令和五年度各会計決算特別委員会第一分科会速記録第三号

令和六年十月十八日(金曜日)
第十一委員会室
午後一時開議
出席委員 十名
委員長河野ゆうき君
副委員長山田ひろし君
副委員長鈴木  烈君
北口つよし君
もり  愛君
たかく則男君
石島 秀起君
上田 令子君
藤井あきら君
大山とも子君

欠席委員 なし

出席説明員
会計管理局局長梅村 拓洋君
管理部長前田  豊君
警察・消防出納部長坂東 宏之君
会計企画担当部長DX推進担当部長兼務菊地 顕行君
東京消防庁消防総監吉田 義実君
次長岡本  透君
理事兼安全推進部長事務取扱市川 博三君
企画調整部長瀬崎 幸吾君
人事部長門倉  徹君
警防部長木下  修君
防災部長古賀 崇司君
救急部長伊勢村修隆君
予防部長福永 輝繁君
装備部長加藤 雅広君
企画調整部企画課長佐藤 宏紀君
企画調整部財務課長有川 泰広君
議会局局長児玉英一郎君
管理部長菅原 雅康君
議事部長小河原静子君
調査部長櫻井 幸枝君
財務局局長山下  聡君
経理部長DX推進担当部長兼務稲垣 敦子君
契約調整担当部長須藤  哲君
主計部長佐伯  亮君
財産運用部長松井  裕君
建築保全部長金子 陽子君
技術管理担当部長小林 秀行君
庁舎運営担当部長鈴木 光祐君

本日の会議に付した事件
令和五年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
会計管理局関係
・令和五年度東京都一般会計決算(質疑)
東京消防庁関係
・令和五年度東京都一般会計決算(質疑)
議会局関係
・令和五年度東京都一般会計決算(質疑)
財務局関係
・令和五年度東京都一般会計決算(質疑)
・令和五年度東京都用地会計決算(質疑)
・令和五年度東京都公債費会計決算(質疑)

○河野委員長 ただいまから令和五年度各会計決算特別委員会第一分科会を開会いたします。
 本日から四日間にわたり、本分科会所管の決算に対する質疑を行ってまいります。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、会計管理局、東京消防庁、議会局及び財務局関係の決算に対する質疑を行います。
 これより会計管理局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、会計管理局長に梅村拓洋君が就任されました。
 梅村局長から挨拶があります。
 梅村拓洋君を紹介いたします。

○梅村会計管理局長 去る十月十五日付で会計管理局長を拝命いたしました梅村拓洋でございます。
 河野委員長をはじめ委員の皆様方のご指導、ご鞭撻を賜りまして、都の会計事務をつかさどる役割と責任をしっかりと果たしてまいります。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。

○河野委員長 挨拶は終わりました。

○河野委員長 決算の審査を行います。
 令和五年度東京都一般会計決算中、会計管理局所管分を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○前田管理部長 去る十月九日の当分科会で要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元配布の令和五年度各会計決算特別委員会第一分科会要求資料の表紙の次のページ、目次をご覧ください。
 今回要求のございました資料は、目次に記載しておりますとおり一件でございます。
 まず、一ページをご覧ください。要求資料第1号、平成十六年度から令和五年度までの公金管理実績でございます。
 上段の図には、当局が管理しております公金の平均残高を、歳計現金等、基金及び準公営企業会計資金に分けて年度別に記載してございます。
 下段の図には、公金全体の運用収入額及び運用利回りを年度別に記載してございます。
 要求のございました資料に関する説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○河野委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○藤井委員 それでは、最初の質問をさせていただきたいと思います。
 本日、各会計決算特別委員会の第一分科会、会計管理局ということで、まず、会計管理局のメインのシステムであります財務会計システムについてお伺いをさせていただきます。
 令和五年度、昨年度は、財務会計システムとしてどのような取組を行ったのかお伺いをいたします。

○菊地会計企画担当部長DX推進担当部長兼務 財務会計システムは、安定性及び信頼性の高いシステム運用を継続するため、定期的にシステム更新を行っております。
 今回の更新では、これまでのシステムで使用されてきた中心的な処理装置であるCPUの生産終了に伴い、システム稼働環境の大幅な刷新を行うことといたしました。
 令和五年度は更新の前年度に当たるため、システム基盤の環境構築を行うとともに、アプリケーションの連携を確認するなど各種試験を順次実施し、新たなシステムの稼働に向けた準備を着実に進めてまいりました。
 これらの取組を踏まえまして、本年度に総合運転試験等を行い、予定どおり本年七月に新システムの稼働を開始しております。

○藤井委員 ありがとうございます。
 今回の更新については、物理的なCPUが生産終了に伴いシステム環境を大幅に刷新しなければならないということで、テスト等も結構大変だったんじゃないかなと思います。
 この財務会計システム自体も、職員の生産性向上とか、今、様々デジタルサービス局などと一緒に取り組んでいるところとも連携してくる非常に重要なところだと思います。職員の生産性向上、この後も質問させていただきますペーパーレスだったりとか、判こレス等の対応にも関わるものだったと認識をしております。今年度から予定どおりに新システムが稼働できたということですので、安心をいたしたところであります。
 私、決算特別委員会に出るのは三年ぶりで、二〇二一年の令和二年度もこの第一分科会でして、その際も質疑をさせていただいたんですが、都庁では、テレワークがコロナ禍で一気に進んでいまして、一方で、経理担当者は、判この業務だったりとか紙に押さなきゃいけないというので、各局の経理担当者は都庁に来なければ働けなくて、テレワークができないというお話をお伺いしておりました。なかなかペーパーレスやテレワークというのが進まないという問題があったと認識をしております。
 そうした問題の解決に向けて、これまで会計事務のペーパーレス化や判こレス化、どのように進めてきたのかお伺いをいたします。

○菊地会計企画担当部長DX推進担当部長兼務 会計管理局では、都政の構造改革を踏まえまして、会計事務について、ペーパーレス化や判こレスなどの見直しに取り組んでまいりました。
 ペーパーレス化につきましては、財務会計システムを改修いたしまして、紙出力されていた帳票を、原則PDFファイルで保存する取組などを実施いたしました。
 判こレスにつきましては、電話等を活用して確認を行うことにより、債権者から徴取する請求書等の押印省略をできるようにいたしました。
 引き続き、契約、支出関連事務のデジタル化におきまして、起案から契約、支出に至る手続を一連でデジタル化し、ペーパーレス、判こレスの実現に向けた取組を進めてまいります。

○藤井委員 ありがとうございます。
 都政の構造改革を踏まえて、前回の質問でもご答弁のあったペーパーレス化の取組ということで、財務会計システムにおいてPDFで保存できるようにするなど、しっかりと対応を進めたということを確認させていただきました。
 また、判こレスについても、電話等で確認することによって進めているということが、まず確認できたところで−−とのご答弁でありました。
 令和五年度の予算に入っていたのが、デジタルサービス局と連携して、契約、支出関連事務のデジタル化に向けたBPR及びシステム構築をするとなっておりまして、そういった先ほどの紙でやっているような事務も含めて、全庁的に見直していく取組をしているかと思います。
 まず、事業者側の手続のデジタル化について進めているということなんですけれども、会計管理局の取組についてお伺いをいたします。

○菊地会計企画担当部長DX推進担当部長兼務 契約、支出関連事務のデジタル化につきましては、起案から契約、支出に至る手続を一連でデジタル化するものでございまして、デジタルサービス局並びに文書、契約、会計事務のそれぞれの制度所管局が連携して取組を進めるとともに、会計管理局内にプロジェクトチームを設置し、会計事務について業務の見直し、いわゆるBPRなどに積極的に取り組んでまいりました。
 令和五年度につきましては、関係局で構成する検討会におけるシステムの構築と並行いたしまして、システムの稼働に向けた、これまでの紙のみに限定していた事業者からの請求書等についてデジタル化に対応できるよう、会計事務規則の改正などを実施いたしました。
 令和六年四月からは、東京都契約請求システムを稼働させておりまして、都と事業者の間でデジタルベースでの請求書等のやり取りを開始しております。

○藤井委員 ありがとうございます。
 まずは、事業者とのやり取りからデジタル化を進めていくというところでありまして、最初にちょっと問題意識としてお伝えをした職員、特に経理関係の職員が、紙、判こで作業しているというところ、これはまだ残ったままなんだと思うんですけれども、一方で、まず入り口の部分ですね、事業者さんが手続をするところに関しては、この四月からですかね、契約請求システムを稼働させて、デジタルで受け取れるようになったということが今確認できました。
 今後のそういった経理関係に携わる職員の皆さんが、より生産性を上げるための第一歩というふうに理解しておりますので、ここをさらにしっかりと進めていっていただきたいというふうに考えております。
 最後の質問になるんですけれども、ペーパーレス化やテレワークの推進のためには、都と事業者の間の手続、今ご答弁でいただいたものだけではなくて、職員の内部事務のデジタル化が必要であると思います。
 契約、支出関係のデジタル化の中で、内部事務についてはどのように取り組んだのかお伺いをいたします。

○菊地会計企画担当部長DX推進担当部長兼務 契約、支出関連事務のデジタル化におきましては、請求書等を受領した後に支出事務や支出内容の審査をする必要があることから、令和五年度は、関係局と連携し支出審査機能等の設計を実施いたしました。
 加えて、デジタルを前提とした事務のフローの整備のほか、契約請求システムと財務会計システムとのデータ連携に向けた検討を実施いたしました。
 令和八年度を目途とした契約請求システムの本格稼働に向けまして、関係局と連携しながら支出審査機能の構築を推進するとともに、稼働に向けた規定等の整備や財務会計システムの改修等を進めてまいります。

○藤井委員 ありがとうございます。
 一個前の答弁でもありましたけど、会計管理局の役割として、システムの部分については、メインのところはデジタルサービス局が構築をしていて、会計管理局は規則の改正を行ったというご答弁がありまして、それは事業者側とのやり取りをするに当たってのところの規則をまず変えたというところだと思います。
 今のご答弁では、内部事務に関しても検討をしているというご答弁であったというふうに理解をしていまして、これからまさにそのシステムの稼働に向けて、令和八年度をめどとした契約請求システムの本格稼働に向けて、そのための整理をしているということでありますので、しっかりと進めていっていただきたいと思います。
 ここが進むことによって、都庁の職員の中でも、これまでどうしても業務的にテレワークができなかった経理関係の職員もできるようになってくると思いますので、着実にしっかりと進めていただきたいと思います。
 以上で私の質問を終わらせていただきます。

○北口委員 私からは、一点、新公会計制度について質問をいたします。
 都議会公明党が推進をし、平成十八年から都が全国に先駆けて導入した新公会計制度は、複式簿記・発生主義会計の考え方を取り入れた制度であるということでございます。
 従来、この複式簿記・発生主義会計は、企業等の財政状況を適切に判断するために、決算期に貸借対照表や損益計算書などを作成しておりまして、経営者とか投資家等にとって大事な指標となってまいりました。
 こうした考え方を都政、財政に適用したこの新公会計制度ですが、改めて、行政機関である東京都が、この複式簿記・発生主義会計の考え方を取り入れた財務諸表を作成する意義についてお伺いをいたします。

○菊地会計企画担当部長DX推進担当部長兼務 従来の官庁会計が現金の収入や支出を記録するのみであったのに対しまして、複式簿記・発生主義会計では、土地、建物などの資産、都債などの負債といったストック情報や減価償却費等を含む正確なコスト情報の把握が可能になり、より精度の高い有用な財務情報を提供することができるようになっております。
 複式簿記で作成された財務諸表を通じまして、行政サービスに係る正確な総コストとその税負担とを対比することができ、経営の視点に立った効率的、効果的な自治体運営を深めることが可能となっております。
 このように、複式簿記・発生主義会計に基づく新公会計制度は、行政運営に経営の視点を一層取り入れていくための有効なツールでございまして、その導入の意義は、都民への説明責任、すなわちアカウンタビリティーの充実とともに、行政運営のマネジメントの強化に資することとなっております。

○北口委員 この新公会計制度は、現金の収支に加えて、資産や負債などのストック情報などを活用して、都民への説明責任やマネジメントの強化に資するということでございました。
 この新公会計制度が始まってから十八年が経過をしまして、毎年データが積み上がっているかというふうにも思います。その間には、リーマンショックや新型コロナの感染拡大があり、こうした社会情勢の変化に対して、資産や負債の推移など確認することができるようになっているというふうに思います。
 こうしたデータから、例えばどのぐらいの財政対応力を確保しておけばこの社会変化に対応できるかなど、読み取れることも多いというふうに感じております。
 そこで、こうしたこの貴重なデータを庁内各局、各政策、各事業などで有効に活用してもらうためには、庁内への普及促進が大変重要というふうに考えますけれども、どのような取組を行ったのか伺います。

○菊地会計企画担当部長DX推進担当部長兼務 財務諸表が庁内で活用されるためには、各局が活用に取り組みやすい環境を整えるとともに、各局に対しまして、財務諸表による事業の検証などを促していくことが重要でございます。
 そのため、会計管理局では、各局向けに開催している財務諸表作成説明会におきまして、財務諸表から得られるストック情報やコスト情報を分析し、事業運営に活用できるよう、事業別の財務諸表の作成に関する支援を行っております。
 さらに、他自治体における先進的な取組事例の紹介など、財務諸表を活用した分析の視点や手法等の提供にも努めております。
 これらの取組を通じまして財務諸表の有効活用を促進し、行政運営のマネジメントの強化に寄与してまいります。

○北口委員 各局向けに、説明会などの機会を通じて、ストック情報やコスト情報の財務諸表の活用、分析の視点、そして手法など提供して、マネジメントの強化に寄与しているという答弁でございました。
 ぜひこうした取組、今後もさらに進めていきたいというふうに思います。さらに、プッシュ型で各局にデータの活用、取組を後押しされることを期待させていただきまして、私の質問を終わります。

○鈴木委員 立憲民主党の鈴木でございます。今回、初めて決算委員会に参加をさせていただきます。いろいろとご指導をいただきたいと思います。
 私、前職は、十五年ほど会社の経営者をやっておりまして、スタートアップの時代から、上場後も会社の決算に向かい合ってきたところでございます。
 私の持論であり、多くの経営者が同じように感じていると思うんですけれども、決算を一生懸命やると、自然と予算も翌年度の計画も出来上がるというぐらい、決算というのは非常に重要なんだろうというふうに思っているところでございます。
 そういうバックグラウンドがございましたので、今回も決算委員会が行われるということで志願して参加をさせていただいたんですけれども、先週まで事前のご説明をいただいていて、非常に戸惑っているのが正直なところでございます。
 というのも、いろんな財務諸表のPLやBSのデータを見せていただくんですけど、PL見ても、別に純利益が増えているから好調だからいいんだっていうわけでも公会計の場合ないですし、バランスシート見ても、純資産が増えているから順調なんですよという話でもないと思うんですね。
 やっぱり役所が行っている事業が成果を上げているのかどうなのか、それをしっかりと総括するのが決算委員会の重要な役割なんじゃないのかなというふうに思っているところでございます。
 そんな問題意識を基にちょっと質問させていただきたいんですけど、そもそもなぜ決算委員会というのは会計管理局の皆さんが担当されるのかなと。これ予算につながっていく非常に重要な委員会だと思いますので、予算特別委員会と同様、財務局が担当すべきじゃないかなと考えるんですけれども、ご教授いただけますでしょうか。

○前田管理部長 決算は、地方自治法第二百三十三条におきまして、会計管理者が毎会計年度、政令の定めるところにより調製することとされております。
 決算特別委員会については、決算を調製した会計管理者を長とする会計管理局が担当しております。

○鈴木委員 ありがとうございます。地方自治法で決まっているから皆さんが所管するんだというふうに理解をさせていただきました。
 その上でちょっと質問をさせていただきたいんですけれども、決算委員会の在り方についてなんですけれどもね、ぜひご検討いただきたいのは、法律で決まった財務的な情報を整理するだけじゃなくて、我々監査役ではない、企業に例えると監査役ではないと思うんですよ。だから監査委員でもございませんので、コンプラの観点から、もしくは公金の使い方の観点から何かをチェックするというよりは、やっぱり事業をチェックするというのがこの決算委員会の役割なんじゃないのかなというふうに思います。過去の議事録を改めて読み返してみたんですけど、皆さん事業のお話をされていて、私の理解も間違っていないんじゃないのかなというふうに思うところなんです。
 この委員会始まる前にいろんな資料をご提供いただいたんですけど、事業を各局がどう総括していて、やった成果がどうだったのか、うまくいったのかいかなかったのか、今後どうしていきたいのかっていうのが全然見えない資料ばっかりで、PLとBSばっかり見せられてもちょっと議論のしようがないなというふうに思っておりまして、ぜひ今後、資料の在り方を検討いただきたいなと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○前田管理部長 会計管理者は、地方自治法に基づき、歳入歳出予算に対する執行結果等を積み上げた法定書類であります歳入歳出決算書などを作成するとともに、これ以外にも、東京都決算参考書や複式簿記・発生主義会計に基づく財務諸表を作成しております。

○鈴木委員 何だかちょっとかみ合わないお答えであれなんですけれども、私も伺っておいて何なんですけど、恐らく皆さんの担当じゃないんだろうと思うんですね。事業の内容をチェックして、来年の予算に生かしていくのはですね、財務局の担当なんだろうなというふうに思いますので、後ほど財務局の部分で同様の質問をさせていただきたいと思います。
 続きまして、資金の運用について質問をさせていただきたいと思います。
 皆さんご承知のとおり、今年三月に日銀がマイナス金利の政策を解除いたしまして、十七年ぶりに金利のある世界が戻ってこようとしているわけでございます。東京都の財政運営が、この十七年ぶりの変化に適切に対応できるのかどうかという問題意識からご質問させていただきたいと思います。
 まず、別の方が資料請求されていた質問と若干かぶるんですけど、歳計の現金及び基金の運用状況と、基金に関しての直近五年分の平均利回りを教えていただきたいと思います。

○前田管理部長 令和五年度は、東京都公金管理ポリシーに基づき、安全性の確保を最重要視し、流動性を確保した上で効率的な運用を行いました。
 歳計現金につきましては収支の状況を日々把握した上で、支払い準備金は普通預金や当座預金、運用可能資金は定期性預金を基本として保管いたしました。
 基金につきましては、運用期間が短期であれば定期性預金を、中長期であれば国債、地方債、財投機関債などの安全性の高い債券を中心に運用を行いました。
 基金に関する直近五年度分の利回りにつきましては、令和元年度については〇・〇五四%、令和二年度につきましては〇・〇四九%、令和三年度につきましては〇・〇四七%、令和四年度につきましては〇・〇四七%、そして令和五年度につきましては〇・〇五五%となっております。

○鈴木委員 ご説明ありがとうございます。
 改めて伺ってちょっと愕然とするのは、そんなに、基金の部分についても利回りって低いんだなと。〇・〇五とかという水準が昨年までずっと続いてきているわけでございます。これが金利が戻ってくることでどの程度増えてくるのかなと、うまくこのチャンスをつかまえて、適切な運用をお願いしたいなというふうに思っているところでございます。
 ホームページの情報を見ましたら、基金の部分の運用の利回りは出ていないんですけれども、現預金全体については、大分、今年に入ってから改善しているという情報が出ておりましたので、それなりに適切に対応してくださっているんだろうなというふうに受け止めているところでございます。
 最後、これ質問じゃないんですけれども、ぜひ今後ご検討いただきたい、リクエストをさせていただきたいんですけれども、安全に運用するということに当たって、円でずっと運用をこだわり続けるって本当に安全なのかなということを私、強く感じているところでございます。
 今までの日本と違って経済力がどんどん落ちていく中で、世界的にも非常に不安定な通貨の代表が円でございまして、長期的にも価値があまり上がっていくと思えない通貨だろうというふうに思います。私自身も金融資産のほとんどは外貨で持っておりまして、円を持つことは非常に怖いことだなというふうに感じているところでございまして、ぜひ外貨、例えば国内の金融機関に円定期を持っておくこととアメリカの国債を持っていること、どっちが安全なんだろうということをもう一度ご検討いただいた方がいいんじゃないのかなというふうに思うんです。
 安全性の観点でも、私はアメリカ国債の方が安全じゃないかなと。少なくとも一部をアメリカ国債で持っておくことって、安全性の観点でも必要だと思いますし、また、ご承知おきのとおり、アメリカの国債、今十年物だと四%ぐらい金利がつくわけですね。例えば一兆円をアメリカ国債十年物で持っておけば、毎年四百億円ぐらい、都の収入として入ってくるようになるわけでございまして、ぜひ踏み込んだ資金運用を今後もご検討いただきたいというふうに思います。
 以上で私の質問を終わらせていただきます。

○上田委員 収納事務についてでございます。私も第一分科会の決算は八年ぶりとなりまして、いろいろと変化もあり、変わっていないところもありというところでございますが、収納事務です。
 マルチペイメントネットワーク、電子納付、納入通知書に現金を添え、納入場所として指定される公金取扱金融機関の窓口もしくは各局、所の金銭出納員に納付または小切手の証券により納付する。また、自動車税種別割、個人事業税、固定資産税、都市計画税、不動産取得税については、ネットを通じたクレジットカードやスマホ決済アプリも可能となってきました。
 私、ちょっとバブル期なので、平成元年に大学を卒業して、就職して経理もやりましたけど、通知書が届いて銀行、郵便局で支払うなんてことも間々ありましたので、隔世の感があります。
 会計管理局で取り扱っている従来的な金融機関の窓口での納付、口座振替、電子納付のそれぞれの取扱件数及び割合と、その所見と今後どの程度を、何か目標を持ってやっているのか伺いたいと思います。

○前田管理部長 令和五年度の全体の納付件数はおおむね九百四十万件で、そのうち、窓口での納付は百七十万件で一八%、口座振替は五百五十万件で五九%、マルチペイメントネットワーク利用による電子納付は二百二十万件で二三%となっております。
 最終的にどういった手段により支払うかは都民等の判断によるものであるため、具体的な目標は設定しておりません。

○上田委員 負担なく徴収ができるという、双方のですね、という形が表れてきたのではないかということで、口振が六割ぐらいあるということですが、マルチペイメントが二割強ということでございました。
 公金管理についてお尋ねします。
 基本原則としては、安全性、流動性、効率性の担保について、この効率性の確保については、安全性及び流動性を十分確保した上で運用収益の最大化を図り、効率的な資金調達に努めているとのことです。
 平成十六年度から令和五年度までの運用収入及び運用利回りの推移によれば、平成二十年度の運用利回り〇・七三二%、運用収入二百七十五億円をピークに−−こちら資料も取り寄せさせていただいております、年々、運用利回りと運用収入は低下傾向にありまして、平成二十七年度の運用利回り〇・一一四%、運用収入五十五億、令和五年度利回りは前年より〇・〇〇四ポイント上昇し〇・〇三四%となり、運用収入は前年度より三億二千七百八十万円増、二十一億一千四百四十万円となりましたが、長期的には低下傾向が続いております。
 未曽有の円安も続いており、金融市場が非常に不安定となっております。低金利対策やマイナス金利政策による外部要因の影響を長期間受けてもきました。
 この運用収入低下についてどのような対策をお持ちなのか。預金、債券等のバランスや運用先の分散などリスク管理の強化を徹底し、効率性の確保は令和に入ってできているのか、所見をお示しください。

○前田管理部長 都は、東京都公金管理ポリシーにおいて、安全性の確保を最重要視した上で流動性を保持し、それらを前提として効率的な運用を行うこととしております。
 超低金利の状況が継続する中にあっても、ポートフォリオの最適化を図るとともに、リスク管理を徹底しながら、可能な限り効率性を確保してまいりました。

○上田委員 可能な限り効率性を確保してきたということでありますが、都が管理をする基金などの公金の平成二十八年平均残高は五兆一千四百九十一億円でしたが、令和五年度の公金全体の平均残高は前年度よりも三千八十五億円増加し、六兆二千四百三億円です。一般会計の七五%に匹敵する金額です。
 公金管理の三原則を徹底して都民の税金を毀損しないため、グローバル社会においては、世界金融と金利は連動していまして高い専門性が求められるわけですから、できる限りの効率性の確保を担保できる専門性を持った人材確保が肝要です。
 どのように担保、育成、採用、場合によっては委託などしているのか伺います。

○前田管理部長 公金管理に当たりましては、資金運用に関し、実務経験を有する人材を特定任期付課長として採用しているほか、キャリア活用で採用した職員を積極的に配置するとともに、金融機関出身者による効果的なOJTを実施しております。
 これに加え、定期的に外部有識者からの助言も得ており、運用に当たっての高い専門性を確保しております。

○上田委員 民間では、本当にもう一年三百六十五日二十四時間、こういったことをやっていると思うんですけれど、東京都においても、有益な人材を確保しているのであろうことを確認させてもらいました。
 そして、民間では、そういったわけで世界は時差がありますから、フル活動しております。その中で、小池知事が鳴り物入りで金融先進都市東京であるスマートシティを目指して、東京をアジアナンバーワンの国際金融市場として復活させるということを掲げておいでです。
 公金管理の運用に必要な三原則の下に、実現を果たせられるのか、二律背反する等の課題はないのか、所見を伺います。

○前田管理部長 都の公金管理は、いかなる金融環境にあっても、安全性及び流動性の確保を前提に、効率性も追求していくことが原則であります。
 具体的には、安全性の確保については金融機関等の財務分析などによる評価、流動性の確保については関係各局と連携した収支見込みの把握、効率性の確保については預金等の利率などを調査し、運用商品等の選択を行っております。こうしたことを通じて、安全性と効率性という二つの命題の両立に取り組んでおります。

○上田委員 行政の会計管理局が、この二つの命題を両立しているということでございました。
 公会計です。
 財政運営をマネジメントするため基幹となる公会計ですけれども、平成二十七年一月二十三日の総務大臣通知により、二十九年度までに全ての地方公共団体において統一基準による公会計財務書類を作成するよう要請されてきました。都はこの要請に応え、年限も守り、統一的な基準による財務書類も作成、公表していることは評価するものです。
 都独自の新公会計制度の財務書類と統一的な基準、財務書類の差異やそれぞれの意義について、なかなか一元的には理解しがたいことから、ご説明いただきます。

○菊地会計企画担当部長DX推進担当部長兼務 都独自の新公会計制度の導入の意義は、住民への説明責任、すなわちアカウンタビリティーの充実とともに、行政運営のマネジメントの強化に資することでございまして、統一的な基準の意義としても、説明責任の履行等となっております。
 都独自の財務諸表の特徴は、企業会計に準じて分かりやすくなっておりまして、例えば企業における損益計算書に相当する行政コスト計算書に、税収を収入として計上しております。
 一方、統一的な基準では、税収を収入とは捉えず、行政コスト計算書上に計上しないこと等が、都方式との差異となっております。

○上田委員 ありがとうございます。どちらも理解しながら、東京都は、国にも呼応し、独自に進めてきたということでございます。
 同時に、財務諸表の作成には、インフラ等を含めた固定資産を正確に把握することが基礎でして、固定資産を管理する財産情報システムや物品管理システム等に必要なデータを登録、固定資産台帳の役割を持たせることにより、新たな固定資産を取得した場合は、その都度システムに情報を追加して登録し、計上が必要な固定資産については、全てそれぞれのシステムに計上されていることで、固定資産台帳が常に完成し、更新されているとのことです。
 会計管理局による管理下にあるこの台帳は、例えば都有地などの固定資産が売却、貸与、無償貸与される場合、どのような活用あるいは参考とされるのか伺います。

○菊地会計企画担当部長DX推進担当部長兼務 固定資産台帳につきましては、実際に固定資産を所管する各局が適切な管理を行う上で、その台帳に記載された取得価格、耐用年数等の情報を参考にしていると認識しております。

○上田委員 各局でも活用をされていて、これが本当に一読性ということがあるということでございます。
 企業会計において最も重要なことはディスクロージャー、かつて私も参画した都民ファースト政策において、情報公開は一丁目一番地という政策につき、提言してきた次第です。
 小池都政のもうずっと前から、いち早く企業会計の手法を取り入れてきた東京都として、現状のディスクロージャー、情報公開の積極的な取組、また、都型公会計導入前後の変化につきご説明ください。

○菊地会計企画担当部長DX推進担当部長兼務 平成十八年四月の新公会計制度導入以降、東京都決算参考書財務諸表と併せまして、東京都の財務諸表概要版を作成いたしまして、局ホームページ等で公表することにより、情報公開に積極的に努めてまいりました。
 東京都の財務諸表概要版では、都民一人当たりの資産、負債の金額や行政コスト等につきまして、グラフを使い視覚的に表示しております。また、財務諸表から分かる指標につきまして、経年比較できるよう十年間の推移を示しております。
 このような経年比較を行うことによりまして、財務諸表から、都の保有する資産及び負債並びにコスト情報等の推移を明らかにいたしまして、都の財政状況をより分かりやすく示すよう努めております。

○上田委員 基本は石原都政が、バランスシートをまず、民間からすると本当に随分遅いなと思うんですけど、それでも石原都政−−私、みんなの党にも関わったんですけど、バランスシート、行政財産として出してほしいということで、東京都は、そうした総務省とのそごがありながら進めてきて、全国に津々浦々、普及していただきたいと願っておりますが、全国の道府県、区市町村など、参考にしたいと協力要請もあったと思います。ほかの自治体への導入支援状況、導入実績について伺います。

○菊地会計企画担当部長DX推進担当部長兼務 これまで都では、自治体との職員の相互派遣や各自治体からの研修員の受入れを実施いたしまして、都方式の導入や技術的な支援を行ってまいりました。また、各自治体と導入支援に係る協定を締結いたしまして、自治体内に設置いたしました検討組織に適宜都職員をアドバイザーとして参画させるなど、支援を実施してまいりました。
 このことにより、都基準をモデルにした独自基準を導入した自治体は、大阪府など計十六自治体となっております。
 都基準の趣旨に賛同した団体が先行的に採用した一方、比較的多くの自治体は、より簡便な方法を取る統一的な基準を採用したものと推測しております。

○上田委員 ありがとうございました。
 こうした住民負担を見える化するっていうこと、すごい大事でございまして、これにまた協力して、地域の、何ていうんですか、連携を図っていく、こういったことの支援によりまして、このところ頻発する東京都への一極集中批判も回避できるものと考えております。
 歳出予算の執行に当たり、各局では、配当を受けた予算額の範囲でなければ支出決定することができません。また、会計管理者は、支出命令を受けた場合、法令または予算に違反しないこと及び債務が確定していることを審査、確認した上でなければ支払うことができません。
 各局及び会計管理者それぞれの段階でチェックが働く仕組みはどのように機能したのか伺います。

○菊地会計企画担当部長DX推進担当部長兼務 公金支出につきましては、各局の事業執行課が内部意思決定を行った上で、予算事務を取り扱う課長等が収支命令者として予算の有無等について調査を行うことにより、各局内でのチェックが働く仕組みとしております。
 会計管理者におきましては、各局からの支出命令書等を受けまして、法令及び関係書類に基づき、法令に違反していないか、予算科目や支出内容に誤りはないかなどを審査しております。
 このように、各局と会計管理者の間においてもチェック体制を構築しております。

○上田委員 こうした会計事務がしっかりするということで、適正な予算編成の土台となるということでございますので、重要視しておるとこでございます。
 財務会計システムは、今年の七月に大規模改修を終えて順調稼働していると思料いたしますが、準備から再構築など、かなり労力も要したかと存じますが、状況についてご報告の上、改修作業中もシステムは動いていたわけですから、決算の調製に当たり、財務会計システムは予算との整合を無事に果たせたか伺います。

○菊地会計企画担当部長DX推進担当部長兼務 今回の財務会計システムの改修に当たりましては、令和二年度に実施したシステムアセスメントを経て計画を策定し、令和三年度からアプリケーション開発、令和四年度からシステム基盤構築に着手いたしました。令和五年度からは環境構築や各種試験等を順次実施いたしまして、本年七月に新システムの稼働を開始したところでございます。
 この新システムの開発中も、改修前の旧システムは安定的な運用を継続しておりまして、新旧システムの間でのデータ管理及び移行を適正に行うことで、令和五年度決算の調製に当たっても、予算と整合性の取れた決算資料の作成に寄与しております。

○上田委員 ありがとうございました。決算年度は、環境構築、各種試験等を順次実施しておりまして、整合性が取れたということで一安心でございます。
 決算調製に当たりましては、会計管理者は、各局が作成した決算資料と財務会計システムの情報と照合、確認することにより、決算の正確性を確保。こうしたプロセスを経て、正確な数値を反映させた決算書、附属書類などを議会に提出していただいております。
 財務局には、かねがね私は、款項目節にわたる予算、決算データや全局の全事業をホームページに掲載してほしいと切望しております。
 財務会計システムにより、議決予算、各局への配当などの予算情報及び歳入歳出の計数を一元管理している会計管理局において、これらの実現可能性はあるのかないのか、実際のところを伺います。

○前田管理部長 会計管理者として、一般会計及び十八の特別会計の決算について、法定様式である歳入歳出決算事項別明細書に、款項目節の予算現額及び支出済額を記載するとともに、東京都決算参考書において執行概要説明や不用額説明を示し、局ホームページ上にも掲載しております。

○上田委員 ということは、会計管理局では節までの管理が可能としていることなので、各局も同様に管理しており、全て都民へディスクロージャーの観点からお示しすることは、データ的にも技術的にも可能であると理解をさせていただきました。
 この後、財務局でも確認をしますけれども、やっぱり節でも、節っていっても細かい事業が五千ぐらいあるんですね。その事業が一体幾らなのか。区議会、市議会出身の委員の皆様なら分かると思うんですけど、区市町村の予算書、決算書って、節の中でも、例えば生き生き健康ウオーク何とか、全ての小さい事業にまで予算がついて、何人来たのか、ええっ、一人、やめましょうって感じで、細かく区市の決算、予算というのはチェックしていくんですけど、都議会に来ると、やっぱり大きな枠のことしか聞けなくて毎回違和感があるので、その土台となります決算、予算書、各細かい事業まで予算が入ったもの、決算額が入ったものを私は見て、いずれ近い将来、予算、決算に臨みたいというふうに思っております。それでも八年、六年、干されていましたけれどもですね。
 最後に、内部統制です。
 公金を扱う局としては、最も、会計事務及び物品管理事務の内部統制に、他局より厳しい内部統制が求められるものであります。
 内部統制の取組、尽力について、常に心がけている危機管理、それを防止する対策等、具体的な事例を例示しての説明をお願いいたします。

○菊地会計企画担当部長DX推進担当部長兼務 会計管理局は、内部統制における会計及び物品の制度所管部門として、所管する規程等の整備、内部統制の運用状況の評価等を行っております。
 当局内におきましては、各局の会計事務や物品管理事務の検査に、ふだんは検査以外の業務に当たっている職員を同行させ、検査実務の経験を通じまして知識やノウハウを付与し、会計を担当する職員としての能力向上を図っております。
 各局に対しましては、会計事務規則及び物品管理規則に基づく指導検査を通じまして、適正な会計事務や物品管理事務の確保と会計事務職員の能力向上を推進しております。

○上田委員 まさに会計というのは、税金は都民の血税でございますので、それをまず局自らなさり、そして各局にも指導助言をしているということでございます。
 手堅く事業を行っているのは分かるんですが、私の資料を見ていただきますと、残高はそこそこちゃんとあるのに、先ほど鈴木委員からも指摘ありましたが、平成二十年度から、本当に利回りがもう全然伸びていないんですね。
 私も同じように、ドルでやはり持っていたりもすることでございますので、挑戦するリスクと、やはりこれ都民から預かっている公金でございますので、しっかりとした運用利を、もうちょっと上げていっていただきたいということをお願いいたしまして、また専門人材の育成も願いまして、私の質問を終わらせていただきます。

○河野委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○河野委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で会計管理局関係を終わります。

○河野委員長 これより東京消防庁関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 令和五年度東京都一般会計決算中、東京消防庁所管分を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○岡本次長 要求のございました資料につきましては、お手元の資料のとおりでございまして、内容といたしましては、東京消防庁の救急隊における救急活動時間について、過去五年間でございます。
 どうぞよろしくお願いいたします。

○河野委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含め、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○石島委員 都議会においても、過去何回か質疑されている内容ですが、大切なことですので、改めてお伺いをさせていただきます。
 初めに、都内の救急出動について質問します。
 令和五年、救急出場件数は九十一万八千三百十一回と過去最多を更新し、今年は昨年をさらに上回る件数で推移をしています。特に、暑さが厳しかった七月、八月の二か月間には、救急車の出動率が八〇%を超えた際などに発動される救急車逼迫アラートが、計二十六回出されたと聞いています。
 今後も、高齢化社会による高齢者の増加やインフルエンザなどの季節性の病気、また交通事故の増加によるけがや病気の発生など、救急需要はさらに増大していくことが予想されます。
 真に救急車が必要な方を早期に医療機関へ搬送することは重要です。増大する救急需要に対し、救急隊の隊数を増強し対応することや、救急隊の適時適切な利用を促す取組が必要と考えますが、東京消防庁の見解について伺います。

○伊勢村救急部長 傷病者を早期に医療機関へ搬送するためには、増大する救急需要に的確に対応することが必要であります。
 このため、令和五年度は救急隊二隊、デイタイム救急隊二隊を整備するなど、計画的に救急隊を増強しております。
 また、夏季や冬季など急激に救急需要が増大する場合には、非常用救急小隊を編成して対応するとともに、救急車の適時適切な利用を促すため、救急車の出場状況を救急車逼迫アラートとして発信しております。
 今後とも、これらの取組を推進し救急活動体制の強化を図り、増大する救急需要に的確に対応してまいります。

○石島委員 昨年救急搬送した人のうち、軽症者は五四・二%を占めていたというデータが公表されています。命の危機が迫った人をより多く救うためには、救急車の適正な利用が強く求められるわけであります。
 急な病気やけがで救急通報するか否か迷った方たちのために、東京消防庁では、救急相談センター、シャープ七一一九を設置しています。こうした相談センターの広報も積極的に行っていただくことを要望して、次の質問に移ります。
 計画的な救急隊の増強や救急車逼迫アラートなど各種取組により、救急活動体制の強化に努めている中、一方で、救急車両の進路妨害、救急隊員に対する暴行、また救急車両への損壊行為など、救急隊に対する妨害行為が発生しており、救急活動が中断する事案や、救急車が損傷し出場不能となる事案が発生していると聞いています。
 こうした妨害行為は、増大する救急需要により既に時間を要する現場到着をさらに遅延させる要因となり、迅速な対応が求められる救急活動に深刻な影響を及ぼすと考えています。
 そこで、救急隊への妨害行為に対する適切な対応が必要であると考えますが、東京消防庁の見解を伺います。

○伊勢村救急部長 救急隊への妨害行為は、隊員への暴力など、直近過去五年間だけでも九十六件の事案が発生しており、憂慮される事態でございます。
 妨害行為が発生すると、搬送の遅延が生じ、傷病者の予後に影響を与えるだけでなく、代替の救急隊が対応に当たるため、出場できる救急隊の減少につながります。このため、妨害行為の絶無に向けて、警察機関と連携し法的措置を取るとともに、報道機関等を通じて、円滑な救急活動ができるよう広く都民に協力を呼びかけております。
 今後とも、妨害行為には毅然とした対応をしてまいります。

○石島委員 救急対応時間の遅延や救急隊員の安全確保、またリソースの浪費など、救急活動が妨げられることは非常に深刻な問題であります。警察と連携し、法的措置の強化、妨害行為がいかに危険であるかを伝える啓発活動、また車載カメラによる妨害行為の記録など、救急隊員の安全を確保し、増大する救急需要に円滑な対応が取れる体制強化に努めていただくことを要望して、質問を終わります。

○藤井委員 私も、救急出動などに関して質疑をさせていただければと思います。
 現在、コロナ禍も落ち着いてきまして、救急の不足感というのは、コロナ禍と比べれば大分落ち着いてきたんじゃないかと思う一方で、この夏も大変な酷暑でありまして、やはり熱中症など、救急利用というのは大分増えているということもニュースなどでも聞きますし、地域を回っていると、地元の方からもお話をお伺いするところであります。
 そこで、昨年度の救急車の出動回数、また、その搬送にかかる平均時間をお伺いいたします。あわせて、これらの数字の傾向が増えているのか減っているのかについてもお伺いをさせていただきます。

○伊勢村救急部長 令和五年中の救急出場件数は九十一万八千三百十一件であり、コロナ禍以前の令和元年中の八十二万五千九百二十九件に比べ、九万二千三百八十二件増加しております。
 また、令和五年中の救急隊一隊当たりの平均活動時間は百十二分五十六秒であり、令和元年中の八十五分三十九秒に比べ、二十七分十七秒延伸しております。

○藤井委員 ありがとうございます。コロナ前の時間と比較をしていただきました。
 コロナ前は、五輪等もあり、大分出動時間を減らすための取組も進んできたところだというふうに聞いておりますが、今ご答弁の中で、出場件数が九万件増加を、約一一%増加をしておりまして、しかもこれは過去最高の数だということを聞いております。平均活動時間は約二十七分増加、約三〇%も増えているということでありまして、これはやっぱり何とかしなきゃいけないというか、出動を依頼している方々の命にも関わる問題ですので、これはしっかりと取り組んでいかなきゃいけないなと思います。
 まだ正確な数字は出ておりませんが、今年度もこの傾向は増えて、出動件数等は増えているというふうに聞いていますので、しっかりと取り組んでいかなければならないんじゃないかというふうに思います。コロナの前後で大分増加しているということが確認できました。都民の命を守るためにも、この出動回数を適正化しまして、平均活動時間を削減するということは非常に重要だと考えております。
 私の地元の町田消防署なんですが、こういった増大する需要に対応するために、昨年からデイタイム救急というものを導入いたしまして、救急車を増やす対応をしております。
 増大する救急需要に対応するため、昨年度の救急隊の増隊数についてお伺いします。また、シャープ七一一九など救急車の適正利用を促す取組についても併せて伺います。

○伊勢村救急部長 増大する救急需要に対応するため、令和五年度は、救急隊二隊、デイタイム救急隊二隊を増隊しました。
 また、救急車の適時適切な利用を促すため、救急車の出場状況を救急車逼迫アラートとして新たに発信するとともに、救急車を呼ぶか迷ったときの相談窓口である救急相談センターの利用について、各種メディア等を活用した広報を積極的に推進しました。
 これらの取組により、令和五年中における救急相談センター受付件数は、過去最多の四十六万七千二百六十七件となり、不要不急の救急出場件数の抑制に寄与していると認識しております。
 引き続き、救急車の適時適切な利用をさらに促進し、増大する救急需要に的確に対応してまいります。

○藤井委員 ご答弁の中で、救急相談センター、シャープ七一一九のことだと思いますけれども、この件数が約四十六万件あったということで、先ほど最初の答弁で九十一万件ですか、出場件数があったということですので、そのままもし増えていたと考えると、一・五倍にさらに増えていたんじゃないかということを考えると、かなりそちらで、シャープ七一一九の方で受けることができているんじゃないかなと思います。
 そのために、いろいろな新たな取組である救急車逼迫アラートの発出であったりとか、広報活動をされているということで確認をさせていただきました。
 この救急車逼迫アラートですけど、東京消防庁のSNSだったりとか様々なところで出していただいておりますし、私の地元の町田市では、市の持っているLINEの方で、たしかアラートが出ると毎回連絡をいただきまして、私も夏とか、あっ、またアラートが出ているなと確認をさせていただいたところでありますので、ぜひそういった地域との連携というか、区市町村との連携というのもしっかりと進めていっていただきたいと思います。
 この出動件数を減らすということ、様々今後検討していかなければいけないんじゃないかと思うところで、総務省の消防庁などでは、一部有料化の議論などもあるかと思いますので、そういったことも踏まえて、様々な検討が必要じゃないかなと思います。
 続きまして、救急要請の中には、同じ電話番号から何度も電話がかかってくる頻回要請、頻回要請者というものが含まれると聞いております。ある中核市では、年間、同じ方が八百回以上の要請をしているという方もいらっしゃるということでありまして、結構多いなというような印象を持つ次第であります。
 そこで、都内におきまして、年十回以上救急車を要請している方の数の推移、五年分と、最大で何回要請があるのかお伺いをいたします。

○伊勢村救急部長 頻回に救急要請を繰り返す人のうち、一年間に十回以上、救急車を出場させた人の数は、直近過去五年間で見ると八百人台で推移しており、令和五年中は八百七十一人でした。
 また、これらの人のうち、令和五年中に最も多く救急車を出場させた回数は百七十二回でした。

○藤井委員 ありがとうございます。過去五年間、大体八百人台で推移していて、令和五年度中八百七十一人だったということで、最大が百七十二回ということで、八百人ほどじゃないけど、それなりに多い数かなというふうには思うところであります。
 ざっくり計算して八百七十一人で、平均十回ちょっとと考えると、一万件近くの要請にはなっているのかなと思いまして、全体で見ると一%程度とはいえ、そこの対応というのは非常に重要じゃないかと思います。
 ここで、確認をさせていただきたいんですけれども、こういった頻回要請なんですが、重症、軽症など、どのような症状が多いのかお伺いいたします。

○伊勢村救急部長 令和五年中に十回以上救急車を出場させた人に関する救急活動件数のうち、本人の搬送辞退等により搬送に至らなかった割合は約四九%でありました。
 なお、搬送に至った救急活動件数のうち、軽症であった件数が約七五%、中等症が約二三%、重症以上が約二%でありました。

○藤井委員 ありがとうございます。約四九%は搬送に至らなかったということであります。
 全体の救急出動も、たしか五〇%ぐらいが入院を必要としないというか、搬送に至らないというような話があった、すみません、ちょっとうろ覚えなんですが、あったと思いまして、大体、同じぐらいだという頻度かとは思います。
 一方で、救急搬送のうちでも約七五%が軽症ということであります。これも結構多いのかなと思うところと、とはいえ、中等症や重症の方も二三%、二%といるということで、これを見逃すわけにはいかないわけでありまして、救急の皆さんとしては、そこをしっかりとケアしなきゃいけないというところで、しっかり対応する必要があるのかなというふうに思うところであります。
 また、大体、年八百人ほどいらっしゃるということで、事前にちょっとやり取りさせていただいたときに、八百人ずっと同じ人というわけではなくて、入れ替わりというか、新たにそういう人が増えてくるというような話がありまして、多分想像するに、何ですかね、精神的な疾患のある方であったりとか、もしくは、場合によっては高齢で認知症のあるような方も含まれるのではないかと思っておりまして、様々なご事情に対して丁寧な対応が必要なのではないかと考えるところであります。
 頻回要請者への対応をどのように行っているのかお伺いいたします。

○伊勢村救急部長 救急車を頻回要請する事情は様々であり、要請者に応じた適切な医療または福祉等につなげるため、保健所や福祉事務所、地域包括支援センター、区市町村、警察等の関係機関に対して協力を求め、連携し対応しております。
 引き続き、個別事案ごとに関係機関と連携し、適切な対応を図ってまいります。

○藤井委員 ありがとうございます。要請者に応じた適切な医療または福祉につなげるための対応を、区市町村だったりとか、各保健所、福祉事務所などと連携をされているということでありました。
 事前のやり取りの中で、そういった対応をすることで頻回要請がなくなるケース、治療などによって、なくなるケースというのも結構あるというふうに聞いておりますので、しっかりと寄り添った対応をお願いしたいと思います。
 先ほどの質問でもありましたけれども、カスタマーハラスメントも含めてですけれども、様々な事情がある方もいると思いますので、しっかりと寄り添った対応をお願いしたいと思います。
 この頻回要請者に限りませんが、東京消防庁でも、救急利用の約半分が入院を必要としない要請ということでありまして、適正な利用方法を呼びかけしているところだというふうに聞いております。軽症者の搬送を減らす取組として、緊急性がない傷病者をトリアージしていくことが必要だと考えますが、取組についてお伺いいたします。

○伊勢村救急部長 救急要請に対しては、いち早く救急隊員が現場に到着し、緊急性を含め、傷病者の状況、状態を確認することが重要であります。
 なお、救急現場において傷病者を観察した結果、明らかに緊急性が認められないと判断された場合には、傷病者の同意を得て不搬送とする救急搬送トリアージを運用しております。

○藤井委員 ありがとうございます。明らかに緊急性がないというときには、同意を得て不搬送とする救急搬送トリアージを運用しているということでありましたので、こちらも適切に運用をいただきたいと思います。
 本当に重篤な方であったりとか重症の方を、やはり命を守るということで非常に重要だと考えております。事前に質問の調整の中でやり取りがあったんですけれども、今ご答弁にもありました東京消防庁の考え方としては、救急要請に関しては、まず、何よりも現場に行ってその確認をして、必要がなければ、そこで判断するということが一番重要だと考えているということ、これは確かに命を守るために本当に重要だなとお伺いしていて思いましたし、一方で、民間のコールセンターなどでは、様々な、最近ですと、AIに限らず、これまでもいろんな、何ですかね、同じ方から電話があれば、すぐまたログが出てきて、それを確認しながらやり取りするであったりとか、効率化、より適切に対応できるようなことも進めておりますので、一一九番のセンター等でそういった消防なのか、救急なのか、何なのかというところを素早く判断するような取組というのも検討されるといいのではないかと思うところであります。
 また、これもちょっと事前に議論をしたんですけれども、横浜市では、一一九番の電話から緊急度、重症度を識別して、傷病者の状態に応じて救急の人数を減らして対応できるような、特区の対応もしているということでありまして、そういったことも含めて検討というか、構想をしていただければと思います。
 救急等に関しましてはこちらになりまして、話を変わりまして、デジタル対応であったりとか、現場のスタートアップ活用といったところについて質問をしていきたいと思います。
 東京消防庁では、他局に先駆けまして、独自でデジタル技術やスタートアップ等の力を借りて消防庁の課題を解決しようという取組を始めていると聞いております。
 すばらしい取組だと思っておりまして、昨年度、消防庁が実施をしましたデジタル技術の実装に係る公募事業について、どのようなものを採用して、効果があったのかお伺いをいたします。

○瀬崎企画調整部長 デジタル先端技術の実装に向けた技術検証等のため、令和五年度には、住まいの防火防災診断のデジタル化、VR技術を活用した救急活動訓練の実現、建築物の複雑多様化に対応した火災避難シミュレーションの導入の三点の行政課題について公募を実施し、採択者五者と協定を締結しました。
 現在、協定を締結した各企業とは、課題の解決に向けた技術検証を実施しております。

○藤井委員 ありがとうございます。三点の行政課題について公募を実施して、五者と今協定を締結して、検討というか、技術検証を行っているところというご答弁でありました。
 これ、しっかりと進めていただきたいなと思いますのと、事前にいただいた資料等を見ると、例えば住まいの防火防災診断のデジタル化というのは、これまで消防署の職員等が現地に行って、ここをこうしたらいいんじゃないかとか、ここはたんすが倒れて危ないんで突っ張り棒というか、立てたらいいんじゃないかとか、そういうことをしていたものを、写真などで対応できるようなものを検討されているということで、都民がより使いやすくなるものかなと思いますので、技術検証をしっかりとした上で、進めていただければと思います。
 加えまして、消防庁では、独自のものに加えて、産業労働局が実施しておりますスタートアップを都政現場で活用するUPGRADE with TOKYOにもエントリーをしていただいておりますが、この理由と、どのようなものを採用したのかお伺いをいたします。

○瀬崎企画調整部長 東京消防庁では、消防同意事務における法令の適合審査を職員が一つ一つ手作業で行っている現状でございます。
 このことから、DXにより当該事務の効率化、省力化を図るため、UPGRADE with TOKYOにエントリーし、建築物の安全性を確保する審査業務の効率化、省力化が採択されました。
 現在、スタートアップとの協働により、消防同意事務の審査補助ツールの導入に向けて、技術検証を実施しているところでございます。

○藤井委員 ありがとうございます。消防同意事務の審査補助ツールの導入に向けて、こちらも技術検証を実施しているというところであります。着実に進めていただきたいと思います。
 これも、これまで法令に基づいた対応が必要なので、書籍で一個一個確認していたところを、デジタル化することによって、条件を入れることでデータベースを引けたりとか、あとこれまで職員さんが一つ一つチェックしたものを、さらに別の方が漏れがないかとかチェックしたところのダブルチェックを減らすだったりとか、効率化につながるところだと思いますので、ぜひこの新しい技術を活用して皆さんの生産性を上げていただいて、より大事な都民の命と安全を守るというところに注力できるようにしていただければと思います。
 こういったデジタルの活用であったりとか、最先端技術の活用だったりとか、スタートアップの活用を通じて都の消防行政がよくなってきたわけですし、命を守ってくれているというふうに都民が実感できるということが重要だと思います。
 さらに、こういったデジタル技術やスタートアップを活用していくべきと考えますが、昨年度の課題等を踏まえまして、DXやスタートアップ活用に関する消防庁の見解を伺います。

○瀬崎企画調整部長 東京消防庁では、都民サービスの向上を目指し、電子申請の拡充や窓口業務の効率化等に取り組んできたところであり、さらなるQOS向上のためには、スタートアップ等が保有するデジタル先端技術の積極的な活用が必要でございます。
 このことから、先端技術の導入に向け関係各局と連携するとともに、令和五年度からは、当庁独自の官民連携による技術検証事業等を行い、BPRの推進など行政課題の解決に努めてまいりました。
 今後、スタートアップ等との協働をさらに拡大するなど、都民が実感できる消防行政のQOS向上に積極的に取り組んでまいります。

○藤井委員 私も昨年、何かの拍子に、消防庁さんが、先ほどのデジタル関係の取組、デジタル技術の実装に係る公募事業をしているという話を聞きまして、正直ちょっと驚きました。
 ちょっとお堅いようなイメージがあって、新しい技術とかの採用って、どうしても安全・安心に進めなきゃいけないところが消防さんはあると思うので、なかなか難しいんじゃないかと思っていたんですが、一方で、考えてみると、地元の防災訓練等に参加しても、もう今、地元の消防団ですらドローンを使って災害現場の確認などをしておりまして、そう考えると、やはり都民の安全・安心を守るという意味では、先端技術の活用というのは、率先してやっぱり取り組んでいかなきゃいけないところなんだなというのを改めて思ったところであります。
 さらに、東京消防庁がそういう取組をしているということで、本当に頑張っていただきたいなと思っているところでありまして、ぜひですね、さらにスタートアップの力であったりとか先端技術を使って、都民の命と安全をしっかりと守っていただくことをお願いいたしまして、私の質疑を終えさせていただきます。ありがとうございました。

○もり委員 東京消防庁の皆様におかれましては、日頃より、セーフティー東京の都民の安全・安心を守るために日夜ご尽力をいただき、心より敬意と感謝を申し上げます。
 令和五年は、関東大震災から百年の節目の年として、激甚化及び大規模化する各種災害等に、安全、的確、迅速に対応するため、消防活動体制の強化を図る取組が行われたところですが、令和五年、新規事業として、カヌー・スラロームセンターを活用した救助訓練が行われました。
 その取組実績についてお伺いをいたします。

○木下警防部長 カヌー・スラロームセンターは、人工的に強力かつ複雑な水流を発生することにより急流河川を再現できる施設であり、令和五年度から急流救助訓練に活用しています。
 これまで水難救助隊や山岳救助隊など二百五名の隊員が訓練に参加し、より実戦に即した環境での人命救助技術やボートの操船技術を習得するなどの効果を上げています。また、ヘリコプターを活用し、水面上の要救助者をつり上げる訓練も実施しています。
 今後も、本施設を効果的に活用し、急流河川等における救助技術の向上を図ってまいります。

○もり委員 ありがとうございます。
 水難救助隊や山岳救助隊など本当に困難な状況や、またヘリコプターを活用した水面の救助など、災害対応にも資する実戦的な訓練が行われているということで、東京二〇二〇大会のこうした会場が実戦的な訓練に活用されているのはすばらしいと感じました。ぜひ引き続き有効活用していただきたいと思います。
 令和六年一月一日に発生した令和六年能登半島地震に、緊急消防援助隊として東京消防庁より部隊が派遣され、令和五年度決算においては消防費国庫負担金により八千百七十九万二千七十四円が収入をされました。
 道路が寸断され、陸路で支援に向かうことが困難な状況にも、ヘリコプターを使った物資の搬送、自衛隊機に積み込んだ消防車両の提供や、倒壊建物等の救出救助活動など、年始から各隊と連携した消防活動に、改めて感謝を申し上げます。
 令和五年度において、発災直後から支援にどのように取り組まれたのか、取組実績についてお伺いをいたします。

○木下警防部長 令和六年能登半島地震においては、消防庁長官からの出動指示により、一月二日からヘリコプターを派遣し、エアハイパーレスキューにより住民三名をつり上げ救助したほか、人員、物資の搬送などを行いました。
 また、一月八日には陸上部隊の出場指示があったことから、同日、救助車二台を自衛隊機に搭載し派遣したほか、一月九日に四十六台、百三十三名を陸路で派遣いたしました。
 現地では、輪島市及び珠洲市での救出救助活動を行い、一月十六日、輪島市渋田町の土砂災害現場において要救助者二名を発見し、救出いたしました。
 今回の派遣では、二月三日の引揚げまでの間、延べ千二百二名の職員を派遣いたしました。

○もり委員 発災翌日からヘリコプターを派遣していただいたということで、迅速なご対応をいただいたこと、本当に感謝を申し上げます。
 また、輪島と珠洲市には、私も先日行ってきたんですけれども、十か月たった今でも倒壊した建物がそのままであったり、また九月に、後を追いかけるような水害の土砂が、まだ積もった状況ですとか、本当に長い期間をかけて、共に復興に向けた取組が必要だと思いますので、引き続きの支援に取り組んでいただきたいとお願いを申し上げます。
 いつ来るとも知れぬ首都直下型震災への備えとして、地域型防災力の要を担う消防団の災害対応能力の向上が欠かせないと考えております。
 東京都では、特別区消防団運営委員会の答申を踏まえた装備資機材の整備に取り組んでいます。令和五年十月二十一日には、私も現地に伺わせていただいたんですけれども、二十五回大会で、初めて東京で開催をされ、全国女性消防操法大会が開催をされました。全国の精鋭たちが集うすばらしい操法を拝見させていただきました。
 全国で、消防団員の高齢化と団員の減少が顕著な中、女性消防団員が地域を守る消防団員として活躍をいただいております。令和五年における女性消防団員の推移と、都として女性団員の活動しやすい執務環境の整備に向けた取組についてお伺いをいたします。

○古賀防災部長 令和六年四月一日現在の特別区消防団の女性団員は、全団員の二二%の二千九百七十九名であり、平成三十年から七年連続で増加しております。
 女性消防団員の活動しやすい環境の整備については、特別区消防団運営委員会の答申や女性消防団員からの要望を踏まえた取組を行っております。
 令和二年度には応急救護指導等の特定の任務の活動に従事する機能別消防団員制度を導入するとともに、令和四年度からは分団本部施設に女性の更衣に配慮したスペースを設けるなど、女性が消防団活動をしやすい環境を整備しております。

○もり委員 ありがとうございます。
 女性団員の活動しやすい環境の整備に取り組んでいただいて、また、応急救護の特定の任務に従事するという機能別消防団員の制度についてはもっと周知をしていただいて、本当に女性だからこそ活躍できる現場が実際あるということも、より都民の皆様に知っていただきたいと思います。
 今月十月二十六日にも今年度の消防操法都大会がございますので、本当に今、団員の皆さん、しのぎを削っているところですが、地元の大田区の大森消防団も、女性団員だけの操法に向けて準備をされていますので、こういった活動しやすい環境整備に取り組んでいただき、そういった取組がぜひ都民の皆様に広く伝わるよう周知をお願い申し上げます。
 また、本年一月二日には、地元大田区の羽田空港で航空機事故が発生し、航空会社と共に地元、消防、警察、医師会等の協力により、全ての乗客が無事に避難、救助をされたことは、日頃の訓練成果のたまものであると考えます。
 令和五年度における航空機災害を想定した対応について、取組をお伺いいたします。

○木下警防部長 航空機災害への対応力を強化するため、毎年、国土交通省東京航空局、警視庁、医師会、東京DMAT、航空会社等と連携した総合的な訓練を実施しています。
 本年度の訓練では、一月二日の航空機火災の教訓を踏まえた、より実戦的な訓練を行うこととしています。
 今後も、関係機関と連携し、より効果的な消防活動体制の強化を図ってまいります。

○もり委員 ありがとうございます。
 本当に一歩間違えば、さらなる大災害になり得るところだったところ、日頃からのこうした訓練が功を奏していただいたと思っておりますので、引き続きの取組をお願い申し上げます。
 令和五年度中の救急出動件数は過去最高を更新し、九十一万八千三百十一件と、救急業務を開始した昭和十一年以降、過去最高を記録し、令和四年度との比較をしても四万六千二百三十六件、五・三%の増加となり、一日当たり二千五百十六件、約三十四秒に一回の出動となったとの報告を伺いました。
 令和五年は、令和元年末からのコロナ禍の終息により、救急搬送数は減少することが期待をされていましたが、令和五年に救急搬送数が過去最多を更新した要因についてお伺いをいたします。

○伊勢村救急部長 救急出場件数が増加している要因は、人口の増加や猛暑の影響など様々な要因が考えられます。特に、救急搬送された傷病者のうち、約半数を占める六十五歳以上の高齢者層の人口が増加傾向にあることが影響しているものと考えられます。

○もり委員 やはり昨年の大変猛暑の中で、ご高齢の方がご自宅の中でも熱中症になるなど、自治体と連携した周知なども、より一層求められると考えます。
 また、搬送された方を年代別に見ると、七十五歳以上が四割、また、ゼロ歳から十四歳の小児の層が前年度と比較して増加が見られます。私も娘が二歳の頃、小児の熱性けいれんで初めて救急車にお世話になり、誰にでも起こり得る怖さを実感した一方、小児の救急搬送の要因として、頭部、顔面外傷が三番目に高く、子供のけが、また熱中症の救急搬送ともに、発生場所の一位が家庭となっています。
 家庭における救急搬送を未然に防ぐための都民への周知啓発の取組についてお伺いをいたします。

○古賀防災部長 東京消防庁では、家庭における救急搬送に至った要因を分析し、その結果を踏まえ、リーフレットや動画を制作し、関係機関と連携した普及啓発をはじめ、立川防災館でのARを活用した事故の疑似体験を通じた注意喚起を行っております。
 今後とも、家庭における救急搬送を未然に防ぐための取組を行ってまいります。

○もり委員 ありがとうございます。
 こうした増大する救急需要に的確に対応するため、都では、救急隊の増強や救急相談センターの充実強化を図ってきたとのことです。通信員を削減し、救急相談看護師の一部の業務委託を行いましたが、削減された通信員は正規職員だったのか。委託により、相談看護師の処遇改善に寄与する内容であったのかを伺い、救急相談センターの充実強化にどのように取り組んだのか、令和五年の取組についてお伺いをいたします。

○伊勢村救急部長 会計年度任用職員である通信員が対応している医療機関案内は減少する一方、看護師が対応している救急相談が増加していることから、令和五年度には、一部の通信員に替え、看護師を増員配置しました。
 また、救急相談センターの電話回線を増強するとともに、救急相談需要の多い時間帯に看護師を増員配置できるよう、相談業務の一部を業務委託し、受付体制の強化と看護師の労務負担の軽減を図りました。

○もり委員 ありがとうございます。ニーズに応じた専門人員の拡充を行っていただいている旨の答弁をいただきました。
 増大する救急需要に対しては、都民へのシャープ七一一九の周知ですとか、救急相談センターを活用していただいて、増大する救急需要に対し、本当に必要とする方の命を救うことができるよう願い、質問を終わります。ありがとうございます。

○上田委員 まずは、大きなところからでございます。
 コロナ前、コロナ禍と、大変な状況が続いたと思います。コロナ前からこれまでの救急車の出動状況を中心に、救急医療体制が直面した問題、例えば本当に受入先が見つからなかったなど、それらを解決すべく講じてきた対策、いまだ残る課題についての経緯と所見を時系列でご説明ください。

○伊勢村救急部長 コロナ禍以前から、増え続ける救急需要に対して搬送先医療機関を確保するため、救急医療の東京ルールにより対応してきましたが、コロナ禍を経て、医療機関の選定に困難を要する事案が増加するという課題が生じていることから、救急医療対策協議会において対応策の検討が進められております。
 引き続き、関係機関と連携し、課題解決に努めてまいります。

○上田委員 この夏も第十一波ですか、大変な状況でありました。るる、ほかの委員さんから、お試し一一九番じゃないんですけれども、タクシー代わりや不適切な通報があるということで、対応されているというようなことを答弁いただいたので、省略させていただきたいと思います。
 例年二割程度で、緊急を得ない一一九番通報があると。例えば工事現場がうるさい、飲食店の電話番号を教えてほしいというようなことなんか、苦慮していると思います。
 同じくシャープ七一一九についても、ほかの委員さんから質問がありましたので、省略をさせていただきますけれども、四割強が軽症者ということで、この減少に寄与しているのかということでありましたけれども、平成十八年度より六・一ポイント減少していることから、シャープ七一一九は軽症者割合の低減に寄与しているということを確認させていただいております。
 センターに寄せられた相談というのも、一つのまた情報のネタというか、これからの救急医療に参考になると思います。これまでは四割が、救急相談センター、十五歳未満の子供を持つ保護者、先ほど、もり委員からもありましたけれども、そういったお子さんを持つ相談であったり、発熱、頭部外傷が上位を占めておりました。
 ただ、少子高齢化がさらに進み、令和に入っての相談内容の傾向と対策、その傾向から見える利用層に向けた本事業の周知について伺いたいと思います。

○伊勢村救急部長 少子高齢化の進展により、救急相談センターにおける高齢者からの救急相談の割合は増加傾向にあります。
 このため、地域包括センターや高齢者福祉施設などを通じて、高齢者に対する救急相談センターの積極的な周知を図っております。

○上田委員 そうですね。若いママ、パパは、もう七一一九は浸透していますけど、高齢者の方は相変わらず一一九番という方が多いと思うので、周知をお願いしたいと思います。
 また、このセンターができた前と後では、不要不急の出動というのは減ったと思うんですけど、ちょっと数字で確認をさせてください。

○伊勢村救急部長 救急相談センターの受付件数は、開設時の平成十九年には七か月間で約十五万六千件でありましたが、令和五年には約四十六万七千件に増加しております。
 また、令和五年の救急搬送人員に占める軽症者の割合は、救急相談センター開設前の平成十八年より六・一ポイント減少しております。
 不要不急の救急出場件数の抑制に寄与していると認識しております。

○上田委員 この方の問題を解決するために、東京都メディカルコントロール協議会や区市等の救急業務連絡協議会を活用されて、様々データの情報共有をされていました。コロナ禍を経て、さらなる取組があるかと思いますので、伺います。

○伊勢村救急部長 救急業務連絡協議会につきましては、救急需要対策を推進するため、コロナ禍を経て、新たに患者等搬送事業者を参画させるなど、関係機関との連携体制の強化を図っております。
 また、東京都メディカルコントロール協議会につきましては、令和五年中に十二回開催、実施をし、傷病者の受入れ体制の強化等を図っております。

○上田委員 この手の協議会って年一、二回で、やって終わりみたいな中、毎月やっているということを確認させていただきました。
 また、ほかの委員からもありました、大変けしからぬですね、駆けつけた救急隊員に暴言を吐いたり暴力を振るったりということで、これについては九月にニュースになりまして、対応をされているということで、これも飛ばさせていただきます。
 本当にコロナ禍のときに、大変でしたと思います、十一波もそうでしたけど。居眠り運転で本当に事故を起こしちゃったんですけど、もうこれは十七時間、寝ていなかったということで、実際、本当に気の毒なことでありました。
 二〇二〇年三月から五類移行決算年度まで、救急隊一隊当たりの一日平均稼働時間の推移、職員の労働状況についてご報告ください。また、この経験値を得て見えてきた職員の労働ですよね、課題や解決策など、具体的にご説明いただければと思います。

○伊勢村救急部長 救急隊一隊当たりの平均活動時間は、令和二年中の八十八分二十九秒と比べて、令和五年中は百十二分五十六秒であり、大幅に延伸しております。
 このため、救急隊員の労務管理の必要性がありますことから、計画的に救急隊を増隊するとともに、救急隊員を増員し、交代乗務や休憩時間が確保できるよう対策を推進しております。

○上田委員 このように非常に苛酷でストレスの多い職務でございます。メンタルケア、ストレスチェック、いろいろな対策を実施していると思いますが、詳細をお伺いしたいと思います。

○門倉人事部長 労働安全衛生法に基づき、職員一人一人に対し、年一回ストレスチェックを行い、判定結果が高ストレスに該当した職員については、医師の面接指導を受けるよう促しております。
 また、各所属単位の集団分析を行い、職場環境のストレス要因を除去するなど、積極的な改善を図っております。
 さらに、職員のニーズに応じた相談窓口の充実強化を図り、職員が一人で悩みを抱えることがないよう適切に対応しております。

○上田委員 とはいえ、一人の消防官を育成するまでに教育指導は長い時間がかかり、時に厳しく指導を−−人の命がかかっていますからね、指導をしなければならないこともあると思います。
 十年前に消防学校での体罰事案が発生してしまいましたが、その後の適正育成、規範意識の醸成、ハラスメント防止対策を伺います。

○門倉人事部長 消防学校教育指導便覧を策定した後、平成三十一年に職員が従うべき行動指針を具体的に示したコンプライアンス推進の手引を作成し、全職員に配布しました。
 また、各種研修及び各所属教養などあらゆる機会を捉えて、ハラスメント防止対策を含めた倫理教育及び服務指導を徹底しております。

○上田委員 そして、救急出動の状況ですが、最も多いのは急病、一般負傷、交通事故となっております。気になったのは、意外と多いのが自損行為、運動競技事故です。
 自殺未遂などは適正な支援につなげ、学校事故であれば教育現場における安全対策実施など求められるところですが、他機関連携に至ることはないのでしょうか、伺います。

○古賀防災部長 東京消防庁管内では、令和五年中に自損行為及び運動競技事故により、それぞれ約五千名が救急搬送されております。
 自損行為については、各自治体等が設置している自殺防止のための会議体に参画し、情報提供を実施しております。
 また、運動競技事故については、事故事例や対策を啓発するための動画を制作し、ユーチューブで配信するとともに、関係機関と連携した普及啓発に取り組んでおります。
 今後とも、関係機関と連携し日常生活で生じる事故の防止に努めてまいります。

○上田委員 学校で起こる、あってはならない学校災害には、本当にいつもお世話になっているところでございますので、しっかりと情報共有をいたしまして、危機感をそうした学校側に持っていただきたいと思うところでございます。
 地域別の救急出場件数ですが、二十三区は足立区、三多摩は八王子が多いとのことです。私の地元江戸川区も上位に入っております。
 これは単に人口が多いからなのでしょうか、それとも地域特性があるからなのか。もしも地域特性に遠因があるとすれば、地元消防署が状況を把握しておりますことから、地域に特化した現状把握、即した準備や対策も講じられると思いますが、所見を伺います。

○伊勢村救急部長 人口等の要因により救急需要には地域差がありますことから、需要に応じて救急隊を配置しております。
 なお、出場させる救急隊につきましては、市街地が全都的に連続している当庁管内の特性を考慮し、区市町村単位ではなく、管内全域を一つの地域とみなして効率的に運用しております。

○上田委員 江戸川は第七方面ということでありますね。
 最近十年の火災件数、焼失面積は増加、死者も微増傾向にありますが、昭和三十五年以来、三番目に少ないということです。
 雑居ビルでの火災で多くの被害者が出ることは度々報道されてきました。消防庁としては、火災予防監査を実施しております。一斉立入検査も行ってきたようですが、近年の違反状況の建物の傾向など、課題、所見を伺います。また、立入検査が終わったら、また元どおりとならないための取組をしていると思いますので、その点もお願いをいたします。
 消防法令違反を確認した場合、指導をしていますが、平成三十年から警告は激減しているものの、命令については増加傾向にありますので、その点の解説もお願いいたします。

○福永予防部長 消防法令違反は、特に繁華街等にある不特定多数の人が利用する建物で多い傾向にあり、防火防災管理面の違反が七割程度を占めております。
 このことから、違反が繰り返されることのないよう、特に繁華街においては一斉立入検査などを行っており、消防法令違反がある場合には、必要に応じて警告や命令を行っております。
 なお、警告、命令の件数は年によって増減はありますが、火災による人命危険が高い建物に対しては重点的に立入検査を実施し、必要な行政指導を講じてまいります。

○上田委員 私も文京区湯島の花町育ちでございまして、そうした雑居ビルでですね、消防来たらビールケースをどいて、また元に戻したなんてことが散見していたので、本当に日々の努力に感謝するところでございます。
 消防同意についてはDX化で対応すると。私もちょっと、ここのところ建築ラッシュ、あんまり私は賛同しませんけど、あちこちで再開発ラッシュがある中、消防同意の人的リソース、大丈夫かなと思ったところ、DX化で様々検討しているということで把握をさせていただいております。
 次に、区市町村、町会、自治会、地域包括センター、社会福祉協議会、民生児童委員、介護支援専門員等の関係機関と積極的に連携した要配慮者に対する各種防火防災対策を推進されております。
 うちもそうなんですけど、木密地域が多い城東地区と世田谷区などの城南、三多摩、一戸建て、集合住宅と、地域や建物属性に即した対策を講じられていると思料しますが、具体的にはどう当事者とつながり、防火防災診断を実施し、防災行動力の強化につなげているのか、取組と所見と課題、なかなか人が集まらないなんかあるかと思うんですけれども、伺います。

○古賀防災部長 住まいの防火防災診断は、消防職員及び関係機関が要配慮者等の自宅を訪問し、火災、地震及び日常生活事故に係る危険要素の診断と改善指導を目的として実施しております。
 なお、診断は、地域の実情に精通している区市町村や町会、自治会及び要配慮者と日常的に接している地域包括支援センター等から居住環境等の危険性が高い要配慮者の紹介を受け、実施しております。
 引き続き、真に診断が必要な対象者に実施し、居住環境の安全化や防災行動力の強化を図ってまいります。

○上田委員 これね、福祉だけではどうにもならないので、よろしくお願いします。
 また、起こってしまった火災は不幸なことですけれども、その後の火災調査も、将来に向けての防止策の知恵の宝庫となると思料いたします。
 火災調査の人員体制、その技術、人材育成はどうなっているのか、調査結果を日常消防業務にどう反映しているのか伺います。

○福永予防部長 各消防署においては、火災調査の高度な専門知識を有する主任調査員の下、消防活動に従事した消防隊員を含めた体制で火災調査を実施しております。
 火災調査を実施する職員には、技能の習熟段階に応じて、座学、OJTを交えた研修を実施しております。
 また、火災の調査結果については、都民に対する火災予防広報や消防活動要領の改定に活用しております。

○上田委員 また、様々な業務、こうした日常防火対策とか要救助者と、様々な仕事をされていること、専門性が高いということで、いろいろこれまでは各種資格を計画的に職員が取得されております。
 全体としての能力、技術、資質向上の取組を各担当分野ごとにお示しください。

○門倉人事部長 警防、救急、予防等、消防業務の各分野において、庁内外の各種研修や教養などにより、能力、技術等の向上に取り組んでおります。
 さらに、管理監督者がOJTを通じて各分野における職員の職務適性等を把握し、職員一人一人の意欲と能力に適した人材育成を推進しております。

○上田委員 一人一人の技術が命を守っていくと思います。
 火災の出火原因、ワーストワンは放火です。放火や他殺体が発見された場合など犯罪が疑われる火災調査結果も含め、犯人逮捕、再発防止を踏まえると、警視庁と連携しているものと思料いたしますので、状況について伺います。また、消防庁における放火に係る対策も伺います。
 そして、ワーストは相変わらずたばこです。先月、たばこを習慣的に吸っている人の割合、喫煙率は一四・八%、最も低くなったことが厚労省の調査で明らかになったというのに、不可思議に感じます。
 火災による犠牲者は高齢者が多いのですが、その点はリンクしているのでしょうか、所見を伺います。

○福永予防部長 犯罪が疑われる火災の原因調査については、捜査機関と合同で実施しております。
 また、放火対策についても捜査機関と情報共有するとともに、家の周りをいつも整理整頓し、燃えやすいものを置かないようにすることや、外灯をつけることなどの防火指導を実施しております。
 なお、厚生労働省の調査によると、喫煙率は低下しておりますが、当庁管内におけるたばこに起因する火災による死者のうち、高齢者の占める割合は増加傾向にあります。
 引き続き、高齢者を含め、火災による死者の低減に努めてまいります。

○上田委員 紙たばこが火災のもとなのでしょうかね。
 消防庁は、車両や機器等、膨大な機材を所有されております。契約議案など議会に上がってきた場合は、必要不可欠ということで、大抵、全会一致で承認しておりますが、何しろ億を超える高額でありますから、可能な限り長く利用していただきたいですし、都民の命を預かるものですから、いざというときの故障も防ぎたいものです。維持と保管、メンテなどの適正管理の状況を伺います。
 また、ゼロエミの下、都を挙げてEV車の推進に取り組んでおり、実際、消防庁も所有しているところですが、緊急性の高い消防庁事業では、電源のないところでは充電が利かないとEV車はなじまないと思うのですが、所見を伺います。

○加藤装備部長 消防車両等については、消防署において必ず使用前後の機能確認を行うとともに、オイル交換をはじめとした点検整備を毎月行っております。さらに、装備工場において高度な点検整備を計画的に実施し、常に消防車両等がその機能を最大限発揮できるように維持管理しております。
 EV車については、電池容量に制限がある一方で、優れた環境性能のほか、降灰による影響を受けにくいなどの利点もあることから、災害の形態に応じて各種車両を活用しているところでございます。

○上田委員 サステーナブルもいいんですけれども、EV車、適材適所で使っていただいて、まずは人命救助に有益な車両隊を選んでいただきたいというふうに思っております。
 消防団です。特別区消防団分団本部施設の用地については、都有地を活用するほか、各区と連携して土地確保に努めてまいったようです。
 消防団からの要望については、随時消防署で受け付けていますが、各団の要望件数とその対応状況を伺います。また、近くに適正な都有地がない場合の相談と対応についても伺います。

○古賀防災部長 特別区消防団において、分団本部施設が未整備なのは六十一分団であり、消防署が整備に関する意見や要望を聴取しております。これらを踏まえ、分団本部施設の整備に向け、都有地の活用を調整するなど用地確保に努めております。
 なお、都有地の確保が困難な場合は、区等の関係機関との連携を図り、分団本部施設の整備を推進しております。

○上田委員 何とか用地をですね、都有地じゃなくても確保してできたら、ガードレールがあって、うまくポンプ車が出ないと。そのガードレールを五十センチずらすのに、建設局だ、警察だっていってね、非常に団員の方が苦労していたので、最後までその動線も見届けてあげてほしいということも要望をさせていただきたいと思います。
 各種装備、備品の供給、施設整備の要望の把握と対応状況について、お願いをいたします。

○古賀防災部長 特別区消防団の装備資機材や分団本部施設の修繕等の要望については、随時消防署で受け付けるとともに、各種消防団の活動時や、月に一回程度、各消防団で開催されている分団長会議等の機会においても要望や意見を聴取しております。
 また、必要に応じて、全消防団員へのアンケートを実施するなど、消防団員の要望を最大限反映できるように配慮しております。
 今後とも、消防団からの要望や意見に対して適切に対応してまいります。

○上田委員 団員の方、なかなか声を上げるのが申し訳ないと思っていると思うので、積極的にアウトリーチしていただけると、腹を割って話してくれると思います。
 特別区、三多摩における消防団員の充足状況と欠員が続く課題認識を伺います。
 また、増員を願い、特別区学生消防団活動認証制度ですが、活用状況を伺います。
 災害時支援ボランティアも、コロナ以降、激減をしております。団員と層も重なると思われますことから、連携した人材確保が望ましいと思われますので、併せて伺いたいと思います。
 そして、昔の団員は地域密着型の自営業者が、まあ江戸川もそうですけど、多かったんですけど、昨今は会社員であるなどライフスタイルががらっと変わっていますが、団活動は昭和のままなんですね。その点に団員増が見込めない原因があるのではないかと考えております。
 これらの現状、アンケートや提案を募ってはいかがと思いますが、全般の所見を伺います。

○古賀防災部長 令和五年度末の特別区消防団員の充足率は八六・八%で、五年連続増加しており、特別区学生消防団活動認証制度については、これまで五百三十九名が活用しております。また、消防団への入団や災害時支援ボランティアへの登録の問合せに対しては、それぞれの活動内容を紹介するなど、双方が連携し対応しております。
 なお、消防団員の入団促進については、平成二十九年に消防団員等に対して実施した団員募集に関するアンケートの調査結果を踏まえ作成した入団促進マニュアルを活用しております。
 今後とも、効果的な入団促進を図ってまいります。

○上田委員 そして、ありがたく入団してもらって、控えるのはメインイベント、操法大会なんでございますが、これも令和の時代に即した団員の負担を最小限にしてこそ、規律厳正にして士気旺盛な大会が実現できると思います。
 上田家はですね、うちの旦那ですね、夫をはじめ親族に三人もの団員がおりますし(発言する者あり)そうなんです。地域のママ友、パパ友も頑張っています。しかし、全員会社員であり、現状の方法では相当きついし、新しい人も集まらないのではという意見が一致しております。操法がきついのではないんですよ。消防団は何年も何十年も特別警戒、操法大会、始式に当たっています。団員はずうっと同じですから、段取りも何も全て頭に入っていますが、消防職員は数年ごとに替わってしまい、ゼロリセットになっちゃうんですよね。
 だからなのか分かりませんが、私からすると異常に早い集合時間に意味があるのかなと、毎度懐疑的に思っております。まるで署員の訓練ではないかと思ってしまうんですね。始式などは、また各団ばらばらに行うでなく一度で済ますなど、ぜひ消防団と忌憚なく話し合って、合理的な開催を求めるものですが、所見を伺います。

○古賀防災部長 特別区消防団の消防操法大会や消防団始式は、各消防団が主体となり開催しているところではございますが、消防団員の負担軽減は重要であると認識しております。
 実施方法や内容などを工夫し、効率化を図っている消防団もあることから、今後も参考となる取組を各消防団に情報提供するとともに、各種消防団の会議の機会を捉え意見交換を行うなど、消防署から必要に応じて助言し、適切に支援してまいります。

○上田委員 また、消防職員もそうですけど、次に消防団のスキルアップとしての取組、技術獲得についての成果についてご説明ください。

○古賀防災部長 令和五年度の特別区消防団員の研修等の受講状況についてでございますが、指揮幹部科研修などの研修は合計六百四十五名、第三級陸上特殊無線技士等の資格取得や英会話技能講習等のスキルアップ講習は合計三百四十八名が受講しており、習得した技能は、災害活動や都民指導などにおいて生かされております。

○上田委員 このように団員の技術の研さんは重要であると消防庁も認識されております。
 本年一月には、和歌山県内の山林で発生したソーラーパネルの火災は夜間の消火活動となりました。三月には、鹿児島県の消防士四人が爆発で負傷、うち一人は顔に大やけどを負っています。四月に入り、北海道では下草一千二百平米が焼ける火災が発生、宮城県では太陽電池モジュールが約三万七千五百平米にわたって燃え続け、鎮火は二十二時間後になったところでございます。いずれも消火活動は、感電の危険と隣り合わせという決死の作業となりました。
 現在、消防団には絶縁性防護服の支給や手袋など対策の周知もされておらず、感電による死傷者が出た場合への想定が甘過ぎるのではないでしょうかと思っております。消防庁が指示し、消防隊員が消火に当たると毎度答弁いただいておりますが、大地震に伴い、同時多発的に災害が発生するのは、阪神、東日本、能登で経験済みのはずです。全部消防官で対応できるわけがなく、団員がやらざるを得ない現実から目を背け続けているのではないでしょうか。
 改めまして、同時多発火災、災害、水害が発生したときの太陽光パネル対応について、消防団に絶縁性手袋等、物心ともの支援と指導、対策共有、強化が不可欠と思うので、所見を伺います。

○古賀防災部長 電気施設等における火災においては、感電防止のため、法令で絶縁手袋等の着用が義務づけられている活動については、特別区消防団員には実施させないこととしております。
 なお、震災時等においては消防団が単独で活動することが想定されることから、感電を防ぐための注水要領を示し、消防団の各種会議等において周知徹底を図るとともに、注水訓練を実施しております。
 さらに、東京消防団eラーニングシステムにも同要領を掲示し、自己学習ができるようにしております。
 引き続き、消防団員の安全管理意識の醸成を図るとともに、消防署隊と連携した訓練を推進してまいります。

○上田委員 また、その災害時なんですけれども、東日本大震災のときに、消防法がネックになりまして給油が消防車に路上でできない、ガソリンスタンド以外でできないというようなことが起こりまして、見直しが図られています。
 その後、現状につき、消防職員、消防団、事業所への情報提供、指導の徹底がなされたかと思料しますので、現状を伺います。

○福永予防部長 震災時に危険物の仮貯蔵、仮取扱いを行うことが想定される事業所は、消防署に対して事前に実施計画書を提出することになっており、令和六年四月現在、事前手続がなされている事業所は三千三百二十四件でございます。
 なお、これらの対象物の情報については、震災時等に災害活動を行う消防隊等に対しても、署隊本部等から情報共有を行う体制を確保しております。
 今後とも、機会を捉え、事業所に対して実施計画書の提出を指導してまいります。

○上田委員 大分周知ができてきたと思います。
 また、一月に能登半島震災がありましたけれども、二〇一九年、台風十九号は、江戸川区選出都議として、あと一時間台風がとどまれば荒川が溢水する危機にさらされたことは、決して忘れ得ぬ記憶です。
 これまで消防庁は、都内はもとより、全国各地で発生した災害警戒に対し応援活動を行ってきました。決算年度におきまして、これまでの都内災害、ほかの自治体の災害支援の状況、得た知見についてご説明の上、その経験を振り返り、どのように都の消防、災害、防災事業へ反映されているのか、状況と成果につきまして、所見をお示しください。

○木下警防部長 東京消防庁では、国内で発生した大規模災害に対して緊急消防援助隊として部隊を派遣しており、令和三年七月に熱海市で発生した土石流災害現場では、大量に堆積した泥水により救助活動が困難を極めました。
 この災害での活動を教訓といたしまして、新たに泥水を効率的に排出できる強力吸引車を導入いたしました。この車両を導入したことにより、町田市で発生した土砂災害や、令和六年元日に発生した能登半島地震の土砂崩れ現場における救助活動が効果的に実施できました。
 今後とも、災害現場で得た教訓を生かし、消防活動体制の充実強化を図ってまいります。

○上田委員 かように消防は、病気、事故、そして災害、火事と多岐にわたりまして、都民の安全・安心も守らなきゃいけないということで、またどんどん気象変動によりまして災害も増えている中で、仕事の方がオーバーフローしているのじゃないかというふうに懸念をしておりますので、しっかりと決算を締めた後に、適正な予算に結びついていきますよう私も要望いたしまして、質問を終わらせていただきます。

○河野委員長 ほかに発言がなければ、お諮りします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○河野委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で東京消防庁関係を終わります。
 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後三時四分休憩

   午後三時二十四分開議

○河野委員長 休憩前に引き続き分科会を開きます。
 これより議会局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 令和五年度東京都一般会計決算中、議会局所管分を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布しております。
 資料について理事者の説明を求めます。

○菅原管理部長 去る十月九日の当分科会において要求のございました資料についてご説明申し上げます。
 お手元の令和五年度各会計決算特別委員会第一分科会要求資料の表紙をおめくり願います。目次に記載のとおり、全部で五項目ございます。
 一ページをお開き願います。1−1、都議会ホームページの月別アクセス数でございます。
 都議会ホームページへのアクセスについて、月別に件数を記載しております。
 二ページをお開き願います。1−2、都議会ホームページの項目別アクセス数でございます。
 件数の多い順に、十項目を記載しております。
 三ページをお開き願います。2、都議会本会議の紙の使用量でございます。
 令和五年度に議会費で支出し、本会議場で議員に配布した資料について、議員一人当たりの枚数と総量を記載しております。
 四ページをお開き願います。3、調査部による調査の実績でございます。
 令和五年度に調査部が実施した調査件数を、依頼元別に記載しております。
 五ページをお開き願います。4、会派控室非常勤職員についてでございます。
 会派控室非常勤職員の勤務内容、配置状況等を記載しております。
 六ページをお開き願います。5、「都民の声」受付状況と対応等についてでございます。
 令和五年度の受付状況と対応、寄せられた声の主な事例を記載しております。
 要求のございました資料の説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○河野委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○藤井委員 それでは、議会局への決算質疑をさせていただきたいと思います。
 最初に、決算書を確認させていただきますと、昨年度の議会運営費の執行率が八八%となっておりまして、ぱっと見、低いかなと思うんですが、この理由についてお伺いをいたします。昨年度は、議員の欠員が生じたことも理由の一つではないかと思いますが、確認させてください。

○菅原管理部長 議会運営費の不用額につきましては、議員欠員による議員報酬及び共済費、政務活動費の執行残のほか、委員会視察や海外交流事業等の実績残によるものとなっております。

○藤井委員 ありがとうございます。理由の一つに、議員欠員による議員報酬及び共済費というものもございました。
 ということは、今回また欠員が、補欠選挙の後に補充されましたが、また欠員が生じているので、来年度の決算に関しても、なかなか執行率というのは上がってこないのかなというところで理解をいたしました。
 その中でも、費用弁償の予算というのが三千六百万円で、その執行率が七・五%という記載がございます、決算書の中にですね。応招旅費等、いわゆる費用弁償については一旦廃止をしまして、その分はなくなったという理解をしておりましたが、ここに記載をされている費用弁償の内容とその執行状況についてお伺いをさせていただきます。

○菅原管理部長 費用弁償につきましては、委員会管外視察、北京市及びソウル特別市との姉妹友好都市交流事業、海外調査派遣等に係る旅費分がその内容となっております。応招旅費は廃止されましたが、これらの経費は引き続き計上しております。
 令和五年度におきましては、委員会管外視察が二つの委員会で実施され、姉妹友好都市交流事業及び海外調査派遣は実施されませんでした。

○藤井委員 ご答弁の中で、二〇二三年度、令和五年度は管外視察が、委員会の視察が二件でありまして、海外派遣などは実施されなかったことによって、執行率というのが低い原因であるということであります。
 先ほど申し上げた応招旅費に当たるところとは別のところで予算計上しているものが、視察も少なく、また、海外派遣等は行っていないということで、執行率が非常に低いということが確認できました。
 これは議会の各会派の皆さんとも議論が必要かと思いますが、最近は都庁側でも海外視察等かなりしておりますし、何といっても日本の中の首都東京、そして海外諸都市との、伍していかなければならない東京ですので、都議会の海外の視察なども積極的に進めていくように議論をしていきたいと思います。
 続きまして、昨年、都議会のウェブサイトを新しくいたしましたが、どういった点が新しくなったのか、いただいた資料にもありますが、アクセス数など改善が見られたのかお伺いをいたします。

○菅原管理部長 都議会ホームページにつきましては、情報をより見やすく、分かりやすく利用者に発信するため、令和五年一月三十一日にリニューアルを行いました。
 具体的には、視認性や利便性を高めるため、全てのページについてデザイン及びレイアウトを一新するとともに、関連情報に素早くアクセスできるよう、相互リンクの充実を図りました。
 また、スマートフォン版につきましてもデザインを一新した上で、主要コンテンツを紹介するナビゲーションメニューを新設し、利便性を向上いたしました。
 ホームページへの一年間のアクセス数でございますが、リニューアル前は約一千百二十四万件、リニューアル後は約一千三百二十三万件となっておりまして、約百九十九万件増加しております。

○藤井委員 見やすくしたりデザインを変えたことによって、またスマホ対応を進めたことによりましてというか、その結果としては、アクセス数というのは約百九十九万件増加しているということであります。
 また一方で、議会のウェブサイトは、どうしてもその取り扱っている内容だったりとか、その時々の議論によって、アクセス数というのは変わってくるんじゃないかと思いますので、経年でしっかりと見ていかなきゃいけないと思いますし、また、多くの都民に見ていただけるような議論を活発にしっかりとしていきたいなと思っております。
 これも各会派との調整であったりとか、議会との議論も必要かと思うんですけれども、都議会のサイトで一番見られるのは、議会中の動画であったりとか、本会議や委員会等の動画ではないかと思いますが、常任委員会の動画は、導入していろいろと時間もたっていますけど、もう少し中身を見やすく分かりやすく、国会の審議とかもう少し分かりやすかったりもしますので、していきたいなというふうに思いますのと、また、多くの人に見てもらうという観点からいうと、最近ユーチューブだったりとか様々な動画サービスもあって、そういったところに情報を出していくだったりとか、やっている議会もあるかと思いますので、そういったことだったり、あと都知事選でも話題になりましたが、切り抜き動画みたいなものが出てきて、そういうものが若者に−−何ですかね、アクセス、若者にそういうものが伝わりやすかったりもしますので、何かそういうことがやりやすいような環境というのも整えていくことは必要ではないかということで、検討すべきじゃないかと申し添えておきます。
 ウェブサイトだけではありませんが、都庁の広報は、小池知事の肝煎りで戦略広報という形で広報が入りまして、「広報東京都」等紙媒体に関してもデザインも一新して、かなりキャッチーに分かりやすくなっていて、うちの会派の控室とかに、「広報東京都」と、あとは都議会の広報紙、置いてあるんですけど、都庁の方は結構キャッチーに分かりやすくなっている一方で、都議会の方は、まだ旧態依然としたものだったりとかしまして、そういった戦略広報の力を借りるのか、都議会独自でやっていくのかというのはあるんですが、そこも改善が必要じゃないかなと思っているところであります。
 サイトについても、都庁の方では、グーグルアナリティクスですかね、GAと呼ばれていますけれども、そういったものを導入して、サイトのアクセス解析みたいなこともやっていたり、また、どういった内容が一番届きやすいか、ABテストとかっていいますけど、こっちとこっち比較して、どっちがアクセス数増えるかだとか、そういったこともやったりしていますので、何かそういった改善を続けていく取組というのも必要じゃないかなと思います。
 また、ウェブサイト、やっぱり若者への大きなアクセスの入り口となりますので、そういうところの改善というのは引き続きしていく必要があると思っております。
 そのときに、東京都でも進めているスタートアップ等と協働した取組というのがありますので、これも会派の皆さんとの議論が必要かと思いますが、そういった新しい技術だったりとか、それこそZ世代だったりとかとつながっている方々だったりとか、様々一緒に進めていくことが重要かと思いますので、都庁でもやっておりますスタートアップとの協働等、こういったものも進めていきたいなと思っておりまして、あり方検討会などなのか、会派の皆さんとの、どういうやり方取るかですが、テーマに挙げていきたいと思いますので、他会派の皆さんもぜひご協力をお願いしたいと思います。
 続きまして、話題が変わりまして、三年前の決算特別委員会でも確認をさせていただきましたが、昨年一年間のアイパッド、タブレットと、あとこちらのパソコンの費用についてお伺いをいたします。

○櫻井調査部長 令和五年度における経費の実績は、議員用パソコンについては約一千三百十八万円、タブレット端末については約九百九十万円でございます。

○藤井委員 ありがとうございます。
 三年前の答弁を確認したところ、ちょっと微妙になんですけど、パソコン、議員用PCに関しては令和二年が千二百九十三万円、令和三年が千二百七十六万円、タブレットは千三十四万円で、令和三年が千十万円とのことでした。
 パソコンは、今ちょっと費用が少しですけど高くなっているのかなと思っていまして、一方で、最初のご答弁で議員の数が減っているという話があって、ちょっとこれ通告、すみません、していないんですけれども、何か上がった理由というか、変わっていない理由ってあるのか、答えられたりしますかね。リースの関係とかもあるのかなとは思うんですが、答えられますか。

○菅原管理部長 こちらの費用につきましては、議員の定数で費用の方を出しているというところがございまして、その欠員分等もあって増減が出ているものというふうに考えております。

○藤井委員 ありがとうございます。定数で毎年決まった数を契約しているから、リースなのか何なのかちょっとあれですけれども、変わらないというか、減っても別に変わるものではないということで、すみません、理解をさせていただきました。
 今、机の上を見ても、我々、アイパッドとパソコンと配られていますが、さっきよりアイパッド増えたかな。アイパッドの利用が大分−−パソコンがですね、今期から大分使いやすくなったこともあって、パソコンの利用が多分多くて、資料もこっちで確認している人が多いんじゃないかと思っていまして、アイパッドをなくせとまではなかなか、使い方もいろいろあると思いますので、もう少し使いやすいものにするだったりとか、ちょっと在り方に関しては、今後検討していかなきゃいけないんじゃないかなと思っているところであります。これも議会の中でも議論が必要かなと思います。
 続きまして、最後の質問なんですけれども、都議会のテレワークの実施状況についてお伺いをさせていただきます。
 これも都議会議員とのやり取りをテレワークでどのように行っているのかも併せてお伺いさせていただきます。そのとき、議員とのやり取りをチャットなどもできるようにすべきじゃないかというのを三年前にも提案したんですが、その検討状況も併せて伺います。

○菅原管理部長 議会局では、出勤とテレワークを柔軟に組み合わせた最適なワークスタイルの実現に取り組んでおりまして、テレワーク時に、都議会議員など外部とやり取りを行う際には、主にメール機能を活用しております。
 また、令和五年十月からは、全庁のネットワークシステムにおいて職員間に限定していたチャット機能についても、都議会議員など外部との連絡に使用することが可能となりました。
 こうしたメールやチャットなど様々な機能の特性を生かし、都における活用状況も参考にしながら、テレワークにおける会議への参加や外部との連絡調整等を推進してまいります。

○藤井委員 ありがとうございます。提案させていただいたチャットの活用を、都庁の方の機能拡張によってできる状況にはなっているということが確認ができました。あとは、どうやって実現するかだと思います。
 実は私、今、ゼロ歳児の育児中でして、昨日もワンオペで育児をしていたところで、やっぱり保育園にも助けてもらいながらやっているんですけれども、以前のように遅くまで都議会に残って対応というのはなかなか難しくなってきているなというところを感じております。
 また、チャットやオンライン会議というのは、そういうこともあって、個人的にもっと進めていきたいと思いますし、同様な思いの議会局の職員であったりとか、あと都庁の職員というのも多くいるんじゃないかと思いますので、これはしっかりと進めていきたいと思います。夜中に連絡が来たらどうしようとか、そういう心配もあるわけでありますが、ルールを適切につくって、場合によっては、議会局だけじゃなくて、都庁側ともチャットができる環境を整えて、お互いの生産性を向上できると幸いであります。
 以上で質疑を終わります。

○もり委員 私からは、議会図書館についてお伺いをいたします。
 議員の立法能力を高めるための議会改革の視点からも、議会図書館の果たす役割は重要であると考えます。
 昨年度の利用実績について、議員、職員への貸出件数についてお伺いをいたします。

○櫻井調査部長 都議会図書館における令和五年度の貸出件数は九百二十一件で、そのうち、都議会議員は三百一件、都職員は四百九十五件でございました。

○もり委員 レファレンス機能の充実が求められますが、議員から調査依頼があった場合の調査方法と令和五年度の調査依頼件数についてお伺いをいたします。

○櫻井調査部長 都議会図書館への調査依頼につきましては、蔵書の案内、文献調査などのレファレンスサービスを行っております。
 都議会図書館における令和五年度のレファレンスサービスの実施件数は一千七百五十五件で、そのうち、都議会議員からのご依頼は二百九十三件でございました。

○もり委員 約九万七千冊という大変充実した資料がございますし、また、一般の図書館には置いていない行政資料などが数多くありますので、その中で、より一層、議会、また都職員の皆様にも活用されるような機能の充実が図られるといいと思っております。
 レファレンス機能の充実に向けた昨年度の取組についてお伺いをいたします。

○櫻井調査部長 レファレンスを担う専門チームにおきまして、利用頻度の高い地方自治関係の情報をあらかじめ幅広く収集しておくとともに、必要な情報を取得するための検索ノウハウを共有することなどにより、レファレンスサービスの充実を図っております。

○もり委員 都議会図書館は、地方自治法百条第十九項によって定められ、都議会議員の調査研究に資するために必要な図書及び資料を収集、保管し、都議会議員の職務の遂行に必要な図書館奉仕を提供することを目的として、全国でも充実した九万七千冊の文献が集められているということは、私も地元の自治体議員も経験をした中で、本当に書庫となっているような地方自治体が多い中で、都議会の図書館は大変充実していると感じております。
 その中で、都議会図書館は、都議会図書館条例において広く一般にも開かれておりますけれども、令和五年における都民の利用状況についてお伺いをいたします。

○櫻井調査部長 都議会図書館の令和五年度の利用者の総数は二千八十八人で、そのうち、一般利用者数は七百六十九人でございました。

○もり委員 ぜひ一層広報もしていただきながら、約十万冊の資料を有しているので、本当に都民の財産としても一層利用されることを願い、質問を終わります。ありがとうございます。

○上田委員 久しぶりの決算ですが、前回のホームページの操作性、アクセシビリティーについて指摘をさせていただいてから大分たって、六年ですか、八年ですか、評価をいたします。
 動画も本当、即時に上がるようになったんですけれども、本会議議事録は平均何日間要しているのでしょうか。また、一番分かりやすいネットリポート、あれがやっぱり見やすいと都民の皆様にも評判がいいんですけれども、平均どの程度の日数で上がるのか、何でそれだけ要するのかの理由も含めて、確認させていただきます。

○菅原管理部長 本会議会議録につきましては、昨年度の平均で、速報版は土日祝日を除き会議翌日から三日後、確定版は同じく閉会日翌日から四十三日後にホームページに掲載しております。
 また、本会議ネットリポートにつきましては、本会議における質問ごとに一問一答形式に編集をしておりまして、昨年度の平均で、本会議会議録の確定後、土日祝日を除き十七日後にホームページに掲載しております。

○上田委員 ネットリポートは結局六十日後ということになってしまいますし、タブレット議会って大分はやったと思うんですけど、そのタブレットも、すみません、今日持ってきていなくてって感じなんですけど、結構、今、聴覚障害者の都議会議員も私たちの仲間にいるわけでして、そうした方向けの、即時性で字幕が出るような動画をしているような、逗子市が第一人者という感じなんですけど、それをすることで議事録が早く上がってくるっていうメリットがありまして、私は、東京都って日本で一番大きい、首都の都議会でございますので、字幕も含めて、今手話は入っていますけれども、そういったものの導入も考えて、早くやっていただけるといいのではないかな思います。
 知事選もありましたし、こちらの資料の中でも、都民の声も、Colabo問題とか神宮外苑とかいろいろと、要はQRコードですよね、あれも早く終わったとか、プロジェクションマッピングとか、たくさん議会にも声が来て、やっぱり見ているんですよね、それで。上田令子は何いったかもそうですけど、都知事がどう答弁拒否をしたかとかっていうのもありますので、即時的な対応を求めるものでございます。
 会派の議決態度なんですけど、都議会だよりのページまで−−各会派がイエスかノーかっていうのが、そのページまで行かないと見られないので。請願陳情の会派別態度は確認することができないんですよね。いまだ付託された陳情や請願全文が、それが否決されようと通ろうと関係なく載らないんですよ。私の江戸川区では、参考送付以外は、賛否とは別に全文掲載しているんです。
 請願陳情は、採択された原文ではない文書表のみ、意見書、決議は採択されたものだけが掲載されておりまして、請願も陳情も通らなくても載せるだけでも、これは地域住民の権利だと思うんですね。殊に、たった一回の審議で、区議会はやはり結構長く審議しますから、一発勝負の都議会において、都民の提出した陳情や請願は採択しなければ公表されないというのであれば、都民の声が、議会ブラックボックスに吸収されてしまうのではないかという批判を免れないのではないかと危惧しております。
 ここまで進んできた積極的な情報提供ですから、ぜひ情報公開一丁目一番地として検討すべきと考えますが、それぞれについて掲載しない理由及び所見を、何度も聞いているんですけれども、今回も伺わせていただきます。

○菅原管理部長 請願陳情の文書表につきましては、東京都議会情報公開推進委員会の議論を経て制定された東京都議会の保有する情報の公表・提供に関する要綱に基づき、付託された全ての案件を都議会図書館で閲覧に供しております。
 また、都議会で採択した請願陳情につきましては、個人情報保護の観点から、提出者の氏名、住所等を除き、その要旨をホームページに掲載しております。

○上田委員 ぜひ他区のホームページを参考にしていただければというふうに、採択したじゃなくて、されなかったものも出してほしいといっているところなんですね。採択されなかったっていうのは、駄目だからじゃなくて、本当に少数で賛成したって通らなかった、実は願意がすごく大きいものもあるわけで、なぜこれ否決したのっていうのも知っていただきたいというふうに思うので、採択していないものもとにかく載っけていただきたいと。もちろんそれが審査される前に載っていないと意味がないので、よろしくお願いしたい。もうくどくどと、ずっといい続けたいと思います。
 公用車についてですが、利用状況を掲載したのは評価しますが、PDFで一回ダウンロードする形じゃなくて、普通に画面表示で、希望によってDLする形にすべきと思うんですが、なぜこの仕様なのかなと。確認させてください。

○菅原管理部長 公用車の使用状況報告書につきましては、資料をダウンロードして保存することで、オフライン時においても見ることができるダウンロード形式で掲載をしております。
 今後も、利用者の利便性が向上するよう取り組んでまいります。

○上田委員 ほかはダウンロード形式にしていないですね、ほかの情報ってね。すぐに即時性で見られたくないのかなと逆に思っちゃうんですけど、結局、最も使っている都議、三十人ランキングっていうのは、ここに出しているから出さないってことで資料要求で出てこなかったんですが、ダウンロードして、数、数えてってなると、普通に見られれば、ぱっぱっとですね、文字検索とかもできると思うので、ここの利便性が向上するように取り組んでいただきたいというふうに思います。
 都議会議事堂のWi-Fi環境なんですけど、本会議があるときとか、人がいっぱい都議会に来ると、みんなWi-Fi遅くないですか、遅いなと思いませんか。本当に遅くて難儀しているんですね。
 大体、委員会前っていろいろ作業しなきゃいけないときに、うわっ、遅いというような状況があるんですが、Wi-Fi環境のスペックをご説明の上、この遅いということについての課題認識を議会局は持っていらっしゃるのか、何か解決策を検討されているのか伺いたいと思います。

○櫻井調査部長 議事堂内のWi-Fi環境については、アクセスポイントを増やすことで、会派控室、委員会室、議場など、つながりやすいエリアを順次拡大してまいりました。
 令和五年度には、利用者の増加等に対応するため通信回線を二回線に増やすなど、よりつながりやすい環境を整備したところでございます。

○上田委員 デジ局つくって、デジタルほにゃらら構想って、ちょっと覚え切れませんけどね、さんざんやっているのにね、都議会で遅いってやっているのは、非常にもう象徴的な滑稽なことだと思いますので、新たに経費をかけてまでというのは都民に申し訳ないんですけれども、ちょっとそういう、実はアナログな状況があるということを認識しているということで、しっかりとスペックの方を上げていただきたいと思います。
 八年前は、ちゃんと資料要求で、議会局のみで年間六万五千七百二十枚の紙が確認されて、今回ペーパーレス化したということで、今どのぐらいの枚数に減らしたのかっていうことを聞きたい。
 とにかくペーパーレスになったことは大変評価しますし、委員会資料もなくなりましたし、個別では、ファクスやめてくださいよって何度も何度もいい続けて、都民ファーストの議員さんの中でファクスはやめるということになったら、私もやめていただけるようなことになったんですけれども、今どのぐらい減ったのかちょっと聞きたいんですけれども、いかがでしょうか。

○小河原議事部長 今回提出させていただいた資料にありますとおり、前回の調査のときと比較しまして、今回六千六十六枚ということで報告させていただいたところでございます。

○上田委員 これぐらいやはりですね、快挙になりました。当然いろいろな議員さんも進めたわけですけど、最初にちょっと質問させていただいて、これ結構バズったんですけれども、議会だけで六万だったので、都庁全体だとすごい金額だったということで、これは大きく評価をしたいというわけでございます。
 一応ほかの委員さんからもありましたけれども、調査力ですけれども、頼むと、呼べど叫べどなかなか出てこないというので、だんだん私も調査をお願いするのを諦めちゃったというふうに思っているんですけれども、調査機能の強化について、課題認識などあればお示しいただければというふうに思っております。

○櫻井調査部長 依頼調査は、議員等の調査活動を補佐するため、議員等からの依頼に基づき、調査内容やスケジュール等について確認、調整し、適切に調査を行っております。

○上田委員 資料だと百九十ということなんですが、一応、私たち都議会議員よりも、議会局って、たしか人数が多かったというふうに思っておりますので、引き続いて調査力向上について磨きをかけていただきたいと思います。
 都道府県議会の一人会派の扱いですが、予算、決算については、一人会派を任期中四年間、一度も入れない。常任委員会を一人会派には選ばせず、会派の大きい順に選び、残り物を与えた上に、四年間同じ常任委員会に張りつける。議運には入れない。もちろん、あり検にも入れない。討論をさせない。
 こういう議会は、都議会以外に存在しているのか、確認させていただきます。

○小河原議事部長 ご指摘の事項に関する他の道府県議会における運営につきましては、それぞれの議会において決められているものと認識しております。

○上田委員 これは従前、皆さんのね、議会の調査機能を使わせていただいて調べていただいたことがありまして、数年前ですが、今も変わっていないと思いますが、東京都議会だけでありました。
 この件だけではなく、やっぱりほかの議会の運営を常に研究、調査していただいて、議会側に、やっぱり情報提供や提案などもしていただけたらよいのかなというふうに思うんですね。
 例えば、毎回、私たちは一人会派あるいは少数会派、期が変わったときに要望を出しておりますよね。そのときにぜひ大きい会派にですね、一人会派の権限とか少数会派を認めないという人たちに、ほかではこうですよという客観的な資料提供をするとか、そうしたこともしてほしいと思うんですけれども、いかがなのでしょうか。

○櫻井調査部長 議会局が行う自主調査は、都政に関する都や国の公表資料等を対象に情報収集するもので、その概要のレポート、都政・経済情報ピックアップを毎月作成し、全議員にメールにて情報提供しております。

○上田委員 では、私の自主調査もまた協力をいただいて、ぜひ会派の皆様に共有をさせていただきたいと思っております。
 広報活動です。
 テレ東の各会派討論番組やMX議会中継、討論番組も、私、一度も出たことないんですね。一人会派や少数会派は、永遠に出番が回ってこない、極めて不公平だと思料いたします。
 この点、フェアにすべきと考えますが、都民って会派関係ないですからね。所見を伺います。

○菅原管理部長 都議会提供テレビ番組につきましては、各派代表者会議等の申合せ内容に基づきまして、各年度の実施計画を策定し、番組制作を行っております。

○上田委員 その代表者会議、出られないんですよ、普通に当選してきているのに。そういったことも課題共有していただきたいというふうに思います。
 最後に、公費で負担する会派控室の非常勤職員なんですけれども、またこれも我々のような少数会派には配置されておりません。
 これ、金額の一覧を調べさせていただいているかと思います。金額というか、資料としては、非常勤職員について、配置状況は、自民党控室一名、都民ファースト三名、公明党二名、共産党二名、立憲民主党が三名ということでございます。
 これもかなり不公平で、なぜこのような職員が置かれるようになったのか、経過と各会派の執行額についてご説明いただければと思います。

○菅原管理部長 会派控室職員は、議会や議員活動のために来訪する方の受付、接遇業務のため、会派の規模等に応じ従前から配置しておりまして、他の地方自治体の議会におきましても、一般的に同様の措置が取られております。
 従来は一般職員で対応しておりましたが、支障がない範囲で順次非常勤職員に振り替えてきた経過にございます。
 なお、非常勤職員への支出額は、報償及び期末手当について、提出資料に記載の配置人数から算出いたしますと、自民党約二百九十七万円、都ファースト約八百九十万円、公明党約五百九十四万円、日本共産党約五百九十四万円、立憲民主党約八百九十万円となります。

○上田委員 このように予特、決特も出さない。討論も立たせない。議運にも出さない。テレビにも出さない。そして、公費で賄う受付が、自民二百九十七万、都ファ八百九十万、公明五百九十四万、共産党さん五百九十四万、立憲八百九十万ということで、私たち一人会派は、全額自分の政務活動費か、あるいは場合によっては自費でスタッフ経費を払っていて、非常にこれも不公平な形だということを強く指摘させていただきまして、百二十七人が平等な議会活動が行えますよう、議会局の方は、そうした運営に対しての見解を持っていただきたいと強く要望いたしまして、私の質問を終わります。

○河野委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○河野委員長 異議なしと認めます。本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で議会局関係を終わります。

○河野委員長 これより財務局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 令和五年度東京都一般会計決算中、財務局所管分、令和五年度東京都用地会計決算及び令和五年度東京都公債費会計決算を一括して議題といたします。
 本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○稲垣経理部長DX推進担当部長兼務 先日の分科会におきまして要求のございました資料につきましてご説明を申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の令和五年度各会計決算特別委員会第一分科会要求資料をお開きいただきたいと存じます。
 最初に、一ページお進みいただきまして、目次をご覧ください。今回要求のございました資料は、記載のとおり五件でございます。
 一ページをご覧ください。要求資料第1号でございます。
 こちらは、都民広場に人工芝を敷くことになった経緯と敷くことになった人工芝について調査したことをお示ししたものでございます。
 続きまして、二ページをご覧ください。要求資料第2号、知事の専用車両の利用状況でございます。
 こちらは、令和元年度から令和五年度までの知事の専用車両の利用状況をお示ししたものでございます。
 三ページをご覧ください。要求資料第3号、本庁舎の使用許可・貸付の状況についてでございます。
 こちらは、令和六年三月末現在及び平成二十八年三月末現在の本庁舎の使用許可、貸付けの状況を三ページから四ページにかけてお示ししたものでございます。
 五ページをご覧ください。要求資料第4号、都債発行額、元金償還額及び都債現在高の推移でございます。
 こちらは、一般会計におけます都債発行額、元金償還額及び都債現在高の推移をお示ししたものでございます。
 六ページをご覧ください。要求資料第5号、歴代都知事補正予算専決処分件数でございます。
 こちらは、平成以降の歴代都知事による補正予算専決処分の件数をお示ししたものでございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○河野委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○石島委員 初めに、令和五年度決算に関連して、いわゆる東京富裕論について伺います。
 都は、我が会派も要望した高校授業料の実質無償化など、積極的な子育て世帯への支援策を実現してきました。こうした中、今年に入り、東京は裕福だからできるのではないか、あるいは県境では不公平ではないかといった報道を目にすることがあります。
 先月、財務局が公表した年次財務報告書によりますと、令和五年度決算の都税収入は、企業収益の堅調な推移により、前年度と比べ約一千五百億円増で、過去最高とのことでした。東京の実情を知らない人から見れば、東京は裕福なのかと思いそうですが、こうした議論は、都の税収のみに着目した、木を見て森を見ない、物事の一面だけを捉えた見方であると考えます。
 自治体の財政状況は、入りの部分である歳入だけを見るのではなく、出の部分である歳出がどうなっているのかを見ていかなければなりません。
 年次報告書には非常に重要な視点が書かれており、東京都には、他の道府県にはない特有の財政需要や、将来にわたる多くの財政需要があるとのことが記載されています。
 いわゆる東京富裕論への答えにもなり得る、都が抱える財政需要の特徴について、他の道府県と比較した場合はどのような状況にあるのか、具体的な数字と併せて伺います。

○佐伯主計部長 大都市であり、日本の首都でもある東京は、他の道府県と異なる特有の財政需要を抱えております。
 例えば、他の道府県では一般的に市町村が行っております消防や水道、公共下水道の事務は、サービスの一体性の確保等の観点から都が担っておりまして、令和五年度決算では、合計約四千億円を要しております。
 また、都の警視庁は、三百万人を超える昼間流入人口など大都市特有の財政需要への対応に加えまして、国会等の重要施設の警戒や大臣等の要人警護など、首都警察としての業務も担っております。このため、住民一人当たりの警察費は、令和四年度決算ベースで、他道府県平均が二・四万円に対しまして、都は四・五万円と約二倍の水準となっております。
 さらに、道路等を整備するための用地取得費は、東京の地価の高さにより高額となっておりまして、一平方メートル当たりの費用では、他道府県平均が一・九万円に対しまして、都は十九万円と約十倍の経費を要しております。

○石島委員 今答弁をいただきましたが、市町村が担う事務、首都警察業務、地価の高さに起因する財政需要、こうした他の道府県にはない東京都特有の歳出が毎年生じているわけであります。
 加えて、東京の将来の推計人口によれば、令和三十二年には約三人に一人が高齢者となる見込みであり、もともと高齢者人口の割合が高い地方と比べ、東京は急速に進む高齢化への対策が求められることになります。
 ほかにも、八月には都内の地下鉄駅が二十年ぶりに浸水する豪雨が発生するなど、自然災害への備えは急務であり、一千四百万都民の安全・安心を守るため、今後さらなる防災、減災対策を図る必要があります。
 今後の財政需要に対する見通しについて伺います。

○佐伯主計部長 本格的な少子高齢社会が到来する中、高齢者人口の増加等に伴いまして、社会保障関係経費は今後ますます増大する見通しでございます。その経費は、毎年平均約四百億円、今後三十年間の累計では約十七兆円増加する見込みでございます。
 また、都民の安全・安心を確保する強靱で持続可能な都市を実現するため、都は、TOKYO強靱化プロジェクトを推進しておりまして、その事業規模は、令和五年度からの当初十年間で七兆円、二〇四〇年代までの全体では十七兆円に及ぶ見込みでございます。
 さらに、急速に進行する少子化への対応や国際競争力の強化など、首都東京が抱える課題の解決に向けた未来への投資も積極的に進めておりまして、こうした財政需要にも的確に対応していく必要があると考えております。

○石島委員 都は、これから膨大な財政需要が見込まれる中においても、首都東京の持続的成長に向けた投資を行う必要があるという答弁でありました。そうした事実を考慮せず、東京は税収が好調だから財政的に裕福だという指摘は当たらないと思います。
 そもそも東京都は、都道府県で唯一の不交付団体で、景気変動の影響を大きく受ける宿命にありながらも、都民の皆さんに絶えず安定した行政サービスを提供していかなければならない責任を負っています。都の実情を顧みない論拠のない主張には、関係局と連携しながら、しっかりと反論していただくことを要望して、次の質問に移ります。
 次に、電子契約について質問をさせていただきます。
 都は現在、住民、事業者の利便性の向上、負担軽減等に向け、様々な分野で行政手続のデジタル化を進めています。
 財務局が所管する契約手続について、電子化の状況を見てみますと、競争入札参加資格の審査や入札手続は電子化されているものの、契約書は紙で取り交わされていることから、デジタル化を進めることが期待されていました。こうした中、都は令和五年十月より、電子契約の運用を開始しました。
 そこで、まず、電子契約導入の目的と令和五年度の実施状況について伺います。

○須藤契約調整担当部長 電子契約は、契約書の印刷や製本、押印などの作成手続を簡略することができるほか、印紙代、郵送費、交通費等を削減できるなど、事業者、職員双方に様々なメリットがございます。
 こうした業務負担の軽減やコスト削減等を目的として、都は令和五年十月から、知事部局等の本庁で発注する物品の買入れ及び財務局が発注する工事の一部で電子契約の運用を開始し、段階的に対象を拡大しております。
 令和五年度の電子契約の実績は、対象案件三百六十五件のうち、百十七件となっております。

○石島委員 電子契約には、業務負担の軽減やコストの削減等、様々なメリットがあることは理解しました。
 一方で、昨年度は、電子契約対象の約三割で電子契約が行われたとのことですが、導入直後ということもあり、まだまだ電子契約をためらっている事業者もいるようです。幾らメリットのある、よい取組であっても、一部の事業者しか電子契約を行わないようであれば、効果は限定的なものであると考えます。
 そこで、事業者が電子契約を実施するに当たり、どのような課題があるのか伺います。

○須藤契約調整担当部長 電子契約を行わなかった事業者に対し、アンケート調査やヒアリングを行ったところ、これまでに電子契約を利用したことがない、システムの操作方法等が分かりにくいなどの意見がございました。
 こうした意見を踏まえまして、電子契約を行う事業者の拡大に向けましては、事業者目線に立った分かりやすい丁寧な説明や、システムの利便性向上が課題であると認識しております。

○石島委員 システムの操作が分かりにくいという意見があったとのことですが、事業者の中には、パソコンの操作が苦手な方もいらっしゃると思います。
 そういった方が困ることのないようにする必要があり、事業者にもメリットのある取組ですから、そうしたシステム操作に不慣れな方にもしっかりと配慮して、より多くの事業者が電子契約を実施できるよう取り組むべきと考えますが、見解をお伺いします。あわせて、電子契約の今後の展開についてお伺いします。

○須藤契約調整担当部長 システム操作が苦手な事業者も含め、多くの事業者に電子契約を実施していただけるよう説明会を複数回開催し、参加できなかった事業者向けに、説明会の動画をホームページに掲載しております。
 また、事業者の意見もいただきながら、電子契約に必要となる作業の要点を分かりやすくまとめた簡易版マニュアルを作成し、業界団体を通じた周知、説明を行うほか、操作が分かりにくいという意見をいただいた手続についてシステム改修を行うなど、事業者の声を踏まえた取組を行っております。
 引き続き、事業者の声にも積極的に耳を傾けながら、電子契約の理解促進、利便性向上に取り組んでまいります。
 また、電子契約の庁内展開につきましては、本年七月から、知事部局等の本庁では全ての入札案件に拡大しており、今後、公営企業局や出先事業所にも対象を拡大してまいります。

○石島委員 事業者の声も聞きながら事業を進めていくということは大切なことだと思います。引き続き、事業者にしっかりと寄り添って事業を進めることを要望して、質問を終わります。

○山田委員 私からは、まず、偏在是正措置について伺いたいと思います。
 最近、全国知事会などにおいて、まるで人口減少の責任が東京への人口集中にあるかのような一方的な認識が示されたり、また、千葉、神奈川、埼玉の知事が、都の子育て施策を取り上げて、東京富裕論ともいうべき議論を提起しようとしている、そういった状況が見受けられるところです。
 こういった見解に対しては、東京の婚姻率や有配偶出生率が全国平均を上回っていることであったり、東京都が事業評価を徹底して毎年多額の新規財源を捻出していることなど、そういったことをしっかりとした根拠に基づいて都の認識を広く訴えていくべきであると考えています。
 いわゆる東京富裕論に関しては、これまで国の偏在是正措置の影響によって、都の令和五年度予算では約一兆三千億円のマイナスの影響が出ていると認識しておりますけれども、これは一千四百万人都民一人当たりで換算すると、約九万円以上のマイナスという大変な金額であります。
 さらに、地方交付税措置後の都の人口一人当たりの一般財源で見れば、東京都は全国平均とほぼ同水準となっており、決して高い水準にあるわけではありません。
 また、都民の暮らしの目線からすれば、東京は生活コストが高く、子育て支援の充実があっても、都内で子供を育てながら暮らすことは簡単ではありません。
 ほかの自治体の取組を批判するのではなくて、各自治体の状況に即した自治体間の改革競争こそが求められております。
 そこで、まず、偏在是正措置の令和五年度決算における影響額について、平成二十年度以降の総額と併せて伺います。

○佐伯主計部長 平成二十年度の税制改正以降、累次にわたる地方法人課税の不合理な見直しによりまして、法人二税の国税化が進められてまいりました。こうした一連の措置による令和五年度決算における影響額は、法人事業税の一部国税化で六千七十四億円、法人住民税の交付税原資化で七千百三十二億円などとなり、合計では一兆三千三百七十五億円の減収となっております。
 また、平成二十年度から令和六年度までの十七年間における影響額は、累計で約九・二兆円に及んでおります。

○山田委員 ありがとうございます。大変な金額的な悪影響が、長期間にわたって生じてしまっているという趣旨のご答弁だったと思います。
 そもそも地方創生といったときに、地方自治体が国に敷かれたレールを進んでいくといったことではやっぱり不可能であると思います。各自治体が、自助努力と創意工夫によって独自の地方像を追い求める、それを可能にする制度こそ必要であると考えております。
 しかし、近年は、今あったような偏在是正措置などの影響によって、地方自治体の国への依存度というのは逆に高まっているのではないかというふうに受け止めておりまして、本来必要なのは、国から地方への権限、財源の一層の移譲を推し進める地方分権の抜本的な見直しが重要と考えています。
 偏在是正措置の都財政への弊害を、あらゆる機会を通じて改めて広く都民に普及啓発すべきと考えますけれども、偏在是正措置に対する都の見解と令和五年度における取組の状況について伺います。

○佐伯主計部長 いわゆる偏在是正措置は、都財政に大きな影響を及ぼし、地方分権の理念に逆行する極めて不合理な措置でございます。
 そもそも我が国の財政は、歳出配分で国と地方で四対六であるのに対しまして、租税収入の配分が六対四と逆転しておりまして、真の地方自治の実現に向けては、地方が担うべき事務と権限に見合う地方税の充実こそが重要であると考えております。
 そのため、都はこれまでも、提案要求などを通じて地方税の充実を国に対して強く求めますとともに、その影響や不合理性について、多くの方々にご理解、共感をいただけるよう、様々な機会を捉え広く発信をしてまいりました。
 令和五年度は、新たに予算の内容をコンパクトにまとめた東京都予算案まるわかりブックにイラストを用いたコラムを掲載するなど、より都民に伝わりやすい広報の充実を図ったところでございます。
 今後とも、都の主張につきまして、より多くの都民の皆様に共感いただけますよう、創意工夫を凝らしながら効果的な情報発信に取り組んでまいります。

○山田委員 ありがとうございます。様々な取り組みをいただいているということが分かりましたけれども、ぜひ今後引き続き、これまで以上に様々な対応をお願いしたいと思います。
 次に、都民提案、事業提案制度について伺いたいと思います。
 都民の皆さんが直接予算編成に参加する都民提案制度、これは有意義なものとして、都政に今ではしっかり定着しておりますけれども、ほかの自治体にも同様の取組が広がってきているというふうに認識しております。都では、これまでも様々な新しい取組が、都民や大学研究者による提案によって実現してきました。
 そういった中で、この制度をより効果的にするためには、事業の提案と、その中から予算に盛り込まれるものを選ぶ投票の双方について、多くの都民に知ってもらうことが重要です。
 令和五年度における都民による事業提案制度の周知の取組状況について伺います。

○佐伯主計部長 都民による事業提案制度の実施に当たりましては、より多くの都民に参加を促し、従来の発想にとらわれない新たな視点を都の施策に反映していくことが重要であると考えております。
 こうした考えの下、事業提案制度への参加の入り口となりますホームページの充実をはじめ、募集や投票期間の拡大、SNSを活用した広報活動の強化など、多くの方々に参加していただくための改善を重ねてまいりました。
 さらに、令和五年度におきましては、多くの都民が訪れる都立文化施設などでチラシを配布するとともに、若い世代にも関心を持ってもらえるよう、職員が個別に高等学校を訪問いたしまして、高校生が身近に感じる課題から都の事業を考えるワークショップを開催いたしました。
 こうした取組によりまして、令和五年度は前年度を大きく上回る八百四十七件の提案と、過去最高となります三万七千百十九件の投票をいただいたところでございます。

○山田委員 ありがとうございます。多くの都民の方に理解が進んでいるという趣旨のご答弁だったと思います。
 今ご答弁の中で高校生への普及啓発のお話もありましたけれども、学校の授業を通じて実際に事業を提案しようと、そういった取組をしている高校だったり、高校生の方が出てきています。ぜひ高校生も含めて、都民の皆さんに都民提案制度のことを一層知ってもらうことで、多くの提案につなげていただきたいと思いますので、引き続きご検討をお願いいたします。
 都民の皆様の提案内容は、暮らしに根差したものが多い印象ですけれども、併せて大学研究者からの事業提案も行われておりまして、こちらは専門的な視点からの提案が多く行われており、双方とも有意義なものと考えています。
 大学研究者による事業提案制度の取組の成果について伺います。

○佐伯主計部長 大学研究者による事業提案は、都内の大学研究者の研究成果等を都の施策に積極的に活用する制度といたしまして、令和元年度予算編成から導入をし、これまでに二百八十六件の提案をいただき、そのうち二十八件を事業化してまいりました。
 また、大学提案の実施期間は最大三年間となっておりますが、期間終了後も、その成果を踏まえて都の事業としてブラッシュアップするなど、都政の課題解決につなげる仕組みとして定着をしております。
 具体的な成果といたしまして、例えば令和五年度に実施期間が終了いたしました医療現場への「やさしい日本語」導入・普及事業がございます。この事業では、順天堂大学と連携をいたしまして、外国人や聞こえに困難を抱える方でも安心して医療が受けられるよう、研修会や動画教材の開発などを実施することで、医療現場でのやさしい日本語の利活用を促進してまいりました。
 また、実施期間終了後となります令和六年度におきましては、本事業で培ったノウハウを生かしまして、都が医療従事者向けに行う研修の充実を図るなど、外国人患者への対応力向上に寄与していると考えております。

○山田委員 ありがとうございます。有意義な取組、様々進んでいるということが分かりました。
 都内には多くの大学が集積しておりまして、東京のまさしく都市の強みの一つだといえます。理系、文系など研究分野の偏りがないように、また、提案してくれる大学も固定化されることがないよう、幅広い大学から提案を受けられるように、都としても様々なアプローチをすることが重要と考えております。
 最後となりますけれども、幅広い分野について、多くの大学研究者から有意義な提案を受けられるよう、都としてどのように取り組んでいるのか伺います。

○佐伯主計部長 都はこれまでも、大学提案の実績を分かりやすくまとめた成果集を公表するなど、大学研究者の提案意欲を高める取組を進めてまいりました。
 今年度は、新たに、前年度に提案が採択されました大学研究者の方々に、提案の背景や研究内容などをインタビューした記事を作成いたしまして、SNSのnoteを活用して広く発信をしております。
 また、都民の方々に大学提案制度を知っていただく機会を拡充するために、大学提案の成果を踏まえて実施しております都の事業について、提案制度により実現した旨をホームページで紹介するなど、各局と連携した広報にも力を入れているところでございます。
 こうした取組を通じまして、今年度は前年度から一・四倍の増となる四十六件のご提案をいただいたところでございます。
 今後とも、積極的な情報発信や大学研究者が提案しやすい環境づくりなど、創意工夫を凝らしながら制度の充実に努めてまいります。

○山田委員 ありがとうございました。
 ぜひ今後も引き続き、都民、大学研究者からの事業提案制度、よりよいものとなりますよう取り組んでいただきたいと思います。
 以上です。

○たかく委員 それでは、私の方から、初めに工事における総合評価方式について伺います。
 総合評価方式は、価格だけで落札者を決定するのではなく、企業の技術力などの価格以外の要素等を総合的に評価して落札者を決定する仕組みであります。こうした総合評価方式を活用することで、技術的能力が高い事業者が工事を施工することとなり、工事の品質の確保、向上が図られます。
 また、価格以外の要素を評価することで技術力の競争を促し、よりよい事業者が育成されることも期待できるものであります。
 さらに、ダンピング防止にも寄与するもので、建設業を取り巻く環境が厳しい状況となっている中で、将来にわたって健全な建設業を維持していくために、総合評価方式は重要な役割を果たすものと認識しております。
 そこで、最初に、東京都では、工事において総合評価方式を四つの類型で運用しておりますが、まず、それぞれの類型の特徴について、実績と併せて伺います。

○須藤契約調整担当部長 都では、品質の確保等に有効であることから総合評価方式の活用を進めており、工事規模や技術的課題に応じた運用を行っております。
 工事における総合評価方式の類型は、中小規模の工事を対象に工事成績等を評価する施工能力審査型、技術的課題の少ない比較的大規模の工事を対象として工事成績や企業の信頼性等を評価する技術実績評価型、施工計画を重視する技術力評価型、技術的工夫の余地が大きい工事を対象に創意工夫を生かした技術提案を評価する技術提案型の四類型となっております。
 知事部局等の発注案件における令和五年度の総合評価方式の実績は、施工能力審査型は三百六十八件、技術実績評価型は九十六件、技術力評価型は一件、技術提案型はゼロ件となっております。

○たかく委員 今、四つの類型について説明がありました。
 答弁にありましたように、施工能力審査型や技術実績評価型は、過去の工事における成績評価点などの技術的な実績を主に評価するとともに、災害協定等の締結の有無や、また、地域における工事の実績などについても企業の社会性として評価するもので、活用実績も多くなっているものと考えます。
 また一方で、施工計画を重視する技術力評価型や、技術提案を求める技術提案型については、実績が非常に少なくなっていることも分かりました。
 それらの現状を分析した上で、施工計画や技術提案を求める総合評価方式も、より有効に活用していくことが重要と考えますが、都の見解を伺います。

○須藤契約調整担当部長 総合評価方式につきましては、工事の規模、内容や技術的な工夫の余地など、個別工事の特性に応じて各類型を適切に選定することとしております。
 このうち技術提案型は、これまで東京アクアティクスセンターなど主に大型の施設整備において活用しておりますが、複数の課題に対する技術提案を求めており、負担が大きく、手続が複雑になる傾向がございます。
 このため、民間の技術提案を幅広い工事で活用できるよう、受発注者双方の負担にも配慮した簡易な総合評価方式の導入について検討を進めております。
 また、技術力評価型は、評価に当たって工事における施工計画を重視するものであり、活用の促進に向けて、関係局の意見も聞きながら評価項目の見直しを検討しております。

○たかく委員 総合評価方式のよりよい運用に向けて、制度の見直しを行っているとのことです。総合評価方式を適切に活用していくことはもちろん重要ですが、社会状況の変化や運用状況に合わせて、制度そのものについて検証を行い、必要な見直しを図っていくことも重要と考えます。
 今後も事業者の声に耳を傾けながら、分析、検証をしっかりと行い、適正な契約制度を構築、運営していくことを期待して、次の質問に移ります。
 次は、技術者育成モデルJV工事について伺います。この質問については、第三回定例会で都議会公明党の代表質問でも行わせていただきました。
 公共事業における入札契約制度は、競争性、公平性、透明性という基本的な事項を確保した上で、同時に、品質の確保も図っていくことが求められております。
 さらには、中小企業の振興や担い手の育成にも寄与するものでなくてはなりません。とりわけ、東京都の発注する工事において中小企業が果たしている役割は非常に大きく、地域社会の活力や雇用の創出、災害時の機動的な復旧活動などを担っていることから、こうした中小企業の保護、育成を図ることは重要と考えます。
 これまで都は、中小企業の受注の機会を確保し、保護、育成を図るために、工事規模に応じた等級別の発注や分離分割発注の推進など、取組を実施していると認識しております。
 さらに、都は、大企業と都内中小企業とのJV結成を要件とした技術者育成モデルJV工事を実施しておりますが、その実績と効果について伺います。

○須藤契約調整担当部長 都では、中小企業の技術研さんの機会を確保し技術力の向上を図るため、平成三十年度から、大企業と都内中小企業によるJV結成を条件としたモデル工事を開始いたしました。
 モデル工事の対象案件は、主として大企業が受注する価格帯で継続して発注が見込まれる業種とし、具体的には、建築業種では予定価格九億円以上の建築工事、土木業種では予定価格七億円以上の河川工事や一般土木工事等から選定しており、平成三十年度から令和五年度までの六年間で二十二件を実施しております。
 モデル工事に参画した中小企業からは、ICT建設機械による施工や工程管理ソフトによる情報共有など、先端技術や生産性向上につながる取組を学ぶ機会になった等の成果が報告されております。

○たかく委員 今の答弁では、中小企業から一定の成果があったとの報告でございました。
 一方で、モデル工事の実績については、六年間で二十二件を実施したということで、年平均すると四件程度であります。中小企業が実績を積む機会は十分といえないと思います。
 中小企業の育成を一層進めるために、こういったモデル工事を拡大、充実させていくことが必要と考えます。モデル工事について、今後の取組について見解を伺います。

○須藤契約調整担当部長 モデル工事につきましては、中小企業の技術力向上につながる成果が報告されている一方、平成三十年度から令和五年度までの平均応札者数が、モデル工事の対象となる工事のうち、モデル工事以外では六・七者であるのに対し、モデル工事では三・二者になるなど、参入事業者が少なくなるといった課題も生じております。
 今後、モデル工事について、参画企業へのヒアリング等を実施し、中小企業育成を強化する方向で検討を行ってまいります。

○たかく委員 モデル工事の入札では、競争性が低くなるなどの課題もあるということですが、こうした課題について原因を分析して、事業者の意見もよく聞き取りながら改善を図っていくことが必要と考えます。中小企業の育成に資するモデル工事をよりよい効果の高いものにしていくために、検討をしっかりと進めていかれることを期待して、次の質問に移ります。
 次に、建設業の働き方改革に関することについて何点か伺います。
 建設業の労働時間は、ほかの産業に比べて長く、休日数が少ない状況にあるといわれております。今年四月から、建設業においても時間外労働の罰則付上限規制が始まりました。建設業の働き方改革を推進していくためには、公共工事がモデルとなって、休日数を増やし、働きやすい職場環境づくりを進めていくことが必要です。
 そこで、都発注工事における現場の週休二日の取組について伺います。

○小林技術管理担当部長 都発注工事では、平成二十七年度に週休二日モデル工事を開始いたしました。このモデル工事を通じまして現場の実態把握に努め、対象を小規模な工事にも拡大するなど、実施件数を増やしてまいりました。
 建設業の働き方改革を進めていくため、本年四月からは、原則として全ての工事を土日に現場閉所する週休二日工事として発注をしております。
 なお、施設を使いながら行う改修工事などでは、土日の作業が想定されるため、平日閉所への振替を可能としております。

○たかく委員 今の答弁では、東京都が発注する工事の週休二日の取組が進んでいることが確認できました。
 しかし、休みを取りやすくするためには、現場で働く人たちの負担軽減が必要であります。私の地元の世田谷区でも、公共工事を、発注者に提出する書類が多いという声もよく聞いております。工事の施工に当たっては、完成した建築物の品質を確保することが重要であり、そのためには、書類による確認が必要であることは理解しておりますが、建設業の就労者が減少しており、現場における業務の負担軽減に取り組む必要があります。
 そこで、これまでの工事関係書類の削減や簡素化に向けての取組について伺います。

○小林技術管理担当部長 工事関係書類につきましては、令和三年二月に、関係局が連携して削減、簡素化が可能な様式を抽出した上で、基準類を改正し、これを令和三年度から運用してまいりました。
 令和五年度は、書類の利用頻度や記載内容の重複などについて検討し、本年四月から工事着手届を提出不要とするなど、様式の削除や簡素化を実施いたしました。
 引き続き、公共工事の品質確保に留意しながら、受注者の負担軽減に取り組んでまいります。

○たかく委員 現場で働く人たちの負担軽減を図って、工事関係の書類の削減、簡素化について取り組んでいるということであります。
 働き方改革を進めていくためには、こうした取組のほか、繁忙期と閑散期の偏りをできるだけなくして、年間を通じて工事量を安定させていくことも必要と考えます。
 繁忙期の解消により長時間労働等が減少し、技術者の労働環境が改善されるとともに、人材、資材、機材等の効率的な活用にも寄与し、中長期的な担い手確保に資することが期待されます。
 こうした工事の平準化についても取組を進めていると認識しておりますが、昨年度の実績と今後の取組について伺います。

○須藤契約調整担当部長 公共工事におきましては、四月から六月が閑散期となっており、この閑散期の平均稼働件数を年間の平均稼働件数に近づけることを目標に、全庁で取組を進めております。
 取組当初の平成三十年度実績は、年間の平均稼働件数に対し、閑散期の平均稼働件数は七五%でございましたが、令和五年度の実績では八三%となっており、八ポイント改善が図られております。
 今後も、債務負担行為や繰越しの活用などにより、各局と連携しながら平準化の取組を推進してまいります。

○たかく委員 今の答弁ですと、平準化については全庁で取組を進めて、改善傾向にあるとのことでした。こうした取組は、引き続き確実に進めていただくことを要望いたします。
 特に、建設業においては担い手確保が大きな課題であり、働き方改革は避けて通ることのできないテーマであります。事業者も様々な努力をしておりますが、工事においては、発注者の果たす役割も非常に重要となっております。
 今回は、週休二日、書類削減、工事の平準化に焦点を当てて確認を行いましたが、その他の施策も含め、さらに取組を進めていただくことを要望し、質問を終わります。

○大山委員 質問します。
 資料で、都民広場に人工芝生を設置した経緯を出していただきました。資料、1ですね。
 資料にありますように、都庁周辺の空間再編計画が二〇二四年三月に出ました。これですね。都民広場の在り方として、公務に支障を及ぼさないことや、公共性、公益性を担保した利用としつつも、より広く都民が憩える場とする必要があるとなっています。
 このこと自体は否定するものではありません。単発のイベント会場の場から、日々の都民が憩える場への転換として例示されているのが、広場への芝生の敷設、緑の創出や広場周辺へのベンチなどの設置が挙げられています。この計画に基づいて、都民広場に人工芝生が敷かれたわけです。
 夜になりますと、人工芝生のあちらこちらに寝転がってプロジェクションマッピングを見ている人たちがいます。都庁周辺の空間再編計画では、芝生、緑の創出となっていますが、人工芝生では、緑の創出とはいわないですよね、色だけは緑ですけれども。
 重大なことは、人工芝生の環境や健康への影響について多くの懸念が出されていることです。例えばWWFジャパン−−あのパンダのロゴマークのですね−−をはじめ十四団体で構成する減プラスチック社会を実現するNGOネットワークと賛同団体二十二団体が文部科学大臣に対して、人工芝のサッカー場やテニスコートなどのスポーツ施設や校庭が増える大きな要因に、スポーツ振興くじを原資とする助成制度の存在があることから、グラウンド芝生化事業の対象から人工芝生化を外すなど、助成制度の見直しを求めました。
 その中で、人工芝生化を懸念する主な理由として、一つは人工芝生は環境への影響が懸念されるマイクロプラスチックの発生源です、二つ目が人工芝生には有害な化学物質が含まれています、三つ目は人工芝生は地球温暖化を加速させます、四つ目は人工芝生は生物多様性損失のリスクを高めます、五つ目は人工芝生は利用者のけがや熱中症のリスクを高めます、六つ目は人工芝生のテニスコートは特有の問題があります、七つ目はゴムチップは環境中に直接ばらまくマイクロプラスチックです、八つ目はゴムチップは有害物質の塊ですと、八つの主な理由を示しています。
 そこで伺いますけれども、マイクロプラスチックの環境汚染、健康被害について、どういう認識を持っていますか。

○鈴木庁舎運営担当部長 マイクロプラスチック対策につきましては、プラスチックによる海洋汚染を防ぐために、プラスチックごみの流出の抑制が重要であると認識しております。
 このため、都民広場の人工芝につきましては、日常的な点検や排水溝へのフィルターの設置など、マイクロプラスチックの流出抑制を適切に実施することとしております。

○大山委員 マイクロプラスチックによる海洋汚染については認識しているということですね。だから、排水溝にフィルターを設置して、マイクロプラスチックの流出抑制をするんだということですね。
 先ほど紹介した減プラスチック社会を実現するNGOネットワーク及び三十六団体の文書の最後には、人工芝生から発生するマイクロ化したプラスチックは、水環境中への流出は十分に抑制できません、まして、大気中への拡散抑制は不可能です、こう述べています。
 つまり、排水対策だけでは不十分だということです。どんなに細かなフィルターにするのか分かりませんけれども、確実に全て捕捉できるという保証はありません。しかも、大気中への拡散を抑制することは不可能だということなんです。それはそうですよね。風が吹けば、雨で流される前に飛び散るでしょうし、走れば、蹴飛ばしたりしたら空気中に舞うでしょう。大気中に拡散するということです。
 子供たちもね、人工芝生敷いてあれば、はだしになって遊びたくもなるでしょう。実際、先日、様子見ていたら、家族でプロジェクションマッピングを見に来たんでしょう、子供たちが走ったり、側転したり、転がったりしていました。目の前にとちょう保育園もあります。
 伺いますけど、大気中への拡散についてはどう対応するつもりですか。

○鈴木庁舎運営担当部長 大気中の拡散につきましては、それぞれ法律等の規制があると思いますので、もしその中で措置が必要であれば、適切に対処してまいりたいと思っております。

○大山委員 まあ、考えていないということですよね。
 懸念の二つ目の人工芝生には有害な化学物質が含まれていますということについてです。
 東京農工大学の高田秀重教授の調査では、人工芝生の芝の葉っぱの部分には、UV−328やUV−P、ノニルフェノールなど、内分泌攪乱作用のある物質が検出されています。内分泌攪乱物質は、人、特に子供の成長を妨げて、アレルギーや発達障害のリスク因子であり、不妊を起こす可能性が懸念されています。
 都民広場に敷いた人工芝生に、このような成分は含まれていないといえるんでしょうか。

○鈴木庁舎運営担当部長 都民広場の人工芝につきましては、ご指摘の化学物質については使用されておりません。

○大山委員 UV−328だとかUV−P、ノニルフェノールは使用されていないということですね。
 UV−328だとかUV−Pというのは、紫外線吸収剤です。これらは内分泌攪乱物質です。もっとも、UV−328というのは廃絶する対象になっていますから、使用していたらそれこそ大変でした。
 パンフレットをコピーしていただきましたが、UV加工で美しい景観を維持と、こう書いてあるんですね。そういうふうに書いてありますから、紫外線への対応は、何らかの化学物質が入っていると思われます。プラスチックには、その性能を維持し向上させるために、様々な添加剤が配合されています。ぜひ、メーカーに添加剤は何が入っているのかということも確認してほしいと思います。
 化学物質では、アメリカでは人工芝生からPFASが検出されて、ボストン市などでは公園などに新たに人工芝を敷くことを禁止したということなんですね。
 PFASがもたらす環境汚染や健康被害について、どう認識していますか。

○鈴木庁舎運営担当部長 PFOSなどについて、都におきまして、国に対して健康影響及び環境に関する評価について、科学的根拠に基づいた知見を示すよう要望していると聞いております。
 なお、都民広場の人工芝にはPFOSなどは使用されておりません。

○大山委員 私はね、PFAS、つまり有機フッ素化合物全体についての認識を伺ったんです。それをPFOS等と答弁されました。そして、都民広場の人工芝には、わざわざPFOS等は使用されていないと答弁されました。つまり、一万種以上あるPFAS、有機フッ素化合物のうち、日本で規制の対象となっているPFOS、PFOA、あとPFHxSについては使っていないということですね、わざわざPFOS等といったわけですからね。
 日本では、PFOA、PFOS、PFHxSの三種類だけは規制していますけれども、さらに厳しい規制を行っているのはEUです。二〇二三年の一月には、デンマーク、ドイツ、オランダ、ノルウェー、スウェーデンの五つの当局が合同で、一万種以上のPFASの製造、販売、使用−−これは輸入も含めています−−を制限する規制案を提出しました。
 しかし、驚くことに日本の財界と政府は、これを妨害しています。日本では、PFOS、PFOAなど三つの物質しか禁止されていません。つまり、日本で規制されている三種類のPFASは使われていないといっても、そのほかのものは分からないということなんですね。
 都民広場の全体に人工芝を敷く前に、生芝と人工芝を試験的に敷いていましたけれども、試験的に敷くっていうことは、様々なことを調査するためだと思いますが、調査したことは何でしょうか、人工芝の温度は測ったんでしょうか。

○鈴木庁舎運営担当部長 都民広場の芝生の敷設に当たりましては、マイクロプラスチックの環境保全対策や荷重に対する安全対策などの調査を行ったところでございます。
 また、夏場に人工芝の表面温度が相当程度高くなることは、あらかじめメーカーから説明を受けており、人工芝の温度につきましては測定しておりませんが、そうした際には、日よけの設置や散水、必要な注意喚起など、ハード、ソフト両面から対策に取り組んでいくこととしております。

○大山委員 私たちで、九月七日に都民広場に試験的に敷いた人工芝の温度をサーモグラフィーで測ってみました。そしたら六十度台の後半、七十度を超えるところもありました。人工芝を敷いていない床面は五十度ぐらいでしたから、かなり熱くなっているということが分かりました。六十度を超えたお湯といったら、手入れられないですよね。そういう状況です。
 メーカーは、さっきご答弁されましたけど、人工芝の表面温度が相当高くなると説明があったとのことですけれども、相当程度高いっていうのは、何度ぐらいになっているっていうのは聞きましたか。

○鈴木庁舎運営担当部長 メーカーから確認したところ、夏場の温度につきましては六十度程度というふうに伺っております。

○大山委員 六十度程度ということをメーカーはいったということですけれども、さっきいったみたいに六十度台でも後半、七十度を超えるところもありました。これ九月ですからね。八月もっと暑かったですものね、という状況です。しかし、皆さんも相当高温になるということは知っていたと、認識していたということですね。
 ところで、都民広場の人工芝の主な成分は何ですか。

○鈴木庁舎運営担当部長 都民広場で使用した人工芝の主な成分につきましては、ポリエチレンとポリプロピレン、ポリウレタンでございます。

○大山委員 ポリエチレンとポリプロピレンとポリウレタンということですね。
 実は、ポリエチレンやポリプロピレンというのは、日光で劣化しますとメタンなどの温室効果ガスを放出することも分かっているんです。環境省によりますと、メタンはCO2の二十八倍もの温室効果があります。人工芝は、地球温暖化も加速させるということです。
 東京都は、二〇三〇年までにCO2を五〇%減らす目標で、今のところ二・三%しか削減できていないというところに、さらに、CO2の二十八倍もの温室効果があるメタンを放出するものを東京都が敷くということなんですね。
 人工芝の課題は、マイクロプラスチックの発生、化学物質が含まれていること、そして地球温暖化もさらに加速させることなど、今質疑しただけでも大きな問題山積です。
 二〇二三年五月の広島サミットでは、プラスチック汚染対策については、二〇四〇年までに追加的なプラスチック汚染をゼロにする野心を持って、プラスチック汚染を終わらせることにコミットすることが表明されましたが、わざわざ東京都が人工芝を敷くというのは、この国際的な合意とも逆行することではありませんか。

○鈴木庁舎運営担当部長 先ほども答弁させていただきましたが、プラスチックによる海洋汚染を防ぐためには、プラスチックごみの流出の抑制が重要であると認識しております。
 都民広場の芝生につきましては、都が令和六年三月に策定しました都庁周辺の空間再編計画により、誰もが自由に憩い交流できる空間として芝生のスペースを設置することとし、躯体の耐荷重など考慮し、人工芝を採用いたしました。
 なお、都民広場の人工芝につきましては、日常的な点検や排水溝へのフィルターの設置など、マイクロプラスチックの流出抑制を適切に実施することとしております。

○大山委員 プラスチックごみの流出抑制は必要です。しかし、それだけでは不十分だということは、今まで質疑したことではありませんか。風で飛び散る大気中の拡散抑制ができるとでもいうんでしょうか。しかも、将来的には劣化して不要になった場合、どう処理するつもりなんでしょうか。
 今は、最終処分場に埋め立てられたり、リサイクルと称して防草シート、草を防ぐシートとしてソーラーパネルの下に敷かれたりして、汚染拡大の温床になる問題があると指摘されているんです。
 今日は、都民広場に敷いた人工芝生をめぐる環境や健康をめぐる懸念について、マイクロプラスチックの発生源であること、有害な化学物質が含まれていること、そして地球温暖化を加速させることに関して質疑しました。
 これだけの問題がある人工芝生です。本来だったら東京都が率先して、人工芝生はやめましょうと実践していかなければならないことです。それを東京都が率先して都民広場に敷くなど、もうとんでもないことだということを指摘して、終わります。

○鈴木委員 まず、決算委員会の在り方についてお伺いをしたいと思います。
 委員の皆さんには、最初の会計管理局への質問と重なってしまって恐縮なんですけれども、ちょっと会計管理局の皆さんからは、自分たちの担当ではないということでご答弁いただけなかったので、恐らく財務局の皆さんがご担当なんじゃないかなと思って、ご質問をさせていただきたいというふうに思います。
 私、昨年、都議会議員になったばっかりでございまして、その前まで長く会社の経営者をやっておりました。毎年毎年、決算に向かい合うということをとても重視しておりまして、決算に向かい合うことで、そこをしっかりやり抜ければ、結果として、もう予算はそこから生まれてくるものだという思いでやってまいりました。これは私に限らず、多くの民間企業の経営者も同じ考えなんじゃないかなというふうに思っているところです。
 一方、都議会に来て驚いたのは、先週まで決算委員会の説明を各局から伺っていたんですけれども、何だか事業の総括の期待していた話は聞けずに、それぞれの局のPLだとかBSとかを見せられて、外形的な話ばかりで、中身に踏み込んだ話が全然聞けないなと。これでどうやって決算から予算に対していろんな反省、総括をフィードバックしていくのかなと疑問に感じているところでございます。
 そんな問題意識から何問か質問をさせていただきたいと思うんですけれども、まず、決算委員会は、法令上、会計管理局が担当するというふうにご説明をいただいたんですけれども、法令上、財務局は関わっちゃいけないと決まっているわけじゃないと思うんですね。
 ぜひ予算編成につながっていく非常に重要なプロセスだと思いますので、予算編成を担当される財務局の皆さんに、この決算委員会にも積極的に関わっていただいて、資料作成等の面でサポートをいただきたいなというふうに思っているんですけれども、いかがでしょうか。

○佐伯主計部長 決算は、地方自治法第二百三十三条におきまして、会計管理者が毎会計年度、政令の定めるところにより調製することとされております。
 決算特別委員会につきましては、決算を調製した会計管理者を長といたします会計管理局が担当をしております。

○鈴木委員 それは知っている上でご質問させていただいたんですけれども、自分たちの担当ではないというお話なんだろうなと、たらい回しだなというふうに感じているところでございます。
 時間ももったいないので、次の質問をさせていただきたいと思うんですけれども、担当というと話がややこしくなってしまうので、率直に資料についてお考えを聞きたいんですけれども、今までの各局からの説明等を伺っていても、事業の総括に関する資料、ほとんど出てこないという状況で、戸惑っています。
 具体的にいうと、予算のときに配っていただいてるグリーンブックみたいなものが、これの結果はどうだったのかということが示されて、この委員会で事前に説明いただいたりすると有意義な議論ができるんじゃないのかなというふうに感じているところです。
 会派の仲間に聞いてみたら、都内でもそういう決算委員会、予算委員会をやられている自治体もあるということで、ぜひ東京都としても、財務局の皆さんに音頭を取っていただいて、より有意義な決算委員会をやっていくためにご助力いただきたいなと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○佐伯主計部長 決算特別委員会につきましては、会計管理者を長といたします会計管理局が担当しております。
 先ほど副委員長ご指摘の、事業の総括というお話ございましたが、財務局では、毎年度の予算編成の過程におきまして、各事業の成果や決算状況等を検証した上で評価を行い、その結果を翌年度の予算に反映をしております。

○鈴木委員 ありがとうございます。
 今ご答弁いただいたとおり、内部ではやられているんだと思うんですね。各局で事業の総括をやられて、その結果を評価して、それを予算に生かしていくと。そのプロセスをぜひ議会側にも共有をいただけないかなという趣旨でございます。これ以上いっても、多分答弁が出てこないと思いますので、ご要望という形で、最後お伝えをさせていただきたいというふうに思います。
 続きまして、資金の調達について質問をさせていただきたいというふうに思います。
 十七年ぶりに、今年の四月からですね、金利のある世界が帰ってまいりまして、それに対応した資金調達を考えていかなければいけないという局面に差しかかっているというふうに考えております。
 そこで、ぜひ教えていただきたいんですけれども、都債の発行金利の最近の動向を知りたいと思います。直近三年間の調達金利を教えていただきたいと思います。

○佐伯主計部長 都債は、定例発行しております十年債を資金調達の主力としておりまして、その発行金利は、令和三年度は平均〇・一四%、令和四年度は平均〇・四六%に対しまして、令和五年度は平均〇・七七%となっております。
 今年三月の日本銀行によりますマイナス金利政策の解除以降、今後の利上げ観測などによりまして、市場金利はさらに上昇傾向にございます。

○鈴木委員 ありがとうございます。
 先ほど会計管理局に基金の運用利回りのお話を伺ったんですけれども、やはり運用利回りよりは、調達の利回りの方が早めに上がってきているんだなということが確認できたかなというふうに思っていますが、とはいえ、非常に低い金利で調達できているんだなと。やっぱり東京都というのは、非常に信頼の高い組織なんだなということも感じたところでございます。
 金利が上昇傾向にあるということなんですけれども、今後の都債発行に係る影響についてどんなお考えをお持ちなのか、教えていただきたいと思います。

○佐伯主計部長 都債につきましては、これまで税収が堅調な時期には、発行抑制や償還を進めることなどによりまして残高の減少に努めておりまして、令和五年度末の都債残高は三兆七千九十五億円と、ピーク時の平成十二年度の半分まで減少しております。
 このため、金利の上昇が見込まれる中でも、令和六年度の利払い費は一般会計ベースで四百十二億円と、ピーク時の平成十二年度の利払い費と比較いたしまして、約六分の一となっております。
 今後も財政状況等を勘案しながら都債残高を減少させまして、利払い費負担の軽減を図っていくとともに、発行年限の多様化や東京グリーン・ブルーボンドなど都債の商品性向上によりまして、都債の適切な活用を図ってまいります。

○鈴木委員 ありがとうございます。
 金利が上昇局面に差しかかっているとはいえ、都債残高がピーク時の半分なんだと、利払いの費用もピーク時の六分の一になっているということで、かなりまだまだ調達余力があるんだなということを改めて確認をさせていただいたところでございます。ありがとうございます。
 続いて、今度、公契約について質問を移したいと思います。
 東京都は、いうまでもなく行政サービスの主体である地方自治体であるわけなんですけれども、それと同時に、都内あまたある一般の企業同様、一つの事業者であるという側面があるかというふうに思います。
 そういう東京都を一つの事業者と見た場合に、東京都って、いい事業者なんだろうかと、悪い事業者なんじゃないかというような、ちょっと問題意識がございまして、公契約について何点か質問をさせていただきたいというふうに思います。
 先ほど大山委員からのご指摘もありましたけれども、一事業者として本来模範を示すべき東京都が、環境負荷の非常に高い人工芝を自分たちの目の前に広げていく、これはあまりよくないんだろうなと。今、資金調達のお話も伺ったんですけれども、非常に東京都は資金的に余力があるということがいえるんだろうなというふうに思います。
 バランスシートも改めて確認すると、令和四年度でも、私も驚いたんですけど、純資産が八千六十億円も増えているんですよね。だから非常に強固な財政的な基盤を持っているなということが分かりました。
 ちなみに、ほかのバランスシートと比較をしてみたんですけど、多分基準がいろいろ違ってね、一概にはいえないと思うんですけど、財務省のホームページ確認いたしましたら、国のバランスシートを確認すると、自己資本比率はマイナスの四九%と、非常にひどいなと。一方で、東京都は非常に優秀で、自己資本比率八二%と、超優良だなと。
 同じ地方自治体で確認するとどうなのかなと思って、大阪府を見たら自己資本比率が一九%なので、東京都に比べるとかなり危ういなというふうに感じました。
 支払いの観点から流動比率もチェックしてみましたら、東京都の流動比率三六七%ということで、支払いに対しても全く不安を感じさせない、すばらしい財政状況。これだけ強い財政状況にもかかわらず、職員の三割は非正規雇用の方々を使い、これから取り上げる公契約、調達においても価格重視で、一事業者として、なるべく安いものを買うんだと、それが正しいんだというような姿勢に感じているところがございます。
 そういう観点から、まず一つ目の質問なんですけれども、昨年度、財務局が開催した社会的責任に配慮した調達に係る有識者会議、すばらしい会議を開いていただいているんだなというふうに思うんですけれども、ここで公契約条例について話題になったというふうに聞いているんですけれども、どのような議論が行われたんでしょうか。

○須藤契約調整担当部長 本年七月に公表いたしました東京都社会的責任調達指針の作成に当たっては、環境、人権、労働等の専門家を委員とする有識者会議を設置し、各回の会議においては、委員からの意見に加え、関連する分野のステークホルダーからも意見を聴取しながら議論を進めてまいりました。
 令和五年八月に開催した第三回会議では、労働分野のステークホルダーから調達指針案に対する意見を伺いましたが、その際に公契約条例の制定について言及があり、委員の間では、実効性担保の方法や労働報酬下限額の設定方法、受注者に法令以上の義務を課すことの是非等について意見が交わされております。

○鈴木委員 ありがとうございます。
 ウェブ上で公開されていましたので、私も議事録を拝見いたしましたけれども、非常に有意義な議論をしていただいているなというふうに感じたところでございます。
 公契約条例の必要性について、詳細なプレゼンテーションもされておりまして、私も拝見をいたしまして、ぜひ東京都も率先してですね、模範的な一事業体として、都内のいろんな企業に姿勢を示せるような検討をいただきたいなというふうに感じた次第でございます。
 そこで、次の質問、単刀直入に伺いたいんですけれども、東京都として、ぜひ公契約条例を制定していただきたいというふうに考えるんですけれども、いかがでしょうか。

○須藤契約調整担当部長 賃金等の労働条件は、最低賃金法や労働基準法などの労働関係法令による下支えの上で、各企業において、対等な労使間での交渉により自主的に決定されるべきものと認識をしてございます。
 都の契約制度もそうした考え方に立脚しており、公契約条例により労働報酬下限額を定めることにつきましては、労働関係法令との整合や入札契約制度の前提である公正性、競争性の確保などから、課題があると認識してございます。

○鈴木委員 よく都のお考えを踏み込んで、率直にお答えいただいたなという意味では評価をするんですけれども、率直にいって、ちょっと違うんじゃないかなと思うところがございます。
 各企業において、対等な労使間の交渉により自主的に賃金が決定されているとおっしゃるんですけれども、そうじゃないから、歴代の自民党政権が、保守政党が、わざわざ賃上げを各企業に求めるということが、この国では長年続いてきているんだと思うんですね。
 今、やっぱり日本中、政権だけじゃなくて、賃上げをしようよと、労働者の賃金を上げよう、雇用形態をもっとましなものにしようというふうに、今流れが変わってきているんじゃないのかなというふうに感じているところなんです。
 同時に、雇用者だけじゃなくて、発注元が下請に対して自分たちの優越的な地位を濫用して価格を引き下げさせるような、そういうこともやめようよという議論が今進んできてるところなんだと思うんですね。
 ですから、現時点で東京都として、賃金は対等な労使間での交渉により自主的に決定しているんだと、市場メカニズムは日本では非常にうまく働いていて問題はないんだという、今のそういうお考えであることは別に批判しないんですけれども、そうじゃないからいろんな問題が起こってきているんであって、ぜひ東京都として、さらなるご検討、公契約条例について、さらに公契約条例にかかわらず、社会的責任に配慮した調達に係る有識者会議というのをわざわざ開いていただいているわけですから、一事業体として、東京都の振る舞いが社会的責任に配慮した正しい振る舞いなのかどうかということをより真摯にご検討いただきたいないうふうに思うところでございます。
 以上で私の質問を終わりにさせていただきます。

○上田委員 入札制度改革のその後についてです。
 近年、公共工事を取り巻く環境は、資材価格及び労務費の上昇、技術者及び技能労働者の不足などによる入札不調が増加するなど、厳しい状況が続いています。
 こうした中、都においては、入札参加者の増加や不調発生率の低下を図る改正を行い、取組を進めていますが、不測の事態もるる発生していると思います。
 決算年度を振り返り、新たに遭遇した課題や都度講じた対策について、具体的な所見を伺います。

○須藤契約調整担当部長 工事における主要資材の価格高騰等に対応するため、単品スライドやインフレスライドの見直しを令和四年度に実施した結果、令和五年度の知事部局等の発注工事におけるスライド条項の請求実績は、合計で二百六十三件となっております。
 今後もこうした制度の適切な運用を図ってまいります。

○上田委員 かなりどの局でも不調が続いたりして難儀していると思います。老朽化は待ったなしということの中で、ウクライナみたいなことがあるとは思わずに予定を立てていたことが、遅滞していると思いますので、あの手この手で対策を練っていただきたいと思います。
 豊洲市場の建設工事などの一部の工事案件で見られていましたけれども、応札者が一者、かつ高落札率となる入札結果を受けて、より入札参加者を確保して、適正な競争環境が都民に見える形としてやろうということで、本当に入札制度改革を−−一、予定価格の事後公表、JV結成義務の撤廃、低入札価格調査制度の適用範囲の拡大ということで、まさか今日のような物価高とかですね、調達ができないってことになるのは、まあまさに夢のような状況だった平成三十年六月から本格実施してきました。
 常任委員会に上がってくる契約議案については、私は常に、契約締結に係る入札参加条件と入札参加事業者数及び辞退理由、低入札者への聴取の日時と内容の分かるものを悉皆で全てお願いをしております。
 長年懸念していることは、辞退談合が疑われるような入札が散見されるからでございます。何者か出しているんですけど、一者以外全部辞退ということで、おかしいおかしいということで確認させていただいてきました。
 決算年度において、改革の三本柱の徹底及び辞退理由の把握を行い、防止に努め、改革の継続がなされたのか。総合評価方式の拡大と契約形態が複雑化する中、局の契約調整機能は無事果たせていたのか、所見を伺います。

○須藤契約調整担当部長 入札制度改革において実施した取組につきましては、毎年度その成果の分析を行っており、適切な運用が行われているものと認識しております。
 なお、入札を辞退する事業者には、辞退理由を確認するとともに、入札不調となった案件については、起工部署において入札参加者や辞退者等にヒアリングを行い、再発注時における条件設定等の参考としております。

○上田委員 そもそもやれると思って手を挙げて、やっぱりやめますというのが非常におかしいことでありまして、それなんで、いつも入札参加可能者数を分母で、適正に出ているのかって聞かせていただいているところでございまして、しっかりと、以前はあまり行われていなかった辞退理由の確認をされていることでございます。
 入札監視委員会ですけど、公正性、透明性を確保するために設置されております。
 活発な、委員の増員、審議件数の増加、談合情報、審議状況の審査の増加についての状況を伺います。また、第二監視部会には弁護士がおらず、各監視部会の委員構成をもう少し専門分野がバランスよくなるようにした方がいいのではないかと、令和五年度の監視委員会で指摘されています。この点についての所見を伺います。

○須藤契約調整担当部長 入札契約手続のチェック体制の強化を図るため、平成二十九年度に入札監視委員会の委員の定員を七名から十二名に増員し、対象とする契約案件を年間五件から二十件程度に増加させております。
 また、談合情報処理に係る審査については、都に寄せられた談合情報の処理手続を審査するものであり、令和五年度は、令和四年度に行われた二件の処理について審査を行っております。
 なお、各監視部会における委員構成のバランスについては、現状、委員会運営に支障があるものとされてはおりませんが、委員会での意見を踏まえ、今後対応を検討していくこととしております。

○上田委員 目を皿のようにして私も見させていただいていて、あっ、弁護士いないんだってことに気づかせていただきまして、今後対応ということでございます。よろしくお願いします。
 近年の反社会的行為者は、指定暴力団以外にも散見されるわけですね。また、外国人犯罪者も急増しましてね、複雑に絡んでその実態把握が困難になってきております。
 昭和の時代に設置された暴力団等対策連絡協議会についても、内容をアップデートされているのかと思料しますことから、現状のご説明と実績、効果についても伺います。

○須藤契約調整担当部長 東京都契約関係暴力団等対策連絡協議会は、警視庁からの要請等に基づき、暴力団等反社会的行為者への排除措置等を行う必要がある場合に開催しております。
 協議会が設置された平成二十二年度以降、現在までに十二回の協議会を開催しており、直近の開催は平成二十九年度となっております。

○上田委員 コロナもあったので、二十九年度以降は開催されないというのは、問題になるような案件がなかったという理解というふうにさせてもらおうと思いますが、これで支障は来さないのかなと、問題は本当に起こっていないのかなというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

○須藤契約調整担当部長 暴力団等の介入に関して情報提供があった場合には、速やかに警視庁へ照会するとともに、国や他道府県における排除措置状況等を定期的に確認しており、契約事務が適正に執行されているものと認識しております。

○上田委員 協議会とか委員会って、つくっておしまいということが多いし、また、あればあったで負担がかかることなので、実質が取れるような運用をお願いするところでございます。
 本年八月、小池知事がヤクルトスワローズ始球式で剥離骨折をされる重傷を負いました。この始球式が公務なのかどうなのか、不可思議に思う都民は少なくありませんでした。
 ついては、知事専用車の適正利用についてですが、公務と私用の基準をご説明の上、どう厳格に監視、運用されているのか、実際に決算年度は適正利用できていたのか伺います。

○稲垣経理部長DX推進担当部長兼務 庁有車につきましては、都政において重要な職責を担う者が、その職責を全うするために万全を期す必要があることから、運用をしてございます。
 運用に当たりましては、規則等に基づき適切に管理を行っており、令和五年度におきましても、庁有車は適正に使用されてございます。

○上田委員 特に小池知事は、自分の知事選の前に、その後ぱったり行かなくなっちゃったんですけど、いろんなところ出歩きまして、公務とかこつけてですね。ご指摘もあって、あれは選挙活動ではないのかなんていうご指摘もありましたよね。
 公務とこうした政治活動の境界が曖昧に思われまして、例えばヤクルトの、あのけがなさった始球式は公務なのか政治活動なのか、判然としていないので、どう線引きをされているのか。あの始球式は庁用車で送迎したのかも確認させてください。

○稲垣経理部長DX推進担当部長兼務 お話の行事につきましては、知事の公務としての活動実績として既に公表されてございます。
 庁有車につきましては、公務遂行のため適正に使用されてございます。

○上田委員 資料の方でもいろいろと出させていただいておりますが、舛添知事の、前の知事で庁用車の問題が大きく取り上げられまして、私もかつて、一番最初に参画しまして、この扱い、舛添さんの庁用車の情報開示請求したのは私でありましたし、非常にその後、改善したことは確認はしているんですけれども、やはり判然としていないことにおきましては、るる指摘をしていくことで、緊張感を持って皆さんも取り組んでいただけると思っております。
 また、都外にも、資料によりますと赴いておりますが、主にどのような公務だったのでしょうか、伺います。

○稲垣経理部長DX推進担当部長兼務 都外で開催されました九都県市首脳会議等の会議や、事業完成に伴う式典への出席等の公務遂行のため、庁有車を使用されてございます。

○上田委員 九都県市首脳会議の方に出ているということでございました。引き続きましての適正利用をお願いいたします。
 主計部の議会関係事務であります。
 主計部議会関係事務ですが、例えば〇一八サポート、私学無償化、おこめクーポン、一万円の商品券支給など、巨額の予算が動くというのに都議会には何の説明もなく、恥ずかしながら、マスコミを通じて都民と一緒に知るというようなことが散見されております。
 執行機関と議決機関の円滑な連絡が、小池都政二期目以降図られているとはとても思えませんが、なぜ議決機関に報告前にマスコミ報道が先行するのか、ご説明ください。

○佐伯主計部長 委員ご指摘の点につきましては承知はしておりませんが、都はこれまでも、当初予算案の発表に当たっては、都議会に対して内容を事前に説明するなど、議決機関への丁寧な説明に努めております。

○上田委員 私は、これは非常に大問題だと思いますので、本当にマスコミ報道で先に出ないように、しっかりと議会対応するように、主計部の所管事務の遂行するための改善努力を強く求めさせてもらいます。
 都では、急速に進む高齢化など人口構造や社会経済状況の変化に対応し、将来にわたって誰もが安心して暮らせる都市の実現を財政面からもしっかりと後押しするため、第三者による推計を実施していますが、都の社会保障関係経費は、高齢者人口の増加などによって、近年、毎年どの程度増加し、三十年では幾らぐらい増加することを見込んでいるのでしょうか。前の決算のときは、毎年平均三百億、二十年で五千億以上増えるというような試算でございました。お願いします。

○佐伯主計部長 令和五年度の年次財務報告書において公表いたしました直近の都の社会保障関係経費の試算では、毎年平均約四百億円のペースで増加をいたしまして、今後三十年間の累計ベースでは約十七兆円増加する見通しとなっております。

○上田委員 十七兆円ということでございます。
 法人二税と、この膨らみ続ける福祉、保健医療費の推移についてですけれども、平成十四年から令和六年までの法人二税の推移を確認したところ、下限が平成二十三年度の一兆二千三百三十八億円、上限が平成十九年度の二兆六千百六十二億円と、約一兆三千八百億円ほど税収に差が出ています。税収が上がってきたここ数年ですが、令和五年度見込みの総額は過去最多となりましたが、法人二税については二兆三千二百二十九億円であり、平成十九年の税収には至っておりません。
 これまで法人二税は、都税収に占める割合が高かったんですが、この差は、個人都民税、消費税、固定資産税、都市計画税増が、現在の税収増の要素になっていることが分かります。景気変動の影響を受けやすく、極めて不安定と指摘されてきましたが、好調な税収増の中で、法人二税は思うほど伸びていないことも改めて確認をいたしました次第でございます。
 一方で、福祉、保健医療費は、平成二十三年度の八千九百三十九億円から、令和五年度は一兆五千三百四十五億七千四百万円と、右肩上がりで増加をしております。歳出、予算目的内訳、福祉費と保健費の推移が、平成十九年度から、私が前回決算委員だった平成二十八年度まで、平均増減率は四・四二%でした。
 その後コロナ禍となり、福祉費が急増しまして、増加比率が八・六八%となり、十年後の変化率を単純計算しますと二三〇%となってしまいまして、そう遠くない未来に、法人二税と福祉、保健費が拮抗することとなります。
 都においても、十二年後は都税収の三五%を占める法人二税では、福祉費用が賄えなくなることを想定した場合、今から対策を練っておく必要があると考えます。特に、東京都における高齢化率は、総人口がピークを迎える令和七年には二三%であり、令和十七年には二五・四%と、およそ四人に一人が高齢者になると推計される。全人口の四人に一人は後期高齢者という超高齢化社会といわれる二〇三五年問題が喫緊に迫っております。
 令和五年度に当たり、この問題は現実味を帯びてきております。強固で弾力的な財政基盤を堅持し、将来にわたって持続可能な財政運営を行うと都度ご説明をいただいてきましたが、現時点の財政的影響、具体的な新たなシミュレーションや対策などの想定を伺います。

○佐伯主計部長 将来にわたり持続可能な財政運営を行っていくためには、社会保障関係経費など、都財政にとって避けることのできない中長期的な財政需要への対応が必要でございます。
 このため都は、事業評価の取組によりまして、一つ一つの事業の効率性や実効性を高めるとともに、令和五年度末時点の基金残高として、合計二兆五千九百三十八億円を確保するなど、将来への備えを講じております。

○上田委員 国よりも東京都の経済基盤は盤石であるということは、ほかの委員も指摘をしております。いわゆる家計でいえば、貯金の方は確認をさせていただいたところではございますが、一方、借金の方ですよね、都債残高ですが、私、当選以来、早期の償還と起債の抑制を求めてまいりました。
 残高の推移は、近年、最高額であった二〇一二年、六兆五千七百二十億円から、二〇一九年、四兆八千百二十九億円と順調に減らしてきました。コロナ禍では増額いたしましたが、令和五年度では四兆七千三百七十二億円と、コロナ前の状況に戻ってきたと思料いたします。
 二〇一四年以降は、顕著に都債発行額よりも元金償還が大きく上回る傾向となってまいりました。これもコロナ禍では逆転したものの、二〇二一年度は償還額が上回る傾向となってきております。
 平成バブルやリーマンショック級の経済的ショック、そしてロシアにおけるウクライナ侵攻、ガザ地区紛争による世界経済の不安定など、常に財政はこうした危機が影響を与えてまいりました。
 都債は、一般的には財源として充当できる事業が公共施設の建設などに限定されておりまして、財源不足を補うために発行するのではないということはいうまでもなく、建設した施設などの年度間の財政調整を図るとともに、世代間の負担の公平性を確保する機能を有していることは理解するものですが、若年層は、年金問題に象徴されるように、十分に不公平にさらされております。
 こうした将来世代に負担を逆に残さないという財政基盤を盤石にするためにも、税収が堅調な今こそ、都債残高の可及的速やかな償還、都債発行のさらなる抑制が求められるものですが、所見を求めます。
 また、決算年度に当たり、都債発行額と元金償還のバランス状況はどうであったかも併せてご説明ください。

○佐伯主計部長 都債は、年度間の財源調整と世代間の負担の均衡を図る機能を有しており、将来の財政負担も見据え、中長期的な視点に立って活用することが重要でございます。
 令和五年度決算の一般会計におけます都債発行額は、財政状況や後年度負担の財政負担などを勘案し千九百九十三億円、前年度と比較して百三億円減少しております。
 一方の元金償還額は三千百六十億円、前年度と比較いたしまして二百四十三億円増加しております。

○上田委員 初当選以来、この点指摘させていただきまして、かなり減らしていただいたことは評価したいと思います。
 繰出金です。一般会計繰出金ですが、例えば都立病院、公営企業など、完全な独立採算制の実現は難しいとしても、その努力を惜しんではならないと考えます。
 繰出金依存の体質や組織風土を改善するためにも、財務局における繰出金のその額の妥当性、適正性、継続性等をどう受け止めているのか、所見を伺います。

○佐伯主計部長 一般会計から公営企業会計に対します繰出金につきましては、経費の負担区分について国が定める繰り出し基準や各公営企業の財政状況等を勘案しつつ、毎年度の都の予算編成において必要な額を計上しております。

○上田委員 私、厚生委員会にいたんですけれども、独法化して効率的な運営をするといいながら、残念ながら、コロナもありましたけれども、繰出金依存といいますか、出さざるを得ないというような状況ということを指摘させていただきたいと思っております。
 公有財産の在り方についてお尋ねします。
 神宮外苑再開発においては、小池都知事が昨年二月に事業認可を出し、その後、都民だけではなく、国民から大きな批判を浴び、現在も当初の予定より大幅な延期となっております。この件については、議会でも活発な議論を重ねてきたところでありますが、一貫して都は、民間事業だの一点張りでありました。
 一方、築地は一〇〇%都有地でありますが、都においては審査委員会、中央区ではマネジメント会議が設置されて、手続上は手順を追って再整備に向けて取り組んできたとは思料しますが、都民や地域住民が本質的にコミットすることなく進められてきたやに私は考える次第です。
 小池知事は、築地は守る、豊洲は生かすといいながら、結局、築地は残念ながら更地になってしまいました。しかし、更地になったからこそ、これまでできなかったことが可能となっています。それは、埋蔵文化財である浴恩園の本掘が可能になったということです。高層ビルだらけの再開発ではなく、松平定信ゆかりの天下の名園を生かした築地再開発としてほしいとの声を受けているところでございます。
 小池知事も、三期目公約に江戸東京文化、世界遺産を掲げており、まさにこの政策にぴたりとなじむものであり、あの貴重な水辺を、得体の知れないレジャーランドにする理由は一つも見当たらないのです。
 三井や読売グループへの令和の払下げをする蛮行は、看過できません。公有財産である都有地の有効活用については、事業者にくれてやるのではなく、まず真っ先に都民に還元、寄与できる活用であるべきと考えます。
 都有財産は都民に還元すべきで、払下げをいたずらにしてはいけないことを前提としているのか、再開発事業における都有財産の在り方、都民の持ち物である都有財産を売却あるいは貸与、無償貸与するなどに当たって、財務局として、検討経過と都民への説明責任をいかに果たしていくのか伺います。
 あわせて、公有財産である都有地の有効活用はどうあるべきかの所見も改めて求めます。

○松井財産運用部長 都有財産の利活用の検討と都民への説明についてでございますが、行政利用を終えて財務局に引き継がれた土地につきましては、まず、庁内の利活用を検討するため、各局に利用意向を照会し、具体的な事業計画がある場合には所管替えを行い、都民への説明は、当該事業局が住民説明会などを通じまして適宜適切に行っております。
 また、庁内での利用がない場合には、地元区市町村に情報提供して活用意向を確認し、意向がなければ民間による暫定利用など、有効活用を図っております。

○上田委員 住民説明会などを通じて適宜適切に行うということですが、これがまたね、みんなが参加できないとかいろいろ物議を醸していますけれども、一応やっていると。情報公開もしていると思うので、その状況について伺いたいと思います。

○松井財産運用部長 財務局では、局ホームページに東京都の公有財産という項目を設け、各局が所管している個別の公有財産情報を掲載してございます。

○上田委員 まあ、上がっているから見といてくださいということでございますね。
 なかなか住民は忙しくてそこまで確認ができなくて、気がつくとどんどん進んでいってしまうということで、やっぱりこれは私たちの仕事でもあるのかなと、知らせていくのは。痛感した次第です。
 とうきょう保育ほうれんそうなど全庁横断的な都有地活用推進本部を設置し−−私の悲願でもありました。もう気がつくと三十年近く取り組んでいる待機児童解消に向けて、緊急対策を実施してきました。この取組のこれまでの経緯、実績、決算年度の状況をご報告ください。
 今後は、保育だけではなく、高齢者、障害者福祉、中小零細企業支援、区市町村需要も広がると思われます。どのような需要があって、局はどう検討してきたかも伺います。

○松井財産運用部長 都有地活用推進本部を通じて、令和五年度末までに二十三回にわたって、延べ二百八十九件の都有地情報を区市町村に提供しており、情報提供した都有地の中で保育事業者の公募につながった件数は、令和五年度末までで十九件となってございます。
 また、地元区市町村から保育以外の公共用途での希望があった場合には個別に対応を行っており、例えば令和五年度には、市の公共施設の来庁者用駐車場用地として活用してございます。

○上田委員 うちの江戸川区の児童相談所も、もともとは都の土地であったところで建てさせていただいておりまして、引き続きまして提供の方をお願いいたします。
 組合事務所です。
 過去の一般質問で私が、職員組合十二団体に、都庁舎を竣工以来二十五年間、千八百平米、無償貸与をしていて、月額、大体今賃料を民間相当にすると、無償貸与しているのが五千万近くなる、月額ですよ。二十五年も使えば百六十億になるということを、これずっと一般質問でも指摘させていただいた次第でございます。
 また、このところ、新宿副都心辺りのオフィス賃料もすごく上がっているわけでございます。東京の不動産参入、高まってきましたからね。
 職員の勤務条件の維持向上を図るため、庁舎を無償で供与することについては、労使の相互理解を通じて、それが円滑な都政運営を行うことについて十分な効果が発揮されるということであれば、無償で供与する効果がある、最小限の状況に限りまして、財産管理上、支障がない範囲内で供与するんだという説明を受けていますが、千八百から、私が指摘してから八百ぐらい減って、千三十五平米に減ったんですけれども、それでも千平米あるんですね。これが最小限の状況とは考えにくいんですよ。一等地ですから、ただですから。
 職員目安箱にも、会議する場所がないっていう意見がありました。今後、無償供与面積をどう減らしていくのか所見を伺います。
 これ以上、組合事務所を圧縮できないのであれば、賃料をいただくべきだと思います。私、江戸川区は指摘して、江戸川区は組合事務所、しっかり賃料を取りましたので、所見を伺います。

○鈴木庁舎運営担当部長 都の職員団体は、地方公務員法に基づき、勤務条件の維持向上を図る目的で結成された団体であり、適法な交渉を通じて適切な労使関係を維持することは、都政の円滑な運営にも資することから、現在の事務室を使用許可しております。
 使用許可に当たりましては、事務事業に支障のない範囲において許可しているものであり、財産管理上、適切であると認識しております。
 また、使用料につきましては、労働組合法でも事務室の無償供与は認められております。

○上田委員 このことは、私以外、指摘ができないと思うので、引き続き圧縮もしくは賃料をいただくということをお願いしたいというふうに思います。
 なぜならば、もう手狭で大変だと、職員さんから話を聞くわけですよ。職員が働きづらいっていうことのために、そのスペース貸しちゃって、それが本当の労働組合なのかなというのも個人的には思っておりますので、検討をお願いしたいと思いますが、これまで半分近く減らしたということの評価はしたいというふうに思っております。
 都では、事業概要と決算書、予算書が連結せず、一つの事業に一体幾らかかっているのか不明で、審査のしようがないということを指摘し続けてまいりました。同僚議員からも同じ指摘があったかと思います。
 この間、都は、ずっと指摘しましたけど、ヤフー元社長をですね、宮坂さんね、副知事に迎え、昨年はGovTechを設立して、DX推進を爆速で進めているじゃないですか。財務データにおいても、かなりダッシュボードなど、昔のように紙類の書類をひっくり返して自分でエクセルにして、もう本当に前は、都債残高の推移とかなんかも非常に探すのが大変だったんですが、こうやってひっくり返して資料をあさったり、文字検索しないで済むようになったことは評価いたします。
 しかし、都では、事業概要と決算書、予算書が連結せず、一つの事業に一体幾らかかっているのか。緑と呼ばれる都政の事業ですけど、あれもプロジェクションマッピング何億、でも、そこの内訳までは分からないんですよね。審査のしようがないんです。これ、会計管理局でもいったんですけど、私たちは一つ一つの事業まで落とし込んでチェックしたいんですよ、決算は特に。
 東京都の行政サービスにおいて、政策立案、事務事業の実施、そして行政評価をして、施策、事業、事務の見直しというサイクルが、どの部局、どの事業においても行われていると思うんですね。都は、毎年度予算編成の一環として事業評価を行い、決算状況など厳しく検証した上で、その結果を予算に的確に反映していると思います。
 このように予算、決算において重要なことは、事業評価、行政評価であると考えます。予算編成において、行政評価が最も重要なものになると考えているんですね。
 そこで、豊島区では、行政評価の評価方法について、成果指標、活動指標のほか、必要性、有効性、効率性といった評価項目を設定しています。また、全ての事業に対して、拡充、現状維持、改善、見直しの上、継続、縮小、休止、廃止、完了、統廃合のように、各事業の方向性を評価しているんですよ。都も同様の取組をすべきだと要望してきたわけです。
 都の事業評価では、豊島区のような手法で評価できているのか伺いたいと思います。また、豊島区のような手法で予算編成を行わない場合、それ以外の具体的な東京都独自の方法があるのか伺います。

○佐伯主計部長 都は、予算編成の過程で事業の多面的な検証を行う取組といたしまして、事業評価の取組を実施しておりまして、毎年度、創意工夫を凝らしながら着実に実績を積み重ねております。
 具体的には、全ての事業に終期を設定し、終期が到来した事業につきましては、施策の成果や事業の妥当性、有効性等を検証した上で、見直し、再構築や拡大、充実といった各事業の方向性を評価するなど、必要な取組を的確に行っております。

○上田委員 節まであるっていっても、例えば予算説明書をPDFでアップしているっていうんですけれども、見るとですよ、例えば福祉サービス第三者評価システム、五千四百六十八万五千円なんですけど、それ、どこに委託して幾らかかっているのっていうのが、もう本当、都だと見えないんですよね。もっと細かい事業体までの金額を知りたいと。そこを積み上げていって、それを評価するのはこっちの勝手なので、もう本当に全部出してもらいたいんですね。
 会計管理局の方では、テクニカル上、可能だということは確認させていただいておりますし、財務局も多分、データを持っていて、各局が出そうと思えば出せると思いますので、こうした節といっても都庁版、節ではなくて、区市町村の決算書、予算書を見ていただきまして、上田のいいたいのはこれだったのかということを確認していただきまして、ダッシュボードのみならず、全局出していただきたいことを、これで決算を全部チェックして、さっきいいましたように、拡充すべきか、現状維持か、改善するのか、見直しの上、継続するのか、縮小、休止、廃止、完了、統廃合するのかは、私たち議会がチェックしていくわけですよ。
 その根拠を示してほしいということを、大まかなことしか聞けないじゃないですか、所見と。でも、この事業ってどのぐらい効果があったのっていうことまで下りていって聞きたいという、それが私は決算審査で、予算につながっていくと思いますので、強く求めまして、私の質問を終わらせていただきます。

○北口委員 私で最後でございますので、お付き合いいただければと思います。
 私も端的に一点だけ確認したいと思っております。都の財政状況について、確認をさせていただきたいというふうに思います。
 我が党が推進して、都が全国に先駆けて導入した新公会計制度、それまでの官庁会計では把握できなかった資産、負債などのストック情報が把握できる画期的な制度でございます。
 都は、長期にわたってコロナ禍への対応に取り組んだわけでありますけれども、令和五年度には新型コロナウイルス感染症が五類に移行されまして、一つの転換点を迎えたということでございます。
 こうしたことを踏まえて、コロナ禍を経て、都の財政が実態としてどうなったのか、この新公会計制度を通して確認することが必要だというふうに考えております。
 そこで、まず、この新公会計制度を用いて都の資産と負債のストック情報を、令和五年度決算とコロナ禍前の令和元年度とで比較した場合、どのようなことが読み取れるのか伺います。

○佐伯主計部長 令和五年度と元年度の普通会計決算を新公会計制度の視点から分析をいたしますと、貸借対照表の資産の部では、行政財産やインフラ資産の増加などによりまして、資産全体で一兆五千三百七十一億円の増となっております。また、負債の部では、都債の発行抑制や償還に努めたことなどから、負債全体で一千百二十八億円の減となっております。
 この結果、資産に対する負債の割合は一七・四%となっておりまして、令和元年度と比較いたしまして一・一ポイント減少をしております。
 こうしたストック情報から、長らく続いたコロナ禍において、機動的かつ積極的な対策を講じながらも、都は一定の財政対応力を堅持しているものと考えております。

○北口委員 ありがとうございます。
 ただいまの答弁から、都はコロナ禍への対応に様々取り組む中でも、堅実な財政運営を行ったことにより、都の財政は、ストック面から見て一定の財政対応力を保持していると評価できるものであります。特に、この間、着実に都債を減らすことで負債を削減しているということは評価すべきことだというふうに思っております。
 次に、フローの面から、今度は、他の自治体とも比較可能な客観的な指標を用いて確認をしていきたいと思います。
 財政の健全性を示す代表的な指標として、経常収支比率と公債費負担比率というものがあります。
 そこで、この令和五年度決算における経常収支比率と公債費負担比率はどうであったのか。そして、より都の状況が分かりやすいよう、他自治体との比較を含めて説明を求めます。

○佐伯主計部長 経常収支比率は、人件費や公債費などの容易に削減することが困難な経費に地方税などがどの程度充当されているかを示す指標でございまして、比率が低いほど財政の弾力性が高いということを表すものでございます。
 都の令和五年度決算における経常収支比率は八一・三%となっており、前年度の都道府県平均でございます九五・四%と比べても、低い水準となっております。
 また、公債費負担比率は、地方債の償還に一般財源がどの程度充当されているかを示す指標でございまして、こちらも比率が低いほど財政の弾力性が高いことを表すものでございます。
 都の令和五年度決算におけます公債費負担比率は四・七%となっており、前年度の都道府県平均である一六・〇%と比べても低い水準となっております。
 これらの指標から、都の財政の弾力性は、他の道府県と比べまして高い状況にあると考えております。

○北口委員 都の財政状況は、各種の指標を用いてフローの面から見ても健全な状況であり、財政対応力を有しているということは、本当に改めて確認をさせていただきました。
 将来に目を転じますと、この不透明な国際情勢から物価高騰が一層進行する可能性や、また新たな感染症が流行する可能性など、突発的な財政需要が発生するリスクがございます。
 また、少子高齢化への対応や災害への備えの強化、そして気候変動対策、DXの一層推進、国際競争力の強化など、東京の未来を見据えた多様な財政需要にも適切に対応しなければいけません。
 都は、そのためにも、都税収が堅調に推移しているこの間に基金の積立てを行うとともに、都債の償還を行うなど、将来への備えを着実に行い、今後も強固な財政基盤を堅持することを求めて、質問を終わります。

○河野委員長 ほかに発言がなければ、お諮りをいたします。
 本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○河野委員長 異議なしと認めます。本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で財務局関係を終わります。
 これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
   午後五時五十八分散会