令和二年度各会計決算特別委員会第二分科会速記録第六号

令和三年十月二十九日(金曜日)
第十委員会室
午後一時十五分開議
出席委員 十名
委員長内山 真吾君
副委員長慶野 信一君
副委員長清水 孝治君
かまた悦子君
あかねがくぼかよ子君
アオヤギ有希子君
田村 利光君
白戸 太朗君
五十嵐えり君
尾崎あや子君

欠席委員 なし

出席説明員
オリンピック・パラリンピック準備局局長延與  桂君
次長小池  潔君
技監荒井 俊之君
理事総務部長事務取扱渡邉 知秀君
理事中澤 基行君
調整担当部長菅原 雅康君
大会企画調整担当部長中嶋 初史君
自治体調整担当部長聖火リレー担当部長兼務小池 和孝君
事業連携担当部長折笠眞由美君
計画推進部長競技・渉外担当部長兼務川瀬 航司君
運営担当部長末村 智子君
運営推進担当部長梅村 実可君
ボランティア担当部長小高 都子君
パラリンピック部長丸山 雅代君
障害者スポーツ担当部長加藤 みほ君
大会施設部長鈴木 一幸君
スポーツ推進部長鈴木 研二君
国際大会準備担当部長篠  祐次君

本日の会議に付した事件
令和二年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
オリンピック・パラリンピック準備局関係
・令和二年度東京都一般会計決算(質疑)

○内山委員長 ただいまから令和二年度各会計決算特別委員会第二分科会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、オリンピック・パラリンピック準備局関係の決算に対する質疑を行います。
 これよりオリンピック・パラリンピック準備局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、オリンピック・パラリンピック準備局長及び幹部職員の交代がありましたので、オリンピック・パラリンピック準備局長から挨拶並びに幹部職員の紹介があります。
 オリンピック・パラリンピック準備局長に就任いたしました延與桂さんをご紹介いたします。

○延與オリンピック・パラリンピック準備局長 十月二十五日付でオリンピック・パラリンピック準備局長に就任いたしました延與桂でございます。
 引き続き、大会の総仕上げを行うとともに、大会のレガシーとして、誰もがスポーツを楽しみ、健康増進や人とのつながりなどスポーツの力を享受できるスポーツフィールド東京を創り上げるため、全力で取り組んでまいります。よろしくお願いいたします。
 それでは、先般の人事異動により、当局の幹部職員に異動がありましたので、ご紹介申し上げます。
 大会調整担当理事で総務部長事務取扱の渡邉知秀でございます。自治体調整担当部長の小池和孝でございます。小池は聖火リレー担当部長を兼ねてございます。事業連携担当部長の折笠眞由美でございます。計画推進部長の川瀬航司でございます。川瀬は競技・渉外担当部長を兼ねてございます。運営推進担当部長の梅村実可でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
   〔理事者挨拶〕

○内山委員長 挨拶並びに紹介は終わりました。

○内山委員長 決算の審査を行います。
 令和二年度東京都一般会計決算中、オリンピック・パラリンピック準備局所管分を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○渡邉理事 去る十月十五日の当分科会におきまして要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元にお配りしております令和二年度各会計決算特別委員会第二分科会要求資料をご覧ください。
 表紙をおめくりください。資料1、スポーツ振興事業に係る予算及び決算の推移でございます。
 都のスポーツ振興事業に係る予算額及び決算額について、平成二十八年度から令和二年度までの五年間の推移を記載してございます。予算額は、いずれも当初予算額となっております。
 一枚おめくりください。資料2、都立スポーツ施設の指定管理料の推移でございます。
 各スポーツ施設の指定管理料につきまして、平成二十九年度から令和三年度までの五年間の推移を記載してございます。
 なお、平成二十九年度から令和二年度までは決算額、令和三年度は当初予算額となっております。
 一枚おめくりください。資料3、東京都が支援するスポーツの世界大会の開催状況でございます。
 都が後援または共催により支援を行った世界大会の件数及び主な大会名を記載してございます。
 一枚おめくりください。資料4、区市町村別スポーツ推進委員委嘱数及び都内障がい者スポーツ指導員登録者数でございます。
 上段の表に平成二十八年度から令和二年度までの区市町村別スポーツ推進委員の委嘱数、下段の表に同じく平成二十八年度から令和二年度までの都内の障害者スポーツ指導員の登録者数を記載してございます。
 一枚おめくりください。資料5、令和二年度TOKYOスポーツ施設サポーターズ事業の利用実績でございます。
 TOKYOスポーツ施設サポーターズ事業に係る令和二年度の協力先、貸出施設名、利用実績件数を記載してございます。
 一枚おめくりください。資料6、都立学校活用促進モデル事業での体育施設の貸出実績でございます。
 学校別の貸出施設と平成三十年度から令和二年度までの貸出可能日数、貸出日を記載してございます。
 以上、簡単ではございますが、要求資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○内山委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○清水委員 それでは、よろしくお願いしたいと思います。
 私からは、まず初めに、東京二〇二〇大会について伺いたいと思います。
 史上初めて一年の延期となりました東京大会は、コロナ禍での開催となりましたが、感染症対策への理解と協力を得て、世界中から多くのアスリートを迎え、人類の歴史に残る大会として成功を収めることができたと私は思っている次第でございます。
 しかしながら、開催に向けた過程では様々なご意見がございました。理事者をはじめ、準備を進めてこられた方々にとりまして、そういった意見に向き合い、安全・安心な大会を実現すべく本当にご苦労されたことだと思います。ここに、皆様方に敬意を私からも改めて表したいと思います。本当にありがとうございました。
 それは、東京都だけではなく、都と一体となって大会準備を進めてきた区市町村にも同じことが私はいえるんだと思います。
 区市町村は、大会成功には欠かせない重要なパートナーでございまして、住民と直接向き合っております。そのため、住民の声に応え、安全・安心な大会開催に向け、一層の対策が求められてきたわけであります。事前キャンプやホストタウンの実施を予定していた区市町村も、コロナによりまして計画の見直しを行ったり、感染症対策を強化するなど対応に迫られたことだと思うわけであります。
 そこでお伺いしたいと思うんですが、都として、昨年度、大会準備に関して区市町村にどのような支援を行ってきたのかお伺いしたいと思います。

○小池自治体調整担当部長聖火リレー担当部長兼務 大会が一年延期となる中、都は、開催に向けまして国や組織委員会など関係者と協力するとともに、区市町村とも連携して、着実に準備を進めてまいりました。
 区市町村が開催機運を醸成しスポーツ振興などの地域レガシーにつなげる取組や、区市町村が準備を進めてきた大会関連事業に対しましては、令和二年度も継続して補助を実施してまいりました。
 また、コロナ禍における大会の準備に当たり、コロナ対策調整会議における検討状況などにつきまして、区長会、市長会、町村長会議など様々な機会を通じて、区市町村に情報提供などを行ってまいりました。
 特に、事前キャンプなどを受け入れるホストタウン等自治体に対しましては、スポーツ大会やイベントなどにおける感染防止策の紹介や、選手等受入れマニュアル作成に当たっての助言などを行ってきました。
 加えて、事前キャンプで滞在する選手や自治体関係者に対するコロナ感染症の検査について、都が実施体制を整えるなど、各自治体の支援に取り組んできたところでございます。

○清水委員 ありがとうございました。我が会派では、大会を成功に導くため、都と区市町村は一体となって大会準備に取り組むべきであり、各自治体の取組を積極的に支援するよう、これまでも再三求めてきたわけでございます。そういったことがただいまのご答弁で示されたと思うわけであります。
 コロナ禍の中にあっても開催することができた大会の貴重な経験を今後の都政運営に生かしていただきたい、これは心から思っている次第でございます。
 それでは続きまして、スポーツ振興について伺いたいと思います。
 初めに、身近な地域におけるスポーツ環境の整備についてでございます。
 昨年度は、もともと東京二〇二〇大会が実施されるはずの年でございました。そのため、都は、大会を契機に都民のスポーツ実施率を高めることを目標に、スポーツ環境の充実、拡大を図るため、身近な区市町村のスポーツ施設の整備を支援してきたわけでございます。
 そこでお伺いしたいと思うんですが、昨年度の区市町村へのスポーツ環境整備に関する支援の内容、実績について伺いたいと思います。

○鈴木スポーツ推進部長 都は、令和二年度から、誰もが身近な場所で気軽にスポーツを楽しめる場所を確保するとともに、スポーツを通じた共生社会の実現を目指すため、スポーツ環境の整備促進に向けて区市町村が行う取組を支援いたしますスポーツ環境整備費補助事業を開始いたしました。
 令和二年度は、コロナ禍の影響等によりまして工事の実施ができないため申請に至らない事例もございましたが、六自治体から八件の申請があり、体育施設への空調設備の新設や屋外運動場の観覧席への日よけの設置、視覚障害者向け音声誘導案内装置の設置等に対しまして補助を行いました。
 引き続き、区市町村との連携を図り、都民のスポーツ活動のさらなる促進に取り組んでまいります。

○清水委員 ありがとうございます。六自治体から八件の申請があったということでございます。件数は多くはない、少ないかもしれませんけど、重要な取組だったと思います。空調設備や日よけの設置、あるいは障害者対応設備などの支援が行われたということでございました。
 東京大会を経て、スポーツ施設における暑さ対策の必要性や障害者対応などの重要性は再確認されたところでございます。大会を見据え、地域におけるスポーツ振興は、より一層重要となります。誰もが身近な場所でスポーツを楽しめるよう、環境の充実に向けて、区市町村への支援を継続していただきたいと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 また、スポーツの環境整備と併せまして、地域におけるスポーツの担い手、受皿の育成もこれは重要です。
 各地域でスポーツを振興していくためには、子供から高齢者まで、また、障害の有無にかかわらず、誰もがより身近な場所で気軽にスポーツに取り組める環境が必要です。その一役を担っているのが地域スポーツクラブであると思います。
 地域スポーツクラブにおきましては、それぞれのノウハウを生かし、クラブの会員だけではなく、地域の方々が参加できる事業も実施していると伺いました。地域スポーツクラブは自主的に運営されるものでございますが、都民も参加できる活動を行うことは地域におけるスポーツのつながりを広めることになることから、都としても支援していくべきだと私は考えるわけであります。
 そこで、地域スポーツクラブが実施しております都民の方が参加できる事業につきまして、昨年の実績を伺いたいと思います。

○鈴木スポーツ推進部長 地域スポーツクラブは、地域住民が主体的に運営し、子供から高齢者、障害者を含め、誰もが身近にスポーツを楽しみ、交流を図れる場として、地域のスポーツ推進において重要な役割を担っております。都はこれまで、設立、育成を総合的に支援することとして各種事業を展開し、現在百四十七クラブが設立されております。
 こうした地域スポーツクラブが会員に限らず広く都民を対象とした事業を実施する場合に、都は都民参加事業として支援を行っております。
 昨年度は、二十三クラブ、三十事業に対し支援を行いましたが、参加者数二千七百九十人のうち、会員でない一般参加者は二千百七十三人でございました。
 今後も、こうした身近なスポーツ実践の場である地域スポーツクラブを活用し、都民のスポーツ実施の促進を図ってまいります。

○清水委員 ありがとうございました。地域スポーツクラブは多くの区市町村に設置されております。都内では百四十七クラブということでございます。
 私の地元は立川市でございますが、立川市は、全国でも珍しい、立川市の体育協会の中に地区体育会がございまして、その地区体育会をそのまま地域スポーツクラブに移行したというふうなことで立川市内では運営をしているわけでございます。
 利用者の二千七百九十人のうち、実に二千百七十三人の方が一般参加だというふうな貴重な実績をお伺いしたわけでございます。それぞれの地域にあるスポーツクラブが都民向けの事業を実施することで、これまでスポーツをしてこなかった都民の皆さんが気軽にスポーツに参加する機会となり、裾野がこれは広がるのではないかなと思っているわけでございます。
 また、地域スポーツクラブは令和四年度から登録・認証制度の導入が予定されております。登録・認証制度の開始によりまして、これまでの数の拡大に加え、質の向上が図られるとともに、区市町村との継続的な連携が進むことが期待をされております。
 都においては、本制度の導入に当たりまして必要な支援を行うなど、引き続き地域に根差したスポーツの拡大に取り組まれますようご要望申し上げたいと思います。
 さて、ここまで、区市町村や身近な地域におけるスポーツ振興について、取組を確認してまいりました。都自身、様々な都立スポーツ施設を有しております。これらは、広域的な大会利用なども含めまして、あわせまして、申すまでもございません、都民共有の重要なスポーツの場となるわけでございます。
 昨年度は、緊急事態措置によりまして一旦休館となり、その後、順次再開されましたが、その際は十分な安全対策を講じる必要があったと思うわけであります。スポーツ施設の利用が可能となりました後も、コロナ禍において安全に施設を利用してもらうため、都立スポーツ施設ではどのような対策を講じてこられたのかお伺いしたいと思います。

○鈴木スポーツ推進部長 都立スポーツ施設等における新型コロナウイルス感染症への対応につきましては、緊急事態宣言等の国の対処方針や都立施設の取扱いを踏まえまして、施設の特性に応じた感染拡大防止対策を実施してまいりました。
 具体的には、都立スポーツ施設における感染拡大防止ガイドラインを策定し、利用者に体調管理チェックシートの提出を求めることにより、感染が疑われる人の入場を防ぐなどの対策を行いました。
 その他、利用人数や利用時間の制限、東京版新型コロナ見守りサービスなど接触確認アプリへの登録促進、スポーツ用具の消毒の徹底やインストラクターを含む職員の健康管理など、様々な感染防止対策を講じてまいりました。
 現在、都の緊急事態措置も解除され、多くの都民に都立スポーツ施設をご利用いただいておりますが、引き続き都民の皆様に安心して施設をご利用いただけるよう取り組んでまいります。

○清水委員 ありがとうございました。昨年はコロナに対して様々な工夫を当局として対応してきていただいたんだなというふうに分かったわけであります。
 東京二〇二〇大会で盛り上がりましたスポーツの熱を冷ますことなく、その後のスポーツ振興につなげていくためには、地域で着実にスポーツの環境を整備するとともに、スポーツに関心のある方に参加をするきっかけをつくっていくことが重要だと思います。
 コロナ禍に当たりまして都民の健康増進に寄与するためにも、都立スポーツ施設も活用しつつ、引き続き区市町村と連携してスポーツ振興に取り組んでいただきたいと思います。
 続きまして、障害者スポーツについてお伺いしたいと思います。
 障害者にとってのスポーツは、リハビリや健康の維持増進だけではなく、仲間づくりや交流を通じた社会参加など、身体的にも、そして精神的にも、とても重要な活動でございます。しかしながら、昨年度は新型コロナ対応のため、障害者のスポーツ活動にも少なからず影響があったと思われるわけであります。
 そこで、令和二年度の障害者のスポーツの実施状況とコロナ禍の影響についてお伺いしたいと思います。

○加藤障害者スポーツ担当部長 都は、障害のある都民のスポーツ、運動に関する意識、実態を把握することを目的といたしまして、障害者のスポーツに関する意識調査を平成三十年度から実施をしております。
 令和二年度の主な調査結果といたしましては、週一日以上スポーツを行う障害者の割合が、令和元年度は三七・〇%と、前年度と比較して増加いたしましたが、令和二年度は三一・九%と、五・一ポイント減少いたしました。
 スポーツや運動を実施していない人は四七・二%でございまして、前年度と同様、約半数を占めました。
 実施場所について最も多かったのは、前年度と同様、道路や遊歩道でございまして、四八・〇%でございました。次いで、自宅が四二・七%で、前年度に比べて六ポイント増加し、公共のスポーツ施設は八・五%で、前年度に比べまして五・一ポイント減少いたしました。
 また、感染の懸念から外出を控えたため、スポーツや運動の機会が減ったとの回答が多かったところでございます。
 このことから、コロナ禍の影響による外出控え等によりまして、障害のある方のスポーツ、運動活動が減少したものと推察されます。

○清水委員 ありがとうございました。総じて昨年度に比べまして減少傾向にあるというふうなことでございます。
 私は一年半の間、コロナと対峙をしておりまして、一つ大きな感想があるんですが、本当に、コロナは弱い人のところに襲いかかるんだなと、弱い者いじめをするんだなと思いました。まさにこういった障害者の方に対するスポーツの取組に対しても、すぐに影響が出てしまったというふうなことだと思うわけでございます。それは確かに、施設面ですとか、あるいは心理面などの様々な理由で、障害のある方は十分にスポーツや運動ができなかったというふうなことだと思います。
 現在は感染状況も収まりつつありますので、今後、障害者が活発に、今までの分を取り返すぐらいな勢いでスポーツに取り組めますよう、引き続きのご支援をお願いしたいと思います。
 私ども都議会自民党では、障害者がスポーツに親しめる身近な場所として、特別支援学校の体育施設の利用促進を求めてまいりました。平成二十八年度には五校で利用が開始されて以降、毎年度学校数を拡大し、今では、障害者がスポーツや運動に楽しめる貴重な場所として、定着が進んできたんだと思っている次第であります。
 コロナ禍の令和二年度は、公立や民間の体育施設では利用制限などの影響がありましたが、特別支援学校の体育施設を活用した事業への影響や利用実績はどうだったのか、お伺いしたいと思います。

○加藤障害者スポーツ担当部長 都は、平成二十八年九月から、障害のある人や障害者スポーツ競技団体等が身近な地域でスポーツ活動ができますよう、都立特別支援学校の体育施設の活用促進を図っております。
 令和二年度は、新規五校を加え、計二十五校を事業対象校とし、施設貸出しの利用登録団体も前年度から十五団体増え、四百六十三団体となりましたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によりまして、グラウンドなど屋外施設を有する実施校のうち九校のみにおける実施となりました。
 また、実施期間につきましては、令和二年九月中旬から令和三年一月初旬及び三月下旬の約五か月間となり、令和二年度の施設の貸出実績は、前年度より約二千日減少いたしまして、九校で延べ百三十七日でございました。

○清水委員 ありがとうございました。
 緊急事態宣言や蔓延防止等重点措置の適用によりまして実施校や期間に制約があったとのことでありますが、コロナ禍で実際に体を動かせる場の提供は、これは貴重な機会だと思います。
 一方、利用団体が増加しているということは、本事業が定着してきているんだなという証左でもございます。ニーズも高まっていることが分かりますので、伺ったところ、本年十月から事業を再開しているということでございます。各団体の希望に沿って、これ、まだまだ若干バリアがある部分もあるというふうに私どもの方に要望が来ておりますので、そういったところにもぜひとも丁寧に耳を傾けていただきながら、利用が進みますよう、引き続き取組をお願いしたいと思います。
 さて、さきの第三回定例会の我が党の代表質問でも指摘をさせていただきましたが、様々な機会で障害のある方とない方が一緒にスポーツを楽しむことは、これはお互いを尊重し、認め合う共生社会実現への一歩につながると思っております。
 都が実施しております特別支援学校の体育施設での体験教室は、障害の有無にかかわらずスポーツを楽しめる貴重な機会であります。コロナ禍の昨年度の取組状況と参加者の皆様方からはどのようなお声があったのか、お伺いしたいと思います。

○加藤障害者スポーツ担当部長 都は、都立特別支援学校の体育施設を活用いたしまして、障害の有無にかかわらず参加できます体験教室を実施しております。
 令和二年度は、八校のグラウンドにおきまして、ブラインドサッカーやティーボールなど十八種目、計二十六回の体験教室を開催いたしました。これに加えまして、オンライン形式のプログラムを新たに取り入れ、自宅等でも参加できるボッチャやフライングディスク等の体験を三種目、計二回実施をいたしました。
 ボランティア等を含む参加者の合計数は五百八十八人でございました。
 参加者へのアンケートによりますと、コロナ禍で体を動かす機会がなかったが、体験教室でスポーツに取り組めて楽しかった、オンラインでも他の参加者と一緒に体操ができてよかったなどの声をいただいております。

○清水委員 ありがとうございました。
 ボッチャのお話も出てまいりました。もうその競技性の面白さというのは、もう皆さんご案内のことだと思うわけでございますが、感染リスクの少ない屋外での体験教室ですとか、あるいは最近はオンラインでの競技体験など、工夫をして実施をしてきたということでございます。
 このオンラインにつきましては、今、テレビ等でもかなり−−新しい競技のオンラインでの実体験というんですかね、が増えてきたというふうなことが報道されております。
 昨日でしたか、車椅子競技のレースのオンライン版がありまして、あれはなかなか、私も一回ぜひともやってみたいなというふうな気持ちにさせるぐらい−−やはり障害の有無にかかわらずスポーツを楽しめるということが、その楽しみが分かってきたのも、これはやっぱりパラリンピックの大会の成功の一つだと私は思っておりますので、これからもぜひとも引き続きお取組をお願いしたいと思うわけでございます。
 様々な工夫をされて実施してきたということでございますので、対面での交流が難しい時期に、画面越しで参加者同士、顔を見ながら運動できた。今いったオンラインもそうですね。貴重なこれは、私は機会だったんだと思います。
 今後も、感染状況を徹底しつつ、障害のある人とない人が一緒にスポーツを楽しめる体験教室をオンライン等もこれからも積極的に活用しながらお取り組みいただきますよう、お願いを申し上げたいと思います。
 さて、身近な場所にスポーツや運動をする機会をつくるためには、繰り返し指摘してまいりましたとおり、区市町村における取組が重要でございます。都は、補助制度を設け、区市町村の取組を後押ししておりますが、コロナ禍でスポーツをすることが難しい中、令和二年度、区市町村ではどのように取り組んできたのか、実績をお伺いしたいと思います。

○加藤障害者スポーツ担当部長 都は、平成二十七年度から、障害のある方が身近な地域で継続的にスポーツを楽しめる環境づくりを進めるため、区市町村が取り組む障害者スポーツ事業に対する補助事業を実施しております。都は、これらの事業に対し、感染症対策費やオンラインによる実施経費なども新たに補助対象とし、活用を促したところでございます。
 令和二年度は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によりまして、区市町村においても事業が休止、延期される傾向がございましたが、三十六区市町村、七十一件の事業に対しまして補助を行いました。
 具体的には、ボッチャやカーレットなどのスポーツ教室のほか、フットサルの大会などがございました。
 また、オンラインを活用した取組といたしましては、サッカーのシュート体験や音楽に合わせて体を動かすダンスプログラムなどがございました。

○清水委員 ありがとうございました。具体的にお示しをいただいておりました。まあ、何回も、やっぱりボッチャというのは人気あるんですかね、出てきますね。
 カーレットってどんなスポーツなんですか。

○加藤障害者スポーツ担当部長 大体一メートルぐらいの幅の、まあ、一メートル掛ける二メートルぐらいでしょうか、長さの、これぐらいの台のところをカーリングの小型版の石でできましたものを使って、大体同様のルールでやるものでございます。ただ、机の上でやりますので、少しルールがアレンジしてあるところがございます。

○清水委員 すみません、突然の質問にお答えいただきまして、ありがとうございます。
 感染症対策を補助対象に加えるとともに、オンラインでの開催など、各区市町村がそれぞれ工夫しながら取り組めるよう支援をしっかりとしてきていただいたのかなと思いました。
 都はこれまで、東京二〇二〇大会の開催に向けまして区市町村と一体となってスポーツ振興と障害者スポーツの振興に取り組んできました。大会を成功裏に終えた今、今後は大会で盛り上がったスポーツへの情熱を将来に引き継ぐため、スポーツの振興に一層取り組む必要があります。それは、スポーツ実施率にも、目標を達成していくんだというふうな目標設定にも表れているんだと私は思っております。
 障害の有無にもかかわらず、誰もが、いつでも、そしていつまでも、スポーツを楽しみ、健康でいられるよう、今後も、これは実施の主体でございます区市町村と一体となって取り組んでいただきますよう改めてご要望申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
 一年間、大変お疲れさまでございました。ありがとうございました。

○白戸委員 まず最初に、延與局長、局長ご就任おめでとうございます。ぜひ今後ともよろしくお願いします。
 それでは、質問に入らせていただきます。
 新型ウイルス感染症により東京二〇二〇大会は、史上初の延期となりました。このため、目指していた選手には大きな影響があり、涙をのんだ選手、人生が変わってしまった選手もいました。もちろん、影響を受けたのは選手だけではなく、競技関係者や大会運営者、都内、国内の様々な業界の皆さんがご苦労をされました。そして、大会の期間中に予定されていた運営業務をはじめ、大会に向けた準備業務など、二〇二〇年に予定していた多くの業務自体も影響を受けたと考えます。
 令和二年度の大会に関する事業に関して昨年度の執行率が低調ですが、これは、このような大会の延期に起因するものとするところがあると思いますが、不用額の多くを占める共同実施事業などに関して昨年度の執行に当たっての考え方を伺います。

○菅原調整担当部長 大会の延期に伴い、共同実施事業においては、仮設等、エネルギー、テクノロジー、輸送、セキュリティなどの各区分において、それまでに確認を行ってきた契約の変更が生じることとなりました。
 そのため、東京都、国、組織委員会の三者による共同実施事業管理委員会の下に設置している作業部会において、必要性、効率性、納得性の観点から、こうした案件の確認と経費の精査を進めてまいりました。
 また、大会の延期に伴って支出年度の変更等が生じた事業については、令和二年度予算を減額補正するとともに、令和三年度予算に必要額を計上いたしました。

○白戸委員 延期によって契約の変更を余儀なくされたものの、共同実施事業管理委員会の作業部会で、きちんと内容を確認、そして経費審査を行い、翌年度の支出になりそうな案件については予算として対応したということでした。コロナ禍の中で大会を何とか開催するために大切な業務だったと思います。
 しかし、その一方で、大会の延期に伴って追加で必要となった経費も様々あるのではないかと思われます。それらの大会経費はどのぐらいかかって、そしてどういったものがあるのか伺います。

○菅原調整担当部長 昨年十二月に公表した大会経費V5は、大会の簡素化や既存契約の見直し等を行うとともに、大会の延期に伴う追加経費を計上した結果、大会経費V4から二千九百四十億円増の一兆六千四百四十億円となっております。
 追加経費の主な内訳は、競技会場等における仮設オーバーレイのリース、レンタル、一時撤去、再設置など、会場関係で一千五十億円、会場競技運営、競技用備品の保管など、大会関係で一千三十億円となっております。
 このほか、新型コロナウイルス感染症対策関連の追加経費が九百六十億円となっております。

○白戸委員 この大会経費につきましては、現在、組織委員会において収入及び支出の精査を進めていると先ほどの定例会の答弁にもありましたけれども、非常にこれ大切なポイントでありますので、引き続き、都民の納得が得られるよう、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 今後、この大会の総経費も明らかになっていくんですが、これが高額なのか、適正だったのか。物の価格というのは、やっぱりそのものの価値で決まるわけで、その価値とのバランスに納得できるかどうかが非常に重要になってきます。いい換えるならば、都民にこの大会の価値をいかに理解してもらっているかが大切となります。
 都民に、この大会をやってよかった、そんな理解を得て共感してもらうためには、延期費用を含めて経費の妥当性についてしっかりと説明責任を果たすことはもちろんではありますが、あわせて、この大会が、東京にどんな変革、どんな変化を、つまり、どんなレガシーがあったのかということを整理し、しっかりと伝えていく必要があると考えます。
 そこで、都では、昨年度までの間、大会準備を進める中でレガシーをどのように整理してきたのか伺います。

○川瀬計画推進部長競技・渉外担当部長兼務 大会を通じて価値あるレガシーを残すため、都は、平成二十七年に二〇二〇年に向けた東京都の取組を取りまとめ、新規恒久施設の将来にわたる有効活用や、東京全体のバリアフリーの浸透、ボランティア文化の定着など、ハード、ソフト両面にわたり様々な取組を推進してまいりました。
 昨年度には、三月に公表した未来の東京戦略の中でオリンピック・パラリンピックレガシー戦略として大会に向けて進めてきた多面的な取組に、新型コロナウイルス感染症対策といった危機管理対策などを加え、大会のレガシーを都市のレガシーとして発展させるため取り組んでいくことといたしました。

○白戸委員 昨年度公表されました未来の東京戦略には、大会のレガシーを都市のレガシーとして発展させるためにも取組を明らかにしたということでございます。これはこれでもちろん大切ですけど、もう一つやはり大切なのは、これをどう都民に理解していただけるかということであります。
 そこで、今おっしゃったような整理したレガシーについて、どのように都民に説明をしていったのか、これまでの取組を伺います。

○川瀬計画推進部長競技・渉外担当部長兼務 平成二十七年に取りまとめた二〇二〇年に向けた東京都の取組については、都民が大会のレガシーを理解しやすいようにPR版を作成し、平成二十九年に改定を行うなど、大会により創出されるレガシーの広報に努めてまいりました。
 昨年度公表した未来の東京戦略の内容も反映し、分かりやすくレガシーを発信するため、今年度は、大会に先立ち、大会後のレガシーを見据えた東京都の取組−二〇二〇のその先へ−を作成しました。また、大会のレガシーを視覚的に紹介するインフォグラフィックも活用し、東京都メディアセンターやメインプレスセンターで国内外のメディアに発信したほか、SNSやホームページ、都営地下鉄におけるデジタルサイネージの活用やポスターの掲出など、様々な媒体を活用し、広く発信に努めております。
 今後とも、大会のレガシーが都市のレガシーとして発展する姿が都民に分かりやすく伝わるよう、庁内連携して取り組んでまいります。

○白戸委員 今年度作成されたハンドブック、大会後のレガシーを見据えた東京都の取組というハンドブックですが、これは非常によくできているとは思います。しかし、残念ながら、これを読む都民というのは、かなり限定的になるのではないかなとも思った方がいいと我々は考えておかなければいけません。
 だからこそ、今答弁もございましたけれども、このインフォグラフィックのような、都民に示していくものが必要、大会の効果をダイレクトに視覚に訴える、こういったものが必要で、今回のこのインフォグラフィックは、今、我々も拝見させていただきましたけど、非常に分かりやすく視覚に訴えてくるもので、これはかなり効果的ではないかなというふうに考えております。
 先日の都民スポーツ大賞の表彰式でも会場内に掲示されておりまして、非常にこれ目立っておりました。こうした分かりやすい取組を積極的に行っていくことが非常に重要かと考えます。
 だからこそ、例えばこういうインフォグラフィックにしても、作ったところで終わるのではなくて、今後様々な形で都民に見ていただけるような工夫を継続していただきたい。また、これに興味を持っていただいた方がすぐに調べられるように、例えばホームページの誘導のためのQRコードを作成するなど、ぜひ今後とも、庁内連携をして、このインフォグラフィックを大いに活用し、大会のレガシーを積極的に発信していただきたいと思います。
 オリンピック・パラリンピックで盛り上がった反面、この一年半は外出を控えるシーンが多く、スポーツをするというところから離れてしまっている方も少なくありません。
 また、オリンピック・パラリンピックのために、いつもスポーツを行っている場所が使えないという苦情も少なくなく、辰巳水泳場とか、東京体育館なんかに関しては、私のところも、かなりそんな声が寄せられました。これは逆にいうと、それだけこの施設がふだんから活用されているということなので、非常にありがたいことでもあります。
 しかし、スポーツの祭典のためにスポーツができなくなるというのは、なかなかこれ難しいところだなというのも感じました。
 こうした状況に対応すべく、東京都ではTOKYOスポーツ施設サポーターズ事業というのを開始しておりました。TOKYOスポーツ施設サポーターズ事業は、都民のスポーツを実施する場を民間のご協力を得ながら創出していくという事業でございます。
 スポーツを行うには、やる場所や、やる仲間という環境整備、これが非常に重要であるということは行動科学の側面からも立証されております。東京都が重視する都民スポーツ実施率を考えるならば、非常にこれ大切なポイントであると考えます。
 しかし、昨年度は東京二〇二〇大会が延期になるなど、新型コロナウイルスの影響は様々なところで出ており、このサポーターズ事業にもかなり影響があったのではないかなと思われます。
 そこで、今回のTOKYOスポーツ施設サポーターズ事業の令和二年度の実績について伺います。

○鈴木スポーツ推進部長 TOKYOスポーツ施設サポーターズ事業は、東京二〇二〇大会に向け、都立体育施設が改修、休館していく中にあっても都民のスポーツ環境を維持できるよう、スポーツ施設を所有している大学や企業等がその活動に支障のない範囲で施設を都民に貸し出すものでありまして、平成三十年四月から実施しております。
 令和二年度は、新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、多くの施設で年間を通じて貸出しができなかったほか、貸出しができた施設でも一定期間利用できなかったということがございましたが、年間千百十四件の都内スポーツ団体等による利用実績がございました。

○白戸委員 令和二年度においては、新型コロナウイルスの影響が非常に強い。これは当然なんですが、その中でも貸出しできる施設においては活発に利用できていたということが確認できました。
 もっとも、この事業自体が、協力先の企業様、大学等々の本来の活動に支障が出ない範囲でという制限がもちろんあるものですから、いわゆる隙間をお借りするというところでもあります。そういったところで、いつでも使えるというわけにはいかないで、タイミングが合わずに利用が難しい施設があったのも、やむを得ないことだと思います。
 そんな中でも都民がスポーツを実施する場を創出していくもので、僕は非常に価値があると考えております。この事業はオリ・パラ終了までということになっておりましたが、ぜひ今後もこうした事業を継続いただけるよう要望しておきます。
 さきにも述べましたが、昨年度はコロナ対応のために、都としても不要不急の外出を控えるように都民の皆さんに呼びかけており、都民の皆さんが思うように外出できない期間、非常に長くなってしまいました。感染症対策としては、外出の自粛もやむを得ないことだと思いますが、一方で、外出を自粛することでスポーツなどの体を動かす機会が少なくなってしまったというのが実情でございます。
 令和三年一月に公表された都民生活に関する世論調査によりますと、新型コロナウイルス感染症の影響により、スポーツ、運動する頻度が減ったと回答した都民の割合は四一・四%、もう半数近いということですよね。私も、地元の高齢者の皆さんから、怖くて外に出られないというような声を聞くことが多々ありました。このように、特に高齢者や障害者の方々においてこの傾向は顕著で、フレイルなどの体力の低下が懸念されるところでもあります。
 そこで、この外出を控えていた都民の皆様に対して、コロナ禍においてどのようにスポーツ振興に取り組んできたのか伺います。

○鈴木スポーツ推進部長 都では、感染拡大防止の観点から外出自粛の要請をする中、都民のスポーツ活動を推進するため様々な取組を実施してまいりました。
 具体的には、自宅等においても運動不足の解消や健康の維持増進を図るため、おうちで運動をテーマとして、誰でも取り組める運動や気軽にできるエクササイズの動画等をホームページで紹介いたしました。
 加えまして、障害のある方などで基礎疾患がある場合は、外出を控えることも多く、健康への影響も懸念されたことから、東京都障害者スポーツ協会と連携しまして、座って行える運動や寝た姿勢でできる運動など、様々な障害種別を想定した動画を作成し、配信を行いました。
 こうした取組のほか、地域のスポーツ団体や区市町村等が行う高齢者や障害者向けの事業におきまして、オンライン教室に係る経費を補助対象とするなどし、幅広くコロナ禍におけるスポーツ機会の確保の取組を行いました。

○白戸委員 ありがとうございます。
 この緊急事態宣言下においては、競技団体も含めまして、都民がスポーツをする場がなくて苦労したと聞いております。この場というのは、物理的な場所、これはもちろんなんですけれども、その機会とか動機づけ、こういったものもありまして、だからこそ、こういう状況におきましても、コロナウイルスの感染予防など、安全を確保しながらスポーツの大会等を開催することは必要であったと考えます。
 人は晴れの場、晴れの舞台、つまり披露する場があるからこそ、こつこつと準備をする努力を続けられることができます。大会があるからこそ、日頃のスポーツに向かうモチベーションも上がってくるわけです。逆にいうと、やはり目標、晴れの場がなければモチベーションというのは落ちてしまいます。
 そんな中で、昨年度は、都においても各種スポーツ大会、行われておりますけれども、コロナ禍において安全に大会などを開催するためにどんな工夫をしてきたのか伺います。

○鈴木スポーツ推進部長 都立スポーツ施設におきましては、大会等で施設を利用する団体に対しまして、緊急事態措置で定められた人数上限の遵守や無観客開催の検討を求めましたほか、大会開催時に出場者に体調管理チェックシートの提出を求めるなど、コロナ禍にあっても安全・安心に大会が開催できるよう取り組んでまいりました。
 また、競技団体が定めるガイドラインの遵守や運動前後の会食自粛を求めるなど、スポーツ大会が感染拡大の引き金にならないよう働きかけを実施してまいりました。
 さらに、都のイベントにおきましては、TOKYOウオークでアプリを活用した非参集型のウオーキングイベントを開催しましたほか、障害者スポーツの参加体験型イベント、チャレスポTOKYOでアスリートによる競技体験のライブ配信を行うなど、デジタルの力も活用した新たな取組により、スポーツをする機会の提供に努めてまいりました。

○白戸委員 コロナ禍の中での開催は大変だったというふうに思います。しかし、今回苦肉の策として行った大会開催のための様々な工夫、例えば、このオンラインイベントなんかもそうなんですけれども、ぜひこれ今後、感染が収まった後でも活用できるのではないかと思います。ぜひこれらのノウハウを今後共有していただきたいと思います。
 そして、今回のこの施策を今後のスポーツ振興にどう生かしていくのか、見解を求めます。

○鈴木スポーツ推進部長 都は、コロナ禍におきましても都民のスポーツ活動を支えるため、地域のスポーツ団体等が行うオンライン教室への支援や、デジタルの力を活用したスポーツ機会の提供などを実施してまいりました。
 こうした取組は、コロナ禍における安全対策としてだけでなく、オンラインで気軽に参加できることが、都民がスポーツを始めるきっかけとなることや、働き盛り世代など時間的制約がある方、あるいは障害があって外出を控えている方等のスポーツ参加を可能にすることから、コロナ後においても、より幅広い都民のスポーツ参加につながるものと考えます。
 こうした取組を引き続き活用し、日常生活において誰もがスポーツを楽しむことができるスポーツフィールド東京の実現を目指してまいります。

○白戸委員 ありがとうございます。
 ぜひ、都民の皆さんがスポーツを通して健康で健やかな生活が送れる東京というのを目指していきたい、このように思っております。
 続いて、パラスポーツについて伺います。
 まあ、本当にもう遡って、はや約二か月前ということになりますが、世界最大の障害者スポーツの国際大会であるパラリンピックが閉幕しました。コロナ禍、無観客というかつてない形になってしまいましたが、医療従事者をはじめ、関係者の多大なるご尽力によって開催することができました。もちろん、ここにいらっしゃるオリンピック・パラリンピック準備局の皆さんのご尽力も見逃すことができません。本当にお疲れさまでした。ありがとうございました。
 そして、私も、パラアスリートたちが躍動する姿、人間の可能性を感じまして、このひたむきな姿にも心を震えさせていただきました。
 大会の約一年前、令和元年の六月のオリンピック・パラリンピック及びラグビーワールドカップ推進対策特別委員会で、私は、大会に向けて、パラリンピックの普及啓発のために早めにしっかりとラストスパートをかけていかなければいけない、パラ大使などの有名人を使ってしっかりと加速してほしいということを訴えました。しかし、いよいよ本当にラストスパートというときに延期になってしまったわけです。
 残念ながら延期にはなりましたけれども、このような中で、このパラリンピックの関心が冷めないようにするために、昨年度都はどのような取組を行ってきたのか伺います。

○丸山パラリンピック部長 令和二年度は、コロナの影響により集客型のイベント等が制約を受ける中、ホームページやSNS等を通じて、メッセージ動画や競技の魅力を伝えるオンラインコンテンツの発信などを多数実施いたしました。
 具体的には、大会への関心が高まる一年前や半年前などの節目のタイミングで、大会出場が内定しているパラアスリートからのメッセージやパフォーマンスのすごさを伝える動画を発信したほか、選手応援の機運を高めるため、各界で活躍されているパラ応援大使の方々や、都内の児童生徒から寄せられた応援メッセージ動画なども配信いたしました。
 また、ガイドランナー、義肢装具士など、二十四人のパラスポーツを支える方々のインタビュー記事を継続的に発信し、新たな視点からの競技紹介にも取り組みました。
 参加体験型のイベントや競技の観戦会については、臨場感が伝わるように工夫しながらオンラインで実施したほか、都庁舎でのパネル展示についてはウェブサイトにも掲載し、自宅等でもご観覧いただけるようにいたしました。
 これらの取組はメディアでも取り上げられるなど、大会機運の醸成につなげることができたと認識しております。

○白戸委員 都が行ってきた広報から、一般のメディアに広がり、様々な露出につながった事例があったようです。
 感染状況から、人を集めてのイベント開催などが非常に難しい中で試行錯誤もあったとは思いますが、このように、動画配信や発信の視点を工夫しながら情報発信を続けたことが、多くの方がパラリンピックをテレビやインターネットで応援し、盛り上がることにつながったのではないかと考えております。
 パラリンピック競技に興味を持ってもらうためには、まずそのものを知ってもらうことが大切です。そのためには、競技を体験し、体感的に知ってもらうこと、理解してもらうことが重要であります。
 私自身も、車椅子をコントロールしながらボールを返す難しさであるとか、視覚のない中で泳ぐ恐怖感、難しさ、そんなことを肌で感じ、さらに興味が湧いたところでありました。
 そこで、都はこれまで、競技を体験してもらう場としてNO LIMITS CHALLENGEを展開してきましたが、昨年度、コロナ禍においてどのように取り組んだのか伺います。

○丸山パラリンピック部長 区市町村等が実施するイベントと連携してパラリンピック競技の体験機会を提供するNO LIMITS CHALLENGE事業は、令和二年度の当初計画では、大会前に八回、大会期間中にも実施を予定しておりました。その後、大会の延期、コロナの影響により、出展するイベントの中止が相次ぎ、結果として開催実績は一回でございましたが、感染症対策を徹底して、安全に実施いたしました。
 実際の競技体験機会の提供が難しい中で、NO LIMITS CHALLENGEのウェブサイトに、新たにオンライン体験コーナーを開設し、自宅などで気軽にパラスポーツの魅力に触れられるようにいたしました。
 具体的には、陸上競技や車椅子バスケットボールなどのVR体験コンテンツを盛り込んだ競技紹介動画やパラアスリートのデモンストレーション動画などを配信したほか、パラリンピック二十二競技の見どころ紹介などを実施いたしました。

○白戸委員 コロナ禍にあって、イベント、その本来のイベント自体の中止もありまして、実施する場合には万全を期した感染防止対策が必要という中で、ウェブなどを活用しながら情報発信に取り組んでこられたこと、分かりました。まず、このご努力に敬意を示すとともに、これはこれで非常に新しい体験の方法として、ぜひ今後とも取り組んでいっていただきたいと思います。
 しかし、興味を持ってもらう、もっと知りたいという方には、実際に体験、体感してもらうことがやはり効果的です。
 ちなみに、私ごとなんですが、私の息子は高校野球をやっているんですけれども、車椅子からシュートをする難しさを自分で体験して、その後、車椅子バスケットにはまっていたということがありました。
 やっぱりスポーツは、もちろん見ることも重要なんですけれども、体感する部分で感じられること、そういったことで、こう、補えない部分あると思います。ぜひ、観戦後はリアルの体験機会をつくっていただき、また、オンラインと併用しながら進めていただきたいというふうに思います。
 また、都が、応援機運を盛り上げるべく行っていたチームビヨンドですが、登録者数が百三十万人を超えたと聞いております。私も百万人超えたあたりまで聞いていたんですが、いつの間にか百三十万人と。これもすばらしい数字だと思いますけれども、もちろん、その中に私も一人カウントされているわけなんですが、このチームビヨンドを通じて、様々な機会でパラスポーツの応援機運を醸成してきたことが、我々都の財産であり、大会のソフトレガシーであるということは度々ご指摘をしてきました。
 そこで、昨年度、このコロナ禍においてチームビヨンド事業、どのように取り組まれたのか伺います。

○丸山パラリンピック部長 パラスポーツの応援や観戦などを促進する事業、チームビヨンドについて、令和二年度はコロナの影響を踏まえ、オンラインやメディアを活用し、都民がパラスポーツに親しめる機会を確保してまいりました。
 具体的には、誰でも気軽に参加できるオンラインイベントを開催し、選手目線のカメラアングルによる迫力ある競技映像のライブ配信や、子供たちに人気のユーチューバーによるパラスポーツの紹介、視聴者が参加できるクイズなど、幅広い世代が楽しめる工夫を行いました。
 また、全日本レベルの競技大会のリモート観戦会を三回実施し、大会終了後には選手を交えたオンライン交流会なども行ったほか、ツイッターなどSNSを通じた情報発信やラジオ番組の放送により、定期的かつ継続的にパラスポーツの魅力を発信いたしました。
 今後も、様々な工夫をしながら、多くの方々にパラスポーツの魅力や観戦の楽しさを知っていただく取組を進めてまいります。

○白戸委員 コロナ禍によって、これまではほとんど活用されてこなかったオンラインの取組が当たり前になり、プロモーションの手法も多様化し、プロモーションできる範囲が格段に広がりました。先ほども述べましたが、これは、確実にメリットの一つであると思います。
 コロナ禍でできなくなった、できなかったこともたくさんありますけれども、このように新しく獲得できたこともある。これも一つのサステーナブルリカバリーではないかと思います。
 そして、この感染状況が収まった後も、リアルとオンラインをうまく併用させながらパラスポーツを発信していくようお願いしておきます。
 さらに、今回集まりましたこの百三十万人という登録者、これは、ある意味パラスポーツの応援団登録といっても僕はいいと思います。ぜひ今後も、この百三十万人の登録者、有効な活用を検討いただけるようお願い申し上げます。
 そして、大切なのは、パラスポーツを観戦、体験したからといって相互理解ができたわけではありません。あくまでも、パラスポーツを知った、体験したということです。やはり、大きな目的である、障害のある方とない方の相互理解を進めるには、パラスポーツを障害のある方とない方が共に行うということが必要で、これにより、お互いへの理解や尊敬の念も生まれてくるものです。
 私自身も、義足のアスリートと一緒に走ることで、彼らのすごさであったり、取組姿勢を身近に感じたり、技術論を交わしたりということで相互理解が深まっていったことがあります。都でもそのような機会をつくり、取り組まれていますが、その実績に関しては先ほど述べられましたので、今後の取組についてお伺いします。

○加藤障害者スポーツ担当部長 都は、委員のご指摘のとおりでございますけれども、これまで、体験教室でございますとか、チャレスポTOKYO等で実施をしてまいりました。
 特にチャレスポTOKYOにつきましては、パラアスリート等に実際に来場していただきまして、参加者と一緒に楽しめる競技体験の実施をこれまではしてきたところでございます。
 令和二年度は、感染拡大防止の観点からオンライン形式で開催をいたしました。
 具体的には、パラアスリートと健常のゲストの方が共に競技体験を行う様子を配信いたしまして、視聴者からは、まあ、視聴ということでございますけれども、パラスポーツの楽しさ、難しさ、パラアスリートのすごさがよく理解できたなどの声をいただいたところでございます。
 今後も、こうした取組を通じまして、障害のある方とない方の交流の促進や、共にスポーツを楽しめる環境づくりを進めてまいります。

○白戸委員 昨年は参加型の交流イベントもオンライン形式となったわけですが、しかし、やはり実際に対面で交流できることでしか得られない体験もありまして、スポーツを一緒に楽しむことで、自然な形でお互いの違いに気づいたり、そして認め合うことにつながると思います。それが一つ、スポーツの力であると思います。
 日本に足りないのは、様々な方が一緒に活動する機会だと僕は考えております。いわゆるインクルーシブな社会にしていくべきであるのに、スポーツも、教育も、別々の場所で行っているというのがほとんどです。こうした課題にスポーツから取り組んでいく、これも一つ重要なレガシーではないかと考えます。観戦終了後は、特別支援学校での体験教室とともに、このチャレスポにも、ぜひまた実際に体験、交流できるイベントとして多くの方に参加いただきたいと思います。
 パラスポーツは様々な種目がありますが、比較的スポーツのハードルが低いのが特徴でございます。つまり、老若男女、誰もが気軽に楽しめるのがパラスポーツです。
 先日の都民スポーツ大賞の表彰式においても、パラバドミントンの金メダリストである山崎選手が、障害があっても、子供がいても楽しめる、打ち込めることができるんだと話されていましたけれども、これを機会に、様々な方にスポーツの門戸を開いていける大切な機会であると考えます。
 東京都として、オリ・パラ大会は、決してゴールではありません。あくまでも、東京を発展させていくための大きなステップです。そうした意味で、この大会を終えたこれからも大会のレガシーを生かしていくことが重要であると考えます。ぜひ、オリ・パラ局の皆さんも、オリ・パラの後片づけということではなくて、新しいフェーズに入ったんだという意識で、今後とも取り組んでいただけるようお願いし、質疑を終わります。ありがとうございました。

○かまた委員 それでは、まず初めに、スポーツを通じた被災地復興支援について伺わせていただきます。
 都議会公明党は、東日本大震災の発災直後から被災地に入りまして、その後も頻繁に被災地を訪れました。そして、現地の方々のご要望を伺いながら積極的に支援を行い、復興への歩みを共に歩んでまいりました。また、一貫して、三・一一を忘れない、そして被災地を風化させないことを都政のあらゆる場面で求め、中でもスポーツの力による被災地支援の重要性を指摘してまいりました。都におかれましても、スポーツを通じて、東京と被災地の方々との交流を行うなど様々な事業を実施してきており、都と被災地の方々の心の絆を深めることができました。これは大変意義のあることと思います。
 そこで、お伺いをします。
 都はこれまで、スポーツを通じて被災地に元気を届けるための支援事業を行ってきたところでありますけれども、昨年度の取組実績について伺います。

○篠国際大会準備担当部長 都は、東日本大震災直後から、千キロメートル縦断リレーや被災三県の子供たちと東京の子供たちとのスポーツ交流事業など、スポーツの持つ力で被災地の復興を後押ししてまいりました。
 昨年度においても、被災三県にトップアスリートを派遣し、子供たちにスポーツ教室等を行うアスリート派遣事業を開催いたしました。福島県でのビーチバレーボールin相馬、岩手県でのいわて大運動会in鵜住居・釜石、宮城県でのスポーツクリニック二〇二〇in名取の三事業について、コロナ禍で開催が見送られる事業もある中、地元の方々のご意見を丁寧にお聞きしながら、感染対策を十分に行った上で実施いたしました。
 これらの事業では、合計約四百五十名の中学生、高校生が参加し、ビーチバレーボール、ラグビー、卓球などのトップアスリートから直接指導を受けました。参加した子供たちからは、コロナウイルスの影響で大会がなくなったので、このイベントに参加できてうれしかった、プロの選手に教えてもらう機会はないので貴重な経験になったなどの声が寄せられております。

○かまた委員 次代を担う子供たちに夢や希望を与えることは大変に重要であります。昨年度はコロナの影響を受けながらも、対応に苦慮をされたと思いますけれども、被災地の意向を丁寧に聞きながら対応していただいたということで本当にありがとうございます。引き続き、ぜひ同じ姿勢で取り組んでいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次に、東京二〇二〇大会について伺います。
 コロナの感染が蔓延をする中、一年延期での開催となった東京二〇二〇大会は、世界中からアスリートを迎え、歴史に残る大会として大成功を収めることができました。また、本大会は復興オリンピック・パラリンピックという理念の下開催をされており、都議会公明党としても、被災地の復興なくして大会の成功はないという視点に立って、これまで取り組んでまいりました。
 そこで、昨年度を含めまして、これまで復興オリンピック・パラリンピックの成功に向け、どのように取り組んできたのか伺います。

○小池自治体調整担当部長聖火リレー担当部長兼務 東京二〇二〇大会の原点は復興オリンピック・パラリンピックであり、都はこれまでも、大会を通じて被災地の復興を後押しできるよう、様々な事業を展開してまいりました。
 昨年度は、被災県などと連携し、被災地の若者が将来を担う意気込みを語る復興支援映像を新たに国内外へ発信いたしました。また、復興仮設住宅の廃材アルミを原材料とし、被災地の中高生からのメッセージを載せた復興のモニュメントにつきましても、東京藝術大学の協力の下、組織委員会と共に制作を続けてまいりました。
 そして、昨年、宮城県に到着したオリンピックの聖火は、一年の時を経て本年三月、福島県のJヴィレッジで聖火リレーのグランドスタートを迎えたところでございます。
 こうしたことに加えまして、今大会時には、宮城県と福島県でサッカーとソフトボール競技がそれぞれ開会式に先立って行われました。
 さらに、有明アリーナにおける復興祈念植樹や、メインプレスセンターにおける復興ブースでの情報発信などにも取り組みまして、復興に向けて力強く歩む被災地の姿を紹介するとともに、世界中から寄せられた支援への感謝を伝えてまいりました。

○かまた委員 ありがとうございます。被災地でも、復興オリンピック・パラリンピックという大会の意義の実現に向けて、本当に様々な取組を実施していただいたことが分かりました。
 復興オリンピック・パラリンピックとして開催された今大会を心にしっかりと残し、震災の記憶を風化させないことも大会の大切なレガシーの一つであると思います。ぜひ引き続き、スポーツを通じて被災地に寄り添い、支える取組を行っていただきたいと思います。
 続きまして、シティキャストについて伺います。
 東京二〇二〇大会はコロナの感染拡大によって延期をされ、様々な関係者が対応に追われました。その中でも、大会を支えたシティキャストの方々も、研修や活動のスケジュールが変更となったり、また、緊急事態宣言下で外出を控えるなど大きな影響があったことと思います。我が党でもこれまで、シティキャストの方々の声を踏まえて、対応を求めてくださいと様々取り組んでいただきました。
 そこで、昨年度、感染が広がる中にありまして、シティキャストの研修やコロナ対策など、どのように取り組んできたのか伺いたいと思います。

○小高ボランティア担当部長 令和二年八月、シティキャストを対象に延期後の大会に関するアンケートを行ったところ、ほとんどの方が大会時の活動に期待する一方、八割の方から感染症の状況が心配との回答をいただきました。こうしたご意見も踏まえ、都は、ボランティアの方々に安全・安心に参加いただくための取組を進め、共通研修やリーダー研修などについては映像を制作し、オンライン研修として順次実施いたしました。
 また、令和三年三月には、コロナ対策調整会議の整理や専門家の知見等を踏まえ、シティキャストの感染予防マニュアルを作成いたしました。
 マニュアルでは、感染防止のため都が取り組むべきこととして、活動前の検温や体調確認、マスクや消毒液の配布などを掲げたほか、大会前に、参加者に対するPCR検査やワクチン接種機会の提供等を新たに行うことも追加いたしました。
 大会時には、活動時のマスク着用や手指消毒の徹底、フィジカルディスタンスの確保など、ボランティアの皆様にも協力をいただきながら、万全の対策を講じ、安全・安心な活動環境の提供に取り組みました。

○かまた委員 延期中も、また、大会期間も含めて、シティキャストの皆様の声をしっかりと踏まえて、安全・安心はもとより、様々な対応を行っていただいたことを確認することができました。
 今回、大会に参加したボランティアの方々を中心に、社会に貢献しようという思いが、この東京中に広がったことと思います。また、これこそが大会の大きなレガシーの一つだと思います。
 そこで、大会後も、希望する方々にボランティアを続けていただくなど、シティキャストに参加された方々の声を十分に踏まえながら、ぜひ今後も取組を進めていただきたいと思います。
 続きまして、障害者スポーツについて伺います。
 都議会公明党は、パラリンピックの成功なくして大会の成功はないと一貫して訴え、東京二〇二〇大会招致決定以降も、パラリンピックの機運醸成と、また、パラアスリートの支援を含めた障害者スポーツの振興に精力的に取り組んでまいりました。また、そのことを都の方にも提案をさせていただきました。そして、これからは、パラアスリートの姿から得た感動を未来につなげていくことこそ重要だというふうに考えます。
 そのため、さきの定例会でも、パラアスリートのさらなる練習環境の充実や国際大会の参加に関わる支援について求めさせていただきました。
 そこで、お伺いをします。都は、東京ゆかりのパラアスリートに対して競技活動費の支援を行っていますけれども、その昨年度の実績について伺います。

○加藤障害者スポーツ担当部長 都は、パラリンピック等の国際大会への出場が期待される東京ゆかりの選手を東京アスリート認定選手として認定し、昨年度は九十名の東京ゆかりの選手に対して支援を実施いたしました。
 本事業では、大会参加に伴う交通費や宿泊費、競技用具等の購入、修繕費などを支援しておりまして、令和二年度から、コロナ禍でのスポーツ施設の利用制限等を補うため、在宅トレーニング用品の購入等を対象経費として追加をいたしました。
 選手からは、本事業の活用により競技用具を修繕したことで自己ベストが更新できた、感染リスクを避けるため競技用具を借りることで自宅で安心してトレーニングができたなどの声をいただいております。

○かまた委員 ありがとうございます。多くの支援をしてくださっていることが分かりました。
 障害のある方がスポーツを始めるにも、続けるにも、日常生活のものとは異なる用具、また、器具が必要であったり、また、パフォーマンスを向上するためには、海外のトップアスリートの方と練習をする機会も重要となります。また、そのための遠征等も不可欠と考えております。今後も、都がしっかりとパラアスリートを支援していくことをぜひ求めていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 また、このコロナ禍におきましては、パラアスリートの競技活動にも制約があったことと思います。その制約の中で、昨年度、具体的にどのような工夫を行ってパラアスリートの競技力向上の支援に取り組んだのか伺います。

○加藤障害者スポーツ担当部長 都は、東京アスリート認定選手に対しまして、競技パフォーマンスの向上を目的とした実技講習や、競技者として必要な知識の向上を図る座学講習などを実施しております。
 令和二年度は、競技スキルやフィジカルの向上につながるトレーニング実技については、講師がボールを使用して選手の体を支えて非接触型の指導を行うなど、感染拡大防止策を講じながら七回実施をいたしまして、延べ百五十七名が参加をいたしました。
 また、コンプライアンスやメンタルトレーニングなどの座学講習につきましては、感染リスクを低減させるため、自宅等から動画で視聴できるよう、オンラインで四回実施をいたしまして、延べ百四十五名が参加をいたしました。

○かまた委員 コロナ禍という特殊な状況下ではありましたけれども、いろいろと工夫をしていただいたことが分かりました。
 現在は感染状況も収まり、一旦落ち着きを見せておりますけれども、今後も油断はできません。コロナ禍であったとしてもアスリートへの支援を実施できるよう、ぜひ今回の経験を生かして今後につなげていただきたいと思います。
 また、パラスポーツを広く普及していくためには、パラアスリートの活躍も大切ですけれども、それを支えてくださる障害者スポーツ競技団体の役割も重要です。しかしながら、東京都を活動地域とする競技団体は、体制も、財政基盤も十分ではないところも少なくないと伺っております。また、競技団体等が行う練習会などのために安定的に活動できる場所の確保も重要となります。
 都は、競技の普及や選手育成の役割を担っている障害者スポーツ競技団体をどのように支援したのか、令和二年度の実績を伺います。また、あわせて、練習環境の確保に向けた取組についても伺います。

○加藤障害者スポーツ担当部長 都は、都内を統括する障害者スポーツ競技団体に対しまして、練習会や強化合宿等の活動経費の助成や、団体の基盤強化支援を図ってまいりました。
 令和二年度の活動経費の助成においては、新型コロナウイルス感染症拡大に伴いまして競技団体が行う選手育成等の活動にも制約が生じたことから、助成を申請した団体数は、令和元年度の二十四団体に対しまして令和二年度は九団体でございました。なお、競技団体が安心して活動を行えるよう、感染症対策に伴う消耗品、衛生用品等の購入も対象といたしました。
 加えまして、令和二年度から新たに開始をいたしました団体体制強化の支援としては、ガバナンス強化等の講習会を三回開催し、延べ五十五団体が参加をいたしました。加えて、法人格取得に向けた弁護士による助言等により、令和二年度末までに二団体が法人格を取得いたしました。さらに、専門知識を持つボランティアの力を借り団体内部の業務改善を図るなど、二団体の運営支援を行ったところでございます。
 また、パラアスリートの練習場所の確保にも資するよう、都はこれまで、区市町村体育施設のバリアフリー化の支援や、障害者の施設利用を促進するマニュアルの普及などに取り組んでまいりました。
 さらに、パラアスリートが継続的に活動できますよう、味の素スタジアム内の施設を練習拠点として整備する検討を進めております。

○かまた委員 団体に対しても様々な取組、ありがとうございます。
 より一層競技者を増やし、その裾野を拡大していくためにも、引き続き支援を行い、競技団体の体制を強化し、パラスポーツを支える基盤を強固なものにしていただきたいと思います。
 また、練習場所の確保に苦慮している競技団体やチームも多いと聞いておりますので、今ご答弁いただきました味の素スタジアム内の施設整備、ぜひ検討を進めていただきたいと思います。
 そして、パラスポーツにおいては、これら場の確保、器具の調達や活動費への支援、そして団体への強化と併せまして、その特有の課題として、例えばガイドランナーと選手を支えるスタッフの確保、育成も重要となります。パラスポーツを広めるためにはこうした方々が必要不可欠ですが、職場の理解が十分ではないために仕事との両立に苦慮するなど、様々な課題もあると伺っております。
 こうしたパラアスリートを支えるスタッフにも光を当てることが大切と考えますが、昨年度の都の取組について伺います。

○加藤障害者スポーツ担当部長 パラスポーツにおきましては、ご指摘のとおり、ガイドランナー等の競技パートナーや理学療法士、義肢装具士等のサポーターなど、選手を支えるスタッフが必要不可欠でございます。
 そのため、都におきましては、こうしたスタッフが競技支援活動に取り組みやすいよう、東京パラスポーツスタッフとして認定をしております。
 令和二年度は五十四名を認定いたしまして、スタッフの職場宛てに認定を行ったことのお知らせを行い、活動への理解、協力を依頼いたしました。また、スタッフの活動の魅力や活躍などを紹介する記事をホームページ上に掲載いたしますとともに、リーフレットを作成し、都内スポーツ施設や理学療法士の団体等に配布をいたしました。
 さらに、東京二〇二〇パラリンピック競技大会の開催二百日前に合わせまして、令和三年二月一日から三月一日まで都営地下鉄等の車内にポスターを掲載するなど、スタッフの認知度向上に向けた取組を行ったところでございます。

○かまた委員 パラスポーツを支えるスタッフの活動もしっかりと支えてくださっていることが確認できました。
 先ほどお話しした以外にも、パラアスリートを支えるスタッフは競技ごとに多岐にわたります。こうしたパラスポーツに不可欠な様々なスタッフが活動しやすくなりますよう、都としてもしっかり支えていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 最後になりますけれども、都議会公明党は、スポーツの力による被災地復興支援、そして、パラリンピックの成功を通じた障害者スポーツの一層の発展を大会の大きな意義と捉え、大会の成功を支えてまいりました。
 本日は、昨年度においても我が党の要望をしっかりと踏まえていただき、こうした取組が着実に行われたことを確認することができました。しかし、東京二〇二〇大会は、先ほどもありましたけれども、ゴールではありません。そのレガシーとして、被災地支援や障害者スポーツの振興、あるいはボランティア活動の促進に取り組みますよう、ぜひ改めて今後も頑張っていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

○尾崎委員 私の方からも、共同事業について、まず質問していきたいと思っています。
 共同事業は、二〇一七年五月の大枠の合意に基づいて、大会の準備のため、東京と国が役割、経費分担に応じて費用を分担し、組織委員会がその資金を使用して実施する事業と聞いています。都民の税金が投入されているわけですけれども、なかなか分かりにくい事業だと感じています。
 最初に、二〇二〇年度の共同実施事業の当初の予算額と決算額について伺います。

○菅原調整担当部長 共同実施事業等の令和二年度当初予算額は二千五百九十六億円、決算額は七百十四億円でございます。

○尾崎委員 当初予算額はただいまご答弁がありましたが、二千五百九十六億円だったということです。補正予算で千五百三十二億円の減額を行いましたが、それでもなお、決算額は七百十四億円で、執行率は六七・一%です。
 決算書を見ると、翌年度繰越額が百七十六億二千百七十八万四千円と処理したことになります。
 共同実施事業は組織委員会が発注するため、決定プロセスが不透明です。特にパートナー供給契約は、企業の不利益などを理由に、全てが公開されていません。
 共同実施事業のうち、パートナー供給契約の件数と全体に占める割合について伺います。そのうち、公表はどこまで行っているのかも教えてください。

○菅原調整担当部長 令和二年度の共同実施事業に係る契約二百八十三件のうち、パートナー供給契約は六十八件であり、その割合は二四・〇%でございます。そのうち三十一件について契約金額を公表しており、その割合は四五・六%となっております。

○尾崎委員 パートナー契約は六十八件で、そのうち三十一件について契約金額が公表されているということでした。
 公表できないところは何件あるのか、また、公表できない理由について伺います。

○菅原調整担当部長 お尋ねの件数については、先ほどご答弁した六十八件から三十一件を差し引いた三十七件でございます。
 共同実施事業においては、基本的に契約の相手方及び金額を公表することとしております。
 一方、パートナー供給契約では、パートナーが最低価格で商品等を提供することとなっており、その事業上の地位を脅かすことのないよう、契約当事者双方に守秘義務が課されているため、金額の公表には法的課題がございます。
 こうした契約についても、組織委員会が契約の相手方と個別に調整を図り、合意が得られた契約について公表してきたところでございます。残る契約についても、組織委員会が、契約の相手方である個別企業や、トップパートナーについてはIOCと調整を行い、合意が得られたものから公表していくこととなっております。

○尾崎委員 組織委員会が契約の相手方と個別に調整を図り、合意が得られた契約について公表するということですが、そもそも、先ほどもいいましたけれども、都民の税金を使っての事業であり、本来であれば全て公表すべきものです。現在未公表のものも公表していただくことを強く求めるものです。
 次に、東京五輪の延期に関わって質問していきたいと思います。
 二〇二〇年に予定されていた東京オリンピック・パラリンピック大会は、新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより一年延期され、今年無観客開催されました。
 私たちは、二〇二一年の開催ありきでなく、中止も含めて検討することをずっと主張し、一月以降は、感染状況を踏まえ、今年の夏は中止すべきだと求めてきました。全世界の人々の命を脅かすコロナウイルスの感染拡大の下、五輪開催に対してどのような議論を行い、対応してきたのか、今後検証すべき大きな課題があると思っています。
 そこで、幾つか問題、絞って質問していきますけれども、最初に、東京五輪の一年延期に伴う都の財政負担は、どこで幾ら増えたのか伺います。

○菅原調整担当部長 昨年十二月に公表した大会経費V5における東京都の負担は七千二十億円であり、大会経費V4から一千五十億円の増となっております。
 その内訳は、仮設等で三百九十億円、エネルギーで九十億円、テクノロジーで三十億円、輸送で五十億円、セキュリティで三十億円、オペレーションで六十億円、新型コロナウイルス感染症対策で四百億円となっております。
 このほか、組織委員会の支出のうち、組織委員会の経費削減努力や増収努力によっても賄い切れない費用について、収支調整額百五十億円を計上しております。

○尾崎委員 大会経費でV4から財政負担は千五十億円増え、予算ベースで組織委員会の収入、支出で不足する部分を東京都が負担する収支調整額が百五十億円ということです。この合計は千二百億円になります。
 収支調整額とは、大枠の合意の仕切りでは組織委員会が負担すべきものだけれども、組織委員会の収入確保が見込めないということで都が負担することになったものです。
 その後、無観客開催となったために、組織委員会のチケット収入九百億円もなくなりました。百五十億円が負担できないのだから九百億円はどうするのかということに当然なるわけですが、新型コロナウイルスの感染拡大という想定外の事態が起きたわけですから、九百億円の負担については東京都が一方的にかぶるということでは、都民の納得は得られないと思っています。組織委員会の決算を早く出していただき、都議会として、財政的な部分も含め、しっかりと検証することを求めるものです。
 次に、東京五輪開催は新型コロナの感染拡大によって延期になりましたが、コロナ対策についてどのような議論を行ったのか伺います。

○末村運営担当部長 大会時の新型コロナウイルス感染症対策につきましては、都、国、組織委員会等で構成されるコロナ対策調整会議におきまして、専門家も参画し、検討を行いました。
 国内外の感染状況や変異株の影響等を踏まえまして、水際対策、入国後の定期的な検査、行動管理、健康管理の徹底など幅広く議論を行ったところでございます。

○尾崎委員 二〇二〇年度に開催されたコロナ対策調整会議は、六回開催したんだということも伺いました。二月三日にはプレーブック第一版が公表されました。選手や大会関係者、メディアなどに対して、様々なチェックや外出場所の制限などを記しましたが、結局は、例えば、入国数日のメディア関係者が自由に都内を歩き回る、メディアセンターを出て自由に食事に出かけるなどの状況がありました。実行可能なものだったのかが問われていると思います。
 東京五輪の一年延期に伴い、熱中症に加えて、コロナ対応での医師、看護師の配置などについてどのような議論が行われたのか伺います。

○末村運営担当部長 大会時の医療スタッフの配置につきましては、コロナ対策調整会議での議論や感染状況を踏まえ、検討、精査を進めました。
 地域医療やワクチン接種への支障のないよう、競技会場等の医療スタッフの合理化や、勤務シフトの弾力化等の検討を行いましたほか、協力医療機関、関係団体と丁寧に調整を進めました。

○尾崎委員 ただいまのご答弁の中でも、地域医療やワクチン接種への支障のないようにというご答弁でしたけれども、果たしてそうだったのかなと疑問を持つところもあります。
 国会の質疑では、当時の橋本大臣は、医療スタッフ一万人と答弁もしていました。当初、無償で協力してもらう計画でしたが、コロナ感染拡大で負担が増えるということで、医療現場や世論の理解を得るために有償にするという方向に転換をしました。協力金や手当を支給する方向だと報じられたのは昨年十二月二十九日で、V5の予算発表の後でした。新型コロナの感染拡大の中で医療が逼迫した事態が続いていました。
 東京都医師会の尾崎会長は、協力する形になるのかどうかは難しいと述べ、現場からは、五輪に使うお金があるなら医師、看護師の増員に回してほしいと悲痛な声が上がる中での議論だったと思っています。
 都立病院などをオリンピック病院として選手や関係者を受け入れる協定も、昨年度内に結ぶことができませんでした。東京五輪が一年延期されて、二〇二一年三月には、海外の観客については無観客にすると決め、国内の観客について春には決めるということでしたが、国内の観客についての議論はどう行われたのですか。

○菅原調整担当部長 国内の観客については、IOC、IPC、国、組織委員会、東京都による五者協議で、本年三月三日に、会場における観客数の上限について、国内のスポーツイベント等における上限規制に準じることを基本に、専門家における科学的知見等を総合的に勘案し、四月中に判断することとなりました。
 その後、四月二十八日の協議において、観客上限については海外からの観戦を認めないとの大きな事情変更がある中で、変異株による国内感染の状況も踏まえ、観客数に係る判断は、六月に国内のスポーツイベント等における上限規制に準じることを基本に行うことについて確認いたしました。
 その後、六月二十一日の協議において、オリンピックについて、政府のイベント開催制限を踏まえ、全ての会場においての観客数の上限を、収容定員五〇%以内で一万人とすることとし、七月十二日以降、緊急事態宣言または蔓延防止等重点措置が発動された場合の観客の取扱いについては、無観客も含め、当該措置が発動されたときの措置内容を踏まえた対応を基本とすることとなりました。
 その後、七月八日の協議において、緊急事態宣言を受け人流を抑制するとともに、感染拡大の防止等に向けた、より厳しい措置として、オリンピックを無観客とすることとなりました。

○尾崎委員 結局、国内の観客を無観客とすることが決まったのは、開会式二週間前の七月八日です。無観客の判断が遅れたことで、ボランティアや警備体制の混乱、お弁当の大量廃棄などが大問題になりました。仮設施設、設備も必要以上のものが設けられたのではないでしょうか。
 昨年度、開催可否の科学的な基準も設けず、ひたすら開催ありきで突っ走ってきたことが大きな矛盾となって現れているのが現状だと感じます。
 新型コロナ感染拡大は、二〇二〇年の年末から二〇二一年の年始にかけて第三波となり、変異株などの感染も広がりました。決断する機会はあったと思います。今後、東京オリンピック・パラリンピックの検証をあらゆる角度で行うことを改めて求めるものです。
 次に、パワハラについて伺っていきたいと思います。
 森喜朗氏は、女性がたくさん入っている会議は時間がかかると発言しました。明確な女性差別、女性蔑視の発言です。女性の発言時間を制限する必要があるとの発言に至っては、女性は黙っていろというに等しく、男尊女卑の思想であり、民主主義の根幹に関わる暴言です。森氏の発言に対しツイッターでは、ハッシュタグをつけて、わきまえない女を抗議の声として広がり、森氏は辞任をしました。
 森喜朗氏の女性蔑視発言をオリ・パラ準備局としてはどのように捉えているのか伺います。

○中嶋大会企画調整担当部長 東京二〇二〇大会においては、大会ビジョンの一つでもある多様性と調和の実現を目指してまいりました。
 大会は、男女混合種目が新規導入され、また、女性アスリート率は史上最高でありました。加えて、両大会開会式では男女共同旗手での入場行進を行いました。
 組織委員会においては、ジェンダー平等推進チームを設置し、ダイバーシティ、インクルージョンを進める取組を行い、都も連携して取り組んできたところでございます。

○尾崎委員 オリ・パラ準備局としては、森氏の女性蔑視発言について、私はどう捉えているのかという質問だったわけですけれども、森氏の発言を契機にジェンダー平等推進で取り組んだということをご答弁されたのだと受け止めました。
 今、国際社会は、意思決定の場に女性の参加を増やす努力を積極的に行っています。しかし、日本は、政治や経済の分野で指導的地位に女性が占める割合は極端に低く、ジェンダーギャップ指数二〇二〇で百二十位と、世界の中でも圧倒的な後進国であることがより鮮明になった出来事だったと思います。
 ご答弁のとおり、今年二月三日の森氏の女性蔑視発言を受けて、組織委員会では、二月二十四日に小谷実可子氏をトップにしたジェンダー平等推進チームを発足させました。二〇%にとどまっていた組織委員会の女性理事比率を、森氏の辞任後に女性十二人を追加して四二%に引き上げるなどのことも行われました。ジェンダー平等、多様性と調和の推進に向けた取組ということで、ホームページでの発信も強化し、ムーブメントを起こし、レガシーにつなげるということで取り組まれてきたわけです。
 八月十八日には、東京二〇二〇D&Iアクションという宣言を公表し、小池知事はそれを受けて、都は、女性も、男性も、子供も、高齢者も、障害のある方も、性的マイノリティーの方も、一人一人が自分らしく生き生きと暮らし、活躍することができる多様性にあふれた都市を目指していきますというコメントも出しています。大会は終わりましたが、今後これを、スポーツはもとより、社会のあらゆるところでどう実現していくかが問われていると思います。
 東京都が、ジェンダー平等、多様性の尊重に向け、本気で積極的な役割を果たしていくことを求めるものです。
 スポーツ界でのジェンダー平等、人権の尊重を進めていく上では、ハラスメントをなくす取組が重要だと思っています。国の男女共同参画会議女性に対する暴力に関する専門調査会が、二〇一九年、平成三十一年四月にまとめたセクシュアル・ハラスメント対策の現状と課題の中に、スポーツ分野における取組が書かれています。
 公益財団法人日本オリンピック委員会が、加盟する五十七の競技団体の選手、指導者を対象に実施した二〇一三年の調査が掲載されていました。
 競技活動の際に暴力行為を含むパワハラ、セクハラを受けたことがあると回答した選手は一一・五%でしたが、同様の行為を行ったことがあると回答した指導者は三・〇%でした。
 指導者は、パワハラ、セクハラの自覚がないということがこの実態からも明らかになりました。
 また、約三割の選手、指導者らは、自らが当事者でない場合を含め、競技活動の際のパワハラ、セクハラを何らかの形で認識していたというデータもあると書かれています。スポーツ分野では、仲間意識や共通の利害などから問題が顕在化しにくい傾向があり、スポーツ統括組織の半数以上が倫理的問題等の規程等がないことを指摘しています。
 スポーツ界でハラスメントをなくすためにはどのような取組をしていますか。

○鈴木スポーツ推進部長 都民が安心してスポーツに取り組むためには、指導者等による暴力、暴言やハラスメントなどを根絶することが重要であります。
 このため、都は、令和元年度からスポーツ・インテグリティ推進事業を開始し、都内競技団体指導者等に対し、スポーツに関わる者としての責任を再確認するための研修を年三回実施しております。
 令和二年度の研修は、オンラインを活用して、スポーツ団体におけるコンプライアンス等の重要性や暴力、ハラスメント等の具体事例とその予防策などについて講演やパネルディスカッションを行いました。

○尾崎委員 スポーツ・インテグリティ推進事業で、指導者向け研修会は二回開催とのことです。一回目のテーマは勝利より価値あるスポーツの意義とは、二回目のテーマは選手を尊重するスポーツ指導とはです。
 この間、アスリートもスポーツ界のハラスメントをなくすため、積極的に発信をしていると感じます。都が行ったスポーツ・インテグリティ推進事業のパネリストも務めていた元バレーボールの日本代表の益子直美さんは、未来の子供たちのため、体罰をなくす活動を始めました。その一つの取組が監督が怒ってはいけない大会というものです。私は大変重要だと思いました。益子直美さんは、中学、高校の監督から毎日怒られ、ぶたれたことが、今でも夢でうなされると話しています。そして、暴力指導のマイナス面について、心が育たないと述べています。
 国際NGOヒューマン・ライツ・ウォッチの調査で、二十五歳未満のスポーツ経験者のおよそ五人に一人が体罰を受けたことがあるということです。深刻な事態だと思います。
 自分の先輩指導者が手を上げる場面もあって、強くするためには厳しさがないと駄目なんだろうという感覚で手を上げてしまう監督が多いのだと思います。また、選手の方も、強くなるためには必要なんだと我慢してしまうこともあると思います。指導者の意識を変えること、同時に、子供たちや選手が自分たちはもっと尊重されてよいと自信を持ち、自分の気持ちをいえる環境をつくることが必要だと思います。そうしなければ、スポーツ界のハラスメントをなくすことはできません。そのためには、指導者はもちろん、子供たち、選手、また、都民にハラスメントについて知らせることが重要だと思っています。
 例えば、都立スポーツ施設などでも啓発を強化することも効果的だと思いますが、いかがですか。

○鈴木スポーツ推進部長 スポーツ関係者だけでなく、一般の都民の方々にも、スポーツ界における暴力、暴言やハラスメントなどの根絶に向けた取組を理解してもらうことは重要でございます。
 研修の内容は、東京都のホームページ等でアーカイブ配信を行い、都立スポーツ施設の利用者も含め、広く一般都民の方々への普及啓発を図っております。

○尾崎委員 あらゆる場面を活用してスポーツ界のハラスメントをなくす取組が必要であり、スポーツのすばらしさをもっと広げることはできないかと思っています。選手を尊重するスポーツのためにも、引き続き積極的な取組を行うようお願いをいたしまして、質問を終わります。

○五十嵐委員 本日の委員会は令和二年度の決算に限られていることと、また、オリンピック・パラリンピックの検証については、別途オリンピック・パラリンピック特別委員会が設置されたところであり、私も委員ですが、そちらでもオリンピック・パラリンピックの検証について議論されるであろうことから、まず本日は、私は、令和二年度における、コロナという大きな制約がある中で、東京都がスポーツ、運動に関してどのように取り組んできたかについて質問いたします。
 東京都は、東京都スポーツ推進総合計画を策定し、スポーツへの関わり方を、する、見る、支えるという三つの視点で捉えて、スポーツ都市東京の実現に向けて施策を展開しています。
 そこで、この三つの観点から伺っていきたいと思います。
 まず、するに関して質問いたします。
 東京都スポーツ推進総合計画によれば、するとは、野球やサッカーといった競技スポーツ、ランニングやストレッチといったフィジカルトレーニングだけでなく、気晴らしのための散歩や、エレベーターを使わずに階段を上るなどの行為も、計画的、継続的に実施しているものであれば、するスポーツに含むとしています。
 まず、コロナの感染拡大により、東京都が実施する、するスポーツの事業やイベントにも影響があったと思いますが、東京都はどのような工夫を行ってきたのか伺います。

○鈴木スポーツ推進部長 都は、コロナ禍においても都民のスポーツ活動を推進するため様々な工夫を行い、取組を進めてまいりました。
 スポーツイベント開催に当たっては、感染拡大予防ガイドライン等に沿って、参加者の体調チェックや検温の実施、ソーシャルディスタンスの確保を行うとともに、小まめな消毒、換気を行うなど、感染防止に努めてまいりました。
 また、例年多くの参加者が参集するTOKYOウオークは、昨年度、参加者同士が密になることを避けるため、各自が好きなタイミングで取り組めるアプリを活用した方法で実施をいたしました。
 さらに、障害者スポーツの参加型体験イベント、チャレスポTOKYOでは、ゲストによる競技体験やトークショー等のライブ配信、ウェブ会議システムの活用による、誰もが取り組めるスポーツの体験会を実施するとともに、後日でも視聴ができるようアーカイブ配信を行いました。

○五十嵐委員 緊急事態宣言下で感染防止の観点から、中止になるスポーツイベントは少なくありませんでした。そのような中でもスポーツの機会をなるべく確保しようと、都が事業やイベントを工夫しながら取り組んでいたことが分かりました。
 例えば、誰でも手軽に、そして身近な場所でもできる運動としてウオーキングがあります。それをイベントとして行っているTOKYOウオークも例年とは異なる開催となったわけですが、令和二年度における、参加者からはどのような声があったのか、また、効果や課題をどのように受け止めているのか、伺います。

○篠国際大会準備担当部長 昨年度、アプリを活用して実施したTOKYOウオーク二〇二〇アプリウオークでは、参加者から、密集せず運動ができるので安心して参加できた、都合のよいときに参加できたという声がございました。コロナ禍においても安全・安心に事業を実施するとともに、新たな参加者の取り込みを図ることができたものと考えております。
 一方で、アプリの操作が難しいという声や、他の参加者と出会うことが少なくて寂しかった、今まで同様に会場に集まる方法でも実施してほしいという声もございました。
 今後とも、インターネットやアプリに不慣れな方でも参加しやすいよう工夫するとともに、参加者の様々なニーズに対応できるよう努めてまいります。

○五十嵐委員 ありがとうございます。
 障害のある人もスポーツや体を動かすことを日常化するためには、まず興味を持ってもらい、実際にスポーツに触れてみることも重要です。
 先ほどのご答弁にありましたチャレスポTOKYOもその一つのきっかけであり、参加体験型イベントをコロナ禍でオンラインで実施したとのことですが、昨年度のチャレスポTOKYOの参加者からはどのような声があったのか、また、同じく効果や課題をどのように受け止めているのか、伺います。

○加藤障害者スポーツ担当部長 チャレスポTOKYO実施後の参加者へのアンケートでは、障害のある方などから、移動の必要がないオンライン開催だったので参加できたといった声がございまして、オンラインによる実施がイベントへの参加しやすさにつながっていることが確認できました。また、当日は都合が合わなかったが、後日動画を見て、パラスポーツを知るきっかけとなったという声がございました。
 一方で、実際に様々な競技を体験したい、体験する楽しさを知っているので物足りない、生で迫力を体感したいという声もございまして、体験を通じて得られる臨場感や演技の迫力などを伝えることに制約もあったと考えております。

○五十嵐委員 やはり、実際に体験して得られる迫力というのは、オンラインでは伝えにくい面があったと思います。しかし、特に障害のある方にとっては、実態として、自宅から会場までのバリアフリーの状況だったり、多目的トイレがどこにあるかなどの情報がないと会場まで足を運ぶことに抵抗を感じる方もいらっしゃると思います。今後、事業を企画する際には、来場型イベントとオンラインイベントのそれぞれのよさを生かして開催方法を検討していってほしいと思います。
 スポーツを見ることにも影響がありました。東京都スポーツ推進総合計画によりますと、見るとは、スタジアム等でトップアスリートの競技を直接観戦することだけではなく、子供や友人が実施する競技を観戦することも含み、また、直接観戦だけでなく、テレビやラジオ、インターネット配信等での観戦など、幅広い範囲を見るスポーツに含むとされています。
 昨年度、大会やイベントは中止となったものもあり、また、開催されたものの中にも、無観客であったり、観客の上限が設定されたりしました。このようなコロナ禍で、東京都は令和二年度、障害者スポーツを見る機会の確保には実際にどのように取り組んだのか、具体的な内容を伺います。

○丸山パラリンピック部長 都はこれまで、パラスポーツの競技大会の観戦会を実施し、応援やアスリートとの交流などにより、観戦の楽しさを実際に会場で体感していただく機会を提供してまいりました。
 令和二年度は、当初八回の実施を予定しておりましたが、コロナの影響により、多くの大会が無観客での開催となったことから、オンライン配信によるリモート形式での観戦会を行うことで、競技観戦の楽しさや選手の魅力の発信に取り組みました。
 具体的には、パラ馬術や陸上など三つの全日本レベルの大会について、競技の模様をパラリンピアン等の実況や解説つきで生中継するとともに、リモートでの応援や、大会後のオンライン交流会なども実施いたしました。加えて、大会後も視聴できるアーカイブ配信も行い、多くの方に競技を観戦していただけるようにいたしました。
 引き続き、会場での観戦に加えてオンラインを活用するなど、様々な方法でパラスポーツを見る機会の提供に取り組んでまいります。

○五十嵐委員 障害者スポーツを見る機会があるということは、障害者スポーツに関心を持っていただくことにつながると思います。引き続き取り組んでいただくよう要望しておきます。
 より多くの障害者にスポーツや運動をする機会や環境を提供するためには、障害のある人のスポーツを支える人や、関わる企業を増やすことが必要であり、そのため、東京都は様々な事業を実施しています。
 支えるについて伺います。
 支えるとは、東京都スポーツ推進総合計画によると、イベントの運営やサポートなどを行うスポーツボランティア以外にも、試合の審判や、監督、コーチのほか、選手やチームを応援すること、さらに、企業等がスポーツ用品や用具を提供したり、スポーツイベントに協賛したりすることも、スポーツを支える活動に含むとされています。
 こうした支える事業についても、コロナの感染が拡大する中で工夫が求められたと思いますが、支えるについてどのように東京都として実施したのか、また、参加者からの反応はどうだったのか、伺います。

○加藤障害者スポーツ担当部長 都は、障害者スポーツを支える指導員同士のネットワークを構築し、継続した活動につなげるため、平成二十七年度から障害者スポーツフォーラムを実施しております。令和二年度はオンライン形式で開催をいたしまして、活動の魅力等に関するトークセッション等を配信いたしましたほか、聴講者の質問に随時回答することによりまして、双方向性を確保いたしました。
 また、障害者スポーツを支える企業を増やすため、平成二十九年度から、支援したい企業や大学等と競技団体をつなぐ交流会を実施しております。令和二年度は来場者数を制限しつつオンライン参加を併用し、企業等の先進的な支援の事例を紹介いたしますとともに、来場者同士の距離を十分取ったレイアウトとするなど、万全の感染対策を講じたところでございます。
 コロナ禍を踏まえたオンラインの活用については、参加者からは、場所を選ばないため参加しやすいといった声があった一方、参加者同士の情報交換や交流が十分できなかったといった声もございました。

○五十嵐委員 コロナは、これまでの私たちの当たり前を覆してきました。しかし、コロナがきっかけとなって始まったこともあり、イベントなどのオンライン開催もその一つだと思います。
 これまでのような来場型の事業のよさを生かしつつ、新しく、いいところも確認できたオンライン開催のメリットも踏まえて、今後の事業をさらに企画してくださるよう要望して、私の質問を終わります。

○内山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○内山委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上でオリンピック・パラリンピック準備局関係を終わります。
 以上をもちまして第二分科会における決算の審査は終了いたしました。
 なお、本分科会の審査報告書につきましては、分科会委員長において取りまとめの上、委員会委員長に提出いたしますので、ご了承願います。
 これをもちまして第二分科会を閉会いたします。
   午後三時十五分散会

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