委員長 | 斉藤やすひろ君 |
副委員長 | ほっち易隆君 |
副委員長 | 酒井 大史君 |
関口健太郎君 | |
清水とし子君 | |
玉川ひでとし君 | |
米川大二郎君 | |
本橋たくみ君 | |
関野たかなり君 | |
とや英津子君 |
欠席委員 なし
出席説明員中央卸売市場 | 市場長 | 河内 豊君 |
管理部長 | 松田 健次君 | |
事業部長 | 西坂 啓之君 | |
市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 佐々木 珠君 | |
渉外調整担当部長 | 村上 章君 | |
財政調整担当部長 | 渡邉 貴史君 | |
環境改善担当部長 | 萩原 清志君 | |
建設局 | 局長 | 中島 高志君 |
次長 | 須藤 栄君 | |
道路監 | 奥山 宏二君 | |
総務部長 | 小林 忠雄君 | |
用地部長 | 山本 明君 | |
道路建設部長 | 花井 徹夫君 | |
三環状道路整備推進部長 | 福島 眞司君 | |
公園緑地部長 | 植村 敦子君 | |
河川部長 | 齊藤 俊之君 | |
企画担当部長オリンピック・ パラリンピック調整担当部長兼務 | 湯川 雅史君 | |
道路保全担当部長 | 村上 清徳君 | |
無電柱化推進担当部長 | 福永 太平君 | |
道路計画担当部長 | 原島 孝至君 | |
公園計画担当部長 | 根来 千秋君 |
本日の会議に付した事件
令和二年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
中央卸売市場関係
・令和二年度東京都と場会計決算(質疑)
建設局関係
・令和二年度東京都一般会計決算(質疑)
○斉藤委員長 ただいまから令和二年度各会計決算特別委員会第三分科会を開会いたします。
本日から四日間にわたり、本分科会の所管局の決算に対する局別質疑を行ってまいります。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、中央卸売市場及び建設局関係の決算に対する質疑を行います。
これより中央卸売市場関係に入ります。
決算の審査を行います。
令和二年度東京都と場会計決算を議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○ほっち委員 それでは、私から質問をさせていただきたいと思います。
芝浦と場は、昭和十一年の開設以来、大消費地東京における需要体系に、全国の産地から牛や豚を集荷し、と畜解体を通じて都民の皆さんに食肉を安定的に供給するという重要な役割を果たしております。
昨年来の国内における新型コロナウイルス感染症の発生は、経済活動を停滞させ、社会生活にも深刻な影響をもたらしました。芝浦と場においても、コロナ禍に伴う業務への影響が懸念をされましたけれども、人の流れが激減し、物の流れも停滞する中にあっても、と場は、都民の食肉ニーズに応えるため、その業務を継続していく必要がありました。
そして、実際、と場の機能は止まることなくその役割を果たし続けており、このことは現場の皆さんの努力によるものだというふうに強く思っております。
そこでお伺いいたしますけれども、芝浦と場では、令和二年度、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けてどのような取組を行ってきたのか、お伺いをさせいただきます。
○佐々木市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 芝浦と場では、新型コロナウイルス感染症の発生以前からHACCPに基づく衛生管理の取組を開始しておりまして、その一環として、手洗いや手指のアルコール消毒、長靴消毒槽における靴底面の消毒など、厳しい衛生管理対策を実施してまいりました。
今般の新型コロナウイルス感染症の発生以降は、こうした従前からの取組に加え、職員をはじめとする入場者に向けて、館外放送を利用した感染防止の取組への注意喚起を行うなど、衛生管理の一層の徹底に取り組んでまいりました。
○ほっち委員 芝浦と場では、従前より、HACCPに基づく厳しい衛生管理に取り組んできました。また、こうした取組が、新型コロナウイルス感染症の拡大防止にも役立っているものだというふうに考えます。
また一方で、本来HACCPは、食品の安全性を確保する衛生管理の手法であり、芝浦と場において、かねてから重点的に取り組んできているというふうに思います。
そこで、令和二年度、芝浦と場で実施したHACCPによる衛生管理の向上に向けた取組についてお伺いをいたします。
○佐々木市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 HACCPにおいては、いわゆるPDCAサイクルによる検証と改善を繰り返し、作業マニュアルの見直しなどのフィードバックを図りながら、少しずつ内容を向上させ、継続的に取り組むことが重要でございます。
芝浦と場でも、と畜解体工程における重要な危害要因を管理するための計画書であるHACCPプランに基づきまして、令和二年度も日々の業務を通じた検証と改善に努めてまいりました。
具体的には、と畜解体作業に用いる器具の消毒方法について、実際の作業を踏まえた、より効果的な手順となるように、作業マニュアルの見直しを行うなど業務の改善に取り組みまして、HACCPに基づく衛生管理の向上を図りました。
○ほっち委員 HACCPは、一つ一つの地道な取組の積み重ねが重要であると。また、これからも都民の皆さんに安全で高品質なお肉を提供していくためにも、引き続いてしっかりと取り組んでいただきたいというふうに思います。
また、と場の運営という面では、衛生管理の向上というソフト面の対策はもちろん、それと併せて、と畜作業を支える土台となるハード面、すなわち施設面での対策も重要であるというふうに考えます。
しかし、と場施設というのは、その多くが昭和六十年代に整備されたものでありまして、設備を含め、老朽化が進んでいると思います。
そこで、令和二年度、と場会計で実施をした主な施設整備の内容についてお伺いをいたします。
○佐々木市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 と場会計においては、令和二年度施設整備工事として五億六千四百万円を執行いたしました。
具体的な工事の内容としては、例えば、老朽化に伴う小動物棟の外壁改修工事や、と室内で劣化によるさびの発生が課題となっていた牛や豚の枝肉をつるして搬送するための高架レールの交換工事などを実施いたしました。
また、と畜業務に伴い発生する排水を処理した上で場外に排出する水処理センターにおきまして、脱臭装置や微生物が水中の有機物を分解するのに必要となる空気を送り込むための曝気装置などの整備を行うとともに、中央監視設備の改修工事を実施いたしました。
○ほっち委員 設備の多くで老朽化が進む中、今後、計画的な対応がますます重要になってくるというふうに考えます。
その中でも、今、ご答弁いただいた中にもありましたけれども、水処理センターについては、昨年度も、我が会派は質問をさせていただいております。この施設は、いうならば、と場内のミニ下水道局のような施設でありまして、と畜業務に伴い発生する排水を一手に引き受けて処理するという、芝浦と場にとってなくてはならない施設であります。
昨年度、この施設の維持更新について質問をさせていただいたところ、今後の全体的な機能更新を見据えて計画的に取り組んでいくという旨の答弁がありました。
そこでお伺いしますが、水処理センターについては、令和二年度の具体的な取組についてお伺いをいたします。
○佐々木市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 水処理センターについては、全体的な機能更新を進める観点から、令和二年度に、設備機器の抜本的な再構築に向けた検討に着手をいたしました。
具体的には、事業を継続しながら工事を実施することを前提に、修繕項目や機能強化項目の洗い出しなどを行いました。例えば、水槽の亀裂や腐食に対する修繕の方針や、現在、一系統しかない箇所の排水の処理ルートを二系統とするなどの方針を整理いたしました。
さらに、こうした工事を進めるための具体的な工事手法など、設備機器の再構築に向けた検討を行いました。
こうした検討結果を踏まえ、今後、着実に機能更新に取り組んでまいります。
○ほっち委員 令和二年度決算に関する私の今回の質疑全体を通して、芝浦と場では、厳しい衛生管理対策を実施して、老朽化した施設の改修に計画的に取り組むなど、コロナ禍の中にあっても、直面する課題の解決に取り組んでいるということは分かりました。
これからも、芝浦と場が都民の皆さんの食生活を支える安全で安心な食肉を提供できるよう、これからもしっかりと取り組んでいただくことをお願い申し上げて、私の質問を終わります。
○米川委員 私からも、芝浦と場の施設整備について質問いたします。
芝浦と場は、現在の港区港南の地で発祥した長い歴史と伝統を有すると場であり、今日では、日本で最大級のと畜処理能力を持つと場へと発展しています。
この芝浦の地でと畜解体された枝肉は、現場における長年の努力もあって芝浦ブランドと称され、高品質で安全、新鮮なお肉として、都民をはじめ多くの消費者の信頼を得て、広く受け入れられているのではないでしょうか。こうした期待に将来にわたり応えていくためにも、芝浦と場の施設を適切に維持更新し、業務を運営していくことが大切であると考えます。
しかしながら、私も以前視察で伺ったこともありますが、と場施設の老朽化が進んでいることは事実であり、改修や更新の適切な対応が求められています。
そこで、令和二年度のと場会計では、どのような施設更新、工事を行ったのかを伺います。
○佐々木市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 と場会計においては、令和二年度施設整備工事として五億六千四百万円を執行いたしました。
具体的な工事の内容としては、例えば、老朽化に伴う小動物棟の外壁の改修工事や、と室内で劣化によるさびの発生が課題となっていた牛や豚の枝肉をつるして搬送するための高架レールの交換工事などを実施いたしました。
また、作業の円滑化のため、剥皮した豚の皮を搬送するコンベアーや、係留所に控えている豚をと室内に移動させるための追い込み、導入通路の更新工事などを実施いたしました。
○米川委員 今、作業の円滑化という答弁がありましたが、設備が老朽化したから単に新しくするということではなく、作業の円滑化をいかに図っていくかという視点から設備更新に取り組んでいくことも必要ではないでしょうか。
と畜解体は、作業工程が非常に複雑なため、職員は、細心の注意の下、作業に従事しており、と場の設備は、こうした職員の作業を円滑に行えるようサポートするという側面も持っていると考えています。
そこで、と畜解体の円滑な作業を進めるに当たって行いました令和二年度の取組について伺います。
○佐々木市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 令和二年度は、牛の足の切断作業を行うフットカッター設備の更新工事を実施いたしました。
これは、近年の牛の大型化に対応するため、カッターを切断能力の高いものに更新したもので、大動物の主たるラインについて実施をしております。これにより、生体の大きさによらず、円滑な作業を安定的に行うことが可能となっております。
○米川委員 牛の大きさという説明もありましたが、近年は生体の大型化が進んでいるため、設備も時代に即した対応が重要になっていると考えます。
一方、設備が変われば、職員の作業のやり方も細かいレベルで変わってくるということもあるのではないでしょうか。設備を更新すればそれで済むという話ではなく、作業に従事する人がそれをうまく使いこなしてこそ意味があり、そのためには運用面での配慮が必要と考えます。
そこで、と畜作業に従事する職員が新しい設備に適応できるようにするため、どのような取組を行ったのかを伺います。
○佐々木市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 と畜解体において、新しい設備を導入する際は、事前に作業に従事する職員の立会いの下、実際に新しい設備が導入された場合を想定して、設備の操作や作業動線を考慮した設置場所の検討を行い、施工業者と十分に協議をした上で、現場の状況に合わせた調整を行っております。
また、設備の稼働に当たっては、事前に施工業者から操作方法の説明などを十分に受け、稼働後は操作方法の習得のための試行期間を設けて、職員が新しい設備に適応できるように配慮をしております。
令和二年度のフットカッター更新の際も、最初は通常より約三割少ない頭数から作業を始め、段階的にと畜頭数を増やしていくなど、職員の作業の習熟に十分に配慮した運用を行っております。
○米川委員 と畜解体業務は、日々と場に入ってくる生体を限られた時間の中で安全に、かつ円滑に処理していくという高度な工程があるため、適切な設備と、それを扱う職員の技術、そのどちらが欠けても円滑な作業はできないと考えています。
今後とも、ハード、ソフト両面からきめ細かな取組を続けていくことで、芝浦ブランドと称される高品質で安全、新鮮なお肉として、都民をはじめ多くの消費者の信頼に将来にわたり応えていかれることを求めまして、質問を終わります。
○玉川委員 と場会計の令和二年度の決算審査に当たり、質疑を行います。
今般のコロナ禍で、昨年来、インバウンドや外食産業を中心とした消費の需要は大きく低迷しております。そこで、食肉の提供を通じて都民の食卓に直結している芝浦と場におけるコロナ禍の影響についても確認しておきたいと思います。
まず初めに、令和二年度の芝浦と場における牛及び豚のと畜頭数の動向についてお伺いします。
○佐々木市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 令和二年度のと畜頭数は、牛がおよそ八万九千頭でありまして、前年度のと畜頭数と比べておよそ三千頭増加しております。
また、豚のと畜頭数はおよそ二十万四千頭であり、前年度のと畜頭数と比べておよそ一万一千頭増加をしております。
○玉川委員 芝浦と場では、コロナ禍でも、昨年度を上回ると畜を行ったとのことであります。外出自粛による巣籠もり需要により、家庭消費の増加もあったと聞いておりますが、この間のコロナ禍の下でも、と畜業務は止まることなく、八万九千頭の牛、そして二十万四千頭の豚と、これだけの頭数をこなして、都民に対する食肉の安定供給に貢献してきたとのことです。
これを支えているのは、現場の作業を担う一人一人の職員であり、その労苦に応えていくことが大事だと思います。その意味で、職員の働く環境の改善は重要なテーマであり、我が会派は、昨年度、と室内の高温多湿な作業環境の改善について質問しました。
そこでお伺いいたしますが、作業環境の改善に関する令和二年度の執行状況についてお聞かせください。
○佐々木市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 高温で多湿という、と室内の作業環境への対応として、令和二年度は、老朽化に伴う小動物棟の外壁の改修を行う際に、室内温度の上昇の抑制が見込まれる遮熱効果の高い塗装材を用いて改修工事を実施いたしました。
また、と室内の冷気の行き渡らない作業スポットに向けた扇風機の更新、増設や、熱気や蒸気の流れを改善するため消毒槽から排出される高温のお湯を流す経路を調整する工事を実施いたしました。
○玉川委員 と室内の作業環境を改善したいという思いで、様々な工夫を凝らしていることは分かりましたが、作業環境に関しては、昨年度、我が会派の質問に対し、と室内の空気調和設備について、今後、改修などに向けた具体的な検討を進めていくとの旨の答弁もありました。
そこで伺いますが、と室内の空調設備に関する取組状況についてお聞かせください。
○佐々木市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 令和二年度は、令和元年度に実施した、と室内の空気調和設備の現況調査に基づき、と室内の空調の改善に向けて具体的な改修方法などを検討いたしました。これを踏まえ、現在、大動物のラインの空調改修工事に向けた基本設計に着手をしております。
引き続き、着実に取り組みまして、と室内の作業環境の改善に努めてまいります。
○斉藤委員長 ちゃんと呼んで、委員長って。
○玉川委員 と畜業務は、人の手に頼る部分が多く、それを担っている職員の方々が作業に集中して取り組めるような作業環境を整えることは非常に重要だと思います。と室内の狭隘なスペースで、老朽化が進んだ設備の改修等を行うことは、様々な困難が伴うことと思われます。
ぜひ、こうした取組を着実に実施し、芝浦と場の発展に尽力していただくよう要望しまして、質問を終わります。
○斉藤委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○斉藤委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で中央卸売市場関係を終わります。
○斉藤委員長 これより建設局関係に入ります。
初めに、先般の人事異動に伴い交代のありました幹部職員及び過日の分科会で紹介できませんでした幹部職員について、局長から紹介があります。
○中島建設局長 先般の人事異動によりまして当局幹部職員に交代がございましたので、ご紹介させていただきます。
無電柱化推進担当部長の福永太平でございます。
また、去る十月十五日に開催されました当分科会におきまして欠席いたしました幹部職員をご紹介させていただきます。
企画担当部長でオリンピック・パラリンピック調整担当部長を兼務いたします湯川雅史でございます。
以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
〔理事者挨拶〕
○斉藤委員長 紹介は終わりました。
○斉藤委員長 決算の審査を行います。
令和二年度東京都一般会計決算中、建設局所管分を議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○小林総務部長 去る十月十五日の当分科会におきまして要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
お手元の令和二年度各会計決算特別委員会第三分科会要求資料をご覧いただきたいと存じます。
表紙をおめくりいただきますと、目次に十五件の資料の件名が記載してございます。
一ページをご覧ください。骨格幹線道路(主要路線)の予算・決算額の推移でございます。
この表は、骨格幹線道路の整備につきまして、平成二十八年度から令和二年度までの予算額と決算額を表したものでございます。
二ページをお開き願います。道路・街路整備における予算・決算額の推移でございます。
この表は、道路、街路の整備につきまして、平成二十八年度から令和二年度までの予算額と決算額及び決算額を区部、多摩部、島しょ部別に表したものでございます。
三ページをご覧ください。特定整備路線の予算・決算額の推移(建設局施行)でございます。
三ページから四ページまでの表は、特定整備路線の整備につきまして、平成二十八年度から令和二年度までの予算額と決算額を路線別に表したものでございます。
五ページをご覧ください。骨格幹線・地域幹線道路の計画概要と進捗状況でございます。
五ページから八ページまでは骨格幹線道路、九ページから一三ページまでは地域幹線道路につきまして、整備計画の概要と進捗状況及び用地取得率を路線別に表したものでございます。
一四ページをお開き願います。代替地購入費の予算・決算額の推移でございます。
この表は、代替地購入費につきまして、平成二十三年度から令和二年度までの予算額、決算額、購入件数及び購入面積を表したものでございます。
一五ページをご覧ください。直轄事業負担金の決算額の推移でございます。
この表は、直轄事業負担金につきまして、平成二十八年度から令和二年度までの道路及び河川の決算額を財源別に表したものでございます。
一六ページをお開き願います。建設局に係る中小企業への工事発注実績の推移でございます。
この表は、建設局が発注した工事における中小企業への発注の実績につきまして、平成二十八年度から令和二年度までの件数と金額を表したものでございます。
一七ページをご覧ください。東京都自転車走行空間整備推進計画等に基づく自転車通行空間の整備実績及び整備率でございます。
この表は、自転車通行空間の整備につきまして、平成二十八年度から令和二年度までの整備延長と累計整備延長及び計画延長に対する整備率を表したものでございます。
一八ページをお開き願います。建設局発注工事における一者応札の実績でございます。
建設局発注工事における一者応札の実績につきまして、上段の表は、平成三十年度から令和二年度までの一者応札の件数及び総件数に占める割合、下段の表は、令和二年度の総件数に占める割合及び契約金額合計に占める割合を表したものでございます。
一九ページをご覧ください。建設局発注工事における入札不調件数でございます。
この表は、建設局発注工事につきまして、平成三十年度から令和二年度までの入札不調件数を表したものでございます。
二〇ページをお開き願います。建設局発注案件における随意契約の件数及び金額と割合でございます。
この表は、建設局発注案件における随意契約につきまして、平成三十年度から令和二年度までの件数及び金額と割合を表したものでございます。
二一ページをご覧ください。都立葬儀所の稼働状況でございます。
この表は、都立葬儀所における平成三十年度から令和二年度までの葬儀等件数及び火葬受入れ件数を表したものでございます。
二二ページをお開き願います。都立霊園施設別・霊園別の公募状況でございます。
この表は、都立霊園における令和二年度の公募状況につきまして、霊園名、施設の種類及び使用料並びに倍率を表したものでございます。
二三ページをご覧ください。連続立体交差事業の予算・決算額の推移でございます。
この表は、連続立体交差事業における平成二十八年度から令和二年度までの予算額と決算額及び主な箇所等について表したものでございます。
最後に、二四ページをご覧ください。練馬城址公園の整備に係る予算・決算額の推移でございます。
この表は、練馬城址公園の整備における平成二十八年度から令和二年度までの予算額と決算額を表したものでございます。
以上で要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○斉藤委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○本橋委員 初めに、新型コロナウイルス感染症による工事への影響についてお伺いをいたします。
建設局が発注する工事は、道路、河川、公園の整備、管理など、都市活動の維持や防災対策を目的としており、コロナ禍においても着実な推進が必要であります。現在においても、新型コロナウイルス感染症の終息が不透明でありますが、工事現場の作業員の安全を確保しながら、都民に必要な事業を進めることが必要であると考えます。
そこで、建設局では、工事現場における新型コロナウイルス感染症対策について、どのような取組を行っているのか、お伺いをいたします。
○湯川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 建設局は、工事現場で講じるべき措置や感染者等が発生した場合の対応等について、基本的な内容を示しました東京都における公共工事の新型コロナウイルス感染症拡大防止対策ガイドラインにつきまして、受注者に周知を図り、工事現場における適切な感染症拡大防止対策を実施してまいりました。
なお、ガイドラインに基づきまして、工事の一時中止や工事延長の措置につきましては、受注者の感染拡大防止の意向を尊重しておりまして、申出があった場合には、受発注者協議の上、受注者の責によらないものとして必要な設計変更を実施しているところでございます。
○本橋委員 新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、受注者から申出があった場合は、受注者の責によらないものとして一時中止等の対応をするなど、工事現場の作業員の安全等に配慮していることが理解をできました。
しかしながら、一方で、道路や河川等の都民に必要な事業が遅れることが懸念をされるわけでございます。
そこで、令和二年度の工事において、新型コロナウイルス感染症の影響により一時中止をかけた件数と、その状況についてお伺いをいたします。
○湯川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 令和二年度は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため一時中止を行った工事件数は百八十一件でございましたが、全ての工事は再開をしているところでございます。
○本橋委員 分かりました。続いての質問に移らせていただきます。
中小河川の洪水対策について、近年、雨の降り方が明らかに変わってきているところでございます。気候変動の影響ともいわれる激甚化、頻発化する豪雨により、全国では、毎年のように水害が発生をしております。
都内では、一昨年の台風十九号が記憶に新しいところでございますが、このときは、多摩地域を中心に河川からの溢水が発生するなど、大きな被害があったところでもございます。今後も、豪雨に対する備えが必要であり、中小河川の洪水対策は特に重要であると考えます。
令和二年度の中小河川の整備実績についてお伺いをいたします。
○齊藤河川部長 中小河川の整備は、護岸整備に加えまして、東京都豪雨対策基本方針における対策強化流域においては、区部七十五ミリ、多摩六十五ミリの新たな目標整備水準の達成に向けた調節池等の整備を実施しております。
令和二年度は、空堀川などにおきまして、約〇・八キロメートルの護岸を整備いたしました。調節池等につきましては、境川金森調節池で調節池本体の掘削に着手するなど八か所で工事を実施いたしますとともに、石神井川と境川におきまして、新たな調節池の基本設計に着手いたしました。
○本橋委員 これまでの護岸や調節池整備の取組については理解をいたしました。
先ほども申し上げた一昨年の台風十九号ですが、多摩地域において六百ミリを超える大雨となり、幾つかの河川で溢水や護岸崩壊などの被害があったところでございます。護岸崩壊については既に復旧完了していると聞いておりますが、先ほど答弁のあった護岸整備を着実に進めることはもちろんのこと、早期に安全性を向上させるため、上流部の蛇行する多摩河川の特性を踏まえたハード対策を講じていくべきであると考えます。
また、ハード対策だけでなく、住民の避難などに寄与するソフト対策も重要であると考えます。
そこで、多摩地域の河川について、その特性を踏まえたハード対策に加え、住民の避難につながるソフト対策を併せて進めるべきであると考えますが、令和二年度の取組状況についてお伺いをいたします。
○齊藤河川部長 ハード対策といたしましては、令和元年東日本台風の被害を踏まえ、溢水があった南浅川など多摩地域の七河川におきまして、局所改良によるボトルネック解消や湾曲部の護岸強化に向けまして、狭隘箇所や河道内の堰などの構造物を把握する調査等を実施いたしました。
ソフト対策として、区市町村が作成する洪水ハザードマップの基となります浸水予想区域図につきましては、想定する最大の降雨を用いた改定を進め、秋川及び平井川流域など、区部を含めた四区域で公表し、都内全十四区域が完了いたしました。
また、河川の状況を分かりやすく伝える河川監視カメラにつきましては、溢水した秋川などにおいて、新たに六か所で設置いたしました。
○本橋委員 多摩地域の河川のハード対策、ソフト対策について理解をさせていただきました。
中小河川の洪水対策は、長期にわたるものでありますし、住民の安全・安心を守るためには、必要不可欠なものであるわけでございます。今後も、住民の理解と協力を得ながら、ぜひ、護岸や調節池等の、整備を着実に進めていただきたい旨、申し上げさせていただきまして質問を終わります。
○米川委員 私からは、まず、中川における耐震対策について質問させていただきます。
今月七日、都内で震度五強が観測される地震が、東日本大震災以来約十年ぶりに発生しました。また、マグニチュード七クラスの首都直下型地震は、今後三十年以内に約七〇%の確率で起こるといわれています。
東京の東、葛飾区や江戸川区などの東部低地帯は、中川や新中川などの河川が流れ、満潮面よりも低いゼロメートル地帯が広範囲に分布していることなどから、高潮、大地震などの自然災害に対する危険性が高い地域となっています。
このため、都では、大地震による水害から東部低地帯に住む都民の命と暮らしを守るため、東日本大震災後に計画を策定し、この計画に基づき、私の地元葛飾区においても中川の耐震対策が進められています。
そこで、中川の耐震対策の進捗状況について伺います。
○齊藤河川部長 中川では、平成二十四年度に策定いたしました東部低地帯の河川施設整備計画に基づきまして耐震対策を進めており、計画延長七・六キロメートルのうち、令和二年度は約〇・九キロメートルを整備し、これにより、約八割が完成いたしました。
○米川委員 約八割が完成との答弁がありましたが、令和二年度も着実に耐震対策が進んだことが分かりました。
さて、工事の安全対策は当然のことですが、中川における工事のように船舶を用いた工事では、船舶の航行などにも特段の安全対策が必要と考えております。また、令和元年度には、中川の工事において地盤改良機が環七の青砥橋に転倒するという重大な事故が発生しました。中川の耐震工事はいよいよ終盤を迎えていますが、安全に十分配慮し、事故なく進めていただきたいと考えております。
そこで、中川における工事の安全対策について伺います。
○齊藤河川部長 中川の七曲がり区間におきましては、河川が湾曲しているために土砂が堆積しやすく、見通しの悪い航路を多くの船舶が航行する中で、台船作業による複数の工事を実施しております。このため、しゅんせつにより航路を確保いたしますとともに、工事事業者などで構成する中川安全協議会におきまして、タンカーの通航や工事の予定などを情報共有しております。
また、一昨年の事故を踏まえ、受注者に対して、重機などの機械点検の徹底に加えまして、監視体制の強化を指示いたしますとともに、安全パトロール等におきまして、その実施状況を確認しております。
○米川委員 令和二年から行われています中川護岸耐震補強工事(その二百五)も、この青砥橋に近接した場所での工事となっています。引き続き、安全に耐震工事を進めていただくようお願いします。
さて、中川の工事現場には、工事内容を説明する看板が堤防通路などに設置されております。私は、令和二年三月の環境・建設委員会で、この工事看板などを活用して、誰もが分かりやすく防災に関する情報を入手できるようにすることを提案させていただきました。また、防災情報以外に、この中川での工事の意義や内容などについても、地域の皆さんにもっと知っていただくことが必要と考えています。
そこで、中川における防災情報に加え、耐震事業の意義や内容について、地域住民の理解を深める取組について伺います。
○齊藤河川部長 住民の迅速な避難行動につながる防災情報に加えまして、事業の目的や整備効果等について、積極的に地元の方々へ情報提供していくことは重要でございます。
都は、これまで工事広報板等により、詳細な施工順序や完成後のイメージを掲示するなど、工事内容を分かりやすく説明するよう工夫してまいりました。
これに加えまして、令和二年度からは、誰もが容易に防災情報を入手できるよう、東京都水防災総合情報システムのページ等へアクセスするためのQRコードを工事広報板に掲載しております。
さらに、デジタルサイネージ等を活用し、中川における過去の災害履歴の紹介や工事内容につきまして、アニメーションを用いて分かりやすく説明するなど、取組の充実を図っております。
○米川委員 工事現場で、防災情報や工事を紹介する様々な取組がなされていることがよく分かりました。中川での工事は、地域住民の命を守るとても重要な工事です。この工事の意義について、地域の皆さんにさらに知っていただけるよう工夫し続けていただくよう求めます。
次に、新中川高水敷整備の進捗状況について質問します。
高砂橋の南側で、この中川と分かれて流れる新中川は、私自身、子供の頃から現在に至るまで、身近で貴重な水辺空間となっていますが、都は、この新中川で高水敷整備を進めています。
この整備が進むことにより、水辺環境が年々向上しており、特に朝夕の散歩やジョギングなど、年齢や性別にかかわらず多くの方がこの新中川の水辺空間を利用しています。
そこで、新中川の高水敷整備の進捗状況について伺います。
○齊藤河川部長 新中川は、昭和六十二年度から、堤防強化に併せまして、芝張りや転落防止柵などの高水敷整備を行い、親水性の向上を図ってまいりました。
令和二年度は、新中川における最上流部の高水敷整備区間である葛飾区の細田橋上流左岸約六百メートルの工事に着手いたしました。この工事は、今年度末に完成予定でございます。
○米川委員 ぜひ今後とも、親水性を高め、水辺環境を生かせるよう、着実に整備を進めていただくことを求めます。
次に、道路管理について質問いたします。
道路管理者は、道路を安全に安心して利用できるよう、適切に維持管理を行うことが重要です。都道については、都民や道路利用者から様々な要望や相談が寄せられているのではないでしょうか。
また、身近な生活道路を管理する区市道に寄せられる要望や相談も多様化していると考えます。時代の変化とともに、道路管理を取り巻く環境や、都民のニーズも変化しているため、都民と協働できるような道路管理を実施していく必要があると感じています。
このような状況の中、平成三十年度に大学研究者による事業提案制度で、インフラ運営の透明化に向けたICT、AIを活用した市民協働システムの事業が提案されました。我が会派は、道路利用者と道路管理者が協働して、また、基礎自治体と連携した道路管理につながるよい取組であるとして、令和元年の事務事業質疑において取り上げさせていただいております。
そこで、都民と協働したシステムとして令和元年度から試行が開始されていますが、これまでの取組状況について伺います。
○村上道路保全担当部長 提案された市民協働システムは、都民がスマートフォンから道路の損傷や不具合などを投稿し、道路管理者による補修等の進捗状況を確認できる仕組みでございます。
令和二年二月に、葛飾区及び品川区内の都道で、また、葛飾区の区道において試行を開始いたしました。令和二年度は、都道では対象エリアを十七区市に拡大するとともに、七区市道で試行を行いました。
○米川委員 この二年間試行してきましたが、このシステムの利用状況についても伺います。
○村上道路保全担当部長 対象エリアの拡大に伴い、アプリの利用者も増加し、令和二年度末で約四百人であります。本システムは、スマートフォンで容易に投稿が可能であることから、休日、夜間の投稿も多くいただくなど、通報機会の拡大につながっております。
○米川委員 試行期間の利用状況を聞きますと、効果的な取組だということがよく分かりました。
そこで、この仕組みをできるだけ多くの都民に利用してもらうことが重要と考えますが、これまでの周知の取組状況について伺います。
○村上道路保全担当部長 多くの都民に利用していただくよう、「広報東京都」への掲載に加えまして、リーフレットやポスターを作成し、都庁周辺のデジタルサイネージにも掲示しました。
また、ツイッター等の各種SNS、ユーチューブ等の広報動画、ウェブニュースの活用など、デジタルメディアを通じ、幅広く広報を実施しました。
引き続き、効果的な広報により、利用者の増加を図ってまいります。
○米川委員 広く都民の方に利用してもらうためには、今説明していただきましたが、効果的な広報活動が必要であり、また、生活道路を管理する区市町村とも連携した取組が重要と考えます。
引き続き、貴重な都民の意見を十分に生かし、都民と協働した道路管理に取り組んでいただくよう求めます。
次に、都立水元公園について質問します。
私の地元葛飾区にあります都立水元公園は、江戸時代に掘られた湧水地である小合溜に沿って造られた公園で、水路が園内を走る都内で唯一の水郷の景観を持った公園ですが、この水元公園の魅力を高め、誰もが安全・安心に利用する視点で質問を行います。
まず、都立公園には、それぞれの公園ごとに、その特性や特色に基づいて魅力を高めるため、管理者とともにボランティア団体が活動されていますが、令和二年度、水元公園ではどのようなボランティア団体が活動し、どのような取組が行われているのかを伺います。
○植村公園緑地部長 都立公園では、様々なボランティア団体が清掃活動をはじめ、花壇づくりなどの活動を行っております。
令和二年度、水元公園では、環境ボランティアによる外来種の駆除や池の清掃、森林ボランティアによる樹木の剪定、野鳥ボランティアによる自然観察会、ドッグランボランティアによる犬のしつけ教室などの取組が行われました。
○米川委員 環境や野鳥などのボランティア団体の取組は、多くの緑や水辺がある水元公園ならではのものと考えております。都立公園であるため、様々な守るべき項目や制約はあると思いますが、水元公園の魅力を高めていっていただきたいと思います。
次に、ボランティア団体として今説明がありましたが、水元公園にありますドッグランについて伺いたいと思います。
現在、都立公園には十二のドッグランがありますが、水元公園のドッグランは、敷地面積三千五百平方メートルと、代々木公園に次いで二番目に広い施設となっております。しかし、本年二月、水元公園のドッグランに行った際、地面にコンクリートが砕かれた、いわゆる穀が多く見受けられました。
こうした穀の対応を含めまして、ドッグランの管理におけます指定管理者とボランティア団体の役割分担について伺います。
○植村公園緑地部長 ドッグランの管理におきましては、利用者登録や利用ルールの説明、施設の維持補修などを指定管理者が行い、利用者へのマナー向上の働きかけや、日常的な清掃をボランティアが行っております。
水元公園におきましては、安全な利用のため、ボランティアが主体となって定期的に石などの支障物の除去を行っております。
○米川委員 この水元公園のドッグランは、台地状にこんもりと土が盛られた上に設置してありますが、利用者の方にお話を伺いますと、日常的な清掃などを実施しても、表面の砂が飛んで、土の下からまた穀が出土するとのことでした。この穀によって、大型犬の場合、肉球を傷めることもあるとの話も伺い、日常的な清掃などの管理では限界もあり、安全な利用に支障を来しているのではと考えております。
そこで最後に、安全・安心に利用するため、施設の抜本的な対策の検討を求めまして、質問を終わります。
○玉川委員 橋梁の予防保全型管理について質問いたします。
まず、道路は、都民生活や都市活動を支えるとともに、災害時には救助救援活動や緊急物資輸送など、生命と財産を守る極めて重要なインフラであります。そして、その道路に対して障害となる河川や鉄道、他の道路などの上をまたいで横断するために建設される構造物が、橋、橋梁であります。
東京都が管理する橋梁の多くは、高度経済成長期に建設されており、橋の高齢化が進んでいます。高齢化するインフラの増加に対応するためには、今後も適切な維持管理を継続的に実施し、重要なインフラを将来にわたって良好な状態に保つことが必要であります。
こうしたことから、建設局においても、予防保全型管理を一層推進するため、本年三月に橋梁予防保全計画を策定したと認識しております。
そこで、改めて、東京都における橋梁の管理方法について伺います。
○村上道路保全担当部長 都では、約千二百橋の道路橋を管理しておりまして、これらの多くは一斉に更新時期を迎えます。このため、更新時期の平準化と総事業費の縮減を目的として、平成二十年度に橋梁の管理に関する中長期計画を策定し、予防保全型管理を進めてきました。具体的な取組としましては、著名橋や幹線道路の橋梁など約二百橋を対象に、長寿命化事業を実施してきました。
計画策定後十年が経過したことから、より一層、予防保全型管理を推進するため、昨年度、橋梁予防保全計画を策定しました。この中で、長寿命化事業の対象以外の橋梁につきましても、定期点検に基づく補修事業の対象として新たに位置づけました。
○玉川委員 都が管理する約千二百橋のうち、約二百橋を対象に長寿命化事業を進められ、さらに、対象以外だった橋梁も定期点検に基づく補修事業の対象としてきたという、都における橋梁の管理の取組について理解いたしました。
都が管理する多くの橋梁を良好な状態で後世に引き継いでいくためにも、予防保全型管理を着実に進めていくことが重要であります。とりわけ幹線道路などに架かる橋梁の長寿命化事業は重要と考えます。
そこで伺いますが、長寿命化事業の具体的な取組と、令和二年度における実績について伺います。
○村上道路保全担当部長 長寿命化事業は、将来の劣化状況を予測した上で、新たな工法や材料を活用することなどにより適切な対策を実施することで、対策後百年以上の耐久性や安全性などを確保するものでございます。
平成二十一年度から令和二年度末までに百二十一橋に着手し、四十八橋で対策を完了しました。このうち、令和二年度は二十四橋に着手し、三橋で対策を完了しております。
工事に当たっては、鉄道に架かる橋は施工時間が深夜の三時間程度、河川に架かる橋は施工期間が渇水期となるなど、時間や期間の制約がございますため、関係機関等と調整の上、対策内容や施工方法を工夫して取り組んでおります。
○玉川委員 都の橋梁の長寿命化事業は、とても時間がかかる印象でありましたが、限られた施工時間や施工期間など制約がある中で工事を行われ、様々工夫をしながら、耐久性、安全性確保のために着実に実施されているということが分かりました。
私の地元である大田区には、環状七号線、環状八号線など、大変に重要な幹線道路があり、運河を渡る橋や首都高、鉄道をまたぐ橋など多くの橋が存在しています。
そこで伺いますが、都が管理する大田区内に架かる橋梁の長寿命化事業の進捗状況についてお聞かせください。
○村上道路保全担当部長 大田区内に架かる橋梁のうち、これまでに十二橋で長寿命化事業を進めております。このうち、四橋について対策を完了しており、令和二年度では、環八通りと第二京浜が交差する矢口陸橋、環八通りと中原街道が交差する田園調布陸橋が完了しました。
令和二年度には、新たに環七通りが京浜運河を渡る大和大橋、環七通りの先でJR線と交差する大井南陸橋に着手し、現在、八橋について事業を進めております。
○玉川委員 ありがとうございます。大田区内、対象の十二橋の長寿命化事業の実施状況について理解いたしました。
環七通り、環八通りなど、地元はもとより、国の物流を支える大変重要な都道にも多くの橋が存在していることから、今後とも予防保全型管理を着実に推進して、都市インフラの安全性確保に努めていただくことを要望いたしまして、質問を終了いたします。
○清水委員 それでは、地域幹線道路上館日野線、日野市南平の問題についてお伺いします。
現在、拡幅工事が行われております北野街道の南平駅から高幡橋までの区間というのは、日野市の地域公共交通、ミニバスの路線が走っています。当初、この区間はバス停はなくて、回送になるバスだけが走っている状態でした。地域の住民から、せっかく走っているのだから乗車をさせてほしいという要望が寄せられ、日野市もバス停の設置に動き始めたところなんです。
今回の事業区間の西側の地域は、拡幅工事が完了しているので、新しいバス停が設置されました。しかし、事業区間内については、まだ設置がされていません。近隣の住民からは、この区間には新しくクリニックが入った施設もできているので、早期にバス停を設置してほしいとの要望が出されています。
最初に、地域幹線道路上館日野線、日野市南平区間の事業の進捗についてお伺いします。
○花井道路建設部長 上館日野線の日野市南平区間のうち、平橋から高幡橋南交差点までの約二百六十メートル区間では、平成二十九年度に道路改修及び電線共同溝工事を実施いたしました。
また、電線共同溝本体工事に引き続き、企業者による引込み連系管工事等を実施いたしました。
さらに、南平四丁目交差点付近から平橋までの区間では、令和二年度に南平三丁目地内の用地を取得しました。
○清水委員 京王線の南平駅から高幡不動駅までの区間の大部分は、ミニバス以外に交通手段がありません。バスがない地域は交通空白地域で、ずっとバス停設置の要望が日野市にも寄せられておりました。クリニックができたこともあって、早期にバス停を設置してほしいという要望が強まっています。
事業中であっても設置していただきたいというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
○花井道路建設部長 バス事業者から、バス停留所の標識等の工事占用申請がある場合には、基準等に照らし合わせまして適切に対応しております。
なお、これに伴う必要な工事は、バス事業者が実施しております。
○清水委員 一つ確認をさせていただきたいんですけれども、今、占用の基準に照らし合わせて合致をすれば設置は可能というふうな答弁がありました。それは、事業、工事が行われている期間中であっても、また、地下の埋設工事、移設工事が終わっていない、そういう段階でも、占用の基準を満たしていれば設置ができる、そういうことでよろしいでしょうか。
○花井道路建設部長 例えば、工事期間中ですと、その工事区間は除外する場合もございますので、個別具体に申請を受けた段階で、どういう対応ができるかというのをお互いに検討していくことになろうかと思います。
いずれにいたしましても、基準に照らし合わせまして適切に対応してまいります。
○清水委員 ありがとうございました。工事期間中だから一律に駄目ということではなくて、工事の進捗状況によって、安全性が確保されてということであれば設置ができるというふうなことが確認できましたので、ありがとうございました。これで結構です。
○関口委員 よろしくお願いいたします。
激甚化、頻発化する豪雨災害への対策として、調節池機能は極めて重要でございます。おととしの台風十九号の際には、私の地元杉並区では、河川の氾濫で多くの方々が、不安を募りました。
そういった中で、現在、都内においても、現在の調節池の整備状況と、おととしの台風十九号時に発揮された整備効果について、まず伺いたいと思います。
○齊藤河川部長 都は、激甚化、頻発化する豪雨から都民の命と暮らしを守るため、護岸の整備と併せまして調節池の整備を進めており、現在、二十八の調節池を供用し、七か所で整備中でございます。
令和元年東日本台風では、過去最多となる二十一の施設で洪水を取水し、神田川・環状七号線地下調節池や白子川地下調節池では、容量の九割程度を貯留いたしました。
その結果、例えば、環七地下調節池では、その下流の中野区内におきまして、推定で最大約一・五メートル水位を低下させるなど、溢水の未然防止に大きな効果を発揮いたしました。
○斉藤委員長 関口委員、発言してください。委員長を指名してください。
○関口委員 杉並区は、都の調節池等の対策強化流域にあり、現在、先ほどご答弁もいただきましたが、七つの調節池の工事が東京都で進んでおりますけれども、そのうち二つは杉並区内にございます。
現在、整備を進めている下高井戸調節池と和田堀公園の調節池の令和二年度の整備状況について伺いたいと思います。
○齊藤河川部長 神田川の下高井戸調節池は、深さが約十メートルになりますことから、地中連続壁による山留めを設置した上で、掘削を実施いたしました。
また、善福寺川の和田堀公園調節池は、調節池本体の掘削を進めるとともに、洪水を取り込む越流堤の構築に着手いたしました。
引き続き、令和三年度末の取水開始に向け、着実に整備を推進いたします。
○斉藤委員長 関口委員、声を出してください。
○関口委員 下高井戸調節池と和田堀公園調節池の整備は重要であると考えます。特に、地元の皆さんからも、そうした安堵の声を伺うところであります。
特にこの周辺地域には、どのような効果を得られるか、期待されるか、ご答弁をいただければと思います。
○齊藤河川部長 二つの調節池は、東京都豪雨対策基本方針における対策強化流域であります神田川流域において、新たな目標整備水準である時間最大七十五ミリ降雨への対応に向けて整備するものでありまして、激甚化、頻発化する豪雨による水害軽減の効果を発揮するものでございます。
○関口委員 先ほどご答弁をいただきましたが、おととしの台風十九号では、神田川・環状七号線地下調節池、容量の九割を貯留したということでご答弁をいただきました。中野や杉並の周辺住民の中では、やはりこの地下調節池、環七の地下調節池は、最後の頼みの綱という思いが非常に多くございます。
環状七号線の地下広域調節池工事、これが今整備をされておりますけれども、令和二年度の整備状況と今後の進め方について伺いたいと思います。
○齊藤河川部長 本工事は、現在供用中の神田川・環状七号線地下調節池をシールドトンネルにより北側に延伸するものでございます。
シールドマシンの発進に当たりましては、既存の鉄筋コンクリート製の立て坑を直接切削する、これまでに事例がない工法を採用しており、途中段階で点検を行いながら慎重に進める必要がございました。
そこで、令和二年三月の切削開始後にシールドマシンを止めて点検を行いましたところ、ビットと呼ばれるコンクリートや鉄筋、土砂を掘削するための刃の損傷が確認されました。これを受けまして、損傷原因について調査を行いますとともに、有識者の助言を踏まえた対応策により切削を行ったところ、ビットの一部の欠損が確認されました。
現在、こうした経緯を踏まえまして、五・四キロメートル全線のトンネル掘削の確実性と安全性を十分に考慮いたしまして、発進に向けた準備を進めております。今後とも、施工管理に万全を期し、工事を進めてまいります。
○関口委員 私は、環状七号線の地下広域調節池については極めて重要であると思っておりますし、早期の実現を望むものでありますが、今、ご答弁もいただきましたが、こういったいろいろな懸念事項もあるということで、ぜひ地元の皆さんへの説明ですとか、あるいは合意、あるいは安全性、これを一番に、第一に考えていただきながら、しっかり着実な取組を進めていただきたい、そう思っております。
特に、この調節池機能につきましては、未来の東京戦略におきまして、水害から命と暮らしを守るハード整備等の推進として、調節池等の整備を進めていくといたしております。現在、二百五十六万立方平方メートルでありますが、二〇二五年では、これに加えて約百十万立方平方メートルを新規稼働とし、二〇三〇年では、それらに加えて約百五十万立方平方メートルを事業化するとのことであります。
現在の数から約二倍の総貯留量を確保するということで、この計画には賛同いたしますが、しかし、計画倒れにならないよう、都として着実な取組を要望いたしたいと思います。
続きまして、西武鉄道新宿線連続立体交差事業について伺ってまいります。
井荻駅から西武柳沢駅間におきまして、来週十月二十六日の都市計画審議会において審議される予定でありまして、事業化に向けた手続が進んでおります。その区間の東側、野方駅から井荻駅間についても、早期に踏切の解消が必要であると感じておりますし、私も、この地元杉並でありますので、多くの皆さんから踏切の解消というお話を伺っております。
そこで、野方駅から井荻駅間の事業化に向けた東京都の取組状況について伺いたいと思います。
○花井道路建設部長 西武新宿線の野方駅から井荻駅間には、開かずの踏切が十三か所あるほか、補助第一三三号線など、都市計画道路が三か所で交差することになり、鉄道立体化による踏切解消が必要でございます。
このため、本区間につきましては、国から連続立体交差事業の着工準備採択を受け、構造形式や施工方法の検討を進めているところでございます。
○関口委員 今、ご答弁もいただきましたが、開かずの踏切が十三か所ということで、極めてこの地域の大きな課題であると思っております。
連続立体交差事業については、地元の区、中野、今私が申し上げた中野や杉並でありますけれども、そうした区におけるまちづくりの取組、こうしたものが極めて重要だと考えております。
そこで、野方駅から井荻駅間の事業化に向けた地元の区のまちづくりの取組状況について伺いたいと思います。
○花井道路建設部長 本事業の効果を高めるためには、地元区におけるまちづくりの取組が重要でございます。
中野区におきましては、野方駅周辺のまちづくり整備方針策定に向け、本年七月に素案の意見交換会を開催いたしました。杉並区におきましては、平成二十八年に西武新宿線沿線各駅周辺地区まちづくり方針を策定しており、今後、まちづくりの具体化に向けた検討をさらに進める予定と聞いております。
○関口委員 先ほど申し上げましたが、やはり地元からは、連続立体交差事業の早期の実現の声というものが非常に多く上がっております。踏切の解消についても、極めて地域を分断してしまう部分がございます。早期の取組を要望といたしまして、私の質疑を終わりといたします。
○関野委員 それでは、私の方から、令和二年各会計決算に対する建設局に関する質疑を行わせていただきます。
まず初めに、用地取得についてお伺いをいたします。
道路の拡張や河川の改修、公園の整備など、公共事業を進めるには、都民の協力を得ながら用地取得を行っていくことが重要であると考えております。
建設局では、数多くの事業を実施している状況ですが、まずは、令和二年度、各建設事務所及び各公園緑地事務所における用地取得の実績についてお伺いをいたします。
○山本用地部長 令和二年度の各建設事務所及び各公園事務所における用地取得の実績は、約七百六十七億円、取得面積は約十六万平方メートルであります。これは東京ドーム約三・四個分に当たるものでございます。
○関野委員 ありがとうございます。毎年多くの用地を取得しているというようなことですが、私の地元の新青梅街道などは、用地取得の進みは正直遅いように感じております。
これは、多くの事業を行っているのに対して、用地に携わる職員が少ないのかなというようなことも考えられますが、そこで、令和二年度、各建設事務所及び各公園緑地事務所の用地職員の数についてお伺いをいたします。
○山本用地部長 令和二年度の各建設事務所及び公園緑地事務所の用地定数については、管理職も含めて三百十七名でございます。
○関野委員 用地取得を進めるには、用地担当の職員を増員することが一番というふうにも考えておりますが、それが難しいのであれば、様々な工夫を凝らしていくことでカバーするということが必要であるとも考えております。
そこで、用地取得を進捗させるため、どのような取組を行っているのか、この点についてお伺いをいたします。
○山本用地部長 事業効果の早期発現に向け、工事工程を見据えたロードマップを作成することで、課題解決に向けた方策を明確にし、早期完了を目指して進行管理を強化しております。
また、時間を要する補償算定業務等については、委託の積極的な活用により業務の効率化を進め、用地取得のスピードアップを図っております。
さらに、解決が困難な案件については、本庁の専門チームがバックアップすることで、用地取得の集中的、効率的な取組を強化してございます。
○関野委員 工夫しながら用地取得を進めているということが分かりましたが、用地取得には時間がかかる状況の中、都の職員には、定期的な人事異動等がありますが、折衝の途中でも担当者が交代するというときがあります。
場合によっては、初めて用地を担当する職員が後任になるというようなこともあると思いますが、そこで、担当者が交代しても権利者と折衝が円滑に進むように、用地取得に携わる職員の育成をどのように行って用地取得を進めていくのか、この点についてお伺いをいたします。
○山本用地部長 初めて用地を担当する職員に対しましては、年度当初から、用地事務の基礎研修を実施しているほか、各事務所で、用地専門課長を中心に実践的なOJTを実施しております。
また、ベテラン職員が折衝に同行してノウハウを教えるなど、職員の人材育成にも努めてございます。
引き続き、用地業務を支える人材育成に努め、権利者お一人お一人にきめ細やかな対応を行いながら、用地取得を積極的に進めてまいります。
○関野委員 ありがとうございます。多くの用地取得を行っている中で、比較的すんなりいく権利者もいれば、なかなか契約に至らない権利者もおります。そのような多くの権利者の交渉記録、こういったものをデータ整理を行うことで、各交渉時の問題点や改善点、こういったものが学べると思っております。
新人職員の育成時もそうですが、全ての職員が従前の交渉状況を知ることで、今までとは違う視点での解決方法など発想が豊かになり、権利者との交渉に役立つとも考えております。
今後とも、職員の育成をしっかりと行い、各権利者には、丁寧で分かりやすい説明を行ってもらいたい。そして、着実に用地取得を進めていただきたいということを要望して、この質問は終わらせていただきます。
次に、道路または歩道について、建設局の令和二年度決算概要によると、道路の新設、拡幅については、様々な路線で整備が進められている状況ですが、完成時にはバリアフリーに配慮した歩道も併せて整備されておりますが、私の地域では、一部の区間で植樹帯があり、歩道の有効幅員が二メートルが確保されていないため、車椅子同士の擦れ違いが困難な箇所があります。限られた道路空間の中で、高齢者、障害者など、歩行者が誰でもが自由に移動できる歩行空間を確保することは重要と考えます。
そこで、都道整備における植樹帯の設置の考え方、この点についてお伺いをいたします。
○花井道路建設部長 植樹帯は、道路交通の安全性、快適性を高め、沿道における良好な生活環境を確保し、また、空間機能としての都市部の良好な公共空間の形成に資するものでございます。
このため、自転車や歩行者の交通量も多く、また、景観上の配慮が必要と考えられる都道のうち、地形の状況、その他の特別な理由によりやむを得ない場合を除き、植樹帯を設けることとしております。
○関野委員 植樹帯には、良好な公共空間を形成する役割を有しているという認識をしておりますが、車椅子同士が安心して擦れ違えるよう、可能な限り、歩道の方の有効幅員、この部分を確保すべきというふうにも考えております。
そこで、今後、都道整備における歩道幅員の方の確保についての考え方、この点についてお伺いをいたします。
○花井道路建設部長 都道を新設し、または改築する場合におきましては、都道における道路構造の技術的基準に関する条例で、歩道の幅員は、歩行者の交通量が多い道路にあっては三・五メートル以上、その他の道路にあっては二メートル以上を標準とすると定めております。
また、東京都福祉のまちづくり条例施行規則では、歩道の有効幅員は原則として二メートル以上とし、歩行者が安心して通行できる歩行者空間を連続して確保することとされております。このため、都道の整備に当たりましては、沿道の利用状況や道路の交通量等により確保することが困難な場合を除き、歩道の有効幅員を二メートル以上確保してまいります。
○関野委員 ありがとうございます。既存道路にも、有効幅員が二メートルない場所が数多く存在しているというようなこともお話もさせていただきました。また、こうした場所の改善も順次していかなければならないのかなというふうにも考えております。
先ほど、植樹帯に関する質疑も行わせていただきましたが、植樹帯が設置された後に撤去または削除をする場合は、やはり地域によっては反対の声が出るというような状況もあるというふうには聞いておりますので、地域の方々とも話合いを行い、地域の合意形成が図れる場所については、一部の植樹帯を減らしてでも有効幅員の確保が必要な場所があるということをお伝えしておきます。
また、沿線の状況も踏まえ、有効幅員を確保するための小規模拡幅を実施することができる、そういった状況もあるとも考えます。いずれにしても、あらゆる機会を通じて、道路新設時、既存道路、また改善、双方において、有効幅員の確保を積極的に推進し、道路のバリアフリー化、ひいては共生社会の実現を目指していただきたいというふうに要望して、この点の質問を終わらせていただきます。
次に、建設業の働き方改革について質疑をさせていただきます。
建設業は、大きく分けて、土木工事、建築工事があります。この工事において、各作業として、大工、とび、塗工、電気工、鉄筋工などなど多くの職種があります。そのほとんどが日給月給であり、月曜から土曜まで仕事をしている状況にあります。
また、建築などは囲いで覆われた現場が多く、現場に行けば材料などが置いてあることから、体と道具だけで現場に向かえば仕事はできますが、土木工事に関しては、道路上での工事の場合、現場に行く前に、まず材料をトラックに積み込み、現場に到着後、工事範囲の安全対策を行った後に、現場の仕事に入るという流れでございます。
もちろん、終了が迫ってくれば片づけの時間は作業ができず、かつ置場や会社に着いてから、撤去したものや、あしたの準備などを行う状況を考えると、実質的な作業時間は現在よりも大幅に削減され、工期の問題や、個人の給料にも影響が出ると考えております。
また、先ほど申したように日給月給ということですので、週休二日というふうになると月に四日から五日、現状よりも休まなければいけない状況もあり、建設業の働き方改革を行うことで、各種単価も上げなければ給料が減る状況となっております。
しかし、二〇二四年度から適用される時間外労働の上限規則をクリアするには、建設業における週休二日制の導入は不可欠なことからも、都の発注する全ての工事において、一層の取組を推進することが必要と考えております。
そこで、建設局発注工事における令和二年度、週休二日制度確保の取組状況についてお伺いをいたします。
○湯川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 令和二年度の発注工事におきましては、令和元年度に引き続きまして、緊急対応工事などの早期に施工すべき工事等を除きまして、原則全ての土木工事を対象に、発注段階から四週八休以上の達成を前提とした労務費などの経費補正を行いまして、週休二日制確保工事の試行を実施しているところでございます。
○関野委員 ありがとうございます。国による働き方改革関連法が成立して、建設業においても二〇二四年まで、経過措置はあるものの時間外労働の上限が適用されることとなっております。
しかし、先ほども述べたように、常設作業帯の設置が困難な道路維持工事などでは、現場での作業時間内に準備や後片づけ、資材置場との往復に時間を費やしている現場もあるとの声を聞いております。
このような状況を踏まえ、常設作業帯が設置できない路上工事において、適切な積算や工期の設定など、この取組についてお伺いをいたします。
○湯川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 ご指摘の常設作業帯が設置できない路上工事の課題につきましては、業界団体からの要望も受けておりまして、局としても重要な課題として認識しており、国の動向を注視しておったところでございます。
ちなみに、本年四月でございますけれども、国土交通省の積算基準が改定されたところでございまして、これを受けて、建設局でも十月一日に積算基準を改定し、移動時間等が作業時間に影響を及ぼす場合には別途積算するよう追記するとともに、現場ごとに事情が異なることから、設計変更ガイドラインに基づきまして適切に変更を行うよう周知を図ったところでございます。
○関野委員 ありがとうございます。作業時間の考慮、積算基準を改定ということですが、現在の状況は元請、下請、孫請などの状況になったとき、下請、孫請の従業員までの給料にしっかりと反映されているのか、この点が不安にあります。
ただ、工事請負者の下請、孫請の従業員の給料支払いの状況まで、事業者である建設局が把握することは、請負契約上、難しいという状況にもあるところではありますが、現場で働く方々に影響が出ないような対策を局には求め、この質疑を終わらせていただきます。
最後に、コロナ禍における説明会について、一問だけ質疑をさせていただきます。
都心インフラ整備は、住民の理解と協力を得て進めることが重要でございます。
都は、これまで事業の各段階において、小学校の体育館などで対面式での説明会を実施してきたと認識をしておりますが、コロナ禍においては、従来の方法での説明会の開催は困難だというふうにも考えます。
このような状況の中で、どのように住民に対して事業説明を行ってきたのか、この点についてお伺いをいたします。
○湯川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 これまで、地域住民のご理解をいただくため、事業の概要や測量等について説明会を開催いたしまして、その場で質疑応答を実施するなど、丁寧な対応を行ってきたところでございます。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴いまして、こうした説明会の開催について検討を行い、例えば、感染防止対策を徹底した上で、人数制限を行うとともに回数を増やしての説明会形式や、関係資料を事前に地域住民の方に配布し、ご意見等を郵便にて頂戴する形式など、説明会ごとに工夫を凝らして開催したところでございます。
なお、郵便等によりいただいたご意見は集約し、一方通行とならないよう、その回答をホームページに掲載するなど、地域住民の方々にお知らせをしているところでございます。
○関野委員 ありがとうございます。コロナの影響下においても工夫して、いろいろな説明会を開催している、また事業に対する住民との合意形成に向けて取り組んでいるということが分かりました。
答弁にもあったように、一方通行での情報提供にならないよう、各種情報については、引き続き、住民の立場に立った丁寧で分かりやすい説明、この点を要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。
○斉藤委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩をいたします。
午後二時三十八分休憩
午後二時五十七分開議
○斉藤委員長 休憩前に引き続き分科会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○とや委員 共産党のとや英津子です。よろしくお願いします。
まず初めに、外環自動車道の問題から伺っていきたいと思います。
昨年十月に、調布の住宅街、外環本線の直上で巨大陥没事故が発生しました。その二週間後には、陥没箇所の北側に、地表から五メートルの深さに、厚さ三メートル、長さ三十メートル、幅四メートルという大規模な空洞も発見されています。
私ども日本共産党は、事故が起きるかなり前から地上への地下水の噴出、酸欠空気の発生、振動など外環工事の問題点を指摘してまいりました。
しかし、NEXCOも国も聞く耳を持たず、工事を取りやめようともせず、情報公開にも応じてきませんでした。東京都も、こうしたことに追認の姿勢を取ってきたといわなければなりません。こうした中で起きたのが陥没事故であり、その後の空洞発見ということになったわけです。
大深度トンネル工事については、事業者も都も四十メートル以深の大深度だから、地上への影響はないと安全神話を繰り返してきましたが、それが文字どおり神話であり、住民の不安と恐怖、国や事業者、都への不信感が強まっているといわなければなりません。
住民からは、家屋と外構部の隙間がどんどん拡大している、家と地盤を破壊する気か、ベランダにも亀裂などなど、二百二十か所以上の家に損傷が起きていると訴えが届いております。怖くて眠れないという人、精神的な負担は計り知れません。
これらの被害や訴えは、事業者が補償と修復の範囲として定めている範囲をはるかに超える、東つつじケ丘二丁目、三丁目、入間町二丁目、若葉町と広く広がっています。
一方、この事故を受けて有識者委員会の出した昨年度の結論では、陥没事故で想定される原因のメカニズムは、土砂の取り込み過ぎと振動の二つが挙げられていましたが、最終的には、土砂の取り込み過ぎが原因であるとして、振動は原因として相当しないと。トンネル直上以外は緩みは起きていないとして、地盤補修の対象外という結論を出しています。
しかし、多くの人たちは、こうした結論に疑問を持ち、芝浦工業大学の稲積教授が調査をしたところ、トンネル直上地盤補修予定以外の四地点、ここで地下五メートルまでの表層部分で、地盤の強度を示すN値が低いということが判明し、地盤の内部撮影では、多数の空隙、隙間が確認をされています。
この調査の後、NEXCO東日本の社長らが、調布市長を訪問し、説明、謝罪をしていますが、東京都は、NEXCOに対して説明や住民への謝罪を求めないのでしょうか、お答えください。
○福島三環状道路整備推進部長 外環事業は、国及び高速道路会社により事業が進められております。事業者は、家屋補償など必要な補償を誠意を持って対応しつつ、工事により影響を受けた地盤の補修などを行っております。
都は、これまでも事業者からの状況報告などの機会を捉えて、住民の不安払拭に向け、丁寧な説明やきめ細やかな対応を行うよう要請してきておりまして、引き続き求めてまいります。
○とや委員 今、誠意を持って対応しつつというご答弁がありましたが、どこが誠意を持って対応しているのかといわなければならないような事例がたくさんあるということを、ぜひ認識していただきたいと思います。
結局、東京都として新たな空隙発見について、NEXCOには説明を求めないし、住民に謝罪するよう求めないということであります。
では、芝浦工業大学の稲積真哉教授の調査結果をどう受け止めているのか、お聞きします。
○福島三環状道路整備推進部長 事業者からは、専門家の独自に行った調査により、新たな空洞の可能性があるとの報道があったことは承知していると聞いております。
また、事業者からは、有識者委員会での調査などに加え、どういった調査を実施していくべきか、有識者に相談して対応を検討していくと聞いております。
○とや委員 稲積教授の調査は、動的貫入試験、ミニラムサウンディングといわれる機械で、ボーリング調査と同じ原理で、少し簡易にしたものだそうです。換算するとN値が出るといわれています。さらに、ビデオつきコーンによって、地層の内部を見ることができたそうです。
東京外環トンネル施工等検討委員会有識者委員会の調査結果に、稲積教授の調査と同様の調査は含まれているのでしょうか。
○福島三環状道路整備推進部長 事業者からは、専門家の独自に行った調査により、新たな空洞の可能性があるとの報道があったことは承知していると聞いております。
有識者委員会報告書におきましては、陥没、空洞発生の原因究明及び地盤の緩みの範囲等の推定のために必要なボーリング調査や物理探査などの地盤調査を実施したとされております。
○とや委員 今のご答弁ですと、よく分かりません。しかし、報告書を読む限り、含まれていないということが分かります。
では、有識者委員会の調査結果にある路面空洞調査、微動アレイ探査は、それぞれどのような結論となっているのでしょうか、お答えください。
○福島三環状道路整備推進部長 有識者委員会の報告書におけます路面下空洞調査の結果、シールドトンネルの施工が原因と思われる空洞は確認されなかったとされております。
また、微動アレイ探査を含めました地盤調査を実施した結果、トンネル直上部以外では、地盤の緩みや空洞の存在は確認されなかったとされております。
○とや委員 路面空洞調査でも、微動アレイでも、空洞も地盤の緩みも確認できなかったということであります。
つまり、これらの同調査、探査では、稲積教授の調査が明らかにした結果はつかめなかったということですね。お答えください。
○福島三環状道路整備推進部長 有識者委員会の報告書における路面下空洞調査の結果、シールドトンネルの施工が原因と思われる空洞は確認されなかったとされております。
また、微動アレイ探査を含めました地盤調査を実施した結果、トンネル直上部以外では、地盤の緩みや空洞の存在は確認されなかったとされております。
事業者からは、専門家の独自に行った調査により、新たな空洞の可能性があるとの報道があったことは承知していると聞いております。
陥没、空洞箇所周辺では、路面下空洞調査や微動アレイ等の地盤調査を行ってきたところであり、さらにどういった調査を実施していくべきか、有識者に相談しながら検討していくと事業者から聞いております。
○とや委員 つまり、これまでの路面空洞調査や微動アレイでは、稲積教授の行った調査による空隙や地盤の緩みは発見ができなかった。だから、有識者に相談しながら検討するということであります。これはNEXCO東日本の小畠社長が自ら調布市長に語った言葉です。有識者委員会の調査報告が極めて不十分であったことを事実上認めざるを得ないということであります。
稲積教授の調査では、四か所の調査結果の全ての表層部分のN値が低く、ゼロから二、あるいは三にとどまっています。しかも、一か所は、二十年前と五年前のデータがあったため、比較可能であったということでありました。二十年前と五年前のN値は変わらないのに、今回の調査では大きくそのN値が変化し、さらに地盤が弱くなっていることも分かりました。つまり、この間に地盤を著しく弱くする何かが、例えば振動があった可能性があるということです。
住民の皆さんからは、夜も眠れない日々を送り、地震や大雨で自分の家がどうなるのか、常に張り詰めた状態でいなければならず、苦痛の毎日だということです。国も事業者も一緒に進めてきた東京都も、事の重大性を認識していただきたいと思います。先ほど来の答弁を聞いていますと、聞いている、聞いていると、それしか答えていませんから。
周辺の約千戸の地域に、家屋損壊や低周波音の健康被害が発生しています。今も新たな異変が見つかっています。しかも二本目のトンネルを掘る掘削機が後ろに控え、この地域でさらにトンネルを掘ることは恐怖でしかないと。
広範囲に及ぶ被害の状況を確認するため、被害がある全ての地点でボーリング調査を実施するよう、住民の皆さんは求めています。少なくとも、これまでに行った全ての路面空洞調査、微動アレイ探査の箇所でボーリング調査を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。
○福島三環状道路整備推進部長 事業者からは、今後の掘進区間において、北行きシールドトンネルが通過する入間川東側を含めて、陥没、空洞箇所の掘削断面と類似する箇所について、地盤の再確認のために追加ボーリングを実施する予定であり、具体的な箇所などについて、地元自治体と調整していくと聞いております。
○斉藤委員長 とや委員、決算の範囲でお願いします。
○とや委員 昨年の陥没事故の話です。
追加ボーリングを実施するというお答えでした。今のご答弁は、今後の掘進区間において北行きシールドトンネルが通過する入間川東側というご答弁でありました。この答弁は非常に重大です。これは、住民の命より工事を優先する、今後シールドを掘進させるためといっているようなものではありませんか。
住民は被害状況を正確につかんでほしい、損害賠償の対象にするということを含めて、今後このようなことがないよう、ボーリング調査をしてほしいと求めているのです。今後シールドを再掘進させるための調査なんて求めていないんですよ。とんでもない答弁です。
二月に発表された有識者委員会の調査書では、路面空洞調査と微動アレイの探査は、北は大泉ジャンクション付近から東名高速まで広範囲にわたっています。全ての箇所でボーリング調査を行うべきであります。
稲積先生の調査によって、有識者委員会の調査と報告が不十分だということが明らかになっています。NEXCO東日本の社長がそれを認めているわけです。
調査と報告を全面的にやり直すよう、都として、事業者に求めるべきです。とりわけ、地盤補修範囲、補償対象地域を全面的に見直すべきではないでしょうか、お答えください。
○福島三環状道路整備推進部長 これまでの地盤調査から、地盤補修が必要となる範囲は、トンネル直上の陥没、空洞箇所周辺約二百二十メートルの範囲であるとしているが、引き続き調査を実施する中で、トンネル直上の隣接地における地盤の緩みが確認された場合には適切に対応していくと事業者から聞いております。
また、事業者が示しました補償の方針におきましては、補償対象地域が示されていますが、その範囲外についても、損害などの申出があった場合は、因果関係など確認の上、個別に対応を検討していくとしています。
○とや委員 ご答弁のように、NEXCOが地盤補修が必要と判断した約二百二十メートル、ここはトンネル本線の直上部分のみです。陥没事故現場から東に約百四、五十メートル、トンネルから二十メートル、北行きから四、五メートルの位置の住民の皆さんからのお話では、この周辺約二百五十件が被害を受けているそうです。地割れや基礎にクラックが発生している。中間検査の段階ではなかった地割れが起きていた。NEXCOに伝えると、しばらく様子を見ましょうといわれたというお話でした。
今、トンネル直上の隣接地における地盤の緩みが確認された場合には適切に対応するというご答弁がありましたが、この適切な対応には、当然ボーリング調査も含まれるはずです。そのことを都が事業者にしっかりと確約させることを求めておきます。
また、地盤の緩みが発見されれば、当然、補修と補償の範囲が広がるはずであります。この点も事業者に都として約束させることを強く求めておきます。
今回、住民の生命、健康、財産に関わる重大な問題を見逃したことで、事業者の責任はもとより、有識者委員会はその存在意義が根本から問われています。有識者委員会のメンバーを全面的に見直すべきではないでしょうか。また、事業者や有識者委員会とは別個の独立した第三者の検証体制を設けるべきだと思いますが、いかがですか。
○福島三環状道路整備推進部長 有識者委員会では、陥没や空洞形成に至る複数の要因分析、メカニズムの特定、再発防止対策などについて議論、検討が行われたと聞いております。
有識者委員会の各委員は、トンネル工学、地質・水文学、地盤工学、施工法を専門とする各分野におきまして第一線で研究や実務に当たられており、これらの方々に、公正かつ中立に、おのおのの専門的見地から検討されてきたと事業者から聞いております。
○とや委員 第一線で研究されてきた、実務に当たってきたと、専門家だというふうにおっしゃいました。どんなに専門的な知識を持っていても、住民の命や生活再建よりも工事を優先する考えが前提では意味がないのです。実際、新たな事実が発見された表層部に空隙がある可能性を見過ごしているではありませんか。
文字どおり、公正かつ中立に、専門的知見から検討できる機関として機能させる。そしてさらに第三者がチェックする。ここまでやって、ようやく住民の皆さんの理解を得るための第一歩ということになるわけです。
事ここに至っても、東京都は事の重大性を全く理解していないと思います。私たちは以前から繰り返し、事業者やトンネル施工等検討委員会から独立した第三者による検証体制を求めてきましたが、国や東京都は事業者任せ、検討委員会任せの態度を続け、チェック体制の確立を怠りました。その結果、あの重大な陥没事故を引き起こしたのではありませんか。
今こそ東京都は、事業者や有識者委員会に厳しい姿勢で臨むべきです。建設局は土木技術支援センターも持っているわけですから、自らその知見や技術を生かすという選択肢だってあると思います。ぜひ検討していただきたい、真剣に考えていただきたいと求めておきます。
ここで少し話を戻しますが、先ほど、入間川東側のボーリング調査について、北行きシールドトンネルが通過する入間川東側と、わざわざ北行きシールドトンネルが通過すると限定をつけたことについて、改めてただしておきたいと思います。
先ほどの答弁は、第九回の事業連絡調整会議で確認された追加ボーリングについて答えたものと思いますが、事業連絡調整会議では、地盤の再確認のために追加ボーリングを実施する予定とありますが、これはどういう理由、目的で実施するのでしょうか、お答えください。
○福島三環状道路整備推進部長 先ほどもご答弁させていただきましたが、今後の掘進区間において、北行きシールドトンネルが通過する入間川東側を含めて、陥没、空洞箇所の掘削断面と類似する箇所について、地盤の再確認のために追加ボーリングを実施する予定であり、具体的な場所などについては、地元自治体と調整していくと事業者から聞いております。
○とや委員 追加ボーリングの実施主体はどこでしょうか、お答えください。
○福島三環状道路整備推進部長 追加ボーリングは、東日本高速道路株式会社及び中日本高速道路株式会社が実施すると事業者から聞いております。
○とや委員 NEXCO中日本は北行きトンネルの施工業者であります。やはり住民が求めている被害状況を正確につかむためのボーリング調査ではなくて、今後シールドを再掘進させるためのボーリング調査であるということがはっきりしました。
二本目が不安だという人、今までNEXCOとやり取りした経緯で信頼できない企業だと分かったという人、必要な調査を怠り、場当たり的な対応しかできないと厳しい批判が寄せられています。それはつまり、そんな事業者を許している東京都の姿勢も厳しく問われているということであります。
同時に、外環事故は全く未解決です。それなのに、国は、シールドトンネル施工技術検討会なるものを立ち上げています。シールドトンネル施工技術検討会は、外環陥没事故の被害住民が問題にしている騒音、振動、健康被害などの影響についても検討項目に入れていますか。
○福島三環状道路整備推進部長 本年九月に設置されましたシールドトンネル施工技術検討会については、シールドトンネル工事において実際に発生した事故から得られた技術的な教訓を次に生かし、シールド工法のさらなる安全性向上や周辺地域の安全・安心の向上を図るために開催されているものと承知しております。
○とや委員 周辺地域の安全・安心の向上というのであれば、あればですよ、被害住民の騒音や振動、健康被害を絶対に生み出さないためにどうするのかというテーマをはっきりと検討項目に入れるべきなのです。東京都として、この問題についても要請することを求めておきます。
この検討会の検討結果は、リニア工事にも活用するのでしょうか、お答えください。
○福島三環状道路整備推進部長 お尋ねの件につきましては、リニア工事の事業者が判断するものと考えます。
○斉藤委員長 とや委員、決算に関することで。
○とや委員 事業者が判断するという答弁でありますが、この検討会には、公益財団鉄道総合技術研究所の部長が委員として名を連ねております。この研究所は、JRの関係機関です。リニアの事業者が入っての検討です。
品川区では、三回の工事説明会が行われて、品川駅付近から調査掘進として三百メートル掘り進めることが明らかになっています。陥没事故が起きて、シールドマシンが止まって、再開のめどすら立たないうちに、今度はリニアを動かすのかと批判の声が上がっている。それはご存じだと思います。
この技術検討会は、事実上、リニア工事推進のために開かれているのではないでしょうか。外環の検証も不十分なまま、シールドを動かせば被害が発生する可能性は否定できません。極めて無責任な対応といわざるを得ません。
都としても、都民の安全・安心を守る立場から、リニア工事はやめるよう求めるべきです。
私ども日本共産党都議団は、外環工事は何度も取り上げて、あまりにも問題の多い計画であるということから、知事に対しても、補償や修繕、情報開示など責任ある対応を事業者に求めるべきだということも含めて、対応を求めてきました。
しかし、NEXCOも最近では、私の地元、大泉のジャンクション付近のシールドマシンを、保全措置といいながら掘進を再開しました。大深度シールド工法は、住民の命と暮らしを守る上で、極めて未熟といわざるを得ません。これまでの外環推進の立場を取り続け、事業認可した東京都の責任も厳しく問われています。
改めて、事業認可を取り消し、計画の中止を求めて、この外環の質問を終わり、次の質問に移ります。
西武新宿線の立体化の問題です。昨年もこの決算委員会で取り上げさせていただきました。
西武新宿線の立体化については、今回の決算では、事業の進捗、そして用地補償などを伺って、住民の皆さんが望んでいる一日も早い踏切除去にはどうしたらいいのか、どんな工法がふさわしいのか、考えたいと思います。
まず、西武新宿線中井−野方間の進捗状況をお答えください。
○花井道路建設部長 事業の進捗状況についてでございますが、用地は、令和二年度に約三百三十平方メートルを取得したことによりまして、取得率は九割を超えております。
工事は、地下化されます新井薬師前駅及び沼袋駅を中心に進めておりまして、令和二年度は、地下構造物の構築に向けた仮設土留め工や掘削、パイプルーフ工法による鉄道分岐器の仮受け工事などを実施いたしました。
○とや委員 昨年の決算でも同様の質問をしているんですが、そこでも九割を超えているということですが、なかなか進捗、進まなくて六年延長されているという状況が続いています。
工期が延長されたことによる費用の変更はあるのでしょうか、お答えください。
○花井道路建設部長 事業費につきましては、当初は約七百二十六億円でございましたが、令和二年四月の事業認可変更の際に増額いたしまして、現在は約七百三十七億円となっております。この約十一億円の差額は、事業期間の延長によるものではございませんで、地価上昇により、用地費が増額したことによるものでございます。
○とや委員 地価の上昇によって約十一億円増額しているということではありますが、工期が長くなれば、それだけ経費が膨らんだり、波ができるというリスクがあるということです。
私、今気になるのは、移転を余儀なくされている残された人たちの生活再建です。地権者の扱い、移転補償についてお聞きしたいと思うんですが、補償や立ち退きの交渉は、誰がやっているのか、どのような役割分担なのか、お聞きします。
○花井道路建設部長 本事業は、東京都と鉄道事業者とで協定を締結して実施しておりまして、協定に基づきまして、用地取得に関わる交渉は鉄道事業者が行っております。
○とや委員 用地補償の交渉は、事業者である西武鉄道ということですが、用地の費用は、誰が負担するのか。その考え方、根拠についてお答えください。
○花井道路建設部長 連続立体交差事業は、国土交通省が定める都市における道路と鉄道との連続立体交差化に関する要綱に基づき実施しております。
現在事業中の西武新宿線中井駅から野方駅間につきましては、要綱第二条(5)におけます鉄道線路の増設を同時に行う線増連続立体交差化に該当いたします。
要綱第七条の(2)によりますと、線増連続立体交差化の場合、用地費につきましては、全額を鉄道事業者が負担することとなっております。
○とや委員 この中井−野方間の事業は、もともとありました地下を通る急行線の都市計画と併せて地上の線路を地下化するという事業であるため、線増の連続立体交差事業ということであります。
この場合、用地費は西武鉄道が全額負担するということですが、その交渉がここへ来て難航しているというふうに聞いています。特に、そこで暮らす人たちの土地を、事業者の都合で結果的に線引きしなきゃならないわけです。ここからは鉄道用地だから買うけれども、残った土地は自分で何とかしてくれということが起きています。用地として買う部分が小さければ、残った土地で、そこに住んでいる人は生活再建ができるわけですけれども、それができなければ移転することになると。だけど、残った土地は、結局はずっと持ち続けなければならないということになってしまうわけですね。
そこで、お聞きするんですけれども、この残地の扱いについてお聞きします。
○花井道路建設部長 事業用地の取得に伴い生じる残地につきましては、土地価格の低下や利用価値の減少等の損失が生じるときは、これらの損失を補償することを原則としております。
一方、残地が狭小となり、従来のような土地利用ができず、生活再建が困難となる場合には、一定要件の下、残地を取得しております。
○斉藤委員長 委員長を指名してください。
○とや委員 一定の要件の下で取得をするということです。その要件に合わなければ取得しないということになるわけですが、住民にとって長年住んできた地域を離れるのは、苦渋の決断となります。そこに加えて、さらに新たな負担を負わせるようなことはすべきではありません。
中井−野方間の立ち退き件数は、五、六十棟と昨年お聞きしているわけですが、地下化で進めるということは大歓迎なわけですが、一定の用地取得を伴うことによって、事業は当初の予定どおりには進まないということがこうした事例から見てもはっきりしています。
都として、鉄道事業者任せにしないで、地権者には誠意を持って対応することを求めておきます。
中井−野方間に続いて計画されているのが、井荻−西武柳沢の計画です。ここでも計画に当たり、協定を鉄道事業者と結んでいると聞いていますが、改めて内容についてお答えいただけますか。
○花井道路建設部長 西武鉄道と締結している協定では、調査の範囲や施行、工程、費用及び負担等について定めております。
また、協定には、西武鉄道は、都の要請に応じて進捗状況の報告を行うこと及び都は、西武鉄道の進捗状況を確認するとともに必要な指示をすることができることを規定しております。
○とや委員 この区間においては、工法についての検討を鉄道事業者任せにして、高架ありきで進めたことについて意見も述べてまいりました。比較検討の資料を見て、どう考えても地下が有利になるにもかかわらず、無理やり高架を導き出すような検討資料でありました。そのことが住民の反発も招いて、説明会などでは地下化の検討を求める声も多く上がってきたのです。
協定には、都の要請に応じて進捗状況の報告を行うとか、東京都がそれを確認するとか、必要な指示ができるということをいっているわけですけれども、住民は納得はいっていないというのが現実であります。
さらに、高架化によって、立ち退きに今後の生活に不安を感じる人たちも多くいらっしゃいます。この間、寄せられてきた高架化による事業によって被害を受ける、影響を受ける人たちをはじめとした反対する住民の声をどのように受け止めているのか、お答えください。
○花井道路建設部長 本区間の構造形式につきましては、地形的条件、計画的条件、事業的条件、これらの三つの条件を総合的に判断し、高架方式を選定しております。
地域の方々に対しましては、平成三十一年二月に都市計画素案説明会を開催いたしまして、伺ったご意見等を踏まえまして、都市計画案を取りまとめ、令和二年十月に都市計画案及び環境影響評価書案の説明会を開催したところでございます。
今後、今月末に開催されます都市計画審議会への付議を予定しておりまして、議決された場合、年内の都市計画決定が見込まれております。都市計画決定後には、用地測量等説明会、都市計画事業認可取得後には、用地補償説明会や工事説明会の開催を予定しております。
本事業について様々なご意見があることは承知しておりますが、引き続き、電話や窓口等においても個別のご相談に対応するなど、関係権利者、地域の方々に対して丁寧な説明に努めてまいります。
○とや委員 最後に行われた説明会はたしか昨年十月だったと思うんですけど、そこでも住民の方々は本当に自分の生活がどうなっていくのかとかということを含めて、再検討を求めているんですよね。そこは本当にしっかりと受け止めていただきたいと思います。
先ほど三条件の評価というふうにいっていましたけれども、この条件の評価の仕方がやっぱりおかしいんじゃないかということです。さらに評価の項目自体もどうなのかという意見を上げてきているんだということを認識していただきたいと求めておきます。
井荻−西武柳沢間の事業には、上石神井駅に西武鉄道の車庫がございます。東側の住民の立ち退きによる車庫の延伸も含まれているという計画になっています。この車庫の問題では、西武鉄道によって線路が一般住宅にまで延伸するために立ち退きを迫られている人も出ています。そして、空いた土地に事業者による商業施設の計画もあるんじゃないかという疑問の声も出てきているわけです。立ち退かせてまでやるのかという声であります。
そこで、確認しておきたいんですけれども、この車庫の買収について、費用の考え方を伺っておきます。
○花井道路建設部長 本事業は、要綱第二条(4)の鉄道線路の増設を同時に行わない単純連続立体交差化に該当し、車両基地の移転に関する費用は、要綱第六条第二項(2)の貨物設備等の移転費に該当いたします。本事業におけます貨物設備等の移転費は、要綱第七条第二項によりまして、鉄道施設の増強部分以外であることから、鉄道既設分となります。
費用負担に関しましては、要綱第七条(1)によりますと、鉄道事業者が、移転先用地の取得に要する額を負担することと規定されております。都市計画事業施行者と鉄道事業者との費用負担につきましては、要綱第七条に基づきまして、両事業者間での協議の上、都市計画事業認可の取得後に締結する施行協定において定めることとなっております。
○とや委員 決めるのは後からと。施行協定において、負担の割合についても決めていくということです。ということなんですが、要綱についても説明をいただいたんですけれども、西武は、この間ご自分たちで造った線路の角度、Rの技術的な基準についても明らかにしていないので、住民の人たちもやっぱり不審に思わざるを得ないんですよ。
同時に、住民から見れば、どう考えても事業者の利益になって、安全性の向上につながる延伸としか考えられない。そういうことを考えれば、やっぱり本当にこの上石神井の車庫部分が東京都の施行なのか。西武が、この間の車庫の在り方を自分たちで検討してきて、安全性を確保したいからやるというだけなんじゃないかと。その影響を住民が被っているというふうにいわざるを得ないという声であります。
なぜ立ち退きなのか、全く納得がいっていません。立ち退きを伴わない工法を考えていただきたいというふうに思います。
井荻−西武柳沢の計画は、用地取得件数が六十棟であった中井−野方間の計画の比ではありません。昨年も指摘しましたが、この区間は二百三十棟もの住民に影響を与えることになります。
それを昨年度の決算で確認したところ、五年間で取得する計画となっています。六十棟を四年で取得する計画が八年かかってもできないというのに、二百三十棟を五年で取得するという無謀な計画となっています。やっぱり取得件数が多ければ多いほど、工期は延長せざるを得ないというのが、この間の経験から明らかだと思います。
最近、私は、京王線の調布駅周辺と相模原線の連続立体交差事業の話を聞きました。地下化に伴い、市のまちづくりも行われていますが、この計画は工期を二年間延長して完成しています。二年間延長となった理由と、鉄道地下化に関わって立ち退きが何棟あったのか、お答えください。
○斉藤委員長 都政に関するものに。
○花井道路建設部長 当該事業につきましては、平成十四年度に着手しておりまして、途中で事業期間を二年間延伸し、平成二十六年度に完了しております。
延伸の理由は、シールドマシンの発進立て坑の設置に必要な借地に当たりまして、地権者との協議が難航し、シールド工事の着手が遅れたことによるものでございます。
また、鉄道の地下化に伴い、移転が必要となった建物の棟数は約四十棟でございます。
○とや委員 この計画は、四十棟の用地取得を伴ったということです。なぜ四十棟なのかと聞きましたら、国領駅から線路が地下に入る取付け部分と調布駅の先から地上に出るための取付け部分、そして相模原線の地上に出る部分の取付け、この三か所の周辺に住んでいる住民の方々に影響を与えたというふうに聞きました。それでも二年間の延長で完成をしています。
こうした事例を、三つの事例、今日はお話しさせていただいたんですが、やっぱり立ち退き件数が多ければ、傾向としては、工期は延長せざるを得なくなります。せっかく住民の人たちが望んでいる一日も早い踏切除去が、工法をちゃんと検討し、住民の人たちの納得の上で進めることによって、本当は短く済む、その可能性が非常に高いにもかかわらず、高架ありき、そして今検討されている井荻−柳沢間については、約二百三十棟もの人たちに影響を与えることになって難航することはもうはっきりしています。考え直していただきたいなと思っています。
調布駅付近と相模原線の上部利用のエリアを、私、歩いてきました。調布市の担当者にも話を聞いてきました。
上部利用しているエリアは、ご存じの方もいると思いますが、高架化された地域とは比較にならないほど明るくて、若い家族が鬼太郎ひろばといわれている上部の広場で戯れている姿を見ることができました。タコのある公園で遊んで、本当に活気がありました。自転車置場としても有効に活用され、何よりも空が広くて、北側の生産緑地も陰にならずに済んでいました。住民とともにまちづくりをしてきた話も伺って、本当に地下化することで高架化では得られない選択肢が広がったということが分かりました。
この事業についても東京都建設局がやっているので、それについての論文も読ませていただきましたけれど、やっぱり住民の人たちと一緒に、まちづくりと一体で、上部利用もきちんとできるようなやり方を考えていただきたいんですよ。
ここの土地は地上権設定で調布市が買い取っています。京王電鉄の利用は二四・五%です。あとは住民のための公共利用なんですよ。高架化すればたった一五%しか使えない。こうした状況になってしまいます。
ぜひ、今ある線路幅でできる複線シールドでの地下化を進めていただきたいと、その再検討をしていただきたいということを申し上げて、この質問を終わらせていただきます。
最後に、練馬城址公園です。
練馬区内の閉園した遊園地、としまえんの跡地を含む二十六・七ヘクタールの土地には、練馬城址公園が計画されています。昭和三十二年、一九五七年に都市計画決定された都立公園ですが、二〇一一年の東日本大震災を受けて、約二十二ヘクタールが優先整備区域として指定されています。
遊園地が閉園した昨年は、多くの地元区民、その周辺を含む遊園地のファンなどから惜しむ意見が上がってきました。この問題も、何年かずっと続けて取り上げさせていただいてきたんですけれども、九十四年間の営業終了した後も、正面の門にはデコレーションが住民たちによって季節ごとに新しく飾られてきました。避難場所としての機能、あるいは園内のプールを残してほしい、古城の塔というのがあるんですけど、どうなるのか、豊かな樹木にも関心を寄せて、伐採に対しての意見、伐採後の活用についても、様々なアイデアが示されています。
一方、北側の敷地には、西武鉄道の敷地を借りて、現在、伊藤忠とワーナーブラザースによってスタジオツアー施設が建設中であります。遊園地の後には、都立の防災公園ができる予定で動いてきたのに、そうはならなかったわけです。
これに先立って、スタジオツアー整備の関係者である西武鉄道、伊藤忠商事、ワーナーの三者、そして東京都、練馬区の五者は、練馬城址公園の整備に係る覚書を、昨年六月十二日に交わしています。その概要について、お答えください。
○根来公園計画担当部長 都は、練馬城址公園の整備を推進するため、昨年六月に、緑と水、広域防災拠点、にぎわいの三つの基本目標の実現に向けた公園整備を連携協力して進めることにつきまして、地元区及び西武鉄道など関係事業者と覚書を締結いたしました。
○とや委員 昨年六月に締結された覚書には、民間事業者を含む関係者は、公園整備計画の目的実現のために、誠意を持って協力すると書いてあります。締結時には、施設のエリアは決まっていませんでした。施設というのはスタジオツアーの施設です。
ところが、スタジオツアーの建設は、整備計画の審議会の答申が出る前に、整備区域も決まって、既存施設の解体工事にも着工しています。
覚書に書いてあることとちょっと違うんじゃないかと思うわけですが、いかがでしょうか。
○根来公園計画担当部長 スタジオツアー施設の整備区域につきましては、覚書に基づき、関係者間で協議された上で計画されたものでございます。
公園審議会の答申は、このような覚書や関係者との調整を踏まえたものでございます。
○とや委員 スタジオツアー建設については昨年も指摘をしましたが、二〇一九年十月九日、西武は練馬区に現場調査依頼書を提出し受理されています。現場調査依頼書は、計画を明らかにして、開発上の問題の指摘あるいは法令の指導を受けるものです。そして、その前の九月には、東京都の建築主事にスタジオツアー施設の説明、そして相談に行っていることが、その後、私は文書質問を出しました、その中で明らかになっています。
つまり、都も練馬区も、発表する、覚書が締結される約一年前から建設が分かっていながら、都民に明らかにしないで、一年近くたってようやく発表して、覚書を締結したのです。
しかし、覚書には、スタジオツアー施設の区域も面積も明らかにされていませんでした。本当は明らかになっていたのに、そこには書かれていなかったわけです。公園整備に協力すると書き込んでおきながら、結局はスタジオツアーは覚書締結後三か月で、用意周到作られた資料で住民説明会を行い、その後は何度も住民が説明会の開催を求めても、一度も行わず、現在に至っています。
覚書に書かれている、お互いに協力し、練馬城址公園の整備をするといっていますが、スタジオツアー優先で事が進められてきたのではないか。ここが住民の納得いかない部分の一つであります。しかも、その覚書第五条の二では、練馬城址公園は段階的整備で進めるとしています。
しかし、そのタイムスパンは三十年以上となってしまいます。優先整備区域っていうのは、十年以内に着手をするというふうに規定されているわけです。東日本大震災を踏まえれば、直ちに公園整備を始め、早期に完成しなければならない、そういった位置づけの公園でもあるにもかかわらず、そうはならなかったわけです。
事実上の優先整備区域の放棄ではないでしょうか、お答えください。
○根来公園計画担当部長 スタジオツアー施設は、段階的な公園整備のプロセスにおいて民間事業者が行う取組でございまして、覚書により、練馬城址公園に求められる機能の実現の一翼を担うことに配慮することとなっております。
スタジオツアー施設の運営終了後は、都立公園として整備してまいります。
○とや委員 運営終了後は都立公園として整備をするとお答えになっていますが、覚書六条の三では、今いいましたが、設置可能期間を三十年としているわけですよ。それに加えてただし書が書いてあって、三十年以上の使用可能の根拠となるただし書を入れた理由が書いてあるわけです。その理由をお答えください。
○根来公園計画担当部長 設置可能期間の変更が生じる場合に備えまして、覚書では協議に応じることとしております。
○とや委員 この昨年締結された覚書の中のただし書によって、運営期間は長くもなるし、短くもなると、それは関係者が合意すればできるということであります。
東京都は公園整備計画の答申に当たって、土地の歴史、風土、緑豊かな自然を大切にし、多様な主体が関わって、人々が交流しながら公園を造り上げていくという考え方の下で、公園のテーマを設定しています。
そのテーマは、緑と水、広域防災拠点、にぎわい、この視点です。三つのコンセプトとは、豊かな緑と川のせせらぎを感じる中で、人々が憩い、安らぐことができる空間づくり、二つ目は、人々が迅速に避難でき、地域の防災機能の向上につながる拠点づくり、三つ目が、都民に親しまれてきた土地のにぎわいを醸し出し、多様な人々が集い、交流を生む空間づくりと、この三つです。
豊かな緑のエリアとか、地域の防災機能の向上だとか、この部分がスタジオツアーで三十年間開園できないということになれば、やっぱり優先整備区域を放棄したし、その機能が生かされるということは極めて不十分だといわざるを得ません。こうした問題は今でも住民の中でしこりとなっています。そのことをぜひ認識していただきたいと思います。
次に、具体的な公園整備について伺います。
公園審議会が答申を出していますが、昨年度は中間まとめが出されていまして、パブコメが行われました。これに対して多くの皆さんから意見や要望が寄せられています。
まとめに当たって、審議会の会長は、整備計画のテーマを、先ほどもいいましたが、都民に親しまれてきた土地の歴史、風土、緑豊かな自然を生かし、多様な主体と連携して、社会の変化に応えながら造り上げる公園と設定をしています。中間まとめの本文でもあります多様な主体を掲げたわけです。
公園利用者に加えて、人々が関わり、交流しながら、公園を造り上げることを目指すと述べておりますが、多様な主体とはどのような範囲をいうのでしょうか、お答えください。
○根来公園計画担当部長 整備計画における多様な主体は、公園利用者、地元町会等の地域団体、NPOなどを想定しております。
○とや委員 この多様な主体という文言は、諮問の時点ではなかった文言だと思います。これが、中間まとめと答申に入ったということで、住民にとっては本当に歓迎だというふうに思って、私もよかったなと思っています。東京都の公園づくりに関わる姿勢を示す上でもとても大事だと思っていますので、ぜひ大事にしていただきたいと今後も思っています。
住民参加で公園を造るやり方は、他の自治体でも行われています。ぜひ参考にしながら進めていただきたいと思っています。
さらに、多様な主体の参加で造る公園というのであれば、広く聞く機会を設けていただきたいし、出来上がったものを、設計図を示して意見を聞くだけにとどめるという形にはしないでいただきたいと思っています。
そこでお聞きしますが、公園づくりへの住民参加はどのように保障するのか、お答えください。
○根来公園計画担当部長 整備計画の策定に当たりましては、整備計画の審議を行いました東京都公園審議会は公開され、審議資料をホームページに掲載いたしますとともに、オープンハウスの開催やパブリックコメントの実施により、広く都民の意見を聞いております。
今後も、当初開園予定区域等の整備を進めていく際には、工事説明会などにより、地域の方々への説明の機会を設けてまいります。
○とや委員 工事説明会はもとより、当初開園区域等の整備を進める際、特に設計図が出来上がった時点では、案の段階で、都民の意見、住民の意見を広く聞く機会を必ず設け、その意見を反映していただきたいということを求めておきます。
この当初開園区域は二〇二三年、令和五年に開園ですが、それ以降に開園するエリアについても意見が上がっています。
一つは、古城の塔についてなんですが、整備計画の中間まとめ、パブリックコメントは、古城の塔について、七十一件の意見が寄せられました。この古城の塔なんですが、としまえん、遊園地営業中は、食堂として、あるいは木馬の会の事務所の建物として利用されてきました。
英国風の外観を持って、近代建築の事例としても希有な存在であると、日本建築学会関東支部からも保存、活用の要望が届いていますが、東京都はどのように対応したのか、伺います。あわせて、この古城の塔の保存、活用について、東京都の見解を伺います。
○根来公園計画担当部長 古城の塔の保存、活用について、本年三月に日本建築学会関東支部から都に要望書が提出されまして、同支部の方からご意見をお聞きいたしました。
古い建物の保存、活用には、老朽化や耐震性能等の調査が必要であるなど、課題が多いと考えております。
○とや委員 建築学会関東支部から東京都に要望書が出された際、直接お話を聞いてくださったというふうに聞いています。ただ、おっしゃったとおり、古い建物なものですから、課題が多いということであります。
この間、聞き取りをしてきたんですけれども、現況の調査をすると聞いていますが、いつ頃行っていくのか、併せてお答えください。
○根来公園計画担当部長 建物の現状確認が必要と考えておりまして、今後、調査方法等の検討を行ってまいります。
○とや委員 今後、調査方法等の検討を行っていくというお答えでありました。これは、古城の塔を残してほしいという建築学会の人たちを含め、七十件以上の意見を寄せた住民の人たちにとっては、まずは調査をしてくれるんだということであって、それは残すことにつながっていくんではないかという前向きの考え方を示してくださったというふうに受け止めています。ぜひ貴重な建築物、園内にある大事な歴史的な建造物含めて、残す方向で考えていただきたいと思います。
その中にもう一つあるんですが、旧としまえんの中には、歴史的な遺構として、豊島氏という方が築城した練馬城、築城年代は不明といわれていますが、十四世紀末頃に石神井城の支城として築いたものだといわれています。これが練馬城址として遺構があるわけですが、この遺構についても活用してほしいという意見も上がっています。
パブリックコメントでは、地下遺構の調査、保存、活用は、文化財所管部署等と調整すると回答されているようですが、この遺構について、どのような調整を行っていくのか。今後のスケジュールについてもお答えください。
○根来公園計画担当部長 練馬城址公園の整備計画では、練馬城跡の歴史エリアを設定いたしまして、練馬城の地下遺構を保全しながら、練馬城址、としまえん開設の歴史を伝えることとしております。
今後、必要に応じて文化財保護法に基づき、適切に対応してまいります。
○とや委員 園内にある練馬城の遺構は歴史的に貴重な財産でもあります。公園を訪れる人々の、あるいは子供たちの学びのエリアとしてぜひ位置づけていただきたいと思います。
練馬城址公園整備をめぐっては、この間何度か決算で質問をさせていただき、文書質問でもお答えいただいてまいりました。今日は、防災機能の質問はしませんでしたけれども、優先整備区域に指定した重要な根拠となっているわけです。今後、東京都の姿勢も問われていると思います。
都民の声をよく聞いていただいて、一緒に公園を造っていくという立場を堅持していくことを求めて、質問を終わります。ありがとうございました。
○斉藤委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○斉藤委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で建設局関係を終わります。
これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
午後四時四分散会
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