令和三年度各会計決算特別委員会第三分科会速記録第五号

令和四年十月二十四日(月曜日)
第九委員会室
午後一時開議
出席委員 十名
委員長加藤 雅之君
副委員長竹井ようこ君
副委員長田村 利光君
清水とし子君
かつまたさとし君
磯山  亮君
入江のぶこ君
平けいしょう君
尾崎あや子君
中村ひろし君

欠席委員 なし

出席説明員
労働委員会事務局局長桜井 政人君
都市整備局局長福田  至君
次長小沼 博靖君
技監安部 文洋君
技監小野 幹雄君
理事谷崎 馨一君
総務部長打田 武彦君
都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務山崎 弘人君
都市基盤部長朝山  勉君
市街地整備部長三宮  隆君
市街地建築部長飯泉  洋君
基地対策部長金子 光博君
企画担当部長長尾 肇太君
まちづくり調整担当部長澤井 正明君
地域公共交通担当部長江端 治朗君
防災都市づくり担当部長池内 光介君
耐震化推進担当部長青木 成昭君

本日の会議に付した事件
令和三年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
労働委員会事務局関係
・令和三年度東京都一般会計決算(質疑)
都市整備局関係
・令和三年度東京都一般会計決算(質疑)
・令和三年度東京都都市開発資金会計決算(質疑)
・令和三年度東京都臨海都市基盤整備事業会計決算(質疑)

○加藤委員長 ただいまから令和三年度各会計決算特別委員会第三分科会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、労働委員会事務局及び都市整備局関係の決算に対する質疑を行います。
 これより労働委員会事務局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 令和三年度東京都一般会計決算中、労働委員会事務局所管分を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○桜井労働委員会事務局長 去る十月十四日の当分科会におきまして要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元配布の令和三年度各会計決算特別委員会第三分科会要求資料をご覧ください。
 表紙をおめくりいただき、目次をご覧ください。資料は三点ございます。
 一ページをお開きください。1、職員の定数の推移でございます。
 管理職を除く当局の職員定数について、平成二十九年度から令和三年度までの状況を記載しております。
 二ページをご覧ください。2、職員の平均局在職年数の推移でございます。
 管理職を除く職員の平均局在職年数について、平成二十九年度から令和三年度までの状況を記載しております。
 三ページをご覧ください。3、東京都労働委員会機能別取扱件数の推移でございます。
 東京都労働委員会における取扱件数について、判定的機能及び調整的機能の区分ごとに平成二十九年度から令和三年度までの実績を記載しております。
 以上で要求資料の説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○加藤委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○かつまた委員 それでは、私の方から労働委員会の決算質疑を行わせていただきます。
 現在、日本はコロナ禍に襲われ、多くの方の暮らしと仕事の基盤に影響を与え、これまで経験がない厳しい状況に陥っております。中でもサービス業をはじめとする民間企業の経営状況が極端に悪化しているケースが増えたことにより、多くの都民の守られるべき労働環境が悪化しているという状況も発生をしております。
 一方で、雇用環境の大きな変化、労働形態の多様化等を迎えたことで、問題はさらに個別化し、これまでになく労使紛争の解決も容易でなくなっているというふうに思います。
 そういった中で、労働委員会の各委員が日々、労働者、事業者、それぞれの声を聞きながら、客観的にかつ公正な視点に立ちつつ、詳細な事実関係を明らかにし、一つ一つ解決へ導こうとしていることに改めて敬意を表します。
 そこでまず、近年、労働委員会がどのような紛争を扱ってきたのか、近年の実績を含め、お伺いをいたします。

○桜井労働委員会事務局長 近年、コロナ禍を理由に使用者側から団体交渉拒否、給与の減額、退職勧奨を受けたことなどで、労働委員会へ不当労働行為救済申立てがなされた事案が生じております。そういった中で、平成二十九年度から令和三年度までの過去五年間における申立ての総数では、労働組合員であることを理由にした不利益取扱いが百八十八件、団体交渉の拒否が三百八十八件、組合の組織ないし運営に対する支配介入が二百九十八件、労働委員会へ申立てをしたことなどによる不利益取扱いが十三件となっております。
 具体的には、組合員が給与減額や解雇などをされた際に、労使交渉が進展しない場合などに不当労働行為救済の申立てが出されております。

○かつまた委員 労働委員会が紛争の解決に向け、日々、多くの業務に取り組んでいることを確認できました。
 正社員でなく、パートタイマーや派遣労働者などが大きく増えている中で、労働者の意識も従来から大きく変化をし、その要求する事項も細分化、複雑化していると思われます。
 そういった中で、労働委員会はそれぞれの労働組合から救済申立てを受け、その有無等を審査していると思いますが、都民の皆様は労働委員会がどのように紛争処理を行っているのか、また、このような制度があることがあまり知られていないように思います。
 そこで、労働委員会は労使間の紛争処理として、不当労働行為の審査をどのように行っているのかお伺いをいたします。

○桜井労働委員会事務局長 労働組合から不当労働行為の救済申立てがなされると、まず、事件ごとに学識経験者等から成る公益委員、それから労働者委員、使用者委員から一名ずつ計三名が担当委員となります。審査は、調査と審問の二段階に分かれておりまして、調査では、当事者の主張を聞き、争点や審問に必要な証拠及び論点等の整理を行い、審問では、当事者双方が出席して、陳述や証人等の尋問を行うことができます。
 また、その過程におきまして、労使双方が将来に向けて円滑な労使関係を構築できるよう、また、早期に終局的な解決が図れるよう、労使の立場を十分配慮しつつ、できる限り和解による解決を促します。
 当事者間の和解が成立せず審査が終了した後は、十三名の公益委員全員による非公開の合議を行い、使用者の行為が不当労働行為に当たるか否かを判断し、救済または棄却の命令などを発出いたします。

○かつまた委員 今の説明で、審査手続の流れについて理解をいたしました。ぜひ、多くの都民に、自身の日々の生活を守るセーフティーネットとして、労働委員会がこういった取組を行っていることを、ウェブ等を活用し、幅広く伝えていただきたいと考えます。
 先ほど質疑の中で労働委員会が扱う事件が複雑化しているとのことでありましたけれども、昨年度取り扱った不当労働行為救済申立て事件について、件数及び傾向をお伺いいたします。

○桜井労働委員会事務局長 令和三年度における不当労働行為事件の申立て件数は九十三件でございます。令和三年度の終結件数は、過去の継続案件を含めた取扱件数四百五十五件のうち百二件でございまして、昨年度より四三%増となっております。
 これを終結区分別に分けると、和解が五十九件、取下げが十九件、命令を発出したものは二十四件でございまして、そのうち救済命令が十七件、棄却命令が七件となっております。
 また、東京都労働委員会では、合同労組が都内に多くあることから、全国の事件を取り扱っておりまして、令和三年度の申立て件数のうち、都内の事業者を対象にした事件が七十一件、七六・三%で、ほかは北海道から岡山まで十三道府県にわたっております。
 使用者の産業別内訳は、運輸・郵便業、教育学習支援業、製造業、サービス業、医療福祉業など多岐にわたっております。また、申立人である労働者の働き方が多様化し、非正規労働者が増えるとともに、昨今ではフリーランスとして従事する者が増加するなど、その対応は変化をしてきております。

○かつまた委員 労働委員会の対応する審査業務が複雑かつ困難化していることを理解いたしました。また、コロナ禍で企業の経営状況が悪化している中で、経済再生に向け、産業と雇用をバックアップすることは何よりも重要であり、雇用の維持や確保に向けた対応を充実する必要があることはいうまでもありません。
 そういった中で、さらに近年の働き方の多様化などを踏まえた対応も確実に進めなければなりません。労働委員会制度は、労使紛争の解決を通じて、雇用の安定化をさせ、経済を下支えする役割を持ち、その役割を果たすことで、雇用の維持や確保に貢献するものであるというふうに考えます。
 ついては、労働委員会としてどのように対処していくのか、局長の見解をお願いいたします。

○桜井労働委員会事務局長 現在、労働委員会には、雇用形態の多様化や社会経済の動向を反映いたしまして、事業者の再編に伴うリストラや非正規労働者、外国人労働者などの雇用関連など幅広い事件が持ち込まれております。
 また、全国の申立て件数のうち、おおむね半数を東京都が所管している中で、近年では、インターネット等を活用し、個人が単発で仕事を請け負うギグワークや、業務委託など雇用契約の形態を取らない労働者を対象とした事件を扱うなど、全国のリーディングケースとなり得る事件にも取り組んでおります。
 今後も、委員を適切に補佐できる事務局職員の育成を計画的に進めながら、複雑かつ困難化している労使紛争の迅速かつ的確な解決に取り組みまして、東京の労使関係の安定を図り、それを通じて東京の経済発展に貢献をしてまいります。
 また、労働委員会がこれまで蓄積してきた経験やノウハウを、会議の場などを通じて、他道府県労働委員会に提供することで、全国の労働委員会の牽引役として、労働委員会制度の発展に尽力してまいります。

○かつまた委員 今、局長から見解がありましたとおり、社会の雇用形態が複雑化する中で、東京都労働委員会に持ち込まれる案件は多種多様であると推察されます。東京都労働委員会の役割は、東京の経済の発展や全国の労働委員会の牽引役として、ますます重要な役割を担っていくことと思います。
 ぜひ、今後も都民の労働環境を守るため、さらなるご尽力をご期待し、質問を終わります。

○尾崎委員 私の方からも、幾つか質問していきたいと思います。
 長引くコロナ禍の中で、非正規雇用やアルバイトをしている方が職を失うという状況も生まれています。毎週土曜日には都庁のところで食料支援を行っている団体の方たちからは、食料を配布する一時間前に長い列ができる、相談件数も回を重ねるたびに増えているんだという報告を受けています。
 そこで、労働委員会費の歳出について、三年間の決算額の推移について伺います。

○桜井労働委員会事務局長 まず、予算額は、令和元年度は六億六千三百万円、二年度は六億六千五百万円、三年度は六億六千二百万円でございます。決算額は、令和元年度は六億二百万余円、二年度は六億五百万余円、三年度は六億二千二百万余円でございます。

○尾崎委員 二〇二一年度の取扱件数の事業所規模別、また、産業別内訳はどうなっていますか。

○桜井労働委員会事務局長 令和三年度の不当労働行為事件の取扱件数四百五十五件における事業所規模を見てみますと、千人以上の事業所が多くを占めております。産業別に見てみますと、公務、製造業、運輸・郵便業などが多くなっております。
 令和三年度の調整事件の取扱件数八十七件における事業所規模を見てみますと、百人未満の事業所が最も多く、次に千人以上の事業所が続いております。産業別に見てみますと、サービス業、運輸・郵便業などが多くなっております。

○尾崎委員 不当労働行為事件は、事業規模別に見ると、千人以上の事業所が多く占めているというご答弁でした。産業別で見ると、公務、製造、運輸・郵便業などが多くなっているということも明らかになりました。
 調整事件については、事業所規模別に見ると、百人未満の事業所が多く、産業別では、サービス業、運輸・郵便業などが多いというご答弁でした。
 単純にはいえないと思いますけれども、これらのことから、やはりコロナ禍の影響も少なからずあるのかなというふうにうかがえます。特に公務や製造業、運輸・郵便業は、いずれもテレワークでは仕事が難しい、いわゆるエッセンシャルワーカーの方々です。
 私も地元で月一回の定例の労働相談会を開催していますが、コロナ禍で、組合の団体交渉や個人加盟の組合の事業所との交渉がコロナ禍を理由に話合いができない状況だということが相談の中でも聞こえてきました。しかも、コロナの感染拡大で売上げが減少したことなどから、首を切られたり、アルバイトの仕事の日数が一方的に減らされたり、パワハラを受けたなどの相談も増えています。
 そこで伺いますが、機能別取扱件数の推移を見ると、二〇二〇年度の合計件数が千六件、二〇二一年度の件数の合計が連続して千件を超えています。このことについて、どのように分析しているのか伺います。

○桜井労働委員会事務局長 東京都労働委員会の取り扱う事件につきましては、少子化などの社会情勢の変化やコロナ禍の影響を受けた業種を中心に、令和二年度の申立てが増加をいたしました。
 また、同年の申立てが増加する一方で、感染拡大防止の観点から、あっせん、調査及び審問を中止せざるを得なかったため、その間の手続を進めることができず、令和二年度の終結件数が例年より減少した結果、未終結の事件が令和三年度に繰り越されまして、同年度の取扱件数が前年度よりも増えました。

○尾崎委員 それでは、二〇二一年度の終結件数が四百六件で、この五年間で四百件を超えたのは初めてです。二〇二〇年度は三百十一件ですから、九十五件増えています。特徴などについて伺います。

○桜井労働委員会事務局長 終結件数につきましては、先ほど申し上げましたとおり、令和二年度は、コロナ感染防止の観点から手続を一時停止しておりましたが、令和三年度におきましては、最大限の感染対策を講じながら、委員と職員が一丸となって取り組みまして、同年度の終結件数を前年度よりも増加させることができたものでございます。

○尾崎委員 ただいまの答弁の中で、二〇二〇年度はコロナ感染症の対策で手続が一時停止していたことが、二〇二一年度の取扱件数や終結件数が増えているという結果になったということですが、やはりこのことからも、二〇二一年度の皆さんの取り組む状況は、通年よりも大変だったということが分かります。
 申立てから終結までの平均処理日数はどのくらいでしょうか。また、一番長く時間がかかっている案件、まだ終結していない案件も含めての日数はどのくらいなのか伺います。

○桜井労働委員会事務局長 平成二十年一月一日から令和三年三月末日までの申立て事件に係る平均処理日数は四百三十五・八日となっております。また、現在進行している継続事件につきましてのお答えは控えさせていただきますが、当事者の意向を聞きながら、審査手続を鋭意進めているところでございます。

○尾崎委員 平均処理日数が四百三十五・八日ということでした。一年と二か月ちょっとという状況になると思います。中央労働委員会は、労働組合法第二十七条の十八の規定に基づく審査の期間の目標について、令和元年、二〇一九年十月十六日開催の公益委員会議において、審査の期間の目標を令和二年から四年において、一年三か月以内のできるだけ短い期間内に終結させることを目標とすると決めました。
 ただし、極めて処理が困難な事件については本目標外とし、それぞれの事情に応じた個別的努力を行うこととするとしています。
 当事者の方々が納得できるよう、それぞれの立場を尊重し、公平に進めるのが労働委員会の仕事だと思いますけれども、私は多様で複雑化している今の働き方の中で、それに対応できるように、労働委員会の人員を増やすことも必要だと日頃から思っています。
 コロナの感染拡大の中で、働く方々の権利、労働組合の本来の役割、権利が守られるためにも、労働委員会の役割は重要であり、今後ますます複雑な事件が起きる可能性もあります。
 そこで、労働委員会の人員を増やすこと、予算を増やすことを要望しまして、私の質問を終わります。

○加藤委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○加藤委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で労働委員会事務局関係を終わります。

○加藤委員長 これより都市整備局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 令和三年度東京都一般会計決算中、都市整備局所管分、令和三年度東京都都市開発資金会計決算及び令和三年度東京都臨海都市基盤整備事業会計決算を一括して議題といたします。
 本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○打田総務部長 去る十月十四日の当分科会で要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元に配布しております当局の令和三年度各会計決算特別委員会第三分科会資料の表紙をおめくりいただき、目次をご覧ください。
 資料は、1の木造住宅等に対する耐震診断及び耐震改修の助成実績(過去五年間)以下の十二件でございます。
 それではまず、一ページをお開き願います。1の木造住宅等に対する耐震診断及び耐震改修の助成実績(過去五年間)でございます。
 東京都の区市町村に対する助成につきまして、種別、当初予算額、耐震診断及び耐震改修、それぞれの執行件数及び執行額を年度別に記載してございます。なお、令和三年度からは、整備地域と戸建て住宅を統合いたしましたので、戸建て住宅等と記載してございます。また、耐震改修のうち、括弧書きの記載は、除却、建て替えを除いた執行件数及び執行額でございます。
 二ページをお開き願います。2、基地対策に係る支出等(過去五年間)でございます。
 基地対策に係る支出の概要、予算現額及び支出済額につきまして、年度ごとに記載してございます。
 三ページをご覧ください。3、都内米軍基地に関係する事件等の経過(過去五年間)でございます。
 (1)では、航空機の緊急着陸、部品落下等、恐れ入ります、四ページをお開きいただき、(2)では、米軍構成員による事件、事故を記載してございます。
 五ページをご覧ください。4、CV-22オスプレイ配備に係る国との協議状況等(過去三年間)でございます。
 CV22オスプレイ配備に係る国との協議状況等につきまして、年月日、相手方、概要及び位置づけを記載してございます。
 六ページをお開き願います。5、横田基地に関する東京都と周辺市町連絡協議会が実施した要請(過去三年間)でございます。
 東京都と周辺市町連絡協議会が実施した要請につきまして、年月日、件名及び要請先を記載してございます。
 一〇ページをお開き願います。6、区市町、その他が施行する都市計画道路の優先整備路線整備(第四次事業化計画)の路線別進捗状況(事業認可の有無)、区市町が把握している住民団体の有無、東京都との文書協議、関係住民に対する説明会(過去二年分・年度別回数)でございます。
 事業認可年月、区市町が把握している住民団体の有無、区市町から東京都への文書協議の実績及び関係住民に対する説明会の開催実績につきまして、いずれかに該当する路線ごとに記載してございます。
 一三ページをお開き願います。7、都市整備局所管の附属機関の委員報酬額及び開催状況(過去三年分)でございます。
 (1)では、委員報酬額、(2)では、開催状況を記載してございます。
 一四ページをお開き願います。8、政策連携団体・事業協力団体の職員構成(都派遣職員・固有職員・都退職者別)(過去五年分)でございます。
 各政策連携団体及び事業協力団体の職員構成につきまして、年度別に記載してございます。
 一五ページをご覧ください。9、都内における主な鉄軌道事業者別ホームドア整備駅数及び整備率でございます。
 令和三年度末における都内の主な鉄軌道事業者ごとの都内の駅数、整備駅数及び整備率を記載してございます。
 一六ページをお開き願います。10、地下鉄への整備補助実績(過去五年間)でございます。
 東京都地下高速鉄道整備事業の補助実績額につきまして、年度別、事業者別に記載してございます。
 一七ページをご覧ください。11、雨水流出抑制事業補助の実績(過去五年間)でございます。
 雨水流出抑制事業につきまして、件数及び補助執行額を、年度別に記載してございます。
 一八ページをお開き願います。12、一時貯留施設等の設置に係る実施計画策定委託費及び工事費補助金の実績(過去五年間)でございます。
 一時貯留施設等の設置に係る実施計画策定委託費及び工事費の補助実績額につきまして、件数及び補助執行額を、年度別に記載してございます。
 以上で資料説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願いいたします。

○加藤委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○磯山委員 首都直下地震の切迫性が指摘される中、災害時に特に甚大な被害が想定される木造住宅密集地域の防災力の向上は喫緊の課題であります。
 都は、木密地域のうち、震災時に特に甚大な被害が想定される地域を整備地域として定め、不燃化に取り組んでおり、整備地域の不燃領域率を七〇%にすることを目標としています。
 まず初めに、整備地域全体の不燃領域率の推移について伺います。

○池内防災都市づくり担当部長 整備地域全体の不燃領域率は、木密地域不燃化十年プロジェクトを開始しました平成二十三年度では五八・四%、令和二年度末の推定値では六四%となっておりまして、この間、五・六ポイント上昇しております。

○磯山委員 不燃領域率が着実に増加していることは確認いたしました。
 都は、木密地域不燃化十年プロジェクトとして取り組んできた不燃化特区制度を、令和三年四月に五年間延長をいたしております。不燃化特区は、整備地域のうち、特に重点的、集中的に改善を図るべく地区を指定し、不燃化を推進していくものであります。不燃領域率の目標達成に向けて、今後も取組を加速していく必要があります。
 そこで、不燃化特区制度の令和三年度の執行額の実績と、これまでの推移について伺います。

○池内防災都市づくり担当部長 都が不燃化特区事業を開始しました平成二十五年度から令和二年度まで執行額は年々増加を続けました。当初最終年度としていました令和二年度は、前年度に比べ約三四%増加したという経緯でございます。
 その翌年度の令和三年度は、コロナ禍の影響もありまして、執行額は約十五億円となり、前年度に比べて減額となっております。

○磯山委員 令和三年度は、執行額が減少したということでありますけれども、やむを得ないかなと思いますが、今後はさらに執行を上げていくことが必要であります。そのためには、区との連携が重要と考えますが、どのように取り組んでいるか伺います。

○池内防災都市づくり担当部長 都は、老朽建築物の除却、建て替え、まちづくりコンサルタントなどの専門家派遣に対する支援を行ってまいりましたが、木密地域の改善を一段と加速させるため、令和三年度に制度の拡充を行っております。
 具体的には、無接道敷地の解消に向けた専門家派遣を開始するとともに、区と定期的に情報交換を行っております。また、除却後五年以内の不燃化建て替えを対象とし、区と連携の上、建て替え、除却のさらなる促進に取り組んでいるところでございます。

○磯山委員 不燃化特区の期限が残り三年となっている中で、コロナ感染の状況や物価の高騰などの懸念はありますが、除却、建て替えを促進し、木密地域の改善が今後も進むよう、取組の加速を求め、次の質問に移ります。
 続いては、耐震についてです。
 首都直下地震が危惧される中、安全な都市を実現していく必要があります。特に、大地震の発生時に救急救命活動の生命線となり、緊急支援物資の輸送や復旧、復興の大動脈となる緊急輸送道路の沿道建築物の耐震化を進め、震災時における緊急輸送道路の機能を確保することはとても重要なことであります。
 そこで、特定緊急輸送道路沿道建築物における令和三年度の耐震化に関する助成実績と目標の達成状況について伺います。

○青木耐震化推進担当部長 特定緊急輸送道路沿道建築物における令和三年度の助成実績は、設計が六十件、耐震改修等が八十五件です。また、令和七年度末に総合到達率九九%以上という目標に対しまして、令和三年十二月末時点で、総合到達率は九二・〇%です。

○磯山委員 到達率を高めていくという目標の達成に向け、着実に進んでいるとは思いますが、残っている建築物は、より困難な課題を抱えているものと思われます。そこで、何らかの工夫が必要になってくると考えられるわけでありますが、目標達成に向け、特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を進める上での課題と、課題を踏まえて、令和三年度にどのような取組を行ったのかについて伺います。

○青木耐震化推進担当部長 特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化の目標年次である令和七年度末までに到達率を高めるためには、特定緊急輸送道路沿道建築物のうち、特に倒壊の危険性が高い建築物について、重点的に取り組む必要があると認識しています。
 そのため、令和三年度末に耐震化に係る指導、指示等の進め方を取りまとめて公表し、区市町村に通知するとともに、対象沿道建築物の所有者へ周知しました。
 指導、指示等の進め方では、所有者に対するヒアリングなどを行うこととしており、指導や指示の実施に際しては、賃借人等との合意形成など、建物所有者が抱える様々な事情に丁寧に対応していくこととしています。

○磯山委員 目標達成に向け、所有者の個々の事情に応じて、丁寧に対応していただきたいと思います。
 加えて、地震による住宅の倒壊を防ぐことは、居住者の生命と財産を守るだけではなく、都市の全体の防災力の向上につながることから、住宅の耐震化も重要であります。
 そこで、戸建て住宅等において、令和三年度の耐震化に関する助成実績について、令和二年度と比較して伺います。

○青木耐震化推進担当部長 住宅の耐震化を推進するため、所有者への積極的な働きかけ等を行う区市町村を対象に、戸建て住宅等の耐震診断や改修等への助成を実施しておりまして、令和三年度の助成実績は、耐震診断が六百四十二件、改修等が五百七十件です。令和二年度の実績と比較しますと、耐震診断は同程度であり、改修等は六割の増となっております。

○磯山委員 令和二年度に比較し、耐震改修等の実績が伸びていますが、令和三年度の支援拡充内容について伺います。

○青木耐震化推進担当部長 住宅耐震化の助成上限額は、都内における改修工事費の実態などを踏まえ、令和三年度から防災都市づくり推進計画に定めます整備地域内については、国、都、区を合わせて約百六十万円だったものを百七十万円に、それ以外の地域につきましては、百万円を百五十万円に、それぞれ引き上げております。また、整備地域内のみを対象としていた除却への助成を都内全域に拡大しており、令和三年度の除却件数の実績は、前年度と比較しますと、約二百件増の三百九十五件となっております。
 こうしたことから、先ほど申し上げたように、耐震改修等が令和二年度と比較しまして、六割の増となったものであります。

○磯山委員 引き続き、取組を継続していただきたいと思います。都は、これまで旧耐震基準の住宅について、耐震化の取組を進めてきたところでありますが、先日の第三回定例会一般質問において、我が会派の川松都議からの質問に対し、新耐震基準の木造住宅の耐震化についても、支援の在り方を検討していくとのご答弁がありました。
 今後、この検討を進めていただき、さらなる都市の防災力の向上を図っていただきたいと思います。
 次の質問に移ります。ホームドアについてであります。
 鉄道駅のホームドアは、ホームにおける転落、接触事故や、それに伴う列車遅延を減少させる効果、利用者の安心感の向上にも寄与することが期待され、利用者の安全・安心確保の観点から、その整備を進めることは大変重要であります。
 都は、鉄道駅バリアフリーに関する優先整備の考え方において、高齢者や障害者をはじめとする、あらゆる人の安全性と快適性を高めるホームドアなどバリアフリー設備の全駅への導入を促進し、鉄道を安心して快適に使える環境をつくるとする将来像を示しています。
 従来は、一日当たりの利用者が十万人以上の駅で優先的に整備が進められてきましたが、駅が小規模であっても、混雑して、落下の危険性が高いということも間々あるわけであります。
 視覚障害者団体などからは、十万人以上の駅だけでなく、小規模な駅も進めてほしいという要望は多い状況でございます。また、都営等の地下鉄駅に比べ、JRや私鉄駅ではホームドア整備が遅れているといった現状も見受けられるわけであります。
 そこで、JRや私鉄駅のホームドア整備等を対象とした鉄道駅総合バリアフリー推進事業について、令和三年度のホームドア整備の補助実績と令和三年度末時点における一日当たりの利用者十万人以上の駅、十万人未満の駅のホームドア整備状況について伺います。

○江端地域公共交通担当部長 令和三年度におきましては、ホームドア等整備促進事業といたしまして、小田急町田駅など二十駅で計五億六千九百万円の補助を実施しております。都内のJR、私鉄駅におけます令和三年度末時点のホームドアの整備率は、利用者十万人以上の駅は約七〇%、十万人未満の駅は約二六%となっております。

○磯山委員 着々と事業は進めていただいていますけれども、整備状況としてはまだ道半ばであるといえると思います。利用者数のみならず、盲学校や特別支援学校の立地など、利用者の特性も踏まえ、ホームドア整備を急ぐべきと考えますが、優先順位の考え方と、都の取組状況を伺います。

○江端地域公共交通担当部長 ホームドアの整備を進めるには、鉄道事業者の積極的な取組が不可欠であります。
 都は、令和元年度に取りまとめた鉄道駅バリアフリーに関する優先整備の考え方におきまして、優先整備の視点として、駅周辺における特別支援学校や病院、高齢者福祉施設などの立地状況を考慮してございます。この考え方を踏まえまして、鉄道事業者に整備計画の策定を求めており、各社の計画を取りまとめて、ホームページに掲載してございます。
 こうした取組を通じて、鉄道事業者に対し、ホームドア整備のより一層の推進を働きかけるとともに、国や区市町村と連携して、その取組を支援しております。

○磯山委員 今後は、視覚障害者の利用など、個別の特性を踏まえつつ、特に、先ほども資料を見ましたけれども、民間鉄道の利用者、十万人未満の駅についても、ホームドア整備を進めていただきたいと思います。
 私の地元小平市においても、駅が七個あって、周辺合わすと九個ぐらい駅があるんですけれども、一つも、民間、JRともにホームドアは今のところついていない状態でありまして、整備が進むことを期待しておりますし、それを期待する都民の方の、市民の方の声も強いというところは私も伺っております。
 都が鉄道事業者の一層の取組を引き出し、地元自治体など関係者と連携の下、ホームドア整備が加速することを要望し、私の質問を終わります。

○平委員 私からは、まず東京ベイeSGまちづくり戦略についてお伺いをいたします。
 私は昨年、所属する都市整備委員会において、東京ベイeSGまちづくり戦略について質問を行いました。当時策定途中のドラフト版が公表された段階であり、質疑の中で、まちづくり戦略の狙いや具体の取組、策定の進め方などを確認させていただきました。
 ベイエリアの発展は、持続可能な都市東京を実現するために必要であると考えますが、改めて、まちづくり戦略策定の背景や経緯についてお伺いをいたします。

○澤井まちづくり調整担当部長 昨年四月、都は、臨海副都心と新しい埋立地を舞台として、五十年、百年先の未来の都市像を描いた東京ベイeSGプロジェクトを取りまとめました。
 東京ベイeSGまちづくり戦略二〇二二は、このプロジェクトの思想を踏まえ、ベイエリア全体を対象に、未来の都市像からバックキャストした二〇四〇年代のベイエリアを実現するための行政の取組や民間誘導の方策を示す実行戦略として本年三月に策定しております。

○平委員 臨海副都心と新しい埋立地を舞台に、五十年、百年先の未来に向け、まちづくり戦略を策定したことが伺えました。東京の国際競争力を押し上げる地域であり、世界をリードする都市東京を実現する上で、ベイエリアのまちづくりは非常に重要であります。
 そこで、まちづくり戦略の意義や具体的な取組についてもお伺いいたします。

○澤井まちづくり調整担当部長 ベイエリアを、世界から人と投資を呼び込み、成長と成熟が両立した持続可能な都市東京をリードするエリアとして発展させることは、首都東京の使命を果たすこととなり、国の発展を牽引することにつながります。
 まちづくり戦略二〇二二では、ベイエリアの将来像をサステーナブルリカバリーの考え方に立脚した都市と位置づけ、その実現に向けて、質の高い緑と魅力ある水辺空間の形成など、五つの戦略を示しております。加えて、戦略の実行によって実現を目指す個別の拠点の将来像を定めるとともに、都と様々な主体が連携して進める三年間の具体的なアクションプランを定めております。

○平委員 二〇四〇年代に向けた都の具体的な取組について理解ができました。
 先ほどご答弁いただきましたが、五つの戦略、質の高い緑と魅力のある水辺空間の形成、防災・減災対策の推進、デジタルと先進技術の実装、にぎわい・交流・イノベーションを生むまちの実現、まちの魅力と活動の基盤となる移動手段の充実、これら戦略を実現し、次世代都市を世界に先駆けてつくり上げていただくことを要望いたします。
 東京ベイeSGまちづくり戦略のエリア内にある東京駅周辺では、現在、国際交流拠点品川の実現に向け、再整備が進んでおります。
 羽田空港の本格的な国際化やリニア中央新幹線の始発駅が予定されているなど、広域交通の整備、発展により、国内外をつなげる日本の玄関口として期待が高まっています。
 品川駅を含んだ品川駅周辺の開発は、東京の活力向上のためには不可欠であると考えます。
 昨年度、都は、品川駅周辺の計画調査を行ったと伺っております。その取組状況についてお伺いをいたします。

○澤井まちづくり調整担当部長 品川駅周辺のまちづくりにつきましては、二〇二〇年に品川駅・田町駅周辺まちづくりガイドラインを策定し、これからの日本の成長を牽引する国際交流拠点品川を将来像として定め、拠点としての機能強化に取り組んでいるところであります。
 この将来像の実現に向けて、日本の玄関口にふさわしい空間や景観を形成するため、昨年三月、品川駅えきまちガイドラインを策定しました。
 昨年度は、このガイドラインに基づき、駅や駅周辺において、事業主体や開発時期が異なる個々の事業について、空間の景観形成の方針に沿った取組がなされるよう関係者と調整を行い、都市計画などの手続を進めております。

○平委員 引き続き、品川駅周辺開発の調整を進めてもらいたいと考えますが、個別の開発事業だけでなく広域的なインフラ整備も欠かせません。
 品川駅周辺に位置する環状第四号線高輪区間の整備は、羽田、臨海部、六本木方面へとアクセスを向上させるなど、広域ネットワークを形成し、品川駅の東西方向の連絡強化を図る重要な路線であります。
 令和元年七月に都が事業認可を取得した環状第四号線のうち高輪区間においては、着手後三年が過ぎ、事業がいよいよ本格化していることがうかがえます。
 これまで環状第四号線高輪区間の整備と沿道のまちづくりに、どのように取り組んできたのかお伺いをいたします。

○三宮市街地整備部長 環状第四号線は、広域道路ネットワークを形成するとともに、国際交流拠点品川の実現に不可欠な路線でございます。令和元年七月の事業認可取得後、関係権利者と折衝を行い、順次用地取得を進めております。
 環状第四号線高輪区間では、品川駅・田町駅周辺まちづくりガイドラインにおいて、周囲地域との連続性に配慮した沿道エリアを形成することとしており、地元でもまちづくりの検討が行われております。
 こうした動きも踏まえ、地元区と連携して、環四高輪区間の整備と都有地を活用した沿道のまちづくりを検討しております。

○平委員 事業認可取得後は、利権者との折衝、用地取得を進め、取り組まれていることが確認できました。
 令和三年度の進捗状況についてもお伺いをいたします。

○三宮市街地整備部長 環四高輪区間の用地取得状況については、令和三年度に二件取得し、令和三年度末時点における取得率の累計は面積ベースで二八%となりました。
 また、都有地を活用した沿道のまちづくりについては、事業化に向けて、令和三年度はコロナ禍においても感染症対策に留意しながら随時個別相談会を開催し、地元との協議を着実に進めました。

○平委員 環状第四号線整備について、完成が令和十四年度、二〇三二年度であると聞いております。
 コロナ禍において、感染症対策に配慮しながらの地元との折衝は苦労が多かったことと存じますが、早期開通に向け、引き続き、地元の声を聞きながら丁寧かつ着実に事業を進めていただきたいと思います。
 また、広域的なインフラ整備として、鉄道ネットワークの充実に向けた取組も重要であります。
 品川駅周辺で進められている開発事業の効果や、品川駅が持つ広域的な交通結節点としての機能を最大限発揮させるためにも、品川駅と都心部を新たに結ぶ品川地下鉄の早期事業化に向けて取り組んでいく必要があると考えます。
 そこで、品川地下鉄の事業化の経緯と取組状況についてお伺いをいたします。

○朝山都市基盤部長 品川地下鉄は、昨年七月の国の審議会答申におきまして、近年の品川駅周辺の開発計画の進展を踏まえると、早期事業化を図るべきとされました。
 この答申を踏まえ、東京メトロが事業主体として国へ鉄道事業の許可を申請し、本年三月に許可を受けたところでございます。
 都は、今年度より東京メトロが実施する環境調査や設計等に対し、国と協調して補助を開始し、都市計画及び環境影響評価の手続を進めております。

○平委員 引き続き、国や地元区、関係者など様々な主体と連携しながら、国際交流拠点品川の実現に向けて着実に取り組んでいただくことを要望いたします。
 次に、東京二〇二〇大会の選手村跡地についてお伺いをいたします。
 晴海五丁目西地区に目を向けてみると、現在、大会後の新たなまちづくりが進められております。
 公表されているまちづくりのコンセプトには、多様な人々が交流し快適に暮らせるまちに、水と緑に親しみ憩いと安らぎが感じられるまちに、新技術の活用により環境に配慮した持続可能性を備えたまちにという三つが掲げられ、まさに大会のレガシーとなるまちづくりに生まれ変わることになっています。
 そこでまず、令和三年度、大会後に着手した工事の概要と進捗状況についてお伺いをいたします。

○三宮市街地整備部長 都は、東京二〇二〇大会後、歩道舗装や植栽などの街路の仕上げ工事や交通広場となるマルチモビリティーステーションの整備に着手いたしました。
 また、再開発事業の特定建築者において、選手村の宿泊棟として使用された住宅棟の内装改修工事に着手するとともに、新たに高層の住宅棟の建築工事を開始いたしました。
 水素の製造と車両や街区への供給を行う水素ステーションについては、事業者との調整を進めてきたところであり、今年度整備に着手いたします。
 これらの工事については、高層の住宅棟を除き、令和五年度内の竣工に向けて推進しております。

○平委員 令和三年度は、住民を受け入れるための工事に本格的に着手し、令和五年度竣工、五年度末には人が住み始め、新たなまちができるということです。
 都心から近く、海に開かれた立地特性を生かしてどのようなまちを目指すのかお伺いをいたします。

○三宮市街地整備部長 本地区では、子育てファミリー層向けを中心とした分譲住宅や、サービスアパートメント、SOHO、シェアハウス、サービス付高齢者向け住宅など、様々なニーズに柔軟に対応できる住戸を整備するとともに、子育て支援施設やコミュニティ施設など、多世代居住を実現する施設を整備することで、多様な人々が交流し、生き生きと生活できるまちづくりを進めております。
 加えて、実用段階では国内初となるパイプラインによる街区への水素供給を実現し、水素をまちのエネルギーとして先導的に導入するなど、環境先進都市のモデルとなるまちの実現を目指しております。

○平委員 晴海五丁目西地区は、学校や商業施設などができ、最終的に一万二千人もの人が暮らす新たなまちになります。
 人々が憧れ、住んでみたいと思えるまちとなり、東京二〇二〇大会のレガシーとして引き継がれるよう、地元区や事業者など様々な関係者と連携を取って、晴海五丁目西地区まちづくりの取組を着実に進めていただきたいと思います。
 次に、緑の保全、創出についてお伺いをいたします。
 都市の緑は、都市生活に潤いと安らぎを与え、災害時の避難場所や復旧、復興の拠点となるとともに、美しい都市景観を創出し、ヒートアイランド現象の緩和、生物多様性の保全など、都市活動を支える重要な役割を担っています。
 都内の緑は、公共が整備する公園、緑地は増加しているものの、生産緑地や樹林地など、民間が持つ緑は減少傾向が続いております。特に生産緑地は、都内に約三千ヘクタールありますが、毎年平均して約五十ヘクタール消失し続けています。
 こうした状況を変えていくためには、都と区市町村等が連携し、農地や樹林地など緑を保全するとともに、区市が買い取る生産緑地を増やし、公園整備を促進していくことが必要であると考えます。
 生産緑地公園補助制度の令和三年度の補助実績について伺うとともに、制度が創出された平成三十年以降の推移についてもお伺いをいたします。

○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 都は、生産緑地の二〇二二年問題を見据え、農業継続が見込めない生産緑地の緑を公園、緑地として保全していくため、平成三十年度に生産緑地公園補助制度を創設し、区市が都市計画公園緑地内の生産緑地を買い取る事業に対し補助を行っております。
 令和三年度の補助実績は、四区四市において八か所、合計約一・六ヘクタール、執行額は十億円、執行率は一〇〇%でございます。
 また、制度創設以降の推移につきましては、これまでの補助の実績として、各年度の補助対象面積は増加を続けておりまして、令和三年度は平成三十年度の約三倍となっております。執行率につきましても、令和二年度以降一〇〇%となっております。

○平委員 本補助制度は令和四年度までの時限措置と聞いておりますが、整備面積など実績も上がっており、取組をさらに促進できるような制度として拡充することを要望いたします。
 最後に、公園緑地等整備事業についてお伺いをいたします。
 区市が都市計画公園緑地以外の比較的小規模な公園、緑地を整備する際に活用できる補助制度、緑あふれる公園緑地等整備事業を令和三年度から開始したと聞いておりますが、この事業の補助実績についてお伺いをいたします。

○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 本事業は、身近な公園が不足する地域の解消や、貴重な自然を保全する広域的な緑のネットワークの確保等を行う区市町への支援を行うことで、区市町と共に公園緑地の整備を加速させ、緑豊かなゆとりと潤いのある東京を実現することを目的としております。
 令和三年度の補助実績は、一区三市の四か所、合計約〇・七七ヘクタール、執行額は約二億二千万円でございます。

○平委員 ありがとうございます。
 コロナ禍での閉塞感が続く中、人々の暮らしにゆとりと潤いをもたらす緑は重要であると考えます。
 都が区市町村と連携し、あらゆる場所、あらゆる機会を捉えて、緑の保全、創出に取り組むことを要望いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

○かつまた委員 私からは、まず鉄道ネットワークについてお伺いをいたします。
 東京が稼ぐ力をつけるためには、海外から人、物、金を呼び込むための国際競争力の向上が不可欠であり、その観点から鉄道ネットワーク等の強化が必要であります。
 特に、多くの国際線や国内線が発着する羽田空港への鉄道アクセスの改善が不可欠であり、その改善策の一つが、国の交通政策審議会答申第百九十八号にも空港アクセス路線として位置づけられている新空港線の整備であります。
 私の地元大田区が整備に向けて長年取り組んでいる空港線について、路線の意義及び都における位置づけについてお伺いをいたします。

○朝山都市基盤部長 平成二十八年の国の審議会答申におきまして、新空港線は、東急東横線等との相互直通運転を通じて、国際競争力強化の拠点である新宿、渋谷、池袋や、東京都北西部等と羽田空港とのアクセス利便性が向上するとの意義が示されております。
 都においては、新空港線について、「未来の東京」戦略 version up 二〇二二に取組の方向を示しておりまして、事業化に向けた関係者の取組をさらに加速することとしております。

○かつまた委員 都の長期戦略においても、新空港線は取組を加速する路線として位置づけられているとのことで、次に、都の具体的な取組について確認をいたします。
 都は、令和三年度に広域交通ネットワーク形成等に関する調査を行っておりますけれども、その中で新空港線についてどのような検討をしたのかお伺いをいたします。

○朝山都市基盤部長 新空港線につきましては、国の答申の中で、関係地方公共団体、鉄道事業者等において、費用負担の在り方などについて合意形成を進めるべきとの課題が示されております。
 令和三年度の調査では、都と大田区との費用負担協議に向けて、まちづくりの要素などを加味して都区負担の考え方の前提となる需要予測や収支採算性等の精査を実施いたしました。

○かつまた委員 大田区との協議の中で昨年度の調査結果も用いていることを理解いたしました。
 長きにわたる都と区との協議の末、本年六月に、地方負担分について、都が三割、区が七割とすることを合意いたしました。
 どのような協議を経て合意に至ったのかお伺いをいたします。

○朝山都市基盤部長 都と大田区は、都区負担等に関する協議を進めるため、令和二年九月、新空港線に関する協議の場を設置いたしました。
 協議の場では、JR、東急蒲田駅における乗換え利便性の向上、沿線開発の動向、事業費の縮減などについて検討を行い、これらを踏まえ、需要予測、収支採算性等を精査し、都区負担の考え方などについて整理を進め、合意に至っております。

○かつまた委員 新空港線は、羽田空港へのアクセス利便性の向上はもとより、東急東横線から相互直通運転により首都圏における広域交通ネットワークの一翼を担うと期待をされております。
 区民の期待も高く、コロナで落ち込んだ東京の経済を回復するためにも、一日も早い整備が求められております。
 都としても、区や第三セクターが進める取組をしっかりと支援していただくことを強く要望させていただきまして、次の質問に移りたいと思います。
 次は、防災関係の質問をさせていただきます。
 首都東京に甚大な被害をもたらした関東大震災の発生から来年でちょうど百年を迎えようとしております。
 東京では、災害に強い都市づくりを着実に進めておりますけれども、大震災の可能性は依然としてあり、国の地震調査委員会では、今後三十年以内にマグニチュード七クラスの首都直下型地震が七〇%の確率で発生すると見解が示されております。
 都は、防災都市づくり推進計画において、防災都市づくりの施策を展開するため、木造住宅密集地域を中心に、震災時に特に甚大な被害が想定される地域を整備地域として指定し、令和七年度までに半数以上の整備地域、令和十二年度までに全ての整備地域の不燃領域率を七〇%にすることを目標としております。
 そこで、まずお聞きをいたします。不燃領域率とは何か、また、どのように算出するのかお伺いをいたします。

○池内防災都市づくり担当部長 不燃領域率とは、市街地の燃えにくさを表す指標でございまして、建築物の不燃化、道路、公園などの空地の状況から算出し、七〇%を超えると延焼による焼失がほぼゼロになるとされております。

○かつまた委員 不燃領域率が不燃化と空地の状況から算出されるということを理解をいたしました。
 この不燃領域率の値は、地域によっても状況が異なるのではないかと考えます。整備地域は全部で二十八地域ありますが、目標としている七〇%に達した地域はあるのか、また、不燃領域率が低い地域の不燃領域率はどの程度なのかお伺いをいたします。

○池内防災都市づくり担当部長 不燃領域率について、令和二年度末の推定値で申し上げますと、七〇%に達したのは五地域、また、低い地域の不燃領域率は五〇%台でございます。

○かつまた委員 今の答弁で不燃化の進捗にはばらつきがあることが分かりました。
 不燃領域率の低い地域では、不燃化を強力に推進することが必要であります。我が地元の大田区内にも不燃領域率が五〇%台の地域が残っています。
 そこで、不燃化を進めるための取組状況についてお伺いをいたします。

○池内防災都市づくり担当部長 整備地域の中でも特に重点的、集中的に改善を図るべき地区について不燃化特区を指定し、老朽木造建築物の除却、建て替えの支援を行っており、令和三年度からは無接道敷地の解消に向けた専門家派遣などの拡充をしております。
 また、狭隘な道路を拡幅する防災生活道路の整備、市街地再開発事業や防災街区整備事業によるまちづくり、また、不燃化建て替えを促し、市街地の耐火性能を高める新たな防火区域の指定などにより各地域の不燃化を推進しております。

○かつまた委員 都民の安全・安心のため、答弁にありました不燃化の取組をたゆまず続けていくことは極めて重要であります。
 都が防災都市づくり推進計画で定めた目標が達成されるよう、引き続き木造住宅密集地域の改善に取り組まれることを要望し、次の質問に移ります。
 この不燃化に加えて重要な課題が耐震化の取組でございます。
 住宅の耐震化率は都内全体で九二%まで進んでおりますけれども、都民の生命、財産を守るためには、さらに耐震化を進めていかなければなりません。そのためには、所有者に対する改修費用への助成など、財政的な支援に加えて普及啓発が欠かせないというふうに考えます。
 区市町村は、最前線で耐震性の改善に取り組んでおりますけれども、例えば個別訪問を区市町村の職員が直接行うとしても、マンパワーが不足するなど負担が大きいと考えます。
 そこで、都は、住宅に係る区市町村への普及啓発の支援について、どのように取り組んでいるのかお伺いをいたします。

○青木耐震化推進担当部長 建物所有者等に対し、建物の耐震化に関する意識の啓発や知識の普及を図るため、区市町村に対して必要な補助を行うことにより普及啓発活動を促進しています。
 具体的には、区市町村にとっては普及啓発に係るマンパワーや費用の面で負担が大きいことを踏まえ、アドバイザー派遣や地元の建築士団体等を活用した個別訪問や、普及啓発のためのパンフレットやポスターの作成などに要する費用に対して都が補助をしております。

○かつまた委員 今の答弁で支援の内容については理解をいたしました。
 では、令和三年度の補助実績についてお伺いをいたします。

○青木耐震化推進担当部長 令和三年度の住宅等を対象とした普及啓発の補助は、十八区十五市に活用されています。
 例えば大田区ですと、建築士の派遣や普及啓発パンフレット、ポスターの作成の委託などへの補助を行っています。

○かつまた委員 区市町村の職員自らが個別訪問等を行っている場合もあると思いますが、都の普及啓発支援事業は多くの区市に活用されており、意義のある事業であります。
 引き続き、区市町村への支援を継続し、区市町村と連携して住宅の耐震化を推進していただきたいことを要望し、次の質問に移ります。
 次に、高台まちづくりについてお伺いをいたします。
 気候変動に伴い、近年、全国各地で大規模な水害が発生しており、東京においてもこうした水害リスクの高まりに備えていくことが大変重要であります。
 都においては、区部の東部低地帯を対象に、これまで国及び地元区と連携して災害に強い高台まちづくりを推進しております。
 そこでまず、この高台まちづくりの目的についてお伺いをいたします。

○三宮市街地整備部長 東部低地帯など、海抜ゼロメートル地帯等には、人口、資産が多く集積し、一たび大水害が発生すると広範囲で長期間の浸水による被害の拡大が想定されます。
 こうした課題に対応するため、国と共に策定した災害に強い首都「東京」形成ビジョンにおいて、治水施設では防ぎ切れない大洪水や大規模氾濫が発生しても、命の安全、最低限の避難生活水準が確保され、さらには社会経済活動が一定程度継続することができるよう、高台まちづくりを推進していくこととしております。

○かつまた委員 国と共にビジョンを取りまとめたと伺いましたが、高台まちづくりを推進していくためには地元区との連携が不可欠であります。
 具体的に、どのような取組を行っているのかお伺いをいたします。

○三宮市街地整備部長 ビジョンで示しました高台まちづくりの方策につきましては、地区特性を踏まえた適用を図るため、国と共に設置した連絡会議の下、東部低地帯における関係七区も含めたワーキンググループを令和三年三月に設置し、各自治体の避難計画も踏まえた高台まちづくりの方針やモデル地区について検討を進めております。
 あわせて、避難用通路の整備に関わる支援など、新たに設けられた国の制度の活用等について情報の共有を図っております。

○かつまた委員 高台まちづくりのモデル地区について検討を進めるとのことでありますけれども、令和三年度では具体的にどのような取組を行ったのかお伺いをいたします。

○三宮市街地整備部長 高台まちづくりの推進に向けては、令和三年度において、先行する江戸川区の三か所のモデル地区、具体的には、再開発事業が行われているJR小岩駅周辺地区、区の新庁舎建設に合わせた高台まちづくりを進めている船堀地区、土地区画整理事業と高規格堤防事業との一体的実施などによる高台まちづくりに取り組んでいる篠崎地区周辺において、国や区と連携しながら検討を進めました。
 この中で、船堀地区については、区において令和三年三月に策定した船堀駅周辺地区まちづくり基本構想を踏まえ、国の支援制度を活用しながら、将来的に浸水区域外への避難用通路にもなる建物間の連絡デッキの整備等に向けた調査が進められました。

○かつまた委員 高台まちづくりについては、その実現には長期を要するものであり、地元まちづくりとも密接に関わる事業であります。
 このため、今後とも地元区ともよく連携し、着実な推進を図り、水害に強い東京の実現を図っていただきたいことを要望し、質問を終わります。

○尾崎委員 私の方からは、最初にコミュニティバス、デマンド交通について伺っていきたいと思います。
 二〇二一年度からコミュニティバスの支援事業が福祉保健局から都市整備局に所管が変わりました。
 私の住んでいる東大和市でも、市民の皆さんからのコミュニティバスへの要望が強く、路線を増やしてほしい、本数を増やしてほしい、料金が百円から百八十円になって久しいが百円に戻してほしい、コミュニティバスでもシルバーパスが使えるようにしてほしいと、たくさんの要望が寄せられます。
 市も努力し、路線の変更なども行い努力している姿が見えますが、都バスなどは梅70の一路線しか走っていない状況です。民間バスも乗る人が少ないとどんどん本数を減らしてしまい、不便になっています。
 そこで、コミュニティバスについてですが、高齢化が進む中、公共交通が空白になっている交通不便地域などで、病院や役所に行くのにコミュニティバスなどが欲しいという要望が多く聞かれます。
 二〇二一年度末時点で、コミュニティバスに取り組んでいる区市町村は幾つあるのか伺います。

○江端地域公共交通担当部長 区市町村が関与している、いわゆるコミュニティバスにつきましては、令和三年度末時点で二十一区二十三市三町四村が導入しているものと承知しております。

○尾崎委員 コミュニティバスの定義がはっきりしていないために各自治体の認識も曖昧なところがありますが、ただいまのご答弁で区市町村が関与しているコミュニティバスは二十一区二十三市三町四村ということですから、既にどこでもコミュニティバスを実施しているという状況になると思います。
 日本共産党都議団は、コミュニティバスの運行状況などについて調査を実施してきましたが、その調査でもコミュニティバスに取り組んでいる自治体が増えており、今後実施を目指しているところもあり、東京都全体で都民の足となっているコミュニティバスの役割が重要であると実感をしているところです。
 都が実施しているコミュニティバス運行費補助の二〇二一年度実績について伺います。

○江端地域公共交通担当部長 令和三年度のコミュニティバスの運行経費については、二自治体に対し計一千四百万円の補助を実施しております。

○尾崎委員 ただいまのご答弁ですと、二自治体に対し一千四百万円の運行費補助が行われたということです。コミュニティバスの運行費補助は運行実施から三年間となっていますから、運行実施している自治体全てが対象となるわけではありません。
 それでは、コミュニティバスの運行費補助が導入から三年間としている理由について伺います。

○江端地域公共交通担当部長 コミュニティバスの導入に際しては、区市町村による主体的、自立的な運行を前提として、交通需要や事業の持続可能性、財政負担の将来的な見通し等について十分に検討することが必要であります。
 都は、事業立ち上げの際に支援することにより、事業運営の安定化を図るため、導入時の調査検討経費や車両購入費のほか、運行開始後三年間の運行経費の一部を区市町村に補助しております。

○尾崎委員 運行費補助が三年間で、その期間に持続できるようにするということは大変困難だと思います。しかも、自治体の負担額が増えていることが日本共産党都議団の調査で明らかになっています。とりわけ多摩地域の負担額が重くなっていることが分かりましたが、自治体では、コミュニティバス事業は不採算事業であっても住民の利便性の向上には必要な事業だと考えて取り組んでいる状況があります。
 日本共産党都議団の調査では、報告があった自治体の状況ですけれども、二〇二一年度の区市町村のコミュニティバスの収入額は十六億三千四百万円です。一方、支出額は四十一億三千八百万円です。物すごい赤字で、自治体の負担額は二十六億五千六百万円となっていることが分かりました。区市町村の苦労が、この数字に表れていると思います。
 コミュニティバス事業は基本的に不採算事業であり、直近の五年間で町田市が二〇一七年の一路線だけが黒字になっているだけで、それ以降は全てのところで赤字になっており、自治体の負担が増えているという状況です。特に多摩地域の自治体負担額が増えています。
 先ほどご答弁がありましたが、都の運行費補助の二〇二一年度の実績は一千四百万円ですから、区市町村の負担額全体の僅か八・六%にしかなりません。都は、今後の運行費補助について、さらなる検討が必要だと思っています。
 次に、コミュニティバスの車両購入についての都の補助の二〇二一年度実績について伺います。

○江端地域公共交通担当部長 令和三年度のコミュニティバスの車両購入費につきましては、三自治体に対し計三千六百万円の補助を実施しております。

○尾崎委員 車両購入についての都の補助は三自治体で三千六百万円ということです。
 車両については自治体によって購入する自治体とリース契約で行っている自治体があるようですが、都の支援は車両の購入のみです。
 車両を購入すると、購入費のほかに自動車所得税や点検、修繕費もかかることもあり、自治体の負担が大変だという状況も見えてきます。都のコミュニティバスの運行費補助や車両購入への都の補助については、自治体が運行を行っていても公共交通空白地域でなければ都の補助は出ません。
 そこで、コミュニティバスへの都の補助制度において、公共交通空白地域とは具体的にどのような地域を指すのか伺います。

○江端地域公共交通担当部長 コミュニティバスのご意見、先ほどの車両購入に係る答弁でございますけれども、委員の方からリースの件がございましたが、リースについても対象となっていることを付け加えさせてください。申し訳ございません。
 交通空白地域への質問でございます。
 公共交通空白地域とは、一般的に鉄道やバス停から一定の距離を越えた地域でございまして、都の補助制度においては、鉄道駅及びバス停から半径二百メートル以遠の地域としております。

○尾崎委員 車両の場合はリースも補助が出るというご答弁でした。これは重要だと思います。
 ただいまご答弁ありましたが、鉄道やバス停から半径二百メートル以遠の地域ということが公共交通空白地域といわれるということです。多摩地域では、かなりの地域が対象となると思います。
 また、二十三区の中でも公共交通空白地域は少なからずあるということになると思っています。
 都の補助制度では、公共交通空白地域を鉄道駅やバス停から半径二百メートル以遠の地域としているということですけれども、いろいろ伺うと柔軟に対応しているということも聞いております。
 そこで、コミュニティバスは公共交通空白地域で運行するものではありますけれども、コミュニティバスを利用する方の立場に立つならば、駅や民間バスなどのバス停との接続がなければ、コミュニティバスを使いたくても使えない、乗りにくいものになってしまうというふうにも考えます。
 大事なことなので伺いたいんですけれども、主要な駅や主要なバス停との接続も必要になると、コミュニティバスでも必要になると考えますが、全てではないと思うんですが、一部接続があっても都の補助というのは出るのかどうか教えていただきたいと思います。

○江端地域公共交通担当部長 路線の選定でございますけれども、路線の選定に当たりましては慎重な検討が必要だというふうに申し上げておりますが、ご意見、質問にありました駅への接続、その他のバス停への接続等についても対象となっております。

○尾崎委員 ありがとうございます。
 大変重要なことだと思いますので、多くの地域に今ご答弁のあったようなことをお知らせしなければならないな、してほしいなというふうにも思っています。
 コミュニティバスに対する都民の要望は今後ますます強くなると思っていますし、今も以前よりも強まっていると思います。
 運行を継続するためには都の役割はますます重要となっていますので、都のさらなる支援の拡充を求めるものです。
 次に、デマンド交通について伺いたいと思います。
 デマンド交通の実証実験を東久留米市で実施していますが、二〇二一年度の利用者数、利用者の内訳などはどうなっていますか。

○江端地域公共交通担当部長 東久留米市のデマンド交通は、市内在住の七十歳以上の方、妊婦の方、ゼロから三歳児を対象としており、都の補助も活用しております。
 東久留米市からは、令和三年度の利用者は約八千八百名で、その内訳は、その同伴者も含めまして、七十歳以上は約六千三百名、妊婦が約三百名、ゼロから三歳児が約二千二百名との報告を受けております。

○尾崎委員 多摩地域で二十六市ありますけれども、コミュニティバスを運行実施されていないのは二十六市のうち三市です。その中の一つが東久留米でした。
 これまで市民の方からはコミュニティバスを走らせてほしいという強い要求もあり、三年前デマンド交通の実証実験に踏み出したものだと考えています。
 ただいまのご答弁で、年間の利用者数が約八千八百名ということも分かりました。数字からではなかなか分かりませんけれども、高齢の七十歳以上の方が約六千三百名で妊婦さんが約三百名使用しているという、コミュニティバスとはまた違う役割がデマンド交通にあるということがはっきり見えてきます。
 私のところにもバス停や駅に歩いて行くのが大変だという声も寄せられています。そして、妊婦さんのように、より安全に目的地に行きたいという要望にも応えられるということがよく分かりました。
 都は、デマンド交通を検討している区市町村に対し調査費用の補助を行っていますけれども、実績について伺います。

○江端地域公共交通担当部長 令和三年度のデマンド交通の導入に向けた計画策定に要する費用といたしまして、二自治体に対し計四百万円の補助を実施しております。

○尾崎委員 都は、コミュニティバスやデマンド交通がそれぞれの地域でどのような役割を果たし、区市町村の課題がどんなところにあるのかなど、地元の要望をつかみ、都としての検証や分析などを行う必要があると思います。支援の拡充はもちろんですが、情報の共有や進んだ取組の発信にも力を入れていただくよう要望するものです。
 それでは、区長会や市長会などからのコミュニティバスやデマンド交通に対する二〇二一年度予算に対する都への要望は、どんなことが寄せられたでしょうか。

○江端地域公共交通担当部長 区長会、市長会等からは、コミュニティ交通の運行開始に向けた財政支援や、一定条件の下に運行経費の一部を補助すること、車両の買換え費用を補助するなど、補助制度を拡充すること等の要望が寄せられております。

○尾崎委員 日本共産党都議団の調査でも、単純に路線を増やせば乗客人数が増えるわけではないことが見えてきています。地域のニーズをよく調べ、ニーズに応える努力がさらに求められていることが分かりました。
 高齢化が進む中で、住民の足となるコミュニティバスやデマンド交通に取り組んで努力している区市町村の思いに、都としてどう支援していくのかが今後問われると思います。
 二〇二三年度予算案に対する町村会、町村議長会の要望でも、交通弱者の解消等が求められている、このように示し、総合交付金の拡充を求め、コミュニティバスについては、コミュニティバスの運行は不採算事業であるが、住民の利便性の向上には必須事業であり、継続した事業実施のために補助制度の拡充を図られたいと要望しています。
 市長会の予算要望ではコミュニティバスに対する補助制度の拡充を求めており、運行経費に対する補助については、新型コロナウイルスの影響により収支状況が悪化していることから、運行開始から三年間となっている補助期間及び補助要件の見直しを行い、継続的かつ地域の実情に合致する支援策を講じることとなっています。
 コミュニティバス、デマンド交通の運行を継続させるためには都の支援が欠かせません。二〇二二年度の支援は拡充されていますが、さらなる拡充が必要です。とりわけ運行費補助については、三年間だけでは不十分であり、継続した支援が必要です。
 都は、区市町村からのこれらの要望に応えるよう強く求めるものです。
 次に、横田基地について伺いたいと思います。
 横田基地にオスプレイが配備され今年で四年になります。横田基地が単なる空輸基地から特殊作戦部隊の基地となり、前線直結の基地に変貌しているということは、この間の日本共産党都議団の都議会での代表質問などでも明らかにしてきました。二〇二一年度には、都民の不安や安全が脅かされる問題が起こってきました。そのところについて質問していきたいと思います。
 二〇二一年十月九日、十月二十四日に港区で発生した米軍人による傷害事件を起こし逮捕され、その際、薬物使用が明らかになりました。
 都は、十月二十七日、北関東防衛局長に口頭で要請を行いました。どこの所属の軍人なのか伺います。

○金子基地対策部長 国からは、昨年十月九日の事案につきましては、都内の基地の隊員等は関係していないと聞いており、また同年十月二十四日の事案につきましては、米海軍横須賀基地所属の軍人であると聞いております。

○尾崎委員 都内の基地の隊員等が関係していないということでしたけれども、米軍人による傷害事件はあってはならないことであり、とんでもないことですが、さらに、逮捕されたときに薬物使用が明らかになったという事件です。しかも、一か月に連続して薬物使用が明らかになったという驚くべき事件で、曖昧にするわけにはいかない問題だと考えます。薬物使用は、今回のように逮捕されて検査しなければ明らかにならなかったことです。
 日本では薬物使用は犯罪です。薬物を使用して訓練に参加すればどうなるでしょうか。大きな事故につながるものだといわなければなりません。断じて許されるものではありません。
 都の口頭要請で詳細を明らかにするとともに再発防止を図ること、米軍関係者に対する教育及び綱紀厳正を徹底すること、対策を速やかに実施し関係自治体に情報提供することを求めていましたけれども、米軍はその後、どのように対応したのか伺います。

○金子基地対策部長 国からは、都の要請を踏まえ米軍に申入れを行っており、米軍は申入れを踏まえて、再発防止、教育及び綱紀粛正の徹底等に努めているものと承知していると聞いております。

○尾崎委員 ただいまの答弁で、教育及び綱紀厳正の徹底ということですけれども、果たしてそれで再発防止になるのか甚だ疑問です。
 さらに、二〇二一年三月三十一日に横田基地関係者による飲酒を伴う交通事故があり、四月二日に都と横田基地周辺五市一町連絡協議会が申入れをしました。
 二〇一九年に三件、二〇二〇年に三件、飲酒に伴う交通事故が起きています。米軍は飲酒に伴う交通事故を起こさないよう対策を講じるべきですが、どのような対応を行ったのでしょうか。

○金子基地対策部長 横田基地によれば、再発防止に向け、横田基地に着任した空軍人全員に対し、着任後すぐに飲酒運転防止や交通安全の講習を含むブリーフィングを行っていると聞いております。
 また、長期祝日前にはラジオ放送やSNSを通して飲酒運転防止や交通安全について改めて周知しており、週末前には基地内の電光掲示板で運転代行の案内表示を行っていると聞いております。

○尾崎委員 飲酒を伴う交通事故の防止対策としては、あまりにもお粗末だといわなければなりません。
 ただいまご答弁あったように、長期祝日前にはラジオ放送やSNSを通して呼びかけ、週末前には電光掲示板で運転代行の案内表示をするという内容で、本当に飲酒運転による交通事故の再発防止になるんでしょうか。米軍の認識はあまりにも軽いといわざるを得ません。
 日本では薬物使用、飲酒運転も禁止されています。日本の国内法を遵守するよう、都として米国、米軍に働きかけるべきですが、働きかけを行ったのでしょうか。

○金子基地対策部長 米軍人による飲酒運転や傷害事件、薬物の使用、所持などの事件、事故はあってはならないことでございます。
 都としては、これまでもこのような事案の再発防止、米軍関係者に対する教育及び綱紀粛正の徹底、関係自治体への情報提供を国及び米軍に求めてまいりました。

○尾崎委員 ただいまのご答弁で、あってはならないことであるという認識は大事です。しかし、その認識に基づいて米軍に直接厳しく日本の国内法を守らせるべきだと思うんです。
 今年の八月十三日の午後三時二十分ごろ、福生市内で横田基地関係者による飲酒を伴う交通事故がまた起こっているんです。
 資料でまとめていただきましたが、二〇一九年以降、事件、事故が増えていますけれども、なぜ増えているのか都の認識を伺います。

○金子基地対策部長 米軍構成員による事件、事故の発生件数につきましては、平成二十九年、平成三十年は各一件でありましたが、令和元年は五件と増加し、その後、令和二年、令和三年は各三件となっていることは承知しております。

○尾崎委員 私は、一番知りたかったのは、二〇一九年以降、事件、事故が増えているのはなぜかと都の認識について質問したんですが、このことには全くお答えになっていない状況です。
 あってはならない事件、事故が増えている。逆のいい方をすれば、都民の安全・安心が奪われている状況なのに、なぜ増えているのか。都としても原因を究明する必要があると強く指摘をしておきたいと思います。
 二〇一八年の十月に、横田基地に特殊作戦部隊であるオスプレイ五機が配備されました。資料要求で作っていただいた資料、飲酒事故の数の推移を見ると、はっきりしているのはオスプレイが配備されて以降の年に増えているということです。
 横田基地に配備されたのはCV22オスプレイです。低空で敵地に行き、要人を攻撃するのがCV22オスプレイの役割です。
 しかも、今年になりクラッチの不具合が明らかになりましたが、不具合については横田基地に配備される前から米軍の中では分かっていたことで、パイロットの技術で補おうとしており、パイロットの操縦技術を向上させることが要望される。苛酷な訓練の上に精神的重圧も加わるということです。相当のストレスがあると思います。このことが様々な事件、事故の要因に当たることは想像できます。
 都は、都民の安全・安心を守る立場で事件、事故の究明と再発防止に最後まで米軍に迫ることを強く求めるものです。一番の解決は、横田基地からオスプレイを撤去させることだと改めて強く求めておきます。
 次に、泡消火薬剤について伺います。
 泡消火薬剤には、有機フッ素化合物のPFOS、PFOAが含まれており、発がん性などが指摘をされています。
 PFOSは、残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約で国際的に製造、使用が制限され、国内でも一部例外を除き、原則的には使用、製造が禁止されています。
 また、PFOAは、世界保健機構の外部機関が発がん性のおそれがある物質に指定し、主要な化学メーカーが既に自主的に使用を廃止しています。物質としての安定性が高いため、環境中でほとんど分解せず、生物中に蓄積することが懸念されているんです。
 二〇二〇年四月十日、米軍普天間飛行場から泡消火薬剤が大量に流出する事件が起こり、九月には米軍のバーベキューによる泡消火薬剤の流出が起きて大問題になりました。
 横田基地でも、以前は沖縄と同様に泡消火薬剤を使用しており、地域住民から不安の声が出されています。
 そこで、事実確認のために幾つか質問したいと思います。
 横田基地での有機フッ素化合物が含まれている泡消火薬剤使用はどうなっていますか。泡消火剤使用をやめたのはいつなのか伺います。

○金子基地対策部長 国からは、米側から在日米軍が保有しているPFOS等を含む泡消火剤について、二〇一六年以降は訓練を目的として使用しておらず、厳格に管理している旨の説明を受けていると聞いております。

○尾崎委員 二〇一六年以降、訓練を目的として使用しておらずというご答弁でしたが、訓練以外で使うことがあるのか、ぜひ確認しておいていただきたいと強く要望するものです。
 次に、泡消火薬剤の処分はどのように行っていますでしょうか。二〇二一年度中に処分された泡消火薬剤は、どのくらいあるのか伺います。

○金子基地対策部長 国からは、在日米軍は施設、区域内の環境管理に当たり日本環境管理基準を策定し、適切な環境管理に努めている、PFOS及びPFOAについては、この基準において有害物質のリストに掲載され、在日米軍は、当該基準に従い管理を適切に行っているものと承知していると聞いております。
 また、在日米軍として順次保有する泡消火剤の交換を進めていると承知しており、在日米軍が保有する泡消火剤の交換等の詳細については、米側に確認中であると聞いております。

○尾崎委員 私が一番知りたいことは、使用していない泡消火薬剤はどのように処分しているのか、処分の仕方が知りたかったわけです。果たして安全に処分されているのかどうか、そして二〇二一年度はどのくらい処分されたのかということが知りたかったわけですが、順次交換を進めているということしか分からないということです。肝腎なことは明らかになっていないということだと思います。
 次に、横田基地に泡消火薬剤はどのくらいの在庫があるのか伺います。

○金子基地対策部長 国からは、在日米軍全体として順次保有する泡消火剤の交換を進めていると承知している、在日米軍が保有するPFOS等を含む泡消火剤の交換などの詳細については、米側に確認中であると聞いております。

○尾崎委員 横田基地の泡消火薬剤がどのくらいあるのか、それさえも明らかになっていないということです。確認中ということですので、きちんと詳細を調べていただくよう強く求めるものです。
 神奈川県の厚木基地で発がん性が疑われる有機フッ素化合物、PFOSなどを含む泡消火薬剤が基地内を流れる蓼川に流出した問題で、神奈川県と防衛省などは、今年の十月六日、先日ですけれども、日米地位協定の環境補足協定に基づき立入調査を実施しました。
 これまで横田基地での泡消火薬剤の問題を幾つか質問してきましたけれども、都民の健康、命に関わる問題なのに、横田基地の状況が全然分かりません。流出してからでは遅いんです。
 そこで、都として横田基地の立入調査を行うべきですが、いかがですか。

○金子基地対策部長 横田基地内への立入調査につきましては、環境補足協定上、立入りの要請は米側からの漏出事故発生の通報が前提となっていること、国からは、二〇一六年以降、訓練を目的としてPFOS等を含む泡消火剤を使用していないと聞いていることなどから、立入りは困難と考えております。

○尾崎委員 多摩地域は、おいしい水に恵まれたところです。古いお宅では井戸があり、農家の方々は今でも井戸水を利用している方もいます。災害時のためにも井戸が見直され、新しく井戸を掘る農家の方もいます。
 しかし、福祉保健局が調査している水質調査で発がん性のある有機フッ素化合物のPFOSやPFOAが指針値を上回る箇所がありました。
 住民の皆さんの中には、以前横田基地では有機フッ素化合物の含まれた泡消火薬剤が使用されていたことで、土壌に残っているのではないかと心配の声が出されています。
 原因は横田基地だけではないことを承知していますが、住民の安全・安心、命を守るためにも、横田基地で泡消火薬剤を使うことも、流出されることも許されません。その立場で都も責任を果たしていただきたいと思います。
 特に、泡消火薬剤についての今私の方からさせていただいた質問にはほとんど答えていないという状況で、このまま曖昧にするわけにはいきません。
 横田基地への立入調査を強く求めて、質問を終わります。

○加藤委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後二時五十七分休憩

   午後三時十四分開議

○加藤委員長 休憩前に引き続き分科会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○竹井委員 よろしくお願いします。
 私からはホームドアの整備について伺います。
 鉄道駅総合バリアフリー推進事業について伺いたいと思います。ホームドアの設置につきましては、これまでも度々取り上げてきたところでございますけれども、令和三年度における整備駅数と令和三年度までの整備状況について伺います。

○江端地域公共交通担当部長 令和三年度における都内のJR及び私鉄駅のホームドアの整備駅数は七駅でございます。また、令和三年度末時点での整備駅数は百六十六駅、整備率は約三四%となっております。

○竹井委員 整備率、徐々に進んでいるということですけれども、まだ三四%ということでした。
 先ほど磯山委員からも発言がありましたけれども、私の地元小平市内においてはゼロということになります。障害者、特に視覚障害者、そして高齢者はいわずもがなですけれども、それ以外の方々でもホームからの転落、またホームを通り過ぎる電車と接触しそうになって、冷やっとした経験のある方もいらっしゃると思っております。
 視覚障害者がホームから転落死する事故は後を絶たず、二〇二〇年は四名、二〇二一年もお一人の方が尊い命を落としていらっしゃいます。ホームドアの整備に際して、東京都としてはその必要性をどのように認識して事業を進めているのかについて伺います。

○江端地域公共交通担当部長 高齢者、障害のある方々をはじめとして、誰もが生き生きと活躍できる社会を実現するためには、安心して快適に移動できる環境整備が不可欠であります。中でも、ホームドアの整備は鉄道利用者の安全を確保する上で重要であります。
 そのため、都は平成二十六年度から、JR及び私鉄のうち、一日当たりの利用者十万人以上の駅を対象とした補助を開始いたしました。その後、令和元年に公表した鉄道駅バリアフリーに関する優先整備の考え方を踏まえ、令和二年度から補助対象を利用者十万人未満の駅にも拡大するとともに、補助上限額の引上げを行い、支援策を充実するなど鉄道事業者の取組を促しております。

○竹井委員 私は、都市整備委員会において度々、特に視覚障害特別支援学校の最寄り駅のホームドア整備について求めてきました。その中で、今年の六月に文京盲学校の最寄り駅でありますJR飯田橋駅でホームドアの設置が完了したということは、これ長年の皆さんの要望であったこと、本当によかったと思いますし、また、久我山青光学園の最寄り駅、京王久我山駅も今年度いよいよ設置に向けて着手されるということ、これも朗報です。もう一つの千歳烏山駅も、早期の設置を標榜するものですけれども、八王子盲学校の最寄り駅であるJR西八王子、八王子、京王八王子駅には、いずれも設置がないということです。
 JRの二駅については、二〇三一年度までにという計画ですけれども、先の長い話になっています。技術的な課題について、それを解消するための検討は進んでいるとは思いますけれども、早期の実施を改めて要望しておきます。
 さて、私の地元でも、駅前再開発に伴って駅が建て替わるのではないかという可能性もありますし、また、JR中央線等でも連続立体交差事業が進んでいるわけですけれども、連続立体交差事業が行われると、ホームも含めて丸ごと駅が建て直されるという、そういった機会を捉えてホームドアを整備すればよいというふうに考えるのですけれども、見解を伺わせていただきます。

○江端地域公共交通担当部長 連続立体交差事業は、駅のバリアフリーの環境改善につながる機会の一つであると認識しております。
 ホームドアの整備を進めるには、鉄道事業者の積極的な取組が不可欠でありまして、都は、様々な機会を捉えて鉄道事業者に働きかけております。

○竹井委員 ありがとうございます。
 先ほども申し上げましたように、盲学校等の要望も引き続き受けておりますので、ぜひ様々な機会で働きかけの方よろしくお願い申し上げます。
 以上で終わります。

○清水委員 それでは、最初に住宅耐震についてお伺いいたします。
 地震による人的被害は、住宅等の倒壊によるものが多数を占めます。また、住宅が倒壊した場合、道路を塞いだり、火災を招き、避難や救急消火活動が妨げられ、大規模な市街地火災が引き起こされるなど、広範かつ甚大な被害につながるおそれがあります。住宅の耐震化は、住宅所有者のみならず、地域の安全を守るためにも重要です。
 東京都や区市町村では、住宅耐震化の目標を掲げ、相談、費用の助成など様々な支援を行っていますが、なかなか目標を達成できないというのも実情です。
 特に、木造戸建て住宅は耐震化が遅れています。新築の住宅の増加や古い住宅の取壊しによって、耐震化率そのものは黙っていても上がっていくんですが、例えば高齢者の世帯では、自分の代でこの家は終わりだから、低所得者世帯では費用の負担が大きい、こういった理由で耐震化がされないままの状態が続いている状況が見受けられます。
 最初に申し上げましたとおり、住宅の耐震化は所有者の安全を守るのみならず、住宅の倒壊による火災や避難、救急消火活動が妨げられることを防いで、大規模な市街地火災から地域を守る、こういった公共性を持つ取組でもあります。
 自治体や住宅所有者の経済力のあるなしにかかわらず、必要な住宅全てに耐震化をしていただき、東京の安全を守ることが東京都には求められています。
 最初に、住宅耐震の重要性について都の認識をお伺いします。

○青木耐震化推進担当部長 首都直下地震の発生が懸念される東京において、建築物の耐震化は喫緊の課題です。住宅の耐震化を促進するためには、所有者が自らの問題として認識し、備えることが不可欠であり、都は所有者の主体的な取組を促すよう積極的な働きかけを行う区市町村の取組を後押ししています。
 地震による住宅の倒壊を防ぐことは、居住者の生命と財産を守ることだけでなく、都市の防災力の向上にもつながると認識しております。

○清水委員 地震による住宅の倒壊を防ぐことは、居住者の生命と財産を守ることだけでなく、都市の防災力の向上にもつながる、こういう認識が示されたことは重要だと思います。
 次に、昨年度の耐震化助成事業について予算額と決算額、執行率を伺います。

○青木耐震化推進担当部長 予算額約三億一千六百万円に対し、約一億七千九百万円を執行しており、その執行率は五六・六%です。

○清水委員 続けて、昨年度の耐震化助成事業について耐震診断と耐震補強、耐震改修、この件数をお伺いします。

○青木耐震化推進担当部長 戸建て住宅等の耐震化について、令和三年度の助成実績は、耐震診断が六百四十二件、改修等が五百七十件です。

○清水委員 昨年度の住宅耐震化助成の執行率は五六%、また、助成実績は耐震診断六百四十二件に対して改修等は五百七十件で、耐震を受けた住宅のうち、改修をした割合は八八・七%ということになります。
 旧耐震の戸建て住宅で耐震診断を受けた場合、十分な強度があるという判定はまず出ないというふうに伺っています。そうすると、昨年度、耐震改修が必要だという診断結果を受けても改修等をしなかった方が七十二件、一一・三%もおられるということになります。
 耐震診断を受けたのに耐震補強や改修が行われない、その理由はどのようなものでしょうか。

○青木耐震化推進担当部長 住宅の所有者においては、耐震改修の進め方が分からないことへの不安など、様々な事情を抱えていることなどがあるものと考えております。

○清水委員 私の地元の日野市の耐震改修促進計画では、住宅の中でも木造戸建て住宅の耐震化が低くなっており、重点的に取組が進められています。市の事業による耐震診断を実施した住宅所有者に対しては、診断終了時に耐震改修工事に向けた意向の確認、補助制度の説明、耐震改修業者のリストの提示、こういうものが行われているんです。さらに、耐震診断後、一定期間を経過しても耐震改修を行っていない住宅所有者に対しては、さらにもう一度、電話連絡を行って意向を確認し、補助制度の説明を改めて実施して耐震化を促しているんです。
 つまり、先ほどのご答弁にあった耐震改修の進め方が分からないことへの不安など様々な事情に対しては、市としても丁寧に対応しているということだと思います。しかし、それでも耐震改修は年間十数件にとどまっているんです。
 耐震工事をしない方はどういう方なのか、日野市の担当に伺いましたところ、例えば区画整理で、いずれ移転するんだからという方、子供たちはもうこの家には住まない、自分たちの代で終わりだからという高齢者、また、経済的な負担が重いという方などだということでした。
 住宅の倒壊による火災や避難、救急消火活動が妨げられることを防いで、大規模な市街地火災から地域を守る防災力の向上のためには、こうした様々な事情を抱えている住宅所有者の方々にも耐震化をしていただかなければならないというふうに思います。
 経済力のない高齢者や低所得者でも、必要な耐震化を可能にするには、特別な手当てが必要と考えますが、いかがですか。

○青木耐震化推進担当部長 住宅の耐震化を促進するため、進め方が分からないといった所有者の不安にきめ細かく対応していく必要があり、区市町村が行っておりますアドバイザー派遣などの取組を支援しています。また、耐震診断や改修等に対する助成については、所有者への積極的な働きかけを行う区市町村を対象に支援しています。
 引き続きこうした支援を行ってまいります。

○清水委員 先ほどもご紹介したように、現場の自治体としては、かなり丁寧に説明は行っているんですね。耐震強度が不足している、そのことは診断結果をもって知ってはいても、それでもなおできない、こういう住宅所有者に耐震化をしていただく、そのためには一番大きな障害になっている経済的負担、これを軽くすることが効果的だというふうに思います。そして、ここに支援をするということは、地域の防災力の向上という公益性という大義も持っています。
 例えば、高知県では耐震改修費に定額の補助を行っているので、低コストの工法を組み合わせれば自己負担なくできます。これを進めるために、高知県は低コスト工法の研修を実施していて、その研修を受けた事業者の紹介も併せて行っているんです。こうして、工夫次第では自己負担ほとんどなしで、もしくはなしで耐震化が可能になるという仕組みをつくっています。
 自己責任に固執して定率制度にこだわるのではなくて、地域の防災力の向上という観点から、必要な耐震改修ができる定額の補助制度の検討を求めます。
 次に、新耐震の住宅の耐震化についてお伺いします。
 二〇〇〇年に、新耐震の建物であっても、工法によっては金具を使わなければならないといった改定が行われて、新耐震の住宅でも、耐震に問題がある可能性があることが明らかになりました。
 新耐震基準の住宅に対する耐震助成を行っている都内の自治体はどのくらいありますか。また、実施自治体の制度の概要についても教えてください。

○青木耐震化推進担当部長 新耐震基準の住宅について、令和三年度末時点ですけれども、一区二市が助成を実施しています。具体的には、平成十二年以前に建築された在来軸組み工法の二階建て以下の木造住宅の耐震診断や改修を対象とするなどとしています。

○清水委員 日本共産党都議団は、旧耐震だけでなく、新耐震の住宅についても耐震化の助成を行うことをずっと求めてきました。昨年度末時点で、都内三区市で助成制度があるということですけれども、旧耐震の制度に比べれば本当にごくごく僅かです。熊本地震で新耐震の住宅が一部倒壊した、この教訓を生かして、新耐震の住宅にも耐震助成が必要だということは明らかになったのではないでしょうか。
 新耐震基準の住宅の耐震化の必要性について、都の認識をお伺いします。

○青木耐震化推進担当部長 新耐震基準の木造住宅の中でも、平成十二年以前の住宅については、熊本地震で一部に倒壊等の被害が見られたことから、構造上の弱点となる接合部等の安全点検を行うことが重要でありまして、普及啓発のさらなる強化や支援の在り方を検討する必要があると認識しております。

○清水委員 新耐震の住宅でも、構造上の弱点となる接合部の安全点検を行うことが重要であり、普及啓発のさらなる強化や支援の在り方を検討する必要があるというふうなご答弁がありました。
 ぜひ新耐震の住宅についても--都の耐震助成制度をつくることによって、東京都内全体の取組を大きく促進していく力となります。新耐震の住宅についての支援制度を創設していただくよう強く求めて、次の質問に移ります。
 市街化区域内の農地で、良好な生活環境の確保に効果があり、公共施設等の敷地として適している農地のうち、今後も保全する農地等が生産緑地法に基づいて生産緑地地区に指定をされ、都市農地の計画的な保全が図られています。
 都市計画公園の中にある生産緑地で相続などが起きた場合には、まず自治体に対して買取りの申出がなされます。そして、生産緑地を買い取る、こう決めた自治体に対して東京都は支援を行っています。
 区市が都市計画公園内にある生産緑地の買取り、これに対する補助について、これまでの予算額と決算額の推移、実績についてお伺いいたします。

○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 お尋ねの生産緑地公園補助制度でございますが、予算額につきましては、制度を創設いたしました平成三十年度から毎年度十億円となっております。決算額は平成三十年度は四億七千万円、令和元年度が四億八千万円、令和二年度及び三年度は十億円でございます。
 補助実績につきましては、平成三十年度は二か所で合計約〇・六ヘクタール、令和元年度は六か所で合計約〇・八ヘクタール、令和二年度は九か所で合計約一・六ヘクタール、令和三年度は八か所で合計約一・六ヘクタールに対しまして補助を実施しております。

○清水委員 今、令和二年度及び三年度は予算十億円ということで、決算額も十億円というふうなご説明がありましたが、この制度に関して、令和二年度、三年度に区市の補助申請を行った申請の箇所数と申請額、決算額についてお伺いします。

○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 令和二年度の申請箇所数は九か所で、区市からの申請額は約十億三千万円、決算額は十億円でございます。令和三年度の申請箇所数は八か所で、区市からの申請額は約十四億八千万円、決算額は十億円でございます。

○清水委員 今のご説明だと、令和二年度は申請額が十億三千万円だけれども、決算額は十億円で、つまり三千万円が削られたと、抑えられたということだというふうに思います。
 それから、令和三年度はさらに増えて十四億八千万円の申請額があったけれども、決算は十億に抑えられたという説明でした。
 生産緑地公園補助制度に関して、これまでの実績を踏まえて、都としてどう評価されていますでしょうかお伺いします。

○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 本制度は、平成三十年度から開始し、区市の本制度に関する認知度が高まったことから、執行率も高く適切に執行されていると考えております。

○清水委員 執行率も高まって適切に執行が行われている、区市の認知度も高まって、だんだんと増えてきているということでした。
 それでは、この生産緑地公園補助制度の課題についてはどのように認識をされていますでしょうか。

○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 生産緑地公園補助制度は、都市計画公園、緑地内の農業継続が見込めない生産緑地を買い取り、公園として整備し、緑の保全に取り組む区市を後押しするものでございまして、有効に活用されているものと認識しております。

○清水委員 平成三十年度、二〇一八年から始まったこの制度は、区市の認知度も高まって、申請は年々増えて、令和二年度、令和三年度は予算を超過するまでになりました。
 予算を上回る申請が出た場合には、補正予算を組んで申請に応えるべきですが、残念ながら、この制度は予算の範囲内で補助はとどまっています。この制度の継続と予算の抜本的な拡充、申請が予算を上回る場合には、補正の計上を行って申請に応えていくことを求めます。
 この問題の最後にお伺いしたいんですが、この事業の採択基準についてお伺いしたいと思います。
 この事業の採択基準には、補助事業の採択は各年度において一自治体一件限り、こういう条件がついています。自治体の状況に応じて買取りができるように、制限はなくすべきと考えますが、いかがですか。

○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 生産緑地公園補助制度は、生産緑地を買い取り、公園として整備し、緑の保全に取り組む区市を後押しするものでありまして、有効に活用されているものと認識しております。

○清水委員 この制度は、生産緑地を買い取って公園として整備をして、緑地の保全に取り組む区市を後押しするという制度で、区市もこれはぜひ活用したいというふうに思っていて、昨年度は予算の一・五倍近い申込みも来たということだというふうに思います。
 今、生産緑地、更新に当たっていて、それから、これから相続も発生してくるわけですから、ニーズはもっと高まっていくというふうに思います。ですから、ぜひこの制度については、適切に執行というには、やっぱりちょっと決算額が少ないのではないかというふうに思います。この制度を継続してもらうとともに、抜本的に拡充をする、それから申請が予算を上回った場合には、繰り返しますけれども、補正予算を計上して申請に全部応えていただけるように求めまして、次の質問に移ります。
 今年の八月、アメリカ軍はCV22オスプレイについて、飛行中の不具合が増えているとして、全ての機体の飛行を停止するように指示しました。しかし、九月早々には原因の解明や解決もないままに飛行再開を決めました。
 東京の横田基地の周辺自治体は、アメリカ軍や防衛省などに十分な説明を行って、住民の不安を解消することなどを要請しましたけれども、住民の不安は解消されないまま飛行が再開されました。私が住んでいます日野市旭が丘でも、今、連日のようにオスプレイが住宅地の上ではやらないという約束になっているヘリモードで飛行をしています。
 先日も、この地域の住民の方から、夜十時近くになってオスプレイが飛来をし、日野市の上空に入ってから、わざわざ明かりを消して無灯火で低空飛行をしていた、こういう情報が寄せられました。
 都として、国や米軍に対して、危険な飛行訓練などについては繰り返し申入れを行い、昨年度だけでも十二回も申入れを行っています。しかし、いまだに改善はされていません。それどころか、昨年は北は深谷から南は大島まで飛行していることが分かり、山梨県の富士山周辺では、空中給油訓練が常態化している、あきる野市や八王子市の上空でも急旋回している、こんな危険な飛行実態が明らかになり、実態は年々悪化している、これが実情です。
 オスプレイや戦闘機による危険な訓練飛行は、日米合同委員会の合意にも反するものです。都として実態をつかむための調査を行うこと、また、都民から写真や動画撮影時の状況などの情報を寄せていただいて、実態をつかむということが必要だと考えますが、いかがですか。

○金子基地対策部長 安全保障に関することは国の専管事項であり、米軍機の安全確保は国が責任を持って行うべきことでございます。また、航空機の飛行実態など米軍の運用に関する情報は国の責任において取得し、提供されるべきものでございます。
 このため、都は飛行状況の実態に関する情報の提供につきまして、地元自治体と共に国へ申し入れております。

○清水委員 東京都は、繰り返し安全保障に関することは国の専管事項である、こういう言葉を繰り返されるんですけれども、都民の命と安全を守る、これは東京都のイの一番にやらなければいけない最優先の責務であります。
 飛来情報も伝えなくなるなど国の情報提供がどんどん後退していく中で、必要な情報を都独自に収集していく、これ当然の役割ではないでしょうか。特に、オスプレイは住宅地上空でのヘリモードでの飛行や夜間の無灯火の飛行といった危険な訓練飛行を繰り返しています。これは、騒音の測定だけではつかむことができないものです。
 長野県では、オスプレイの訓練飛行の予定ルートに県の一部が含まれる可能性があるために、オスプレイの訓練飛行の実態把握をするため、県民から目撃日時、場所、機体数、飛行高度、騒音の程度、こういった目撃情報を集めています。国も米軍も要請にまともに応じない中で、事実に基づく要請、これがやはり大事だと思います。
 都民の目撃情報を収集して、実態を把握することを強く求めて、私の質問を終わります。

○中村委員 それでは、都市整備局の令和三年度、二〇二一年度決算について、最初に耐震改修促進事業について質問します。
 地震が多い日本においては、常にこの地震の対策というのが急務になっております。阪神・淡路大震災で、緊急輸送道路沿道の建物が倒壊して道路を塞ぎ、緊急車両が通行できなくなって以来、ずっと最重要課題としてあり続けました。
 そこで、都では緊急輸送道路の沿道建築物については、民間建築物であるにもかかわらず、耐震診断を義務化し、耐震改修を努力義務化としました。その代わりに、民間建築物であるにもかかわらず、その費用の多くを補助するという枠組みをつくってきました。
 制度創設以来、相当な時間も経過し、本来であれば早々に一〇〇%の耐震化が達成するはずでしたが、なかなか達成はしていません。もちろん、所有者の合意形成が大切であり、都の取組だけで進むのではないことは承知をしながらも、緊急時に一か所でも塞がれてしまえば、その道路が使えなくなるわけですから、一〇〇%の達成は必要不可欠です。
 そこで、緊急輸送道路沿道建築物の耐震化について、当初の計画以降、決算年度までの実施状況を伺います。また、当初の計画であれば既に一〇〇%を達成していたはずですが、当初計画を策定して以降、何度も計画を改定し、いまだに完了していません。計画の変更の経過と遅れている理由を伺います。

○青木耐震化推進担当部長 特定緊急輸送道路沿道建築物については、平成二十三年度から耐震診断の義務づけと併せて改修等への助成を行っており、令和三年十二月末時点の耐震化率は八七・一%です。
 平成二十四年三月に定めた耐震改修促進計画では、平成二十七年度末までに耐震化率を一〇〇%とする目標としていましたが、平成二十七年度末に目標の見直しを行いました。その後、特定緊急輸送道路の通行機能を的確に表すため、令和元年度末に総合到達率や区間到達率という新たな指標により目標を設定し、令和七年度末までに総合到達率九九%以上、かつ区間到達率九五%未満の区間の解消としました。

○中村委員 最初は、僅か四年で一〇〇%の計画なので難しかった部分があったかとは思いますが、二回計画を見直して延長もしていますので、早期に取り組むことを求めたいと思います。
 緊急輸送道路には限らない住宅についても多くの戸数がありますが、その耐震化対策の進捗状況はどうなっているんでしょうか。
 民間建築物なので、自らの責任で行うべきものかもしれませんが、経済的理由で耐震化したくても耐震化ができない場合も当然あります。その場合に、選択肢がないままに、耐震化されない住宅に住み続けざるを得ず、地震が発生した際に建物が倒壊して命を落とすという事態は未然に防がなければなりません。経済的格差が命の格差にならないようにしなければならないと思います。
 住宅の耐震化について、より一層の支援が必要ですが、見解を伺います。

○青木耐震化推進担当部長 ただいまのご質問に答弁する前に、先ほどのご質問において、経過と遅れている理由ということでご質問いただきましたので、そこの理由についての部分、私どもとしては、賃借人や区分所有者間での合意形成に時間を要する建物があることなどの課題があるというふうには認識しております。失礼いたしました。
 ただいまのご質問にご答弁いたします。
 住宅の耐震化率は、令和二年三月末時点で九二・〇%です。令和三年度からは、住宅耐震化の助成上限額を引き上げるとともに、防災都市づくり推進計画に定める整備地域内のみを対象としていた除却への助成を都内全域に拡大しており、引き続き住宅の耐震化を進めてまいります。

○中村委員 いろいろと支援の枠も拡大していただいているようですが、この住宅の耐震化についてもより一層進めていただきたいと思います。
 また、これ建築士事務所協会の方々から要望もあったのですが、新耐震基準の建築物でも改修が必要な場合もあるということですので、ぜひ新たな課題として、こちらの方も取り組んでいただきたいと思います。また、先ほども述べましたが、経済的に厳しい方への支援というのが必要になるかと思っていますので、こちらの方も支援を求めたいと思います。
 次に、生産緑地について伺います。
 農業そのものの担当は産業労働局なので、先日のこの分科会でも都市農業の必要性や生産緑地の買取りの実績などを質問しました。その際に述べたのですが、都市における農地の多面的役割があり、単なる作物の栽培だけではなく、防災や景観、教育など様々な有益性があります。そして、都市においては地価が高いため、所有者が亡くなると高額な相続税が発生し、そのたびに農地が減っていきます。
 農地が相続により減少すると、都市における貴重な緑が失われてしまいます。何とか守っていかなければなりません。これまであった生産緑地制度により、三十年間の税制特例措置を受けていましたが、その期限を迎えようとしています。
 そこで、政府は新たに特定生産緑地制度を設け、さらに十年間、税制特例措置を継続することになりました。ただ、所有者の意向により市町村長が指定することになります。多くの方は意欲を持って営農に取り組んでいただいていますが、様々な事情もあります。
 特定生産緑地への指定が進まないと、これを機に多くの農地が失われる可能性があり、それを防ぐには、都としても制度の推進をすることが必要です。改めて、特定生産緑地の制度ができましたが、これまでの実績について伺います。

○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 二〇二二年に指定から三十年を迎える生産緑地は約二千四百ヘクタールであり、令和三年度末時点で特定生産緑地の指定は、指定見込みを含め約九三%、二千二百四十七ヘクタールでございます。

○中村委員 東京都も市町村と協力して取り組んでいただいたので、九割を超える指定見込みとなったんだと思いますが、数%は意向がないため、これ近い将来、失われる可能性があります。
 今後は、十年後にどういう制度になっていくのか、市町村の意見も聞きながら国との検討も始めていただきたいとは思っていますが、また、この生産緑地の制度というのは、やっぱり一般の方の理解も必要になると思っていますので、なぜこういった税の特例措置があるかということも含めて理解していただく必要があるかと思っていますので、広報等していただきながら、その必要性について都民の皆様へ理解を深めていただけるようにしていただければと思います。
 また、この生産緑地は、売却する場合に所有者が自治体に買取り申出をすることになり、自治体による買取りがなされないという場合に初めて売却ができます。自治体の予算が無限にあれば、全て買い取って緑地の保全をしていただきたいのですが、当然限界はあります。
 先般、産業労働局の事業として市区が買い取る場合の補助制度を持っているので、その実績を伺ったところ、昨年度はゼロ件でした。タイミングもあるでしょうし、市区の財政状況もあるとは思いますが、農地の減少を止められないのは残念です。
 一方では、都市整備局が担当する制度として、都市計画公園、緑地内の生産緑地を市区が買取りを行う際の補助制度があります。こちらの制度を推進することで、少しでも都市における貴重な緑地を残していただきたいと思います。
 そこで、令和三年度に市区が補助を申請した箇所数及び申請額と都の補助実績について伺います。

○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 令和三年度の申請箇所数は八か所で、区市からの申請額は約十四億八千万円であり、執行額は十億円でございます。

○中村委員 産業労働局の方の制度とは違って、こちらは十億円の予算に対して十四億八千万円ということで、予算を超える申請申込みがあったとのことでした。全部買い取れなかったのは残念ですが、来年度は予算の拡充等が必要になるかと思いますので、よろしくお願いいたします。
 こちらの方は、産業労働局の方と違うというのは公園の土地になるわけですから、農地として残る制度ではないんですが、一度緑地でなくなって宅地化をすると、再び緑地にするのには非常に困難が伴います。
 都市に残る貴重な緑地を、できれば農地として残したいのですが、相続があったりするようであるので、せめて公園として、どういう形であれ、緑地が維持されればというふうに思っていますので、この制度の拡充の方をお願いいたします。
 次に、治水対策について伺います。
 都市整備局では、治水対策として市区が行う個人住宅における雨水浸透ますなどの設置に関する雨水流出抑制事業補助を行っています。治水対策は、堤防の整備や調整池の整備など大きな事業もありますが、都民の皆様にもご協力をいただき、個人宅にも雨水浸透ますなどを設置していただくことは重要です。
 もちろん民間住宅でもあり、建築費が多くかかるわけですが、趣旨を十分理解いただき補助を行うことで設置促進を進めることが重要です。
 そこで、決算年度である令和三年度の実績及び前年度からの増減について伺います。

○朝山都市基盤部長 令和三年度は四百二件でございまして、令和二年度に比べ十三件増加しております。

○中村委員 ここ五年ぐらいの推移で見てみると、おおむね四、五百件で推移をしているようで昨年度も微増ということではありました。ただ、今の都市型水害が激甚化をするので、これが本来であればもっと急拡大していただければいいというふうには思っていますので、取組をお願いしたいと思います。
 特に、この雨水流出抑制事業補助については、取り組む市区町を支援するものとなっていますが、自治体ごとの取組に温度差があるようです。もちろん自治なので、どの事業に力を入れるかは、それぞれの自治体の判断ではあります。しかし、雨水流出抑制事業により流域対策を促進することは、取り組んでいる自治体だけではなく、その下流の自治体にも効果があることから、都として広域的な観点から取組を後押ししていくべきと考えます。
 そこで、令和三年度の取組について伺います。

○朝山都市基盤部長 都は、総合的な治水対策を推進するため、地元自治体と共に東京都総合治水対策協議会を設けており、その中で雨水浸透ます等の設置促進を働きかけております。
 また、別途、関係区市町に対して補助制度に対する説明会を実施しており、制度への理解を深めてもらうとともに、制度に対する意見や要望を聞く機会として活用しております。加えて、地元自治体と連携して、個人住宅向けのパンフレットを作成いたしました。

○中村委員 都市型水害は短期集中的な雨量が原因とはいえ、宅地化によりコンクリートで敷き詰められると、本来浸透していくべき隙間面積が減っていて、雨水が浸透しなくなっていくのももちろん原因の一つではあります。
 そのことは、都市部に住む都民一人一人で問題を共有化していかなければならないと思います。個人住宅向けのパンフレットも作成をされるということですが、そういったことも含めて都民の皆様に普及啓発していただき、より一層取り組んでいただくことを求めて、質問を終わります。

○加藤委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○加藤委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で都市整備局関係を終わります。
 これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
   午後三時五十八分散会

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