令和四年度各会計決算特別委員会第一分科会速記録第六号

令和五年十月二十七日(金曜日)
第十一委員会室
午後一時開議
出席委員 十名
委員長松田 康将君
副委員長須山たかし君
副委員長小山くにひこ君
かまた悦子君
吉住はるお君
岩永やす代君
かつまたさとし君
森口つかさ君
田の上いくこ君
大山とも子君

欠席委員 なし

出席説明員
東京消防庁消防総監吉田 義実君
次長岡本  透君
理事兼安全推進部長事務取扱市川 博三君
企画調整部長瀬崎 幸吾君
人事部長川田  進君
警防部長木下  修君
防災部長福永 輝繁君
救急部長門倉  徹君
予防部長加藤 雅広君
企画調整部企画課長佐藤 宏紀君
企画調整部財務課長野崎 孝幸君
主税局局長児玉英一郎君
総務部長DX推進担当部長兼務丹羽恵玲奈君
税制部長辻谷 久雄君
税制調査担当部長筒井 宏守君
調整担当部長小林 孝幸君
課税部長櫻井 幸枝君
資産税部長齋藤 栄一君
徴収部長小谷  健君
特別滞納整理担当部長小野  誠君
政策企画局局長戦略広報調整監兼務古谷ひろみ君
次長木村 健治君
技監安部 文洋君
理事相田 佳子君
総務部長末村 智子君
政策部長菅原 雅康君
政策担当部長松本 祐一君
政策担当部長川田 正敏君
渉外担当部長自治制度改革推進担当部長兼務池島 英稔君
戦略広報部長久保田直子君
戦略広報担当部長鈴木  成君
戦略広報担当部長政策担当部長兼務宮崎  成君
計画調整部長佐久間巧成君
東京eSGプロジェクト推進担当部長
構造改革担当部長都市強靱化プロジェクト担当部長兼務
堀内  弘君
都市強靱化プロジェクト担当部長東京eSGプロジェクト推進担当部長兼務山本  聡君
外務部長入佐 勇人君

本日の会議に付した事件
令和四年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
東京消防庁関係
・令和四年度東京都一般会計決算(質疑)
主税局関係
・令和四年度東京都一般会計決算(質疑)
・令和四年度東京都地方消費税清算会計決算(質疑)
政策企画局関係
・令和四年度東京都一般会計決算(質疑)

○松田委員長 ただいまから令和四年度各会計決算特別委員会第一分科会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、東京消防庁、主税局及び政策企画局関係の決算に対する質疑を行います。
 これより東京消防庁関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 令和四年度東京都一般会計決算中、東京消防庁所管分を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○岡本次長 要求のございました資料につきましては、お手元の資料のとおりでございます。
 内容といたしましては、東京消防庁の救急隊における救急活動時間について、過去五年間でございます。
 どうぞよろしくお願いいたします。

○松田委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○小山委員 まず冒頭、吉田消防総監をはじめ東京消防庁の皆様方、また、都内の各消防団員の皆様方におかれましては、昼夜を分かたず都民の生命、身体、財産をお守りをいただいておりますことに、改めて心より敬意と感謝を申し上げたいと思います。誠にありがとうございます。
 その上で、まさに地域の防火、防災の要であります消防団について、まずお伺いをさせていただきたいと思います。
 やはり地域の要であります消防団員は、年々充足、人材の確保というのが厳しい実態がありまして、全国的にも消防団員が減少している傾向にあります。これはもう紛れもなく、都内においても同じような傾向が見られるわけでありますが、まず、東京消防庁においては、団員確保に向け、まさに様々な取組をされていらっしゃいますし、その結果、団員の確保に成果を上げてきているとも、私ども認識をいたしております。
 そこで、令和四年度におきまして、消防団員確保に向けた取組、そして現団員への処遇改善についてどのように図られたのかお伺いをさせていただきます。

○福永防災部長 東京消防庁では、女性、学生、事業所等の対象別リーフレットやSNSを活用した広報など、あらゆる機会を捉えた募集活動に取り組んでまいりました。
 また、女性消防団員にも配慮した分団本部施設の整備や、災害に従事した場合に支給する費用弁償の額を四千円から八千円に増額するなど、消防団員の活動環境や処遇の改善を図ってまいりました。
 こうした取組により、特別区消防団員の充足率は、令和元年度末から四年連続で増加をしております。今後も、地域防災力の中核を担う消防団員の確保に向け、積極的に各種取組を進めてまいります。

○小山委員 ただいまご答弁をいただきましたように、まさに東京消防庁としては、様々な処遇改善をはじめとして取組をされているということが、改めて確認をさせていただきました。
 とりわけ今回の答弁の中に、女性消防団員にも配慮した分団の本部施設の整備ということでお答えをいただきました。
 実は、先週になりますか、十月二十一日に第二十五回の全国女性消防操法大会ということで、私も拝見をさせていただきました。今日、松田委員長やかまた委員もいらっしゃると思いますが、東京都の代表として板橋消防団女性消防隊の皆さんが東京都を代表して出場されて、そして、何と初めて、東京都が代表として入賞し準優勝されたと。これは本当にすばらしい成果だというふうに思いますし、女性の消防団員、消防署員の皆さんが、日頃本当に、訓練の成果がですね、まさに今回の準優勝につながったものということで、改めてここは喜びたいと思いますし、また、日頃のそういった取組に敬意を表したいと思います。
 そういった女性の消防団員、あるいは消防署員の皆さん方が活躍できる場、これが今後の地域の消防力にとっても極めて重要だというふうに思いますし、今後、ぜひ東京消防庁としても、今取り組まれていることを引き続きさらに一層充実をして、消防団員の充足に向けて取組をしていただきたいと思います。
 次にお伺いをしたいのは、やはり近年の災害の頻発化、あるいは様々な災害が生じているという事態に、東京消防庁としてもしっかり対応をしていかなければならないというふうに考えております。
 やはり何よりも都民の安全・安心のため、火災や救助活動をはじめとして、そういった取組はもちろんでありますが、近年頻発する震災、あるいは水災といった様々な災害を想定し、対応していくことが極めて重要だと思います。
 そのための必要な車両等を令和四年度の予算で計上いただいて、これらについて整備をされていくということで伺っておりましたが、令和四年度における必要な車両等の整備、こういった点について、東京消防庁としてどのように取り組まれてきたのかお伺いをさせていただきます。

○木下警防部長 東京消防庁では、日常の災害のみならず、発生が危惧される首都直下地震や被害が激甚化している風水害など、あらゆる災害に対応するため、これまで様々な車両を整備してまいりました。
 令和四年度は、土砂などを吸引して排除する強力吸引車を新たに整備したことに加え、浸水地や瓦礫等で車両の進入が困難な地域でも走行できる全地形活動車並びに消防職団員の長時間に及ぶ現場活動を支援するためのトイレカーを増強整備するなど、災害対応力の強化を図ってまいりました。
 今後、あらゆる災害の発生に備え、必要な車両等を計画的に整備し、災害対応力の充実強化に努めてまいります。

○小山委員 ただいまお答えをいただきましたように、様々な災害対応ということで、新たな車両等も導入をされて取り組まれているということがよく分かりました。
 特に私はここで申し上げたいのは、トイレカーの整備というのが、やはり継続的な災害対応にとって極めて重要だと。これは被災の皆さんも、実はトイレというのが極めて重要だというのは、最近の防災訓練でも常にいろんな形で啓発をされておりますが、実際、災害対応を取られる署員や団員の皆さんにとっても、継続的な活動のためには、このトイレカーというのが非常に有効であるということのお話を伺いました。
 ぜひこの整備ということは経年で行っていただいて、そういう持続的な、署員、隊員の皆さんの活動をしっかり支えていただくような、そういった取組を引き続きお願いをしたいというふうに思います。
 その上で、令和四年度の、もう一つ予算の中で私が拝見をさせていただいて大きな課題であったのが、令和三年ですかね、二〇二一年の十二月十七日に大阪の北区で起こりました放火、ビルの火災事件であります。
 あの事件は大変大きな報道がなされて、世間的にも震撼をさせるような事案でありましたけれども、やはりこういった事件が起こったときに、都内におけるそういった事案がないかということを、しっかり一斉点検をするということは極めて重要だと思いますし、その上で、四年度の予算の中には、そういった対応の、小規模の複合防火対象物を対象とした映像制作ということで予算を計上されているんだというふうに思います。同じような事案を起こさないためにも、こういった取組が極めて私は重要だと思います。
 そこで、令和三年十二月に大阪市北区で発生をしました雑居ビル火災を受けて、東京消防庁において行った防火安全対策についてお伺いをさせていただきたいと思います。

○加藤予防部長 東京消防庁では、大阪市北区で多数の死傷者が発生した雑居ビルと類似の建物約八千棟に緊急の一斉立入検査を実施し、階段等の避難施設の安全確保を図りました。
 また、万が一の火災に備えるための自主点検要領や火災時の通報、消火、避難のポイントを示した映像コンテンツ及びリーフレットを新たに作成し建物関係者に配布するとともに、ホームページに掲載するなど、防火安全対策を推進しました。
 今後、建物の防火安全対策をさらに推進し、セーフシティの実現に取り組んでまいります。

○小山委員 都内においても、不特定多数の方が出入りをされて、なおかつ一系統の雑居ビルというのは大変多いわけでありますし、それらのこういう建物で起きる火災を、二度とああいった大阪のような事態を発生させないための、やはり未然の取組というのが極めて私は重要だと思います。
 そういった中において、今回、映像なども制作をしていただいて、私も拝見をさせていただきましたけれども、大変、この映像を見ると非常に、どうしたらいいのかというのが分かりやすくできております。
 私は、東京消防庁の皆さんが、いつも様々なところでつくられている映像などは、非常に都民の皆さんにとって分かりやすい、そして、なおかつ、どうしたらそういった災害対応できるのかということが具体的に分かる内容になっています。ぜひ映像などをつくっていただいて——実はすばらしいものをつくっていただいているんですが、なかなか都民の皆さんがそこにたどり着くまでには、何回かクリックをして見なければならないということで、もっとやはりこのことが都民の皆さんにダイレクトに、そして分かりやすく、見やすくしていただく、あるいは都民の皆さんに届くような、ぜひ取組をお願いしたいなと思います。
 それは、このことがしっかり届くことによって、都民の皆さんの防火あるいは防災の取組の意識というのが格段に上がるというふうに私も思いますので、これだけ東京消防庁の皆さんがつくられたすばらしい映像、あるいはそういった制作物を、都民の安全・安心に寄与するように、ぜひ東京消防庁として、また不断の努力をお願いさせていただきたいと思います。
 東京消防庁の皆さんが令和四年度の中でも、こういった様々な都民の安全・安心を守るような取組がしっかり図られているということを改めて今回の質疑の中でも確認をさせていただきましたし、関東大震災から百年といわれるこの年に、ぜひこれからの都民の安全・安心を引き続き東京消防庁皆様方のご尽力でお守りをいただきますよう心よりお願いをしまして、私の質疑を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

○かつまた委員 私からは、シャープ七一一九、東京消防庁救急相談センターについて質問をさせていただきます。
 令和四年中における東京消防庁救急相談センターの救急相談件数についてお伺いをいたします。

○門倉救急部長 令和四年中に救急相談センターで受け付けた救急相談件数は二十六万二千三十六件で、過去最多でございました。

○かつまた委員 令和四年中は、コロナ禍、また救急需要の拡大で過去最多の相談件数であったというふうに思います。
 不要不急な救急需要を抑制するためには、東京消防庁救急相談センター、シャープ七一一九の認知度を上げる施策が必要だというふうに考えます。この救急相談センターの認知度を上げるため、東京消防庁のこれまでの取組状況についてお伺いをいたします。

○門倉救急部長 これまで、ポスターやデジタルサイネージ及びユーチューブなどの動画広告等により、救急相談センターの認知度の向上等に取り組んでまいりました。
 令和四年度からは、これらの取組に加え、認知度の低い二十代、三十代を訴求対象とするため、年代別広報が可能なTVerの活用を新たに実施しております。
 今後、救急相談センターのさらなる認知度向上を図るとともに、各種取組により救急車の適時適切な利用を推進してまいります。

○かつまた委員 シャープ七一一九、救急相談センターの認知度、内閣府の世論調査を拝見すると、一三%という新聞記事を拝見いたしました。今、認知度の低い二十代、三十代を対象にTVerなどを活用する等々、あらゆることを行うというふうに答弁いただきましたが、あらゆる媒体を通じてこの救急相談センターの認知度を上げていただいて、真に必要な人に救急隊の皆様が駆けつけられるような、そんな取組ができたらというふうに私は考えます。
 先日、東京消防庁のホームページを拝見させていただきました。今いったシャープ七一一九、救急相談センターの対応には、医師や看護師、また救急隊経験者等の職員が二十四時間体制、年中無休で対応するというふうになっております。これはすばらしい取組であるというふうに考えております。
 また、このホームページの中には、自ら救急性の判断ができる東京版救急受診ガイドがありました。私、恥ずかしながらこの存在は知らなかったんですけれども、非常にですね、このガイドはQ&A方式になっていて、自分で今の症状をタッチすることで、そこで救急車を要請すべきかどうかということが判断できる、そういったものであります。こういったものも、ぜひ広報していただければというふうに考えます。
 様々な媒体を通じて、これらのすばらしい東京消防庁の取組を広報していただきたいというふうに私は思います。また、私自身も私の立場で広報につなげていけたらなというふうに考えておりますので、よろしくお願いします。
 以上です。

○大山委員 私も救急活動について質問いたします。
 二〇二二年度は、新型コロナの第六波、第七波と続きました。前年度から続いた新規感染者数も、年度初めから一日当たり七千人だとか八千人台だとかで推移して、五、六月に入りますと三千人台、二千人台、千人台と減ってきたものの、七月に入るとまた急激に増えて、七月十二日には一万人台に入りました。そうしたと思ったら、もう七月二十日には一日当たり二万三百八十五人、翌日には三万一千八百五十五人、その後、八月三日には三万八千九百二十三人。一日当たりの新規感染者です。その後も下がり切らずに推移をしました。救急の現場は、本当に大変だったと思います。ありがとうございます。
 救急車の運転手さんが、約十七時間休みなしで横転事故になってしまったのは、二〇二二年の年末です。
 救急活動時間の推移の資料を出していただきました。カラーで非常に見やすいです。これまで、救急の電話を受けてから現場に着くまでの時間は年々短くなっていました。現場に到着するまでの時間を短くすることが、命を救うためには非常に重要なんだということは、警・消委員会でいわれてまいりました。二〇二〇年までは着実に短縮されて、平均でも六分二十九秒まで縮まりました。
 ところが、二〇二一年、二二年と長くなったのは、どういう理由が考えられますか。

○門倉救急部長 救急出場件数の増加及び救急活動時間の延伸に伴い、近隣の救急隊が出場中となり、遠方の救急隊が出場してくるため、到着までの時間が延伸したものと考えられます。

○大山委員 つまり、救急の要請が多くて出払っている救急隊が多いので、遠くからでも救急隊が対応せざるを得ないという状況になったということです。
 現場に着いてから現地を出発するまでの時間が長くなったことについては、受入先が見つからないということだと思いますが、そのような理解でよろしいでしょうか。

○門倉救急部長 医療機関選定の長時間化は、要因として考えられます。

○大山委員 まちでも、私たちも、救急車が来て患者さん運び込んでいるはずなのに、なかなかその場を出発できない救急車を目撃しました。きっと問い合わせても問い合わせても受入先が見つからないんだろうなと察しています。
 医療機関もこの時期、医療関係者もコロナにかかったり、クラスターも発生したりで、入院体制を整えることも困難な状況も生まれていました。
 しかも、七月には都立病院が地方独立行政法人化されました。そして、どうなったかといえば、例えば小児総合医療センターは、看護師さんが二〇二二年四月一日と二三年の四月一日比べますと、六百三十七人から六百十九人に十八人も減ってしまいました。コロナの真っ最中に、一人でも多くの看護師さんが必要なときにということなんです。
 二〇二〇年からコロナ感染が広がり、決算年度の二〇二二年度は、流行の波が来るたびにさらに大きな感染になり、救急隊は出ずっぱりで疲労こんぱいの状況であったと思います。昨年いただいた資料では、救急資格者は毎年増えてはいますが、二〇一九年度は二百三十三人、二〇二〇年度は百二十六人、二〇二一年度は百四十一人の増員でした。
 決算年度は、何人増員して、総数は何人になりましたか。

○川田人事部長 二〇二二年度は、救急資格者を百九十四人増員し、総数は七千五百九十一人となっております。

○大山委員 百九十四人は増えたと。つまり、救急車に乗れる職員が七千五百九十一人になったということです。
 受入先が見つからないということについては、保健医療局にも頑張って医療体制を拡充してもらわなければならないことです。
 同時に、救急隊員の健康を守りながら都民の命を救うためには、思い切った人員増が必要なんじゃないんでしょうか。

○川田人事部長 救急資格者を増員するため、二〇二三年度は、資格研修枠を二百人から四百二十人に拡大して養成しております。

○大山委員 救急資格者の養成を、二百人だった予定を二倍以上の四百二十人に増やしたということです。救急車に乗れる人を増やすことは、より交代がしやすくなるということですから、これは重要なことだと思います。
 同時に、消防庁全体の職員定数は、令和三年度と四年度を比べますと六人減って心配したのですが、令和五年度は二十九人、職員定数が増えています。
 さらに、定数が四月から満たされず、欠員状態が何年も続いていました。その欠員数は、四月から二百人を毎年超えていました。それについても、令和四年度の四月一日付では職員が定数を満たしていることを知り、このコロナで大変なときに定数を満たすことができたことは重要なことでした。
 残念ながら、十月一日付では三十二人欠員でした。必要だからこそ条例で決めている定数です。定数を満たすことができるように、引き続き中途採用も含めて努力していただきたいことを強く求めておきます。
 同時に、定数を定めるには、業務量や職員が健康で働き続けられる勤務体制を維持できるようにすることが重要ですから、それらを満たせる定員にできるようにしていただきたいということを求めて、終わりにします。

○松田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○松田委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で東京消防庁関係を終わります。

○松田委員長 これより主税局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 令和四年度東京都一般会計決算中、主税局所管分及び令和四年度東京都地方消費税清算会計決算を一括して議題といたします。
 本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○辻谷税制部長 去る十月十三日の当分科会において要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の令和四年度各会計決算特別委員会第一分科会要求資料の表紙をおめくりください。今回要求のございました資料は一件でございます。
 二十三区内都税事務所別固定資産税・都市計画税現年課税分収入額推移でございます。
 この表は、固定資産税及び都市計画税について、現年課税分に係る収入額の五年間の推移を二十三区内の都税事務所別にお示ししたものでございます。
 要求のございました資料に関する説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○松田委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○小山委員 私、昨日、東京ビッグサイトで開催をされておりますジャパンモビリティショーに伺ってまいりました。四年ぶりに開催をされておりまして、名称も、東京モーターショーからジャパンモビリティショーということで名前が変わりまして、今回、大手の自動車メーカーはじめ、過去最多となる四百七十五社が参加をされて、盛況な開催となっています。まさにその名のとおり、自動車に限らず、次世代のモビリティーを提案する場となっておりまして、また、それぞれのモビリティーを体験できる、そういったイベントへと姿を変えておりました。
 会場には、国内の自動車メーカーを中心に、電気自動車、EVの次世代コンセプトが並んでおりまして、ラストマイルの移動に適した小型のモビリティーや、あるいは大空を舞うエアモビリティーなどの提案もされておりまして、まさにこれはモビリティーという新たな可能性を示しているショーとなっております。
 また、そういった中には、人と車とのコミュニケーションを可能とするEVであるとか、あるいは自動運転タクシーとしての導入が予定されている運転席のない自律走行型の車なども展示をされておりまして、こういった様々な車種が展示されている、まさにこれからの日本の新たなモビリティー産業の姿を見せていたわけであります。
 しかしながら、この自動車に対する税というのは、もう昭和の頃から変わっておらず、かなり過重な税制制度がしかれております。これはもう既に過去の都議会でも何度も質疑もされておりますし、あるいは意見書として可決をされた過去もございます。
 そういった中で、自動車に係る税は諸外国と比べて極めて高いものとなっておりまして、これはまさに産業としての自動車産業、日本経済に与える影響も非常に大きいと考えております。
 また、税体系が非常に複雑で、同種の税が重複して課せられている二重課税、二重税率と、税金に税金を掛けるタックス・オン・タックス等の課題も指摘をされているわけであります。
 こういった現行の自動車関係諸税は、取得、保有、走行の各段階において複数の税が課せられており、複雑かつ過重な制度となっているわけでありますが、その自動車関係諸税が経済成長の足かせとならないように、あるいは自動車ユーザーにとって、まさに都民、国民にとって、これが重き負担とならないよう、やはり制度の簡素化や負担軽減が必要ではないかということを考えております。
 また、国内のみならず、先ほども申し上げましたが、国外、世界の市場における日本の電気自動車の普及という観点からも、大きく自動車を取り巻く環境の変化は著しいわけでありまして、こういう観点を考えれば、これらの自動車関係諸税ということに対して、ぜひ東京都としても新たな考えをやはり示していくべきではないかと、このように考えております。
 その上でお聞きをいたしますが、自動車ユーザーの負担を軽減するとともに、日本経済において重要な自動車産業振興という観点からもですね、大きく交通環境の変化を踏まえ、複雑で過重な自動車関係諸税を見直していく必要があると考えますが、都の認識をお伺いさせていただきます。

○辻谷税制部長 近年、電気自動車等の普及やカーシェアリングによる保有から利用への変化など、自動車を取り巻く環境が大きく変化しており、時代に即した税制の見直しが必要となっています。
 見直しに当たっては、こうした環境の変化に加え、交通インフラの維持管理等に係る財政需要、自動車ユーザーの負担の在り方や自動車関係税制の簡素化の視点など、様々な観点から検討が行われるべきものと認識しています。
 自動車関係諸税については、令和五年度与党税制改正大綱において中長期的な視点に立って検討を行うこととされており、都としては、国の議論を注視してまいります。

○小山委員 今、都の認識をお伺いしたわけでありますが、特にロシアのウクライナ侵攻後の影響で、原油価格、燃料価格の高騰ということがあって、今多くの都民の皆さんが非常に厳しい状況にあるということは、これまでも、令和四年度の中でも、東京都として補正予算を何度も組み、そういった対応を図られてきたわけでありますが、このガソリン一つを取っても、税が約四割を占めているわけであります。
 ガソリン税というのは、もうご承知のとおり、揮発油税及び地方揮発油税でありますが、一リットル当たり、今五十三・八円の税がかかっているわけであります。本則の二十八・七円と暫定税率の二十五・一円がかかっているわけでありますけれども、こういった大変今の厳しい状況にあって、この税率、さらに国の方では、要はトリガー条項の件なども議論をされておりますけれども、こういうある意味過重な税が、こういった自動車ユーザーには大きく負担としてのしかかっております。
 また、都民生活や雇用を守るという観点から、さらに地域経済を活性化していくためにも、自動車関係諸税の簡素化やユーザー負担の軽減が必要であるということを改めて申し上げておきたいというふうに思います。
 そこで、自動車に係る地方税として、先ほど申し上げました地方揮発油税というのは、これはもちろん都税そのものではございませんけれども、車体課税である自動車税種別割であるとか、環境性能割であるとか、燃料課税である軽油引取税などがございます。
 そこで、これらの税目に係る令和四年度の都税収入等についてお伺いをさせていただきます。

○辻谷税制部長 自動車に関係する主な都税等の令和四年度の決算額は、自動車税のうち、所有者に毎年課税される種別割が約千十四億円、燃費性能等に応じて取得時に課税される環境性能割が約百三十五億円、軽油引取税が約三百六十七億円です。また、国から譲与される地方揮発油譲与税は約十八億円です。

○小山委員 まさに地方税、特に都税においても極めて重要な税収となっているわけであります。
 この自動車関係諸税の簡素化、あるいはそういった課税の軽減をいうときに、必ず地方税の問題が比較して議論されるわけであります。つまり、地方税収が減るのではないかということが必ずその議論になってくるわけでありますけれども、そもそも本来であると、地方税の税収は、これは前回、この第一分科会の財務局の質疑でも申し上げましたが、本来なら国と地方の歳出割合、そういった税額の割合からすると逆転しているということは、これも先般の、それこそ都税調の報告の中にも改めて記載をしていただいておりますけれども、やはりそもそも地方税収をしっかり確保する、あるいは国と地方の役割からして、地方税への税源移譲をですね、しっかり本来それによって求めていくことによって、このことも議論の道筋が見えてくると、このように私は思っております。
 その上で、制度の簡素化や自動車ユーザーの負担軽減が必要である一方、先ほど申し上げました自動車に係る地方税は、道路施設などの維持管理、更新を行う自治体にとって、貴重な財源ともなっております。
 そこで、自動車関係諸税が見直され、自動車ユーザーの負担軽減が図られる際には、地方税収へ影響を与えないようにすることが必要だと考えますが、都の見解をお伺いします。

○辻谷税制部長 自動車の使用に当たっては、道路施設の利用や交通行政サービス等の社会的コストを伴い、これらに対応する地方自治体の財源として、自動車関係諸税の税収を安定的に確保することは不可欠となっています。
 こうしたことから、都は、自動車を取り巻く環境の変化等を踏まえ、自動車関係諸税の課税の在り方を見直すとともに、地方自治体に減収が生じることなく税収規模を維持するよう、国に対し要望しております。

○小山委員 ただいまご答弁をいただきましたように、ぜひ国への要望を引き続き強く行っていただき、先般、都税調の報告の中にも偏在是正のこともしっかりうたわれているわけでありますけれども、そもそも大前提である地方税のことについて、まずしっかりですね、地方と国の歳出の配分四対六に対して、実際の税収が逆転している六、四の問題というのは、これは前々からいわれているわけでありますから、まずこのことについては、ぜひ改めて東京都としてそのことを強くうたっていただきたいというふうに思います。
 その上で、これは重ねて申し上げますが、税の基本原則は、公平、中立、簡素という観点からも、今の自動車に係る諸税は抜本的に見直すべき時期に来ているというふうに考えておりますし、世界の経済、社会が、車の市場が大きく変わっていくこの状況下において、日本の今の自動車に係る税制度というのを、東京都の立場からも、ぜひこのことをしっかり認識をしていただいて、国へ強く要望していただくことを改めて申し上げまして、私の質疑を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

○吉住委員 私からは、まず、都税収入について伺います。
 新型コロナの感染症法上の分類が五類に変更されてから五か月以上が経過し、現在はインバウンドも回復傾向にあり、社会全体が動き始めているように感じます。
 令和四年度の我が国の経済を振り返ってみますと、世界的なエネルギー、食料価格の高騰や欧米各国の金融引締めなどによる景気の下振れリスクがあったものの、コロナ禍からの経済の回復を背景に、緩やかな持ち直しが続いております。
 こうした状況を反映して、令和四年度の実質経済成長率は一・四%増となっており、令和四年度の都税収入は二年連続の増収となりました。
 このような成長の果実を、今後は、感染再拡大への備えや新たな感染症対策など、都民の命を守りながら社会経済との両立を図り、人に優しい安心して暮らせる社会を実現することによって、都民と分かち合っていくことが必要です。
 令和四年度においても様々な施策を展開してきたところですが、その財源となる都税収入の動向についても注目したいと思います。
 そこでまず、令和四年度都税収入が増収となった主な要因について伺います。

○辻谷税制部長 令和四年度の都税収入決算額は六兆一千六百四十四億円で、前年度から三千百六十五億円、五・四%の増収となりました。
 主な要因は、コロナ禍からの社会経済活動の正常化が進む中、企業収益の堅調な推移により、法人二税が前年度に比べて千四百九十八億円、七・一%の増となっていることです。特に、円安や資源高を追い風に、製造業や商社など卸売業の収益が押し上げられたものと考えています。
 また、その他の税では、固定資産税、都市計画税が前年度から七百六十七億円、四・九%の増、繰入地方消費税が前年度から四百二十四億円、六・〇%の増などとなっております。

○吉住委員 前年度からの増収額の約半分を占めているのが法人二税ということですので、やはり法人二税の都税収入に与える影響は大きいものがありますが、固定資産税、都市計画税や繰入地方消費税においても、税収を伸ばしていることが確認できました。
 このように、令和四年度において、都は幅広い税目で増収となり、六兆円を上回る税収となったわけですが、二年前には大幅な税収減にも見舞われました。本年五月のコロナの五類への移行により、コロナ禍は一つの区切りを迎えたと考えますが、この間の税収の動きがどうであったのか、コロナ禍の総括の意味も込めて確認したいと思います。
 そこで、令和元年度から令和四年度における都税収入の推移について伺います。

○辻谷税制部長 コロナ禍前の令和元年度の都税収入は五兆六千三百十八億円でした。
 令和二年度は、新型コロナウイルス感染症の影響により企業収益が悪化するなど、前年度から二千八百二十億円、五・〇%減の五兆三千四百九十八億円となりました。
 続く令和三年度は、引き続き新型コロナウイルス感染症の影響下にありましたが、企業収益の持ち直し等から四千九百八十一億円、九・三%増の五兆八千四百七十九億円となりました。
 そして令和四年度は、前年度に引き続き企業収益が堅調に推移したことなどにより、三千百六十五億円、五・四%増の六兆一千六百四十四億円でした。

○吉住委員 令和二年度に一旦減収となったものの、短期間で増収に転じたとのことですが、これはコロナ禍で政府や都による積極的な財政出動などにより、都民生活、経済を支えたことによるものであったと考えます。
 企業収益が堅調に推移し、増収につながることは、様々な問題に対応していく施策を展開していく上で歓迎すべきことです。
 一方で、七月に行われた全国知事会においては、一部の知事から、さらなる偏在是正を求める意見が出るなど、東京に税収が集中しているような議論も展開されました。
 そこで確認いたしますが、国やほかの自治体の令和四年度税収額はどうなっているのか伺います。

○辻谷税制部長 令和四年度の国の一般会計税収の決算額は、前年度比六・一%増の七十一兆千四百億円で、主な税目の所得税、法人税、消費税とも、前年度から増収となっています。
 また、令和五年七月に公表された地方財政計画ベースにおける令和四年度の地方税収の決算見込額は、前年度比三・八%増の四十三兆二百億円となっていて、法人二税、固定資産税、都市計画税など多くの税目で、前年度から増収となっています。
 このように、令和四年度税収は、国及び地方自治体全体においても増収となっております。

○吉住委員 令和四年度は、東京都に限らず、国や地方自治体全体で増収となったということが確認できました。このような税収動向を見れば、偏在是正をさらに進めるような議論を行う状況にないことは明らかです。
 足元では、円安による影響や物価高騰など、都民を取り巻く環境は厳しい状況が続いており、東京の未来に向けて、都の重点施策である少子高齢化対策、環境政策、頻発する地震や豪雨対策など、着実に進めていかなければならない課題が山積しています。これらにしっかり対応していくためには、施策の財源となる都税収入の安定的な確保が極めて重要です。
 そこで、次に、徴税に関する取組について質問をいたします。
 決算概要資料によると、都が直接徴収している都税一般分の令和四年度分の徴収率は、前年度を〇・二ポイント上回る九九・五%となり、コロナ前の令和元年度の水準に回復いたしました。
 この徴収率上昇の主な要因をどのように分析しているのか、また、徴収率のさらなる向上に向けて今後どのように取り組むのか伺います。

○小谷徴収部長 都税一般分の徴収率は、新型コロナウイルス感染症の影響を考慮した徴収猶予の適用拡大によって、令和二年度に大きく低下いたしましたが、その多くは猶予期間の終了時に納付されたことにより、令和三年度から令和四年度にかけて大きく回復いたしました。
 それに加えて、スマートフォン決済アプリ収納の拡大による納税者の利便性向上に取り組むなど、地道な取組が徴収率の向上につながったものと考えております。
 今後の徴収率向上に向けましては、発生した滞納を速やかに処理するとともに、スマートフォン決済アプリ収納を含めた、いつでもどこでも納税できるキャッシュレス納税を推進することで、納税者の利便性向上とともに、新規滞納の抑制を図ってまいります。

○吉住委員 徴収率の向上は、地道な取組の積み重ねによって実現してきたものとのことでした。コロナ禍で一旦低下した徴収率がすぐに回復できたのも、これまでの取組によって、高いレベルの納税秩序が築かれてきた成果だと考えます。
 徴収率をさらに向上させていくことは容易ではないと思いますが、これまでの成果を踏まえて、今後とも手を緩めることなく着実に取組を進めていただくことを要望して、質問を終わります。

○かまた委員 私からは、まず、次期税務基幹システムの構築についてお伺いをいたします。
 主税局が公表しております主税局ビジョン二〇三〇の中で、主税局が目指す税務行政の二つの柱として、納税者へのクオリティー・オブ・サービスの向上と税務行政の構造改革が掲げられております。
 そして、その実現に向けて、デジタルトランスフォーメーション、いわゆるDXを推進するとしておりまして、次期税務基幹システムの構築は、主税局のDXの根幹をなす最も重要な取組の一つであるといえます。
 都の税務基幹システムの規模は、国のシステムに匹敵するほど大きなものだということで、システムの構築についても、令和八年度に稼働するまでの間、約四年もの歳月をかけて開発をするわけです。とても大きなプロジェクトとなっております。
 令和四年度は、開発が本格化した年度でありますので、今後は、スケジュールどおり令和八年度にシステムの稼働を開始するため、開発作業を確実に進めることが重要となります。
 そこで、主税局の次期税務基幹システムの構築について、令和四年度の作業の進捗状況と、令和八年度稼働に向けて現在把握している課題、また令和八年度に向けての解決の方向性についてお伺いをいたします。

○小林調整担当部長 令和四年度は、アプリケーションの設計開発業務委託及び開発の工程管理を担うシステム構築監理業務委託の契約を締結するとともに、基本設計に着手するなど、予定どおりの進捗状況となっております。
 次に、令和八年度に向けては、システムの開発規模が非常に大きく作業が膨大な中で、次期税務基幹システムを予定どおり稼働させなければならないことから、システム構築監理の委託業者から協力を得つつ、進捗管理を綿密に行ってまいります。
 また、国や自治体間の情報連携を拡充する検討が国において進められており、適切に対応していくことが求められております。
 国の動きを注視しつつ、柔軟に機能の追加や変更を行うことにより、税務手続に係るワンスオンリー、ワンストップサービスの拡充を目指してまいります。

○かまた委員 システム開発につきましては、順調に進んでいるということですけれども、令和八年度に稼働させるためには、今後も綿密な進行管理が必要です。
 また、国や自治体間の情報連携につきましては、国の動向を注視し、機動的に対応していくことが重要であります。税関連手続のワンスオンリー、ワンストップサービスの拡充は、納税者にとって大きな利便性の向上につながるものでありますので、次期税務基幹システム構築の目的であります納税者のQOS向上の実現に向けて、開発作業の進行管理の徹底と、また情報連携への確実な対応を求めて、次の質問に入らせていただきます。
 続きまして、徴収関係についてお伺いをいたします。
 二〇二〇年から拡大をしました新型コロナウイルス感染症は、広範な社会経済活動の停滞を引き起こし、都民の事業や生活を脅かしましたが、その状況を受けて国や各自治体では、コロナ禍で事業収入が大幅に減少した事業者に対しまして、経済的負担を軽減する目的で各種給付金等を支給してまいりました。
 この各種給付金等につきましては、非課税扱いのものと課税扱いのものがありますけれども、この各区分につきましては、国において各種法令で定められているところであります。
 営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金につきましては課税扱いでありますので、飲食店等を営む個人事業主においては、収入認定をされ、事業所得として計上することになります。
 そして、令和四年度の個人事業税につきましては令和三年所得に対して課税をされますので、給付金等を事業所得として計上し、所得が増加した場合、課税額が上がる場合もあります。
 そのため、こうしたことから令和四年度、個人事業税について納税ができないという相談があったということも伺っておりますけれども、都はどのように対応したのか、確認をさせていただきます。

○小谷徴収部長 納税者から個人事業税の課税額が上がったため納税が困難という相談を受けた場合は、給付金等の使途や現在の事業状況について調査した上で、納税資力を正確に把握するよう努めております。
 その上で、納税の意思を有しているものの即座にご納税いただくことが困難と認められる場合には、それぞれの事情に応じた猶予による分割納付をご案内するなど、きめ細かな対応を行っております。

○かまた委員 納税者の実情に応じまして丁寧な対応をしていただいているとのことで安心をしましたが、そもそも給付金とは、経費や売上げの補填という趣旨での支給であることから、事業所得として算入することになっております。
 そして、収入の減少や各種経費の支払いなどによって、給付金等の支給額を含めてもなお赤字となる場合などは、課税所得は生じないこととなりますけれども、黒字となった事業者については、課税所得が生じるのは当然のことでありますので、たとえコロナ禍前より税額が上がったとしても、納税する必要があると私も考えております。
 しかしながら、税額が上がった方で慌てている方がご相談に来るという、そういうケースもありましたので、ぜひ今後は、給付金等、経費や売上げの補填という趣旨での支給の場合は、あらかじめ黒字となった事業者については課税所得が生じるということをしっかりと周知をしていただきたいというふうに私は考えております。
 また、コロナ給付金とはちょっと異なりますけれども、先日、都の子育て支援策の〇一八サポートについても、この給付金を生活保護世帯の収入とみなすということで、私も非常に心配をしたところでしたけれども、先日、報道でもそこを考え直すということがありました。
 また、コロナ給付金等については、国において収入として認定すると定めていますし、給付金の意味から考えても、収入として認定することは仕方がないところではあります。
 そこで、もう一度お伺いをします。
 コロナ給付金等を受給し、納税が困難になった納税者に対する滞納整理に当たっては、何らかの配慮があるんでしょうか。確認をお願いいたします。

○小谷徴収部長 新型コロナウイルス感染症対策に関連して、感染拡大防止や生活、経営支援などの目的で支給される給付金等に対しまして、国においては、一律での差押禁止等を定めておりません。
 しかしながら、都においては、給付金等の支給の趣旨を踏まえまして、給付金等に対する差押え等は行わない取扱いとするなど、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた納税者に対して丁寧な対応に努めてまいりました。

○かまた委員 新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた納税者の立場に立って、滞納整理を進めてきたことがよく分かりました。引き続きお願いをしたいと思います。
 現在は、コロナ禍による経済への影響は落ちついてきたものの、都民や事業者にとっては、燃料費や物価高騰など生活や経営状況の先行きは不透明であります。ぜひ、今後も引き続き納税者の状況に寄り添った対応をお願いしたいことを要望しまして、質問を終わります。

○須山委員 私からも何件か質問させていただきたいと思います。
 まず、ふるさと納税に関して伺います。
 ふるさと納税の利用実績、ご承知のとおり年々増加しておりまして、総務省が今年八月に発表した調査結果によると、令和四年度の全国の寄附受入額は、過去最高の九千六百五十四億円に達しているということでした。
 そこでまず、令和四年度におけるふるさと納税による都と、また都内区市町村の影響額をお聞かせいただきたいと思います。

○辻谷税制部長 令和四年度分の個人住民税におけるふるさと納税による減収額は、都が五百七十三億円、都内区市町村が八百七十三億円、合わせて千四百四十六億円です。

○須山委員 ありがとうございます。ふるさと納税による都と都内区市町村の減収額ということで千四百四十六億円、これはかなり大きいなということを改めて感じました。
 私の地元の八王子だと、当初予算で一般会計で大体二千二百億とかそのぐらいですし、私が前にいた府中だと千二百億円が今年の当初予算だったかなと思いますけれども、そのぐらいの、二十三区はちょっと置いといて、市部の大きな自治体の当初予算の額に匹敵する額が一年間で地方に行ってしまうということ、これは本当に大きな影響だなということを改めて感じております。
 そもそも、ふるさと納税というものは、生まれ故郷とかお世話になった自治体とか、そうしたものを応援するという趣旨で創設されたものですけれども、一方で、今、苛烈な返礼品競争など様々な課題が指摘をされております。
 私も市議会議員時代に、こうした苛烈化する返礼品競争をやめて、せめて、例えば文京区が子供宅食ということをやりましたけれども、ああいったガバメントクラウドファンディングみたいな、用途を明確にして、そこに皆さんに、市民であったりとか市内外から、こういうことをやりたいからお金をくださいということで、そうした寄附を募るということをしていくことが必要なんじゃないかなということは、その当時から提案をさせていただいております。
 この間の本分科会でも、財務局のときかな、ESG債とか様々そういった、東京都としては目的を明確にして、また、そういった集め方をしていただいていますけれども、やはりそれでは対応できないぐらい、ふるさと納税というものは、非常に大きいなということは改めて感じております。
 そうしたことからも、制度の創設から十五年経過した今、創設当初の趣旨からあまりにもかけ離れてしまっているのではないかなというふうに改めて感じております。そうした意味においても、今見直すべき時期に来ていると考えますけれども、東京都の見解をお聞かせいただきたいと思います。

○辻谷税制部長 ふるさと納税は、地域の活性化や被災した自治体への復興支援に寄与する面もある一方で、より多くの寄附金を集めるための返礼品競争が続いており、寄附本来の趣旨を促す制度となっていません。
 また、行政サービスを行う自治体に入るべき税収が、寄附金を通じて他の自治体に移転しており、受益と負担という地方税の原則をゆがめるものとなっています。
 さらに、所得に応じて控除額の上限も高くなる仕組みとなっていて、高所得者ほど多額の返礼品を受け取ることになるため、公平性の観点からも問題があることに加え、ワンストップ特例を利用した場合、本来国が負担すべき税収減が自治体に転嫁されるといった課題もあります。
 こうしたことから、都はこれまで、ふるさと納税について、寄附本来の趣旨等を踏まえた見直しを行うよう国に要求するとともに、ふるさと納税の対象として国の指定を受けるための申出を行っていません。
 今後も引き続き、ふるさと納税の見直しについて国に要求してまいります。

○須山委員 ありがとうございます。
 もう答弁は繰り返しませんけれども、本当に今、アンバランスな制度になってしまっているなというふうに思いますので、引き続き国の方にしっかりと要求をしていっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 続きまして、キャッシュレス納税に関してお聞かせをいただきたいと思います。
 キャッシュレス納税は、スマートフォン決済アプリなど、いつでもどこでも納税できることから、都民にとっても大変便利なものであり、東京都にとっても着実な税収の確保につながる重要な納税手段だと思います。
 主税局が策定した主税局ビジョン二〇三〇においても、納税のキャッシュレス化はクオリティー・オブ・サービス、QOSの向上と税務行政の構造改革の実現に向けた重要施策の一つとして位置づけられていると思います。
 そこで、キャッシュレス納税比率について、令和四年度末時点の実績を伺いたいと思います。あわせて、東京都におけるキャッシュレス納税比率の目標についてもお聞かせいただきたいと思います。

○小谷徴収部長 口座振替をはじめ、クレジットカード収納、スマートフォン決済アプリ収納などによるキャッシュレス納税比率は、令和四年度末時点において四六・二%であります。
 令和四年度に策定された「未来の東京」戦略 version up 二〇二三では、都税のキャッシュレス納税比率を令和七年度までに五五%、令和十二年度までに七〇%に引き上げることを目標としております。

○須山委員 ありがとうございます。キャッシュレス納税比率は、昨年度末時点で四六・二%とのことでありました。主税局は、この実績を令和七年度までに五五%にしていくということでありました。
 この目標を達成するためには、令和七年度までのこれからの三年間で、キャッシュレス納税比率を九ポイント上昇させていく必要があり、さらなる取組が求められると思います。
 そこで、キャッシュレス納税推進に向けた令和四年度の主な取組と目標達成に向けた今後の方向性についてお聞かせいただきたいと思います。

○小谷徴収部長 令和四年度の主な取組としましては、都税を納付できるスマートフォン決済アプリを追加するとともに、キャッシュレスを含む納付方法の案内チラシを納税通知書に同封し、納税者一人一人に周知を行いました。
 目標の達成に向けましては、買物等の日常的な支払いにおけるキャッシュレスの利用率に比べましてキャッシュレス納税比率はまだ低いことから、認知度不足という課題があると認識しております。
 このため、今後は、より多くの納税者にキャッシュレス納税を利用してもらえるよう、認知度の向上及び機運醸成のためのPRに局一丸となって取り組み、キャッシュレス納税比率をさらに高め、納税者の利便性向上につなげてまいります。

○須山委員 ありがとうございます。
 周知の面というのは、なかなか難しいのかなと思います。自動車税の支払いなんかで、私にも来て、ふだんどおり払おうかなと思っていたんですけど、よく読んだらキャッシュレス決済ができるようになっていて、これは楽だなと思って、正直、私、コンビニすらあんまり、行くのがおっくうなタイプなので、そうした人間でもその場で支払いができるということは、すごくいいなと思いました。
 こうしたことをもっと、PRも含めてしっかりしていただいて、キャッシュレス納税比率七〇%にしていくということで、大変高い目標でもあるとは思うんですけれども、しっかりと取り組んでいただきまして、キャッシュレス納税、これからももっと普及していくようにお願いしたいということを要望させていただきまして、私の質問とさせていただきます。

○田の上委員 ミライ会議の田の上いくこです。
 まずは、資料のご提供ありがとうございました。
 固定資産税等の軽減制度について伺います。
 東京都二十三区では、小規模非住宅用地の固定資産税と都市計画税が二割、また、都市計画税で二百平米までの部分は二分の一軽減されています。
 そこで確認ですが、この軽減の制度はいつから始まったのでしょうか。また、軽減の理由はどのようなものだったのか、税制措置の根拠も併せてお伺いいたします。

○辻谷税制部長 小規模非住宅用地の固定資産税等の軽減措置は、非住宅用地の過重な税負担を緩和するとともに、厳しい経営状況にある中小企業の支援を目的として、東京都都税条例第百三十四条等に基づき、平成十四年度から減免措置として実施しています。
 小規模住宅用地の都市計画税の軽減措置は、都民の定住確保及び異常な地価高騰に伴う税負担の急増緩和を図ることを目的として、東京都都税条例附則第二十条に基づき、昭和六十三年度から不均一課税として実施しています。

○田の上委員 小規模非住宅用地の固定資産税の軽減措置は平成十四年度から減免措置、小規模住宅用地の都市計画税の軽減措置は昭和六十三年度からとのことです。また、地価高騰に伴う税負担の急増緩和を図るということでございますが、今年度も都内二十三区の高騰する地価を鑑み、継続しているものと理解をいたします。
 都独自に行っている土地に対する負担軽減措置はほかにもあり、例えば負担水準が六五%を超える商業地等に係る固定資産税、都市計画税の軽減や、税額が前年度の一・一倍を超える住宅用地等に係る固定資産税、都市計画税の軽減などもあります。毎年のように土地の価格が上昇し、都民の税負担も増していく中で、都独自の軽減制度は大変重要だと考えます。
 一方で、都は、負担水準が六五%を超える商業地等に係る固定資産税、都市計画税の軽減、小規模非住宅用地に係る固定資産税、都市計画税の減免、小規模住宅用地に係る都市計画税の軽減については、毎年見直しをし軽減措置を延長しているという状況であります。
 そこで確認ですが、小規模住宅用地に対する都市計画税の軽減など土地に対する軽減措置について、恒久措置ではなく、毎年見直しをしている理由についてお伺いいたします。

○辻谷税制部長 商業地等に係る負担水準の上限引下げ措置、小規模非住宅用地の減免措置及び小規模住宅用地の軽減措置については、社会状況の変化や景気の動向、都の財政状況等を踏まえ継続の可否を判断していく必要があることから、一年ごとに継続について判断を行っております。

○田の上委員 社会状況の変化や景気の動向、都の財政状況等を踏まえ継続の可否を判断していく必要があるというようなご答弁でございました。
 都税収入は、先ほど来の質疑等でもありますが、年々増加しているものと認識をしております。また、いただいた資料でもその様子が分かるようになっております。
 事前に影響額についてのご説明をいただいたのですが、これらの固定資産税、都市計画税の軽減措置の令和四年度影響額は、計算しましたところ約六百四十六億円となっています。大変大きな額ではありますが、都の税収規模からすれば、健全な都財政を維持できる規模だと考えますし、また、軽減措置の拡充を行う余力もあるのではないかと考えております。
 例えばですが、古い空き家の解体を進めるために税の優遇措置を設けることは有効であると考えます。具体的には、土地に係る固定資産税は、住宅が建っている場合、課税標準額が六分の一になりますが、空き家を壊して更地にした場合も同様の軽減措置が受けられれば、古い家屋の解体が進むものというふうに考えます。
 そこで伺いますが、空き家となった住宅の敷地に対する固定資産税等は、空家特措法の改正を経て、現在どのようになっているのか伺います。

○辻谷税制部長 空き家であっても、人の居住の用に供する家屋の敷地には、地方税法上、住宅用地の特例が適用され、固定資産税等の負担軽減が図られています。
 一方、空家等対策の推進に関する特別措置法に基づき、区市町村長が、放置すれば倒壊等のおそれがある特定空き家等に認定の上、修繕などの措置を行うよう勧告し、賦課期日までに適切な措置が実施されない場合には、翌年度の課税において、住宅用地の特例の対象外とすることとされています。
 なお、令和五年六月に空家等対策の推進に関する特別措置法が改正され、区市町村長が、放置すれば特定空き家等になるおそれのある空き家等についても、管理不全空き家等として認定の上、修繕などの措置を行うよう勧告し、賦課期日までに適切な措置が実施されない場合には、翌年度の課税において住宅用地の特例の対象外とすることとされました。

○田の上委員 現在の制度としては分かりました。
 また、特定空き家等に認定された場合または放置すれば特定空き家等になるおそれのある空き家等を管理不全空き家等として認定された場合に、修繕などの措置を行うよう勧告し、賦課期日、一月一日ですが、この日までに適切な措置が実施されれば、翌年度の課税においては、住宅用地の特例が受けられるということでございます。
 また、同改正では、相続した空き家を一定の要件を満たして譲渡した場合の譲渡所得から三千万円を特別控除するものがあり、令和九年末まで期限が延長されたというふうに聞いております。譲渡後の耐震改修や除却にも、特別控除を適用できるようになったと認識をしております。
 徐々に空き家対策も進んできましたが、特定空き家の認定に至るまで時間がかかることもあり、古い空き家の除却は一朝一夕にはいかないものと考えております。都内の駐車場不足を見ても更地の需要はあり、古い家屋を除却した場合に、土地の税負担を軽減していくことも有効であると考え、今後の要望として、意見を申し上げます。
 以上で終わります。

○松田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○松田委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で主税局関係を終わります。

○松田委員長 これより政策企画局関係に入ります。
 初めに、過日の分科会で紹介できませんでした幹部職員について、局長から紹介があります。

○古谷政策企画局長 過日の分科会を欠席いたしました当局の幹部職員を紹介させていただきます。
 外務部長の入佐勇人でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○松田委員長 紹介は終わりました。

○松田委員長 決算の審査を行います。
 令和四年度東京都一般会計決算中、政策企画局所管分を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○末村総務部長 去る十月十三日の当分科会におきまして要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 資料は一点でございます。
 恐れ入りますが、お手元に配布してございます令和四年度各会計決算特別委員会第一分科会要求資料をご覧ください。
 表紙をおめくりください。組織委員会に対する職員の派遣状況でございます。
 組織委員会への派遣職員数及び人件費の合計をお示ししております。
 以上、簡単ではございますが、資料の説明を終わらせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○松田委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○森口委員 SusHi Tech Tokyoについて伺います。
 国際競争を勝ち抜き、世界から選ばれる都市となるためには、都市課題を乗り越える多彩な技術、アイデアなどを東京から世界に発信をし、国際社会での東京のプレゼンスを一層向上させていくことが重要です。
 東京が持つ多彩な魅力を世界に向けて発信していくためには、都は、Sustainable High City-Tech.Tokyo、SusHi Tech Tokyoの旗印の下、様々な取組を推進していると理解をしております。
 そこでまず、都が昨年度行ったSusHi Tech Tokyoを推進するための取組について伺います。

○松本政策担当部長 都は、世界が直面する都市課題を解決していくため、多彩なアイデアやテクノロジーによって、持続可能な新しい価値を生み出すSusHi Tech Tokyoを推進してございます。
 昨年度は、その旗印の下、スタートアップや海外諸都市との連携、デジタルを活用した江戸や東京の魅力の発信など、様々な取組を行ってまいりました。本年二月には、スタートアップとのオープンイノベーションで持続可能な社会を実現することを狙いとしまして、City-Tech.Tokyoを開催したほか、世界から首長級が一堂に会するG-NETS、リーダーズ・サミットを同時に開催し、共通の都市課題の解決に向け、知見を共有したところでございます。

○森口委員 昨年度開催された二つのイベントは、初開催にもかかわらず大変盛況だったと伺っております。来年四月から五月にかけて、ベイエリア全体で五十万人の方々が訪れるイベントが開催されますが、昨年度の経験をしっかりと生かして開催していただくことを望みます。
 東京のプレゼンスを向上させるために、世界に発信すべき東京のすばらしい魅力の一つに、歴史と文化があります。
 東京の礎となった江戸は、当時、世界有数の人口を誇り、サステーナブルな都市であり、江戸の歴史や文化には、現代でも未来でも通用する英知が多数ありました。例えば古紙や紙くずを再生紙にすき返すなど、物の限られた江戸時代に、人々は道具を修理したり資源を再生したり、工夫して暮らしてきたといわれております。まさにサステーナブルな暮らしを体現していました。
 都は、こうした江戸の英知や魅力を発掘し、世界に向けて力強く発信していくべきと考えますが、昨年度の取組について伺います。

○松本政策担当部長 サステーナビリティーに代表される江戸の英知や魅力を、現代の都市課題の解決にもつながるものとして世界に発信していくことが重要でございます。
 そこで、昨年度、有識者から成る歴史・文化を軸にした東京の魅力発信に係る懇談会を設置いたしました。その中で、江戸から現代の東京につながる英知や魅力として、握りずし、のれん、和紙や着物のリサイクル、江戸城などを取り上げ、その背景や由来などを議論してまいりました。
 これらを踏まえまして、デジタル技術を活用した江戸の英知を探し出す体験型コンテンツなどを制作いたしまして、昨年度開催したCity-Tech.Tokyoにおいて発信したところでございます。
 あわせまして、江戸城のVR映像作品を展示するなど江戸の文化のすばらしさを発信することで、国内外の多くの来場者の皆様にご好評をいただいたところでございます。

○森口委員 有識者の意見を踏まえながら、江戸の英知、魅力を発掘し、これをデジタル技術も活用して多くの方々に発信をしてきたとのことであります。
 時間や場所に縛られることなく、また、現存しないものを再現、体感できるデジタルの力は、東京の魅力を世界に広く伝える上で効果的なツールです。常に進化を続ける東京の魅力を、多様な表現が可能なデジタルの力を最大限活用して国内外に展開をし、世界の目を東京に引きつけることが重要です。
 そこで、デジタルコンテンツを活用した東京の魅力発信の昨年度の取組について伺います。

○松本政策担当部長 インターネット上の仮想の空間であるデジタル空間におきましては、時間や場所に縛られることなくイベントを行ったり、ユーザー同士の交流を楽しんだりする動きが若い世代を中心に広がってございます。
 昨年度は、こうしたデジタル空間を活用しまして、東京の魅力の新たな発信方法を検討してまいりました。具体的には、メタバースの利活用や主要技術などの動向に詳しい学術関係、業界団体等の有識者、先行して事業で活用している民間事業者、クリエーター等にヒアリングを行ってまいりました。
 また、今年度冬の事業実施に向けまして、本年二月には、この事業の認知を高めるため、江戸と東京をイメージしたPR動画を配信しましたほか、デジタル空間を構成するデジタルアートの公募を行ったところでございます。

○森口委員 今年度冬の開催に向けて、多くの方に刺さる動画を配信するとともに、公募を通じて準備段階から様々な方の参加を促すなど、取組を進めてきていることが分かりました。
 東京のプレゼンスを向上させ、世界から選ばれる都市となるために、デジタルの強みを生かし、江戸や東京の魅力を体感できるコンテンツづくりにつなげていっていただきたいと思います。
 都政の国際展開とともに、世界における東京のプレゼンスを向上させ、都の魅力を発信するためには、あらゆるチャネルを活用することが重要であります。ニューヨーク、ロンドン、パリなど海外に複数の拠点を持つ自治体国際化協会、CLAIRも有効に活用すべきと考えますが、これまでどのように活用してきたか伺います。

○入佐外務部長 都は、国際競争力の強化に向けて、姉妹友好都市提携や合意書の締結に基づく相互交流、国際会議への参加、東京発の新たな国際ネットワークの構築などに取り組んでいるところでございます。これらの取組を円滑に進めるため、一般財団法人自治体国際化協会、CLAIRを積極的に活用しております。
 具体的には、昨年度、職員の海外出張時の現地調整については三十八件、海外都市の先進事例の調査については十二件をCLAIRに依頼しております。特に、コロナ禍における医療提供体制や気候変動対策等については、迅速に情報を入手し、都の施策に生かしてきたところでございます。
 今後も、CLAIRの海外事務所が持つネットワークや情報収集機能を最大限活用しつつ、都と海外都市の連携強化に取り組んでまいりたいと考えております。

○森口委員 CLAIRには、都が多くの分担金を支出しており、海外事例の調査や現地視察のアレンジ等とともに、SusHi Tech Tokyoなどの都の取組や、歴史、文化の多彩な魅力を海外の現地事務所から直接発信をすることも大変有効と思いますので、CLAIRの機能強化を要望し、質問を終わります。

○吉住委員 私は、最初に、東京ベイeSGプロジェクトについて伺います。
 都は、令和三年四月に東京ベイeSGプロジェクト(Version一・〇)を策定いたしました。このeSGプロジェクトは、「未来の東京」戦略の冒頭にも出てくるプロジェクトです。
 まず、この東京ベイeSGプロジェクトの意義について改めて伺います。

○堀内東京eSGプロジェクト推進担当部長構造改革担当部長都市強靱化プロジェクト担当部長兼務 東京ベイeSGプロジェクトは、ベイエリアを舞台に、五十年、百年先を見据え、自然と便利が融合する持続可能な都市をつくり上げることを目的としてございます。
 まずは、二〇三〇年までを最初のステップといたしまして、ベイエリアから世界最先端を取り戻すために、5G通信基盤の実装されたデジタル都市や、空飛ぶ車や自動運転などのテクノロジーの巨大実装エリア、ZEVをはじめとするマルチモーダルな交通体系の実現を目指してございます。
 また、プロジェクトにおきましては、多様な魅力を持つ臨海副都心や新しい埋立地など、広大なベイエリアのポテンシャルを生かしたテクノロジーの実装によりまして、持続可能性と経済を両立させた世界最先端の都市モデルをつくり上げるとしてございます。
 さらに、こうした世界が目指すべき都市像を発信することで、国際的なプレゼンスを高めながら、未来の東京を築いていくとしてございます。

○吉住委員 プロジェクトの意義は分かりました。
 実装と発信により事業を展開していると理解しましたが、そこでまず、実装について伺います。
 この実装に向けた事業を先行プロジェクトとして、中央防波堤エリアの広大なフィールドを活用して、未来のサステーナブルな技術についての実証実験などを進めていると聞いています。
 先行プロジェクトの第一弾は、令和四年度からスタートしています。令和四年度に採択したプロジェクトはどのような事業か伺います。

○山本都市強靱化プロジェクト担当部長東京eSGプロジェクト推進担当部長兼務 先行プロジェクトは、持続可能な都市の実現に向け、最先端技術の社会実装を進めることで、直面する社会課題を解決することを目的としてございます。
 令和四年度は、次世代モビリティー、最先端再生可能エネルギー、環境改善・資源循環の三つのテーマに対し、三十件以上の応募がありました。その中から、空飛ぶ車や水空一体型のドローン、移設可能な風力発電、舗装式の太陽光発電など、計九件を採択いたしました。
 こうした最先端技術の実装に向け、都は、三か年を事業期間とし、必要なフィールドを提供するとともに、国をはじめ関係機関等との調整を行うほか、社会実装に向けた支援費の支出を行っております。

○吉住委員 先行プロジェクトの概要は分かりました。
 新しい技術の実装に向けては、都民の理解と共感を得ながら進めていくことが重要です。その技術の持つ大義はもとより、都民がわくわくするような期待感のある技術や、そこに暮らす人々の目線で生活にどう直結するのか、どう便利になるのかなどもしっかり伝えていく必要があると考えます。
 先行プロジェクトにより採択された技術は、実際の都民生活においてどのような効果があるのか、具体的に伺います。

○山本都市強靱化プロジェクト担当部長東京eSGプロジェクト推進担当部長兼務 令和四年度採択事業の一つである空飛ぶ車につきましては、世界各国で今まさに機体の開発が進んでおり、空の移動革命ともいえる新技術でございます。これにより、都内の渋滞の回避や交通不便地域の移動手段の確保など、都民生活の利便性向上に大きく寄与いたします。
 また、移設可能な風力発電につきましては、都市部の限られたスペースでも設置が容易であり、脱炭素に寄与します。加えて、災害時には避難所に容易に移設できることから、非常用電源として、例えばスマートフォンの充電など、都民の安全・安心を支える技術となります。
 ほかにも、都民の生活を支えるインフラの効率的な管理に向け、世界初の水空一体型のドローンや、屋根ではなく駐車場にも設置可能な舗装式の太陽光発電などの実装を進めております。
 引き続き、先行プロジェクトを通じて社会課題の解決を図ることで、都民生活の向上を目指してまいります。

○吉住委員 先行プロジェクトの効果についても分かりました。
 今年度も新たに六件の事業を採択したと聞いています。これらをしっかりと支援し、各技術の社会実装に向けて具体的な成果を積み上げていただきたいと思います。
 次に、発信について伺います。
 これまで答弁にあったようなeSGプロジェクトが目指す未来の都市や最先端テクノロジーの実装に向けた取組については、より多くの人々にしっかりと伝え理解を得ることで初めて必要なものとして社会全体に受け入れられていくものと考えます。
 そのため、発信の取組についても戦略的に展開していかなければなりません。令和四年度はどのような発信の取組を行ってきたのか伺います。

○山本都市強靱化プロジェクト担当部長東京eSGプロジェクト推進担当部長兼務 令和四年度は、プロジェクトの理念を国内外に広く発信するため、企業や研究機関などとの官民学連携による東京ベイeSGパートナーを立ち上げました。
 昨年十一月、バルセロナで開催されたスマートシティエキスポや今年二月のCity-Tech.Tokyoなど、国内外の展示会でeSGパートナーと共に先端技術をPRいたしました。
 また、人気ゲームのマインクラフトで仮想のまちを創作するコンテストに東京ベイeSG賞を創設し、未来を担う子供たちから、まちづくりのアイデアを集めるなど、子供の参画を推進しました。
 さらに、未来の都市モデルを国内外に強力に発信するため、来年度開催するSusHi Tech Tokyo二〇二四に向けた準備を進めてきております。

○吉住委員 答弁にあった東京ベイeSGパートナーは、現在百八十者を超える企業、団体から参画を得たと聞いています。こうした民間の力をプロジェクトの推進力に変え、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 eSGプロジェクトでは、都市が抱える課題の解決を目指したモデルを社会全体へ拡大していくことも必要であり、来年五月のSusHi Tech Tokyo二〇二四では、最先端技術の実装を進める東京の姿や、東京ベイeSGプロジェクトが目指している都市像を国内外にアピールし、一過性のイベントにすることなく、社会全体へと拡大する機会にしてほしいと思います。
 また、このプロジェクトは、遠い未来だけではなく、冒頭答弁にあったように二〇三〇年を最初の区切りとして進めているとのことです。現在から連なる将来の臨海部の具体的なイメージをしっかりと持ち、その実現に向けた技術の実装に向け取り組んでいくことも重要です。
 あわせて、都市が抱える課題を解決するモデルとして、もっと目に見える形で発信し、社会全体へ拡大させていただきたいと思います。そのような都民に分かりやすい明確な実装と発信の取組を今後とも一層進めていただくことを要望いたします。東京の国際的なプレゼンス向上のため、今後の取組に期待して、次の質問に移ります。
 次に、東京と全国各地との連携について伺います。
 東京は、日本のエンジンとして、自らの成長はもとより、日本全体の成長を牽引していく役割を担っています。一方で、東京独り勝ちといわれ、あたかも東京の成長が地方の成長を阻害しているかのような見解が一部にはあります。
 日本全体の発展のためには、東京対地方という構図ではなく、地方の発展にも東京が汗をかき貢献することが重要であることを我が党は一貫して主張してまいりました。地方の発展に貢献することが、東京の発展にもつながるものと考えます。
 都は、全国各地と連携し、東京と地方の双方の発展に結びつく取組を進めています。エネルギーをはじめ東京の都市活動を支える地方に貢献するため、成果を出す取組が必要です。
 昨年度、地方との連携に向け、どのように取り組んできたのか伺います。

○池島渉外担当部長自治制度改革推進担当部長兼務 一大消費地である東京は、食料やエネルギーなど地方からの供給に支えられながら経済を牽引しており、東京と地方の相互の連携は重要でございます。
 都は、地方との連携を推進するため、地域の実情やニーズをしっかりと踏まえ、それぞれの個性や強みを発揮して地域を活性化していく共存共栄に向けた取組を展開しております。
 昨年度は、コロナの感染動向を見ながら、各道府県の東京事務所や本庁を直接訪問し、連携強化に向けた幅広い意見交換などを行ってまいりました。
 道府県訪問などで要望のあった事項につきましては、所管局に速やかに共有し、例えば山梨県産グリーン水素の都内での利用促進に向けた連携等につなげてまいりました。また、静岡県や高知県など都内での情報発信のニーズがあった自治体とは、相互にイベント情報等をPRする取組を実施してまいりました。

○吉住委員 新型コロナで思うように行き交うことが困難なこともあったとは思います。そのような中でも、道府県訪問などを通じて地方の生の声を聞き、ニーズに応じた取組を展開してきたことが分かりました。
 これまで私たちは、コロナ禍や震災、豪雨など、幾度の危機を経験してまいりました。そのたびに支え合いが大きな力を生み、その力こそが危機を乗り越える原動力となったと思います。自治体同士も同様であり、全国各地が手を携え連携を強化していくことで、共に発展し、ひいては日本全体を発展させていくための大きな力を生むのではないかと考えます。
 そこで、これまでの取組を踏まえ、都は今後どのように地方へ貢献していこうと考えているのか伺います。

○池島渉外担当部長自治制度改革推進担当部長兼務 コロナの終息に伴い、イベントや観光情報の都内でのPRニーズが高まっており、東京の強みである発信力や購買力などを生かした地方との連携を進めていくことが重要でございます。
 そのため、共存共栄ポータルサイトの掲載や総合PR事業を活用し、都内での地元特産物の販売フェアの紹介や観光PR動画の都営地下鉄への掲出など、全国各地の魅力を伝える取組を積極的に実施しているところでございます。
 引き続き、道府県訪問などを通じて各自治体の連携ニーズを酌み取るとともに、庁内PT等で共有し、関係各局とも協力しながら地方との連携を充実させてまいります。

○吉住委員 地方のニーズと、発信力や購買力といった東京の強みを組み合わせた連携は効果的な取組であり、率直に評価したいと思います。東京と地方が活性化し、その先の日本全体の成長に向けて都が果たす役割は極めて大きいことから、地方連携の取組をさらに進めていただくことを要望して、私の質問を終わります。

○かつまた委員 私からは、令和四年度決算に当たりまして、「未来の東京」戦略に関する昨年度の取組を中心に質問をさせていただきます。
 都は、令和三年三月に策定した「未来の東京」戦略の基本認識の中で、東京は、このままでは世界の競争から取り残されかねないとの強い危機感の下、課題の根源まで踏み込んだ構造改革の強力な推進と、コロナ禍からの持続可能な復興を目指すサステーナブルリカバリーの実現を戦略の軸に据え、政策を展開してきたものと認識をしております。
 そういった中で、令和四年十二月に森記念財団が、世界の都市総合力ランキングの二〇二二年度版を発表いたしました。東京は、世界四十八都市の中で昨年と同様、総合で三位でありましたが、一位のロンドン、二位のニューヨークに大きく水をあけられ、四位のパリに迫られる状況となっております。このランキングを見ても、東京をめぐる国際環境は非常に厳しいという状況がうかがえます。
 ランキングはあくまでも一つの指標であり、それが都市力をはかる全てではないというふうに考えますが、世界から東京がどのように見られているのか、大きな参考となるものであるというふうに私は考えます。
 東京が日本を牽引する役割を果たし続けるためには、東京の強みを今後さらに伸ばし、世界から選ばれる都市となることが重要であります。
 そこでまずは、今後東京が国際競争を勝ち抜いていくための課題認識について、どのように考えているのか、見解を伺います。

○佐久間計画調整部長 バブル崩壊後の低迷した経済を取り戻し、日本の国際競争力低下に歯止めをかけ、日本を成長軌道に乗せていくことが重要でございます。
 東京は、人、物、金、情報が集積する都市であり、東京が有する高いポテンシャルをどう生かしていくかが課題であると認識しております。

○かつまた委員 この都市総合力ランキングは、世界の四十八都市の総合力を、経済、研究・開発、文化・交流、居住、環境、交通・アクセスの六分野で評価するものであります。今回のランキングでは、新型コロナの水際対策の影響もあったと思われますが、交通・アクセスの分野でスコアを下げたのが特に気になります。
 東京が都市間競争で打ち勝つためには、人や物の交流が活発になることが不可欠であります。私の地元大田区は、世界への玄関口がある羽田空港を抱えております。羽田につながる路線アクセスをさらに強化していくことは、交通面のみならず、経済や研究・開発、文化・交流などに波及し、東京全体の活力向上につながるものであるというふうに考えます。
 「未来の東京」戦略では、未来の東京の実現に向けた二十のビジョンを掲げております。ここには、ビジョン11に交通ネットワークと題し、最高のネットワークが構築された便利で快適な東京という未来が掲げられております。
 まさにこのとおり、便利で快適な東京を目指していただきたいと願いますが、改めてこの最高のネットワークを実現した社会とはどのような姿かお伺いをいたします。

○佐久間計画調整部長 「未来の東京」戦略では、道路や鉄道などの交通ネットワークが構築され、人や物の流れが最適化されるとともに、自動運転によるスマートモビリティーが往来し、人々が安全かつ自由にまち歩きを楽しめる都市を目指すこととしております。
 また、空港においては、航空需要の対応やビジネスジェットの利用も進むことにより、国内外の結びつきがさらに深まった東京をビジョンとして示しております。

○かつまた委員 そのビジョンを実現するために、昨年度どのような施策を実施してきたのかお伺いをいたします。

○佐久間計画調整部長 これまで都は、三環状道路をはじめとする高速道路や幹線道路など都市機能を支える道路交通ネットワークの強化や、高密な鉄道ネットワークのさらなる充実を図ってきております。加えて、国内外からの玄関口となる空港や港湾の機能強化、アクセスの向上に向けた取組を推進してきております。
 昨年度は、環状第二号線の全線開通や、多摩都市モノレール箱根ケ崎方面への延伸に関する都市計画手続への着手、港湾計画の策定に向けた検討委員会の開催など、着実に交通ネットワークの充実を図ってきております。

○かつまた委員 便利で快適な東京の実現のためには、ハード面での取組のみならず、ソフト面からのアプローチも重要であります。その核となるのがデジタルであるというふうに考えます。
 ビジョン12のスマート東京においては、デジタルの力で東京のポテンシャルを引き出し、都民が質の高い生活を送るスマート東京が掲げられております。
 デジタルの力で都民が質の高い生活を送るとは、具体的にどのような生活なのかお伺いをいたします。

○佐久間計画調整部長 「未来の東京」戦略では、デジタルの力で東京のポテンシャルを引き出し、東京版のSociety五・〇であるスマート東京を実現することで、世界で最もQOLの高い都市を目指すという大きなビジョンを掲げております。
 AIやIoTなどの先端技術を積極的に活用することで都市全体がスマート化し、自動運転による移動や遠隔医療、テレワークをはじめとした時間や場所にとらわれない働き方など、全ての人が快適に暮らすことができる社会の実現を目指していくこととしております。

○かつまた委員 急速に進展するデジタル化の中で、昨年度はどのような施策を実施してきたのかお伺いをいたします。

○佐久間計画調整部長 これまで都は、都が保有するアセットの開放などによる5Gアンテナ基地局設置の促進や、スマート東京先行実施エリアにおける自動運転バス運行実証の支援など、幅広い施策を展開してまいりました。
 昨年度は、スタートアップによるスマートサービスの実装促進や、デジタルツインの基盤構築に向けた点群データの取得など、ビジョンの実現に向けた取組を推進してきております。

○かつまた委員 交通やデジタルなど、いずれも都民の暮らしに直結するものでありますけれども、暮らしを物理的に便利にするのはもちろんのこと、しっかりと質も向上させていくことが重要であるというふうに考えます。
 コロナでは、新型コロナは五類への移行もなされたものの、世界に目を向けると依然として国際情勢は不安定であり、この揺れ動く世界の中で生き抜いていくため、都市間の競争はますます激化することが予想をされております。戦略に描いたビジョンを絵に描いた餅にせず、確実に実現することを要望します。
 激動する時代の変化に的確に対応しながら、国際競争を勝ち抜く東京をつくり上げていくためにも、全庁一丸となり施策を前に進めていただきたいことを要望いたします。
 改めて、今回の決算を踏まえて、最高の交通ネットワーク構築に向けた着実な政策の推進をはじめ、生成系AI等の先進的な技術を活用し、東京から新たな変革を起こしていくことを強く要望させていただきます。
 次に、広報について質問をいたします。
 都は、令和四年度から戦略広報部を立ち上げ、各局の広報をバックアップするとともに、都民への発信力を強化する体制を構築してきましたが、発信内容が親しみやすくなっているなど、その成果を実感しているところであります。特に私が評価していることは、外部の専門人材や民間事業者の活用を進めた点であります。
 そこで、戦略広報で採用している広報の専門人材が令和四年度にどのような実績を上げたのかお伺いをいたします。

○久保田戦略広報部長 都では、各局の施策の広報効果を高めるとともに、職員の広報スキルの底上げを図るため、令和元年度より広報実務に精通した専門人材を採用し、実施体制を強化しているところでございます。
 令和四年度には、コロナ対策や太陽光パネルの設置義務化などにつきまして、マーケティングスキルを生かして都民の関心を分析し、訴求力のあるデザインの広報物をターゲットに応じて最適な媒体で発信をいたしました。
 また、広報人材の育成に取り組むため、こうしたノウハウを広報の研修で職員に共有し、九割以上の職員が実践したいと答えるなどの成果も得られております。
 今後も、専門人材が有する広報の知見を生かしまして、都民一人一人に伝わる広報を一層推進してまいります。

○かつまた委員 都民の関心を掘り下げていただいたり、発信に最適な媒体を選択したりと、専門家の知見を基に広報を戦略的に進めてくださっていることを理解いたしました。
 私も常々、情報は生活に利点をもたらす有益なものであるものの、本当に必要な情報ほどなかなか周知されないと課題を抱いております。また、情報を有効活用するためには、発信者側だけではなく、受信者側も情報を活用する努力、情報を取りに行くということが必要であるというふうに私は考えております。
 そこで、都民にとって有益な情報は、私自身も私の立場で積極的に伝えていくよう努めていきたいというふうに考えます。ぜひとも、これからも都民に届く情報発信を最後に強く要望し、質問を終わります。

○須山委員 私からも広報に関してお聞かせいただきたいと思います。
 広報、やはり今、部長もまさにおっしゃっていたとおり、一人一人の都民にしっかりと届けていくことが大事ですし、東京都がやっている事業、また都民が本当に必要としている情報というものが、しっかりと届くことを戦略的にやられていただいているというふうに思っておりますので、ちょっと質問させていただきたいと思いますけれども、そうした中で、昨年度は、特にまだコロナの最中でありましたし、東京都の広報というのは、本当に都民の暮らしにとっても、非常に重要な役割を果たしてきたと考えております。
 ワクチンとか医療体制のこととか、様々、本当に必要な情報というものを常に届けていかなきゃいけないという中で、事業を進めてきていただいたのかなというふうに考えておりますけれども、そこで、令和四年度は、知事も含めて広報としてどのような情報発信をしてきたのかということを伺いたいと思います。

○鈴木戦略広報担当部長 東京都では、都民に効果的に情報を届けるために様々な媒体や手法による広報を行うほか、特に重要な施策については、知事の発信力を生かし、情報発信に取り組んでまいりました。
 例えば、新型コロナなど都民の関心や疑問に対し、正しい情報を知事からのメッセージとして発信することで、都民の意識と行動の変容を促しました。

○須山委員 ありがとうございます。
 やはり知事の発信力ってすごいなということは、私も見ていて思います。ちょっと片仮名言葉が多くて、伝わりづらかったりということもあるんですけれども、メディアが、やっぱり知事の発言というのは取り上げてくれたりとかということもあるし、そうしたところも様々、発信力の強さというのを改めて活用していっていただきたいなというふうには思います。
 そうした知事からの発信だけでなく、例えば「広報東京都」、これ今年なんですよね、刷新されて、すごくまた見やすくなったなというふうに思います。これ本当は質問したかったんですけれども、今年度なので、また別のときに質問させていただきたいと思います。
 様々そうやって都民にアクセスをしていく、都民に情報発信をしていくということを、いろいろと改善をしていただいているのかなというふうに思いますけれども、一点、X、旧ツイッターですね、このアカウントが再編されたのかなというふうに思うんですけれども、それに関してどういうふうにしてきたのか、狙いとその効果についてお聞かせいただきたいと思います。

○鈴木戦略広報担当部長 都では、情報の発信力強化のため、昨年度、組織別、事業別に百以上あったXアカウント、旧ツイッターでございますけれども、こちらを都民目線で分類した十九のアカウントに再編いたしました。Xの拡散力を生かせるよう、フォロワー数の多いアカウントに集約することで、多くの都民に情報が届くように改善いたしました。
 また、都民一人一人の興味、関心に合った情報を表示されるようにすることで、都民情報にアクセスする機会を増やしました。

○須山委員 ありがとうございます。
 本当、百以上アカウントがあったという、これ実はすごくベーシックなことで、SNSとか、どうしても新しいものをつくると、すぐ、じゃあこれもやってみよう、これもやってみようということもあるんですけれども、特に、議員の皆さんも経験あると思うんですけど、LINEグループなんかもうすごいたくさんできちゃって、どれに入っているのかとか分からないような状況にあるんですけれども、これをやっぱり集約していって分かりやすくしていくっていうことは、一つ、よくやっていただいたなというふうにも思います。
 様々そうした本当に戦略的に、いろいろとこれからも改善をしていっていただきたいなというふうに思います。本当に知事の発信力ということもさっき出てきましたけれども、紛れもなく強いということはよく分かっております。
 それに頼るだけでなくて、様々な方法を活用していただいて、都民に必要な情報がしっかりと届く、そういった広報をしていっていただきたいと思うのと、あと、今まさに都議会で全会派一緒になって、情報コミュニケーション条例のワーキングチームで今議論をさせていただいております。その中でも、分かりやすい日本語であったりとか、本当に分かりやすい広報ということもこれから必要になってくるだろうし、そういうことも我々も議論をしていくと思います。
 そうしたところも踏まえていただいて、戦略的な広報をさらに進めていただきたいということをお願いさせていただきまして、私の質問とさせていただきます。

○田の上委員 ミライ会議の田の上いくこです。
 平成二十六年から令和四年までの八月一日時点の組織委員会への都の派遣職員数などの資料をいただきました。ありがとうございます。
 派遣職員数は四千二百一人で、計算の時期は決算時点なので異なりますが、三百五十二億円という金額を投じていますが、派遣の目的について伺います。

○末村総務部長 都と組織委員会とが強い連携の下、円滑に大会準備を進めるべく、職員の幅広い知識、経験を生かすとともに、職員の能力向上を図るため、組織委員会に職員を派遣したものでございます。

○田の上委員 都の職員としての知識や経験を活用するほか、職員の能力向上を図るための派遣ということでございます。
 都職員の組織委員会への派遣の法的根拠につきましては、米川議員が総務委員会で質問をし、管理職については公益的法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律に基づいており、また、一般職に関しましては企業等派遣研修実施要綱に基づくものというふうに聞いております。
 派遣職員の数については四千二百一人とのことですが、このうち管理職は何人で、一般職は何人で、都が支払った給与はそれぞれ幾らになるのか伺います。

○末村総務部長 お話の派遣職員数及び人件費に係る管理職と一般職員の内訳は把握しておりません。

○田の上委員 把握していないということであります。管理職と一般職との内訳がないのですが、それぞれの法的根拠は異なり、目的を違えて派遣をしているので、分からないというのはちょっとおかしいんではないかなというふうに思っています。
 平成のときでございますが、世界都市博覧会があり、その記録では、さらに細分化をして、総長、次長等、部長級、次長級、職員などの人数が年ごとにあります。今回は大変大きな大会であり、四千人を超える職員を派遣しているので、記録として残していくべきであると申し上げます。
 分けられないということなので、では、各年度における職員数と給与はそれぞれどれぐらいになるのか伺います。

○末村総務部長 派遣職員数につきましては、各年度の八月一日時点で、平成二十六年度七十四名、二十七年度百三十名、二十八年度二百十二名、二十九年度三百四十二名、三十年度五百七十名、令和元年度八百七十八名、令和二年度九百八十四名、令和三年度九百八十九名、令和四年度二十二名でございます。
 人件費につきましては、平成二十五年度約一億円、二十六年度約五億円、二十七年度約十二億円、二十八年度約二十三億円、二十九年度約二十九億円、三十年度約四十七億円、令和元年度約七十一億円、令和二年度約八十億円、令和三年度約八十億円、令和四年度約四億円でございます。

○田の上委員 細かくご答弁いただきました。
 令和元年度では八百七十八名で約七十一億円、二年度は九百八十四名で約八十億円、三年度は九百八十九名で約八十億円、令和四年度に関しては途中から清算法人が立ち上がり、途中の数字になってしまうので約四億円であるということでございます。
 都からの出向者の人数と組織委員会の人員における割合は何%なのか伺います。

○末村総務部長 都からの派遣職員の人数でございますが、大会開催時でございます令和三年八月一日時点で九百八十九名であり、組織委員会の人員における割合は約一四%でございました。

○田の上委員 令和三年七月の開催時期ということで約一四%というふうな理解かと思います。
 公益法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律第二条第一項においては、任命権者は、その業務の全部または一部が当該地方公共団体の事務または事業と密接な関連を有するものであり、かつ、当該地方公共団体がその施策の推進を図るため人的援助を行うことが必要であるものとして条例に定めるものとの間の取決めに基づき、当該公益的法人等の業務にその役職員として専ら従事させるため、条例で定めるところにより、職員を派遣することができるとされています。
 組織委員会の業務に、その役職員として専ら従事させるために職員を派遣するに当たっての任命権者と組織委員会との間の取決めの内容について伺います。また、その取決めに係る文書は公文書ですが、その文書は公開されているのかどうか伺います。

○末村総務部長 職員の派遣に関する取決め書は平成二十六年一月に締結されまして、組織委員会における勤務条件、派遣期間等について記載されております。
 当該取決め書について、公開はしておりません。

○田の上委員 平成二十六年一月に締結された取決め書はありますが、非公開ということでございました。
 研修で派遣した一般職員について、組織委員会での研修計画、研修の指導をする責任者は誰だったのか伺います。

○末村総務部長 組織委員会における各年度の研修計画に基づきまして、実務を通じて各所属長が適切に指導等を行っておりました。

○田の上委員 年度ごとの研修計画はあり、組織委員会内での所属長が指導の責任者であるというご答弁でありました。
 東京二〇二〇大会テストイベントに係る談合報道に関する調査報告書では、東京二〇二〇大会のような大規模プロジェクトへの参加を通して、都とは異なる組織風土や多様な人材との交流を経験することは、都職員の職務遂行能力及び組織運営力の向上に資するものでもあったという記載がありますが、職員からの研修報告書は提出してもらっているのか伺います。
 また、研修の効果について、派遣元である都において誰がどのように評価をしているのか伺います。

○末村総務部長 職員は、研修修了時に研修報告書を作成、提出し、各所属におきまして面談等を通じて研修の成果等を確認しております。

○田の上委員 研修報告はそれぞれ提出されていて、全員なんでしょうか、都の所属において面談も行っているということであります。
 外国人技能実習制度では、外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律に基づいて、外国人の職場での実態に対応して、実習と労働とを区別するように改善がなされていますが、実態が上司の指揮命令を受けて行う労働であるならば、研修ではなく労働を行う者として派遣をするべきではないかと考えますが、見解を伺います。

○末村総務部長 職員の能力向上を図るため、都と組織委員会との協定に基づき、職員を派遣しているものでございます。

○田の上委員 あくまでも研修というようなご答弁だったのかと思います。
 地方公務員法の第三十九条には、職員には、その勤務能率の発揮及び増進のために、研修を受ける機会が与えられなければならない、また三項には、地方公共団体は、研修の目標、研修に関する計画の指針となるべき事項その他研修に関する基本的な方針を定めるものとするというふうにあります。
 また、国の派遣研修などでは、長期や短期の研究員の制度などがありますが、やはり今回の派遣というのは、これらとは同様には見えません。四千二百一人というこれだけたくさんの都の職員が組織委員会で果たした役割は大変大きく、研修というより労働であったと見るべきではないかと考えております。
 研修という形にすれば、都が当然に給与を支払うわけでありますが、今回、公益的法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律と企業等派遣研修実施要綱に分けて派遣するメリットは何なのか、過去の事例における派遣の法的根拠も確認しながら、今後の派遣時には再検討していただきたいと申し上げます。
 組織委員会への都職員の派遣の人件費三百五十二億円は、人的派遣にとどまらず、組織委員会への資金援助というふうに考えますが、都の二〇二〇大会経費として計上すべきでございますが、それはどこに計上されているのか伺います。

○川田政策担当部長 本分科会における要求資料に記載した三百五十二億円は、平成二十六年一月から令和五年三月までの派遣職員に係る人件費の決算額を合計した金額でございまして、各年度の決算において、組織委員会を所管する局の管理費等に計上してまいりました。

○田の上委員 つまり、平成二十六年から令和三年はオリンピック・パラリンピック準備局であり、令和四年度は政策企画局の一般会計の管理費等に計上されているということだと思います。管理費等、事務費等などに計上されると、外からは大変見えにくくなります。都が組織委員会に幾ら払ったのか、都民から明確になるようにするべきであると申し上げます。
 次に、清算法人です。
 二〇二二年七月に組織委員会は清算法人に移行しましたが、清算法人における都からの出向者の人数と給与支払い金額、管理職と一般職、それぞれお聞かせください。また、清算法人の職員に占める割合も、それぞれ何%であったのか伺います。

○末村総務部長 令和四年八月一日時点の職員数は、管理職五名、一般職員十七名であり、全て都からの派遣職員でございます。
 令和四年度の人件費は、組織委員会が解散した六月末までの期間を含めて約四億円でございます。

○田の上委員 清算法人においては合計二十二名ですが、全て都からの派遣職員とのことです。清算法人における事務職員という意味かなというふうに思っております。
 また、清算法人への都職員の派遣の法的根拠について伺います。

○末村総務部長 公益的法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律に基づく派遣法派遣と地方公務員法第三十九条を踏まえた企業等派遣研修実施要綱に基づく研修派遣を実施しております。

○田の上委員 さらに、任命権者と清算法人との間の取決めがあれば、その内容について伺います。

○末村総務部長 清算法人への移行後も、組織委員会として引き続き法人格を有することから、取決めについても引き継がれております。

○田の上委員 平成二十六年の取決めをそのまま引き継いでいる、都職員の派遣の法的根拠も組織委員会と同じであるとのことであります。
 清算法人での業務は、職員にとって研修になるのでしょうか。清算法人は、昨年度内に清算結了できていれば、派遣職員は現在いなかったのかなというふうに思いますが、現在も実際は清算法人が残っており、派遣職員が送られています。森元次長の談合事件により、結了できずにいます。
 昨年度、清算法人ではどのような業務を行っていたのでしょうか。また、現在はどのような業務を行っているのでしょうか、伺います。

○川田政策担当部長 清算法人は、法令に基づき債権の取立て及び債務の弁済などの清算業務を行ってまいりました。現在も同様でございます。

○田の上委員 つまり債権の取立て及び債務の弁済など、公判が終わらない中、清算業務が継続しているということかと思います。いつまで続くのか、懸念をいたします。
 そして、これが研修であるというのは、やっぱりちょっとおかしいのかなというふうに思っております。令和四年度の人件費には組織委員会出向分が入っているため、明確な金額は分かりませんが、毎年支出をされます。森元次長の談合事件がなければ、また、コンプライアンスがしっかりとできていれば、都の支出は終わっていたはずです。それをしっかりと認識しなければいけないと考えます。
 今後のスポーツ大会等への関与では、都民の税金を投じる意味もしっかりと説明できるものにしていかなくてはいけません。人件費という隠れた支出にならないよう、都民から見えるようにしていただきたいと求めまして、質問を終わります。

○岩永委員 都議会生活者ネットワークの岩永やす代です。
 二〇二二年四月に、新しい組織として戦略広報部が立ち上がりました。情報化が進む中で、都民への分かりやすい情報発信は大変重要です。そこで、昨年度の広報の取組について伺います。
 まず、「広報東京都」についてです。
 毎月一日に都政情報を都の広報紙「広報東京都」で発信しています。都民の方から、自治体の広報紙、例えば市報は毎月二回、自宅に戸別配布されていますが、「広報東京都」を見たことがないという声をいただきました。
 都の広報紙「広報東京都」の二〇二二年度の発行実績と新聞の折り込み実績について、前年の二〇二一年度の実績との比較も含めて伺います。

○宮崎戦略広報担当部長政策担当部長兼務 令和四年度の発行実績につきましては、全体で二百六十万部、うち新聞折り込みにつきましては二百四十一万部でございます。
 令和三年度実績との比較では、新聞発行部数の減少に伴い、全体、新聞折り込みともに十七万部の減となっております。

○岩永委員 では、「広報東京都」を閲読してもらうためにどのような工夫をしているのか伺います。
 また、視覚障害がある方に対してどのような対応をしているかお聞きします。

○宮崎戦略広報担当部長政策担当部長兼務 新聞折り込みでの配布に加えまして、公共施設や駅、コンビニエンスストアなど四千か所以上に、毎月十七万部の配架を行いました。また、ホームページにデジタル版を掲載しSNSで発信するほか、チラシ検索サイトなどを活用し、手軽にアクセスできる環境を整えております。
 視覚障害者に対しましては、点字版及び音声版を作成し希望者にお届けするとともに、図書館など公的機関でも利用できるよう送付しております。

○岩永委員 「広報東京都」は、ほとんどが新聞折り込みということです。ところが、新聞折り込みでの配布は前年比で十七万部の減ということでした。
 日本新聞協会の調査によりますと、二〇二二年十月時点の新聞一般紙の発行部数は約二千八百七十万部、前年より六・四%減、この十年間で三分の二以下に減っているそうです。今後、新聞購読者はますます減少していくといわれておりますので、都としても新たに戦略的な配布方法の検討も必要です。
 また、配架場所は、公共施設や駅、コンビニエンスストアなど都内で四千か所以上で、毎月十七万部ということですが、実際には身近な駅などでは見つけにくいという声もお聞きします。配架場所の案内を、まち中や公共機関などのデジタルサイネージで周知をしたり、「広報東京都」の発行日には、その号のトピックスをお知らせするなど、検討いただきたいと思います。
 また、視覚障害のある方には、点字版や音声版を個別に郵送されているとのことです。例えば高齢者や障害者などをはじめ、自分で取りに行くことが難しい方には、郵送配布の対象とするなどの検討をお願いしたいと思います。
 次に、ホームページについて伺います。
 都庁総合ホームページは、膨大な都政情報の中から、いかに必要な情報に素早くアクセスできるかという使い勝手が重要です。
 都庁総合ホームページにある検索窓の検索機能が使いづらいという高齢者の方からのご意見をいただきました。トップページにある検索窓の検索欄の窓が小さいため、民間の検索サイトで都政情報を検索しているということです。
 そこで、都庁総合ホームページ運営経費について、二〇二二年度の予算額と決算額とその内容を伺います。

○鈴木戦略広報担当部長 都庁総合ホームページの運営経費についてでございますけれども、令和四年度の予算額は約二億八千万円、決算額は約二億二千万円となってございます。
 主な内容は、システム及びサーバーの保守運営経費や全庁で活用するホームページ分析ツールの運営経費でございます。

○岩永委員 都庁総合ホームページを含む東京都のホームページにおいて、視覚障害者や聴覚障害者に対してどのような配慮がされているのか伺います。

○鈴木戦略広報担当部長 都のホームページにおいては、東京都公式ホームページ作成に関する統一基準等に基づき、障害者や高齢者など誰もが使いやすいサイトを構築してまいりました。
 視覚障害者や聴覚障害者に対しては、各局のホームページにおいて、音声読み上げへの対応や文字サイズ、色合い調整機能の搭載を実施してございます。特に聴覚障害者には、問合せをしやすくなるよう、所管の電話番号に加えメールアドレスを掲載してございます。

○岩永委員 都庁総合ホームページは、東京都の公式ホームページとして都の施策などの都政情報の提供をはじめ、都民との重要な情報共有手段ですし、デジタル化社会においては広報の要です。昨年度は二億二千万円の運営費で、保守、運用だけでなく、分析ツールも活用しているとのことです。
 子供政策連携室で取り組んでいる東京都こどもホームページには、ホームページの中に改善してほしい点などの意見を寄せてもらうページがあります。そのような取組事例を参考に、利用者にとっても使いやすく、必要な情報を入手しやすいホームページにするために、都民の声を聞きながら改善を重ねていただきたいと思います。
 また、ホームページも含めた都の広報、刊行物での表現の配慮も必要です。以前に他県で、行政機関の広報動画に、性的な描写を連想させるとして、その動画が削除された問題がありました。
 都のホームページは、東京都公式ホームページ作成に関する統一基準等に基づいて発信をしているということですが、今後は、ジェンダーや人権の視点による公的広報の表現の在り方への配慮についても検討することを要望します。
 次に、広聴について伺います。
 都民の声を聞き、都政に反映させることが重要です。二〇二二年度のインターネット都政モニターアンケートの実績及び結果の活用方法について伺います。

○宮崎戦略広報担当部長政策担当部長兼務 昨年度のインターネット都政モニターアンケートにつきましては、都政に対する関心などをテーマとして五回実施いたしました。
 アンケートで得られた結果につきましては、関係局の計画策定や事業の検討などに活用するとともに、プレスやホームページを通じて公表しております。

○岩永委員 都民の声総合窓口に二〇二二年度に寄せられた意見と行政分野別件数と対応件数について伺います。

○宮崎戦略広報担当部長政策担当部長兼務 昨年度、都民の声総合窓口に寄せられた意見等は、衛生、健康分野が約五千六百件、気候変動、エネルギー分野が約二千八百件など、合計で約四万七千件でございます。
 寄せられた声につきましては、関係局等に伝達するとともに、主な事例につきまして、各局の対応状況を月例報告、年次報告で公表しております。

○岩永委員 都政モニターでは、昨年度は、例えば東京の森林、林業について、また東京の路上工事の現状について、また都立公園及び霊園についてなどをテーマにしたモニターアンケートが行われ、調査結果がホームページで公表されています。
 政策的にも、今の社会情勢の中で興味深いテーマもありますので、関心を持たれる方も多いのではないかと思います。その結果が、今後どのように政策に生かされたり反映されたのかなどについても、公表することも検討いただきたいと思います。
 また、都民の声総合窓口は、関係局に伝達され、一部対応や考え方についてコメントとともにホームページで公表されています。このような対応を見ると、都民の声を受け止めてもらえていると感じられると思いますので、都民の声に丁寧に対応いただくことを要望します。
 以上で終わります。

○松田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○松田委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で政策企画局関係を終わります。
 以上をもちまして第一分科会における決算の審査は終了いたしました。
 なお、本分科会の審査報告書につきましては、分科会委員長において取りまとめの上、委員会委員長に提出いたしますので、ご了承を願います。
 これをもちまして第一分科会を閉会いたします。
   午後三時十九分散会

ページ先頭に戻る

ページ先頭に戻る