委員長 | 入江のぶこ君 |
副委員長 | 星 大輔君 |
副委員長 | 伊藤こういち君 |
清水とし子君 | |
玉川ひでとし君 | |
龍円あいり君 | |
アオヤギ有希子君 | |
浜中のりかた君 | |
阿部祐美子君 | |
菅原 直志君 |
欠席委員 なし
出席説明員福祉局 | 局長 | 佐藤 智秀君 |
次長 | 小林 忠雄君 | |
理事 | 浅野 直樹君 | |
総務部長 | 関口 尚志君 | |
企画部長DX推進担当部長兼務 | 山本 謙治君 | |
生活福祉部長 | 中川 一典君 | |
子供・子育て支援部長 | 西尾 寿一君 | |
高齢者施策推進部長 | 花本 由紀君 | |
障害者施策推進部長 | 鈴木 和典君 | |
政策推進担当部長 | 森田 能城君 | |
事業調整担当部長 | 渋谷 恵美君 | |
子供・子育て施策推進担当部長 | 新倉 吉和君 | |
高齢者施策推進担当部長 | 梶野 京子君 |
本日の会議に付した事件
令和四年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
福祉局関係
・令和四年度東京都一般会計決算(質疑)
・令和四年度東京都母子父子福祉貸付資金会計決算(質疑)
・令和四年度東京都心身障害者扶養年金会計決算(質疑)
○入江委員長 ただいまから令和四年度各会計決算特別委員会第二分科会を開会いたします。
本日から四日間にわたり、本分科会所管局の決算に対する局別質疑を行ってまいります。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、福祉局関係の決算に対する質疑を行います。
これより福祉局関係に入ります。
決算の審査を行います。
令和四年度東京都一般会計決算中、福祉局所管分、令和四年度東京都母子父子福祉貸付資金会計決算及び令和四年度東京都心身障害者扶養年金会計決算を一括して議題といたします。
本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○関口総務部長 十月十一日の当分科会におきまして要求のございました資料についてご説明申し上げます。
お手元の令和四年度各会計決算特別委員会第二分科会要求資料をご覧ください。
資料は、目次にありますように、全部で十八項目でございます。
それでは、一ページをお開き願います。1、福祉保健費の予算及び決算の推移といたしまして、福祉保健費の予算現額、決算額、一般会計に占める割合などの推移につきまして、(1)に旧福祉保健局所管分を平成三十年度から令和四年度までの五か年にかけて、(2)に旧病院経営本部所管分を平成三十年度から令和三年度まで記載してございます。
二ページをお開き願います。2、旧福祉保健局予算・決算額の推移(一般会計)といたしまして、一般会計のうち、表側の予算の区分ごとに、旧福祉保健局及び旧病院経営本部所管分の予算現額及び決算額の推移を平成三十年度から令和四年度まで記載してございます。
三ページをご覧ください。3、シルバーパス発行状況の推移といたしまして、シルバーパスの費用別発行実績数、七十歳以上人口及びその人口に占める発行実績数の割合の推移を平成三十年度から令和四年度まで記載してございます。
四ページをお開き願います。4、令和四年度における区市町村包括補助事業の補助額(福祉局所管分)といたしまして、四つの包括補助事業別に区市町村ごとの令和四年度の補助額の実績を五ページにかけて記載してございます。
六ページをお開き願います。5、区市町村地域生活支援事業等の実施状況といたしまして、(1)、アに区市町村地域生活支援事業の必須事業を七ページにかけまして、八ページの(1)、イに区市町村地域生活支援事業の任意事業を九ページにかけまして、一〇ページの(2)に区市町村地域支援促進事業を一一ページにかけまして、各事業ごとに令和四年度の区市町村別の実施状況を記載してございます。
一二ページをご覧ください。6、認可保育所の屋外遊戯場の状況といたしまして、令和四年度中に東京都が認可した保育所における屋外遊戯場の設置状況につきまして、敷地内のみ、敷地内及び代替遊戯場、代替遊戯場のみの三つに区分し、それぞれの施設数を区市町村別に記載してございます。
一三ページをご覧ください。7、認可保育所、認証保育所及び認可外保育施設の施設数並びに指導検査件数及び文書指摘施設数の推移といたしまして、表側の施設種別の区分ごとに、施設数、指導検査件数及び文書指摘施設数を令和二年度から令和四年度まで記載してございます。
一四ページをお開き願います。8、認可保育所、認証保育所及び認可外保育施設の改善勧告数、改善勧告の公表数、事業の停止命令数、施設閉鎖の命令数等の推移といたしまして、表側の施設種別の区分ごとに、改善勧告数、改善勧告の公表数、事業の停止命令数並びに認可、認証の取消し数及び認可外保育施設に対する施設閉鎖の命令数を平成三十年度から令和四年度まで記載してございます。
一五ページをご覧ください。9、保育施設巡回指導員数の推移といたしまして、各年度三月三十一日現在の保育施設巡回指導員の人数の推移を平成三十年度から令和四年度まで記載してございます。
一六ページをお開き願います。10、東京都介護職員キャリアパス導入促進事業の当初予算額及び決算額の推移といたしまして、区分に記載した事業ごとに、(1)の当初予算額及び(2)の決算額を令和二年度から令和四年度にかけて記載してございます。
一七ページをご覧ください。11、東京都介護職員キャリアパス導入促進事業の規模の推移(当初予算及び決算)といたしまして、当初予算及び決算において、事業ごとに補助対象とした事業所数、レベル認定者数及びアセッサー数を令和二年度から令和四年度まで記載してございます。
一八ページをお開き願います。12、都内の介護職員数の推移といたしまして、都内の介護職員につきまして、厚生労働省が推計した人数を令和元年度から令和三年度まで記載してございます。
一九ページをご覧ください。13、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターにおけるコロナ専用病床の確保数の推移と利用実績といたしまして、(1)にICU、一般病床の区分別のコロナ専用病床確保数及びその合計について、令和四年四月一日から令和五年三月三十一日まで記載してございます。(2)では、同じくICU、一般病床の区分別のコロナ専用病床の利用実績及びその合計の利用実績について、令和四年度の数値を記載してございます。
二〇ページをお開き願います。14、宿舎借り上げ支援事業(介護、障害、保育、児童養護)の実績の推移といたしまして、(1)から右側二一ページの(4)にかけまして、介護、障害、保育、児童養護に係る宿舎借り上げ事業の実績をそれぞれ平成三十年度から令和四年度まで記載してございます。
二二ページをお開き願います。15、保育所等における置き去り等事故の報告件数といたしまして、令和二年度から令和四年度までの報告件数を記載してございます。
二三ページをご覧ください。16、多床室を有する無料低額宿泊所の割合といたしまして、無料低額宿泊所の施設数、多床室のある施設数及びその割合を令和三年度から令和五年度まで記載してございます。
二四ページをお開き願います。17、東京都ひきこもりサポートネットの相談件数の推移といたしまして、電話相談、メール相談における延べ相談件数及び訪問相談における新規受付件数を令和二年度から令和四年度まで記載してございます。
二五ページをお開きください。18、ひきこもりに係る支援事業の予算・決算額の推移といたしまして、各年度の予算現額、決算額及びそのうちに占めるサポートネット運営費の金額を令和二年度から令和四年度まで記載してございます。
以上、簡単ではございますが、要求資料のご説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○入江委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○浜中委員 それでは、決算特別委員会の質疑をさせていただきたいと思います。
まずは、介護の人材確保について質問をさせていただきたいというふうに思います。
先ほど説明がございました資料の中でも、介護の職員数というのが出ていましたけれども、ちょっと減ったりということもありました。これから介護人材をいかに確保していくのかというのが、東京都、そして我が国の大きな課題であるというふうに私は考えております。
昨日、武見厚生労働大臣が、今月末にまとめる経済対策の中で、介護職員の月六千円程度の賃上げを目指していくというようなお話もありました。
現状でも介護の人が足りないという声は、皆さん、まちでも耳にしていると思います。しかしながら、二〇二五年には都内で三万一千人の介護人材が不足する見込みであり、介護人材対策は喫緊の課題であります。こうした中においては、介護現場の職場環境の整備を進めて、介護に携わる職員の方々が長く働き続けられる環境づくりを支援していくことが必要であるかと思います。
東京都は、介護現場における職場環境改善の取組を支援するために、デジタル機器や介護ロボットなどの次世代介護機器の導入に係る経費を補助しております。これらの機器の導入は、事務の効率化や職員の負担軽減に資する重要な取組であると考えます。
そこで、これは決算でございますので、令和四年度のデジタル機器導入促進支援事業と次世代介護機器導入促進支援事業の実施内容と実績についてお伺いをいたします。
○花本高齢者施策推進部長 都は、介護従事者の負担軽減や業務の効率化、ケアの質の向上を図るため、介護施設事業所を対象に、デジタル機器導入促進支援事業により、介護記録の作成に要するタブレット端末やソフトウエアなどの導入経費を補助するとともに、次世代介護機器導入促進支援事業により、パワーアシストスーツなどの医療介護機器や見守り支援機器などの導入経費を補助しております。
令和四年度の補助実績は、デジタル機器導入促進支援事業が予算規模二百五十か所に対し四百八十八か所、次世代介護機器導入促進支援事業が予算規模百八十か所に対し二百十四か所となっております。
○浜中委員 ただいまの答弁で、そういうデジタルを進めようという話になったときに、やっぱりどこの事業者もやりたいということがよく分かりました。
このデジタル機器や次世代介護機器の導入を進めることは、職員の負担軽減にとどまらず、介護サービスの質の向上にもつながる大変重要な取組だと考えます。
一方で、一部の事業者からは、どんな機器を導入したらよいか分からない、また、機器を導入してもうまく活用できないという声も聞きます。
導入経費の補助だけではなく、効果的、継続的に機器を活用できるような支援も必要だと考えますが、東京都はどのように取り組んでいるのかをお伺いいたします。
○花本高齢者施策推進部長 都は、次世代介護機器等の効果的な活用と定着を図るため、導入経費補助に加え、専門的な助言の下に体験利用できる展示スペースを設置するほか、導入事例を紹介するセミナーや施設見学会等を開催しております。
また、補助の実施に当たっては、機器等の導入目的や活用方法等について、具体的にきめ細かく確認するなど、各事業所の実情に合った機器等の導入を促しております。
今年度からは、機器の選定や活用方法について外部の専門家の意見を活用できるよう、デジタル機器導入促進支援事業の補助対象経費にコンサルティング経費を追加し、支援の充実を図っております。
○浜中委員 ただいまの答弁で、機器の導入経費の補助だけではなくて、ソフト面での支援により、働きやすい環境づくりを進めているということがよく分かりました。
機器導入をはじめとした生産性の向上の取組は非常に重要ですが、一方で、今後、介護人材の不足が見込まれる中で、ほかの業種でも受入れが進んでいる外国人材の活用が不可欠だと考えます。
都は、外国人介護従事者の受入れ促進のために、EPA、介護福祉士候補者や技能実習など、外国人介護従事者を受け入れる介護事業所に対する支援を実施しておりますが、今後の介護人材不足を見据え、取組を充実していくべきだというふうに考えます。
そこで、外国人の受入れ促進について、令和四年度の取組内容と、今後どのように取り組んでいくのかについてお伺いいたします。
○花本高齢者施策推進部長 都は、介護施設等で外国人介護従事者の受入れが円滑に進むよう、介護施設等を対象に、受入れに必要な知識やノウハウを提供するセミナーや指導担当者に対する研修を実施しております。
また、経済連携協定や技能実習制度に基づき、外国人介護従事者を受け入れる介護施設等に対し、日本語や介護技能の学習等に要する経費を補助するほか、留学生を雇用する施設に対しては、介護福祉士養成施設や日本語学校の学費等を支援する経費を補助しております。
さらに、施設職員や利用者と外国人介護従事者の円滑なコミュニケーションを支援するため、多言語翻訳機の導入経費等に対する補助も実施しております。
今年度は、介護施設等と外国人介護従事者とのマッチングを支援するため、施設等が複数の受入れ調整機関と相談できる合同相談会を今月開催いたしました。
今後、次期高齢者保健福祉計画の策定に向けた議論の中で、外国人を含めた介護人材対策の強化について検討してまいります。
○浜中委員 ありがとうございました。
今、この質問では、介護の人材不足ということを主に聞かせていただきました。サービスはあっても、やはりそのサービスを提供するのは人でございますから、これはこの介護業界に限らず、保育でもそうですけど、人材をいかに確保していくのか、これが大きな都の課題であるかと思います。
今、質問していった中で、デジタルの活用であったりですとか、外国人の受入れ促進であったりですとか、ほかのところで働いている人を入れたりとかというので、これはトータルのパッケージで解決していかなければいけない課題であると思います。引き続き東京都がしっかり取り組んでいただいて、介護人材の確保に努めていただきたいと要望して、次の質問に移ります。
次に、子供家庭センター創設に向けた支援についてお伺いをいたします。
子供家庭センターによる相談支援を効果的に行えるようにするためには、市区町村の子育て支援部門と母子保健部門がより一層の連携体制を構築することが求められております。
市区町村の連携体制構築に向けて、東京都はどのような支援を行っているのかを教えてください。
○西尾子供・子育て支援部長 都は、令和三年度から、予防的支援推進とうきょうモデル事業によりまして、区市町村の子供家庭支援センターに専任のケースワーカーを配置し、子育て家庭に対し効果的な支援を行えるよう、母子保健部門と一体となったチーム体制を構築しております。
四年度は、母子保健部門が妊産婦への支援を強化するとうきょう子育て応援パートナー事業を開始しており、専門人材の育成や子育て支援部門との連携について、マニュアルを取りまとめるとともに、両部門の合同研修プログラムを作成いたしました。
こうした取組によりまして、区市町村が六年度から施行されます国の子供家庭センター制度に効果的に取り組めるよう支援してまいります。
○浜中委員 子供、子育てに関しても、今、行政がハードとか仕組みを整えても、やっぱりこれは人材が大切な話であるかと思います。
今ご答弁いただきましたけれども、とうきょう子育て応援パートナー事業では、妊娠期から様々な支援をコーディネートする人材を母子保健部門に置くことを検討しているとのことでありますが、この人材はどういうスキルが必要となるのか、また、人材の育成について東京都はどのように取り組んでいるのかを教えてください。
○西尾子供・子育て支援部長 とうきょう子育て応援パートナー事業を担う人材には、妊産婦の多様なニーズを的確に把握する手法や、保護者との関係性を構築するための面接技術の習得が求められます。
昨年度に作成されました養成プログラムに基づき、今年度から区市町村向けに研修を開始しておりまして、十四自治体の職員が受講しております。
○浜中委員 ありがとうございます。
こうした人材育成とかは、東京都が要は広域行政というか、市区町村を面倒見ていく中で、共通の課題としてしっかりやらなきゃいけないということの一つであるかと思いますので、同じ東京都でも、この市はできているけど、この区はできていないとかということがないように、しっかりフォローをして、市区町村と共にすばらしいものをつくっていただいて、子供、子育てを推進していただければというふうに思いまして、次の質問に移らせていただきます。
続きまして、おこめクーポン事業でございます。
東京おこめクーポン事業の、この間、委員会等で取り上げさせていただきましたが、おこめクーポン事業の食品の申込期限が五月三十一日までとなっておりました。クーポンの送付時期や市区町村によってばらつきがあった上に、転居やクーポンの紛失等で再発行の手続等を行っている方もいらっしゃいました。
このため、第二回定例会での質疑に対して、柔軟に対応していくとの答弁がございましたが、これを受けてどのように対応したのかということをお伺いいたします。
○中川生活福祉部長 本事業の対象となる世帯の申込み機会を確保するため、申込期限を当初の五月三十一日から八月二十五日まで延長いたしました。
○浜中委員 八月二十五日までということで、約三か月間延長したということでございます。
この結果、多くの方の申込みの機会が確保されたと考えますが、最終的なクーポンの配布件数及び食品申込件数を教えてください。
○中川生活福祉部長 対象となる約百五十八万世帯にクーポンを配布して、約百六万世帯から申込みがあり、申込率は約六七%でございました。
○浜中委員 パーセンテージは六七・三%でございますが、申込み自体は百六万件という形でございますので、これはプッシュ型のものとしては、かなりすごいんじゃないかなと率直に思います。
百万世帯を超える多くの申込みがあったことで、物価高が歴史的な水準にある中において、低所得者世帯の生活の安定に大きく寄与したものと考えます。
また、さきの厚生委員会でも私も質疑したとおり、対象世帯に食品を直接配布するという現物給付を選択したことは、生活支援のみならず、買物の負担軽減にも役立ったものと評価をいたします。
一方で、九月以降、本事業により配布された食品がフリマサイト等で転売されているとの報道が相次ぎました。政策効果を担保するために、こうした事態には適正に対処すべきだと考えますが、東京都としてどのように対応したのかを伺います。
○中川生活福祉部長 本年五月にフリマサイト等での転売を把握したことから、掲載が確認できた運営事業者四社に対して個別に削除を依頼いたしました。
しかし、その後も転売が見られたため、九月には、フリマサイト等の運営事業者大手六社に対し、文書により改めて削除を要請いたしました。
○浜中委員 この事業は、当初、多くの方が主食とするお米を配布するものとして始まりましたが、議会での審議と提案なんかも経て、お米だけでなく、カット野菜や飲料などの複数のコースを設けることになったとの経緯があるかと思います。
そこで、各コースの概要とお米を含むコースを選んだ方の割合について伺います。また、本事業により配布されたお米の袋数を伺います。
○中川生活福祉部長 本事業では、ウェブ限定のコースを含めて九つのコースを用意いたしました。
内訳は、お米二十五キロを二回または三回で配送するコース、お米十五キロとカット野菜のコース、お米十五キロと緑茶または果実飲料等のコース、パックご飯と飲料のコース、うどんと飲料のコース、飲料のみのコース、お米十五キロと東京都産野菜のコースでございます。
お米を含むコースを選択した世帯は約九割で、配送数は、一袋五キロのお米約三百九十四万袋でございます。
○浜中委員 本事業においては、対象世帯は、これは第一希望から第三希望まで記載することができたということですが、希望するコースを送付することができた割合がどの程度なのかということをお伺いいたします。
○中川生活福祉部長 第一希望のコースを送付した世帯は約六十八万世帯で全体の六四%、第二希望のコースを送付した世帯は約十五万世帯、約一四%、第三希望のコースを送付した世帯は約十五万世帯、約一四%であり、約九二%の世帯が当初希望したコースとなりました。
在庫の状況で、第三希望までのコースとならなかった約八%の世帯に対しては、随時、コールセンターから電話で個別に連絡し、その時点で発送可能なコースをご案内しながら、改めて希望を確認した上で対応いたしました。
○浜中委員 今回の質疑を通じて、都が柔軟かつ丁寧に事業を執行し、約七割の方に利用していただくとともに、おおむね希望どおりの食品が届いたということが明らかになりました。
ここ一か月ほどで、この事業で届いたお米がフリマサイト等で転売されていることが話題になりました。パッケージを独自に作成したこともあり、転売が特定されやすいという面もあったかと思います。
転売の数量は、報道では一つのサイトで七十件から九十件程度とされていますが、届けられたお米の数量は、先ほど答弁にあったように、五キロの袋が約四百万袋であると。大多数は適正に活用されているのに、一部のこうした事例によりこの事業が評価されるのは、少し残念だなというふうに思います。
出品自体は、原則として個人の自由な商取引なので禁止はできませんが、都が要請して、一部のフリマサイトでは早速商品を削除したことも報道されており、都の対応は適切であったのかなというふうにも思います。
転売の原因に関しては、希望していないのにお米が届いたからという報道もありましたが、約九割の方が第三希望までのコースになったということ、また、約九割の方がお米を選択したことも、今回の質疑で分かりました。
現在も物価高の状況は続いています。国においても様々な検討がなされるようですが、この事業に関していえば、昨年の時点で、物価上昇を踏まえた緊急対策として時勢にかなったものというふうに評価をしたいと思います。
皆さんもそうだと思うんですけれども、議論の中で、例えばお米券で渡してはどうかとか、現金でやったらどうかとか、渡し方はどうするんだと、どういうふうに渡すのかと、いろんな議論があったかと思います。恐らくこういう現物をこの規模で送る政策というのは、あまり聞いたことがないと思いますし、前例もなかったことだと思います。しかし、そこには百万世帯の人がいて、実際に助かったという声がありました。それはいいことだと思います。
しかしながら、この政策に関して、いろんな賛否両論あったかと思います。やり方にも反省点があるかと思います。やはり、これ決算でございますので、よかった点、悪かった点というのをしっかり検討していただいて、次にこういうときがあったときに、この政策のパッケージだとか、この経験というのをどういうふうに生かしていくのかということが、私は大切であるかと思います。
いずれにしても、かなりこれいろいろ大変だったとは思うんですけれども、もらった人は非常に喜んでいましたし、助かったという評価の声が私のところには届いております。このよかった点、悪かった点の反省点を次の政策に生かしていただければとお伝え申し上げて、次の質問に移りたいと思います。
続きまして、手話言語条例に関してであります。
令和三年十一月に、超党派で手話言語条例検討ワーキングチームを立ち上げ、毎月、検討会を実施してまいりました。こうした検討会の議論を踏まえ、手話を必要とする方の意思疎通を行う権利が尊重され、安心して生活が送れる共生社会を実現するために、党派を超えて都議会議員全員の総意として、昨年の令和四年第二回都議会定例会において東京都手話言語条例が全会派一致で成立し、令和四年九月から施行されました。
条例の趣旨としては、手話を言語として位置づけること、手話を必要とする者の個々の特性に応じた環境づくりを推進すること、手話を必要とする者の多様性に応じた共生社会の実現を目指すことというのが挙げられているかと思います。
そこで、東京都手話言語条例の制定を踏まえ、昨年度の手話に関する普及啓発の取組状況についてお伺いをいたします。
○鈴木障害者施策推進部長 令和四年六月、手話言語条例が制定されたことを受けまして、同年九月の施行に向け、ポスターやリーフレット、ホームページなど様々な媒体により、都民、庁内各局及び区市町村等に対して条例の意義や内容等の周知を図りました。
また、庁内職員や区市町村職員等に対して手話言語条例研修を実施し、手話の普及、手話が使いやすい環境整備に努めたところでございます。
加えて、令和五年二月には、都民の手話への理解促進を深めることを目的に、手話言語フェスin TOKYO二〇二二を開催し、手話に関する様々な情報発信を行いました。
○浜中委員 ありがとうございました。
そこで、手話を使用しやすい環境整備も重要であるというふうに考えております。その取組及び強化策について教えてください。
○鈴木障害者施策推進部長 手話を使用しやすい環境を整備するためには、都民の手話への理解を深め、手話のできる都民の裾野を広げることや専門人材を育成することなどが必要であります。
都は、昨年度の条例制定以降、普及啓発に努めるほか、手話通訳者等の養成にも取り組み、令和五年度からは、手話通訳士の継続的な手話技術の質の維持や専門性向上の支援のため、手話通訳士ブラッシュアップ研修を新たに開始いたしました。
また、身近な地域において、子供の頃から手話に関する理解を深められるよう、区市町村の取組を包括補助により支援しております。
今後も、こうした取組を進め、手話を必要とする方が手話を用いて意思疎通できるよう、環境の整備に努めてまいります。
○浜中委員 ただいまご答弁をいただきまして、手話言語条例は都議会議員全員が総意でつくっていったと。これは非常に画期的なお話であったかと思います。
しかしながら、聴覚障害だけではなくて、ほかにも視覚障害とかというのもいろいろありますから、今、情報コミュニケーションPTというのを立ち上げて、手話とかだけではなくて、全ての人にしっかりと情報のコミュニケーションが取れる整備をつくっていこうという検討も今都議会で行っているところであります。
いずれにしても、こうした情報というのが、ハンデがあろうがなかろうが、しっかり確保されていくということが、これは非常に大切なことであるというふうに思っております。
ただいま答弁をいただいて、その後いろいろ動いてはいるということでもありますし、我々も、よりこの情報コミュニケーションというのをこれからどうあるべきかということを検討して、少しでもこうした意思疎通が、バリアフリーができるような形で進めていきたいというふうに思っておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
次の質問に移りたいと思います。
最後に、社会的養護処遇改善加算対応研修実施委託についてお伺いをいたします。
この事業は、東京都が東京都社会福祉協議会に委託し、児童養護施設等の職員に対する研修を行うもので、福祉保健局が令和五年四月、契約事務手続の点検結果において、公法上の契約に類した契約として公表した十三件の契約のうちの一つであります。
この契約書について、契約締結前に行われた業務についても、この契約により実施したものとみなすとなっていることが、SNS上で取り上げられているわけであります。このような契約を締結することは問題がないのか、業務開始前に契約を行うべきではないかという声がありますが、見解を伺います。
○西尾子供・子育て支援部長 行政実例では、契約成立前に行われた業務を当該契約により実施したものとみなすことは可能であるとされております。
ただし、契約が成立するまでの間は、相手方に対して履行の請求ができないことなどから、令和五年度の契約につきましては、四月一日付で締結を行っております。
○浜中委員 先ほど質問の中でもお話をさせていただきましたが、これはどういう話かというと、質問の日付が七月の六日になっていると。七月の六日に東京都と東京都社会福祉協議会が契約をしましたと。ただ、七月六日に契約をするんだけれども、この内容は四月一日からお願いしますねという形になっております。先ほど答弁で、令和五年度の契約からは四月一日付で締結していますよということで、これは改善する余地があったから、この四月一日になったんだと思います。
というのは、なかなかこういう契約ってあまりないんですけど、行政の中だと、要は予算の関係だったりとか、国との兼ね合いだったりとかというので、こういうことがあると思うんですけど、例えばこれ、準行政というか、民間同士だったら、契約する前に、四月一日から七月の五日までの間のお金、払いませんとかってトラブルになっちゃって、東京都と社会福祉協議会なんで、そういうことはないんですけれども、基本的にこういう形だと、なかなか外から見たときに、この契約、何かあるんじゃないかなとかというような声があったんだと思います。
しかしながら、内容自体は別に問題のある話ではございませんので、もう既に改善をしたということでございますから、その対応も含めて、今後しっかり対応していただきたいというふうに思いまして、私の質問を終わります。
○菅原委員 それでは、質疑をさせていただきます。
まずは、資料でいただいた一般会計決算の説明書、この中で、一二一ページに公共トイレの介助用大型ベッド設置促進事業があります。これについて伺います。
この事業の執行率が一八・七%と低くなっております。この事業のまずは趣旨について伺います。
○渋谷事業調整担当部長 高齢者や障害者などの中には、外出先のトイレでおむつ替えや衣服の着脱のために横になる大型の介助用ベッドが必要な方もいらっしゃいます。こうした方の外出機会を確保するため、公共施設の車椅子使用者対応トイレ等に介助用ベッドを設置する区市町村を対象として、令和四年度に本事業を実施いたしました。
○菅原委員 ありがとうございます。
事業の状況についてはご説明をいただきました。この介助用ベッドというのは、具体的にはどのように設置をするのか確認をいたします。お願いします。
○渋谷事業調整担当部長 介助用ベッドを設置するには、設置場所のほか、介助者の動きも考慮して十分なスペースを確保する必要があり、改修が必要となる場合もございます。
例えば、既存の車椅子使用者対応トイレを改修する場合、既に設置してあるオストメイト用設備や乳幼児用設備を一般トイレの個室に移設し、空いたスペースに介助用ベッドを設置するなどの方法が考えられます。
○菅原委員 ありがとうございます。
この事業は区市町村などが主体となっております。この区市町村に対してはどのように働きをかけたのか確認をします。
○渋谷事業調整担当部長 本事業は、区市町村の取組を促進するため、公共施設に介助用ベッドを設置する場合に、ベッドの設置費用に加え、既存設備の撤去、移設などの経費を幅広く補助対象としております。
都は、区市町村の連絡会議等を通じて、本事業の積極的な活用を促すとともに、設置を検討している自治体に対しては個別に働きかけを行いました。
また、設置に向けた具体的な検討が進むよう、介助用ベッドを設置したトイレの好事例について掲載したハンドブックを作成し、区市町村や公共施設の管理者等に周知を図ってまいりました。
○菅原委員 ありがとうございます。
都としては、区市町村の活用を個別または具体的な働きかけをされたということですが、残念ながら事業の執行率は一八・七%ということです。
この事業は、設置可能なトイレのスペースがなければ進められないと思います。その実態を知っているのは区市町村だと思いますので、都と区市町村の連携や情報提供が重要になります。せっかくの事業ですので、さらなる拡充が必要と考えます。
今年度は幾つかの工夫をしていると思いますが、具体的にはどのように進めていくのか確認をします。
○渋谷事業調整担当部長 今年度は、トイレにおける介助用ベッドのさらなる設置促進を図るため、昨年度と同様の補助内容により、区市町村包括補助事業の中で継続して実施しております。
今後、先行事例を紹介するとともに、検討段階の区市町村に対して個別に働きかけを行うなど、より多くの地域で整備が進むよう取り組んでまいります。
○菅原委員 決算審議の一つのポイントというのは事業執行の確認です。執行率の低い事業については、その趣旨、またその実績、さらにその後の事業執行への手当てがされているのかを確認することが重要だと考えています。その意味で、今回は、区市町村が主体となる公共トイレの介助用大型ベッドの設置促進事業と、これをちょっと取り上げさせていただきました。
もとより、障害のある方々が外出をする場合には、こういう介助用大型ベッドが公共トイレにあるかないかと、これ大きな課題ではありますので、せっかく予算化している事業ですから、令和四年度に限らず今後も進めていただければと、これは要望しておきます。
おおむね了解できる答弁もいただきましたので、次のテーマに進みます。
自立支援強化事業について伺います。
自立支援強化事業というのは、児童養護施設で生活をしていたり、また措置解除になって独立したケアリーバーが自立できるように、東京都と児童養護施設が連携して取り組む事業です。この事業の執行率が四六・三%となっています。
まずは、この予算科目は三つの事業に分かれていると聞いていますので、それぞれの簡単な概要説明と執行率の状況を伺います。
○西尾子供・子育て支援部長 都は、児童養護施設において、施設入所中の自立に向けた支援や、施設退所後の相談援助などを手厚く行うための体制を整備し、児童の社会的自立の促進を図ることを目的といたしまして、自立支援強化事業を実施しております。
令和四年度の実績は、児童の自立支援等を担う職員を配置する自立支援コーディネーターの配置の決算額が約四千九百万円、執行率は六三・九%、施設を措置解除となった方のためにアパートなどを借り上げる居住費支援の決算額が約六百万円、執行率は一四%、生活に困窮した退所者に生活物資や食料品等を支援する生活物資の支援の決算額が約二百五十万円、執行率は七〇・五%でございます。
○菅原委員 自立支援コーディネーターの配置については、国に先駆けて都が行った事業と理解をしています。この事業については、児童養護施設のそれぞれの事情によると理解をしています。また、生活物資の支援もありました。これは補正予算で事業化されたもの、ケアリーバーに対する支援でして、児童養護施設がそれぞれ退所したケアリーバーとの関係の構築にもつながる事業だと、そのように理解をしています。この二つはそれなりの執行だと理解をします。
確認をしたいのは、居住費支援の執行率が一四%だということです。執行率が低かった理由について確認をしたいと思います。答弁を求めます。
○西尾子供・子育て支援部長 居住費支援は、令和四年度から開始いたしましたが、年度当初から物件を契約することが困難であったこと、支援の対象期間が一年のみであったことなどから、利用が少なかったと考えております。
今年度からは、大学等の修学年限も踏まえまして、居住費支援の期間を最長四年間に延長しており、ケアリーバーに対する支援を充実しております。
○菅原委員 ケアリーバーの方々が住む場所の問題というのは、かねてから議論がありました。例えばアパートを借りる場合に、多くは保護者が保証人になるんでしょうけれども、ケアリーバーの場合は保護者が保証人になれない場合がありました。十八歳で児童養護施設を退所しても、アパートの契約が難しいケースというのも聞いておりました。
令和四年度からスタートした事業のため、執行率が低かったという説明もありました。さらに、今年度からは使いやすく制度を拡充したということが分かりました。今後も、ケアリーバーの若者へのサポートを厚くすることを要望いたします。
次に進みます。婦人保護施設について伺います。
婦人保護は、売春防止法第三十六条と配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律第五条、この二つを根拠として事業が行われております。
そして、近年の保護対象者というのは多様化してまいりました。婦人保護施設に入所するためには、一旦、一時保護所に入所するのが原則となっていますけれども、柔軟な対応が必要と考えます。
都は昨年度から、一時保護所を経由しないで婦人保護施設に入所する対応を行っていますが、その取組状況を伺います。
○新倉子供・子育て施策推進担当部長 都は令和四年度から、婦人保護施設に一時保護委託した女性が、女性相談センターの一時保護所を経由せず直接施設に入所する取組を試行しております。
この取組では、一時保護委託中に、女性相談センターの精神科医師や心理の職員が心理面接等を行うほか、施設が把握した生活面や健康面の状況等を共有し、施設への入所につなげております。
令和四年度に、この取組により一時保護委託した女性は五人、そのうち施設に入所した女性は三人となってございます。
○菅原委員 都が婦人保護施設への入所の方法を従来の形から変えて取り組んできたことという報告がありました。厳しい状況にある女性のニーズというのは変化していることも踏まえた柔軟な判断だと思います。
もう一つ伺います。都は、若年の妊婦など、妊娠期から継続的な支援を必要とする家庭を対象とした養育支援訪問事業というのを実施しています。この事業の内容と区市町村における令和四年度の実績を伺います。
○西尾子供・子育て支援部長 養育支援訪問事業では、子育てに対して不安や孤立感を抱える妊産婦等を訪問し、子育て経験者による育児、家事の援助や、保健師による具体的な養育に関する助言指導等を行っておりまして、令和四年度は五十自治体が実施しております。
○菅原委員 特定妊婦については、予算特別委員会などでも質疑をいたしましたが、中には住居がなくてネットカフェや友人宅を転々とする妊婦もいます。
私は、トー横のキッズたちの支援団体にも訪問して話を聞いておりますけれども、実際にトー横キッズの中にも妊婦がおりまして、出産の準備ができずにいるという事情を伺ってきました。
特定妊婦は、妊婦の中の百人に一人ぐらいといわれております。決してレアケースとはいえないという状況です。特に厳しい状況にあるこういう妊婦に対しては、家庭訪問では支援の手が届きません。そこで、国は特定妊婦の居場所というのをつくってきたというふうに理解をしています。
こども家庭庁は、妊産婦等生活援助事業を令和四年度に新設いたしました。この事業は、家庭生活に支障がある特定妊婦などに一時的に安全な住居を提供して、食事やそのほかの日常生活を営むために必要なことや、児童の養育に係る相談や助言、また、母子生活を支える行政機関などとの連絡や調整、または、特別養子縁組なども視野に入れた対応が求められているということです。
現在、都内でも事業が行われていますが、私は一か所だけではないかと認識をしております。都として、特定妊婦の居場所をつくって、安定した妊娠、出産、育児を迎えるための取組を拡充すべきだと考えています。
今までの訪問型の支援では手の届かない妊婦もいることから、国の妊産婦等生活援助事業などを活用して特定妊婦の居場所をつくって、安定した妊娠、出産、育児を迎えるための取組を拡充すべきだと考えますが、都の見解を伺います。
○西尾子供・子育て支援部長 十八歳未満で支援が必要な妊産婦につきましては、児童相談所が、婦人保護施設のほか、里親やNPO法人のシェルターなどにおいて一時保護を行い、出産後も母子共に継続して支援を行っております。
また、都は、令和六年に困難な問題を抱える女性への支援に関する法律が施行されるに当たりまして、基本計画の策定を進めており、この中で、支援の必要性の高い妊産婦の居場所についても検討してまいります。
○菅原委員 新型コロナウイルスの感染症というのは、やっぱり弱い立場の人たちをさらに厳しい状況に向けたと思っています。なので、早い段階で支援の必要性の高い妊産婦の居場所、ぜひご検討いただきたいと思います。
保育園での虐待について伺います。
昨年は、保育園の職員による入園児への虐待というのが発見されました。私の住んでいる日野市でも虐待の事例がありまして、逮捕者も出た。市はその保育園に対して改善勧告を出しましたが、それにも従わないため、市は改善命令を出して、都でも改善勧告を出しました。レアケースとは思いますが、地域では大きな出来事で、保護者からも心配の声が上がっています。
その後、この保育園は新規の入園者を入れずに、全体として園児が減りましたが、通常の保育は行っています。保育園行政というのはニーズが高いために、一部職員による事件があっても、その保育園の存続自体は必要です。
保育士というのは、児童福祉法に沿った国家資格を持った専門家です。彼らの専門性を十分に発揮して職務に当たってもらうこと、これは重要です。並行して、保育園には運営するための事務もあり、これも行わなければいけません。
かねてから、保育士の業務負担の大きさが話題となってきました。この業務負担が保育士のストレスになり、離職の要因になるということもいわれます。
都は昨年度、保育士実態調査の結果を公表しましたが、この調査から見えた状況を伺います。
○新倉子供・子育て施策推進担当部長 都は、都内の保育士登録者等を対象に、その就労状況等を把握するため、保育士実態調査を平成二十五年度、三十年度、令和四年度と実施してまいりました。
令和四年度の調査では、現任保育士が以前の職場を辞めた理由を聞いたところ、仕事量が多いが二五・二%、労働時間が長いが二〇・九%となっております。また、現在の職場で改善を希望することでは、四〇・一%の方が事務、雑務の軽減と回答してございます。
○菅原委員 昨年度行われた保育士実態調査によって、職場での改善希望については、事務、雑務の軽減というのが四〇%もいるということが分かりました。
業務改善のためには、例えばICTの活用が必要と考えますが、都の取組状況について伺います。
○新倉子供・子育て施策推進担当部長 都は平成二十九年度から、保育士の業務負担の軽減を図るため、書類作成の業務等を支援するシステムの導入に取り組む保育所等を支援してございます。
令和四年度は四十二施設に対し補助を行い、事業開始からこれまで累計で千三百八十五施設に補助をしております。
保育士実態調査では、約七割の方が、現在働いている職場において保育業務を支援するシステムが導入されていると回答しておりまして、そのうち約七割の方が、システムが導入されたことで業務負担の軽減につながっていると回答しております。
○菅原委員 ありがとうございます。
ICTの活用で、保育園業務、事務の改善になっていく、それを保育士の方々が実感しているという報告があったと思います。ぜひさらに加速していただければと思います。
保育園での児童虐待の実態、実情というのは、なかなか顕在しにくいといわれます。私はかねてから、閉鎖的な職場環境にも大きな原因があるとして、例えば一日保育士の制度化などを提案しています。様々な大人が保育園に出入りする、その環境整備については、ぜひ検討を加速していただきたいと思います。
一方で、法案の提出が見送られておりますが、日本版DBSの導入には大きな期待の声がありますので、国の動向を見据えながら準備を進めていただきたいと思います。
本日は、昨年度に行われた保育士実態調査を基に業務改善について確認しました。この点も重要な取組ですので、都としての取組には期待をいたします。
認知症の問題についてに進みます。
今年六月に認知症基本法というのが成立をいたしました。認知症施策の一層の推進が求められているということです。認知症になっても住み慣れた地域で暮らし続けるためには、早い段階で認知症に気づいて診断を受けて、症状が悪化する前に治療や支援につなげることが重要といわれています。
令和四年度の認知症の早期診断、早期対応の実績、認知症の検診などの状況について伺います。
○梶野高齢者施策推進担当部長 認知症は、早く気づいて治療を開始すれば、進行を遅らせたり病状を改善させることが可能な場合があり、早期の対応や治療に向けた取組が重要でございます。
そのため都は、高齢者にチェックリストを掲載したパンフレット等を送付し、検診を希望する方に問診、認知機能検査を行い、専門機関等につなぐ区市町村の取組を支援する認知症検診推進事業を実施しております。
令和四年度は、二十二区市町に対して補助を実施いたしました。
○菅原委員 都は、認知症検診推進事業を実施して、早期診断、早期対応に取り組む区市町村を支援していますが、実施している自治体はまだ二十二区市町にとどまっているということが報告されました。この点は取組を加速することを要望いたします。
厚生労働省は九月二十五日に、アルツハイマー病の進行を穏やかにする新薬、レカネマブを承認しました。この新薬は早期の患者を対象にしておりまして、早めの受診を意識する人が増えると予想されます。
新薬による治療の対象となる方は、投与により症状の進行を抑えることができる、また、対象とならない方でも、早い段階からの治療によって進行を穏やかにできる場合がありまして、症状が軽いうちに、ご本人やご家族が認知症への理解を深めることで、今後の生活に備えて、介護保険サービスの利用などにより、生活上の支障を減らすこともできるということです。
新しい薬、レカネマブの承認を踏まえて、より多くの自治体が認知症検診推進事業に取り組むことが重要と考えますが、見解を伺います。
○梶野高齢者施策推進担当部長 本年九月に厚生労働省が製造、販売を承認した新たな認知症疾患修飾薬は、アルツハイマー病による軽度認知障害または軽度の認知症の段階で治療を開始する必要がございます。
認知症検診推進事業では、希望する対象者の方が無料の問診や認知機能検査を受け、検査の結果、認知症の疑いがある場合には、さらに認知症疾患医療センター等で鑑別診断を受けることで、軽度の方を含めて、アルツハイマー病による認知症であるかどうかなどが確認できます。
今後、本事業の一層の普及を図り、早期診断、早期対応を推進してまいります。
○菅原委員 認知症基本法の制定を受けて、都道府県は、それぞれの状況に即した認知症施策推進計画の策定が求められています。
この計画は、認知症の本人だけではなくて、その家族や地域住民などが安心して暮らせるように、認知症の予防や早期発見、医療、介護体制の整備または地域社会との連携など、様々な施策を盛り込んだものになります。超高齢社会を迎える日本全体の課題です。積極的な取組を期待をいたします。
認知症グループホームについても伺います。
認知症グループホームは、認知症の人が地域での生活を継続するために、身近な地域での家庭的な環境で生活できる環境を構築するために重要な役割を担っています。
令和四年度の認知症高齢者グループホームの整備目標とその実績について伺います。
○梶野高齢者施策推進担当部長 都は、介護保険の保険者である区市町村が地域のニーズを踏まえて算定したサービス見込量を踏まえ、第八期高齢者保健福祉計画において、認知症高齢者グループホームを二〇三〇年度末までに二万人分整備する目標を掲げており、整備を促進するため、国制度による補助に加え、都独自の補助も実施しております。
令和四年度は、新たに二百九十人分を整備いたしまして、令和五年三月三十一日現在で一万二千二百六十三人分が開設しております。
○菅原委員 認知症高齢者グループホームは、専門スタッフやヘルパーの確保が必要ですし、その土地や、または建物の確保、これも必要です。主体となる区市町村がそれぞれの判断で進める事業を都や国が財政的に支援するという形になっています。
都の目標というのは、今お話がありましたように、二〇三〇年度末までに二万人の整備ということです。現在では一万二千二百六十三人分が開設されたという報告がありました。
令和五年度は、国も都の補助金も両方増額されているようですが、グループホームがなかなか増えていないということも聞いております。都としては、区市町村の事情、実情を聞き取りながら、グループホームの増設についてさらなる取組が求められます。この点は強く要望しておきます。
最後に、局長に伺います。
令和四年度もコロナ禍での生活が続いた一年でした。ウイルスの弱毒化が議論されつつも、感染力の強いウイルスが出現し、変化するコロナウイルスに対する警戒を緩められないという難しい一年だったと思います。この厳しい状況の中でも、都民生活を守るために仕事をするのが行政職員です。コロナ禍での職員の皆さんの取組には、まずは感謝を申し上げたいと思います。
令和四年度の福祉保健局では、コロナで厳しくなる都民生活を支える予算が組まれて、緊急的な補正予算も組みながら対応していただきました。今回のような大規模な感染症は、全ての都民にひとしく影響するために、生活基盤が弱い方々を支える仕組みも特別な対応が必要でした。これに対して都として取り組んできたと思います。
本日取り上げたケアリーバーへの支援などは、予算規模は小さいですが、重要な取組でした。フードパントリー事業は官民の取組が充実をして、子供食堂などもお弁当の配布などが展開されました。食べることを軸にして生活支援が手厚くなったのではないかと思います。
高齢者の生活も変わりました。感染に対する懸念から交流の場が次々と失われた状況は、これから改めて再構築が必要です。
子供の生活も変わりました。いじめや児童虐待、不登校、若者の自殺などは、依然として高い水準で推移をしています。トー横キッズなどに代表される子供の居場所問題も顕在化いたしました。
コロナ禍は災害といわれますが、まさに災害を受けた都民生活は大きく影響を受けて、その災害に対応するために、福祉保健局の、今は福祉局ですが、その施策が展開されたのが令和四年度でした。
最後に、局長として令和四年度の取組を総括をした見解を伺います。
○佐藤福祉局長 福祉局の使命は、これは福祉保健局にとっても変わりませんが、都民が生涯を通じて安全な環境の下で安心して暮らし続けることができるよう、都民の生命と健康を守るとともに、地域での自立を支える新しい福祉を実現することでございます。
これまで福祉局として、子供を産み育てやすい環境づくり、あるいは地域包括ケアシステムの構築に向けた取組、障害者や障害児が地域で安心して暮らせる基盤の整備、低所得者への支援、自殺対策、あるいは新型コロナをはじめ多様化する健康危機から都民を守る施策など、福祉、保健、医療サービスの充実に取り組んでまいりました。
決算の年度である令和四年度につきましては、現在は福祉局ということでございますので、福祉の分野を中心に申し上げますと、ヤングケアラーへの支援強化や介護予防、フレイル予防の普及啓発、医療的ケア児支援センターの設置、あと高齢者、障害者支援施設等における施設内療養体制の支援強化など、社会経済状況に応じた様々な施策を時期を逸することなく実施してまいりました。
また、コロナ禍や物価の高騰などによる不況に立たされている都民、事業者への支援として、ただいま先生のご質問にもございましたように、補正予算も組みまして、低所得のひとり親世帯やフードバンクへの支援の拡充、また、社会福祉施設への光熱費等の緊急支援など、的確に対応してまいりました。
同時に、福祉局の仕事、これは保健医療局の仕事も同じでございますけれども、社会的に注目度の高い仕事のみならず、実は福祉を支えております地道な、しかし大事な大事な仕事がたくさんございまして、多くの職員は日々そうした仕事の職務を行っております。こうした仕事の積み重ねが、ご審議をいただいている決算となって表れていると考えております。
本年七月には、子供、子育て支援や長寿社会への対応、さらなる感染症危機への万全の備えなど、高度化、複雑化する都民ニーズに対し、高い専門性と機能性を発揮するため、福祉保健局を福祉局と保健医療局へと再編をいたしました。
私は、二十年近い歴史を刻んでまいりました福祉保健局の最後の局長でもございますので、その責任もございます。福祉保健局として培ってきたよい伝統、これを継承いたしまして、分野横断的な課題に対しましても、保健医療局と一緒に福祉、保健、医療行政のさらなる充実に向けて取り組んでまいる所存でございます。
今後ともご指導、ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。
○伊藤委員 それでは、私からは、まず児童虐待対応について質問をしてまいりたいというふうに思います。
児童虐待の相談件数が増加の一途でありまして、こども家庭庁が先月公表した調査によりますと、児童相談所に近隣住民や関係機関などから寄せられた二〇二二年度の相談件数は二十一万九千百七十件と過去最多を更新したという報道でございました。
児童虐待への対応で大切なのは、何よりも早期発見であって、虐待死など重大な事態に発展することを防ぐためにも、関係機関同士が情報共有やお互いの役割分担の確認など、ふだんから連携を深めていくことが重要であります。
そこでまず、都内における昨年度の児童虐待の相談対応件数を伺うとともに、二〇一八年の三月には、私、品川のすぐお隣の目黒区で、度重なる虐待を受けていた五歳の女の子が死亡するという大変に痛ましい事件が発生をしたのも、もう昨日のことのように本当に忘れることができない事件でありました。こうした、これまで引き起こされてきた深刻な児童虐待の事案の教訓をどう生かしてきたのか伺いたいと思います。
○西尾子供・子育て支援部長 都内の令和四年度におけます児童虐待相談対応件数は二万七千七百九十八件でございました。
都は、重大な虐待事例について検証を行い、児童虐待の再発防止を検討するため、児童福祉審議会の下に児童虐待死亡事例等検証部会を設置し、関与のあった関係機関ごとの改善策について提言を受けております。
提言の内容は、児童相談所の職員研修やOJTなどを通じまして、ケースワークに生かすよう徹底するとともに、区市町村や教育委員会等へ周知を行っております。
○伊藤委員 都内の令和四年度においての相談対応件数二万七千七百九十八件ということで答弁いただきましたけれども、大変な数だというふうに私は思います。
これまで児童相談行政は、広域行政を担う東京都が管轄をして事業展開をされてきたわけでありますけれども、深刻な児童虐待が増加の一途をたどる中、より身近な自治体によって児童相談行政を担う動向となってきました。
先ほども述べましたけれども、虐待死など重大な事態に発展することを防ぐためにも、関係機関同士の情報共有やお互いの役割分担、ふだんからの連携が何より重要であります。
そこで、昨年度までに区移管された児童相談所の現状と今後の見通しについて伺いたいと思います。
また、区児相同士や、あるいはまた広域行政を担う都との新たな関わり方についてどうなっているのか、一時保護や入所調整の観点から伺いたいと思います。
○西尾子供・子育て支援部長 区立児童相談所については、令和四年度までに七区が開設しております。今年度は十月一日に葛飾区が児童相談所を開設しており、区の計画によりますと、今後は六年度に品川区が、七年度に文京区が、八年度に大田区、杉並区、北区が開設を予定しております。
区が児童相談所を設置した場合には、児童福祉法に基づき、自ら一時保護所を含め児童相談所を適切に運営することとなります。一方で、広域的観点から、一時保護所や児童養護施設等を都区で相互に利用しており、こうした取組を通じて都と区が連携して、子供たちの安全・安心を確保しております。
現在、全区市町村が参画する児童相談体制等検討会におきまして、連携の在り方を検討しております。
○伊藤委員 区移管も進んできているということでございましたけれども、私は、区は、区移管に進んでいく中で最も心配だったのが、職員の人材の確保、そしてまた職員の質、こうしたものが本当に保てるのか、確保できるのか、ここが一番の心配でありましたけれども、政府は昨年四月から医師や保健師の配置を義務化しておりまして、二六年度に向けて、児童福祉司などの専門職の職員の増員を進めるというふうにしております。着実に児相の体制を強化をして、重大事案を見逃さないようにしなければなりません。
都児相にしても区児相にしても、専門的な対応ができる児童相談所の機能強化は欠かせないというふうに考えます。
そこで都は、児童福祉司をはじめとした経験の積み上げと専門性が高い人材の育成について、これまでの取組を確認したいと思います。
○西尾子供・子育て支援部長 都では、児童相談所の職員の経験年数等に応じた幅広い内容の研修や、児童福祉司経験者による同行支援などのOJTを通じまして、実務能力の向上を図っております。
また、相談援助業務に豊富な経験を持つ専門課長を配置し、職員が現場で直面している困難ケース等に対し、随時、助言指導を行っております。
さらに、昨年度は、旧世田谷児童相談所を活用してトレーニングセンターを設置し、新任職員向けにロールプレーイングによる面接技法の習得や、集中的な事例検討など、実践的な研修を実施しております。
区が児童相談所を設置する場合には、自ら専門人材を確保、育成することとなりますが、都は、区の職員について、派遣研修として都の児童相談所に受け入れるなど、人材育成を支援しておりまして、今年度からは派遣職員をトレーニングセンターの研修にも受け入れております。
○伊藤委員 答弁をいただいたとおり、区児相がこの後も増えていくということでありますけれども、しっかりとこの人材の育成、都としても支援をしていただいて、また、東京全体で人材の育成を図っていく、こうした取組をしっかり進めていただきたいな、このように思います。
児童虐待は何としても防止、そして撲滅していかなければなりません。しかし一方で、誤って子供が転落をしてしまったり、あるいは転んで頭を打ったりした事故から虐待を疑われて、親の愛情が一番大事な時期に長期にわたって保護をされて、母子が引き離されてしまうという、こうしたことも度々私は耳にしてまいりました。
こうしたことが起こらないように、都議会公明党は、何よりも子供の事故防止対策を強化する、これはもとよりでありますけれども、虐待疑い事案について専門的な知見を十分に取り入れることを求めてきましたけれども、これまでの都の取組を伺いたいと思います。
○西尾子供・子育て支援部長 児童相談所は、医療機関から、乳幼児の頭部外傷などによる児童虐待の疑いの通告を受理した際には、虐待に該当するかどうか等について丁寧な調査と判断を行っております。
具体的には、児童福祉司や保健師資格を持つ医療連携専門員が、医師や保護者等から子供の病状を把握するとともに、受傷に至った原因等の情報を収集しております。
また、児童相談所の協力医師として登録している法医学、小児科、脳神経外科等のセカンドオピニオンを得た上で、援助方針を総合的に判断しております。
○伊藤委員 都では体制を厚くしていただいて、しっかりまた専門家を入れたり、あるいはセカンドオピニオンなども活用して取り組んでいただいているということでありましたけれども、過去において関西方面でも、冤罪というか、それは間違いであったということの裁判判例が出たりとかしていることもありますので、今後も、この虐待というのは非常に難しい、また繊細な部分もあると思いますけれども、間違ってはいけない、このように思います。また逆に見逃してもいけない、このように思いますので、しっかりとこの点、取り組んでいただきたい、このように求めておきたいと思います。
また、最近では、自宅で出産した子供を遺棄するといった出産直後に死なせる、こうしたケースも度々報道されております。二〇二一年度には、心中以外で虐待死した子供五十人のうち、ゼロ歳児が何と二十四人と約半数を占めているということでありました。これも本当にショッキングな大変なことでございます。その背景には、予期しない妊娠や妊婦健診の未受診などの問題がありまして、妊娠に伴う多くの不安を和らげる支援が不可欠であり、急務であるというふうに思います。
公明党は、妊娠時から出産、育児の悩みに寄り添う伴走型相談支援の充実を国に提案をし、政府は今年一月から、相談と経済的支援を一体的に取り組む事業をスタートさせております。
そこで都は、都議会公明党もかねてから都に求めてまいりました妊娠時から出産、育児の悩みに寄り添う支援について、どのように取り組んできたのか伺いたいと思います。
○新倉子供・子育て施策推進担当部長 都は、妊娠、出産、子育ての切れ目ない支援を充実するため、平成二十七年度から、妊婦への全数面接と育児パッケージの配布等を行う区市町村への支援を実施しております。
令和二年度からは、とうきょうママパパ応援事業といたしまして、出産後の母子等に対する産後ケアや、乳児期の子育て家庭への家事育児サポーターの派遣など、産後の支援を大幅に拡充しております。
今年度は、国の出産・子育て応援交付金も活用し、妊娠時、出産後、そして子供が一歳または二歳前後の各段階で、伴走型の相談支援と経済的支援を実施する都独自のスキームを構築いたしました。より多くの区市町村で取組が進むよう、都のスキームに参画する場合は、国の交付金事業に係る区市町村の負担を都が全額支援をしているところでございます。
○伊藤委員 この伴走型の支援につきましても、また、令和五年度でさらに発展をさせることも行っていただいておるところでございますけれども、この後もぜひ、特に妊娠から出産、そして育児、これがつながっていけるように支援をしていただきたいというふうに思います。
次に、先ほどもありましたけれども、ケアリーバーへの支援について質問をしたいと思います。
私はこれまで、厚生委員会などで、児童養護施設や里親など社会的養護の下で育って、高校卒業などを機に社会へ巣立っていくケアリーバーへの支援を重ねて求めてきました。それは、社会への第一歩を踏み出して、自立へ向けてスタートを切った後に、孤独や困窮に陥るケースが少なくないからであります。
こうした背景を踏まえて、国は公明党の要請を受け、支援を受けられる年齢の制限を撤廃し、自立が可能であるかどうかで判断をして、大人向けの支援に引き継ぐまで継続的にサポートを受けられるよう、児童福祉法を改正しました。そして、都は昨年度からケアリーバーへの居住費支援を開始しております。
そこで、都が昨年度開始したケアリーバーに対する居住費支援について、対象者に情報が届くようどう取り組んできたのか、また、その事業の内容と実情、成果について伺いたいと思います。
○西尾子供・子育て支援部長 都は令和四年度から、児童養護施設や養育家庭を十八歳で措置解除となった方のために、アパートなどを借り上げる経費の補助を開始いたしました。
事業の開始に当たりましては、多くの施設でケアリーバーへの支援が実施されるよう、各児童養護施設に対しまして、東京都社会福祉協議会児童部会を通じて働きかけを行っております。
令和四年度に居住費支援を活用したケアリーバーは二十六人、決算額は一千三十二万四千円となっております。
事業を活用した方からは、住まいが確保され、安心して学校に通えるようになった等の声を聞いております。
○伊藤委員 都が令和二年度に実施をして、そして令和四年一月に公表した児童養護施設等退所者の実態調査結果には、ケアリーバーたちの本音の心がかいま見え、今後の支援策の大事な要素がこの中にたくさん私は含まれていた、このように思います。
そこには、生活費や学費、将来のこと、そして仕事や人間関係など、ケアリーバーが不安や悩み、孤独に包まれたときに、支えになってくれるよりどころとして、児童養護施設でお世話になった方ということを挙げておりまして、自由記載欄には、心から感謝の言葉がたくさんつづられておりました。
そこで、ケアリーバーへの支援は、経済的な支援だけでなくて、精神的なよりどころとして支えになることも必要と考えますけれども、都の取組を伺いたいと思います。
○西尾子供・子育て支援部長 お話のありました実態調査では、退所児童が困ったときの相談相手として、施設の職員の割合が最も高く、約四割となっております。
都は、児童養護施設等を退所する児童に対しまして、相談支援等を行う自立支援担当職員を配置する施設を支援しております。
今年度からは、施設によるケアリーバーへの支援を充実させるため、居住費支援の期間を最長四年間に延長したほか、職員が定期的にアフターケアを行えるよう、自宅を訪問するための経費を支援しております。
○伊藤委員 都は、都議会公明党の要請に応え、今年度から、退所後四年間まで居住費支援を行っているということでございます。本当にありがたい話だと思いますけれども、ケアリーバーはそれぞれのやっぱり個人差があるし、また様々な事情もあることだというふうに思います。
私は、退所後の十年間くらいは支援を続けられるよう、支援策を拡充していくことを求めておきたいというふうに思います。
また、ケアリーバーにとって、児童養護施設はいわゆる実家みたいなところであるというふうに思います。同じような環境で育った若者同士が互いに励まし合ったり、情報交換をしたりできるよう、なるべく施設のそばにグループホームや、あるいはまた交流ができる拠点を整備してほしいということも要望しておきたいというふうに思います。よろしくお願いします。
次に、高齢者支援、中でも認知症の行方不明者への支援について伺ってまいりたいと思います。
私は、日頃から利用する最寄りの駅で、仕事の帰りに、夜暗くなってからでありますけれども、高齢者の女性がはだしで駅の周辺を歩き回っていて、ポールなどの公共物に何かを話しかけている姿、これを度々目にしました。事故に遭うことなどを心配して、その駅のところにある交番のお巡りさんにそのことを伝えたこともありました。
先日の報道には、警察庁のまとめとして、去年一年間の認知症の行方不明者がおよそ一万八千七百人で、統計を取り始めた二〇一二年以降、この十年間でほぼ倍増しているという大変ショッキングな内容がありました。しかし、この人数は警察に行方不明届が出された人数でありまして、実際には、もっと多くの人が行方不明になっているのではないかというふうに考えます。
東京都健康長寿医療センター研究所の資料によりますと、行方不明による生死を分ける要因と死因についての研究では、行方不明になってから翌日までに生存して発見される例が多い一方で、三日目以降では生存する可能性が低くなるという分析がなされております。
都議会公明党は、平成二十七年に、当時の橘正剛議員が、行方不明になって保護された後に、身元が分からないまま長期間ご家族の下に帰ることができない認知症高齢者の方の問題を取り上げて、広域自治体である都として、他県や区市町村と協力して身元判明に努めることを求めましたけれども、認知症高齢者に対する見守り体制の構築や、あるいはまた関係機関が行方不明者の情報を共有できる体制の構築も重要であります。
そこで、行方不明者への対応について、昨年度までの都の取組を伺いたいと思います。
○梶野高齢者施策推進担当部長 都は平成二十一年度から、行方不明になった方を早期に発見するためのネットワークの構築に取り組む区市町村を包括補助で支援しておりまして、令和四年度は十六区市町に対し補助を実施いたしました。
また、平成二十七年六月には、区市町村が自ら行方不明等の高齢者に関する情報を随時入力するとともに、いつでも最新情報を閲覧できるよう、関係機関向けの情報共有サイトを独自に構築いたしました。
現在、都内五十五区市町村、警視庁に加えて神奈川県、千葉県、埼玉県、栃木県の近隣四県がこの情報共有サイトを利用しており、それ以外の自治体から依頼があった場合には、都が代わってその情報を入力し、共有をしております。
○伊藤委員 行方不明となった認知症高齢者の情報を、都内区市町村、そして警視庁に加えて近隣四県とも、都が構築したサイトを使って情報共有をしているということでありました。これは非常に重要な取組だと思います。
これも以前、私も経験がありますけれども、ある品川区民の方から相談を受けました。認知症を患っている親御さんがいなくなってしまった。自分の品川区内の、四警察署があるんですけれども、そこに届けをしたんだけれども、やっぱり見つからない。そして、たしか三日後ぐらいだったと思いますけど、お隣の大田区の警察署で保護をされていたということがありました。もっと早くこの情報共有ができていたらば、翌日、即座に家族の下に帰すことができたんではないか、このように思います。
この東京都が構築をしたサイト、非常に重要だと思いますので、しっかりこれを守っていただきたい、このように思います。
それでは、次に、この都の情報共有サイトに昨年度に登録された実績を伺いたいと思います。
○梶野高齢者施策推進担当部長 令和四年度は、行方不明者について百五十一件、身元不明者について十五件が情報共有サイトに登録されました。
○伊藤委員 この都のサイトの方には、百五十一件の身元不明者についてが十五件、情報共有されたということでございましたけれども、いずれにしても、突然家族の下から認知症の家族が行方不明になったり、あるいはまた施設からいなくなってしまうということもあると思います。こうした場合、即座に連絡や相談をどこにすればいいのか、これを都民に周知をしておくことも重要と考えますけれども、都の見解を伺いたいと思います。
○梶野高齢者施策推進担当部長 警視庁は、ホームページに行方不明者相談の案内を掲載し、ご家族等が行方不明になった場合は、すぐに一一〇番をするか警察署に届け出ていただくよう周知しており、行方不明者届についての問合せ先として行方不明者電話相談室を設置しております。
また、都における認知症のポータルサイトである、とうきょう認知症ナビでは、認知症のご親族が行方不明となった場合、必ず警察に届け出ていただくとともに、認知症のご本人がお住まいの区市町村や地域包括支援センターへ申し出ていただくよう周知をしております。
こうしたサイト等を活用して、相談先について広く周知を図り、行方不明となった認知症高齢者の方が早期に発見されるよう、引き続き取り組んでまいります。
○伊藤委員 この後も高齢社会はますます進んでいくというふうに思います。それに伴って認知症の方も増加をしてくる、このように思いますので、それがもし自分の家族だったら、こんなことも考えながら、この政策についてはしっかりと取り組んでいっていただきたい、このように思います。
本日は、児童虐待への対策、またケアリーバーの若者への支援、そしてまた認知症高齢者への支援などについて質問をしてまいりましたけれども、福祉局は、都民生活に直結する、そしてまた多岐にわたる事業を様々に展開をされる重要な局であります。今後も局長を中心に、都民福祉を守るためにも全力を挙げて福祉局頑張っていただきたい、このことを求めまして、質問を終わります。
○清水委員 まず、要求させていただいた資料、ご提出ありがとうございました。
私からは、二点について質問させていただきます。
一点目は、放課後等デイサービス事業についてです。
日野市で、ケアニーズが高い児童、著しく重度及び行動上の課題がある児童や虐待等要保護児童を受け入れていました放課後等デイサービスの事業所が閉鎖になりました。この事業所は、重い障害があっても自立的な社会参加ができるよう、労働活動を中心に据え、社会福祉サービス、障害福祉サービス、障害児通所支援事業に取り組んできた法人が二〇一五年に立ち上げたものです。
国の配置基準では、児童支援員等は十人の子供に対して二人ですが、この事業所では、支援度の高い児童や強度行動障害児もいること、外出時には一対一の対応ができるようにするために、七名以上の指導員を配置していました。立ち上げのときにはなかなか大変だったんですけれども、二〇二〇年度には、地域の評価も上がっていて若干の黒字の収支になるまでに至りました。
しかしですね、二〇二一年度の報酬改定によって基礎単価が引き下げられ、児童支援員加算が二名認められていたものが一名になったことによる減収がありました。さらに、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、心理指導担当職員、国リハ視覚障害学科履修者、これを常勤換算で一名以上配置した場合につく専門的支援加算、これを取るために正規の職員を募集したんですけれども、なかなか応募がなくて、この加算を取ることができませんでした。専門的支援加算がつかなかったことで減収を補うことができず、この年、約三百六十万円の赤字になりました。
報酬改定で減収になったところに、さらに昨年度は、光熱水費、ガソリン代の高騰などの影響も加わって、赤字は何と約五百八十万円を超えました。このままでは収支改善の見込みが立たないために、やむなく事業の廃止を決断されたと伺いました。
そこで伺いますが、外出時には一対一ができるような手厚い配置をしているところが、今の報酬加算の仕組みでは減収になって事業が維持できない、こういう事態について都はどのような認識をお持ちですか。
○鈴木障害者施策推進部長 放課後等デイサービスの運営に要する費用については、国が定める給付費により賄われるべきものでございます。
○清水委員 私は、何によって賄われるべきなのか、そういうことを聞いたのではなくて、減収で事業が維持できない事態について、そういう報酬体系についてどのような認識を東京都が持っているのか、そのことをお伺いしたんです。
報酬改定によって、良心的に運営してきた多くの放課後等デイサービスが危機に陥っている、こういう実態をしっかりと認識していただきたいと思います。
この事業者は、市内のほかの事業者などとも一緒に東京都に対して要請を行い、その後、都型の放課後等デイサービスの事業が始まることになって、事業運営が改善できると期待しておりました。ところが、都の制度はその期待に応えるものではありませんでした。
そこで伺いますが、都型放課後等デイサービスの事業者の数はどのくらいになったのでしょうか。
○鈴木障害者施策推進部長 令和四年度におきましては、六事業所が都型放課後等デイサービス事業に参画いたしております。
○清水委員 期待をしていた都の制度なのに、どうしてほとんど参加がなかったのか。
伺いますと、都型放課後等デイサービスの基本補助額は月額三十四万七千百七十円です。しかし、これを取得するためには、十九時までのサービスの提供、コア職員の配置、送迎、こうしたものが必要となります。しかし、月額三十四万七千百七十円では、コア職員の人件費だけで消えてしまって、時間延長などを考えると持ち出しになってしまうのだそうです。それで、さきの事業者は申請をすることをしなかったとおっしゃいました。
ケアニーズの高い子供を受け入れている事業所に対する児童支援員などの加算を増やすなど、都補助を事業の内容や経費に見合った形に充実させていくことが必要だと思いますが、都の考えをお伺いします。
○鈴木障害者施策推進部長 都型放課後等デイサービス事業は、放課後等デイサービスの質の向上を図るため、コア職員の配置など、都が定める基準を満たす事業所に対し補助を行うものでございます。
本事業につきましては、関係者との意見交換を重ね、サービス提供時間につきまして柔軟な運用を行うなど、様々な工夫をしております。
引き続き、関係者の意見を踏まえながら事業を実施してまいります。
○清水委員 支援の質を確保する基本的な要素は職員の配置なのですから、それをシンプルに評価して支援する制度とすべきではなかったでしょうか。支援の質を確保するために一番大事な職員を削減し、事業所の存続を危うくして、支援の質の向上はあり得ません。
都は、関係者の意見を踏まえながら事業を実施するという答弁がありましたが、都としてさらに事業の内容を改善していただくことを求めます。
また、放課後等デイサービス事業者からは、家賃補助の要望が強く出されています。家賃の高い都内で安定的に事業を継続するために、家賃補助の検討を求め、この質問を終わります。
次に、シルバーパスについて質問をさせていただきます。
シルバーパスは、七十歳以上の都民が負担金を支払ってパスの発行を受けることで、都営交通と都内のほとんどのバス路線を利用できるようにするというもので、都の調査でも幅広い世代から評価されています。
今日提出していただいた資料三ページに、シルバーパス発行状況の推移が載っています。これを見ると、シルバーパスの発行実績数、これは増加していたんですけれども、コロナで落ち込んで減少傾向になって、昨年度は若干増加に転じています。
しかし、よく見ると、対象人口に占める割合は、コロナ以前からずっと減少傾向にあって、特に軽減措置がない二万五百十円のパスの発行実績数の落ち込みは顕著です。
さらに、コロナ禍でバスの乗客数の減少がなかなか元に戻らないことに加えて、ガソリン代の高騰や運転手の不足もあって、都内では路線バスの統廃合が進んでいます。高齢者の生活の足がなくなるという事態が起きて、自治体には、統廃合された路線バスを補うコミュニティバス路線の新設や路線変更の要望が寄せられています。そうした新規路線へのシルバーパスの適用をめぐる問題について質問をさせていただきます。
最初に、シルバーパスが使えるコミュニティバス路線がある自治体、路線数についてお伺いします。
○花本高齢者施策推進部長 シルバーパスで利用可能なコミュニティバス路線がある自治体は、令和二年十月一日時点で六区十市となっております。
路線数では、一般のバス路線と同等の運賃を設定しているなどの対象路線九十七路線中、八十三路線でシルバーパスの利用が可能となっております。
○清水委員 次に、コミュニティバスへのシルバーパスの適用の可否、その基準はどうなっているのかお伺いします。
○花本高齢者施策推進部長 コミュニティバスは、区市町村が主体となって、交通手段の少ない地域の解消や公共施設などへの移動手段を確保するため、バス事業者との間で路線や運賃、運行経費補助等について協定を締結し、実施をしているものでございます。
シルバーパス事業は、東京都シルバーパス条例に基づき、実施主体である一般社団法人東京バス協会に対し都が補助を行い、利用を希望する方に対してシルバーパスを発行しているもので、利用対象交通機関は都営交通及び路線バスとなっております。
コミュニティバスのうち、一般のバス路線と同等の運賃を設定しているものについて、区市町村とバス事業者の協議が調った場合は、シルバーパスで乗車できるようになっております。
○清水委員 では、一般路線バスと同等の運賃が設定されているのにシルバーパスが使えない、そういう路線は幾つありますか。その理由についても教えてください。
○花本高齢者施策推進部長 一般のバス路線と同等の運賃を設定していてシルバーパスの利用対象とならないコミュニティバスの路線は、令和二年十月一日時点で十四路線ございます。これらの路線については、区市町村とバス事業者の協議が調った場合は、シルバーパスで乗車できることになります。
○清水委員 今、使えない理由については答弁がなかったんですけれども、それは分からないと。シルバーパスが使えるかどうかというのは、高齢者の移動する権利に関わるとても大事な問題であると思います。それが区市町村とバス事業者の協議次第、こういう曖昧な形で決まるというのは、本来のあるべき形ではないんじゃないでしょうか。
さて、日野市で新たなコミュニティバス路線にシルバーパスが適用されない、こういう事態が起ころうとしています。
今年七月、日野市の地域公共交通会議で、今年春、昨年度末から新年度にかけてのダイヤ改正で、事実上の廃止になった路線バスの代替交通についての協議が行われています。
この会議では、利用者がコロナ前の九割までしか戻らず、三年間耐え忍んできたが、バス会社も限界に来たと。加えて、運輸業界の担い手不足もあって、これまで一時間に一本走らせていた路線を週一便にする、事実上の路線廃止を決断せざるを得なかった、こういう経過説明があって、さらに沿線の住民からは、代替のコミュニティバスの運行を求める要望書が千五百六十名の署名を添えて提出されたことの報告がなされています。
この中で、東京バス協会の委員が、平成二十何年度ぐらいに東京都の中で答弁がされ、自治体から公費の負担があって自治体から依頼のあったもの、つまりコミュニティバスについては、シルバーパスは使えないようにしましょうということになりました、よって、それ以降に立ち上がった、発足したコミュニティバスについては、基本的に一切シルバーパスは使えないということになっていますという発言をしています。
コミュニティバスには使えないようにする、それ以降に立ち上がった、発足したコミュニティバスについては、基本的に一切シルバーパスは使えないことになっている、これは事実でしょうか。
○花本高齢者施策推進部長 お話の発言について東京バス協会に確認したところ、一般のバス路線と同等の運賃を設定しているものについて、区市町村とバス事業者等の協議が調った場合は、シルバーパスで乗車できるようになっているということを説明したものであると聞いております。
○清水委員 それでは、シルバーパスの対象については変更はなく、新規路線であっても対象になり得る、こういう理解でよろしいですか。
○花本高齢者施策推進部長 先ほどからご説明しているとおり、コミュニティバスのうち、一般のバス路線と同等の運賃を設定しているものについて、区市町村とバス事業者等の協議が調った場合は、シルバーパスで乗車できるようになっております。
○清水委員 とても大事な点なので、ぜひ正確にお答えをいただきたいんです。というのは、今のお答えだと、一律に使えないということがよいのか悪いのか、それが分からないんですね。
なので、もう一度お伺いしますが、シルバーパスの対象、その制度そのものについては変更はなくて、新規路線であっても、ちゃんと協議が調えば対象になり得る、こういう理解でよろしいですか。
○花本高齢者施策推進部長 重ねての答弁になりますが、コミュニティバスのうち、一般のバス路線と同等の運賃を設定しているものについて、区市町村とバス事業者等の協議が調った場合については、シルバーパスで乗車できるようになっているというものでございます。
○清水委員 つまり、今までも、シルバーパスの適用になる路線はどういうものかというふうに聞きますと、一般の路線バスと同等の運賃を設定しているものについて、区市町村とバス事業者の協議が調った場合、使うことができるというふうにお答えになっていますので、今も同じ答弁ということは、シルバーパスの対象について変更があったということではなくて、新規路線であっても、こういうものであれば、それに該当するものであれば対象になり得る、こういうことだというふうに思います。
協議が調った場合はシルバーパスで乗車ができるということなんですけれども、日野市の地域公共交通会議の会議録を見ると、委員の皆さんはそのようには理解をされていません。
地域公共交通会議の会長は、新規のコミュニティバスの路線にはシルバーパスは使えないということですねと念押しをしている場面があります。
また、代替を検討するミニバスでシルバーパスが使えないことを、先ほど要望を出したということを伝えましたけど、住民が出したといいましたが、シルバーパスが使えないことを要望を出した方々は承知しているのかという意見。さらに、シルバーパスを使えるが、都の補償金がない分を日野市が補充するということは厳しいという市の発言など、シルバーパスは使えないという前提で議論が進んでいます。されているんです。
先ほど、一般のバス路線と同等の運賃を設定しているものについて、区市町村とバス事業者などの協議が調った場合は、シルバーパスで乗車できるようになっていることを説明したもの、こういう答弁がありましたけれども、そうだとすると、この発言は全く異なる、全く逆の趣旨で伝わってしまっているということだと思います。
そのような前提で議論が進んでいて、日野市でどのようなことが起きようとしているかというと、先ほどお話ししたように、バス路線が事実上の廃止になってしまいましたが、この路線は当然シルバーパスが使えていたんです、大きな路線バスの方ですから。それが同じところを走るコミュニティバスでは使えない、こういうことになるわけですね。シルバーパスを持っている方から見れば、これは明らかな後退だというふうに思います。シルバーパスの目的にある高齢者の社会参加の助長にとってもマイナスです。
こうした事態を避けるためにも、新規のコミュニティバスの路線でもシルバーパスを適用することができる、このことを明確に述べていただきたいと思いますが、いかがですか。
○花本高齢者施策推進部長 先ほどご答弁したとおりでございます。
○清水委員 日野市では、従来から走っているコミュニティバスではシルバーパスが使えています。同じ日野市のコミュニティバスなのに、走り始めた時期によって扱いが違う、これは不合理です。シルバーパスは条例に基づいて運用されるべきものであって、条例にも、それに基づく規則にも、既存のコミュニティバス路線と新規のコミュニティバス路線を区別するような規定はありません。軌道修正できるよう、都として情報提供することを求めます。
シルバーパス制度については、これまで有料化を含め様々な議論が行われてきました。そうした議論の積み重ねの上に今の制度があります。
例えば、このシルバーパスの事業というのは、一般の補助事業のように実施要綱や補助要綱という、いわば内規によって定めるのではなくて、議会の議決に基づく条例と形式という形を維持して、事業を執行機関の一存で改変することのないような、そういう仕組みになっています。これを勝手に運用するというのは、議会の議決を軽視するとんでもないことだと思います。
そもそも、シルバーパスをコミュニティバスで使えるようにするということは、高齢者の社会参加を助長して、もって高齢者の福祉の向上を図るというシルバーパス制度の目的に大いに合致するものであって、路線バスと同等の運賃であることやバス事業者との協議が調うなどの条件をつけずに、全てに適用すべきであります。
今、路線バスの統廃合とそれを補うコミュニティバスの新設が求められていることや、その利用者は交通弱者である高齢者が多いことを踏まえれば、むしろコミュニティバスそのものにも積極的に適用していくべきです。
私たちだけではなくて、市長会も、一般の路線バスと同等の運賃を設定していないコミュニティバスについても、全てシルバーパスの通用区間とし、財政支援を講じることを求めています。都としてこうした要望に応えるべきだと思いますが、いかがですか。
○花本高齢者施策推進部長 一般のバス路線と比較して低廉な運賃が設定されている路線については、区市町村からの財政的支援により政策的な運賃決定がされているものであり、こうした路線は原則としてシルバーパスの対象となっておりません。
一方、コミュニティバスのうち、一般のバス路線と同等の運賃を設定しているものについて、区市町村とバス事業者の協議が調った場合は、シルバーパスでも乗車できるようになっております。
○清水委員 政策的な運賃設定をしていることと、シルバーパスの対象にしないことにどのような関係があるのか、説明になっていないと思います。
交通不便地域では、駅まで行かないと医療機関やスーパーがないというところが多くなっています。つまり生活が成り立たないんです。また、単身高齢者も増えていて、家族による送り迎え、代わりをしてもらう、こういうこともなかなかしづらくなっています。そういう中で、コミュニティバスは生活の足としてますます重要になっています。さらに、路線バスの統廃合が進み、コミュニティバスは、交通困難地域を解消する公共性の高い交通機関として一層の充実が求められています。
コミュニティバスの利用者の多くは高齢者です。シルバーパスが使える範囲が広がることは、高齢者の社会参加というシルバーパスの目的を後押しすることにつながります。都内の全てのコミュニティバス路線をシルバーパスの対象とすることを求めます。
また、シルバーパス事業はバス協会と都の協働事業であることを踏まえれば、その運用は、条例と施行規則にない制限をかけるべきではありません。日野市の地域公共交通会議の議論が軌道修正できるように、都として情報提供することを求め、私の質問を終わります。
○阿部委員 よろしくお願いします。
私からは、まず東京おこめクーポン事業についてお伺いをいたします。
昨年の第四回定例会で補正予算がついたこの事業は、物価高で困窮する世帯を支援するためのもので、都内の住民税非課税世帯に対して、一世帯当たりおよそ米二十五キロなどを配送するものです。
これらは、高齢一人暮らし世帯では——失礼いたしました。現物の送付は、事務費や送料などが課題になることや、転売の可能性などの問題も、私たちは指摘しておりましたけれども、一方で、緊急の困窮世帯に対する予算ということで、賛成もいたしました。
予算成立後に詳細が詰められ、実施をされてきたわけですが、改めて事業の詳細をお伺いいたします。
○中川生活福祉部長 東京おこめクーポン事業につきましては、生活困窮者等の生活を支援するため、ご自宅にお米をお配りするという事業でございます。
○阿部委員 東京おこめクーポン事業の予算額あるいは予算に占める事務手数料の割合、そして委託した事業者についてお伺いいたします。
○中川生活福祉部長 本事業の予算額は二百九十六億円でございまして、このうち、食品等調達経費は約二百四十八億円でございます。申込受付業務などの委託業務費と区市町村の事務経費合わせて約四十八億円でございまして、予算全体の約一六%でございます。
また、百万を超す対象世帯からの食品の申込みに対して、全国規模で安定的、定量的かつ柔軟に食品調達が可能であり、商品調達から配送まで手配する一連のネットワークを有する事業者として、全国農業協同組合連合会に委託して事業を実施しております。
○阿部委員 では、本事業の対象世帯数と申込世帯数、コース別発送内訳をお伺いいたします。
○中川生活福祉部長 本事業の対象は、令和四年度住民税非課税世帯及び家計急変世帯であり、約百五十八万世帯にクーポンを配布し、約百六万世帯から申込みがございました。
コースは、ウェブ限定のコースを含めて九コースを用意いたしまして、コース別の発送内訳は、お米二十五キログラムを二回で配送するコースが約二十六万件、お米二十五キログラムを三回で配送するコースが約二十九万件、お米十五キロとカット野菜のコースが約二十九万件、お米十五キロと緑茶のコースが約五万件、お米十五キロと果実飲料等のコースが約五万件、パックご飯と飲料のコースが約二万件、うどんと飲料のコースが約三万件、飲料のみのコースが約五万件、お米十五キロと東京都産野菜のコースが約三千件となってございます。
○阿部委員 百五十八万世帯を対象にクーポンを送って、申込みが百七万世帯、約三分の二から申込みがあったということです。
コースによって発送数に大きな違いがあることが分かります。実際に対象となった方からは、野菜が欲しかったけれども、クーポンが届いてすぐに電話で問合せをしたら、もう品切れといわれたとか、あるいは、炊飯器がないのでお米はもらっても使えないのに、希望していないお米が送られてきたというようなお声も聞いているところです。
必ずしも希望どおりのものが届かなかった、希望したコース以外を届けることになった背景と、希望コース以外の発送数をお伺いします。
○中川生活福祉部長 第一希望のコースを送付した世帯は約六十八万世帯で全体の約六四%、第二希望のコースを送付した世帯は約十五万世帯、約一四%、第三希望のコースを送付した世帯は約十五万世帯、約一四%であり、約九二%の世帯が当初希望したコースとなりました。
在庫の状況で、第三希望までのコースとならなかった世帯は約八%でございました。なお、これらの世帯に対しましては、コールセンターから架電し、その時点で発送可能なコースをご案内し対応いたしました。
○阿部委員 これ、単なる好みの問題であれば、違うものが届いても仕方ないかなというふうに感じるところもあるんですけれども、実際には、非課税世帯というのは多くが高齢世帯でもあり、なかなか食に関しては、お米がたくさん来ても困る、あるいはそれが使えないというような現実がある家庭も少なくありません。そうした中で、八%、コース以外のものが届いてしまったというのは、これは大変残念なことだなというふうに思っております。
コース別に上限数、あらかじめ決まっていたんでしょうか。
○中川生活福祉部長 対象世帯に滞りなく食品を配送するため、それぞれの食品を可能な限り確保することとしており、コース別の上限数という考えはございません。
○阿部委員 そのような考えはなかったということですが、なかなか実際には希望したものが申し込めなかったということで、先ほども少し話がありました転売というようなことも起きたわけですけれども、それは決して、悪意というよりも、届いてしまったものを無駄にするのはもったいないからというようなことも実はあったのではないかなというふうに思います。とすると、虫を湧かせるよりはお金に換えた方が、困窮世帯であるほど、ひょっとするとそういうのもありなのかなというふうに私は捉えております。
こうしたことも含めて、都としては利用者からの声をどのように把握しているのかお伺いします。
○中川生活福祉部長 コールセンターへの問合せの大半は、申込書の記入方法や食品がいつ届くかといった内容でございました。事業開始後は、いつ頃クーポンが届くのか、本当に無料で送ってもらえるのかといった問合せがございました。また、商品が届き始めてからは、家計が苦しいので助かったという声も寄せられました。
○阿部委員 ありがとうございます。
それを踏まえて、この事業の検証、特に現物給付に関わる事業の評価というのをどのように行っているのか、あるいは行っていくのか、教えてください。
○中川生活福祉部長 この事業は、食品を配ることで、物価高の影響を特に受けやすい低所得者世帯の生活の安定を図るとともに、買物に係る負担を軽減するものであり、多くの方にご利用いただいたと考えてございます。
○阿部委員 今のご答弁ですと、確かにこの事業、プラスの面もあると思います。まだこの事業は、五年度に大半を繰り越していますから、全体の事業費が確定したものではありません。ただ、トータル二百億円という膨大な税金を投入しておりますので、よかったという人が一人もいないはずはないんですよね。むしろ、それだけの税金をより効率的に実施することができたのかどうか、その対象や手法に過不足がなかったのか、よりよい制度設計ができなかったのか、そうしたことはぜひシビアに見ていただきたいと思います。
先ほども申し上げたように、非課税世帯の八割は、六十歳以上のいわゆるリタイア世帯ですから、イコール困窮家庭というわけではありません。一方で、非課税世帯であっても、お子さんがたくさんいるですとか、あるいは家賃負担や、あるいはローンや、借金ですね、そうしたもので大変困窮している家庭もあります。
生活保護以外の困窮世帯をどのように見つけて、どのように支援するかというのは、確かに福祉の中では大変難しい問題だとは思いますけれども、難しいから非課税世帯対象にですとか、あるいは現物を送って、ミスマッチがある程度あっても仕方ないということではなくて、ぜひ、雑といったら申し訳ないんですけれども、税金を使うという上では、今後も困窮者対策というのはそれぞれ必要になってくると思いますので、より精密な制度設計をしていただきたい。そのための検証もぜひしていただきたいと思います。これはお願いです。
少し順番を変えて質問しますけれども、一方で、東京都は、コロナ禍において居所を失った不安定就労者や離職者へのビジネスホテルの提供を行いました。この対応は現実のニーズに沿ったものとして高く評価をしております。
事業の概要と実績、そして現在の対応についてもお伺いいたします。TOKYOチャレンジネットについてです。
○中川生活福祉部長 都は、TOKYOチャレンジネットにおいて、住まいを失った方への生活、居住、就労等に関する総合的な支援を行っております。
アパートなどの一時利用住宅に移行するまでの間、緊急的な宿泊場所が必要な方に対しましては、この事業でビジネスホテルを提供してございます。令和四年度の実績につきましては、約千名の方が利用いたしました。
○阿部委員 この制度によって助かったというようなお声も多くいただいております。
一方で、このTOKYOチャレンジネット、令和四年の予算は約三十億円に対して、執行率が三九%と低い執行率になっています。この背景、理由をお伺いいたします。
○中川生活福祉部長 本事業は、新型コロナや物価上昇等の影響により仕事や住まいを失う方を確実に支援するために予算を確保し、必要な取組を行ってまいりました。
○阿部委員 ありがとうございます。
今も継続していて、減ったのは、必要なものを提供したということなんですが、ただ、支援に当たっている方々からは、コロナが一つ落ち着いた後、やはりこのビジネスホテルを使った居所の提供、一時的な提供というのは、非常にハードルが高くなったと。それによってアパートへの転宅等の次の施策につなげることがとても難しくなったというようなお声も聞いているところです。一方では、お米を配るのに二百億円以上かけているわけです。
この事業についても、ぜひ間口を広げて柔軟に今後も使っていただきたいというふうに、これは要望をさせていただきます。
それから、引き続き困窮世帯対策についてお伺いします。
コロナ禍では、収入が激減したり途絶えた世帯も多く、生活福祉資金の特例貸付が実施をされました。
コロナ禍での生活福祉資金の現状について、都内の貸付け、償還、免除の状況についてお伺いをいたします。
○中川生活福祉部長 生活福祉資金の貸付けは東京都社会福祉協議会で実施しており、コロナ禍における収入減少に対応するため、国通知に基づき、令和二年三月から令和四年九月までの間、対象者等を拡大して特例貸付を実施いたしました。
特例貸付の貸付実績は約六十六万件、約二千五百四十四億円でございます。
また、特例貸付の償還につきましては、令和五年一月から順次開始されておりまして、現在、約四十三万件、約千三百九十八億円が償還対象となってございます。このうち、償還免除の決定は、令和五年三月末現在で約十五万件、約五百十二億円でございます。
○阿部委員 これもコロナ禍の中では非常に迅速に行われて、かつ大量に行われて、償還については逆に大変心配もしていたんですけれども、現在のところで十五万件、償還免除が決まっているということです。また、今後始まるものについても、今、免除の申請受付ということで、これはぜひ広報していただきたいと、より多くの方々にご相談していただきたいと思っております。
ただ一方で——失礼しました。償還免除の決定を行った十五万件、この免除要件の内訳についても教えてください。
○中川生活福祉部長 特例貸付の償還免除の決定を行った約十五万件の免除要件別の内訳は、住民税非課税を理由とするものが約十四万件、生活保護の受給を理由とするものが約二千件、死亡や自己破産等を理由とするものが約八千件でございます。
○阿部委員 ありがとうございます。
償還免除もかなり行われているわけですが、償還が免除されないものの償還が困難になった方、あるいは償還し始めたけれども困難になった方、そうした方々への対応を伺います。
○中川生活福祉部長 償還が困難な方から相談があった場合には、東京都社会福祉協議会等において、個々の状況に応じて償還猶予等の手続を案内するとともに、必要に応じて区市の相談支援の窓口等につないでおります。
○阿部委員 ぜひこのところも、ここも丁寧にやっていただければと思います。
受験生チャレンジ支援貸付事業についてもお伺いします。
令和四年度の貸付実績と、それから、それらの方々のうち償還免除になった件数、それから償還が必要となった件数をお伺いします。
○中川生活福祉部長 受験生チャレンジ支援貸付事業は、令和四年度から、貸付対象となる収入要件を生活保護基準の一・一倍から一・五倍に引き上げるとともに、連帯保証人を廃止するなどの見直しを行いました。
見直し内容は広く周知しており、令和四年度の貸付件数は約一万一千三百件、前年に比べ一・五倍となりました。
また、償還免除は、高校や大学等への進学を理由とするものが約一万八百件、体調不良等で受験できなかったことなどの個別の理由によるものが約三百四十件であり、免除率は九九%となってございます。
これらの要件に該当せず、償還が必要となった件数は約九十件でございます。
○阿部委員 ありがとうございます。
免除率が九九%ということで、ほとんどの方は免除されているということです。進学が償還免除の要件とはいえ、相応の理由があれば免除が認められて、ほぼ全てのケースで認められたというふうに受け止めました。
この事業の執行率は三六%と、まだまだ利用の余地は大きいというふうに思っております。真面目な方ほど、貸付けというと、ちょっと二の足を踏んでしまうところがあるかもしれないんですけれども、ぜひ安心して申し込んでいただく、利用していただけるよう、さらなるPRに努めていただきたいと思います。
次に、障害者のグループホームについて伺います。
障害者のグループホームの、まずは整備状況、現在の進捗状況についてお伺いしたいと思います。
○鈴木障害者施策推進部長 都は、障害者・障害児地域生活支援三か年プランにおきまして、グループホームの定員を令和三年度から五年度までの三年間で二千五百人分増やす目標を掲げております。
令和三年度と四年度の二年間で二千百七十五人分の定員増となっており、令和四年度末時点の定員は一万四千五十一人分となっております。
○阿部委員 グループホームの数自体は、整備が進んでいると受け止めました。
ただ、医療的なケアが必要であったり重度重複、そしてまた強度行動障害などの重い障害者が入れるグループホームがまだまだ見つからないというお声を地域の方から伺っております。
重度の方を受け入れるグループホームを増やしていく必要があると考えておりますが、そのための都における支援の内容と、過去三年間の実績をお伺いいたします。
○鈴木障害者施策推進部長 都は、身体や行動の特性上、特別な支援を必要とする重度の障害者を受け入れるため、国で定める基準以上に職員を手厚く配置する事業者に対し、日常生活を送る単位であるユニットごとに補助を行っております。
過去三年間の補助実績は、令和二年度が百八十六ユニット、三年度が百九十五ユニット、四年度が二百十八ユニットとなってございます。
○阿部委員 都として一定の支援を行っているということは分かりましたけれども、数としては微増にとどまっている状況です。
グループホームは、親亡き後も地域で暮らしていける生活の基盤です。次期障害者・障害児地域生活支援三か年プランなどの機会を捉えて、区市町村とも連携を取りながら、地域ごとのニーズを踏まえ、具体的な数値目標を立てるなどして、整備を促進するよう求めていきたいと思います。
次に、介護サービス事業所についてお伺いします。
先ほど介護人材の不足という質疑もありました。この介護人材が、介護サービス事業所並びに障害福祉サービス等事業所、こうしたものが、廃業に関する報道が相次いでおりますが、その背景の一つに、介護人材、福祉人材が足りない、人材が確保できないために事業所が継続できないというような話も聞いております。
まずは、そうした事業所の休廃業数の推移について、過去三年間伺いたいと思います。
○花本高齢者施策推進部長 都が指定を行っている介護サービス事業所の休廃止件数は、令和二年度が四百九十七件、令和三年度が三百五十九件、四年度が四百四十六件となっております。
○鈴木障害者施策推進部長 同じく都が指定を行っております障害福祉サービス等事業所の休廃止件数は、令和二年度が四百二十四件、三年度が三百四十三件、四年度が四百四十二件となっております。
○阿部委員 一定数がある一方で、これはただ廃止するだけではなくて、事業譲渡という形でサービスを提供するということも実際にはかなり行われております。
こうした事業の廃止に当たって、事業譲渡するケースにおいて、この手続の中で、事業所の廃止と新規指定の間に空白の期間が生じると利用者の行き場を失ってしまうことになってしまいます。
そのような状況にならないよう、介護サービス事業者あるいは障害福祉サービスにおいて、それぞれどのような対応をしているか確認したいと思います。
○花本高齢者施策推進部長 介護保険法では、事業者が事業所を廃止しようとするときは、サービスの提供を希望する者に対し、必要なサービスが継続的に提供されるよう、他の事業所などとの連絡調整その他の便宜の提供を行わなければならないとされております。
このため、都は、廃止届や譲渡先の法人からの指定申請の受付に当たっては、空白期間が発生して利用者が不利益を被ることがないよう指導しており、令和二年度、三年度、四年度に事業譲渡等により運営法人の変更が生じた案件について、利用者が行き場を失ってしまうような状況は生じておりません。
○鈴木障害者施策推進部長 障害者総合支援法等におきましても、事業者が事業所を廃止しようとするときは、必要なサービスが継続的に提供されるよう、他の事業者等との連絡調整その他の便宜の提供を行わなければならないとされております。
障害福祉サービス等事業所についても、空白期間が生じないよう指導しておりまして、令和二年度から四年度まで、そのような状況は生じておりません。
○阿部委員 ご答弁ありがとうございます。
窓口も含めて、誤解のないように、遅滞なく進めていただければと、今後とも進めていただければと思います。
次に、児童相談所についてお伺いしますが、児童相談所については、先ほどかなり詳細な質疑がありましたので、その質疑については割愛をしていきたいと思いますが、ただ一点、区児相についての関係、開設が続く区児相、私の地元であります品川区も来年開設の予定となっておりますけれども、人材の育成あるいは情報の共有、そしてフォスタリング機能の充実、アドボケートあるいは虐待予防。自治体の方は、子育て支援ですとか、様々な予防に関わる団体あるいは機能というものも持っておりますし、一方で都の児相の方は、これまで築いてきた様々な人材の蓄積あるいは経験の蓄積というものがあります。そうしたものをしっかり連携させて、ただ一緒に会議をしたということだけではない、様々な有機的な関連をぜひ保ち続けていただければと思います。
その上で、一時保護所についてお伺いしたいと思います。
先日、会派でも一時保護所、民間委託のものも含めて三か所ほど視察をしてまいりました。一時保護を必要とする子供が多く、そして、都の一時保護所は定員超過が常態化しております。また、施設の老朽化も進んでいます。
都の保護所の定員の現状と、それから課題に対する取組状況について確認をさせてください。
○西尾子供・子育て支援部長 現在、都直営の一時保護所の定員は二百五十名でございます。
このほか、今年度は、児童福祉分野の知識や経験を有する民間事業者に委託し、都立施設や民間の物件を活用して、保護児童三十一名分の受皿を確保しております。
また、今後、立川児童相談所跡地での一時保護所の開設を予定しておりまして、現在準備を進めております。
○阿部委員 一時保護所も定員超過という状況とともに、やはり人材不足あるいはスタッフ不足ということが大変深刻になっていると思います。厳しい労働環境でもあると思いますので、ぜひ人材確保のための様々な施策を進めていただければと思います。
連携型専門ケア機能モデル事業についてもお伺いします。
東京都には児童心理治療施設が一か所もありません。専門機能強化型の児童養護施設では、心理職の配置も含め、代替になっているとまではいい難いのではないかと捉えております。
東京都では、児童福祉審議会の提言を受け、石神井学園内に、すてっぷを設けておりますが、その職員体制と入所実績をお伺いいたします。
○西尾子供・子育て支援部長 都は平成二十七年度から、虐待などにより、重い情緒障害、行動上の問題を抱える児童に対しまして、生活、医療、教育の部門が連携して一体的に支援を行う連携型専門ケア機能モデル事業、通称すてっぷを石神井学園内において実施しております。
職員体制につきましては、生活支援部門に福祉職を九名、心理職を二名配置、医療部門に非常勤精神科医師を一名配置しております。
また、教育部門として練馬区が特別支援学級を設置しております。平成二十七年度から令和四年度までに二十九名が入所し、二十五名が退所いたしました。
○阿部委員 すてっぷは、東京都児童福祉審議会の提言を受け、新たな治療的ケア施設の基本構想の検討を経て、そして二〇一五年に連携型専門ケア機能モデル事業として開設をされました。
モデル事業のまま八年たって、そして本格実施に向けた検討が行われているのかどうかお伺いいたします。
○西尾子供・子育て支援部長 都は、石神井学園のほか、学校や児童相談所などの事業関係者で構成いたします検証委員会を設置し、事業の運営状況や課題等を整理した上で、今後の展開を検討しております。
○阿部委員 検証委員会を設置して検討していただいているというのは、大変いいことだと思うのですが、この検証委員会は、あくまでもこのすてっぷの事業として、モデル事業としての検討の段階かなというふうに思っております。
そもそも児童福祉審議会の中で提言をされた新たな治療施設として、東京都としてどのように展開していくのか、また、こうした極めて専門性の高い施設を東京都としてどのような形で構想し、あるいは横に広げていくのか、そうしたことはやはり待ったなしの課題だと思っております。この検証委員会の後に、ぜひ今度は、新たな治療的ケア施設の名に値するといいますか、東京都としてどのような施策を展開していくのかということを続けて検討していただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
最後に、保育園の質の確保についてお伺いをしたいと思います。
保育園、長らく待機児童問題が重くのしかかっている中で、数を増やしていくのか、それとも質なのかという議論の中で、非常にそのせめぎ合いの中で、まずは待機児童対策だということで数をどんどん増やしてきたという、過去十年、十数年間の歴史があったかなというふうに思います。その中でようやく待機児童解消も見えてきました。
過去三年間の四月一日現在の待機児童数と認可定員数、そして空き定員数をまずは確認したいと思います。
○新倉子供・子育て施策推進担当部長 まず、待機児童数でございますが、令和三年四月が九百六十九人、四年四月が三百人、五年四月が二百八十六人でございます。
次に、認可保育所の認可定員でございますが、令和三年四月が三十一万三千三百六十四人、四年四月が三十一万九千五百十人、五年四月が三十二万八百七十人でございます。
次に、認可定員から利用児童数を差し引きました認可保育所の空き定員でございますけれども、令和三年四月が二万五千四百二十七人、四年四月が三万四百三十四人、五年四月が三万二千八百人でございます。
○阿部委員 待機児童、なかなかゼロというのは難しいかなというふうに思います。やはりどこでもいいというわけでもないですし、距離あるいは様々な条件の中で選ばれていくものですので、そのこともあって、これだけの空きがあっても、まだまだ待機児童ゼロというわけにはいかないのかなと思います。
ただ一方で、今お話がありましたように、認可保育所だけで空き定員が三万二千八百人、これは保育所の経営にとっても、なかなかしんどい状況ではないかと思います。
ただ、そのために、また何とかして子供を入れていくというよりも、ここでようやく質の議論ができるタイミングに来たのではないか。その意味からは、保育人材に対する、これまでずっと給料が低いといわれていた保育士さんたちにどのように報いていくのか、そしてまた質の向上をどのように図っていくのかというのが、新たなステージとしての大きな課題になるのではないかと思います。
東京都は、保育士が適切に処遇されているかどうか、これを確認する上でも、保育所における人件費率を把握し、公表すべきと考えますが、都の取組についてお伺いをいたします。
○新倉子供・子育て施策推進担当部長 都は、独自に実施しております保育士等キャリアアップ補助におきまして、事業者に対し、職責や職務内容等に応じた賃金体系などの届出や賃金改善の実績などの提出を求めております。
また、施設運営の透明性を確保するため、保育所における人件費率の割合を含めた財務情報の公表などを補助の条件としておりまして、施設ごとの情報を、とうきょう福祉ナビゲーションにおいて公表しております。
○阿部委員 こうした取組は、人件費比率の問題を長く考えてきた保育園あるいは保育問題に関する研究者等々が求めてきたもので、これを東京都が実際に今行っているというのは、大変評価すべきことだと思っております。
都内認可保育所、過去三年間の事故報告の件数についてもお伺いをいたします。
○新倉子供・子育て施策推進担当部長 保育所等における重大事故につきましては、国に報告することとされておりまして、その対象は、死亡事故及び治療に要する期間が三十日以上の負傷や疾病を伴う重篤な事故等となってございます。
国に報告いたしました認可保育所の事故報告件数は、令和二年が百三十八件、令和三年が百九十一件、令和四年が二百四十六件でございます。
○阿部委員 ご答弁にもありましたように、この三年間だけを見ても、認可保育所だけでも重篤な事故の件数が、百三十八、百九十一、そして二百四十六と、大幅に増えてきている状況があります。
その背景はいろいろあるでしょうから、ここはしっかりと精査をしていく必要もあるとは思いますけれども、やはり保育所の保育の質あるいは安全を守り、育ちを守っていくという意味では、これからようやく保育の質をさらに向上させていく局面に入っている。それは先ほど申し上げたとおりですけれども、その中で、保育士さんの人材育成、あるいは、何ていったらいいんですかね、研修の機会をさらに増やしていく、あるいはこれまで様々な規制緩和をしてきた、それをもう一回戻していく、あるいはその基準をより高いものにしていく、そうしたことも含めて、子供たちの人生のスタートライン、しっかりと質を守って育てていくという方向で検討をしていただければと思います。
私からの質問は以上です。
○入江委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
午後三時三十六分休憩
午後三時五十四分開議
○入江委員長 休憩前に引き続き分科会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○龍円委員 都民ファーストの会の龍円あいりです。
私は、スペシャルニーズ、障害のある子もない子も、誰もが自分らしく輝きながら参加しているという実感が持てるインクルーシブの社会を目指しております。去年に引き続き、今年も決算特別委員会での質疑をさせていただきます。
さて、東京にどのくらいスペシャルニーズ、障害のある方がいらっしゃるのか把握するのは簡単ではないと思うんですけれども、障害者手帳を保有する人の数は、ある程度の目安になるかと思います。
そこで、令和四年度末における身体障害者手帳、知的障害者向けの愛の手帳、精神障害者保健福祉手帳の交付数をそれぞれお伺いいたします。
○鈴木障害者施策推進部長 障害者手帳の令和四年度末の交付数でございますが、身体障害者手帳は四十八万六千百四十二件、愛の手帳は十万九百七件、精神障害者保健福祉手帳は十五万一千六百三件となっております。
○龍円委員 ありがとうございます。
三つの手帳の交付総数が七十三万八千六百五十二件ということになります。東京都の令和四年三月時点の人口が千三百九十七万人なんですね。スペシャルニーズがあっても手帳を持っていない方もいらっしゃると思いますし、年代によっても保有する人の割合は違うかもしれませんので、あくまでも目安でしかないとは思いますけれども、東京都の人口に対して、手帳発行件数は約五・二%ということになると思いますので、およそ二十人に一人ということで、少なくない数だというふうに思います。
さて、私の息子はダウン症があり、それによる知的な発達の遅れがあることから、愛の手帳を保有しております。愛の手帳があることで、民間での入場料とか利用料の割引をいただけるということなんですけれども、最も大きいのは、公的な支援につながることができるということだと思っております。
ただ、公的な支援につながりたくても、どんな支援がそもそもあるのかが分からない問題というのがあるんですね。手帳を交付しているのは東京都なんですけれども、公的な支援は区市町村が窓口になっているんですね。これがその大きな原因になっていると思います。
これが利用者からすると非常に分かりにくくて混乱するんです。私は都議会議員なので、手帳を取得するために行った児童相談センター、これは東京都の施設で、手帳の発行元は東京都だということとか、一方で支援の主体は区市町村だから、手帳を取得したら、また区市町村の窓口に相談に行く必要があるというのは、私なら分かるんですけれども、手帳を取得した際にはそういう説明はいただけなくて、後日、この愛の手帳が郵送で届いたところで、一般の方だと、あれ、これ次どうしたらいいのってなってしまうと思うんですね。
児童発達支援事業みたいに本当の必要なものは、手帳とは関係なく利用できていますので、この手帳があるとどうなるんだっけみたいなところがよく分からないんです。区市町村の役所までわざわざ行って相談すると、こういう支援があるよというふうに教えていただけるんですが、それでも、これに困っているんですというふうに相談して、ようやく愛の手帳とひもづいた支援というのを教えてもらえたりする感じなんです。
なので、もはや一番の情報源が口コミになっていまして、私も手帳を取得してから五年ぐらいたったところで、友人から、渋谷区ではおむつの支援があるんだよというふうに教えてもらって、それがようやくおむつが外れたところだったので、もっと早く知りたかったなと思ったこともありました。
障害者手帳の取得と情報提供、そして支援の提供というか、連携されていないというのが課題かなと思います。
今や社会の多くのサービスが通知されることが多くなりました。行政サービスも通知してくれることが増えてまいりました。また、民間に目を移すと、ミライロIDのように、手帳をアプリにするサービスも登場していて、様々なサービスを通知で教えていただけます。こういう機関と連携する、または違う方法でもいいんですけれども、障害者手帳の取得から情報提供、そして支援の提供までをシームレスにするような工夫を今後考えていく必要があるのではないかなというふうに思います。
では、現在ある体制の中で何ができるのかと考えますと、相談支援があるかと思います。相談を通じてどんなサービスや支援があるかを知ることができますし、それらにつながることができるので重要です。
そこで、区市町村における相談支援の充実に向けた都の支援について、実績をお伺いします。
○鈴木障害者施策推進部長 区市町村は、障害のある方の福祉に関する様々な問題について、障害のある方等からの相談に応じ、必要な情報の提供や情報福祉サービスの利用支援等を行っております。
都は、区市町村の相談支援機能の強化を図るため、地域生活支援事業において、基幹相談支援センターに主任相談支援専門員や社会福祉士の配置等を行う区市町村に支援を行っており、令和四年度の実績は三十六自治体でございます。
○龍円委員 相談支援の強化を図るために区市町村の支援を行っていて、昨年度は三十六自治体で利用があったということでした。
さて、繰り返しになりますけれども、日本の政府や行政は通知をしてくださらないので、実はこの相談支援体制があることを知っているスペシャルニーズのある方や家族も少ないというのが現実です。
どんな支援があるのか教えてもらいたい。実はそれを教えてくれる相談機関がある。でも、その相談機関があることを誰も教えてくれない。だから相談できないということがあるんですね。せめて、この手帳を取得する際に、手帳が届いたら区市町村の窓口に行ってくださいね、相談支援、利用してみてくださいねとお勧めしていただけると、それだけでも違うと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
さて、手帳の存在意義についてしばらく考えてまいりました。公的な支援に結びつくことができる割には、取得してもしなくてもいいよ、就学前に一回または中学校になるときに一回更新できるといいですよねという感じで、ふんわりとお伝えいただくので、受け手としては、ゆるっとした制度だなというふうに感じております。
この都議会の質疑では、私の子供が生まれたアメリカの事例をよく紹介させていただいていますが、アメリカにはこの手帳というものは存在しませんでした。法律によってがちっと固められた制度によって運用されていました。
子供の場合は成長していくので、赤ちゃんのうちは半年に一回、そして幼児期は一年に一回、発達検査を受けることが定められていました。
発達検査もかなり細かく分かれていまして、こちらに、私の息子の二歳のときのスペシャルニーズのある子供と家族の個別支援計画というのがあるんですけれども、(資料を示す)それを見ると、身体的な運動に関する検査、手指を使った動作の検査、言語の理解度の検査、言語の表出の検査、それから社会性の検査、そして自身のことをできる検査というふうに、六つの分野の検査が行われていて、その結果がこの中に記されています。それぞれの検査に大体三十分ぐらいかけて行われておりました。
この検査結果を受けて、次の半年から一年、どのようなことを目標にするかというのが、ここにさらに具体的に書かれています。
息子の二歳のときの目標を今見返してみたんですけれども、運動分野だと、哺乳瓶を自分で持てるようになる、離乳食を食べられるようになる、はいはいができるようになる、物につかまって立てるようになる、自分の手で食べ物を口に持っていけるようになる、ストローを使って飲めるようになる、そして床の上を動き回れるようになるというふうになっています。
言語分野だと、ママ、パパと呼べるようになる、それから言語の音をまねるようになる、音が来る方を見られるようになる、手話で二語分を使えるようになる、おおといいながらジェスチャーができるようになるといった具体的な目標が定められています。
そして、その上で、この目標を達成するための具体的な公的な支援メニューがこの計画の中に組み込まれています。その結果、週一回のOT、PT、ST、グループ療育、自宅への訪問リハ、そして将来行く学校に隔週で通って授業を受ける練習というのが、この支援が受けられておりました。
これが法律で定められていたので、発達検査、目標設定、公的な支援がシームレスに明確にされていました。これは支援を受けるために絶対に必要なプロセスだったので、相談を受けられるのを知らなかったとか、そんな支援あるのというようなことが絶対起きない仕組みになっていました。全て向こう側からやってくるので、気がついたら支援の輪の中にいて、安心して子育てすることができていました。
スペシャルニーズのあるお子さんを育てている親には、特に子供が小さいうちは、日々のことがあまりに大変で、行政窓口に、ひょっとして何か支援ありますかと聞きに行くことに難しさがあります。
アメリカから帰国したときは、最初はあまりに情報がなさ過ぎで、何もない砂漠に置き捨てられたような気持ちになりました。ただ、しばらくして、支援がないわけではないということが分かったんですけれども、結局、どこにどんな支援があるかは自分で探して、どんな支援に巡り会えるかは運次第みたいな感じが今でもあります。
今後、もう少しこの検査、手帳、相談、支援というのがシームレスになり、通知型で発信されるようになることを考えていただきたいと思います。
さて、私はこれまで、スペシャルニーズ、障害のある子の親が就労を継続できることも、とても重要だと訴えてまいりました。小池都知事は、女性の選択肢を増やすとして、出産や育児をしても就労が継続できる施策を打ち出してきたと理解しています。
それを受けて、福祉保健局の多大なるご尽力の下、保育の待機児童数は、二〇一七年八千五百八十六人いたのが、二〇二三年には二百八十六人になって、待機児童は九七%減少し、多くの自治体では待機児童ゼロになりました。これは、東京都の歴史に残るすばらしい功績になったのではないかなと思っています。
ただ、こういった施策の効果というものが数字にもなって見えるようになってきたと思っています。
福祉局が実施した東京の子供と家庭、令和四年度東京都福祉保健基礎調査を拝見すると、子供のいる家庭の母親の就業の割合というのが七五%というふうになっています。そして、働く母親のうち正規の職員、従業員は四八%となっていて、前回の平成二十九年に比べて五・七ポイント増加しました。逆に、パート、アルバイトは三〇%で、五・四ポイント減少したということであります。
そして、世帯収入で比較してみても大きな変化はありました。八百万円以上の世帯が、平成二十九年は三五・五%だったものが、令和四年には五〇・二%になりました。ここからひとり親家庭を除いた両親世帯だけで見ると、何と五六・六%となっています。東京都の政策が家庭への支援につながっているのを感じられる数字だと思います。
東京都において、保育所の整備が進むまでの間、待機児童対策において重要な役割を担ってきたのがベビーシッター利用支援事業です。平成三十年度から、待機児童や育児休業から復帰する際に、お子さんが保育所に入所できるようになるまでの間、または夜間の保育を利用する保護者が、都の認定を受けた認可外のベビーシッター事業者の利用料の一部を助成するというものであります。
待機児童などを対象とするこのベビーシッター利用支援事業について、過去三年間の実績についてお伺いいたします。
○新倉子供・子育て施策推進担当部長 待機児童などを対象とするベビーシッター利用支援事業の実績は、令和二年度が十九区市二百九十七人、三年度が十九区市二百九十八人、四年度が二十区市三百十二人となってございます。
○龍円委員 ほぼ横ばいだということが分かりました。これは一定のニーズがあるということが分かるかと思います。育業を取得しやすくされるためにも、今後もこの事業の継続というのが重要かと思います。
ベビーシッター利用支援事業においては、日常生活の突発的な事情によって、一時的に保育が必要となった場合に利用できる一時預かり利用支援もあります。こちらも好評をいただいているというふうに伺っておりますが、過去三年の実績についてお伺いします。
また、昨年度から、小学校三年生にまで対象を拡大していますが、自治体の活用状況についてお伺いいたします。
○新倉子供・子育て施策推進担当部長 ベビーシッター利用支援事業の一時預かり利用支援の実績は、令和二年度が二区市四十四人、三年度が九区市千二百七十三人、四年度が十五区市六千三百二人となってございます。
また、四年度の十五区市のうち、二区市が学童クラブの待機児童対策として本事業を活用しております。
○龍円委員 三年前は四十四人だったものが、あっという間に六千三百人まで伸びたということで、まさにニーズに合った事業であるというふうに感じております。
そんな中で、スペシャルニーズ、障害のあるお子さんのいる家庭はどうなっているのかを伺っていきます。
私が六年前に都議会議員になった当初は、スペシャルニーズのある子の親から保育に関して伺ったのは、自治体によっては障害児枠というのが設けられていて、その障害児枠のある保育所のみで、しかもその障害児枠が埋まってしまうと、たとえ点数的には保育を受けられるはずであっても、断られるということがあるという自治体ですとか、健常児でさえ待機児童が大勢いる、障害児については健常児の待機児童が解消されてから取り組んでいくという対応をしている自治体があるというふうに聞いていました。
これらの対応はひどいなというふうに眉をしかめていましたが、待機児童が深刻であったことは事実で、致し方ない部分もあると考えていました。一方で、スペシャルニーズのあるお子さん一人一人に加配をつけて、制限を設けないように努めている自治体もありまして、自治体間の温度差もあるというふうに感じていたところでありました。
東京都において、待機児童がほぼ解消されつつある中で、保育所によっては空き定員が出ることも新たな課題になってきています。スペシャルニーズのある子たちが保育を受けられることをこの中で確実に推進していくことは重要です。
そこで、まず保育所、認定こども園における過去三年のスペシャルニーズのある障害児の受入れをした施設の数と受入れ人数についてお伺いいたします。
○新倉子供・子育て施策推進担当部長 障害児を受け入れている保育所及び認定こども園の施設数は、令和元年度が二千百九十八か所、二年度が二千三百八十四か所、三年度が二千五百六十七か所となってございます。
受入れ児童数は、令和元年度が六千六百二十二人、二年度が七千百七十人、三年度が八千百二十一人となってございます。
○龍円委員 そして、都では、スペシャルニーズ、障害のあるお子さんの受入れを促進するために、保育サービス推進事業というのをやっていますけれども、事業者をこれで支援しているということですが、補助内容と過去三年の補助実績についてお伺いいたします。
○新倉子供・子育て施策推進担当部長 保育サービスの充実に向けた取組を支援する保育サービス推進事業では、認可保育所、認定こども園などを対象に、障害児を受け入れた際の加算を設けてございます。
加算額は、児童一人当たり月額で、愛の手帳一度、二度相当の児童等が四万五千円、その他の知的障害児等が三万八千円、その他の身体障害児が三万一千円となってございます。
対象児童の延べ人数は、令和二年度が四万二千四十六人、三年度が四万六千三百十六人、四年度が五万四千八百九十九人でございます。
○龍円委員 東京都の保育の利用児童数が、令和四年は三十二万三千八百七十九人と発表されていました。今の答弁で、障害児加算の対象児童が五万四千八百九十九人だったということなので、一六%のお子さんが対象になっているということが分かります。これ、かなり手厚い支援を東京都がしている実態が見えてきました。保育におけるスペシャルニーズ対応、かなり進んできているということを感じております。
ただ、医療的ケア児となると、保育を受けるに当たっても看護師の配置が必要だったりと、課題がまだまだ残っています。
保育所、認定こども園における実績がまとまっている過去三年の医療的ケア児の受入れ施設数、受入れ人数についてお伺いいたします。
○新倉子供・子育て施策推進担当部長 医療的ケア児を受け入れている保育所及び認定こども園の施設数は、令和元年度が四十九か所、二年度が六十二か所、三年度が七十二か所でございます。
受入れ児童数は、令和元年度が六十三人、二年度が七十六人、三年度が九十三人となってございます。
○龍円委員 東京都は、都内の医療的ケア児は全体で約二千人というふうに推計していまして、そのうち保育を必要としているお子さんの数は不明ですけれども、かなりのお子さんが保育につながってきているのかなというのが見えてまいりました。今後、医療的ケア児の受入れがさらに確実に進むことが必要だと思います。
医療的ケア児保育支援事業の令和四年度の補助実績と今年度の対応についてお伺いいたします。
○新倉子供・子育て施策推進担当部長 都は、医療的ケア児の受入れ体制を整備するため、保育所が看護師等を配置する経費や、区市町村が医療的ケア児の受入れについて検討する関係者会議を設置する経費などを補助してございます。
令和四年度は、この事業を活用し二十八区市五十四施設におきまして、六十七人の児童を受け入れてございます。
今年度からは、補助対象となる看護師等の上限人数を医療的ケア児の受入れ人数等に応じて拡充するほか、区市町村が保育所に看護師等を派遣し、医療的ケア児の受入れをサポートする取組も支援してございます。
今後とも、保育所における医療的ケア児の受入れが進むよう、区市町村を支援してまいります。
○龍円委員 保育所における医療的ケア児の支援を今年度もさらに手厚くしているということでありました。
医療的ケア児にとっての受皿になってきたフローレンスに聞いてみますと、令和五年度は、障害児訪問保育アニーに利用申請があったお子さんのうち、何と六人が保育所への入園が決定したということで、辞退があったということでありました。確実に東京都の保育は変わりつつあることが見えてまいりました。
さて、保育の待機児童問題が解消される中で、次は小一の壁が課題となってまいります。
特に、スペシャルニーズのあるお子さんがいるご家庭にとって、小一の壁は、まるで断崖絶壁のようだというふうに、これまでの質疑を通じて訴えてまいりました。去年の決算特別委員会でも質疑をしたところであります。
スペシャルニーズのあるお子さんの家庭の実態について、どうなっているのでしょうか。一つご紹介したい調査結果があります。
東京都の特別支援学校の児童生徒の母親を対象にした実態調査が二〇二一年に行われまして、八百九十二人が回答しました。これは、昭和女子大学現代ビジネス研究所で実施されたものであります。
この調査によりますと、特別支援学校の児童生徒の母親のうち、就労しているのは五五%で、東京都の平均が七五%なので、二〇%低くなっています。フルタイムで働いている母親は全体の二四・七%で、東京都の平均の三五%から一〇%低くなっております。
そして、世帯収入は、東京都は八百万円以上の世帯が五〇%だったんですけれども、特別支援学校の児童生徒の家庭の場合は五百五十万円未満が五四%、七百五十万円未満の家庭だと七五%に上ります。
この調査から、特別支援学校の児童生徒のご両親は、一般の家庭よりも母親の就労継続は厳しく、それが世帯収入を下げ、生活をより厳しくしているということが分かります。
なお、この調査で、母親の離職の要因、そして再就職を諦めた要因も調べているんですけれども、最も多い回答が、放課後、学校休業日の見守りと介助でありました。
つまり、特別支援学校に通うスペシャルニーズのあるお子さんのいるご家庭にとって、放課後と夏休みや冬休みの子供の居場所が確保されていないということが困難さにつながっていることが見えてまいります。
この調査は二〇二一年の調査なので、一昨年なんですけれども、その少し前の二〇二〇年の十一月二十五日には、医療的ケア児のお子さんの保護者らと共に、子供が就学した後も、特に母親が就労を継続できるようにしてほしいというふうに、東京都に要望をさせていただきました。
ありがたいことに、物すごいスピードで対応していただきまして、たった数か月で、医療的ケア児の放課後の居場所を創設する東京都独自の事業、それから学童クラブでの医療的ケア児の受入れ支援事業を立ち上げてくださいました。また、それまでは家族の休養のためにしか使えなかった在宅レスパイトを就労支援としても使えるように、ルール改正をしてくださいました。この動きは本当に驚きとともに感謝しているところであります。
とはいえ、まだまだ区市町村でこれらの利用を促していく必要があります。確認のために質問させていただきます。
まずは、医療的ケア児の放課後の居場所を創設するための支援として立ち上げた障害児の放課後等支援事業についてですが、令和四年度末の実施自治体数をお伺いいたします。
○鈴木障害者施策推進部長 障害児の放課後等支援事業は、医療的ケア児や重症心身障害児が放課後などに安心して過ごせる場を確保するため、放課後等デイサービス事業所等での受入れを促進する事業であり、区市町村の実情に応じた取組に対して補助を行っております。
令和四年度は、八自治体で事業を実施いたしました。
○龍円委員 八自治体ということでありました。
この各自治体では、どのような取組を実施しているのかお伺いいたします。
○鈴木障害者施策推進部長 医療的ケア児を看護するスキルを持った看護師など専門職の配置、介護タクシーによる送迎等を実施する放課後等デイサービス事業所への補助や、医療的ケアに関する技術向上のための研修などを実施しております。
○龍円委員 実は私の地元の渋谷区でも、この事業で民間事業者が施設を立ち上げようとしているものの、実は四苦八苦していてなかなか進んでいないんです。医療的ケア児の受入れ実績のない民間の事業者にとっては、施設の立ち上げにはいろいろと難しい面があるのかなというふうに思います。この場合、事業者の相談先となっているのが渋谷区なわけなんですけれども、渋谷区にもノウハウや経験が少ないのも課題だと思っています。
そこで、例えばなんですけれども、東京都が立ち上げた医療的ケア児センターで、医療的ケア児を受け入れたいと考えている事業所に対して、全面的にサポートしますというふうにうたっていただいて、ノウハウを共有していただいたり、アドバイスをするなどといった支援を通じて、この事業についての利用を広げていくのはいかがでしょうか。
どうぞ、親にとっては頼みの綱の事業になっていますので、工夫をして、利用を広げてくださいますようお願いいたします。
次に、在宅レスパイトの事業をブラッシュアップして、就労支援にも使えるようにしてくれた件です。これは、保護者らから歓喜をいただきまして、本当に福祉局の皆様、ナイスジョブだったと思います。
そこで、重症心身障害児や医療的ケア児の家族の休養や就労を支援する在宅レスパイト就労等支援事業の令和四年度の実施自治体数をお伺いいたします。
○鈴木障害者施策推進部長 看護師が自宅を訪問してケアを行う在宅レスパイト就労等支援事業の令和四年度の実績は、三十三自治体でございます。
○龍円委員 この事業については、保護者らからは、就労支援のために全ての時間を使い切ってしまうと、そうすると自分が休むための時間が見つけられないということで、時間数を増やしてほしいというお声をいただいておりました。
医療的ケア児等の家族のニーズは様々であり、支援のさらなる充実が求められますが、今後の対応についてお伺いいたします。
○鈴木障害者施策推進部長 医療的ケア児等が身近な地域で安心して生活していくためには、本人の支援に加え、介護する家族に対する支援の充実が重要でございます。
都は、在宅レスパイト就労等支援事業の利用上限時間を令和五年度から年間九十六時間から百四十四時間に引き上げ、保護者のニーズに対応できるよう拡充いたしました。
今後とも、区市町村と連携し、医療的ケア児等とその家族が在宅で安心して暮らすための環境整備を図ってまいります。
○龍円委員 利用時間九十六時間から百四十四時間に引き上げたとのことでありました。保護者に寄り添いながら制度設計してくれていることを感謝申し上げます。
そんな保護者の声をよりよく聞くことができる場所として誕生したのが医療的ケア児センターです。
都内に二か所開設されて、ようやく一年がたったところでありますが、いろいろと試行錯誤しながらの日々だったと思いますが、医療的ケア児センターの令和四年度の相談実績と内容、関係機関との連携について、どのように取り組んだのかお伺いいたします。
○鈴木障害者施策推進部長 令和四年度、医療的ケア児支援センターでは、二百五十九件の相談や問合せを受け付けました。
センターでは、都内への転入を予定している家族に対して、医療的ケアが必要な児童が利用できる保育所の情報提供を行うほか、病院からの入院時の退院に向けた支援に関する相談に対して、地域の医療的ケア児コーディネーターに引き継ぐなど、必要な支援につなげております。
また、センターの相談員が区市町村の協議の場に参加し、センターで受け付けた相談事例の情報共有を行うとともに、各地域で利用できる社会資源等を把握し、相談対応に生かすなど、区市町村との連携にも取り組んでおります。
引き続き、医療的ケア児とその家族が適切な支援を受けられるよう取り組んでまいります。
○龍円委員 二百五十九件の相談や問合せがあったということでありました。医療的ケア児の数からすると、かなり期待されているということが分かる数字だったと思います。
さて、この医療的ケア児センターについて、オンラインで調べてみたんですけれども、公式のホームページがないのは課題だと感じました。
東京都の事務的なウェブサイトはあるんですけれども、医療的ケア児センターの中の様子が分かったり、どんな相談に対応しているのか、どんなアクセス方法があるのかなどなど、事前に分からないと訪問しにくいのではないかなというふうに思いました。オンライン相談に対応しているのかどうかも知りたかったんですけれども、結局、ウェブサイト上では分かりませんでした。
東京都の医療的ケア児支援ポータルサイトがあるのはすばらしいと思ったんですけれども、その中にある医療的ケア児センターのリンクをクリックすると、結局、さっきの事務的なホームページにつながっていて、必要な情報にたどり着けないな、なかなか難しいなと感じたところです。
ぜひ来年度は、医療的ケア児のウェブサイトを医療的ケア児支援ポータルサイトとリンクさせていただきまして、さらに充実させていただけますようお願いいたします。
医療的ケア児の親は、頻繁にセンターに来ることは難しいこともあると思いますので、例えば公式LINEをつくるなどして、プッシュ型で、いろいろな情報を都内の医療的ケア児に向けて通知して、発信していただけるような工夫も今後していただきたいので、よろしくお願いいたします。
さて、小一の断崖絶壁問題は、重症心身障害児や医療的ケア児だけではありません。
二〇二〇年に東京都に要望する際に、特別支援学校のお子さん、それから地域の特別支援学級のお子さん、通常の学級にいるお子さん、幅広くヒアリングをしてみたんですけれども、結局、全てのお子さんの親が放課後の居場所について困っていたんですよね。
放課後等デイサービスは、放課後の居場所として大きな役割を担っているんですけれども、そもそも保護者の就労支援のための施設ではないため、午後四時とか五時に終了してしまうところが多く、夏休みなどの長期期間は、午前中から開所してくれるものの、午後二時とか三時に終了してしまうのが一般的です。とてもじゃないですけれども、フルタイムで仕事をする間に預かっていただくための施設としての役割を担うのは難しいという状況です。
また、都心部はそもそも放課後等デイサービスの数が足りていないため、週五日利用できているお子さんはとても幸運ですが、多くはありません。
就労する親のための制度としてあるのが日中一時支援なんですが、こちらは枠が限定的で、必要としている全員が利用できていません。私の地元の渋谷区では抽せんになっていて、抽せんに外れると仕事を辞めないといけないという状況になっています。
そんな中、小学校時代については、学童クラブにおいて、東京都の医療的ケア児受入れ支援事業という支援をしてくれているのは評価ができます。渋谷区では、この事業が始まる前は、特別支援学校の児童は学童クラブを利用できないというルールがあったんですけれども、昨年度からは、試験的に特別支援学校の児童が学童クラブを利用できるようになってまいりました。
ただ、学童クラブの待機児童という問題も、東京全域で見てみるとまだまだありますので、これだけでは問題の解決に至っていません。
ここで、さきに質問したベビーシッター利用支援事業の一時預かり利用支援が、小学校三年生にまで拡大を広げたことには期待を寄せているところです。
ただ、ベビーシッター利用については、東京都が認証している事業者の中に、スペシャルニーズのある子に対する対応が差別的であり、合理的配慮を提供できる体制が整っていないと感じるところがあります。
障害者差別解消法では、不当な差別的な扱いを禁止するとして、障害のある人に対して、正当な理由がなく、障害を理由としてサービスの提供を拒否することや、サービスの提供に当たって場所や時間帯を制限すること、また、障害のない人にはつけない条件をつけることが禁止されています。これは行政も民間事業者の双方に対して禁止されています。
合理的配慮の提供については、これまで行政に対しては義務になっていましたけれども、民間事業者に対しては努力義務になっていました。しかし、来年の四月からは、事業者も合理的配慮の提供が義務になります。
内閣府では、合理的配慮においては対話が重要ですとしています。合理的な配慮の提供に当たって、社会的なバリアを取り除くために必要な対応について、障害のある人と事業者が対話を重ねて、共に解決策を検討していくことが重要として、これを建設的な対話というふうにしていますね。
東京都で認定しているベビーシッター事業者において、私が課題だと感じていることをお伝えします。
法律では、障害のない人にはつけない条件をつけることは禁止されているわけなんです。そういった事業者では、特別なケアが必要なお子様の基準に当てはまる場合は、登録時に必ず詳細を記載することが求められております。
特別なケアが必要なお子様の説明としては、重度、軽度にかかわらず、身体的、精神的、知的発達及び学習面においての障害が見られることという感じで定められています。その上で、これらを記載しなかった場合は、利用を停止させていただく場合があるというふうにしております。
もちろん、お子さんをベビーシッターで預かっていただくためには、どの親であっても、ご自身のお子さんのケアについては書くものだと思いますが、それを障害のある子供の親にだけは条件として求めていて、その条件をのまなかったら利用を停止するというふうにしています。
法律では、サービスの提供に当たっては、場所や時間帯を制限することも禁止されているわけなんですけれども、この事業者は、障害児対応のサポーターのみに依頼してというふうに制限をかけています。都内のベビーシッターの数は非常に登録が多いにもかかわらず、障害児対応としているサポーターは本当に僅かなんです。
障害児対応というのは、ふだん対応している方々なら容易に分かることだと思うんですけど、ありとあらゆる障害がありまして、ありとあらゆる違うニーズが子供たちにあるんですね。それを個々に対応していくことなんですけれども、それをまるっと障害児対応というふうにしてしまって、対応できるかできないかというふうにベビーシッターに選択をさせています。そんなふうに、ぽちっとチェックするだけで決められるようなものではないと思うんですね。それで決めさせているので、ほとんどのベビーシッターが対応しないというふうに選択をしているのではないかなと思っています。
でも、そもそも考えてみればなんですけれども、子供は一人一人違いますし、ご家庭もそれぞれ違います。障害がなければ、ベビーシッターと保護者がそれぞれコミュニケーションを取りながら、依頼できますねとか、受けられますねという判断をするという対話のプロセスがあります。それが障害児になった途端、対話はすることなく、障害児に対応するかしないか事前に登録しておいたとおりにしか対応しませんというのは、あまりに乱暴なのではないかなと思うんです。
合理的配慮の提供には対話が重要というのは、先ほどお伝えしましたけれども、ここでは対話ができないという状況になっております。
ここまでお伝えしてきたとおり、障害のある児童の親にとって、就労の継続は非常に深刻な課題なんですね。その中で、ベビーシッターの方々に、どうしても預かり先が見つからないときに頼れないというのは、本当に深刻な状況なんです。
繰り返しになりますけれども、来年の四月からは、障害者差別解消法が改正されまして、事業者は合理的配慮の提供が義務化されます。東京都が認定しているベビーシッター事業者については、改めて、障害のある子供について差別的扱いをしないようにすることと、合理的配慮を提供できるよう体制をしっかりと見直していくことをお伝えいただきたいと思っております。そういう取組が、ベビーシッター利用支援事業の対象ではない、もう少し大きい年齢の障害のあるお子さんのご家庭にとっても助けになります。
どうか福祉局として、障害者差別解消法に定められている差別の禁止と合理的配慮の提供をできるように、普及と啓発をしていただけますよう求めさせていただきます。
以上でございます。ありがとうございました。
○玉川委員 まず初めに、医療的ケア児支援センターについて伺います。
令和三年九月に施行された医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律に基づいて、東京都は、令和四年九月一日に、医療的ケア児の専門的な相談支援などを担う医療的ケア児支援センターを開設いたしました。
先ほど他の委員からも質問がありましたが、改めて開設の状況と、ご家族、関係機関への支援の状況を伺います。
○鈴木障害者施策推進部長 都は令和四年九月、医療的ケア児やその家族からの様々な相談への対応や、区市町村など地域の関係機関との連絡調整などを行う拠点として、区部は都立大塚病院、多摩地域は都立小児総合医療センターに医療的ケア児支援センターを開設いたしました。
センターでは、医療的ケア児の家族や関係機関からの保育やレスパイトなど利用できるサービスに関する個々の相談に対し、地域の資源の情報収集を行った上で、適切な情報提供を行うとともに、必要に応じて地域の支援機関につなぐなど、令和四年度は二百九十九件の相談に丁寧に対応いたしました。
○玉川委員 区部、多摩地域と、二か所に医療的ケア児支援センターが開設され、多くの相談対応や情報提供などを行ってきたことを評価いたします。
その上で、医療的ケア児やそのご家族が、その状況に応じた適切な支援を受けたいといったご希望がしっかりと届けられるように、地域での医療的ケア児の支援を担う人材の育成も大変重要であると考えますが、令和四年度の取組状況についてお伺いいたします。
○鈴木障害者施策推進部長 都はこれまで、医療的ケア児の支援を担う事業所や行政機関の職員などを対象に、支援に関する基本的な研修を実施するとともに、地域において保健、医療、福祉、教育等の支援を総合的に調整する医療的ケア児コーディネーターを養成してまいりました。
こうした取組に加えまして、令和四年度から、児童発達支援事業所や放課後等デイサービス事業所の職員等を対象に、医療的ケア児へのサービスの提供の方法や留意事項等を学ぶ実践的な研修を実施しております。
引き続き、地域の事業所等でより多くの医療的ケア児の受入れが進むよう取り組んでまいります。
○玉川委員 児童発達支援事業所や放課後等デイサービス事業所の職員などを対象に、実践的な研修を実施してきたとのこと、評価いたします。
次に、都型放課後等デイサービスの事業について伺います。
今も答弁に出てきました放課後等デイサービスというのは、平成二十四年度から全国でスタートした事業でありますが、令和四年度から都では都型放課後等デイサービス事業を開始しております。
改めてこの事業の目的について伺います。
○鈴木障害者施策推進部長 障害児とその家族が身近な地域で安心して生活していくためには、適切な療育の提供や障害特性に応じた支援体制を整備することが重要でございます。
このため、都は令和四年度から、放課後等デイサービスの質の向上を図るため、経験豊富なコア職員の配置など、都が定める基準を満たす事業所を支援する都型放課後等デイサービス事業を開始いたしました。
○玉川委員 令和四年度に都型放課後等デイサービス事業を実施した事業所は六か所と伺っておりますが、より多くの事業者が取り組めるよう、さらなる働きかけが必要ではないかと考えます。都の考えを伺います。
○鈴木障害者施策推進部長 都は、令和四年四月の事業開始後も、関係者との意見交換を重ねながら様々な工夫を行っております。
具体的な例といたしまして、補助要件である十九時までのサービス提供時間については、利用希望や送迎の必要に応じて設定できるようにしたほか、コア職員については、児童福祉事業の経験以外にも、学校等の経験も実務経験として考慮するなど、柔軟な運用を行っております。
引き続き、事業に関する情報発信や個別相談などを丁寧に行い、事業所の積極的な参画を働きかけるとともに、より多くの事業所が取り組めるよう、関係者との意見交換を行いながら、さらなる工夫を重ね、事業を進めてまいります。
○玉川委員 コア職員の柔軟な運用など都独自の支援で、今後もサービス向上に取り組む事業者への後押しをしていただきますよう、よろしくお願いいたします。
続きまして、ヤングケアラーへの支援について伺います。
都は昨年度、ヤングケアラーを支援するためのマニュアルを作成いたしましたが、まずはこのマニュアルの主な内容について伺います。
○西尾子供・子育て支援部長 東京都ヤングケアラー支援マニュアルでは、福祉、教育などの関係機関がヤングケアラーの認識を深め、早期にその存在を把握し、具体的な支援につなぐことができるよう、支援の留意点や関係機関の連携体制、ヤングケアラーに気づくためのチェックリストなどを掲載しております。
○玉川委員 ヤングケアラーは、自ら相談してくるケースは多くはなくて、関係者が気づくことが必要とのことであります。
ヤングケアラー支援マニュアルを拝見いたしましたが、ヤングケアラーと思われる子供に気づくポイントとして、各支援機関別にチェックリストが設けられているなど、とても支援に役立つマニュアルであるとの印象でありました。
このようなマニュアルは、作成した後が大切であり、実際にマニュアルを活用してこそ、作成した意味があると考えますが、関係機関への周知とマニュアル活用を促進するための取組について伺います。
○西尾子供・子育て支援部長 都は今年度、子供家庭支援センター等の関係機関にマニュアルを配布したほか、区市町村の児童福祉主管課長会や校長連絡会等におきまして、マニュアルの主な内容を周知いたしました。
また、本マニュアルを活用して、関係機関向けの合同研修やヤングケアラーコーディネーターへの専門研修を開催したほか、区市町村が主体的に研修を企画実施できるよう、研修用資材を作成いたします。
○玉川委員 ヤングケアラーの把握、そして適切なサービスが行き届くよう、引き続き関係機関の連携、相談支援体制の充実が図られますようよろしくお願いいたします。
続きまして、子供食堂への支援について伺います。
子供食堂、その発祥は、私の地元大田区にある小さな八百屋さんが、二〇一二年、今から十年以上前に、給食以外はバナナ一本という子供がいるということを耳にしたことから始まったものでありますが、子供食堂は、地域の子供に食事や居場所を提供する重要な活動であり、新たな子供食堂の立ち上げを後押しする必要があると考えます。
そこで、子供食堂の令和四年度の取組と実績について伺います。
○西尾子供・子育て支援部長 都は令和四年度から、子供食堂の立ち上げに必要な整備等の経費を補助しておりまして、補助を受けた子供食堂は九十七か所でございます。
○玉川委員 子供食堂は増加傾向にありますが、物価高騰は長期化しており、依然として厳しい社会経済状況が続いております。このような状況においても、子供食堂の立ち上げやその後の活動を安定的に継続できるよう支援すべきと考えますが、都の取組について伺います。
○西尾子供・子育て支援部長 都は、子供食堂に対しまして、区市町村を通じ、会食の開催や配食、宅食に係る経費を支援しており、令和四年度は、子供食堂の開催に係る補助基準額を年額三十六万円から四十八万円に、配食、宅食への補助基準額を年額六十万円から七十二万円に拡充いたしました。また、子供食堂スタートブックを作成し、立ち上げ時に必要な手続や好事例を紹介し、運営のノウハウを提供しております。
こうした取組によりまして、地域における子供食堂の活動を支援してまいります。
○玉川委員 私も、大田区内の子供食堂にたまに行くんですけれども、そこで出会った野球少年の兄弟とも友達になりまして、少年野球の試合の結果などを私に報告してくれるようになりました。子供の居場所や交流の場を提供する重要な支援を引き続きよろしくお願いいたします。
最後に、シルバーパスの一斉更新について伺います。
都は、シルバーパスの一斉更新について、新型コロナ感染防止の観点から、コロナ禍の令和二年度より、会場方式から郵送方式へ切り替えて実施しております。都議会公明党は、高齢者が安心して更新手続を行うことができるよう、一斉更新を郵送方式で行うよう知事に要望し、昨年度は、第二回定例会で補正予算を計上して対策を図っております。
そこで、昨年度の一斉更新の実施状況と今年度の取組について伺います。
○花本高齢者施策推進部長 令和元年度までは、毎年九月に都内各地に設置した会場でパスの一斉更新を実施してきましたが、令和二年度からは、新型コロナ対策として郵送方式で実施しております。
令和四年度についても、高齢者の心理的不安等を考慮して、郵送方式により一斉更新を行い、対象者約百二万人に更新案内等を発送し、申請のあった約九十四万人分のパスを更新いたしました。
令和五年度についても、同様に郵送方式により実施しており、対象者約百二万人に更新案内等を発送しております。
○玉川委員 対象者約百二万人に更新案内等を郵送し、約九十四万人分と、九割以上の方がパスを更新されており、令和五年度も同様に対象者約百二万人に郵送されておりまして、高い更新率が期待できるところであります。
これまで都議会公明党が提案、要望してきたことを中心に種々確認させていただきましたが、以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○アオヤギ委員 日本共産党のアオヤギ有希子です。
それでは、最初に産前産後ケアについて伺います。
産前産後ケアについては、重要性がますます高まっております。妊娠中、出産後になかなか支援が得られず孤立したり不安を抱える、また、育児を一人で担わなければならないなど、過重な負担が特に女性にのしかかり、心身ともに弱ってしまい、産後鬱、小児虐待、自死に至る深刻なケースが報告されています。
国においても、法整備が進み、それと同時進行で東京都も各種区市町村支援を増やし、各区市町村で産前産後ケアの事業が一気に進んできました。
私自身も、産後ケアがちょうど始まった頃で出産し、産後ケアの支援事業の一部を使いました。自分の家族も遠方に住んでいたために、一人で新生児と過ごさなければならない状況の下、家事、育児支援の方が支援に入り、大変助かりました。また、初めての子育てでの不安や悩み、母乳ケアに対しても、保健センターの保健師さんに相談し、アドバイスを受け、状況を改善することができました。もっと多くの方に受けてもらいたいと思いました。
また、産後ケアセンターは、ほとんどその頃は設置されていなかった時期だったので、八王子市議会でも病院内の産後ケアセンターの設置を求め、ショートステイや宿泊型の産後ケアが開始されました。この事業も東京都の補助が入っています。
まず最初に伺いますが、産前産後ケアは、産後鬱などの深刻な事態を防ぐため必要不可欠な事業ですが、都が産前産後ケアを進める意義についてどのように考えていますか。
○新倉子供・子育て施策推進担当部長 産後ケア事業は、子供の健やかな育ちと母親の心身の健康を支えるため、出産後一年以内の母子に対しまして、保健指導や授乳指導、母親に対する療養上の世話、心理的ケア、育児指導等を行う取組でございます。
○アオヤギ委員 子供たちの健やかな育ちと母親の心身の健康を支えるため、心理的ケアをするのだということです。
こうした産後ケアの事業の中で、様々な相談事業や、訪問して家事や育児支援のメニューがありますが、その中で、産前・産後サポート事業の家事、育児支援について伺います。
これも私も利用しましたが、この支援をする人として、産後ドゥーラの方々や家事ヘルパーの事業者、そしてベビーシッターの事業者など、各区市町村が契約を結んで、乳幼児、多胎児のいる世帯に支援に入り、第一子の場合、一人の赤ちゃんに対して年間六十時間支援が入ります。そして、区市町村の実績分を都は十分の十補助しています。
その区市町村が契約する産後ドゥーラですけれども、周産期専門のヘルパー、母子のケアサポートの専門家です。身の回りの家事から、赤ちゃんに直接触ってお世話をし、お母さんの心理的なケアやレスパイトにもなる専門家で、産後ドゥーラの養成講座を受講して資格を取った方々です。
この産後ドゥーラについて、昨年の区市町村の活用実績について伺います。
○新倉子供・子育て施策推進担当部長 都は、産後ドゥーラやベビーシッター等の家事育児サポーターを派遣する産後家事・育児支援事業に取り組む区市町村を支援しておりまして、昨年度は三十五自治体が実施しております。
○アオヤギ委員 今のお答えは、産後ドゥーラだけではなくて、ヘルパーなどを派遣している自治体数も答弁されました。
産後ドゥーラ教育協議会の方から昨年聞いたお話では、ドゥーラを利用しているのは港区、品川区、中野区と一部の自治体であるということでした。
産後家事・育児支援事業において、区市町村が委託する産後ドゥーラ、ベビーシッター、家事育児支援のヘルパーかによって実施する内容が変わっています。確かにそれぞれの需要があって選べるとよいのですが、産後ドゥーラはとても自治体数が少ないです。初めて育児する人にとっては、夜泣きや赤ちゃんの体調の変化、初めての状況で戸惑いや不安を抱える人、慢性的な睡眠不足のお母さんも少なくないと考えます。
そこでお伺いしますが、産後ドゥーラは、赤ちゃんに触って支援し、お母さんの心身のケアをすることができます。赤ちゃんのケアをしてもらい、その時間にお母さんは休むことができますが、そうした支援を進めるべきだと考えますが、産後ドゥーラのように赤ちゃんを直接支援する専門職の重要性について、いかがお考えでしょうか。
○新倉子供・子育て施策推進担当部長 都は、子育て家庭の家事や育児の負担軽減を図るため、産後ドゥーラやベビーシッター等の家事育児サポーターを派遣する産後家事・育児支援事業に取り組む区市町村を支援しております。
○アオヤギ委員 これも先ほどと同じ一般論ですね。
産後ドゥーラの皆さんは、産後鬱などを防ぐために、産後ドゥーラが有効で、特に鬱の可能性のある妊産婦の割合が高い初産婦には、産後早期からのアウトリーチ型の支援が重要であり、効果的だということです。
一方で、産後ドゥーラを活用した取組が一部の地域に偏りがある理由の一つは、専門性の高い産後ドゥーラですから、養成講座が高額になっていて、受講のハードルが高く、人材確保が難しいことにあります。その結果、利用単価が高く、半額自己負担になり、比較的経済的余裕のある人しか利用できないような状況もあるということです。
そこでお伺いします。産後ドゥーラの養成講座に対する都の補助実績について、自治体数を伺います。
○新倉子供・子育て施策推進担当部長 都は、産後ドゥーラやベビーシッター等の家事育児サポーターの人材育成に取り組む区市町村を支援しておりまして、昨年度は十五自治体が実施しております。
○アオヤギ委員 今の答弁も、他の支援と加えて全部で答えていますので、産後ドゥーラだけの数は把握していないということです。
産後ドゥーラの実施自治体も少ないので、実際の育成支援はとても少ないと考えられます。産後ドゥーラを増やすためにこの支援を強化すべきです。都内全域で、産後の世帯で産後ドゥーラの支援が受けられるように、養成講座の支援の拡充を行い、産後ドゥーラを育成していただきたいと要望いたします。
この産後ドゥーラも含む、産後のご家庭に赴いて家事、育児支援を行う産後家事・育児支援事業ですが、令和四年度、家事、育児支援の実績を二十三区、市町村に分けてお示しください。
○新倉子供・子育て施策推進担当部長 昨年度、産後家事・育児支援事業を実施いたしましたのは、区部が十八自治体、市町村部が十七自治体でございます。
○アオヤギ委員 二十三区、多摩地域とも、過半数以上の自治体が実施しています。
そうした中、東京都はこれまで、赤ちゃんに三歳以上の上の兄弟がいる場合等、対象児童が保育園に入れば利用できなかったわけですけれども、今年度この要件を撤廃しました。そうすると、ゼロ歳で保育園に入園したお子さんも土日など利用できるスキームです。
しかし、自治体によっては、担い手の確保が難しく、日曜は使えないとしているので、保育園に子供を預けている家庭では、引き続き利用が難しいところもあります。
担い手の確保も課題ですけれども、都の要件を撤廃した趣旨が生きるように、各区市町村が利用を広げられるようにするには、どのようなことをしていくのでしょうか。
○新倉子供・子育て施策推進担当部長 都は、産後家事・育児支援事業の取組が進むよう、家事育児サポーターの人材育成に取り組む区市町村を支援するとともに、説明会を通じまして事業の活用について働きかけております。
○アオヤギ委員 都が要件を撤廃した趣旨が生きるように、担い手の養成、要件の撤廃の周知徹底をお願いいたします。
そして、この家事、育児支援は、都は十分の十補助率で、一時間二千七百円の上限で補助していますが、自己負担を取っている自治体も数多くあります。都の出している補助の概要にも、一割程度の自己負担を想定と書かれ、自治体に周知されています。自己負担があると、支援を必要とする全ての人に支援が届かなくなってしまいます。生活保護世帯、非課税世帯などにとっては、数百円でも負担が大きい額です。
そこでお伺いしますが、産後家事・育児支援事業の自己負担についてどういうお考えでしょうか。
○新倉子供・子育て施策推進担当部長 産後家事・育児支援事業の利用者負担についてでございますが、事業の実施主体でございます区市町村が判断しております。
○アオヤギ委員 ちょっと確認なんですけれども、ということは自己負担を取らなくてもいいということでしょうか。確認いたします。
○新倉子供・子育て施策推進担当部長 利用者負担につきましては、事業の実施主体である区市町村が判断しております。
○アオヤギ委員 今の答弁、繰り返しですけれども、ということは、自治体の判断で自己負担なしでもよいということです。
先ほどの産後ドゥーラの方々は、本当に深刻な対象者には支援が届いていない、一番支援を必要と考えられる人ほど、括弧つきですが、隠れ上手になっていると話されていました。リスクの高い妊産婦が利用できるように、全ての利用者が自己負担なしで使えるようにすべきではないでしょうか。
○新倉子供・子育て施策推進担当部長 繰り返しになりますが、産後家事・育児支援事業の利用者負担につきましては、事業の実施主体である区市町村が判断してございます。
○アオヤギ委員 自己負担を取らなくていいのであれば、あえて取る必要、理由がよく分かりません。自己負担を取らなくてもよい単価にして、区市町村に支援し、産前産後、全ての家庭に支援を広げていくことを求めます。
産前産後の相談体制も必要です。特に第一子の場合は、成長の変化、赤ちゃんの病気など、親にとっては全てが初めての経験になります。アドバイスや不安を相談できることが何よりも子育ての助けになります。
都は、こうした相談を受ける相談員に対して、人件費など事業費に対して補助を行っています。ただ、相談支援事業の実施をしている自治体数が少ないのはなぜですか。実施する自治体を増やすにはどのようなことが必要でしょうか。
○新倉子供・子育て施策推進担当部長 都は、産前・産後サポート事業によりまして相談支援等を行う区市町村を支援しており、昨年度は二十二自治体が本事業を活用しております。未実施の自治体に対しましては、説明会等において活用を働きかけているところでございます。
○アオヤギ委員 聞くところによると、この補助を使わないで相談を行っているという自治体もありますが、補助を使って相談体制を手厚くすることが必要ですが、母子保健の保健センターの保健師等の相談への支援も必要です。また、妊娠、出産、産後の支援事業の中の相談の充実が必要です。
これに対して都が支援をして、全ての妊産婦が困ったときに相談できる体制づくりをしていくべきだと考えますが、いかがお考えでしょうか。
○新倉子供・子育て施策推進担当部長 都は、保健師等による妊婦への全数面接や、産前産後の相談支援、国の出産・子育て応援交付金事業における伴走型相談支援を行う区市町村を財政面で支援しております。
○アオヤギ委員 無料で相談をする場所が少なくて、有料の民間の母乳ケアを受けたという方も私の周りでもいましたけれども、保健センターの保健師さんの相談も、本来なら母乳ケアの相談をしてよい場所です。しかし、全ての相談者を受け付けられる体制ではないのが実態です。保健センターの保健師などは非正規の場合も多く、人件費の支援の拡充を要望いたします。
次に、父親の支援事業も二年前から加わったことは重要です。
女性が妊娠、出産を機に職場を辞めたり、育休に入る女性が多いため、日本は労働力率がM字カーブを描いている状況が続くほど、育児が女性に集中しています。乳幼児の子育ては女性がメインでやるものだというアンコンシャスバイアスもあると思います。育児の知識も女性が多く持っているものだという誤解もあるかと思います。しかし、実際は女性も男性も、育児に対しての知識のスタートラインは一緒です。
子供を乳幼児から育て、成長を育むという貴重な経験をしていくことを選択する男性も増えていると思います。育休を取得する男性も増えてはきていますが、まだ一七%程度となっていて、男性が育休を取れる環境が非常に少ない状況です。
そんな中、育休を取った男性が、乳幼児と過ごす場所が社会の中に非常に少ないと感じていますし、乳幼児の生活全般の知識を身につける場も相談できる体制も、まだまだ少ない状況です。
都の父親の支援事業について伺います。この支援事業を実施しているのが四区一市です。区市町村を広げていくにはどのようにしていくのでしょうか。
○新倉子供・子育て施策推進担当部長 都は、区市町村に対しまして、説明会等において事業趣旨を説明するとともに、都の事業の活用を働きかけているところでございます。
○アオヤギ委員 男性が育児を担い、男性の相談にも対応できる重要な事業であるという事業趣旨を周知して、自治体で格差が生まれないようにしていただきたいと思います。
次に、病院内で受ける産後ケア事業は、赤ちゃんとお母さんが一緒に過ごしたり、相談を受けたり、食事などが用意されて、アドバイスも受けて安心して過ごせる場所です。
東京都は、ショートステイ、デイサービス、アウトリーチ支援を十分の十の補助で行っていますが、令和六年度までの支援となっています。この補助を継続しなければ事業を縮小されるおそれがあります。今後も継続すべきではないですか。
○新倉子供・子育て施策推進担当部長 都は現在、産後ケアに取り組む区市町村を支援しております。
○アオヤギ委員 産婦人科などの病院のベッドを借りて押さえておきますので、それなりの費用がかかる事業であり、せっかく始めた事業が縮小とならないように、支援を継続していただきたいと思います。
次に、学童保育について伺います。
私は、第二回定例会の一般質問で、障害児が地元の学童保育を利用できるような体制づくりを求めました。その中で、障害児を学童で受け入れる際の都の支援として、学童クラブにおける医療的ケア児等受入れ支援事業という補助が活用できると分かりました。
そこで伺います。学童クラブにおける医療的ケア児等受入れ支援の概要についてお伺いします。
まず、利用する自治体数をお示しください。
○西尾子供・子育て支援部長 学童クラブにおける医療的ケア児等受入れ支援事業は、令和四年度に三自治体が実施しております。
○アオヤギ委員 三自治体と非常に少ない状況です。
ここで確認しますけれども、医療的ケア児等の等とは、どのようなお子さんが対象となるのかお示しください。
○西尾子供・子育て支援部長 本事業における医療的ケア児等とは、医療的ケア児や重症心身障害児と同等の配慮を要すると区市町村が判断する児童としております。
○アオヤギ委員 区市町村が医療的ケア児や重度心身障害児と同等の配慮を要すると判断すれば、知的障害児なども補助をしているとお聞きをしています。
利用していない自治体に確認しますと、まず、この支援が医療的ケア児のみにと思っていて知的障害児は入らないと判断しているのと、あと医療的ケア児の場合は送迎が必要になるのがハードルだと考えているとのことでした。知的障害児は、他の移動支援事業などがあれば、医ケアバスなどそういった支援は必要ありません。
そこで伺います。送迎支援を行うと要綱に書かれていますが、送迎支援がない場合でも人材の配置で利用できるのでしょうか。
○西尾子供・子育て支援部長 本事業では、送迎支援の実施を基本としておりますが、医療的ケア児が自身で移動できる場合や学校が送迎する場合など、送迎支援を必要としない際にも補助の対象としております。
○アオヤギ委員 補助の対象としていると、看護師等の配置は可能だというふうに要綱に書かれていると思います。
移動支援を学童に通うのに利用できる自治体が二十三区に集中していますけれども、人件費、子供一人に対して看護師や学童指導員がこれで配置できるということです。これを使えば、児童一人に対して支援をつけることができ、学童で受入れがしやすくなると考えます。
しかし、この事業の内容をしっかり分かりやすく明示しないと、使わないという選択をする自治体もあるのではないかと思います。
そこで伺いますが、これらの児童と同等の配慮を要する児童は、区市町村が判断すれば知的障害児も入るということを周知していただきたいですが、いかがでしょうか。
○西尾子供・子育て支援部長 本事業の対象は、医療的ケア児や重症心身障害児と同等の配慮を要すると区市町村が判断する児童としておりまして、その旨を区市町村に周知しております。
○アオヤギ委員 先ほどといい方が一緒なんですけれども、その説明だと理解されにくいということなんです。きちんと周知をして、学童に行きたいという障害児を積極的に受け入れられるように、都が補助の内容を周知徹底していただきたいと思います。
六年生まで学童に通えない子供が今もいることが大きな課題です。そこでお伺いしますけれども、六年生までの学童の昨年の待機児童の実績をお示しください。
○西尾子供・子育て支援部長 令和四年五月一日時点の都内学童クラブにおけます待機児童数は三千四百六十五人でございます。
○アオヤギ委員 答弁のあった三千四百六十五人には、地元の学童保育が六年生まで受け入れていない、申込みができなかった子供たちは含まれていません。
私の地元八王子市でも、多くの学童保育がまだ六年生までの受入れをしていません。各区市町村も調査、私どもしましたけれども、六年生まで受け入れられない自治体が数多く残っています。改善を進める必要があります。
学童は、六年生まで受け入れることが法に定められていますが、都も六年生の受入れを進める立場でしょうか。
○西尾子供・子育て支援部長 児童福祉法では、学童クラブの対象は、保護者が労働等により昼間家庭にいない小学校に就学している児童とされております。
○アオヤギ委員 法律の説明ではなくて、都としての立場をお答えいただきたかったのですが、法改正で六年生まで受け入れることとされたことは重要で、実際の受入れが進むように取り組んでいく必要があります。そのためには環境整備が必要です。
実際、六年生まで受入れをすることになると、トイレや着替えをする場など施設の拡充が必要です。六年生まで受け入れるための支援もありますが、受入れ状況を調べると、まだまだ六年生まで受け入れるには至っていない自治体も多いです。
高学年を受け入れる上で、トイレの整備、着替えをする部屋の必要性について伺います。
○西尾子供・子育て支援部長 国の放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準におきまして、学童クラブには、遊び及び生活の場としての機能を設けることと規定されております。都は、こうした施設の改修等に係る経費を補助しております。
○アオヤギ委員 生活の場としての機能ということであれば、トイレの整備や着替える場所の設置は当然重要です。低学年の子供を受け入れるという場合でも必要なことだと考えますが、六年生まで受け入れるのであればなおさらです。
また、学童保育の面積は、国基準は一人当たり一・六五平方メートルで、これ自体、決して広いとはいえないのですが、八王子市ではそれも満たすことができておらず、学童保育の多くが、経過措置で一人当たり一・一一平米の基準となっています。そして、一・六五平米を確保できないと高学年の子供を受け入れるのは難しいということで、こうした学童では六年生までの受入れが行われていない状況です。十分な面積の確保が必要です。
そもそも今も、学童に登録した全員が学童にもし来たら、ぎゅうぎゅうになって狭くなるという施設基準です。面積を広げるための支援も必要ではないでしょうか。
○西尾子供・子育て支援部長 都は、施設の新設、改築等に係る経費や、賃貸物件を活用する場合の賃借料等の補助を行っております。
○アオヤギ委員 環境整備については、いずれも補助を行っているという答弁ですけれども、その中でも手厚い支援となっている学童クラブ待機児童対策提案型事業は、今のところ実施期間が来年度までとなっています。対策を急ぐことは重要ですが、来年度までに十分安心して受け入れられるようにならないということもあり得ますから、支援の継続、拡充を求めるものです。
学校の空き教室の利用について伺います。
昨年度までに学校内で学童を開設した自治体数をお示しください。
○西尾子供・子育て支援部長 学校の余裕教室を活用した学童クラブは、令和四年五月一日現在、四十五自治体で実施しております。
○アオヤギ委員 私たちは、一律に学校内でやるべきということではなく、児童館や地域の中に単独施設としてあることも大切だと考えています。また、特に児童館と一緒に地域の学童をなくしてしまうようなことには反対です。
一方で、学校の施設の利用というのは、学童保育を増やす上で有効な方法の一つです。しかし、進めようとすると学校との連携が難しい場合が少なくありません。
学校内の教室の利用を広げるためには、区市町村教育委員会との連携が不可欠ですが、こうしたことに対して都はどのようなことをやっていくのでしょうか。
○西尾子供・子育て支援部長 都は、福祉局、教育庁、区市町村の関係者で構成いたします東京都放課後子供総合プラン推進委員会を設置しており、円滑な連携等について協議をしております。
○アオヤギ委員 円滑な連携に引き続き取り組むこと、また、その際に学童保育を子供たちの生活の場として充実させることを重視するよう求めるものです。
近年、子供たちが通う学校、塾などで、子供への性暴力、性加害が報告され、こうした被害から子供たちを守る必要がありますし、日本の教育で包括的性教育がされてこなかったために、大人自身が学び直しをして認識を深める必要があると思います。
また、子供の人権を尊重し、権利の主体であると定めた東京都こども基本条例の立場を、子供たちと関係する場全てにおいて徹底されるべきだと考えます。学童の指導員も子供たちと接する専門家であり、その都度、研修などを行い、指導内容を更新していくことが重要です。
そこでお伺いします。東京都こども基本条例の徹底、包括的性教育など、支援に当たる指導員に対して研修をすべきではないでしょうか。
○西尾子供・子育て支援部長 都は、子供の権利擁護や子供の発達の理解など、基本的な知識や技能の習得を目的とした放課後児童支援員認定資格研修を実施しております。このほか、経験年数五年以上の職員を対象に資質向上研修を実施しております。
○アオヤギ委員 一定の研修があるということです。学校現場でも、命の安全教育という形で包括的性教育の一部が進められています。学童でも包括的性教育の水準で研修をしていただきたいと思います。
こうした研修を行い、技術を磨き、質の高い指導を行うために、人件費の支援が必要ですが、都ではキャリアアップ処遇改善事業など支援があります。指導員の質の向上のためには人件費の支援が欠かせません。都の支援を拡充すべきではないですか。
○西尾子供・子育て支援部長 都は、学童クラブに従事する放課後児童支援員の経験年数等に応じた処遇改善を図るため、賃金改善に必要な費用の一部を補助しております。
○アオヤギ委員 この人件費の補助をさらに拡充させ、成り手不足、早期退職などを減らし、こうした都の処遇改善を使いやすくしていただきたいと思います。
次に、学童での夏休みの昼食提供について伺います。
まず最初に伺います。学童での昼食提供について、包括補助を利用している自治体をお示しください。
○西尾子供・子育て支援部長 都は、学童クラブにおいて、長期休業期間中に学校の給食室を活用した昼食提供を行っている八王子市の取組を包括補助により支援しております。
○アオヤギ委員 答弁のとおり、私の地元八王子市では数年前、子供の生活実態調査を行って、都立大の阿部彩教授にも考察を加えてもらって、結果を分析しました。
その中で、教育関係者から、夏休み明けの子供が痩せていたり、逆にファストフードなどで太ってしまうという状況があると報告されました。これに対し対策を練る中で、学童での昼食提供ということを実施し始めました。
誰が調理するのかということで、小学校の自校で調理している市の給食調理員は、夏休みは学校内で別の仕事に回っていましたので、調理を依頼して調理したいという申出もあり、各学校での学童に巡回で、一学童五日間で始まっております。今では過半数以上の学童で昼食が提供され、子供たちと保護者から歓迎されています。また、この昼食提供は全国から注目も浴びています。
都は、今年の夏、昼食提供を進めることを求める国の通知を各区市町村に周知しましたが、夏休みの子供たちの昼食に対してはどのような認識を持っているのでしょうか。
○西尾子供・子育て支援部長 学童クラブにおける長期休業期間中の昼食提供は、地域の実情に応じて対応するものと認識しております。
都は、昼食提供に係る様々な事例の紹介を通じまして、区市町村の取組を支援しております。
○アオヤギ委員 通知も出して好事例として紹介しているのですから、重要な事業だと認識を持っているのだと考えます。夏休みの昼食がどれだけ大切か、ぜひ実態をつかんで、施策に生かしていただきたいと思います。
昼食の提供の中身も重要です。仕出し弁当を注文するタイプもありますが、給食と同等の栄養価、栄養バランスは必要だと思います。
八王子市は、栄養士が作ったメニューを小学校の自校方式の調理員が各学校で作るのと、巡回して提供するというものと、また、今、中学校の給食センターがありますから、その委託された調理員を夏休みも契約して昼食を作る業務を担ってもらい、これで全校に広めていくという予定なんですけれども、学校給食と同等の栄養バランスの取れた食事を提供しています。
学校給食と同等の昼食が夏休みの子供たちにも必要ではないでしょうか。都の認識を伺います。
○西尾子供・子育て支援部長 長期休業期間中の昼食提供は、地域の実情に応じて対応するものと認識しております。
○アオヤギ委員 地域の実情といいますが、都は、八王子市の昼食提供を先駆的事業として補助を行っています。先駆的だと認識しているのだと思います。
この先駆的事業補助ですが、八王子市のみが都の包括補助の先駆的事業の対象となり、この補助は運営に使われており、重要ですが、全学童まで広げるまでに補助事業は終わってしまう予定です。
この運営費の支援を継続して、昼食を提供できる自治体を増やしていくべきではないでしょうか。
○西尾子供・子育て支援部長 子供家庭支援区市町村包括補助事業における先駆的事業の補助期間は、三年間となっております。
○アオヤギ委員 先駆的事業の枠組みだけに限らず、同等の補助を新たにつくるなどして、他の自治体にも広げ、八王子でも残りの全校に広げられるようにしていただきたいと思います。
さらに、子供の夏休みの昼食、食事の支援は、子供の貧困をなくす上でも重要な取組ですが、こちらも自己負担があります。学校給食であれば、多摩格差はあるものの無償化も広がり、低所得者には就学援助で負担がありません。また、学童の昼食提供は学童に登録した児童だけとなり、通えない児童は食べることができません。
教育部門など庁内の関係部署と連携して、学童に通う子も通わない子にも対象にして、さらに自己負担をなくして、夏休みの昼食を支援していくべきではないでしょうか。
○西尾子供・子育て支援部長 学童クラブにおける長期休業期間中の昼食提供は、地域の実情に応じて対応するものと認識しております。
○アオヤギ委員 このことについては、都が最大限努力をしていただきたいと思います。せっかく学校で作ったり運んできて食べさせてきているわけですから、全ての子が夏休みに食事に困らないように対策をすべきときだと思います。調査研究をしていただきたいと要望して、質疑を終わります。
○入江委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○入江委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で福祉局関係を終わります。
これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
午後五時二十七分散会
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