令和三年度各会計決算特別委員会速記録第三号

令和四年十一月二十一日(月曜日)
第十五委員会室
午後一時開議
出席委員 二十九名
副委員長加藤 雅之君
副委員長柴崎 幹男君
副委員長藤井あきら君
理事石島 秀起君
理事山田ひろし君
理事細田いさむ君
理事竹井ようこ君
理事池川 友一君
理事田村 利光君
北口つよし君
清水とし子君
竹平ちはる君
かつまたさとし君
たかく則男君
鈴木  純君
平田みつよし君
磯山  亮君
龍円あいり君
浜中のりかた君
入江のぶこ君
斉藤まりこ君
菅原 直志君
平けいしょう君
森口つかさ君
成清梨沙子君
風間ゆたか君
尾崎あや子君
里吉 ゆみ君
中村ひろし君

欠席委員 二名

出席説明員
知事小池百合子君
副知事武市  敬君
副知事黒沼  靖君
副知事潮田  勉君
副知事宮坂  学君
教育長浜 佳葉子君
東京都技監建設局長兼務中島 高志君
政策企画局長中村 倫治君
政策企画局スタートアップ戦略担当局長吉村 恵一君
総務局長野間 達也君
財務局長吉村 憲彦君
子供政策連携室長山下  聡君
デジタルサービス局長久我 英男君
主税局長小池  潔君
生活文化スポーツ局長横山 英樹君
環境局長栗岡 祥一君
福祉保健局長西山 智之君
福祉保健局健康危機管理担当局長佐藤 智秀君
産業労働局長坂本 雅彦君
会計管理局長須藤  栄君
都市整備局長福田  至君
住宅政策本部長山口  真君

本日の会議に付した事件
議席について
令和三年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について(質疑)
・令和三年度東京都一般会計決算
・令和三年度東京都特別区財政調整会計決算
・令和三年度東京都地方消費税清算会計決算
・令和三年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計決算
・令和三年度東京都国民健康保険事業会計決算
・令和三年度東京都母子父子福祉貸付資金会計決算
・令和三年度東京都心身障害者扶養年金会計決算
・令和三年度東京都中小企業設備導入等資金会計決算
・令和三年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計決算
・令和三年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計決算
・令和三年度東京都と場会計決算
・令和三年度東京都都営住宅等事業会計決算
・令和三年度東京都都営住宅等保証金会計決算
・令和三年度東京都都市開発資金会計決算
・令和三年度東京都用地会計決算
・令和三年度東京都公債費会計決算
・令和三年度東京都臨海都市基盤整備事業会計決算

○柴崎副委員長 ただいまから令和三年度各会計決算特別委員会を開会いたします。
 議事に入る前に、委員の皆様に申し上げます。
 鈴木委員長は、体調不良のため、本日の委員会に出席できないとのことですので、委員会条例第十条に基づき、私が委員長の職務を代行させていただきます。ご協力のほどよろしくお願いいたします。
 初めに、傍聴人の数についてお諮りいたします。
 本委員会室の傍聴人の定員は、委員会傍聴規則第五条第二項の規定により、二十四名にいたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○柴崎副委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○柴崎副委員長 次に、委員の辞任及び選任について申し上げます。
 議長から、去る十月十八日付をもって、田の上いくこ委員の辞任を許可し、新たに成清梨沙子委員を選任した旨通知がありましたので、ご報告いたします。
 この際、新任の委員を紹介いたします。
 成清梨沙子委員です。
   〔委員挨拶〕

○柴崎副委員長 紹介は終わりました。

○柴崎副委員長 次に、議席についてお諮りいたします。
 本委員会室における議席につきましては、お手元配布の議席(案)のとおりといたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○柴崎副委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○柴崎副委員長 次に、委員外議員の発言の申出について申し上げます。
 上田令子議員から、会議規則第六十三条の規定により、本日の委員会に出席して発言したい旨の申出がありました。
 これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 上田令子議員の発言を許可することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○柴崎副委員長 起立少数と認めます。よって、上田令子議員の発言は許可しないことに決定いたしました。
 本日は、小池知事並びに武市副知事、黒沼副知事、潮田副知事及び宮坂副知事にご出席いただいております。本日はお忙しいところご出席いただきましてありがとうございます。
 これより決算の審査を行います。
 令和三年度東京都各会計歳入歳出決算の認定についてを議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 なお、去る十月十二日から行われました各分科会における局別審査につきましては、お手元配布のとおり、報告書が提出されました。
 朗読は省略いたします。

   〔分科会審査報告書は本号末尾に掲載〕

○柴崎副委員長 これより質疑を行います。
 この際、一言申し上げます。
 質疑に当たりましては、さきにご決定をいただいております委員会実施要領等に従いまして運営してまいります。
 委員の皆様方には、質疑を行う際、令和三年度決算の審査から逸脱しないよう、ご協力のほどよろしくお願いいたします。
 なお、持ち時間につきましては、終了五分前に振鈴で一点、時間満了時に二点を打ち、お知らせいたします。質疑時間はお守り願います。
 次に、理事者に申し上げます。
 答弁に際しましては、質疑の要旨をよく把握し、簡潔明瞭に答弁されるようお願いいたします。
 なお、発言の際には、必ず職名を告げ、委員長の許可を得た上で発言されますようお願いいたします。
 これより順次発言を許します。
 田村利光理事の発言を許します。

○田村委員 令和三年度各会計決算特別委員会の全局質疑を始めるに当たり、まず、決算の役割と決算審議に向けた対応について伺います。
 令和三年度の当初予算は、厳しい財政環境の中にあっても、都民の命を守ることを最優先としながら、東京の経済を支え、その先の未来を見据えて、都政に課せられた使命を確実に果たしていく予算と位置づけられています。
 具体的には、新型コロナウイルス感染症対策や東京二〇二〇大会の実施などに加え、都政の構造改革を進め、無駄を一層なくし、持続可能な財政運営に努めることを基本に編成されています。引き続き持続可能な財政運営に努めていくためには、令和三年度の予算の執行結果について十分検証し、その成果や課題をこれからの予算編成に生かしていくことが極めて重要と考えます。
 そこで、改めて、決算の役割と決算審議に向けた対応について、会計管理局長に伺います。

○須藤会計管理局長 決算は、施策や事業を実行するために見積もられた一会計年度内の歳入歳出予算について、その執行結果を計数的に明らかにするものでございます。
 その役割は、予算の執行を通じて、地方公共団体の行政目的が効果的、効率的に達成されたかどうかの判断材料を議会や都民の皆様に提供し、次年度以降の行政運営の指標とすることでございます。
 このような観点から、都では、決算書や附属書類などの法定決算資料に加えて、決算参考書や複式簿記・発生主義会計に基づく財務諸表など、様々な参考資料を議会に提出することで、十分な決算審議が行えるよう努めているところでございます。

○田村委員 今の質疑のとおり、決算審査を経て、各事業の執行の結果を十分に検証、分析することで、より効率的かつ実効性のある次年度以降の予算編成につなげていくことが重要です。
 令和三年度予算に掲げた事業を執行するに当たっては、新型コロナの感染拡大の状況や、円安や物価高騰などの世界経済の動向といった先の読めない要因に左右される要素が多分にあったことは理解しています。
 一方で、令和三年度決算では一兆円を超える予算の執行残が発生していますが、その主な内容と、今後、より実効性のある予算につなげていくための考え方について伺います。

○吉村財務局長 令和三年度一般会計決算におけます不用額一・二兆円のうち、コロナ対策費が〇・七兆円と多くを占めております。
 その主な要因といたしましては、例えば、病床確保支援事業では、陽性患者を受け入れた場合、本事業の対象外となりますが、受入れ患者数及び日数が想定よりも増加したことから、不用額が発生いたしました。他方、感染拡大防止協力金につきましては、申請金額が想定を下回ったことなどにより、不用額が生じたものでございます。
 不用額は、万全の備えを講じる観点から、あらかじめ十分な規模の予算措置を講じた結果として生じる場合のほか、事業執行時における精査や予見し難い状況変化など、様々な要因により生じますが、今後とも、評価制度を駆使して、一つ一つの事業の妥当性や有効性を改めて検証し、PDCAサイクルを一層強化することで、実効性、効率性の高い施策の構築につなげてまいります。

○田村委員 累次にわたって編成した予算も、都民、事業者に届いてこそ初めて意味があるものです。より一層実効性のある取組となるよう、施策のブラッシュアップを求めます。
 新型コロナ対策の実施に当たっては、我々都議会自民党も、政府・与党に対して交付金による財政支援の拡充を度々要請してきました。
 都財政については、令和二年度決算では、基金残高が減少し、都債残高が増えるといった厳しい状況にありましたが、令和三年度決算における財政調整基金及び都債の残高について、予算との比較も含め伺います。

○吉村財務局長 財政調整基金の令和三年度末残高につきまして、当初予算編成時の見込額は一千八百五十九億円でございましたが、コロナ対策に関する国の交付金の確保に加えまして、都税収入の伸びや予算の執行過程における歳出精査により生まれました財源を活用し、基金の取崩しの抑制を行い、財政対応力の確保につなげてまいりました。その結果、三年度決算では、前年度末の五千三百二十七億円から約四割増しの七千二百七十二億円となりました。
 また、都債につきましても、同様に発行抑制を行った結果、当初予算編成時における普通会計ベースの見込額四兆三千五百十四億円に対しまして、三年度決算では、前年度末の三兆九千八百八十九億円から約二%減の三兆九千百九十四億円となりました。

○田村委員 今まさに苦しい立場にある都民、事業者に対して、実効性のある取組を着実に届けるためにも、施策の不断の見直しを進めるとともに、基金、都債といった財源も活用しながら、国と歩調を合わせた対策の推進を求めます。
 さて、コロナの感染者は七月を境に減少傾向でしたが、ここ数週で増加に転じるなど、今後の感染動向を注視する必要があります。
 一方、この間、ウクライナ危機に端を発する原材料価格の高騰、円安による物価高騰により、都民の暮らしや中小零細事業者の経営状況は大きな影響を受けています。現在も苦しい状況に陥っている都民や事業者に必要な支援を届けられるよう、都は強固な財政基盤を構築する必要があります。
 令和三年度の都税収入は、当初予算額五兆四百五十億円のところ、決算額は五兆八千四百七十九億円となり、二年ぶりの増収となりました。令和二年度の都税収入は、リーマンショック以来、九年ぶりの減収でしたが、一年で増収に転じました。
 前回減収となったリーマンショック時は、都税収入が増収に転じるまでに五年を要しましたが、新型コロナウイルス感染症影響下では一年で増収に転じました。どのような状況の違いがあったのか伺います。

○小池主税局長 都税収入の約三割を占める法人二税は、企業収益の変動により左右されますが、国の法人企業統計調査によりますと、企業の経常利益は、リーマンショック時の平成二十年度が対前年度比三三・七%の減、平成二十一年度は九・四%の減となり、リーマンショック前の水準に戻ったのは六年後でありました。
 これに対し、新型コロナウイルス感染症の影響が出始めた令和元年度は対前年度比一四・九%の減、令和二年度は一二・〇%の減となりましたが、令和三年度には、企業の経常利益はコロナ前の水準まで回復いたしました。
 このように、リーマンショック時と比べて、企業収益を総体として見ると悪化の程度が少なく、短期間で持ち直したことが、都税収入の増に寄与したものと認識しております。

○田村委員 リーマンショック時には、金融不安から企業の経営が行き詰まるなど、大幅な景気後退につながりましたが、今回のコロナ禍では、政府が金融緩和や機動的な財政出動を総動員して、新型コロナウイルス感染症から都民の暮らしを守り、都民生活、経済を支えたことも、都税収入が一年で回復した要因ではないかと思います。
 いずれにしても、リーマンショック時よりも早期に都税収入が回復したのは、法人二税の増収による影響が大きかったということが確認できました。
 百年に一度ともいわれる感染症の猛威により、東京の経済が深刻な打撃を受ける中で、厳しい経営環境にあった都内企業が事業を継続し、変化に対応しながら収益を上げることができたのは、企業努力のたまものであることはもちろん、都の支援策による下支えがあったからこそとも考えられます。
 コロナ禍において、事業活動の制約や経営環境の悪化、資金繰りなど、中小企業が様々な課題に直面する中、知事はどのような考えの下、支援を行ってきたのか、所見を伺います。

○小池知事 新型コロナウイルス感染症の脅威から命と暮らしを守るという強い思いを持ち、感染は止める、社会は止めないとの方針の下で、東京の産業の基礎である中小企業への効果的な支援を細かく展開してまいりました。
 感染拡大の防止に向けた営業時間の短縮要請に応じていただいた事業者に支給する協力金につきまして、経営への影響を踏まえた仕組みを新たに導入して、迅速な支給も進めたところであります。
 中小企業の命綱である資金繰りについて、感染症による経営上の課題に直面する事業者のために、制度融資の充実を通じまして、二万二千件を超える資金ニーズに対応できたものでございます。
 売上げの回復が進まない事業者につきましては、国の支援金に都が上乗せや横出しを行いまして、経営の継続を後押しいたしました。
 新しい事業に活路を見いだすため、販路の開拓や業態の転換を図る、そのほか設備を更新する経営努力の支援に力を入れてまいりました。
 こうした取組で中小企業の経営を適切にサポートして、東京の経済の回復と再生に結びつけております。

○田村委員 先ほど、リーマンショックに比べ税収が早く回復したことに触れましたが、その要因として様々な支援金が課税対象であったことを挙げる声もあります。
 また、コロナ禍以前から、都内の法人における欠損法人の法人数の割合は六五%前後で推移し、変化がありません。より多くの企業が利益を上げ、都税収入の屋台骨となるよう、中小企業の経営基盤の強化や成長につながる事業展開を力強く後押ししていただくことをお願いして、次の質問に移ります。
 さて、コロナ禍に最も影響を受けた業態の一つが観光産業です。昨年度は、厳しい水際対策が継続するとともに、年明けからはオミクロン株が急速に拡大するなど、観光産業にとって大変厳しい一年でした。
 そうした中、都は、補正予算を含め、観光事業者向けに様々な支援メニューを用意し、観光事業者の感染防止対策への支援に加え、経営改善の取組や新たなビジネス展開等を後押ししました。しかしながら、コロナ禍の中では、海外から東京への誘客や大規模なイベント開催といった観光振興の取組については、思うように進めることができなかったのではないでしょうか。
 今後は、先月からようやく水際対策が抜本的に緩和されたため、観光産業の早期回復に向けて本格的に観光振興を進めていくことが期待されます。
 そこで、令和三年度は、コロナ禍における観光に関わる事業をどのように進め、その結果をどのように施策に反映させたのか伺います。

○坂本産業労働局長 都は昨年度、感染症の影響が長引く中、東京が安全・安心な旅行先であるPRを行い、観光客の受入れに向けた環境整備や事業者の業務の効率化等も重点的に後押しをいたしました。
 具体的には、東京二〇二〇大会の選手が登場する動画をウェブで配信し、東京の魅力を海外に幅広く宣伝いたしました。また、インバウンドの来訪を見据え、旅館等の設備の一層の充実や旅行業者のデジタル化のサポートを行ったところでございます。
 その一方、外出の自粛により、地域のイベント開催にオンラインを活用するよう後押しをし、海外での観光プロモーションをリモート開催に切り替える工夫を行いました。
 現在は、国の全国旅行支援の活用や、都民の都内観光への助成を行う中、デジタルによるスタンプラリーを取り入れたイベントなどを支援するほか、ウェブ上で国内と海外の旅行業者が商談を行う取組も進めているところでございます。

○田村委員 令和三年度は、国内の行動制限や厳しい水際対策による入国規制などにより、観光振興につながる地域のイベントの開催や、インバウンドの誘致をオンラインに切り替えるなど、十分に行えず、東京都も観光に携わる皆様も悔しい思いをしたのではないでしょうか。今後は、規模を縮小した分などを取り戻せるよう、東京の観光産業をしっかりと支えていくという気概を持って、観光施策を進めていただくことを期待いたします。
 コロナ禍の中でも、地域における芸術団体や個人の活動が活発になりつつあります。そのような中、都では平成二十七年度から東京地域芸術文化助成を開始し、地域の芸術文化活動を支援しているところですが、令和三年度の取組状況と、これを踏まえた今後の対応について伺います。

○横山生活文化スポーツ局長 都は、東京地域芸術文化助成により、地元に伝わるおはやしなどの無形民俗文化財に関する活動や、音楽やアートなどの文化資源を活用した地域密着型のお祭りなどを支援しております。
 令和三年度は、コロナ禍の中ではございましたが、流鏑馬や古武術の披露など地域の歴史や文化を体感できるお祭りや、住民が主体のまち中でアートを楽しむイベントなど、十四件の事業に支援を行いました。
 各地域の魅力を向上させ、地域振興にも寄与する活動を支援するため、手続や要件の緩和など使いやすく工夫するとともに、地元の方々の活躍の場が広がるよう、地域のニーズに即してきめ細やかに対応してまいります。

○田村委員 我が会派は、本年第三回定例会の代表質問をはじめ、これまで、より多くの地域における芸術文化活動が行われるよう取組を求めてきました。また、最近は、文化活動と観光産業が融合した文化観光が注目されています。
 そして、文化の中でも、アートは観光との融和性が高いと思います。まち中の複数箇所にアートを展示するイベントは、回遊性があり、観光とすぐに結びつきますが、それだけでなく、その土地のもともとある資源とアートを掛け合わせて、新しい地域の名産品をつくり出すこともできます。
 例えば、今、檜原村で行われている回遊性アート展、ひのはらアートでは、地元アーティストの発案で、粘土に多摩産材のおがくずを練り込み、子供たちに粘土作品を作ってもらうイベントを行っています。
 また、これは檜原村ではありませんが、ふだんは地元の人ですら入れない文化財建築物の中にアート作品を展示することで、文化財の見学もできる機会になることなどは、地元でも回遊性のアート展が支持される要因となっているようです。
 いずれにしても、二〇二〇オリンピック・パラリンピックのレガシーとして東京の文化活動を残すためにも、この東京地域芸術文化助成が活用され、文化観光として、より多くの地域の団体の活動が発展するよう、事業が充実することを要望いたします。
 新型コロナウイルスの水際対策が緩和されたことにより、外国人旅行客が増加し、経済活動の再開も見えてきた一方、企業の人手不足の問題が顕在化しています。
 現在、旅館やホテル業界はもとより、介護や建設など多くの業界が人材確保に深刻な課題を抱えており、今後、経済を維持し、成長させていく上で、二〇四〇年に五百万人の労働者が追加的に必要になるともいわれています。
 こうした中、外国人材の活用への期待はますます大きくなっていますが、企業が実際に外国人を採用するに当たっては、在留資格や外国の雇用慣行など、基本的な知識が欠かせません。
 ここ数年、人手不足の問題を抱える業界に向けて、特定技能制度も整備されてきましたが、採用に当たっては、手続やルール、コミュニケーションの問題など、難しいハードルを幾つも乗り越えなければなりません。
 こうした中、都においては、各種の企業支援のほか、特区制度なども活用しながら、外国人の企業への受入れを促す施策を展開してきました。
 先般の第三回定例会の我が会派の代表質問においても、都から、受入れの拡大に結びつけていくという前向きな答弁を得たところです。人材確保は待ったなしの課題であり、新型コロナウイルスなど先が読めない中でも、行政として着実に手を打っていくべきです。
 そこで、外国人の就労支援事業にどのように取り組んだか、特定技能外国人への支援も含め、令和三年度の実績を伺います。

○坂本産業労働局長 感染拡大の影響を受けて、外国人材の確保が難しくなる中、その採用を希望する中小企業に対し、都は、様々な情報提供や相談対応のほか、社内の受入れ体制の整備等に対し、きめの細かい支援を実施いたしました。
 具体的には、外国人材を効果的に確保できる会社PRの方法や、その後の職場定着に向けた工夫等を紹介するセミナーや講座を開催し、三百五十八名が参加をいたしました。
 また、採用支援の窓口では四百二十八件の相談を受け付け、外国人材の採用の現況等を説明するほか、事業者の実情にきめ細かく対応するため、専門家が二十一社に延べ九十八回の訪問を行い、様々な助言を行いました。
 さらに、人手不足の続く外食や介護等の現場で特定技能外国人が力を発揮できるよう、六十一社の企業に採用支援を行い、三十二名のマッチングを実現いたしました。

○田村委員 昨年度は、新型コロナウイルスの感染拡大や緊急事態宣言の発出などがあり、特に外国人材の受入れは困難だったと思われますが、オンラインの活用などの工夫により、実績を確保してきたことが分かりました。
 一方で、今年に入り円安が急速に進行したことで、外国人材の日本離れが懸念されるなど、ますます困難な状況になっています。都においても、引き続き中小企業に対し積極的な支援をしていくことを要望しておきます。
 さて、人材難は全ての業種に共通の課題ですが、コロナ禍にかかわらず、高齢化の進展によりニーズが増大している介護業界では一層深刻です。
 そのような中、都は、介護人材の確保、定着、育成に向け様々な施策を実施していますが、外国人介護従事者の一層の活用を図ることも重要と考えます。
 そこで、外国人介護従事者の受入れ支援に関する令和三年度の都の取組と実績について伺います。

○西山福祉保健局長 都は、介護施設等において外国人介護従事者の受入れが円滑に進むよう、施設経営者等に対し、受入れに必要な知識やノウハウを提供するセミナーを開催するほか、指導担当者に対しては、生活面での支援等に関する研修を実施しており、令和三年度の参加実績は、セミナーが九十二か所、研修が六十六か所となっております。
 また、外国人介護従事者を受け入れる施設等に対し、在留資格などに応じて日本語学習に必要な経費等を補助しており、令和三年度は、技能実習生の受入れ施設が二十六か所、経済連携協定に基づく受入れ施設が六十三か所、留学生を雇用する施設が四か所となってございます。
 さらに、多言語翻訳機の導入などコミュニケーションの円滑化に取り組む施設等への補助を令和三年度に開始しており、その実績は六十七か所となってございます。

○田村委員 コロナ禍においても、各事業の実績が着実に上がっており、外国人介護従事者の受入れ支援に対する施設の期待が大きいことが分かりました。
 一方、令和五年度には第八期高齢者保健福祉計画が終了します。次期計画でも、外国人介護従事者の受入れ、育成、定着に関する、より強力な支援計画を盛り込んでいただくようお願い申し上げます。
 次に、介護現場におけるコロナ対策支援について伺います。
 高齢者施設では、当初、必死の努力で感染拡大を食い止めてきましたが、クラスターが発生してしまうケースも散見されるようになってしまいました。
 このような場合に、施設内療養を支えているのは施設職員です。感染のリスクも抱えながら入所者のケアに当たってきた職員への支援としては、どのようなものがあるか伺います。

○西山福祉保健局長 高齢者施設等は入所者の生活の場であり、感染拡大時にも継続的なサービス提供が求められることから、都は施設職員に対し、様々な支援を実施しております。
 具体的には、施設内で感染が発生し、人員不足が生じた場合に、応援協定に基づく施設職員の派遣や人材派遣会社を活用した代替職員の派遣を実施しております。
 また、職員に対し、感染リスクを伴う業務への特別手当や超過勤務手当などを支給できるよう、掛かり増し経費の補助を行うとともに、職員の同居家族等への感染防止を図るため、施設が職員の宿泊先を確保する費用も補助しております。
 さらに、職員に週一回のPCR検査を実施しており、今年度からは、週一回から二回の抗原定性検査も加えるなど、職員が安心して勤務できるよう支援をしております。

○田村委員 医療提供施設ではなく、生活の場である高齢者施設では、感染を防止するにしても、感染者が出た場合に、施設内療養をするにしても設備面でも体制が整っているとはいえません。
 そこで、施設内療養を行う高齢者施設に対し、施設設備面でどのような支援を行ったのか伺います。

○西山福祉保健局長 都は、高齢者施設等における新型コロナウイルスの感染拡大を防止する観点から、設備整備に係る費用を補助してございます。
 具体的には、居室内の気圧を下げ、ウイルスが外に漏れないようにする簡易陰圧装置の設置をはじめ、家族と利用者が接することがないよう、二方面から出入りできる家族面会室等の整備や、感染が疑われる利用者同士のスペースを空間的に分離できるよう、多床室を個室化する改修などに対して、補助率十分の十で支援をしております。
 令和三年度の補助実績は、特別養護老人ホームや有料老人ホームなど三百九十九の施設、事業所に対し、約三十四億三千万円となってございます。

○田村委員 令和三年度の感染状況を振り返ると、夏の第五波では、重症化リスクの高いデルタ株により呼吸苦を訴える方が急増し、救急医が逼迫していました。
 こうした中、都が設置した臨時の医療施設である酸素ステーションの機能と令和三年度における運営状況について伺います。

○佐藤福祉保健局健康危機管理担当局長 デルタ株が流行した第五波では、中高年層を中心に、自宅療養中に呼吸器症状が悪化した方の受入先の確保が課題となっておりました。
 このため、都は、救急要請があった事案のうち、軽症の方を受け入れる酸素・医療提供ステーションを設置いたしまして、医師の管理の下、酸素投与や経過観察などを行うとともに、重症化を防ぐための中和抗体薬による治療を実施してまいりました。
 また、迅速に隔離が必要な方の即日受入れや入院待機者の一時受入れのほか、病院から症状が軽快した患者を受け入れるなど、機能を強化してまいりました。
 令和三年度は、都民の城をはじめ、築地、調布、赤羽におきまして、東京二〇二〇大会施設や民間病院を活用して施設を開設するとともに、地元の区と連携をいたしまして練馬にも施設を開設し、三千七百九十三名の方を受け入れたところでございます。

○田村委員 その後、第六波に入ってから、感染力の強いオミクロン株の流行により、高齢者施設ではクラスターが多く発生し、介護を必要とする高齢者への対応が課題になっていました。
 こうした状況を受け、都の臨時の医療施設はどのような役割を果たしてきたのか伺います。

○佐藤福祉保健局健康危機管理担当局長 オミクロン株が流行した第六波では、高齢者の医療機関への受入れが課題となりました。
 このため、都は本年二月、高齢者施設等で多数の陽性者が生じた場合の治療や転退院の拠点として、荒川区内に、軽症や中等症で要介護五までの高齢者を受け入れる高齢者等医療支援型施設を設置いたしました。この施設では、新型コロナ感染症の治療に加えまして、ADLの低下防止のためのリハビリテーションを実施し、五月の閉鎖までに五百五十一人を受け入れました。
 この施設が有効に機能したため、透析にも対応する赤羽のほか、民間の医療機関や高齢者施設との連携によりまして、世田谷玉川と渋谷に施設を開設いたしました。
 これらに加え、既存の酸素・医療提供ステーションでも要介護二までの高齢者を受け入れるなど、高齢者の療養体制を強化しております。

○田村委員 最後に、在宅の高齢者への支援について伺います。
 コロナ禍の長期化により、外出や人との交流の機会が減少し、高齢者の心身の機能への悪影響が懸念されます。
 都は令和三年度から、新しい日常における介護予防・フレイル予防活動支援事業を開始しましたが、その事業内容と実績について伺います。

○西山福祉保健局長 高齢者が地域の通いの場などに集まって行う介護予防、フレイル予防活動は、新型コロナの感染拡大の影響で、これまでどおり対面で実施することが難しくなってございます。
 このため、都は、自宅でタブレット端末等を利用して、オンラインで仲間と一緒に体操や趣味活動を行うなど、コロナ禍に対応した高齢者のフレイル予防活動等の取組を支援する区市町村に対して、令和三年度に補助を開始しており、十九区市町村で活用されました。
 今後も、本事業の様々な取組事例を区市町村に紹介するなど、一層の活用を働きかけ、長引くコロナ禍にあっても、高齢者が心身の健康を維持増進できるよう、区市町村と連携して支援を進めてまいります。

○田村委員 コロナ禍でのエッセンシャルワーカーとして、介護従事者と同じく活躍されているのがごみの収集事業者の方々です。
 ここ数年、ごみ収集の現場で課題となっているのが、プラスチックごみに混入したリチウムイオン電池や電池を内蔵する製品が、清掃車両や施設での処理の過程で火災を引き起こしてしまうことです。実際に、都内のみならず、全国の清掃、リサイクルの現場で、リチウムイオン電池に起因する発火事故や火災が発生しています。こうした火災等の発生を防ぐためには、リチウムイオン電池やこれを内蔵する製品をプラスチックごみ等と分けて安全に回収することが必要です。
 都では、こうした状況を踏まえ、家庭ごみの収集、処理を担う市区町村と共同で、リチウムイオン電池の安全な回収の実施に向けた検討を行うとともに、分別回収に向けた支援を行っていると聞いています。
 そこで、令和三年度の検討状況と都の施策について伺います。

○栗岡環境局長 近年、市区町村の清掃、リサイクルの現場では、リチウムイオン電池やこれを内蔵する製品の破損に起因する火災が増加しており、その対策は急務でございます。
 そのため、都は、市区町村との共同検討会におきまして、国、東京消防庁、業界団体等と共に安全な回収に向けた検討を進めてございます。
 令和三年度は、都内での火災発生状況や業界団体の回収実績等について情報共有を行うとともに、市区町村の回収方法等の調査を実施いたしました。
 また、都が自治体を直接訪問し、先進事例の情報提供を行うなどの技術支援を行ってございます。さらに、電池の分別回収や危険性の周知など、新たな対策を実施する自治体に対しまして財政支援も実施してございます。
 今後も、こうした取組を通じまして、自治体によるリチウムイオン電池の安全な回収を促すことで、火災の発生抑制を図ってまいります。

○田村委員 分別回収が推進されるよう、都は、引き続き市区町村に対し、技術支援や財政支援をしっかりと行っていっていただきたいと思います。
 日常的に我々の生活を支えているのがごみ収集事業者の方々なら、災害復旧時に頼りになるのが建設事業者です。
 東京都では、建設事業に携わる方々もエッセンシャルワーカーとして認定しています。その建設業界では、二〇二四年四月から、建設業においても超過勤務の上限規制が適用されます。建設事業者の中からは廃業を検討するという声まで聞こえてきます。建設産業は、地域の守り手として持続的にこの役割を果たしていくことが必要です。そのために働き方改革は待ったなしです。
 そこで、都の週休二日事業や平準化などの取組状況を伺います。

○吉村財務局長 建設業の働き方改革を推進していくことは、公共工事の担い手確保に向けた重要な責務と認識しております。
 都では、労働時間の是正に向けまして、適正な工期の設定を行うとともに、現場の働き方に合わせて休日を確保できるよう、土日に閉所する工事、平日に閉所する工事、閉所せずに交代で技能者等が休日を取得する工事により、週休二日工事の拡大に取り組んでおります。令和三年度では、公営企業も含め、八局において本格実施を含めて実施いたしました。
 建築工事におきましては、従来の大規模工事に加え、設備改修などの小規模工事にも対象を広げております。
 さらに、年間を通じた工事の分散化を図るため、施工時期の平準化にも取り組んでいるところでございます。
 今後とも、こうした取組を一層推進し、建設業の働き方改革を後押ししてまいります。

○田村委員 令和二年第三回定例会の私の一般質問で、週休二日事業について、休日を柔軟に取得することを求めるよう要望し、都もそれに応えるなど、支援を行ってきました。今後も建設業の働き方改革への支援を引き続きお願いいたします。
 災害からの復旧に加え、防災面でも頼りになるのが建設業の方々です。その事業の象徴が無電柱化です。
 都議会自民党はこれまで、都の無電柱化事業を後押しし、東京から電柱をなくすことを政策提言し、機会あるごとに訴えてきました。
 都は、整備計画に基づき、都市の防災力を高め、安心して暮らせる都市を実現するため、第一次緊急輸送道路を整備するなど、無電柱化を着実に進めてきました。
 そこで、令和三年度末までの都道における無電柱化の整備実績について伺います。

○中島東京都技監 無電柱化は、災害時に電柱の倒壊による道路閉塞を防ぎ、都市防災機能の強化などを図る上で重要でございます。
 これまで都は、数期にわたる計画に基づきまして、防災性の向上に資する緊急輸送道路などの無電柱化を推進してきております。
 令和三年度末までに、計画幅員で完成している都道における整備済み延長は千四十三キロメートル、地中化率は約四五%でございます。そのうち、第一次緊急輸送道路の地中化率は約三九%となってございます。

○田村委員 都道の無電柱化が着実に推進されていることが分かりました。
 区部では、センター・コア・エリア内の整備がおおむね完了するなど、一定の進捗が図られています。
 私の地元である西多摩を含めた多摩地域においても、災害による電柱倒壊や断線を防ぎ、防災性の向上を図るために、一層無電柱化を推進する必要があると考えています。
 そこで、多摩地域における無電柱化の取組について伺います。

○中島東京都技監 これまで多摩地域では、第一次緊急輸送道路である青梅街道や新奥多摩街道などで無電柱化を進め、令和三年度末時点で二百二十四キロメートルの整備が完了いたしました。
 昨年六月に改定した東京都無電柱化計画では、整備目標を前倒しするなど、多摩地域においても大幅なペースアップを図り、例えば、第一次緊急輸送道路や利用者の多い主要五十駅周辺の都道につきましては、二〇三五年度の完了を目指すことといたしました。
 引き続き、安全・安心な東京の実現に向け、無電柱化を推進してまいります。

○田村委員 今後も無電柱化を強力に推し進めていただきたいと思います。
 災害時に電力の供給源として期待されるのが電気自動車などZEVのバッテリーです。そこで、ZEVの普及についてお聞きします。
 現在、海外では、様々な法規制などで、電気自動車を含むZEVの推進が強力に行われております。こうした流れを定着させ、EV等をさらに普及させるには、車両購入に対する負担軽減はもとより、走行中の電気切れの不安を感じることなく走行するための充電インフラの整備促進が不可欠です。
 都は、環境公社に出捐し、充電インフラの整備に向けた取組を進めてきましたが、令和三年度の取組内容と実績について伺います。

○坂本産業労働局長 都では、集合住宅のほか、工場などの事業所や商業施設等に充電設備を導入する場合、機器の購入やその設置工事に対する補助を行いました。
 具体的には、環境公社に設けた基金によりまして、急速充電器について、導入経費の全額に助成を行い、普通充電器では、国と都の助成を併用することで設置者に費用負担が生じない仕組みといたしました。
 特に、令和三年度は、急速充電に必要となる受変電設備の設置や改修の経費にも補助を開始いたしました。また、商業施設等で、再生可能エネルギーを使い、急速充電のサービスを行う場合、電気料金の一部に助成する制度も導入いたしました。
 充電設備の確保が半導体不足等の影響を受ける中、支援の目標六百五十五基に対し、二百七十九基の助成を行っておりますが、これは前年度の四倍近い実績となっております。

○田村委員 実績を四倍近く上げたとのことですが、環境公社の財源はまだ残っていることになります。半導体不足など影響があるとしても、使われなかった財源は、都民の負託に応えるため、次年度以降にしっかりと活用していただきたいと思います。
 世界的なEVシフトの中、今後、都内のEV等の台数も急速に増加することが想定されます。都は、世界の大都市の責務として、ゼロエミッション東京の実現に向け、自動車から排出されるCO2を大幅に削減するために、充電設備設置に対する支援の充実を図り、安心してEV等を選択することができる環境を整えていくことを要望します。
 なお、自動車の脱炭素化を進めるには、その製造から走行段階、廃棄までのライフサイクルを通じたCO2排出量をいかに少なくするかという視点も重要です。特に、電気や水素の生産段階で排出されるCO2の排出量は、しっかりと把握しておく必要があることを申し添えておきます。
 発達障害のある方が就職し、社会人として活躍し続けるようにするためには、社会人となる直前の高校段階での指導において、生徒の障害の特性に応じて、生活に必要なスキルや就労に必要なスキル、支援要請できるスキルなどを身につけさせ、スムーズに社会参加につなげていくことが重要です。
 昨年の第四回定例会の代表質問において、就職を間近に控えた発達障害のある高校生への指導を充実すべきと質問し、今後は、特別支援学校と高校の連携を強化して指導の充実を図るとの答弁でした。
 そこで、令和三年度以降どのような取組を実施してきたのか伺います。

○浜教育長 都教育委員会では、障害に関して多くの指導経験を有する都立特別支援学校が都立高校を支援する都立版エリアネットワークの実施に向け、その仕組みや学校の役割などを令和三年度に整理いたしました。
 この結果を踏まえ、今年度から、地区ごとに拠点となる特別支援学校が、都立高校の個別の事例等に対し、助言等の支援を行っております。
 また、地区を超えたワークショップを開催し、具体的な事例に基づいた実践的支援につながる研究を行うなど、都立高校における発達障害教育の向上にも取り組んでいます。

○田村委員 具体的な取組をお聞きできました。
 発達障害のある生徒がどのように学んでいくのかということは重要です。しかし、発達障害のある生徒が健常な生徒へ自分の障害を理解してもらう努力をし、健常な生徒も、その障害とその障害への対応の仕方を理解しようと努力することも大変重要だと思います。
 例えば、ふだんのコミュニケーションにおいて、長いセンテンスの文章が理解できない障害があるとすれば、その障害のある生徒は、そのことに対して健常な生徒の理解を求め、健常な生徒も短いセンテンスで区切って話をするように努力をする。そうした行為が日常的に行われたとしたら、発達障害のある生徒もない生徒ともに社会に出たときに、発達障害を受け入れ、適応し、生かせる社会ができるのではないかと思います。このネットワークが、最終的にはこうした社会形成にも役立つ働きをするよう願います。
 教育と保育の機能を併せ持った認定こども園は、今後の少子化における保育と教育の担い手として期待されます。
 そこで、まず、令和三年度の認定こども園が対象となっている補助事業のうち、主なものについて、全体の決算額と、そのうち認定こども園に補助している額について伺います。

○西山福祉保健局長 保育に関する補助事業で、認定こども園も対象としている主なものといたしましては、保育士等のキャリアパスの導入に取り組む事業者を支援する保育士等キャリアアップ補助と、国の制度により施設の運営費を支援する施設型給付がございます。
 令和三年度の保育士等キャリアアップ補助の決算額は二百九十億九千六百三十八万四千円であり、このうち認定こども園分は十一億六千二百七十四万五千円となってございます。
 また、施設型給付の決算額は五百三十六億七千八百六十一万六千円であり、このうち認定こども園分は二十億千四百七十九万五千円となってございます。

○田村委員 認定こども園への補助額はまだまだ少ないことが分かります。しかし、認定こども園の果たす役割は今後大きくなると思います。
 そこで、認定こども園の整備について、都の認識を伺います。

○西山福祉保健局長 認定こども園は、教育と保育を一体的に行う機能と子育て支援を行う機能を併せ持つ施設であり、区市町村は、地域の実情に応じて、認定こども園を含む多様な保育資源を活用し、子育て家庭に対するサービスを提供してございます。
 都は、地域のニーズを踏まえたサービスの充実に取り組む区市町村を支援しており、本年四月一日現在、認定こども園の整備数は、東京都子供・子育て支援総合計画の目標である百六十一か所に対して百六十七か所となっております。
 今後とも、認定こども園を活用し、子供と家庭に対するサービスを提供する区市町村を支援してまいります。

○田村委員 全国では九千に近い認定こども園が設置されていると聞きます。東京都がその重要性を認識し、市区町村への啓発も含め、支援を強化することを求めます。
 都教育委員会は、平成三十年九月に江東区青海にTOKYO GLOBAL GATEWAYを開設しました。これまでに多くの児童生徒が利用しており、英語漬けの環境の中で、ネーティブスピーカーとの様々な交流や体験を通じ、楽しみながら生きた英語や多様な文化を学んでいます。
 青海のTGGの実績を踏まえ、多摩地域にも同様の施設を設置するために、現在、準備を進めているとのことですが、多摩地域の体験型英語学習施設の開設に向けた取組状況と施設の特色について伺います。

○浜教育長 多摩地域における体験型英語学習施設につきましては、昨年度、運営事業者を決定し、地域の特性を生かした施設となるよう、学習プログラムの内容や施設の整備、運営方法等について検討を行い、準備を進めてまいりました。
 具体的には、森林や水資源の有効活用など、多摩地域ならではの豊かな自然をテーマとしたプログラムを提供するとともに、プロジェクションマッピング等のデジタル技術を活用して、海外や未来を感じる空間や場面を演出し、臨場感のある体験学習の機会を創出することとしています。
 来年一月の開業に向けて、学校によるトライアル利用も活用しながら、質の高い学習体験を提供できるよう着実に準備を進めてまいります。

○田村委員 今ありました多摩地域の特色をぜひ生かし、例えば、新しく横田基地へ赴任したアメリカ人へ多摩地域の観光スポットを紹介するツアーの通訳を子供たちにやってもらうカリキュラムなど、多摩のTGGならではの特色をつくり上げていただき、より実用的で生きた英語力が養われるよう希望いたします。
 私はかねてから、地域公共交通の重要性について都議会で取り上げてきました。今年の予算特別委員会や第三回定例会では、それぞれの地域の実情に応じた移動手段の確保や、隣接する市区町村同士でデータを共有することの重要性などについて質問してきたところです。
 都は、地域公共交通の在り方について、学識経験者、国、区市町などから成る検討会を設置し、二年間にわたる検討を経て、都民の意見も踏まえて、令和三年度に東京における地域公共交通の基本方針をまとめており、重要な年であったと認識しています。
 そこで、改めて、都が基本方針をまとめた狙いや意義、また、それに基づいてどのように取り組んでいくのか伺います。

○福田都市整備局長 人口減少、少子高齢社会の進行など、都民を取り巻く環境が変化する中、地域公共交通の利便性を高め、日々の生活を豊かにしていくことが重要でございます。
 都は、地域の将来像を踏まえ、今後の取組の方向性、支援策を明らかにするため、昨年度末に地域公共交通の基本方針を策定いたしました。
 その中で、高齢者や子育て世代等の気軽な外出を支える移動手段の充実や、行政区域を意識することのない移動の実現などに向け、地域の特性に応じた様々なニーズにきめ細かく対応できるよう、地域公共交通を主体的に担う市区町村への技術的、財政的支援を強化することとしております。
 この基本方針を踏まえ、市区町村の取組を一層後押しし、地域公共交通の充実を図ってまいります。

○田村委員 行政境を意識して移動している都民はいません。ぜひ、交通弱者のみでなく、全ての都民が自由に移動できる地域公共交通の構築を先導していっていただきたいと思います。
 その実現にはデータの活用が必須です。例えば、地域公共交通の担い手の有力候補であるデマンド交通は、誰が、いつ、どこからどこまで乗車したかが把握できます。このデータを使えば、例えば乗車距離で自治体の負担を割り振ることも可能です。そして、ネットの予約システムを確立すれば、地元の方のみでなく観光客の利用も見込めます。さらに、規制緩和で客貨混載が認められています。農産物の地産地消のネックとなっているのが物流です。人だけでなく農産物も運べる可能性があります。
 様々な可能性を持った地域公共交通の推進に局を超えて取り組んでいただくことをお願い申し上げ、私の質問を終わります。(拍手)

○柴崎副委員長 田村利光理事の発言は終わりました。
 藤井あきら副委員長の発言を許します。

○藤井委員 デジタル都議、そしてスタートアップ議員の藤井あきらでございます。都民ファーストの会東京都議団を代表しまして質疑をさせていただきます。
 令和三年度は、コロナ二年目を迎え、経済が大きな打撃を受けて雇用情勢が悪化する中、都は雇用や経済の早期回復に向けて取り組んできました。
 私たちの会派は、コロナが始まった、二〇二〇年五月、今後の雇用情勢の悪化を最大の課題と捉えまして、東京版ニューディールとして提案をしてまいりました。私もその作成に携わりまして、この東京版ニューディールという名前は、実は私が提案をしてつけたものであります。
 その柱の一つは、今後の成長分野へシフトしていくということであります。私たちの提案を受けて、都は、今後も需要が見込まれるデジタル人材の育成、再就職支援などを通して、二万人を超える雇用の創出や、未来への投資を東京版ニューディールとして取り組んできたところであります。
 その成果と評価、今年度の政策にどのように生かされているのか、小池知事の見解を伺います。

○小池知事 感染症の影響が長期化いたしまして、経済が大きな打撃を受け、雇用情勢の回復の見通しがつかない中では、解雇や雇い止めによって困難に直面する方々に対して、早期に働く場を確保し、生活の安定を図ることは重要でございます。
 このため、都は昨年度、求人企業とのマッチングや職業訓練などの施策を大幅に拡充いたしました。そして、求職者一人一人に寄り添った支援を行う東京版ニューディールを実行したところでございます。これによりまして、成長が見込まれる産業分野などへの人材シフトも促しまして、二万五千人を超える就職のサポートを行いました。
 コロナ禍にありましても採用意欲の高い企業に派遣社員として勤め、正規雇用を目指すトライアル就労を展開いたしましたほか、デジタルスキルを習得できる訓練、そして就職サポートを一体的に行う支援などによりまして、多くの方の仕事の確保に結びつけたところでございます。
 こうした成果を踏まえて、求職者の直面する個々の状況に応じたきめ細かい就業支援、そして産業構造の変化に柔軟に対応した能力開発を進めて、雇用対策の一層の充実を図ってまいります。

○藤井委員 産業構造の変化に柔軟に対応した能力開発を進めるということであります。
 国でも今、グリーントランスフォーメーション、GXが注目されておりまして、気候変動対策、環境分野というのは、今後大きな成長が見込まれるものだと考えております。アメリカのグリーンニューディールも参考に、環境政策と経済政策を掛け合わせた東京版グリーンニューディールの実施、これを要望させていただきます。今後、私たちも具体的な提案をしてまいります。
 東京版ニューディールの成果を今確認させていただきました。人への投資の高まりを受けて、都の提供する職業訓練の在り方は、老朽化した設備の改修と併せて見直しが必要です。その際には、デジタル人材やグリーンエネルギー中心の社会への転換に必要なGX人材の育成など、時代のニーズを踏まえながら、初期投資が大きく民間が参入しにくい分野への支援が必要です。
 職業能力開発センター等における職業訓練に関する令和三年度の取組の詳細とその施策への反映について、都の見解を伺います。

○坂本産業労働局長 都の職業能力開発センターでは、技能に係るデジタル化の進展や、様々な業界の求人ニーズの変化を踏まえ、訓練の設備等について更新を行ってまいりました。
 令和三年度は、ものづくりをデジタルで行う技能を習得できるよう、最新鋭の機器を導入し、機械部品をパソコンで設計し、自動加工機を使い製作する訓練を開始いたしました。
 また、複雑な機械加工を効率的に行うため、コンピューターで旋盤を制御するシステムや、デジタルで製図を行う最新のソフトを導入し、企業のニーズに即した技能を身につけることができるよう対応をしたところでございます。
 今後とも、訓練内容の充実を図り、グリーントランスフォーメーション、GXなど新たな社会の動向に応じた求人に対応できるよう、太陽光パネルの設置作業等の訓練に必要な設備を導入するなど、就業の後押しを着実に進めてまいります。

○藤井委員 今後、老朽化した実習施設の更新タイミングに合わせて最新の設備を導入するなど、脱炭素に対応した人材を育成し、東京の中小企業がDXとGXに対応できるような支援を求めます。
 新産業の文脈では、近年、個人が動画や文章、イラストなどのデジタルコンテンツを提供し、自身で作成したグッズやスキルを販売するなどのクリエーターエコノミーが注目されております。国内での市場規模も一兆三千五百七十四億円ともいわれているものであります。
 クリエイターエコノミー協会によりますと、クリエーターが直面する課題として、法律や税金等の事務処理、そして個人での企業との交渉、トラブル対応などが挙げられております。また、クリエーターの四人に一人が誹謗中傷を受けた経験があるということでありまして、インターネット上の誹謗中傷対策も急務です。
 このような事項に対し、クリエーターエコノミーを含むコンテンツ産業に従事する事業者に対する令和三年度の取組の詳細について伺います。

○坂本産業労働局長 都は、アニメや映像の制作などを行うクリエーター等の事業の展開を後押しするため、創業支援施設を設け、コンテンツのビジネスに詳しい人材や弁護士等の専門家を配置し、情報提供や相談対応を行いました。
 具体的には、コンテンツに関わるビジネスのノウハウを個別に提供するほか、会計や就業のルールを学ぶセミナーを五回開催いたしました。また、大手のコンテンツ企業等と商談を行うマッチング支援を四十二回実施し、事業展開を後押ししたところでございます。さらに、契約上のトラブル等に関する三十四件の相談を行い、円滑な業務運営をサポートいたしました。
 これらに加えまして、インターネット上の誹謗中傷等について、人権プラザにおいて弁護士による相談を受け付け、法的な助言などを行いました。
 引き続き、関係部署と連携して、コンテンツ産業の後押しを進めてまいります。

○藤井委員 コンテンツ産業、これは世界と戦える領域だと思いますので、しっかりと環境整備等、クリエーターエコノミーを育てていくことを要望させていただきます。その際、クリエイターエコノミー協会とも連携していただきますようお願いいたします。
 次に、スタートアップについて伺います。
 今月末に発表される都のスタートアップ戦略においては、公共調達の拡大というのが一つの大きなテーマです。
 そこで、スタートアップの力を借りて都政課題を解決するUPGRADE with TOKYOの昨年度の実績について伺います。

○坂本産業労働局長 都は、東京が抱える様々な行政課題の解決に向け、最先端の技術や独創的なアイデアを持つスタートアップの力を活用するため、ピッチコンテストを実施しております。
 昨年度は、産業振興や環境問題のほか、まちづくりなど幅広いテーマを設け、九回のコンテストを開き、四十四のスタートアップから先進的で効果の高い事業提案がございました。
 具体的には、創業の活性化につながるエンジェル税制の内容をAIで説明するシステムをつくり上げる取組や、地域での自家用車によるCO2の排出量を試算した上で、デジタル広告を通じ公共交通の利用を促す仕組みなど、九件を契約対象として選定いたしました。
 これらのうち、現在まで、八社と契約を締結し、都とスタートアップが協力し、行政課題の解決に向けた取組を進めているところでございます。

○藤井委員 スタートアップの公共調達の拡大に関して三点要望させていただきます。
 一点目は、今のUPGRADE with TOKYOですが、これまで二十五回開催して、今、二十六回目を募集しているというところかと思いますが、テーマを確認いたしますと、産業労働局で約四割、スタートアップも関連するデジタルサービス局と合わせると六割になりまして、偏りがあると思います。ぜひ全ての局で積極的に活用して、スタートアップとの協働を進めてほしいと思います。あえて局名は挙げませんが、これまで活用のない局に関してはぜひお願いしたいと思います。
 二点目ですが、各局と、さらに都内区市町村等の政策課題、これをリスト化しまして、そこにスタートアップが提案できる仕組みもご検討いただきたいと思います。
 三点目ですが、もっと大きな都政課題の解決にもスタートアップとの取組を進めていただきたいと思います。アメリカのNASAでは、宇宙への有人飛行を民間のスペースX社に数千億円で発注しております。都では、例えばその一つの分野はグリーン分野でありまして、都が公共調達等を通じて、新産業をつくる気概で取り組むことを要望させていただきます。
 スタートアップが新たなサービスやテクノロジーを実装する上で、国や自治体における法制度等の規制や実質的な運用ルールが壁となることがたくさんございます。
 国家戦略特区により規制を緩和するなど、スタートアップ等が新たな事業を起こしやすくする環境を創出することが重要ですが、特区によるこれまでの取組と、スタートアップのニーズを捉えた今後の展開を伺います。

○吉村政策企画局スタートアップ戦略担当局長 様々な企業が新事業を展開する環境整備として、都はこれまで、国家戦略特区を活用し、開業ワンストップセンターや自動走行ワンストップセンターを国と共同設置し、事業者を支援してまいりました。昨年度、開業などの支援を二百七十二件、自動運転の実装支援を九十九件実施いたしました。
 スタートアップが新たな事業を起こす際には、様々な規制緩和等の課題が考えられます。こうしたニーズを的確に捉えるため、現在、民間スタートアップ支援拠点に設けた出島で、庁内横断チームが困り事の相談を受けるなど、きめ細かいコミュニケーションを図っております。
 こうしたスタートアップの声を踏まえた規制改革の取組につきまして、今月中にまとめる戦略に反映させてまいります。

○藤井委員 例えば、東京ベイeSGプロジェクトに国と連携して、様々な規制を大幅に緩和した国家戦略とするなど、新たな取組を求めさせていただきます。
 続きまして、ゼロエミッション東京の実現に向けた取組について伺います。
 知事は、気候変動対策を牽引する都市の首長として、先日、エジプトで開催されましたCOP27に出席をされました。都の発表や新聞報道などによりますと、ハイレベルな会合で、条例改正を提案予定の太陽光パネル設置義務化やグリーン水素の普及に向けた取組について、都の先進的施策を世界に向けて発信されております。
 世界の都市の代表として参加されたCOP27での議論も踏まえて、ゼロエミッション東京実現に向けた昨年度の取組の振り返りと、今後に向けた知事の決意についてお伺いいたします。

○小池知事 COP27への出席を通じまして、気候変動への危機感を世界と共有をいたしまして、また、都市が果たす役割の重要性への認識と脱炭素社会実現への決意を新たにしたところでございます。
 都はこれまでも、世界有数の大都市の責務といたしまして、オフィスビルなどをも対象とする、世界で初めてのキャップ・アンド・トレード制度を導入しまして、直近の実績にいたしますと、基準排出量比三三%の削減も実現しております。
 また、断熱、省エネ性能が高い東京ゼロエミ住宅の導入、そして既存住宅の断熱改修等への支援におきまして、昨年度は補正予算で件数、そして補助率の拡充を図りました。合計の申請件数は、令和二年度と比べますと約七割増加しておりまして、住宅の脱炭素化を加速いたしております。
 そして、グリーン水素の利用についてですけれども、東京二〇二〇大会の聖火台、トーチ、選手村での福島県産水素の活用、そして南大沢地区での水素の社会実装などを実施いたしております。今年三月には東京水素ビジョンを策定しまして、将来のグリーン水素が、パイプラインを含めました供給体制の下で本格活用される姿をお示しいたしました。
 今後も、新築住宅等に断熱、省エネ性能や太陽光発電設備の設置などを義務づけます新制度の創設など、さらなる施策の強化拡充を図りながら取組を加速しまして、持続可能で美しい地球を次の世代へと引き継いでまいります。

○藤井委員 二〇五〇年までのCO2排出実質ゼロに向けては、規制や制度、補助などに加えまして、産業の抜本的な転換と多くのイノベーションが必要となります。
 気候変動の問題を解決するクライメートテックと呼ばれる領域が世界で注目されつつあります。この分野はこれから十五年が勝負でありまして、都として、都市計画、環境政策、そして産業政策と教育政策、労働政策などを融合いたしまして、長期的な目線で、このクライメートテックなどスタートアップを積極的に育成、活用、そして協業することを要望させていただきます。東京がアジアのクライメートテックのハブ都市となり、成長することを期待しております。
 知事のCOP27のエジプト出張や、また、先週は、宮坂副知事もスマートシティの関係でバルセロナに出張されております。
 一方で、コロナ前の二〇一九年度には、私たちが提案をしました職員の海外出張を奨励し、各分野の先行事例を実地で見て、都政に取り入れる新たな取組をスタートしたところでありました。
 令和三年度における国際競争力強化プロジェクトの取組状況、この間、海外現地への渡航ができない中、オンラインなど、どのように事例を収集して施策に生かしてきたのか伺うとともに、あわせて、今後は、職員の海外出張、海外研修についてどのように推進していくのか、知事の見解を伺います。

○小池知事 東京が世界をリードする成熟都市としてさらなる飛躍を遂げる、そのためには、都政を支える職員が世界の潮流をいち早くつかんで、政策へ反映していくことは重要です。
 こうした思いから、令和元年度より、新たに国際競争力強化プロジェクトを立ち上げまして、職員が海外の現地に赴いて、調査研究を通じて各政策分野の課題解決につなげる取組を開始いたしております。
 令和三年度は、現地への渡航がご指摘のように困難であったという、そういう状況の中で、海外とのオンライン会議を通じまして事例収集を行うなど、工夫しながら取り組んでまいりました。
 例えば、デジタル先進国であるデンマークから、公務員へのデジタル教育の在り方であったり、システムの共同開発、調達に関する取組などを学び、都政への還元を図っております。
 また、今年度は、海外の現地への渡航調査を再開いたしておりまして、国際的な視野を広げる機会を提供することによって、世界の好事例を学び、刺激を受け、そして新たな発想で政策立案できる職員を着実に育成してまいります。

○藤井委員 先ほど来ございますが、知事もよくおっしゃっていますけど、都市の時代でありまして、都市間競争というものは激化をしております。
 私も最近、都職員とのやり取りの中で、デジタルの分野などでは、海外都市の取組を聞く機会が増えたなと実感しているところであります。来年度以降も、環境分野など分野をさらに拡大して、海外諸都市の優れた取組を学び、今後の都政に生かしていくことを要望させていただきます。
 次に、令和三年度の東京のデジタル化、DXに関連して幾つか伺わせていただきます。
 東京のDXを進めるためには、住民と直接対面する事務を多く持つ都内区市町村のDXが不可欠でありまして、これまでも私は、デジタル都議としましても、区市町村とのデジタル分野での連携等、様々提案をしたところでありますが、二〇一九年に宮坂副知事が就任してから一気に加速したものと認識をしております。
 都内区市町村とのCIOフォーラムや意見交換の昨年度の狙いと実績、それを受けて今後どのように取り組んでいくのか、宮坂副知事の決意を伺います。

○宮坂副知事 住民に身近な区市町村のデジタルトランスフォーメーションを推進していくため、昨年度、CIO等が一堂に会するフォーラムを開催するとともに、個別に二十四団体とも意見交換を重ね、自治体が抱えている課題などの共有を図ってきました。
 その中で、私は、共通化というのが一つのキーワードだと理解をしました。人材、調達、システムなど、みんなが一緒に取り組むことで、高い品質を確保し、コストメリットを生み出すことができるのではないかという示唆をもらいました。
 このため、都は、新たな人材シェアリングの仕組みの構築やツールの共同調達、システムの共同開発などに積極的に取り組むことを、九月に発表した新たな展開で示しました。
 今後も、CIOとの関係を強化しつつ、来年設立するGovTech東京と共に区市町村の支援に全力で取り組み、東京全体のDXを強力に推進してまいります。

○藤井委員 区市町村と丁寧に意見交換を行い、双方が納得した上で進めているということ、そして、そのプロセス自体が非常に重要であるということを確認することができました。
 一方で、このCIOフォーラムなんですが、自治体によって参加者が、副区長や副市長のみだったり、デジタル関係の担当者も参加していたりで、レベル感に多少ばらつきがあるように見受けられます。より深い議論のためには、目的と合わせた、目的の精査と参加者の精査、これをお願いしたいと思います。
 共通化というキーワードもありました。GovTech東京の設立に向けて、しっかりと取り組んでいただきますようお願いいたします。
 以前から、都と区市町村が共に利用を進めているのが東京共同電子申請・届出サービスであります。その使い勝手は、都民がイメージする行政のデジタル化、行政サービスの質そのものに直結するものであります。
 共同電子申請については、都民のまさに窓口でありまして、今後、抜本的な見直しが必要だとの意見も自治体からもいただきます。
 昨年度の実績と課題解決に向けた検討状況について伺います。

○久我デジタルサービス局長 共同電子申請サービスは、行政手続のデジタル化に向け、都と区市町村が共同で開発、運用を行っております。令和三年度の利用件数は約百六十四万件となっており、令和二年度の六十五万件から大幅に増加しております。
 一方、本サービスにつきましては、都民にとってはスマートフォンでの申請が行いづらく、また、職員にとっては申請受付画面の作成に時間を要するなど、急増するデジタル化ニーズに十分対応できないという課題がございます。このため、現行サービスを抜本的に見直し、ローコードツールを活用したクラウドサービスを導入することを、本年六月に合意いたしました。
 今後、都民、職員双方にとって利便性の高いデジタルサービスの提供を目指し、これまでのスキームを大きく発展させ、都と区市町村、GovTech東京が協働する新たな枠組みの構築に取り組んでまいります。

○藤井委員 コロナもありまして、利用が二倍、三倍に膨らんでいるということで、急増しているところであります。
 また、昨今のDXの進展の中で、区市町村が独自に、住民が使いやすい、使い慣れたLINEであったりとか、Graffer、LoGoフォーム等のサービスを使っている、そういった電子申請も進んでいるところです。共同電子申請についても、そういった取組に遅れることなく抜本的に見直し、都民、ユーザーにとって使いやすいサービスとすることを強く要望させていただきます。
 少し話題を変えまして、福祉保健局のDXについて二問伺います。
 まず、マップ、地図の活用について伺います。
 コロナの発熱外来や後遺症外来、そしてアクセスしやすいワクチン接種会場など、マップの活用が進んでいるものと理解をしております。
 私も先日、コロナにかかりまして、発熱外来の地図を活用して、スマートフォンで検索することでクリニックをすぐ見つけることができまして、検査をすることができました。発熱外来のこのマップに関しましては、多くの方から、分かりやすくて使いやすい、場所もイメージしやすいと評価する声をいただいております。第八波でも、引き続き診療・検査医療機関は重要でありまして、このマップの活用に期待をしているところであります。
 都は、発熱外来のマップ化にどのような経緯で、どのような工夫を凝らしてきたのか伺います。

○佐藤福祉保健局健康危機管理担当局長 新型コロナ発熱外来のマップにつきましては、従来は一覧表で公表していた診療・検査医療機関の情報につきまして、患者の方が医療機関をより探しやすくなるよう、パソコン画面の地図上に医療機関の位置を示したもので、デジタル局と連携いたしまして、令和三年十月から公表しております。
 検索画面上から、診療可能な曜日や小児や妊婦の対応が可能かなどの条件を選択すれば、条件を満たす医療機関が地図上に表示されるものとなっております。
 本年三月からは、スマートフォンでの操作性を向上させたモバイル版を新たに作成をいたしまして、画面上から、そのまま医療機関に電話発信できる機能などを追加いたしました。
 今後、年末年始に向けまして、この期間に診療を行う医療機関をより簡単に検索できるよう工夫をするなど、引き続き患者の利便性を重視した情報提供に努めてまいります。

○藤井委員 ありがとうございます。
 単に住所を一覧に提示するわけでなくて、地図にマッピングするというのは非常にシンプルなことではあるんですが、都民にとっては非常に分かりやすいもので、効果が高いものだと思います。ぜひ、今後、このコロナの対応に限らず、各局が住所の一覧等を公表する際には、地図化というのを前提にご検討いただきたいと思います。その際には、デジタルサービス局もこのマップ化の支援、横展開に取り組むよう要望をさせていただきます。
 令和三年の予算特別委員会で私が行いました、放課後等デイサービスなど障害福祉サービス等の指定申請の事業者の負担軽減の質問に対しまして、デジタル技術の活用等について検討していくという答弁がありました。
 障害福祉サービス等の事業者指定に係る申請手続のDXを進めることで、事業者の負担軽減、ペーパーレス化等に直結すると考えますが、その後の都の取組状況について伺います。

○西山福祉保健局長 都は、障害福祉サービス等に多くの事業者が参入している状況や、新型コロナの感染状況を踏まえ、施設の開設などを検討する事業者向けにオンラインで説明会を開催するほか、事業者との個別相談も必要に応じてオンラインで行い、効率的な申請につなげてございます。
 こうした取組に加えまして、申請から事業者指定までの行政手続についてもデジタル化することで、事業者の書類作成や提出などの負担軽減を図るとともに、都における書類審査などの事務の効率化を推進してまいります。
 現在、事業者指定業務のプロセス全体を検証し、デジタルのさらなる活用などを検討しております。今後、この取組の具体化に向け、事業者の負担軽減や業務の効率化について、さらに検討を進めてまいります。

○藤井委員 私の提案も受けまして、検討を進めていただいているということであります。ありがとうございます。無駄な判こや紙を省くなどしっかりと、この事業者の業務、そしてその先にいる都民が使いやすくなるように、しっかり検討を進めていただきますようお願いいたします。
 昨年、二〇二一年四月からデジタルファースト条例が施行されました。これまで書面を前提としてきた都の手続の原則デジタル化が進められているところであります。
 分科会の質疑では、私たちの会派の山田理事より、条例に関連して、デジタルデバイドの対策を進めてきたことも確認をさせていただきました。
 デジタルファースト条例の初年度の取組に対し、都民や事業者からどのような声があり、どのような成果があったのか、宮坂副知事の見解を伺います。

○宮坂副知事 東京デジタルファースト条例は、紙からデジタルへの抜本的な転換を図り、誰もがその恩恵を享受できるデジタル社会の実現を目指すものです。
 条例に基づき、昨年七月に推進計画を策定し、三年間で七〇%の行政手続のデジタル化を強力に推進しております。利用者からは、オンライン化を評価する一方で、操作性等への意見をいただいており、さらなる改善に取り組んでいます。
 また、誰一人取り残されないデジタル社会を築くべく、高齢者向けスマホ体験会等を開始し、昨年度は約五千人に参加いただき、スマホの利用に意欲的なご意見を多く頂戴しました。今年度は、規模を拡大し、約一万五千人へのサポートを目指しております。さらに、昨年度末にデジタル十か条を策定し、職員にデジタルサービスに関する共通の価値観の浸透を図っております。
 アナログからデジタルへと大きくかじを切り、利用者目線でサービスを提供する行政の第一歩を踏み出したことが、条例初年度の成果であります。これをさらに加速させ、GovTech東京とも協働しながら、都政のクオリティー・オブ・サービス、都民のクオリティー・オブ・ライフ向上を実現してまいります。

○藤井委員 誰もが質の高い行政サービスを簡単、便利に受けられますように、今後ともしっかりと取り組んでいただきますようにお願いをいたします。
 次に、工業高校でのデジタル人材を育成するTokyo P-TECH事業について伺います。
 先日、町田工業高校のTokyo P-TECHの授業、これを視察させていただきました。生徒がIT企業の職員から熱心に話を聞いて、積極的に質問をしておりまして、IT業界の仕事の内容や、どんな人が働いているのか、具体的にイメージすることができるものでした。一年生と意見交換をする機会もいただきまして、この生徒たちが三年間でどのように成長していくのか、非常に楽しみな、すばらしい取組であると認識をしております。
 そこで、町田工業高校におけるTokyo P-TECHの授業の成果と、それを踏まえた今年度の事業展開について伺います。

○浜教育長 都教育委員会では、将来のデジタル人材の育成を図るため、昨年度、町田工業高校において、IT企業と連携し、社員による講話やプログラミングの授業を行うなど、デジタル技術に関する生徒の知識の向上に加えて、学習意欲やキャリア観を醸成してまいりました。
 授業を受けた生徒からは、デジタル技術をもっと勉強して未来に生かしたいなどの声が寄せられました。
 こうした成果を踏まえ、今年度から新たに、荒川工業高校及び府中工業高校でも本事業を開始し、IT業界で求められる基礎的な知識とともに、実践的なスキルの習得方法等を学ぶプログラムを連携企業と協働して実施しています。

○藤井委員 視察をさせていただく中で、とても印象的だったのは、Tokyo P-TECHを始めた先生が、子供たちの目を輝かせたいという強い思いを持って取り組んだということでありました。企業と連携した人材育成というのは非常に有効なものでありまして、Tokyo P-TECH事業を一層推進していただきたいと思います。
 そのためにも、担当教員の熱意と、そして企業連携のノウハウ等、ほかの職員、教員にも継承していくことや、さらなる連携先企業の開拓をしていただくよう要望させていただきます。
 続きまして、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック大会についてお伺いいたします。
 コロナ禍や一年の大会延期など、前例のない中で開催された東京オリンピック・パラリンピック大会から一年が経過をしたところであります。
 現在、東京二〇二〇大会に関する汚職事件で、組織委員会の元理事が逮捕、起訴される事態となっていたり、また、昨日、今朝ですかね、テスト大会の入札で談合の疑いがあるなどという報道があるなど、様々な課題があったことも事実であります。
 一方で、この東京大会というのは、多様性と調和をはじめ、多くのレガシーをもたらしたものと認識をしております。
 多方面にわたる東京オリ・パラ大会のレガシーを今後の東京の発展につなげていくべきと考えますが、知事の見解を伺います。

○小池知事 ご指摘のように、コロナ禍による一年の延期、無観客という、かつてない逆境の中で、安全・安心な大会を成功させ、アスリートはじめ世界中の方々から感謝の言葉をいただいております。
 大会では、世界の潮流である脱炭素化の実現に向けて、史上初めて、先ほども指摘しましたように聖火に水素を活用したり、最先端テクノロジーを駆使して大会を運営いたしまして、東京の魅力を世界に発信をいたしました。また、駅、宿泊施設のバリアフリー化、観光案内標識の多言語表示など、共生社会の実現に向けた取組も大きく前に進めてまいりました。
 スポーツイベントというのは、都民の理解が得られるよう、公正性が確保されることが重要であります。都は、国際スポーツ大会のガバナンスや情報公開、都の関与の在り方などにつきまして、東京二〇二〇大会の経験も踏まえて、外部の有識者による検討会議で議論を深め、ガイドラインを策定するなど、都としての取組を進めてまいります。
 大会のレガシーを大切に育て上げまして、将来にしっかりと引き継ぎ、都民の豊かな生活へとつなげてまいります。

○藤井委員 今回の汚職事件で、組織委員会元理事はスポンサー選定に便宜を図ったとされておりますが、スポンサー選定は、組織委員会で、理事会が決定するのではなく、事務局で決定されたものが理事会に報告されていたと聞いております。スポンサー選定のような重要事項が決議事項として理事会で審議されていないなど、組織委員会のガバナンスに問題があったといわざるを得ない状況であります。
 ご答弁にありましたとおり、有識者会議等において、東京オリ・パラ大会の経験を踏まえて、徹底した議論と検証、対策の強化を改めて求めさせていただきます。
 霊感商法をはじめとする反社会カルトへの対応についてお伺いをいたします。
 その対応強化が社会全体で大きな課題となっております。先日、私たちの代表質問では、都が取組を強化していく旨の答弁を得たところでもあります。国の霊感商法等の悪質商法への対策検討会における議論の状況などを踏まえて、都としても対策を加速すべきです。
 これまで、霊感商法や反社会的カルトの勧誘については、大学生への勧誘が特に問題視されてまいりました。また、SNSを通じたアプローチも新しく問題となってきております。
 民法改正により、成年年齢が十八歳に引下げとなったことを踏まえ、高校生が霊感商法を含む消費者被害に遭わないよう、適切な判断力を身につけるよう取り組む必要があると考えますが、都教育委員会の取組について伺います。

○浜教育長 成年年齢の引下げに伴い、高校では、二年生までに消費生活に関する正しい知識を習得し、適切に行動する実践力を身につける指導を実施しています。
 これまで都教育委員会は、契約の重要性等を学ぶリーフレットの作成、指定校での先進的な実践の公開、悪質商法を取り上げた教員研修会の開催等を通じて指導の充実を図るとともに、東京都消費生活総合センターによる出前講座等の活用を促してまいりました。
 これらに加え、今年度中に、高校生に身近な被害事例を掲載したリーフレットを全都立高校等に配布することとしております。

○藤井委員 ご答弁にありましたとおり、一人で契約可能となる成年年齢というのが十八歳に引き下げられましたし、また、反社会カルト等が若者に対してSNS等を通じて巧みに近づいてくる事例というのが見られるなど、場に着目した対策だけでは不十分でありまして、都としても、高校生に対する適切なアプローチというのをさらに進めていただきますように、改めてお願いをいたします。
 いわゆる宗教二世の抱える問題への対応というのも急務であります。子供が自ら望まない形で信仰を強制されたり、親の信仰等により精神的、経済的に厳しい状況に置かれているという話もございます。その対策は必要不可欠であります。
 そこで、子供の権利擁護に関する令和三年度の取組の詳細と現在の取組状況について伺います。

○西山福祉保健局長 都は、子供本人からの悩みや訴えを相談員が電話で直接受けるとともに、深刻な相談には弁護士などの専門員が対応する、子供の権利擁護専門相談事業を実施しており、令和三年度は、電話相談が八百十四件、専門員による対応が二十七件でありました。
 また、子供の権利擁護のさらなる取組を検討するため、令和三年十一月、児童福祉審議会に専門部会を設置いたしました。この部会では、今年度、児童養護施設の入所児童や社会的養護の関係者等にヒアリングし、その結果や児童福祉法の改正内容などを踏まえ、児童相談所が関わる子供の意見表明を支援する仕組みの在り方について検討してございます。

○藤井委員 福祉保健局としまして、しっかりとこの宗教二世の問題に取り組むよう要望させていただきます。
 また、先日、旧統一教会に対しまして、養子縁組の実態に関して、国と都で共同で質問状を送付するという予定ということも報道されておりました。質問の回答を踏まえまして、課題があれば、都としても子供たちを守る取組、これ、しっかりと加速させていただきますようにお願いいたします。
 次に、東京都出産応援事業について伺います。
 二〇二〇年十二月の私たちの令和三年度予算要望で実現したのがこの出産応援事業、いわゆる赤ちゃんファースト事業であります。出産に係る都内の平均費用が出産一時金と比較して十万円以上乖離しているということを指摘させていただきまして、コロナ禍でも安心して出産できるよう、具体的に十万円の支援というものを提案させていただきました。
 現在、国でも来年度予算に向けて、子育て支援としての都の出産応援事業も参考に、十万円のクーポンを配る取組など検討されているというところであります。補正予算の話もあったかと思います。
 都にも多くの保護者からこの声が届いていると思いますが、東京都出産応援事業の昨年度の実績、工夫した点、評価を知事にお伺いいたします。

○小池知事 都は、コロナ禍で不安を抱えながら出産、育児に臨む方々を社会全体で後押しをするため、令和三年度に東京都出産応援事業を開始しまして、約十一万三千世帯に利用の案内を送付いたしました。
 利用者からの様々なご意見、ご要望を踏まえまして、申込み状況に応じた育児用品などの入替え、そしてまた都のホームページへの電子カタログの掲載など、様々な工夫を重ねながら事業を実施いたしております。
 都民の皆様方からは、コロナ禍で制限ばかりだった出産が報われたようで本当にありがたい、また、子育てをする親の背中を行政が押してくれる姿勢がうれしかったなどなど、多くの感謝の声が届いております。
 今後とも、誰もが安心して子供を産み育てられる社会の実現に向けまして、子供を持ちたいと願う方々に必要な支援をしてまいります。

○藤井委員 私たちの下にも都民のお喜びの声、たくさんいただいているところであります。国の出産・子育て応援交付金、この創設にかかわらず、来年度も都の事業として赤ちゃんファースト事業、継続をお願いしたいと思います。
 また、出産の支援のみならず、第二子以降の子育て費用の軽減策や教育費の無償化など、出生率二・〇七の実現に向けて、総合的、抜本的な検討を求めさせていただきます。
 子供の貧困や居場所の不足などの課題が顕在する中で、都がフードパントリーや子供食堂への支援を強化してきたことは非常に重要です。
 令和三年度までの取組において、フードパントリーや子供食堂への支援を行ってきたが、この成果を伺うとともに、取組によりどのような声が上がっているのか、見解を伺います。

○西山福祉保健局長 子供食堂やフードパントリーなどは、地域における食の支援として重要な活動でございます。
 都は、生活困窮者等に食料を提供し、適切な支援につなげる地域の拠点となるフードパントリーについて、立ち上げに要する経費を区市町村に支援しており、これまでの実績は九区市三十一か所でございます。
 また、地域の子供に食事や居場所を提供する子供食堂の運営を区市町村を通じて支援しており、事業開始時の平成三十年度の二十六区市町百九か所から、令和三年度には二十九区市二百六十九か所に増加をいたしました。
 今年度は、子供食堂にアンケート調査を行っておりまして、その中で、立ち上げ時に必要な手続や活用できる補助金など、運営ノウハウを提供してほしいとの声がございまして、こうした声も踏まえて子供食堂を支援してまいります。

○藤井委員 アンケート調査を行って、実際の声を聞いてご対応されているということであります。これ、しっかりとご対応いただきますようにお願いいたします。
 次に、分科会質疑で、私たちの会派の菅原委員から指摘をさせていただきました看護師の制服の色分けに関連して伺います。
 熊本市の熊本地域医療センターでは、日勤の制服を赤、夜勤の制服を緑と色分けしたところ、勤務終了間際の看護師が一目で分かるようになりまして、自然に残業が減ったということであります。
 分科会答弁では、都立、公社病院では多摩北部医療センターで実践されているということでしたが、改めて導入経緯と成果を伺うとともに、今後、ほかの都立病院機構の病院にも展開をしていくべきと考えますが、見解を伺います。

○西山福祉保健局長 多摩北部医療センターでは、職員の勤務時間に対する意識を高めるため、令和二年十一月から、看護師の制服を日勤と夜勤で色分けをしております。
 この取組によりまして、勤務時間内の看護師か時間外の看護師かが一見して分かるようになり、職員一人一人がタイムマネジメントを意識するようになったほか、上司が勤務時間を超過する職員に声をかけやすくなるなど、ライフ・ワーク・バランスの推進にも寄与してございます。また、医師や薬剤師などコメディカルからも、勤務時間内の看護師が視覚的に分かり、連携を図りやすくなったなどの評価を得てございます。
 今後、都立病院機構では、制服の更新時期や勤務実態等を踏まえ、この取組を他の都立病院に展開をしてまいります。

○藤井委員 今後とも、看護師の働き方改革、働き方の改善にしっかりとつなげていただきますように、ぜひ取組を進めていただきますようお願いをいたします。
 令和二年度より東京都受動喫煙防止条例が全面施行されましたが、コロナ禍で密を避ける動きもありまして、特に、初年度は許可されていない屋外での喫煙が増えたものと認識をしているところであります。
 屋内での受動喫煙防止の徹底と一定程度の喫煙場所の確保というのは、これセットでありまして、条例制定後、令和三年度にかけてどのように取り組んできたのか伺うとともに、条例制定の効果や課題について伺います。

○西山福祉保健局長 都は、独自のルールを盛り込んだ東京都受動喫煙防止条例を制定し、都民、事業者向け相談窓口の設置や保健所への支援などを推進してまいりました。また、区市町村が取り組む公衆喫煙所の整備への補助により、本年三月までに二百八十八か所が整備されました。
 昨年度実施した調査では、都民の九割以上が都の取組を評価しているほか、飲食店の約九割が全面禁煙や喫煙専用室の設置などの対策を実施しており、受動喫煙防止の取組は着実に進展しております。
 一方、飲食店に義務づけている店内の喫煙可否等の店頭掲示は約七割となっており、引き続き普及啓発を進めるほか、保健所による指導助言が進むよう、事例の共有や意見交換を行うなど、区市町村等とも連携して受動喫煙防止対策を推進してまいります。

○藤井委員 家族経営でない居酒屋やバーなどにおいて、条例に違反あるいは条例の趣旨と異なる独自の解釈で喫煙可能としている店舗も一部見られるように思います。店頭掲示と併せて、保健所による対応が進むよう対策の強化を求めます。
 次に、災害時の仮設住宅の建設について、災害時の供給を迅速に受けられるように、都として建設業やメーカー等の関係団体との災害協定を結んでいるところであります。
 東日本大震災やその後の熊本地震などでは、より迅速に手配をしたり、移動可能な機能を利用したコンテナハウスやトレーラーハウスを利用した事例というものもございます。
 都として、災害時は、仮設住宅の建設だけでなく、より早期対応が可能なコンテナハウスやトレーラーハウスの利用も行えるようにすべきと考えますが、これまでの取組内容と見解を伺います。

○山口住宅政策本部長 近年の地震や水害時に被災者に提供された応急仮設住宅としまして、コンテナハウスやトレーラーハウスが一部の地方自治体において採用された実績があることは承知をしております。
 都におきましては、災害時に応急仮設住宅等を迅速に提供するため、公的住宅や民間賃貸住宅の空き住戸を活用するほか、大規模災害の発生時には、必要に応じまして建設型の応急仮設住宅を提供することとしております。
 コンテナハウスなどによる応急仮設住宅に関しましては、これまで他県における災害時の応急仮設住宅の建設に関する協定締結の状況や、実際の取組状況などをヒアリングしてきたところでございまして、今後の対応につきまして検討を進めてまいります。

○藤井委員 コンテナハウスやトレーラーハウス等も選択肢として検討していくという前向きな答弁をいただきました。仮設住宅としてだけではなく、規模の大きな災害時には、福祉的な機能やコミュニティの機能も必要でありまして、そうしたものへの活用も含めて検討を進めていただきますよう要望させていただきます。
 次に、新設保育園の固定資産税等についてお伺いいたします。
 東京都は、二十三区内の保育園新設に対しまして、固定資産税と都市計画税の減免を行ってまいりました。この施策は今年度末が期限となっておりまして、来年度以降の方向性がまだ決まっておりません。
 そこで、本制度に対する都の認識と令和三年度の実績について伺います。あわせて、来年度以降の取扱いについても都の見解を伺います。

○小池主税局長 保育所等整備促進税制は、待機児童の解消に向け、民有地を活用した保育所等の整備促進を税制面から支援するために、平成二十九年度に創設いたしました。一定の要件に該当する二十三区内の土地につきまして、固定資産税及び都市計画税を五年度分、十割減免しております。
 令和三年度の適用件数は七百四十七件、減免額は約五億八千万円でございます。平成二十九年度以降、二十三区内の待機児童数は着実に減少しており、本減免制度は、保育サービスの充実に一定の役割を果たしてきたと認識しております。
 令和五年度以降の取扱いにつきましては、事業所管局における施策展開を踏まえつつ、政策効果、税の公平性、税収への影響など、様々な観点から検討してまいります。

○藤井委員 ありがとうございます。検討していくということで、しっかりと進めていただきたいと思います。
 まだ都内、ゼロに近づいているとはいえ、待機児童は三百人程度いるところであります。待機児童をゼロにするためにも、この継続をしっかりと、所管局、福祉保健局と連携して進めていただきますよう要望いたします。
 今年度から、高等学校の情報Ⅰにおいてプログラミングが必修となったところです。
 プログラミングを効果的に学ぶためには、抽象的な概念の理解に加えて、自分が書いたプログラムがどのように具体的に動くのか、例えば、さらには、物理的環境でロボットを動かすなど、実践的な経験が重要だと考えます。
 情報Ⅰで効果的なプログラミングの教育を行うためには、適切な環境を整備することが必要と考えますが、これまでの都教育委員会の取組を伺います。

○浜教育長 昨年度、プログラミングの先進的な研究を行う都立高校では、模型の車が決められたコースを走るプログラムなどを制作するとともに、都教育委員会は、それらの動画をポータルサイトに掲載するなど、他の高校でも参考にできるよう周知いたしました。
 また、今年度は、希望する都立高校に情報Ⅰのプログラミングに関する補助教材を配布し、生徒の取組を支援しています。
 こうした取組を通して、情報Ⅰのプログラミング教育を充実するよう、学校を支援してまいります。

○藤井委員 しっかりとこのプログラミングの、具体的に動く環境の整備、進めていただきたいと思います。
 次に、輸出促進に関連してお伺いをいたします。
 産業労働局では、中小企業の輸出促進の取組を行っておりますが、海外販路の開拓というのは難しいものと考えております。
 産業労働局が取り組んでいる中小企業向けの輸出促進の取組について、概要を伺うとともに、実際の販売額にどのようにつながっているか、見解を伺います。

○坂本産業労働局長 都は、中小企業の海外販路開拓に向け、情報提供や相談対応に加え、見本市への出展支援などを行っております。
 具体的には、中小企業振興公社にワンストップ窓口を設け、外国の法令や商慣習等に関する情報提供を行い、三百三十件の相談に応じました。また、現地のビジネスに詳しい専門家がハンズオン支援を行い、百三十件の取引成立を後押しいたしました。さらに、海外の有力な越境ECサイトを通じ、六十一社、二百二件の商品の販売をサポートいたしました。
 なお、これらの支援では、各地域での消費者ニーズの特徴に合わせ、商品を改良するアドバイスを専門家が行っております。
 こうした取組によりまして、事業者による取引の成立は総額で約二億三千万円となり、引き続き、中小企業の輸出促進に向け、きめ細かい支援を行ってまいります。

○藤井委員 予算規模に比べて、まだまだ寂しい取引成立額であるかと思います。しっかりと事業を検証して、費用対効果の高い成果を上げられるよう、事業のブラッシュアップを求めます。
 最後に、六次化など付加価値化や、農業アカデミーなど新規就農の成果について伺います。
 農業者の収益向上を図るための支援と、農業アカデミー八王子研修農場における新規就農者の育成、あわせて、農地の確保に向けた貸借の推進について、令和三年度の成果を伺います。

○坂本産業労働局長 都は、農業者の収益力の向上を後押しするため、農産物の付加価値を高め、販売を行う六次産業化等の取組を支援いたしました。
 具体的には、デザイナーが野菜のブランド化に向け助言するほか、経営の専門家が食品加工の工夫に関し相談対応を行いました。また、農家のロゴや新たなラベルのデザインづくりなど四十七件の取組に助成を行ったところでございます。
 新規の就農者を増やすため、八王子研修農場におきまして、農作業の基礎的な知識を学んだ上で野菜の栽培を行う実習に加え、対面販売のノウハウの習得など、実践的な研修を行い、初の修了生となる四名が就農いたしました。
 農地の確保に向け、農業会議に設けたコーディネーターが、農地の所有者と新たに農業を始める方等とのマッチングを行い、五十四件、合計で九ヘクタールの貸借を実現したところでございます。

○柴崎副委員長 藤井あきら副委員長の発言は終わりました。(拍手)
 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後二時五十六分休憩

   午後三時十五分開議

○柴崎副委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 加藤雅之副委員長の発言を許します。

○加藤委員 都議会公明党を代表して質疑を行います。
 初めに、待機児童対策は小池知事の最重要課題の一つに位置づけられ、待機児童の解消に向け、保育サービスの拡充が進められてきました。
 都知事就任後の緊急対策における保育所等の整備促進では、整備費補助の高騰加算創設、賃借料補助創設、借地料補助の拡充、民有地や空き家の活用、そして都有地の活用促進が盛り込まれました。その結果、多くの保育施設等が開設され、平成二十八年の四月時点で八千四百六十六人であった待機児童も、本年四月には三百人と大幅に減少し、対策の効果があったと思います。
 私が注目したのは、その一つに都有地を活用した保育所の整備を進めてきたことです。
 そこで、改めて、この都有地を活用した保育所の整備に向けた都の取組の概要とその成果について答弁を求めます。

○西山福祉保健局長 都は、保育の待機児童解消に向けた緊急対策の一環として、都有地を活用した保育所等の整備を推進するため、平成二十八年九月、全庁横断的な都有地活用推進本部を設置し、活用可能な都有地の情報を区市町村に提供するとともに、ホームページで公開をしております。
 また、同年十月、民間事業者や区市町村から都有地に関する照会や活用方法の提案を受け付けるとうきょう保育ほうれんそうを設置し、貸付けの調整等を行ってございます。
 これらの取組によりまして、令和三年度末までに十九件が保育所の整備につながってございます。

○加藤委員 保育所全体の設置数からすると数は多くないかもしれませんが、対象となる都有地の面積は百平米以上となっており、中には二千六百平米を超えるものもあり、私が全て調べたところ、どの保育園も立地面積は広く、都心部ではなかなか自前の園庭が取れない中、多くの園で園庭が備わっていました。保育環境としてはすばらしく、取組を高く評価をしております。
 次に、産業振興についてですが、今述べましたように、土地が貴重な東京において、都有地の有効な活用は、政策実現のための大きなツールとなり得ることを表していると思います。こうした観点から、次なる重要なテーマだと考えているのが産業政策です。
 都内のものづくり産業は、長期的な減少傾向が続き、その継承、発展が大きな課題となっています。
 都内の中小製造業者の推移を見ると、少しデータは古いですが、二〇〇一年に年六万八千件あったものが二〇一六年には約四万件と、おおよそ二万八千件も減少しています。
 同じように、工業利用の土地面積も、約六千三百八十ヘクタールから約五千三百七十ヘクタールと約一千十ヘクタール減少です。一千十ヘクタールということは、一千万平米以上が減少し、他の利用、住宅等に変化しています。そのうち区部が七百六十ヘクタール、七百六十万平米も減少しています。七割以上です。地価が高いことから、固定資産税の負担も大きく、近隣の騒音問題、後継者不足などもあり、都外への転出や廃業という状況が続いています。
 こうした中、地元墨田区をはじめとする都内各地のものづくり産業集積地では、地元の区市が産業活性化に取り組んでいますが、土地が課題になる場合も多いと聞いています。
 現在、ウクライナ侵攻に端を発した経済の混乱や経済安全保障の観点に加え、世界の製造工場といわれた中国からの製造業の国内回帰の動きがあります。
 また、都はスタートアップに力を入れていますが、DX技術を社会実装していく上で、ものづくり産業とのコラボレーションが我が国の強みとなり得ることも考えられます。
 そこで、こうした状況を好機と捉え、東京の産業振興のために、地元区市とも連携し、都有地を積極的に活用すべきと考えますが、待機児童対策において踏み込んだ都有地活用で大きな成果を上げた小池知事の見解を求めます。

○小池知事 東京のものづくりを担う中小企業は、高度な技術と製品開発の力を持ち、都内の各地に集積して、地域の経済と雇用を支える基盤として重要な役割を果たしています。
 将来に向けて、製造業の集積の維持と発展を図るため、都は、地元の状況を正確に理解する区市町村と協力しまして、都内での操業を希望する工場を誘致するほか、地域社会と良好な関係を築くため、騒音や振動を抑える環境整備など、様々な取組みを支援しております。
 こうしたものづくりの集積が、最先端のDXの技術などを導入しまして、生産工場の種類や数を増やし、発展できるよう、新たなエリアでの用地の確保に向けまして、民間の敷地や公有地の活用を図るという視点も必要ではございます。
 都におきましては、利用予定がない都有地について、区市町村に貸付けを行うなど、地域の課題解決に向けた取組を行っております。
 東京の経済の持続的な発展に必要なものづくり産業の集積を区市町村とも連携して支えてまいるところでございます。

○加藤委員 産業振興のメニューは数多くありますが、残念ながら製造業の減少に歯止めはかかっておりません。今後は、待機児童対策、脱炭素の取組などと同様に、今までと違う大胆な発想で都が全力を挙げて取り組むことで、困難な課題の解決が図られていきます。知事のリーダーシップに期待しておりますので、どうかよろしくお願いをいたします。
 次に、商店街支援について質問します。
 都は昨年度、都議会公明党の提案に応え、キャッシュレス決済によるポイント還元やプレミアム付商品券を発行する区市町村に対し補助する東京都生活応援事業を実施しました。
 第一分科会の質疑において、昨年度の実績を質問したところ、五十三の区市町村が本事業を活用、デジタルのみで実施したのが四十四団体、デジタルと紙商品券を併用して実施したのが九団体とのことでありました。
 このほかにも、都では、商店街のデジタルの取組を促進するデジタル化モデル事業を行ってきましたが、昨年度の取組内容と実績について答弁を求めます。

○坂本産業労働局長 都では、デジタル技術の導入に意欲のある商店街を公募により選定いたしまして、計画づくりからその内容の実現までを一貫して支援をいたしました。
 昨年度は、六つの商店街に対し、専門家の派遣等によりまして、その実情に応じ、デジタルの機器やシステムに関する助言を行い、計画の策定や効果の高い導入に向けたサポートを実施いたしました。
 これによりまして、商店街全体のキャッシュレスによる決済が五割から八割以上に高まるほか、街路灯から店舗の情報やデジタルクーポンを提供する仕組みや、買物客同士がチャットで情報交換を行うシステムの導入等を実現いたしました。
 こうした取組によりまして、商店街のデジタル化のモデルとなる事例を着実に増やしました。

○加藤委員 ある商店街の青果店でお聞きしたところ、通常は、キャッシュレス決済を使用されるお客さんは一か月に数名程度ですが、キャッシュレス還元キャンペーンのときには、一日で百名のお客さんが利用されることもありますと語っておりました。
 このように、キャッシュレスの対応が売上げに大きく影響している事例もある一方、導入のメリットが分からない、どう進めたらいいのか分からない、手数料がかかる上、すぐに現金が入ってこないといった声も聞かれております。
 そこで、商店街でキャッシュレスなどデジタル化を広く浸透していくためには、その導入メリットをご理解いただくことが大切であり、商店街における好事例を紹介するなど、デジタル化に向けた普及啓発に一層力を入れていくことが重要であると考えますが、見解を求めます。

○坂本産業労働局長 都では、デジタル技術の活用によるキャッシュレス化で高い成果を上げた商店街の事例を取りまとめて、様々な媒体を通じて幅広くPRを行っております。
 具体的には、商店街を活性化するため、キャッシュレスの仕組みを導入することとなった経緯をはじめ、様々な課題への対応や具体的な成果について、分かりやすく掲載しております。
 また、これらの内容をホームページや動画により配信するとともに、商店街向けの説明会の場で紹介を行っているところでございます。
 さらに、スタートアップの技術を活用して、キャッシュレスに対応する商店街の状況を多くの人に速やかにSNS等を通じ発信する取組も進めているところでございます。

○加藤委員 都議会公明党は、生活応援事業を実施するに当たり、キャッシュレスを利用できない方もいらっしゃることを念頭に、紙の商品券の発行にも柔軟に対応すべきと求めてまいりました。実際に商品券を利用した買物客やお店からも歓迎の声を聞いております。
 今後の施策展開に当たっては、区市町村によって様々な状況があることを踏まえつつ、キャッシュレス化に意欲的な商店街に対しては、デジタル化事業の拡充やサポート体制の充実を要望いたします。
 次に、東京二〇二〇大会は、新型コロナによる一年延期と無観客での開催という非常に難しい大会運営を強いられる中、大会組織委員会をはじめとする国、都、そして競技団体、選手などの大変な尽力により、大成功に終えることができました。改めて関係各位に感謝を申し上げたいと思います。
 また、大会終了後の世論調査においても、オリンピックについては六〇%の方が、パラリンピックについては七〇%の方が、開催してよかったという回答があり、多くの方に感動を与えた大会になりました。
 そのような中、大会組織委員会の元理事であった高橋治之氏が、東京二〇二〇大会をめぐる汚職事件で四度にもわたって逮捕、起訴されたことは、大会の成功に影を落とす行為であり、本当に残念で仕方ありません。多くの方の努力を一瞬にして消し去ったといっても過言ではありません。
 ただ、今回の問題は個人の問題ではありますが、組織の構造がもたらした問題でもあります。なぜなら、大会組織委員会の協賛を取り付けるマーケティング局は、局長をはじめ職員の大部分が電通の現役社員が出向する形で占められていました。他方、東京二〇二〇大会のマーケティングの専任代理店も電通でありました。高橋氏はこの電通のスポーツ担当の専務取締役でありました。つまり、発注する側も受注する側も電通で、そこに今でも電通に強い影響力を持つ高橋氏が組織委員会の理事という肩書を持てば、構造上不正が起きても不思議ではありません。我が党は、このことを都や大会組織委員会に申し上げてきましたが、返ってきた答えは、マーケティングは電通でなければできないし、スポンサーも獲得できないということでありました。
 そこで、今後のスポーツイベントにおいて、二度とこのような汚職事件が起きないよう、何点か質問し、今後の改革に対する提案をしていきたいと思います。
 まず、東京都は、大会組織委員会が発足したときから、組織委員会の副会長、理事、監事を出し、さらには組織委員会の総務局長、大会運営局長など、幾つかの主要局長ポストに都の幹部職員を出向させていましたが、電通の専任代理店契約は、いつどのような形で決まったのか、説明を求めます。

○中村政策企画局長 組織委員会において、複数社から提出された提案について、マーケティングプランの内容などから最も高い評価を得た株式会社電通を二〇一四年三月の理事会に諮り、マーケティング専任代理店として契約し、指名することとしたと聞いております。

○加藤委員 二〇一四年の一月に大会組織委員会が発足し、三月には電通が専任代理店として決定され、そして六月には高橋元理事が大会組織委員会の理事に就任するという、これだけ短期間に今回の事件の核心部分が決められていたということに、意図的なものを感じざるを得ません。
 次に、当時、大会組織委員会の評議員会は五名の評議員で構成され、うち二名は都の副知事が評議員になっています。そして、理事の選任は、定款等には推薦の仕組みはありませんが、大会関係者の推薦を受け、評議員会で決定されています。
 それでは、高橋氏は二〇一四年六月に理事に就任していますが、どなたの推薦を受けて評議員会で決定されたのか、説明を求めます。

○中村政策企画局長 組織委員会の理事等のメンバーの選任に当たっては、IOC委員やオリンピアン、パラリンピアンを含めることや、女性を積極的に登用すること、JOC、東京都だけではなく、国、競技団体、経済界等の代表からも広く人選すべきとの考え方により、調整会議において意見交換がなされました。
 高橋元理事につきましては、組織委員会の定款に基づき、二〇一四年六月の評議員会で承認決議がされました。

○加藤委員 私が質問したことに対する答えにはなっておりません。
 東京都は評議員会に二人の副知事を評議員として出されているのですから、調べれば、当然どなたが推薦をしたか分かると思います。高橋元理事がこれだけ大胆なことをされたのは、背後に大きな影響力を持つ方がいたからこそ行えたのだと考えられます。そして、その方が高橋元理事を大会組織委員会の理事に推薦されたのではないでしょうか。このことはこれからの裁判で明らかにされると思います。
 さて、今大会で、国内スポンサー収入は累計で三千七百六十一億円入ってきていますが、このスポンサー収入から、契約により約三〇%の手数料一千六十億円が自動的に国際オリンピック委員会--以下IOCと呼びますが、日本オリンピック委員会--以下JOCと呼びますが、そして電通などに入る仕組みとなっています。
 公表されている契約や発足時からの計算書類、マスコミ報道などの様々な資料から推計すると、IOCには二百五十億円、JOCには三百六十億円、そして電通には三百九十億円の手数料が支払われていたことになります。
 マスコミ報道によると、この電通に支払われていた三百九十億円の支払い手数料から販売協力代理店にお金が流れ、結果、最終的に高橋元理事に流れていたのではないかと推察されます。現に、理事会での電通への支払い手数料が過大ではないのかという質問に、高橋元理事が声を荒げて怒ったというマスコミ報道がこのことを裏づけていると思われます。
 そこでお聞きしますが、この三百九十億円の電通への約一〇%の支払い手数料が、いつ、どのような形で決定されたのか、また、その妥当性について見解を求めます。

○中村政策企画局長 専任代理店への手数料につきましては、専任代理店契約の中で規定されているものと承知しております。
 この契約は、組織委員会において、複数社から提出された提案のうち、マーケティングプランの内容などの観点から最も高い評価を得た事業者と契約したとのことでございます。
 専任代理店契約につきましては、相手方の事業情報や各種権利に関する内容が含まれておりますことから、その事業上の地位を脅かすことのないよう、契約当事者双方に守秘義務が課されていると聞いております。

○加藤委員 民間事業者との契約だから明らかにできないということをいっているから、今回のような不正が起きたのではないかと、そのように思います。
 東京都だって、工事契約において、民間の事業者の落札結果を事後的に公表しているじゃないですか。ましてや大会組織委員会は国と都の公的な資金が入っているのに、明らかにできないというのはおかしいと思います。情報を公開できないところに都民から不信が生まれるのです。
 これから東京都は、二〇二五年の世界陸上、そしてデフリンピックとビッグイベントがめじろ押しですが、大会運営を財政的に安定させて実施していくためには、企業のスポンサー収入が必要となってきます。
 ただし、スポーツを食い物とするこのような事件は二度と起こしてはなりません。大会組織委員会側に電通が入り、専任代理店に電通が選ばれ、理事会に電通関係者が入るという、このような構造だけは断じてやめるべきであります。
 東京都における国際スポーツ大会におけるガバナンスの改革について、知事の見解を求めます。

○小池知事 東京二〇二〇大会が示したとおり、国際的なスポーツ大会は、世界に勇気と感動を届け、開催都市に有形無形のレガシーをもたらす大変価値のあるものでございます。一方で、このような事件が起きたという事実もございます。
 国際大会の成功のためには、都民、ボランティア、さらにはスポンサーも含めまして、多くの方々のご理解、ご協力をいただきながら、共に大会をつくり上げていくということは不可欠であります。
 ご指摘のように、二〇二五年には世界陸上、デフリンピックが開催されます。その成功に向けましては、大会のガバナンス、情報公開、都の関与の在り方など、都民、国民の信頼を得るための基盤を強化していくことが求められます。
 こうした観点から、東京二〇二〇大会の経験も踏まえまして、有識者会議で議論をいただき、その成果をガイドラインとして取りまとめていくなど、都としての取組を進めてまいります。

○加藤委員 ぜひとも、この有識者会議において、今回の事件が起きた構造を検証した上で改革案を示し、ガイドラインとして取りまとめていただきたいと強く求めて、次に移ります。
 次は、パラスポーツの普及についてです。
 東京は、世界で初めてパラリンピックを二度開催した都市となりました。大会で高まった機運を逃すことなく、パラスポーツの振興に取り組んでいくことが重要です。
 裾野の拡大に向けては、スポーツ施設までのアクセスが困難な障害者の方も多いことから、身近な地域でスポーツに親しめる場があることが重要です。
 一昨日の土曜日、地元でも、グラウンドゴルフやボッチャなどの体験ができる墨田スポーツデー二〇二二が開かれ、障害者を含め多くの区民が参加されたと聞きました。また、パラスポーツの特徴として、競技用車椅子など特別な用具を用いて行う種目も多いですが、身近な地域で体験の場を提供することで、用具を操作する面白さに目覚め、その後につながる可能性もあります。
 そこで、障害者のスポーツへの関心を高め、取り組む人を増やしていくために、都が身近な地域を担う区市町村の取組をしっかりと後押しすべきと考えますが、昨年度の取組について答弁を求めます。

○横山生活文化スポーツ局長 障害者のスポーツ実施を促進するためには、身近な地域において始めるきっかけを提供することが有効でございます。
 都はこれまで、区市町村が主体的にパラスポーツの取組を実施できるよう支援を行ってきておりまして、令和三年度は、車椅子バスケットボールの体験会やボッチャ大会など、三十九地区九十二件の事業に対して補助を行いました。
 また、取組の充実を後押しするため、パラスポーツ事業の企画立案に関する相談にきめ細かく対応するほか、陸上競技用車椅子やブラインドサッカーのボールなど、用具の貸出しを十六地区三十四件の事業に対して行いました。
 今後とも、地域におけるパラスポーツ機会の確保に向け、取り組んでまいります。

○加藤委員 身近な地域での体験会を増やし、一人でも多くの障害者へとつながるよう、今後も区市町村の取組をしっかり後押しするよう求めます。
 また、都としても、自らパラスポーツの場の拡大に取り組むことが重要です。
 先日、車椅子を使う競技団体の方とお話ししたところ、バリアフリーや車椅子利用可能など、条件に合う体育館を探すのに苦労しているとのことでありました。障害者がスポーツをする場としては、都は都内に二か所、専用のスポーツセンターを設置し、また、特別支援学校の体育館等の活用も進めています。
 その上で、都は今後、新たなパラスポーツの拠点を整備するとのことですが、どういった施設を目指すのか、答弁を求めます。

○横山生活文化スポーツ局長 都は、東京パラリンピックのレガシーとして、新たに東京都パラスポーツトレーニングセンターを来年三月に開業する予定でございます。
 昨年度は、競技団体からの意見を踏まえ、施設に求められる機能を整理し、施設運営の指針となる計画を策定いたしました。
 具体的には、味の素スタジアム内の屋内施設を活用して、体育室やトレーニング室等を整備し、パラスポーツの競技力向上の拠点として、競技団体等が安定的に練習などに利用できる場としてまいります。
 加えて、様々なパラスポーツの体験会など、障害のある人もない人も、多くの人がパラスポーツに親しむことのできる普及振興の場としても活用してまいります。

○加藤委員 二か所の障害者スポーツセンターに加え、新たなパラスポーツの拠点が都内にできれば、競技団体が安定的に活動できる場所が広がります。活動場所として使いやすいものになるよう、必要な環境を整えていただくことを要望しておきます。
 次に、大規模風水害時の避難対策について質問します。
 東京の東部低地帯は、荒川や江戸川などの大河川が氾濫すると広範囲にわたり浸水被害が発生するため、区の区域を越える広域的な避難、いわゆる広域避難が必要となります。
 都では、我が会派の後押しなども受け、昨年九月にオリンピックセンターを広域避難先として初めて確保して以降、その後も、国、民間施設と協議を重ね、新たな広域避難先施設の確保や施設の運営方法の具体化などに精力的に取り組んでいる点は評価します。
 一方で、東部低地帯は、いわゆる江東五区だけでも二百六十万人もの方々が住んでいます。その全ての方々の身の安全の確保を公助のみで実現することは困難であり、やはり平時から自助、共助による助け合いの意識を醸成することが重要となります。
 そこで、東京マイ・タイムラインの展開等、都における現在までの水害普及啓発の取組状況について答弁を求めます。

○野間総務局長 都はこれまで、東京マイ・タイムライン等を活用した水害普及啓発に取り組んでまいりました。
 東京マイ・タイムラインでは、自身や家族の行動だけではなく、近所の方への呼びかけなどについても考えることができるよう工夫してございます。
 昨年度末までに、累計約二百七十万部の冊子を配布し、また、若い世代を含め幅広い層に普及させるため、本年四月からアプリ版を配信し、SNS等を活用した積極的な周知を行ってございます。
 さらに、本年九月からは、都民がより一層、水害リスクを自分事として認識できますよう、関係区や地元町会と連携し、居住地ごとのリスクや推奨される避難行動等を住民に直接発信するモデル事業を開始してございます。
 こうした取組によりまして、水害に対する自助、共助の意識の醸成を図っております。

○加藤委員 都は現在、七十四万人分の広域避難先の確保に向け、国、民間の施設管理者等と調整を進めていますが、これだけの膨大な数の避難先を確保するためには、それなりの時間がかかります。また、避難行動要支援者など、区外の遠方の避難先へ避難すること自体がリスクを伴う方々も多くいらっしゃいます。
 近年、風水害は激甚化、頻発化が進んでおり、全国では毎年のように大規模風水害が発生しています。東京においても、いつこのような事態が発生してもおかしくありません。
 このため、中長期的な観点から、浸水想定区域外の広域避難先を着実に確保していくという視点だけではなく、いつ起きるとも知れない風水害に対応できるよう、浸水が想定される区域内においても、避難者を一時的に受け入れる施設の整備を進めることも重要です。
 そして、垂直避難先の確保に向けては、地元区でマンションや商業施設など民間建物所有者との協定締結に向けた取組を推進していますが、道半ばの状況です。より一層促進させていくためには、有事において避難者の受入れに協力してくれる建物に対して支援していくことが必要と考えています。
 そこで、都は、高台まちづくりの推進に向けた検討を国及び地元区と共に進めていますが、大規模水害時に緊急的な垂直避難先となる既存も含めた建物確保に向けて、昨年度の都の取組について答弁を求めます。

○福田都市整備局長 都は、高台まちづくりの推進に向け、国との連絡会議で取りまとめたビジョンの方策について、地区特性を踏まえた適用を図るため、令和三年三月に地元区も含めたワーキンググループを設置し、地域の避難計画とも連携しながら、モデル地区ごとの検討に着手いたしました。
 大規模水害時の一時避難場所の確保については、国は、ビジョンを踏まえて令和三年に支援事業を創設しており、都は、地元区がこうした事業を活用できるよう区と検討を進めるとともに、国に対して支援対象の拡充や適用期間の延長などを求めました。
 引き続き、国や地元区とも連携しながら、災害に強い首都東京の形成に取り組んでまいります。

○加藤委員 いざというときに垂直避難する近隣の集合住宅等の活用が大切です。国や自治体と協力し、受入れ建物へのインセンティブが魅力あるものとならなければ、避難協定は進みませんので、新たな施策の検討を求めておきます。
 次に、新型コロナ対策について質問します。
 現在、コロナの新規感染者数は、一週間平均で五週連続で増加傾向にあり、一万人を超える日も出てきました。第七波では一日四万人を超える感染者が発生し、発熱外来がパンクする事態となり、都はできるだけ検査キットの利用を促してきました。
 そこで、都は、発熱外来の拡充に努めてきたと思いますが、昨年度の取組と、今後到来するであろう第八波と季節性インフルエンザとの同時流行が懸念される年末年始に向けてどう取り組んでいくのか、見解を求めます。

○佐藤福祉保健局健康危機管理担当局長 都は、新型コロナの発熱症状等のある方が身近な医療機関を受診できるよう、東京都医師会と連携をいたしまして、診療・検査医療機関の指定の拡大を進めてまいりました。その結果、令和二年度末に三千六百七十八か所であった医療機関数が、令和三年度末には四千二百六十八か所に、本年十一月十一日現在では四千八百十か所に増加をしております。
 また、令和二年度から開始した年末年始に診療を行う診療・検査医療機関に協力金を支給する事業を、令和三年度にはゴールデンウイークでも実施し、医療機関の人員確保が困難になる時期の患者の受診機会を確保してまいりました。
 この冬の感染拡大を見据え、診療・検査医療機関のさらなる拡大や、小児科における休日の発熱診療の促進を図り、地域の方が安心して診療を受けられる体制を確保してまいります。

○加藤委員 診療・検査医療機関以外に、発熱患者に対する窓口として、地区医師会が設置する地域外来・検査センターがあると聞いています。今後の感染拡大に--拡充するためには、輪番制で医療スタッフが参集し、集中的に診療や検査を行うこうしたセンター方式の発熱外来も有効と考えます。都として、人の支援を含め、取組の推進を要望し、次の質問に移ります。
 心臓弁膜症への取組についてです。
 昨年度、東京都は、予防から治療、在宅療養、就労に至るまで総合的な循環器病対策を展開するため、循環器病対策推進計画を策定しました。
 この計画によれば、東京都の心不全患者数は平成二十九年で約二万七千人となっています。しかしながら、その原因となる疾患名は明らかでありません。心不全を引き起こす疾患は、心臓弁膜症、不整脈、心筋梗塞、高血圧、心筋症など多岐にわたります。特に、心臓弁膜症は心不全の約二〇%から四〇%といわれています。
 近年、加齢に伴う心臓弁の変性や石灰化による心臓弁膜症が増加しており、高齢者は特に注意が必要です。生活習慣病の予防では対処が難しいですが、早期に発見して適切な治療を施せば、健康な人と変わらない生活ができるといわれています。
 健康診断等で行われる聴診の結果、心雑音があるといわれたら循環器内科で検査を受けることが重要です。心雑音が指摘されても、年を取ったせいかなとして放置したり、あるいはどこを受診すればよいのか分からないと無為に時間を経過させてしまい、タイミングを逃す人が一定数いるのが現状です。都民が広く心臓弁膜症について知見を得ることによって、循環器専門医への受診につながり、有効な治療が行われることになります。
 そこで、心臓弁膜症についての普及啓発の取組について、都の見解を求めます。

○西山福祉保健局長 心臓弁膜症は、胸に圧迫感や痛みを感じる、疲れやすくなるなどの症状があるものの、本人やその家族は疾病に罹患していることに気づかないことも多く、治療が遅れると予後が悪くなる傾向があることから、速やかに治療につなげることが重要でございます。
 このため、都は、令和三年に設置した東京都循環器病対策推進協議会で、都民が心臓弁膜症などの循環器病を正しく理解できるよう、疾病の前兆や症状、発症時の対処法、発症、重症化予防、早期受診など、必要な情報に迅速かつ容易にアクセスできる仕組みを検討しております。
 今後、心臓弁膜症の患者やそのご家族が早期の診断や適切な治療につながるよう、効果的な普及啓発に取り組んでまいります。

○加藤委員 次に、文化芸術支援についてでございます。
 都内で活動する東京フィルハーモニー交響楽団、東京交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団の四つの民間オーケストラは、都民に音楽の魅力や感動を届ける大切な存在であります。
 こうしたオーケストラの多くは、おのおのの創意工夫ですばらしい公演を継続してきました。例えば地元墨田を拠点とする新日本フィルは、ある芸人との爆笑ライブや親子で楽しめるクラシック演奏会など、様々な形態を取っています。
 そこで、都は、様々な文化事業で民間オーケストラを活用し、音楽の魅力を発信してきましたが、昨年度の主な取組と実績について答弁を求めます。

○横山生活文化スポーツ局長 昨年度、都では、若手音楽家を活用した名曲を披露するフレッシュ名曲コンサートにおきまして、都内各地のコンサートホールで民間オーケストラと協働したコンサートを十九公演実施し、約一万人の方々に鑑賞いただきました。
 また、低廉な料金で質の高い舞台芸術を都民に提供する都民芸術フェスティバルの音楽分野では、民間オーケストラのコンサートを七公演実施し、八千人を超える方々に鑑賞いただくなど、音楽を楽しむ機会を提供してまいりました。

○加藤委員 昨年度、都の事業で民間オーケストラの公演が二十六公演行われたとのことですが、都内には優れた民間オーケストラが集積しているため、さらなる活用を求めます。
 そこで、今後、都の芸術文化の価値をさらに高めるため、これらのオーケストラに、より活躍していただけるよう取り組むべきと考えますが、見解を求めます。

○横山生活文化スポーツ局長 東京では、多数の民間オーケストラがそれぞれの特徴を生かした魅力的な活動を展開しており、芸術文化都市東京を支える重要な存在でございます。
 多くの都民に音楽に親しんでいただくためには、子供からお年寄りまで楽しめる多様な公演が展開されていくことが必要であり、民間オーケストラの協力が不可欠でございます。
 都民に多彩な音楽の魅力を届けるため、都の文化事業などを活用し、民間オーケストラの活動の場が広がるよう支援してまいります。

○加藤委員 次に、マンションの管理問題について質問します。
 マンションは、よく管理を買えといわれます。専有部である室内が華やかでも、共用部の維持管理が適切に行われていなければ、後々負担が回ってきます。
 近年、所有者不明土地ならぬ所有者不明マンションといった問題も起こっています。所有者の死亡や所有者の長期不在で連絡が取れず、管理費や修繕積立金が支払われない状態が長期的に続き、管理組合で負担を強いられるといった課題が起こっています。また、建物の老朽化や居住者の高齢化という二つの事象も同時進行し、今後、管理組合の機能低下等によって管理不全に陥る可能性が指摘されています。
 こうした状況から、都は、管理不全の予防、適正な管理の促進に向け、行政が管理組合を支援するため、マンション管理条例を制定するとともに、昭和五十八年十二月三十一日以前に新築され、居住の用に供する部分が六戸以上のマンションを対象として、管理状況届出制度を開始しました。
 さきの第三分科会では、我が党議員がこの届出制度で把握した管理不全の兆候のあるマンションへの支援について質疑を行い、制度の実効性を確保し、適切に運用するためには、把握した届出内容を分析することが重要であると指摘させていただいたところです。
 制度の周知が進み、本年三月末時点での届出率は約八三%になったとのことですが、逆にいえば、届出を行っていないマンションがまだ約一七%残っているということにもなります。未届けマンションの多くは管理状態が良好でないマンションと推測でき、そうしたマンションにも支援を行き届かせるため、届出率のさらなる向上を図ることが重要です。
 そこで、都は、二〇三〇年時点で届出率一〇〇%の目標を掲げていますが、届出率を向上させるためのこれまでの取組について答弁を求めます。

○山口住宅政策本部長 管理組合から管理状況の届出がないマンションにつきましては、適正な管理が行われていないことが懸念されるため、粘り強くアプローチしていくことが必要でございます。
 届出義務のあるマンション管理組合は、マンション管理条例及び同施行規則に基づきまして、届出制度を開始した令和二年四月一日から六月を経過する日までに届出を行わなければならないとされており、都は、届出がない管理組合に対しまして、区市町と連携し、文書等により届出を求めているところでございます。
 その上で、正当な理由なく届出がない管理組合につきましては、マンション管理士等を活用して個別訪問調査を実施することによりまして、届出書の提出を求めております。

○加藤委員 引き続き届出率一〇〇%を目指して、精力的に取り組んでいただきたいと思います。
 その上で、マンション管理の適正化を促進するためには、単に届出率の向上を図るだけでなく、届出情報を詳細に分析し、マンション施策に効果的に生かしていくという視点も重要です。
 そこで、届出制度ではどのような情報を収集し、収集した情報をどう生かしているのか、見解を求めます。

○山口住宅政策本部長 管理状況届出制度は、マンション管理組合と行政が直接つながり、行政の様々な施策を管理組合にアウトリーチで届けるために有効な制度でございます。
 そのため、管理組合や管理規約の有無等、管理不全を予防するための項目に加えまして、耐震化の状況や防災、環境面の取組といったマンション施策に関する項目を幅広く届出事項としております。
 このような届出によって把握したマンションに関する情報を基に、耐震診断の実施や省エネ啓発の働きかけ等、個々の課題に応じた管理組合へのきめ細かなアプローチや支援を行っております。
 今後、こうした取組を強化していくとともに、届出項目の追加を検討するなど、より効果的なマンション施策の展開に向けまして、届出制度のさらなる活用を推進してまいります。

○加藤委員 専門家によると、所有者不明といった状態に陥らないよう、一年に一度は必ず居住者の確認をする取組が大切だと指摘していました。管理組合が機能するよう、引き続き支援をお願いいたします。
 最後になると思いますが、ユニバーサルデザインの視点でのトイレづくりについて質問します。
 まちのバリアフリー化が進み、多様な特性を持つ人が様々な公共施設を利用している今、都民の生活に欠かせないトイレについても、全ての人がより利用しやすいトイレとなるように整備や管理を行うことが重要です。
 そこで、フックの位置ですね。高いとなかなかかけられないということがありますので、令和三年度の取組、介助者等へのユニバーサルデザインの取組について、今後の整備を促進するための取組について見解を求めて、質問を終わります。

○西山福祉保健局長 都は、本年三月に作成したユニバーサルデザインのトイレづくりハンドブックにおいて、車椅子使用者対応トイレを改修して介助用ベッドを設置した事例や、荷物用フックの位置を利用者と共に検証して、より使いやすく工夫した事例などを紹介してございます。
 また、このハンドブックを、公共施設、鉄道駅等におけるトイレの設計、整備や施設管理の担当者に広く周知し、各施設における取組を促してまいりました。
 今後も、全ての人が安心してトイレを利用できる社会を目指して、ユニバーサルデザインのトイレづくりが様々な施設に広がるよう、区市町村や事業者団体等に働きかけてまいります。

○柴崎副委員長 加藤雅之副委員長の発言は終わりました。(拍手)
 池川友一理事の発言を許します。

○池川委員 日本共産党の池川友一です。日本共産党都議団を代表して質問します。
 初めに、情報公開の問題について質問します。
 小池知事は、情報公開は一丁目一番地だと繰り返し述べられてきました。情報公開条例はその根幹をなすものであり、期限を区切って開示決定等を行うことは、都民の知る権利を保障する上でも、条例の目的を実現する上でも、極めて重要です。
 ところが、東京都は、新型コロナ感染症の緊急事態宣言を理由に、情報開示請求について、当面の間、六十日を限度とした期間延長を複数回行うことができるという通知を二〇二一年四月までに四回にわたり出して、条例を事実上改定、変更する対応を行ってきました。
 我が党は、この問題が都民の知る権利を侵害する問題であり、直ちに是正する必要があると考え、十月十八日に、小池知事宛ての申入れを黒沼副知事に行う予定でした。
 黒沼副知事に伺いたいと思います。黒沼副知事が私たちの申入れ文の中身を見たのはいつですか。事実だけお答えください。

○黒沼副知事 お答えいたします。私は当事者ですので、この件に関しては、経過も含めてお話をしたいと思います。
 まず、初めにお答えしますが、内容については、つまびらかにした日にちを私は今は記憶がございません。各会派からの要望等につきましては、都は、組織としてその趣旨を踏まえて対応等をしてきております。
 本件に関しては、当初から、総務局が制度所管でありますので、総務局で対応させていただくという内容で臨んできておりました。しかし、総務局ではなく副知事でということで再三の申入れがあり、かつ、別日程まで提示をされた上でご要請がありましたので、私の日程を一旦押さえた上で、要望の趣旨等を確認させていただきましたが、一向にその内容が示されませんでした。
 したがって、私も、その内容は周知することが、認識することができませんでしたが、その後に報道機関の方から、条例違反に関する申入れだということが分かりました。それで、当初の方針どおり、総務局の対応すべき案件として、総務局の総務部長、総務局長まで説明に行かせております。
 このように、都としては、東京都として総務局で一貫して対応しておるというのが事実でございます。これは事実でございます。

○池川委員 私たちは、黒沼副知事と日程調整を行い、日時が決まっていたんですよ、申入れ。それで、副知事側からは、条例違反という申入れは受けられないという話があり、さらには見解の違うものについては申入れは受けられないと、一方的に拒否する連絡しかありませんでした。
 副知事から申入れの拒否を、連絡を私たちが受けた時点で、私たちは少なくとも副知事にその中身は渡していません。渡す準備をしていましたが、申入れの中身も確認せずに申入れを拒否したということになるじゃありませんか。内容も確認することなく申入れを拒否するというのは極めて重大だと思います。
 私たちは、この申入れを受けて、そこできちんと意見を交わして、見解を述べてもらえばいいじゃないかと話をしましたが、黒沼副知事からは、条例違反という申入れは受けられない、見解の違う申入れは受けられないという話がありました。
 これ確認します。黒沼副知事は見解の違う申入れは受けられないということで拒否をされた、これ事実の確認です。いかがですか。

○黒沼副知事 条例違反であるから受けられないということを申したことはございません。
 また、私は、副知事就任以降、昨年の十月以降、十六件ほど貴会派からの要望等ございましたが、そのうち六件については私が自ら対応させていただいており、残り十件につきましては、局長や部長等で対応させていただいております。
 このように、各会派からのご要望等につきましては、都としてそれぞれの部署で責任を持って対応する。内容が確認されない段階で受けることはできません。

○池川委員 私たちの方から副知事に、見解の相違を理由にして申入れを受けなかったということでよろしいですかと三度も確認をしています。そのたび副知事からは、そういうことでいいですと回答があったから、私たちだって責任持ってこういうことをいっているんですよ。事実を事実として認めなかったら、これ議論なんかならないですよ。
 先ほど、総務局長を行かせたと話がありました。確かにいらっしゃいました、総務局長と福祉保健局長そろって。しかし、そのときも、私たちはまず申入れを受けるべきだと求めました。しかし、条例違反という申入れは受けられないと、そのときもそういわれているんですよ。総務局が受けるとは一言もいっていません。
 さらに、先ほど会見の、プレスがあって条例違反という申入れと話ありましたが、事実は違いますよ。会見のお知らせには、重大な情報公開条例違反についてとだけ書いてあって、中身はほとんど何も書いていない。プレスのタイトルだけを見て、副知事の申入れと会見が同じだというのは推測の域を出ていないわけですよ。
 申入れの文書を確認することもなく、日時の決まっていた小池知事宛ての申入れを、黒沼副知事が見解の相違ということで一方的に拒否をしたという問題なんですよ、これ。
 黒沼副知事の対応について改めて確認しますが、この対応をするに当たって、小池知事に事前に報告、相談はされたんですか。

○黒沼副知事 本件に関しましては、このご要望を、会派としてのご要望をいかなるセクションで受けるかについて、私の責任で、当初から総務局で受けるべき案件として判断をさせていただいております。
 私の秘書からは、再三調整をいただいた議員の先生に、要望の概要、趣旨について照会をさせていただきましたが、最後までそれが示されることはございませんでした。これが事実でございます。

○池川委員 私たちは渡す準備をしていたんですよ。そしてね、内容も確認せずに申入れを拒否してきたということなんですよ。
 今、組織として対応すると最初いわれましたよね。しかし、今の判断というのは、黒沼副知事の判断でされたということじゃないですか。会派からの知事宛て申入れを拒否するというのは、やっぱり議会軽視そのものだというふうに私は思います。
 副知事が見解の相違で拒否したというのは、統一協会問題で辞任した山際前大臣が参院選中に、政府は野党の話を聞かないと発言したことと本質的に同じだと思います。私たちの申入れは小池知事宛てのものです。
 これ、なぜ小池知事宛てかというのは理由があるんですよ。それは公文書の開示決定者が知事だからです。副知事が条例違反という申入れは受けられない、見解の違う申入れは受けられないと発言をして拒否したというのは、知事自身が拒否したということになっちゃうんですよ。
 しかも、副知事は、自分が申入れの拒否をしながら、私たちに対しては直接説明をされていません。その対応は全て所管局に任せっ放しというのが実態です。
 私たちのところに、職員の方からは、副知事自身理解していたにもかかわらず重大な条例違反とはどういうことだと、副知事自身の判断で面会を拒否した、その後、共産党が会見を行い、混乱が大きくなると、総務局にあとはよろしく頼むと丸投げだとか、自分が招いた混乱の後処理をあたかも他人事のように部下に押しつける振る舞いは、都職員のトップに立つ者として恥ずかしいなど、ほかにも様々声が寄せられています。
 副知事という重責にありながら、自らの行為について責任を引き受けないという対応は、資質が問われることになるんじゃないでしょうか。副知事としてふさわしくないということは明らかだと思います。
 多様な都民の声を聞くことこそ必要であり、異論を排除するような動きは断じて認められません。見解の相違を理由に申入れを拒否するという事態は二度と起こらないよう、厳しく指摘をしておきたいと思います。
 どうしてこういうことが起こるのかと。背景には、都民の知る権利を保障した情報公開制度を軽視してきたということがあるんじゃないでしょうか。情報公開条例違反の問題について聞いていきます。
 条例十二条一項は、開示請求があった日から十四日以内と定め、情報公開条例、その十二条第二項は、やむを得ない理由があった場合、開示請求があった日から六十日を限度としてその期間を延長することができるとしています。
 決算第一分科会では、十二条二項に基づいて六十日を超えて延長することはできないと。できないと明確に答弁がありました。できないことは既に確定済みです。できないことをやっていたとすれば、これは明確に条例違反である、このことに疑問の余地はありません。
 こちらご覧ください。これは福祉保健局が実施した保健所についての委託調査について、我が党の情報公開請求が二度にわたる延長が行われ、百十八日後に開示決定された写しになっています。小池知事の名前で公印も押された公文書になっています。十二条二項を根拠にした延長と、ここにしっかりはっきり書かれているんですよ。
 開示決定等期間延長通知書というのは、十二条二項に基づく延長の際に使う様式になっています。十二条二項は六十日を超える延長はできません。つまり、条例違反の決定をされているということは明らかです。
 総務局に伺います。条例十二条二項によって、六十日を超えて期間延長した件数は何件ありますか。

○野間総務局長 お問合せの件数につきましては、調査の結果、百二十八件でございました。
 なお、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、令和二年四月八日、コロナ禍をやむを得ない理由として期間延長することができるとの通知文を発出いたしました。
 通知文の策定当時、新型コロナは未知のウイルスであり、対応方法も手探りでございました。緊急事態宣言が発出され、人との接触を避ける……
   〔発言する者あり〕

○柴崎副委員長 答弁中、ご静粛に願います。

○野間総務局長 外出自粛、職場における休止業務の設定など、様々な制限がかけられました。さらに、保健所においては、感染拡大とともに業務が逼迫する状況にございました。
 こうした中、都民の生命、身体を守るという業務と、開示請求者の権利の尊重とをともに遂行するため、六十日を超えて期間延長を行うことができる旨の通知を行い、運用してまいりました。
 通知文では、コロナに伴うやむを得ない理由がある場合は、十二条二項に基づき、六十日を限度とする期間延長を行うことができることを示すとともに、条例十二条三項の趣旨を踏まえ、六十日を超える期間延長ができる旨を周知してございます。
 なお、この通知文に基づき、六十日を超える期間延長の決定を行った全ての案件については、当該期間内に開示決定を完了してございます。

○池川委員 関係ないことをそうやって答えないでいただきたい。何件あったかって、それだけしか聞いていませんからね、本当に。
 六十日までしか延長ができないのに、百二十八件も延長が行われていたというのは本当に重大だと思います。このような条例の運用は、条例違反である課長通知以前は一件もなかったんです。それは条例上できないからなかったということだと思います。実際には、一片の課長通知によって条例を改定、変更したということになります。
 公文書である開示決定の延長を、条例上六十日しか延長できない。それが十二条二項に基づいて百二十八件も出されていたにもかかわらず、いまだに訂正も修正も行われていません。訂正するのは当たり前の話じゃありませんか。それすらやらないというのは、情報公開制度、つまり都民の知る権利を軽く扱っているということになるんじゃないでしょうか。
 私たちは、先ほど議論した副知事に申入れを拒否された問題、さらに決算第一分科会質疑でこの問題を取り上げてきました。そうした中で、都は、十月三十一日に新たな通知を出しました。そこには、六十日を限度とした期間延長を複数回行うことができるとした通知による取扱いを当面の間停止するとしています。つまり、六十日を限度とした期間延長を複数回行うことはできなくなったということでよろしいですね。

○野間総務局長 お尋ねの通知につきましては、十月に停止の判断をしてございます。今、一時停止の状況でございます。

○池川委員 一時停止と、また動かすかのようなことをいうのは本当にやめた方がいいですよ。これによって、事実上、今、条例の規定を超える開示期間の延長はできなくなるということになります。条例に書いていない開示期限の延長を行う条例違反の状態であったということが認識できないから、そうやって一時停止の状態とかそういう話になっちゃうんですよ。同じことを繰り返すことは断じて認められません。
 コロナウイルスへの対応は、自治体業務が逼迫し、職員にも感染者や濃厚接触者が発生する中で、公文書開示請求への対応を平時と同じように行うことが難しくなる面があるのは事実ですが、同時に、平時に増して迅速な情報公開が重要になってくると私たちは考えています。
 知事はこれまで、情報公開は一丁目一番地だと繰り返し表明されてきました。この考えは今も変わりませんか。情報公開を行う重要性についても知事の見解を伺いたいと思います。

○小池知事 私は、東京大改革、一丁目一番地という認識で、公文書開示におけます原則開示の徹底、ホームページを通じた情報提供の大幅な拡大、各種審議会の公開など、実施をしてまいりました。
 また、開示手数料を見直し、ICTを活用、都民が請求手続によらず公文書など無料で即座に入手ができるという公文書情報公開システムの開始など、都民の利便性を高めて、都政の透明化を推し進めているところでございます。
 以上です。

○池川委員 一丁目一番地と本当に知事がいうのであれば、きちんと情報公開を位置づけるというのであれば、この間の条例違反の対応は、今認識されたと思うんですよ。それをきちんと是正するということ以外に、この問題、やっぱりきちんと情報公開を徹底するということにはならないと思います。
 条例違反の課長通知は当面の一時停止ではなく、きっぱり撤回し、条例違反の対応について、開示決定者である知事が、これまでの対応について訂正、謝罪を行うことを重ねて求めたいというふうに思います。
 次に、中学校英語スピーキングテスト、ESAT-Jについて質問します。(野間総務局長発言を求む)まず……

○柴崎副委員長 野間総務局長……

○池川委員 いやいや、聞いていない、もうESAT-Jに移っているから、委員長、もういいです。いいですから。

○柴崎副委員長 いやいやいや、手が挙がっているんだから、今。質問になっているでしょう、だって。

○池川委員 速記止めて、委員長、速記を止めてよ。速記を止めてください。
   〔発言する者多し〕

○柴崎副委員長 速記を止めてください。
   〔速記中止〕

○柴崎副委員長 速記を始めてください。

○池川委員 まず、昨年度のESAT-Jの決算金額について伺います。あわせて、分担金要項に基づいて株式会社ベネッセコーポレーションに支払った分担金の内訳についてお答えください。

○浜教育長 令和三年度のスピーキングテスト事業に関する決算金額は、三億八千八百四十四万四千七百七十二円でございます。
 このうち、事業分担金要項に基づく分担金は三億七千五百七十八万七千七百三十二円であり、内訳は、テスト実施に係る運営費のほか、感染症防止対策等でございます。

○池川委員 ESAT-Jの決算金額のうち九七%と、ほとんどがベネッセに払った分担金だということが分かりました。まさにベネッセが問題の作成から申込み、試験の実施、運営、採点まで、ほぼ全てを担っていることが金額にも表れています。今年の予算は約五億円というふうに聞いており、これを上回る規模の事業になっています。
 今度の日曜日、二十七日には、試験当日を迎えます。しかし、一週間を切った今でも、受験票が手元にない、当日の試験監督の募集が行われているなどの大混乱が続いています。多くの生徒、保護者、専門家、都民が反対の声を上げ、入試への活用はやめてほしいと、テストが目前になった、直前になっても、静まるどころかますます大きくなり、マスコミでも連日報道される大問題になっています。
 その中の一つ、ESAT-Jの申込みに関して保護者の同意の問題を聞いていきたいと思います。
 ESAT-Jは、インターネットでベネッセのサイトから申込みを行います。顔写真などの個人情報をネットに上げ、ベネッセに渡さなければならないのは納得がいかない、流出が不安などの声が上がっています。
 まず確認をします。中学生は未成年ですから、申込みに当たっては、個人情報の取得や利用について、当然ながら保護者の同意が必要だと思いますが、間違いありませんか。

○浜教育長 ご指摘のとおり、個人情報の登録に関しては保護者の同意が必要ですので、学校を通じまして、登録についてご説明をし、ご了解をいただき、登録をいただくという手順を踏んでおります。

○池川委員 未成年ですから、保護者の同意が当然必要になります。
 ネットですから、保護者と一緒にサイトを見てチェックボックスに入れるという場合は、保護者の同意が直接分かるようになっていますが、実はこの保護者の同意の在り方について極めてずさんなのではないかと、保護者の会の皆さんがアンケートに取り組んでいます。
 一週間で五十七人の方が回答を寄せ、そのうち、保護者の同意なく学校で子供が申し込んだと回答した方が十一人にも上っています。これらの方々の居住自治体は、ほぼばらばらで、東京中、各地で保護者の同意のない申込みが行われていることが分かり、私も大変驚きました。
 保護者の会は、先日、都教委に直接、保護者の同意がなくても申込みは有効なのかと質問をしましたが、その場では答えられないといって、申込みができないかどうかについて持ち帰りになっているわけです。
 これ、私、スピーキングテストの根幹に関わる重要な問題として伺いたいと思いますが、保護者の同意なく子供が保護者の同意欄にチェックを入れて申し込んだ場合、それは有効なんですか。

○浜教育長 先ほどもご説明しましたとおり、個人情報の登録に当たっては保護者の同意が必要であることを、各学校を通じまして一人一人にお知らせをしております。
 子供が学校で先生の指導などを受けながら申込みフォームに入力をする場合には、家で保護者の方の確認を取ってきていただいた上で入力をしてもらうというやり方も取っております。この場合は、生徒が保護者の了解を取った上で、学校に来て学校で入力をしているということでありますので、有効だというふうに考えます。

○池川委員 アンケートには、学校で一斉登録しました、事前に承認の内容等一切見ていないとか、いつの間にか子供が学校で一斉に申込みをしていて、いつどのようにやったか知らされていないなどの声が寄せられています。中には、子供が先生に、うちの親は同意していないと申し出たそうですが、都立高校を受検できなくなるから困るからといわれて、チェックをしたという例も寄せられています。
 こうしたものについては、同意がなかったというふうに明らかに思うんですけど、こういうものも有効だというふうに考えるんですか。

○浜教育長 今お話のあったような報告は、私どものところには届いておりません。もし、入力について疑義がある場合には、ご相談いただけるコールセンターもご用意しておりますが、そのような相談は届いておりません。

○池川委員 保護者の会のアンケートだけでなく、同様の話は幾つも伺っているんですよ。これだけ保護者の同意を取っていないということが分かっているというのを見過ごすわけにいかないと思います。
 都教委は、そこまでいうんだったら、保護者の同意なしに申込みが行われていないかについて、きちんと実態把握、調査すべきじゃありませんか。それもしないで、ないという話にはならないですよ。

○浜教育長 繰り返し申し上げますが、ESAT-Jにつきましては、繰り返し、生徒一人一人にリーフレットを配るなど制度についてお知らせをして、個人情報の登録についても、保護者の了解を得た上で入力をする仕組みになっているということはご説明をしています。
 リーフレットのほかに、六月には、三年生の保護者の皆様に一枚ずつのお配りするプリントもご用意して配っておりますので、ご説明は一人一人に行き届いているというふうに考えております。
 その上で、ご了解をいただいた上で入力をしていただいたというふうに認識しております。

○池川委員 調査しないでそういうことをいうというのは、あまりにも不誠実ですよ。自分たちに都合の悪いことは見ようともしないという態度は、あまりにも無責任だというふうに思います。
 保護者の会は、この問題含めて、質問を明日二十二日までに回答することを求めていますので、誠実にお答えすることを厳しくいっておきたいと思います。
 保護者の同意のない申込みが適切なわけはないんです。それは先ほど教育長が認められたように、未成年の同意は絶対に必要だと、保護者同意は必要だということです。そうでなければ無効になるということだというふうに思います。
 中学校の先生方は、この問題について本当に心を痛めています。何でこういう問題が生じているのかというと、中学生本人、保護者、これは中学校の先生などではなく、この問題の生じている原因は、私は都教委にあると思うんですね。ESAT-Jを単なるアチーブメントテストにとどめず、入試に結びつけているからこそ、受験するしないの選択の余地がなく、個人情報の提供には同意するしかないと。登録しなければ大きな不利益が生じると、こういうことが今起こっているからこそ、個人情報のこの同意の問題も出てきていると思います。
 中学校の先生方からは、生徒が入試でゼロ点になってしまったら大変だと、確実に申込みができる方法を考える。また、学校には日々、ベネッセから生徒の申込み情報が送られてきて、まだの生徒をとにかく申込みしてもらわなければならない。保護者の同意にチェックを入れないと登録が先に進めないので、とにかくチェックを入れさせてしまうと。そういう状況を、入試に活用するということがつくり出してしまっているんですよ。
 さらに、保護者の方が怒っているのは、保護者の同意に関する断り書きです。
 こちらご覧ください。これ、個人情報の取扱いという中の四に書いてあるんですけど、読み上げたいと思います。
 個人情報の取扱いに関して、利用者本人が親権者等の法定代理人の同意を得ていなかった場合、中学校英語スピーキングテスト、ESAT-Jの申込み手続が完了しないことがあり、この場合、その理由は通知されません、これに伴って利用者本人、法定代理人を含む、が被った損害については、利用者本人が負うものとし、東京都教育委員会及び事業者は一切責任を負いませんと書いてあるんですよね。保護者同意を求める文書の中にこんなことを書いてある。これ、間違いありませんね。

○浜教育長 その文面の趣旨は、保護者の同意が取れている、個人情報の取扱いに同意をするというチェックボックスにチェックを入れないと登録手続が完了しませんので、そのことを記述したものでございます。

○池川委員 今の話は、利用者本人が保護者の同意を得ていなかったら申込み手続は完了しないと、その理由は通知されませんと書いてあるんですよね。これは保護者が知らないままに学校で手続をした生徒にとっては、本当に不安でしようがないと思いますよ。しかも、被害を、被った損害は都教委は一切責任を負わないということまで書いてあると。
 これは都教委が行っている事業で、しかも希望制ではなく、公立中学校三年生全員が対象になっています。私たちはおかしいと、この間指摘をしてきましたが、都教委は、これを教育活動の一環だといってテストを実施するといっています。
 義務教育段階における中学校三年生に対して、ネットで申込みを強要し、中学生自身に重い責任を負わせ、都教委は一切責任を負わないと、知りませんという態度は、とても教育的とはいえないのではありませんか。いかがですか。

○浜教育長 スピーキングテストは、都内の公立中学校三年生を対象に実施するアチーブメントテストでございまして、全員が受験するように丁寧に説明をしているとともに、保護者の同意についても、学校を通じてご理解をいただけるようにご説明をしております。
 こうした手続を経た上で、保護者の同意を得て、個人情報の取扱いの同意にチェックをしないと登録手続が完了しないようになっておりますが、こうした手続を経た上で、約九五%の中学三年生に登録をいただいておりまして、今、準備を進めているところでございます。

○池川委員 つまり、同意の確認もできていないものを登録する、さらに入試に使うから登録をせざるを得ない、そういうことは度外視して、登録したから何も問題ないんだという態度は本当にひどい話だと思います。
 都教委の事業で中学生が行ったことに対して、都教委が一切責任を負わないとわざわざ断り書きをする場所というのは、ここだけではありません。ほかにも、例えば利用規約の五条三項には、都教育委員会は、登録した情報に、虚偽の情報、誤記または記入漏れがあった場合、登録完了後であっても取り消すことができる旨の文書があり、さらに十一条では、それで利用者、生徒が損害を生じても、都教育委員会は一切の責任を負わないと、ここでもいっているんですよね。
 誤記や記入漏れがあったら取り消すというのは本当にひどい話。本当だったら、生徒に不利益がないように訂正を促すことこそ必要だと思います。こうした脅しのような表現を用いるべきではなかったと思うんですよ。このような文書を作ること自体、都教委が在り方を踏み外しているということになるんじゃないでしょうか。
 さらに驚いたことに、十五条には、生じた一切の紛争については、東京地方裁判所を管轄とする旨が書かれているんですよね。教育委員会が生徒に対して最初から、何か意見があるんだったら裁判所に提起することができますよと、そういうことまで書いていると。本当にあり得ない話だと思います。
 子供たちと保護者には、受けないと零点になる、申込みも個人情報も提供しない、つまり同意しないという選択肢が、入試に活用することで事実上ないわけです。その中で一方的に同意させられる、こういうやり方は、やはり教育的とはいえず、無責任な立場で行われるテストなのではないかということを厳しく指摘をしておきたいと思います。
 さらに、個人情報の取扱いについて、重大な問題について聞いていきます。
 都教委とベネッセは、今年八月二十二日に事業方針に関する覚書を結び、ここで初めて都教委が事業主体であることが明記をされました。
 確認をします。昨年度のプレテストにおけるESAT-Jの事業主体は誰ですか。

○浜教育長 スピーキングテストの事業主体は、もとより東京都教育委員会でございます。

○池川委員 今年の八月二十二日に覚書を交わすまで、事業主体という言葉は一度も出てきません。ベネッセが事業者と書いてあるだけでありました。事業主体が誰であるかというのは、個人情報の取扱いにとっては極めて重要な問題です。しかし、今の答弁では都教委だというお話だったので、その前提で話を進めたいと思います。
 都教委を含め東京都が、個人情報を収集、管理、利用、提供する場合には、個人情報保護条例が適用されます。
 総務局長に伺います。
 その第八条には委託等に伴う措置が規定されており、個人情報を取り扱う事務を委託する場合の規定が定められています。具体的には、個人情報保護条例の手引に、委託契約等において契約書、協定書、確認書、覚書その他これらに類する書類に安全管理、秘密の厳守等個人情報保護について必要な事項を明記し、受託者等に個人情報保護についての責務を課すと書かれていますが、これ、間違いありませんか。

○野間総務局長 東京都個人情報の保護に関する条例の施行について、この通達の第八条関係には、個人情報の保護に関し必要な措置として、受託者等を選定するに当たり必要な調査を行うこと、委託契約等において契約書、協定書、確認書、覚書その他これらに類する書類に安全管理、秘密の厳守等個人情報保護について必要な事項を明記し、受託者等に個人情報保護について責務を課すことなどが挙げられてございます。

○池川委員 つまり、きちんと定めがあるんですよね。具体的には、個人情報の秘密保持、個人情報の目的外利用及び第三者提供の禁止、再委託における条件、個人情報の複写及び複製の禁止、個人情報の管理方法の指定などについて、協定書などで明記しなければいけないというのが条例のルールになっています。
 今年度の実施計画の一九ページには、新たに個人情報の取扱いという項目が追加されましたが、昨年度の実施計画には同様の規定はありません。決算年度、何でこれは書いていないんですか。

○浜教育長 個人情報の保護に関する必要な措置につきましては、都教育委員会は事業者に対し、事業者募集の段階で、募集要項に個人情報保護法、同法施行令、個人情報保護に関するガイドラインを遵守することを明記しております。
 また、基本協定やその後に交わした覚書におきましても、事業者に対し、募集要項等で定めた個人情報の取扱いの規定を遵守するよう定めており、個人情報保護の取扱いに必要な措置については、十分に事業者に対して義務を明記しております。
 さらに、今年度の実施協定におきましては、より分かりやすく誤解がないようにするために、法令や条例を遵守し、安全管理や秘密の厳守等、個人情報の保護について必要な事項を具体的に規定したものでございます。

○池川委員 つまり、去年書いていなかったんですよ。書いていない下で、個人情報の取扱い、すなわちベネッセに個人情報の取扱いを委託するということはできないと。今年結ばれたのは九月二日付です。すなわち、七月六日から始まっていた今年度のESAT-Jの申込みそのものが、違法な状態で取得した可能性があるということなんですね。
 個人情報保護条例の八条、ここに掲げられている措置義務が一切講じられていないということは極めて重大だというふうに思います。こういう状態で取得をした個人情報を活用して、十一月二十七日のスピーキングテストを行うことは、到底認められないということだと思います。
 今、大きな声が広がっています。そして、都議会では、スピーキングに関する請願が今なお継続審査となっています。先ほどの答弁を聞いても、とても今テストが実施できるような状況にはないということは明らかです。中止を求めて、質問を終わります。(拍手)

○柴崎副委員長 池川友一理事の発言は終わりました。
 竹井ようこ理事の発言を許します。

○竹井委員 立憲民主党の竹井ようこです。よろしくお願いいたします。
 最初に、東京版ニューディールについて伺います。
 二年目となるコロナ禍での雇用対策として、令和三年一月、都が東京版ニューディール、二万人を超える雇用を創出すると打ち出しました。当時、都議会立憲民主党も代表質問で、雇用対策として大きく掲げられたことは問題意識が共有できたものと理解すると述べ、歓迎をいたしました。
 そして、令和三年度に、職を探す人への公共職業訓練、コロナ禍で解雇や雇い止めとなった人たちへの訓練、再就職支援、多様なマッチングなどの様々な雇用対策が行われました。
 それでは、再就職につながった職業訓練や雇用につながった割合が多い事業、早期に再就職を生み出した事業の特色について伺います。

○坂本産業労働局長 採用意欲の高い企業での正規雇用を目指すトライアル就労や、デジタルスキルを習得できる訓練と就職サポートを一体的に行う支援などを実施いたしました。

○竹井委員 決算で重要と考えることは、都が支援事業を行った結果が都民生活に反映されることです。雇用対策においては、就労のスキルが向上することや再就職につながること、個々の都民の暮らしが安定していくことへの波及が重要です。
 そこで、再就職がかなった人々からはどのような声を聞いているのか伺います。

○坂本産業労働局長 派遣社員として就業する会社で正規雇用を目指すトライアル就労について、事前に会社の様子を知り、安心して入社ができる仕組みであるとの評価をいただいております。
 また、デジタルスキルの習得訓練と就職サポートを一体的に行う支援について、ITの技術を基礎から学び、速やかな就職も実現できる効果的な取組との意見が寄せられました。

○竹井委員 こうした東京版ニューディールは、結果としてどのような成果を生み出したのかについて伺います。

○坂本産業労働局長 求職者の直面する個々の状況に応じたきめ細かい支援と、産業構造の変化にも柔軟に対応した職業能力開発により、多くの方の仕事の確保を図りました。

○竹井委員 多くの方の仕事を確保というご答弁がございましたが、都民への雇用対策支援事業を行った成果、そして決算内容について伺ったところです。
 三年度の都予算の説明では、東京版ニューディールを展開すると明確に述べて説明をされました。我が会派に対する代表質問の知事答弁でも、二万人を超える雇用創出を目指すと、そういう東京版ニューディールを実行してまいりますとした答弁を行っておられました。
 私は、この雇用創出といった知事のご発言にこだわりたく、決算における検証と都民への説明責任を果たしていただきたいと考えるのですけれども、知事の見解を伺います。

○小池知事 コロナ感染症の影響が長期化いたしまして、雇用情勢の回復の見通しがつかない中で、解雇などによって困難に直面する方々に対しまして、雇用を確保、そして生活の安定を図るということは重要でございます。
 このため、都は昨年度、求人企業とのマッチング、そして職業訓練などの施策を拡充しまして、求職者に寄り添った支援を行う東京版ニューディールを実行したところでございます。これによって、成長が見込まれる産業分野などへの人材シフトも促しまして、二万五千人を超える就職のサポートを行ったところでございます。

○竹井委員 分科会の我が会派、中村委員の質問からは、東京版ニューディールでの決算額として約百十七億円が使われたということが分かりました。しかし、今のご答弁にあったように、二万五千人という数字も、あくまでもサポートであって、実際に雇用が創出された数字ではないようです。
 都では、恒常的に就職サポートも行っていただいていることは承知をしております。しかし、今回は、予算で二万人の雇用を創出と大きく打ち出したのであれば--この予算の説明のときには、大胆なプロジェクトを展開という言葉もありました。決算においては、実際はどうであったか、そういった検証をしていただきたい。そして、次の事業へとその成果も反省も生かしていただきたいと思い、要望をさせていただきます。
 次の質問に移らせていただきます。オリンピック・パラリンピックです。
 昨年度開催された東京オリンピック・パラリンピックでは、残念ながら、大会組織委員会の元理事がスポンサー等から賄賂を受領したとされる汚職事件が起こりました。本日の報道では、五輪テスト大会でも談合があったとの報道がありました。
 先般のオリ・パラ特別委員会では、汚職に関する質問に対して、都は、捜査中である、他団体のことであるという答弁を繰り返しました。しかし、都には、なぜこのような事件が起きたか調査をし、再発防止策を講じる責務があると考えます。そうでなければ、大規模な汚職の起きた東京五輪の開催都市という不名誉のそしりを免れないことになると思います。
 組織委員会には、千名の職員が派遣をされていたと聞いております。そのうち、昨年八月一日時点で三十八名がマーケティング局に配属されていたとのことです。
 今回の事件について、派遣されていた職員が事前に知っていたという報告は、都にありましたでしょうか。

○中村政策企画局長 組織委員会の清算法人から、そのような報告は受けておりません。

○竹井委員 そうしましたら、知事はもとより都の職員については、今回の事件には一切関わりがないという理解でよろしいでしょうか。

○中村政策企画局長 報道されております元理事の金銭の授受について、都の職員の関与はないと認識しております。

○竹井委員 十一月十五日、新聞等の報道によれば、都が今後の国際スポーツ大会に向けて有識者会議を立ち上げるとのことです。
 この有識者会議では、二〇二〇大会を振り返り、組織委員会とも連携し、都民の期待する検証と再発防止、組織委員会のガバナンスなどについても議論していくべきと考えますが、見解を伺います。

○中村政策企画局長 国際スポーツ大会に関する有識者会議では、国際スポーツ大会のガバナンスや情報公開、都の関与の在り方などについて、東京二〇二〇大会の経験も踏まえ、将来の国際大会に向けた改善を議論し、ガイドラインを策定いたします。
 なお、事件につきましては、捜査により事実関係が明らかになるものと認識しております。

○竹井委員 東京都としては、今回の受託収賄事件には関わっていないということが、先ほどのご答弁で分かりましたけれども、都民の税金から多額の公金を支出した開催都市として、このような事件が起きた背景、組織の構造的な問題を明らかにしなければ、真の意味で東京都がガバナンスを利かせているかどうかというのは不明なままです。事件については捜査で明らかになるのはもちろんでありますが、都として検証と再発防止策の策定がなければ、今後、同様の不正が繰り返されるのではないかというおそれすら抱きます。
 各新聞の各種の見出しには、五輪汚職を受け有識者会議を立ち上げる、再発防止へ都が設置をする、そういう言葉が並んでいました。まさにそれこそが都民の期待していることだと思いますし、先ほど来、委員の皆さんからもそのようなお話があったと思っております。
 今後の透明性ある国際大会の開催のためにも、ここで知事がリーダーシップを発揮されることを強く要望いたします。
 それでは、スピーキングテストについて、私の方からも伺ってまいります。
 スピーキングテスト、ESAT-Jについては、次の日曜日、十一月二十七日に実施される予定になっています。この間、様々な機会を捉えて、私たちが思うこのテストの瑕疵について指摘をしてまいりました。
 まず、不受験者の扱いについてお尋ねいたします。
 昨年、不受験者にも不利にならないようにと、不受験者に仮得点を与えることが決定をいたしました。不受験者に仮の得点を与えること、その採点方法について、合理的で最善だと都教委は述べてきましたけれども、それは、ESAT-Jをどうしても入試に使いたい都教委だけの独善的な判断だというふうに思います。
 不受験者は、本来のスピーキングスキルではない点数、そして他人の点数から類推した点数が与えられることになります。これは入試において前代未聞のことです。
 平均点を出すときに、点数を一旦グレードに置き換えます。そして、それをまた点数に置き換えるということをやるので、そこでも得点は変わってきます。
 このような形で採点することによって、合格者と不合格者が入れ替わる可能性があるということを多くの専門家が指摘をしていますけれども、都教委の認識を伺います。

○浜教育長 スピーキングテストにおける不受験者の措置は、吃音や緘黙等の障害、疾患のある生徒や、事故や病気などやむを得ない理由により受験することができなかった生徒などに対し、都立高校入試において、最も参考になり得る数値である英語学力検査の得点を基に、テストに相当する点数を算出し、付与するものでございます。
 こうした措置は、様々な事情、状況にある多様な生徒が受検する都立高校入試においては、合理的な最善の方策であります。

○竹井委員 合格者と不合格者が入れ替わる可能性があることを指摘しているので、都教委の認識を伺ったんですけれども、また再び、合理的で最善だという答弁でした。合理的で最善だとなぜ分かるんでしょうか。ほかのやり方は検討したのですか。
 それから、昨年までのESAT-Jと都立受検のデータを使ってシミュレーションを行っていれば、先ほど述べたような事態は起こらないということを、そのシミュレーションを使って検証すべきであったというふうに思いますけれども、行っていないと思いますが、行わないのはなぜか伺います。

○浜教育長 繰り返しになりますが、やむを得ない理由により受験できなかった生徒に対する不受験者の措置は、様々な事情、状況にある多様な生徒が受検する都立高校入試においては必要と考えており、合理的な最善の方策であると判断しております。

○竹井委員 様々なケースをどう想定しているのか、そこからどう合理的で最善だと導き出したのか、ぜひ明らかにしていただきたい。それを明らかにしないで、独善的に合理的だとか最善だとかいわれても、誰も納得できないと思います。なぜ検証できないのか、行わないのかということを聞いたんですけれども、お答えはありませんでした。
 逆転現象については、過去のご答弁によれば、起こり得ないと限定するものではないと考えるという答弁がありました。簡単にいえば起こり得るということかというふうに思います。総合得点で見たときに、不受験者の扱いでボーダーラインにいる生徒の合否に逆転が生じる、このことについて、起こらないなら起こらないと明言していただきたい。起こり得るが仕方のないことだ、受験とはそういうものだということをおっしゃっているんでしょうか。
 公立中学生と私立、国立中学生の扱いの差。受けてもいいし受けなくてもいいという私立、国立中学生ですね、それから、入試直前に都外から引っ越してくる、転校してくる方、あるいは四月に東京都に引っ越してくるので都立を受けたいという受検生は、ESAT-Jの受験機会すら与えられないということになるんです。
 このことについて、同じ受検生の中で差を設けるべきではないと思いますけれども、ご見解を伺います。

○浜教育長 スピーキングテストの実施日以降に都外から転入してくる生徒や、同様に、テストの実施日以降に私立、国立の中学校の生徒のうち都立高校の志願を決定することとなった生徒に対しては、著しく不利にならないよう不受験者の措置を行います。

○竹井委員 その不受験者の措置そのものがおかしいといっているわけですから、不利にならないように行うというのは、ちょっとおかしな話でして、そもそも受けたくても受けられないということが起こることが間違っていると思います。二月に行うべき受検の一部を前出しして、三か月も前に行うからこういった状況が生まれると思います。これも仕方ないということをおっしゃっているんでしょうかね。
 ここまで、不受験者の扱いについてお伺いしてきましたけれども、なかなかお聞きしたことにお答えいただけない。残念です。
 一部の生徒たちの逆転現象であるとか、受けたくても受けられない、一部の生徒がですね、そういった制度設計、これ全て、ある程度仕方ない、受験とはそういうものだ、そういうお考えなんでしょうか。これについて伺います。

○浜教育長 都立高入試におきまして、点数がない生徒につきましては、一定のルールに基づいて算出した点数を加算することにつきまして、在籍する中学校や、障害、疾患、都内への転居の時期など、様々な事情等で著しく不利になることがないように配慮するという観点で適切なことと考えております。

○竹井委員 まあちょっと、かみ合わないことばかりです。
 採点について伺います。
 この間、ベネッセが提供するGTECと同一の採点スタッフであれば--もしあればですね、問題であるということを複数の議員が述べてきたかというふうに思います。
 ちょっと細かい話になって恐縮なんですけれども、ESAT-Jの採点者は専任というご答弁をずっといただいていますが、これ何か月契約なんでしょうか。もしそれ以外の期間において、GTECとかベネッセの事業の採点を行っているということがありますでしょうか。
 それから、フィリピンで採点される方は、TESOLなどの資格を持った方々だというふうに答弁をされてきたんですけれども、大学の学士課程や大学院の修士課程などでTESOLを学ぶ、これがディグリー、それから、三万円から比較的に簡単に取得できるサーティフィケートというのもあります。採点者はどちらを取得していますか。

○浜教育長 都教育委員会は、事業者と協定を締結し、高度な英語力と英語教育に関する専門性を有する複数の担当者が専任で行う採点、審査を経て都教育委員会が結果を確認するなど、採点体制を構築し、公平、公正な実施を担保しております。
 なお、採点業務に関連する具体的な事項につきましては、テストの公平、公正な運営上の観点から公表しておりません。

○竹井委員 何か月契約かというところもお答えはなかったので、専任スタッフだといっても、この三か月間だけの専任スタッフということだったら、それ以外の期間は、GTECなどに従事している可能性もあるということになると思います。そういう疑義を生じさせないためにも明らかにしてくださいとお願いをしているんですけれども、なかなかお答えをいただけません。
 そもそも、ベネッセを選択した理由として、既存の資格検定試験の実績によって、試験運営可能な事業基盤が構築されている、それから資材管理、物流、セキュリティ面等において、本事業を実施するに当たっての実施体制がもう整っているんだと。本事業で使用予定のタブレット端末についても、独自開発したタブレット端末を相当数保有している、自社のタブレットを使用した試験運営実績があることから、安定した事業運営が期待できると、選定理由にありました。これはまさにGTECでの経験ありきという選定が行われたのではないかというふうに考えます。
 そもそも最初は、ESAT-Jではなくて、中学校英語スピーキングテストSupported by GTECでした。
 採点システムもGTECの基盤が使われているというふうに思われますけれども、いかがでしょうか。
 それから、作問についても、GTECとESAT-Jの作問者は重複しているかどうかについてお答えをください。

○浜教育長 都教育委員会は、スピーキングテストの実施に当たり、資格検定試験において実績や知見を有する事業者を選定しております。事業者は、基本協定、実施協定に基づき、都教育委員会が求める業務に対して、都教育委員会の指示に基づきシステムを構築し、実施しています。
 また、スピーキングテストは、学習指導要領の目標を踏まえて東京都が決定した出題方針に基づき、都独自の内容で出題するテストです。
 なお、作問者につきましては、テストの公平、公正な運営上の観点から公表しておりません。

○竹井委員 重複しているかどうかという質問だったんですけれども、公開をしないということなんですけれども、繰り返しですが、様々な疑義が生じているからこそ明らかにしてほしいというふうにお願いをしています。でも、自らお答えをいただくということがなかなか難しいようです。
 今年度の実施計画の十番に、AIを活用した採点の導入の研究の方向性というのがあって、スピーキング採点では、発話区間を認識するテクノロジーを令和三年度同様活用するということで、採点の効率化を実現すると。また、引き続きAIを活用した採点評価の調査研究と、組み込みの有効性、実現性の評価を行うとあります。
 引き続きということですから、昨年度、令和三年度も、AIによる採点評価の調査研究、組み込みの有効性、実現性の評価を行ったというふうに思いますけれども、その内容、そして成果について伺います。

○浜教育長 AI採点に関する調査研究は実施しておりますが、スピーキングテストのデータを用いた研究や採点は行っておりません。

○竹井委員 昨年度行ったAI採点に関する調査研究の内容や成果についてお聞きしたんですけれども、内容についてのお答えがなかった。ベネッセの実施計画の中にうたわれていることですから、その内容について説明する責務があると思います。
 昨年どのような成果を得たのか、もう一度伺います。

○浜教育長 AI採点に関する調査研究につきましては、まだ実施中でございます。

○竹井委員 実施中--和三年度、どういう内容で行って、その成果がどう得られたのかということをきちんと説明する責務はあると思います。これは途中であっても、昨年度はこういう形で成果を得たということをお答えいただきたかったと思います。
 周知について伺います。
 今年のテストについて、昨年九月に都教委から自治体の教育委員会に対して、令和五年度入学者選抜からESAT-Jの結果を活用するという旨のお知らせを中学校長にお知らせくださいという文書とともに送っています。そのお知らせについて、中学校の校長先生から各家庭に通知されたかどうか確認をしていますでしょうか。
 特にここで重要なのは、当時の中二、そして中一生、この生徒に周知をしたかということですけれども、私がお聞きした中では、当時の中二や中一の生徒に周知をするようにと都教委からはいわれていないから、していませんという回答がありましたけれども、これについて見解を伺います。

○浜教育長 都教育委員会は、昨年の九月、スピーキングテスト結果を令和五年度都立高校入学者選抜に活用することを公表いたしました。それ以降、区市町村教育委員会や進路対策担当の校長会など様々な機会を捉えて、繰り返し中学校への周知を図るとともに、生徒や保護者に対しては、本年四月以降、全員にリーフレットを配布するなど、事業の趣旨や内容を周知しております。

○竹井委員 結局、昨年九月に公表したけれども、市区の教育委員会や校長会で周知をした。しかし、各家庭に通知をしたのかどうか、当時の中二生、そして中一生に周知をしたのかどうか、把握できていないということだと思います。受験が変わる、こんな大切なことをきちんと周知できていないんじゃないかと思うんです。今年に入ってからも、様々な保護者の方が知らなかったという驚きの声を私たち議員に寄せていらっしゃいます。周知にも大きな問題があったといわざるを得ないと思います。
 それから、先ほどもお話がありました、アチーブメントテストなのか入試なのか、この間、この二つを両立させようとすることによって様々な瑕疵が生じてきたというふうに思います。
 生徒や保護者は受験だと捉えています。そのため、私立の単願とかスポーツ推薦などで進路が決まってしまった生徒は、当日、受験しないということも考えられます。ですから、八万人の九五%が申込み済みだということでしたけれども、実際の受験者数はもっと少なくなるんじゃないかというふうにも考えます。
 そのような状態で、当初の目的である習得状況を検証して、指導の成果と課題を検証し、指導の充実を図ること、これ、ESAT-Jの当初の目的ですけれども、これが達成できるんでしょうか。
 それから、テストの実務においてもいろいろなそごが生じています。アチーブメントテストというのであれば各中学校で行えばいいと思います。そのために、今、様々な都立中学校に受験会場を設定された子供たちは、交通費自己負担で、志望校でもない都立高校に試験に行くということを迫られているんです。
 私たちのところに寄せられた話では、港区から武蔵野市に受験しに行く、江東区から渋谷区に受けに行く。片や、徒歩五分で行けるところに設定された子供たちもいますけれども、こんな自己負担で都立高校に試験に行くのは、アチーブメントテストであれば必要ないと思います。
 それから、もしこれが受検であるならば、試験監督をアルバイトに任せるべきではありません。都立の高校の入試は都立の先生が監督するべきです。アルバイトに任せる、これ、今まであったでしょうか。なかったと思います。
 このテストの実施においては教育長が責任者ですね。アチーブメントテストと入試、この二兎を追う変則的な試験であることから、これまでもるる述べてきた理由によって、私たち都議会立憲民主党としては、このテストを受検に活用することについては反対をしています。今でも反対をしています。今からでも受検への活用をやめていただきたいと思います。今年の中三生が犠牲になってはならないというふうに思っています。
 様々なこういった瑕疵の指摘がありながら、また都民からの質問にもなかなか答えない。時間がないという事情があったというふうにも聞いていますけれども、しかし、情報公開も黒塗りが多くて、そのような状況で受検利用に向けて突き進もうとしている、このことには私たちは納得できません。
 教育長の見解を最後に伺っておきたいと思います。

○浜教育長 まず、度々申し上げておりますが、このスピーキングテストはアチーブメントテストとして実施をするものでございまして、都内の公立中学校三年生全員を対象に実施するものでございます。
 会場につきましては、公平、公正な実施のために、自分の通う中学校ではない会場を確保するということで、全ての生徒たちが、おおむね六十分以内で移動できるところに会場を設置するということで準備をしております。
 一方、都立高校入試におきましては、義務教育の最終段階として、学習指導要領で求められている力が身についているかを測る必要がございます。英語につきましては、四技能の習得状況をそれぞれ最適な方法により検査することが重要であり、話すことの技能の評価としてスピーキングテストの結果を都立高校の入試で活用してまいります。
 都教育委員会としては、テストを直前に控えた生徒が安心してスピーキングテストを受験でき、持てる力を発揮できるよう、組織を挙げて万全の体制で臨んでまいります。

○竹井委員 今、万全の体制でということをおっしゃっていただきましたけれども、十一月二十七日のESAT-Jの試験官のアルバイトは、昨日の時点でまだ募集中です。今日はどうなっているか分かりませんけれども。
 それから、受験日の十日前にアルバイト情報に掲載されたESAT-Jの試験官の募集広告に何て書いてあるかご存じでしょうか。激ゆる採用って書いてあるんですよ。激ゆるですよ。これ、入試って捉えていらっしゃるんですよね。都立高校の入試の試験官がアルバイトで、直前まで大募集されていて、激ゆるって募集されているんですよ。本当にこれ、受検生に見せられるでしょうか。よく考えていただきたい。これ、万全の体制といえますか。もう本当にこれは怒りを超えて、私は本当に悲しくなる、この激ゆるという言葉でした。
 本当に生徒のために、本当の意味で最善となるように、重ねて受検への活用を止めていただくことを要望して、質問を終わります。

○柴崎副委員長 竹井ようこ理事の発言は終わりました。
 以上で、本日予定しておりました質疑は全て終了いたしました。
 お諮りいたします。
 令和三年度東京都各会計歳入歳出決算の認定についてに対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○柴崎副委員長 異議なしと認めます。よって、本件に対する質疑は終了いたしました。
 なお、十一月二十四日の十二時四十五分から理事会を、また、十三時から委員会を第十二委員会室で開会いたしますので、よろしくお願いいたします。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後五時十五分散会


令和3年度各会計決算特別委員会 第1分科会審査報告書

 第1分科会で行われた令和3年度東京都一般会計決算等に関する審査の概要を次のとおり報告する。
  令和4年11月1日
   令和3年度各会計決算特別委員会
   第1分科会委員長  柴崎 幹男

令和3年度各会計決算特別委員長
 鈴木 あきまさ 殿

1 本分科会の設置及び審査の経過
 ・本分科会は、令和4年9月29日に設置され、次の案件を審査した。
  令和3年度東京都一般会計決算中、政策企画局、子供政策連携室、総務局、財務局、デジタルサービス局、主税局、会計管理局、選挙管理委員会事務局、人事委員会事務局、監査事務局、収用委員会事務局、議会局、東京消防庁、警視庁所管分
  令和3年度東京都特別区財政調整会計決算
  令和3年度東京都地方消費税清算会計決算
  令和3年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計決算
  令和3年度東京都用地会計決算
  令和3年度東京都公債費会計決算

 ・本分科会は、次のとおり各所管局ごとに審査し、終了した。
  10月12日(説明聴取・資料要求) 会計管理局、東京消防庁、財務局、政策企画局、子供政策連携室、総務局、選挙管理委員会事務局
  10月14日(説明聴取・資料要求) 警視庁、デジタルサービス局、人事委員会事務局、監査事務局、主税局、収用委員会事務局、議会局
  10月19日(質疑)        会計管理局、議会局、子供政策連携室、財務局
  10月21日(質疑)        警視庁、監査事務局、主税局、デジタルサービス局
  10月24日(質疑)        東京消防庁、選挙管理委員会事務局、政策企画局
  10月26日(質疑)        収用委員会事務局、人事委員会事務局、総務局

2 本分科会における質疑の概要
(1)政策企画局所管分
 〔1〕 都市外交の実績と成果及び更なる関係性の強化について
 〔2〕 「国際金融都市・東京」構想の改訂と実現に向けた取組の成果について
 〔3〕 これまでの外国企業誘致の成果について
 〔4〕 国家戦略特区について
  ア 目的と認定状況及び今後の取組について
  イ 都市再生プロジェクトの経済波及効果について
  ウ 東京開業ワンストップセンターの活用実績について
 〔5〕 東京2020大会について
  ア 共同実施事業等と収支調整額の執行率について
  イ 共同実施事業に係る契約案件の内容と共同実施事業管理委員会のチェックについて
  ウ 契約に関する情報公開と資料の保管について
  エ 組織委員会マーケティング局への都からの派遣職員数について
  オ 組織委員会元理事と都庁幹部の接触について

(2)子供政策連携室所管分
 〔1〕 こどもスマイルムーブメントについて
  ア 事業の成果と課題について
  イ 官民推進チームの役割と実績及びワーキンググループの議論を反映させた取組について
  ウ 令和4年度の取組状況と今後の展望について
 〔2〕 東京都こどもホームページにおける子供の意見の反映状況及び今後の取組について
 〔3〕 こども未来会議について
  ア 設置目的及びテーマ選定の考え方について
  イ 議論の内容及び政策や施策への反映について
  ウ 子供の参加や意見表明の進め方について
 〔4〕 事業における「子供」の表記について

(3)総務局所管分
 〔1〕 防災対策について
  ア 帰宅困難者対策の実績と今後の取組について
  イ 減災と防災意識向上に向けた取組について
  ウ 避難所における感染症対策について
  エ 東京都防災会議の概要と女性委員の参画状況について
  オ 水害時における広域避難先の確保と運営及び東京マイ・タイムラインを活用した普及啓発について
  カ 東京都防災アプリと東京都防災模試の取組における工夫について
  キ 要配慮者の避難対策について
 〔2〕 東日本大震災の被災地の状況及び人的支援と風化防止について
 〔3〕 人権施策について
  ア 犯罪被害者等のための東京都総合相談窓口の対応実績と区市町村の体制強化について
  イ 性の多様性に関する都民の理解促進に向けた今後の取組について
  ウ 複合差別に対する見解について
  エ ヘイトスピーチへの対応について
 〔4〕 東京都立大学における研究力と国際対応力の向上について
 〔5〕 東京リカレントナビの開設について
 〔6〕 国境離島の役割と維持・保全について
 〔7〕 東京都生活応援事業の実績と区市町村への支援内容について
 〔8〕 公文書開示請求に対する期間延長の実績と開示決定等の期限について
 〔9〕 都における障害者雇用の推進について

(4)財務局所管分
 〔1〕 公共工事における施工時期の平準化の実績と今後の取組について
 〔2〕 業務委託における総合評価方式について
  ア 知事部局における適用状況について
  イ 業務委託等の総合評価方式に係る適用方針を策定した目的及び策定後の適用状況について
  ウ 複数年契約を組み合わせて導入する効果とその適用状況について
  エ 今後の適用拡大と有効活用について
  オ 障害者雇用率の適切な評価について
 〔3〕 都内の官公需適格組合の団体数と受注状況及び同組合を含めた中小企業の受注機会の拡大について
 〔4〕 最低制限価格制度について
  ア 設計等委託における試行状況について
  イ 印刷請負契約への本格的な導入と今後の他業種への適用拡大について
 〔5〕 事業提案制度について
  ア 新型コロナウイルスを克服し、東京の未来を創るアイデア募集の目的と成果について
  イ 大学提案事業の成果及びその周知について
 〔6〕 事業評価制度のこれまでの成果及び令和4年度予算編成における事業見直しの具体的事例について
 〔7〕 基金について
  ア 財政調整基金の活用と義務積立について
  イ 東京オリンピック・パラリンピック開催準備基金の活用と今後の活用の見通しについて
 〔8〕 都庁舎における耳マークの普及と聴覚障害者への対応に関する検討状況について
 〔9〕 都立建築物のユニバーサルデザイン導入ガイドラインにおける聴覚障害者への配慮と多機能トイレの設置基準について

(5)デジタルサービス局所管分
 〔1〕 5つのレス徹底推進プロジェクトの実績及び今後の取組について
 〔2〕 ペーパーレスやファックスレスの推進における工夫について
 〔3〕 区市町村のDX推進への支援状況と今後の取組について
 〔4〕 デジタル人材の確保と育成について
 〔5〕 次世代ウェルネスソリューション構築支援事業の概要とネットワーク作りに向けた取組について
 〔6〕 スマートポールの整備状況と活用事例について
 〔7〕 東京データプラットフォームの構築に向けた取組と今後の推進について
 〔8〕 デジタルデバイド対策について
  ア 区市町村と連携した取組について
  イ 昨年度を踏まえた今年度の取組について
  ウ 高齢者向けのスマートフォン体験会や相談会の実績と参加者の評価について
  エ 障害者を対象とした対策の実績について
 〔9〕 各局のデジタル化への支援実績について
 〔10〕 行政手続のデジタル化の進捗状況とより良いサービスの提供について
 〔11〕 ユーザーテストの今後の進め方について
 〔12〕 職員の業務効率化の推進について
 〔13〕 東京都デジタルサービスの開発・運用に係る行動指針の策定経緯及び職員への同指針の意識付けについて
 〔14〕 繰入金の性質と収入率及びスマート東京推進基金からの繰入金について
 〔15〕 電子都庁基盤の運用管理の内容と過去5年間の決算の状況及び今後の予算について
 〔16〕 事業所業務のデジタル化の進捗状況と今後の展開について

(6)主税局所管分
 〔1〕 都税収入について
  ア 増収要因について
  イ 法人二税の特徴と増収要因について
 〔2〕 徴収猶予制度の実績と猶予期間終了時の対応について
 〔3〕 徴収率の推移について
 〔4〕 滞納繰越額の推移と削減に向けた取組について
 〔5〕 ふるさと納税制度による都と区市町村における影響及び制度への対応について
 〔6〕 税務総合支援システム(TACSS)再構築の進捗状況と要件定義における対策について
 〔7〕 スマートフォン決済アプリの利用実績と利用拡大について
 〔8〕 主税局ビジョン2030の策定の背景にある課題とその対応について
 〔9〕 法人二税の電子申告の利用状況と普及促進について
 〔10〕 租税教室の実績と普及促進について
 〔11〕 視覚障害者に送付する納税通知書への点字や音声コードの活用について
 〔12〕 AIチャットボットを活用した税務相談の利用状況について
 〔13〕 都税事務所における障害者対応について
 〔14〕 納税者への国籍や言語を超えた対応について

(7)会計管理局所管分
 〔1〕 公金管理について
  ア 管理実績について
  イ 公金の安全性確保のためのリスク管理について
  ウ 債権者への支払を円滑に行うための取組について
 〔2〕 キャッシュレス決済の導入について
  ア 都民利用施設における取組について
  イ 今後の導入に係る各局へのサポートについて

(8)選挙管理委員会事務局所管分
 〔1〕 東京都議会議員選挙について
  ア 新型コロナウイルス感染症対策としての区市町村交付金について
  イ 期日前投票の平成29年と令和3年の実績比較について
  ウ 投票所における有権者の不安解消に向けた取組について
  エ 特例郵便等投票制度の実施に係る準備と周知について
 〔2〕 投票所における聴覚障害者への対応及び都の支援について
 〔3〕 不在者投票指定施設の指定実績と指定増加のための広報について
 〔4〕 障害種別に対応した選挙情報の提供について

(9)人事委員会事務局所管分
質疑なし

(10)監査事務局所管分
質疑なし

(11)収用委員会事務局所管分
質疑なし

(12)議会局所管分
質疑なし

(13)東京消防庁所管分
 〔1〕 コロナ禍における救急隊員の心理的ケアについて
 〔2〕 救急需要に応じた救急隊の機動的な運用及び現場到着時間の短縮について
 〔3〕 島しょ地域からのヘリコプターによる救急患者等の搬送件数と搬送要請への対応について
 〔4〕 光警報装置の設置に係るガイドラインの概要と設置に向けた取組について
 〔5〕 救急搬送時における聴覚障害者への対応について

(14)警視庁所管分
 〔1〕 痴漢・盗撮の対策について
  ア 痴漢対策の取組について
  イ 検挙した迷惑防止条例違反の発生時間帯について
  ウ 盗撮の検挙件数について
  エ 性暴力防止の取組の重要性とその広報について


令和3年度各会計決算特別委員会 第2分科会審査報告書

 第2分科会で行われた令和3年度東京都一般会計決算等に関する審査の概要を次のとおり報告する。
  令和4年11月1日
   令和3年度各会計決算特別委員会
   第2分科会委員長 藤井 あきら

令和3年度各会計決算特別委員長
 鈴木 あきまさ 殿

1 本分科会の設置及び審査の経過
・本分科会は、令和4年9月29日に設置され、次の案件を審査した。
 令和3年度東京都一般会計決算中、生活文化スポーツ局、福祉保健局、教育庁所管分
 令和3年度東京都国民健康保険事業会計決算
 令和3年度東京都母子父子福祉貸付資金会計決算
 令和3年度東京都心身障害者扶養年金会計決算

・本分科会は、次のとおり各所管局ごとに審査し、終了した。
 10月12日(説明聴取・資料要求) 福祉保健局、教育庁、生活文化スポーツ局
 10月19日(質疑)        福祉保健局
 10月21日(質疑)        生活文化スポーツ局
 10月24日(質疑)        教育庁

2 本分科会における質疑の概要
(1)生活文化スポーツ局所管分
 〔1〕 私立学校に対する助成制度の実績と今後の取組について
 〔2〕 私立学校等に係る学費負担軽減制度の実績と今後の取組について
 〔3〕 文化振興について
  ア アートにエールを!東京プロジェクトを始めとする芸術文化活動への支援について
  イ 東京舞台芸術活動支援センターの利用実績について
  ウ スタートアップ助成について
  エ アール・ブリュットの普及啓発について
 〔4〕 スポーツ振興について
  ア スポーツ推進費の執行状況について
  イ 総合的な競技力向上施策の推進の執行状況について
  ウ 東京2020大会競技施設の大会終了後の整備と運営について
  エ スポーツ環境整備費補助の実績について
 〔5〕 障害者スポーツ振興について
  ア 区市町村への補助制度の実績と周知について
  イ 都民の理解促進とスポーツ施設のバリアフリー情報の提供について
  ウ 都立特別支援学校活用促進事業の実績と新型コロナウイルス感染防止について
 〔6〕 地域の底力発展事業助成の実績と今後の取組について
 〔7〕 地域における見守り活動支援事業としての防犯カメラの設置補助実績について
 〔8〕 災害時におけるボランティア支援の強化について
 〔9〕 多文化共生推進事業と外国人に対する防災情報提供対策の強化の執行状況について
 〔10〕 治安対策の推進の執行率について
 〔11〕 交通安全対策の総合企画調整等及び集中的な渋滞対策の執行状況について
 〔12〕 商品の安全対策事業の執行状況について
 〔13〕 区市町村の消費者生活相談への支援について
 〔14〕 若者への消費者教育の強化と消費者被害の未然防止について
 〔15〕 東京都若者総合相談センター(若ナビα)における相談対応について
 〔16〕 青少年応援プロジェクトの実施状況について
 〔17〕 男女平等参画について
  ア 男女平等参画施策の企画調整の執行率について
  イ 東京ウィメンズプラザの相談実績とささえるライン@東京におけるDV相談対応について
  ウ 女性を取り巻く社会的背景の調査・研究の充実と施策への反映について
 〔18〕 公衆浴場耐震化促進支援事業とクリーンエネルギー化等推進事業補助の実績について

(2)福祉保健局所管分
 〔1〕 新型コロナウイルス感染症対策について
  ア 感染予防対策の概要について
  イ ワクチン接種の取組と今後の接種促進について
  ウ 新型コロナウイルスワクチン接種促進キャンペーン事業の実績及び若者のワクチンへの理解促進について
  エ 治療薬の活用状況と普及の取組について
  オ 重症化リスクのある高齢者への医療提供体制について
  カ 病床確保と医療スタッフの確保について
  キ マスクの着脱ルールの整理と周知について
 〔2〕 東京都特定不妊治療費助成事業の実績及び先進医療への新たな助成事業について
 〔3〕 東京都出産応援事業の実績と利用登録時のアンケートの活用について
 〔4〕 とうきょうママパパ応援事業の実績と区市町村の取組の促進について
 〔5〕 ベビーシッター利用支援事業の実績と取組の推進及び保育の質の確保について
 〔6〕 乳児家庭全戸訪問事業における訪問率と区市町村のアウトリーチ支援について
 〔7〕 認証保育所1歳児受入促進事業の執行率について
 〔8〕 子供主体の保育普及促進事業の執行状況について
 〔9〕 子育て援助活動支援事業における提供会員について
 〔10〕 病児保育を行う事業者への支援について
 〔11〕 子供の居場所創設事業の実績と区市町村への支援について
 〔12〕 学童クラブの待機児童解消について
 〔13〕 児童相談所について
  ア 人材の確保と育成について
  イ DXの取組及び弁護士の配置状況と役割について
 〔14〕 児童養護施設におけるネットワーク環境の実態把握について
 〔15〕 グループホーム・ファミリーホーム設置促進事業の執行率について
 〔16〕 同性カップルの里親認定について
 〔17〕 里親養育包括支援機関事業の実施効果と普及啓発について
 〔18〕 保育園における置き去り事故の発生状況と防止対策について
 〔19〕 民間事業者による保育園の施設運営費不正受給及び指導検査について
 〔20〕 保育園における職員へのハラスメントの事例と防止措置について
 21 障害児支援について
  ア 学童クラブにおける医療的ケア児等受入支援事業の実績と取組の推進について
  イ 児童発達支援センターの設置状況と設置促進について
  ウ 障害児の放課後等支援事業と都型放課後等デイサービス事業の実施状況及び医療的ケア児に対する今後の支援について
  エ 重症心身障害児と医療的ケア児の在宅支援について
 22 介護施設におけるデジタル機器と次世代介護機器の効果的な活用について
 23 介護人材の不足要因及び確保と育成に向けた取組の実績について
 24 認知症高齢者グループホーム整備促進事業の実績について
 25 がん対策について
  ア 東京都若年がん患者等生殖機能温存治療費助成事業の実績について
  イ がん専門病院と循環器系病院の連携推進及びがんの早期発見の取組とすい臓がん治療の充実について
  ウ コロナ禍におけるがん対策とがん検診の受診促進について
 26 高齢者肺炎球菌ワクチンの定期接種の実績及び今後の接種促進について
 27 区市町村における糖尿病性腎症重症化予防の推進に向けた取組について
 28 災害時における透析患者への医療確保と透析医療体制の強化について
 29 東京都若年被害女性等支援事業の実績について
 30 国民健康保険事業について
  ア 補正予算における財政安定化基金繰入金の償還計画について
  イ 国民健康保険組合に対する補助の実績と補助単価について
  ウ 東京建設業国民健康保険組合のがん対策事業への財政支援について
 31 ひきこもりについて
  ア 都民の理解促進に向けた普及啓発と情報発信について
  イ 相談体制と支援体制の整備について
  ウ ひきこもり等の若者支援プログラムと東京都ひきこもりサポートネットの実績について
 32 公社病院について
  ア 看護師の残業時間の推移及び残業縮減と就労環境の改善について
  イ 東部地域病院における病児保育の受入実績について

(3)教育庁所管分
 〔1〕 教員の人材確保と処遇改善について
 〔2〕 外部人材の活用について
  ア スクール・サポート・スタッフの導入効果と今後の活用について
  イ 社会の力活用事業とTEPROサポーターバンク事業の実績について
 〔3〕 小学校職員教員免許取得支援事業の執行率について
 〔4〕 教員のメンタルヘルス対策について
 〔5〕 公立学校のICT環境の整備実績及び特別支援学校におけるICTを活用した教育活動について
 〔6〕 コロナ禍における都立高等学校のオンライン授業について
 〔7〕 町田工業高等学校におけるTokyo P-TECH事業の実施効果及び工業高等高校の魅力発信について
 〔8〕 オリンピック・パラリンピック教育の推進と東京スポーツ文化館における取組について
 〔9〕 防災教育について
  ア 防災士養成講座の実績について
  イ 防災ノートの活用実績とデジタルブック版の概要について
 〔10〕 特別支援教育について
  ア 教育委員会と学校が連携した特別支援教室の推進について
  イ 青鳥特別支援学校八丈分教室の設置について
  ウ 医療的ケア児の専用通学車両の運行実績とモデル事業の実施について
  エ 視覚と聴覚の両方に障害がある子供への指導における工夫について
  オ 寄宿舎指導員の採用実績と職員定数について
  カ 特別支援学校の寄宿舎の役割及びスクールバスの充実と施設整備について
 〔11〕 都立学校施設の省エネ・再エネ対策と太陽光発電設備の設置状況について
 〔12〕 緑の学び舎づくり事業の執行率について
 〔13〕 中学校英語スピーキングテストに関する考え方とこれまでの経緯について


令和3年度各会計決算特別委員会 第3分科会審査報告書

 第3分科会で行われた令和3年度東京都一般会計決算等に関する審査の概要を次のとおり報告する。
  令和4年11月1日
令和3年度各会計決算特別委員会
第3分科会委員長  加藤 雅之

令和3年度各会計決算特別委員長
 鈴木 あきまさ 殿

1 本分科会の設置及び審査の経過
・本分科会は、令和4年9月29日に設置され、次の案件を審査した。
 令和3年度東京都一般会計決算中、都市整備局、住宅政策本部、環境局、産業労働局、建設局、港湾局、労働委員会事務局所管分
 令和3年度東京都中小企業設備導入等資金会計決算
 令和3年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計決算
 令和3年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計決算
 令和3年度東京都と場会計決算
 令和3年度東京都都営住宅等事業会計決算
 令和3年度東京都都営住宅等保証金会計決算
 令和3年度東京都都市開発資金会計決算
 令和3年度東京都臨海都市基盤整備事業会計決算

・本分科会は、次のとおり各所管局ごとに審査し、終了した。
 10月12日(説明聴取・資料要求) 建設局、港湾局、中央卸売市場、住宅政策本部
 10月14日(説明聴取・資料要求) 都市整備局、環境局、産業労働局、労働委員会事務局
 10月19日(質疑)        中央卸売市場、建設局
 10月21日(質疑)        港湾局、産業労働局
 10月24日(質疑)        労働委員会事務局、都市整備局
 10月26日(質疑)        住宅政策本部、環境局

2 本分科会における質疑の概要
(1)都市整備局所管分
 〔1〕 不燃化特区の取組状況と実績及び区との連携について
 〔2〕 建築物の耐震化の進捗状況と今後の取組について
 〔3〕 高台まちづくりの推進に向けた取組について
 〔4〕 東京ベイeSGまちづくり戦略の策定経緯と具体的な取組について
 〔5〕 品川駅周辺のまちづくりに関する計画調査と品川地下鉄の事業化の取組状況について
 〔6〕 環状第4号線(高輪地区)の整備と沿道のまちづくりの進捗状況について
 〔7〕 晴海五丁目西地区第一種市街地再開発事業の進捗状況について
 〔8〕 新空港線の整備について
  ア 路線の意義と位置付け及び広域交通ネットワーク形成等に関する調査における検討について
  イ 事業費の負担割合に関する大田区との合意について
 〔9〕 鉄道駅におけるホームドアの整備状況と連続立体交差事業の実施に合わせた整備について
 〔10〕 雨水流出抑制事業補助の実績と流域対策の促進について
 〔11〕 緑の保全・創出について
  ア 生産緑地公園補助制度の実績と課題について
  イ 緑あふれる公園緑地等整備事業の補助実績について
  ウ 特定生産緑地制度の実績について
 〔12〕 地域公共交通について
  ア コミュニティバスの補助実績と導入状況について
  イ 公共交通空白地域の定義及び主要駅や民間バスとの接続について
  ウ 区市町村のデマンド交通の調査に対する補助実績と東久留米市における実験運行の状況について
  エ 区長会と市長会からの予算要望について
 〔13〕 米軍基地対策について
  ア 基地関係者の事件・事故に係る都の要請と米軍の対応について
  イ 横田基地における泡消火材の管理状況に関する立入調査の実施について
  ウ オスプレイと戦闘機の訓練飛行の実態把握について

(2)住宅政策本部所管分
 〔1〕 都営住宅について
  ア 居住者からの問合せ対応について
  イ 入居者の募集方法に係る取組ついて
  ウ 東京みんなでサロンの先行実施の実績について
  エ 耐震化と安全対策の進捗状況について
  オ エレベーター設置の実績と課題について
  カ 太陽光発電設備の設置実績と脱炭素社会実現への寄与について
  キ 建替時の断熱性向上と共用部のLED化について
  ク 使用料減免と収入認定において算定基礎となる収入の取扱いについて
 〔2〕 空き家対策について
  ア 区市町村への財政支援と所有者に対する普及啓発について
  イ 民間空き家対策東京モデル支援事業の実績について
  ウ 空き家の現状と問題解決に関する見解について
 〔3〕 マンションの管理状況届出制度の届出状況と届出内容に係る支援について
 〔4〕 マンションの耐震化の現状と補助実績について
 〔5〕 東京ささエール住宅とサービス付き高齢者向け住宅の供給促進策について
 〔6〕 東京都高齢者向け優良賃貸住宅に対する支援と現状への対応について

(3)環境局所管分
 〔1〕 東京都環境基本計画の進捗管理について
 〔2〕 ゼロエミッション東京と2030年カーボンハーフの実現に対する都民や事業者の共感と協働を得るための取組について
 〔3〕 環境における国際連携の推進の成果について
 〔4〕 東京ゼロエミ住宅導入促進事業の実績と予算の増額について
 〔5〕 家庭における熱の有効利用促進事業の狙いと効果について
 〔6〕 自家消費プランの実績と効果について
 〔7〕 東京ゼロカーボン4デイズ in 2020の成果と協力事業者への対応について
 〔8〕 ゼロエミッション都庁行動計画の進捗状況について
 〔9〕 とちょう電力プランの実績と効果について
 〔10〕 プラスチック対策について
  ア 基本認識とこれまでの取組について
  イ 革新的技術・ビジネスモデル推進プロジェクトの実績について
  ウ プラ製容器包装等・再資源化支援事業の実績について
  エ 海ごみ問題の普及啓発について
 〔11〕 食品ロス対策及び未利用食品マッチングシステムの実績について
 〔12〕 森林再生事業の実績と効果の検証について
 〔13〕 緑化計画書制度の特色と実績について
 〔14〕 清流復活事業の実績と効果について
 〔15〕 地下水の有機フッ素化合物の調査とその分析について
 〔16〕 日野市三沢の斜面地における特殊地下壕調査について
 〔17〕 横田基地の航空機騒音調査について

(4)産業労働局所管分
 〔1〕 新型コロナウイルス感染症対策について
  ア 営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金の実績と効果及び制度改善と不正受給防止について
  イ 飲食事業者向け経営基盤強化支援事業の実績について
  ウ 新型コロナウイルス感染症対応融資(伴走)の実績及び新たな支援策の実施について
  エ 中小企業制度融資における債権放棄に関する見解について
  オ 新型コロナウイルス感染症緊急対策に係る雇用環境整備促進奨励金の実績について
  カ 観光関連事業者への支援について
  キ 離職者の再就職支援について
  ク 東京版ニューディールの事業実績について
 〔2〕 中小企業支援について
  ア 東京都中小事業者等月次支援給付金と受給者向け緊急支援の実績について
  イ 躍進的な事業推進のための設備投資支援事業の実績について
  ウ 生産性向上のためのデジタル技術活用推進事業の実績について
  エ 女性の活躍推進のための職場環境整備への支援実績について
  オ 行政課題解決型スタートアップ支援事業の実績について
  カ 中小企業制度融資の実績と事業再生のための支援について
 〔3〕 観光型MaaSの導入に向けた取組について
 〔4〕 雇用就業対策について
  ア デジタル人材育成支援事業の実績について
  イ ソーシャルファームの取組状況と福祉部門との連携について
  ウ 労働相談情報センターの相談実績について
  エ 介護離職防止に向けた取組の実績について
  オ テレワークを活用した女性の雇用拡大事業について
  カ しごとセンターにおける女性の就業支援と専門サポートコーナーの支援の状況について
 〔5〕 農業振興について
  ア 稼ぐ農業の実現に向けた取組について
  イ 地場産農産物消費拡大支援事業の取組状況と学校給食への提供実績について
  ウ 農業次世代人材投資事業の実績について
  エ 農家の販路開拓に向けた支援の成果について
  オ 生産緑地買取・活用支援事業の成果について
 〔6〕 林業における伐採・搬出技術者育成のための技術研修について
 〔7〕 地産地消型再エネ増強プロジェクトの実績と成果について
 〔8〕 水素社会実現に向けた燃料電池ごみ収集車試験運用事業の成果と今後の活用について
 〔9〕 電気自動車等の普及促進事業の実績について

(5)中央卸売市場所管分
 〔1〕 と場会計決算の特徴について
 〔2〕 HACCPに基づく衛生管理の向上について
 〔3〕 施設整備の実施内容と執行額について
 〔4〕 水処理センターの再構築について
 〔5〕 と室内の暑さ対策について
 〔6〕 施設改修の基本設計について
 〔7〕 作業環境の改善を図るための機械設備の整備について
 〔8〕 レールリフトの落下事故の概要と再発防止対策について
 〔9〕 牛・豚のと畜頭数及び過去5年間の取扱量の推移について
 〔10〕 産地からの集荷に向けた対策及び年末需要への対応について
 〔11〕 新型コロナウイルス感染症対策について
  ア 感染防止対策の内容について
  イ 過去3年間のと場関係者の感染者数の推移について
  ウ 職員のPCR検査に対する支援について
  エ コロナ禍における人員不足への対応及び食肉の安定供給機能の維持について

(6)建設局所管分
 〔1〕 建設業の働き方改革について
  ア 建設現場における遠隔臨場と工事書類の電子化について
  イ 女性の労働環境の整備及び週休2日制の確保について
 〔2〕 都道の整備と維持管理について
  ア 都道における無電柱化の実績及び区市町村道の無電柱化に対する支援について
  イ 東京2020大会に向けた都道と区市道のバリアフリー化について
  ウ 遮熱性舗装の取組と効果について
  エ 整備の完了時期と事業費の公表及び事業用地を活用した歩道の暫定整備について
  オ 連雀通りの整備状況と今後の取組について
  カ 路面の点検方法と補修及び沿道住民からの苦情への対応について
 〔3〕 交差点すいすいプランの整備実績について
 〔4〕 自転車通行空間の整備について
 〔5〕 多摩山間部及び島しょ部における道路災害防除事業について
 〔6〕 外環道の整備について
  ア 予算額と決算額について
  イ 陥没・空洞事故に係る対応と再発防止対策について
 〔7〕 河川の整備について
  ア 東部低地帯における耐震・耐水対策の進捗状況について
  イ 大田区内の河川における耐震・耐水対策の進捗状況について
  ウ 柳瀬川の護岸整備の進捗状況と実績及び埼玉県との河川連絡調整会議について
  エ 中小河川における水害対策の進捗状況について
  オ 野川大沢調節池の整備の進捗状況と調節池の用地選定について
 〔8〕 都立公園について
  ア 明治公園及び代々木公園におけるPark-PFIを活用した整備・管理運営事業について
  イ 日比谷公園におけるPark-PFIの活用予定について
  ウ 都立公園の整備の進捗状況について
  エ 受動喫煙防止対策とトイレの洋式化について
  オ 井の頭自然文化園彫刻園の魅力向上について

(7)港湾局所管分
 〔1〕 東京港の整備について
  ア 中央防波堤外側Y3コンテナふ頭の整備状況について
  イ 品川コンテナふ頭の施設整備の課題及び機能強化の取組状況について
  ウ 橋梁・トンネルの長寿命化対策の取組状況と今後の進め方について
  エ 海岸保全施設の耐震・耐水対策の進捗状況について
 〔2〕 コロナ禍における東京港の物流機能強化の取組状況とコンテナ車両の渋滞対策について
 〔3〕 東京港第9次改訂港湾計画に向けた長期構想について
  ア 大型客船の誘致と受入体制強化について
  イ 第二東京湾岸道路の必要性について
  ウ みなと駅(仮称)の整備について
 〔4〕 東京港及び島しょ地域の港と空港における無電柱化について
 〔5〕 島しょ地域の津波避難施設について
  ア 整備地選定の考え方と整備状況及び避難訓練の実施について
  イ 神津島港の津波避難タワーについて
 〔6〕 コロナ禍における事業者支援の実績と成果及び舟運の活性化について
 〔7〕 調布飛行場について
  ア 自家用機の分散移転の進捗状況及び推進に向けた取組について
  イ 航空機の騒音対策について
 〔8〕 カジノを含むIR誘致に関する委託調査の費用と内容について

(8)労働委員会事務局所管分
 〔1〕 過去3年間の予算額と決算額の推移について
 〔2〕 不当労働行為の審査と労働争議の調整の事業所規模別・産業別取扱件数について
 〔3〕 機能別取扱件数の推移と終結件数の増加要因について
 〔4〕 不当労働行為の審査について
  ア 事件の内容と傾向及び処理日数について
  イ 審査の進め方と今後の取組について

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