委員長 | 細田いさむ君 |
副委員長 | 土屋 みわ君 |
副委員長 | 曽根はじめ君 |
竹平ちはる君 | |
斉藤 りえ君 | |
渋谷のぶゆき君 | |
原田あきら君 | |
福島りえこ君 | |
山口 拓君 |
欠席委員 一名
出席説明員住宅政策本部 | 本部長 | 山口 真君 |
住宅企画部長 | 松崎伸一郎君 | |
民間住宅部長 | 鈴木 誠司君 | |
都営住宅経営部長 | 栗谷川哲雄君 | |
連絡調整担当部長 | 今井 徳彦君 | |
技術企画担当部長DX推進担当部長兼務 | 相羽 芳隆君 | |
民間住宅施策推進担当部長 | 三宅 雅崇君 | |
経営改革担当部長 | 小町 高幹君 | |
都営住宅企画担当部長 | 平松 紀晴君 | |
建設推進担当部長 | 青木 成昭君 | |
営繕担当部長 | 小久保信一君 | |
再編利活用推進担当部長 | 木村 宣代君 | |
都市整備局 | 局長 | 谷崎 馨一君 |
次長 | 小平 基晴君 | |
技監 | 小野 幹雄君 | |
技監 | 湯川 雅史君 | |
理事 | 朝山 勉君 | |
総務部長 | 打田 武彦君 | |
都市づくり政策部長 | 山崎 弘人君 | |
都市基盤部長 | 三宮 隆君 | |
市街地整備部長 | 三木 健君 | |
市街地建築部長 | 飯泉 洋君 | |
基地対策部長 | 金子 光博君 | |
企画担当部長 | 長尾 肇太君 | |
まちづくり推進担当部長 | 谷内加寿子君 | |
まちづくり調整担当部長 | 澤井 正明君 | |
交通政策担当部長調整担当部長兼務 | 井川 武史君 | |
地域公共交通担当部長多摩ニュータウン事業調整担当部長兼務 | 佐々木啓文君 | |
防災都市づくり担当部長 | 池内 光介君 | |
耐震化推進担当部長 | 谷井 隆君 |
本日の会議に付した事件
令和四年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
住宅政策本部関係
・令和四年度東京都一般会計決算(質疑)
・令和四年度東京都都営住宅等事業会計決算(質疑)
・令和四年度東京都都営住宅等保証金会計決算(質疑)
都市整備局関係
・令和四年度東京都一般会計決算(質疑)
・令和四年度東京都都市開発資金会計決算(質疑)
・令和四年度東京都臨海都市基盤整備事業会計決算(質疑)
○細田委員長 ただいまから令和四年度各会計決算特別委員会第三分科会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、住宅政策本部及び都市整備局関係の決算に対する質疑を行います。
これより住宅政策本部関係に入ります。
初めに、理事者の欠席について申し上げます。
青柳技監は、公務のため、本日の分科会に出席できない旨の申出がございました。ご了承願います。
それでは、決算の審査を行います。
令和四年度東京都一般会計決算中、住宅政策本部所管分、令和四年度東京都都営住宅等事業会計決算、令和四年度東京都都営住宅等保証金会計決算を一括して議題といたします。
本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
その際要求のございました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○松崎住宅企画部長 去る十月十三日の当分科会で要求のございました資料につきまして、ご説明申し上げます。
お手元に配布しております当本部の令和四年度各会計決算特別委員会第三分科会資料をご覧ください。資料は、全部で十九件でございます。
まず、目次の後、一ページをお開きください。1、都営住宅建設事業に係る中小企業への工事発注実績でございます。
発注実績及びそのうちの中小企業への実績につきまして、件数及び金額を過去五年間、年度別に財務局契約及び都市整備局契約または住宅政策本部契約別に記載してございます。
二ページをご覧ください。2、都営住宅の管理戸数、空き住戸数、募集停止戸数の状況でございます。
都営住宅の管理戸数、そのうちの事業用空き住戸及び募集用空き住戸につきまして、戸数及び割合を過去五年間、年度別に記載してございます。あわせて、募集停止戸数につきまして、年度別に記載してございます。
三ページをお開きください。3、都営住宅、公社住宅のエレベーター設置状況でございます。
(1)では、既設都営住宅へのエレベーター設置状況を、(2)では、都営住宅のエレベーター設置率を、右側四ページの(3)では、公社住宅のエレベーター設置状況を、(4)では、公社住宅のエレベーター設置率を、それぞれ過去五年間、年度別に記載してございます。
五ページをお開きください。4、都営住宅、公社住宅の入居者の年齢別世帯数の状況及び単身入居者の年齢別世帯数の状況、都営住宅の平均居住年数、都営住宅の使用料の収入未済率でございます。
(1)では、都営住宅の入居者について、(2)では、都営住宅の単身入居者について、それぞれ名義人の年齢区分別に、世帯数及び割合を過去三年間、年度別に記載してございます。
六ページをご覧ください。(3)では、都営住宅の入居者の平均居住年数を、(4)では、都営住宅の使用料の収入未済率をそれぞれ過去三年間、年度別に記載してございます。(5)では、公社住宅の入居者について、ページをおめくりいただき、七ページの(6)では、公社住宅の単身入居者について、それぞれ名義人の年齢区分別に、世帯数及び割合を過去三年間、年度別に記載してございます。
八ページをご覧ください。5、都営住宅使用承継事由発生件数、申請件数及び使用承継が認められた件数でございます。
それぞれの件数を過去五年間、使用承継事由発生期間別に記載してございます。
九ページをお開きください。6、公営住宅使用承継制度厳格化の実施状況でございます。
都道府県及び政令市別に、令和五年三月三十一日現在の実施状況を記載してございます。
一〇ページをご覧ください。7、都営住宅における収入階層別世帯数でございます。
令和五年三月三十一日現在の各世帯数を記載してございます。
一一ページをお開きください。8、都営住宅使用料一般減免の状況でございます。
減免件数を過去五年間、年度別に記載してございます。
一二ページをご覧ください。9、都営住宅建替えによる型別供給実績でございます。
型別供給の内訳を過去三年間、年度別に記載してございます。
一三ページ、お開きください。10、都営住宅における期限付き入居の募集戸数、申込者数及び平均倍率でございます。
それぞれについて、過去五年間、年度別に記載してございます。
一四ページ、ご覧ください。11、都営住宅の使用料収入でございます。
調定額、収入済額、収入率を過去五年間、年度別に記載してございます。
一五ページをお開きください。12、公社一般賃貸住宅及び都民住宅の空き住戸状況でございます。
(1)では、公社一般賃貸住宅の管理戸数及び空き住戸数を、(2)では、都民住宅の管理戸数及び空き住戸数を、都施行型、公社施行型、公社借上げ型及び法人管理型別に、それぞれ過去三年間、年度別に記載してございます。
一六ページをご覧ください。13、区市町村居住支援協議会の一覧と各居住支援協議会の構成メンバーでございます。
ここから一九ページにかけまして、令和五年三月三十一日現在の協議会名及び構成メンバーをそれぞれ記載してございます。
二〇ページをご覧ください。14、東京都の空き家数・空き家率の推移でございます。
平成十年度以降の空き家数及び空き家率を五年ごとに記載してございます。
二一ページ、お開きください。15、区市町村別東京ささエール住宅の登録戸数及び専用住宅の登録戸数、それぞれの登録戸数の合計でございます。
令和五年三月三十一日現在の東京ささエール住宅の登録戸数及びそのうちの専用住宅の戸数を区市町村別に記載してございます。あわせて、欄外にはそれぞれの登録戸数の合計を記載してございます。
二二ページをご覧ください。16、住宅確保要配慮者向け賃貸住宅に係る家賃低廉化補助を実施している自治体及び補助実績でございます。
各自治体の補助実績を過去五年間、年度別に記載してございます。
二三ページをお開きください。17、居住支援法人の指定数の推移でございます。
法人の種別ごとの指定数を過去五年間、年度別に記載してございます。
二四ページをご覧ください。18、サービス付き高齢者向け住宅等供給実績でございます。
過去五年間の供給戸数及び累計の戸数を、それぞれの高齢者向け住宅別に記載してございます。
二五ページをお開きください。19、政策連携団体・事業協力団体の職員構成でございます。
過去五年分の職員構成を団体別に記載してございます。
以上で資料説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○細田委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○土屋委員 まず初めに、サービス付高齢者向け住宅について伺います。
高齢者の住まいについて相談を受けることが多々ありますが、その中でもサービス付高齢者向け住宅は、その選択肢の一つとなるものと考えております。
そこで、様々な高齢者向けの住まいの形態がある中で、サービス付高齢者向け住宅はどのような特徴を有する住宅なのか、まずお伺いいたします。
○鈴木民間住宅部長 サービス付高齢者向け住宅は、高齢者の居住の安定を目的に、平成二十三年の高齢者の居住の安定確保に関する法律の改正に伴い、創設されたものでございます。
この住宅は、バリアフリー構造を有し、生活相談サービス、安否確認サービスが提供されることとなっており、都におきましては、緊急時対応サービス等が要件として追加されております。入居できますのは、六十歳以上の者または要介護、要支援認定を受けている六十歳未満の者及びその同居者などとなっております。
○土屋委員 ありがとうございます。今後高齢者が増加していく中で、サービス付高齢者向け住宅は、安心して高齢者が暮らすことのできるサービス、設備を備えた住宅として、今後さらにそのニーズが大きくなっていくものと考えます。
都は、サービス付高齢者向け住宅の供給促進に向けどのような目標を設定し、また、その目標に対して、現在までにどの程度の実績が上がっているのかお伺いいたします。
○鈴木民間住宅部長 令和四年三月に改定した東京都住宅マスタープランでは、サービス付高齢者向け住宅に加えまして、東京都高齢者向け優良賃貸住宅、都市再生機構の高齢者向けの優良な賃貸住宅等を含めた供給数につきまして、改定前のプランにおいて令和七年度末までに二万八千戸としていたものを、今後の高齢単身世帯の増加などを踏まえまして、令和十二年度末までに三万三千戸と引き上げたところでございます。
また、これらの供給実績につきましては、平成二十九年度末時点で累計一万九千七百十四戸だったものが、この五年間で約四千五百戸増加し、昨年度末で二万四千二百二十四戸となっております。
○土屋委員 供給実績については、順調に推移していることが分かりました。
また、住宅マスタープランにおける供給戸数の目標については、民間におけるサービス付高齢者向け住宅のさらなる供給促進を期待して、目標を引き上げて設定したものと考えます。
サービス付高齢者向け住宅は、民間事業者が整備するものではありますが、医療や介護との連携に加えて、地域の居場所づくりなど行っているものもあり、そのような観点で、地元区市町村との連携も非常に重要と認識いたしています。
そこで、サービス付高齢者向け住宅の供給においては、地域で暮らす高齢者のニーズに応えるため、区市町村との連携が要になると思いますが、どのように取り組んでいるのか伺います。
○鈴木民間住宅部長 都は、国が行っている整備費補助に加えまして、地域密着型サービス事業所等との連携を行う事業者に対し、東京都サービス付き高齢者向け住宅整備事業により上乗せ補助を行うことなどにより、供給促進を図っております。
整備費の補助に当たりましては、地域のニーズや実情を踏まえて取り組むことが必要であり、都は、当該区市町村が定める行政計画や、都の整備費補助を受ける際に一部の区市町村が設定している事業者に求める基準などに適合するよう、事業者の計画を聞き取った上で、必要に応じて区市町村や事業者との調整を行っております。
区市町村との連携を図りながらサービス付高齢者向け住宅の供給を促進し、高齢者が安全・安心に暮らせる住まいを確保してまいります。
○土屋委員 地元の意見をしっかり聞いて事業を進めているとのことであります。
私の地元の世田谷区においても、事業者が区と調整を図りながら、着実にサービス付高齢者向け住宅の供給が進んでいると聞いております。
ご答弁いただきましたように、サービス付高齢者向け住宅が地域に供給されることによって、高齢者が住み慣れた地域で安心して住み続けることができると考えます。高齢者向け住宅のニーズを捉え、引き続きしっかりと供給促進に向けて取り組んでいただくことを要望し、次の質問に移ります。
次に、都営住宅について伺います。
都営住宅、いわゆる低額所得者に低廉な家賃で賃貸する住宅でありますが、この都営住宅に応募しているけれども、もう何度も落選している単身高齢者がたくさんいると聞いております。
都営住宅の単身者向け住戸の募集は、特に居住の安定を図る必要のある高齢者世帯や障害者世帯等に限り入居対象となっていますが、高倍率となっている現状下で、今後高齢化が進む一方の中で、単身高齢者などが都営住宅により入居しやすくなるよう改善を図る必要があると思うのですが、令和四年度の単身高齢者等への取組内容について伺います。
○平松都営住宅企画担当部長 令和三年度以前は、特に居住の安定を図る必要のある高齢者世帯や障害者世帯等を対象に、年四回の定期募集で単身者向けの募集を行っておりました。これに加えまして令和四年八月からは、毎月募集におきましても、高齢者等を対象とする単身者向けの募集を開始してございます。
あわせまして、多摩地域の随時募集で応募が少なかった二人以上の世帯向け住戸につきましては、世帯人数の条件を緩和の上、八月の毎月募集から単身者向け住戸として募集し、単身高齢者等の応募機会の拡大を図ってございます。
○土屋委員 コロナ禍を経て、さらには物価高騰など経済的に都民の生活に大きな影響が及ぶ中、住宅に困窮する都民が安心して暮らせる都営住宅が、住宅セーフティーネットの中核としての役割を果たせるよう、今後もしっかりと取組をお願いいたします。
次に、都営住宅等におけるウクライナ避難民の方の受入れについてでありますが、ロシアによるウクライナ侵攻からおよそ一年八か月が過ぎましたが、いまだ激しい戦闘が続き、ウクライナの人々は苛酷な状況に置かれています。
都は、着のみ着のまま避難されてきたウクライナの方々に都営住宅等を提供してきましたが、事態が長期化する中、これまでに都営住宅等に受け入れてきた避難民の方の数も相当なものになっているのではないかと思います。
そこで、令和四年度におけるウクライナ避難民の方の都営住宅等への受入れ状況についてお伺いいたします。
○小町経営改革担当部長 令和四年度末時点で二百三十三組、三百八十五人のウクライナ避難民の方を都営住宅等に受け入れました。
○土屋委員 多くの避難民の方々が都内の都営住宅等で暮らしているということでありますが、都は、避難民の方が暮らしていくに当たり必要な生活、教育、そして就労など各分野の支援を全庁挙げて実施しています。中でも住まいというのは、まさに生活の基盤であり、住宅政策本部が行っている住まいに関する支援は大変重要であります。
そこで、避難民に提供している都営住宅等の住戸に設置している備品等の支援状況について、具体的にお伺いいたします。
○小町経営改革担当部長 都は、都営住宅等の住戸を無償で提供しており、入居後の生活に困らないよう、照明器具やエアコン、冷蔵庫、洗濯機、テレビ、ベッド、Wi-Fiホームルーター等の備品をあらかじめ用意しているほか、光熱水費等の支援も行いました。
あわせて、都営住宅等の住まい方の留意点や自治会活動等を記載した住まいのしおりのウクライナ語及びロシア語版を作成し、配布いたしました。
○土屋委員 生活するに当たり、一通り必要な住宅内の備品については、かなり充実した支援を行っているということであります。
そして、ウクライナから東京に避難してきた方たち、多くの方たちが、言葉も習慣も違う日本での生活で孤独を感じたり、またストレスや不安を抱えながら暮らしている。そういった状況の中で、この慣れない土地で安心して避難生活を送ってもらえるよう、避難民の方と居住者双方が理解を深めていくことも大切なのではないかと思います。
こうしたソフト面で、都はどのような支援を行ってきたのか、具体的内容と実績をお伺いいたします。
○小町経営改革担当部長 避難民の方と団地居住者や近隣住民の方との良好なコミュニケーションを図るため、令和四年度は東京みんなでサロンを開催し、東京文化会館と連携して、音楽を通じた地域での交流の機会を提供いたしました。
実績としては、台東区、昭島市、足立区の三か所の都営住宅の集会所で実施し、ウクライナ避難民六十五人、日本人七十四人、合計百三十九人の方が参加し、参加した方々からは、とても楽しかった、このイベントをきっかけに、もっと交流を深めていきたいなどの感想をいただきました。
○土屋委員 都として、避難民に寄り添った支援を行っていることが分かりましたが、今後は、心のケアなども必要になってくるのではないかと思います。避難民が地域に溶け込めるよう、都民が関心を持ち続けることがまずは大事だと思いますが、都としても引き続き避難民の方たちへの支援充実をお願いいたします。
そして、一日も早く事態が収束し、ウクライナに平和が訪れること、そしてウクライナ避難民の方々が安心して祖国に一日でも早く帰れることを心から願い、私の質問を終わります。
○福島委員 私からは、まず、住宅における太陽光発電設備の災害時における使用について伺います。
二〇三〇年までに都内の温室効果ガスを五〇%削減するカーボンハーフの実現に向けて、昨年十二月の第四回定例会において、新築住宅などへの太陽光発電設備の設置や、断熱、省エネ性能の確保などを義務づける内容を盛り込んだ環境確保条例の改正案、これが可決をされました。
太陽光発電設備の導入には、光熱費の削減という経済性、CO2の削減への貢献、そして災害発生時に発電した電力を使えるという防災力の向上という、三つの効果が期待されます。
我が会派は、令和四年度予算要望において、学校や都営住宅などの公共施設の屋根に太陽光発電設備を設置することを求め、都営住宅においては、取組は順調に進んでいると認識をしておりますが、加えて、団地居住者のコミュニティの拠点となる集会所に、太陽光発電設備に加え蓄電池を設置することも、停電時における災害対策として有効だと考えます。
都は、都営住宅の建て替えにおいて、集会所に太陽光発電設備と蓄電池設備を設置するモデル事業を実施していると聞いております。
そこで、モデル事業を実施している団地の建て替え工事の進捗状況について伺います。
○青木建設推進担当部長 モデル事業を実施している団地は、豊島区の西巣鴨二丁目団地と八王子市の大谷町団地の二団地です。
西巣鴨二丁目団地は、令和二年度に建て替え工事に着手し、令和四年度に集会所が完成しました。本年六月には外構工事が完了し、団地全体の建て替え工事が終了したところでございます。
大谷町団地は、令和三年度に建て替え工事に着手し、現在工事中であり、令和六年夏頃の完成を予定しております。
○福島委員 西巣鴨二丁目団地については、集会所の工事が終了しているとのことですが、これらの設備は災害時にどのような使用方法を見込んでいるのか、設備の概要と併せてお伺いいたします。
○青木建設推進担当部長 この集会所には、太陽光発電や蓄電池の設備から電力が供給される非常用コンセントを設けており、大規模停電時に、居住者等が日中だけでなく夜間でも滞在できることを想定しています。
太陽光発電設備の発電能力は約四キロワット、蓄電池設備の容量は約六キロワットアワーであります。この設備は、日中の晴天時では携帯電話約百台分の充電と、夜間では十ワット相当の卓上式LED照明スタンド五十台が八時間以上使用可能な規模であると見込んでおります。
○福島委員 災害発生時にまず必要な明かりや通信手段の確保が可能になる太陽光発電設備と蓄電池の整備が進んでいることを確認いたしました。
今後、居住者の入居に際して利用方法等について説明し、長時間の停電を想定した防災訓練を行うなど、ソフト面の取組も進めることで有効性を高めるとともに、課題については検証、今後に生かしていただきたいと思います。加えて、近隣の方も使用できるようにしていただくよう検討をお願い申し上げます。
続いて、多摩産材の利用促進についてお伺いいたします。
我が会派は、中でも西多摩選出の清水やすこ都議は、多摩部に広がる森林の維持管理、そして林業の持続性を高めるため、継続して多摩産材の利用促進を訴えてまいりました。
多摩産材の利用促進のためには、都が自ら率先して使用していくことが重要ですが、都営住宅における多摩産材の使用状況と使用拡大に向けた取組についてお伺いいたします。
○青木建設推進担当部長 木の循環利用を通じて多摩地域の林業の活性化を図るため、都営住宅の建て替え工事において、建物の部材等に多摩産材を使用しています。これまでも、供給の状況を勘案しながら、発注時に多摩産材の使用を指定する工事件数を増加させており、使用を開始した平成十六年度は年間十五立方メートルであったところ、令和四年度には約九百五十立方メートルとなっております。
使用拡大に向けては、業界団体へのヒアリングなどにより市場での供給可能量の把握に努めながら、多摩産材の使用を増加させていくこととしています。
○福島委員 多摩産材の使用を指定する工事件数を増加させることで、平成十六年度比で六十倍強に伸びたことを確認しました。
では、指定する工事件数を増やせばいいのかといえば、そうでもないとも聞いております。どのような理由で使用を指定する工事を決めているのか伺います。
○青木建設推進担当部長 多摩地域の林業の活性化を図るためには、多摩産材が安定的、継続的に使用されることが重要です。このため、都営住宅の建て替え工事においては、供給の状況や民間での使用も勘案しながら、毎年度確実に使用量が増加していくよう、発注時期や工事規模に配慮し、多摩産材の使用を指定する工事を選定しています。
○福島委員 木の伐採から一定の長さへの造材、そして林業機械を使っての丸太の集材から運搬、そして製材と、この一連の流れに関わる事業者の皆様が、安定的に、かつ持続的に仕事を続けるためにも、この利用の平準化、これが大事であるということを理解しました。丁寧かつ着実な取組を求めたいと思います。
都営住宅に加えて、都が関連する住宅供給事業者として政策連携団体である東京都住宅供給公社もございます。この都の政策連携団体である東京都住宅供給公社においても、多摩産材の使用を促進していくべきと考えますが、公社住宅における多摩産材の使用状況と使用拡大に向けた取組について伺います。
○今井連絡調整担当部長 東京都住宅供給公社は、多摩地域の森林の循環促進と維持増進のため、公社住宅の建て替えや改修に合わせまして、主に共用部の施設等において多摩産材を使用しております。
令和四年度におきましては、建て替えたカーメスト大蔵の杜やカーメスト興野町で植栽した樹木の支柱に、改修した多摩ニュータウン落合住宅ではコミュニティサロンのフローリングに使用し、これまでの使用実績は約五十六立方メートルとなってございます。
今後、使用拡大に向けまして、公社は、多摩産材の供給状況等を勘案しつつ、使用する対象や範囲等を検討の上、取り組んでまいります。
○福島委員 これまでの使用実績が五十六立方メートルと、都営住宅に比べてまだ伸び代があることを確認しました。供給状況も踏まえつつ、使用拡大に取り組むという大変前向きなご答弁をいただきました。よろしくお願いいたします。
私からの質問は以上で終わります。
○竹平委員 よろしくお願いします。
初めに、都営住宅に関連した事業について伺ってまいります。
まずは、都営住宅における大学と連携した学生入居によるコミュニティ支援事業についてお聞きします。
少子高齢化の中、都営住宅では居住者の高齢化や単身化が進み、自治会の担い手不足や活動の停滞など、地域とのつながりが希薄化してきています。こうした中で、都は、我が党の提案を受けて、東京都と大学が協定を締結し、都営住宅に学生が入居し、自治会と学生が協力して自治会活動に取り組むなどコミュニティ活動を支援する取組を開始したところであります。
全ての都営住宅で大学生の方の入居が可能なのか、都営住宅の空き住戸の状況や自治会の方の事情、また、入居される学生の状況もあるかと思います。
そこで、改めてこの事業の目的と事業内容、学生の入居条件について伺います。また、令和四年度は、大学と協定を結ぶに当たって具体的にどのように進め、団地を選定したのかお伺いいたします。
○小町経営改革担当部長 都は、団地や地域の活力あるコミュニティの形成に資するよう、都内の大学と連携し、学生が都営住宅に入居して、自治会活動を支援する取組を進めております。
学生の入居に当たりましては、協定締結大学に在籍し、入居する都営住宅の団地自治会等に加入し、協同してコミュニティ活動を行うことを条件としております。
令和四年度は、地域への貢献に関心のある大学に働きかけるなどして協定を締結するとともに、大学の近隣で団地自治会等が学生の入居を希望する団地を選定いたしました。
○竹平委員 ただいまは事業の内容、進め方等について確認をさせていただきました。
そこで、令和四年度における大学との協定締結実績と学生の都営住宅への入居実績についてお伺いをいたします。
○小町経営改革担当部長 令和四年度は、四つの大学と協定を締結し、令和三年度末に協定を締結した二つの大学と合わせ、六つの大学の学生が六団地に計三十四人、入居いたしました。
○竹平委員 着実に都と大学との協定、そして学生の入居が進んでいることが分かりました。
令和四年度に入居した学生は、どのような自治会活動に参加しているのか、学生の自治会への活動参加の具体例などをお伺いします。あわせて、自治会の方や学生からはどのような声があるのかお伺いいたします。
○小町経営改革担当部長 入居した学生は、共用部分の清掃に加え、資源回収運動や団地のお祭りの手伝いなどに参加しております。
自治会の方からは、高齢の居住者が多い中で即戦力になって助かるといった声や、若い人との交流が少ない中で触れ合いが生まれてよかったといった声などを聞いております。
学生からは、大学に通学しやすいところに住めて助かるといった声や、自分たちの活動が自治会活動に役立ってうれしいといった声などを聞いております。
○竹平委員 自治会の方にとっても、学生さんにとっても、よい効果があることが分かりました。
この事業がもっと広がればよいというふうに思うところですが、近くに大学がある団地は限られてしまうため、団地と大学とのマッチングに課題があるのではないかと考えます。私の地元江戸川区内には多くの都営住宅があり、団地のほとんどが高齢化で自治会運営にご苦労をされていて、若い人に入ってもらいたいとのお声を多くいただいています。
しかし、区内には多くの専門学校はあるのですが、大学が少ないこともあり、なかなかこの事業を行うのは難しいのではないかと思っています。
今後は、専門学校などの対象拡大の検討や、協定締結大学の近隣の団地に限定せず、学生の通学に支障ない範囲で、大学と入居する団地のマッチングを行うことも必要ではないかと考えますが、令和四年度の実績を踏まえた課題についてお伺いをいたします。
○小町経営改革担当部長 令和四年度は、協定締結大学の近隣の団地に学生が入居することができましたが、事業実施に当たっての課題としては、協定締結大学の近隣に都営住宅がない場合がございます。
また一方で、学生の入居を希望する団地の近隣に協定締結に積極的な大学がない場合も考えられます。
こうしたことから、大学と団地の立地にとらわれず、本事業の趣旨を大学及び自治会の双方に理解していただき、本事業を推進することが必要と考えております。
○竹平委員 今後は、学業や通学に支障を来してはなりませんが、可能な場合は、専門学校や居住の場所などの条件を緩和し、本事業の安定的な継続を要望いたします。
次に、東京みんなでサロンについてお伺いいたします。
都は、令和三年度から、都営住宅の集会所などを活用した東京みんなでサロンを行っていますが、改めてこの事業の目的とともに、昨年度までの取組実績と具体的なプログラムの内容をお伺いいたします。
○平松都営住宅企画担当部長 都は、都営住宅の集会所などを活用し、様々な人々の交流の場として地域の居場所づくりを進めるため、令和三年度から東京みんなでサロンを実施しております。二〇三〇年度までの目標数を百か所としてございます。
実施回数は、令和三年度は四区一市の五か所で計五十五回、令和四年度末までに十一区八市の三十一か所、計四百二十二回と、着実に実績を伸ばしております。
具体的なプログラムとしましては、高齢者のフレイル予防のための健康体操教室や、子供たちに食事や学習の支援を行う子供食堂などが開催され、多くの団地居住者や地域住民の方が参加し、交流の機会となっております。
○竹平委員 実施状況を確認させていただきました。少しずつ取組が広がっていることが分かりました。
今後、より多くの都営住宅でこのプログラムを実施していくためには、プログラムを運営できる団体に東京みんなでサロンのことを積極的に周知していくことが必要だと思いますが、これらの団体にこの事業を知ってもらうために、これまでどのような周知を行ってきたのかお伺いいたします。
○平松都営住宅企画担当部長 令和四年度は、定期的にプログラム運営主催者の募集を実施いたしましたほか、ホームページやSNS等を通じて事業の周知を行ってまいりました。また、区市町や東京都社会福祉協議会、地域包括支援センター等に本事業の紹介を行うとともに、それぞれの関係団体等への周知を依頼してございます。
さらに、地元区市町と連携して地域のニーズを把握し、プログラム運営に関心のあるNPO等の団体に対しまして都が直接働きかけを行って、事業の認知度向上を図ってまいりました。
○竹平委員 東京みんなでサロンは、まだスタートして三年目ですので、まだまだ知られていないと思いますので、引き続き区市町などと連携をし、プログラム運営に取り組む団体などに事業の周知を一層進め、本事業のさらなる充実が図られていくことを要望いたします。
次に、都営住宅における太陽光発電設備の取組について伺います。
我が党はかねてより、都有施設において率先して太陽光発電設備の設置を推進すべきと提案してまいりました。
そこで、まず、都営住宅においても太陽光発電設備の設置を拡大していくことが重要であると考えますが、都の見解を伺います。あわせて、設備の設置棟数とその発電能力について、設置開始からの累計と令和四年度分の実績をお伺いいたします。
○小久保営繕担当部長 脱炭素社会の実現に向け、都営住宅においても再生可能エネルギーの利用拡大に取り組む必要がございます。
都は、平成十六年度から都営住宅の建て替えに合わせて、原則全ての住棟の屋上に太陽光発電設備の設置を開始いたしました。また、平成二十五年度からは既存の住棟へも設置を開始し、令和四年度から既存住棟での設置棟数を年間百棟に拡大しております。
令和四年度末までの設置実績は、建て替え住棟と既存住棟を合わせて約六百五十棟、発電能力の合計は約五千キロワットとなっております。このうち、令和四年度の設置実績は約百三十棟、発電能力の合計は約二千四百キロワットでございます。
○竹平委員 着実に太陽光発電設備の設置が進められていることを確認させていただきました。
我が党は以前より、都営住宅の居住者が太陽光発電設備の恩恵を実感できる取組を求めてきたところですが、都は、太陽光発電設備の設置に合わせて、発電した電力を停電時に居住者等が使用できる非常用コンセントを共用部に整備するとのことです。令和四年度までの整備実績をお伺いいたします。
○小久保営繕担当部長 建て替え住棟では、令和元年度から、災害時に居住者等がスマートフォンの充電等を行えるようエントランスホール等に非常用コンセントの整備を開始し、令和四年度までに十二棟が完了しております。
さらに、既存住棟では、令和四年度から、太陽光発電設備を設置した百棟全てにおいて、共用部に非常用コンセントを整備しております。
○竹平委員 共用部の非常用コンセントの整備も進んでいることを確認させていただきました。引き続きの取組を要望いたします。
次に、都営住宅における共用部のLED化について、令和四年度までの実績を伺います。特に、大量のストックを抱える既存住棟のLED化は、居住者の要望も多く、早急に進めるべきと考えますが、都の工夫をお伺いいたします。
○小久保営繕担当部長 都営住宅の共用部のLED化につきましては、建て替え工事では平成二十七年度から、既存住棟の改修では平成二十九年度から実施しており、計画的に進めております。
設置率につきましては戸数ベースで算出しており、令和四年度は約二万三千五百戸を対象に設置し、令和四年度末時点の累計は約九万三千二百戸、設置率は約三六%となっております。
既存住棟のLED化につきましては、共用部の照明器具、分電盤などの電気設備の改修に合わせて実施するに当たり、工事内容の簡素化によりコスト縮減を図り、設置数を増やすことで早期完了を目指してまいります。
○竹平委員 特に昨今のエネルギー高騰に伴い、電気代の負担を抑えたいと、共用部の照明をLEDに替えてほしいと多くの自治会からご要望をいただいております。引き続き工夫をしていただき、できるだけ早くLED化が進むよう要望いたします。
次に、都営住宅の浴室設備の更新について伺います。
都は、長年の我が党の要望に応え、浴室設備を自己資金で設置している居住者に対して、都設置に切り替える事業を令和二年度から試行しております。更新方法として、住棟ごとに更新を行う基本枠と、故障した住戸に対して戸別に更新を行う故障枠の二つの方法を設けており、令和四年度からは、基本枠は実施戸数を拡大し、故障枠は年齢要件をなくして、本格実施しているところであります。
また、令和三年度の故障枠においては申込者が多く抽せんとなり、落選された方は、令和四年度に優先的に申込みができると聞いております。
そこで、本格実施一年目に当たる令和四年度の浴室設備更新の実施状況をお伺いいたします。
○小久保営繕担当部長 浴室設備の更新につきましては、令和二年度、三年度の試行の状況を踏まえ、予定戸数や応募要件を定め、令和四年度から本格実施しております。
令和四年度の実施状況につきましては、住棟ごとの浴室設備の更新は、予定戸数二千六百戸に対し、二千五百六十一戸を実施いたしました。また、故障した浴室設備の更新は、予定戸数五百戸に対し、四百九十八戸を実施いたしました。
実施に際しましては、三年度の抽せんで落選された方のうち、四年度も希望のあった百四十九戸を優先的に更新いたしました。残り三百五十一戸は、新たに応募があった六百九十一戸の中から抽せんの上で実施いたしました。四年度に落選された方につきましては、五年度に優先的に実施する旨を案内しております。
○竹平委員 都が住戸を適切に維持管理するため、居住者が設置した浴室設備の更新をできるよう改善が図られてきているところですが、故障した場合は、利用できないと大変困るわけでございます。できるだけ早く交換できるように対策を講じるよう要望したいと思います。
続きまして、マンションの防災力向上の観点から、都の取組を確認させていただきます。
都民の三分の二以上がマンション等の共同住宅に居住しております。昨今、マンションの防災力向上が課題とされておりますが、在宅避難を行うにも、地震で建物の被害が出ないことが前提となります。まずはマンションが耐震化されていることが重要と考えます。
そこで、まず、マンションの耐震化の目標と現状についてお伺いいたします。
○三宅民間住宅施策推進担当部長 東京都耐震改修促進計画では、令和七年度末までに耐震性が不十分なマンションをおおむね解消することを目標に掲げてございます。都は、区市と連携して耐震診断や耐震改修等への助成を実施するとともに、管理組合に対して建築士等の専門家を派遣し、区分所有者間の合意形成を促しており、令和元年度末までの耐震化率は九四・四%となってございます。
○竹平委員 目標の実現まで、あともう少しのところまで来ていることが分かりました。
耐震化を促進するためには、区分所有者の費用負担の軽減を図ることなどが必要でありますが、区市を通じた助成制度の令和四年度の実績についてお伺いをいたします。
○三宅民間住宅施策推進担当部長 都は、区分所有者の合意形成や費用面での負担軽減を図るため、東京都マンション耐震化促進事業によりまして、区市が行う耐震アドバイザー派遣や耐震診断、耐震改修を財政的に支援しております。
令和四年度の助成実績でございますが、耐震アドバイザー派遣助成については三十七件、耐震診断助成については七十一棟、三千九百九十三戸、耐震改修助成については五十棟、千七百八十一戸となってございます。
○竹平委員 着実に耐震化の取組を進めていることが分かりました。
目標の実現に向け、マンションの耐震化を一層進めるには、マンション管理組合に向けた、より効果的な普及啓発が重要であると考えますが、都の所見をお伺いいたします。
○三宅民間住宅施策推進担当部長 都はこれまで、耐震セミナーなどによる普及啓発や区市を通じた助成制度の周知など、広く耐震化に向けた情報提供を実施してまいりました。こうした取組に加え、令和七年度末の目標実現に向け、アウトリーチ型の普及啓発を図る必要があると認識してございます。
そのため、令和三年度からは、管理状況届出制度により得た情報を活用しまして、耐震診断が未実施のマンションなどに対して、耐震化の必要性や支援制度の案内等を掲載したマンション耐震化通信を郵送やメールで直接送付するなど効果的な意識啓発を行い、耐震化を促しているところでございます。
○竹平委員 これまでの広く発信を行う普及啓発から一歩進め、施策を必要とする管理組合に向けた、ターゲットをより明確にした普及啓発へと移行してきていることが分かりました。区市などとの連携のさらなる強化や、対象マンションの状況に応じた、より効果のある普及啓発の取組を進めていくことを要望いたします。
一方、こうした耐震化の取組を前提として、マンションの在宅避難を進めることが求められているわけですが、都ではこれまで、災害時にも生活継続しやすいマンションとして、東京LCP住宅の普及に努めてきたものの、なかなか実績が振るわず、昨年度末で十件にも満たないと聞いております。
そこで、こうした状況を、令和四年度に東京都はどのように取組を強化したのかお伺いいたします。
○三宅民間住宅施策推進担当部長 都は、平成二十四年度から、エレベーター等の非常用電源の確保や防災訓練などを行うマンションを東京LCP住宅として登録、公表する制度を運用してまいりました。
令和四年度には、本制度の普及を一層促進するため、災害による停電時でも住み慣れた自宅にとどまることができ、生活が継続しやすいマンションであることを都民の皆様に分かりやすくお伝えできるよう、親しみやすい、東京とどまるマンションへと名称の変更を行いました。
あわせて、マンションにおける防災備蓄や防災訓練などの調査を行い、普及促進につながる支援策を検討いたしました。
○竹平委員 都民にも非常に分かりやすい名称へと変更されたと思います。また、こうした促進策の検討が今年度の防災備蓄資器材の補助につながり、順調な登録増加に寄与しているものと考えます。
災害時には電源の確保が重要であり、こうしたとどまるマンションの普及促進に併せて、マンションにおいて太陽光発電設備や蓄電池の導入を進めていくことも有効な手段の一つであります。
そこで、都内の既存マンションの再エネ導入の現状についてお伺いをいたします。
○三宅民間住宅施策推進担当部長 二〇五〇年ゼロエミッション東京の実現に向け、住宅におけるゼロエミッション化を推進していくことは喫緊の課題であり、マンションにおいては、戸数の上で大きな割合を占める既存ストックの環境性能向上を図ることが有効でございます。
東京マンション管理・再生促進計画では、都内の太陽光発電設備のあるマンションの分譲実績は二〇一〇年から増加傾向でございましたが、二〇一四年の一二・七%を境に低下してございます。また、太陽光発電設備を設置している既存マンションは一・一%と、少ない状況となってございます。
○竹平委員 マンションにおける太陽光発電設備導入は、まだまだ進んでいないという現状も分かりました。二〇五〇年のゼロエミッション東京の実現に向けて、取組を加速させていく必要があると考えます。
特に、分譲マンションにおける太陽光発電設備導入を進めるには、居住者間での合意形成が課題になると考えますが、令和四年度の都の取組についてお伺いをいたします。
○三宅民間住宅施策推進担当部長 令和四年度には、マンション省エネ・再エネガイドブックを作成し、広く周知いたしましたほか、関心を示した二十の管理組合に専門家を無料で派遣いたしました。
こうした取組に加えまして、既存マンションへの太陽光発電設備の導入には、管理組合における議論が活発になる大規模修繕工事を迎えるマンションへ直接働きかけることが有効であることから、本年五月から六月頃に集中する総会に間に合うよう、対象となるマンションのデータの調査、収集を行いました。
あわせて、管理組合での合意形成を促すため、補助金を活用した上で初期費用を何年で回収可能かのモデルを示したリーフレットを作成いたしました。
○竹平委員 太陽光発電設備の導入に向けて、合意形成に役立つガイドブックや専門家派遣などのほか、大規模修繕工事などで導入への機運が高まりやすい管理組合に向け、ターゲットを明確にした取組を進めていることが確認されました。
太陽光発電設備を実際に導入するには、費用対効果の説明が合意形成の鍵となります。今年度は、マンションごとに費用対効果を示していく取組を進めていると聞いております。マンションの太陽光発電設備の導入が一層進むよう、さらなる普及促進に努めていただくよう要望して、終わります。ありがとうございました。
○曽根委員 私からは、都営桐ケ丘団地の団地再生事業について何点か質問をいたします。
都営桐ケ丘団地は、一九五四年ですから昭和二十九年から、鉄筋コンクリート中層アパート形式の都営団地として約二十五年かけて五千戸規模を整備し、武蔵村山にあります都営村山団地と並び、最大規模の都営団地です。
一九八六年に、コンクリート造の公営住宅は、法定年数の半分を過ぎたら建て替えを促進するとの国の方針が出されまして、これの対象となった、本格的には桐ケ丘が第一号として、大規模団地の建て替えのモデルとなりました。
当時、私、区議会議員になりたての頃だったんですが、都の住宅局は区議会にも来まして、私たちが団地居住者からの要望を伝えると、これを大幅に取り入れて計画を修正いたしました。
一つは、その段階で桐ケ丘の五千戸のうちで浴室のない住宅が七割以上を占めていたのを、これを早期に解消するために、建て替えが千五百戸、建て替えが後期になってしまう住宅は、まず浴室の増築を行う、そして十年後以降に建て替える、これが千五百戸。建て替えまで十年未満待機する住宅はベランダにユニットバスを設置するなど、段階的な再生事業が進められてきました。
また、非常な団地の高齢化に配慮して、三十五階建てで計画された超高層住宅は十八階まで下げ、また、都営団地初の大型特養ホームを併設し、かつ二十四時間体制の防災センターも整備されました。
団地再生事業は、間もなく開始から三十年となりますが、現在、最終の六期目を迎えて、今団地として最大の課題である高齢化に合わせたバリアフリーのまちづくりや、また、住民の利便施設、商業施設の整備に取り組みつつあります。
決算年度である昨年度には、地元自治会や区議会に、区民センターや商業施設などの生活利便施設の構想が提案されました。これらを踏まえて、私からは、桐ケ丘がより住みやすい都営団地となるよう、何点か質問させていただきます。
最初に、桐ケ丘団地の再生計画の六期目で区民センターや商業施設を整備する計画ですが、場所や面積、施設の規模はどのように計画されているのでしょうかお答えください。
○木村再編利活用推進担当部長 区民センターや商業等の生活利便施設につきましては、都営桐ケ丘団地の南東の用地において整備を予定してございます。区民センターにつきましては、北区が令和五年九月に公表した仮称桐ケ丘区民センターの整備方針によりますと、敷地面積は約二千五百平方メートルとなっており、施設規模は、今後の設計等の検討で決定するとされてございます。
また、隣接する用地約六千平方メートルにおきまして、民活事業により商業等の生活利便施設を整備することとしております。施設の規模につきましては、民間事業者の提案によるものでございます。
○曽根委員 今、わざわざこのことをお聞きしたのは、建て替え団地の敷地内に商業施設を民間のプロポーザル提案で造るという制度は、二十年ぐらい前になかったんですね。ずっと大規模団地の建て替えで、商業施設、中に入れられないということで団地の外に商業者を追い出して、そこで何か自分たちで共同して造ってくれみたいなことがずっとやられてきたので、桐ケ丘にとっては、物すごい高齢化してますから、これができないことで相当な大きな障害だったわけですけど、もし桐ケ丘でこれが実現すれば、かなりの前進というふうになります。
以前、なぜこういうことが起きたかというと、二〇〇〇年、都営団地の一階に店舗を配置するやり方を、私が都議会議員になった頃はもう東京都はやっていませんでして、ちょうどその年、九三年に始まった都民住宅の制度、この制度で、都民住宅ならば一階に店舗を配置できるということで、そこに委ねていたと。
その都民住宅の制度も、二〇〇〇年頃に東京都が整備をやめてしまうということで、それによって、都営団地の建て替えの際、敷地内に都民住宅を造って、その下に商店街を入れるというようなやり方が、これもできなくなってしまってからが長かったんです。
そういうことで、建て替え団地の場合には、いわゆるげた履き型で営業していた店舗は、都が権利を買い取って団地外に転出せざるを得なくなるということで、近くに適地がなければ、団地住民にとっては商店街が消滅し、団地外のお店か移動販売車に頼らざるを得ないという事態が続いてきました。
今回、都営住宅の建て替え事業で団地内に商業施設を配置する計画というのは、桐ケ丘ではいつ頃から、どういう経過で具体化されてきたんでしょうか。
○木村再編利活用推進担当部長 桐ケ丘団地では、平成二十九年三月策定の東京都住宅マスタープランにおきまして、身近な地域で誰もが快適に暮らせるまちづくりを進めるため、商業、医療、福祉等の生活支援機能が整った生活中心地の形成を推進することとしてございます。
また、昨年度、北区が策定した桐ケ丘一・二丁目地区地区計画におきまして、南東の用地について、公共サービスや商業、医療、福祉などの生活利便機能の集積を促進することで、地区周辺の生活拠点の形成を図るとされてございます。
これらを踏まえ、都は、令和五年三月に北区桐ケ丘一丁目地区まちづくりプロジェクト事業実施方針を公表いたしました。
○曽根委員 平成二十九年、平成の終わり頃に出された東京都住宅マスタープランで、ようやく少し民活事業として都営団地のまちづくりがやりやすくなったと。私が聞いたところでは、この事業者のプロポーザルによる団地内商業施設というのは、多摩の都営団地から始まって、八王子の長房団地など大規模団地で大変喜ばれているというふうに、現地も見学させていただきました。
団地内に用地を確保し、事業者の提案で商業施設を実現する方法は、現状では団地住民の利便を守る方法として大変有効であり、近隣に商店の少ない小規模団地の建て替えの場合にも、工夫して導入できるように要望しておきます。
もう一つ、桐ケ丘団地には、全住民の約七割が高齢者という超高齢化社会だという特徴があります。区民センターと商業施設のエリアには、高齢化した団地住民など誰もが利用できるよう、医療、福祉の施設が必要ですが、どう考えられているのでしょうか。
○木村再編利活用推進担当部長 本年三月に公表した事業実施方針におきまして、事業の目的として、商業、医療、福祉等の生活利便施設や地域の居場所となる交流施設等を誘導することとしてございます。
施設計画に関する条件として、誰もが身近な地域で安心して健康に暮らせるよう、地域ニーズに応じた医療施設及び福祉施設を計画することなどを掲げてございます。
○曽根委員 超高齢化団地として、憩いの場所とともに医療、福祉の施設は不可欠です。しかし、今、ケア労働者の圧倒的な不足と感染症の影響で経営上の困難を、例えばこの桐ケ丘の地域でやっている診療所の医療機関でも、これを継続することは困難だという問題などがあって、医療、福祉の施設確保は、決して今容易ではありません。都として、桐ケ丘団地が、長寿を支える医療、福祉の整った地域のモデルとなれるよう、北区と連携して取り組むよう求めておきたいと思います。
例えば、先ほど学生さんの話ありましたけど、桐ケ丘団地には現状で数百戸の空き家が存在しており、福祉や医療労働者への入居枠を設けるなど、思い切った制度の改善も、私は、五千戸の団地ですから、必要だし、可能だというふうに考えます。
もう一つ、団地内に新たに整備される幅十五メーターの区道については、これまで進入禁止とされていた西が丘の都道補助八五号線から真っすぐ団地内に進入できるようになります。ところが、そのすぐそばには、今や大規模校になった桐ケ丘郷小学校という小学校の正門が面しております。さらに、桐ケ丘公園の横をこの区道、十五メーターの大型道路が通過することになる。
これまで団地内は、事実上、歩行者優先で、横断歩道もほとんど必要なかったわけです。みんな斜め横断、平気でやっていたわけですね、道路や、それから通路など。それが、ガードレールや横断歩道が新たに整備されると、逆に事故が多発する心配が私はあります。
団地の道路や通路の整備でも、高齢者、障害者に配慮した歩行者優先の在り方が求められていると思いますが、どう計画されているのでしょうか。
○木村再編利活用推進担当部長 団地内の道路や通路につきましては、地区計画において、歩行者の安全性及び快適性を確保するため、道路や地区内通路に沿って歩道状空地の整備を図るとともに、歩行者の利便性を確保するため、歩行者通路の整備を図ることとされてございます。
引き続き地元区と連携しながら、地区計画に沿った建て替え事業を進め、高齢者にも配慮した歩行者空間の整備に取り組んでまいります。
○曽根委員 通常、十五メーターの幅の道路ということになれば自動車が入りますし、恐らく道路の両サイドには、段差を造って歩道を高くし、そしてそこにガードレールが入って、横断する箇所は横断歩道に限られるように歩行者を誘導するというのが通例ですが、この団地でそれをやったら大変なことになると。私も想像だにしたくない状況になると思うんです。
したがって、団地内の道路が全て、例えば二十キロ制限で走るぐらいは最小限必要な規制だと思います。現状でも、地元の自動車はそれに近い速度に落として団地内を走っています。通過交通は絶対に進入できないような交通対策に万全を期すべきだと。もう高齢者は放っておけば次々交通事故に遭うと思いますので、これは厳にお願いをしておきたいと思います。
桐ケ丘は、五千戸の規模を維持する建て替えが行われますが、全ての住棟が高層となったために、団地の北側にはかなりの用地が残されることになります。この団地北側の用地には、住民から、障害児、障害者の様々な施設の要望が出ています。
団地建て替え計画では、どのように位置づけられているんでしょうか。
○木村再編利活用推進担当部長 お話の北側の用地につきましては、地区計画において、福祉施設などの公共公益施設の導入により、誰もが地域で安心して暮らせる環境の形成を図る地区とされてございます。
○曽根委員 北区には障害児の学校も集中しており、北療育医療センターも置かれていて、障害者やその家族が桐ケ丘をはじめ近隣の公共団地やマンションにも多く住んでおります。そして今、障害児の学童保育や保育施設、学校や医療施設、また働く場所の確保など、多くの課題があり、都営住宅の中にそれらを積極的に配置して、桐ケ丘が真の意味でバリアフリーのまちになるよう、今後も北区と連携し、桐ケ丘団地の再生事業に最後まで責任持って取り組むよう求めて、質問を終わります。
○山口委員 それでは、私からも住宅政策本部、様々質問させていただきたいと思います。
令和四年度というと、思い返してみると、再生可能エネルギーというものが都民の皆様にもいろんな協力を求められるようになり、当然のことながら東京都各局においても、知事を中心にして、どのように様々な施策についてこういった再生可能エネルギーというものを導入し、また取組がなされていくのかというのは、都民の皆さんも当然そうでありますし、東京都に関わる企業の皆様、当然世界的にも国内でも注目をされているところが大きいと思います。
そういった意味において、御局においては、都の住宅施設、都営住宅においても再生可能エネルギーというものの導入が始まっているわけであります。
都として、どう再生可能エネルギー、太陽光パネルの設置を行っているのか、この現状を伺うことで、考慮すべきことをこれから伺っていきたいなというふうに思うわけでありますが、まずは、令和四年度までの都の設置計画とその設置状況について、確認をしたいと思います。
○青木建設推進担当部長 都は、平成十六年度から、都営住宅の建て替えに合わせて原則全ての建て替え住棟で太陽光発電設備を設置することとしています。平成二十五年度からは、既存住棟での設置も開始しています。
令和四年度からは、「未来の東京」戦略 version up 二〇二二の策定を踏まえて、既存住棟の設置棟数を拡大し、年間約百棟で整備する計画としており、令和四年度末までに合計約六百五十棟に、発電能力の合計約五千キロワットの太陽光発電設備を設置しています。
○山口委員 平成十六年から着実に、新築、また既存の都営住宅に対しても取組がなされているということが確認ができたわけでありますが、さて、私の地元でもあります世田谷区においての取組はどのようになっておりますでしょうか、設置状況を伺いたいと思います。
○青木建設推進担当部長 令和四年度末までの実績で、下馬二丁目団地など建て替え住棟で二十六棟、千歳台一丁目団地など既存住棟で五棟、合計三十一棟に発電能力合計が約二百四十キロワットの太陽光発電設備を設置しました。
○山口委員 下馬二丁目団地、私も近くなので、当然見に伺わせていただいたわけでありますが、やっぱり近隣の皆様も、どんなものが、どんな都営住宅に建て替わるんだろうという注目もされることながら、どういうふうに進化をし、そしてどういうふうに新しいものが導入されているんだというのは、非常にやっぱり注目をされているわけでありますね。
そういう意味では、非常にいい取組だと思いますし、注目をされている中で、どのようにこれが効果を発揮していくのかというのは、これからやはりしっかりと都民の皆さんにも知っていただくべきだと思うんですが、そんな中で、令和四年度というと、コロナ禍にあって、半導体だとか太陽光パネルの材料などの資源不足というのが、やはり大変注目をされ、また話題にもなりました。都の太陽光発電設備の工事に、その影響はあったんでしょうか。その対策などについても確認をし、伺いたいと思います。
○青木建設推進担当部長 都の発注工事におきましては、特に影響は出ていませんが、適切に工事材料等を確保できるよう、受注者には手配を早期に行うなど計画的に施工するよう指導しております。
○山口委員 都として、設置を拡大をしていく方針であるということもさきに伺ったわけでありますが、パネルを設置する費用対効果の面というのも、やはり重要な視点だと思いますので、取組を丁寧にしていただくことを要望しておきたいと思います。
また、太陽光パネル設置によって、共益費が値下がりをすることを期待ができる居住者の方も当然いらっしゃると思うわけでありますが、再生可能エネルギーはどのように都営住宅において役立てているのか、現状を伺いたいと思います。
○青木建設推進担当部長 太陽光発電設備の電力は、日中におけるエレベーターのかご内の照明などに使用しています。
令和元年度から、太陽光発電設備の設置に合わせて、エントランスなどの共用部に非常用コンセントを設置する取組を進めており、令和四年度末には、約百十棟で災害時にスマートフォンの充電等に使用できるようにしております。
○山口委員 非常に具体的で、どのように活用ができるのかというのも期待ができるところでもありますが、ここまで四問伺わせていただいたわけでありますが、都民の皆様にとって、この都営住宅に太陽光パネルが設置をされるという大きな目的は二つだと思うんです。
一つは、自分たちが意識を高めてつけていくのに、東京都が率先をしてきちっとやっているんだという意識啓発につながるという一点。そしてもう一点は、居住者の方々が、共益費だとかそういったところに効果があるのかどうかというところも含めて、災害のときなどにしっかりどういうふうに活用されるのかというこの二点を、すごく注目をされていると思うんです。
やっぱりそういった意味において、都営住宅をはじめとして、しっかりと東京都がその姿勢を示していく、その効果をしっかり都民の皆さんにお伝えをする、そして理解をしていただく上で、都民の皆様も、再生可能エネルギーを自分のところでどうすればできるのか、自分たちがどういうふうに協力ができるのかということを、意識を高めていただくことって極めて重要だと思いますし、それを率先をして東京都がやっている。まして都営住宅がやっているんだということ、それが、どれだけのこういうふうに効果が上がっていて、こういうふうにやってるんだよということは、まだまだこれから検証もしていくことだと思いますし、また、費用対効果というお話もさせていただきましたが、これから技術も革新をしていくことでしょう。
パネルもどんどん軽量化もしていくかもしれませんし、安価でできるようになっていくかもしれない。様々なことを時代時代に合わせて導入をしていきながら示していくということが非常に重要なんではないかという視点から、この四問、質問させていただいたところでございます。
先ほどもお話をいただきましたが、都営住宅に住む居住者の皆様が災害対策に役立てられると伺ったところでもあります。各住宅において防災訓練が行われる際には、実際に使用して対策を進めるなど、具体的かつ効果的な取組を行っていただくように促すことを求めていきたいと思います。
さて、次に伺いたいんですが、公営住宅である都営住宅では、断熱性能の向上というものも重要だと思っておりまして、この取組も進んでいると聞いておりますが、住宅整備の検討について伺いたいと思います。
○相羽技術企画担当部長DX推進担当部長兼務
国の公営住宅等整備基準の改正などを踏まえ、複合ガラスの窓の採用や壁の断熱性能の増強により、都営住宅の断熱性能をこれまでより約三割高いZEH水準に引き上げる検討を令和四年度から開始しております。
○山口委員 戸建てに限らず、マンションも含めて、これからどのようなものを、東京都で新たに建てられる方、今まで既存でお住まいになられている方が導入をしていくかという、そのモデルになるような、都営住宅をモデル住宅にするわけにもいきませんけれども、とはいえ、でも都営住宅がこういうことをやっているんだったらも自分のところでもできるんじゃないかと、都営住宅がやっているんだったら私たちも協力してやってみようという方は、やっぱり必ずいらっしゃると思うんですよね。
そういう意味において、この取組も極めて私は重要だと思っておりますので、ぜひとも自信を持って、かつ、都民の皆様に発信をしていくということが極めて重要だと思います。
令和四年度、これまだスタートの時点ですから、またこれからさらに進展をしていくところだとは思いますけれども、ぜひ意識を高く、都民の皆様に知っていただく、住んでいる方だけではなくて、建て替えのときだけではなくて、既存のものにも、当然耐久性もありますし、建て替えをしていく中においてが一番大きいとは思いますが、耐久性も含めて、こういう耐久性だったらこれぐらいのことができたよということも、やっぱり都民の皆様は知りたいところだと思いますので、ぜひとも発信力を高めた政策にも取り組んでいただきたいというふうに強く要望しておきたいと思います。
最後に、もう一点伺いたいんですが、都の負担金により設置をしている公社の既存住宅における太陽光発電設備についても、この令和四年度における設置実績及び今後の取組についても伺いたいと思います。
○今井連絡調整担当部長 東京都住宅供給公社は、カーボンニュートラルの実現を目指し、公社の既存住宅をモデルとしまして、既存の民間集合住宅における太陽光発電設備の設置環境を醸成するため、発電設備の設置に取り組んでおります。
令和四年度におきましては、世田谷区のトミンハイム玉川田園調布をはじめ、既存住宅二十五棟に発電能力合計約五百三十キロワットの太陽光発電設備を設置しました。
今後も、住棟屋上の設置環境等に応じ、様々な発電能力パターンで太陽光発電設備を設置するとともに、発電効率のよい設置モデルを選定の上、広く民間に情報提供することで、発電設備を導入しやすい環境づくりを進めてまいります。
○山口委員 都の負担金で東京都住宅供給公社の既存住宅に設置をする場合においても、コスト面や費用対効果にも考慮した上で、ぜひ取組を行っていただくことを強く求めておきたいと思います。
ちょうど五年前ぐらいに私も自宅をちょっとリノベーションしたんですが、そのときに、どういったものがあって、耐熱、断熱もそうでありますが、太陽光って設置できるんじゃないかとか、今の屋根に耐えられるのかとか、結構いろんなことを調べたんですけれども、今見てみると、五年前になかったものばかりでありまして、本当に意識を持っていらっしゃる方っていうのは、いろんなものを見て検討をして、自分がどうすれば協力ができるのか、自分のためだけでは実はないという意識の方の方が多いと思うんですね。
都営住宅とか、今公社の話もさせていただきましたが、様々なこういった公、皆様方がどういう意識を持って取り組んでいるんだということを強く見知っていただくことは極めて重要だと思いますし、その一つ一つの技術や、自分たちがどこに注目をして導入をしたのか、そしてどこに苦労したのかということを都民の皆様に知っていただくことって、これは極めて実は重要なことだと私は思っています。
ですので、この質問を今回させていただいたわけでありますが、この令和四年度で培われた実績や、またご経験や、またご苦労も、都民の皆様にしっかりお伝えをしていっていただきますように強くお願いをして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございます。
○細田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議はございませんでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○細田委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で住宅政策本部関係を終わります。
○細田委員長 これより都市整備局関係に入ります。
決算の審査を行います。
令和四年度東京都一般会計決算中、都市整備局所管分、令和四年度東京都都市開発資金会計決算及び令和四年度東京都臨海都市基盤整備事業会計決算を一括して議題といたします。
本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○打田総務部長 去る十月十三日の当分科会で要求のございました資料につきまして、ご説明申し上げます。
お手元に配布しております当局の令和四年度各会計決算特別委員会第三分科会資料の表紙をおめくりください。
目次に記載しておりますとおり、資料は合計十件でございます。
それではまず、一ページをお開き願います。1、木造住宅等に対する耐震診断及び耐震改修の助成実績(過去五年間)でございます。
東京都の区市町村に対する助成につきまして、種別、当初予算額、耐震診断及び耐震改修、それぞれの執行件数及び執行額と合計額を年度ごとに記載してございます。
なお、耐震改修のうち、括弧書きの記載は、除却、建て替えを除いた執行件数及び執行額でございます。
二ページをお開き願います。2、基地対策に係る支出等(過去五年間)でございます。
支出の概要、予算現額及び支出済額につきまして、年度ごとに記載してございます。
三ページをご覧ください。3、都内米軍基地に関係する事件等の経過(過去五年間)でございます。
(1)では、航空機の緊急着陸、部品落下等の年月日と概要を、四ページをお開きください、(2)では、米軍構成員による事件、事故の年月日と概要を記載してございます。
恐れ入ります、五ページをご覧ください。4、CV-22オスプレイ配備に係る国との協議状況等(過去三年間)でございます。
国との協議状況等につきまして、年月日、相手方、概要及び位置づけを記載してございます。
六ページをお開き願います。5、横田基地に関する東京都と周辺市町連絡協議会が実施した要請(過去三年間)でございます。
連絡協議会が実施した要請につきまして、年月日、件名及び要請先を記載してございます。
一〇ページをお開き願います。6、区市町、その他が施行する都市計画道路の優先整備路線整備(第四次事業化計画)の路線別進捗状況(事業認可の有無)、区市町が把握している住民団体の有無、東京都との文書協議、関係住民に対する説明会(過去二年分・年度別回数)でございます。
事業認可年月、区市町が把握している住民団体の有無、区市町から東京都への文書協議の実績及び関係住民に対する説明会の開催実績につきまして、いずれかに該当する路線ごとに記載してございます。
一二ページをお開き願います。7、政策連携団体・事業協力団体の職員構成(都派遣職員・固有職員・都退職者別)(過去五年間)でございます。
各団体の職員構成につきまして、年度ごとに記載してございます。
一三ページをご覧ください。8、都内における主な鉄軌道事業者別ホームドア整備駅数及び整備率でございます。
令和四年度末における鉄軌道事業者ごとの都内の駅数、整備駅数及び整備率を記載してございます。
一四ページをお開き願います。9、地下鉄への整備補助実績(過去五年間)でございます。
東京都地下高速鉄道整備事業の補助実績額につきまして、年度別、事業者別に記載してございます。
一五ページをご覧ください。10、雨水流出抑制事業補助の実績(過去五年間)でございます。
件数及び補助執行額を年度ごとに記載してございます。
以上で資料説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○細田委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○土屋委員 お願いいたします。
今年は、観測史上、地球の平均気温が最も高い年となりました。五百軒もの住宅が浸水被害を受けた秋田豪雨、韓国の洪水で四十人が死亡など、二〇二三年の異常気象リストに一つ、また一つと新たな記録的被害が追加されていっている状況であります。
そして、東京では台風二号により都内においても様々な影響がありました。都は、これまでも総合的な治水対策に取り組んでいますが、気候変動によりまして、今後、豪雨の激甚化、頻発化が懸念されている中、その対策は喫緊の課題と考えます。
そこで、都では、気候変動に対応するため豪雨対策基本方針の策定の検討を行っているとのことですが、それに先立ち、令和四年度の取組状況をお伺いいたします。
○三宮都市基盤部長 都は、東京都豪雨対策基本方針を策定し、河川や下水の整備及びそれらへの負荷を軽減する流域対策等、総合的な治水対策を推進してきました。
また、将来の水害リスクの増加に対応するため、学識経験者等による東京都豪雨対策検討委員会を昨年八月に立ち上げ、議論を進めてきました。この委員会において、近年の豪雨被害の状況、気候変動を踏まえて想定される課題を整理するとともに、目標降雨の考え方などの検討を進めてまいりました。
○土屋委員 令和四年度の取組が基本方針改定につながっていくとのことであります。治水対策は、豪雨対策とともに環境対策でもあります。引き続き、総合治水対策にしっかりと取り組んでいただきますようお願いいたします。
次に、令和四年十二月に公表されたTOKYO強靱化プロジェクトでは、耐震化に係るこれまでの取組をさらにレベルアップすることが示されています。首都直下地震の切迫性が指摘されている中、安全で安心できる都市の実現は急務であり、東京の防災対応力の強化を図るため、耐震化を進めることが重要であります。
このような中、令和四年度決算でも計上されております東京都の耐震化の方針を示す耐震改修促進計画が、令和五年三月に改定されました。まずは、耐震改修促進計画について、どのような改定を行ったのかお伺いいたします。
○谷井耐震化推進担当部長 新たな被害想定やTOKYO強靱化プロジェクトを踏まえ、緊急輸送道路沿道建築物や住宅などの耐震化施策のバージョンアップを図るため、令和四年度末に耐震改修促進計画を改定いたしました。
本改定では、沿道建築物について、アドバイザー制度の拡充により合意形成等の課題解決をサポートするなど、耐震化を一層促進することといたしました。
また、住宅については、平成十二年以前に建築された新耐震基準の木造住宅の耐震化に関わる目標を新たに加え、耐震化の支援を開始することといたしました。
○土屋委員 東京は、日本の政治、経済、文化などの中枢を占め、その極めて重要な役割を担っている日本の首都として、東京の緊急輸送道路は、地震直後の緊急物資の輸送、復旧及び復興を円滑に進めるための道路として非常に重要であり、災害時における緊急輸送道路の機能を確保するためには、特に特定沿道建築物の耐震化は重点的に取り組む必要があります。
特定沿道建築物について、耐震改修促進計画においては目標をどのように位置づけ、どのような取組を行うこととしたのかをお伺いいたします。
○谷井耐震化推進担当部長 改定した促進計画では、特定緊急輸送道路沿道建築物について、令和七年度末に総合到達率九九%以上とし、かつ、区間到達率九五%未満の区間を解消することを目標としております。
このため、検討段階から工事等の完了まで対応できるようアドバイザー制度を拡充することに加え、引き続き費用の助成などの支援を行うこととしております。
また、目標年次までに着実に耐震化を促進するため、倒壊の危険性が高い建築物の所有者に対して法や条例に基づく指導を行うこととしております。
○土屋委員 特定沿道建築物の耐震化に引き続きしっかりと取り組んでいただきますようお願いいたします。
そして、これに加えまして、都民の生命、財産を守るという観点から、住宅の耐震化もとても重要であります。
そこで、住宅については、目標をどのように位置づけ、どのような取組を行うこととしたのかお伺いいたします。
○谷井耐震化推進担当部長 住宅については、旧耐震基準の耐震性が不十分な住宅を令和七年度末までにおおむね解消することを目標としております。
また、新耐震基準を含め耐震性が不十分な全ての住宅を、令和十七年度末までにおおむね解消することを目標としております。このため、新耐震基準の木造住宅について、新たに診断や改修等に対する助成を開始するとともに、区市町村に対して助成制度の創設を要請することなどを、改定した促進計画に位置づけております。
○土屋委員 地震による住宅の倒壊を防ぐことは、都市全体の防災力向上にもつながる、そういった観点でも非常に重要であります。
そして、令和三年度と比較しますと、令和四年度の住宅の助成実績が伸びています。その理由についてお伺いいたします。
○谷井耐震化推進担当部長 令和四年度の助成実績については、診断と改修等を合わせて千九百十一件となっており、令和三年度の千二百十二件から約六割増加しております。これは、都と区市町村が定期的に開催している連絡協議会において、積極的な取組を行っている区市町村の事例紹介などを実施しており、複数の区市町村が、制度の拡充や取組の強化を行ったことなどが寄与したものと考えております。
○土屋委員 積極的な取組をほかの区市町村にも展開することは重要であり、このように地区の実情を熟知している区市町村の取組をさらに後押ししていくことが必要であります。
そこで、区市町村が行う普及啓発への支援の補助実績と支援の内容について、そして具体的に区市町村がどのような活用をしているのかも、併せてお伺いいたします。
○谷井耐震化推進担当部長 建物所有者等に対し、耐震化に関する意義の啓発や知識の普及を図るため、アドバイザー派遣や地元の建築士団体等を活用した個別訪問、パンフレット、ポスター制作などに要する費用について都が補助をしており、令和四年度は二十区十七市に実施しております。
例えば世田谷区では、個別訪問に活用しており、診断後の改修等の実施に関わる相談や補強方法、概算工事費などの説明を行っております。
○土屋委員 引き続き区市町村への支援を継続し、区市町村と連携をして耐震化に向けた取組を進め、東京の防災力の一層の向上を図っていただきたいと思います。
次に、鉄道についてです。
高機能で安全な都市づくりを進め、東京の活力を向上させていくには、人と物が円滑、活発に行き交うための鉄道の機能強化が非常に重要であります。我が会派が尽力して設置された実務者協議会の中でも、首都圏鉄道網の拡充は最重要テーマであり、東京都と国とのかけ橋として、国の様々な機関と独自に協議を進めてきたところであります。
令和三年七月の国の交通政策審議会の答申では、地下鉄新線の事業化に向けて乗り越えるべき課題について、その解決の方向性が示されたわけでありますが、この答申の中で、事業化に向けた道筋が示された品川地下鉄については、六本木等の都心部とリニア中央新幹線の始発駅となる品川駅や、国際競争力の拠点である同駅周辺地区とのアクセス利便性の向上に資する路線とされています。
また、地下鉄八号線の延伸については、国際競争力の強化の拠点である臨海副都心と都区部東部の観光拠点等とのアクセス利便性の向上や、東西線等の混雑緩和に資する路線とされておりまして、この二路線は、東京の国際競争力の強化に資する重要な路線であると認識しております。
そこで、早期事業化に向け取組が進められていると認識しておりますが、二路線の開業目標についてお伺いいたします。
○三宮都市基盤部長 品川地下鉄と地下鉄八号線の延伸につきましては、東京メトロが令和四年三月に鉄道事業許可を取得し、その中で、二〇三〇年代半ばの開業を目指すこととしております。
○土屋委員 国の答申では、取り組むべき方向性と併せて公的支援が必要とされています。早期事業化に向けて手続を着実に進めるとともに、事業者の取組を支援することで進捗を促すことも非常に重要であります。
決算説明書に示されたとおり、令和四年度に東京メトロに対して行った地下高速鉄道建設助成等のおよそ十五億九千万円の中で、新線建設に係る費用を補助していると伺っており、都は、財政支援を行うとともに精力的に取組を進めてきたものと認識しておりますが、両路線における令和四年度の取組状況について教えてください。
○三宮都市基盤部長 令和四年度には、都市計画に関する住民説明会の開催や環境影響評価調査計画書を作成するなど、都市計画と環境影響評価の手続に着手しております。これらの手続において、東京メトロが行う環境調査や設計等に対し、地下高速鉄道整備事業費補助を実施しております。
○土屋委員 この二路線は、東京の稼ぐ力、人、物を呼び込むための国際競争力強化に資する重要な路線であります。引き続き、早期事業化に向けて取組を着実に実施するよう要望し、次に参ります。
次は、緑の保全、創出についてお伺いをいたします。
都市の緑ですが、緑を目にすることにより、ストレスや緊張の緩和などの安らぎを与えてくれ、そして災害時の避難場所や復旧、復興の拠点としての防災機能の向上、ヒートアイランド現象の緩和、生物多様性の保全など、都市活動を支える重要な役割を担っています。さらに、花や緑による美しいまち並みや公園など、東京ならではの景観をつくり出し、それら魅力を発信することで多くの人が東京を訪れ、まちの活性化やにぎわいの創出にもつながります。
そういった大切な緑を保全、そして増やしていく取組が重要なわけですが、区や市が都市計画公園内にある生産緑地を買い取り、整備する際に活用できる補助がありますが、令和四年度の補助実績について伺うとともに、制度が創設された平成三十年以降の推移についてもお伺いいたします。
○山崎都市づくり政策部長 都は、生産緑地の二〇二二年問題を見据え、農業継続が見込めない生産緑地の緑を公園、緑地として保全していくため、平成三十年度に生産緑地公園補助制度を創設し、区市が都市計画公園緑地内の生産緑地を買い取る事業に対し、補助を行っております。
令和四年度の補助実績は、三区四市において七か所、合計約二・三ヘクタール、執行額は九億九千万円でございます。また、制度創設以降の推移につきましては、これまでの補助の実績として、各年度の補助対象面積は増加を続けており、令和四年度は平成三十年度の約四倍となっております。
○土屋委員 私の地元世田谷区では、令和元年度から本補助制度を継続的に活用しておりまして、喜多見農業公園や次大夫堀公園など、子供たちに農業体験を経験させることができる公園、緑地の整備につながっています。今後とも、こうした区市への支援に積極的に取り組むべきと考えます。
一方、区市町村が都市計画公園、緑地以外の身近な公園、緑地を整備する際に活用できる補助制度、緑あふれる公園緑地等整備事業補助制度がありますが、本制度の令和四年度の補助実績についてお伺いいたします。
○山崎都市づくり政策部長 本制度は、身近な公園が不足する地域の解消や、貴重な生き物が生息する緑の保全に取り組む区市町への支援を行うことで、公園、緑地の整備を加速させ、緑豊かな、ゆとりと潤いのある東京の実現を目的としております。
令和四年度の補助実績は、一区四市において五か所、合計約〇・八ヘクタール、執行額は一億三千万円でございます。
○土屋委員 都が広域行政として区や市と連携をし、積極的な支援を行うことを期待しています。
また、私の地元の世田谷区をはじめとしまして、都内では、昔は多く見られた農地が減少を続け、住宅とともにあった樹林地、いわゆる屋敷林や農地がとても貴重となってきています。これまでも、平成二十五年に都内第一号となる農の風景育成地区として世田谷区喜多見四、五丁目地区が指定されるなど、都市の貴重な農地を保全し、農のある景観を次世代に継承する取組が進められてきました。
都は、東京の緑地や農地を守り、魅力的な新たなライフスタイル、農を生かしたまちづくりである緑農住まちづくりについて、令和四年三月にはガイドラインを公表されましたが、その推進に向けて、令和四年度はどのように取り組まれたのかお伺いいたします。
○山崎都市づくり政策部長 緑農住まちづくりは、緑や都市農地の持つ多様な機能を活用し、地域の価値向上等を図るため、緑と農地、住宅が一体となった良質な都市環境を創出するものでございます。
都は、令和四年度に、オンライン参加も含め四百人以上が参加するシンポジウムの開催やハンドブックの配布等によって、自治体職員や都民、農家に対する緑農住まちづくりの普及啓発に取り組んでまいりました。
さらに、自治体間の情報交換の場を設け、自治体内での組織横断的な取組体制の構築や意識醸成の方法、地産地消の仕組みやマルシェの開催など、ノウハウを共有することで自治体の積極的な取組を促しました。
○土屋委員 新たな公園、緑地の整備や樹林地の保全など、区市町村とも連携し、さらなる取組の推進を要望いたしまして、最後に、運輸事業者向け燃料費高騰緊急対策事業についてお伺いいたします。
昨年度、我が会派は、物価高騰の影響の長期化に伴う都民への支援に関する緊急要望を行いまして、都に対して対策を講ずるよう強く求めてきました。
これを受けて、令和四年度の第三回定例会の補正予算において、国の臨時交付金を活用し、高止まりする燃料価格の下で厳しい経営環境にある運輸事業者向け支援が事業化されました。それについては高く評価いたしますが、まず、この支援事業がどのくらいの車両に対して行われたのか、実績をお伺いいたします。
○三宮都市基盤部長 支援対象となっております営業用貨物に対して約五万三千台、営業用軽貨物に対して約三千七百台、乗合バスに対して約四千百台の車両に支援を実施いたしました。
○土屋委員 多くの車両に対して支援が行われたということであります。
本事業は昨年十二月から実施されたわけですが、この制度を利用した事業者の方たちからはどのような声があったのかをお伺いいたします。
○三宮都市基盤部長 制度を利用した事業者からは、申請手続が煩雑であるとの声があった一方で、物価高騰で燃料価格が高い水準で推移するなど経費の負担増の中で、本支援金が支給されることは、経営上の支えとなったとの声がございました。
○土屋委員 本事業が、苦しい経営環境の中にあっても、日々都内の物流ネットワークを支え、地域住民の足を担う運輸事業者を支援する大変意義あるものであるということであります。今年度も引き続き、我が会派の要望に沿う形で、第二回定例会の補正予算において本事業の継続が盛り込まれています。
先ほど、昨年度は手続が煩雑であるとの声があったとのご答弁がありましたが、今年度においては申請書類を一部見直し、改善が図られたと聞いております。現在、支援金の申請を受け付けているとのことですが、そうした手続面での改善を周知しながら、個人事業者や中小企業が多くを占める運輸事業者に対して、広く支援が行き届くことが重要であります。一社でも多く支援が行き届くよう工夫をしていくことを強く求めて、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○福島委員 私からは、まず、雨水流出抑制事業補助についてお伺いいたします。
都内の浸水被害の約七割が内水氾濫によるものと伺っております。内水氾濫は、都市部で起こりやすい。なぜなら、市街化が進み、地表がアスファルトなどで覆われたことにより、雨水が浸透できる土壌が減少し、その結果、雨水はアスファルト上を流れ、その多くが下水道や貯水池などの排水施設に流れ込みます。これが都市の排水機能を超えると、雨水があふれて内水氾濫になります。
都は、平成二十六年六月に改定した東京都豪雨対策基本方針に基づいて、区部では時間七十五ミリ、多摩部では六十五ミリの降雨に対応できる貯留施設等の整備を進めるとともに、下水道、河川への負荷を減らす流域対策についても、流域平均十ミリ程度の分担を目標に取り組んできています。
そこで、都では、この東京都豪雨対策基本方針に基づいた流域対策として、個人の取組についても支援を行っていますが、補助制度の仕組みと令和四年度の実績についてお伺いいたします。
○三宮都市基盤部長 東京都では、平成十九年度から、個人住宅の敷地に雨水浸透ますなどを設置する際、その費用を助成する区市に対して補助を行っております。令和四年度の補助実績は二百五十八件でございます。
○福島委員 令和四年度は二百五十八件と、そして本日この提出された資料によれば、その件数は年々減少傾向にあるということで若干心もとないんですけれども、令和五年予算特別委員会の質疑において、令和十九年度までの目標に対しては、この令和二年度末の数字においては進捗率が六割で、おおむね順調には経過しているということは確認はできています。
一方で、令和四年十二月に公表されたTOKYO強靱化プロジェクトでは、昨今の豪雨の発生状況を踏まえて、時間八十五ミリの対策を進める必要が指摘されまして、そして今月九日には、東京都が対策するに当たって想定する降雨量を、区部、多摩部それぞれで十ミリ増やす方針が公表されました。すなわち、流域対策についても一層の強化が求められます。
そのためには、まず、先ほどご答弁いただいた雨水流出抑制事業、これが区市に対する間接補助事業であることから、制度がない基礎自治体については支援ができません。
よって、雨水浸透ますなどの設置が求められるにもかかわらず、制度のない自治体については、改めての取組を求めたいと思います。
二つ目は、グリーンインフラに関する支援の創設です。
グリーンインフラの事例としては、例えば雨庭や建物緑化などが知られておりますが、自然が持つ雨水浸透機能を積極的に生かす取組です。見た目でも分かりやすくて、そして美しいこともあり、先進地域においては住民が自宅や地域にグリーンインフラを導入し、その維持管理に関わることで雨水浸透の必要性を理解し、豪雨対策を行政任せにせず、住民が主体的に関わっていただける効果も認められています。
我が会派は、令和元年十一月、平成三十年公営企業会計決算特別委員会以降、シンガポールやニューヨークなどの諸都市、そして国内では、私の地元である世田谷区などの先進的な取組を紹介するとともに、都による推進を継続的に求めてまいりまして、都は、来年度予算編成における重点方針として、これを掲げました。
令和五年第三回定例会の我が会派の代表質問に対し、知事からも、全庁一丸となって取組を前に進めるとともに、区市町村や民間事業者による導入も促進するなど、取組の輪を社会全体に拡大していくとの答弁も得ております。改めて取組を求めまして、次の質問に移ります。
緑の保全、創出について伺います。
決算の報告書では、緑あふれる公園緑地等整備事業の執行率が三六・三%にとどまっています。本事業は、令和三年度から始まったと伺っておりますが、区市町村が都市計画公園、緑地以外の身近な公園、緑地を整備する際に活用できるこの補助制度、緑あふれる公園緑地等整備事業補助制度の令和四年度の補助実績について伺うとともに、区市に本制度の活用を促すためにどのように取り組んだかについて伺います。
○山崎都市づくり政策部長 緑あふれる公園緑地等整備事業補助制度の令和四年度の補助実績は、一区四市において五か所、合計約〇・八ヘクタール、執行額は一億三千万円でございます。
都は、区市に本制度の活用を促すために、補助に関する区市への説明会の実施、区市からの具体的な相談に対する技術的な助言などにより、制度の周知と活用の促進に努めてまいりました。また、区市から公園整備の現状や補助制度に対する意見を聞き、さらに使いやすい制度となるよう検討いたしました。
○福島委員 先ほど長々と、このグリーンインフラの推進の重要性について述べさせていただきました。
会派のグリーンインフラに思いのあるメンバーで視察した善福寺川流域、原田議員の地元になるんですけれども、ここでは宅地化が進んだことで豊かだった湧き水が減少しまして、平時の水量が減少してしまい、水質が悪化するとともに、一方、大雨が降ってしまうと内水氾濫が起きやすい、こういった地域になっております。
そして、周辺には僅かに現存している屋敷林さえ、これも相続の問題で維持が難しくなっているというふうに聞いております。一旦開発が進んでしまうと、回復することは大変困難です。グリーンインフラ推進の観点からも、区市に本補助制度をより一層活用してもらえるよう、雨水貯留浸透機能を有するまとまった規模の樹林地などの公園整備には補助率を上げるなど、さらなる工夫を求めます。
次に、地域公共交通の取組について伺います。
私は、都民ファーストの政治の実現に向けた一つの取組として、都議会議員になって以降、半年に一度のペースで社会課題をテーマに都政報告会を開催し、専門家を招いて、都民を交えて議論する場を設けてまいりました。さきに取り上げたグリーンインフラの推進も、令和元年に開催した第五回都政報告会がトリガーになっています。
そして、本年九月には十二回目となる都政報告会を開催しましたが、地域活動を行う中で、バスの本数が減ってしまった、世田谷区なんですけれども、路線そのものがなくなったとか、あとは代わりにタクシーに乗ろうと思ってもつかまえられないと、こういった区民の声を多くいただくようになってまいりました。これを踏まえまして、地域公共交通をテーマに設定して開催したものです。
ここで、最大の私の学びとしては、欧米の主要都市の公共交通の事業収入は、その多くが五〇%程度にとどまっていて、ほかは税金で賄われていること。そして、公共交通の役割は、移動手段の確保にとどまらず、環境問題や渋滞の解消など広範囲にわたっており、このため、行政は組織横断チームを設けて交通計画を策定し、組織横断チームを運営するためのマニュアルまで整備をされていること。その結果、道路建設よりも公共交通に投資がされている、そういったことを学びました。
そこで、公共交通は移動手段としての役割だけではなく、あらゆる都市活動の基盤となり、都市の活力の源泉にもなるものですが、渋滞解消、CO2削減、そして都民の健康増進など、ほかの分野にも波及効果をもたらすものであることも踏まえまして、東京の地域公共交通の充実に取り組むべきと考えますが、都は、これまでにどのように取り組んできたかを伺います。
○佐々木地域公共交通担当部長多摩ニュータウン事業調整担当部長兼務 都は、令和四年三月に策定しました東京における地域公共交通の基本方針に基づき、交通政策のみならず、まちづくりや環境政策も含む多様な政策分野の取組との連携を図りながら、地域公共交通を主体的に担う区市町村への技術的、財政的支援により、地域公共交通の充実に取り組んできております。
○福島委員 ご答弁にありました東京における地域公共交通の基本方針ですけれども、役割分担や方向性については書かれているものの、数値目標はほとんどございません。なぜなら、都は、拠点同士を結ぶ広域的に重要な路線である幹線系統の確保、維持に関しては責任を持つとしていますが、生活交通やラストワンマイルの移動の確保、維持、改善、充実については、基礎自治体の役割としており、結果、例えば都内のバス路線、そして本数、これは東京都は把握できていません。これでは、この数値管理は大変難しいと考えます。
さきに示した役割分担に従って、都は基礎自治体に対して間接的な支援は行っております。交通不便地域などにおいて区市町村が実施する地域の特性に応じた移動手段の確保策について、都の支援策と令和四年度の活用状況について伺います。
○佐々木地域公共交通担当部長多摩ニュータウン事業調整担当部長兼務 都は、これまでのコミュニティバスへの支援に加え、令和四年度から、地域公共交通計画の策定、デマンド交通の導入、路線の見直しに関する費用を新たに補助対象とするなど、区市町村の地域公共交通の取組に対する支援の拡充を行っております。令和四年度は、十九自治体に対し約一億一千六百万円を補助しています。
○福島委員 先ほど都内に走るバスの路線や本数を把握してほしい、まあ、きちんと地域公共交通を維持するためには実態把握に努めてほしいということは前から申し上げているんですけれども、我が会派は、その中でも公共交通に関わるデータ、標準的なバス情報フォーマットというものがありまして、GTFS−JPというものがあるんですけれども、こういったものによるデータ提供を求めてまいりましたが、この補助事業におきましては、このデータ提供を義務づけているということで、東京都が都内のバスの路線、本数を把握するための第一歩にはなるかなとは思っております。
そして、地域公共交通計画の策定においては、都民の移動手段の確保のみならず、渋滞解消、CO2削減など様々地域の公共交通の課題解決に向けて関係者が議論し、数値目標を設けて、その達成に向けた取組を記載するとのことで、大変重要であると考えます。
令和四年度の地域公共交通計画策定費の補助の実績と、令和四年度末時点での地域公共交通計画を策定した区市町村は幾つあるのかについて伺います。
○佐々木地域公共交通担当部長多摩ニュータウン事業調整担当部長兼務 令和四年度から新たに始めた地域公共交通計画策定費の補助につきましては、八自治体に対し、計約一千八百万円を交付しております。
また、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律に基づく地域公共交通計画につきましては、令和四年度末時点で延べ十一自治体で策定しております。
○福島委員 さきの都政報告会の話に戻りますが、ヨーロッパの都市では、車の削減の数値目標を立てて、そこから公共交通や徒歩、自転車の交通分担率の目標を定めて、そして運行本数、運賃などのサービスレベルを規定し、公共交通や徒歩、自転車の道路環境整備の財源を手当てする、こういった順番で議論を進めているそうです。
地域公共交通計画を策定した自治体の中には、CO2排出量に関する目標値を定めている自治体もあると伺いますが、交通はネットワークとして機能すること、さらには欧米の事例も踏まえると、数値目標については、隣接県とも連携した上で都からのトップダウンが不可欠であると考えます。今後の取組を要望いたします。
次に、東京都運輸事業者向け燃料費高騰緊急対策事業について伺います。
令和四年度の運輸事業者向け燃料費高騰緊急対策事業について、執行率が四九・六%にとどまっていますが、どのように捉えているのか、見解を伺います。
○三宮都市基盤部長 本事業の執行率については、支援対象となっている事業者のうち、バス事業者からの申請率は高かった一方で、個人経営の事業主が多く含まれる営業用軽貨物の事業者からの申請が伸びなかった面があると認識しております。
○福島委員 個人事業者からの申請が十分に伸びなかったということですが、どういう要因があったのか伺います。
○三宮都市基盤部長 支援金の申請受付に際しては、支給要件を確認するため、車両の保有状況を示す車検証のほか、中小運送事業者の場合、貨物運送事業の認可もしくは届出書、中小企業であることを示すための証明書など、公的書類の提出を求めました。
このため、手元にこうした書類がない場合など提出に手間がかかることから、特に個人事業主の場合は、業務に従事する時間との兼ね合いで、申請に結びつかなかった面があると認識しております。
○福島委員 個人事業主の場合には、支給される金額は八千円程度であったというふうに聞いております。公的書類がない場合には、これに代わる証明書を東京運輸支局に発行してもらう必要がありまして、申請書面はダウンロードできるようでしたが、提出と受け取りには品川にある運輸支局まで行く必要があります。燃料価格高騰の影響を同じように受ける中で、中小零細がこれを諦めるようなことがあってはなりません。
デジタル化は、このような弱い立場にある人を助けるための取組であることを改めて認識する事象であると考えます。本執行状況を添えて、国に対して行政手続の早期のデジタル化を求めることを要望いたします。
次に、BRT整備事業について伺います。
人口増加が続く勝どき、晴海エリアにとって、バス高速輸送システム、BRTは重要な交通手段です。BRT整備事業の執行率が五七・九%にとどまった原因と対策について伺います。
○井川交通政策担当部長調整担当部長兼務 BRT整備事業の執行率につきましては、新橋駅前交差点改良工事において、関係機関との協議により施工規模を縮小できたことや、停留施設などの日常的な維持管理費用が想定よりも少なかったことなどから、五七・九%になったものでございまして、事業の進捗に影響はございません。
○福島委員 事業の進捗に影響がないというご答弁を確認しました。
昨年十一月に東京都は、東京駅から有明をつなぐ臨海地下鉄、仮称の事業計画案を発表したものの、開業を目指す二〇四〇年までは、BRTが担う役割は大変大きいと考えます。二四年春からは、東京五輪の選手村として建設されたマンション群、晴海フラッグに約一万二千人が順次移り住むといわれています。利用実態に合わせた増強を求めます。
次に、ホームドアの整備について伺います。
視覚障害者の皆様を筆頭に、誰にとっても安全・安心なまちづくりに向けて、ホームドアの整備を求める声は大変大きく、都議会でも各会派が求めているところです。
都は、私たちの提案を受けまして、二〇一八年に、利用者十万人未満の駅にも補助を拡大、第三回定例会の我が会派の代表質問に対し、鉄道事業者に対し、整備計画の前倒しに加え、新たに駅ごとの進捗状況の明示を求めるなど、ホームドアの早期実現を働きかけるとの答弁を得たところです。
しかしながら、このホームドア整備を含む鉄道駅総合バリアフリー推進事業について、執行率が七七・五%にとどまっております。執行率が下がった主な原因について伺います。
○佐々木地域公共交通担当部長多摩ニュータウン事業調整担当部長兼務 執行率が下がった主な原因といたしましては、鉄道事業者によるホームドア整備において、世界的な半導体不足により製品調達に遅れが生じ、施工時期が変更となったことが挙げられます。
○福島委員 世界的な半導体不足が原因であることを確認しました。
では、ホームドアを整備する上で半導体不足による製品調達の遅れなどの問題があることを踏まえて、こうした工事の遅れにどのように対応したのかについて伺います。
○佐々木地域公共交通担当部長多摩ニュータウン事業調整担当部長兼務 ホームドアなど駅のバリアフリー化の推進には、鉄道事業者の積極的な取組が不可欠でございます。令和四年度は、半導体不足により四駅で工事着手を見合わせましたが、その後、工事着手の見通しがついたため、令和五年度予算に必要な補助金額を計上しております。
○福島委員 四年度の夏の時点で着手を見合わせた件については、鉄道事業者と協議、調整を行いまして、そして五年度には工事着工することを鉄道事業者に確認した上で、五年度の予算要求を行ったということです。遅れを取り戻すための取組が行われていることを確認させていただきました。
次に、建築物の耐震化について伺います。
昨年十二月に公表したTOKYO強靱化プロジェクトでは、緊急輸送網の確保に向けた特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化率は、過去十年で八一・三%から九一・六%に向上したとの記載がありました。特定沿道建築物の耐震化がこれまでどのように進捗しているのか、また、目標達成に向けた取組について伺います。
○谷井耐震化推進担当部長 特定緊急輸送道路沿道建築物については、令和七年度末に総合到達率九九%以上とする目標に対し、令和四年十二月末時点では九二・六%となっており、総合到達率の指標を導入した令和元年十二月末時点の九一・一%から一・五ポイント上昇しております。
これまで、建物所有者への個別訪問等による働きかけやアドバイザー派遣、改修費用の助成などを行ってまいりました。令和四年度末に改定した耐震改修促進計画では、区分所有建物における合意形成などをサポートするため、検討の初期段階から工事の完了まで一貫して対応できるよう、アドバイザー派遣制度を拡充しております。
○福島委員 令和元年十二月から四年の十二月のこの進捗具合、これを外挿しても、令和七年度末の到達率九九%に到達はしません。
ということで、答弁にあった検討の初期から工事の完了まで一貫して対応できるようにアドバイザー派遣制度を拡充することにより、これまでの単発のアドバイザー派遣では難しかった伴走型支援が可能になり、合意形成が進むことが期待されるというふうに伺っております。今後とも、事業の実施を通じて得た知見を生かし、事業のブラッシュアップを継続して行っていただきたいと思います。
東京都の耐震ポータルサイトでは、特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化状況が公表されています。都県境入り口から、ある区間に到達できる確率、区間到達率とこの区間到達率の変化が色分けして分かりやすく示されています。
これによれば、山間部の青梅街道で区間到達率五〇%未満の領域が長く残っており、かつ、区間到達率の改善も進んでいないことが見てとれます。震災時の他県からの物資輸送で重要なルートとなるこの青梅街道の青梅駅よりも西側の区間について、耐震化の状況と取組について伺います。
○谷井耐震化推進担当部長 青梅街道のうち、青梅駅より西側についての区間到達率は、令和四年十二月末現在で四四・二%でございます。これまで建物所有者に対して耐震化を促すとともに、耐震化の状況を把握してまいりました。
また、目標年次までに着実に耐震化を進めるため、倒壊の危険性が高い建築物の所有者に対して、令和四年度は法や条例に基づく指導を行っております。
当該区間の特定沿道建築物は、個人住宅かつ高齢世帯が多く、住民に身近な地元自治体の役割も重要であることから、引き続き地元自治体と連携して耐震化に取り組んでまいります。
○福島委員 青梅街道の当該領域は道幅も狭く、民家が倒壊するだけでも交通確保が難しくなるというふうに聞いています。当該エリアが被災した場合の救急支援活動のみならず、隣接県や都心が被災した場合も、人や物資の往来のための大変重要な道路であることから、引き続き個人宅への訪問回数を増やしたり、住民だけではなく、ご家族も含めた話合いの場を設けていくなど、地域事情を考慮した取組の強化を求めます。
続いて、TOKYO強靱化プロジェクトでは、住宅の耐震化率も過去十年で八一・二%から九二%に向上したとの記載があります。旧耐震基準の住宅耐震化の目標に向けて、どのように進捗しているのか伺います。
○谷井耐震化推進担当部長 住宅の耐震化については、旧耐震基準の耐震性が不十分な住宅、約五十六万戸を令和七年度末までにおおむね解消するという目標に対し、令和元年度末現在の耐震化率は九二・〇%でございます。改修への助成件数は、令和三年度が五百七十件、令和四年度は九百六十六件となっており、着実に助成件数が増加しております。
○福島委員 令和元年度末現在の耐震化率が九二%で、残り八%を計算すると約五万戸でありまして、建て壊しや新築などもあることを考えると、特定沿道建築物の耐震化とは異なって、都が助成などを通じて関与できる範囲は限定的であることは分かります。
TOKYO強靱化プロジェクトでは、さらなる取組として、新耐震基準の中で築年数の古い木造マンションへの耐震化の支援を拡充することを表明しています。新耐震基準の木造住宅の目標と取組について、また、対象戸数についても併せて伺います。
○谷井耐震化推進担当部長 令和四年度末に改定した促進計画において、新耐震基準を含め耐震性が不十分な全ての住宅を、令和十七年度末までにおおむね解消することを目標とし、診断や改修等に対する助成を行うこととしております。
また、耐震性が不十分な新耐震基準の木造住宅の戸数は、約二十万戸と推計しております。
○福島委員 旧耐震基準の耐震対策が残り五万戸を対象にしているのに対し、約二十万戸と、新耐震基準を対象にしたことの妥当性を確認しました。新耐震というだけで安心している人は少なくないことが予想されますので、丁寧な啓発を要望いたします。
次に、再生骨材コンクリートの利用拡大について伺います。
東京都建設リサイクル推進計画では、東京の持続的な発展を目指すためには、建設副産物の発生を抑制した上で、建築物や土木工作物に蓄積された建設資材を有効に再活用し、環境に与える負荷を軽減することが重要であるとしています。
土木の構造物や建築物の解体により生じるコンクリート塊については、これまで主に再生砕石にリサイクルされて、路盤材等として活用されてまいりましたが、道路需要が減少する一方で、市街地再開発事業や高度成長期に建設されたコンクリート構造物の更新を迎えている東京都では、この再生砕石の滞留が顕在化しています。ここで着目されているのが、コンクリート塊をコンクリート用骨材にリサイクルする再生骨材コンクリートです。
しかしながら、都内の再生骨材コンクリートの製造プラントでは、再生骨材コンクリートの利用が進まないため、このコンクリート塊の受入れが滞っていること、その結果、都内の建設業者は、このコンクリート塊を都外のプラントまで運んでいるような状況になっているというふうに聞いています。これが、複数の団体から声として届いておりまして、時間と費用を無駄にするだけではなくて、CO2削減にも逆行しかねない状況になっています。
令和四年度における再生骨材コンクリートの利用拡大に向けた都市整備局の取組状況について伺います。
○澤井まちづくり調整担当部長 都は、再生骨材コンクリートの利用拡大に向けて、東京都環境物品等調達方針において環境負荷の少ない建設資材として位置づけ、公共工事での使用を推進しております。
令和四年度は、利用の促進に向けた課題を把握するため、再生骨材の製造者や再生骨材コンクリートの使用者などの関係業界団体にヒアリングを実施しております。
○福島委員 我が会派も、関係団体に利用が進まない理由についてヒアリングをいたしました。
すると、再生骨材コンクリートを製造するプラントの数が少なくて、かつ都内に偏在しているために、製造から利用までの時間に制約があるコンクリート利用の性質上、現状は、都内で利用できるエリアが限られていること、そして、製造プラントが天然骨材コンクリートの製造と同じラインを使っていて、切替えには工数を要するため、再生骨材コンクリートの需要が見込めないとラインの切替えができないことという声が届きました。
そこで、再生骨材コンクリートの利用を促進するためには、建設業者が利用したいと思ったら確実に使えるように、まずはこの再生骨材コンクリートを製造するプラントの数を増やし、都内全域で利用可能な体制を整えることが重要です。
そのためには、事業への新規参入を促す仕組みが必要ですが、少なくとも東京都の発注する再生骨材コンクリートを使う工事の場所や時間、使用量を事前に公表することで、製造側がこの需要をちゃんと把握できて安心して製造できる、そんな仕組みづくりが有効であると考えます。検討を求めます。
最後に、eSGまちづくり戦略について伺います。
昨年度の各会計決算特別委員会でも、我が会派からは、東京ベイeSGまちづくり戦略の策定の背景や経緯、そして具体的な取組について質問を行いました。この東京ベイeSGまちづくり戦略の令和四年度の進捗について伺います。
○澤井まちづくり調整担当部長 都は、二〇四〇年代のベイエリアを実現するための行政の取組や民間誘導の方策を示す実行戦略として、東京ベイeSGまちづくり戦略二〇二二を令和四年三月に策定いたしました。
令和四年度は、質の高い緑と魅力的な水辺空間の形成に向けて、海外の事例を参考にしながら、開発に合わせて建物低層部のテラスなどに立体的な緑空間を充実する方策や、台場地区をモデルとして、水辺、道路、民有地が一体となり、人を引きつける空間の構成について検討を行っております。
○福島委員 立体的な緑の空間の充実は、かねてより我が会派が求めてきたことでもあり、グリーンインフラにもつながる取組だと考えます。
また、水辺、道路、民有地が一体化した魅力のある空間というのも、お台場の地理的特徴を生かした検討であり、隅田川や天王洲アイルなど、都内エリアへの展開が期待できます。
引き続き、五十年、百年先の未来の東京の姿を描き続け、その実現に向けた実証、そして実験エリアとして意欲的かつ果敢に取り組んでいただくことを要望しまして、私からの質疑を終えます。ありがとうございました。
○細田委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後三時二十四分休憩
午後三時四十分開議
○細田委員長 休憩前に引き続き分科会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○竹平委員 よろしくお願いいたします。
初めに、鉄道駅ホームドアの設置についてお伺いをいたします。
国は令和三年に、鉄道駅のバリアフリー化の推進は、都市部では利用者の薄く広い負担も得て、ホームドアなど駅のバリアフリー化を進めるという新たな料金制度を創設いたしました。都内でもJRや私鉄数社がこの料金制度を導入して、今年三月から料金の上乗せ徴収が始まりました。
こうした中で、都は、「未来の東京」戦略においてJRと私鉄駅のホームドア整備の目標とした二〇三〇年度末、約六割の達成に向け整備を加速するため、この新たな料金制度の活用の有無にかかわらず補助制度を継続するとしております。
しかし、財源の確保とともに重要なのは、技術的な課題への取組であります。
都議会公明党は、令和三年第一回定例会、続く令和四年第一回定例会の代表質問において、ホームドアの整備は道半ばであり、整備の加速には財源の確保とともに、都がイニシアチブを取り、技術的な課題の解決に取り組むことが重要であると主張いたしました。都からは、事業者との検討の場の設置や、課題の解決に向けた技術的な方策の整理、検討していくとの答弁がございました。
さらに、令和五年の予算特別委員会締めくくり総括質疑では、この検討成果を今後どう活用するのかについて見解を求め、都からは、これらの検討成果の活用と継続する補助制度を支援の両輪として事業者に整備計画の充実や前倒しを求め、さらなるホームドア整備の推進を図っていくとの方針が示されました。
ホームドアの整備については、地下鉄は約九割程度の駅で設置が進んでおりますが、JR及び私鉄駅については三割強の駅にしか設置されておらず、まだ道半ばでございます。
都は、一日当たりの乗降客十万人以上の駅を対象とした従来の整備補助を令和二年度から十万人未満の駅にも適用するとともに、視覚障害特別支援学校の児童生徒などが多く利用する駅を優先的に整備するといたしました。
まず、JR及び私鉄駅のホームドア整備等を対象とした鉄道駅総合バリアフリー推進事業において補助制度を充実した令和二年度から四年度までの一日当たりの利用者十万人未満の駅におけるホームドア整備駅数の推移をお伺いしたいと思います。
○佐々木地域公共交通担当部長多摩ニュータウン事業調整担当部長兼務 JR及び私鉄駅において、一日当たりの利用者が十万人未満の駅は都内に三百九十五駅ございます。このうちホームドア整備駅数は令和二年度末時点で百三駅、令和三年度末時点で百五駅、令和四年度末時点で百十駅あります。
○竹平委員 利用者が十万人未満という規模の小さな駅でも少しずつ整備が進んでいるとのことでありますが、都議会公明党はかねてより、ホームドアやエレベーターの整備など鉄道駅のバリアフリー化は高齢者や障害者だけでなく、全ての利用者にとって安全・安心の観点から重要であり、特に利用者十万人以下で視覚障害者の利用が多い駅へホームドアを優先的に整備するよう求めてきたところであります。
視覚障害者の安全確保にはホームドアの整備が必要不可欠であります。とりわけ鉄道を通学手段とする視覚障害特別支援学校の生徒たちは、日々危険にさらされているわけでございます。
都内には五つの視覚障害特別支援学校があります。その最寄り駅におけるホームドアの設置に向けた令和四年度の取組状況をお伺いいたします。
○佐々木地域公共交通担当部長多摩ニュータウン事業調整担当部長兼務 都内の五つの視覚障害特別支援学校の最寄り駅のうち、令和四年度には都と区の補助を活用し、都立文京盲学校の最寄り駅であるJR中央・総武緩行線飯田橋駅でホームドアが設置されました。また、同様に補助を活用し、令和四年度から都立久我山青光学園の最寄り駅である京王井の頭線久我山駅で整備が進められています。
○竹平委員 今ご説明をいただきましたけれども、視覚障害特別支援学校の最寄り駅の飯田橋駅ではホームドアが設置され、久我山駅でも工事が行われるなど、整備が進んでいることが分かりました。あと残すは八王子盲学校、JR西八王子駅となるかと思います。
駅のホームドア整備は、都議会公明党にも多くの要望が寄せられております。スピード感を持って着実に整備されるよう、強く要望をいたします。
また、利用者の規模は少なくとも、駅周辺の特別支援学校や病院、また高齢者福祉施設などの立地も考慮して、安全で安心の確保が必要な駅で優先的なホームドア整備を進めるため、都議会公明党が提案して立ち上がった検討の場で培われた鉄道事業者との協力体制もしっかりと生かして取り組んでいただくようお願いしたいと思います。
次に、東京都運輸事業者向け燃料費高騰緊急対策事業について、私からも質問させていただきたいと思います。
昨年度我が党は、原油高、物価高騰に対する緊急要望を行い、燃料高騰の影響が大きく都民生活に身近なバス、また運輸事業者への支援を求めてきたところでございます。昨年の三定補正予算に盛り込まれた、運輸事業者向け燃料費高騰緊急対策事業はまさに要望の趣旨に沿った事業であり、事業者の方からは大変評価するお声を頂戴しているところであります。
今回、令和四年度決算が示されるところで、改めて、どのような事業者を対象に支援を行ったのかをお伺いいたします。
○三宮都市基盤部長 本事業は、燃料費の高止まりで都民生活に影響のある営業用貨物、営業用軽貨物、路線定期運行のバスを支援対象といたしました。貨物事業者については、都民生活に欠かせない物流ネットワークを担い、中小事業者は燃料高騰に伴う運送コストの増加を荷主に対して価格転嫁することが困難であることを考慮して、支援を実施しました。
路線定期運行のバス事業者は、通勤や通学など都民の日常の足として利用されており、都民生活に影響が大きいことを考慮して、支援を実施しました。
○竹平委員 支援対象の中小運送事業者は、個人事業主を含めると非常に多くの事業者数となります。先ほど来も執行率のお話が出てまいりましたけれども、この執行率を高めるためには、支援が広く行き届くよう、きめ細やかな周知などが必要であるかと思います。
そこで、実際にどのような取組を行ったのかをお伺いいたします。
○三宮都市基盤部長 制度を広く活用してもらうため、ホームページやツイッターなどを活用し広く周知を行うとともに、関係団体などと連携した加盟事業者向けの説明会や、トラックターミナルにおけるポスター掲示、チラシ配布などを行いました。また、運転中のトラックドライバー向けにラジオの都政ニュース番組において制度の周知を行いました。さらに、より多くの申請を促すために、申請受付期間の延長も行いました。
○竹平委員 現在、本事業が二回目となりますけれども、本事業がガソリン価格の高騰の直接打撃を受けている運輸業や乗合バス事業などを営む事業者に支援が速やかに行き届くことは重要であります。
先ほど来、周知の話、この執行の様々な前回の課題があるということでございました。事業の内容をきめ細やかに、しっかりと周知をしていただき、手続も簡単にしていただくよう要望したいと思います。
次に、高台まちづくりについてお伺いをいたします。
近年の気候変動に伴い水害が激甚化、頻発化しており、今年も台風や線状降水帯などにより、全国各地で被害が発生しております。都においても大規模水害の発生リスクは今後一層高まっていくと想定されており、都民の安心・安全が脅かされている状況にあります。
特に東部低地帯は、地盤の高さが満潮位より低いゼロメートル地帯が分布しており、江戸川区では陸域の七割を占めております。例えば万が一、地震や洪水により堤防が被災すれば、浸水被害は広範囲に及ぶことが想定されます。これに対して都においては、東部低地帯等において、国及び地元区と連携して、水害に強い高台まちづくりを推進しております。
そこで、高台まちづくりを推進する必要性について、改めて伺います。
○三木市街地整備部長 東部低地帯など、海抜ゼロメートル地帯等には人口、資産が多く集積し、一たび大水害が発生すると、広範囲で長期間の浸水による被害の拡大が想定されております。こうした課題に対応するため、都は国と共に連絡会議を設置し、水害対策などについて幅広く議論を行い、高台まちづくりを推進する方策を盛り込んだ災害に強い首都「東京」形成ビジョンを令和二年度に策定いたしました。
この中では、治水対策では防ぎ切れない大洪水や大規模氾濫が発生しても、命の安全、最低限の避難生活水準が確保され、さらには社会経済活動が一定程度継続できる、継続するために、高台まちづくりを推進することといたしております。
○竹平委員 私の地元の江戸川区をはじめといたしまして、東部低地帯において水害時の避難先となり、都民を守る高台まちづくりの取組は大変重要であります。都もこれを積極的に支援すべきと考えます。
都は国と共にビジョンを策定し、高台まちづくりを推進しているとのことですが、令和四年度の都の高台まちづくりの取組についてお伺いいたします。
○三木市街地整備部長 令和四年度はビジョンを踏まえ、令和二年度に設置した国や関係区を含めたワーキンググループの下、江戸川区のJR小岩駅周辺地区、船堀地区、篠崎地区や板橋の舟渡地区などのモデル地区等におきまして、高台まちづくりの具体化や推進方策の検討を進めてまいりました。
また、都では地元区に対しまして、高台まちづくりに関わる計画作成費等の費用の助成制度を設け、支援を開始いたしました。
江戸川区ではこの制度を活用いたしまして、船堀地区において建物間の連絡デッキの整備等の検討を進め、令和四年度末に高台まちづくりの基本的な考え方等を明らかにした船堀駅前地区高台まちづくり基本方針を策定いたしました。
○竹平委員 高台まちづくりは実現に時間を要するものであり、地元まちづくりと密接に関わる事業であります。このため、今後とも、地元区ともよく連携をし、着実な推進を図り、水害に強い東京の実現を図っていただくことを要望いたします。
次に、木密地域の不燃化についてお伺いをいたします。
地震への備えも重要です。都は、阪神・淡路大震災や東日本大震災など過去の地震被害の教訓を踏まえ、木密地域の不燃化を進めてきました。令和二年度には防災都市づくり推進計画を策定し、不燃化特区制度を五年間延長するなど、引き続き整備地域の防災性の向上を強力に進めていくとしております。
私の地元江戸川区においても、四つの地域で不燃化特区制度を活用し、複雑な権利関係がある中での合意形成など様々な課題がある中、区の職員が住民と共に課題解決を図るなど不燃化に取り組んでおります。不燃化を一層推進していくためには、そのような区の取組をしっかりと支援していくことが重要であります。
そこで、まずは木密地域の不燃化を進めるために、実際に住民と向き合っている区への支援にどのように取り組んできたのか、お伺いいたします。
○池内防災都市づくり担当部長 都は、これまで木密地域における不燃化を図るため、区と連携しまして、老朽木造建築物の除却、建て替えに対する支援を実施してまいりました。加えて、区が行う不燃化特区制度の周知や建て替えを促進するための戸別訪問などに対する費用の一部を支援してまいりました。
令和四年度は無接道敷地の解消に向けた専門家派遣、また、除却後五年以内の不燃化建て替えを補助対象とするなど、前年度に拡充をいたしました制度を活用し、不燃化のさらなる促進に取り組んできたところでございます。
○竹平委員 区への支援について、これまでしっかりと行ってきたことを確認させていただきました。
一方で、都は不燃領域率を令和七年度までに半数以上の整備地域で七〇%以上とすること、令和十二年度までに全ての整備地域で七〇%以上とすることを整備目標としております。
そこで、整備地域全体の不燃領域率の推移と不燃領域率を改善するため、令和四年度に不燃化特区制度を活用して区に支援した執行額の実績についてお伺いをいたします。
○池内防災都市づくり担当部長 まず執行額でございますが、令和四年度は老朽木造建築物の除却など約十七億円を執行しておりまして、対前年度で約一五%増加いたしました。
また、整備地域全体の不燃領域率ですが、木密地域不燃化十年プロジェクトを開始しました平成二十三年度では五八・四、令和三年度では六五・五%となっておりまして、この間七・一ポイント上昇しているというところでございます。
○竹平委員 不燃領域率が確実に増加していることを確認いたしました。今年度からは、不燃化特区において建て替えの建築工事費を助成対象に追加する制度拡充を行っており、また、重点整備地域以外の不燃化も加速するために、建築物の除却等への支援も始まっております。
しかし、この目標年次まであと二年となります。これから生じるであろう駆け込み需要に確実に取り組むよう、周知をしっかり行いながら、タイミングを逃さないよう引き続き区と十分に連携して、令和七年度までに不燃領域率七〇%の目標を達成することを要望いたします。
次に、特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化についてお伺いさせていただきます。
特定緊急輸送道路は、災害時の大事な物資を運ぶためのインフラでございます。万が一その道路の沿道の建物が地震で崩れて道路を塞いでしまったならば、食料などの物資の配送ができず、また、緊急車両なども入ることができなくなってしまいます。そのため、特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化はとても重要であります。
そこで、特定緊急輸送道路沿道建築物について目標の達成状況、また令和三年度及び令和四年度の耐震設計と耐震改修への助成件数をお伺いいたします。
○谷井耐震化推進担当部長 特定緊急輸送道路沿道建築物については、令和七年度末に総合到達率九九%以上とする目標に対し、令和四年十二月末時点では九二・六%でございます。また、助成実績は令和三年度が設計六十件、改修等八十五件に対しまして、令和四年度は設計六十六件、改修等八十九件でございます。
○竹平委員 また、特定緊急輸送道路沿道建築物に対する助成の内容と、また都民への働きかけ、どのように行ってきたのかお伺いいたします。
○谷井耐震化推進担当部長 特定沿道建築物の設計や耐震改修等に対する助成を実施しており、改修等の費用に対して最大九割の助成を行っております。また、建物所有者に対し、区市町村等と連携して文書を発送し、耐震化の働きかけや耐震化の検討に役立つイベント情報の提供など、前年度に引き続き令和四年度も働きかけを行っております。
○竹平委員 これまで特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化の状況を伺い、少しずつではありますが、耐震化が進んでいるということが分かりました。引き続き建物所有者に対し、区市町村と連携をしながら、着実に事業が進められますよう要望いたします。
また一方、住宅の耐震化も進めなくてはなりません。これまでの取組を進めてきた旧耐震基準の住宅の耐震化について、目標とその達成状況、また、令和三年度及び令和四年度の耐震診断と耐震改修への助成件数をお伺いいたします。
○谷井耐震化推進担当部長 住宅の耐震化については、旧耐震基準の耐震性が不十分な住宅を令和七年度末までにおおむね解消するという目標に対し、令和元年度末現在の耐震化率は九二・〇%でございます。助成実績は令和三年度が診断六百四十二件、改修等五百七十件に対しまして、令和四年度は診断九百四十五件、改修等九百六十六件でございます。
○竹平委員 住宅の方も耐震率は九割を超え、前年より耐震診断約一・五倍ですかね、それから耐震改修も一・七倍に増えていることが分かりました。昨年度改定した東京都耐震改修促進計画において、新耐震基準の木造住宅の耐震化に取り組むこととしております。
そこで、新耐震基準の木造住宅の耐震化に対する認識と、耐震性が不十分な約二十万戸に対して、どのように取り組むことにしたのかお伺いいたします。
○谷井耐震化推進担当部長 令和四年五月に公表された首都直下地震等による東京の被害想定において、新耐震基準の木造住宅を耐震化することによる被害軽減効果が示されました。また、平成二十八年に発生した熊本地震では、平成十二年以前に建築された新耐震基準の木造住宅の一部においても、倒壊による被害が見られております。
耐震性が不十分な新耐震基準の木造住宅約二十万戸について地震による被害を低減するため、令和四年度末に改定した耐震改修促進計画において、診断や改修等に対する助成などにより耐震化を支援することとしております。
○竹平委員 木造住宅については、新耐震基準についても、これまでと同様、補助制度があるとのことです。いつ巨大地震が東京を襲ってきてもおかしくありません。区市町村をはじめ、関係団体にも協力を図り、災害に強い東京の実現に向けて、耐震化への一層の取組を要望いたします。
最後に、生産緑地などの緑の保全、創出についてお伺いいたします。
東京の農地は新鮮な農産物の供給だけでなく、環境保全や防災など様々な役割を担っており、都民の貴重な財産です。特に市街地にある生産緑地は都内に約三千ヘクタールありますが、相続発生時など、毎年平均して約五十ヘクタールが消失し続けております。
私は、令和四年十二月八日の第四回定例会においても質疑を行いましたが、区市が買取りの申出があった生産緑地を買い取り、活用する際に、都は支援を強化すべきと考えます。
都は、都市計画公園区域内の農園が困難となった生産緑地を買い取る区市に対し補助を行う生産緑地公園補助を行っておりますが、これまでの補助実績と令和四年度の補助実績について、また、区市における取組状況についてお伺いをいたします。
○山崎都市づくり政策部長 都は平成三十年度に生産緑地公園補助制度を創設し、区市が都市計画公園緑地内の生産緑地を買い取る事業に対し補助を行っております。これまでの補助実績は、五区十市において三十二か所、合計約六・八ヘクタールであり、このうち令和四年度は三区四市において七か所、約二・三ヘクタール、執行額は九億九千万円でございます。
令和四年度末までに農業体験ができる公園や遊具のある公園が新たに十五か所整備され、季節に応じた収穫体験やイベントの開催場所として子供から大人まで幅広い年齢層に利用され、にぎわっております。
○竹平委員 東京都として着実に事業を進めていることが分かりました。こうした補助制度を通じて区市の緑を保全する取組を積極的に支援していくことを要望いたします。
一方、宅地化が進んだ都内において、農家が農業を経営しやすく、農が身近にある暮らしに対する都民の理解を促すため、都は、農の風景育成地区制度を創設いたしました。次世代に継承していくために、比較的まとまった農地や樹林地がある地区を指定する農の風景育成地区について、令和四年度の取組についてお伺いをいたします。
○山崎都市づくり政策部長 都は、農の風景育成地区の指定を目指す区市町に対し、指定に向けた調査費等について補助を行うなど、区市町の取組を後押しし、令和四年度までに四区市において合計五か所を指定してまいりました。令和四年度には江戸川区、町田市、八王子市に対し、指定に向けた調査費等への補助を行い、各区市において住民や農業者が一堂に会し議論するワークショップの運営や、ニュースレターの作成、発行などが行われました。
こうした取組によって、江戸川区鹿骨地区において地域の合意形成が図られ、本年四月に新たに農の風景育成地区の指定に至っております。
さらに、令和四年度からは、新たに地区指定後に行われる普及啓発などの取組に対する補助も開始しておりまして、調布市においては、これを活用し、地元小学校との田植や稲刈り体験会、市民参加によるウオークラリーの開催など、市民に対して農のあるまちの魅力をPRしております。
○竹平委員 私の地元の江戸川区鹿骨地区です。今年四月に念願の農の風景育成地区として指定をされました。農を守るために自分たちに何ができるのか、ワークショップを開催し、農家さんと地元住民と、そして行政などが協力し合って、鹿骨地区の魅力の発信と農を守る機運の醸成、農家の支援など連携しながら、農の保全、育成に取り組んでおります。
先日も江戸川区民まつりではブースを設けて、ミニトマトすくい体験、また展示などを行いました。また、他のお祭りにおいても、野菜の食べないところをスタンプにしたエコバッグ作り、そういったことも行っております。広く区民にPRをされております。地元の盛り上がりが何より大切であります。
豊かな緑、農の風景を後世に引き継いでいくため、市民が中心となって取り組む、この農の風景育成地区指定をさらに増やし、都は引き続き支援していくことを要望し、質問を終わります。ありがとうございました。
○原田委員 私からは、当該年度神宮外苑再開発についてお聞きしたいと思います。
神宮外苑再開発事業は、当該年度の二〇二二年度に大きく社会問題として広がりました。年の初めには住民運動が立ち上がり、やれることは全部やろうと奮闘され、私も当時、都市計画審議会を務めておりましたが、委員として、この住民団体の書簡を受け取り、読ませていただきました。
樹木伐採が千本に及ぶことを図面と現地を足で歩いて突き合わせて証明してみせた石川幹子東大名誉教授、二つのネット署名が立ち上がり、多くの方々が署名をしましたが、高校生が署名板を持ってイチョウ並木にも立ちました。そうした運動に励まされ、私も独自の調査を基に議会での論戦を展開しました。
こうした活動がマスコミに取り上げられ、徐々に大きくなっていったのが当該年度の外苑再開発問題でした。
環境影響評価審議会での画期的な審議継続が三井不動産ら事業者を表舞台に引っ張り出しました。週刊誌などが書き始め、一般紙がコラムで取り上げ、徐々に樹木伐採だけでなく、この問題が十年以上も前から都幹部職員と政治家によって水面下で話が進められていたこと、ゆがんだ再開発手法などに焦点が動き出しました。
そのような中、当該年度に当たる今年二月二十四日、坂本龍一さんが亡くなる直前、まさに最後の力を振り絞るように小池都知事に宛てて手紙を出しました。しかし、坂本さんのあなたのリーダーシップに期待しますとの言葉を受けた知事の返答は、ぜひ事業者である明治神宮にもお手紙を送った方がいいのではないでしょうか、まちづくりの意義を、坂本さんをはじめ皆さんに伝わるように情報発信するよう伝える、まあ、小池知事らしい冷たい回答でした。
改めて確認したいのですが、東京都は、知事のいうように他人事ではいられないはずなんです。神宮外苑再開発に対して再開発等促進区を定める地区計画の適用など、率先して重大に関与し、計画を進めてきた経緯があることを認めるべきですが、確認します。
○山崎都市づくり政策部長 令和四年度に認可をいたしました神宮外苑の再開発は、明治神宮など、民間事業者が自らの所有地において実施するものでございます。
都は、都市計画決定や再開発の認可などについて、法令等に基づき適切に行っております。
○原田委員 都市計画決定や第一種市街地再開発事業の認可を行ったことを、施行認可を行ったことを認めました。そうなんです。外苑再開発事業にとって決定的な都市計画決定や施行認可を東京都はしているわけなんです。だから、坂本さんは手紙を知事に出したわけでしょう。知事や都市整備局は、その点勘違いされては困るわけです。
しかしながら、やはり答弁の冒頭は、今もですね、再開発は民間事業者が実施すると、あたかも他人事のように振る舞いました。外苑をめぐる議論によく、私有地なのだから文句はいえないのではないかという声がありますが、それは大きな間違いで、東京都による特別な計らいがなければ超高層ビルは建ちませんし、新球場も新ラグビー場も計画のような巨大な建築物にはできないわけです。一般の人は、土地を持っていたら、その地域のルールにのっとって建てたいだけ建てるってわけにはいきません。
しかし、外苑再開発では、事業者が建てたいだけ建てられるようルールをこの地域だけ変えられているわけです。本当にこの計画は事業者だけで進め、本当に当該年度の再開発施行認可は適切な手続を経ての認可といえるのか。今多くの都民から疑いのまなざしが向けられているわけです。
私たちの情報開示によって二〇一二年、当時の佐藤副知事と共に、都市整備局の安井技監が森喜朗当時衆議院議員の元へ、今の計画の原形となるイメージ図を持って提案に行っています。先ほど再開発は事業者が実施していると答弁していましたが、都市整備局はこれをどう説明するというのか。しかも、分かっているだけでも、次の年は、これまた水面下で二〇一三年、三井不動産らとも同じテーブルに着いて、何がしかを話し合っていることを議会で答弁しています。そのときの、じゃ資料はと聞いたら、見当たらないと答弁しており、都民の疑念は深まるばかりです。
さらに次の年の二〇一四年にはサブトラックがなくなったイメージ図が作成され、現計画で三井不動産の超高層ビルが建つ位置に、その原形とも取れる事務所棟ビルというのがイメージ図に現れます。これ再開発に関わる覚書が交わされる前の年です。高さ制限の撤廃、容積移転や容積ボーナスなどが行われる計画であり、高い公共性がないと認められないような、こういう計画であるわけですが、水面下で実は大企業の思惑に合うようにまちづくりの方向性がつくられているとしたら大変なスキャンダルになるわけです。
実は、私たちが入手した開示文書は、かなりの部分に白塗りが残っています。ここに、よもや、この計画初期といいますか、まあ、皆さんは計画初期とは認めないでしょうけれども、水面下で森喜朗氏らと会っていたその時期に、企業名やまちづくり指針とはかけ離れた文言が入っているとしたら、この事業は頓挫する可能性があります。改めて、権利変換計画直前まで来たこの段階で、都民に情報を隠して計画を進めることは許されないということをいいたい。白塗りを外すよう強く求めるものです。
当該年度の質疑を通して、都はこれまで、神宮外苑地区について、緑地の確保とともに、にぎわいの創出やスポーツクラスターの形成などをうたって、今回の外苑再開発は、それにかなうものだからといって認可をしてきたし、そのように表現をしてきたと。ところが、そうした理屈づけに批判が集中し、著名人が続々と反対の声を上げ始めた途端、今年度に入って三井不動産ら事業者が内苑の護持のためといい出しました。これは、都が再開発を認可する根拠として何ら正当性を有さない理由にもかかわらず、驚くべきことに、小池都知事は九月十五日の定例記者会見で、外苑と内苑の護持を進めると事業者の明治神宮がいっている、内苑の森を守るためにどうするかを外苑が担っているといいました。
東京都は当該年度、第一種市街地再開発事業を施行認可していますが、認可の判断に、内苑の護持を記した行政文書あるいは計画や方針があるんですか。
○池内防災都市づくり担当部長 神宮外苑地区の再開発事業の施行認可につきましては、本年二月、都市再開発法にのっとって適切に認可をしたものでございます。
○原田委員 分かりにくいかもしれませんけれども、そういうことなんです。適切に認可を実施したと。適切に認可をしたというのは、つまり内苑の護持なんていう言葉を理由とした認可をしたことはないという答弁なわけです。政教分離の原則に違反するわけですよね、こんなことを、内苑の護持が施行認可の条件だなんていったら。
お伺いしますけど、先ほど適切に認可という答弁、内苑の護持を認可理由にすることは不適切だということでいいんですよね。
○池内防災都市づくり担当部長 表現をもう一度確認しますと、施行認可は本年二月に都市再開発法の規定に沿っていることを確認したために認可したものでございます。
○原田委員 私は、今適切に認可という答弁は、つまり内苑の護持を認可理由にしたら不適切だということですよねというふうに改めて聞き直したんですけど、それに対して改めて適切に認可をしたという答弁は、つまり内苑の護持を認可理由にしたら、これは不適切なんだという答弁と同義なわけです。
本日短い質疑でしたが、改めて、当該年度における外苑再開発への世論の高まり、振り返らせていただきまして、追及が終わっていない分野を確認してみました。
今後も日本共産党都議団、外苑再開発の闇を暴き、東京のまちづくりの在り方そのものを民主化するために奮闘することを誓って、質疑を終わります。
○斉藤委員 立憲民主党の斉藤りえです。
私からは、政策連携団体における障害者対応について伺いたいと思います。
まず、多摩都市モノレールについてですが、多摩都市モノレールは多摩地域を南北につなぎ、通勤、通学をはじめ、市民の足として広く親しまれる交通インフラであると同時に、東京都の政策連携団体でもあり、都政との関連性が深い団体です。令和四年度決算でも、都市整備局は多摩都市モノレール株式会社貸付金に係る元利金を収入しています。
そこで、まず、この収入は幾らで、どのようなものかお伺いします。
○三宮都市基盤部長 本元利収入は、東京都が過去に運営会社に対して行った建設資金等に係る貸付金の償還金であり、令和四年度の収入は十二億四千万円でございます。
○斉藤委員 多摩都市モノレールの建設に当たっては、東京都の貸付金が活用されていることが分かりました。
一方で、公共交通サービスを誰もが安心して快適に使える環境づくりは重要であり、多摩都市モノレールにおいても、より着実に利用者の安全・安心につながる設備投資を進めることが重要であると考えます。
そこで、運営会社においてバリアフリー整備について令和四年度はどのような取組が行われてきたかお伺いします。
○三宮都市基盤部長 これまで多摩都市モノレールでは、開業当初からホームドアを無人駅を含め全駅で設置し、また中期経営計画等に基づき、計画的に駅施設のバリアフリー整備等を実施してきました。令和四年度は上北台駅におけるエスカレーター及びエレベーターの更新工事など、必要な施設整備を実施いたしました。
○斉藤委員 多摩都市モノレールでは全駅でホームドアの整備が完了していること、また、昨年度も必要な施設整備がされたことは分かりました。転落や接触といった事故を防ぎ、安全に寄与するホームドアの全駅での完備は喜ばしいことだと考えます。
一方で、そうした整備面での取組のほか、誰もが安心して駅を利用するためには、サービス面でのサポートも重要です。多摩モノレールは、全十九駅のうち半分を超える十の駅が無人駅であり、全ての駅で障害を持つ方も利用しやすい環境づくりが必要だと考えます。
そこで、無人駅における乗客対応について、令和四年度はどのような取組を行ったのかお伺いします。
○三宮都市基盤部長 これまで多摩都市モノレールでは、無人駅において、券売機に設置しているインターホンによりお客様からの問合せ対応や各種案内を行ってきました。また、聴覚障害を持つお客様など、インターホンでの対応が難しい場合には、必要に応じ駅係員を派遣し、スマートフォンの筆談アプリ等を活用し、丁寧な対応を行ってきました。
令和四年度は、中期経営計画等に基づき、顧客満足度調査の実施や接遇向上に向けた研修など、サービス向上に努めました。
○斉藤委員 多摩都市モノレールの各駅でのサービスの状況は分かりました。
ところで、モノレールは災害やトラブルなどで車両が緊急停止してしまった場合、線路の上を歩いて避難ができないなど、一般の鉄道と避難手順が異なっています。そのため、有事においても乗客を円滑に誘導できるよう、駅間で停止したときや無人駅などでの対応に備えて訓練をすることも重要であると考えます。
そこで、昨年度どのような訓練を行ったのか、実績をお伺いします。
○三宮都市基盤部長 多摩都市モノレールにおいて、昨年度は様々な異常時を想定した訓練を三回実施しました。令和四年六月には大規模停電を想定した対応訓練を、十一月には災害等で駅間停止した場合を想定した脱出シューター等による救出訓練を、令和五年三月には大地震を想定した対応訓練をそれぞれ実施いたしました。
○斉藤委員 令和四年度において、平常時だけでなく有事に向けた対応も十分に取られていることが分かりました。お隣、千葉県の千葉都市モノレールには、駅の窓口の横に耳マーク表示板が設置されているなど、聴覚障害者が利用しやすい環境が整備されているとのことです。多摩都市モノレールにおいても耳マークを設置するなど、聞こえない、聞こえにくい人も対象とした積極的なサービスがより展開されるよう、東京都の一層の取組を要望します。
次に、東京臨海高速鉄道について伺います。
新木場から大崎までの十二キロメートルをつなぐりんかい線は、お台場での観光や国際展示場でのイベントなどで利用される場合も多く、そのため、新型コロナウイルス感染症による外出自粛の影響等から、乗車人員が大きく減少していました。しかし、経済活動の制約が徐々に緩和され始め、令和四年度においては一日平均乗車人員を十八万人以上に回復しています。また、私も利用者の一人として、りんかい線の各駅窓口に耳マークが掲示されているなど、バリアフリーの取組が進んでいることを喜ばしく思います。
そこで、令和四年度における都と運営会社のバリアフリーの取組についてお伺いします。
○三宮都市基盤部長 都は、鉄道駅総合バリアフリー推進事業により鉄道事業者を支援しており、令和四年度は六社十二駅におけるホームドアの整備などについて補助を行いました。
○斉藤委員 昨年度、東京臨海高速鉄道においてホームドア整備が進められたことが分かりました。今ご答弁のありました東京テレポート駅においても、今年の三月四日からホームドアの運用が始まっていますが、一方で、現在も全八駅のうち新木場、東雲、大崎の三駅にホームドアが設置されていません。これまでどのような理由があって整備が進まなかったのでしょうかお伺いします。
○三宮都市基盤部長 申し訳ありません、答弁に入ります前に、先ほどのご質問でございますが、答弁、少し不足していたところがございましたので、追加をさせていただきました。
先ほど、りんかい線におけるバリアフリーの取組ということでございますが、りんかい線を運営する東京臨海高速鉄道は、この補助を活用し、東京テレポート駅におけるホームドア整備を実施いたしました。付け加えさせていただきます。大変失礼いたしました。
それから、今回のご質問でございます。これまでどのような理由があって整備が進まなかったのかというところでございます。
運営会社の整備計画によれば、未整備の駅においてはホーム上の通行に必要な最低幅が確保できないなどの課題があるとされているが、今後は自社が管理する駅においては技術的課題を考慮し、整備を促進するとしております。
○斉藤委員 りんかい線においてバリアフリー対策が計画的に進められていることは分かりました。大崎駅についてはJRの管理駅とのことですが、それらも含めて、りんかい線各駅におけるバリアフリーの取組が引き続き進められることを期待しております。
二〇二五年デフリンピック大会の競技会場になる東京アクアティクスセンターや有明テニスの森は、いずれも最寄り駅がりんかい線の新木場駅や国際展示場駅であり、聴覚障害者の利用も増えることが予想されます。東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック大会を契機として、天王洲アイル駅などのエレベーターには、非常時に管理会社など外部と連絡を取ることができる一般的なエマージェンシーボタンの隣に耳マークのついた聴覚障害者専用のエマージェンシーボタンが設けられたとのことで、非常に喜ばしいことだと思います。
デフリンピック大会を見据え、聴覚を含めた障害者への対応が引き続き進められるよう、さきの多摩都市モノレールと併せ、東京都が会社のより一層の取組を促すことをお願いし、質問を終わります。
○山口委員 私からは、まずは私道及び宅地開発における無電柱化について伺わせていただきたいと思います。
政府の地震調査委員会によれば、南関東域で三十年以内にマグニチュード七クラスの地震が発生する確率が七〇%程度と予測をされています。
これまで大規模地震などの自然災害では、電柱倒壊による道路閉鎖や断線等によって避難や救急活動への支障、また停電や通信障害が生じています。特に災害に脆弱な木密地域においては、無電柱化の必要性は高いことはいうまでもありません。特に、都は昨年度より、木密地域において私道等の無電柱化の支援を始めたところであるわけでありますが、この取組には木密地域の面的な無電柱化は、防災性の向上に資する重要な意味があると考えています。
そこで伺いたいんですが、木密地域における私道等の無電柱化では、どのような道路に対し、どのような支援を送ったのか、昨年度の取組について伺わせていただきたいと思います。
○池内防災都市づくり担当部長 都は令和四年度から、重点整備地域におきまして私道等における無電柱化に対する補助を開始しておりまして、無電柱化計画のある路線に接続する私道等について、区が行う土地権利調査を支援いたしました。
○山口委員 この取組、これはもう全国でも、確かにもう例のない取組に着手したこと、これはもう高く評価をしていいと思います。
一方で、私道であるから幅員が狭いことや、土地の権利関係が複雑であること、また解決すべき課題が多いことは、これは理解ができるところでありますが、この取組を今後広く展開していくためには土地の権利者ともなる都民の皆様に、この取組そのものを、その意義をしっかりと理解をしていただいてご協力を得ていくことが重要であると考えます。
先進的な取組であるがゆえに、まだ認知度が高いとはいえないことから、今後は、より多くの都民の皆様に知っていただく。また、さらに、この必要性や具体的な手続などを理解していただくためのPRを充実していただくことをこの際要望させていただきたいと思います。
また、木密地域に限らず、都内全体で無電柱化を進める観点では、民間事業者による宅地開発が都内で多数行われており、これに伴い、新設される電柱への対応も重要と考えますが、そこで、宅地開発における無電柱化について、その取組の内容と昨年までの実績を伺いたいと思います。
○池内防災都市づくり担当部長 都は、宅地開発における無電柱化につきまして、技術面、制度面の課題の把握と普及に向けた方策を検討することを目的に、令和二年度にパイロット事業として設計費、工事費の補助制度を開始いたしまして、令和二年度は二件、三年度は三件の実績がありました。四年度は開発事業者の意欲を高めるために国が新たに創設した補助制度を活用しながら、補助の上限額を一千万から二千万円に引き上げておりまして、五件の実績がございました。
○山口委員 課題の把握に努められて、制度の工夫をしながら取り組んできたということは理解をいたしました。
一方で、宅地開発における無電柱化に当たっても、開発者等にこの取組の意義や具体の手続等をしっかり理解していただいて、これも制度を活用していただく必要があるわけであります。
そのためには、やはり情報発信を、繰り返しになりますが、丁寧に行うことが重要だと考えるわけでありますが、宅地開発の無電柱化に当たって、都はこれまでどのように情報発信をして、制度の活用を促してきたのでしょうか伺いたいと思います。
○池内防災都市づくり担当部長 都は開発事業者に広く周知していくために、ホームページで制度概要や補助事業を活用した開発事業者の声、あるいは要した費用などの情報を発信してきました。加えて住宅関係団体との会議など、開発事業者と接する様々な機会を捉えまして、手続や事例、工法などを説明し、この令和四年度も引き続き無電柱化の取組を促してきたところです。
○山口委員 この無電柱化という言葉が使われるようになって、もう長くなるわけでありますが、都民の皆様がイメージをしてきた無電柱化というのは、恐らく狭隘の道路、自分たちが通行するのに苦労していたり、擦れ違ったりするのに苦労していたり、窓を見上げると配線がたくさんつながっている。今やもう何の線だかも分からないぐらい、うちも二階のベランダから見ると目の前にある電線はもう何の線だか分かんないぐらいある。この電柱がなくなるイメージだったと恐らく思うんです。
でも、東京都が取り組んできた無電柱化、当然のことながら、できるところから、やれるところから、やるべきところからという思いはたくさんあると思います。でも、今私が質問してきたように、ちゃんと説明をして丁寧にやれば、東京都もやっているんだということは伝わると思いますし、都民の皆さんが求めていることには、これから先こういうふうにつながっていくんだと、うちの隣の私道も電柱早くなくならないかなと思っていますけど、それは優先順位からいえば、こういうふうに進めていくんだということ、しっかり伝わっていくと思うんです。
ここが大事なところであって、東京都がやろうとしていることが都民の皆様に伝わらなければ、いずれいつかこうなるかもしれないという期待も持てなくなるわけです。無電柱化ってやっぱりそういうところだと思いますし、突然狭隘道路から無電柱化になっていくことはない。でも、ちゃんと確実に進めていくことによって、いずれそこにつながっていくんだということをしっかりとお伝えをいただくことによって都民の皆様のご協力や理解も得られると思いますし、東京都が自信を持って、令和五年度、六年度と続いていく事業になっていくと思いますので、ぜひ発信、ここを大事にしていただければなというふうに思っておりますので、改めて都が情報発信に努めていくことは十分承知をしておりますが、応援の気持ちも込めて取組を強化していただくことを要望して、次の質問に移らせていただきたいと思います。
さて、予算、今回の決算を見ていて、耐震化の関係の予算執行率が低いのではという観点からちょっと質問させていただきたいと思うんですが、私は、地震の際に建物損壊で亡くなる方を出さないために住宅の耐震化は都政の重要課題と考えて、議会の場において再三再四、都に対して建築物の耐震化、中でも住宅の耐震化一〇〇%を目指して重点的な取組をするよう求めてまいりました。
日頃知事がおっしゃっている、世界から選ばれる都市ということを実現していくためには、地震に強い都市の災害対応力が基盤になければ、これは絵空事になってしまうと思いますので、しっかりと耐震を進めていただきたいと常々思っているところでもあります。
決算は、この会計期間の行政活動の結果がいわば示されるものであって、行政監視の最も重要な要素の一つであるというふうに考えています。決算は単に収入と支出の計算ではなくて、予算と実績とを対比して、次年度以降の予算や事業執行の参考にしていくものだからと考えるからであります。
そうした立場から、令和四年度決算の資料を拝見をいたしますと、委員会資料2の決算説明書の六五ページにありますが、耐震改修促進事業に要する経費の執行状況が大変私は気になるところであります。
説明をすると、住宅の耐震化助成は、予算規模二千四百五十九件、金額にすると三億七千八十四万円でありますが、執行状況は支出済み千九百十一件、金額にすると二億七千九百九十一万円で、これ執行率は七五・五%になるわけであります。
もう一つ、緊急輸送道路沿道建築物耐震化促進事業も予算規模は三百五件、支出済みは二百十一件、執行率にすると六二・二%。ほかに執行率ゼロという項目もあって、事業の合計の執行率を見れば、六四・五%ということになっています。
耐震化の促進については、過去の政策提案や予算の審議を通じて、より一層のスピードアップに向けた予算や取組を求めてきたところでありますので、耐震化の進捗について大変心配をしているところであります。
耐震改修促進事業の執行率について、何かご説明があればご説明をいただきたいと思います。
○谷井耐震化推進担当部長 令和四年度の耐震改修促進事業の執行額は約二十一億七千三百万円、執行率は六四・五%でございます。その八割を緊急輸送道路沿道建築物耐震化促進事業が占めており、執行額は約十六億八千百万円、執行率六二・二%でございます。これは新型コロナウイルス感染症の影響により区分所有者間の合意形成等の進展が見られないなどの理由から、区市町村への助成申請が当初の想定どおりになされなかったことが要因と認識しております。
○山口委員 なるほど、新型コロナ感染症の影響などによる影響だということであれば、来年度以降、まあ、今年度以降といいましょうか、期待をしているところでありますが、緊急輸送道路建築物の耐震化の進捗と、改めてこれを確認するとともに、これを完遂するための最後の一手といいましょうか、これをどのように進めていくのかを伺いたいと思います。
○谷井耐震化推進担当部長 特定緊急輸送道路沿道建築物については、令和七年度末に総合到達率九九%以上とする目標に対し、令和四年十二月末時点で九二・六%でございます。
この目標を達成するため、令和四年度末に改定した耐震改修促進計画において、改修等に対する助成やアドバイザー派遣に加え、法や条例に基づき、倒壊の危険性の高い建築物の所有者に対しまして指導や指示を行うなど、耐震化を促進することとしております。
○山口委員 この残り七%が大きな鍵だと、やっぱり思います。というのも、ここまでは声や思いが届いている方かもしれませんけれども、声や思いが届かないというよりは、誰に話したらいいか分からないような状況になっている方もいらっしゃるかもしれないわけでありまして、一〇〇%を目指すというのは容易ではないと思います。
しかし、強い意志と思いを持って、また広く多くの都民の皆様の命を預かっている皆様にしてみれば、ここをしっかり一〇〇%を目指していただくように重ねてお願いをしておきたいと思います。
私は、都の見積もった予算規模で果たしてこの耐震化の促進が十分といえるのかと考えて、さらに多くの予算を投入してでも、より多くの住宅を耐震化させて都民の命を守ることを強く求めてきたところであります。
もちろんこの数年、特に令和四年度も、新型コロナでなかなか合意形成のための話合いなども進めにくい状況にあったのは、先ほども答弁でいただいたとおり承知をしております。今後は、予算の枠が足りなくて困ったと皆さんがいい出すぐらい耐震化が促進されるよう取り組んでいただきたいと思います。
熊本地震を受けた新耐震基準の住宅の耐震化も、その一つであります。熊本地震では、新耐震基準の住宅が倒壊をするという大変衝撃的な光景を目の当たりにしたわけでありますが、都議会においても、この状況のすぐ直後に、いち早く新耐震基準の住宅に関しても対策が必要であると提案をさせていただきました。
もちろん都においても、取り組んでいただいているのは承知をしております。単純に考えると、耐震化を呼びかける、啓発する対象が増えたわけでありますから、しっかりターゲティングして取り組むならば、セミナーや相談なども付随して増えていくんじゃなかろうかというふうに考えるところでありますが、令和四年度における新耐震基準の住宅に関する取組の実績について伺いたいと思います。
○谷井耐震化推進担当部長 令和四年度末に改定した促進計画では、平成十二年以前に建築された新耐震基準の木造住宅に対して耐震化助成を行うこととしております。計画の策定に当たり、区市町村と連絡協議会などを通じて新耐震基準の木造住宅の耐震化の必要性などについて情報共有などを行ってまいりました。
○山口委員 少し数字を出して厳しい質問をさせていただきましたが、もちろんコロナ禍において皆様がご苦労されてきたことも承知をしておりますし、とはいえ、数字を捉え、数字でいわれればといわれるかもしれませんが、それでもやらなければいけないのがこの耐震化だというふうに思っておりますので、ぜひとも都民の皆様の認識、意識を高めていくためにも、ぜひともさらに推進をしていただければと思います。
都民の皆様も、国民全体もそうかもしれませんが、国内で大きな地震が起きた直後というものには皆さんの関心も、思いも高まるところでありますが、少し時間がたつと、やっぱりぐっとその意識というものが下がってしまう傾向にあります。この繰り返しの中で、いかに震災リスクを自分のこととして都民の皆様一人一人に感じていただくかということは大変難しいところでもありますが、より多くの皆様が耐震化できるように、都としても引き続き取り組んでいただきますように、この際強く要望させていただきたいと思います。
ただ、一生の買物として購入した住宅を、新たな知見では必ずしも安全とはいえないという厳しい現実をしっかり伝えていくことも、酷ではありますが、区市町村の助成制度や融資制度なども活用して、家族の命や財産を守る手だてを取っていただけるように取り組むことは、これは喫緊の課題であることはいうまでもありません。
熊本地震の家屋倒壊による犠牲者には、築年数がたった住宅に住む高齢者が多かったわけでありますが、超高齢化社会において、高齢世帯の住宅の耐震化ということについては、防災力向上に向けて避けては通れない課題だというふうに考えます。
そこで、高齢世帯の耐震化の状況について都の認識と対策について伺いたいと思います。
○谷井耐震化推進担当部長 住宅の耐震化を促進するためには、進め方が分からないといった所有者の不安にきめ細かく対応していく必要があり、令和四年度においても区市町村が行うアドバイザー派遣などの取組を支援してまいりました。
○山口委員 これはもう本当に深刻だと思うんです。私自身も体験をしたことなんですが、里にいるおばあちゃんが一人で住んでいた家を、一人で住まわせておくのはやっぱり危険だというのは、やっぱり家がもう古くなってしまってどうしようかと思って行政に相談に行ったんですが、やはり最終的にはおばあちゃんに来てもらって、家は壊す方向で考えました。でも、それは行政が丁寧に相談に乗っていただいたんです。最善の策として考えて、やっぱりそれが一番いいと、選択をしていくということが重要だと思いますし、相談ができるところがあって本当に私もよかったなと思っています。東京都だったらもっとスムーズにいっていたんでしょうけれども、ほかの県でございましたので、まあ、どことはいいませんが、そういう状況にあったわけであります。
もう本当におっしゃるとおりで、耐震化といっても、これどうしたらいいか分からないという方がたくさんいらっしゃると思うんです。また、ご高齢の方、単身で考えてみたり、ご高齢だけでお住まいになられている方から考えてみると、多額の費用がかかるこの耐震化には、なかなか踏み切れないという方もたくさんいらっしゃると思いますし、そういう一面はあるんだと思います。
しかし、極端に耐震性が低い住宅の場合、耐震基準一・〇をクリアできなくても、現状より耐震性を高めることで倒壊の危険は低減ができるわけであります。倒壊家屋を一棟でも減らすことは、住民、住んでいらっしゃる人の安全はもちろん、地域全体の危険性を軽減するものであって、震災時の初期救助活動需要にも影響を強く及ぼすわけであります。
そこで、屋根を軽くするなどの簡易耐震補強など、耐震基準一・〇をクリアできない場合においても、建物の倒壊等による犠牲者を減らすための取組も促進していくべきと考えますが、この令和四年度の取組について確認をしたいと思います。
○谷井耐震化推進担当部長 耐震基準を満たさない簡易な耐震改修では住宅全体の耐震性能が十分向上せず、倒壊する可能性があることから、令和四年度においても補助対象とはしてございません。
○山口委員 これは考え方の問題だと思いますし、見解の相違もあるのかもしれませんが、できることからやらなければ救える命は救えませんし、行政の最大の目的というものは都民の生命と財産を守る、これに尽きるわけでありますから。もちろん、皆様から考えてみると、補助の対象として適切ではないという言葉になるのかもしれませんが、何からやるのか。できることからやる、二の足を踏んでいらっしゃる、やりたくてもできない、やろうと思う意識はあっても、やれていない。そういう方に一つでもどうやったらアプローチできるのかということを考えていただく上においては、極めて重要だというふうに思っておりますので、この際申し上げさせていただければと思います。
耐震化はハードルが高いとか、各家庭の経済状況において優先順位が低くなってしまうという方に支援策を講じることも検討いただきたいと今お話をさせていただいたわけでありますが、簡易耐震は一つの方策でありますが、危険性低減では不十分であるとの答弁だったわけであります。であるならば、特に所得の低い方や耐震性能が著しく低い家屋への補助額をもっと高くするであるとか、地域全体の安全性を高めるためにも、取り残される方がないような方策をぜひこの際検討していただきたいと要望しておきます。さらに、所得が低くはないけれども、耐震に至らない方への方策も充実していただきたいと思います。
都のポータルサイトによると、耐震化の機会に合わせて活用できる断熱、再生可能エネルギー導入などへの補助制度を紹介しています。魅力増進型の耐震化、私はこの方向性をもっと発展させる取組を求めるところであります。
耐震化に関心を持つ、持ってもらうのは苦労をするとは思いますが、リフォームは多くの方が今興味を持つ時代になっています。定年退職を機にリフォームをされる方もどんどん増えていると聞いています。再エネや断熱、バリアフリー化、内装や水回りなど、家を手に入れる機会に耐震もちゃんとやった方がお得だというキャンペーンを、住宅やリフォーム業界、工務店などともしっかり連携をしながら、東京都としてはぜひ事業として推進をしていくべきだと思います。
いつ起きてもおかしくはない首都直下地震において、家屋の倒壊がぜひないように、ぜひ推進ではなく、震災時、家屋倒壊で亡くなる方がいない東京を目指しての取組を強く要望して、質問を終わります。
○細田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議はありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○細田委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で都市整備局関係を終わります。
これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
午後四時五十七分散会
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