委員長 | 佐野いくお君 |
副委員長 | 藤井あきら君 |
副委員長 | 中屋 文孝君 |
古城まさお君 | |
成清梨沙子君 | |
斉藤やすひろ君 | |
清水やすこ君 | |
奥澤 高広君 | |
鈴木あきまさ君 | |
里吉 ゆみ君 |
欠席委員 なし
出席説明員収用委員会事務局 | 局長 | 斎藤 真人君 |
議会局 | 局長 | 岡崎 義隆君 |
管理部長 | 飯田 一哉君 | |
議事部長 | 広瀬 健二君 | |
調査部長 | 長嶺 浩子君 | |
総務局 | 局長 | 山手 斉君 |
次長理事兼務 | 西山 智之君 | |
総務部長 | 小平 基晴君 | |
企画担当部長都立大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長 オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 久保田直子君 | |
行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 | 緑川 武博君 | |
人事部長 | 山口 真君 | |
労務担当部長 | 高崎 秀之君 | |
多摩島しょ振興担当部長大島災害復興対策担当部長 事業調整担当部長兼務 | 石橋 浩一君 | |
小笠原・国境離島担当部長 | 若林 和彦君 | |
総合防災部長 | 猪口 太一君 | |
防災計画担当部長 | 古賀 元浩君 | |
防災対策担当部長 | 榎園 弘君 | |
統計部長 | 櫻井 和博君 | |
人権部長 | 堀越弥栄子君 |
本日の会議に付した事件
令和元年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
収用委員会事務局関係
・令和元年度東京都一般会計決算(質疑)
議会局関係
・令和元年度東京都一般会計決算(質疑)
総務局関係
・令和元年度東京都一般会計決算(質疑)
・令和元年度東京都特別区財政調整会計決算(質疑)
・令和元年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計決算(質疑)
○佐野委員長 ただいまから令和元年度各会計決算特別委員会第一分科会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、収用委員会事務局、議会局及び総務局関係の決算に対する質疑を行います。
これより収用委員会事務局関係に入ります。
決算の審査を行います。
令和元年度東京都一般会計決算中、収用委員会事務局所管分を議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、要求委員と理事者との調整の結果、取り下げられておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○古城委員 令和元年度東京都一般会計決算中、収用委員会事務局所管分に関連して質問いたします。
公共の利益となる事業のために、正当な補償のもと、財産権を取得する土地収用制度は、国連の持続可能な開発目標、SDGsに密接に関連していると考えます。SDGsには、住み続けられるまちづくりを目指すことが掲げられる一方、ターゲットの一つにも、土地及びその他の形態の財産に対する所有権と管理権限についての言及がございます。
そこで、都市の持続可能なまちづくりと私有財産に対する正当な補償について、起業者と権利者との間で公正に、かつ適切に対応して、手続を進めることが期待される収用委員会の役割を確認させていただきたいと思います。
初めに、東京都収用委員会が取り扱う事件の近年の傾向と特徴についてお尋ねします。
○斎藤収用委員会事務局長 近年の傾向と特徴でございますが、事業別では道路事業がおおむね八割を占めており、また近年の取扱件数は八十件前後で推移をしております。この道路事業の中には、東京外かく環状道路のような大規模インフラ整備や特定整備路線の整備が含まれております。
また、特徴といたしまして、他県では取り扱いが少ない市街地再開発事業の申請がふえておりますこと、さらにマンション敷地など権利者が多数の事件や相続をめぐって争いがある事件など、権利関係が複雑な事件が多く、権利者の特定や事実確認などにかかわる困難性が増してきているといった状況もございます。
○古城委員 明海大学名誉教授であられた長谷川徳之輔氏は、かつて土地収用法を伝家の宝刀と評されておりました。そして、もともと日本人の考え方、行動様式に、争いを好まない、話し合いで解決することを重視する機運が強く、土地収用法を積極的に活用することに、事業者にも権利者にも抵抗があるということを指摘しておられました。
日常において、行政手続や法的手続に接する機会が限られ、これらの手続にふなれな権利者が、そのことにより不利益となることがないように、かつ満足に主張できるように支援することも不可欠だと思います。他方、正当な補償とは何か、通常生じる損失とは何かを公正に算定することも求められるわけでございます。
そこで、事件を処理していくためには、専門性の高い人材の育成が重要であると考えますけれども、どのような取り組みを行っているのかお尋ねします。
○斎藤収用委員会事務局長 公正、中立な立場で、公共の利益と私有財産との調整を図るという役割を果たすべく、一つ一つの事件を適正かつ迅速に処理するためには、専門性の高い人材の継続的な育成が重要でございます。
当局では、OJTを人材育成の柱とし、ペア制による事件処理を通じて知識、ノウハウの充実を図るとともに、新任職員につきましては事前に課題を提示し、調査や研究を行わせて一定の見解を発表させるといった実務型の研修も実施しております。
また、課題解決のための各種プロジェクトチームを設置し、その成果を局内で発表させるなど、さまざまな取り組みにより人材の育成に努めてきております。
今後とも、職員の事件処理能力の向上を図り、専門性の高い人材の育成に取り組んでまいります。
○古城委員 ただいまご答弁いただきましたが、都が取り扱う事件の困難性が増してきている中で、さまざまな取り組みにより、専門性の高い人材を育成し、多くの知識やノウハウを蓄積してきていることを確認させていただきました。
さて、収用委員会は、法律に基づき都道府県に設置をされております。国には、損失の補償以外について不服がある場合の審査請求の申し立て先としての国土交通大臣を除いて、収用手続の現場がありません。
都の未来の東京戦略ビジョンには、ともに栄え、成長していくことで日本全体の発展を実現していく、またオールジャパンで進む東京、こういった点が示されております。
そこで、都は、国とは異なる立場で、これまで蓄積された知識やノウハウを他の自治体等とも共有すべきであると考えますが、どのような取り組みを行っているのかお尋ねします。
○斎藤収用委員会事務局長 当局はこれまで、多種多様な事件を数多く処理する中で、知識、ノウハウを蓄積しており、これらを他の自治体と共有することは、委員がおっしゃるとおり大変重要なことだと考えております。
近年の取り組みといたしましては、国土交通大学校が実施しております全国自治体の用地担当職員向けの専門課程用地研修に職員を講師として派遣しており、実際の現場経験を踏まえた知識やノウハウを伝えているところでございます。
また、国で新たな制度設計が行われる場合には、検討の場に経験豊富な当局職員が参加し、知見を提供するといったこともございます。直近の例で申しますと、配偶者居住権という問題が出ておりまして、国土交通省が主催した配偶者居住権についての損失補償等にかかわる検討会にオブザーバー参加をしております。
今後もさまざまな機会を通じて、蓄積してきた知識やノウハウを共有する取り組みを進めてまいります。
○古城委員 ただいま答弁で確認をさせていただいたところでございますが、東京都収用委員会は、事務局の職員の方を国土交通大学校に講師として派遣をするとともに、新しい制度設計等にも関与しているとのことでございます。
先ほども申し上げましたが、誰ひとり取り残さないSDGsの達成に貢献する、こういった役割、収用委員会にもあると確信をする点でありますけれども、あわせて、全国の収用委員会の中でもトップランナーであるということを申し述べたいと思います。
これからも全国をリードする役割を積極的に担っていくことを収用委員会に強く求めまして、質問を終わります。ありがとうございました。
○佐野委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐野委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で収用委員会事務局関係を終わります。
○佐野委員長 これより議会局関係に入ります。
決算の審査を行います。
令和元年度東京都一般会計決算中、議会局所管分を議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○藤井委員 議会局への決算質疑を行わせていただきます。
このたびのコロナ禍で明らかになりましたのは、日本のデジタル化のおくれであります。先日、都は、コロナの影響を受けた構造改革の一環として、五つのレスを進めると発表したところです。
判こレスについては、二〇一六年を基準に一二・三%だった電子決裁率を来年度、二〇二一年度には一〇〇%にするとしています。ペーパーレスについては、二〇一六年度に二億枚あった紙の使用量を同じく来年度までに半減、一億枚にするとしているところです。非常に野心的な数値目標とスケジュールであるというふうに認識をしておりまして、大いに期待をするところです。
都ではこれまで、総務事務改革等の一環として、ペーパーレス、判こレス、キャッシュレスの三つのレスに取り組んできましたが、議会局はその数値目標の対象となっておりません。
そこで、議会局におけます昨年度の電子決定率及びコピー用紙の購入量について、都側の数値目標の基準となっております二〇一六年度、平成二十八年度との対比の実績をお伺いいたします。
○飯田管理部長 議会局におきましては、この間、業務効率化等の観点から、文書の電子決定やペーパーレスを推進してきたところでございます。
全事案決定のうち電子決定率は、平成二十八年度の八%に対し、令和元年度は四六%で三八ポイントの上昇となってございます。
また、コピー用紙購入量は、平成二十八年度の二百九十一万枚に対し、令和元年度は二百六万枚で約三割の減となっております。
○藤井委員 現時点で電子決定率は四六%、ペーパーレスも三割減と順調に伸びているということが確認をさせていただきました。都庁側はもう少し進んでいたかと思いますので、来年度までに都庁の目標とあわせて達成できるように取り組んでいただきたいと思います。
今確認させていただきましたのは議会局側の取り組みですが、昨年は議会においてもアイパッドを導入するなど、本会議における資料配布を大きく削減したと思います。
具体的なペーパーレスの効果についてお伺いいたします。
○長嶺調査部長 ペーパーレス化につきましては、議会改革検討委員会における決定を踏まえ、令和元年第二回定例会から本会議で実施をしております。
ペーパーレスの効果ですが、本会議に係る全ての資料をタブレット端末、今、副委員長お話しのアイパッドでございますが、こちらで閲覧できるようにし、原則として紙による配布は行わないこととした結果、昨年度の紙の削減実績は約六十二万枚となりました。これにより経費節減や環境負荷の低減効果のほか、職員の作業効率の向上につながったと考えております。
○藤井委員 六十二万枚の削減効果のみならず、職員の皆様の作業効率の向上にもつながっているとのことであります。現在は本会議のみでのペーパーレスの端末の使用ですが、今後、常任委員会や特別委員会でも配布資料を対象とすることで、さらなる効果が上がるのではないかと期待をしているところであります。
続きまして、ファクスレスについてお伺いいたします。
このコロナ禍で、都でも保健所と都庁とのやりとりがファクスであって、正確にデータがやりとりできずに、ちょっとミスが起きたということもございました。都の構造改革では、ファクスレスにも取り組むとしていて、一九年度に五十五万件だったファクスの数を、来年度、二一年度には九八%減の一・一万件にするとしております。
議会局におけるファクスの利用台数及び送受信の件数について、昨年度の実績をお伺いいたします。
○飯田管理部長 議会局におきまして利用しておりますファクシミリは八台ございまして、令和元年度の全送受信件数は八千八百六十一件で、送信が五千七百九十九件、受信が三千六十二件となってございます。
○藤井委員 ファクスの使用は、広報などメディアとのやりとりが多いとも聞いているところでありますが、こちらも都庁側がかなり野心的な数値を出しておりますので、議会局もぜひファクスレスに取り組んでいただきたいと思います。
ファクスといえば、我々議員にも毎回ファクスが届いているかと思います。私も都議になってファクスでの通知が必須だと聞いて、非常に驚いたことを思い出すところであるんですが、本会議や委員会の開催通知というのはファクスで送られてきますが、これはどのようなルール、運用によって行われているのか、その概要と利用実績をお伺いいたします。
○飯田管理部長 都議会議員に本会議や委員会の開会通知等を送付する手段につきましては、迅速かつ正確に通知文を送受信するために、ファクシミリを利用した文書の送受信に関する要綱を制定し、平成八年四月からファクシミリにより行ってきております。
具体的には、NTTコミュニケーションズ株式会社が提供いたしますファクシミリ通信網サービス、Fネットを活用することで、一斉同報通信が可能になり、送信結果も迅速かつ確実に把握でき、また通知文が送信されなかった場合には、遅滞なく必要な対応をとることができます。
令和元年度のFネットの利用実績は、利用回数が三百九十五回で、延べ一万五百七カ所に送信し、費用は約六十三万円でございます。
○藤井委員 ご答弁にありましたFネットを使うことで、迅速かつ確実にファクスが各議員に届けられているということで、重要な連絡手段であるということはわかりました。
一方で、ちょっと正直に申し上げますと、私、ファクスで通知をいただいておりますが、ほとんど見ることもなく、そのまま削除してしまっております。今はメールでもご連絡をいただいておりますし、議会にいれば直接お声がけいただくこともありますので、そんなに必要ないんじゃないかなというふうに正直思っております。
また、例えば、最近ですとLINEみたいなものを使えば、既読の履歴もつくものでありますので、通知が届いたことの確認というのも、幾つかさまざまな方法で確認ができるのではないかと思っております。
国も河野行革大臣を中心に、ファクスレスやペーパーレス、そして判こレスに取り組んでいるところでありまして、議会改革の会議の中でもさまざま取り組んでいるところは存じ上げておりますが、議会も積極的にこのファクスレスにも取り組んでいきたいということを申し上げさせていただきまして、私の質疑を終わらせていただきます。
○奥澤委員 まず、質問に入る前に、私もこの議会を構成する一員にもかかわらず、ここで質問をさせていただくのか、その意図をお伝えさせていただければと思います。
私たち第二十期の都議会の任期も残り一年を切る形になりましたけれども、私たちが託された都民の願い、それはひとえに議会改革であったというふうに思っていますし、立場は変わりましたけれども、古い都議会を新しくするんだという、そのときの約束を私は片時も忘れずに今活動しております。
それは、私たち議員だけではなくて、議会局の職員の皆さんも含めた議会の機能を強化して、都庁という巨大な行政組織を時に厳しく監視して、時に建設的な提案を重ねていく、そしてよりよい都政を実現していく両輪となることを目指しているものだというふうに思っています。
よく議員の数とか報酬、そういったことが議会改革の議論の対象になりますけれども、私は職員の数にも着目すべきだというふうに考えています。
東京都議会は議員定数が百二十七名に対して、令和二年度の職員の数は百四十八名というふうに聞いております。
私の調べたところによると、愛知県は議員百二名に対して職員六十八名、北海道は百名に対し七十名、大阪府は八十八名に対し六十五名、福岡県は八十七名に対し五十四名ということです。
これをもって、私は一概に減らせばいいという、そういう主張がしたいのでは決してありません。私が主張したいのは、これだけの職員の皆さん、しかもふだん接していると大変優秀な方々が多い。その皆さんが議会運営の事務的な立場ということだけではなくて、自主的に自律的に機能を発揮していけば、都政にとって大変有意義な存在になるというふうに信じているからこそ、きょうは質問をさせていただきたいと思います。
まずは、広報についてお伺いします。
今では当たり前になった都議会のインターネット中継ですけれども、これは今期の都議会での改革として、最も重要な取り組みであったというふうに考えています。
都民の皆様と話をしていても、どこか遠い存在になってしまう都議会というものを身近なものにしていく、そしてしっかりと見てもらうことで監視機能を高めていく、議論を活発にしていくという役割は、非常に重要な役割です。私たち議員も見られているという意識は身を引き締めるものになりますし、さらに多くの方々の目に届いてほしいというふうに考えます。
そこで、まず広報について、昨年度の各取り組みの予算と決算をお伺いしたいと思います。
○飯田管理部長 東京都議会におけます広報につきましては、都議会に対する都民の理解と関心を高めてもらうため、都議会提供のテレビ番組やインターネット中継、ホームページ等により行っております。
令和元年度の予算額につきましては、広報事業全体で七億六千九百四十三万円となっており、主な取り組みといたしましては、議会中継が三億一千三百三十一万円、各会派代表者討論や委員会紹介等のテレビ番組が一億八千百十五万円、インターネット中継やホームページ等の電子媒体による広報が七千五百二十三万円となっております。
決算額につきましては、広報事業全体で六億八千七百十万円となっており、都議会中継が二億七千百二十八万円、テレビ番組が一億八千百万円、電子媒体による広報が六千三百六十六万円となっております。
○奥澤委員 今お伺いすると、かなり費用をかけているなというふうに思うんですけれども、これは届いているのかという視点でお聞きしたいと思います。
テレビ中継やインターネット中継については、視聴者数あるいは視聴率、そういったことではかっていくことができると思うんですけれども、それぞれの視聴率、あとインターネット中継の場合はアクセス数についてお伺いしたいと思います。
○飯田管理部長 都議会提供のテレビ番組につきましては、各会派代表者討論や委員会紹介など三番組をテレビ東京で放送しており、令和元年度の平均視聴率は〇・三%となっております。
また、都議会中継や都議会の焦点など三番組を放送しているTOKYO MXでは、視聴率調査を実施した令和元年十二月九日の都議会の焦点の視聴率は〇・八%で、十二月十四日の都議会中継代表質問ダイジェストの視聴率は〇・五%となっております。
次に、常任委員会のインターネット中継につきましては、令和元年八月から実施しており、委員会の模様をライブ配信するとともに、過去の録画映像も配信しております。令和元年度のアクセス件数は合計四万一千六百九十四件で、ライブ配信が二万七千五件、録画配信が一万四千六百八十九件となっております。
○奥澤委員 ちょっと私も調べたんですけれども、他の道府県のアクセス数、開示されていないというものがほとんどで、比較が難しいなと思ったんですけれども、例えば国会中継、これの視聴率というのは大体三%程度になっているというふうに聞きます。
それから、開示されている情報で調べると、人口が約六万人程度の福生市の録画中継のアクセス数が、令和元年度で千四百四十二件だったと。これ人口と比べたら、この都議会のテレビ中継、あるいはインターネット中継というのが、いかに届いていないかというのは、これは推して知るべしというところかなというふうに思います。
ここは、まずそもそも都議会というのが、テレビとかインターネットで見られているということが知られていないということが、まず問題だと思います。
昨年度ですけれども、国際競争力強化プロジェクトの一環で、議会局からは、ドイツを訪問して広報や広聴に関する取り組みを調査していると聞いています。音声ガイドの有益性やホームページやSNSを活用した取り組みを都政に還元すべきではないかという見解が示されていますが、いまだSNS、これも開設されていないというふうに認識しています。積極的な広報をお願いしたいと思います。
これについては、私も不勉強で大変申しわけなかったんですけれども、最初の任期の始まりのところで、どういった形で中継を行っていくのかというところを各会派の代表者会議という場面で話をするということを知りました。
そういった場面で、こうした方がいいんじゃないか、ああした方がいいんじゃないかと、議会局側からもその知見を提供していくような、そういったことをぜひお願いしたいなと思います。入れかわったタイミングで、前にどうしていたかと、それを踏襲していくというのはやっぱり違うんじゃないかというふうに思いますので、ぜひともご一考いただきたいと思います。
続いて、もう一つ重要な機能、調査する機能についてお伺いします。
五千にも上るといわれる東京都の事業ですけれども、その成果を評価したり、他の自治体や海外諸都市との比較をしたりということは、もちろん必要なんですけれども、議員だけで全てを見ることの難しさを感じているのも事実です。議会局がこのサポートとなる資料作成や調査研究を行ういわゆるシンクタンク機能を有していくことが、よりよい都政を実現していく上で大変有効であるというふうに考えています。
そこで調査については、議員や会派からの依頼に基づいて行う調査と、自主的、自律的に行っている調査とがあると思います。
まずは、自主的、自律的に取り組んでいる内容についてお伺いしたいと思います。
○長嶺調査部長 議会局が行っている自主調査といたしましては、議員の皆様の議員活動に資するため、東京都のプレス発表資料と各種経済指標から情報をピックアップし、その概要を紹介する都政・経済情報ピックアップを月一回発行しております。
また、毎年度の決算審査に資するため、前年度の決算認定に際し付された意見などが、その後どのように措置されたかを調査、整理した決算の審査における認定意見の措置状況調を作成し、関係議員の皆様に配布しております。
○奥澤委員 具体的に二つの内容をご紹介いただきました。私も今持っていますけれども、こちらが、つくっていただいているものだということで、大変私は参考にさせていただいています。やはり経年でどういうふうに動いてきているかというのを客観的に公平で公正な立場から見ていただくというのは、大変有意義な取り組みだと私は思っています。
今の都議会では、政務活動費を活用して私たちもやっていますけれども、会派ごとに調査研究を行うということもできますけれども、それはあくまでも会派内の独自資料というふうになりますし、開かれた資料とはならないというふうに思います。
先ほどもいいましたけれども、公平で公正な立場から政策立案のための調査研究を担う機関、そういった形での議会局というのは、私は必要であるというふうに思っています。また、それだけの人材もそろっているというふうに思いますので、ぜひこれも積極的に動いていただきたいなというふうに思います。
関連して最後の質問です。調査にはもう一つ、議員や会派からの依頼に基づいて行う調査もあると思います。
令和元年度実績についてお伺いします。
○長嶺調査部長 令和元年度における議員及び会派からの依頼調査の実績は四十四件でございます。
○奥澤委員 依頼調査は年間で四十四件ということで、私自身も含めて上手に活用できていないなということで、反省もしなければなりません。まだまだポテンシャルを発揮することができていないのではないかなというふうに思います。
最後に意見を申し上げますけれども、現在、議会改革検討委員会の方では有識者を交えての議論がなされているというふうに認識しています。伝統ある都議会だからこそ、議会基本条例の制定を含めて、議会の不断の改革を進めていくということが価値があるものだというふうに思います。
そこにおいても、議会局の皆さん自身にも、議会局のあるべき姿というものをしっかりと見据えていただきながら、積極的にかかわっていただきたいということを申し述べて、質問を終わりたいと思います。
○佐野委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐野委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で議会局関係を終わります。
○佐野委員長 これより総務局関係に入ります。
初めに、先般の人事異動に伴い、総務局長から幹部職員の紹介があります。
○山手総務局長 去る十月十六日付の人事異動に伴い就任いたしました当局の幹部職員をご紹介いたします。
小笠原・国境離島担当部長の若林和彦でございます。
どうぞよろしくお願いいたします。
〔理事者挨拶〕
○佐野委員長 紹介は終わりました。
○佐野委員長 決算の審査を行います。
令和元年度東京都一般会計決算中、総務局所管分、令和元年度東京都特別区財政調整会計決算及び令和元年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計決算を一括して議題といたします。
本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○小平総務部長 十月九日の当分科会におきまして要求のございました資料についてご説明申し上げます。
大変恐れ入りますが、お手元にお配りしてございます令和元年度各会計決算特別委員会第一分科会要求資料、表紙をおめくりいただきまして、目次をごらんください。資料は二点でございます。
一ページをごらんください。1、令和元年台風第十五号及び第十九号等に伴う防災対策の検証の進捗状況の概要でございます。
昨年十一月に開催いたしました大規模風水害検証会議におきまして、さらなる強化を進めていくこととした三十五の対策につきまして、ことしの出水期を迎えるに当たり取りまとめた取り組みの進捗状況の概要を記載してございます。
続きまして、二ページをごらんください。2、令和元年台風第十五号及び第十九号等に伴う防災対策の検証の進捗状況でございます。
三ページから六ページにかけまして、一ページに記載いたしました取り組みの進捗状況の詳細を記載してございます。
以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○佐野委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○藤井委員 総務局の決算に当たりまして、質疑をさせていただきます。
大きく三点、働き方改革、特にテレワークと、都政改革、国勢調査について確認をさせていただきます。
最初に、都庁の働き方改革、テレワークの取り組みについて伺います。
小池知事は、テレワークを東京オリンピック・パラリンピックのレガシーにすると、四年か三年ぐらい前から取り組んで準備をしてきたところだというふうに認識をしております。
私もIT企業で働いていたころ、テレワークを活用して、入院していた家族を看病したり、お見舞いしたりしながら働いた経験から、場所や時間にとらわれないテレワークを活用した働き方というのは、都民や都庁の生産性を高めるものであると確信をしているところであります。そこで、これまで東京にテレワークを定着させることに注力をしてまいりました。
都議に当選してすぐの二〇一七年九月の一般質問でもテレワークを取り上げたところであります。その答弁で、当時の多羅尾総務局長が、テレワークは育児や介護と仕事の両立はもとより、災害や突発事態への対応にも寄与するなど、働き方改革に極めて有効な手段であり、全庁でその導入を加速させていくというご答弁をいただいたのを印象的に覚えているところであります。
そういった柔軟な働き方の整備、テレワークへの備えもあって、コロナ禍では都庁は職員の出社を二割にするなど、大きな成果を上げてきたものだというふうに認識をしております。
そこで、まず最初に、昨年度、オリンピック・パラリンピック東京大会に向けて実施をしましたテレワークの取り組みについてお伺いいたします。
○高崎労務担当部長 都職員のテレワークは、柔軟で多様な働き方の実現や災害時等への対応を可能とするため、平成二十九年度より開始しております。
昨年度は夏のスムーズビズ推進期間に、東京二〇二〇大会本番を想定し、テレワーク対応端末を先行導入した本庁職員が、週一回以上のテレワークなど集中的な取り組みを行い、期間中で延べ約一万四千九百人が実施しております。
また、テレワーク対応端末が拡大配備され、本年一月から本庁約一万人の職員が利用を開始したことを受け、同月の冬のスムーズビズ期間には、より多くの職員が実践することを目的に、窓口業務に従事する職員等を除く全員が原則一回以上のテレワークを実施する取り組みを行いました。
○藤井委員 夏と冬のスムーズビズの機会などに、職員の皆様がテレワークを体験していたということです。ですが、一方でまだ一部の職員--端末が配備されていなくて、夏はまだ一部ですし、冬についても原則一回テレワークを体験するというところで、機会は非常に限られていたのかなというふうに思うところであります。
一方で、ご答弁にありましたとおり、一月には本庁一万人の職員に新しい端末、TAIMSと皆さん呼んでいると思うんですが、これが配備されまして、幸いにもテレワークが可能な状況は整っていたという状況だというふうに認識をしております。
それでは、コロナの影響前後の都庁職員のテレワークの実施状況がどのようになったのかお伺いいたします。
○高崎労務担当部長 新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けて、本年三月には都職員の感染防止と率先的な行動を示すため、感染症対策業務に従事する職員等を除いて、原則テレワーク勤務化とし、本庁職員は終日または午前、午後のいずれかの形態による二部制で、全員が毎日テレワークを実施する取り組みを実施しております。
また、緊急事態宣言発令後は、感染症拡大防止対策に従事する職員等を除き、テレワーク等を最大限に活用して、職員の出勤を約二割程度に抑制することとし、宣言期間中は一日平均で本庁職員の約八六%がテレワークを実施しております。
○藤井委員 コロナを前後して、一気にテレワークの実施に踏み切ったということが確認がとれました。
私が働いておりました日本マイクロソフトという会社も、テレワークの仕組み、ウエブ会議のシステムとかを売っている会社で、もともと仕組み自体は整っていたんですけど、余りテレワークはされていなかったです。
それが一気に進んだのが、やっぱり二〇一一年三月にありました東日本大震災で、出社ができないという状況が目の前に生じたときに、だったらウエブ会議でやってみようとみんなが使ってみたことで、覚悟を決めて、物理的にオフィスに行けないので始めたところ、意外と意思疎通もできるし、会議ができるなということがわかって、だんだんと定着をしていったというところがあります。
当時、幸いなことに、ITの会社なんですけど、意外と紙はもともとずっと使っていたんですけど、オフィスを新しく移転したタイミングで、ペーパーレスの取り組みもしていたということで、そういったウエブ会議であったりとか、テレワークができる環境が整いつつあったのかなと思います。こういった機会を捉えて、定着をさせていくための活動というのは非常に重要かなと思っております。
そこで、実際使った職員の皆様がどのように受けとめているかというところは、非常に重要なことだと思っておりまして、テレワークに関する職員の受けとめがどのような状況か、また見えてきました課題について確認をさせていただきます。
○高崎労務担当部長 緊急事態宣言発令以降のテレワークの状況等について検証するため、本年七月から八月にかけて職員向けアンケートを実施しております。
アンケート結果によると、在宅勤務を行った職員の約七割がライフワークバランスが向上したと回答しており、通勤ストレスの軽減や家族と過ごす時間の増加等により、その効果を実感できたことがうかがえます。
また、今後のテレワークの利用意向については、職員の約九割が利用したいと回答しております。
一方、テレワークの推進に当たっては、ペーパーレス化や判こレス化といった業務のICT化、職場内外のウエブ会議の浸透、上司の理解など、職場の雰囲気等の改善を求める回答が多くありました。
また、コミュニケーションに不安を感じた、管理職が率先して実施し職場全体で積極的にテレワークを行う機運をつくってほしい等の意見もございました。
○藤井委員 七割の職員の皆様がライフワークバランスの向上を実感しているということ、さらに九割もの方が今後も使い続けたい、テレワークを利用したいという非常に前向きな結果ということで、驚いていますとともに、すばらしいなと思います。
一方で、やはり改善しなきゃいけないという点も非常に多いのかなと、より使いやすくするための改善点というのもいっぱい出てきているのかなと思います。
システム的な面で改善が必要なところは、戦略政策情報推進本部などとも、今後も議論をしていきたいなと思っているところです。働くやり方、方法などソフト面での改善をすることで、定着をさせるということも非常に重要だと思います。
今のご答弁の中で、上司の理解が進まずテレワークが進まないケースがある、職員の意識改革が必要だということがございました。
こういったこれまでの取り組みでわかってきました課題やそれらの知見を生かして、さらにテレワークを進めるためにどうするのかお伺いいたします。
○高崎労務担当部長 都職員のテレワークについては、感染症対策を契機に急速に拡大が進んでおり、後戻りすることなく、さらに定着を図っていくことが重要であります。
このため、本年九月には新しい都庁における働き方として、原則週二回以上テレワークをルールとして定めております。さらに、職員アンケートの結果を庁内に周知し、共有を図ったことに加え、今後はアンケートから把握することができた不安や疑問を解消しながら、テレワークを実施することができるようガイドブックを作成し、職員の意識改革とさらなる定着を進めてまいります。
こうした取り組みを通じて、テレワークが都庁のワークスタイルの一つとして確立することを目指してまいります。
○藤井委員 職員の皆様も、コロナ禍でテレワークをまずは経験したところだと思いますので、今後定着に向けてより一層取り組んでいただきたいと思います。
アンケートにもございましたとおりで、上司の意識というのは非常に重要であると思います。私の聞いた話ですと、ある職員の方、四月の異動で他の局に移ったら、これまでされていたテレワークが全然されなくなってしまったというような話も聞いております。
やはり局や部課でのそういった違いが出ないようにしていくことが、総務局人事部の皆様の取り組みとして必要なのかなと思っておりますので、取り組んでいただきたいと要望させていただきます。
続きまして、都政改革について確認をさせていただきます。
今のテレワークにもかかわってきますが、ペーパーレスや判こレスについてお伺いさせていただきます。
先ほどの議会局の質問でも述べましたが、国も判こレスやペーパーレスに力を入れているところであります。東京都も構造改革のコアプロジェクトとして五つのレスを掲げたところでありまして、一方で、昨年までは三つのレス、判こレス、ペーパーレス、キャッシュレスに取り組んできたところでありますので、昨年度の三つのレスの進捗状況と効果についてお伺いをいたします。
○緑川行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 初めに、判こレスの取り組みについてでございますが、昨年度は起案文書の電子決定率六〇%という目標を設定いたしました。
目標達成のため、電子決定徹底の範囲を課長決定事案から局長、部長決定事案に拡大するほか、契約、支出関係事案にも対象を拡大するなど取り組みを進めました結果、昨年度末の電子決定率は六五%となり、目標を達成いたしました。なお、判こレス取り組み前でございます二〇一七年度の実績は一三・二%でございまして、およそ五二ポイントの増加となっております。
次に、ペーパーレスの取り組みについてでございますが、昨年度、コピー用紙使用量を二〇一六年度比一五%削減、ペーパーレス会議実施率六〇%という目標を設定いたしました。
目標達成のため、局長、部長等の幹部説明時の原則ペーパーレス化、本庁全職員へ持ち運びが容易な新TAIMS端末の導入を進め、コピー用紙使用量の削減率は一七%、ペーパーレス会議実施率は六七%となり、それぞれ目標を達成いたしました。
最後に、キャッシュレスの取り組みについてでございますが、支出につきましては、全ての旅費がキャッシュレスで支出可能といたしました。
また、収入につきましては、動物園や水族園等の主要な都民利用施設へのキャッシュレス決済を順次導入するとともに、QRコード決済の実証実験を行うなど、現金受け渡しの機会の減少に取り組んでおります。
○藤井委員 三つのレス、判こレス、ペーパーレス、キャッシュレスについて、これまでの都政改革の目標を着実に進めてきたということが確認ができたかと思います。
一方で、先日発表されました構造改革の五つのレス、ファクスレスとタッチレスを追加しておりまして、さらに来年度に向けて、この着実に進めてきた目標を大幅に引き上げる、非常に大きなチャレンジとなっております。
主な目標ですが、二〇二一年度に判こレスは電子決定率を一〇〇%、ペーパーレスはコピー用紙の使用量の削減率を現在の一七%から五〇%に、二億枚使っている紙の数を一億枚に削減する。でファクスですね、保健所と都のやりとりの集計でミスが出ている、批判が起きましたが、これを九八%削減するということで、本当に大きな目標ですし、取り組むに当たっても非常に難しさがあるのではないかなと思っております。
これを実現するためには、これまでの三つのレスの取り組みを見直すとともに、さらに大胆な発想も必要ではないかと考えております。
構造改革の五つのレスを達成するためには、この三つのレスで得た知見を生かす必要があると考えますが、どのような学びがあったのかお伺いをさせていただきます。
○緑川行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 二〇二〇改革におけます三つのレスの取り組みでは、内部事務に関する紙、押印による事務処理の見直しや、権限の整備等の制度面も含めた業務プロセスの改善など、局職員主体の改革を進めてまいりました。これによりまして、都庁の生産性を向上させるとともに、職員に改革マインドが浸透してきたものと考えております。
今般のコロナ禍を踏まえました都政の構造改革の五つのレスの取り組みにおきましては、新たな都政改革ビジョンの考え方も継承、発展させ、さらに高い目標を設定し、取り組みを加速していくこととしております。
今後、職員がこれまで培った改革のノウハウに加えまして、デジタルツールを徹底活用していくことにより、仕事の進め方をオンライン、デジタルをベースにしたデジタル環境へと転換してまいります。
○藤井委員 ご答弁の今最後にありました、デジタルツールを徹底活用して仕事の進め方をオンライン、デジタルベースにした環境へと転換していくということでありまして、これは今までの単なる業務プロセスの見直しではなくて、業務プロセスをまさに根本から見直すということだと認識をしております。
私もこれまでいろいろと意見交換、提案等をさせていただいておりましたが、いわゆるBPR、ビジネス・プロセス・リエンジニアリングをついに実行するということで期待をしているところであります。
さらに、この五つのレスというのは、他の自治体がデジタル化、デジタルトランスフォーメーションを進める際に参考にできる取り組みだと思います。ぜひ、ほかの自治体がこの取り組みを成功事例として聞きに来るようなことも意識をしながら進めていただきたいと思います。目標達成に向けて、ぜひ頑張っていただきたいことを要望させていただきます。
続きまして、話はちょっとがらりと変わりまして、国勢調査、統計についてお伺いをさせていただきます。
五年に一度行われております国勢調査ですが、今年度、まさに今とり行われている最中でありまして、しかもことしは、国勢調査が始まってから百年という節目の年であります。百年前の国勢調査においては、これで日本も一等国の仲間入りをするということで、お祭り騒ぎで、みんな全国民を挙げて回答したということも聞いているところであります。
国勢調査は、外国人の方々も含めて、日本に住む全ての人を対象とした唯一の全数調査でありまして、最も重要な統計調査ともいわれております。
行政が少子高齢化対策や防災対策、都市計画などの各施策を策定する上での基礎資料になっていることはもちろんなのですが、民間企業が需要の予測や、店舗や工場の立地をどうするかなどにも利用されております。例えば、銀行のATMをどこにつくるんだとか、コンビニをどこに出店するんだとか、そういったようなことにも活用されておりまして、我々の生活にも密接にかかわる統計調査となっております。
委員の皆様にも非常に関係するところでは、衆議院議員の小選挙区の区割りなんかも、この国勢調査のデータをもとに決められているところであります。
そんな国勢調査ですが、新型コロナの影響で調査員が不足しているというようなお話であったりとか、あと九月末の時点で一部報道によると、前回よりも回答率が大幅に下がっているというようなことの報道もありまして、その進捗を心配しているところであります。
調査員の確保については長らく課題となっておりましたが、確保のため、都は昨年度どういった取り組みをしたのかお伺いいたします。
○櫻井統計部長 国勢調査の統計調査員は、高齢化が進み新たな担い手が不足していること等もあり、減少傾向が続いております。
そのため、都は、国勢調査実施の前年である令和元年度から、区市町村の調査員確保に向け、広報展開や関係団体への協力依頼等を積極的に行ってまいりました。
広報としては、新宿西口の動く歩道を初め各所に募集ポスターを掲出したり、リーフレットを配置したりするとともに、統計部のホームページに総務省の調査員募集サイトへのリンクを張り、応募を促しました。
また、都内各区市町村のシルバー人材センターに調査員募集の協力依頼文書、ポスター、リーフレットを送付し、新たな調査員の確保に向けた取り組みを進めました。
さらに、前回国勢調査において、区部における調査員の約九割を町会、自治会からの推薦者が占めたことから、東京都町会連合会を通じ、各町会等に改めて引き続きの協力をお願いしたところでございます。
○藤井委員 昨年度、着実に各種団体に協力依頼をしたり、PRをしてきたということであります。
しかし、一方で、やはり統計調査員の高齢化が進むなど、新たな担い手不足というのは深刻であると受けとめております。さらに、今年度はコロナの影響もあり、当初予定していた方々が辞退するようなケースもあったと聞いております。
今回のコロナの最中に、青森市では地元の大学生を十八人、国勢調査員に任命したそうですが、そういったような取り組み、今後に向けては区市町村等と連携して若い統計調査員の確保など、新たな担い手の育成をしていただきたいと思います。
東京都は、前回の国勢調査において、他の道府県とも比べて圧倒的に回収率が低かったということがあります。回収率向上に向けてどのように準備をしてきたのかお伺いいたします。
○櫻井統計部長 前回の国勢調査における都の回収率は六九・三%で、全国平均の八六・九%を約二割弱下回っておりました。この結果の背景には、東京都、とりわけ都市部における調査環境の厳しさが存在いたします。
具体的には、立ち入ることが難しいセキュリティーの高い集合住宅、日中不在世帯の増加、世帯の個人情報保護意識の高まりの影響などが挙げられます。
そのため、令和元年度においては、マンション管理団体等へ調査協力依頼を行い、調査員が円滑に調査を実施できるよう取り組みを進めました。
また、未回収世帯は若年層、単身世帯が多いという総務省の分析から、大学生への働きかけを強化するため、二十五の大学等が加盟している大学コンソーシアム八王子へ協力をお願いいたしました。
加えて、調査実施に向けて幅広い周知を図るため、区市町村を通しての広報展開だけでなく、庁内各局に対して主催イベントや講習会でのポスター掲出、リーフレット配布などを依頼いたしました。
こうした取り組みに引き続き、実施年度である本年度においては協力依頼の対象を広げるとともに、国の広報と連動し、さまざまな年齢層を視野に入れた交通広告、新聞広告、インターネット広告などを複合的に展開してきたところでございます。
○藤井委員 若年層の未回答、未回収が多いということで、単身の若者が多い大学への依頼などは非常に有効であると思います。また、交通広告、新聞広告等さまざま行ってきたということでありますが、今回コロナで大学は開いていなかったり、人手が余りなかったりとか、誤算もあったのかもしれないなというのは、お伺いしていて思いました。
国勢調査なんですが、やっぱり一回回答するということを体験すると、二度目以降も答えてくれやすいのではないかということも一方で思ったところです。国勢調査で回答を体験する場などを早いタイミングでつくることができるといいのかもしれないなと思ったところであります。
この国勢調査なんですが、回答が得られない部分については、これは具体的にどのようなルールで埋めることになるのかお伺いいたします。
○櫻井統計部長 政令である国勢調査令において、インターネット、郵送、調査員回収で回答を得られなかった世帯に対しては、調査員が氏名、男女の別及び世帯員の数を近隣の人やマンションの管理員などから聞き取って調査を実施することができると規定されております。
○藤井委員 調査員が最低限であります氏名、男女の別及び世帯員の数というものを確認するということでありまして、国で唯一の全数調査、この質を確保するためにも、この聞き取り調査の徹底をまずはお願いしたいと思います。
回答なのですが、オンラインでの回答がふえると、調査員や区市町村の業務負担というのも減るというふうに聞いているのですが、オンライン回答の推進に向けた取り組みについて伺います。
○櫻井統計部長 オンライン、すなわちインターネット回答は、紙の調査票の回収業務が不要になることから、調査員の訪問回数が減るとともに、国のシステムに直接送信されることから、区市町村が行っている紙の調査票の審査が減るなど、業務負担の軽減にもつながります。加えて、回答漏れを抑止できることから、統計精度の点でもすぐれております。このため、国ではポスター等の作成に当たって、インターネット回答の方法を前面に打ち出したものにいたしました。
都においても、令和元年度に各種団体へ協力依頼を実施した際には、単なる協力依頼にとどまらず、インターネット回答の一層の推進を図るべく、その回答の利便性などを強調してまいりました。
さらに、実施を前にした本年度の各種広報展開では、改めてさまざまな媒体を使い、世帯に向けインターネット回答の利便性、安全性等をアピールし、インターネット回答へ誘導する取り組みを進めたところでございます。
○藤井委員 十月七日が一旦締め切りでしたが、オンラインの回答に関しては延長がされまして、ちょうどきのうですかね、二十日の締め切りとなったところであります。
今回、私も国勢調査、調査のお願いということで、これを持ってきましたけど、こんなものが届きまして、オンラインで回答をしてみました。届けられたこの書類のQRコードをスマートフォンで読み込んで、簡単にサイトにつながって、入力をして質問に答えていくという形で、ちょっと職業選択のところとかで迷うようなところがあるのですが、まあでも十分、十五分で非常に簡単に答えることができて、本当に驚くほど簡単だったなと思っております。
国が提供するこういったシステムでは、非常に珍しいんじゃないかなと思うぐらい、デザインもわかりやすく、使いやすかったというのを印象として持っております。一度使ってみると、とても簡単なので、またオンラインで回答しようと思うなというのも、思ったところであります。なので、使ってもらう機会をつくることが非常に重要であるというふうに受けとめております。
今回の国勢調査においては、コロナの影響もあり、さまざまな取り組み等を実施するのが難しかったのではないかと思うんですが、コロナの影響が広がりました昨年度末に、どのように対応する施策を準備したのかお伺いさせていただきます。
○櫻井統計部長 新型コロナウイルス感染症の影響が広がった年度末は、調査員募集の開始時期と重なり、区市町村においては国勢調査の準備事務全般が滞るなど、厳しい状況に置かれておりました。
国は今年度に入り、調査員募集活動期間の延長を行うとともに、予定員数の調査員を確保できない場合に備え、世帯と対面しない非接触の調査方法の導入のほか、調査書類の配布期間の延長、必要な区市町村においては調査期間の延長、審査期間の延長が可能となる仕組みの方針を示しました。
こうしたことを受け、都においては、区市町村に国の方針を徹底するとともに、今年度の広報、協力依頼において、非接触の調査方法などを十分に周知し、インターネット回答を強く勧奨するなど、調査の円滑化に向けた取り組みを進めました。
また、区市町村及び調査員の活動を支援するため、審査期間延長や調査員に配布する保健衛生用品等に係る予算措置についての調整を速やかに行ったところでございます。
○藤井委員 今回のコロナの影響で、これまでの対面での国勢調査、対面で渡して説明をしてということを調査員がしていたところを、非接触化するためにインターホン越しで説明することを原則とするなど、訪問回数も減っているということであります。
一方で、今ご回答にありましたとおり、期間が延びたこともあって、なかなか調査票が届かない地域があったとか、私にも幾つか問い合わせがありましたが、というちょっと心配の声もいただいたところであります。この辺、もう少し住民の皆様とコミュニケーションがあってもよかったのではないかなと、緊急事態であることはわかっているんですが、あった方がよかったのではないかなと思っております。
これまで、今確認をさせていただきましたさまざまな取り組みがございましたが、今回の回収率にどのように影響を与えてきているか、そして今後どのように対応するのかお伺いをさせていただきます。
○櫻井統計部長 昨日、十月二十日までが調査期間であり、その時点における参考値では、都におけるインターネット回答が四〇・六%、郵送回答が三二・二%、その合計である回収率は七二・八%で、既に前回並みの回収率となっております。特に今回力を入れてきたインターネットの回答率は、前回調査の二七・一%を上回り、これまでの取り組みで一定の効果が出せたものと考えております。
今後は今回の取り組みを検証するとともに、都内区市町村との事後報告会や国主催の都道府県事後報告会などでの意見交換等も参考にし、世帯からの回収率の向上、とりわけインターネット回答のさらなる推進を図ってまいります。
具体的には、国と連携協力し、次回調査に際してのイベントでオンライン回答ブースを設置し、回答を体験してもらうなど、さまざまな手法によるPR等の取り組みを進めてまいります。
○藤井委員 ただいまご答弁でもありましたが、昨日発表されました最新の総務省の発表をもとにすると、回答率は九月末の時点よりもかなり伸びてきていて、五年前の調査と同程度、もしくはそれ以上になりそうということでありまして、少し安心をしたところであります。
九月末、十月頭ぐらいですかね、小池知事も定例記者会見の中で国勢調査の呼びかけをしていたと認識をしていますので、そういった皆さんの危機感を含めて、都民、国民の皆様に伝わったのかなというふうに思っております。
今回の国勢調査においては、コロナの影響もありまして、対面の回数を減らしてオンラインの回答を促すなど、必然的にこれまでの国勢調査のあり方が大分変わったように思うところであります。
国勢調査を意味あるものにするためにも、都民の理解というのは欠かせないと思います。先ほど来お答えいただいたとおり、昨年度を含めて、さまざまPR等をしていただいていると思うんですが、大事なことは、国勢調査の意味というのを改めて国民、都民の皆様に、一人一人にわかりやすく伝えていくことだと思います。
どうしても行政が出すものですと、行政のさまざまな施策に使われるといったような点は出てきているんですが、先ほど申し上げたような銀行のATMだったりとか、コンビニだったりとか、もう少し民間での活用例なんかも具体的にわかりやすく伝えていくことで、その意味というものがより具体的に伝わっていくんじゃないかなと思っていますので、そういった取り組みをしていただきたいと思います。
ぜひ、今回の厳しかった状況を振り返って、今後の都内の回収率の向上やオンラインの回答率の向上、そして国勢調査のあり方そのものを国や区市町村とも議論をしていただきたいと要望させていただきます。
これまでテレワークを中心とした都庁職員の働き方の改革、三つのレスにかかわる都政改革、そして国勢調査について質疑を行ってまいりました。
昨年度はこのほかにも、現在も続く新型コロナウイルス感染症との闘いを初め、我が会派から提案をさせていただきました犯罪被害者等支援条例の制定や、台風による風水害の発生とその対応など、総務局は所管するさまざまな施策にしっかりと取り組んできたと思います。
総務局は、各局を支える官房局としての側面に加えて、都民に身近なさまざまな事業を展開する事業局としての顔も持っております。施策やその事業の幅が非常に広いものだというふうに認識をしています。局が取り組んできた各種施策をしっかりと検証し、今後の事業展開につなげていくことが都民ファーストの都政の実現にもつながるものと考えております。
そこで最後に、昨年度取り組んできました総務局の事業の総括と、今後局事業をどのように展開していくのか、局長の決意をお伺いさせていただきます。
○山手総務局長 総務局では、都政改革を初めとした内部管理に関する取り組みを推進するとともに、防災対策や人権施策の充実強化など、都民に直結するさまざまな取り組みを展開してまいりました。
昨年相次いで発生し被害をもたらした台風第十五号、第十九号等への対応では、都のこれまでの風水害対策を検証し、初動体制の整備や避難対策など七つの視点から三十五の対策を強化することとし、スマートフォン等の充電環境整備などについて補正予算を編成するなど、防災対策の充実に努めてまいりました。
また、犯罪に遭遇し、その被害に苦しむ被害者等への支援の取り組みをより一層推進するため、専門家等の意見も踏まえながら、犯罪被害者等支援条例を制定いたしますとともに、被害者のニーズが高かった見舞金などの経済的な支援策を導入することといたしました。
加えて、新型コロナウイルス感染症への対応では、対策本部の立ち上げなどを通じまして、各局及び関係機関と緊密に連携をし、迅速な対応に当たってきており、現在も感染拡大防止に向けた取り組みを推進してございます。
今後とも多岐にわたる事業について常に検証を重ねながら、よりよい施策へと、充実強化を図ることで、コロナ禍における庁内各局の取り組みを支え、総務局みずからも都民の生活や安全・安心につながる施策を積極的に展開してまいります。
○藤井委員 私も昨年を振り返ってみると、やはり秋の台風十五号、十九号から、今も続くコロナまで、総務局といえば、総合防災部の皆様が非常に忙しく活動されていたようなことを思い出すところであります。引き続き、そこは頑張っていただきたいなと思っています。
人権施策においても、今後を含めて、いろいろと議論をさせていただきたいなと思っておりまして、例えば、各自治体でも導入が進んでいるLGBT等のパートナーシップ制度等を議論させていただきたいというふうに考えているところであります。
また、人事や組織、教育を初めとして、総務局は都庁を実際に動かす推進力の源であるというふうに認識をしております。各局をサポートする官房局として、都政全般を支えることはもちろん、現場を持つ事業局としても、さらに活躍することを期待いたしまして、質疑を終えさせていただきます。
○中屋委員 私の方からは、総務局の中で決算額が大幅にオーバーしている事業と、極端に少ない二つの事業について何点か伺いたいと思います。
令和二年第三回定例会で条例改正されまして、行政手続の原則をデジタル化へと抜本的に転換していこうと、このように努力を今続けているところであります。
そこで、デジタル化を推進する都庁の来庁者受付オンライン申請について伺います。
年間三百万人以上が来庁する都庁舎の入庁手続は、昨年度末に紙の受付票による手続からタブレットやスマートフォンを使用したオンライン申請に改善されました。
まず、都庁舎の入庁手続を電子化することになった経緯を伺います。
○小平総務部長 都庁では入庁に当たりまして、セキュリティーの確保を図る観点から、受付で氏名、訪問先などの記入を求めてまいりました。しかし、受け付け処理を紙の受付票で行っていたため、混雑時には行列が生じるほか、来庁者が再入庁する際には受付票の検索処理に時間を要するといった、こうした課題が生じておりました。
また、平成三十年度に実施されました職員による事業提案におきましても、入庁手続のオンライン化について提案があり、これらの課題を解決するため、同手続を電子化することといたしました。
○中屋委員 今、答弁の中で、現場の職員の声を優先したとのことであります。とてもいい事例になったというふうに思います。
しかし、局の資料を取り寄せたところ、私も調べましたところ、当初予算と比べて決算額が倍近くに膨らんでおりました。
新たなシステム導入の際には、相応のコストがかかることは理解いたしますが、決算額が増額となった理由を伺います。
○小平総務部長 当初、職員から提案されておりました電子化のスキームでございますが、こちらは既存の東京都電子申請サービスを利用するものでございました。
しかし、電子化を検討、具体化する過程で、都庁舎の入退庁の実態に合わせるとともに、ペーパーレス化を一層推進する観点から、即時性にすぐれたQRコードを利用した独自のスキームにより電子化を進めることといたしました。
そのため、タブレット型の専用端末を新たに庁舎受付に設置するとともに、既存の入退庁管理システムの改修費用が増額となるなどした結果、決算額が増加となったものでございます。
○中屋委員 この事業化する過程で、さまざまなスキームを変更した結果、増額となったということでありますけれども、それでは具体的にどのような点で利便性が向上して、都民、来庁者の皆さんのメリットとなったのかを伺いたいと思います。
○小平総務部長 今回の入庁手続の電子化により、来庁者は庁舎に設置の専用端末のほか、個人のパソコン、スマートフォン、タブレット等で、日時、場所を問わず、事前にオンライン手続が可能となったほか、再入庁時の手続もQRコードを活用することで手続時間が短縮されるなど、利便性が向上いたしました。
現在、事業者を中心に来庁者の約三分の一程度がオンラインによる事前手続で入庁されておりまして、本手続が着実に定着してきていると認識しております。
今後は、オンライン手続の利用状況を分析し、必要に応じてウエブサイトを見直すなど、さらなる改善に向けた取り組みを進めてまいります。
○中屋委員 予算を増額して執行するからには、当然都民の皆さんにより多くのメリットがなくてはならないと、こう思います。そういう点に着目して、今回伺いました。行列をつくらない、接触機会を極力減らすという点では、コロナ対策にもなるわけですから、ぜひ力を入れて進めてもらいたいと、こう思います。
次に、島しょ地域における宿泊施設の誘致について伺いたいと思います。
令和元年度の予算では、島しょ地域の振興策の一つとして、宿泊施設の誘致を目的とする新規事業が総務局に計上されております。予算額は一億円です。
都は、これまでにもさまざまな島しょ振興策を行ってきたと思いますが、この島しょ地域における宿泊施設の誘致策を事業化した背景と目的を伺います。
○石橋多摩島しょ振興担当部長大島災害復興対策担当部長事業調整担当部長兼務 平成三十年十二月に開催された第五回東京宝島推進委員会では、ブランディングやマーケティングなどの専門家である委員から、年間を通じた旅行客の受け入れには質の高い宿泊施設が必要となるとの助言がありました。
本事業は、島しょ地域における多様な宿泊サービスの提供を推進し、一層の振興を図ることを目的とするものであり、新たに宿泊施設の誘致や整備を行う町村を支援する取り組みであります。
具体的には、島しょ町村における宿泊施設の誘致方法の検討や宿泊事業者の掘り起こしに向けた取り組みに対して都から補助を行うものであり、誘致の実現可能性などを検証する調査や宿泊事業者に関する情報収集などの取り組みが補助対象となっております。
○中屋委員 大体趣旨はわかりました。島しょ地域においてもさまざまなタイプの宿泊施設が整備されております。多様な顧客層の受け入れが可能になることは、今後の島しょの発展についても重要なところだと考えます。
しかしながら、本事業の目的が地元の町村にしっかり伝わっているのか、事業執行が余り芳しくないと考えております。令和元年度の決算額を見ますと、予算額を大きく下回っておりまして、執行率はわずか七%となっています。
執行率が低くなった理由を教えていただきたいと思います。
○石橋多摩島しょ振興担当部長大島災害復興対策担当部長事業調整担当部長兼務 本事業の開始に当たっては、島しょ地域の町村長に対して、事業目的や仕様内容を説明するなど、事業の活用について周知を行ってまいりました。
予算化に当たっては、町村における誘致方針決定に係る手続や住民への説明会の開催経費など、宿泊施設の誘致に際して必要な取り組みに係る経費を見込むとともに、地域の実情に合わせたさまざまな形態による事業者誘致を想定し、柔軟な対応が可能となるよう算定いたしました。
令和元年度の執行につきましては、申請のあった一件の事業内容が島内の宿泊施設の現況調査や公有地及び公有施設の利活用の可能性に関する調査などにとどまったことから、予算と比較し執行率が低くなっております。
○中屋委員 初年度ということもあって、申請が一件のみであったということでありますけれども、閑散期対策にもつながる新たな宿泊施設の誘致事業ですから、大変重要な取り組みであろうかと思います。
いうまでもなく、このコロナ禍において、観光に携わる事業者は厳しい状況に置かれております。島しょ地域も来場者が大幅に減るなど、極めて大きな影響を受けています。
こうした中で島しょ地域への宿泊施設の誘致を実現するためには、宿泊事業者の求める条件やニーズを把握した上で、地元の自治体がさまざまな準備を行う必要があると、このように思います。
例えば、公設民営の宿泊施設を検討している自治体に対しては、その経費も事業対象とするなど、町村の意向や現地の状況を踏まえながら、島の町村の使い勝手にも十分配慮して、この事業をぜひ継続をしていっていただきたいと、こう思います。
この取り組みが実を結んで、島しょ地域の活性化につながるように、今後もしっかりと支援をしていただきたいと、このように申し上げて、質問を終わります。
○斉藤委員 私の方からは、風水害対策、マイタイムラインの普及啓発、そして都庁職員の育休の取得、そして最後に、ダイバーシティーを目指す都政のLGBTの施策について質問したいと思います。
きょうは令和元年度の決算でございますので、ことしのコロナウイルス対策の最前線に立つ総合防災部の皆様には、本当に日夜、公務といえども、大変にご尽力、感謝申し上げたいと思います。しっかり頑張っていただきたいと思います。
風水害対策ですが、昨年は東日本台風ということで、十九号が大変大きな被害をもたらしました。ことしは被害が想像よりも小さかったといえども、台風十四号、こういったものの豪雨の警戒があったわけでございます。
東京の地形は本当に多岐に富んでおりまして、例えば多摩川を擁する世田谷区なども水害があったわけでございますが、目黒は比較的、谷もあれば丘もあり、大変起伏に富んでいるところでございます、山の手に位置していると。
こうした都市はどちらかというと内水氾濫というか、大河川の洪水よりもむしろ中小河川、都市河川であって、急激に増水することによる被害ですとか、あるいは下水道にも関係ありますけれども、内水氾濫によって経済的な損失が大きい地域であります。
このように、自分の地域がどういうところに危険があるかというハザードマップが重要であると同時に、やはり私は、マイタイムラインといった、みずからどのように事前に避難行動を決めるかといったことが重要であると思います。
昨年度の都が公表した東京マイ・タイムライン、非常に重要だと思いますが、そこで、都民の風水害に対する意識をより向上させていくためには、この東京マイ・タイムラインを活用していくことが重要であると考えますが、都の見解を伺いたいと思います。
○古賀防災計画担当部長 風水害時の逃げおくれをなくすためには、都民一人一人が気象や避難に関する情報を入手し、適切なタイミングで正しく行動することが必要でございます。
そのためには、いざというときに慌てることがないよう、日ごろから風水害のリスクを認識し、時系列に沿って防災行動をあらかじめ整理しておくことが重要と考えております。
東京マイ・タイムラインは、風水害時における都民の適切な避難行動を支援する効果的なツールの一つであると認識しております。
○斉藤委員 私は、大地震と異なりまして、この風水害は事前に本当に工夫すれば、避難する人を取り残さず、誰ひとり置き去りにしない避難行動というのは目指せるんじゃないかと、このように考えているわけでございますけれども、そういった意味では、SDGsの視点からも、いろんな角度がございますが、誰ひとり置き去りにしない避難というものも非常に重要であると思います。
この東京マイ・タイムラインは、風水害時における都民の適切な避難行動を支援する重要な効果的なツールというご答弁でございました。今後はそうした有効なツールをいかにして都民に、本当にそれを広く普及していくのかが大きなテーマでありまして、さまざまな世代--高齢者もいれば、子供たちもいますし、さまざまな世代を対象とした普及活動に加えまして、それを作成する、これをつくることが大事ですけれども、作成を指導できる人材の育成なども重要であると思います。
このような取り組みを単発に終わらせるのではなくて、継続して実施することが普及拡大に向けて必要なことだと考えるわけであります。
そこで、この東京マイ・タイムラインを策定した初年度である昨年度の普及啓発の取り組み状況について伺いたいと思います。
○古賀防災計画担当部長 東京マイ・タイムラインは区市町村や将来の防災の貴重な担い手となる児童生徒も取り組めるよう、児童生徒用のものも用意し、小学校、中学校、高校にも配布しております。児童生徒に向けましては、職員が学校に直接訪問し、教職員と連携しながら出前講座を実施するとともに、夏季休業中に東京消防庁の防災館を会場として、親子セミナーを開催しております。
地域住民に対しましては、町会を対象とした出前講座や都の防災訓練などのイベントの場を活用したセミナー、地域で作成指導ができる人材を養成する講習会も実施しております。
また、企業の経営者、防災担当者を対象としたセミナーを、東京商工会議所との共催により実施もしております。
引き続き、幅広い層に作成の取り組みが広がり、より多くの都民が風水害時に適切な防災行動がとれるよう、東京マイ・タイムラインを活用した普及啓発を着実に展開してまいります。
○斉藤委員 さまざまな取り組みをされていることがわかりました。しかしながら、ことしはコロナ禍ということもございまして、なかなかこのセミナーも開催が難しい、コロナ禍にあっての集会形式のセミナーなどは難しいというふうに推測されるわけであります。
私も、地元というよりも、葛飾とか東部地域の小学校などを訪問させていただきまして、同僚議員と一緒にマイタイムラインを実際につくる現場を視察させていただきました。本当に一生懸命、グループワークというか、子供たちも一生懸命取り組んでいましたし、家に帰れば、恐らく親に対して、お子様の方がむしろ先生になるような、そういった取り組みが教育現場であったことは大変重要であると拝見してまいったわけでございます。
常に災害リスクを認識し、学んでいくことは重要でありますけれども、時に自分たちの地域でそのような危険が比較的小さいところであっても、大災害に遭った地域を訪問することで--これは修学旅行といいますか、東日本大震災のエリアとか福島にも足を運んで学んでいくことが重要だと思いますけれども、こうした災害に見舞われながらも、そこから立ち上がった地域に触れていくことが重要だと思います。
鬼怒川が大変氾濫した茨城県の常総市と私はご縁がございまして、常総市民、準市民ということで登録をしておりますけれども、税金を納めているわけではございませんけれども、そういった意識を他地域に持っていくことも、二地域居住をしなくても関係していくという、そういった関係人口というか、防災の視点から、そういった視点を持っていくことは重要であろうと。東京都内においても、また多摩エリア、大変なところがありましたので、そういったところに都心の人が関心を持っていくことが重要であると考えているわけでございます。
こういう過去の災害を忘れてはいけないという観点からは、自分たちの地域に、町会、自治会に本当に昔の水害を経験されている方がおられます。目黒の場合は、昭和五十六年に大きな目黒川の氾濫がございましたが、そうした方々のお話を伺うと、今の子供たちは本当にびっくりした目をしますけれども、そうした防災の実体験についてのリアルなお話を語り部として高齢の方にもお話を伺うような場も重要かと思います。
災害は忘れたころにやってくるというならば、常にそれを意識して備えておくことは重要であるということを申し述べまして、皆様の総合防災部の取り組みについて、しっかりとお支えをすることも添えて、この質問を終わりたいと思います。
次に、都庁の男性職員の育児休業について質問をしたいと思います。
私は昨年の決算特別委員会においても、また総務委員会においても、男性の育児休業については、都内の企業にも一層取り組みを進めていただくためにも、都がまず範を示していくことが重要であると、社会全体を先導していくことができると、このような観点から、都庁の男性職員の育休取得率について質問をしてまいりました。
令和元年度には一五%に向上させるという目標達成を目指し、都が率先して取り組んでいただきたいと要望したわけであります。都では平成三十年度から、パパ職員育児参加応援プロジェクトとして予算計上されまして、平成三十一年一月から取り組みを開始している旨の答弁があったところであります。
そこで、令和元年度の男性職員の育児休業取得率はどのような結果であったかをまず伺いたいと思います。
○高崎労務担当部長 都は、平成三十年度から育児休業に関する男性職員の意識向上や職場の理解、協力の促進を図っております。平成三十一年一月からは、配偶者の妊娠が判明した男性職員に対し、育児参加プランニングシートを活用して、休暇の取得等について所属長が面談することや、パパ職員向けガイドブックの配布など、男性職員の育児休業取得を後押ししてまいりました。
その結果として、令和元年度の教育庁を除く知事部局等及び公営企業局の男性職員の育児休業取得率は、国と同様の算出方法で計算すると一八・三%となっております。この数値は、前年度の一四・六%に比べ三・七%上昇しており、令和元年度には一五%に向上させるとした目標を上回っております。
○斉藤委員 一丸となって取り組んでいただいた結果、目標の一五%を超えて一八・三%という達成をされた。本当にこれは皆さんのご努力のたまものだと思います。さまざまな取り組みを行いまして、令和元年度の数値目標を達成することができたことを皆様の前で確認をさせていただきました。
ライフワークバランスの向上が都民サービスの向上に必要であります。それには、男性職員がこれまで以上に育児休業を取得することは重要であると考えます。
今後、男性職員の育休取得促進について、目標を達成したその次ですが、どのように取り組んでいき、数値目標を設定していくのかを伺いたいと思います。
○高崎労務担当部長 都では、昨年九月に実施した男性職員の育児休業取得に関する実態調査等を踏まえ、職員が周囲に気兼ねなく育休等を取得できる職場環境づくりを一層推進するため、今年度からは取り組みをさらに強化しております。
実態調査においては、育児休業を取得、計画しない理由は、業務多忙により取得困難という回答が最も多いものでした。そこで、業務の見直しや効率化にもつながるよう、休業期間中の業務計画を所属長が職員と相談した上で策定し、職員の意向等を考慮した休暇、休業を合計一カ月以上を目途として取得することを勧奨しております。
今後はこうした取り組みを着実に実施するとともに、今年度中に東京都ライフ・ワーク・バランス推進プランを改定し、数値目標の考え方についてもあわせて検討してまいります。
○斉藤委員 職員の皆さんの業務多忙の原因に、議会が挙がってはいけないということで、議会改革もあわせて行うことで、理事者の皆さんと一丸となって働き方改革にもつながるこの育休取得、取り組んでいきたいと、議会側からも頑張っていきたいと思っております。
今後、民間企業にとっては男性が育児休業を取得しやすいことや、女性の活躍、それがその企業の魅力として、経営者の手腕があらわれるわけでございますが、アピールにもなるわけであります。
企業の取り組みを促すためにも、東京都のことじゃないかということじゃなくて、都ができることをやることによって、例えば各企業にその成功した事例の紹介を積極的にしていくと。
例えば、東京都には政策連携団体もございますし、そういったまず身近な関係の団体からも同じように取り組んでいくように、こうやってやればできるよということをぜひ推奨していくべきと考えるわけでございます。政策連携団体の職員の皆様の活躍と団体自身の魅力向上はそういったところにもあらわれてくる。それを都民よく見ておりますので、そうしたサービス向上を目指して頑張っていただきたいと、このように思います。
常々、私がこの男性職員の育児休業取得を推進しているのは、そういう思いからのことでございます。その思いに十分に応えられている、目標を達成したお話を伺いました。コロナ禍におきましても、働き方や家庭での過ごし方の見直し、これが今物すごく問われておりますけれども、ポストコロナの働き方としても、そうした視点からも、より一層頑張っていただきたい。
最後の質問に移りたいと思います。LGBT当事者への支援についての質問でございます。
私は、平成三十年当時総務委員会に所属しておりまして、いわゆる人権尊重条例の成立過程の議論に加わっておりまして、さまざまな意見を、質問を通じてもさせていただきました。
この人権尊重条例は、オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念に基づき、誰もが認め合う共生社会を実現することを目指しています。SDGsをまつことなくも、都みずからそういった意思で、こういった条例をつくっているわけでございます。多様な性の理解の促進、いわゆる性自認及び性的指向に関することがうたわれているわけです。
この条例に基づいて基本計画を策定したと伺っておりますけれども、この基本計画では、LGBT当事者への相談支援体制の充実は重要な柱の一つと、このように位置づけられていると伺っています。中でも、電話による専門相談は匿名で相談できるため、誰にも相談できない、親にもできない、友人にもできない、そうした悩みを抱える当事者にとっては、心のよりどころにもなる大変心強いものであります。
ここで相談することで気持ちが楽になる、人に話を聞いてもらうと楽になるんです。そういった角度から解決の道筋を見つけることができる、そのようなきっかけになることが期待されているわけですが、この令和元年度専門電話相談について、その実績をまず伺いたいと思います。
○堀越人権部長 都では、性的マイノリティー当事者が抱える困り事について、カウンセラー等による専門電話相談を行っておりまして、令和元年度の実績は百七十六件でございます。
相談内容としては、家族関係、カミングアウト、就労労働環境等に関することが多く、相談員が傾聴して相談者の気持ちの整理を手伝うなど、悩みを抱える方や声を上げられない方に寄り添った対応に努めております。
さらに、ことし七月には、新たにSNSを活用した専門LINE相談を開始し、相談を受ける体制を充実させたところでございまして、八月末までの二カ月間で五十四件の実績となっております。
○斉藤委員 その数が多い少ないということを申し上げることはできません。その実態そのものが、今いかような状況かということをともに認識していくのには時間も必要だと思いますが、ただ、今ご答弁がございましたように、今年度に入って、電話による相談に加えまして、スマートフォンなどによるSNSを活用した相談体制--最近はさまざまいじめの問題などもこのSNSを活用した相談体制というものが実を結んでおりますけれども、公明党が挙げて推進してきた仕組みであります。
若者世代にとっては、電話よりも、メールもしない、そういった方についてはSNSを使った方が気軽に相談できるということがあるようですから、この取り組みは非常に効果的であり、ぜひとも充実させていただきたいと考えます。まだ始まったばかりの取り組みですけれども、ぜひとも今後に期待をしたいと思います。
また、都民への啓発や、都庁内の職員への理解を進めることも重要であろうと、このように考えるわけでございます。LGBT当事者への不当な差別を解消していくためには、社会全体の理解を進め、都民一人一人が課題を認識し、自分事として考えていく、そのようなきっかけづくりが必要だと思います。人権尊重条例でも、性自認及び性的指向に関する啓発等の推進を図ることとしております。
そこで、令和元年度に実施したLGBTに関する普及啓発の冊子の作成実績について伺いたいと思います。
○堀越人権部長 都はことし三月に、日常生活の中で配慮するべきことや職場における具体的な配慮事例などをまとめた都民向けの啓発冊子を約六万冊、職員向けのハンドブックを約七万冊作成いたしました。作成に当たりましては、当事者団体の監修を受け、当事者の生の声や具体的な困り事を掲載するなど、より実践的な内容になるよう工夫をしております。
作成した冊子につきましては、都の事業所のほか、区市町村、民間団体等に配布するとともに、人権部のホームページに掲載するなど、広く都民への意識啓発を図っています。
今後とも、さまざまな機会を捉え、性自認及び性的指向に関する普及啓発を進めてまいります。
○斉藤委員 当事者の生の声も取り入れながら、困り事などを掲載されている、実践的な内容になっているということですので、こういったことを都民の方にお伝えしていきたいと、このように考えます。
ただいま啓発について、取り組みについてご答弁いただきました。このような都民に対する普及啓発だけではなく、都庁内の職員向けの理解促進が非常に重要だということになりますが、都民への行政サービスを担う職員ご自身の理解を進めてこそ、人権に配慮した行政展開が寄り添うということでいえば、より一層進むのではないか、深まっていくのではないかと考えます。今後もさまざまな形で普及啓発を進めていただきたいと思うわけでございます。
さて、庁内全体の職員の意識啓発からさらに一歩進めまして、庁内全体の施策を一層進めていく仕組み改革というか、一人一人の意識もそうですが、組織として、都庁全体の施策を一層進めていく必要があると思います。
庁内の各事業を所管する部署は、ともすると縦割りになりがちでございますけれども、人権の問題はもうそれを取っ払う横串を刺していかなきゃいけない大事な課題でありますので、この人権の課題の推進は、総務局人権部だけが担っていると考えがちのところは、それは違うのではないかと思うわけでございます。
しかし、このLGBT当事者をめぐる課題は、全庁の職場全てに係るものであり、その旗振り役としての総務局人権部、総務局にございますけれども、各局の事業は一見関係ないように見えたとしましても、それを自分事として捉えていく、これが大事であり、LGBT当事者への支援という視点で見ると、共通の課題が見えてくる、検討課題もあるのではないかと考えます。
そこで、人権尊重条例やその基本計画に示した各種の施策を進めるに当たりまして、庁内の連携が重要になってくると考えますが、都の見解を伺いたいと思います。
○堀越人権部長 都は全庁を挙げて必要な施策を推進するため、都庁全局の部長級から成る東京都性自認及び性的指向に関する施策推進会議を設置いたしました。
この会議では、庁内の施策の進捗管理を行うとともに、各局からの相談に対して助言するなどの総合調整を行っています。
また、性的マイノリティー当事者や有識者の方々を招き、意見を聞く機会を企画するなどして、取り組み推進の機運を高め、今後とも全庁で連携して施策を展開してまいります。
○斉藤委員 今ご答弁いただきましたように、この課題は、ひとえに総務局人権部だけではなく、庁内の全ての部署にかかわるものでありまして、各事業、各現場で一つ一つの課題を真剣に受けとめて、解決に向けて前向きに捉えていかなきゃならないと思います。
せんだって、小池百合子知事宛てにも、我が党の会派として、同性パートナーの都職員の待遇改善を求める要望、そういったことを取り組んでくださいということで、お声を届けさせていただいたところであります。
こうした職場環境、私どもではなかなかわからない、さまざまなサービスが受けられないで悩んでいらっしゃる方々、そうした方々に寄り添うことは難しいですけれども、各部署部署に、一人、少ないかもしれないけれども、全体で見れば、共通の課題があるということを今認識を共有させていただきましたので、取り組みをよろしくお願いしたいと思います。
人権尊重条例にあるとおり、この東京に集まるさまざまな人々、これは外国人も含めてでございます、そして、歴史的には被差別関係で苦労された方々、部落解放同盟の皆様の献身的な闘い、そうした歴史も東京には厳然とございます。そうした全ての方々の人権、誰ひとり取り残すことなく尊重され、持続可能なよりよい未来のためにも、人権尊重の理念を実現させていかなければなりません。でなければ、ダイバーシティーは語れないわけでございます。
今後、この基本計画に沿って、東京二〇二〇大会の開催に向けまして、人権尊重の理念をさらに深く浸透させるよう、現状に満足することなく、インクルーシブな社会の実現に向けまして取り組んでいただきたいと思いまして、それを私が申し上げまして、質問はこれで終わりたいと思います。
以上です。
○里吉委員 私からは、風水害対策についてと人権問題について、大きく二点質問していきたいと思います。
まず、風水害対策についてです。
先ほどもお話がありましたけれども、私の地元世田谷区では、昨年十月の台風十九号、多摩川沿いの広範囲で浸水被害が発生いたしました。多摩川の無堤防箇所からの溢水の影響や水門一カ所を閉鎖できなかったため、多摩川の水が逆流し、住宅地に流入したということも指摘をされました。また、避難所についても、風水害のときは早目に逃げなければ避難できない、避難所が足りない、このような課題も明らかになりました。
東京都は、台風十五号、十九号等の影響によって、都内で相次いだ風水害を受けて、大規模風水害検証会議を設置するなどして、風水害対策の見直しを行ってきたということです。
資料も出していただきましたけれども、ことしも各地で風水害が発生しており、そのための対策は待ったなしです。きょう見せていただいた検証、多面的にさまざまな角度から行われていると思っております。きょうはその中で、三点に絞って伺ってまいります。
まず、初動体制の中でいわれている派遣職員の育成についてです。
初動体制の整備では、各自治体に二名程度派遣するとしておりまして、ことしの台風、そこに向けて備えて、災害対策住宅入居などの派遣職員に対する研修を実施して、職員の育成に取り組むとしております。
災害対策住宅入居職員、そしてまた、それ以外にも各局職員といった派遣職員に対して、都としてどのような育成を行ってきたのか伺います。
○猪口総合防災部長 派遣職員である情報連絡要員の業務等をまとめましたマニュアルを作成いたしまして、連絡要員に対して、こうしたマニュアルを活用した研修を実施するとともに、実際に派遣される予定の自治体が実施する防災訓練等にも事前に参加いたしまして、連絡要員の実際の業務の確認等を行ったところでございます。
○里吉委員 連絡要員の実際の業務を確認したということで、私も地元の世田谷区に確認しましたけれども、既に世田谷区の方にも都の職員の方、来ていただいて、区の訓練にも参加したということで、都の連絡調整のために東京都の職員が来てくれて、つないでくれるということで、その仕事の役割も大変助かるということで、世田谷区の方でも喜んでおりました。
これが実際の風水害のときに的確に派遣できるように、そして、どこでも実施できるように、体制を整えていただきたいと思います。
次に、避難先の拡大についてです。
これも最初に述べましたが、世田谷区では風水害時の避難所が少なくて、避難所に入れなかったという方もいらっしゃいました。行ったところがいっぱいで、次の避難所に、あの大雨の中歩いて移動して、別の避難所に十分以上かけて行ったという方も何人もいらっしゃいました。これが世田谷区でも大問題になりまして、区としても、避難所をふやさなければということで議論していたところです。
また、ことしはコロナ感染拡大防止の観点からも、さらに多くの避難所の確保が求められているということです。
そういう中で東京都が、都有施設を活用することで、風水害時の避難先拡大を図るとしていることは重要だと思います。対象として調査をした施設数、そして新たに協定締結に向けて取り組んでいる中身について伺いたいと思います。
○古賀防災計画担当部長 都は、昨年度の検証を踏まえまして、全ての区市町村に対して、風水害時の緊急避難先としての活用を希望する都立施設の調査を実施したところ、都立学校や事業所などの百二十八施設について活用の希望がございました。
さらに、施設ごとの浸水リスクやセキュリティーなど、活用上の課題等を管理者と整理の上、その結果を協定書のひな形とあわせて区市町村に提供いたしました。
引き続き区市町村と連携して、都立施設を風水害時の避難先として活用する際の具体的な運用や新たな協定締結に向けて調整を進めております。
○里吉委員 百二十八施設について、区市町村から活用希望が出されて、具体的に運用や協定の締結に向けた調整が行われているということでした。実際に、その場所が浸水リスクがある場所だったりすると使えないとか、いろいろそういうことはあると思いますけれども、そうでない限りは、ぜひ希望されたところが全部使えるようにしていただきたいと思います。
これも世田谷区のホームページで確認したんですけれども、世田谷区のホームページ、水害時避難所として、第一次避難所の中には、都立深沢高校とか都立園芸高校、そして第二次の避難所として、駒沢オリンピック公園総合運動場というのがありまして、ホームページ上では九月一日現在ですが、調整中ということで、いずれ調整がとれたら、これは使えるんだというふうにもう広く区民の皆さんにホームページでお知らせしているということがわかりました。
地震のときと違って、水害のときの避難所はまた別に設定していたんですけれども、本当に少なかったんですね。ですから、これを改めて見直したときに、どうしても区の施設だけでは足りないということで、民間の大学ですとか違うところも、今、世田谷区としてはお願いして、協定書を結ぶ努力をしているようですけれども、都の施設が使えるということで、これも、いざというときにきちんと使えるようにしたいということで、今取り組んでいると担当者からも聞きました。
東京都として、百二十八施設全部がセキュリティーとか浸水リスクとか大丈夫なのかということを確認した上でですけれども、可能なところは全てできちんと協定締結ができるように、これも取り組んでいただきたいと思います。
そして、水害対策でいつも課題になるのが、避難情報の的確な発令についてです。これもきょう提出していただいた資料の中にも、この対策について書かれておりました。
気象情報等に応じた避難情報の発令の判断に苦慮した区市町村があったということで、東京都として、各区市町村が気象情報等に応じた避難情報を的確に発令できるための取り組みを進めているということですが、この内容について具体的に伺います。
○猪口総合防災部長 昨年の台風第十九号では、避難情報を発令するタイミングが難しいと感じた自治体が多く生じております。
このため、風水害の発生時に、区市町村が気象情報等に応じて、避難情報を的確に発令できるよう、区市町村がとるべき行動を取りまとめたガイドラインとチェックリストを都が策定し、さまざまな機会を通じて区市町村に周知を図っております。
○里吉委員 ありがとうございます。
都としてガイドラインとチェックリストを策定したということで、先ほどマイタイムラインのお話もございましたが、自治体がどういうときに、どういう行動をするのかと、きちんと自治体としてのタイムラインをつくっておくことがすごく重要で、そのために、東京都として、きちんとしたガイドライン、チェックリストを作成したということで、これは本当に重要なことだと思います。
同時に、これは要望なんですけれども、この自治体タイムラインというか、ガイドラインとチェックリストの中身、それが地域住民の皆さんにも伝わるということが、私は重要じゃないかと思うんですね。地域住民の皆さんが避難の必要性や、いつ避難したらいいのかということを理解するためにも、避難情報の発令はどういうときに出されるのか知っておく必要があると思います。ぜひこの点も、東京都としても取り組んでいただくように求めておきます。
そして、きょうは質問はいたしませんけれども、台風十九号を経験して、改めて要配慮者といわれる高齢者や医療ケアの必要な方、障害者の方などの避難が課題だと痛感しています。だんだん雨が強くなってくる中、暴風の中での避難は私たちでも危険を感じます。早目に避難できるよう、各自治体が避難所を早目に開設することが重要です。
さきの日本共産党の河野ゆりえ議員の一般質問に対しての答弁でも、避難所や福祉避難所の開設について、都の地域防災計画では、区市町村が気象情報等を踏まえ、発災前の情報連絡期から開設、運営することとなっていると、こういう答弁がありましたけれども、そういう対策がとられている自治体と、まだそこまできちんと対策がとられていない自治体とあるというふうに認識しております。
ぜひ、東京都として、発災前、特に風水害のときは、事前にきちんと避難所が開設、運営できるように、そのことが必要だということを改めて区市町村にも周知していただきたいということを要望して、この質問を終わります。
次に、人権問題です。東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例、いわゆる人権尊重条例について伺います。
この条例は、いかなる種類の差別も許されないというオリンピック憲章の理念が、広く都民に浸透した都市を実現しなければならないと前文で述べて、都の責務として、多様性を尊重する都市をつくり上げていくため、必要な取り組みを推進するとしています。
そこでまず、この条例にありますヘイトスピーチへの対応について伺います。
特定の国の出身者であること、またはその子孫であることのみを理由に、日本社会から追い出そうとしたり、危害を加えようとしたりするなどの侮辱的な、差別的な内容の言動が、一般にヘイトスピーチと呼ばれています。
都内では、法務省の委託した調査研究による実態調査報告書の統計で過去のおよその実態がわかるということで、これ二年前の総務委員会の質疑で人権部さんの答弁であったんですけれども、平成二十四年四月から平成二十七年九月までの間に、ヘイトスピーチを行うと報道されて、指摘されている団体が行ったデモの発生件数、都内合計四百四十件ということが述べられておりました。
その後、この人権尊重条例ができて、今東京都では人権尊重条例に基づいて審査会を設置して、いわゆるヘイトスピーチについて、都民からの情報提供を受けた場合、調査審議を行っております。
そこでまず、人権尊重条例施行後、ヘイトスピーチに関する都民からの情報提供、通報は何件寄せられたのか伺います。
○堀越人権部長 人権尊重条例に基づく都民等からの不当な差別的言動に関する申し出は、令和元年度は五十一件、令和二年度は九月までで三十二件でございます。
○里吉委員 これも多いか少ないかというのはなかなかいいにくいところはありますけれども、件数としては、半年で三十二件ということですから、少しずつ認知されてきているのか、ふえているというふうに思いました。
昨年度は、この条例十四条の規定により設置する審査会が、五月、七月、九月、十一月、一月と、ことしも引き続いて開催されているということをホームページで確認いたしました。
具体的な内容は非公開となっていますが、その中でも、昨年度一年を通じて、五月二十日の練馬区内での街頭宣伝、九月一日の墨田区内での集会、これは多分、都立横網町公園での朝鮮人追悼集会の場でのことではないかと思うんですけれども、その件、そして九月十五日、墨田区内でのデモ行進、十一月三日、港区内での街宣活動について、その中に、本邦外出身者に対する不当な差別的言動に該当するものがあったことを認め、その概要が公表されています。
こうした内容をきちんと都として公表することで、実際にどういったものがヘイトスピーチと認定されたのかもわかりますし、都として、ヘイトスピーチを許さないという姿勢を示すことにもなると思います。
人権尊重の理念を東京都の隅々にまで浸透させ、多様性を尊重する都市をつくり上げていくためにも、また、いかなる差別も許されない、ヘイトスピーチは許されないという都の姿勢を示すためには、また、広報とか啓発などの活動も重要だと考えます。
昨年度、ヘイトスピーチを許さないための広報啓発活動について、どのような活動を行われたのか、その実績について伺います。
○堀越人権部長 昨年度、都は、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消を図るため、チラシを約二万部作成し、都内区市町村等に配布したほか、都営地下鉄の駅にポスターを掲示いたしました。
さらに、JR東日本と協力し、首都圏の主な二十の駅のデジタルサイネージに、いわゆるヘイトスピーチは許されないことを訴える画像を流すなど、工夫して広報活動を展開いたしました。
○里吉委員 都がさまざまな広報啓発活動を行っていることがよくわかりました。
ただ一方で、このヘイトスピーチ等は今も身近なところで、残念ながら行われているのが現状だと思います。表面的に、こういう言葉は差別用語だから使ってはいけないということを知るだけでは、不当な差別はなくならないと思います。
歴史的な背景も含めて、どうしてこのような差別が生まれるのか、生まれたのかということも学べる場が必要だと思います。学校教育も含めて、この人権尊重条例を生かすためにも、さらに啓発教育に取り組んでいただくよう要望しておきます。
そして、そのためにも、私たち代表質問で繰り返し指摘していますけれども、小池知事自身が、関東大震災のときの朝鮮人虐殺の事実、歴史の事実に向き合い、朝鮮人犠牲者の追悼式典への追悼文を送るべきだと思っています。このことは引き続き知事に求めていきたいと思っています。
次に、性の多様性について伺ってまいります。
都は、昨年十二月に人権尊重条例に基づき多様な性の理解の促進のために、東京都性自認及び性的指向に関する基本計画を作成しました。この基本計画では、一人で悩みを抱える当事者が最も近い存在であり得る家族にさえ相談できず、孤立している現状、声を上げられない当事者にアプローチする声なき声に配慮する相談体制の充実を重点課題として取り組むとしています。これは本当に当事者の方々からいつもいわれてきたことで、大切な視点だと思います。
そこで、昨年度の相談件数、先ほどご答弁ありましたけれども、その件数と受けた相談に対してどのように対応したのか、具体的な内容について伺います。
○堀越人権部長 都は、性自認及び性的指向に関する専門電話相談を行っており、昨年度の実績は百七十六件でございます。
受け付けた相談につきましては、きめ細かい助言を行い、困り事や悩み事の内容に応じてさまざまな専門の機関を紹介するなど、相談する方に寄り添った対応を行っております。
○里吉委員 事前にご説明いただいたときに伺ったんですけれども、相談を受ける方がカウンセラーだけじゃなくて、当事者の方もいらっしゃるということで、より丁寧な対応ができる相談窓口になっているのではないかと思います。先ほどの質疑で、SNSなどさらに広げているということで、私からもさらに拡充していただくことを要望しておきたいと思います。
そして、あわせて啓発教育、積極的に取り組むことがどうしても必要で、これが多様な性のあり方への社会的理解を進める共生社会の土台をつくるものになると思います。
昨年度、教育現場やその他の場を含めて、どのような啓発や教育活動を行ったのか伺います。
○堀越人権部長 都は、性自認及び性的指向に関する都民向けの冊子やリーフレットの作成のほか、東京都人権啓発センターによる中学生を対象としたLGBTに関する学習会など、さまざまな普及啓発事業を展開いたしました。
また、若年層に対して、悩みの相談窓口の周知を進めていくため、教育庁等とも連携を図り、都内の学校等に対して、専門相談の電話番号を案内するためのカードなどを送付いたしました。
○里吉委員 東京都として、さまざまな冊子やリーフレットをつくるなど、取り組んでいらっしゃることがわかりました。
民間の取り組みでも、都内に常設のプライドハウスがオープンしたということがニュースにもなっておりました。私は、昨年、ラグビーワールドカップの開催に合わせて期間限定で開かれておりましたプライドハウス、原宿駅のすぐ近くにありましたけれども、そこに行ってまいりました、昨年ですね。
そこでは、多様な性について、小さな子供から学べるような絵本が本当にたくさん--今も新しいところにも展示してあるそうですけれども、あったり、LGBTに限らず、広く多様な性について知ることができる、そういう場でした。
それが常設で東京都内にできたということで、新宿御苑のすぐ近くですけれども、そういうことも生かして、さらに都としても啓発、教育活動に取り組んでいただきたいと思います。
さて、さまざまな人権施策を進めるために、東京都には人権施策推進指針があります。オリンピックの招致が決まったことを受け、この指針が十五年ぶりに改定されたのが二〇一五年です。
しかし、人権施策推進指針は、今日的な人権に対する認識と照らして、ちょっと古くなっているかなという印象を受ける場所が何カ所もあるんですね。
例えば、都の虐待防止条例では、子供はあらゆる場面において権利の主体として尊重される必要があるとの文言が盛り込まれていますが、こうした子供を権利の主体として尊重する必要性についての記載はまだありません。条例ができたのが、この改定の後ですから、東京都としての人権に対する認識が、指針を改定したときよりも発展しているということだと思うんです。
ですから、人権施策推進指針は、この間の人権課題の発展を踏まえて、全面的に改定する必要が来ているのではないかと考えますが、都の認識を伺います。
○堀越人権部長 東京都人権施策推進指針は、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を契機に、国際都市にふさわしい人権尊重の理念が浸透した社会の実現を目指し、都が取り組むべき人権施策の基本方針を示すため、平成二十七年八月に改定いたしました。
この指針では、あらゆる差別を許さないという人権意識が広く社会に浸透すること、多様性を尊重し、さまざまな違いに寛容であることなどを基本理念として、人権施策の推進に取り組み、国際都市にふさわしい人権が保障された都市を目指すとしており、この考え方は今日においても同様でございます。
東京都人権施策推進指針の見直しにつきましては、社会経済状況の変化等を踏まえ、慎重に検討してまいります。
○里吉委員 慎重に検討ということでしたけれども、都として、これを改定したのがオリンピック・パラリンピックに向けての改定でしたから、少なくとも、ことしの夏以降、なるべく早く見直しに着手していただくよう要望します。
そして、全面改定までできなくても、必要な対応をぜひ行っていただきたいと思いまして、一点確認したいと思います。指針で、性同一性障害について、国際疾病分類では疾病として認められていますが、社会では十分認識されていませんという文言があるんですね。
しかし、二〇一九年五月に、世界保健機構、WHOの総会で、心と体の性が一致しない性同一性障害については、精神障害の分類から除外することが合意されました。この件を受けて、どのような対応を行ったのか、表記を変更するお知らせなどを行ったのか伺います。
○堀越人権部長 都は、世界保健機構が精神疾患の分類から性同一性障害を除外したことを受け、昨年度策定いたしました人権尊重条例に基づく性自認及び性的指向に関する基本計画の中で、国内外の動向と現状として、この趣旨を明記いたしました。
また、昨年度発行した全庁の職員を対象としたハンドブックにも、その趣旨を記載し、周知を図っております。
○里吉委員 人権尊重条例に基づいて作成した基本計画への記載と、全庁の職員対象のハンドブックには記載したということが確認できました。各学校にも、これを配布しているということでしたから、こういった対応を、これからもしっかり取り組んでいただきたいと思います。
同時に、この基本計画は、性自認と性的指向に関してだけのものですし、広く都の人権施策について知ろうと思えば、今私たちが手にできるものは、人権施策推進指針ですから、これの全面改定は、やはり早急にしていただきたいということを要望しておきます。
最後に、性自認及び性的指向に関する基本計画では、さまざまな取り組みが書かれていまして、私もざっと読ませていただいたんですが、人事委員会が実施する都の職員の採用試験、選考では、二〇二〇年度以降の申し込みから性別の記載を廃止するなど、積極的にできるところから取り組んでいるということがよくわかりました。
ですから、先ほども議論ありましたけれども、そうであるならば、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアルなどを差別しないという立場からも、同性婚も差別しないという東京都の立場もしっかり示すときに来ているのではないか、ぜひそういう東京都になっていただきたいということを私からも要望し、質問を終わります。
○佐野委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後三時九分休憩
午後三時二十五分開議
○佐野委員長 休憩前に引き続き分科会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○奥澤委員 私からは、大きく分けて、人材育成、災害対策、人権施策、それから都職員の福利厚生制度と二〇二〇改革についてお伺いします。
まず、人材育成に関連して、国際競争力強化プロジェクトについてお伺いします。
昨年度始まったこのプロジェクトでは、都政を支える職員みずからが世界各地の最新の取り組みから学び、政策立案に生かしていくとのことですが、この学びを都政に還元しなければ、目的を達したとはいえません。
都民の皆さんの理解を得るためにも、しっかりと見える化を図っていく、この必要があると思います。本プロジェクトの概要や実績、都政にどのように生かしていくのかといった点について確認をさせてください。
○山口人事部長 国際競争力強化プロジェクトは、職員みずからが現地に赴き、海外のベストプラクティスなど世界の潮流をつかみ、新たな発想で政策立案することで、その国際感覚の醸成と事業の国際競争力向上を両立していくことを狙いとしております。
昨年度の国際競争力強化プロジェクトにおきましては、総渡航件数百三十三件、三十二の国、地域に四百七十四名の職員が渡航いたしました。これらの渡航ですが、昨年十二月に公表されました未来の東京戦略ビジョンの各戦略に関連するものが百三件ございまして、研修の成果が各局における事業化に向けた検討に生かされていると考えております。
○奥澤委員 百三十三件、三十二の国、四百七十四名ということで、予算ベースで二億五千万円が計上されていたと思いますけれども、都庁職員自身の成長がよりよい都政を形づくるという意味では、私は賛同するものですけれども、やはり大切なのは、どのように生かしていくかという点です。
報告書も読ませていただきますと、他局での取り組みのヒントになるような内容も見てとれます。特に、局横断で進めるべきもの、たくさんあったというふうに見てとりました。
局を横断しての情報共有という点では、どのように工夫をされていますでしょうか。
○山口人事部長 昨年度の研修成果を取りまとめました報告書ですが、ホームページ上で都民に公表するとともに、各局にも共有を図っております。また、渡航前に各局から渡航計画を集約しまして、複数局に関連する案件につきましては、事前に調整できる仕組みとしており、昨年度も二つの局による合同実施の案件がございました。
さらに今年度、庁内のポータルサイトにおきまして、他の研修報告書とともに本研修の報告書を掲示し、閲覧しやすくする予定でございます。
今後とも、庁内における幅広い共有を進めることで、職員の能力向上を図るとともに、研修成果を都政課題の解決へとつなげてまいります。
○奥澤委員 都政課題の解決へと目に見える形になるまでにはもうしばらく時間がかかるのであろうとは思います。この間も、原資は当然税金で皆さん行かれているというわけですから、都民の皆様の理解を得られるように取り組んでいただきたいと改めて強く要望しておきます。
加えて、規模ありきではなくて、真に必要な研修、この見きわめもぜひともしていただきたいということを申し述べておきます。
ここから、災害対策についてお伺いします。
今もお話をしました国際競争力強化プロジェクトの報告書を読むと、災害対策に関する視察を総務局では行っているということが記載してありました。中でも、大規模風水害対策については、都政に還元できることが多いと感じる内容でした。自主避難の推奨方法や移動から避難場所での運営手法、勧告の住民周知手法や避難後の治安対策といった、都においては、もしかするとこれは区市町村の取り組みが重要となる観点かもしれませんが、各自治体が作成する広域避難計画、こういったものを都として支援していく際には生かしていく必要があるということが記載されています。
そこでお伺いしますけれども、発災時の区市町村との連携、重要です。そもそもですけれども、区市町村の各種計画やガイドラインが策定されているのかどうか、こういった点も確認しなければなりません。
東京都では、平成三十一年三月に、東京都災害時区市町村受援応援体制ガイドラインを作成したとのことですが、どのように区市町村を支援し、実績としてはどのような状況かお伺いしたいと思います。
○猪口総合防災部長 都は平成三十一年三月に、区市町村が地域の実情に応じた受援応援計画を策定できるようガイドラインを定め、区市町村に対しガイドラインの説明や受援応援計画の策定を働きかけてまいりました。
現在、都内自治体のうち十七自治体が計画を策定しており、来年度までには、さらに約二十自治体が策定する予定であります。
今後、国とも連携いたしまして説明会を開催するとともに、区市町村の進捗状況や要望等に応じまして、必要な助言等を行うことなどによりまして、さらに多くの自治体が計画を策定するよう支援してまいります。
○奥澤委員 過去の大災害、例えば熊本の話などを聞くと、やはりこの受援応援体制が整備されていなかったことで右往左往してしまったというようなことはよく耳にするところです。
この先の質問でも共通しているところですが、東京都の取り組み、これは他の自治体の方から話を聞くと、非常にいいものが多いというふうな話を伺うんですけれども、点になってしまっていて、これが発災時に生かされるんだろうか、どうだろうかという不安の声を聞くときがあります。
今ある取り組みを線にしていく、面にしていくという努力がこれから必要になってくるという意味からも、もう一問質問させていただきます。区市町村における業務継続計画、これはBCPというものですけれども、この策定も支援していると思います。
現在、区市町村におけるBCP策定はどれほど進んでいるのかお伺いしたいと思います。
○古賀防災計画担当部長 都は、災害時の応急対策業務を円滑に実施、継続していくため、平成三十年三月に区市町村向けのガイドラインを作成して、事業継続計画の策定を促してまいりました。
令和二年九月末時点でBCPを策定済みの自治体は、都内六十二区市町村のうち五十三団体でございます。未策定の自治体に対しましては、今後個別にヒアリングを実施するなど、きめ細かい支援を実施することで、早期の計画策定を後押ししてまいります。
○奥澤委員 残りの九団体については、個別にかなり事情が異なる自治体なんだということもお伺いしております。きめ細やかな支援で後押ししていただいて、今後は六十二団体を俯瞰して東京都が果たすべき役割についても洗い出していく、そういった取り組みを期待しています。
次に、発災時の司令塔機能について、令和元年度は東京都防災センターの改修が完了したと思います。
先ほども申し述べたように、発災時に全体を俯瞰して、適宜対策を講じていく役割を果たしていくために、現場を生かすことのできる司令塔機能の充実が必要であるということはいうまでもありません。
そこで、改修後の東京都防災センターについて、現在どのように活用し、また運用の改善等を図っているのかお伺いしたいと思います。
○猪口総合防災部長 防災センターは、地震、風水害などの災害発生時に、防災機関との情報連絡、情報分析及び防災対策の審議、決定、指示を行う中枢施設であり、多くの災害情報を集約する機能や、複数の関係機関が相互に連携して活動するための十分なスペースが必要でございます。
このため、より鮮明な動画の送受信や、一度に多数の画像を表示できるよう、各種の機能更新を図るとともに、オープンフロア化によりまして、活動スペースを一体化して、効果的、効率的な活動ができる空間を確保したところでございます。
改修後は、昨年の台風第十九号や先般の台風第十四号では、より鮮明な河川の映像やヘリからの被害状況の動画をリアルタイムで受信するなど、災害対応に有効に活用しているところでございます。
さらに、こうした防災センターの機能を確実に発揮するため、実際の災害を想定した図上訓練での活用や、機器の操作訓練を毎月実施いたしまして、災害発生時における迅速な運営体制の構築を図っております。
○奥澤委員 施設の改修とあわせて、しっかりと訓練を積んで、いざというときに機能を果たせるように準備を重ねているということまでわかりました。引き続き、不断の努力を重ねていただきたいと思います。
同じく発災時に必要な機能として、物資の受け入れと輸送を円滑に行うことのできる体制も考えなければなりません。
東京都多摩広域防災倉庫については、令和元年度に施設の全面活用を行うということでありまして、首都直下地震等の大規模災害の発生時に広域輸送基地として活用するという、そういった方針が示されていたことと思います。現在の状況についてお伺いします。
○古賀防災計画担当部長 多摩広域防災倉庫は、昨年度までに施設の老朽化に伴う改修工事を終えまして、主に区市町村に対して、国等からの支援物資を提供する広域輸送基地として、本年三月二十三日から全面的に施設の運営を開始いたしました。
運営に当たりましては、区市町村に円滑に物資を提供できるよう、大手物流事業者等と協定を締結して、発災時には、民間事業者のノウハウを活用して、物資の受け入れ、保管、仕分け、輸送を効率的に行うこととしております。
また、本年九月には多摩広域防災倉庫に近接する立川地域防災センターの住宅棟に居住する災害対応職員に対しまして、発災時の防災倉庫の被害状況確認や開設準備などの初動対応訓練を実施しております。
○奥澤委員 今のお話ですと、民間事業者等との協定を結ぶなどして、初動対応訓練もスタートしているということでした。今後は、区市町村との連携した訓練なども行っていくものと思いますけれども、民間事業者が入ってやるからこそ、ふだんとは違う課題も見えてくるかもしれませんので、そういった洗い出しをしっかりと進めていただきたいと思います。
民間事業者との連携という形でちょっと一つ質問したいと思います。
例えば昨年の台風十九号の際に、私たち独自にアンケート調査を行っているんですけれども、自然災害が予想される場合には、行政から企業に対して休暇を奨励するように働きかけていただきたいと、そういった意見が多く寄せられています。
これは同じように学校や保育施設等についても意見が寄せられているんですけれども、都立学校については教育庁、私立学校については生活文化局が防災体制の強化を呼びかけていたと聞いておりますし、保育施設については、各施設、各区市町村の判断に委ねられていたけれども、平成三十年十一月の総務省の行政評価で勧告を受けて、厚生労働省では調査を実施して、臨時休園の考え方を整理した。また、この調査結果を受けて、福祉保健局と各区市町村との会議を実施されているということで、各局で動きがあることは聞いております。
そこで改めてお伺いしますけれども、昨年の台風十九号において、都は企業に対してはどのような働きかけを行ったのでしょうか、お伺いします。
○猪口総合防災部長 昨年の台風第十九号では、多くの鉄道会社が事前に計画運休の予定を発表いたしました。このため、台風接近前の応急対策本部会議におきまして、都民への事前の備えや、企業に対する従業員の安全確保のための出勤抑制や早期帰宅の検討を行うよう、直接知事から都民に対して呼びかけを行いました。
また、ホームページやツイッター等を活用いたしまして、都民や企業に対し、不要不急の外出を控えることや、出勤抑制や早期帰宅など事前の備えを行うよう、広く発信いたしました。
○奥澤委員 きょうは決算ですので、ことしの取り組みへの言及はありませんでしたけれども、本年六月には、公労使による共同宣言が出たということで連携を深めているということも聞いております。
これは非常に重要なことですが、一つ申し上げておくと、本年二月末、新型コロナの対策として国から学校の一斉休校が発表された際に、日本全国、特に保護者の方々に対しては混乱が広がったことは記憶に新しいと思います。
仕事と学校と保育、これは保護者にとっては切っても切れない関係でありまして、その三つの方向性に対して適時適切に働きかけができるのは東京都であると私は考えています。ぜひとも、さまざまな主体をつなげる役割を果たしていただきたいということで申し述べておきたいと思います。
次に、帰宅困難者対策についてお伺いします。
この重要性は都民の共通認識になりつつあるのではないかと思いますけれども、いざというときの準備が整っているのかといえば、道半ばといわざるを得ません。
例えば、実行プランレビューを見ますと、災害時一時滞在施設は目標の九十二万人に対して、二〇二〇年一月時点で四十・四万人にとどまっています。帰宅困難者対策を進めて、いざというときに機能を発揮させるためにどうすればいいのか、三点お伺いしたいと思います。
まず、東京都の取り組みについて、一斉帰宅抑制に取り組む企業の認定や表彰を行っていたと思いますが、取り組み状況と実績をお伺いします。
○榎園防災対策担当部長 都は、一斉帰宅抑制の社会的機運醸成のため、従業員の一斉帰宅抑制に積極的に取り組む企業等を認定する東京都一斉帰宅抑制推進企業認定制度を平成三十年度に創設いたしました。
令和元年度は二十五の企業を推進企業として認定し、そのうち、特にすぐれた取り組みを進めている八つの企業をモデル企業として認定いたしました。
○奥澤委員 認定や表彰というのは、東京都の信頼性あるいは発信力というものを生かして、比較的低予算で取り組みを広げることのできる施策だと思いますが、まだまだ広がりに欠けるなというのが率直な印象です。
防災意識の高い企業というのは、例えば、就職活動における観点の一つにもなり得るものだと認識しております。企業が防災に取り組むメリットについても、幅広い観点から周知を図っていただきたいと申し述べておきます。
次に、一時滞在施設をふやしていくための取り組みとしては、備蓄品購入費用の補助を行っていると思いますが、昨年の取り組み状況と実績について伺いたいと思います。
○榎園防災対策担当部長 都は、平成二十五年度より民間一時滞在施設備蓄品購入費用補助事業を設け、協力企業に対し、水や食料、毛布などの備蓄品の購入費の六分の五を補助する制度を実施してまいりました。
また、昨年度からは、都が直接購入した備蓄品を民間一時滞在施設に配備いたしまして、企業の負担をなくすモデル事業を新たに実施しております。令和元年度における実績は、備蓄品購入費用補助が三十七件で約一億円、備蓄品配備モデル事業が二十二件で約二千百万円でございます。
○奥澤委員 令和元年度から企業の負担のない形で備蓄品を配備する事業を始めたということですが、これはまだまだ活用が少ないんじゃないかなというふうに思います。
もう一つ考えなければいけないのは、この備蓄品の補助という施策だけで足りるのか、ひょっとすると別のボトルネックが存在するのではないかということに考えをめぐらせなければいけないということだと思います。
例えば、責任ですね。免責要件だとか、実際にそこで事故が起きたときに誰が責任を持つんだということも、企業側からするとかなりのハードルになっているんだという話はよく聞くところですし、皆さんもよく理解していることだと思います。これは国に対して、たしか働きかけをしているということでしたと思いますけれども、しっかりと引き続き取り組んでいただきたいというふうに思います。
続いて、少しずつではありますけれども、帰宅困難者の受け入れ体制、これは整備されつつある中で、その活用ができるのかという部分で懸念しているところがあるので、指摘をさせていただきます。
東京都防災アプリにおける避難所等を地図上で見ることのできるアプリに関するものです。
この地図アプリでは、一時滞在施設を表示するマークが出ておりますが、東京都の指定する施設のみが示されていて、区市町村の指定する施設や隣接県の情報は示されていません。なぜ、このような状況になるのか不思議でなりません。
区市町村や隣接県と連携して情報を掲載するべきと考えますが、取り組み状況についてお伺いします。
○榎園防災対策担当部長 行き場のない帰宅困難者を受け入れる一時滞在施設は、都が指定する都立施設のほか、区市町村が協定を締結する民間施設などがございます。そのうち、都立一時滞在施設につきましては、防災アプリにおいて確認することが可能となっております。
一方で、各区市町村が協定を締結する民間施設等につきましては、各自治体において公表の可否を判断し、それぞれの区市町村のホームページへ掲載してございます。
都は、平時より防災ホームページに、各区市町村が公表している情報へのリンクを掲載してございます。発災時には、そのリンク情報をツイッターや防災アプリ等で都民に速やかに周知してまいります。
○奥澤委員 今のお話を伺うと、各区市町村が協定を締結しているので、その公表の可否についても、区市町村の判断になるということで、区市町村のホームページへのリンクを張るなどして誘導しているという答えだと思うんですけれども、実例を一件いうと、例えば私の地元の町田駅、一日の延べ乗降客数が五十万人を超えるといわれるターミナル駅です。昨年だったかと思いますが、帰宅困難者対策訓練に参加した際には、町田駅の近隣の施設、これは都県境をまたいで相模原市内の施設も含めて、受け入れ施設があることを確認しています。
一方、東京防災の地図アプリには、小田急町田駅から徒歩十三分、恐らくJRの町田駅から歩けば二十分以上かかる地点にある都立町田高校しか表示をされていない状況です。いざ発災した際に、人々はどのような行動をとるのかを想像してほしいと思います。
東京防災アプリは、都民に広く浸透してきたことからも、まず防災アプリを立ち上げるという人は多く存在するとも考えられます。どこに向かえばいいのかと地図を開いたときに、先ほどいった十三分かかる、二十分かかる町田高校しか掲載がされていないとなれば、知っている人はそこへ向かうかもしれません。あるいは、そこを知らない、場所がよくわからないという人は、そんなに遠いところに行けないと、どうにか帰ろうというふうな思考になってしまうのではないかというふうに私は考えます。
皆さんがお考えのように、東京都の防災アプリを見て、そこから町田市のホームページも見ようと、そこまでの行動をする人たちがどれだけいるんだろうかと私は思います。東京都の信頼性というのは、時に役立つケースもありますけれども、逆もしかりで、まさか東京都の情報に不備があるだろうなんていう疑いを持って見ている人というのは、かなり少ないというふうに考えた方がいいと思います。都民目線での想像力が足りていないんじゃないかと思わざるを得ません。
ここで、対応としては二つあると思いますが、一つは、東京都の地図アプリに、区市町村の情報を適宜掲載するシステムをつくる方向、もしくは各自治体の情報へのリンクを一次情報として提供する、つまり、東京都の防災アプリの前に、各区市町村のリンクに先に行ってもらうような形にするかのどちらかしかないと思います。
私はどう考えても、前者、つまり東京都が情報を集約して発信すべきだというふうに考えています。このシステム改修はぜひとも行っていただきたいというふうに是正を求めたいと思います。
続いて、発災時の暮らしを支える備蓄についてお伺いします。
都民の備蓄推進プロジェクトについて、実行プランレビューによれば、家庭における備蓄率、着実に向上しているように見えます。特に二〇一九年度は一〇ポイントほど備蓄率が上昇しています。
これはどのような取り組みが効果を上げてきたと考えているのかお伺いしたいと思います。
○榎園防災対策担当部長 大規模災害の発生時にはライフラインが途絶えるほか、食品等の入手も困難になることも予想され、都では、毎年十一月十九日を備蓄の日と定め、家庭でも取り組める日常備蓄が行われるよう、都民への普及を進めてまいりました。
具体的には、日常備蓄のポイントをわかりやすくまとめたリーフレットやポスターを作成し、普及を図るとともに、総合防災訓練を初め、防災展や各種イベントなど、多くの都民が来場する機会を捉えてブースを出展し、啓発パネルや日常備蓄のサンプルなどを活用しながら、日常備蓄の重要性を広く都民に呼びかけてまいりました。
○奥澤委員 地道な取り組みを続けてきた、その結果だと思います。身近なところで、再三話がありますけれども、昨年の台風十五号、十九号、こういったことが身近にあると、やっぱり行動を変えようというふうに考える事例なんだと思います。
危機感というのは、行動変容を起こすスイッチになり得るものですが、意識啓発とともに時宜を得た発信を心がけていただきたいというふうにお願いをしておきます。
さて、ここからは発災時に最も頼りになる、人という資源についてお伺いしておきます。
昨年の決算特別委員会において、我が会派の森澤委員より、参加者のネットワーキングや地域での実際の活動につなげていくべきだという意見を申し上げました。地域防災力の向上において、人材育成は重要です。
まず、防災市民組織のリーダーや女性防災人材育成についての目標と実績をお伺いします。
○榎園防災対策担当部長 都では、共助のかなめとなる地域での中心的な役割を担ってもらうため、災害時に活躍する防災市民組織のリーダーを育成する研修を実施してまいりました。
また、家庭や職場等で活躍している女性の力が防災分野においても発揮されるよう、防災ウーマンセミナーや防災コーディネーター研修により、女性防災人材の育成も進めてございます。
平成二十九年度からの四年間を計画期間とした実行プランにおける到達点と、令和元年度までの実績は、防災市民組織リーダーの育成については、到達点六百人に対して累計は三百二十二人、女性防災人材の育成につきましては、到達点三千人に対し累計八百七十二人でございます。
○奥澤委員 今のお話で、目標と実績に大きな乖離が見られるということがわかりました。これは研修の内容や周知に問題があるのか、あるいはそもそも目標が現実的ではないところに置いてしまっていたのか、いずれにせよ、抜本的に取り組みを見直す必要があるということを強く認識しなければいけないと思います。
市民組織リーダー、現在三百二十二人ということですが、この方々が発災時に活躍していただくためには、日ごろから関係機関との信頼関係の構築が必要になります。また、この方々がどこで、どういう活動をふだんしているのかということによっても、実際の支援のあり方は変わってくるんだろうと思います。
あるいは、女性防災人材の裾野を広げていくという部分では、これは参加者の声ですけれども、そのセミナーで、単発で終わりにしないで、女性同士のつながりをつくっていくことが次に必要なんじゃないかという意見も聞こえています。数をふやすということと同時に、いざというときに力を発揮いただけるような環境整備、これも進めていただくよう求めておきます。
同じく発災時に最も頼りになるのは、地域の消防団の方々だと思います。
市町村消防団員の慢性的な不足は指摘されて久しいですが、東京都では、都内鉄道各線での広告を掲載するなど、さまざまな媒体を通じて広報活動を行っていることは認識していますが、それぞれ入団にはどれぐらいつながっているのか、実績をお伺いしたいと思います。
○猪口総合防災部長 都では、市町村の消防団員確保のため、ポスター、「広報東京都」、ホームページ、ツイッター、電車の中づり広告などによる広報を行っております。
新入団員を対象といたしましたアンケートによりますと、入団のきっかけとなった広報媒体は、過去五年間で、ポスター、リーフレットと広報紙、チラシが十八件、ホームページが十二件、バスの窓上広告が七件、電車の中づり広告が六件などとなっております。
○奥澤委員 今、過去の五年間の入団のきっかけをお答えいただきましたけれども、バスの広告あるいは電車の中づり広告、これはたしか毎年数百万円かけられていたと思います。年間では、一人か二人の入団にしかつながっていなかったと。
これは都全体から見れば、確かに大きくはない金額かもしれませんが、今まで過去にもやってきたからと惰性になってやっていたんじゃないかと思わざるを得ない内容です。抜本的な見直しが必要であると改めて申し述べておきたいと思います。
同じく消防団の支援について、これは違う観点ですけれども、消防団の方々、皆さん勤勉で、技能や知識の習得に大変関心がおありです。
そうした意味では、東京都消防訓練所における講習内容の充実、これも、実は入団のきっかけだったり、あるいは続けていこうと思う意味でも大切な取り組みなんじゃないかと思いますけれども、取り組み状況をお伺いしたいと思います。
○猪口総合防災部長 東京都消防訓練所では、市町村消防団員の技術向上のため、消防活動に必要な知識、技術習得等を目的としました専科教育、消防団幹部として必要な見識や管理監督能力等の向上を目的とした幹部教育及び応急救護措置等の習得を目的とした特別教育を行っております。
平成三十年度からは、女性団員の活動能力向上を目的とした女性消防団員研修の実施やeラーニングシステムの導入を進めるとともに、令和元年度にはeラーニングのコンテンツを追加するなど、教育訓練内容の充実を図っております。
○奥澤委員 さまざまな充実を図ってきているということですが、聞くところによりますと、例えば二十三区の消防団員の方々が受けることのできるメニューには、英語、英会話を学ぶことができたりだとかいうことで、メニューに違いがあるということも聞いています。そもそも制度が違うということは理解していますけれども、こうしたことも改善を図っていただきたいということで申し述べておきたいと思います。
ここからは人権施策についてお伺いします。
総務局が取りまとめて進めている政策評価シートを読ませていただいております。今回の決算の中でも、各局に対して政策評価シートから質問をさせていただいておりまして、大変役立っています。これについては意義ある取り組みだったんだなと改めて思うんですけれども、その政策評価シートの総務局の部分、人権施策を取り上げているところに着目をすると、性自認、性的指向に関する指標について違和感を覚えています。
都民生活に関する調査において、性自認という言葉を知っていますかとして、三八%が知っていますと答えている。同じく性的指向が五九・二%、LGBTが七七%の方が知っているというようなアンケート調査があります。
先ほどいった政策評価シートでは、この指標を上げる、性自認とか性的指向という言葉の認知度を上げることを目標にするというようなことが指標として挙げられていたやに思いますけれども、本来、五輪人権条例の趣旨に鑑みれば、その言葉の正しい理解や、あるいはどんな人権問題があるか知っているかということではなくて、差別的取り扱いが解消されるダイバーシティーというか、そういった社会になってほしいかどうかという観点での問いかけが重要なんじゃないかというのが私の思うところです。
性自認という言葉について詳しく説明はできないけれども、みずからの性自認、あるいは性的指向に基づいて、自分らしく生きていける社会であるべきだと考えている人はたくさんいると思います。そのような人をふやしていくことが本当に求められる啓発なんだと私は思います。
その意味で、この調査、五輪人権条例を知っているかという質問もあります。何と知っていると答えたのはわずか一〇・八%です。五輪人権条例でどのような社会を目指していくのかを知ってもらうことなく、性自認や性的指向という言葉の認知度だけを高めていくような取り組みに向かっていくことは、これは全くもってふさわしくないというふうに私は思いますけれども、見解を伺いたいと思います。
○堀越人権部長 多様な性の理解の推進のためには、人権尊重条例の趣旨を周知し、都民一人一人の理解を深めていくことが重要であると認識しています。
そのため、条例の制定を契機に昨年策定した性自認及び性的指向に関する基本計画においては、啓発、教育の推進を施策の柱の一つとしており、都民向けの啓発冊子では、冒頭で条例の理念や目的を説明するとともに、言葉の定義を掲載するなど工夫して啓発等に取り組んでいます。
○奥澤委員 今のお答えですと、取り組んでいることをお話しいただいたことはわかります。言葉の定義を正しく理解するということと、目指す社会像を啓発する、知ってもらうということ、これは恐らく鶏と卵のような、どちらも必要だという関係性で捉えているということがおっしゃりたいんだというふうに思います。
だとすれば、なおさら、この指標については、正しく知っているかというだけじゃなくて、どういう社会を目指しているかというところの指標を加えていかないと、やはり受け取る側はミスリードというか、違った方向に行ってしまいかねない、このことも強く指摘させていただきたいというふうに思います。
ここのところ、LGBT等の性的マイノリティーの方々に関するお話などを見ていますと、社会的通念が形成されているのかどうかという議論をよく耳にすることになります。ただ、この五輪人権条例の趣旨というのは、社会的通念の形成自体も図っていこうということがその理念に込められたものであったと思っています。その趣旨に沿ったより一層の取り組みを強く求めておきたいと思います。
さて、同じく政策評価シートには、ヒューマンライツ・フェスタ、これは人権施策をより広くの方に知っていただこうというイベントですけれども、この参加者の人権意識の変化も指標として置いていて、これは大きく目標を上回っているということについては評価しているところです。
ただ、さらに取り組んでいただきたいとの観点から、これまでさまざまな機会を捉えて、障害当事者が参画する意義についても指摘をしてきました。民間事業者の取り組みになりますが、先般、錦糸町にオープンしたミライロハウスという施設では、障害者向けのさまざまな最新機器を障害当事者が説明をしてくれることで理解度がぐんと増すような取り組みになっています。
東京都においては、人権プラザにおいてさまざまな取り組みをしていると思いますけれども、東京都人権施策推進指針に掲げる十七の人権課題における当事者の目線、これをいかに伝えていくのか工夫が必要と思いますが、取り組み状況を伺いたいと思います。
○堀越人権部長 東京都人権プラザにおきましては、車椅子体験により、障害者が置かれている状況を実感できるコーナーや、五人制サッカーやボッチャといったパラスポーツを体験できる特別展示、オリンピック・パラリンピックと人権など体験型の展示を行っています。
また、外国人、犯罪被害者やその家族、性的マイノリティーなど、さまざまな人権課題の当事者の声をビデオメッセージで紹介しているほか、性暴力サバイバーの声を伝える写真展などを開催しています。引き続き、当事者との交流を通じ、さまざまな人権課題についての気づき、学びの場となるよう努めてまいります。
○奥澤委員 当事者の目線を知ることができる交流をできるように工夫を重ねているという、そういったお答えを伺うことができました。最も大切なのは、当たり前のようにその場で一緒に過ごすということが、やっぱり差別や偏見というものをなくしていく一番大事なことだと思います。
今般、産業労働局の取り組みではありますけれども、ソーシャルファームの募集が始まりました。東京都人権プラザは、その規模が障害者雇用を義務づけられた団体ではないということは聞いておりますけれども、積極的に障害者雇用をするなど、その運営自体がダイバーシティーを体現するものであってほしいと思いますし、今後の採用においては、ぜひとも当事者雇用を検討いただきたいということも申し述べておきます。
ここで重複した質問は割愛させていただいて、今、五輪人権条例を踏まえた当事者の目線という意味から、この条例が審議された一昨年の総務委員会、こちらも私所属しておりましたけれども、普及啓発に当たっては、LGBT等の支援を行う民間団体等との連携も前向きに検討している旨のお話がありました。また、基本計画には、当事者等の意見を聞くことの重要性が述べられています。
令和元年度の取り組み状況、当事者の声の施策への反映状況についてお伺いします。
○堀越人権部長 基本計画を策定する際には、構成や基本方針等の検討に当たり、当事者の方々や当事者団体から個別にご意見を伺いました。また、性自認、性的指向に関する相談や普及啓発事業を推進するに当たっても、当事者団体等を通じて意見を聞き、事業内容を構築しています。
さらに、民間団体が主催する性的マイノリティー支援にかかわるさまざまなイベントなどに東京都のメッセージを発信し、都の後援名義の使用を承認するなど、さまざまな形で連携を図っております。
○奥澤委員 ありがとうございます。
そのときのお言葉をしっかりと今形にしていっているということがわかりました。これはあくまでも主観ですけれども、条例ができた当時、都の後援名義を出すということに対してもかなりちゅうちょしていたような記憶を持っています。今、積極的に取り組むようになったということは率直に評価をするところです。
ことしは二〇二〇東京大会、延期になっておりますけれども、先ほども里吉委員からお話ありました、プライドハウス東京レガシーが常設として開設されるなど、LGBT等の性的マイノリティーの方々が自分らしく生きられる社会へ向けた歩み、これは着実に進んでいると思います。東京都としても、こうした民間の動きと連携を深めて率先して取り組んでいただきますよう強く要望しておきます。
ここから、関連して都の福利厚生制度について、同性パートナーの方々への対応をめぐる観点から深掘りをさせていただきたいと思います。
都の職員の福利厚生制度については、同性パートナーの方を事実婚と同様に取り扱ってほしいという訴えがあることは皆さん承知をしていると思いますけれども、人事委員会勧告においても、性自認及び性的指向を理由とするハラスメントが起こらないよう防止するとともに、職員が性自認及び性的指向にかかわらず活躍できるよう、ハード、ソフト両面から職場環境の整備に努めていくべきという意見が出されています。
これについての率直な受けとめをお伺いします。
○高崎労務担当部長 都はこれまで、職場におけるセクシュアル・ハラスメントの防止に関する基本方針に性自認及び性的指向に関する規定を追加したほか、啓発資料の活用等により、ハラスメント防止や多様な性に関する職員の理解を促進してまいりました。
性自認及び性的指向、育児や介護等の事情にかかわらず、職員一人一人が生き生きと活躍できるよう、引き続き職場環境の充実に努めてまいります。
○奥澤委員 今のお答えですと、性自認及び性的指向、育児や介護等の事情という形で、幾つかフェーズが違うというか、困り事が全然違う話が同時に出てくると、何の話をしているかよくわからなくなってしまうんですよね。
要は、性自認及び性的指向によって差別されることなく、性的マイノリティーの職員の方々も生き生きと活躍できる職場環境をつくるんだと、そういう方向に向いているというお答えであると認識していいと思うんですけれども、もしこれ、認識が間違っているのであれば、この後の質問の際に、それは違いますとお答えいただければと思いますけれども、そこからもう一個踏み込みまして、都職員の福利厚生制度については、職員の会費を充てているものもあると思います。その一つが結婚祝い金、弔慰金、こういった給付制度だと思います。
まず、福利厚生制度における給付制度と昨年度における給付実績についてお伺いしたいと思います。
○高崎労務担当部長 都職員の福利厚生事業については、東京都職員互助組合に関する条例で規定される互助組合である東京都人材支援事業団が実施しております。
給付事業は全て職員の会費を充てており、例えば、慶弔等に関して給付を行うものは、結婚祝い金や弔慰金、災害見舞金等があり、令和元年度の支給実績は、結婚祝い金が三千二百二十八件で約三千二百万円、弔慰金が三千四十七件で約二億三千四百万円、災害見舞金が百九十三件で約九百万円と報告を受けております。
○奥澤委員 私が思っていたよりも件数も金額も大きくて驚きました。互助の精神であるものですから、必ずしも全員がもらえるものではないと、それは当然そうだと思いますけれども、仮にそれを受けられる対象にならない、そもそも給付を受ける権利を持たない方がいるのだとすれば、それは余りにも不合理で不公平な制度ではないかというふうに思います。
そこでお伺いしますが、この給付制度の対象を教えてください。
○高崎労務担当部長 給付事業については、東京都職員互助組合に関する条例施行規則において、互助組合の組合員及びその家族が対象として定められております。
このうち、例えば、結婚祝い金は組合員が結婚したときに支給するものであり、婚姻の届け出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情になったとき、いわゆる事実婚の場合も含んでおります。
○奥澤委員 組合員及び家族である、また、そこに事実婚も含まれているというお答えでございました。
もう一問させてください。対象となる家族について、事実婚も対象に認められていますが、それはどのような根拠から定めているのか教えてください。
○高崎労務担当部長 東京都職員互助組合に関する条例施行規則においては、福利厚生事業の対象である家族について、民法により相互に扶助または扶養する義務を負う者等が規定されております。
具体的には、配偶者や父母、子供及び兄弟姉妹等を含む二親等内の親族、三親等の親族で被扶養者である者等が家族として定められております。
○奥澤委員 民法を一つのよりどころにしているということですが、それは法律や条例に明記されたものではなくて、あくまでも施行規則であって、変更も可能であるというふうに理解をしています。これもまた誤りがあれば、後ほどご指摘いただければと思います。
では、職員の福利厚生制度を見直して、何度も議論に上がっています同性パートナーの方々も事実婚と同様に取り扱うには、対象の部分に同性パートナーも認めると一言追加するだけでよいと理解をしていますが、対象者を変えるにはどのような手続が必要になるのかお伺いしたいと思います。
○高崎労務担当部長 同性パートナーの方にも、事実婚の方と同様に福利厚生事業の適用を認めるためには、東京都職員互助組合に関する条例施行規則の改正が必要であります。
改正に当たりましては、国や他団体の状況のほか、現行制度の目的や趣旨、法令等との整合性、制度を適用するための客観的な確認方法、互助組合を組織する組合員等の意向等を勘案する必要がございます。
○奥澤委員 今、施行規則の改正が必要だ、つまり施行規則を改正すれば、認めることができるよということが述べられた上で、何がネックになるのかと、勘案しなければならないことは何なのかというお話があったのだと思います。
今のお話を一つ一つひもといていくと、他団体では、鳥取県が既に改正をしているはずです。現行制度の目的や趣旨については、職員の互助の精神から、会費制で成立しているという点に鑑みれば、むしろ、今の方が整合性がとれていないのではないかとすら思えてしまいます。
法令等との整合性という点では、五輪人権条例との整合性を重視すれば、見直すべきものということで考えられます。客観的な確認方法という部分は、パートナーシップ制度を認める自治体もふえてきていますし、その方法も考えられるというふうに思います。
最後に、組合員の意向については、先ほども申し上げました人事委員会勧告の意見にもありますように、職員が性自認及び性的指向にかかわらず活躍できるよう、ハード、ソフト両面から職場環境の整備に努めていく、この主体となるのは組合員自身であるというふうに考えますから、ここも積極的に取り組まなければいけないんじゃないかと思います。
さらにいうと、議会側の話としても、先日の代表質問、一般質問においても、都民ファーストの会さんや日本共産党さんからも同様の趣旨のお話が出ています。加えて、昨日だったか、一昨日だったか、公明党さんからも要望書が知事に対して提出をされています。
このような状況の中で、条例施行規則の改正においてクリアすべきハードルというのはほぼ取り除かれているのではないかと思います。あえてこの場では、これは決算の特別委員会だということも踏まえて、これ以上の質問はしません。しかし、もうあとは決断するだけの状態、もうお膳立ては済んでいると思います。我々のような議員だったり、あるいは世論に押されて動くんじゃなくて、みずから動いて世論を形成していく、そのような東京都の姿であることを改めて強く求めて、この質問は終わりたいと思います。
最後に、都政改革の取り組みについて三問質問をさせてください。
小池知事就任直後に都政改革本部会議が設置されて、翌年四月から二〇二〇改革がスタートをしました。都において、この二〇二〇改革とは何であったのか、これは一言でいえば、都の大きな経営改革であったと思っています。都のこれまでの慣習を打破して、職員が主体となって、自律的に本質的な改革を進めていくという取り組みであったと私は大変評価をしています。
その延長線上にあるのだと思いますが、昨年末に新たな都政改革ビジョン、さらにことしの七月、二期目を迎えた小池知事から都政の構造改革が発表されて、八月末に都政の構造改革キックオフミーティングが開催されたところです。
そこで確認したいのですが、昨年末に示された新たな都政改革ビジョンについて、それまでに進めてきた二〇二〇改革との関係性を伺うとともに、先般発表された都政の構造改革と二〇二〇改革など、これまでの都政改革の関係性はどのように整理されているのかお伺いしたいと思います。
○緑川行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 二〇二〇改革では、各局や職員が主体となって、仕事改革、見える化改革、仕組み改革の三つの改革に取り組むことで、都庁の生産性向上や組織の機能強化を推進してまいりました。
新たな都政改革ビジョンでは、二〇二〇改革の成果を土台にしながら、さらに発展させ、都民の幸せの追求という都庁の永遠のミッションを実現するため、人材マネジメント、組織運営、行政サービスの三つの視点から、都民の満足と職員の生きがい、モチベーションを相乗的に向上させながら、新たなステージの改革を目指してまいりました。
その後、新型コロナウイルス感染症の蔓延により、デジタル化のおくれなど、社会の構造的な課題が浮き彫りとなり、ポストコロナ時代を見据えた社会変革が急務となりました。都はこうした危機を変革の契機と捉え、これまでの都政改革の取り組みを継承、発展させ、都政の構造改革を推進することとしております。
○奥澤委員 今示されている都政の構造改革、これは二〇二〇改革や新たな都政改革ビジョンを継承したものだということであるんですけれども、現時点で公表されている取り組み、これを見る限りでは、余りそのようには感じとれないなというのが私の率直な印象です。
構造改革、これはデジタルトランスフォーメーションに特化した取り組みになっているんだと思いますけれども、もちろん、デジタルトランスフォーメーションは推進しなければならない重要な施策です。これはもちろん認めます。ただ、デジタルトランスフォーメーションで全てが変わるというのは幻想にすぎないというふうに私は思います。これは過信していると思っています。
なぜなら、これまでの都政改革の推進力となってきたのは、小池知事の進める都政改革の一丁目一番地である情報公開、見える化だったと思うからです。見える化の意義を突き詰めていくと、それは都民からの監視機能を高めるというだけでなくて、職員自身の自律的な改革マインドを醸成すること、また、議員の質疑の質も高めていくこと、都政に対する都民参加を促していくこと、一見すると遠回りのようですが、大きな成果を上げる仕掛けであるというふうに思っています。
私は、二〇二〇改革における見える化改革の取り組みは、まさに職員自身のマインドチェンジに大きく貢献した取り組みだと思っておりますし、この歩みをとめてはならないと考えています。
そのような観点から、見える化改革を今後の取り組みにどのように継承し、定着し、進化させていこうと考えているのかお伺いしたいと思います。
○緑川行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 都では、二〇二〇改革に基づき、各局が取り組んだ見える化改革を制度的に継続させるため、昨年度から政策評価を実施しております。本制度は、目標設定や自己評価に際しまして、外部有識者の意見を取り入れることで、客観性や第三者性を担保する特徴を有しております。
一方、外部有識者からは、成果指標と事業効果との関連性の分析強化、コロナ禍も踏まえた各局の評価書作成の負担軽減、さらには、既存制度との連携強化など、制度のさらなるブラッシュアップについて意見、助言をいただいているところでございます。
また、さきの定例会におきまして、都議会の皆様方からも、外部有識者と同様のご意見、ご指摘もいただいております。
こうしたさまざまなご意見、ご指摘を踏まえまして、複雑化する行政課題の解決に寄与する制度となるよう取り組んでまいります。
○奥澤委員 見える化の取り組みを政策評価の取り組みに継承させていくんだという強い思いが示されたものと受け取りました。今回、各局の決算に臨むに当たって、政策評価シート、大変私にとっては役に立っています。決算の質を高めるものになっていると改めて実感をしています。
指標、取り組み、目標や実績、課題感、今後の方向性が示されているので、その先の議論、つまり解決策についての話ができる、これは昨年の決算とは大きな違いです。まだまだ改善の余地があるとは思います。対象となる事業もふやしていくべきであることは付言をしておきます。しかし、この見える化が都庁に根づいていくように取り組んでいただくよう強く要望しておきます。
都政改革は経営改革だと先ほど申し上げましたが、経営改革とは人の改革でありまして、改革とはこれまでの当たり前を否定して、目指すべき姿につくり直すことだと私は考えています。つまり、起点になるのは人、都庁職員自身が常に新しい価値観や現場に近しいところで社会の変化に接していく必要があるというふうに考えています。
そういった意味でも、昨年末出た新たな都政改革ビジョン、ここに官民連携を進化させていく中で都庁自身をアップデートさせていこうという決意が示されていたことに対して、大変な期待をしているところでありました。
このような記述はどのような課題認識や思いが込められて、ビジョンに示すに至ったのかお伺いしたいと思います。
○緑川行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 新たな都政改革ビジョンの作成に際しましては、職員が民間企業と協働して社会課題の解決に取り組んでいるという姿を、二〇四〇年代を見据えて、目指すべき都庁のイメージの一つとして検討してまいりました。
民間の発想、技術、知見を融合させた行政運営を通じまして、また、民間とフラットな関係でパートナーとなることで、政策イノベーションを生み出す都庁を目指していくという課題認識のもと、新たな都政改革ビジョンを策定いたしました。
○奥澤委員 民間とのフラットなパートナー関係というお話がありましたけれども、二〇二〇改革の取り組みで培われた改革マインド、改革のノウハウを都の中でしっかり継承していただくとともに、官民協業によって、さらなる改革の推進力を得ていただきたいというふうに思います。
アフリカのことわざですけれども、早く行きたければ一人で進め、遠くまで行きたければみんなで進めというものがあるそうです。新型コロナで浮き彫りになった課題を一気に変えていくという意味で、構造改革に取り組むこと、これは大切なことですが、これだけ大きな組織である都庁全体の改革をしていこう、ひいては東京の将来像を語っていこうというふうに思うのであれば、やはりみんなで進むこと、つまり、職員自身による自律改革を押し上げていかなければいけないというふうに思います。
先ほどの都の福利厚生制度のところで、本当はしたい質問をのみ込んでしませんでした。それはどういう意味なのかといえば、都庁の職員の皆さん自身の問題を、都庁職員の皆さんが変えていこうというものがなければ、東京全体を変えることなんてできないと思っています。
ぜひとも、こういった皆さん自身が変えていくんだと、やってきたこれまでの自律改革をしっかりと継承して、東京都を引っ張っていく、そういった都庁になっていただきたいということを、メッセージをお送りして、質問を終わりたいと思います。
○清水委員 私からは、総合防災部の皆様を初め、総務局の皆様には、昨年の台風十五号、十九号から今回の新型コロナ感染症の対策、対応まで長期間にわたり、スピーディーかつきめ細やかに対応されていることに、まず感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございます。
今回は、主に職員研修と防災の観点から幾つか質問させていただきます。
まず、国際的な都市間競争が激化する中で、今後の都政運営を支える職員の国際力向上は非常に重要であると考えます。その中で、都においては、十年以上前から職員の海外研修を実施していらっしゃいます。実施している取り組みについては、より効果的なものにしていかなければならないと考えます。
そこでまず、海外研修の執行率が四六・八%となっていらっしゃいますが、昨年度の具体的な実績についてお伺いいたします。
○山口人事部長 都では、職員の語学力、対外交渉能力などを育成し、海外の先進的な取り組みを調査研究させることによりまして、先進的かつ高度な都政運営に資することを目的として、海外研修を実施しております。
令和元年度は、大きく分けて三つの事業を展開しております。職員を一年間ないし二年間、海外の大学院等に派遣して調査研究を実施させる留学プログラムには二人の職員を派遣し、執行率は一〇七・一%でございました。
海外の大学院等が提供します短期公開講座を受講させるエグゼクティブプログラムにつきましては五名の職員を派遣し、執行率は二一・七%でございました。
若手職員を中心に世界の先進事例を調査研究させる政策課題プログラムにつきましては十七名の職員を派遣し、執行率は二七・〇%でございました。
○清水委員 ありがとうございます。
ただいま伺ったところによりますと、行政職員が三万八千人いらっしゃり、合計七人というのは少ないと私は感じます。せっかく海外研修を実施しているにもかかわらず、その機会が十分に生かされておらず、もったいない状況にあると感じます。
例えば、介護や育児などさまざまな事情を抱える職員であっても、昨今のICT技術の発展を受けて、みんながチャレンジできる環境を整えていくことが重要と感じます。世界的に企業や大学等においては、既にオンラインによる会議や講義が普及しており、今後もふえる見込みと考えられています。
そこで、今後の海外研修については、一人でも多くの職員の門戸を開くため、これまで以上にさまざまな工夫をしながら実施していくべきと考えますが、見解を伺います。
○山口人事部長 新型コロナウイルス感染症の拡大の影響によりまして、海外への渡航が困難な状況が続いておりますが、こうした中にありましても、世界の潮流の変化を捉え、さまざまな機会を活用して、職員の育成を図ることは重要と認識しております。
今後の海外研修につきましては、海外の教育機関が提供しますプログラムの積極的な情報収集を図るなど、その実施方法についても柔軟に検討してまいります。
○清水委員 ただいま柔軟に検討いただけるとの回答を受け、今後に期待して、次の質問に移ります。
帰宅困難者について伺います。
都の被害想定によれば、大規模地震発生時、都内では約五百十七万人の帰宅困難者が発生すると想定されています。都では、発災時にはむやみに移動せず、職場や学校などで三日間待機する一斉帰宅の抑制を呼びかけていますが、それでもなお、職場や学校など身を寄せる場所のない、いわゆる行き場のない帰宅困難者が九十二万人になると推計されています。
この九十二万人の行き場のない帰宅困難者を受け入れる施設として、都は、一時滞在施設の整備を進めていますが、現在、確保数は約四十二万人と聞いており、まだ道半ばといった状態です。今後、発生が予想される首都直下地震と直下型地震に備えるためにも、引き続き、都には一時滞在施設の確保をぜひしっかりと進めていっていただきたいと思います。
さて、決算の資料を見ますと、令和元年度においても、都立一時滞在施設の整備を進めたとあります。そこで、都立一時滞在施設に対して、どの施設にどのような整備を行ったのか伺います。
○榎園防災対策担当部長 都立一時滞在施設は、大規模な地震等に伴い、公共交通機関が運行を停止し、当面の間、復旧の見通しのない場合に、行き場のない帰宅困難者が三日間滞在するための条例に定められた施設でございます。現在、都立学校など二百二十カ所を指定してございます。
これまで都は、都立一時滞在施設に水や食料等の備蓄のほか、帰宅困難者が安全な場所にとどまる際に、家族等との安否確認を行うための特設公衆電話の設置やWi-Fiなどの通信環境整備を行ってまいりました。
さらに、昨年の台風十五号により、千葉県等で長期の停電が発生し、携帯端末が使用できなくなる事態が多く発生したことから、昨年度、都立一時滞在施設に蓄電池や多様な端末に対応できる充電器を新たに購入し、本年六月までに配備を完了いたしました。
また、このほか、発災時には災害対策本部と各都立一時滞在施設との間で連絡をとるための無線機器を整備しているところでございます。
○清水委員 ありがとうございます。
迅速に蓄電池の整備を完了したことは深く高く評価いたします。一方、全ての帰宅困難者が安否確認を行えるよう、十分な充電容量を確保しなければならないと考えます。
そこで、昨年度、都立一時滞在施設に配備するために購入した蓄電池はどの程度の容量を持っていて、合計で何台購入したのか、また、現在帰宅困難者一人当たり、スマートフォンの充電がどの程度可能であるのか伺います。
○榎園防災対策担当部長 昨年度、都立一時滞在施設に配備するため購入した蓄電池は、一台につきスマートフォンを約百三十台フル充電可能な容量を持った小型で持ち運びが可能な蓄電池でございます。昨年度は、当時入手可能であった四百三十二台を購入し、本年六月までに都立一時滞在施設への配備を完了しております。
これにより、一人の帰宅困難者が一回の滞在中に少なくとも、スマートフォンを約半分程度充電が可能な環境を整えてございます。さらに、一〇〇%の充電が可能となるよう、今年度中に追加配備を行う予定でございます。
○清水委員 蓄電池が入手困難な状況になった中で、可能な限りの対応を行ったということかと思います。半年を切りましたが、今年度中には一〇〇%の充電が可能となるよう対応するとのことですので、ぜひ早急に進めていっていただきたいと思います。
次に、災害時の多摩の各市町村や都庁を結ぶ防災行政無線について伺います。
令和元年度は、東京都防災行政無線のうち、多摩多重系の無線局を再整備されたとのことでありますが、再整備の内容について伺います。
○猪口総合防災部長 災害時に、多摩の各市町村や都庁を結ぶ防災行政無線は、整備後十五年以上が経過したため、設備の老朽化更新を実施するとともに、災害時における通信網の強靱化を図り、運用機能の向上を行いました。
具体的には、防災行政無線の中継所を増設し、多摩地域との基幹回線の通信ルートを複数設けるとともに、動画やテレビ会議に対応可能な通信容量を確保し、多摩地域における災害時の情報共有機能の強化を図っております。
また、防災無線電話につきましては、回線障害時に迂回して接続が可能となるよう改善するとともに、複数電話の一斉呼び出しなどの機能更新を行ったところでございます。
○清水委員 最新の機材をリースでということで、コストを抑えながら対応されていることが確認できました。引き続き、島しょ、そして森林を抱える西多摩地域など、移動系の防災行政無線についてしっかりと更新し、機能向上を図ってくださるよう希望いたします。
さて、次の質問に移ります。多摩広域防災倉庫です。
昨年度まで改修工事を行っていた多摩広域防災倉庫は、昨年の台風十五号、十九号の対応で明らかになった課題を踏まえ、どのように活用されているのか、まずお伺いいたします。
○古賀防災計画担当部長 昨年の一連の台風では、強風や大雨による住宅の屋根などの一時的な修繕のため、ブルーシートや土のう袋が大量に必要となりました。都では協定事業者からブルーシート等を調達し、区市町村に提供しましたが、在庫不足により調達に時間を要することもございました。
このため、都は、あらかじめブルーシート二万五千枚、土のう袋二十六万枚を購入いたしまして、このうちの一部を多摩広域防災倉庫の二階を活用して備蓄しております。
これによりまして、発災初動時に民間事業者からの調達が困難となった場合でも、区市町村に対して、迅速に物資を提供することが可能となっております。
○清水委員 多摩広域防災倉庫をスピーディーに設置してくださったことを確認できました。こちらも引き続き、東京の防災計画に基づいて、機能向上に努めてくださるよう要望いたします。よろしくお願いいたします。
最後になりましたが、昨年台風十九号で、地元西多摩地区で避難した方から、学生のお嬢さん、娘さんが避難した際、シャワーやお風呂、夜中のお手洗いや衛生品の配布など、なかなかいいづらい状況だったことがあったと伺っております。女性防災人材について、思った以上に必要だと私は痛感いたしました。
そこで、女性防災人材の育成について、まず、いつから取り組みを始めて、どのような効果があったのか、そして、今後の取り組みについてお伺いしたいと思います。
○榎園防災対策担当部長 都では、女性の視点が防災分野にも反映されるとともに、家庭や職場等で活躍している女性の力が災害時にも発揮されるよう、女性防災人材の育成を平成二十九年度から開始いたしました。
昨年度は基礎的な防災知識を学ぶ防災ウーマンセミナー、リーダー的人材を育成する防災コーディネーター研修をそれぞれ二回実施し、幅広い年代の女性の参加を得まして、平成二十九年度からの累計で八百七十二人を育成いたしました。
今後の施策展開の参考とするため、これまで受講者にアンケートを行い、受講者の属性、ニーズ、ご意見、ご要望等を把握してきています。こうしたアンケート結果等を踏まえ、多様化するライフスタイルやニーズに合わせて、女性がより受講しやすい方法や内容を工夫するなど、女性の防災人材の裾野を広げてまいります。
○清水委員 ありがとうございます。
この短期間の間に幅広く女性をターゲットとして取り組む姿勢がうかがえました。今後さらに裾野を広げることは必要かと考えます。自助、共助、公助とつながりますが、その中で自助のスキルアップともいえます。
私自身も、AED講習やチェーンソーの講習を受けて、もし西多摩地区で倒木が起きたときには使えるように、少しずつなっています。
今後も女性を後押しする政策を進めることを要望し、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○古城委員 令和元年度東京都一般会計決算中、総務局所管分に関連して質問いたします。
この決算の前提となる平成三十一年度予算案の審査、調査に当たって、私は総務委員会において、国連の持続可能な開発目標、SDGsの達成に向けて、都がいかに貢献できるかという視点から質問をるる行ってまいりました。こうした点も踏まえて、本日は障害者雇用、小笠原航空路、そして人権施策について確認をさせていただきます。
まず初めに、都庁における障害者雇用についてであります。
都議会公明党は、かねてから、精神障害者、知的障害者にも、東京都職員採用試験の門戸を開くこととあわせて、障害特性や程度に応じたきめ細かな職場環境の整備などを訴えてまいりました。この強い要請を受けて、都は、二〇一七年度の障害者採用選考から対象を拡大しています。
そこで、昨年度の障害者採用選考の結果など、都における障害者雇用の取り組み状況についてお尋ねします。
○山口人事部長 昨年度の障害者採用選考の合格者は五十二名でございまして、その内訳ですが、精神障害者が三十七名、身体障害者が十五名でございます。平成二十九年度に精神障害者、知的障害者に対象を拡大して以降、三年間で精神障害者が八十四名、身体障害者が四十三名合格しております。
障害者の雇用に当たりましては、障害の特性や配慮すべき事項、各職場の取り組みをまとめました事例集の改定等を行いますとともに、受け入れ職場等を対象に改めて職員研修を実施いたしました。
昨年度末には、今年度から五年間を計画期間とします障害者活躍推進計画を策定しておりまして、障害を有する職員が、その能力を有効に発揮できるよう、この計画に掲げたさまざまな取り組みを推進してまいります。
○古城委員 都の取り組みによって、障害者雇用が着実に前進をしている一方で、残念ながら、二〇一七年から三年間で、知的障害者の方の常勤職員選考の合格者はゼロであるということでございます。
一昨日の本分科会でも紹介いたしましたが、新宿区手をつなぐ親の会によって発行された「知的障害児・者の自己決定支援ハンドブック 人生の主人公として生きるための-二十六の権利-」には、生活力の向上に関する権利として、働くこと及び就労先や通所先の選択があります。職業訓練としてではなくて、一般就労で都庁の戦力として雇用していくことが非常に大事であると考えます。
都議会公明党は、知的障害者について、門戸開放とは別に、新たな雇用の枠組みを講じるよう提案してまいりました。
そこで、都における知的障害者雇用の取り組み状況についてお尋ねします。
○山口人事部長 平成三十年度から知的障害者の障害特性に適した職務内容や勤務条件を検証していく取り組みといたしまして、総務局において、知的障害者を対象とした非常勤職員でありますオフィスサポーターの雇用を開始し、現在八名が勤務しております。
この取り組みでは、各種庶務事務や軽作業を切り出すことにより、個々の能力や適性を踏まえた職務の創出を行っております。また、処遇面では、今年度より会計年度任用職員制度へ移行しまして、期末手当を支給しております。
さらに、勤務実績を考慮した上で、常勤職員へステップアップすることを可能とします新たな雇用の枠組みの創設に向けまして、一定の勤務実績のあるオフィスサポーターを対象に、今年度中に選考を実施することを検討しております。
今後とも、都における知的障害者の雇用促進に努めてまいります。
○古城委員 期末手当の支給や常勤職員へステップアップできる新たな雇用の枠組みは、長期的、また安定的な雇用の確保に向けて、大きな前進であると高く評価をさせていただきます。
続けて、政策連携団体における障害者雇用についてであります。
都議会公明党は、昨年の予算特別委員会において、当時の監理団体、現在では政策連携団体での障害者の法定雇用率の達成を訴えました。平成三十年六月一日時点で、監理団体三十三団体のうち、障害者雇用促進法に基づく雇用義務制度の適用対象は二十六団体あり、そのうち、法定雇用率の未達成の団体が十一に上っているとのことでありました。
そこで、令和元年度における障害者雇用の状況についてお尋ねいたします。
○緑川行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 令和元年六月一日現在、障害者雇用促進法に基づきます雇用義務制度の適用対象団体は、一昨年同様二十六団体でございまして、そのうち、法定雇用率の達成団体は十七団体となっております。
○古城委員 平成三十年時点で十五団体のところ、令和元年時点で十七団体、二団体達成をしている団体がふえたということでありますけれども、一方で、今なお法定雇用率を達成していない団体が九つあるということでもございます。
現行の障害者雇用率は、民間企業が二・二%、国や地方自治体が二・五%、都道府県等の教育委員会が二・四%となっておりますけれども、令和三年三月一日にそれぞれ〇・一ポイントずつ引き上げられる予定であります。この達成に向けて、政策連携団体においても、さらなる取り組みを進めていかなければなりません。
都議会公明党は、昨年の予算特別委員会において、政策連携団体には小規模の団体もあり、そこだけのノウハウでは対応が困難な場合もあることを踏まえて、全ての団体で障害者雇用が進むよう、都庁が培ってきたノウハウを都庁グループ全体で共有することを提案いたしました。
そこで、この間における都の取り組みについてお尋ねをいたします。
○緑川行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 政策連携団体におきましても、障害者雇用に率先して取り組んでいくことが重要でございまして、都はこれまでも、各団体に対して、障害者の雇用促進に向けた情報提供や、障害者に適した雇用環境の整備促進等を実施してまいりました。
昨年度は、新たな取り組みといたしまして、ハローワークの講師によります障害者雇用に関する講義、都における取り組みの紹介、東京しごと財団による支援メニューの紹介など、受け入れ職場となる団体職員の意識向上に向けた研修会を春夏二回開催いたしまして、延べ五十四名の参加がございました。
実際に東京税務協会におきましては、東京しごと財団が提供する職場体験実習面談会を活用することで、複数名の障害者雇用に結びつけ、法定雇用率を達成いたしました。こうした好事例を東京都から政策連携団体に紹介することで情報共有を図ってまいりました。
今後とも、障害者雇用の推進に向けまして、各団体の規模や特性に応じた取り組みを加速してまいります。
○古城委員 都の支援とともに、他の政策連携団体との横の連携にもよりまして、法定雇用率を達成した団体があるということを評価させていただきたいと思います。引き続き、法定雇用率の達成に向けて、都庁グループの総合力を生かして、積極的に取り組んでいただきたいと要望いたします。
次に、小笠原航空路についてであります。
私は、藤井一議員率いる都議会公明党調査団の一員として、昨年九月、小笠原村、父島、母島、南島などを初めて訪問いたしまして、小笠原諸島振興開発計画の策定に向けた課題を探るとともに、村民の皆様の声を丹念にお聞きをし、伺ってまいりました。
都心から約一千キロメートル離れた村民の方々にとって、長年の悲願である航空路開設に向けて、我々調査団は、海上及び地上から、洲崎地区をつぶさに視察をいたしました。平成二十年に設置された小笠原航空路協議会において、より実現性が高い洲崎地区案を集中的に検討していくことが確認されておりまして、平成三十一年三月の第八回協議会では、平成三十一年度は、東京都が前年度予算の四倍を超える四億九千万円の調査費を確保し、現地の詳細な調査を行うことが示されました。
そこで、昨年度に現地で実施した調査の内容と結果についてお尋ねいたします。
○若林小笠原・国境離島担当部長 飛行場の構造、工法を検討するに当たり、昨年度は、洲崎地区における基礎的な情報やデータの調査及び分析を実施いたしました。陸上部及び海上部の計二十三カ所で行ったボーリング調査では、飛行場本体を支える強固な地盤となる支持層の深さや地層の状況などを確認したところでございます。
また、航空測量や測量船を用いた調査により、洲崎地区を中心とした陸上及び海底の精緻な地形データを収集するとともに、複数年度にわたり観測が必要な気象、海象の調査を開始いたしました。
そのほか、将来の環境アセスメントに向けた自然環境調査も実施しており、洲崎地区を中心として、鳥類の飛翔状況や周辺海域における流向や流速の観測データを取得したところでございます。
○古城委員 小笠原航空路の開設に当たっては、就航可能な航空機を選定することも重要でございます。都議会公明党は、水陸両用機による定期遊覧飛行を行う航空運送事業者や、国産飛行艇の製造事業者を訪問し、水上航空機案についても調査を行ってまいりました。
その結果、水上からも離着陸できる水陸両用機のコディアック100は、旅客搭乗を踏まえた航続距離が不十分であること、単発機では、定期旅客運航に不適格であること、水陸両用で救難に特化した飛行艇のUS-2は、民間旅客用とするために新規に型式証明を取得しなければならないこと、そしてそれには一千億円規模の多額の投資が必要であることなどの課題が明らかになりました。
飛行場の滑走路について、一千メートル以下での検討が進む中で、その条件で離着陸できる機材が求められております。
そこで、航空機の調査状況についてもお尋ねいたします。
○若林小笠原・国境離島担当部長 これまで都は、航空機の開発動向や技術開発の進展等を見きわめながら、小笠原における運用可能な航空機について幅広く調査を実施してまいりました。
昨年度までの調査では、洲崎地区において一千メートル以下の滑走路での運用可能である航空機として、二種類の情報が得られております。
一機はATR42-600Sという最大四十八席のプロペラ機であり、メーカーによれば、一千メートル程度の滑走路で離着陸可能であるということでございます。
もう一機は本年七月の小笠原航空路協議会で新たに提示したAW609という民間型ティルトローター機でございます。この航空機は最大九席であり、メーカーによれば、垂直離着陸性能と、固定翼飛行機の速度と高度をあわせ持ち、滑走して離着陸する場合でも四百メートル程度の滑走路で離着陸可能とのことでございます。
いずれの航空機も開発中でございますため、メーカーや運航事業者等の意見も反映させながら、引き続き、小笠原への運航の可能性に関する詳細な検討を実施してまいります。
○古城委員 航空機の調査についても、今進めていただいているということを確認させていただきました。
小笠原・国境離島担当部長ということで新たにご就任をされた、このことも、一層この小笠原航空路、加速度的に進んでいく、この期待のあらわれなのかなと思っておりますし、藤井一議員がいらっしゃったならば、山手局長時代に、ぜひともこれを実現する、そういう意気込みを示していただきたい、こういう話があったのではないかなと想像にかたくないところであります。
もとい、離島航空路線は住民の生活路線でもあります。地元の意見を十分に踏まえ、自然環境や景観との調和にも配慮しつつ、総合的な合意形成を図る必要があります。昨年十一月に策定された小笠原諸島振興開発計画に基づき、実現可能な航空路案を着実にまとめ、航空路開設へ向けたプロセスを具体的に示していくことを要望させていただきます。
次に、人権施策についてであります。
人間にとって一番つらいのは、希望や尊厳を失うこと、そして、誰にも知られない、必要とされていない、忘れられていくということだと思います。また、それらを促し、他者を自在に支配しようとする悪意も警戒すべきであります。
SDGsが掲げる、誰ひとり取り残さないとの趣旨は、こうした恐怖から一人を守る、人間の安全保障の具現化にほかなりません。この人間の安全保障を支え、動かしていくのは、社会の悲惨を他人事ではなく、自分事として捉える心であると思います。
さて、都議会公明党は、これまで幾度も犯罪被害の当事者や支援に携わる関係者と意見交換を行ってまいりました。私も被害者ご遺族の生の声とともに、一九七五年に初めて被害者の権利を提唱された諸澤英道先生のご意見を拝聴し、特に、都の果たすべき役割が重要であると考えたことから、都として、被害者の尊厳に向き合うこと、二次被害の防止や再被害の防止、見舞金などによる経済的支援の充実などを繰り返し訴えてまいりました。
そこで、都における令和元年度の犯罪被害者支援について、まずお尋ねいたします。
○堀越人権部長 都はこれまで、三期にわたる東京都犯罪被害者等支援計画を策定し、東京都総合相談窓口の機能強化や、性犯罪、性暴力被害者のためのワンストップ支援事業を初めとした被害者の方々に寄り添った支援に幅広く取り組んでまいりました。
一方、犯罪認知件数は減少傾向にあるものの、都内の認知件数は依然として全国の約一割を占め、高い水準にあることから、被害者支援のさらなる充実が必要です。
そこで、令和元年度に犯罪被害者等支援条例を制定し、都の被害者支援の姿勢を明確に示し、被害者やご家族の方々に対する支援を社会全体でより一層進めていくことといたしました。
また、条例制定を契機に、医師等の専門家によるカウンセリングなど、性犯罪被害者への精神的なケアの充実を図るとともに、見舞金の給付や法律相談費用の助成を初め、被害者のニーズが高い経済的な支援策を令和二年度から新たに開始いたしました。
○古城委員 私は、昨年、当時総務委員会副委員長であった藤井一議員を初め、都議会公明党の同僚議員とともに、都の犯罪被害者等支援条例が先進的な条例となることを願い、既に条例を制定していた佐賀県、大分県、大分市、そして三重県を調査いたしました。
これらの先行事例を踏まえて、都条例に、被害者、家族、支援団体などの意見を取り入れるとともに、心ない差別や偏見から被害者と家族を守る自治体の責務などを盛り込むこと、被害者に加えて、被害者支援相談員からも意見を聞く実態調査を行うことや、見舞金等の経済的支援策など、具体的な提案を行いました。
知事は、本年第一回定例会において、都議会公明党からの要望を踏まえて、見舞金制度を新たに創設する旨を明らかにいたしました。
そこで、条例制定とともに、犯罪被害者等に見舞金を支給する決断に至った経緯についてお尋ねいたします。
○堀越人権部長 条例案の検討にあわせて行った被害者等への実態調査等におきましては、被害に遭った結果、医療費や裁判費用等の支出を余儀なくされた、あるいは、収入が減り、生活が苦しくなったなどの理由によって、行政による経済的な支援を望む声が多数寄せられました。
こうした状況を踏まえ、国による犯罪被害者等給付金の支給までの間、当面必要となる経費に充てるため、見舞金制度を新たに創設いたしました。
○古城委員 当時、ご担当されていらっしゃった課長さん、今はこちらの委員会室にいらっしゃらないかもしれませんが、都議会公明党が視察した自治体の方々との都の見舞金制度創設後のやりとりの中で、都の担当部局の皆様も大変ご努力されており、とても刺激を受けましたとのメッセージを頂戴いたしました。改めて、都の犯罪被害者等に見舞金を支給するという決断を大いに評価させていただきたいと思います。
さて、都は、第四期の犯罪被害者等支援計画を策定するとのことですけれども、真に被害者の方々が求められているものを反映させる契機にすべきと考えます。
そこで、犯罪被害者やその家族、さらに支援員からも意見聴取を行い、関係者の声を支援事業の改善に生かすことについてお尋ねいたします。
○堀越人権部長 犯罪の被害に遭われた方及びそのご家族は、犯罪被害による直接的な被害に加えて、身体的、精神的、経済的に困難な状況に直面しているため、支援策の検討に当たって、被害者やそのご家族の意向をしっかりと把握することは重要です。
このため、第四期支援計画の策定に当たって、新たに設置した検討委員会には、被害者のご遺族にも委員としてご就任いただき、当事者の立場からさまざまなご意見をいただいているほか、被害者の支援に当たっている団体からも、被害者等の実態に関する意見聴取を行っております。
今後、支援計画の素案に対するパブリックコメントを実施する予定であり、寄せられたご意見も踏まえながら支援策の強化を図ってまいります。
○古城委員 もう一つ他県の担当者の方から寄せられたお声を紹介したいと思うんですが、今般、都は見舞金制度に加え、転居費用や無料法律相談も実施しており、今やトップランナーになったのではないかと、こういったお声をいただきました。この評に恥じないようにも、ぜひとも幅広く意見聴取を行うべきだと思います。
実態調査で酌み取れなかった、もしくは酌み取りにくかったところを把握するためにも、相談員が犯罪被害者から相談された際に感じ取ったところを調査するとともに、被害者、被害者家族から直接生の声を聞き、また、声なき声にも耳を傾けていただきたいと要望いたします。
さて、県内全市町村で見舞金制度が導入された大分県では、市町村を初め、さまざまな主体が協力して、この制度の導入が実現をされました。都においても、初期段階の支援の中核を担うのは、被害者が生活する区市町村であります。
そこで、区市町村において、早期かつ十分に支援を行うことができる体制づくりについてお尋ねいたします。
○堀越人権部長 区市町村は住民に最も身近な自治体として、日常生活に関連する多様な施策を実施しており、被害者支援を効果的に進める上で重要な役割を担う存在です。こうした区市町村に対し、都はこれまで、区市町村連絡会の開催、担当者のスキルアップのための研修会の実施、窓口対応に関する助言などを行ってまいりました。
今年度は、各区市町村を訪問し、見舞金給付等の都の事業の周知を行うとともに、区市町村での諸手続におけるサポートを依頼しています。区市町村の取り組みが被害者の方に寄り添った支援となるよう、今後も都と区市町村のより緊密な連携協力体制の構築に努めてまいります。
○古城委員 大分県では、幾度も相談者の方が同じ話をしなくても済むように、犯罪に遭った被害者等の気持ちや状況、支援の対応等を整理、記録する支援ノート、絆を作成し、被害者に寄り添った支援を実施しています。
小さな市町村でも、また、いずれの機関でも、窓口となって相談者の話を聞き、県につないでいくこととともに、対応職員等による二次被害の防止を目的としています。当然、都でもこの件、調査をされているとお聞きをしておりますけれども、今後こうした取り組みも参考にして、そして、区市町村との連携協力により、少しでも早く、かつ十分な支援が行われる体制を整備していくことを要望させていただきます。
最後に、人権課題全般の啓発についてであります。
人権について考える契機は、人によってさまざまであると思いますが、私自身は、東京二〇二〇大会の掉尾を飾るパラリンピックマラソンを通じて、この競技三種目の魅力を感じるとともに、社会のバリアフリー化に求められる視点などを学んでいるところであります。
スポーツは、実際にプレーするだけではなく、競技観戦や応援を通じて、他人事を自分事に昇華させることができるのではないかと考えています。人権啓発では、こうしたスポーツなど親しみやすい素材を活用することも大切です。
そこで、令和元年度におけるスポーツを題材にした啓発イベントの実績と、そこに来場された方々からどのような意見があったのかお尋ねいたします。
○堀越人権部長 昨年度は、スポーツを活用した人権啓発イベントとして、オリンピック・パラリンピックと人権をテーマに、ヒューマンライツ・フェスタ東京二〇一九を開催し、ボッチャ、車椅子バスケットボール、五人制サッカーといったパラスポーツ体験会を行いました。
また、大会関係者やアスリートを迎えて、多様性と調和について考えるオリンピック・パラリンピックと人権東京都シンポジウムを実施いたしました。シンポジウムでは、障害の態様に応じた感覚を体験できるように台の長さや形を変えたパラ卓球台を用いたエキシビションマッチ等を行いました。
この二つのイベントの来場者アンケートによると、人権に関する関心や理解が深まったという意見が多く、体験したことでパラアスリートのすばらしさを理解した、競技に興味が湧いた、ぜひ応援に行きたい、パラスポーツの見方が変わったといった意見もありました。
今後もスポーツを初め、身近でタイムリーな題材を取り上げたイベントを実施し、より多くの方々に人権について考えていただく機会を提供してまいります。
○古城委員 コロナ禍の中、先の見えない状況に不安を覚えない人はいないのではないでしょうか。とはいえ、偏見や差別など自分勝手で卑劣な行為が横行するようでは、一層社会不安を広げるだけであります。
今、答弁いただいたスポーツを通じた点も大いに期待をされるところですけれども、相手を思いやり、互いに支え合うことが今は何よりも大切だと思います。特に、新型コロナウイルスは誰もが感染する可能性があります。感染しても心置きなく治療に向かえるよう、温かみのある社会をつくっていくことが非常に大事です。
我が党、公明党の熊野正士参議院議員のもとに、従業員から陽性者が出た都内の店舗経営者からの相談が寄せられました。店舗に寄せられたその中傷にあらがうため、ストップコロナ差別等のポスターを掲示したい、しかし、自作のポスターでは、より中傷が激化してしまうかもしれないとの懸念から、自治体など行政機関等による啓発ポスターを求める、そういう余りに悲痛な声でありました。
他の自治体では、都知事の人権啓発映像もリンクされている公益財団法人人権教育啓発推進センターのストップコロナ差別、差別をなくし正しい理解を、キャンペーンのロゴを活用するなどしたポスターやチラシが作成されています。
中でも、闘う相手は人ではなくウイルスですと記した鹿児島市のポスターは、ネット上でも反響が広がり、市ホームページからダウンロードできるようにもなっています。
そこで、都においても、こうしたポスターなどを作成し、広くストップコロナ差別、こうした人権の啓発を行うことを要望いたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。
○佐野委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐野委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で総務局関係を終わります。
これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
午後五時六分散会
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