委員長 | 中山ひろゆき君 |
副委員長 | 佐野いくお君 |
副委員長 | 小松 大祐君 |
副委員長 | 中山 信行君 |
理事 | 大松あきら君 |
理事 | 栗下 善行君 |
理事 | 桐山ひとみ君 |
理事 | 中屋 文孝君 |
理事 | 藤井あきら君 |
理事 | 尾崎あや子君 |
古城まさお君 | |
保坂まさひろ君 | |
福島りえこ君 | |
やまだ加奈子君 | |
原田あきら君 | |
加藤 雅之君 | |
清水やすこ君 | |
斉藤やすひろ君 | |
伊藤こういち君 | |
奥澤 高広君 | |
小宮あんり君 | |
西沢けいた君 | |
原 のり子君 | |
森口つかさ君 | |
岡本こうき君 | |
鈴木あきまさ君 | |
とや英津子君 | |
もり 愛君 | |
成清梨沙子君 | |
鈴木 章浩君 | |
里吉 ゆみ君 |
欠席委員 なし
出席説明員知事 | 小池百合子君 |
副知事 | 多羅尾光睦君 |
副知事 | 梶原 洋君 |
副知事 | 武市 敬君 |
副知事 | 宮坂 学君 |
教育長 | 藤田 裕司君 |
東京都技監都市整備局長兼務 | 上野 雄一君 |
政策企画局長 | 中嶋 正宏君 |
総務局長 | 山手 斉君 |
財務局長 | 潮田 勉君 |
生活文化局長 | 野間 達也君 |
オリンピック・パラリンピック準備局長 | 中村 倫治君 |
環境局長 | 栗岡 祥一君 |
福祉保健局長 | 吉村 憲彦君 |
産業労働局長 | 村松 明典君 |
建設局長 | 中島 高志君 |
港湾局長 | 古谷ひろみ君 |
会計管理局長 | 佐藤 敦君 |
戦略政策情報推進本部長 | 寺崎 久明君 |
住宅政策本部長 | 榎本 雅人君 |
本日の会議に付した事件
議席について
令和元年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について(質疑)
・令和元年度東京都一般会計決算
・令和元年度東京都特別区財政調整会計決算
・令和元年度東京都地方消費税清算会計決算
・令和元年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計決算
・令和元年度東京都国民健康保険事業会計決算
・令和元年度東京都母子父子福祉貸付資金会計決算
・令和元年度東京都心身障害者扶養年金会計決算
・令和元年度東京都中小企業設備導入等資金会計決算
・令和元年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計決算
・令和元年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計決算
・令和元年度東京都と場会計決算
・令和元年度東京都都営住宅等事業会計決算
・令和元年度東京都都営住宅等保証金会計決算
・令和元年度東京都都市開発資金会計決算
・令和元年度東京都用地会計決算
・令和元年度東京都公債費会計決算
・令和元年度東京都臨海都市基盤整備事業会計決算
○中山(ひ)委員長 ただいまから令和元年度各会計決算特別委員会を開会いたします。
初めに、議席についてお諮りいたします。
本委員会室における議席につきましては、ただいまご着席のとおりといたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中山(ひ)委員長 異議なしと認め、そのように決定をいたしました。
○中山(ひ)委員長 次に、委員外議員の発言の申し出について申し上げます。
上田令子議員から、会議規則第六十三条の規定により、本日の委員会に出席して発言したい旨の申し出がありました。
本件につきましては、理事会において協議の結果、必要なしとの結論になりました。
お諮りいたします。
本件については、理事会の協議決定のとおりとすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中山(ひ)委員長 異議なしと認め、そのように決定をいたしました。
本日は、小池知事並びに多羅尾副知事、武市副知事及び宮坂副知事にご出席をいただいております。本日はお忙しいところご出席をいただきましてありがとうございます。
なお、梶原副知事は、公務のため、後刻、休憩後から出席いただくことになっているので、ご了承ください。
これより決算の審査を行います。
令和元年度東京都各会計歳入歳出決算の認定についてを議題といたします。
本件については既に説明を聴取しております。
なお、去る十月九日から行われました各分科会における局別審査につきましては、お手元配布のとおり、報告書が提出されました。
朗読は省略いたします。
〔分科会審査報告書は本号末尾に掲載〕
○中山(ひ)委員長 これより質疑を行います。
この際、一言申し上げます。
質疑に当たりましては、さきにご決定いただきました委員会実施要領等に従いまして運営してまいります。
委員の皆様方には、円滑かつ充実した審査が行われますよう、ご協力のほどよろしくお願いします。
なお、持ち時間につきましては、終了五分前に振鈴で一点、時間満了時に二点を打ち、お知らせいたします。質疑時間はお守り願います。
次に、理事者に申し上げます。
答弁に際しましては、質疑の要旨をよく把握し、簡潔明瞭に答弁されるようお願いいたします。
なお、発言の際には、必ず職名を告げ、委員長の許可を得た上で発言されますようお願いいたします。
これより順次発言を許します。
藤井あきら理事の発言を許します。
○藤井委員 昨年度の一般会計予算には、私たち都民ファーストの会東京都議団が要望してまいりました重要な事業が盛り込まれ実行されております。
少子化対策では、待機児童対策の強化、国の幼児教育、保育の無償化に対する都独自の上乗せ支援、不妊治療の支援の拡大です。
デジタル化では、テレワークの推進、中小企業のAIロボット等の導入支援、介護現場のICT活用支援、行政手続のオンライン化など進めてまいりました。
脱炭素社会の実現に向けては、家庭のゼロエミッション推進、EVなど次世代自動車の普及促進、再生可能エネルギーの導入拡大などが挙げられます。
私たちが強く推進してきたこれらの取り組みは、国でもようやく本格化しつつあり、大いに歓迎するものであります。
一方で、国による取り組みが実効的なものになるよう、都としても積極的な提言、関与が必要になります。
東京二〇二〇大会を推進力とし、東京が成熟都市としての新たな進化を遂げ、成長を生み続けられるよう、未来に向けた道筋をつけるとしたこの平成三十一年度一般会計予算に賛成したのは、私たち都民ファーストの会東京都議団、都議会公明党、都議会立憲民主党・民主クラブ、無所属東京みらい、都議会生活者ネットワークの会派です。一方で反対をしましたのは、東京都議会自由民主党、日本共産党東京都議団、維新・あたらしい・無所属の会、そして自由を守る会でした。
また、予算特別委員会における審議において、委員会運営に支障を来すような議員の品格に欠ける言動があったことも指摘しておきます。
この平成三十一年度予算の決算審査では、国より先を行く都の先進的な取り組みと、その成果、課題をしっかりと検証することが必要です。そして、国による不合理な都税収奪が続く中でも、都はこれまで行われてきた賢い支出をさらに徹底しながら、コロナ禍を乗り越え、東京、そして日本全体を、次なる成長へ押し上げていかなければなりません。
昨年度は、年度当初から予定された大きな施策の取り組みに加え、想定外に起きた重大な対応が多くありました。
決算審議をするに当たって、まず最初に、令和元年度予算を編成、執行し、現在の決算に至るまでの小池知事の思いについて、昨年度の取り組みを振り返りながら確認いたします。
○小池知事 お尋ねの令和元年度予算でございますけれども−−何か声がこもるような感じですね、気候変動などに対しましての都市力の強化、東京の持続的成長に不可欠な稼ぐ力の強化、そして都市の活力の源泉であります人と人とをつなぐ、この三つの点を軸にしまして予算を編成いたしました。
そして、多発する自然災害への備えといたしまして、マイタイムラインの普及、即応対処部隊の創設など、防災力の向上を図るとともに、最先端技術の活用やイノベーションの創出、テレワークの導入促進を初めといたしました働き方改革の推進につながる取り組みなど、重点的に予算を措置したところであります。
それに加えまして、新たに大学研究者による事業提案制度を導入いたしました。東京に集積する大学の知を施策の構築に活用する仕組みもスタートしております。
年度途中におきましては、九月以降ですが、相次いだ台風被害に対しまして全庁を挙げて対応するとともに、その教訓を踏まえました補正予算を編成するなど、対策の強化に取り組みました。
さらには、最終補正予算でスマート東京推進基金を創設いたしまして、東京のデジタル化に向けました財源の確保を図りましたほか、新型コロナウイルス感染症の拡大に対しましては、緊急対策を追加計上、迅速に対策を講じたところであります。
こうした取り組みの一つ一つの成果で、東京が成熟都市へと進化する道筋をつけるとともに、都民の安全・安心の確保に向けて、タイミングを逸することなくしっかりと対応をしてまいったところであります。
今後も、都民の生命、財産を守り抜いて、東京の持続的な成長をより確かなものにしていくためにも、都議会の皆様と手を携えながら、都民目線に立った東京大改革に向けて、その歩みをしっかりと進めてまいりたいと考えております。
○藤井委員 激変する状況に対応しながら、東京大改革に向けてさらに歩みを進めているという力強い決意をお聞かせいただきました。
現在、再び全国的にコロナの感染者がふえつつあります。私たちも四十回にわたりまして、知事に要望、提案をし、コロナ対策を前へ進めてまいりましたが、まず何よりも感染拡大の防止、そして都民の暮らしの安定に努めていただきたいと思います。加えて、このピンチをさらなる東京の飛躍につなげていただきたいと期待をするものであります。
昨年度は、今後の長期戦略につながる未来の東京戦略ビジョンを策定いたしました。公表後、コロナの影響もありまして、社会の状況は大きく変わっています。
小池知事はどのような思いでこの戦略ビジョンを策定したのか、あわせて、今後、長期戦略の策定に向けてどのように取り組むのか、決意を伺います。
○小池知事 令和の時代を迎えまして、社会の不確実性が一層増していく中にありまして、これまでの概念にとらわれない柔軟な発想で、あるべき姿を思い描いた上で、とるべき戦略を主体的に構築をする。そして、未来への投資を果敢に進めていく。その考えであります。
昨年公表いたしました未来の東京戦略ビジョンですけれども、こうした思いで策定をいたしまして、例えばバックキャストの視点、それからデジタルトランスフォーメーションの推進、状況の変化に弾力的に対応する、アジャイルといいますが、これらを基本的な戦略に掲げまして、二〇四〇年代のビジョンや二〇三〇年に向けた戦略などを盛り込んだところであります。
新型コロナウイルスとの厳しい闘いの中におきまして、テレワークが飛躍的に普及する一方で、デジタル化のおくれなど、我が国が抱える構造的な課題が改めて浮き彫りとなったところであります。
まさに、戦略ビジョンで示した姿に向けまして、取り組みを加速しなければならない、そういう思いを大変強くしているところであります。
変革の鍵を握るのは、二文字であります。DX、徹底したデジタルトランスフォーメーションでございます。東京が変わる、そのために都政を変えるという決意を持ちまして、DXによる構造改革を断行してまいります。
そして、新型コロナウイルスによって生じました人々の生活、また価値観の変化を踏まえて、サステーナブルリカバリーといった新しい視点から戦略を磨き上げていく、バージョンアップをして、長期戦略を策定してまいります。
東京が世界から選ばれる都市となるためには、実は一刻の猶予もございません。明るい未来の東京に向けた羅針盤にふさわしい、そのような長期戦略を練り上げること、つくり上げることで、都民のクオリティー・オブ・ライフ、QOL、そして都政のクオリティー・オブ・サービス、QOS、この両方が飛躍的に向上した都市東京を目指してまいる考えであります。
○藤井委員 都民のQOLと都政のQOSという重要なキーワードがございました。
長期戦略やDXといったものは、あくまでこれは手段でありまして、都民生活の向上を伴わなければ無意味なものであります。
引き続き、コロナの影響も踏まえた都民生活の向上のため、私たち都民ファーストの会は、長期戦略に向けての提案を続けてまいります。
続いて、デジタル化についてお伺いいたします。
宮坂副知事が就任したのは昨年の九月で、就任後から5Gを中心としたTOKYO Data Highway基本戦略やスマート東京実施戦略などなど、矢継ぎ早に都のデジタル化を推進してまいりました。
昨年度を振り返り、スマート東京の実現に向け、都のデジタル化の課題をどう捉え、その課題にどのように対応するのか、宮坂副知事にお伺いいたします。
○宮坂副知事 二十一世紀において、世界を激変させたのは情報技術でありますが、その力を日本、とりわけ公共部門は生かせておりません。この課題は、コロナによって浮き彫りになってしまいました。
昨年九月に副知事に就任して以来、私は、東京の持つポテンシャルをデジタルの力で引き出し、都民の皆さんが質の高い生活を送れるよう、さまざまな取り組みに挑戦してまいりました。民間から行政へと立場を変え、まず感じたのは、とにもかくにも、ICT人材の確保の必要性についてであります。
都庁には、土木職や建築職など百年規模の歴史を持った専門職のチームの技術力と伝統と文化があり、これが推進力となり、現在、世界最高水準のサービスが提供できていると考えています。しかしながら、情報技術については、新しい技術であるがゆえに、そういったものはいまだ都庁にはございません。
大事なことは、まずはチームをつくることです。都庁の中に、我々の世代だけでなく、未来の世代へも引き継ぐことのできる情報技術のチームをつくり、レガシーとして残さなければならないという思いを強く持ちました。
そこで、昨年度は、まずチームづくりの第一歩として、政府CIO補佐官や民間企業のCTO経験者クラスの専門家をフェローとして選任いたしました。そのほかにも、デジタルシフト推進担当課長を九名採用するなど、多様な手法により、都のICT人材確保に向けた取り組みを着実に進めてまいりました。
また、都全体のDXの推進に向けては、都民に最も身近な行政である区市町村との連携も欠かすことはできません。私は、副知事就任直後、みずから全区市町村のICT関係職員と会い、意見交換を行いました。ともに学び、ともに成長していくことが重要であり、区市町村向けの勉強会などの支援を進めてまいります。
引き続き、ICTのチームづくりと区市町村との連携にしっかりと取り組んで、情報技術のチームと文化をつくり上げ、これを推進力として東京のデジタルシフトを強力に推進していく決意であります。
○藤井委員 東京、そして都庁に眠る圧倒的なポテンシャルをデジタルの力で引き出す力強い決意をお伺いいたしました。そのために、レガシーとなるICTチームを何としてもつくり上げるという強い覚悟に大きな期待をしております。何としてもやり遂げていただきたいと考えています。
加えて、私たちが宮坂副知事就任前からICT部門とも進めておりました、区市町村へのデジタルの支援についても、ご答弁のあったデジタルシフト担当課長を、さまざまな活用で支援いただくなど、要望をさせていただきたいと思います。
次に、小池知事が四年前の就任時より注力をしております国際金融都市東京についてお伺いします。
激変する国際環境、社会情勢などを踏まえて、現在は東京がアジアナンバーワンの国際金融都市になる最大にして最後のチャンスです。
国際金融都市東京について、昨年度の振り返りと、コロナ禍や激変する海外情勢などを踏まえた知事の決意を伺います。
○小池知事 国際金融都市に関してのお尋ねでございます。
昨年度は、アジアの政情変化、そして海外の中央銀行によるデジタル通貨発行に向けた動きがありました。また、英国のブレグジット、さらには、コロナ禍を契機といたしました世界経済の落ち込み、加えて、金融市場の不安定化など、金融をめぐりますさまざまな出来事が起きました激動の一年でありました。
こうした状況下において、都は、東京を世界、アジアの金融ハブとするために、国際金融都市東京構想に基づいて、我が国初めての官民連携金融プロモーション組織でありますフィンシティー・トーキョーを設立、また、資産運用業者とフィンテック業者の振興に向けました取り組みや、金融系外国企業の誘致、ESGファンドの創設など、さまざまな施策を強力に推進をしてまいりました。
加えまして、イギリス、英国シティーとのMOUに基づいて、都職員のシティー派遣、そしてセミナーの共同開催も実施をいたしまして、これらの取り組みが結実し、ことし三月、国際金融センターのランキングでは、東京は世界第三位、アジア首位を獲得いたしたところであります。
その後、コロナ禍を背景とした世界的なデジタルシフトの流れや、サステーナブルリカバリーへの関心の高まり、そしてアジア情勢のさらなる展開など、国際金融センターをめぐる環境というのは目まぐるしく変動し続けております。
そうした中で、東京がニューヨーク、ロンドンと並ぶ世界に冠たる国際金融都市としての地位をさらに盤石にしていくためには、まさに今はラストチャンスであります。
海外金融系企業、そして人材の誘致策を強化するとともに、東京の取り組みを国内外に情報発信するなど、積極果敢に施策の展開を図りまして、国際金融都市をめぐりますグローバルな都市間競争を勝ち抜いていきたい、こう考えております。
○藤井委員 一部報道などによりますと、国では、東京以外の都市も国際金融都市にしようと、ハブにしようという動きがあるようでございます。
率直に申し上げますと、先行している東京でさえ、国際金融都市として苛烈な競争にさらされている中で、戦力の逐次投入になるのではないかと心配をするところであります。
ご答弁にありましたとおり、都として国内外に向けて国際金融都市としての東京の優位性を知事肝いりで、戦略広報の一環として積極的に発信していただくことを要望いたします。
次に、これも小池知事が注力をしてきました、都立公園大改革について伺います。
都立公園大改革について、これまで二年間の成果をどのように受けとめ、今後どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。
○中島建設局長 都民の貴重な財産である都立公園を、より親しみや楽しみを感じる公園へと変えていく都立公園大改革は、東京の魅力を一層高めていく上で重要でございます。
これまで、新たな公園の魅力を創出するため、民間事業者のアイデアやノウハウを活用して木場公園等に民間飲食店を設置いたしました。また、誰もが利用しやすい公園づくりのため、砧公園でインクルーシブな公園の整備を行ったほか、東京二〇二〇大会会場となる公園等でバリアフリー化などを進めております。さらに、上野恩賜公園では、公園の特性を生かし、隣接する東京藝術大学と連携いたしまして、上野トイレミュージアムをオープンいたしました。
今後、こうした取り組みを効果的に進めますとともに、多様な来園者のニーズやコロナ禍における新たなニーズ等も踏まえまして、公園の魅力を高める改革を一層推進してまいります。
○藤井委員 インクルーシブな公園に関しては、私の地元であります府中の森公園でも整備が進んでいく予定ですので、着実に進めていただきたいと思います。
コロナを受けて、都民の憩いの場としての公園の価値、期待というのはさらに高まっています。都立公園大改革の全体ビジョンの整備、そして実行計画を立てて取り組むよう要望いたします。
次に、スタートアップ企業について伺います。
最近の都の政策では、随所にスタートアップの視点が取り込まれておりまして、小池知事も大変強い思い入れを持って取り組んでいると考えています。
そこで、令和元年度における取り組みの実績を踏まえつつ、今後のスタートアップ支援にどのように取り組んでいくのか、知事の見解を伺います。
○小池知事 不透明なウイズコロナの時代におきましては、希望ある未来を切り開く。これまでにない発想で大胆なイノベーションの展開を図ることが重要であります。そして、その一翼を担うのは、リスクを恐れずに果敢に挑戦するスタートアップの皆さんです。
都は昨年度、こうした意欲あるスタートアップの卵を生み出すために、国内最大級のビジネスプランコンテストを実施いたしました。そして、ファイナリストには育成の支援を行うということで、起業に結びつけているところでございます。
また、グローバル展開を目指すスタートアップを確実に成長させるために、海外企業との事業の連携に向けた支援、そして女性の起業家に対しましての海外派遣プログラムを実施しまして、ロールモデルとなる先行事例を発信いたしております。
さらに、行政課題の解決につながる革新的な製品や、またサービスを創出するために、独創的なアイデアを持つスタートアップによりますピッチイベントも新たに開始をいたしました。
このような取り組みによって、ピンチをチャンスに変える。そして、挑戦し続けるスタートアップを支援する。東京の経済を新しい成長へと確実に導いていきたいと考えております。
○藤井委員 ご答弁にありました海外へのスタートアップの派遣については、予算特別委員会でも要望させていただきましたが、今年度、コロナの影響でなかなか実施が難しい状況だと思います。オンラインで海外とやりとりを実施するなど、ピンチをチャンスに変えて積極的に取り組んでいただきたいと要望させていただきます。
都は、昨年十二月から、スタートアップと協働して、都政課題を解決するUPGRADE with TOKYOを実施して、その成果に期待をしているところであります。文化が全く違うスタートアップと行政との取り組みは、チャレンジングであるというふうに感じております。
都政課題の解決のためのスタートアップとの連携事業について、昨年度の実績をお伺いいたします。
○村松産業労働局長 東京が抱えるさまざまな行政課題の解決に、最先端の技術や独創的なアイデアを持つスタートアップの力を活用するため、都は昨年十二月から、新たに政策分野のテーマを掲げたピッチイベントを開始いたしました。
昨年度は、観光や農業をテーマにピッチイベントを行いまして、さまざまなスタートアップから効果的な事業案が提案されたところでございます。これらについて、専門家を含めた審査を行い、外出先で即座に誰でもトイレの空室情報を確認できるオンラインサービスや、農作物に光を当てて光合成の状態を計測することにより生育状況を把握できるデジタルシステムを選定いたしました。
現在、都とスタートアップとの間で実用化に向けて具体的に協議を進めているところでございます。
○藤井委員 実用化に向けて具体的に協議が進んでいるということで、まずは着実に進めていただきたいとお願いをいたします。
スタートアップとの協働のためには、契約制度が一つのポイントになります。スタートアップ企業の方からは、行政とさまざまな取り組みを事前に進めていても、実際の契約になると競争入札になってしまって、ビジネスにならないという声も聞くところであります。
昨年の本会議一般質問にて、私はスタートアップへの支援について質問をいたしましたが、その後、都では契約面においてどのような対応を行ってきたのか伺います。
○潮田財務局長 地方自治法では、公共調達の例外として、新商品の生産や新役務の提供等により、新たな事業分野の開拓を図る者として認定された事業者と随意契約を締結することが認められております。
一方、契約の公正性等の観点から、事業者が提出する実施計画について、その内容や住民生活の利便増進への貢献度等を、学識経験者の意見を聴取した上で確認することなど、厳格な手続が規定されているところでございます。
都はこれまでも、この随意契約を中小企業支援策の一つとして適用しておりまして、これに加え、昨年度、スタートアップの技術等を活用する案件にも適用できる契約の仕組みを創設いたしました。
引き続き、各事業局のスタートアップ支援の取り組みを契約制度面からも後押ししてまいります。
○藤井委員 スタートアップとの協働で先行する神戸市では、アーバンイノベーション神戸という施策の中で、学識経験者を事前に指定するなど、スタートアップと随意契約がスピーディーに結べるような仕組みを整えているということであります。
都でも、スタートアップとの協働を進めています産業労働局や戦略政策情報推進本部、構造改革を担当する政策企画局で同様の検討を、学識経験者を事前にそろえるなどの一連の契約体制を整えていただきたいと要望させていただきます。
そのためにも、都のスタートアップの関連の取り組みというのを、一体化、一本化してブランド化するなどの取り組みもお願いをしたいと思います。
次に、テレワークについてお伺いいたします。
小池知事は、四年前の就任からテレワークを東京二〇二〇大会のレガシーにするとして注力をしてきたところであります。私たちも本会議での質疑などを通して、テレワークを推進してまいりました。その結果、コロナ禍で、都庁は二割の人員で業務を続けることができるなど成果を上げてきたところでございます。都内事業者においても、事業継続対策として、テレワークの導入率が前年の二五・一%から五七・八%に急上昇していて、目標としていた三五%を大幅に上回っています。
今後は、一度試したテレワークを定着させることが課題になってきております。テレワークのさらなる普及と定着に向けて一層取り組みを強化すべきと考えますが、昨年度の都の取り組みを踏まえた知事の見解を伺います。
○小池知事 時間と場所にとらわれない柔軟な働き方を可能とするテレワークであります。ライフワークバランスの実現、そして生産性の向上によって、働き方改革を促進することに加えまして、感染症の拡大防止を図る事業継続対策、BCPとしても有効であります。
このため、コロナ禍を機に急速に普及いたしましたテレワークの定着を図って、感染の拡大の防止、そして社会経済活動との両立を図る新たなワークスタイルとして、社会に浸透させていく必要がございます。
令和元年度を振り返りますと、東京テレワーク推進センターを拠点として、テレワーク導入セミナーを数多く開催をいたしました。また、中小企業に専門家を派遣するなど、きめ細かな支援も実施をしてまいりました。また、感染症の拡大に際しては、事業継続の緊急対策として、テレワーク機器などの助成事業を迅速に立ち上げて、導入の加速化を図ってきたところであります。
知事に就任してから、このテレワークの取り組みを進めてきたわけでございますけれども、これまでの取り組みがテレワーク導入率の上昇に結びつくことができたと考えております。
現在、官民を挙げてこのテレワーク月間の取り組みを進めているところであります。こうした機会を活用しながら、テレワーク東京ルールの普及を推進するなど、定着に向けました取り組みの強化に努めてまいります。
○藤井委員 東京商工会議所の最新の調査によりますと、テレワークを導入した企業の三割が生産性の低下などを理由に中止をしているそうであります。定着に向けては、テレワークに合わせて仕事のやり方を再設計したり、業務の流れや分担を見直す必要があると考えます。そういった点からのさらなる支援を要望いたします。
各決の分科会の質疑では、都庁内のテレワークについての質疑をさせていただきました。そこでアンケートをとったそうで、都職員の九割が今後もテレワークを何らかの形で利用したいと、前向きなご意見がたくさんございました。
一方で、課題も明らかになっています。ペーパーレスや判こレスが進んでいなくて、なかなかできないというところで、これは都政構造改革の五つのレスの徹底というところに期待をするところであります。
さらに、都庁内外でのウエブ会議の浸透、文化の醸成や上司の理解が必要との声も多かったところであります。上司の意識というのは非常に重要でありまして、局ごとに取り組みの状況も違ったというような話も伺うところでありますので、ここにいらっしゃる局長の皆様、ぜひ積極的にテレワークの定着のために取り組んでいただきたいとお願いをいたします。
全庁の取り組みとして、例えば、イクボス宣言にテレワークの項目を追加したり、場合によっては、テレワークボス宣言みたいなことをしていただくのも一つの案ではないかと思いますので、ご検討いただければと思います。
都庁職員同士であれば、今ウエブ会議ができる環境というのは整ってきているところでありますが、都庁の外とは、今使っておりますTAIMS端末ではできないという状況がございます。
これは総務省が定める三層の対策のセキュリティー上、難しいというところでありますが、都庁のテレワークを一層推進して、都庁外とのウエブ会議を実現するためには、都の三層の対策の見直しも含めた検討が必要ではないかと考えるところでありますが、見解を伺います。
○寺崎戦略政策情報推進本部長 三層の対策は、住民の情報等の機密性の高い情報を保有する自治体のセキュリティー対策の抜本的な強化を目的として、国から示されたインターネット分離などの指針でありまして、都もこれに基づいて運用しているところでございます。
一方、ウエブ会議等のクラウドサービスの利用を自治体が推進するためには、安全な利用環境の構築とともに、調達時の事業者評価手法や利用形態に合わせた柔軟な契約方法など、具体的な利用指針が不可欠でございます。
このため、都といたしましては、国に対して、クラウド利用に関する具体的なガイドラインの提示を求めてまいりますとともに、テレワークの一層の推進のため、安全・安心を確保した上で、各職員に配備されている端末を用いての都庁外とのウエブ会議の環境整備に向けた具体的な検討を早急に進めてまいります。
○藤井委員 都庁内外とのウエブ会議を当たり前にして、隗より始めよの精神で、都庁のテレワークを定着させることを強く要望させていただきます。
続きまして、新型コロナの広報、情報発信について伺います。
政府、厚生労働省の専門家会議や、先日発表されました民間の調査報告書などによりますと、三月下旬のロックダウンや感染爆発重大局面等の小池知事の記者会見での発言が、都民、国民の行動変容を促して、新型コロナの感染拡大の抑制につながったという評価がされております。
記者会見の背景には、小池知事の都民を生命の危機から守るという強い覚悟と、新型コロナの感染拡大に対する強い危機感があったのではないかと思うところであります。
小池知事は、当時どのような思いを持ってコロナ対策に臨んでいたのかお伺いをいたします。
○小池知事 新型コロナウイルスとの闘い、これは見えざる敵との闘いでございます。かつて経験したことがないものであって、先の見通しが立たない状況でございました。
また、三月下旬を振り返ってみますと、都内の新規陽性者数は増加傾向にございました。感染者の爆発的な増加が発生するか否か、そんな分岐点にあったと思い出します。これ以上の感染者の増加がありますと、高齢者を中心に重症者が急激に増加をして医療崩壊につながりかねない可能性があると、これら強い危機感を抱いたものでございます。
感染拡大を何としても抑え込んで、都民の生命のみならず、社会経済活動を守り抜くためには、迫りくるこのコロナウイルスの危機をあらゆる手段で都民に伝える必要がある。また、そのための手段として、その前に感染症の専門家の先生方がお使いになったロックダウンという言葉を用いまして、週末や夜間の外出自粛のお願いを都民にわかりやすく発信をいたしました。
こうした呼びかけに加えまして、都のさまざまな感染防止対策に対し、都民の皆さんに多大なご協力をいただいたことで、急速な感染の拡大に歯どめをかけることができた、このように考えております。
○藤井委員 知事の都民を何とかして守らなければいけないという強い危機感が、都民の皆様の大きな協力につながりまして、何とか感染爆発を避けられたものだと認識をいたしております。
引き続き、都民と社会経済活動、東京を守るための積極的な発信をお願いいたします。
新型コロナの情報発信という点では、三月三日に開設されました新型コロナウイルス感染症対策サイトも見逃せません。
先日、グッドデザイン金賞を受賞するなど、正確な情報をタイムリーに発信したことや、オープンソースの取り組みで、他自治体に活用が広がったことなどが大きく評価されています。加えて、台湾のオードリー・タンIT担当大臣も参加したシビックテックの取り組みや、サイトのUI、UXの絶え間ない改善など、今後の都政の構造改革を先取りしたものであるというところで、私も非常に強く注目をしています。
改めて、本サイトの昨年度の実績と、その受けとめについて、宮坂副知事に伺います。
○宮坂副知事 新型コロナウイルス感染症対策サイトは、感染状況に関する客観的な数値データを提供することにより、都民の皆さんに都内の現状を正しく知っていただくことを目的に開設いたしました。
サイト開設当初、四つだったグラフや表は、都民の皆さんがその時々に望む情報をわかりやすい形で迅速に届けるという基本に立ち、令和元年度末までに十二に、現在は十九にまで拡充しております。
また、本サイトはソースコードを公開して世界中から改善提案を募り、十月末現時点では約二千件の改善に取り組んでまいりました。これは、オープンデータとオープンソースコードの利用によるデジタル分野での市民参加型の取り組みが具体化した都における初の事例であると考えます。
そして、本サイトのような、市民自身がテクノロジーを活用し課題を解決する取り組み、すなわちシビックテックと行政との協働は、都民の満足度、QOS向上の追求という点からも、今後重要性を増していくものと考えております。
こうした点も踏まえ、都政の構造改革のコアプロジェクトには、スタートアップ、シビックテックとの協働推進プロジェクトを選定いたしました。特に、私が所管するデジタル分野においては、納品、リリースで終わりにすることなく、都民の皆さんとリリース後も対話を重ねて、ニーズの把握に努め、アジャイル型で継続的な改善に取り組むなど、都民と行政がともにサービスをつくり上げる新しい協働スタイルを確立し、さまざまな都政課題の解決につなげてまいります。
○藤井委員 ご答弁にございました都民の皆様との対話を重ねて、ニーズを把握し、アジャイルに改善に取り組んだというところに強く期待をしております。
コロナ禍においては、都の感染拡大防止協力金のサイトにおいても、そういったUI、UXの改善の取り組みがされたと聞いております。
ぜひ、他の局においても、こういった知見をご活用していただきたいですし、都が初めてやっていることだと思いますので、都内の区市町村を初めとしたほかの自治体、全国に、このノウハウというものを積極的に開示していただきたいと要望させていただきます。
最後に、災害に関した情報発信についてお伺いをいたします。
昨年の台風十五号、十九号など、災害対応に関して、防災対策の検証を行い、七つの視点で整理をしたところでありますが、その実施状況をお伺いいたします。特に、防災における広報についてどのようなことを行ったのかお伺いいたします。
○山手総務局長 防災における広報に当たりましては、発災時はもとより、平時におきましても、都民に対してさまざまなツールを用いて、正確かつ迅速に情報発信を行うことが重要でございます。
昨年度の検証を受けまして、東京都防災アプリとNHKの防災アプリを相互に連携させ、情報の共有化を図るとともに、風水害時の脅威を身近に感じてもらうため、VR動画を作成し、疑似体験による啓発を行っております。
また、より効果的な情報発信を図るため、東京都防災ホームページを改善いたしますとともに、風水害時におけるデジタルサイネージや防災チャットボットを活用した情報提供の取り組みを進めてございます。
今後も、新たな媒体などを活用し、都民に対して、よりわかりやすい防災情報の発信に積極的に取り組んでまいります。
○藤井委員 ご答弁いただきました台風十五号、十九号を踏まえた情報発信の取り組みや対策、このノウハウというものが、その後の新型コロナにおける情報発信にもつながってきたものだと考えております。
チャットボットに関しましては、私も提案をさせていただいておりましたが、それが今コロナのチャットボットにつながって、全庁横断的に情報を収集できるようなものになっていると思いますので、当初の予定どおり、防災にも非常に役立つものと思いますので、そこも着実に進めていただきたいと思います。
以上で、私からの各会計決算の全局質疑を終えさせていただきます。ありがとうございました。
○中山(ひ)委員長 藤井あきら理事の発言は終わりました。
桐山ひとみ理事の発言を許します。
○桐山委員 令和元年度の決算は、令和二年一月から三月までの間、新型コロナウイルス感染症への対応により、予算執行に支障が出始め、それが令和二年度予算執行状況に引き続いているという意味で重要です。
新型コロナウイルス感染症の影響は、人と人との接触を急速に、かつ大規模に減少させました。新型コロナウイルス感染症は、高齢者や障害者のみならず、病院への受診控えなどによる健康維持だけでなく、三月二日からは、学校の一斉休業の要請もあり、授業や卒業式もできないなど、子供たちにも大きな影響を与えました。
このような状況を踏まえて、令和元年度の決算について、そしてそのことが今年度予算の執行、さらに来年度予算の編成にも影響を及ぼすという観点から質問を行います。
まず、高齢者対策についてです。
新型コロナウイルス感染症は、特に高齢者や持病を持っている方々に対しては深刻な影響を及ぼしています。新型コロナウイルス感染症は、特に高齢者や持病を持っている方々が深刻な影響を及ぼしている中で、高齢者がハイリスク集団であるともいわれております。
他方で、新型コロナウイルス感染拡大により、感染を恐れて外出をためらう高齢者について、フレイルの進行が懸念をされます。
フレイル対策においては、都民一人一人がフレイルについて正しく理解をし、予防に努めるよう啓発を行うことが不可欠でございます。
そこで、昨年度、都が行った普及啓発の取り組みと、コロナ禍における高齢者の健康への影響を踏まえた今後の展開について見解を伺います。
○吉村福祉保健局長 お話のように、フレイル予防のためには、その正しい知識や予防のポイントでございます栄養、体力、社会参加と、お口の健康の普及啓発が重要でございまして、都は昨年度、ポータルサイトを立ち上げたほか、動画の配信、講演会の開催などを行いました。
今年度、都が実施した調査では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う外出自粛による高齢者の閉じこもりや食欲減退等の事例が確認されたことから、社会参加や友人との交流の際の感染症対策や、高齢者が特に摂取すべき食品群などをわかりやすく示したリーフレットを新たに作成し、区市町村などを通じて健康な生活習慣を維持するよう改めて呼びかけております。
今後とも、高齢者が感染を防ぎながらフレイル予防に取り組めるよう、区市町村と連携し、普及啓発を推進してまいります。
○桐山委員 フレイルは早く介入して対策を行えば、もとの健常な状態に戻る可能性があります。高齢者のフレイルは生活の質を落とすだけでなく、さまざまな合併症を引き起こす危険があるともされており、コロナ禍においての高齢者の置かれている立場は大変深刻になっているかと思います。
高齢者に対し、感染を防ぎながらフレイル予防に取り組める、そのリーフレットを、しっかりとこの作成されたものを、市区町村を通して高齢者の方々にしっかり届くよう、今後の対策としても引き続きの支援を要望しておきます。
都は、平成三十一年度の予算では、介護予防・フレイル予防推進事業に三千万円の予算計上がされております。フレイルが都政の課題に上がったことを大変評価をしています。
昨年度は、フレイル対策の都民理解の促進、コンビニと連携をした中食を通じた健康づくり、企業へのアプローチなどを進めており、いずれも評価できる取り組みです。
その中で、高齢者の食環境の整備の事業とし、ファミリーマートと東京都は、東京をおいしく元気にをスローガンに、フレイル予防に役立つ食生活に関する情報発信と、東京都からアドバイスを受けて開発をした七品目の入ったビビンバ丼を発売されました。知事は、ファミマ東京都庁第二庁舎店を視察されたと伺っています。高齢者が在宅で豊かな生活を過ごすためには、食事が大切です。
そこで、昨年度、都はコンビニエンスストアと取り組みを実施しておりますが、食からのフレイル対策の重要性についての知事の見解を伺います。
○小池知事 新型コロナウイルス感染症の流行が続く中で、ご指摘のように高齢者の中には外出を自粛される方、閉じこもりがちになる方、食欲がなくなった方など、健康を害する方がいらっしゃいます。
低栄養、栄養の低さはフレイルにもつながりかねません。身近なコンビニエンスストアのお弁当や配食サービスなどのいわゆる中食を活用した取り組みは、そういう意味で重要であります。
都といたしまして、昨年度、コンビニエンスストアと連携して、フレイルを予防する食事の工夫をわかりやすく示したリーフレットを配布いたしました。そして、栄養バランスの整ったお弁当を開発するなど、中高年層に向けた普及啓発を行ってまいりました。
今ご質問の中にありましたように、私も都庁の中にあります店舗で七品目のビビンバ丼を試食させていただきました。おいしかったです。食事の内容を改めて考えることもフレイル予防の大きなポイントになることを実感したところであります。
今年度ですけれども、高齢者が配食サービスを利用する際に、栄養バランスのよい食事をとることができますように、栄養管理の留意点などに関する事業者向けの講習会を実施いたしております。
今後とも、高齢者が元気で心豊かに暮らせる東京を目指しまして、活力の源となります食を通じたフレイル予防の取り組みを進めてまいります。
○桐山委員 コロナ禍においても食欲の減退等の事例を把握したとの答弁がございましたように、食の大切さを周知し、さらに、食べられる歯の健康や口腔ケア、オーラルフレイルについても支援されるように要望しておきます。
次に、子供対策について伺います。
コロナ禍において人々が外出を控え、家族が家に引きこもる中で、家庭内での児童虐待が見えにくくなっています。
そこで、児童虐待を発見するための方法としてLINEが活用されています。児童虐待防止のためのLINEを活用した相談事業については、平成三十年度に試行実施した後、昨年度に本格実施を開始したところですが、昨年度の実施状況についてお伺いいたします。
○吉村福祉保健局長 児童虐待防止のためのLINE相談の令和元年度の相談件数は、本格実施を開始した八月以降で四千八百七十八件、うち保護者からの相談は三千百五十五件であり、子育ての仕方や悩みに関する相談が約八割を占めました。
お子さんご本人からは、家に居場所がない、親との関係がうまくいかないなどの相談が八百八十二件ございました。対応した相談のうち、虐待が疑われ、児童相談所に引き継いだ件数は八十八件でございました。
また、令和元年十一月に、平日の相談対応時間を試行的に二時間延長し、午後十一時までとしたところ、他の時間帯と同程度の相談件数があったことから、今年度は平日の相談対応時間を通年で午後十一時までとするなど、相談体制の充実を図っており、引き続き気軽に相談できる窓口として効果的に運用してまいります。
○桐山委員 我が会派の提案を受けまして、このLINE相談が実現をしております。また、さらにこの独自の調査を我が会派もさせていただいた中で、時間帯が午後十時から十一時台というのが最も多かったということを受けまして、さらなる延長も提案をさせていただいたところです。現在、通年で延長していただいております。また引き続き、虐待未然防止対策として効果が発揮できるよう取り組みをお願いしたいと思います。
児童虐待対策では、虐待する親の親権が大きな壁にもなっております。都民ファーストの会東京都議団では、かねてから児童相談所へ常勤弁護士または常駐弁護士の配置について要望をしてまいりました。
都として、児童相談所においては、日常的な弁護士の関与が重要であると考えておりますが、都として、法的対応の体制強化についてどのように取り組んできたのか伺います。
○吉村福祉保健局長 児童相談所が子供を守っていくために法的対応等を適切に行う上で、日常的に弁護士と相談できる体制を確保することは重要でございます。
都は、全ての児童相談所に非常勤弁護士を一名ずつ配置するとともに、副担当となる協力弁護士をベテランと若手とを組み合わせて原則二名ずつ登録しております。この非常勤弁護士と協力弁護士が、昨年度は総勢四十九名の体制で、保護者の意に反した施設入所や親権停止など法的手続への対応を行うほか、児童相談所の求めに応じ、速やかに専門的見地からの助言等を行っております。
また、昨年度からは、非常勤弁護士の勤務日数を月二日から四日に拡大しており、複雑困難化する虐待ケースへの法的対応力を強化しているところでございます。
○桐山委員 日常的な弁護士の関与ということで、非常勤弁護士の相談回数の増ですとか、あるいは連携をとりながら協力弁護士など増員を図られていることがわかりました。そのことについては評価をさせていただきます。会派としては、引き続き、この常勤弁護士、また常駐弁護士についてはさらに要望してまいりたいと思います。
新型コロナウイルス感染症が流行する中で、ことし三月二日から全国の学校が一斉休業に入りました。春休みが終わっても学校は正常化にはほど遠い状況が続き、学業のおくれが心配されています。
私立学校のICT環境整備状況については、先日の第二分科会での質疑でも取り上げましたが、私立学校におけるパソコンやタブレット端末等の教育用端末は児童生徒の約五人に一台、普通教室における無線LAN整備率は七一・六%とのことで、まだ整備状況は道半ばです。
都は、平成二十七年度から私立学校ICT教育環境整備費補助による支援を実施しておりますが、毎年のように活用している学校がある一方で、一度も活用していない学校もあるなど、学校によって取り組み状況に大きな差が生じています。ソサエティー五・〇に向けた教育が強く求められている中で整備を進めていく必要があります。
そこで、まだ取り組みが進んでいない私立学校に対してICT教育環境整備の必要性を認識してもらい、取り組みを促進していくべきと考えますが、見解を伺います。
○野間生活文化局長 学校現場におけますICT環境の整備は、ICTを活用した多様な学習を可能とし、児童生徒の学びへの意欲や関心を高め、学力を向上させるとともに、これからの時代に求められる情報活用能力を育成することにつながります。
都は、私立学校におけるICT環境整備を促進するため、平成二十七年度からその取り組みを支援してまいりましたが、環境整備が十分に進んでいない学校もございます。
そのため、今後は各学校に補助事業の活用を促すだけでなく、さまざまな機会を活用し、授業などでの具体的な活用事例の紹介を行うなど、ICT教育環境整備の必要性や有用性を示していくことで、各学校の取り組みのさらなる促進を図ってまいります。
○桐山委員 私立学校のICT環境整備については、学校側にその必要性を十分に認識をしていただきまして、整備が進むことを強く要望しておきます。
私立学校の耐震化は進んできていますが、いまだ一部の学校では耐震化が完了していません。大災害が起きたときに被害を受けるのは児童生徒です。学校にもそれぞれ事情があるとは思いますが、耐震化ができていないのであれば、せめてそのことを児童生徒、保護者には学校から告知することを促すべきと考えます。
そうした取り組みを含めて、私立学校の耐震化に向けて、都としてどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。
○野間生活文化局長 都は、私立学校が行います耐震診断や耐震補強、改築工事に対しまして、最大で五分の四となります補助を行うとともに、耐震化に向けた専門的な相談に応じる建築士の派遣なども実施してまいりました。
その結果、本年四月一日現在の私立学校における耐震化率は九五・八%まで進んでございまして、未耐震の校舎等を有する学校には耐震化計画の策定を求めております。
今後は、その計画に基づく早期の対応を強く働きかけていくとともに、各学校に耐震化状況の情報発信を求めていくなど、さまざまな方策を検討し、私立学校の耐震化を促進してまいります。
○桐山委員 私立学校の校舎等の耐震化は、本来学校設置者の責任で対応すべきものですが、学校に通う全ての児童生徒が安全な環境で学ぶことができるよう、いろいろな知恵を絞っていただきまして、私立学校の耐震化に向けた取り組みを促進していただくことを要望しておきます。
続いて、都立、公立学校のICT化についても伺っておきます。
学校における一人一台端末環境の整備に向けて、教育庁は、平成三十一年度に校内無線環境と生徒が持参した端末を利用するBYOD研究校事業、教員と生徒にLTE対応端末を配布し利用するICTパイロット校事業を実施しました。
コロナ禍にとられた休校措置のもと、学習保障を目的に、国は一人一台端末環境整備を今年度中に前倒し、都は全校における無線環境整備と全生徒へのIDの付与など、学校のICT化を進めてきました。また、我が会派が主張してきたクラウド・バイ・デフォルトの取り組みが進んだと考えております。
そこで、BYOD研究校やICTパイロット校などの事業のうち、今年度の学校ICT化の取り組みにつながった成果について伺います。
○藤田教育長 都教育委員会は、BYOD研究校事業及びICTパイロット校事業におきまして、一人一台端末を前提とした教育のあり方と必要な環境整備について検証してまいりました。
これら両事業によりまして、学習支援クラウドサービスを活用し、生徒が課題に自分のペースで取り組む主体的な学びや、クラウド上の資料をもとに話し合いをしながら結論を導く協働した学び等が深まったところでございます。
また、教員が生徒の学習進度、進みぐあいでございますが、学習進度をクラウド上で容易に把握し、個に応じた指導が可能となりますとともに、小テストやアンケートの実施におきましても業務の効率化が図られたところでございます。
加えまして、多くの生徒が同時にインターネットにスムーズに接続するためには、高速大容量の通信環境が必要であるということが改めてわかってきたところでございまして、今年度、増強工事をそれに基づきまして行ったところでございます。
これらの成果を踏まえまして、TOKYOスマート・スクール・プロジェクトを推進し、学びの充実を図ってまいります。
○桐山委員 クラウドに指導内容や成績データが蓄積されることによりまして、思いつきや主観ではなく、客観的データに基づく教育政策立案が可能になると考えております。引き続きの取り組みを求めておきます。
次に、都市整備関連について伺います。
BRT、将来的に一層の発展が見込まれる東京の臨海地域における課題の一つが交通アクセスの改善であります。
特に選手村のある晴海地域や、多くのタワーマンションが建ち、再開発等が進行中の勝どき地域などは、交通アクセスの改善は急務となっています。臨海部の地下鉄構想は、交通アクセスの改善に期待されるプロジェクトではありますが、鉄道整備には膨大な時間を要するため、息の長い事業となります。こうした交通需要に速やかに対応できる新たな交通として期待されているのがBRT計画であります。
東京BRTについては、コロナ禍の影響で五月から運行開始を延期していましたが、先月一日からようやく虎ノ門から晴海区間でプレ運行が開始をされました。また、東京二〇二〇大会後には段階的にルートをふやしていく計画となっています。
そこで、今回プレ運行が開始されましたが、改めてBRTのプレ運行の内容と意義について伺います。
○上野東京都技監 東京BRTの先行的な運行につきましては、昨年度より停留施設やターミナルの整備を進めるとともに、事業者におきまして、輸送力の高い国産の連接バスの開発や燃料電池バスの導入を行ってまいりました。
習熟運転なども経て、本年十月一日に虎ノ門と晴海との間で運行を開始したところでございまして、東京二〇二〇大会後には有明や豊洲などへ運行系統を拡大する予定でございます。
これら先行的な運行によりまして、鉄道の利用が不便な地区を初め、開発が進む臨海地域での交通需要の増加に速やかに対応していくとともに、本格運行への円滑な転換を図ってまいります。
○桐山委員 不特定多数の方々が利用する停留施設は、利用者の視点に立って利用しやすいものにしていくことと、通学路等の安全対策の配慮も必要だと考えております。
そこで、都が昨年度より整備をしてきた停留施設やBRTターミナル等において、利用者の視点からどのような施設整備を行ったのか伺います。
○上野東京都技監 昨年度より整備してまいりました新橋停留施設におきまして、乗客が快適に利用できるよう上屋やベンチを設置するとともに、車椅子利用者などあらゆる人がスムーズに乗りおりできるよう、車両と停留施設とのすき間を小さくする正着性を高める縁石を設置いたしました。
また、晴海BRTターミナルにおきまして、正着性を高める縁石の設置に加え、歩行者の安全性に配慮するため、ターミナルの出入り口に歩行者に注意喚起をする警報装置と安全ミラーを整備いたしました。
東京BRTが東京の新たな輸送システムとして、利用者にとって使いやすく魅力のある交通機関となるよう、引き続き関係者と連携して着実に取り組んでまいります。
○桐山委員 さまざま、この停留施設においても利用者目線の整備を行っていただいているとのことであります。車椅子やベビーカーなど多様な利用者がスムーズに乗りおりできるよう、施設整備に関して引き続き配慮をしていただきたいと要望しておきます。
今後、この東京BRTが公共交通対策を検討する上ですぐれたモデルとして注目をされ、世界に誇れる取り組みとなるよう推進していただきたいと思います。
東京版ソサエティー五・〇の実現に向けて、目下、都庁全体でさまざまな取り組みを進めていることと思いますが、都市整備局においてもスマート東京の一端を担う自動運転について、その社会実装に向け都市づくりのあり方を検討していると聞いております。また、都においては先週末、5G自動運転タクシーの実証実験が都庁周辺において既に開始をされております。
そこで、将来訪れる自動運転社会を見据えた都市づくりのあり方について、令和元年度に行った検討及びその結果、成果をどのように発展させるのか伺います。
○上野東京都技監 これまでどの都市も経験したことのない少子高齢、人口減少社会となります二〇四〇年代に向け、急速に進展する技術革新の動向も踏まえ、昨年度、有識者や区市等から成る検討会を立ち上げまして、都市づくりにおきまして自動運転技術をどのように展開していくかにつきまして検討してまいりました。
具体的には、住宅地から最寄り駅までのアクセスのしやすさや、来訪者の回遊性の向上などの観点から、地域特性や通勤、買い物等の移動目的ごとに自動運転によるバスや小型のモビリティーなどの活用のあり方を整理いたしました。
今後とも、ゆとりある空間の創出や人を中心とした都市づくりを見据えまして、多面的な検討を重ね、自動運転の普及による交通事故の減少や渋滞の緩和、物流の一層の効率化に加え、道路空間や駐車場の有効活用につなげてまいります。
○桐山委員 コロナ禍を受けて、日本や東京のデジタル化が世界の諸都市と比べておくれていることが課題として浮き彫りになっています。都民生活に広くデジタル技術を浸透させ、東京が世界でも最も選ばれる都市へと進化すべく、スピード感を持って取り組んでいただきたいと要望しておきます。
次に、東部地域の災害対策について伺います。
地盤の低いゼロメートル地帯が広く分布している東部低地帯では、これまで何度も高潮などによる水害が発生し、多くの被害を受けてきた歴史があります。早期に高潮や洪水から住民を守るために整備した隅田川の防潮堤は大変重要な施設でありますが、川に近づくことができなくなり、人々の意識を川から遠ざける一因にもなっています。
このようなことから、都は、安全性を確保しつつ、人々が水辺に集い親しめる河川の空間の創出にも寄与するスーパー堤防やテラス整備を進めてきており、着実に水辺に向いた空間が取り戻されつつあります。特にスーパー堤防は、川沿いのさまざまな施設と連携して整備を行うことができ、隅田川における水辺の活用の幅は広がっております。
そこで、隅田川におけるスーパー堤防整備の取り組みの状況と今後の予定について伺います。
○中島建設局長 都は、地震に対する安全性と河川環境の向上を目的といたしまして、隅田川において昭和六十年度からスーパー堤防の整備を進めております。オフィスビルなどの民間開発や防災拠点となる公園との一体的な整備などにより、広がりのある緑豊かな水辺空間が生まれ、散策や憩いの場として親しまれております。
令和元年度は、区立中学校の建てかえ等に合わせて実施した西尾久三丁目など六地区で整備を進めておりまして、年度末までに三十七地区で堤防延長の約三割に当たる約十六キロメートルが完成いたしました。
加えて、にぎわいの拠点として川沿いの公有地に民間活力を導入したホテル等を一体的に整備した両国リバーセンターが明日、全面開業いたします。
今後とも、地元区や開発事業者と連携を図りながら整備を推進し、安全で魅力ある水辺空間を創出してまいります。
○桐山委員 さまざまな連携方策が考えられる中、都心部ほど、両国地区のような地元区と観光での連携も重要と思います。引き続き、地元区と協力をしてスーパー堤防を推進し、水辺のにぎわいづくりを進めていただきたいと要望しておきます。
次に、ゼロエミッション東京戦略について伺います。
都は昨年十二月、ゼロエミッション東京戦略を策定し、二〇五〇年CO2実質ゼロに向け、資源循環を含む幅広い施策を気候変動対策に位置づけ、具体的な行動を開始しています。国においても先般、二〇五〇年脱炭素社会の実現を目指すことが宣言をされました。
プラスチックを初め化石資源の大量消費は、多くのCO2を排出しています。脱炭素社会を見据え、国内外の先進的な企業では、イノベーションを創出し、循環型経済の実現を目指す働きが活発化しています。
直近では、コロナ禍で一時的に使い捨てプラスチックの利用が増大している状況もあり、リデュース、リユースなど3Rの取り組みはさらに重要となってまいります。
こうした状況を踏まえ、都民、事業者の行動を促し、持続可能なプラスチック利用を実現することが求められておりますが、都の取り組みについて伺います。
○栗岡環境局長 二〇五〇年CO2実質ゼロに向けては、持続可能な資源利用の実現が重要でございまして、都は昨年、プラスチック削減プログラムを策定し、今後の施策の方向性を示したところでございます。
具体的な取り組みとしましては、都は企業と連携し、日用品等を宅配によりリターナブル容器で提供する新たなプラットホームや、飲食店等でプラ容器をバイオマス素材に転換し再資源化する取り組みを支援してまいりました。これにより、資源の循環利用を目指すビジネスの社会実装が加速してございます。
また、使い捨てプラ削減に向けまして、九都県市や大学、オフィスビル等と連携した効果的な普及啓発にも取り組んでまいりました。
こうした多様な主体との連携を強め、持続可能なプラスチック利用に資する革新的な技術やビジネスモデルの導入を後押しすることなどによりまして、脱使い捨ての生活様式への転換を促進し、循環利用の高度化を図ってまいります。
○桐山委員 大量生産、大量消費のライフスタイルを見直し、持続可能なプラスチック利用の実現を図ることがグローバルな共通の課題でございます。引き続き、こうした課題の解決に先導的に取り組むよう要望しておきます。
次に、東京二〇二〇大会について伺います。
まず、令和元年度の大会経費の決算状況ですが、大会に不可欠な新規恒久施設整備で約千二百四億円となっており、昨年度全て竣工したと聞いています。また、共同実施事業等では約九百三億円となっており、組織委員会等と連携をし大会準備を進めてきたとのことです。
大会経費については、昨年度はもとより、従前から削減に取り組んできたところでございます。延期によるコストの削減についてもさまざまな検討がなされ、削減効果についても先般公表されたところです。来年の大会実施に当たり、全体で幾ら経費がかかるのか、それを誰が負担するのかを明らかにして、都民、国民の理解を得ていくことだと考えます。
そこで、大会延期に伴うコストを可能な限り抑えるとともに、大会経費全体について、その分担も含めて明らかにし、都民の理解を得る必要があると考えますが、どのように取り組んでいくか、知事に伺います。
○小池知事 新型コロナウイルス感染症を乗り越えて大会の開催に向けた準備を進める、そのためには、都民、国民の理解や共感が得られる大会である必要がございます。
そのため、大会経費につきましては、サービスレベルの水準を最適化、合理化するとともに、延期によって生じるコストの削減を図ることといたしまして、組織委員会とともにIOCと大会の簡素化に向けた見直しを行ってきております。
これまでの成果でございますが、ことし九月のIOC調整委員会におきまして、五十二項目について合意をいたしております。そして、先月のIOCの理事会におきましては、三百億円の削減効果が公表されたところであります。
また、延期に伴います追加経費でございますが、簡素化による成果も踏まえながら、組織委員会におきまして算出しているところであり、都としても確認、精査を行ってまいります。
引き続き、国際競技連盟、そして各国のオリンピック委員会などの関係者と簡素化に向けました努力を重ねるとともに、追加経費に係ります負担も含めまして、IOCと組織委員会を含む日本側が共同で議論を行って、大会経費のバージョンファイブの策定に向けまして取り組んでまいります。
○桐山委員 十一月八日に体操の国際競技大会、知事も来賓として出席をされていました。私も最初から最後までこの大会を見てまいりましたが、会場の外ではオリンピック反対の抗議のデモみたいなのがあった中で、大会後、閉会のセレモニーで、内村航平選手から国民の協力を求めた次のスピーチがございました。少し端的に申し上げます。
国民の皆さんがオリンピックができないのではという思いが八〇%を超えているのが残念というか、しようがないと思うけど、できないではなく、どうやったらできるかを皆さんで考えて、どうにかできるように、そういう方向に変えていってほしいと僕は思いますというふうに、スピーチでアスリートの熱い思いを語ってくださいました。
ぜひ、私たち都民ファーストの会東京都議団も、アスリートファーストであるべきと一貫して主張してまいりました。どうやったらできるかをぜひ皆さんで考えていこうじゃありませんか。そして、アスリートの思いを、しっかりと希望と勇気をもたらすことであると考えております。
東京大会は、コロナの影響で昨年度末に一年延期となりましたが、コロナを乗り越えて大会の成功を導くためには、コロナ対策を万全にし、安全・安心な環境を確保することが前提となります。
アスリートを初め、東京二〇二〇大会におけるコロナ対策についてどのように検討を進めているのか、知事に伺います。
○小池知事 ただいまの委員のご質問に全て答えは入っていたかと思いますが、大会を成功に導くためには、選手、観客、関係者など全ての方々にとって安全・安心な環境が提供できるように準備を進めていくことが重要であります。
新型コロナウイルス感染症対策につきましては、国、組織委員会、そしてアスリートの代表であるJOC、JPCなどで構成する調整会議におきまして幅広く議論を行っております。年内を目途に中間の整理を行うことといたしております。
その中でありますが、入国時の水際対策、競技会場、選手村における感染防止対策、保健医療体制の確保などについて、国内外のスポーツイベントにおけますさまざまな知見や経験を踏まえまして、検討を進めております。
先日開催されました体操の国際大会でありますけれども、選手団の徹底した行動管理、会場における動線の区分などさまざまな対策が行われまして、来年の大会に向けて貴重な知見を得ることができました。
引き続き、関係者と協力をいたしまして、安全・安心な大会の実現に向けて着実に準備を進めてまいります。
○桐山委員 最後に、時間がありませんので、質問だけさせていただきます。
最後に、決算を踏まえた今後の予算編成についてですが、今後の財政環境が厳しくなる中、これまで以上に予算の執行管理をしっかりと行い、PDCAサイクルを回していくべきだと考えていますが、財務局長の見解を伺います。
○潮田財務局長 景気変動の影響を受けやすい都財政は自立的な財政運営が求められており、予算編成、執行、決算のPDCAサイクルの実効性を高めていくことが重要でございます。
そのため、予算執行に当たりましては、社会経済情勢の変化を的確に捉え、必要に応じ流用などの制度も適切に活用しながら、時機を逸することなく対策を講じるとともに、より効果的、効率的な事業実施に向けて、従来にも増して創意工夫を図ることで、一つ一つの事業効果を最大限に発揮させていくことが大事だというふうに考えております。
また、予算執行を通じて浮き彫りになった課題や、各施策の決算の分析によって得られた結果を翌年度予算に着実に反映し、都民への説明責任を果たしながら、これまで以上に賢い支出を徹底してまいります。
○中山(ひ)委員長 桐山ひとみ理事の発言は終わりました。
鈴木あきまさ委員の発言を許します。
○鈴木(あ)委員 自民党の鈴木あきまさでございます。
私からは、初めに、決算の役割と決算審議についてお伺いをさせていただきます。
そもそも、都がどのような考え方で何のためにその事業を行うのかについて議論する場が予算審議であり、その結果を審査するのが決算審議であります。つまり、予算のもととなった事業計画が当初の趣旨に沿った形で執行されているのか精査、検証し、その成果や課題を具体化、可視化することで次年度以降の都政運営に生かしていく、このことこそが決算審議の重要な意味だと理解をいたしております。令和元年度決算審議においても、こうした観点からそれぞれ確認していきたいと思います。
それでは、元年度の各局の決算審査に入る前に、決算審査の意義と役割を会計管理局長にお伺いをいたします。
○佐藤会計管理局長 決算は、予算に計上された施策や事業の執行結果を計数的に明らかにするものでございます。その役割は、行政目的が効果的、効率的に達成されたかどうかの判断材料を議会や都民に提供することでありまして、また、次年度以降の行政運営の指標となるものでございます。
このような観点から、都では、決算書や附属書類等の法定決算資料に加えまして、決算参考書や複式簿記・発生主義会計に基づく財務諸表など、さまざまな参考資料を議会に提出することで、多角的な検証が行えるよう努めているところでございます。
○鈴木(あ)委員 予算の適正な編成と効率的な執行、そして決算審査を経て都の各局事業を検証、分析し、より効果的かつ実効性のある予算編成につなげていくことが重要である点について、今、会計管理局長の答弁からも確認をさせていただいたところでございます。
決算審査のイロハのイであるわけでございますが、そこで、各局事業についてお伺いをする前に、元年度の予算編成に関して一言申し上げておきたいと思います。
知事は、元年度予算を編成するタイミングで五千六百二十三億円もの平成三十年度の最終補正予算案を編成し、築地跡地を一般会計に有償所管がえし、開発計画に関しては概略図しか示さずに、築地跡地の再開発に関する築地再開発検討経費六千九百万円を元年度予算に計上しました。
知事が築地まちづくり方針を発表したのは、予算審議が終了し、元年度予算が確定したその翌日でありました。そして、現在に至るまで知事は、築地跡地を市場として利用するというご自身の方針を変更したことについて、いまだ都民には説明をしておりません。
こうした都政運営は、この二元代表制のもとでの真摯な予算審議、都民への説明責任という民主主義の基本をおろそかにするものでありますということを改めて知事、そして理事者の皆さんに指摘しておきます。
さて、予算編成に関連して、知事が主導する事業提案制度についてお伺いをさせていただきます。
知事は、都民提案、職員提案を平成三十年度に開始し、平成三十一年度から大学研究者による提案制度を開始しました。制度導入当初の執行率は惨たんたるものでした。少しずつ改善しているようですが、いまだに執行率が極めて低い事業も散見しております。
各種提案を都として事業化するのであれば、区市町村との事前調整も含め、所管局が一定の修正を加えるなどして事業効果が確実に見込めるよう、そのようにブラッシュアップをして事業化することが必要であったことを改めて指摘しておきます。
当面、令和三年度はこれらの事業提案制度を中止されるようですが、今後も継続されるのであれば、事業内容を丁寧につくり込むことでこの提案の趣旨を有効活用すべきです。予算化すること自体に意味はありません。提案を都政、そして区市町村行政に効果的かつ確実に反映していくことこそ意味があります。このことは、都の事業全てに共通するものでもあります。
決算の結果を真摯に受けとめ、都民ニーズの実態調査や事業執行に向けた着実な計画と準備を十分に行い、事業実態に即した内容と規模で事業化を進めていくことこそが真の意味でのワイズスペンディング、賢い支出であると考えます。知事の見解をお伺いします。
○小池知事 お尋ねの事業提案制度でございます。
行政にはない新たな知恵、そして発想を直接都の施策に反映させる仕組みでございまして、都民の身近な視点に根差したニーズを都の政策立案に活用して都民に還元をする、このような好循環が生まれていると考えております。
例えば、提案を踏まえまして教育委員会が実施した例でございます都立高校における起業・創業学習でありますが、学習プログラムや体験講座を通じて起業や創業の考えに触れる機会を生徒に提供する、そのことによって豊かな感性を養い、将来の選択肢をふやすことにつながるなど好評を得ておりまして、引き続き実施をすることといたしております。
令和三年度予算でございますが、新型コロナウイルスを克服して東京の未来をつくるためのアイデア募集を実施しまして、二百件を超す提案が寄せられております。現在、都の施策への反映を検討いたしているところでございます。
申し上げるまでもございませんが、新たな取り組みを実施する際には、事業提案制度に限らず、民間、そして区市町村との関係や社会経済情勢の変化など、さまざまな視点から検討を行う必要があると考えております。
こうした観点から、今後とも、全ての事業につきましては、事業の成果等を多角的に検証するなど不断の見直しを行ってまいります。
○鈴木(あ)委員 今知事から、事業の成果等を多角的に検証するなど不断の見直しを行っていくとの答弁がありました。
私が申し上げたいのは、都民提案やコロナのアイデア募集など、そのこと自体が問題ではありません。大事なのは、おのおののアイデアや提案をもとに実効性のある行政施策をつくり、実行していくことです。不断の見直しを改めてお願いをしておきたいと思います。
適正な予算編成という観点から、自民党は分科会質疑でもお伺いをしてまいりましたが、ベビーシッター事業についても改めてお伺いをさせていただきます。
平成三十年度の新規事業です。所管局は六億円で要求したのですが、知事査定では突如四十四億円も追加され、予算規模が五十億円に膨らんだ事業です。その決算は、決算額四千五百万円、執行率わずか〇・八%、不用額四十九億五千万円弱、つまりほぼ執行実績がないという惨たんたる結果に終わりました。
ところが、その翌年の元年度も、決算が五千万円にも満たないにもかかわらず、その実績の四十倍、二十二億円が予算計上されました。そして、今回明らかになった決算でも、執行率がわずか一一・四%、不用額は二十億円弱という大変厳しい結果であります。
令和二年度は、所管局は元年度実績の二・五倍、二年前の局要求額とほぼ同じ六億円を要求したのですが、やはり知事査定で一億六千万円が増額され、予算額は八億円台となっています。
一年目はほぼ執行実績なし、二年目は一割がやっと、こうした結果を見ると、都民ニーズの実態調査や事業執行に向けた区市町村との事前調整が十分に行われたのか、予算の規模は事業実績を反映しているのか、こうした疑問が残ります。
他の事業では、担当部局から必要性を強く要望されながらも、査定の中で予算規模の縮小を余儀なくされた事業が幾つもございます。
二年も続けてこのような結果になった原因を、予算編成全体を所管する財務局長にお伺いします。
○潮田財務局長 限られた財源の中で、山積する都政の諸課題に的確に対応していくためには、効率的で実効性の高い施策の構築が求められるところでございます。
予算編成に当たりましては、事業の実績や執行率とともに社会的要請や事業の必要性など、さまざまな角度から分析、検証を行い、必要な予算を計上しております。
お尋ねのベビーシッター利用支援事業は、令和元年度予算では、利用者が活用しやすくなるよう事業内容を拡充するなどのブラッシュアップを図ったところでございますが、利用時間の上限までの利用がされていないなどの幾つかの理由によりまして執行状況が伸びていなかったものでございます。
今後とも、事業評価の取り組みを徹底するなど、多角的な検証を行いながら必要な予算を計上し、着実な執行により、都民サービスの向上に努めてまいります。
○鈴木(あ)委員 今の答弁では、執行率だけがポイントではないとも聞こえます。私たちも、社会的な要請も重要な視点であることは否定しません。しかし、この事業に関しては、その社会的要請や事業の必要性の分析、検証が不十分であったことが、事業実績はほぼゼロに等しく、執行率一割という大変厳しい結果につながったのではないでしょうか。多面的な検証が必要だと考えております。
例えば、私の大田区では、大田区独自の基準に基づく家庭福祉員、保育ママというものですが、その保育ママ制度を実施しております。都が予算を上乗せをすれば保育ママもふやせますし、利用料も下がるわけでございます。多様な保育施策を展開して子育て支援策を充実することも必要ではないんだろうかと、そのように指摘をさせていただきたいと思います。
都民から預かった貴重な財源であることを肝に銘じていただくとともに、各局が断腸の思いで協力をしているということにぜひ思いをはせていただいて予算編成に努めていただくよう強く要望をしておきます。
それでは、各局事業について伺ってまいります。
まず、元年度に取り組んだ気候変動対策についてお伺いをします。
都では、平成三十年に発生した西日本豪雨を踏まえ、都民が適切な防災行動をとれるよう、一人一人が水害から避難を考えるため、材料を一式にまとめたキットである東京マイ・タイムラインを昨年五月に作成、公表をいたしました。
東京マイ・タイムラインは、台風、長引く大雨、急な豪雨から都民、区民の命を守るツールです。私も作成してみましたが、気象や行政などからの情報に合わせて、あらかじめ自分や家族の行動を決めるのはもちろんのこと、ご近所に住まわれている高齢者への声がけなどについて、共助についても考えて、もしものときに実施に移してもらい、一人でも多くの人命を救うというものであります。さらに、これをつくることによって、避難する際の持ち出し袋の中身も考えるといった相乗効果も期待できます。
私も、朝の街頭都政活動報告などにはこの東京マイ・タイムラインをいつも携帯して、希望者にはお渡しを、差し上げているということをしております。フェイスブックやブログでも紹介をさせていただきました。その結果、区民ならずとも、何か渋谷区の方からも私の事務所にとりに来た方がいらっしゃいました。
ことしは幸いにも東京の本土に大規模な台風が直撃するようなことはありませんでしたが、東京の島しょ地域としては初めてとなる大雨特別警報が発令されるなど、防災の対策や都民の意識啓発がいかに重要であるか改めて認識したところです。
東京にはさまざまな年代の人々が暮らしており、このような人々が一人でも多く風水害への意識を高めてもらいたいと考えております。そのためには、東京マイ・タイムラインの一層の普及をもって進めていくことが必要と考えますが、これまでの取り組みと課題についてお伺いをします。
○山手総務局長 都では、東京マイ・タイムラインを子供から大人まで多様な世代の人々に取り組んでいただけるよう、その特性に合ったさまざまな普及啓発の取り組みを実施してございます。
具体的には、全ての児童生徒に配布し、要請に応じまして作成方法を習得できる出前講座を実施してございます。また、地域住民に対しては、町会を対象とした作成講座や地域で作成指導に当たる人材の養成講座を実施するとともに、企業等で働く人を対象としたセミナーを東京商工会議所と共同で開催をしてございます。
一方、公表初年度である昨年時点における認知度は約二割でございまして、あらゆる機会を捉えて周知の取り組みを進めていくことが必要であると思います。
今後とも、より多くの都民が適切な防災行動を実現できるよう、普及啓発を積極的に実施してまいります。
○鈴木(あ)委員 東京で暮らすさまざまな人々が自身や地域の状況に応じた適切な防災行動に移ることができることを希望してやみません。
先ほどお話ししたように、私自身もそういったマイタイムラインの普及啓発に取り組んできましたが、より多くの都民がこの東京マイ・タイムラインを手にとって、いざというときにどのような行動をとるべきかに思いをはせて、日ごろから風水害への意識を高めてもらいたいと思います。
都には、世代を問わずマイタイムラインのことを知っていただくよう、引き続き努力をお願いしたいと思います。
次に、学校体育館への空調設備についてお伺いをいたします。
昨今、猛暑の影響により、学校体育館での授業や行事において児童生徒が熱中症により緊急搬送されるなど深刻な事態が発生しており、空調整備等、教育環境の充実が求められております。また、近年、大型台風の到来等が懸念されており、いざというときに地域住民が避難する場所として学校体育館の防災機能強化が期待されています。
こうしたことを踏まえて、都教育委員会は、従来から準備を進めてきた都立特別支援学校に加え、令和三年度末までを重点整備の期間として、公立小中学校及び都立高校の体育館への空調準備を進めていると伺っております。
一方、新型コロナウイルス感染症対策に伴う夏季休業期間の短縮によって工事期間の確保が難しくなるなど、予定どおりに事業が進捗しているのかどうか懸念されるところであります。
そこで、都内公立小中学校及び都立高校の体育館への空調整備を重点整備の期間中に着実に進めていくべきと考えますが、現在の整備状況について伺います。
○藤田教育長 都内区市町村立小中学校につきまして、都教育委員会では、令和元年度から三カ年の区市町村による整備計画に対し、都独自の補助を設けて支援を行っております。
令和元年九月一日時点の状況で二四・三%でありました整備率は、令和二年九月一日時点で五一・二%となってございます。
また、都立高校につきましては、令和元年度に二十一校の整備を行ったところでございます。今年度はさらに九十九校の整備を進め、九月一日時点では、都立高校全体の六四・六%に当たります百二十二校において整備済みとなっている状況でございます。
なお、現時点におきまして、今年度の体育館空調整備事業にコロナ禍による大きな影響は生じてはございません。
今後も、重点整備期間における着実な整備に向けて取り組んでまいります。
○鈴木(あ)委員 コロナ禍においても体育館への空調整備が順調に進んでいることを確認できました。
しかしながら、都財政に目を転じると、今後は歳入確保が難しくなることも予想されます。こうした懸念もありますが、教育環境の改善や防災機能強化のため、引き続き着実な事業の進捗に取り組んでいただくよう要望しておきます。
次に、最先端技術の活用について伺います。
柔軟な働き方を可能とするテレワークは、企業の持続的な成長に向けた生産性向上や人材の有効活用、また、コロナ禍における事業継続対策としても効果を発揮するものであり、新たなワークスタイルとして導入を促進することが重要です。
現在、都内企業のテレワークの導入率は年々上昇し、コロナ禍において急速に拡大しているが、企業に大きなメリットをもたらすテレワークの導入をさらに促進していくためには、実際に利用する企業や従業員の方の声を多く広く収集して、都の施策に反映させていくことが必要であります。
そこで、都は昨年度、テレワークに関して、都内企業を対象に実態調査を実施しておりますが、テレワークの導入等に関して、企業や従業員の方々からはどのような要望が上がっているのかお伺いします。
○村松産業労働局長 昨年七月に都が行いました実態調査では、企業がテレワークの導入に当たり行政に求める支援策として、テレワーク導入費用の助成との回答が約五割と最も多く、続いて、成功事例などの情報提供やテレワークという働き方の普及啓発、サテライトオフィスとして活用できる施設提供がそれぞれ約二割となっております。
また、企業の従業員の方からの行政に対する要望といたしましては、テレワーク導入企業の実例や行政の支援について知りたい、サテライトオフィス等を整備してほしい、外出先でテレワークを行う際に電源やネット環境がそろっていることがまだ少ないため、アプリで設置場所を見ることができるようにしてほしいなどの意見が寄せられたところでございます。
○鈴木(あ)委員 ただいまの答弁にもあったとおり、企業のテレワーク導入を進めるためには、特に資金面での支援とともに、事例や行政の支援施策、利用可能なサテライトオフィスなどの情報提供が重要です。このうち、導入費用については、都は既にテレワーク機器等の購入に係る助成金により強力に支援をしているところであります。
一方で、情報提供については、これまでもホームページやリーフレット等で情報提供を行っていますが、テレワークのさらなる普及を進めるには、企業や従業員の方々がテレワークに関する情報をより気軽に入手できるようにすべきだと思います。
都は昨年度、スマートフォンからでもテレワークに関する情報を容易に入手できるよう、テレワークの導入促進のためのアプリを新たに開発をしておりますが、その機能や利用状況についても伺います。
○村松産業労働局長 都は、昨年十一月にTOKYOテレワークアプリを開発し、テレワークの導入事例やテレワーク勤務を行う際に役立つツールのほか、助成金等の支援など、テレワークに関するさまざまな情報等を一元的に提供をしております。令和元年度のリリース以降、これまでに約一万人を超える方々がこのアプリをダウンロードし、活用されております。
また、アプリの多様な機能のうち、現在地から近くのサテライトオフィスを検索できる機能やテレワーク勤務の際に活用できる勤怠管理ソフトのほか、セミナー等の支援情報の通知機能などが多くの方々に利用されているところでございます。
○鈴木(あ)委員 TOKYOテレワークアプリのダウンロード利用者数も、テレワークの急速な普及に伴い既に一万人を突破したところですが、コロナの終息が見通せない中、その重要性はますます高まっています。今後もテレワークの定着促進に向けた普及啓発に工夫して取り組んでいただきたい、そのように要望しておきます。
次に、最先端技術を活用した福祉サービスの向上に向けた取り組みについて伺います。
元年度予算では、介護保険施設等におけるICT活用促進事業、四億円を新規事業として開始しました。介護施設においてもICTを活用し、生産性の向上や効率化を図り、人材不足への対応や、本来取り組むべき利用者へのケアを充実させていくことが必要です。ただ、介護現場では、ICT導入に対する抵抗感や、活用したいが実施方法がわからないなどの声も聞きます。
そこで、令和元年度から都が開始した介護保険施設等におけるICT活用促進事業の実績とICT活用の促進に向けた取り組みについて伺います。
○吉村福祉保健局長 介護現場における業務の効率化や職員の負担軽減を図るため、都は昨年度から、夜間の見守りを支援するセンサーの導入や介護記録の電子化など、施設業務全般にわたるICT環境の整備に取り組む特別養護老人ホームなどを支援しており、百七カ所に補助を行いました。
ICTの導入に当たりましては、現場のニーズに合った機器の選定や業務における効果的な活用が課題となることから、導入を検討している施設の参考となるよう、先進的な事例をホームページで紹介するほか、施設見学会や職員がICTに習熟するための研修会を実施しており、今後ともこうした取り組みにより、介護施設におけるICT活用を促進してまいります。
○鈴木(あ)委員 ICTを行政施策に反映させ、都民福祉を向上させていくには、行政現場の実態とニーズに即した形で先端技術を取り入れていくという姿勢が欠かせないわけですが、行政需要にIT技術をマッチングさせていくには、さまざまな課題が残されていることも事実です。一つ一つ丁寧に対応し、実効性のあるICT化を推進していただくよう要望をしておきます。
続いて、災害対策についてお伺いをしてまいります。
近年は豪雨が激甚化し、頻発化し、毎年のように全国各地で記録的な豪雨による災害が発生しております。昨年の台風十九号では、都内でも多摩西部を中心に総雨量六百ミリを超える猛烈な雨が降り、河川からの溢水や土砂災害が発生をいたしました。
そこでまず、中小河川の洪水対策についてですが、昨年の第四回定例会における我が党の代表質問において、台風十九号の際に、神田川・環状七号線地下調節池により河川の水位を最大約一・五メートル低下させるなど、溢水の未然防止に大きな効果を発揮したとの答弁があり、改めて調節池の効果を認識することができました。今後とも、豪雨に対して大きな効果を発揮する調節池の整備をしっかりと進めていただきたい、進めるべきです。
そこで、新たな調節池の事業化に向けた令和元年度の取り組みについてお伺いします。
○中島建設局長 都は、平成三十年西日本豪雨などを受けて実施いたしました防災事業の緊急総点検を踏まえまして、神田川など八河川において、新たな調節池の事業化に向けた検討を前倒しして実施しております。
令和元年度は、各河川の特性や川沿いの土地利用状況などを踏まえまして、調節池の候補地や構造形式とともに、環状七号線地下広域調節池の延伸等について検討いたしました。このうち、候補地の管理者などとの調整が進んだ石神井川及び境川で、今年度、合計約三十五万立方メートルの新たな二つの調節池を事業化いたしました。
未来の東京戦略ビジョンで掲げました二〇三〇年度までの約百五十万立方メートルの事業化に向けまして、取り組みを推進してまいります。
○鈴木(あ)委員 新たな調節池の整備について、既に二つの調節池が事業化するなど、早速成果もあらわれてきていることがわかりました。今後も早期の安全性向上に向けて、我が大田区の事業も含めまして着実に進めていただきたい、このように思っております。お願いしたいと思います。
では、土砂災害対応についてお伺いをさせていただきます。
平成三十年は、西日本を中心に大きな被害を与えた七月豪雨等により、全国で三千四百五十九件の土砂災害が発生をして、集計を開始した昭和五十七年以降で最多を記録いたしました。
令和元年には、台風十九号により東日本を中心に大きな被害に見舞われ、都においても多摩地区を中心に土砂災害が発生しました。
近年、土砂災害の発生は増加傾向にあり、都においてもいつ再び起こるかわかりません。土石流をとめる砂防堰堤の整備など、ハード対策とともに、住民の迅速な避難行動につながる土砂災害警戒区域等の指定など、命を守るソフト対策についてもあわせて実施をしていく必要があります。
そこで、令和元年度における土砂災害対策にかかわるこの取り組みについてお伺いをいたします。
○中島建設局長 土砂災害から都民の命を守るためには、ソフト、ハード両面から対策を進めることが重要でございます。
令和元年度には、ハード対策では、奥多摩町西川や大島町大金沢で土石流をとめる砂防堰堤を整備するなど、多摩・島しょを合わせて五十カ所で事業を実施いたしました。
ソフト対策では、土砂災害警戒区域等の指定について住民説明会を集中的に行うことで、昨年九月に都内全域約一万五千カ所の指定を半年前倒して完了いたしました。翌十月の台風第十九号では、青梅市の中曽川で工事中の堰堤が土石流を捉え、道路や鉄道への被害を軽減いたしました。また、住民への土砂災害警戒区域等の周知や出前講座の実施などが事前避難につながっております。
引き続き、都民の安全・安心の確保に向け、土砂災害対策を推進してまいります。
○鈴木(あ)委員 土砂災害に備えるため、ソフト対策にも引き続き取り組んでいただくとともに、災害を防止する効果の高いこの砂防堰堤の整備など、ハード対策について、時間がかかるかと思いますが、着実に進めていただきたいと思います。
さて、私の方で準備をしておりました質問、知事初め理事者の皆様のスピーディーな答弁によって少し時間がございます。
そこで、最後に知事にお伺いをさせていただきたいんですが、アメリカの大統領選でございますが、事前の、何というんでしょうか、世論調査のとおり接戦になり、そして民主党のジョー・バイデン前副大統領が勝利宣言をしたと、こういうような結果と相なったわけでございます。
そこで、首都東京の知事として、小池知事に、トランプ政権のまさに評価、そしてこのバイデンさんの、首都東京の知事としてバイデンさんに期待をするところがありましたらぜひお伺いをさせていただきたい、このように思います。
○小池知事 突然のご質問でございますが、残り六分間ずっと話してよろしいんでしょうか。それとも簡潔でよろしいんでしょうか。
一言で申し上げますと、今回のこの大統領選挙というのは、まさに民意を表するものかと存じます。そして、とはいえ、真っ二つに分かれた部分もあり、同盟国日本からは、やはりディバイデッド・ステーツではなくて、ユナイテッド・ステーツとしてこれからまとめ上げていく、そのようなリーダーを期待したいと、このように考えております。
特に、現在勝利を既に宣言されておられる、宣言といいましょうか、おられますこのバイデン大統領予定者につきましては、これまで民主党政権がそうであったように地球環境問題に大変熱心であるという点、これは東京として二〇五〇年までに事実上CO2の排出をゼロにするというゼロエミッション計画を掲げております。姉妹都市であるニューヨークとは、これらの点でも既に連携をとっております。
そういったことからも、この地球環境問題は、特に国境も、また都と県とその境も、これは関係ないわけでございますので、まさに地球規模で取り組む中において、CO2の排出が極めて多いアメリカが連邦政府として取り組むことは非常に期待をされるところであります。
よって、東京で既に実施をしている大規模な事業所などのキャップ・アンド・トレードなど、これらの東京で既に先行している環境対策、そしてまたアメリカの実は大変進んでいる環境対策、また技術、これらのことをしっかり連携とりながら行うということは、日米にとって、また世界にとっても重要なことだと思っております。
また、もう一言加えますと、初めて女性の副大統領が誕生しようとしているというのも、これも非常に大きな変化を呼んでいくことになろうかと、このように思います。
アメリカでも、日本でも、それぞれ人口の半分はほぼ女性と男性とに分かれるわけでございますから、そういったことを考えますと、新しいうねりにつながっていくのではないだろうか、そのことも期待をしたいというふうに思っております。
いずれにしましても、日米がしっかりと連携をすることは地域の安定でもあります。安全保障面でも重要でございます。また地球環境面でも重要、こういったところでしっかりと連携できることを期待しているということであります。
○鈴木(あ)委員 ジョー・バイデン前副大統領、今回、勝利宣言の中で、分断ではなく団結していこうよというふうにアメリカの国民に訴えかけられました。まさに東京都政もそういった時期に入ってきているのではないんでしょうか。私たちもこれからのこの小池都政をしっかりとチェックもさせていただき、協力すべきはしっかりと協力をさせていただく、そんなような私は今思いでおります。
久しぶりのこの取りまとめ総括質疑をさせていただきました。どうもありがとうございました。
○中山(ひ)委員長 鈴木あきまさ委員の発言は終わりました。
この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩をいたします。
午後二時五十八分休憩
午後三時十五分開議
○中山(ひ)委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
休憩後より梶原副知事にもご出席をいただいております。よろしくお願いを申し上げます。
これより質疑を続行いたします。
中山信行副委員長の発言を許します。
○中山(信)委員 ただいまから質疑をさせていただきたいと思います。
令和元年度を振り返りますときに、後々やはり印象深く思い起こされるのは、台風被害、そして新型コロナウイルス感染症の対応が始まった年ということであろうかと思います。
そこでまず、災害対応を取り上げたいと思います。
初めに、昨年の台風十五号、十九号を初めさまざまな自然災害で被災された皆様に改めて心からお見舞いを申し上げたいと思います。
台風十九号では、河川決壊に備えて各区が広範囲に避難勧告を発令するなど、近年まれに見る緊急事態となり、さまざまな被害が発生しました。日の出町では、都道一八四号線が河川の増水で通行不能となり集落が孤立化、奥多摩町でも、日原集落に通ずる都道二〇四号が崩落、やはり集落が孤立化しております。
パネルをお願いします。そのため、都議会公明党は、地元町村議会の議員から通報を受け、即座に現地に駆けつけ、視察を踏まえ、早急な都の対応を要請しました。
こちらのパネルをごらんください。これが十六日の日の出町内の模様です。写真でごらんのとおり、平井川が増水し、都道一八四号線がえぐられ、崩落しております。
次のパネルをお願いします。これが十八日の檜原村の災害現場です。南秋川の増水で、都道三三号線、いわゆる檜原街道が崩落しております。
そこで、被災した都道に対するこれまでの取り組みと復旧予定並びに山岳部の道路における管理についてお伺いいたします。
○中島建設局長 昨年の台風第十九号では、土砂の流出や道路の崩壊などにより、三十一カ所で通行どめが発生いたしました。
都は被災後、速やかに応急復旧工事に着手いたしまして、大規模な崩落が発生した一般都道一八四号日の出町大久野地区などで仮設道路を設置するなどによりまして、順次交通開放を行い、本年五月には、全ての箇所で通行どめを解除いたしました。現在、六カ所で斜面や道路擁壁などの復旧工事を進めておりまして、引き続き、早期の本復旧完了に向け取り組んでまいります。
山岳部の道路の管理につきましては、日常の道路巡回に加えまして、五年に一度の定期的な点検などにより斜面の状況を把握いたしまして、緊急度の高い斜面から、のり枠や落石防護工の整備などの対策を行っております。
今後は、ドローンなども活用し、山岳部の道路の管理を着実に進めることで、都民の安全・安心の確保に努めてまいります。
○中山(信)委員 既に、都による迅速な対応で孤立は解消され、現在は六カ所で早期の本復旧工事完了に向けて取り組まれているということであります。また、山間部では、ドローンを駆使するとのことでありまして、平素からの点検を着実に行い、安全で安心して通行できる道路の管理をよろしくお願いしたいと思います。
次に、河川の溢水被害が発生した箇所における復旧につきましては、我が党の本年第一回定例会の代表質問で、出水期までの復旧が重要という認識を確認したところであります。
あわせて、災害時には都民への情報提供も大切でありまして、台風十九号後の緊急要望で求めておりますけれども、災害時の都民への情報提供のための手段としての河川監視カメラの拡充が進んでいると聞いております。
そこで、台風十九号における河川の復旧状況と現在の取り組み状況についてお伺いいたします。
○中島建設局長 昨年の台風により大規模な護岸崩壊が発生いたしました秋川や南浅川など四河川十カ所におきましては、被災後直ちに大型土のうによる応急対策を実施いたしまして、ことしの出水期までに、大型ブロック積み護岸などによる復旧を完了いたしました。加えて、護岸の一部損壊箇所につきましても、これまでに約二百五十カ所で石積み護岸の補修などを完了させております。
溢水があった秋川など多摩地域の七河川では、現在、狭隘箇所や河道内の堰などの構造物等を把握する調査を実施し、改良工事によるボトルネック解消などの対策を検討しております。
また、河川監視カメラにつきましては、昨年度までに公開しております二十五カ所に加えまして、浅川など都内十三カ所で新たに設置し、公開いたしました。
今後とも、河川のさらなる安全性の向上により、豪雨への対応力を強化してまいります。
○中山(信)委員 我が党の現地議員との連携しました緊急要望に迅速に対応していただけましたことを評価させていただきたいと思います。
続いて、被害を受けました住宅復旧策について質問します。
十五号、十九号の被害として、都内でも合わせて七百九十棟の建物が全壊、半壊となるなど、多くの被害が発生しました。住宅政策本部長に伺いますが、台風第十五号、第十九号での災害救助法の対象外となる部分も含めた都の区市町村支援事業の経緯、内容、実績、特徴、いろいろ聞きたいんですけれども、一遍にお伺いいたします。よろしくお願いいたします。
○榎本住宅政策本部長 住宅被害対策区市町村支援事業、これが住宅対策、被害対策でございますが、この事業は、令和元年台風第十五号及び第十九号の住宅被害が広範であったことに鑑み、令和元年第四回都議会定例会に補正予算案を提出し、緊急対策として行ったものでございます。
本事業は、国の応急修理制度の対象とならない一部損壊住宅の補修工事を行う方に対して、区市町村を通じて支援を行ったものでございます。補助対象には、国の応急修理制度の対象となっていない支払い済みの補修工事も対象とするなど、区市町村の意向も踏まえまして柔軟に対応いたしました。
本事業の補正予算額二億五千万円に対し、実績は一億八千九百七十三万余円、補助戸数は三十五区市町村で合計千八百五戸でございます。
○中山(信)委員 ありがとうございました。もう既に分科会で明らかにされておりますけれども、福祉保健局の補助実績は、台風十五号に対し、五区一町二村の計二十八世帯で千五百七十二万円、十九号では、二区五市の計二百二世帯で一億二百三十八万円とのことでございます。
今回の災害対応におきましては、国も国交省を中心に迅速な対応を行ったことが評価されるべきでありますけれども、東京都におきましては、国制度では対象とならない支援を行ったことが特筆されるべきであります。
パネルと資料をお願いいたします。こちらのパネルをごらんください。こちらの二つの囲みが、福祉保健局が都の事業として、国の支援金の対象とならない都内自治体であっても、都と地元自治体が二分の一ずつ負担することで支援金を支給したものであります。
また、国が対象としていない被害割合が四〇%未満の住宅につきましても、同じく福祉保健局が都独自に支援金を支給しました。さらに、損害割合が二〇%未満一〇%以上の住宅につきましても、先ほどの答弁のとおりでございまして、住宅政策本部が独自に支援金を支給し、都営住宅のいっとき入所の対応も可能にするなどの支援を行い、大変喜ばれております。とりわけ、我が党の踏み込んだ要望に応え、国制度では支援の対象となっていない代金を支払った後の工事も都が支援の対象に加えた点には、熱い感謝の声が寄せられておりました。
そこで、両局にまたがることなので、あえて知事にお伺いいたしますけれども、今回の都の支援制度は、基本、災害が発生するたびごとに被害状況を踏まえ、適用するかどうかを判断するスキームとなっております。しかし、自然災害の激甚化傾向は強く、誰もが実感しているところでありまして、これまで発災の都度対応してきた被災者支援制度の基本となる運用のあり方を改め、都民の安全・安心と被災者の生活支援を確実に、迅速に行われる恒常的な事業に転換すべきと考えますが、知事の見解をお伺いいたします。
○小池知事 日本各地に記録的な大雨、暴風をもたらして、都内にも深い爪跡を残しました二つの台風の上陸から、はや一年が経過したわけでございますが、改めて、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げたく存じます。
私自身も被害の状況を、今写真でご紹介ございました各所、この目で確かめてまいりました。猛威を振るう自然災害を前になすべきことは、備えよ常にの精神であります。そして、あらゆる対策を講じることだと、改めて確認をしたところでございます。
都としまして、日ごろから防災対策の強化を図るということと、発災時にはインフラの早期復旧、農林水産業の再建に向けた支援など、災害対応に全庁的に取り組んでまいりました。また、被災された方々の生活再建のために、発災の都度、住宅の被害の程度に応じた都独自の支援を行ってまいったところでございます。
今後とも、この支援の仕組みを活用して、区市町村と連携しながら、より迅速な対応が可能となるように検討してまいりたいと考えております。
○中山(信)委員 ありがとうございました。迅速な支援のためには、予算の裏づけも重要でありまして、来年度以降、本事業の当初予算での計上を強く要望して、次の質問に移りたいと思います。
災害に関連いたしまして、被災地応援ツアーについて、申しわけございません、要望だけさせていただきます。
被災地応援ツアーは、我が党の提案により、復興五輪、オリンピックの大事な柱として、二〇二〇年を限度として、事業開始から十年目となる二〇二〇年を目途として進めてまいりました。しかし、オリンピック・パラリンピックが延期されましたので、やはり五輪、復興五輪の精神というものを象徴的にあらわすものとして、被災地応援ツアーについても、来年度も継続して実施するよう強く求めて、次の質問に移らせていただきたいと思います。
続きまして、都債の発行余力を話題にしたいと思います。
先ほど申しましたとおり、令和元年度決算の特徴の一つが、災害対応と新型コロナウイルスの感染症との闘いのスタートという点であります。元年度のコロナ対応は、補正予算や予備費の執行対応などにより、我が党の要請への迅速な対応がなされておりますが、本格的には二年度、今年度対応で展開されているところであります。さまざまな取り組みがなされておりまして、大きな出費が伴っております。
今後の懸念点として強く意識されなければならない点は、コロナ対応は、今後も当面の間必要だということと、大幅な財調基金の取り崩しとコロナ禍に伴う景気後退、都税収入の減少という視点であります。リーマンショックの際は、都は、基金や都債の柔軟な活用などの財政の対応力を最大限に発揮して危機を乗り越えました。今回は、特定目的基金の活用に加え、都債がより重要な役割を担うものと考えます。
そこでまず、令和元年度決算における都債の新規発行額及び都債残高について、財政再建期とリーマンショック前の都税収入が過去最高となった時期との比較も含めてお伺いしたいと思います。
○潮田財務局長 令和元年度決算の一般会計におけます都債の新規発行額は、千百十九億円でございました。
対比を割合でわかりやすく率で申し上げますと、まず、財政再建期の平成十三年度と比較しまして六三・六%の減でございます。また、リーマンショック前に都税収入が過去最高となりました平成十九年度と比較いたしまして一四・一%の減となっております。
また、都債残高につきましては、都債の新規発行を継続的に抑制してきた結果、財政再建期の平成十三年度から見ますと三七・〇%の減、平成十九年度から見ますと二五・二%の減の四兆八千百二十九億円となっております。この都債残高を都民一人当たりで見た場合、平成十三年度は約六十三万円であったのに対しまして、令和元年度は約三十四万円と五割減少しております。
○中山(信)委員 今わかりやすくご答弁をいただきましたように、都債残高は着実に減少しておりまして、その発行余力は十分に培われ続けております。一方で、都債は、公債費という形で、長期にわたり歳出増加圧力となることを留意しなければなりません。
パネルをお願いしたいと思います。こちらのパネルをごらんいただきたいと思います。資料もあわせて配布させていただきます。こちらは、都内の中小企業の経営に欠かせない、信用保証つき融資を支えるための都の預託額の返還状況を図表化したものであります。
都は、ことしに入ってからの四度にわたる補正予算で、預託金を五千六十億円積み増ししていますが、その財源として、都債を計千四百七十三億円発行しております。預託金は、数年後に確実に歳入として都に返還されるため、都債を発行したとしても、その償還のための財源は確実に担保されており、中長期的には収支が均衡することがグラフからも読み取っていただけると思います。
都債の発行では、後年度負担も含めた資金フローをしっかりと見定めていくことが肝要であります。その点、都債の発行収入を預託金の原資に充てていけば、都債の償還金への負担が和らぎますし、負担金の支払いに都税収入を充てる必要がなくなる分だけ、貴重な都税収入を他の事業の財政に回せるわけであります。
次のパネルをお願いします。平成二十六年度は、歳出としての預託金よりも、過去の預託金の償還額の方が大きく上回っております。約二千億円、これはリーマンショックの際に拡大した中小企業制度融資の預託金が償還額として返ってきているためであります。
令和二年度は、コロナ対応での中小企業などを支えるため、大きく展開した特別融資や借りかえを支えた多額の預託金も、やがて平成二十六年度と同じように戻ってくるはずであります。
今後、令和三年度予算編成に際しましては、都税収入の減少が想定される中、こうした後年度の資金フローを分析しながら、数年後に確実に歳入として都に返還される預託金の財源として都債を活用する、財源確保の工夫を一層強めるべきでありますと求め、次の質問に移らせていただきます。
続いて、子育て支援や教育の項目に入りたいと思います。
まず、私立高校生の保護者負担の軽減であります。
都内は、高校生の約六割が私立高校に通うという状態が長く続いておりまして、いわゆる裕福なご家庭のお子さんだけが私学を選ぶという先入観を払拭して、少子化の時代に臨んでいく必要があります。
都は、我が党の求めに応じて平成二十九年度に制度を大幅に拡充し、いわゆる私立高校授業料の実質無償化を実施しまして、平成三十年度には、東京都が認可した通信制高校に通う生徒や、保護者が都内に在住し、生徒が寮など都外に在住している場合についても新たに対象に加えました。
さらに今年度からは、対象を年収約九百十万未満世帯まで拡大するとともに、その基準を上回る場合でも、扶養する二十三歳未満の子が三人以上いる多子世帯であれば、新たに支援の対象に加える制度拡充を実施しています。
そこでまず、私立高校等特別奨学金の令和元年度の決算実績及び受給者数、受給率についてお伺いをいたします。
○野間生活文化局長 令和元年度の私立高等学校等特別奨学金補助の予算額は約百四十九億八千四百万円に対しまして、決算額は約百三十九億二千四百万円でございます。
また、受給者数は五万七千四百七十一人、都内私立高校に通う都民の受給率は約四〇%でございます。
○中山(信)委員 ありがとうございました。さらに大幅な制度拡充で一層支援が広がることが期待されております。
保護者にとりましては、授業料以外の負担への配慮というものを求められるところでありまして、この点、都は今年度も含め、どのように対応を行ってきているのかお伺いいたします。
○野間生活文化局長 都は、新型コロナウイルス感染症による家計急変等が発生していることを踏まえまして、今年度から、私立高校生の保護者負担を軽減する制度を拡充してございます。
具体的には、授業料等減免制度がある学校が、保護者の家計急変を理由として令和二年度の授業料等を減免した場合、都が学校に対して行う補助に適用する補助率を五分の四から十分の十に拡充してございます。
さらに、授業料以外の教育費負担を軽減する奨学給付金を拡充いたしまして、家計が急変して、今後の収入見込みが住民税非課税相当となる世帯も新たに対象としてございます。
○中山(信)委員 我が党の求めに応じまして、新型コロナウイルス感染症による家計急変等にも対処していただいていることがよくわかりまして、評価したいと思います。
その一方で、本制度におきましては、所得要件等の審査が必要であることなどから、保護者が実際に補助金を受け取るまでに一定の期間が必要であります。そのため、一部の学校では、授業料等の納付を補助金支給後まで待つところもあります。
しかし、こうした努力は、あくまで実施するそれぞれの私学独自の工夫でありまして、ひとしく多くの生徒が利用できるものではありません。家計が苦しい世帯からは、毎年度の四月当初の早期の負担軽減を望む声があることも事実であります。
コロナ禍の中にありましても、私立高校への進学意欲が損なわれることがないよう、特別奨学金等の補助金を受け取るまでの期間における学費支払い等の負担を軽減し、かつまた保護者の事務負担の手続の負担も回避できるような工夫を図るべきと考えますが、知事に見解をお伺いしたいと思います。
○小池知事 都は現在、私立高等学校等に在学する生徒の保護者の経済的負担を軽減するために、特別奨学金によりまして、年収約九百十万円未満の世帯を対象に、私立高等学校等の授業料負担を実質無償化しております。
この特別奨学金の支給に当たりましては、国の就学支援金の支給額などの情報が必要であるため、お話のように一定の時間が必要となっております。そのために、保護者の負担が生じていると認識をしております。
今後とも、家庭の経済状況によって子供たちの将来の希望が閉ざされないよう、支援に努めてまいります。
○中山(信)委員 ありがとうございました。知事として大事なご認識を示された答弁であったと受けとめさせていただきます。今後の検討が、支援金の給付決定タイミングのずれに伴う保護者負担の緩和を真正面から据えて改善する工夫につながることを期待して、次の質問に移らせていただきます。
次は、保育の無償化、多子世帯負担軽減でございます。
国が、我が党などの推進によりまして、令和元年十月から開始した幼児教育、保育の無償化に向けた取り組みで、都は、独自の多子世帯負担軽減を行っております。これは我が党の求めに応じて積極的に反映されたたまものでありまして、多子世帯の負担を軽減しております。子供を二人以上持ちたいという願いに応えるための大事な取り組みであると思います。
さまざま論じたい点はありますけれども、今回は時間の関係から、あえて第二子を半額とする現制度について改善の可能性を探る質問をしたいと思います。
報道によりますと、全国の自治体がことし五月から七月に受理した妊娠届け出件数は、前年同期比で一一・四%、二万六千三百三十一件マイナスとなっております。このままでは、コロナ禍の影響が少子化の加速という極めて深刻な事態に結びつきかねません。首都東京で安心して子供を産み育てられるように、一層の支援策を講じていく必要があります。
そこで、今後、都は、多子世帯支援として第二子から保育料を無償化することを検討していただきたいと考えますが、その場合の積算額、対象人数の規模等につきましてどの程度であるのか、見解を求めたいと思います。
○吉村福祉保健局長 お話の認可保育所や認証保育所等を利用する第二子以降の保育料を無償化する場合の対象人数と、新たに必要となる経費を一定の条件のもとで機械的に試算いたしますと、認可保育所等の対象人数は約五万一千人、経費は約百九十四億円、認証保育所等は約四千人、約六億円となり、合計で対象人数は約五万五千人、追加で必要となる経費は約二百億円と試算されます。
○中山(信)委員 コロナ禍にありましても、またアフターコロナの時代にありましても、首都東京で安心して子供を産み育てられますように、一層の支援策を講じていく必要があります。当面は、まずは都庁を挙げてコロナ対策に全力を尽くすべきでありまして、その後、経済の立て直しを図った後の段階では、少子化状況からの転換が最大の課題となってまいります。ぜひ、そうしたタイミングが訪れましたときには、第二子から無償化する対策が本格的に実施できますように、財政当局も含めて、今から入念なご準備をお願いしたいと思います。
次に、不妊、不育治療等についてお伺いいたします。
都議会公明党は、二〇一八年十二月、不妊治療など妊娠、出産支援について五項目の政策提言をまとめ、小池知事に直接要望し、二〇一九年度予算に盛り込まれたところであります。
都単独事業であります不妊検査費等助成事業では、夫への対象者の年齢要件は設けられておりませんけれども、一方、妻に対しては、検査開始日における年齢が三十五歳未満と当初規定されておりました。東京都では、女性の平均初婚年齢が三十・四歳と全国で最も高く、実情が反映されておりません。そこで、我が党は年齢の引き上げを提案し、都は平成三十一年四月より四十歳未満に引き上げたところであります。
そこで、この引き上げたことに伴う実績はどうなのか、ご答弁をいただきたいと思います。
○吉村福祉保健局長 都は、不妊検査や一般不妊治療に係る費用を助成する不妊検査等助成事業について、令和元年度から、検査開始日における妻の年齢要件を三十五歳未満から四十歳未満に緩和いたしました。
年齢要件の緩和により新たに対象となった令和元年度の助成件数は千百三十三件、全体の件数六千九百三十件の一六・三%となっております。また、同様に令和二年度の助成件数は、九月末までで千五百十二件であり、全体の件数四千四百五十六件の三三・九%となっております。
○中山(信)委員 続きまして、特定不妊治療費助成事業についてお伺いいたします。
都は、国事業である本事業につきまして、補助上限額の上乗せを行っているところでありますが、夫婦合算の所得額は当初七百三十万円未満に定められておりました。そこで我が党は、共働きが多く平均所得が高い東京都においては、実態を踏まえた所得制限の緩和が必要であると考え、この点の改善を要望し、平成三十一年四月より九百五万円未満と緩和されたところであります。
この緩和に伴って、実績はどう変化しているのかお伺いしたいと思います。
○吉村福祉保健局長 都は、保険適用とならない体外受精や顕微授精等に係る費用を助成する特定不妊治療費助成事業について、令和元年度から、所得制限の額を夫婦合算で七百三十万円から九百五万円に緩和いたしました。
所得制限の緩和により新たに対象となった令和元年度の助成件数は千六百九件であり、全体の件数一万七千五百三十件の九・二%となっております。また、同様に令和二年度の助成件数は、九月末までで二千二百八件であり、全体の件数一万八百六十三件の二〇・三%となっております。
○中山(信)委員 ご答弁いただきましたとおり、所得要件の緩和により実績は大きく進展しております。今後もさらなる充実の必要性はありますが、同時に、その利用の促進に向けた制度の周知の工夫が重要であります。そこで、都は、我が党の提案を受け、既に妊娠支援制度についてのポータルサイトを開設しているところであります。
今後は、さらに新型コロナウイルスで不安を抱えている妊婦への情報提供も含め、都民に情報が届きますよう普及啓発に取り組むべきと考えますが、この点の知事の決意をお伺いしたいと思います。
○小池知事 お答えいたします。若いときから男女を問わず、妊娠、出産に関する正しい知識を持って自分のライフプランを考えるということは重要であります。
そのため、都といたしまして、妊娠に関する基礎知識や不妊検査、不妊治療、不育症に関する情報などを掲載いたしました小冊子を作成するほか、こうした情報を一元化しまして、発信するポータルサイトも開設しております。
さらに、先日、民間事業者と連携協定を締結いたしました。そして、女性向けの健康情報サービスアプリの中に東京都妊活支援特設ページを開設するなど、妊娠、出産に関する普及啓発を共同で実施をすることといたしました。
また、妊娠相談ほっとラインにおいて、専門職が電話やメールで妊娠や出産に関する相談に応じております。新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う不安、悩みについてもきめ細かく対応しているところであります。
こうした取り組みに加えて、国や医療機関などによります新型コロナウイルス感染症に関連した相談窓口、また、妊娠中の不安解消に役立つ情報などのリンクを、都の妊娠、出産に関するホームページに掲載するなど、今後ともより多くの方に妊娠、出産に関する必要な情報が届きますように、積極的に情報発信を続けてまいります。
○中山(信)委員 ありがとうございました。ぜひとも、情報発信の充実を図っていただいて、不妊、不育症に悩む多くの都民に、都の支援制度の希望の灯をしっかりとお届けしていただきたいと申し上げて、次の質問に移ります。
次に、受験生チャレンジ支援貸付事業について質問いたします。
都議会公明党は、平成二十年三月十一日の予算特別委員会で、藤井一都議が社会復帰支援を中心とするトランポリン政策の重要性を訴え、当時の低所得者生活安定化プログラムについて、局横断的に充実させるよう求めたところであります。
また、同じ年の六月十八日の第二回定例会の東野秀平議員の本会議一般質問では、合格したら返済不要とすることを提案し、前向きな答弁を得て、今日の受験生チャレンジ支援貸付事業を導いてまいりました。
その後も、何回かにわたる制度拡充を常にリードしてきた自負を持つところであります。私は、藤井議員、東野議員双方の質問の際に、実際に都庁担当者との間で折衝役を務めておりましたので、その経緯をよく知る議員の一人であります。
そこでまず、令和元年度決算の実績と急激な収入減少に見舞われた際の都民に対してはどのように対処しているのか、件数、実績なども含めてお伺いしたいと思います。
○吉村福祉保健局長 都は、一定所得以下の世帯の中学三年生や高校三年生等の受験を支援するため、平成二十年度から、学習塾の受講料や入学試験の受験料への無利子貸付を実施しております。
令和元年度の貸付実績は、受講料と受験料を合わせて、中学三年生等では四千九百五十九件、高校三年生等では二千八百四十七件、合計七千八百六件、約八億五千万円でございます。
また、所得要件は、課税証明書により前年の収入を確認しておりますが、当該年に失業や休職などにより著しく収入が減少したことが源泉徴収票等の客観的な書類で確認できる場合には、特例的に貸付対象としており、これによる令和元年度の貸付実績は九十五件でございます。
○中山(信)委員 既に、前年度収入で所得要件を満たすべきところ、急激な家計急変にも、令和元年度は九十五件対応していただいているというところであります。
現下の新型コロナウイルス感染症の影響は、広く都民に何かしらの被害をもたらしており、それこそ受験生を抱える保護者や受験生本人は、将来の夢を絶たれかねない経済苦に直面する中でも、今懸命に家族の生活や未来への希望を消さないために頑張っているところであります。
そこで、コロナ禍の今後は、これまでは例外的取り扱いとしてきました急激な収入減による受験生チャレンジ支援貸付事業への適用につきまして、いよいよ本格的にその門戸を開いて、前年度収入の多寡に拘泥することなく、今年度の収入状況に応じて申請できるように広く周知し、必要な方が支援を受けられるようにするべきだと考えますが、知事の見解をお伺いしたいと思います。
○小池知事 将来を担う子供たちが、家庭の経済状況などの環境にかかわらず自分の希望する進路を選択できるよう、低所得世帯の子供の学習を支援するということは重要であります。
さらに、お話にありましたように、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う経済状況の悪化などによりまして急激に収入減となった世帯の子供につきましても、学習や受験で不利とならないような配慮は必要でございます。
先ほど局長から答弁させていただきましたように、本年の収入見込み額が著しく減少した場合には、前年の収入にかかわらず、学習塾の費用、入学試験の受験料の貸し付けの利用は可能でございます。このことをより広く都民に周知をいたしまして、子供たちが必要な支援を受けられるように対応してまいります。
○中山(信)委員 ありがとうございました。ぜひ、この朗報を速やかに周知していただきまして、多くの子供たちが夢をつないでいけますよう、これからの受験シーズンに間に合いますように活用を促していただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
続きまして、都立高校におきます外国人教育につきまして、二点お伺いさせていただきたいと思います。
まず一点目は、入試特別枠の拡充であります。
外国のお子さん、外国由来のお子さんたち、東京で暮らしている方々の中には優秀なお子さんもいらっしゃるんですけれども、日本語が得意ではないために都立高校への入試が高いハードルとなっておりまして、NPO法人等によりますと、中学校に進学するころから国内のハードルの現実に直面して、子供の将来を考え、本国に戻る外国人も少なくないとのことであります。このままでは、優秀な外国人家族の定着が難しい状況にあります。
都議会公明党の求めに応じて、都教育委員会は、令和元年度から入試特別枠を設けて、次第に拡充をしてまいりました。しかし、依然として、平均倍率は全日制普通の一次と比較したときに、一般全体よりは高い状況が続いております。
そこで、来年度、特別枠の定数をふやしていくべきと思いますが、見解をお伺いいたします。
○藤田教育長 都教育委員会は、都内に居住する外国人生徒に高等学校教育を受ける機会を提供するために、平成元年度から、都立高校に在京外国人生徒募集枠を設置しているところでございます。
設置校につきましては、平成三十年度までに、国際高校、飛鳥高校、田柄高校、竹台高校、南葛飾高校、府中西高校、六郷工科高校の七校に順次拡大をしてまいったところでございます。
令和元年度に実施をいたしました令和二年度入学者選抜におきましては、新たに杉並総合高校に募集枠を追加し、合計八校といたしたところでございます。
さらに、今年度実施をいたします令和三年度四月募集の入学者選抜におきましては、六郷工科高校で募集人員を五名ふやしまして、全体では百五十五名というふうになってございます。
お尋ねの今後の在京外国人生徒募集枠の拡大につきましては、入学者選抜の応募状況等を踏まえまして検討してまいります。
○中山(信)委員 次は、夜間学級のことでございます。
夜間学級には、外国籍の方々もご利用されていらっしゃいますけれども、その存在すら知らなかったという声を頂戴しているところでもあります。日本語の記述のみのリーフレットという点も課題があります。こうした状況を踏まえて、多言語で作成すべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
○藤田教育長 都教育委員会は、区市が設置している都内公立中学校の夜間学級への入学を案内するために、これまで、ただいまご指摘のリーフレットの作成、配布、ホームページや「広報東京都」への掲載などを行い、周知に努めてきたところでございます。
夜間学級には、外国籍の方が多く在籍している状況を踏まえまして、リーフレットへの平仮名のルビ振りに加えまして、今後、今年度の対応といたしまして、英語、中国語での説明を併記するとともに、夜間学級を案内するホームページへつながるQRコードを新たに設けるなどの充実を図ってまいります。
○中山(信)委員 最後に、契約の透明化について二点お伺いしたいと思います。時間がありませんので、立て続けにお伺いさせていただきます。
パネルと資料をお願いいたします。一つは、今回、契約変更につきまして各局の状況を調べさせていただきました。空欄は回答がなかったところですけれど、間に合わなかったのかもしれません。
一つ心配な点は、実らなかった契約変更、わかりますかと聞いたら、わからないということでございました。このままですと、契約変更がどういうふうに理解されて進められているのか、後で監査事務局も点検のしようがないという状況でございます。
お伺いしたい点は、一つは、情報の共有化をどういうふうに認識しているか、また、今後、ガイドラインに基づいた契約変更ができるように徹底していただきたいという点でございます。答弁をお願いします。
○潮田財務局長 まず、情報共有についてでございますが、財務局工事におきましては、三密を避けながら、工事現場ごとに受注者と発注者による定例会を開催いたしまして、建築や設備など工種間の工程調整や、安全衛生管理などについて共有することによりまして、意思の疎通を図っているところでございます。
今後とも、受注者と発注者双方で工事に関する情報等を円滑に共有するべく、速やかに協議や承諾等が行えるよう、情報通信技術を導入するなど、工事現場の生産性向上を図り、働き方改革を推進してまいります。
また、設計変更等の実施についてでございますが、働き方改革を推進するためには、施工上の課題などについて受注者と発注者が認識を共有し、対等な立場で協議を重ねて工事を進めていくことが重要でございます。
このため、東京都設計変更ガイドラインでは、施工条件と工事現場の状態が一致しないことを発見した場合などには、設計変更の有無にかかわらず、相手方に書面で通知等を行った後に協議を進めることとしております。
今後、設計変更ガイドラインの内容であります設計変更が発注者の責務であることや必要な手続などについて、改めて説明会を開催し、各局へ周知するとともに、各局を通じ、受注者にもガイドラインを浸透させることで、必要な設計変更が適切に行われますよう取り組んでまいります。
○中山(ひ)委員長 中山信行副委員長の発言は終わりました。
原田あきら委員の発言を許します。
○原田委員 日本共産党都議団の原田あきらです。
まず、難聴と補聴器の支援、聞こえのバリアフリーについて質問します。
人の話していることがわからないために誤解を生じる。電話は聞こえない。全てにつらい。聞き返しが多いです。とんちんかんの返事をすることもあります。テレビを見ても理解できないことがあります。この生活から脱却したい。これは共産党都議団が取り組んだ難聴と補聴器に関するアンケートへの回答です。
私も地元杉並で生活と健康を守る会や年金者組合の皆さんと補聴器の購入費補助を求める署名行動に参加をしました。年代を問わず署名をしていくんですね。若い人が署名していくのは、おばあちゃん、おじいちゃんが家にいるからなんでしょうか。行列ができる場面もありました。本当に切実な都民がたくさんいるんだなと思いました。
当該年度一月三十日付で都は、高齢者への補聴器支給等に対する補助の考え方についてという事務連絡を区市町村に出しました。なぜこの事務連絡を出したのか伺います。
○吉村福祉保健局長 都は、区市町村が行う高齢者への補聴器支給等の取り組みを包括補助事業における選択事業の対象として支援してまいりました。
昨年度、多くの区市町村から問い合わせがあった補助対象事業の要件を明確に示すため、事務連絡を発出したところでございます。
○原田委員 多くの自治体から要望があり、要件の明確化のために事務連絡を出したということです。包括補助事業の中でこのような通知を出すことは通常なく、極めて異例だと思います。
この事務連絡の発出前後で、補助対象となった自治体数はどう変化しましたか。
○吉村福祉保健局長 事務連絡発出前である令和元年度の補助実績は四自治体であり、発出後の令和二年度の補助内示は、現時点で七自治体となってございます。
○原田委員 事務連絡を前後して、補聴器購入費への包括補助は四自治体から七自治体にふえたということなんですね。このほかにも独自に実施している自治体を含め、都内で高齢者などを対象にした補聴器補助は十二自治体まで広がっています。それだけ切実な課題になっているということでしょう。
高齢者の聞こえの支援の重要性について、知事はどう認識していますか。
○小池知事 国の研究機関の調査によりますと、六十五歳以上の高齢者のおよそ半数に難聴があると推計されるなど、多くの高齢者にとりまして難聴は身近な問題であります。また、こうした方々が必要な情報を容易に入手できる環境の整備を進めていくことは重要と考えております。
こうしたことから、都は情報バリアフリーガイドラインを策定いたしまして、高齢者などから意見を聞きながら、聴力の弱い方々にとって聞こえやすい環境の整備を行う事業者などの取り組みを促進しております。また今後とも、高齢者の聞こえの支援を推進してまいります。
○原田委員 知事が聞こえのバリアフリーを推進するという認識を示したことは重要です。
難聴は、本人にとっても、家族や周りの方々にとっても身近で、本当に切実な課題となっています。補聴器購入などの支援は、現在、高齢者包括補助のメニューの中で、選択事業の中のその他別に定める事業として行われています。つまり都としてメニュー化していないんですね。
調べてみると、包括補助のメニューの中で、実施が七自治体よりも少ないメニューもあるわけです。メニューにすることで、区市町村も選択しやすくなることは、事務連絡を出したことで補助する自治体がふえたことからも明らかです。さらに、包括補助とは別の独立した補助にすることも検討すべきです。
早期からの補聴器使用につながるよう、都として、さらに補助を拡大し、聞こえのバリアフリーを推進するよう求めて、次の質問に移ります。
次に、外環計画についてお聞きします。
当該年度、日本共産党都議団は、議会のあらゆる場面において、外環計画の問題点を追及してきました。地上への地下水の噴出、酸欠空気の発生、朝飛び起きるほどの振動、どれも大深度地下利用の想定からはかけ離れた異常な現象が続いてきました。
にもかかわらず、国やNEXCOなど事業者は、ろくに情報公開もせず、適切に施工されているといい続けてきたわけです。
十月十八日の調布市住宅地の陥没事故、十一月二日に発見された地下五メートルの地中に広がる三十メートルの空洞も、突然起きた現象などではありません。前兆だらけのずさんな工事だったということを指摘するものです。
住民の不安は深刻です。地下空洞の近くに住む女性は新聞で、空洞があると聞いて、怖くて足が震えるようです、自宅の下にも及んでいるのではないかと不安を感じていて、寝るときにも少し音がするだけで眠れなくなってしまいますと、この地域の不安を通り越した恐怖を見る思いです。
当該年度の都の姿勢の総括を求めつつお聞きします。
都は、事業者任せにするのではなく、都民の生命と財産を守る立場を明確にすべきと考えますが、知事の姿勢をお示しください。
○小池知事 お尋ねの外環事業でありますが、国、そして高速道路会社によって事業が進められていることはご存じのとおりです。
都は、事業の実施に当たって、これまで国など事業者に対しまして、安全・安心、これを最優先に工事を進めることを求めてまいりました。
このたびの地表面陥没と外環工事との因果関係につきましては不明でございますが、東日本高速道路株式会社が原因究明に向けた調査を実施するとともに、巡回、監視など、安全確保の取り組みを行っているところでございます。
都は十月二十一日、国、そして東日本高速道路株式会社に対しまして、早急に原因を究明すること、住民の不安の払拭に向けて、丁寧な説明や対応を行うことなどを要望いたしております。
同じ日、私みずから、要望の内容につきましては、赤羽大臣に直接要請を行っております。引き続き、国など事業者に対しまして、住民の安全・安心を確保するための取り組みを求めてまいります。
○原田委員 国土交通大臣に直接要請を行ったと、これは頼もしいですよね。その勢いでしっかりと都民の生命と財産を守る都知事としての姿勢を示していただきたいと思います。
ただし、答弁を聞きますと、国等事業者に対して、原因究明や住民への丁寧な説明を要望するばかりだと。これまでも東京都は、何が起きても、第一義的には国等事業者といい続け、異常事象が起きても国のいい分を都議会で繰り返す、情報公開は要求して終わりなど、チェック機能を放棄してきました。しかし、このような重大な事故が起きた以上、その姿勢はもう許されません。
都市整備局長にお聞きします。
都市計画法では、知事は、当該都市計画事業に対して適切な報告や資料の提供を求め、問題があれば勧告することができるということで間違いないか、また、知事には認可取り消しの権限があるといえるか、さらに、都市計画法及び大深度法は、住民への情報提供について、国及び地方自治体の責務をどのように規定していますか、あわせてお答えください。
○上野東京都技監 まず、都市計画事業につきましては、都市計画法は、都道府県知事は、都市計画事業の施行者である市町村またはこの法律の規定による許可、認可もしくは承認を受けた者に対し、都市計画法の施行のため必要な限度において、報告もしくは資料の提出を求め、または必要な勧告もしくは助言をすることができるとしております。
また、都道府県知事は、認可条件に違反しているなどの一定の条件に該当する者に対して、都市計画上必要な限度におきまして、許可、認可または承認を取り消すことなどができるとしております。
次に、情報提供につきましては、都市計画法は、国及び地方公共団体は、都市の住民に対し、都市計画に関する知識の普及及び情報の提供に努めなければならないとしております。
また、大深度地下の公共的使用に関する特別措置法は、国及び都道府県は、対象地域における地盤の状況、地下の利用状況等に関する情報の収集及び提供その他必要な措置を講ずるよう努めなければならないとしております。
○原田委員 東京都はこれまで、国等事業者が工事の施工や情報公開については、国等事業者が第一義的に判断するものとして、まるで東京都の権限はないかのように振る舞ってきました。
しかし、実際は都市計画法上、事業者に対して、住民にとって必要な資料の提供を求め、問題があれば勧告し、事業認可を取り消すことさえできるんですね。
知事、このことをご存じだったんですか。今回のような事故が起きてもなお、第一義的には国等事業者の判断などという答弁を繰り返せば、それはつまり都民が知事に与えた権限を放棄し、国に追従することを意味するんですよ。きょうの答弁は心して答えていただきたい。
先ほどの知事の答弁で気になることがありました。住民への丁寧な説明を求めていくという答弁ですが、先日行われた事業者による住民説明会はひどいものでした。何と事故現場の住民以外は、他の沿線住民も、地方議員も、マスコミも、みんな立入禁止、会場の外でのビラ配りや運動まで規制しました。チラシにシリアルナンバーまでプリントして、参加者を制限、管理したんですよ。
とある住民は新聞の取材に、私の家でも地面がどさっと落ちるのではないかと心配している、このまま工事を続けるのか、現実的な説明を聞きたかったが、逃げ口上ばかりで納得できる答えはなかったと書いてありました。一体どこが丁寧な説明ですか。本気で丁寧な説明を求めてください。
私は、不誠実な事業者に対しては、いよいよ権限を持って勧告もして、それでも動かなければ、いよいよ安全を最優先にするとの立場から、認可の取り消しという決断も辞さないと、そういう構えが大事だと思うんですよね。
その点で、外環工事にかかわる情報公開に話を進めます。
他の道路計画では公表されている基礎的なデータが、外環計画ではことごとく非公開です。特に地表面高さなどは、これまで東京都としても公開が必要といってきたのに、陥没事故を起こしてもなお、国等事業者は公表していません。異常なことではありませんか。
有識者委員会の小泉委員長が事故後こういっています。外環計画はもうちょっと詳しく説明してもいいんじゃないかなと。何かね、隠しているような、腰が引けているようなね、そんな印象があってね、もうちょっとわかりやすく皆さんに納得してもらえるようなご説明をされないと変に勘ぐられますよと。
そこで、知事にお聞きします。
東京都として、以前から公表が望ましいとしている地表面高さの測量データや、陥没事故の原因としても強く疑われる掘削土量のデータなどは、日ごろ情報公開を重視する知事としては求めるべきではないか。いかがでしょうか。(中島建設局長発言を求む)いや、知事でしょう、これは。
○中島建設局長 住民の安全・安心確保のための情報提供につきましては、国など事業者の判断において行われるべきものと考えております。
なお、東日本高速道路株式会社が、現在、今回の陥没事象について、原因及び工事との因果関係を究明しているところでございまして、トンネル施工等検討委員会有識者委員会、有識者ですね、地質ですとか、トンネル構造の専門家でございますが、そこにおいて確認を行っていき、公表について適切に検討していくと聞いております。
都は、適切な情報提供など、住民の安全・安心確保に向けた取り組みにつきまして、引き続き国など事業者に求めてまいります。
○原田委員 日ごろ情報公開は東京大改革の一丁目一番地といっているじゃありませんか。陥没地域やシールドマシンが通過した地域の地表面高さまで公表しないなんて許されないでしょう。
この状況を放置するなんて、知事、あなたの情報公開は今何丁目にあるんですか。情報を求め、拒否すれば勧告する権限も都知事にはあるんです。出して当然のデータについては情報公開を求めるべきですが、いかがか、もう一度だけ聞いてあげます。
○中島建設局長 先ほどお答えいたしましたとおり、住民の安全・安心確保のための情報提供につきましては、国など事業者の判断において行われるべきものと考えております。都は、適切な情報提供など住民の安全・安心確保に向けた取り組みにつきまして、引き続き国など事業者に求めてまいります。
○原田委員 適切な情報が得られていないから質問しているんでしょう。もはや都知事の情報公開は住所不明となりました。
これまで工事にかかわるモニタリングデータは都民には見せず、事業者と行政、有識者による非公開のトンネル施工等検討委員会に提出されてきました。
私が幾ら公開を求めろといっても、東京都は−−ここ大事ですよ、トンネル施工等検討委員会は、地表面高さなど複数の項目についてデータをとりながら、モニタリングをしつつ工事を進めているんだといってきたんです。私たちが得なくても、トンネル施工等検討委員会がモニタリングしてくれているから大丈夫だと。
ところが、トンネル施工等検討委員会有識者委員会の小泉委員長は事故後にこういったんです。よほど何かが起こったか、難しい地盤だったか、適正に土を取っての陥没はあり得ない、土を取り込み過ぎたのが原因ではないかと。これ聞いて、あれおかしいなと。土を取り込み過ぎたかどうかチェックしながら工事していたんですよねと。
この発言からは、当該年度の本格掘進中、トンネル施工等検討委員会は、モニタリングデータをしっかりと見ていなかったのではないかという疑いが出てくるわけですが、これは問題ではありませんか。都としての見解を求めます。
○中島建設局長 トンネル施工等検討委員会は、国及び高速道路株式会社により運営されております。委員会は非公開でございますが、議事概要、資料は公開されております。
トンネル施工等検討委員会におきましては、施工状況等のモニタリング、この中で掘進中のトンネル坑内の圧力や掘削土量などの各計測値は、添加材、圧力、搬送設備等の調整を行っていることで、適切な状態で施工されていることが確認されております。
○原田委員 つまりは、ろくにモニタリングデータを見ることなく、国等事業者が適切な施工が行われていますといったら、それを信じるばかりだったということですよ。そして、事故が起きてから、土砂の取り込み過ぎじゃないかと指摘をし出したと。
安全な施工等、異常事象の究明、緊急時の避難対策など、一手に背負うトンネル施工等検討委員会が、事実上の追認機関みたいなものだったとしたら大問題ですよ。
そこで、気になることがあったので、お聞きします。
当該年度もそのあり方が何度も問われていたトンネル施工等検討委員会が事故原因の究明を行う組織として、トンネル施工等検討委員会有識者委員会として新たに立ち上げられた理由、一体何なのか教えてください。
○中島建設局長 令和二年十月十九日、陥没の翌日でございますが、外環事業関越−東名間を対象にいたしまして、トンネルの構造、地質、水文、施工技術等について、より中立的な立場での確認、検討することを目的といたしまして、トンネル施工等検討委員会の学識委員等から構成するトンネル施工等検討委員会有識者委員会が設置されております。
○原田委員 事業において、より中立的な立場での確認、検討することを目的としているとの答弁でしたが、名前変えただけでしょう。だって、トンネル施工等検討委員会のときと参加者は全く変わっていないじゃありませんか。ただ国等事業者らが委員会の構成員から説明員に変わっただけですよ。これでどうして中立的な立場に組織改編したといえるんですか。
私が、それじゃこの委員会は、外環計画に対する第三者組織なのですかと聞くと、それは第三者機関ではないって明確に担当者はいうんですね。謎の自称中立的組織ですよ。
トンネル施工等検討委員会には、住民はもちろん入れませんが、自治体から唯一参加が許されていたのが、東京都の三環状道路整備推進部長です。自治体代表の頼みの綱です。
ところが、この三環状部長がなかなか住民への情報の提供、異常事象の原因究明などで、住民の声をトンネル施工等検討委員会に届けることができません。それどころか、国のいい分を都議会に持ち込むばかり。
情報公開でいえば、都が求めるデータでも、国が判断するものといい、酸欠空気の発生が問題になっても、国からは大気に薄まるから安心と聞いていると繰り返し、地盤面への振動の影響調査を求めても、大深度部からの振動による地表面に対する影響については、振動が伝わりにくいと考えていると答えるなど、まるで国の一機関かのように振る舞ってきました。
本当にこの部長は話が通じないので、当該年度確認したところ、当時の部長が国交省から来た部長だったんですよね。それで、おかしいなと。考えてみれば、その前の部長も前職が国交省だったよなと。
そこで、お聞きしますが、三環状道路整備推進部長ですが、部署の創設は何年で、その後、部長は何人いましたか。そのうち国交省からの出向は何人ですか。
○中島建設局長 ただいまの質問にお答えいたします前に、先ほどの有識者委員会の補足説明でございますが、第三回の委員会におきまして、二名、新たに学識経験者が追加されております。
それから、ただいまの質問でございますが、建設局三環状道路整備推進部は二〇〇九年度に創設された部署でございまして、現在まで七名の部長が務め、全員国土交通省を退職し、東京都の職員として採用されております。
○原田委員 本当、調べてみて驚いたんですけど、創設以来ですよ、三環状部長はみんな国交省から来ていたんですね。いや、それで国とのパイプを使って、都民の利益になるような仕事をしてくれればいいんですよ。でも、どおりで、住民の声は全く通じないのに、国のいい分ばかりを都議会に持ち込んで繰り返していたわけですよ。
知事、これでチェック機能が働く組織体制といえると思いますか。
○中島建設局長 三環状道路整備推進部長でございますが、現職を含めまして、東京都のために誠実かつ熱心に業務に取り組んでおります。
○原田委員 知事、外環計画というのは、本当に本腰入れて改革しないと、より大変な事態に陥りますよ。このようにチェック機能が働いてこなかったこととともに、そもそも外環計画が、大深度シールドマシン工法は、地下が深いし、地下水に影響を与えないシールドマシンだから、地上に影響を及ぼさないという安全神話に立脚していたことが、当該年度のさまざまな異常事象を見過ごし、今回の事故につながりました。
外環計画のホームページに記載されている、よくある質問のQ11において、家屋事前調査を実施することは、工事に当たり、地上の建物に影響が出るということなのでしょうかという問いに対し、国等事業者は何と答えているか、答弁してもらおうと思いましたが、こちらで用意しましたので、ごらんください。
本線トンネル工事はシールド工法を採用しており、地上への影響は生じないと考えております。−−まあ本当にはっきりとよく書きますよね。しかも、事故後も堂々とホームページに掲載されたままです。
本線トンネル工事は、地下四十メートルの大深度だし、安全なシールド工法だから、地上への影響は生じないといってきたわけですね。
そこで、お聞きします。
外環計画の環境アセス手続では、陥没現場の地盤について、どのように記載されているかお示しください。
〔上野東京都技監、中島建設局長発言を求む〕
○上野東京都技監 環境影響評価書では、外環事業の実施区域及びその周辺には住居等が存在し、道路工事などの実施により、地下水位低下による地盤沈下を生ずることが考えられるため、地盤の調査を行っております。
評価書の地質縦断図におきましては、陥没現場の位置を特定することができず、当該箇所の地質を確認することはできません。
なお、調査結果には、東名高速道路から京王線にかけての野川から入間川、中央ジャンクション周辺の仙川、大泉ジャンクション及び目白通りインターチェンジ周辺の白子川等の河川沿いの低地部には、やわらかい沖積層の粘性土、腐植土が堆積している、一般に、地盤沈下は軟弱な粘性土及び腐植土層で生じるとの記載がございます。
○原田委員 しっかりと書かれていましたね。入間川など河川沿いの低地部では、やわらかい沖積層の粘性土、腐敗土が堆積していて、そこは地盤変動が起きやすいと。そこまでは、アセスは記載しているんです。
この地図を見ても、赤いところが事故現場ですけれども、地盤が弱いところの地図のすぐ横にやっぱり位置していたということがわかっています。問題のある地盤だとわかっていたのに、では本線シールド工事の軟弱地盤にどう対応するかは、アセス書には全く書いていないんです。ここが問題なんです。
地盤沈下にしても、振動にしても、対応策が書いてあるのは、地中拡幅部、地上に影響を及ぼしやすいとされるジャンクション周辺ばかりで、そこに調査のポイントは集中しているわけなんですね。
どんなに軟弱な地盤であっても、大深度地下シールド工事では地上に影響は生じないと考えているため、今回の事故が起きたような本線工事沿線の地上では調査ポイントを置いていないんです。
この図を見ましても、全部地盤沈下の予測結果をしている、調査したところは、東名ジャンクションとか中央ジャンクションとか、ジャンクション、インターチェンジ周辺しかやっていないんですね。私も、改めて見て驚きました。
大深度法において、事前の損失補償が定められていない理由も伺っておきます。
○上野東京都技監 国によれば、大深度地下は、土地所有者等による通常の利用が行われない空間であり、公共的事業のために使用しても、通常補償すべき損失が発生するとは想定されないという特性があるとされており、その特性を踏まえて、事前補償の原則をとらず、使用権の設定を認めることとされております。
○原田委員 まさに大深度法の核心部分ですね。通常の利用が行われない空間であると同時に、通常補償すべき損失が地上に発生するとは想定されない、これが大前提となって、この法律はできているわけです。
知事、地上には影響を及ぼさないという前提で、アセスも工事も進んできてしまった外環計画について、やはり問題があったと思いませんか。率直な感想を述べていただけませんか。
○中島建設局長 先ほど資料にもございました国土交通省東京外かく環状国道事務所のホームページ内のよくあるご質問には、施工の際にも細心の注意を払って進めますが、万が一、工事の施工に起因する建物等の損害が発生した場合には、当該損害に対して補償させていただくため、工事実施前の建物等の状況を把握する調査を行いますと記載されております。
○原田委員 何の答弁だかよくわかりませんでしたけど、当該年度、振動が大きな問題となる中で、住民から何度も求められた事故対応にも、この大深度シールド工法の安全神話は重大な影響を与えてきました。
住民から求められた避難計画の策定をなぜか拒否してきた事業者は、トンネル工事の安全・安心確保の取組みという文書を住民に押しつけてきました。
緊急時の対応では、万が一何かあったときは、マイクをつけた緊急車両が避難を呼びかけて走ることになっていました。しかし、当日、実際には緊急車両は走りませんでした。
そこで、お聞きします。
これまでのトンネル工事の安全・安心確保の取り組みは事実上機能しませんでしたが、緊急連絡体制についての問題点が浮き彫りになったと考えますが、知事として問題意識はありますか。
○中島建設局長 安全・安心に事業を進めることは、国など事業者の責務でございます。
国など事業者が定めているトンネル工事の安全・安心確保の取り組みでは、トンネル内に掘削土以外の土砂等が大量流入するときを緊急時としておりまして、今回の事象は該当しないと聞いております。
今回の事象につきましては、工事関係者の施工計画の緊急連絡体制に基づいて事業者に連絡後、関係機関へ適宜連絡が行われたものと国など事業者から聞いております。
○原田委員 聞きました。今回の事故が緊急時に当たらないって答弁したんですよ。それならば、緊急車両が走らないのも無理ありません。つまり今回のような事故は想定すらしていなかったから、避難の対応は存在しなかったっていうことなんです。安全神話の最たるものじゃありませんか。
大体、今回の事故に際し、皆さんに資料をお配りしましたが、警察や地元自治体への連絡は住民が行ったと聞いています。陥没が九時半には見つかっているのに、NEXCOの職員が来たのは十一時五十分ですよ。調布警察が規制線を張ったのは十二時二十分です。職員が地域住民に避難を呼びかけたのは何と十三時三十分で、陥没発見から四時間は要しているんです。
工事関係者の緊急連絡体制で対応したなんていっていますけどね、後手後手もいいところじゃありませんか。つけ焼き刃の対応では、住民の命は守れないんじゃありませんか。
強く住民が求めていたにもかかわらず、都が国に要請することもなかった当該年度を総括する上でお聞きしますが、改めて避難計画の策定、求めるべきと考えますが、知事の見解を伺います。
○中島建設局長 安全・安心に事業を進めることは、国など事業者の責務でございます。都としましては、住民の安全・安心確保に向けた取り組みにつきまして、これまで国など事業者に求めてきたところであり、今後とも引き続き求めてまいります。
○原田委員 知事、生命を脅かされ、財産は今どれだけ削られてしまったのかもわからない地域住民にとって、知事の姿勢こそが今、頼みの綱ですよ。
当該年度六月、我が党の里吉ゆみ都議の代表質問で、振動等の異常事象は大深度法の根底が崩されていると指摘したことに対して、知事は、振動調査を実施した上で、トンネル工事との関係について確認を行っているところでございますが、安全や周辺の生活環境が損なわれるような事態は発生していないと伺っておりますと答弁なさいました。
このときのみずからの答弁について、今は考え方の変化などありませんか。最後の質問ですから、どうぞ安心してお答えください。知事。
○中島建設局長 先ほど知事が申し上げましたとおり、外環事業は、国及び高速道路会社により事業が進められておりますが……
〔原田委員発言を求む〕
○中山(ひ)委員長 ちょっと待って。
○中島建設局長 事業の実施に当たりまして、都はこれまで国など事業者に対しまして、安全・安心を最優先に工事を進めることを求めてまいりました。
引き続き、国など事業者に対しまして、住民の安全・安心を確保するための取り組みを求めてまいります。
○原田委員 当該年度、小池都政を振り返ってみれば、どうでしょう。空は羽田、地上は特定整備路線、地下は外環、小池都政のまちづくり、まるでまち壊しじゃありませんか。
本当にまちも暮らしも自然も破壊され、財政も破壊されるような外環道計画は、ここできっぱりとやめる勇気を……
○中山(ひ)委員長 終了しました。
○原田委員 持っていただくよう知事に最後に申し上げて、質問を終わります。
○中山(ひ)委員長 原田あきら委員の発言は終わりました。
西沢けいた委員の発言を許します。
○西沢委員 私から、まず最初にIR、いわゆるカジノの誘致についてお伺いをいたします。
カジノの誘致への態度をまず明らかにせよということを申し上げたいと思います。そして、広く都民的議論をしていくべきだというように思います。そういった観点から、質疑をさせていただきたいというように思います。
決算審議ですから、昨年は予算額的にいうと一千万円、みずほ総合研究所へは五百万円にて、この調査を委託しているということ、これは過去の質疑などでも明らかになっているところでございますが、入札情報サービスで確認すると、厳密には五百万六百円ということを確認しました。
中身は、立地を都内にした場合であったり、海外での施設などの状況であったり、それからギャンブル依存症に対する取り組みであったり、こうしたものを調査したということで、そういった意味では着々と検討を進めているというようなことがわかったわけであります。
私たち立憲民主党は、カジノについてやめるべきだというようなことですから、この検討すらするべきではないという立場ではありますけれども、東京都は、小池知事は、今までメリット、デメリット両面から検討していくと、議会でも、記者会見でも、ずっと発言をされているわけでありまして、やるともやらないとも決めていないよというようなことなんだというように思います。
そうした中で、検討状況を聞くわけでありますが、まず最初に、場所は、IRをやる場所、カジノをやる場所、これは決まっているんでしょうか、お伺いいたします。
○古谷港湾局長 IRにつきましては、メリット、デメリットの両面がありまして、国の動向を注視しながら、総合的に検討しているところでございます。
○西沢委員 メリット、デメリットの両面から総合的に検討しているということなので、決まっていないということだと思うんですが、ちょっと念のため確認しますけれども、今、港湾局長からの答弁でしたから、これは港湾局の所管内で検討しているということなんでしょうか。それとも、港湾局に限らず広く検討しているということなんでしょうか、念のため確認させてください。
○古谷港湾局長 港湾局において検討しております。
○西沢委員 港湾局に−−もうちょっと、これそんなに意地悪な質問しているつもりないんですけれども、港湾局にて検討しているのはわかりました。港湾局の所管の中、エリア的な話で、港湾局の所管の中で検討しているということなんですか。それとも、そこに限らず、東京都全体で場所については検討を港湾局で今しているんでしょうか。どっちでしょうか、お伺いします。
○古谷港湾局長 港湾局事業として、場所ということではなくて、IRについて総合的に検討しているところでございます。
○西沢委員 ありがとうございます。場所ということではないということですから、別に港湾局に限らず検討をしているということですね。
今、港湾局長とやりとりさせていただいたわけでございますけれども、場所に限らずという話、答弁が今ありました。じゃあ何で港湾局が所管しているのかということですね。場所は決まっていないんですよ、場所は決まっていないという話だったんですけれども、港湾局が所管している。ちょっと不自然だと思うんですね。
港湾局が所管したのは、平成二十六年七月の組織改正によって、港湾局が所管することになりました。
そこで、総務局にお伺いしますが、港湾局がIR、カジノを所管している経緯と、なぜ港湾局がやっているかという意義、お伺いをいたします。
○山手総務局長 都では、平成二十六年七月に組織改正を行いまして、知事本局を廃止し、政策企画局を設置いたしました。
この組織改正は、これまで以上に機動的に仕事ができる都庁組織へと変革をするため、知事本局が所管していた多くの事業を各局に移管し、局の機能を知事のトップマネジメント補佐機能に特化させていく体制を整備したものでございます。
事業移管に当たっては、各事業に最も関連性のある事業局へ移管するものとし、IRに係る事務事業は、臨海部を所管する港湾局へ移管したものでございます。
○西沢委員 場所は決まっていないにもかかわらず、港湾局が今所管しているわけでありますね。
その経緯は、今−−政策企画局ができたときですね、知事本局から。よく覚えています、私も。その中で、関連性のある事業局へ移管するということですから、カジノに関連するのが港湾局だということで、港湾局が所管することになったと。
じゃあIR、カジノと港湾局はどう関連性があるんでしょうか、お伺いいたします。
○山手総務局長 繰り返しになりますけれども、事業の移管に当たっては、各事業に最も関連性のある事業局へ移管するものとしておりまして、IRに係る事務事業は、臨海部を所管する港湾局へ移管したものでございます。
○西沢委員 繰り返していたのが、臨海部を所管する港湾局に移管したということですね。だから、つまり臨海部でやるということを前提にした所管の移管だということなんですね。
先ほど港湾局長は、ちょっと答弁、最初濁しましたけれども、余りいいたくなかったのかなと思いますけど、所管は港湾局で検討はしているんだけれども、だけれども、港湾局の所管内でやるかどうかというのはまだ決まっていないというような話でした。
にもかかわらず、今の総務局長の答弁は、臨海部を所管している港湾局へ移管するということですから、矛盾しているところはありますが、これは臨海部でカジノをやる、お台場カジノ構想を前提としているということ、ちまたで濃厚に場所といわれてますけれども、これが前提で議論されているんだというようなことだというように認識できるわけであります。
そうすると今まで、小池都政になって、カジノについてはやるともやらないとも、入り口の議論にも立っていないというようなことで、検討しているということだというようにいわれていましたけれども、実際はもう既に臨海部でやることを前提に進めているということが、この質疑で明らかになったんじゃないかと思います。
場所についていえば、例えば築地の跡地でやるということで進めるのであれば、中央卸売市場が所管するとか、今であれば財務局や都市整備局が所管するとか、もしくはギャンブル依存症が懸念だということ、そういった姿勢のもとでも進めるんだということであれば、福祉保健局が所管したっていいわけですよね。
にもかかわらず、港湾局が所管をするということは、やはり一歩も二歩も進んだ議論が既に行われているんではないかというように思います。
そこで、最後に知事にこの問題についてお伺いするわけでありますが、今の答弁、今の質疑だと、一歩、二歩進んだ議論が東京都庁内で行われていると私は思うんですが、そうでないのであれば、知事が就任時であったり、IR法の整備のときに、所管をフラットな立場で、総務局や、例えば政策企画局に所管させて議論するということもできたんじゃないかと思いますが、それをしていなかったわけであります。
所管を港湾局に今もさせている意図、なぜ今も港湾局が担っているのか、知事にお伺いをいたします。
○小池知事 まず、そもそも論でありますが、IRは、日本の経済成長、そして国際競争力を高める観光拠点として期待をされております。その一方で、ギャンブル等の依存症などの懸念の声があるということを認識しているということ。それから、IRには、メリット、デメリット両面がございますので、引き続き国の動向を注視しながら、総合的に検討していくと。その担当については、ずっと継続して港湾局が担当していると。それに尽きます。
○西沢委員 継続して港湾局がやっているということでありますけれども、結局港湾局が担っているということは、前向きな議論をしているというふうに私は捉えます。
改めて、私ども立憲民主党としては、カジノはやるべきではないということを申し上げて、次の質問に行きたいというように思います。
続いて、ヘイトスピーチについてお伺いいたします。
ヘイトスピーチは根絶せよと。昨年より人権尊重条例が施行されたわけでありますが、ヘイトスピーチの対策は喫緊の課題です。
昨年より実施した人権尊重条例を根拠とした都民からの申し出件数、うちインターネット上のみで行われた表現活動の件数、ヘイトスピーチと認定し概要を公表した件数、そのうち条例第十二条に定める区域内、区域外での件数と、インターネット上のみで行われた件数、そして削除要請の件数についてお伺いいたします。
○山手総務局長 都民等からの本邦外出身者に対する不当な差別的言動に関する申し出は、令和元年度は五十一件、今年度は十月までで三十八件でございまして、うちインターネット上のみの表現活動を対象にしたものは、令和元年度三件、今年度は四件でございます。
この申し出につきまして、人権尊重条例に基づく附属機関である審査会で意見を聴取した結果、条例第十二条の規定による概要等の公表を、令和元年度は五件、今年度は三件行ってございます。
公表した案件は、都の区域内で実際に行われた集会、デモ行進等でございまして、インターネット上のみで行われたものはございません。
なお、事案の重大性等を総合的に考慮した結果、その様子を写した動画等の削除要請には至っていないものでございます。
○西沢委員 人権尊重条例を施行したものの、まだ都内でのヘイトスピーチがなくなっているという現状ではないというようなことがあります。
引き続き、ヘイト対策の、これは賛否あるものの、ヘイトの根絶に向けた取り組みというのはさらに充実してやっていただきたいというように思います。
そして、これは意見だけ申し上げますけれども、規制と両輪でやらなければいけないのがこの表現の自由への配慮でございます。
ヘイトスピーチの啓発において、人権尊重条例ができるときに私も申し上げたんですが、表現活動を萎縮させないように、ヘイトスピーチの解消はもちろんなんですけれども、そうでないものまで萎縮させないように、表現活動をしっかりとちゃんとやってくださいというような啓発もすべきであると、こうした部分もしっかりと東京都で進めていただくように要望しておきたいというように思います。
続いて、平和についてお伺いをいたします。
冒頭、平和の話でありますけれども、核兵器禁止条約が来年一月に発効される。また、平和の祭典であるオリンピックが来年に延長されているわけであります。このタイミングで、東京都として、仮称ですけれども、平和祈念館の整備を進めるべきであるというように申し上げます。
都議会、この平和祈念館については平成十一年、付帯決議がついたわけでありますけれども、もう二十年以上前、都議会の合意を得た上で実施することとなっているわけでありますが、私たちの前身会派である都議会民主党の所属議員も、猛烈に凍結を主張した議員がいましたが、今回この質疑に臨むに当たって、私ども会派でも合意を得て、平和祈念館の整備を進めるべきであるということを改めて申し上げたいと思います。
平和祈念館で展示を目的に、都民から五千点以上もの東京空襲に関する資料、これを収集していたわけでありますが、さまざまな機会でこれを展示をしているというようなことでありました。
ですが、まだまだ眠っている資料があるということであります。ぜひ、私自身も、自分の祖父が帝国陸軍の将校だったわけでありますが、最近、軍歴を調べたところ、さまざまな新しいことがわかりました。
でも、もう他界していまして、いろいろ聞くことができない、そういったこともありまして、ぜひこうした後世に残していくものは残していく、内容についてはちゃんと議論するけれども、残すべきものは残すべきなんじゃないかと思います。
都議会での議論ですけれども、やはり執行機関側の長がどう考えているのか。議論をして結論を出すに当たっても、私たちは審議をして議決するわけでありますから、執行機関の長として、この平和祈念館の整備について、所見をお伺いいたします。
○小池知事 ご指摘がございました平和祈念館の建設でございますが、お話のように平成十一年予算審議で、都議会の合意を得た上で実施することと付帯決議がなされた経緯がございまして、その重みを十分認識をしているところでございます。
したがいまして、都議会での一定の審議と合意がまずは必要と、このように考えております。
○中山(ひ)委員長 西沢けいた委員の発言は終わりました。
奥澤高広委員の発言を許します。
○奥澤委員 無所属東京みらいを代表して、まず、東京都における同性パートナーへの対応について質問いたします。
令和元年度人事委員会勧告では、五輪人権条例の制定などを背景に、性自認及び性的指向を理由とするハラスメントの防止等について、初めて意見がなされていますが、東京都の福利厚生制度が同性パートナーに認められていないことは、これまでも取り上げてきました。
分科会質疑では、都の福利厚生制度を変えるには、東京都職員互助組合に関する条例施行規則を改正し、同性パートナーの制度利用を認める旨を書き加えるだけでよいことが明らかになりました。
福祉保健局では、同性カップルを養育里親として認めており、また国際金融都市構想を進める上では、同性パートナーに在留資格を認めるよう国へ求めるなど、東京都は同性パートナーを事実婚と同様に取り扱うという選択肢を否定はしていないと私は認識をしています。
そこで、改めて確認をしますが、令和元年度に策定をした性自認及び性的指向に関する基本計画における同性パートナーの位置づけについて、知事の認識をお伺いします。
○小池知事 性自認及び性的指向に関する問題でございますが、個人の価値観、家族、婚姻制度などにかかわることでございます。施策を推進していくためには、まず都民一人一人の理解を得ていくことが重要と考えております。
そのため、同性パートナーを含む性的マイノリティーの方々について、基本計画におきましては、現行の法制度を前提としながらも、当事者の困り事を解消するためにどのような配慮が可能なのか、多様な意見を踏まえつつ、個別具体的に検討するということといたしております。
今後も当事者の方々に寄り添いながら、事案に応じた適切な施策を展開することで、誰もが生き生きと生活できるダイバーシティー東京を実現してまいります。
○奥澤委員 先ほども紹介した事例のように、事案に応じた適切な施策として、同性パートナーも事実婚と同様に扱う場面がこれまでもあったわけですから、その選択肢を否定はしていないという認識だと改めて受けとめさせていただきました。これまでも複数の会派から問題提起がなされてきている総務局、住宅政策本部を初めとする各局における検討を加速させていただきますよう、改めて強くお願いを申し上げます。
さて、ここからは新型コロナウイルス感染症の影響について質問します。
まず、保育施策について、東京都ではコロナ禍の対応として、認証保育所等の臨時休業等にかかわる利用者負担軽減、つまり利用料を返還する事業を実施しており、これ自体は評価すべきことですが、活用する自治体が少なくては、その効果は限定的となってしまいます。私たちのもとにも不公平だといった意見が寄せられています。
そこで、この負担軽減の事業について、取り組み状況を伺うとともに、新型コロナへの対応などの事業を実施する際には、区市町村の意向も把握しつつ、連携を深めて進めていくべきと考えますが、見解をお伺いします。
○吉村福祉保健局長 都は、新型コロナウイルス感染症により臨時休園した認証保育所等を対象に、利用者負担減額等のための経費を補助する区市町村を支援しております。
本事業は、緊急対策として令和二年三月に開始しており、令和元年度の開始当初に実施した自治体は五区三市でございましたが、令和二年度は二十三区二十二市で広く活用されております。
また、区市町村とは、東京都待機児童対策協議会等で保育に関するさまざまな課題などについて協議しており、新型コロナウイルス感染症に係るこの間の保育所等の対応や今後の課題についても、本年八月に開催いたしました協議会で意見交換を行ったところでございます。
○奥澤委員 特に三月は自治体ごとのばらつきが大きく、保護者や子供にとっては、同じように保育を受けているつもりでも、認可であれば保育料が返還、認証では自治体ごとに異なり、認可外では返還されないという状況が起きていたということです。
措置制度から保育サービスへと転換する中で起きているこうした制度矛盾をいかにして解消していくのか、保育のあり方を見直すきっかけにしていただくようお願いをします。
次に、教育について、新型コロナの影響によって、これまで当たり前だと思ってきた学校に通うことができなくなり、学校だけでは子供たちの学びを保障できないという現実に直面しました。
比較的早い段階でオンライン学習をスタートしたとされる熊本市では震災の経験が、選択登校制を導入した大阪府寝屋川市では不登校児童への支援策がそれぞれ生かされたと聞いています。
都においても、これまでの不登校対策の中に今後の学校のあり方のヒントがあるかもしれません。いずれにせよ、これを機に、学校という場所に縛られず、子供を中心に誰もが公正に個別最適化された学びを受けることができる環境整備を進めるべきです。
そこで、区市町村教育委員会の不登校対策を支援するために昨年度まで行ってきた教育支援センター機能強化モデル事業の中で、不登校児童に対しICTを活用して支援した事例を伺うとともに、そうした成果が今年度のコロナ禍における不登校児童への支援にも生かされた事例についてお伺いします。
○藤田教育長 都教育委員会は、教育支援センターに対して、人材の配置や学習環境の充実等のメニューの中から、希望するメニューに要する経費を補助するモデル事業を、昨年度までの三年間、十一の自治体において実施してまいりました。
これらのモデル地区からは、教育支援センターに整備したタブレット端末を家庭学習や担任との連絡に活用したことにより、児童生徒の学習意欲の向上や担任との関係の構築につながった事例などが昨年度までに報告されているところでございます。
モデル地区の中には、こうした取り組みを踏まえ、今年度は、学校の臨時休業中に、これまで同級生とかかわることのなかった不登校の児童生徒が学級の児童生徒と一緒にオンラインでの朝の会に参加した事例など、さらなる成果が見られた地区もございます。
○奥澤委員 ICT環境の整備という学びの環境変化が不登校児童に与えた好影響についてお話がありました。
今後は不登校児童の支援で培ってきたノウハウを生かして、学校におけるリアルな体験とオンラインを活用した個別最適化された知識の習得というハイブリッドを目指していただきたいというふうに思います。
コロナ禍に浮上した論点として、少人数学級を求める声がありますが、あくまでも教育の質向上の文脈で議論すべきであると考えており、教員の数や質もあわせて議論する必要があります。
まず、教員の数をふやすために一つ提案をいたします。
コロナ禍で大学生の生活は大変厳しいものとなっていて、中でも奨学金を受けている学生は、その返済も見据えて今後の仕事を選んでいくことになります。
福祉保健局の事業ではありますが、障害者福祉サービス従事者に対して奨学金の返還を肩がわりし、さらなる資格取得を応援する事業があります。これを参考に、教員を目指す学生の奨学金返済を肩がわりするなどの施策もぜひご検討いただきたいと思います。
さて、教育の質を高める上では、意欲ある教員の成長機会を提供することも大切であり、そのために負担軽減を図ることは重要です。東京都では、教員の働き方改革を進めるとして、昨年はTEPROが設立されるなど、多角的な取り組みを進めています。
今後のさらなる取り組みに期待するところですが、こうした負担軽減によって、教育面では具体的にどのような影響が出ているのかといった視点も含めて、改めて、これまでの働き方改革の取り組みと成果についてお伺いします。
○藤田教育長 都教育委員会は、教員の長時間労働の縮減を図るため、ICT機器等の整備とともに、教員の支援を行うスクールサポートスタッフや部活動指導員の導入など、外部人材の積極的な活用に取り組んでいるところでございます。
こうした取り組みにより、教員の時間外労働の状況は、いずれの校種においても減少が見られております。
また、教員からは、児童の話を聞く時間、児童と向き合う時間がふえた、また、教材研究や授業準備に費やす時間がふえ、教科指導の向上が見られたなどの声が寄せられております。
今後とも、教員自身の心身の健康保持はもとより、教育の質の向上のため、働き方改革を推進してまいります。
○奥澤委員 児童と向き合う時間がふえたという大変重要な答弁がありました。働き方改革の目的は、あくまでも教育の質向上だと考えています。定量的な変化とともに定性的な変化にも注意を払っていただきながら、今後の取り組みを進めていただきたいと思います。
それから、外部人材の活用という話がありましたが、これの副次的な効果として、これまで閉ざされがちだった学校に外の風が流れていくこと、これは特に若手の教員にとって大きな刺激になると思いますので、積極的に取り組んでいただきたいと思います。
さて、私たちは今後の都財政は大変厳しい局面を迎えると予測しておりまして、どうしても施策に優先順位をつけざるを得ないときが来ることを念頭に置いています。
そのときに、業界団体の声の大きさや、時の政治的なパワーバランス、あるいは先例や慣習といったことにとらわれず、真に必要で効果的な施策を進めることのできる仕組みを整えておく必要があると考えています。
そのような意味から、きょうは二つの事業を取り上げて議論をしたいと思います。
まず、シニア予備軍向け読本について、人生百年時代ともいわれる日本にあって、社会保障費を抑え、税収を高めていくという観点からも、読本がきっかけになり、人生プランを変化させていく人がいるなら、大変意義深い施策といえます。
一方で、昨年の予算特別委員会において、我が会派の斉藤れいな議員から付言させていただいたとおり、必要な人に届き、行動が変わらなければ、効果の薄い事業ともなり得ます。
そこで、シニア予備軍向け読本について、発行部数や配布における工夫、また手にとっていただいた方からはどのような声が寄せられているのか伺いたいと思います。
○吉村福祉保健局長 お話の読本は、都民に高齢期のライフプランについて考えていただくため、主に五十代から六十代前半のこれから高齢期を迎える世代を対象に百万部作成いたしました。
配布に当たりましては、確実に対象者の手に届くよう、人間ドックや歯科医院、保険薬局の窓口等で直接配布するほか、専用ウエブサイトを通じて、個別の配送依頼にも対応いたしました。
ごらんいただいた都民からは、年をとることに不安があったが、読本を読んで安心して過ごすことができる、また、知りたいことがとても詳しくわかりやすく書かれているなどといった声が寄せられております。
読本の内容はホームページにも掲載しており、引き続き都民への情報発信を行ってまいります。
○奥澤委員 配布における工夫は理解をする一方で、対象者の行動変容や社会全体の変化を客観的に測定していく工夫がやはり必要だったのではないかと思います。本事業に限らずですが、そうした習慣がまだまだ都庁には根づいていないと思いますので、全庁的な改善を求めていきたいと思います。
その意味から、政策評価の取り組みに注目をしておりますが、まだまだ取り組む事業も少なく、局ごとに取り組みのばらつきがあるといわざるを得ません。しかし、中にはきらりと光る取り組みもあって、きょうは福祉保健局の事業を取り上げます。
福祉保健局では、障害児への支援の充実を成果指標に挙げており、特に、障害児が適切な支援を受けることによって、社会的自立を果たしていくことを目指しています。そのためには、子供一人一人の特性を早期に発見し、早期に支援を開始することが重要であり、社会全体で成長を見守るとともに、受け入れる環境を整える必要があります。
そのような意味で、児童発達支援センター地域支援体制確保事業は大切な取り組みですが、執行率を見ると数字は低いようです。
そこで、本事業の内容と実績、成果や区市町村等から寄せられている声についてお伺いします。
○吉村福祉保健局長 本事業は、地域の障害児支援の中核的な役割が求められている児童発達支援センターに、障害児やその家族等を支援する専門職員を配置するとともに、地域の障害児を預かる施設等を対象とした研修等を行うもので、令和元年度からの二カ年を実施期間としております。
事業初年度の昨年度は、予算規模十一施設に対し、九施設が事業を実施いたしました。予算の執行率は、専門職員の確保が進まなかったことなどにより、二〇・四%にとどまったものの、実施した研修等を通じて、児童発達支援事業所、保育所等の職員や障害児の保護者が、障害特性等について理解を深めているところでございます。
また、区市町村や児童発達支援センターからは、障害児の保育に役立てられている、保護者の不安解消につながっているなどの声が寄せられており、今年度も着実に事業を実施してまいります。
○奥澤委員 執行率だけでは見えてこない成果や課題が浮かび上がってきたようです。
繰り返しになりますが、早期の適切な支援が、その児童のみならず家族、あるいは周囲の人生を大きく変える可能性があります。それは社会を変えていく力になります。執行率は低くとも、その影響の大きさも踏まえて、事業の継続を求めるものです。
さて、小池知事は、初当選直後の所信表明において、東京都をあふれんばかりのぜい肉をつけてしまった巨大な肥満都市と表現し、いま一度しっかりとした骨格をつくり、五十年、百年後の東京を構想しなければなりませんと決意を述べられました。
厳しい局面を迎えようとする今こそ、都政のあるべき姿を構想するときです。真に必要な事業を見きわめるためには、公平、中立、簡素という税の三原則のように、歳出においても都庁全体の共通認識となる原理原則をつくるべきです。
そのためには、都政を見える化し、アウトプットだけでなく、アウトカム、何が変わったかを客観的にはかる習慣を根づかせる必要があります。
そこで、都政の見える化改革の延長線上にある政策評価について、決算から予算へと生かしていく仕組みを構築し、各事業のブラッシュアップや選択と集中に生かしていくべきと考えますが、見解を伺い、質問を終わります。
○潮田財務局長 政策評価は、二〇二〇改革に基づき、各局が実施した見える化改革を制度的に継続させ、自律的かつ総合的な見直しにつなげていくため、総務局が令和元年度から実施しているものでございまして、各局がみずから選定した施策に定量的な成果指標を設定しまして、効果検証に取り組んでいるところでございます。
今回の予算編成におきましては、事業評価との連携を強化し、政策評価で得られた成果指標の達成状況の分析、検証や、施策全体の進捗状況や課題について、事業評価を行う際の検証の視点に活用することとしております。
こうした取り組みにより、事業の効率性や実効性をより一層高めるとともに、必要な見直しを行った上で、限られた財源を都政の諸課題への対応に的確に振り向けてまいります。
○中山(ひ)委員長 奥澤高広委員の発言は終わりました。
以上で、本日予定しておりました質疑は全て終了いたしました。
お諮りいたします。
令和元年度東京都各会計歳入歳出決算の認定についてに対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中山(ひ)委員長 異議なしと認めます。よって、本件に対する質疑は終了いたしました。
なお、十一月十六日の十二時四十五分から理事会を、また、十三時から委員会を第十二委員会室で開会いたしますので、よろしくお願いを申し上げます。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後五時十分散会
第1分科会で行われた令和元年度東京都一般会計決算等に関する審査の概要を次のとおり報告する。
令和2年10月29日
令和元年度各会計決算特別委員会
第1分科会委員長 佐野いくお
令和元年度各会計決算特別委員長
中山ひろゆき 殿
1 本分科会の設置及び審査の経過
(1) 本分科会は、令和2年9月30日に設置され、次の案件を審査した。
・令和元年度東京都一般会計決算中、政策企画局、都民安全推進本部、戦略政策情報推進本部、総務局、財務局、主税局、会計管理局、選挙管理委員会事務局、人事委員会事務局、監査事務局、収用委員会事務局、議会局、東京消防庁、警視庁所管分
・令和元年度東京都特別区財政調整会計決算
・令和元年度東京都地方消費税清算会計決算
・令和元年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計決算
・令和元年度東京都用地会計決算
・令和元年度東京都公債費会計決算
(2) 本分科会は、次のとおり各所管局ごとに審査し、終了した。
10月9日 (説明聴取・資料要求) 会計管理局、総務局、財務局、都民安全推進本部、選挙管理委員会事務局、議会局、東京消防庁
10月12日(説明聴取・資料要求) 警視庁、政策企画局、戦略政策情報推進本部、主税局、収用委員会事務局、人事委員会事務局、監査事務局
10月19日(質疑) 会計管理局、選挙管理委員会事務局、監査事務局、財務局
10月21日(質疑) 収用委員会事務局、議会局、総務局
10月23日(質疑) 東京消防庁、人事委員会事務局、戦略政策情報推進本部、都民安全推進本部
10月26日(質疑) 警視庁、主税局、政策企画局
2 本分科会における質疑の概要
(1) 政策企画局所管分
〔1〕 戦略広報について
ア 戦略広報が担う役割と主な取組について
イ クリエイティブディレクターを活用した各局からの相談対応について
〔2〕 新型コロナウイルスに関する広報について
ア 新型コロナウイルス感染症対策サイトの実績について
イ 都民に分かりやすく伝えるための取組について
ウ 広報体制について
エ 情報を正しく伝えるための報道対応について
〔3〕 「未来の東京」戦略ビジョンについて
ア 社会のスマート化の方向性について
イ 政策と予算との連動について
ウ 推進プロジェクトとSDGsの17のゴールとの見せ方について
エ 自治体や民間、国などとの連携の促進について
オ 持続可能な社会の実現のための世界に向けた取組について
カ 策定に向けた都民や各分野の専門家からの意見について
〔4〕 U20メイヤーズ・サミットの成果と今後の都市外交の進め方について
〔5〕 東京都メディアセンターの準備状況と東京2020大会の延期を受けた在り方の検討について
〔6〕 「東京2020パラリンピックの成功とバリアフリー推進に向けた懇談会」の開催状況とSNSを活用した周知について
〔7〕 2020年に向けた実行プランについて
ア 情報公開における工夫と取組の推進について
イ 目標の達成が困難な事業のブラッシュアップについて
(2) 都民安全推進本部所管分
〔1〕 地域における見守り活動と子供の安全対策について
ア 防犯カメラの設置補助及び維持管理経費補助の意義と実績について
イ 防犯ボランティアの活動支援について
ウ 防犯人材ソフトパワーの発掘事業について
エ ながら見守り連携事業について
オ 防犯ボランティアに対する都民安全推進本部長表彰について
〔2〕 高齢者安全運転支援装置設置促進事業の実績及び利用促進に向けた取組について
〔3〕 自転車安全対策について
ア 自転車保険の加入促進に向けた対策と普及啓発について
イ 自転車点検整備等促進事業について
ウ 事業で自転車を利用する際の交通安全対策について
エ 高齢者の自転車利用の安全性を高めるための取組について
〔4〕 ハイパースムーズ東京の実績について
〔5〕 若者総合相談支援事業について
ア 決算額と施策の充実について
イ 若ナビαの相談受付状況と利用拡大に向けた取組について
ウ 若者自立等支援体制整備事業の実績について
〔6〕 こたエールの実績と相談しやすい環境の醸成について
〔7〕 インターネットに起因する犯罪から青少年を守る取組とトラブルを抱えた青少年等への対応について
〔8〕 非行少年等の立ち直り支援について
〔9〕 高齢者よろず犯罪相談について
(3) 戦略政策情報推進本部所管分
〔1〕 民間のデジタル人材の活用について
ア デジタルトランスフォーメーションフェローの設置目的と成果について
イ デジタルシフト推進担当課長の実績と成果について
〔2〕 キャッシュレスの推進について
ア 実証実験の結果と課題及び実験で得た知見の活用について
イ モデル事業のウィズコロナの社会への合致について
〔3〕 MaaSの社会実装について
ア 実証実験の結果と実験で得た知見の活用について
イ 社会実装に向けた課題と今後の方向性について
〔4〕 TOKYO Data Highway基本戦略の進捗について
〔5〕 東京都アクセラレータプログラム「テックビジネスキャンプ東京」と「フィンテックビジネスキャンプ東京」の狙いと実績及び知見の活用について
〔6〕 国際金融都市・東京構想について
ア 一般社団法人東京国際金融機構(Fincity Tokyo)の取組について
イ 東京の国際金融センターとしての地位向上について
ウ ESG投資の面からの東京金融賞の実績について
エ 東京版ESGファンドの現状について
オ 官民連携ファンドの実績について
カ FC4Sに加盟した意義と効果について
キ 税負担の軽減の取組について
ク LGBT等の性的マイノリティの受入れの取組について
〔7〕 災害時におけるセキュリティクラウドのアクセス集中に対応するためのガイドラインについて
〔8〕 島しょ地域のインターネット回線を安定的に維持するための対応について
〔9〕 先端技術の社会実装について
ア 自動運転技術の取組について
イ ドローンの産業利用の取組について
ウ デジタルテクノロジーの活用について
エ スマート東京の実現のプロセスと先行実施エリアとしての西新宿での取組について
オ 創薬系オープンイノベーション事業及び先端事業普及モデル創出事業の取組について
カ 規制緩和の解決に向けた取組について
キ 高齢者に対する先端技術の啓発について
〔10〕 国家戦略特区について
ア 都市再生プロジェクトの状況と特区の認定を目指しているプロジェクトについて
イ 特区や成長戦略の推進に向けた取組について
〔11〕 官民連携データプラットフォーム コア事業実証プロジェクトの取組について
〔12〕 外国企業誘致の実績と定着のフォローアップについて
〔13〕 スタートアップ・エコシステムの形成における都の役割について
(4) 総務局所管分
〔1〕 2020改革について
ア 3つのレスの進捗状況と都政の構造改革への活用について
イ 都政の構造改革と都政改革との関係性について
ウ 見える化改革の今後の取組について
エ 新たな都政改革ビジョンの課題について
〔2〕 防災施策について
ア 帰宅困難者対策について
イ 多摩多重系の無線局の再整備について
ウ 東京都多摩広域防災倉庫の現状と活用について
エ 防災市民組織リーダーと女性防災人材の育成について
オ 東京マイ・タイムラインの重要性と普及啓発について
カ 大規模風水害検証会議における検証後に取りまとめた風水害対策の進捗について
キ 東京都災害時区市町村受援応援体制ガイドラインの活用と課題について
ク 区市町村におけるBCPの策定状況について
ケ 東京都防災センターの改修後の活用について
コ 家庭における備蓄率の向上について
サ 市町村消防団への入団に係る広報と東京都消防訓練所における講義内容の充実について
〔3〕 人権施策について
ア LGBT当事者に係る支援と啓発について
イ 東京都性自認及び性的指向に関する基本計画への当事者意見の反映と民間団体等との連携について
ウ 犯罪被害者等に対する支援について
エ スポーツを題材にした啓発イベントについて
オ ヘイトスピーチの状況と広報の実績について
カ 東京都人権施策推進指針について
キ 人権尊重条例における目指す社会の周知について
ク 東京都人権プラザにおける当事者目線からの周知について
〔4〕 国勢調査の取組と今後の対応について
〔5〕 都庁舎への入庁手続のオンライン化による利便性の向上について
〔6〕 島しょ地域における宿泊施設の誘致策の目的と執行率について
〔7〕 小笠原航空路の現地調査について
〔8〕 都及び政策連携団体における障害者雇用の取組について
〔9〕 職員のテレワークの実施状況と更なる推進について
〔10〕 国際競争力強化プロジェクトの実績と都政への活用について
〔11〕 男性職員の育児休業取得率と今後の取組について
〔12〕 職員の福利厚生制度について
ア 人事委員会の勧告について
イ 給付制度の給付実績と対象について
(5) 財務局所管分
〔1〕 事業評価制度について
ア 評価の質を高めるためのこれまでの取組と制度の更なるブラッシュアップについて
イ 評価結果を公表する際の都民への効果的な発信について
ウ 令和元年度予算においてエビデンス・ベースに基づく評価で得られた成果を各局に広げるための取組について
〔2〕 東京グリーンボンドの発行実績と充当事業について
〔3〕 都有地活用推進本部について
ア 令和元年度末時点の都有地の情報提供件数と今後の見込みについて
イ 全庁横断的な取組成果の視点からの都有地の活用実績について
〔4〕 未利用都有地の活用について
ア 財務局が所管する未利用都有地の概要について
イ 区市町村の課題解決のための積極的な未利用都有地の活用について
ウ 行政利用が困難な土地の暫定活用や売却促進について
〔5〕 検査データが改ざんされた都庁舎のオイルダンパーの品質確認について
〔6〕 都有施設のブロック塀等の安全対策について
〔7〕 都庁展望室の整備状況について
〔8〕 都庁舎におけるエネルギー施策について
ア 電力費の割合と省エネルギー推進の取組について
イ 都庁舎版RE100の推進に向けた第一本庁舎の電力の切替えについて
〔9〕 都有建築物における省エネ・再エネ東京仕様の活用とその充実について
〔10〕 令和2年度予算編成における昨年の決算審査の活用について
〔11〕 財政全般における都民への「見える化」の取組について
〔12〕 都民による事業提案制度について
ア 都民参加の促進及び都民の発想からの事業構築を達成するための工夫について
イ 事業自体に更に付加価値を付けるための取組について
(6) 主税局所管分
〔1〕 都税収入について
ア 税収が過去最高となった要因について
イ 国と都の税収の動きに差が発生する要因について
〔2〕 新型コロナウイルス感染症への対応について
ア 影響を受けた納税者や都民を支援する取組について
イ 都税事務所の窓口における対応について
〔3〕 都税証明郵送受付センターの取組について
〔4〕 税務行政のデジタル化について
ア 税務手続の電子化の現状と今後の利用拡大について
イ キャッシュレス納税の推進に向けた取組について
ウ 主税局ビジョン2030の策定経緯と今後の展望について
エ 地方税共通納税システムの利用状況と納税者の利便性の向上について
〔5〕 納税貯蓄組合の活動の目的と役割及びPR活動における工夫について
〔6〕 固定資産税に係る未申告の償却資産を捕捉するための取組について
〔7〕 大田都税事務所の改築計画と今後の都税事務所の改築について
〔8〕 保育所等整備促進税制の実績について
〔9〕 防災対策における税制支援について
ア 不燃化特区支援税制と耐震化促進税制の実績について
イ 税制の周知の取組と期限の延長について
〔10〕 中小企業者向け省エネ促進税制の実績について
〔11〕 次世代自動車の導入促進税制の実績について
〔12〕 政策減税を実施する上での課題について
〔13〕 東京都租税教育推進協議会の活動状況について
〔14〕 滞納整理について
ア 滞納件数と差押件数及び滞納事案への対応について
イ 都職員を各自治体に派遣している目的について
〔15〕 東京と地方との共存共栄に向けた取組について
(7) 会計管理局所管分
〔1〕 公金管理について
ア 近年における公金の運用状況について
イ 預金の安全性確保のための預金先金融機関の健全性評価について
ウ 債権の安全性確保のための対応について
エ 先行きが不透明な経済・金融環境における公金管理の今後の方向性について
〔2〕 キャッシュレス決済について
ア 都民利用施設におけるキャッシュレス決済の推進について
イ 法人向けブランドデビットカードの普及促進と利用拡大について
〔3〕 新公会計制度の財政運営への活用及び庁内における活用促進について
(8) 選挙管理委員会事務局所管分
〔1〕 医療・福祉施設等の指定施設における不在者投票について
ア 入院中に不在者投票をせず退院後に投票所で投票を拒否された事例に対する取組について
イ 仮投票制度について
ウ 不在者投票が可能な施設の指定と課題について
エ 令和元年度の指定施設数と東京都選挙管理委員会の取組について
オ 参議院議員選挙における不在者投票数について
〔2〕 若年層の投票状況について
ア 投票率が低い理由と投票率向上のための取組について
イ 参議院議員選挙における啓発と投票状況について
〔3〕 知的障害者への対応について
ア 特別支援学校における選挙出前授業の実施状況について
イ 幅広い世代に対する取組と選挙時における啓発について
〔4〕 精神障害者に対する啓発について
〔5〕 視覚障害者に向けた「拡大文字版選挙のお知らせ」について
〔6〕 統一地方選挙及び参議院議員選挙における聴覚障害者への対応について
〔7〕 在外選挙制度の投票手続と参議院議員選挙における投票実績について
〔8〕 当選証書等における旧姓記載の状況について
(9) 人事委員会事務局所管分
〔1〕 人事委員会勧告について
ア 勧告に付されている報告(意見)の制度上の位置付けについて
イ 令和元年の報告(意見)におけるLGBT等性的マイノリティに関する記載について
(10) 監査事務局所管分
質疑なし
(11) 収用委員会事務局所管分
〔1〕 近年における事件の傾向と特徴について
〔2〕 事件処理に向けた専門性の高い人材の育成について
〔3〕 蓄積した知識やノウハウを他の自治体等と共有する取組について
(12) 議会局所管分
〔1〕 議会局におけるペーパーレスとFAXレスについて
ア 起案文書の電子決定率とコピー用紙購入量の実績について
イ 本会議へのiPadの導入によるペーパーレスの効果について
ウ FAXの利用状況について
エ 本会議及び委員会の開会通知等を議員にFAXで送信する際のルールについて
〔2〕 議会の機能強化に向けた広報と調査について
ア 広報の取組に係る予算額及び決算額について
イ 都議会のテレビ番組の視聴率及び委員会のインターネット中継のアクセス件数について
ウ 自主的・自律的に行う調査と議員や会派からの依頼に基づいて行う調査について
(13) 東京消防庁所管分
〔1〕 特別区消防団の分団本部施設について
ア 施設の整備状況と待機スペースの不足への対応について
イ 施設の機能強化に向けた取組について
〔2〕 女性消防団員の婦人科検診の受診率向上への取組について
〔3〕 新宿消防署に発隊した火災予防のための専門部隊の目的と実績について
〔4〕 女性消防官について
ア 全消防官に占める女性消防官の割合の目標値と現在までの人数及び割合の推移について
イ 女性消防官の増員の目標達成に向けた取組と男性職員の育児休業取得者数について
(14) 警視庁所管分
〔1〕 交通対策について
ア 信号制御の高度化の実績について
イ 歩行者用信号機の青色点灯時間の決め方と横断秒数の延長に関する要望への対応について
〔2〕 青少年を犯罪から守る取組について
ア 特定異性接客営業等の規則に関する条例における取組について
イ SNSに起因する青少年の犯罪被害の状況と注意喚起ツイートの取組について
ウ 警視庁が受理したインターネットとSNSに起因するトラブルに関する相談の件数について
第2分科会で行われた令和元年度東京都一般会計決算等に関する審査の概要を次のとおり報告する。
令和2年10月29日
令和元年度各会計決算特別委員会
第2分科会委員長 中山 信行
令和元年度各会計決算特別委員長
中山ひろゆき 殿
1 本分科会の設置及び審査の経過
(1) 本分科会は、令和2年9月30日に設置され、次の案件を審査した。
・令和元年度東京都一般会計決算中、生活文化局、オリンピック・パラリンピック準備局、福祉保健局、病院経営本部、教育庁所管分
・令和元年度東京都国民健康保険事業会計決算
・令和元年度東京都母子父子福祉貸付資金会計決算
・令和元年度東京都心身障害者扶養年金会計決算
(2) 本分科会は、次のとおり各所管局ごとに審査し、終了した。
10月9日 (説明聴取・資料要求) 病院経営本部、生活文化局、オリンピック・パラリンピック準備局
10月12日(説明聴取・資料要求) 教育庁、福祉保健局
10月19日(質疑) オリンピック・パラリンピック準備局
10月21日(質疑) 病院経営本部、生活文化局
10月23日(質疑) 福祉保健局
10月26日(質疑) 教育庁
2 本分科会における質疑の概要
(1) 生活文化局所管分
〔1〕 私立学校に対する助成制度の実績と効果について
〔2〕 保護者への負担軽減制度について
ア 私立高等学校等奨学給付金事業の実績と制度の周知について
イ 幼児教育の無償化における助成の実績について
〔3〕 私立専修学校及び各種学校に対する助成について
〔4〕 地域力向上に向けた取組について
ア 地域の課題解決プロボノプロジェクトの実績とアウトカム評価について
イ 地域の底力発展事業助成の実績と課題について
〔5〕 文化振興について
ア 公益財団法人東京都交響楽団の特徴について
イ 子供のための伝統文化・芸能体験事業の実績について
ウ Tokyo Tokyo FESTIVALとフレッシュ名曲コンサート事業の取組について
エ ヘブンアーティストの登録状況及び活動状況について
オ 都立文化施設に対する指定管理者評価委員会の評価について
〔6〕 東京都公衆浴場活性化支援実証事業の実績について
〔7〕 広報・広聴について
ア テレビコマーシャルを活用した都政広報について
イ 情報公開ポータルの活用について
〔8〕 ライフ・ワーク・バランスやキャリアデザインコンテンツの普及啓発について
〔9〕 消費者行政について
ア エシカル消費の普及啓発について
イ 若年者や高齢者の消費者被害防止に向けた取組について
〔10〕 男女平等参画施策について
〔11〕 東京ウィメンズプラザについて
ア 施設の利用状況と相談事業について
イ 多摩地域への設置について
〔12〕 東京都シニア・コミュニティ交流大会の意義と成果について
(2) オリンピック・パラリンピック準備局所管分
〔1〕 東京2020大会について
ア 共同実施事業の決算と情報公開について
イ 聖火リレーのリハーサルの内容と今後の取組について
ウ シティキャストの研修内容と今後の取組について
エ テストイベントにおけるシティキャストの成果と課題について
オ 被災地支援としての1000キロメートル縦断リレーの成果について
カ 輸送計画の進捗と今後の取組について
キ 施設におけるWi−Fiの整備やライトアップの取組について
ク 全国各地と連携した気運醸成の取組と区市町村への支援について
ケ NO LIMITS CHALLENGEの取組について
コ 東京2020大会の先を見据えたレガシーを目指す取組について
サ 選手村に係る経費について
シ 東京都障害者スポーツ選手発掘事業の実績について
〔2〕 身近な地域における障害者スポーツ振興の取組について
〔3〕 スポーツ振興について
ア スポーツ・インテグリティ推進事業の取組について
イ 区市町村立のスポーツ施設整備への補助について
ウ TOKYOスポーツ施設サポーターズ事業の取組状況について
〔4〕 ラグビーワールドカップ2019日本大会について
ア 大会のレガシーを将来の子供たちにつなげる取組について
イ 東京2020大会におけるボランティア経験の活用について
ウ 観客輸送における障害者への対応について
〔5〕 東京マラソン2020における一般ランナーへの対応について
(3) 福祉保健局所管分
〔1〕 福祉保健局の一般会計決算の概要について
〔2〕 ゆりかご・とうきょう事業の実績と今後の取組について
〔3〕 ベビーシッター利用支援事業について
ア 実績と制度の改善状況について
イ 予算の積算方法について
〔4〕 夜間帯保育事業と緊急1歳児受入事業の実績及び活用促進について
〔5〕 保育従事職員宿舎借り上げ支援事業の実績について
〔6〕 保育所等利用多子世帯負担軽減事業のスキームと実績について
〔7〕 子供の貧困対策における実績について
〔8〕 児童相談所の体制強化の取組と体罰等によらない子育ての普及啓発について
〔9〕 公立保育園の民営化について
〔10〕 都型学童クラブ事業の実績と指定管理者制度について
〔11〕 東京都ひきこもりサポートネット訪問相談の実績と今後の取組について
〔12〕 受動喫煙防止対策の執行率と今後の取組について
〔13〕 新型コロナウイルス感染症について
ア 中国への防護服の提供について
イ 新型コロナコールセンターの実績と決算について
ウ 検査体制の強化及び医療機関での患者の受入れに関する取組について
エ 医療機関等へのマスクの配布状況について
〔14〕 都の感染症対策の取組について
〔15〕 保健所について
ア 区市保健所との人事交流と研修の実施状況について
イ 多摩地域の保健所の職員定数及び二次医療圏における設置根拠について
ウ 感染症対策における保健所の役割と2009年の新型インフルエンザの経験から得た教訓について
〔16〕 障害者施策について
ア 障害者グループホーム体制強化支援事業の目的と進捗状況について
イ 措置入院者等退院後支援体制整備事業の目的と取組について
(有) 東京都特定不妊治療費助成の実績と若年層への普及啓発について
〔18〕 自然災害時における支援事業のスキームと実績について
〔19〕 国民健康保険事業の決算及び減免制度について
〔20〕 子供の医療費助成の実績と地域間格差の是正について
21 失語症への理解に向けた取組と失語症者向け意思疎通支援者養成講習会について
22 救急医療体制における取組と東京ルールの実績について
23 自殺総合対策の実績と効果の検証について
24 TOKYOチャレンジネットの実績について
25 多摩地域における周産期医療対策事業の実施状況について
(4) 病院経営本部所管分
〔1〕 公益財団法人東京都保健医療公社について
ア 運営費補助金の実績について
イ 公社病院の自己収支比率の向上への取組に対する見解について
ウ 障害者雇用率の目標達成に向けた取組について
〔2〕 公社病院について
ア 公社6病院の全体収支・事業収支・医業収支について
イ 経営改善の取組について
ウ 地域医療における役割について
エ 公社病院と他の医療機関相互における患者の紹介実績について
オ 地域医療連携の推進に向けた取組について
カ 地域包括ケアシステムの構築に向けた取組について
キ 新型コロナウイルス患者の受入状況と知見の活用について
ク 未収金対策について
ケ 多摩北部医療センターの現況と課題への取組について
コ 障害者医療の状況について
サ 地方独立行政法人への移行について
(5) 教育庁所管分
〔1〕 公立学校施設冷房化支援特別事業及び公立学校施設耐震化支援事業の実績と今後の取組について
〔2〕 企業等と連携したプログラミング教育の取組について
〔3〕 東京ベーシック・ドリルの改訂について
〔4〕 スタディ・アシスト事業及び進学アシスト校事業の成果について
〔5〕 理数リーディング校における取組の成果について
〔6〕 グローバルに活躍する人材を育成する教育について
ア 外国語(英語)科教員等の海外派遣研修の実施状況について
イ 東京イングリッシュ・エンパワーメント・プロジェクトの成果について
ウ TOKYO GLOBAL GATEWAYの取組と利用状況について
エ 次世代リーダー育成道場の取組について
〔7〕 農業系高校におけるGAP認証の取組と産業高校における伝統工芸の新たな類型の設置に向けた検討について
〔8〕 公立学校のICT環境の整備について
〔9〕 相談事業について
ア SNSを活用した教育相談の実績について
イ 都教育相談センターにおける電話相談やメール相談の実績について
ウ シニア・スクールカウンセラーの活動実績について
〔10〕 いじめに関するアンケートの調査方法について
〔11〕 不登校・中途退学対策について
ア 学びのセーフティーネット支援事業の実績について
イ 教育支援センターの機能強化に向けたモデル事業の成果について
ウ 登校支援シートの活用促進に向けた取組について
エ 都立学校における自立支援チーム派遣事業の実績について
オ 不登校児童・生徒や家族に対する支援について
カ 民間施設・団体と連携した取組について
〔12〕 スクールソーシャルワーカー活用事業の成果について
〔13〕 特別支援教育について
ア 医療的ケアを要する児童・生徒の専用通学車両の運行における取組について
イ 免許法認定通信教育における受講費用補助事業の課題について
ウ 特別支援教室の設置状況と適正な運営について
エ 特別支援学校の施設整備について
オ 秋留台高等学校における通級指導のパイロット校としての実績と課題について
カ 在宅訪問教育における分身ロボットの活用について
キ 児童・生徒の通学環境の改善に関する取組について
ク 自閉症・情緒障害特別支援学級への支援について
〔14〕 学校運営体制の整備と人材確保について
ア 学校マネジメント強化モデル事業の実績と効果の普及について
イ 部活動指導員の成果と資質向上への取組について
ウ 小学校職員の教員免許状取得支援の実績と今後の取組について
〔15〕 日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査の基準と指導の充実について
〔16〕 新型コロナウイルス感染症への対応について
ア 一斉臨時休校に係る対応の経緯と検証について
イ 学校現場を混乱させない取組について
(有) 被災地と連携したパラスポーツ体験交流事業の成果について
〔18〕 オンラインゲーム依存の防止対策について
〔19〕 教員の時間外労働と退職の状況及び働き方改革の目標について
第3分科会で行われた令和元年度東京都一般会計決算等に関する審査の概要を次のとおり報告する。
令和2年10月29日
令和元年度各会計決算特別委員会
第3分科会委員長 小松 大祐
令和元年度各会計決算特別委員長
中山ひろゆき 殿
1 本分科会の設置及び審査の経過
(1) 本分科会は、令和2年9月30日に設置され、次の案件を審査した。
・令和元年度東京都一般会計決算中、都市整備局、住宅政策本部、環境局、産業労働局、建設局、港湾局、労働委員会事務局所管分
・令和元年度東京都中小企業設備導入等資金会計決算
・令和元年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計決算
・令和元年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計決算
・令和元年度東京都と場会計決算
・令和元年度東京都都営住宅等事業会計決算
・令和元年度東京都都営住宅等保証金会計決算
・令和元年度東京都都市開発資金会計決算
・令和元年度東京都臨海都市基盤整備事業会計決算
(2) 本分科会は、次のとおり各所管局ごとに審査し、終了した。
10月9日 (説明聴取・資料要求) 港湾局、産業労働局中央卸売市場、労働委員会事務局
10月12日(説明聴取・資料要求) 都市整備局、住宅政策本部、建設局、環境局
10月19日(質疑) 中央卸売市場、港湾局
10月21日(質疑) 住宅政策本部、都市整備局
10月23日(質疑) 建設局、環境局
10月26日(質疑) 労働委員会事務局、産業労働局
2 本分科会における質疑の概要
(1) 都市整備局所管分
〔1〕 東京2020大会に向けた取組について
ア 選手村整備とスムーズビズの取組について
イ BRTのプレ運行及び現在の取組状況について
〔2〕 鉄道駅のバリアフリー化について
ア 鉄道駅総合バリアフリー推進事業の補助実績について
イ 区市町村におけるバリアフリー基本構想と移動等円滑化促進方針の策定状況及び都の取組について
ウ ホームドア設置とエレベーター整備の状況及び課題への対応について
〔3〕 道路整備について
ア 首都高速道路日本橋区間の地下化の進捗状況及びまちづくりとの連携の在り方について
イ 東京高速道路KK線の利活用の検討内容について
ウ 特定整備路線 補助第120号線(鐘ヶ淵地区)の整備における進捗状況と今後の取組について
〔4〕 震災対策について
ア 特定緊急輸送道路沿道建築物等の耐震診断結果の公表と効果について
イ 耐震改修促進計画の一部改定における新たな目標の設定について
ウ 一般緊急輸送道路沿道建築物と賃貸建築物の耐震化について
エ 不燃化特区の取組状況と実績及び課題について
オ 住宅耐震化助成制度の実績と制度拡充について
カ 基準を満たさない新耐震基準の建築物の耐震補強に対する助成について
〔5〕 羽田空港の機能強化について
ア 新飛行経路の運行状況及び落下物対策について
イ 品川区からの固定化回避の要望に対する国の検討状況について
ウ 都民の声に対する都の対策について
エ WHO欧州地域事務局の環境騒音ガイドラインに基づく騒音の測定値について
オ 羽田新ルートにおける自衛隊機や米軍機の飛行について
〔6〕 舟運活性化の実績について
〔7〕 築地市場跡地における適切な土壌汚染調査の実施及び環状二号線周辺の一体的な開発について
〔8〕 自動運転の検討実績と推進について
〔9〕 地下鉄8号線の延伸に向けた取組について
〔10〕 緑確保について
ア 都市計画公園・緑地の整備方針の改定目的と経緯について
イ 練馬城址公園の優先整備区域への選定経緯及び避難場所としての機能制限について
〔11〕 渋谷ステップアップ・プロジェクトにおける業務委託契約について
〔12〕 総合治水対策における補助制度の実績と課題について
(2) 住宅政策本部所管分
〔1〕 都営住宅について
ア 移動販売サービスの実施状況及び拡大に向けた取組について
イ 高齢者世帯の入居状況とサポートの取組について
ウ 若年世帯向けの期限付き入居制度の効果について
エ 単身者の入居に係る対応について
オ 耐震化率及び併存店舗の買取状況について
カ 建替え実績及び建替対象の選定について
キ 用途廃止した独立型併用店舗の活用状況と今後の取組について
ク 桐ヶ丘団地の建替事業の進捗状況及び桐ヶ丘中央商店街店舗の創出街区での営業について
ケ 排水管清掃に係る事故事例と課題について
コ 視覚障害者に対応したバリアフリー工事の課題と経費について
サ 使用承継を認めた件数及び都に対する要望について
シ 収入基準の超過世帯数及び基準の引上げについて
〔2〕 空き家対策について
ア 空き家施策推進事業の取組と執行率について
イ 区市町村の実態調査の状況及び空き家等対策計画の策定状況について
ウ 先駆的空き家対策東京モデル事業の実績について
エ 既存住宅の流通促進及び空き家活用に向けた取組について
〔3〕 東京ささエール住宅の登録戸数の推移及び登録促進の取組について
〔4〕 区市町村居住支援協議会の設立促進と活動支援の取組について
〔5〕 マンションの耐震化・建替えについて
ア 旧耐震基準マンションの耐震化促進への支援と耐震化の実績について
イ 耐震アドバイザー及び耐震化サポーターの派遣実績と課題について
ウ 管理組合に対する支援について
エ 東京都マンション再生まちづくり制度の実績について
(3) 環境局所管分
〔1〕 ゼロエミッションビークル(ZEV)の普及促進に向けた取組について
ア 充電設備導入促進事業における補助実績とアドバイザーの派遣実績について
イ 都有施設に設置された充電設備の利用状況と効果について
ウ ZEV充電インフラ拡大ミーティングの成果と今後の展開について
エ 燃料電池自動車とバスの導入実績と導入拡大の取組について
オ 水素ステーションの設置拡大に向けた取組について
カ EV・PHVの購入費補助及び外部給電器の普及に向けた取組について
〔2〕 家庭のゼロエミッション行動推進事業について
ア 事業の周知と実績及び目標達成状況について
イ 対象要件の拡大について
〔3〕 住宅用太陽光発電初期費用ゼロ促進事業の実績及び申請拡大に向けた取組について
〔4〕 東京ゼロエミ住宅導入促進事業の実績について
〔5〕 蓄電池と家庭用燃料電池に対する補助事業の実績について
〔6〕 地産地消型再生可能エネルギー導入拡大事業の実績について
〔7〕 再生可能エネルギーグループ購入促進モデル事業の実績と促進に向けた取組について
〔8〕 地球温暖化対策の取組について
ア 温室効果ガスの部門別排出量について
イ 地球温暖化対策報告書制度の概要と周知の取組について
〔9〕 ユニバーサルデザインタクシーの導入補助事業の実績と目標達成の見込みについて
〔10〕 花と緑の東京募金の募金額と充当事業の実績について
〔11〕 城南三河川清流復活事業の関連施設の更新について
〔12〕 建設廃棄物の適正処理に向けた都の取組について
〔13〕 羽田新飛行ルートについて
ア 騒音測定所の設置数と決算額及び測定結果に対する都の認識について
イ WHO欧州地域事務局の環境騒音ガイドラインによる騒音対策への勧告について
(4) 産業労働局所管分
〔1〕 中小企業支援について
ア 東京eスポーツフェスタの実績について
イ 未来を拓くイノベーションTOKYOプロジェクトの実績について
ウ 事業承継支援の実績と情報発信について
エ 外国人材の確保と定着に向けた支援の内容と実績について
オ 新型コロナ対応融資の実績と他の制度融資の利用状況について
カ 商店街への支援実績と台風第19号への対応について
キ TOKYO創業ステーションの実績と利用促進に向けた取組について
ク 介護と仕事の両立に向けた支援策の実績について
〔2〕 働き方改革について
ア テレワーク導入実態調査の結果について
イ 民間のサテライトオフィス設置に対する支援の実績について
ウ テレワークの導入促進に向けた支援内容と実績について
〔3〕 観光振興について
ア 東京2020大会に向けた観光プロモーションについて
イ ナイトライフ観光への支援の実績とコロナ禍における課題について
ウ 被災地応援ツアーの実績について
エ 外国人旅行者向けのWi−Fi環境整備の実績について
〔4〕 農業振興について
ア 農業者を対象とした研修やセミナーについて
イ 東京農業アカデミー八王子研修農場の整備について
ウ 台風第15号及び第19号による被害状況及び復旧状況について
エ 生産緑地の確保に向けた取組について
オ 高齢者活躍に向けたセミナー農園整備事業とインキュベーション農園整備事業の実績について
カ 農業高校や大学農学部との連携による農業振興について
キ 新型コロナウイルスによる一斉休校に伴う給食用農産物への対応について
〔5〕 江戸東京きらりプロジェクトの実績と新型コロナウイルスの影響について
〔6〕 レディGO!ワクワク塾の実績について
〔7〕 都立皮革技術センターの利用実績及び技術開発研究と設備の更新や導入の取組について
〔8〕 正規雇用等転換安定化支援事業の執行率と支援期間及び助成額の根拠について
(5) 中央卸売市場所管分
〔1〕 牛・豚のと畜頭数及び全国シェア並びに産地の傾向について
〔2〕 芝浦と場について
ア 施設や設備の機能維持と更新について
イ と室内の作業環境調査の結果を踏まえた対応について
(6) 建設局所管分
〔1〕 水害対策について
ア 調節池の整備状況と今後の取組について
イ 河川監視カメラの設置状況について
ウ 台風第19号により被災した都道及び河川の護岸の復旧状況と今後の対策について
エ 隅田川におけるスーパー堤防の整備状況と台東区との連携について
〔2〕 無電柱化チャレンジ支援事業の実績と課題について
〔3〕 自転車通行空間の整備実績について
〔4〕 都立公園について
ア 受動喫煙対策の取組について
イ 防犯カメラの設置状況と今後の取組について
ウ 木場公園及び赤塚公園の多面的活用プロジェクトの進捗状況について
エ 日比谷公園野外音楽堂の活用と利用促進について
オ 旧岩崎邸庭園の拡張整備とバリアフリー対策について
カ 東白髭公園の防災関連施設の整備状況について
〔5〕 都立動物園・水族園について
ア 入園者数の実績と新型コロナウイルス感染症による影響について
イ 恩賜上野動物園のモノレール運行休止後を含めたバリアフリー対策について
〔6〕 東京都道路バリアフリー推進計画の進捗状況について
〔7〕 特定整備路線の整備状況及びPRの取組について
〔8〕 入札の不調対策について
ア 発注工事における不調発生件数とその原因及び対応について
イ 低入札価格調査制度の概要と優秀な事業者の確保について
ウ 事業者の担い手確保に向けた取組について
〔9〕 瑞江葬儀所の火葬料及び区部霊園に対する都民ニーズについて
〔10〕 外環道の整備について
ア 陥没発生箇所周辺におけるこれまでのボーリング調査の結果及びモニタリング結果の公表について
イ 東京外環地下水検討委員会における議論について
ウ 青梅街道ICの用地買収率及び総工費の増加について
〔11〕 西武新宿線連続立体交差事業について
ア 事業の進捗状況と事業期間について
イ 上石神井車庫の整備における工事費及び用地取得費用について
ウ 工法の選定方法及び工法比較表について
〔12〕 練馬城址公園の整備計画について
ア 優先整備区域への指定に係る土地所有者との協議について
イ 練馬区への現場調査依頼書について
ウ 東京都公園審議会における審議について
エ スタジオツアー計画における構内通路の整備について
(7) 港湾局所管分
〔1〕 東京港における無電柱化の取組について
〔2〕 新型コロナウイルス感染症の拡大によるクルーズ船の東京港寄港への影響と寄港再開に向けた取組について
〔3〕 公共船着場や日の出ふ頭のにぎわい創出などによる舟運活性化について
〔4〕 東京港の機能強化について
ア Y2ターミナルの整備効果と周辺の交通混雑対策について
イ Y3ターミナルの早期整備と既存ふ頭の機能強化について
〔5〕 島しょ地域における港湾施設の災害対応と施設整備について
〔6〕 防潮堤の整備や耐震化による高潮対策について
〔7〕 海の森公園及び晴海ふ頭公園の整備について
〔8〕 IR誘致のメリットとデメリット及び事業者との面談について
(8) 労働委員会事務局所管分
質疑なし
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