委員長 | 米川大二郎君 |
副委員長 | 川松真一朗君 |
副委員長 | 中山ひろゆき君 |
菅野 弘一君 | |
池川 友一君 | |
うすい浩一君 | |
森澤 恭子君 | |
斉藤やすひろ君 | |
増田 一郎君 | |
入江のぶこ君 |
欠席委員 なし
出席説明員警視庁 | 警視総監 | 三浦 正充君 |
総務部長 | 安田 浩己君 | |
警務部長 | 緒方 禎己君 | |
交通部長 | 坂口 拓也君 | |
警備部長 | 小島 裕史君 | |
地域部長 | 金井 貴義君 | |
公安部長 | 近藤 知尚君 | |
刑事部長 | 大賀 眞一君 | |
生活安全部長 | 青木 樹哉君 | |
組織犯罪対策部長 | 猪原 誠司君 | |
総務部参事官企画課長事務取扱 | 高柳 博行君 | |
総務部会計課長 | 大嶽 裕保君 | |
議会局 | 局長 | 砥出 欣典君 |
管理部長 | 藤田 聡君 | |
議事部長 | 櫻井 和博君 | |
調査部長 | 飯田 一哉君 | |
総務局 | 局長 | 遠藤 雅彦君 |
危機管理監 | 小林 茂君 | |
次長 | 野間 達也君 | |
理事 | 箕輪 泰夫君 | |
総務部長 | 西山 智之君 | |
企画担当部長首都大学調整担当部長兼務 | 久保田直子君 | |
調整担当部長尖閣諸島調整担当部長 オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 藤原 知朗君 | |
訟務担当部長 | 江村 利明君 | |
復興支援対策部長復興支援調整担当部長 被災地支援福島県事務所長兼務 | 伊東みどり君 | |
行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 | 小林 忠雄君 | |
都政改革担当部長 | 豊田 義博君 | |
都政改革担当部長 | 勝見 恭子君 | |
人事部長 | 山口 真君 | |
労務担当部長 | 高崎 秀之君 | |
コンプライアンス推進部長主席監察員 政策法務担当部長訟務担当部長兼務 | 貫井 彩霧君 | |
行政部長 | 佐藤 智秀君 | |
多摩島しょ振興担当部長大島災害復興対策担当部長 事業調整担当部長兼務 | 石橋 浩一君 | |
都区制度担当部長 | 米今 俊信君 | |
総合防災部長 | 有金 浩一君 | |
防災計画担当部長 | 古賀 元浩君 | |
防災対策担当部長 | 榎園 弘君 | |
物資調整担当部長 | 大澤 洋一君 | |
統計部長 | 影山 忠男君 | |
人権部長 | 堀越弥栄子君 |
本日の会議に付した事件
平成三十年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
警視庁関係
・平成三十年度東京都一般会計決算(質疑)
議会局関係
・平成三十年度東京都一般会計決算(質疑)
総務局関係
・平成三十年度東京都一般会計決算(質疑)
・平成三十年度東京都特別区財政調整会計決算(質疑)
・平成三十年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計決算(質疑)
○米川委員長 ただいまから平成三十年度各会計決算特別委員会第一分科会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、警視庁、議会局及び総務局関係の決算に対する質疑を行います。
これより警視庁関係に入ります。
決算の審査を行います。
平成三十年度東京都一般会計決算中、警視庁所管分を議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○川松委員 私から何点か事実の確認、そして今後の事業に向けての提案をさせていただきたいと思いますが、まず初めに、平成三十年度の中で、警視庁と福祉保健局は、児童虐待対応の連携強化に関する協定書というのを締結したわけでありますが、改めて、警視庁がこの協定を締結した、その目的を教えていただきたいと思います。
○青木生活安全部長 重大な児童虐待事案を防止するためには、対象家庭に関する情報を関係機関が共有し、早期発見、早期対処していくことが、事態の深刻化を防ぐ上で重要であると認識しております。
こうしたことから、関係機関とのより一層の連携強化を図るため、昨年、東京都福祉保健局と協定を締結いたしました。
○川松委員 児童虐待の問題というのは、さまざまな現場のシチュエーションがありますけれども、局間の情報共有ができていないとか、あるいは、立ち入りの権限に関して強いところ、弱いところがある中で、問題が解決できないじゃないかと世間などでもいわれてきた中で、平成三十年、警視庁は福祉保健局とこの協定を結ばれたということであります。
早期発見に向けてということですけれども、ここも改めて確認させていただきますが、実際にこの協定、どんな内容の協定なんでしょうか。
○青木生活安全部長 本協定により、東京都福祉保健局からリスクが高いと考えられるケースは全て情報提供がなされるほか、警視庁で認知した児童虐待が疑われる全ての事案の取り扱い状況を児童相談所に提供するなど、情報共有の範囲を拡大し、さらなる連携強化を図ることといたしました。
このほか、援助要請の判断基準の明確化や、警視庁と東京都福祉保健局との意見交換会の開催等を確認する内容となっております。
○川松委員 実際にさまざまなことがいわれている中で、今お話あったような内容で協定を結ばれたということは、児童虐待を撲滅していこうという中での、警視庁の大きな一歩だったと思いますが、この協定を締結したことで、今後どのように警視庁としてはこの協定を活用して、児童虐待という問題に取り組んでいかれるのか、考えを教えてください。
○青木生活安全部長 警視庁では、本協定に基づく情報提供により、東京都福祉保健局との情報共有の範囲が拡大され、児童虐待事案の早期発見、早期対処に資することになります。これら情報は全て要保護児童情報管理システムに登録し、組織的に情報共有を図っております。
さらに、警察が児童虐待事案を認知した際には、その都度、児童相談所等に取り扱い状況等を照会するほか、専門の警察官が現場へ臨場の上、直接児童の安全を確認し、必要と認めた場合には、速やかに児童相談所へ通告を行っております。
○川松委員 今話にありました、要保護児童情報管理システムに登録して、組織的に情報共有を図っていこうということは、大変大きな意味があると思うんですけれども、とはいえ、この平成三十年、福祉保健局と警視庁が協定を結んだ、このことは大きな前進なんですが、実際に現場を見てみると、協定を締結した後でも児童虐待事案というのは後を絶たないのが、実際のこれ、現実であります。
今後、児童虐待根絶に向けてさらなる取り組みの強化を図るべきだというのは、当然の意見だと思いますけれども、警視庁の見解を伺いたいと思います。
○青木生活安全部長 警視庁では、本協定に基づき提供された情報を組織的に共有するとともに、要保護児童対策地域協議会にも積極的に参加し、関係機関との情報共有を図っているところであります。
また、来年度から特別区に児童相談所が設置されることを受け、情報共有のあり方など、各区との連携強化に向けた取り組みを推進しております。
警視庁では、引き続き、共有した情報を適切に活用し、児童虐待事案に的確に対応してまいります。
○川松委員 ありがとうございます。
この問題は、警視庁と福祉保健局のみならず、今お話しありました児相が特別区になるということも含めると、都内のさまざまな各現場の皆さん、あるいは他の道府県の関係機関、捜査機関も含めて情報共有していかないと、ここの場所にいたからわからなかった、何で情報共有できなかったんだという過去の事例があるわけですから、ここは警視庁も先頭に立って、児童虐待根絶ということをテーマに、引き続き努力をしていただきたいと思います。
本当に、平成三十年、すばらしい協定を結ばれたと思いますので、今後の警視庁のこの問題への取り組み、強く要望しておきます。
一方で、警視庁の災害対策課というところがございまして、ここはツイッターを積極的に発信している。このときに、災害時に役立つ生活情報を配信しているわけですが、改めて、この警視庁災害対策課のツイッター、ユーザーの反応を教えていただきたいと思います。
○小島警備部長 警視庁警備部災害対策課におきましては、平成二十五年一月から、SNS、ソーシャルネットワーキングサービスを利用し、災害の発生に関する情報や防災意識の向上に係る情報などを発信しているところであります。
そのフォロワー数は十月二十八日現在、八十三万を超え、これは便利だとか、災害時に必要な情報をありがとうございましたなどの反響をいただいており、多くの方々が高い関心を示しているというふうに承知をしております。
○川松委員 八十三万人のフォロワー超えということでございますけれども、きょうおいでの委員の皆さんもこのツイッター、ご存じですか、大丈夫ですか。--まだこういう反応なわけですよ。
やはりこれね、僕は、もっと多くの人に知ってもらった方がいいじゃないかと思うんですね。確かに、メディアで取り上げられることもありますし、あの中の内容というのは、一つ一つ見るとなるほどなと感心する。まさに警視庁の皆さん方が先輩方から受け継がれてきた知恵を、その英知を集結してこのツイッターに載せているんじゃないかと思って、私は感心して見ておりましたら、何とこの配信された内容をまとめた本、警視庁災害対策課ツイッター防災ヒント一一〇ということも出版された。
この中で、まさに都民の皆さんの関心が高まってきていると思われますが、警視庁は、皆さん方が持たれている、警視庁の皆さんだからこそ持っている、災害時の活用が可能な生活情報というものに関して、もっとPRを私はしていくべきじゃないかと思うんですが、見解をお聞かせください。
○小島警備部長 災害時にも活用できる生活情報につきましては、平素から、警視庁ホームページや、警察官が自治会等に対して行う防災講話等で発信をしているところであります。
また、これに加えまして、災害発生時には根拠のない流言飛語を打ち消したり、避難に役立つ情報を提供することも重要と考えております。
警視庁におきましては、今後とも、災害対策に有用な情報発信のあり方について検討してまいります。
○川松委員 もう本当に今おっしゃったとおりで、いろんな地域の警察官の皆さん方が、それぞれの自治会などに行って説明はされています。されていますが、やはり今の時代、ソーシャルネットワークというか、いろんなネットを活用した情報発信の方が、より多くの人に情報をリーチする、情報を送り出すことができます。
なぜ僕がきょうこの質問をしようかと思ったのは、先般、台風十五号、十九号の中で、いろんなことがいわれました。特に、東京都内でもさまざまな警戒地区になって、一体私たちどうなっちゃうのかなと心配になったときに、そういえば警視庁の出している災害対策課の動画を見たら、いろんな不安を取り除けるんじゃないかなと思って、調べようと思ったら、皆さん方、ツイッターのみに載せているわけですから、ツイッターだと、どんどん古いものは過去に埋もれていっちゃうんですね。
これが、ユーチューブか何かにこういった動画が載っかって、アーカイブとして保存されていれば、本当に不安になった人が、ああ、あの警視庁の知恵をもってこの危機を乗り越えよう、不安を取り除こうと思えるんじゃないかなということで、私はきょうこの質問を取り上げているわけですけれども、改めまして、災害や何か起きたときに、ツイッターは確かに本当に一瞬で間違った情報を打ち消すため、警視庁の公式情報として打ち消すために、ばあんと広げることは大変有効な手段だと思いますが、今話したように、こういった動画配信など積極的に積み重ねておけば、本当の災害発生時に、被災者が困った、どうしようかというときに、有効な情報をダイレクトに欲しい人に届けられるんじゃないか、そのことによって警視庁の皆さん方が、都民の皆さんにもっともっと信頼されるお立場になられるんじゃないかなと、そういう役割を警視庁は担われているんじゃないかなと思いますけれども、警視庁のこの件についての見解をお伺いしたいと思います。
○小島警備部長 警視庁におきましては、災害の現場で応急的に活用できる生活情報につきまして、動きのある映像で説明する方がわかりやすいものを動画で配信をしているところであります。
議員ご指摘のとおり、災害広報は非常に重要であるとの認識のもと、今後とも、動画配信を含め、あらゆる媒体を活用して、被災者の役に立つ情報発信に努めてまいります。
○川松委員 ありがとうございます。
今、きっちりとしたお答えをいただきましたけれども、これはもう誰にとってもマイナスのない、プラスばかりの話でございますので、ぜひ総監も、この件に関して予算を次はたくさんとっていただいて、今、これは決算の審議ですけれども、次のときには、このことが都民の皆さん、あるいはネットに上げれば、都民だけではなくて全世界中からアクセスをして、日本の首都東京の警察官、すごい知恵を持っているなということをお披露目することになろうかと思います。
ぜひ、引き続きこの点、強化することを要望いたしまして、私の質問を終わります。
○池川委員 私からは、駐車除外と駐車許可の関連についてお伺いをしたいと思います。
高齢者や障害のある方々の暮らしや健康を支え、住みなれた地域で住み続ける上で不可欠なものが、例えばデイサービス、訪問介護、訪問看護を初めとする制度です。地域にもよりますが、都内ではその多くが車などで移動をし、送迎を行ったり、暮らしを支える仕事に従事をされています。
こうした仕事につく方々から話を聞いてみると、訪問の最中に駐車禁止の取り締まりを受けてしまうかもと心配になり、サービス提供に集中できないなど、不安の声が聞かれます。実際に、駐車違反の紙を張られてしまったという事例についても伺っているところです。
こうした方々に対して、駐車禁止等除外標章を交付してほしいという問題について、二〇一七年度の都議会警察・消防委員会の事務事業質疑において、我が党の大山とも子幹事長が質問をさせていただいております。
そこで、まず制度の確認になりますが、車両を駐車する際に、駐車除外と駐車許可について、現状はどのような取り扱いとなっているかお伺いをいたします。
○坂口交通部長 ご指摘の駐車除外と駐車許可でございますが、いわゆる駐車除外と申しますのは、緊急自動車を初めといたしまして公共性が極めて高い、そして緊急、広域に、かつ不特定な場所に対応することが必要な車両という、車両の用務に着目をいたしまして、こういうものについて、あらかじめ包括的に駐車規制の対象から除外をしておくという制度でございます。
他方、駐車許可と申しますのは、個別に、用務を問わず、その時、その場所について、駐車を許容しても大丈夫かどうかということにつきまして、申請に基づいて、日時、場所、用務、駐車可能な場所の有無等を基準に基づいて審査をして、個別に警察署長が許可を出すという制度になっております。
○池川委員 今、制度のご説明をいただいた駐車禁止等除外標章については、例えば、歩行困難者の輸送または電気、ガス、水道、電話または鉄道の緊急修復工事等と具体例を示して、実際に申請書にも書かれているところであります。そういう方々に対して交付をしていると。一方で、駐車許可については、理由を付して申請を行い、許可された場合には交付をするということだというふうに思います。
例えば、デイサービスの車両の取り扱いがどうなっているのかというと、現状では、この駐車禁止除外車両の方が行われていないわけですが、二〇一七年の事務事業質疑の中でも、今後、関係機関と連携し、ご指摘のような現状も含め、デイサービスの送迎実態を把握した上で、駐車せざるを得ない特別の事情が認められる場合には、必要な措置を講じてまいりたいと考えていますという旨の答弁がありました。この答弁は大変重要だということで、その場でも大山幹事長が指摘をしているところです。
そこから二年が経過をしているわけですが、昨年度は、この辺についてはどのような検討をされてきたのでしょうか。
そこで、改めてお伺いをしますが、デイサービス車両等を駐車禁止除外車両として認めることが必要だと思いますが、警視庁としてはどのような認識で取り組まれているのかお伺いをいたします。
○坂口交通部長 委員ただいまご指摘のとおり、デイサービスと申しますのは、既に駐車除外の対象として、限定的に類型的に定められている車両とはちょっと違いまして、公共性ですとか緊急性ですとか、広域かつ不特定の場所に駐車する必要がある車であるかというと、デイサービスについてはそうではないと考えられます。
したがいまして、デイサービスに用いられる車をあらかじめ申請していただいて、標章を出しておくというようなことは、ちょっと制度の性質からすると考えがたいのかなというふうに思われます。
では、駐車、全然できないのかというと、そういうことではございませんで、駐車許可という制度の方で、この時、この場所に、こういう必要があって、付近に適当な駐車場もないし、しかしサービスは提供しなければならないし、そこで許可をしてくださいという申請をいただければ、警察署長の方で、周辺の交通に迷惑がかからないか、危険を生じさせないかといったところをよく判断をいたしまして、問題がなければ許可をするというような形で対応をさせていただいているところでございます。
現行の運用で特に問題が生じているとは承知しておりませんけれども、大変重要な問題でありますので、関係の機関、関係者のいろいろなご意見や、実際にサービスが提供、利用されている実態というのもよく勉強させていただいて、引き続き考えてまいりたいと存じます。
○池川委員 関係機関と引き続き、重要な問題なので考えていくというご答弁がありました。
これは、区市町村や実際に介護やそれを担っている方々からの声もぜひ聞いていただいて、実態を把握して、検討等を進めていただきたいというふうに思います。
デイサービスの車両は、運転手さんと介護に従事をする介護士の二人体制で本来行うことが望ましいというふうに思うんですけど、実際には、経費の関係等から、一人体制で事業者は運営されている方も少なくないというのが実態だと思います。こういう実態も含めて、改めて、駐車禁止除外車両にすることなども含めて、ぜひ検討していただきたいというふうに思います。
続いて、今ご答弁があった駐車許可証についてお伺いをしていきたいと思います。
駐車許可は、駐車の日時、場所、理由、条件などを記入して申請すると、平たくいえば、路上駐車をしなければ用務の達成が困難な場合において、条件を満たせば許可する制度というふうに認識をしております。実際にこうした制度を使っている中には、利用者さんのもとに直接訪ねて支援を行う訪問看護、訪問介護などがございます。
そこでお伺いをしたいと思うんですけれども、デイサービス車両も含めて、訪問看護、訪問介護車両への駐車許可についてはどのように対応されているのか、また、許可件数等についても、あわせてお示しいただきたいと思います。
○坂口交通部長 ただいまデイサービスの中で、いろいろな形態についてのご質問がありましたので、少し整理させていただきたいと存じますが、まずデイサービス、いわゆる利用になられる高齢者を送迎して、どこかほかの施設へお連れしてという営業形態の場合でありますが、そこは今ご指摘あったとおり、運転する人と、それから送迎を介助する人と、二人以上おられて送迎をするというのが通常のサービスの形態でありますが、この場合は運転をする人は車を離れませんので、人が乗りおりするために車が継続的に停車をしているということであれば、これはそもそも駐車ではない、駐車には該当しませんので、駐車禁止であっても何であっても、問題は生じないというふうに理解しております。
他方、いわゆる訪問介護ですとか訪問看護のように、まさに駐車をして、車から離れてサービスを提供する必要があるという場合には、これは駐車許可の方の対象になってまいりますので、申請をしていただいて、審査の上で許可を出すというような運用になってまいります。
ご質問の件数につきましては、昨年、平成三十年中で、訪問介護と訪問看護と合わせまして、一万件以上の許可を出させていただいているところでございます。
○池川委員 昨年度、都内一万件を超える駐車許可を訪問介護や訪問看護で出しているということです。一件当たり一回の申請というふうに聞いておりますが、現場レベルではさまざまな対応をしていただいて、半年間分、きちんと申請をすれば許可をしていただくなどの柔軟な対応、特例対応をしていただいているというふうにも仄聞をしているところです。
申請の仕方等については、各警察署の判断になると思いますが、これはぜひ申請者視点で、申請しやすい環境にしていただきたいというふうに思います。
警視庁のホームページの案内を読むと、申請については、各申請窓口に申請書があり、持ち帰って記載することができませんという記述が現在まだあります。これは、周辺の警察署のホームページなどを見ると、既に申請用紙がダウンロードできるような形にもなっておりますので、警視庁としても、申請する立場に立って、ホームページに、駐車許可の申請用紙等についてもダウンロードできるようにしていただきたいということは、要望しておきたいと思います。
また、介護や看護をやられている関係者の方から話があった中には、訪問介護や訪問看護は行き先があらかじめわかっていて、何曜日のどこどこは誰々さんちの近くということがわかるわけですけど、定期的に訪問が困難な方の中に、例えばケアマネジャーといって、その方のケアプランを設計する、これは突然の呼び出し等にも対応していかなければならないという話も伺いました。
また、高齢者の包括支援センターというものがありますが、これは各区市町村で呼び方は違いますが、この包括支援センターの職員も、直接呼び出されたときには対応しなければいけない。こういう方々も、介護や看護の現場では大変困っているということであります。
超高齢社会の中で、社会的需要はますます増していくことになると思います。また、障害福祉のニーズも日々増しているわけです。そうしたときに、必要な支援を行う方々の車両が、きちんと駐車にかかわる制度を利用し、しっかりとこうしたサービスを提供できるようにしていただきたい、そのために、常に必要な見直しを行っていただきたいということを求めて、質問を終わりたいと思います。
○米川委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○米川委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で警視庁関係を終わります。
○米川委員長 これより議会局関係に入ります。
決算の審査を行います。
平成三十年度東京都一般会計決算中、議会局所管分を議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○川松委員 私から本日、議会局への質問をさせていただきますけれども、当然ですが、議会運営というのは議員だけで成り立つものではございません。議会局の皆様の支えによって成立しているものだと認識しております。
今般、私自身、みずからへの戒めも含めまして、広く都議会の皆様へこの思いを述べさせていただくつもりで質問させていただきます。
さて、過去には、豊洲市場移転の件で突然議会日程が設定されたために、夏休みのレジャーがキャンセルになった、あるいは子供たちに会わせる顔がないという声を議会局の職員の皆さんから聞いたことがございます。
きょうは、昨年度末の予算特別委員会のときのお話をお聞きしたいと思います。
今、話がありました予算特別委員会を含む第一回定例会は、空転に空転が続き、前代未聞の事態に陥りました。
都議会には、七十有余年の歴史の中で、先人たちが築き上げた知恵と努力の積み重ねによる信義誠実の原則があると私は認識しています。その原則を踏みにじる議会運営を行ったがゆえに、当然、その定例会を支える議会局職員も、疲弊しながら議会運営を支えたというふうに私は認識した前提で、まずお聞かせください。
平成三十年度決算額のうち、第一回定例会の時期の、議会局職員の時間外勤務手当及びタクシー利用料--これ、深夜の宅送ということになりますけれども、タクシー利用料の決算額を前年度分と合わせて教えていただきたいと思います。
○藤田管理部長 平成三十年度決算額における、二月後半から三月末までの時間外勤務手当は二千九百九十五万余円、タクシー利用料は二月分及び三月分の合計で四百二十八万余円となっております。
また、前年度の二十九年度決算額におけるそれぞれの額につきましては、時間外勤務手当は一千七百四十一万余円、タクシー利用料は八十一万余円となっております。
○川松委員 今お話しいただきました、大混乱したことしの第一回定例会におきまして、議会局皆さん方の時間外勤務手当が約三千万円支出、そして、このことは前年度との比較でいきますと一千二百五十四万円増加したという、これは決算の数字です。一方、タクシー利用料に関しては、およそ四百二十八万円の支出でありますから、前年度からですと三百四十七万円も増加しているということになります。
二つの数字を合わせますと、前年度より一千六百万円もの経費が上乗せになっている。前年に比べたら多く支出されているということになります。この数字は、どれだけ議会局の職員の皆さんが残業を強いられたのかということを、端的に示す数字であると認識しております。
職員の皆様の中にも、子育てあるいは介護をされている方もたくさんいらっしゃいます。なぜこのような支出が発生する事態となったのか、冒頭にも述べましたけれども、私も含めて、都議会議員全員の猛省をする必要があるのではないかなというふうに認識しております。
都政発展のために、会派間の対立がある施策で紛糾することも、これまであった都議会でありますが、これほどまでに円滑な議会運営ルールが踏みにじられたことはなく、ルールが崩壊する中で、働き方改革が叫ばれるにもかかわらず、なぜ職員をこのような劣悪な労働条件のもとに置かなくてはならないのかという疑問にぶち当たります。
この第一回定例会における空転に大義があったのでしょうか。都議会は議決機関として、都政の重要な政策を担う場であります。一刻も無駄な時間はないはずであります。議事運営は、各会派が議論を尽くすとともに、知恵を出し合い、都政にとって極めて重要なプロセスであり、それは丁寧に、公平、公正なものでなければなりません。
これまでの都議会の慣例を、悪で古い都議会だと批判される方もおられます。しかし、伝統ある慣例の中で実のある議論を行い、都民のために汗をかいてきたのがこれまでの都議会だったのではないでしょうか。
古くても守らなければならない矜持はあります。議会は言論の府であり、各会派間の議論を尽くし都政を前に進める、議会局の職員はその議会活動を支える。これが基本であり、あるべき姿であります。職員を無駄に疲弊させることのない議会の形を模索するべきであり、二度とこのようなことがないようにするべきであります。
東京都議会自由民主党は、都政と都議会の正常化を図り、都民のための都政実現に尽力し、東京の未来への責任を果たしていくことをお約束しまして、質問を終わります。
○米川委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○米川委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で議会局関係を終わります。
○米川委員長 これより総務局関係に入ります。
決算の審査を行います。
平成三十年度東京都一般会計決算中、総務局所管分、平成三十年度東京都特別区財政調整会計決算及び平成三十年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計決算を一括して議題といたします。
本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○中山委員 私からは、防災と人権について質問を何点かしていきたいと思います。
この年、ちょうど私も総務委員会におりまして、菅野委員長のもとで熊本地震に対する管外視察を行ったわけでありまして、その視察を教訓に、活発な議論が展開されたといった年でもあると思います。
いうまでもありませんけれども、熊本地震は震度七、そしてまた震度六強が二回、そして六弱の地震が発生いたしました。余震も大変多かったことから、本当に不安になって、避難所で生活される人が約百八十万人、その年にいたといわれているわけでございます。高齢者など配慮が必要な人が、なれない環境で長期間、避難所で生活を送ったわけであります。
そのため、災害関連死が地震の直接死の約四倍いたというふうにもいわれております。いわゆる災害関連死は、災害発生後、それぞれの災害状況に応じて基準が定まりますので、規模自体を想定することは困難でありますが、想定される避難所生活での災害関連死を抑制するといった課題があるわけであります。
災害がこのところ大変多いわけですが、災害が多いことがいいことではありませんけれども、それだけ避難所生活の経験値だとか、あるいはいろんな諸課題が見えてくるわけでございます。
つまり、避難所生活ではどんな課題があって、どんな解決方法があるのかということでありまして、いわゆる災害関連死を抑制するために取り組みを進めるべきと考えますが、まず見解を求めたいと思います。
○有金総合防災部長 災害関連死を抑制するための取り組みでございますけれども、東京都におきましては、防災ブックの「東京くらし防災」、こちらを作成いたしまして、避難生活での水分補給、あるいはエコノミークラス症候群の予防、ストレス対策など、避難所でできるだけ健康に過ごすための情報をまとめまして、広く都民に啓発を行っております。
さらに、都民向けの防災セミナーや、町会、自治会に防災の専門家を派遣するセミナーにおきましても、災害関連死について取り上げ、未然の防止対策など、避難生活時の留意点などを紹介しております。
災害発生時には、避難所等におけます健康の維持管理にかかわる保健衛生対策を迅速かつ円滑に行うため、地域防災計画におきましても、東京都は、区市町村が行うさまざまな保健活動を支援することと位置づけております。
○中山委員 答弁は多としたいと思いますが、想定できるところを想定して、医療的な見地やそのための物品など、改めて検証していただきたいというふうに思います。
先日、政府が閣議決定で、台風十九号を特定非常災に指定をいたしました。ある意味これも、現時点での被災者に対する不安をできるだけ解消をさせて、本当に取り除いて、みずからの健康をもっていただくということに集中したというような、一つの実行例だというふうに思っております。
先ほど答弁ありましたとおり、町会、自治会に防災の専門家を派遣してセミナーを多くやっているという答弁がありましたけれども、各町会の、私もこれ、参加をさせていただいたんですけれども、このセミナーの講師もなかなかの方で、元自衛官の方で、主張していたのは、救急救命は消防や、あるいは警察、自衛隊がやるので、まずは自分の命は自分で守らなければいけないんですよということを皆さんにお話しされておりました。
とはいっても、いい話なんだけれども、聞いている人と聞いていない人がいるんですよね。もう町会で熱心な人は本当に聞いているんですけれども、熱心ではない人は、やっぱり当事者意識がないということだというふうに思います。
そういう面では、意欲のある人に、さらにいろんなことを学んでもらって、東京都がいろんな知見を持ってもらうということが、大変私は重要なんじゃないかと思いますし、そういうところに力を注いでいくということが大切だというふうに思っております。
今回の台風十九号の上陸前にも、コンビニの棚からガスコンロが少なくなったり、あるいはごみ袋がなくなってしまったり、水もなくなってしまったりということがありましたので、このごろこれだけ災害が多いと、意識が高くなってくるのは確かでありますが、どちらにしても、やっぱり意識が高い人に力を注ぐということが大切だろうというふうに思っております。
そこで、意欲のある人の防災意識をなお一層高めることが効果的であると考えますが、所見を伺いたいと思います。
○榎園防災対策担当部長 災害時の被害を減らすためには、都民一人一人の防災意識を高める必要があります。そのためには、地域の防災リーダーが高い防災意識を持ち、地域住民に働きかけていくことが重要です。
そこで、都では、町会、自治会等の自主防災組織のリーダーを対象として、防災意識を向上させるため、組織運営や避難所運営など、リーダーが知っておくべき知識やスキルを身につける二日間の研修を、平成三十年度は計四回実施し、百八十九人が参加いたしました。
また、災害時に地域や職場で活躍できる女性の防災人材を育成するため、リーダー的な女性の防災人材を育成する研修を、平成三十年度から新たに開始いたしました。
研修では、災害の時系列に沿って必要な知識を学ぶとともに、グループワークを取り入れ、コミュニケーションスキルを向上させるようなプログラムとしており、平成三十年度は、地域生活編と職場編に分けて、各一回、計二回の研修を実施し、百一人の参加を得たところでございます。
○中山委員 さまざまな取り組みが明らかになったわけでありますが、ぜひ、この点というのはきれいごとではなくて、実際、現実に直視した、そうした施策展開に取り組んでいただきたいと思います。
次に、「東京防災」、「東京くらし防災」について伺います。
「東京防災」は、各家庭において災害に対する備えが万全になるよう、家に一冊常備され、活用できるものとして作成され、都内の各世帯に配布されました。一方で、「東京くらし防災」は、「東京防災」に続く第二弾として作成したもので、希望する都民が身近な場所で手にとることができる方法で配布されたものと認識をいたしております。
ただ、いずれにしても、時間がたてば本棚に眠ってしまうというのが、それが実態だというふうに思いまして、もう破棄されてしまったものも多くあるだろうというふうに思っております。
その次のフォローが、やっぱり仕組みが大切になってくると思いますけれども、都民の防災意識に関するアンケートなども行っているようでありますが、「東京くらし防災」が実際どの程度役に立ったのかを追っかけていく必要もあると存じます。
思い起こせば、あの阪神・淡路大震災のときに、七割の人たちが瞬間的に亡くなった、つまり圧死で亡くなったというふうにいわれているわけなんですね。「東京防災」の中にも書いてあるように、しっかり家の現状、家具を装着して、上から物が落ちないような対策をしてくれと、そんな内容も書いてあるんですけれども、実際、阪神・淡路大震災でも、それをもし装着していれば、どれだけの命が助かったのだろうというふうに思うわけであります。
そこで、防災ブック「東京防災」や「東京くらし防災」について、実際に活用してもらうことが重要と考えますが、取り組みについて伺います。
○有金総合防災部長 都はこれまで、防災ブック「東京防災」や「東京くらし防災」の内容につきまして、都民への普及啓発を図ってまいりました。
「東京防災」の活用促進に当たりましては、この冊子を教材とした学習セミナーを、町会、自治会等を対象に、平成三十年度は年間約三百回実施をしております。このセミナーでは、要配慮者等への対策やマンションの防災対策など、自治会等が抱える課題に対応した七つのコースを設定し、実施をしております。
さらに、防災教育の充実に向け、教育庁等と連携をし、「東京防災」の学習教材であります防災ノートの作成をいたしまして、小中高等学校及び特別支援学校に配布をして、授業で活用しております。
「東京くらし防災」につきましては、さまざまな防災イベント等で活用するほか、生活情報雑誌と連携し、雑誌に挟み込んで配布し、関連した記事を掲載するなどの取り組みを行っております。
また、防災ブックにつきましては、東京都防災アプリにも搭載をいたしておりまして、紙の冊子以外の媒体も展開することで、外出先や避難先などでも活用できるようにしております。
今後とも、防災ブックを積極的に活用し、都民の防災意識の向上を図ってまいります。
○中山委員 先ほども申し上げたとおり、よく消防団で、自分たちのまちは自分たちで守るといったフレーズがありますけれども、災害が起こった数分の間は、自分の命は自分で守るんだということがまず前提にあるということを、ぜひ皆さんに浸透させていただきたい。そこが一番大きな肝であるし、また、そのライフスタイル、ライフスタイルに応じて、みずからその防災意識を持っておくということが大変重要だと思いますので、施策展開に期待をしております。
熊本視察に話を戻しますと、この熊本地震で南阿蘇村を支援したのは、熊本ではなく大分県であったということであります。被災地でない地域からの支援は重要であり、比較的混乱していない地域などとの連携は有効的であります。
先月、関東に上陸した台風十五号により、千葉県は甚大な被害を受けたわけでありますが、都は、伊豆諸島などで大きな被害を受ける中で、千葉県各市町村にブルーシートの提供や水、食料品の支援を積極的に行ったと聞いております。被災地のみでは対応できない災害が発生した場合には、比較的混乱していない地域からの、被災地を支援する視点が重要であります。
そこで、発生時における近隣県等との相互応援する仕組みについて構築すべきと考えますけれども、所見を伺いたいと思います。
○有金総合防災部長 都では、九都県市や関東地方知事会等と相互応援協定を締結し、被災自治体を支援する都県市をあらかじめルール化するとともに、物資の提供などの支援内容や手順についてマニュアル等を定めるなど、近隣県等との連携した災害対応を効果的に行うための準備を進めております。
また、総務省が運用いたします被災市区町村応援職員確保システムによりまして、カウンターパートとして支援を依頼されました被災区市町村に対して職員を派遣し、避難所運営や罹災証明発行等の支援を行っております。
相互応援の実効性をさらに高めていくためには、発災時の初動体制におけます近隣県との連携、こちらが重要だと認識をしております。
○中山委員 ありがとうございました。
熊本県の益城町の視察では、町長さんからお話を受けたわけでありますが、災害時に町長が一番意識した点というのが、職員のメンタル面だったそうでありまして、災害時に、混乱の中で被災者の不安といら立ちを直接対応するのが職員であり、このメンタル面というのをしっかりケアしておかないとまずいということで、復旧の近道は職員のメンタル面であった、それが肝であったということを、我々は説明を受けたわけであります。
そのためには、職員自身が、体力やメンタル面に一定の配慮をするための仕組み、あるいは知識が重要であると考えます。もちろん、道府県支援に行く際にも重要な点だというふうに思います。
そこで、派遣職員等の、災害対応に当たる職員のメンタルヘルスケア対策について、取り組みがあるか所見を伺います。
○高崎労務担当部長 都では、平成二十三年の東日本大震災の発生をきっかけに、職員派遣向けのリーフレットを作成いたしました。この内容は、被災者支援に当たっての留意点、職員自身のストレスケア、身体面の健康管理等に関するものとなっております。加えて、職場の管理監督者にも、職員が職場に戻った際の注意点等を記載したリーフレットを配布いたしました。
これらの冊子は、これまで、東日本大震災時に加え、伊豆大島土砂災害、熊本地震及び西日本豪雨発生時に活用したほか、今年度は、台風十五号の被害に遭った千葉県君津市等への職員派遣時にも活用しております。
さらに、都では、精神保健相談員による職員の心の健康に関する相談体制を整備しており、スマートフォンからのメールによる相談も受け付けが可能となっております。
○中山委員 防災について何点か伺ってまいりました。
局においては、救急救命というよりは事前の備えということで、都民に図っていくということが一つの仕事だというふうに思っております。
きれいごとではなくて、災害がこれだけ多いわけでありますから、現実を直視した施策展開の取り組みをこれからもお願いしたいと思います。
次に、人権課題について質問を何点かさせていただきたいと思います。
平成三十年度は、東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念実現のための条例が制定されました。
この条例は、当初、概要が示されたわけなんですが、多様な性の理念の推進と、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取り組みが、これでクローズアップをされてしまったので、当初は、被差別当事者であったり、あるいは、これまで差別解消に取り組んでこられた人が、これはちょっと期待と違うんじゃないかというふうに考えていたわけであります。それだけ今回、オリンピック憲章に伴う条例ということでありまして、特別に、そうした当事者の皆さんも期待感が大きいということであるわけであります。
結果的に、あらゆる人がいかなる種類の差別、そのいかなる種類を、知事の答弁で十七の人権課題と補いましたので、心配は解消されましたけれども、いずれにしろ実効性が問われているわけであります。
そこで、まず、規定されている多様な性の理解の推進とヘイトスピーチの解消に向けて、どのような取り組みを行っているのか、また、人権尊重条例制定を契機に、人権施策推進指針に掲げる十七の人権課題に対してどのように取り組んでいるのか見解を伺いたいと思います。
○堀越人権部長 条例制定を機に、性自認及び性的指向に関する専門電話相談を、昨年十月から新たに開始いたしました。また、多様な性のあり方及びいわゆるヘイトスピーチの解消を題材に啓発動画を作成し、ホームページへの掲載を初め、さまざまな機会を通じて活用しています。
指針に掲げるさまざまな人権課題につきましては、従来から実施しているイベントや啓発冊子などの充実を図り、啓発を展開しています。
例えば、大規模な人権啓発イベントであるヒューマンライツ・フェスタでは、オリンピック・パラリンピックをメーンテーマとし、パラリンピアンの講演、多文化共生を考えるための民族衣装体験など、幅広い人権課題を取り上げ、参加した都民が楽しみながら人権について学べるよう、工夫を凝らして実施いたしました。
今後も、条例の趣旨を踏まえ、さまざまな手法を組み合わせ、効果的な啓発を実施するなど、人権施策の推進に努めてまいります。
○中山委員 ありがとうございます。
今、答弁でもありました、専門電話相談を始めたとの答弁がありまして、相談窓口が今回できたということは、大変意義が大きいだろうというふうに思っております。
しかし、実際、その相談窓口によって、声を上げられなかった人がどれだけ不安を解消できたのかを、常々やはり検証していかなければいけないということだというふうに思います。
そこで、この専門電話窓口の成果と課題について伺いたいと思います。
○堀越人権部長 昨年十月から開始した性自認及び性的指向に関する専門電話相談の実績は、事業開始以降、本年九月末までで百七十三件です。
相談対応においては、傾聴して相談者の気持ちの整理を手伝い、きめ細かい助言を行うことによって、声を上げられない人に寄り添うことができたと認識しております。
また、初めて自分の悩みを話すことができたとの声もあり、当事者は、悩みを打ち明けられずにいるという実情がわかりました。
一方で、相談者については、三十代から四十代の方が多く、十代から二十代の若年層かの相談が相対的に少ない傾向が見られます。そこで、若年層にとってはSNSが大きなコミュニケーションツールとなっている現状を踏まえ、SNSを活用した専門相談を、来年度新たに実施していくことを検討しております。
○中山委員 若年層の相談が少ないということで、今度はSNSを使った相談を行うとの答弁でありましたので、これからも検証していただきたいというふうに思います。
というのも、今後オリンピックに向けて、二〇一四年ソチ冬季大会では、開催国のロシアにおける性的少数者に対する差別が問題になりました。それを踏まえて、IOCが二〇一四年末にオリンピズム根本原則を改定して、第六項に性的指向による差別禁止を加えたわけであります。
そういう面では、ホストシティーとしての取り組みとして評価できます施策の検証を重ねていただきたいと思います。
このように、こうやって施策を当局が中心に行っているわけであります。今回の人権条例というのは、やはり当局だけではなくて、市区町村であったり、あるいは全庁的にこれ、浸透させていかないといけないんじゃないかというふうに、当たり前に思うんですが、その辺の行政の共有というのは、仕組みというのは、どのようにされているのか伺いたいと思います。
○堀越人権部長 人権施策を効果的に進めていくためには、全庁で課題意識を共有することが重要でございます。
このため、各局等人権担当課長会を年二回実施して、人権施策に関する基本的な情報共有を行うとともに、性自認及び性的指向や犯罪被害者などにつきましては、それぞれに各局担当者会議を設け、具体的な施策に関する意見交換や、当事者等を講師とする学習会などを行っています。
また、区市町村との間でも、人権施策推進都区連絡会、都市町村連絡会をそれぞれ定期的に行って、情報交換や研修会を実施するとともに、性自認及び性的指向などについては担当者会議を設けて、具体的な施策についての意見交換を行い、連携を密にしております。
○中山委員 都庁はもちろんのことなんですけど、市区町村でもかなりばらつきが出てくるというふうに思っておりますので、市区町村ともうまく情報交換会をしていただきたいと思います。
次に、ネットによる課題について伺いたいと思います。
現在、SNSや動画共有サイト等の利用者がふえているということはいうまでもありません。こうしたことから、機器の利便性や情報が瞬時かつ広域に伝わるというメディアの特性、情報発信の容易さ、匿名性から、インターネット上でのプライバシーの侵害や名誉毀損の人権課題が頻繁に発生し、社会的に大きな影響を及ぼしております。
特定の個人を対象にした誹謗中傷や差別的な表現の書き込み、保護者や教員の知らない非公式サイトでの子供同士のいじめなどのほか、未成年者がインターネットを通じた誘い出しによる性的被害や暴力行為に遭うなど、犯罪に巻き込まれるという事例が発生しております。
そこで、こうした事案がある中で、相談を受け救済してあげるよう、都は導いてあげるということが一つの責任だというふうに考えますが見解を伺いたいと思います。
○堀越人権部長 都は、東京都人権プラザにおきまして人権相談窓口を設置しており、さまざまな相談を受ける中で、インターネット上の人権侵害についての相談にも対応しております。
この相談では、相談者の状況や要望を聞き取り、その内容に応じて、例えば書き込みの削除に関する事柄については違法・有害情報相談センターを、人権侵犯事件の調査、救済が必要となるケース等については、国の人権擁護機関である東京法務局の相談窓口を紹介しています。
また、相談者が法的なアドバイスを受けることを希望する場合は、昨年十月から人権プラザで開始いたしました、インターネット上の人権侵害に関する弁護士の面接による法律相談に引き継いでおります。
○中山委員 東京都の人権プラザなどで、救済するために導いてくれているということが明らかになったわけであります。
都における人権啓発の拠点であった、先ほどお話あった東京都人権プラザ、これは、旧人権プラザは私の地元の台東区にあったわけでありますが、平成二十九年の二月に移転をいたしまして、港区に新たな人権プラザをオープンいたしました。
当初、地元でも、そこをサークルや町会が使っていたもので、大変反対はあったものの、実際のところは、やっぱり旧人権プラザより今の人権プラザの方が、大変立派なものでありまして、ぜひとも使っていただきたい、あるいは来てもらいたい人に来てもらう努力が、今後とも大切だろうというふうに思っております。
特に、人権課題は特別なものだけではなくて、昨今では職場のハラスメントも含まれているわけであります。先般、神戸の東須磨小学校で起きた教員のいじめ問題など、信じられないことがこのごろ発生をしている以上、社会人にも人権について学んでもらう施設としても活用すべきと、そのように考えているわけなんですが、その見解を求めたいと思います。
○堀越人権部長 東京都人権プラザでは、人権学習会として、展示の解説や人権問題をテーマとした講義、障害者スポーツの体験等を実施しており、企業や地方自治体等における研修にご活用いただいています。
また、企業や学校における人権教育啓発のリーダーを育成するための講座も企画、実施しており、昨年度は、海外の動向を踏まえた職場のハラスメント対策を取り上げました。
今後も、多くの方に利用していただけるよう、企業や地方自治体に人権プラザの利用を働きかけるとともに、展示や講座等において、ハラスメントやSDGsなど、企業の関心の高いテーマを取り上げる工夫をしてまいります。
○中山委員 今、社会人にも活用してもらったらどうかという質問を投げかけさせていただきましたが、適切に人権課題に取り組むためには、人権に対する意識調査も大変大事だというふうに考えますが、そこで、これまでの人権に関する意識調査を行っていると思いますが、今後はどのように実施していくのか伺いたいと思います。
○堀越人権部長 都では、人権に関する都民の意識等を調査し、その後の人権施策を進めていくための基礎資料として活用していくことを目的として、世論調査を実施しており、直近では、平成二十五年に人権に関する世論調査を実施しています。
この調査は、東京都全域に住む満二十歳以上の個人を対象に実施しており、日本は人権が尊重されている社会かどうか、人権尊重社会のために充実すべきことは何かなどについて調査したものでございます。
今後も、状況に応じて都民の人権に関する意識調査を行う予定でございます。
○中山委員 適切な施策のための調査をするということで、お願いしたいと思います。
今回の条例の前文に、人権が尊重された都市であることを世界に向けて発信していくことを決意しとあるわけでありますけれども、行政がよく発信するという言葉を抽象的に使うんですけれども、どのように発信していくのか伺いたいと思います。
○堀越人権部長 都はこれまで、外国人向けに、さまざまな人権課題をテーマとする人権啓発映像を英語字幕つきで作成し、ホームページや東京動画に掲出するとともに、英語版の人権啓発リーフレットを作成し、イベント等で配布しています。
また、平成二十九年二月に実施した人権シンポジウムについては、ダイジェスト版の動画を英語字幕つきで発信しています。
今後は、人権シンポジウムの動画のウエブ広告を海外のサイトで配信し、より多くの海外の方々にシンポジウムの内容を伝えるなど、東京が人権が尊重された都市であることを発信してまいります。
○中山委員 幾つか、決算ということで、人権の課題について質問させていただいてきたわけでございますが、この東京もそうですけれども、日本全体でいうと、人口減少社会で少子高齢化で、生産年齢人口が減少していく中で、やはり外国人の雇用であったり、今後いろんな多文化と共生していかなければいけないということだというふうに思います。
先日のラグビーのワールドカップも、日本が大変躍進して盛り上がったわけでありますが、これもやはり、その出自であったり来歴であったり、そういう問わず、多くの方々が日本の国家を背負って戦って、あのような結果になったということが、やはり一つの大きな熱狂になっていったんだというふうに思いますし、今後、日本の社会も多文化共生をしていかないと、経済も、あるいはいろんな部分でやっていけないということだというふうに思っております。
今回、もう一つ大切なことは、オリンピック・パラリンピックがあるということでありまして、今回オリンピックの憲章ということで、本当に被差別当事者だとか、あるいはこれまで差別解消のために団体として運動してきた人、あるいはパラリンピックがありますから、障害のある人、また障害者をこれまで支援してきた団体というのが大変期待を込めております。
そういう面では、オリンピックに向けて現実的な施策の展開をお願いしたいというふうに思いますが、最後に局長に決意を求めまして、質問を終わらせていただきたいと思います。
○遠藤総務局長 都はこれまでも、東京都人権施策推進指針におきまして、十七の人権課題を掲げ、あらゆる人の人権が尊重される都市として、さまざまな人権施策を展開してまいりましたが、東京二〇二〇大会の開催を目前に控え、これらの施策をさらに充実することが重要であると考えております。
このため都は、新たに人権尊重条例を制定し、これまでの指針に基づく施策を着実に進めるとともに、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消と、性自認及び性的指向に関する差別の解消に取り組んでいくことといたしました。
いわゆるヘイトスピーチにつきましては、不当な差別的言動に該当する表現活動等の概要を公表し、また、性自認及び性的指向の理解促進につきましては、これまで答弁をさせていただきました専門相談などに加えまして、基本計画の策定に向けて有識者等と議論を進めるなど、新たな施策を展開しているところでございます。
人権プラザにつきましては、私も、地元の施設がなくなるということに若干の寂しさはありましたけれども、ぜひ移転してよかったと思われるような運営に、改めて努力したいというふうに思っております。
さらに、犯罪等により被害を受けた方々及びその家族への支援をより一層進めるため、犯罪被害者等支援条例案の策定作業も進めているところでございます。
こうしたさまざまな施策を重層的に展開することによりまして、人権意識の高揚を図り、人権尊重都市東京を実現し、東京のプレゼンスの向上に努めてまいります。
○斉藤委員 まず、防災服を脱げない状況で、総務局の皆様、局長を初め皆さん、本当に日夜、災害後のさまざまな支援、怠りなくやっていただきまして、まず心から感謝を申し上げたいと思います。その迅速さについては、東京は他の地域の模範となっているというふうに確信をしております。引き続きのご支援をお願いしたいと思います。
どうも質問がこの分科会重なるなと思いましたら、確かに、同じ時期に中山副委員長も菅野委員も私も、総務委員会に所属していたんだということを、改めて今の中山副委員長の質疑を通じて実感しておりました。重なるところは省きますので。省かないかもしれませんけど、よろしくお願いします。
私の方からは、本来ならば、議会側から取り上げるテーマとしてはどうなのかなと私も思いましたが、働き方改革という角度もございます。議会側がきちんとしなければ、皆様にも影響が出るということも自覚をしながら、都庁職員の働き方についての質問を一問したいと思います。これは、男性職員の育児休業の取得についてでございます。
これまで私は、二十九年の秋の事務事業質疑、そして、平成三十年の第一回定例会の総務委員会の質疑におきまして、東京都の男性職員の育児休業の取得状況につきまして質問をしてまいりました。
なぜこれを質問したのかといいますと、やっぱり民間の方から、男性の働き方、なかなか自分たちの企業で声を上げにくいというお声があって、東京都の中でぜひともその範を示していただきたいという、そういうご提案もございまして調べたところ、確かにその取得率は低いものがあったものですから、男女とも活躍できる社会構築に向けて、都庁から範を示し、育児休業の取得率について明確な目標を掲げて、取り組みを促進していくべきだとの思いから、その質問をしてきた、提案をしてまいりました。
その後、国が男性の育休取得率につきましては、平成三十二年--これは二〇二〇年ですが、までに一三%という成果目標を掲げていたところ、都では、二〇二〇改革プランにおきまして、男性職員の育休取得率については、平成三十一年度--今年度ですかね、一五%に向上させることを目指していくという目標を定めまして、平成三十年度予算では、パパ職員育児参加応援プロジェクトとして計上されまして、取り組みを進めるとされてきたところでございます。
そこで、まず、平成三十年度の取り組み実績と男性職員の育休取得状況について、伺いたいと思います。
○高崎労務担当部長 平成三十年度の、教育庁を除く知事部局等及び公営企業局の男性職員の育児休業取得率は一〇・六%であり、平成二十九年度の七・〇%に比べ約三%上昇しております。
また、昨年度から新たにパパ職員育児参加応援プロジェクトを実施し、育児休業に関する男性職員の意識向上や職場の理解、協力の促進を図っております。
具体的取り組みとして、まず、男性職員が育児に参加する機運醸成のため、夏のライフ・ワーク・バランス推進月間に、男性職員の育児休業取得体験談を発信いたしました。
さらに、本年一月からは、配偶者の妊娠が判明した男性職員に対し、育児参加プランニングシートを活用して、休暇の取得等について所属長が面談することに加え、男性職員が育児と仕事を両立する意義や利用可能な制度等を紹介するパパ職員向けガイドブックの配布、育児休業等取得の普及啓発ポスターの作成など、男性職員の育児休業取得を後押ししております。
○斉藤委員 さまざまな取り組みを行い、成果を上げていらっしゃる。三%上昇という数字も明らかにしていただきまして、現在、一〇・六%の成果を得ていると。データですね。
現在まだ進捗していますので、これがどんどん上がっていくことがもちろん期待されるわけでございますが、私も、東京都のつくられた職員向けのガイドブック、拝見しましたが、大変すばらしい内容でございまして、これをよく読むと、もうかなり二人の子供は成長しておりますし、一人は成人しておりますけれども、果たして自分が父親として、これだけのことをするために休みを求めてきたかという、非常に反省をしきりに最近しているところでございます。
ぜひ若い方々が、こういったガイドブックなどもございますので、これをよく読んでいただいて、自分が育休を取得することが周りに迷惑をかけてしまうんじゃないかということではなくて、それがひいてはみんなのためになるんだということを、ぜひ自覚をいただいて、活用いただきたいと思うわけであります。
この一五%という目標の達成に向けて、今後も、男性の育児休業取得促進に取り組む必要があると考えますけれども、今後の取り組みも含めまして見解を伺いたいと思います。
○高崎労務担当部長 都はこれまで、男女ともに職員が育児と仕事を両立し、能力を最大限発揮できるよう、テレワークや柔軟な勤務時間制度の導入、男性職員の育児関連休暇の活用促進等に積極的に取り組んでまいりました。
育児休業に関しては、さらに今年度、男性職員に対し、育児休業を取得した動機や、育児休業をより取得しやすくなるような職場環境の整備等について、実態調査を実施しております。本年一月から開始した上司との面談が、育児休業の取得を計画するきっかけになったという職員からの声もあり、職員の意識は高まってきていると認識しております。
年度内にこの調査結果の分析を進め、今後の施策に活用することにより、男性職員の育児休業取得率一五%という目標の達成を目指していきます。
○斉藤委員 年度内にその調査結果の分析を進めて、施策に展開して一五%を目指すと明言をされましたので、ぜひとも、議会側もできるだけ協力できるようにしていかなきゃいけないと。川松委員の先ほどの質疑を聞いて、議会側の改革も必要だと自覚をしているところでございます。
都の職員のライフワークバランスの実現は、都民サービスの向上のためにも必要と認識をしております。きょうは、都内の企業にも一層取り組みを進めていただくためにも、都が範を示して、社会全体を先導していくことが重要との観点から、簡単に質問させていただきました。三十年度の取り組み、決算状況の質疑をさせていただきました。
今年度は、男性職員への実態調査を実施しているということでございますが、この調査結果の分析をしていただきまして、今後の取り組みに活用していただくことを、一五%の達成を目指してしっかりと取り組んでいただきたいと要望して、このテーマは終わりたいと思います。
次のテーマでございますが、人権に関して質問させていただきます。人権に関してでございます。
九月二十日から、先ほど中山副委員長からも話題提供ございましたが、ラグビーワールドカップが日本で開催されております。いよいよ大詰めを迎え、三位決定戦、決勝というふうにこまが進んでいきます。
昨日は、日本代表を準々決勝で破った南アフリカ共和国の代表がウェールズと対戦して、これを破りまして、南アフリカ共和国が勝利したわけであります。
アジア初となる日本開催における日本代表、ブレイブブロッサムズの大活躍は、海外からも驚きと称賛をもって迎えられております。国内においても、これまで余りラグビーに関心がなかった方々も含めまして、にわかファンで結構なんです、今回試合を見て心を揺さぶられて、ラグビーに興味を持った都民も多いのではないかと思うわけであります。
この日本代表のメンバーは、ヘッドコーチも含めまして、さまざまな国の出身者からそのメンバーが構成されています。その彼らが桜のジャージのもとで、さまざまな思いを抱えながら、日本の代表のチームとして勝利をするんだという、この一つの目標に向かいまして、長い年月、ワンチームを掲げて力を合わせてきたことが、選手たちの戦い後のインタビュー等から、随所からうかがえるわけであります。
改めて考えさせられたのは、ラグビーというスポーツ、これは小池知事が三つのシティーとして掲げている一つでありますダイバーシティーの考え方を、非常に体現しているスポーツだということであります。このことは、多様性が尊重され、温かく優しさにあふれる社会、すなわち真に人権が尊重される社会をつくるに当たって、大きなヒントになると考えます。
そこで、人権施策について何点か質問をいたします。
今、社会の関心が非常に高まっているラグビー、多様性を尊重するダイバーシティーを体現しているラグビーのような身近なことを取り上げるなどの工夫をいたしまして、人権尊重の理念を都民に伝えていくことは大変効果的であると考えます。見解を伺います。
○堀越人権部長 人権啓発の実施に当たりましては、多くの方に関心を持っていただけるよう、身近でタイムリーな題材を取り上げることが効果的であると考えております。スポーツもそうした題材の一つであり、都はこれまでも、スポーツを扱った取り組みを実施しております。
ご質問にありましたラグビーにつきましては、前回のラグビーワールドカップ直後に、人権啓発イベントにおきまして、南アフリカ代表チームが人種差別を乗り越えていく様子を描いた映画「インビクタス 負けざる者たち」を上映いたしました。
また、東京都人権プラザにおいて、パラリンピック競技用の車椅子などの展示や、ボッチャ等のパラリンピックスポーツの体験を行っているほか、今後は、オリンピック・パラリンピックと人権シンポジウムも開催する予定でございます。
○斉藤委員 効果的に、さまざま人権啓発をしていただくのは非常に重要であると考えます。
この平成三十年度におきましては、都は、ヒューマンライツ・フェスタ東京二〇一八という大規模な人権啓発イベントを実施しておりますけれども、そのイベントを通じての成果と課題について、続いて伺いたいと思います。
○堀越人権部長 昨年度のヒューマンライツ・フェスタ東京は、オリンピック・パラリンピックと人権をメーンテーマに、東京国際フォーラム等において三日間にわたり実施いたしました。
この大規模啓発イベントでは、学生による多文化共生プレゼンコンテストの実施、車椅子バスケットボールやボルダリングの体験コーナーなど、幅広い人権課題についてさまざまな啓発を行い、三日間で約一万四千名の参加がありました。来場者アンケートによると、人権に関する意識が変わったという声が多く、来場者数も年々増加しております。
より多くの方々が参加しやすく、人権について身近に考えていただく契機としていただくことが重要であり、今年度のヒューマンライツ・フェスタ東京では、東京二〇二〇大会開催が来年に迫る機会を捉え、オリンピアン、パラリンピアンによる発信をふやすなど、さらに内容を工夫し、充実させてまいります。
○斉藤委員 内容は多種多様な、すばらしい内容が盛りだくさんということであったようでございます。
しかし、こういうすばらしい取り組みを企画されても、実際、都民の方がそこに足を運んでいただく、都民につながっていくパブリックリレーションズが大事だと思います。
昨年度の都の人権施策における大きなトピックスといたしまして、先ほども副委員長からもお話ありましたが、平成三十年十月に、東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例、いわゆる人権尊重条例を都は制定しているわけであります。
この人権尊重条例の制定そのものに、人権啓発のPR効果が期待されますけれども、その制定を契機に始めた、具体的な都の取り組みについてお伺いしたいと思います。
○堀越人権部長 人権尊重条例の趣旨を広く都民に周知するため、昨年十二月発行の「広報東京都」において、条例制定を機に多様性を尊重する都市を目指していくという知事のメッセージを掲載いたしました。
また、条例について説明したパネルを作成し、東京都人権プラザやヒューマンライツ・フェスタ等のイベントにおいて展示しています。
さらに、啓発イベントにおいて、性自認及び性的指向を取り上げた映画上映や講演を実施するほか、昨年度作成した人権啓発映像では、多様な性のあり方及びいわゆるヘイトスピーチの解消をテーマとして取り上げるなど、条例制定後のさまざまな取り組みにおいて、条例の周知に努めております。
○斉藤委員 この条例の制定過程におきまして、さまざまな人権課題に取り組んでいる方々から、私も要望等をたくさん受けました。
十七の人権課題について、先進的に早く東京都は取り組んでいたわけですけれども、この条例を新たにつくることを契機として、自分たちのことはいいのかと、もう済んだと思っているのかと、新しい角度だけじゃなくてという、伝統的な人権課題についてのご要望も多数寄せられましたが、とにもかくにも、こうやって東京都が人権尊重条例を制定すること自体が、人権問題について関心を持っていただく大事なPRの機会をつくっていることは間違いございません。今ご答弁ありましたさまざまな角度から、さらに都民の理解を深めていくべきだろうと思います。
そして、先ほども話題に出ました東京都の人権プラザでございます。東京都の人権プラザの啓発について伺いたいと思うわけでありますが、都の人権啓発の拠点として位置づけられている東京都人権プラザは、啓発の事業のさらなる拡充や、より幅広い都民の方々の利用促進を目指して、台東区から港区に移転をされまして、平成二十九年二月にリニューアルオープンをしております。
私も、リニューアルオープン後、平昌オリンピックの後に訪問させていただきまして、その展示内容、また、体験できるコーナーも実感させていただきましたけれども、大変工夫されている施設になっていると思いました。
移転して二年余りが経過しておりますけれども、これまでの利用状況から読み取れるその成果と課題について伺いたいと思います。
○堀越人権部長 東京都人権プラザは、平成二十九年二月の移転開館に伴い、次世代を担う子供、若者など幅広い層を対象に、一層わかりやすく利用しやすい施設として整備を行うとともに、都民向けの公開講座の回数をふやすなど、事業の充実強化を図ってきております。
その結果、展示室と図書資料室の利用者は、移転前の平成二十七年度、七千百二十八名と比較して、移転後の平成二十九年度は八千二百四十五名、平成三十年度は九千五百七十六名と、着実に増加しておりますが、さらに利用者をふやし、人権尊重の重要性の理解を深めていただくことが課題でございます。
○斉藤委員 着実にその利用者、展示室と図書資料室の利用者ということでございますけれども、七千百二十八名だったのが、三十年度には九千五百七十六名と、着実に増加していることが数字から読み取れるわけでございます。
この人権プラザにより多くの方々に来場してもらうため、プラザのPRをさらに効果的に行うことが必要であると思います。これまでの取り組み状況を伺いたいと思います。
○堀越人権部長 人権啓発センターでは、移転開館を契機として、人権プラザの事業をわかりやすく紹介するため、ホームページの見直しを行うとともに、人権啓発イベントにおいて、施設案内リーフレットを配布いたしました。また、都と区市町村との連絡会議等において、人権プラザの事業紹介を行ってきたところでございます。
加えて、平成三十年度には、芝公園駅など最寄り三駅に広告を掲出いたしました。
今後も引き続き、さまざまな機会を捉えて、人権プラザのPRに努めてまいります。
○斉藤委員 質問は以上でございます。
最後に、感想というか要望になりますけれども、私がなぜラグビーの問題を最初に取り上げたかといいますと、キャプテンのリーチ・マイケル主将自身が、私たちの今回のチームを見て国民の方はどう見られるか、最初の質問は、どうして日本人じゃないのに日本代表のジャージを着て戦っているんだという、そういう違和感にも似たようなものかもしれないと、しかしそれはそうじゃないんですと、私たちのチームは、今の日本の社会そのものの一つの実相といいますか、日本社会そのものが私たちのチームではないでしょうかと、そういうことをリーチ・マイケル氏が語っているのを見て、なるほどなと、そのような質問が最初多かったかもしれないけれども、試合が進むにわたって勝ち続けることについて、都民の方々、国民の方々はどう、そういうチームをごらんになっているかということについて関心が強くございましたので、取り上げさせていただきました。
私は、都議会公明党内に設置されたSDGs推進委員会の事務局長として、この三つのシティーをSDGsの視点で捉え返して、世界を牽引する都市となるよう、繰り返し主張させていただいてまいりました。会派として主張もしてまいりました。
現在策定中の新長期ビジョンは、そのような視点を含めて策定されるものと仄聞しております。誰ひとり取り残さないというスローガンは、まさに総務局人権部の指針そのものでございます。
ぜひ都も、人権プラザの展示に、先ほどもご答弁の中にありましたけれども、このSDGsの視点から、人権の問題を展示していただくことも提案をいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○菅野委員 私からも、まず災害対応に関する質問からさせていただきたいと思います。
さきの台風十五号、そして十九号、また台風二十一号の影響による先日の大雨によって、都内のみならずかなり広い範囲で、東北地方から中部地方まで、広い範囲で甚大な被害を受けたということで、被災された皆様方には心からお見舞いを申し上げたいと思います。
そして、被害の全容もいまだ明らかにはならない状況であります。そして、まさに今、懸命な生活の復旧に向けて努力をされている、皆様方もこうして全員が防災服で対応されているという状況の中でありますが、一日も早い復旧、復興を願っております。
その上で、今回のこうした自然災害、台風を中心とした災害によって、ようやく復興の兆しが、復興の目標達成が間もなくといわれていた東北地方においても、東日本大震災で被災された、そうした地域においても、再び大きな自然災害に見舞われてしまったわけであります。
今回、我々--今行われているラグビーのワールドカップがそうです、釜石で試合が行われたのも、まさに復興のシンボルとして、釜石の復興を世界に発信しようというようなことで試合を行ったわけですし、これから来年、二〇二〇年の大会を目指している我々も、まさに復興五輪としての大きな役割があって、そうしたところが、まさに道が見えてきた、兆しが見えてきたやさきの避難生活というような、大変悲しい結果に今、なっているところであります。
そこで、きょうは、そうした被災地支援の取り組みについて伺っていきたいと思います。
特に、東日本大震災における被災地の復興支援について、きょうは決算の審議でありますので、伺っていきたいなと思っています。
このテーマについては、震災発生以降、議会でも幾度となく取り上げてきましたが、決算特別委員会の場で、事業費をベースにした質疑は余り行われていなかったように思います。そこで、今回は事業費の観点からお尋ねします。
決算資料によりますと、被災地の復興を担う復興支援対策部の三十年度の決算額は、総額で約八千九百万円となっています。総務局の決算規模からすると決して大きな額ではありませんが、被災地への職員派遣や各種イベント、都内避難者への支援など、多岐にわたる非常に大きな取り組みであります。ただ、決算資料からは、具体的な取り組みとその事業費が見えにくいと思います。
そこでまず、復興支援対策部の決算額八千九百万円の内訳を、主な事業ごとにお示しいただきたいと思います。
○伊東復興支援対策部長復興支援調整担当部長被災地支援福島県事務所長兼務 平成三十年度の復興支援対策部における事業費決算の内訳は、風化防止や風評被害の払拭などを目的とした動画作成やイベント開催などの取り組みに約三千万円、被災地との連絡調整や都から被災地に派遣されている職員の支援などを目的に福島県及び宮城県に設置している現地事務所の運営に約二千二百万円、相談拠点の運営など被災地から都内に避難されている方々の支援に約千五百万円となっております。
○菅野委員 今いただいたご答弁からも、部事業全体の全体像を把握できましたが、同時に、事業費で見ると、現在の復興支援の中心が動画作成やイベントの開催にあるともいえるのではないかという印象も持ちました。
動画作成やイベントの開催は、小池知事になってから特に、あらゆる局で予算をかけているようにも感じています。都庁の各局各部、至るところでそうしたことが行われていて、そのため、現在の都政のトレンドともいうべき手法であるかのように見受けられますが、私はその効果について少し問題意識を持っています。
そこで、少し掘り下げてお尋ねしたいと思います。
まず、平成三十年度に復興支援対策部が取り組んだ動画作成やイベントについて、具体的な内容と事業費について伺いたいと思います。
○伊東復興支援対策部長復興支援調整担当部長被災地支援福島県事務所長兼務 平成三十年度は、風化防止や風評被害の払拭などの観点から、三つの事業に取り組んでまいりました。
初めに、海外に居住する外国人に対し、復興に取り組む被災地の人々の姿を発信する動画を、岩手編、宮城編、福島編、それぞれ複数言語で作成しており、その事業費は約一千六百万円でございます。
次に、青森、岩手、宮城、福島の四県と都の共催で、被災地の今を伝え、震災の風化防止と支援の継続を呼びかけるイベント、復興応援・復興フォーラムを開催しており、その事業費は約千二百万円でございます。
また、福島県産品と観光に対する風評被害の払拭を目的とする福島産直市を初めとするふくしま東京キャンペーンを展開しており、その事業費は約百八十万円でございます。
○菅野委員 今ご説明いただいた三つの事業のうち、海外向け動画の作成、そして復興応援・復興フォーラムが大変大きな予算を使っている、その中の予算の割合が大きいと思います。この動画とイベントだけで、部の総事業費の約三割を占めています。果たして効果がどれぐらい出たのか、ここでしっかり確認したいと思います。
それでは、海外向け動画や風化防止のイベントはどのような効果があったのでしょうか。伺いたいと思います。
○伊東復興支援対策部長復興支援調整担当部長被災地支援福島県事務所長兼務 海外向け動画は、昨年十二月の公開以来、十月二十三日現在で、三県分合わせて五十万回を超える視聴回数を記録しており、動画を通じて、世界中の多くの方々に被災地の今を知っていただいたと考えております。
また、復興応援・復興フォーラムは、四千五百人の方々にご来場いただき、被災地の今に直接触れていただけたことに加え、イベントの企画や準備などを通じ、共催した東北四県との連携体制も一層強まったと考えております。
○菅野委員 こうした被災地の支援、復興支援という取り組みの大きな意義というか、目的の中には、本来、風化防止、そして風評払拭に向けた事業の効果というものが求められると思います。
そこで、動画を見た方、そしてそうしたイベントに参加した方が実際に起こした具体的な行動や、被災地の実体経済に与えた影響などで、そうした効果というのは本来はかられるべきじゃないかなと私は思います。ある意味、その回数、視聴回数というのはその前提にすぎない。動画の視聴回数やイベントの参加人数を物差しにすることだけでは、いささか疑問を感じています。
ただ、そうはいっても、五十万人もの人が動画を視聴している、そうした事実、そしてイベントを通じて強めた被災地の皆さんとのきずなというのは、これは一定の評価に値するのではないかと考えます。
また、事業費は小さいですけれども、福島県産品を直接販売する産直市、また、福島に直接お金を落とす意義のある、そうしたイベントというのは大切だと思います。
いずれにしろ、支援のあり方について、事業効果の把握の方法を含めて、ぜひ今後とも不断の検証、そして見直しを行いながら、引き続き被災地の支援、被災地を支えていただく、そうした取り組みを続けてほしいと要望いたします。
ところで、国が定めた東日本大震災の復興・創生期間が来年度で終了いたします。また、都としては、来年度に復興五輪、さっき私が申し上げた復興五輪を控えています。来年度は、被災地の復興にとっても、それを支援する東京都にとっても、大きな節目の一年になるといってもいいと思います。
しかし、その後、都の支援が急速に下火になるということを非常に心配しています。都においては、計画上の年度などに過度にとらわれることなく、復興の進捗や被災地のニーズを踏まえて、特に今回のようなことがあると、被災地もさらにさらに復興に時間がかかる、また再び大変なことになっているということにもなりますので、ぜひそうした復興進捗、被災地のニーズを踏まえて、支援のあり方をしっかりと検討してほしいと思います。このことを強く要望して、次の質問に移ります。
次に、首都直下地震などにおける帰宅困難者対策に関して伺いたいと思います。
東京都の被害想定では、首都直下地震が発生した際には、約五百十七万人に及ぶ帰宅困難者が発生するとしていますが、そのうち九十二万人が、会社や学校などの居場所がない、すなわち行き場のない帰宅困難者としています。このことが大きな問題であると思います。
この九十二万人の行き場のない帰宅困難者については、一時滞在施設の確保を進めていると聞いておりますけれども、確保数は決して充足していないと認識しています。
こうした状況の中で、九十二万人にも及ぶ行き場のない方を想定以上に増加させないためには、勤めている会社であるとか、学校であるとかにとどまっていただく、そして一斉帰宅の抑制をしてもらう、そうした取り組みが大変重要と考えます。
そこで、平成三十年度の、都の一斉帰宅の抑制についての取り組みと今後の対策をお聞かせいただきたいと思います。
○榎園防災対策担当部長 都はこれまで、東京都帰宅困難者対策条例を制定し、一斉帰宅の抑制などの対策を推進してまいりました。
平成三十年度は、従業員の一斉帰宅の抑制に積極的に取り組む企業等を認定する制度を創設し、初めて四十九社を認定いたしました。また、経営者向けに、従業員が帰宅困難となった際にとるべき行動や、一斉帰宅抑制の重要性を解説する動画を作成いたしました。
さらに、今年度は、認定企業のすぐれた取り組みをまとめた事例集を作成し、イベント等で配布を始めました。
今後は、これらのツールを活用しながら、企業等で構成される駅前滞留者対策協議会や都主催の帰宅困難者対策フォーラムなど、さまざまな場を通じ、広く企業や都民に対し、一斉帰宅抑制の普及啓発を図り、協力企業の拡大に向け、取り組んでまいります。
○菅野委員 今お話しいただいたように、一斉帰宅の抑制の取り組みというのは、企業そして都民の理解と協力が不可欠であります。ですから、さまざまな機会を通じて協力を仰いでいかなければならないと思います。
特に、企業でいえば中小企業や零細企業はなかなか、まだまだそうした認識が周知徹底していないようにも思います。まだ、今だったら帰れるんじゃないかとか、例えば、地震がおさまったから家に帰った方がいいんじゃないかとかというようなことで、会社から出してしまうというか、帰してしまうというようなことで、実際に駅に着いたら鉄道は動いていない、途中の道路は崩壊をしていて、どこに行ったらいいんだろうというようなケースというのは、やはり考えられます。
今回はケースは違いますが、今回の台風のような場合でも、あれだけ来るぞ来るぞと、危険だ危険だといわれていながらも、まだそういった対応をしている方も見受けられました。ちょっとそれは違いますけれども、そういったことがあります。
ですから、ぜひ従業員の方に、そして学生さんとかにもちゃんとご自分がいるところに安心してとどまれるように、備蓄や環境整備などの対応とあわせて、そうした認識をしっかりと植えつけてもらう、そうしたことの取り組みを進めていただきたいと思います。
九十二万人というのは大きな数ですし、まだその部分が非常に難しいところでありますけれども、ぜひ、企業等の自助として一斉帰宅の抑制に取り組んでいただけるよう、都はこのことに継続的かつしっかりと取り組んでいただきたいと思います。これは要望して、次の質問に移ります。
次に、島しょ地域のブランド化についてお聞きします。
都は、島しょの魅力再発見として、ブランド化に向けた取り組みとして、東京宝島事業に取り組んできました。
都はこれまでも、ほかにも島しょ振興や活性化に向けたさまざまな事業を進めてきたと思いますが、このブランド化を目指した事業について、平成三十年度はどう取り組んできたのか伺いたいと思います。
○石橋多摩島しょ振興担当部長大島災害復興対策担当部長事業調整担当部長兼務 東京宝島事業は、これまでの手法から脱却した新たな発想の選択と集中による取り組みが必要との、民間の専門家の方からの提言に基づき、島しょ地域のブランド化を目指す事業であり、平成三十年度から開始したものでございます。
ブランド化に当たっては、現地の理解と主体性が重要となることから、まず、取り組みの基礎となる島の個性を掘り起こし、切磋琢磨する仕組みづくりとして、現地の意欲ある事業者で構成する島会議を、大島、神津島、三宅島、八丈島の四島で開催いたしました。専門家の支援を受けながら、島民の方々が主体となって、島のすばらしい景観、特産品、文化などの個性の磨き上げと、将来を見据えた活発な議論が行われました。
また、特産品のブランド化に向けたモデル事業として、利島のツバキ油、青ヶ島の焼酎を選択し、新商品の開発、販路開拓に向け支援を開始いたしました。
こうした取り組みに加え、イベントの開催等により、各島の取り組みや魅力の発信と、今後のビジネスマッチングのきっかけづくりを行うなど、島しょ地域の認知拡大に向けた取り組みを実施いたしました。
○菅野委員 民間の専門家の提言に基づいて、さまざまな取り組みを行ったということはわかりました。
しかし、こういったものはそうなんですが、どんな取り組みを行っても、実際に肌で感じるような成果が出なければ、単にその事業を受託した業者の利益になるだけであります。
利島のツバキ油、それから青ヶ島の焼酎はいいんですが、それももちろんそうですが、別にこの事業をやる前から非常に人気商品でもあります。有名な商品であります。ブランド化には、そういった意味では、もちろん話はいろいろ聞いたんでしょうけれども、島の方々の意見を今以上にしっかりと聞きながら、事業に取り組む必要があると感じています。
そこで、平成三十年度の取り組みを踏まえて、今後どのように東京宝島事業に取り組んでいくのか伺います。
○石橋多摩島しょ振興担当部長大島災害復興対策担当部長事業調整担当部長兼務 ブランド化の実現には、現地を主体とした継続的な取り組みが必要でございます。
今年度は、昨年度の四島に続き、残る七島でも島会議を開催し、島の事業者によるブランド化に向けた議論を支援するとともに、昨年度島会議を実施した四島においても、各島の実情や要望に応じ、引き続き現地の主体的な取り組みを後押しいたします。
また、島しょの特産品のブランド化に向けたモデル事業に継続して取り組むとともに、イベントや各種媒体等を活用した島の魅力発信を行ってまいります。
島しょ地域の町村を初めとする地元関係者との連携を図りながら、島しょ地域のブランド化に向けた取り組みを継続的に進め、魅力と活力にあふれた東京の島々の実現につなげてまいります。
○菅野委員 私、この事業を別に批判しているわけでも何でもありません。大変いい宣伝もされているし、東京宝島という発想もいいと思います。
ただ、この事業は知事査定で、それまでは計画に特になかったものが、知事査定で急遽採用されたというふうに伺っています。
先ほど冒頭に申し上げたように、これまでも都は、島しょ支援、島しょの活性化、島しょの振興、さまざまな形で、こういった商品のPRだとかも含めて行ってきているわけであります。そこに、今度新たに東京宝島という名称、それからブランド化という印象、こうした話題づくりは確かに成功したと思いますが、であるがゆえに、それに終わって、簡単にいうと、せっかくいい事業をやるのであれば中途半端に事業を終わらせることのないように、そして何といっても島の方々が成果を実感できるように、継続してしっかりと取り組んでいただきたい、そのことを要望して、質問を終わりたいと思います。
以上です。
○池川委員 台風十五号、十九号及び二十一号で被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。
まだ厳しい環境にいる被災者の皆様方に対して今、基礎自治体の方では全力で支援に当たられています。また、都としても、総務局を初め関係各機関が救援と復旧に力を尽くしていただいていることに、まず初めに感謝と敬意を申し上げたいと思います。
共産党都議団としても、区市町村議会議員などと連携し、現地調査を行い、その都度、都に対して申し入れを行ってまいりました。今後とも一つ一つ、現場の声を都政につないでいきたいと思います。都としても、生活再建、なりわいをしっかりと再建できるように、中長期的な支援を行うよう、まず冒頭に申し上げておきたいと思います。
災害は忘れたころにやってくるという言葉がありますが、近年は、忘れる間もなくやってくるといっても過言ではありません。地震や風水害などさまざまな災害に備え、都として対応力をつけていくことが求められています。
災害時の備蓄などを行うための基金として、東京都災害救助基金というものがあります。災害救助基金は災害救助法に基づいてつけられています。この基金には積立最少額が定められており、その計算方法は、当該年度の前年度の前三カ年分における地方税法に定める普通税収入額の決算額の平均年額の千分の五程度でやるとされており、決算年度の法定必要額は百四十億七千七百万円ほどとなっております。
そこで、まずお伺いをいたしますが、東京都災害救助基金の役割及び決算年度における基金の積立状況についてお伺いをいたします。
○有金総合防災部長 東京都災害救助基金は、食品や生活必需品の給与に係る費用など、災害救助法に定める救助に要する費用を都が支弁する際の財源に充てるために積み立てるものでございます。
平成三十年度末におけます基金の残高は、百八十一億八千七百二十四万余円でございます。
○池川委員 約百八十二億円の基金残高だということであります。
これには、現金など定期預金、公社債などで約百二十三億六千万円、そして災害時に必要な備蓄などの給与品で約五十八億二千万円だと、これは地域防災計画等にも記載をされています。
この基金に基づいて、避難所の部分は福祉保健局が、また、一時滞在施設の部分は総務局が所管をされています。きょうは総務局の質疑ですので、一時滞在施設の状況についてお伺いをいたしたいと思います。
この災害救助基金に基づいて、都立一時滞在施設における備蓄品はどのような考え方で配備をされ、更新をされているのでしょうか。お伺いをいたします。
○榎園防災対策担当部長 都立一時滞在施設には、救助救出活動が優先される発災後三日間、行き場のない帰宅困難者の滞在に必要な人数分の水、食料等の備蓄品を配備しています。賞味期限がある水、食料につきましては、期限が到来する前に新たな備蓄品を購入し、更新してございます。
○池川委員 地域防災計画の給与品の項目を見ると、備蓄としてクラッカーやパン、水などの食品、また、毛布や簡易トイレなどの生活必需品等を確保しているということであります。
賞味期限がある水や食料等については、期限が到達する前に新たな備蓄品を購入し、更新をしているということでありますが、フードロスなどの観点から、廃棄処分となる前に有効活用することが求められていると考えます。
昨年度、都立一時滞在施設の備蓄品の購入がどの程度であったのか、また、期限切れの備蓄品の処分の状況はどのようになっているのかお伺いをいたします。
○榎園防災対策担当部長 平成三十年度は約七千二百万円分の水、食料等の備蓄品を購入し、新たに指定した十七施設などの都立一時滞在施設に配備いたしました。
処分につきましては、昨年度は期限切れとなる備蓄品がなかったため行ってございません。
なお、都立一時滞在施設の備蓄品更新時の処分につきましては、総合防災訓練や各種イベントでの配布などにより、防災意識の普及啓発につなげるなど、食品ロス対策も考慮しつつ、有効に活用してございます。
○池川委員 昨年度は新たに十七施設を指定した関係で、新たな購入をしたということでありますが、実際に更新をされたものはなかったということであります。
昨年度はたまたまそうした時期だったと思いますが、この一時滞在施設における備蓄品の活用等については、ぜひ廃棄をゼロにしていただくよう、有効活用を求めておきたいと思います。
また、基金については、着実に積み立てを行い、給与品についても計画的な更新を行うよう、改めて求めておきます。
次に、災害時の情報提供についてお伺いをしたいと思います。
災害時の情報共有、情報提供は、事前の取り組みからどういう準備が行われているのか、きちんと検証していくことが大事だと思います。正確な情報を迅速かつ確実に届けていくことが求められています。
二〇一七年四月に、東日本大震災などの被災自治体の首長らが集まった、災害時にトップがなすべきこと協働策定会議が策定した被災地からおくるメッセージ、災害時にトップがなすべきことの前文には、次のような一説があります。
我が国は災害列島と呼ばれ、毎年のようにどこかで大災害が発生している、しかし、多くの場合、当該都道府県ではたまに、当該市区町村ではごくまれに被災を経験するというのが実態である、いわんや、四年任期の首長にとっては、ほとんどの場合、職務上初めての経験である、市区町村長は、多くの場合、災害に関する危機管理の訓練を受けておらず、しかも、我が国には災害の危機管理に関して市区町村長を体系的に訓練する仕組みは整っていないと、こういう一説であります。
その続きには、それでもなお、危機管理における意思決定は現場に最も近い市区町村長がその責任を負うほかはないというのが私たちの信念であるというふうにも述べられています。
災害時の対応は、住民に最も近い基礎自治体である区市町村が行うわけでありますが、こうした区市町村を支援していくことは、広域自治体である東京都の重要な役割であると思います。
災害以前の平時、実際に災害が襲いかかってきたその瞬間、そして救援、復旧、復興の各フェーズがありますが、この全体を通して、判断するにふさわしい情報を共有していく必要があると思います。
災害時における情報提供について、都の役割はどのようになっているのかお伺いをいたします。
○有金総合防災部長 災害発生時には、東京都は、区市町村から人的被害や建物被害などの被害状況の収集を行いまして、都内の被害状況の把握を速やかに行います。その上で区市町村への支援を行う、そういった役割を担っているところでございます。
支援を実施するに当たりましては、収集した情報をもとに、警視庁や東京消防庁、自衛隊などの関係機関と連携をしながら、救出救助活動や物資の提供などの応急対策を行う役割を担っております。
また、必要に応じまして国や他県への応援要請を行いまして、広域的な支援体制のもと、迅速かつ的確に区市町村の支援を行っていく、そのような役割を担っているところでございます。
○池川委員 被害状況を把握し、速やかな支援を行うこと、広域的な支援体制のもと、迅速かつ的確に区市町村を支援していくことが役割だということです。
区市町村長が判断できるための情報提供をしっかりと行っていくこと、また、さまざまな災害対応を行い、各被災地への派遣を行って、ノウハウを蓄積している東京都が、日常的に区市町村と連携を図ることが大切だと思います。
例えば風水害の場合、東京都の河川の水位がどの程度かという一次情報を区市町村とリアルタイムで共有することが、避難を判断する上で重要となってまいります。また、都道の交通状況などは、当然、東京都が一次情報を出していくことになるわけです。
こうして都が把握した災害情報を区市町村と共有するために、都としてはどのような仕組みを構築しているのでしょうか。
○有金総合防災部長 災害時にも確実に連絡がとれますよう、区市町村との間には防災行政無線、こちらを整備しております。
また、防災行政無線の通信網を使用いたします東京都災害情報システム、これを区市町村に配備いたしまして、的確な情報収集が行える体制を構築しております。この東京都災害情報システムは、被害情報のみならず、気象情報、避難所開設状況等、災害時に必要となる情報を都と区市町村で共有できるものとなっております。
また、システムによる情報共有に加えまして、都の職員を区市町村に情報連絡員として派遣することで、区市町村の被害状況や支援ニーズを速やかに把握し、迅速な応急対策の推進を図ることとしております。
○池川委員 東京都災害情報システムを通じて、的確な情報収集を行える体制を構築しているということであります。
実際に東京都が把握した情報を、区市町村等のホームページで周知をすることが求められていると思います。例えば、さきの台風十九号の例を出すならば、都道の通行どめについては、区市町村のホームページで周知が十分だったということも見受けられました。
多くの場合、市民の方は、自分が居住をする区市町村の情報を、まず一時的に得ようとするという傾向にあると思います。区市町村の災害対策本部等がこの情報をきちんと把握をし、そのことに基づいて判断をすることはとても重要ですが、そのことが結果として居住している市民の皆さんに伝わらなければ、やっぱり意味がないというふうに思うんです。
そういう意味で、都がつかんだ一次情報が各区市町村のホームページなどでリアルタイムに共有をされる等の仕組みが必要だと思いますが、その点について、その必要性をどのように認識しているのかお伺いをいたします。
○有金総合防災部長 都におきましては、先ほど申し上げたようなさまざまな収集した情報につきましては、東京都の防災ホームページ、またツイッター、そういったところで的確に発信をしているところでございます。
そのような情報を区市町村の方に流しておるんですけれども、そちらが区市町村のそれぞれのホームページ、ツイッター等で速やかに情報提供されていないということがあるのであれば、そういったところについては、区市町村においても速やかに情報提供できるように、我々の方からも注意喚起、それはしていきたいと思っております。
○池川委員 こうした点については、ぜひ、常に検証を図っていただきたいと思います。
有金総合防災部長は町田市で副市長も務められていて、私も市議会の時代にさまざま議論させていただいたことがあります。そういう意味で、区市町村の状況については本当に把握していただいているというふうに思いますので、ぜひ、情報提供等を行っていただきたいというふうに思います。
東京都市長会は、東京都への予算要望の中で、災害時においては、住民や市町村が入手できる情報には限度がある、都はホームページやツイッターなどによる災害情報の周知を行っているが、これらを検証し、より住民に届きやすい実効性のある情報提供体制へと強化を図られたい、また、災害情報システムやLアラートを初め、都が保有、発信している情報を市町村と共有できるよう、体制のさらなる充実を図られたいというふうに要望もされているところであります。この指摘は、大変私は重要だというふうに思っています。
都として、基本的なシステムをさらに充実させていくことと一体に、都が把握した住民に必要な一次情報について、リアルタイムで区市町村のホームページ等に掲載するなどの取り組みを通じて、区市町村とさらなる連携強化を図り、住民の皆さんに必要な情報が提供されるよう、改めて求めておきたいというふうに思います。
次に、市町村総合交付金について質問いたします。
共産党都議団は、市町村総合交付金の増額を初め、市町村の住民福祉の向上に向けて、都として役割を発揮することを求めてまいりました。
そこでまず、市町村総合交付金を含め、市町村の行政水準や住民福祉の向上に対する東京都の役割はどのようなものかお伺いをいたします。
○佐藤行政部長 市町村の行政水準や住民福祉の向上に当たりましては、一義的には、政策の実施主体となる市町村が、それぞれの地域の実情に応じまして、みずからの判断と責任におきまして、住民に身近な行政サービスを提供することが重要であると考えております。
都としては、こうした取り組みに対しまして、広域自治体として市町村総合交付金などによりまして、市町村に対しさまざまな支援を行ってきたところでございます。
○池川委員 市町村総合交付金などでさまざまな支援を行ってきたということであります。
それでは、その市町村総合交付金が、総合的財政補完として市町村にとって重要だと考えますが、都はどのように認識をされているでしょうか。
○佐藤行政部長 市町村が存在しております多摩・島しょ地域は、インフラの整備やその更新、防災対策、産業の振興など、それぞれ地域ごとに課題を抱えております。このため、こうした課題の解決に取り組み、地域の持続的発展につなげていくことが重要でございます。
市町村総合交付金は、地域の発展に向け、市町村が取り組む各種施策に要する一般財源の補完制度として、市町村の自主性、自立性の向上に資するとともに、地域の振興を図りまして、市町村の行政水準の向上と住民福祉の増進に寄与しているところでございます。
○池川委員 今の答弁にあったとおり、一般財源の補完制度として、市町村の行政水準の向上と住民福祉の増進に寄与しているという、この認識はとても大事だというふうに思います。
私は市議会議員をしていましたが、この市町村総合交付金というのは本当に重要でして、一つ一つの施策を進める上で重要な役割を果たしていました。
最大の特徴は、一般財源の総合的財政補完というところにあると思います。各自治体の知恵を発揮した取り組みは重要ですが、率直にいって、二十三区と比較しても、多摩や島しょ地域は財政的に厳しいことは明らかです。
東京都町村会は予算要望の中で、市町村総合交付金は、町村の行政水準を維持し、年々厳しさを増している町村財政を補完する上で極めて重要であるため、交付金の継続的な増額を要望すると求めていますが、この市町村総合交付金は、こうした総合的な財政補完制度として極めて重要です。
この交付金の増額については、市町村からも繰り返し要望が出されておりますが、決算当該年度は、市町村総合交付金を五十億円増額し、五百五十億円とされました。その狙いがどのようなものであったのか、また、実績についてもあわせてお示しをいただきたいと思います。
○佐藤行政部長 市町村総合交付金の平成三十年度予算につきましては、各市町村の課題解決に向けた自立的、主体的な取り組みを後押しし、多摩・島しょ地域のさらなる振興を図っていくため、平成二十九年度予算から五十億円増額した五百五十億円となりました。
そのうち二十億円につきましては、都と市町村とが連携して取り組む待機児童対策、電気自動車の導入、消防団活動の充実といった課題につきまして、市町村の取り組みを支援する政策連携枠として設定したところでございます。
実績といたしましては、平成三十年度の市町村総合交付金につきまして、平成三十一年二月、三十九の市町村に五百五十億円全額の交付を行っております。
○池川委員 多摩・島しょ地域のさらなる振興のために、五十億円を増額したということであります。
うち二十億円は、今ご説明をいただいたとおりに、政策連携枠というものを新しくこの決算年度から導入をいたしました。この政策連携枠については、三年間まず行うというふうに聞いておりますが、共産党都議団としては、この政策連携枠について市町村の意見を十分聞くこと、また、政策連携枠という考え方、方法についても十分な検証をしていくことが必要だということを予算審査の際に求めました。
この政策連携枠について導入をされましたが、現時点で局としてどのように認識をしているのでしょうか。また、市町村からどのような意見が出ているかも、あわせてお伺いをいたしたいと思います。
○佐藤行政部長 政策連携枠につきましては、市町村との意見交換を重ねながら、具体の支援内容を定めたものでございます。
初年度である平成三十年度は、全ての市町村に政策連携枠に係る交付をしておりまして、有効に活用されたものと考えております。
なお、市町村からは、導入時の意見交換の中で、重点的かつ計画的に取り組む必要があるので、単年度の取り組みではなく、一定期間継続してほしいというご意見をいただいているところでございます。
○池川委員 実際に政策連携枠が導入をされ、各自治体からはさまざまな声を私自身もいただいております。実際に市町村からどのような意見が今後上がってくるのかについては、きちんと受けとめ、検証していただきたいということを求めておきます。
東京都市長会は、市町村総合交付金について、長期安定的な財源確保に向けて、総合的財政補完のための予算のさらなる増額を図られたいと要望しています。この長期安定的な財源確保というところが重要な視点だと思います。そういう意味で、市町村総合交付金の基本的性格は総合的財政補完です。市町村と意見交換を行い、ぜひ検証をしていただきたいと思います。
また、今回の台風十九号被害でも、被害に遭った各自治体から、市町村総合交付金の増額や活用についてご意見をお伺いしています。その点からも、多摩・島しょ地域の財政補完として重要な役割を果たしている市町村総合交付金についてさらなる増額を求めて、質問を終わりたいと思います。
○米川委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後三時八分休憩
午後三時二十五分開議
○米川委員長 休憩前に引き続き分科会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○森澤委員 台風や大雨による水害が続いておりまして、防災服を着てのご対応に本当に敬意を表する次第でございます。
首都直下地震もいつ起こるかわからない状況といわれています。災害が起こった際、東京が他の地域よりも、より早く日常を取り戻すことが、首都東京の役割として不可欠です。
そういった中で、都市としてのレジリエンス、つまり強靱さのみならず回復力を高める取り組みは非常に重要です。さらには、これまで広域行政として求められてきた基礎自治体間もしくは国との調整機能のみならず、先般の台風十九号においても事前に職員を派遣されていますが、能動的な調整役としてのリーダーシップを発揮することが求められていると考えます。
中でも、広域行政として果たすべき役割の一つが、物資の調達であり、輸送です。平成三十年度の地域防災拠点の整備には六億四千百六十三万八百二十二円、そしてその中で、多摩広域防災倉庫の改修費として四億八千二百万円の決算となっておりますが、多摩広域防災倉庫はどのような役割を担うのかお伺いをいたします。
○古賀防災計画担当部長 多摩広域防災倉庫は、都や多摩地域の自治体等の備蓄物資の保管場所であるとともに、防災訓練や普及啓発活動等の実施など、災害対応を担うさまざまな主体の活動を支える広域的な防災拠点でございます。
首都直下地震等の大規模災害発生時には、最大約二百二十万人に及ぶ避難生活者の生活支援物資として、都や多摩地域の自治体の備蓄物資の払い出しのほか、国や民間事業者等からの物資の受け入れ、保管、仕分けを行います。
区市町村が開設する地域内輸送拠点に物資を送る広域輸送基地として活用し、多摩地域のみならず、都内全域に物資を供給する重要な役割を担うことになります。
○森澤委員 広域輸送基地として活用して、多摩地域のみならず、都内全域に物資を供給する重要な役割を担うというご答弁がありましたが、災害時には、被災地で支援物資がどのくらい必要となっているかを把握するには時間がかかり、旧来型の支援物資の運搬では、支援物資が必要なタイミングで届けることができないという課題があります。
東日本大震災時に被災地への物資提供がおくれたことを踏まえ、熊本地震以降、政府は、被災自治体からの具体的な要請がない中で国から物資を送っていく仕組み、プッシュ型支援の運用を開始しています。
一方、熊本地震では、指定されていた広域物資拠点が被災し、また、新設された拠点でもノウハウがなく、支援物資が滞ったという事例があったと聞きます。広域物資拠点については、改修中の今の多摩広域防災倉庫がその中心となるということですが、被災やオーバーフローといった不測の事態により、多摩広域防災倉庫の機能を発揮できない場合の対応を考えておく必要があると考えます。
また、プッシュ型支援をスムーズに機能させていくためにも、区部などのエリアを含めて、多摩広域防災倉庫の代替となる機能を確保していく必要があると考えますが見解を伺います。
○古賀防災計画担当部長 発災時には、多摩広域防災倉庫の許容量を超える大量の物資を取り扱う必要が生じたり、倉庫本体の被災により、物資拠点としての使用が困難になるケースが考えられます。
こうした事態に備え、都では、東京倉庫協会と災害時等における緊急支援物資の保管及び荷役等に関する協定を締結し、協会の会員事業者の保有する倉庫を緊急時の物資拠点として活用する体制を整備しております。
○森澤委員 最終的には、区市町村が必要とする物資を必要な量、必要なところに届けるというのが役割ではあると思いますが、要請を待ってから動くのではなく、いつ要請が来ても対応できるような体制を整えておくことが、都の役割ではないかと考えます。
そのためには、物資を一時保管し、臨機応変に届けることができる体制をつくらなくてはいけないと考えます。協定を締結していることは理解いたしましたが、実際にどの施設でどれだけの量が一時保管でき、どのようなルートで、どの範囲まで物資を届けることができるのか、仮にその施設が被災してしまった際に、バックアップ機能があるのかなどの観点から、シミュレーションを重ねるべきであると指摘をいたします。
さて、物資拠点を災害時に機能的に活用するためには、平時から協力してくれる事業者や関係機関と連携した訓練が必要だと考えますが、平成三十年度の取り組みについてお伺いをいたします。
○古賀防災計画担当部長 発災時に、被災区市町村に円滑な物資供給が可能となるよう、毎年度、総合防災訓練に合わせて物資輸送等に関する訓練を実施しております。
平成三十年度は、中央区及び港区と合同で訓練を実施し、東京都トラック協会、日本TCGF、セブン&アイ・ホールディングスなどの物資輸送、調達を担う協定事業者と連携した物資の要請や、搬出、搬入、輸送の手順の習得等を図りました。
また、協定事業者と連携した図上訓練や通信訓練も実施し、物資調達に関する連絡調整手法の確認を行っております。
○森澤委員 訓練を行っているということでしたが、プッシュ型支援も想定するとともに、日ごろから民間物流事業者等との連携を強化し、これまでの他自治体の課題なども参考にし、想定できることは想定した上で、物資ができるだけ滞りなく、必要な場所に届くよう備えていただきたいと考えます。
備蓄は福祉保健局の管轄で、それぞれの備蓄倉庫のカバーエリアも含めた配布計画が特にないというふうに聞き及んでいます。災害発生時においては、総務局がイニシアチブをとって進めていただくことを念頭に、平時から縦割り意識を排除し、組織横断、かつ民間事業者や区市町村、国との連携を深め、準備、計画をされ、さらに進めていただくことを要望いたします。よろしくお願いいたします。
体制構築も重要でありますが、また、いざ災害が起きると重要なのは人であります。地域防災力の向上支援、平成三十年度、七千四百四十一万六千八百七十六円のところについてお伺いをいたします。
災害時は実際に動ける人手が必要です。特に、二十代から四十代の若者から子育て世代に、災害時の活動の担い手となってもらう必要があります。さらに、女性の視点が重要であることは、東日本大震災以降指摘され、都も取り組んでいるところと認識をしています。
平成三十年度、女性防災人材の育成に決算額千五百六十三万千九十三円ということでしたが、平成二十九年度から開始した防災ウーマンセミナー、平成三十年度から開始した防災コーディネーター研修それぞれに関して、受講した人々に、災害時にどのような役割を期待しているのかお伺いをいたします。
○榎園防災対策担当部長 防災ウーマンセミナーの受講者につきましては、セミナーを通じて基礎的な防災知識を習得し、災害時に自分自身や家族など、身近な人々を守ることを期待してございます。
防災コーディネーター研修の修了者につきましては、身につけた知識や能力に基づき、災害時には、被災者のさまざまなニーズを把握し、被災者と行政や関係機関などとの橋渡しをすることを期待してございます。
○森澤委員 平成三十年度、二十代、三十代の参加者については、職場編で三割、地域編で一割五分だというふうに聞いています。なかなか若い世代に参加してもらうことは難しいことだとは認識しておりますが、ぜひ、積極的に参加していただけるよう働きかけていくべきだと考えます。
平成三十年度、どのように工夫をしたのかお伺いをいたします。
○榎園防災対策担当部長 セミナー、研修の開催に当たっては、さまざまな女性のライフスタイルに対応できるよう、託児サービスを提供するとともに、開催日時の設定に際して、平日と週末、日中と夜間など多様化を図り、女性が参加しやすい環境整備を行ったところでございます。
○森澤委員 女性が参加しやすい環境を整備しているということで、引き続きそういったことを進めていただきたいと思います。
先ほどのご答弁で、防災コーディネーターの研修の修了者については、身につけた知識や能力に基づき、災害時には被災者と行政や関係機関などとの橋渡しをすることを期待されているというふうにご答弁がありましたが、平成三十年度、防災コーディネーター研修の地域編に参加された方から、避難所運営についてのノウハウはわかったけれども、実際、地域でどう活動するのか、その先のフォローが欲しかったというような声を聞きました。参加者のネットワーキングや地域での実際の活動につなげていくべきだと考えます。
女性防災人材の育成については、二〇二〇年度までに三千人が目標でありますが、平成三十年度末時点で、育成人数は累計六百三十三人であるというふうに聞いています。都内の区市町村立中学校の数は六百四校で、単純計算で各中学校区に一人、この防災人材がいるということになりますが、実際にこのセミナーを受講してくださった方が、どういった地域で活動できるのかというのも重要です。
平成三十年度の事業を終えた時点での、目標達成に向けた課題と今後の取り組みにおける考え方をお伺いいたします。
○榎園防災対策担当部長 平成二十九年度より開始した女性防災人材育成事業では、平成三十年度末までに、幅広い年代の女性を合計六百三十三人育成いたしました。
令和二年度まで三千人の女性防災人材の育成に向けて、女性がより参加しやすい開催場所の設定や広報の工夫に加え、研修修了者に対するフォローアップを行う予定となってございます。
また、令和元年度には、ターミナル駅の近くに開催場所を設定したり、SNSを活用するなど、若年層が参加しやすい工夫を実施しているところでございます。
○森澤委員 ただいま、研修修了者に対するフォローアップも行う予定ということでしたが、せっかく育成した六百三十三人に、実際に災害時に活躍していただけるよう、フォローしていただきたいと思います。
また、コーディネーターの活動の中から地域での活躍の好事例などが出てくれば、それをモデルケースに、ぜひ、横展開をしていただくことを期待いたします。よろしくお願いいたします。
次に、女性管理職登用の促進についてお伺いをいたします。
平成三十年度東京都男女雇用平等参画状況調査結果報告書によりますと、都内企業の管理職に占める女性の割合は全体で一一・四%ということでした。二〇二〇年に指導的地位に占める女性の割合を三〇%にするという政府が制定した目標数値からは、まだまだ乖離があるという現状です。
都においては、率先してこの女性の管理職登用を進めていくべきとの考えから、平成三十年度の都の女性管理職登用促進の取り組みについて伺います。
都においては、平成三十年四月一日時点で、女性職員の占める割合が、局長級七・七%、部長級一四・二%、課長級二二・一%で、合わせて管理職が一九・八%ということです。二〇二〇年度までに女性管理職二〇%、二〇二五年には二五%を目指していて、堅調に推移していると感じるところではあります。内閣府の調査によれば、都道府県庁では全国二位の水準であるということです。
一方で、入庁時点では、職員の男女比は六対四だというふうに聞いておりますので、それが管理職になると二〇%弱になってしまうという現状。採用時と比べ、管理職に占める割合が減少してしまう要因についてどのように捉え、その改善に向けどのように取り組んでいるのかお伺いをいたします。
○山口人事部長 都におきましては、公平、公正な選考による管理職の登用を実施しておりまして、性別にとらわれない実力本位の任用管理を行っております。
一方で、受験をためらう理由でございますが、昇任への不安の声が多数上げられておりまして、受験率が低い女性を中心に、職員個々の事情へのきめ細かい対応が求められる状況にございます。
そのため、昨年十一月から、育児と仕事の両立等の経験を有する管理職等をキャリアメンターとして選任しまして、職員がキャリア形成等の悩みを相談できる取り組みの試行を開始いたしました。
また、管理職選考の受験資格拡大としまして、育児休業等を取得中の職員につきまして、平成三十年度から一部の試験を受験可能とし、さらに、今年度から全ての試験を受験可能といたしました。
今後、こうした取り組みの状況を踏まえつつ、多様な観点から女性職員の一層の活躍推進に努めてまいります。
○森澤委員 育児休業等を取得中の職員について、平成三十年度から一部の試験を受験可能とし、育休中であっても管理職にチャレンジできるよう整備したということでした。
平成三十年度は、育児と仕事の両立等の経験がある管理職等をキャリアメンターとして選任し、職員がキャリア形成等の悩みを相談できる取り組みの試行を開始したということですが、キャリアメンター制度の試行実施等の効果についてお伺いをいたします。
○山口人事部長 キャリアメンター制度ですが、個々の職員からのメール相談や面談に応じるとともに、シンポジウム等におきましてこれまでの自身の経験談を伝えるなど、さまざまな悩み相談に丁寧に対応し、職員の不安払拭に努めております。実際に相談した職員からは、アドバイスがとても参考になったなどといった前向きな意見が寄せられております。
こうした状況を踏まえ、今年度は、試行する局を五局から七局へ拡大するとともに、新たに、メンターと相談者との顔合わせとグループ相談を兼ねたトークカフェを、九月に二回開催しまして、延べ七十六名が参加をいたしました。
女性職員の活躍推進に向けまして、今年度の試行状況を検証し、必要な改善や工夫を図りながら、職員のキャリア形成支援に取り組んでまいります。
○森澤委員 さまざまな取り組み、試行を行い、女性職員も活躍しやすいような環境を整備していることがわかりました。
もちろん、性別に関係なく適材適所の人事が前提ではありますが、入庁時点では職員の男女比は六対四であるにかかわらず、管理職になるとその割合が減ってしまうのは、何らかの壁があるからだと推測されます。
先ほどご答弁の中でも、昇任への不安の声があるというお話もありましたが、環境的な課題、そして女性自身の意識にも課題はあるのだと思います。
女性も積極的に管理職にチャレンジしたいと思えるような職場環境を整えるとともに、国が目標としている女性管理職割合三〇%をいち早く都が率先し、都内企業のロールモデルとなるよう、引き続き、前向きな取り組みを続けていっていただきたいと要望し、次のテーマに移ります。
先ほど斉藤委員からもありました男性の育休取得について、質問があったところは割愛しつつ、ご質問させていただきます。
平成三十一年第一回定例会の一般質問でも申し述べさせていただきましたが、女性に家事、育児の負担が大きい中で、真のダイバーシティー社会を実現し、女性が働き続けていくためには、男性の家事、育児への参画が必須で、家事、育児での男性活躍が求められています。
内閣府の調査によりますと、育児休暇を取得した男性の方が、取得していない男性に比べ、家事、育児への参画がより一層進む傾向が見られます。女性管理職の登用と同様、本件につきましても、ぜひ、都庁が都内企業のロールモデルとなるよう、取り組みを進めていってほしいと思う次第です。
先ほど、平成三十年度の男性育休取得率についてはご質問がありましたので、取得期間の傾向についてお伺いをいたします。
○高崎労務担当部長 平成三十年度における男性職員の育児休業の取得期間については、六カ月以下の期間での取得が約七割となっております。
○森澤委員 取得期間は、六カ月以下の期間での取得が七割ということで、産業労働局では、男性の育休取得の支援として、十五日連続で取得させた企業に二十五万円を補助するという制度を行って、都内企業の男性の育休取得の促進も行っていますが、なかなか進んでいないのも現状で、この六カ月以下の期間での取得が七割、この七割のうち、どれぐらい実際に取得しているのかなというところが気になるところではあるんですが、ぜひ今後、この取得期間も着目し--一週間とか二週間とか短い期間ではないというところを、ぜひもう少し長くとっていただけるように進めていただきたいと思うんですが、取得期間にも着目していっていただきたいと思います。
また、取り組み状況につきましても、先ほど質問がありましたので、割愛をさせていただきます。
次に、社会課題を解決するための率先した役割を担う都の役割という観点から、とちょう保育園についてお伺いをいたします。
とちょう保育園は、民間事業者における地域に開かれた事業所内保育所の設置を促進し、待機児童解消を進めるためのシンボル的な事業として運営されている中で、都から交付金が出ているということですが、平成三十年度の決算金額についてお伺いをいたします。
○高崎労務担当部長 事業所内保育所であるとちょう保育園は、一般財団法人東京都人材支援事業団が設置しており、基本的な保育サービスに加え、特別保育として、二十二時までの延長保育や、来庁者等が利用できる一時預かり保育を実施しております。
その運営費は、利用料や国の給付費、共同利用している近隣企業の負担金等に加え、不足する費用は事業主である都が支出をしております。
平成三十年度の、保育所運営に関する都から東京都人材支援事業団への交付金は、約五千万円となっております。
○森澤委員 五千万円の交付金ということで、交付金が出ている以上は、単純に待機児童を解消するために保育を行うという意味合いだけでなく、ほかの運営者に対して、ノウハウ還元なども一つの役割だと考えます。
実際、モーニングカフェや体調不良時対応型保育など、独自の取り組みを行っていると伺います。
こういった取り組みの成果を横展開していくべきだと考えますが見解を伺います。
○高崎労務担当部長 とちょう保育園では、モーニングカフェや体調不良時対応型保育のほか、保護者の負担を軽減するため、紙おむつ、衣服、寝具を保育園が用意する、手ぶらで登園サービスを実施するなど、事業所内保育所として先進的な取り組みを実施しております。
こうした取り組みについては、民間事業者や他の地方公共団体等に参考としていただけるよう、これまで多くの視察を受けることなどにより、そのノウハウを提供しております。
○森澤委員 多くの視察を受け入れて、実際に見てもらうことが一番ということで、ノウハウを提供されているということでした。ありがとうございます。
待機児童解消が喫緊の課題であり、また、幼児教育無償化が始まり、さらに保育需要が高まっている中で、行政だけで保育所を整備することには限界があるのも事実です。事業所内保育所の場合、子供を朝、都心に連れていくという問題がありますので、働き方改革も進めなければいけないんですけれども、引き続き、事業所内保育所が都内に積極的に整備されるよう、事業所内保育所への備品等の助成金を出している産業労働局とも連携し、さらなる支援策の検討を促すなど取り組んでいただきたいと要望し、次の質問に移ります。
次は、多摩の魅力発信プロジェクトについて伺います。
多摩の魅力発信プロジェクトは、多摩地域にある地域資源を生かして、生活者目線の魅力を発信するということで、多摩地域の交流人口や定住人口の増加を図ることを目的とした事業で、平成三十年度の決算は二千八百二十九万三千円ということです。
昨年の決算委員会で、奥澤都議からも、ソーシャルメディア活用の取り組みとして注目していると質疑をさせていただきましたが、ユーチューブの活用を含めた平成三十年度の取り組み状況とその成果についてお伺いをいたします。
○石橋多摩島しょ振興担当部長大島災害復興対策担当部長事業調整担当部長兼務 都は、自然や歴史文化、食を初めとした多様な多摩の魅力を、特設ホームページやSNS、雑誌などを活用しながら発信しております。
平成三十年度は、新たにユーチューブにおいて、多摩の多様な魅力をまとめた映像を有効活用し、地域の見どころや特産品などを二十万回以上視聴者に配信することで、多摩の魅力を広く伝えました。
こうしたさまざまな取り組みにより、平成三十年度に実施したインターネットアンケート調査においては、多くの方々から、多摩地域を子育てにふさわしい地域、行ってみたい地域という評価が得られました。
今後とも、さまざまな媒体を活用しながら、多摩の持つ多様な魅力を、継続して広く発信してまいります。
○森澤委員 多摩地域の交流人口や定住人口の増加を図るという趣旨で、ターゲットを明らかにし、ブロガーやユーチューブなどSNS等を積極的に活用し、アクセス数やインプレッション、さらに視聴者にアンケートをとってその効果検証をするという一連の取り組み、さらには、先ほど映像の有効活用という話がありましたが、一度制作した動画の二次利用によって、さらなる有効活用を図っている点も、先ほど菅野委員からも、動画の作成やイベントが最近の都庁の取り組みのトレンドではないかというお話がありましたが、そういった一連の取り組み、当たり前ではありますが、効果検証まで含めて、しっかりと行っていただくという点で、参考にしていただきたいというふうに考えます。
次に、人権について、今まで多々出ていますけれども、私からも人権についてお伺いをいたします。
東京都の目指すべき方向性として、ダイバーシティー、つまり多様性を認めていくということが示されています。
私たち東京みらいでは、もう一歩踏み込んで、ダイバーシティー・アンド・インクルージョン、つまり一人一人に違いがあることを認めるだけではなく、一人一人が社会にとって大切な存在であって、その個性を生かして、一緒によりよい社会をつくっていこうという社会を目指したいというふうに考えております。
東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例も制定され、人権部の事業の役割はますます大きくなっているということはいうまでもありません。
平成三十年度の主な人権啓発事業の決算額と取り組み内容をお伺いいたします。
○堀越人権部長 主な人権啓発事業とその決算額は、大規模啓発イベントであるヒューマンライツ・フェスタ東京が二千五百七十二万円、Jリーグやプロ野球球団と連携し、試合の観客に対してスタジアムで行う人権啓発事業が六百四十八万円、講演や映画の上映を行う憲法週間行事、人権週間行事が、それぞれ二百六十四万六千円、三百六十一万八千円などとなっております。
○森澤委員 その中でのヒューマンライツ・フェスタ、さまざまな人権にまつわるコンテンツを用意し、実施されていることは歓迎するもので、本年度実施される政策評価においても、来場者の意識の変化などを捉えようとしていることは評価いたしたいと思います。
奥澤都議より、先般の文書質問で、ヒューマンライツ・フェスタにおいて、障害者がどのようにかかわってきたのかを伺い、平成三十年度、ヒューマンライツ・フェスタ東京二〇一八では、障害者の方々が出演者として参加、指導役を担うなど、運営スタッフとして参加したとの答弁がありました。
このイベントを戦略的に活用し、表舞台だけではなく、縁の下の力持ちとしても、より多くの障害者当事者にかかわっていただきたいと考えるものです。
例えば川崎市では、市内で開催されるイベントにおける運営スタッフの一定割合を、身体、精神、知的障害の方々や、ニートやひきこもり、ホームレスと呼ばれる方々など、さまざまな理由から社会参画が難しい方々に門戸を開いています。二〇一六年度においては、四十八企画において四百八十六名が就労体験に参加し、そのうち五十九名が正規就労につながっているということです。
先般、都民の就労を応援する条例の考え方が示されました。その根本にあるのは、社会の一員として、ともに活動しながら支え合うソーシャルインクルージョンであり、まさに東京の人権課題を解決する上でも大事な考え方です。ヒューマンライツ・フェスタ東京などの運営においては、そういったソーシャルインクルージョンを体現すべきであると考えます。
そういった観点から、平成三十年度の成果と課題についてお伺いをいたします。
○堀越人権部長 昨年度のヒューマンライツ・フェスタ東京では、講演、歌、ダンス、楽器演奏などのプログラムにおいて、障害者や性的マイノリティーの方々が出演者として参加いたしました。また、バリアフリー体験、ブラインドサッカー体験、車椅子バスケットボール体験などのプログラムでは、障害者の方々が指導役を担うなど、運営スタッフとして参加しています。
イベントに参加した人からは、障害者への接し方がわかった、また、当事者である運営スタッフからは、自分たちの思いを伝えることができたという声が寄せられました。
今後も、本イベントに多くの障害者等の方々が参加していただけるよう取り組んでまいります。
○森澤委員 ぜひ、多くの当事者の方々が参加していただけるよう取り組んでいただきたいと思います。
そういった中で、大事にしていただきたい視点なんですが、例えば今、明治神宮前に期間限定で開設されている、LGBTなどのセクシャルマイノリティーに関する情報発信を行うプライドハウスでは、啓発を目的とした展示を見学するのみならず、当事者の方とコミュニケーションをとる機会にもなり、私も伺いましたが、そこで過ごす時間が相互理解を深めることにつながるというふうに感じました。
ダイバーシティー・アンド・インクルージョンの実現には、まずは一緒にいる、一緒に過ごすということが非常に重要になってくると考えます。人権啓発センターへの事業委託においても、そういった当事者の方々と一緒にいられる、一緒に過ごすという点も盛り込んでいただきたいと要望いたします。
人権啓発センターの運営費の補助に八千九百六十万四千七百六十五円、さらに人権プラザの運営において、人権啓発センターに対し六千八百七十七万九千二円で事業委託を行っており、また人権プラザの管理委託として、受付の人件費や機器のリースなどに三千九十二万六千八百九十九円ということですけれども、政策連携団体である人権啓発センターと都の総務局人権部の役割、すみ分けについて考え方をお伺いいたします。
○堀越人権部長 本年五月に策定いたしました東京都政策連携団体活用戦略では、都の役割として、事業方針の提示、広域自治体としての特性を生かした事業の企画などを掲げており、これを踏まえ、人権部では、人権施策推進指針の策定や都の方針を示す冊子類の発行、憲法週間行事等の国や区市町村と連携した事業、ヒューマンライツ・フェスタ東京のような大規模事業の企画などを行っています。
一方、活用戦略では、人権啓発センターの役割として、都の方針に基づく事業展開、ノウハウ等を生かした事業の企画、発信などを掲げており、これを踏まえ、職員の専門性を生かした展示や講座の企画、相談などを実施しています。
○森澤委員 人権啓発センターの役割が非常に重要であるということを認識いたしました。
先ほども申し上げました、平成三十年度、東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例が制定され、人権プラザも移転したということで、来年、オリンピック・パラリンピックも控えています。だからこそ、人権プラザの運営自体を共生社会のモデルケースの場とするなど、人権課題に関する発信拠点として、幅広い視点を持って、戦略的でさらなる有効活用を期待するものです。
最後に、人権プラザの平成三十年度の来場者数、セミナー開催実績をお伺いしようと思ったんですが、先ほど斉藤委員へのご答弁の中に出ておりますので、割愛させていただきまして、ご答弁の中にも九千五百七十六人ということで、移転して、また年々利用者数はふえているということでした。一方で、一日平均にならすと約三十人ということで、港区芝という立地を生かして、必ずしも人権問題に関心が高いとはいえない方々にも、立ち寄っていただけるような工夫が必要ではないかと考えるところです。
現在は、入り口付近においてパラリンピックに関する展示が行われていますが、必ずしも展示を見るといった目的を持った人でなくても利用できるよう、例えばですが、民間によるダイバーシティー社会実現にかかわる先進的な取り組みを実験的に行う場として開放することによって、さらに裾野が広がると考えます。
大手町で期間限定で行われていた、病気や障害で外出が困難な人たちが仕事をする分身ロボットカフェといったような取り組み、そんな取り組みも期間限定で行ってみてもいいのではないかということを提案させていただきます。
これは、既にそういった取り組みを行っているところと協業すればよいわけで、そういったところと協業することで、ぜひ、人権プラザの幅を広げていただきたいと要望し、質問を終わります。よろしくお願いいたします。
ありがとうございます。
○うすい委員 私からは、初めに障害者雇用についてお伺いをいたします。
昨年度、中央省庁や全国の自治体で、障害者雇用率の水増しや誤りが発覚をしまして、社会的にも、公的部門における障害者雇用の動向に注目を集めている状況であると思います。
こうした背景もありまして、ことしの六月には障害者雇用促進法の改正が行われ、国及び地方公共団体はその責務として、みずから率先をして障害者を雇用するように努めなければならないということが明確化されたところでございます。
都においては、これまで我が党の橘議員が、一昨年の予算特別委員会、また昨年、そして本年三月の委員会質疑等を重ねまして、我が党の主張も踏まえて、積極的に障害者雇用に取り組んでいるものと認識をしております。
そこでまず、確認の意味も含めまして、都における障害者雇用について、これまでの取り組みについて伺います。
○山口人事部長 都におきましては、昭和五十六年度から身体障害者を対象としました常勤職員の採用選考を実施しておりまして、平成二十九年度から精神障害者、知的障害者にも対象を拡大しております。
平成二十九年度の採用選考におけます合格者は三十五名でして、その内訳は、精神障害者が二十三名、身体障害者が十二名でございまして、平成三十年度の採用選考におけます合格者は四十名で、その内訳は、精神障害者が二十四名、身体障害者が十六名でございます。また、非常勤職員としましては、平成三十年度から総務局におきまして、知的障害者を対象としたオフィスサポーターの雇用を開始いたしました。
○うすい委員 今ご答弁をいただきまして、障害者雇用の対象が広がり、取り組みを進めていただいております。その英断に対しまして、高く評価するものでもあります。都の障害者雇用の取り組みが着実に促進されてきたものと考えます。
そこで、これまでの取り組みの結果、平成三十年の障害者雇用率はどのようになっているのか答弁を求めます。
○山口人事部長 平成三十年六月の、知事部局におけます障害者雇用率は二・七五%でありまして、法定雇用率の二・五%を達成するとともに、国の雇用率一・二二%、都道府県の知事部局平均二・四七%、民間企業二・〇五%を上回っております。
直近の五年間では、障害者の採用促進に努めてきました結果、平成二十六年の二・六一%から年々着実に上昇をしております。
今後とも、障害者の方々がその能力や適性に応じて働くことができるよう、障害者雇用の促進を図ってまいります。
○うすい委員 都全体の雇用率については着実に上昇しており、国や他の団体などと比べましても高い水準にあることを評価するものであります。
今後、法定雇用率が引き上げられることとなっていることから、引き続き、障害者の方々の雇用促進に取り組んでいただくことを要望させていただきます。
一方、今月行われた人事委員会勧告の中では、障害者雇用の推進に向けた意見が述べられておりまして、障害種別ごとの採用状況についても押さえておく必要があると思います。
障害者採用選考では、ここ二回の選考結果においては、知的障害者の合格者が出ていないと聞いております。今後、知的障害者の雇用の促進を図るべきと考えますが見解を伺います。
○山口人事部長 平成三十年度から、知的障害者の障害特性に適した職務内容や勤務条件を検証していく取り組みとしまして、一般就労の非常勤職員でありますオフィスサポーターの雇用を開始しておりまして、現在四名が勤務をしております。
この取り組みでは、各種の庶務事務や軽作業の一部を切り出すことによりまして、個々の能力や適性を踏まえた職務の創出を行うとともに、勤務時間につきまして、当初の週二十四時間から段階的に延ばしておりまして、今年度は週三十五時間勤務としております。
加えて、職場であるオフィスサポートセンターにおきましては、特別支援学校の職場実習を受け入れておりまして、昨年度は延べ十一名が就労体験を行っております。
今後とも、人事委員会の意見も踏まえつつ、障害特性に合った職務内容や勤務条件の検証と改善を積み重ね、都における知的障害者の雇用促進に努めてまいります。
○うすい委員 都としまして、知的障害者の雇用に工夫をしながら取り組んでいる点は、よく理解をさせていただきました。
今後、知的障害者の特性に合った職務内容や勤務条件を検証していただき、個々の能力や特性に応じた職務内容の創出をぜひ図っていただきたいと思います。
私としては、これからの世の中の課題としまして、若年性認知症と診断された方の就労支援が、今後ますます必要となってくるのではないかと関心を持っております。認知症と診断され、一定の精神障害の状態にあることが認定された場合は、精神障害者保健福祉手帳を取得することが可能でありますし、また、身体症状がある場合には、身体障害者手帳の取得が可能な場合もあると考えます。
身体、精神、知的といった障害の種別にかかわらず、都においても引き続き、障害者の雇用の促進に積極的に取り組んでいただくことを切に要望しまして、次の質問に移ります。
次に、防災対策について、私からも関連して何点か伺いたいと思います。
今回の台風十九号では、河川の氾濫などの危険性が高まる中で、気象庁からは、早い段階からの避難行動を促すための防災気象情報が発信をされたため、多くの都民が避難所に向かったわけであります。
私の地元足立区では、開設した避難所では足りなかったために、都立高校を避難所として急遽追加して、開設をしていただいたわけであります。スピーディーな対応に対しまして、深く感謝を申し上げます。
足立区を含め、多くの地域がゼロメートル地帯である東部低地帯において、大規模水害被害を未然に防ぐためには、都民が事前の避難行動を適切に行えるように、都と区市町村が連携するとともに、避難先を少しでも多く確保することが大変に重要であります。
そこで、大規模水害時の広域避難について、広域避難場所の確保や、都と区市町村との連携に向けた、都のこれまでの取り組み状況をお伺いいたします。
○古賀防災計画担当部長 東部低地帯におきましては、大規模水害が発生した場合、約二百五十五万人に及ぶ避難者が発生することとなると推定されておりまして、この地域における広域避難は極めて重要な課題となっております。
このため、昨年六月には国と共同で、首都圏における大規模水害広域避難検討会を設置しておりまして、本年三月には広域避難に係る対応の方向性を取りまとめました。
これまでの検討の中で、広域避難場所の確保が大きな課題の一つとなっておりまして、都有施設を初めとした公共施設や民間施設等の活用に向けた検討を重ねているところでございます。
年度末までに、区市町村を初めとする関係機関の役割分担や時系列的な連携のあり方を取りまとめてまいります。
○うすい委員 今後、台風十九号以上の勢力を持った台風がいつ来るかわかりませんし、荒川の氾濫が、今回は大丈夫であっても、次は大丈夫とは必ずしもいえないと思います。もし仮に荒川が越水したときには、現実に避難場所が不足することは火を見るよりも明らかでございます。どうか、スピード感を持っての取り組みを今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
次に、避難所での生活や、ふだんの暮らしの中での防災意識の啓発などにおいては、女性の視点からの防災対策が重要であると思います。
そこで、女性の防災人材育成の取り組み状況について見解を伺います。
○榎園防災対策担当部長 都は、発災時に地域や職場で防災活動の核となって活躍し、女性の視点を反映できる女性防災人材を育成する取り組みを、平成二十九年度に開始いたしました。
具体的には、防災活動にかかわる女性人材の裾野を広げていくため、基礎的な防災知識を習得することを目的とした防災ウーマンセミナーと、発災時に地域や職場において周囲の人を牽引していく役割を果たすことができる、リーダー的人材の育成を目的とした防災コーディネーター研修の二種類の事業を実施してございます。
平成三十年度は、防災ウーマンセミナーを四回、防災コーディネーター研修を二回実施し、若年層から高齢層まで、幅広い年代の女性四百九十七人が受講いたしました。
実施に当たっては、多様化する女性のライフスタイルを考慮いたしまして、託児サービスの提供に加え、区市町村や企業と連携しながら開催日や開催場所を設定するなど、女性が参加しやすい工夫をしながら事業を展開いたしました。
○うすい委員 引き続き、さらなる女性の視点が生きる防災人材の育成に取り組んでいただきたいと思います。
また、我が党としても推進をしてきました、女性の視点の入った防災ブック「東京くらし防災」がありますが、きめ細かく記載されておりまして、ごらんになられた方からお聞きをしますと、きめ細かな備えができるので大変に助かるというお声をいただいております。
そこで、この「東京くらし防災」の発行実績と普及に向けた取り組み状況はどうなのか、さらに、この冊子を活用した次の施策展開の方向性について、見解を伺います。
○有金総合防災部長 「東京くらし防災」は、女性の防災への参画を進め、都民の一層きめ細やかな災害への備えを促進するために作成したものでございまして、平成三十年度は八十五万部増刷をいたしまして、作成部数の累計は百九十五万部でございます。
配布に当たりましては、都立施設のほか、民間事業者や区市町村の協力を得て、最大で都内約一万カ所で配布をいたしております。
普及に向けた取り組みといたしましては、総合防災訓練や防災イベントで、冊子を活用した日常備蓄、避難所体験の実施や、生活情報雑誌と連携し、暮らしの中でできる防災対策記事掲載などを行っております。
また、乳児用の液体ミルクにつきましては、国内での製造販売に必要な規格基準等が整備されたことから、「東京くらし防災」の記載内容の一部修正も行っております。
今後も、適宜記載内容の更新を行うとともに、本冊子を活用した子育て世代向けの「とうきょうぼうさいえほん」や、高齢者等に向け、新たに災害時の避難フローやチェックリストを付録としたA4判の「東京くらし防災」を作成するなど、さまざまな手法を用いて都民への普及を行ってまいります。
○うすい委員 きめ細かな情報があっても、情報を行動に移さなくては意味がないわけであります。今後、周知とともに活用されるように、なお一層の取り組みをよろしくお願いをいたします。
また、続きまして、我が党が推進をしてきました都民の自助、共助の取り組みを促す施策として、東京都防災アプリも重要な手段であります。
その取り組み状況や、より使いやすい防災ツールとしての改善の方向性について見解を伺います。
○有金総合防災部長 東京都防災アプリは、警報などが発令された際のプッシュ通知や、現在地周辺の避難所等のマップ表示、さらに東京都防災ツイッター等への誘導など、災害発生時に活用できるコンテンツを盛り込んでおります。
こうした特性を広報用の動画やSNSで発信するとともに、リーフレットの配布等を行うなど、広く周知を図り、現在のダウンロード数は約三十八万件となっております。
今年度は、東京マイ・タイムラインの公表に合わせ、洪水、高潮による浸水リスクなどを視覚的に表示できる水害リスクマップ、親子で防災への備えを考えるきっかけとなるこども防災シミュレーション、若者世代等を対象としたBOUSAI MANGAを追加するなど、わかりやすく楽しめるコンテンツを充実させてまいりました。
引き続き、東京都防災アプリの使いやすさに留意し、改善を進め、多くの都民に活用していただけるものにしてまいります。
○うすい委員 東京都防災アプリにつきましては、スマホで手軽に情報が入手できる、大変に役立つものであります。今後とも引き続き、東京都防災アプリについて、普及啓発に取り組んでいただきたいと思います。
それから、私からも帰宅困難者について聞いておきたいと思います。
東日本大震災の際にも、多くの帰宅困難者が問題となったわけでございますが、民間とともに連携した一時滞在施設の設置とともに、備蓄品の確保がとても重要であります。
そこでまず、一時滞在施設の設置状況及び備蓄品の配備状況について見解を伺います。
○榎園防災対策担当部長 都はこれまで、東京都帰宅困難者対策条例に基づき、都立など公共施設の指定のほか、民間一時滞在施設につきましては、水、食料等の備蓄品配備に係る補助やアドバイザーの派遣などを通じ、確保を進めてまいりました。
こうした取り組みにより、平成三十年の一年間では四十三施設、約二万二千人分の一時滞在施設を確保いたしました。
○うすい委員 冒頭に申し上げたとおり、自然災害はいつ起こるかわかりません。今後も計画的にふやしていくことが重要であります。
一時滞在施設確保に向けた取り組みの、その方向性について見解を伺います。
○榎園防災対策担当部長 都立施設については、今後も関係各局と協議を進めながら、一時滞在施設の指定を進めてまいります。
また、民間施設については、より一層の確保を進めるため、交渉力を有する一時滞在施設確保推進員を活用しながら、大規模事業者等への働きかけを行っています。今年度は、民間一時滞在施設に対して都が購入した備蓄品を配備することで、企業等の負担をなくし、推進するモデル事業を実施し、一時滞在施設の確保に向けた取り組みの充実を図っております。
○うすい委員 一時滞在施設の確保に向けた取り組みを充実していくとのことでございました。また、モデル事業も実施をされるとのことでございます。ぜひとも引き続き、対応をよろしくお願いいたします。
今回の台風十九号やその後の水害等の報道を見ましても、多くの人が、次に来るかもしれない災害に対しまして、甚大な被害を想定した対応がとれるようになることが大切であります。
一口に防災、減災対策といっても、足立区で実施している水害リスク動画による防災意識の啓発といったものや、マイタイムラインなどのいわゆるソフト事業から、豪雨に備えた調節池の整備や不燃化まちづくりのような、完成まで時間を要するハード整備まで、その手法や効果はさまざまであります。
しかし、こうした一つ一つの事業を組み合わせ、積み重ねていくことで、初めて大都市東京の安全は担保されるわけでございまして、その取り組みには継続性が重要であります。間断なき取り組みをスピード感を持って、意識しながら全力で今後とも行っていただくことを強く要望し、次の質問に移ります。
続きまして、首都大学東京についてお伺いいたします。
今月九日に、スウェーデンの王立科学アカデミーから二〇一九年のノーベル化学賞が発表されまして、リチウムイオン電池を開発した、旭化成の名誉フェローであります名城大学教授の吉野彰氏ら日米の科学者三人が選ばれました。
既にご存じのことと思いますが、リチウムイオン電池は、軽量かつ高出力で、充電して繰り返して使える特徴があります。スマートフォンやノートパソコン、また電気自動車など、我々の身近なものに幅広く使われておりまして、人々の生活を劇的に変えた電池であります。
ノーベル賞は、アルフレッド・ノーベルの遺言によりまして、人類の幸福に貢献した人に対して贈られる賞でございまして、今回の発明は、まさにふさわしい業績であると私自身、確信をしております。
そして、日本人としては、二〇一八年の医学生理学賞の本庶佑京都大高等研究院特別教授に続いて、二年連続での受賞となったわけでございます。大変喜ばしく思うと同時に、日本の研究力の高さを誇りに思う次第であります。
東京都にも、首都大学東京という高い研究力を持つ都立の大学があるわけで、いつかは首都大でノーベル賞をと、大いに期待をしているところでございます。
さて、その首都大学東京でありますが、ノーベル化学賞の発表があったその翌日に、偶然ですが、都議会公明党の会派として視察をさせていただいたところでございます。吉野先生のノーベル賞受賞の翌日なので、おのずと首都大の研究については、深い興味を持って視察をさせていただきました。
首都大では、基礎研究から応用研究まで幅広い分野で、それぞれ特徴的な研究がなされているわけでございますが、中でも私自身が注目したのは、吉野先生と同様に、リチウムイオン電池の研究や水素を使った燃料電池の研究をなされている金村聖志教授であります。
そこで、金村教授がセンター長を務める水素エネルギー社会構築推進研究センターの取り組みについて答弁を求めます。
○久保田企画担当部長首都大学調整担当部長兼務 水素エネルギー社会構築推進研究センターは、平成二十八年に設置され、CO2を排出しない水素の製造、貯蔵、そして運搬方法の開発や、水素エネルギーの高効率利用システムの開発など、水素エネルギーによる低炭素社会の実現に向けた総合的な研究を進めております。
平成三十年度は、センターの発足時から実施しております、都との連携事業の最終年度でございまして、現在の燃料電池自動車が抱える課題を解決するために、メタノールから効率的に水素を取り出す新しい触媒、また、高温で動作する新型の燃料電池の研究を行ったところでございます。
○うすい委員 詳細な答弁、ありがとうございます。
金村教授にお聞きをしたんですが、燃料電池は、リチウムイオン電池と比べまして、四倍ほどの性能が発揮できるということでありました。
例えば燃料電池を--今、台風の件で質問をさせていただきましたけれども、先日も台風十九号で多くの方々が避難をしたわけでございますが、そうした際、災害時の避難所において、停電時に電気を供給するといった利用方法も考えられるわけでございまして、その実用化に向けて、ぜひ研究を進めていただきたいと思うわけでございます。
また、金村教授は、現在普及しているリチウムイオン電池の限界を超えて、革新的な高容量蓄電池の実現を目指した国の次世代蓄電池開発プロジェクトというのがありまして、その総合チームリーダーとして参加をしているなど、同分野の研究で先導的役割を果たしているということを伺いました。これらの研究に大いに期待をしたいと思っております。
一方で、レベルの高い研究を行うとなりますと、相応の研究費が必要だと思うわけでございます。そのためには、外部からの研究費を獲得することが重要となってくると思います。
しかしながら、外部から獲得する競争的な資金は、研究課題がきっちり定められておりまして、自由度が必ずしも高いとはいえないと思うわけでございます。そのため、革新的な研究はなかなかやりづらいという声も、現場にはあるということを耳にしました。
大学として、すぐれた教員が新たな研究分野に挑戦することを後押ししたり、若手教員が自立的に研究を進めるための研究費の確保も大変に重要だと考えます。
そこで、平成三十年度に首都大学東京が措置している研究費について見解を伺います。
○久保田企画担当部長首都大学調整担当部長兼務 公立大学法人首都大学東京の財務諸表によりますと、都からの運営費交付金や法人の自己収入などから成る首都大学東京の研究経費は、法人本部分も含めまして、平成三十年度決算で約二十二億円となっております。
具体的には、各教員の基本的な研究費に加えまして、世界をリードする研究や分野横断的な研究など、大学として戦略的に取り組む研究プロジェクトに対しまして、重点的に配分した研究費などで構成されております。
昨年度は、金のナノ粒子が持つ触媒作用を悪臭物質の分解や除去に応用する研究や、子供の貧困に関するナショナルデータベースの構築に向けた研究などに対しまして、重点的に研究費の配分を行ったところでございます。
○うすい委員 ありがとうございます。首都大においてはですね、研究費が安定的に確保されており、配分方法についても工夫がなされていることを理解させていただきました。
来年四月には大学の名称変更があるわけですが、それを機に、都立大学には一層研究力を高めて、都政に貢献することを大いに期待をしているところでございます。どうぞよろしくお願いします。
東京に都立大学ありと国内外からいわれるように、しっかり取り組んでいただきたいことを重ねてお願いを申し上げます。
最後に、グローバル化への取り組みについて伺います。
大学を視察した際に、キャンパス内で多くの留学生とすれ違いました。なかなか国際的でいいなと感じましたが、平成三十年度の業務実績等報告書を見ますと、昨年十月時点で六百六名の留学生を受け入れているとのことであり、首都大がグローバル化への取り組みを積極的に進めていることを感じました。
首都大のキャンパスで、留学生と日本人学生が学内でともに学び合う環境があることは、国際感覚を持った人材を育成する上で、大変に好ましいことだと思います。その一方で、グローバル社会で活躍できる人材の育成を目指す上では、やはり、日本人学生が直接海外に出て学ぶ経験を持つことがとても重要だと考えております。
そこで、日本人学生の海外派遣に関する取り組み状況と、それに対する都の認識について答弁を求めます。
○久保田企画担当部長首都大学調整担当部長兼務 平成三十年度は、留学に関する学生の意識調査の結果を踏まえまして、経済支援制度の周知を強化するとともに、留学経験者との交流イベントなどを通じまして、学生の留学意欲の向上を図り、前年度に比べますと十四名増の二百五十九名を海外に派遣いたしました。しかしながら、全学生に占める派遣学生の割合は三%弱にとどまっております。
また、留学効果の高い、三カ月を超える中長期派遣の学生数は八十名でございまして、派遣学生に占める割合は三〇%程度となっており、学生の海外派遣の拡大に、これまで以上に取り組んでいくことが重要と認識しているところでございます。
このため、今後は、交流重点校との学生交換、単位互換等を充実させるとともに、中長期留学に対応した柔軟なカリキュラム設計を検討するなど、環境の整備にも力を入れまして、派遣学生数及び派遣期間の拡充に努めてまいります。
○うすい委員 ありがとうございました。
首都大の学生に中長期の留学が少ない背景には、経済的理由もあるでしょうし、学生の意識の問題もあるかもしれませんが、私は、大学側の、グローバル化へ向けた本気の取り組みが学生に伝わることが最も重要だと考えております。答えのない時代に、新たな解決策を見出すことができるような、首都大の目指す、本物の考える力を持つ人材を育てる上で、各国の人材と一定程度の長期間、ともに暮らし、学ぶことで、多様な価値観に出会い、切磋琢磨することが有用であると思います。
首都大の学生がみずから積極的に海外に行き、さまざまな経験を積めるよう、ますますの支援をお願いするとともに、その中から世界で活躍する人材が輩出されることを大いに期待をしまして、質問を終わります。
○川松委員 私からも首都大学東京についてお聞きしますが、昨年度中、首都大学東京が東京都立大学になるという名称変更が発表されました。キャンパスは複数に存在しているわけでありますけれども、余りにも突然過ぎて困惑しているんだという声を多数から聞いてきたわけであります。
改めて、首都大学東京の名称変更はどのような流れで決まったのか教えてください。
○久保田企画担当部長首都大学調整担当部長兼務 首都大学東京は開学以来、社会の変容に応じて活躍できる人材の育成や、多彩な研究の推進に取り組んでおりまして、各種広報紙やシンポジウムなどを通じて、教育研究の成果を広く社会に発信し、認知度の向上に努めてまいりました。
しかしながら、昨年度、都政改革の一環で行いました見える化改革の報告書において、調査結果などから、本来大学が持つ教育研究水準に対し、大学認知度やブランド力が十分とはいえないということが明らかになりました。
昨年七月の都政改革本部会議におきましても、大学のブランディング戦略や、都が設置する大学としてのプレゼンス向上に向けた都との一層の連携などに関する議論がございました。
こうした議論を踏まえ、法人として、認知度の向上などにスピード感を持って取り組むこととし、法人の経営に関する重要事項の審議を行う経営審議会などにおいて検討を重ねました結果、大学の名称を変更することといたしました。
○川松委員 ありがとうございます。
都政本部会議での議論を踏まえて、法人として認知度を向上させていきたい、こういうことにスピード感を持って取り組んでいきたいということで、名称変更したというのが今の答弁なわけですけれども、そもそも首都大学東京は、石原都知事時代に、全く新しい大学をつくるんだということで、東京都立大学、都立科学技術大学、都立保健科学大学、都立短期大学が統合されて誕生したのは当然のことなんですが、昨年度の、この話が出てきたときの報道を見ていると、都立大学名称復活なんていうキャッチーなものもありましたが、今挙げた四つのうち、復活は一つだけであります。
つまり、日野だったら科学技術、荒川だったら保健科学、昭島、晴海だったら短大ということになりまして、こういった名称から首都大学東京を経て都立大学になっていくということなんですね。こんなにころころ名称が変わる施設が大学なのかななんていう意見も、地元の方から聞いてきたわけですが、もともとあった都立大学は、今回、首都大学を経て都立大学に戻ると、これも一体何と思うわけですね。
一時期、東京都政も、いろんな人に会うたびに都知事がかわってるねと、ころころかわって、あんたのところ大丈夫なのと、さんざん我々は批判されてきたわけですけれども、いわゆる研究機関である大学がまさに、そう簡単に変わるものじゃないだろうと、継続性を持とうとしていこうという中で、変えちゃったというのが総務局の判断でありますが、余りにもこれ、人ごとのような議論だと思うんです。机の上のような議論で決めてきたんじゃないか。
伝統校だとか、あるいは私学にあるような、その大学の哲学とか信念といったものを曲げているんじゃないかというふうにしか、私は見えないわけですけれども、これも確認になりますが、地元の人たち、各大学のキャンパスの所在する地元の人たちには、どのような説明を行っているんでしょうか。
○久保田企画担当部長首都大学調整担当部長兼務 首都大学東京では、名称変更の手続に着手することを発表いたしました翌月の平成三十年九月から、南大沢キャンパスの地元でございます八王子市に対しまして、学長を初めとする幹部職員等が、名称変更の方針を決定した経緯や今後のスケジュールにつきまして説明をいたしました。
同時に、八王子地域の大学、市民団体、経済団体、そして企業、公益団体、行政などで構成をされております大学コンソーシアム八王子などの地元関係団体に対しましても説明を行ってまいりました。
また、本年第一回都議会定例会におきまして、名称変更に係る定款変更の議決をいただいた後には、日野、荒川、晴海キャンパスが所在する地元の区市、そして大学に関係する公共交通機関に対しましても、名称変更の経緯などについて説明を行うなど、ご理解をいただけるよう取り組んでおります。
○川松委員 今、取り組んでおりますという答えですけれども、地元の人たちに聞くと、それを納得せいという説明だから、納得しなきゃいけないのかなという話になっています。
南大沢の駅もだんだん盛り上がってきて、首都大学東京とセットになって、いろんなアクセスルートもできてきた中での名称変更に戸惑っているということでありますが、一方で、実際に学ばれている学生の皆さん方に対しては、どのような説明を行っていらっしゃるんでしょうか。
○久保田企画担当部長首都大学調整担当部長兼務 学生に対する説明につきましては、まず、名称変更の方針の決定前に、学長が学生団体の代表者たちと面会をいたしまして、意見や要望を聴取いたしました。
また、方針の決定後は、学生や教職員に加えまして、保護者なども対象とした説明会を八回にわたり実施いたしました。
こうした説明会に加えまして、大学のホームページに名称変更に係る特設ページを開設いたしまして、理事長や学長のメッセージとあわせて、説明会の資料を掲載しているところでございます。
なお、卒業生に対しましても、学長が同窓会総会で直接説明をしたほか、同窓会評議員会や同窓会の支部への説明も行っております。
○川松委員 今、地元の皆さんに対して、あるいは学生の皆さんに対しての説明について聞きましたけれど、やっぱり愛情ないんじゃないのという声を聞きます。折しもその中で出てきたのが、名称変更だけじゃなくて校歌もどうするんだと、大学を変えて校歌も変えて、また名称が戻ったら校歌の歌詞を変えるのかなんていう騒動にも今、なっているのが現場のことです。
これが都政改革会議で議論されて、あるいは都知事が決めたことだからといって、それに従って粛々と、その担当部署の皆さん方、仕事しているだけなんじゃないかと、現場の人たちがいっているわけですよ。もうちょっと、みんなでつくり上げていこうといって首都大学東京にしたんだったら、なぜ現場は粘り切れなかったのかというのが、これは昨年度中のことの疑問です。
そもそも、大学のブランディングあるいはプレゼンスの向上を考えてという、先ほど答弁ありましたけれども、そういうことであるならば、僕は看板を書きかえることではなくて、どんな学者たちをこの敷地に集めることができるのか、あるいはどんな学生に集まっていただけるのか、どんな研究や、あるいは取り組みで、ほかの大学には負けない独自性というものを確立していくのかということが一番大切なことであって、私は、名称変更はそこじゃなかったんじゃないかなと思うんです。
つまり、名前を変えることを、方向性を決めていきますということで大学名を変えるんだったら、スローガンみたいなのをつくって変えればよかったんじゃないのというふうに思いますけれども、ただ看板を変えるかのような姿勢ではなくて、先ほど、うすい委員から話もありましたけれども、中身こそで勝負する、ここを充実させるということが今求められていること、大切であるというふうに考えますけれども、都の見解を伺います。
○久保田企画担当部長首都大学調整担当部長兼務 名称変更は、都立の大学であるということを都民の方にわかりやすく発信をし、教育研究の成果を都民及び都政に還元していくという大学の存在意義を、これまで以上に明確にしていくことを目的に行ったものでございます。
こうした考えに基づきまして、首都大学東京では、その中身の基本となる中期計画を見直しまして、広報の専門家などを活用した認知度、また、ブランド力の向上に戦略的に取り組むとともに、都や区市町村との連携事業の拡充や、グローバル化の推進などを図ることとしております。
今後は、こうした取り組みを重層的に展開いたしまして、首都大学東京の教育研究の質をさらに高めてまいりますとともに、都立の大学としてのプレゼンスの向上に一層努めてまいります。
○川松委員 今の答弁、重要でして、名称変更は大学の存在意義をより明確にする、その考えに基づいてさまざまな計画を進めていくということであります。
ならば言及しますけど、未来の東京への論点にも示されていますけど、都立大学を世界最高峰の大学に進化させると、都の方針としてばっちりうたっているわけですね。先ほどいったように、じゃ、この大学で何をするのかということを、もっと具体案を、未来に向かっての計画というのを、総務局はより早く、そして広く打ち出していただきたいと思っています。
例えば、さっき、うすい先生の話からありましたけれども、理系の研究ということであるならば、研究して、始めて、すぐ目の前にその結果が出るなんてことはあり得ないわけです。息の長い事業、時間をかけて、時間をかけて、新たな発見に出会い、そしてその発見を多くの人たちに、生活が変わっていくように今度、応用していく、その中で、この大学の研究があってよかったねというふうに、振り返ったときに長い歴史が語られるんだと思うんです。
今みたいに、人ごとのようにころころと大学の看板を変えているようだったら、どうやって世界クラスの学者はこの大学に来るんですか。世界の人たちが文書を見たときに、文献を見たときに、常に大学の名前が変わっていて、何なんだ、一本線につながらない、あるいはここの大学に行ってもころころ大学が変わっちゃうようなところだから、予算も削られちゃうんじゃないか、今の都政が好きなサステーナビリティーの視点で見たら、この大学、本当に大丈夫なのというのが、多分、世界の学者の皆さんの見方だと思います。
もっともっと力を入れて、本当にこの東京都立大学というものを、来年の四月から、皆さん方が力を入れていくんだというのであれば、今、例えばソサエティー五・〇を追求するというのが都政の基本方針にあります。そこのキーワードの中に、例えばシンギュラリティーというものがある。人工知能がこの人間の生活においてかなり変化をもたらす地点を我々は迎えようとしているので、そういう分野で最先端を築く人を輩出するとか、何かそういう具体的なものを出していかないと、今の世界ランキングの中でどれだけ離されているんですか。これを言葉だけ世界のトップクラスにするなんていうのは、ただわあわあわあわあ騒いでいるだけで、誰も信用しないですよということを指摘しておきます。
その中で、今、シンギュラリティーといいましたけど、この同じ、未来の東京への論点の中にも、都庁の提携業務の大半はAIが務めることになるんだってうたっているんです。
だから、今までだったら--総務局だったら総務局の中で考えるんじゃなくて、この都立大学というのは、東京都庁が持っている都政の大学だという意識の中で、もっと全庁で知恵を出し合う、どうしたらいいんだということをして、都政改革議論みたいな人ごとではなくて、もっと愛を持って議論していくべきだと思います。
今、うすい委員からは、研究費が安定した大学だという指摘がありましたが、私からいわせると全く足りません。全く足らない。こんなんだったら、さっきいったように、世界から学者は集まらないし、あるいは学生たちも魅力あるといって来ない。もっとラボも足りない。これが現状です。
そこで、最後に局に要望しますが、平成三十年度に東京都政は大きな決断をして、この名称変更をした。これが未来に向けてのこととして、計画として立ち上げていったんだという答弁がありましたから、東京都立大学を世界最高峰の大学へと進化させると、この三十年から令和元年度に向かって発表した中で、要望します。よりこの大学に予算をつけてください、局長。より研究者含む人材の確保に全力を尽くして、本当に確保してください。そして、より先進的なラボを、もっと都内の各所あるいはもっと交通アクセスのいいところに設けてください。このことを皆さん方が着手することで、本気で東京都立大学、新しい都立大学は、世界のトップを目指すんだなというメッセージの発信になります。
皆さん方が本気かどうか、このあたりを常に我々はチェックし続けて、局長にこのことを求めて、私の質問を終わります。
○米川委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○米川委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で総務局関係を終わります。
これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
午後四時四十四分散会
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