委員長 | 斉藤やすひろ君 |
副委員長 | ほっち易隆君 |
副委員長 | 酒井 大史君 |
関口健太郎君 | |
清水とし子君 | |
玉川ひでとし君 | |
米川大二郎君 | |
本橋たくみ君 | |
関野たかなり君 | |
とや英津子君 |
欠席委員 なし
出席説明員労働委員会事務局 | 局長 | 鈴木 勝君 |
産業労働局 | 局長 | 坂本 雅彦君 |
次長 | 根本 浩志君 | |
総務部長 | 松本 明子君 | |
産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 | 米澤 鉄平君 | |
企画調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長 新型コロナウイルスワクチン接種連絡調整担当部長兼務 | 勝見 恭子君 | |
商工部長 | 緑川 武博君 | |
商工施策担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 | 荒井 芳則君 | |
金融部長 | 篠原 敏幸君 | |
金融支援担当部長 | 高野 豪君 | |
観光部長 | 築田真由美君 | |
観光振興担当部長 | 小林あかね君 | |
農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 | 山田 則人君 | |
安全安心・地産地消推進担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 | 龍野 功君 | |
雇用就業部長 | 村西 紀章君 | |
事業推進担当部長 | 鈴木のり子君 |
本日の会議に付した事件
令和二年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
労働委員会事務局関係
・令和二年度東京都一般会計決算(質疑)
産業労働局関係
・令和二年度東京都一般会計決算(質疑)
・令和二年度東京都中小企業設備導入等資金会計決算(質疑)
・令和二年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計決算(質疑)
・令和二年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計決算(質疑)
○斉藤委員長 ただいまから令和二年度各会計決算特別委員会第三分科会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、労働委員会事務局及び産業労働局関係の決算に対する質疑を行います。
これより労働委員会事務局関係に入ります。
決算の審査を行います。
令和二年度東京都一般会計決算中、労働委員会事務局所管分を議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○鈴木労働委員会事務局長 去る十月十八日の当分科会におきまして要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
恐れ入りますが、お手元配布の令和二年度各会計決算特別委員会第三分科会要求資料をご覧ください。
表紙をおめくりいただき、目次をご覧ください。資料は三点でございます。
一ページをお開きください。1、職員の定数の推移でございます。
管理職を除く当局の職員定数について、平成二十八年度から令和二年度までの状況を記載しております。
二ページをご覧ください。2、職員の平均局在職年数の推移でございます。
管理職を除く職員の平均局在職年数について、平成二十八年度から令和二年度までの状況を記載しております。
三ページをご覧ください。3、東京都労働委員会機能別取扱件数の推移でございます。
東京都労働委員会における取扱件数について、判定的機能及び調整的機能の区分ごとに平成二十八年度から令和二年度までの実績を記載しております。
以上で要求資料の説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○斉藤委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○斉藤委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○斉藤委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で労働委員会事務局関係を終わります。
○斉藤委員長 これより産業労働局関係に入ります。
先般の人事異動に伴い、産業労働局長及び産業労働局の幹部職員に交代がありましたので、局長から挨拶並びに幹部職員の紹介があります。
産業労働局長に就任された坂本雅彦さんをご紹介いたします。
○坂本産業労働局長 本日付で産業労働局長に就任いたしました坂本雅彦でございます。
斉藤委員長をはじめ各委員の皆様のご指導、ご鞭撻を賜りまして、微力ではございますが、産業労働行政の一層の推進に全力を挙げて取り組んでまいる所存でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
引き続きまして、人事異動によりまして当局の幹部職員に交代がございましたので、ご紹介させていただきます。
次長の根本浩志でございます。総務部長の松本明子でございます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
〔理事者挨拶〕
○斉藤委員長 挨拶並びに紹介は終わりました。
○斉藤委員長 決算の審査を行います。
令和二年度東京都一般会計決算中、産業労働局所管分、令和二年度東京都中小企業設備導入等資金会計決算、令和二年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計決算及び令和二年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計決算を一括して議題といたします。
本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○松本総務部長 去る十月十八日の当分科会で要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
恐れ入りますが、お手元の令和二年度各会計決算特別委員会第三分科会要求資料の表紙をおめくりください。
目次でございます。資料は全部で十三項目ございます。
一ページをご覧ください。この一ページから三ページにかけまして、中小企業対策、農林水産対策、雇用就業対策の過去五年間の予算額、決算額の推移をそれぞれお示ししてございます。
四ページをお開きください。新・元気を出せ!商店街事業及び商店街チャレンジ戦略支援事業につきまして、過去五年間の実績をお示ししてございます。
五ページをご覧ください。小売商業後継者育成・開業支援事業、商店街パワーアップ基金事業及び商店街起業促進サポート事業につきまして、過去五年間の実績をそれぞれお示ししてございます。
六ページをお開きください。商店街パワーアップ作戦につきまして、過去五年間の支援実績をお示ししてございます。
七ページをご覧ください。東京都における新規就農者数の過去五年間の男女別推移をお示ししてございます。
八ページをお開きください。多摩産材取扱量の過去十年間の推移をお示ししてございます。
九ページをご覧ください。ものづくり企業グループ高度化支援事業につきまして、過去五年間の当初予算と実績の推移をお示ししてございます。
一〇ページをお開きください。クラウドファンディングを活用した資金調達支援につきまして、当初予算と実績の推移をお示ししてございます。
一一ページをご覧ください。アユの推定遡上量の過去十年間の推移をお示ししてございます。
一二ページをお開きください。感染拡大防止協力金につきまして、令和二年度の申請件数、支給決定件数を期ごとにお示ししてございます。
一三ページをご覧ください。新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン等に基づく対策実行支援事業につきまして、区分ごとに令和二年度の実績をお示ししてございます。
以上で要求資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○斉藤委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○ほっち委員 令和二年度は、新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言と、多くの店舗への休業や営業時間短縮の要請、また外出自粛の要請などにより、東京の社会と経済はこれまでに経験したことのないような危機に見舞われました。このような事態にどのように対応したのか、産業労働局の昨年度の取組を通じて確認をさせていただきたいと思います。
まず初めに、中小企業制度融資についてお伺いをさせていただきます。
新型コロナウイルス感染症の影響が長期に及び、飲食店をはじめとする都内中小企業は厳しい経営を強いられています。
これまで我が党は、産業界への様々な支援策について要望をしてきましたが、昨年度の状況下では、特に当面の資金繰りへの支援が重要でありました。
こうした中、都は、中小零細企業の事業継続を支えるため、制度融資のメニューとして感染症対応融資を設置し、多くの企業が利用したというふうに聞いております。
そこでまず、昨年度、感染症対応融資について年間の実績がどうであったか、またリーマンショック時と比較してどうだったのか、また月別で見た場合にはどのような利用実績となっていたのかお伺いをさせていただきます。
○篠原金融部長 昨年度の感染症対応融資の実績は、都独自の三つのメニューと、五月に開始いたしました国の補助を受けて実施するメニューを合わせまして約二十一万七千件、融資金額は約五兆六千億円でございます。
この実績は、いわゆるリーマンショックの際、緊急対策として実施いたしました経営支援融資における二年五か月の実績、約二兆七千億円を大きく上回る結果となっております。
また、月別の実績を保証承諾ベースで見ますと、実質無利子融資を開始した五月の翌月、六月が約九千五百億円、七月が約九千百億円で、この二か月で全体の三割を超えておりまして、その後、一月の約一千五百億円程度まで減少しております。
その後、二月には、実質無利子融資の借換えが可能となったこともございまして、三月の実績は約五千四百億円まで増加したところでございます。
○ほっち委員 昨年度の感染症対応融資の実績が一年間だけでリーマンショック後の二年半ほどの実績の約二倍以上ということであります。コロナ禍において、都の融資制度が中小企業の資金繰り支援に大きく貢献してきたということが分かりました。膨大な件数と融資実績ですが、また一方で、昨年夏には融資の申込みが殺到したため、事業者から融資までに時間がかかり過ぎるとの声も寄せられておりました。
今回のようなコロナ禍に際しては迅速な金融支援が不可欠であり、都議会自民党としても、国に対して、手続に膨大な時間と手間を要する支援策について、審査手続の簡素化や審査基準の弾力化などを図ることで迅速な融資が行われるよう要望を行ってきたところであります。
そこで、都の制度融資においては、昨年のこうした事態に対してどのように対処したのかお伺いをさせていただきます。
○篠原金融部長 都は、コロナ禍の影響を受けた中小企業向けに特別相談窓口を昨年一月に設置しておりまして、実質無利子融資を開始した五月から六月にかけまして、窓口の相談時間の延長や休日対応などによりまして資金繰り相談を強化し、金融機関等へ円滑に誘導してまいりました。さらに、各金融機関に対しても制度の周知徹底を図るなど、手続面での円滑化、迅速化を促進してまいりました。
また、東京信用保証協会におきましても、審査部門への職員の応援体制を組みまして、営業時間の延長や休日営業を行いますほか、審査書類の簡素化を図るなど、迅速な対応を図ってきたところでございます。
○ほっち委員 コロナ禍に苦しむ都内の中小企業の資金繰りを支えるために、これまで都と保証機関が様々な努力を行ってきたということは分かります。
ただ、新型コロナの影響は当初の想定よりも長引き、現状においても続いております。こうした中で、私の地元の企業からは、昨年度借り入れた融資の返済が始まって非常に厳しい状況であるというふうな声も聞いております。
都には、中小零細事業者の実情を踏まえ、できる限り寄り添った支援を引き続き行っていただけるように要望をして、次の質問に移ります。
昨年四月の緊急事態宣言の発出により、飲食店などへの休業要請や営業時間短縮の要請を行った際、要請に協力した事業者に対して、都は協力金を支払うということとしました。その後、昨年十一月末の要請からは国からの交付金を活用した制度となり、現在に至っています。
当初は、都内中小事業者に事業者単位で支給していましたけれども、再度の緊急事態宣言が発出された本年一月からは店舗単位での支給というふうになり、大企業も支給対象に追加をされました。
このように、協力金については、その時々の社会情勢や事業者ニーズに応じて制度が目まぐるしく変わり、その都度、申請内容や審査の仕組みの見直しを迫られましたけれども、そうした中でも、資金繰りに苦しみながらも要請に応じた事業者に対しては、速やかに協力金を支給する必要があります。
我々都議会自民党は、事業者の立場に寄り添い、申請や審査手続に創意工夫を凝らすなど、協力金の迅速な支給を図るよう何度も求めてまいりました。
都はこの間、協力金の支給に当たり、どのような体制で対応してきたのかお伺いをさせていただきます。
○米澤産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 営業時間短縮及び休業等の要請の実効性を確保するためには、制度が変遷する中におきましても、都の要請に全面的にご協力いただける事業者に対して協力金を速やかに支給することが重要でございます。
このため、都は、各局から審査、支出事務を実施する応援職員を得ることで最大で約七百三十名に人員を増やすなど、全庁を挙げた執行体制を構築することで対応を図ってまいりました。
また、利用者の円滑な申請手続と迅速な審査を実現するため、利用者からの相談に対応するコールセンター業務や給付業務のノウハウを有する民間の力を最大限利用し、着実に対応してまいりました。
○ほっち委員 迅速な支給を行うためには、相応の事務体制を組む必要があります。給付業務のノウハウを有する民間の力を活用するということは重要であります。
それでは、委託事業者を活用し、具体的にどのような工夫、改善を図ってきたのかお伺いをいたします。
○米澤産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 都は、都庁内の人的資源が限られる中、審査の迅速化とともに業務の効率化を図るため、審査及び支給事務の一部を事業者に委託し、最大約百六十名規模の体制を構築するなど、状況に応じて臨機応変に人員を拡充することで必要な執行体制を確立してまいりました。
また、昨年四月の事業実施決定から短期間でコールセンターを約五十名規模で立ち上げ、最大時で約百名体制に強化を図ることで、申請者からの問合せに対しきめ細かな対応を図ってまいりました。
さらに、申請者にとって利便性が高いオンラインによる受付や、様々な情報発信を行う専用ポータルサイトの開設に加え、過去の申請情報を活用する仕組みとして、支給済みの店舗に係る提出書類を大幅に省略できる申請システムを構築することで申請者の負担軽減を図ってまいりました。
今後も民間の力を一層活用し、様々な改善を重ねることで、さらなる支給の迅速化に努めてまいります。
○ほっち委員 飲食店への営業時間の短縮の要請は解除になりますが、協力金の支給事業というのはまだこれからも当面続きます。
要請に応じた事業者には協力金をいち早く届けるようにしていただきたいということを求めまして、次の質問に移ります。
次に、コロナ禍で取引機会が減少した中小企業の受注確保に向けた支援についてお伺いをさせていただきます。
東京の経済を支えているのは中小企業、とりわけ下請企業と呼ばれる方々です。発表される新製品などにより大手メーカーなどが注目をされますけれども、実際は、その大企業を部品の供給などにより下支えしているのが下請企業であります。
しかしながら、特に下請の小規模零細企業は平時においても新たな受注の獲得が難しく、安定的な事業運営に苦心をしております。感染症への対応も必要となったことでさらに厳しい経営状況に追い込まれました。
都は昨年度、こうした中小企業の受注機会の創出に向け、中小企業と大企業とのマッチングを支援する事業を実施しておりますけれども、その実績と取組内容をお伺いいたします。
○緑川商工部長 新型コロナウイルス感染症の影響により、都内中小企業の受注活動に深刻な影響が出ている一方で、オンラインを活用して新たな販路開拓に力を入れる企業も増えてきております。
そこで、都は昨年度、新たな販路開拓や取引機会の創出に向けた商談会を開催するとともに、販路開拓のモデル事例を発信する取組を実施いたしました。
具体的には、本年一月に、発注企業十一社、受注企業二十四社によるオンライン商談会を開催し、三十二件のマッチングによりビジネス機会を創出いたしました。
また、本年二月には、健康、安全、環境の三つの分野を対象に、新しい取引先を求める大企業等と販路拡大を目指す中小企業等との対面による商談会を開催いたしました。この商談会の開催に当たり積極的に大企業等の掘り起こしを行い、発注企業十七社、受注企業五十五社の参加を受け、百三十五件のマッチングによりビジネス機会を創出いたしました。
これらの取組に加えて、オンラインを活用して新規顧客開拓を行う中小企業の取組を発信するポータルサイトを開設し、モデルとなる優良事例を紹介するなど、厳しい状況にある中小企業の事業継続を後押しいたしました。
○ほっち委員 今の答弁を伺いまして、都が中小企業の受注の場を積極的に提供をして、多くの商談が生まれたということは理解をさせていただきました。また、中小企業が受注機会を獲得するには、展示会への出展や商談会への参加も有効な取組であると思います。
このため、コロナ禍で大きなダメージを受けている中小企業であっても、こうした場に自ら参加をして自社の製品をPRし、新たな受注機会を獲得できるよう支援することは重要な取組であるというふうに考えます。
都は、展示会への出展を支援する事業を実施していますけれども、昨年度、コロナ禍で厳しい状況に置かれた中小企業に向けてどのように支援の充実を図ったのか、その取組内容をお伺いいたします。
○緑川商工部長 都はこれまで、中小企業の販路開拓を支援するため、国内外の展示会への出展や自社製品のPR等に要する経費につきまして、小規模企業は助成率三分の二、それ以外の中小企業は助成率の二分の一、いずれも百五十万円を上限に支援をしてまいりました。
こうした取組に加えまして、新型コロナウイルス感染症の影響により厳しい状況にある中小企業を後押しするため、昨年度は直近の売上げが前年と比較して一〇%以上減少している中小企業を対象に、助成率を五分の四まで充実させた助成制度を実施いたしまして、合わせて七百五十一件の交付決定を行いました。
その結果、展示会に出展することで多くの新規顧客を獲得し、売上げが増加した衣服の製造事業者や百貨店等との商談機会を確保した家電の卸売事業者など、販路拡大を目指す多くの中小企業を支援いたしました。
○ほっち委員 引き続き、多くの中小企業が展示会出展によって販路を拡大し、経営基盤を強化していくことを期待して、次の質問に移ります。
続いて、コロナ禍ゆえに生じた新たな需要に対応した設備投資に対する支援についてお伺いをさせていただきます。
新型コロナ感染症の発生直後、国内ではマスクや消毒液など感染症対策商品の需要が一気に高まり、店舗から姿を消してしまうなど、都民が容易に手に入れることができない状況が続いたことは皆さんの記憶にもあると思います。
一方で、都内中小企業が、こうした新たな需要にいち早く取り組むことができれば、コロナ禍の中にあっても、事業拡大や収益向上の可能性が生まれてくると思います。
都は昨年度、中小企業がこうしたニーズを捉え、感染症対策商品などの生産を後押しするため、設備投資の支援を実施し、多くの申請があったというふうに聞いております。
そこで、この事業の実績と取組内容についてお伺いをいたします。
○緑川商工部長 都は昨年度、都内中小企業が新型コロナウイルス感染症対策関連商品の製造に必要となる最新の機器設備を新たに購入する場合に必要な経費の五分の四、一億円を上限に助成する事業を実施いたしました。
令和二年四月から十二月まで申請を受け付け、百七十二社から応募がございまして四十三社を採択しており、例えば医療機関向け消毒剤の出荷時に必要な梱包を自動で行う設備を導入した事例や、オフィスや飲食店向けの飛散防止パネルの切断機を導入した事例など、設備投資に積極的に取り組む多くの中小企業を支援いたしました。
○ほっち委員 感染症対策商品に限らず、中小企業の設備投資による生産体制の強化は増収、増益につながり、経済の活性化にも寄与します。今後も中小企業の設備投資をしっかりと支援することを要望いたします。
続いて、区市町村と連携した中小企業支援についてお伺いをさせていただきます。
東京には、飲食などのサービス業をはじめ小売業や卸売業、製造業などの多様な産業が集積し、地域の活力を生み出しています。コロナ禍による地域経済への影響の軽減には、地域の産業特性や状況などを踏まえたきめ細やかな支援も重要であると考えます。
都は昨年度、緊急対策として、区市町村による地域産業の活性化に向けた取組を支援しておりますけれども、実績と具体的な活用事例をお伺いいたします。
○緑川商工部長 都は、新型コロナウイルス感染症による地域経済への影響の軽減を図り、地域産業の活性化を図る区市町村の取組に対しまして、事業費の二分の一につきまして二千万円を上限とする支援を昨年五月から開始いたしました。
その上で、長引く事業活動への影響を踏まえまして、より多くの区市町村を支援していくとともに、区市町村が地域のニーズの変化に対応した新たな取組が展開できるよう、補正予算で財源を確保した上で再募集し、延べ二十五自治体の取組に対しまして約三億円の支援を行いました。
具体的には、地域の経済団体などと連携した経営相談などの窓口設置や、コロナ禍で生じた需要に対応する事業展開に必要な新たな設備投資への補助など、区市町村と連携を図りながら、地域経済の回復と成長に向けた区市町村による幅広い取組を支援いたしました。
○ほっち委員 都がコロナ禍で苦しむ都内中小企業の事業継続を後押しするために、受注機会の確保や設備投資への支援などに加えて、地域の実情に応じて実施をした区市町村による産業活性化の取組など、幅広く支援を実施してきたことが分かりました。
引き続き、都内中小企業の経営の下支えにしっかりと取り組むよう要望をいたします。
続いて、中小企業の事業承継支援についてお伺いをいたします。
事業承継の実施に当たっては、経営ノウハウの継承など様々な課題があることから、十分な計画を立て、中長期的な視点を持ち進めていくということが重要であります。
一方で、コロナ禍における急速な業績悪化により十分な準備がなされないまま、本来継承されるべき事業が廃業などに追い込まれる事例も少なくありません。
こうした背景の中、注目されているのが、親族や従業員に継承させるのではなく、取引先企業などに事業を譲渡するM&Aであります。経営者を社内で育成する必要がなく、企業間の事業の譲渡で承継がなされる一方で、事業の引受手とのマッチングに向けては、従業員の雇用など双方のしっかりとした合意が不可欠となり、容易になされるものではありません。
都においては、昨年度より、この企業のM&Aをサポートする企業再編促進支援事業を実施していますが、その実績と具体的内容についてお伺いをいたします。
○緑川商工部長 都は、新型コロナウイルス感染症の影響を受け事業譲渡を検討している企業に対しまして、譲受け企業とのマッチングなどを支援するため、企業再編促進支援事業を昨年度から実施しております。
具体的には、事業内容の分析や譲渡可能な事業の切出しについての助言など、専任のアドバイザーによる支援を行うとともに、民間仲介会社との連携による幅広いネットワークを活用したマッチングを行っております。
昨年度は、事業譲渡を検討する事業者から三十九件の申請を受け付けまして、例えば、経営者が高齢となったため、独自の技術を有していながら廃業を検討していた機械メーカーが都の支援を受け、新たな譲渡先を見つけて円滑に事業承継が成立した事例などが出てきております。
このように、事業者の幅広いニーズをしっかりと捉え、マッチング支援に取り組んでまいりました。
○ほっち委員 M&Aに係る企業のマッチングは簡単に成立するものではありませんが、一定の成果が出ているということが確認をできました。
引き続き、企業の声をしっかりと聞き、譲渡する企業、譲り受ける企業の双方が納得できるM&Aとなるよう事業を丁寧に進めていただきたいと思います。
続いて、未来の成長を見据えた中小企業の前向きな取組への支援について伺います。
多くの都内下請企業は、大企業の部品調達先の多様化に伴う国際的な価格競争の激化に加え、昨今のコロナ禍における発注減などにより厳しい経営状況に立たされております。こうしたピンチをチャンスに変えるべく、独自の技術開発などを進め、新たな受注先の発掘に乗り出す企業も出てきており、アフターコロナを見据えた新たな東京の成長には、こうした企業の取組が不可欠であると考えます。
都は、下請企業の技術力の向上に向けた取組を支援する、明日にチャレンジ中小企業基盤強化事業を実施していますが、その取組状況と具体的な成果についてお伺いをいたします。
○緑川商工部長 厳しい経営環境に置かれた下請中小企業が受注の確保、拡大や新たな顧客を獲得するためには、優れた技術力や提案力の向上と納期短縮等の取組が重要でございます。
このため、都は、主に発注企業の仕様に基づき製品やサービスを提供する中小企業が、自社の技術、サービスの高度化のために技術開発や生産性向上に取り組む場合に、助成率三分の二、二千万円を上限に助成を行っており、昨年度は二回にわたり募集を行い、九十九件を採択いたしました。
採択した取組の中には、食品製造事業者が新たな生産設備を導入し、調理時間を大幅に短縮できる商品を開発した事例や、産業用機械の部品製造事業者が工場などでの検査時間の短縮につながる高感度産業用カメラを開発した事例などが出てきております。
こうした取組を通じまして、中小企業の競争力の強化を後押ししてまいりました。
○ほっち委員 昨日で、リバウンド防止措置期間が終了し、ようやく明るい兆しが見え始めたところではありますが、経営基盤の弱い中小企業にとって設備投資は大きな負担となります。多くの企業に新たな成長の一歩を踏み出してもらえるよう支援策の周知を徹底するとともに、支援の一層の充実を要望しておきます。
続いて、雇用対策についてお伺いをいたします。
コロナ禍の影響が長期に及び、飲食や宿泊業などのサービス業で働く方々を中心に解雇や雇い止めが数多く発生をしております。
国の発表によると、都においても、コロナ禍で職を失った方はこれまでの累計で二万四千人を超えているというふうに聞いております。失業された方々の中には、同じ業種での再就職を希望していても、なかなか条件に合致する求人を見つけられなかったり、長年同じ会社で働いてきたため就職活動のやり方等々が分からないというような状況の方もおり、新たな就職先探しにおいては大変困難な状況に置かれているというふうに伺っております。
そこで、都は、コロナ禍で解雇や雇い止めとなった方々に対してどのような再就職支援を実施してきたのかお伺いをいたします。
○村西雇用就業部長 都は昨年度、離職を余儀なくされた方々に対しまして、コロナ禍でも採用意欲の高い企業の求人を重点的に開拓し、マッチングの機会を質、量ともに拡充するなど再就職支援を強化して実施してまいりました。
具体的には、IT等の成長産業や介護分野など、人手不足が続く業種等におきまして、トライアルによる一か月間の派遣就労を経て正社員就職を進める事業を行い、五百二十七名の求職者を派遣し、二百三十七名の方の再就職につなげております。そのうち七割以上が正社員として採用されております。
また、就職活動に必要なノウハウの提供から就職面接会までを一日で集中的に行う支援プログラムなどを合計二十回開催し、八百十九名のマッチングを支援することによりまして、七十六名の方が再就職しております。
○ほっち委員 コロナ禍でのそういう再就職支援として、成長産業など採用意欲の高い企業の求人を掘り起こし、求職者に対しマッチングの機会を数多く提供するということは効果的な支援策であるというふうに思います。
雇用情勢は引き続き厳しい状況にあり、今後もこうした再就職支援を工夫して実施していただくように要望しておきます。
次に、コロナ禍での雇用主への支援についてお伺いをいたします。
コロナ禍において、企業の採用活動は大きな変化に直面をしました。企業説明会など、求職者と直接会って魅力を伝える機会が減少したことに加え、多くの企業でオンライン面接が導入されました。もともと採用活動に十分なノウハウを持たない中小企業の中には、こうした状況に十分対応できない企業も多く、ホームページや資料では企業の魅力が十分に伝わらない、オンラインの面接では本音が見抜けないなどの声を聞いております。
これらの中小企業に対して、各企業が抱える課題に寄り添い、丁寧に支援することが重要であると考えますが、都は昨年度、コロナ禍において中小企業の人材確保にどのように支援をしてきたのか、具体的にお伺いをいたします。
○鈴木事業推進担当部長 都は、しごと財団におきまして、人材確保に課題を抱える中小企業を対象に、採用や定着に関するセミナーを実施いたしますとともに、窓口での相談対応やコンサルタントの派遣を行っております。
昨年度は、コロナ禍の採用活動に必要なノウハウを提供するため、採用、定着に関する基本的な知識に加えまして、オンライン説明会における資料のつくり方や、オンライン面接時の注意事項などに関するセミナーを新たに実施いたしまして、中小企業千二百十四社に対し情報提供を行いました。
また、百八十五社に対してコンサルタントを派遣し、オンライン募集を行うためのサイト構築に向けたアドバイスやオンライン面接に向けたシミュレーションの実施など、きめ細かな支援を実施いたしました。
○ほっち委員 今いただいた答弁で分かるように、オンラインをうまく活用すれば採用コストの削減や業務の効率化にもつながっていきます。中小企業が環境の変化に対応し優秀な人材を確保することができるように、これからもしっかりと支援をしていただきたいというふうに思います。
続いて、人材の確保と育成の観点から、若手技能者の確保についてお伺いをいたします。
ものづくり企業においては人手不足が深刻化する中、高齢化も進展しており、若手技能者の確保が重要な経営課題となっております。
ものづくり業界に新たに就職する方を増やすためには、ものづくりの現場で働く方々の姿を見ていただいたり、また、優れた技能に触れたりする機会を通じてものづくりに関心を持つきっかけをつくることが効果的であります。
都はこれまで、職人塾の実施や、ものづくり・匠の技の祭典の開催などにより、技能の魅力の発信や体験機会の提供に取り組んできたところでありますが、コロナ禍においては従来のような形での実施は難しかったのではないかというふうに考えます。
そこで、昨年度、コロナ禍において、若者のものづくりに対する関心を高めるためには、どのように工夫をして事業を実施してきたのかお伺いをいたします。
○鈴木事業推進担当部長 職人塾は、三十四歳以下の若者を対象に、ものづくり職人の工房等の見学と体験実習を通じてものづくり職場への就職のきっかけをつくる事業でございます。
昨年度は、現地での見学会のほか、コロナウイルス感染症拡大防止対策といたしまして、手描き友禅や椅子張りなどの六分野において双方向型のオンライン形式による見学会も開催し、合計で延べ二十七名の参加がございました。
ものづくり・匠の技の祭典では、日本の生活や文化を支えてきました衣、食、住、工の伝統的なたくみの技を職人の方々に実演していただき、イベント形式で魅力を発信しております。
昨年度は、初めてオンラインで開催し、塗装などのステージ実演や左官などのたくみの作品等の紹介映像を配信いたしました。アクセス件数は、開催期間中に二万三千件、年度末までに八万件を超え、多くの方々にご覧いただき、ものづくりへの関心を高めるきっかけとなっております。
○ほっち委員 ただいまの答弁いただいたとおり、オンラインにより多くの若者がものづくりを知るきっかけを得たことは喜ばしいことであります。
今後は、これまでのリアルでの体験機会を一層充実させるとともに、オンラインでの情報発信やSNSを活用したキャンペーンなども実施をして、様々な方法を組み合わせて、若者にものづくりの魅力を届ける工夫を強化していただきたいと思います。
また、人材の確保と併せて、育成をするということも重要であると考えます。
私の地元の足立区にある城東職業能力開発センターでは、東京みらいの名工育成プログラムを実施し、金属塗装の業界を代表する方を指導者にお招きをして、中堅の技能者に対して技能の継承を図っております。
ものづくり業界では機械化が進む現場がある一方、多様化するニーズに対応するためには、これまで受け継がれてきた手作業による加工技術なども不可欠であります。そのためにも、こうした将来の業界を支える人材の育成についても、東京都として引き続き推進をしていただきたいということを要望しておきます。
最後になります。農業分野における人材の確保や育成についてお伺いをさせていただきます。
東京の農業や農地は、新鮮な野菜や果物などを生産するだけでなく、災害時の避難場所や緩衝帯としての防災機能、また、ヒートアイランド現象の緩和といった環境保全、食育などの教育といった多面的な機能があり、豊かな都民生活に貢献をしております。
しかしながら、その農業を支える担い手は年々減少をしており、また、農業者の四割の方が七十歳を超えるなど、高齢化も深刻な状況であります。リタイアする農業者の数に対して新たに農業を始める後継者等が圧倒的に不足をしているなど、農業の担い手の確保が喫緊の課題であり、広く農外からも担い手を募る必要があります。
このような状況を踏まえ、東京都では、農外からの新規参入を希望する方が必要な技術や知識を学ぶ場として、東京農業アカデミー八王子研修農場を開設をいたしました。その取組状況についてお伺いいたします。
○山田農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 都は、東京農業の持続的な発展に向けまして、農外からの新たな担い手を育成するため、令和二年度に東京農業アカデミー八王子研修農場の運営を開始いたしました。
具体的には、第一期生として五名を受け入れ、独立営農に必要な法規や作物の栽培に関する知識などに加えまして、圃場を活用した野菜栽培実習により技術を習得するための指導を行っております。また、安定した農業経営に向けまして、直売実習や農産物の販売促進のためのパッケージングの工夫など、農業を体系的に学ぶ二年間の研修を実施しております。
さらに、研修修了後に確実に就農できるよう、区市町村から認定新規就農者として認定を受けるために必要となる就農計画の作成を支援するとともに、就農地の確保に向けて、各地の農業委員会と連携し、農地のマッチングを行っております。
○ほっち委員 一方で、研修先で農業に関する知識や技術を習得した若者が都内で農地をあっせんしてもらえたとしても、農外から就農する場合には、新たに生産施設の整備や農業機械の購入などが必要となります。また、地域になじめずに営農を断念する事例も聞いております。
就農がゴールではなく新たなスタートとなるように、新規就農者を軌道に乗せるためのハード面の支援や地域との融和についてのサポートなど、ソフト面の支援を講じる必要があると考えております。
東京都は、新規就農者の確実な定着に向けて、新規就農者定着支援事業を実施していますが、その実績についてお伺いをいたします。
○斉藤委員長 簡潔にお願いします。答弁、簡潔に。
○山田農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 都は、認定新規就農者等に対して、経営開始時に必要な施設の整備費や農業機械の導入費などの支援を行っておりまして、令和二年度にはビニールハウスなどの生産施設の整備やトラクターなどの機械導入について十三件の補助を行いました。
また、新規就農者が安定した収入を得るため、令和二年度には農産物を販売するマルシェを十六回開催したほか、共同出荷をコーディネートするなど、生産した農産物の販路開拓の支援を行いました。
さらに、新規就農者同士が営農に関する情報を交換する勉強会や、新規就農者が地元農業のコミュニティに参加する機会となる交流会を開催し、地域への定着を支援いたしました。
○ほっち委員 ありがとうございました。
産業労働局の皆さんには、様々な分野があると思います、しっかりと現場の声に耳を傾けていただいて、施策の充実と一層の創意工夫を図るよう求めて、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○関野委員 それでは、私の方からは、まずは協力金の件についてお伺いをいたします。
まず初めに、飲食店の中には、協力金を申請しているにもかかわらず、要請に協力せず深夜まで営業している事業者がおると、また不公平だという声が多く寄せられている状況にもあります。
都に対して、都民からの通報、いわゆる垂れ込みといういい方が、そぐうかどうかは別としまして、どのくらい入っているのか、まずお伺いをいたします。
○米澤産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 飲食店に対する感染拡大防止協力金につきましては、専用のコールセンターをはじめ、都の広聴部門に対しまして、営業時間短縮等の要請に応じていない店舗に関する情報が寄せられてございます。
昨年度の要請に対して寄せられたこれら情報の件数は約一万九千件でございます。
○関野委員 ありがとうございます。中身がどういう形なのかというふうに思っております。一万九千件の多い情報が寄せられたということでありますが、次に、通報への対応をちょっとお伺いしようかなと思っているんですけれども、不適切な支給を未然に防ぐためには、都民からのこういう通報に対して実際都がどのように対応しているのか、この点についてまずはお伺いします。
○米澤産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 都民から寄せられました様々な情報などを参考にして、申請受付後に申請内容について不明な部分や疑義がある場合、職員による現地確認や電話でのヒアリング、文書による問合せなどによりまして受給要件を満たしているか否かを確認し、適正な支給に努めてまいりました。
なお、今年度からは、個別店舗に対して見回りを行う総務局とも当該情報を共有しておりまして、見回りの結果、不適切な営業の実態が判明した場合には協力金の支給を停止するなどの対応を行ってございます。
○関野委員 次は、通報の結果、不支給とした件数ですね。実際通報を受けて調査を行ったということですが、その結果、要請に応じていない事業者が実際に発覚して不支給となった、また、決めた件数をお伺いいたします。
○米澤産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 昨年度に情報提供のございました案件のうち、文書による照会を行うなどによりまして、受給要件を満たしていないとの判断に基づいて不支給決定を行った件数は十件でございます。
○関野委員 ありがとうございます。
昨年度の協力金の不正受給などにより申請者が逮捕されるというような事件も公表をされております。
今後、もうこの先は実際に不正受給というものはなくなってくるのかなというふうには思っているんですが、今後、都として不正受給をどのように防いでいくのか、この点についてお伺いをいたします。
○米澤産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 不正受給の防止に向けましては、区市の保健所等と連携し、全ての営業許可書について申請内容の照合を行うとともに、建物の内部や外部の写真等により営業の実態を適切に確認してございます。
不正受給の案件が出たことを踏まえまして、不正受給に対しては厳正に対処する旨をポータルサイトや申請に係るリーフレットに掲載し、周知してございます。
また、各店舗の見回り情報の活用をはじめ、関係機関と連携し、より確実な実態把握に努めることで、不正受給の防止に向け適切に対応してまいります。
○関野委員 ありがとうございます。
先ほど、私の前のところでは、協力金をしっかりと早めに出しましょうというような質問もされました。
私の方に関しては実際こういった不正受給というところですが、実際の件数が十件と、一万九千件の電話が入っている中で十件というようなことになると、大分差があるのかなと。中身がどうなのかというところもありますが、実際に申請を行った上で営業したり、時間を超えたりしている事業者なのかは分かりませんが、申請した上で違反をしている事業者については、やはりしっかりとした対応をお願いいたします。正直者がばかを見るというようなことにならないようお願いをいたします。
ちなみに、私の地域でも、私の方に連絡が多くありまして、あの事業者というか、あの店が営業していますとか、この店が営業していますとか、正直なところ、何件かは同じお名前をいただいているというような状況でもありました。そういうときには、私も東京都のホームページの方で申請者の一覧、確認していただいて、申請されているようだったらコールセンターの方に電話してくださいというようなお話をするんですが、やはりなかなか都民の方も電話がしづらいのかというところもあったり、もちろん電話をしたよというふうに後から連絡もあったりはするんですけれども、いろんな方から、先ほどいったように、同じ店があったので、私ももう仕方なく電話をせざるを得ない状態が続きました。
実際に、私のところにそのお店のやっている状態、テレビを映してからの、そのお店の店の前、そしてお客さんの声というものの映像が送られてきました。私も実際そこへ行ってみましたが、実際に同じように週末やっているという状況でしたが、私が電話を入れたその以降は全く営業しないというような状況になったと。
そういう意味では、コールセンターに私が連絡入れる前に電話が入っていたのか、入っていなかったのか、そういった状況によって、実際そのお店がどういったことをやられていたのかというのもあるんですが、やはり先ほど私がいったように正直者がばかを見るような形にならないよう、しっかりと徹底をお願いをしたい、このことを要望して、次の質問に移らせていただきます。
次に、商店街についてです。
商店街は、生活必需品の販売や飲食の提供など、住民生活に欠かせないサービスを提供しております。また、地域の顔のつながりやコミュニティの中の中核ともなり得、コミュニティ形成ができることで防犯、防災などにも欠かせない存在であるというふうにも考えております。
その中で、コロナ禍の行動制限の影響も相まって、地域インフラとしての役割が高まっているというふうに考えておりますが、都では、商店街チャレンジ戦略支援事業において、季節のイベントをはじめ商店街を活性化するための幅広い取組に補助金を出しておりますが、昨年度の利用実績と、具体的な取組事例についてお伺いをいたします。
○緑川商工部長 都では、魅力ある商店街づくりに向けた商店街の主体的な取組に要する費用を助成しております。
令和二年度は、集客イベントや放送設備の設置のほか、清掃活動などの住民生活を支える商店街の取組に対しまして、区市町村を通じて八百七十九件の支援をいたしました。また、二つ以上の区市町村の区域で実施するイベントに対しまして、商店街の連合組織を通じて九件の支援を実施いたしました。
さらに、環境負荷の低減につながる街路灯ランプのLED化や、増加傾向にある買物弱者に対する移動販売、宅配サービスなど、都が直面する行政課題の解決につながる商店街独自の取組に対しまして、都から直接八十五件の支援を実施いたしました。
こうした取組を通じまして、区市町村や商店街の連合組織とも連携しながら、商店街の幅広い取組を支援いたしました。
○関野委員 ありがとうございます。街路灯ランプのLED化、または買物弱者に対する移動販売支援、宅配サービス、こういったものは形になって、目に見えて本当によくなったなというふうに分かるというような事業です。都の事業を活用して、商店街が地域のにぎわい創出のほか、地域住民の生活を支える幅広い活動を行っているというところは確認ができました。
ただしかし、商店街の中には、毎年同じ内容のイベントを行うだけで、その後の売上げ、また来街者の数などを効果的に十分に検証しないまま、一過性の取組に終わっている商店街もあるのではないかなというふうには考えております。
都では、イベントの磨き上げや商店街の抱える様々な問題の解決のため、専門家派遣事業、こういったものも行っておりますが、より効果的な取組内容とするため、商店街に専門家の活用を逆にこちらから促すということももちろんのこと、マンネリ化した取組で効果が上がらない商店街、例えば専門家の活用を補助金交付の条件とするなど、より踏み込んだ対応も検討すべきではないかというふうには思っておりますので、この点、新しく私からも要望しておきますので、研究、検討をお願いいたします。
次に、テレワークについてお伺いをいたします。
テレワークは、新型コロナウイルス感染症の拡大を機に、事業継続対策として都内企業において導入が大きく進みました。現在、一定程度定着してきたテレワークの実績に関しては、賛否両論、様々な声がある状況ではあります。
例えば、従業員の方はテレワークを今後も継続していきたいと考えているが、経営者はあまりメリットを感じていないなどとの声も、私も聞いております。
いずれにしても、テレワークの一層の普及と定着に向けては、経営者や従業員の声から課題を分析し、その結果を踏まえた的確な支援を行っていく必要があるというふうにも考えております。
そこで、昨年度、都が行った実態調査では、企業と従業員はテレワークに対してどのような評価を行っているのか、この点についてお伺いをいたします。
○村西雇用就業部長 都が昨年度実施したテレワークの実態調査では、企業と従業員共に通勤時間、移動時間の削減に効果があった、非常時の事業継続対策として有効との回答が多くなっております。
一方で、企業がテレワークを導入しない理由につきましては、テレワークに適した仕事がない、顧客等の外部対応に支障があるとの回答のほか、社内のコミュニケーションに支障がある、情報漏えいが心配との回答などが上位を占めております。
また、従業員に対する調査では、テレワークのデメリットとして、社内のコミュニケーションに支障がある、自宅には仕事に専念できるスペースがないとの回答のほか、勤務時間とそれ以外の時間の管理が難しいとの声が多く寄せられております。
○関野委員 ありがとうございます。
テレワークといっても様々なテレワークの仕方がありますので、いろいろと検討していかなければいけないのかなと思いますが、テレワークのさらなる普及に向けて、ただいまご答弁いただいたように、企業がテレワークを導入していない理由を踏まえるとともに、従業員のメリット、デメリットを解消するための支援を行っていくことが必要であるのかなというふうにも考えております。
そこで、都は、こうした課題に対して昨年度どのように支援したのか、この点についてもお伺いをいたします。
○村西雇用就業部長 都は、テレワークの導入に取り組む中小企業に対して、テレワークで実施する業務の洗い出しのほか、業務プロセスの見直しなどの業務改善や、ICTに精通した専門家を最大五回まで無料で派遣するワークスタイル変革コンサルティングを実施しておりまして、昨年度は九百四十七社を支援いたしました。
具体的な支援事例としては、顧客等の外部対応に対して、営業活動にウェブ会議システムの導入を提案した事例のほか、社内のコミュニケーションの確保に対しては、その円滑化を図るチャットツールの活用の提案、情報漏えいの懸念に対しては、社外から安全にインターネットに接続するリモートアクセス機能の技術的な提案などを行っております。
また、従業員のテレワークの実施環境の整備に向けましては、民間事業者がサテライトオフィスの少ない多摩地域に施設を設置運営する際の経費につきまして、原則として整備費は二千万円を上限に三分の二を、運営費は六百万円を上限に二分の一を補助しておりまして、昨年度は、通信設備や個室スペース、会議室などが整った十四の施設に対して支援を行いました。
○関野委員 中小企業はテレワーク導入時の様々な課題を単独で解決することは大変難しく、コンサルティングによるきめ細かな支援が効果的であるというふうにも考えております。単純にテレワークというと、パソコンを自宅に持っていく、またほかのところで会社の仕事をやるといったところでしょうが、企業からすると、情報がそのまま外に出ていますから、やはり情報漏えいが怖いというところであります。
ある会社によっては、やはりそのパソコンはあくまでもパソコンという形ではなく、画面だというような形で、情報やそういったものをあるサーバーに直接つなぐというような形でやられているテレワークもあれば、違うテレワークもあるというふうに認識しておりますので、なるべく、そういったことが分からない中小企業さんも多くおりますから、こういった派遣事業を行って、しっかりとこういった部分も教えていただければなというふうに思っております。
また、自宅で実際できないというようなことも、ここら辺、最近ニュースにもなるようなことになっておりますので、そういった従業員が身近な地域のサテライトオフィス、こういったものを利用できれば、テレワークの推進にもまたつながるのかなというふうにも思っておりますので、こうした取組、充実を図っていただきたいというふうにも考えております。
先ほど述べたように、さらなるテレワークの推進に向けては、導入が難しい現場作業がある業種、例えば製造業や建設業、医療、介護などに対する導入支援も重要ですので、先ほどとはちょっと違いますが、今後もしっかりと取り組んでいただきますよう要望をして、終わりとさせていただきます。
次に、就労支援についてお伺いをいたします。
内閣府の調査によると、ひきこもりの状態にある方は、全国で若年層が五十四万人、中高年層が六十一万人と推計されており、中高年についてはいわゆる八〇五〇問題として大きな社会問題の一つとなっております。
長年にわたりひきこもりの状態にある方は、同居する家族以外の交流機会が極めて貧しく、昼夜逆転の生活をしている方の割合も高いなどの状況にあり、いかにしてこれらの課題をクリアし就労に結びつけていくかが重要であります。
このため、こうした方々の就労支援に当たっては、まずはコミュニケーション力を高めることや生活リズムを整えるところから始め、じっくりと時間をかけて就労に結びつけていく必要があると考えますが、昨年度の都の支援状況についてお伺いをいたします。
○村西雇用就業部長 都は、長期にわたってひきこもりを経験し、就労経験が乏しい方など、意欲はあっても就職活動に踏み出せない若年者に対する支援プログラムを実施してきておりまして、昨年度からは、若年者に加えて中高年者に対しても同様の支援を開始いたしました。
この支援プログラムでは、しごとセンターへの来所習慣を通じた生活リズムの改善から、グループワークによるコミュニケーションスキルの習得やパソコン操作のトレーニング、就業体験による就職活動の準備まで、段階的にステップを踏んでいく伴走型のきめ細かな支援を行っております。
昨年度は、区市町村や地域若者サポートステーション等の関係機関にも広く周知を行い、若年者二十四名、中高年者二十七名、合わせて五十一名の方の支援を実施いたしました。
○関野委員 ありがとうございます。幾つかの支援ステップを経て就労へとつなげる、大変意義のあるプログラムなのかなというふうにも思っておりますが、今後も区市町村やサポートステーションなどと連携を一層強化し、支援の充実を図っていただきたいと要望をするとともに、就労するためには、やはり企業が面接をして、人間性などを理解した後に採用となるということはいうまでもありません。
先ほども、生活リズムを整える、このことを発言させていただきましたが、例えば就労していないときはなぜか夜型になることが多いんですが、朝起きるのが難しい状況、決まった時間に動くことが困難な状況、こういったことが多くあります。
企業としては、最低限、決まった時間に出勤できていない状況、こういう方がいない、実際やられていないというようなのが見えていないと採用することもなかなか難しいのかなというふうにも考えています。そう考えると、週二日でも三日でも、また、朝八時や九時から数時間の作業でも構いませんので、日常的に行っているというような実績がある方が採用率は上がるのではないかなというふうにも考えております。
これは私、市議会議員のときも、市議会の、実際そういった就労困難者、いわゆる生活保護の中にもいろんな生活保護がある中で、そのうちの中で就労ができるけれどもしていない方、こういった部分の問題で取り上げさせていただきました。企業さんに聞いても同じような回答をいただいていますので、しっかりとある程度できてからそういった面接の方に伺っていただきたいなというふうにも思います。
あと、先ほど答弁の中にも、支援プログラム、来所習慣を通じた生活リズム改善から、コミュニケーション、パソコンスキルなど、トレーニングしながら段階的に踏んでいくというふうにもありました。履歴書に実際にこれ自体が記入ができるのかというところがちょっと分からないんですけれども、ぜひ担当局としては、履歴書にこういうのが記入できなくても、就業するために日常的にかつ定期的に朝起床して支援プログラムに通えているということや、別の対策で時間に遅れずしっかり仕事ができているというようなことを面接時に伝えられるような方法も、検討していただければなというふうに思っております。
次に、業態転換についてお伺いをいたします。
我が党が提案をさせていただき、都が受け、令和二年の四月より開始した飲食事業者向けテークアウトやデリバリー等の業態転換支援ですが、昨年度を振り返ると、緊急事態宣言が発出され外出自粛などが求められるなど、飲食店にとっては極めて厳しい経営環境が続いております。
そうした中、飲食事業者の新たな収入確保の手段として、テークアウトやデリバリーの導入を強力に後押しする本事業は、まさに時代のニーズを捉えた取組であり、多くの申請があったというふうにも聞いております。
また、多くの事業者から申請があった背景として、本事業の特徴でもある飲食事業の実態を踏まえ、テークアウトやデリバリーなどに関する幅広い取組を活用できる点にもあると考えております。
そこで、これまでの振り返りとして、昨年度どれくらいの申請があり、どのように活用されているのかお伺いをいたします。
○緑川商工部長 都は、令和二年四月より、都内で飲食業を営む中小企業者などがテークアウトや宅配など新たなサービスを開始する上で必要となる経費を対象に、助成率五分の四、百万円を上限とする支援を実施いたしました。昨年度末までに八千八百八十九件の申請を受け、うち八千二百十八件の交付決定を行っております。
交付決定した取組の中には、テークアウト商品の受渡しを行う専用窓を設置する工事や、移動販売に向けキッチンカーへの冷蔵庫、コンロなどの機器の設置、さらには自社宅配を行うための配達用自転車の購入など、様々な取組が存在をしております。こうした優良事例などは、他の飲食事業者の参考となるようウェブサイトで紹介をしております。
このように、多くの事業者からご活用いただいており、売上げを確保する取組に対してしっかりと支援してまいりました。
○関野委員 ありがとうございます。ウェブサイトにこういった紹介をしているということになると、これがいいのか、何がいいのかというのがよく分かりますので、これはいいことだなと思っております。
私の地域や都内の友人からもこの申請時には多くの相談を受け、採用したところですが、このような助成金は対象となる範囲が案外狭いことが多い。この中で柔軟に対象を広げたことにより、申請者のほとんどが利用できたのかなというふうにも考えております。業態転換が行われたコロナ禍でも売上減少の助けとなったことは感謝をいたします。
また、申請期間が十二月末までということもありますので、今後も申請があると思いますが、柔軟に、またスピーディーに、そして丁寧な対応をお願いいたしまして、この点の質問は終わらせていただきます。
最後に、事業承継支援についてお伺いをいたします。
経営者の高齢化が進む中で、中小企業にとっては深刻な問題となっているのが事業承継であります。東京の経済を支えているのは、いうまでもなく、企業の大部分を占める中小企業であり、このままでは、これまで培ってきた技術やノウハウが次に引き継がれず、東京の活力が失われることにもつながりかねないと考えております。
一方で、日々の営業に必死で取り組んでいる経営者の方々にとっては、まだ先の承継に向け、承継に時間を割くということは難しい状況であることも事実です。だからこそ、将来に向けて長期的な視点を持ち、少しずつ計画的に準備を進めることが重要であり、経営者の方々にこうした気づきを持ってもらうことが必要であるとも考えております。
また、事業を引き継いだばかりの後継者が安定的に事業が担えるようサポートしていくことも重要であると考えております。
都は昨年、中小企業の事業承継をどのように支援し、どれくらいの中小企業に活用されているのか、この点についてお伺いをいたします。
○緑川商工部長 都は、中小企業が持つ優れた技術を次代に着実に引き継いでいくため、事業承継・再生支援事業におきまして、普及啓発から後継者育成まで幅広い支援を実施しております。
令和二年度におきましては、事業承継に関心のある経営者等を対象にオンラインセミナーを開催いたしまして、百七十八人の参加がございました。さらに、事業承継に早期に取り組む必要があると判断される中小企業をビッグデータなどを用いて抽出し、十名の巡回相談員が重点的に訪問することで、事業承継に向けての課題の聞き取りやアドバイスを行う取組を七百六十二件実施いたしました。
また、既存事業の継続にとどまらず、事業承継を契機に将来の発展を目指す意欲ある後継者を対象といたしました後継者イノベーションスクールを新たに開設し、延べ百二十五名の参加がございました。この講座によって、経営に必要なノウハウの提供や自社の戦略立案など実践的なカリキュラムによって育成するとともに、後継者同士のネットワークづくりをサポートいたしました。
○関野委員 ありがとうございます。様々なことを行っているなというふうには感じました。
基本的に、事業承継を行う場合、企業などの運営が継続的によい状況にある企業が多いというふうには認識しておりますが、伝統工芸や職人など、一名や二名など少人数で行っている企業においてはそこまで考える余裕もない状況であるというふうには考えます。
もちろん、都としても、都内の伝統工芸技術や職人の技術への保存などの対応が取られているというのは分かっておりますが、それができていない伝統工芸技術や職人技術などは、例えば今後のIT技術を見越して、映像などに落とし込んで機械化できる準備や、職人育成ができるような映像など、こういったものを撮っておいて、後々に技術承継できるような形を取るなど、新しい発想も検討しながら今後の事業承継を進めていくよう要望をいたしまして、私からの質疑を終わらせていただきます。
○玉川委員 初めに、東京都家賃等支援給付金について伺います。
この給付金は、国の家賃支援給付金に加算して支給するものであり、コロナ禍において家賃等の固定経費の負担を軽減し、事業継続を下支えするという観点から意義のある事業でありました。
都においては、事業者に支援が行き渡るよう、これまでに申請者の声などを聞きながら、事業周知や迅速な支給などに向けて様々な工夫、改善等を行ってきたと思われます。
そこで、家賃等支援給付金の事業執行におきまして、支給の迅速化など、事業者の視点に立ち、どのような取組を講じてきたのか、その結果としてどれくらいの給付を行ったのか、併せて伺います。
○荒井商工施策担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 東京都家賃等支援給付金は、昨年の八月から申請受付を開始いたしまして、これまでに約十四万五千の事業者に支援を行ったところでございまして、給付金額は約百十一億九千万円となっております。
本事業の実施に当たりましては、支給の迅速化を図るため、国の給付決定通知書を提出することで、審査に必要な売上要件や賃貸物件の状況の書類につきまして、提出を不要といたしました。
また、国や他自治体の支給額を差し引いた給付金額を自動で計算する仕組みなどのシステム改善を随時図りますとともに、事業者の申請時の負担を軽減するため、申請時に係る不明点を自動で回答するチャットボットの導入などを行ってまいりました。
さらに、国給付金の審査に時間を要することを考慮いたしまして、国の申請受付終了後、約二か月の申請期間を設けますことで、事業者の申請機会を十分に確保したところでございます。
○玉川委員 支給の迅速化や申請者の負担軽減に向けて様々な取組を講じてきたことを評価いたします。また、国の給付金の審査状況を考慮し、申請期間を十分に設けることは、現在実施している月次支援給付金の制度にも生きているものであります。
引き続き、他の事業にもこのような改善の取組やノウハウ等を参考にして、事業者に寄り添った支援の実施を要望いたしまして、次の質問に移ります。
中小企業の感染症対策の取組への支援について伺います。
新型コロナウイルス感染症が広がる中で、中小企業が顧客や従業員の安全を確保しながらこれまでどおりに事業を継続していくためには、店舗やオフィス等において徹底して感染症対策を行っていくことが重要であります。
都は、我が会派の提唱を受け、昨年の第二回定例会で補正予算を計上し、中小企業が業界のガイドラインに沿って感染症対策に取り組む際の助成事業を開始しており、初期の取組として十二月末まで受付を行っていました。
多くの中小企業から、この制度を利用し換気設備工事などの感染症対策を行ったとの声を聞いていますが、ガイドラインに基づく感染症対策の助成事業について、その実績と取組内容について伺います。
○緑川商工部長 都は、感染症防止ガイドラインに沿った中小企業の取組を支援するため、パーティション等の内装、設備工事費は百万円を上限に、サーモカメラ等の備品購入費には五十万円を上限に、必要な経費の三分の二につきまして助成する事業を昨年六月から開始をいたしました。
事業開始以降、新型コロナウイルス感染症が拡大している状況を踏まえまして、財源を補正予算で確保した上で、当初八月末までとしておりました申請受付期間を二回にわたり延長し、十二月末までといたしました。
また、助成対象を事業者単位から店舗単位に変更するとともに、換気設備工事を含む内装、設備工事費につきましては助成上限を二百万円に引き上げるなど、感染症対策に積極的に取り組む中小企業のニーズを踏まえまして、随時見直しを行いました。
こうした取組によりまして、五千百二十四件の事業者に対しまして交付決定を行ったところでございます。
○玉川委員 申請受付期間を二回延長し、さらに助成対象を店舗単位に切り替え、内装や設備工事には上限を引き上げるなど、都が感染症対策に取り組む中小企業の支援を継続してきたことを評価いたします。
一方、昨年末から年始にかけて新型コロナウイルス感染症が急速に拡大する中、当該事業は感染防止に欠かせないアクリル板や消毒液などは対象となっていませんでした。中小企業の感染症対策の取組を広げるには、こうした身近な感染症対策を推し進めることが重要だと考えます。
都は、このような課題を踏まえて、本年一月以降に本事業の拡充を行っていますが、その実績と取組内容について伺います。
○緑川商工部長 都は、本年一月以降、新型コロナウイルス感染症が拡大している状況の中で、基本的な感染症対策がより多くの中小企業に浸透するよう、内容の充実を図っております。
具体的には、これまで店舗単位で支援してまいりました備品購入費、内装、設備工事費に対する助成に加えまして、三者以上の中小企業グループを対象に、アクリル板や消毒液などの消耗品購入を支援するため、助成率三分の二、一グループ当たり三十万円を上限といたしました取組を新たに開始をいたしました。また、会員に飲食店を含む中小企業団体等がCO2濃度測定器など、都が指定する消耗品を共同して購入する場合につきまして、助成率五分の四、飲食店一店舗当たり十万円を上限に支援する取組も追加をいたしました。
こうした取組によりまして、令和二年度末までに五百五十一者に対しまして交付決定を行い、中小企業が行う感染症対策の取組を支援してまいりました。
○玉川委員 都が中小企業のニーズに対応しながら感染症対策の取組を支援しているということで、現在、新規感染者数は減ってきていますが、感染症を抑え込むためにも、都が引き続きこの助成制度を実施していくことを期待しまして、次の質問に移ります。
非接触型サービスの導入による支援について伺います。
都内中小企業が感染症拡大防止を図りながら事業活動を続けるには、デジタル技術などを活用しながら、いわゆる三密回避の取組を進めていくことが重要であります。
昨年の第二回定例会において、我が会派の代表質問に対して、都は、非接触型サービスの導入による業態転換支援事業に取り組み、新しいビジネスモデルを構築する中小企業に対する助成を開始するとの答弁がありました。
そこで、非接触型サービスの導入による業態転換支援事業の実績について伺います。
○緑川商工部長 新型コロナウイルス感染症の拡大によりまして、中小企業は、三密を避けながら事業を継続していくことが求められており、都は、三密回避を前提とした新たなビジネスモデルへの転換を促すために、非接触型サービスの導入に向けた助成を昨年六月から開始をいたしました。
具体的には、非対面型サービスの導入に必要な機材購入費やシステム開発費、新たなビジネスをPRする経費等につきまして、助成率三分の二、二百万円を上限に、三千件の取組を支援いたしました。その中には、例えば、非接触の決済の実現に向け、新たにセルフレジを導入した小売店や、マイクやカメラなどの機材を購入し、音楽ライブの有料配信を行うライブハウスの取組のほか、ファッションデザイナーによるECサイト開設の取組など、意欲的な取組が多数存在しており、コロナ禍にあっても事業継続に向け積極的に取り組む多くの中小企業を後押ししてまいりました。
○玉川委員 多くの中小企業が都の支援を受けて、非接触型サービスの導入に積極的に取り組んできていることを実感いたします。今後も、事業継続に向けて果敢に業態転換に取り組む中小企業を後押ししていくことを期待しまして、次の質問に移ります。
我が会派は、かねてから、コロナ禍において顕著となってきた様々な地域課題を解決するために、地域のNPO法人等の役割が重要であると指摘してきました。とりわけ、ソーシャルビジネスには多くのNPO法人や中小企業が参画しており、その活動を支援することは、経済のみならず、社会的な意義が大きいと考えます。
都は、我が会派の要望を受けて、令和二年度補正予算により、ソーシャルビジネス支援事業を実施しましたが、その実績と取組内容について伺います。
○緑川商工部長 都は昨年度、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い顕在化いたしました社会的課題の解決に向けまして、NPO法人や中小企業が新たに取り組むソーシャルビジネスに必要な経費につきまして、助成率三分の二、二百万円を上限とする支援を実施いたしました。
昨年六月末から七月末までの申請期間中、二百三十二件の申請がございまして、うち三十件を交付決定いたしました。交付決定した取組の中には、NPO法人が実施したコロナ禍で減少した障害者の収入確保のため、障害者自身が製作した商品を販売するECサイトの立ち上げや、アルバイト先が休業したことで収入が減った大学生を採用して立ち上げた不登校中高生向け個別学習指導事業など、社会課題解決に向けた多くの新たなソーシャルビジネスが存在しておりまして、当該事業を通じて適切に支援をいたしました。
○玉川委員 ソーシャルビジネス支援事業の成果について、そして、多くのNPO法人が地域で役割を果たしていることが確認できました。今後もこれらの取組をしっかり見守っていかれることを期待しまして、次の質問に移ります。
中小企業制度融資について伺います。
都は、我が会派の要望に応え、令和二年三月に、独自の新型コロナ対応融資を創設し、同年五月には、この融資の実質無利子化を図るなど、コロナ禍にあえぐ中小企業の事業継続を資金面から支えてきました。
実質無利子化では、国が設定した国の補助を受けるメニューの限度額が当初三千万円であったのに対し、都独自のメニューにおいて七千万円の上乗せを行い、国と都のメニューを合わせて一億円までを無利子としました。信用保証料についても、国メニューと同様、都単独メニューでも全額を補助しており、このような都の中小企業に寄り添った積極的な取組は大いに評価したいと考えます。
そこで、令和二年度における新型コロナ融資について、年間の総実績及び国の補助メニューと都単独メニューの内訳について伺います。
○篠原金融部長 令和二年度における感染症対応融資の実績でございますが、全体で約二十一万七千件、約五兆六千億円となっております。
このうち、都独自のメニューでございます感染症対応、感染症借換え、危機対応融資を合わせた実績は約十万三千件、約三兆四千億円でございます。また、国の補助を受けて行うメニューでございます感染症全国では約十一万四千件、約二兆二千億円でございます。
○玉川委員 都独自の三メニューの利用が、国が補助するメニューを上回る融資実績であることを改めて確認させていただきました。コロナ禍への対応について、単独でここまでの支援を行うことは全国的に見てもあまり例がなく、都内の事業者にとって大変ありがたく頼りになる内容であったものと思います。
一方で、現在の状況を見れば、感染症の影響が続き、状況の回復が十分に見込めない中にあって、このような融資の返済が始まることに不安を覚えている中小企業も多いと聞きます。都としても、それぞれの事業者が置かれた実情に応じて、借入条件の変更や新たな資金への借換えなどが行えるよう、金融機関と連携したきめ細かな対応が図られるよう、徹底いただくことを要望しまして、次の質問に移ります。
テレワークについて伺います。
テレワークは、コロナ禍において感染症拡大防止と事業活動との両立に極めて効果的な取組であります。そのために、都は昨年度、緊急事態宣言下等において、事業者に対してテレワークの実施を強く要請するとともに、緊急対策として、テレワーク機器等の導入経費について、最大二百五十万円、十分の十を助成する事業を行ってきました。
そこで伺いますが、この緊急対応で実施した助成事業の令和二年度の実績についてお聞かせください。
○村西雇用就業部長 事業継続緊急対策として実施しましたテレワーク機器等の導入に対する助成事業については、昨年度支給件数は二万三千八百八件、支給金額は約二百八十七億円となってございます。
都は、こうした助成に加えまして、テレワークの導入に際しての専門家による助言や、サテライトオフィスの設置経費の補助等による実施環境整備など、ハード、ソフト両面から多様な支援を実施してまいりました。
これらの取組により、都内企業のテレワーク実施率は、昨年三月の二四%から大幅に上昇し、本年九月には六三・九%となるなど、テレワークの急速な普及と定着につながったものと考えております。
○玉川委員 このテレワーク機器等の導入助成は、大変多くの企業に利用され、また様々な取組により、テレワークの導入と定着が一気に進んだ点は高く評価いたします。
当時は緊急事態宣言が発出され、大規模な休業要請がなされていたこともあり、本助成金については、来所での申請受付は中止し、郵送での受付に限定されていました。しかし、郵送による申請では多くの書類を紙でそろえる必要があり、また、申請書類の押印のために出社が必要となるなど、事業者の負担が大きく、電子申請を進めてほしいとの声が利用者たちから寄せられたと聞いております。
そこで伺いますが、都はこのような声を踏まえ、テレワーク助成金の電子申請に向けてどのような取組を実施してきたのかお聞かせください。
○村西雇用就業部長 都は昨年度、テレワークの助成金におきまして、申請書類の一部を削減したほか、原本の提出を必須としていた書類について、データでの提出を可能とするなど簡素化を図った上で、国が提供している電子申請システムを活用した申請を試行的に導入いたしました。
試行の結果を検証し、今年度からは、申請書類への押印を完全に廃止するなどの改善を図った上で、電子申請を本格的に実施しております。
これにより、時間や場所を選ばず、スピーディーな申請が可能となったほか、提出書類のやり取りがシステム上で完結するなど、申請に対する事業者の負担軽減にもつながっております。
○玉川委員 昨年の事業者からの声を受けて、電子申請を短期間のうちに導入したことについては評価いたします。
今後も、助成金等の利用企業の声を真摯に受け止め、事務の効率化や簡素化などに取り組んでいただくよう要望しまして、次の質問に移ります。
雇用対策について伺います。
国は、休業手当等の一部を助成する雇用調整助成金などの支援策が、失業率の上昇を相当程度抑えたとの分析結果を、厚生労働白書において発表されています。
コロナ禍において、雇用調整助成金が働く方々の雇用維持に大きな役割を果たしていることが確認されています。我が会派は、国の雇用調整助成金の活用を後押しする様々な支援を実施するよう、都に要望し、申請手続に対する専門家によるサポートや、今回の感染症の拡大時など、非常時における職場環境整備に対する奨励金支給事業を実現してきました。
そこでまず、申請手続の専門家によるサポートについて、昨年、令和二年度の実績と具体的な支援内容について伺います。
○村西雇用就業部長 都は、国の雇用調整助成金の申請手続をサポートするため、中小企業に社会保険労務士を派遣し、助言を行う事業を実施しておりまして、昨年度の利用企業数は八百五十二社、専門家の派遣回数は合計二千四百二十回となっております。
社会保険労務士による主な助言内容としては、従業員の出勤簿や賃金台帳等の申請に必要となる書類の整備のほか、勤怠や休業手当の計算方法などに関するものとなっております。
○玉川委員 雇用調整助成金は、当初申請書類が多く、内容も複雑で、企業が申請をするために大変な労力を要することが課題となっていましたが、都の事業は多くの事業者にとって有効なサポートになったものと考えます。
続きまして、中小企業が非常時における職場環境整備に取り組む際の奨励金支給事業について、昨年、令和二年度の実績と具体的な支援内容について伺います。
○村西雇用就業部長 都は、国の雇用調整助成金の活用を促進するため、助成金の支給を受けた事業者が、非常時の職場環境整備に取り組む際に十万円の奨励金を支給しておりまして、昨年度の支給件数は八千三百十九件となっております。
非常時における職場環境整備として事業者が行った主な取組としましては、休業手当に関する就業規則の整備のほか、テレワークや時差勤務制度の導入、感染症の拡大時、災害時における特別休暇制度の創設などがございまして、各事業者の実情に合わせた多岐にわたった取組となっております。
○玉川委員 雇用環境整備促進奨励金は、コロナ禍において各企業の実情に応じた職場環境の改善を促進するための重要な支援であります。国の雇用調整助成金の特例措置が継続する間は、都のこうした支援も引き続き実施していただくことを要望しておきます。
次に、学生等に対する雇用就業支援について伺います。
我が会派は、昨年四月に発令された緊急事態宣言により、大学のキャリアセンターでの支援が受けられず、就職活動に必要な情報やアドバイス不足に直面する学生などに対しての支援を都に要望いたしました。
都は、この要望を受け、東京しごとセンターにおいて、オンラインによる就職支援を開始しました。私も、本年一月、東京しごとセンターを視察させていただきました。新卒学生以外の求職者に対しても、対面での支援に加えて、オンラインも活用した効果的な支援が実施されていることを確認いたしました。
そこで、都が昨年度、学生等に行った就職支援の実施状況について伺います。
○村西雇用就業部長 しごとセンターでは、昨年度、コロナ禍において感染の拡大防止を図りつつ、求職者への支援を実施することができるよう、オンラインによる就職支援を新たに導入いたしました。
具体的には、新卒学生等を対象とした就活ウェブサイトを立ち上げ、面接対策や業界研究などを動画で配信するとともに、若年者から中高年、女性など多様な求職者に対しても、キャリアカウンセリングや就職活動に関するノウハウを提供するセミナー、企業説明会などをオンラインで実施いたしました。
オンラインによる就職支援を利用された方は、昨年度延べ約七千八百人に上っております。また、東京労働局と連携した就職面接会を三回実施し、求人企業七十一社、学生等三百二十四人が参加しております。
○玉川委員 しごとセンターでは多数の求職者の方がオンライン支援をご利用いただいていることが分かりました。オンラインで支援を受けられることは大変便利ではありますが、就職支援の中には、就職面接会や職場体験などの実習を伴うプログラムなど、オンライン上では困難な支援もあると思います。引き続き、利用者のニーズや効果を検証して、対面で行うリアルな支援とオンラインとを組み合わせるなど、より効果的な支援を実施していただくよう要望しておきます。
コロナ禍においては、多くの方が解雇や雇い止めにより離職を余儀なくされていますが、とりわけ障害者やひとり親の方、生活困窮者の方など、就職に困難を抱いている方々に対して、一人一人の事情に寄り添った支援を行っていくことが重要であります。
都は、このような就労に困難を抱える方々に対する相談窓口を、昨年度しごとセンターに設置していますが、その支援状況について伺います。
○村西雇用就業部長 都は昨年度、様々な事情により就労に困難を抱える方に対する支援窓口としまして、しごとセンターに専門サポートコーナーを開設し、キャリアカウンセラーや臨床心理士などの専門スタッフがチームを組み、連携して就労支援を実施する体制を構築しております。
このサポートコーナーには、発達障害者の方やひとり親の方など、百四十五名の方の利用の登録があり、就職活動に向けたメンタル面でのケアや、求人企業の開拓、採用面接への同行など、個別の事情に応じたきめ細かな支援サービスを提供し、二十一名の方が就職を実現しております。
○玉川委員 コロナ禍において、これまで都は、我が会派の度重なる要望も踏まえ、様々な雇用対策を迅速に実施してきていることは高く評価したいと思います。
しかし、依然として雇用情勢は予断を許さない厳しい状況が続いており、今後もその動向を注視し、必要な対策を講じていただくことを強く要望いたしまして、全ての質問を終了いたします。ありがとうございました。
○清水委員 昨年度は、新型コロナ感染症の拡大が起き、全国一斉休校や、マスクをはじめとする輸入品が入らなくなるなどの事態に陥りました。
最初に、コロナの感染拡大が本格的に始まった昨年度、中小業者にはどのような影響があったと捉えているのか、東京都の認識をお伺いいたします。
○緑川商工部長 昨年度の状況といたしましては、新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、中小企業等の経営環境は厳しい状況にあったと考えております。
○清水委員 今年九月二十二日の東京都中小企業の景況が、昨年度の東京都内の中小企業の収益動向についての調査結果を報じておられます。
これを見ますと、令和二年度の売上高の状況については、令和元年度と比較した令和二年度の売上高の状況は、増加した企業が二七・四%、減少した企業は七二・七%となった。増収企業の割合は、平成二十三年度以降、最も低い値となったと述べられています。
また、令和二年度の経常利益の状況については、増加した企業は一五・七%、減少した企業が六二・九%となった、前回調査と比べて、増益企業は一・二ポイント減少し、減益企業は四・六ポイント増加して、経常利益の状況は悪化したとあります。
また、全ての業種で減益企業が五割を超えており、依然として厳しい状況が続いている。規模別に見ると、規模が小さいほど、減益企業の割合が高くなっている。こういう数値が示されています。
また、令和二年度の採算の状況についてですけれども、令和二年度の採算状況は、黒字が二九・八%、収支均衡が二三・三%、赤字が四六・九%で、赤字企業が黒字企業を上回っています。また、業種別に見ると、小売業は、赤字が五九・〇%で最も高い。また、規模別に見ると、規模が大きくなるほど、黒字企業の割合は高く、大規模では五四・九%、一方、規模が小さくなるほど、赤字企業の割合が高くなって、中規模では四六%、小規模では五四・七%に上る。こういう数値が示されています。
昨年度の新型コロナの影響というのは、規模の大小を問わず、全ての業種に影響を及ぼしているんですが、とりわけ事業規模が小さいほど、深刻な影響が出ている。これが特徴だというふうに思います。
昨年の春、私も新型コロナの影響について、商工関係者にお話を伺いました。
例えば、春の定期演奏会が中止になると、印刷屋さんの仕事がなくなる。ユニットバスなどの輸入資材が入らないために、建設業者は注文が入っているのに仕事ができないといったように、飲食店だけでなく、あらゆる業種に影響が及んでいること。そして、それはいつ終息するか見通しも立たないという点では、リーマンショックのときよりも深刻だというふうに話されました。
そのような中で、昨年度の東京都の中小業者の支援として行われた協力金、家賃支援、融資についてお伺いします。
最初に、協力金についてお伺いします。
昨年度の感染拡大防止協力金の目的、実施の回数、申請件数、支給件数、未支給の件数、支給金額についてお伺いします。
○米澤産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 都は、営業時間短縮要請等の実効性を確保するため、要請にご協力いただいた事業者を対象として、協力金を支給してまいりました。
昨年度の協力金の実施回数は九回であり、令和三年三月三十一日時点で、事業者からは、全体で約五十四万二千九百件の申請を受け付け、約四十三万九千八百件の支給決定を行っており、支給額は約二千六百十三億七千五百万円となってございます。
なお、申請件数から支給決定件数を差し引いた件数は約十万三千件でございますが、これらにつきましては、誤申請や重複申請等により支給対象外となったものや、申請を受け付けて間もないことから支給決定されていないものなどがございます。
○清水委員 ありがとうございました。申請件数から支給決定件数を差し引いた件数は約十万三千件、しかし、この中には、誤申請、誤った申請、それから重複の申請で支給対象外となったものが入っていると。また、申請を受け付けて間もない、つまり年度で切っていますので、年度末に申請受付をしたところは支給決定まで時間がないということで積み残しになっているものがあるというふうなご説明でした。
先ほど配られた資料を見ますと、1の東京都感染拡大防止協力金、これの申請の受付は、令和二年六月十五日です。支給決定件数と申請件数の差は八千八百六十六件あります。
2の東京都感染拡大防止協力金、第二回目については、二千九百六十件の差になっています。さらに、ちょっと飛んで、5の営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金、令和二年十二月十八日から令和三年一月二十五日、この間については、その差は一千六百三十四件、決して小さい数ではないというふうに思うんです。
この中には、本来支給対象ではないものが入っているということでしたけれども、では、それを除いた、いわゆる本当の意味での未支給の件数というのは、一体何件ぐらいあるんでしょうか、答弁を求めます。
○米澤産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 全体の件数につきましては、先ほども申し上げましたように、誤申請、重複申請を含んだ数字となっておりまして、そちらの先ほど申しました十万三千件が全体の数字ということでございます。
○清水委員 この間、協力金の審査や支給が遅過ぎる、この問題はほとんどの会派が繰り返し議会ごとに改善を求めてきた問題です。そして、未支給の数字というのは、その検証をする上で大前提となる数字だというふうに思うんです。
ですから、様々なものが混じった、それが審査することができない数字ではなくて、本来の意味での未支給は一体どれぐらいあるのか。こうした数字については、検証するために大変重要な数字ですので、次回からは必要な数字は示していただくように要望して、次の質問に移らせていただきます。
協力金は何度か制度の変更がされています。その変更点と理由についてお伺いします。
○米澤産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 営業時間短縮等の実効性を確保するために、令和三年一月八日から二月七日までの要請に係る協力金から、支給対象をこれまでの事業者ごとから店舗ごとに変更したほか、大企業を支給対象に含めるなど必要な見直しを行ってまいりました。
○清水委員 ありがとうございました。
次に、協力金の支給の遅れについてお伺いしたいと思いますが、先ほどまでの質疑で、この協力金の支給の遅れを解決するために、応援体制の強化、それからノウハウを有する民間の力を活用する、提出書類の省略、コールセンターの体制強化、こうしたご説明がありましたので、その点については答弁を省いていただいて結構です。
もう一つ、支給の遅れの原因、これはどういうところにあるのか。また、多くの皆さんから書類が不備だということが繰り返し繰り返しいわれて、なかなか通らない。いわゆる不備ループというふうなことも声が寄せられておりますが、そうしたことについてどのような対応をされたのかお伺いします。
○米澤産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 一月八日から二月七日の要請に係る協力金から支給対象が事業者単位から店舗単位に変わったため、提出書類が増え、不備があった場合に、その内容の確認や修正などに時間を要したところでございます。
こうした状況を踏まえまして、申請時に間違いやすい事例をポータルサイトで紹介するとともに、申請書類の作成手順を動画で案内するほか、三月八日から三月三十一日の要請に係る協力金からは、過去に支給済みの店舗については、提出書類の一部を省略することなどによりまして、支給の迅速化に努めてまいりました。
○清水委員 ありがとうございました。
日本共産党に、協力金が支給されないという相談が寄せられておりますけれども、その中には、例えば、今年二月分の決定通知が届いたんだけれども、それ以前の十二月十八日以降の分が五月になっても支給されていない、コールセンターに何度も電話をしているが、折り返し電話をするという、そうはいわれるんだけれども、一切連絡が来ないという相談がありました。また、一月八日から二月七日分、二月八日から三月七日分が、やはり五月になっても支給されていない、こういう相談も寄せられました。どちらも時短営業をしたことを証明する文書の確認さえ取れれば支給はできるということですが、その連絡が来ないために支給が滞っていたケースです。
また、昨年度の未支給の件数は、重複や対象も含めて十万三千件ということですが、仮に、本来の未支給が十万件の一%だとしても一千件、一〇%あったら一万件の事業者が困っている、店舗が困っているということになります。決して小さな数字ではありません。
速やかな支給のために改善をされていることは承知をしていますけれども、改めて、支給が滞っている事例については、絶えずその理由をチェックしていただきたい。申請者待ちにならずに、こちらからも連絡を取って、速やかな支給につなげていただくように強く要望をさせていただいて、次の質問に移ります。
二点目は、東京都の家賃支援制度についてです。
先ほどの質疑の中で、東京都の家賃支援給付金は、感染症の影響により都内の多くの中小企業などの経営が厳しくなっている状況を踏まえて、国の家賃支援給付金に上乗せをして給付が行われたということ、この給付金は、昨年の八月から申請を開始して、今年の四月三十日に終了して、これまでに十四万五千件の事業者を支援して、給付金額は百十一億九千万円に上る。こうした答弁がありました。
この東京都の家賃補助制度、国制度への上乗せという形を取っているということですが、どのような考えから上乗せを行ったのか、東京都のお考えをご説明ください。
○荒井商工施策担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 感染症の影響により、中小企業等の経営環境は厳しい状況にございましたことから、国の家賃支援給付金と併せまして、都が上乗せ給付を実施したものでございます。
○清水委員 ありがとうございました。
つまり、東京都の支援金というのは、国の家賃補助制度だけではなかなか東京都内の家賃高いので上乗せをする、そういう判断をされたということであろうというふうに思いますが、事業者の皆さんから、やはり休業や時短で収入が減ったときに、一番重い負担は家賃、それからリース料などの固定費、この負担が大きいというふうにお伺いしています。特に東京は家賃負担が重い。コロナだからといって、家賃値下げの交渉をしてもなかなか応じてもらえないというのが実情です。この東京都の家賃支援制度そのものは評価をするものです。
ただ、国の支援制度は十二月までが対象期間で、一回しか支給がされませんでした。しかし、コロナの影響は今まだ続いており、昨年度の年末年始は感染の大きな波も来た中で、家賃支援が打ち切られました。
感染症の影響によって、都内の多くの中小業者などの経営が厳しくなっている状況を踏まえ、実施した制度であるということであれば、その影響が残る間は、国に制度の継続を求めるとともに、国がやらない間だとしても、東京都独自で継続をすべきであったというふうに思います。このことを指摘して、次の質問に移ります。
次に、感染症対応融資制度についてお伺いをいたします。
昨年度、東京都が実施した新型コロナ対応融資の実績については、先ほどの質疑の中で、都独自の三メニューと国の補助を受けて実施するメニュー、合わせて約二十一万七千件に対して約五兆六千億円を融資された。こういう答弁がありました。
この制度は、据置期間、最長五年というふうになっているんですけれども、実際に利用された中では、この据置期間ごとの割合というのはどういうふうになっているのか、説明をお願いいたします。
○篠原金融部長 令和二年度の新型コロナ対応融資の実際の融資での据置期間についてでございますが、一年以内のものが六割、一年から三年以内のものが三割、三年から五年以内のものが一割程度となっております。
○清水委員 ありがとうございました。据置期間、最長五年というふうにされているんですけれども、一年以内のものでもう六割、一年から三年以内で三割、ここまでで九割になるっていうことなんですよね。三年から五年以内というのが一割程度で、ほとんどは一年以内、もしくは三年以内ということで、これまでにも質疑があったように、もう既に返済が始まるというふうな状況になっています。
昨年度、コロナ禍が長期化する中で、融資を受けるときには、ここまで長期化すると思わずに、短い期間で融資を受けた方、そういう方は据置きの期間がもう終わって返済に苦慮する、そういう声が聞かれます。事業者の皆さんは、条件変更を持ちかけるんだけれども、なかなか難しいというふうなお声もいただいています。
こうした事業者に対して、これまでの答弁の中では相談窓口を設置したと。相談時間も延長した、こういう答弁をお聞きしていますけれども、なかなかその条件変更、難しいということなんですが、東京都として、金融機関などに対してはどのような働きかけを行っているのかお伺いします。
○篠原金融部長 東京都では、先ほど申し上げたとおり、特別相談窓口を設置して事業者からの様々な相談に応じることに加えまして、都内の各金融機関に対しまして、返済の猶予や融資条件の変更など、中小企業の実情を踏まえた対応を行うよう要請しているところでございます。
○清水委員 ありがとうございました。
コロナ禍というのは想定をはるかに超えて長期化しています。そうした中で、条件変更をしたいといった場合には、やっぱり事業実績に基づいた判断をされるんですよね。そうなると、コロナのこの影響下で、まだ事業が回復していない中で、据置期間を延ばしたり、条件を変えていくというのはかなり厳しいものがあるというふうに思います。
事業者の側に立ってみると、今、感染がようやく少し収まって、様々な自粛、制限が解除されて、でも、一方、それと同時に様々な支援も打ち切られるわけです。先日のニュースでは本当の不況はこれから始まるというふうに、経営者の方が答えておられました。
そうだとすると、本当に中小業者の実情を踏まえた丁寧な対応がないと、この融資の返済が始まったことによって、倒産、廃業を決断せざるを得ないというふうな事態になるというふうに思いますので、金融機関にお願いを出しているということですけれども、改めて東京都の方から、金融機関に丁寧な対応をお願いしていただくように要望しておきたいと思います。
最後に、二〇二一年十月十七日の日経新聞の記事をご紹介したいというふうに思いますが、新型コロナウイルス、コロナ禍、四・五万の飲食店閉店という記事です。
新型コロナウイルスの感染拡大以降、全国の飲食店の閉店が四万五千件に上ることが、日本経済新聞とNTTタウンページの共同調査で分かった。全体の一割に当たる。自治体の時短協力金では十分に支え切れないことが浮き彫りになったとあります。特に、北海道、東京、愛知、大阪、福岡、緊急事態宣言の発出が相次いだこの五都道府県に絞っても、一万六千店以上が閉店したとあります。いわゆる三分の一がここになっているんです。
さらに、この調査では、大手のチェーン店がどれぐらい閉店したのかっていうのも調べていて、この中で、多くのチェーン店はほとんど閉店はしていないんです。つまり閉店をした多くのお店は、個人店であることが分かる。後継者不足のまま、売上げ減を機に、経営者が引退し、閉じる店も多い。
さらに、付け加えて、雇用にも悪影響を及ぼす。総務省のサービス産業動向調査速報値によると、飲食店の従業員数は、七月時点で三百六十八万人、新型コロナ感染拡大前の二〇年三月と比べて四十万人ほど減ったというふうに報じています。
やっぱりこのコロナ禍で支援が十分でないために、中小企業、特に飲食店の場合は個店ですよね。まちの中で、一生懸命頑張ってきたし、地域に愛されている個店がなくなっている。この事態はやっぱり重く受け止めて、そこに十分な支援を行っていくということが必要だというふうに思っています。
ぜひ多くの事業者がコロナ禍を乗り切れるように、引き続き支援策を拡充していただくように求めて、私の質問を終わります。
○関口委員 よろしくお願いします。
新型コロナウイルス感染症によりまして、解雇や離職を余儀なくされた方が多くいらっしゃいました。
まず初めに、昨年の都内の失業者数はどれほどでございましたでしょうか。また、近年と比較した際の分析というものはいかがでしょうか伺います。
○村西雇用就業部長 都内の完全失業者数は、昨年一年間の平均で二十五万八千人となっております。前年に比べ、六万五千人増加しており、雇用情勢は厳しい状況でございました。
○関口委員 六万五千人増加をしておるということで、極めて重く受け止めなければならないと考えております。
新型コロナは多くの産業に影響を与えました。例えば、飲食店やアパレル、レジャー、エンターテインメントなどが挙げられます。そうしたコロナによる影響を受けた業界に勤める方々の大きな労働移行が起きることは、昨年も想定をされておりました。
コロナによる労働移動に対応するため、都は昨年度、コロナ禍で解雇や離職を余儀なくされた方を対象に、トライアルでの就労を経て、派遣先での正社員就職を進める雇用安定化就業支援事業を実施いたしましたが、その具体的なスキームについて伺いたいと思います。
○村西雇用就業部長 都は、本事業におきまして、離職を余儀なくされた方々に対し、コロナ禍でも採用意欲の高い企業の求人を開拓し、マッチングの機会を提供いたしました。
具体的には、IT等の成長産業や介護分野など人手不足が続く業種等におきまして、トライアルにより一か月間の派遣就労を行い、正社員就職を進めるスキームとなっております。
○関口委員 事業のスキームは理解をいたしました。
一方、コロナ禍では、宿泊業や飲食業で働く非正規の女性が大きな影響を受けております。
この事業の利用者や就職者の具体的な状況について伺いたいと思います。
○村西雇用就業部長 本事業の昨年度の利用者は五百二十七人であり、女性が約六五%を占めております。年齢につきましては、三十歳以下の方が約半数を占めており、四十代から五十代の方も含め、幅広い年齢層の方が利用しております。
また、IT等の情報通信業や人手不足に直面している医療や福祉分野などの業種に二百三十七人が再就職しておりまして、七割以上が正社員として採用されております。
○関口委員 今、ご答弁でもいただきましたが、IT等の情報通信業や人手不足に直面をしている医療や福祉分野の業種といったところが、七割以上は正社員として採用されているということであります。ご答弁をいただきました。
しかし、この事業全体を見渡していきますと、就職できた方は利用者の約半数となっております。このことについての都の見解を伺いたいと思います。
○村西雇用就業部長 都といたしましては、この事業の特徴であるトライアルでの就労を経ることによりまして、求職者と企業の双方が適性等を見極めることができ、マッチングの効果が高く出たものと考えております。
○関口委員 今、ご答弁ではマッチングの効果が高く出たものということでご答弁をいただいておりますが、やはりさらなる多くの方に就職をいただけるような環境をつくることが必要なのかなとも思っております。就職ができたからいいわけではないとは思うんですが、一人一人にさらに寄り添うような形での今後の就労支援というものを、ぜひお願いしたいと思っております。
とはいうものの、トライアル就労というこの事業についてのもちろん意義というものは非常に大きくあると考えております。ただ、こうした行政の支援制度というものはなかなか多くの方に周知というものが図られないような現状がございます。大変意義がある事業ではあるものの、周知や広報などがどのように工夫をされたのか伺いたいと思います。
○村西雇用就業部長 本事業では、都内のハローワークや区市町村において事業の周知を図るとともに、テレビやラジオでの広報やSNSでの発信を行うなど、きめ細かな対応を行いました。
○関口委員 ぜひ今後もこういった事業を行う際には、幅広く多くの皆さんとの接点をいただけるための取組を求めたいと思います。
また、ご答弁でもいただきましたが、やはり基礎自治体との連携を図るということが極めて重要だと思っております。そういったところの連携もお願いをしたいと思っております。
次なんですが、先ほど他の委員からも、新規学校の卒業者の雇用就労の機会の創出、これについての都の取組というものの質問がされました。
こちらについては、同様の問いになってしまいますので、省きたいと思いますが、第二の就職氷河期世代ということが昨年大きく取り上げられました。コロナが終息したとしても、産業の転換や労働移動など、雇用や就労の機会というものが大きく一変をするということを懸念しております。第二の就職氷河期を生み出さないためにも、さらなる取組を求めたいと思っております。
特に、就職氷河期世代というものの問題が、イシューが、今でも非常に大きく根づいている、そして継続をしているということがございますので、行政ができること、できないこと様々あるかと思うんですが、ぜひそこの取組の再考もぜひお願いいたしたいと思います。
続きまして、話題を変えまして、東京ビッグサイトについて伺ってまいります。
新型コロナウイルス感染症拡大を受けまして、東京ビッグサイトで開催予定のイベント、中止もしくは延期をした際に生じる取消し料というものを、昨年の二月二十二日から不要としているところであります。
そういった際に考えなくてはいけないのが、このビッグサイトが第三セクターの東京臨海ホールディングスの子会社であるということと、そして東京都の事業協力団体としての位置づけであり、やはり東京都はしっかり密に連絡を取りながら、そして働きをかけながら、こうした事業について考える必要があると思っております。
そこで、今回、東京ビッグサイトのキャンセル料の減免、この判断が昨年はされたわけでありますが、ビッグサイトに対して、都としてどのような働きかけがあったのか伺いたいと思います。
○緑川商工部長 都が昨年三月に作成をいたしました新型コロナウイルス感染症に関連した都民利用施設等の対応についての考え方では、イベント中止に当たって施設運営事業者が、主催者から既に受け取っている施設使用料を返還するか否かは、事業者の経営責任に基づいて自主的に判断することとなってございまして、東京ビッグサイトにはその旨を伝えております。
○関口委員 今、ご答弁もいただきましたけれども、自主的に判断をするということになっているということで、あくまでもこの判断に関しては、東京ビッグサイトの方で判断されたということだと思います。
ただ、一方で、東京ビッグサイトに関しては、表現をされる方々や様々な催事が行われるということもあり、東京の文化であったりとか、エンターテインメントを考える上で、極めて重要な拠点であるかと思っております。そういった意味では、東京都がもう少しこう働きかけに対して、十分な対応が取れたのではないかということを懸念しております。
昨年度の東京ビッグサイトの展示会利用件数はどれくらいでございましたでしょうか。
○緑川商工部長 東京ビッグサイトにおけます昨年度の展示会利用件数は八十四件でございます。
○関口委員 また、昨年度の展示会利用のうち、展示会を中止した件数及び縮小した件数はそれぞれ何件でございましたでしょうか。
○緑川商工部長 昨年度、展示会利用のうち、展示会を中止した件数は百二十二件、展示会の規模を縮小した件数は二十七件でございます。
○関口委員 中止、縮小の件数というものでありますが、大変多くのキャンセル料減免が主催者の負担軽減になっているかと思います。中止が百二十二件、縮小が二十七件ということでございますので、こういったキャンセル料の減免というものが、そうしたイベントの主催者の方々を大きく軽減をし、助けているのではないかと思っております。
一方で、この減免措置の周知徹底、これも重要でございます。公式ホームページには記載がないなど、イベント主催者の方からの指摘を受けたかと思いますが、イベント主催者へのキャンセル料減免の案内などはどのようにされておりましたでしょうか。
○緑川商工部長 東京ビッグサイトでは、イベントの主催者に対しまして、個別に電話やメール等によりまして、丁寧に説明していると聞いております。
○関口委員 今、個別での対応ということもありましたが、昨年の取組の際にそういったこともしっかり大きく広める必要があったのではないかと思います。
コロナ禍の終息がまだまだ見通せない中ではありますが、キャンセル費用の減免がなくなってしまうことで、主催者は入場制限やキャンセルという大きなリスクを背負いながら、オリンピック以降のイベントを予定をしなくてはならないという状況にあります。既にこの深く傷ついているイベント産業が選択肢を増やすことができる支援が必要だと考えております。
我が会派の幹事長は、八月十日にキャンセル費用減免期間の延長などを求める要望書というものを東京都に提出をいたしました。その結果もあり、現在も減免措置は続いているわけでありますが、その際には三点を求めております。
東京ビッグサイトで行われているキャンセル費用減免については、今年度末まで延長するということ、そして、ポストコロナ局面において、東京ビッグサイト等の会場費用減免施策を展開するということ、そして三つ目は、ビッグサイト南展示棟の利用性向上に向け、公園周辺空地の活用を推進するということの三点を求めております。
なかなか、まだまだ見通せない状況ではありますけれども、イベントの主催者の皆さんの思いや、あるいは東京の文化であったり、エンターテインメントであったり、こうしたものを守るために、改めてこうしたものを要望いたしまして、私の質疑を終わりたいと思います。
○とや委員 共産党のとや英津子です。よろしくお願いします。
気候危機の影響は至るところに出ています。台風や集中豪雨、ゲリラ豪雨など、自然災害が、非常にその復旧が遅れており、急がれるところであります。今日は、この間起きました台風被害などによる復旧について、奥多摩や島しょ部についての問題点について伺っていきたいと思います。
二〇一九年、台風が起きましたが、十五号及び十九号は、都内各地に甚大な被害をもたらしています。その被害が今なお回復していないところがあり、早急な対応が必要です。
一九年の台風十九号によって、壊滅的な被害を受けた奥多摩町のワサビ田について、昨年度の復旧工事の進捗について、どの程度まで行ったのか伺います。また、完全復旧のめどについても伺います。
○山田農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 令和二年度は、奥多摩町から復旧の申請があった百二十三地区のうち、三十八地区におきまして、ワサビ田や収穫等の作業に必要なモノレールなどの附帯設備の復旧が完了いたしました。残りの八十五地区につきましては、今年度末までに復旧を完了する予定でございます。
○とや委員 今年度末までに復旧が完了するということです。ぜひ最後まで丁寧な支援をお願いしたいと思います。それでも、約二年前に起きた被害の完全回復までに二年半かかることになります。被害の甚大さがうかがえます。
ワサビ田は、奥多摩町のみならず、東京都の名産としても重要な産業です。ワサビ田の復旧はもちろんでありますが、その後の売出しや販路の拡大についても、都として、支援を行うことが必要と考えますが、東京都の認識を伺います。
○山田農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 都は、奥多摩ワサビのブランド化に向けまして、販路拡大や認知度向上など、様々な取組を実施しております。
今後も、引き続きワサビ田の復旧を進めるとともに、再開後の販売の支援等に取り組んでまいります。
○とや委員 中小の業者の皆さん、多いですからね。ぜひご支援をお願いしたいと思います。
復旧後の販売支援に取り組んでいくというご答弁をいただいたんですが、繰り返しますが、都の名産として重要なワサビを安定的に生産できてこそ、本当の意味での復旧となります。ぜひ生産者の力になれるよう、都の支援をお願いしておきます。
次に、台風による山間地での倒木や立ち枯れの被害についてです。
新島村の阿土山に都行造林地があります。ここでも二〇一九年の台風十五号によって、倒木や立ち枯れなどの被害が出ていますが、今なお手つかずの状況です。人が住んでいる場所ではありませんが、このままだと荒廃し土砂災害なども懸念されます。
こちらの復旧について、どのような検討がされたのか、どのように今後行っていくのか伺っていきたいと思います。
○山田農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 令和元年度及び二年度に実施しました災害調査の結果、なだらかな地形であり、土砂災害のおそれは低いものの、巨大な岩や倒木が多数存在し、作業の支障となるため、復旧には一定の時間を要します。
現在、復旧に向けまして、被災木の処理について検討を行っているところでございます。
○とや委員 東京都都行造林条例の第一条では、林業を振興し、あわせて、自然環境の保全を図ることを目的とするとあります。
土砂災害のおそれは低いとのことですが、やはり復旧のめどが立たないと、島民の方々も不安に感じると思います。調査検討を重ねているということでありますが、ぜひ可能な限り、早急な作業着手をお願いしておきます。
こうした倒木や立ち枯れを放置していると、害虫被害の原因にもなります。都として、阿土山の害虫対策について伺います。
○山田農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 被災木の処理が害虫対策になりますことから、処理方法についての検討結果に基づき対応していくこととなります。
○とや委員 ぜひ早急な作業開始を重ねて求めておきます。
近年、台風などによる風水害は、頻発化、激甚化しています。今年も大型の台風が伊豆諸島に接近し被害が懸念されました。土砂災害を事前に防ぐため、荒廃した森林を再生していく治山事業は、その重要性が高まっていると思います。
一昨年の決算特別委員会でも、私、質問させていただいたんですが、治山事業について、二〇一八年度までに、山地災害危険地区として五百十四か所指定され、約九割の箇所で、治山事業に着手しているということでありました。その後の進捗について伺います。
○山田農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 令和元年に発生した台風被害を踏まえまして、被害を受けた箇所につきましては、その復旧を優先して取り組んでおります。
令和元年度は、台風被害の復旧工事を十一か所、山地災害危険地区の治山事業を十七か所、令和二年度は、台風被害の復旧工事を六か所、山地災害危険地区の治山事業を十九か所で実施いたしました。
○とや委員 ありがとうございます。
治山事業を着実に進めていくことと併せて、再び荒廃しないよう、継続した管理が重要です。森林も適切に管理するためには、担い手の育成、産業としての継続性が重要と、前回、私、決算の中で質問させていただきました。また、森林の再生は、世界的な気候変動対策にも資するものであると考えます。
引き続き、治山事業を着実に進めていただくよう求めて、質問を終わります。ありがとうございました。
○斉藤委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○斉藤委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で産業労働局関係を終わります。
これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
午後三時二十七分散会
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