平成三十年度各会計決算特別委員会第三分科会速記録第三号

令和元年十月十八日(金曜日)
第九委員会室
午後一時開議
出席委員 十名
委員長大場やすのぶ君
副委員長加藤 雅之君
副委員長森村 隆行君
けいの信一君
鈴木 邦和君
平  慶翔君
白戸 太朗君
山崎 一輝君
とや英津子君
和泉なおみ君

欠席委員 なし

出席説明員
中央卸売市場市場長黒沼  靖君
管理部長豊洲市場活性化担当部長兼務福崎 宏志君
事業部長長嶺 浩子君
企画担当部長猪倉 雅生君
渉外調整担当部長豊洲にぎわい担当部長兼務石井 浩二君
豊洲市場総合調整担当部長豊洲市場活性化担当部長兼務西坂 啓之君
豊洲市場連絡調整担当部長堀   真君
市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務松田 健次君
財政調整担当部長猪口 太一君
移転支援担当部長赤木 宏行君
施設担当部長渡辺 正信君
環境改善担当部長佐々木宏章君
港湾局局長古谷ひろみ君
総務部長梅村 拓洋君
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長調整担当部長兼務深井  稔君
港湾経営部長相田 佳子君
港湾振興担当部長戸谷 泰之君
臨海開発部長中村 昌明君
開発調整担当部長オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長兼務鈴木  理君
臨海副都心まちづくり推進担当部長矢部 信栄君
臨海副都心開発調整担当部長高角 和道君
港湾整備部長山岡 達也君
計画調整担当部長和田 匡央君
離島港湾部長片寄 光彦君
島しょ・小笠原空港整備担当部長松本 達也君

本日の会議に付した事件
平成三十年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
中央卸売市場関係
・平成三十年度東京都と場会計決算(質疑)
港湾局関係
・平成三十年度東京都一般会計決算(質疑)

○大場委員長 ただいまから平成三十年度各会計決算特別委員会第三分科会を開会いたします。
 本日から四日間にわたり、本分科会所管局の決算に対する局別質疑を行ってまいります。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、中央卸売市場及び港湾局関係の決算に対する質疑を行います。
 これより中央卸売市場関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成三十年度東京都と場会計決算を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○加藤委員 それでは、と場会計の決算の質疑を行いたいと思います。
 都立芝浦と場は、昭和十一年に設置されて以来、長年にわたり都民の食生活を支え続けている施設です。特に戦後の食生活の欧風化が進むにつれ、都民の食肉への需要が高まり、これらの旺盛な需要に応え続けてきたことは大きな功績であると思います。
 また、近年は芝浦ブランドと銘打って、この芝浦発の食肉の認知度を高め、より一層都民の期待に応えていこうとするなど、都と市場業界とが一体となり、創意工夫に富んだ取り組みをされていると聞いております。
 こうした芝浦と場の仕事は、都の職員、卸売会社、内臓、原皮といった食肉業界の方々など、そこで働く皆さんの日々の努力によって成り立っています。皆さんの努力が遺憾なく発揮されるには、しっかりとした施設が整備されることは大前提であることをまずは指摘した上で質問に入りたいと思いますけれども、まず平成三十年度と場会計で実施した施設及び整備の内容と執行状況について伺います。

○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 芝浦と場には、と畜解体を行う施設及び設備に加えまして、解体作業による排水の処理を行う水処理センターなど、多くの施設及び設備がございます。
 これらの施設及び設備は、都民に安全な食肉を供給するため、常に安定的な稼働が求められており、老朽化した施設及び設備の計画的な更新や衛生対策の向上に向けた改修工事を継続的に実施していく必要があり、約六億一千万円を執行したところでございます。
 平成三十年度に執行した具体的な施設整備につきましては、まず竣工後、約三十年を経過した大動物と畜解体施設の屋上防水改修や水処理センターの汚水前処理設備の更新など、施設の長寿命化を図るための取り組みを実施いたしました。
 また、設備の更新にあわせた衛生対策として、豚のと畜解体室で取り出した内臓を処理室へ搬送するための内臓搬送バケットエレベーターの更新工事などを実施したところでございます。
 これらに加えまして、HACCPに基づく衛生管理を平成三十年度末までに開始するために必要な施設及び設備の改修も行ったところでございます。

○加藤委員 芝浦と場の長年の課題として、老朽化した施設をどう更新していくかが挙げられると思います。今日的な高いレベルの品質、衛生管理をしながら、安全・安心で新鮮でおいしい食肉を都民の食卓に届けるためには、待ったなしで対応していかなくてはなりません。この点、市場当局にはしっかりとした対応を今後もしていくようにお願いをいたします。
 そして、さらなる課題として、と畜解体作業における先ほどもお話ありましたが、HACCPへの取り組み、これも重要です。既に二十九年六月に食品衛生法の改正やと畜場法が改正されて、全ての食品事業者に対し、令和三年度には食品衛生管理の国際標準であるHACCPに基づく衛生管理が義務づけられることとなります。
 芝浦と場がこうした状況をいわば先取りし、平成三十年度末までに都と市場業界の皆さんがHACCPに基づく衛生管理を芝浦と場に導入するための取り組みを進めていることは非常に重要であり、安全・安心な食肉を待つ都民の期待に応えるためにも、着実に取り組むべきものだと思います。
 平成三十年度は、施設設備の老朽化改修や更新に加え、このHACCPに基づく管理を導入するために必要な設備、整備を行ったとのことでありますけれども、その具体的な内容を確認するため、このHACCPに基づく衛生管理の開始に向けて、どのような施設設備改修を進めてきたのか伺います。

○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 HACCPに基づく衛生管理を進めていくためには、と畜解体作業における衛生手順の明確化及び確認、検証や全ての入退室者に適用する衛生慣行ルールの徹底等のソフト面での対応を基本としつつ、この実施に不可欠な施設及び設備などハード面の整備も実施していく必要がございます。
 芝浦と場におけると畜解体施設は、その多くが昭和六十年代に整備されたものであり、最新の衛生管理を前提とした構造ではなく、さらには老朽化も進んでいることから、衛生管理エリアに入る際の身体保清設備や害虫などを防除するための網戸の設置などの衛生対策工事を進めてまいりました。
 平成三十年度においては、HACCP管理を円滑に行う環境を整えるために、と畜解体室の入り口にエアシャワーなどの保清設備の設置や、と畜解体室内の衛生管理区分を示すための床面塗り分け工事などを行い、約七千五百万円を執行いたしました。
 これらHACCPの導入に向けた改修工事を平成二十八年度から順次進めているところでございまして、平成二十八年度から昨年度までの三年間で約三億円を執行いたしました。

○加藤委員 HACCPに基づくさらに高度な衛生管理を実現するためには、現場で汗を流す皆さんが衛生管理のマニュアルなどの具体的な手順に基づき、日々の作業を行うことが重要です。これらの取り組みを下支えするためにも、HACCP管理のための施設整備を着実に進めていくことが重要です。
 また、HACCPに基づく衛生管理は、マニュアルをつくって終わり、導入すれば完成というものではないと聞いております。
 ソフト面では、現場の皆さんの習熟度をより高めていくことが重要であり、また老朽化した芝浦と場において、HACCPに基づく衛生管理を今後も継続し、さらには、レベルアップしていくためには、施設面での改善を進めていく余地もあると思います。
 そこで、今後、HACCPに基づく衛生管理をより充実していくためにも、さらなる施設整備が必要といった業界の声もありますので、その点どう対処していくのか伺います。

○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 HACCPに基づく衛生管理の取り組みは、緒についたばかりでございまして、日々の作業を通じ、いわゆるPDCAサイクルにより検証と改善を繰り返し、作業マニュアルの見直しや現場職員の作業熟度の向上などのフィードバックを図り、定着させていくことが重要でございます。
 また、今後、さらなる輸出拡大に向け、よりレベルの高い衛生管理を実現していくための検討を進めていく必要がございます。今後もHACCPに基づく衛生管理を維持向上させていくため、都と市場業界とが一体となり、知恵を出し合いながら取り組んでまいります。

○加藤委員 現在、東京食肉市場が扱う牛肉は、マカオ、ベトナムなど四カ国に輸出していると伺っておりますけれども、今後これをさらに広げていくためには、相手国が求める施設、衛生レベルに高めていく必要というものも出てくるかと思います。そうしたこともにらみながら、頑張っていただきたいというふうに思います。
 繰り返しになりますけれども、芝浦と場は食肉の安定供給という豊かな都民生活に欠かせない大切な役割を日々果たしております。質疑で明らかなように、老朽化した施設の改善やHACCPに基づく衛生管理など、課題は山積しておりますけれども、これらに対し正面から向き合い、一つ一つ解決していくことが重要であります。
 特にHACCPのレベルアップを見据え、施設設備の改善にもぜひ取り組んでもらいたいと要望します。
 芝浦と場、そして同一の地に居を構える食肉市場においては、もうすぐ恒例の食肉市場まつりが開催されます。そこには多くの都民の皆様が安全でおいしい食肉を求めて来場されます。
 市場当局にあっては、こうした都民の方々の笑顔を日々思い出していただきながら、都民のために今後も不断の努力を継続しながら、芝浦と場の運営に努めてもらうことを要望しまして、質問を終わります。

○大場委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大場委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で中央卸売市場関係を終わります。

○大場委員長 これより港湾局関係に入ります。
 初めに、理事者の欠席について申し上げます。
 港湾局の原技監は、病気療養のため、本日の分科会に出席できない旨の申し出がありました。ご了承願います。
 決算の審査を行います。
 平成三十年度東京都一般会計決算中、港湾局所管分を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○梅村総務部長 十月七日開催の当分科会で要求のございました資料につきましてご説明を申し上げます。
 お手元の平成三十年度各会計決算特別委員会第三分科会要求資料をごらん願います。
 要求のございました資料は、表紙をおめくりいただきまして、目次に記載のとおり七項目でございます。
 それでは、一ページをお開き願います。東京港における耐震強化岸壁の整備状況でございます。
 岸壁の区分を緊急物資輸送と幹線貨物輸送の二つに分けまして、それぞれの全体計画、整備状況を記載してございます。
 二ページをお開き願います。港湾整備費におけるふ頭等の新規整備の事業費でございます。
 平成二十六年度から三十年度までの五年間の港湾整備費につきまして、ふ頭の新規整備分と道路等の新規整備分、その他に区分し、百万円単位で記載してございます。
 三ページをお開き願います。島しょ等港湾整備費における翌年度繰越額及び不用額の推移でございます。
 平成二十六年度から三十年度までの五年間の予算現額、支出済額と予算現額に占める割合、翌年度繰越額及び不用額につきまして、百万円単位で記載してございます。
 四ページをお開き願います。使用料及び手数料の推移でございます。
 平成二十六年度から三十年度までの五年間の使用料、手数料につきまして、百万円単位で記載してございます。
 五ページをお開き願います。伊豆諸島各島への就航率の推移でございます。
 平成二十六年から三十年までの五年間の就航率につきまして、大島から青ヶ島まで、各島の貨客線と高速ジェット船、それぞれの就航率を記載してございます。
 六ページをお開き願います。調布飛行場の飛行目的別の離着陸回数でございます。
 平成二十六年度から三十年度までの五年間の調布飛行場の離着陸回数につきまして、飛行目的別に記載してございます。
 七ページをお開き願います。晴海ふ頭を除くクルーズ客船寄港回数の推移でございます。
 平成二十五年から三十年までの六年間のクルーズ客船の大井水産物ふ頭への寄港回数について、実績を記載してございます。
 以上をもちまして、簡単ではございますが、要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○大場委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○白戸委員 観測史上初の記録的な暴風をもたらした台風十五号、そして観測史上記録的な大雨をもたらした台風十九号、これまでに経験したことのないような台風が日本列島を襲い、人的被害、建物の被害など大参事を引き起こしました。
 お亡くなりになられた方々に対しまして、心からご冥福をお祈りするとともに、ご家族や友人、また被災された方々にお見舞いを申し上げます。
 まず、東京港の無電柱化について伺います。
 ことしの例を見るまでもなく、近年はこれまでには想像しがたい大規模な台風が頻発しており、さきの台風十五号では、島しょ地域を含め近隣県においても電柱倒壊等による大規模な停電が発生するなど、人々の生活などにも大きな影響を与えています。
 皮肉なことではありますが、今回の台風の被災が、無電柱化の、地震時に加えまして、台風に対する防災力としても非常に重要であるということを改めて再認識したところでございます。
 港湾局が所轄する臨海部エリアには、東京二〇二〇大会の競技会場が集中しており、開催時には外国の方を含め、多くの来訪客が見込まれます。こうしたことから、東京二〇二〇大会競技会場周辺の無電柱化は、大会開催までに完了することが極めて重要でございます。
 そこでまず、改めまして東京港における無電柱化の方針について伺います。

○山岡港湾整備部長 港湾局では、東京港無電柱化整備計画に基づき、東京港エリアを対象に防災機能の強化、魅力ある都市景観の創出等を目的とし、無電柱化を推進していくこととしております。
 具体的には、災害発生時において、緊急物資の輸送や国際コンテナ物流の停滞を回避するため、全ての緊急輸送道路を対象として取り組みを推進していくこととしております。
 このうち東京二〇二〇大会競技会場周辺の臨港道路等については、大会開催時に外国の方を含め多くの来訪者が集中することから、最優先に取り組みを進めており、大会開催までに完了することとしてございます。

○白戸委員 東京港では、無電柱化事業が具体的な方針に基づき、計画的に進められているということが確認できました。東京二〇二〇大会までの取り組みを最優先に進めているということなのですが、無電柱化事業は非常に関係者が多く、事業推進に困難な面もあると聞いております。
 競技会場周辺の無電柱化について、平成三十年度の進捗とその後の取り組み状況を伺います。

○山岡港湾整備部長 東京港における無電柱化は、平成二十六年度に事業着手し、測量、設計を踏まえ、海の森水上競技場周辺の東京港臨海道路など、全て七つの路線で平成二十八年度から順次工事を進めております。
 平成三十年度は、工事箇所に隣接している民間企業等の事業に影響を与えないよう、きめ細かく調整を行いつつ、電線等を収容するための埋設管である電線共同溝の整備を実施いたしました。
 今年度は、電線共同溝に新たな電線等を配線し、これまで利用していた電線や電柱の撤去を行うなど、無電柱化の整備を着実に進めております。
 今後とも工程管理を厳格に行い、競技会場周辺の無電柱化を東京二〇二〇大会開催までに完了してまいります。

○白戸委員 東京二〇二〇大会開催までに競技会場周辺の無電柱化を確実に完了するように、引き続きしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 また、災害発生時に必要な物流を確保するには、東京港エリアにおける緊急輸送道路の無電柱化も不可欠と考えており、取り組みを着実に進めてもらうことを要望して、次の質問に移ります。
 伊豆諸島と本土を短時間で結ぶ航空路は、島民の暮らしを支える生命線であり、その運航を確実に維持し、島民の利便性を改善していくことは極めて重要であります。
 これまで都は、空の交通アクセスを確保するため、空港等の整備維持などのハード面の取り組みに加えて、ソフト面の取り組みとして、伊豆諸島と本土間の航空路を運航する航空会社に対しまして、その運賃水準の維持や島民の利便性向上のための支援を行ってきました。
 一般に離島航空路については、気象条件等により、就航率が低くなりがちなのに加えまして、観光のオフシーズン等には搭乗率も下がることから、離島航空路を維持していくためには、都が航空会社に行っている支援制度は欠かせないものと考えます。
 そこで、伊豆諸島と本土を結ぶ航空路の就航状況と都の支援制度の実績について伺います。

○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 伊豆諸島と本土とを結ぶ航空路につきましては、調布飛行場と大島、新島、神津島、三宅島等を結ぶ航空路が四路線、羽田空港と八丈島等を結ぶ航空路が一路線ございまして、それぞれ一日、三から四往復、就航しております。
 伊豆諸島の定期航空路の年間搭乗率につきましては、近年増加傾向にはあるものの、平均で七〇%を下回っており、航空会社の努力だけでは安定的な運航を維持することが困難な状況となっております。
 そのため都は、各航空会社に対する運航費補助を実施するとともに、機体や保安検査機器等の購入費を補助しております。
 平成三十年度の都予算の運航費補助の執行状況につきましては、島しょと本土とを結ぶ全航空路線の合計で約一億六千六百万円となっております。
 また、機体や保安検査機器の購入費等の補助額は、三十年度は機体の更新があったため合計で約八億円でございます。

○白戸委員 機体更新、ドルニエ228だと思いますが、短距離離着陸性能を強化した特別仕様だと聞いております。ともあれ、ただいまの説明で航空路の就航状況や都が航空会社に対してドルニエの購入や運航費の補助など、さまざまな支援を行っていることが具体的に確認できました。
 こうした支援に加えまして、離島航空路の安定的な運航を維持するためには、地域住民の声を的確に反映し、サービスの水準の向上を図っていくということも重要だと考えます。
 そこで、サービス水準の向上も視野に入れながら、航空路線を維持していくためには、都はどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。

○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 伊豆諸島の定期航空路の安定的な運航を維持していくには、搭乗率を向上させていくことが必要であり、そのためには利用者である地域住民の声を的確に反映し、質の高いサービスを提供していくことも重要でございます。
 こうしたことから都は、離島航空路につきまして、地域住民の日常生活に必要な航空路の維持活性化のため、空港が設置されている島の首長や航空会社等で構成される東京都離島航空路地域協議会を設置しております。
 本協議会を活用いたしまして、利用者視点に立った空港施設の改修や航空券の購入方法の改善など、サービスの向上につながる具体的な取り組みを行ってまいりました。
 今度とも国や関係機関と連携し、利用者の利便性の向上も図りながら、離島航空路の維持に取り組んでまいります。

○白戸委員 都が地域住民の代表を初めとするさまざまな関係者と一緒になって、離島航空路の維持活性化に取り組んでいることが確認できました。私も島しょ部を訪れた際に、短時間で本土と行き来できる航空路が島の生活にいかに重要なインフラであるかということは実感しておりまして、それを支える都のさまざまな支援が有効に機能しているのではないかと考えております。
 伊豆諸島地域の島民の生活と産業を支えていくためには、今後とも運航費補助を初め、機体の更新時期にあわせた購入補助など、必要な支援を着実に行っていくとともに、利用者の声を的確に反映させながら、サービス向上にも努めていくよう都にも要望しておきます。
 続きまして、暮らしに潤いをもたらす海上公園について伺います。
 豊かな水辺に囲まれた海上公園は、都会に暮らす都民にとって貴重な憩いと安らぎの場を提供しており、大変重要な取り組みでありますが、平成三十年度決算を確認したところ、海上公園の整備を行う環境整備費の執行率は約七〇%でした。
 人が快適に暮らしていくために欠かせないのが緑と水で、ビル群の多い東京だからこそ、こうした場所の整備が非常に重要だと考えます。
 我々都民ファーストの会としても、潤いのあるまち並みや景観を形成していくためには、公園整備を促進し、緑の保全や回復をもっと進めていくべきと考えております。
 主に既設公園の改修において不用額が出ていると確認しておりますが、その原因について伺います。

○中村臨海開発部長 臨海部に位置する大井ふ頭中央海浜公園やお台場海浜公園など、大規模な海上公園の多くが東京二〇二〇大会の競技会場となっております。このため、大会時に誰もが快適に移動できるよう園路のバリアフリー化など、公園施設の改修を鋭意進めてきているところでございます。
 昨年度、公園の施設改修を進めていくに当たって、関係者と綿密に調整した結果、競技会場の整備との工程や工事エリアにおいて重複が避けられない箇所が発生することが明らかとなりました。
 このため、大会の成功に向けて、競技会場の整備を最優先しつつ、大会開催に必要な公園のバリアフリー化などは着実に実施することといたしました。その他の施設改修については、大会開催後に速やかに再開することにより、引き続き快適な公園づくりを推進してまいります。

○白戸委員 大会の成功を優先しつつも、公園づくりをしっかりと進めていくことが確認されました。
 次に、大会後に存在感を発揮すると思われる海の森公園について伺います。
 東京二〇二〇大会の競技会場が多く配置される臨海地域の中でも、特にカヌーやボート、馬術、クロスカントリーの会場となっている海の森公園は、都心近くとは思えない解放感と緑あふれるすばらしい会場であります。
 また、先月末に海の森で開催されたイベントでは、親子で参加した都民の皆さんが広々とした芝生で思い切り体を動かすなど、大会前の競技会場での貴重な体験となり、大変喜ばれたという声を聞いております。
 大会終了後には、必要な施設の整備を行い、順次海上公園として使用していく予定と聞いておりますが、すばらしい環境であるだけに、できるだけ早く都民の皆さんが利用できるように取り組んでいただきたいと思います。
 改めての確認になりますが、海の森公園の全体像について伺います。

○中村臨海開発部長 海の森公園は、中央防波堤内側埋立地に位置し、ごみの埋立地に苗木を植えて森に生まれ変わらせるプロジェクトとしてスタートした公園でございます。
 本公園の計画面積は約百四十九ヘクタールであり、都民協働により植樹を行った森づくりエリアが約五十ヘクタール、東京二〇二〇大会のボート、カヌー競技が行われる水上競技場エリアが約七十ヘクタールなどから構成され、このうち水上競技場エリアについては、本年六月に開園したところでございます。

○白戸委員 先ほどの答弁にありましたが、海の森公園においても、競技会場の整備を優先しながら公園の整備を進めており、海の森水上競技場が先行して本年の六月に開園しているわけですが、クロスカントリーコースともなります森づくりエリアにおける昨年の整備状況及び開園の見通しについて伺います。

○中村臨海開発部長 海の森公園の森づくりエリアについて、平成三十年度は大会開催時の利用や大会後の開園を見据えて、盛り土など基盤造成の実施をするとともに、公園内の歩行者動線となるインターロッキング舗装による園路整備などを行いました。
 大会終了後は、仮設会場であるクロスカントリーコースからの原状復旧をするとともに、ベンチや休息所などの公園施設や水道、電気などのインフラ施設の整備を実施し、令和五年の追加開園を目指してまいります。

○白戸委員 さきに開園しました水上競技エリアに続き、残る森づくりエリアにおいても、大会後の早期開園に向けて着実に取り組んでいただけるよう要望しておきます。
 続いて、客船誘致について伺います。
 先般の第三回都議会定例会の代表質問におきまして、我が党は、来年の夏に開業予定の東京国際クルーズターミナルへの客船誘致に関する質問を行いましたが、都からは、精力的な誘致活動の結果、開業後半年間の入港回数は、五十回を超える見込みという答弁がありました。
 東京港におけるこれまでの客船寄港回数が年間で約三十回から四十回であることから、半年間で五十回の寄港回数というのは、年間ベースにしますと約百回ということになり、倍以上の伸びであるということがわかります。
 我が党は、これまで積極的な客船誘致を行うよう求めてきましたが、その取り組みが着実に結びついてきたということは評価したいと思います。
 そこで、客船誘致に向けて、昨年度は具体的にどのような誘致活動を行ってきたのか伺います。

○戸谷港湾振興担当部長 クルーズ客船の配船計画は、二年以上前に決定されるケースも多いことから、都は数年前から新客船ふ頭が開業する二〇二〇年以降の客船誘致に向けまして、誘致活動を積極的に展開してまいりました。
 昨年度は、東京港への継続的な寄港が見込めるクルーズ船社に対しまして、国内はもとより、海外の営業拠点にも個別訪問を行いまして、東京港の魅力や立地に関する優位性を丁寧に説明するとともに、海外船社が来日する際には、東京国際クルーズターミナル整備中の現地を案内いたしまして、具体的な要望の聞き取りなどを行ってまいりました。
 また、クルーズ関係者が一堂に会する海外のクルーズコンベンションに出展し、多くのクルーズ船社と情報交換を行うとともに、都内において、船会社に加えまして、船舶代理店、それから旅行会社などを対象といたしました東京クルーズセミナーを開催して、新客船ターミナルと東京港の魅力についてPRを行いました。
 この結果、日本でも高い人気を誇る「クイーン・エリザベス」の東京初入港が決定したほか、開業後半年間の入港回数の約五十回のうち、半数以上がこれまで晴海客船ターミナルに入港できなかった大型客船の予約であるなど、大きな成果につながってございます。

○白戸委員 「クイーン・エリザベス号」といいますと、二〇一〇年に就航しましたイギリスが誇る世界最大級の豪華客船であります。全長が二百九十四メートル、乗客定員は二千六十八人、高さが五十六・六メートル、二〇一四年に横浜港の入り口にある高さ五十五メートルの横浜ベイブリッジの下が通れなかったというところを、干潮時にぎりぎりで初寄港したというのは有名な、記憶に新しいところです。
 国際的に客船の巨大化は非常に進んでおりまして、今回レインボーブリッジを通らなくて済む客船ターミナルができた意義は大きいのではないかというふうに考えます。
 そして、今後さらに客船寄港回数をふやしていくためには、引き続き積極的な誘致活動が必要不可欠だと考えます。
 さらに、寄港が決定した客船については、リピーターとして継続的に東京港に寄港してもらうとともに、新たに世界の多くの客船が誘致できるように戦略を持ってしっかりと取り組んでいただくようお願いします。
 ところで、国土交通省の調査によりますと、日本へのクルーズ客船の寄港は年々ふえ、昨年は過去最高の二千九百三十回となっていますが、このところクルーズ市場の拡大の牽引役であった中国からの客船の伸びにかつてほどの勢いがなくなっているという報道も見られました。アジアのクルーズ事情にやや変化が生じてきているのではないかという声もあります。
 都は現在のクルーズ市場の動向を踏まえ、今後の東京港への寄港ニーズをどのように分析しているのか伺います。

○戸谷港湾振興担当部長 日々の船会社との接触などを通じて得ている情報などから、世界のクルーズ市場では、主な客層が富裕層からカジュアル層に移行するいわゆる大衆化が急速に進展しておりまして、利用客数は引き続き拡大しているものと認識してございます。
 お話の中国を発着するクルーズ客船の日本への寄港状況につきましては、九州、沖縄への買い物を目的としたツアーが減少する一方、東京や関西への観光型、体験型のツアーが増加している傾向にございます。
 また、欧米のクルーズ乗船客につきましては、飛行機で東京を訪れて、東京港を発着港とする日本周遊クルーズを楽しむフライ・アンド・クルーズと呼ばれるケースもふえてきてございます。
 こうしたことから、多くの観光地へのアクセスと国際空港にも近接しているという立地性にすぐれた東京港への寄港ニーズは今後も高まっていくものと考えてございます。

○白戸委員 クルーズ市場が引き続き好調であること、また中国の観光客について、買い物ツアーが一段落をして、観光、体験を中心とした、ある意味落ちついたツアーにシフトしていることなど、クルーズを取り巻く状況については理解しました。
 今後とも東京港を利用するクルーズ客船の増加を図るに当たっては、より多くの船会社に対して、羽田空港や東京駅など交通の便がいい東京国際クルーズターミナルの強みや、さまざまな観光資源を持つ東京の魅力を伝えて、利用したいと思っていただけるような取り組みを進めていただきたいと思います。
 その際、東京を訪れたいと思う外国人観光客をふやすことが重要であるということはもちろんなんですが、と同時に、クルーズ客船に乗船する日本人をいかにふやしていくかということも次なる重要な課題かと考えます。
 先ほどの国土交通省の調査によると、二〇一八年の日本人クルーズ人口は前年比一・八%増の三十二・一万人と過去最多を更新したということです。テレビのバラエティー番組や通販番組でも、クルーズ客船が取り上げられる機会がふえており、多くの日本人にとって非常に敷居が高いものであったクルーズが、気軽に楽しめるレジャーとして徐々に認知されつつあることがうかがえます。
 東京港は、背後に首都圏四千万人の巨大なマーケットを抱えているという強みがあり、都民を初め首都圏の多くの人々が東京港を発着するクルーズを利用するようになれば、寄港回数の増加にもつながるでしょう。
 そのためには、こうした日本人の方々に新たなターミナルを積極的にアピールするとともに、東京港発着のクルーズの魅力とか、楽しさを広く発信することが重要と考えますが、これまでの取り組みと今後の方向性について見解を伺います。

○戸谷港湾振興担当部長 東京国際クルーズターミナルの利用促進を図るためには、国内外のクルーズ船社に東京港の魅力を訴えていくことはもとより、首都圏に住む多くの方々に東京発着のクルーズ客船を利用していただくようにすることが重要であると考えております。
 そのためには、来年開業する東京国際クルーズターミナルの存在とクルーズの魅力を広く知ってもらうということが必要であると考えます。
 都は昨年度、専用ホームページの開設や「ゆりかもめ」の駅名改称、雑誌への広告記事の掲載、旅行博への出展、こうしたものを行うとともにクルーズ旅行商品の販売イベントに参加するなど、さまざまな取り組みを通じて認知度の向上を図っております。
 また、船会社と連携して、都民が割安でクルーズを楽しめる都民クルーズを実施いたしまして、より多くの方にクルーズに親しんでもらえる機会を提供してございます。
 今後、より多くのクルーズ乗船客を確保するために、引き続きこうした取り組みを進めるとともに、SNS等も活用しまして、さまざまな角度から積極的な情報発信を行ってまいります。

○白戸委員 新たに開業します東京国際クルーズターミナルが国内外の多くの人々に利用され、日本を代表するクルーズ客船の一大拠点に成長できるよう、都には引き続き、さまざまな観点から積極的に客船誘致に取り組んでいただきたい。私はそのポテンシャルが十二分にあると信じております。ぜひこのことを強く要望して、質問を終わります。

○けいの委員 臨港道路南北線の整備について伺います。よろしくお願いします。
 東京港は、我が国の産業を支える重要なインフラであるとともに、輸入港としても極めて重要な役割を担っております。都が発表した港湾統計によると、昨年のコンテナ取扱個数は一・六%増加して四百五十七万TEUで、過去最高になったという発表でございました。
 私も業界の関係者の方から慢性的な渋滞を相談されております。この東京港の機能強化を図るためには、中央防波堤外側埋立地に新たなコンテナふ頭の整備を行うことが必要であります。
 既にY1コンテナふ頭が平成二十九年十一月に供用開始し、来年春にはY2コンテナふ頭の供用が開始される予定である中、効率的に輸送する道路ネットワークの拡充を早急に実現しなければなりません。
 これまで都は、道路ネットワークの拡充に取り組んでおりますが、改めて臨港道路南北線を整備する必要性をお伺いいたします。

○山岡港湾整備部長 東京港は、首都圏に住む人々の生活や産業活動を支える重要な役割を担っております。東京港の物流機能を強化していくためには、増加するコンテナ貨物に適切に対応できるよう、外貿コンテナふ頭整備などにあわせて、東西及び南北両方向の骨格となる道路ネットワークを充実していく必要がございます。
 東西方向につきましては、東京港臨海道路が平成二十四年二月に、また国道三五七号東京港トンネルが本年六月に全線開通してございます。
 しかしながら、南北方向につきましては、青海ふ頭と中央防波堤外側埋立地をつなぐ臨港道路青海縦貫線のみであり、中央防波堤地区の将来の需要等に対応するためには、臨港道路南北線の着実な整備が必要不可欠でございます。

○けいの委員 ありがとうございます。東京港臨海道路、二十四年二月に、トンネルが本年六月に開通したと。こうした模様は各種報道にもありましたとおり、東西の道と南北の道がしっかりと整備されていくことで、中央防波堤外側のコンテナふ頭につながる南北線、南北方向のネットワーク強化のために不可欠なものであるということであります。
 私も今後、外貿コンテナ輸送の増加などに対応していくために、この臨港道路南北線はなくてはならないものであると考えますが、改めて臨港道路南北線の整備概要についてお伺いいたします。

○山岡港湾整備部長 臨港道路南北線は延長約六キロメートル、往復四車線の道路でございまして、有明地区の十号地その二埋立地と中央防波堤外側埋立地とを海底トンネルや橋梁などでつなぐ事業でございます。
 海底トンネル部は約一キロメートル、橋梁部につきましては、東西水路を横断する全長約二百五十メートルの橋梁など、六つの橋梁を整備するものでございます。本事業は、二〇二〇年の完成に向けまして、国と都が分担して整備を行っているところでございます。

○けいの委員 海底トンネル部や橋梁部など、国と都で分担して整備を行っているということですが、国と都の整備の役割分担と具体的な工事内容についてお願いいたします。

○山岡港湾整備部長 臨港道路南北線は、主にトンネル部分を国が、橋梁部分を都が担っております。国が整備する海底トンネル部は、コンクリートや鋼板でつくられる箱構造の沈埋函七函を工場等で製作し、現地に曳航した後、海底に沈めて連結して構築するものでございます。
 都が整備する橋梁部は、東西水路を横断する橋梁を初め、東京港臨海道路と立体交差をする橋梁及びこの立体交差にアクセスする四つのランプ橋を含め、合計六つの橋梁を整備するものでございます。
 工事実施に当たりましては、国と都で連携を図りながら厳格な工程管理を行い、進めてまいっております。

○けいの委員 臨港道路南北線は、国と都が連携して工事を行うこと、合計六つもの橋梁を整備することから、私も厳格な工程管理を行うことが重要であると考えます。
 また、本路線は、東京二〇二〇大会の会場へのアクセスルートとして位置づけられていることから、大会までに確実に完成させるべきだと思います。
 平成三十年度の進捗状況と今後の見通しについてお尋ねいたします。

○山岡港湾整備部長 国が整備する海底トンネル部は、合計七函の沈埋函を海底に沈め、トンネルを構築するものでございますが、沈埋函を短期間で製作するため、工場を複数確保するなどの工夫を行い、平成三十年度末においては、そのうちの四函の沈設が完了いたしました。
 また、都が整備する橋梁部につきましては、東西水路や東京港臨海道路を横断する橋梁を現地で組み立て、一括して短期間で架設するなどの工夫を行い、平成三十年度中に六つの橋梁の架設が全て完了いたしました。
 こうした取り組みを進め、現在、トンネル部は七函の沈埋函が全て沈設完了し、橋梁部につきましても六つの橋全ての上部舗装工が完了するなど、予定どおり進んでございます。
 東京二〇二〇大会までに確実に完成させるよう、今後とも全力を挙げて取り組んでまいります。

○けいの委員 ありがとうございます。トンネル部及び橋梁部の工事を着実に推進していることがわかりましたけれども、万が一にも完成しないで、大会輸送道路を通行することができないなんていうことがないように、我々もしっかりと進めてまいりたいと思います。
 東京二〇二〇大会まで残り一年を切りましたが、本事業については、将来にわたり東京港の物流のかなめとなる道路であり、また二〇二〇大会のボート、カヌー、クロスカントリーなどの競技会場への重要なアクセスルートとなることから、期限までに完成できるよう改めて強く推進事業を進めていただくことをお願いいたしまして、質問を終わります。

○山崎委員 質問に先立ちまして、せんだっての令和元年台風十五号及び十九号でお亡くなりになられた方々に対しまして深く哀悼の意を表するとともに、被災された皆様へ心からお見舞いを申し上げたいと思います。
 本台風では、東京都においても大きな被害が発生をしておりました。各地で被害が皆様もご存じのとおりあったと思いますが、港湾局所管の中の島しょ地域においては、停電、また、断水、通信障害など、島民の生活に大きな影響を及ぼすとともに、道路や教育施設、港湾施設なども被災をいたしました。
 被災地の復旧を早期に行うとともに、島民の生活の再建に向けて、しっかりとやはりスピード感を持って対応してもらいたいことを初めに要望しておきたいと思います。
 それでは、私の方からも何点か質問させていただきたいと思います。
 まず、中央防波堤外側のコンテナふ頭整備についてお伺いをしたいと思います。
 東京港の機能強化の鍵を握る中央防波堤外側のコンテナふ頭の整備についてでございますが、東京港は首都圏四千万人の生活、産業を支える社会、インフラとしての日本の成長に欠かせない重要な役割を担っております。
 しかし、取扱貨物量の増加を伴い、東京港ふ頭周辺では、慢性的に交通混雑が発生している。また、世界的なコンテナ船の大型化も進行する中、東京港が持つ物流のかなめとして、今後も機能をしっかりと発揮させ続けていくためには、新たなコンテナふ頭の整備による抜本的な機能強化が必要であることを、これまで我が党は、再三繰り返し主張してまいりました。
 そこで、都が中央防波堤外側において進めるコンテナふ頭の整備について、平成三十年度を含め、取り組み状況をお伺いいたします。

○山岡港湾整備部長 東京港では、コンテナ船大型化への対応や貨物処理能力の増強が重要な課題でございます。このため、中央防波堤外側にY1、Y2、Y3の三つのターミナルから構成される、年間で約百二十万TEU分のコンテナ貨物処理能力を有する新たなコンテナふ頭を整備しております。
 Y1につきましては、平成二十九年十一月に供用開始し、現在、主にアジア航路の貨物を取り扱っております。Y2につきましては、これまで耐震性を有する岸壁の整備やガントリークレーン、コンテナ置き場などの整備を進めてまいりました。
 平成三十年度は、照明やフェンス等の附帯設備を整備するとともに、借り受け予定者との綿密な調整に基づき、ヤード内荷役機械の固定装置等について、詳細な設計を行っております。
 今年度は、来年春の供用開始を目指し、昨年度の調整を踏まえた工事を実施するとともに、船舶の入出港ができるよう第一航路のしゅんせつを行うなど、着実に整備を進めております。
 Y3につきましては、現在設計を進めてございまして、来年度の岸壁工事の着手に向けて、国と調整を行っているところでございます。

○山崎委員 今の答弁の中にもございました、非常に、Y1、Y2、Y3の三つのターミナル、バースから構成される中で、Y3はまだでございます、Y2もまだでございますが、年間百二十万TEU分、要するに四百五十七万TEUという東京港の取扱量の中の百二十万TEUをこれから担っていく。まさに四百五十七プラスアルファで、これから東京港がまたさらに発展をしていく大変重要なバースだと私は思っております。
 そういった中でも大変重要なバースであることは、今の答弁でよくおわかりになっていただいたと思いますけれど、Y2は来年春の供用開始に向けて、順調に整備が進められているとのことでありますけれど、このY2は船舶の大型化に対応するため、これまでの東京港の既存コンテナターミナルに比べ最も大規模なふ頭であると聞いております。
 そこで、Y2のターミナルとしての機能は、これまでと比べどのような点が強化されているのかお伺いをいたします。

○山岡港湾整備部長 Y2ターミナルは、東京港で初となる水深十六メートルの大水深バースを備えており、また一バース当たりのターミナル面積は、従来と比べて増加するため、今まで以上に大量の貨物を効率的に処理することが可能となります。
 また、Y2は年間約四十五万TEUの貨物処理能力を有しており、これは東京港が昨年一年間に取り扱った外貿コンテナ貨物の約一割に相当することから、東京港における貨物処理能力の向上に大きく資するものと考えております。

○山崎委員 Y2は、取扱貨物量がふえ続けている東京港にとって極めて重要な施設であり、大いに期待をしていきたい、そのように思っております。来年春に確実に供用開始されることを要望するとともに、Y3についても早期の供用開始に向けて、引き続き着実に取り組みを進めていただきたいことを思うところであります。
 一方で、Y2は東京港でトップクラスの貨物量を扱う施設であることから、当然コンテナターミナルへ来場する車両の数も、ほかのターミナルに比べて多くなることが予想がされるわけであります。
 そこで、Y2周辺における交通混雑の発生の抑止に向けた取り組みについて伺います。

○相田港湾経営部長 Y2は大量の貨物を扱うことが可能となることから、多くのコンテナ車両が来場するため、深刻な交通混雑を発生させないような取り組みが必要であると認識しております。
 このため、Y2のコンテナターミナル内には、あらかじめ約二百八十台分の車両待機場を整備し、ターミナルへ入場するコンテナ車両が公道上で待機しないよう配慮しております。
 また、ターミナル内の荷役機械については、東京港のほかのターミナルよりも比較的多く配置し、コンテナ車両への貨物の引き渡しなどに要する時間を短縮させることで、渋滞の発生の抑制につなげることを目指しております。
 さらに、Y2の背後にある道路、中防外一号線についても車両通行量の増加に十分対応できるよう、現在、片側三車線に拡張する工事を実施しているところでございます。
 都は、ふ頭周辺における交通混雑発生の抑止に向けて積極的に取り組みを進めてまいります。

○山崎委員 今の答弁の中でもあったように、とにかく背後地域が大きいこと、これがまさに交通混雑の発生の抑止に向けた取り組みの大きな観点だと思います。
 ただ単にY1、Y2、Y3の岸壁だけつくって、コンテナだけつくればいいという問題ではなくて、やはりそれだけの、その後方地にある、後背地にあるコンテナターミナルを、またコンテナの車等をしっかりと交通の渋滞を抑止するためにも、そのような背後地をどのように生かしていくか。まあ先ほど片側三車線の道路に今拡張する工事を実施している、そういう話もありましたけれど、しっかりとその辺は取り組んでいただきたいことを改めて、また要望しておきたいと思います。
 交通混雑が発生しないようにするために、さまざまな取り組みが行われてきたことが今の答弁の中でも確認ができたわけであります。引き続き関係者と協力しながら取り組みを進めていただきたいと思います。
 さて、ここまでに主にY2に関する質疑を行ってきましたが、東京港の機能強化は、新たなコンテナふ頭の整備をもって達成されるわけではない。これを契機として、青海ふ頭や大井ふ頭などについても、貨物処理能力の向上に向けた再編整備を行うことが重要であると思います。
 また、港を動かしながらの再編整備になると思いますので、やはり大変な時間もかかることが予想されるわけであります。
 都は、中央防波堤外側のコンテナふ頭の整備を契機として、既存の青海、大井ふ頭等についても再編整備に取り組むことで、東京港全体の貨物処理能力の抜本的な向上を積極的に図るべきと考えますが、見解を伺います。

○相田港湾経営部長 東京港が今後も首都圏を支える物流の一大拠点としての役割を着実に果たしていくためには、新たなふ頭の整備を契機として、東京港全体の機能強化を実現させることが重要です。
 このため都は、青海ふ頭の取扱貨物の一部をY2へ移転させるとともに、これを契機として、青海ふ頭におけるコンテナヤードの再編整備を進めてまいります。
 また、ほかの既存のふ頭につきましても、中央防波堤外側ふ頭へ取扱貨物を移転させた後、貨物処理能力の向上に向けた再編整備に着手してまいります。
 都は、関係事業者と緊密に連携し、将来を見据えた東京港の機能強化に全力で取り組み、大量の貨物を迅速かつ効率的に処理できる港の実現を目指してまいります。

○山崎委員 東京港全体の機能強化を進める上で、中央防波堤外側のふ頭が非常に重要な意味を持つことが今の質問の中でも確認ができたわけであります。
 今後とも東京港が物流のかなめとしての重要な役割をしっかりと担い続けていけるよう、青海ふ頭の再編整備を積極的に進めるとともに、Y3の早期完成とそれを契機としたほかの既存のふ頭の再編整備についても着実に取り組むことを改めて要望しておきたいと思います。
 続きまして、航空路の島民運賃割引について質問をさせていただきたいと思います。
 伊豆諸島の住民が安心して暮らせる生活環境を支えていくためには、離島と本土との交通アクセスを確保し、離島の住民利便性を高めていくことが必要であります。特に離島と本土を短時間で結ぶ航空路は、離島での生活に不可欠な極めて重要な交通手段であります。
 こうした中、我が党は、平成二十九年度から実施された伊豆諸島南部地域、いわゆる八丈島、三宅島と本土とを結ぶ航空路の島民運賃割引の導入に引き続き、伊豆諸島北部地域の大島、新島、神津島の航空路にも導入するよう繰り返し求めてまいりました。
 平成三十年度から実施されることになったわけでありますが、そこで、平成三十年度から開始された伊豆諸島北部地域の航空運賃の島民割引制度について、改めてその内容を伺います。

○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 都は、有人国境離島法に基づきまして、伊豆諸島南部地域にある三宅島と本土との航空路線は平成二十九年八月から、八丈島と本土との航空路線は平成二十九年九月から、島民運賃割引を実施してまいりました。
 加えまして、平成三十年度からは、伊豆諸島の一体的な振興を図るため、特定有人国境離島地域に指定されていない伊豆諸島北部地域の大島、新島、神津島と本土との航空路線につきましても、島民運賃割引の導入を図ることといたしました。
 これによりまして、伊豆諸島と本土とを結ぶ全航空路線におきまして、普通片道運賃から四〇%割り引いた運賃で島民が利用することが可能となっております。

○山崎委員 島で暮らす方々にとって、例えば本土の病院に通われる際など、島民割引制度により安価な航空運賃で短時間で移動できることは、島で安心して暮らす上でとても重要であるわけであります。
 しかし、この新たな制度がより多くの島民の利便性向上に寄与していくためには、実際にどの程度利用されているのか確認していく必要があると考えます。
 そこで、昨年度の航空運賃の島民割引制度の実績について、その補助額や利用人数について、そして都としてどのように認識をしているのか、詳しくお答えください。

○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 昨年度の島民割引の都予算の執行状況でございますが、伊豆諸島北部地域の大島など三路線で約八千七百万円、南部地域の八丈島など二路線で九千四百万円となっておりまして、全路線の合計では約一億八千百万円でございます。
 年間の島民利用者数につきましては、平成三十年度から新たに割引制度を導入した北部地域と調布とを結ぶ三路線では、合計で約三万六百人となっておりまして、導入前の前年度実績と比較いたしますと、各路線で二割から三割増加しております。
 また、制度導入から二年目となりました南部地域の二路線につきましては、調布から三宅島の便と羽田から八丈島の便の合計で年間約四万二千九百人の利用がございました。
 この二路線につきましては、平成二十九年度途中からの制度導入となりましたため、一年目に実施した期間と二年目の同じ期間で比較いたしますと、利用者が一割増加しております。
 地元町村からは、経済的な負担が軽減され、航空路の選択が容易になったと評価する声を聞いておりまして、都としても本制度が浸透し、島民の安定的な生活を守る上で重要な役割を果たしていると認識しております。

○山崎委員 平成三十年度から島民利用者が増加をしているということが今の答弁で確認ができました。島民の利便性向上のためには、こうした利用状況に満足することなく、制度の使い勝手についても改善していく必要があると思います。
 我が党は、こうした観点から、本年の第一回都議会定例会の一般質問において、空港が設置されていない利島や御蔵島の住民が本土と航空路を利用する際、最も距離の短い路線だけでなく、複数の路線を選択できるよう、島民割引制度のさらなる拡充を求めてまいりました。
 そこで、今年度から都が拡充した島民割引制度の利用状況についても伺います。

○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 島民運賃割引を利用する際の航空路線につきましては、これまで利島は大島経由、御蔵島は三宅島経由を対象に運用してまいりました。
 しかし、空港までの船やヘリコプターでの乗り継ぎ時間等を考慮いたしまして、本年四月から、利島につきましては新島経由、御蔵島につきましては八丈島経由の航空路線につきましても新たに対象に加え、島民割引制度の拡充を図ったところでございます。
 拡充後の利用状況でございますが、制度が導入されたこの半年間を前年の同じ期間と比較してみますと、例えば利島から本土に航空路で移動した住民のうち、新たに対象とした新島経由で移動した方の割合が約一・五倍となるなど、航空路の利便性向上につながったものと認識しております。

○山崎委員 まさに複数路の移動手段がふえていく中、また島民運賃割引制度がそこにもしっかりと対応ができているということが、非常に島民にとって、また新たに、本土に行くのに、より向上されている、そういったことであると思いますので、しっかりと今後もそういった対応もよろしくお願いをしたいと思います。
 島民が安心して暮らせる生活を支えていくためには、航空路の確保とともに、島民運賃割引制度の拡充など、利便性の向上に向けた取り組みが欠かせないわけであります。
 ただいま説明のあった新たな島民運賃割引制度はスタートしたばかりでありますが、既に効果も出ていることから、引き続きしっかりと取り組んでいただきたいことを改めて要望して、質問を終わります。

○とや委員 日本共産党のとや英津子です。よろしくお願いします。
 まず、本日質疑に当たりまして、たくさんの資料を提供していただきまして、どうもありがとうございます。
 私からは、まず島しょ問題の関連で質疑をさせていただきたいと思います。
 二〇一三年、平成二十五年に策定された十年計画である離島振興計画を読ませていただきました。伊豆諸島地域は、古くから伊豆七島と称されて、縄文、弥生土器の発掘から、先史時代から人が住みついていたことが立証されていると書いてありました。
 東京から約百キロから三百五十キロの南方の海上に位置して、九島の有人離島及びその他の無人島が点在をしているということです。
 固有の自然文化が残されて、首都東京からアクセスでき、首都圏の癒しの空間として、余暇活動や自然環境の体験学習の場を提供する貴重な財産ということであります。
 また、海洋資源や水産資源を活用した実験、研究の場として、公益的な役割も大きいと計画では位置づけられていました。
 東京都は、これらの島について、独自の魅力によって、住み続けたい、移り住みたいと思える島、地域の自立により、持続的な発展を遂げている島と、この二つを目指すべき姿として描いていますが、現状に照らしてどうなのか。また、目指すべき姿に近づけるために何が必要なのか、都としての役割をお聞きし、港湾事業から島の振興策を考えていきたいと思っています。
 まず、新島についてです。平成三十年度決算数字を拝見しましたが、特に島しょ地域の港の整備、あるいは待合施設について、執行率が低い状況がありますが、都として、どのように分析をされているのかお答えください。

○片寄離島港湾部長 昨年度の執行率につきましては、一部の工事におきまして、天候不順により年度内に工事が完了せず繰り越したものや契約不調等があったことによるものと考えております。

○とや委員 島の地形だとか、あるいは台風など、天候不順が影響して、工事が思うように進まない、そのため困難な工事になることで、契約不調があったりするということです。
 これは、多分毎年のことなのかなと思うわけですけれども、では計画どおりに整備や修繕を進めるために都としてどのような対策をお持ちなのか、そして今後どうしていくのかお答えください。

○片寄離島港湾部長 島しょ地域の港湾整備におきまして、工事の進捗は、気象、海象状況に大きく影響を受けます。
 このため、春から夏にかけての天候の穏やかな時期に工事が実施できるよう、早期に発注を図るとともに、島しょの施工条件を踏まえ、適切な工期の設定を行っており、さらに取り組みを進めてまいります。

○とや委員 ぜひ適切な工期を設定することによって、自然を私たちがコントロールすることはできないわけですから、台風などよけて、工事が早期に着工し、予定どおりできるようにお願いしたいと思っています。
 島しょの振興計画では、魅力ある港湾空間の創造として、地元の観光ニーズを反映させた客船待合所及びその周辺環境等を整備し、島の玄関として、自然と調和のとれた個性的で魅力ある港湾空間を提供し、観光やにぎわいづくりの拠点としていくとあります。
 私どもは、昨年の決算特別委員会でも新島での問題、取り上げさせていただきました。その中の一つが若郷漁港の問題であります。
 客船待合所と仮設トイレの新設、ご答弁いただいたわけですけれども、まだ整備がされていないようです。実際、着岸したところは、トイレもない、雨をしのぐ場もありません。横に荷さばき場があって、その屋根の下を利用しているわけですが、屋根はことしの台風で吹き飛んでしまったと。半分になってしまっています。
 ふ頭には、壊れた電話ボックスが一つあるだけで、漁師の人たちが使うトイレが百メートルぐらい離れたところにあると。しかも、階段で上がらなければならない。バリアフリーとはなっていません。
 整備がおくれている理由と進捗状況についてお聞きします。

○片寄離島港湾部長 若郷漁港におきましては、岸壁背後に高速ジェット船の乗降客用として、船客待合所の整備を予定しており、既に設計に着手しております。
 昨年度実施いたしました設計の段階で、地盤条件が想定と異なっていたことが判明したため、整備スケジュールを見直し、今年度地質調査を実施しております。引き続き、補足設計を行うなど、着実に整備を進めてまいります。
 また、船客待合所には、トイレの整備を予定しておりますが、その完成までの間、仮設トイレによる対応を予定しており、現在、整備に向けて調整を実施しているところでございます。

○とや委員 ぜひ私が今申し上げました、魅力ある港湾空間の提供のために力を尽くしていただきたいと思っています。昨年の質問から約一年が経過をしております。ぜひ早期に整備できるよう、ご努力を重ねてお願いしておきたいと思います。
 沖合の防波堤の改良についても昨年質問しました。昨年度はどのような対策をとったのかお聞かせください。

○片寄離島港湾部長 若郷漁港の沖合にあります若郷漁港海岸の離岸堤改良につきましては、海岸の浸食対策を目的に整備を進めております。昨年度は離岸堤改良を実施しておりませんが、今年度は消波ブロックの製作と据えつけを実施しているところでございます。

○とや委員 離岸堤については、高波が直接海岸にぶつからないように沖合で一度受けとめていく。波の力を緩和するという方法ですけれども、しぶきが飛ぶことで、塩分を含んだ雨が民家や民家の洗濯物を汚すなど、塩害もあると聞いています。
 波を軽減することと塩害を軽減することと、どちらかを優先しなきゃならないという現状もあって、島民にとっても大変なジレンマだという話も私は聞きました。島の港湾環境改善をぜひ研究していただいて--私、この質問をするに当たって、いろいろ調べていく中で、やっぱり日本の土木技術っていうのはすばらしいものがあると思っているんです。
 だから、その力をもっと発揮すれば、できるんじゃないかと思いますので、島民の生活環境の改善を図っていただきたいと強く要望しておきます。
 次に、利島、御蔵島及び青ヶ島についても伺っていきたいと思います。
 三つの島の就航率の推移の資料をいただきました。これに書いてあります。この五年間の就航率は六割から七割あたりを推移しているのが現状です。
 高い年で利島が七五・七%あったんですけれども、昨年度は利島は六三%、御蔵島が五九・三%、青ヶ島は六〇・三%と五年間で三つの島どれも最低となっています。
 これらの島は、厳しい自然条件による技術的困難性から、その他の港湾と比較して、施設の整備状況に格差が生じているということで、東京都もこの現状を認めています。冬季は、先日、私、御蔵島の方にお話を聞いたんですけれども、二割から三割に落ち込んでしまうと聞きました。
 先ほど申し上げました東京都離島振興計画では、十年後の島の姿、利島、御蔵島、青ヶ島では、一港二突堤方式などの整備により、就航率が徐々に向上しているとありますが、現実は大変厳しいのかなと私は思っております。
 そこで、お聞きしたいんですが、利島、御蔵島、青ヶ島の就航率が低い要因について、改めてお答えください。

○片寄離島港湾部長 利島、御蔵島、青ヶ島につきましては、地形などの条件により、複数の港を整備することが困難であり、ほかの島のように、風や波の状況によって、利用する港を選択することができません。このため、一つの港の中に二つの突堤を整備することで、港内の静穏度を確保する計画としております。
 引き続きこれらの島におきましても、就航率の向上に向けて、防波堤や岸壁など、港湾施設の整備を着実に進めてまいります。

○とや委員 改修工事を着実に実施をしていくというご答弁です。ぜひよろしくお願いしたいと思いますが、利島については、昨年のやはり台風被害で西側岸壁、桟橋の欠損があったと聞きました。改修工事の進捗についてもお聞かせいただけますか。

○片寄離島港湾部長 昨年度の台風で被災しました利島港の西側岸壁につきましては、直ちに応急対応を行うとともに、大型貨客船を早期に接岸させることを最重要と位置づけ、昨年度から応急工事を進めており、引き続き西側岸壁全体の機能を回復させるよう復旧工事に取り組んでまいります。

○とや委員 今のご答弁なんですけど、最重要と位置づけて、応急工事を実施してくださっていると。これは島の方々にとって大変うれしいことだと思っています。
 応急工事については、完了予定についてお答えいただけますか。

○片寄離島港湾部長 先ほどもご答弁させていただきましたが、大型貨客船を早期に接岸させるために昨年度から工事を進めておりまして、早急に定期船が接岸できるように取り組みを進めてまいりたいというふうに考えております。

○とや委員 応急工事で早急にとおっしゃるのであるわけですから、それはちゃんと見通しを持ってやっていらっしゃると思うので、いつごろまでにっていうことをおっしゃることはできませんか。

○片寄離島港湾部長 鋭意努力して、早急に大型貨客船が接岸できるように努力をしてまいりたいというふうに考えております。

○とや委員 これから寒くなりますので、ぜひ工事ができないような季節になる前にお願いしたいと強く要望しておきます。
 島しょ問題の最後に、御蔵島についてもお聞きしておきたいと思います。
 ここもまた大変で、桟橋の欠損があったと。この工事については、改修が進んでいるようですけれども、大事な街灯が、三本のうち先端の一本が断線したままだということです。日が短くなっているこの時期、大変暗く危険だという話を聞きました。
 やっぱり島の地勢を考えると、工事自体が大変だと思うんですけれども、復旧はいつごろになるか教えてください。

○片寄離島港湾部長 御蔵島港の岸壁照明につきましては、昨年度の台風で三本破損したため、昨年度から順次復旧工事を行っております。
 このうち岸壁の先端部にございます照明につきましては、配線の敷設工事が必要となることが判明したことから、現在工事を実施しており、今年度内に復旧させる見込みでございます。

○とや委員 厳しい自然条件があって、工事が進まないと。ここは今年度内ということですけれども、桟橋が暗いと非常に危険だということなので、年度内といわずに、年内あたりにぜひ復旧していただきたいと要望しておきます。
 毎年のように台風被害に遭っている島しょ地域です。ことしは、先ほどもお話があったように、台風十五号が来たり、十九号が来たりして、本当にたくさんの被害をもたらしています。
 私も大島に行ってきて、いや、こんな大変なんだっていうことで改めて実感しました。
 例えば新島の露天温泉ってあるんですけど、台風で石が落ちて、以前そこに何があったかわからなくなってしまっていると。そこまで被害が広がっています。
 常にこうした自然災害にさらされている島民の方々は、都の対応には大変感謝をしているというふうにおっしゃっていました。その一方で、工事が進まないのは仕方がないと我慢しているんだという話も私は聞いています。
 どこに住んでいても、安全で安心できる環境を整えていく。これは国や東京都の責任でもありますし、さらに島の玄関であり、観光客が訪れる客船ふ頭や漁港の整備、改修はきちんとすることで、観光客を呼び込んでいく。そして、一旦島を離れた人たち、若い人たちを呼び戻す、あるいは島で住んでみたいと思える重要な条件の一つだと考えます。
 ぜひ港湾局として、さらなる力を入れていただいて、あるべき姿、目指すべき姿を、計画を私は読ませていただいて、いいことを書いてあるなと思ったんです。ぜひ力を入れていただきたいと最後に局長の答弁を求めたいと思います。よろしくお願いします。

○古谷港湾局長 島民の生活と産業を支えるために、島しょの工事については大変重要なものだと思っておりまして、これまでどおり引き続き取り組んでまいりたいと思います。

○とや委員 次に、「ゆりかもめ」、新交通システムについて伺います。
 新交通システムは、都心モノレールの整備の促進に関する法律に都心モノレールに準じて位置づけられています。都市内道路の上下空間に都市モノレールの建設を促進することによって、通勤、通学を中心とする輸送需要に対応すると。その他の交通機関とともに、都市内の交通の円滑化を図り、公衆の利便の増進に付与することを目的としています。
 その路線の建設については、私も初めて知ったんですけど、都市計画決定を行うことが必要だと。さらに、整備促進のために必要な資金は、国及び地方公共団体に財政上の措置を講ずる義務を負わせる。そして、道路管理者に対しても、都市モノレールの新設、改築に関して、円滑な事業執行ができるよう配慮を義務づけることにより、建設促進を図ることとしているとありました。
 このように新交通システムについては、国や東京都など地方公共団体が責任の一端を担っています。公共交通における利便性の拡充に努めているわけです。特に大都市圏への人口の都市集中、大規模な都市開発が行われて、既存鉄道とのアクセス交通の必要性が高まっている。その対応が求められる中、現在は全国で例えば、神戸のポートライナーや大阪のニュートラム、横浜のシーサイドライン、そして東京の「ゆりかもめ」など、十路線において新交通システムが稼働しています。
 本日は、三十年度の決算に基づいて、株式会社ゆりかもめについて伺いたいと思います。
 まず、論点としては、最初に環境改善について伺います。
 「ゆりかもめ」については、九五年十一月に開業し、昨年は豊洲市場が開場しています。新橋-豊洲間、十六駅を約三十一分で運行しているわけですが、「ゆりかもめ」の乗客数の推移についてお答えください。

○鈴木開発調整担当部長オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長兼務 「ゆりかもめ」の年間利用者数でございますが、平成七年の開業時の約四百十三万人以降、おおむね順調に増加しております。平成三十年度には、過去最高の約四千八百五十二万人を記録いたしました。

○とや委員 約十倍になっているということです。ただ、開業してから二十四年たって、老朽化もあって、計画的に改良工事が実施されていると聞きました。乗降客が多くなれば、それだけ劣化もあるわけで、計画的な改良が必要だということです。
 昨年度の駅の改良工事の内容、そして完了の見通しについてお聞きします。

○鈴木開発調整担当部長オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長兼務 駅の改修につきましては、駅舎外壁の修繕、ホームや連絡通路の照明の取りかえ、トイレや点字ブロックの改修など、計画的に実施しております。
 平成三十年度は、新橋駅や豊洲駅などで実施いたしまして、令和五年度末までに全駅の改修を完了する予定でございます。

○とや委員 改良工事は順次進められているということですが、先ほど来お話があって、オリンピック・パラリンピックも来年に控えていることから、駅や建物のバリアフリー化が進められております。
 昨年もバリアフリー化について質疑をさせていただいているようですけれども、全ての駅について、トイレなどのバリアフリー化、障害者対応は図られているのかどうかお答えください。

○鈴木開発調整担当部長オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長兼務 開業当初から全駅にエレベーターや誰でもトイレを設置いたしまして、バリアフリー化に対応しております。
 平成二十九年度から、誰でもトイレに大型の操作ボタンやオストメイト対応設備を設置するとともに、一般トイレの洋式化を進め、全てのトイレに温水洗浄便座の導入に着手しております。
 平成三十年度は、新橋駅やお台場海浜公園駅などで実施いたしまして、令和四年度末までに全駅の対応が完了する予定でございます。

○とや委員 二十九年から着手をしていらっしゃると。ただ、バリアフリー化は全て終わっていないということですが、ぜひ早期にバリアフリー化、できれば前倒しでお願いしたいと思っています。
 その際、根拠となる法律があると思います。バリアフリー法と東京都のバリアフリー条例だと思うわけですが、障害者対応が求められていますが、バリアフリー化については、これらの法律に基づいた形で施行されているのでしょうか、お答えください。

○鈴木開発調整担当部長オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長兼務 「ゆりかもめ」は、開業当初から全駅にエレベーターや誰でもトイレを設置しており、その後も法令及び条例に基づきまして、バリアフリーを推進しております。
 さらに、国土交通省が平成三十一年四月に策定いたしました公共交通機関の旅客施設・車両等に関するバリアフリー整備ガイドラインの推奨基準についても、駅舎の構造上、制約があるものを除きまして、適切に対応いたしまして、障害のある方も快適に利用できるよう環境整備を進めております。

○とや委員 駅の構造上、制約があるところは除いてということであります。二十五年前、二十四年前ですよね、つくられたのがね。そのときに今ほどバリアフリー化、あるいは障害者対応などの法律の整備がされていたかというと、そうではないし、当時の認識も、今と比べれば、まだまだだったのかもしれません。
 ただ、やはり大規模な工事をしなくても、バリアフリー化が図られる場所も精査していく必要があると思いますので、ここについては努力をしていただいて、大規模改修、いずれ大きな改修をしなきゃならないときも来るかと思いますので、そのときはぜひ当事者の立場に立った改良をお願いしたいと強く要望しておきたいと思います。
 次に伺いたいのが事故と安全対策についてです。
 ことし六月に起きた横浜の新交通システムの事故が記憶に新しいです。「ゆりかもめ」では、二〇〇六年に脱線事故が起きていますけれども、この年の四月十四日に、夕方ですね、六両編成の電車が船の科学館駅を出発した直後、走行輪っていうのかな、タイヤですね、が外れて、車体を大きく揺らせて、火花を発する異常状態となって、緊急停止をしたというふうにありました。
 翌日の朝、事故車両がクレーンで撤去され、二日間にわたって完全に運行が停止され、その次、十七日に臨時ダイヤで一部運行を開始しましたが、完全に復旧したのは、事故発生から五日後の十九日だったということです。
 この事故の原因は、車輪のタイヤのホイールを支えるハブの切断によるというものですけれども、事故以来、「ゆりかもめ」で行ってきた安全対策についてお答えください。

○鈴木開発調整担当部長オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長兼務 平成十八年四月に発生いたしました列車脱線事故でございますが、ホイールハブの破断が原因でございました。
 再発防止策といたしまして、全てのホイールハブを平成十九年九月までに新品と交換しております。また、ホイールハブの保守につきましては、交換周期の短縮化や超音波探査等を定期的に実施しております。
 この列車脱線事故以降、輸送障害を除きまして、衝突や脱線などの鉄道運転事故は発生しておりません。
 なお、本年六月一日に横浜シーサイドライン新杉田駅において、無人の自動運転列車が折り返し時に逆走し、車どめに衝突する事故が発生いたしましたが、「ゆりかもめ」におきましては、同様の事故は起こらないことを「ゆりかもめ」の車両で検証、確認いたしまして、国土交通省へ報告しております。

○とや委員 安全第一で運行していただきたいわけですけれども、日本では無人の自動運転は新交通システムで採用されています。鉄道の在来線でも近年導入の検討が加速しているという報道も私は見させていただきました。
 こうしたもとで、先ほど運行障害があったと。それは昨年三月にも運行停止があったという報道も見ていますけれども、安全対策をさまざまに講じても、それぞれの対策には少しずつやっぱり足りない部分があると思います。
 そうした弱点が何かのきっかけで重なったときに大きな事故につながるという自動運転のやっぱり難しさが、この間の大きな事故で突きつけられているんじゃないかなと思っています。
 安全性の高い自動運転システムをどのようにつくり上げていくのか、さらなる研究が求められていると思います。同時に、不測の事態にどう対応していくのか、事故が起きてもその被害を最小限に、安心して利用していくため抑えていくことが大切だと考えています。
 例えばテレコムセンター近くには、都立の臨海青海特別支援学校が開校しています。子供たち自身はスクールバスで通学しているわけですけれども、保護者や関係者を初め、学校を訪れる人たちがいるわけで、その人たちのためにどのような配慮がされているのかお答えください。

○鈴木開発調整担当部長オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長兼務 最寄り駅でございますテレコムセンター駅では、午前十時から午後七時まで係員を配置いたしまして、お客様の案内や巡回を実施しているほか、係員がいない時間帯におきましても、駅のインターホンからお客様のお問い合わせ等に円滑に対応しております。
 また、改札口を出たところに同校の案内サインを設置しておりまして、学校を訪れる方への対応をしているところでございます。

○とや委員 現在、無人駅はないといっているようですけれども、時間帯によっては人がいない、駅によって、まちまちだということです。
 私は思うんですけれども、こうしたときに、例えば首都直下地震など大災害が起きたとき、不測な事態が起きたとき、その場合はどういうふうに対応するのかお答えいただけますか。

○鈴木開発調整担当部長オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長兼務 「ゆりかもめ」の本社指令所におきまして、常時各駅の状況をモニターで監視しております。
 災害が発生した場合、指令所から各駅及び車内に案内放送を流して、状況を周知することや、列車の運行を停止することとしております。さらに、保守の係員が自動車等で現場に急行することとしております。

○とや委員 例えば今回の台風被害、あらかじめ来るとわかっていても、相当な被害が出ているわけです。予期しないもとで災害に遭えば、インターホンがどれだけ役に立つかわからないし、あるいは「ゆりかもめ」がとまってしまった場合、パニックに陥らない人の方が少ないのじゃないかと思うわけです。
 また、巡回している車が駆けつけるということですけれども、災害時は車で移動することは危険だといわれているわけで、なかなか無人だということで、救助に当たる、あるいは避難誘導するということが困難な状況が生まれるんじゃないかなと思うわけです。
 災害で道路が寸断されれば、車で行くこともできないわけで、ですからやはり常時社員がいないというのは問題ではないかと思うわけですが、いかがでしょうか。

○鈴木開発調整担当部長オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長兼務 発災時の対応につきましては、マニュアルで定めるとともに、定期的に避難誘導訓練を実施しております。これまでも各駅に社員がいない時間帯において、適切に対応してきております。

○とや委員 これまでは対応したということですけど、これからどうなるかわからないと思います。自動運転の安全性をどう確保するのか、また不測の事態にどう対応し、被害を最小限に抑えるにはどうすればいいのか。
 私は、一〇〇%っていうのは、もちろん目指すんですけれども、無理かもしれないけれども、やはり、こういう新交通システムを運行する場合、どうしても機械にふぐあいが生じたり、システム障害に陥ったりすることっていうのはあり得るんじゃないかと思うんです。
 そこで、鍵を握るのはやっぱり人だと思います。逆走だとか、脱線などの事故が起きないように、日ごろから点検、検証は怠らずにお願いしたいと思うわけですけれども、さらに各駅に人を、十時から十七時とか、限られた時間ではなくて、常時配置していただきたいということを強く求めて、本日の質問は終わらせていただきます。ありがとうございました。

○加藤委員 本日は、葛西海浜公園がラムサール条約湿地に登録され、ちょうど一年となりました。昨年の十月、ドバイで開かれました第十三回の締約国会議で、宮城県の志津川湾とともに葛西海浜公園が登録をされました。
 この都による海辺の自然回復に向けた取り組みとして進めてきた公園づくりや、地元の皆さんによる保全活動など、長年の取り組みが評価され、このように国際的に重要な湿地として認められたものと認識しています。
 同公園のラムサール条約湿地登録については、これまで我が党が提案、応援をしてきましたが、都としては初めての取り組みであり、さまざまな苦労や努力があったと思います。
 そこでまず、葛西海浜公園のラムサール条約湿地登録に向けた昨年度の取り組みについて伺います。

○中村臨海開発部長 葛西海浜公園は、沖合約二キロメートルにわたる広大な水域を有し、東京では数少ない自然の干潟である三枚洲が広がるとともに、冬には多くの渡り鳥が飛来するほか、カニや貝など、さまざまな海辺の生物の生息空間であります。
 こうした東京の希少な自然環境を保全するとともに、地元江戸川区などの要望も踏まえ、都は平成二十九年に策定した海上公園ビジョンにおいて、本公園のラムサール条約湿地への登録を目指すことを位置づけたところでございます。
 平成三十年には、生物の生息状況などを把握する自然環境調査を実施し、二万羽を超えるスズガモを中心とするカモ類の飛来が確認できるなど、条約の登録基準に合致することが明らかとなりました。
 また、登録の前提となる国指定鳥獣保護区の指定をするため、環境省とも連携して手続を進め、昨年十月の条約湿地登録に至ったものでございます。

○加藤委員 平成二十九年から登録に向けた取り組みを進め、わずか一年で葛西海浜公園の国際的な価値を明らかにし、登録まで進めたことは評価をいたします。
 一方で、登録に向けては、公園であるにもかかわらず、自然環境の保全ばかりが進められ、これまでの公園利用とは異なり、都民利用が制限されるのではないかといった不安の声があったとも聞いております。
 自然も大切ですが、登録により、公園利用が阻害されるなど、都民への影響が出ないように進めていくべきと考えますが、昨年度の取り組みについて伺います。

○中村臨海開発部長 ラムサール条約では、理念の一つとして、賢明な利用、いわゆるワイズユースを掲げており、条約締結国に対して、自然環境の保全だけではなく、湿地の持続的な利活用を進めることを推奨しております。そのため、湿地を公園として自然と共存しつつ、持続的に利活用することは、条約の理念に合致するものであると考えております。
 こうした条約の考え方について、公園利用者への理解を深めるため、平成三十年度には水域利用や環境保全等にかかわる地元関係者との意見交換の場を設け、合意形成を図ってまいりました。今後も引き続き自然環境の保全と両立した公園利用を推進してまいります。

○加藤委員 都市と自然との共生、この条約がうたうワイズユースは、都市と自然が調和する東京とまさに一致したものであり、すばらしい考え方といえ、共感をいたします。
 東京の海でとれる海産物は、今でも江戸前と呼ばれて親しまれているように、海と人々のつながりは現在も続いております。こうしたつながりを大切にし、葛西海浜公園においてもワイズユースを進めていくことが重要となります。
 そこで、東京のような大都市で自然の豊かさを享受できるよう、さまざまな利活用を進めていくべきと考えますが、所見を伺います。

○中村臨海開発部長 葛西海浜公園では、豊かな水辺環境を生かした潮干狩りや東京の海では貴重となる海水浴体験など、自然環境と調和した公園利用を推進しております。
 また、渡り鳥などの野鳥に加えて、魚やカニなどの多様な水生生物を紹介する自然観察会のほか、ノリづくり体験などを開催しており、今後も都民が海辺の自然を身近に感じる機会をふやすとともに、さまざまな取り組みを展開してまいります。

○加藤委員 最初は東京湾で海水浴と聞いたときは驚きましたけれども、それだけ変わったかなというふうに思うんですけれども、こうした海水浴体験など、海辺の自然を体感できる利活用を進めていることはわかりましたが、同時にそれらを多くの方に参加していただき、実際に利用してもらわないと意味がありません。
 そこで、この自然豊かな公園を地元の方だけでなく、できるだけ多くの人々に知っていただく取り組みを進めるべきと考えますが、都の取り組み状況について伺います。

○中村臨海開発部長 平成三十年度は、ラムサール条約湿地の登録直後となる十一月に、本公園の環境保全や利活用に尽力いただいた江戸川区や地元の方々、地元小学生などを招いて、登録を報告させていただくイベントを開催いたしました。
 あわせて、葛西海浜公園の豊かな自然環境を紹介するPR動画を制作し、多くの方々が集まる渋谷や新宿などの街頭ビジョンにて放送を行ってきたところでございます。
 今年度においても、先月、ラムサール条約湿地を擁する日本各地の自治体と連携したPRイベントを開催いたしました。
 また、今週末には、葛西海浜公園と同時にラムサール条約湿地に登録された志津川湾を擁する宮城県南三陸町と連携して、登録一周年を記念するシンポジウムを開催する予定であり、多くの方々に広く知っていただく取り組みを進めてまいります。

○加藤委員 今週末に南三陸町とシンポジウムということですが、南三陸町も今回の台風十九号による被害が発生したと伺っておりますので、無事に会合が開催され、成功することを祈っております。
 また、余談ですが、私も陰ながら、この自然豊かな公園を多くの人に知っていただきたいとの思いもあり、長年続けてきました被災地支援、スポーツ交流事業において、福島県の少年野球チームをこの夏、このエリアに招待をいたしました。
 都としても、多くの方々に知っていただく取り組みを幅広く展開しているとのことで評価をいたします。日本各地の自治体と連携したPRは、東京と地方による相乗的な効果も期待できるものとなるため、今後も積極的に取り組みを進めていってもらいたいと要望しまして、質問を終わります。

○大場委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大場委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で港湾局関係を終わります。
 これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
   午後二時五十三分散会

ページ先頭に戻る

ページ先頭に戻る