を伺います。

○石岡外務担当部長 知事と海外要人等との面会は、相手方の依頼等に基づき、目的や日程などを踏まえ実施しております。

○上田委員 来るものは断れないとは思うんですけれども、やっぱりそうしたいろいろ、国というのは都市外交ですから、ぜひフェアな、様々な国のいろいろなお話を聞いていただきたいと思っております。
 それをつかさどっている外務長です。これ、外務省からおいでになっているんですね、来ているということです。
 都市外交をより強力に進めるため、知事の判断により外務長を設置して、外務省から適切な人を配置していますが、外務長の職は外務省における幅広い経験を生かすポストということですが、こちらの出張の選定と成果につきまして−−こちらも出していただきました。随行が多いようですけれども、一応、多分通訳もいますしね、いろいろと都の職員も行って外務長が行くということは何かしら不可欠な要件があると思いますので、令和に入っての、外務長ご自身のですね、どのような知見を知事に提案して、行った先でどのように貢献いただいたのか、外務長自身のご所見をお示しいただければ幸いです。

○村永外務部長 外務長は、東京の取組や魅力の発信、海外都市との連携強化等の目的達成に向けまして、知事の海外出張に随行するほか、外務長自らも出張しておりまして、海外都市との連携強化等、様々な成果につなげております。

○上田委員 ミッションは伺いましたけど、じゃ具体的にどうかというのはやっぱりちょっと分かりかねるなというふうに思わせていただきました。
 報道発表の在り方です。
 議会局及び議会局の連絡に当たっていることでございますが、何度もいうように〇一八サポート、私学無償化、おこめクーポン、一万円商品券支給など、巨額の予算が動くというのに都議会には何の説明もなく、マスコミを通じて都民と一緒にテレビで知るというようなことが散見されております。
 執行機関と議決機関との円滑な連絡が、こちらミッションですよ、政策企画局のですね、小池都政二期目以降図れているとは思えません。なぜ議決機関に報告前にマスコミ報道が先行するのか、財務局にも確認しました。議会軽視にならないことを遂行するために、政策企画局も改善努力に向けていると思料いたしますので、所見を伺います。

○大島報道担当部長 都はこれまでも、都議会等に対し丁寧な説明に努めるとともに、報道機関に対して、都政に関する情報を適時適切に提供しております。

○上田委員 報道機関の前に、都議会に適宜適正に提供をお願いさせていただきます。
 会派要望、請願を知事が直接受ける会派と受け取らない会派がいるのはなぜなのでしょうか。
 従前は、コロナにおいてのいろいろな、例えば、有名な大手飲食チェーン店の社長さんとかから、とにかく、大手飲食チェーン店の従業員にも、雇っていくのが大変だから給付金が欲しいといったときに、それは私ども一緒に、大きい会社さんの皆様と一緒に知事室まで届けて、受け取っていただくことができたんですけれども、あるときからぴったりできなくなった。
 じゃあ、お忙しいから、もう全会派そうじゃないのかなといったら、ほかの会派が知事に渡しましたとかっていってSNSに上げていて、ええっ、私たち断られているしみたいに思うんですが、秘書事務においては、これも円滑な職務遂行に資するということなんですけど、大会派以外は資するような状態ではないと思料いたしますが、見解を伺います。

○早川総務部長 要望書等につきましては、適時適切に対応してございます。

○上田委員 平等公平な適宜適正を求めるものでございます。
 決算年度におきまして、知事補佐官及び各局事業との運用状況についてご説明した上で、総監するであろう都庁マネジメント本部のこれまでの取組、知事の補佐体制ですね、伺います。

○早川総務部長 知事補佐担当につきましては、知事の意向が正確かつ迅速に関係部局に伝わる仕組みを整え、都庁組織のチーム力向上を図るために設置されたものでございまして、令和五年度におきましてもその役割を十全に果たすことで、スピーディーかつ効果的な都政運営の実現を図ってございます。
 また、都庁マネジメント本部は、都の行財政の最高方針、重要な施策及び課題等について情報の共有を図り、審議策定を行う目的で設置しており、令和五年度は十六回開催してございます。

○上田委員 この都庁マネジメント本部は、議事もしっかりとホームページに載っておりまして、確認させていただいたことでございます。これは連綿と継承されていること、事務方の方はしっかりと機能しているということを確認させていただきました。
 議会局が取りまとめております予算の審議等における懸案事項の措置状況の指摘事項や、前年度決算審査での意見開陳、審査報告書の指摘事項は、私どもが発言したことをまとめたものなんですけれども、示唆に富んでおり、各局ともフィードバックしてくださっているってことなんですけれども、一生懸命みんな調べて、質疑してまとめているわけですから、具体的な対応、対処法を伺います。

○早川総務部長 指摘事項等につきましては真摯に受け止め、その趣旨を十分に踏まえて、適時政策に反映するなど、東京の発展やプレゼンスの向上に向けて、適正な事業の執行に努めてございます。

○上田委員 この議論も無駄にはならないというふうに受け止めさせていただきます。
 最後に、都が取り組むべき行政課題は日々変化し、多様化しております。政策企画局はこのような状況に対応できる戦略的でスピード感がある都政運営を実現するため、知事と現場をつかさどる所管局をつなげ、知事によるトップマネジメントを補佐しているということでございます。それをるる今確認させてもらっております。
 都政の新たな羅針盤である「未来の東京」戦略などを踏まえ、成長と成熟が両立した持続可能な都市東京を実現するため、全庁的な視点に立ち、各局事業間の有機的な連携を図り、各局が都民生活の向上につながる先進的な施策を積極的に展開できるよう支援するとのことですが、東京都全体の政策立案と総合調整が設置目的のとおりに実現できているのか、都民生活に、さっきいったように本当に寄与できたのか、課題も含め、決算年度におけます所見をお示しください。

○早川総務部長 政策企画局は、知事のトップマネジメントを補佐し、都の重要な政策を効果的かつ着実に推進するため、局横断的な事業展開に関する総合的な調整の役割を担ってございます。
 令和五年度におきましては、「未来の東京」戦略バージョンアップに加え、強靱で持続可能な東京を実現するTOKYO強靱化プロジェクトや、東京グリーンビズによる緑と生きるまちづくりなど、様々な課題に対し、全庁横断的に取組を進めてまいりました。

○上田委員 ありがとうございました。
 地方自治体の運営においては、前からいっていますが、最小限の経費で最大限の効果、効用を生み出すべく、民主的にして能率的な行政の確保が図られているということが必須の課題でございます。政策企画局が本当に民主的に運営されているのか、会派の扱い見ていても、ちょっとはてな印を持たざるを得ないのかなというふうに、小池都政、二期目以降思っている次第でございます。
 それでも、事務方はしっかりとお仕事をしてくださっていることは分かっております。やっぱりそれを、リーダーがどうなのかなということで、新しい組織と役割分担を期待して、私の政策企画局への質疑を終わらせていただきます。

○河野委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○河野委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で政策企画局関係を終わります。
 これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
   午後五時二十八分散会