平成三十年度各会計決算特別委員会第二分科会速記録第五号

令和元年十月二十八日(月曜日)
第十委員会室
午後一時開議
出席委員 十名
委員長大松あきら君
副委員長関野たかなり君
副委員長里吉 ゆみ君
後藤 なみ君
舟坂ちかお君
栗林のり子君
つじの栄作君
木下ふみこ君
清水 孝治君
中村ひろし君

欠席委員 なし

出席説明員
オリンピック・パラリンピック準備局局長潮田  勉君
次長理事兼務延與  桂君
次長岩瀬 和春君
次長総務部長事務取扱中村 倫治君
技監荒井 俊之君
理事西村 泰信君
理事中澤 基行君
調整担当部長菅原 雅康君
大会企画調整担当部長中嶋 初史君
自治体調整担当部長小池 和孝君
計画推進部長田中  彰君
運営担当部長末村 智子君
運営調整担当部長三浦 幹雄君
ボランティア担当部長小高 都子君
競技・渉外担当部長川瀬 航司君
事業推進担当部長丸山 雅代君
パラリンピック部長越  秀幸君
障害者スポーツ担当部長加藤 みほ君
大会施設部長鈴木 一幸君
開設準備担当部長利用促進担当部長兼務鈴木 研二君
施設担当部長湯川 雅史君
施設整備担当部長草野 智文君
選手村担当部長斉藤  有君
スポーツ施設担当部長藤木 仁成君
輸送担当部長村田 拓也君
輸送担当部長佐久間巧成君
スポーツ推進部長小室 明子君
ラグビーワールドカップ準備担当部長
ラグビーワールドカップ事業調整担当部長兼務
田中 愛子君
ラグビーワールドカップ事業調整担当部長
ラグビーワールドカップ準備担当部長兼務
篠  祐次君
ラグビーワールドカップ会場運営担当部長
国際大会準備担当部長兼務
関口 尚志君

本日の会議に付した事件
平成三十年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
オリンピック・パラリンピック準備局関係
・平成三十年度東京都一般会計決算(質疑)

○大松委員長 ただいまから平成三十年度各会計決算特別委員会第二分科会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、オリンピック・パラリンピック準備局関係の決算に対する質疑を行います。
 これよりオリンピック・パラリンピック準備局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成三十年度東京都一般会計決算中、オリンピック・パラリンピック準備局所管分を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○中村次長 去る十月七日の当分科会におきまして要求のございました資料についてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元にお配りしております平成三十年度各会計決算特別委員会第二分科会要求資料をごらんください。
 表紙をおめくりください。資料1、スポーツ振興事業に係る予算及び決算の推移でございます。
 都のスポーツ振興事業に係る予算額及び決算額につきまして、平成二十六年度から平成三十年度までの五年間の推移を記載してございます。予算額は、いずれも当初予算額となっております。
 一枚おめくりください。資料2、都立スポーツ施設の指定管理料の推移でございます。
 九つのスポーツ施設の指定管理料につきまして、平成二十七年度から令和元年度までの五年間の推移を記載してございます。
 なお、平成二十七年度から三十年度までは決算額、令和元年度は当初予算額となっております。
 一枚おめくりください。資料3、東京都が支援するスポーツの世界大会の開催状況でございます。
 都が後援または共催によりまして支援を行いました世界大会の件数及び主な大会名を記載してございます。
 一枚おめくりください。資料4、平成三十年度二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの成功に向けた区市町村支援事業実績でございます。
 スポーツ振興等事業及びスポーツ施設整備事業につきまして、平成三十年度の事業実績及び予算額、決算額を記載してございます。
 一枚おめくりください。資料5、区市町村別スポーツ推進委員委嘱数及び都内障がい者スポーツ指導員登録者数でございます。
 上段の表に平成二十六年度から平成三十年度までの区市町村別のスポーツ推進委員の委嘱数、下段の表に同じく平成二十六年度から平成三十年度までの都内の障害者スポーツ指導員の登録者数を記載してございます。
 一枚おめくりください。資料6、平成三十年度TOKYOスポーツ施設サポーターズ事業に係る平成三十年度の協力先、貸出施設名、利用実績件数を記載してございます。
 一枚おめくりください。資料7、都立学校活用促進モデル事業での体育施設の貸出実績でございます。
 学校別の貸出施設と平成二十八年度から平成三十年度までの貸出可能日数、貸出日を記載してございます。
 以上、簡単ではございますが、要求資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○大松委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○関野委員 それでは、質疑を開始させていただきます。
 まずは、みんなのメダルプロジェクトに関してです。
 大会の機運醸成として、都市鉱山からつくるみんなのメダルプロジェクトについては、多くの国民の協力のもと、都庁や都市、地下鉄、大会パートナー企業、全国の小学校、また全国自治体などの協力により、約五千個のメダル製造に必要な金属量が集まったことに全国協力団体に感謝をいたします。
 このような都民、国民への協力について、目標を達成できない事業もある中、今回このように目標量を達成できた理由、すなわち具体的な取り組みや経過についてお伺いをいたします。

○三浦運営調整担当部長 メダルプロジェクトは、大会の機運醸成と国内の小型家電等の資源リサイクルの推進を目指しまして、都や組織委員会、国、通信事業者、リサイクル事業者が連携しまして、メダル製作に必要な金属を集めるため、二〇一七年春に都庁舎での回収を皮切りに、通信事業者や地方自治体でも回収を開始したところでございます。
 その後、都におきましては、都営地下鉄主要駅や公立学校等に回収拠点を拡大し、ホームページやPR動画、チラシ等による広報活動に加えまして、事業者からの宅配による回収を可能とするいわゆる再生利用指定制度も開始いたしました。
 また、全国レベルでも自治体や郵便局、小学校等の回収拠点が拡大するとともに、関係機関によるPR活動が展開されまして、都も全国で行ったフラッグツアーにおいて回収を行うなど、積極的に協力したところでございます。
 さらに、循環型社会の形成に向けた東京二〇二〇大会のレガシーとなるプロジェクトとして、知事みずからも情報発信に努めました。
 こうした取り組みによりまして、昨年十月には必要な金属のうち、銅は目標量に達しましたが、金と銀の目標達成を確実にするため、都や組織委員会が行うイベントでのPRなど、さらなる連携を進めまして、本年三月に必要量が集まる見込みとなり、小型家電等の回収を終了したものでございます。

○関野委員 答弁ありがとうございます。今の答弁のとおり、みんなのメダルプロジェクトにおける目標の達成は、官民の協力と効果的なPRの展開、そして大会機運の盛り上がりとともに広がった都民、国民の理解と協力に支えられた成功事例であるというふうに考えます。こうした取り組みと経験は、まさに大会のレガシーとなるものであります。
 また、今後、例えば組織委員会では各種報告書や持続可能性に係る報告書などを作成すると伺っております。オリ・パラのレガシーとして、報告書の作成時には貴重な成果として記載されると考えますが、そのような内容について、今後の都各局において実施する事業、特に、多くの都民や国民に協力していただく事業にしっかりと生かしていただくことを要望しておきます。
 次に、障害者スポーツについてです。
 スポーツ選手へのバックアップ振興に関して、都はアスリート・キャリアサポート事業として、スポーツ推進の企業の募集を行い、アスリートのスキルアップセミナーや現役アスリートの雇用のサポートを行っているとも聞いています。
 そのような点から、企業の意識改革、オリ・パラへの機運醸成については今後も実施していただきたいと考えますが、地域へのアスリートの認知度ですが、オリンピック選手は認知度が高い状況にありますが、パラリンピックの選手においては、競技自体もそうですが、まだまだ認知度が低いように感じております。
 そういう意味から、パラリンピックに関する認知度をどのように上げていくか、今回はこの点についてお伺いをいたします。
 知事は、パラリンピックの会場を満員の観客で盛り上げることが大会の成功の鍵であるといっています。まさに今、ラグビーワールドカップがなし得たフルスタジアムを、来年のパラリンピックでも現実のものとし、世界中から集まるパラアスリートを熱い声援で迎えられるようにしなければなりません。
 そのためには、多くの人にパラリンピック大会や競技の魅力を知ってもらい、興味、関心を深めてもらう取り組みが必要です。
 現在、都は、市区町村等と連携して、パラリンピック競技大会プログラム、NO LIMITS CHALLENGEを実施しております。パラスポーツに縁遠い人に興味を持ってもらうために、ふだん余り触れることのない競技を知り、実際に体験できる貴重な機会であると理解をしております。
 しかし、オール東京で機運を高めるためには、区部だけではなく、市町村や島しょ地域も巻き込んで取り組みを進めなければなりません。
 そこで、都は、NO LIMITS CHALLENGEを二〇二〇年までに全市区町村で実施する目標としておりますが、その達成に向けて、平成三十年度、どのように取り組んだのか達成状況とあわせてお伺いをいたします。

○越パラリンピック部長 都は、東京二〇二〇大会の開催機運の盛り上げにつなげることを目的といたしまして、平成二十七年度から市区町村等が主催するイベントにおいて、パラリンピック競技の体験やアスリートによるトークショー、競技用具の展示等を行うパラリンピック競技体験プログラム、NO LIMITS CHALLENGEを実施しております。
 実施場所につきましては、特に未実施の市区町村に対し、イベントの規模にかかわらず実施可能なこと、市区町村の経費負担がないこと、当該自治体にご協力いただく内容等を丁寧に説明することに加え、他の自治体での事例を具体的に示すことなどにより働きかけを進め、選定してまいりました。
 平成三十年度は、区部十三カ所、多摩地域十九カ所、島しょ地域三カ所の計三十五カ所において、車椅子バスケットボールやボッチャのほか、馬術、カヌー、ボートなど計二十一競技の体験機会を提供いたしました。
 これにより、平成三十年度末時点で日の出町など新たに十の自治体を含め、計五十三市区町村においてNO LIMITS CHALLENGEを実施いたしました。
 今後もこうした取り組みなどを通じ、パラリンピックの認知度や関心を高め、大会の機運の醸成に積極的に努めてまいります。

○関野委員 ありがとうございます。まだNO LIMITS CHALLENGEを実施していない市区町村に対して丁寧な働きかけをしていることは理解できました。
 小さな市町村においては、人の集まるイベントもなく、企画に関する案も出せない状況にあることもあります。他の自治体での事例を示すことなどによる働きかけなど、事業の企画に十分な手が回らない市区町村に対しては有効で効果的な支援策です。都内全区市町村での実施という目標に向けた着実な取り組みを要望しておきます。
 次に、パラリンピックの成功はもちろんですが、大会を一過性のものとしないで、大会後に障害者スポーツを根づかせることが大切です。
 二〇一二年ロンドン・オリンピック大会後、エリートではない一般の障害者のスポーツ活動は変わらなかったが、むしろ減ったというレポートがありました。東京は、大会後も障害者がスポーツに親しむ環境づくりを怠ってはなりません。
 そして、環境整備の重要な要素の一つが、障害者のスポーツを支える人材です。昨年度、分科会質疑で我が会派の龍円議員がその重要性を指摘したことに対し、障害者スポーツの裾野を支える障害者スポーツ指導員の着実な育成、活動の活性化を図っていくとの答弁がありました。
 私も、支える人材を育成し、その質を高めることと、その人材をスポーツの現場につなげて実際に活動してもらうことを積極的に推進していくべきと考えます。
 そこで、障害者スポーツの現場を支える中核的な人材である障害者スポーツ指導員の育成や活動の活性化のため、平成三十年度はどのように取り組んだのか具体的な取り組みについてお伺いいたします。

○加藤障害者スポーツ担当部長 都は、障害者スポーツを支える人材を育成するため、市区町村スポーツ推進員等を対象に、日本障害者スポーツ協会の公認資格でございます障害者スポーツ指導員の養成講習会を実施しており、平成三十年度は初級、中級合わせて九十五人が新たに資格を取得いたしました。
 また、指導員等の活動機会の拡充を図るために、市区町村等が実施する障害者スポーツ事業に伴うボランティアの募集案内などを掲載した情報紙を年四回送付いたしました。
 加えて、活動経験の少ない指導員等の活動再開を後押しするため、障害のある方への接し方など座学のほか、スポーツ支援の実践や経験豊富な障害者スポーツ指導員との交流会などをカリキュラムとしたリ・スタート研修会を開催し、三十二人に参加していただきました。
 さらに、障害者スポーツ指導員等を対象とした障害者スポーツフォーラムを開催しまして、百九十八人の参加のもと、活動の場に関する最新の情報提供を行ったほか、指導員間のネットワークの構築を図ったところでございます。

○関野委員 ありがとうございます。具体的な取り組みについては理解しました。
 では、その効果についてもお伺いをいたします。

○加藤障害者スポーツ担当部長 まず、リ・スタート研修会についてでございますが、参加者を対象として、受講後の活動実績を郵送により調査をしておりまして、平成二十九年度は七割を超える方から、活動の幅を広げたり、再び活動を始めたとの回答をいただいております。平成三十年度の活動実績も現在調査を進めております。
 障害者スポーツフォーラムにつきましては、参加者にアンケートを行っておりまして、今後積極的に活動したい、さまざまな分野の方との情報交換をきっかけに活動の場を広げたいなどのご意見をいただいております。
 今後もこうした取り組みによりまして、障害者スポーツを支える人材の着実な育成とその活動の活性化を図ってまいります。

○関野委員 ありがとうございます。講習や研修会に参加した指導員が障害者スポーツの現場で実際どれくらい活動したかなど活動実績の調査、参加者アンケートなど、情報収集していることは理解しました。
 しかし、そのときそのときで状況把握をするのではなく、また現在ペーパーレスなども検討している状況にあることから、その都度交流できるSNSなどや、郵送ではなく、メールでのアンケートなども今後の活用課題としての認識が必要だというふうに考えております。
 もちろん高齢者などの中にはネットなどが不向きな方もおりますので、いろいろな方法を考え、その効果をはかりながら、事業を進めていただければと要望をしておきます。
 次に、東京二〇二〇大会まで二百七十日となり、都市ボランティア、いわゆるシティキャストの募集や面談が終了した状態です。
 今後、活動日時や場所などの調整が行われる現状にあると推察しますが、三十年度決算ということで、三十年度に実施された都市ボランティアの募集について幾つか質疑を行いたいと思います。
 まず初めに、過去に行われた二〇一六年のリオ・オリンピックや二〇一二年のロンドン・オリンピックにおいても、同じようにボランティア募集が行われたと理解をしておりますが、ロンドン大会、リオ大会における都市ボランティアの募集人数と応募人数について--リオ大会ではボランティアではなかったとも聞きますが、確認をいたします。

○小高ボランティア担当部長 過去大会において、都市ボランティアは空港、駅、観光地における観光交通案内等を行いまして、ロンドン大会では、ロンドン・アンバサダー八千人の募集に対し、約二万四千人の応募がございました。
 一方、リオ大会では、ボランティア活動が十分に浸透していないことから、有償で雇用されたシティーホスト約一千七百名が観光案内や会場周辺における観客案内等を行いました。

○関野委員 ありがとうございます。今答弁のあったように、ロンドンは八千人、リオはボランティアとは少し違う形ですが千七百人ということで、過去二大会に比べると、東京二〇二〇オリンピックでは、過去大会を通じて最大の規模となる都市ボランティア、いわゆるシティキャストですが、これだけ多くの方々に応募いただけるよう、どのような取り組みを行い、その成果についてどのように評価するのかお伺いをいたします。

○小高ボランティア担当部長 東京二〇二〇大会では、ロンドン、リオ大会を上回る競技数が開催される一方、これらの大会のように競技会場が集まるオリンピックパークがないこと、また、大会への関心の高まりから、より多くの方々に参加いただけるようシティキャスト三万人といたしました。
 多くの方々に参加いただくため、シティキャストの魅力や活動内容を広くお伝えするとともに、関心を持っていただいた方が実際の申し込みにつながるよう取り組んでまいりました。
 具体的には、大会二年前の時期を捉え、アスリートやボランティア経験者によるトークショーなどのPRイベントの開催、インターネット上の動画サイトやテレビCM、電車内のビジョン等において参加を呼びかけるPR映像の放映を行いました。
 また、都や区市町村の施設、主要駅におけるポスターの掲示、都の大規模イベントにおける申込用紙の配布と応募申し込みの受け付けなどを行いました。
 また、募集説明会を二十回開催しまして、過去大会のボランティア経験者等から活動内容や魅力をお伝えいただくとともに、個別のご相談にも丁寧に対応いたしました。
 さらに、シティキャストでは、家族や友人同士、障害者と介助者など、グループによる応募も可能であることも説明会でわかりやすくお伝えしてまいりました。
 こうした取り組みの結果、三万六千名を超える多くの方々に応募いただきました。

○関野委員 ロンドンの三倍強、リオの十七倍強の三万人という規模とのことで、都内区市町村の協力や、多くのPR方法や媒体を使って応募を促進したと理解をいたしました。
 そのかいもあり、予定人数を超える応募があったとのことですが、その中には都内だけでなく、他県などからも応募があったと考えております。
 募集が終わった時点の応募者の住所について、都内と都外でどれくらいの割合だったのか、この点についてお伺いします。

○小高ボランティア担当部長 シティキャスト応募者のうち、都内にお住まいの方は六四%、他の道府県にお住まいの方は三二%、日本国外にお住まいの方は四%でございました。

○関野委員 近隣県にお住まいの方は、自宅と都内の活動場所との往復に時間がかかります。朝や夜の活動シフトを割り当てるのは難しい方もおられると思いますが、どのように対応するのか、これまでの取り組みと今後の方針についてもお伺いいたします。

○小高ボランティア担当部長 本年二月より開始しましたシティキャストの面談、説明会では、選考の場としてではなく、活動を希望する場所や日時、ご自宅から活動場所への移動などに関する参加者のご意向やご都合、配慮、支援を必要とする内容をお一人お一人丁寧にお伺いいたしました。
 お伺いしたご意向などを踏まえ、来年三月以降、各応募者に役割と活動エリアをお伝えするとともに、活動可能な日程を全てお示しいたします。
 各シティキャストには、都合のよい日時を選んで参加いただくとともに、個別のご相談に応じ、適宜調整を行うなど、きめ細かい配置を行い、意欲のある方々に得意分野を生かしながら、シティキャストとして活躍いただけるよう取り組んでまいります。

○関野委員 シティキャストの皆さんは、皆高い意気込みを持っておられるとも理解をしておりますが、お住まいの場所によっては、電車が少しでもおくれたら、意気込みにかかわらず、少し遅刻してしまうなどのこともあるかもしれません。
 このことを心配した参加者からご相談があった場合は、先ほど答弁にあったように、丁寧に対応し、希望どおりの活動シフトを選択するよう背中を押すとともに、ご希望を踏まえた配置調整を行っていくことが重要と考えます。
 多くの方々からの相談に対し、調整していくことは大変な作業となりますが、その点の配慮も踏まえながら、配置などに気を使い、実施していただければと要望をしておきます。
 次に、ラストマイルについてお伺いをいたします。
 ラストマイルは、ご存じのように、競技会場周辺の駅から競技会場の入り口までに関することですが、この場所には多くの人が集まるため、ルート上の日陰の調査、AEDの配置位置、仮設トイレの配置場所、喫煙所の有無などをわかりやすくすることで、路上美化につながるなど、観客に気持ちよく会場に向かっていただけること、また周辺住民への影響等への配慮が可能となることと考えます。
 そのような観点から質問ですが、ラストマイルにおける路上美化、暑さ対策、仮設トイレの設置などの各種取り組みについて、検討状況、または周辺住民への周知と問題点の把握の状況についてお伺いをいたします。

○末村運営担当部長 大会時に多数の観客が集中する競技会場周辺におきましては、観客に安全、快適な経験を提供いたしますとともに、周辺住民など都民生活への影響を軽減することが重要でございます。
 昨年度は都内会場のラストマイルにおける路上美化、暑さ対策、救護対応、トイレやWi-Fiなど利便設備の設置場所、内容、規模などにつきまして調査検討を行うとともに、会場周辺区市に対してラストマイルの各種取り組みにつきまして説明を行いました。
 現在、自治会、町内会等に対しましても、ラストマイルの取り組みの検討状況について、個別に説明を始めておりまして、大会期間中の都民生活に影響を及ぼす課題の把握に努めております。

○関野委員 対応については理解いたしました。会場周辺の交通対策については、トラック協会など団体においても情報共有を行っていることは理解しておりますが、きめ細かい説明と同時に、協力依頼の徹底についても要望をしておきます。
 次に、暑さ対策についてです。
 昨年八月、十月のオリンピック・パラリンピック及びラグビーワールドカップ推進対策特別委員会でトライアスロンのアスリートでもある我が党の白戸議員から、路上競技の選手や沿道の観客に対する暑さ対策について質疑を行っておりますが、その質疑も踏まえて、昨年度の都の暑さ対策の取り組みについてお伺いをいたします。

○三浦運営調整担当部長 路上競技のアスリートに対する暑さ対策といたしましては、本年四月にマラソン及び競歩を現在の競技時間に変更されたところでございまして、都でもマラソンコースなどの遮熱性舗装の整備に着実に取り組みつつ、関係局で連携し、暑さ指数の測定などの実証実験も進めまして、街路樹の計画的な剪定による樹勢拡大を行うなど、木陰の確保にも努めてきたところでございます。
 さらに、昨年八月には局横断的に総合的な取り組みを進めるため、副知事をトップとする東京二〇二〇大会に向けた暑さ対策検討チームを立ち上げまして、路上競技の沿道や競技会場周辺のラストマイル等での効果的な暑さ対策の検討も進めてまいりました。
 この検討チームでは、関係各局や組織委員会とも連携した基本的な対策を検討、計画し、この夏のテストイベントにおきまして、試行、検証を進め、現在は来夏の大会運営に向け、送風機等を設置したテントや救護所などのハード、ネッククーラーや紙製のうちわなどのソフトの実効性が認められた対策を行うべく、準備を進めているところでございます。

○関野委員 ありがとうございます。局横断的に総合的な取り組みや、関係各所で連携し、暑さ指数の測定など実証実験も進めてきたというふうな形は理解いたしました。
 暑さ対策に大きく関係する今回のオリンピックのマラソン、競歩の競技の会場の件について一言申し上げます。
 今月十六日、IOCは突如、東京二〇二〇大会のマラソン競技及び競歩のコースを東京から札幌へと変更する計画を表明いたしました。
 小池知事の記者会見及び報道によれば、組織委員会は、IOCから事前に計画を伝えられた後、国、北海道、特定の都議に対する調整を実施する一方で、知事への伝達はIOCによる対外発表の前日である十五日に行ったとされております。
 組織委員会がIOCから伝達を受けた時期に関し、十月八日に組織委員会が突如チケットの二次抽せん販売の延期を発表したことから、そのころではないかとの指摘もありますが、組織委員会会長は今月十一日であるとメディアに回答をされております。
 競技会場は、立候補ファイルに記載されておりますが、立候補ファイルを作成、提出したのは開催都市である東京であります。競技会場の変更に都との事前の調整は必須であります。
 本来、組織委員会は開催都市である東京都に対し、最初に協議すべきところを、他の関係者を優先し、IOCの対外発表直前になって事務的な伝達、通告といわれても仕方のないような手法で都に伝達を行うことは、組織委員会の業務に著しい不備があるといわざるを得ません。
 また、二十五日にはIOCのコーツ調整委員会委員長が小池知事を訪れましたが、その際メディアに対し、札幌開催はIOC理事会が決定済みであり覆ることはないと発言したとされております。
 東京都との調整の場である調整委員会の前にもかかわらず対外的に既に決定事項である旨を発信することは、事前に定められた手続きを軽視するものであり、IOCと都の間の信頼関係を大きく毀損するものでないかと疑問があります。
 オリンピックは一部の権利者だけのものではありません。私たちは、IOCの提案を受け真摯に検討した結果、マラソン、競歩の会場はやっぱり東京で実施すべきと考えております。
 IOCは、アスリートファーストを札幌開催の理由として挙げておりますが、しかし、気温については、開催時間を、例えば五時などに早めることにより暑さリスクは現在より低減されます。
 東京は、IOCが懸念するドーハとは大きく気候状況が異なります。また、先日実施されたテストイベントであるMGCは、参加したアスリートから運営面に多くの賞賛の声が上げられており、東京のこれまでの暑さ対策を初めとする運営の妥当性を示すものです。
 そして、アスリートファーストには、気温以外にも重要な視点があります。
 私たちのもとには、さまざまな事情から実名で声を上げることのできない国内外のアスリートから多くの声が届いております。それは、来年の開催を前提に多くの時間とエネルギーをかけて準備を進めてきたにもかかわらず、それを一方的にないがしろにされた選手や運営関係の落胆や戸惑いの声です。
 いただいた声を踏まえると、私たちは、涼しいところで開催することだけがアスリートファーストではないと考えております。
 真のアスリートファーストとは、運営者が十分にコースの準備に時間をかけ、安全な運営のもとで走れること、そして、選手もそのコースと条件に対して十分な準備の期間が与えられ、平等な条件で挑めること、それこそがアスリートファーストです。
 今回の問題は、決して東京だけの問題ではありません。IOCは、夏季大会は七月十五日から八月三十一日までに終わらせなければならないと求めております。
 しかし、世界的に気候変動のリスクが高まり、例えば、二〇二四年に夏季オリンピックが開催されるパリでも四十度を超えるという状況があります。今後、オリンピックが持続可能になるものとして世界中で続けていくことができるのか、今回の件をきっかけに世界的な議論も巻き起こしていかなければなりません。
 私たちは引き続き都民の代表である都議会の最大会派として、マラソン、競歩の東京開催に向けて全力を尽くしてまいると、私からの一言を添えて、質問を終わらせていただきます。
   〔「委員長、議事進行」と呼ぶ者あり〕

○清水委員 今の関野副委員長の一言なんですが、気持ちはわからぬわけではないんですが、今委員会はあくまでも三十年度決算でありまして、まさにこれから、三十日に重要な調整委員会が始まる中で、そのように随分時間をかけて、一言がこれで発言としてなされるというのが、本委員会の質疑としてふさわしいのかというのをちょっとお考えいただいた方がいいと思いますけど、どうでしょう。
 これだったら、全ての会派からそれぞれ意見を申し上げるというふうなことになりかねないんで、その辺ちょっと取り計らいをお願いしたいと思うんですが……。

○大松委員長 済みません、まず、速記をとめてください。
   〔速記中止〕

○大松委員長 それでは、速記を始めてください。(発言する者あり)
 済みません、速記をとめてください。
   〔速記中止〕

○大松委員長 それでは、速記を始めてください。

○栗林委員 それでは初めに、大変注目をされておりますマラソン、競歩の東京開催に関する暑さ対策について伺いたいと思います。
 昨年度の都の暑さ対策への取り組みについて伺いたいと思います。
 これは局横断的な対策で検討を進めているかと思います。平成三十年度は大会二年前でありますので、アスリート向けの対策の検証など進めていたと思います。そこで、実際に行われた取り組みについて伺います。

○三浦運営調整担当部長 路上競技での暑さ対策に関する実証実験といたしましては、昨年八月に環境局や建設局と共同で遮熱性舗装や歩道での散水を行い、暑さ指数であるWBGTの測定を行ったところでございます。
 具体的には、マラソンコースでの実験といたしまして、明治通り沿いの道路路面のうち、遮熱性舗装が実施された路面と実施されない路面に散水車による散水を行い、暑さ指数の変化を比較し、遮熱性舗装の場合、散水を繰り返すことで、一定の効果が実証されました。
 また、沿道における実験といたしまして、内堀通りで散水チューブによる散水や日傘による日陰をつくる場合について、暑さ指数の変化を測定いたしまして、日陰の形成や散水により、やはり一定の効果があることが実証されたところでございます。

○栗林委員 この実証試験での測定というのは、建設局とか、環境局とか、そういった局が連携をして行ったことだと思いますので、オリ・パラ準備局の予算は、三十年度の決算の中でも決して大きな予算ではありません。でも、大事な取り組みでございます。
 大きな、そういう暑さ対策以外にも、オリ・パラ準備局さんが知恵を絞って、私もそのときの実証実験の光景が今でもよみがえりますけれども、チューブに水を流して、それで実際に温度をはかって、こんなことまでやるんだということをそのとき感じたことを覚えているんですね。
 ハイテクだけではなく、いわゆるアナログ的な暑さ対策のためにまだできることはないのかという、皆様が知恵を絞って、いろんな実験をされた。その姿にも感動を覚えたことを今でも覚えております。
 そのように昨年来、こうした地道な検討、また検証を進めていらっしゃったわけでございます。この努力がしっかり実を結ぶように、また、暑さ対策として効果があるんだということをさらに大きく情報を発信していただきたいと思います。
 今、開催地をめぐってのさまざまな議論も始まっているところでございます。今までの、昨年度から行ってきた東京都のこの暑さ対策、ぜひPRをして、東京での開催というものをより進めていただきたいと思います。
 次に、東京マラソンについて伺います。
 都として、マラソンの人気を高めて、またマラソン愛好家をふやし、また健康増進に対しても大きな役割を果たしてきた一つに東京マラソンがあると思います。
 初めに、東京マラソン二〇一九、この概要について、本大会において都が担っている役割もあわせて伺います。

○小室スポーツ推進部長 東京マラソン二〇一九は、本年三月三日に開催され、車椅子の参加者を含め約三万八千人の方が出走いたしました。うち、外国人は約七千九百人でございます。
 雨天の中での開催にもかかわらず、沿道には約八十一万人の観衆が集まりました。ボランティアは延べ約一万三千人の方にご参加いただき、ランナー、観客、ボランティアが一体となった、まさに東京が一つになる日を実現し、大会を盛り上げることができました。
 二〇一九大会の新たな取り組みとしましては、運営面において、世界一安全・安心なマラソン大会を目指し、監視カメラの増設、危機対応バイクの配備、さすまた型案内板の開発、設置と、監視、警備体制の強化を図りました。
 都は、安全対策費としまして二億円の開催補助を行ったほか、地域の人々が参画し、沿道などでランナーを応援するマラソン祭りを実施し、東京の魅力を広く発信いたしました。

○栗林委員 特に危機管理ということで、安全対策を重点的に行ったことは大変重要だと思います。また、一万三千人のボランティア、また沿道でランナーを応援するなどの取り組みも非常に効果があったのではないかと思いますし、また、来年、二〇二〇年大会に向けても大変参考になるのではないかと思います。
 それでは、東京マラソン二〇一九では、悪天候、お天気が余りよくなかったんです。悪天候の中、多くの方が参画をして、盛況でありました。
 ランナー申し込みは、今回も高い抽せん倍率であったと聞いていますけれども、フルマラソンへの申し込みに関して、過去三カ年の定員と、また抽せん倍率について伺います。

○小室スポーツ推進部長 フルマラソンにおいて、エリートランナーなどを除くランナー申し込みにつきましては、大別して、公募による一般エントリーと寄附をされた方に出走いただくチャリティーエントリーがございます。
 一般エントリーの定員は、二〇一七大会及び二〇一八大会におきましては二万六千三百七十人でございまして、それぞれの抽せん倍率は約十二・二倍と約十二・一倍でございます。二〇一九大会の一般エントリーの定員は、千人増加しまして、二万七千三百七十人としまして、抽せん倍率は約十二・一倍でございます。

○栗林委員 二〇一九大会は、エントリー定員を千名増加していただいた。でも、倍率は例年と同じぐらいの十二・一ということで、年々申込者は増加しているということでございます。
 過去三カ年を見ると、十二倍を超えている高い抽せん倍率で推移をしていますけれども、先ほどお話がありましたチャリティーエントリーについて、二〇一九年大会の概要と申し込み状況を伺います。

○小室スポーツ推進部長 東京マラソンの価値を最大限に活用し、社会に還元する取り組みとしまして、十万円以上の寄附をしていただいた方が出走するチャリティーエントリーの仕組みを二〇一一大会から導入しております。二〇一一大会において、定員千人でスタートしたチャリティーエントリーは、その後、定員を拡大し、二〇一九大会では五千人となっております。
 チャリティーエントリーには、先着順で東京マラソン財団が寄附を受け付ける個人チャリティーと、寄附先団体が独自のプロモーションにより直接寄附を受け付けるアクティブチャリティーがございます。二〇一九大会では、個人チャリティーの定員を四千七百人、アクティブチャリティーを三百人として実施いたしました。
 申し込み状況についてでございますが、個人チャリティーは募集開始後、四日間で定員が埋まり、アクティブチャリティーも募集期間の終了を待たず、定員に達しております。
 この仕組みにより、二〇一九大会では寄附金総額が五億円を超えるなど、マラソンを通じた寄附文化が広く定着してきたと認識しております。

○栗林委員 今お話ございましたように、定員を増加しても、あっという間に定員に達してしまうという、それだけ期待され、人気があるということで、うれしい悲鳴でもあるんですけれども、安全性など考えると、どんどんふやしていいという、ふやせるという話ではないかと思いますが、さまざま工夫をしていただいて、参加を希望している人が一人でも多くその機会を得られるようにぜひ取り組んでいただきたいと思います。
 チャリティーエントリーでは、二〇一九年大会は個人チャリティーが募集開始後、四日間で定員が埋まってしまったということです。また、東京マラソンは、二〇一三年に世界六都市で構成されるワールドマラソンメジャーズに加入していて、国内だけでなく海外からの参加者も今後ふえていくと思われます。
 このような状況の中、毎年落選をして、走りたいけど、走れない方が多数生まれます。これらの現状を踏まえて、来年開催される二〇二〇大会に向けてはどのような工夫を行うか伺います。

○小室スポーツ推進部長 東京マラソンの抽せん倍率は、高い水準で推移しておりまして、ランナーの出走決定に際しては、公平性の確保が重要であると認識しております。
 このため、一般エントリーの出走は、毎年コンピューターによる無作為抽せんとしております。その上で主催者である東京マラソン財団では、都民の参加機会をふやすため、二〇二〇大会から都内居住者を対象に定員千人の都民エントリー枠を新たに創設いたしました。
 さらに、三大会連続で落選された方を対象に、二〇二三大会から特別抽せんを実施する予定でございまして、連続落選者にも配慮した仕組みを講じております。
 今後も、東京マラソンを通じて、より多くの方々に走る楽しみを提供し、広くスポーツ振興を図ってまいります。

○栗林委員 ありがとうございます。今、部長から落選を続けた方に配慮した仕組みをスタートしてくださるということを伺い、本当によろしくお願いします。
 私の地元でも、世界中のメジャーなマラソン、毎年参加されているんですね。ところが、東京マラソンだけは落選し続けているということで苦情をいただいています。毎年苦情をいただいております。この方は八十歳にことしなられて、一体いつになったら走れるんだということで、そういう苦情をいただいたので、今のお話、早速お伝えしたいと思うんですが、マラソン財団さんの方で出していただいた集計の中にも、東京マラソンに参加されている最高年齢の方、男性が八十九歳、女性の方も八十三歳の方が参加されているというデータが出ておりましたけれども、このようにお元気な高齢者の方も参加を目標に頑張っていますので、ぜひ取り組みをお願いしたいと思います。
 私の地元世田谷でも、世田谷ハーフマラソンというのがあるんですね。これはことしで十四回目、来月ありますけれども、そこもやはり倍率が四倍になってきて、定員が千八百人のところ、六千人ぐらい今回も申し込みがあって、高校生から三十九歳、四十歳から五十九歳と、あと六十歳以上ということで、分かれて表彰式も行ったり、やはりマラソンはチームでなくても、一人でも参加もできるし、自分のペースに合わせて取り組める大変入りやすいスポーツの一つではないかと思いますので、これから健康増進という意味も込めまして、しっかり取り組みを求めてまいりたいと思います。
 二〇二〇年大会に向けて、さまざま工夫をされていただいていることは理解いたしました。今後、高齢者や障害者に対し、またより一層ご配慮いただきたく思います。
 次に、復興五輪、被災地支援について伺います。
 都議会公明党は、開催決定時より、被災地の復興なくして二〇二〇大会の成功はないということを訴え、さまざまな政策提案をさせていただいてまいりました。定期的に被災地を訪れて、現地の要望を伺ってきては、それを政策にということを取り組ませていただいておりました。
 二〇二〇大会に向けた被災地支援について、三十年度はどのような取り組みを行ったのか伺います。

○小池自治体調整担当部長 被災地の方々がスポーツに親しむ機会を創出し、スポーツの力で被災地の方々に元気をお届けするとともに、東京二〇二〇大会を復興の大きな力とすることは非常に重要でございます。
 このため、都は、被災地にトップアスリートや運動の指導者を派遣し現地で活動するアスリート派遣事業や、被災地の子供たちを東京に招待してスポーツ交流などを行う被災地招待事業、被災地をスタートして東京までたすきをつなぐ、未来(あした)への道千キロメートル縦断リレーなどを実施してまいりました。
 これら一連の事業によりまして、スポーツの持つ力で被災地に元気を届けるとともに、復興しつつある東北の姿をしっかり発信しております。
 また、こうした事業などを通じて、元気を取り戻しつつある被災地の姿を世界にも伝えるため、映像を制作し、世界中のメディアが集まるワールドプレスブリーフィングなど、さまざまな機会を捉えて国内外に広く発信いたしました。
 さらに、これらの取り組みに加えまして、平成三十年度は海外メディアに宮城県及び福島県を取材していただく取り組みを実施し、十三カ国二十四名のメディアにご参加いただくなど、海外への発信を強化したところでございます。
 今後とも、東京二〇二〇大会に向けまして、組織委員会や被災県等と連携協力しながら、スポーツの力で被災地に元気をお届けする復興支援の取り組みを進めてまいります。

○栗林委員 よろしくお願いいたします。千キロメートル縦断リレーには、毎年我が党の議員も参加をさせていただいて、継続的にずっとともに走り、応援をさせていただいてきました。
 八月七日の駒沢公園でのゴールのときには、私も参加をさせていただき、大変暑い中ではありましたけれども、多くのランナーがゴールをしたその瞬間は大変感動的なものでございましたので、まだまだこれで終わりではなく、被災地の復興をともに進めていくのが東京五輪なんだということを、一層PRにも努めていただきたいと思います。
 次に、パラリンピックについて伺います。
 パラリンピックの成功なくしてオリンピックの成功はない、このことも開催決定時より我が党は訴え、積極的に政策の提案もしてまいりました。そして、東京都も本当にこの点は積極的に取り組みをしていただきました。
 そこで、パラリンピックの機運醸成について伺います。
 先日、パラリンピック観戦チケットの第一次抽せん販売の結果が公表されました。大会組織委員会によると、同時期の比較では、ロンドン二〇一二大会と比べ、三倍以上の申し込みで、過去最多であったと大変うれしい結果でございました。
 東京二〇二〇大会の招致が決定する前に、パラリンピックのことやパラリンピック競技のことを知らない人が恐らく多かったのではないかと思います。招致決定以降、東京都がパラリンピックのすごさとか楽しさなど、またその魅力を伝えていくとともに、機運醸成の取り組みを加速度的に進めてきた、その結果があらわれているのではないかと思います。
 そこで、都は、平成三十年度、機運醸成をどのように取り組みを行ってきたか伺います。

○越パラリンピック部長 都は、パラリンピック競技や選手の認知度向上を図るとともに、パラスポーツのファンをふやし、東京二〇二〇大会の開催機運の盛り上げにつなげることを目的として、さまざまな取り組みを行ってまいりました。
 具体的には、パラスポーツの応援プロジェクト、チームビヨンドの一環として、パラアスリートの魅力を伝えるステージイベントやパラスポーツ体験会を十日間にわたり行う大規模なまち中イベント、ビヨンドフェス丸の内を実施し、延べ五万九千人の来場者にパラスポーツに触れていただきました。
 また、チームビヨンドのメンバーが一体となって観戦、応援するイベント、ビヨンドスタジアムを実施し、パラパワーリフティングや車椅子ラグビーの競技を約千六百人の参加者が観戦いたしました。参加者アンケートでは、競技観戦について、テレビよりも競技会場で見たいという意向が上回るなどの結果が得られました。
 さらに、参加体験型イベント、チャレスポTOKYOでは、パラリンピック競技を初めとしたスポーツ体験のほか、初めての試みとして、バーチャルリアリティーを活用したスポーツの疑似体験などの機会を提供し、前年度を上回る約二万三千人の来場者がございました。
 今後もこうした取り組みなどを通じ、さらに認知度を高める必要のある競技を中心に、パラリンピックへの関心を高め、大会の機運醸成に積極的に努めてまいります。

○栗林委員 本当にチャレスポとか、さまざま取り組んでいただいたイベントに、多くの都民の方たちの関心が高まってくるというのは、伺うたびにそれは実感をさせていただきました。
 また、区市町村のスポーツ大会とか、小さなイベントでも、ボッチャの体験だとか、そういうコーナーも大変多く展開をされるようになって、またアスリートさんの露出もどんどんどんどん積極的にされることによって、機運醸成というのは一気に盛り上がり、それが今回の第一次チケットの抽せん販売の結果にもつながっているんじゃないかなと思いました。
 私も絶対当せんすると思ってたくさん申し込んだら、全部外れました。次の申し込みもまた狙わなければいけないと思いますけれども、本当にそれがだめだったら、今度は春以降の販売窓口のチケット申し込み、こういうこととか、とにかくこれでもか、これでもかと次から次とあるチャンスに挑戦をしたいと思います。
 最近は、やはり東京都だけでなくて、先ほど申し上げましたように、区市町村の大会とか、またスポンサー企業などでも体験会やトークショー、こういったものも開催をしていただき、パラリンピックに触れる機会がここ数年で格段にふえてきています。
 また、学校の授業などでも取り上げられていることから、子供たちの中にパラリンピックやその競技が特に浸透してきているように思います。
 子供やその家族、そして一九六四年の東京大会を知っている--私も含めてですけれども、方たちまで幅広い人たちが関心を持っていただけるようになったのではないかと思います。そうした方々にぜひ大会本番は、競技会場に足を運んで、みんなで応援しましょう、そしてその感動と興奮を分かち合いましょうという、大いにそういう情報も発信してまいりたいと思います。
 やはり大勢の観客が応援をしてくれているということは、選手にとっても本当に大きな励みになりますし、力を発揮できる何よりのエネルギーではないかと思います。そのためには、今のうちから実際に競技を観戦していただいて、競技や選手の魅力を知ってもらうことが重要です。
 そこで、平成三十年度、パラリンピック競技大会を実際に見る機会の確保と観戦の促進にどのように取り組んできたのか伺います。

○越パラリンピック部長 都は、都民の観戦機会をふやすため、競技団体によるパラリンピック競技の国際大会開催を支援する取り組みを平成三十年度から開始いたしました。
 平成三十年度は、国内で二十八年ぶりとなる視覚障害者柔道の国際大会や、前年度まで国内大会であったものを格上げして開催されたパラパワーリフティングの国際大会など、計五つの国際大会の開催を都の共催により支援いたしました。
 開催に当たっては、区市町村や学校、企業などと連携して、積極的に観戦の呼びかけを行ったほか、「広報東京都」や街頭ビジョン、SNSなどの広報媒体、さらには各種イベントなどを通じて、広く大会のPRを行ってまいりました。
 加えて、パラスポーツの応援プロジェクト、チームビヨンドのメンバー向けに観戦会を企画し、実況解説のほか、選手との交流や競技体験の場を設けるなど、会場に足を運んでいただくための方策も講じてまいりました。
 こうした取り組みにより、開催を支援した大会においては、前回大会等と比べ、軒並み来場者が増加するなど、パラリンピック本番に向けて、観戦の機運が着実に醸成されております。
 今後も東京二〇二〇パラリンピックを盛り上げるため、都民に観戦機会を提供するなど、観戦促進に積極的に取り組んでまいります。

○栗林委員 パラリンピック開催に向けた機運を最大限に高めて、実際に多くの方に会場へ足を運んでいただくためには、やはりアスリートを知っていただく、日本代表の選手とか、また東京にゆかりのある地元選手の活躍というのも大変興味を持っていただくところではないかと思います。
 パラリンピックで活躍する選手の姿は、勝ち負けにかかわらず、国民そして都民に希望と勇気を与えるすばらしい力を持っているのではないかと思います。また、障害のある人に対する意識を変えるきっかけにもなって、共生社会の実現に向けても大きく寄与するものではないかと思います。
 都は、東京二〇二〇パラリンピック競技大会に向けて、東京に縁のある、ゆかりのある選手を一人でも多く輩出するための取り組みを行っていますけれども、三十年度の実績について伺います。

○加藤障害者スポーツ担当部長 都は、東京二〇二〇パラリンピック競技大会に、都が発掘、育成、強化するアスリート二十五人が出場することを目標としております。
 そのため、競技スポーツへの挑戦の機会を提供いたします障害者スポーツ選手発掘事業を実施いたしますとともに、競技歴の浅い有望選手にアスリートとして不可欠な専門知識等を習得させる障害者スポーツ選手育成事業を行ってまいりました。
 また、パラリンピック等の国際大会への出場が期待されている東京ゆかりの選手百名を平成三十年度東京アスリート認定選手として認定いたしまして、遠征費等の競技活動の費用負担を軽減するための支援を行いました。
 こうした取り組みによりまして、平成三十年十月に開催のインドネシア二〇一八アジアパラ競技大会に四十七名の選手を輩出するなど成果があらわれております。
 今後とも、東京にゆかりのある選手がパラリンピック等の国際大会で活躍できますよう積極的に支援をしてまいります。

○栗林委員 ありがとうございます。アスリート認定選手として、遠征費等の競技活動の費用の負担を軽減する、そういった支援もしていただいているということで、やはり継続的に力をつけていただくためには、こういった経済的な支援も大変重要でございます。これがなければ持続もできないような大変厳しい状況の中で頑張っている方もたくさんいらっしゃいます。ぜひ引き続いての支援をお願いしたいと思います。
 東京二〇二〇パラリンピック競技大会まであと一年を切りました。選手の大会出場に向けた戦いも本格的に始まっています。引き続き選手をしっかりサポートしていただきたいと思います。
 また、あわせて、東京にゆかりのある選手もいろんなところでご出場いただいて、都民と触れ合える場所とか、そういったところにも精力的に取り組んでいただき、力いっぱい、力の限り応援していきたいと思います。
 多様な人たちが活躍する舞台、それがオリ・パラではないかと思います。一層の取り組みをお願いして、質問を終わります。

○清水委員 それでは、よろしくお願いいたします。
 オリンピック・パラリンピック準備局の皆様におかれましては、平成三十年度、まさにラグビーのワールドカップの成功に向けての取り組みや、あるいはいよいよ来年に迫ってまいりましたオリンピック・パラリンピックの準備に献身的に取り組んでこられたのかなと思います。そのことに関しましては、私からも感謝申し上げたいと思います。
 きょうは、それ以外のことをちょっとお尋ねしたいと思います。東京都におけるスポーツ環境の整備についての取り組みについてのお尋ねでございます。
 るるお話が出ておりますラグビーのワールドカップ、本当に大変盛り上がっております。それは試合内容もさることながら、それだけではなくて、注目がピッチ、グラウンドに集まっているようでありまして、東京スタジアムにも導入されましたハイブリッド芝というんですか、あれ、あれだけの激しいスクラムをやってもなかなかめくれ上がらないという、青々としているということで、競技会場、グラウンド整備のすばらしさというのも注目されているんじゃないかと思うわけであります。
 申すまでもございませんで、スポーツは競技の場が確保されなければ成り立たないわけであります。最近はバーチャルスポーツなんて画面の中でやるスポーツも、あれも大変楽しいようでございますが、基本的にはグラウンドや体育館がなければいけないというのは基本だと思います。
 都内で身近なスポーツ会場を確保するためには、やはりこれは公共施設に頼るところが多うございまして、私たち地方議員と称する者たちは、競技団体の役員というのを仰せつかることが大変多くございます。それも関係しているのかなと思うわけであります。
 公共スポーツ施設の利用の競争率が本当にそんな中で高まっている中、都は、来年のオリンピック・パラリンピックに伴う都立スポーツ施設の改修ですとか休館に備え、大学や民間企業と協定を結んでいただいて、その施設を貸し出していただくTOKYOスポーツ施設サポーターズ事業を実施しているわけであります。
 そこで、スポーツの場の確保に資するTOKYOスポーツ施設サポーターズ事業の概要と実績について、まずはお伺いしたいと思います。

○小室スポーツ推進部長 東京都では、東京二〇二〇大会に向け、都立体育施設が改修、休館していく中にあっても、都民が身近な地域でスポーツを実施できるよう大学や企業等と協定を締結し、有償でスポーツ施設を貸し出していただくTOKYOスポーツ施設サポーターズ事業を昨年四月から新たに実施しております。
 平成三十年度に都民に貸し出しを開始した協力先は七団体九施設でございまして、利用実績は五十八件となってございます。

○清水委員 ありがとうございます。七団体の皆様方に三十年度にはご協力いただいているということで、大変ありがたい話なのかなと思います。
 私も三十年ほど前、社会人ラグビーを、草ラグビーでございますけど、やっておりまして、この体型ですから、もちろんフォワードの第一列なんでございますが、当時の中堅企業といわれている会社でございましたけど、そんな会社でも社員の福利厚生ですとか、あるいは社内クラブ活動のために、体育館ですとかグラウンド等のスポーツ施設を持っているのが当たり前のようでございました。
 しかしながら、近年では、経費の節減ですとか、企業スポーツの衰退など、会社がグラウンドや体育館などのスポーツ施設を持たなくなる中で、本事業に賛同くださる団体や企業の皆様にもう本当に感謝をするわけでございます。
 その中で、このサポーターズ事業の平成三十年度予算額は百九十五万円とやや少額なのかなと思うわけでありまして、しかもその中身のほとんどがチラシの作成の経費に充てられているというふうなことでございます。
 そこで、こういった献身的に協力していただく団体には、この事業はどのようなメリットがあるのかというのをお聞かせいただきたいと思います。

○小室スポーツ推進部長 本事業は、スポーツ施設を所有している大学や企業等がその活動に支障のない範囲で施設を都民に貸し出しするものでございます。
 協力先になっていただいた大学、企業等につきましては、都のホームページや「広報東京都」など、さまざまな媒体で社名等を周知するとともに、本事業を紹介するチラシを作成し、都主催のスポーツイベント等で配布するなど、広くPRを行っているところでございます。
 協力先の企業からは、東京二〇二〇大会に向けて、自社のスポーツ施設が地域のスポーツ環境の維持に役立つことは光栄である、今後も社会貢献活動として本事業にできる限り協力していきたいなどの声をいただいております。

○清水委員 ありがとうございます。協力企業の方から役立つことは光栄であるなんていうもったいないようなお言葉まで頂戴しているわけでありまして、まさに無償の奉仕なのかなと思っている次第でございます。
 しかしながら、最近は企業CR活動というものも盛んに行われているわけでありまして、その意味では、ある意味地域への貢献も実施しているというふうなことなのかなと思っているわけであります。
 そこで、やはりこういった協力していただく大学や企業の皆様にとって、都としてもできる限り何かインセンティブを与えていただけるよう今後ご検討いただければなと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 そこで、サポーターズ事業というのは本当によい事業だと私は思うわけでございますが、この事業を進めるに当たりまして、どのような課題を今持っているのかお聞かせいただければなと思います。

○小室スポーツ推進部長 本事業につきましては、大学や企業等が所有するスポーツ施設を学生や企業等が利用していない日時に貸し出していただくというものでございます。
 本事業の利用者の傾向としましては、土日や平日夜に施設を利用したいという声が多うございますが、現状ではその時間帯は協力先で使用することが多いため、結果として、都民の利用機会が少なくなっているという状況でございます。
 一方、平日の日中につきましては、施設が比較的あいておりますが、利用実績としては伸び悩んでおります。このようなことが本事業の課題であると認識しております。

○清水委員 ありがとうございました。マッチングのことなのかなと思いますが、大学生ですとか社会人など、現役世代でございますので、そういった方を対象としていれば、休日や夜間にスポーツ施設の利用が集中することは当然でございまして、現状、利用実績が上がりにくいというのもうなずけるわけであります。
 しかし、私は、本事業がオリンピック・パラリンピックのレガシーの一つとなって、都民の身近なスポーツ環境確保策の一つとなり、継続されることを望むものでございます。そのためには、実績もやはり必要だと思うわけであります。例えば、シニアスポーツ振興の一環として、現役を退かれたシニア世代の方に本事業を活用していただくことも私は重要だと思います。
 そこで、このような課題に対し利用実績をどのように増加させていくのか、その取り組みについてお伺いをしたいと思います。

○小室スポーツ推進部長 都では、ホームページや「広報東京都」を含め、さまざまな媒体を活用し、本事業の周知に努めております。
 具体的には、事業を紹介するチラシを作成し、都主催のスポーツイベントで配布するとともに、都立及び区市町村立のスポーツ施設を初め、区市町村や施設近隣の学校等にも広く配布しております。
 また、東京都スポーツ推進企業や東京商工会議所加盟企業、競技団体等、関係団体への周知にも努めております。
 さらに、施設の所在自治体だけでなく、近隣自治体の区報、市報やホームページに本事業の協力先や利用可能日等を掲載しております。
 加えまして、今年度夏から、利用者が各施設における利用可能な日時を容易に把握できるよう、月の初めに翌月以降の各施設のあき状況を集約し、都のホームページ、スポーツTOKYOインフォメーションに掲載しております。
 今後とも施設の利用が促進されますよう、関係団体や区市町村と連携し、さらなる広報活動を展開してまいります。

○清水委員 ありがとうございます。さまざまな媒体を通じまして、本事業の周知方に努められているようですし、直近ではホームページで施設のあき情報まで掲載されているとのことでございます。
 都のご努力を評価する一方で、やはりシニア世代に対する周知方にはさらなる工夫をしていただければなと思います。ホームページもなかなかその場面にたどり着かなかったりするものでございまして、私も若干苦手な方でありますので、まだシニアじゃないと思うんですけど、ぜひともそういったこともご配慮いただければ、さらなる利用率が高まるのかなと思います。
 本事業におかれましては、協力先と利用実績の両方が増加することによって、都内で身近なスポーツ環境が充実されると思いますので、そういったことをこれからも継続されていくことを真に望むものでありますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 続きまして、障害者スポーツの場の確保についてお伺いしたいと思います。
 何といっても、ことしのイベントはラグビーワールドカップでございましたが、これはやはり日本があれだけの好成績を残したというふうなこともあったと思うわけでございますが、実はもう一つのラグビーの世界大会が十月の中旬に行われたことはもう皆さんご存じなのかなと思います。
 ラグビーワールドチャレンジというふうな大会でございまして、東京体育館で開催されたわけでございますが、これは車椅子ラグビーといわれているものでございます。車椅子ラグビーというのは、ラグビーだけじゃなくて、バスケですとか、アイスホッケーですとか、バレーのさまざまな競技の要素を取り入れて、見る者も非常に楽しめるようなエキサイティングな競技になっておりまして、私もテレビ等で丸いボールを運んでいる姿を見て、はらはらどきどきした思いがございます。
 この東京体育館で行われた大会におきましては、多くの児童や生徒に観戦していただいて、力いっぱい声援をいただいたというふうなことも伺っておりますし、これは来年のパラリンピックも会場がいっぱいになるんじゃないかというふうに大いに期待しているものでございます。
 また一方で、パラリンピック大会を成功させることは本当に大変重要なことでございますが、取り組むべきことは、大会後においても障害のある人がスポーツを楽しめるようにしていくこと、これも大変重要だと思うわけであります。
 都は、東京都スポーツ推進総合計画に掲げます障害者スポーツ振興の目標実現に向けて、しっかりと取り組んでいかなければなりません。そのためには、環境の整備が必要でございまして、我が党はかねてから身近な地域にスポーツができる場があることの重要性、特に特別支援学校の活用を訴えてまいりました。
 都は、平成二十八年に場の確保の一環といたしまして、都立の特別支援学校の体育施設を活用する事業を立ち上げていただきました。開始から三年が経過したわけでございますが、今後この事業を推進していくためには、これまでの取り組みをひとまず総括しておくことが有効だと思うわけでございます。
 そこでまず、都立学校活用促進モデル事業の平成三十年度の施設貸し出しの実績と利用団体の数をお伺いしたいと思います。

○加藤障害者スポーツ担当部長 都は、平成二十八年九月からモデル事業といたしまして、障害のある方や障害者スポーツ競技団体等が身近な地域でスポーツ活動ができるよう、都立特別支援学校の体育施設の活用促進を図っております。
 具体的には、特別支援学校の体育館やグラウンド等の体育施設を、学校教育活動に支障のない範囲でスポーツ団体に対しまして平日夜間や土曜日、日曜日、祝日に貸し出しを行っておりまして、申し込みにつきましては、障害者団体等を優先しております。
 施設の貸出可能な日数でございますが、二十九年度が十校で二千百七十二日であったのに対しまして、三十年度は十五校で三千四十二日でございまして八百七十日増加をいたしました。
 実際に貸し出しを行った日数でございますが、二十九年度は九百九十七日であったのに対しまして、三十年度は一千八百四十四日で八百四十七日増加しており、利用実績は向上いたしました。
 また、本事業を利用している団体でございますが、二十九年度末で百八十九団体でございましたが、三十年度末には百十七団体増加いたしまして三百六団体となっております。このうち障害者団体等は、二十九年度末で百十一団体でございましたが、三十年度末には四十四団体増加をいたしまして百五十五団体となっております。

○清水委員 ありがとうございます。利用日数ですとか、利用団体数が年を追うごとに拡大していることがよくわかりました。
 また、登録団体数に占めます障害者団体数が三百六団体中の百五十五団体ということですから、約半数を占めているということで、これはこの三年間の取り組みの積み重ねであると思います。特別支援学校が地域における障害者スポーツの拠点になってきたことのあらわれなのかなというふうに思うわけでございます。
 この事業の目的でもございます障害者が身近な地域でスポーツができる環境整備に向けましては、特別支援学校、都内にたしか五十七あったと思いますので、ぜひとも実施校の拡大が望ましいと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 そこで、このモデル事業では、平成二十八年度から毎年五校ずつふやしているそうでございまして、三十年度は十五校で実施したとのことでございますが、実施校をふやす上でどのような課題があったのかお伺いしたいと思います。

○加藤障害者スポーツ担当部長 実施校の拡大に向けましては、学校ごとにハード面などの制約がございまして、例えば、学校の本来の運営に支障を来さないよう独立した利用動線の確保が難しいことや、各学校が全ての障害種別に対応した設備を備えてはいないことなどの課題がございました。

○清水委員 ありがとうございました。障害児の利用を前提といたしました特別支援学校の施設でございましても、障害の種類、例えば聴覚障害ですとか視覚障害ですとかと、肢体不自由では、ハード面の整備に違いが出てしまうのは、これは否めないことなのかなと思います。
 段差解消ですとか、あるいは体育館の壁面のクッション処理など、障害者スポーツが安全に実施できるような必要最低限なバリアフリー整備を、所管外の局でございますが、教育庁にはぜひとも私もお願いしたいなと思うわけでございます。
 そして、この事業では、施設の貸し出しのほかに、誰もが体験できる体験教室というのを実施しているわけでございます。障害のある方だけでなくて、ボランティアなど運営側の方も一緒になって、例えばボッチャですとか、パラリンピック競技や風船バレーといったレクリエーションスポーツに参加していると伺っているわけであります。
 身近な地域にある特別支援学校で実施する体験教室だからこそ、障害者スポーツを地域で支える人たちにかかわっていることが重要だと思うわけでございます。
 そこで、平成三十年度の体験教室の実績を伺います。あわせて、地域との連携の状況についてもお伺いしたいと思います。

○加藤障害者スポーツ担当部長 都は、障害の有無にかかわらず、個人で参加が可能な体験教室を実施しておりまして、平成三十年度は十五校におきまして、ボッチャや車椅子テニスなど二十一種目、計九十五回の体験教室を開催し、参加者やボランティア等の合計数は二千三百九十四人でございました。
 実施後のアンケートによりますと、参加者からは、体験教室を通して体を動かす機会がふえた、新しい仲間ができたなどの回答があり、携わったボランティアでは、九割以上の方が、今後地域で障害の有無によらず仲間と自主的にスポーツやレクリエーション活動をしてみたいと回答するなど、地域での活動の促進につながっております。
 また、一部の実施校におきましては、地元自治体が実施いたします人材育成事業と連携いたしまして、地域の方にボランティアとして参加していただいたほか、地域スポーツクラブの協力を得て、障害特性に応じたきめ細かい教室運営を行ったところでございます。

○清水委員 ありがとうございます。さまざまなスポーツに、障害のある人もない人もたくさん参加をしていらっしゃることや、地域との連携に取り組み始めていることが今の答弁でよくわかったわけでございます。
 一方で、年九十五回もの体験教室を実施するということになりますと、さまざまな課題もあったのではないかと思うわけでございます。
 そこで、平成三十年度の体験教室を実施していく上でどのような課題があったのかお伺いしたいと思います。

○加藤障害者スポーツ担当部長 体験教室は、実施校ごとに人気のある種目を選定するなどの工夫によりまして、多くの方にご参加いただいておりますけれども、障害の有無にかかわらず、誰もが参加可能でございますため、結果として、障害のある方の参加が少ない場合もございました。
 また、実施場所や時期によりましては、障害者スポーツ指導員やボランティア等の運営に欠かせない人材の確保が難しい場合もございました。

○清水委員 ありがとうございました。前段の方は、参加者が多くなってきたということでいたし方がないのかなと思うわけでございますが、後段の方の人手不足のことについては、やはりこれは昨今さまざまな施策の展開の中で人材確保の困難性が指摘されているわけでございます。
 そんな中、地元自治体の方ですとか、あるいは地域スポーツクラブの方といった限られた人材ではありますけど、体験教室を通して、障害者スポーツへの対応方など、そういった方たちに対するスキルアップも、私は期待できるんじゃないかなというふうに積極的に理解をしているわけでございますので、ぜひとも地域の方にもよろしくお伝えをいただければなと思います。
 こういった体験教室が、よい意味で東京都の施策を離れて、地域の力を持って、障害の有無によらない、あらゆる住民がスポーツを身近で楽しめるような環境が整う日が近づくようなことを私は祈念をいたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。

○里吉委員 私からも、まず最初に、障害者スポーツの振興について伺いたいと思います。
 スポーツ基本法は、スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことは、全ての人々の権利であるとうたっています。また、東京都は、東京都スポーツ推進総合計画でスポーツ都市東京の実現に向けて、さまざまな取り組みを進めております。
 そうした中で、今も質疑がありましたけれども、日常的に、障害を持っている方々もスポーツに取り組めるようにすること、このことが大変重要だと考えます。そのためには、単発の障害者向けのスポーツ企画ではなく、継続的にスポーツを楽しめる環境を整備することが大切です。
 今質疑もありました特別支援学校の活用促進モデル事業、これも身近な場所の体育館やグラウンドを開放して、障害者の方が身近な場所でスポーツを継続できる、そういう大事な施策だと思います。
 もう一つが、障害者スポーツ地域振興事業、これで自治体を東京都は支援をしております。この二〇一八年度の実績、具体的な事例について伺います。あわせて、特に障害者の中でも人気があるといわれております水泳について、どのような取り組みが行われているのか伺います。

○加藤障害者スポーツ担当部長 障害のある方が身近な地域で継続的にスポーツを楽しめる環境づくりを進めるため、平成二十七年度から区市町村が主体的に取り組む障害者スポーツ事業に対しまして補助を行う障害者スポーツ地域振興事業を実施しております。
 三十年度は、知的障害者ダンス教室やトランポリン教室など障害のある方が参加できるスポーツ教室のほか、運動会などの大会、さらには障害者スポーツを支える人材を養成する講習会など、四十八区市町村が実施をいたします合計百二十五のさまざまな事業に対しまして補助を実施いたしました。
 水泳に関する取り組みといたしましては、障害者専用コース設置のための指導員配置や個々の障害特性に応じた指導を実施する水泳教室の開催、水泳指導者養成講座の実施などの事業に対しまして補助を実施いたしました。

○里吉委員 資料4に昨年度の実績も示していただきましたけれども、この事業、障害のある人が身近な地域で継続的にスポーツを楽しめる環境づくりを進めるために始めたという今ご答弁がありましたけれども、私、これが本当に大事なことだと思います。
 私、二年前にもこの決算でこの問題を取り上げたんですけれども、そのときは三十六自治体でした。ですから、着実に自治体数もふえていますし、事業数もふえているということがわかりました。
 水泳についてですけれども、自治体でも努力していただいているということで、専用のコースをつくっているところがあるというお話がありましたけれども、プールが混んでいて、障害者の方が水泳がなかなか楽しめないというお話をいつも私、聞くわけなんです。
 それで、自治体でもいろいろ努力していただきたいと思うんですが、特別支援学校の活用促進モデル事業で、プールが対象になっていないんです。
 教育庁との関係もあるので、要望にとどめておきますけれども、できたら私は、少なくとも新しくつくる特別支援学校のプールについては温水プールにして、年間を通じて、そこに通う子供たちも、そして地域の障害者の方も活用できるようになると、本当に障害者スポーツの場が広がるなというふうに思っております。
 障害者のスポーツの場をふやしていくということで、場の確保が求められているわけですけれども、今取り上げていただいたのは経費による支援だと思いますけれども、あわせて、どうやって障害者スポーツに取り組んでいくのかというノウハウの提供ですね。一番最初に取り組むときには、どのように、さまざまな障害を持っている方々がスポーツを始める、取り組んでいただけるかということが大事だと思うんです。
 東京都では、障害者スポーツ地域開拓推進事業ということで取り組んでいただいていますが、この昨年度の実績と具体的な取り組みについて伺います。

○加藤障害者スポーツ担当部長 地域における障害者スポーツの取り組みを促進いたしますため、平成二十三年度から区市町村や地域スポーツクラブ等に対しまして、障害者スポーツ地域開拓推進事業により支援を行っております。
 三十年度は、区市町村が開催する障害者スポーツ指導員養成講習会や小中学校が行うパラリンピック競技の体験授業に係る企画相談などの支援を百十七件、指導員等の派遣を百十九人、用具の貸し出しを七十八件実施いたしました。

○里吉委員 私も以前、障害者スポーツ協会の方にお話を伺ったんですけれども、どうやって障害者スポーツの事業を始めようか、取り組もうかというところから相談に乗って、立ち上げるということを地道にやっていらっしゃるというお話でした。こうした地道な取り組みでさまざまな障害のある方々のスポーツの場を広げていくという取り組み、本当に大事だと思います。
 これもそこでいろいろ聞いた話なんですけれども、今この話の中で用具の貸し出しが七十八件ということでありました。
 それから、先ほど最初にお伺いした障害者スポーツ地域振興事業でも、スポーツを始めるときに用具をそろえるのも経費の中に入れてもいいということで、用具をそろえることはできる、借りることもできるということなんですけれども、用具を置く場所がなかなかないということで、これは特別支援学校もそうなんですけれども、そこに行くときに、誰かが車を用意して、そこに持っていかなければいけないということがあって、これはなかなかどこのスポーツ団体でも困っていることだと、抱える同じ課題だと思うんですけれども、置き場がないために、毎回用具を運ばなければならないということが大きな負担になっているということで、施設を使っている団体などと協議もして、ぜひ工夫していただけたらなというふうに思います。
 そしてもう一つ、地域でスポーツを継続的に進めていくのに必要なことが、障害者スポーツの支援をする人材の育成です。都内障害者スポーツ指導員登録者数は、初級、中級、上級と年々増加していて、ただいま質疑もありましたけれども、本当に活動している方が一部だというふうに聞いているんです。
 お話をお伺いしましたら、今、積極的に大学生の方なども授業の一環として、初級障害者スポーツ指導員の資格を取るということもあって、大変関心は高まっている。
 しかし、実際には、活動する場がなかったり、マッチングできなかったりということで、そういう意味では活動する場所をどういうふうにつくっていくのかということが大切なことだと思います。
 先ほど質疑がありましたので割愛しますけれども、障害者スポーツ指導員が今約三千人ということで、この方たちが本当に障害者のスポーツの場で活躍できるように、リ・スタート研修会ですとか障害者スポーツフォーラムですとか、やっていただいているというご答弁が先ほどありましたけれども、本当に幅広く障害者スポーツの場に、こういう支えたいという方が出向いていけるような場の確保、仕組みづくりをお願いしたいと思います。
 そして、障害があっても、身近に継続的にスポーツが楽しめる場があって、指導者がいれば、障害者の方々のスポーツの裾野はもっともっと広がっていくと思います。パラリンピックの後も、東京都として、引き続き取り組みを進めていただきたいと思うんです。
 そのためには、障害者スポーツ地域振興事業は、表題に二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの成功に向けた区市町村支援事業実績というふうに書いてあって、オリンピック・パラリンピックが終わったらどうなっちゃうんだろうというふうに心配に思う方もいらっしゃるんじゃないかと思うんです。
 ですが、今質疑を聞いていまして、皆さん方、これはパラリンピックが終わっても、もちろんやっていくつもりだということだと思いますので、ぜひパラリンピックを一つの契機に、その後、さらに障害者のスポーツ振興を進めていただきたいということを要望しておきたいと思います。
 次の質問に移ります。
 次は、オリンピック・パラリンピックに向けての共同実施事業について一点、少し確認をしていきたいと思います。
 共同実施事業管理委員会は、二〇一七年、平成二十九年五月三十一日の大枠の合意に基づいて、共同実施事業、すなわち組織委員会が東京都や国等の関係者が負担する資金を使用して実施する事業を適切に遂行し、管理するために設立されました。
 これは、東京都が今、負担する金額六千億円まで膨れ上がっているわけですけれども、東京都が負担することになっている六千億円のうち、仮設関係が二千七百億円、輸送、セキュリティーなどの大会関係、また国が負担する仮設のお金などなど、いろんなものがあるわけですけれども、組織委員会が執行するもので、組織委員会が負担できない、大枠の合意で東京都が負担する、つまり税金を投入するということになったものが、この共同実施事業管理委員会の対象となっております。
 本来、組織委員会の負担で行う事業ですから、ここに税金、公金を投入するということで、東京都としてもしっかりコストの縮減や効率化という観点から、この中身について、議会でも、都民でも、きちんと情報公開していくことが重要だということで、我が党はこの間、東京都作業部会の議事録だとか、会議資料等の公開を繰り返し求めてまいりました。
 私がこの問題を取り上げたのは、二〇一七年九月のオリンピック・パラリンピック特別委員会だったんですが、このときは原則非公開という設置要綱というのはおかしいという質問をさせていただきました。質疑の中では、契約に関する情報、個人情報、企業の事業活動情報など、秘密情報も含まれていることから、会議そのものについては非公開としているものの、それ以外のものについては、透明性の確保、説明責任の観点から、会議資料等は公開を進めていくという答弁がありました。
 二〇一八年五月の質疑では、一つ一つの事業、入札後、入札結果とか契約金額についても公表するのか、都の負担と組織委員会の負担の割合なども公表するべきだという質問もいたしましたが、そのときも公表のあり方については組織委員会と検討を進めていくという答弁がありました。
 その後、いろいろご努力もいただいて、やはり公金、税金を投入するものですから、きちんと情報公開していこうということで、情報公開を進めてきたわけです。
 私、きょうお伺いしたいのは、ホームページ見ましたら、大分、東京都作業部会の中身がわかってまいりました。しかし、例えば二〇一八年度に、じゃあ何回東京都作業部会やったのかなと数えようと思いましたら、日程がわからないものがありまして、二〇一八年七月十一日の第十三回作業部会以降は、時々あいているんですけど、あとは回数しか書いていないんですね。
 ですから、十六回目が十月十日にあった、第十八回目が十月二十五日にあった、二十一回目が十二月十八日にあったということはわかるんですが、その次は第三十五回の作業部会が二〇一九年六月七日にあったということしかわからないんです。
 そこでまず、二〇一八年度に東京都作業部会は何回行われたのか、そして、主な内容と会議録などが公開されていない部分がありますので、その理由について伺いたいと思います。

○菅原調整担当部長 共同実施事業管理委員会のもとに設置しております東京都作業部会は、昨年度二十二回開催しております。
 作業部会では、組織委員会が契約手続に入る前に案件の確認を行い、その会議資料や議事要旨は、組織委員会の契約締結後に公表することとしております。
 また、組織委員会は調達を適正に実施するとともに、入札などにより事業者決定後、さらなるコスト縮減を図るため、契約の相手方と減額交渉を行う場合もあることなどから、契約締結までに日時を要しております。
 作業部会の会議資料については、作業部会での確認が終わり、組織委員会が契約を締結し、会議を構成する都、国、組織委員会での確認ができたものから公表しております。また、作業部会の会議資料、議事要旨につきましては、当局のホームページにおいて作業部会の開催ごとに公表しております。
 お話のありました作業部会を開催した日時につきましては、作業部会の各回ごとのページや議事要旨に記載をしているところでございます。

○里吉委員 私も、入札が終わったらそれで公開できるというふうに思っていましたら、入札した後、その金額からさらに減額交渉している、そこで交渉が整わないと進まないということで、それが済んでから確認して、それから公表ということでした。
 ですから、減額交渉、入札がきちんと行われたかどうかということもそうですけれども、その後の減額交渉もあって、開いているところと、つまり公開されている回と公開されていない回とあるということがわかりましたけれども、作業部会の日時ぐらいはぜひ表書きで公表していただけるように変更していただけたらなと思うのと、部分的でも公開できるようなことがあれば、ぜひやっていただきたいということは要望しておきたいと思います。
 そして、共同実施事業の中のパートナー供給契約についても伺いたいと思います。
 組織委員会と大会スポンサーの間で締結されたパートナー供給契約については、金額などについて、両者における守秘義務に係る事項であるため、公表されておりませんでした。
 この問題については、昨年十一月の文教委員会で我が党の星見委員が質疑をいたしましたが、その際、パートナー供給契約であっても、これは共同実施事業ですから、都民の税金を使うわけですから、その金額は公表するべきだということでただしましたところ、局としても組織委員会に働きかけるという答弁がございました。
 これもホームページを開いてみましたら、大分これが公表されておりました。平成二十九年度は七件、パートナー供給契約があったわけですけれども、このうち私がホームページで確認したものは、現在二件が金額が公開されていました。それから、四件は調整中とありました。一件は事業終了後に契約金額が確定するというふうにされていました。
 そこでお伺いしますけれども、二〇一八年度のパートナー供給契約の件数、金額、また全体に占める割合について伺います。

○菅原調整担当部長 昨年度の共同実施事業の件数は百二十四件で総額は約一千八百億円であり、このうちパートナー供給契約の件数は三十八件で約六百二十二億円となっており、全体の金額に占める割合は約三五%でございます。

○里吉委員 共同実施事業に占める割合が三五%ということで、本当に少なくない割合だと思います。
 このパートナー供給契約に関する情報公開、この間求めてまいりましたけれども、改めて現在の進捗状況について伺います。

○菅原調整担当部長 共同実施事業においては、基本的に契約の相手方及び金額を公表することとしております。
 一方、パートナー供給契約では、パートナーが最低価格で商品等を提供することとなっていることから、その事業上の地位を脅かすことのないよう、契約当事者双方に守秘義務が課されており、金額の公表には法的課題がございます。
 こうした契約についても、組織委員会が契約の相手方と個別に調整を図り合意が得られた契約について、七月末に金額を公表したところでございます。残る契約についても、合意が得られたものから公表していくこととなっております。

○里吉委員 パートナー供給契約については、パートナーが最低価格で商品等を提供することになっているということなんですけれども、それが事実かどうかということも私たちは確認ができないわけです。
 それで、共同実施事業ということで、都民の税金を使うということで、これについては法的課題もあるけれども、組織委員会として、契約相手方と調整をして、公開しているということだと思います。
 今、これホームページで公開されていますけれども、平成三十年度に公金が充当された契約一覧というものがありまして、これを見ますと、十二、三件ですかね、金額がパートナー供給契約でも公開されておりました。
 しかし、半分以上はまだ調整中となっているんですね。これは国内の企業でも公開--公開しているのは大体国内企業なんですけれども、国内企業でも公開していないところもまだありました。
 一点確認なんですけれども、先ほど法的課題があるということで、今後も組織委員会として、合意が得られるように公開に向けて努力はしていただけると思うんですが、場合によっては公開されないまま、公表されないままになる可能性もあるということでしょうか。オリンピックが全部終わった後であれば、公開されるということもあるということでしょうか、その点一点だけ確認したいと思います。

○菅原調整担当部長 パートナー供給契約につきましては、先ほど申し上げましたとおり、契約当事者双方に守秘義務が課されておりまして、金額の公表に法的課題がございます。
 こうした課題を踏まえた上で、組織委員会が金額の公表に向けて、契約の相手方と個別に調整を行っているところでございます。

○里吉委員 とすると、全部が終わった後も結局幾らだったのか、どういう内容だったのかというのがわからないということになりかねないということだと思うんですね。
 これ、共同実施事業が始まったときからの課題なんですけれども、本当に最低価格のものなのか、例えば最低価格でも同じ商品でランクが上の商品の最低価格なのかとか、もっと違うランクでいいんじゃないかとか、いろいろ議論ができるんですけれども、それが全くわからないと議論もできませんし、振り返ることもできません。コスト縮減の議論もできません。
 改めて、都民の税金が使われる共同実施事業ですから、コスト削減や情報公開の取り組みを進めるためにも、ここは公開していただけるように取り組んでいただきたいということを求めまして、私の質問を終わります。

○中村委員 それでは、平成三十年度のオリンピック・パラリンピック準備局の決算について質問いたします。
 初めに、昨年度の二〇二〇年大会の準備状況が順調に行われたかを確認します。
 昨年度当初予算でのオリンピック・パラリンピック準備費は一千百六十一億円となっています。年度末の補正予算で、このうちの共同実施事業四百三億円減額補正したため、予算現額は約七百五十七億円となりました。それでも決算は五百六十八億円、執行率は七五・〇%と高くありません。通常年度末に補正したばかりですから、百六十八億円という大きな金額が不用額となることはあり得ません。
 昨年度の大会の準備状況は計画どおり進んだのでしょうか、執行率が高くない主な理由は何か伺います。

○中村次長 オリンピック・パラリンピック準備費の執行率についてでございますが、共同実施事業等の実績による約百五十五億円の残が不用額の大半を占めますほか、オリンピック・パラリンピック施設整備に係る経費について、一部を翌年度に約二十一億円繰り越すとともに、契約差金や工事内容の見直しにより約五億円の実績残が生じたものでございます。
 このほかの東京二〇二〇大会の開催準備等に係る経費についても、契約差金ですとか事業内容の見直し等によって生じました不用額がございます。いずれも開催準備におくれを及ぼすものではございません。

○中村委員 不用額として最も金額が多かったのは、大会組織委員会が契約発注し、都や国が非公費で負担する共同実施事業です。不用額百六十八億円の内訳を見ると、共同実施事業が百五十億円とほとんどを占め、事業別の執行率はわずか五五・三%と大変低くなっています。
 このようになった理由は何でしょうか、準備は予定どおり行われているのでしょうか、伺います。

○菅原調整担当部長 昨年度の共同実施事業等においては、支払い年度の変更等により、不用額が約百五十五億円生じております。
 その主な要因は、選手村宿泊棟の整備について、当初は細かな工事ごとに検査を行う予定であったものを、工事種別ごとにまとめて効率的に検査することとしたため、中間出来高の支払いが翌年度となったことなどによるものでございます。
 こうした事業は、既に発注済みで事業に着手していることから、支払い年度が翌年度払いとなったことにより、全体の事業進捗に影響を与えるものではございません。

○中村委員 繰り越しを伴わずに対応する負担金として、会計上は問題ないそうです。しかし、オリンピックのように注目されている事業ですし、なおかつこれだけ巨大な金額ですから、丁寧な説明が必要だと思います。多くの都民の理解を得るために、より積極的な情報公開と説明責任を果たしていただきたいと思います。
 さて、この共同実施事業において、組織委員会が実施する契約については、年度ごとにホームページに公表されているとのことですが、スポンサーとの関係から制約があると聞いています。
 先ほども述べたように、積極的な情報公開が必要であり、共同実施事業の契約についても積極的に公開すべきです。どのように公表しているのでしょうか、透明化は図られているのでしょうか、伺います。

○菅原調整担当部長 共同実施事業におきましては、基本的に契約の相手方及び金額を公表することとしております。
 一方、パートナー供給契約では、パートナーが最低価格で商品等を提供することとなっていることから、その事業上の地位を脅かすことのないよう、契約当事者双方に守秘義務が課されており、金額の公表には法的課題がございます。
 こうした契約についても、組織委員会が契約の相手方と個別に調整を図り合意が得られた契約について、七月末に金額を公表したところでございます。残る契約についても、合意が得られたものから公表していくこととなっております。

○中村委員 組織委員会は、広告代やチケット代など、みずからの収入で運営しているとはいえ、大会開催そのものに都は六千億円を出しています。さらに、組織委員会には八百七十八人もの都の職員を派遣し、給料も都が負担しています。
 スポンサー企業にも大会成功に協力をしていただいているとはいえ、これだけ巨大な税金を投入もしているので、都の発注ではないから公開できないということでは、都民は納得しません。ぜひとも積極的な情報公開を求めます。
 また、これまでも繰り返し述べてきたのですが、来年八月で大会が終わると、組織委員会が役割を終えて組織がなくなってしまうと、資料が捨てられてしまうおそれがあります。今からどう都が引き取って保管すべきか検討することを求めます。
 次に、復興五輪への取り組みを伺います。
 改めて組織委員会のホームページを拝見しましたが、復興五輪については、被災地の方々に寄り添いながら、被災地の魅力をともに世界に向けて発信し、またスポーツが人々に与える勇気や力をレガシーとして被災地に残し、未来につなげることを目指しますとありました。
 これまでも都庁全体として、被災地の復興支援に職員を派遣するなど、支援を継続しています。
 オリンピック・パラリンピックに向けて、復興五輪として被災地復興支援をしてきましたが、その予算と決算の金額、成果について伺います。

○小池自治体調整担当部長 平成三十年度におけるスポーツを通じた被災地復興支援事業につきましては、予算額が二億四千七百五万一千円、決算額が二億三千七万四千円でございます。
 具体的には、被災地にトップアスリートや運動の指導者を派遣し現地で活動いたしますアスリート派遣事業や、被災地の子供たちを東京に招待してスポーツ交流などを行う被災地招待事業、被災地をスタートして東京までたすきをつなぐ、未来(あした)への道千キロメートル縦断リレーなどを実施いたしました。
 これら一連の事業によりまして、スポーツの持つ力で被災地に元気を届けるとともに、復興しつつある東北の姿をしっかりと発信することができました。
 また、平成三十年度は海外メディアに被災地を取材していただく取り組みを新たに開始いたしまして、十三カ国二十四名のメディアにご参加いただくなど、発信力の強化を図ったところでございます。
 今後とも、組織委員会や被災県等と連携協力しながら、復興オリンピック・パラリンピックの実現に向けまして取り組んでまいります。

○中村委員 復興五輪のレガシーとして、震災の記憶を風化させることなく、次世代に継承していかなければなりません。大会が終わったら支援が終わりとならないよう、継続的な交流支援を行うよう求めます。
 次に、ラグビーのワールドカップについて伺います。
 関連の予算は、昨年度は八億五千万円でしたが、決算は五億七千万円で、執行率は六六・八%とそれほど高くはありませんでした。
 現在開催中のワールドカップでは、日本が勝ち進み、初めて決勝トーナメントに勝ち進んだこともあり、盛り上がってきましたが、平成三十年度の取り組みの総括について伺います。

○篠ラグビーワールドカップ事業調整担当部長ラグビーワールドカップ準備担当部長兼務 平成三十年度のラグビーワールドカップ関連経費の決算につきましては、契約差金やラグビーワールドカップ二〇一九組織委員会との調整に伴う大会準備経費の減などにより、執行率は六六・八%となっております。
 平成三十年度は、大会の節目などの機会を捉えたイベントに加え、鉄道、バス等の公共交通機関と連携したラッピング車両の運行、都内商店街や大会スポンサー企業の協力を得た大会PR装飾の掲出などにより、大会開催に向けた機運醸成を図ってまいりました。
 また、平成三十年十一月には、東京スタジアムで開催されたラグビーテストマッチを活用して、会場アクセスの検証やイベント運営などの取り組みを行ってまいりました。
 さらに、十一月の会場運営計画の更新、平成三十一年一月のファンゾーン会場の決定、三月の交通輸送実施計画の策定など、大会に向けた必要な準備を着実に進め、円滑な運営や盛り上がりにつなげております。

○中村委員 今大会では、日本は史上初のベストエイトになりました。恐らく今後ラグビーをする子供もふえると思いますが、オリンピックではよくレガシーという言葉が使われますが、このラグビーワールドカップのレガシーを次世代に残るよう取り組んでいただきたいと思います。
 次に、スポーツ振興について伺います。
 東京都スポーツ推進総合計画では、二〇二〇年度で週一回以上スポーツを実施する十八歳以上の都民の割合を七〇%にする目標を立てています。
 平成三十年度のスポーツ実施率と前回調査との区部と市町村部の地域別の比較、年齢別、性別の傾向、今後の目標達成に向けた所見を伺います。

○小室スポーツ推進部長 都民のスポーツ活動・パラリンピックに関する世論調査における全年齢層の平均のスポーツ実施率は、前回の調査である平成二十八年度は五六・三%で、平成三十年度は五七・二%と微増しております。
 地域別では、区部が五六・一%から五八・二%に増加し、市町村部は五六・八%から五五・二%に減少しております。
 年齢、性別で見た実施率の傾向は、高齢者は若年層と比較し、相対的に高うございますが、平成二十六年度から連続して減少傾向にあります。また、男性は四十歳代、女性は三十歳代と四十歳代が総体的に低い傾向にあります。
 このような傾向を踏まえ、次回の調査が行われる令和二年の秋に向け、シニア層や三十歳代から四十歳代を中心とした働き盛り世代などの実施率向上に向けた取り組みをさらに進め、目標達成を目指してまいります。

○中村委員 今、数字だけ聞いていると、あと一年ということですから、なかなか厳しい状況にあるとは思うんですけれども、もちろん目標は都民の皆様にスポーツをしていただくことだと思っていますので、この実施率の目標達成ということはもちろん、今後もさらなる取り組みが必要であり、都内各地域におけるスポーツ実施率の向上やスポーツの裾野拡大に向けた取り組みが重要と考えます。
 先ほどの答弁にもあった高齢者層の取り組みはもちろん、次代を担う子供たちに対してもスポーツに親しんでもらえる機会が重要です。
 そこで、平成三十年度におけるシニアスポーツ振興事業とジュニア育成地域推進事業の実績について伺います。

○小室スポーツ推進部長 お話のシニアスポーツ振興事業とジュニア育成地域推進事業は、都が東京都体育協会及び区市町村の地区体育協会と連携し、取り組んでいる事業でございます。
 シニアスポーツ振興事業では、高齢者のスポーツ実施率の向上と健康の維持増進を目的としまして、六十歳以上のシニア世代を対象としたスポーツ競技会、講習会等を行っており、平成三十年度は三百二十八事業を五十五地区で実施し、約二万五千人が参加いたしました。
 また、ジュニア育成地域推進事業では、地域のスポーツ振興とジュニアスポーツの裾野拡大を目的としまして、スポーツ教室やスポーツ大会等を行っており、平成三十年度は七百八十六事業を五十八地区で実施し、約六万六千人が参加いたしました。

○中村委員 本事業の取り組みの成果が各地域のシニア世代や児童生徒に波及することが重要です。また、働き盛りの世代がスポーツに取り組めるようにするためには、企業の取り組みも重要です。
 働く世代のスポーツへの取り組みは重要であり、企業内の部活動や従業員のスポーツの取り組みを推進している企業を支援すべきと考えますが、昨年度、都としてどのような取り組みを行ったのか伺います。

○小室スポーツ推進部長 都では、働き盛り世代の多くが一日の大半を過ごす職場に注目し、平成二十七年度から東京都スポーツ推進企業認定制度により、この世代のスポーツ活動を推進しております。
 具体的には、社内における部活動など社員のスポーツ活動を推進している企業や、自社のスポーツ施設を地域に開放するなどスポーツ分野における社会貢献活動を実施している企業を東京都スポーツ推進企業として認定しております。
 認定企業には、認定証や認定マークを交付するとともに、都のホームページや取り組み事例集等で社名や取り組み内容を公表しております。
 平成三十年度は二百六十六社を認定し、このうち社会的な影響や波及効果の大きい取り組みをしている企業十一社を東京都スポーツ推進モデル企業として表彰いたしました。

○中村委員 企業そのものも、従業員が休憩や休暇にスポーツを行い、リフレッシュすれば、業績向上にもつながりますし、何より企業にとって最大の財産は従業員であり、健康推進は経営者の責任でもあります。
 また、最近、企業が環境や社会問題などに対して倫理的な役割を果たすべきであるとする企業の社会的責任、CSRが注目され、多くの会社で企業価値を高めるためにCSR報告書を作成しています。何社か見てみましたが、事業そのものの社会貢献に加えて、従業員のスポーツを通じた地域への貢献が記載されている企業も多くありました。
 こうした企業の動向も捉えて、都としても企業のスポーツ振興を図り、さらには地域ともつないでいただくことも大変大切です。
 冒頭の計画の目標を達成しようと思ったときに、やはり年代別に見てみても、この働き盛りの世代のスポーツ実施率の向上というのが大変重要であり、社員のスポーツ振興に取り組む企業がさらに増加し、ほかの企業も追従するなどの波及効果が期待されます。
 さらに、都民にとって身近な場所でのスポーツをするための場の確保、整備が必要です。平成三十年度の市区町村へのスポーツ施設整備費補助事業の実績について伺います。

○小室スポーツ推進部長 市区町村に対するスポーツ施設整備費補助制度は、平成二十六年度から令和元年度までを事業期間とし、スポーツ環境を拡大する工事や誰もが利用しやすいバリアフリーを促進する工事等に対して、財政支援を行うものでございます。
 平成三十年度の予算額は二十億六千四十四万四千円、決算額は十八億八千五百二十三万四千円、執行率九一・五%でございまして、グラウンドの新設やトイレ、更衣室等のバリアフリー化、体育館への空調設置などに対して、合計六十七件の補助を行いました。

○中村委員 先ほど述べた世論調査の結果では、区部のスポーツ実施率が上昇する一方、市町村部は減少するとのことでした。
 この結果を単純に用いることはできないと思いますが、例えば私の地元の三鷹市では、市域も狭く、ほぼ都市化され、未開発の山林や大きな河川敷もないため、新たなスポーツの場の確保は困難であるなど、地域の格差が生じているところはあるかと思います。
 先ほどの事業の方は令和元年度で終了してしまうということなんですけれども、今後も市区町村が整備するスポーツ施設への支援を検討していただきたいと思いますし、また、他局にはなるかもしれませんが、都立公園の活用や、高速道路や下水処理場の上部利用や遊休地の提供など、局を超えての取り組みが重要であるということを意見として申し上げて、質問を終わります。

○大松委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大松委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上でオリンピック・パラリンピック準備局関係を終わります。
 これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
   午後三時八分散会

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