委員長 | 栗下 善行君 |
副委員長 | 佐野いくお君 |
副委員長 | 高橋 信博君 |
副委員長 | 藤井 一君 |
理事 | もり 愛君 |
理事 | 遠藤 守君 |
理事 | 菅原 直志君 |
理事 | 細谷しょうこ君 |
理事 | 小宮あんり君 |
理事 | とくとめ道信君 |
けいの信一君 | |
池川 友一君 | |
加藤 雅之君 | |
滝田やすひこ君 | |
内山 真吾君 | |
川松真一朗君 | |
小松 大祐君 | |
柴崎 幹男君 | |
宮瀬 英治君 | |
斉藤やすひろ君 | |
栗林のり子君 | |
あかねがくぼかよ子君 | |
関野たかなり君 | |
つじの栄作君 | |
いび 匡利君 | |
原 のり子君 | |
増田 一郎君 | |
両角みのる君 | |
ひぐちたかあき君 | |
里吉 ゆみ君 | |
本橋ひろたか君 |
欠席委員 なし
出席説明員会計管理局長 | 土渕 裕君 |
教育長 | 中井 敬三君 |
東京都技監都市整備局長兼務 | 邊見 隆士君 |
政策企画局長 | 遠藤 雅彦君 |
総務局長 | 多羅尾光睦君 |
財務局長 | 武市 敬君 |
主税局長 | 目黒 克昭君 |
生活文化局長 | 塩見 清仁君 |
オリンピック・パラリンピック準備局長 | 潮田 勉君 |
環境局長 | 和賀井克夫君 |
福祉保健局長 | 梶原 洋君 |
産業労働局長 | 藤田 裕司君 |
建設局長 | 西倉 鉄也君 |
港湾局長 | 斎藤 真人君 |
青少年・治安対策本部長 | 大澤 裕之君 |
病院経営本部長 | 内藤 淳君 |
中央卸売市場長 | 村松 明典君 |
選挙管理委員会事務局長 | 浜 佳葉子君 |
人事委員会事務局長 | 砥出 欣典君 |
監査事務局長 | 岡崎 義隆君 |
労働委員会事務局長 | 池田 俊明君 |
収用委員会事務局長 | 佐藤 敦君 |
議会局長 | 松山 英幸君 |
警視庁総務部長 | 石田 勝彦君 |
消防総監 | 村上 研一君 |
本日の会議に付した事件
平成二十八年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について(質疑)
・平成二十八年度東京都一般会計決算
・平成二十八年度東京都特別区財政調整会計決算
・平成二十八年度東京都地方消費税清算会計決算
・平成二十八年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計決算
・平成二十八年度東京都母子父子福祉貸付資金会計決算
・平成二十八年度東京都心身障害者扶養年金会計決算
・平成二十八年度東京都中小企業設備導入等資金会計決算
・平成二十八年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計決算
・平成二十八年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計決算
・平成二十八年度東京都と場会計決算
・平成二十八年度東京都都営住宅等事業会計決算
・平成二十八年度東京都都営住宅等保証金会計決算
・平成二十八年度東京都都市開発資金会計決算
・平成二十八年度東京都用地会計決算
・平成二十八年度東京都公債費会計決算
・平成二十八年度東京都臨海都市基盤整備事業会計決算
○栗下委員長 ただいまから平成二十八年度各会計決算特別委員会を開会いたします。
これより決算の審査を行います。
平成二十八年度東京都各会計歳入歳出決算の認定についてを議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
なお、去る十月十一日から行われました各分科会における局別審査につきましては、お手元配布のとおり、報告書が提出されました。
朗読は省略いたします。
〔分科会審査報告書は本号末尾に掲載〕
○栗下委員長 これより質疑を行います。
この際、一言申し上げます。
質疑に当たりましては、さきにご決定いただきました委員会実施要領等に従いまして運営してまいります。委員の皆様方には、円滑かつ充実した審査が行われますよう、ご協力をお願いいたします。
なお、持ち時間につきましては、終了五分前に振鈴で一点、時間満了時に二点を打ち、お知らせいたします。質疑時間はお守り願います。
次に、理事者に申し上げます。
答弁に際しましては、質疑の要旨をよく把握し、簡潔明瞭に答弁されるよう、お願いいたします。
なお、発言の際には、必ず職名を告げ、委員長の許可を得た上で発言されますよう、お願いいたします。
これより順次発言を許します。
佐野いくお副委員長の発言を許します。
○佐野委員 それでは、平成二十八年度各会計決算特別委員会の全局質疑ということですので、総括的な質疑ができればと考えています。そこで、通告のとおり、最初に自治体における決算の意義について、次に予算編成方針を踏まえての一般会計決算の達成度について、最後に決算を踏まえての今後の財政運営の考え方についてお伺いをしたいと思います。
まずは決算の意義についてですが、近年の自治体財政では、予算主義から決算主義へという考えから、より効果的、そして効率的な財政運営を行う上で、決算の審査を通じて、予算の執行の成果について検証し、その成果を次の予算編成に生かし、自治体の持続的発展につなげていくことが重要といえます。
決算審査は、平成二十八年度予算執行の成果を検証し、次年度以降の予算編成に生かしていくための審査でありますので、計画、実行、評価、改善、いわゆるPDCAサイクルにおけるチェックとアクションに相当する審査だと考えております。
そこで、歳入歳出決算を取りまとめる会計管理者に対し、自治体における決算の意義について、改めて所見をお伺いいたします。
○土渕会計管理局長 自治体における決算の意義ですが、一会計年度内の歳入歳出予算に計上された施策や事業の執行結果を計数的に明らかにすることであります。決算を議会や都民に対してつまびらかにすることにより、予算の執行を通じて自治体の行政目的が効果的かつ効率的に達成されたかどうかを検証するための判断材料を提供しているものでございます。
○佐野委員 決算は、予算に基づく収入と収支の結果を集計した計算書であります。そしてまた、予算を執行した結果、どのような成果を一年間に上げたかを示す成果報告書でもあるといえます。
決算審査は、膨大な各種資料に基づいて、その行政効果を住民にかわって評価する極めて重要な意味があるわけでございますが、議会として、税金の使い方を決める予算の審査とともに、その使われた結果を予算に照らして検討するこの決算審査は、ただ単に認定して終わりというわけではなく、その結果を今後の行財政運営の改善に役立てるという意義があると考えています。
決算審査で一年間の実績結果を正確に把握し、正しい評価や判断を行えば、今後の適正かつ有効な予算編成、予算審査に必ずつながるということであります。
ただいまの答弁では、予算執行を通じて、行政目的が達成されたかどうかの検証をする判断材料という表現がございました。
平成二十八年度予算では、予算編成方針として、東京を世界一の都市の実現に向けた取り組みを加速化、深化させ、力強く前進させる予算と位置づけ、一つとして、東京都長期ビジョンが指し示す、二〇二〇年とその先の将来像の実現に向けて積極果敢な施策展開を図ること、二つとして、自己改革の一層の推進と財政対応力の強化により、計画的、戦略的な政策展開を支え得る強固で弾力的な財政基盤を構築するの二点を基本方針として、十一の具体的な予算編成方針をもとに編成され、執行が始まりました。いわばこれが当初の行政目的と理解できます。
しかし、年度半ばで小池都知事にかわり、都民の都民による都民のための都政を行い、セーフシティー、ダイバーシティー、スマートシティーの三つの新しい東京の実現を目指すとの新たな都政運営の方針、施政方針が打ち出されました。
このような当初の予算編成方針と、知事がかわったことによる新たな施政方針のもとでの予算執行は、決算を評価する上で重要な要素ではないかと思われます。
そこで、このことを踏まえ、平成二十八年度一般会計決算における予算の達成度についてお伺いをいたします。
○土渕会計管理局長 平成二十八年度一般会計決算における予算の達成度につきまして、一つの指標として、予算現額に対する割合でお答えをさせていただきますと、歳入の予算現額七兆四百八十七億九千四百万余円に対しまして、収入済額は六兆七千七百九十六億九千五百万余円であり、その割合は九六・二%になります。
歳出につきましては、予算現額が七兆四百八十七億九千四百万余円、支出済額が六兆五千九百八十八億七千七百万余円、翌年度繰越額が三百六十六億三千三百万余円、不用額は四千百三十二億八千三百万余円で、予算現額に対する支出済額の割合は九三・六%になります。
○佐野委員 執行機関における予算の達成度は、答弁のとおり、予算で組んだお金を、歳入でいえば、どれだけしっかり一〇〇%取ったかが達成率、歳出で、支出でいえば、どれだけ予定どおり一〇〇%近い割合で使ったかとなるようでございますけれども、ある意味行政らしいなというふうに思っております。
地方公共団体は、その事務を処理するに当たって、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を上げるようにしなければならない、これは地方自治法に定められていることでございます。
議会で決めた予算をそのとおり無駄なく執行するという目的は達成され、監査委員からも計数の間違いはなく、執行に誤りは認められないということは、達成度は高く、認定に当たっての大きな要素であることは間違いないと思います。
しかし、私どもの目指す東京大改革、三つのシティーで新しい東京の実現という目的に向けて、昨年度実施した一つ一つの施策がどのような成果を上げたか、達成されたかを検証することは、私どもにとっては極めて重要であり、この観点から予算執行の達成度を見ていかなければならないと考えています。
平成二十八年度は、知事がかわって、大きく二回補正予算が組まれました。当然、新しい知事が進めようとする新たな施策の実施には予算が必要だからでございます。九月には、待機児童対策として百二十六億円余りの増額補正を行いました。
そして、知事が進める全ての事業の精査、ワイズスペンディングの視点から見直しが実施された結果と理解はしておりますが、三月には、三千三百五十一億余円の減額と新たな事業への準備のための基金創設と三千九十二億余円の積み立てを主な内容とした約二百五十億円の減額補正を行っています。
そして、結果的には、先ほど答弁にありました会計管理者がいう歳出の達成度を六・四%ほど下げてしまいましたけれども、翌年度繰越金三百六十六億三千三百万円と不用額四千百三十二億円という数字が出てきたと理解しています。
私どもは、これが今回の決算で大きく評価できる点ではないかと考えています。分科会での審査でも明らかになりましたが、問題となった豪華な海外視察費が組まれた当初予算は、ワイズスペンディング、都民ファーストの視点で見直され、執行を経て、大幅な不用額を生み出しました。
このような観点から、予算執行がより効果的、効率的に行われたという点では、達成度は高いのではないかと考えています。執行機関としては、このような視点での評価は難しいのかなと思います。こういう視点で見ていくのが議会ではないでしょうか。見解について伺いたいところですが、今回のところはやめておきたいと思います。
次に、決算の意義でご答弁いただいた、予算を計数的に明らかにするツールとして、東京都では新公会計制度を導入しています。都が全国の自治体に先駆けて本格的な複式簿記・発生主義会計を導入し、十年余りが経過しています。
この新公会計制度は、今や自治体運営において重要なツールであると認識していますが、十年という節目にその意義を改めて伺いたいと思います。
○土渕会計管理局長 新公会計制度の意義とは、行政運営に経営の視点を一層取り入れていくための有効なツールであり、都民への説明責任、すなわちアカウンタビリティーの充実とともに、マネジメントの強化にも資することであります。
従来の官庁会計が現金の収入や支出を記録するのみであったのに対し、複式簿記・発生主義会計に基づいた新公会計制度の導入によりまして、土地、建物などの資産、都債などの負債といったストック情報や、減価償却費や金利を含む正確なコスト情報の把握が可能となり、効率的、効果的な行政運営に役立てることができます。
さらに、都が導入したいわゆる東京都方式の制度の特徴としては、日々の会計処理の段階から、一件ごとに仕訳情報を積み上げ、迅速かつ正確に財務諸表を作成することができるほか、事業別にも財務諸表を作成することが可能というふうになっております。
○佐野委員 非常に意義のある制度を国に先駆けて導入したことは大いに評価されることだと考えますが、具体的にはこれまでどのような取り組みを行ってきたのでしょうか。新公会計制度の意義を踏まえてお伺いをいたしたいと思います。
○土渕会計管理局長 都では、新公会計制度の導入以降、制度の活用推進に向けた不断の改善を通じて、アカウンタビリティーの充実やマネジメントの強化に向けた取り組みを進めてまいりました。
まず、アカウンタビリティーの面では、決算審査をより充実させるため、決算書等の法定決算資料だけでなく、複式簿記・発生主義会計に基づく財務諸表や年次財務報告書を議会に提出しているほか、局ごとの財務諸表についても分科会に提出し、施策内容を多角的に検証できるよう努めているところでございます。
さらに、都民向けの財務諸表概要版では、今年度から新たに指標を追加し、公表内容についての改善にも取り組んでおります。
また、マネジメントの面では、施設の老朽化に伴う減価償却を反映した資産などのストック情報を把握するとともに、人件費や減価償却も含めたフルコスト情報などの財務情報を施策内容の検証に活用し、その結果を予算編成に反映させるなど、効率的かつ効果的な行財政運営のツールとして役立てているところでございます。
○佐野委員 この公会計制度により、マネジメントの強化が図られること、ストック情報やコスト情報の把握が可能になり、効率的、効果的な行政運営に資すること、さらに、正確な財務諸表が事業別に可能になり、各種の検証や予算編成に活用されていることなどが挙げられました。
具体的に、財務諸表で見れば、平成二十八年度の普通会計の有形固定資産は当期償却額だけで一千七百十一億円あり、期末残高は二十五兆九百四十五億円にも上っています。
また、固定資産についていえば、都が保有する建物等の公有財産は、平成二十八年度末で築二十年以上の建物が約七割を占めており、老朽化への対応が重要な課題となっています。
この公会計情報などをもとにした第三者による社会資本ストックの維持更新経費の将来推計では、平成五十年度までの経費の増加額の累計は約三・二兆円にも上ると予測されています。
そこで、次の財務局への質問に移りますが、今後はこうした課題に対応するとともに、財政状況を踏まえた財政運営を行う必要がございます。区市町村では、今や公共施設マネジメントが一つのキーワードにもなってきています。
財政運営について、監査委員による決算審査意見書では次のように述べられているので、以下、引用させていただきたいと思います。
平成二十八年度一般会計決算は、歳入六兆七千七百九十六億余円、歳出六兆五千九百八十八億余円、形式収支は、一千八百八億余円の黒字であり、形式収支から翌年度に繰り越すべき財源三百十八億余円を差し引いた実質収支は、一千四百九十億余円の黒字となっている。
また、一般会計と十五特別会計とを合算すると、形式収支は三千九百五十九億余円の黒字であり、実質収支は三千六百三十四億余円の黒字となっている。
収支の状況について見ると、緩やかな景気回復基調が続いたこと等を反映して都税収入が五年連続の増収となる一方、社会資本等の整備に要する費用のための基金からの繰り入れが減少したこと等により歳入が減少したが、基金の新規積立額の減少等により歳出も減少したため、平成二十八年度においても実質収支は黒字を確保していると平成二十八年度の財政状況を捉えています。
そして、これに対し意見としては、以下、四点を挙げています。
一点目、都の収入の根幹をなす都税は、景気変動などの影響を受けやすい法人二税の占める割合が高く、不安定な構造にある。我が国の景気は、海外景気の不確実性や金融資本市場の変動の影響などから、その動向には今後も注視が必要である。
二点目、こうした中、今日の都政においては、待機児童の解消、高齢者対策の推進、災害に強い都市づくりなど、東京が直面する課題の解決に向け、時期を逸することなく実効性の高い施策を確実に推進していくとともに、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会の成功と次世代に継承するレガシーの構築に向けて万全を期すこと、また世界の都市間競争に勝ち抜き、日本の成長エンジンとして日本全体の持続的成長につながる施策を積極的に展開していくことが求められる。
三点目として、これらの課題に対し、施策を戦略的に展開していくためには、従来にも増して創意工夫を凝らし、より一層無駄の排除を徹底するなど、不断の改革を進め、施策展開の基盤となる財政対応力を中長期的に堅持していく必要がある。
最後に、都は、今後とも、明るい東京の将来を見据え、東京が持続的成長を続けていくため都政に課せられた使命を確実に果たしていく必要がある。
このように四つの必要性を挙げて、意見としています。
これらの意見を踏まえ、最後に今後の財政運営の考え方について見解をお伺いいたします。
○武市財務局長 監査委員からのご意見にもありましたとおり、今日の都政には、待機児童の解消、超高齢社会への対応、災害に強い都市づくりなど、直面する課題の解決に向けた取り組みを着実に進めるとともに、日本全体の持続的成長につながる施策を積極的に展開することが求められております。
都税収入が景気変動の影響を受けやすい不安定な構造である中にありましても、こうした取り組みを安定的、継続的に進めていくことができるよう、財政面からしっかり支えていくことこそ、財務局に課せられた責務であると認識をしております。
そのため、今後の財政運営に向けましては、事業評価のさらなる深化を図り、より一層無駄の排除を徹底するとともに、今後の人口構造の変化や将来世代の負担にも配慮しながら、基金や都債を戦略的、計画的に活用するなど、将来にわたる安定的な施策展開を支え得る健全な財政運営に全力で取り組んでいく所存でございます。
○佐野委員 今回、知事が議案として議会に提出いたしました決算について、認定に値するか否か、質疑を通して審査し、判断を行うのが決算審査でございます。
審査のために提供される決算書及び決算関係書類は膨大な量になります。これらは既に専門の部署、担当が目を通し、チェックをしており、議会としては、これに誤りがないかをさらに細かくチェックすることではなく、都民の税金が都民のために効果的、効率的に使われたかを評価することだと考えています。
その判断材料をわかりやすく提供するのが会計システムであり、答弁にもありました事業評価であります。事業評価については、今回触れませんが、次の同僚議員が質問する予定となっています。事業評価のさらなる深化に期待したいと思っています。
一方で、決算審査には、質疑を通して次の予算編成に向けて検証、成果を反映させたり、都民のさまざまな立場のニーズ、都内各地域のニーズを意見、要望として申し上げる絶好の機会という面もございます。
今回、私にとって初めての決算審査であったということもございますが、決算の意義や評価、達成度、新公会計制度とその活用、今後の財政運営という総括的なところを質問させていただきましたが、認定の判断に当たっては大変参考になったということを申し述べまして、私からの質問を終わりといたします。
○栗下委員長 佐野いくお副委員長の発言は終わりました。
あかねがくぼかよ子委員の発言を許します。
○あかねがくぼ委員 あかねがくぼかよ子でございます。本日、私の方からは通告のとおり、行政評価、事業評価について、二点目は評価指標について、主にこの二点について質問させていただきたいと思います。
まず最初に、行政評価、事業評価についてお伺いをしたいと思います。
そもそも行政評価とはというところでございますが、国や自治体の進める政策、施策、事務事業が効率的に実施されているのか、一定の基準や指標をもって、妥当性や達成度、成果を判定するものでございます。また、次の予算づくりに生かす作業でもございます。
総務省による平成二十八年十月、地方公共団体における行政評価の取組状況等に関する調査によりますと、四十七の全都道府県が行政評価を実施しておるということでございます。
お手元に配布をいたしました一枚の一番上に手書きで、地方公共団体における行政評価の取組状況等に関する調査という参考資料をごらんください。
行政評価の対象としましては、一般に政策、施策、事務事業、この三層の構造の政策体系で捉えられております。同調査結果によりますと、事務事業についての評価は、ほとんどの地方公共団体で行われております。
一方で、政策についての評価まで実施をしている団体は三割以下にとどまっており、規模の大きい団体が政策評価まで行っているという傾向にございます。
東京都では、平成十三年度から政策の評価と事業評価を本格的に実施しておりましたが、政策評価については、平成十五年度以降は実施されてございません。
平成十八年度に予算の連動性を図る観点から、事業評価を財務局に移管をし、現在に至ります。平成十九年から始まった財務局による事業評価は、限られた財源の中で都政の諸課題に的確に対応していくことを目的としております。
平成二十九年度予算編成では、都の実施する約四千八百の全ての事業について終期を設定して、評価時期をルール化するとともに、八百九十の事業については評価結果を公表しております。
そこで、財務局にお尋ねいたします。東京都が行っている事業評価につきまして、これまでの取り組み内容とその成果をお伺いしたいと思います。
○武市財務局長 東京都におけます事業評価は、かつて財政危機の時代に実施いたしました二度にわたる財政再建推進プランに基づき集中的に実施いたしました事業の見直し努力、これを財政再建後も継続するために再構築をしたものでございまして、予算編成の一環として実施していることに大きな特徴があるのかなと、このように考えております。
具体的には、各局と財務局が連携し、専門的視点からのチェックや新たな公会計手法の活用を通じまして、一つ一つの事業の成果や決算状況を分析するなど、多面的に検証いたしまして、その結果を翌年度の予算に反映をさせております。
毎年度、評価手法を充実いたしまして、着実に実績を積み重ね、過去十一年間で四千三十八件の評価結果を公表するとともに、累計で約六千九百億円の財源確保へとつなげたところでございます。
このようにして生み出された財源は、新規事業や重点的に実施する事業などの財源としているほか、都債の償還、基金の積み立てなど、将来の備えにも活用しておりまして、施策の不断の見直しが強固な財政基盤の構築につながってきたものと考えております。
○あかねがくぼ委員 ありがとうございます。財務局として、予算編成の一環として事業評価を実施してきたということで、過去十一年間の中で不断の努力を積み重ねた、その結果として、六千九百億円もの財源確保につなげ、それが新規事業や重点事業の財源となってきたということで、都政運営のかなめとなる強固な財政基盤の構築に大きく貢献してきた点は高く評価させていただきたいと思います。引き続き継続的な改善努力を重ねていただくように要望したいと思います。
一方で、行政評価そもそもの目的に戻りますと、政策、施策、事務事業が効果的に実施されているのか、一定の基準や指標をもって妥当性や達成度、成果を判定するものでありました。
行政活動の成果向上、PDCAサイクルの確立、行政運営の効率化、アカウンタビリティー、住民サービスの向上など、これらは都が注力をしている都民ファースト、情報公開、賢い支出を推進する上でも大変有意義な制度であることは疑いの余地はございません。
本年度からは、内部統制強化の目的で、各局の主要事業につきまして経営的観点から分析、評価をする見える化改革が実施され、その結果を踏まえて、政策、施策レベルでの行政評価について、総務局にて検討されていると聞いております。
先ほど申し上げましたとおり、都では平成十五年度以降は、政策、施策レベルでの評価を行っておりませんでしたが、ぜひ今後は事業評価に加えまして、政策、施策レベルでの行政評価を取り入れていただくように強く要望したいと思います。
先ほどご紹介いたしました総務省による調査では、二十六の都道府県においては、既に外部評価を実施しているということでございます。外部評価とは、外部有識者による、その専門性を十分に生かして、より効果の高い政策等の改善をすることを目的として評価を行うことでございます。客観性や正当性を十分に確保するためには、内部評価に加えまして、外部評価が実施されているということであります。
外部評価の体制が確立していると思われる地方公共団体としては、大阪府、神奈川県、新潟県が挙げられます。このうち大阪府と神奈川県については、内部評価と外部評価の両方を実施しているということであります。
現在、東京都では、今後の行政評価のあり方について、政策、施策レベルでの評価の必要性、また第三者による評価、すなわち外部評価のあり方について検討中であると伺っております。
全四十七都道府県のうち、既に二十六が外部評価を実施していることを考慮し、東京都の扱う事業の規模、また課題の複雑さに鑑みるに、どの自治体よりも先進的で客観性の高い外部評価の体制を率先して構築していただく責任があろうかと思います。
行政評価について、政策、施策のレベルでも実施していただきたいという要望は先ほど申し上げたとおりでございますが、外部評価についてもしっかりと独立性を担保できる体制にて実施をしていただくように強く要望いたしまして、次の項目に移りたいと思います。
続きまして、評価指標についてお伺いをいたします。
平成二十八年度は、二〇二〇東京大会に向けた機運醸成の取り組みを本格的にスタートした年でございますが、開催まで約千日となった今、各施策を大会の成功につなげるためには、不断の改善努力を続けていくことが必要不可欠でございます。
大会施設などのハード面の整備のみならず、パラリンピックの認知度向上、大会に向けた機運醸成といったソフト面での取り組みについても非常に重要でございます。
平成二十八年度は、オリンピック・パラリンピック普及啓発事業といたしまして、さまざまな取り組みを実施してきましたが、そのうちの四つの取り組みについて、特徴を簡単にご紹介いたします。
まず、一点目、ライブサイト、これはパブリックビューイングを通して、オリンピック・パラリンピック競技を臨場感のある生中継で観戦していただく、そんな機会を提供するものでございました。平成二十八年度は、リオ大会の開催中に東京及び東日本大震災の被災三県にて実施されました。
二点目は、四年前のカウントダウンイベントでございます。これは都内三カ所で実施されたということであります。
三つ目は、リオ大会における開催都市PR、これはリオ大会閉会式において、旗を引き継ぐハンドオーバーセレモニーの中で、二〇二〇年の開催都市としての東京を印象づけたイベントであります。また、大会のビジョンを世界へ伝えるとともに、東京の都市としての魅力を演出するPRを実施したということであります。
四つ目のフラッグツアー、これはオリンピック旗、パラリンピック旗が都内及び被災地を巡回し機運醸成を図る、そういった企画でございました。
以上のような重立ったイベントを合わせました平成二十八年度の予算、決算額といたしましては、開催都市PR事業として、予算現額約三十九億八千万円に対しまして三十四億円を支出し、大会開催に向けた普及啓発事業としては、予算現額約三億八千万円に対しまして約一億八千万円を支出してございます。
そこで、オリ・パラ準備局にお伺いいたします。オリ・パラ準備費から支出されている項目のうち、開催都市PR、大会開催に向けた普及啓発の機運醸成事業、合計約四十三億円の支出額に対する効果検証はどのように行っているのかお聞かせください。
○潮田オリンピック・パラリンピック準備局長 今お話がございましたライブサイトやカウントダウンなどの機運醸成イベントは、都民、国民の二〇二〇年大会への関心と参加を高める目的で実施をしておりまして、魅力あるコンテンツを企画検討し、広報PRの工夫も行いながら実施しております。
効果検証につきましては、来場者数の見込みを設定し、達成状況を検証するとともに、報道件数等でも事業効果を把握しているほか、アンケートも実施しております。そのアンケートでは、当該実施内容への評価だけではなく、どのような実施コンテンツに、より魅力を感じるかなど具体的な提案、要望等もいただいているところであります。
当局としましては、こうした声をしっかりと分析するとともに、実施結果を検証しまして、次回開催がよりよいものとなるよう具体的な企画立案に生かしております。
大会開催まで三年を切っております。そうした中、今後ともさらに多くの方々に大会への期待感を高めていただけるよう、機運醸成の取り組みを推進してまいります。
○あかねがくぼ委員 ありがとうございます。民間企業では、計画段階で設定する目標数値のことをKPI、キー・パフォーマンス・インジケーターと呼んでおります。日本語では重要業績評価指標、または重要目標評価指標と訳すものでございます。
このKPIというのは、どんな指標を目標として設定するのか、それが最も重要なことであり、見るべき指標の選択を誤った場合には、仮に設定した目標が達成できたとしても、本来の目的達成につながらない、そんな危険性もございます。
KPIを用いた経営手法は、企業のマーケティング活動を初め、営業成績や売上高、顧客満足度の向上など、あらゆるビジネスシーンにおいて利用されているものでありますが、こういった商業的な目的に限らず、今回のような認知度の向上、普及啓発の取り組み、この妥当性や達成度を判断するにも大変有効な考え方であると思います。
計画段階で効果測定が可能な適切なKPIを設定し、取り組みの実施後に検証していく。そして改善策を講じて、よりよい次のアクションにつなげる、いわゆるPDCAサイクルを回していくということは求められていることでございます。
二〇二〇年大会に向けて、認知度向上や普及啓発の取り組みの妥当性や達成度を判断するために適した指標についてどのようなものなのか、計画の段階で熟慮の上で設定していただき、適宜進捗を確認し、設定した指標にコミットして、日々業務を行っていただくことが肝要でございます。
また、これら一連のPDCAサイクルは、徹底して都民に対して情報を公開し、見える化していただくことが、説明責任を果たすことだと考えます。
さて、オリンピック・パラリンピックの機運醸成の効果検証につきましては、来場者数、報道数などで把握をし、アンケートの結果から改善点を抽出し、次の取り組みにつなげているとお伺いしました。
例えば、先ほど紹介をいたしました四つの取り組みのうち、三つのイベントの効果測定につきましては、ライブサイトで約三十五万人、四年前のカウントダウンイベント、これが五千人以上、フラッグツアーでは三万四千人とそれぞれ動員されており、目標としていた動員数を上回る結果が達成できたということでございます。
一方で、本来の目的から考えますと、機運醸成事業の達成度や妥当性を検証する上では、イベントの動員数やメディアで報道された数だけでなく、国民全体の世論がどのように変化しているのかを、適した指標を設定して計測、そして検証していただくことが必要であろうと考えます。
オリンピック・パラリンピックは、オールジャパンの大会でございます。平成二十八年度には四つの機運醸成イベントが実施されましたが、そのイベントの会場には行かずに、報道で知ったという人、またはイベントが開催されたことすら知らない、そういう人の方が国民全体で見れば圧倒的に多いと想像されます。
機運醸成の取り組みに対して客観的な効果を検証するためには、個別イベントの評価だけでなく、国民全体を対象に機運が醸成されているということを確認する、例えば簡易的な世論調査なども有効な手段であると考えます。
オリンピック・パラリンピック大会は、今後三年間で東京都の経営支援を相当につぎ込む事業であり、メディアや都民から注目される事業であることは間違いがございません。しかし、その支出の額ばかりが注目されてしまい、本来の目的や価値の部分が都民や国民に伝わらなくなってしまうのは大変残念なことでございます。
そういった意味でも個々の取り組みだけでなく、オリンピック・パラリンピックの機運醸成という大きな視点での、どのような効果を狙っているのか、またその効果の検証も積極的に公表していく、そういった取り組みが都民からの理解を得る上で大変重要であると考えます。
繰り返しになりますが、ぜひ適した指標の設定とその効果測定、そして徹底した情報公開、見える化をしていただくことを要望いたしまして、次の質問に移りたいと思います。
二〇二〇年の大会に向けて、施設や交通の整備は当然ながら滞りなく進めていただく必要がございます。しかし、ハード面の整備だけでなく、国内及び海外での機運醸成は、大会の成功を左右する要素であるといっても過言ではございません。
特にパラリンピックは世界で二度目の開催となり、東京がハンディキャップを持つ人でも暮らしやすい成熟した都市国家であるかどうか問われている、世界から大変注目される重要なイベントでございます。
成熟した都市国家にふさわしいバリアフリー、ユニバーサルデザインといったハード面での整備を進めていただくとともに、ハンディキャップを持つ人など、さまざまな立場の方が社会全体で受容される、いわゆる心のバリアフリー化に向けた普及啓発の取り組みも積極的に進めていただきたいと思います。
そして、社会全体で障害者スポーツを応援する機運を醸成することが、障害者差別を撲滅することにもつながると考えます。このようなダイバーシティーの実現、共生社会の実現こそが、大会後のレガシーとして非常に価値の高いものであると考えます。
そこで、二度目のパラリンピックを開催する都市として、昨年度、都はどのような考え方で機運醸成に取り組んでこられたのかお伺いをいたします。
○潮田オリンピック・パラリンピック準備局長 都としては、パラリンピックの成功なくして二〇二〇年大会の成功はないと考えておりまして、競技や選手への関心を高め、より多くの都民に会場で応援していただくことが重要であるというふうに認識をしております。
しかしながら、一般的にパラリンピック競技はまだまだ認知度が低く、より一層競技の魅力や迫力に触れる取り組みが必要であります。そのため、例えば区市町村等が実施しております広く都民が集まるイベントで、パラリンピック競技の体験会等を行いますNO LIMITS CHALLENGEを実施しており、二十八年度は前年度より区市町村数、競技数ともふやしたところでございます。
パラリンピック競技や選手のファンになって応援することは、障害者をより深く理解することにもつながり、ダイバーシティーの実現に向けた大きな力になるというふうに考えております。
引き続きパラリンピックの成功に向け、さまざまな機運醸成の取り組みを推進してまいります。
○あかねがくぼ委員 ありがとうございます。日本でのパラリンピックの競技や選手に対する認知は、オリンピックに比べれば、まだまだ低くございます。二〇二〇年の大会に向けた機運醸成の事業として、ぜひ注力して、普及活動を行っていただきたいと思います。
パラリンピック競技を実際に体験していただく、よく知っていただくためのプログラムであるNO LIMITS CHALLENGEのような取り組みは大変有意義であろうと思います。これはハンディキャップを持つ方の立場になってスポーツをやってみるという体験であり、ダイバーシティーや共生社会の実現に向けての普及啓発につながるものと高く評価をしております。
パラリンピック機運醸成の対象者は、ハンディキャップを持つ方やその家族、支援者だけではございません。むしろ今まではハンディキャップを持つ方との接点がなかったような健常者の方やパラリンピックスポーツを全く知らなかった人たちだと思います。
さらに、国民全体だけではなく、世界に向けたパラリンピック開催都市として、東京の魅力を発信していく必要性がございます。
このように多様な対象に対して行う機運醸成の取り組みには、マーケティングの考え方が有効であろうと考えます。多様な対象、すなわちターゲット層に対して、それぞれの思考や行動パターンを分析し、適したアプローチで施策を展開していくという方法でございます。
価値観やライフスタイルがこれほど多様化している現代において、全ての国民を巻き込み、パラリンピックを盛り上げていくためには、総花的なアプローチでは限界がございます。若者や独身者、ファミリー層、高齢者、ハンディキャップを持つ方など、それぞれの対象は、思考や行動パターンが異なりますため、それぞれに適した形で、よりきめ細かなアプローチを展開していただきたいと思います。
日本が経済大国となる契機になり、物質的な豊かさをもたらした前回の東京オリンピックと比較しまして、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック大会では、物質的な豊かさに加えて、成熟した国際都市として、精神的な豊かさをレガシーとして残せるような大会にしていただくことを心から願いまして、私の質問を終了したいと思います。
○栗下委員長 あかねがくぼかよ子委員の発言は終わりました。
加藤雅之委員の発言を許します。
○加藤委員 都議会公明党を代表して、全局質疑を行います。
初めに、防災対策です。中でも都の災害医療対策について伺います。
都は、東日本大震災を踏まえ、被災地の限られた医療資源を有効に活用し、傷病者に対して確実に医療を提供できるよう、都内の全ての医療機関を災害拠点病院、災害拠点連携病院、災害医療支援病院に区分して、その機能に応じた役割を定めるなど、重層的な医療体制を確保しております。
また、区市町村は、緊急医療救護所を設置し、軽症者への応急処置等とともに傷病者のトリアージを行い、中等症、重症患者を病院に転送することとしています。
しかし、近年、切迫性が指摘されている首都直下地震など大規模地震が起きれば、その被害規模は広範囲になり、多数の負傷者の発生が想定されます。
平成二十八年に発生した熊本地震においては、総務省の研究会では、医療の継続ができず、全避難をした医療機関が十カ所もあったと報告されています。中には、建物に被害はなくても、貯水槽に被害を受け、入院中の三百人全員が避難を余儀なくされたとの報道もありました。
負傷した多くの方々の命を守っていくためには、迅速に症状に応じた病院等へ搬送し、適切な医療を提供できる体制を確保しなければならないことは当然ですが、まずは現在入院中の患者さんに対する医療の継続、これができるよう病院の耐震化は重要です。
そこで、都が平成二十八年度に実施した耐震化補助事業の実績と都内病院の耐震化の進捗状況について伺います。
○梶原福祉保健局長 都は現在、災害拠点病院を初めとする都内全ての病院を対象に、耐震診断、新築建てかえ、耐震補強等を支援しておりまして、平成二十八年度は過年度からの事業継続分を含め、二十の施設に対して補助を行いました。
また、コンサルタントを活用した耐震化工事の基本計画等の作成も支援しており、平成二十八年度は四施設に対して補助を行っております。
これらの取り組みによりまして、平成二十八年九月時点で、災害拠点病院は一〇〇%、災害拠点連携病院は九三%が耐震化に取り組んでおります。都内全体では八七%の病院が取り組んでおり、今後とも積極的に耐震化を働きかけてまいります。
○加藤委員 大規模災害時においても継続的に医療を提供するためには、何よりもまず病院の建物が耐震化を有していることが重要です。災害拠点病院は一〇〇%の耐震化に取り組まれているようですが、次なる課題は、災害拠点連携病院を九三%から一〇〇%に耐震化することであります。
都議会公明党は、さきの都議選重点政策に、災害時の医療体制の強化に向け、災害拠点病院に次いで受け入れ先となる二次救急病院を一〇〇%耐震化することを掲げました。二次救急病院には大半の連携病院が含まれております。今後、そこに焦点を当てていきたいと思います。
中小規模の病院の中には、なかなか耐震化を進められないといった声も聞かれますので、補助率を引き上げることも含め、今後とも積極的に耐震化を働きかけていただきたいと思います。
一方、病院の耐震性が保たれたとしても、診療に必要な資器材や人材が確保できなければ、医療を継続することができません。そのため、災害時も十分に医療機能を発揮できるよう、備えとして、各病院は事業継続計画、BCPを策定することが重要であります。
先ほど熊本地震の例を紹介しましたが、ある病院では、被災後の計画まで策定していなかったため、入院中の四十六人の患者さんが転院を繰り返し、十七人が死亡、ストレスを感じるなどして、そのうち五人が災害関連死だったといわれております。
平成二十五年の内閣府の調査でも、BCPが策定されている病院は、全国でも約一割しかないことがわかっています。都議会公明党は、従前から耐震化というハード対策とともに、ソフト対策である病院のBCP策定に向けた取り組みを推進することを強く訴えてまいりました。
都は医療施設向けにBCP策定のためのガイドラインを発出し、説明会で周知するなど、働きかけを行っておりますが、今後も都はこれらの取り組みを着実に実行していくことを要望いたします。
次に、病院が倒壊を免れたとしても、大規模災害発生時において同時に多数の傷病者が発生した場合、地域の病院だけでは対応が困難になることも考えられ、全国から参集した医療チームを有効に活用することも必要です。
平成二十八年に発生した熊本地震では、全国からDMATなどの医療チームが参集いたしました。東京においても、このような形で他県から医療チームが参集することが予想されますが、参集拠点や医療チームの活用方法について検討が進んでいると聞いており、頼もしく感じております。
さらに、現地では対応できない傷病者を被災地外へ搬送する体制の整備も必要であり、現に熊本地震では、ヘリコプターにより七十名を超える傷病者を被災地外へ搬送した実績があると聞いています。
首都直下地震においては、特に環状七号線沿線は、木造住宅密集地域が延焼し、都心部を取り囲む火のリングができることが想定されています。沿線内側の住民は、火災に囲まれ、外側に避難ができず、孤立するとの指摘もあります。
立川の防災拠点に行くにも、この火の輪をくぐらないと行くことができず、政府においてもこの課題を真剣に検討しているとのお話を防災の専門家からお聞きいたしました。そうしたとき、大規模救出救助活動拠点の迅速な開設が重要であり、空路も含め、広域における防災機関の応援体制を早急に立ち上げることが必要です。
先日、東白鬚、汐入公園もこの拠点に新たに指定されたことは大変頼もしく思っており、また拠点としての役割は大変大きいと思います。
また、傷病者を被災していない地域へ搬送するには、航空搬送の拠点となる臨時医療施設、いわゆるSCUを設置するなど、広域的な搬送体制を確保することが重要であると思いますが、都の見解を伺います。
○梶原福祉保健局長 都は、災害時に多数の傷病者が発生した場合に備え、消防、警察、自衛隊等の関係機関や民間事業者等と連携いたしまして、救急車、ヘリコプター等による搬送手段を確保しており、災害時には、都や区市町村が設置する災害医療コーディネーターが中心となって、搬送手段や搬送先の調整を行うこととしております。
また、航空機等を活用して都外へ傷病者を迅速に搬送するため、お話にありましたSCUを都内三カ所に開設することとしており、必要な資器材を備蓄しております。
今後とも、災害時に適切に医療が提供されるよう、関係機関等と連携しながら、広域的な搬送体制の確保を図ってまいります。
○加藤委員 都議会公明党は、従前から、傷病者を被災していない地域に搬送するなど、多様な搬送体制を確保することの必要性を強く訴えてまいりました。ただいま答弁がありましたとおり、我が党の要望を受け、都はSCUの資器材の備蓄を推進するなどしており、その取り組みを評価いたします。
引き続き首都直下地震等の大災害に備え、都はこれらの取り組みを着実に実行していくことを要望します。さらには、今後、我が党がかねてから主張してきました病院船についても、国と連携し、東京湾に展開して、多くの負傷者を受け入れられる体制の整備もお願いしたいと存じます。
次に、広域搬送とともに域内搬送も大切です。多様な搬送手段を確保していくということでありましたが、東京都防災会議が平成二十四年四月に公表した被害想定では、冬の夕方十八時、マグニチュード七・三の東京湾北部地震が発生した場合には、負傷者が約十五万人、そのうち重傷者は約二万人になると想定しています。
災害時には、多くの傷病者が医療救護所やトリアージポストに殺到することも予想されますが、東京消防庁による傷病者の医療救護所から病院への搬送や病院間搬送は明らかに困難となり、消防に頼らない地域の搬送能力を高める必要があります。
そのため、地域の医療機関が所有するいわゆる病院救急車を災害時に利用することも有効と考えますが、有事の際に円滑に活用するためには、日ごろから地域において病院救急車を活用する仕組みを構築しておく必要があります。
そこで、病院救急車の活用を進めるべきと考えますが、都の取り組みを伺います。
○梶原福祉保健局長 都は、在宅療養患者の病状が変化して入院が必要になったときに、病院救急車を活用して、地域の医療機関に搬送する仕組みづくりを行う区市町村を支援しておりまして、平成二十八年度は三つの区市、今年度は四つの区市が取り組んでおります。
また、今月から、医師などの医療従事者が同乗して、病院救急車や民間救急車を活用した転院搬送を行う医療機関に対する支援も開始いたします。
今後とも、病院救急車等を活用する区市町村や医療機関の取り組みを支援してまいります。
○加藤委員 まだ四区市しか活用していないということですけれども、非常にいい制度だと思いますので、これをふやしていきたいと思います。
消防庁にお聞きしたところ、消防庁と民間救急車を統括する東京民間救急コールセンター登録事業者連絡協議会が大規模災害時の搬送に関する協定を結んでおり、災害時には、事前に登録している民間救急車等は、近隣の消防署等で速やかに緊急通行証を発行していただけるとのことであります。
介護など日常の在宅療養の支援の仕組みを、いざというときに活用できるすぐれた仕組みなので、活用が広がるよう、引き続き取り組みをお願いいたします。
次に、避難所ともなる学校施設の耐震化について伺います。
昨年の第二回定例会で我が党が指摘したように、熊本地震では、熊本県内の学校などの指定避難所の多くで天井材や照明器具の落下、窓ガラスの破損など、非構造部材の損傷が原因で避難所としての使用に支障を来しました。
文部科学省は、児童生徒の安全確保はもとより、地域住民の避難所としての役割も求められていることから、体育館、武道場、講堂、屋内プールについては、非構造部材の耐震化について、独自の基準を設け、各教育委員会に早急な対策の実施を求めています。
そこで、都立学校では既に建物の構造体の耐震化は完了していると聞いておりますけれども、文部科学省が独自に耐震化の基準を示している体育館などの施設の非構造部材の耐震化工事の実施状況を伺います。
○中井教育長 都立学校の体育館や武道場等における非構造部材について、平成二十八年度に耐震化工事を実施したのは、都立高校十八校、都立特別支援学校十三校、合計三十一校でございます。
また、平成二十六年度からの累計では、都立高校三十校、都立特別支援学校二十二校、合計五十二校でございます。
これにより、体育館については、非構造部材の耐震化工事を完了いたしました。今年度は、体育館以外の武道場等について、引き続き耐震化工事を実施してまいります。
○加藤委員 これまでの予定では、平成三十年度末までに対策完了を目指すとしていましたが、ことしの三月に非構造部材の耐震化の計画変更があり、期間を延長し、平成三十二年度末までに対策完了を目指すと公表しています。
さらに、国土交通省が定める基準に従い、幼児、児童生徒が日常的に使用する昇降口や視聴覚室などの天井等落下防止対策についても、平成三十四年度末までに完了を目指すとしています。
そこで、耐震化対策工事をより一層精力的に進めていく必要があると考えますが、今後の取り組みについて伺います。
○中井教育長 都教育委員会では、国の基準に基づき、非構造部材の耐震化が必要な学校の精査を行い、その結果を踏まえ、本年三月に計画変更を行ったところでございます。
現在、その計画に基づき、武道場等の非構造部材の耐震化工事を予定している都立学校については、各学校の関係者と工事予定時期の調整を行い、平成三十二年度末までの完了を目指して取り組んでおります。
また、昇降口や視聴覚室など、武道場等以外の非構造部材の耐震化についても、現在、対象校の現地調査を行っており、平成三十四年度末までの完了を目指して取り組んでまいります。
なお、改築等の計画がある学校については、当該改築等の工事とあわせて対応を行ってまいります。
○加藤委員 次に、学校に対し地域住民の避難所としての役割が求められているということでは、より身近な小中学校における非構造部材の耐震化の取り組みも重要です。
そこで、公立小中学校においても都立学校と同様に非構造部材の耐震化を進めていますが、これまでの進捗状況と今後の取り組みについて伺います。
○中井教育長 公立小中学校の非構造部材の耐震化については、国の補助制度に加え、平成二十五年度から都独自の補助を行ってきたところでございます。
公立小中学校の平成二十八年四月一日現在の耐震化率は約七五%でありましたが、平成二十八年度に百四十七校に対する補助等を行い、その結果として、平成二十九年四月一日現在の耐震化率は約八五%となっております。
都教育委員会といたしましては、今後も引き続き区市町村を支援し、早期実施を強く働きかけ、平成三十年度の対策完了を目指してまいります。
○加藤委員 建物の耐震化とともに非構造部材の耐震化はセットで大事でありますので、引き続きの整備をお願いいたします。
次に、都立高校改革の一つである在京外国人対策について伺います。
日本の人口は減少しておりますが、逆に外国人の人口は増加しております。それに伴い、都内の外国人児童生徒も増加しております。国際人権規約等の規定を踏まえ、外国人の子供の教育を受ける権利を保障していくことは、ダイバーシティー東京の責務であります。
我が党はこれまで、都立高校における在京外国人の受け入れに当たっての配慮の充実について、一貫して都に求めてまいりました。これに対し、都教育委員会は直近において、これまで多摩地域の都立高校での受け入れ枠の設置を初め、入学者選抜の学力検査において、学力検査問題へのルビ振りや辞書の持ち込みとそれに伴う時間延長などの改善を行ってきており、大いに評価しているところです。
また、来年度には、専門高校で初めてとなる城南地区にある六郷工科高校で在京外国人受け入れ枠が設置されることになったとも聞いております。こうした形で都教育委員会には、外国籍生徒の入学者選抜について、しっかりと対応していただいているところでありますが、いまだ課題も残っております。
この課題解決に向け、都教育委員会は我が党の求めに応じ、入学者選抜検討委員会に、諸課題を集中的に検討する特別部会を設置していただきました。そこで、この特別部会における検討の内容について伺います。
○中井教育長 都教育委員会は、外国籍生徒の入学者選抜において、平成二十八年度選抜から実施している辞書の持ち込みとそれに伴う時間延長の措置について、専門的な見地から検証する必要があることから、平成二十八年五月、入学者選抜検討委員会に特別部会を設置し、四回にわたり議論を重ねてまいりました。
特別部会では、入学した外国籍生徒を対象に実施したアンケートの調査結果をもとに、これらの措置の妥当性や有効性、在京外国人生徒対象の選抜における学力検査の必要性及び応募資格確認の共通化について検討してまいりました。
今後は、平成二十九年三月にまとめられた特別部会の検討報告を踏まえ、在京外国人生徒対象の選抜制度の改善を順次講じてまいります。
○加藤委員 それでは、平成三十年度の入学者選抜において、具体的にどのような改善が図られているのか伺います。
○中井教育長 入学者選抜検討委員会の特別部会では、志願者が在京外国人生徒対象の選抜に出願する際、提出する書類の記入内容が学校により異なる実態や、各学校が受検者の母語に合わせた対応が困難であるとの指摘がございました。
このため、都教育委員会は、応募資格を確認する際、各学校に提出される書類の様式を学校間で統一するなどの改善を図ることといたしました。また、学校における応募資格の確認の機会に加え、受検者の母語に適切に対応するため、新宿の都庁舎においても応募資格の確認ができるよう体制を整えることといたしました。
今後とも、在京外国人生徒対象の選抜にかかわる制度のさらなる改善に向けて、引き続き努めてまいります。
○加藤委員 特別措置対象者の来日、帰国年数の問題など、さまざまな課題が残っていますので、今後も都教育委員会で積極的に検討していただき、一つ一つ着実に改善を進めてください。
子供は、あくまで親の都合で来日したり帰国したりするわけですから、子供に責任はありません。あわせて、入学後の生徒に対し、都立高校において適切な日本語指導が行われるよう、指導の方法、体制の充実を行っていただきたいと思います。
また、小中高にわたって適切な教育が受けられるよう、専門部署を設けて、対策の取りまとめを行ってはどうかと要望しておきます。
ことし三月には、新国際高校(仮称)設置に係る検討委員会報告書も取りまとめられ、新たな国際高校の誕生にも期待しております。国際化が進展していく中で、外国籍の生徒が学校でしっかり学べて、社会で活躍すれば、犯罪の防止や国際友好にもつながりますし、日本の生徒と切磋琢磨していけば、日本の生徒にとっても教育環境がプラスに作用すると期待しております。よろしくお願いを申し上げます。
次に、保育、介護対策について伺います。
平成二十八年一定の予算審議の際に、私が党は保育、介護対策のかなめとなる取り組みについて質問を行いましたが、本日はその成果、実績の確認を中心に伺います。
まず、待機児童問題ですが、都は昨年九月、補正予算百二十六億円を伴う緊急対策を策定し、施設整備を進めました。こうした取り組みが奏功し、本年四月の保育サービス利用児童数は、前年に比べ過去最大の一万六千三人の増加となりました。
しかし、就学前児童数の増加、女性の社会進出の増加もあり、待機児童数は八千五百八十六人と昨年から百二十人ふえており、引き続き厳しい状況となっております。私もあちらこちらで保育園ができているなという実感を持っているんですけれども、まだまだ足りないという現実があります。
そして、施設整備とあわせて大切なのが保育人材の不足の対策です。
そこで、保育人材の確保、定着に向けた取り組みを強力に進める必要があると考えますが、都の取り組みについて伺います。
○梶原福祉保健局長 都はこれまで、保育人材の安定的な確保のため、キャリアアップ補助、宿舎借り上げ支援、保育人材コーディネーターによる就職相談や定着支援などを行ってまいりました。
平成二十八年度は、コーディネーターによる就職相談の結果、百八十八名が就職し、宿舎借り上げ支援では、三十四の区市から四千二百八十四戸の申請がございました。
今年度からは、保育士が産休、育休明けに利用するベビーシッター代や保育士の業務負担軽減につながるICT化に必要な経費を支援しております。
また、本年九月に策定いたしました追加対策では、保育士の復職や再就職、保育補助者の雇用を支援する貸付事業を拡充しており、今後とも保育人材の確保、定着に取り組んでまいります。
○加藤委員 小池知事は、待機児童問題は都政の最重要課題の一つといっております。特に保育士給与の引き上げが大切です。平均としては上がっているんですけれども、勤続年数が短いとか、年齢が若いとか、まだまだ他の職種と比べて低い実態があります。給与面でも魅力ある職場となるよう、引き続き待機児童解消に向けた取り組みを一層充実してほしいと思います。
次に、介護対策について伺います。
東京は、ひとり暮らしの高齢者世帯も多く、介護が必要になり、自宅で生活し続けることが難しくなったときに利用できる施設があることは大きな安心につながります。
しかし、平成二十八年度の特別養護老人ホームの入所申込等に関する調査結果を見ると、平成二十五年度よりも減少したとはいえ、入所申込者はいまだ三万人に上っております。
都はこれまでも、さまざまな工夫をしながら、特別養護老人ホームの整備を推進してきたと思いますが、二十八年度末までの整備実績と今後の取り組みについて伺います。
○梶原福祉保健局長 都は、特別養護老人ホームの整備を促進するため、都有地の減額貸付や土地賃借料の負担軽減、整備率が低い地域の整備費補助への加算、建築価格の高騰加算など、さまざまな独自の支援策を講じておりまして、平成二十八年度末時点で四万五千九百十六人分が整備をされております。
今年度からは、地域密着型サービスの定期借地権一時金の事業者負担の軽減や区市町村有地を活用した施設整備への支援を開始いたしますとともに、整備費の高騰加算を増額しております。
また、地元の必要数を超えた特別養護老人ホームの整備に同意する区市町村が、福祉目的に活用できる基金造成のための交付金制度を創設しており、今後とも区市町村のニーズを踏まえながら、介護サービス基盤のさらなる整備を促進してまいります。
○加藤委員 特別養護老人ホームの整備を進めていることはわかりましたが、高齢者は今後もふえ続けるわけですから、引き続きさまざまな施策を講じながら、整備が一層進むよう取り組みをお願いいたします。
次に、保育サービス同様、介護においても、人材をめぐる状況は一層厳しくなってきております。
私も決算の分科会や本会議一般質問等においても、介護職員の人不足問題を取り上げてきました。保育と違って、高齢者を支えるわけですから、体力的にも精神的にも負担が大きい割には給与が少ないといった問題など多々あります。
国の処遇改善加算や都のキャリアパス導入促進事業で給与アップを図っていますが、まだまだ厳しい状況であります。したがって、介護職員の確保、定着を図るためには、職員の待遇改善に取り組むことも大切であります。
都は、昨年度から介護職員の宿舎借り上げ支援事業を実施していますが、本事業の取り組み状況について伺います。
また、より多くの事業者にこの事業を活用してもらえるよう、現在は対象外となっている地域密着型サービスも補助対象とすべきと考えますが、見解を伺います。
○梶原福祉保健局長 介護職員宿舎借り上げ支援事業は、住宅費負担の軽減等による働きやすい職場環境の確保と災害時における福祉避難所の運営体制の強化を目的に実施しておりまして、昨年度は三十八の事業者に対して百二十五戸の補助を行いました。
都は、この事業をより多くの事業者に活用していただけるよう、補助要件など、事業の概要をわかりやすく記載したリーフレットを区市町村や福祉避難所に指定された事業所に送付いたしますとともに、事業者を対象にした説明会を開催するなど周知を図っており、本年度は、十月末現在、八十の事業者から三百七十五戸の申請が出されております。
今後とも、事業の周知に努めますとともに、お話の補助対象の拡大についても検討してまいります。
○加藤委員 この取り組みは、職員の待遇改善と災害時対応の強化を図る一石二鳥の事業です。事業者の声をしっかり受けとめて、より多くの方に使ってもらえる事業になるよう、一層の工夫をお願いします。
さらに、公共団体が設置する事業所も、現在は対象外となっていますが、家賃負担が発生している例がありますので、今後対象となるよう要望いたします。
次に、介護を安定して供給していくには、地域の元気な高齢者や主婦など、介護職場に興味のある方に積極的に参加してもらい、介護の支え役を担ってもらうなど、裾野を広げる対策にも積極的に取り組むべきと考えます。
そこで、今までの取り組み状況について伺います。
○梶原福祉保健局長 都は現在、高齢者が福祉施設で活躍できる仕組みづくりを進める区市町村を支援しておりまして、平成二十八年度は十二の区市町で福祉施設での本の読み聞かせや見守り、食事の配膳などに取り組む十五の事業に支援を行い、六百四十五名の方に参加をいただきました。
また、昨年六月に設置いたしました東京都福祉人材対策推進機構では、介護職場での就労に意欲のある高齢者などに対し、食事の配膳や清掃などの補助的業務を担うための研修や介護の基本的な知識を付与する入門的な研修を実施しておりまして、平成二十八年度は合わせて百七十三名の方が就労しております。
今後とも、元気な高齢者を初め福祉職場に興味のある方が、自分に合った働き方で介護職場で活躍していただけるよう取り組んでまいります。
○加藤委員 国では、外国人技能実習制度への介護職の追加などで、介護分野における日本人労働者の減少に対策を打ち出そうとしております。
一方で、私たちの地域には、元気な高齢者がかなりいらっしゃいます。特に団塊の世代は、戦後の混乱期をたくましく生き抜いてきたせいなのか、大変お元気だなと私は感じておりますので、介護の分野がお荷物ではなくて、新しい生きがいを生み出していける、そういうような都の取り組みをお願いしたいというふうに思います。
続きまして、暑さ対策について伺います。
二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京大会は、七月から九月という夏の暑さが厳しい中、開催されます。都議会公明党は、昨年の第一回定例会において、大会を成功させるため、暑さ対策を着実に実施することが重要であり、都の主体的な取り組みを早期に目に見える形で実施するよう求めました。
これに対し都は、暑さ対策に係る全庁的な推進体制を整備し、ハード、ソフト両面にわたる対策を具体的に検討するとともに、環境局としてもミスト等の設備設置を支援する事業等、暑さ対策の取り組みを展開していくとの答弁がありました。
そこで、東京二〇二〇大会に向けた暑さ対策として、平成二十八年度において環境局が実施した主な事業の実績を伺います。
○和賀井環境局長 東京二〇二〇大会開催に向け、蒸し暑さになれていない国、地域からの観光客等に対し、暑さ対策を実施することは重要でございます。
そこで、平成二十八年度には、微細ミスト等の暑さ対策設備の設置者に補助を行うクールスポット創出支援事業として、六本木ヒルズ等六カ所の設備に補助を実施いたしました。
また、上野恩賜公園において、リオ大会に合わせたイベント開催時に、先進的な暑さ対策設備の実証を行い、微細ミストと日よけ等の組み合わせで気温が最大で二・五度下がる等の効果を確認いたしました。
さらに、東京ビッグサイトと西葛西駅前の二カ所の都営バス停留所に微細ミストを設置し、効果検証を行っているところでございます。
こうして得られました知見や補助制度を活用し、今後も暑さ対策の取り組みを進めてまいります。
○加藤委員 天候の変動も近年大きくなっておりますし、熱中症の増加も心配であります。訪日外国人のナイトライフを充実させるためにも、夜のヒートアイランド対策も重要です。環境局が全庁をリードして、思い切った対策を打っていただくよう要望いたします。
次に、オリ・パラ関係に移ります。
昨年の決算総括質疑、また本年の予算特別委員会でも、我が党が取り上げました公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の決算について伺います。
前年もそうでしたが、支払い手数料のウエートが非常に大きいです。事業費約百七十九億円のうち、支払い手数料が約百二十三億円で約七割を占めております。前年比約三十三億円の増加。
昨年も聞きましたが、改めて支払い相手先と、その内訳について伺います。
○潮田オリンピック・パラリンピック準備局長 組織委員会が支払っている手数料には、スポンサーからの協賛金収入に伴いますIOCへの権利使用料、JOCに対する共同マーケティング活動に伴う支払い、電通との専任代理店契約に伴う支払い等がございます。
個々の内訳については、契約上守秘義務に係る事項でありまして、組織委員会から契約の相手先に公表が可能か確認を行ってきたところでございますが、了解に至っておりません。
なお、IOCとの関係においては、都と組織委員会が地道に公開を働きかけた結果、ことし五月、開催都市契約そのものの公開に至っております。
今後とも、都民、国民の理解が得られるよう、可能な限り情報公開に向けて、都は組織委員会とともに引き続き努力を続けてまいります。
○加藤委員 我が党が強く公開を求めた結果、開催都市契約が公開され、IOCについては明らかになったことは評価をいたします。
次に、支出をチェックするという意味で、決算内容をさらに詳細に明らかにすべきであるし、支出に至る大会準備の取り組みについても、可能な限り明らかにしていくべきと考えますが、この点につきまして、都は組織委員会にどのように働きかけてきたのか伺います。
○潮田オリンピック・パラリンピック準備局長 都と組織委員会が一体となって、二〇二〇年大会の準備を万全に行い、大会を成功に導くためには、都民、国民に大会準備の状況を丁寧に説明し、理解を得ていくことが不可欠でございます。
都としては、決算など重要事項の決議権限を有する評議員会において、副知事二名が評議員を務めていることから、その中で重要事項の内容をしっかりと確認し、意見を述べるとともに、組織委員会に対して一層の情報公開を求めてまいりました。
都は、今後とも組織委員会の意思決定に適切に関与することで、都民、国民にわかりやすく大会準備の取り組みが伝えられるよう、組織委員会に情報公開を促し、透明性を確保するよう求めてまいります。
○加藤委員 後々、都の負担を求められ、都議会は何をチェックしているのかと、こういうことがいわれないようにしなければなりません。小池知事も大会に関しての情報公開が一つの基礎だといわれておりますので、今後も都として組織委委員会に対してしっかり情報公開を求めていくよう求めます。
最後に、産業施策について伺います。
私債権の放棄についてなんですけれども、この私債権の放棄につきましては、第三回定例会の議会報告によれば、都全体で平成二十八年度は九百六十件、約二億三千万円と多額に上っています。
また、その中でも中小企業の施設改善等への貸し付けに関するものが五十五件、約一億七千万円となっており、前年と比べて大幅な増加となっております。額として約七三%も占めております。
都の債権については、都民サービスを提供していく上で重要な財産であり、しっかりと管理を行っていくことが極めて重要です。
先般の平成二十八年度各会計決算特別委員会第一分科会においても、我が党の同僚議員が平成二十八年度の私債権放棄に関して質疑を行い、平成二十年度に債権管理条例を制定して以降、債権管理の取り組みについて強化を図っていることがわかりました。
債権管理の取り組みを厳格に行っても、なおかつ回収可能性のない債権に限って、債権放棄を行っているとのことですが、債権放棄の内容や背景を分析することは非常に重要ですので、平成二十八年度の私債権放棄について、前年度からの増減要因等についても質疑を行ったところです。
そこで、私債権放棄のうち、増要因として特に件数、金額の多い中小企業施設改善資金貸付金と中小企業設備近代化資金貸付金の概要について伺います。
○藤田産業労働局長 中小企業施設改善資金貸付金は、中小企業等が工場や店舗等の施設改善に必要な資金を、昭和三十一年度から四十九年度まで都が直接貸し付けていたものでございます。
その貸付実績は四万一千八百二件、約八百二十八億円でございまして、平成二十八年度末の債権の残件数が六十三件、残高が約八千万円でございます。
また、中小企業設備近代化資金貸付金は、工業や小売業等の中小企業者が設備の近代化に必要な資金を、国からの資金の二分の一の拠出を受け、昭和三十七年度から平成十一年度まで都が直接貸し付けていたものでございます。
その貸付実績は一万一千四百二十三件、約五百八十六億円でございまして、平成二十八年度末の債権の残件数が百十五件、残高が約五億八千万円でございます。
○加藤委員 今回の債権放棄は、都の直接貸付に伴うものであり、都民の税金を回収できなくなることから、今後も継続して多数の債権放棄がなされることは望ましくないですけれども、答弁のあった二つの貸付金については、既に貸し付けを終了していることがわかりました。
引き続き中小企業には施設改善等のニーズが多くあり、そうした現場の声に応えていくことは重要です。その際、より一層民間のノウハウを活用していくべきと考えますが、施設改善等を行おうとする中小企業が現在活用できる制度について伺います。
○藤田産業労働局長 中小企業が事業に必要な設備の増強、改良等を行う場合には、都、東京信用保証協会及び金融機関の三者が協調して実施しております中小企業制度融資のうち、設備更新融資というメニューを活用することが可能でございます。
設備更新融資は、貸出金利の上限を最低で一・五%と制度上最も低い水準に設定するとともに、都が信用保証料の三分の二を補助するなど、手厚い支援を講じているものでございまして、平成二十八年度利用実績は二百五十七件、約五十三億円でございます。
本制度におきましては、融資を実行した金融機関の債権に返済の延滞、その他の事故が発生した場合、東京信用保証協会が金融機関に対し代位弁済を行うとともに、金融機関から債権を取得し、管理を行っているところでございます。
○加藤委員 都が直接融資する場合でも、中小企業制度融資の場合でも、都民の税金が使われている以上は、可能な限り回収に向けた努力を行っていくことが当然であり、経営者のモラルハザードを防止する観点からも重要であると考えます。
また、中小企業を振興する立場からは、再生を図る企業や経営者の債務負担を軽減することも有用であり、都はこれまでも、回収納付金を受け取る権利の放棄に関する条例を制定し、地域経済活性化支援機構、REVICなどの公的な再生支援機関が支援した案件について、債権の放棄を可能とする仕組みを構築し、地域経済の発展に寄与することが期待される中小企業の再生を支援しています。
このように最大限の回収努力と中小企業の再生という両方の視点を持ちながら、都民の貴重な財産である債権管理を行っていくことが重要であり、引き続き適切に対応していただくことを要望しておきます。
最後になると思いますが、被災地支援について伺います。
東日本大震災から六年が経過しましたが、被災地は今なお風評被害に苦しみ、震災の記憶の風化も懸念されています。
都議会公明党は、発災後間もない平成二十三年度から現地をたびたび訪問し、被災者から寄せられた声を都政に届けてまいりました。特に被害が深刻であった福島県に対しては、被災地応援ツアーの事業化を図り、より多くの旅行者が福島を訪れることで、観光産業の復興を後押しすることを目指してきました。
この事業は、県内の経済と住民生活の回復に寄与する観点からも大変に重要であり、今後も地元の声に耳を傾け、現地のニーズを的確に把握し、息の長い支援に取り組んでいくことが大切だと思います。
そこで、これまでの被災地応援ツアーの実績と昨年度の取り組み状況について伺います。
○藤田産業労働局長 都では、東日本大震災による被災地復興支援のための緊急対策の一環といたしまして、平成二十三年九月から実施している被災地応援ツアーにつきまして、平成二十八年度末までに、宿泊では約十六万一千泊、日帰りでは約五万六千人分を助成することで、福島県などへの旅行を後押しし、現地の消費を喚起するなど、観光振興による復興に力を入れて取り組んでまいりました。
昨年度は、宿泊一万五千四百九十五泊、日帰り四千七百六十二人分について、その費用の一部を助成したところでございます。
さらに、新たな取り組みといたしまして、都内の学校が福島県に教育旅行を行う場合に、同県が実施をいたします教育旅行復興事業と連携いたしまして、経費の一部に補助を行う仕組みを導入し、スキー合宿など三十四件を支援したところでございます。
○栗下委員長 加藤雅之委員の発言は終わりました。
この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後二時三十四分休憩
午後二時五十分開議
○栗下委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
川松真一朗委員の発言を許します。
○川松委員 まず初めに、私からは、自治体決算のあり方、先ほどもありましたけれども、お聞きしたいと思います。
決算というのはいうまでもなく、一会計年度内の歳出歳入予算に対する実際の収支を明らかにしました数字上の実績表でございます。ですから、今まで行ってきておりますこの委員会での議論というのは、行政目的が効果的に効率的に達成されたかを検証する、そして次年度以降の予算編成につなげていく、こういうことをしっかりと考えた上で議論しなければならないということで、私は分科会を超えて、きょうを迎えました。
ところが、議会の内外において、自治体決算のあり方を民間企業の決算と同様に捉えていらっしゃる方も多数いらっしゃるのが実態です。
ここで、民間企業というのはどういうことなのかというと、損益状況や財政状況を把握するために実施をされて、その結果は株主などの出資者や債権者などに報告されます。そして、把握できた情報に基づいて以後の企業戦略計画に反映させていくというのが民間企業。一方で、自治体というのは、至上命題として収益を上げる、こういう民間にあるような発想はございませんから、そもそも前提が違っているということをまず述べておきます。
私がこういうことをいうと、自民党はそういう理屈で好きなことをやってきたのかという批判もあるかもしれませんが、もちろんそんなことはありません。いうまでもなく、議決を経た予算です。二元代表制の大きな意義がそこにあると私は考えています。その上で、今回のような決算審議というのは重たいものである、そういうふうに認識をしております。
では、ここで改めまして、歳入歳出を取りまとめる会計管理者でございます会計管理局長に、自治体における決算の役割と、そしてこの決算審議についてどのような認識かをお伺いいたします。
○土渕会計管理局長 決算の役割ですけれども、前年度の施策や事業を具体的に検証し、その教訓を翌年度以降の予算編成につなげ、施策等の効果を一層高めていくことにあります。
その役割をPDCAの一連のサイクルに当てはめてみますと、決算とはC、すなわちチェック、一会計年度における事務の検証、評価に当たります。
その中でも、その妥当性を審議する決算審査は、A、すなわちアクトの面もあり、予算執行の成果と課題を分析し、改善すべき点を明らかにすることに当たります。分析に当たりましては、執行率は一つの判断指標となりますが、加えて、事業の改善を考察するには、費用対効果を含めた多角的な検証が必要になるというふうに考えているところでございます。
今後とも、予算、事業執行、決算、その検証に基づく改善、次年度予算への反映といったPDCAサイクルの重要なプロセスである決算事務を総括する立場から、決算資料について不断の改善を行うなど、円滑かつ十分な決算審査に向け取り組んでまいります。
○川松委員 ありがとうございます。民間企業と異なる点は、この決算、執行率が低いんじゃないかと批判する方がいます。果たして執行率が低いものは、そもそも予算立ての失敗なのか、執行率が高いものがよい予算だったのか、これ、率と質の両面から判断するにはどうしたらよいのかという頭の整理が私は必要なんじゃないかなと思っています。
この特別委員会を通して、数字ありきの議論をされる方も実際おられたように私は感じております。例えば、自治体内におけるプロジェクトはもう種々さまざまです。自治体決算は単年度決算でありながら、二年や三年といった複数年度にまたがるプロジェクトも近年多くなってきました。その場合、執行率が高いイコール予算がよかった、これ一面的な見方は適切ではないということを述べておきます。今の都知事のように、過去の流れを考慮せず突然大きなプロジェクトを立ち上げる方がいるときは、特にこの点を押さえておくべきです。
例えば、三月末に議決される次年度の予算、この際には予算特別委員会で十分な審議をされるわけですが、ここに、予算は単年度なんだけれども三年間のプロジェクトというのがあります。三月に予算が審議されました。それで議決してから準備をしたときに、その次の新年度の、このプロジェクトというのは、大体十月ぐらいから始まったとします。そうすると、一年目は十月から翌三月まででその予算を使い切る。でも、二年目、三年目は、四月から十二カ月で予算を使い切るわけです。同じ金額で、同じ執行率一〇〇%ですけれども、六カ月で使う一〇〇%と十二カ月で使う一〇〇%が同じように議論されている、こういう危険性があるということを私は指摘しておきたいと思います。
一部この件に関しては、予算の繰り越しだとか発注の平準化などの努力がありますけれども、単年度で処理をするという基本的なこれ法律で縛られている自治体と、民間企業を単純に比較してはならない、そのように述べておきます。
また、契約案件でございますけれども、これはその時々で取り巻く環境の変化により落札差金が生まれる可能性があります。この落札差金が執行率に影響を与えるときもあるわけです。一つ一つのケースをつぶさに見ていきたいと考えるところであります。
契約に関しては、今の都政改革本部からは、安ければ安い方がよいという思想が見え隠れします。これも短絡的な見方であると私は思っています。コンサルタント業務などやられる方は、何が正解かわからない日々動く事象に対して、ある程度の数値で結果を出す必要があるのかもしれません。一つ一つの工事に何か見えない力が働いて本来よりも高くなっていたというならばまだしも、その勝手に流された印象操作によって、一般都民もあると思い込んでおられるこの見えない力を証明することもなく、いかにも改革のポーズのために出された契約制度改革が多くの人たちを現状困らせています。
まず、この一年間で都議会自民党がいわれなき批判を受けてきたオリンピック関連施設と豊洲市場工事について、東京都財務局は公式見解として、一連の入札契約に不正はない、公平性は担保されているとしています。であるならば、まずレッテルを張ってきた側は潔く都議会自民党と特定の議員に謝るのが筋ですが、いかにも不正があったかのような段取りで入札契約制度改革に踏み切ったわけでございます。これは、そもそも不正のないものに無理やり手を加えたわけですから、いわば無理を通して道理が引っ込んだといってもいい過ぎではございません。その結果、豊洲市場への追加工事はいまだに全件の契約に至らないという状況を生んでいます。
しかも、深刻なのは、わざわざ八月に臨時会を開いての補正予算でありました。議長指名の臨時会もあって、すぐ後ろには第三回定例会があったわけです。小池知事にいわせれば、AIが決めたとのことですけれども、これは築地市場用地の二〇二〇年大会活用という要因も一つだと捉えるのが当たり前でして、そのAIが決めた豊洲早期移転、これ決まった以上、やむを得ずに出された補正予算だったという見方が大半であります。
知事は、片側でワークライフバランスの重要性を訴えているにもかかわらず、この臨時会のために都職員の中には家族旅行もキャンセルした方もおられるようですし、議事堂内の工事も金額がはね上がりました。これは資材の調達費用要因もありますが、予期せぬ議会開会で予定していたスケジュールどおりに工事ができなかったことで、およそ七千万円としていた予算が一億二千万円に膨らんだんです。しかも、知事側は、発注を分けて発表する、一億円を超えないようにする、この見せかけの数字を出すというおまけもついてきました。
そんな小池都政の目標をねじ曲げてまで頑張ってきて、早くに通した臨時会での追加工事も、このたびの入札契約制度の改悪によって先行き不透明な展開のままであります。
二〇二〇年大会を考えますと、豊洲市場の追加工事のタイムリミットは日に日に短くなります。ゴールが決まっているものについて、契約が先延ばしになればなるほど、工期との絡みで工事費がかさんでしまうという特殊事情が考慮されていない入札契約制度改革であったのではないでしょうか。
そこで、これから平成二十八年度中に議論されて発表されました入札契約制度について、これからその検討過程について質疑をしてまいります。
改めて、小池知事が去年八月に着任して以来、都議会は劇場化したといわれています。小池知事の意に沿わない人たちを知事が進める東京大改革の抵抗勢力に位置づけ、徹底的に攻撃するやり方は、連日テレビや新聞、雑誌で報道され、偏った世論というものをつくっていきました。ある意味、都議会に世間の耳目が集まり、都民の関心が高くなった点は評価できるかもしれません。本来、多角的な議論を通じて都政を前に進めることが知事と私たち都議会の役割であります。
しかし、これまでの間の施策によって、都民の暮らしぶりの向上が実感できるほど大きな変化が生じたとはとても思えません。私自身じくじたる思いでございます。通勤ラッシュも依然苛酷でありますし、鳴り物入りで補正予算まで組んだ待機児童対策もはかばかしい成果があったとはいえません。小池知事は、都民ファースト、情報公開、ワイズスペンディングと言葉を巧みに操り、最初のかけ声は華々しく耳に心地よいのですが、結果が全くついておられないわけであります。
私は、これまで指摘してきたとおり、オリンピック問題しかり、豊洲市場問題しかり、失礼ながら申し上げれば、大山鳴動してネズミ一匹の世界は現実のものとして存在し、都政が一歩も前に進んでいないことに都民も気づき始めているのではないでしょうか。
知事には都政に専念してほしい、専念すべきだとの意見は日に日に増しています。都民は知っています。今東京が、都政が立ちどまるのではなく、積極的に課題解決に向けて進んでいくべき時期にあることを知っているわけであります。
だから、ここであえていっておきます。こうした中においても、現場では、東京都の職員の皆様方が都民のためを思って懸命に努力を重ねておられます。このことに敬意を表したいと思います。
こうした職員の皆様の声に耳をかさず、知事に妄言を吹き込んでいる側近が実は都政混乱の元凶なのではないかという思いであります。取り巻きの顧問団の口車に乗り、最終的に責任をとらされる小池知事もかわいそうな存在であります。
顧問行政の果て、都政の重要課題のうち、物事が進まないどころか、症状が悪化の一途をたどっているのが入札契約制度改革でございます。この改革の源流は、去年九月に設置された都政改革本部の内部統制プロジェクトチームに求めることができます。きょうは決算審査でございますから、この点をひもといていきます。
まず、都政改革本部の内部統制プロジェクトチームの設置目的について伺います。
○多羅尾総務局長 内部統制プロジェクトチームは、都民ファースト、情報公開、ワイズスペンディングの三つの原則に従い、より適正で効率的な行政運営を行うには、内部統制の仕組みを全庁的に強化する必要があることから設置したものでございます。
なお、本プロジェクトチームについては、知事が平成二十八年九月九日の定例記者会見において同日付で設置し、契約、入札のあり方等を検討すると発表しております。
○川松委員 ありがとうございます。ありがとうございますなんですが、今回の質疑に当たって総務局のホームページを確認したところ、設置に関する資料は掲載されておりませんでした。しかし、これまでの内部統制プロジェクトチームが昨年度どんな会議を進めてきたのか調べよう--設置に関する資料は掲載されていましたけれども、内部統制プロジェクトチームが昨年度どんな会議を進めてきたのか調べようと思って、さらに都政改革本部のホームページ、トップ画面から入ろうとしたら、これリンクが張られていないこと、すぐ出てこないのであります。むしろ市場問題プロジェクトチームへのリンクはしっかり張られていて、各会議の資料を見ることができました。
ことし四月八日に、市場問題プロジェクトチームの座長であった小島敏郎氏が築地現在地再整備案、いわゆる小島私案を突如発表し、市場関係者に混乱と分断を招いたことがありました。私自身、市場問題PTの座長であり、東京都顧問であり、東京都専門委員であった小島敏郎氏の暴挙について肩書の私物化だと批判をさせていただき、二度とこのようなことが起きないようくぎを刺したわけでございます。この四月八日の築地での資料も総務局のホームページに掲載されています。顧問団で構成される内部統制プロジェクトチームは特別扱いなのかなと今回感じたわけであります。
こういう状況の中で、確認いたしますが、内部統制プロジェクトチームは、入札契約制度改革の実施方針の発表までにどんな調査を行ったのかを伺います。
○多羅尾総務局長 内部統制プロジェクトチームでは、具体的なケーススタディーなどをもとに随時打ち合わせを重ね、入札契約制度改革の実施方針を取りまとめました。
検討に当たっては、豊洲新市場や東京二〇二〇大会に係る施設の建設工事、また、都の過去三年間における競争入札に付した工事契約の落札結果に関するデータなどのほか、国や他道府県の入札契約制度の状況等について調査分析を行っております。
○川松委員 ありがとうございます。ことしの九月下旬に築地再開発検討会議の設置とメンバーが公表されましたが、十月の初めに松澤香氏は同会議に出席することなく委員を辞任いたしました。希望の党の衆議院比例区の政見放送に小池知事とともに登場し、親密さをアピールしながら希望の党の政策を紹介しておられました。都の有識者会議への委員への着任と辞任、特定国政政党への立候補者への起用にご都合主義、都政の私物化のにおいを感じますが、この後任に着任したのが内部統制プロジェクトチームの一員でもある小池達子氏でございます。公共工事や公共調達などについて造詣の深い方なのか、私、大変申しわけございません、存じ上げませんけれども、そうした特別顧問等の内部統制PTメンバーの人選というのは、財務局と相談することはなかったのかお伺いいたします。
○多羅尾総務局長 都政改革本部設置要綱では、本部長は、必要があると認めるときは、専門的な課題を検討するためのプロジェクトチームを設置することができると規定されております。
内部統制プロジェクトチームは、この規定に基づき本部長である知事が設置したものであり、メンバーとなる特別顧問等の人選については知事が行っております。
○川松委員 これは現場をよく知っている財務局の方と相談しなかったという認識になりますけれども、都政を前に進めていくためには、議会、理事者の力だけでは不可能です。道路建設も、都立学校を初めとする公共施設の整備も、理事者が民間事業者と契約し、その民間事業者の技術でよりよいインフラ整備を実現していくわけであります。そのために、契約に必要なさまざまな要因は何なのか、それを確認し、年度末の一カ月をかけて予算審議をしているわけです。こうした点から見れば、都の入札契約制度は、行財政運営の根幹部分であることは否定できません。
しかし、聞こえてくる建設業者、とりわけ中小建設業者の悲鳴を踏まえれば、内部統制プロジェクトチームの委員たちが、これまでの都の入札契約制度の事情を理解した上で真っ当な改革を進めたとは考えられないのであります。
そこで、財務局の皆さん方は、この顧問団に十分に説明する機会はあったのか、なかったのか、伺います。
○武市財務局長 入札契約制度改革につきましては、都政改革本部の内部統制プロジェクトチームにおきまして特別顧問と財務局とで検討を行ってまいりました。昨年九月以降、特別顧問との打ち合わせを十四回実施をいたしまして、財務局からは契約制度の内容や落札率などの指標について説明を実施しております。
また、制度改革の実施方針の策定に当たりましては、特別顧問から提案されました今後の改革の方向性に沿いまして、国など他団体の制度も参考にしながら、特別顧問とともに検討を行ったところでございます。
○川松委員 ありがとうございます。とすると、その何度も重ねる議論の中で、財務局の皆さん説明をしたけれども、顧問団の皆さんは理解されなかったか、聞き流したか。だから、そのことが現状の現場の混乱を生んでいるというふうになると思います。
私の手元に、去年の十一月一日と二十八日の内部統制プロジェクトチームの検討状況について(入札契約制度)の資料があります。内部統制PTと財務局の名前が併記された資料です。これらを見ると、競争性もさることながら、契約手続の透明性、入札参加者の公正性、履行品質の確保が重要であることが訴えられています。
また、一者入札、これ豊洲の件で今注目されていますけれども、一者入札についても電子調達システムを採用しているので、ネット上で開札し公開するまではほかの入札者がいるかどうかわからないから、一者であろうとなかろうと、ネット上では競争性がそがれない状態で入札が行われていると解釈できる、こういったことの書かれた資料になっています。
であるならば、今なぜ一者入札はだめなんでしょうか。文明の利器、インターネットを使って効率的な入札が実現できているではないかと私は考えますよ。顧問団は、改革を演出したいがために、あえて一者入札を禁じることにしたとも捉えられます。この一者入札禁止のルールが、先ほどもいいましたけれども、豊洲の追加対策工事の契約締結のおくれにつながったことを忘れてはいけません。これが築地市場移転時期のおくれにつながり、環状二号線の整備のおくれにつながる。その結果、晴海の選手村と新国立競技場との円滑な移動が実現できなくなり、日本がホスト国として大恥をかくことになります。東京は開催都市として恥をかくことになります。こうなったら最悪のシナリオであります。顧問団はいいっ放しで、その口車に乗ったがために国民から指弾を受けるのは知事なんです。小池知事がかわいそうでなりません。
これ、予定価格の事前公表についても、こうやって記載されているんですね。予定価格を事前公表すると入札価格や落札率が高くなるとの誤解があるが、不特定多数の事業者が参加する一般競争入札では、予定価格の公表が事前でも事後でも落札率に大きな差は生じないと資料に記載されているんです。でも、改革後はぱっと事後公表にしました。さしずめ、事前でも事後でも大きな差がないのなら、とりあえず事後公表にして、問題があれば戻せばよいと顧問団は考えていたんじゃないでしょうか。それが試行というこの逃げ道をつくっているように私は感じます。
しかし、先ほど申し上げましたとおり、都の入札契約制度は行財政運営の根幹部分です。この影響というのは、もう点ではなくて面で広がっていきます。影響ははかり知れません。
そこで、財務局におけるこれまでのこの顧問団が登場する以前の入札契約制度改革議論の足跡を伺います。
○武市財務局長 入札契約制度につきましては、社会経済状況の変化に応じまして、これまで不断の改革を進めてきております。最近では、平成二十年に入札契約制度改革研究会を設置いたしまして、外部有識者や建設業界団体の意見を踏まえながら改革に取り組んでまいりました。
公共調達を取り巻く環境が低入札から入札不調へと変化する中、改正品確法の理念でありますインフラの品質確保とその担い手の中長期的な育成、確保の実現に向けまして、入札に参加しやすい環境整備を図ってまいりました。
今回の改革では、これまでの取り組みを踏まえつつ、より多くの入札参加者を確保し、適正な競争により契約が締結されたことを都民にも見える形に再構築し、入札の透明性を高めることを主眼に検討を行い、実施方針を取りまとめたものでございます。
○川松委員 ありがとうございます。つまりこれまで多年にわたって財務局の皆さんは取り組んでおられた。その取り組んだことを一応顧問団には説明する機会はあったけれども、なかなかそれは採用されなかった、そういうことだと思います。
ご承知のように、これまで共同企業体、いわゆるJV制度の活用がなされてきました。その趣旨というのは、大規模工事経験のない中小企業に経験を積ませて育成する面と、中小企業の受注機会の増大を図るというものでございました。ところが、今回の改革でその促進施策は廃止されました。廃止のふれ込みは、中堅企業単体でも受注が可能となり、受注機会がふえるとのことでありました。本当にそうでしょうか。大手企業の落札が相次いで、中堅企業は大変な苦境にあると建設業者からは私、聞いております。
かつて民主党政権時代にコンクリートから人へと標榜され、全国で公共工事の大幅な削減がなされた時期がございました。その結果、建設業の転廃業が相次ぎ、総体としてインフラ整備の力が大幅に低下したわけであります。そこに東日本大震災が発生し、急ぎ復興再整備に取り組もうとしても肝心の建設事業者がいない、ベテランの職人さんがいないという事態に陥ったのは誰もが知っていたはずです。首都直下地震があす起きたら、都は誰の手をかりるんですか。都の職員の皆さん方が直営でインフラ復興に取り込まれるんですか。建設事業者の力をかりなければ無理だと私は思います。
こうしたことを考え合わせて、公共工事の品質確保の視点で中長期的な担い手確保を進めていくことは大変重要であり、こうした点でも改革前の仕組みは合理的だったわけです。こうしたことを当の建設事業者から伺うわけであります。私は聞いています。
じゃあ財務局の皆さん、各方面の関係者のヒアリングは、この改革に向けてされてきたんでしょうか。
○武市財務局長 入札契約制度をよりよいものにしていくためには、発注者と業界団体との間で契約制度や工事技術に関しまして意見や情報の交換を行うことは重要であると認識をしております。
こうした観点から、財務局では、例年、外部有識者から構成される第三者機関であります入札監視委員会の場におきまして、主要な建設業界団体との意見交換を実施しております。
今回の改革におきましても、こうした業界団体の声を踏まえながら、内部統制プロジェクトチームにおける入札契約制度改革の検討を進めてまいりました。
○川松委員 ありがとうございます。ただし、これ指摘しておきますけれども、ヒアリングを行っても、受注者の立場は弱いですから、建設事業者などは本当の気持ちのわずかしか口に出していないケースもあるかと思います。また、せっかく貴重な意見を耳にされても、それを丁寧に分析して、施策に生かしてくださる顧問団がいなければ意味がないんです。そういう意味で、不断の努力を続けていただきたいと思うのでありますが、その声を最終決定権者にしっかりと皆さん方に伝えていただきたいんですね、これ要望しておきます。
じゃあこれ、本年三月末、昨年度末のこの改革の試行を発表するに当たり、最終決定者は誰だったんでしょうか、お伺いいたします。
○武市財務局長 入札契約制度改革の実施方針は、都政改革本部において取りまとめたものではございますが、これを最終的に実施するかどうかの判断は東京都が行うものでございまして、その責任は東京都知事にあるものと考えております。
○川松委員 東京都知事の責任のもとでやられた改革、この試行が豊洲市場の追加工事の混乱を招いている、このことを指摘しておきますけれども、ただ内部統制PTというのは、あくまで知事に提言をする立場であることは理解しています。しかし、今の話だと、決定は知事ですけれども、実質的にこの改革に誘導してきたのはこのPTにおられる顧問団に違いありません。かつて市場問題PTである委員が、知事に助言する立場でありながら、知事に一度も会ったことがないという委員もおられたわけです。
今回の件で、内部統制PTと小池知事は、この発表に至る前に意見交換されたことはあるのかお伺いします。
○多羅尾総務局長 内部統制プロジェクトチームにおける入札契約制度に関する検討内容は、知事や同プロジェクトチームのメンバーも出席する都政改革本部会議で逐次報告しており、会議の場で意見交換を行っております。
○川松委員 ありがとうございます。ということは、都政改革本部会議の、インターネットでも中継されているあの場でしか意見交換されていないということになります。余りにもこれ、顧問団の皆さん、東京都の未来に向けて大きな改革をしようとするのに、一方的に自分たちでこの案がいいですよと知事にいって、知事はそうしましょうと。多分知事からしたら、顧問団の皆さんは現場をよく全部歩いて、いろんな声を聞いて、もうこれしかないんだといわれた案だと思って僕は三月末に発表したんだと思いますけれども、あの会議でしか話をしていないというのは余りにも無責任じゃないでしょうか。
先ほども申し上げてまいりましたけれども、都の入札契約制度は行財政運営の根幹部分なんです。今たまたまこれ、豊洲の市場のことが話題になっていますけれども、この先になったら全局さまざまな事業にかかわることだと思います。全庁的に大きな問題になってくる可能性があるんです。
冒頭にいいましたけど、わざわざ夏休みまで返上し、大勢の方々のワークライフバランスを崩してまで臨時会を開き補正予算を審議したのに、都政の重要課題である豊洲市場の追加対策工事は入札契約制度の改悪にひっかかって前に進まなくなっているんです。このような事例が続けば財務局や総務局だけの話ではなくなり、もうこれは危険な状態に東京都が陥っていく、そういうふうに私は心配しております。年度末には深刻な事態となっているのかもしれません。このまま手をこまねいて放置することは、執行機関をチェックすべき都議会としてあってはならないことであります。
小池都政での行財政運営全般を都議会で検証しチェックしていく特別な体制を設けていくことが、今もしかしたら都政には必要なのかもしれません。重要なテーマでありますので、きょうは私の胸のうちをしっかりと表明させていただきました。
次に、多摩産材の話をお伺いしたいと思うんですが、東京には総面積の約四割に及ぶ広大な森林があり、林業関係者の長年にわたる努力により守り育てられてきました。この豊かな森林を維持するには、確かな森林循環を進めていくことが重要であります。
これまで都は、花粉発生源対策として森林循環促進事業を実施し、多摩産材の安定的な供給に向けた取り組みを重点的に実施しております。さらなる森林循環の促進に向けては、木材の利用面からの取り組みも重要であり、そのためには、地域の財産である、地域材である多摩産材をもっとPRしていくことが必要であります。
都では昨年度から、公共施設や民間施設で多摩産材を積極的に活用していこうという事業を開始しておりますが、平成二十八年度の取り組み実績と多摩産材のさらなる利用拡大に向けたこの課題についてお伺いしたいと思います。
○藤田産業労働局長 都は、多摩産材の認知度向上を図るため、多くの都民の目に触れる都の関連施設や民間商業施設等における多摩産材の利用促進に取り組んでおります。
平成二十八年度は、東京都美術館や東京国際フォーラムなど六つの都の関連施設で多摩産材で作製したテーブルやカウンター等を設置したところでございます。また、民間商業施設における多摩産材利用を促進するための基金を設置し、駅ビルやショッピングセンターなど四つの商業施設の内装や什器等への活用に対する支援を決定しており、順次着工しているところでございます。
今後は、こうした取り組みに加え、区市町村の公共施設等における多摩産材利用を進めるとともに、都内各地でのPRを強化していく必要があると考えております。
○川松委員 ありがとうございます。二〇二〇年の東京オリンピック競技大会まで千日を切りました。本来であれば、これ前向きな話をしたいんですが、さっきの入札契約制度改革が後ろ向きな話になってしまいましたけれども、今こそ、大会関連施設、ここに多摩産材をどんどん入れて、日本中に、世界中にPRしていく絶好の機会だと私は思っています。先日、都が選手村ビレッジプラザに多摩産材を提供するという報道もありましたが、ほかの施設においても多摩産材の活用を進めるべきです。
二〇二〇年大会における木材利用は、国際森林認証の取得が条件となっています。しかし、認証取得には専門的なノウハウが必要でありまして、これ事業者にとっては実はハードルが高いんじゃないかなと私、懸念しています。それゆえ、都では事業者の国際森林認証の取得に向けた支援を実施されているんですけれども、二十八年度、この取り組みはいかがだったのかお伺いします。
○藤田産業労働局長 東京二〇二〇大会の木材調達基準では、伐採の合法性など持続可能性に配慮した木材を使用することが定められております。これに適合する認証制度といたしまして二つございまして、まずは森林の所有者等が取得する森林管理認証、それから二つ目が木材の製材加工流通にかかわる事業者が取得する加工流通認証がございます。
都は、大会関連施設に多摩産材を提供できるよう、認証取得に必要なコンサルタント費用や認証機関の審査料に加え、その更新費用などを支援しているところでございます。
平成二十八年度の認証取得の支援実績は、森林管理認証が三百八十三ヘクタール、加工流通認証が九事業者でございます。
平成二十九年十月末現在、認証取得の累計はそれぞれ一千八百十九ヘクタール、十八事業者となっております。
なお、委員お話しの選手村ビレッジプラザでは、認証を受けた多摩産材を約八十立方メートル提供する予定でございます。
今後も引き続き認証取得を支援することにより、大会関連施設における多摩産材の利用を促進してまいります。
○川松委員 ありがとうございます。二〇二〇年大会の多くの関連施設で多摩産材が使用されて、東京の木の地産地消や、そして持続発展可能な森林の循環が促進されることは重要であると思いますので、ぜひともよろしくお願いいたします。
そしてまた、来年の秋には、皇太子、皇太子妃両殿下をお招きしまして、東京で初めてとなります全国育樹祭が開催されますけれども、この全国育樹祭は、森づくりや木材利用の機運を醸成する重要な行事でありまして、開催を契機として、都民の身近なところで多摩産材利用がもっと進む方策を検討することが必要ではないかということを指摘しておきます。
また、この国際森林認証の取得については、今多摩産材の話をしておりますけれども、この都の取り組みが日本中の林業の皆さんを支えていく新しい価値観を生み出していく、そういう取り組みになるだろうということを期待しておきます。
一方で、都内の中小企業の産業構造についてお話をしていきたいと思いますが、我が国は、少子高齢化と人口減少という人口構造の大きな変化、そして市場の、マーケットの成熟化など、大きな転換点の上に今立っています。日本経済を牽引する役割を担う首都東京は、こうした急速な社会と産業の変化に対応するとともに、急成長するアジア諸国など新興国との競争にも打ち勝ちながら、その活力を今まで以上に高めていくという、こういう命題を負っているわけであります。
その都内経済を支えるのは中小企業、世の中の変化を的確に捉えて、新しい製品やサービスの開発に果敢に挑戦し、新たな需要を創造していくことが大切なんです。東京の中小企業には、独創的なアイデア、そして高い技術力を持ち、意欲がある方が多いんです。これまでにないビジネスモデルや新市場を生み出すイノベーションの源泉は、この東京の中小企業にこそ私はあるんじゃないかとずっと感じております。
東京には、こうやってきらりと光る中小企業に加えて、先駆的な技術を持つ大学や研究機関、さらにはグローバルに活動する大手企業などが集積しているという特徴があります。中小企業の可能性を一層引き出していくためには、こうした主体を結びつけ、革新的な製品サービスの創出を図っていくことが鍵だと思っていますが、平成二十八年度における中小企業のイノベーションに向けた支援の実績を伺います。
○藤田産業労働局長 都は、大都市の抱える課題の解決に役立ち、将来の成長の期待できる産業で活用が見込める技術の開発テーマを示し、その内容に沿って、中小企業が研究機関や大企業と連携して行う取り組みに助成を行っているところでございます。昨年度は十四の案件を採択し、開発経費を最大四年間、支援することといたしました。
また、既存分野と新技術をこれまでと異なる発想で組み合わせ、新たな事業分野をつくり上げる提案を募り、その実現に向け、中小企業が大企業や大学と協力し製品を開発する三件の取り組みに対し助成を行うことといたしました。
さらに、多摩地域に集積する中小企業や大手企業のほか、大学等が互いに交流するきっかけとなるセミナー等を二十一回開催をいたしました。これによって、中小企業と大手メーカー等との間で三十六の取引や共同研究が実現したところでございます。
これらの取り組みにより、中小企業が新たな技術等をつくり上げるため、大企業等とも協力する取り組みを着実に支援しております。
○川松委員 ありがとうございます。今後、GDP百二十兆円の実現に向けて、新しいマーケットを確立していく、そういう影響力のあるビジネスモデルがこの東京の中小企業からあらわれるということを私は夢に見ております。
東京の中小企業から、今、局長がお話しになったようなことから成功事例をどんどん生み出していくためには、研究機関の皆さんの力をかりたり、大企業等の知見や資金力、販売ネットワーク等の結びつきをさらに強めるなどの視点が重要だと思っています。
ぜひ引き続き、イノベーション支援策の一層の強化を要望いたしまして、私の質問を終わりとします。ありがとうございました。
○栗下委員長 川松真一朗委員の発言は終わりました。
里吉ゆみ委員の発言を許します。
○里吉委員 私からは、まず初めに、東京都の若者政策について伺ってまいります。
国では、子供、若者支援全般を網羅する子ども・若者育成支援推進法が制定され、都の担当所管は青少年・治安対策本部となっています。
青少年・治安対策本部は、青少年対策、治安対策、交通安全対策の三つの事業がありますが、その予算、決算を見てみますと、青少年育成総合対策の推進、予算は三億六千三百二十四万円で決算は二億八千百八十八万円、治安対策の推進は、予算は九億四千四百六十六万円で決算が七億三千七百十一万円、交通安全対策、予算四億六千七百八十四万円、決算三億二千百九十二万円となっております。青少年・治安対策本部の中で青少年の予算の割合は全体の二割程度、執行率は七七%となっておりました。
私は、青少年・治安対策本部の事業の中でも、近年重要性を増しているのが若者対策、青年対策だと考えております。
二〇〇九年に総合的な子供、若者育成支援を推進することを目的として、子ども・若者育成支援推進法が制定されました。国の子ども・若者育成支援推進法は、日本国憲法と児童の権利に関する条約の理念にのっとり、子供、若者の最善の利益を尊重する、子供、若者は大人とともに社会を形成する主体者として支援することとされております。
この法の制定を受け、二〇一五年に都で制定いたしました子供・若者計画でも、第一の柱に全ての子供と若者の健やかな成長と社会的自立を支援することが掲げられております。従来の十八歳未満の青少年だけでなく三十歳までの若者も位置づけて健やかな成長を支援する、またポスト青年期、四十歳未満までも制度によっては支援をする、こういうものになっております。
しかし、実際には、東京都の子供・若者計画では、若者が主体的に活躍することを支援する視点が極めて弱いと思います。
そこで、若者が活躍できるような取り組み、東京都としても推進すべきと考えますが、見解を伺います。
○大澤青少年・治安対策本部長 全ての若者が社会的に自立し、活躍できるように取り組むことは、将来の東京の発展の礎をなすものであります。そのため、青少年・治安対策本部では、若者に対しては悩みや不安の解消に向けた相談窓口を充実し、若者一人一人に寄り添い、社会的に自立できるよう支援をしております。
また、子供に対しては、生き生きとした若者への成長を果たすことができるよう、中学生に職場体験をする機会を提供するなどの健全育成に資する事業や、健全育成を阻害するおそれのあるネット上の有害情報等から保護するための取り組みなどを推進しております。
今後とも、若者が社会的に自立し、社会の一員としてさまざまな分野で活躍できるよう、庁内関係各局、区市町村、関係機関とも連携しながら、これらの施策を総合的に行ってまいります。
○里吉委員 今ご答弁いただきましたが、若者の悩み相談、ひきこもり対策は行っています、生き生きとした若者になれるよう、高校生までの子供の取り組みを行っています、各局、関係機関と連携していますというご答弁だったと思うんです。困難を抱えている若者に対する悩み相談、ひきこもり対策以外は、各局、各区市町村、関係機関との連携と枠を広げても、なかなか具体的な施策が見えてこないのが現状だと思います。
そこで私、実際、子供・若者計画を見てみましたが、社会参加の意識を育む施策の中で、子供に加えて若者も対象にした施策はユース・プラザぐらいしか見当たりませんでした。若者の社会参加事業として、東京スポーツ文化館、高尾の森わくわくビレッジの活動がありますが、二十以上、二十代中心にした社会教育事業の昨年度の実績と概要について伺います。
○中井教育長 青少年の自立と社会性の発達を支援し、広く都民に文化、スポーツ活動の機会と場を提供する東京スポーツ文化館及び高尾の森わくわくビレッジでは、昨年度、十六の特色ある社会教育事業を行っております。
このうち、お尋ねの若者を対象にしたものとしては三事業を実施いたしました。具体例を挙げると、若者の企画力や創造力を育むチャレンジ・アシスト・プログラムでは、若者を中心とする十八団体がそれぞれに企画した社会貢献活動等の提案発表を行い、そのうち、若者の学び直し支援や相談活動等の優秀な提案をした五団体が活動費の一部助成を受け、それらの実践を行っております。
今後とも、このような事業を通じて、若者の社会的自立に必要な力の育成を図ってまいります。
○里吉委員 それぞれ重要な事業だというふうに思いますが、三事業のみなんですね。
そもそも東京都は、二十代の若者に対する支援を縮小させてきました。例えば、青少年対策を生活文化局が所管していたころにあった青少年センターも廃止した。青少年の社会教育施設として、今ご答弁いただきましたが、重要な役割を果たしていた教育庁の青年の家も七カ所あったものを二カ所に縮小、統合してしまいました。三十歳までの青年の意識調査も、以前は三年に一回、定期的に行って都の政策展開の基礎としてきましたが、今は休止状態です。
他の道府県を見ても、例えば山形県では、若者が活躍できる基盤づくりの推進として、県の政策方針、意思決定過程への若者参画の拡大とか、若者の主体的な活動や活力創出の取り組みに対する支援を充実するなど、若者が県づくりの主体として活躍できる環境づくりを推進しています。
東京都でも、十八歳以上の若者の主体的な活動への支援をもっと位置づけることを強く求めます。
青少年、若者支援の強化を考えたときに、そもそも若者政策と治安対策がなぜ同じ部署の中にあるのか、私はとても違和感があります。
改めて、設置の経緯について調べてみましたら、青少年・治安対策本部の設置経緯というのが事業概要に書いてありました。
読みますと、東京都では、都内の刑法犯罪認知件数が平成十四年に三十万を超えて戦後最悪の水準を記録したことを背景に、治安の維持こそ最大の都民福祉との認識に立ち、東京の治安回復のため、平成十五年八月に副知事を本部長とした緊急治安対策本部を立ち上げ、外国人組織犯罪、少年問題、安心・安全まちづくりの推進を重点とする取り組みを開始した、その後、治安問題の根底には青少年の問題が深く関連していることから、平成十六年八月に青少年問題対策担当を中心とする青少年育成総合対策推進本部を知事本局に設置したと。その後、これが今の青少年・治安対策本部になっているというわけです。
要するに、治安維持回復のために青少年対策をするということだと思うんですね。これでは青少年、若者を権利の主体として、その成長を支援するという立場に立てるはずはないというふうに考えます。
実際には、今の青少年・治安対策本部の皆さんは、子供・若者計画を所管し、困難を抱える若者に対し、ひきこもり対策や若ナビ相談事業などの支援を担うなど、治安対策にとどまらない対策をふやしてきています。今後さらに、今私が求めたような若者の主体的な社会参加を支援する事業なども推進することが求められています。
そのためには、治安対策と一体となった今の組織の枠組みを変えることが必要です。組織再編も含め、青少年対策をこれまでの枠組みを打開して充実させることを求めて、次の質問に移ります。
次は、先ほどお話ししました青少年・治安対策の中で取り組んでいただいているひきこもり支援についてです。
私はこれまで、二回の一般質問で、ひきこもり支援の拡充を求めて質疑を行ってまいりました。都では現在、ひきこもりサポートネットで相談活動や自治体支援など取り組みを進めております。
そこでまず、昨年度のひきこもり支援対策のそれぞれの予算と決算、主な実績について伺います。
○大澤青少年・治安対策本部長 ひきこもりの本人やその家族への支援を行うに当たっては、都、区市町村、NPO法人等の民間団体や関係機関が連携し対応する必要があり、都においては、みずから相談事業等を実施するほか、区市町村や民間団体への支援を行っております。
都におけるひきこもり対策の事業については、平成二十八年度の予算現額は九千八百七十九万九千円、支出済額は六千八百二十八万四千円となっております。
これらの主な実績としては、都では、ひきこもりの本人や家族からの相談窓口である東京都ひきこもりサポートネットを運営し、電話やメールによる相談のほか、訪問相談を実施し関係機関につないでおり、平成二十八年度の相談実績は五千四百五件となっております。
また、区市町村に対しては、支援体制づくり等に対して財政支援を行っており、平成二十八年度については二自治体に対して補助するとともに、区市町村のひきこもり担当部署の職員の人材育成に資する研修を行っております。
さらに、地域でひきこもりからの自立支援を行うNPO法人等の民間団体の取り組みを支援する東京都若者社会参加応援事業については、平成二十八年度は新たに二団体を認定し、現在十九団体を登録しております。
なお、今申し上げたひきこもりの若者支援を含めた青少年施策については、さらなる情報化の進展など、青少年を取り巻く社会情勢の変化や、依然として子供が被害者となる事件等が発生している現状を踏まえ、治安対策と一体的に取り組むことで東京の安全・安心に向けた取り組みを効果的に進めております。
○里吉委員 治安対策として警察に青少年の担当課があるのはよく存じております。でも、ほかの自治体は全てそれとは別にきちんと道府県に青少年の担当の窓口がありますので、それはぜひ考え直していただきたいということを再度申し上げておきます。
今お話しいただいたように相談窓口事業と、受け皿となる支援団体の事業と、区市町村への支援体制づくり、行っているという中で、特に訪問相談、アウトリーチ支援について伺いたいと思います。
長期間引きこもっている方がみずから相談に出ていくことは非常に困難ですから、家族の方も、誰にも、どこにも相談できずに孤立している、こういうケースも少なくありません。だからこそ、自宅に直接訪問するアウトリーチは大変重要です。都として、電話やメール相談に加えてアウトリーチ支援を始めたことは大事な一歩だったと思っていますが、おおむね半年で五回の訪問ということでは解決できない場合も出てくるのではないか、その後の支援が不十分ではないかと一般質問でも取り上げてまいりました。
現在は、可能な場合は、個別のケースに対して検討会議も行っていると、訪問しただけで終わらせていないということも伺って、少し安心をいたしました。
そこで、昨年度の訪問相談の実績と、個別のケース検討会議の目的や実績、またメンバー構成について伺います。
○大澤青少年・治安対策本部長 東京都ひきこもりサポートネットの平成二十八年度の訪問相談の受け付け件数は三十九件であります。
訪問相談案件のうち、ひきこもりのご本人の同意が得られた場合について、案件の状況に応じ、福祉、保健医療、雇用等の分野の区市町村の関係部署や地域の支援機関が参加するケース検討会議を実施しております。ケース検討会議は、ひきこもりのご本人の状況に応じた支援策を検討することを目的として実施しており、平成二十八年度は試行として十一のケースで実施いたしました。
○里吉委員 このサポートネットの委託先となっていますお茶の水女子大の研究室で以前お話を伺ったときに、五回の訪問で、どこかの支援団体につなげるかどうか、またつないだとしても、それでうまくいっているかどうか、後追いが必要だとおっしゃっていました。今回、このケース検討会議も行っていただいているということなんですが、まだ本格的にはこれからの事業だと思いますが、特に長期に引きこもっていた方は、社会に出ていくようになるまで同じくらい長期間、時間がかかる場合が多いと聞いております。
ぜひ、関係機関が集まるこうした検討会議を開いて、情報の共有、関係機関が一緒になって支援できる体制をこれからつくっていただきたいということを要望しておきます。
次に、ひきこもりの支援団体について伺います。
サポート事業の担当者の方から、さっきも申し上げましたが、その方たち、訪問相談を行ったら、次のところにつないでいくわけですが、相談者にふさわしい支援団体につなごうと思っても、そもそも支援団体が不足している、これが今後の課題だということも伺ってきました。毎年少しずつ認定団体はふえておりますが、現在まだ十九団体と、まだまだふやす必要があるというふうに思っております。
ところが、伺いましたら、支援団体に出していた補助金を昨年末終了してしまったと。これはいろいろ理由があってということを聞きましたけれども、それでお伺いしたいのは、補助金も切ってしまって、ひきこもり支援団体の登録を、では東京都はどうやってふやしていこうとしているのかということなんです。
それから、この十九の団体は所在地も偏在しているんですね。東京都が訪問相談を行って、どこか居場所、フリースペースを紹介しようと思っても、例えば三多摩であれば、福生市、三鷹市、町田市、調布市と、JR青梅線、中央線、小田急線、京王線の沿線に一カ所ずつ。西武線沿線にはありません。こういう状況なんですね。渋谷とか新宿にもあるから、そういうところに行けばいいじゃないかという話は、引きこもっていた方に対して余りにも酷な話だと思うわけです。
私の知っている方の息子さんも長期間引きこもっていますが、近くのコンビニに行くのも今大変な状況です。買い物も家族に頼むような状況です。こういう方がいざフリースペースに行こうと思ったときに、バスや電車を乗り継いで遠くの人混みの中に出かけていくのが相当困難だと思うのは私だけではないと思います。
そこで、改めて、東京都はこの支援団体、NPOの団体が、数が十分だという認識なのか、それから所在地には大変偏りがあると、カバーできていない地域があることについて、私は今後の課題だと思っていますが、東京都にそういう認識はないのかどうか、あわせて伺います。
○大澤青少年・治安対策本部長 ひきこもりからの自立支援を行いますNPO法人等の果たす役割は非常に大きいと認識しており、事業開始した平成二十三年度以降、既存団体については、事業内容について評価しつつ、新規の登録団体をふやしてきており、二十八年度においても、先ほど答弁したとおり、新たに二団体を認定したところであります。
引き続き、ひきこもりからの自立に向けた支援サービスを必要とする方々が身近でサービスを受けられるよう、支援プログラムを適正かつ継続的に実施できる団体について認定して登録していくこととしており、今年度についても既に新規募集を開始しております。
○里吉委員 これからまた裾野を広げようと思ったら、今でき上がっている団体だけではなくて、新たな団体を育てるような努力も必要だと思うんですね。ですから、そういう意味では、東京都としてどれぐらいの数ふやすのか、どの地域にふやすのか、そういう目標も持って、ぜひ支援団体の数をふやしていっていただきたいと思います。
そして次に、この事業が始まって以来、関係者の皆さんから繰り返し指摘されてきた三十四歳という年齢の線引き問題について伺います。
子供・若者計画の対象年齢は、青年期は三十歳までとなっております。施策によっては、四十歳未満までのポスト青年期も対象にすることとなっております。しかし、ひきこもり支援の対象はなぜかおおむね三十四歳まで、科学的もしくは学術的な明確な根拠でも示してもらわなければ納得できません。ぜひ明確な根拠を示していただきたいと思います。
○大澤青少年・治安対策本部長 ひきこもりの状態は、心身の健康に影響を及ぼし、あるいは社会経験を積む機会が失われるなどのおそれがあります。ひきこもりの状態にある若者については、就学や就労などの自立や社会参加に向けて早期に支援につなげ、ひきこもりの状態の長期化を未然に防ぐという趣旨から、東京都ひきこもりサポートネットの対象年齢を設定しているものであります。
なお、対象年齢を超える方から相談があった場合には、相談内容に応じて適切な関係機関をご紹介するなど、丁寧に対応しているところでございます。
○里吉委員 特に科学的、学術的な根拠はないということです。都としてこれくらいまでに相談に来れば長期化を未然に防げるだろうということですよね。でも、実際には十代から引きこもっていて、三十歳でも十年以上の長期間にわたるひきこもりの方もいますし、逆に就労支援を行うサポートステーションなどでは三十九歳まで対応しているわけですから、それに近い方が相談に来て、一、二年で就労につながる場合だってあると思うんですね。
この議論をすると、いつもおおむね三十四歳だと、それ以上を排除しているわけじゃない、こういうこともいわれますが、東京都のパンフレットにおおむね三十四歳までと書いてあったら三十八歳の方は連絡してこないと思います。また、せっかく東京都が訪問相談の事業を始めても、その申し込みも区市町村の窓口で断られてしまうのではないでしょうか。
全国いろんなところでひきこもり対策が行われておりますが、こんな線引きをしているのは東京だけですから、東京だけですから、改めてこれを見直していただくことを強く求めておきます。
そして、先ほど、対象年齢を超える方からの相談には、内容に応じて適切な関係機関を紹介するといいましたが、どこでしょうか。時間がないので私がいいますけれども(笑声)私が考えられるのは、もう支援団体、外しますよね。そうすると、あとは医療機関、それから若者の就労支援を行うサポステ、三十九歳まで、それから保健所または区市町村の生活困窮者自立支援の窓口、こういうところだと思うんですね。そういう意味では、都の保健所も一定の役割を果たしていると思います。
ここで伺いますが、現在、ひきこもりの家族会などの中には、自治体の保健所などが始めた家族教室が出発になって、やがて自主的なひきこもりの親の会が運営されるようになったというものもあるわけです。東京都の保健所として、昨年度はどのようなひきこもり支援を行ったのか伺います。また、支援は継続的に行うべきと考えますが、見解を伺います。
○梶原福祉保健局長 都の保健所では、精神保健福祉相談の中で保健師による電話相談や面接、家庭訪問、専門医の相談を行い、ひきこもりの問題を抱える本人や家族を支援しております。また、グループワークを実施し、本人がさまざまなプログラムを通じて、メンバーやスタッフと対人関係のルールを体験し社会参加の足がかりとしたり、家族がひきこもりについて正しく理解し対応できるよう継続的な支援も行っております。
さらに、家族や地域の関係者等がひきこもりへの理解を深めるための講演会を実施するほか、市町村が開催をいたします子供や若者を支援するためのネットワーク会議に公衆衛生の専門機関として参加をし、関係機関との情報共有や連携を図るなど、地域でのひきこもりに関する取り組みを支援しております。
○里吉委員 精神保健福祉相談の中でひきこもり相談に乗っているということです。それでも、保健所で家族や当事者の方が集まれる場所が継続的に用意されているということは大変大事なことだと思いますので、専門性も生かして継続的に取り組んでいただきたいと思います。
また、ひきこもりが長期化した家族は、子供のひきこもり問題と親自身の介護の問題などを抱えて、親亡き後の子供の支援を心配しております。一昨年から区市が設置している生活困窮者自立支援の窓口では、ひきこもり状態にある方を抱え生活に困窮している方の相談には乗っていると伺っていますが、どのような対応をしているのか伺います。
○梶原福祉保健局長 生活困窮者自立支援法に基づき区市が設置をしています自立相談支援機関では、生活困窮者やその家族が抱えるさまざまな課題について必要な情報提供や助言を行いますとともに、福祉事務所や保健所、ハローワークなど関係機関と連携して支援をしております。
ひきこもり状態にある方を抱える家族からの相談についても関係機関と連携して支援しており、世帯一人一人の状況に応じて、ひきこもりの専門相談機関や、介護について相談できる地域包括支援センターなど、地域の関係機関につないでおります。
また、就労支援が必要な方には自立相談支援機関が中心となってプランを作成し、就労準備から就労自立まできめ細かく支援をしております。
○里吉委員 この相談窓口もひきこもりに特化しているわけではないと、生活、経済的に困窮している、もしくはそのおそれがあるということで相談に来れば対応はしてくれるということでした。ただ、ここは中間就労ということで、すぐに就職できない方が中間的に就労する、その支援もあるということで、保健所だとそこまでできませんから、そういう点では、ここに相談に来れば少し対策が打てるかなというふうにも思うわけです。ただ、始まったばかりの制度ですし、区市町村によってもいろいろなところが窓口になっていると思いますので、ぜひ情報交換や相談窓口の方の研修などにも取り組んでいただいて、ここでもひきこもり相談に乗れるように体制を整えていただきたいと思います。
長期化した場合、また高齢化している引きこもっている方への支援というのは、やはりさまざまな状況が絡み合っていて大変だと思います。それぞれ保健所でも、自立支援の生活困窮者の窓口でも、相談は受けるけれども、必要な関係機関につなぐという、その関係先がなかなかないのが現状なわけです。だからこそ行政の力が求められています。
東京都としては、少なくとも四十歳未満までの方についてはサポートネットの対象とすることと、それ以上の長期、高齢化のひきこもりの方への対策については、東京都として担当部署を明確にして取り組んでいただくことを求めて、次の質問に移ります。
次に、高齢者福祉について伺います。
東京は、独居高齢者、高齢のみ世帯が増加しており、申し込みが介護度三以上と制限されたもとでも三万人を超える待機者がいる特養老人ホームの整備促進は緊急の課題です。
二〇一六年度の特別養護老人ホームの建設に対する補助の当初予算額は百六十二億四千四百万円、決算額は百六十一億三千万円となっております。
都の月報によりますと、昨年度末の特養老人ホームの定員数は、前年度比で千六百十六人分増となっております。整備費補助も百六十億円を超えたことは重要ですが、昨年度末の定員数は約四万五千人で、今年度末までに五万人分という目標だったわけですが、これには届かない状況だと思います。さらに力を入れて整備を進める必要があると思いますが、見解を伺います。
○梶原福祉保健局長 都は、平成三十七年度末までに特別養護老人ホームの定員を六万人分にふやす目標を掲げ、都有地の減額貸付や土地賃借料の負担軽減、整備率が低い地域の整備費補助への加算、建築価格高騰に対応した加算など、さまざまな独自の支援策を講じております。
今年度からは、整備費の高騰加算の増額のほか、地域密着型特別養護老人ホームなどの定期借地権一時金への補助や区市町村有地を活用した施設整備への支援を行うとともに、地元の必要数を超えた整備に同意する自治体への交付金制度を創設しており、今後も区市町村のニーズを踏まえながら、特別養護老人ホームの整備を進めてまいります。
○里吉委員 昨年の十月一日現在のデータで計算しますと、東京都の高齢者人口に対する特養老人ホームの定員数は全都道府県中四十六位ですから、六万人にふやすという現在の目標は、少なくとも着実に実現していくことが求められております。
しかし、今年度予算では、答弁されたような拡充もありましたが、特養整備費補助予算は三十七億円減額されました。しかも、私は、二〇二五年までに六万人分の整備では特養老人ホームの待機者解消にはならないと思っておりますから、目標を引き上げることも必要で、そのためにはむしろ予算は大幅にふやしていく必要があると思っております。ぜひそのことを重ねて求めるものです。
また、広域型の特養老人ホームよりも小さい土地で整備できる定員二十九人以下の地域密着型特養老人ホームをふやしていくことも重要だと思います。
私の住む世田谷区では、認知症高齢者や重度の要介護高齢者の生活の場として、区内二十七の日常生活圏域ごとに認知症高齢者グループホームや地域密着型特養老人ホームを整備する計画をもって、今その整備が進められております。しかし、定員二十九人以下という規模からは経営が大変厳しいため、整備には苦労しております。
八王子市は、地域密着型特養の整備を進めるために、今年度予算で新たに運営費への補助を行うこととしています。都の運営費補助は地域密着型を対象外にしていますから、その拡大もあわせて要望しておきます。
そして、地域密着型のサービスの核として、宿泊も含むさまざまなサービスを一体に提供できる小規模多機能施設と、それからそこに訪問看護の機能も加えた看護小規模多機能の施設の整備が急がれております。
これらどれぐらい整備が進んでいるのか調べていただきましたら、昨年度の見込み数、目標ですね、計画数は、ちょっと数が大きくてわかりにくいんですけれども、年間五万千九百人という見込みに対して、実績は三万七千七百三十四人と、達成率七二・七%、これが小規模多機能の施設です。そこに訪問看護を加えた、看多機というふうにいわれていますが、この見込み数が八千五百六十八という数に対して実績が四千四十七ということで、達成率が四七・二%というふうになっております。
二〇一六年度の都内の小規模多機能は全部で百九十七カ所、看護小規模多機能に至ってはまだ全都で二十一カ所しかありません。伸びていない理由は施設整備の問題だけではないというふうにもいわれていますが、これも高齢者人口当たりの施設数は、小規模多機能は全都道府県中最下位で、整備のおくれは明白です。看護小規模多機能についても、半分以上の自治体が空白で、絶対的な不足は明らかだと思います。東京都自身が地域包括ケアを進めるといっているのですから、より主体的に進めていく必要があると考えます。
また、市長会からは、地域密着型サービスのさらなる増額を求める要望も出されています。こうした要望にも応えて、小規模特養も含めて、小規模多機能など地域密着型サービスの整備促進に取り組んでいただくことを求めておきます。
そして、東京都が昨年行った調査では、小規模多機能などの運営で困難だったことの上位となっているのが職員確保です。そのことと関連して、昨年始まった介護職員の宿舎借り上げ事業ですが、福祉人材の確保という点で大変大事な施策だと思いますが、執行率が一四%、この理由を伺います。また、この地域密着型サービスの職員へも対象を拡大すべきだと考えますが、見解を伺います。
○梶原福祉保健局長 昨年度から開始をいたしました介護職員宿舎借り上げ支援事業は、住宅費の負担の軽減等による働きやすい職場環境の確保と、災害時における福祉避難所の運営体制の強化を目的に実施をしており、実績は百二十五戸となっております。
予算の執行率が約一四%となっている主な理由といたしましては、宿舎借り上げに要した経費が補助基準額の八万二千円よりも低かったことや、宿舎を借り上げた時期が年度途中であった事業者が多かったことなどが挙げられます。
今後とも事業の周知に努めますとともに、補助対象の拡大についても検討してまいります。
○里吉委員 補助拡大、検討するというご答弁でしたので、ぜひ拡大していただきたいと思います。
現在、来年度以降の高齢者保健福祉計画の策定中だと思いますが、前期、つまり二〇一二年度から二〇一四年度までの計画にはあった小規模多機能の整備目標が、現行の計画ではなくなっておりました。目標を明確にして取り組んでこそ、達成のための取り組みも進むと思いますので、小規模多機能など地域密着型サービスについても具体的な整備目標を東京都としても定めて取り組むことを求め、最後の質問に移ります。
最後に一点だけ、産後鬱への支援について伺います。
東京都の監察医務院と順天堂大学が共同で実施した東京二十三区の妊産婦の異常死の実態調査の結果が昨年四月に発表されました。そこでは、平成十七年から平成二十六年までの十年間で特別区における妊産婦期から産後一年未満までの女性の異常死が八十九件で、そのうち自殺が合計六十三件ということでした。
産後鬱の予防対策や妊産婦へのメンタルヘルス対策、大変重要ですが、さらに充実を図る必要があると思いますが、東京都の実績、今後の展開について伺います。
○梶原福祉保健局長 都は、妊娠や出産に関する悩みを抱える女性の相談に対し、看護師等の専門職が電話やメールで助言等を行う妊娠相談ほっとラインを設置しており、相談内容に応じて医療、保健、子育て支援などの関係機関を紹介するとともに、特に継続的支援が必要な場合は、保健所、保健センターへの相談を勧めております。
また、ゆりかご・とうきょう事業や包括補助により、産後に心身の悩みや育児への不安を抱える母親を支援する産後ケアに取り組む区市町村を支援しており、平成二十八年度は十の区市が実施をし、今年度は十六の区市が実施予定でございます。
今後とも、より多くの区市町村が産後ケアに取り組めるよう、母子保健担当者向け研修などさまざまな機会を通じて働きかけてまいります。
○里吉委員 都として相談事業を行うとともに、身近な区市町村の取り組みを支援しているということでした。
産後鬱は、約十人に一人が経験するといわれています。私の友人にも産後鬱で大変な思いをした人がいたのですが、彼女は保健師さんの支えや、世田谷区内にある産後ケアセンターに宿泊するなどして回復することができました。
厚労省の研究班の調査で、初産の場合、鬱状態などの精神的な不調に陥る人は産後二カ月ごろに多く、特に産後二週間の時期の発症のリスクが高いということで、国ではことしから産後健診二回分の一部を助成する産婦健診事業も始めております。
保健師の支援や産後ケアセンターの拡充とあわせて、こうした健診事業なども進めていただきたいということを要望いたしまして、私の質問を終わります。
○栗下委員長 里吉ゆみ委員の発言は終わりました。
細谷しょうこ理事の発言を許します。
○細谷委員 平成二十八年度決算委員会において、第三分科会でも質疑された内容を含めまして、何点か質問をさせていただきます。
初めに、都市計画道路についてでございます。
都市計画道路は、東京の交通渋滞を解消し、都民の利便性や快適性を向上するなど、魅力ある東京を実現する上で必要不可欠でございます。また、災害時には救援活動や物流を支え、市街地の延焼を防止するなど、都民の生活を守るさまざまな効果が期待される重要な都市基盤です。
しかし、東京の都市計画道路の完成率はいまだに六割程度であり、依然として慢性的な交通渋滞が生じており、道路ネットワークの整備は道半ばであり、早期の整備が望まれるところであります。二〇二〇年東京大会のみならず、その先を見据え、着実な道路整備が期待されています。
さて、そこで改めて、建設局で進められております都市計画道路の整備について、平成二十八年度の状況を伺います。
○西倉建設局長 都は、道路ネットワークの形成に向けまして、区部放射環状、多摩南北、東西の骨格幹線道路などの都市計画道路の整備を進めております。
平成二十八年度は、放射第三五号線や環状第五の一号線、多摩東西主要四路線の一つでございます東八道路など二百四十二カ所、約百八十キロメートルで整備を進めまして、二カ所、約一・三キロメートルが開通いたしました。
このうち、多摩南北主要五路線の一つでございます府中所沢鎌倉街道線の国分寺三・二・八号線では、多喜窪通りから国分寺三・四・六号線までの約一・一キロメートルの区間が開通いたしまして、周辺道路の交通量の減少が図られますとともに、南北方向のアクセス性が向上いたしました。
今後とも、交通渋滞を解消し、防災力を高める都市計画道路の整備を推進してまいります。
○細谷委員 ご答弁ありがとうございました。ただいまご答弁いただきました担当の方々のご努力もありまして、さまざまな箇所で幹線道路の整備は進められ、住民の方々の利便性は高まっていると評価をしております。二〇二〇年東京大会も踏まえ、都全体で精力的に建設が進められていると思います。
今後とも、その点につきましては期待しておるところでございますが、一方、多摩の地域におきましては、インフラ整備の改善要望は大変多くございます。
特に、東久留米市から小平にかかる小平三・四・一九号線、清瀬市の東三・四・二六号線などの都市計画道路については大変困難な事情もございまして、私はおくれていると感じております。ぜひ今後とも東京都のご支援をお願いいたしたいと思います。これはご要望させていただきまして、次の質問に移らせていただきます。
次の質問は、無電柱化についてでございます。
東京都は、防災の強化などの点から東京無電柱化について進められておりますが、改めて、その目的と、平成二十八年度末までに都道における無電柱化の整備実績について伺います。
○西倉建設局長 無電柱化は、災害時に電柱の倒壊による道路閉塞を防ぐなど都市防災機能の強化や、安全で快適な歩行空間の確保、良好な都市景観の創出を図る上で重要でございます。
都は、平成二十六年十二月に策定いたしました第七期の無電柱化推進計画に基づきまして、センター・コア・エリア内や周辺区部及び多摩地域の第一次緊急輸送道路を中心に事業を推進しております。
平成二十八年度末までの計画幅員で完成した都道における整備済み延長は、都内全体で九百十三キロメートルでございまして、地中化率は約三九%でございます。そのうち、多摩地域につきましては、第一次緊急輸送道路でございます東八道路で整備を実施するなど、百八十三キロメートルの整備が完了いたしまして、地中化率は約一八%でございます。
○細谷委員 大規模な震災後は、電柱の倒壊が迅速な復興の妨げになる事例も多々見られてきたと思います。東京都の全体の地中化に比べ、ただいまご答弁いただいた中におきましては、多摩の地域は少し実施が遅いと感じられます。事業をもっと推進していただきたいという気持ちから、区市町村に対する平成二十八年度の支援実績がいかがなものか伺います。
○西倉建設局長 面的な広がりを持った無電柱化を図っていくためには、都道はもとより、区市町村道の事業を一層促進することが重要でございます。
都は、平成二十年度から区市町村に対し財政支援を行っておりまして、防災に寄与する道路等を対象に、国と都で事業費のおおむね四分の三を補助しております。加えまして、二〇二〇年東京大会競技会場周辺などで地元区市と合意した区間につきましては、大会開催までに無電柱化を完了させるため、事業費の全額を補助しておりまして、平成二十八年度は合わせて十区六市に財政支援を行いました。さらに、区市町村職員向けの講習会や実物大のモデルを活用した実践的な研修を行うなど、技術支援も行いました。
引き続き、区市町村に対する支援を積極的に行いまして、都内全域での無電柱化を促進してまいります。
○細谷委員 大規模災害の際は、電柱が倒れまして被災地の方々が本当に--緊急車両が通過することができず、病傷者の搬送もままならないというような事例が多く見られております。
そうした点からも、今、多摩地域におきましても大規模災害の際に対応ができるように、東京都としてはしっかりと支援をしていただきたいと思っております。
とりわけ、今、補助率なども伺いましたけれども、事業費の全額を補助していただけるということで、大変ありがたい制度が始まっているということを本当にうれしく思っております。
さて、十一月十日におきましては無電柱化の日ということでございまして、先日のその日におきまして、小池知事と語る、東京の無電柱化のディスカッションが開催されまして、多くの方々が参加されました。私も参加させていただきましたけれども、将来の首都直下地震に備えまして無電柱化の促進は不可欠なものと考えております。
今後はさらに、都民の方々にもっと身近になるように無電柱化への目標と効果を明確化し、そして認知度も高めていくことが重要と思っております。これからも無電柱化の事業については推進していただけますようお願いいたします。
さて、次は、教育長にお尋ねをいたします。
公立小中学校の空調設備について、平成二十八年度、区市町村への補助実績及び成果について伺います。
○中井教育長 公立小中学校の施設等の整備は、学校設置者である区市町村が行うものでありますが、特別教室の空調設置については、児童生徒の健康及び教育環境への支障を防ぐという観点から、国の補助制度に加え、都の補助により区市町村を支援しております。
平成二十八年度は、区市町村に対し、公立小中学校百五十二校、七百七十六教室、六億九千四百九十八万一千円の補助を行い、その結果、平成二十九年四月一日現在の設置率は約七二%となっております。
都教育委員会は、平成三十年度まで区市町村が計画的に整備を進められるように、今後も引き続き支援を行ってまいります。
○細谷委員 ただいまお伺いしますと、かなり推進をされております。本当に東京都のご支援がなければなかなか区市町村は前に進めないというところでございます。
かつてでございますが、特に多摩地域の教育環境は、長い間、冷房のないというところで進められてまいりました。近年の温暖化などによりまして、学校の教室内の温度は四十度に近い日が続いておりました。
私も市議会の議員として活動してまいりましたので、保護者の方々からしばしば冷房の設置が請願を通じて提出してまいりました。その当時の東久留米市の例を挙げますと、冷房の設備状況は、小学校三・四%、中学校二・四%という状況でありました。その後、東京都の補助事業が始まりまして、平成二十三年度、二十四年度に集中的に事業を進めた結果、現在普通教室は一〇〇%の設備率となっております。
このように例がございますが、市町村だけでは財政的になし得ないところ、東京都の連携により進めることができたということが、これはわかりやすい事例だと思っております。
学校の校舎の耐震化も推進されてまいりましたが、お子さん、保護者の方々の安心はいうまでもなく大きいものでありまして、これは大きな効果を上げていただいたということはいうまでもありません。
このような冷房等の空調設備や耐震化だけではなく、教育環境の細やかな整備についても東京都として進めていただきたいと思いますが、例えば、建物ということだけではなく、天井や壁などの耐震化、学校について、平成二十八年度の実績を伺いたいと思います。
○中井教育長 公立小中学校における天井材や照明器具などのいわゆる非構造部材の耐震化につきましては、児童生徒の安全確保はもとより、地域住民の避難所としての役割も求められておりますことから、国の補助制度に加え、都の補助により区市町村を支援しております。
平成二十八年度は、区市町村に対し、公立小中学校百四十七校、五億八千五百二十五万四千円の補助を行い、その結果、平成二十九年四月一日現在の非構造部材の耐震化率は約八五%となっております。
都教育委員会は、平成三十年度の対策完了を目指し、区市町村へ早期実施を強く働きかけますとともに、今後も引き続き支援をしてまいります。
○細谷委員 天井や壁など非構造部材の耐震化についても目標を定め、補助の実施が進められていることがわかりました。引き続き、さまざまなそうした細かなところでも東京都の補助体制をしっかりと進めていただきたいと思います。
こうした教育庁での取り組みが子供たちの安全・安心に大きく対応していただいていることに私は感謝をしております。
今後は、区市町村で進めることのできない困難なトイレの洋式化についても、一日も早く区市町村との連携の上、改善のための支援をいただけますことを要望したいと思います。
また、さきの分科会では、増田委員から空き家対策について質問をさせていただきました。先日のご答弁を通じて、都と区市町村がそれぞれの役割を担い、連携しながら実態調査や対策計画の作成を着実に進めており、利活用についても取り組みを行っていることがわかりました。また、老朽化している、周辺に迷惑をかけている空き家については、区市による執行がなされ、都は情報提供を行っているということでございます。
少子高齢化が進み、ますます空き家の増加が見込まれ、空き家対策を進めることは大変重要でございます。地域の実情に詳しい区市町村の取り組みを都がしっかりと支援していくことが求められておると思います。
今回は、建設局、教育庁にわたり質問させていただきました。どの地域においても都民がひとしくサービスを受けることができるよう、また補助の内容などについても無駄なく効果的に地域の事情を鑑みて取り組んでいただきますよう要望いたしまして、平成二十八年度決算委員会での私の質問を終了いたします。ありがとうございました。
○栗下委員長 細谷しょうこ理事の発言は終わりました。
宮瀬英治委員の発言を許します。
○宮瀬委員 私からは、豊洲新市場のいわゆる盛り土問題についてお伺いさせていただきます。
まず、豊洲新市場に関係する主な関係各局を挙げてまいりますと、政策決定者である知事、事業者である中央卸売市場、環境面をチェックする環境局、事業が適正に行われているかを確認する監査事務局などが挙げられるところであります。
盛り土問題に対し、まず平成二十八年第三回定例会において、知事はけじめをつけ、中央卸売市場長も謝罪をいたしました。しかし、当事部局の一つである監査事務局は、私、過去のさまざまな議事録を確認いたしましたが、謝罪もしくは責任を認めたといったことは一度もございませんでした。
改めてお伺いいたします。なぜ豊洲の盛り土問題を監査事務局は見抜けなかったのかお伺いいたします。
○岡崎監査事務局長 工事監査では、工事の計画が適切に策定され関係書類に反映されていることを前提に、工事が契約内容どおり施工されているか、成果品の寸法、形状、品質が正しいかなどを確認しております。
豊洲市場の土壌汚染対策工事についても同様に監査を実施した結果、指摘は見つけることができませんでした。大変申しわけございません。
○宮瀬委員 責任を問うていこうというところでありましたが、局みずからが今、謝罪を出したわけでございます。いろんな事情や、制度上の問題ですとか、思いがあるのは十分理解しておりますが、行政である監査事務局が組織として謝罪し、責任を認めた答弁をただいま初めてされたことは大変重要なことだと思っております。まず責任を認められたとのことでありますので、原因の究明と再発防止の質疑の方に移りたいと思っております。
さて、先ほどのご答弁で、工事計画が関係書類に反映されていることを前提として監査しているとありましたが、その前提としてしまっている、その根拠となる規約や内規、条例があるのかお伺いいたします。
○岡崎監査事務局長 明確に定めたルールはございませんが、通常、工事監査におきましては、積算や施工などの内容が基準に適合しているかという、いわゆる合規性の観点を主眼といたしまして、工事などが適正に行われているかについて検証しております。
その上で、効率的、効果的な監査を行うため、工事の計画が適切に策定され、関係書類に反映されていることを前提として、過去の指摘等から誤りが多く見られるリスクの高い積算、施工の段階を中心に実施しておるところでございます。
○宮瀬委員 いろいろご答弁ありましたが、答弁の冒頭に、明確に定めたルールはないといったことがございました。つまり、工事計画が関係書類に反映されていることを前提としていたのは、明確に定めたルールに基づくものではないといった答弁でございます。つまり、監査事務局の皆様で独自にルールを設け、定め、そのルールにより今回の問題が発覚できなかったといわざるを得ません。まさに監査とは何かが問われているものだと思っております。
では、第二の盛り土問題が起こらないよう、改めてどう対応すべきかお伺いいたします。
○岡崎監査事務局長 工事監査の実効性をより高めるため、本年から、長期間にわたる大規模工事等につきまして、設計、施工が計画どおり適正に行われているかを含め確認するなど、監査の充実を図ったところでございます。
また、本年六月に地方自治法の一部が改正され、執行機関の内部統制の強化に向けて、制度の整備、運用が図られることとなります。これを受けまして、今後の監査におきましては、よりリスクの高い分野や専門性の高い分野に重点を置き、実効性のある監査を実施することが可能になると考えます。
執行機関とも役割分担しながら、都民の期待に一層応えられる監査の実現に努めてまいります。
○宮瀬委員 事業計画がありまして、それに関係書類が出てくるわけでありますが、今までは関係書類のみで監査をしていたと、これからはしっかりとその関係書類が事業計画に基づいたものであるかどうかまで確認していただけると。一般的にいいましたら当たり前のことでありますが、今後はしっかりと、答弁として、監査をしていただけると、平成二十九年からは工事計画が関係書類に反映していることを前提とせずに、監査すると確認させていただきました。
今後は、期間三年以上、議会契約議案九億円以上などの大規模工事の監査をしていくと聞いております。その分量は、平成二十九年を前期、中期、後期と分け、財務局外五局を対象とすると約二百五十件もの件数になると聞いております。監査をするのはその一部であると思っておりますが、そうなりますと、今までと比べて業務量が増大をしまして、現行の人員では対応できないと私は考えております。書面上の確認から、事業計画の確認まで、業務がふえるわけでありますから、今後は人員の増など体制強化が必要と考えますが、所見をお伺いいたします。
○岡崎監査事務局長 工事監査を担当する技術職員の人員増などの体制強化は行っておりませんが、実地監査での助言や協力など、技術部門と事務部門の相互支援を促進いたしまして連携を強化するなど、まずは当局の職員の力を結集し、一丸となって取り組んでまいります。
○宮瀬委員 力強いご答弁ありがとうございます。しかし、気持ちだけではやはり回らないところもあるかと思います。人員増は行わないというご答弁でありましたが、やはり東京都として監査をどうやっていくのかといったことが問われているわけであります。体制強化を図っていくということでありますので、人員をつかさどります総務局初め、オール都庁で体制の強化に努めていただきたいと思っております。
次に、命を守る取り組みについてお伺いいたします。
スムーズな救急救命について伺います。
さきの決算第一分科会の青少年・治安対策本部への質疑におきまして、災害時の交通渋滞について取り上げさせていただきました。東日本大震災発災時において、都内は幹線道路がほぼ全てで渋滞、最大で通常二十八倍の渋滞が生じました。一方、カーナビなどのビッグデータを、震災後分析をしますと、裏道など都内一七%の道路が通行可能でありました。
そこで、かねてより提案してまいりましたカーナビ履歴などプローブ情報から読み取れる道路状態をリアルタイムに公開し、ドライバーに役立てるという取り組みが災害時情報提供システムに結実したことを大いに評価をしております。
一方で、そういった裏道を含めたリアルタイムでの渋滞情報を救急車や消防車が災害時や、そして平時に活用できることは、人命救助の観点から非常に重要なことだと考えております。
しかし、現状は、救急車や消防車には一般のカーナビしか搭載されておりません。
東日本大震災のときにおいては、九段会館の天井崩落事故に際し、救急車の到着が渋滞で一時間もかかったと聞いております。さらには、搬送先の災害拠点病院が目と鼻の先にあるにもかかわらず、なかなか到着できないといった声も聞いております。
平時におきましても、救急車が実際に渋滞に巻き込まれ、スムーズに病院に到着しないといったこともございました。私の父も先月、救急車で搬送されましたが、川越街道という交通渋滞の道を通ってまいりました。家族としましては、少しでも早い道、抜け道があれば、そっちを使ってほしいといった気持ちもございます。
そこでまず、東京消防庁に伺いますが、災害時や平常時の消防活動において、道路渋滞情報とビッグデータを活用すべきと考えますが、所見をお伺いいたします。
○村上消防総監 東京消防庁では、震災時において、非常参集途上の消防職員や消防団員が撮影した画像を受信できる早期災害情報システムを活用するとともに、消防ヘリコプターや高所カメラ等により通行不能箇所や渋滞等の道路状況の把握に努めております。
一方、平常時においては、各消防署で道路情報の把握に努めているほか、ナビゲーションシステムの渋滞情報も活用しております。
今後も、新たなツールで有効性が認められる場合には、活用を積極的に検討してまいります。
○宮瀬委員 こういった情報システム、災害時に交通渋滞が裏道含めてリアルタイムで把握できるといったその仕組みを、平時においても、災害時においても、東京消防庁としては活用を積極的に検討していくという答弁が得られました。
では、その情報を管理、提供する都はいかがでしょうか。災害時情報提供システムは、災害時のみしかホームページで閲覧することができないといった課題がございます。
青少年・治安対策本部は、このシステムによる情報を東京消防庁の緊急車両が平常時や災害時でも活用できるよう積極的に動くべきと考えております。所見をお伺いいたします。
○大澤青少年・治安対策本部長 都はこれまで、官民が保有する道路交通情報の有効活用を図るため、その共有化を推進し、連携利用が行える体制を構築するよう国に提案してまいりました。
今後とも、情報の一層の活用を図るため、平常時も含めた道路交通情報の幅広い共有化と連携利用について、国や関係機関に働きかけてまいります。
○宮瀬委員 今ご答弁聞きますと、平常時も含めた共有化や連携ができるよう働きかけていくとのご答弁でありました。これで、よいものであれば使うという東京消防庁と、情報管理、提供を行う都も働きかけていくというご答弁がつながったわけであります。
国、区、警視庁、総務局、タクシー会社、カーナビメーカー、日本道路交通情報センターなど、関係機関が多いことは十分承知しておりますが、縦割り行政を排除し、都民の生命のために尽力していただくことを強く要望をいたします。
次は、最後の質問でございます。学校の防災についてお伺いいたします。
東日本大震災では、石巻の大川小学校の児童七十四名が死亡、行方不明となる惨事が起きました。学校に通う子供の命をどう守るかが今問われております。
都においては、学校で行われる防災、消火に対する教育訓練は、学校自身の防火管理者としての自衛消防訓練と総合防災訓練の二つがございます。自衛消防訓練の実施について消防署への報告がなされていない小中学校及び高等学校が半数程度もあることを指摘してまいりました。
東京消防庁などの公的データで計算いたしますと、都内該当二千五百十二校のうち、千二百三十四校が自衛消防訓練が適切に実施されているかどうか確認ができておりません。また、総合防災教育訓練の実施率も一〇〇%とはなっておりません。一方で、東京消防庁は、さきの分科会質疑におきまして、教育庁と連携していくと答弁がなされております。
そこで、教育庁は、東京消防庁と連携をし、自衛消防訓練及び総合防災教育の実施状況を学校から消防署に報告をさせ、それぞれ実施率一〇〇%を目指すべきと考えますが、所見をお伺いいたします。
○中井教育長 都教育委員会は、都立高校に対して年四回以上の避難訓練を、全日制課程においては、これに加えて一泊二日の宿泊防災訓練を実施するよう求めており、全ての高校でこれらの訓練が適切に実施されていることを確認しております。また、公立小中学校については、年間十一回以上の避難訓練が実施されるよう、設置者である区市町村教育委員会に対して周知徹底を図っております。
ご指摘の自衛消防訓練は、消防法に基づき、全ての学校で必ず実施しなければならない訓練であり、避難訓練、消火訓練及び一一九番通報訓練がこれに該当いたします。
都教育委員会は、公立学校が実施する避難訓練等の中で、自衛消防訓練を実施するよう指導しておりますが、消防法施行規則により、学校から消防署への通報義務は課されておりません。今後、都立高校については、改めてこの訓練の実施状況についても確認をしてまいります。
一方、東京消防庁の事業である総合防災教育は、消防署と教育機関が連携して実施する地震や火災等に関する教育であり、各学校では、この総合防災教育のほか、地域の消防団、警察署、日本赤十字社など、さまざまな機関と連携し、工夫して訓練を行っております。
都教育委員会は、引き続き、都内の全ての公立学校における訓練が東京消防庁を初めとした諸機関との連携により効果的に実施されるよう、指導助言を行ってまいります。
○栗下委員長 宮瀬英治委員の発言は終わりました。
以上で、本日予定いたしました質疑は全て終了いたしました。
お諮りいたします。
平成二十八年度東京都各会計歳入歳出決算の認定についてに対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○栗下委員長 異議なしと認めます。本件に関する質疑は終了いたしました。
なお、十一月二十日の十二時四十五分から理事会を、また十三時から委員会を本委員会室で開会いたしますので、よろしくお願いいたします。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後四時三十九分散会
第1分科会で行われた平成28年度東京都一般会計決算等に関する審査の概要を次のとおり報告する。
平成29年11月1日
平成28年度各会計決算特別委員会
第1分科会委員長 佐野いくお
平成28年度各会計決算特別委員長
栗下善行 殿
1 本分科会の設置及び審査の経過
(1)本分科会は、9月27日に設置され、次の案件を審査した。
・平成28年度東京都一般会計決算中、政策企画局、青少年・治安対策本部、総務局、財務局、主税局、会計管理局、選挙管理委員会事務局、人事委員会事務局、監査事務局、収用委員会事務局、議会局、東京消防庁、警視庁所管分
・平成28年度東京都特別区財政調整会計決算
・平成28年度東京都地方消費税清算会計決算
・平成28年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計決算
・平成28年度東京都用地会計決算
・平成28年度東京都公債費会計決算
(2)本分科会は、次のとおり各所管局ごとに審査し、終了した。
10月11日(説明聴取・資料要求) 会計管理局、政策企画局、財務局、主税局、収用委員会事務局、議会局、東京消防庁
10月13日(説明聴取・資料要求) 警視庁、青少年・治安対策本部、総務局、選挙管理委員会事務局、人事委員会事務局、監査事務局
10月20日(質疑) 会計管理局、財務局、政策企画局
10月23日(質疑) 警視庁、東京消防庁、総務局
10月25日(質疑) 収用委員会事務局、議会局、主税局
10月27日(質疑) 人事委員会事務局、監査事務局、選挙管理委員会事務局、青少年・治安対策本部
2 本分科会における質疑の概要
(1)政策企画局所管分
〔1〕 国家戦略特区の取組状況及び今後の展開について
〔2〕 アジアヘッドクォーター特区の取組状況について
〔3〕 戦略広報事業について
ア 戦略広報の目的及び役割について
イ 都における広報予算及び全体像について
ウ 広報の戦略的取組の進捗及び課題並びに今後の取組について
〔4〕 海外広報事業について
ア 事業の目的及び数値による把握について
イ SNS等における取組の目的及び指標並びに費用対効果について
〔5〕 知事の海外出張について
ア 平成28年度における予算の編成並びに執行率及び内訳について
イ 前知事のアメリカ合衆国出張の在り方等の検討について
ウ 知事の海外出張に関する指針等について
(2)青少年・治安対策本部所管分
〔1〕 子ども・若者育成支援推進法に基づく取組について
ア 都及び区市町村の取組状況について
イ 都の区市町村に対する支援について
〔2〕 交通安全対策の自転車安全利用について
ア 自転車事故の現状及び対策費用の推移について
イ 安全利用に向けた取組及び小学生向け啓発指導について
〔3〕 防犯設備の整備について
ア 防犯カメラの設置に係る補助実績について
イ 防犯カメラ設置に係る補助事業がある区市町村数について
ウ 防犯カメラ設置促進に向けた取組について
〔4〕 青少年・治安対策本部長賞について
ア 目的及び選定方法並びに表彰実績及び推薦自治体数について
イ 受賞者拡大に向けた更なる取組について
〔5〕 大東京防犯ネットワークのリニューアルについて
〔6〕 ハイパースムーズ東京及びハイパースムーズ作戦について
ア ハイパースムーズ作戦の成果及び評価について
イ ハイパースムーズ東京の概要及び実績並びに両事業の違いについて
ウ ハイパースムーズ東京の事業目標について
エ ハイパースムーズ東京における年度による予算の違い並びに両事業の事業費比較について
オ ハイパースムーズ東京の今後の取組について
〔7〕 震災時における情報提供について
ア 東日本大震災時の都内の交通状況を踏まえた課題認識について
イ 「災害時情報提供サービス」による情報一元管理の取組並びに現状及び課題について
ウ 青少年・治安対策本部の役割について
〔8〕 東京都若者総合相談「若ナビ」について
ア 設置経緯及び相談実績について
イ 平成28年度における広報活動及び今後の広報活動について
ウ 相談内容及び課題に応じた適切な支援機関の紹介について
エ 課題と今後の対応について
〔9〕 高齢運転者に関する取組について
ア 高齢者運転免許保有者数及び事故件数について
イ 事故防止及び運転免許自主返納に向けた取組について
(3)総務局所管分
〔1〕 帰宅困難者対策について
ア 一時滞在施設確保の成果及び課題について
イ 民間一時滞在施設に対する補助制度の概要及び実績について
ウ 一時滞在施設における損害賠償責任問題の概要及び都の取組について
エ 要配慮者への対応について
オ 訓練の成果及び課題について
〔2〕 東京都多摩広域防災倉庫について
ア 旧立川政府倉庫取得の目的及び活用方法について
イ 現在の運用状況及び今後の予定について
〔3〕 災害時燃料備蓄について
ア 都の災害時における燃料供給について
イ 災害拠点病院における取組及び燃料供給困難時の対応について
〔4〕 都内避難者支援について
〔5〕 風化防止に向けた被災地支援について
〔6〕 サイバーセキュリティ対策における取組について
〔7〕 自治体情報セキュリティクラウドについて
ア 概要について
イ 区市町村参画に向けた取組及び現状並びに導入効果について
ウ 新たな攻撃への対応について
〔8〕 人権施策について
ア 人権プラザのリニューアルの意義及び目的について
イ 新しい人権プラザにおける啓発の取組について
ウ 特定相談の機能について
〔9〕 消防団について
ア 役割及び運営の仕組みについて
イ 団員の確保に向けた都の取組について
ウ 都が広域自治体として行う活動支援の取組について
〔10〕 島しょ部における海底光ファイバーケーブル整備の現状及び整備後の効果について
〔11〕 小笠原に就航した新造船における利便性向上並びに乗客数の推移及び効果について
〔12〕 都における障害者雇用のこれまでの取組及び平成28年度実績について
〔13〕 長時間労働の是正について
ア 長時間労働の実態、原因及び取組による効果について
イ 長時間労働面接対象者数及びその取組について
ウ 精神疾患と長時間労働の関係について
(4)財務局所管分
〔1〕 都有財産の利活用について
ア 利活用の方法の変遷と現状及び取組状況について
イ 都有地を活用した行政課題への対応について
ウ 官民連携の取組及び住民サービス向上に向けた取組について
エ 今後の利活用方法の考え方と取組について
〔2〕 平成28年度決算に対する評価について
〔3〕 私債権の放棄について
ア 未収債権の状況及び未収金の減額に係る債権管理の取組について
イ 私債権放棄の考え方及び内容並びに増減の背景について
〔4〕 平成28年度東京都年次財務報告書について
ア 経常収支比率の概要と平成28年度実績の評価について
イ 貸借対照表の状況について
ウ インフラ資産に関する現状認識と課題について
エ 基金の意義と平成28年度決算における状況について
〔5〕 公共工事設計労務単価について
ア 公共工事設計労務単価の引上げに係る背景、理由及び実態について
イ 都における契約への反映について
ウ 労働者の賃金への反映と待遇改善等について
〔6〕 事業評価について
ア 事業評価シートの数値による成果指標への取組について
イ 終期設定された事業の見直しの基準について
ウ 分かりやすい評価に向けた取組について
〔7〕 都有建築物における屋上緑化及び省エネ化に向けた取組について
〔8〕 都有建築物における免震構造の整備状況及び今後の取組について
〔9〕 土地信託事業(両国シティコア)について
ア 借入金残高の返済状況について
イ 信託の再延長の理由及び今後の信託配当について
ウ 大規模修繕に係る積立及び競争力の確保について
エ 運営への都の適切な関与について
(5)主税局所管分
〔1〕 都税収入について
ア 年度間の収入差要因の分析及び見解並びに今後の収入確保の見通しについて
イ 国税及び他自治体との徴収率の比較について
ウ 納税者の納付における利便性の向上に向けた取組について
エ 滞納繰越額について
オ 徴収業務に係る費用対効果について
〔2〕 個人都民税の徴収率について
ア 都税全体の徴収率と比較して低い理由について
イ 徴収率向上に向けた区市町村との人材交流の取組について
ウ 更なる徴収率向上に向けた取組について
〔3〕 クレジットカード納税について
ア 納税者の利便性向上のための取組及び利用状況について
イ 支払いサイトへの不正アクセスの概要及び対応並びにサイト運営に係る再発防止策について
〔4〕 個人都民税におけるふるさと納税制度による控除適用者数及び控除額並びに制度に関する都の認識について
〔5〕 政策税制について
ア 防災に関する政策税制の概要及び影響額について
イ 都の見解について
〔6〕 青色申告における納税者の特典について
〔7〕 租税教育について
〔8〕 固定資産税及び都市計画税の軽減措置について
〔9〕 商業地等における税負担の在り方について
〔10〕 墨田都税事務所の新庁舎改築の経緯及び特徴並びに震災対応について
(6)会計管理局所管分
〔1〕 公金管理について
ア 預金先金融機関の健全性及び債券の安全性の確保に係る取組について
イ 現在の金利状況における公金運用の取組について
〔2〕 官民連携ファンドについて
ア 目的及び意義について
イ 当初回収予定及び実績について
ウ 現状と今後の対応について
〔3〕 新公会計制度について
ア 制度推進に向けた都の取組について
イ 総務省の統一的基準を採用する自治体に対する都の取組について
ウ 先行自治体における新公会計制度の活用状況について
エ 新公会計制度の活用に向けた都の考え方について
(7)選挙管理委員会事務局所管分
〔1〕 投票率向上に向けた取組について
ア 東京都知事選挙(平成28年7月31日執行)における若者の選挙に対する意識向上のための取組及び啓発事業費について
イ 選挙の常時啓発の取組について
ウ 選挙出前授業・模擬選挙の参加校数及び人数について
エ 民間団体等による選挙出前授業・模擬選挙の実施状況等について
オ 投票率が低い原因及び選挙時における啓発の取組について
〔2〕 投票所のバリアフリー化及びバリアフリーに係る都の取組について
(8)人事委員会事務局所管分
質疑なし
(9)監査事務局所管分
〔1〕 監査対象の抽出の考え方について
〔2〕 監査実施時の事前日程通知について
〔3〕 豊洲新市場土壌汚染対策工事に係る監査の実施及び事前日程通知について
(10)収用委員会事務局所管分
質疑なし
(11)議会局所管分
〔1〕 議員提出議案の根拠及び都議会の実績について
〔2〕 条例案等議員提出議案の立案及び審査に係る事務局の体制について
(12)東京消防庁所管分
〔1〕 消防団員について
ア 充足率及び団員確保の取組実績並びに今後の取組について
イ 消防少年団から消防団への加入につながる取組について
〔2〕 総合防災教育の現状及び今後の取組について
〔3〕 自衛消防訓練を実施する学校への取組及び教育庁との連携について
〔4〕 救急活動について
ア 救急活動時間の延伸要因及び短縮に向けた取組について
イ 通報から出動までの所要時間及び時間短縮に向けた取組について
ウ ビッグデータの活用について
エ 転院搬送における救急車利用について
(13)警視庁所管分
〔1〕 自転車の安全利用について
ア 自転車活用推進法施行に伴う都の取組への反映について
イ 交通事故対策及び交通安全対策について
ウ 自転車ナビマーク・自転車ナビライン等路面表示について
第2分科会で行われた平成28年度東京都一般会計決算等に関する審査の概要を次のとおり報告する。
平成29年11月1日
平成28年度各会計決算特別委員会
第2分科会委員長 藤井一
平成28年度各会計決算特別委員長
栗下善行 殿
1 本分科会の設置及び審査の経過
(1)本分科会は、9月27日に設置され、次の案件を審査した。
・平成28年度東京都一般会計決算中、生活文化局、オリンピック・パラリンピック準備局、福祉保健局、病院経営本部、教育庁所管分
・平成28年度東京都母子父子福祉貸付資金会計決算
・平成28年度東京都心身障害者扶養年金会計決算
(2)本分科会は、次のとおり各所管局ごとに審査し、終了した。
10月11日(説明聴取・資料要求) オリンピック・パラリンピック準備局、福祉保健局、病院経営本部
10月13日(説明聴取・資料要求) 生活文化局、教育庁
10月20日(質疑) 病院経営本部、福祉保健局
10月23日(質疑) 生活文化局
10月25日(質疑) 教育庁
10月27日(質疑) オリンピック・パラリンピック準備局
2 本分科会における質疑の概要
(1)生活文化局所管分
〔1〕 東京都女性活躍推進計画について
ア 計画の概要及び取組の周知について
イ 女性活躍の気運醸成に向けた取組について
〔2〕 東京都在住外国人支援事業助成の実績及び対象団体の活動内容について
〔3〕 私立学校外国語科教員海外派遣研修事業費助成事業について
ア 事業の実績及び課題について
イ 他教科への拡大について
〔4〕 東京文化プログラムの実績について
〔5〕 TURNについて
ア 主な活動内容及び目的について
イ 今後の展開について
〔6〕 リオデジャネイロにおける文化発信事業について
ア 事業の概要、渡航者数、期間及び事業費について
イ TURN及び東京キャラバンの成果について
ウ 東京2020大会に向けた東京キャラバンの展望について
〔7〕 ヘブンアーティストの登録状況及び活動状況について
〔8〕 東京都平和の日関連事業について
ア 記念行事及び関連事業の概要について
イ インターネット中継の検証及び今後の展開について
ウ 記念行事の報告書及び収蔵資料の活用について
エ 東京空襲資料展の会場について
オ 祈念碑花壇デザイン画募集における過去の戦争を学ぶ取組について
カ 次世代に平和をつなぐための今後の取組について
〔9〕 私立学校ICT教育環境整備費助成事業の実績及び特別支援学校に対する都独自の支援策について
〔10〕 私立特別支援学校について
ア 私立特別支援学校等経常費補助の実績及び課題等について
イ 私立特別支援学校の周知について
ウ 校舎の老朽化に伴う改築への国の補助実績及び都独自の支援策について
(2)オリンピック・パラリンピック準備局所管分
〔1〕 多言語対応の推進、大会を契機とした様々なレガシーの形成及びオリンピック・パラリンピック開催計画の不用額について
〔2〕 リオ2016大会を起点とした東京2020大会の準備について
ア 大会準備に向けた取組及びリオ2016大会への出張の成果の活用について
イ 気運醸成に向けた取組及び実績について
〔3〕 大会成功に向けた区市町村支援事業について
ア 支援事業を活用した区市町村の事業内容について
イ 普及啓発等事業の推進に向けた区市町村に対する支援について
ウ 障害者スポーツ地域振興事業の決算額及び支援した事業内容並びに平成27年度からの変化について
エ スポーツ施設整備事業の平成26年度以降の実績及び課題並びに区市町村からの要望及び対応について
〔4〕 障害者スポーツの振興について
ア 取組及び実績について
イ 都立学校活用促進モデル事業における体育施設の貸出実績及び体験教室の開催実績について
〔5〕 都が新たに整備する競技施設の後利用に向けた検討内容について
〔6〕 都民のスポーツ実施率向上について
ア スポーツ実施率向上に向けた取組について
イ スポーツ実施率に係る調査の分析について
〔7〕 ラグビーワールドカップ2019について
ア 大会準備及び気運醸成に向けた取組について
イ テストマッチで得た課題及び解決への取組について
〔8〕 パラリンピックの認知度向上及びパラリンピックに向けた選手支援の取組について
〔9〕 ボランティアの育成について
ア 東京2020大会に向けた育成の取組及び実績について
イ 障害者のボランティア参加に向けた仕組みの構築について
ウ 東京2020大会に向けたボランティア戦略における位置付けについて
エ 地域との連携について
〔10〕 東京2020大会に向けた被災地復興支援及び「未来(あした)への道1000km縦断リレー2016」の取組について
〔11〕 組織委員会について
ア 職員数、都派遣職員の割合及び派遣における基本方針について
イ 都の意向を組織委員会の意思決定に反映させるための取組について
ウ 組織委員会、国及び関係自治体との調整について
〔12〕 フラッグハンドオーバーセレモニーについて
ア 費用総額及び都と組織委員会との費用分担について
イ 首相の出演経費及び出演に対する都の検討内容について
〔13〕 ライブサイトについて
ア リオ2016大会におけるライブサイト全体の概要及び経費について
イ 上野会場における体感型映像シアターの経費及び実施結果について
ウ 東京2020大会におけるライブサイトの実施に向けた検討について
〔14〕 リオ2016大会デブリーフィングの成果について
〔15〕 四者協議における東京都顧問団の参加の位置付けについて
〔16〕 有明アリーナの管理・運営に関するシンクタンクの調査結果について
〔17〕 仮設整備費の財源協議について
〔18〕 平成28年9月1日の知事による競技会場の視察内容について
〔19〕 IOCに対する東京2020大会までの環状第2号線の整備保証に関する知事への説明について
(3)福祉保健局所管分
〔1〕 待機児童対策について
ア 保育所等賃借料補助事業の内容及び課題について
イ 平成28年度における保育従事職員宿舎借り上げ支援事業の実績及び平成29年度の見通しについて
ウ 保育コンシェルジュ増員支援事業の実績について
エ 区市町村による認可外保育施設の利用者負担軽減支援事業の実績について
オ 保育サービス利用児童者数及び待機児童の状況及び課題について
カ 区市町村に対する待機児童の解消に向けた支援について
〔2〕 認知症対策について
ア 認知症高齢者の状況及び認知症対策の主な取組実績について
イ 多摩若年性認知症総合支援センターの役割及び実績について
ウ 東京都健康長寿医療センターの取組について
エ 認知症予防の取組及び今後の対応について
オ 認知症疾患医療センターの設置状況及び区市町村等との連携実績について
カ 認知症初期集中支援チームの区市町村への配置状況及び支援について
キ 都民への普及啓発の取組について
〔3〕 HIV感染・エイズ及び梅毒の発生状況及び啓発活動の実績について
〔4〕 妊娠相談ホットラインの相談実績及び周知について
〔5〕 ゆりかご・とうきょう事業の実績及び今後の取組について
〔6〕 児童虐待について
ア 児童相談所における相談対応件数の実績及び増加要因について
イ 児童相談所における児童福祉司及び児童心理司の人員の推移について
〔7〕 子育て支援員研修の実施状況について
〔8〕 東京子育て応援事業について
ア 平成28年度における実績及び累計額について
イ これまでの助成件数の推移について
ウ 平成27年度に助成を行った団体の現在の事業の実施状況について
エ 事業の成果の普及について
〔9〕 都内のがん医療提供体制について
ア 拠点病院等の整備状況及び役割の強化について
イ 相談体制の状況及び周知について
〔10〕 がん検診の受診率及び職域における受診率向上への取組について
〔11〕 福祉人材対策の実施状況について
〔12〕 認可外保育施設に関する立入調査及び巡回指導について
ア 立入調査件数及び指摘した主な問題点について
イ 巡回指導の概要及び指導員の内訳並びに研修内容について
ウ 巡回指導の実績及び実施体制について
〔13〕 東京都地域医療支援ドクター事業について
ア 事業の役割及び実績について
イ 公立病院からの支援勤務派遣要望の実績及び対応状況について
ウ 募集方法及び応募状況について
〔14〕 重症心身障害児(者)ショートステイ事業について
ア 過去3年間の確保病床数及び利用延べ日数について
イ 施設の整備推進に向けた取組について
ウ 看護師の確保及び育成における取組実績について
(4)病院経営本部所管分
〔1〕 公社病院について
ア 救急医療の実績及び受入強化の取組について
イ 年度末の過年度未収金の残高及び削減への取組について
ウ 医師・看護師の充足状況並びに確保及び定着策について
エ 病児・病後児保育の現状及び今後の展開について
オ 荏原病院におけるアウトリーチの取組について
カ 地域医療連携の実績及び強化への取組について
キ 行政的医療の内容及び取組実績について
〔2〕 東京医師アカデミーについて
ア 東京医師アカデミーの目的と役割について
イ 公社病院におけるシニアレジデントの定数に対する病院ごとの現員の状況及び定数を満たすための取組について
ウ シニアレジデント修了後の進路状況について
エ 修了生に対する就業支援のための公的医療機関との連携体制構築に向けた課題及び取組について
(5)教育庁所管分
〔1〕 放課後子供教室の実施状況及び都の支援策について
〔2〕 アクティブ・ラーニングについて
ア アクティブ・ラーニング推進校の取組及び効果について
イ 都立高等学校の各教科の指導に対する都教育委員会の支援について
〔3〕 少人数・習熟度別指導における加配教員の配置状況及び効果について
〔4〕 小・中学校における基礎学力向上の取組及び成果について
〔5〕 地域未来塾事業の内容及び取組状況について
〔6〕 都立高等学校等における就学支援金・奨学のための給付金について
ア 就学支援金の支給実績及び申請漏れ防止に向けた取組について
イ 奨学のための給付金の申請に係る対応について
〔7〕 伝統・文化に関する教育について
ア 日本の伝統・文化の良さを発信する能力・態度の育成事業の目的及び現状について
イ JET青年との交流活動の内容及び成果について
〔8〕 道徳教育について
ア 東京都道徳教育推進拠点校の取組について
イ 都教育委員会のこれまでの取組について
ウ 東京都道徳教育推進教師養成講座の内容及び成果について
〔9〕 教科「人間と社会」の内容及び都教育委員会の取組について
〔10〕 小・中学校における不登校対策について
ア 不登校の実態、課題及び都教育委員会の取組について
イ モデル事業の内容及び成果について
ウ 教育支援センター(適応指導教室)の現状及び都教育委員会の取組について
エ 教育支援センター等充実方策検討委員会の概要等について
オ 教育支援センター(適応指導教室)における民間の教育プログラムを取り入れたサポート講座の内容及び成果について
カ フリースクール等民間団体との意見交換会について
〔11〕 チャレンジスクールについて
ア 設置状況及び入学者選抜応募倍率並びに新設等拡充について
イ 応募や入学につなげるための情報提供について
〔12〕 都立高等学校における構成的グループエンカウンターの目的、実施状況及び成果について
〔13〕 いじめに関する総合対策の実施について
ア いじめの早期発見・早期対応の取組及び成果について
イ 相談体制の整備における取組について
ウ 定時制・通信制課程におけるスクールカウンセラーの配置拡充の効果について
〔14〕 小・中学生の体力の現状並びに体力向上に向けた目標及び取組並びに成果について
〔15〕 都立高等学校及び公立中学校における部活動への外部指導員の活用について
〔16〕 東京都公立学校における栄養教諭について
ア 栄養教諭の役割及び配置状況について
イ 東京都公立学校栄養教諭切替特別選考の合格予定者数及び申込者数について
ウ 栄養教諭の増加に向けた取組について
〔17〕 オリンピック・パラリンピック教育における障害者アスリートの派遣実績及び成果について
〔18〕 医療的ケア運営協議会について
ア 目的、人員及び開催回数について
イ スクールバスの乗車について
ウ 肢体不自由特別支援学校以外の特別支援学校における医療的ケアの実施について
エ 経管栄養における半固形物の注入について
オ 看護師の研修について
カ 会議要旨における出席者の氏名について
〔19〕 特別支援教室における巡回指導教員の専門性向上に向けた取組について
〔20〕 学校の空調について
ア 平成26年度から平成28年度までの特別教室の空調設置に関する都立学校の整備実績及び区市町村への補助実績について
イ 都内公立学校における平成29年4月1日現在の特別教室の空調整備状況について
ウ 都内公立小・中学校に対する特別教室の空調設置に係る補助率の引上げ及び時限措置の撤廃について
エ 区市町村に対する空調更新への支援について
オ 都立特別支援学校における特別教室の今後の空調整備について
カ 都立高等学校における冷房化の選定方法、計画周知及び特別教室の冷房化について
キ 都内公立学校における平成29年4月1日現在の体育館等の空調整備状況について
〔21〕 体育的活動中の重大事故防止に向けた都教育委員会の取組について
〔22〕 都立学校の卒業式における知事のメッセージについて
ア 知事のメッセージが読み上げられた理由及び経緯について
イ 都立学校に対する都教育委員会の立場について
第3分科会で行われた平成28年度東京都一般会計決算等に関する審査の概要を次のとおり報告する。
平成29年11月1日
平成28年度各会計決算特別委員会
第3分科会委員長 高橋信博
平成28年度各会計決算特別委員長
栗下善行 殿
1 本分科会の設置及び審査の経過
(1)本分科会は、9月27日に設置され、次の案件を審査した。
・平成28年度東京都一般会計決算中、都市整備局、環境局、産業労働局、建設局、港湾局、労働委員会事務局所管分
・平成28年度東京都中小企業設備導入等資金会計決算
・平成28年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計決算
・平成28年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計決算
・平成28年度東京都と場会計決算
・平成28年度東京都都営住宅等事業会計決算
・平成28年度東京都都営住宅等保証金会計決算
・平成28年度東京都都市開発資金会計決算
・平成28年度東京都臨海都市基盤整備事業会計決算
(2)本分科会は、次のとおり各所管局ごとに審査し、終了した。
10月11日(説明聴取・資料要求) 都市整備局、港湾局、中央卸売市場、労働委員会事務局
10月13日(説明聴取・資料要求) 建設局、産業労働局、環境局
10月20日(質疑) 中央卸売市場、労働委員会事務局、港湾局
10月23日(質疑) 都市整備局
10月25日(質疑) 建設局
10月27日(質疑) 環境局、産業労働局
2 本分科会における質疑の概要
(1)都市整備局所管分
〔1〕 多摩都市モノレールについて
ア 経営状況について
イ 延伸についての交通政策審議会における答申の位置付け及び都の今後の取組について
〔2〕 空き家対策について
ア 都と区市町村の役割分担について
イ これまでの取組実績と今後の取組について
〔3〕 都営住宅について
ア 住宅使用料の減免申請件数及び申請手続における高齢者への配慮並びに建て替え後使用料に対する財政支援制度について
イ 管理戸数の減少について
ウ 新規建設及び建て替えの際の増設の検討について
エ 東京都住宅供給公社に委託している住宅営繕、施設管理、環境整備及びエレベーター設置について
オ 創出用地に対する都の基本的な考え方について
カ 使用承継及び住宅変更について
キ 福島県からの自主避難者への支援について
〔4〕 特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化について
ア 取組状況及び進捗状況について
イ 個別訪問で明らかになった課題及び対応について
〔5〕 基地対策について
ア オスプレイの危険性に対する認識及び配備について
イ 軍用機の騒音被害及びパラシュート降下訓練について
(2)環境局所管分
〔1〕 お台場海浜公園内水域の水質向上について
ア 局の取組について
イ 雨天後にふん便性大腸菌及び大腸菌の数が大幅に増加する原因について
ウ 環境確保条例に基づくし尿処理の仕組み及び流れについて
エ バキュームカーによるし尿回収の実効性について
オ 屋形船等小型船舶に対するし尿処理適正化に向けた対応について
〔2〕 マイクロプラスチック対策について
ア 事業実績並びに中長期的目標及び今後の取組について
イ 教育現場における啓発活動及び情報提供について
〔3〕 アライグマ及びハクビシン等外来種対策について
ア 被害状況及びこれまでの取組について
イ 区市町村の取組に対する都の支援について
〔4〕 グリーンリース普及促進事業の概要及び実績について
〔5〕 東京都災害廃棄物処理計画の特徴及び今後の取組について
〔6〕 アスベスト対策について
ア 解体工事現場等への立入検査の実績及び関連事業の決算額について
イ 事業者指導の徹底及び飛散防止・ばく露対策の強化について
〔7〕 太陽エネルギー利用拡大の取組及び成果並びに普及について
(3)産業労働局所管分
〔1〕 ムスリム受入対応について
ア 事業内容及び効果について
イ 都民に対する情報発信について
〔2〕 多摩地域への観光客誘致に向けた取組及び地域の魅力をいかした観光プランの情報発信について
〔3〕 MICE拠点育成支援事業における指定区域の指定理由及び取組並びに効果について
〔4〕 産業交流拠点(仮称)について
ア 役割及び効果について
イ 施設コンセプト等に対する地元市の意向の反映及びパブリックコメント
について
〔5〕 ライフ・ワーク・バランス実現に向けた施策の変化及び役割について
〔6〕 働き方改革推進事業について
ア 事業内容及び趣旨について
イ 働き方改革宣言企業の数及び奨励金を活用した企業の規模別実績について
ウ ワイズ・スペンディングの観点から見る費用対効果について
エ フィードバックによる事業効果の担保について
〔7〕 テレワーク及びサテライトオフィスに関するこれまでの取組及び実績並びに効果について
〔8〕 女性の起業・創業支援について
ア 取組及び確実な起業に向けた工夫について
イ インキュベータ同士の連携による支援に対する都のサポート実績について
〔9〕 中小企業のマイナンバー制度への対応及びサイバー攻撃に対するセキュリティ対策強化に係る都の支援について
〔10〕 ストレスチェック制度の普及啓発に向けた取組について
〔11〕 中小企業活力向上プロジェクトの取組状況及び創業支援の内容の充実化について
〔12〕 事業承継及び再生支援の取組状況について
〔13〕 中小企業制度融資の実績及び新保証付融資制度の利便性向上に向けた取組及び実績について
〔14〕 業界団体向け人材確保支援事業の取組状況及び地域における人材確保の促進に向けた都の認識及び取組状況について
〔15〕 外国人旅行者の消費拡大に向けた取組について
〔16〕 チャレンジ農業支援事業の取組実績について
〔17〕 都市農業活性化支援事業について
ア 予算現額及び決算額並びに取組実績について
イ 支援対象、事業規模の要件及び補助率について
〔18〕 農業体験農園の数及び支援内容について
〔19〕 農家の子弟以外の新規就農者数及び新規就農者に対する支援について
〔20〕 「新・元気を出せ!商店街事業」の実績及び課題並びに新制度への反映について
(4)中央卸売市場所管分
〔1〕 と場会計において実施した施設整備の内容及び執行金額について
〔2〕 HACCP導入に係る現状と今後の取組について
(5)建設局所管分
〔1〕 東京外かく環状道路(関越道~東名高速間)の整備について
ア これまでの用地取得、工事の進捗状況及び今後の都の取組について
イ 総事業費及び平成28年度の都の負担額について
ウ 青梅街道インターチェンジ地域の用地取得の取組について
エ 陥没事故及び地下水位異常への対応について
〔2〕 遮熱性舗装の整備について
ア 保水性舗装との違い及び整備効果について
イ 整備の考え方、進捗状況及び平成28年度決算額について
〔3〕 都道の照明の省エネ化における取組状況及び効果並びに今後の取組について
〔4〕 河川敷地占用の特例に係る制度の概要及び取組実績並びに今後の展開について
〔5〕 道路占用許可の特例に係る制度の概要及び取組実績並びに今後の展開について
〔6〕 公園の多面的活用について
ア これまでの実績及び民間事業者導入による効果について
イ 課題に対する方針及び今後の取組について
〔7〕 河川整備について
ア 東部低地帯における河川施設の耐震・耐水対策の取組状況について
イ スーパー堤防整備の取組状況について
ウ 中小河川の整備状況について
エ 白子川地下調節池の概要及び整備効果並びに白子川地下調節池及び石神井川貯水施設の整備状況について
〔8〕 連続立体交差事業の成果及び西武新宿線井荻駅から東伏見駅までの区間の今後の取組について
〔9〕 歩道整備の実施状況及び意義並びに所沢街道の現状と今後の取組について
〔10〕 都道前沢保谷線の移管に当たっての市との協議及び安全対策並びに移管時期について
〔11〕 都立霊園について
ア 樹林墓地及び樹木墓地の導入の背景並びに両者の違いについて
イ 樹林墓地及び樹木墓地の公募開始からの受付状況について
ウ 樹林墓地の平成28年度までの使用許可数及び埋蔵されている遺骨数について
エ 樹林墓地の今後の取組について
〔12〕 伊豆大島の土砂災害に対するソフト面及びハード面の対策について
〔13〕 特定整備路線の決算執行率について
〔14〕 狛江市水道道路の歩道の拡幅及び大型車両の進入について
(6)港湾局所管分
〔1〕 東京港臨港道路南北線整備事業の事業概要、進捗状況及び課題並びに今後の取組について
〔2〕 新客船ふ頭の整備の概要、進捗状況及び今後の取組について
〔3〕 クルーズ客船について
ア 過去3年間の東京港への寄港数と市場の動向について
イ 誘致に係る取組について
〔4〕 舟運に関する都の方針及び目的並びにPRを含めた今後の取組について
〔5〕 東京港海岸保全施設整備計画における港南4水門の計画概要、進捗状況及び今後の取組について
〔6〕 調布飛行場について
ア 航空機墜落事故に係る都の賠償について
イ 離発着回数、騒音レベル及び遊覧飛行・体験飛行について
ウ 飛行場の閉鎖及び移転について
〔7〕 島しょ地域における港湾整備事業に係る予算執行率、進捗状況及び船の就航率の改善について
(7) 労働委員会事務局所管分
質疑なし
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