委員長 | 小宮あんり君 |
副委員長 | 村松 一希君 |
副委員長 | 伊藤こういち君 |
藤井あきら君 | |
菅野 弘一君 | |
小林 健二君 | |
原田あきら君 | |
上田 令子君 | |
入江のぶこ君 | |
森村 隆行君 |
欠席委員 なし
出席説明員環境局 | 局長 | 和賀井克夫君 |
次長 | 吉村 憲彦君 | |
総務部長 | 谷上 裕君 | |
環境政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 若林 憲君 | |
政策調整担当部長 | 松本 明子君 | |
地球環境エネルギー部長 | 小川 謙司君 | |
都市エネルギー推進担当部長 | 村山 隆君 | |
環境改善部長 | 筧 直君 | |
環境改善技術担当部長 | 近藤 豊君 | |
自然環境部長 | 須藤 栄君 | |
緑施策推進担当部長 | 金子 亨君 | |
資源循環推進部長 | 松永 竜太君 | |
調整担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務 | 風祭 英人君 | |
建設局 | 東京都技監建設局長兼務 | 西倉 鉄也君 |
次長 | 片山 謙君 | |
道路監 | 三浦 隆君 | |
総務部長 | 今村 篤夫君 | |
用地部長政策調整担当部長兼務 | 関 雅広君 | |
道路管理部長 | 杉崎智恵子君 | |
道路建設部長 | 奥山 宏二君 | |
三環状道路整備推進部長 | 大庭 孝之君 | |
公園緑地部長 | 日浦 憲造君 | |
河川部長 | 村井 良輔君 | |
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 花井 徹夫君 | |
総合調整担当部長 | 鹿田 哲也君 | |
道路保全担当部長 | 加藤 直宣君 | |
道路計画担当部長 | 田中 慎一君 | |
公園計画担当部長 | 細川 卓巳君 |
本日の会議に付した事件
平成二十九年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
環境局関係
・平成二十九年度東京都一般会計決算(質疑)
建設局関係
・平成二十九年度東京都一般会計決算(質疑)
○小宮委員長 ただいまから平成二十九年度各会計決算特別委員会第三分科会を開会します。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、環境局及び建設局関係の決算に対する質疑を行います。
これより環境局関係に入ります。
決算の審査を行います。
平成二十九年度東京都一般会計決算中、環境局所管分を議題とします。
本件については、既に説明を聴取しております。
その際要求した資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○谷上総務部長 去る十月十日の当分科会で要求いただきました資料につきましてご説明申し上げます。
お手元の平成二十九年度各会計決算特別委員会第三分科会資料をごらんください。
表紙をおめくり願います。右側の目次のとおり十六項目ございます。
まず、一ページをお開き願います。1、都内の二酸化炭素排出量の部門別推移過去五年分でございます。
平成二十四年度から二十八年度までの各年度における産業、家庭、業務、運輸及びその他の各部門の二酸化炭素排出量を記載しております。
二ページをお開き願います。2、二酸化窒素、浮遊粒子状物質及び微小粒子状物質の環境基準達成状況の推移でございます。
(1)の二酸化窒素、(2)の浮遊粒子状物質、それぞれの表におきまして、上段が一般環境大気測定局、下段が自動車排出ガス測定局でございまして、平成二十五年度から二十九年度までの各年度における測定局数、環境基準達成局数及び達成率の状況を記載しております。
三ページをお開き願います。(3)の微小粒子状物質につきまして、同様に記載しております。
四ページをお開き願います。3、二酸化窒素、浮遊粒子状物質及び微小粒子状物質の全国上位十局の推移でございます。
(1)の二酸化窒素につきまして、平成二十四年度から二十八年度までの各年度における全国の測定局の年平均値上位十局を記載しております。
五ページをお開き願います。(2)の浮遊粒子状物質につきまして、同様に記載しております。
六ページをお開き願います。(3)の微小粒子状物質につきまして、同様に記載しております。
七ページをお開き願います。4、産業廃棄物として都内から排出されるアスベストの過去九年間廃棄量でございます。
平成十九年度から二十七年度までの各年度における廃石綿等と石綿含有産業廃棄物の排出量を記載しております。
八ページをお開き願います。5、緑地保全地域における公有化予算・決算額・面積及び管理予算の推移でございます。
平成二十年度から二十九年度までの各年度における公有化の予算額、決算額及び面積並びに管理費予算額を記載しております。
九ページをお開き願います。6、都内の土壌汚染対策法における要措置区域等の指定件数の推移でございます。
平成二十五年度から二十九年度までの各年度における要措置区域と形質変更時要届け出区域の指定件数を記載しております。
一〇ページをお開き願います。7、大規模事業所の二酸化炭素排出量の推移でございます。
平成二十二年度から二十八年度までの各年度における二酸化炭素排出量を記載しております。
一一ページをお開き願います。8、大規模事業所の床面積当たりの二酸化炭素排出量の推移(用途別)でございます。
(1)の第一計画期間につきまして、平成二十二年度から二十六年度までの各年度における事務所、情報通信、放送局等の各用途の床面積当たりの二酸化炭素排出量を記載しております。
一二ページをお開き願います。(2)の第二計画期間につきまして、同様に記載しております。
一三ページをお開き願います。9、中小規模事業所の二酸化炭素排出量の推移でございます。
平成二十二年度から二十八年度までの各年度における二酸化炭素排出量を記載しております。
一四ページをお開き願います。10、都内病院の床面積当たりの二酸化炭素排出量の推移でございます。
平成二十年度から二十八年度までの各年度における病院、医療施設等の床面積当たりの二酸化炭素排出量を記載しております。
一五ページをお開き願います。11、太陽光発電の普及状況(直近五年間)でございます。
平成二十四年度から二十八年度までの各年度における住宅用とその他の太陽光発電の設備容量を記載しております。
一六ページをお開き願います。12、横田基地周辺における騒音発生回数の推移でございます。
平成二十四年度から二十八年度までの各年度における昭島、瑞穂、福生及び武蔵村山の各測定局の一年間の騒音発生回数及び一年間で最も騒音の発生が多かった日の騒音発生回数を記載しております。
一七ページをお開き願います。13、六価クロム土壌汚染対策に係る滲出事案など環境局に寄せられた情報と対応状況(過去三年)でございます。
平成二十七年度から二十九年度に六価クロム土壌汚染対策に係る浸出事案など、環境局に寄せられた情報と対応状況を記載しております。
一八ページをお開き願います。14、東日本大震災以降の放射能対策における区市町村等関係機関との連携及び取組状況でございます。
平成二十三年度以降の放射能対策における区市町村等関係機関との連携状況及び取り組み状況を記載しております。
一九ページをお開き願います。15、環境省による葛西海浜公園・三枚洲のラムサール条約湿地への登録推薦の決定に関する関係局との連携状況でございます。
平成二十九年度及び平成三十年度にありました港湾局からの意見照会に対する環境局の回答を記載しております。
二〇ページをお開き願います。16、監理団体・報告団体の職員構成(都派遣職員・固有職員・都退職者別)でございます。
当局所管の監理団体及び報告団体につきまして、平成二十五年度から二十九年度までの各年度における職員数とその構成内容を記載しております。
以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○小宮委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○入江委員 環境局は、東京都環境基本計画や二〇二〇年に向けた実行プランを踏まえ、持続可能な東京の実現に向けて、極めて重要な取り組みを行っております。二十九年度決算の歳出は、予算現額四百四億九千五百万円に対して、支出済額は三百四十六億四千七百万円で、執行率は八五・六%でした。
決算は、予算に計上された施策や事業の執行結果を計数的に明らかにするものであり、行政の目的が効果的、効率的に達成されたかどうか、判断材料を都民に提供するものといえます。
環境局の予算執行率は八五%を超えており、環境先進都市東京の実現に向けて着実に予算を執行しているといえますが、主な事業がどのように執行されたのか、具体的に質問します。
まず、LED省エネムーブメント促進事業について伺います。
これは、家庭での省エネを進めるために、十五億円をLED電球の原資として、平成二十九年七月十日からの一年間で開始した事業ですが、平成二十九年度中の実績を伺います。
○小川地球環境エネルギー部長 家電店からは実績の報告を日曜締めでいただくようにしておりまして、平成二十九年度末、最後の日曜日でございます三月二十五日までにご報告いただきましたLED電球の個数は、二十一万八千三百二十個でございました。
○入江委員 年度末までに約二十二万個のLED電球を配布したとのことです。しかし、執行は低調でした。
本事業は、本年の七月までの一年間を事業期間として実施されたものですが、この執行が低調の原因をどのように分析し、対策を講じたのか伺います。
○小川地球環境エネルギー部長 本事業は、不正防止の観点からも、LED電球の受け取りは原則本人といたしまして、交換場所の地域家電店の店頭に出向いていただいて実施していただくということで回収をいたしました。
事業を実施する中で、都民からは、利便性向上の観点から代理での受け取りを認めてほしいでありますとか、LED電球の交換場所をふやしてほしいといったご意見をいただきました。
そのため、本年三月に、どなたでも代理によるLED電球の受け取りを可能とし、またLED電球の交換場所といたしまして、家電量販店を追加いたしたところでございました。
こうした対策により改善が見られまして、事業期間の本年七月九日までに三十六万六千六百七十三個のLED電球を交換し、年間約一・七万トンのCO2削減につながったところでございます。
○入江委員 都民ファーストの会は、第二回定例会の代表質問で新たな方策での事業展開を提案し、それに対し、都は本年八月十五日から、都民がより参加しやすい新たな仕組みとして、白熱電球一個でも受け取りを可能とするなど、事業を再スタートしています。
出だしは好調とのことで、事業開始から二カ月で約十三万五千個のLED電球を配布していると聞いています。先日、地元港区の電気店を訪ね、店主とお話をしたところ、大変よい取り組みなのに、まだ知らない人が多いので、声かけをして、お勧めをしているとのことでした。
LED電球は、白熱電球に比べて約八五%の省エネ効果があるため、都民一人一人のLED化の取り組みは、エネルギー消費量の大きな削減につながります。都民への広報、周知の機会をふやし、せっかくの予算を有効に活用し、家庭の省エネを進めていくことを要望いたします。
次に、水素社会の実現に向けた取り組みについて伺います。
水素エネルギーは、利用の段階で二酸化炭素を排出せず、さまざまな資源から製造することができ、経済波及効果も高く、災害時においても有効など、多くのメリットがあります。
都は、水素社会の実現に向けて、燃料電池自動車、燃料電池バスの普及や水素ステーションの整備のための補助制度を実施していますが、平成二十九年度の実績について伺います。
○村山都市エネルギー推進担当部長 平成二十九年度の補助事業の実績でございますが、燃料電池自動車を百三十三台、燃料電池バスを三台、水素ステーションを一カ所、交付決定しているところでございます。
○入江委員 都営バスの東京駅から東京ビッグサイト間の路線では、燃料電池バスが活用されるなど、都内で水素エネルギーの活用が徐々に進んでいます。しかし、都民にとって水素はまだ遠い存在で、身近に感じる機会は少ない状況です。
都民への普及に向けて、平成二十九年度はどのような取り組みを行ってきたのか伺います。
○村山都市エネルギー推進担当部長 水素エネルギーの普及には、エネルギーの利用者である都民に対して、水素の意義や安全性をしっかり伝えていくことが重要でございます。
このため、多くの人々が集まる東京国際フォーラムでの丸の内キッズジャンボリーなどに出展し、水素の認知度向上を図ったほか、二月に東京で行われた震災復興イベントでは、福島県産のCO2フリー水素、これは福島県内の太陽光発電でつくられた水素でございますが、この水素を実際に活用し、低炭素な水素のPRを実施いたしました。
○入江委員 都が昨年度、さまざまな普及啓発を行ってきたことはわかりました。都と環境公社が設立した水素情報館、東京スイソミルでは、単なる学習施設としてではなく、水素社会の実現に向けて、企業と連携して、最新技術や製品の展示を行っていると聞いています。
こうした企業などとの連携した取り組みが、都民への普及啓発では大変重要と考えますが、都はどのように取り組みを行ってきたのか伺います。
○村山都市エネルギー推進担当部長 水素エネルギーの普及を官民一体となって進めるため、Tokyoスイソ推進チームを、百を超える団体で昨年十一月に発足いたしました。
Tokyoスイソ推進チームでは、二月一日を東京水素の日に設定し、同日に都民向けセミナーを開催して、二十一の企業や団体が海外からの水素供給に関する取り組みなどの先進事例を発表するなど、都民に水素エネルギーを広く発信したところでございます。
○入江委員 水素社会の実現に向けては、水素の持つ大きな可能性について、都民へお知らせするその普及が何よりも重要です。引き続き民間企業などと連携しながら、しっかりと取り組んでいただくことを要望いたします。
続いて、二十九年度決算のうち、持続可能な資源利用に向けた取り組みである食品ロス対策について伺います。
日本では、本来食べられるにもかかわらず捨てられてしまっている食品ロスが年間六百四十六万トン、都民が一年間に食べる量に匹敵するだけのものが無駄に捨てられてしまっています。
食品ロスは、もったいないの象徴ともいえます。国連の持続可能な開発目標、SDGsでは、二〇三〇年に食品ロスの半減を掲げており、都も二〇二〇年に向けた実行プランの中で、二〇三〇年度までに食品ロス半減を達成するための食品ロス削減東京方式を確立するとしています。
そこでまず、この食品ロス対策として、二十九年度に取り組んだ内容を伺います。
○松永資源循環推進部長 食品ロス削減に向けては、平成二十七年度から二十九年度まで実施したモデル事業におきまして、消費者を対象とした食品ロスに関する広報を展開するとともに、防災備蓄食品を広く都民や福祉団体等に配布するなど、有効活用を図ってまいりました。
また、昨年九月、食品の製造、流通、販売にかかわる事業者や消費者団体等から成る東京都食品ロス削減パートナーシップ会議を設置いたしました。昨年度は会議を三回開催し、賞味期限の長い加工食品を中心に、小売店への納品期限を設定するいわゆる三分の一ルール等の商慣習の見直しなどについて、議論を重ねてまいりました。さらに、会議メンバーと協働し、食品ロス削減の取り組み内容を紹介する食品ロスもったいないフェスタを東京国際フォーラムで開催するなど、キャンペーンを展開してまいりました。
○入江委員 食品ロス削減パートナーシップ会議において、三分の一ルールなどの商習慣の見直しに取り組んできたとのことでした。こうした日本特有の商習慣は、賞味期限まで十分な期間のある食品を消費者に届けるという面では大いに貢献したかもしれません。
しかし、製造日から賞味期限までの期間の三分の一までを小売店が納品期限に設定して、わずか一日でも過ぎてしまった商品の納入を拒否することなどによって、食品ロスが発生しています。
恐らく多くの消費者は、こうした商習慣があることを知りません。正確なデータがない中で、実際には見えていない消費者心理のイメージをもとに、過度に鮮度を重視した商習慣が形成され、そのことにより食品ロスが発生している状況です。
都は、こうした三分の一ルールなどの商習慣について、どのようにしていく考えなのか伺います。
○松永資源循環推進部長 現在、商慣習として小売店で行われている三分の一ルールは、商品の製造日から賞味期限までの期間を仮に六カ月とした場合、その三分の一に当たる製造日から二カ月を経過した日までを納品期限として、その期限を過ぎたものを納品させないルールでございます。
都は、パートナーシップ会議において、この納品期限を三分の一から二分の一に延長する事業者と連携した広報を展開することとしております。
今後、パートナーシップ会議に小売部会を設け、広報展開等の詳細について検討を重ね、納品期限の延長に積極的に取り組む事業者を応援してまいります。
○入江委員 私自身、消費者の一人として、賞味期限前のものであれば、それ以上過剰に鮮度を求める必要がないと思います。ぜひこの三分の一ルールは見直していただきたいと思います。
都としては、積極的にこうした商習慣を見直して、食品ロスを削減していこうという事業者をしっかりと応援していただきたいです。
また、小売部門だけではなく、外食における食品ロスの問題も重要です。今後、パートナーシップ会議を中心にどのような取り組みを進めていくのか伺います。
○松永資源循環推進部長 現在、パートナーシップ会議では、加工食品に加え、外食についても部会を設け、議論を行っております。外食における食品ロスの大きな原因については、顧客による食べ残しと店舗での仕込み過ぎとの調査結果があることから、今後はそれぞれの要因について、具体的な対策を検討してまいります。
また、引き続き会議メンバーと協働しながら、店頭キャンペーンなどを展開することで、食品ロスをできるだけ出さないライフスタイルへの転換を広く求めていくとともに、食品ロス削減東京方式の確立に向けて、事業者及び消費者と協働して取り組む行動プランの策定を目指してまいります。
○入江委員 SDGsが掲げる食品ロス半減に向けて、今後ともしっかり取り組んでいただくことを要望しておきます。
さて、最後になりますが、世界は今、温暖化に伴う異常気象を初め、大気、水の汚染や廃棄物の問題など、環境面で大きなリスクに直面しています。こうした環境問題の解決を図り、持続的に発展する世界を目指すには、世界の人口の半数以上が集中するといわれている都市が大きな役割を果たす必要があります。
この十月十八日に森記念財団都市戦略研究所が世界の都市総合ランキング二〇一八を発表しました。東京は、一位のロンドン、二位のニューヨークに次ぎ三位でしたが、分野別では、環境への取り組みの評価が相対的に低く、環境分野は十二位から二十九位へ下がりました。唯一トップテン入りしていない環境分野が改善されれば、総合力の高いバランス都市になると分析しています。
大都市東京は、この環境分野の弱点を改善し、国や世界を先導する取り組みを推進していくべきです。また、環境施策を推進するに当たり、一人一人が意識や行動を変革していく意識改革も重要です。小池知事が環境大臣のときに提唱したクールビズはその一例で、個人や企業の意識改革が日本中の共感を呼び、広める大きな力となりました。
こうした観点も踏まえ、持続可能な環境先進都市東京のさらなる実現に向け、今後はどう環境施策を進めていくのか、局長の決意をお伺いいたします。
○和賀井環境局長 ただいま委員から省エネルギー、水素エネルギー、食品ロスなどにつきまして、貴重なご意見を頂戴いたしました。
都はこれまでも、ディーゼル車排出ガス規制やキャップ・アンド・トレード制度の導入などを初めとしまして、世界一の環境先進都市の実現に向けて、さまざまな施策を推進してまいりました。
今後も、ゼロエミッション東京の実現を目指し、さらなる環境施策の推進を図るためには、心技体、すなわち意識改革、技術革新、制度、この三つをトータルで進めていく必要があると考えております。
心に当たる個人の意識改革を促すための新たなアプローチとしまして、本年八月に企業とNGO等とともに立ち上げましたチームもったいないにおきまして、食品ロスやレジ袋削減、省エネの徹底などの共感と行動を広めておるところでございます。
また、技としましては、水素エネルギー技術の推進など、業界と連携し、技術開発等を後押ししてまいります。
さらに、体としまして、キャップ・アンド・トレード制度のさらなる進化など、ゼロエミッション東京の実現に向けた企業、個人の具体的な行動を促す施策を展開してまいります。
今後とも、都議会の皆様のご意見を頂戴しながら、区市町村、民間事業者とも連携しまして、環境先進都市東京の実現を目指してまいります。
○入江委員 ありがとうございました。心技体というお話を伺いました。特に環境施策について、やはり都民一人一人がどのようにすることによって環境をよくすることができるか、そうした普及啓発も大変重要だと思いますので、広報面においても力を入れていただきたいと思っております。
そして、何よりも私どもの目標であります世界一の都市東京を目指し、環境分野でのさらなる取り組みを期待いたします。ありがとうございました。
以上です。終わります。
○菅野委員 それでは、私の方から、最初に小笠原諸島の火山列島における調査についてから伺いたいなと思っています。
毎年、決算説明書では、世界自然遺産保全事業にも取り組んだことが明示されています。私はことしの六月末から七月の頭にかけて、返還五十周年を祝うため、小笠原諸島に行ってきました。豊かな自然に触れ、世界的にも貴重な自然を次世代に継承することの必要をひしと感じたところです。
決算説明書によると、世界自然遺産保全事業の一つとして、火山列島における自然環境調査について約二千八百万円支出されています。
ちょうど先月、NHKスペシャルでは、火山列島の南硫黄島について取り上げられていました。番組のエンディングのクレジットでも東京都の名前が出ていましたので、これはこの支出と関連するものなのでしょうか。
そこでまず、この火山列島調査における自然環境調査の概要とその成果についてお聞きしたいと思います。
○金子緑施策推進担当部長 小笠原諸島火山列島は、父島からさらに南、約二百から三百三十キロメートル離れて位置する島々であり、昨年度の調査は、列島最南端の南硫黄島で実施したものでございます。
南硫黄島は、急峻な地形や自然環境の厳しさから、人が定住したことがなく、小笠原諸島で最も原生の自然が保たれている島であり、通常、立ち入りが禁止され、島自体が原生自然環境保全地域や天然記念物として、手厚く守られております。
今から十一年前の二〇〇七年、世界自然遺産登録を目指す中、東京都と首都大学東京が調査隊を組み、自然環境調査を実施しており、その調査成果は、登録につながる材料として高く評価され、遺産登録推薦書に記載されました。
昨年度の調査は、前回調査から十年が経過した中、その後の自然環境の変化や生態系の現状を把握し、その価値を評価するとともに、保全のための基礎資料を収集するため実施したものでございます。
今回の調査に当たっては、首都大学東京に加え、今後の研究に重要な資料となる画像データの取得を目的に、NHKとも協定を締結し、共同調査を実施いたしました。
調査の結果、絶滅したと思われていたシマクモキリソウの再発見やアカアシカツオドリの集団営巣地の国内初確認ほか、植物、鳥類、陸産貝類、昆虫類などについての新たな発見等、多くの成果を得ております。
○菅野委員 今お話がありました昨年秋のシマクモキリソウの開花については、多くの新聞報道などにも取り上げられたにもかかわらず、実際、肝心の花というのは、この近くだと筑波の植物園まで行かなければ見られない状況でした。
NHKスペシャルも好評だったと聞いていますが、一回のテレビ放映ではPRは十分とはいえません。多くの成果を得た割には、都民に調査の価値や成果が十分に伝わっていないのではないでしょうか。
調査の成果発信についての取り組み状況について伺いたいと思います。
○金子緑施策推進担当部長 南硫黄島の調査結果の成果については、これまでNHKスペシャルによる放送のほか、首都大学東京における特集冊子の発行やシマクモキリソウ開花のように個別の成果についてのプレス発表、あるいは公開で行われた学会発表の機会等を捉え、発信を行ってまいりました。
現在、小笠原ビジターセンターでは、南硫黄島の調査に関する特別展を開催中であり、今後、近接県の博物館においても特別展が実施される予定でございます。
○菅野委員 学会とか専門冊子、いずれも専門性の高い人々への発信には効果的だと思います。もう少し広く発信することも重要ではないでしょうか。小笠原や近接県まで行かなくても見聞きできることも必要です。
調査の成果について、発信をさらに強化すべきと考えますが、見解を伺いたいと思います。
○金子緑施策推進担当部長 小笠原世界自然遺産の保全のためにも、その自然の価値に関する普及啓発は重要でございます。十年前の調査実施の折には、都庁において、調査に参加した科学者による講演会等を実施し、調査成果を広く周知し、好評を得ております。
こうしたことから、今回調査に参加した科学者たちからも、あらゆる層に対する発信について積極的に協力するという意向を示されております。
今後、都政ギャラリーにおけるパネル展を初め、NHKや首都大学東京の協力を得て、さらなる普及啓発に取り組んでまいります。
○菅野委員 テレビでも調査隊の隊員の情熱や豊かな自然環境がわかりやすく、ドラマチックに伝えられていたと思います。シンポジウムの開催などもぜひ検討して取り組んでいただければと思います。
そして、さて火山列島には、今回調査をした南硫黄島だけではなく、北硫黄島もあると思います。こちらは現在は無人島ですけれども、かつては、戦前、太平洋戦争前までは集落があって、最盛期には二百人以上が暮らしていて、小学校もあったというふうに聞いています。
こちらはまた先ほどの南硫黄島とは、そういった意味で生態系が異なるとは思いますけれども、やはりこの機会にこちらも調査が必要ではないかと私は考えていますが、その辺の見解を伺いたいと思います。
○金子緑施策推進担当部長 北硫黄島につきましても、約十年前に南硫黄島同様の総合的な調査を実施しており、その後の自然環境の変化や現状把握、分析は、世界自然遺産保全のために重要でございます。
このため、本格調査時のアプローチルートの選択や調査対象項目の選定等を行う予備調査を今年度実施しているところでございます。この予備調査の結果を踏まえ、今後必要な全島調査の実施に取り組んでまいります。
○菅野委員 小笠原諸島は世界自然遺産であり、その貴重な自然環境は全世界共通の財産です。その中でも、特に火山列島は、原生的な自然環境に富んだ重要なエリアです。継続的にその自然環境について調査を行い、全人類の知見として蓄積していくことが大切です。
調査のスキルやさまざまな知見が継承されるとともに、今後も、定期的に調査が実施され、新たなすばらしい発見がなされることを期待して、次の質問に移りたいと思います。
それでは、続いて、生態系に配慮した緑化について伺いたいと思います。
緑の新施策の推進には、生態系に配慮した緑化に関する事業が含まれていると聞いています。私の地元港区には、大名屋敷の跡地を中心に地域ゆかりの自然が多く残され、多くの人に親しまれています。
都内では、二〇二〇東京オリンピック・パラリンピック大会を目前に控えて、大規模な都市開発が活発に行われていますが、都心の貴重な自然を残していくことは重要です。
例えば六本木にあるアークヒルズ仙石山森タワーでは、開発前から地元の方に親しまれてきた樹木を保全しながら、生き物のすみかとなる緑地を配置するなど、自然を生かしたまちづくりに取り組んでおり、今では野鳥が訪れる都会のオアシスとして大変人気を得ています。
都は昨年五月に、生態系に配慮した緑地を認定する江戸のみどり登録緑地制度を開始しましたが、仙石山森タワーは、人と自然が共生する新たな都市緑化のモデルとして、特にすぐれた取り組みを行う優良緑地の第一号案件にも選ばれております。
そこで、江戸のみどり登録緑地制度の目的と昨年度の実績について伺います。
○須藤自然環境部長 一定規模以上の開発を行う場合に、東京に昔から自生する在来種を配置することで、緑地周辺の生態系の回復や自然環境に配慮した都市空間の創出に貢献するものと認識をしております。
江戸のみどり登録緑地制度は、このような在来種植栽を積極的に配置する緑地を認定、登録することにより、都内にある生態系に配慮した緑地について、都民や事業者に知ってもらい、機運を高めることを目的とした制度でございます。
また、在来種植栽に加えて、例えば鳥が食べる実をつける樹木を植えるなど、生き物の生息環境に特に配慮した取り組みを行う場合には、よりすぐれた優良緑地として認定をしております。
平成二十九年度は、仙石山森タワーを含む五件の優良緑地を登録いたしました。
○菅野委員 江戸のみどり登録緑地制度はまだ始まったばかりで、せっかくのよい取り組みが広く知られていません。今後、登録のさらなる普及拡大に努め、都民や事業者に生態系に配慮した緑化の重要性や魅力を周知していただきたいと思います。
また、都内の自然を守り、生かしたまちづくりを行うためには、都市開発を行う事業者に対して、江戸のみどり登録緑地の先駆的な取り組みを積極的に情報提供し、普及啓発を行っていくことが重要と考えますが、そちらの見解を伺いたいと思います。
○須藤自然環境部長 平成二十九年度に民間デベロッパーや緑地の設計、管理に携わる事業者などを対象とした講習会を開催し、緑地の設計や管理のポイントなどを紹介したところ、参加者から好評を得ることができました。
その一方で、参加者からは、実際の管理を行う中で気づいた点や工夫した点は何か、住民や地域の方などの反応はどうなのかなど、先駆的に取り組んでいる現場の具体的な情報が欲しいという意見が多く寄せられました。
今後は、先駆的な取り組みを行う江戸のみどり登録緑地の事業者などの協力を得て、現場見学や実務担当者へのヒアリングの機会を設けるなど、具体的な情報提供に努め、自然を生かしたまちづくりに取り組む事業者の拡大を図ってまいります。
○菅野委員 仙石山森タワーのように、鳥や昆虫が訪れ、人々の憩いの場となっている江戸のみどり登録緑地は、生態系に配慮した緑化について理解を深める格好の現場ですので、積極的に活用していただきたいと思います。
東京には、江戸時代から人々に親しまれてきた緑地や自然がまだまだたくさんあります。これらの自然を生かしながら、人と自然が共生する都市東京の実現に向けて、事業者からの要望を踏まえたわかりやすい情報提供を実施するよう要望しておきます。
それでは、次に、水素社会の実現に向けた取り組みについて伺います。
我が党はこれまでも水素エネルギーの普及に力を入れてきております。
そこで、先日、江戸川区臨海町において、初の都有地活用による燃料電池バスに水素を充填できるステーション整備事業者が決定したとの報道がありました。水素社会の実現に向けて燃料電池自動車が普及していくためには、水素を充■するためのステーション整備は重要です。
まず、そのための取り組みと二十九年度の実績を伺いたいと思います。
○村山都市エネルギー推進担当部長 水素ステーションの整備拡大に向けて、都は国と協調して、整備費に対する補助制度を実施しているところでございます。運営費につきましても、国等とともに補助するほか、都独自の取り組みとして、土地賃借料に対する補助も実施しております。
平成二十九年度には、この補助制度を活用して、江東区に新たに一カ所開設され、また移動式ステーションが世田谷区に一カ所開設されたことにより、都内では十四カ所の水素ステーションが稼働しております。
○菅野委員 都は、水素ステーションの整備目標を二〇二〇年までに三十五カ所としていますが、十四カ所ではまだ目標の半分にも達していません。燃料電池自動車、バスをより一層普及させていくためには、ステーションを整備していくことが不可欠ですが、こうした現状では、燃料電池自動車普及への意欲が弱まったのではないかと思えてしまいます。
都内においては新たな用地を確保することが難しいのであるならば、新設ステーションの整備促進以外の対策をとるべきです。それに向けてどのような取り組みを行っているのか伺いたいと思います。
○村山都市エネルギー推進担当部長 水素ステーションの整備には、新設に加え、既存ガソリンスタンドへの水素充填設備の併設も有効でございます。
このため、二十九年度には中小ガソリンスタンド事業者等を対象に水素ステーションに関する講習会等を実施するとともに、併設への技術支援をすいすいサポート相談窓口で実施いたしました。
今年度は併設に向けた設置検討調査を行い、レイアウトや工事費等を示すことにより、事業者参入を後押ししてまいります。
○菅野委員 水素ステーションと燃料電池自動車の普及というのは、車の両輪の関係にあります。確かに既存のガソリンスタンドを活用した水素ステーション整備も重要です。ただし、燃料電池自動車の一層の普及を図るのであれば、燃料電池バス導入に向けた交通局との連携をもっと強化すべきだと思います。
水素ステーションが少ないから燃料電池バスの導入がおくれているといううわさも聞きます。そして、既存のガソリンスタンドを活用した水素ステーション整備には、国の規制緩和に向けた都の取り組みが最も必要ですし、何よりも民間ガソリンスタンドが水素ステーションになかなか手を出さないのは、ランニングコストを賄えない、赤字でやるわけにはいかないということです。
こうした状況を踏まえ、事業者の声に耳を傾けながら、ぜひしっかりと取り組んでいただくことを要望いたします。
最後に、現在、水素ステーション整備は二十三区が中心ですが、今後、水素エネルギーの普及を加速化させていくためには、多摩地域への整備など、地域も考慮に入れて計画的に推進していくことが必要であることを指摘して、この質問は終わります。
最後に、LED省エネムーブメント促進事業について伺います。
この事業は、知事の肝いりで昨年七月に開始した事業ですが、LED電球の配布個数が年度末時点で約二十二万個程度ということで、目標の二割にとどまっており、実績が低調でした。先ほどもそういう指摘があったと思います。
本事業の周知に当たり、都はタレントを使った派手な広報を実施しましたが、都民に対して十分に行き届いていなかったのでないかと思います。
そこでまず、タレントを使った広報に要した費用と成果について伺います。
○小川地球環境エネルギー部長 広報に当たっては、PR動画やポスター、チラシを作成してございます。これに要しました費用は、タレントの出演料や動画等の作成費として約二千万円でございました。
白熱電球二個とLED電球一個を交換するという事業の特徴をわかりやすく伝えることができ、かつ多くの都民の方に広く本事業を知っていただけるよう、事業イメージに合致し、また認知度の高いタレントを起用して、広報を実施することとしたものでございます。
昨年五月からユーチューブに公開したPR動画は、再生回数が三十一万回、またテレビの情報番組でも多数取り上げられましたことなどから、一定の波及効果があったと考えているところでございます。
○菅野委員 一定の効果があったという評価ですが、費用対効果という点ではどうだったのでしょうか。費用対効果の高い周知を行うためには、我が党がかねがね指摘してきたように、タレントを使った派手な広報ではなくて、やはり住民に身近な区市町村と連携するなど、もっともっと地域に根差した丁寧な取り組みを行うことが重要だと思います。
都は区市町村とどのように連携し、周知をしてきたのか、これまでの取り組みを伺いたいと思います。
○小川地球環境エネルギー部長 各区市町村の環境保全主管課長が集まってこられます会議におきまして、事業の説明や周知の依頼を行いまして、事業概要の広報紙への掲載や窓口でのチラシ設置等のご協力をいただいたほか、区市町村が開催されますイベントにおきまして、チラシの配布などを行わせていただいたところでございます。
また、区市町村を通じて町会のご協力をいただきまして、掲示板や回覧板へのチラシの掲示などを行ってきたところでございます。
○菅野委員 一通りの取り組みをしてきたことはわかりましたが、例えば全ての区市町村の広報紙に記事が掲載されたわけではないとも聞いています。もっとしっかりと連携を働きかけることが必要だったのではないかと考えます。
先ほどの委員の質問にもありましたけれども、電気屋さんでも何かもっともっと、今度新しい制度のことですけど、それも知ってもらいたいというようなお話があったようでございます。その辺がやっぱり重要じゃないかなと思っています。
そこで、都は八月から新たな仕組みで事業を再開しています。今度は電球一個と、白熱球一個とLED一個というのが売りなんでしょうけれども、その結果、昨年度を上回るペースでLED電球の配布が進んでいると聞いています。
今回PRに使用しているポスターやチラシのデザインは、拝見したところ、シンプルなものとなっています。メディア露出を優先した上滑りなやり方は必要なかったのではないでしょうか。
ただ、ここへ来て気になるのは、この事業は途中から大型量販店でも交換できるようになりました。これはそもそも、まちの電気屋さん、電気店を使うことで、環境対策とあわせて、小売店の活性化につなげようということもあったと思います。
まちの電気店からは、最近はすっかり交換に来る人が減っちゃったよという声も聞かれます。こうした現実にも目を向けていただくことを要望いたします。きょうは要望にとどめておきます。
先般の定例会でも我が党から指摘しましたが、環境対策は地道な活動に支えられている事業であり、この基本をわきまえて、LED事業を初め、環境対策を推進していただきたいと思います。このことを申し上げて、私の質問を終わります。
○伊藤委員 それでは、私からは、まず食品ロス対策について質問してまいりたいと思います。
二十九年度の環境局事業概要には、農林水産省の調査によると、日本国内では、本来食べられるにもかかわらず捨てられている、いわゆる食品ロスは年間六百二十一万トン、この食品ロスの量は、一千三百万人の東京都民が一年間に食べる食品の量に匹敵する膨大な量であると、こう書かれておりました。
この問題について、公明党では、平成二十七年十二月に食品ロス削減推進PTを立ち上げまして、政府に対してもさまざまな提言を繰り返し行ってまいりましたとともに、都においても本会議や委員会などでさまざまな提案をしてまいりました。
今回は平成二十九年度の決算審査ということでありますので、特に私が注目しているモデル事業、エコバイについて伺いたいと思います。
この事業は、スーパーで賞味期限、消費期限が間近な商品を購入した場合に、スマートフォンのアプリを活用してポイントを付与する実証実験で、都議会公明党もこの様子を視察しました。
アプリには、ポイントの付与だけでなく、購入した商品の賞味期限が近づくと、その食材を利用したレシピが提供され、有効活用を促す機能がついていたことも、家庭での食品ロスの削減につながるものとして評価をしております。
まず、このエコバイについてどのような取り組み、また成果があったのか伺いたいと思います。
○松永資源循環推進部長 エコバイは、昨年六月に公募した持続可能な資源利用に向けたモデル事業に対しまして、携帯電話事業者から提案があったものでございます。
一店舗のみでの実証実験でありましたが、本年一月中旬から二月末まで、期間中、約四百三十人の参加があり、アプリを用いたアンケートもあわせて実施いたしました。
アンケートでは、ポイント還元率、この場合二〇%でございましたが、この有利性や、余った食材で工夫して料理をつくるきっかけとなったといった意見があった一方、購入してからポイント還元までのスマートフォンの操作が複雑であったといった意見も寄せられました。
ポイント申請のあった商品は、重量ベースに換算して約三十キログラムであり、事業者の試算で、従来破棄していた食品の約三割を削減できたとの報告を受けております。
○伊藤委員 このエコバイは、店舗における食品ロスの削減だけでなく、消費者が買い物を通じて、食品ロスの削減にみずから貢献できるという意識を持つようになるということで、すぐれた取り組みであると思います。
実証実験で行ったということですけれども、今後どうしていくのか。きのうもエコに大変に関心のあるお母さんたちと話をしたときに、知らなかったという声と、うちの近所でもやってほしいみたいな声もありましたので、実証実験で終わらないで、また次の展開をぜひ考えていただきたいと思います。
今後、こうした消費者の意識を変えていくきっかけをつくる事業者の取り組みを都は積極的に支援していくべきだと思います。食品ロス問題について、今後、都は消費者に対する意識啓発という面でどのような取り組みをしていくのか伺いたいと思います。
○松永資源循環推進部長 食品ロスの削減に向けては、事業者に対する取り組みのほか、消費者に向けて食品を無駄にしないライフスタイルへの転換を呼びかける広報キャンペーンが欠かせないと考えております。
本年三月に実施した食品ロスもったいないフェスタにおいては、食品ロス削減パートナーシップ会議の参加事業者の協力を得て、食品ロスの削減に向けた具体的な行動を来場者に呼びかけました。
また、今月は世界食料デー月間であることから、先週二十日に品川区内のショッピングモールで実施したイベントなど、都民が食品ロスについて考えるきっかけとなるキャンペーンを現在展開しております。
今後も、こうした食品ロスの現状を都民にわかりやすく伝えていくイベントとともに、幅広い層へ拡散効果のあるSNSなどを通じた広報を展開していくことで、食品を無駄にしないライフスタイルへの転換を呼びかけてまいります。
○伊藤委員 先日の十月二十日の土曜日には、品川区内のイオンで食品ロス、また環境対策について、小池都知事が直接都民にアピールをされるというイベントがありました。そこに参加した方から昨日感想を聞きましたけれども、意識啓発のいいきっかけになったという声も聞かれました。
ぜひ消費者目線に立って、多くの都民が前向きに食品ロス問題に取り組むことになるよう、わかりやすい広報を展開していくこと、また都民が取り組みやすい具体的な食品ロス対策を展開していただきたいと要望したいと思います。
次に、環境学習について伺います。
都は、世界一の環境先進都市東京の実現に向けて、環境施策を積極的に展開しているところであります。これらを実現するためには、都民の環境意識を高めていくことが重要であります。特に次世代を担う子供たちが環境について理解を深め、みずから考え、それを行動に移していけることが大切であると思います。
先日、十月四日には、小池知事は品川区の第三日野小学校を訪問し、特別授業を実施されました。なぜか環境というと、最近は品川によくお越しいただくということでございますけれども、学校教育と連携して子供に環境学習を行うことは、とても意義のあることだと思います。
そこで、東京都において平成二十九年度に子供たちの環境学習にどのように取り組んだのか伺いたいと思います。
○若林環境政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 東京の環境を引き継ぐ次世代の人材育成を図るため、環境学習の取り組みは重要です。
都はこれまでも、公立、私立の小学校教職員を対象とした環境教育研修会を実施しております。
これに加え、平成二十九年度には、地球温暖化や廃棄物問題等に関する副読本を作成し、ホームページで公開するとともに、持続可能な開発のための教育を推進している小学校へ配布をしました。また、小中学校から都の埋立処分場へ約四万九千人の見学者を受け入れました。
引き続き学校教育等と連携し、環境先進都市東京にふさわしい環境教育の充実に取り組んでまいります。
○伊藤委員 品川区立の第三日野小学校での知事の特別授業は、海ごみについて考えようというテーマでありました。知事の発言の中に、二〇五〇年には海に流れ出たプラスチック製品がマイクロプラスチックとなって、世界中の海の魚の量を超えてしまうんだよという危機的な話に、子供たちは驚きの声を上げておりました。
また、プラスチックストローにかわるものについて、知事は子供たちに宿題を出して、みんなで考えてほしいということを投げかけたり、レジ袋削減の具体策として、エコバッグや風呂敷の活用なども紹介をしておりました。
この海ごみの発生の抑制に取り組むためには、広く都民に対して、この問題についての普及啓発に取り組んでいく必要があります。とりわけ子供たちに対する環境教育の中で扱うことで、子供たちは家庭に帰ってから家族でこの問題について語り合うきっかけになると思います。
最近になって、テレビや新聞などのメディアにプラスチックごみが取り上げられることが多くなってまいりましたけれども、都は従前より海ごみ問題に取り組んでおり、平成二十六年度には海ごみの調査、平成二十七年度にはシンポジウムの開催とポスター、パンフレットによる普及啓発に取り組んできたところだと聞いております。
そこで、都は、平成二十九年度は海ごみ問題の普及啓発に関しどのような取り組みを行ってきたのか伺いたいと思います。
○松永資源循環推進部長 都では、平成二十九年六月から海ごみについて学ぶショートムービーを、東京都のホームページやユーチューブなどを通じて国内外に向けて発信しております。
このムービーは、東京とニューヨークの小学生がともに海ごみ問題について学び、自分たちにできることを考え、意見交換を行った記録でございまして、海ごみに関する環境学習教材として、活用を希望する自治体やNPO、NGOや学校等へ、DVDとして提供しております。
さらに、このショートムービーの活用を図るため、ムービーの画像をもとにパネルを作成し、都庁展望台においてパネル展を実施するなど、ムービーを広く周知するとともに、海ごみに関する普及啓発を推進しております。
今後も、このショートムービーが環境学習用教材としてさらに活用されるよう、自治体やNPO、NGO、教育機関との意見交換等を行ってまいります。
○伊藤委員 答弁にあったショートムービーを私も見せていただきましたけれども、江戸川区の小学生とニューヨークの小学生が同時期に同じ事前環境学習を行って、その後、江戸川区の小学生は荒川の河川敷に出ていって、ニューヨークの小学生は海岸に出ていって、岸辺のごみ拾いを体験するという内容がありました。
そして、そのひどい実態を知った子供たちは、自分たちは何をすればいいのかを、それぞれ東京の子もニューヨークの子も考え始めます。そして、スカイプを使って、インターネットライブで東京とニューヨークの子供たちが意見交換と交流を行うという内容でありました。
私が印象的だったのは、最後の場面で、子供たちが世界を感じて、そして世界中の人たちと地球を守りたい、一緒にやろうという意識が芽生えたことだというふうに思います。
ぜひ委員の先生方にも見ていただければと思いますけれども、環境局にはぜひこのムービーを、大変すばらしい内容ですので、もっと活用して、さらなる事業の広がりをつくっていただきたい、このように思います。
この海ごみ問題、とりわけ海洋プラスチックの問題は、ことしの六月、カナダで開かれたシャルルボワ・サミットで海洋プラスチック憲章が大きな話題になり、連日マスコミで取り上げられました。
海洋プラスチックの主要な原因の一つが、投棄された使い捨てプラスチックであります。世界展開している飲食店がプラスチックストローの見直しに取り組むなどが話題になりましたが、ここに来て、環境省がレジ袋の有料化を義務づける方針を固めたという報道がありました。
レジ袋に関しては、これまで都や区市町村が推進してきたマイバッグ持参運動など、長きにわたって削減に向けた対策が講じられており、現在では大手スーパーなどで自主的に有料化やポイント付与などの取り組みがなされてきました。しかし、依然として、無料配布されている店舗も多い現状にあります。
そこで、都は、平成二十九年度、このレジ袋の問題にどう取り組んできたのか伺いたいと思います。
○松永資源循環推進部長 レジ袋の削減に向けては有料化が有効な手法とされており、大手スーパー等においては自主的に導入されておりますが、事業者の自主的な取り組みでは、レジ袋の辞退率は頭打ちの状況となっております。
そこで、都は、平成二十八年十二月に策定した二〇二〇年に向けた実行プランにおいて、レジ袋削減について、二〇二〇年までにレジ袋の無償配布ゼロを目指すこととしております。
その目標達成に向けて、昨年十一月、スーパー、コンビニ等の販売事業者、消費者団体、区市町村等から成るレジ袋削減に向けた意見交換会を設け、議論を重ねてきてございます。
○伊藤委員 その意見交換会においては、とりわけレジ袋の有料化について、これまでどのような意見、また議論がなされてきたのか伺いたいと思います。
○松永資源循環推進部長 これまで二回開催されました意見交換会では、エコバッグの利用が難しい業態もあり、一律での有料化には課題が多いという意見があった一方で、同じルールの方が消費者の理解が得やすいという意見もございました。
また、コンビニ事業者からは、全国チェーンにとって、条例による有料化の義務づけは、都道府県ごとに対応が異なると対策が困難であるという意見や、コンビニでのレジ袋の辞退率は、全国的に見て東京都は高いといった意見がございました。
○伊藤委員 このレジ袋の有料化の問題は、とりわけコンビニのように、外出するついでに買い物袋を持たずに立ち寄る店舗などで有料化をできるかどうかが課題だと思います。
国がレジ袋の有料化を義務づける方向に進んでいる中で、そうした個々の消費行動を踏まえつつ、有料化に対する消費者の理解を求めていく必要があると思います。消費者の意識が変わっていくことで、事業者もより環境に配慮した行動に踏み出すはずであります。
今後、レジ袋有料化に対する消費者の理解を得るためには、都としてどのように取り組んでいくのか伺いたいと思います。
○松永資源循環推進部長 都は本年八月、廃棄物審議会にプラスチックの持続可能な利用に向けた施策のあり方について諮問いたしました。現在、レジ袋を初めとして、必要性の低い使い捨てプラスチックの大幅削減を促す仕組みや効果的な普及啓発方法などについて、ご審議いただいているところでございます。
都といたしましては、審議会での議論と並行して、先週二十日に開催したレジ袋、食品ロス削減に向けたもったいないキャンペーンのように、チームもったいない参加事業者などとも連携したキャンペーンの展開や、海ごみについて学ぶショートムービーの活用など、使い捨てプラスチックの削減に向けたわかりやすい広報を展開してまいります。
○伊藤委員 今後、もしかしたら、このレジ袋の有料化がまた大きな報道の話題になってくるかもしれません。いずれにしても、都民、国民がこのプラスチックごみのことをしっかりと理解をして、先ほどのムービーの子供たちではないんですが、自分たちは何をすればいいのかということをしっかり考えられる、こうしたきっかけを都がしっかりとリードしてつくり上げていっていただきたい、このように思います。
次に、家庭の省エネ対策について伺います。
都は、家庭部門で二〇三〇年に二〇〇〇年比で三〇%程度削減の省エネ目標を掲げており、都内エネルギー消費量の三割を占める家庭部門の省エネ対策は喫緊の課題であると考えます。
東京は、世帯数の増加もあって、平成二十八年度のエネルギー消費量は家庭部門だけが増加となっておりますが、平成二十九年度における家庭の省エネに向けた取り組みについて伺いたいと思います。
○小川地球環境エネルギー部長 燃料電池などの効率的な創エネ機器の導入促進を目的として、家庭におけるエネルギー利用の高度化促進事業を実施いたしましたほか、環境性能の高い住宅の普及に向けて、高断熱窓導入促進事業を実施いたしたところでございます。
また、家庭で簡単に取り組める省エネの工夫を取りまとめたハンドブックを作成いたしますとともに、「広報東京都」にもそのポイントを掲載いたしました。
このほか、区市町村が主催する省エネセミナー等への講師派遣などを通じて、普及啓発を実施しております。
さらに、家庭部門での電力消費量が最も大きい照明に着目いたしまして、白熱電球とLED電球の交換と、あわせて省エネアドバイスを行うLED省エネムーブメント促進事業を実施いたしまして、昨年、平成二十九年七月十日の事業開始から本年七月九日までの一年間で三十六万六千六百七十三個のLED電球の交換を進めてまいりました。
○伊藤委員 家庭においては、照明のLED化を初め、家電の買いかえなど、さまざまな取り組みによる省エネ、節電のメリットがあるわけであります。都が進めているLED省エネムーブメント促進事業は、家電店に行ってLED電球に交換してもらったり、省エネアドバイスを受けたりすることで、このメリットを実感できるものであるはずであります。
しかし、来店されなければ--お店に来ない都民の方が圧倒的に多いわけでありまして、大切なことは、こうしたお店に来ない人も含めて、都民に省エネ、節電のメリットを浸透させていくことであると思います。
そこで、都は、都民に対してどのように省エネ、節電について情報発信を行ったのか伺いたいと思います。
○小川地球環境エネルギー部長 例えばLED電球につきましては、白熱電球に比べまして約八五%の省エネ効果があるほか、長寿命で取りかえの手間が省けるなどの多くのメリットがございます。
こうしたメリットを都民に伝えるために、毎年作成しておりますハンドブックの中で、省エネ効果が一目でわかるような図やグラフも交えまして、わかりやすく解説いたしますとともに、企業、団体や区市町村と連携しながら、情報発信をしてきたところでございます。
また、エネルギー消費が多くなる夏や冬のタイミングを捉えまして、それぞれの季節に応じた省エネ対策を紹介いたしますリーフレットを作成し、その中でLED照明のメリットも解説して、広く都民に周知してきたところでございます。
○伊藤委員 東京では高齢化も進んでおります。また、単身者の世帯も多くあります。電球を外してお店に持っていくといったって、その電球が外せない高齢者の方もいるわけであります。
こうした観点も踏まえながら、待ちの姿勢ではなく、都から積極的に働きかけていく視点を持って、省エネのメリットを浸透させ、家庭部門の対策強化につなげていただきたいと思います。
次に、東京都版エコツーリズムについて伺います。
都は自然公園ビジョンの中で、東京の自然公園が目指す姿の一つとして、人と自然とのかかわりを取り持つ自然公園を挙げております。人間と自然との適切なかかわり合いを維持しながら、自然の保護と観光の両立を図ることは重要であります。
昨年度は小笠原諸島でのエコツーリズムの実施、東京都自然ガイドの養成等を行ったと聞いておりますけれども、東京都版エコツーリズムの仕組みについて、まず伺いたいと思います。
○金子緑施策推進担当部長 都は、島しょ地域で将来にわたり継承すべき貴重な自然の保護と適正な利用を図るため、東京都版エコツーリズムを導入しており、自然環境保全促進地域を指定し、利用者人数の上限や利用時間などの利用ルールと東京都認定ガイドの同行による立ち入りを義務づけております。現在、小笠原諸島及び御蔵島において導入をしております。
導入に際して、都と地元自治体は、協定により利用ルールや役割分担を定めており、都がガイド養成や地域内の自然状況を確認するモニタリング調査などを、地元自治体が利用の際のルール遵守状況の監督を行っております。
この仕組みに基づいた自然環境保全促進地域への立ち入りは、平成二十九年度、小笠原諸島では約一万二千人、御蔵島では約一万七千人に上っており、多くの利用者の方がその豊かな自然に深く触れる機会を得たと思っております。
一方、本取り組みにより、東京都版エコツーリズム導入以前は土壌の露出した状態であった小笠原諸島南島の植生が回復するなど、保全の観点からも一定の成果が得られております。
○伊藤委員 私も小笠原を視察し、南島へ渡らせていただいたときに、船に乗り込む前から、この認定ガイドさんの方に靴の裏を洗うことから教えていただきまして、南島に着いてからは、歩く道で足の運び方というか、どこに、地面に足をつければいいのかというところまで、事細かく懇切丁寧にガイドしていただきました。
こうした方々のおかげで、南島の自然の回復や保全、そして私たちは見たことのないすばらしい自然の美しさに触れることができるのだと実感をいたしました。
都は、昨年度もガイドの養成を実施してきたということでありますけれども、その具体的な方法と昨年度の実施状況を伺いたいと思います。
○金子緑施策推進担当部長 現在、小笠原諸島では二百六十一名、御蔵島では八十一名のガイドが認定されており、多くの島民の方がガイドとして活躍し、人気の観光メニューとして、ルールに従った適正な利用案内を行っております。
東京都認定ガイドは、利用者に対して自然の理解を深めるための解説を行うほか、利用指導などを行う資格でございます。
都はガイド養成のための認定講習を、小笠原諸島では毎年、御蔵島では二年に一度実施しております。講習の受講者は、現地講習と必要な知識を取得する座学により、スキルと知識を広く学び、都が設置する認定委員会の審査により、ガイドとして認定されます。
平成二十九年度は、小笠原諸島及び御蔵島で認定講習を行い、小笠原では十五名、御蔵島では十七名を新規に認定いたしました。
○伊藤委員 昨年の第三回定例会において、都議会公明党は、三宅島においても東京都版エコツーリズムの導入を進めていくべきだというふうに提案をしました。そしてまた、答弁として、導入を進めていくという答弁をいただきましたけれども、現在の検討状況について伺いたいと思います。
○金子緑施策推進担当部長 三宅島においては、都は地元の要望等を受け、噴火で壊滅的な被害を受けた雄山登山道の再整備を終え、トイレや避難シェルターの新設を行っているところでございます。
こうしたハード面の整備とあわせ、東京都版エコツーリズムの導入に向け、現在、自然環境等の調査を行うとともに、自然環境保全に向けた適正な利用人数の検討や噴火時の安全対策などについて、地元三宅村及び観光協会等と連携し、仕組みの検討などを進めております。
年度内には利用ルールの整理を行い、来年度以降、エコツーリズムの実際の運用開始に向けて、ガイド養成等に取り組み、人為的な影響を受けやすい自然環境の保全及び利用者の安全を図りながら、雄山の利用を促進してまいります。
○伊藤委員 二〇〇〇年の雄山の噴火から復興した三宅島の自然の保護と観光の両立は重要な取り組みでありまして、地元からも期待が高いわけであります。三宅島での東京都版エコツーリズムの早期導入の実現を強く要望いたしまして、質問を終わります。
○上田委員 初めに、水素社会の実現に向けた取り組みですが、水素エネルギーは環境負荷の低減、エネルギー供給源の多様化、経済産業への波及効果といった意義を有し、これを本格的に利活用する水素社会を早期に実現していくことは、資源小国である我が国にとって重要としていますが、インフラコストが膨大にかかるという点が指摘されています。
舛添前知事が強力に推進していましたが、小池都政となり、どう評価して、今後どうしていくのかということを懸念しております。この観点から質疑をいたします。
燃料電池バス導入促進の交通局等関係各局とのこれまでの状況を伺います。
○村山都市エネルギー推進担当部長 燃料電池バスの導入促進に向けて、国と協調してバス購入に対する補助制度を実施しているところでございます。
交通局におきましては、都営バスに東京二〇二〇大会までに最大七十台の導入を目指すこととしており、平成二十八年度に二台、二十九年度に三台が導入され、運行しているところでございます。
○上田委員 現在は五台ということであります。となると、燃料電池バスの現状の補給をどこでどのようにしているのか確認します。
○村山都市エネルギー推進担当部長 現状におきましては、江東区有明にございますバス対応水素ステーションにおきまして、燃料電池バスへの水素充填を実施しているところでございます。
○上田委員 バス対応は現在、江東区の有明で実施しているということで、先ほど同僚議員も説明されていましたけれども、私の江戸川区の葛西水再生センターにももう一カ所ふえるということでありますが、いずれにしろ東京の城東地区に集中しているということであります。
また、水素ステーションのこれまでの実績、現状課題については、ほかの委員からもご指摘がありまして、二十九年度は移動式ステーションが一カ所開設、都内では十四カ所の水素ステーションが稼働しており、水素ステーション整備費や運営費が高額となることが課題となっているため、都は国と協調して補助制度を実施しているということであり、環境基本計画に掲げた二〇二〇年の目標三十五カ所に向けて、確実に水素ステーションの整備を促進ということでありますが、都内では現在十四カ所とのことであります。
別に私は、また見地が違いまして、成果を出せ出せといっているのではなくて、無理してふやしてほしいとも実は思っておりません。現行において、民間の燃料電池自動車及び燃料電池バスの運用にまず支障はないのかということをお伺いしたいと思います。
○村山都市エネルギー推進担当部長 今後、燃料電池自動車、バスをさらに普及させていくために、現行のバス用水素ステーション一カ所を含む十四カ所から目標達成に向けて、さらに水素ステーション整備促進に努めていかなければならないというふうに考えているところでございます。
○上田委員 東京都が音頭をとって推進していても、中小企業は莫大な負担を負ってまで取り組むことには二の足を踏むと考えております。中小ガソリンスタンドの取り組みの現状、実績と課題を伺います。
○村山都市エネルギー推進担当部長 現状では、中小ガソリンスタンド事業者による水素ステーションの設置はございません。水素ステーション整備費や運営費が高額となっていることが課題となっていることから、都は国と協調して、先ほど申し上げましたように、補助制度を実施しているところでございます。
さらに、中小企業に対しましては、整備費、運営費補助を増額して、設置を推進しているところでございます。
また、水素ステーション整備の情報、技術が不足していることが課題となっているため、水素ステーション併設のために必要な情報提供や運営に必要な技術力を習得するための講習会を実施しているところでございます。
○上田委員 お取り組みは理解できましたが、やはり中小ガソリンスタンドは、現状では設置はないということです。現状の水素ステーションも設置していない中でも、経営が苦しいという声が江戸川区内の会社さんからも聞いているところでございます。
こうした中小ガソリンスタンドが積極的に水素ステーション設置に取り組むインセンティブはどこにあるのか、ご説明いただければと思います。
○村山都市エネルギー推進担当部長 水素ステーションの設備整備費が高額となりますことから、都は国とあわせて整備費の補助制度を実施しておりますが、さらに中小企業につきましては、積極的に取り組むインセンティブとなるように整備費の全額を補助しているところでございます。
運営費につきましても、中小企業に対しましては、運営費補助の上限額を大企業よりも高く設定することにより、インセンティブを付与しているところでございます。
○上田委員 インセンティブを付与しつつも、ちょっと難しい部分もあるのかなというふうに見てとれております。
では、現状、また類似施設といいますか、そういうところを活用して、ふやすということを鑑みまして、ガスステーションとの同一設置などのお考えはないのかも確認させていただきたいと思います。
○村山都市エネルギー推進担当部長 類似施設ということで、ガソリンスタンド、LPガスステーション、CNGステーションなどございますが、そういったものとの水素ステーションの併設の場合であっても、補助制度の対象と現状においてもなっているところでございます。
今年度におきましては、ガソリンスタンドと水素ステーションの併設につきまして、設置検討調査を行いまして、さらに事業者参入を後押ししてまいります。
○上田委員 併設に向けてのお取り組みは確認させていただきました。
これまでのやりとりを受けまして、真の需要と効果がどこにあったかを踏まえまして、普及に向けての必要性の、可能性の所見を伺いたいと思います。
○村山都市エネルギー推進担当部長 燃料電池自動車、バスの普及と水素ステーションの整備は、どちらも必要不可欠の関係にございます。
このため、今後も、水素ステーション整備と燃料電池自動車の普及促進を図ってまいりたいというふうに考えております。
○上田委員 水素ステーションは、インフラコストが莫大で、でもそれをある一定度を過ぎますと、燃料自動車の方がずっとコストが上がることは承知しておりますが、電気自動車も普及をしてきており、また全てインフラのコストが、ある一定上で回収ができたところで、東京とか日本の財源がもつのか懸念するところでございます。交通局も燃料電池バスが本当に必要だと考えているかの相互確認も、より必要に考えております。
丁寧に、社会情勢の変化に合わせて、その時々の知事が推進する事業は常に検証していただきたいと考えて、次の質問に移ります。
アスベスト対策です。
京都府内の元建設作業員や遺族ら計二十七名が国と建材メーカーに約九億六千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が八月三十一日、大阪高裁であり、一審、京都地裁判決、これ二〇一六年一月なんですけれども、それに続いて、国とメーカーの責任を認め、計約三億円の支払いを命じられております。
国の責任が大きく問われているアスベスト対策につきまして、日本の首都東京では、全国に先駆けて率先した取り組みをする責務があると考えております。
そのアスベスト対策の施策につきまして、区市町村、建設局、国土交通省との連携、役割分担について伺いたいと思います。あわせて、各区市町村の条例の制定、計画などの策定状況についても確認させてください。
○筧環境改善部長 アスベスト対策につきましては、国は法令の制定や関連する制度の構築の役割を担っており、都はその法令を着実に執行するとともに、環境確保条例を制定し、解体工事等現場のアスベストの飛散防止対策に努めております。
それらの規制事務につきましては、特別区及び八王子市において全ての事務が移譲され、その他の市においては、延べ床面積二千平方メートル未満の建物に関する事務が移譲されております。それ以外の事務と町村につきましては、都が直接事務を実施しております。
都は、区市のアスベスト対策を技術的に支援するため、専門の資格を持つ職員を派遣するとともに、国や区市の担当者と連携し、毎年連絡会議を開催するなど、連絡調整や情報交換に努めております。
また、建設リサイクル法を所管する都市整備局や労働安全衛生法を所管する東京労働局と情報共有を行っているほか、解体現場への立入検査を実施するなどして、国や庁内との連携を図っております。
全ての区市は、法及び都の条例に基づき、アスベスト対策事務を実施しておりますが、独自の取り組みとして、二区三市は条例を、二十一区一市は要綱等を制定して、事務を行っていると聞いております。
○上田委員 取り組みの方を確認していただきました。
環境局といたしまして、これらの取り組みを踏まえての対策についての決算年度におきますご所見を伺いたいと思います。
○筧環境改善部長 環境局では、アスベストの飛散防止や解体廃棄物の適正処理を徹底させるため、解体現場への立入検査や関係機関との合同パトロールを実施しております。また、専門の資格を持つ職員を区市へ派遣するなど、区市の取り組みを技術的に支援しているところでございます。
さらに、平成二十九年度からの新たな取り組みとして、解体工事業者や発注者等、さまざまな事業者を対象としたアスベスト対策セミナーを実施し、広く理解と協力を求めたところでございます。
今後も、こうした取り組みを継続し、アスベストの飛散防止対策に取り組んでまいります。
○上田委員 さきのアスベストの訴訟なんかも、一人親方がかなり被害を受けているということで、江戸川区も非常に一人親方が多いところでありまして、なかなか若年の建設労働者も散見されているところです。そういった方々まで、例えばアスベスト対策セミナーを受けるよう、普及をするよう、また区市町村と新年度に向けましても取り組んでいただきたいと思います。
放射性物質についてです。
東日本大震災が発生し、放射性物質対策について、平時から取り組んでいる自治体と全く取り組んでいない自治体が明白になりました。東京都としては、このような濃淡があってはいけないというふうに考えております。オール東京、全ての区市町村で安全対策、検査体制を過去の教訓に学び、とり続けていく必要性を感じております。
資料も見ますと、安全な数値に落ちついているところではございますけれども、一八ページでございますね。東日本大震災のときは正しい数値が行政サイドから出るまで、民間計測値がひとり歩きし、都民に混乱と不安が広がったことは記憶に新しいと思います。これらに学び、有事があったときの体制づくりはどうとれているのかを伺いたいと思います。
○筧環境改善部長 東京都では東日本大震災の経験を踏まえまして、情報収集や都民への迅速で正確な情報を提供する体制を整備することなどを目的に、平成二十四年に東京都地域防災計画、原子力災害編を見直しております。
同計画では、放射性物質等による影響が生じた際のモニタリング等の実施と結果についての情報提供に関して、関係各局及び区市町村が行う対策内容と役割分担を定めております。
そこでは、環境局は、大気環境測定局で得られた気象データの提供と、都内区市町村等と連携し、焼却施設等における放射能濃度等の測定データの収集を担うこととされております。また、空間放射線量や流通食品等の放射性物質の測定と結果の公表は、福祉保健局の役割とされております。
なお、原子力緊急事態宣言等が発出された場合、各局はそれぞれの役割分担に基づき、迅速かつ的確に都民への情報提供を行うこととされております。
○上田委員 放射性物質ですけど、フォールアウトした後は公園等の計測、そのうちだんだん水になって流れて、下水道局、水再生センター、江戸川区も先ほどいったようにありますが、脱水汚泥の問題など、かなり多局にわたりまして、東京都だけでもかかわってくると思いますので、常に臨戦態勢で連携強化を図っていただきたいと思います。
続きまして、江戸川区で散発している浸出問題、土壌汚染、六価クロムの土壌汚染対策でございます。
これまでの経緯と現状について伺いたいと思います。
○近藤環境改善技術担当部長 江東区亀戸及び王子、江戸川区小松川地区の再開発地区内には、かつて日本化学工業株式会社の工場があり、昭和四十七年に工場が閉鎖された際、六価クロム鉱滓約五十二万トンが地中に残置されました。昭和四十八年、都営新宿線開設工事において、六価クロムによる土壌汚染が判明しております。
昭和五十四年、都と日本化学工業株式会社が協定を締結し、昭和五十五年から平成十三年にかけて、同社の負担による六価クロム鉱滓を無害化、封じ込めするなどの処理を行いました。
同地区内で六価クロムを含む水が浸出したときや、雨水集水ます内の水から六価クロムを確認したときなどには、道路や公園など、それぞれの現場を所管する施設管理者がその都度適切に対応しております。
○上田委員 資料の一七ページも委員の皆さんにはあわせて見ていただきたいと思います。
江戸川区の小松川一丁目の長い歴史が、この六価クロムというのは特に江戸川区においてはありました。小松川一丁目の区道における六価クロムの土壌汚染対策の現状を確認させてください。
○近藤環境改善技術担当部長 六価クロムの土壌汚染による人への健康影響を防ぐには、汚染された土壌や地下水に由来する六価クロムを含む粉じんが発生しないよう管理することが重要でございます。江戸川区小松川一丁目の区道においては、江戸川区が道路管理者として点検及び清掃を実施し、粉じんの飛散がないよう管理しております。
環境局では、六価クロム鉱滓の集中処理地及びその周辺環境の状況を把握するため、大気中の粉じんに含まれる六価クロム含有量の調査を実施しております。平成二十七年から二十九年の調査において、大気中の粉じんから六価クロムは検出されておりません。
○上田委員 工業用地が過去も現在も江戸川区では、この五十二万トンの六価クロムというのはかなり昔から衝撃的でございました。現在も南葛西地区の異臭問題などもあり、区では調査も進めております。
どうしても江戸川区民は地域柄、神経質になりがちなことから、引き続きまして環境局と江戸川区が連携を図った機動的な安全対策をお願いしたいと思います。
ラムサール条約についてでございます。
江戸川区では、先ほどから臨海部の話が出ていますが、おかげさまで東なぎさ、西なぎさ、葛西海浜公園の三枚洲が、先週の火曜、十月十六日に国の保護区の指定になりまして、これから十月二十一日から二十九日は、ドバイで開催されるラムサール条約第十三回締約国会議において、認定証が手渡されることとなりました。
しかしながら、なかなか保護区となりますと、国のものとなりまして、例えば千葉県の谷津干潟でありますと中に入れない、水質悪化が逆に進んでしまいまして、鳥が激減するというようなことが行われておりまして、このようなことがないようなことを非常に危惧しているということでございます。
また、港湾局のご答弁の中でも、環境局とは強固な連携を図るというようなご回答を得ています。
ということで、所管の部分でございます鳥獣保護区に指定されましたが、指定されるまでの保護区を所管する環境局としての経緯と役割を確認させていただきたいと思います。
○金子緑施策推進担当部長 このたびラムサール条約湿地に登録された葛西海浜公園沖に広がる干潟を含む区域は、集団で渡来する渡り鳥等の保護のため、都が昭和六十二年に東京港鳥獣保護区として指定したものでございます。
鳥獣保護区では、鳥獣の保護を図るため、鳥獣保護管理員による巡回を実施し、鳥獣及び生息地の監視、違法捕獲等の取り締まりなど、適正な管理に努めております。
昨年十二月及び本年三月、ラムサール条約湿地の登録に関する都の窓口である港湾局に対し、国から二度にわたり国指定鳥獣保護区等の計画案に関する意見照会がございました。
また、今月三日、国から港湾局にラムサール条約湿地への登録に関する意見照会がありました。これらについて港湾局から鳥獣保護区を所管する環境局に意見照会があり、いずれも賛成と回答しております。
なお、今月十六日、当該区域が国指定鳥獣保護区等として指定されたことを受け、都の鳥獣保護区のうち重複する区域については、指定が解除されております。
○上田委員 続きましては、さきの決算質疑により、港湾局におきまして、昨年五月に作成した海上公園ビジョンのもと、例えば緑化に関する募金を所管する環境局とタイアップし、海の森の植樹に活用するなど連携を図っている、今後も、関係各局と連携をとりながら、引き続き整備促進に取り組んでいくとの回答がありました。
環境局によるこれら当該地における取り組みほか実績を伺いたいと思います。
○金子緑施策推進担当部長 緑の東京募金は、緑あふれる東京の再生に向け、海の森の整備、街路樹の倍増、校庭の芝生化、花粉の少ない森づくりの四つの緑化事業を推進することを目的とし、平成十九年度に創設いたしました。
このうち海の森の整備は、東京湾にあるごみ等建設発生土で埋め立てられた中央防波堤内側埋立地に苗木を植え、緑あふれる森に生まれ変わらせることを目的とした事業であり、目標額の五億円に対し、平成二十二年度までの四年間に合計五億四百六十九万円をご寄附いただき、目標を達成しております。
いただいたご寄附は、港湾局が所管する海上公園、海の森公園予定地の整備事業のうち、約十六万本の苗木の植樹に充当いたしました。
○上田委員 植樹によりまして、渡り鳥等、鳥たちが営巣するような森になることを願うものでございますが、谷津干潟の事例のような登録とならないために、港湾局としては、例えば樹木の伐採など、鳥獣保護区の規制にかかわる事案については国と協議をしていくということでございました。
この点に関して、環境局としてはどのように自然豊かな生き物と共生できる都市環境の継承をし、貴重な東京の、この葛西の里海を守っていくのか伺いたいと思います。
○金子緑施策推進担当部長 都は、鳥獣保護区において、鳥獣保護管理員による巡回や違法捕獲等の取り締まりなどを行っております。国の鳥獣保護区に指定された後も、都は引き続き必要に応じ鳥獣保護管理員による巡回を実施するなど、国と連携して鳥獣保護区の保全に努めております。
今後とも、渡り鳥などの生育、生息空間を保全し、自然豊かな生き物と共生できる都市環境の実現を目指してまいります。
○上田委員 渡り鳥の生育、生息空間を保全し、自然豊かな生き物と共生できる都市環境の実現を目指すというお言葉、大変ありがたいと思います。ついでにといってはなんですけど、渡り鳥、結構スズガモさんは貝も食べてしまいますので、海の中の自然の環境の保護、保全もしっかりと勘案に入れていただきたいと思います。
監理団体についてです。
都では二〇二〇改革プランで、こうした監理団体の改革について六月に取りまとめ、積極的には取り組んでいるものの、残念ながら、舛添知事から小池知事になっても、OB等、それから現職派遣ということを継続するということの視点は変わることはありませんでした。
私はかねてから、民間人の登用でなるだけ独立をして、独立採算をしていただきたいと、外郭団体には思っているところでございます。
環境局が所管する環境公社は、三割は派遣社員とOB、熱供給の方は、派遣社員はほとんどいないもののOBが役職も含め、二割を上回っております。
この各社において、それぞれの派遣とOB採用、なぜ管理職なのか、必然性についてご説明ください。
○若林環境政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 監理団体である東京都環境公社は、都の環境行政を補完するパートナーとして、地球温暖化防止活動の推進、省資源化と資源の循環利用の促進、環境に係る調査研究等、都施策と一体をなす幅広い事業を実施しております。
また、報告団体である東京熱供給株式会社は、都の省エネルギー対策等に資する取り組みとして、清掃工場等から出る都市排熱の有効利用を図る観点から、民間企業ともに会社を設立し、熱供給事業を実施しております。
いずれの団体も、公共性、継続性、都の環境施策との連動性を確保するため、都の派遣職員の受け入れや都を退職した職員の採用を行っていると聞いております。
こうした職員が都で培ってきた省エネ技術など、エネルギー関連の知見や、水、大気環境の調査、分析技術などの専門的なノウハウを活用することで、事業の円滑な推進に貢献しているものと認識しております。
○上田委員 より自発的な改革プランの実行をお願いしたいと思います。やっぱり税金が投入されているということでございますので、費用対効果を鑑みていただきたいと思います。
その貴重な税金の使い道ということで、一般会計の歳入歳出を差し引きますと、二百三十九億九千四百六十四万九千六百七十二円の赤字となっております。これは歳出項目の環境保全費二百三十四億四千四十万六千五百二十三円に相当し、その中でも地球環境エネルギー費百三十一億百五十一万五千七百二十五円と、自然環境費六十七億五千五百十五万九千六百四十二円は、百九十八億五千六百六十七万五千三百六十七円となり、八四・七%を占めていることから、以下、三点について確認と質疑をいたします。
一般会計の歳入歳出の差が二百三十九億余円の赤字となっておりますが、これは歳入が少な過ぎるのか、それとも歳出が大き過ぎるのか、環境局としてどのように自己分析されているのか、ご所見をお願いいたします。
○谷上総務部長 環境局の決算説明書における歳入は、環境局において収入している財源について計上しております。その他につきましては、都税などの東京都全体の財源が充当されているということでございます。
○上田委員 全体の財源が充当されているということで、翻って、地球環境エネルギー費の執行につき、概要説明では、地球温暖化対策の推進、環境エネルギー政策の推進、水素利活用促進事業及び再生可能エネルギーの促進の四事業について、経費支出をしていますが、それぞれの事業に対する金銭面の費用対効果と、環境面における地球環境への改善度をお示しいただきたいと思います。
○小川地球環境エネルギー部長 地球環境エネルギー費におきましては、平成二十八年三月に策定いたしました東京都環境基本計画や平成二十八年十二月に策定した二〇二〇年に向けた実行プランを踏まえまして、持続可能な東京の実現に向けた取り組みを推進しているところでございます。
基本計画に掲げます目標を達成するために、大規模事業所に対するキャップ・アンド・トレード制度の運用など、地球温暖化対策の推進、LEDを活用した省エネ促進などの環境エネルギー政策の推進に取り組んでいるところでございます。
あわせまして、燃料電池自動車や水素ステーション整備等導入促進事業など水素利活用促進事業、バス停留所、ソーラーパネル等設置促進事業などの再生可能エネルギーの推進を実施し、エネルギー消費量の削減や再生可能エネルギーの導入拡大に寄与しております。
こうした先進的な施策により、世界の地球温暖化対策にも貢献していると考えているところでございます。
今後も、効率的、効果的な施策展開を図りまして、低炭素、快適性、防災力を備えたスマートエネルギー都市の実現を目指してまいります。
○上田委員 続きましては、自然環境費の執行概要説明では、水環境対策、緑地保全策、自然公園の管理、整備等の三事業について、経費を支出していますが、それぞれの事業に対する金額面の費用対効果と環境面における自然環境の改善度をお示しいただきたいと思います。
○須藤自然環境部長 自然環境費においては、平成二十八年三月に策定した東京都環境基本計画や平成二十四年五月に策定した緑施策の新展開を踏まえ、生物多様性の保全、緑の創出、生物多様性の保全を支える環境基盤と裾野の拡大、水環境の向上に向けた施策を推進しております。
基本計画に掲げる目標を達成するため、在来種植栽など、生物多様性に配慮した緑化の推進、キョンの防除などの外来種対策、保全地域の指定や公有化、多摩の森林再生などの取り組みを実施し、自然環境の保全や生き物と共生する都市づくりに寄与しております。
また、自然公園における施設等の整備、園地や歩道等の管理、小笠原諸島における植生回復やノヤギの排除などの取り組みを実施し、自然の保護と適正利用の推進にも寄与しております。
さらに、水質環境監視や清流復活事業などの取り組みを実施し、良質な水循環の確保についても貢献しております。
今後も、多様な主体と連携して、効率的、効果的な施策展開を図り、自然豊かで多様な生き物と共生できる都市環境の継承を目指してまいります。
○上田委員 東京都は、世界でも珍しい国際都市東京という側面と世界遺産に指定された小笠原、このたびラムサール条約の承認となった葛西三枚洲、いまだ熊やイノシシもすむ奥多摩の森林を抱える都市でございます。
持続可能な社会を実現するためには、都市部の生活環境、エネルギーを中心とした問題の整備から自然環境の保全という、二律背反しがちな課題をクリアしていかねばなりません。そのかなめとなるのが、旧衛生局以来から担っている環境局であると考えます。
時代に即した環境行政を、常に費用対効果を厳しく鑑みましての検証をされ、取り組んでいただきたいと願い、質疑を終わります。
○小林委員 私からは三つのテーマについてお伺いをさせていただきます。
初めに、花と緑の東京募金についてお伺いをします。
緑のムーブメントの展開には、花と緑の東京募金に関する普及啓発が含まれていると伺っております。
都では、都民や企業などの幅広い参加を得て、緑あふれる東京を実現するため、平成十九年度に緑の東京募金を開始し、平成二十七年までにおよそ九億円の寄附をいただき、海の森への十六万木の植樹、街路樹の百万本への倍増、公立学校八十三校の校庭の芝生化、また百六十六ヘクタールの花粉の少ない森林整備を行うことができたと聞いております。
また、平成二十八年には、目標を達成した海の森の植樹や街路樹の整備にかえて、二〇二〇東京オリンピック・パラリンピック大会に向けて、花と緑で都市を彩る取り組みや、貴重な緑を守る取り組みを加えた花と緑の東京募金を開始しております。
花と緑の東京募金は、都民や企業の幅広い参加を得て、東京に緑を植え、育て、守るとともに、二〇二〇年に向けて東京を花で彩り、国内外から東京を訪れる人々をおもてなしする運動につなげていく価値ある取り組みであり、多くの人に参加してもらいたいと思っております。
そこで、平成二十九年度の花と緑の東京募金の募金額と募金充当事業の実施状況についてお伺いいたします。
○金子緑施策推進担当部長 まず、平成二十九年度の募金額については一千四百二十七万五千三百四十三円のご寄附をいただきました。
次に、募金充当事業については、前年までの基金を原資として、四つの事業に充当いたしました。
具体的には、まず、花と緑のおもてなしとして、花の都プロジェクトに充当し、台東区の浅草雷門周辺の商店街にハンギングバスケットを、葛飾区のJR亀有駅前などには、都立農産高校と地元企業等が考案した立体花壇、フラワーメリーゴーランドを設置いたしました。
次に、緑を守る人材育成として、保全地域で緑地保全活動を行うボランティア三十団体に対し用具を支給いたしました。
さらに、校庭の芝生化として、公立小中学校十三校の校庭を芝生化しております。
最後に、花粉の少ない森づくりとして、あきる野市内の森林四・二ヘクタールに花粉の少ない杉等を植樹いたしました。
○小林委員 多くの都民が訪れる観光地や公共空間を花で彩ったり、小学校の校庭を芝生化するなど、多くの人が花や緑と触れ合うことのできる事業に充当されており、ご寄附された都民や企業の方にとっても、花と緑あふれる東京の実現に貢献したという実感や機運の醸成につながるものと考えます。
このように、募金を通じて花や緑に親しみ、二〇二〇年に向けて、花と緑でおもてなしする機運を高めていくためには、募金の参加者をふやしていく取り組みも重要だと考えます。
そこで、花と緑の東京募金について、周知を図るための取り組みについてお伺いいたします。
○金子緑施策推進担当部長 花と緑の東京募金については、平成二十八年度に開始するに当たり、専用ホームページを開設するとともに、従来の募金充当事業や環境イベント等において周知を図ってまいりました。
平成二十九年度には、より一層の周知を図るため、花と緑の東京募金専用ホームページにおいて、募金充当事業の案内や成果報告を充実するとともに、ご寄附いただいた方からのメッセージを追加するなど、情報提供の充実を図っております。
また、花の都プロジェクトの各種イベントやシンポジウムなどの機会を捉えて、募金の趣旨やご寄附という形で参加してくださる都民の方や企業がいらっしゃるということをお知らせし、募金への理解や参加機運の醸成を図りました。
引き続き、丁寧でわかりやすい情報提供に努めるとともに、さまざまな機会を捉えて、花と緑の東京募金の周知に努めてまいります。
○小林委員 ありがとうございます。二〇二〇東京オリンピック・パラリンピック大会に向けて、都民や企業が花や緑で東京を彩る取り組みに参加する機運が高まるよう、今後とも募金についてもしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
次に、生態系に配慮した緑化についてお伺いをします。
私の地元練馬区では、今でもまだ多くの自然が残されており、区民意識意向調査では、区民のおよそ七割が、身近にある緑におおむね満足しているとの結果になっています。一方で、落ち葉が迷惑といった苦情や樹木の管理が負担といった意見があり、造園業の方からも、見ばえがよく管理のしやすい樹木のニーズが高いというお話を伺います。
管理のしやすい植栽はとても便利ではありますが、それだけに偏ってしまうと、鳥や昆虫など、自然の生き物にとっては、必ずしもよい生息環境とはいえない状況もあろうかと思います。
都民が花や緑に親しみ、関心を深めていくためには、都民の身近に花や緑があり、生き物がいて、触れ合える環境が必要だと考えます。
都は昨年度、生態系に配慮した緑化を進めるため、緑地の設計や管理に携わる事業者を対象とした講習会を開催したとのことですが、生態系に配慮した緑化を進めていくに当たり、講習会の実績や成果、また今後の事業者への支援のあり方についてお伺いいたします。
○須藤自然環境部長 平成二十九年度に民間デベロッパーや緑地の設計、管理に携わる事業者などを対象とした講習会を四回開催し、約二百五十名の方々に参加をしていただきました。
参加者からは、生態系に配慮した緑化には関心はあるものの、虫が発生して、地域や利用者から苦情が出ることが心配、管理の手間がふえるのではないかなどの意見が多く寄せられました。また、生き物の生息に適した樹種の選定や設計、管理のポイントについても情報が不足していることがわかりました。
今後は緑地の設計、管理にかかわる業界団体等と連携を強化し、さまざまな機会を捉えて情報提供を行い、生態系に配慮した緑化に取り組む事業者を支援してまいります。
○小林委員 花や緑や生き物が身近に感じられる緑あふれる東京の実現に向けて、今ご答弁のありました事業者への支援について、積極的に推進をしていただきたいと思います。
次に、古紙持ち去り問題についてお伺いをします。
行政回収や集団回収で集められた新聞などの古紙は、再生資源をリサイクルする正規に委託された業者によって収集されるものですが、正規業者が回収する前に不正に古紙を持ち去る業者が後を絶ちません。
私は、この古紙持ち去り問題について、平成二十三年の一般質問でも取り上げましたが、最近はテレビでもこの問題が特集で取り上げられたり、また地元の町会などにお邪魔した際にこの問題に触れる町会長も多く、むしろ質問で取り上げた当時よりも関心が高くなっているという感じがいたします。
都では、行政や業界関係者などで古紙持ち去り問題対策協議会を立ち上げ、古紙持ち去り問題根絶に向けた取り組みを取りまとめましたが、その対策の一つとして、古紙持ち去り禁止条例の制定の必要性に触れられています。私の一般質問においても、区市町村における古紙持ち去り禁止に関する条例の制定に関し、特に罰則つきの条例制定の拡大などを図っていく旨の答弁がありました。
そこで、区市町村における古紙持ち去り禁止条例の制定状況について、どの程度進んだのか、平成二十九年度までの進捗状況をお伺いいたします。
○松永資源循環推進部長 区市町村における古紙持ち去り禁止条例の状況についてでございますが、平成三十年十月現在、区部では二十三区中十九区が条例を制定しており、うち十七区が罰則つきとなっております。また、多摩地域では三十市町村中二十三市町が条例を制定しており、うち十七市町が罰則つきとなっております。
○小林委員 条例の制定状況については、以前より多くの自治体で条例制定が進んでいるとのことですが、しかしながら、現状、依然として古紙の持ち去り根絶には至っていない状況というものがあります。
都としても、古紙持ち去り根絶に向けて、区市町村に対して引き続きさらに強力な支援が必要と考えますが、見解をお伺いいたします。
○松永資源循環推進部長 都はこれまでも、古紙持ち去り対策に関する情報交換会の実施や、条例制定を検討する自治体と条例制定済みの自治体との意見交換会を行うとともに、悪質な持ち去り業者への対応策などについて、技術的支援や助言を行ってまいりました。
また、平成二十六年度からは、古紙持ち去り問題対策を地域環境力活性化事業における補助対象メニューの一つとして位置づけてございます。
これまで三区一市に対して、集団回収への移行や持ち去り行為防止に取り組む団体への支援などの事業に補助を行っております。
今後も、古紙持ち去りの根絶に向けた区市町村への支援を行ってまいります。
○小林委員 東京二〇二〇大会の招致に向けた立候補ファイルの中では、二〇二〇年東京大会は徹底的に廃棄物をなくす大会であると述べられております。
正規業者として古紙を回収されている方々とも意見交換をさせていただいておりますが、東京で五輪を開催するというのに、この首都東京で資源回収、リサイクルという誇るべき取り組みを否定する古紙持ち去りが横行していることが恥ずかしいとおっしゃっておりました。
引き続き、古紙持ち去りの減少ではなく根絶に向けた、都としてもリーダーシップをとっていただきますようお願いをしたいと思います。
最後に、食品ロスについてお伺いをいたします。
都議会公明党として、食品ロスの問題は重要な政策テーマとして位置づけ、その一つとして、防災備蓄食品の食品ロスについて取り上げてまいりました。防災備蓄食品の更新の際に、そうした食品を廃棄しない、食品ロスにしないとの問題意識のもとで、防災備蓄食品の有効活用というものを提案してまいりました。
その結果、持続可能な資源利用に向けたモデル事業の中で、平成二十八、二十九年度と、賞味期限の近づいた防災備蓄食品を有効活用していく取り組みがなされました。
従来は、賞味期限の満了時に買いかえ、古いものを廃棄していたところ、このモデル事業をきっかけに有効活用が図られたとともに、福祉保健局や総務局といった関係各局と連携して、防災備蓄の必要性と食品ロスの問題とを結びつけて、都民に呼びかけたことは評価をしたいと思います。
そこで、昨年度のこのモデル事業の成果についてお伺いいたします。
○松永資源循環推進部長 都は、先進的な取り組みを行う企業等と連携したモデル事業の中で、事業所等で保管されている防災備蓄食品を買いかえる際に不要となる食品を有効活用する取り組みを実施いたしました。
昨年度は、都が保有していた賞味期限の近い防災備蓄食品について、モデル事業を活用して、約六十五万食を社会福祉団体などに寄贈したほか、約四十五万食を直接都民に食品ロスの削減を呼びかけながら配布するなどいたしました。
その結果、モデル事業を実施した二年間で約百八十万食の有効活用を図ることができております。
○小林委員 今ご答弁で、百八十万食を有効活用できたということでございますけれども、この間浮き彫りになった課題を踏まえて、今後どのように取り組んでいくのか、お伺いします。
○松永資源循環推進部長 二年間続けてきましたモデル事業から見えてきた課題についてでございますが、効率的に備蓄食品を有効活用するためには、食品の種類、買いかえ時期及びその量に応じて、在庫管理、食品の寄贈を希望する団体とのマッチング、さらには輸送等、一体的に運用する仕組みが必要でございます。
今後、こうした具体的な運用に向けた仕組みづくりにつきまして、関係各局とともに検討を進めてまいります。
また、昨年九月に設置いたしました食品ロス削減パートナーシップ会議の中でも、防災備蓄食品に限らず、余剰となった食品について、寄贈などによる有効活用の仕組みづくりに向けた議論を重ねてきており、今後、具体策の検討を進めてまいります。
○小林委員 ありがとうございます。
防災備蓄食品の有効活用を進めた都の取り組みは、マスコミでも大きく取り上げられました。
さらに、災害に備え、食料を備蓄するだけでなく、ローリングストック法と呼ばれる日常的に食べる食品を少しずつ備蓄しながら、大きな災害がなかったことを感謝して、時間の経過した食品から消費していくという取り組みが注目されるようにもなりました。
今後も、こうした具体的な取り組みを重ねていくことで、防災意識の啓発とともに食品ロス削減に向けて、一人一人が日常生活でどのような配慮をすべきなのか、わかりやすく伝えていってもらいたいと思います。
公明党は、食品ロス削減への取り組みを強化するため、先ほど伊藤副委員長も述べましたが、二〇一五年十二月に党内にプロジェクトチームを立ち上げ、国会では食品ロス削減推進法案を取りまとめたところでございます。
食品ロスの問題に先駆的に取り組んできた東京都として、ぜひとも国を牽引する役割を果たしていただくことを要望いたしまして、質問を終わります。
○小宮委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、ご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小宮委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で環境局関係を終わります。
この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩します。
午後三時一分休憩
午後三時十五分開議
○小宮委員長 休憩前に引き続き分科会を開きます。
これより建設局関係に入ります。
決算の審査を行います。
平成二十九年度東京都一般会計決算中、建設局所管分を議題といたします。
本件については、既に説明を聴取しております。
その際要求した資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○今村総務部長 去る十月十日の当分科会において要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
お手元の平成二十九年度各会計決算特別委員会第三分科会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
表紙をおめくりいただきますと、目次に二十件の資料の件名が記載してございます。
一ページをごらんください。骨格幹線道路(主要路線)の予算・決算額の推移でございます。
この表は、骨格幹線道路の整備につきまして、平成二十五年度から平成二十九年度までの予算額と決算額の推移をあらわしたものでございます。
二ページをごらんください。道路・街路整備における予算・決算額の推移でございます。
この表は、道路、街路の整備につきまして、平成二十五年度から平成二十九年度までの予算額と決算額及び決算額を区部、多摩部、島しょ部別にあらわしたものでございます。
三ページをごらんください。道路補修費の予算・決算額の推移でございます。
この表は、道路補修費につきまして、平成二十五年度から平成二十九年度までの予算額と決算額及び決算額を区部と多摩部別にあらわしたものでございます。
四ページをごらんください。中小河川の整備状況の推移でございます。
この表は、中小河川の整備状況につきまして、平成二十五年度から平成二十九年度までの整備延長、事業費、治水安全度達成率並びに主な事業をあらわしたものでございます。
五ページをごらんください。直轄事業負担金の決算額の推移でございます。
この表は、直轄事業負担金につきまして、平成二十五年度から平成二十九年度までの道路及び河川の決算額を財源別にあらわしたものでございます。
六ページをごらんください。建設局に係る中小企業への工事発注実績の推移でございます。
この表は、建設局が発注した工事における中小企業への発注の実績につきまして、平成二十五年度から平成二十九年度までの件数と金額をあらわしたものでございます。
七ページをごらんください。都立公園の整備費の予算・決算額の推移でございます。
この表は、都立公園の整備費につきまして、平成二十五年度から平成二十九年度までの予算額と決算額及び決算額を区部と多摩部別にあらわしたものでございます。
八ページをごらんください。「東京都自転車走行空間整備推進計画」等に基づく自転車走行空間の整備実績及び整備率でございます。
この表は、自転車走行空間の整備につきまして、平成二十七年度から平成二十九年度までの整備延長と累計整備延長及び計画延長に対する整備率をあらわしたものでございます。
九ページをごらんください。浜離宮恩賜庭園における「延遼館」復元整備の実施内容及び経費の年度別実績でございます。
この表は、浜離宮恩賜庭園における延遼館復元整備につきまして、平成二十七年度から平成二十九年度までの事業費及び主な事業内容をあらわしたものでございます。
一〇ページをごらんください。建設局発注工事における一者応札の実績でございます。
この表は、建設局発注工事における一者応札の実績につきまして、一者応札の件数、総件数に占める割合及び契約金額合計に占める割合をあらわしたものでございます。
一一ページをごらんください。建設局発注工事における入札不調件数でございます。
この表は、建設局発注工事につきまして、平成二十七年度から平成二十九年度までの入札不調件数をあらわしたものでございます。
一二ページをごらんください。建設局発注案件における随意契約の件数及び金額と割合でございます。
この表は、建設局発注案件における随意契約につきまして、平成二十七年度から平成二十九年度までの件数及び金額と割合をあらわしたものでございます。
一三ページをごらんください。建設局所管の動植物園の目標入場者数と実績でございます。
この表は、建設局所管の動植物園につきまして、平成二十五年度から平成二十九年度までの目標入場者数及び実績をあらわしたものでございます。
一四ページをごらんください。建設局所管の動植物園におけるバリアフリー・アクセシビリティ・多言語対応の取組状況でございます。
この表は、建設局所管の動植物園につきまして、誰でもトイレの棟数とバリアフリールートの設定状況及び多言語対応の取り組み状況についてあらわしたものでございます。
一五ページをごらんください。都立葬儀所の稼働状況でございます。
この表は、都立葬儀所における平成二十七年度から平成二十九年度までの葬儀等件数及び火葬受け入れ件数についてあらわしたものでございます。
一六ページをごらんください。瑞江葬儀所に関する江戸川区との連携状況・経過でございます。
この表は、瑞江葬儀所における江戸川区との連携状況及び経過をあらわしたものでございます。
一七ページをごらんください。環境省による葛西海浜公園・三枚洲のラムサール条約湿地への登録推薦の決定に関する関係局との連携状況でございます。
この表は、環境省による葛西海浜公園、三枚洲のラムサール条約湿地への登録推薦の決定につきまして、港湾局からの意見照会に対する建設局の回答と内容をあらわしたものでございます。
一八ページをごらんください。都立霊園施設別・霊園別の公募状況でございます。
この表は、都立霊園における平成二十九年度の公募状況につきまして、霊園名、施設の種類及び使用料並びに倍率をあらわしたものでございます。
一九ページをごらんください。建設局所管の附属機関の委員報酬額及び開催状況でございます。
この表は、建設局所管の附属機関につきまして、委員報酬額及び平成二十七年度から平成二十九年度までの開催状況をあらわしたものでございます。
二〇ページをごらんください。監理団体の職員構成(都派遣職員・固有職員・都退職者別)でございます。
この表は、建設局所管の監理団体の職員構成につきまして、平成二十五年度から平成二十九年度までの職員数、都派遣職員数、固有職員数並びに都退職者数をあらわしたものでございます。
以上で要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○小宮委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○入江委員 決算は、予算計上された施策や事業の達成度を検証するものであり、その結果を次の予算編成に生かし、東京の発展につなげていく上で大変重要です。
建設局の平成二十九年度決算のうち、歳出は、補正予算を合わせた予算額五千六百四十六億円に対し、支出済額は四千十五億円、執行率は七一・一%でした。建設局の予算規模は大変大きく、その事業は、無電柱化や水害対策などがセーフシティーの実現、そして経済、活力の強化に資する幹線道路ネットワークの整備などがスマートシティーの実現に大きな役割を担っています。
こうした建設局の事業の性格を踏まえた上で、この執行が未達で不用額が多く発生している要因と改善に向けた今後の取り組みについて、局の所見を伺います。
○今村総務部長 道路や河川、公園の整備や維持管理に際しましては、地元住民や関係機関との十分な調整や協議が必要でございます。
このため、例えば用地取得におきましては、大規模マンションの居住者や高齢者など関係権利者の方々との合意形成に時間を要したこと、また、工事におきましては、安全の確保や周辺環境への配慮など関係機関との協議に時間を要したことなどによりまして、不用額が発生しております。
今後とも、地元住民や関係者の方々に丁寧に説明を行い、理解と協力をいただきながら事業を着実に執行し、予算の執行に努めてまいります。
○入江委員 今いっていただいたとおり、都民お一人お一人の声に丁寧に対応し、早期の事業執行によって効果を最大限に高め、セーフシティー、スマートシティー、ダイバーシティーを着実に実現できるように、建設局が一丸となって事業を推進することを要望いたします。
では、主な事業がどのように施行されたのか具体的に伺います。
無電柱化事業について伺います。
昨今、頻発する台風や地震により自然災害の脅威が高まっています。特に台風二十一号では、関西電力管内で大阪府を中心に六百本以上の電柱が倒壊し、二百万戸以上で停電が発生するなど、大規模な被害が発生しました。その後の北海道胆振東部地震、台風二十四号でも大規模な停電が発生するなど、改めて電力の安定供給の重要性が高まっています。
都が進める無電柱化は、林立する電柱や電線類を地中化することで電力の安定供給を図るなど、都市の防災機能を強化するために有効です。そして、景観を美しくし、東京の観光価値を高めます。都はこれまで、どのように無電柱化に取り組んできたのか伺います。
○加藤道路保全担当部長 無電柱化は、災害時に電柱倒壊による道路閉塞を防ぐなど都市防災機能の強化、安全で快適な歩行空間の確保、良好な都市景観の創出を図る上で重要でございます。
都では、昭和六十一年度から現在まで七期にわたる無電柱化推進計画を策定し、おおむね首都高速中央環状線の内側でございますセンター・コア・エリア内や第一次緊急輸送道路を中心に事業を進めてまいりました。
さらなる無電柱化の推進に向け、平成二十九年九月には、都道府県で初となる東京都無電柱化推進条例を施行するとともに、本年三月には、今後十年間の方針や目標を定めた東京都無電柱化計画を策定し、積極的に取り組んでいるところでございます。
○入江委員 年々自然災害は頻発するとともに、激甚化しています。東京においても、大型台風の襲来や首都直下型地震の危険が想定されます。このため、多くの国内外の人が訪れる東京二〇二〇大会の際に、安全・安心で美しい東京を世界に発信するため、さらに東京の無電柱化を進めるべきと考えます。
そこで、平成二十九年度末の都道における無電柱化の整備はどれだけ進んだのか、実績について伺います。
○加藤道路保全担当部長 都は、現在、平成二十六年に策定した第七期の無電柱化推進計画に基づき事業を実施しており、計画幅員で完成した都道における平成二十九年度末までの整備済み延長は、都内全体で九百三十五キロメートル、地中化率は約四〇%でございます。そのうち、センター・コア・エリア内における整備済み延長は五百十四キロメートル、地中化率は約九六%でございます。
引き続き、センター・コア・エリア内の整備を進めるとともに、周辺区部及び多摩地域の無電柱化に強力に取り組んでまいります。
○入江委員 都道では、かなり進んでいることがわかりました。
しかし、都内道路の約九割を占めるのは区市町村道です。東京のセーフシティーを実現するためには、道幅の狭い区市町村道の無電柱化を一層促進し、都内全域で面的な無電柱化を進めることが重要であると考えます。
しかし、区市町村は、財政の負担や職員のノウハウ不足など課題があると聞いています。そのため、都が昨年新たに無電柱化チャレンジ支援事業を創設し、支援を拡充しました。区市町村に対する平成二十九年度末の支援実績について伺います。
○加藤道路保全担当部長 都はこれまで、区市町村に対しまして、防災に寄与する道路等を対象に財政支援を行うとともに、職員向けの研修を実施するなど技術支援にも取り組んでまいりました。
新たに平成二十九年度からは、計画策定に必要な調査や道幅の狭い道路に低コスト手法を導入する事業等に対して全額補助する無電柱化チャレンジ支援事業制度を開始しており、あわせまして区市が設置する技術検討会に直接都の職員が参加するなど、技術支援も強化してございます。こうした取り組みにより、平成二十九年度は港区など二十八区市に支援を行ってきております。
引き続き、区市町村と連携を図りながら都内全域での無電柱化の推進に積極的に取り組み、都民が安全・安心に暮らせるセーフシティーを実現してまいります。
○入江委員 新しい東京をつくる三つのシティーのうち、セーフシティーは都民の安全・安心、そして都民の元気を目指すものであり、中でも無電柱化は、都としても最も力を入れるべき重要な施策です。無電柱化に強力に取り組むために、区市町村に必要な支援については、引き続き積極的に行っていただきたいし、また区市町村に、こうした道路を無電柱化するのはどうかと都の方からお声がけもしていただきたいと思います。
また、道路の拡幅に合わせた無電柱化の実施や、無電柱化工事に合わせたバリアフリー化の実施など、幾つかの事業を同時に進行することを要望します。このように効率的に工事を進めることで経費を節減し、工事期間を短縮し、近隣の皆様の負担を減らすことができると考えております。
続いて、中小河川整備事業について伺います。
先ほどから触れておりますとおり、近年は豪雨が激甚化し、昨年七月の九州北部豪雨や西日本を中心とした平成三十年七月豪雨のように、全国各地で豪雨による被害が発生しています。
都内においても時間百ミリを超えるような降雨が短時間で記録されるなど、水害から都民を守るためには、これまでの護岸の着実な整備に加え、調節池の整備を推進することが重要です。
そこで、平成二十九年度の中小河川の整備実績について伺います。
○村井河川部長 中小河川の整備は、これまで進めてまいりました時間五十ミリ対応の護岸整備などに加えまして、東京都豪雨対策基本方針における対策強化流域におきましては、新たな目標整備水準であります区部七十五ミリ、多摩六十五ミリの降雨に対応した調節池などの整備を進めております。
護岸につきましては、石神井川など二十五河川で事業を行い、〇・九キロメートルの護岸を整備いたしました。
調節池などにつきましては、古川地下調節池の整備が完了するなど十三カ所で事業を実施してまいりました。
○入江委員 私の地元港区では、古川地下調節池の整備が完了して、安全性が増して安心したというお声を伺っています。
調節池等の整備についてですが、決算概要によりますと、平成二十九年度は、中小河川の改修事業において環状七号線地下広域調節池の整備を推進したとのことです。この調節池は、非常に規模が大きいものであると聞いています。
そこで、この環状七号線地下広域調節池の効果と整備状況について伺います。
○村井河川部長 環状第七号線地下広域調節池は、総延長十三・一キロメートル、百四十三万立方メートルの洪水を貯留する施設でございます。貯留量を複数の流域間で相互に融通することで、時間百ミリの局地的かつ短時間の豪雨にも効果を発揮いたします。
このうち、白子川地下調節池と環七地下調節池を結ぶ今回の整備区間は、内径十二・五メートル、延長五・四キロメートルのトンネル構造、貯留量は約六十八万立方メートルでございまして、平成三十七年度末の完了を目指しております。二十九年度は、中間立て坑の工事やシールドマシンの製作を進めました。
○入江委員 環状七号線地下広域調節池の整備を初め、洪水対策が着実に進められていることはわかりました。
台風や局地的集中豪雨が頻発する中、都内全域で豪雨対策はますます重要になっております。小池知事は、西日本を中心とした平成三十年七月豪雨などを踏まえ、防災事業の緊急総点検を実施し、第三回都議会定例会の所信表明では、総点検に基づき防災事業のスピードアップとグレードアップを着実に図っていくと発言されました。
これを受け河川事業では、事業中の調節池に加え、新たに調節池の整備についての具体化を検討することとしております。水害から都民を守るために、護岸や調節池などの整備を着実に、そしてスピード感を上げて進めていくことを切に要望いたします。
続いて、公園整備事業について伺います。
都立公園は都市の貴重な緑の空間であり、都民の憩いの場所でありますが、一方で、災害時は避難所等になります。また、東京二〇二〇大会を控え、国内外から多くの方が訪れ、上野恩賜公園や浜離宮恩賜庭園などは、観光スポットとしてもにぎわいが高まっています。
東京二〇二〇大会時には、チケットを持たない多くの方も大会を身近に感じ、楽しんでいただくために、ライブサイトが運営されます。上野、代々木、井の頭、日比谷の四つの都立公園が会場として活用される予定です。大型ビジョンで競技を観戦しながら、スマホで選手情報を検索するなど、楽しみ方の幅を広げるとともに、震災時は正確な情報を入手するためにも、Wi-Fi環境を整備することは重要です。都立公園におけるWi-Fiの整備状況について伺います。
○細川公園計画担当部長 都立公園では、平成二十七年度から平成二十九年度までの三カ年で、外国人旅行者が多く訪れる庭園、動物園や防災上重要な公園など、四十七公園でWi-Fi環境を整備してまいりました。
さらに、平成二十九年度は、Wi-Fiの利用者の多い上野恩賜公園や浜離宮恩賜庭園においてアクセスポイントを増設し、来園者の利便性の向上を図っております。
○入江委員 管理棟を中心にWi-Fiの領域をつけているということで、半径どのぐらいかわからないんですけれども、やはりアクセスポイントは多くしていただきたいというのが要望でございます。
次に、海外の方が多く訪れる場所として都立庭園があります。インバウンドのお客様が最も多いと伺っている浜離宮恩賜庭園における平成二十九年度の整備について伺います。
○細川公園計画担当部長 浜離宮恩賜庭園の外国人の来園者は、平成二十九年度は十九万人に上り、年間来園者数八十二万人の二割以上を占めております。増加する外国人の方々へ庭園の魅力や歴史を伝え、日本文化に親しんでいただく取り組みは重要であります。
都はこれまでも、庭園の景観の中心である潮入の池周辺では、昭和五十八年度の中島の御茶屋を初めとして、松の御茶屋、燕の御茶屋と、趣の異なるお茶屋を順次復元整備してまいりました。
将軍がタカ狩りを行う際のお休みどころであった鷹の御茶屋につきましては、平成二十九年度に復元工事が完了いたしました。また、平成二十八年度に着手した庭園外周部の石積みの修復工事も実施しております。
今後とも、都立庭園を訪れた外国人の人々に往時の景観、文化や歴史を伝えられるよう、保存、復元事業に取り組んでまいります。
○入江委員 こうした歴史庭園の価値を高めるというのは、東京の観光価値、バリューを上げることですので、ぜひとも引き続き取り組んでいただきたいと思います。
そして、ダイバーシティーの観点から、障害のある方や高齢の方が安心して都立公園を楽しめるようにバリアフリー化を推進することが必要です。バリアフリー化に関する平成二十九年度の整備状況について伺います。
○細川公園計画担当部長 都はこれまでも、勾配改善による歩きやすい園路整備や誰でもトイレの整備など公園のバリアフリー化に取り組んできております。
平成二十九年度は、東京二〇二〇大会時に競技会場となる夢の島公園、潮風公園では、案内サインの多言語化や園路の勾配を改善する園路改修、トイレの洋式化などの改修を実施しております。
また、ライブサイト会場となる予定の上野恩賜公園では、歩きやすい園路や広場の整備を行うとともに、日比谷公園ではトイレの洋式化を行っております。
引き続きこれらの取り組みを推進し、誰もが安心して快適に過ごせる公園づくりに取り組んでまいります。
○入江委員 ありがとうございます。特に東京二〇二〇大会というのは、美しい東京を世界の皆様に見せる最大の機会でございますので、特にライブサイト会場となる都立公園では、大会時までに多くの方をしっかりとおもてなしできるように、広域のWi-Fiの整備やバリアフリー化や、老築化している建造物の修復などをぜひ着実に進めていただきたいと思います。
また、公園の活用については、民間企業や団体とコラボレーションして、公園の多面的な活用をさらに検討し進め、都立公園の魅力を一層高めていただくことを要望いたします。
さて、これまでの質問を通じまして、道路、河川、公園といった都市インフラは、都民の安心・安全を支える基盤であるとともに、都民の利便性の向上や、潤いや安らぎを提供し、さらに東京の国際競争力を高めるなど、重要な役割を担っていることを再確認いたしました。都市インフラの整備は都政の最重要課題であり、今後も、計画的かつスピード感を持って推進することを要望いたします。
また、既存の都市インフラについては、最先端AIによる診断なども取り入れ、適切な維持管理、計画的な更新が必要です。そして、地域の要望に的確に対応することが求められています。
建設局では、建設事務所や公園緑地事務所など地域に十四の現場事務所を配しています。こちらで、地域密着で施設の整備や維持管理を行っています。これからも都民の声を直接聞きながら、円滑かつ迅速に、地域、そして都民の要望に対応していただくことを強く期待いたします。
最後に、都市インフラの新たな整備と既存施設の管理を行う建設局事業の今後の取り組み姿勢について、東京都技監の所見をお伺いいたします。
○西倉東京都技監 東京の都市インフラは、都市の安全・安心の礎でございまして、円滑で効率的な都市活動を支え、快適で魅力ある都市空間を創出する重要なストックでございます。こうした認識のもと、東京二〇二〇大会とその先を見据え、道路、河川、公園を着実に整備してまいります。
既存の施設につきましては、損傷や劣化が進行する前に対策を行う予防保全型管理を推進してまいります。
また、日常の維持管理につきましては、地域や都民からの要望を踏まえ、適切に実施してまいります。
今後とも、現場第一主義に立ち、こうした取り組みを通じましてインフラストックのさらなる充実を図ることによりまして、我が国を牽引する活力ある東京を築いてまいる所存でございます。
○入江委員 大変力強いお言葉をありがとうございました。
例えば最近では、トヨタ自動車とソフトバンクグループが自動運転技術などモビリティー、移動手段に関する分野で提携することが、大変、日本のみならず世界中でも大きな話題となりました。こうした今後のモビリティーの進化なども、整った道路インフラがあってこその発展です。今後も、建設局の着実な事業執行に期待しまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○菅野委員 私からは、まずは都市計画道路の整備について伺います。
最初に、東京における都市計画道路の整備についてです。
政治経済の中核機能が集中する東京においては、都市計画道路は、国際都市間の競争を勝ち抜く上で必要不可欠なものです。また、災害時においても交通や物流を確保するとともに、市街地の延焼を遮断するなど、さまざまな効果が期待される重要な都市基盤です。
しかし、都市計画道路の整備率は、いまだ六割を超えた程度であり、都内各所では慢性的な交通渋滞も発生しています。道路ネットワークの整備は、都民経済や生活を支える上で今後も着実な整備が望まれております。東京二〇二〇大会に向けた整備はもとより、その先も見据えて、引き続き道路整備を進めるべきと考えます。
そこで、建設局が進めている都市計画道路の整備について、平成二十九年度の状況について伺いたいと思います。
○奥山道路建設部長 都市計画道路は、交通、物流機能の強化はもとより、日々の生活を支え、災害時の迅速な救急救援活動を担う重要な都市基盤でございます。
平成二十九年度におきます都市計画道路事業は、二百四十三カ所、約百八十キロメートルで実施いたしました。このうち、東日本旅客鉄道株式会社と連携して整備を進めてまいりました東京駅丸の内駅前広場を構成する補助第九七号線及び補助第九八号線の交通広場は、昨年十二月に完成いたしました。
また、調布三・四・一七号線のうち、調布市若葉町二丁目地内で昨年五月に約三百二十メートルの区間が開通し、本路線により世田谷通りと甲州街道が結ばれました。
○菅野委員 答弁からも、都市計画道路の整備が着実に進められていることについてはわかりました。
今、答弁でもございましたが、東京駅丸の内駅前広場、先日久しぶりに訪れましたが、本当にきれいに整備がされていて、同時に、非常に機能的に変わったなというふうに感じました。ほかにも、先ほどご紹介いただいた二十九年度に達成した事業があるわけですが、開通した路線では、こうした整備効果が出てきているものと思っています。
そこで、平成二十九年度完成、開通をした主な路線の事業効果はどうなのか伺いたいと思います。
○奥山道路建設部長 東京駅丸の内駅前広場を構成します補助第九七号線及び補助第九八号線の交通広場につきましては、バスやタクシーの乗降場の再配置、タクシープールの設置などによりまして、整然とした交通流が確保されるとともに、東京駅との交通結節機能が向上いたしました。また、東京駅丸の内駅舎や丸の内中央広場とともに駅前広場としての一体性に配慮し、首都東京の顔にふさわしい風格ある都市景観とにぎわいを創出いたしました。
調布三・四・一七号線につきましては、開通区間と並行する都立神代高校前の都道一一四号線の交通量が約五割減少いたしました。さらに、地元の利用者からは、歩道が広くなり、歩行者や自転車の安全性が向上したとの声が寄せられております。
○菅野委員 完成、開通した都市計画道路に関しては、確かに大きな整備効果が出ているというようなことがわかりました。今後も、整備率の向上に向けて、都市計画道路、ぜひ積極的に進めていただきたいというふうにお願いをして、次の質問に移りたいと思います。
次は、古川の河川整備についてちょっと伺いたいと思いますが、その前に、人口や資産が集中し、地下鉄や地下街など土地の高度利用が進んだ東京では、台風や集中豪雨により甚大な被害が発生することが考えられます。
ことしも、ご承知のとおり、勢力が強くて大型化した台風が日本列島を襲って、全国各地で浸水被害が発生しているほか、東京においても時間百ミリを超える集中豪雨が発生しています。
こうした台風や集中豪雨は、いつまた東京を襲うかわからないということもありまして、豪雨対策は喫緊の課題となっています。中小河川の整備を着実に推進していくことが本当に重要で、求められています。
そこで、改めて現在の中小河川整備の目標と進め方について伺います。
○村井河川部長 都は、豪雨が頻発していることから、平成二十四年度に中小河川の整備方針を定めまして、目標整備水準を、区部、多摩の降雨特性を踏まえまして、年超過確率二十分の一で等しい、区部では時間最大七十五ミリ、多摩では時間最大六十五ミリに引き上げました。これまで進めてまいりました護岸整備に加えまして、東京都豪雨対策基本方針における対策強化流域におきまして、二十八年度から新たな目標整備水準に対応した施設整備に着手しております。
整備に当たりましては、時間五十ミリを超える降雨については、道路や公園などを活用した調節池などで対応することとしております。
○菅野委員 本当に近年激甚化するこうした降雨に対しまして、整備水準をレベルアップして整備を進めていくということについては評価するものです。引き続き、この方針に基づいて着実に整備を推進していただきたいとお願いいたします。
さて、私の地元を流れる古川では、平成十一年八月の集中豪雨によりあふれ、そのときは六百棟を超える浸水被害が発生いたしました。古川があふれたときは、私は当時区議会議員だったんですが、同僚議員も、道路が完全に冠水してその中を歩いていたら、マンホールのふたが外れていて、うっかり落ちそうになったと。まあ、助かったんですけど、そういったこともありまして、大変な状況になったことを記憶しています。
さらに、平成十六年の台風でも浸水被害が発生して、そのときは地下鉄南北線の麻布十番駅が冠水する事態になって、都は、こうした水害を契機として、古川の護岸整備に加え、古川地下調節池の整備をあわせて進めてきました。
そこで、現在の古川の整備状況を改めて伺いたいと思います。
○村井河川部長 古川は、ビルや首都高速道路の橋脚が護岸に近接して建ち並び、河道拡幅が困難なため、地下調節池による対策を進めまして、治水効果を早期に発現することといたしました。
平成二十年度より古川地下調節池の工事に着手いたしまして、二十七年度から取水を開始しており、二十八年八月の豪雨では、洪水を取水し、効果を発揮いたしました。
二十九年度は、調節池に関する工事を完了させますとともに、一之橋付近など二カ所で護岸整備を実施いたしました。今後も引き続き、護岸整備を進めてまいります。
○菅野委員 この古川地下調節池は、事業完了前に効果を早期に発現させるため、今ご答弁にもありました取水を前倒しするなど、本当にさまざまなご苦労があったと思いますが、これを乗り越えて、工事着手から十年間、こうして調節池が完成したことについては、本当に地元住民の方も喜んでいますし、何よりも、ことし亡くなられた私の先輩であります、きたしろ前都議は、このことに非常に力を入れておりまして、高く評価というか、喜んでいるかと思います。改めて高く評価をしたいと思います。
ぜひ引き続き、この古川もこれで完璧ということはないわけで、自然というのはどういう形になるかわかりませんが、古川も含めて、東京の中小河川の整備を着実に進めていただくことを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。
○小林委員 私からは、三つのテーマについてお伺いをさせていただきます。
初めに、橋梁の長寿命化についてお伺いをいたします。
以前の環境・建設委員会の質疑の際にも触れさせていただきましたが、私たち公明党は、東日本大震災以降、防災、減災の政策を中軸に据えて、防災・減災ニューディール政策というものを発表いたしまして取り組んでまいりましたが、その政策の一つが橋梁の長寿命化であります。
都内には、歴史的価値の高い橋や環状七号線の立体交差橋などの重要な橋が多く存在する中、都では、橋梁のかけかえる際の多額の費用や周辺に及ぼす影響を考慮して、かけかえを行わずに、百年以上、橋梁の延命をさせる事業に取り組んでいますが、都民の生活に直結する都道にかかる重要な橋について、防災の観点からも、安全を確保するための長寿命化の取り組みは積極的に推進していくべきであると思います。
そこで、都内での平成二十九年度に長寿命化工事が完了した橋梁及び着手した橋梁についてお伺いいたします。
○加藤道路保全担当部長 都は、高齢化する橋梁の対策として、著名橋や幹線道路の橋梁などを対象に、平成二十一年度から計画的に長寿命化工事を進めてございます。
平成二十九年度は、隅田川にかかる蔵前橋など七橋の長寿命化工事が終了し、これまで合わせて三十橋の対策が完了いたしました。また、平成二十九年度は、環八通りと中原街道が交差する田園調布陸橋など十一橋で新たに長寿命化工事に着手し、全体で四十二橋の工事を実施してございます。
○小林委員 私の地元練馬区においても、都道上にかかる橋梁が幾つかございます。以前の質疑でお伺いした際は、環七通りと目白通りが交差する豊玉陸橋が、まさに長寿命化の事業中とのことでありましたが、練馬区内での長寿命化事業の実施状況及び平成二十九年度の取り組み状況についてお伺いいたします。
○加藤道路保全担当部長 練馬区内の長寿命化対象橋梁は、豊玉陸橋、桜台陸橋、みのわ陸橋、長光寺橋の四橋でございます。
このうち、今お話がございました環七通りと目白通りが交差する豊玉陸橋では、平成二十三年度から長寿命化工事に着手し、平成二十八年度に完了してございます。平成二十九年度から新たに、環七通りで西武池袋線をまたぐ桜台陸橋において工事に着手し、基礎の補強などを実施してございます。
今後とも、長寿命化事業を着実に推進することで、都民の安全と安心を確保してまいります。
○小林委員 ありがとうございます。豊玉陸橋が完了し、桜台陸橋が着手とのことで、計画的に進めていただいていることと思いますが、残るみのわ陸橋、長光寺橋陸橋についても、着実な推進をお願いしたいと思います。
次に、白子川の整備についてお伺いいたします。
本年、西日本で豪雨による甚大な水害が発生する中、都民の皆様も水害に対する関心が高くなり、私も多くの皆様から、地域の水害対策に対するお問い合わせをいただいております。
練馬区には、白子川と石神井川が流れておりますが、本年夏もゲリラ豪雨や台風の際には、私もインターネットで河川の水位観測情報を注視する日が数多く続きました。
先日の都市整備局への質疑の際にも触れましたが、八月下旬のゲリラ豪雨の際には、河川の溢水が直接的な原因ではありませんが、白子川近辺の住宅で浸水被害や道路の冠水が確認をされました。白子川については、都としても洪水対策として護岸整備を進めていますが、地域住民が安心して暮らせる安全なまちになるよう、治水機能の一層の向上が望まれております。
そこで、現在の白子川における整備状況についてお伺いいたします。
○村井河川部長 白子川は、練馬区の大泉井頭公園の七福橋から、途中、埼玉県施行区間を通り、板橋区三園で新河岸川に合流する延長十キロメートルの河川でございます。
護岸につきましては、平成二十九年度に大泉学園通りの学園橋から前田橋の区間で整備を実施しておりまして、都施行区間の護岸整備率は五〇%となっております。調節池につきましては、既に完成しております比丘尼橋上流調節池と下流調節池に引き続きまして、白子川地下調節池の整備を進めておりまして、二十八年度末に取水を開始いたしました。
二十九年度は、管理棟の建築工事に加えまして、換気設備や監視システムなどの設備工事を実施いたしまして、本年九月に調節池工事が完了いたしました。
○小林委員 長い年月を要して工事を行っていた白子川地下調節池が取水を開始し、現在では監視体制も整ったとのことでありますが、長年この地域で大規模な工事が行われてきたわけですが、地域住民の方は、これらの工事が、一体何の工事をしているのかご存じないということがよくありました。
地域で都政報告会や住民の方との懇談会などで地下調節池の話をすると、皆さん大変関心を持っていただくことができますので、こうした施設の果たす安全・安心への役割の理解を私もしっかりと語っていきたいというふうに思います。
次に、今後の整備についてでありますが、都は、新たな目標整備水準である時間七十五ミリの降雨に対応するため、白子川の河川整備計画を改定しました。現在事業を実施している前田橋より上流の未整備区間の整備を今後どのように進めていくのか、お伺いいたします。
○村井河川部長 前田橋から上流の約一・七キロメートルにつきまして、用地取得をしながら護岸整備を引き続き着実に推進いたします。河川整備計画に位置づけました火の橋から七福橋までの区間に整備する予定の調節池につきましては、調節池を整備するための候補地となります都市計画道路や都市計画公園などの確保状況や雨水幹線などの下水道の整備状況などを総合的に判断いたしまして、事業化してまいります。
河川の整備に当たりましては、治水上支障のない範囲で、管理用通路や護岸の緑化、拠点的な親水空間の整備を目指してまいります。
○小林委員 ありがとうございます。
今回の整備計画の中で、上流部に約二十五万立方メートルの調節池が新たに位置づけられておりますが、その中で火の橋から七福橋付近の調節池の整備計画には、計画地の直近に白子川の源流、湧水もあり、私のもとには、そうした整備計画に対するご意見というのもいただいております。
本計画の改定に当たっては、地元の練馬区にも意見照会されていますが、練馬区としても、当該地域の河川整備については、地域住民の意見を踏まえ、自然環境に十分配慮した計画とするよう意見も付されておりますので、今後の計画推進に当たっては、地元練馬区や地域住民ともよく連携しながら、事業の必要性や効果に加え、工事の方法や影響などについても丁寧に説明し、進めていっていただきたいと思います。
また、先ほどのご答弁にもありましたが、白子川は埼玉県との都県境を流れる河川であり、芝屋橋より下流の埼玉県施行区間は未整備となっております。都は、調節池を整備して上流の整備を進めていますが、埼玉県の未整備区間について整備を強く働きかけるなど、流域一体となった安全度向上に向け、引き続き取り組んでいただくことを要望したいと思います。
最後に、都立公園についてお伺いします。
都立公園は、都民に安らぎ、レクリエーションの場を提供し、生物の生息地の保全などによる都市環境の改善に加えて、発災時の救援部隊の活動拠点や避難場所となるなど、安心・安全な都民生活の実現などに多面的に重要な役割を果たしております。こうした都立公園緑地の機能をさらに拡充する取り組みについて、何点かお伺いをいたします。
初めに、防災機能の強化という観点で、都立公園の機能強化がどのように充実したのか、平成二十九年度の防災機能の整備状況についてお伺いいたします。
○細川公園計画担当部長 都立公園は、都民の貴重なオープンスペースであり、発災時には、避難や救出救助活動の拠点として重要な役割を担う都市施設であります。
平成二十九年度は、停電時も管理所等の主要施設が機能を発揮するよう、葛西臨海公園や秋留台公園において非常用発電設備の工事を実施しております。また、城北中央公園など四公園において、安全に避難できるよう、園路や広場の照明灯を、限られた電力を有効に利用できる蓄電池を備えたLED照明に改修する工事などを実施しております。
さらに、東白鬚公園など五公園において、老朽化したトイレを、地下ピットを備えた震災対応型トイレへと建てかえる工事などを進めております。
引き続き、大規模救出救助活動の拠点や避難場所等々に指定されている公園において着実に防災関連施設の整備を進め、防災機能をより高めてまいります。
○小林委員 次に、バリアフリー化という観点から、都立公園にあるトイレの洋式化の進捗状況についてお伺いいたします。
○細川公園計画担当部長 都は、国内外から多くの来園者が見込まれる東京二〇二〇大会の競技会場となる公園や文化財庭園など二十二公園において、トイレの洋式化に取り組んでおり、平成二十九年度末時点の達成率は約八〇%であります。
引き続き取り組みを推進することで、誰もが使いやすい公園づくりを実現してまいります。
○小林委員 かつて、都議会公明党として予算特別委員会でトイレの問題を多角的に取り上げ、都立公園のトイレの洋式化についてもただしておりますが、ぜひとも着実に推進していただきたいと思います。
また、トイレは便所ともいわれますが、便所をえんきょくにいう言葉として、ご不浄などという言葉もあり、不浄な場所、汚い場所と捉えていますが、一方で、トイレがきれいであること、清潔であることで、私たちの気分も全く違ったものになります。
そうした中で、私のもとに、上野恩賜公園のトイレが余りにも汚いというご意見が寄せられました。その後、他の先輩議員も同様のご意見を数々いただいていることがわかりました。我が党の女性議員が上野恩賜公園のトイレを利用した際、汚さとともにトイレ自体の古さも感じ、改修した方がいいのではないかとの感想も漏らしておりました。
都として、当然のことながら清掃に力を入れて取り組んでいると思いますが、多くの方々がパンダのシャンシャンに会いに来る上野です。また、東京二〇二〇大会時にはライブサイト会場にも予定されている上野恩賜公園です。今後どのようにトイレの美化に取り組んでいくのか、お伺いいたします。
○細川公園計画担当部長 上野恩賜公園は、日本を代表する美術館や博物館が集積し、国内外から多くの方々が訪れるなど、首都東京を代表する公園であります。
本公園のトイレについては、一日一回清掃を実施しており、また、園内巡回時にはトイレを点検し、汚れていた場合には、その都度清掃を実施しております。
今後は、誰もが快適に利用できるよう速やかに清潔な状態とするなど、トイレの清掃に、より一層力を注いでまいります。
○小林委員 この上野恩賜公園のトイレの問題は、非常に切実な問題だと認識しております。快適さを保つために、徹底した清掃に取り組んでいただくことはもちろんでございますけれども、今ご答弁にもありましたように、首都東京を代表する公園でもありますので、それにふさわしいトイレの環境整備、また、将来的なリニューアルもぜひとも検討していただきたいと思います。
あわせて、さきの第三回定例会では東京都人権尊重条例が可決し、性自認や性的指向の問題について、都として取り組む姿勢が示されました。
そうした中で、性的マイノリティーのトイレの悩みも多く、LGBTの方が気兼ねなく使用できるトイレのあり方も検討していかねばなりません。今後、都立公園のトイレについても、こうした視点を持って快適なトイレ環境の整備に取り組んでいただくよう要望したいと思います。
次に、都立公園の魅力発信という観点で二点お伺いします。
初めに、葛西臨海水族園です。
平成二十四年の第三回定例会の一般質問で、我が党の議員が、葛西臨海水族園に本格的に移動水族館を導入すべきと提案をし、以降、繰り返し都議会公明党として、実現に向け提案を続けてまいりまして、現在、移動水族館事業として運営されております。この葛西臨海水族園の移動水族館の平成二十九年度実績についてお伺いいたします。
○細川公園計画担当部長 移動水族館事業は、水族園に来園することが難しい方々に、水族園と同様に生き物の観察や触れ合い体験を提供することを目的にしたものでございます。
平成二十九年度は、特別支援学校を初め高齢者施設などの福祉施設や病院など六十四カ所で実施し、約一万八千人の方々に、海の生き物と一緒に楽しい時間を過ごし、生き物や自然の魅力を実感していただいております。
今後とも、教育プログラムの充実を図りながら、移動水族館事業を積極的に推進してまいります。
○小林委員 ありがとうございます。今後も、より多くの方々に、特に水族園まで足を運ぶことが困難な方々が身近に楽しんでいただくことができるよう、充実と工夫をお願いしたいと思います。
次に、井の頭恩賜公園についてです。
井の頭恩賜公園では、二〇一七年の開園百周年を目指し、池のかい掘りを進めてきました。平成二十九年度には三回目のかい掘りが実施されましたが、実施したかい掘りによる成果についてお伺いをいたします。
○細川公園計画担当部長 井の頭恩賜公園において、生態系の回復と水質の改善を目的として、平成二十五年度から、かい掘りを行ってきております。その結果、池で確認された在来種の割合が、平成二十五年度の一回目のかい掘りでは約二割、平成二十七年度の二回目では約四割、平成二十九年度の三回目では約九割と、池の生態系に大幅な変化が見られました。
また、六十年間生育が確認されていなかった絶滅危惧種イノカシラフラスコモが復活するなど、生態系の回復に大きな成果がありました。
今後とも、井の頭恩賜公園で得た知見を生かして、他の都立公園の池においてもかい掘りを実施し、大都市東京の貴重な生態系の保全を図ってまいります。
○小林委員 私は、昨年の第四回定例会の一般質問で、地元練馬区にある都立石神井公園が来年二〇一九年に開園六十周年の佳節を迎えることもあり、池のかい掘りを検討するなど、生物多様性の取り組みをさらに推進していくべきと質問させていただきました。
平成三十年度の予算には、都立公園の池のかい掘りを進める予算が計上され、今年度十カ所の池でかい掘りが実施されることが発表されましたが、その一つとして、来月には石神井公園の水辺観察園のかい掘りが実施されることが発表されました。
練馬区には、練馬新聞という新聞がありまして、練馬のさまざまな話題を報道する新聞なんですけれども、直近の十月二十日のこの練馬新聞に、石神井公園の池、かい掘り実施、水辺観察園、水を抜き水質改善、外来種駆除を目的に生態系の回復目指すという記事で、写真入りで実は報道もされております。地元の関心も非常にそういう意味では高くなっております。
石神井公園には、石神井池という最も大きな池もありますが、石神井池については、池の流量や水位等を把握する調査を実施し、その結果を踏まえて、池の水質改善方法などを検討していくとの答弁を昨年の一般質問でいただいておりますので、引き続き石神井公園の生物多様性の取り組みを推進していただきますよう要望いたしまして、質問を終わります。
○原田委員 それでは、当該年度、旧日本体育協会、現日本スポーツ協会の岸記念体育会館用地取得に向けた具体的な準備、そこに至る経緯についてお聞きしたいと思います。
当該年度十一月十四日付、代々木公園現日体協用地の整備について、建設局の資料です--と題する資料において、事業の流れの中で、当該年度における建設局の動きについて説明してください。
○関用地部長政策調整担当部長兼務 平成二十九年度につきましては、物件補償金の算定や土地価格の評価など、用地取得に伴う作業を行っております。
○原田委員 この建設局がつくった資料、事業の流れの一番上に掲げられているのは、一番に掲げられているのは何か、そしてそれがなぜ事業の流れの一番先になるのか。日体協用地の事業にかかわって、初めて都市整備局と協議を開始したのはいつになるのか、教えてください。
○日浦公園緑地部長 事業の流れの一行目でございますけれども、優先整備区域に設定と記載をしております。それはなぜかということでございますけれども、建設局が公園事業を進めるに当たりまして、関係権利者に事業の進め方を説明する際にも、優先整備区域の指定というところから始めております。
さらに、都市整備局と協議を開始した時期ということでございますけれども、協議を開始したのは平成二十六年十月でございます。
○原田委員 そうですね。当該年度における物件補償金の算定や土地価格の評価など、用地取得に伴う作業も、そのスタートは岸体敷地の優先整備区域の設定から始まるわけです。
私の質問では、平成二十六年、平成二十七年という年度が建設局の答弁からも出てくると思いますが、それは決してその当該年度、二十六年、二十七年のことを深く聞いているわけではなく、当該年度平成二十九年度の建設局の行政に深くかかわるからにほかならないわけです。他の委員におかれましては、そのことをぜひご理解いただきまして、質疑に注目していただければと。委員長もよろしくお願いします。
さて、優先整備区域の指定とは、一体何なのか。これを行うのは都市整備局ですので、改めてこの場でも簡単に説明します。
東京都は、まだたくさん残っている都市計画公園の計画地を実際に公園にしていく上で、限られた財源の中、計画的、効率的に公園を整備していこうと決めました。ここ、大事なんですね。限られた財源の中で、整備する効果が高い土地から公園にしていこうと、だから優先整備区域の指定というのが大事になってくると。
そこで、都市計画公園・緑地の整備方針というものにおいて、重点公園、緑地を指定しています。防災機能の強化や水と緑のネットワークの形成、レクリエーション機能等の指標に基づいて、重要な土地かどうかを吟味するわけです、この都市計画公園・緑地の整備方針というところで。
まず、ここに岸体用敷地は入っていません。選から漏れました。防災上も、環境上も、レクリエーション上も、特に緊急性が認められなかった土地だったわけです。
そこでお聞きします。
平成二十六年十月ごろから、岸体敷地の公園活用、こもれび広場の日体協新会館移転をめぐって、都市整備局と建設局の協議がこの平成二十六年十月ごろから始まっています。都市整備局からは、岸体敷地の公園活用、こもれび広場の、これ神宮外苑ですね、こもれび広場の新会館建設について、それぞれどのような目的、必要性があると説明を受けたのか。
○日浦公園緑地部長 当時の都市整備局の文書によりますと、岸記念体育館敷地につきましては都市計画公園であり、防災上、水と緑のネットワークの形成上、重要であることや、オリ・パラ開催を踏まえたオープンスペースなどのレクリエーション機能を拡充する必要があることなどから、早期に事業化を進める必要があると説明を受けております。
また、こもれび広場の新会館建設につきましては、神宮外苑地区にスポーツ関連団体本部機能を集約することは、スポーツクラスター構想の一環をなすものであるとの説明を受けております。
○原田委員 今の答弁は、極めて大事な答弁なんですね。
都市整備局は、建設局に対して当初から、岸体敷地は、防災や水と緑のネットワークの形成上、重要であることや、レクリエーション機能を挙げたということですね。
防災、緑、レクリエーション、三つのいずれの指標も、都市整備局、自分たちが平成二十三年、当時の三年前につくったばかりの都市計画公園・緑地の整備方針で重点公園選定に必要な指標なんですけれども、防災も緑もレクリエーションも。この指標から、岸体敷地は、早期に整備が必要な重点公園に指定されなかったわけです。
それが、この平成二十六年十月からの協議で、突然、防災や水と緑のネットワーク、レクリエーションとして重要だという話が舞い上がってきたと、自分たちで緊急性はないと示していたはずなのに。その当時からすれば、今さらおかしな話じゃないかという話になるわけですね。
その後、平成二十七年十月になって、一年後ぐらいですね、それまで都市整備局が遵守してきた重点公園、緑地の指定とか優先整備区域をふやすときには、緑確保の総合的な方針に記載がないといけないとか、都市整備局みずからがつくり守ってきたルールを突如として変更し、オリンピックが絡めば優先整備区域に拡大指定していいという、まさに岸体のためのルール変更が行われたわけです。
岸体は、オリンピック、具体的にはハンドボール競技の会場の不足を補うためとして、優先整備区域に指定されたわけです。
平成二十六年十月ごろから都市整備局は建設局との協議を開始し、翌年二月十三日には建設局から、皆さんから、岸体敷地の取得の意向を回答しています。
都市整備局から、このときまでに岸体敷地を五輪のハンドボールの運営地として活用するという旨の話はあったのか。なかったとしたら、正式かどうかにかかわらず、都市整備局から初めて五輪のハンドボールの運営地としての活用について、建設局に話があったのはいつか。
○日浦公園緑地部長 都市整備局から二月十三日までに話があったかというお話でございますけれども、大会運営用地として活用する旨の話等に関しましては、記録がございませんので不明でございます。
なお、都市整備局が作成いたしました三月四日付の文書におきましては、競技会場やライブサイトとなる国立代々木競技場及び代々木公園において、大会運営に必要な仮設施設等が設置可能となるオープンスペースの確保が必要である、さらに、オープンスペースの確保に当たっては、条件に合致する土地は岸体育館に限られるとの記載がございます。
○原田委員 そうすると、いつハンドボールの運営地として必要という話が建設局にあったかは不明だが、記録として残っているのは、平成二十六年十月の協議開始から半年も後の三月四日の都市整備局作成のもの、これが一番新しいものだと。平成二十六年十月から、岸体用地を買ってくれという話が都市整備局からあったわけです、建設局に。
しかし、ハンドボールの話が出てくるのはその半年後。しかも、それは本当に建設局に話したかどうかもわからない。もしかしたら都市整備局の内部の資料かもしれない。まだどこにも表明していない。
いずれハンドボールという理由をつければ、優先整備指定ができるのかどうかとかね、優先整備指定の話も知っていたのかどうかもわからないんですけれども、いずれにしても先ほどの答弁でもですね、どうも都市整備局の当初の説明では、岸体の敷地を公園にするのは、防災、緑地、レクリエーションのためというばかりで、オリンピックのハンドボール競技の運営地としてという説明はしていなかったようなわけですね。
しかし、この分科会の都市整備局の決算の質疑でも指摘をしましたが、優先整備区域指定の運営指針上は、オリンピックのために必要というのが、岸体が優先整備区域に指定される唯一の根拠なんです。これ以外の理由で、当初の整備計画で重点公園や優先整備区域に選考漏れした岸体敷地が、優先整備区域にいわば復活当選のような形で指定されるような行政上の仕組みはありません。
にもかかわらず、ハンドボール競技会場の運営用地の話が出る前に、都市整備局は岸体敷地の購入を建設局に持ちかけていたと、そういうことですね。
○日浦公園緑地部長 岸体育館の敷地につきましては、もう昭和三十二年に都市計画の決定をされた代々木公園、都市公園でございます。
そういった中で、二十六年の十月以降でございますが、都市整備局とさまざまに話をしてきたという中で、その三月時点で、オリンピックに関する用地が不足しているという話が出てきたということでございます。
○原田委員 三十二年に都市計画決定されているというのは、建設局の立場のときの話ですよね。重要なのが、私が聞いたのは、都市整備局は、ハンドボール競技会場の運営用地の話が出る前に、岸体敷地の購入を建設局に持ちかけていたということですねと、端的に聞いたんです。端的に答えてください。
○日浦公園緑地部長 はい、そのとおりでございます。
○原田委員 当時の岸体敷地の取得について、建設局としてはどのような理由で買うといっていたんですか。
○日浦公園緑地部長 繰り返しになりますけれども、都市計画の決定がもう昭和三十二年になされまして、いずれ公園として整備すべき土地であったということに加えまして、都市整備局の方からも、スポーツクラスターの実現ということで協力の要請があったということで、事業化をするということにしたということでございます。
○原田委員 いずれは買う土地だと。それはわかりますよ。
けれども、いずれ買う土地というのはもう膨大にある。二千ヘクタールぐらいあると。その中で、優先重要公園という指定があって、あるいは拡大する際には、緑確保の方針というものに基づいて優先整備区域を拡大していくとか、そういう厳密なルールがあったのを飛び越えて、むしろそのときには何の指定もない、そういう話もないのに、当時、優先整備区域に指定もされていない岸体敷地をなぜ買う必要があったんですか。
○日浦公園緑地部長 繰り返しになりますけれども、なぜ買う必要があるのか、優先整備区域でもないのになぜ買う必要があるのかというご質問かと思います。もちろん都市計画の決定に加えまして、都市整備局の方からは、スポーツクラスターという協力を要請をされたということで、その協力に応じるという形で買おうということでございます。
○原田委員 割と驚く答弁だった気がします。
角度を変えて聞けば、公園を買うときに、優先整備区域にも指定されていない土地の所有者から、私、ちょっとこの土地から引っ越したいんで、この土地買ってくれと、移転補償費出してくれといって買いますか。端的に答えてください。
○日浦公園緑地部長 一般的には、優先整備区域以外のものについては購入はいたしません。しかしながら、優先整備区域におきましても例外というのはございます。
○原田委員 そうでしょう。優先整備区域外の公園であったら、どんなに、いずれは公園にしたいと思っていても、重点公園、あるいは緑確保の総合的な方針に基づいて、そこに指定されていない公園を買うということは、これまでなかった話なんですよ、重要な公園でもないと。
そして、何よりも限りある財源を効率的にといってきた都市整備局、そしてその方針に基づいて購入を決めてきた建設局が、なぜここに来て、緊急性のない土地を緊急に買わなきゃいけなかったのか。ハンドボールのためだといっていたけれども、当初、ハンドボールのハの字も出てこないじゃありませんか。
我が党は、この問題については、既に二〇一六年ごろから再三都議会で質問してきました。ところが、いまだオリンピックに必要という理由づけが、いつどのようにして出てきたのか、三年たっても真相はやぶの中のままです。おかしいじゃありませんか。
地権者の協力が得られるタイミングとなったという理屈も話したりしていますけれども、むしろ緊急に整備する必要もないものを、地権者である日体協に特別の配慮をして、新会館をつくるための費用もつくってあげたと。日体協が、現地ではできないような高いビルを建てられる神宮外苑に移転できるように、建設局は岸体敷地の買い上げをさせられたというのが実態じゃありませんか。
重点公園でもない土地で、購入理由も二転三転するような土地、当該年度は、平成二十九年度は、このような土地の購入に対して百二十九億円もの莫大な予算要求という手はずを整えた年度でございます。限られた財源の中で、行政がとる行動ではありません。
二月十三日付資料において、建設局は、平成三十一年度まで間に合うように岸体敷地の購入をすると書いていますが、これは建設局の資料ですよね、二月十三日付資料。平成三十一年度まで間に合うように岸体敷地の購入をすると書いていますが、平成三十一年、何に間に合わせるのかと。
都市整備局の文書、平成二十七年二月二十三日付では、建設局の回答について要約した部分では、ラグビーワールドカップまでの日体協ビルの竣工に間に合うようにという文言がありますけれども、まさかそれですか。
○日浦公園緑地部長 先ほど来、優先整備区域云々ということが議論になっておりますけれども、優先整備区域、例外があると、抽象的にちょっと終わってしまったんですけれども、概成している公園緑地において、わずかに残る区域の事業化が必要となった場合ですとか、大規模用地や既に開園している区域に隣接する土地で、整備効果が高く、地権者の協力が得られるなど早期に事業化する必要が生じた場合というような形で、優先整備区域の拡大というのが認められているという中で、建設局としましては、都市整備局のスポーツクラスターの実現という要請に対して協力をしていくということで、三十二年、都市計画代々木公園として決定されていたわけですけれども、それを公園として事業化するということでございます。
また、その取り扱いにつきましては、関係局で一緒に連携して取り組んでいこうという方針も確認した中で、組織委員会の方からオリ・パラの関係の運営用地の話が来て、優先整備区域という指定がなされたと。こういう形で建設局としては代々木公園の整備をしているということでございます。
それで、ご質問の二月十三日いうことでございますけれども、二月十三日の資料には二枚ございまして、表の紙には、平成三十一年度まで間に合うようというふうに書いてございまして、裏にスケジュール表がついているわけですけれども、そこの三十一年度の欄には、ラグビーワールドカップという記載がございます。
○原田委員 長々と答弁されましたが、重要なのは最後ですよね。三十一年度までに間に合うようにと。それはラグビーワールドカップなんだと。
建設局は何で買ったのかといったら、ハンドボール競技のために買ったんですよ、岸体敷地は。それ以外に、この敷地が優先整備区域に指定をされて買うという道は絶対に開けないんです。
ところが、今あっけらかんと、二月の段階で、ラグビーワールドカップに、それまでに日体協の新ビルが建てられるように、そのために岸体敷地を買うと書いてしまっている、表明してしまっている建設局。
そうすると、建設局が事を急いだ理由は、専らラグビーワールド杯までに新会館をつくりたいという日体協の要望に応えたものでしかあり得ないわけじゃないですか。その要請の背後には、日体協の新会館建築を最初に当時の石原知事に働きかけ、その後も密接に都と相談を繰り返した森喜朗元首相の存在があるわけです。
本日の質疑を通しても、オリンピックを口実に、特定の団体のために都市行政や公園行政をゆがめて、特別な支援を行ってきた疑惑が濃厚になっています。
問題を主導しているのは都市整備局ですが、建設局としても真摯に検証し、都民に事実を明らかにすることを強く求めまして、次の質問に移ります。
〔日浦公園緑地部長発言を求む〕
○日浦公園緑地部長 建設局として、ハンドボールの会場のために買ったというようなお話がございますけれども、それは明確に否定させていただきたいと思います。あくまでも公園事業、公園ということで買って、事業化を図るということが一番であります。
先ほどの説明とちょっと重なるかもしれませんけれども、岸記念体育館の敷地というのは、そもそも三十二年に代々木公園として都市計画決定されて、本当に公園とすべき土地ということでございます。
その間に、スポーツクラスター実現に向けて都市整備局から協力を要請され、関係各局で、スポーツ関連団体の代々木公園早期整備の事業方針の決定に、都市整備局の関係局等と連携して取り組んでいくという方針を確認いたしました。平成二十七年の十二月には優先整備区域に指定をされ、事業を開始したと。
経過は、このとおりでございます。
○原田委員 平成二十九年度の自転車走行空間の整備について、特に島しょ部の整備についてお尋ねします。
都の計画にも書いてありますが、自転車は、子供から高齢者まで日々の通勤通学や買い物など、手軽に利用される交通手段であると同時に、大気汚染、地球温暖化ガスの排出がないという点で、環境への負荷が小さい交通手段として見直され、さらに近年の健康志向の高まりとともに、その利用が拡大しています。
しかし、その活用のためには、歩行者、自転車、自動車が、ともに安全で安心して通行できる道路の利用環境整備が欠かせません。
まず、平成二十九年度の自転車走行空間整備の予算と整備予定距離及び決算と整備実績について、資料もお願いしておりますが、お答えください。
○加藤道路保全担当部長 自転車走行空間につきまして、平成二十九年度の予算額は約二十三億円、整備予定延長は三十二・三キロメートルでございます。二十九年度の決算額は約十八億円、整備延長は二十三・六キロメートルでございます。
○原田委員 執行率で約八割、整備も計画に対して約七割ということですので、さらに頑張っていただきたいなと思っています。
都は、平成二十四年度に東京都自転車走行空間整備推進計画、平成二十七年度には自転車推奨ルートを策定し、自転車走行空間の整備を進めてきました。
しかし、この計画を拝見しますと、区部と多摩部の優先整備区間は選定されていますが、島しょ部については選定がありません。それどころか、そもそも計画全体の中に、区部及び多摩の地図が掲載されてはいても、島しょ部については地図すら一枚も掲載されていないと。これでは、都の施策の視野の外になってしまっているというような印象を受けてしまいます。
一方、島しょ部では、近年、みずから自転車を持ち込みサイクリングを楽しむサイクリストが格段にふえています。島しょ部の観光振興にとっても自転車の役割は高まっておりまして、都の島しょ部における自転車走行空間の整備の認識についてお伺いしたいと思います。
○加藤道路保全担当部長 都は、現在、東京都自転車走行空間整備推進計画等に基づき、自転車交通量が多く事故の危険性がある箇所や自転車乗り入れ台数が多い駅周辺などにおいて、優先的に自転車走行空間の整備を進めてございます。
島しょ部におきましては、自転車走行空間の優先整備区間を選定してございませんので、自転車は、道路交通法に基づき、原則として車道の左端を走行することとなってございます。
○原田委員 自転車走行空間は、自転車交通量が多く事故の危険性がある箇所を優先的に整備するということですが、島しょ部についても配慮して進めていただくことを要望するものです。
そこで、具体的にお尋ねします。
大島町には、島を一周する都道があり、この都道を使ったサイクリングの人気が上がってきています。そして、実はこれは東京都も評価をしていると。
東京都大島支庁はホームページをつくっていますが、ここにも、ランニング&サイクリングコース紹介のコーナーを設け、大島一周道路は約四十三キロメートルあり、高低差に富み、マラソンやサイクリングに最適ですと紹介しているわけです。
さらには、二〇一六年一月にはアジア自転車競技選手権大会、二〇一六年六月には全日本自転車競技選手権ロードレースが開催され、一流のアスリート選手たちによる熱い戦いが繰り広げられました。さらには、伊豆大島御神火ライドなど--ミカビと読むんですか--広く自転車愛好者に開かれた大会も行われ、サイクリストは今後もふえると考えられています。割と難しいですね、こういう漢字はね。
ところが、この道路には自転車走行空間がなく、自動車道路を走るため危険だとの指摘が絶えないわけです。大島町における自動車と自転車、歩行者との間の安全確保について、建設局としてどう認識していますか。あと、読み方も教えてください。
○加藤道路保全担当部長 大島町におきましても、自転車と自動車、歩行者との間の安全確保については重要だと認識してございます。
あと、私、自転車はそれほど趣味じゃないので、そこの大会の読み方は、ちょっと今現在わかりませんので、申しわけございません。
○原田委員 今、大事な答弁があったんです。大島町においても、自転車と自動車、歩行者との間の安全確保は重要だと認識していると。安全確保が重要だと。
では、大島町の都道、特に一周道路に対し、自転車道や自転車走行レーンのような自転車が走行しやすい空間を設けるなど、安全確保の仕組みをつくるため、町民の要望を聞き、検討することを求めるものですが、いかがでしょうか。
○加藤道路保全担当部長 大島町や大島支庁の意見を確認した上で、必要に応じて適切に対応してまいります。
あと、先ほどの読み方は、ジンカと読むそうでございます。
○原田委員 失礼しました。ありがとうございます。御神火ライドですね。
大島町や大島支庁の意見を確認した上で必要に応じて適切に対応と。結構な答弁だと思っています。自転車の活用が進むためには、やはり歩行者、自転車、自動車が、ともに安全で安心して通行できる道路の利用の仕組みや環境の整備が欠かせません。
本日は、大島町においても自転車と自動車、歩行者の安全の重要性について、都として認識が示されたことは大事なことであります。さらに島しょ部の声に耳を傾け、安全確保の仕組みづくりを進めていただくことを要望して、質問を終わります。
○上田委員 小池知事は、一昨年の知事選で、都民が決める、都民と進めると訴えて当選されました。この選挙戦の中で、優先整備路線となっている都市計画道路小金井三・四・一号線と小金井三・四・一一号線外について、市民団体、はけの自然と文化をまもる会が候補者アンケートを実施し、知事も回答したとされています。
つきましては、以下お尋ねします。
このアンケートと回答について局として把握しているか、いつどのように把握されたのか、お答えください。
○奥山道路建設部長 お話の市民団体はけの自然と文化をまもる会からの候補者アンケートと回答につきましては、平成二十八年七月に当該市民団体のホームページに掲載されております。これにより、建設局は把握をしております。
○上田委員 知事は、回答で、私は、都民が決める、都民と進めるとの基本姿勢をお示しいたしました、このことは私の信念でもあり、東京都の道路行政においても徹底してまいりたいと考えておりますと述べております。この点につきまして、ご所見を求めます。
○奥山道路建設部長 知事は、平成二十八年第三回定例会一般質問におきまして、この道路整備に当たりましては、さまざまな意見があることは承知しております、今後、道路の果たす役割や機能、そして環境にどう対応するかについては、市民との意見交換の場を設けて、一つ一つ丁寧に対応を行うよう指示したところでございますと答弁しております。
建設局は、この指示に基づき、環境や景観等について検討を行うとともに、地元の方々との意見交換会や説明会を開催しております。
○上田委員 一般質問でもご答弁いただきましたが、知事は、知事に就任させていただきましたら実際に巡視し、小金井市、小金井市議会、地域住民の皆様とも対話と回答していらっしゃいますが、就任から二年以上経ても巡視されたとは聞きません。まだ巡視していないのなら、その理由と、いつ巡視、対話を行うか、ご説明ください。
○奥山道路建設部長 知事は、平成二十八年第三回定例会一般質問におきまして、現場視察につきましては、状況を踏まえて判断をさせていただきますと答弁しております。
○上田委員 その判断を心待ちにしていらっしゃいますこの二路線についての沿線自治体、住民などへの対応状況について、成果と課題をご説明ください。
○奥山道路建設部長 小金井三・四・一号線のうち小金井市東町五丁目から新小金井街道までの区間と、小金井三・四・一一号線のうち東八道路から連雀通りまでの区間は、平成二十八年三月に策定しました第四次事業化計画の優先整備路線に位置づけられております。
このうち、小金井三・四・一一号線につきましては、昨年度に、本区間の整備に向け、環境や景観への配慮などにつきましてご意見を伺うことを目的に、沿道の自治会の代表者や公募による市民の皆様と意見交換会を二回開催しております。また、この意見交換会の内容を地域の皆様に情報提供することなどを目的に、説明会を二回開催いたしました。
主な意見としましては、整備を前提とした意見交換は求めていない、自然環境への影響が懸念されるなどの意見をいただきました。
本路線は優先整備路線に位置づけられており、自然環境や景観などに関する調査検討を実施し、意見交換を重ねるなど、丁寧に対応してまいります。
○上田委員 道路整備は、将来にわたるまちのレガシーとなっていくものであります。自然というのは、一度失うと二度と取り戻すことができません。地域住民の理解を得られなければ、負のレガシーともなりかねませんので、引き続き建設局としてのご努力を期待いたします。
自転車走行空間についてです。
舛添前知事が推進を手がけた自転車走行空間整備でありますが、小池知事となり、現時点の取り組みや方向性がどうなっているのかを確認したいと思います。
自転車走行空間の都道における整備実績と、それを受けてのこれまでの整備に当たっての課題とそれに対する対応を、区市町村や関係各局、各機関との連携状況も含めて伺います。
○加藤道路保全担当部長 都道における自転車走行空間につきましては、平成二十四年十月に策定した東京都自転車走行空間整備推進計画等に基づき整備を進めており、平成二十九年度末までに約百九十二キロメートルが完成してございます。
整備に当たりましては、限られた道路幅員の中での自転車走行空間の確保、沿道店舗の荷さばきや路上駐車への対応、接続する道路の管理者との調整など、さまざまな課題がございます。こうした課題に対応するため、接続する道路の管理者である国や区市町村等々との調整を図るとともに、交通管理者との協議を重ね、車道を利用した自転車レーンや広い歩道での構造的、視覚的分離など、地域の道路事情に応じた整備手法により、整備を進めてございます。
○上田委員 資料の方、八ページもいただきまして、二十九年度で達成率が八三%ということを確認させていただきました。
私どもの江戸川区は、おかげさまでかなり自転車レーンがふえてきたと実感しておりますが、お隣葛飾区に行った途端、がらっと状況が変わる感じでございます。
自転車レーンが激減すると、区境を越したなと思うぐらいでございます。このように、二十六市、二十三区の取り組みがかなりばらつきがあるように思うのですが、その点の所見と都の果たす役割を改めて伺いたいと思います。
○加藤道路保全担当部長 区市におきましては、地域の道路事情に応じ、自転車走行空間の整備に取り組んでございます。都といたしましては、国や交通管理者と連携し、区市等に対し整備事例等の情報共有を図るなど、技術的な支援を行ってまいります。
○上田委員 江戸川区は、レンタサイクル等もございまして、ママチャリも多いところであります、すごく子育て世帯が多くてですね。
となりますと、やっぱり事故の方が心配です。自転車走行空間の事故の把握の状況を伺いたいと思います。
○加藤道路保全担当部長 自転車走行空間におきます自転車に関係する事故の詳細については、把握しておりません。
なお、都内で発生した自転車の関与事故件数につきましては、警視庁の資料によりますと、平成二十九年中では一万九百四十九件でございまして、五年前の平成二十四年と比較すると、約三六%減少してございます。また、交通管理者等から安全対策の要請を受けるなど、必要な場合には、注意喚起の看板や路面標示など適切に対策を実施してございます。
○上田委員 建設局において、自転車に関係する事故の詳細については把握していないということを把握はさせていただきました。
では、自転車走行空間の整備に当たっては、安全対策についてはどのように検討がされていたのか確認したいと思います。
○加藤道路保全担当部長 自転車走行空間の整備に当たりましては、歩行者、自転車、自動車の交通量、駐停車車両や沿道の状況、道路幅員などの道路の状況を把握するための調査を実施してございます。
これらの調査結果に基づきまして、交通管理者との十分な協議の上、地域の道路実情に応じた整備手法を選定し整備に取り組むとともに、必要に応じて注意喚起の看板を設置するなどの安全対策も講じてございます。
○上田委員 自転車による痛ましい事故が連日のように報道されておりますことから、積極的に国や警視庁、区市町村など関係各機関と情報収集と検証をして、設計段階から事故防止に建設局は取り組んでいただきたいと思います。
ラムサール条約でございます。
おかげさまで、江戸川区の葛西沖の三枚洲、ラムサール条約の国の保護区になりまして、ドバイに行きまして、正式な承認を得る運びとなっております。これに向けまして、東京都も大変ご努力をいただきました。港湾局、それから環境局、さまざまな局が力を合わせてきたところであります。
建設局におきましては、葛西臨海水族園があります。これまでの目前の干潟、西なぎさ、東なぎさ、葛西海浜公園、三枚洲においての研究の実績をお示しいただければと思います。
○細川公園計画担当部長 東なぎさにおいては、平成十五年度から希少種であるトビハゼの生息状況調査を実施しております。また、西なぎさにおいては、地びき網や目視等による生物調査等を定期的に実施してございます。
○上田委員 それでは、葛西臨海水族園のそうした知見がどう関係各局と連携をし、ラムサール条約登録へ貢献してきたか、具体的にご説明ください。
○細川公園計画担当部長 葛西臨海水族園は、水生生物を中心に飼育展示しており、ラムサール条約の登録の基準となったスズガモ等の鳥類の生息状況調査には携わってございません。
なお、干潟の重要性については、東京の海エリアやトビハゼなどの干潟に生息する生き物の展示や観察会などを通じた普及啓発に取り組んでおります。
○上田委員 葛西水族園のあり方検討会がずっと開催され、報告書が十月ですかね、まとまったと思います。そこの中には、今後の水族園について、生き物の多様性にとどまらず、人の営みと海との関係性にスポットを当て、海の持続可能性を守るための取り組みが求められるとしています。
そのために、一日二十トン貝が食されてしまうんですね。鳥だけじゃなくて、貝は水生生物でございますので、これがたくさん食べられてしまうと、谷津干潟のように水質が悪化してしまうというような問題を懸念しているわけでございます。二枚貝資源の増大の課題認識を強く意識するべきだと私は考えております。また、地元の漁業関係者もこの点を指摘していることでございます。
これまで干潟を研究してきた葛西臨海水族園として、貴重な里海を守るためにどうするかの問題意識と取り組みを伺いたいと思います。
○細川公園計画担当部長 葛西臨海水族園は、トビハゼ等の希少種の飼育繁殖や調査研究、環境教育を通して生物多様性保全に取り組んでおります。
具体的には、葛西の海や東京の海などでの展示や、西なぎさをフィールドとした観察会等、教育プログラムを実施してまいりました。
○上田委員 そうですね。トビハゼもいいんですけど、二枚貝もお願いしたいという思いを込めまして、海洋環境保全に向けての葛西臨海水族園が関係各局と果たすべき役割、実績を伺いたいと思います。
○細川公園計画担当部長 葛西臨海水族園は、港湾局から上陸許可を受けるなどして、西なぎさや東なぎさ等において希少種であるトビハゼの繁殖生息状況調査や生物調査を実施しております。また、葛西海浜公園では、港湾局と連携して自然観察会に取り組んでおります。
○上田委員 葛西臨海公園は、陸のところまでは葛西臨海公園で、西なぎさに渡る橋のところから一歩入ると葛西海浜公園ということで港湾局というふうに所管が分かれてしまいますが、今連携しているということですので、局間連携をさらに重要にしていただきまして、環境局とも連携を果たして、里海の保全について知見を生かしていただきたいと思います。
建設局が所管する全ての海辺の動植物公園全体と関係各局、港湾、環境、産労等と連携した海洋保全の取り組みなんですが、今申し上げたこれを、具体的にご説明できればと思います。
○細川公園計画担当部長 葛西海浜公園を所管する港湾局が主催しております野鳥観察会に、葛西臨海公園の鳥類園スタッフを派遣してございます。また、小笠原諸島父島の大神山公園では、環境局と連携し、アオウミガメの卵の保護や亀柵の設置など、その保全に取り組んでございます。
○上田委員 ウミガメについては、またプラスチックの問題等々もありますが、こうした連携が図られていることも確認をさせていただきました。
こうした葛西臨海水族園については、同僚議員からも指摘がありましたところですが、環境面と地域貢献、振興の二つの観点からこの果たす役割を、移動水族館等の事例も先ほど挙がっておりましたけれども、詳細を教えていただければと思います。
○細川公園計画担当部長 トビハゼの飼育や生息状況調査など、東京都レッドリストに記載された動物種の飼育繁殖や調査研究により、環境保全で貢献しております。
また、環境面での取り組みとして、東京の海の展示や移動水族館の教育プログラム等により、東京湾に暮らす動物の生態を伝えております。さらに、多様な海の生き物を見て学ぶ場として、近隣の学校等に広く利用されております。
○上田委員 移動水族館は、江戸川区内の特別支援学校の児童生徒さんにも大変喜ばれております。こうした地域の住民や関係者、関係民間団体、NPOなどからの要望、提案等はどのようなものがあったのか、具体的な内容と対応状況を踏まえてご説明ください。
○細川公園計画担当部長 葛西臨海水族園は、葛西海浜公園の指定管理者である公益財団法人東京都公園協会から協力依頼を受け、西なぎさでの干潟観察会を実施しております。
また、河川のごみ問題の解決を目指すNPO団体からの依頼を受け、荒川河口域でのクリーン大作戦へ参加したほか、江戸川区等が主催する江戸川金魚まつりに協力してございます。
○上田委員 葛西臨海公園の質問、最後になりますが、防災公園でもあります。江戸川区のほか、地域と連携した防災訓練などの実績を問います。
○細川公園計画担当部長 葛西臨海公園ではこれまで、地元江戸川区や近隣の町会、自治会、警察や消防などと連携した防災訓練を毎年二、三回実施しております。
平成二十九年度は九月に、地元の方々で構成される防災ボランティアと連携し、親子で公園内にテントを張って宿泊して、かまどベンチを使用した非常食づくりなどを体験する防災キャンプを実施しております。また、十一月には、江戸川区や十二の近隣町会、自治会や消防団、多くの団体の参加を得て、防災トイレの組み立て訓練や応急手当などを実施するとともに、緊急物資の積み込みやけが人の輸送訓練を、水上バスも活用して実施しております。
○上田委員 葛西臨海水族園が、環境学習からまた、こうした海洋生物を地域の皆さんに見ていただくということ、そして防災にわたるまで、大きく貢献していただいていることがわかりました。
資料の一三ページなんですけれども、一応、動植物園はほぼほぼ達成をしているんですが、目標をですね。残念ながら葛西臨海水族園と神代植物公園が、あともう一歩というところであります。せっかくラムサール条約が決まりまして注目されているところなので、なお一層の集客に努めていただければと思います。
動植物園におきますバリアフリー、アクセシビリティーについてお尋ねいたします。
一四ページの方に資料を提出していただきました。バリアフリー、多言語対応に関する要望、苦情があれば、もし事故があれば、その事故の状況につきましてご説明いただければと思います。
○細川公園計画担当部長 これまでも、子供から高齢者まで幅広い年齢層の方や海外の方が多く訪れる動植物園においては、バリアフリー化や多言語化の対応に取り組んでまいりました。
平成二十九年度の都民の声など都に寄せられた要望や苦情について見ると、動植物園のバリアフリー化、多言語対応に関するものはございませんでした。また、動植物園内で発生した事故としては、平成二十八年度に恩賜上野動物園において一件発生してございます。
○上田委員 おおむね満足度が高そうなところが確認できました。
一方、事故への対応状況について、一般的な対策と実際に生じた事故対応についてご説明ください。
○細川公園計画担当部長 一般的な対策としては、日常点検の中で危険が予見される箇所については、速やかに安全確保のための適切な対応を実施しております。
平成二十八年度に恩賜上野動物園内で発生した事故につきましては、園地の舗装の凹凸について、高齢者の来園者がつまずき、けがをしたものでございます。この事故の後、速やかに舗装の改修を行い、凹凸をなくしました。その後も再発防止に努めており、本事故以外には施設のバリアによる事故が発生してございません。
○上田委員 施設の事故は早急に対応して、そこに対するクレームはないということであります。同僚議員が、やはりお手洗いの指摘があったということで、そこは私も注目していきたいと思います。
また、障害者、高齢者などハンデのある利用者へのサポート、接遇について、現場の対応の徹底をするために、職員のスキル向上の取り組みについてご説明いただければと思います。
○細川公園計画担当部長 障害者や高齢者など全ての来園者が園内で快適に過ごせるよう、車椅子の貸し出しや誰でもトイレの案内など、来園者に応じた適切なサポートを行うため、接遇研修を実施しております。
特に、来園者が多い恩賜上野動物園では、障害者手帳などをお持ちの方とその付き添い者につきまして、優先入場口から入場できる旨をホームページで周知するとともに、現地では案内板を設置し、案内員が誘導しております。また、動植物園では、障害者や高齢者の体調の急変に備えて、職員が救命救急講習への参加など知識、技能の習得にも努めております。
○上田委員 ありがとうございます。そもそも視覚障害者の方などは、そういった看板等も見れませんことから、先んじての対応をお願いしたいということはかねがね思っていたところでありますが、研修状況を把握させていただきました。
同じように、外国人のサポート、接遇について、そのための取り組みの方はどうなっているのか、お尋ねいたします。
○細川公園計画担当部長 恩賜上野動物園を初めとした動物園、水族園の四園及び神代植物公園では、職員のコミュニケーションスキル向上のため、英会話研修を行っております。また、動物園、水族園の四園では、複数言語対応の翻訳アプリを取り込んだタブレット端末も活用し、外国人とのコミュニケーションを図っております。
○上田委員 障害者差別解消条例も施行され、今後ますます障害者は、また建設局のお取り組みでアクセシビリティーもよいということで、積極的に都の動植物園に来ていただくようになると考えます。また、オリ・パラも踏まえ、外国人観光客も多数訪れることも予想されます。当事者の声を受けとめていただき、続いての取り組みを希望いたします。
次に、延遼館です。
舛添前都知事時代に突如発表され、小池知事となり、一旦立ちどまることとなった延遼館復元構想について、これまでの経緯を改めてご説明ください。
○細川公園計画担当部長 東京二〇二〇大会に向けて、外国の賓客をもてなす場として延遼館の復元も含めて検討がなされ、平成二十七年度予算に延遼館の復元に向けた調査及び基本設計の経費が計上されております。
その後、平成二十八年八月まで基本設計を行い、建設コストや将来の維持管理コストを検証した結果、延遼館の復元については見直すこととなりました。
なお、本件については、平成二十九年度は事業を実施してございません。
○上田委員 事業を実施していないということですが、一応九ページの方の資料、基本設計の方を取り寄せさせていただきました。実施はしていないということではございますけれども、この状況について確認をさせてください。
○細川公園計画担当部長 平成二十七年九月から基本設計を実施し、平成二十八年八月に完了しております。基本設計では、遺構調査等の結果を踏まえ、外観は往時の姿に復元し、建物内部は現代のニーズに対応した設計としております。
○上田委員 その遺構調査の方ですけれども、どのように現状なっているのか、状況を伺いたいと思います。
○細川公園計画担当部長 延遼館の復元に必要となる遺構調査に関しましては、平成二十七年度と二十八年度に実施しております。建物の礎石などの遺構は、往時の状況が知ることができる良好な状態で地下に残されていたことを確認し、記録保存してございます。
○上田委員 そもそもなんですけれども、これまで中央区及び地域住民から、この延遼館の復元及び建設の希望はあったのでしょうか。また、延遼館以外に、浜離宮恩賜公園でどのような要望があったのかについても確認させていただきたいと思います。
○細川公園計画担当部長 延遼館に関しては、平成二十八年度に生活文化局の都民の声や建設局への電話、電子メール等で複数意見が寄せられ、復元については反対の声や賛成の声など、さまざまなものがございました。また、延遼館以外に本庭園に迎賓施設を建設する要望はございませんでした。
○上田委員 延遼館、最後の質問になりますが、今までのやりとりを踏まえまして、知事及び各局との庁内検討状況についてご説明ください。
○細川公園計画担当部長 延遼館を復元した場合の利活用の方法等について、平成二十七年度に関係各局と検討を行っておりました。
○上田委員 私はかねてより、賓客のおもてなしは、国が貸し出しをしてくれている赤坂の迎賓館など国の迎賓施設や民間活性化に寄与するホテルなどの活用を提案してまいりました。小池知事も、既存施設の活用もワイズスペンディングのもと、提起されております。
がらっと視野を変えれば、さきの質問で外国人対応など積極的に取り組むことが確認できた建設局が所管する動植物園でのおもてなしなども、賓客は大変喜ばれると思います。屋上屋を重ねる豪華賓客施設ではなくて、浜離宮恩賜公園はバードウオッチングなども中央区では開催されていることから、延遼館は中止し、東京の海の魅力と自然環境整備に投資すべきと申し上げ、次の質問に移ります。
霊園、葬儀所についてです。
瑞江葬儀所のあり方につきまして、資料が出ていたと思うんですけれども、一六ページですね、江戸川区からの要望提案、それに対する都の対応と所見も含めて具体的にご説明ください。
○日浦公園緑地部長 瑞江葬儀所のあり方につきましては、葬儀所が所在する江戸川区との間で、平成十五年度以降意見交換を行ってまいりました。平成十九年度からは、江東区、墨田区、葛飾区も加えて協議を行うとともに、広く都区のあり方全体を検討する場におきまして、運営主体の検討を続けてまいりました。
平成二十二年六月、都区のあり方検討の中で、瑞江葬儀所の運営主体につきまして、都は、区へ移管すべきものと評価をし、区は引き続き都が担う方向でと評価をしたため、都区の役割の是非を引き続き検討すべき事務ということで整理をされました。
その後につきましては、都と江戸川区では、瑞江葬儀所に関しましてさまざまな事項での情報交換を重ねております。
○上田委員 この瑞江の葬儀所については、東日本大震災のときも大変ご貢献いただきまして、非常に重要な都立の葬儀所というふうな位置づけにあると思います。都民、区民にとって一番効率的かつ最適な運営となる瑞江葬儀所として、都と区の役割の是非を今後も検証していっていただきたいと思います。
また、資料ですけれども、一八ページですね、霊園は利用者により適正利用されているものと資料により判断させていただきました。
ただ、昨今はさまざまな埋蔵形態がありますが、それぞれの傾向についての所見をお示しください。
○日浦公園緑地部長 都立霊園には、一般埋蔵施設や芝生埋蔵施設、立体埋蔵施設のように個別に使用する形態の墓所と、それから合葬埋蔵施設や樹林墓地、樹木墓地のように共同で使用する形態の墓所がございます。
個別に使用する形態の墓所につきまして、過去三カ年の倍率を見てみますと、平成二十七年度で六・七倍、二十八年度六・一倍、二十九年度五・八倍と推移しております。
共同で使用する形態の墓所の過去三カ年の倍率につきましては、平成二十七年度六・二倍、二十八年度五・七倍、二十九年度五・四倍となっております。
個別に使用する形態の墓所、それから共同で使用する形態の墓所ともに、この数年間の倍率を見ますと五倍を超えておりまして、都立の霊園が都民の関心の高いものと受けとめております。
今後とも、都民ニーズに対応した墓所の供給に努めてまいります。
○上田委員 樹木葬では粉骨として埋葬しておりまして、海への散骨も今人気が急増していると思います。粉骨の需要は高まっていると思いますけれども、また、焼き切りなど多様な形態の火葬についての要望が葬儀所などにおいてあったのか、その需要は都はどう受けとめているのか、現状を確認したいと思います。
○日浦公園緑地部長 瑞江葬儀所におきまして、粉骨への加工ですとか遺骨を焼き切るというような要望を受けたことはございません。
○上田委員 ありがとうございました。きっとそのまま受けて、都民の皆様は、その後加工等々しているのかなというふうにも感じました。
いずれにしろ時代の変化に合わせた多様な葬儀については、今後も視野を広めていただきたいと思います。
調達と入札についてでございます。資料が、一〇ページからの入札関係の資料を見ていただければと思います。
小池知事都政となってから、入札制度改革の成果と今後に向けた課題を事業局としてどのように考えているのか、まず総括的にお答えください。
○今村総務部長 平成二十九年度に実施された入札契約制度改革の試行におきましては、応札者数が増加するとともに、一者応札の案件が減少するなどの成果がございました。
一方、予定価格の事後公表に伴う中小企業の積算負担の増、あるいは一者入札の中止による事業進捗への影響の懸念など、試行を通じて明らかになった課題もございます。こうした課題への対応を図った上で、本年六月からの本格実施に移行したものと理解しております。
○上田委員 資料によりますと、随契は微減傾向にありますけれども、不調件数が急増している点に関してはどのような影響が発生しているのか、それを受けた対策についてのご所見をお聞かせください。
○今村総務部長 入札が不調となった場合、当初予定した工期がおくれるなど、事業の進捗に影響を及ぼすおそれがございます。
このため、不調が発生した場合、発注の内容や方法を見直し、速やかに再発注をいたします。また、入札の不調を減らすため、適正な予定価格や工期の設定、発注時期の平準化など、入札に参加しやすい環境づくりに取り組んでおります。
○上田委員 やっぱり一番工事を抱える現場が多い建設局がしっかりと声を届けて、工事の入札制度を財務と力を合わせて実現していただきたいと思います。
次は、監理団体、報告団体についてであります。
私は、可能な限り民でやれることは民でというようなことで提言をしてまいりました。動物園協会は三割、公園協会は二割弱が派遣OBで占められており、東京都道路整備保全公社は、特筆してOB登用が多くなっております。一番最後のページですけれども、これそれぞれについての必然性についてご説明ください。
○今村総務部長 建設局所管の監理団体は、都政グループの一員として局事業と密接に関連する事業を担っております。東京動物園協会は恩賜上野動物園を初め動物の飼育展示業務など、東京都公園協会は都立公園などの維持管理や土砂災害警戒区域指定の補完業務など、また、東京都道路整備保全公社はマンションや木密地域の用地取得や無電柱化事業の設計施工など、建設局と一体となって事業を推進しております。
これら各団体の事業を円滑に実施するためには、専門的知識やノウハウを持つ人材が必要とされることから、各団体は業務に応じて、動物飼育、造園、土木といった職種の都派遣職員や都の退職者を活用しております。
特に、ご指摘のあった東京都道路整備保全公社が受託する無電柱化や木密地域の用地取得などは、都の重点事業で事業量も多く、早期の事業完了が求められることから、即戦力として多くの都の退職者を活用しているところでございます。こうした人材が各団体及び都の事業執行に貢献していると認識しております。
○上田委員 即戦力の退職者と、あとは専門職種ということは確認させてはいただきましたが、引き続き傾向の方は定点観測をさせていただきます。
最後の質問になります。国庫補助金と国直轄事業についてです。
国直轄事業についてお伺いします。
国と都の事業連携と役割分担は、建設局においてはどのようになっているのでしょうか。
○鹿田総合調整担当部長 国みずからが執行する直轄事業につきましては、道路法第五十条や河川法第六十条などの法令に基づき、その経費の一部を地方公共団体が負担することとなっております。国から直轄事業に関する情報提供を受けるとともに、意見交換等を行っております。
○上田委員 では、気になる金額です。平成二十九年度における国直轄事業の国と東京都の負担額を改めて確認させてください。
○鹿田総合調整担当部長 平成二十九年度の負担額ですけれども、国が直轄施行する道路事業等における国の負担基本額は八百五十六億円、このうち都の負担額は二百五十五億円。同様に、河川事業等における国の負担基本額は二百十六億円、このうち都の負担額は七十一億円です。
○上田委員 三百億を超す金額ということですが、事業選定や負担額について、都はどのような決定権を持っているのか、ご説明いただければと思います。
○鹿田総合調整担当部長 事業選定については、国の事業として国が決定しております。負担額につきましては、法令に定められた負担率に基づき、その額が決定されております。
○上田委員 額が額ですので、国に対しまして、都の意思が反映されるよう、どのような働きかけをしてきたのか、取り組み状況と成果をお答えいただければと思います。
○鹿田総合調整担当部長 都と国は、毎年、一般に公開の上で事業連絡協議会を開催しており、国が実施する事業の内容や進捗状況などの情報提供を受けるとともに、意見交換などを行っております。平成二十九年度は、五月に実施いたしました。この協議会により相互の連絡調整が図られ、事業の円滑な推進に寄与していると認識しております。
○上田委員 都市整備のときも申し上げましたけれども、これ大阪でも橋下徹大阪府知事が、まさに大批判をしまして、国と対決をしたことでございます。国直轄事業の支出済額は三百二十六億三十八万三千四百六十三円ですが、国庫支出金は三百六十六億三千六百三十一万一千円、差し引きプラス四十億三千五百九十二万七千五百三十七円となっておりますが、マイナスの場合は全て都民の負担として回ってきます。偏在是正措置もあっても、泣き面に蜂というような状況でございますが、こういうふうにツケ回しをされない努力をぜひ建設局でも頑張っていただきまして、これが日本全体に波及することを期待しまして、質疑を終わります。
○伊藤委員 では、私の方から、まず初めに、特定整備路線の整備について伺ってまいりたいと思います。
ことしの六月に震度六の大阪北部地震が発生をして、先月には震度七の北海道胆振東部地震が発生をしました。昨日も、宮城県沖や与那国島近海で地震が起きております。首都直下地震がいつ襲ってくるのかわからないとこういわれている中、震災時に特に甚大な被害が想定される木造住宅密集地域の防災対策の強化は、喫緊の課題であります。
都は、平成二十四年一月に木密地域不燃化十年プロジェクトを策定し、不燃化特区の取り組みと特定整備路線の整備を進めております。
特定整備路線の整備には、着実な事業用地の確保が重要でありますが、現在の用地取得の状況を伺うのとともに、そして何よりも、都の事業に協力をいただく方々の生活再建支援の取り組み状況について伺います。
○関用地部長政策調整担当部長兼務 特定整備路線は、木造住宅密集地域において、都民の生命と財産を守る極めて重要な道路でございます。特定整備路線の用地の取得率ですが、平成三十年三月末時点で約四割でございます。
用地取得に当たりましては、関係権利者お一人お一人に事業の必要性や補償の考え方につきまして丁寧に説明しながら進めております。また、民間事業者のノウハウを活用した相談窓口を設置いたしまして、関係権利者の生活再建をきめ細やかに支援しています。さらに、住みなれた地域で暮らし続けたい関係権利者のニーズに応えるため、代替地として活用できる事業残地を積極的に取得しております。
引き続き、関係権利者の理解と協力をいただきながら用地取得を推進してまいります。
○伊藤委員 都全域的には、特定整備路線の用地取得率は四割まで進んでいるということで、空間が確保されたことで延焼遮断帯に一定の効果が出てくるのかなというふうには思います。
しかしながら、私の地元の品川区、補助二八、そしてまた二九、放射二号、こうした特定整備路線があるわけでありますけれども、ほとんど進んでいない地域も地元では見受けられます。恐らく二割いっていないんじゃないかなというふうに思いますけれども、一方、更地化をされた箇所が徐々にふえてきている地域もあるのも事実でありまして、部分的にでも事業効果を早期に都民に還元していくことが大切だというふうに思います。
そこで、これまでどのように工夫をしながら特定整備路線を整備してきたのか、また、今後どのように進めていくのか伺いたいと思います。
○田中道路計画担当部長 特定整備路線の整備に当たっては、お話のとおり、用地取得が進み、空間が確保されていくことで延焼遮断の効果が発揮されると考えております。
現在、用地が確保できた箇所から順次工事を実施しており、補助第二六号線三宿区間など五区間で工事に着手しております。また、道路が整備されるまでの間も、事業用地を活用し、暫定的な歩行者空間を整備するなど、早期の事業効果発現に取り組んでおります。
今後も、事業効果の見える化を進め、地元の理解と協力を得ながら全力で整備を推進し、燃え広がらないまちを実現してまいります。
○伊藤委員 事業用地を活用して整備効果を都民に見える形で示していくこと、そしてまた、効果を還元していくことも重要だろうというふうに思います。特定整備路線は、市街地の延焼遮断や避難路、緊急車両の通行路となりまして、地域の防災力の強化に大きな効果を発揮するというふうに思います。どうか引き続き、くれぐれも関係権利者の方々に対して丁寧に、しっかりと寄り添って、その方の身になって相談に乗っていただきたいし、そしてまた一方では、整備を着実に推進をしていただきたいというふうに思います。
次に、都市計画道路について伺います。
道路の整備は、円滑な交通の確保はもとより、地域の防災性の向上にとっても不可欠であり、都民が安心して暮らせる都市づくりを進めるためにも、道路ネットワークの早期整備が重要であります。
私の地元の品川区は、南北に走る国道や都道が充実をしておりますけれども、しかしながら東西を結ぶ道路が弱い、これが以前から指摘をされております。これは利便性の問題だけではなくて、防災上も、この東西の道路が弱いというところは非常に問題があるわけでありまして、今品川区で施工中の補助二六号線豊町は、品川区を東西に結ぶ重要な路線であるわけですけれども、その開通は品川区民の長年の念願であります。
この路線は、事業開始から長い年月が経過しておりまして、平成三年からスタートしているというふうに聞いておりますので、平成三年ですから、平成に入ってすぐです。もうすぐ元号変わってしまいますので、これは相当長い時が経過をしているわけであります。しかしながら、いまだ開通に至っておりません。
そこで、補助二六号線豊町のこれまでの取り組みについて、まず伺いたいと思います。
○奥山道路建設部長 都市計画道路補助第二六号線は、環状第六号線と環状第七号線の間に位置し、品川区東大井一丁目から板橋区氷川町に至る延長約二十二キロメートルの路線であり、交通渋滞の緩和に資するとともに、防災性の向上にも寄与する広域的な骨格幹線道路でございます。
このうち豊町区間は、JR東海道新幹線、横須賀線及び東急大井町線と立体交差する品川区二葉一丁目から同区豊町二丁目までの六百六十五メートルの区間で、お話のとおり平成三年度に事業に着手いたしました。
これまでに、必要な事業用地のうち九九%を取得しており、約五百メートルの区間でトンネルや街路築造などの工事を実施いたしました。現在、東急大井町線下神明駅付近で道路と民有地の境界などに設置します擁壁工事の準備を進めております。
○伊藤委員 この二六号線ですけれども、JRの新幹線の真下をこのトンネルが通るということで、非常に難しい工事であるということで、私も、また地域の方々も、大変なんだろうなというふうに思っておりましたけれども、さらに工事の入札不調が続いているということも聞いております。開通が何度も先延ばしにされてまいりましたけれども、地元としては、東京二〇二〇大会までの開通を切に望んでおります。
そこで、開通の見通しについて伺いたいと思います。
○奥山道路建設部長 本路線は、鉄道の直下を通る構造となっており、鉄道に影響を与えないよう慎重な施工が求められることから、施工方法の検討や困難度の高い工事に期間を要しました。
開通時期につきましては、事業認可上、今年度末としておりますが、お話のとおり、擁壁工事でたび重なる入札不調が発生したことなどにより、二〇二〇年度末となる見込みでございます。
引き続き、地元の皆様や地元区の理解と協力を得ながら鋭意工事を進めてまいります。
○伊藤委員 先ほど申し上げたとおり、二六号線の開通は品川区民の長年の悲願であります。当初は、二十九年度中にはといっていた。その次に三十年度中にはといってきた。そして今度は、入札不調のため、東京二〇二〇大会に間に合わないと、こういうふうにいわれております。たびたび先延ばしをされ、がっかりしております。
どうか建設局、局長を初め建設局幹部の皆さんは、第二建設事務所であったり、中央環状品川線にかかわっていただいたり、品川区民の気持ちをよくわかっている方々でありますので、何とか二〇二〇大会、間に合うように努力をしていただきたい。答弁は求めませんけれども、よろしくお願いいたします。
次に、ことしの夏は記録的な猛暑でありました。連日三十五度を超える日々が続いた、災害ともいわれた酷暑でありました。この時期に開催される東京二〇二〇大会では、暑さ対策が重要であります。
東京大会まで二年を切った中、都道の暑さ対策の一環として、都は、遮熱性舗装などの整備に取り組んでおりますけれども、これまでの状況と今後の取り組みについて伺います。
○加藤道路保全担当部長 現在、都では、ヒートアイランド対策の一環として、センター・コア・エリアを中心とした重点エリアで、路面温度の上昇を最大八度程度抑制する遮熱性舗装などを路面補修工事に合わせて実施してございます。東京二〇二〇大会までに、マラソンコースを含む都道において遮熱性舗装などを約百三十六キロメートル整備する計画でございまして、平成二十九年度末で約百十六キロメートルを完了いたしました。
今後とも、東京二〇二〇大会に向け、残る二十キロメートルを着実に整備してまいります。
○伊藤委員 東京大会までに、マラソンコースを含む都道の遮熱性舗装は着実に進んでいるということはわかりました。
一方で、マラソンなどを沿道で応援する人たちの暑さ対策も喫緊の課題であります。マラソンコースには遮熱性舗装を施している。沿道には、樹木によって日陰をつくるなどの対策が必要と考えますけれども、街路樹の木陰確保による暑さ対策について、都の見解を伺いたいと思います。
○細川公園計画担当部長 東京二〇二〇大会に向けた暑さ対策として、夏の強い日差しを遮る木陰をより多く確保するため、街路樹の樹形を大きく仕立てることは有効であります。
一方、街路樹の樹形を拡大する上では、枝の落下や病害虫の発生、信号や標識の視認性への影響、沿道建物や電線などとの干渉など多くの課題があり、きめ細かな剪定手法が求められております。
そこで、マラソンコースなどの都道のうち、樹冠拡大が必要な箇所について、目標樹形と剪定手法を示した維持管理計画書を作成し、平成二十九年度は計画的な剪定に着手しております。
引き続き計画的な剪定を進め、東京二〇二〇大会時には、より多くの木陰を確実に提供できるよう、樹形拡大を図ってまいります。
○伊藤委員 木を茂らせて日陰をつくると一言でいっても、そうはいっても、例えば冬になれば、その分だけ落葉も多くなって、整備も大変だろうというふうに思います。ただ、申し上げたとおり、マラソンを走る選手をしっかりと守っていく、また沿道に駆けつけた応援される方々もしっかりと守っていく、こうした観点で安全な木陰をぜひ広げていただきたい、このように思います。
次に、目黒川の整備と臭気対策について質問します。
近年、豪雨や台風による被害が各地で発生をし、巨大化しているのも事実であります。東京でも同様の傾向があって、このような状況において水害から都民の生命や財産を守るには、より一層河川事業を推進することが重要であります。
私の地元品川区では目黒川が流れており、かつては豪雨の際に溢水した経緯もあり、都はこれまで、河川整備を進め、目黒川の水害に対する安全性を高めてきたのはよくわかっております。
そこで、目黒川における河川整備の進捗について伺います。
○村井河川部長 目黒川は、目黒区の国道二四六号の大橋から品川区東品川一丁目の東京湾までの延長約七・四キロメートルの区間で河川整備を進めております。
平成二十九年度末現在、品川区内の東海道新幹線交差部の三嶽橋上流と国道一号の五反田大橋上下流の二カ所を除く約七・二キロメートルの護岸整備が完了しております。
○伊藤委員 目黒川の河川整備は、全体的にほぼ完了しているということでありましたけれども、今の部長の答弁にありましたとおり、残る区間二カ所、約二百メートルなんですね。この整備に時間を要していると聞いております。せっかく河川整備を進めても、未整備区間があれば、いざ記録的な、そして想定外の豪雨に見舞われたときなど、そこから被害が拡大するおそれがあるわけであります。
未整備区間となっている理由と取り組み状況について伺いたいと思います。
○村井河川部長 未整備区間は、これまでも工事発注をしておりましたが、入札参加者の辞退などにより、契約に至っておりません。
引き続き、入札参加者へのヒアリング結果を踏まえまして施工方法などを再検討いたしますとともに、発注方法を見直した上で契約手続を行いまして、未整備区間の整備を進めてまいります。
○伊藤委員 先ほど質問いたしました都道補助二六号線豊町、そして今聞いているこの目黒川の河川未整備区間、これもともに入札不調によるものなんです。これは、都民の期待に私は応えられないというふうに思いますけれども、局長、聞きはしませんけれども、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
申しわけないんですけれども、都のさまざまな所管局がある中で、建設局、ハード部門ですよね、ハード対策部門を担うこの建設局、例えば道路の問題もしかり、特定整備路線の問題もしかり、これからも聞きますけど、川のことも、我々都議会議員が都民の皆様から指摘されることが非常に多いわけであります。どうかこのハード部門の建設局の前に、しゃれじゃないんですけど、ハードの点々をとって、ハートのあるハード部門の建設局としてしっかりと取り組んでいただきたい、このように思います。
次に、目黒川の水質について伺いますけれども、この水質は、以前に比べては改善をされてきております。現在では、BOD、水質をはかる指標の一つですけれども、BODの環境基準値についても達成していると聞いております。目黒川の水質の改善に向けたこれまでの取り組みについて伺いたいと思います。
○村井河川部長 河川管理者であります地元区は、水質改善を図るため、日常の維持管理の中でしゅんせつや清掃などを行っております。また、平成二十九年度には都におきましても、品川区の市場橋から目黒区の太鼓橋までの約六百メートルの区間におきまして、船舶により大規模なしゅんせつを実施いたしました。
○伊藤委員 水質改善に向けたしゅんせつや清掃などの取り組みを行っているということでありました。
しかし、潮の満ち引きの影響を受ける、いわゆる感潮区域では、夏場を中心として、河川沿いの住民から毎年、臭いという苦情をいただいているのが現状でございます。
都は、地元区と連携し、積極的、主体的に臭気対策を推進していくべきであると考えます。目黒川の臭気対策について、今後どのように取り組んでいくのか伺います。
○村井河川部長 都は、目黒区、品川区、世田谷区とともに、平成二十九年度から目黒川水質浄化対策評価委員会におきまして、においの原因となっている底質の改善に向けて、区が実施いたしました現地実験や臭気調査をもとに、臭気対策を検討しております。
今後も引き続き、実験や調査に必要な費用の財政的支援を行うなど、河川管理者であります地元区と連携してまいります。
○伊藤委員 区が行う実験や調査への支援もしっかりと取り組んでいただくほか、都としても、例えば有識者や専門家の知見も取り入れて、抜本的な対策を実行していただきたいと強く要望し、また、建設局を今後もしっかりと応援していくことをお誓いし、質問を終わります。
○小宮委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、ご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小宮委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で建設局関係を終わります。
これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
午後五時五十二分散会
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