令和三年度各会計決算特別委員会第一分科会速記録第五号

令和四年十月二十四日(月曜日)
第十一委員会室
午後一時開議
出席委員 十名
委員長柴崎 幹男君
副委員長山田ひろし君
副委員長池川 友一君
竹平ちはる君
たかく則男君
平田みつよし君
斉藤 りえ君
浜中のりかた君
森口つかさ君
成清梨沙子君

欠席委員 なし

出席説明員

東京消防庁消防総監清水 洋文君
次長吉田 義実君
企画調整部長岡本  透君
救急部長門倉  徹君
予防部長加藤 雅広君
企画調整部企画課長古賀 崇司君
企画調整部財務課長浅見 匡哉君
選挙管理委員会事務局局長松永 竜太君
政策企画局局長中村 倫治君
国際金融都市戦略担当局長児玉英一郎君
外務長山本 敏生君
次長戦略広報調整監兼務山田 忠輝君
技監荒井 俊之君
総務部長末村 智子君
政策担当部長輸送担当部長兼務松本 祐一君
外務部長入佐 勇人君
国際戦略担当部長須賀 隆行君
外務担当部長小川 清泰君
戦略事業部長スタートアップ戦略担当部長兼務樋口 隆之君
特区推進担当部長スタートアップ戦略担当部長兼務福永 真一君
国際金融都市担当部長宮武 和弘君
オリンピック・パラリンピック調整部長調整担当部長兼務梅村 実可君
事業調整担当部長岡部 祐一君
調整担当部長原田 和生君
国際連携担当部長木村 賢一君

本日の会議に付した事件
令和三年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
東京消防庁関係
・令和三年度東京都一般会計決算(質疑)
選挙管理委員会事務局関係
・令和三年度東京都一般会計決算(質疑)
政策企画局関係
・令和三年度東京都一般会計決算(質疑)

○柴崎委員長 ただいまから令和三年度各会計決算特別委員会第一分科会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、東京消防庁、選挙管理委員会事務局及び政策企画局関係の決算に対する質疑を行います。
 これより消防庁関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 令和三年度東京都一般会計決算中、東京消防庁所管分を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○岡本企画調整部長 要求のございました資料につきましては、お手元の資料のとおりでございます。
 内容といたしましては、東京消防庁のヘリコプターによる島しょ地域における救急患者等の搬送件数について、過去五年間でございます。
 どうぞよろしくお願いいたします。

○柴崎委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○池川委員 東京消防庁の決算について質問させていただきたいと思います。
 日夜都民の命と財産を守るために奮闘されている消防庁の職員の皆さんに、まず初めに、心から敬意と感謝を申し上げたいと思います。
 とりわけ新型コロナ感染拡大は、これまでの救急対応とは異次元の状況となり、救急隊の方々への心理的なケアが必要だと感じています。昨年度の第五波、引き続く第六波、第七波、救命救急を行いながら、搬送先の病院が見つからないという状況が何度もあったというふうに伺っているところです。
 そこで確認も含めて伺いますが、コロナの感染拡大による救急隊の心理的ケアについて、どのように取組をされてきたでしょうか。

○門倉救急部長 新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に伴う活動時間の長時間化により、感染危険の増大や傷病者の早期搬送という本来の任務が遂行できないことが救急隊員のストレスの要因となりました。
 このため、医学的見地に基づいた感染防止対策を徹底するとともに、救急隊員の交代や他の救急隊による補完体制を取ることで負担の軽減を図ったほか、職員相談制度の活用により、救急隊員の心理的ケアを行っております。

○池川委員 様々な訓練をされてきた方々であっても、コロナ禍における救急がいかに大変なものであったのか、私が認識しているのはそのごく一部かもしれませんが、専門的なカウンセリングとともに、職員の方が一人で荷物を背負うことなく分かち合い、ぜひケアできる仕組みを引き続き構築をしていただきたいというふうに思います。
 次に、救急隊の機動的運用について伺います。
 この問題は二〇一九年に、一八年度決算審査の中でお伺いしましたが、その後の取組の内容も含めて伺っていきたいと思います。
 救急は、地域的な特徴や昼夜間の人口の動き、また様々な要因に応じて対応することが求められており、常に見直しを図り、改善を図っていく必要があると考えます。
 そこで伺いますが、救急需要に応じて、待機場所を変更する救急隊の運用をしていると思いますが、その目的及び運用方法について伺います。

○岡本企画調整部長 東京消防庁では、現場到着時間の短縮を目的に、地域の救急需要に応じて救急隊の待機場所を変更する運用を行っております。
 現在、東京駅及び西新宿、幡ヶ谷、六本木の各エリアに待機場所を設け、救急機動部隊の運用をしているほか、町田及び八王子の各消防署の救急隊が署所間で機動的に待機場所を変更する運用を行っております。

○池川委員 地域の救急需要に応じて、救急隊の待機場所の変更をする運用を行っているということを改めて確認をいたしました。他都市との大きな違いでもあり、東京の特徴でもある昼間人口をカバーすると同時に、夜間の救急需要に応じて配置するなどの対応をするという考え方だというふうに受け止めています。
 いうまでもなく現場到着時間を短くすることは、命を守ることに直結する課題だと思います。救急隊の機動的運用の効果がどのようなものであったのかについて伺います。

○岡本企画調整部長 機動的な運用について、新型コロナウイルス感染症の影響が大きい令和三年を除き、運用開始前と令和二年中を比較いたしますと、救急機動部隊では、待機場所周辺で一分五十九秒、八王子消防署管内では四十一秒、現場到着時間が短縮しております。
 なお、町田消防署管内では、本署移転等により同時期での比較はできませんが、一分四十秒短縮しております。

○池川委員 コロナの影響が大きい二〇二一年は除くということではありますが、救急機動部隊では、運用開始前と比較をして、全体では一分五十九秒の短縮が図られたということです。
 これは、二〇一八年度に伺ったときには、東京エリアが一分四十八秒短縮、新宿が四十二秒短縮だったところから、そこからもさらに前進をしているのかなというふうに受け止めました。さらに、町田でも八王子でも時間短縮をしているということであります。
 私の地元町田市は、駅近くから消防署が移転したことに伴って、交通結節点であり人が集中する町田駅周辺の救急需要をカバーするために、この運用を行っていただいているというふうに聞いています。そこでも短縮をしているということで、やはり改めて、この運用体制によって時間短縮ができるんだということが確認できるというふうに思います。
 同時に、コロナで、これまでの救急の在り方そのものを見直し、問い直していく機会にもしていかなければならないというふうに思います。改めて、救急隊の現場到着時間の短縮に向けて、どのような検討をしてきたのかについて伺います。

○岡本企画調整部長 東京消防庁では、救急隊の現場到着時間の短縮に向けて、救急活動体制の強化や救急需要対策について継続的に検討しております。これまで救急隊の機動的な運用のほか、計画的な増隊や需要が高まる日中の対策としてデイタイム救急隊を発隊させました。
 また、救急相談センターの体制強化を図るとともに、救急車の適正利用の周知等に取り組んでおります。

○池川委員 救急活動体制の強化や救急需要の対策について継続的に検討しているということで、具体的には、計画的な増隊、さらにはデイタイム救急隊などの発隊などをしているということであります。
 コロナ禍で明らかになった課題についても改めて整理をしながら、必要な人員を確保できるよう、これは私たちも後押しをしていきたいというふうに思っています。
 次に、島しょ地域の救急患者等の搬送について伺います。
 島しょ地域は、それぞれの島の中だけで医療が完結することが難しく、島しょ地域での医療環境の整備を行うとともに、救急対応が必要な場合は、消防庁への要請によって搬送する仕組みを取っております。この仕組みは、福祉保健局が窓口になって行われているものでありますが、実際に救急患者等の搬送を担っているのは消防庁なので、その現状について伺っていきたいと思います。
 資料を出していただいてありがとうございます。そこの資料にもお示しをいただきましたが、例年、搬送件数が百六十件、コロナになって若干増えて百八十件台というふうになっていますが、昨年度は二百三十二件と大きく増えています。
 昨年度、島しょ地域におけるヘリコプターの救急患者等の搬送件数について、特徴をお示しいただきたいと思います。

○岡本企画調整部長 令和元年度から始まった新型コロナウイルス感染症の感染拡大等に伴い、島しょ地域からの救急患者等の搬送件数が増加しております。
 なお、昨年度は、全搬送件数の約一割が新型コロナウイルス感染症患者でございました。

○池川委員 コロナの感染拡大が増加要因の主要な部分を占めているということだと思います。島しょ地域でも、救急患者の搬送が、やはり全体として増加をしていく傾向にあるということだと受け止めました。
 島しょ地域からの搬送の場合、受入先の病院が決まらなければ搬送することは困難だというふうに思います。島しょ地域にお住まいの方々から異口同音に、島に暮らす私たちの命のとりでは広尾病院と。これは島の方から話を聞くたびに必ずといっていいほど寄せていただくことですが、これ、福祉保健局の資料を見ると、実に八割以上が広尾病院への搬送というふうになっていて、まさに文字どおり命を守る、命のとりでであるということが、ここからも分かるというふうに思います。
 それで、搬送件数が増加していることもあるので、確認も含めてお伺いをしたいと思いますが、消防庁として、島しょ地域からの救急患者等の搬送要請があれば、例外なく応じるという考えでよろしいのか、確認をさせてください。

○岡本企画調整部長 東京消防庁では、島しょ地域の緊急事態に対応できるよう、消防ヘリコプターの確保に努めております。
 島しょ地域からの救急患者等の搬送要請につきましては、天候不良等により運航不能な場合を除き、全て対応しております。

○池川委員 運航が困難な場合を除き、全て対応するということを確認させていただきました。これは島しょの皆さんにとっては、まさに命の問題であり、引き続く対応を、ぜひお願いしたいというふうに思います。
 コロナ禍は、新たな波がまた来るのではないかといわれており、改めてこのコロナにおける救急の問題というのは、消防庁の中でも大きな課題となっていると思いますし、やっぱり都民の命と暮らしをどう守っていくかということで、役割もすごく大きいなということを感じております。
 皆さんの引き続きの様々な検討の中で、命と財産を守るために、引き続きご奮闘されていただきたいということを重ねて申し上げまして、質問を終わります。

○斉藤委員 まず、消防庁発出の光警報装置の設置に係るガイドラインとはどのようなものであるか、確認をさせてください。

○加藤予防部長 光警報装置は、光により火災の発生を伝える装置であり、聴覚障害者等の方に対しまして、自分がいる建物内で火災が発生したことを伝達する手段として効果が期待されております。
 光警報装置の設置に係るガイドラインは、平成二十八年九月六日付で総務省消防庁から発出されており、光警報装置の設置が望ましい建物や設置場所及び光警報装置の構造、機能に関する基準を取りまとめたものでございます。

○斉藤委員 ありがとうございます。
 続いて、光警報装置の設置に向けた取組についてお伺いいたします。

○加藤予防部長 光警報装置は、消防法令上の設置義務はございませんが、東京消防庁では、総務省消防庁のガイドラインに基づき指導基準を策定し、大規模集客施設など、光警報装置の設置が望ましい建物に対して、新築工事の事前相談などの機会を捉え、当該装置に係る設置方法等について指導しております。
 これまでに、東京二〇二〇大会の会場になりました国立競技場や味の素スタジアムなどに設置されております。

○斉藤委員 ありがとうございます。
 私も含め、聴覚に障害を持つ当事者からすると、視覚から得られる情報はとても重要であり、有事の際は、まさに命綱になる可能性もあります。他方で、当事者以外には、なかなか知られることが難しい装置でもあります。こうした装置の設置と並行して、当事者以外への認知も広がればと期待をしております。引き続きよろしくお願いいたします。
 続いて、救急搬送時の聴覚障害者対応についてお伺いします。
 救急搬送時の聴覚障害者対応はどのようになっているのでしょうか。救急搬送を依頼する段階からの環境整備を含めてお伺いします。

○門倉救急部長 東京消防庁では、携帯電話等のウェブ機能による緊急ネット通報やファクスを利用した一一九番ファクシミリ通報など、聴覚障害者等の方からの一一九番通報を受信できる体制を確保しております。
 また、救急活動では、症状等に関するイラストを記載したコミュニケーション支援ボードを各救急隊に配置し、指さしをすることで、傷病者とのスムーズな意思疎通を図っているほか、必要に応じて筆談あるいは図解等の方法で対応をしております。
 今後とも、救急車を必要とする全ての都民に、迅速に対応できるよう努めてまいります。

○斉藤委員 私も実際に深夜の体調悪化から、助けを求めることにとても苦労した経験があります。特に具合が悪い当事者は、ふだんできていることができない場合もあります。日々、とても大変な現場でもあるかと存じますが、引き続きのご尽力をお願いいたします。
 これで私の質問を終わります。ありがとうございました。

○柴崎委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○柴崎委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で東京消防庁関係を終わります。

○柴崎委員長 これより選挙管理委員会事務局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 令和三年度東京都一般会計決算中、選挙管理委員会事務局所管分を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○平田委員 コロナ禍における選挙の実施について何点かお伺いします。
 昨年の七月四日に行われました東京都議会議員選挙では、蔓防、いわゆる新型コロナウイルス感染症蔓延防止等重点措置が出されている中での選挙であり、ワクチン接種の着実な推進をはじめとした様々な新型コロナウイルス対策や疲弊されている事業者の方々への支援などが大きな争点となりました。
 選挙を実施する側の東京都選挙管理委員会においては、有権者の皆様に大切な権利を行使していただくために、投票所での感染症対策を万全に行い、投票に対する不安を解消することが急務であったと認識しております。
 その中で、投票実務を担う区市町村の選挙管理委員会との連携は最も重要であり、関連の取組を区市町村交付金で措置するなどの取組を行ったと聞いております。
 そこでまず、区市町村交付金におけるコロナ対策の内容についてお伺いします。

○松永選挙管理委員会事務局長 東京都選挙管理委員会では、東京都議会議員選挙の執行に当たり、投票所、開票所における新型コロナウイルス感染症対策ガイドラインを作成し、区市町村選挙管理委員会に対して、事務従事者や立会人のマスク着用、手洗いの徹底、器材のアルコール消毒など、投票所における具体的な安全対策を示した上で、その対策を講じることを促し、助言、周知をいたしました。
 これらの感染症対策のための物品購入費につきましては、区市町村交付金で措置しております。
 また、投票所の混雑緩和につながる期日前投票を促進するため、期日前投票所の開設に係る経費についても同様に措置しております。

○平田委員 そのように都選管が財政措置を取っていただいたことで、現場の区市町村の選管も確実に対策が行えたと思っております。今答弁の中にもありましたが、投票日当日、投票所に有権者の皆さんが集中することを避けるために、期日前投票の積極的な利用を促進することは大変重要であると考えております。
 そこで、昨年の都議選とその前の都議選と比べまして、期日前投票の実績がどうであったのかお伺いいたします。

○松永選挙管理委員会事務局長 昨年の都議選では、期日前投票所が都内三百八か所に設置され、延べ開設日数は二千百一日でございました。その四年前の平成二十九年の都議選と比べまして十六か所、延べ開設日数は百十八日増加しております。
 投票者全体に占める期日前投票の利用者の割合も三〇・一三%と、その前の平成二十九年の都議選に比べ六・二八ポイント増加したところでございます。

○平田委員 期日前投票が着実に増えているということが確認できました。私も実感的には、もう本当に期日前投票に行かれる方は増えているなと。大体日常的に応援していただいている方は、ほとんど期日前投票で行っていただいているというような感じもいたしております。
 区市町村の選挙管理委員会では、地域の交通事情や施設の利便性等を勘案して、様々な工夫を凝らし、期日前投票所を設置していただいていると思いますので、都選管におきましても、引き続きそういった支援を行っていただきたいと思っております。
 次に、有権者に対する周知についてお伺いします。
 投票所では、アルコール消毒液や飛沫防止シートの設置、記載台や鉛筆等の消毒など、きめ細やかな感染防止対策を行っていると思いますけれども、これらの取組を有権者により分かりやすく伝えることで、有権者の不安を解消していくことが重要だと考えております。
 そこで、都選管では、不安解消に向けた周知についてどのような取組を行っているのか伺います。

○松永選挙管理委員会事務局長 昨年の都議選では、イメージキャラクターに幅広い知名度を持つ俳優の浜辺美波さんを起用しまして、新型コロナウイルス感染症対策や期日前投票など、選挙に関する十のポイントを紹介する動画、TOKYOニューTOHYOマニュアルを作成し、ユーチューブで百四十万回以上の再生がありました。そのほか、特設ホームページやポスター等で、マスクの着用や手指消毒などの感染症対策をお願いいたしました。
 このような対策につきましては、その後の衆議院議員選挙や本年度の参議院議員選挙におきましても引き続き実施しておりまして、今後とも、有権者の不安を解消すべく、さらなる工夫を図ってまいります。

○平田委員 紙媒体だけではなくて、動画などで感覚的に知っていただくことは大変重要だと思います。先ほどユーチューブも大分再生回数が上がっているというようなお話ありましたけれども、ぜひ検証も踏まえて、効果的な広報を引き続き行っていただきたいと思います。
 次に、新型コロナウイルス感染者の投票環境についてお伺いします。
 コロナに感染して自宅やホテルで療養する有権者に、郵便等投票を認める特例法が昨年の六月十五日に成立し、その十日後の六月二十五日に告示された都議選に、全国で初めて適用されました。
 本制度が創設されるまでは、入院患者には不在者投票制度がありましたけれども、自宅やホテル療養者の扱いに関しては法律の規定がなく、療養で外出を控える間に投票日を迎えれば、投票の機会が失われることが問題視されていたところであります。
 告示日の十日前に成立して、全国で初めて適用されたということで、都選管でもいろいろご苦労されたと思いますけれども、具体的にどのように準備をして、有権者にどのような周知を図ったのかお伺いします。

○松永選挙管理委員会事務局長 郵便等投票制度は、従来から身体障害者や要介護者で一定の要件に該当される方などに認められてございまして、都選管や区市町村選管も一定のノウハウを有しておりましたが、お話の新型コロナウイルス感染者が対象の特例郵便等投票は、対象者の確認方法や短期間での周知が課題となっておりました。
 対象者の確認方法につきましては、当初、本人に交付される感染防止協力依頼書での確認が想定されておりましたが、患者の入院や療養調整に追われている保健所では、交付が追いつかないという状況にございましたことから、総務省に提案いたしまして、就業制限通知書やHER-SYSによる情報照会などで、対象者の確認ができるようにいたしました。
 また、有権者への周知につきましては、保健所、区市町村選管、宿泊療養施設等からの案内や各種ホームページへの掲載のほか、選挙公報でのお知らせ、都が行います食料品等の配送の際の案内チラシ同封など、あらゆる機会を通じまして制度を周知いたしました。

○平田委員 ありがとうございます。
 この都議選で、この制度を利用された方は百数十名というふうには伺っておりますけれども、やっぱり発熱しているとか、呼吸困難であるとかというような状況にあった場合は、全ての方が投票するということもなかなか難しいのかもしれませんけれども、今後、ウイズコロナの時代を迎えるかもしれない中で、コロナによって外出できない有権者にも、新たな枠組みでこの参政権を行使する道が開けたということは、大きな一歩だと考えております。
 引き続き、区市町村選挙管理委員会等の意見なども聞いていただきながら、より利用しやすい制度とするための工夫を総務省に働きかけていっていただきたいと思います。
 来年の春には、統一地方選挙が予定されております。これまで都選管が蓄積してきたノウハウを基に、区市町村の選管をしっかりサポートしていただくことを要望して、質問を終わります。

○斉藤委員 選挙における情報保障について、ほとんどは法改正が伴うものであると理解していますが、聴覚障害者の投票に当たっては、各区市町村選挙管理委員会において、投票所に手話通訳者を配置するなどの配慮は可能であると考えています。
 日野市において先例があると伺いましたが、各区市町村においてどのような対応が行われているのか、また、都選管としてどのような対応を行っているのかお伺いいたします。

○松永選挙管理委員会事務局長 各区市町村選挙管理委員会では、聴覚障害の方が投票所で投票する際の配慮として、投票所内の各種案内の見やすく分かりやすい表示、筆談ボードやコミュニケーションボードを利用した対応、聞こえない方、聞こえにくい方への配慮を示すマークであります耳マークの表示、手話通訳ができる職員等の配置などに取り組んでおります。
 日野市での投票所における手話通訳者の状況につきましては、令和三年の東京都議会選挙においては、当日投票所及び期日前投票所を合わせて延べ二十七人、同年の衆議院議員選挙におきましては、延べ三十六人を配置いたしました。これらに要する人件費はそれぞれ十三万五千円、十八万円でございまして、都が日野市に対して交付金として措置しております。
 また、東京都選挙管理委員会におきましては、選挙執行計画に基づく事務処理の手引におきまして、手話通訳サークルへの依頼などを含めた投票所への手話通訳者の配置を促しておりまして、配置した区市町村に対しては、今申し上げた交付金として、都から財政的な支援を行っております。
 引き続き、投票所における障害者の投票に配慮した環境整備や障害を持つ方への接遇の向上などの取組につきまして、区市町村選管に対して働きかけをしてまいります。

○斉藤委員 ありがとうございます。
 基礎自治体単位で行われている様々な工夫などは、他自治体においても参考になる場合もあります。ぜひ、いい取組は広めていけるようにご尽力いただければと思います。
 続いて、投票の機会創出についてお伺いします。
 全ての有権者に平等に認められている投票の機会を確保するため、病院や高齢者施設に入院、入所していることによる制約を受けずに投票ができる環境が必要です。
 不在者投票ができる病院、高齢者施設等の令和三年度末までの指定数と都内病院、高齢者施設全体に占める割合、登録を増やすための広報手段についてお伺いします。

○松永選挙管理委員会事務局長 都選管といたしましては、施設の入所者の投票を行う機会を確保し、投票環境を向上させるためにも、より多くの施設に不在者投票ができる施設としての指定を受けていただくことが望ましいと考えてございます。
 不在者投票ができる病院、高齢者施設等につきましては、令和三年度末の時点で、都内二千五百七十五施設のうち、千六百五十六施設が指定済みとなっております。このうち、病院につきましては八〇・一%に当たる五百十二施設を、特別養護老人ホームでは九四・四%に当たる五百四十施設など、多くの施設を指定しております。
 これらの施設が開設される折には、地域の実情に精通した区市町村選管が指定に向けた働きかけを行っておりまして、都選管といたしましては、区市町村選管に対して情報提供や助言を行うなど、今後とも連携しながら取り組んでまいります。

○斉藤委員 ありがとうございます。
 投票行動は政治参加の重要な柱でもありますので、環境整備を引き続きよろしくお願いいたします。
 次に、選挙に関する情報保障についてお伺いします。
 知的障害者の団体からは、選挙情報の内容が分かりにくいという声があります。親の会などでは、「やさしい日本語」やピクトグラムを使うなどの工夫をした資料を独自に作っている団体もあります。
 投票所での投票のバリアフリーだけでなく、選挙情報のバリアフリーは一体的に進めていく必要がありますが、都選管として、各障害種別に対応してどのように選挙情報を提供しているのか、今後どのようにしていくのかお伺いします。

○松永選挙管理委員会事務局長 都選管といたしましては、障害を有する方を含め、有権者に対し、候補者情報を分かりやすく提供するため、様々な工夫を行っております。
 具体的には、選挙時に開設する特設サイトにおきまして、候補者それぞれにつきまして、その候補者のホームページへのリンクや選挙公報のPDFデータ、その内容を読み上げた音声データなどを掲載しております。
 視覚障害の方に対しては、選挙公報の全文を点訳するなどした点字版選挙のお知らせやCDに録音した音声版、文字のサイズを大きくした拡大文字版などを作成し、区市町村選管や希望する視覚障害の方への配布を行っております。
 また、知的障害の方に対しましては、これまでも特別支援学校からの要請に応じまして、分かりやすい教材を用いた出前授業を行うなど、選挙に関する情報提供を行ってきております。
 引き続き、障害者団体等の意見を伺いながら、障害種別に応じた選挙情報提供の在り方につきまして検討してまいります。

○斉藤委員 情報保障は、都民のウエルビーイングにとって、とても重要な要素であります。他方で、障害種別によって、その方法やアプローチは多種多様であることも理解しております。
 それでも政治参加の部分においては、できる限り多くの都民、できるならば誰も取り残さない方法の模索をしていくことが望ましいと考えています。大変ご苦労もあると思いますが、引き続きの取組をよろしくお願いいたします。
 これで私の質問は終わります。ありがとうございました。

○柴崎委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○柴崎委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で選挙管理委員会事務局関係を終わります。

○柴崎委員長 これより政策企画局関係に入ります。
 初めに、過日の分科会で紹介できませんでした幹部職員について、局長から紹介があります。

○中村政策企画局長 過日の分科会を欠席させていただきました当局の幹部職員を紹介させていただきます。
 政策担当部長で輸送担当部長を兼務いたします松本祐一でございます。外務担当部長の小川清泰でございます。国際連携担当部長の木村賢一でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○柴崎委員長 紹介は終わりました。

○柴崎委員長 決算の審査を行います。
 令和三年度東京都一般会計決算中、政策企画局所管分を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○平田委員 私からは、都市外交の推進についてお伺いします。
 東京が抱える様々な課題を解決し、世界におけるプレゼンスを高めていくためにも、海外の諸都市との連携強化が必須であり、今後ますます求められていくと考えます。コロナ禍という困難な状況にあってこそ、各都市との交流を積極的に進めていくことで、今後の強固な関係構築につなげていっていただきたいと思っております。
 そこでまず、昨年度、姉妹都市をはじめ世界の主要都市との間でどのような交流を行ったのか、二都市間における都市外交の実績と成果について伺います。

○小川外務担当部長 令和三年度、コロナ禍におきましても東京二〇二〇大会の機会を捉え、主要都市の首長と知事の会談を実施するなど交流に努め、都市外交を着実に進めてまいりました。
 次期大会開催都市であるパリ市との間では、イダルゴ市長の東京訪問の機会に知事が会談を行い、スポーツや環境などの分野で共同宣言を発出いたしました。
 また、二〇二八年大会開催都市のロサンゼルス市とも、知事がガルセッティ市長とオンラインで会談し、大会に関する知見の継承や男女平等参画の推進などに係る合意書を締結いたしました。

○平田委員 ただいまお話あったように、姉妹友好都市をはじめ、特定の都市と相互交流を図ることは、大変重要であることは申し上げるまでもありません。
 加えまして、都が直面する気候変動対策やコロナ対策などの課題解決に向けて、世界の都市の代表者が一堂に会して、知見やノウハウを共有することも大変重要であります。
 そこで、昨年度の知事が参加した主な国際会議の実績と成果について伺います。

○須賀国際戦略担当部長 海外との交流が制約を受ける中でも、積極的にオンラインを活用し、大都市共通の課題解決のため、都市との連携を強化してまいりました。
 具体的には、U20メイヤーズ・サミットなど各種国際会議にオンライン等で参加し、東京の取組や経験を発信しております。
 さらに、昨年夏には、パリ、ロサンゼルス、ブリスベン、ダカールの首長を招き、対面とオンラインを組み合わせて、国際会議、サステナブル・リカバリー東京会議、Re StaRTを開催いたしました。
 この会議では、サステーナブルリカバリーの実現に向けた取組を大きな輪として世界に広げていくこととした東京宣言を採択し、世界の主要都市に呼びかけ、現在三十八都市の賛同を得ております。

○平田委員 ぜひ、そうした環境問題や、また感染症対策などをはじめ、世界の大都市と情報を共有しながら、都政の国際展開力を高めていただきたいと思います。
 ところで、今月十一日から水際対策も大幅に緩和され、入国者数の上限も撤廃されております。制限は、ほぼコロナ禍前に戻って、外国人旅行客の姿も目に見えて増えているように思います。
 こうした社会情勢が刻々と変化する中、コロナ禍において培ってきた世界の都市とのつながりを発展させて、さらに関係性を強化していく必要があると思いますけれども、所見を伺いたいと思います。

○須賀国際戦略担当部長 都はこれまでも、姉妹友好都市提携や合意書の締結に基づき、都市づくり、教育分野等における相互交流を行うとともに、U20への参加や複数都市による危機管理対応のノウハウ共有など、二都市間、多都市間の連携を進めてまいりました。
 海外との往来が活発になってきた今、これまで培った都市間の連携を生かしつつ、対面による積極的な交流を再開していくことは重要でございます。持続可能な社会を目指し、世界の都市が抱える共通課題の解決に向けた議論や知見の共有を行うため、東京宣言の賛同都市などに広く参加を呼びかけ、東京発の新たな国際ネットワーク、G−NETSを立ち上げることといたしました。
 ネットワークの実効性を高めていくため、今後、世界の都市のトップを招く国際会議を開催し、先進事例の共有や意見交換を行うとともに、実務者同士のオンラインや対面での交流を継続的に行ってまいります。

○平田委員 ぜひよろしくお願いいたします。
 都市が抱える課題の解決に向けましては、トップ同士で進めることも大切ですけれども、実務者レベルで関係性を構築することも大変重要だと思います。実務を担う職員のお一人お一人に、国際感覚を高め、多文化理解を促すことが都市間の連携強化だけにとどまらず、広く都政の課題解決に向けた施策の展開を後押ししていくものと思っております。
 そのためには、職員さんが海外に行って、積極的に見聞を広げることも重要と考えています。東京都は、自治体国際化協会に分担金を支出して職員も派遣していると聞いておりますけれども、職員派遣を通じて、現地の情報や先進的な施策にリアルに接することが都市との交流の促進や関係構築に大変重要と考えております。
 今後も、海外の都市との地に足がついた交流を職員の皆さん、そして広く都民の間で積極的に続けていくことを要望して、私の質問を終わります。ありがとうございました。

○山田委員 私からは、国際金融都市構想、そして外国企業誘致について伺っていきたいと思います。
 今の若い方、例えば新入社員で会社に入られた方、入社されたら、つみたてNISAやっていました、iDeCo加入しておりますとか、そういった方が徐々に増えてきていると。やはり投資への関心であったり意欲だったりと、そういったものが強まって、高まってきているんだと思っております。
 これは国の議論になりますけれども、やっぱり公的年金の将来への見通しが厳しくなってきているのではないか、年金制度は破綻しないというふうな説明はされておりますけれども、制度自体は確かに破綻しなくても、その金額はやっぱり大きく減少していくことは避けられないのではないのだろうかというふうな認識が、一定の広がりはあるのではないかとは思っております。
 そういったことを本来であれば、やはり正面から受け止めた上で、若い方にとっても納得できるような制度構築というのは必要ではないかとは思っております。
 そのように投資の必要性というものについて、若い方が必要性感じても、ただやっぱり若い方にとっては、そもそも投資に回す原資となるお金がなかなか厳しいというのもまた実態だと思っています。それを稼ぐためには、基本的にはやっぱり賃金をどんどんどんどん持続的に上げていくことが必要であろうと思っています。
 あと、やはり日本企業の今の賃金テーブル、その構造の在り方、長期雇用だったり、また退職金を前提とした賃金制度というのも、これも変えていかなきゃいけないと思っています。やはり若いうちから、実力だったり成果に見合った役職だったり報酬が得られるよう、日本企業、またもしかしたら東京都庁も、やはり変わっていく必要はあると思っております。
 このように、投資に関する関心というのは高まってきていると思っておりますけれども、そのような状況の中で、国際金融都市を目指す取組に関して、東京都、様々進めてきましたけれども、昨年、その構想を四年ぶりに改定したと聞いております。
 そこでまず、構想の改定に至った背景と改定のポイントについて伺います。

○宮武国際金融都市担当部長 イギリスのEU離脱や香港における国家安全維持法の施行など、二〇一七年の「国際金融都市・東京」構想策定以降も、国際金融を取り巻く環境は大きく変動しております。また、コロナ禍を受けて社会のデジタル化が大きく進展し、その影響は金融サービスの在り方にも及んでおります。
 東京が国際金融センターをめぐる厳しい都市間競争を勝ち抜いていくためには、こうした変化に的確に対応し、戦略的に施策を展開していく必要がございます。
 こうした認識の下、世界の潮流となっているグリーンファイナンスの活性化や金融のデジタライゼーションの推進を柱に据え、昨年十一月、構想を改定いたしました。

○山田委員 ありがとうございます。
 デジタルとグリーンを柱に構想を改定されたということで、その方向性は妥当だと思っております。
 先ほど述べたように、投資への関心というのは徐々に徐々に高まってきていると思っていますけれども、では、投資するといったときに、その投資先というのは、どういうトレンドにあるのかどうかというところも重要なところだと思っております。
 つみたてNISAだったり、iDeCoだったりと、そういった制度がある中で、別に公的な統計というわけではありませんけれども、人気が高いのが、例えばアメリカ、米国の優良企業の株価に連動したようなもの、スタンダード・アンド・プアーズ五〇〇とか、そういったものに連動した投資信託などの商品が、やはり人気が高いというふうにも聞いておるところであります。
 これ、要は、日本人が自分の資産形成をするに当たって、冷静に様々な目で分析した場合、日本企業ではなくて、やっぱりアメリカ企業の方がこれまでの成長実績あるのではないか、そして今後も成長が見込まれるのではないかと、そういった形で投資するような判断が、一定の傾向があるのではないかというふうに感じておるところであります。
 何がいいたいかというと、金融に関する取組、これも極めて重要だとは思っておりますけれども、やっぱりそもそもの日本企業だったり、日本の市場の魅力だったり成長性、これをやはり高めていかないと、なかなか金融に関する取組だけでは、東京であったり日本の成長、長期的に実現していくというのは、かなり難しいのではないかというふうに実感しております。
 ですので、こういった金融に関する取組がデジタルだったり、グリーンだったり、またスタートアップだったりと、そういったやっぱり経済の実態の部分の成長につながっているのかどうか、そこがしっかり検証されなければならないと思っております。
 そこでまず、グリーンファイナンスの活性化について、昨年度の主な取組と成果について伺います。

○宮武国際金融都市担当部長 社会全体の脱炭素化を進めていくためには、多額の資金が必要であり、金融の力によってその取組を支えていくことが重要でございます。
 このため、都は昨年度、グリーンボンド発行に係る外部レビューの取得費用等の補助制度を創設し、四十八件の補助金交付を行うことで、環境負荷が低い不動産、再生可能エネルギー、クリーンな輸送手段等、脱炭素に資するプロジェクトへの資金調達を後押しいたしました。
 また、再生可能エネルギーのさらなる導入拡大を図ることを目的として、官民連携で、サステーナブルエネルギーファンドを立ち上げることとし、運営事業者の選定を行い、民間資金の呼び水といたしまして、十億円の出資を行ってございます。

○山田委員 ありがとうございます。
 極めて一つ一つ、やはり重要な取組だとは思っております。グリーンファイナンスだったり、またESG投資ですね、そういったものは一定の取組はされておるというところですけれども、では次に、もう一点、デジタルの分野というのがありますけれども、特に金融のデジタライゼーションに関する主な取組とその成果について伺います。

○宮武国際金融都市担当部長 金融のデジタライゼーションを進めていく上では、その担い手となるフィンテック企業の成長支援に取り組むことが重要であります。
 昨年度は、東京金融賞の金融イノベーション部門において、一次審査を通過した十六社に対し、ビジネスプランのブラッシュアップやマッチング等の支援を実施いたしました。
 これまでの四回の金融賞で表彰を受けた企業の中には、例えばAIを活用して台風等の被害時の保険金支払いまでの期間の大幅な短縮を実現するサービスなど、十二社中六社がサービス実装にこぎ着け、都民生活の利便性向上につながっております。
 また、再生可能エネルギー分野と同様、官民連携のフィンテック支援ファンドを昨年度立ち上げ、二億円の出資を行ってございます。

○山田委員 ありがとうございます。
 都が後押ししてきたフィンテック企業であったり、だんだんだんだん、徐々に徐々に社会の実装というのも進んできているということで、これは重要な取組だと思っております。
 ただ、やはり全体、先ほど述べたとおり、そもそもの日本企業の、そして日本市場の魅力だったり成長性、これ自体高めていかないと、金融に関する取組だけでは、なかなか難しい面があるというのも事実だと思っています。
 そのためには、金融分野であったり、また金融以外の分野で今後成長が見込まれる分野のですね、例えば外国企業の誘致というのも、一つの重要な取組であります。
 そこで、外国企業誘致について、昨年度の取組とこれまでの成果について伺います。

○樋口戦略事業部長スタートアップ戦略担当部長兼務 金融系企業を含む外国企業の誘致は、雇用創出などの直接的な経済効果に加え、都内企業の事業機会の拡大など、経済の発展や都民の豊かな生活の実現に貢献するものでございます。
 令和三年度は、画像解析AIを活用した全自動手術ロボット開発企業等のIoTやAIなどの第四次産業革命関連分野十社、また、資産運用業者に対する業務支援プラットフォームを提供するフィンテック企業等の金融系分野十五社の外国企業から、東京進出を正式に決議した投資計画書を取得し、発掘、誘致を行ってございます。

○山田委員 ありがとうございます。
 様々な分野について取組が進んでいるということは理解はできました。
 ただ、先ほど来述べているように、金融だけでは足りないというところがやっぱりあると思います。だんだん日本の国内マーケットというのも、人口減少で徐々に徐々に縮小していく、今も既にそうなっていると思いますけれども、今後さらに都民の方、国民の方が、望む望まないにかかわらず、子供たちだったり若い方は特に、世界を舞台に活躍していくということがやっぱり必要不可欠になっていきます。
 ですので、もちろん英語力の向上というのはほかの局の話になりますけれども、外国企業誘致に関しては、やっぱり新しいイノベーションを創出するであるとか、またビジネスのグローバルスタンダードへの対応であったり、また冒頭述べました賃金の上昇に関しては、グローバル基準で見たときの給料の事例であると、そういった波及効果などもあって、日本人の賃金の在り方についても様々な指摘、意見が出てくることもあると思っております。
 こういったデジタルだったり、グリーンだったり、スタートアップなど、成長に寄与する可能性がある分野だったり、また、これまでの日本企業の在り方を変える可能性がある外国企業の誘致、そういったものを含めて、金融に関する取組だけではなく、やはりそもそもの日本企業、日本市場の魅力だったり成長性、これはほかの局とも連携していただきながら、そういった取組を全力で進めていただくということを改めて要望させていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○たかく委員 それでは、私の方から、最初に、国際金融都市東京についてお伺いいたします。
 現在、東京が抱える課題は、世界のどの都市も経験したことのないスピードで少子高齢化が進展していることにより、生産年齢人口の減少に伴う経済の潜在成長性の低下、新型コロナウイルス感染症の影響での経済の停滞、社会全体のデジタル化の遅れなどの課題が指摘されております。
 一方、シンガポール、香港などの海外諸都市では、アジア屈指の国際金融都市を目指しており、東京が熾烈な国際都市競争に勝ち抜いていくためには、激動する世界情勢に的確に、かつ迅速に対応していかなければならないものと考えます。
 さて、東京都では、昨年秋に国際金融都市構想を改定し、様々な施策を展開してきたと承知しておりますが、なぜこの東京都が国際金融都市を目指す取組を行っているのか、都民にしっかりと発信していくことが必要と考えます。
 最初に、国際金融都市東京の実現を目指すことの意義、そしてメリットについて見解を伺います。

○宮武国際金融都市担当部長 金融は経済の血液といわれており、金融業の振興を図ることは、融資や出資などの形を通じ、東京の経済を振興し、稼ぐ力を高め、都民の豊かな暮らしの実現につながるものでございます。
 こうしたことから、都は、二〇一七年に「国際金融都市・東京」構想を策定し、我が国初の官民連携プロモーション組織であるフィンシティー・トーキョーを設立するなど、様々な取組を推進するとともに、昨年十一月には、国際金融を取り巻く環境の大きな変化を踏まえ、構想二・〇として改定を行っております。
 構想に基づき都が進める国際金融都市を目指した取組は、金融の力を活用した脱炭素化をはじめとする社会的課題の解決、さらには、都民の資産形成の選択肢の拡大、革新的な金融サービスの提供を通じた生活利便性の向上に寄与するものと考えております。

○たかく委員 世界中から人、物、金、情報が集まる世界一オープンな東京、そして、次々と新しい産業が生まれ、世界一のスタートアップ都市、高い生産性を実現した世界経済を牽引する東京の実現に向けた施策を展開することが必要と考えます。
 そのためには、東京の新たな成長につながる実効性の高い施策を展開し、持続可能なサステーナブルリカバリーを実現していく必要があり、そのキーとなるのがグリーン、脱炭素化であり、デジタル化、いわゆるDXであると考えます。
 東京都では、国内の再生可能エネルギー発電施設に分散投資を行う東京版ESGファンドを令和元年度に創設しました。
 そして、そのファンドの管理報酬の一部を活用したソーシャル・エンジェル・ファンドを創設し、社会貢献性の高い事業等の支援を始めたとのことですが、ソーシャル・エンジェル・ファンドによる昨年度の支援実績等について伺います。

○宮武国際金融都市担当部長 昨年度は、東京版ESGファンドの管理報酬の中から、二百八万円がソーシャル・エンジェル・ファンドに寄附されました。
 この寄附金を基に、ソーシャル・エンジェル・ファンドの運営事業者により、都内のひとり親世帯向けの貸付けや社会的弱者の就学、就労支援を行うNPO法人等への運営費の助成が行われております。

○たかく委員 金融の力で社会課題の解決を図る、財政支出だけではなく、様々な社会ニーズに対応していくことには限界があります。
 今後も、社会課題を解決するツールの一つとして、金融活性化にしっかりと取り組んでいただきたいことを要望して、次に移ります。
 次に、国家戦略特区について伺います。
 国家戦略特区では、世界で一番ビジネスのしやすい環境を整備することにより、世界から資金、人材、企業等を集める国際ビジネス拠点を形成するとともに、起業、イノベーションを通じ、国際競争力のある新事業の創出を促進することを目指すとされております。
 最初に、都における国家戦略特区の目的、また、昨年度までの認定状況について伺います。

○福永特区推進担当部長スタートアップ戦略担当部長兼務 国家戦略特区制度は、成長戦略の実現に必要な大胆な規制、制度改革を実行し、世界で一番ビジネスがしやすい環境を創出することを目的に、平成二十五年十二月に創設されております。
 都では、国や民間事業者等との連携の下、国家戦略特区を活用した国際的なビジネス環境、生活環境の整備を促進しており、これまでに都市計画法等の特例四十七件や都市公園内の保育所設置特例十件など、合計百十四件の認定を受けているところでございます。

○たかく委員 答弁ありがとうございます。
 この国家戦略特区の事業内容は、国、関係自治体、民間事業者で構成される東京圏国家戦略特別区域会議で区域計画案を策定し、国家戦略特別区域諮問会議を経て、内閣総理大臣の認定を受けるとのことであります。
 私の地元の世田谷区においては、都市公園占用許可に関わる都市公園法の特例で、都立祖師谷公園、都立蘆花公園の中に認可保育園の整備がなされました。当時、保育園待機児対策に苦しんでいた世田谷区においても、大きな成果になったものと認識しております。
 先ほど百十四件の認定があったとのことですが、認定の中では、都市計画法の特例、医療分野、女性の活躍推進、外国人材、雇用、創業などの多項目にわたり実施されているとのことであります。
 これらの認定案件のうち、令和三年度における顕著な事例についてお伺いいたします。

○福永特区推進担当部長スタートアップ戦略担当部長兼務 昨年十一月の国家戦略特別区域諮問会議を経て、都が新規提案いたしました外国人美容師育成事業の活用が全国で初めて認定されております。
 これは、一定の要件を満たした外国人美容師について、最大五年間、東京で就労可能とするものでございます。このことによって、高度な美容技術を世界に発信することができ、東京のブランド価値を向上させる取組が実現したところでございます。
 また、都市計画法等の特例を活用した都市再生プロジェクトでは、渋谷区二丁目西地区など、昨年度八件の認定を受けております。

○たかく委員 今の答弁では、東京都は、昨年度八件の都市再生プロジェクトについて認定を受け、積極的に活用しているとのことは理解いたしました。
 そこで、国家戦略特区での都市再生プロジェクトの東京の経済にもたらすその効果についてお伺いいたします。

○福永特区推進担当部長スタートアップ戦略担当部長兼務 都市再生プロジェクトは、平成二十六年十月に東京都として初めて提案を行って以来、昨年度までに四十六のプロジェクトを提案しております。
 この四十六プロジェクト全体で、約二十一兆円の経済波及効果が見込まれると試算しております。

○たかく委員 今の答弁ですと、四十六プロジェクトで約二十一兆円の経済波及効果と、かなり極めて大きな経済効果が期待できると認識しました。
 さて、都市再生のみならず、創業分野では、イノベーションの創出、都内経済の活性化に資するため、入国した外国人の起業支援も重要と考えます。
 創業分野では、定款認証などの開業手続を一か所でできる東京ワンストップセンターがありますが、昨年度の外国人の利用実績について、事例とともに答弁を求めます。

○福永特区推進担当部長スタートアップ戦略担当部長兼務 東京開業ワンストップセンターでは、外国人を含めた開業促進に取り組んでおります。令和三年度の利用実績は三千八百九十六名であり、うち千百八十五名が外国人となっております。
 外国人に対して、我が国特有の開業に必要な様々な手続を多言語で支援しており、こうした中で、例えばAIを用いて、プラスチックごみの分別法をサポートするスマートフォンアプリを開発し、日本での普及を目指す外国人起業家に英語で対応し、会社設立を支援するなど、外国人の起業支援を着実に行っております。

○たかく委員 東京都が積極的に国家戦略特区を活用し、都市再生プロジェクトや新たな外国人美容師育成事業の取組などを進め、高い実績や経済効果が見込まれているなど、成果を上げていることは評価します。
 今後も、東京都が国家戦略特区を活用し規制改革を進め、都市再生、まちづくりや医療の分野などに加え、観光や福祉や農業など、様々な地域課題の解決支援にも取り組んでいくべきと考えますが、見解を伺います。

○福永特区推進担当部長スタートアップ戦略担当部長兼務 日本経済を牽引する役割を担う東京は、現在、海外諸都市との厳しい都市間競争にさらされており、その競争に打ち勝たなければなりません。国家戦略特区制度は、社会経済情勢が変化する中で生じる新たな課題の解決に向けた突破口となる取組でもあります。
 今後とも、特区の活用により、地域課題の解決にも取り組んでいくことで、国際的なビジネス環境、生活環境の整備を進めてまいります。

○たかく委員 まだコロナウイルス感染症の終息が見えない状況ではありますが、東京都が国家戦略特区で規制改革、規制緩和にチャレンジをし、新たな事業で新たな雇用、新たなビジネスチャンスを創出し、東京の発展につなげていくことを強く求め、質問を終わります。

○池川委員 東京オリ・パラ大会に係る決算について質問をいたしたいと思います。
 大会経費は総額で一兆四千二百三十八億円、そのうち東京都の負担は五千九百六十五億円となりました。もともと本来、国や組織委員会が負担すべきであったものが、東京都の負担になったものが幾つもあります。
 例えば、国立競技場整備は全体で四百三十二億三千万円を東京都が負担をし、さらに日本武道館の改修費用二十五億四千万円も、本来負担するはずではなかったものを東京都がお金を出せるように新たに要綱をつくって対応するなど、都負担が増えていったということです。
 加えて、本来は組織委員会負担となっていたもののうち、仮設施設や賃借料などを東京都が負担することになったため、大きく都の負担が増えることになりました。この点について検証する必要があるということを繰り返し私たち求めてきました。そして、設立されたのが共同実施事業であります。
 共同実施事業は、都民の税金を投入することから、使い道をはっきりとさせていく必要があり、これまでも公正性、透明性について、繰り返し都議会の中でも議論をさせていただいたところであります。
 決算書に記載されている決算額の内容について、まず伺います。共同実施事業の執行率が六六・四%となっていますが、その理由はどのようなものでしょうか。

○梅村オリンピック・パラリンピック調整部長調整担当部長兼務 共同実施事業等の令和三年度決算額は二千四百八十五億円となっており、執行率は六六・四%でございます。
 これは、簡素化に取り組むとともに、各競技会場の仮設工事などの事業の精査等により、経費削減が図られたものでございます。

○池川委員 様々な対応の中で、全体として経費が減ったということだというふうに思います。
 次に、収支調整額について伺います。
 収支調整額とは、大枠の合意の仕切りでは組織委員会が負担すべきだったものを組織委員会の収入の確保が見込めないということで、都が負担するとして計上されていたものであります。
 決算では結果として、この収支調整額の執行率がゼロ%となっていますが、その理由について伺います。

○梅村オリンピック・パラリンピック調整部長調整担当部長兼務 収支調整額は、組織委員会の支出のうち、同委員会の経費削減努力や増収努力によっても賄い切れない費用について、東京都が負担するものでございます。
 大会経費の最終報告では、組織委員会は収支均衡となったため、収支調整額は執行いたしませんでした。

○池川委員 この収支調整額そのものについては、予算段階から私たちは疑問を投げかけてきたわけでありますが、結果的には、新たな都民負担とならなかったということを確認いたしました。
 共同実施事業の契約金額について伺っていきます。
 契約金額の公表は、共同実施事業が始まった当時から、何度も全面的に公表するよう求めてまいりました。その中で、都として組織委員会に公表を求めてきた努力があり、組織委員会側も様々な働きかけをする中で、少しずつその公表が広がっていったという、努力があったことについては理解をしております。
 一方で、最後の障壁となっているのがIOCのトップパートナーということだと思います。共同実施事業のうち、契約金額を公表していない契約者は何社か、またその件数は何件かお伺いします。

○梅村オリンピック・パラリンピック調整部長調整担当部長兼務 共同実施事業のうち、トップパートナー八社、七十七件の契約金額は公表されておりません。

○池川委員 トップパートナー八社、七十七件が非公表だということです。報道では八百億円というふうに、七十七件の総額がいわれております。これは、IOCとの関係で公表できないというふうにされていますが、公表しないものについては、やはり検証していくことができないのではないかとも考えます。
 共同実施事業のうち、契約金額が非公表のものについては、共同実施事業管理委員会の中で、この間チェックをしてきたということだと思いますが、具体的にはどのようなチェックをしてきたのかについて確認をします。

○梅村オリンピック・パラリンピック調整部長調整担当部長兼務 共同実施事業については、組織委員会、東京都、国で構成する共同実施事業管理委員会において、必要性、効率性、納得性などの観点から、案件ごとに経費の精査と確認を行ってまいりました。

○池川委員 経費の内容について、必要な内容、機能かなどを見る必要性、適正な規模、単価などを見る効率性、類似のものと比較して相応かなどを見る納得性の観点からチェックをされているということでありますが、結果として金額そのものは公表されていないということだと思います。
 これは、この共同実施事業管理委員会というのは、区分を明確にして、それが適正かどうかをチェックするために、繰り返し改正をされてきたその努力については、大変大事だというふうに思います。
 第二十六回共同実施事業管理委員会の中で、これ氏名は公表されていませんが、ある委員の方が、引き続き丁寧な情報公開に取り組んでいただきたいと発言をされていて、今後の見通しや対応を確認する質問、やり取りがなされています。それに対して組織委員会側の委員から、トップパートナーは複数年にわたるIOCとの供給権契約があるから難しいという旨のコメントはありますが、その一方で、説明責任を果たす公表の方法を検討していくとも発言をしています。
 この共同実施事業管理委員会は、まさにこの審議をしている決算年度、昨年度末の三月三十日に行われています。具体的に説明責任を果たす公表の方法について検討していくと。その後組織委員会、解散されるわけですけど、具体的にどのような検討をして、現在に至っているのかについて伺いたいと思います。

○梅村オリンピック・パラリンピック調整部長調整担当部長兼務 トップパートナーにつきましては、トップパートナーとIOCとの間で複数年にわたる契約を結んでおります。次の大会以降のトップパートナーの活動にも影響を及ぼす可能性があることから、金額は公表されておりません。
 そこで、トップパートナーにつきましては、総件数と総額を公表することといたしました。

○池川委員 総件数、総額の公表にとどまっているということだと思うんです。これやっぱり結果として、トップパートナーそのものが−−契約公表されていない、これ税金を投入して行う共同実施事業の在り方として、やはりどうなのかということは検証されなければならないというふうに思います。
 組織委員会がもう解散をしてしまったということなので、今後の検証をどうやってやっていくのかについても、引き続きどうすべきなのか、私たちも提案しなきゃいけないなというふうに思っております。
 ほかの部分については、様々努力をして公表されたということのコントラストとの関係で、やはりIOCの権限がいかに強いかということも、この点から明らかだというふうに思います。
 また、共同実施事業管理委員会や作業部会で様々な議論が行われてきたものが、今、オリ・パラ調整部のホームページで公表されているということだと思います。このほかも含めて、東京オリ・パラ大会の理事会資料や議事録などについても、このオリ・パラ調整部のホームページを通じて見ることができるようになっているというふうに思います。
 このほかのものも含めて、今後検証ができるようにしっかりと残していく必要があるのではないかと考えますが、東京都、今、オリ・パラ調整部の中に保存されている様々な資料について、今後の検証に必要なために、やっぱり残していく必要性があると考えますが、その点についてはどのようにお考えでしょうか。

○梅村オリンピック・パラリンピック調整部長調整担当部長兼務 組織委員会の資料につきましては、アーカイブ文書といたしまして、今月中に公表する予定となっております。今現在、東京都の方で残しております文書につきましても、今後どのような取扱いをしていくか検討してまいります。

○池川委員 組織委員会のホームページが閉じてしまった以上、やはり東京都にきちんと残しておくことによって、今後の検証にきちんと耐え得るものにしていただきたいということは重ねて申し上げておきたいと思います。
 オリ・パラ大会は、組織委員会の元理事、高橋容疑者がスポンサー契約に関わり、受託収賄容疑で逮捕されるという、大きな事件に発展をいたしました。AOKIホールディングス前会長、KADOKAWA会長など、相次いで収賄容疑、贈賄容疑、それぞれの関係ですけど逮捕されているという事態に至っています。
 底なしの様相だというふうに思います。金と利権まみれだったのか、容疑どおりなら癒着を見逃した組織委員会の責任も免れないなど、都民の強い批判と真相解明を求める世論が広がっています。
 高橋容疑者と関わりのある企業が共同実施事業の相手方となっている、この点について確認をしたいと思います。
 共同実施事業の中で株式会社KADOKAWA、株式会社大広、ADKマーケティング・ソリューションズ、株式会社サン・アローは、それぞれ契約件数及び契約金額は幾らになっているんでしょうか。

○梅村オリンピック・パラリンピック調整部長調整担当部長兼務 株式会社大広が七件、二億四千五百八十万九百七十六円、株式会社ADKマーケティング・ソリューションズが三十四件、三十九億三千六百六十九万五千三百六十二円でございます。それ以外でご質問に該当する契約はございません。

○池川委員 共同実施事業の中で、大広及びADKがそれぞれ契約をしているということです。
 高橋容疑者は十月十九日に四回目の逮捕となるなど、収賄の立件総額は、現時点でですが一億九千六百万円程度に上ると、これも報道されているところです。
 例えばADKは、電通が組織委員会のマーケティング専任代理店となったところから、高橋氏に対して依頼を行っていたとされていますが、共同実施事業についてもこうした影響がなかったか、この点についても検証する必要があると考えます。
 また、確認も含めて、高橋氏と知事など都庁幹部の関係について確認をしておきたいと思います。
 組織委員会元理事の高橋氏と組織委員会理事会以外で、知事、副知事をはじめ都庁幹部が接触した記録はありますか。

○梅村オリンピック・パラリンピック調整部長調整担当部長兼務 ご質問につきまして、そのような記録はございません。

○池川委員 私たちの情報開示請求に対しても、これは不存在だというふうに通知をされています。非公式には分かりませんが、公式には記録がないということだと思います。
 加えて、マーケティング局がどのような体制で運営されていたのか、そこに高橋氏がどう関与していたのか、組織委員会の役員、職員、特に東京都から組織委員会に派遣されていた役員、職員への聞き取りなどを通じて、やはり徹底的に調査を行う必要があるというふうに考えます。
 そこで伺いたいと思いますが、組織委員会マーケティング局には、都から何人の派遣職員が大会時行っていたのか、その点について伺います。

○梅村オリンピック・パラリンピック調整部長調整担当部長兼務 都から組織委員会に派遣した職員のうち、マーケティング局に在籍した職員は、令和三年八月一日時点で三十八名でございます。

○池川委員 大会の真ん中に当たる八月一日時点で三十八人、東京都から派遣されていたと。それ以前にもそれ以降にもなると思いますが、マーケティング局に派遣されていた職員いらっしゃるというふうに思います。
 八月二十日付読売新聞は、組織委員会理事会での高橋氏の振る舞いについて次のように報道しています。
 二〇一八年六月の組織委員会理事会で、一七年度決算概要説明資料に、約六百六十億円のマーケティング収益に対し、約二百六十億円の手数料契約となっていることについて、なぜこんなに手数料を支払うのかと見直しを求める理事の発言に対して、高橋氏が怒りを表明したという報道です。さらに、この高橋氏の態度について、元組織委員会幹部は、ふだんから電通の立場を重んじていただけに、猛烈な反応だったと振り返り、電通と高橋さんに対する不信感が増した瞬間だったと、これは報道上紹介をされているところであります。
 このとき、東京都の代表としてこの理事会に出席されているのは、理事としては、当時副知事であった猪熊さん、さらには当時オリ・パラ局長であった潮田副知事です。さらに監事として、当時財務局長だった武市副知事が出席をされておられます。中村局長は当時オリ・パラ局の総務部長だったというふうに認識をしています。
 同時に、この理事会以降、高橋氏はずっと理事を続けているわけですけど、中村局長は昨年度、決算年度に、オリ・パラ局長として理事会にも参加をされてきたというふうに思います。
 高橋氏についてどういう印象をお持ちだったのか。また、その組織委員会幹部が不信感が増したと発言しているような印象はなかったのか。また、今回の一連の様々な疑惑が明るみになっている、大会後、様々なこうした疑惑が明るみになっているということについての認識を局長に伺いたいと思います。
   〔中村政策企画局長長発言を求む〕

○柴崎委員長 池川副委員長ね、これ決算の審査になりますので。

○池川委員 去年の理事会に局長が参加されていて、去年の決算の話なので、去年局長が参加されているということで、その受け止めを聞いております。去年オリ・パラ局長だったので、で、理事会に出席されて
○柴崎委員長 答弁できますか。(中村政策企画局長発言を求む)(発言する者あり)ちょっと−−今のところは、決算の審査の範疇に入るかどうかちょっと理事会で。

○池川委員 去年オリ・パラ局長として理事会に出席されているんだから、だから決算の話でしょうという話として聞いていますよ。全く何か別の問題じゃないということです。

○柴崎委員長 答弁できますか。

○中村政策企画局長 決算審査に関係しますと、理事会等々で契約の関係、あるいはそれぞれの予算、決算等々の質疑は行っております。
 しかしながら、理事会個々の案件については、理事会の中で、概要を公表している以上の情報は公表していないというような状況になっているので、ご理解をいただきたいと考えております。

○池川委員 マーケティング局の局長というのは電通からの出向であって、マーケティング専任代理店となった電通と高橋氏の関係は、関係者であれば誰しもが知る関係だったというふうに見えると、これも報道されています。
 電通と組織委員会がIOCに働きかけ、一業種複数スポンサー契約を実現したとされていますが、その選定過程、個々の契約内容はブラックボックスの状態だというふうに思います。そして、大会後に様々な疑惑が明るみになり、金と利権まみれだったのかという批判に今つながっているわけです。
 東京五輪は多額の税金が投入をされ、公的な性格を持つ大会だと思います。清算法人任せではなく、この点については、都は開催都市として、主体的に組織委員会が作成、保管する文書を情報公開し、都としても、またこれは都議会としても、徹底的に検証することを強く求めて、質問を終わりたいと思います。

○柴崎委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○柴崎委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で政策企画局関係を終わります。
 これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
   午後二時二十七分散会

ページ先頭に戻る

ページ先頭に戻る