委員長 | 佐野いくお君 |
副委員長 | もり 愛君 |
副委員長 | とくとめ道信君 |
加藤 雅之君 | |
小松 大祐君 | |
宮瀬 英治君 | |
斉藤やすひろ君 | |
関野たかなり君 | |
つじの栄作君 | |
ひぐちたかあき君 |
欠席委員 なし
出席説明員人事委員会事務局 | 局長 | 砥出 欣典君 |
任用公平部長 | 矢岡 俊樹君 | |
審査担当部長 | 神山 智行君 | |
試験部長 | 櫻井 和博君 | |
監査事務局 | 局長 | 岡崎 義隆君 |
監査担当部長 | 池田 美英君 | |
選挙管理委員会事務局 | 局長 | 浜 佳葉子君 |
青少年・治安対策本部 | 本部長 | 大澤 裕之君 |
総合対策部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 森山 寛司君 | |
青少年対策担当部長 | 井上 卓君 | |
治安対策担当部長 | 臼井 郁夫君 |
本日の会議に付した事件
平成二十八年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
人事委員会事務局関係
・平成二十八年度東京都一般会計決算(質疑)
監査事務局関係
・平成二十八年度東京都一般会計決算(質疑)
選挙管理委員会事務局関係
・平成二十八年度東京都一般会計決算(質疑)
青少年・治安対策本部関係
・平成二十八年度東京都一般会計決算(質疑)
○佐野委員長 ただいまから平成二十八年度各会計決算特別委員会第一分科会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、人事委員会事務局、監査事務局、選挙管理委員会事務局及び青少年・治安対策本部関係の決算に対する質疑を行います。
これより人事委員会事務局関係に入ります。
初めに、先般の人事異動に伴い、人事委員会事務局長に砥出欣典君が就任いたしました。
砥出事務局長から挨拶があります。
砥出欣典君を紹介いたします。
○砥出人事委員会事務局長 去る十月十六日付の人事異動で人事委員会事務局長に就任いたしました砥出欣典でございます。
佐野委員長初め委員の皆様方のご指導、ご鞭撻を賜りながら、当局事務事業の適正な執行に努めてまいります。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○佐野委員長 挨拶は終わりました。
○佐野委員長 決算の審査を行います。
平成二十八年度東京都一般会計決算中、人事委員会事務局所管分を議題といたします。
本件については、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○矢岡任用公平部長 去る十月十三日の本分科会におきまして要求のありました資料につきましてご説明申し上げます。
お手元にお配りしてございます平成二十八年度各会計決算特別委員会第一分科会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
まず、表紙をおめくりください。目次にございますとおり、要求のありました資料は二件でございます。
一ページをお開き願います。
この表は、人事委員会が実施した身体障害者を対象とする東京都職員Ⅲ類採用選考における応募状況及び競争倍率につきまして、平成二十四年度から平成二十八年度までの過去五年間の状況をお示ししたものでございます。
二ページをお開き願います。
この表は、人事委員会が実施した平成二十四年度から平成二十八年度までの過去五年間の採用試験及び選考につきまして、区分ごとに点字受験等の合理的配慮の実施状況をお示ししたものでございます。
以上、簡単ではございますが、要求のありました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○佐野委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言をお願いいたします。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○佐野委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐野委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で人事委員会事務局関係を終わります。
○佐野委員長 これより監査事務局関係に入ります。
決算の審査を行います。
平成二十八年度東京都一般会計決算中、監査事務局所管分を議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○宮瀬委員 私の方から質疑をさせていただきます。
監査というのは、東京都の行財政が公正かつ効率的に運営されているかどうかをチェックする、また地方自治法に基づいて知事から独立した公平な立場で行うとされております。
そこで、皆さんが出されている「監査二〇一七 東京都の監査のあらまし」というのを拝見させていただきまして、監査の中にはいろいろ種類があるというのが書かれているのを拝見いたしました。
そこの中で、定例監査、工事監査、財政援助団体等監査といろいろ書いてあるんですけれども、私は一つ早速疑問に思ったというところが、定例監査では事業所では三百二十件ということで全体の四三%、工事監査では千六百八十四件で全体の九・五%、財政援助団体等監査では百五十四団体で三・六%と、指摘は十九億、指摘件数は二百四十四件ということでありますが、私自身は、全ての東京都の事業、千八百ある中で、どういう切り口でどう行うかというのは、全てはできないのはもちろんわかっております。その中で、やはり一部の部分を選んで監査をしているわけでありますから、監査対象の抽出の考えについてまず教えていただきたいと思います。
○池田監査担当部長 先生のお話にございましたとおり、監査委員監査は地方自治法等の法令の規定に基づきまして、定例監査、財政援助団体等監査、工事監査、行政監査などを実施しております。膨大な監査対象件数に対し、限られた人員と日数で効率的、効果的な監査を実施するため、抽出監査を実施しております。
例えば、年一回以上全局を対象に必ず実施する定例監査では、過去の指摘等から誤りが多く見られる事項を中心に監査するほか、事務事業におけるリスクの重要度に応じて重点監査事項を設定し、実施しているところでございます。平成二十八年度は、個人情報管理、事業実施部門の外部委託、業務の内部統制を設定いたしました。
また、必要に応じて実施している財政援助団体等監査につきましては、団体選定に当たり、都の事業との関連性、補助金や指定管理料等の金額、これまでの監査実施状況、過去の指摘内容などを考慮して監査を実施しております。
○宮瀬委員 監査の抽出の考え方というのが、ご答弁でいただいたんですけれども、余り数字ですとか明快なロジックというのが私にはちょっとわかりにくいなというのが実感でございます。
お聞きしますと、工事監査の監査対象は百万円以上という金額の制限があるというのは決まっていると聞いておりますが、それ以外は金額的な制限ですとか、そういった観点は特には決まっていないと聞いております。
その監査を、対象をどのように決めて選んでいくのかというところは、今の考え方はわかったのでありますが、やはり情報公開の観点からも一定の判断基準やロジックが公開されるべきだと思っております。それに基づいて、何年かに一度は必ず監査が入るようなものがきちっとあるのか、また抜け漏れが出てしまうものがあるのか、全体でわずか三・六%ですとか九・五%であれば、例えば十年で一回、回ってくるのかとか、そういった考え方もあるわけであります。
また、そういった考え方というものを数字に基づいてある程度やはり出していくことがわかりやすい監査のあり方なのではないかと意見をしておきます。
では、次に、監査の実施に当たりまして、監査でございますので、基本的にはちゃんとやっているかどうかを検分するということでありますが、事前に実施の日程を告知しているということでございます。それぞれ監査のおおむね何カ月前に通知しているのでしょうか。
○池田監査担当部長 東京都監査委員条例では、監査または検査を行うときは、監査委員は期日を指定し、あらかじめ監査または検査の対象となる機関に通知することとされております。東京都監査委員監査基準では、実施計画は、各監査の対象、実施期間等を定めることとされており、監査実施計画で年間の監査日程を詳細に定めております。
具体的には、定例監査は一月から約半年間かけて行い、最も早い局では通知から約一カ月後に、最も遅い局では約五カ月後に実施しているところでございます。工事監査につきましては通知から最短で約一カ月後、最長で約九カ月後に実施しております。財政援助団体等監査につきましては九月から実施しており、通知から最短で約一カ月後、最長で約三カ月後に実施しております。行政監査につきましては通知から約一カ月から約二カ月で実施しております。
○宮瀬委員 一部の監査につきましては十二月に一律告知をしていると伺っております。しかし、監査というものはどういうものなのかというところにもいくわけでありますが、同じ東京都の民間団体に対する監査のやり方でございますが、検証してみますと、福祉保健局においては、認可外保育施設に対しまして抜き打ち検査を含めた指導監督の強化ということがいわゆる認可外保育園の死亡事故を受けて実施されているところでございますし、また東京都産業労働局においても、長野県の軽井沢町のスキーバスツアー事故を受けまして、都内の旅行業者に対する抜き打ちの立入検査を始めたところであります。
もちろん、性質の違う監査なのかもしれませんが、身内の都の各局の事業に対しては、場合によっては最大五カ月前に告知するというご答弁でございました。そうなりますと、都民の皆様に対して、東京都は外部に対しては厳しくやって、身内に対しては甘いのではないかというあらぬ誤解を招くおそれが私はあるのではないかなと思っています。無論、関係者に在庁してもらうことや、監査に必要な関係書類、成果品などを用意してもらうために、行政ですので、もちろんある程度の期間が必要だとわかっております。
しかし、今の話、答弁でありますと、最短ですと一カ月後に監査を実際実施しているということから見ますと、実際は一カ月前に告知をすれば監査できるのではないかと思っています。関係書類や成果物は常にやはりあらなければならないものでありますし、最大五カ月も前の告知となりますと、監査としては私自身はいかがなものかなと思っております。
何よりも、いつ監査が入るかわからないといった状況が全ての事業に緊張感を持たせるといえるのではないでしょうか。抜き打ち検査とまではいいませんが、せめて各監査対象に対して、一律例えば一カ月前もしくは二カ月前に告知をしていくといったことも私はとれると思っております。十二月に一律に、ことしはこういう監査をやりますといって告知をすると、ことしはうちはもう監査は来ないなということで安心する、安心という表現は正しくないかもしれませんが、大丈夫だ、監査はないということもあれば、いつまた来るかもわからないから、みんな改めてしっかりやりましょうという意識になるのかは大きく違うと思っております。ぜひ、これは要望にとどめますが、お願いをしたいと思います。
次に、いわゆる身内に甘いのではないかという疑念が生じないようにと指摘をさせていただきましたが、豊洲新市場の監査事務局の対応を検証してみたいと思います。
まずは、これまでの工事監査の中に、いわゆる豊洲新市場の土壌汚染対策工事があったのかお伺いします。
○池田監査担当部長 平成二十四年、平成二十六年及び平成二十七年の工事監査におきまして、豊洲新市場の土壌汚染対策工事の監査を実施してございます。
○宮瀬委員 実際に工事の監査対象の中に豊洲新市場がしっかりと入っていたと。どういう選定基準でそれが入っていて、実際にどのような監査が行われて、ではどうしてこういったことになったのかというところは総括質疑の方でしっかりとさせていただこうと思っておりますが、その中で、今告知の話をさせていただいていますので、実際に平成二十四年、平成二十六年及び平成二十七年の工事監査において、豊洲新市場の土壌汚染対策工事、通知はどれぐらい前だったのかお伺いします。
○池田監査担当部長 いずれの年も、中央卸売市場に関する実地監査につきましては、おおむね一カ月前に通知をしているところでございます。
具体的には、平成二十四年の工事監査では平成二十三年十二月十六日に通知をし、平成二十四年一月二十四日から二十七日まで実施をいたしました。二十六年の工事監査では平成二十五年十二月十九日に通知し、平成二十六年一月二十二日から二十八日まで実施いたしました。平成二十七年工事監査は平成二十六年十二月十一日に通知し、平成二十七年一月二十六日から二十九日まで実施をいたしました。
○宮瀬委員 一カ月前の告知ということで、一カ月の期間に取り繕ったり、いろいろ隠したりといったことは、基本的にはそういうことはないと思いますけれども、という期間ではなかったということが確認できました。
実際にどのような監査が行われて、実際にどういう状況だったのかというところは総括質疑の方に回しますが、改めて、東京都全体の監査のあり方というのは、これだけ豊洲の件で都民の注目を集めておりますので、今までの体制のまま、監査事務局の皆さんの体制、監査のあり方がいいとは私は思っておりません。
ですので、きょうの分科会での質疑は以上とさせていただきますが、またご指導いただければと思います。
以上でございます。
○佐野委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐野委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で監査事務局関係を終わります。
○佐野委員長 これより選挙管理委員会事務局関係に入ります。
決算の審査を行います。
平成二十八年度東京都一般会計決算中、選挙管理委員会事務局所管分を議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○もり委員 選挙管理委員会決算について質問させていただきます。
さきに行われました衆議院選挙におきましても、投票率は戦後二番目に低い数字といわれ、国民の約半数が選挙に行かない状況は、国民の代表を選ぶ民主主義政治の根幹を揺るがす大変重要な問題です。
そして、投票行動は、最初の機会に投票するとそれが習慣化する傾向が強いといわれ、逆に、一度も行ったことがないということがより政治への無関心となるスパイラルとなっており、若者が最初に選挙に参加することは、社会全体の投票率を上げる上でもとても重要であるといえます。
そこで、若者の投票に対する意識の向上についてお伺いいたします。
昨年度は、七月の参議院選挙、都知事選挙と大きな選挙が続き、公職選挙法改正以降、昨年度の都知事選挙は十八歳、十九歳にとっても初めての都知事選挙でありました。
十代の投票率を見てみると、十八歳の推定投票率は五一・八三%と五〇%を超えるものの、十九歳の推定投票率は四三・六五%とさらに低い現状があり、それはさきに行われた衆議院選挙の投票率を見ても、若者の投票行動を喚起できていないことが挙げられます。
東京都として、若者の選挙に対する意識向上にどのような取り組みが行われているか、二十八年度における都知事選挙における取り組みをお伺いいたします。
○浜選挙管理委員会事務局長 都知事選挙における啓発事業といたしまして、東京スカイツリータウン内にあり集客効果の高い東京ソラマチにおいて、街頭啓発イベントを開催いたしました。
その内容でございますが、若い世代に人気の高いボルダリング体験とあわせ、集まった若者たちやファミリー層に、投票日や期日前投票の積極的な利用など、啓発グッズの配布とあわせて投票参加に向けた呼びかけを行いました。
また、選挙の告示日前からホームページに都知事選挙用の特設サイトを開設し、立候補者情報や選挙公報、期日前投票所の所在地一覧など有権者が必要とする情報を随時掲載いたしました。
加えて、若者が活用しているツイッターで選挙に関する情報発信を随時行うとともに、ツイッターの広告機能を活用することにより、特設サイトへの誘導を実施いたしました。
○もり委員 ありがとうございます。近年では、ツイッターやSNSなどの選挙に対する取り組みも大変効果があるようですので、ぜひそういった若者やファミリー層への取り組み、一層進めていただきたいと感じます。
次に、選挙のない常時の啓発の取り組みはどのようになっておりますでしょうか。お伺いいたします。
○浜選挙管理委員会事務局長 若者を対象に行う常時啓発といたしまして、都選挙管理委員会では、従来から、都内の中学三年生全員を対象に、選挙の制度や仕組みをわかりやすく説明した選挙学習冊子「Let’s Study 選挙」を作成し、公民の授業などで活用できるよう各中学校に配布をしております。
また、将来の有権者である小学生、中学生及び高校生を対象に、選挙に対する関心を高めてもらうことを目的とした明るい選挙ポスターコンクールを実施し、入選作品を展示するポスター展を開催しております。
昨年、法改正により施行された十八歳選挙権に伴う事業としましては、都選挙管理委員会で施行前から出前授業や模擬選挙への取り組みを進めており、連携しての開催やノウハウの提供により、現在では区市町村選挙管理委員会における独自開催が増加し、都内全域にその取り組みが広がっております。
引き続き、若者に対する選挙の意識向上のための事業に取り組んでまいります。
○もり委員 ありがとうございます。東京都が行ってきた出前授業、模擬選挙の取り組みが自治体に移管されながら拡充されていることはすばらしいと感じます。ぜひ多くの子供たちに参加していただき、主権者教育の充実を望みます。
また、中学三年生向けに授業で活用できる副教材についても拝見させていただきました。制度について学ぶことは重要ですが、より自分たちの生活にとって身近なテーマが政治に直結しているという政治教育、主権者としての教育と意識啓発を平時より教育委員会とも連携しながら進めていただき、投票率の向上につながるよう願いまして、質問を終わります。ありがとうございました。
○小松委員 先日、障害者差別解消法の施行後初となる衆議院選が行われたわけであります。その結果、何らかのサポートを必要とされる方がこれまでの選挙に比べてどれぐらい投票行動としてふえたのかなというところに大変関心があるところでありまして、そうした観点から幾つか伺いたいと思います。
法によって障害者への配慮が義務づけられたことを受けて、投票をめぐるこのバリアフリーへの対応ということも、それぞれ工夫をされて各地域で進んでいるというふうな様子は伺っておりますが、課題もまだまだ残されているというふうに伺っております。
そうした中で、都の取り組みを幾つか伺いたいと思います。
一票の格差是正といったことを弁護士の方々中心にいろいろいわれて、実際問題、選挙区割りをいろいろいじくられて、現場は大変混乱しているわけでありますが、ある意味では、一票の格差、それもそうかもしれませんけれども、障害を持っていたり、何らかのサポートが必要な方々がなかなか投票に行けない、ないしは情報を広く集めることができずに、ご自身がどうやってどなたに投票しようかということを十分把握できない、そうした意味での一票の格差もあるんじゃないかなという問題意識があります。障害を持った方がしっかりと意思表示をしていくということで、一億総活躍であったり、一人一人の方が豊かに生きることのできる社会に近づくのかなという思いもあります。
そうした意味では、参政権をしっかりと行使する上で、この情報格差についてもあってはならないなという思いであります。
私も今回、投票所へ行って、相談員がいたり、スロープがちゃんとあったり、投票所のバリアフリー化というのは進んでいるなと思うんですが、障害のある人などが投票するためには、このバリアフリー化、大変重要であります。具体的にどのような取り組みがなされているのか伺いたいと思います。
○浜選挙管理委員会事務局長 選挙における投票所の全ては、区市町村選挙管理委員会によって設置、管理されておりまして、それぞれにバリアフリー化が図られているところでございます。
投票所のバリアフリー化の具体的な例でございますが、会場の段差解消スロープの設置、点字投票する方のための点字器や小さい字が見えにくい方のためのルーペなどの配置、車椅子や車椅子に対応した投票記載台の配備などがございまして、障害のある方や高齢者の方など、投票しやすい環境の整備に努めているところでございます。
○小松委員 今、ご答弁の中に高齢者ということもありました。これからまさに高齢の方がふえて、そうした方々の投票行動の支援という意味でも、こうした今の都の取り組みというのは大変重要なことなのかなというふうに思います。
もう一点、この投票所のバリアフリーについて、それぞれ各自治体ごとに選挙管理委員会等ありますけれども、東京都の選管としてはどのように取り組んでいるのか伺いたいと思います。
○浜選挙管理委員会事務局長 都選挙管理委員会といたしましても、投票環境の充実を図っていくことは大変重要なことと考えてございます。
このため、東京都心身障害者福祉センターの協力を得まして、区市町村選挙管理委員会の職員を対象に、投票所における障害のある方への接遇などの研修を行っております。さらに、国や都の選挙を実施する際は、事務説明会で障害のある方などへの対応についてご説明をし、投票所のバリアフリー化への協力要請を行っております。
また、区市町村がこれらの対応に要した経費につきましては優先的に経費を交付しておりまして、平成二十八年度では、参議院議員選挙、都知事選挙ともにそれぞれ約二千四百万円を交付いたしました。
○小松委員 今、二つの質問によって、都選管、さまざまに取り組んでいただいていることが確認できたと思います。
選挙情報、つまり誰に投じるのかと判断をするための材料、これがなかなかないんだということを障害を持たれた方々の団体の方からも、ことしもヒアリングする中で多く耳にいたしました。目の見えない方、耳の不自由な方、そうした方々それぞれに必要とするサポートはまた違うわけで、そこが難しいところだと思いますが、これまでのこの投票行動の支援、これを引き続き広げていただくとともに、事前の選挙情報の提供、これについてもさらなる工夫を関係自治体や国とも上手に連携をしていただいて、さらにブラッシュアップをしていただくことを要望して、質問を終わらせていただきます。
○宮瀬委員 私からも、投票率の向上についてお伺いいたします。
投票率が低い、低くなっているということはもり副委員長からもお話が出ておりますので、その辺のところは私からは申し上げませんが、改めて、選挙の投票率が低いというのはどのような原因があると皆様は考えていて、啓発事業、先ほどご答弁ありましたけれども、どういったことをやっているのかお伺いします。
○浜選挙管理委員会事務局長 投票率につきましては、当日の天候、そのときの争点、都民の関心、都政への期待や信頼などなど、さまざまな要因がかかわってくることから、一概にご説明するのは困難でございます。
都選挙管理委員会といたしまして、投票率を向上させるべく取り組む啓発事業といたしましては、選挙時におきましては、街頭ビジョンや列車内での動画広告、ポスターの掲示、ホームページ、ツイッターを活用した啓発に加えまして、区市町村選挙管理委員会と連携して、街頭啓発イベントなどを通じた選挙期日の周知や投票参加の呼びかけを行っております。
選挙の行われていない時期の啓発といたしましては、主に若者に向けた啓発として、公立、私立の学校における出前授業や模擬選挙を実施しております。
また、ホームページにおいて、実際に行われた出前授業等の様子や、実施するまでの段取り等について解説した動画及び授業用資料等を公開しておりまして、これらを活用した区市町村が独自に出前授業等を実施するなど、都内での取り組みが広がってきております。
○宮瀬委員 基本的なことをお伺いしたわけでありますが、私は、民間出身だからというわけではないんですが、よく目標数値というのを皆さんに問うことが多くて、やはり選挙管理委員会のいわゆる目標というのは、最終的にはいろいろありますけれども、投票率が一つの指標であることは疑いがないと思います。
しかし、今ご答弁にありましたように、投票率を皆さんの仕事の目標数値にするには、余りにも酷な要素、つまり外的な要因が多過ぎて、なかなか数値化、目標数値としては、例えば次の都知事選は今回の数字の五%伸ばすとか、そういうのはなかなか設定しにくいのはわかっております。
ただ、お仕事としての選挙管理事務局の取り組みとしては、外的要因に左右されない内的要因のところ、そこの取り組みはしっかりと選挙ごとに改善を図ることができると思います。
その中で、お金と施策の効果のところなんですが、実際に平成二十八年度執行の都知事選挙では、選挙の啓発にどれぐらい費用がかかっていたのかお伺いします。
○浜選挙管理委員会事務局長 平成二十八年七月に実施されました都知事選挙における選挙啓発経費は約一億七千万円でございました。
○宮瀬委員 急な都知事選挙だったということも聞いております。わかっておりまして、ただ、ここの金額は、毎回前例というか、踏襲型の予算が組まれているのではないかなと私は実感しているわけであります。
では、何で一億七千万円なのかということが私はちょっといろいろお話聞いていてわからなかったわけであります。知事は、平成二十九年度予算編成においては、全ての事業に終期を設けるといったことをいっておりまして、その終期の中で事業評価を行うシステムをしっかりと導入していくと。全ての事業でありますので、皆さんの事業もしっかりと事業評価のあり方が変わっていくと思っております。
といった中で、じゃあその一・七億円かけて、ポスターも毎回タレントさんを起用して張っていると。ではどれぐらいの効果あるんですかと。先ほどスカイツリーでイベントをやりましたと。それはどれぐらいの影響力があるんですかと。毎回何となく、やっているのはわかるんですけれども、それがどれぐらい投票に、全体像として影響はあるのかというのがわからないわけであります。そこはあえて質疑では聞きませんが、やはりどうやって投票率を上げていくのかは、私たち政治家自身の問題だとも思っております。
その中で、まあ不満ばかりいってもしようがありません、提案も加味していいたいんですが、一つのKPIとして指標を設けた方がいいのではないかと思うのが出前授業と模擬選挙だと思っております。
平成二十八年度の出前授業と模擬選挙の参加校数と参加人数はどれぐらいだったでしょうか。
○浜選挙管理委員会事務局長 平成二十八年度に都選挙管理委員会または区市町村選挙管理委員会が独自に出前授業や模擬選挙を実施したもの、また都と区市町村が連携して実施したもののうち、都選挙管理委員会で把握している学校数及び参加人数は、小学校では七十一校、五千八百十八人、中学校では三十九校、九千八百五人、高等学校では百九校、二万六千二百九十八人、専門学校では一校、二百人、大学では三校、百四十七人となっております。
○宮瀬委員 ありがとうございます。
そこで、今いただいた数字をもとに、東京都教育庁が公表しています平成二十八年度の公立、私立の在籍者数、全体数字をちゃんと調べてきました。そうしますと分母が確定しまして、皆さんの出前授業ですとか模擬選挙の参加校数と参加人数のいわゆる参加率が全体像でわかるわけであります。
申し上げますと、小学校ですと、全体が千三百三十九校、今回皆様がホームページで出している出前授業の実施学校が出ておりまして、全て小学五年生、小学六年生でございました、小学校に関しては。小学五年生、小学六年生の数が大体十九万五千八百三十六名でございますので、それを比率にあらわしていきますと、小学校では全体の約五・三%、生徒数で見ますと、大体二・九%の子供がいわゆる出前授業、模擬選挙の参加割合であります。
次に、中学校でありますと、全部で八百八校都内にございまして、三学年でございます。その数三十万六千八百二十名在籍がありまして、先ほどご答弁いただいた数で割り算していくと、中学校のいわゆる実施率が、校数でいうと四・八%、生徒数でいきますとわずか三・一%でございます。
最後、やはり十八歳の投票ということで可能になっておりますので、高校がどうだったのかといいますと、全体では、高校の数が四百二十九校、三学年でございます。三十万四千五百六十六名が全体でございますので、高校ですと何と実施率二五%。しかし、参加した生徒の数を割合にしてみますと八・六%にすぎないということが数字でとれるわけであります。あくまで私の手計算でありますので概算値でありますが、公的数字をもとに計算したものでございます。
それを見ていくと、どうして高校での実施率が二五%なのに参加数が全体の高校生の八・六%しかいっていないのかとか、そういった課題が見えてくるわけであります。
このように、投票率というのをいわゆる皆さんの事業の目標数値にはできないと思いますが、せめてここの数を一つの指標として、三年後には何%にするんだといった目標数値というのは皆さんの努力の範囲内でできるのではないかというのがご提案でございます。このように、私もこういった公の場で申し上げているので、しっかりと、じゃあ二年後、一年後、この数字がどう推移していくのかを再度また確認していきたいと思います。
今回は、教えていただいた数字というのは皆様が把握している数字だと思いますが、実態はNPOがやっていたり、区市町村が独自でやって皆様にご報告が行っていないといったケースもあると思いますが、実際に都や区市町村のほかに実施している団体はあるのでしょうか。またその人数を把握しているのかお伺いします。
○浜選挙管理委員会事務局長 都選挙管理委員会や区市町村選挙管理委員会以外にも、NPO法人やその他の民間団体において出前授業や模擬選挙を実施していると聞いておりますが、都選挙管理委員会ではその実施校数や参加人数については把握しておりません。
○宮瀬委員 都選管が全てを把握しているわけではないといったご答弁をいただきました。教育庁を通じて学校に聞けばやはり教えてくれると思いますので、先ほど申し上げた生徒の、小中学校は約三%ぐらいの参加率でございますが、本当は何%なのか、実際にどうなっているのかということを把握する上でも、ぜひ教育庁と区市町村と連携をしながら、その数字の把握に努めていただきたいと思います。
最後に意見を申し上げますが、選挙に行ったことがないし、やり方がわからないから行かないといった方も大勢いらっしゃいます。その中で、学校教育の現場の中でそういった模擬選挙を実施していこうという動きは大変重要です。しかし、私も知り合いに教職員の友人がいますが、先生のやる気次第だったりするところも正直あると思います。ぜひ選挙管理委員会の皆様の方からもその数字を軸にして取り組んでいただくことを要望しまして、質問を終わります。
○佐野委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐野委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で選挙管理委員会事務局関係を終わります。
○佐野委員長 これより青少年・治安対策本部関係に入ります。
決算の審査を行います。
平成二十八年度東京都一般会計決算中、青少年・治安対策本部所管分を議題といたします。
本件については、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○森山総合対策部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 過日の当分科会において要求がございました資料につきましてご説明申し上げます。
お手元に配布しております要求資料をお開きいただきまして、一ページをごらんください。自転車総合対策事業費の五年間の推移でございます。
平成二十四年度から平成二十八年度までの決算額を記載してございます。
次に、二ページをごらんください。ハイパースムーズ作戦及びハイパースムーズ東京事業費の五年間の推移でございます。
平成二十四年度から平成二十八年度までの決算額を記載してございます。
なお、表の下の米印に記載してございますが、平成二十七年度まではハイパースムーズ作戦、平成二十八年度がハイパースムーズ東京の事業費となっております。
以上で要求資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○佐野委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○もり委員 青少年・治安対策本部決算について、子供、若者への支援について質問させていただきます。
青少年育成総合対策の推進として二億八千百八十八万円余が支出をされております。未来を担う子供たちの健やかな成長が国、社会の発展の礎であります。一方で、ネットによる有害情報の氾濫や児童虐待、いじめ、子供の貧困等、子供たちをめぐる環境の悪化や、ニート、ひきこもり、不登校等の子供、若者の抱える問題はさまざまな要因が重なり深刻化をしています。
そこで、国としても、子ども・若者育成支援推進法が施行され、子供、若者支援を推進するための仕組みづくりとして、都道府県、自治体にも子供・若者計画の策定が努力義務として課せられ、東京都では二十八年八月に、社会に参加し、社会を形成する若い力を育むとして東京都子供・若者計画が五カ年計画として策定をされました。子ども・若者育成支援推進法の推進に基づく都の取り組み状況についてお聞かせください。
○井上青少年対策担当部長 子ども・若者育成支援推進法におきましては、子供、若者をめぐる環境が悪化し、社会生活を円滑に営む上で困難を有する子供、若者の問題が深刻な状況にあることを踏まえ、地方公共団体は、その区域内における子供、若者の状況に応じた施策を策定し実施する責務を有すると規定しております。
これを受けまして、都におきましては、子供、若者のさまざまな課題に対応するため、関係機関の連携に向けて、平成二十六年三月に東京都子供・若者支援協議会を設置し、庁内の関係部署や地域で支援を行う支援機関の取り組みを紹介するなど情報の共有を図っております。
また、全ての子供、若者が健やかに成長し、円滑に社会生活を営むことができる社会の形成を目指し、東京都の子供、若者育成支援施策の一層の推進を図るため、平成二十七年八月に東京都子供・若者計画を策定いたしました。
さらに、子供、若者の支援につきましては、住民に身近な自治体である区市町村の果たす役割が大きいことから、都といたしましては、区市町村での取り組みが推進するよう支援しているところでございます。
○もり委員 ありがとうございます。子供、若者を取り巻く複雑化する課題に対する都の取り組みを聞かせていただきました。
乳幼児から青年期までの切れ目ない支援体制と、福祉、教育、雇用等、部局横断的な連携支援ネットワークの構築が欠かせません。その点において、現場である区市町村の役割はとても重要となります。区市町村における取り組み状況はどのようになっておりますでしょうか。
○井上青少年対策担当部長 平成二十八年度末までに子ども・若者育成支援推進法に基づき、子供・若者計画を策定した自治体は八自治体、子供・若者支援地域協議会を設置した自治体は四自治体となっております。
このほかに、区市町村の主管部署が中心となって、関係部署や地域の支援機関が連携し、子供、若者支援に関する連絡会議を設置するなど、各自治体の実情に応じてきめ細やかな子供、若者への支援の取り組みを実施している自治体もございます。
○もり委員 ありがとうございます。自治体の取り組み状況を確認させていただきました。
子供・若者計画を策定した自治体は八自治体、子供・若者支援地域協議会を設置した自治体は四自治体と、まだまだ都内全体としては少ない印象を受けます。現場のきめ細やかな支援の充実が求められる中、東京都としては、自治体の取り組みを一層支援していただきたいと考えます。
区市町村の取り組みの推進に向けて、平成二十八年度に都が実施した取り組みについてお聞かせください。
○井上青少年対策担当部長 都といたしましては、区市町村が住民に身近な支援施策を展開できるよう、子供・若者支援地域協議会の設置、子供・若者計画の策定、相談体制の整備、居場所の提供等の支援事業の整備に対しまして財政支援を行っております。
また、区市町村の子供、若者支援に携わる部署の職員を対象に、毎年度三回程度、区市町村からの要望を踏まえまして、若者の現状と支援のあり方の基礎知識から民間支援団体における若者支援の実情などの研修を実施しております。
さらに、さまざまな機会を通じまして、区市町村の先進的な事例や関係機関における具体的な取り組みを紹介するなど、子供、若者支援に有用な情報の提供や共有に努めております。
今後とも、これらを通じまして、区市町村におきまして子供、者に寄り添った支援が展開されるよう区市町村の取り組みを後押ししてまいります。
○もり委員 ありがとうございます。現場での子供、若者支援には、区市町村のみならず、公的な財政支援のない多くの民間の取り組みも大変大きな役割を担っていただいております。
私の地元の大田区では、一日の栄養を学校給食でしかとっていない子供がいるといった学校の先生の一言から、全国初の子供食堂の取り組みが「だんだん」という八百屋さんからスタートし、百円を握り締めてくる小学生、また少し遅い時間は中高生の居場所としても、学校でも家庭でもない、地域の中に第三の居場所があるということは、子供、若者の健全育成にも大きな意義があると感じております。
また、市町村においても子供・子育て会議が行われておりますが、どうしても喫緊の課題は待機児童対策に重点が置かれている現状があり、幼少期から若者、青年期のひきこもり対策などは、義務教育課程を修了し社会人となると行政の支援が届きづらい現状もあります。
後ほど、我が会派のつじの委員からも、若者支援の若ナビの取り組み等、個別施策について質問させていただきますが、四十歳以下の青年期までを包括して、切れ目のないきめ細やかな支援ができるよう、東京都としてぜひ財政的、人材育成支援等、区市町村、現場の取り組みを一層後押ししていくことをお願いいたします。
次に、交通安全対策について質問させていただきます。
交通安全対策の総合企画調整等として九千九百三十三万円余が支出をされております。その中から、自転車の安全利用についてお伺いいたします。
自転車は、都民にとっても手軽に利用できる交通手段であり、健康にもよく、環境にも優しく、近年では、観光の視点からコミュニティサイクルに取り組む自治体もふえている現状があり、今後、自転車の利用はますますふえていくと考えます。
一方で、歩道上で歩行者に危険、危機感を与える運転や、車道で右から逆走している自転車等、ルールに反した車道での運転をする自転車も少なくありません。現状の自転車を取り巻く状況は、自転車事故がいつ発生してもおかしくない状況があり、自転車の安全利用に向けて都民の理解を推進していく必要があると感じます。
こうした状況の中で、東京都は、自転車の安全利用に向けたさまざまな取り組みを行っておりますが、都における自転車事故発生件数はここ五年でどのように推移していますでしょうか。また、その間に当該取り組みに要した費用はどのように推移しているのかお伺いいたします。
○臼井治安対策担当部長 都における自転車事故発生件数は、平成二十四年の一万七千七十八件から、平成二十八年は一万四百十七件、交通事故全体に占める自転車関与事故の割合は、平成二十四年の三六%から平成二十八年は三二・一%となっており、ともに減少が続いております。
その間の自転車の安全対策事業費は、平成二十四年度から平成二十七年度までは決算額にして毎年度三千三百万円前後で推移し、平成二十八年度は取り組みを強化したことから、決算額にして五千八十六万八千円となっております。
なお、平成二十九年度の予算額は一億二千五百四十三万円となっております。
○もり委員 ありがとうございます。本日の資料でもお出しいただいてありがとうございます。
自転車事故数は毎年減少している状況と、取り組みも拡充していただいていることを確認させていただきました。
しかし、交通事故全体に占める自転車関与事故の割合では、全国平均が一八・二%であるのに対し、都内では三二・一%といまだ高い割合となっております。
私の地元では、今なお歩行者に危機感を与える運転をする自転車利用者を目にする機会があり、つい先日も、たばこを吸いながらの自転車や、本来歩行者の多い商店街では自転車の押し歩きを地域のルールとして呼びかけている自治体もありますが、なかなか徹底をされておりません。歩行者が安心して歩行でき、自転車も快適に走行できるよう、安全な走行空間の確保は重要な課題となっております。自転車専用レーンの道路整備については都市整備や建設局の所管となりますが、自転車はどこを走ったらよいのかわかりにくいという声もよく耳にします。
私も、これまで区議会議員として、自転車のまちづくりの推進に取り組み、地元大田区では、区道における自転車専用レーンの設置を推進してまいりました。一方で、大きな幹線道路、環八等では、自転車歩行マークが歩道上に設置してある等、国と都、区市町村と異なる道路管理者による整備が行われている現状があり、そういった現状が都民にとってどこを走ってよいのかわかりにくいという要因にもなっていると感じます。
自転車走行空間の確保においては、それぞれ連携をして自転車専用レーンの整備を推進し、そのことをより都民に周知していくべきだと考えます。引き続き、自転車の安全利用に向けて都民の意識を高めていく必要があると感じています。
こうした状況を踏まえて、都は自転車安全利用に向けてどのような取り組みを行っているのかお伺いいたします。
○臼井治安対策担当部長 都はこれまで、自転車安全利用に向けたセミナーやキャンペーンの実施、高齢者や小学生など対象者に合わせた内容のリーフレットの作成、配布及び交通安全教室の開催などにより安全利用を促進してまいりました。
昨年度は、自転車安全利用条例を改正して、自転車販売時の交通ルール等の啓発を義務化し、これを踏まえ、ルール・マナー確認書を作成した上で、自転車販売店を通じて購入者へルール等を周知しております。
また、同条例の改正を踏まえ、自転車安全利用推進者を選任し、安全利用を進める事業者を自転車安全利用推進事業者とし、情報提供や研修講師紹介等の支援も実施しております。
こうした取り組みにより、社会全体での自転車安全利用を推進しているところでございます。
○もり委員 ありがとうございます。東京都が自転車の安全利用に向けて多様な取り組みを行っていただいていることがわかりました。
今の答弁で、小学生に向けた取り組みに触れていらっしゃいましたが、東京都が取り組んでいる施策の成果をより一層高めるためには、自転車に乗り始める小学校のころから自転車利用のルール、マナーを徹底し、小学生の自転車事故を防止していくことが大切です。
東京都では、自転車の安全利用に向けて、小学生に対してどのような安全利用教育を行っていますでしょうか。
○臼井治安対策担当部長 都はこれまで、自転車による歩道の通行方法など、小学生と成人での自転車利用のルールの違い等を踏まえ、小学生及び保護者向けのリーフレットを作成し、都内の公立、私立全ての小学校に配布することで、小学生及び保護者の自転車安全利用に向けた理解を促進してまいりました。
平成二十四年度からは、自転車のルールを楽しみながらわかりやすく習得できる自転車シミュレーターを活用した交通安全教室を小学校で開催しており、平成二十八年度は五十二回開催いたしました。あわせて、自転車安全利用TOKYOキャンペーンや、地域の子供が集まる交通安全教室におきましても自転車シミュレーターを活用したり、リーフレットや反射材を配布するなどして、小学生の自転車安全利用に向けた意識向上に努めてまいりました。
引き続き、小学生のころから自転車安全利用の意識を高めていけるよう取り組みを進めてまいります。
○もり委員 ありがとうございます。子供が楽しみながら学べる機会を見つけていただいていることを説明していただきました。
社会全体の意識を変えていくために、子供のころから、自転車のルール、マナーをしっかり教えることはとても重要であると考えます。今後とも着実に事業を実施し、警察や区市町村、ハード面の都市整備局や建設局とも連携を深めながら、自転車の安全利用を推進いただきたいと要望いたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。
○斉藤委員 私の方からは、防犯を中心にお話をしたいと思います。
ハード、ソフト両面から見た安全・安心確保策と区市町村との連携について質問したいと思います。
初めに、防犯カメラの設置について質問をいたします。
都内の刑法犯認知件数は、近年大幅に減少してきていると思います。これは、警察当局の取り組みに加えまして、防犯ボランティア団体による地道なパトロール活動、そして防犯カメラの設置によるものであると認識しております。
その一方で、子供や高齢者などの弱者が被害者となる事件は後を絶ちません。昨年も高齢者が殺害されるという痛ましい事件がございましたが、目黒区立の公園に遺棄されるという重大事件が発生し、大きなニュースとなったところでございます。
犯人検挙に当たりましては、防犯カメラの映像が大きく寄与している事実もあります。二〇一一年、平成二十三年一月に起きた中目黒駅近くの殺人事件は、各所の防犯カメラの映像を解析して、その検挙に至りました。
防犯カメラの設置費補助には、商店街が設置するケースと、町会、自治会など地縁団体が設置するケース及び区市町村が公立小学校通学路に設置するケースがございますが、平成二十八年度の防犯カメラの補助実績について、初めにお伺いしたいと思います。
○臼井治安対策担当部長 都では、防犯カメラの設置を契機として、地域住民等の防犯意識が高まり、見守り活動などが活発に展開されることを目的として、平成十六年度から防犯カメラの補助を開始いたしました。
平成二十八年度の全補助事業を合計した防犯カメラの補助台数は三千七百十台、制度開始からの累計は一万三千七百十四台でございます。
内訳として、町会、自治会等を対象とする地域における見守り活動支援事業につきましては補助台数は千四百八台、平成二十二年度の制度開始からの累計は六千百七十三台でございます。商店街等を対象とする防犯設備の整備に対する区市町村補助事業につきましては補助台数は二百八十一台、平成十六年度の制度開始からの累計は三千三百七十五台でございます。公立小学校の通学路を対象とする通学路防犯設備補助事業につきましては補助台数は二千二十一台、平成二十六年度の制度開始からの累計は四千百六十六台でございます。
○斉藤委員 それぞれの防犯カメラの設置の補助につきましては、さまざまなエポックといいますか、随時制度を拡充してきている様子がわかります。設置台数も着実に伸びていることがわかりました。
私の地元目黒区でも、通学路の防犯カメラ補助を受けまして、全ての小学校への設置が平成二十八年度中に完了しておりまして、二十二の小学校のエリア、住区住民会議という特別なそういったコミュニティがあるんですが、大変地域に喜ばれております。
あわせて、さらに防犯、刑法犯の認知件数を減少させるためには、防犯カメラの設置促進は重要でございますけれども、この設置エリアが広がっていくことが望まれます。この補助事業を実施した区市町村数をお伺いしたいと思います。
○臼井治安対策担当部長 平成二十八年度に町会、自治会を対象とする補助事業を実施したのは二十五自治体でございます。商店街等を対象とする補助事業を実施したのは十四自治体でございます。公立小学校通学路を対象とする補助事業を実施したのは四十一自治体でございます。
○斉藤委員 自分の区だけを見てもいけないわけで、東京全体を俯瞰して見ますと、今お話ありましたように全ての自治体が実施しているわけじゃないんですね。町会、自治会の方は二十五自治体、商店街は十四自治体、小学校の通学路、これが一番多いわけですが、四十一自治体ということです。
この担当部局とのやりとり、させていただきましたけれども、多くの自治体が活用しているものの、活用していない自治体がある、これがわかったわけですが、各地域の状況がさまざまあるとは思いますけれども、その一因として、この費用負担をしてどのような効果が得られるのか実感が伴わないと、皆さんやはり財政上、予算がない、予算がない、予算がないということで後回しにされてしまう感があります。
そういうことがございますが、そこで、防犯カメラの設置効果を区市町村や地縁団体に積極的にPRするべきであると思うんですが、所見を伺います。
○臼井治安対策担当部長 防犯カメラを設置した団体を対象に平成二十七年度に実施したアンケートでは、約六割が地域の治安が改善した、約七割が地域住民の防犯意識が向上したと回答しており、犯罪の抑止や地域の安心感向上に寄与しているものと認識しております。
この結果を区市町村と共有し、町会、自治会等に対して活用を促すとともに、当本部が運営する防犯ポータルサイト、大東京防犯ネットワークに活用事例を掲載し周知を図るなど、設置の普及促進に向けて補助事業の活用を積極的に働きかけてまいります。
○斉藤委員 ポータルサイトなども活用して積極的に働きかけているということでございました。
かつては、個人情報の関係から、監視されるのがとても懸念されるということで、監視カメラという言葉と、防犯カメラという言葉と、同じカメラでもその捉え方が違うんですけれども、防犯というのは官だけではなかなかできないわけでして、区市町村、そして地域住民、皆さんが力を合わせて、子供の見守りはもちろんのこと、皆さんで力を合わせてチームワークでやっていく中に信頼も醸成されていくんだと。必要性は認識、十分広がってきていると思いますが、引き続きの働きかけをお願いしたいわけであります。
都議会公明党の提案によりまして実現した区市町村立公園への防犯カメラの補助事業が今年度から開始されているわけです。より広いエリアに防犯カメラ設置を進め、多くの都民の安心・安全を確保することが重要と考えます。
この区市町村立公園補助の活用も含めまして、防犯カメラ設置促進のために補助制度利用に関しまして、さらなる区市町村に対する働きかけを要望しておきたいと思います。
次は、ボランティア活動支援についてお伺いしたいと思います。
安全・安心なまちづくりには、今申し上げました防犯カメラ等によりますハード対策に加えまして、防犯ボランティア団体の見守りなどによるソフト面の取り組みが重要であります。
平成十五年以降、防犯ボランティア団体数は大幅に増加してまいりました。平成十四年、都内の刑法犯認知件数は戦後最悪であったわけであります。この十四年の最悪の事態から十五年の展開へと大きなエポックがあるということがわかりますが、東京の治安回復のため、都青少年・治安対策本部の前身組織であります緊急治安対策本部の設置を初めとする行政の取り組み、また警察の取り組み、そして何よりも地域の方々の協力によりまして、この防犯ボランティア団体が次々と誕生し、現在に至っている経緯がございます。
近年、ボランティア活動は、恩恵を受けているのは一般市民、住民なんですけれども、この活動がもう当たり前だと思われている節もあるんじゃないかなと。よく皆さん、地域で見かけますけど、この地域の防犯力アップのために日夜汗をかいておられる皆様に対して何らかの顕彰を行って、これらのとうとい活動を持続発展させるべきだとの声が町会、自治会、まち場から聞こえてまいりました。
こうしたことから、青少年・治安対策本部では、昨年度より青少年・治安対策本部長賞を開始したと伺いました。表彰により感謝の意を示すことで、団体の活動継続に対するモチベーションも高まりまして、新規人材の確保、ひいては安全・安心なまちづくりにもつながると考えます。
そこで、青少年・治安対策本部長賞の目的と選定方法について、改めて確認をしたいと思います。
○臼井治安対策担当部長 都は昨年度、地域で防犯活動に取り組む団体及び個人を対象とした青少年・治安対策本部長賞を創設いたしました。この目的は、地道な活動を行っている団体等に対し感謝の意をあらわすことでその労苦に報いるとともに、継続的な防犯活動に取り組んでいただくことにございます。
受賞者の選定は、都内で広域的な防犯活動を実施し実績を上げている者等については都が行うとともに、地域において活動している個人、団体については区市町村から推薦を受けて決定しております。
○斉藤委員 制度の趣旨、理解をいたしました。評価をしたいと思います。すばらしい賞であると思うんですね。
初年度である平成二十八年度の実績及び推薦のあった自治体数をあわせてお伺いしていきたいと思います。
○臼井治安対策担当部長 青少年・治安対策本部長賞には表彰状と感謝状の二区分がございます。
表彰状は、長年防犯活動を継続的に実施している個人または団体及び地域の安全・安心に関して模範となる先駆的な防犯活動を実施している個人または団体を対象としており、昨年度は三十五自治体からの推薦があり、都の選定も含め三十四名、十九団体が受賞いたしました。
感謝状は、活発的な防犯活動を一年以上継続的に実施し、実績を上げている団体を対象としており、昨年度は二十九自治体からの推薦で四十団体が受賞いたしました。
○斉藤委員 私もこの過去の実績を拝見しまして、ことしも授賞式があったわけですけれども、地元の地域でどういった方々がそういう顕彰を受けているかということを知っていくこともとても大事だと思いました。
昨年度は、私たち目黒、そして世田谷にまたがる自由が丘で活躍しているセザンジュ、これはフランス語だというふうに思っていますけれども、産業能率大学の学生さんたちが地域の商店街などが行う案内活動、見守りとあわせてなんですけれども、ファッションもかわいらしい服装などもつくりながら、そういったすばらしい皆さんがまちの中になじんでこの見守り活動も行っていることに対する顕彰をいただいたことを感謝したいと思います。
それぞれ皆さん地域でどういう方々、個人も受賞されていますので、資料を取り寄せていただいて、ぜひとも地域のこのボランティアの皆さんの活動について関心を持っていただければなというふうに思っております。
いろいろ調べてみますと、やはりこの制度を活用しているというか、一生懸命こういったものに注目しながらしているところもあれば、また推薦がまだという自治体もあるようでございます。制度の趣旨、目的、すばらしいそういう方々に対するせめてもの顕彰ということで、そしてそういうことを知りながら、できるだけ多くの方々が持続的にそういう活動を盛り上げていきたいということですから、この達成のためには区市町村の協力は欠かせないわけでございます。
より多くの方々をたたえ、感謝する賞としていくために、都としてさらなる工夫が必要だと思いますが、所見を伺いたいと思います。
○臼井治安対策担当部長 本事業は開始二年目でもあり、制度のより一層の周知及び防犯活動の活性化も含めた賞の意義、目的についての各自治体の理解、協力が重要でございます。
そこで、区市町村や防犯ボランティア団体に対して表彰制度とその意義を周知するため、大東京防犯ネットワークに受賞者を掲載し、その活動を紹介していくなど、積極的にPRしてまいります。
推薦に至らなかった自治体につきましては、ヒアリングにより、その経緯を含め地域の実情を把握し意見交換を行うなど、連携を密にしてきめ細かに対応してまいります。
○斉藤委員 それぞれの自治体にはそれぞれの背景があると思いますが、こういった賞を活用して地域の防犯力を高めていくことが目標ですので、ぜひとも取り組みをさらに進めていただきたいと思います。
また、今のご答弁の中に大東京防犯ネットワークというポータルサイトのお話ございましたけれども、私もポータルサイト、毎日見ているわけじゃないんですけど、大変充実してきているようなんですが、こういったサイトは非常に活用が重要だと思います。ネーミングが大東京ということで、特徴がありますね、歴代知事の好みもあると思うんですけれども。東京防犯と引いてもネットで出てきますので、東京防災、東京防犯みたいな、そういったわかりやすい周知も必要だと思いますが。
このリニューアルが最近行われたと聞いておりますけれども、平成二十八年度にはこの大東京防犯ネットワークをリニューアルされているようです。その具体的内容とその効果についてお伺いをしたいと思います。
○臼井治安対策担当部長 都では、防犯団体等が効果的な防犯活動を行えるよう、大東京防犯ネットワークに地理情報システムを導入し、地図上に表示した防犯情報を発信する機能を追加いたしました。
具体的には、子供の安全マップ、特殊詐欺情報マップ、町丁字別犯罪情報マップ、防犯団体活動情報マップ、施策情報マップ、放置自転車情報マップの六種類を導入いたしました。
リニューアルの際には、区長会、市長会、町村長会等を通じまして区市町村に周知を行いました。また、防犯ボランティア団体にも、防犯ボランティアの集いを通じて周知いたしました。
リニューアル前の平成二十八年度におけるアクセス数は、月平均約一万三千件でございましたが、リニューアル直後の一カ月は約十二万件に急増し、その後も月平均約二万八千件のアクセス数となっております。
今後も、防犯ボランティアの集いなどで大東京防犯ネットワークの周知を図りつつ、その活用に関する意見交換を行うなど、より使いやすいサイトとなるよう、さらなる改善に努めてまいります。
○斉藤委員 リニューアルして、一万三千だったものが一カ月間で十二万に急増するという、非常に大成功だったと思います。その後、月平均も倍以上になっているということで、大変周知が進んだと思うんですが、これはプリントアウトして見てみることも大事だと思うんですけれども、非常にすぐれたマップがございました。
この中で、きょうの質問は以上で終わるんですけれども、世界に一つだけのパトロールマップをつくってみようとか、実は教育の現場ではESD教育といって、世界から日本を考えたり、地球規模の問題を考えるとか、いろいろな考える教育ということが今教育現場で行われていますけれども、自分たちの地域を自分の目線で見てみるというのはとても大事で、非常に子供たちにとってみれば、いつも通っている通り道がどういうふうなところなのかということを知る意味でも、親子で、あるいは学校の関係者など、子供を見守る皆さんとこういうマップをつくっていくこともとても意義あることだと思います。
また、私もかつて、二十一年の初当選ですけれども、自転車政策に取り組んできましたが、先日も、とくとめ委員からも自転車についての質問がございましたけれども、交差点での事故がやはり多いんですね。これは明確です。データ的にそういうことも出ているんですが、放置自転車まで来ていますから、放置自転車の歴史は、対策は長いんですけれども、こういった地域を見るときに、どういったところでこの自転車の事故が起こっているかということも、これは防犯とまたちょっと視点が違うところもあるんですけれども、そういうマップリングには、ぜひそういった視点もあったらいいななんて思って拝見いたしました。
いずれにいたしましても、一層の活用、例えば今、小学校の安全教育の活用などお話ししましたけれども、今後も地域におけるハード、ソフト両面における防犯力向上がしっかりと進むように、その効果を検証していく、KPIというお話ありましたけれども、数値化していくこと、これは頑張っているわけです。自転車の事故数を本当に目標達成のために、治安対策も必死になって頑張っておられますし、そういった効果を検証し、また改善を柔軟に行いながら取り組んでいくことを要望して、質問を終わりたいと思います。
○小松委員 私からは、渋滞対策について幾つか伺いたいと思います。
世界で一番の都市を目指す中で、やはり国際競争力、経済の分野でもそうですし、観光の分野でもまさにそうでありますが、東京がこれからさらに発展していく、また世界から支持を得ていくためには、やはりこの渋滞対策というのは基本的、極めて重要なテーマだと思います。
本日は一般会計の決算で、青少年・治安対策本部の所管でございますので、これまで取り組まれたこのハイパースムーズ作戦等々について伺ってまいりたいというふうに思っています。
もう十年以上前になりますけれども、上海や北京に赴任していたことがありまして、当時、経済発展著しいあの中国において、やはり渋滞というのは大変なものでありました。目の前に行くべきオフィスが見えながら、そこから三十分動かない、歩いた方が早いんじゃないか、そうしたような状況でありまして、これは恐らく、経験したことありませんけれども、高度成長期の日本もそういう形だったのかなというふうな、感慨深く思っていました。
渋滞対策には、今まさに国と連携して進めているこの三環状道路を初めとした通り、また都市計画道路の整備など、道路ネットワーク、これが極めて重要であることはいうまでもありませんが、この整備には、当然のことながら時間もお金もかかるわけでありまして、特にこの用地買収となりますと、大変多くの時間が必要となるわけであります。
このため、ハードの対策とあわせて、この既存の道路、現状にあわせてこのソフト対策に取り組まれてきたのがまさにこの青・治さんたちだと思うんですが、このことについてはこれまで私も一般質問で取り上げさせていただきました。
このソフト面の対策として、東京都は平成二十年度から二十七年度までの間、ITS等を活用した渋滞対策としてこのハイパースムーズ作戦を展開されて、渋滞の解消に取り組まれてきました。現在はこの事業が渋滞対策事業ハイパースムーズ東京という名前になられて展開をされているということであります。
これらの取り組みは、道路の拡幅などのハード面での整備を行うことなく東京の渋滞を解消するという大変にすぐれたスキームとなっており、アジアの大都市も共通してこの東京都の取り組みに注目をしているわけであります。
夏にフィリピンのマニラの方に視察に行ってまいりました。ここもまさに十年前に感じたこの中国と同じような形でありまして、大使館に勤める職員の方に聞くと、赴任された三年前と比べても、もう圧倒的な違いを感じると。急激に自動車がふえている。やはり経済が成長する中で、車を購入したり、タクシーに乗ることができる住民の方がふえてきていることが非常に大きい、また海外からもたくさんの方がビジネスを含めて利用されるようになってきたことが大きいということでありました。まちじゅうに環状道路であったり、基幹的な道路の整備も進んでいるわけでありますけれども、移動するのに大変な時間を要するわけであります。
そうした問題意識の中で、フィリピンの国会議員、マニラ選出の国会議員の方からも、東京はあんなに大きなまちなのに、意外に渋滞がスムーズだった、イメージをしていた東京とはちょっと違ったという話をたまたまされたこともあって、このハイパースムーズ作戦、今でいくとハイパースムーズ東京のことについて、私からもPRをさせていただいたら大変な興味を持っていただきました。当時、マニラの市議会議員の方々も何人かいらっしゃったんですけど、ぜひマニラでも検討したいというお話でありまして、ぜひこのことをちょっときょうも幾つか伺いたいなと思っています。
そこでまず、平成二十七年度に終了されたこのハイパースムーズ作戦の成果の部分を伺いたいと思います。
○臼井治安対策担当部長 都は、既存の道路空間を活用した即効性のある渋滞対策事業として、平成二十年度から平成二十七年度までハイパースムーズ作戦を展開してまいりました。
同事業では、渋滞の著しい区部の三十路線区間を対象に、ITS技術も活用したさまざまな対策を集中的に実施いたしました。平成二十七年度で事業期間が終了したことから、平成二十八年度に事業実施前の平成十九年度と比較した効果検証を実施したところ、ピーク時旅行時間につきましては、靖国通り、京葉道路上りで四一・〇%削減、早稲田通り上りで五七・四%削減、三ツ目通り南行きで三八・一%削減などの大きな効果があり、対象区間全体では三・八%の削減となっております。また、日中の平均旅行速度は二三・六%上昇し、昼間の時間帯における移動速度の向上が見られております。
○小松委員 道路の整備を行わずにこれだけの成果が出ているということは大変な評価に値するものというふうに思っております。平成二十八年度から開始したこの新たな事業についても、引き続き成果を上げていただきたいというふうに思います。
数年前に一般質問で取り上げさせていただいたときには、交通渋滞であったり、移動時間のロスが経済的な影響、経済損失に置きかえると数兆円単位だというふうな論文を読んで問題意識を持ってやったわけでありますけれども、そうした意味でも大変な効果があるでしょうし、今、東京都は環境問題にも取り組んでいますけど、渋滞が解消されていくことによって、やはり無駄だったり、大気汚染だったり、こういうことにも大きな効果があることだと思いますので、ぜひとも引き続きの取り組みを進めていただきたいというふうに思います。
そこで、現在、新たに取り組みがスタートしているこのハイパースムーズ東京の概要、そして旧事業であるこのハイパースムーズ作戦との違い、このことについて、二十八年度、これが初年度であったと思うんですが、この実績とあわせて伺いたいと思います。
○臼井治安対策担当部長 ハイパースムーズ東京は、平成二十八年度から平成三十二年度までの五カ年を事業期間としており、需要予測信号の導入など信号制御の高度化や、目的地までのルート別混雑状況や所要時間等を表示する交通情報板の設置など、旧事業の手法を継続して実施しております。
主な違いといたしましては、旧事業は渋滞の著しい区部の三十路線区間を対象としておりましたが、新たな取り組みであるハイパースムーズ東京では、渋滞箇所が都内全域に存在しておりますことから、対象を多摩地域にも拡大し、路線を限定せず、都内全域の主要渋滞箇所四百三十三カ所の中から百カ所を選んで対策を実施いたします。
初年度となる平成二十八年度は、町田街道などの十一交差点におきまして信号制御の高度化を実施するとともに、交通情報板を環七通りの世田谷区若林などに五基設置するなどの対策を実施いたしました。
同年度の事業費は、決算額にして二億一千九百七十八万四千円となっており、五年間の合計では、当初の想定として約十四億円の事業費を見込んでおります。
○小松委員 大きな違いでいくと、多摩の地域の方にもこうした事業の展開が広がっていくということでありまして、大変期待をするところであります。釈迦に説法ですけど、やはり区部に比べると多摩地域のこの道路整備というはややおくれている部分もありますので、こうした意味では、この事業が多摩地域に展開して、多摩の方でもスムーズな交通渋滞の少ない道路網が整備されることを大いに期待したいと思います。
このように、今後についても、都市計画道路が当然のことながら進んでまいりますし、また外環道もいよいよ結ばれて利用がされてくるわけでありまして、同時に東京都が取り組んでいただいているこの踏切の解消、こうしたことによってもさまざまな交通網の、通行量などもいろいろ、今後十年ぐらい見据えていけばまた変わってくるんだろうなと。当時ではここの方が混雑の多い交差点だったんだけれども、そうした幾つかの変化によって別の交差点の方が渋滞がひどくなったであったりとか、さまざまな変化があると思います。
そして、高齢者の方がふえてきたり、歩道橋が老朽化する中で、この歩道橋をなくして横断歩道にしていきましょうみたいな動きも幾つか始まっているやに聞いております。これはこれで警視庁さんだったりとか、地元自治体であったりとか、場所によっては、私も重要な更新なんだろうというふうには思うんですけど、さまざまな環境変化というのもありますので、ぜひこの進捗をしっかり捉まえて円滑なオペレーションをしっかりと進めていただきたいというふうに思っています。
さらなるこうした取り組みによって東京の渋滞を減らして、二〇二〇年、そしてそのさらに先を見据えて快適なまちをつくっていただいて、諸外国のお客様をぜひお出迎えをしていただきたいというふうに思っています。
冒頭に国際競争力の話をしましたけれど、やはりシンガポールなんかでのPRを見ると、空港から着いたら十五分でオフィスに着きますみたいなことをおっしゃっているわけであります。羽田空港や成田空港を都心に持ってくるわけにはいかないわけでありまして、そういう意味では、空港からのアクセス、この中でも道路整備とあわせてこうしたさまざまな、我々の日本人の知識や技術力を駆使してスムーズな都市づくりをすることによって、この競争力に対抗できるんじゃないかなと大いに期待しているわけであります。
そこで、今後のハイパースムーズ東京に、どのように取り組まれているのかを伺いたいと思います。
○臼井治安対策担当部長 旧事業の実施効果を分析したところ、信号制御等の対策は、交差する両方向の道路がともに混雑する交差点よりも、交差する各方向の交通量に差がある交差点で効果を発揮し、特にこうした交差点が連続する区間で大きな効果があることがわかりました。
そこで、ハイパースムーズ東京では、これらの実績を踏まえ、対策箇所ごとの交通状況を見きわめ、対策による効果が大きいと考えられる箇所を選定して実施してまいります。
具体的には、自動車の走行した地点、時間、速度等を集約したビッグデータであるプローブ情報を用いて、主要渋滞箇所における方向別の速度や所要時間などを把握し、対策候補箇所の選定や対策後の効果検証に活用するなど、渋滞の実態を踏まえたきめ細かな対策を進めてまいります。
このため、事業の推進に当たりましては、国や警視庁を初め、関係各局と連絡調整会議等を通じて積極的に情報共有を図るなど、これまで以上に緊密に連携してまいります。
○小松委員 非常に前向きな、また積極的なご答弁をいただいて、今後もこの取り組みに大いに期待するところであります。
東京都では、もう既に水道事業の分野で海外に輸出して、アジア諸国の水道事情の改善、こうしたことに貢献をしているわけでありますが、冒頭にお話をしたこのフィリピンのマニラの事例もそうですけれど、渋滞対策のこうした分野でも諸外国に役立てる技術なんじゃないかなというふうに期待をしています。
二〇二〇年に向けて東京の渋滞をさらに解消するとともに、新たな技術も積極的に取り入れて、将来はこの諸外国の、特にアジアの先進国、今まさに発展著しいこうした諸外国の渋滞解消に東京のこうした何十年にもわたるノウハウであったり技術が生かされているんだということで、東京のプレゼンス、日本のプレゼンスが上がっていくように、ぜひともこの青・治の事業に期待を申し上げて、質問を終わります。
○とくとめ委員 ただいま小松委員の質問と同じ思い、同じテーマの中身でありますけれども、少し角度を変えて、若干違うところもあるんですけれども、質問をさせていただきます。
渋滞解消対策の重要な事業として、青少年・治安対策本部が平成二十年から平成二十七年までの八年間取り組んできたこれまでのハイパースムーズ作戦の取り組みを我が党は評価しつつ、毎年予算要望に掲げてまいりました。
それを引き継いだ、新たに平成二十八年度から開始したハイパースムーズ東京の事業にかかわって質問します。
この事業は、二〇二〇年に向けた実行プランにおいても、渋滞対策などの交通円滑化として実施項目の一つに掲げられています。今後の東京の交通政策、道路政策の中でも、ソフト対策として重要な意義のある取り組みだと考えており、積極的な効果が発揮されることを期待しております。
まず最初に、平成二十年度からのハイパースムーズ作戦の八年間の成果と評価について、ちょっと重なる部分がありますけれども、どのように見ておられるのか見解を伺います。
○臼井治安対策担当部長 ハイパースムーズ作戦では、ピーク時旅行時間につきまして、靖国通り、京葉道路上りで四一%削減、早稲田通り上りで五七・四%削減など大きな効果が見られ、対象区間全体では三・八%の減少が見られております。
○とくとめ委員 三十カ所の成果を見ますと、結構積極的な効果を生んでいるところもいっぱいあるんですね。靖国、京葉道路あるいは早稲田通りなどの大きな効果があったという紹介もありました。また、日中の平均旅行速度については三十路線区間で二三・六%上昇という報告もされております。ぜひこうした効果や教訓を生かして、今後のハイパースムーズ東京にいかに発展させていくかが重要だと考えています。
こうした点から、この八年間のハイパースムーズ作戦の事業の結果をよく見ると、今も紹介しましたけれども、三十路線区間では、ピーク時の旅行時間や平均旅行速度には路線区間ごとに大きなアンバランスが生まれております。その大きな要因はどのように見ておられるのかお伺いします。
○臼井治安対策担当部長 旧事業の実施効果を分析いたしましたところ、信号制御等の対策は、交差する両方向の道路がともに混雑する交差点よりも、交差する各方向の交通量に差がある交差点で効果を発揮し、特にこうした交差点が連続する区間で大きな効果があることがわかっております。
○とくとめ委員 交差点ごとの混みぐあいによって差が生まれていると。ということは、このことを念頭に置いた対策が重要になってくるというふうに思います。
それでは、なぜこの八年間のハイパースムーズ作戦の事業のそのままの延長ではなくて、新たにハイパースムーズ東京という名によって五年間の新しい事業に引き継ぐことになったのか、また八年間のハイパースムーズ作戦の事業内容と新たなハイパースムーズ東京の事業内容との大きな違いは何かについてお伺いします。
○臼井治安対策担当部長 ハイパースムーズ東京では、旧事業の手法を継続して実施しているものの、旧事業は区部の三十路線区間を対象としていたのに対し、新たな取り組みでありますハイパースムーズ東京では、対象を都内全域の主要渋滞箇所四百三十三カ所の中から選定することとしております。
○とくとめ委員 対象を、これまでの八年間の二十三区内の三十路線区間の対象から、多摩地域まで大きく広げて、いわゆるこのボトルネックと呼ばれている主な渋滞箇所四百三十三カ所にまで対象を広げて、その中から百カ所程度の事業対象を選定すると、先ほどの小松委員への答弁の中でもありました。
そこで、二十八年度からのハイパースムーズ東京の事業によって、ハイパースムーズ作戦の事業に比較して、どういう点で大きな成果、効果が期待されると判断をされているのか、その根拠は何なのか、新たにプローブ情報を活用して渋滞解消に生かすことになっておりますけれども、これはどういう内容で、どういう効果があるのかお伺いいたします。
○臼井治安対策担当部長 ハイパースムーズ東京の事業を推進していくに当たりましては、旧事業の実績を踏まえ、自動車の走行した地点、時間、速度等を集約したビッグデータでございますプローブ情報を活用して、主要渋滞箇所である交差点等の交通状況を把握するなどにより効果が大きいと考えられる箇所を選定し、渋滞の実態を踏まえたきめ細かな対策を実施してまいります。
○とくとめ委員 最新の交通政策の中では、プローブ情報の活用など先進的なITS技術も取り入れた対策が注目をされています。プローブ交通情報で実際に自動車が走行した位置や車速などの情報、また車速から生成される渋滞、混雑情報などさまざまな情報の活用が期待をされ、ハイパースムーズ東京の事業でその成果、効果に注目をしていきたいと思っております。
次に、ハイパースムーズ作戦では、八年間の事業目標として、事業対象路線全体のピーク時の旅行時間を三〇%削減することを掲げてこれまで取り組んでこられました。しかし、今回のハイパースムーズ東京では五年間の事業目標が明確に示されていないのはなぜか、見解を伺います。
○臼井治安対策担当部長 交通渋滞は、地点ごと、時間ごとのさまざまな要因が複雑にかかわり合いながら発生するものであり、また社会全体の経済状況にも大きく影響を受けるものでございます。
このため、ハイパースムーズ東京では、個々の交差点の渋滞状況に応じた対策を着実に実施することが重要であると考え、ピーク時旅行時間などの渋滞度合いを示す指標ではなく、対象箇所数を目標として事業を推進することといたしました。
なお、プローブ情報も活用して対策箇所ごとの効果検証は実施してまいります。
○とくとめ委員 なぜ事業目標を掲げられなかったかという、その理由はわかりました。
答弁では、ハイパースムーズ東京では、個々の交差点の渋滞状況に応じた対策を着実に実施すると。それから、プローブ情報も活用して対策箇所ごとの効果検証は実施していくというふうに述べられました。
今回の事業計画では、渋滞状況などの変化に応じて臨機応変に対応することによって、渋滞解消の効果をこれまで以上に上げられることを、期待を込めて要望しておきたいと思います。
昨年の、平成二十八年度の一年間の事業についてでありますけれども、具体的な効果という点ではまだ検証することはできないと聞いておりますけれども、この一年間、概略どういう活動に取り組んでこられたのかについてお伺いします。
○臼井治安対策担当部長 平成二十八年度は、町田街道などの十一交差点におきまして信号制御の高度化を実施するとともに、交通情報板を五基設置するなどの対策を実施いたしました。決算額は二億一千九百七十八万四千円となっております。
○とくとめ委員 平成二十八年度と平成二十九年度の事業予算が全体で平均二三%も少なくなっているんですけれども、どういう理由からなんでしょうか。
○臼井治安対策担当部長 平成二十八年度と平成二十九年度の予算額を比較いたしますと、平成二十八年度は旧事業の検証のための調査委託を行ったことや、首都高速道路中央環状品川線が平成二十七年三月に開通したため、交通情報板の設置基数が多かったことなどにより予算額が多くなったものでございます。
○とくとめ委員 平成二十八年度と二十九年度の予算の違いの原因が、さまざまな要因があったということをご答弁いただきました。
昨年の、二十八年度の一年間は、主に今後の事業本格化に向けて準備がなされていたということだというふうに受けとめました。
最後の質問ですけれども、ハイパースムーズ東京の五年間の事業費は十四億円と見込んでおられますけれども、ハイパースムーズ作戦の八年間の事業費と比較したらどういうことになるんでしょうか。お伺いしたいと思います。
○臼井治安対策担当部長 旧事業は、八年間の決算額合計が約二十一億円となっており、一年当たりでは約二億六千万円であるのに対し、新たな取り組みであるハイパースムーズ東京は、当初の想定では五年間で約十四億円を見込んでおり、一年当たりでは約二億八千万円となっておりまして、旧事業とおおむね同額となっております。
○とくとめ委員 これまでの八年間のハイパースムーズ作戦や、平成二十八年度以降五年間のハイパースムーズ東京のような最新のITS技術を活用した渋滞対策は、従来の道路建設、道路拡張中心の対策から、知事がいうようなワイズスペンディング、賢い財政の使い方あるいは財政の節約にもなり、何十分の一の予算で即効性のある渋滞対策が実現するよう期待をしたいと思います。
都内では、少子高齢化の中、さらに二〇二五年問題といわれる団塊世代が七十五歳以上になる高齢化が近づいています。そういうもとで、都内道路の自動車交通量も減少傾向にあると聞いております。
こうした中で、平成二十八年度の東京都年次財務報告書にも明記されているように、道路などの社会資本ストックの維持更新経費が十年前との比較でも約一・六倍になり、さらに維持更新費の拡大が避けられないと報告をされています。
今回のような交通対策のあり方の改善、改革が、都財政の重い負担になっている幹線道路整備のための不要不急の支出の削減につながっていくよう求めて、質問を終わります。
○宮瀬委員 私の方からは、何点かお伺いしたいと思います。
渋滞対策でございますが、小松委員と、とくとめ副委員長の方からありましたが、渋滞が実はふだんの二十八倍にはね上がるときというのがございます。それはもう紛れもなく、災害時の渋滞をどうするのかといったテーマできょうはお時間をいただいております。
東日本大震災の際に都内の交通網がほぼ壊滅したと聞いております。実際に、発災後二時間後に、自分の子供を迎えに行こうとか、迎えに来てとか、そういった方で、ふだん土日しか車を使わない方が、災害時は緊急で使うといった方、潜在需要者という表現になるそうでありますが、そういったドライバーの方もふえまして、二十八倍の渋滞が生じたということであります。そのため、救急車の到着が、実際に九段会館での天井の崩落事故の際には救急車が来たのが一時間後ということで、まさに今回、東日本での災害でありましたが、都内で起きたときに本当にこの状況だと、首都東京のいわゆる交通網はどうなるのかという危機感を私は持っております。
実際に病院という観点からも、災害拠点病院の周辺は渋滞が起きて、病院の方に、先ほど小松委員からもありましたが、病院が見えているのに実際全く車が動かないと。救急車両ですので、救急車で、患者さんを運んで背負っていくかといったら、それもまた難しいこともあると思います。
そういったその問題意識がある中で、発災後のビッグデータの検証ということで、先ほどから、ハイパースムーズ作戦にはビッグデータの活用、すなわちプローブ情報という表現ですか、ああいうことが議題に上がっていたと思います。
実際、東日本大震災の都内のデータを検証した結果が出ておりまして、警視庁の主要道路の渋滞情報、また大手タクシー会社七千台の位置情報、百四十万台の一般車のカーナビデータということで実際にデータが出ていると聞いております。その中で、交通渋滞で全く動かないといった状況の中で、都内一七%の道路は実際に通行可能だったといったデータも出ております。
そこで、東日本大震災の際の渋滞は大きな問題となりましたが、実際にどのようなことを皆様は問題として捉えて課題認識を持ったのか、まずお伺いします。
○臼井治安対策担当部長 東日本大震災が発生した際には、震源地から数百キロメートル離れた都内においても激しい渋滞が発生したことから、都といたしましては、災害時に通行どめや混雑状況などの道路交通情報を迅速かつ的確に提供することが、避難や救助活動等の経路を確保する上で極めて重要であると改めて認識したところでございます。
そのため、当本部は、災害時において、緊急自動車も含めた車両の安全で円滑な交通を確保する取り組みを都の行う防災対策の一つとして位置づけ、運転者等に対する道路交通情報等の提供について検討を行い、平成二十七年三月には日本道路交通情報センターと協定を締結し、同センターが運営する災害時情報提供サービスに都が把握した火災情報も加えて、交通の安全と円滑に資する情報を提供することとしたものでございます。
○宮瀬委員 極めて重要な問題であると認識されているということが把握できました。
その基本的な認識に立った上で確認をさせていただきたいんですけれども、東日本大震災のときにまずどうだったかといいますと、実際には、都民に対して、また緊急車両に対しての情報提供というのはほぼゼロであったと聞いております。といいますのは、警視庁は、幹線道路の渋滞情報を専用サーバーで保有している。サイバーテロの危険があるので、その渋滞情報及び警視庁が持っている情報はシェアしませんという状況だそうです。
しかし、実際救急車も渋滞情報を基本的にはその当時把握できなかったと。ドライバーの勘と経験に頼っていたと聞いています。しかし、緊急時の際に救急車が動けなくなった--脇道が実際に使えたわけであります。都内一七%の道路が、災害時に使えたのは実際に脇道がメーンだったと聞いております。
そういったその状況の中で、実際にカーナビやタクシーの走行情報、いわゆる先ほどいったビッグデータをリアルタイムで、先ほど申し上げた東日本大震災のときの事後検証ではなくて、リアルタイムでその情報を入手できれば多くの人が助かるのではないかと認識をしております。
そこで、平成二十六年の第三回定例会の、防災を主管する総務委員会におきまして、私から、そういったタクシーやカーナビなどビッグデータの活用についていろいろ提言をさせていただきました。そこで局からは、二〇二〇年に向けて、発災時に必要な情報を的確かつ迅速に発信できる体制を構築することとし、地理情報システム機能やビッグデータの活用などの検討や、災害情報システムの基盤整備についてということを記載していくといった答弁をいただいておりました。
そこで、この場でも改めて進捗をお伺いしますが、リアルタイムでのビッグデータなどの情報を集約、一元管理し、緊急車両や都民の皆様への適切な情報提供に努めるべきと考えますが、所見をお伺いいたします。
○臼井治安対策担当部長 先ほど答弁いたしました災害時情報提供サービスでは、災害時において、日本道路交通情報センターの保有する災害時情報提供システムに、交通管理者が提供する交通規制や渋滞の情報、道路管理者や民間事業者が提供する通行可能な道路の情報など道路や交通に関する多様な情報を集約し、ウエブサイトの地図上に一元的に表示させることにより、パソコン、スマートフォン等を通じてドライバー等に役立つ情報をわかりやすく提供することとしております。
特に、通行可能な道路の情報につきましては、自動車から発信される走行地点を示すプローブ情報に基づく情報を警察庁が集約し、日本道路交通情報センターを経由して同サービスにより提供されることとなっております。
○宮瀬委員 ありがとうございます。かねてより提案してまいりました災害時のカーナビ情報ですとかタクシーの情報、当時はビッグデータという情報の活用といったことで、実際に災害時情報提供システムということができたのを心から評価したいと思います。
災害時にしか見られないということで、この画面、いただきまして、委員長、これ、ちょっと回してもいいですか。
○佐野委員長 はい。
○宮瀬委員 ふだんなかなか見られないものですので、一応ちょっと理事会では諮っていなかったんですが、お渡ししたいので。
これは何がすごいかと私がいうのもおかしいですが、この端末情報の下のところであります。先ほど、スーパースムーズ作戦というお話があって、実際にその研究をしている情報は皆さんの手元にしかないわけであります。それが一般の都民の皆様に公開されるとどうなるかというと、この下の欄の青いところが実際に渋滞がなく通れると。一時間後、三時間後、六時間後と更新がされるわけであります。真ん中に火災のマークがあるわけでありますが、これは東京都総務局が提供--皆様ですね、災害対策本部から、皆様からの情報を入力していくと。この情報はつまり本当に命綱になると思っております。
すなわち、どこで火災が起きているのかをこれで確認をすれば、どこの広域避難所に、あっちの方の広域避難所に逃げたら、都立公園に逃げたら逆に危ないとか、ここは渋滞じゃないから、裏道を通っていけば何とか助かるのではないかとか、そういうことが一目でわかる本当に画期的なものだと思っています。
しかし、私はこれをずっと見て、やっぱり課題が多いかなと思っております。まず真っ先に気づいたのは、災害時にこれを見られるのかということと、あと右上にログアウトという画面がありまして、これ災害時に本当にログインとか会員情報を入れるのかといった問題もございますし、またこの情報はカーナビと連動していないわけであります。つまり、携帯もしくはノートパソコンを見ながら運転するのかとか、また何よりも、個人情報の関係でふだんはこの情報は公開していない、災害時のみオープンするということでありますが、私の周りに、十人に聞きましたが、この情報サービス、一人も知りませんでした。今クローズのもので、災害時にオープンするものでありますので、当然皆さん知らないわけでありますが、このように、命にかかわる重大な情報を扱うこのシステムはすばらしいのでありますが、実際にこれが開示されることによって緊急車両が逆に裏道を通れないとか、さまざまな課題も見えてくると思います。
皆様が考える情報提供のフローの現状と課題についてお伺いいたします。
○臼井治安対策担当部長 災害時に一元的な情報を提供する災害時情報提供システムが構築されましたが、都内では実際に稼働した実績がないことから、都民への周知をさらに進めていく必要があると考えており、今後も都のホームページ等によるPRを行うなど、さまざまな機会を捉えて都民への広報を充実させてまいります。
また、発災時に的確に対応できるよう、毎年全庁的に行われている防災図上訓練等の機会を捉えてシステムを用いた情報提供の訓練を実施しており、こうした取り組みによりシステムの運用力を高めているところでございます。
なお、今、委員から、会員じゃないとログインできないというお話がありましたが、災害時には会員に限らずアクセスできるということになっております。
○宮瀬委員 ありがとうございます。やはりふだん見られませんので、ふだん見えないものをPRするというのは、僕ら議員も確認ができませんし、皆様も今ないものを、隠れているものをPRするというのは大変難しいことだと思います。ぜひ、災害時の図上訓練でお見せしているということもあるんですが、対都民の皆様にとっても、折を見て、例えば防災の日にこの端末をオープンにしてみるとか、そういった試験運用も含めてやり方はあるのではないかと思っております。
この情報端末の運用の際に、また一枚組織図をいただいて、このサーバーをどう管理するのかといったときに、実際にプレーヤーとしては道路管理者、交通管理者、火災情報、プローブ情報管理者、警視庁、そして日本道路交通情報センター、JARTICというところが管理するというフローをいただきました。
しかし、私はこの図を見ますと、災害対策本部にしっかりと入って火災情報を得て、その情報を入れていくのは皆様だと思いますが、この表を見ると、日本道路交通情報センターが主になっていて、本来、都民の生命、財産を真っ先に守るのはやはり私は東京都だと思っております。その中で、災害対策本部を主催する東京都、また災害対策本部に直結している青少年・治安対策本部が単に、いい方を恐れずにいえば、火災情報の入力及び伝達業務にとどまってしまっているといったことが私は課題だと思っております。災害時の交通情報を管理主導するのが災害対策本部の構成メンバーでない公益財団法人であることに私は一抹の不安を覚えるわけであります。
災害対策本部の一員であり、青少年・治安対策本部の役割は重要であると思っております。全体をマネジメントする主体的な役割を担うべきと考えますが、所見をお伺いします。
○臼井治安対策担当部長 当本部は、東日本大震災の発生を受け、大学など研究機関、関係各局と連携して、ITS、すなわち高度道路交通システムを活用した災害時の情報提供について中心となって検討し、現在の総合的な道路交通情報を災害時に提供する災害時情報提供サービスの構築に至ったものでございます。
本サービスは、国や民間団体など関係各機関の連携のもとに成り立っており、当本部は、火災情報の提供など、その役割を確実に果たしてまいります。
○宮瀬委員 言葉が過ぎたかもしれません。大変失礼いたしました。
大事なことは、どの部署であれ東京都が、総務局であれ、皆様であれ、主導をとって都民の皆さんの命を守っていただきたいと心から願っております。
その局、どの局がということでお話ししましたが、私はこの表を見てすぐ直感で思ったのが--これは都民の皆様への情報提供だと思います。私は先日、父が救急車で搬送され、病院間の搬送がありまして、救急車が環八の道路をずっと行くわけですよ。その後をタクシーで追いかけていく家族もいるんですけれども、到着時間がほぼ同じであると。そのときに家族としては、一分一秒を争うそのときに、少しでも脇道があれば、すいている脇道を通れれば、ひょっとしたら、私の父は無事転送できましたけれども、助かる命も多いのではないかと痛感いたしました。
そのように、この情報が、例えば都民の皆様には災害時にはオープンになると思いますけれども、消防庁に対しては、また重要な緊急車両を扱う局に対しては、リアルタイムでぜひ情報を提供できるような機会を設けていただきたいと思います。
所管が違いますので、皆様への質疑にはならないですし、決算ですので、未来の話ですので質疑はあえてしませんが、ぜひ救急車の緊急車両のためにこの端末情報を提供していただきたいと思います。
また、この情報を、建設局の都立公園、防災公園になっている可能性が多いです。三十三年度までにデジタルサイネージが配備されることになっておりますので、この情報が公園のデジタルサイネージに出ていれば、どこで火事があって、どういう状況なのか、不安で待機している避難者の皆さんも安心すると思いますので、ぜひ皆様が主導して、各連携部署と連携をとりながら、都民の生命、財産、守っていただくことを強く要望しまして、質疑を終わります。
○つじの委員 私の方からは、東京都若者総合相談、若ナビの実績について、この行政サービスについて集中的に質疑をさせていただきたいと思います。
私は、都心近くの診療所で十年余り精神科医として働いてきた経験がございます。主に二十代から四十代の比較的若い世代の患者さんに対応してきました。また、近隣の大学の学生相談室とも連携して二十前後の学生さんたちの対応もしてきました。
そういった経験の中で、精神的な不調による不登校、主に不安定な親子関係や家庭環境で育ってきたストレスに対する脆弱性を抱えた方々の社会参加への困難さも目の当たりにしてきました。社会とのつながりを持てない方々の中には、精神症状を発症している方も少なくありません。十代後半から二十代にかけて、いわゆる精神症状の好発年齢になっており、医師として細心の注意を払って受診された方々に対応してきたとの自負はあります。また、医療を要するほどでもないささいな、しかし、ご本人さんにとっては深刻な悩みや不安をお聞きする場面も多々ありました。
そういった状況で医師としての対応の限界を感じ、多職種との連携が強く必要とされる精神医療の分野に身を置く立場で、もっと大きな視点で、社会とつながりを持つことが困難である、症状を抱えている方々も含めてですが、若者に対して支援機関と連携することで若者を支援できる行政サービスがあればよいと常日ごろから考えておりました。
そこで、このたび東京都が東京都若者総合相談、若ナビを設置した経緯をお伺いしたいと思います。
○井上青少年対策担当部長 東京都若者総合相談、若ナビの設置の経緯についてでございますが、これにつきましては平成二十年当時、十代のみならず二十代の者も含めて、人とのかかわりが十分に持てず社会から挫折、離反した若年無業者やひきこもりあるいは児童虐待を行う精神的にも未熟な若い親などの行動が大きな問題となっておりました。
こうしたことを背景といたしまして、人間関係の悩みや心理的な不安、孤独などのもやもやした悩みを抱えた若者を対象に、その不安や悩みの解消を図るため、東京都若者総合相談、若ナビを平成二十一年度に設置したものでございます。
○つじの委員 平成二十年当時の若者を取り巻く環境、心情や家族の様子を鑑み、東京都若者総合相談、若ナビを設置した経緯を理解することができました。
それでは、次の質疑に参らせていただきます。
東京都若者総合相談、若ナビの平成二十八年度の相談実績について、具体的な数字を挙げて説明いただければというふうに思います。
○井上青少年対策担当部長 平成二十一年度からスタートいたしました東京都若者総合相談、若ナビは、電話やメールによる相談のほか、平成二十四年度からは、若者が入りやすいカフェでの対面相談を実施し、電話相談につきましては月曜日から土曜日の午前十一時から午後八時まで、メール相談につきましては二十四時間受け付けており、またカフェでの相談は予約制で行ってまいりました。
この間の相談件数につきまして年度別に申し上げますと、年度途中からスタートしました平成二十一年度は三千九百八十三件、二十二年度は七千九百件、二十三年度は七千四百十九件、二十四年度は七千七百四十三件、二十五年度は八千三百八十九件、二十六年度は四千九百三十四件、二十七年度は三千九百十一件で推移してまいりました。
そして、平成二十八年度の相談件数につきましては、電話相談が四千百六十三件、メール相談が三百九十件、カフェでの相談が七件と、合計では四千五百六十件となっております。平成二十七年度と、この平成二十八年度の総数を比較いたしますと約二割ほどふえておりまして、多くの若者からの相談に応じたところでございます。
○つじの委員 平成二十一年度以降、平成二十五年度までは順調に相談件数が増加していることが確認できました。
一方、平成二十六年度は相談件数が前年比およそ四割減少しております。これは、委託業者を変更して、相談の内容を傾聴するスタイルから、相談を受けて迅速に医療機関など支援機関に割り振りをして相談者の利益、利便を図る、それにしたためというふうに私はお伺いしております。どちらの方式、方法がより利用者のためになっているかどうかは多面的な検証が必要で、一様ではないと考えております。
また、平成二十七年度から二十八年度にかけては利用者の数が増加しており、広報活動など、東京都若者総合相談、若ナビについての広報活動が一定の効果を上げていると解釈できると考えます。
そこで、東京都若者総合相談、若ナビにおける平成二十八年度の広報活動について、具体的な内容をお伺いしたいと思います。
○井上青少年対策担当部長 ただいまご指摘いただきましたように、二十七年度から二十八年度につきましては二割ふえたところでございますけれども、二十八年度の広報活動につきましては、区市町村の青少年行政や精神保健福祉を所管する関係部署、地域での若者支援を行っているNPO法人等の関係機関にポスターを約三千枚とリーフレット約九千枚を約七百五十カ所に配布し、事業を周知し連携強化を図りました。また、できるだけ多くの若者に利用していただくため、大学の相談室、図書館等の若者が訪れることが多い場所にポスターやリーフレットを配布するとともに、都内の卒業を控えた高校生や児童養護施設等の退所予定者にも学校や施設を通じて配布するなど、ポスターを約一千枚とリーフレット約十八万枚を約千八百カ所に配布いたしました。
さらに、日常的にインターネットを通じて必要な情報を検索している若者の行動特性を踏まえまして、平成二十八年度につきましては、インターネットを活用したバナー広告も掲載するなどの広報活動を行いました。
このような関係機関への周知や若者へのPRなど広報の強化に努め、若ナビの利用促進につなげたところでございます。
○つじの委員 東京都として、今の答弁で、東京都若者総合相談、若ナビの広報活動をさまざまな形で実行してこられたことが理解、確認できました。
それでは、平成二十八年度の実績を踏まえ、今後どのような広報活動を強化していくのか、具体的な方策、方針をお伺いしたいと思います。
○井上青少年対策担当部長 平成二十八年度におきましては、先ほど答弁いたしましたインターネットを活用したバナー広告などの成果によりまして、若ナビのホームページへのアクセス件数は前年度と比較しまして約四割ふえたところでございます。そのうちバナー広告につきましては、パソコンよりもスマートフォン上での掲載が有効であったことから、今年度は特にスマートフォンでの掲載に特化し、より多くの若者へのPRに努めております。
また、関係する相談支援機関に対しましても、都の相談窓口等について理解を深めてもらい、また今後の連携を強化していくため、都の取り組み、あるいは具体的な対応事例等につきまして情報提供、情報共有を行っているところでございます。
○つじの委員 より若者の情報収集の実際に合った方策、方針であることが確認できたと思います。また、都としても、若者の相談を受けて関係する支援機関につなげるために、情報提供、共有することに意欲的に取り組む姿勢があることが確認できたと思います。
次に、東京都若者総合相談、若ナビが平成二十八年度に受けた相談内容が具体的にどのようなものであり、またその結果、どのような支援機関に連携して誘導して行ったのかをお伺いしたいと思います。
○井上青少年対策担当部長 相談内容といたしましては、自分自身のことを初め、仕事関係、対人関係、家族関係等となっておりまして、若者のさまざまな悩みや不安を受けとめてまいりました。また、相談内容に応じまして、精神保健福祉センターや発達障害者支援センター等の保健医療機関、東京しごとセンターやハローワーク等の就労支援機関など、さまざまな支援機関につないでまいりました。
○つじの委員 思春期、青年期特有の悩みは多様であり、またそれぞれの若者にとって深刻であると思います。東京都若者総合相談、若ナビでそれらを受けとめ、適宜支援施設につないでいることが理解できました。
それでは、最後の質疑となります。
現状の東京都若者総合相談、若ナビについてどのような課題があり、それらに対してどのように対応していくのかお伺いしたいと思います。
○井上青少年対策担当部長 東京都若者総合相談、若ナビでは、若者の状況に応じた相談、支援を行ってまいりましたが、相談手法が主に電話とメールで匿名による相談となっておりましたことから、本人の状況の十分な把握が難しく、課題の解決に向けて時間を要するケースもございました。
このため、今年度からは、東京都若者総合相談、若ナビの相談機能を拡充し、東京都若者総合相談センター、若ナビαを開設し、新たに来所相談を開始したところでございます。
○つじの委員 今年度からは、従来の行政サービスに加えて、来所相談ができる東京都若者総合相談センター、若ナビαを開所することがご説明の中にありました。精神科医の立場として、相談者に来所していただき、対面、面談してお話をお伺いしアドバイスできる環境は、相談者にとって安心できる喜ばしい環境かと考えます。新しい体制をよく広報し、多くの方々に利用していただき、若者の社会参加を促し、若者の成長のきっかけにつながるよう、来所相談を含めた東京都若者総合相談センター、若ナビαの存在が、今後の若者に対しての相談の受け皿として有益に機能するよう期待したいと思います。
ご答弁いただきありがとうございました。私の質疑は以上で終了させていただきます。
○加藤委員 私からは、高齢者の危険運転防止について質問をいたします。
最近特に高齢者が関係する交通事故の報道をよく見ます。中でも、高齢者が加害者となる事故についての報道が本当に多くなっておりまして、先日も吉祥寺で八十五歳の高齢者が運転する乗用車が暴走し、歩道に乗り上げ、二歳の子供から八十二歳の高齢者まで、合計七人もの方が負傷するという痛ましい事件が発生をいたしました。それ以前にも、昨年十一月、立川で発生した病院の駐車場で八十四歳の高齢者の運転する車が男女二人をはねて死亡させた事故を初め、全国的にも高齢ドライバーによる重大事故が相次いで発生し、社会問題になっております。
高齢ドライバーの事故の原因としては、ブレーキとアクセルの踏み間違いによるものが少なくなく、高齢者は身体能力の低下からこうした誤操作を起こしてしまうことがあり、加害者となる高齢者をふやさないためにも早急な対応策を講じていく必要があります。
そこでまず、東京都における六十五歳以上の高齢者免許保有者数と、高齢運転者事故発生件数、そして交通事故発生件数に占める高齢運転者の事故の割合について、五年前と比較してどのようになっているのか伺います。
○臼井治安対策担当部長 都内の六十五歳以上の高齢者免許保有者数は、平成二十四年の九十五万九千三百十三人から、平成二十八年の百十五万一千五百七十九人に増加し、全免許保有者数に占める割合も平成二十四年の一二・七%から、平成二十八年の一四・七%に増加いたしました。
また、高齢運転者事故発生件数は、平成二十四年の六千六百件から平成二十八年の五千七百三件に減少いたしましたが、交通事故発生件数も、平成二十四年の四万七千四百二十九件から平成二十八年の三万二千四百十二件に減少しておりますことから、交通事故発生件数に占める高齢運転者事故の割合は増加しておりまして、平成二十四年の一三・九%から平成二十八年には一七・六%となっております。
○加藤委員 交通事故発生件数が減少する一方で、高齢運転者による事故の割合、これは増加しているということが今の答弁でわかります。また、高齢者免許の保有者数、これも増加していることから、高齢運転者による事故の割合は高まるおそれがあり、今後も早急な対策が必要です。
そこで、高齢運転者の事故を抑止するために、東京都が行っている対策について伺います。
○臼井治安対策担当部長 高齢者免許保有者数が年々増加し、高齢運転者の交通事故が相次いで発生している現状を踏まえ、本年三月から、認知機能検査制度などを強化した改正道路交通法が施行されました。都は、法の施行に合わせ、自動ブレーキ等を備えた先進安全自動車の利用や運転免許自主返納制度などについて、関係機関と連携し、都知事参加のイベントや街頭ビジョン、春、秋の全国交通安全運動でのリーフレットの配布等により広く呼びかけを行うなど、高齢運転者への啓発を強化してまいりました。
また、自動車事故対策機構や日本自動車連盟などの協力を得て、高齢運転者向けの交通安全教室を実施しているところでございます。
今後とも、こうした取り組みにより高齢運転者の交通安全対策を強化してまいります。
○加藤委員 今ご答弁で運転免許自主返納についてのお話がありましたけれども、運転免許の返納を進めることは、高齢運転者による事故の抑止に対する効果的な対策の一つであると思います。
我が党は、昨年の第四回定例会の代表質問で、警視庁に対してなんですけれども、高齢者の免許更新時における安全講習の迅速かつ効果的な実施対策や、自主返納しやすい環境整備を求めました。東京都は公共交通機関が整備され、運転免許を返納した場合の代替交通手段は確保しやすい環境にあると思います。このため、高齢運転者への運転免許自主返納の働きかけを強化することで、高齢者の利便性を損なうことなく返納を進められると考えます。
そこで、東京都は高齢運転者の運転免許自主返納についてどのように進めていくのか伺います。
○臼井治安対策担当部長 高齢運転者による交通事故を抑止する対策といたしまして、高齢運転者の運転免許自主返納の促進と返納者への支援が重要であると考えております。
都は、春、秋の全国交通安全運動やTOKYO交通安全キャンペーンにあわせて作成配布しているリーフレット等を通じて、高齢者に対し運転免許自主返納について呼びかけを行っているほか、関係機関と連携して、高齢者に配布されている東京都シルバーパス用パンフレットに自主返納制度についての記事を掲載し、幅広く啓発を行っております。
また、自主返納を行った者にさまざまな特典を付与する高齢者運転免許自主返納サポート制度への参加をさまざまな企業に働きかけるとともに、今年度からは、同制度の推進に多大な功労のあった企業に対する表彰制度を設けているところでございます。
関係機関と連携したこれらの取り組みもあり、高齢者の自主返納者数は、平成二十四年において一万六千百八人のところ、平成二十八年は四万一千八百十七人と大幅に増加してまいりました。
こうした取り組みにより、高齢運転者の運転免許自主返納の機運をより一層高めてまいります。
○加藤委員 平成二十四年から見ると、この五年間で約三倍弱の高齢者が年間に自主返納していることがわかりました。また、平成二十七年の自主返納者が三万五千七百七人と以前お聞きしたことがありますので、二十七年から二十八年にかけて六千百十人増加しており、効果が出ていることがわかります。
高齢者にとって、移動の足としても自動車の存在は大きいものがありますけれども、高齢運転者の事故を未然に防止するには、運転免許返納が効果的な対策の一つと考えます。高齢者運転免許自主返納サポート協議会において、自主返納した高齢者に対して生活用品の購入や飲食店利用時の割引など、さまざまな優遇措置を受けられるようにしておりますけれども、今後も高齢者が主体的に免許返納に踏み出せるよう、引き続き免許返納に向けた取り組みを進めていただきたいと思います。
また、仮に高齢者が運転するに当たって、衝突防止などの安全運転サポートカーへの買いかえなどに対して補助制度を設けて事故の未然防止につなげたり、都のシルバーパス制度を何らかの形で受けられるようになればもっと自主返納が加速すると思いますので、関係部局等と連携して一層の対策を進めてもらいたいと要望しまして、質問を終わります。
○佐野委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐野委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で青少年・治安対策本部関係を終わります。
以上をもちまして第一分科会における決算の審査は終了いたしました。
なお、本分科会の審査報告書につきましては、分科会委員長において取りまとめの上、委員会委員長に提出いたしますので、ご了承願います。
これをもちまして第一分科会を閉会いたします。
午後三時二十八分散会
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