令和二年度各会計決算特別委員会第二分科会速記録第四号

令和三年十月二十五日(月曜日)
第十委員会室
午後一時開議
出席委員 十名
委員長内山 真吾君
副委員長慶野 信一君
副委員長清水 孝治君
かまた悦子君
あかねがくぼかよ子君
アオヤギ有希子君
田村 利光君
白戸 太朗君
五十嵐えり君
尾崎あや子君

欠席委員 なし

出席説明員
教育庁教育長藤田 裕司君
次長福崎 宏志君
教育監増田 正弘君
技監矢内真理子君
総務部長安部 典子君
都立学校教育部長谷 理恵子君
地域教育支援部長小菅 政治君
指導部長藤井 大輔君
人事部長浅野 直樹君
福利厚生部長田中 宏治君
教育政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長
新型コロナウイルスワクチン接種連絡調整担当部長兼務
稲葉  薫君
企画調整担当部長岩野 恵子君
教育改革推進担当部長佐藤 聖一君
特別支援教育推進担当部長滝沢  毅君
指導推進担当部長瀧沢 佳宏君
高校改革推進担当部長田中 愛子君

本日の会議に付した事件
令和二年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
教育庁関係
・令和二年度東京都一般会計決算(質疑)

○内山委員長 ただいまから令和二年度各会計決算特別委員会第二分科会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、教育庁関係の決算に対する質疑を行います。
 これより教育庁関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、幹部職員に交代がありましたので、教育長から紹介があります。

○藤田教育長 人事異動によりまして教育庁幹部職員に交代がございましたので、私の方からご報告させていただきます。
 初めに、次長の福崎宏志でございます。続きまして、高校改革推進担当部長の田中愛子でございます。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○内山委員長 紹介は終わりました。

○内山委員長 決算の審査を行います。
 令和二年度東京都一般会計決算中、教育庁所管分を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○安部総務部長 十月十五日の当分科会におきまして要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の令和二年度各会計決算特別委員会第二分科会要求資料の表紙をおめくりいただき、目次をご覧願います。
 今回要求のございました資料は十二件でございます。
 それでは、一ページをお開き願います。1、都立高等学校等における高等学校等就学支援金の歳出予算及び決算でございます。
 令和二年度の就学支援金の歳出における予算につきまして受給対象者数と支給額を、決算につきまして受給者数と支給額を、区分別にそれぞれ記載してございます。
 二ページをご覧ください。2、都立高等学校等における奨学のための給付金の給付区分ごとの歳出予算及び決算でございます。
 令和二年度の奨学のための給付金の歳出における予算につきまして給付対象者数と給付額を、決算につきまして給付者数と給付額を、給付区分別にそれぞれ記載してございます。
 三ページをご覧ください。3、都立学校等給付型奨学金の給付区分ごとの歳出予算及び決算でございます。
 令和二年度の給付型奨学金の歳出における予算につきまして受給対象者数と予算額を、決算につきまして受給者数と支給額を、区分別にそれぞれ記載してございます。
 また、主な対象事業につきまして記載してございます。
 四ページをご覧ください。4、都立高等学校等の授業料減免の実績でございます。
 平成二十八年度から令和二年度までの間で、授業料を免除または減額した人数について、区分別、課程別、年度別にそれぞれ記載してございます。
 五ページをご覧ください。5、都内公立中学校夜間学級在籍者のうち、中学校を卒業している生徒の数でございます。
 平成三十年度から令和三年度までの各年度における、夜間学級に在籍していて、既に中学校を卒業したことがある生徒の人数、その人数を含む全体の在籍者数をそれぞれ記載してございます。
 六ページをご覧ください。6、区市町村立小・中学校の情緒障害等通級指導学級及び特別支援教室設置校数・拠点校数・児童生徒数・教員数・専門員数でございます。
 六ページ及び七ページは区市町村立小学校でございまして、平成二十九年度につきましては従来型の通級指導を含む特別支援教室の、平成三十年度から令和三年度につきましては特別支援教室の、設置校数、児童数、教員数、専門員数について、区市町村別にそれぞれ記載してございます。
 なお、令和三年度につきましては設置校数の内数として拠点校数を記載してございます。
 また、八ページ及び九ページは区市町村立中学校でございまして、平成二十九年度及び三十年度につきましては情緒障害等通級指導学級の、令和元年度及び二年度につきましては従来型の通級指導を含む特別支援教室の、令和三年度につきましては特別支援教室の、設置校数、生徒数、教員数、専門員数について、区市町村別にそれぞれ記載してございます。
 なお、同様に令和三年度につきましては設置校数の内数として拠点校数を記載してございます。
 一○ページをご覧ください。7、東京都公立小・中学校の自閉症・情緒障害特別支援学級(固定)設置状況でございます。
 一○ページに公立小学校における平成二十九年度から令和三年度までの設置校数及び学級数について、区市町村別にそれぞれ記載してございます。
 また、一一ページには、公立中学校につきまして、同内容を記載してございます。
 一二ページをご覧ください。8、都立学校「自立支援チーム」の実績とユースアドバイザー、ユースソーシャルワーカー(主任)及びユースソーシャルワーカーの新規採用人数でございます。
 (1)は、都立学校自立支援チームが平成二十八年度から令和二年度までにおいて支援を行った学校数、支援対応生徒数、支援累計回数について、区分ごとにそれぞれ記載しております。その下、(2)は、ユースアドバイザー等の新規採用人数について、採用年月ごとに職種別にそれぞれ記載してございます。
 一三ページをご覧ください。9、都内教育支援センターの区市町村別設置数と不登校特例校一覧でございます。
 (1)は、令和二年五月一日現在における都内教育支援センターの設置数について、区市町村別にそれぞれ記載してございます。その下、(2)は、令和三年四月一日現在における都内不登校特例校の学校名、管理機関、開校年月について、それぞれ記載してございます。
 一四ページをご覧ください。10、改築、大規模改修等の工事中又は工事予定のある都立学校でございます。
 令和三年四月一日現在における高等学校等と特別支援学校の状況について、それぞれ記載してございます。
 一五ページをご覧ください。11、新型コロナウイルス感染症の影響による修学旅行等のキャンセル料に対する補助実績でございます。
 令和二年度における受給者数と支給額について、校種ごとにそれぞれ記載してございます。
 一六ページをご覧ください。12、都内公立小・中学校及び高等学校・特別支援学校の冷房設備設置状況でございます。
 特別教室及び体育館等の保有室数、冷房設置室数、設置率について、校種ごとにそれぞれ記載してございます。
 以上、簡単ではございますが、要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○内山委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○清水委員 それでは、よろしくお願いしたいと思います。
 私からは、東京都の教員の皆様を取り巻く課題についてお伺いをしたいと思います。大きく三つの項目についてお伺いしたいと思います。
 まず初めに、教員へのサポートについてお伺いしたいと思います。
 世の中に先生と呼ばれる職業は数々あるのかなと思います。かくいう私ども議員という仕事も、時には先生と呼ばれるときがございますが、そういって呼ばれるときは何かあるのかなと用心しなければならないような場面が多いと感じているのは、私だけではないと思っている次第でございますが、まあ本当に心から先生だなと、呼ばれる職業といいますと、やはりお医者様、医師ですね。あるいは、学校の先生、教員の皆様のことなのかもしれません。
 そういった先生、いわゆる教員でございますが、一昔前は、本当に憧れの職業だったのかなと思います。東京都におきましても、たしか一般事務の職員の方よりも教員の方の方が少しお給料がいいように聞いております。
 そういった教員でございますが、今日ではどうやらそういったいい職業ではない、そういうふうになってしまったというふうなようでございます。
 つい三日前に、東京都の教員採用選考の結果が発表されました。採用倍率を拝見いたしますと、若干の回復は見られたものの、引き続き厳しい状況にあるのかなと思います。
 採用倍率は全国的に低下傾向にあるとされております。一口に倍率低下といっても、その要因を分析する必要があると思うんですね。東京都はどのように認識されているのかお伺いをしたいと思います。

○浅野人事部長 全国的な状況でございますが、近年の採用倍率の低下は、教員の大量退職に伴う採用者数の増加の寄与するところが大きいと認識しております。
 例えば、全国の小学校教員の採用倍率については、平成以降の最高倍率である平成十二年度の十二・五倍に対し、令和二年度は、採用者数が約五倍に増えた結果として、約五分の一の二・七倍まで低下しております。

○清水委員 ありがとうございました。大量採用が倍率低下の要因であるということが、今のご答弁でお示しされたようでございます。
 一方で、都は、引き続き子供の数が増えると見込んでおるわけでございますので、今後も応募者の確保が、これは必要ではないかと。また、もっと様々な工夫が要るのではないかと思っておる次第でございますが、ご見解をお伺いしたいと思います。

○浅野人事部長 先生ご指摘のとおり、引き続き子供の数が増えていると見込まれているわけであります。したがいまして、今後も引き続き応募者数の確保に向けては最大限の努力をしていく必要があると思っております。

○清水委員 ありがとうございます。
 様々な工夫が必要だと思うんですね。特に、最近よくいわれていることは、先生方、教員の多忙化、長時間勤務によっての調査や報告が様々な形で報道されているわけでございます。ある方にいわせると、教員イコールブラックな職業とまで世間ではいわれているようなときもございます。
 そのことから、民間ですとか、あるいは他の道府県に先駆けて、教員の職場環境を改善することは、教員志望者の確保にもつながるものかと思うわけでございます。
 そこでお伺いしたいと思うんですが、都教育庁の多忙化解消策の具体的な取組の一つといたしまして、スクールサポートスタッフ配置支援事業があるかと思いますが、事業の概要と令和二年度の実施状況について、まずはお伺いしたいと思います。

○浅野人事部長 スクールサポートスタッフ配置支援事業は、教員の業務負担の軽減を図り、児童生徒への指導や教材研究等に注力できる体制を整備するため、授業準備等をサポートする人材の公立小中学校への配置を支援する事業として、平成三十年度に開始いたしました。
 令和二年度は、当初の募集に加え、新型コロナ感染症の拡大に伴う臨時休業からの学校活動の再開を支援するため、六月、八月及び十月に追加募集を実施し、千五百八十四校への配置を行いました。
 スクールサポートスタッフは、教員の代わりにプリント等の印刷や教材作成支援に加え、教室の消毒作業などの業務に活用されており、配置校からは、教員の負担軽減につながっているとの評価も受けました。

○清水委員 ありがとうございます。
 東京都の事業でございますスクールサポートスタッフの配置が、特に、このコロナ禍の中でありました昨年度、学校の働き方改革として成果を上げているんだということが、今お示しがあったとおりでございます。
 しかしながら、現場の方の声といたしましては、スクールサポートスタッフ、これ、先生方の共通のサポートスタッフというふうなことで認識されているわけでございますが、できれば、まあ働き方はちょっと外国とは比較、単純にできないのかもしれませんが、外国の先生方についておりますセクレタリー、秘書さんですね、のようなことも考えていただけないかというふうなご意見もいただいております。
 それだけ、先生方の日常の多忙さ、あるいは、実際の勉強以外の一般のそれに付随する事務がどれだけ多いかということを物語っているようなご意見でございましたので、そういう声もあるということを皆様方に私の方からお伝えいたしたいと思います。
 そこでなんですが、このような都の優れた取組、これ広く、特に教員をこれから希望される方々にアピールしていくことが、教員採用選考を受験していただくために、これ、非常に有効ではないかと思うわけでございますが、都の取組についてお伺いしたいと思います。

○浅野人事部長 近年、働き方改革についての教員志望者の関心は高いことから、都の改革について広くPRすることが有効と考えております。
 そのため、採用選考案内に働き方改革のページを設けるとともに、説明会や個別相談会など様々な機会を通じて、スクールサポートスタッフの配置の大幅な拡充など、都が教員の仕事のサポートを充実させてきたことを伝えてまいりました。
 今後とも、学校の働き方改革を進め、教職の魅力を高めるとともに、その取組を広く発信してまいります。

○清水委員 発信の仕方もいろいろあろうかと思いますので、今、若い方はSNSですとか、そういった紙媒体以外でもいろんな情報を得ているかと思いますので、発信の工夫方もぜひともよろしくお願いしたいと思います。
 いずれにしても、今後も優秀な教員を都として確保するために、教員採用選考受験者確保に向けまして、働き方改革とともに、その取組についてのPRについては引き続き注力をしていただければと思いますので、どうぞよろしくお願いをしたいと思います。
 続きまして、第二項目め、学校問題解決への支援についてお伺いしたいと思います。
 教員を取り巻く環境の中で非常に深刻なのは、クレーム対応が挙げられるかと思います。これ、民間研究所の調査なんですが、それによりますと、近年、保護者等のクレームが増加傾向にあるように伝えられております。都内の現状について、教育庁からのご見解をお伺いしたいと思います。

○岩野企画調整担当部長 都教育委員会では、平成二十年六月に公立学校における学校問題検討委員会を設置し、学校問題に関する実態を把握するための調査を実施いたしました。
 これによりますと、都内公立学校の九%に当たる学校で、理不尽な要求が繰り返され、学校での対応に限界を感じている実態が明らかになりました。このうち、学校側の対応への不満から大きなトラブルへ発展したケースが半数以上あり、学校の初期対応が非常に重要なことが明らかとなりました。
 こうしたことから、都教育委員会では、平成二十一年に学校問題解決サポートセンターを設置し、その中で、保護者からは生徒指導に対する教員の対応について、学校からは保護者等からの苦情に対する相談を受けております。これを受け、学校の初期対応能力の強化とトラブルを未然に防止する教職員の対応能力の向上を図るため、毎年、区市町村教育委員会の指導主事等を対象とした連絡会等を実施しています。
 さらに、令和二年度からは、教員の働き方改革と東京の教育の質の向上を推進するために設立した政策連携団体であるTEPROに学校法律相談デスクを設置し、学校で生じる様々な問題に組織として対応できるように支援を行っております。

○清水委員 ありがとうございました。
 様々な取組をしている中で、私は、この政策連携団体であるTEPRO、非常に期待をしているところでございます。実は、私の知り合いの教員でございまして、東京都の高校の学校の先生だったんですが、ちょうどこのTEPROができる少し前に保護者の方とトラブルとなってしまいまして、その教員の個人が訴えられてしまい、私はちょっと相談を受けたことがございます。
 これはこういうことなんですけど、学校の教育活動の中で発生したことでございますが、学校が訴えられるのでなく、教員個人が訴えられるようなことだったんですね。しかしながら、これはクラブ活動での出来事であったので、ちょっと先生にとっては気の毒だったのかなというふうに思いました。
 教員個人が訴えられるようなことでは、これは安心して教員は教育活動に携われない。そのためには、問題が大きくなって保護者等との関係がこじれる前に、学校が管理職を中心に、そして、組織的に対応をしていくことが私は重要だと思います。
 ぜひともお願いをしたいと思うわけでございますけど、先ほどのご答弁では、学校で発生する様々なトラブルの解決に当たっては、都教委としても取組を行っているとのことでございました。都教育委員会の具体的な支援の内容についてお伺いをしたいと思います。

○岩野企画調整担当部長 TEPROが実施しております学校法律相談デスクでは、弁護士等の相談員を配置し、学校で生じる日常的な懸案事項について、都立学校の校長や副校長が、その発生初期の段階から気軽に相談できるようにしております。
 また、学校問題解決サポートセンターは、教育相談センターが実施している事業であり、学校、区市町村教育委員会及び保護者等からの相談に対し、学校と保護者や地域住民との間で生じた、学校だけでは解決困難な問題について、子供にとって何が大切かを第一に考え、事案ごとの必要性に応じ、弁護士、精神科医等の専門家からの助言を受け、公平、中立的な立場で問題解決の支援を行っております。
 さらに、教育相談センターでは、学校の管理職や教職員を対象に、弁護士等の専門家により、対応に苦慮する保護者等との関わり方などの講演会を開催し、学校問題の未然防止や初期対応能力の向上を図っているところでございます。
 これらの取組を通じ、学校で発生する様々な問題に対する初期対応能力の向上を図るとともに、解決に向けた支援を行ってまいります。

○清水委員 ありがとうございます。取組についてご答弁をいただいたわけでございます。
 今、部長の方からご答弁ありましたTEPROですとか、学校問題解決サポートセンターで、法律を含めた専門的立場で相談体制があることが確認できたわけでございますが、この令和二年度におきます相談の利用状況についてお示しをいただければと思います。

○岩野企画調整担当部長 令和二年度の実績についてですが、TEPROの学校法律相談デスクは、都立学校の管理職から八十八件の相談がございました。
 また、教育相談センターの学校問題解決サポートセンターでは、全相談八百件のうち、学校、区市町村教育委員会からの相談は四十件でございました。

○清水委員 ありがとうございました。法律相談デスクの方が八十八件、あるいは教育相談センターの方は全相談八百件のうち、学校、区市町村教育委員会の方からの相談四十件ということは、逆にいうと、その差し引いたところは保護者からのご相談だったのかなというふうに思っております。
 今回は、特にそのTEPROにつきましては、初年度ということでございますので、相談件数の傾向というのはなかなかつかめないわけでございまして、この八十八件というのが多いんだか、少ないんだか、私にはちょっと、一口には評価ができないところでございますが、やはりこういった、改めて相談の機関を頼るというのはよほどのことではないのかなというふうに私は思っているんです。
 やはり先生方は、基本的には日々、児童や生徒と、葛藤しながら日常の活動を行っていただいていると、その中でご解決をいただいているというふうに思っておりますので、そういった先生方がどうしても相談しなければならない、また、今回のこのTEPROの制度につきましては、先生個人からというよりも、管理職の方からというふうなお問合せでございますので、学校内で大分葛藤があるんじゃないかなというふうに思うわけでございます。
 今回、私が相談を受けました事例につきましては、先ほど申し上げたとおり、学校を訴えたわけではなくて、個人、教員個人を保護者の方から訴えられてしまったというふうなケースでございました。教員個人によります法律対応というのは、これ、直接話を聞いたんですが、大変な労力を強いられるものだと思いました。
 今回のケースでは、こういったことだったんですが、事故が発生してから、刑事告訴をされるまでは、これは、学校長が保護者との対応に非常に協力をしていただきまして、学校全体でその先生個人をリカバリーしていただいたような状況でございました。
 しかしながら、教員個人が刑事告訴されて以降は、これは本人による孤独な対応を余儀なくされたようでございました。先生が自費で、あるいは自らの力で弁護士も頼まなければなりませんし、裁判に必要な膨大な資料、これもそろえなければなりません。
 今回、私が受けたケースは、事故の発生から刑事裁判が終わるまで一年半かかったそうでございます。その後から始まります教育委員会からの事情聴取あるいは行政処分、相手側からの民事訴訟、そして、示談が成立するまで、実に丸三年かかってしまったというふうなことでございます。
 ふだんの−−今回の場合は停職も非常に短かったわけなんですが、逆にいうと三年間、丸々こういった法律の、あるいは法廷対応しながら、仕事もしていかなければならない、生徒と向き合っていかなければならないという、これはもはや個人の手に負えるような、私は範疇を超えていると思うわけでございます。
 したがって、せっかく政策連携団体でおつくりになった教員サポート、学校サポートのためのTEPROですとか、学校問題解決サポートセンターでは、これ、弁護士の選任など教員個人に対する裁判サポートを今後は考えてみたらどうかと。学校だけじゃなくて、教員個人に対してのサポートというところに光を当てて、活動の仕方を変えたらどうかと、支援の仕方を変えたらどうかと思いますが、教育庁のご見解をお伺いしたいと思います。

○岩野企画調整担当部長 学校で発生する様々なトラブルの解決に当たりましては、学校が組織的に対応していくことが重要であり、TEPROの学校法律相談デスクや、教育相談センターの学校問題解決サポートセンターを設置し、学校を支援しているところでございます。
 教員個人が対象となった訴訟への支援については、都の行政系職員と同様に、一般財団法人東京都人材支援事業団が行っている団体保険として、職務上の行為で職員が訴訟を提起された場合、法律上の損害賠償金や弁護士費用等を補償する訴訟費用保険がございます。今後は、これらを職員に案内するなども行ってまいります。

○清水委員 ご答弁いただきました。
 確かに、現行の取組というか、この制度の在り方は、今、部長がご答弁されたことだと思うわけでございますが、保険があるからそちらの方に入ってくださいというだけではなくて、せっかくそのようなサポート機関があるわけでございますし、先生方のご苦労の中でのかなりウエートを占めておりますクレーム対応ですとか、それに伴って、法廷での対応もしていかなければならないというのは非常に大変なことだというふうなことが今回の相談ケースで分かりましたので、何らかの形で工夫ができないかなというふうなことを今日の段階では申し述べていきたいと思います。
 残念ながら、今回、この私の受けた相談ケースでは、いわゆる訴訟費用保険というのは入っていらっしゃらなかったそうなんですね。それで、教育庁にもお聞きをしましたら、現在、都内の先生方の訴訟費用保険、これはどのくらい加入されているかというのも、なかなかつかめていないというふうなことでございました。
 結果、聞きましたら、数百万円の費用と三年にも及ぶ時間がかかってしまったということを考えますと、これ、まずは、東京都の教員の皆様方に、こういった保険があるんだという、ぜひとも皆さん加入してくださいというふうな加入促進の取組について、強く、これからもお訴えしていただきますよう、要望をさせていただきたいと思うわけでございます。
 いずれにしても、これからも、学校の初期対応、これも必要でございますし、様々なトラブルに対する取組もしっかりと学校の中で工夫をしていただきたいと思うと同時に、トラブルが発生したときに、学校が相談できるような、本当に心から相談できるような、教育庁におきましては、対応をぜひともこれからも充実をさせていっていただければと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 最後に、高校生に教員の魅力を伝えることについてお伺いしたいと思います。
 これまで申し述べましたとおり、教員という職業は大変なこともありますが、いうまでもなく、教員の皆様方は、次の世代を担う重要な役割を担うものでございます。この魅力を伝え続け、いつの時代もこのすばらしい職業を若者に目指してほしい。そのように私は思っているわけでございますし、多分委員の皆様も同じ考えだと思うわけでございます。
 ここで留意すべきことは、大学に進学してから教員を志しても、教員免許は取得はできますが、小学校教員の免許は、教育学部などの教員養成系の大学での取得が中心となっているというふうなことであります。
 そうしますと、大学受験に当たっての進路を選択する段階、すなわち、高校生に教職の魅力を伝えることがとても重要になるのかなというふうに思っております。
 都教育委員会では、高校生を対象に教職の魅力を伝える取組を行っているというふうに聞いておりますが、その取組につきまして、お伺いをしたいと思います。

○浅野人事部長 都教育委員会ではこれまで、教員確保に向けたPR事業の一つとして、現役の教員が直接相談を受ける個別相談会を開催してまいりました。令和二年度に実施した個別相談会では、大学生などを中心とした従来までの参加者に加え、将来教員を志望する高校生十六名にも参加してもらい、その疑問に答える機会を設けました。
 参加した高校生からは、生徒に向き合って大変なこともあるけれど、それだけやりがいもある職業だと分かった、大変なことも工夫次第で楽しくできるということが分かったなどの感想が寄せられ、好評でございました。
 この取組について、今年度は、より広く募集を行い、さらに多くの高校生に教職の魅力を伝えてまいります。

○清水委員 ありがとうございました。
 ぜひとも十六名の高校生が東京都の教員になっていただければなというふうに期待をしているわけでございますし、その十六名の高校生の皆さんが、教員のすばらしさということを、他の同級生やお仲間にもお伝えいただけたら、最高なのかなと思っております。
 今日は教員を取り巻く様々な課題につきまして質問させてもらいました。令和は本当に複雑で難しい時代でございまして、かつての先生像、私なんかのときは、やはり金八先生ですとか、知っている方も少なくなってまいったかもしれませんけど、熱中時代の水谷豊さんが演じる先生なんていうのが、ああいうふうな熱血の先生というのが思い出されるわけでございます。
 今の時代は、必ずしもそのような私の思っている先生像とはいかないのかもしれませんけど、やはり、私たちが子供から大人になり、そして成人を迎えることができて、こうしてお話もできれば、漢字も書ける、英語も少しはお話ができる。こういうふうなところまで来たのはやはり、そういった先生方のおかげなのかなと思います。
 大人になって、かつての恩師とグラスを傾ける、その瞬間というのは、これは皆さん、私、生徒も、あるいは先生も、何ともいえない深い心持ちになるのかなというふうに思っている次第でございます。
 やはり教員という職業は、他の職業では決して感じることのできない大きな感動がある、すばらしい職業だと思います。ぜひ、皆様方の取組を広げていただきまして、多くの高校生に教員という職業の魅力を伝えていただき、東京都にすばらしい先生を確保していただきますよう、心からご期待を申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。

○白戸委員 日本国内はもとより、東京都でも、これまでの教員の勤務時間の超過、そして仕事量の多さが度々問題視されてきました。皆さんもご存じかと思いますが、ちょうど先週末に、文部科学省が出している#教師のバトンというSNSが炎上したということも非常に話題になりました。
 これは、本来、教師のやりがいを発信してもらおうと、成り手不足解決につなげるために文科省が投稿を募集したものなんですが、むしろ来たのは、仕事の大変さを訴える投稿が相次ぎまして、ピーク時には一日一万件を超えるという投稿があったといいます。教員の働き方に関しましては、まだまだ多くの課題を抱えているということがうかがえる一件であったと思います。
 教員の業務は、授業はもちろんですが、それ以外にも、生徒指導や部活動等々、教員のやるべきことは多岐にわたっており、授業の準備や、授業の準備も帰宅後というような状況もあったようです。ちなみに、私の両親、父母、それから、うちの弟も今、教員をやっていて、このようなことは聞いております。
 こういった教員の多忙が続きますと、教員の心身に大きなストレスを与えて、教員の健康状態にも大きな影響を及ぼすほか、教育の質そのものへの低下も招かざるを得ません。教員の健康を守る意味でも、そして、よい教育、質の高い教育のためにも、教員の働き方改革の必要性は急務だと考えます。
 その中で、都内の公立学校では働き方改革、改善する様々な取組をされてきました。その成果もあり、一定の成果を上げてきたのではないかと考えますが、残念ながら、依然として、教員の長時間労働はまだ解消されたとはいえません。今後、さらに働き方改革に関わる事業を進めていかなければいけない、このように考えております。
 文部科学省は、本年八月に学校教育法施行規則の一部を改正し、スクールサポートスタッフについて、教員の業務の円滑な実施に必要な支援に従事する教員業務支援員として職務内容を位置づけました。
 今後、学校の運営体制の強化充実を図るために、スクールサポートスタッフは、学校において、ますます必要不可欠な存在になると考えます。
 そこで、先ほど副委員長の質疑でも触れられましたけれども、少し角度を変えて伺っていきます。都が実施されましたこのスクールサポートスタッフの配置支援事業について、令和二年度における支援事業の決算額、執行率及び配置状況について伺います。

○浅野人事部長 スクールサポートスタッフ配置支援事業の令和二年度の決算額は十八億千二百九十七万二千円で、執行率は六五・七%でございます。
 五十三区市町村において、千六百三十三名の配置を支援いたしました。都内区市町村立学校の約八四%の学校にスクールサポートスタッフが配置されております。

○白戸委員 やはり、区市町村のニーズ、非常に高いことが分かります。現場では人手が必要とされているのでしょう。
 それでは、スクールサポートスタッフを導入した成果について伺います。

○浅野人事部長 都教育委員会が本年六月に実施した調査では、令和二年度に新たにスクールサポートスタッフを導入した学校においては、配置前と比較して、教員一人当たりの一週間の勤務時間が平均約六時間縮減しております。
 学校現場からは、教材研究や授業準備をする時間が増えた、教員の心理的な負担軽減につながった、退勤時間が早くなり、休日勤務も減ったという声が寄せられております。

○白戸委員 データから見ますと、一日一時間程度、確実に軽減していることが分かり、現場の声も聞きますと、その効果を感じていただけているようです。確実にこのスクールサポートスタッフの活用が教員の負担軽減につながっているということが分かりました。
 一方、このスクールサポートスタッフ配置支援事業の予算の執行率、先ほど述べられたように、六五・七%にとどまっています。これはどのような原因があると分析されていますか。そして、この執行率が低い状況に鑑み、課題を踏まえて対応すべきかと考えますが、見解を伺います。

○浅野人事部長 例えば、初めて導入した一部の学校では、スクールサポートスタッフに任せられる業務範囲の理解が十分でなく、有効に活用し切れない状況があったことが挙げられます。これまでも都教育委員会では、様々な活用事例を収集し、事例集として、区市町村教育委員会へ周知してまいりました。
 今後、本事業の活用をさらに進めるため、新型コロナウイルス感染症対策に係る消毒作業等を含め、任せられる業務の紹介をさらに充実させるなど、より分かりやすい事例集に改定し、区市町村へ周知してまいります。
 また、スクールサポートスタッフを年度途中から配置したいとの学校がある場合、区市町村の要望に応じた支援ができるよう、丁寧に相談を受ける旨を周知してまいります。

○白戸委員 今の答弁の中にあったように、この導入、活用している学校では確実に効果は出始めています。
 コロナ禍で、ますます教員の仕事が増えている中で、人手が足りているというような学校は皆無であると考えられます。導入できていない学校は、人手が足りているのではなくて、その活用法がうまく見いだせていないなど、情報不足が原因だと考えられます。
 ぜひとも、今後とも、丁寧な周知と、個別の案件に丁寧に対応していただけるようお願い申し上げます。
 そして、令和元年度からはこの支援の対象が拡大され、小学校においては二十四クラス以上、中学では十八クラス以上になれば、一校二名の支援対象ということですけれども、まだまだこれでもハードルが高いのかなというふうに思われます。教員の健康と教育の質向上のためにもしっかりと支援を続けていただきたいと考えます。
 教員の働き方改革に寄与するものとして、小学校の教科担任制についてもお伺いします。
 一人の教員で多くの科目を教えるということに関して、教員によっては大きな負担となっていることもあるようです。そして、令和三年一月の中央教育審議会答申においては、小学校高学年からの教科担任制を令和四年度をめどに本格的に導入する必要があると示されました。
 東京都教育委員会ではこれまで、小学校の音楽、図工などに専科の教員を配置してきていますが、あわせて、学級の担任と専科教員などが教科を分担して指導を行う体制を構築することは、教材研究の充実や授業準備の効率化など、教員の負担を軽減することにつながる重要な取組と考えます。都教育委員会の見解を伺います。

○藤井指導部長 小学校高学年における教科担任制は、専門性の高い教科指導を実現し、中学校教育への円滑な接続を図るとともに、担任一人だけではなく、学年、専科の教員とが連携した多面的、多角的な児童理解が可能になるなど、子供たちの発達段階に応じた指導体制を構築するために有効な取組でございます。
 そのため、都教育委員会は、令和三年二月に小学校教科担任制等推進校を十校指定し、令和三年度から、教材研究や授業の質の向上、教員の指導体制の強化、児童の学力面や生活面における変容等について、研究、実践及び検証を開始しております。
 今後、小学校教科担任制等推進校の成果や効果検証を踏まえ、教員の負担軽減を図りつつ、授業の質を向上させる指導体制の充実に取り組んでまいります。

○白戸委員 教員の教育を守り、教育の質を上げていくことができる。まさに、現在求められていることに対する効果的な対応の一つだと考えます。これからもこの取組をしっかりといただけるようお願い申し上げます。
 そして、こちらも同じく教員負担の一因となっている部活についてお話をさせていただきます。
 誤解のないように最初に述べさせていただきますと、私自身は部活動に否定的なわけではありません。むしろ、私自身、中高時代に部活動によって居場所をつくっていただいたような立場ですから、授業とは違う学校生活の学びの場であるということは重々理解しているつもりではありますが、今、問題は、この部活動自身が教員の働き方に与えている負担についてであります。
 その解決のために平成三十年から導入されています部活動指導員制度について伺います。
 まず、部活動指導員の令和二年度における配置状況及び成果について伺います。

○瀧沢指導推進担当部長 教員の負担を軽減し、部活動の充実を図るためには、専門的な技術指導や大会引率、審判などを行うことができる部活動指導員の活用を促進することが重要でございます。
 都教育委員会は、令和二年度、都立学校百七十四校に七百五十九名を配置し、中学校には国の補助事業を活用して二百八十六校、五百四十名の部活動指導員の配置を支援いたしました。
 その結果、学校からは、専門的な技術を生徒に指導することで部活動の充実につながった、教員の授業準備などに専念する時間を確保することができたなどの成果が報告されております。

○白戸委員 教員が負担軽減を感じられていること、そして部活動の質そのものが上がったという報告で、狙った効果、かなり得られているようです。
 ただ、現場からは、スポーツの指導員としては優秀なんだけれども、学校との連携不足があるという声や、教育現場にふさわしい言動をしっかりとしてほしいというような声も地元では聞かれております。つまり、学校の活動に携わる者としての資質向上がまだまだ必要であるということがいえるのかもしれません。
 そこで、都立学校に配置されている部活指導員の資質向上に向けた具体的な取組について伺います。

○瀧沢指導推進担当部長 都教育委員会は、部活動指導員の資質向上に向けた研修会を年二回実施しております。
 研修会では、部活動の在り方に関する方針などについての総合的なガイドラインに示されております科学的トレーニングの積極的な導入により、合理的で、かつ効率的、効果的な活動を行うことや、職員として体罰の禁止などの職務上守るべき法令などについて学ぶ機会を設け、学校職員としての自覚を促しております。
 引き続き、部活動指導員が教職員と連携を図りながら職務を遂行していくことができるよう、資質向上に努めてまいります。

○白戸委員 部活指導員は、スポーツや芸術文化の指導者であるというのももちろんですが、それと同時に教育者でもあり、また、部活動自体が学校教育の一環でもあります。
 この制度が始まった平成三十年度から令和元年度までは、あくまでも報償費を支払うだけの有償ボランティアとしての位置づけでしたが、令和二年からは会計年度任用職員ということで、一般職の非常勤職員扱いということになりました。
 つまり、単なるアルバイトという立場から、こちらはもう学校の職員になったというわけです。それだけ教育者としての求められることも大きくなったわけで、学校の教職員との連携は非常に重要です。ぜひこの部活指導員の資質向上に引き続き取り組んでいただけるようお願い申し上げます。
 教員支援という視点で見ますと、令和二年度から始まったTEPRO Supporter Bankがあると思います。民間で眠っている活力を学校内で活動させるマッチングサイトであります、このTEPROの実績、振り返りについてお伺いいたします。

○岩野企画調整担当部長 TEPRO Supporter Bankの令和二年度の登録状況ですが、四千三百二十三人の個人登録、企業や大学等の七十二の団体登録がございました。学校や教育委員会からの求人の状況につきましては、教職員の事務支援、教科指導、特別支援教育の活動分野を中心に九百五十四件、二千五百九十二人の求人がございました。
 令和二年度、学校や教育委員会からの求人に対し、本Bank事業を通じてサポーターを紹介した人数は延べ二千百十九人でございます。また、最終的に採用につながった人数は、個人登録から六百二十五人、団体登録からは九人で、合計六百三十四人でございます。

○白戸委員 細かく数字を挙げていただきましたが、初年度としてはかなり手応えのあった数字かと思います。やはり、学校からの要望も、それに対する民間の興味も高いんだなということがうかがえます。やはり、まずこうした事業をスタートすること、スタートしたことが今回は評価されるべきではないかなというふうには考えます。
 しかし一方、まだスタートしたばかりのシステムで、まだまだ学校側の要望と民間の思惑がうまくマッチしていない部分もあり、課題もあるというようです。
 学校からの求人に対するマッチングの方が追いついていない、もしくはSupporter Bankの事業の主な課題、対する取組、このあたりを伺います。

○岩野企画調整担当部長 Bank事業における求人は、学校と教育委員会から出されております。令和二年度において、学校からの求人に対しては求人を上回るサポーターを紹介することができた一方で、教育委員会からの求人に対しては紹介数が求人数を下回ってございます。
 教育委員会からの求人に対し紹介数が少ない主な要因は、教育委員会が特定の時期に所管する学校へ一斉に人材を配置する必要があるため、一度の求人で大量の募集をかけるケースが多く、条件に合うサポーターを十分に紹介し切れないことなどがございます。また、特別支援教育等の分野では活動内容に専門性が求められることなどから、サポーターが応募に対し慎重になることもあり、紹介につなげられないケースがございます。
 今後は、学校のニーズを把握し、効果的な広報により、必要な人材を確保するとともに、登録されている団体の人材も有効に活用し、学校とのマッチングをサポートするコーディネーターによる紹介を強化してまいります。また、研修を通じ、サポーターの質の向上を図ります。
 こうした取組をTEPROと連携して行い、学校が求める人材の提供に努めてまいります。

○白戸委員 実際に行っていただく職務内容が、教育の現場だけに、非常に専門性が高かったり、誰でもすぐにできるというものではないようです。また、それぞれ要望している人材も能力も違います。ですから、大量に募集をして振り分けていくというような、簡単に進められていくものでもないし、だからこそTEPROの意味があるものだと思います。
 ぜひこれからも、双方の要望を聞きながら丁寧なマッチングを進めて、さらに民間の力を活用できるように頑張っていただきたい。そして、これこそが教員の負担軽減につながり、ひいては教育の質を上げていくことにつながっていきます。ぜひこの新しい試みを推進いただけるようお願い申し上げます。
 一方、急速に進む教育現場のICT環境ですが、こちらも教員の働き方に関与してきます。もちろん、これは教育現場だけではなくて、もう今、現社会で子供から高齢者まで日常生活の中で急速に存在感を増しており、生活の在り方そのものを変えてきています。
 学校におけるICT導入は令和二年度から急速に進み出しているんですが、まずは、都内の区市町村学校の令和二年度のICT環境整備について、GIGAスクール構想による都内区市町村学校のICT環境整備の状況についても伺います。

○岩野企画調整担当部長 児童生徒一人一台の端末と校内の通信環境を一体的に整備する国のGIGAスクール構想の前倒しに伴い、国の補助を活用し、令和二年度中には六十の区市町村教育委員会で約四十八万台の端末が整備されました。令和二年度中に整備が完了しなかった二地区につきましても、今年度九月までに整備を終えております。
 これにより、合計で約五十四万三千台が整備され、区市町村立学校の一人一台端末体制が整ったところでございます。
 また、校内通信ネットワークにつきましては、国及び都の補助を活用し、令和二年度中にLTE回線の利用を含め、六十一の区市町村教育委員会で整備を行い、残りの一地区につきましても、今年度十月に整備を完了いたしました。

○白戸委員 地域にはそれぞれの事情があり、多少のばらつきはあるようですけれども、完了していることは何よりです。これらはもちろん利便性を高めるものですが、その導入に関して不慣れな方も少なくなく、現場では丁寧な対応が求められているのが実情でございます。
 中でも、多忙な教員が新たにICT対応について取り組むのは勤務超過にもつながり、ひいては教育の質の低下にもつながります。やはりここは専門家のアシストが必要ということで、都ではICT支援のための人材派遣を現在行われております。
 そこで、都立学校及び都内の区市町村学校の令和二年度のICT支援員の配置状況について伺います。

○岩野企画調整担当部長 都立学校におきましては、感染症対策における一斉休校に伴いオンラインでの学習に対応するため、令和二年度五月に学習支援クラウドサービスを導入いたしました。
 クラウドサービスを活用し、教員が双方向の授業等の配信や、授業動画、課題等の配信を行うための技術的支援及び教員研修等に対応するため、当初の支援員配置の予定を前倒し、七月より全都立学校で二週に一回、支援員が巡回する体制といたしました。
 さらに、十一月からは令和二年度中に校内無線LAN整備を行った高校に支援員を常駐配置するとともに、次年度整備予定の学校には週一回の巡回とし、デジタル活用における支援を行いました。
 また、区市町村立学校につきましては、整備された一人一台端末の効果的な活用が進むよう、令和二年度に端末導入後一年間、一校一名の支援員の配置を可能とする補助を実施いたしました。令和二年度には、端末整備が完了した二十三の地区が補助金を活用し、支援員を配置いたしました。

○白戸委員 やはり、移行期ということで様々なトラブルも多く、学校や教員の負担も少なくないという声が現場からは聞こえております。それに応え、三年度は一校一人の常駐に、支援を拡充されていると聞いておりますが、ぜひ新しい教育方式の定着に引き続きしっかりとご支援を要望しておきます。
 そして、専門職員に支援を仰ぐだけではなくて、教員自身のスキルアップも、これは必須です。やはり最後は、それを実際に使って指導する教員が使いこなさなければ、この環境を十分に活用することはできません。
 そこで、東京都が行っている教員のICT活用スキル向上に向けた取組について伺います。

○岩野企画調整担当部長 都教育委員会は、令和二年度、ICT活用における校長のリーダーシップの発揮を促すため、都内全公立学校の管理職に対し研修動画を配信するとともに、全校の教員を対象にオンライン学習の推進を図る講習会を実施いたしました。
 講習会では、各校のICT活用の推進を担う教員が参加し、オンライン学習の具体的な方法や他校の好事例の取組について講義を受けるとともに、各地区で導入しているクラウドサービスの基本的操作について演習を行いました。研修後は、参加した教員自らが講師となり、校内での情報共有を図っております。
 さらに、好事例を周知する指導資料、学びのアップデートや、教員の情報活用能力の向上を図るためのリーフレットの配信などを実施しております。これらの資料は、令和二年度に開設した教育情報ポータルサイトに掲示し、全公立学校でのICT活用の定着に向け、取組を促しているところでございます。

○白戸委員 お聞きしますと、研修はもちろんですが、教員間でも教え合って情報共有がなされているというようです。この分野は、まだまだ先行事例自体も少なくて、逆にいうと、工夫次第では、まだまだ今後改善をされたり、新しい使い方が生まれたりする可能性もあります。そうした情報をオンライン上に教職員がシェアする環境ができているとも聞きました。
 教員も、ただ指導の道具としてICTを使うのではなく、教育の質そのものを高めるためにも使っていただければ、よりこのICT教育は広がっていく。いや、これがスタンダードになっていくものだと考えます。ぜひそのためにもこの移行期に関しまして、丁寧な対応をお願いしておきます。
 続きまして、東京都が長期間にわたって取り組んできましたオリンピック・パラリンピック教育の推進について伺います。
 オリンピック・パラリンピックは、スポーツの世界大会を東京で開催することだけが目的ではなく、大会の開催によってどのように未来の都市形成に生かしていくことができるかが大切です。ダイバーシティ、バリアフリー、環境問題、ジェンダー格差など多くの課題に対して意識を高め、取り組んでいくことにこそ、この開催の意味があります。
 そうした観点で見ますと、大会を契機に教育プログラムにしていくことは、もう非常に意義があることと思いますし、開催都市の大きなベネフィットではないかとも考えます。
 様々な諸課題を、教科書の上だけではなくて現場や目の前で確認できる、まさに生きた教育の機会。東京の子供たちの心の中にしっかりと刻まれるような経験をどのように残していけるのか、これが非常に大切かと考えます。
 しかし、令和二年度は、新型コロナウイルス感染拡大などにより、子供たちの交流活動が制限された場面も多かったと思われますが、こうした状況下におけるオリンピック・パラリンピック教育の取組状況と成果について伺います。

○瀧沢指導推進担当部長 都教育委員会では、社会に貢献し、他人を思いやる心を培うボランティアマインドの育成や障害者理解、さらに、異文化を理解し、自他を認め合う豊かな国際感覚などを醸成するために、平成二十八年度から都内全公立学校においてオリンピック・パラリンピック教育を展開してまいりました。
 令和二年度は、各学校が感染症対策の徹底を図りながら、オンラインを活用して本教育を実施していくことができるよう支援体制を充実させました。
 具体的には、教員向け説明会を動画配信により実施し、オリンピック・パラリンピック教育の各プログラムや各学校における実践例を紹介するとともに、大会後のレガシーとしての教育活動の構築に向けた準備の進め方などについて周知をいたしました。
 また、大使館や企業等に依頼し、オンライン等による教育プログラムの開発を行い、アスリート交流、大使館等との国際交流、文化芸術プログラムの提供を学校に対し行いました。大使館とオンライン交流をした学校では、大使館員からのクイズに答えたり、日本の伝統的な踊りとして音頭を披露したりするなど、貴重な体験活動の機会をつくることができました。

○白戸委員 なかなか細かな事例までご報告ありがとうございます。コロナ禍においても多様な学びの機会を工夫して行われてきたということが分かります。
 そして、ここで大切なのが、やはり、子供たちにも理解させるとともに、教員がしっかりとこれに関して理解しておくこと。教員の理解が浅ければ、生徒に伝えられるはずもありません。ここで教員に向けてのレクチャーなどに取り組まれたことが大切だったと考えます。
 このオリンピック・パラリンピック教育に関しましては、多様な取組が行われてきたということが分かりましたが、我が党が今月、第三回定例会でも提言したとおり、とりわけオリンピアン、パラリンピアンのアスリートと子供たちの交流は、その子供たち自身にとって非常に重要な体験であります。
 物事は、たとえ同じことであっても、誰がいっているのかで大きく受け手の印象や説得力が変わります。それは、対象が大人であっても、子供であっても同じことですが、特に子供の場合は、その場の雰囲気、その人の持つオーラ、そういったものに敏感に反応します。誰がいっているかが本当に重要だというふうに思います。
 私自身も選手時代に子供たちに教えたり話したりという機会がたくさんありました。当たり前の説明でも、アスリートという立場のアドバンテージは嫌というほど感じてもきました。だからこそ、本物のアスリートが子供たちと触れ合うことで大きな意味があると思います。
 そこで、公立学校における令和二年度のアスリート派遣と、その実績、その効果について伺います。

○瀧沢指導推進担当部長 都教育委員会は、子供たちがスポーツへの関心を高め、目標を持つことの大切さを理解する契機とするため、平成二十七年度からオリンピアン、パラリンピアン等に学校を訪問していただき、講演や競技体験の機会を子供たちに提供しております。これまで延べ千三百三十校にオリンピアン、パラリンピアンなどを派遣し、令和二年度は、幼稚園、小中学校、高等学校、特別支援学校の計九十八校で実施をいたしました。
 アスリートとの交流体験は、新型コロナウイルス感染症対策を徹底して行ったり、オンラインを活用したりするなど、各学校が工夫をして実施をいたしました。オリンピアン、パラリンピアン等と交流した子供たちからは、挑戦することや諦めないことの大切さを学んだなどの感想が数多く聞かれました。

○白戸委員 実際に選手たちに学校に行ってもらうのは、その段取り、その手間を考えると、なかなか簡単なことではありません。しかし、その効果も計り知れないものがあり、大変大切な機会であると考えます。
 大会の前はコロナ禍でかなり厳しい状況であったと思いますが、ぜひ今後もこのような機会を持続していただきたいと。その際には、ぜひそれぞれのアスリートの個々の魅力を引き出せる工夫も検討いただきたいと思います。
 アスリートや種目によっては、子供に何を伝えるのか、どんなことを見せるのかというのは違ってくると思います。個性を生かして、子供たちに感銘を受けてもらえるような工夫を重ねてお願いしておきます。
 そして、ここまで五年にわたって取り組んできた東京都のオリンピック・パラリンピック教育、この実施により、東京の未来を担う子供たちにどのようなレガシーを残していくのか伺います。

○瀧沢指導推進担当部長 都教育委員会は、共生社会の実現に向け、国際交流やボランティアなどの体験活動を重視した取組を学校の特色として各学校が一つ以上設定し、大会後も継続する活動とするよう支援してまいります。
 具体的には、ボランティア情報を発信する東京ユースボランティア・バンクを充実させ、学校におけるボランティア活動の継続を支援してまいります。
 また、パラスポーツ指導者講習会により、指導できる教員を数多く養成し、学校における障害者スポーツ体験などの取組の定着を図ってまいります。
 さらに、国際交流コンシェルジュ事業により、在京大使館との連絡調整や海外の学校との交流の場を設定するなどして、各学校の国際交流を推進してまいります。

○白戸委員 ボランティアマインド育成、障害者との相互理解、そして国際感覚など、子供たちの未来にとって非常に大切な項目であると考えます。
 昨今、ネットの普及により、リアルに体験をしたり感じたりする機会が、人間社会の中ではもちろん、教育現場でも減少しております。だからこそ、実際の世界的なイベントを軸に、自分自身の体や言葉で感じる機会は非常に貴重だと考えます。ぜひこのリアル体験、リアル教育を大切にしていただきたいと考えます。そして、これらの学びはオリ・パラに限らず、ほかの機会でも捉えて進めていくことが重要で、今後ともしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 続きまして、コロナ禍における学びについてお伺いします。
 コロナ禍で感染防止と学びの継続という難しい両立を迫られました。誰もが経験したことのない状況の中で、教員の皆様のご苦労は相当なものであったと思います。安全な教育現場への模索、保護者への対応、そして自身の感染予防など、想像を絶する大変さであったと聞いております。
 しかし、そんな状況でも、文科省が令和三年度全国学力・学習状況調査の結果において、令和二年度の三か月半にわたる臨時休校の影響は学力においてなかったという見解を示していますが、都の見解を伺います。

○藤井指導部長 東京都では、令和三年度全国学力・学習状況調査で実施した国語、算数、数学の全てにおいて小中学校ともに全国の平均正答率を上回っている状況となっており、これまでの結果とほぼ同様であったため、臨時休業期間の影響はなかったと捉えております。
 これは、各学校等において、昨年度の一斉臨時休業期間における児童生徒への学習支援とともに、学校再開後の児童生徒の学習状況の把握や補習の実施、夏休みなどの長期休業期間の短縮及び土曜日の活用等による授業時数の確保など、児童生徒の学びを保障するための取組が行われていたからと考えております。

○白戸委員 このような状況下でも、現場の教員の皆様の様々な工夫が学力低下を食い止めていたということ、本当にこれはすばらしいことで、改めて教員の皆様に頭が下がります。
 一方、この令和三年度全国学力・学習状況調査、児童生徒の質問紙調査の結果では、学校に行くのは楽しいかという調査項目に関して、当てはまると回答した小学六年生の児童は五○%を下回っております。これについて都の見解を伺います。

○藤井指導部長 東京都においても、学校に行くのは楽しいと思うの調査項目の結果については国と同様の状況であり、その要因として、新型コロナウイルス感染症の影響による学校行事等の中止、友達と遊ぶ時間の減少などと捉えております。
 都教育委員会は、各学校が感染予防対策を講じた上で工夫して教育活動等を実施することができるよう、代替となる行事等を紹介するなど、区市町村教育委員会と連携し、学校を支援しております。

○白戸委員 ちなみに、今の調査と同様の調査を中学校でやっているんですが、この結果は差が僅かしかありませんでした。やはり、年齢の若い小学生の方が生活の変化に大きな影響を受けているということが分かります。
 だからこそ、活動をどのように継続していくのかというのが重要で、今年度補正予算に組み込まれた、学校の行事前にPCR検査を取り入れて行っていく、この活動を止めない努力をすることが重要なのではないかとも考えます。今後も工夫を重ね、学びの継続、学校活動の継続をお願いいたします。
 続きまして、こちらもコロナ禍で子供たちに大きな影響を及ぼしました小中学校における不登校についてもお伺いします。
 まず、令和二年度における都内公立小中学校の不登校児童生徒数は過去最多となっていますが、都教委の認識を伺います。

○藤井指導部長 都内公立小中学校における不登校の児童生徒数は、平成二十五年度以降増加しておりますが、児童生徒を取り巻く環境や価値観は様々であり、不登校の要因や背景も複雑多様化しております。
 令和二年度の調査においては、無気力、不安や、生活リズムの乱れ等を要因とした不登校児童生徒数が増加しており、新型コロナウイルス感染症の影響がその背景の一つにあると考えております。
 都教育委員会では、各学校における魅力ある学校づくりを通して、登校する意欲を高める取組を充実するとともに、個々の状況に応じた多様な教育の機会を確保することが重要であると考えております。

○白戸委員 残念ながら八年連続で不登校児童生徒数は増えているようですが、やはり、中でもこのコロナ禍が加速させているということは間違いがないようです。そして、その不登校の内容も、以前の非行などと異なり、精神的な問題が多く、学校に行けないという事例が増えているようです。
 やはり、学校に行きたくなるようにしていかなければいけないというふうに思いますが、そんな、不登校が生じにくい、先ほどおっしゃった魅力のある学校というのはどういう学校なのか、また、魅力のある学校づくりに向けた都教委の取組について伺います。

○藤井指導部長 魅力ある学校とは、全ての児童生徒が安心し、自己存在感や充実感を感じられるような場所であるとともに、児童生徒が主体となり、全員が活躍し、互いが認められる場や機会がある学校と認識しております。
 都教育委員会は、魅力ある学校づくりに向けて、児童・生徒を支援するためのガイドブックを作成し、平成三十一年三月に都内全ての公立小中学校に配布いたしました。
 このガイドブックには、児童生徒同士の人間関係づくりが行える場を設定すること、本人の成長した点を伝え、新しい生活への目標を持たせることなど、教員が配慮すべき事項や集団に対するアセスメントの手法などについて示しております。
 令和二年度は、学校におけるこのガイドブックの具体的な活用方法について職層や経験に応じた教員研修等で紹介するなど、学校の取組を支援しております。

○白戸委員 全ての教員が不登校の要因や背景を正しく理解して、その上で行きたくなる魅力的な学校づくりが大切です。全ての児童生徒が安心し、自己肯定感や充実感を感じられ、全員が活躍し、認められる場や機会がある学校という、まあ、聞こえはいいですけど、かなり高いハードルであると思いますが、このような理想像をしっかりと持って取り組むことも非常に大切だと考えます。都内に三万六千部配布されたというこのガイドブックを指針に、しっかりと進めていただきたいと思います。
 また、魅力のある学校づくりというのは不登校を抑える効果がありまして、早期対応、早期の支援であると考えます。
 それでは、逆に今度は、既に不登校となっている児童や生徒への対応として、多様な教育機会の確保というものが必要となってくると考えますが、これに向けた都教委の取組、伺います。

○藤井指導部長 児童生徒が学校に通っていなくても、将来社会的に自立できるようにするためには、一人一人の状況に応じた多様な教育の機会を確保することが大切でございます。
 これまで都教育委員会は、学校に通っていない児童生徒の学びの機会の拡充に向けて、区市町村が分教室型の不登校特例校や教育支援センターを新規に設置する場合に、経費の一部を補助してまいりました。
 これらの取組により、令和二年度には公立の分教室型不登校特例校が新たに一校開校し、都内において四校になっております。また、教育支援センターが都内六か所新設されるなど、児童生徒に対する教育の機会が充実しております。

○白戸委員 全国で公立の不登校特例校の数が八校しかないという中で、いただいた資料にもありましたけれども、東京都内に公立の不登校特例校が四校ということで、いかに積極的に取り組んでいるかが分かる事例ではあります。
 また、この支援センターも今回六か所を加えまして、全部で九十二か所となったわけで、今後もこのような施設をしっかりと活用いただきたいと思います。
 不登校対策については、学校でなくても学べる体制づくりが大切で、このような特例校、支援センター、フリースクールやICT活用などを生かし、多様な教育の機会確保にしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 そして、見逃せないのが自殺数の増加です。こちらは休校の影響というよりも、コロナ禍の影響というべきなのかもしれませんが、警察庁、厚生労働省の調査によりますと、令和二年における全国の児童生徒の自殺数は四百九十九人に上っておりまして、大変憂慮すべき結果だと考えます。
 児童生徒の自殺予防対策の強化に向けた子供たちへの心のケアについて、都教委の見解と、昨年における取組について伺います。

○藤井指導部長 コロナ禍において活動の制約等が続く中、子供が漠然とした不安や深刻な悩みを一人で抱え込んでしまう心配があることから、小さな変化を見逃さずケアを行うとともに、子供がいつでも、どんなことでも安心して相談できる環境を整える必要がございます。
 そのため、都教育委員会は、学校に対し子供へのアンケート様式を示し、学級担任等が定期的に子供たちの不安や悩みを聞き取り、丁寧に声かけをするように徹底を図ってきております。
 また、気になる様子が見られる子供がいる場合に、学校等の要請に応じてスクールカウンセラーの派遣回数を増やしてまいりました。具体的には、一校当たり通常の年間三十八回に加え、七月二十二日から八月七日までの間と、一月から三月までの間、それぞれの期間において、一校につき三回を上限として追加を希望できるようにし、学校の状況を踏まえ、実際の派遣日数を決定しております。
 これらに加え、都内在住、在学する全ての中学生、高校生を対象としたSNS教育相談について、午後五時から午後十時まであった相談時間を昨年十二月から本年三月までの四か月間は午前九時から午後十一時までに延長するなどの取組を行ってきたとこでございます。

○白戸委員 教員の対応はもちろんなんですが、やはりそれだけではもう間に合っていないというのが実情でございます。だからこそ、スクールカウンセラーの存在は大切であると考えます。
 都の、この緊急自殺対策に合わせて、派遣回数を追加していることなどは非常に適切な処置であるとは評価します。
 ここまで、コロナ禍における休校の影響について、学力、不登校、自殺というような側面から見てきました。コロナ禍において様々なことに取り組むことができないという中で、現場の皆さんの努力で学力の維持はできました。
 しかし、そのしわ寄せは不登校や自殺といったものに現れています。いや、不登校や自殺という目に見える現象で、実はそれだけではなくて、多くの子供たちの心の中に影を落としているのではないかとも感じます。
 ならば、やはりこれからは、部活動や学校行事など総合的な学びやリアルな体験を通して、学校が楽しいと思えるような環境、先ほどおっしゃった魅力のある学校をつくっていく必要があると感じずにはいられません。
 私自身も、教員を目指して教職免許を獲得してという身でありますから、私自身も、これからもしっかりと魅力のある学校づくり、取り組んでまいりたいと思います。ぜひ、都教委の皆さんにおかれましても、そんな努力を引き続き要望し、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○内山委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後二時二十八分休憩

   午後二時四十五分開議
○内山委員長 休憩前に引き続き分科会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○かまた委員 それでは、始めさせていただきます。
 このコロナ禍、教育庁の皆様には数々の対策を講じていただきました。そして、その対応の中で、保護者の方々も、また、学校現場も非常に助かったものの一つに、ICTを活用したオンライン教育の推進があります。
 そこでまず、令和二年度の臨時休業に伴い、都教育委員会が区市町村教育委員会に対して実施したモバイルルーターの支援状況について伺います。

○岩野企画調整担当部長 昨年度、都内公立小中学校の一斉臨時休業に伴い、都教育委員会は区市町村教育委員会に対し、子供たちの学びを止めないよう、緊急対策として、家庭の端末や通信環境が不足している場合には、学校にあるパソコンの貸与を依頼するとともに、モバイルルーターの貸出しなどに対する支援を行いました。
 具体的には、モバイルルーターの購入または賃借に対し、一台当たり上限一万円を区市町村へ補助いたしました。さらに、通信費につきましても、一か月当たり五千円を上限に、休校期間を踏まえ、六か月の補助を行いました。
 これらの支援を活用した自治体は三十三地区に上り、三万八千三百六十七台のモバイルルーターを活用し、児童生徒の学習環境の整備を行いました。

○かまた委員 端末だけではなくて、モバイルルーターや通信費についても補助してくださったことで、家庭で端末を使用する子供たちに対して差が生じない環境を提供することができました。この対応につきましては高く評価をいたします。
 また、このオンライン教育の推進で最も重要な支援策の一つが、校内、つまり授業で端末を活用する際の支援策でもあります。
 東京都教育委員会ではICT支援員の配置にも取り組んでいただいておりますけれども、都内区市町村立学校における令和二年度のICT支援員の配置状況と併せて、その支援員がどのような役割を担っているのか、伺いたいと思います。

○岩野企画調整担当部長 都教育委員会は昨年度、都内公立小中学校に整備された一人一台端末の効果的な活用が進むよう、区市町村教育委員会に対し、端末導入から一年間、一校一名の支援員の配置を可能とする補助を行いました。令和二年度は、年度内に整備を完了した二十三の地区が支援員を配置いたしました。
 支援員は、各学校で教員に対し、学習ソフトの効果的な活用方法や教材作成等の支援、校内研修を実施するとともに、授業において子供への機器操作のサポートを行うなど、教員と連携し、学校でのデジタルの活用を支援しております。
 例えば、タブレットを活用した授業では、発表練習の様子を子供同士で撮影することを支援員が提案し、子供自らが動画を見て発表内容を工夫した取組などが行われております。
 なお、多くの教育委員会で端末整備の完了が令和二年度末になったことから、令和三年度も支援員の配置を補助しております。引き続き、各学校での端末の活用場面が拡大するよう、区市町村教育委員会を支援してまいります。

○かまた委員 ありがとうございます。支援員の方々が授業準備、そして授業の中においても活躍をしていることが分かりました。
 このICTを活用したオンライン教育の推進につきましては、端末を配布したら終わりというものではありません。配布後の支援こそが重要です。だからこそ、都教育委員会は支援員の配置の補助に取り組んでくださったわけでありますけれども、このICTを活用したオンライン教育の質を高めるためには、何よりも授業実践を通して授業研究を深めていくことが必要であります。また、その過程で、専門家である支援員の存在は必要不可欠であります。
 この支援員の配置につきましては、先ほど一年間という期間があるというふうに伺いましたけれども、ぜひとも続けていただきたいと強く要望させていただきます。
 次に、医療的ケア児専用通学車両導入について伺いたいと思います。
 この通学車両導入につきましては、都議会公明党の強い要望であり、関係保護者の皆様からも感謝の言葉を多くいただいております。
 そこで、都教育委員会が医療的ケア児専用通学車両を導入した経緯と、令和二年度の実績について伺いたいと思います。

○滝沢特別支援教育推進担当部長 従前の医療的ケア児の通学は、スクールバスの車内での医療的ケアの安全な環境の確保が困難であることなどから乗車対象外とされ、保護者による送迎が行われていました。
 その後、医療的ケア児が増加していることを踏まえ、都教育委員会では、肢体不自由特別支援学校への主任非常勤看護師の新規配置など学校内の実施体制を強化する中で、医療的ケア児の通学機会を拡充するため、新たに乗車看護師及び専用車両を確保し、車内での対応手順を記載した乗車マニュアルを作成した上で、平成三十年度から専用通学車両の運行を開始しております。
 平成三十年九月の事業開始時点には、肢体不自由特別支援学校十八校のうち八校十四コースの運行でございましたが、令和二年度は、対象となる医療的ケア児が在籍する十七校で七十二コースの専用通学車両を運行いたしました。

○かまた委員 事業開始から運行台数が増えていることが分かりました。医療的ケア児の通学支援が徐々に拡大していることは非常に意義があります。今後も、必要な子供たちに必要な支援を届けていくことが重要と考えます。
 そこで、今後の運行台数の見通しについても教えてください。

○滝沢特別支援教育推進担当部長 医療的ケア児専用通学車両への乗車につきましては、校内で看護師による医療的ケアの実施への移行が完了した児童生徒から順次検討することとなります。乗車に当たりましては、同乗する看護師が単独で医療的ケアを実施することになるため、児童生徒一人一人について乗車中の医療的ケアの実施手順等を確認するとともに、必要な車両の確保や看護師配置の手配を進めています。
 都教育委員会では、引き続き、児童生徒の安全を第一に、専用通学車両の運行台数の確保に取り組んでまいります。

○かまた委員 引き続き運行台数の確保に取り組んでいただくとの答弁がありました。子供の安全を第一としながらも、希望する医療的ケア児の乗車に向けて取組を進めていただきたいと思います。
 また、令和二年度には、それまで乗車の対象となっていなかった人工呼吸器を使用する子供についても、都議会公明党の要望により体制を整備し、ガイドラインを改定していただき、乗車できるようにしていただきましたことを高く評価させていただきます。
 一方で、専用通学車両運行のガイドライン上では、鼻マスクとか、フェースマスクを装着する呼吸補助装置については対象外とされておりますが、今後の乗車対象の拡大についての見解を伺います。

○滝沢特別支援教育推進担当部長 都教育委員会では、医療的ケア児専用通学車両の導入後、高度な医療的ケアである人工呼吸器の管理を車両内で安全に実施するため、モデル事業を実施し、検討を重ねてまいりました。これを踏まえて、令和二年度にはガイドラインを改定し、新たに、人工呼吸器を使用する医療的ケア児が専用通学車両に乗車して通学できるよう体制を整備いたしました。
 現在、呼吸補助装置を使用する児童生徒が専用通学車両に乗車できるよう、呼吸補助装置の管理を車両内で行うモデル事業を実施しており、今後、児童の乗車を予定しているところです。
 医療的ケア児の通学機会を拡充するため、車両内での医療的ケアの実施項目の拡充など、引き続き必要な検討を行ってまいります。

○かまた委員 今後も拡充してくださるとの答弁がありました。医療的ケア児の対応につきましては、誰一人取り残さない、その体制構築のために必要不可欠な支援でありますので、引き続き推進をしていただきますようよろしくお願い申し上げます。
 次に、都立高校への看護師の配置について質問をいたします。
 学校が誰一人取り残さない受入れ体制を組むためには、学校へのきめ細かな支援対策こそ最も重要であると考えます。
 都教育委員会は、令和二年度に都立高校三校に看護師を配置したとのことですけれども、この三校に配置した理由について伺います。また、あわせて、入学などに伴い新たに看護師を配置する必要が生じた場合に、どのような手順になるのかも伺います。

○谷都立学校教育部長 事業を開始した令和二年度に、たんの吸引や胃に直接チューブを通して栄養補給を行う経管栄養等の医療的ケアが必要な生徒が在籍していた学校が三校あり、当該校に非常勤の看護師を配置いたしました。
 また、学校が、入学などに伴って新たに保護者から医療的ケアの実施の意向を受けた場合には、主治医及び学校が委嘱する指導医の意見等を踏まえて、医療的ケアの実施方法等について検討し、その開始について決定いたします。決定後は、都教育委員会が看護師を任用し、学校に配置いたします。

○かまた委員 必要な事例が挙がった場合には、関係者の意見を踏まえて検討していくということが分かりました。子供たちのためには、受入れ側の学校の不安を取り除くことは必要不可欠であります。
 そこで、看護師の配置を検討する際も、学校現場の意見をよく聞いていただきたいことをお願いさせていただきます。
 次に、学校体育館への空調整備についてお伺いをします。
 都議会公明党は、熱中症対策はもとより、避難所運営の観点からも、これまで、学校体育館への空調整備の推進を要請してまいりました。そして、我が党の提案を受けまして、都教育委員会は学校体育館への空調整備を計画的に進めてくださっております。
 そこで、改めて、学校体育館への空調整備を進めている背景について伺います。

○小菅地域教育支援部長 学校体育館は、体育の授業や学校行事、部活動など児童生徒が日常的に活動する場であるとともに、災害時における避難所としての役割も担っております。平成三十年度の災害級の猛暑や大型台風による避難所開設を受け、良好な教育環境の確保に加え、防災機能の強化への取組を進めることの重要性が一層高まりました。
 このため、都教育委員会は、早期の空調整備を促進するため、平成三十年度補正予算成立以降、区市町村立小中学校の計画的な整備に対し、着実な支援を実施しております。
 また、都立高校におきましては、改築工事中を除き、全ての学校で計画的な整備に取り組んでいるところでございます。

○かまた委員 ありがとうございます。
 この整備につきましても、学校の教育活動はもちろんのこと、避難所開設の際にも必要な環境整備となりますので、非常に大切であります。答弁の中にも、令和三年度末までの整備を計画的に進めてくださっているとありましたけれども、続きまして、空調整備について、現在の整備状況と今後の整備見込みについて、区市町村立小中学校と都立高校のそれぞれについて確認をさせてください。

○小菅地域教育支援部長 都内公立小中学校の整備率につきましては、令和三年四月一日現在六五・七%となっており、今年度の都への補助金申請状況によりますと、令和三年度末の整備率は約八二・二%となる見込みでございます。
 また、都立高校につきましては、令和三年九月一日現在、百九十校中九七・九%に当たる百八十六校の整備を完了しております。今年度中に、さらに三校での整備を予定しておりまして、改築工事中の一校を除く百八十九校で令和三年度末までに整備を完了する見込みでございます。

○かまた委員 都議会公明党の提案を受けまして、都教育委員会が学校体育館への空調整備を着実に進めてくださっており、今年度末には公立小中学校で八二・二%の整備が、また、都立高校については工事中の学校を除き、全ての学校で整備の見込みと伺いました。この間の着実な取組を高く評価させていただきます。
 また一方で、自治体ごとの設置状況を見ますと、自治体ごとに差が見られます。区市町村に対する都の補助につきましては令和三年度をもって終了と聞いておりますが、それぞれの自治体の実情を丁寧に把握していただき、空調を必要とする学校施設への早期の設置に頑張っている自治体につきましては、引き続き支援いただきますよう要望して、次の質問に移らせていただきます。
 令和二年度の東京都公立学校における、日本語指導が必要な児童生徒の状況等のまとめを拝見したところ、日常会話や学年相当の学習言語能力が不足し、学習活動に支障が生じている児童生徒は年々増加の傾向をたどっております。そのような中、都の都立高校では、外国人生徒に対する体制の充実を図るため、入学者選抜における在京外国人生徒募集枠を拡大しております。
 そこでまず、在京外国人生徒を対象とする入学者選抜について、令和元年度及び二年度の結果を伺います。

○谷都立学校教育部長 令和元年度に実施した令和二年度入学者選抜における在京外国人を対象とする募集人数は百五十名で、入学手続を行った人数は百三十五名でございました。
 また、令和二年度に実施した令和三年度入学者選抜における募集人数は百五十五名で、入学手続を行った人数は百三十八名でございました。

○かまた委員 都立高校としまして毎年百三十名を超える在京外国人の生徒たちを入学させ、指導をしてくださっていることが分かりました。
 この生徒たちが高校卒業後も自分の道を真っすぐに歩んでいくことを心から願いたいと思いますけれども、都教育委員会といたしましても、入学後の指導内容の充実を図るため、日本語指導を行う教員用テキストの作成等を実施しております。
 私の経験からも、在京外国人生徒が入学後に言語の面で直面する問題、例えば、授業の内容が理解しづらかったり、友達とのコミュニケーションを取れるようになるまでの間悩んでしまったりなど、様々な問題があると認識しております。
 そこで、都教育委員会や学校は、どのように入学後の問題に対応しているのか伺いたいと思います。

○谷都立学校教育部長 都教育委員会はこれまで、日本語指導が必要な生徒の状況に応じて、授業中や放課後等に地域やNPO等の外部人材を活用した日本語学習への支援を実施してまいりました。
 令和二年度からは、在京外国人生徒を対象とする募集を行っている学校四校に、日本語指導が必要な生徒の支援のため、ノウハウや知見等を有するNPO等と連携してコーディネーターを派遣し、日本語学習の指導者の確保や言語、文化の違い等から生じる外国人生徒それぞれの課題に対応した取組を行っております。
 コーディネーターを派遣した学校では、コーディネーターの助言の下、効果的な日本語学習指導が行われ、日本語能力の向上が図られたなどの報告を受けております。
 引き続き日本語指導等が必要な生徒への支援を充実してまいります。

○かまた委員 今のご答弁に、外国人生徒それぞれの課題に対応した取組を実施してくださっているとありましたけれども、そのそれぞれの個別な課題に対応するため必要となるのが指導者であり、人的配置であります。
 そこで、その指導者確保のために、都教育委員会はNPO法人と連携し、コーディネーターを派遣してくださっております。生徒たちにとっても、また、現場の教員にとっても大変ありがたい取組であり、高く評価をいたします。
 最後に、ここで私の決意をお伝えして終わりたいと思いますけれども、教育現場は、在京外国人生徒の課題に限らず、様々な問題、課題が生じます。その課題解決の大きな糸口となるのが専門家や人手の配置であります。これまでも様々な人材を学校現場に都教育委員会は配置をしてくださっておりますけれども、未来を担う子供の教育をつかさどる教育庁こそ、多くの予算がつくよう、これからも私自身しっかりと尽力をしてまいりたいと思います。
 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。

○アオヤギ委員 それでは、質疑を始めます。
 まず、医療的ケア児の教育の充実についてお伺いします。
 医療的ケア車両が導入されて今年度で四年目になります。医療的ケア児が専用バスで通えるようになり大変歓迎されていますが、一方、移動中の医療的ケアをする看護師か親の同乗が必要なため、看護師が確保できない、また、保護者の仕事の状況で、希望した日数は専用車両を利用できない実態が出てきています。
 肢体不自由児のPTAの皆さんからの訴えでは、専用車両に保護者が同乗していくと学校で降ろされるため、自治体の福祉タクシー券を使っているが、券が少なく、通学に毎月二、三万円の負担が出ている人もいるというお話をお聞きし、非常に驚きました。
 健常児なら通常歩いて行けるところに小中学校がありますから、通学にはお金がかからないわけですが、障害児にこのような負担が通学するだけで発生しており、合理的配慮が足りないと思います。現状を一刻も早く打開し、障害児の学ぶ権利を保障していくべきだと考えます。
 まず最初にお伺いしますが、昨年度の医ケア車両の車両数、利用している児童生徒数、看護師の同乗割合の推移を伺います。また、学校の非常勤看護師及び訪問看護師並びに専用通学車両の昨年度の予算額及び決算額も伺います。

○滝沢特別支援教育推進担当部長 医療的ケア児専用通学車両の運行実績は、平成三十年九月は、都立肢体不自由特別支援学校十八校のうち八校十四コースでしたが、令和三年三月には十七校七十二コースに増加いたしました。
 専用通学車両に乗車する児童生徒は、事業を開始した平成三十年九月の二十四人から、令和三年三月には百三十二人となり、専用通学車両に乗車する看護師は、平成三十年九月の七人から、令和三年三月には百九十九人に増加いたしました。
 看護師同乗の割合は、データの比較が可能な範囲で申し上げますと、令和二年九月では六二・三%であったのが令和三年九月には六九・六%まで増加しております。
 また、令和二年度の学校内や車両内で勤務している非常勤看護師及び車両乗車の訪問看護師の予算額は六億一千三百万余円、決算額は四億四千九百万余円となっています。また、専用通学車両の予算額は七億三千七百万余円、決算額は五億四千三百万余円となっています。

○アオヤギ委員 看護師は開始当初よりも大幅に増えていますが、予算と決算額に乖離があります。これは医ケアバスだけでなく、学校内の非常勤看護師も含んだ金額とのことですが、看護師の確保が難しかったことも一因ではないかと考えます。
 昨年一年はコロナ禍で、看護師が医療現場でも足りない状況が続いていたことも影響しています。医療的ケア児のバスには二人のお子さんが乗車できますが、そこに付き添う看護師が、都が雇用した学校の非常勤看護師であれば一人で二人を見ることができますが、それができない場合、お子さんがふだん利用している訪問看護ステーションの看護師と−−訪問看護ステーションと都が契約を行い、朝同乗してもらい、費用は都が支払うこともできます。この場合、児童生徒一人に一人の看護師を必要とします。
 また、看護師が確保できず、保護者が同乗する場合もあり、先ほどもいったように学校で降ろされ、そこから家に帰る公共交通機関の費用は学校から出るわけですが、その後、出勤となるとかなり遅く、仕事によっては同乗できない場合もあります。
 学校の非常勤の看護師さんも、なかなか早朝に同乗できる方が少なく、訪問看護ステーションとの契約もコロナ禍で非常に困難になってきているということです。
 あるお子さんの訪問看護ステーションは、一切朝の特別支援学校への送りの付添いはできないということで、週四日乗車を希望しているが、朝は一回も、一日も乗れないという状況です。このお子さんの保護者はひとり親家庭でありまして、専用の自家用車で毎日送っているとのことです。このような状況下で正規の仕事はできない状況です。
 看護師確保が最重要課題ですが、どのような方策を都は考えていますか。

○滝沢特別支援教育推進担当部長 看護師の確保につきましては、都立特別支援学校の校舎外壁等への看護師募集の横断幕設置や人材紹介会社の活用、関係団体との連携などにより、積極的に取り組んでおり、引き続きこうした取組を進めてまいります。

○アオヤギ委員 今どの学校の壁にも募集は掲げられているそうでありますけれども、それでもまだ足りないというのが現状です。また、ほかにもやむを得ない理由で福祉タクシーで通学している児童生徒がいます。
 金銭的な負担のために通学回数を減らさなければならない家庭もあり、特別支援学校に通うお子さんに手渡される就学奨励費の通学費に福祉タクシーも加えるなど通学費への支援が必要ですが、いかがお考えでしょうか。

○滝沢特別支援教育推進担当部長 都教育委員会では、医療的ケア児の保護者が公共交通機関等により継続して送迎を行う場合には、必要な交通費を就学奨励費として補助しています。また、医療的ケア児の通学機会の拡充に向け、専用通学車両を運行しております。
 このため、福祉タクシーで通学した場合の交通費については、就学奨励費の対象としていないところでございます。
 専用通学車両については、原則一人または二人の乗車となっておりますが、いずれの場合も感染対策等を実施して行っているところでございます。
 特別支援学校における就学に必要な通学費などの支援につきましては、引き続き適切に対応してまいります。

○アオヤギ委員 コロナ禍で看護師がいつ確保できるか見通しが立たず、毎月数万円も通学にかかっている状況をこれ以上続けるわけにはいかないと思います。
 看護師の確保が非常に困難になっている当面の間だけでも、福祉タクシーに就学奨励費を加えるべきだと考えますが、いかがでしょうか。

○滝沢特別支援教育推進担当部長 都教育委員会は、様々な方策により、看護師の確保に積極的に取り組んでおり、引き続きこうした取組を進めてまいります。
 なお、繰り返しになりますが、現在、福祉タクシーで通学した場合の交通費については、就学奨励費の対象としておりません。

○アオヤギ委員 通学費用がかさんで学校に行くのを減らさざるを得ないという状況は一刻も早く対応していただきたいと思います。誰一人取り残すことのない共生社会を都自身がつくっていくべきであり、特別支援学校に通うお子さんの学ぶ権利を保障していただくことを強く要望します。
 次に、BiPAPという呼吸補助装置をつけたお子さんについてお伺いします。
 BiPAPという装置は、鼻につけ、人工呼吸器よりも軽く、気管切開しなくてつけられる呼吸補助装置です。このBiPAPをつけて学校に行くお子さんは医ケアバスには乗車できないとお聞きしました。BiPAPをつけた対象の子供は都立特別支援学校に三人おられるということですが、乗車できない理由を伺います。

○滝沢特別支援教育推進担当部長 医療的ケア児専用通学車両の運行に当たっては、児童生徒の生命と安全の確保を第一に、一人一人について乗車中の医療的ケアの実施手順等を確認する必要があります。
 従前は、専用通学車両への乗車を希望する呼吸補助装置の管理が必要な児童生徒がいなかったことから、乗車に関するガイドラインでは乗車の対象となっておりません。
 現在、乗車を希望する児童を対象に、車両内で呼吸補助装置の管理を行うモデル事業を実施しており、今後、専用通学車両に乗車する予定でございます。

○アオヤギ委員 モデル事業で乗車予定のお子さんは、今後乗車予定ということですので、重要です。同時に、都立肢体不自由特別支援学校における専用通学車両の運行に関するガイドラインでは、呼吸補助装置、BiPAPの管理は専用通学車両の対象とならないと分類されています。
 今後、別のお子さんや、新しく入学してお子さんの乗車を希望することもあるわけですから、ガイドラインを改定して、専用通学車両の対象と書き換え、BiPAPをつけた児童生徒も医ケア車両に乗車できるようにすることを求めます。いかがでしょうか。

○滝沢特別支援教育推進担当部長 ガイドラインの改定も含めまして、医療的ケア児専用通学車両で行う医療的ケアにつきましては、医療的ケア児の安全を確保した上で、今後も必要な検討を実施してまいります。

○アオヤギ委員 検討を実施ということで、もちろん安全確保は必要ですが、早くガイドラインを変えて、BiPAPをつけたお子さんが医ケアバスで通学できるようにしていただきたいと思います。
 また、医療の進展で様々な機器が出てきた場合、その子にとって必要なケアをしながら通学を保障していく立場を基本に、制度の谷間ができないようにしていただきたいと思います。
 次に、肢体不自由児の校外学習についてお伺いします。
 校外学習において、保護者の付添いが求められる場合も少なくありません。校外学習のときも看護師が対応できるようにするためにどのような課題がありますか。

○滝沢特別支援教育推進担当部長 特別支援学校の校外学習に医療的ケア児が参加する場合には、看護師が同行し、必要な医療的ケアを実施できるようにしています。こうした医療的ケア等を行う看護師につきましては、特別支援学校の校舎外壁等への看護師募集の横断幕や人材紹介会社の活用、関係団体との連携などにより確保を図っており、引き続きこうした取組を進めてまいります。
 なお、宿泊を伴う校外学習につきましては、日常的に医療的ケア児の夜間の状態を観察していない看護師が必要な医療的ケアを適切に実施することが困難であることから、保護者に付添いを依頼する必要がございます。

○アオヤギ委員 看護師募集ということですので、看護師不足が原因ということです。
 泊まりのない校外学習でも看護師不足のため、看護師が一緒に行ける場合と行けない場合が出ているとのことです。せめて、保護者が付き添う場合の自己負担をなくすべきだと考えますが、いかがでしょうか。

○滝沢特別支援教育推進担当部長 校外学習などの行事参加に当たり保護者の付添いが求められた場合には、その付添いに係る交通費及び見学料などについて保護者の経済的な負担能力の程度に応じて就学奨励費の支給対象としています。
 校外学習など、学校行事への参加のために必要な経費の支援につきましては、引き続き、国の制度を踏まえ、適切に対応してまいります。

○アオヤギ委員 看護師がついて、校外学習に初めて親の付添いなしで一人で外出できたある生徒は、非常に自信がついたということでした。こうした体験を保障するのは非常に重要なことではないでしょうか。
 宿泊についても同じことで、親元を離れて行くことには大きな意義があると思います。また、同じ教育を受けるのに、障害の重いお子さんだけは負担が生じるということでは、教育を受ける権利を保障しているとはいえないと思います。所得に関係なく自己負担はなくすことを求めます。
 答弁の、適切に対応というのはどのようにしていただくのか分からないのですけれども、PTAの皆さんの願いは、せめて親の宿泊の負担の所得制限をなくしてほしいという、みんなで行けるようにしてほしいという願いですから、ぜひ応えていただきたいと要望して、次に進みます。
 次に、区市町村の小中学校体育館の空調機設置についてです。
 二○一九年一月から始まった公立学校屋内体育施設空調機設置事業は、区市町村が体育館に空調機を設置する上で大きな効果がありました。また、特別支援教室の空調機設置事業についても設置を促進させました。都の補助事業は、いずれも今年度終了予定です。しかし、一部の区市町村では、学校数の多さや財政力の低さから設置が遅れている自治体もあります。
 そこでお伺いしますが、都がこれまで補助事業を進めてきましたけれども、本事業を開始した目的、そして手厚い補助内容としている経緯についてお伺いします。

○小菅地域教育支援部長 本事業は、平成三十年度の災害級の猛暑や大型台風による避難所開設を受けまして、良好な教育環境の確保及び災害時の避難所における環境の整備を目的としております。
 こうした災害を受けて、屋内体育施設への空調設置の重要性が高まったことから、区市町村が早期に空調設置を進めることができるような補助制度としたものでございます。

○アオヤギ委員 二○一八年七月、名古屋市で校外活動から帰ってきた小学一年生が亡くなるという痛ましい事故がありました。東京でも、体育館で授業を受けていた生徒が熱中症の症状で救急搬送されました。全国でエアコンが未設置の学校について設置を求める世論が大きくなり、東京は普通教室は設置完了していましたが、体育館が残されていました。
 そうした中で、私どもも条例提案を行い、その後、学校体育館空調機設置補助事業がつくられ、この三年間で多くの区市町村が設置に乗り出しました。
 二○二○年の終了時点、すなわち二○二一年度当初時点及び二○二一年度末時点の見込みの設置状況、区部、多摩地域、島しょ部ごと設置率をお示しください。

○小菅地域教育支援部長 令和三年度当初時点の設置率は、区部七八・五%、多摩地域四二・八%、島しょ部一六%、令和三年度末時点では、区部九一・五%、多摩地域六六・三%、島しょ部二○%となる見込みです。

○アオヤギ委員 二○二一年度当初、つまり二○二○年度に設置完了された体育館の割合は、多摩地域では四二%にとどまり、さらに、二○二一年度末見込みでは六六・三%となっており、区部のほとんどが八割以上ついているのに対し、遅れている状況です。
 さらに、一つ一つの自治体を見ますと、多摩地域では数%から半分まで達していない市町村も目立ちます。
 区市町村の小中学校体育館の空調設置について設置状況を見ると、区市町村ごとに設置率の違いがありますが、これについてどのように分析していますか。

○小菅地域教育支援部長 区市町村立小中学校の屋内体育施設への空調設置につきましては、地区の状況を踏まえて計画が立てられており、区市町村のそれぞれの事情によって設置状況に違いが出ていると認識しております。

○アオヤギ委員 まさに多摩格差が出ていると思います。一○○%設置できている市は、交付税の不交付団体が多くなっています。ぜひ各市町村の状況をよく分析していただきたいと思います。
 中には、特別教室やトイレの改修を優先している市町村もあると聞いています。こうした施設改修は、自治体の財政規模でも設置のペースが変わってきますし、猛暑となれば都内全域が暑くなるわけですから、補助要綱にある良好な教育環境を子供たちに提供していただきたいと思います。
 私の地元八王子市は一○%の設置にとどまっていて、子供たちや保護者の皆さんからも、ぜひ設置してという声を多くいただいておりますが、この補助金は今年度で終期となっています。コロナ禍でも工事完了が困難になる場合も想定されます。普通教室のときのように都内全ての学校で設置されるよう、ぜひこの制度は延長していただきたいと思いますが、見解をお伺いします。

○小菅地域教育支援部長 本補助金による今年度の空調設置は現在進行中でございますので、引き続き区市町村の実態を把握してまいります。

○アオヤギ委員 ぜひ全ての体育館のエアコンが設置されるまで延長を求めます。
 また、冒頭にご答弁いただきましたが、猛暑を受け、体育館へのエアコン設置の重要性が高まったため、早期に設置できるよう、補正予算まで組んで促進しているのがこの事業です。延長していただきながら、同時に子供たちの良好な教育環境の確保のためには早期に設置することが重要だと、そのことをぜひ区市町村にもよくお話ししていただいて、促進をしていただくことを求め、質疑を終わります。

○五十嵐委員 私からは、まず、令和二年度が始まった子供たちにとって一番大きな出来事は、学校の一斉臨時休業だったと思っています。そこで、一斉臨時休業と、児童生徒の心のケア、あと教員以外の専門スタッフの活用について伺います。
 まず、新型コロナウイルス感染症対策のため、国は、全国の学校に対して令和二年三月二日から学校の一斉臨時休業を要請しています。この要請に対して都は、学校の休業措置は保護者をはじめとする学校関係者に対して多大な影響を与えることが懸念されることから、文部科学省に対して関係省庁と連携の上、適切かつ迅速な対応を求めるという緊急要望を行っています。
 具体的には、令和二年二月二十八日発出の三一教総策第五二三号において、休業措置により、学校等に生ずる負担に対して必要な対応を求めるとしています。
 まず、東京都から国に対する要望について国の対応はどうだったのかについて伺います。

○稲葉教育政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長新型コロナウイルスワクチン接種連絡調整担当部長兼務 都教育委員会は、国から一斉臨時休業の要請があった令和二年二月二十八日に、同日付で関係局と共に国に対して緊急要望を行ってございます。
 国の対応のうち、都教育委員会の要望に関連する主なものとしては、文部科学省が、令和二年四月の第一次補正予算において、学校再開に向けマスクや消毒液の購入等を補助する、学校における感染症対策事業に百三十七億円を措置しました。また、学校休業時における子供たちの学びの保障に向け、一人一台端末の早期実現などICT環境を整備するGIGAスクール構想の加速に二千二百九十二億円を措置するなどいたしております。

○五十嵐委員 国からは一定の予算措置があったということで、学校の一斉臨時休業に対して国と連携して対応する契機となったものと理解されていると捉えます。
 結果的に都立学校では、令和二年五月末まで臨時休業が実施されることとなりました。この間、学校の休業が子供たちの心身に与える影響は大きく、特に子供たちの心のケアが課題であったと考えます。
 そこで、令和二年度の一斉休業後の不登校の数の増減と変化についての見解を伺います。

○藤井指導部長 令和二年度の調査において、都内公立小中学校の不登校児童生徒数は、小学校六千三百十七人、中学校一万一千三百七十一人、計一万七千六百八十八人で過去最多となっており、不登校の要因のうち、無気力、不安や、生活リズムの乱れ、遊び、非行の項目が増加をしております。
 区市町村教育委員会からは、漠然とした不安により登校できなかった事例や、一斉休校に対する生活の乱れから学校に行く習慣がなくなった事例等の報告があり、不登校者数の増加の背景の一つに、新型コロナウイルス感染症の影響があると考えております。

○五十嵐委員 不登校者の数が過去最多となったとのことです。この背景として、やはり、学校の一斉臨時休業による生活のリズムの乱れなどから、子供たちや保護者に対して大変な影響があったということが推測されます。
 都教育委員会としては、一斉休校中と、あと一斉休校明けにどのように取り組んできたか、また、コロナ禍が長期化していますが、子供たちにどう向き合っているかについて伺います。

○藤井指導部長 新型コロナウイルス感染症に伴う学校の休業等の影響により、子供たちが漠然とした不安や悩みを抱えやすい状況にあることを踏まえ、都教育委員会は、臨時休業中における教員による子供への定期的な連絡を通した状況把握や、福祉等の機関との連携等、学校での取組の徹底を図っております。
 また、休業明けには、学校に対して子供へのアンケート様式を示し、学級担任等が全ての子供のストレスの状況を把握した上で、心配な様子が見られる子供にはスクールカウンセラーとの面接を早期に行うよう求めております。その後、都内全ての公立学校を通じて、都教育相談センターが二十四時間受け付けている東京都いじめ相談ホットライン等の相談機関の連絡先等を子供や家庭に繰り返し案内するなどしております。
 これらに加え、子供の心を育むために自らの可能性に気づくことが何よりも大切であり、学校において意識的に子供のよさや成長を見つけて一人一人に伝え、自己肯定感を高める取組を強化しております。

○五十嵐委員 ありがとうございます。今ほど、福祉等の機関との連携や、また、スクールカウンセラーとの面接を早期に行うよう求めるなど、福祉等の機関の連携やスクールカウンセラーの活用についてご答弁いただきました。
 文科省は近年、不登校だけでなく、いじめの深刻化など、児童生徒の心の在り方と関わる様々な問題が生じていることを背景として、教員以外の専門スタッフの参画を推進しています。
 そこで一つとして、今スクールカウンセラーというお話ありましたけれども、児童生徒や保護者の抱える悩みを受け止めて、学校におけるカウンセリング機能の充実を図るために、臨床心理に専門的な知識、経験を有するスクールカウンセラーの活用が考えられます。
 そこで、令和二年度のスクールカウンセラーの都内の配置状況について伺います。

○藤井指導部長 令和二年度は、全ての公立小学校等千二百七十五校、中学校等六百二十三校、高等学校等二百四十七課程に一日七時間四十五分、年間三十八日、スクールカウンセラーを配置しております。

○五十嵐委員 ありがとうございます。
 ちょっと保護者の方に伺ったんですけれども、スクールカウンセラーを利用できる感覚としては、やはり週に一回程度しかスクールカウンセラーと会えないということでした。保護者の方からは、やはり相談できる時間が短かったり、曜日が限られているということで、児童生徒や保護者が相談したいタイミングになかなか相談できないという課題があるとも聞いています。
 また、実際に活用した方にお話を伺いますと、スクールカウンセラーというのは学校内でしか使えなくて、例えば、子供が不登校になった場合に、外でなかなかカウンセリングをしてもらえない、現実としては学校に行きたくないのだから、学校の外に出て公園で話を聞いてもらったり、そういうようなことをしてほしいというような声も聞いています。
 そこで、スクールカウンセラーも、必要な場合には児童生徒のご家庭に赴くなど家庭訪問などができるように、また、外での活動もできるようにすべきだと考えますが、ご見解を伺います。

○藤井指導部長 スクールカウンセラーの業務は、学校内におけるカウンセリング等を基本としております。
 スクールカウンセラーは、児童生徒の指導上、校長が必要であると認め、保護者の了承が得られる場合には、学校の教員と共に家庭訪問することができるとしております。

○五十嵐委員 ありがとうございます。
 一応、外でも、校長が必要であると認めて、また、保護者の了承が得られる場合には教員と共にできるということで、そのことをちょっと保護者の方にお伝えしましたところ、そもそもやっぱり教員がなかなか忙しくて、あんまりそういう相談もできないといったこととか、そもそもそうやって外で利用できるんだということを知らなかったというようなお話も伺いました。
 そもそも、スクールカウンセラーを使っている保護者の方はいいんですけれども、全く知らないというようなお母さんもいるようでした。なので、スクールカウンセラーをどのような場合に活用できるのか保護者がなかなか知らないという現状もあるようで、東京都としてはどう対応しているのか見解をお伺いします。

○藤井指導部長 学校では、年度の初めに、スクールカウンセラーの活動内容や活動日、相談したい場合の予約方法等を児童生徒、保護者、関係機関等に紹介しております。
 これに加え、年間を通じて学校便り、ホームページ、スクールカウンセラー便り等により、スクールカウンセラーの相談日や活動の様子を保護者等に周知しております。

○五十嵐委員 ありがとうございます。引き続き保護者の方への周知等をよろしくお願いいたします。
 今はスクールカウンセラーについて、特に児童と保護者の心理面からの支援について伺いました。
 もう一つの教員以外の専門家として、スクールソーシャルワーカーというものがございます。
 スクールソーシャルワーカーとは、福祉の専門性を有する者として、主に児童生徒のニーズの把握や支援、保護者への支援、学校や地方自治体への働きかけを行うもので、社会福祉士や精神保健福祉士などの有資格者であると聞いています。
 そこで、スクールソーシャルワーカーの令和二年度の都内の配置状況について教えてください。

○藤井指導部長 都教育委員会は、平成二十一年度から区市町村教育委員会のスクールソーシャルワーカーの配置計画に沿って、その経費を補助しており、令和二年度は都内五十の区市町が配置しております。

○五十嵐委員 ありがとうございます。
 このスクールソーシャルワーカーについても、ちょっと保護者の方に伺ったところ、スクールソーシャルワーカーについては、おうちに来てくれたりとか公園でお話を聞いてくれたりとかするというふうな活用が可能とのことで、スクールソーシャルワーカーの方が使いやすいようなことはおっしゃっていました。
 ただ、仕組みとして、これまでは、スクールソーシャルワーカーを使いたい保護者の方は、学校を通してスクールソーシャルワーカーの利用を依頼するということがあったそうなんですけれども、現実的に学校でそんなものは必要ないといったようで、断られたという例もあるようです。
 それを踏まえて武蔵野市では、保護者が学校を通さないで、直接市のソーシャルワーカーの利用を申し込める制度というものを近年取り入れております。
 そこで、スクールソーシャルワーカーの活用について他の市区町村ではどのように取り組んでいるのか。実際に今申し上げた、学校経由で申し込んだけど断られたという事例があるようですけれども、東京都としてどのように対応しているかご見解を伺います。

○藤井指導部長 区市町村教育委員会では、スクールソーシャルワーカーや教育相談員が、福祉や心理の専門家として子供の問題に関する保護者からの相談に応じたり、家庭を訪問して環境改善を働きかけたりする体制を整備しております。
 保護者がスクールソーシャルワーカーに相談したい場合には、その方法は自治体ごとに異なっており、保護者が学校を通して依頼したり、直接区市町村に申し込んだりする方法があります。
 都教育委員会では、スクールソーシャルワーカーを対象とした連絡会を開催し、各地区における効果的な取組について互いに情報共有を行うなど、学校が保護者に対して適切な対応ができるよう区市町村教育委員会を支援しております。

○五十嵐委員 ありがとうございます。
 やはり、長引くコロナ禍で環境が大きく変化して、児童生徒にも、また、保護者にもストレスはフルな生活が続いています。不登校やいじめ、虐待、貧困などによる児童生徒の心のケアと環境の改善が不可欠だと考えています。
 先ほど令和二年度の不登校児が過去最大というお話がございました。その中で、教員以外の専門スタッフの活用についてもさらに取り組んでいただきたいと思います。
 文科省の調査によれば、スクールカウンセラーの成果としては、学校の教育相談体制の強化や不登校の改善、問題行動の未然防止、早期発見、早期対応などが挙げられており、調査対象のほとんどの学校が必要性を感じていると認識されています。
 また一方で、スクールソーシャルワーカーについても、文科省の調査によれば、成果として、関係機関との連携の強化やケース会議等により、組織的な対応は可能となったという回答があるようで、こちらも調査対象のほとんどの学校からも、スクールソーシャルワーカーが必要だとの声があると聞いています。
 また、先ほど教員の過重労働のお話がありましたけれども、教員以外の専門スタッフを上手に活用することで教員の負担軽減にもつながると思っています。
 また、現状、保護者からは、スクールカウンセラーも、スクールソーシャルワーカーも、やはり足りないというようなお話を聞いています。
 スクールソーシャルワーカーは、東京都としては経費の補助という形になると思います。カウンセラーについては、非常勤として人員等を拡大するなどの措置があると思います。今後こういった、さらなる支援の充実を検討すべきだと思いますけれども、東京都のご見解を伺います。

○藤井指導部長 スクールカウンセラーについては、都教育委員会は、平成七年度から都内公立学校への配置を開始し、その後、国の補助制度を活用しながら順次拡大を図り、平成二十五年度から都内全ての小中高等学校に配置しております。また、平成二十八年度からは、高等学校全日制、定時制、通信制のそれぞれの課程別に配置するとともに、スクールカウンセラーを配置する全ての学校において、年間勤務日数をそれまでの三十五日から三十八日に拡充しております。
 スクールソーシャルワーカーについては、平成二十一年度から区市町村に対してスクールソーシャルワーカー活用のための支援を開始し、その配置を順次拡充してまいりました。平成二十七年度からは、活用を希望する全ての区市町の計画に沿った経費を補助しております。
 国の補助率が引き下げられるなど、都や区市町村の負担が増加している状況にあり、引き続き国に対して財政支援を要望してまいります。

○五十嵐委員 ありがとうございます。
 先ほど委員からの質問で、コロナ禍で中高生の自殺者が増えているというお話もございましたが、やはり学校の一斉臨時休業で子供たちに大きなストレスがかかったことは間違いないと思います。何よりも最優先すべきは、子供の、児童生徒の命でございます。
 東京都には、さらなる教育支援の拡充に向けて、最優先で措置を行っていただくよう求めて、私の質問を終わります。

○尾崎委員 私の方からも、スクールカウンセラーについて幾つか質問をしていきたいと思います。
 新型コロナの感染拡大の中で、学校が一斉臨時休校になったり、運動会や修学旅行などの行事もなくなりました。友達と遊ぶこともできない時期もあり、子供たちの環境が大きく変わってしまいました。
 私のところに学校のスクールカウンセラーをしている方から、コロナ禍で相談が増えているという声も寄せられています。中学校の先生からは、授業中に突然泣き出して授業を抜ける子も週に三、四人いる、友人関係だけでなく、家庭の経済状況などに不安があると感じられているという声や、コロナ以降、自傷、不登校が増えている、カウンセラーが週二回来ているが、予約でいっぱいで間に合わないという声が寄せられています。
 都立学校に国家資格などを持っている心理専門職のスクールカウンセラーが配置されています。スクールカウンセラーの状況について、人数と日数はどうなっているのか伺います。

○藤井指導部長 令和二年四月一日時点で都立高校等に配置されているスクールカウンセラーの実数は二百三十一人であり、全二百五十六課程に一日七時間四十五分、年間三十八日配置しております。

○尾崎委員 それでは、都内の小中学校に配置されているスクールカウンセラーの状況はどうなっていますか。人数と日数について伺います。

○藤井指導部長 都教育委員会が都内区市町村立学校に配置しているスクールカウンセラーの実数は、令和二年四月一日時点で千三百七十九人であり、全千八百八十九校に一日七時間四十五分、年間三十八日配置しております。

○尾崎委員 今年三月の予算特別委員会で日本共産党都議団のとや都議は、スクールカウンセラーの予約がいっぱい、スクールソーシャルワーカーも飛び回っている状況、深刻だと思いませんかと質問しました。藤田教育長は、コロナ禍において活動の制約等が続く中、多くの子供が様々な不安や悩みを抱えている、学校の要請に応じてスクールカウンセラーの派遣回数を増やすなど対応してきたと答弁がありました。派遣回数を増やしたことは重要です。
 そこで伺います。二○二○年度から区市町村教育委員会が選出した小中学校にスクールカウンセラーの派遣を拡充しましたが、何校に配置したのですか、また、拡充する条件は何か、伺います。

○藤井指導部長 区市町村それぞれの実態やニーズに基づいた支援の一層の充実を図るため、令和二年度から、区市町村教育委員会が一定の条件により選出した学校百七十二校について、スクールカウンセラーの配置日数を年間三十八日から七十六日に拡充いたしました。
 区市町村教育委員会が学校を選出する際には、各自治体の規模に応じて、学校の在籍児童生徒数が一定数以上であること、心理の専門家の活用により、不登校対策や発達障害教育等の支援体制を強化することなど、その必要性について明確な理由があることを条件としてございます。

○尾崎委員 一定の条件により選出した学校百七十二校に、スクールカウンセラーの配置日数を年間三十八回から七十六回に拡充したとのことですが、重要です。
 同時に、全体で約千九百校あるわけですから、一割弱にしかなりません。コロナ禍の中で、生徒だけではなく、教職員や保護者の心の悩みも増えています。コロナ禍の中で子供たちの悩みに関わる教職員の相談はどのように行われていますか。

○藤井指導部長 学校では、子供の不安や悩みの解消に向けて、学級担任等が一人で抱え込むのでなく、校内の関係者が情報を共有し、スクールカウンセラー等の専門家と連携して、組織的に対応しております。
 スクールカウンセラーは、教職員に対して児童生徒の指導のために必要な情報を提供したり、児童生徒の関わり方について助言、援助をしたりしております。

○尾崎委員 スクールカウンセラーは、教職員に対しても子供の不安や悩み解消に向けて対応しているということです。そうなると、スクールカウンセラーの役割はますます重要になってきていると思います。
 都内公立の小中学校では不登校の子供が増加し、子供に関わる問題だけでも様々な課題が増えています。スクールカウンセラーをしている方からは、週一回程度の勤務では全く対応がついていかないという声も寄せられています。その方がおっしゃるには、アメリカでは常勤でスクールカウンセラーを配置しているということでした。
 都として、スクールカウンセラーの配置をもっと増やして対応できるようにすべきですが、いかがですか。

○藤井指導部長 都教育委員会は、平成七年度から都内公立学校へのスクールカウンセラーの配置を開始し、その後、国の補助制度を活用しながら順次拡大を図り、平成二十五年度から都内全ての小中高等学校に配置をしております。また、平成二十八年度から高等学校全日制、定時制、通信制のそれぞれの課程別に配置するとともに、スクールカウンセラーを配置する全ての学校において、年間勤務日数をそれまでの三十五日から三十八日に拡充いたしました。
 平成二十年度に国の補助率が二分の一から三分の一に引き下げられ、都の負担が増加している状況にあり、引き続き国に対して財政支援を要望してまいります。

○尾崎委員 スクールカウンセラーについては、この間配置を増やしていただき、さらに、年間勤務日数も増やしてきていただいたことが分かりました。しかし、今の子供たちの状況から見れば、まだまだ不十分だと思います。国に対して財政支援を要望していることも分かりました。引き続き拡充の実現に頑張っていただきたいと要望するものです。
 スクールカウンセラーは現在、会計年度任用職員となっています。常勤の職員にすべきですが、いかがですか。

○浅野人事部長 スクールカウンセラーは、学校教育法等において必置の職とされておらず、また、いわゆる標準法においても教職員定数として算定されておりません。
 現在国は、スクールカウンセラーの常勤化に向けた調査研究を実施しているところであり、引き続き国の動向を注視してまいります。

○尾崎委員 国がスクールカウンセラーの常勤化に向けて調査研究を実施しているということですので、国の動向を注視していくだけではなく、都として、実現に向けて積極的に働きかけていただけますよう要望するものです。
 公立小学校の副校長会や校長会からも、新型コロナによる、長期の学校生活や学校行事の制限に伴う児童生徒の不安や心的ストレスを緩和するため、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの人材配置がさらに充実されることも必要との要望も出されています。コロナの影響による子供たちの不安や、多様化、深刻化する課題に向き合えるようにするためにも、常勤のスクールカウンセラーの配置の検討を求めるものです。
 次に、パワーハラスメントに関するアンケート調査について質問していきたいと思います。
 私は、教職員のパワハラ問題で相談があり、二○二○年第一回定例会で文書質問を行いました。都内の教職員組合が職場でのパワーハラスメントについてアンケートに取り組み、その結果、ほかの教職員がいる職員室でどなりつけられた、おまえたちはやる気がないのか、来年は担任をさせないなどどなり散らされたなどの不適切な言動、パワーハラスメントがあるなど、深刻な実態が寄せられていました。
 私はその実態を示し、都として教員のパワハラについての実態調査を行うよう要望し、見解をただすと、都教育委員会では、教職員のパワーハラスメントに関する実態及び意識や捉え方等についての調査を予定しているとの答弁があり、どんな結果になるのか注視していました。
 都教育委員会が行ったパワーハラスメントに関するアンケート調査結果については三月二十五日にまとめられましたが、文書質問で示した教職員組合のアンケートと同様の特徴がありました。
 そこで、幾つか質問します。
 パワーハラスメントに関するアンケート調査を行ったことは重要です。法改正の認知度については、知らないが二四・八%、法改正されたことは知っているが詳細な内容は知らないと答えた人は六一・三%もありました。パワーハラスメントをなくすためには、労働施策総合推進法の改正について知らせることが重要だと思います。
 法改正の認知度を高めるためにどのような取組をしていますか。

○浅野人事部長 法改正された令和二年六月以降、パワー・ハラスメントの防止に関する基本方針の制定や、学校職員服務規程の改正などの機会を捉えて繰り返し周知を図っております。
 アンケート調査で、法改正の内容やパワーハラスメントの捉え方の理解が十分でなかった結果を踏まえ、令和三年四月に教職員向け啓発資料を発行いたしました。この資料では、令和二年十一月に実施した調査結果と併せて、パワーハラスメントの定義に加え、その類型や適正な指導との違いなどを紹介しております。

○尾崎委員 法改正があって、パワーハラスメントは駄目だという意識はあっても、詳細な内容については分からない、知らないという状況だと思います。そのような状況では、教職員の中でのパワーハラスメントの防止にはつながりません。さらなる周知が求められていると思います。
 パワハラと感じた言動をした相手方との関係について一番多かったのは、管理職から部下に対するものでした。管理職の意識改革が必要だと思いますが、どう取り組むのですか。

○浅野人事部長 パワーハラスメントは、教育管理職に限らず、他の職層でも行為者となり得ることから、令和三年四月に教職員の服務に関するガイドラインを改正し、全ての教職員に対して、定義の理解やパワーハラスメント防止の留意点を周知徹底いたしました。
 また、校長、副校長及び教育管理職候補者に対しては、都教育委員会の服務担当者が講師となり、研修を実施しております。

○尾崎委員 私のところに相談があったパワハラも、上司によるものが多くありました。学校では、まず、校長、副校長などの管理職の意識改革こそ求められています。ほかの職種も同様だと思いますが、古い考えや体質、長時間過密労働などから来るいらいらなども原因と考えられます。働く環境を見直すことが必要です。
 現在の職場の人間関係についてどのように感じているかについては、良好ではないと回答したのが八%でした。八%の中で、過去三年間にパワハラを受けたと感じたことがあると回答した教職員は七三・四%であったということがアンケートで分かりました。この実態をどう受け止めていますか。

○浅野人事部長 パワーハラスメントを防ぐためには、職場内での相互協力や円滑なコミュニケーションは有効であると考えております。
 こうした点についても啓発資料で周知するとともに、パワーハラスメントの定義や概念についても、しっかりと定着を図ってまいります。

○尾崎委員 どの職場でも、パワハラについて声を上げられないという実態が寄せられています。
 今回のアンケート結果でも、パワハラと感じた言動を受けてどのような行動をしましたかの質問に、何もしなかったと回答した人が多く、その理由として、プライバシーが守られるか、職場にいづらくならないか、相談して異動など不利益な事態にならないか、行為者がますますエスカレートしないかが挙げられています。
 安心して相談できる体制づくりが必要ですが、現状はどうなっていますか。

○浅野人事部長 相談窓口については、平成二十七年度に東京都学校経営支援センター経営支援室に都教育委員会の相談窓口を設置し、都立学校に勤務する教職員からの相談を受け付けております。
 令和二年度からは、全公立学校教職員を対象にしたメールによる相談受付を開始し、相談手法の多様化を図っております。
 また、相談者のプライバシーは、相談の際には保護が徹底されることを周知しております。
 事実の調査や調査結果に基づく対応に当たっては、相談者の意向に沿って実施しております。

○尾崎委員 相談していいんだよ、声を上げてパワハラをなくしていこうというメッセージを出すことが大事だと思います。悩んでいる人に届くよう工夫も必要だと思いますので、検討をお願いします。
 今回のパワーハラスメントに関するアンケート調査で明らかになった実態を分析し、パワーハラスメントをなくすための対策にどう生かしていくのですか。

○浅野人事部長 今回の調査結果を踏まえ、啓発資料作成など制度周知に向けた取組を推進し、教職員のパワーハラスメントに関する基本的知識の理解を促してまいります。
 また、職層に応じた研修等を通じて管理職や指導的立場にある者をはじめ、教職員の意識改革を図ってまいります。
 さらに、パワーハラスメント相談窓口の活用を促進するために、相談員のスキル向上を図るなど、教職員が悩みを抱えた際に相談しやすい環境づくりに努めてまいります。

○尾崎委員 研修などを通じて意識改革を図る、相談しやすい環境づくりに努めていくということですが、大本にあるのは一人一人を大事にするということではないでしょうか。そのためには、長時間労働を見直し、少人数学級を実現して、子供一人一人に関わる時間を増やして丁寧に関われる環境をつくることだと思います。
 学校は、一人一人の子供たちに寄り添いながら学び合い、人として成長できる場であると考えます。子供たちの人権を尊重しながら生きる力を培うのが教育だと考えます。子供たちに関わる教職員が、学校でパワハラに遭い、相談できずに泣き寝入りするようなことがあってはならないと思います。教職員の方がパワハラで学校に行きたくないと思うような学校は、子供たちも行きたくない学校になるのではないでしょうか。教職員のパワハラをなくすためにさらなる取組を要望して、質問を終わります。

○内山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○内山委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で教育庁関係を終わります。
 これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
   午後四時六分散会

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