委員長 | 早坂 義弘君 |
副委員長 | 原 のり子君 |
副委員長 | 森村 隆行君 |
北口つよし君 | |
吉住はるお君 | |
成清梨沙子君 | |
古城まさお君 | |
やまだ加奈子君 | |
藤井あきら君 | |
竹井ようこ君 |
欠席委員 なし
出席説明員警視庁 | 警視総監 | 大石 吉彦君 |
総務部長 | 滝澤 幹滋君 | |
警務部長 | 池田 克史君 | |
交通部長 | 早川 智之君 | |
警備部長 | 岩下 剛君 | |
地域部長 | 高柳 博行君 | |
公安部長 | 宮沢 忠孝君 | |
刑事部長 | 太刀川浩一君 | |
生活安全部長 | 青山 彩子君 | |
組織犯罪対策部長 | 小坂 和弘君 | |
総務部参事官企画課長事務取扱 | 枝廣 基司君 | |
総務部会計課長 | 中西 大和君 | |
政策企画局 | 局長 | 野間 達也君 |
国際金融都市戦略担当局長 | 児玉英一郎君 | |
次長理事兼務 | 横山 英樹君 | |
次長総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長 新型コロナウイルスワクチン接種連絡調整担当部長事務取扱 | 梅村 拓洋君 | |
理事計画部長事務取扱 | 吉村 恵一君 | |
渉外担当部長自治制度改革推進担当部長兼務 | 池島 英稔君 | |
政策調整部長新型コロナウイルス感染症対策広報担当部長兼務 | 豊田 義博君 | |
政策調整担当部長 | 入佐 勇人君 | |
戦略広報担当部長デジタル広報担当部長 新型コロナウイルス感染症対策広報担当部長兼務 | 内田 知子君 | |
海外広報担当部長 | 梅田 弘美君 | |
外務部長 | 小室 明子君 | |
戦略事業部長 | 樋口 隆之君 | |
特区推進担当部長 | 三浦 逸広君 | |
国際金融都市担当部長 | 宮武 和弘君 | |
財務局 | 局長 | 吉村 憲彦君 |
理事主計部長事務取扱 | 山田 忠輝君 | |
経理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 古川 浩二君 | |
契約調整担当部長 | 小泉 雅裕君 | |
財産運用部長 | 五十嵐 律君 | |
建築保全部長 | 渡辺 正信君 | |
庁舎運営担当部長 | 鈴木 光祐君 |
本日の会議に付した事件
令和二年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
警視庁関係
・令和二年度東京都一般会計決算(質疑)
政策企画局関係
・令和二年度東京都一般会計決算(質疑)
財務局関係
・令和二年度東京都一般会計決算(質疑)
・令和二年度東京都用地会計決算(質疑)
・令和二年度東京都公債費会計決算(質疑)
○早坂委員長 ただいまから令和二年度各会計決算特別委員会第一分科会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、警視庁、政策企画局及び財務局関係の決算に対する質疑を行います。
これより警視庁関係に入ります。
決算の審査を行います。
令和二年度東京都一般会計決算中、警視庁所管分を議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○原委員 それでは伺います。
昨年度の都内における交通死亡事故の発生状況について伺います。交通死亡事故の増減等の推移も含め、お答えいただきたいと思います。
○早川交通部長 昨年の都内における交通事故により亡くなられた方は百五十五人で、令和元年と比べ二十二人増加しております。
そのうち、状態別では、歩行者が六十七人と最も多く、前年に比べ十人増加しており全体の約四割を占めております。歩行者の死亡事故の約六割が道路横断中に発生したものであり、また、亡くなられた歩行者の半数以上が六十五歳以上の高齢者となっております。
○原委員 決算概要のご説明でもあったとおり、昨年度は、コロナ禍による外出自粛要請もあり、交通事故の発生件数や負傷者は前年度よりも減少したけれども、交通量閑散による速度超過に起因すると見られる交通死亡事故が増加とのことでした。また、歩行者の道路横断中が多く、今ほどお話にあったとおり、高齢者が多いということです。
事故の原因はそれぞれですけれども、昨年度の状況から見ても、信号機や横断歩道を設置することで、事故を防げるケースもあるのではないかというふうに思います。
特に、高齢者の方にとっては、横断歩道が遠く、そこまで歩くことが困難であったりすると、横断歩道がないところで道路を渡ろうとしてしまう。中には、立ち往生してしまい、その高齢者と車が接触するなどのことも起きています。適切な場所に横断歩道が設置をされていくということは重要だと思います。
事故が起きた場所や事故原因に照らして、それぞれの場所の緊急対策が取られているとは思いますけれども、中には、時間が経過してもなかなか改善されず、住民の方が危険なまま放置していいのかと心配されているケースもあります。
そこで、具体的に一点伺いたいと思います。所沢街道の東久留米市中央町四丁目十四番先にあるブックオフ東久留米前沢店周辺ですが、二〇〇七年に死亡事故が発生をした危険な場所です。現在まで道路環境は改善されていません。そのため、昨年度、新たに市から要望書が警察にも提出をされています。
信号機及び横断歩道の設置が必要であると考えますが、死亡事故が発生して以降、昨年度までに警視庁が行った対策はどういうものでしょうか。そして、課題や信号機等の設置が可能であるのか伺います。
○早川交通部長 信号機及び横断歩道の設置につきましては、車両の交通量、横断歩行者数、交通事故の発生状況、地域住民の要望等を総合的に勘案して、設置の適否を判断しております。
ご質問の場所につきましては、道路の幅員が狭く、歩行者が安全に横断待ちをする場所や信号柱を設置する場所を確保できないなどの課題があり、現状では、信号機及び横断歩道の設置は困難であると考えております。
警視庁におきましては、これまでも関係機関と連携して、同場所周辺のゾーン三十の整備、自転車ナビマークや注意喚起の看板設置等の対策を進めてきたところであり、今後とも、関係機関と連携しながら安全対策に取り組んでまいりたいと考えております。
○原委員 この場所は、事故があった場所までの間、所沢街道の間に、かなり長い距離、横断歩道がないところなんですね。そこに店舗があると。店舗に行くために横断せざるを得ないということになっています。そういう道路環境です。
店舗の駐車場出入口も非常に分かりにくいという問題もあります。さらに、見通しもよくない道路で、ドライバーも歩行者に相当注意しないと、あっという間に至近距離になってしまうという危険な場所です。
先ほどゾーン三十の整備の話も出ましたけれども、少し離れた交差点は四十キロのため、その交差点から入ってくると、そのままのスピードで車は入ってくるという、そういう状況になっています。
今ほどのご答弁で、今の道路の形状のままでは、横断歩道や信号は難しいと改めて明確にされましたので、そうであれば、二〇一七年に東久留米市と東京都が歩道整備の協定を結んでいますけれども、これを急いでもらう必要があるというふうに思いました。
所沢街道を開業することと併せて、抜本的な対策を取るようにしていただきたい。関係機関と連携しながら安全対策に取り組むというご答弁ですので、ぜひ働きかけを警視庁からもお願いしたいと思います。
同時に、現時点での対策もでき得る限り実施をすることが必要です。これまでの対策に加えて、改めて現地を確認の上、対策を強化することを求めておきたいと思います。
また、さらに要望をしておきたいと思うのですが、今回は死亡事故が発生したケースについて質問させていただいたんですけれども、事故が発生する前に、発生していなくても、危険な交差点などの改善は推進してほしいというふうに思います。
例えば昨年度も要望が出た危険な場所としては、清瀬市野塩四丁目の交差点ですけれども、住民の方からも警察署にご相談が上がっていますが、信号機の設置をしないと大事故が起こる可能性がある変則的な交差点です。事故が起きないと対応してもらえないのかと心配の声も寄せられています。
対策には優先順位もつけなければならないとは思いますけれども、昨年度の、先ほどお話しいただいた事故状況を見ても、事故を起こさないように早めに手だてを取ることが大事だというふうに思いますので、ぜひ検討されるよう要望いたしまして、質問を終わります。
○早坂委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○早坂委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で警視庁関係を終わります。
○早坂委員長 これより政策企画局関係に入ります。
初めに、先般の人事異動に伴い、政策企画局長に野間達也さんが就任されました。
野間政策企画局長から挨拶並びに過日の分科会で紹介できなかった幹部職員の紹介があります。
野間達也さんを紹介いたします。
○野間政策企画局長 去る十月二十五日付で政策企画局長を拝命いたしました野間達也でございます。
早坂委員長はじめ委員の皆様方のご指導、ご鞭撻をいただきながら、全力で事務事業に取り組んでまいる所存でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
続きまして、過日の分科会を欠席させていただきました当局の幹部職員を紹介させていただきます。
外務部長の小室明子でございます。
以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
〔理事者挨拶〕
○早坂委員長 挨拶並びに紹介は終わりました。
○早坂委員長 決算の審査を行います。
令和二年度東京都一般会計決算中、政策企画局所管分を議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、要求委員と理事者との調整の結果、取り下げられておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○吉住委員 私は、まず都市外交について伺います。
東京都はこれまで、様々なレベルで都市外交を進めてきたと承知しています。トップレベルでは、知事の海外出張や訪日する海外都市の首長などとの面会、そして一般の職員のレベルでは、国際会議への参加や現地情勢の視察、インフラなどの分野における実務的な協力などが挙げられます。
我が党は、都民生活の向上や経済の活性化に向け、姉妹友好都市やアジアなどの海外都市との都市間交流の強化をこれまで求めてまいりました。都市間交流は一過性のものではなく、継続的に粘り強く推進していくことで効果が現れます。とりわけフェース・ツー・フェース、つまり実際に会ってこそ、お互いの理解が進み、関係が深まるものだと考えます。しかし、長引くコロナ禍では、国境をまたいだ往来が制限され、海外との交流がなかなか難しい環境であったと思います。
そこで、都は昨年度、どのような工夫をして都市外交を続けてきたのか伺います。
○小室外務部長 新型コロナウイルス感染症の影響により、往来を伴う海外との交流が大きく制約を受ける中にあっても、大都市が抱える課題の解決や東京のプレゼンス向上に向け、都市外交を着実に進めていくことは重要でございます。
昨年度は、知事が世界経済フォーラム主催のダボス・アジェンダやワシントンDC日米協会の年次総会などにオンラインで登壇いたしました。
さらに、パリ市主催の国際会議にビデオメッセージで参加したほか、外務長がロサンゼルス市との面会をオンラインで実施いたしました。
また、例年、世界の主要都市が集まるUrban20の活動では、ウェブ会議により議論を積極的に進めるとともに、首長級会議では知事がビデオで都の施策を発信いたしました。
加えて、対面での都政説明や視察などが行えない状況も踏まえまして、都の先進的な施策や魅力を定期的に海外都市等にメールで配信する取組を新たに開始いたしました。
○吉住委員 コロナ禍により、海外との対面での交流が困難な中であっても、オンラインを活用し、機会を捉えて都市間の交流に取り組んできたことが分かりました。
それでは、そのような新しい形の都市外交の中で、どのような成果を上げることができたのか伺います。
○小室外務部長 人の往来に制約のあるコロナ禍においても、オンラインによる様々な取組により、都市外交を停滞させることなく着実に進めてまいりました。
例えばダボス・アジェンダや日米協会では、知事が世界の有識者と気候変動対策や新型コロナ対策等について意見を交わしました。また、パリ市主催の国際会議やUrban20では、東京二〇二〇大会における先進的な取組や都の新型コロナ対策などを発信し、地球規模の課題解決に向けた都のリーダーシップを示すことができました。
このような取組を通じ、海外主要都市等との相互理解を深め、連携を強化してきたことが、今夏、都が主催した世界の五都市による国際会議や、パリ市、ロサンゼルス市との合意書等の締結につながったものと考えております。
○吉住委員 コロナ禍にあっても、これまで以上にとはいえないかもしれませんが、一定の取組を続けて成果を上げてきたことが分かりました。
感染症の状況は、一旦は落ち着いているとはいえ、終息に向けての道のりは、なおも続いています。世界が大きな課題に直面している今のようなときにこそ、都市間の協力や都が率先して課題解決に取り組む姿を発信していくことが一層求められると思います。
その中で、お互いが十分理解し合い、より強固な関係を築いていくためには、冒頭申し上げたとおり、人と人とが画面越しではなく、直接会って話し合う交流の意義は大変大きいと考えます。オンラインなど新しい手法による交流を積み重ねていくとともに、感染症の状況を見極めた上で、可能であればリアルな対面での交流にも再び踏み出して、都市外交を着実かつ効果的に推進してもらいたいと思います。
以上でこの質問は終わります。
次に、東京と全国各地との連携について伺います。
東京は、食料や資源、エネルギーの多くを地方に依存する一方で、大消費地として地方に貢献するなど、両者の結びつきは強く、互いに支え、高め合う共存共栄の関係であるといえます。先ほど質問した都市間交流と同様に、地方との連携において、その礎となるのは信頼関係に基づく相互理解です。
我が党は、地方との関係を継続、発展させていくために、地道に交流を進めることをこれまでも求めてまいりました。例えば我が党自身も、昨年十月、首都圏への電力供給地である新潟県に足を運び、柏崎刈羽原子力発電所を視察し、新潟県連の皆様と環境問題を中心に意見交換を行いました。
現場に赴いて対面で意見交換するからこそ得られる生の声や情報もあり、長引くコロナ禍においても、地方との交流の機会をできる限り持つことが、今後の連携を広げる鍵になると考えます。
そこでまず、昨年度、道府県訪問の実績を伺います。
○池島渉外担当部長自治制度改革推進担当部長兼務 共存共栄の取組を推進するためには、互いに理解を深め、地域の実情やニーズをしっかりと踏まえた上で、連携事業を展開することが重要でございます。そのため、政策企画局では、局長級職員が全ての道府県を直接訪問し、幅広く意見交換を行うなど、地方との交流を積極的に進めてまいりました。
こうした関係を継続、発展させるため、現在二巡目の訪問に入っており、昨年度は、新型コロナウイルス感染症の影響がございましたが、十一月に長野県を訪問し、おのおののイベント情報を相互にPRする取組につなげました。
○吉住委員 道府県訪問が困難な状況の中でも、機会を捉えて現地に足を運び、連携の取組を展開してきたことが分かりました。
しかし、このままの状況が続くと、地方との関係が疎遠になってしまうことが強く懸念されます。そのため、今まで築いてきた関係を無駄にしないためにも、地方との連携の取組を工夫して進めていく必要があると考えます。
そうした取組の一環として、局はこの四月に、東京と全国各地との共存共栄ポータルサイトを開設したとのことですが、どのような考えに基づき制作したのか伺います。
○池島渉外担当部長自治制度改革推進担当部長兼務 共存共栄の取組を加速するためには、各自治体が全国各地の活性化や地域課題の解決につながる情報を互いに共有することが必要であり、そのプラットフォームとして本サイトを開設いたしました。
そのため、本サイトは、他の自治体と共につくり上げていくという考えの下、東京都が持つ情報だけでなく、他の自治体から掲載の提案のあった情報などにより構成しております。
具体的には、東京と全国各地、さらには各自治体同士が連携して取り組む施策を幅広く紹介し、新たな連携事業を生み出すハブとしての活用を目指しております。
○吉住委員 東京の強みである発信力を生かして、連携推進に向け様々な情報を共有するサイトをつくったことは意義があります。コロナ禍において、日本全体が疲弊する中だからこそ、今、大切なのは、東京と地方を取り巻く課題をお互いに理解し、成長を目指していくことであります。
そこで最後に、今後どのように地方との交流を進めていくのか、局の見解を伺います。
○池島渉外担当部長自治制度改革推進担当部長兼務 都県境を越えた移動制限があり、各道府県庁との交流が難しい中、今年度に入り、東京と地方の実情を理解する東京事務所への訪問を開始し、都の共存共栄の取組の説明や連携に向けた意見交換を実施しているところでございます。事務所訪問で要望のあった事項につきましては、内容を整理した上で、所管局と速やかに共有し調整を図るなど、関係の継続に努めております。
引き続き、オンラインやポータルサイトなどを活用するとともに、感染状況に応じて、道府県訪問など対面での交流も進め、地方との連携を充実させてまいります。
○吉住委員 東京事務所訪問など、全国各地との交流や連携の取組に既に着手している点は、率直に評価したいと思います。
距離の制約の少ないオンラインでの意見交換は、遠く離れた地方とのやり取りには有効な面もあります。しかし、先ほどの都市外交の話も同様でございますが、あくまで互いの信頼関係という土台の上に成り立つものであり、対面の交流を補完するものと考えます。
地方との連携の種は現場にしかなく、対面での交流の重要性は今後も変わることはありません。こうしたことをしっかりと認識し、地方連携の取組を一歩も二歩も前に進めることをお願いして、私の質問を終わります。
○藤井委員 まず最初に、政策企画局の主なシステムについて確認をさせていただきます。
決算に当たりまして、財務諸表を確認させていただきましたが、決算においては、開発諸経費が一億円以上の費用が発生するシステムが、財務諸表上に計上されていることもあり、政策企画局の貸借対照表上のソフトウエア資産というのはゼロ円となっております。
一方で、政策企画局でも、例えば新型コロナウイルス感染症対策サイト、これは、私たちの会派からの分かりやすい情報発信の強化の要望などを受けて、コロナの初期であります二〇二〇年、昨年の三月に開設されたものでありまして、私も直後の予算特別委員会で質問させていただきました。それ以外にも、個別で様々提案をさせていただいているものですが、これもまさにシステムといえるものだと考えております。
政策企画局におけるこうしたシステムの概要について、決算額と併せてお伺いをいたします。
○内田戦略広報担当部長デジタル広報担当部長新型コロナウイルス感染症対策広報担当部長兼務 お話のシステムとしましては、新型コロナウイルス感染症対策サイトと東京都新型コロナウイルス感染症支援情報ナビがございます。
対策サイトは令和二年三月に開設し、感染症に関する情報を正確、迅速かつ分かりやすく都民に伝えるため、陽性者の発生状況や検査の実施状況など、都内の最新の感染動向について、グラフや表を用いて情報を掲載しております。令和二年度の開発、運営費は約二千四百万円となってございます。
支援情報ナビにつきましては、東京都及び国の支援策について、都民及び事業者が必要とする情報を容易に入手できるよう、ナビゲーション機能をシステム化したウェブサイトでございまして、令和二年五月に開設したものでございます。令和二年度の開発、運営経費は約千二百万円となってございます。
○藤井委員 ありがとうございます。
東京都新型コロナウイルス感染症対策サイト、そして支援情報ナビ、この二つのシステムについてご説明をいただきました。
これも質問に入れておけばよかったんですが、対策サイトの方はコード・フォー・ジャパンさんという会社さん、そして支援情報ナビはアスコエパートナーズさんというところの二者が、開発、運用を行っているというふうに認識をしております。
また、この対策サイト、先ほどご答弁にもありましたとおり、様々なグラフや表を用いて、日々の新規陽性者であったりとか、陽性率、こういったものを分かりやすく伝えているものだというふうに認識しておりますが、こちらのサイトは、外部のエンジニアの皆様から提案を受け付け、システムを改善するというシビックテックの手法を採用した都政で初のサイトでありまして、その当初には、台湾のオードリー・タンIT大臣も、その修正を提案したということで話題になったものであります。
もう一つの支援情報ナビというのは、様々国や都から出ている、事業者、そして個人への支援策が多くありまして、なかなか自分の必要とする支援策にたどり着かないという声を受けて、都民や事業者の皆様がナビゲーションをそれぞれ一つ一つ選ぶことによって、必要な支援策というものが提示されるというものでありまして、簡単にそういった情報にたどり着く工夫がされております。私、サイトをまた見直してみたんですけれども、昨年の構築当初と比べても、かなり見やすく、使いやすいものになっているなというふうに感じました。
新型コロナウイルス感染症対策サイトにつきましては、これまでも私、先ほどの予算特別委員会であったりとか、昨年の決算特別委員会でも取り上げてきたものでありますが、情報をただ発信する、そして発信して終わりというだけではなくて、その情報がしっかりと都民にどれぐらい届いているのかということを確認していくということが重要だと考えております。
新型コロナウイルス感染症対策サイト及び支援情報ナビ、こちらが令和二年度、都民にどれぐらい利用されたのか、いわゆるユニークユーザー数、何人の人に見られたのかというところとページビュー数、これをお伺いいたします。
加えて、対策サイトでは、設計図でありますソースコードをオープンにしまして、ほかの自治体でも活用されるなど大きな広がりがありましたが、その実績もお伺いいたします。
○内田戦略広報担当部長デジタル広報担当部長新型コロナウイルス感染症対策広報担当部長兼務 対策サイトは、開設以来、多くの方にアクセスをしていただいておりまして、累積訪問者数は、昨年度末までに三千万人を超え、本年十月二十日までに三千八百八十八万人の方にご利用いただいております。
また、サイトのページビュー数は、昨年度末に九千五百九十万回、十月二十日時点では一億二千二百七十二万回に達しました。
また、昨年度末の時点で、全国の五十五自治体、六十六サイトが本サイトのソースコードを活用してございまして、同様のサイトを開設しておりまして、コロナ情報の発信を行っております。
支援情報ナビにつきましては、累積訪問者数は、昨年度末までに百二十九万人、本年十月二十日までに百九十七万人にご利用いただきました。
サイトのページビュー数は、昨年度末に五百十七万回、十月二十日時点では七百二十四万回に達してございます。
○藤井委員 十月二十日の時点で、対策サイトのページビュー数、どれぐらい見られているかという数は、約一億二千万回を超えているということ、そして支援情報ナビも七百二十四万回、ユーザーでいうと百九十七万人にご利用いただいているということで、非常に多くの方に見られて、特に対策サイトに関しては、都庁の中でも一番見られているサイトになっているものであるということが確認ができました。非常に効果の高いサイトであるというふうに受け止めております。
加えて、新型コロナ対策サイト、こちらのソースコードを利用して、五十五の自治体、六十六サイトが開設されたという点は、非常に画期的なことでありますし、このソースコードを無償で開放しておりますので、全国で利用できるということで、まさに全国との連携、東京都がリードして進めたコロナ対策の一つではないかと思っております。
ちょっと簡単に解説をいたしますと、世界中のエンジニアがソースコードを共有しているGitHubというサイトを都政で初めて利用いたしまして、日々の改善であったりとか、ソースコードそのものがそこに置いてあって、それを使って、簡単にほかの自治体や周りのシビックテッカーといわれているような人たちが、サイトをつくるということができるようになっているものであります。
都政の構造改革、シン・トセイや未来の東京戦略では、アジャイルであったりとか、ユーザー目線、都民の目線を大事にするデザイン思考という視点が重要であるということが繰り返し述べられているわけでありますが、この対策サイトや支援情報ナビは、まさに先陣を切るもの、先駆けとなっているものだと認識をしております。
これらのサイトでは、新型コロナウイルスが、感染が急拡大する中で、迅速に、まずシステムを構築して運用する中で、ユーザーの皆様、都民の皆様の声を聞きながら、アジャイルに改善するように取り組んできたと認識をしております。
ユーザー等の意見を聞きながら、よりよいサイトに改善するために、どのように取り組んできたのかお伺いいたします。
○内田戦略広報担当部長デジタル広報担当部長新型コロナウイルス感染症対策広報担当部長兼務 新型コロナウイルス感染症が拡大する中、都民が求める情報を速やかに発信するため、対策サイトと支援情報ナビを迅速に公開し、その後も、感染状況や利用者等のニーズに応じて継続的に改善してまいりました。
対策サイトは、ソースコードに対する改善提案を開設当初からウェブサイト上で国内外から受け付けるとともに、より幅広い利用者の意見を反映させるため、令和三年二月からサイト上に意見フォームを設けてございます。これらの外部提案に基づき、サイト表示の遅延解消やスマートフォン画面への最適化の改修などに取り組んでまいりました。
支援情報ナビにつきましても、サイト上に意見フォームを設け、寄せられた意見を参考に新たな支援策が追加、更新された際に、その旨をアイコンで表示するなどの改善を実施してまいりました。
こうしたサイトの見やすさや検索性の向上など、今後もユーザー目線でのサイトの改善に引き続き取り組んでまいります。
○藤井委員 ありがとうございます。
対策サイトも支援情報ナビも、それぞれの形でユーザーの声を聞きながら改善をしてきたということを確認させていただきました。
私も、対策サイトの改善、様々提案をさせていただいておりますし、先ほど申し上げましたGitHubで、様々な改善提案が出ていることも確認をしております。プルリクエストといわれておりますが、そういったリクエストが様々来ていることも確認していますし、また、GitHubに参加しているエンジニアの皆さんが、Slackという情報共有サイト、メッセージングサービスのようなもので意見交換しているさまなども見させていただいております。
例えばですけど、ご答弁にありましたように日々改善がされておりまして、見た目や使い勝手という部分もありますし、例えば、一つ一つ情報を項目として出している毎日の新規の陽性者のグラフであったりとか、先ほどの陽性率であったりとか、そういったカードの一つ一つをSNSに投稿して、今どんな状況にあるのかというのを皆さんに共有して、そこからまたもう一回、それを見た人たちが新たに対策サイトに戻ってくるというか、見に来るようなリンクを張って、ツイッターとかSNSに共有するような機能というのも、民間のエンジニアからの提案で、今のユーザーをぐるりと一回回して、別の人にもシェアしていくというような機能を実装するということもございました。
非常に画期的な取組で、都のサイトを見ていると、ホームページを見ても、なかなかシェアする機能がついていなかったり、ほかの人に共有するという点が欠けているというところがあるんですが、このサイトに関しては、民間からの提案でそういったことが行われているということで、非常に重要だと思っております。
非常に貴重な経験を、この対策サイト、そして支援情報ナビによって、東京都はすることができたと思っておりまして、この貴重な財産、しっかりと生かしていく必要があると考えております。引き続きこちら、他局にも情報共有をしていっていただきたいと思います。
続きまして、関連しましてコロナ広報についてお伺いをさせていただきます。
誰でも感染する、感染させる可能性がある新型コロナ感染症について、自分事として捉えてもらうためには、タイムリーに、そしてそれぞれの年齢層であったりとか、ターゲットに響く方法で発信をするかというのが非常に重要なポイントとなっております。
政策企画局では、コロナ広報に当たり、どのような工夫をしてきたのかお伺いいたします。
○内田戦略広報担当部長デジタル広報担当部長新型コロナウイルス感染症対策広報担当部長兼務 昨年度、新型コロナウイルスの感染状況に応じて、都民や事業者の皆様方に対しまして、感染拡大防止に向けた呼びかけや都の感染症対策について、知事の記者会見のほか、様々な広報媒体を活用して積極的に発信してまいりました。
具体的には、知事からのメッセージのほか、基本的な対策の徹底などを訴える各種動画やインフォグラフィック等を制作し、ユーチューブやSNS、ウェブ広告、都内各所のデジタルサイネージなどデジタル媒体も活用しながら、必要な情報を迅速に発信してまいりました。
また、若者や高齢者など、年代ごとに親しまれ、発信力があるインフルエンサーや著名人を起用いたしまして、知事との対談や啓発に関する動画をSNS等で配信するなど、ターゲットに効果的に訴求する戦略的な広報に取り組んでまいりました。
○藤井委員 各種動画であったりインフォグラフィックを作成して、ユーチューブやSNS等、そしてインフルエンサーを活用したということでありまして、コロナ対策の鍵となります若い世代に向けて、非常に有効な手段であったと考えております。
知事のメッセージ動画等も、一時期、毎日配信されておりまして、多くの方々にコロナ対策に関する情報が伝わったのではないかと思います。その接したことと、そして伝わったことが非常に大事だと思っておりまして、広報に接した人が意識を変えたか、行動を変えたかということが非常に重要であると考えております。
コロナ対策の広報について、広報に接した人が意識や行動を変えることが重要だと考えますが、その効果をどのように検証しているのかお伺いいたします。
○内田戦略広報担当部長デジタル広報担当部長新型コロナウイルス感染症対策広報担当部長兼務 コロナ広報の効果検証につきましては、昨年度、動画やポスターについて、その認知の状況や感染防止行動に結びついたかなどについて調査を実施しました。
その結果、調査対象とした動画等のいずれかを見たことがあると回答した人は約七割に達しました。さらに、これらの動画のいずれにおいても、呼びかけた感染防止対策等を実践したいと回答した方が約七割に達しまして、特に知事によるメッセージ動画では八割を超えるなど、行動変容を促す高い効果があったものと認識してございます。
○藤井委員 今ご答弁をいただきましたところ、ポスターであったりとか広報にどれぐらいの人が接したかというところ、アンケート等で調査をされたということでありまして、その結果が七割に達したということで、何らか都のコロナ広報に接した方が七割以上というのは、非常に高い数字じゃないかなというふうに思っております。そして、その中でもさらに、広報に接した方々が、感染症対策を取りたいと七割以上の方が答えているということで、非常に効果の高いものであるというふうに今確認ができました。
ちょっと驚いたのは、特に知事によるメッセージ動画が八割を超える行動変容を生んでいるということまで確認できているということでありまして、知事が毎日、様々な、危険というか、リスクを避ける行動を呼びかけるであったりとか、そういったことが非常に意味があったんだなということを改めて確認することができました。
こうした効果検証や全庁横断的な発信の経験を、今後、コロナ以外も含めた戦略的な広報に生かしていくべきと考えますが、どのように生かしていくのかお伺いいたします。
○内田戦略広報担当部長デジタル広報担当部長新型コロナウイルス感染症対策広報担当部長兼務 新型コロナウイルス感染症に関する広報の強化を図るため、政策企画局が中心となる各局横断の特別広報チームを立ち上げ、関係各局が一体となり、情報の集約、共有を行うとともに、効果的な発信に取り組んでまいりました。
実施した広報の効果につきましては、関係局間で都度共有し、ターゲットに応じて発信の方法を工夫しながら、戦略的な情報発信に取り組んでまいります。
また、動画やインフォグラフィックの作成スキル、媒体の特性に応じた発信方法など、コロナ広報において培った経験やノウハウを各局の事業や施策に係る広報の相談対応や全庁横断テーマの発信に生かしてまいります。
○藤井委員 ご答弁で、戦略広報の仕事の一つであります各局の広報への相談に対して、こういった経験を生かしてノウハウを共有していくということで、しっかりと横展開に取り組んでいただきたいと思います。
もう一点、ちょっとこの話から、ずれてしまうかもしれませんが、先ほどご答弁いただきました対策サイトなどの情報発信、これも非常に貴重なノウハウだと思いますので、都庁で初めてシビックテックを活用した対策サイトのノウハウといったもの、他局にとっても貴重なものだと思いますので、共有をしていっていただきたいと思います。
続きまして、情報発信に関連をいたしまして、未来の東京戦略とシン・トセイ戦略についてお伺いをいたします。
先ほど来、ちょっと繰り返しになってしまっているかもしれませんが、都庁のふだんの情報発信については、ホームページにPDFを張りつけて終わりという一方通行なコミュニケーションのケースが非常に多いのではないかなと思っておりまして、都民や関心のある人にきちんと届いているのかなと疑問を持つことがございます。効果測定をしながら改善をして、都民や関係する皆様に届くように、不断の見直しをしていく必要があると考えております。
今年三月に策定をしました未来の東京戦略や都政の構造改革、シン・トセイ戦略では、未来の東京に関しては、作成の段階から子供たちの意見を聞いたり、様々な意見を集めてつくったものであるというふうに認識をしております。
そして、発信についても、Eブックですかね、オンラインで、単にPDFを張るだけでなくて、Eブックという形式で活用するよう、発信にも力を入れているように思います。
戦略は、策定するだけではなく伝えていくことが重要で、その届き方についても、印刷物だけでなくデジタルを駆使するなど、伝え方を工夫すべきと考えますが、見解を伺います。
○吉村理事 未来の東京戦略及びシン・トセイ戦略の策定に当たりましては、都民、そして都政の現場で改革を実践する職員に内容を分かりやすく届けることを重視しまして、イラストやグラフを多く用いて策定いたしました。
また、その発信に当たりましても、デジタルブックやインフォグラフィックを用いまして、誰もが容易に閲覧ができ、かつ視覚的に分かりやすく伝わるよう工夫をしているところでございます。
戦略策定後も、シン・トセイ戦略においては、SNSのnoteや職員向けポータルサイトなどを通じまして、定期的に情報発信を行っております。
今後、未来の東京戦略の内容を分かりやすくまとめたポケット版を作成し、デジタルブックで配信することとしておりまして、様々なツールを活用した発信に取り組んでまいります。
○藤井委員 ご答弁いただきました。策定後も、SNSのnoteや職員向けポータルサイトなどを通じて定期的に情報発信をしているということでありまして、このnoteの発信、私も確認をさせていただいております。
シン・トセイなどが始まった中で、都庁の中でもnoteを使われるようになりまして、働いている職員の皆さんの一人一人の生の声に接することができて、非常に貴重なものだなと思っております。どんな思いでこの施策一つ一つに取り組んでいるのかというのが非常に伝わってきて、それが、そういったことを発信することは、私たちが読んでいても分かるものですし、都民にも伝わるものだと思いますし、ほかの自治体にも参考になる取組が、まさに生の声として載っているということ、これ、非常に貴重であると考えております。
加えて、シン・トセイに関しては、#シン・トセイというポータルサイトをつくっておりまして、その中でも、ブログであったりとか様々な情報発信に努めております。これ見ると分かるんですけど、かなり意見募集をされていて、都民の声、集めようという姿勢がすごく伝わってくるなと思っております。まさにシン・トセイでやろうとしていることをこのポータルサイトが体現しているものじゃないかなと思います。
このサイトの改善も、実は私も提案させていただいて、ツイッターに投稿する機能をつけていただくであったりとか、対応していただいております。また、市民からの声の意見を受けるボックスもありますので、そういった声も数多く届いているということは聞いております。
ぜひこのノウハウ、やっぱり一方的に情報発信をするだけではなくて、意見を聞きながら、そして、このポータルの非常に重要なところは、都庁の職員の皆さんが、一人一人が記事をつくったりとか、投稿したり改善したりというのをしているというふうに聞いておりまして、この取組は非常に大事だなと思います。
一つ一つの施策が自分事に、そうすることによってなっていくんだと思うんですね。ぜひこういった取組もほかの事業にも展開できるように、そのノウハウ、ぜひまとめていただいて、他の局等に共有できるようにしていただきたいと思います。
続きまして、スタートアップエコシステムについてお伺いをさせていただきます。
日本は、スタートアップ、特にユニコーン企業といわれる巨大なスタートアップが、その規制であったりとか様々な環境の問題で生息しにくいともいわれております。
例えばですが、ライドシェア、白タクともいわれてしまいますが、ウーバーであったりとか、あと民泊のエアビーアンドビーも、海外と比べるとその規模は、非常に小さいものであると認識をしております。
一方で、私の先日の一般質問でも取り扱いましたが、未来の東京戦略で二〇四〇年に一位、二〇三〇年までに五位を目指すとしている−−アメリカのスタートアップ、ゲノム社が公表している最新のランキングで、東京は九位に入ってまいりまして、上昇しているところであります。
一方で、上昇しているというところがありまして、東京のさらなる成長を支えるスタートアップの育成には、スタートアップが事業拡大をしていく過程で関わる様々なプレーヤーがつながっていく、有機的につながるエコシステムの形成に向けた取組が重要になります。
昨年の決算特別委員会では、フィンテックのアクセラレータープログラムで得た知見をこのスタートアップ・エコシステム東京コンソーシアムで生かしていくという答弁もいただいたところでありまして、スタートアップ・エコシステム東京コンソーシアム設立の基本的な考え方と取組内容についてお伺いいたします。
○三浦特区推進担当部長 スタートアップの成長を支え、世界の都市間競争に打ち勝つためには、東京の強みである人、物、金、情報の集積を生かしたエコシステムの形成を進め、スタートアップにとって魅力的なビジネス環境を構築することが重要であります。
こうした考え方に基づき、企業、経済団体、大学、ベンチャーキャピタル、自治体などの産学官の多様なプレーヤーに働きかけ、東京の集積を生かした新たなプラットフォームとして、昨年一月にスタートアップ・エコシステム東京コンソーシアムを設立し、同年七月には、国の世界に伍するスタートアップ・エコシステム拠点形成戦略におけるグローバル拠点都市に選定されたところです。
令和二年度は、エコシステム拠点強化、ポストコロナ、グローバル化推進の三つのワーキンググループをコンソーシアム内に設置し、二百者を超える構成員間のネットワーク強化を通じ、課題の共有やプロジェクトの形成、海外に向けた情報発信等を行ってきました。
今後、スタートアップ支援の強化を通じ、海外を視野に入れた大きな成長が見込まれますユニコーン企業の輩出を目指すなど、東京のエコシステムのさらなる発展に向けて取り組んでまいります。
○藤井委員 ご答弁の中でありました東京の強みであります人、物、金、情報の集積を生かした取組、エコシステムの形成をしていくというご答弁でありました。そのために、企業、経済団体、そして大学、ベンチャーキャピタル、自治体などの様々なプレーヤーをつなげるということを、まず目的としてできたということを確認させていただきました。
このコンソーシアムの成功のためには、支援対象となるスタートアップ企業、この参画も増やしていくことが重要であると考えますが、見解を伺います。
○三浦特区推進担当部長 コンソーシアムの設立以来、その活動を通じてスタートアップの参画促進に取り組んできたところであります。その結果、令和二年度末時点において二十者のスタートアップに参画いただきました。今年度も、構成団体からスタートアップの参画を呼びかけていただき、現時点で四十一者の参画を得ているところであります。
今後も、庁内各局とも連携しながら、様々な機会を捉えてコンソーシアムの活動を周知するなど、スタートアップの参画に向けた取組を進めてまいります。
○藤井委員 都が提出しております内閣府のスタートアップ・エコシステム拠点都市の計画及び進捗、これ内容を確認させていただきました。二〇二四年までに、ユニコーン企業二十社、大学発ベンチャーを倍増するなど、かなり意欲的な取組が記載をされておりまして、このままでそう進むのかというところ、少し、なかなか難しいんじゃないかなと感じるところもあります。
その内容については、今後深掘りをさせていただきたいなと思っているところでありますが、やっぱりスタートアップというのは、先端的な、非常にとがったことをするビジネスでありますので、そのリスクは非常に高いわけでありまして、消えてしまう可能性も非常に高いわけであります。
なので、裾野を広げていくということ、そういったスタートアップが生まれて、そしてその中の一部が生き残って成長していく、ここの裾野を広げていかない限り、ユニコーン企業を育てることは多分難しいと思うんですね。応援したスタートアップが、全部とはいいませんが、多くが消えてしまうというか、ビジネスを続けられなくなってしまうということになってしまうかもしれないという前提で、それでも支援をしていくことで、そういったユニコーン企業というものが生まれてくるんだと思います。
その裾野を広げるところ、そしてこの回転をなるべく早めるための支援をすること、これがエコシステムの肝になりますので、この点については、また事務事業質疑等を通じて議論させていただければと思います。
最後になりますが、最近改定されました国際金融都市東京構想についてお伺いをさせていただきます。
これまでも、私たち会派からは、代表質問などを通じて、この構想の改定や国際金融都市条例の制定など、提案をしてきたところであります。
国際金融都市東京構想について、どのような問題意識の下、改定に着手したのか、また、どのような視点で検討してきたのかお伺いいたします。
○宮武国際金融都市担当部長 都はこれまで、二〇一七年に策定した構想に基づき、多様な取組を実施してまいりましたが、イギリスのEU離脱や香港における国家安全維持法の施行など、近年、国際金融を取り巻く環境は大きく変動しております。東京が国際金融センターをめぐる厳しい都市間競争を勝ち抜いていくためには、こうした変化に的確に対応し、戦略的に施策を展開していく必要があります。
こうした認識の下、構想の改定に着手することとし、昨年十一月有識者会議を設置し、昨年度は三回、今年度は二回会議を開き、議論を重ねてまいりました。
有識者会議では、東京の強みやライバルとなる他都市の特徴を分析した上で、サステーナブルファイナンスや金融のデジタライゼーションなどの世界の潮流を踏まえた議論を行い、本年七月に都として改定案を公表いたしました。
○藤井委員 ありがとうございます。
東京の強みを分析した上で、世界第三位のGDPを誇っているであったりとか、預貯金で一千百兆円ですか、そういったお金があるといったところであったりとか、そういった強みを踏まえた取組をされているということであります。
コロナ禍で、国際金融の状況というのは大きく変化をしておりまして、非常に厳しい経済環境下ではありますが、一方で好機と捉えることもできるわけでありまして、国際金融都市東京の実現ためには、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
今年三月の私たちの予算特別委員会総括質疑の中で、デジタル通貨や暗号資産の活用、これも検討に加えるべきということで、質問、要望させていただきました。今後調査をしていくということと、外部有識者の知見なども得つつ、課題等を調査していくということでありましたので、ほかとの差別化をする意味でも、こういった暗号資産、デジタル通貨についても、しっかりと検討していただきたいと思います。
国際金融都市東京の実現に向けて、しっかりと取り組まれることを非常に強く期待をしております。
以上で私の質問を終えさせていただきます。ありがとうございました。
○古城委員 よろしくお願い申し上げます。
各会計決算特別委員会の第一分科会で政策企画局の皆様とやり取りさせていただくのは、二年続けてになりますし、またその以前は、年度でいうと三年前になるかと思いますけれども、総務委員会でも様々やり取りを重ねさせていただいて、日常的にも管理職の皆様といろいろ意見交換させていただいておりまして、そうした中で、よくもう皆様ご承知のとおり、またかと思われるかもしれませんが、SDGsにつきまして、誰一人取り残さないという人間の安全保障の考えを反映したこの世界的な取組の理念、これは都政が目指すべき目標であるということを訴え続けさせていただいております。
そうした中で、気候変動であるとか、保健衛生、貧困、格差、ジェンダーなど、SDGsが掲げる課題克服の道は、コロナ禍を乗り越える羅針盤ともいえるのではないかと考えています。
こうしたことを踏まえて、令和二年度東京都一般会計決算中、政策企画局所管分に関連して質問をさせていただきたいんですけれども、なかなか局の事務事業の特性から、この決算とSDGsとの関係というのが非常に難しいということも承知をした上で、少し私の意見も申し上げながら−−局の中で、これは政策の企画調整というところが事務事業の中の担務としてふさわしいのかもしれませんけれども、ワイドコラボ協定について質問をさせていただきたいと思います。
福祉や防災など、様々な分野の課題解決に向けて、行政の施策を円滑に推進する手法の一つとして、自治体が企業など民間と協働で取り組む包括連携協定を採用する自治体が全国的に増えております。
自治体は、予算に加えて民間活力という新たな物差しも活用して、行政サービスを維持向上させられるか、一方で企業は、社会貢献活動といった従来の枠を超えて、そのイメージや知名度の向上、また、住民の皆さんに、その企業、事業者の存在を身近に感じてもらえることなどにつなげられるか、その効果や手法の検証、改善も重要であると考えます。
例えばコンビニエンスストアチェーン企業との協定に基づき、食材宅配サービスを通じて高齢者の見守りサービスを行う取組が効果を発現していることから、企業の持つ地域ネットワークが、行政にとっても、地域基盤、インフラとして機能しているとの評価もなされております。
私は先日、このコロナ禍の中で、必死に営業を継続し、真剣に反転攻勢の道を探る小売事業者、地元新宿区の事業者さんでありますけれども、切実な声を伺ってまいりました。
そのお声は、趣旨として、東京は大きなビジネスプラットフォームをあちらこちらに持っている、すなわち販路はたくさんあるんだと、しかし、そのプラットフォームでは小さな小売店は商品を置かせてもらいにくい現状がある、東京の産品の居場所がないとの訴えであります。都には、それぞれの地元で頑張っている事業者の販路を自ら提供したり応援をしてもらいたい、そうすることで、販売する場所、売る場所が増えれば、雇用も増え、地元で、東京で税収も増える、こういうご要望、ご提案を受けたわけであります。
こうした声に対する具体的な支援メニューは、他の事業局において対応されるべきものと理解はしておりますけれども、広域自治体でも基礎自治体でも、多くの包括連携協定には、中小企業支援に関することという項目が盛り込まれていることから、支援の端緒として包括連携協定の活用もあってしかるべきです。
協定締結企業の都内における店舗、事業所ネットワークを東京産品の認知度向上や購買機会の拡大に活用するスキームに昇華できるのではないかと私自身思案をしております。
包括連携協定は、自治体が重点的に取り組む施策と協定締結企業が強みとする各種コンテンツとが融合した、住民のQOL、クオリティー・オブ・ライフを向上させるメニューリストとしていくべきであります。
そこで、本日の質問の初めに、東京都における包括連携協定の目的、意義、そしてこれまでの締結実績についてお尋ねいたします。
○入佐政策調整担当部長 都を取り巻く社会課題が複雑化している中でも、施策を推進していくために、既存の枠組みにとらわれない手法として、新たにワイドコラボ協定と名づけた包括連携協定を企業と締結し、それぞれの企業と複数の政策分野にまたがる包括的、横断的な連携や協力を実施しているところでございます。
平成二十九年三月に初めて協定を締結して以降、昨年度末までに十社と協定を締結したところでございます。
この協定に基づきまして、企業が持つ様々な資源を活用し、文化及びスポーツの振興に関すること、地域の安全・安心に関すること、防災、減災に関すること、中小企業支援に関することなどについて、都民の視点に立った施策を効果的、効率的に推進しているところでございます。
○古城委員 首都圏のある政令指定都市では、市民や企業といった民間の持つ資源やノウハウを社会的、行政的な課題の解決に活用する取組に力を入れており、その一環として包括連携協定を推進している、こういう考えを伺ってまいりました。この市の担当課長さんは、より多様な業種と連携できないか、今後も可能性を追求したいと意欲的でありました。
ただいま答弁いただきました東京都における包括連携協定、ワイドコラボ協定と銘打たれているわけでありますけれども、昨年度に策定をされました未来の東京戦略においても、基本戦略の一つに、民間企業等、多様な主体と協働して政策を推し進めると掲げられています。単なる事業協定ではなく、まさに包括的に自治体と事業者の連携を進め、多様な取組を進めることに、この包括連携協定、ワイドコラボ協定の意義があるといえます。
都ではこれまで、事業開始以降、多岐にわたる分野で連携事業を実施されていると思いますけれども、昨年来の新型コロナウイルス感染症の拡大により、連携事業にも変化が生じているのではないでしょうか。
そこで、こうした状況も踏まえまして、令和二年度におけるワイドコラボ協定の連携事業の特徴についてお尋ねいたします。
○入佐政策調整担当部長 都はこれまで、連携事業に積極的に取り組んできておりまして、令和二年度は、その前年度と比べて二倍を超える約百八十の事業を実施してきたところでございます。
一方で、新型コロナウイルス感染症の拡大により、令和二年度は、その前年度と比較して、防災、減災に関する連携事業数が十倍を超え、令和二年度の連携事業全体の約三分の一を占めてございます。
協定締結企業十社全てにおいて、新型コロナウイルス感染症拡大防止に関する連携事業を実施しており、協定締結企業の顧客や従業員に都からの感染拡大防止メッセージを直接周知してもらうなど、広報にご協力いただいたところでございます。
そのほか、幅広く環境分野、文化及びスポーツ振興分野、地域の安心・安全、防犯分野に関する取組、ライフ・ワーク・バランス及び女性の活躍推進や中小企業支援などを継続的に実施してきたところでございます。
○古城委員 ワイドコラボ協定、包括連携協定は、本来、自治体と一事業者が複数の政策分野において事業を展開していくことが最大の特徴であり、最も効果を発揮するのではないかとも考えられます。
しかしながら、東京都における令和二年度の連携事業、今答弁いただいたとおり、前年度と比べて二倍を超える事業が実施をされているわけではあるんですが、コロナ禍の中、感染症対策に関するメッセージの周知依頼が多くなっていたり、また、企業活動もやむなく縮小傾向にあったことなどによりまして、実施した連携事業は、防災、減災分野が非常に多くなっている、こういう特徴になったのではないかと思料いたします。
私は、先月の新型コロナウイルス感染症対策特別委員会で、命を守ることを最優先に、感染防止策と社会経済活動が両立できる取組を訴えたところであります。これに対し、当時の多羅尾副知事から、医療提供体制の強化、ワクチンや抗体カクテル療法の進展などを図り、一刻も早く終息させ、出口戦略の構築に努め、都民生活と事業活動を回復させるという方針をお示しいただきました。
ワイドコラボ協定に基づく連携事業についても、セミナーやイベントの開催など、都民の皆様が身近に感じられる事業を複数の分野にわたって再開していくことを要望したいと思います。
ウイズコロナとも、またポストコロナともいわれる時代にあって、包括連携協定が成功する鍵は、住民のためという大前提で自治体と企業それぞれの強みを引き出し、ウイン・ウインの関係となる事業展開が進み、双方がメリットを享受できる仕組みをつくることだと考えます。
さらに、ここ二、三年のトレンドといたしまして、SDGsを冠した包括連携協定も全国で広がりを見せております。都においても、都民がより一層恩恵を受けられるよう、これまで締結した企業との連携の深化、深掘り、多様な業種との新規締結など、取組を推進していくべきであります。
そこで、今後の連携事業の推進について見解を求めます。
○入佐政策調整担当部長 ワイドコラボ協定の連携事業を推進するために、事業者等にヒアリングを実施し、事業者のニーズに応えるよう、各局とのマッチングなどに取り組んできたところでございます。
こうした積極的な取組を進め、より幅広い連携事業を実施することで、都や事業者だけでなく、都民にもメリットをもたらすとともに、地域社会の発展と都民サービスのさらなる向上を図ってまいります。さらに、現在都が協定を締結している十社に加え、多様な企業との協定締結を目指してまいります。
○古城委員 引き続き、都におかれましては、ワイドコラボ協定の推進によって多くの連携事業が実現をし、都民の皆様のQOL向上と東京の力強い経済再生に資すること、このことを期待申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。
○竹井委員 私からは、海外広報と、それから全国各地との連携推進について伺います。
まず、政策企画局の令和二年度決算説明書では、政策の立案及び総合調整の支出済額が約十一億八千万円ということです。
主な実績として、海外広報事業の企画立案、運営業務と記載されておりますけれども、海外広報事業ではどのような取組を行っているのか、概要について伺います。
○梅田海外広報担当部長 海外広報事業では、海外における東京の理解度や好感度を高めていくために、国際世論に対する影響力が大きい欧米、英語圏の意思決定層を主なターゲットといたしまして、都の施策や東京の魅力を発信しております。
具体的には、東京の安全・安心や東京の技術力などの重点テーマを設定した上で、海外向けSNSの活用や海外主要メディアへの都政に関する記事の掲載など、多様な手法によりまして積極的に情報を発信しているところです。
また、東京に関連する海外報道の把握をはじめとして、海外向けプレスリリースの作成及び広報担当者向け講習会の開催といいました各局支援など、様々な取組を実施しております。
○竹井委員 分かりました。世界の中の東京という観点で、そのプレゼンスを高めるような取組をされているのかなということを理解いたしました。
令和二年度におきましては、もうずっと新型コロナ禍にありましたので、海外広報の取組にも影響を与えたのではないかなというふうに思うのですけれども、新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえて、海外にはどのような発信を行われたのかについて伺います。
○梅田海外広報担当部長 新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大を踏まえまして、東京の安全・安心への国際社会の理解促進を図るため、様々な広報手段を効果的に活用して、海外に対して積極的に情報を発信いたしました。
具体的には、海外に比べて低い水準である東京の新規陽性者数や重症者数及び専門家によりますモニタリング項目の分析結果につきまして、海外向けSNSでスピーディーに発信したところです。
また、国際世論への影響力があります海外主要メディアであるロイターのウェブサイトにおきましては、都民の高い公衆衛生意識や感染症対策に寄与する都内企業のテクノロジーなど、新型コロナウイルス対策に関する記事を掲載したところでございます。
○竹井委員 冒頭申し上げました政策の立案及び総合調整というところは十一億八千万円が支出されているんですけれども、当初の予算額としては二十四億円でした。四八・四%という執行率で、こちらは、オリ・パラ延期の影響が多分にあったということを受けてのものというふうに伺っています。その十一億円のうち五億円が海外広報に充てられております。
今回質問するに当たりまして、海外広報のツイッターとかフェイスブックなども拝見をいたしました。東京都心部の紹介のみならず、市部ですとか島しょ部の風景、名産、カルチャー、乗り物、食べ物の話題、網羅的に随時紹介をされておられまして、世界中にファンもいらっしゃるのかなということは推察をいたしました。また、今ご答弁にあったように、コロナの状況についても随時発信されておられまして、日本のコロナ禍の状況がよく分かるようになっているなということは感じたところです。
SNSは、こうやって私たちも目にできますが、その効果の検証というところでは、フォロワー数とかビューの数以外での数字では、検証することは難しいところです。
そのほかの、様々海外広報の取組についても、私たちの方で実際に検証するということが難しいですし、また、ましてやコロナ禍ですので、インバウンドという数字では検証することもなかなか難しい。そもそもインバウンドは、主にはほかの局で取り組んでおられるということも伺いましたので、その効果を数値化するということもなかなか難しい分野なのかなというふうには思いました。
今回、海外広報の中身について教えていただきました。今後は、ぜひ世界の中の東京というプレゼンス向上がよく分かるような形、つまり広報の成果がこのように現れているということ、これはなかなか難しいということも申し上げましたけれども、少しでも分かるような形にしていく工夫をお願いしたいというふうに思います。
続きまして、共存共栄というところで、昨年度に、先ほどもご質問でありましたけれども、東京と全国各地との共存共栄というポータルサイトを制作されました。
都民にとってはどのような利点があるのかについて伺います。
○池島渉外担当部長自治制度改革推進担当部長兼務 本サイトでは、共存共栄の取組を進めるため、東京と全国各地が連携して取り組む施策の紹介に加えまして、全国各地の魅力を伝える情報も発信しております。
具体的には、都民の方々が各地の魅力を知り、その魅力に触れられるよう、各道府県の特産品や都内で開催するイベントなどの情報を紹介しております。
こうした取組を通じて、都民とも、東京と他の道府県とが共に支え合っていることを共有し、共存共栄の取組の理解促進を図っているところでございます。
○竹井委員 そうしましたら、都民に対する情報発信を充実させるためには、どのような取組をされているのかについて伺います。
○池島渉外担当部長自治制度改革推進担当部長兼務 本サイトを都民などへの情報発信ツールとしても活用していただくため、サイトを立ち上げる前から、各道府県に対しましてイベント情報などの提供を呼びかけてまいりました。本年四月の開設後は、都内にある各道府県の事務所を訪問し、実際に本サイトを見ていただいた上で、積極的な活用を依頼したところでございます。
また、各知事が参加する全国知事会議の場におきましても、本サイトを紹介するなど、様々な機会を捉えてPRを図り、都民にとっても有益な情報を発信できるよう、内容の充実に努めております。
○竹井委員 先ほどご答弁にもあったとおりに、都内の事務所等もご訪問されたということで、積極的な活用も依頼をされておられるということが分かりました。
東京と、それからほかの地域が、それぞれの魅力を高めて互いに協力し合うということで、共に栄えて成長して、それが日本全体の持続的発展へとつながっていくということ、それが都の考える真の地方創生というコンセプトだということを伺っております。そのコンセプトの下、事業の一つとしてポータルサイトがつくられたということを理解いたしました。
私からは、都民にとってはどういう利益があるのかということを中心に伺ったところです。機会を捉えて、今ご答弁あったように、内容の充実に取り組んでいただいているというふうに伺いましたけれども、サイトを見ますと、まだ始まって半年ということもありますので、各道府県に特化した情報というものが、登録は少ないように思いました。まずは、このポータルサイトへのアクセスを促す取組が必要かなというふうに思います。
なかなかそのサイトまで到達するのが難しいという印象を受けましたので、ぜひその工夫をお願いしたいと思うんですけれども、まずは、都のホームページでバナー設置したり、登録された道府県のホームページでも紹介をし合う、こういう相互の取組も必要だというふうに思いました。
何より、東京都が行うことですので、都民にとってもメリットのある、費用対効果を高める仕組みづくりをぜひお願いしたいと思います。
以上で終わります。
○早坂委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○早坂委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で政策企画局関係を終わります。
○早坂委員長 これより財務局関係に入ります。
初めに、先般の人事異動に伴い、財務局長に吉村憲彦さんが就任されました。
吉村財務局長から挨拶があります。
吉村憲彦さんを紹介いたします。
○吉村財務局長 ただいま委員長よりご紹介いただきました吉村憲彦でございます。十月二十五日付をもちまして財務局長を拝命いたしました。
早坂委員長はじめ委員の皆様方のご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
○早坂委員長 挨拶は終わりました。
○早坂委員長 決算の審査を行います。
令和二年度東京都一般会計決算中、財務局所管分、令和二年度東京都用地会計決算及び令和二年度東京都公債費会計決算を一括して議題といたします。
本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○やまだ委員 よろしくお願いします。
財務局関係、私からは大きく二点、契約制度と都債について伺っていきたいと思います。
まず、契約制度について伺います。
昨年来、全国的に流行している新型コロナウイルス感染症の影響は甚大で、いまだ経済回復の行方は見えず、持ち直しに向けた確固たる兆しは見通せない状況であります。
東京は、日本の首都として日本経済の中核を担い、国の活力の源泉そのものであり、都内経済の回復に向けた取組をしっかりと進めていかなければなりません。
一方、東京を支える都市インフラは、高度成長期に集中的に整備され、老朽化が進行するとともに、近年、自然災害も頻発、激甚化をたどり、その対応も待ったなしであります。
東京の都市機能を守り、都民の安全・安心を確保しながら、持続的な成長を遂げるためには、質の高いインフラ整備をしっかりと推進する必要があり、都が発注する公共工事は、これに重要な役割を果たしていると思います。
契約制度においては、いわゆる価格競争が基本となっておりますが、とりわけ品質確保に当たっては、総合評価方式の活用が有効的であり、しっかりと機能を果たせるよう品質の向上を図る必要がある一方、ともすると低価格での契約も生じかねず、品質が損なわれる懸念もあります。
これまでも都は、時代時代に合うように不断に契約制度の見直しを図ってこられました。我々自民党会派としても、改善に向けた提案もその都度させていただきました。
まず、工事の総合評価方式において、本年一月から価格点の算出式を見直しましたが、確認のため、その目的、そして内容を伺いたいと思います。
○小泉契約調整担当部長 総合評価方式は、価格と価格以外の技術的な要素を総合的に評価して落札者を決定する仕組みでございまして、この活用により、品質や性能の確保、向上、長期的なコストの削減などの効果が見込まれております。
価格点の見直し前は、低入札価格調査制度を適用しまして、調査基準価格を失格基準として運用しておりまして、技術力のある事業者でも、調査基準価格を僅かに下回った場合には一律に失格としていたため、他の事業者と比較して十分に技術力を有していても、契約できない事業者が存在するというデメリットが生じてございました。
そこで、経済性の観点だけでなく、履行の確実性の観点も踏まえまして、これまで、応札額が低いほど逓増させていた価格点について、基準価格を境に価格点を逓減させる工夫をし、ダンピング対策を図ることが可能となる制度に見直しを行いました。
これにより、低価格での入札を防止しつつ、品質面及び価格面が総合的に優れた事業者を選定するという総合評価方式の趣旨に、より一層即したものとなっていると認識してございます。
○やまだ委員 総合評価方式においては、価格の要素だけではなく、品質確保を図ることは重要な要素であります。一方で、価格点について、基準価格を下回っても落札できる可能性のある制度となっているものの、基準価格を下回る場合には価格点を逓減させることで、ダンピング対策を図ることが可能というご答弁がありました。
ダンピングは、過度な競争を招き得るものであり、とりわけ東京の都市インフラを支える中小の建設事業者の経営悪化につながってはいけません。制度構築後の状況について分析し、制度改正の目的である品質の確保はもちろん、ダンピングもしっかりと防止できることを確認する必要があります。
そこで、本年一月から行っている試行について、これまで行われた入札の結果について、価格点と技術点との関係でどのような事業者が落札者となっているのか、いわゆる低入札が起こっていないか、状況を伺いたいと思います。
○小泉契約調整担当部長 本年一月から六月末までに公告、開札した案件は百一件でありまして、そのうち技術点が一位の応札者が落札したものは九十一件と、案件の九割以上は技術力が最も優れている事業者と契約してございます。
また、価格点の状況に着目しますと、基準価格以上の金額で落札したのは八十五件でございまして、基準価格未満で応札のあった十六件につきましては、従前は直ちに失格でありましたが、今回の見直しによって落札に至っており、基準価格を下回る金額は平均五千円程度となってございます。
このように、基準価格を下回って落札した場合であっても、入札金額と基準価格との差は予定価格の一%未満の範囲にとどまっており、ダンピング対策の機能もしっかり果たしているものと認識してございます。
引き続き、総合評価方式の的確な運用を通じまして、質の高い公共工事を推進しながら、ダンピング受注の排除も図ることで、都の社会資本の整備を一層進めつつ、建設業の将来にわたる健全な発展を促していきます。
○やまだ委員 ありがとうございます。
技術点について一位の応札者が九十一件、九割以上は技術力が最も優れている事業者であったことや、入札金額と基準価格との差、予定価格の一%未満の範囲にとどまっているなど、ダンピング対策の機能もしっかりと果たされているというご答弁でありました。今回の見直し後においても、ダンピング対策と品質の確保が両立していることが分かりました。
制度見直しから間もなく一年を経過する頃でありますが、事業者の声にもしっかりと引き続き耳を傾けていただきながら、適正な価格で、かつ品質もより高い公共調達が可能となるよう、取組を進めていただくよう要望しておきたいと思います。
続いて、都債について伺ってまいりたいと思います。
都債は、単なる借金ではなく、投資的経費の財源として、世代間の負担の公平性の確保や一般財源を補填する財源調整の役割を持っています。近年は、好調な都税収入にも支えられ、都債の発行抑制や償還を進めた結果、都債残高も順調に減少してきました。
しかし、先般公表された都の年次財務報告書によりますと、令和二年度の都債発行額は四千九百十七億円と、前年度から三千五百億円以上も増加しています。
そこでまず、令和二年度決算において、都債をどのような考え方に基づいて発行したのか伺いたいと思います。
○山田理事 委員お話しのとおり、都債は、世代間の負担の均衡を図り、年度間の財源調整の機能を有する都財政にとって重要な財源の一つでございます。
都はこれまで、地方財政法第五条に規定される公共施設の建設事業費や貸付金の財源として適切に活用しつつ、近年は将来を見据えて発行抑制に努めてきたところでございます。
こうした中、令和二年度は、これまで蓄えてきた発行余力を生かし、従来の充当事業に加えまして、喫緊の課題であります新型コロナウイルス感染症対策として二千八百十七億円を充当したところでございます。
具体的には、コロナ禍で厳しい環境にあります中小企業への制度融資において、金融機関へ貸し付ける預託金の財源として活用したほか、企業収益の悪化等による税収減への対応といたしまして、減収補填債を発行したところでございます。
○やまだ委員 前年度から比べて増加した分のほぼ多くはですね、増額発行分は、新型コロナウイルス対策、中小企業への制度融資においての金融機関へ貸し付ける預託金の財源ということでご答弁がありました。
大体そういった形での対応だろうなというところで考えておりましたが、これに加えて、今のご答弁の中には減収補填債の発行についてのお話がありました。令和二年度は、減収補填債が発行され、財源として活用された。この減収補填債は、しばらくの間、都では発行されていなかったと認識しています。
そこで、減収補填債の概要と発行の考え方について伺いたいと思います。
○山田理事 減収補填債は、経済の停滞等によりまして、税収が当初予定よりも減収する見込みとなった場合に、財政事情等を総合的に勘案して発行する地方債でございます。
減収補填債には二種類ございまして、地方財政法第五条に規定された適債事業に対しまして、定められた起債の充当率を超えて充当する通常分と、通常分を発行してもなお財源が不足する場合に、法令に規定された事業以外の財源にも充当できる特例分、いわゆる赤字債がございます。
令和二年度は、新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、法人二税を中心に都税収入が大きく減収いたしましたために、必要な施策の財源確保のために減収補填債を発行したところでございます。発行額は一千億円でございまして、全額を通常分として発行したところでございます。
○やまだ委員 都債の増発、そして減収補填債の発行は、コロナ禍にあった、そのときの局面においては必要なことであったと思います。しかし、都債の発行が大きく増えたわけですから、都財政への影響が懸念されるところでもあります。
また、今後も都債は、重要な財源の一つとして継続的に活用していくこととなると思いますが、決して無計画に発行してよいというものではなく、実際に発行するに当たっては、発行体である都や都債の状況について、投資家へ丁寧に説明していくことが必要だと思います。
そこで、都債の発行増が都財政へ与える影響についてどう認識しているのか。また、そうした状況を踏まえて今後の都債をどのように発行していくのか伺いたいと思います。
○山田理事 令和二年度の都債の発行額は、前年度から増加したものの、これまで発行抑制に努めてきた結果、都債残高は依然としてピーク時の約五割の水準となっております。
また、年度の一般財源全体の中でどの程度の割合が地方債の償還に充当されているかを示す公債費負担比率、これは五・三%でございまして、近年、一五%を超える水準で推移している都道府県平均と比べて低い水準にございます。
現在、都は、財政対応力を一定程度維持できているものの、財政環境の先行きを見通すことが困難な中、状況を注視していく必要はあろうかと思っております。
そのような中、都債につきましては、将来にわたる財政需要や後年度の財政負担を見据えまして、中長期的な視点に立って活用するとともに、投資家との丁寧な対応を通じまして、都債への高い信頼性を維持し、低利で安定的な資金調達につなげていくことが重要であると思っております。
今後とも、戦略的な都債の活用を進めることで、必要な施策展開を支えてまいりたいと思っております。
○やまだ委員 公債費負担比率は五・三%ということで、やはり他の県などに比べて低い水準で推移していることも分かりました。
現状のところ、都財政へ大きな影響を与えるものではなく、投資家への説明もしっかりと果たしていくとのご答弁でした。ただ、今後も気を緩めることなく、健全な財政運営を維持してもらいたいと思っております。
振り返れば、バブルの崩壊やリーマンショックなど、これまでも経済や金融市場が混乱する局面が多々ありました。今回の新型コロナウイルスの感染拡大も同じように経済的な危機であったわけですが、実際のところ、その中身は多少異なってくるものだったと考えています。
直近、感染状況は落ち着きを見せつつあるものの、今回の新型コロナウイルス感染症が経済に与える影響をしっかりとこれからも分析した上で、都債の発行に当たっては、様々な手法を駆使し、社会経済情勢に合わせた低金利で安定的な資金調達をしていっていただくよう改めて要望して、私からの質問を終わりたいと思います。
○成清委員 令和二年度決算に関連して、財政運営、事業評価、情報公開、都有地活用についてお伺いします。
まず、令和二年度における財政運営についてです。
令和二年度は、コロナ禍の中、累次にわたる補正予算を編成し、刻一刻と変化する感染状況に機動的に対応しながらの財政運営となりました。都政史上例のない規模と頻度で財政出動を行い、困難な財政運営を強いられた一年だったと考えます。
我が会派は、これまで一貫してワイズスペンディングの徹底ということを主張してきましたが、今年度に入ってからもコロナ禍における財政運営が続く中で、財政調整基金残高が大きく減少するなど、都民からも都財政に関し不安の声が寄せられてきたところであり、令和二年度決算の結果をしっかりと総括し、今後へつなげていく必要があると考えております。
そこでまず、令和二年度決算について、コロナ対策と財源の確保といった点に着目して、そのポイントを伺います。
○山田理事 都はこの間、都民の命と都内経済を守るために、新型コロナウイルス感染症対策に都の総力を挙げて取り組んできました。
その結果、令和二年度普通会計決算は、歳入総額は九兆五百四十七億円、歳出総額は八兆六千九十五億円と、ともに過去最大となり、コロナ禍が財政運営に与えた影響の大きさが色濃く現れております。
具体的には、全国に先駆けた感染拡大防止協力金の創設や中小企業制度融資など、総額で一兆七千四百六億円のコロナ対策を実施しております。こうした対策の実現に当たりましては、国庫支出金の確保に努めるとともに、財政調整基金や都債といったこれまで培ってきた都の財政対応力を最大限に発揮することで、必要な財源を確保しております。
今年度もコロナ対策が続く中、財政調整基金については、一時期は令和三年度末の残高見込みが二十一億円にまで減少していましたが、令和二年度の決算状況を反映したことによりまして、現時点での残高見込みは一千八百五十九億円となっているところでございます。
○成清委員 国難ともいうべき状況の中、まずは国が責任を持って地方に対する財政支援を行うべきであり、国庫支出金の確保に努めると同時に、都がこれまで蓄えてきた財政対応力を最大限発揮することで、この局面を打開してきたということだと思います。
特に、財政調整基金はこうした局面においてこそ活用すべき財源であり、必要な際にはちゅうちょなく投入すべきと考えますが、令和二年度の決算状況などから、一時期の残高よりも増加する見込みとのことです。
なお、民間企業においては、財務諸表等を用いて財務状況に関する分析を行い、株主や投資家または広く一般に向けて対外的な情報提供を行い、企業の財務状況、財務上の健全性などを伝えるのが通常であり、都としても現時点の財務状況、今後の財政需要への備えをしっかりと情報開示していくべきと考えます。
都では、従来からの官庁会計のほか、新公会計制度を用いて財務分析を行っておりますが、こうした視点からどのようなことが読み取れるのか、見解を伺います。
○山田理事 令和二年度決算を新公会計制度の視点から分析いたしますと、貸借対照表の資産の部につきましては、財政調整基金の取崩しに伴いまして、基金積立金が昨年度比で四千億円程度減少しております。
また、官庁会計では歳出増の要因となりました中小企業制度融資の預託金が、財務諸表上の長期貸付金として資産計上され、三千億円程度の増となったことなどから、資産全体では昨年度比二千四百七十七億円の増となっております。
負債の面では、コロナ対策の財源として都債を活用したことで、都債が前年度比一千六百五十億円程度の増となっておりますけれども、経年変化を見ますと、都債残高は減少傾向を示しており、過去と比較し低位な水準にございます。
これらの結果、資産と負債の差額であります正味財産は、令和元年度末と同程度となっているところでございます。
こうしたストック情報から、令和二年度の大規模なコロナ対策を経てもなお、都は、一定の財政対応力を維持しているといえるものの、今後の財政需要や不透明な景気動向などを踏まえますと、引き続き、将来にわたる財政対応力の堅持が重要であると考えております。
○成清委員 財務書類のうち、貸借対照表は年度末における財政状態を表示するもので、例えば国においては、コロナ禍前の令和元年度末で、既に正味財産はマイナス五百九十一兆円という債務超過状態にあり、これに令和二年度一般会計予算は、前代未聞の百七十五兆円だったわけですが、それが反映されると、さらにバランスシートは悪化するということが予想されます。
一方、都では、答弁にもありましたとおり、基金が取崩し等により約四千億円減少したものの、制度融資の預託金である貸付金が約三千億円に増加し、また、インフラ資産の増加等もあり、正味財産は、令和元年度と比較して約八百億円増加の二十八兆七千億円程度となっており、財政状態の急激な悪化というものは、現時点で避けられていることが分かります。
コロナ禍により、令和二年度は決算規模が過去最大ということであり、これだけの財政出動を経てもなお、先行きの不透明な財政環境や今後の財政需要を見据え、財政規律を保ちながら、財政調整基金など一定の財政対応力を維持したということは評価いたします。
しかし、第六波の懸念も依然残されており、コロナ対策、経済対策など、今後の財政需要にもしっかり応えていかなくてはなりません。そのためにも、一層の事業の見直しを図るとともに、事業効果を高め、さらなるワイズスペンディングを追求していくことが重要です。
令和二年度は、コロナ禍の中で、私たち一人一人の生活が大きく変化した年でもあり、これまで対面で行うのが当たり前だったことがオンライン上で行われ、テレワークが進むなど、新しい日常への転換が急速に進展いたしました。
そうした中、令和二年度事業評価では、政策評価と連携した評価を実施しておりますが、今日の都民ニーズ、新しい日常に合致した事業への見直しを図るとともに、施策効果の向上を実現した事例とその効果について伺います。
○山田理事 令和元年度の政策評価では、救急隊の現場到着までの時間短縮につきまして、これまで行ってきた対策の効果が現れており、今後も対策の強化を継続すべきとの評価がつけられておりました。
この結果を踏まえまして、令和二年度の事業評価の取組といたしまして、救急相談体制の強化や迅速、確実な出場に向けたシステム整備など、さらなる時間短縮に向けまして、施策の強化充実を図り、令和三年度予算に反映しているところでございます。
また、新しい日常への対応の観点といたしましては、都立中学校におけるオンライン学習等の環境整備につきまして前倒しで実施するなど、コロナ禍での急速な変化に即した事業へと見直しを図ったところでございます。
こうした成果を踏まえまして、令和四年度予算編成に当たりましては、新たに政策評価と事業評価を一体的に実施するとともに、引き続き、感染症の状況や社会情勢の変化を踏まえた見直しを行うなど、より効率性、実効性の高い事業の構築に取り組んでまいります。
○成清委員 令和四年度予算編成に向けて、さらなる事業の見直しの強化を図るとのことです。都民生活、都民ニーズの変化を的確に捉え、実効性の高い施策構築につながるよう、一層の取組を進めていただくようお願いいたします。
こうした事業評価の取組は、都民に対する説明責任を果たす上でも重要な役割を担っておりますが、膨大な東京都の財政情報を都民に対し的確に分かりやすく伝えていくためには、様々な手法を用いてさらなる見える化を図ることが必要です。
例えば、令和三年度予算から都財政のダッシュボードをリリースしておりますが、アジャイル思考でユーザーの声を踏まえ、随時改善を加えながら、使いやすさ、分かりやすさの向上を図ることが重要です。
また、聞いたところでは、予算審議に先立って都議会に提出されます予算議案、またその附属書類である予算説明書については、現在、都のホームページなどでは公表されておらず、都民がそうした情報を得ようとした場合、都庁舎内の都民情報ルームに出向き、閲覧するなどしなくてはならないということです。予算全ての、都民の生活につながる重要な情報であり、まして都議会での審議に当たって提出されている情報を都民が容易に手に入れることができないという状況は、改善すべきだと感じます。
そこで、都財政の見える化について、さらなる充実を図る必要があると考えますが、これまでの取組と今後に向けての見解を伺います。
○山田理事 都は、令和三年度予算案の発表に当たりまして、TOKYO予算見える化ボードを新たに開設いたしまして、同時に、令和元年度の普通会計決算や財務諸表の情報についても、ダッシュボードを作成し、公表を行ってきたところでございます。
この取組によりまして、都財政の様々な情報を表やグラフを用いた分かりやすい形式で閲覧できるようになるのと同時に、利用者が各種データを取得し、活用することが容易になり、都民の皆様に対するアカウンタビリティーの向上が図られたと考えております。
令和二年度決算についても、普通会計の財務諸表をダッシュボードに掲載したところでございまして、その他の決算情報につきましても、速やかに掲載できるよう準備を進めております。
また、お話のありました予算議案などは、都の施策実施の意思決定における重要な情報であり、都民の皆様に適切にお知らせすべきと考えております。
コロナ対策の実施に伴い、累次にわたり補正予算を編成していることなどからも、都財政に関して、より透明性の高い情報発信に努めていく必要がありまして、予算議案及び予算説明書についても、ホームページで公表する準備を進め、都民へのQOSの向上に努めてまいりたいと思っております。
○成清委員 過去の委員会質疑でも、これまで私たちは分かりやすい情報公開というものを求めてきました。決算の情報、予算の情報、事業評価と政策評価の取組など、情報の受け手である都民目線に立った、分かりやすく、また情報へアクセスしやすい情報公開を引き続き心がけていただきたいと思います。
続いて、都有地の活用について伺います。
まず、令和二年度の決算期末時点で、財務局所管の普通財産の土地のうち、どの程度が未利用地となっているのか伺います。
○五十嵐財産運用部長 財務局が所管する普通財産の都有地は、令和三年三月末現在、合計で千八百九十六件、面積は約四百七十ヘクタールでございます。
そのうち、未利用都有地とは、明治、大正時代から借地権等が設定されており、事実上都が利用することが困難な長期の貸付財産や島しょ地域の緑地など保有すること自体を目的とする土地などを除きまして、現に各局における行政的な利用に供していない土地のことでございます。
こうした財務局所管の未利用都有地は、令和三年三月末現在、合計で三百九件、面積は約百八十一ヘクタールでございます。
○成清委員 令和三年三月末時点で財務局が所有する普通財産の土地は千八百九十六件、うち千五百八十七件は事実上利用困難なもの、保有すること自体を目的とする土地等であり、三百九件が現に各局における行政的な利用に供されていない未利用地であるということです。
この未利用地については、今後生じる行政需要に確実に対応していくとともに、暫定活用も含め、効率的で柔軟な活用を図っていく必要があると考えます。
未利用地の利活用について都の考え方を伺うとともに、令和二年度の区市町村や民間への暫定活用の実績をお伺いします。
○五十嵐財産運用部長 都有地は、都民からの負託を受けた貴重な財産でございまして、都政課題の解決のため、最大限有効活用することが必要と考えております。
そのため、未利用地については、将来の行政需要を見通しつつ、入札での売却のほか、公共工事の資材置場や駐車場、区市町村への一時貸付など、可能な限り暫定活用を図っているところでございます。
財務局が所管する普通財産について、令和二年度の区市町村及び民間事業者への有償での一時貸付契約の実績は延べ百七件、金額にして約三億八千万円でございます。
今後とも、様々な行政需要に対し、土地の形状や立地等を踏まえ、適切かつ着実な財産利活用を推進してまいります。
○成清委員 都は、今ご答弁にあった取組に加えて、平成二十八年九月に都有地活用推進本部を設置し、保育所等への都有地の活用に向けた全庁的な組織体制を確立し、公営企業所管の土地を含む全ての都有地を対象にして、保育所等に活用可能な都有地の情報提供を行ってきました。
昨年の決算特別委員会でも質疑させていただきましたが、この情報提供件数は、令和元年度末で二百六十六件、うち事業者の公募につながったものは十七件でありました。
令和二年度における都有地活用推進本部による都有地の情報提供の件数とその成果、また今後の見込みについて伺います。
○五十嵐財産運用部長 都は、平成二十八年九月の待機児童解消に向けた緊急対策に基づき、都有地を活用した保育所等の整備を一層推進するため、副知事をトップとする都有地活用推進本部を設置いたしました。
こうした取組の下で、保育所等に活用可能な都有地の区市町村への情報提供件数は、全庁横断的に洗い出しを行ってきた結果、令和二年度末までに合計二百七十件、今年度新たに八件追加し、合計二百七十八件となっております。
情報提供した都有地の中で、保育事業者の公募につながった件数は、令和二年度末までで十九件となっており、このうち十六件は本年四月までに保育所等を開設済みでございまして、残りの三件についても来年度の開設予定となっております。
今後とも、都における待機児童対策の動向を見据えつつ、引き続き関係局とも連携し、課題解決に向けた都有地利活用の取組を着実に進めてまいります。
○成清委員 都民ファーストの会東京都議団では、都有地を活用した保育所の整備などをはじめ、待機児童対策を後押ししてまいりました。関係者の皆様が総力を挙げた取組を行っていただいたおかげで、都有地活用推進本部が設置された平成二十八年には八千四百六十六人だった待機児童数が、令和三年には九百六十九人まで減少しております。待機児童数がゼロになれば、次は、本腰を入れて保育の質の向上に注力できる段階になるかと思います。
また、これまでにも要望してきておりますが、保育以外の福祉ニーズ等にも都有地は活用できるはずです。
引き続き、都有地活用を進めていただくことを要望して、質問を終わります。
○早坂委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後二時五十二分休憩
午後三時八分開議
○早坂委員長 休憩前に引き続き分科会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○古城委員 令和二年度東京都一般会計決算中、財務局所管分に関連し、東京都の財政について質問させていただきます。
昨年、令和二年一月に国内で最初の感染者が確認されてから、新型コロナウイルス感染症との闘いは間もなく丸二年となります。この間、医療従事者の方々の多大なるご奮闘、休業や時短など都の要請に真摯に応じていただいた飲食店をはじめ、事業者の方々のご協力、そして都民の皆様の感染拡大防止や外出へのご理解、私たちの日常生活を支えてくださるエッセンシャルワーカーの方々のご尽力など、我が国日本社会がこの感染症に打ちかつという大きな信念の下、行動し続けてきたわけでございます。
私たち都議会公明党は、コロナ禍でご苦労を強いられた皆様、医療の最前線で命を守ってくださっている皆様、都民の皆様お一人お一人の声、現場の声をつぶさに聞いて回りまして、新型コロナに負けない対策として様々な政策提言を行ってまいりました。
そして、本会議をはじめ各委員会で精力的に質疑を展開するとともに、知事への直接の緊急提言や要望を繰り返し行い、都職員の皆様と議論を尽くして、都民の皆様の命と暮らし、そして社会経済を守り抜くための具体的な事業をつくり上げてまいりました。
営業時間短縮にご協力いただいた事業者への協力金、感染拡大防止協力金や昨年のゴールデンウイークのときの商店街の緊急対策奨励金、理美容事業者に対する自主休業給付金、家賃支援給付金、月次支援給付金、さらには中小企業への速やかな資金繰り支援、医療従事者の皆様への慰労金、生活福祉資金貸付、またワクチン接種体制の着実かつ円滑な体制整備など、これらは都議会公明党が国とも連携し、都の諸対策として速やかに実現をさせてきた政策でございます。
令和二年度決算には、こうした新型コロナとの闘いの影響が様々に反映をされており、決算数値の分析は、これまでの都の新型コロナ対策を振り返る意味でも重要であります。
そこで、今日の私の質疑では、新型コロナとの闘いが都財政にどのような影響を与えたのか、また都財政がどのような状況にあるのか、令和二年度決算における客観的な数値を用いながら明らかにしてまいりたいと思います。
そこでまず、令和二年度の都の一般会計における新型コロナウイルス感染症対策経費の決算状況とその財源構成について説明を求めます。
○山田理事 令和二年度一般会計決算におけますコロナ対策経費につきましては、翌年度へ繰り越す経費を除きました予算現額二兆円に対しまして決算額は一・七兆円、執行率は約八八%となっております。
主な内訳といたしましては、医療提供体制の確保や協力金の支給など新型コロナウイルス感染拡大を阻止する対策が七千八十七億円、中小企業制度融資など経済活動と都民生活を支えるセーフティーネットの強化充実が九千六百三十四億円となっております。
財源の内訳につきましては、内閣府所管の地方創生臨時交付金や厚生労働省所管の緊急包括支援交付金など、国からの財源が七千八百九十八億円、財源全体の四五%を占めておりまして、残りの五五%、九千五百八億円を都の財源が占めているところでございます。
都の財源の内訳につきましては、財政調整基金が四千七百二十一億円、都債が二千八百十七億円、その他の基金や諸収入などが一千九百七十億円となっているところでございます。
○古城委員 令和二年度の都における新型コロナ対策経費は、決算実績で約一・七兆円、一兆七千億円とのことであります。令和二年度普通会計決算の歳出総額は約八兆六千億円でありますので、都の令和二年度の歳出のおおよそ二割を新型コロナ対策費に費やしたということになります。
少し単純化して申し上げますと、コロナ禍において、都は例年より約二割強の歳出増となり、その財源は国の交付金が四五%、都の財源が五五%ということでありますので、この数字どおり、その半分強を独自の財源で賄ったということになります。
昨年来、新型コロナ対策のそのほとんどは国の財源で賄われているから、都独自の対策はほとんどない、こうした声も時折ではあるんですが、耳にすることもありましたけれども、今の答弁いただいた内容から明らかであるとおり、少なくとも令和二年度決算では、都は、財政調整基金や都債など約一兆円という額の大きな規模の独自財源を活用しながら、新型コロナ対策を講じてきたということになります。
新型コロナ対策と一言で申し上げましても、国の財源を活用すべき事業と都の財源を活用すべき事業があり、状況を見極めながら迅速かつ的確な対策を講じることはもちろんでありますけれども、様々な財源を適切に活用することで、より効果的な対策が講じられるものと考えます。
そこで、国の財源と都の財源をそれぞれ具体的にどのような事業に充当したのかについて、充当金額も含めて説明を求めます。
○山田理事 国の財源のうち、内閣府所管の地方創生臨時交付金につきましては、令和二年十一月から令和三年三月分の協力金に九百九億円を充当するなど、全国共通で行うべき感染拡大防止策の財源として活用したほか、東京都家賃等支援給付金の支給に九十四億円を活用するなど、経済活動を支えるセーフティーネットの強化の財源にも活用いたしまして、総額二千百四十二億円を充当したところでございます。
また、厚生労働省所管の緊急包括支援交付金につきましては、患者受入れに向けた空床確保料の補助に一千四百九十四億円、医療従事者等への慰労金の支給に七百九億円など、医療提供体制等の強化充実などの財源として総額三千百五十一億円を活用したところでございます。
一方、都の財源といたしましては、財政調整基金四千七百二十一億円を主に令和二年四月から九月分の協力金に一千七百七十五億円、中小企業制度融資等に二千四百二十三億円、都債については全額の二千八百十七億円を中小企業制度融資の預託金に充当しておりまして、いずれも都独自の取組や国の対策に上乗せして実施する取組などの財源として活用したところでございます。
○古城委員 全国共通で行うべき取組などについては国の財源を、都独自の取組や国の対策に上乗せして実施する取組などについては都の財源を活用したという答弁でありまして、こうした財源に関する考え方は納得できると理解をさせていただきたいというふうに思います。
一方で、感染拡大防止協力金については、都の財源、国の財源の双方を充当しているとの答弁でありましたけれども、この点については、全国的な対策として実施された側面と都の独自の取組として実施した側面、こうした二つの側面があるということでありますので、もう少し詳しく経緯を確認させていただきたいと思います。
そこで、令和二年度における感染拡大防止協力金について、都の財源と国の財源を活用している経緯について具体的な金額も含めて説明を求めます。
○山田理事 令和二年四月に緊急事態宣言の発令と営業時間の短縮要請の実施などを踏まえた都独自の取組といたしまして、感染拡大防止協力金を全国に先駆けて創設いたしまして、同年九月までの間、四度にわたりまして財政調整基金を財源として協力金を支給したところでございます。
この間、都は、感染防止や都独自の経済対策に係る地方負担に対しまして、国に財源措置を求めてきたところでございます。その後、国が令和二年十一月に地方創生臨時交付金における協力要請推進枠を創設したことから、協力金の財源の大部分を国の交付金で賄うことが可能となりました。また、令和三年四月からは、協力金支給に係る事務費についても交付金による財政支援が行われているところでございます。
こうした経緯から、協力要請推進枠の創設前となります令和二年四月分から九月分として支給した協力金は、一千四百七十億円の全額に財政調整基金を充当する一方で、創設後の令和二年十一月以降の分として支給いたしました協力金一千百六十九億円のうち九百九億円に国の交付金を、残余に財政調整基金を充当したところでございます。
○古城委員 都は昨年の四月、都議会公明党の要望に応えて、全国に先駆け、感染拡大防止協力金の支給を開始しましたけれども、当時は、まだ国の補助金の対象外となっており、財政調整基金を活用して取組を開始したということであります。
一方で、感染症対策は、全国が、そして都道府県が一丸となって取り組むことが重要であり、自治体によって対策の内容に差異が生じないよう、国に対して財源を求めていくことが大変に重要であります。
都議会公明党は、この間、我が党の強みである国会議員と地方議員のネットワークを活用して、国に対して臨時交付金や緊急包括支援交付金など国庫支出金の拡充を要望してまいりました。こうした活動により、感染拡大防止協力金や家賃支援給付金、自宅療養者に対するパルスオキシメーターの貸与など、国の交付金の対象が拡大されてまいりました。
都に対しても、全国的な対策を行うべき事業に対する財源については、引き続き国の財政措置を求め、実効性のある感染症対策を構築していく、このことを改めて要望させていただきます。
また、当初、支給の遅れなど様々ご指摘がありました感染拡大防止協力金について、都議会公明党の度重なる要請、要望に応え、国の交付金も有効に活用し、支給の迅速化に努めているということを評価したいと思います。
私は、先月の新型コロナウイルス感染症対策特別委員会において、これまでの事業者支援、そうした具体的な支援策について検証し、それに応じて支援内容を充実させていくべきと訴えたところであります。これに応じて産業労働局長からは、都の支援事業を質と量の両面からレベルアップさせる旨の方針が示されたところでありますけれども、引き続き、コロナ禍で苦しい状況にある都民の皆様や事業者の方々の立場に立った支援を行えるよう、不断の見直しを行っていただくことについても改めて求めておきたいと思います。
ここまでの質疑において、令和二年度における都の新型コロナ対策の全体像とその財源について明らかにしてまいりましたけれども、都民の皆様からは、これだけ新型コロナ対策に財源が費やされて都財政は本当に大丈夫なのかと、そういうお声を伺ってまいりました。
振り返りますと、昨年の夏以降、また秋口にかけまして、特に東京二〇二〇大会の延期も相まって、さらには、これまで約一兆円規模で積み立てられてきた都の財政調整基金が九五%縮減をする、そうした報道も相まって、そうした懸念の声、ご心配の声を伺ってきたわけであります。
さらには、コロナ禍の影響を受けて景気後退で都税収入の落ち込みも予想されるのではないか、都財政の今後の状況ってどうなるのと、こういうお声をまち場でも、また、オンラインで皆様と意見交換する中で伺ってまいりました。
さらには、今年の五月から六月にかけて補正予算の編成の際に、これは今年度末の見込額ということになりますけれども、二十一億円規模に財政調整基金がなる、こうした報道もなされ、この財政調整基金の活用については、主計部の皆様はじめ、財務局、財政当局の皆様の様々な手法を駆使した、何とかこの補正と補正の間、定例会と定例会の間、そうした中で数字上の様々なご苦労があったということを私も仄聞をいたしますけれども、そうした中で、本当に大丈夫なのかという声が日増しに強まっていた、そうしたわけであります。
そこで、こうした今確認をさせていただきました財源の活用の結果、都財政は、現在どのような状況にあると分析をしているのか、具体的な令和二年度決算の数字などを用いて説明していただきたいと思います。
○山田理事 令和二年度の決算時点での財政調整基金の残高は五千三百二十七億円でございまして、今年度コロナ対策の財源として取り崩す額を差し引いても、現時点での令和三年度末残高見込みといたしましては、一千八百五十九億円を確保しているところでございます。
また、都債の残高は四兆円でございまして、平成十二年度のピーク時と比較いたしますと、五割程度の水準となっているところでございます。
こうした財政に係るストック面からの分析結果を踏まえると、都の財政対応力は一定程度維持できている状況と考えております。
一方、都財政は、少子高齢化への対応、成長戦略の実現、脱炭素社会の構築など、山積する諸課題に着実に対応していかなければなりません。加えまして、令和二年度以降、コロナ対策に伴い行政活動支出は急増しております。
今後も感染再拡大防止や経済再生に向けた取組などの需要増も見込まれる中、将来の財政需要を見据えながら状況を注視していく必要があるものと認識しているところでございます。
○古城委員 ただいま答弁いただきましたとおり、過去の水準と比較しても、ストック面では一定程度の財政対応力を維持できているものの、今後の新型コロナ対策なども踏まえますと、引き続き、状況を注視していく必要があるということであります。
都においては、SDGsにもうたわれる社会的包摂やレジリエント、強靱なインフラの実現、未来を担う全ての子供たちを社会全体で応援する取組、人口減少、少子高齢化対策などの喫緊の課題への対応に加えて、今後コロナ禍で落ち込んだ景気の本格的な回復に向けて、新たな成長の源泉となるデジタル化やグリーン化への投資をはじめ、大胆かつ積極的な施策を展開していくべきであります。
そのためには、様々な対策を行っていく上で根幹となる持続可能な財政運営が今後ますます重要になるわけであり、新型コロナとの闘いの教訓を今後の財政運営に生かしていくべきと考えますが、財務局長の見解を求めます。
○吉村財務局長 昨年度、都財政は、新型コロナの感染拡大に直面し、企業収益の悪化による税収減と突発的な財政需要の発生という課題を同時に抱えることとなりました。これらの課題に柔軟かつ機動的に対応する中で、平時からの財政対応力の確保が不可欠であるということが改めて浮き彫りになったところでございます。
元来、景気変動に左右されやすい歳入構造である東京都が、質の高い行政サービスを安定的に提供していくためには、見直すべき事業を見直し、無駄をなくす取組を一層強化していかなければなりません。
加えまして、税収好調時には基金の積立てや都債の発行抑制など、将来への備えをより万全なものとするための努力を重ねていくことが重要であるというふうに考えてございます。
こうした観点を踏まえまして、今後の財政対応力の一層の強化を図るとともに、経済回復を後押しする対策や人口減少、少子高齢化への対応、脱炭素社会の構築など、都政に必要な施策の展開を財政面から下支えするべく、持続可能な財政運営に努めてまいりたいと考えてございます。
○古城委員 都民の皆様の命、暮らし、生活を守り、本格的な経済再生を後押しするため、引き続き様々な対策を講じていくことが何よりも重要でございます。
基金や都債などの財政対応力の確保に加えて、都議会公明党が推進し、導入されました新公会計制度などを活用し、無駄をなくす取組も一層強化することで、持続的な財政運営に努めていただきたい、このことを強く強く申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。
○原委員 それでは、私は、都庁舎の改修工事とバリアフリー化について質問いたします。
都としては、二〇〇八年二月に、大規模施設等の改築・改修に関する実施方針を策定し、それに基づき、その一年後に、財務局が都庁舎の設備更新等に関する方針を策定、ここに都庁舎の設備更新についての五つの基本的視点が示されました。防災拠点としての機能の向上やCO2排出量の削減、誰もが安全で利用しやすい庁舎などの内容です。
さらに、二〇一三年には、東日本大震災の教訓を踏まえた対応を盛り込んだ都庁舎改修プロジェクトの取組を財務局が策定をしています。
これまでに、二〇一七年三月に都議会議事堂、二〇二〇年九月に第二本庁舎の工事が完了し、第一本庁舎の改修を残すのみとなっています。今月二十五日には財務局が工事を発注し、予定では二〇二五年三月に工事が完了するというふうに聞いています。
まず、都庁舎のこの改修工事について、昨年度の進捗状況はどうであったか伺います。
○鈴木庁舎運営担当部長 平成二十三年度から都庁舎改修プロジェクトにおける改修工事を開始し、令和二年度は、第一本庁舎の九フロア、第二本庁舎の八フロアで、空調、照明、配水管などの設備更新を中心とした改修工事を実施いたしました。
昨年度の進捗状況でございますが、第一本庁舎の改修工事は令和二年度末時点で約九〇%終了しており、第二本庁舎の改修工事は令和二年九月に完了しております。
○原委員 この改修工事に当たっては、都庁舎が誰もが利用しやすくなるように、バリアフリー化についても一緒に検討されているというふうに思いますが、どのように進められていますか。
○鈴木庁舎運営担当部長 都庁舎におきましては、東京都福祉のまちづくり条例等に基づきバリアフリー整備を進めてきたところでございます。
都庁舎改修プロジェクトにおけるバリアフリー対応といたしましては、誰でもトイレを二か所増設するとともに、トイレ内に音声案内を設置し、視覚障害者の方にも使いやすいよう配慮しております。あわせて、一般トイレの個数を増やすとともに、ベビーチェアやベビーベッド等の増設など、来場者の利便性向上の取組も実施しております。
○原委員 大事な取組がなされているというふうに思います。
しかし、一方で、私が心配なのは、改修プロジェクトの視点3で、誰もが安心して快適に利用できる来庁者等の利便性の向上と位置づけられているんですが、限定的なものになってしまっているのではないかというふうに思います。
ここに書かれているのがトイレの利便性向上、それからサインの抜本的な改修、そして庁内スペースの有効活用、この三つとなっています。
都庁舎の設備更新等に関する方針を見ると、都庁舎はバリアフリー法など現行の法令、条例が求める水準をおおむね満たしているというふうに書かれていて、このように記述されています。高齢者、障害者などが社会参加をしていく上で障壁となるものを取り除くこれまでのバリアフリーの取組をさらに進め、今後は、誰もが安全で快適に利用できるように配慮したユニバーサルデザインの考え方に基づき、整備を進めていく必要があるというふうにされています。つまり、基本的にはバリアフリー化は実現されているということが前提になっています。
ただ、障害者の方の立場に立つと、まだまだ課題はあり、それは今後も声を聞きながら改善していく必要があるというふうに思います。車椅子を利用されている方々や障害者団体の方々からもかねてから要望が出されていますが、なかなか解決されない問題もあります。
車椅子の方が都議会の傍聴や要請などに来ても、都営大江戸線の都庁前駅から直接入ることができません。昨年度も改善の要望が寄せられました。どのように検討されているのか伺います。
○鈴木庁舎運営担当部長 都営大江戸線都庁前駅から都議会議事堂へのアクセスの要望についてでございますが、車椅子などの方のルートといたしましては、都庁前駅からエレベーターを利用できる都庁第一本庁舎北側のA4出入口となります。
ほかに車椅子の方がご利用できるルートはないことから、都庁前駅から地上へ出ずに都議会議事堂へ入るためには、新たなエレベーターを都議会議事堂に設置するなどのルートを確保する必要がございます。
しかしながら、既に建設されている都議会議事堂へ新たなルートを確保することは技術的に非常に困難であることから、引き続きA4出入口の利用のご案内をさせていただくことになります。
○原委員 今、改修工事を進めている中ですので、何とか対応できないのかというふうに思うわけです。ただ、技術的に非常に困難だということで、今見解も述べられています。
議事堂には図書館や都議会を身近に感じていただくための展示などもありますし、また、もちろん傍聴や要請に都民の方が来るということを考えても、都民に開かれた場所でなければなりません。
しかし、A4出入口は改札から非常に遠く、庁舎に入ってからも相当の長い距離を移動して議事堂に入ることになります。しかも、A4出入口から第一庁舎に入るときには屋根がありません。雨の日はぬれてしまいます。私自身、びしょぬれになってしまいましたといいながら訪ねてきた車椅子の方とお会いしたことがあります。車椅子の方だけがこのような不自由を強いられていることは、一日も早く改善されなければならないというふうに思います。
そして、車椅子のルートを案内していると述べられましたけれども、十分分かりやすく案内されているとは思えません。これについては緊急に改善を求めたいと思いますが、いかがですか。
○鈴木庁舎運営担当部長 都庁前駅の改札を出てからのご案内につきましては、バリアフリールート案内など既に実施しているところでございますが、引き続き、ルートのご案内につきましては関係局と工夫してまいります。
○原委員 引き続き関係局と工夫していくとおっしゃっていただけたので、ぜひ検討していただきたいというふうに思うんですけれども、率直にいって、まだまだ分かりにくいのではないかと、私は何度も歩いてみて感じています。
表示をもっと大きくするとか、目立つようにするというのもあると思いますし、特にA4出入口がとにかく遠いので、誘導のレーンを−−下にレーンが引いてあるんですけれども、そこに沿って行けばいいというふうにいわれるんですが、どこまで行くんだろうというふうに多分思われるんじゃないかというふうに思うんです。
しかも、改札を出る前に、A4出入口が車椅子の出入口なんだというはっきりした表示もやっぱり必要かなと。こうなると、財務局だけではなくて、まさに交通局の問題であったり、本当に関係局で協議をしていただく必要があると思います。そこはお願いしたいと思います。
ただ問題は、さっきいったようにエレベーターに乗れても、一旦地上に出てから屋外のスロープを通ってしか入れないという点なんです。せめて、屋外のスロープへの屋根設置は、改めて検討すべきではないでしょうか。いかがですか。
○鈴木庁舎運営担当部長 都庁舎へ入るスロープの部分への屋根の設置につきましては、強度を確保するために堅固な柱及び基礎が必要となり、既存のスロープの位置をずらすなど、広範囲の外構整備を伴うことから困難と考えております。
今後とも引き続き、誰もが利用しやすい都庁舎の整備に向けて、関係局と改善の要望等に関する情報を共有してまいります。
○原委員 先ほどもいいましたけれども、大江戸線のホームや連絡通路は交通局になりますし、庁舎は財務局、場所によっては建設局、またバリアフリー化については福祉保健局など、たくさんの関係局があるわけですよね。私は、今回提起をしている問題は、ちょうどそのはざまで起きているということなんです。
こういうところを、情報共有していただけるということですけれども、情報共有にとどまらず、誰もが利用しやすい都庁舎の整備に向けてという言葉もありましたので、その整備に向けて、ぜひとも進めていただきたいというふうに思います。
本格的な改善がかなわない期間も、できるだけ皆さんの不便を取り除くように進めていただくことを強く求めたいと思います。
冒頭でも述べましたけれども、昨年度までにかなりの工事が進んで、二〇二五年には工事が終了するという見込みだといわれている中で、改めて、今回取り上げたこと以外でも、バリアフリー化の視点で必要な改善は今後も進めていくことを求めて、質問を終わります。よろしくお願いいたします。
○竹井委員 よろしくお願いします。
令和二年度は、コロナ対策に明け暮れた一年ということで、私たちの下にも多くの皆様からお困り事をお聞きしてきました。コロナに罹患して入院生活、あるいは自宅療養を余儀なくされた方、住まいや職を失った方、収入が激減した方々など、様々なお声が届いたところです。
今回の決算審査におきましては、令和二年度の東京都の取組を振り返りまして、そういった困った人々へのサポートが行き渡ったのかどうか、また、今後都民に寄り添う取組をどのように実施していくべきなのかについてお聞きをしたいと思います。
全ての取組にはお金が必要であり、都の財政運営が全てのベースになりますので、都財政の状況と今後の展望について、それについても何点か質問いたします。
まず、コロナ禍においては、ひとり親、生活困窮者など社会的弱者にしわ寄せが生じています。
都は、コロナ対策の柱を四つ設けており、その中の一つに経済活動と都民生活を支えるセーフティーネットの強化充実という柱があって、人に手厚い施策を講じるためには、この柱が非常に大切だというふうに考えます。
そこで、都民生活を支えるセーフティーネットの強化充実の予算と、そして決算の状況についてお伺いをいたします。
○山田理事 令和二年度のコロナ対策における都民生活を支えるセーフティーネットの強化充実に向けた取組の決算状況につきましては、予算現額二千七百十五億円に対しまして、決算額は二千六百七十五億円となっております。
主な事業の決算額については、生活福祉資金貸付事業補助が二千四百九十七億円、中小企業従業員融資が六十一億円、ひとり親家庭への支援が六億円となっているほか、自殺防止対策の強化や児童虐待、DV等に対する支援などにも取り組んでいるところでございます。
○竹井委員 いずれも大変重要な取組です。私の周りにも、こういった施策で非常に助かったという声が多くありました。
しかし、コロナ対策としては全体で一・七兆円という決算額に対しまして、今おっしゃっていただいたセーフティーネットの強化充実に対しては二千六百七十五億円だったということが分かりました。
もちろん協力金、それから医療提供体制の強化に大きな経費がかかりますので、一概に比較はできません。また、金額の多寡で議論すべきことではないとは思いますが、困っている人に支援を届けるためには、この項目を充実させていくことが大変重要だと思います。
取組の評価、検証については、所管の各局で調査を行って、必要な施策に対しては延長、あるいは適用範囲の拡大、今後の効果的な取組につなげていただきたいと思っております。
都民生活を支えるセーフティーネットの強化をはじめ、コロナ対策を充実していくためには財源が必要なことは当たり前ですけれども、特に基金をどれだけ確保しておくかという点が重要です。都の財政状態をはかる上で都民にとって分かりやすい指標の一つではないかと思います。
特に使途に制限のない財政調整基金は自由度の高い基金として今後のコロナ対策にも有効に活用していくべきだと考えます。ただ、財政調整基金は、先ほどもご質問ありましたけれども、今年度、一時的に底をつきかけるような状況になったという報道などもあって、私も幾度か、都は、もう貯金がないんでしょうと聞かれることがありました。
そこで、これまでのコロナ対策によって財政調整基金を幾ら取り崩したのか、現時点での残額見込額と併せて伺うとともに、今後の残高確保の方策についての見解を伺います。
○山田理事 財政調整基金につきましては、感染拡大防止協力金の支給やテレワークの活用促進など、様々な新型コロナウイルス感染症対策を迅速に講じるための財源として活用したことによりまして、令和二年度決算においては単年度の取崩し額としては過去最大となります四千七百二十一億円を取り崩しております。
また、今年度も引き続き対策に取り組むため、現時点の令和三年度の取崩し見込額は三千四百六十九億円でございまして、二年度との合計での取崩し額は八千百九十億円となっております。この結果、令和三年度末の残高見込みは一千八百五十九億円となっているところでございます。
今後も無駄をなくす取組を徹底することはもとより、法に基づく積立てや都独自の積立てを通じまして、財政調整基金の残高確保に努めてまいりたいと思っております。
○竹井委員 財政調整基金は二千億弱までは戻っているとのことでありました。
過去の財政再建期と比べると一定程度の残額は確保されているというふうに思いますけれども、今後の第六波への備えを十分に行ってもらいたい、医療体制等も充実していただきたいという都民の声がある中で、この財政調整基金の水準は、今後も継続的に柔軟な対応ができるといえるのでしょうか。
残高の確保に都独自の制度もあるということですので、感染が下火になっている今だからこそ、将来の備えについて検討していただきたいと思います。また、財政調整基金以外にも特定目的基金もありますので、いざというときに慌てなくても済むように、そちらの自由度も高めるべきではないかというふうにも思います。
さて、この決算審査をするに当たりまして各局の担当の方と議論させていただきましたが、中には執行率の大変低い事業が見受けられました。これについては、オリ・パラの延期とか、コロナ禍で実施を見送ったとか、コロナ対策に注力するために見送った等々説明を受けました。
確かにやむを得ないことも多かったと思います。代替手段も検討して、それでもなお執行できなかったということならば仕方ないと思いますが、予算を立てていて、その事業の執行を見送るということであると、その分期待していたサービスが受けられなくなって不利益を被った都民がいたのではないかという心配にもなります。
突発的な事情は別としても、今後は、局が事業を計画する段階、予算要求の段階から、実現可能性を高められる仕組みなど、予算編成をつかさどる財務局が整備する必要があるのではないかと思います。
予算編成のスタートとなる見積りの段階から、各局がきちんと事業を計画し、予算要求に反映させることを促す仕組みの一つとしてシーリングがあります。先日の財政委員会で我が会派、中村議員が質問しましたが、この仕組みは必要な事業の予算まで削ってしまうのではないかという懸念もあります。
そこで、今回の決算の基となりました令和二年度の予算編成時と現在進行中の令和四年度の予算編成のシーリングの違いについて伺いたいと思います。あわせて、今後各事業の質を上げていくためにはどのような取組を行うのかについても伺います。
○山田理事 令和二年度予算の見積りに当たりましては、重点政策方針二〇一九に基づく取組など、積極的な予算化が必要なものはシーリングの対象外とした上で、その他の事業につきましてはゼロシーリングとしたところでございます。
また、令和三年度予算見積りでは、めり張りを強化した予算配分とするために、経常的、定型的な経費につきまして、十六年ぶりとなるマイナスシーリングを設定いたしました。
一方、今回の令和四年度予算見積りでは、事業実績や執行率に着目し、さらなる見直しが必要な事業については原則としてマイナスシーリングとすることで、各局における主体的な見直しを促す仕組みを一層強化したところでございます。
令和四年度予算編成に当たりましては、こうした取組に加えまして、政策評価と事業評価を一体的に実施することで施策の新陳代謝を促進するなど、各事業の効率性と実効性のさらなる向上を図ってまいりたいと思っております。
○竹井委員 今回は、各局が主体的に見直す仕組みを強化するためにマイナスシーリングを組み込んだということで、見直すべきところは見直していただきたいと思いますが、もちろん必要なところにはしっかりと財源を振り向けるということも大変重要であります。
これまで、都財政の現状、それから施策の見直しの観点も質問しましたけれども、今後、やっぱり都民の関心はコロナの第六波への備えだと思います。感染状況が低いレベルに落ち着いている今だからこそ、次に備えなければなりません。そのためには、財政基盤が盤石である必要があります。
そこで、これまでのコロナ禍を経た都財政の現状を踏まえて、今後第六波が起きた場合にも、都民一人一人に支援が行き届く対策を講じられるような財政運営を行っていくべきと考えますけれども、見解を伺います。
○山田理事 この間の新型コロナ対策の具体化に当たりましては、国庫支出金の獲得に努めつつ、基金の有効活用や将来負担を見据えた都債の活用など、財源確保に工夫を凝らしてまいりました。
令和二年度決算時点で基金残高は二・二兆円を確保しているほか、都債残高はピーク時から約五割減少するなど、都は、一定の財政対応力を維持できている状況にはございます。
一方、コロナ対策をはじめとする今後の財政需要や不透明な景気動向を踏まえると、都の財政状況を引き続き注視していく必要があります。
そのため、令和四年度予算編成などを通じまして、見直すべき事業はしっかりと見直し、無駄をなくす取組を一層徹底することで財政対応力を確保しつつ、都民が安心して暮らせる社会の実現など、都政に課せられた使命を確実に果たすための施策を積極的に推進してまいりたいと思っております。
○竹井委員 ご答弁をいただきまして、一定の財政対応力を維持しているということで、少し安心をいたしましたけれども、今後も予断を許さないということかと思います。
今回コロナ禍によって、まさに社会の格差、それから分断があぶり出されたという形になりました。私たちも多くの困ったというお声を受けまして、我々都議会立憲民主党としても、人に手厚い施策を講じるようにと何度も要望してきたところであります。
十月二十五日で都民の行動制限はほぼ解除されたということですけれども、もしも今後第六波といわれるような状況になった場合でも、誰一人取り残さない施策を充実させる必要があります。
そのために都財政が果たす役割は極めて大きいと考えますので、各局と十分に連携をしていただき、万全の対策を取っていただくよう重ねて要望して、質問を終わります。
○藤井委員 財務局への決算質疑を行わせていただきます。
昨年度の決算を基に、財務局のシステムについてお伺いをさせていただきます。
お配りいただきました財務諸表上の貸借対照表上にソフトウエア資産というものがあるんですが、財務局、こちらはゼロとなっております。これは会計上、平成二十九年度以降、一億円以上かけて開発したもの等について載せるということになっているので、多分ゼロになっているんだろうなと思います。
一方で、財務局には、電子調達システムなどシステムがあると認識をしております。財務局が所管している主なシステムにおける令和二年度の運用経費についてお伺いをいたします。
○古川経理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 財務局におけます主なシステムの令和二年度運用経費についてですが、ヘルプデスク運営に係る経費なども含めまして、東京都電子調達システムについては約四億一千七百万円、予算計数情報システムは約一億一千四百万円、財産情報システムは約二千六百万円、保全業務支援システムは約九百万円となっております。
○藤井委員 ありがとうございます。
東京都電子調達システム、そして予算計数情報システム、財産情報システム、保全業務支援システムと四つのシステムをご答弁いただきました。この中で大きなシステムとして一億円を超えているものが、東京都の電子調達システムと予算計数情報システムということですので、こちらについて少し詳しくお伺いをさせていただきたいと思います。
そのシステムの内容と運用しているベンダーさん等についてお伺いをしていこうと思うんですが、残りの二つの方、財産情報システムと保全業務支援システム、こちらにつきましては、開発、運用しているベンダーさんが、日鉄ソリューションズさんということで確認をしていることは、ご報告をさせていただきます。
まず、予算計数情報システム、これがどのようなものなのか、その概要と初期の構築費用とベンダー、そして運用先企業についてお伺いいたします。また、都庁側とベンダー企業側の運用体制についてもお伺いをさせていただきます。
○古川経理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 予算計数情報システムは、財務局主計部及び各局の予算担当者が一般会計及び特別会計の予算編成において、予算要求から予算書作成までの業務を行うためのシステムでございます。
開発経費は約四億七千万円であり、開発に係るベンダー及び現在の運用保守委託先は株式会社エヌ・ティ・ティ・データでございます。
運用体制につきましては、都では主計部の職員二名が他の担当業務と併せて従事しております。事業者側では予算編成日程に基づき、約十か月間システムを稼働できるよう体制を取っております。
○藤井委員 ありがとうございます。
ご答弁の中で、開発及び運用保守に関してはエヌ・ティ・ティ・データさんがされていて、初期の開発費用が四・七億円、そして運用は、先ほどの最初のご答弁から一億一千四百万円と確認をさせていただきました。
続いて、東京都電子調達システムについて伺います。これはどのようなものか、その概要と初期の構築費用とベンダー、運用先企業について伺います。また、都庁側とベンダー側の運用体制についてお伺いいたします。
○古川経理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 東京都電子調達システムは、調達業務の効率化、迅速化、入札プロセスの透明性、公平性の確保、競争性の向上を図ること等を目的として、工事及び物品の調達における入札、契約に関する一連の業務をインターネットを利用して電子的に処理するシステムでございます。
開発経費は約九億円でございまして、開発に係るベンダー及び現在の運用保守委託先は日本電気株式会社であります。
運用体制につきましては、都では経理部の職員三名が専任で従事しており、事業者側ではシステムの安定的な稼働をサポートする体制を取っております。
○藤井委員 ありがとうございます。
こちらの電子調達システムに関しましては、開発、運用が日本電気さん、NECさんでありまして、初期の構築費用が九億円と、最初のご答弁で、年間の運用経費はヘルプデスクも含めて四億一千七百万円ということで確認をさせていただきました。
今年の三月に国の会計検査院から出されました報告書がございます。政府情報システムに関する会計検査の結果についてというものなんですが、こちらによりますと、平成三十年度各省庁が行ったシステム改修の競争入札のうち、参加した業者が一つだけだった一者応札というのが九四%になっていたということで、ベンダーロックインというものが懸念をされているところであります。
この報告書の中にもあるんですが、ベンダーロックインをしないようにするためにはいろんな取組がありまして、例えば、例としてこの中でも一つ挙がっていたのが、第三者による保守を活用するなど調達単位を見直すという工夫を行うということもあるということでした。
今、お伺いさせていただいた両方のシステムとも、開発も運用保守も同じ会社さんがされているということでしたので、そういった工夫もあるようだということを、ご報告をまずさせていただきます。
都政の構造改革、シン・トセイ、この中で二〇二六年度をめどに、契約、支出関連事務のBPRの中で、この電子調達システムに関しましては、文書総合管理システムや財務会計システム等と業務データを連携するとしておりまして、近い将来の再構築というものが見込まれるものだと認識をしております。
財務局が所管するこの東京都電子調達システムにおいて、今後システムを再構築する際、ベンダーロックインが起きないようにどのように取り組むのかお伺いいたします。
○小泉契約調整担当部長 東京都電子調達システムについては、平成二十四年度に現行システムの運用を開始して以来、十年近くが経過してございます。将来、システムの老朽化等に伴う再構築を行う場合には、システムの品質や適正な履行を確保しつつ、適切なコストでの調達を行うため、専門的な知識を有する複数の外部の事業者を活用するなど、仕様の客観性及び公正性の確保に向けて取り組んでまいります。
また、デジタルサービス局のシステムアセスメントにおけるチェックを受けることなどにより、ベンダーロックイン等の懸念にも対応しつつ、幅広い事業者の参入の機会を図り、競争性にも配慮して、適切な事業者の選定に努めてまいります。
○藤井委員 ありがとうございます。
様々外部の目、そしてデジタルサービス局の目等を通して、一つのベンダーさんにならないように取り組んでいかれるということでありました。
結果として同じ会社さんが開発、運用するということは、ある意味仕方ないかと思うんですが、しっかり競争性を確保するということが重要であると考えておりまして、こちらも先ほどの会計検査院の報告によりますと、平均落札率に関して、応札者が一者の場合は九六%に対して、応札者が二者以上の場合は八二・五%と一三ポイント以上低くなっている傾向があるということであります。
これは、契約を所管する財務局さんなので、よくよくご存じのことだと思いますが、こういったことも起きているということ、そして、この報告等を受けて、公正取引委員会は全国千八百の自治体に対して調査を行っていて、これから報告がまとまる予定と聞いております。都でも財務局が窓口となって対応したということも聞いております。今後対応が求められる可能性というのが非常に高いと思っております。
ベンダーロックインの問題に関しましては、契約、入札を所管する財務局には、デジタルサービス局と連携しながら、今出ました入札者数であったりとか、応札者数、これ適切にチェックするなど、しっかりと取り組んでいただきたいと要望させていただきまして、私の質疑を終えさせていただきます。
○北口委員 私からは、一点だけ、未利用都有地の利活用についてお伺いいたします。先ほど他委員からもご質問ありましたけれども、改めて確認をさせていただきます。
財務局では、各局での行政用途を終えた都有地を引き継いで管理しているというふうに伺っております。いうまでもなく都有地は、都民から負託を受けた貴重な財産であり、可能な限り有効活用していくべきと考えております。また、地元の区市町村の意向なども確認しつつ、利活用について判断されるべきと思います。
そこで、用途廃止となり財務局に引き継がれた財産の活用の基本的な考え方についてお伺いをいたします。
○五十嵐財産運用部長 委員お話しのとおり、都有財産は、都民から負託を受けた貴重な財産であることから、その時々の行政需要に的確に対応させながら、財産価値を最大限に発揮させていくことが重要と考えております。
このため、庁内各局における行政利用を終え、財務局へ引き継がれる土地については、原則として、まず、都の行政施策としての利活用を検討し、庁内各局に利用意向の照会を行うこととしております。
照会の結果、庁内に具体的な利用計画がある場合には、当該利用局へ所管替えをし、引き続き行政利用に供しておりますが、庁内での利用見込みがない場合には、地元区市町村に情報提供し、公用、公共用途での活用意向の確認をしているところでございます。
その上で、区市町村における需要もなく、都として不用と判断した場合には、競争入札による民間への貸付けや売却を検討することとしております。
○北口委員 ただいま答弁にありましたとおり、活用に当たっては、地元自治体にも活用の意向を確認していただいているということであり、安心をいたしました。公共性の高い都有地であるからこそ、地域が抱える様々な行政需要に応えていくことは大変意義のあることと考えております。
そこで、行政用途を終え、財務局へ引き継がれた土地のうち、地元自治体の行政利用の用途として令和二年度に区市町村に対して売却をした実績をお伺いいたします。
○五十嵐財産運用部長 令和二年度におきましては、庁内各局から引き継いだ土地のうち、合計五件を区市町村に売却いたしました。
売却した土地については、例えば児童養護施設等の福祉施設の建設用地や公園用地など、地域の行政ニーズを踏まえた用途で活用されているところでございます。
今後とも、庁内における利活用が見込めない都有地につきましては、地元区市町村の意向を踏まえながら、地域の課題解決に向け活用を図ってまいります。
○北口委員 都が、地元自治体が抱える様々な行政需要に対し、財産面からしっかりと対応していただいていることを理解いたしました。
私の地元である葛飾区においても、例えば都営住宅の跡地など、都での利用が予定されていない未利用地が幾つか見受けられます。聞くところによりますと、その中には財務局への引継ぎが終わっておらず、まだ各局において引継ぎ等の手続を進めている土地もあるとのことであります。
地域の住民からも、有効活用できないのかというようなお声もいただいております。このような土地も含めまして、ぜひ地元区の要望も丁寧に確認しながら、地域の課題解決に向けて有効活用していただくことをお願いして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○早坂委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○早坂委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で財務局関係を終わります。
これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
午後四時七分散会
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