令和四年度各会計決算特別委員会第二分科会速記録第五号

令和五年十月二十七日(金曜日)
第十二委員会室
午後一時開議
出席委員 十名
委員長入江のぶこ君
副委員長星  大輔君
副委員長伊藤こういち君
清水とし子君
玉川ひでとし君
龍円あいり君
アオヤギ有希子君
浜中のりかた君
阿部祐美子君
菅原 直志君

欠席委員 なし

出席説明員
生活文化スポーツ局局長横山 英樹君
生活安全担当局長竹迫 宜哉君
次長理事兼務渡邉 知秀君
次長久故 雅幸君
総務部長奈良部瑞枝君
都民生活部長柏原 弘幸君
都民安全推進部長馬神 祥子君
消費生活部長片岡 容子君
私学部長戸谷 泰之君
文化振興部長蜂谷 典子君
スポーツ総合推進部長小池 和孝君
スポーツ施設部長梅村 実可君
企画担当部長吉原 宏幸君
都民活躍支援担当部長山崎 利行君
男女平等参画担当部長宮本  均君
若年支援担当部長村上  章君
デジタル推進担当部長松下 裕子君
文化施設・連携推進担当部長富岡麻紀子君
企画調整担当部長巻口 博範君
スポーツ担当部長齊藤 陽睦君
パラスポーツ担当部長澤崎 道男君
経営企画担当部長戦略的活用担当部長兼務高島 慶太君

本日の会議に付した事件
議席について
令和四年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
生活文化スポーツ局関係
・令和四年度東京都一般会計決算(質疑)

○入江委員長 ただいまから令和四年度各会計決算特別委員会第二分科会を開会いたします。
 初めに、本委員会室における本分科会の議席について申し上げます。
 議席は、先ほどの打合会で、ただいまご着席のとおりとすることを申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、生活文化スポーツ局関係の決算に対する質疑を行います。
 これより生活文化スポーツ局関係に入ります。
 初めに、過日の分科会で紹介できませんでした幹部職員について、局長から紹介があります。

○横山生活文化スポーツ局長 過日の分科会を欠席させていただきました当局の幹部職員をご紹介させていただきます。
 企画調整担当部長の巻口博範でございます。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○入江委員長 紹介は終わりました。

○入江委員長 決算の審査を行います。
 令和四年度東京都一般会計決算中、生活文化スポーツ局所管分を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○奈良部総務部長 去る十月十一日の当分科会において要求のありました資料につきましてご説明いたします。
 お手元に配布の令和四年度各会計決算特別委員会第二分科会要求資料の表紙をおめくりください。
 目次に記載のとおり、今回要求のございました資料は十四件でございます。
 それでは、一ページをお開き願います。1、私立高等学校等授業料軽減助成事業の所得区分別の実績の推移でございます。
 平成三十年度から令和四年度までの所得区分別の実績を記載しております。
 二ページをお開き願います。2、私立学校経常費補助における授業料減免補助実績の推移でございます。
 平成三十年度から令和四年度までの学校種別の実績を記載しております。
 三ページをお開き願います。3、私立学校経常費補助における授業料減免制度整備促進補助を受けた学校数及び授業料減免補助を受けた人数の推移(私立小中学校・高等学校)でございます。
 平成三十年度から令和四年度までの学校種別の補助校数と補助人数を記載しております。
 四ページをお開き願います。4、東京都育英資金一般貸付の規模の推移でございます。
 平成三十年度から令和四年度までの貸付額と貸付人員を記載しております。
 五ページをお開き願います。5、都道府県別私立高等学校生徒納付金平均額(令和四年度)でございます。
 生徒納付金の平均額について、都道府県別に記載しております。
 六ページをお開き願います。6、私立高等学校等就学支援金の予算額と決算額及び所得区分ごとの受給者数と実績額(令和四年度)でございます。
 予算額と決算額及び所得区分ごとの受給者数と実績額を記載しております。
 七ページをお開き願います。7、私立学校デジタル教育環境整備費補助の実績及びICT機器等の整備状況でございます。
 平成三十年度から令和四年度までの補助実績及び整備状況を記載しております。
 八ページをお開き願います。8、私立専修学校修学支援実証研究事業における支援実績の推移でございます。
 平成三十年度から令和四年度までの協力校数、協力者数及び支援金額の実績を記載しております。
 九ページをお開き願います。9、東京ウィメンズプラザの施設利用率、相談件数及び相談員数の推移でございます。
 平成三十年度から令和四年度までの実績を記載しております。
 一〇ページをお開き願います。10、スポーツ振興事業に係る予算及び決算の推移でございます。
 平成三十年度から令和四年度までの予算額と決算額を記載しております。
 一一ページをお開き願います。11、都立スポーツ施設の指定管理料の推移でございます。
 令和元年度から令和五年度までの施設別の指定管理料を記載しております。
 一二ページをお開き願います。12、区市町村別スポーツ推進委員委嘱数及び都内障がい者スポーツ指導員登録者数でございます。
 平成三十年度から令和四年度までの委嘱数と登録者数を記載しております。
 一三ページをお開き願います。13、TOKYOスポーツ施設サポーターズ事業の利用実績(令和四年度)でございます。
 令和四年度の利用実績を記載しております。
 一四ページをお開き願います。14、都立特別支援学校活用促進事業での体育施設の貸出実績でございます。
 令和二年度から令和四年度までの学校別の貸出実績を記載しております。
 以上、簡単ではございますが、要求のありました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○入江委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○龍円委員 よろしくお願いいたします。
 私は、誰もが自分らしく輝きながら、参加しているという実感が持てるインクルーシブな社会の実現を目指しています。
 生活文化スポーツ局を対象とした質疑では、スペシャルニーズ、障害のある人が日常的に身近な場所でスポーツや運動を楽しみながら続けられるようにすること、そして、競技として取り組みたい方々のための環境整備や競技力向上などについて質問してきたところであります。
 さて、スペシャルニーズのある人にとって運動とはどういうものなのか、少し我が家の例を挙げてお話をさせてください。
 息子はダウン症のある十歳児ですが、重度な知的障害があり、身体的には合併症の心臓疾患、耳が片方聞こえないほか、低緊張による筋力の弱さ、関節の緩さ、そして体温調節がうまくいかないこと、免疫力が低く感染症などにかかりやすいなどの特徴があります。
 ダウン症のある人は、こういう身体的な特徴から肥満になりやすいことがあり、小さい頃から継続的に運動を習慣づけていくことが重要です。
 世間には、キッズ向けの体を動かせるスクールなどは多くあるんですけれども、子供だけでこれらに参加することが難しいということもありまして、結局は、親が一緒に日常的に運動できるような環境が必要です。
 私の地元の渋谷には東京体育館があります。ここに日常的に通わせていただくことで、息子は体を動かすことが大好きになりました。障害者スポーツ指導員の資格があるインストラクターのおかげもあって、ここ二年ほどの身体的機能の成長は目を見張るものがあります。
 また、精神的にも、挑戦したい、努力を継続する、その結果できるようになる、うれしい、次はこれに挑戦したいといった、精神的にもかけがえのない、いい影響をここから受けています。
 また、親子関係においても、一緒に運動するということが、共通の趣味を楽しむ友達同士のようないい関係性を育んでくれています。
 この私自身の経験を通じても、スペシャルニーズのある人が日常的に運動を続けられることがとても重要であるという視点で質疑を続けてきたことが、間違っていなかったと確信するように至りました。
 と同時に、物理的な環境と、それから人的な適切な支援、そして精神的にその場で受け入れてもらえているという安心感がなければ、これらが難しいと強く痛感しているところでもあります。この三つの要素のどれもが、東京都全体ではまだまだ全くされていないため、日常的に運動することが制限されているというふうに理解するようになりました。
 東京都の障害者スポーツ施策は、とても重要な役割をその中で担っていることも、改めて認識しているところです。
 令和四年度は、東京二〇二〇大会開催の翌年度でありました。大会が終わった後こそが大事で、パラリンピックで生み出されたものが継続的に続けられ、スペシャルニーズのある方々の生活レベルにまで浸透していくかどうかが重要です。そういう意味で、令和四年度、都はどのように取り組んだかというのは、大切なポイントになると思います。
 まず、スポーツ実施率についてお伺いいたします。
 都は、二〇二〇大会の開催を機に、スペシャルニーズのある方を含め、多くの都民が共にスポーツを楽しむことを通じて、インクルーシブな社会の実現を目指すとして、様々な施策を展開しています。
 その成果指標として、「未来の東京」戦略ビジョンでは、二〇三〇年、つまりあと七年後までに、十八歳以上の都民のスポーツ実施率を七〇%に、障害者については五〇%にすることを掲げて、毎年、実態調査を続けています。
 そこで、大会前後の比較のために、都民全体と、それからスペシャルニーズのある方、それぞれのスポーツの実施率について、令和四年度を含む過去五年間の推移をお伺いいたします。

○澤崎パラスポーツ担当部長 都民全体のスポーツ実施率は、大会前は、平成三十年度が五七・二%、次の調査年である令和二年度が六〇・四%でございました。大会後は、令和三年度が六八・九%、令和四年度が六五・九%であり、令和四年度は、令和三年度に比べて減少したものの、大会前と比べると増加傾向にございます。
 障害のある都民のスポーツ実施率は、大会前は、平成三十年度が三二・四%、令和元年度が三七・〇%、令和二年度が三一・九%でございました。大会後は、令和三年度が三五・四%、令和四年度が三五・二%であり、コロナ禍前の三七・〇%には至らないものの、回復傾向にございます。

○龍円委員 大会前後の五年間の推移についてお伺いしました。
 このうち、約三年間はコロナが甚大な影響を与えてしまいましたので、純粋な東京二〇二〇大会の影響が分からないというのが残念なんですけれども、都民全体の実施率については、目標の七〇%の達成が可能だと推測できるほどまで順調に伸びていることが分かります。
 一方で、スペシャルニーズのある人の実施率は、大会前には伸びたものの、コロナでがくんと落ちてしまい、じりじりと少しずつ回復しているところです。しかし、このままだと、目標値の五〇%には、七年で到達するのは難しそうな状況だといわざるを得ません。
 スペシャルニーズのある人の実施率が低い理由の一つに、スポーツや運動を実施する場が少ないという課題が以前から指摘されています。
 場というのは、ただ場所があればいいというわけではなく、さっき挙げた三つの要素が確実にそろっている必要があります。アクセシブルな施設が整備されているという物理的な環境、そして障害者スポーツ指導員がいるなどソフト面での環境、その上で、障害者も歓迎していますよという、精神的に安心して利用できる環境という三つであります。
 そこで、都立スポーツ施設には重要な役割を期待しています。実際どのくらいの方々が都立施設を利用しているのか、まず確認したいと思います。
 都立スポーツ施設を利用する障害者の数は、障害者スポーツセンターの利用状況についてお伺いします。あわせて、そのほかの施設として、私の地元の東京体育館の個人利用施設について、スペシャルニーズのある方々の利用の状況をお伺いいたします。

○梅村スポーツ施設部長 東京都障害者総合スポーツセンターを利用した障害者の数は、コロナ前の令和元年度は約十二万六千人でございました。令和二年度は約五千人に落ち込みましたが、令和四年度は、徹底した感染防止対策を行った上で施設を提供し、利用者数は約三万六千人にまで回復いたしました。
 東京都多摩障害者スポーツセンターについては、令和元年度は約八万人であったところ、令和二年度には約五千人となりましたが、令和四年度には約二万八千人でございました。
 東京体育館のトレーニングルームなどの個人利用施設における障害者とその付添者を含めた利用者数は、大規模改修工事に伴う休館前の平成二十九年度が約五万三千人であり、令和四年度は約三万人でございました。

○龍円委員 障害者スポーツセンターの利用者数は、コロナ禍の初期、令和二年度はかなり落ち込みましたけれども、基礎疾患がある方も多くて、感染による重症化ですとか、死亡が深刻だった当時の状況を考えると、当然のことなのかなと思います。
 この頃は、運動どころか、日常生活に本来は重要である福祉施設の利用でさえ控えたり、学校も長期にわたって休まざるを得ない人もいたりしました。そんな中においても、細心の注意を払いながら感染防止対策を行い、開館をした施設の取組については評価したいと思います。
 令和四年度については、回復基調にありながら、コロナ前の水準と比較すると三割程度にとどまっています。五類移行後の今年度の利用の状況がまだ分かりませんけれども、さらに回復してくるのだろうなというふうに思います。
 しかし、スペシャルニーズのある方々というのは慎重ですので、五類に移行しても、手放しで安心して元の生活に戻るわけではないので、それこそ、そろそろこの秋くらいに、スポーツや運動を復帰することを考え始める方も少なくないと思います。
 ただ、コロナ前は運動していた方であっても、三年も運動しない生活を続けている中で、運動しない日常というのが普通になってしまったという方もいらっしゃると思います。ですので、以前は利用していて復帰されていない方々に対しては、そろそろ運動しませんかというふうに呼びかけるようなことをすることも必要だと思います。
 また、スペシャルニーズのある方々は、運動することから、はなから諦めてしまっているという状態の方も多いわけで、スポーツや運動する施設があるかどうか、情報を自らは求めていないことも考えられます。
 私は実家が国立市なので、何度となく多摩障害者スポーツセンターの前を通っていたんですけれども、ダウン症のある息子がいたにもかかわらず、都議会議員になるまで、あの施設がスポーツ施設だということに気がつきませんでした。何度も目に入っているはずなんですけれども、情報としてそれが入ってこないという感じでありました。
 一方で、東京体育館はというと、障害者、スペシャルニーズのある方の利用については、課題があるというふうに考えているんですけれども、一般の方々の利用者は、どの時間帯に行ってもあふれ返っております。
 東京体育館では、スポーツフェスタなど、華やかな一般公開のイベントが定期的に開催されていて、そのイベントのたびに、近くの学校ではチラシがまかれるなどして、地元では親子で訪れる機会が少なからずある施設になっています。
 体育館の前の一番目立つ場所に、運動施設があることを示す大きな写真つきの掲示がされているため、それで知る人も多いと思います。また、千駄ケ谷駅を利用する人は自然と目に入るところにその掲示があることも、利用につながっていると思います。地元では、「東京体育館行ってる?」「行ってる行ってる」みたいな会話はよく聞きますし、地元の口コミにもなっているという印象を受けています。
 障害者スポーツセンターは、その告知にまだまだ課題がありそうです。生活文化スポーツ局では、特別支援学校を活用した事業を行っていますので、そこでできたつながりを活用して、特別支援学校とセンターとが連携して動くと効果がありそうな気がします。
 学校に通っている間というのはいいんですけれども、卒業した後は、余暇活動する場所が限られていて困っている当事者が多いので、学校時代から生徒とセンターがつながっておくことは、とても意義があると思います。チラシを特別支援学校や近隣の福祉施設に定期的に配布していくことも効果があるかもしれません。積極的な広報をよろしくお願いいたします。
 さて、東京体育館については、障害者の利用は、令和四年度は介助者も含めて三万人ということでした。
 実は、私は東京体育館が大好きで、通っているという話、先ほどもさせてもらったんですけれども、一応バリアフリールートがあったり、障害者の利用について東京都の標準的な受入れ体制はあるんですけれども、実際は、障害者の利用は眼中に置かれていないというふうに感じてしまうところが多々あります。また別の機会でこの件については議論させていただきたいと思っております。
 今後も、利用者の声に耳を傾けながら、スペシャルニーズに応え、利用促進や満足度の向上に努めていただきますようお願いいたします。
 次に、パラアスリートや競技団体の支援についてお伺いいたします。
 東京二〇二〇パラリンピックの開催を経て、スポーツに興味を持って、チャレンジしたいと思ったスペシャルニーズのある人は増えたと思います。
 また、日常的に運動するようになった方は、次はスポーツに挑戦したいというふうに思うようになるとも思います。とはいえ、いきなり競技団体の門をたたくのは難しいと思いますので、まずは気軽に体験できる場を提供しながら、関係人口を増やしていく取組が重要です。
 都では、東京二〇二〇パラリンピック競技大会に向けて、東京にゆかりのある選手が活躍できるよう、競技体験プログラムを提供して選手を発掘する事業に取り組んできましたが、大会後はどのように取り組んだのかお伺いいたします。

○澤崎パラスポーツ担当部長 都は、国際大会への出場を目指す東京ゆかりの選手を発掘するため、専門家による一人一人に合った競技スポーツについての助言や各競技の体験機会の提供、競技団体の練習会の案内等を行うパラスポーツ次世代ホープ発掘事業を実施しております。
 二〇二〇大会終了後、令和三年度から、パラリンピック競技に限らず、知的障害者サッカーなどを対象に加えております。
 さらに、昨年度は、二〇二五年夏季デフリンピックの東京開催決定を受け、新たに自転車とバドミントンの二つのデフスポーツを加えて、計二十五競技で二回実施し、延べ百三十四人が参加するなど、さらなる選手発掘に努めたところでございます。

○龍円委員 二〇二〇大会後も、知的障害者の種目を追加したり、昨年度はデフスポーツ種目にも対象を広げたりしながら、幅広い選手発掘支援を続けているということが分かりました。いわゆるパラスポーツだけに限らず、門戸を広げていることはとても重要だと思います。
 二〇二五年にはデフリンピックが開催されますので、都の取組は意義があります。今後も、障害種別を問わず挑戦できるよう、選手の発掘、支援の取組を続けてください。
 さて、競技を始める機会を得ても、継続していくためには、並走的な支援がないと成長することが簡単ではありません。日常生活のためのものとは違った、スポーツ特有の補装具などに係る経費の支援も重要だと考えます。
 また、スペシャルニーズのある方々の競技団体は、団体としての体力が十分ではないところも少なくありません。選手の育成のための経費、活動場所、広報、人的な支援が求められています。
 そこで、都は昨年度、パラスポーツの競技団体や選手に対してどのような支援を行ったのか、その実績についてお伺いいたします。

○澤崎パラスポーツ担当部長 都は、都内を統括するパラスポーツの競技団体に対し、練習会や強化合宿等に係る経費を支援する競技活動支援事業を実施しております。
 昨年度は、初心者向けの体験教室など、競技団体が主体的に行う普及活動も新たに支援対象に加え、車椅子フェンシングやパラトライアスロンなど十四団体に対する助成を行いました。
 また、国際大会への出場が期待される東京ゆかりの選手に対し、大会参加等に伴う経費のほか、競技用具等の購入、修繕費などの支援を行っております。
 昨年度は、デフスポーツなどを新たに支援の対象とし、より幅広いパラアスリートの活躍を後押ししております。強化合宿の参加費や、車椅子用のクッション、固定ベルトなどの購入経費などを含め、七十九名の選手に対して支援を実施したところでございます。

○龍円委員 大会の後も競技団体やアスリートへの支援を充実させているということが分かりました。
 大会が終了すると、しゅんと世間の注目がなくなってしまいますが、都がともしびを消すことなく丁寧に支援を続けていくことは重要です。今後も、大会のレガシーの定着に向けて、こうしたきめ細やかな団体の支援と、そして選手への支援を続けていただきますようお願いいたします。
 これまでの文教委員会の質疑でも要望してまいりましたけれども、スペシャルニーズのある子供が、子供時代から継続的に運動やスポーツを続けていくことは重要です。健常者には当たり前のように、若い頃から続けているスポーツがある人がいますけれども、それがスペシャルニーズがあると、とにかくとても難しいんです。
 先ほど述べたような特別支援学校とセンターとの連携した連続性のある取組、そして、成長とともに買い換えていくには価格が高過ぎるスポーツ用義足など補装具の購入費の補助などについても、今後も支援を拡充していくことをお考えいただくよう要望させていただきます。
 さて、次に、インクルーシブな地域づくりにおいて役割を期待している町会、自治会の支援についてお伺いいたします。
 私の地元渋谷区で見てみましても、役員が高齢化しているものの後継者が不在のところもありまして、活動の継続が厳しいところが少なくない印象であります。
 一方で、子育て世代や若者世代とのコミュニケーションが上手なキーパーソンがいる町会では、小学校を活用した菜園活動をしたり、映画上映会を頻繁に開催したり、子供食堂を開催したり、地域の企業と連携して地域一帯を巻き込んだアート活動をしたりと、すばらしい活動をしているところもあります。
 原宿神宮前で定期的に開催されている環境浄化パトロールでは、各町会、商店街、そして警察や消防も一緒に参加していて、定期的に顔を合わせることで、地域の共助の力にもなっているように感じました。
 これらを見ていて、コミュニケーション力、町会に加入していない人たちも巻き込んでいくこと、そして地域の学校や警察、消防、企業との連携などが、町会、自治会の活動においては重要な視点なのではないかと考えるようになりました。
 そこでまずは、都が行っている町会、自治会に対する助成事業である地域の底力発展事業助成の概要を改めて伺うとともに、昨年度支援を行った助成額と対処件数についてお伺いいたします。

○柏原都民生活部長 地域の底力発展事業助成は、地域活動の担い手でございます町会、自治会が行う地域の課題を解決するための取組を推進し、地域力の向上を図る事業を支援するもので、平成十九年度から実施しております。
 助成対象となる事業は、住民の交流イベントのほか、防災節電活動、高齢者や子供の見守り、多文化共生社会づくりなどでございます。
 令和四年度は一億五千八百万円を助成し、五百四十四件の事業に対し支援を行ったところでございます。

○龍円委員 今、平成十九年度から実施しているという答弁がありました。この事業はもう十六年も地域活動を支えているということになります。
 実は先日、渋谷区のある町会の方とお話しする機会があったんですけれども、この町会、長年活動をきちんと続けているんですけれども、何とこの東京都の事業そのもの、存在を知らなかったとおっしゃっていて驚いてしまいました。一つの地域活動に二十万円の補助が出るとお話ししましたら、大変喜んでおりましたが、もっと早く知りたかったともおっしゃっておりました。
 地域の底力事業は、町会の方にとって、地域活動を進めるためにとてもいい制度だと思いますが、知らない町会の方も、ここから見て少なくなさそうだなというふうに考えています。
 都内の町会、自治会などの団体数は、およそ九千あるそうですが、支援数は、令和四年度は、コロナの影響があるとはいえ五百四十四件ということなので、さらに周知していくということは重要だと思います。
 町会、自治会の方々に対して、この地域の底力発展事業助成をどう周知していくのかお伺いいたします。

○柏原都民生活部長 地域の底力発展事業助成は、毎年三月に募集を開始するに当たりまして、プレス発表を行い、都のホームページで周知を行うとともに、区市町村の地域活動の所管部署を通じまして、町会、自治会関係者にお知らせしておるところでございます。
 また、この助成を通じて地域活動に取り組んだ好事例などを取りまとめました事例集を作成、配布いたしまして、活用の促進を図っているところでございます。

○龍円委員 今の話だと、区市町村の地域活動所管までは確実に情報が届いているはずなんですが、それが町会、自治会まで届いていないところも多々ありそうなのかなというふうに考えております。
 区市町村の方々に、もっと周知頑張ってといっても限界がありそうなので、ITを活用して、活動する人たちの手元に直接東京都から情報が届くような工夫も必要なのではないかなと思います。
 また、町会、自治会が地域コミュニティの核として活動しやすくするような、少し視野を広げた支援についても、考えていく必要がありそうだと感じております。
 例えば、福岡市では、令和四年に共創による地域コミュニティ活性化条例を施行しました。この条例では、町会、自治会を核として、小学校区ごとに住民主体のまちづくりを行う自治協議会、そして、学校、企業や商店街、行政が、それぞれコミュニティ活動のための責務をこの条例の中で明確にしまして、そしてさらにその関係性を図式したというか、明確化しました。様々な主体が一緒に地域の未来を共に創る共創の取組を推進する条例だということであります。
 東京都でも、改めて地域コミュニティを見直して、整理していくような取組も必要なのではないでしょうか。その中でこういった事業の活用促進を進めていけたらというふうに考えます。
 さて、インクルーシブな地域コミュニティという観点からでは、今お伝えしたような多様な地域の主体との連携も重要ですが、多様な地域住民の参加も重要であります。
 その中で、外国人との共生も大切になってまいります。地域の底力発展事業助成では、多文化共生社会につながる活動に対して上乗せで助成をしています。
 昨年度の地域の底力発展事業助成において、町会、自治会が多文化共生社会づくりにつながる活動を行った実績とその内容についてお伺いいたします。

○柏原都民生活部長 地域の底力発展事業助成において、多文化共生社会づくりにつながる活動に対しまして、補助率を引き上げる特例を設けておりまして、昨年度は百五十四件の活動が行われました。
 主に、町会、自治会が行うお祭りなどの交流イベントにおきまして、多文化共生への理解を深めるような住民向けのチラシを配布いたしまして、外国人住民との交流が図られました。

○龍円委員 多文化共生社会づくりにつながる活動が進むように取り組んでいるということでありました。
 ちなみに、地元の町会に説明を行った際に、英語版のチラシを作るなどとなった場合、英語を話せる町会役員がいない、どうしようといった声も聞かれました。やさしい日本語の表記を使えば、最近のグーグルカメラの翻訳機能を使うと、無料で簡単にそれを読むことができますし、多言語対応について、その仕方についてもアドバイスなどをしていただけたらと思います。
 私自身も、日本以外の三か国で合計十二年暮らしていましたが、外国人は情報難民でありますし、困ったときの頼り先が分からないという不安もあります。こうした取組を通じて、ぜひ地域で暮らす外国の方々も参加しやすい取組をさらに進めてください。
 また、今後、できればなんですけれども、地域に暮らすスペシャルニーズのある方々も参加しやすい働きかけについても、考えていただけますようお願いいたします。
 以上でございます。ありがとうございました。

○星委員 よろしくお願いいたします。
 まず私からは、私立高校における一人一台端末の整備について質問をさせていただきます。
 日々進展するデジタル社会で活躍できる人材を育成していくためには、高校教育における一人一台端末の整備は大変重要なことであります。
 都は、都内私立高校において生徒一人一台端末の環境整備が進むよう、令和四年度から新たに補助制度を整備して、私立学校における端末整備の促進に取り組んでいただいております。
 令和四年度における私立高校一人一台端末補助の活用状況について伺います。また、学校に対して補助事業の周知、広報をどのように実施しているのかも併せて伺います。

○戸谷私学部長 私立高校における一人一台端末の補助につきましては、学校が直接端末を調達する場合や、保護者が購入した端末費用の一部を学校が負担する場合など、学校ごとに異なる整備方式に柔軟に対応してございまして、整備を希望する学校が活用しやすい制度としております。
 令和四年度におきましては、既存の端末を活用するために新規購入を必要としない場合などを除きまして、補助金交付申請のあった百四校に対しまして、約二万四千台分の端末に係る補助を行っております。
 なお、補助事業の開始に当たりましては、学校向けのウェブサイトによる発信に加えて、学校に対するリーフレットの配布や説明会も実施することで、各学校への周知に取り組んでおります。

○星委員 私立高校の一人一台端末の充実に向けて、この補助に当たっては、制度の工夫や周知、広報における様々な取組により、生徒が使用する端末の整備につながっているということでありました。
 今もご答弁の中にもあって、聞くところによると、令和五年度においては制度を活用する学校が増えて、現時点では百四十校から三万台を超える端末の補助申請、今、この令和五年度は申請があるということでありました。令和五年度においては、さらに補助金を活用する学校が増えていくこと、今申し上げたように確認を打合せのときにさせていただきました。
 なお、タブレット等の端末の一部には、今般の円安であったり物価高であったり、そういった影響も出ているという声も、学校だったり保護者の方からも聞いているところでもあります。
 学校によって整備する端末の種類も様々だと思いますが、私立高校一人一台端末の充実をはじめ、私立学校全体にデジタル教育の環境整備が進むように、都としても引き続きしっかりと取り組んでいただくこと、要望をいたしまして、次の質問に入らせていただきます。
 適度な運動は子供の健全な成長に欠かせないと思います。しかし、ゲーム機やスマートフォンの普及、コロナ禍といった社会環境の変化から、スポーツに親しむ機会は減ってきております。
 オリンピックや国際大会で活躍を目指すアスリートへの支援も本当に大切だと思いますが、競技場やテレビなどで試合を見て、子供たちがすぐにスポーツのできる身近な場所での環境整備も必要だと思っています。感動した、自分もやってみたい、そういった子供たちがすぐにスポーツのできる環境整備、ぜひお願いをしたいと思っております。
 例えば、今申し上げたように、身近にスポーツできる場所がたくさんあれば、継続してスポーツを楽しむことができます。また、スポーツを体験できる地域イベント、こちらも初心者にとってスポーツを始めるいい機会になると思います。市区町村がこうした取組を推し進めることで、子供たちが運動を始め、習慣化することにつながると考えます。
 都は、市区町村が実施するスポーツ振興等の事業を支援しておりますが、令和四年度の実績について伺います。

○齊藤スポーツ担当部長 都は、子供たちをはじめ、誰もが身近な場所でスポーツに親しめるよう、区市町村が実施するスポーツ振興の取組に対し、ハード、ソフトの両面から支援する補助事業を実施しております。
 令和四年度、スポーツの環境を整備する取組としては、公園内のバスケットボールコートやボルダリングウオールの設置、庁舎内の空きスペースへのボッチャコートの設置など、九自治体、十件に対して補助を行いました。
 また、スポーツの実施を促進する取組としては、子供向けの陸上体験教室やアスリートとの交流イベントなど、四十四自治体、百三十二件に対して補助を行いました。

○星委員 公園内のバスケットボールのコートの設置、子供向けの体験教室など、身近な場所でスポーツのできる環境づくりに対しまして支援をしていただいていることが分かりました。
 私も、近隣の公園だとかスポーツ広場だとか、そういったところで、最近バスケットボールをする子供たち、お父さんとかお母さんと一緒にやっている子たちも本当多いんですけど、やっぱりこういったバスケットのワールドカップだとか、あとはアニメで今、バスケもまた有名になってきているというか、本当に実施率が上がっているというところもございますので、今後もしっかり取組をお願いしたいと思います。
 しかし、分科会で提出された一般会計の決算説明書によりますと、令和四年度の補助の執行率が三五・三%となっております。その理由について伺います。

○齊藤スポーツ担当部長 区市町村におけるスポーツ振興の取組に対しては、ハードとソフト両面からの補助事業を実施しており、執行率の内訳は、ハード補助が約二二%、ソフト補助が約五八%でございました。
 令和四年度も、新型コロナウイルス感染症の影響により、区市町村ではコロナ対策が優先され、スポーツ環境のハード整備工事が先送りになった案件などがあると聞いております。
 また、スポーツの実施を促進するソフト面の補助事業についても同様に、コロナ禍におけるスポーツ大会の中止や競技体験イベントの実施規模縮小等の影響があった。今年度に入ってから、区市町村からの補助申請も増加傾向にあり、今後とも区市町村と連携し、スポーツ主管課長会議や個別ヒアリングなど、様々な機会を捉えて、積極的な補助事業の活用を働きかけ、身近な場所でのスポーツ環境の整備や実施機会の確保に取り組んでまいります。

○星委員 令和四年度は依然としてコロナ禍にあり、スポーツをはじめ様々な活動が制限をされておりました。その影響はやむを得ないところだと思います。今年度は回復基調にあり、区市町村を、後押しをぜひしっかりとしていっていただきたいと思います。
 いずれにいたしましても、子供たちの運動機会が減少することは、スポーツに親しむことの心身の発展にも影響を及ぼしかねないということから、体を動かすこと、生活の中に取り入れることは重要であります。
 コロナ禍にあった昨年度、子供たちが運動するよう、都としてどのように取り組んできたのか伺います。

○齊藤スポーツ担当部長 都は、令和四年度、子供同士や家族が身近な地域で外遊び運動等を楽しむきっかけとなるよう、幼少期の身体活動やレクリエーション等の知見を有する有識者にご協力をいただきながら、五種類の動画を制作し配信をいたしました。
 具体的には、未就学児や小学生が屋外で楽しく体を動かすことができる遊びや親子でできる運動、屋内でできる運動をテーマとして、複数の外遊び運動などを紹介いたしました。
 こうした動画の活用を促進するため、区市町村の保育、児童福祉所管部署やスポーツ所管部署などに周知をしたほか、サイネージでの放映やSNSでの発信も積極的に行いました。
 この動画を見た保護者からは、外で遊ぶことは大切だと改めて思った、外遊びのきっかけになるといった声が寄せられました。

○星委員 昨今、スポーツイベントなども、三年ぶり、四年ぶりに開催される事例も多くなってきております。声を出しての応援もできるようになり、スポーツのすばらしさを感じられる環境は戻ってきております。また、来年にはパリ・オリンピック・パラリンピック、そして二〇二五年には、この東京で世界陸上、またデフリンピックもあります。
 公園などでの身近な遊びから健全な成長にもつながりますし、また、その遊びからスポーツクラブに入ろう、そういったところからですね、スポーツクラブに入れば、やっぱりスポーツは礼に始まり礼に終わる、また、仲間と助け合うなどの教育にも大変重要なことだと思っております。
 都民がスポーツをする、見る、支えることができるよう、都自らが取り組むとともに、区市町村の取組もしっかりと後押しをして、子供たちが身近な場所でスポーツに親しめる環境づくりに努めていただきたいと思います。
 次に、芸術文化について質問をいたします。
 芸術文化はスポーツ同様、人々に喜びや感動をもたらすものであり、誰もが芸術文化を身近で楽しめる環境をつくっていくことが必要であります。
 都内では、地域の特色を生かした様々な芸術文化活動が行われております。芸術文化の敷居を低くして、都民が参加しやすい、こうした活動に対する支援は重要であります。
 地域の芸術文化活動に対する助成制度の概要と、令和四年度における実績について伺います。

○蜂谷文化振興部長 令和四年度におきましては、各地域の魅力を向上させ、地域振興に寄与する活動を支援するため、無形民俗文化財を活用した事業や地域の文化資源を活用した事業を対象に、補助率二分の一、五十万円を上限額とする東京地域芸術文化助成を実施いたしました。
 十八団体に対して助成し、交付決定額は八百三十九万五千円でございます。

○星委員 地域の皆さんが大切にしてきた文化資源を未来に向けて継承し、その魅力を発信していくことは重要です。本年度においても、地域の文化活動に対する助成を拡充していただいておりますが、文化活動を担う多くの方々にしっかりと周知をして、活用してもらうよう取り組んでいただきたいと思います。
 この時期、各地で文化祭などの多くのイベントも行われており、芸術文化には、鑑賞、参加するだけでなく、自らが創造する楽しみもあり、絵画や書道などのアート作品を制作する都民も多くおります。こうした都民にとって、作品を公募して展示、表彰する公募展、これは自らの作品を発表する場として、とても重要な機会であります。
 都民が参加する公募展の開催に対する都の支援策と令和四年度における実績について伺います。

○蜂谷文化振興部長 都民が参加する公募展につきましては、審査等を経まして、東京都美術館の公募展示室等を貸出しいたしまして、開催場所の確保を支援しており、令和四年度は二百四十二団体の利用がございました。
 また、東京芸術劇場のギャラリー等についても貸出しを行っており、令和四年度は百三十三団体の利用がございました。
 さらに、条件を満たす公募展につきまして、東京都の後援名義の使用承認や東京都知事賞を贈呈しており、令和四年度において百四十三件の公募展に対して後援名義の使用を承認し、このうち百十九件に対して東京都知事賞を贈呈いたしました。

○星委員 公募展を主催している団体に、私、話を聞いたところ、やっぱり運営基盤が脆弱であります。なので、なかなか開催をしていくのが難しい、そういった声も、私、直接聞いております。今後もぜひさらなる支援の充実をお願いいたしまして、次の質問に入らせていただきます。
 先ほども質問がありましたけれども、私から最後に、町会、自治会支援について伺います。
 新型コロナウイルス感染症が感染症法上の五類に移行する前だった令和四年度は、町会、自治会の関係者は、制約の中、感染防止対策を講じながら地域活動を続けていただきました。
 私の地元町田市でも、町会、自治会が防災訓練を行い、非常用テントの設営や仮設トイレの使用方法を確認するなど、地域の防災力の強化につながっています。
 また、住民が制作した絵画や書、写真などを発表する展覧会などが行われ、住民間の交流にも貢献をされていました。町会、自治会は、このように地域コミュニティの核となる存在であり、この活動を活性化していくことは、豊かな地域社会のために重要なことであります。
 そこで、都の町会、自治会活動の支援事業である地域の底力発展事業助成について伺います。昨年度、地域の底力発展事業助成において、具体的にどのような地域活動に対する支援を行ったのか伺います。

○柏原都民生活部長 令和四年度は、都内の町会、自治会の五百四十四件の事業に対して助成を行っております。
 主な例といたしましては、災害時を想定した避難所において、間仕切りの設置や設備確認などの訓練、あるいは地域の畑での農業体験を通じて、住民同士の交流が図られる事業などが行われました。
 また、新型コロナ感染症対策のため、オンラインを通じた防災訓練会や、コミュニケーションアプリを活用した安否確認訓練なども実施されました。

○星委員 住民にとって身近な場所で交流の機会が設けられることや、災害に備えるための訓練が行われることは、地域住民が安心して暮らしていくには重要なことです。こうした取組を地域で広げていくに当たっては、町会、自治会の住民はもとより、同じように地域で活動されている商店街などの様々な地域団体とも連携を深めていくことが有効であります。
 こうした町会、自治会が地域団体と連携をして行う取組について、地域の底力発展事業助成での支援内容と、令和四年度の支援状況について伺います。

○柏原都民生活部長 地域の底力発展事業助成において、町会、自治会が他の地域団体と連携して実施する取組については、単一町会、自治会での実施よりも助成限度額を増額することとしております。
 令和四年度は、二十九の町会、自治会と地域団体の取組を支援し、地域の外国語学校の協力の下、外国人留学生が参加した盆踊り大会や、地域の地元商店街振興組合の協力を得た防災訓練など、多様な地域活動が行われました。

○星委員 生活文化スポーツ局の担当部署から、今年度、地域の底力発展事業助成は昨年度の一・五倍の申請があり、大変に増えている、また、四年ぶりに夏祭りなどを実施した町会、自治会が多かったとお聞きをいたしました。
 私も地元回りをしておりまして、地域の方々から、久しぶりに住民が集まって盆踊りを踊ったり、おみこしを担ぐことができて本当によかった、地域活動が再開して本当にうれしい、そういった声も聞いております。
 地域住民が元気を取り戻し、生き生きとした地域社会となるよう、東京都は、こうして動き出した町会、自治会をこれからも力強く支援するとともに、町会、自治会への加入促進につきましてもさらに支援をしていただくことを要望いたしまして、私の質問を終わります。

○伊藤委員 それでは、私からも生活文化スポーツ局に対しての決算の質疑をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 私は、都議会に来る前の前職は、品川区立の児童センターの子供の福祉施設の指導員をしておりました。その期間、度々子供たちが思いがけずに事故に遭い、大けがをしてしまうという場面や、あるいはまた家庭内での不慮の事故で子供を亡くされたご家族の悲しみにも出会ってきました。
 私は、都議会議員にさせていただいて、改めて小さな子供たちが傷つく要因を調べてみますと、その当時、我が国において、子供の死因の第一位は、小児がんなどの病を抜いて不慮の事故であって、思ってもみなかった事故で、かけがえのない子供の命が失われていることを知りました。
 そこで、都議会での私の初質問は、子供の目線から子供の事故防止対策の強化を求め、東京都版チャイルドビジョンを提案し、その普及に取り組むことなど、都庁一丸となって子供の事故防止対策の強化に取り組むよう、当時の石原都知事に対応を求めました。
 そして、東京都のマークを入れていただいて、私が議場に立ったときは画用紙で作ったんですけれども、東京都のマークを入れていただいて、もう立派なチャイルドビジョンというものを作成していただきました。(実物を示す)これは、大人が幼児の視野がどれほど狭いのかということを体験する眼鏡でございまして、あるお母さんにこれを紹介したときに、子供にこれをかけさせている人がいましたけれども、そうではなくて大人が体験をする、幼児の視野を体験する眼鏡です。
 六歳ぐらいまでの成長過程の子供でありますけれども、左右、大人はどのぐらい見えているのかというと百五十度見えている。しかし、成長過程の子供は九十度しか見えていない。上下の視野を見てみると、大人は約百二十度見えているのに対して、子供は七十度しか見えていない。視野が狭いことを大人が知っておくことがいかに大事か、それを子育てや、あるいはドライバーの方々、そしてまた行政にしてみれば、そのことを知った上で、例えばまちづくりをしていく、こうしたことが大事なんだということを私は訴えさせていただきました。
 生活文化スポーツ局の東京くらしWEB、見させていただきましたけど、ちゃんとこの東京都版チャイルドビジョンが載っておりまして、感謝します。ありがとうございます。福祉保健局が中心になって作っていただきましたけど、こうやって局が連携していくということは、とても大事なことだというふうに改めて思いました。
 最近の報道では、マンションのベランダなどの建物から子供が転落する事故が相次いでいます。去年の十月には東京で起きました。十一月には千葉県、大阪府、青森県で、今年の春には愛知県と山口県で、さらに今月には富山県で転落事故が発生し、いずれも幼い子供が亡くなっています。特に、ベランダの出入口や窓などの開閉が多くなる春と秋に転落事故が多く発生しています。
 そこで、まず都内において子供の転落事故の発生件数について伺ってまいりたいと思います。

○片岡消費生活部長 東京消防庁管内で、住宅等の窓やベランダから転落して救急搬送された五歳以下の子供は、平成三十年から令和四年までの五年間で七十人となっており、そのうち令和四年については、速報値で二十二人となっています。

○伊藤委員 転落事故による子供の救急搬送は、都内だけで五年間で七十人、大変な結果であります。しかも、そのうちの三割以上が昨年に発生をしております。
 こうした転落などの不慮の事故が起こると、ほとんどが、親がちゃんと見ていなかったから、こういう人がおりますけれども、子供の事故防止対策は社会全体で取り組み、その事故がなぜ起きたのかを研究、そして分析をして、同じ事故を二度と繰り返さないためにはどうすればいいのか、対策を講じることが重要であると私は思います。
 そこで、子供の転落事故防止に向けて、都としてどのような取組を行ってきたのか伺いたいと思います。

○片岡消費生活部長 昨年度は、四月、十一月及び三月に、ホームページ、東京くらしWEBやSNSにおきまして注意喚起を行いました。
 また、特に昨年の秋、各地でベランダ等からの転落事故が相次いだことから、各局と連携しまして、十一月下旬より、都内幼稚園、保育所等にリーフレットを配布するとともに、十二月に注意喚起の動画を作成し、東京動画等におきまして周知を図りました。
 今年度も、事故が多くなる時期に合わせて、本動画をテレビCMやデジタルサイネージで展開するなど、注意喚起を行っております。

○伊藤委員 私もその動画を視聴いたしましたけれども、短く端的に注意喚起を行っている内容でありました。ちょうど今この十月、十一月、先ほど申し上げたとおり、秋と春に窓等から、あるいはベランダ等から転落をする事故が起きていますので、この注意喚起、この秋にしっかりと取り組んでいただきたい、このように思います。
 大事なことは、そこから対策を実行するかどうかであります。子育て世帯がお互いに安全対策の実践を行ったかどうか、声をかけ合ったり、あるいはまた保育園や幼稚園、保健所からも繰り返し呼びかけをするなど、社会全体で意識を高め合っていくことが大事であると思います。
 都は、リーフレットの配布やSNSで注意喚起を行う上で、他局とも連携を取っていくなど、引き続き取組をしっかりとお願いをしたいと思います。
 ところで、都は、東京都商品等安全対策協議会において、毎年テーマを決めて検討を行っておりますけれども、昨年度のテーマは、こどもの安全のためのプラットフォームでありました。
 このプラットフォームは、Safe Kidsという名称で、本年二月に運用が開始されたものでありますけれども、その内容について伺いたいと思います。

○片岡消費生活部長 Safe Kidsは、製品等による子供の事故を減らすために、消費者と事業者、行政とをつなぐプラットフォームでございます。
 消費者が製品の安全性に関する情報を気軽に投稿し、事業者がその情報を生かすなどの交流が生まれることを狙いとしております。行政からの適時な注意喚起情報の発信のほか、例えば、事業者からは、ベランダに置く室外機のカバーの試作品についての投稿があったり、消費者がだっこひもの安全な使い方を相談し、事業者が回答するという双方向の投稿などが行われております。
 都と民間団体が協働して構築し、運用は民間団体が行い、都はその運用を支援してございます。

○伊藤委員 Safe Kidsという名前で、以前、生活文化スポーツ局は、たしか冊子を出していたと思います。それはもう一応配布終わっちゃったので、今、作っていないみたいなことを書いてありましたけれども、それも、冊子で出していくことも非常に重要だなと思いますけれども、今伺ったSafe Kidsというのは、情報の交流をする、そうしたプラットフォームだということでありました。
 情報の交流促進のためには、より多くの消費者や事業者等にSafe Kidsに参加してもらうことが重要だというふうに思います。
 今答弁にあった、ベランダにあるクーラーの室外機のカバーの試作品という話がありましたけど、これもちょっとネットで見てみましたら、子供が容易にその室外機の上に登れないように斜めになっていて、上の方がちょっととんがっていて、これは登れないだろうなというようなものがありましたけれども、そうした事業者のアイデア等も、このプラットフォームの中でしっかり紹介し合ったりとかしていくことも大事だというふうに思います。
 今後は、Safe Kidsのネットワークをいかに拡大をしていくか、これが重要だと思います。こうしたネットワークの拡大に向けて、都としてSafe KidsのPRをどのように行っているのか伺いたいと思います。

○片岡消費生活部長 運用開始時には、都のSNS等による広報や事業者向け説明会での説明などを行いました。
 今年度も引き続き事業者への説明を行うほか、消費者に対して、イベント等でのPRや、福祉局の東京都出産・子育て応援事業と連携して周知を行うなど、Safe Kidsのさらなる認知度向上を図っております。

○伊藤委員 本日は、子供の事故の中でも転落事故を取り上げて質問をさせていただきましたけれども、思ってもみなかった、まさかの事故が不慮の事故であります。この不慮の事故を減らしていく、事故を防止していくためにも、生活文化スポーツ局は他局ともしっかりと連携を図りながら、さらに取組を強化していただきたい、このように要望させていただきます。
 次に、多文化共生について伺いたいと思います。
 世界的なパンデミックを引き起こした新型コロナが落ち着きを見せ、全国の観光地や都内各所においても、外国の方を見かけることが多くなりました。
 私の地元品川区でも、外国人の方を目にすることが多くなってきましたけれども、特に最近はそう実感をしております。その中には、品川区内に定住している人も多く、今年一月の時点では約一万四千人の外国人が品川区内に暮らしており、その数は今も着実に増えております。
 今後は、これまで以上に、日本人と外国人が互いに安心して一緒に生活していけるよう、多文化共生に向けた取組が重要になっていくと考えます。
 そこで、まず最初に、東京全体では外国人の方はどれぐらい暮らしているのか伺いたいと思います。

○山崎都民活躍支援担当部長 令和五年一月一日現在、都内には約百八十の国籍、地域の外国人が約五十八万一千人在住しております。

○伊藤委員 都内には、答弁あったとおり、約百八十の国籍、地域の外国人の方が五十八万一千人在住しているということでございました。改めて聞くと、すごい数なんだな、このように実感をしたところであります。
 私のところには、都営住宅にお住まいの日本人の住人の方と外国人の住人との間で、生活習慣の違いや日本語によるコミュニケーションが成り立たないことなどによって、ごみ出しや騒音などでトラブルになっているという相談がしばしば寄せられております。こうしたトラブルを回避し、在住外国人を地域から孤立させないためには、身近な区市町村による支援が大事であります。
 一方で、広域自治体としての都は、それらの区市町村を支援する役割があると思いますけれども、都の取組について伺いたいと思います。

○山崎都民活躍支援担当部長 災害時に、外国人に早く正確に情報を伝えるために考えられたやさしい日本語は、コミュニケーション手段としても有用でございまして、在住外国人の孤立を防ぐ取組としても重要であります。
 そのため、都は、つながり創生財団と連携いたしまして、区市町村や国際交流協会をはじめ、医療、福祉、教育機関等に対し、やさしい日本語の研修やイベントの実施、活用事例の提供など、広く活用促進に取り組んでおります。

○伊藤委員 やさしい日本語というお話でございました。外国人の方にとってみれば、日本語って本当に難しいんだろうなというふうに思います。同じ意味かもしれないけど、いい方が違ったりとか、敬語があったりとか、いろいろとあるので、このやさしい日本語、ぜひとも普及をさせていただきながら、必要なところがしっかり活用できるようにしていただきたい、このように思います。
 東京に住む外国人の方が、地域の一員として安心して暮らすためには、生活に必要な日本語を学習する環境も必要であります。地域における日本語教育の体制整備を推進することは、地域社会にとっても、コミュニティの活性化や共生社会の実現において大変に重要であります。
 都は昨年度、有識者による会議を立ち上げ、地域日本語教育に関する検討を進めております。そこで都は、地域日本語を担う区市町村を積極的にサポートしていくべきと考えますけれども、どのように取り組んでいるのか伺いたいと思います。

○山崎都民活躍支援担当部長 都は昨年八月に、日本語教育の関係者や外部有識者で構成する調整会議を立ち上げ、本年三月、「東京における「地域日本語教育の体制づくり」のあり方」を取りまとめました。
 このあり方では、東京における地域日本語教育の目標や目指すべきレベルを定めるとともに、体制づくりにおきまして、初期の日本語教育の保障と外国人が地域社会とつながりを持つことの重要性についても明記しております。
 本あり方を踏まえまして、区市町村が主体的に体制づくりに取り組めますよう、都は財政支援を行うとともに、つながり創生財団による研修会の実施や好事例の提供、アドバイスなどのサポートを行っております。

○伊藤委員 先ほども申し上げましたけれども、地域で暮らす外国人にとって、生活習慣の違いや日本語によるコミュニケーションが成り立たないことから、近隣住民とのトラブルになることや、時には、法的知識がないことによって不利益な扱いを受ける場合もあると聞いております。
 特に、外国人からの法律相談については、区市町村が対応することは、ノウハウや体制の問題において難しいものがあり、都もより主体的に関わっていくべきと考えますけれども、見解を伺いたいと思います。

○山崎都民活躍支援担当部長 都は、外国人からの専門的な相談について対応するため、令和三年度からは弁護士会と連携しました法律相談を、令和四年度からは東京出入国在留管理局と連携いたしました在留相談を、つながり創生財団において開始しております。
 この専門相談におきましては、外国人本人からの相談に加えまして、区市町村や国際交流協会などからの相談にも対応しており、昨年度は五十五件の相談を受けております。
 引き続き、区市町村をはじめ様々な機関への周知を図り、より多くの相談に対応してまいります。

○伊藤委員 法的な相談にもお応えをしていくという体制をつくっていただいているということでございました。外国からお見えになった方々については、本当に安心の部分じゃないかというふうに思います。
 今後は、ますますグローバル化が進み、在住外国人の方も増えていくというふうに思います。都はこれまで以上に、多文化、外国人と都民、国民の共生に向けて取組を推進していただきたい、このように要望させていただきます。
 次に、芸術文化振興について伺います。
 新型コロナウイルス感染症は、飲食業や宿泊業、観光業、運輸業など、あらゆる業種に影響を与えた一方で、芸術文化の分野にも大きな影響と、そして打撃を与えました。
 緊急事態宣言の発出などによって、公演の中止や延期、自粛など、活動が制約され、アーティストをはじめスタッフなど、芸術文化に関わる方々は極めて厳しい状況に置かれました。
 既に決まっていた仕事が減少したり、中止となったりすることで、芸術文化活動を継続していくかどうか、もうその道では生計を維持していけなくなるんじゃないかの、こうした判断を迫られた人たちも多くいたと聞いております。
 私の友人も、これまで活発に、日本の伝統文化である和太鼓の演奏会を全国や海外でも開催をしたり、あるいは地域においては、太鼓を通してコミュニティづくり、太鼓教室では青少年の健全育成に取り組んできましたけれども、全ての活動が止まってしまいました。また、ステージイベントを企画運営する会社を立ち上げたばかりの友人は、いきなり全部が中止になってしまい、途方に暮れておりました。
 こうした芸術文化に関わる方々が都内にはたくさんいたことと思いますけれども、コロナ禍において、都は芸術文化活動を支援するためにどのように取り組んだのか、実績について伺いたいと思います。

○蜂谷文化振興部長 コロナ禍においても文化の灯を絶やさないため、アーティストや団体を支援するアートにエールを!東京プロジェクトを令和二年度及び三年度に実施するとともに、令和三年度からは、若手アーティスト等を支援することを目的として、スタートアップ助成を開始いたしました。
 令和四年度におきましては、より多くの新進の芸術家や芸術団体等のアフターコロナにおける新たなチャレンジを支援するため、スタートアップ助成の拡大を図り、百五十七件に対し助成を実施、交付決定額は九千七百五十四万九千円となっております。

○伊藤委員 全国に先駆けて実施をしたアートにエールを!東京プロジェクトは、活動を自粛せざるを得ないアーティストたちが作成した作品をウェブ上に掲載、発信する機会を設けることによって、アーティスト等の活動を支援するといった画期的な取組であったというふうに私は思います。
 この事業の実績と成果について、改めて伺いたいと思います。

○蜂谷文化振興部長 アートにエールを!東京プロジェクトでは、制作を支えるスタッフも対象として、アーティストの持続的な活動を支援いたしました。
 令和二年度から三年度までの二年間で、一人当たり十万円を支援する個人型では二万八百八十五人、一件当たり二百万円を支援するステージ型では六百件を採択いたしました。
 このプロジェクトでは、動画作品をウェブ上に掲載し、発信する新たな鑑賞方法を取り入れましたので、テクノロジーを活用した新たな芸術文化の楽しみ方の一つとなりました。

○伊藤委員 アートにエールを!東京プロジェクトは、アーティスト側への支援だけではなくて、外出、外に出ることを制限された都民が、在宅で家に居ながら芸術文化に触れられる機会を創出したという側面もあったというふうに思います。つまり、コロナ禍の経験は、オンライン鑑賞など、デジタルテクノロジーの活用による新たな芸術文化の楽しみ方をもたらしたというふうに思います。
 デジタルの活用は、現在、大規模改修によって休館中である江戸東京博物館の取組としても大いに期待しているところであります。
 休館中の江戸東京博物館が行っているデジタルを活用した取組内容について伺いたいと思います。

○松下デジタル推進担当部長 休館中の江戸東京博物館では、バーチャルミュージアムと題しまして、収蔵品を活用したゲームアプリ、ハイパー江戸博の制作や、ユーチューブチャンネルによる常設展示の解説動画の配信など、デジタルを活用した取組を行っております。

○伊藤委員 私は実は、今のお話のあったハイパー江戸博、バーチャルを使ったこのアプリについては、全然知りませんでしたけれども、ハイパー江戸博、これを開設していることを、偶然聞いていたFMラジオで知りました。
 パーソナリティーの方が、このアプリ、江戸時代の暮らしや江戸から現代の東京への発展の様子を遊びながら楽しみながら、すごく勉強になるって叫んでおりました。そして紹介をしてくれていました。それをきっかけに、私も早速、ハイパー江戸博をダウンロードしてみましたけれども、なかなか楽しいゲームアプリでありました。
 そこで伺いますけれども、ハイパー江戸博の内容と実績について伺いたいと思います。

○松下デジタル推進担当部長 ハイパー江戸博は、江戸東京博物館の学芸員とゲームクリエーターが協働で開発をいたしました、国内博物館では初となる学習ゲームアプリでございます。江戸東京の暮らしや文化、歴史を楽しみながら学ぶことができるものとなっております。
 令和四年度決算額は、制作経費として一千四百万余円となっております。
 令和五年九月末現在の利用実績といたしましては、第一弾の江戸両国編と第二弾の明治銀座編を合わせまして十五万ダウンロードを超え、三十以上の国々から利用されております。

○伊藤委員 ハイパー江戸博は、ゲームとしての面白さや映像の美しさだけでなくて、博物館の収蔵品について、学芸員の方の丁寧な解説があるなど、子供から大人までが楽しめる文化コンテンツだと思います。今答弁にあったとおり、十五万ダウンロードを超えたということで、大変すばらしいと思います。さらに、海外での利用もあるということで、外国に居ながら日本の江戸東京を楽しむことができるのは、画期的であるというふうに思います。
 ぜひ、本分科会の皆様もダウンロードして楽しんでいただければな、このように思います。局長はもう当然入れていることだろうと思いますけれども、せっかくのよいコンテンツでありますので、より多くの人にこのアプリを知ってもらうため、積極的な周知、広報が重要であると考えます。
 ハイパー江戸博の広報について、取組状況を伺いたいと思います。

○松下デジタル推進担当部長 第一弾の江戸両国編と第二弾の明治銀座編で制作発表会を実施いたしまして、文化系メディアだけではなく、ゲーム系メディアにも取り上げられるなど、幅広い分野から関心が寄せられました。
 また、都内小中高校に周知するとともに、都庁展望室や都内観光案内所などでのチラシ配布、伝統芸能事業のイベントの機会を捉えた周知などを行ったところでございます。
 多くの方に楽しんでいただけますよう、引き続き広報に努めてまいります。

○伊藤委員 とても楽しいアプリでありますので、都営地下鉄の車内モニターとか、あるいはまた、新宿駅からの動く歩道に沿ったデジタルサイネージなどでもPRするなど、引き続きしっかりと広報していただきたいと要望いたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。

○清水委員 最初に、資料の提出、ありがとうございました。
 さて、読むこと、話すこと、聞くことは、生活の土台をなす力です。都内で暮らす様々な国の方々がこうした力を身につけられるよう環境を整備することは、多文化共生社会の実現に欠かせません。
 東京都は、多文化共生社会の実現に向けて取組を推進するため、二〇一六年に東京都多文化共生推進指針を作成し、二〇二〇年には、指針で掲げた目標を推進するために、一般財団法人東京都つながり創生財団を設立し、財団と連携しながら様々な取組を進めてきました。
 また、二〇二二年には、文化審議会国語分科会の地域における日本語教育の在り方について、この報告書が出され、地域の日本語教育において目指すべき日本語レベルも示されました。こうした流れの中での都の地域日本語教育などの取組について伺ってまいります。
 最初に、都内在住の外国人の状況について、この五年間の推移、伺います。

○山崎都民活躍支援担当部長 平成三十一年一月一日現在約五十五万二千人、令和二年一月一日現在約五十七万七千人、令和三年一月一日現在約五十四万六千人、令和四年一月一日現在約五十一万八千人、令和五年一月一日現在約五十八万一千人でございます。

○清水委員 ありがとうございました。
 コロナ以前の令和二年には五十七万七千人まで、ずっと増加傾向で来たんですが、一旦コロナで減少し、そして今年一月一日現在では五十八万一千人、前よりも増えるというふうなことになって、今現在は、都内の人口のおよそ二十五人に一人、これが外国人ということになっています。
 次に、地域日本語教育の重要性、課題についての東京都の認識、昨年度の取組についてお伺いします。

○山崎都民活躍支援担当部長 地域日本語教育の体制づくりを推進する必要があるため、調整会議を立ち上げまして、「東京における「地域日本語教育の体制づくり」のあり方」を取りまとめております。

○清水委員 今、答弁にありました都のあり方報告書、ここには、地域において日本語を学習する環境を整えることは、外国にルーツを持つ人々が日本語能力を身に付け、地域住民とコミュニケーションを取ることや、地域で円滑に日常生活を送ることを可能にするだけでなく、地域社会にとってもコミュニティの活性化や、共生社会の存続を可能とするものと考えられる。よって、希望する方に、日本語学習の機会を提供できるよう、地域における日本語教育の体制整備を推進することは、多文化共生社会の実現に欠かせないというふうにあります。
 つまり、外国の方にとっても、日本の地域にとっても、大事だということだというふうに思います。地域における日本語教育の体制整備、これが多文化共生社会の実現に欠かせない、重要であるということだというふうに思います。
 次に、日本語教室のある区市町村の数、割合、また、ない自治体の数、割合についてお伺いします。

○山崎都民活躍支援担当部長 都とつながり創生財団が調べたところによりますと、日本語教室があります区市町村数は四十九自治体で約七九%、日本語教室がない区市町村は十三自治体で約二一%となっております。

○清水委員 日本語教育の体制整備、これは、多文化共生社会の実現に欠かせない重要なものなんだけれども、都内の自治体を見ると、約八割の自治体には日本語教室はありますと。ところが、二割の自治体にはそれがないというふうな実態が明らかになりました。日本語教室がない自治体をやっぱり解決していく、未設置の自治体で日本語教室の整備、これを進めていくために必要な支援を求めておきます。
 都は、地域日本語教育を推進する上で、目指す方向性の第一に日本語学習機会の確保を挙げています。子供から大人まで希望する外国人に対し、日本語学習機会を提供できる環境を整備することで、外国人が地域で安心して暮らせる社会を実現するとしています。
 日本共産党都議団の聞き取り調査の中で、外国人の子供が苦労している、授業には通訳はつくんだけれども、自宅学習や子供の生活などへのフォローはし切れていない、こういう声がありました。
 また、日本語教室を設置していない自治体からは、小さい子供とコミュニケーションがなかなか取れない、小中学生が通う際に保護者の方に負担をかけることになる、こうした理由から子供向けの教室を開催していない、こういう実態も浮かび上がってまいりました。
 都は、子供の日本語学習機会を提供できる環境整備をする上で、どのようなことが重要であると考えていますか。また、課題は何でしょうか。都の認識をお伺いします。

○山崎都民活躍支援担当部長 昨年度まとめましたあり方におきまして、地域日本語教育の目標や目指すべきレベルを定めるとともに、体制づくりにおきましては、初期の日本語教育の保障と、外国人が地域社会とつながりを持つことが重要であるとしております。

○清水委員 一般的なことではなくて、子供の場合にはどういうことが問題なのかということをお伺いしたんですけれども、言語は情報伝達に欠かせない能力です。この能力が十分でなければ、たとえ理解力があっても、理解力に問題がなくても、必要な知識を身につけることができないんです。そうすると発達段階に応じた教育が提供できない、そのことは、その子供の一生に大きな影響を与えかねません。
 子供の日本語教育には、こうした特別の重要性があります。ですから、学校での授業には通訳などの支援がついています。しかし、子供の発達を支えるためには、学校内だけではフォローし切れない、これが現場の声です。自宅での学習や子供たち同士の遊びまで、学校外の生活の中での活動を支えることが求められています。
 さらに、子供だけでは遠くの教室までは通えません。身近な地域に子供向けの日本語教室を整備していく、このことが必要だというふうに思います。
 こうした子供の特性、課題、これを把握して、それに沿った整備が都内どの地域でも、さっき二割は進んでいないというふうにありましたが、それに沿った整備が都内どこでも進んでいくようにする、これが東京都の役割であるというふうに考えるんですが、再度認識をお伺いします。

○山崎都民活躍支援担当部長 昨年度取りまとめましたあり方におきまして、地域日本語教育の目標や目指すべきレベルを定めるとともに、体制づくりにおきましては、初期日本語教育の保障、外国人が地域社会とのつながりを持つことが重要であるとしております。

○清水委員 先ほどと同じご答弁なんですが、ぜひ子供の特性、そして子供の時期に何で日本語教育をきちっとしなければいけないのか、そのためにはどういう体制支援、これが求められているのか、ぜひしっかりと把握をしていただいて、それに沿った東京都の支援をお願いしたいと思います。
 次の質問に移ります。
 大人向けの日本語教室について、有料、無料の教室の数、割合についてお伺いします。

○山崎都民活躍支援担当部長 令和二年度の調査結果におきまして、日本語教室のうち、回答のありました百二十一教室では、学習者からの会費を財源とする教室は六十二ございました。

○清水委員 日本語教室の約半数は有料だということでした。
 都の実態調査によりますと、学習者やボランティアからの会費は月額で数百円程度、また年会費二千円前後が多い、こういう結果が報告されています。また、日本語教室の費用の財源は学習者からの会費、こういう回答が最も多くて、次いで補助金、助成金、ボランティアからの会費、こうなっています。
 さらに、都の実態調査では、東京都の在留資格別の外国人で一番多いのは、技術、人文知識、国際業務といった高度人材ですが、技能実習も一定の割合に存在しています。
 近年、技能実習などで働く外国人が、人手不足の分野の劣悪な労働条件で働かされ、深刻な人権侵害も起きている実態が明らかになっています。
 本来、労働者への日本語教育は、一義的には受入れ企業が負うべきものですが、企業が必要な支援を行わず、就職や解雇、住まいをはじめとした生活面で必要とされる日本語教育を十分に受けられない方々がおられます。低賃金で働くこうした方々、またそのご家族にとって、会費の負担、これは重いのではないでしょうか。
 そこで伺いますが、多くの日本語教室がボランティアによって運営されていて、収入が少なく生活が厳しい方々の利用料を無料にし、必要な日本語教育を受けられるようにするためには、ボランティアにお願いするというよりは、むしろ財政的な支援が必要であると考えますが、いかがですか。

○山崎都民活躍支援担当部長 昨年度取りまとめましたあり方を踏まえまして、区市町村が主体的に体制づくりに取り組めるよう、都は財政支援などを行っております。

○清水委員 ボランティアが担っている日本語教室では、参加者からの会費を財源としなければ運営ができない状況になっています。これは、都や区市町村の支援の不十分さの表れではないでしょうか。生活困窮者への減免制度、こういうものを行うためには、さらなる都や区市町村の財政支援が必要です。ぜひ支援の強化を求めます。
 次に、都内の日本語教室がどういう方々で担われているのか、組織形態別の内訳についてお伺いします。

○山崎都民活躍支援担当部長 令和二年度の調査結果によりますと、回答のありました百二十一教室のうち、約七割が市民ボランティア団体など、約一割が国際交流協会でございました。

○清水委員 約七割が市民のボランティア団体で支えられている、こういうことでした。
 都の実態調査によりますと、地域における日本語教育に関わるボランティアに関する現状や課題について、区市町村や関係者からどのような意見が出されていますでしょうか。お伺いします。

○山崎都民活躍支援担当部長 令和二年度の調査結果によりますと、区市町村や国際交流協会から、ボランティア不足、地域日本語教育の担い手確保、育成支援などの意見がございました。

○清水委員 都の実態調査の結果を見ると、区市町村では、ボランティア不足と回答した自治体は三十二自治体、教室の会場確保、こう回答したのは十六自治体に上っています。国際交流協会に対する調査では、ボランティアの不足という回答が十五団体、教室の会場確保、これが十一団体でした。地域日本語教室では、ボランティアの高齢化、これを答えたのが七十二教室、ボランティアの体制と答えたのが四十五教室など、担い手の確保、また会場確保、こうした課題が共通して挙げられています。
 そこで伺いますが、多くの日本語教室がボランティアの不足に苦労していますが、都としてボランティアの募集、また養成に対して、財政的、技術的支援を強化することが必要と考えますが、都の認識と対応をお伺いします。

○山崎都民活躍支援担当部長 つながり創生財団におきまして、国際交流協会や支援団体等の紹介に加えまして、一昨年度からは東京日本語教室サイトを運営しておりまして、これらを通じてボランティア募集などを支援してございます。

○清水委員 都の実態調査によりますと、日本語教室のボランティアの年代、一番多いのは六十代で約七割を占めています。次に五十代。四十代以下は、若い世代は二割に満たないなど、若い世代のボランティアの確保、育成が喫緊の課題であることが分かる、こう述べられているんです。
 さらに、区市町村からは、指導ボランティア養成のための費用に財政的な支援や講師を紹介してほしい、こういう声も具体的に寄せられています。
 さらに、区市町村からは、ボランティアに頼る日本語教室運営は、担い手の高齢化や不足により、いずれ立ち行かなくなると考える、こう警鐘が鳴らされている、そういう回答が寄せられているんです。
 実は、都の地域日本語教育体制づくりのあり方、この中にも、東京都における地域日本語教育の現状と問題点として、日本語教室の安定した運営が困難であること、教室を運営するボランティアの高齢化が進行しており、日本語教室の人材確保が困難であること、ボランティアのレベルアップの機会が不十分であること、こういうことがしっかりと記されているんですね。
 先ほど答弁にあった東京日本語教室サイトを通じたボランティア募集、こうした支援は大変大事なことです。しかし、これまでの延長線上の支援では、都が認識をしている日本語教室の人材確保の困難、これは解消できるんでしょうか。
 今までのボランティアに依存した在り方を見直して、さらなる支援、強化が必要であると思うのですけれども、そういう認識を東京都はお持ちなんでしょうか。再度お伺いします。

○山崎都民活躍支援担当部長 昨年度取りまとめましたあり方を踏まえまして、区市町村が主体的に体制づくりに取り組めるよう、都は財政支援などを行っております。

○清水委員 先ほども紹介しましたけど、区市町村からは、やっぱりそういうボランティアを育成するときのためには、指導ボランティアの養成、さらには財政的な支援、講師も紹介してほしい、こういう具体的な要請が来ています。
 区市町村を通じて財政的な支援をする、それだけではなかなか厳しい面もあるというふうに思いますし、今までそうした取組は、やられてきていないわけではなくて、やられてきているわけですよね。そういうことを積み重ねても、今、ボランティアが高齢化していて、その次の世代が育っていない。その背景には、例えば、年金が少な過ぎて年を取っても働き続ける、こういう高齢者が多くなっている、こういうことも指摘をされているんです。
 そういう中で、本当にボランティアに担ってもらおうと思ったら、かなり力を入れて養成をしなければいけないというふうに思うんです。そうでなければ、いずれ立ち行かなくなるという区市町村の方からの指摘どおりになってしまいかねません。今、何とか手を打って養成をするということが必要だというふうに思うんです。
 しかし、これまでの答弁は、ずっと今までの延長線上、こういう域を出ないんじゃないですか。これを超える、そういう意識が、認識が必要だというふうに思うんですけれども、申し訳ありませんが、もう一度答弁をお願いします。

○山崎都民活躍支援担当部長 都は、地域日本語教育の体制づくりを推進する必要があるため、昨年度、調整会議を立ち上げまして、「東京における「地域日本語教育の体制づくり」のあり方」を取りまとめました。このあり方を踏まえまして、区市町村が主体的に体制づくりに取り組めるよう、都は財政支援などを行っているところでございます。

○清水委員 ボランティアの募集、養成に対する支援の抜本的な強化、これを重ねて要望して、次の質問に移ります。
 都の実態調査には、定期的に開催する日本語教室を確保することが困難であるとの意見が多数寄せられています。
 都施設の提供、会場使用料に対する財政的な支援、これが必要と考えますが、都の認識をお伺いします。

○山崎都民活躍支援担当部長 日本語教室につきましては、区市町村などの各主体において地域の実情に応じて実施しておりまして、都は区市町村に対して助言などの支援を行っているところでございます。

○清水委員 会場確保について、都の実態調査では、地域日本語教室から、会場確保に関わる抽せん申込み手続が負担であって、定期的な会場確保が難しいという声、会場の費用がかさみ、教室の予算では賄えないため、教材などをボランティアが自己負担している、こういった切実な声が寄せられています。こういう状況を続けていたら、やっぱり日本語教室、存続できなくなってしまうのではないでしょうか。
 そういう中で、区市町村の中には、公共施設の使用料の減免をしたり、使用の優先枠を設定する、こうした支援を行っています。しかし、都の公共施設ではそういうことをされていますでしょうか。
 都としては区市町村に対して助言をしている、こういうことですが、助言だけではなくて、東京都の都有施設、例えば駅に近いとか交通の便のいいところ、こういうところにある都有施設の使用料の減免、優先的な使用、こういう支援を行っていただくことを重ねて求めたいと思います。
 最後の質問です。
 東京都つながり創生財団が二〇二二年に行った、やさしい日本語を活用した在住外国人への情報伝達に関する調査では、役所、病院の会話、通知が分かりづらい、こういう状況が報告されており、都の実態調査でも同様の声が寄せられています。
 都が財団と連携して推進している、やさしい日本語、地域日本語教育と両輪で進めていく、このことの重要性、また昨年度の取組についてお伺いします。

○山崎都民活躍支援担当部長 昨年度取りまとめましたあり方におきまして、初期日本語教育の保障に加え、外国人が地域とつながることが重要であるといたしまして、やさしい日本語と両輪で進めていくこととしております。
 昨年度のやさしい日本語の取組につきましては、つながり創生財団と連携いたしまして、区市町村や国際交流協会をはじめ、医療や福祉、教育機関などに対する研修、イベントの実施、活用事例や好事例の提供など、広く活用促進に取り組んでおります。

○清水委員 財団の調査では、どんなときに日本語の言葉が難しいと思いますかという問いに、一番多かったのは携帯電話の契約書、次が役所で書く申請書、そして次いで病院でもらう紙、問診票、役所のウェブサイト、こうしたものが挙げられています。
 都の実態調査でも、区市町村から、制度や手続が煩雑なことにより説明がうまく伝わらない、通訳ツールを活用しても時間を要する、こういった声が寄せられています。役所や病院という公的な性格を持つ機関で、外国人も役所や病院の方も、双方が情報伝達に困難を感じている、こういう状況は生活や命に関わる問題です。
 今、都が関係団体と連携して取り組んでいる施策の効果、課題、これを分析して、取組を強化していただいて、早期に解消していただくよう求めます。
 最後に、多文化共生社会の東京の実現に向けて、引き続き都の取組を進めていただくことを求めて、私の質問を終わります。

○阿部委員 都議会立憲民主党の阿部祐美子です。よろしくお願いいたします。
 まず、本日の決算に当たって、この決算説明書なんですけれども、特に生活文化スポーツ局のものは、全体に項目がまとめられた数字で出てきいる傾向が強いなというふうに感じております。これでは事業ごとの予算と支出、執行率が読み取れず、予算書や事務事業概要との突き合わせも困難で、効率的に資料を読むことができません。より説明が充実した説明書となるよう、次年度に向けて工夫をしていただければと思います。これはお願いします。
 質問ですけれども、まず、ウクライナ避難民への支援についてお伺いをしたいと思います。
 東京都はこれまで、ウクライナ避難民への支援を積極的に行ってきました。昨年度までの避難民の都内の受入れ人数と、現在の都内在住の避難民の人数をお伺いいたします。

○山崎都民活躍支援担当部長 出入国在留管理庁によりますと、令和四年六月五日現在では百八十名、令和五年十月十八日現在、五百八十七名の避難民が在住してございます。

○阿部委員 四年度の受入れ人数で、六月の数字ということで、ちょっとこれは驚きなんですけれども、ただ、受入れあるいは転居、帰国等々、いろいろと動きもあってのことであると理解をいたします。いずれにせよ、現在は五百八十七人の方が都内にお住まいとのことです。
 都は、これは令和三年度ですかね、つながり創生財団にウクライナ避難民ワンストップ相談窓口を開設いたしました。
 開設の経緯をはじめ、運営の概要と体制、また相談件数と相談の主な内容、さらに、時間がたつにつれて相談にも変化があったのではないかと思いますが、その傾向についてお伺いしたいと思います。

○山崎都民活躍支援担当部長 言語や文化の異なる東京で、避難民が安心して暮らせるよう、生活上の困り事や不安を丁寧に聞き取り、適切な支援につなげるため、ワンストップ相談窓口を開設いたしました。
 相談窓口は、ウクライナ語を含む四言語で、平日十時から十六時までの間、電話にて対応してございます。
 避難民受入れ当初は、当面の生活に関する相談が多かったんですけれども、避難の長期化に伴い、住宅の住み替えや在留資格に関する相談などが増加してきております。
 令和四年度の相談件数は千四百三十二件でございました。

○阿部委員 私も以前、ウクライナの隣国のポーランドで働いていた経験から、そうしたつながりもあって、地元品川でも、ウクライナ関係のイベントあるいは講演会を開いたり、ささやかながら相談に応じたりということで関わってまいりました。
 時間がたつにつれ、就学や就労に関するものが増えてきたと私も実感をしております。特に、義務教育年限を過ぎた高校生年代の子供たちの学習の空白、これが今大きな課題であると感じております。ぜひこれは局を超えて取り組んでいただきたいと思います。
 そんな中で、昨年の七月にはポプートヌィク・トーキョー、これが開設をされました。立ち上げの経緯と体制、そして内容についてお伺いをいたします。

○山崎都民活躍支援担当部長 国、区市などの支援が十分に伝わっていないケースや、避難民のニーズを把握し切れていないケースが見受けられました。
 そのため、都は、つながり創生財団や日本YMCA同盟との協定によりまして、ポプートヌィク・トーキョーを立ち上げました。
 避難民が地域で自立して安定した日常生活を送れるようにするため、避難民の生活上の困り事やニーズをきめ細かく聞き取り、国や区市、国際交流協会などが行う支援策につなげております。

○阿部委員 それでは、こうしたポプートヌィク・トーキョーの活動なども報告されたウクライナの避難民支援連携フォーラム、こちらの方の開催実績、こちらを教えてください。また、支援から得られた学びや現状の課題などについてもお願いをいたします。

○山崎都民活躍支援担当部長 昨年度、ウクライナ避難民支援連携フォーラム、三回ほど実施いたしました。
 区市や支援団体など、様々な立場の参加者から、避難民支援の経験やノウハウなどの共有を図ることができ、支援団体などの横のつながりを持つこともできました。
 また、避難の長期化に伴い、生活支援だけでなく、生活の質の向上を求める声も増えてきており、交流事業などの取組を実施しております。

○阿部委員 様々に丁寧な対応をしていただいて、ありがたいなというふうに感じております。
 このウクライナ避難民の受入れには様々な苦労も伴ったと思いますけれども、ただ一方で、これによって、国や自治体の担当部署あるいは国際交流協会、そして民間団体などとのつながりが強まったり、あるいは様々な支援ノウハウも得られたことと思います。この蓄積を一過性のものとせずに、今後のウクライナに限らない共生社会の構築にぜひ生かしていただきたいと思います。
 さて、先ほどからやさしい日本語に関する質疑が続いておりますけれども、共生社会の構築のツールの一つとして、やさしい日本語の普及は重要だと私も考えております。多様な母語を持つ外国人だけではなくて、読字障害や失語症、知的障害など、各種障害を持った方への情報伝達手段としても、このやさしい日本語は優れていると感じております。
 やさしい日本語の取組と都政全般への広がりについて、改めてお伺いをいたします。

○山崎都民活躍支援担当部長 都は、つながり創生財団と連携しまして、庁内外の様々な機関への研修を実施するとともに、動画や好事例の発信など、主体的な活用を促進するための普及啓発を実施しております。
 これによりまして、例えば庁内では、新型コロナウイルス感染症対策におきまして、やさしい日本語を用いたチラシなどを作成しております。
 また、各主体によります取組を牽引する人材を育成するため、やさしい日本語リーダー研修も実施しております。

○阿部委員 私も、これまでも都議会の中で、やさしい日本語の普及について何度か取り上げさせていただきましたが、取組が進んでいることを確認させていただきました。
 ただ、都が発行する様々なお知らせや資料などを見ると、まだまだ進めていく余地はあるというふうに感じております。より多くの情報提供にやさしい日本語を順次取り入れていくこと、また併記をしていくことによって、インクルーシブな社会環境づくりの一つになると期待しております。よろしくお願いいたします。
 次に、旧統一教会に関してお伺いをいたします。
 旧統一教会に関して、都の相談体制の概要と対応について確認をさせていただきたいと思います。また、昨年度の生活文化スポーツ局関連分野での相談件数及び主な相談内容についても伺います。

○片岡消費生活部長 東京都では、消費生活や福祉、人権などの相談窓口を設置しておりまして、旧統一教会に関する相談につきましても、個々の相談内容に応じて、弁護士会等の関係機関とも連携しながら対応を行っております。
 令和四年度に都内の消費生活センターに寄せられた旧統一教会に関連する相談は八十件でございます。また、東京都若者総合相談センター、若ナビαにも一件の相談が寄せられています。
 主な相談内容としましては、過去の高額な献金や契約についてお金を取り戻せないかという相談や、家族、本人、知人が勧誘や被害に遭ったとの相談、宗教法人に対する対策を求める意見等でございます。

○阿部委員 消費生活センターだけではなくて、若ナビαにもこうした相談が寄せられたということで、東京都の様々な窓口で対応する、それをまた連携して情報共有するというのは、大切なことだと思っております。
 旧統一教会については、先日も文科省が解散命令を請求したということを受けて、東京都は連絡会議を立ち上げました。引き続き全庁的な対応を求めたいと思います。
 また、旧統一教会だけではなくて、霊感、スピリチュアル系の活動にも根深いものがあります。経済的な損失だけではなく、学校に子供を通わせない、あるいは適切な医療を受けさせない、極端に偏った食生活など、客観的に不適切な養育となっていることもあると聞いております。ぜひ多様な状況への相談を受け、支援につなげていただきたいと思います。
 次に、配偶者暴力についてお伺いいたします。
 私は、女性に対する暴力、特に配偶者暴力への対策や防止、そして被害者支援などについて、繰り返し求めてまいりました。
 まずは、配偶者暴力被害者等セーフティネット強化支援事業の概要と令和四年度の実績についてお伺いをいたします。

○宮本男女平等参画担当部長 配偶者暴力被害者等セーフティネット強化支援事業は、配偶者暴力被害者等を支援する民間シェルター等の先進的な取組に対して助成をする事業でございます。
 令和四年度は、五団体へ三千二百四十四万二千円を交付しております。

○阿部委員 この事業、令和三年度には執行率が五九・三%ということでした。六割弱。そして令和四年度、この四年度にはどのような執行状況になっているのか、その背景も併せてお伺いいたします。

○宮本男女平等参画担当部長 令和四年度の本事業の予算額六千二百三十七万三千円に対し、当初の交付決定額は三千九百八十九万九千円、実際の交付額は三千二百四十四万二千円であり、予算に対する執行率は五二・〇%となってございます。
 その背景といたしましては、新型コロナの影響により、申請団体がスタッフを十分に確保できなかったことなどが考えられます。

○阿部委員 三年度、四年度と、決して高くない執行率が続いているわけですけれども、背景に新型コロナの影響があるということで、ぜひ今後、これは非常に大切な事業だと思いますので、執行率が上がるように各団体とも協力しながら、もしハードルがあるのであれば相談も受けながら、進めていっていただければと思います。
 DVをなくすためには、加害者をなくさなければいけない、これは当然のことでもあります。
 配偶者暴力加害者プログラムの概要と実績、そして成果についてお伺いをいたします。

○宮本男女平等参画担当部長 都は、国の配偶者暴力加害者プログラムに関する調査研究事業に参加し、民間団体と連携して試行実施をいたしました。
 令和四年九月から令和五年二月まで、加害者によるグループワークを十八回実施いたしました。参加者からは、自らの意識や行動に変化があったとの声が寄せられております。

○阿部委員 加害者プログラムも、随分長いこと塩漬けになっていて、ようやくまた動き出したという状況にあるかと思います。
 そして、今、ご答弁の中で、受講者からは意識や行動に変化があったということをご答弁いただきました。これは一定の成果と受け止めております。この分野で実績ある民間団体などと協力して、ぜひプログラムを広げていただきたいと思います。引き続き注目をしてまいります。
 DV等支援措置におけるDV被害者の負担を軽減するためにも、配偶者暴力相談支援センターがより身近にあることが望まれます。
 都内の区市町村の配偶者暴力相談支援センターの整備実績をお伺いいたします。また、併せて都が未整備の自治体に対してどのような働きかけを行っているか伺います。

○宮本男女平等参画担当部長 区市町村における配偶者暴力相談支援センターについてでございますが、令和四年度中に二区、令和五年四月に一区整備され、現在二十区となってございます。
 また、都は未整備の区市町村を訪問し、ノウハウの提供を行うとともに、実情に応じた助言を行っております。あわせて、配偶者暴力対策の課題について意見交換などを行う会議を開催するなど、支援を行ってございます。

○阿部委員 整備に向けて努力されるということは分かりました。二十三区中二十区が設置されたということです。
 ただ、一方で、市町村にはまだ一か所もありません。ぜひ未設置の自治体に対して、特に市町村部分について、人材確保や育成も含めた設置への働きかけを強めていただくようお願いをいたします。
 次に、文化施策についてお伺いをいたします。
 コロナ禍の中では、都内の各美術館、これも官民を問わずですけれども、各美術館や博物館で企画展の中止や延期、また企画の変更などが余儀なくされました。
 その中で、展覧会マネジメントとして何が起こり、どう対応していたのか。また、それに伴い、キャンセルやチケットの払戻しなど、どのように対応していったのか。都立施設も様々ありますけれども、ここでは東京都美術館、また東京都立の現代美術館についてお伺いしたいと思います。

○富岡文化施設・連携推進担当部長 コロナ禍におきましては、東京都美術館、東京都現代美術館では、海外の作家等が来日できず、オンラインにより展示方法の調整を行うなどの対応を行いました。
 また、予定の会期に開催が困難になった展覧会につきまして、会期の変更を行い、延期となった場合などには、前売り券購入者に払戻しを行いました。

○阿部委員 海外と数年間かけてつくり上げていくことが多い大型の展覧会では、この企画は、国境を越えて広がったコロナ禍の中で大きな影を落とし、そして様々なご苦労があったことと思います。
 ただ、一方で、コロナ前後で企画展の入場料が高額になったとも感じています。
 コロナ前と比較したチケット代の変化とその背景についてお伺いをいたします。

○富岡文化施設・連携推進担当部長 東京都美術館におけます特別展の観覧料は、平成三十年度は平均千六百円、令和四年度は二千円でございます。また、東京都現代美術館の企画展の観覧料は、平成三十年度は千三百円、令和四年度は千六百五十円でございます。
 展覧会の観覧料は、展示内容など様々な要因で決められるものでございますが、資材や輸送費などの上昇による影響もあったと認識しております。

○阿部委員 一定のコストがかかっていくというのは、これはこれで理解はするところなんですけれども、いずれも四年間で二五%アップと。これは、生活物価指数の上昇をはるかに超える数字でもあります。企画展単体だけで収支を論じるわけにはいきませんが、企画展には相当な利益が出ているのではないかとも認識をしているところです。
 企画展の入場料は指定管理者に任されているとはいえ、公立の美術館として親しみやすい価格設定を考えるべきではないかなと思いますけれども、いかがでしょうか。

○富岡文化施設・連携推進担当部長 企画展の観覧料につきましては、指定管理者におきまして、共催者と協議をしながら適切に対応しているものと認識しております。
 なお、常設展につきましては、小学生や中学生を無料とし、高校生、大学生、高齢者は一般料金より低く設定をしております。また、東京都美術館の特別展におきましては、高校生以下を無料としたほか、誰でも無料で鑑賞できる展覧会を開催するなどの取組を実施しております。

○阿部委員 個々の取組は一定の評価をしたいと思います。トータルとして、都民誰もがリピートできる美術館を実現していただければと思います。
 ところで、コロナ期以降、予約制を取ることになったものの——取るケースが多くなったといった方がいいんでしょうかね、展覧会によっては入場が困難になる事態が生ずることもあります。
 先日の現代美術館のディオール展なども、会期末が近づくにつれて、早朝から当日券を求めて長蛇の列ができる。朝六時から並んだのに結局入れなかったというような方のお話も伺いました。
 昨今の状況と対応についてお伺いをいたします。

○富岡文化施設・連携推進担当部長 都立の美術館、博物館におきましては、良好な鑑賞環境を確保するため、事前予約制を導入しております。
 令和四年度におきましては、例えば東京都現代美術館では、当日券を販売するとともに、混雑が予想される展覧会では、SNS等を活用しまして、混雑状況や当日券の販売状況などを周知するなどの対応を行いました。

○阿部委員 この点、いろいろ工夫はしていただいているなと思って、感じているところではあります。どうしても会期末というのは集中しがちだとは思いますけれども、事前の広報等も含めて工夫していただければと思います。
 東京空襲資料の活用についてお伺いしたいと思います。
 東京空襲資料の活用と資料展の実績についてお伺いをしたいと思います。よろしくお願いします。

○蜂谷文化振興部長 東京空襲関連資料は、毎年三月十日の東京都平和の日に合わせて開催する東京空襲資料展で活用しておりまして、昨年度は、都内四か所の会場で計二十二日間開催いたしますとともに、延べ二百八十二点の資料を展示し、全会場合わせて二千六百二人の方々にご来場いただきました。
 また、資料は、区市町村等が主催する平和関連の資料展への貸出しを行っており、昨年度は十九団体へ貸出しを行い、三十一会場において延べ六百十八点の資料が活用されました。

○阿部委員 都内四か所で計二十二日間。私の周囲でも、特に高齢の方などから、見に行きたいけれども近くで開催されないですとか、行きたいのに、行こうと思ったら会期があっという間に終わってしまったとか、もっと会期を長くしてほしいですとか、いろいろなお声をいただいているところです。
 なかなかそもそもチラシも目に入らない、行きましたといってSNSなどにアップすると、どこでやっているんだというような反応が毎年必ずやってくるんですね。まだまだ周知も足りないんだと思いますし、そもそもの開催のボリュームが足りないのではないかと思います。
 東京の大空襲というのは、東京の歴史にとっても非常に大きな悲惨な出来事です。直接の体験者が減っていく中で、親子で、あるいはまた三世代、四世代で、平和の尊さを語り継ぐためにも、ぜひこの展示の機会を増やしていただきたいと思います。
 ところで、都庁の中で空襲資料について担当する人員の体制についても教えてください。

○蜂谷文化振興部長 空襲資料に関する事務は、課長級職員を含む三名の職員で対応しておりまして、加えて、資料の活用に当たりましては、学芸員の資格を有した月十六日勤務の非常勤職員を一名配置しております。

○阿部委員 この資料の活用に当たっては、非常勤がお一人ということです。これではなかなか展示機会を増やすことにも限界があるのかもしれません。
 現在は、証言ビデオ活用に向けた作業も進行しているということを踏まえまして、人員体制の充実が欠かせないのではないかと思います。この点も指摘しておきたいと思います。
 最後に、スポーツについてお伺いいたします。
 コロナ禍の中で、障害者スポーツセンターにおいては、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、様々な利用制限が設けられました。
 こうした中での令和四年度の開設状況と利用実績についてお伺いをいたします。

○梅村スポーツ施設部長 障害者スポーツセンターでは、利用者に基礎疾患を有している方が多く、新型コロナウイルスに感染した場合の重症化リスクが高いことから、徹底した感染防止対策が必要でありました。
 そのため、施設ごとの利用者数や時間を制限していましたが、利用ニーズに応えるため、よりきめ細かな対策を講じながら、段階的に施設の利用を再開してまいりました。
 具体的には、プールなどの各施設では、時間帯ごとの入替え制及び利用人数の定員を定め、利用者同士の接触機会の削減を図っていましたが、令和四年度には利用人数の定員を拡大いたしました。また、都内在住者に限っていた利用を、都内在学、在勤者にも再開するなどの対応を行ってまいりました。
 その結果、令和四年度の障害者の利用者数は、障害者総合スポーツセンターが約三万六千人、多摩障害者スポーツセンターが約二万八千人となり、前年度よりも、総合が約二万四千人、多摩が約一万八千人増加いたしました。

○阿部委員 障害者総合スポーツセンターでは一万二千人まで落ち込んだ利用者が三万六千人、多摩では一万人に落ち込んだ利用者が二万八千人と、それぞれ利用が戻ってきてよかったなというふうに思います。
 コロナによる利用制限と、一方で、障害者の心身の健康の維持のためのスポーツ機会の提供や専門スタッフの雇用維持、こうしたことのバランスを取るというのは大変難しいことだとは思いますけれども、今後の不慮の事態にも備えて、長期の利用制限がどのような影響を障害のある方にもたらしたかなど、今のうちにしっかりと把握と振り返りをして、今後の運営の在り方に生かしていただければと思います。
 ところで、昨年度には都立のパラスポーツトレーニングセンターもオープンをいたしました。これ、私も拝見いたしましたけれども、いろいろと見るべきところの多い有意義な施設だと感じております。
 センターのジムに、車椅子の方も健常者の方も使えるトレーニングマシンがあったのが大変印象的でした。
 こうした車椅子の方も利用できるユニバーサルなトレーニングマシンの都立スポーツ施設における導入実績をお伺いいたします。

○高島経営企画担当部長戦略的活用担当部長兼務 都立スポーツ施設は、誰もが使いやすい施設となるよう取り組んでおり、トレーニングルームについても、高齢者や障害のある方も含めた多くの都民に利用されております。
 車椅子に乗ったままで障害者が利用できるトレーニングマシンについては、これまでに、駒沢オリンピック公園総合運動場で一台、パラスポーツトレーニングセンターで六台、障害者総合スポーツセンターで三台、多摩障害者スポーツセンターで四台導入しております。

○阿部委員 四施設で十四台ということですが、ご答弁いただいた四施設のうち、三施設は障害者向けのスポーツ施設ということもありまして、それ以外だと、駒沢オリンピック公園総合運動場の一台のみということになります。
 ほかにも、トレーニングジムを持つ都立施設は幾つかあろうかと思います。それぞれで設置を進めて、障害のある方が身近な地域で利用できるようにしていただければと思います。存在しないと、なかなかニーズというのは把握できないかと思いますし、存在することが、そういうものがあるということが、障害がある方も使ってほしいというメッセージにもなるということで、ぜひ積極的な配置を進めていただければと思います。
 次に、二〇二〇年大会のレガシー施設の一つである大井ホッケー場についてお伺いいたします。
 これは、私の地元の品川区にあるわけですけれども、この大井ホッケー競技場のメインピッチ、サブピッチについて、ホッケー利用とホッケー以外の利用について、それぞれ四年度の実績を伺います。

○高島経営企画担当部長戦略的活用担当部長兼務 大井ホッケー競技場は、令和四年六月に再開業し、年度末までに、ホッケーを二十六大会、ラクロスを七大会、合計三十三大会開催しました。
 利用者数については、ホッケーが約五万九千人、ラクロスやフットサルなどホッケー以外での利用は約三万人であり、合計約八万九千人でございます。

○阿部委員 四年六月の再開業で、初年度一年足らずの間に三十三大会というのは、相当に頑張った数字であると思います。地元品川区でも、官民力を合わせてホッケーを盛り上げようと様々な努力をしているところですし、その熱量は東京都にも届いていることと思います。
 一方で、ホッケー大会の運営に当たり課題も見られます。利用者の声を踏まえて、指定管理者の対応を含めて、より使いやすい施設とするよう改善を図るべきと考えますが、見解を伺います。

○高島経営企画担当部長戦略的活用担当部長兼務 競技団体の施設利用者とは定期的に意見交換をする機会を設けており、引き続き指定管理者と連携し、利用者の声を丁寧に聞きながら施設を運営してまいります。

○阿部委員 ぜひ一緒につくっていくという気持ちで頑張っていただきたいと思います。
 ホッケーは、日本ではメジャーな種目とはいえませんが、オリンピック種目となっているぐらいですから、世界では競技人口も多い競技です。ぜひ戦略的に振興を図っていくことが得策ではないかと思います。
 ホッケー人口拡大のための令和四年度の都の取組についてお伺いいたします。

○齊藤スポーツ担当部長 都は、東京二〇二〇大会を機に盛り上がったスポーツへの関心を都民のスポーツ実施率向上につなげていくため、スポーツの裾野の拡大に取り組んでおります。
 お尋ねのホッケー競技について、都は令和四年度、競技団体と連携したホッケー教室をはじめ、再開業した大井ホッケー競技場におけるスポーツの日イベントなどでの体験事業のほか、都民向けの観戦会も実施しました。
 加えて、大井ホッケー競技場が所在する品川区が開催するホッケーのイベントについても、補助事業を通じて支援をいたしました。

○阿部委員 先ほども申し上げたように、大井ホッケー場はレガシー施設です。訪れた方にそれを視覚的に訴え、今どきのことですから、写真スポットになるような工夫もあればと思っております。
 また、様々な角度から盛り上げていただくよう求めて、私の質問を終わります。以上です。

○入江委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後三時十九分休憩

   午後三時三十八分開議

○入江委員長 休憩前に引き続き分科会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○浜中委員 それでは、私から質問させていただきます。
 東京の私立学校は、独自の建学の精神に基づく特色ある教育を展開しています。特に高校においては、都内の高校生が私学に通う割合が六割近くになっており、東京の公教育においては極めて重要な役割を果たしております。これは、私立高校の校風や教育内容に魅力を感じて、多くの生徒、保護者が私学を選んでいるということであります。
 一方、私立高校に通う生徒は様々な経済状況の人がいます。そのため、授業料負担の軽減は、私学に通う生徒、保護者の大きな関心の一つであり、東京都としてそれを支援することは、大変重要な取組であります。
 そこで、改めて都の授業料負担軽減制度の概要についてお伺いをいたします。

○戸谷私学部長 東京都は、家庭の経済状況に子供の学校選択が左右されることなく、希望する教育が受けられるように、私立高校等に通う生徒の授業料につきまして、年収目安約九百十万円未満の世帯を対象に、国の就学支援金と合わせて、都の特別奨学金により、都内私立高校平均授業料までを支援してございます。
 あわせて、多子世帯に対しましては、年収が九百十万円を上回る世帯であっても、扶養する二十三歳未満の子供が三人以上いる場合には、公立高校授業料の半額相当を支援しているところでございます。

○浜中委員 ありがとうございます。
 そうしましたら、次に、特別奨学金の決算額と受給者数について、過去三年間の推移を伺いたいと思います。

○戸谷私学部長 特別奨学金の過去三か年における決算額でございますが、令和二年度が約百十三億二千二百万円、三年度が約百二十三億六百万円、四年度が約百三十億円でございます。
 また、受給者数につきましては、令和二年度が六万一千三十四人、三年度が六万六千四百四十二人、四年度が六万八千七百七十二人でございます。

○浜中委員 ただいまの答弁で、東京都として、かなりの予算をかけて多くの生徒に支援を行っていることが理解できました。大事なのは、こうした支援が、本来必要としている生徒やその家庭に届くことであるというふうに思います。
 そこで、私学に通っている生徒のうち、どれだけ支援を受けているのかを確認したいと思います。直近の令和四年度の受給者数は六万八千人強ということですが、このうち、都内の私立高校に通う生徒の受給率は何%になるのかということをお伺いしたいと思います。

○戸谷私学部長 令和四年度における都内在住で都内の私立高校に通う生徒の特別奨学金の受給率は四五・六%でございます。都といたしましては、私立学校教育を希望する生徒が、家計状況にかかわらず私立高校を選択することに寄与しているものと考えてございます。

○浜中委員 これまでの実績を伺って、受給者数は年々増えているということであります。都の授業料負担軽減制度により、コロナ禍などの社会状況の変化が大きい中にあっても、家計が苦しい世帯の生徒を支援することができていると考えることができるかと思います。
 また、令和四年度の受給率が約四六%ということもあり、都内の私立高校生のおよそ半分が支援を受けている現状から、家庭の経済状況に子供の学校選択が左右されることなく、就学の機会を確保することに一定の役割を果たしているということが考えられるかと思います。
 もちろん、東京都に住んでいて、埼玉とかほかのところに通っているとかという数字もいろいろあるので、厳密にはちょっとあれなんですけれども、今の数字でいえば、一方で五四%の方が、要は学費の負担、要するに援助を受けられていないということであります。
 これは今、減税をするということで、政府がいろいろ話をしている中で、所得制限を設けるのかどうかという話がある中で、岸田総理が、子育て世帯の分断を招いてはならないということをして、この減税とかというのは、子育て世帯の支援の意味合いを持つということもいわれております。
 私がここで何をいいたいのかといいますと、今、この東京都の授業料の負担軽減助成金は、所得制限があるわけであります。
 ここにパンフレットございますけれども、このQRコードがありまして、ここに例えば多子世帯だったら、所得制限を超えても五万九千四百円もらえるよとかというのがあるんですけど、結構、例えばぎりぎりの世帯で、三人子供がいてオーバーしちゃったとかというんだったら、例えば、旦那が働いていて、奥さんが百三万円までのパートに行っていてとかという話だったら、これは働かない——三人私立に行っていたらという前提だったら、働かない方がいいじゃないかみたいな、はざまの話なんかも出てきちゃうんだと思うんです。
 いずれにしても、これから日本を支えていく子供たちということであれば、これは私の個人的な考えではありますけれども、授業料の負担軽減助成金の所得制限は、私立も撤廃するべきですし、都立も所得制限はなくした方がいいだろうというふうに私は考えております。
 いずれにしても、子育て世帯にこういう所得制限があると、もらった人、もらわない人というのがありますから、全ての子育て世帯、子育て政策の所得制限を撤廃してはいかがかなというふうに私は考えております。
 いずれにいたしましても、この制度は非常にいい制度だと思いますので、ぜひ継続、拡充をしていただければと要望して、私の質問を終わります。

○玉川委員 よろしくお願いいたします。
 今年は、関東大震災から百年の節目の年でありまして、地域における災害への備えを広げていく必要があります。
 町会、自治会は、地域防災の担い手として、地域住民に防災活動を進めてもらう中心となる存在であります。その活動がしっかりと地域で行われる必要がありますが、都の支援について聞いていきます。
 他の委員の質問と多少重複するかもしれませんが、昨年度、地域の底力発展事業助成において、地域の防災活動に関する申請の件数と、どのような活動に対する支援を行ったのか伺います。

○柏原都民生活部長 令和四年度は、都内の町会、自治会から、防災訓練や防災講習会などに関する百二十七件の申請がございました。
 災害時を想定して、救護所となる組立て式非常用テントの設営を行ったほか、避難所の開設を行い、避難者の受入れや炊き出しを行うための予行演習などが行われました。

○玉川委員 都内でも、多くの町会、自治会がこちらの事業の助成を活用して、地域で防災訓練や防災講習会などを行い、地域の防災力向上に向けて取り組んでいるということが分かりました。
 さらに、昨年度は、町会、自治会を通じて、都民の防災対策を普及啓発する取組を支援していましたが、昨年度実施した町会・自治会による防災対策普及啓発事業助成金に関する支援状況と、地域の底力発展事業助成と併せて実施した効果について伺います。

○柏原都民生活部長 本助成は、防災対策に係る啓発チラシと防災グッズの配布を通じて、地域における防災意識の醸成や、災害時に住民に身近な町会、自治会を知ってもらう目的などで実施し、千七百九十四件の町会、自治会からの申請がございました。
 町会、自治会を通じて、簡易トイレや防災用ブランケットなどが地域住民に配布され、家庭における自助の取組を後押しするとともに、一部の町会では、地域の底力発展事業助成を活用して防災訓練等を実施することで、災害に備えた実践を行い、共助の取組を地域で広げました。

○玉川委員 私の地元大田区内の町会、自治会主催の防災訓練にも幾つか参加してきておりますが、うちの町会も新しい非常用テントを準備できたよといった喜びの声もいただきました。
 また、商店街でのイベントに地元の自治会がブースを出して、災害時だけでなく、ふだんの生活でも役に立ちますよと、自治会員向けにモバイルバッテリーを配布する姿も目にいたしました。やはりこちらの事業を活用されたものでした。また、この配布を機に自治会に入会される方もいらっしゃったようでございます。
 地域の底力発展事業助成百二十七件の申請と、町会・自治会による防災対策普及啓発事業助成金千七百九十四件の申請には、それぞれこのようなエピソードがあったのではないかと思います。
 今年度は、関東大震災から百年の節目ということで、町会、自治会の防災力強化助成も行われており、引き続き、町会、自治会が地域防災を担う共助の主体であることが住民に周知され、地域力の向上に向かっていくことを願いまして、次の質問に移ります。
 東京都若者総合支援センター、若ナビαについて質問をいたします。
 我が会派は、青年たちが夢や希望を持ち、自分自身を見失うことなく、社会発展の原動力となっていくため、全ての若者の様々な不安や悩みを受け止め、支えていく仕組みが必要との観点から、平成二十一年三月の予算特別委員会で同事業の提案を行いました。以来、一貫して、議会質問や予算要望などで事業の充実などを訴えてまいりました。
 令和四年の予算特別委員会では、我が会派の古城議員が、若者世代の不安や悩みが深刻化している中、相談時間の延長など、相談環境の整備をさらに進めるべきと要望し、これまで二十時までだった相談時間が二十三時までに延長されました。
 そこでまず、昨年度の実績について、何件の相談があったのか、令和三年度と比べてどうだったのか、また、延長した二十時から二十三時までの間に何件の相談があり、増加件数の何割を占めたのか伺います。

○村上若年支援担当部長 昨年度の相談件数は九千二百八十九件であり、令和三年度の七千百六十四件から二千百二十五件増加し、事業開始以来、最も多い相談件数となりました。
 この増加件数のうち、約九割を占める千八百五十八件が、延長した時間内に受けた相談となっております。

○玉川委員 前年、令和三年度の件数から約三割増と、昨年度は、事業の開始以来、最も多い相談件数とのことでありますが、その特徴や内容についてはどうだったのか伺います。

○村上若年支援担当部長 昨年度は、令和三年度と同様に、二十代の女性からの相談が二千五百五十八件と最も多くありましたが、三十代からの相談に大幅な増加が見られ、前年度から千七百三十九件増えております。
 相談内容では、メンタル面の不調や生きづらさを訴えるといった自分自身に関する悩みが全体の五〇%を占め、次いで、親とうまくいかないといった家族関係に関することが一六%、就職できるか不安、職場の人間関係がうまくいかないなど、仕事に関することが一四%となっております。

○玉川委員 三十代の相談が増えているとのことでありますが、最近の国の調査においても、三十代の若者が最も孤独、孤立感が高いとの結果が出ております。
 十八歳未満の青少年は、児童福祉法や学校教育法といった受皿がたくさんありますが、十八歳以上となると、大学進学や就職などで世間に投げ出され、フォローする窓口が激減してしまいます。彼らにとっては、若ナビαのような二十代、三十代のためのよろず相談窓口が存在すること自体、なかなか気づかないのだろうと思います。
 答弁にもあったように、若ナビαでは、メンタル面の不調から仕事に関する悩みまで、幅広い分野にわたる若者の悩みを専門家が丁寧に受け止めております。孤独、孤立感の高い三十代をはじめ、青年世代の悩みに寄り添っていくためにも、この若ナビαをより多くの若者に知ってもらう必要があると思います。
 これまでも我が会派は、青年世代、若者に伝わる広報の重要性を訴えてきましたが、困難を抱える若者をより多くの相談につなげるため、昨年度はどのような広報の工夫を行い、その効果はどうあったのか伺います。

○村上若年支援担当部長 若ナビαの広報は、公共施設等へのポスターやリーフレットの配布のほか、ウェブ広告等を実施しております。
 昨年度は、二十代、三十代の利用率が高いLINEを使った広告配信を新たに開始し、さらに、ウェブやSNS広告の配信期間も年三回に増やしております。
 これらによりまして、若ナビαのホームページへの訪問数が令和三年度から約二万七千件増加し、ホームページ開設以来、最も多い約十一万四千件のアクセスがございました。

○玉川委員 私も、地元に悩める青年やその親御さんがいれば、この若ナビαを紹介するようにしているのですが、まだまだ皆さん、この若ナビαをご存じない状況が多いです。青年世代の若者が悩んだときには、真っ先にこの若ナビαを思い浮かべる、それくらいの存在になれるよう、ぜひ引き続き工夫を凝らした広報を行っていただきたいところであります。
 先ほどの答弁では、メンタル面の不調や生きづらさを訴えるといった自分自身に関する悩みの相談が全体の五〇%とのことでしたが、そのような悩みから、非日常を求めて公衆浴場、銭湯に通う若者が増えているようであります。
 東京都市大学の早坂信哉教授の研究では、日常生活の中でたくさんのストレスを感じている人ほど、それを洗い流すための場として銭湯を選ぶ、また、リラックスする環境として大きな湯舟のある銭湯がうってつけであるとも述べられております。
 公衆浴場、銭湯は、地域の情報発信地として、自治体発行の情報誌が置いてあったり、ポスターの掲示で自治体の情報などが案内されております。
 公衆浴場、銭湯に入浴する全ての若者が悩みを抱えているわけではないとは思いますが、一人でも多くの悩める若者に若ナビαの存在が知れるよう、若ナビαのリーフレットをぜひ都内の公衆浴場、銭湯にも設置していただく工夫もされるよう要望いたしまして、次の公衆浴場に関する質問に移ります。
 令和四年第一回定例会におきまして、私が、コロナ禍で外出を控える人が増え、原油高、燃料価格の高騰で苦境を強いられている公衆浴場、銭湯の状況について取り上げ、直接的な経済支援だけではなく、銭湯利用者を増やしていくことが何よりも持続可能な支援策になることを、また、若者たちの利用増加をチャンスと捉えて、民間スポーツ施設とのコラボなど、新たな取組に挑む銭湯への支援の強化を訴えました。
 そして、令和四年七月、国立競技場での東京二〇二〇大会一周年記念セレモニーの場外のブースにて、都内の銭湯に無料で入浴できる東京一〇一〇クーポンの配布が始まりました。
 まずは、このスポーツイベント等と連携した公衆浴場利用促進事業補助の実績について伺います。

○片岡消費生活部長 都内銭湯に無料で入浴できるモバイルクーポン、東京一〇一〇クーポンを、都が主催するスポーツ、文化イベント等におきまして、七月以降、約半年間配布し、十二万七百十九回の利用がございました。

○玉川委員 十二万回利用というのはかなりの回数でありますが、私も、国立競技場での配布開始時に、早速、この東京一〇一〇クーポンを取得いたしました。
 その手順は、まず、イベント会場に掲示されたQRコードをスマートフォンで読み込んで、その表示されたページをブラウザにブックマーク登録をしておきます。そして、実際に入浴する際には、そのページをスマートフォンで提示をして、店内に掲示されているこのお店の番号、店舗番号を入力して、その結果を見せて入浴できるというものであります。
 このような流れでありますが、このQRコードを読み込んだ後、スマートフォンのブラウザにブックマーク登録するところが分からなくて、スタッフにサポートしてもらう方が多くいました。実は私も同じく戸惑ってしまいまして、スタッフのサポートで登録したのですが、私がそのようなブックマーク登録のスマホ機能をこれまで利用していなかっただけでありまして、一度覚えてしまえば、非常に簡単に登録できる便利なものでありました。
 このように、スマホでQRコードを読み込んで、それを入浴時に利用するといった形式でありましたが、この東京一〇一〇クーポンを多くの都民に利用してもらうために、広報や配布方法等、工夫した点について伺います。

○片岡消費生活部長 広報につきましては、専用のキャンペーンサイトや公衆浴場組合のホームページ、各銭湯のSNS等により周知を図りました。
 配布方法につきましては、イベント等での配布のほか、より多くの方々が身近な場所で手軽にクーポンを入手できるよう、都立スポーツ、文化施設、都立公園等でも配布を行いました。
 また、スマートフォンの操作に不慣れな方々もいることから、イベントでの配布時には、スタッフがモバイルクーポンの使用方法を丁寧に説明するなど、きめ細かい対応を行いました。

○玉川委員 私もこの間、東京一〇一〇クーポンが配布される様々なイベント会場に足を運びまして、現地を見てまいりましたが、それぞれ丁寧に対応していると実感をいたしました。
 毎年十月十日の銭湯の日の時期に、東京都浴場組合による銭湯サポーターフォーラムというイベントが、私の地元大田区の会場で開催されております。この銭湯サポーターというのは、お勧めの銭湯や銭湯の入浴体験、また銭湯周辺の飲食店など、こういったものをフェイスブックに投稿して情報交換を行う、メンバー数が一万二千名いるフェイスブックのグループで、毎日活発な情報交換が行われております。
 そのメンバーのオフ会ともいえるこの銭湯サポーターフォーラムにおきまして、約三百名の参加者全員にこの東京一〇一〇クーポンがプレゼントされ、さらに、都の職員が登壇をされて、巨大モニターを使ってPR活動を行われました。
 職員の方は、登壇後も会場の入り口に貼られた案内のポスターの前で、参加者からの質問に一つ一つ説明をされて、スマホの登録も丁寧にサポートされ、イベントが終了して参加者が帰るところでも、最後まで一人でも多くの方に伝えようとする真摯な職員の姿に、私はとても感激をいたしました。
 十一月には、またJR東京駅構内で開催されたアーバン・フィットネスというもので、体験終了後のアンケートの提出で、QRコードが印刷されている用紙もいただけたり、都有施設でQRコード掲載のポスターが貼り出されたりと、広報活動に工夫を凝らしながら、新たな取組でこの広報が進化していきながら、十二万回利用の達成に至ったのだと思いますが、この事業は、若者やファミリー層など、新たな客層の創出につなげることが目的であったと思います。そこで、この事業の成果について伺います。

○片岡消費生活部長 クーポン利用者に行ったアンケートによりますと、回答者の約四分の一が、これまで銭湯に行ったことがない、または、一年以上行っていないということでしたが、そうした方々から、銭湯が好きになった、また行きたいという声が数多く寄せられ、新規利用者開拓につながったことが確認できました。
 また、浴場主に行ったアンケートにおきましては、若者やファミリー層の来店者が増えたとの回答が多く見られました。
 本事業を通じまして、これまで銭湯をあまり利用していなかった方々にも、東京の銭湯を強くアピールできたものと認識しております。

○玉川委員 私もLINEで、友達や家族にプレゼント可能なクーポンを小学校おやじの会の仲間とか地域のジョギング仲間など、そういったコミュニティのメンバーにプレゼントしたところ、さらにそこから広がりまして、銭湯に行ったことがない友達にクーポンをあげて、一緒に銭湯に行ってきたよとか、クーポンのおかげで子供たちと一緒にお風呂に入ってきたとか、クーポンをもらったから初めて友達と銭湯に行ってみたけど気持ちよかった、また友達と一緒に絶対行くよといった、そんな感想もいただきました。
 ほかにも、キャンペーン終盤には、多くの利用者がSNSで銭湯を新たに利用するきっかけになったといった感想が発信されているのを目にいたしました。
 ちょっと映画の話題になりますが、ゴジラが生誕して七十周年記念作品となる最新映画のゴジラマイナスワンというものが十一月の三日から公開されますが、このゴジラマイナスワンと全国の公衆浴場、銭湯とのコラボレーションが昨日、二十六日、風呂の日から始まりました。このコラボ参加の銭湯には、ゴジラマイナスワンののれんがかかりまして、手拭いとか下足札のキーホルダーといった銭湯ならではのコラボグッズが、銭湯限定で販売されております。
 七十年という長い歴史と伝統を持つゴジラとのコラボで、これまた新しい顧客層に、公衆浴場、銭湯に足を運ぶきっかけになることが期待できます。私も早速、昨日入ってきました。
 今回は、スポーツ、文化芸術との連携でありましたが、先ほどの若ナビαのように、まだまだあらゆるジャンルとのコラボレーションが可能であると思っております。
 今後も、日本の伝統文化、公衆浴場、銭湯の組合が行う利用促進の取組をしっかりと支援をしていただくようお願いをいたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

○アオヤギ委員 それでは、私学、私立学校の支援について伺います。
 昨年、都は、物価高騰に伴って、私立学校に対し光熱費の補助を行いました。その補助の決算額をお示しください。

○戸谷私学部長 学校の光熱費につきましては、経常費補助などによる支援の対象に含まれておりまして、経常費補助等の合計は、決算値で一千三百十七億五千五百万円となってございます。

○アオヤギ委員 昨年度、物価高騰の急上昇を受けて、都が光熱費を補助した分の決算額は示されませんでした。しかし、そういった対応は重要だったと思います。
 それでは、なぜ補助をしたのでしょうか。また、私立学校からどのような声がありましたか。

○戸谷私学部長 学校の光熱費につきましては、経常費補助等による支援の対象に含まれておりまして、学校からは、必要な経費に充てることができたという声を聞いてございます。

○アオヤギ委員 学校からは、必要な経費に充てることができたということで歓迎されているようです。
 私立学校の電気代は、一か月数百万円単位になることもあるそうで、経常経費に含まれているとはいうものの、この補助がなければ、急な上昇には対応できなかったというふうに思います。また、今後も電気代、光熱費が上がれば、学校の経常経費で賄えなければ保護者負担になるということも考えられます。別途徴収されるおそれもあります。
 そこで伺いますが、物価高騰は続いており、急激な上昇も考えられます。そうすれば、学校の運営に影響し、学費にも影響しかねません。光熱費補助を続けていくべきではないですか。

○戸谷私学部長 光熱費の高騰などへの対応は、その時々の社会情勢を踏まえて判断していくものでございます。

○アオヤギ委員 その時々の社会情勢の判断ということですので、今も上がっていますし、そうしたときに早急に対応しないと、保護者負担を求めることにもなりかねません。情勢判断をしていただき、補助金もなくなってしまう可能性もありますので、今回も支援をしていただきたいと思います。
 次に、学費についてですが、要求資料で示されたように、授業料減免制度について、学校が設定した家計急変や所得によってもらえる奨学金をもらった人数は、小中高と一定数います。
 私立学校教職員組合の皆さんが集めた東京都内の私立高校生の声を紹介します。
 授業料が払えなくなり、許可を得てバイトをしている、母がパートを増やしたり、保険を解約したり、妹が公立一択になった、また別の方は、弟は公立に行くように親にいわれた、塾に行けなくなったと、深刻な事例ばかりです。学費が理由で公立高校へ転学する高校生がいるともいわれています。
 九百十万円の所得制限で授業料の無償化が始まりましたが、入学金や施設費の負担が残っています。入学金は平均で二十五万円、入学金と施設費等を合わせると平均で四十六万円です。物価高騰で、私立に通う子供たちの家庭にも大きな負担となっています。
 今こそ、入学金や施設費などを補助すべきではないですか。

○戸谷私学部長 東京都は、高等学校等の授業料につきまして、国の就学支援金と合わせて、都の特別奨学金により、都内私立高校の平均授業料まで支援しているところでございます。
 また、奨学給付金、育英資金、入学支度金貸付などによりまして、授業料以外の負担を軽減しているところでございます。
 こうした施策を総合的に活用いたしまして、保護者負担の軽減を図っているところでございます。

○アオヤギ委員 先ほどの高校生の声ですけれども、母子家庭でも、少しでも収入が多いと受けられるはずの支援も受けられないことが多いから、制度を改めてほしいという声も寄せられています。
 高校生の親ともなれば、年齢も上がり、給与が九百十万円を超える方も少なくなく、共働きであればもっと多くなります。兄弟で私学を選択すると学費が大変高額になりますが、無償化の対象にならないというのはおかしい、何とか対象にしてほしいという保護者の声も寄せられています。
 そもそも、高校の学費は世界でも無償が当たり前であり、その完全無償化が遅れているのが日本です。
 二〇一二年、日本政府は、国際人権規約A十三条二項(b)、中等教育の無償化教育の漸進的無償化、中等教育とは高校のことですけれども、それに批准して以降、都立高校の無償化、九百十万円の制限ありと、私立高校も東京は九百十万円の所得制限までに至りました。批准した国連の人権規約に照らせば、所得制限なしの無償化にしなければ、本当の意味での無償化とはいえません。
 また、東京は、東京都こども基本条例を定め、子供の学ぶ権利を明記しています。子供の学ぶ権利は、公私問わずに保障されるべきということは自明のことです。
 そこでお伺いします。私立高校生の学費無償化が求められています。まず、九百十万円の所得制限を撤廃については、どのような意見が学校関係者から寄せられていますか。

○戸谷私学部長 私立高校生への授業料助成に関しましては、学校関係者を含め、様々な意見をもらうことがございますが、その中にはさらなる負担軽減を求める意見もございます。

○アオヤギ委員 さらなる負担軽減を求める意見もあるということで、親の所得に関係なく全員の無償化をしてほしいという、その声は高まっています。
 そこで、所得制限を撤廃した場合の費用をお示しください。

○戸谷私学部長 ただいまのご質問に関する数字については、試算をしてございません。

○アオヤギ委員 では、都内在住で都内私立高校に通う生徒の特別奨学金の受給率をお示しください。

○戸谷私学部長 令和四年度における都内在住で都内私立高校に通う生徒の特別奨学金の受給率は四五・六%でございます。

○アオヤギ委員 受給率は四五・六%ということで、特別奨学金の決算額三百三十億円ですので、計算をいたしますと、四百三億円が必要ではないかということが分かります。特別奨学金の上限額は、四十七万五千円が上限ですので、実際はそこまでかからない学校もありますので、四百三億円からは低い金額でできるとも考えられます。
 無償化の意味は、単なるゼロ円という意味ではありません。料金設定があって取らないということは無料ということで、学費は無償というと、無条件に誰でも学費はかからないという理念だと思います。無償化というなら条件をつけてはならないと思います。
 特別奨学金をもらえない五四・四%の私立高校生も、学費は無償となるよう都が力を発揮すべきです。
 高校生の学費無償化について、私学部はどのような考えがありますか。

○戸谷私学部長 東京都は、家庭の経済状況に子供の学校選択が左右されることなく、希望する教育が受けられるよう、国が定めた基準も踏まえまして、年収約九百十万円未満の世帯に対して、私立高等学校等特別奨学金による支援を実施してきているところでございます。

○アオヤギ委員 子供の学校選択が家庭の経済状況に左右されないようにするには、兄弟がいても、親の所得が多くても少なくても、私学に行きたい子供が私学に行けるように、都が力を発揮することを求めておきます。
 次に、私立小学校について伺っていきます。
 私立小学校についても、様々な支援をしていくことをこの間も何度か求めてきたところです。しかし、まだ支援が足りないという声を関係者の方々から伺っています。
 まず、最初に確認ですが、私立小学校は公教育であり、義務教育であるという認識ですか。確認します。

○戸谷私学部長 私立小学校の教育は、公教育としての義務教育でございます。

○アオヤギ委員 公教育で義務教育であるということです。当たり前と思いますが、公教育、義務教育としてふさわしい支援が得られていないというのが実情です。
 都内の私立小学校五十六校が加盟する東京私立初等学校協会の方々によると、私立中学校への十万円の支援がされたのは歓迎するが、小学校にないのは遺憾だと話されていました。
 小学校は全体の四%にすぎないからと答弁されてきましたけれども、経過から考えると、国の実証事業では中学も小学校も補助をされ、それがなくされたので、私立中学校の九百十万円以下の家庭に補助が開始となりました。
 小学校も中学校も、私学の建学の精神や特色ある教育に共鳴し、選択されていますので、また義務教育ですので、両方とも学費への支援をすべきではないですか。

○戸谷私学部長 私立小学校に通う児童は全体の約四%であり、また、中学、高校では一貫教育を行う学校が多いなど、中学校とは状況が大きく異なることから、学費への支援の実施は考えてございません。

○アオヤギ委員 これまでやってきた国の実証事業では、学校数の多い少ないに関係なく手渡されていて、歓迎されていました。実際、要求資料の実績でも、家計急変に対象を絞っていても、小学校でも利用する人がいるわけです。団体の皆さんも、必ずしも家計に余裕があるから選択したわけではないと強く強調しています。ですから、学校数が少ないかどうかということは、実施しない理由にはなりません。
 仮に九百十万円に絞ったとしても、そういうご家庭は私立の小学校にも必ず存在します。義務教育である私立小学校に対しても学費の支援を求めて、次に行きます。
 次に、小学校の給食、昼食への支援についてです。
 私ども会派でも、私立学校に通うお子さんへも給食、昼食の支援を求める要望書を都に申入れしましたが、そのことを各地で我が党の議員がお話しすると、ぜひやってほしい、物価高騰で給食を提供する業者が撤退しないか心配などの声が寄せられました。
 また、何の支援もないので、保護者の負担も一食五百円と割高になっております。お弁当を毎日作るということは、保護者にとっても非常に負担になります。
 公立小中学校の給食費無償化が広がり、一部の二十三区の自治体では、区に住んでいる私立の子供たちへも補助を決断しています。物価高騰が続く中、子供たちの食事への支援が必要です。
 この給食や昼食代は、物価高騰の影響を受けていると思いますが、いかがお考えでしょうか。

○戸谷私学部長 私立小学校では、それぞれの学校の方針に基づいて、学校給食や弁当などの昼食を実施しているところでございます。
 なお、学校給食につきましては、法令において、設置者が実施し、食材費等の学校給食費は、児童の保護者が負担することとされてございます。

○アオヤギ委員 物価高騰については、認識を示されませんでしたが、物価高騰は、私立の子供たちの給食に影響を与えているのは当然です。外部発注や自校で給食するかにかかわらず、保護者負担は、物価高騰で五百円が六百円に上がったなど、公立に比べると一気に値上がりしているとのことです。
 また、関係者の皆さんは、給食の無償化が進む中、全住民のサービスとして実施していただきたいと要望しています。給食やお弁当に対して一定額の補助を検討していただきたいと要望いたします。
 次に、子供たちの放課後の支援について伺います。
 公立学校の学童保育に当たる放課後の支援を保護者などの団体が学校内などで行っている学校があります。共働きの家庭のニーズから自主的に学童を運営している学校もあります。
 そこで伺います。私立小学校に在籍する児童の放課後の預かりについてお伺いします。実施している私立の小学校の実施状況はどのような状況ですか。

○戸谷私学部長 学校の判断で在籍する児童の放課後の預かりを実施する場合には、収益目的でない限り認可申請を行う必要がないため、都としては把握してございません。

○アオヤギ委員 把握していないということです。
 団体の方によりますと、実施しているのは十校未満だということですけれども、余裕教室がないとできないなど、ニーズがあるけれどもやれない学校もあることも考えられます。
 また、運営しているところの学童というか、放課後の預かりの課題は、料金が高いということで、例えば週一回預けるだけで月額一万円を超えると。週五になるともう数万円ということで、学費に加えて支払うとなると相当な負担になります。
 一方で、一年生は半数以上が学童に通う学校もあります。そうしたことでニーズは高く、自主学童のところと外部委託をしているケースも多くあります。
 公立の学童保育は、運営費の全体のうち、税金と保護者負担で運営されていますので、自己負担は月数千円が当たり前です。職員の確保や施設の狭隘化などは、公設とも共通の課題であると関係者からお聞きをしております。
 そこでお伺いしますけれども、共働きの家庭も増えていますので、学童保育についても支援していくべきではないでしょうか。

○戸谷私学部長 在籍する児童の放課後の預かりの実施につきましては、かかる経費なども含め、各学校法人が判断するものでございます。

○アオヤギ委員 私立小学校に通う子供たちの家庭も、ほかの家庭と一緒で共働きの家庭が多く、ニーズはあると思いますし、放課後の預かりへの支援があれば、私立小学校を選択したいという方もいると考えられます。ぜひ補助を検討していただきたいと思います。
 また、私学におけるGIGAスクール端末の支援にも公私間格差があることは、以前から関係者の皆さんから声が寄せられているものです。
 公立小中学校では、国の補助と区市町村の税金でタブレットを調達し、保護者の負担はなく、貸与制で使っているものですが、私立の小中学校ですと、GIGAスクール端末は二分の一補助にとどまっていて、保護者負担があります。義務教育であるならば、私立小中学校のGIGAスクール端末を補助して、教育環境の公私間格差をなくしていくべきではないですか。

○戸谷私学部長 公立学校に関する国のGIGAスクール端末補助におきましては、端末一台当たりの補助上限額を四・五万円としてございます。
 一方、都独自の私立学校デジタル教育環境整備費補助におきましては、端末一台当たりの補助上限額は設けてございません。
 そのため、単純に補助の内容を比較することはできません。

○アオヤギ委員 都の補助は上限がないといっても、二分の一補助には変わりがなく、保護者負担になっています。
 一方、公立小中学校では、区市町村に対して国は二分の一補助をしておりますけれども、そのほかに、コロナ対策として地方創生臨時交付金なども、GIGAスクールの整備に充てられたという経過がありますので、区市町村の負担は少なく、残りの負担は区市町村が持ったということで、保護者負担はなかったものです。公立の場合は全て税金で賄えたということです。そう考えると、私学だけが二分の一のままにすると公私間格差になってしまいます。
 例えば、中学のときに購入した端末についても、高校生になった時点で補助の対象にするなどのことも考えられるのではないでしょうか。見解を伺います。

○戸谷私学部長 都は、都内の私立高等学校等におきまして、生徒一人一台端末の教育環境整備を推進するために、新入生が利用する端末を新たに整備する場合に、学校や保護者の負担を抑えられるよう、その経費の一部を補助しているところでございます。

○アオヤギ委員 中学校で買ったタブレットは高校でも使えるものですから、買ったものとみなして補助をしていただきたいと要望いたします。
 次に、私立学校の特別支援教育について伺います。
 この問題については、文教委員会で、近年、私学で行われている特別支援教育を選択して入学するお子さんも少なくないとご紹介しましたけれども、この対応として、これまでカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどへの支援を求めてきました。
 東京の子供たちの状況というのが数字では出せないということなので、全国の私立学校の特別支援教育を必要とする子供たちはどれくらいいるのでしょうか。直近の数字をお示しください。

○戸谷私学部長 国が令和五年三月に公表した調査結果においては、医療的ケアを必要とする児童生徒は二百二十名、通常の学級に在籍し、障害に応じた特別の指導を受けている児童生徒は百二十三名でございます。

○アオヤギ委員 都教育委員会の調査でも、発達障害の子供の数は増加傾向で、医療的ケア児も増加傾向にあると都は示しています。この中のお子さんで私学を選択する方も、割合としては多くなってくると考えられます。
 公立小中学校では、特別支援学級や特別支援教室など専門の学級に先生が配置されていますが、私学では、その子供たちに対応する先生は独自採用になり、現状では採用できないということもあるそうです。関係者の皆さんからも、特別支援の必要なお子さんや不登校のお子さんを受け入れている学校があり、緊急の支援を求めています。
 最近の教員不足で、私学でも、一般の先生も特別支援の先生が採用できないという状況があって、その子に対応している間は、クラスは自習になるということも起こっているそうです。また、特別支援教育を行う教員の育成も、私学では独自にやらなくてはならない状況です。
 一方、公立では、通常の学校に配置された先生も、一度は特別支援学校に勤務をして研修を行う制度もあります。特別支援学校の力を借りて研修ができます。
 そこでお伺いしますが、特別支援学校以外においても、特別支援教育のために、専門性を持った教員の育成や配置の支援についてはいかがお考えでしょうか。

○戸谷私学部長 私立学校における教員の育成や配置につきましては、それぞれの教育方針に基づき各学校が実施するものでございます。
 なお、標準的な教員の配置に必要な経費につきましては、経常費補助による支援を行っているところでございます。

○アオヤギ委員 それぞれの学校任せにするのではなく、特別支援教育を必要とするお子さんを積極的に受け入れている学校を支援していただきたいと思います。都教育委員会にも特別支援教育のノウハウは蓄積があるので、ぜひ連携していただきたいと思います。
 私立学校に通う子供たちも、特別支援教育が受けられ、適切な環境で学ぶ環境を整備し、私学振興を図っていただきたいことを要望して、次に移ります。
 次に、障害者スポーツセンターについてお伺いします。
 二〇二〇年の新型コロナウイルス感染拡大以降、二〇二二年度には大分状況が変化し、他の体育施設や障害者施設の時間や人数の制限に比べ、障害者スポーツセンターの利用制限が厳し過ぎるという声をいただいた件です。
 例えば、プールや体育館の利用枠を午前、午後、夜間と区切り、一日のうちに開館しているのはその中の一枠だけの日も多く、しかも消毒の時間が設けられ、午前中といっても、十二時ではなく十一時半までしか使えない。そのため利用者も困っているし、アルバイトで働いているサポートスタッフのシフトも減らされ、収入減となっている声をいただき、今年の三月の文教委員会でも質問させていただきました。
 まず、利用者数について伺います。
 駒沢オリンピック公園総合運動場、武蔵野の森総合スポーツプラザ及び両障害者スポーツセンターの二〇二二年度の来場者数はそれぞれ何人ですか。また、それぞれの施設の通常の年度、コロナや五輪の影響のない直近の年度の来場者数は何人ですか。

○梅村スポーツ施設部長 二〇二二年度である令和四年度の利用者数は、駒沢オリンピック公園総合運動場が約九十一万人、武蔵野の森総合スポーツプラザでは約五十九万四千人、障害者総合スポーツセンターが約四万三千人、多摩障害者スポーツセンターが約三万二千人でございました。
 また、コロナ前の二〇一九年である令和元年度の利用者数は、駒沢オリンピック公園総合運動場が約百三十三万五千人、武蔵野の森総合スポーツプラザでは約八十八万六千人、障害者総合スポーツセンターが約十四万八千人、多摩障害者スポーツセンターが約八万六千人でございました。

○アオヤギ委員 計算しますと、駒沢オリンピック公園総合運動場や武蔵野の森総合スポーツプラザは、昨年度、コロナ前の四割程度に利用が戻っていたことが確認されます。
 一方、北区にあります障害者総合スポーツセンターは、コロナ前の二九%、国立市にあります多摩障害者スポーツセンターは三六%と、実際に大変少ない状況であったということが分かります。
 それで、開館している時間が少ないので、サポートスタッフのシフトが減らされ、収入が減ってしまったということについてですが、三月の文教委員会では、サポートスタッフの使用時間や人件費については、詳細を把握していないけれど、障害者スポーツセンターの総人件費、つまり正規雇用の職員も含んだ人件費ですけれども、これは二〇一九年度、大きく変動していないとのご答弁がありました。
 その後、サポートスタッフの人件費についてもお調べいただいたと思いますが、どのようになっているのか、二〇一九年度から二〇二二年度まで年度ごとにお示しください。

○梅村スポーツ施設部長 障害者スポーツセンターの職員の人件費につきましては、指定管理者の運営に委ねており、都は詳細を把握しておりませんが、アルバイト職員の人件費は、コロナ前の令和元年度と比較して、令和二年度には二割程度減少しておりまして、令和三年度以降は、コロナ前よりも多くなっていると聞いております。

○アオヤギ委員 二〇二〇年度は二割減していたということです。それ以降は増加とのことですが、そもそも最低賃金や時給が毎年上がっていますので、人件費が増加しているからシフトが維持されているとは必ずしもいえないのかなと思います。
 アルバイト職員のうち、コロナの影響で収入が減り、休業支援金を受給した職員がいると聞いていますが、いるのでしょうか。お示しください。

○梅村スポーツ施設部長 指定管理者からは、休業支援金を申請した職員がいると聞いておりますが、障害者スポーツセンターの職員の勤務状況等につきましては、指定管理者の管理事項でございまして、都として詳細は把握しておりません。
 障害者スポーツセンターでは、利用者に基礎疾患を有している方が多く、新型コロナウイルスに感染した場合の重症化リスクが高いことから、徹底した感染防止対策が必要であり、それを踏まえた人員の配置等を実施してきたと聞いております。

○アオヤギ委員 休業支援金を申請するには、雇用主の書いた書類が必要ですから、指定管理者である障害者スポーツ協会側も、コロナの影響でシフトが減ったということは認めているのだと思います。
 また、休業支援金は自分で手続をする必要がありますから、シフトが減り、収入が減ってしまった方全員が申請したわけではないと聞いていますが、受給していた人は、国が制度を打ち切る昨年度末まで受給していたとのことですので、シフト減は二〇二〇年だけの話ではないと思います。
 本来であれば、雇用主が雇用と収入を維持するべきだったというふうに考えますけれども、さらに、休館や利用時間の制限をしても指定管理料は減額していないのか、維持は可能だったと思いますけれども、いかがお考えでしょうか。

○梅村スポーツ施設部長 障害者スポーツセンターの職員の雇用等につきましては、指定管理者において対応するものでございます。
 なお、指定管理者は、コロナ禍においても、職員に対して、センターで実施される競技などの実技や、障害の種類や程度に応じた指導方法などの研修などを行い、職員の雇用維持に努めていたと聞いております。

○アオヤギ委員 研修等を行い、雇用維持に努力したということです。しかし、現実には、二〇二〇年度には、アルバイト職員の人件費は二割減となっているのですから、別の見方をすれば、その二割はどこに行ってしまったのだろうと思います。
 それから、二〇二二年度の電気代高騰のために、都立体育施設の指定管理者に電気代を追加で支払ったと聞いていますが、その状況、施設別の追加金額などをお示しください。また、障害者スポーツ施設ではどのように対応したのですか。

○梅村スポーツ施設部長 令和四年度、光熱費高騰の影響により、当初、都が認定した収支計画に対して乖離が大きくなった施設について、必要な経費として指定管理料を増額して支払いました。
 具体的には、東京体育館に約一千七百万円、駒沢オリンピック公園総合運動場に約一千五百万円、辰巳国際水泳場に約二千四百万円、武蔵野の森総合スポーツプラザに約一千四百万円でございました。
 なお、障害者総合スポーツセンター及び多摩障害者スポーツセンターにつきましては、収支計画への影響が少なかったため、当初計画による支払いとしております。

○アオヤギ委員 他のスポーツ施設では数千万円の影響があったのに、障害者スポーツセンターでは影響が少なかったと、これも何だか腑に落ちない話であると感じます。
 体育館やプール、ナイター施設のあるグラウンドやテニス場、スポーツジム、多目的室、卓球やアーチェリーの施設、また宿泊設備、食堂などを備えた大規模施設ですから、使用時間がよっぽど少なかったのか、他の運営費とやりくりで吸収してきたのでしょうか。
 障害者スポーツセンターは重要な施設ですし、応援したいと思っておりますが、こうした釈然としない状況があるのは何とも残念なことです。
 利用者に影響していないか、また、利用者を支えているサポートスタッフなどにしわ寄せがされていないか、単なる赤字、黒字だけではなく、その内容も検証し、都民に説明できるようにしていただくことを要望します。
 次に、利用者への影響について伺います。
 冒頭申し上げたように、一日のうち、利用できるのが午前だけとか午後だけとか、時間帯が制限されていただけでなく、利用可能な時間帯であっても、施設が使われていないとか、一部しか使われていないという状況もあったと聞いています。
 というのは、五人以上の団体やサークルが申し込める団体枠が設定されているのですが、団体の申込みがなかった場合には、以前は個人に開放していたのに、それもやめていた。さらに、例えばプールでしたら、一レーンを借りれば十分な少人数の団体の利用であっても、使わないレーンを他の団体や個人に貸すこともやめていたということです。そのため、利用したい方から見れば、何でこんなに閑散としているのに使えないのかという理解し難い状況になっていたということです。
 そこでお伺いしますが、障害者スポーツセンターの二〇二二年度の団体利用枠の稼働率、団体利用者数に対してどの程度団体の申込みがあり、利用された数はどの程度だったのか伺います。

○梅村スポーツ施設部長 障害者スポーツセンターにつきましては、施設の稼働率ではなく、施設利用者数を都に対して報告することとしております。
 障害者スポーツセンターでは、利用者に基礎疾患を有している方が多く、新型コロナウイルスに感染した場合の重症化リスクが高いため、徹底した感染防止対策が必要であったことから、あらかじめ団体枠を設けることで、利用者同士の接触機会の削減を図っておりました。
 なお、団体枠は、指定管理者において、団体からのニーズと一般利用者のニーズを踏まえて設定しております。

○アオヤギ委員 最初の質問でお答えいただきましたとおり、利用者が非常に少なかったわけですから、なぜそうなっているのか、実際に利用者のお声もいただいていますので、適切だったのかよく検証していただいて、今後に生かしていただきたいと思います。
 自閉症の方など、利用可能な曜日や時間帯が変則的だと混乱する人もいます。プールなどでは、個人利用できる時間を増やすことで、安定的に運動ができる機会を提供してほしいという要望を伺っており、応えていただきたいと思いますが、いかがですか。

○梅村スポーツ施設部長 体育館等の利用につきましては、団体からのニーズと一般利用者のニーズを踏まえながら、より多くの方が施設を利用できるよう、団体と個人の利用枠を曜日や時間を固定せずに柔軟に設定しております。各施設のスケジュールにつきましては、ホームページやセンター内のデジタルサイネージなどで利用者に周知しております。
 プールにつきましては、新型コロナの感染症法上の位置づけが五類に移行されたことや、施設の利用状況などを踏まえ、本年十一月から団体利用のレーン貸しを行い、個人利用の機会を確保することとしております。
 今後も、利用者の声に耳を傾けながら、多くの方に施設を利用してもらえるよう努めてまいります。

○アオヤギ委員 十一月からレーン貸しを行い、個人の利用機会を確保する、利用者の声に耳を傾けるということです。ぜひ対応をお願いしたいと思います。
 また、先ほど他の議員の質問でも、在学、在勤の方に対しても利用をさせているという話がありましたけれども、これ、実は昨年はやっていなかったと思います。
 大事なことなのでお聞きしたいと思いますけれども、多摩障害者スポーツセンターでは他県の方も利用できていたのですが、北区にある障害者スポーツセンター、他県から来ると断られていたということなんですけれども、これはいつからそういった在学、在勤の人も可能としたのですか。

○梅村スポーツ施設部長 都内在勤、在学の方への利用拡大につきましては、昨年の十一月から実施しております。

○アオヤギ委員 昨年の十一月から変更されたということで、このことも前進だと思っております。
 仕事を持っている利用者の方からは、コロナ以降は夜間に利用できる日が限られ、利用できても、コロナ前よりも閉館時間が早くなったため困っていたとの話も伺っています。
 二〇二二年度はどのような状況だったのか、また現在はどのようになっているのか伺います。

○梅村スポーツ施設部長 障害者スポーツセンターでは、新型コロナウイルスに感染した場合の重症化リスクが高い利用者が多いことから、利用できる施設や時間を制限する必要があり、令和四年度は、利用者のニーズが高い午前の部と午後の部を中心に利用可能としておりました。
 現在は、新型コロナの感染法上の位置づけが五類に移行されたことなどを踏まえ、全ての施設において、夜間の部の利用を可能としております。

○アオヤギ委員 現在は夜間も利用できるようになったということで、よかったと思います。
 同時に、現在でも制限は必要なのかという、制限も残っていると伺っています。利用者の声をよく聞いて、さらに適切な運営を努めていただきたいと思います。
 改めてお伺いします。障害者スポーツセンターについて、施設の運営に当たり、都は指定管理者にどのようなことを求めていますか。

○梅村スポーツ施設部長 都は、指定管理者に対し、条例に基づく運営を求めております。その評価に当たっては、都立スポーツ施設の評価の観点に基づき、運営状況を評価しております。
 具体的には、利用状況として、施設の利用促進の取組や利用者数、また、スポーツ振興事業や利用者に対するサービス提供などについて評価をしております。

○アオヤギ委員 障害者の利用が促進できるように、利用者数などについて評価をしているということでした。
 障害者スポーツセンターは、このセンターがあるからこそスポーツができると、障害者の皆さんに愛されていることを、私もお声を伺いながら本当に実感しているところです。
 障害者スポーツセンターは、初心者からアスリートまで様々な障害のある方がスポーツを楽しめる場であると思いますが、障害者スポーツセンターの設置の目的についてお答えください。

○梅村スポーツ施設部長 障害者スポーツセンターは、障害者スポーツにおける拠点として重要な役割を果たしており、東京都障害者スポーツセンター条例では、都における障害者のスポーツ・レクリエーションの活動の振興と社会参加の促進を図るため、障害者スポーツセンターを設置すると定めております。

○アオヤギ委員 重要な役割を果たしていると、スポーツ・レクリエーションの活動の振興と社会参加の促進を図るために設置されているとのご答弁です。
 その意義と役割を十分に発揮していただくことを強く要望して、質問を終わります。

○入江委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○入江委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で生活文化スポーツ局関係を終わります。
 以上をもちまして第二分科会における決算の審査は終了いたしました。
 なお、本分科会の審査報告書につきましては、分科会委員長において取りまとめの上、委員会委員長に提出いたしますので、ご了承願います。
 これをもちまして第二分科会を閉会いたします。
   午後四時五十二分散会

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