委員長 | 高橋 信博君 |
副委員長 | 遠藤 守君 |
副委員長 | 細谷しょうこ君 |
けいの信一君 | |
滝田やすひこ君 | |
柴崎 幹男君 | |
いび 匡利君 | |
原 のり子君 | |
増田 一郎君 | |
両角みのる君 |
欠席委員 なし
出席説明員環境局 | 局長 | 和賀井克夫君 |
総務部長 | 笹沼 正一君 | |
環境政策担当部長 オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 小原 昌君 | |
政策調整担当部長 | 松本 明子君 | |
地球環境エネルギー部長 | 小川 謙司君 | |
都市エネルギー推進担当部長 | 村山 隆君 | |
環境改善部長 | 松永 竜太君 | |
環境改善技術担当部長 | 近藤 豊君 | |
自然環境部長 | 須藤 栄君 | |
緑施策推進担当部長 | 金子 亨君 | |
資源循環推進部長 | 谷上 裕君 | |
調整担当部長 スーパーエコタウン担当部長兼務 | 風祭 英人君 | |
産業労働局 | 局長 | 藤田 裕司君 |
次長 | 十河 慎一君 | |
総務部長 | 寺崎 久明君 | |
産業企画担当部長 オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 清水 英彦君 | |
商工部長 | 坂本 雅彦君 | |
金融部長 | 加藤 仁君 | |
金融支援担当部長 | 川崎 卓君 | |
観光部長 | 小沼 博靖君 | |
観光振興担当部長 | 浦崎 秀行君 | |
農林水産部長 | 藤田 聡君 | |
安全安心・地産地消推進担当部長 | 武田 直克君 | |
全国育樹祭担当部長 | 村西 紀章君 | |
雇用就業部長 | 小金井 毅君 | |
事業推進担当部長 | 蓮沼 正史君 |
本日の会議に付した事件
平成二十八年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
環境局関係
・平成二十八年度東京都一般会計決算(質疑)
産業労働局関係
・平成二十八年度東京都一般会計決算(質疑)
・平成二十八年度東京都中小企業設備導入等資金会計決算(質疑)
・平成二十八年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計決算(質疑)
・平成二十八年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計決算(質疑)
○高橋委員長 ただいまから平成二十八年度各会計決算特別委員会第三分科会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、環境局及び産業労働局関係の決算に対する質疑を行います。
これより環境局関係に入ります。
初めに、先般の人事異動に伴い、環境局長に和賀井克夫君が就任いたしました。
和賀井局長から挨拶があります。
和賀井克夫君を紹介いたします。
○和賀井環境局長 貴重なお時間をいただきありがとうございます。
去る十月十六日付で環境局長に就任いたしました和賀井克夫でございます。
高橋委員長を初め委員の皆様方のご指導を賜り、職責を全うしていく所存でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○高橋委員長 挨拶は終わりました。
○高橋委員長 決算の審査を行います。
平成二十八年度東京都一般会計決算中、環境局所管分を議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○笹沼総務部長 去る十月十三日の当分科会で要求いただきました資料につきましてご説明申し上げます。
お手元の平成二十八年度各会計決算特別委員会第三分科会資料をごらんください。
表紙をおめくり願います。右側の目次のとおり、十二項目ございます。
まず、一ページをお開き願います。1、都内の二酸化炭素排出量の部門別推移過去五年分でございます。
平成二十三年度から二十七年度までの各年度における産業、家庭、業務、運輸及びその他の各部門の二酸化炭素排出量を記載してございます。
二ページをお開き願います。2、二酸化窒素、浮遊粒子状物質及び微小粒子状物質の環境基準達成状況の推移でございます。
(1)の二酸化窒素、(2)の浮遊粒子状物質、それぞれの表におきまして、上段が一般環境大気測定局、下段が自動車排出ガス測定局でございまして、平成二十四年度から二十八年度までの各年度における測定局数、環境基準達成局数及び達成率の状況を記載してございます。
三ページをお開き願います。(3)の微小粒子状物質につきまして同様に記載してございます。
四ページをお開き願います。3、二酸化窒素、浮遊粒子状物質及び微小粒子状物質の全国上位十局の推移でございます。
(1)の二酸化窒素につきまして、平成二十三年度から二十七年度までの各年度における全国の測定局の年平均値上位十局を記載してございます。
五ページをお開き願います。(2)の浮遊粒子状物質につきまして、同様に記載してございます。
六ページをお開き願います。(3)の微小粒子状物質につきまして、同様に記載してございます。
次に、七ページをお開き願います。4、産業廃棄物として都内から排出されるアスベストの過去八年間廃棄量でございます。
平成十九年度から二十六年度までの各年度における廃石綿等と石綿含有産業廃棄物の排出量を記載してございます。
八ページをお開き願います。5、緑地保全地域における公有化予算、決算額、面積及び管理予算の推移でございます。
平成十九年度から二十八年度までの各年度における公有化の予算額、決算額及び面積並びに管理費予算額を記載してございます。
九ページをお開き願います。6、都内の土壌汚染対策法における要措置区域等の指定件数の推移でございます。
平成二十四年度から二十八年度までの各年度における要措置区域と形質変更時要届け出区域の指定件数を記載してございます。
一〇ページをお開き願います。7、大規模事業所の二酸化炭素排出量の推移でございます。
平成二十二年度から二十七年度までの各年度における二酸化炭素排出量を記載してございます。
表の上段にある基準年度の値は、事業所が選択した平成十四年度から十九年度までの間のいずれか連続する三カ年度の排出量の平均値でございます。
一一ページをお開き願います。8、大規模事業所の床面積当たりの二酸化炭素排出量の推移(用途別)でございます。
平成二十二年度から二十六年度までの各年度における事務所、情報通信、放送局等の各用途の床面積当たりの二酸化炭素排出量を記載してございます。
一二ページをお開き願います。9、中小規模事業所の二酸化炭素排出量の推移でございます。
平成二十二年度から二十七年度までの各年度における二酸化炭素排出量を記載してございます。
一三ページをお開き願います。10、都内病院の床面積当たりの二酸化炭素排出量の推移でございます。
平成二十年度から二十七年度までの各年度における病院、医療施設等の床面積当たりの二酸化炭素排出量を記載してございます。
一四ページをお開き願います。11、太陽光発電の普及状況(直近五年間)でございます。
平成二十三年度から二十七年度までの各年度における住宅用とその他の太陽光発電の設備容量を記載してございます。
一五ページをお開き願います。12、横田基地周辺における騒音発生回数の推移でございます。
平成二十三年度から二十七年度までの各年度における昭島、瑞穂、福生及び武蔵村山の各測定局の一年間の騒音発生回数及び一年間で最も騒音の発生が多かった日の騒音発生回数を記載してございます。
以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○高橋委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○両角委員 私からは、お台場の水質の向上とマイクロプラスチック、その二点について質問をさせていただきたいと思います。
まず、一点目のお台場の水質向上でございますけれど、お台場海浜公園水域は、オリンピック、トライアスロン競技のスイム、そしてマラソンスイムの競技会場となっているわけでございますが、そうした中で今、水質が余りよろしくないということが危惧をされていると。
さきの十月四日にプレス発表がありまして、オリ・パラ局から、お台場海浜公園水域における水質、水温調査結果というのが発表されました。オリンピックが開催をされる期間、パラリンピックが開催をされる期間で水質検査したところ、国際水泳連盟が定める水質基準を、ほぼ幾つかの基準にわたってクリアできていない状況が明らかになったわけでございます。
東京都の環境局は、こうした中で都の環境確保条例に基づいて、お台場海浜公園エリアを規制区域に指定して、屋形船等のし尿対策を現在実施しているということで承知しているわけでございますが、そこでお台場海浜公園水域の水質向上、水質確保に向けて、屋形船等のし尿対策を中心に確認、質問させていただきます。
まず、今お話をさせていただきましたように、オリンピック・パラリンピック準備局が水質、水温調査を実施して、結果、幾つかかなりの項目で水準をクリアできなかったということでありますが、お台場海浜公園の水質の問題については、オリンピック・パラリンピック局が中心となりまして、関係の局が総合的に取り組む課題であると感じておりますが、環境局はこの問題にどのような姿勢でかかわっていくのかということをまず伺いたいと思います。
○須藤自然環境部長 二〇二〇年東京大会で競技会場となりますお台場海浜公園が位置していることもあり、東京湾における良好な水質確保は重要でございます。
東京湾は、閉鎖性水域であり、河川からの汚濁負荷が滞留しやすいことが課題でございます。これまで法令に基づき、事業所排水への規制等を実施してまいりましたが、引き続きこれらの取り組みを継続するとともに、水質に関する知見を関係局と共有してまいります。
○両角委員 法令に基づく規制等を実施しているセクションであるということで、他の局とも水質に関する知見を共有するというご回答をいただきました。
そこで、ちょっと伺いたいと思いますが、オリンピック・パラリンピック局が中心になって実施した調査では、晴天時と雨天時、降雨の後の水質に顕著な差異があるというふうにいっています。端的にいえば、降雨後、雨が降った後には水質が悪いと、数字がぽんと出ているということなのですが、その原因について、環境の専門部署として、環境局はこの数字をどのように捉えているのか、特に雨天後にふん便性大腸菌や大腸菌の数が大幅に増加しているという原因をどのように分析するのか伺いたいと思います。
○須藤自然環境部長 本年十月四日に公表されましたオリンピック・パラリンピック準備局の資料によれば、雨天時において、お台場海浜公園の水域外からお台場海浜公園内への大腸菌の流入が示唆される内容でございました。この点、河川などからの影響があるものと推察されますが、詳細な原因については不明でございます。
○両角委員 河川等からの影響が示唆をされるというご答弁をいただきました。芝浦水再生センターが上流域にあって、そこは年百二十回ぐらい汚染水、塩素を投入して放流しているという話もございますし、生活雑排水が入ってきたりということで、あるいは、合流式下水道のオーバーフローの問題等々あると思います。しかしながら、実際には詳細な原因はわからないということだと思います。
実はお台場の海浜公園水域の水質については、科学的な原因究明がなされていないんだということでありますので、本来はこういった科学的な調査をしっかりやるべきかなということを指摘させていただきたいと思います。
そこで、こちらの、委員の皆様には手持ちの資料で表を作成したものをお配りさせていただいておりますが、実は港区がかなり長い間にわたってお台場海浜公園水域の水質の調査というのをやっています。そして、そのデータ、幾つかあるのですが、そのデータの一部を表示させていただきました。
そして、あわせて下に、データを取得した前の天気を合わせた、私が作成した資料でありますが、これは平成二十七年六月二十五日に調査をしたときに、ふん便性大腸菌の数が基準値よりもかなり突出して多くなっているということがこのデータで示されているのですが、この前は六月十日、二週間ぐらい前にやって、この後は七月二十一日に調査をしておりますけれど、この調査をした時点の一週間以上にわたって、晴れだったんです。雨が降っていないと。
すなわち大雨が降ったりすると、その水が流入をすることによって、ふん便性の大腸菌汚染が極めて高くなるのではないかというふうに示唆されるというようなことだとご答弁では回答があったかと思いますが、実際には簡単な資料でも、調査でデータを見ても、しばらく晴れていた後、要は降雨の影響で水が流れ込むというようなことがない状況の中で、ふん便性の大腸菌がかなり悪い数字を示しているということがデータであります。
ふん便性大腸菌そのものは、三日程度で死滅をして、その数値が下がるといわれています。ですので、これを考えると、晴天時に人間の体内から出た大腸菌が大量に海に放出をされたのではないかというふうに推察ができるのではないかというふうにも思うわけであります。
そこで、ちょっとここでお聞きをしたいと思いますが、狭い閉鎖海域では、環境確保条例に基づく船舶のし尿処理を徹底するということは極めて重要なことだと思います。他の対策とあわせて、徹底して、こういうことを行う必要があるのではないかと私は思っておりますが、そこでまず、東京都の環境確保条例に基づくし尿処理の仕組みと流れを伺います。
○須藤自然環境部長 都では、平成十三年度から東京都環境確保条例において、水質の保全と水辺の利用の快適性を確保するため、規則で定める閉鎖性の高い水域内において、小型の船舶からし尿が無処理のまま船外に排出されることを規制しております。
この規制の対象となりますのは、海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律、いわゆる海洋汚染防止法でございますが、この法律の規制対象とならない小型の船舶で主に東京湾の内湾を周遊し、食品衛生法に基づく営業の許可を受けて、船内で飲食を供する船舶でございます。
条例では、当該船舶の所有者等に対して、し尿の回収装置等の設置を義務づけており、回収したし尿は、バキュームカーなどの適切な方法により処理しなければならないこととなっております。
○両角委員 東京都の環境局が条例を持っているということです。法の網にひっかからない、抜けてしまう小型船舶について、条例規制するということであります。し尿の回収用の装置、具体的にはタンクをつけてもらって、それをバキューム等で適切に処理をしなさいと、そんな決めになっているということでありますが、食品衛生法に基づく営業許可を受けた船って何だろうと思うと、皆様のお手元にも行っているかもしれませんが、基本的には屋形船であります。
屋形船、夏の花火の時期でありますから、何十そうという屋形船が今出ている風景なんですけれど、東京の風物詩でもあって、いい風景だと思います。大体一そう五、六十人の定員は乗るような船が多いようでありますけれど、六月から八月ぐらいの時期が一番多く出ているということでありますが、こういった船について、都は、平成十二年、十三年から条例規制をしているということであります。
それでは、船舶にタンクを設置し、主にそれをバキュームカーで回収するという方式がとられているということでありますが、それらは適正に実施をされているのか、実効性が上がっているのか伺います。
○須藤自然環境部長 し尿回収の方法でございますが、二つの方法を用意しております。一つは、バキュームカーが屋形船の係留場所に赴いて回収する方法であり、事業者は回収予定に合わせて船を係留しておく方法でございます。二つ目は、事業者がし尿回収施設に直接出向く方法であり、事業者の都合に合わせて、随時回収するものでございます。
このように、事業者の利便性に配慮した二つの回収方法を用意することにより、し尿回収を徹底しております。
こうした取り組みにより、事業者が規制を遵守できる体制を整備するとともに、機会を捉えて、個々の事業者に条例の趣旨が徹底されるよう働きかけを行っているところでございます。
○両角委員 二つの方法で、し尿回収をされているということであります。事前に港湾局からいただいた資料によれば、バキュームと固定の場所のし尿処理の比率というのは、バキュームカー処理が大体二十で、それに対して固定の港湾建設が設けている処理場は、大体一、二十対一ぐらいの割合だということを把握することができましたが、今ご答弁で、事業者が規制を遵守できる体制をまず整備していると。その上で条例の趣旨を徹底するように働きかけているということでありました。
そこで、こちらの写真を皆さん見ていただきたいんです。こちらの写真は、お台場の規制の海浜公園域内そのものかどうかはわかりませんが、レインボーブリッジから外を見ているところです。
ここにちょっと黒くなっているのは、赤潮とかではなくて、し尿です。まさに屋形船がだあっと走っていった船の軌跡、航跡がありまして、船の後ろにホースがついていまして、それをぽんと落として、だあっとし尿を流していった後、写真を撮ったものであります。こういったものがあるということであります。
それで、このようなことが、実はここの海域で、よく見られるわけでないけれど、時々、たまに見られるという話であります。これは昼間でありますから、なかなか昼間目立つ中で、こういうことをやらないと思いますので、普通は夜間等はもっとこういうことが行われている可能性もあるということだと思うのですが、そこで、屋形船等のし尿処理が適正に実施されるようなことが必要だろうと。
では、具体的にどのような対応を今、局としてとっているか伺います。
○須藤自然環境部長 東京都と屋形船等の小型船舶の所有者などとの間では、従前から東京湾の良好な水質の環境保全に向けた取り組みを行うエコマリン協定の締結を推進しております。エコマリン協定では、し尿の適正処理はもとより、海浜の清掃など、東京の環境を保全するための取り組みについても定めているところでございます。
なお、エコマリン協定の締結時や更新時にあわせて、屋形船等の小型船舶の所有者などのところに赴き、直接船舶の状況確認を行うと同時に、条例の内容や水質保全の重要性について、周知を徹底しているところでございます。
○両角委員 エコマリン協定というものを船舶所有者等と結んでいる。拝見させていただきましたけれど、一番最初にし尿の適正処理ということがうたってあるということで、一定の効果があると思うのですが、このエコマリン協定というのは、まだ始めて十年を経ていない、五年に一回更新なんです。
ということで、今のご答弁によれば、締結時や更新時に指導を徹底するんだということでありましたから、そうすると逆にいうと、五年に一回、五年間はそういう機会が余りないんだということになってしまうのではないかと思いますので、こういった実態も含めて、よく調査をしていただいて、さらに指導徹底をしていただきたいと、このように思います。
そこで、お台場の水質の問題について最後となりますが、局長に伺いたいと思います。
条例に基づく屋形船等のし尿処理の適正処理に向けて、指導監督を再度徹底していくべきではないかと、私はこういった実態を踏まえて思うわけでありますが、局長の所見を伺います。
○和賀井環境局長 二〇二〇年東京大会を三年後に控えまして、東京の快適な水辺環境を創出する上で、お話の東京湾の良好な水質を確保することは大変重要であると認識しております。とりわけ競技会場となりますお台場海浜公園や、またこれから水上バス等の水上交通の充実が期待されています水域は、社会的注目度が高い一方、閉鎖性が高い水域でもありまして、引き続き環境保全の取り組みを推進していく必要性が高いというふうに認識しております。
今後とも、事業者に対しまして、規制の趣旨について周知徹底を行うとともに、エコマリン協定の締結及び更新を促すなど、東京湾の環境保全に努めてまいります。
○両角委員 局長からしっかり取り組んでいただくというようなお話をいただきました。
私は、より本質的には、まず原因究明を化学的にしっかりする必要があるのではないか。最初の方で触れましたけれど、多分そうではないかということでありまして、今、原因がはっきりわかっていないと。でき得れば、専門家で組織されるような委員会を設置するなどして、水質悪化の原因を科学的に究明していただくことを望みたいと思います。
その上で、総合的な対策をとっていただいて、お台場海浜公園の水域の水が非常にきれいになったということを五輪のレガシーとして残していただきたい、このように要望して、この項目については質問を終わります。
続いて、マイクロプラスチック対策について伺いたいと思います。
平成二十六年の環境局の調査で、京浜運河でマイクロプラスチック調査をやっていただきまして、一立米当たり十六個のマイクロプラスチックが確認されたということでありました。
私は、一昨年十一月の各会計決算特別委員会の質疑、あるいは昨年三月の一般質問でマイクロプラスチックの問題を取り上げて、調査の範囲をもう少し広げていただけないかということと、さらなる啓発をやっぱりこれは都民全体にしていくべきではないかというお話をさせていただいたところでございますが、東京都ではその後、海ごみ調査をやられた上でシンポジウム等もして、啓発活動に努めていただいたところでもございます。
ただ、なかなかマイクロプラスチックの問題については、なじみがないという方がまだまだ多いと思いますので、そういった観点から質問させていただきます。
まず、平成二十八年度にマイクロプラスチックに関する事業というのは、どのようなことを行われているのか、実績を伺います。
○谷上資源循環推進部長 平成二十八年度におきましては、環境NPOや団体などへ前年度作成したパンフレットを提供するとともに、海ごみに関する会議や東京湾大感謝祭への参加などにより、環境活動などの機会を捉えた普及啓発活動を行ってまいりました。
○両角委員 マイクロプラスチックに関しましては、特に教育現場での啓発活動や、よりまとまった情報を大々的に都民の皆さんに提供する必要があるのではないかと思いますが、ご見解を伺います。
○谷上資源循環推進部長 都民などへの情報提供の手段といたしましては、東京とニューヨークの小学生とともにマイクロプラスチックを含めました海ごみについて学ぶショートムービーを作成しまして、本年六月からは、東京都ホームページやユーチューブのインターネットメディアなどを通じて、国内及び海外に向けて発信しております。
先ほど答弁いたしましたパンフレットによる普及啓発に加え、このショートムービーを小学校での環境教育教材として活用するなど、取り組みを広げ推進しているところでございます。
○両角委員 ショートムービーは拝見させていただきまして、大変楽しみながら、よくできていて、ニューヨークの子供と東京の子供が一緒になって、いろんな海ごみの問題を、活動しながら話をそれぞれするということで、マイクロプラスチックの話も出てきて、これは非常にいいものだと思いますので、学校現場で見ていただけるように、もっともっと活用していただければと。委員の皆さんも、結構楽しいビデオでありますので、環境局のホームページ、あるいはユーチューブから見ていただければと、そんなふうに思っております。
最後でございますけれど、マイクロプラスチック問題に関しては、今後どんな取り組みを都としていくのかなという、そういった関心が私はあるわけでありますが、中長期的な目標と取り組みについて伺います。
○谷上資源循環推進部長 平成二十八年三月に策定いたしました東京都資源循環・廃棄物処理計画では、マイクロプラスチックを含みます海ごみ対策については、陸域からの生活ごみと海岸漂着物との関連性に着目し、廃棄物の排出マナー向上のための普及啓発などにより、海を初めとする山や川などでのごみの散乱防止、清掃活動などを推奨していくこととしております。この計画に基づき、パンフレットやショートムービーを活用いたしまして、海ごみを減らすための普及啓発事業を着実に実施してまいります。
○両角委員 結局マイクロプラスチックの問題も、発生源をきちっと押さえないと解決しない。国際的な問題でもありますし、そういった意味で、例えば東京湾に流れ込む水につきましても、ごみについても、上流域の自治体にもご協力いただかなくてはいけないかもしれないということで、上流域の自治体、あるいは九都県市という枠がいいのかどうかわかりませんが、広域的な連携をした取り組みをしていただいて、啓発もさらに進めていただいて、マイクロプラスチックの問題、ぜひとも前へ進めていただきたいということを要望しまして、私の質問を終わります。
○柴崎委員 私の方からは三項目についてお伺いしてまいりたいと思います。
まず初めには、外来種対策について伺いたいと思います。
一般会計歳入歳出決算説明書の二七ページに掲載されておりますけれども、こちらにある環境保全施策の総合調整の経費内訳のうち、上から五項目めとなりますが、区市町村との連携による地域環境力活性化事業についてであります。ここにいわゆるアライグマやハクビシンなどの外来種対策が含まれているわけであります。
私の地元練馬区におきましては、二十三区の中でもまだ農地が多いわけでありまして、また屋敷林ですとか、公園なども緑豊かに残されているわけであります。こうした中で、最近というよりも、ここ数年、アライグマやハクビシンを見かけたですとか、実際に被害に遭われたというお話をよく耳にするわけであります。
アライグマやハクビシンによる被害は、農作物への被害だけでなくて、生態系や生活環境にも及んでいるわけであります。都では、多摩地域だけでなく、区部でも広く確認をされているアライグマやハクビシンの捕獲数、これも増加の傾向にあるとお聞きをいたしました。
そこで、お伺いいたしますが、アライグマやハクビシンによる被害の状況とこれまでの取り組み、これについてお伺いしたいと思います。
○金子緑施策推進担当部長 アライグマやハクビシンは、本来日本に生息していない外来生物であり、果樹など農作物の被害やトウキョウサンショウウオの食害など、生態系被害のほか、家屋への侵入によるふん尿汚損、足音、鳴き声による騒音など、生活環境への被害も発生させております。
都は、平成二十五年度、東京都全域におけるアライグマやハクビシンの捕獲の基本方針となる防除実施計画を策定いたしました。この計画に基づき、都は、捕獲の実施主体である区市町村への財政的及び技術的支援を行っております。
昨年度は十三区五市一町、合計十九自治体がアライグマやハクビシンの捕獲に取り組んでおりまして、今年度はさらに五自治体ふえ、現在、十五区七市二町、二十四自治体が取り組みを進めております。
こうした取り組みにより、都内における捕獲数は増加傾向にあり、平成二十七年度にはアライグマ二百九十四頭、ハクビシン五百七十頭を捕獲しております。
○柴崎委員 今ご答弁いただきましたけれども、平成二十七年度の時点では、二百九十四頭のアライグマ、そして五百七十頭のハクビシンが都内で捕獲されているということであります。アライグマ等の外来種対策を進めていく上では、地域の事情に詳しい区市町村が速やかに対策を講じる、これが大切だと思います。
そこで、お伺いしたいのですが、区市町村が行っているアライグマやハクビシンの駆除に対する財政的な支援について、その実績をお伺いしたいと思います。
○小原環境政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都では、区市町村との連携による地域環境力活性化事業におきまして、外来生物の防除事業を補助メニューの一つに位置づけて支援を実施いたしております。このうちアライグマ、ハクビシンの防除事業につきましては、昨年度、十二区五市一町に対し約一千百万円の支援を行っております。
○柴崎委員 現場で捕獲を行っている区市町村に対して、こうした、今ご答弁がありましたけれども、財政支援、これに加えて、やはり技術的な支援など、さまざまな支援が必要かなと、こんなふうにも考えております。私の地元練馬におきましても、具体的な捕獲方法がわからないという声もございますし、あるいは捕獲後の処分方法、これがわからないという声も聞いております。
区市町村の担当者の多くは、野生鳥獣に関する知識ですとか、捕獲に関する技術というものは十分でないというのも事実のようであります。したがいまして、広域自治体である都が区市町村の取り組みを着実に支援することで、都内全域に取り組みを広げていくべきと考えますが、所見を伺いたいと思います。
○金子緑施策推進担当部長 捕獲に取り組む上での課題について、区市町村の担当職員から聞き取りを行ったところ、委員ご指摘のとおり、捕獲等に関する実践的な知識や技術が不足していること等の回答が多く寄せられました。
そこで、都は、区市町村においてアライグマ、ハクビシンの捕獲から最終処分までの一連の処置を適切に行えるようガイドラインを平成二十七年度に策定しております。また、箱わなのかけ方やセンサーカメラの活用方法など、実践的な技術を習得するため、区市町村の担当者を対象として、技術講習会を平成二十八年度から開催しております。
こうした取り組みにより、新たに捕獲に取り組む自治体は年々着実にふえております。
今後とも、区市町村への着実な支援と普及啓発の一層の強化により、取り組みを都内全域に広げてまいります。
○柴崎委員 今、答弁いただきました。区市町村への着実な支援と普及啓発を行って、取り組みを都内全域に広げていくとのことでありました。アライグマ、ハクビシンは、自治体の境界線に関係なく当然移転するわけでありますから、隣接する区市町村が連携して捕獲に取り組むことが重要だと思います。
既に捕獲に取り組んでいる区市町村への支援、これを着実に行っていくとともに、新たに捕獲に取り組む自治体、これをさらにふやしていただきたい、こんなふうに要望いたします。
次の項目に入ります。次は、中小規模事業所の地球温暖化対策について伺いたいと思います。
都は、これまで大規模事業所を対象としたキャップ・アンド・トレード制度の運用、そして中小規模事業所への無料省エネ診断、あるいは省エネ研修会の開催、さまざま温暖化対策を進めてきております。昨年の三月に、二〇三〇年までに温室効果ガスを三〇%削減する新たなこうした目標を設定したわけであります。したがって、今後、さらなる取り組みを進めていくことが求められているわけであります。このため業務、産業部門のCO2排出量の約六割を占める中小規模事業所の省エネ対策が一層重要になるものと考えております。
とりわけ、このうち都内に数多く存在している中小テナントビルにつきましては、オーナーが省エネ改修を行っても、その光熱費の削減分として利益を得るのはテナントだけであるとのことであります。対策がなかなか進みにくい状況にあるということもお伺いしておりますが、やはり重点的に取り組んでいく必要があると思います。こうした中で、都は、平成二十八年度から中小テナントビルを対象にしたグリーンリース普及促進事業を開始しております。
そこでお伺いしますが、この事業の概要、これについてお聞きいたします。
○小川地球環境エネルギー部長 グリーンリースは、ビルオーナーとテナントがそれぞれに行う省エネ対策を契約などで取り決めまして、対策後に得られる光熱費削減等の恩恵を、先ほど委員ご指摘のとおり、テナントだけではなく、双方が受けられるようにしていく取り組みでございます。
本事業は、オーナーとテナントがグリーンリースに取り組むことを条件にいたしまして、オーナーに対して照明のLED化など設備改修に係る経費の一部を支援するものでございます。また、これにあわせまして、オーナーからグリーンリースの契約内容、そして省エネ対策の実施状況等を都に報告していただくこととしております。
事業の期間は、平成二十八年度から平成三十年度までの三カ年となってございます。
○柴崎委員 今のご答弁でグリーンリースの考え方についてと事業の概要はわかりました。
そこでお伺いしますが、平成二十八年度のこの事業の実績についてお聞きしたいと思います。
○小川地球環境エネルギー部長 平成二十八年度は五件の事業を交付決定いたしました。設備改修の内容につきましては、照明設備のLED化、また空調設備の更新等でございまして、一棟当たり平均で約一八%のCO2削減効果が見込まれております。また、オーナーとテナントのメリット等を具体的にわかる事例が収集できてございます。
今後こうした内容等について、わかりやすく取りまとめまして、オーナー等に情報提供を行うことで、グリーンリースの普及につなげてまいります。
○柴崎委員 今の答弁をいただきまして、中小テナントビル、この省エネの余地というものは非常に大きいものということが改めてわかりました。本事業では、平成二十九年度からビル共用部分のLED化に取り組む場合は、助成の上限が増額をされているとのことであります。
今後この事業が進むことで、一層のCO2の削減が期待されているわけであります。グリーンリースは、国内ではまだ取り組みが始まったところであります。したがって、この事業を通して得られたノウハウを活用して、さらなる普及につなげていただくように要望をいたします。
そして、最後の項目を質問させていただきますが、次は、都の災害廃棄物対策について伺いたいと思います。
都では、平成二十八年度、災害廃棄物処理計画の策定について、東京都廃棄物審議会に諮問をし、そして本年五月に答申を受けて、計画を策定したとのことであります。
審議会では、昨年四月に発生した熊本地震などにおける教訓も踏まえ、実効性のある対策を講じることが主要な論点の一つになったというふうに仄聞いたしております。
このたびの計画は、過去の災害の経験をもとに、どのような特徴を持つ計画としたのか、まずこの点について確認をしたいと思います。
○谷上資源循環推進部長 先般策定いたしました東京都災害廃棄物処理計画では、過去の自然災害における経験や教訓を踏まえ、大量に発生する災害廃棄物を適切に処理できるよう、廃棄物処理の基本的な考え方、あるいは処理を進めるに当たって必要となる体制や処理の方法などを具体的に定めております。
とりわけ過去の災害からの教訓を踏まえた点といたしましては、平常時から都と区市町村など関係機関同士の連携体制を準備しておくこと、発災初動期において廃棄物の分別を徹底し、リサイクルを推進すること及び発災後に備えて、ほかの自治体や事業者などからの応援を受ける受援体制をあらかじめ整えておくことの必要性などについて明記したことが特徴でございます。
○柴崎委員 今ご答弁いただきましたが、大規模災害が発生した後の対応だけでなくて、平常時から区市町村との連携体制をしっかりと準備をしていく、このことが計画に盛り込まれた点は評価したいと思います。
しかしながら、都内の多くの区市町村では、これから災害廃棄物処理計画を策定していく予定であるというふうに仄聞いたしております。発災後、災害廃棄物の処理を行うのは区市町村であります。実効性がある計画づくりというものが欠かせないものと考えます。
一方におきましては、都として、区市町村における計画策定を支援していくとともに、計画策定後も都と区市町村とが相互に連携をして、継続的にその実効性を高めていく、このことが重要だと考えますが、今後の取り組みについて伺いたいと思います。
○谷上資源循環推進部長 計画には、区市町村が災害廃棄物処理計画を策定する際のモデルとなるよう、都の役割だけではなく、区市町村や都民、事業者など、それぞれの主体が平常時及び発災後の各段階において担うべき役割を明確化しております。
この役割分担を踏まえ、都として、本年度、関係各局と連携しながら、発災直後の初動期を中心に復旧、復興期までに対応すべき業務の手順等を記したマニュアルの作成を行ってまいります。
また、区市町村に対しましては、本年三月と今月十月に災害廃棄物に関する情報交換会を開催したほか、計画の策定に対する支援を行っております。また、マニュアルを実践するための災害廃棄物処理に関する訓練や演習を区市町村と合同で今後実施していくなどして、職員の対応力を高めてまいります。
○柴崎委員 ことしに入りましても、七月には九州北部での豪雨がありました。そして、今月には霧島山、新燃岳の噴火もありました。各地で大規模な自然災害が発生しているわけであります。
首都東京でいつ大規模災害が発生しても万全な対応がとれるよう、職員の対応の強化について継続的に取り組んでいただきたい、このことを要望いたしまして、質疑を終わらせていただきます。
○いび委員 環境局の決算に関して、一つはアスベスト対策、もう一つは太陽光発電について伺います。
アスベストは、天然の繊維状の鉱物で、かつては断熱材として広く利用されていたものですが、肺に蓄積されることで健康被害を起こすことが明らかになり、日本では一九七五年に吹きつけアスベストが禁止され、二〇〇六年に全てのアスベストの使用と製造が禁止されました。
欧米では、一九八〇年から九〇年代にかけて、多くの国で使用と製造禁止へと進んだことと比べれば、日本の規制は大幅におくれたことは明らかです。そのために多くの人がアスベストによる健康被害を受けることとなりました。
アスベスト被害が起こり得るのは、一つには、それらの建物が大規模に破壊されるような大地震などの災害時です。阪神大震災のときには、十分な対策がとられていなかったために、二〇〇八年から二〇一二年八月までに瓦れき撤去作業でアスベストを吸い込み、中皮腫になった四人の被災者に労災が認められ、二〇一二年八月には震災直後に約三カ月間、市内の瓦れき処理に従事して、腹膜中皮腫を発症した明石市の職員が公務災害で認定を申請しました。この方は二〇一三年に四十九歳の若さで亡くなられました。
アスベストは、行政としての対応がおくれたために被害が拡大した側面があり、現在の取り組みには極めて不十分な面があるといわざるを得ません。
まず、二十八年度決算で環境局が実施した解体工事現場等への立入検査等の実績とそれに関連した事業の決算額について伺います。
○松永環境改善部長 アスベストは、都内のさまざまな建物で使用されており、解体工事等に当たっては、事業者による適切な届け出や飛散防止対策が必要でございます。
そこで、都は、立ち入り権限を持つ区市と分担して、届け出のある解体工事現場に加え、平成二十六年の大気汚染防止法の改正により可能となった届け出のない現場への抜き打ち検査も実施しておりまして、平成二十八年度は区市と合わせて法改正前の二倍以上となる三千十一件の立ち入りを行いました。
アスベスト対策に係る経費といたしましては、専門の資格を持つ非常勤職員の人件費及び立入検査時に採取した試料などのアスベスト測定調査に係る経費等、約六百五十万円を支出いたしております。
○いび委員 制度改正により、現場への抜き打ち検査など進んでいることはわかりました。阪神・淡路のような特別な災害時の場合に限らず、アスベストを使用している建物の建てかえや改修などの工事のときが大変危険で注意が必要です。無届けの解体工事でアスベストが飛散している可能性のある事業もあると聞いております。
そこで、都として、アスベストの無届けの工事をなくすために事業者への指導を徹底し、またアスベスト、粉じんの飛散防止や、そこに従事している人の暴露防止の強化を求めるものですが、いかがでしょうか。
○松永環境改善部長 無届けでの解体工事をなくし、アスベストの飛散を防止するためには、区市や関係機関との連携が重要であり、そのため環境局では、建設リサイクル法や労働安全衛生法を所管する関係機関と届け出情報の照会を行っているほか、協力して解体現場への立入検査や合同パトロールを実施いたしております。
また、区市単独では対応が難しい案件につきましては、都が専門の資格を持つ職員を派遣し、現場確認やヒアリングなどを支援することで指導体制を強化いたしております。
引き続き、区市や関係機関と連携して、アスベストの飛散防止対策を強化してまいります。
○いび委員 東京都として、アスベストによるリスクを回避し、着実な対策を進めていくためにも、アスベストを使用している建物の所在がわかるハザードマップを作成すること、これは強く要望しておきます。
そして、アスベストを使用した建物の建てかえを促進する上で、費用の助成についても、これは国が拡充することが必要ですが、都民の命と健康にかかわる問題でもありますので、東京都としても検討して実施していただきたいということを強く求めておきたいと思います。
続いて、太陽光発電の補助について伺います。
東日本大震災のときの福島原発の事故を見ても、原発に依存しないエネルギー政策は大変重要であり、そこにおいて太陽光発電は有力な選択肢であります。
太陽光エネルギーの利用拡大に関する二十八年度の取り組みと直近の成果について伺います。
○小川地球環境エネルギー部長 都は、平成二十七年度から二十八年度にかけまして、既存住宅における再エネ・省エネ促進事業におきまして、太陽エネルギー利用システムと高性能建材を活用した省エネリフォームを同時に施工した場合に、費用の一部を助成するなど、太陽エネルギーの利用拡大を図ってまいりました。
また、これまでの取り組みなどによりまして、住宅用太陽光発電の設備容量は年々増加しておりまして、直近の平成二十六年度から二十七年度にかけましては約二・七万キロワット増加いたしております。
さらに、平成二十八年度からは効率的な創エネ機器の導入促進やFIT制度に依存しない太陽エネルギーの利用拡大等を目的といたしまして、家庭におけるエネルギー利用の高度化促進事業を実施しており、太陽熱利用機器の普及に努めてまいったところでございます。
○いび委員 さまざまな取り組みについて取り組まれているということでお話を伺いましたが、太陽光パネル単体に対する補助は、平成二十四年度で終了しているということでした。
住宅用の太陽光発電がさらに進むように、都として補助制度の復活や買い取り価格の引き下げによる負担を軽減するなどの支援策を検討するべきではないでしょうか。
○小川地球環境エネルギー部長 都は、委員お話しのとおり、平成二十一年度から太陽光発電に対する補助を実施してまいりまして、設置費用が大幅に低下したこと、また固定価格買い取り制度が導入されたことなどから、太陽光パネル単体に対する補助事業は平成二十四年度に終了してございます。
平成二十五年度以降は、蓄電池やビークル・ツー・ホーム等と同時に太陽光発電を導入した場合などに補助を実施する家庭の創エネ・エネルギーマネジメント促進事業や、先ほどご答弁申し上げました既存住宅における再エネ・省エネ促進事業によりまして、太陽エネルギーの利用拡大を図ってまいりました。
○いび委員 いろいろ努力されてきたこともあると思いますけれども、太陽光発電の普及の進捗状況を見るならば、総務省が公開している全国消費実態調査の平成二十六年度版によると、日本における太陽光発電普及率は六・六%、これはもちろん増加傾向ではありますが、十分な到達というにはほど遠いものといわざるを得ません。
そういう点では、設置費用の助成など、一層の拡充に取り組むべきであると考えますが、見解を伺います。
○小川地球環境エネルギー部長 ただいま答弁いたしましたとおり、都は、平成二十一年度から太陽光発電に対する補助を実施しておりましたけれども、設置費用が大幅に低下したこと、固定価格買い取り制度が導入されたことなどから、太陽光パネル単体に対する補助事業は平成二十四年度で終了しております。
以下、先ほどご答弁いたしましたとおり、さまざまな事業によりまして、太陽エネルギーの利用拡大を図っているところでございます。
○いび委員 太陽光発電の普及については、その重要性についてはいうまでもないと思いますけれども、まだまだこれは伸び代があるというふうに私は思っております。そこで、東京都としては、ぜひ補助の復活を含めて、太陽光発電事業をもっと力を入れて推進していただきたいということを強く求めておきたいと思います。
私の地元の調布市では、太陽光発電の取り組みとして、屋根貸し事業を実施しております。調布市は、市内の公共施設の屋根を民間の太陽光発電の会社に貸し出す事業を実施して、これを調布まちなか発電株式会社が受託をし、平成二十六年一月から三十四カ所の公共施設で太陽光発電の整備を行い、平成二十六年六月末からこれらの全ての施設で発電容量の合計九百二十五キロワットというほぼメガソーラー規模の発電が始まりました。
ここでの行政の設備投資はゼロです。売電収入の中から、二十年間で約六千万円が調布市に入る計画となっていました。太陽光発電事業を進める上での課題として、まとまった発電量を確保するためには、相当な面積の土地が必要になります。
その点で調布市の事業は、公共施設の屋根を貸すことによって、土地の問題をクリアし、あとは民間の有志の方々の取り組みで実現できたというものであります。こういう取り組みを大いに参考にして、東京都としても太陽光発電を推進していただきたいと思います。
一方で、調布市から最近聞いた話では、売電価格が下がり続けているので、同じことを今からやろうとすると難しいのではないかとのことでした。この点では、国の姿勢も厳しく問われております。
東京都としても、国に対する要望の中で非住宅用太陽光発電については、設備容量に応じた新たな調達区分を設定することとして、平たくいえば、何千、何万キロワットという大規模な発電は採算がとれても、十キロワット以上から数十キロといった中小規模の太陽光発電は採算がとれにくい価格設定となっているわけで、そちらの方も採算がとれるような区分をつくって、改善するよう東京都は、国に対して求めているわけです。
このような国の働きかけを強めると同時に、国の動きを待つだけではなく、先ほど紹介したような市民団体の方が意欲を持って取り組めるよう、中小規模の太陽光発電については、財政支援も含めた都独自の支援についても検討していただくよう求めて、私の質問を終わります。
○高橋委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高橋委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で環境局関係を終わります。
○高橋委員長 これより産業労働局関係に入ります。
決算の審査を行います。
平成二十八年度東京都一般会計決算中、産業労働局所管分、平成二十八年度東京都中小企業設備導入等資金会計決算、平成二十八年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計決算及び平成二十八年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計決算を一括して議題といたします。
本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○寺崎総務部長 去る十月十三日の当分科会で要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
恐れ入りますが、お手元の平成二十八年度各会計決算特別委員会第三分科会要求資料の表紙をおめくりください。目次でございます。資料は全部で十項目ございます。
一ページをごらんください。このページから三ページにかけまして、中小企業対策、農林水産対策、雇用就業対策の過去五年間の予算額、決算額の推移をそれぞれお示ししてございます。
四ページをお開きください。就職困難者緊急就職支援事業につきまして、過去五年間の雇用形態別就業実績の推移をお示ししてございます。
五ページをごらんください。新・元気を出せ商店街事業につきまして、過去五年間の実績をお示ししてございます。
六ページをお開きください。小売商業後継者育成・開業支援事業、商店街パワーアップ基金事業、商店街起業促進サポート事業につきまして、過去五年間の実績をそれぞれお示ししてございます。
七ページをごらんください。商店街パワーアップ作戦につきまして、過去五年間の支援実績をお示ししてございます。
八ページをお開きください。東京都における新規就農者数の過去五年間の推移をお示ししてございます。
九ページをごらんください。正規雇用等転換促進助成事業につきまして、平成二十七年度以降の実績をお示ししてございます。
一〇ページをお開きください。都内の民間企業における障害者雇用の過去五年間の推移につきまして、障害種別等の区分別にお示ししてございます。
以上で要求資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○高橋委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○両角委員 私からは、何点かお伺いしますが、まずインバウンド対応についてお聞きをしたいと思います。
日本を訪れる外国人の方々は年々増加をしておりまして、既に本年は二千万人を突破しているということでございます。
東京都では、二〇一五年に訪都外国人旅行者数が初めて一千万人を突破したということでありまして、東京観光プラン二〇一七では、二〇二〇年の訪都外国人旅行者数、その目標を二千五百万人ということを掲げております。
そこで、二千五百万人に対応するということを踏まえて、まずは受け入れに関してお聞きしたいと思いますけれど、ムスリム対応ということでお聞きをしたいと思います。
ムスリムは、世界人口の四分の一を占めるといわれておりまして、特にマレーシアであったり、インドネシアの方々の日本への訪問というのが急増をしているという状況にあるというふうに聞いております。
そこで、東京都としてもムスリム対応事業ということで、平成二十六年度から実施をしているわけでありますが、平成二十八年度決算では約二千五百万円の予算、これが事業執行なされておりますが、その事業内容についてお伺いをいたします。
○浦崎観光振興担当部長 ムスリムの方々には、提供する食材や礼拝などに一定の配慮が必要でございます。
このため、都は、ムスリム旅行者が安心して滞在できるよう、飲食店や宿泊施設等の情報を旅行者に提供するとともに、受け入れに取り組もうとする事業者への支援を行っております。
昨年度は旅行者に向けた情報提供として、ムスリムへの配慮を行っている飲食店、宿泊施設、商業施設及び礼拝室の四分類に分けて、合計百四十九の施設をわかりやすいアイコンで紹介しているほか、ムスリムの女性が病気やけがをしたときに応対のできる女性医師のいる病院を掲載したガイドブックを三万二千部作成し、東京観光情報センターや都内の宿泊施設などで配布いたしました。
また、事業者向けには、ムスリムの食事や礼拝、習慣等に関する基礎知識などをまとめたパンフレットを配布し、その内容の普及啓発を行いました。加えて、受け入れに当たって必要なノウハウや取り組み事例を提供するためのセミナーを三回開催し、百七十七名の参加をいただきました。
さらにムスリム向けの和食メニューの開発などに取り組む十六の事業者に対して助言を行うほか、専門家を十五社に派遣し、使用する食材の管理方法などの具体的なアドバイスを行ったところでございます。
○両角委員 これは旅行者向け、あるいは事業者向けのパンフレットやガイドブックをつくったり、さまざまな取り組みをしていただいたということを理解させていただきます。ガイドブックではなくて、これは事業者向けのパンフレット、手元にございますけれど、礼拝に関して、あるいはハラールに関して、簡単に、こういうことがあるんですよということがわかりやすく書いてあって、有効ではないかなというふうに思いました。
そこで、三カ年、ムスリム対応事業ということで、二十六年度、七年度、八年度と実施してきているわけでありますが、この事業の展開によって、どの程度まで受け入れ側の理解が深まってきているのかということを、事業の効果ということで伺います。
○浦崎観光振興担当部長 都は、平成二十六年度からの三年間で飲食店や宿泊施設などの事業者に対するセミナーを合わせて七回開催し、延べ五百九十一名の参加者に、受け入れに必要なノウハウ等の提供を行ってまいりました。
受講者に対するアンケート結果では、ハラール料理の提供に取り組みたい、取引先にハラールメニューの提案を行いたいといった声をいただくなど、参加者の多くからムスリム対応に前向きな回答を得ており、事業者における理解が深まってきております。
また、先ほどご紹介しましたガイドブックの掲載施設数ですが、平成二十七年度の百二十四件から百四十九件に増加しておりますが、増加した二十五件の中には、セミナーの受講を契機としてムスリム対応を行い掲載を申し込んだ事業者も含まれており、セミナーの効果がこうした取り組みにつながったと考えております。
また、三年間で延べ百三十五社に専門家を派遣した成果といたしまして、宿泊事業者がムスリム向けの朝食サービスや弁当の提供を開始するなど、現場での取り組みに結びついております。こうした事業の効果がさまざまな事業者の理解の促進と現場での対応の実践につながっているものと考えております。
○両角委員 セミナーを開催されたり、あるいはいろいろパンフレットの周知等を通じて、事業者理解が促進してきたということを理解できたわけでございます。
そこで、事業者の皆さんは、ムスリムの皆さんに対する情報提供をするような店舗がふえたりということで効果が出てきているということでありますが、一方で、東京都のプランに基づくように、二千五百万人の訪都の旅行者を目標にする、ムスリムの皆さんも今まで以上に多くいらっしゃるということになれば、これは事業者のみならず、一般の都民の皆さんもムスリムの慣習等に対する最低限の理解を広げていくということが必要ではないかと思いますけれど、都民向けのムスリム理解の情報発信について伺います。
○浦崎観光振興担当部長 近年、マレーシアやインドネシアなど、ムスリム人口の割合が高い国から東京を訪れる旅行者が急増しておりまして、今後も増加が見込まれております。
先ほどご答弁したムスリムの食事や習慣等に関する基礎知識をわかりやすく説明したパンフレットは、都民の皆様にもご活用していただける内容となっております。
都は、これまで一万部を作成し、都内の宿泊施設や飲食店などの事業者を初め、都内の自治体等にも配布をしてまいりました。また、パンフレットの内容を都のホームページ上で提供いたしまして、広く情報発信を行っているところでございます。
引き続き、多様な文化や習慣を持つ外国人旅行者が快適に滞在できる環境の整備を進めてまいります。
○両角委員 次に、多摩地域への観光客の誘致ということのテーマで伺いたいと思います。
東京を訪れる外国の方々は非常にふえてくるということでありますが、現在、外国の方が東京に来られると大体決まったスポットに行かれるということでありまして、浅草であり、銀座であり、秋葉原でありということであります。
一方で、東京、特に多摩地域には豊富な自然や伝統産業、伝統芸能、酒蔵など多くの魅力があります。私は八王子でございますけれど、八王子にも来ていただければ、織りとか、染めの体験ができたり、八王子のラーメンを食べていただいたりと、そういうこともできるのではないかと思っているのですが、こういった訪都の旅行者の皆さんに多摩地域まで足を延ばしてもらう観光ルート、こういったようなことが必要ではないかと思いますが、都ではどのような取り組みをしてきたのか伺います。
○小沼観光部長 都は、地域の特色ある資源を活用しました旅行商品造成や観光イベントの開催、特産品の開発に取り組む観光協会等の取り組みを支援してございます。二十八年度は、多摩地域における新たな観光ルートの策定に向けた十の取り組みを支援いたしました。
このうち檜原村では、自然の散策と無形民俗文化財に指定されております獅子舞の体験などを組み合わせましたモニターツアーを実施いたしました。このツアーには、外国人二名を含む十四名が参加いたしまして、PR映像による集客の効果や各観光スポットにおける体験の満足度について検証を行いました。
また、青梅市や奥多摩町等が連携した取り組みにおきましては、都内では数少ない酒蔵の見学とダムの魅力を解説する施設見学などを組み合わせたモニターツアーを実施いたしました。このツアーには、外国人四名を含む三十九名が参加し、ガイドによる説明内容のわかりやすさや施設内の見学ルートなどについての意見を伺い、今後の取り組みの参考といたしました。
こうした取り組みの結果を都内の観光協会や区市町村などを集めました都の観光フォーラムの場で発表するとともに、冊子に取りまとめ、情報提供することで、新たな旅行商品造成に向けて取り組む地域の拡大を図ってまいります。
○両角委員 事例として、檜原村、あるいは青梅、奥多摩の魅力を生かしたモニターツアーというお話をいただいたわけでございます。その課題や、あるいはそういった情報を旅行者さん等に発信していただいているということで、それが実際に具体の観光のプランに結びついて、多くの方々がせっかく東京に来て、奥多摩、多摩地域にも足を運んでいただけるような、そんなことになっていくことを期待したいと思います。
多摩のそれぞれの魅力を生かしたストーリー性のある体験型、あるいは旅行者の興味、テーマに応じた観光プランをつくって、情報発信に努めていくということが、これは重要なことではないかと思うわけでありますが、見解を伺います。
○小沼観光部長 都は、二十八年度から外国人旅行者の興味や関心を踏まえ、多摩地域を周遊する旅行商品を造成いたします民間事業者の取り組みを支援するとともに、観光の魅力の発信を行っております。
具体的には、海外の旅行事業者から十八名を招聘して、多摩地域の自然や食、温泉などを体験するモニターツアーを実施し、ここで得られました外国人が興味を持つ旅行テーマや観光資源の印象などについての意見を国内の旅行事業者に対して提供いたしました。
また、こうした多摩の魅力を効果的にPRするため、中国、台湾、香港、韓国、シンガポールから有名ブロガー等二十二名を招聘いたしまして、旅行体験を各参加者のブログやSNSで発信していただきました。
さらに、参加者の旅行記を地域と季節ごとに分類し、専用の観光情報サイトに取りまとめて、多言語で発信をいたしました。
こうした取り組みによりまして、多摩地域への外国人旅行者の誘客につなげてまいります。
○両角委員 SNSを活用されたりして、情報発信ができるように努めていただいたということで、さらなる情報発信をしていただいて、多摩地域にインバウンドの効果をぜひとも還元していただければと思います。
続きまして、MICE推進事業ということで伺いたいと思います。
MICEの推進に関しましては、都ではこれまで情報発信やコンベンションの誘致など、さまざまな事業を展開しているわけでございます。特に平成二十六年度には、都内三カ所でMICE拠点の指定を実施しているわけでございます。
私の地元でございます八王子でも、平成二十九年度、今年度、MICE拠点指定というものがなされたということで、今後の展開に期待するところであるわけでありますが、まず平成二十八年度事業として、三カ所を引き続き支援しているわけでありますが、このMICEの拠点指定の指定区域及び指定の理由について伺いたいと思います。
○小沼観光部長 海外競合都市との誘致競争を勝ち抜くためには、MICEの受け入れ施設が集積しているエリアを対象に支援を行うことが効果的でございます。
都は、MICEの受け入れ体制の強化に取り組む地域を公募いたしまして、誘致に向け積極的な活動を行う実施主体の対応や目標設定、計画の妥当性など、地域の特性を生かした誘致策が明確になっていることを審査いたしまして、エリアの選定を行いました。
その結果、二十六年度に大手町、丸の内、有楽町のいわゆる大・丸・有地区と六本木地区及び臨海副都心地区の三カ所を先進エリアとして指定し、MICEの受け入れに必要なノウハウの提供や受け入れ環境整備の取り組みに対する助言等の支援を七年間継続して行うこととしております。
特に支援開始からの三年間は、MICEの誘致活動の主体となります組織の立ち上げですとか、ワンストップ窓口の整備、海外へのプロモーション活動などへの取り組みを重点的に後押しするため、年間一千万円を上限に財政支援を行いました。
○両角委員 拠点指定によって、最大七年の支援があり、初期の三年間については財政支援も受けられるということでありました。
それでは、拠点の指定により、具体的に今、三カ所ということがございましたが、どのような取り組みがなされて、いかなる効果が期待できるのかということを伺います。
○小沼観光部長 都の支援によるこれまでの成果といたしまして、まず大・丸・有地区におきましては、開催地としてのブランド力を高め、さらなるエリアの価値向上を目的に道路などの公的空間の積極的な活用を図っております。そうした取り組みの結果、イベントなどの開催延べ日数が拠点指定前と比較いたしまして、二十八年度は約五倍の百三十九日となりました。
また、六本木地区におきましては、誘致、開催に向けた問い合わせにワンストップで対応する窓口の開設や美術館を活用したユニークベニューの開発等に取り組み、二十八年度に四十五件の相談に対応するとともに、外国の企業による報奨旅行などの三件の誘致を実現いたしました。
さらに、臨海副都心地区では、都内のホテルや商業施設などの事業者とともにシンガポール等、アジアの三都市を訪問いたしまして、今後の誘致活動を円滑に行うための現地事業者とのネットワークを構築いたしました。
引き続き、誘致に向けた取り組みをサポートいたしまして、都内でのMICE開催の増加につなげてまいります。
○両角委員 この指定を受けた地域におきましては、イベント開催の日数が五倍にふえたりという効果が具体的に出ているということでありました。私の地元であります八王子におきましても、本年MICE拠点指定を受けたということでございますので、八王子観光コンベンション協会が事業推進主体となるということでありますが、これからの展開を期待させていただきたいと思います。
引き続きまして、産業交流拠点、仮称でございますが、八王子、これについて伺いたいと思います。
これはJR八王子駅と京王八王子駅の間に、多分八王子のまち中では、今後残された再整備をしていく大規模な唯一の場所かなと思っています。そこの大きな部分を占めるのが旧東京都産業技術研究所の跡地でございまして、そこに東京都では産業交流拠点、仮称でございますが、これを整備していくという計画を示しているわけでございます。
そこでまず、産業交流拠点の位置づけと期待される役割、拠点整備による効果について伺います。
○坂本商工部長 都が八王子市に整備を予定している産業交流拠点は、都域を超えた広域的な産業交流の中核的な機能を担うものと位置づけております。また、この拠点は、首都圏の重要なインフラでございます圏央道と相乗効果を発揮いたしまして、多摩地域の産業の集積や交流を促進する役割が期待されております。
八王子を含む広域的な多摩エリアには、エレクトロニクスや計測機器などの分野ですぐれた技術を持つ企業が多くございます。そうした企業が産業交流拠点において近隣に立地する大学や研究機関とMICEの開催をきっかけに連携を深め、新たな製品の開発などを実現し、取引をする会社を周辺にふやすことで、産業の集積がより一層高まる効果が期待できるところでございます。
また、中小企業同士が同拠点で開催される展示会や見本市で商談を行うことによりまして、さまざまな産業の交流の活性化を図る効果も想定しているところでございます。
○両角委員 この施設は、都内のみならず、広域多摩であります埼玉とか、神奈川、八王子も含めた帯状のところの産業交流の中核的機能を担うんだという位置づけということでございましたし、また当然私どもの八王子は大学が二十一立地しております。そういった大学や研究機関とシナジー効果を上げていくというようなお話をいただいたわけでございます。
そこで、現在、産業交流拠点につきましては、基本計画が既にでき、平成二十八年度には基本設計が完了をして、実施設計の発注ということがなされているわけでありますが、この施設のコンセプト等に地元市の意向がどのように反映をされてきたのか伺います。
○坂本商工部長 都は、産業交流拠点の整備を進めていくに当たり、地元の八王子市や商工会議所からの提案や要望を、施設の内容に反映する工夫を行ってまいりました。同拠点は、産業の交流を飛躍的に広げる場とするため、大規模な展示会場を施設に設けるべきとの意見を踏まえまして、多摩地域では最大の約二千五百平方メートル級の展示ホールを整備する計画としております。
また、多目的の施設として、幅広い利用を可能にしてほしいとの要望を取り入れまして、展示ホールは四つに分けて、さまざまな催事を開催できる仕組みとしているところでございます。
さらに、施設の中で産業面の人材育成や学会の打ち合わせなどができるスペースを確保するべきとの提案を踏まえまして、会議室を二百平方メートル規模で二つ、百平方メートル規模で三つ、五十平方メートルの大きさで二つ設けることとしております。
多くの来訪者でにぎわう拠点として建設を行うべきとの考え方を受けて、メーンとなる入り口に開放感を持たせ、大屋根のある広場をつくるなどの工夫を行っております。
○両角委員 地元の八王子市、あるいは商工会議所からの提案、要望を反映していただいたとのことでございました。
そこで、今この施設、平成三十三年度竣工に向けて、施設整備が鋭意進められていることと思いますが、こういった施設整備をやるときにどこの段階かわかりませんが、パブリックコメントをやる、そういう手続をとるということが最近行政では非常に多いわけでございますが、今回この産業交流拠点につきましては、パブリックコメントは実施をされていないということでありますが、パブリックコメントをやらなかった理由についてお聞かせいただきたいと思います。
○坂本商工部長 産業交流拠点は、多摩地域における産業の集積や交流を促進することを役割としてございまして、施設の中で展示会や商談を行うほかに、レセプションや学会を開催することを予定してございます。
こうした利用が円滑に進むように、都では、施設のあり方について、展示会を主催する事業者や出展する中小企業のニーズや意見の把握に努めてまいりました。また、学術会議の主催者やMICEの誘致を手がける事業者の要望なども幅広く集める対応を行ってまいりました。
さらに、地元市が地域の住民等の意見を聞いて作成したまちづくりの方針などを踏まえまして、施設の整備を進めております。今回の一連の取り組みを通じまして、利用者を重視し、地域とも一体性のある施設の実現が可能になるものと考えております。
○両角委員 事業者が主体で使われる施設で、要望等も、そういった事業者の声もきっちり反映をしているということではありますが、先ほどお話をさせていただきましたとおり、JRの八王子駅と京王八王子駅をつなぐその中間に位置づけをする場所でございまして、大変多くの市民、都民が日常通行しています。
そういった意味で、そこの施設の建物のみならず、オープンスペースのあり方であったり、非常に多くの市民、都民が関心を持っている公共性、パブリックな開かれた場だと私は感じております。
きょうも私は都庁に来るときに、京王線で来ました。駅まで自転車で行きまして、ここの用地に自転車置き場があります。約二千台です。その自転車置き場は来年の三月、こちらの工事が、着工に当たって、それはなくなってしまうということで、市ともいろいろやりとりをしてきたのですが、市からも自転車置き場二千台分ぐらいのスペースを、産業交流拠点を整備するに当たって何とかならないかという話を、事前の基本計画段階でしょうか、お話もさせていただいたようでありますが、なかなか難しいということでありました。
そういった細々とした点も含めて、でき得れば、こういった施設整備についても、パブリックコメントを実施していただければ、よりよいものができるのではないかと、そんなふうに感じた次第でもございます。
引き続きまして、働き方改革というテーマで伺わせていただきたいと思います。
日本の国は、人口減になりまして、この五年間の国調で九十四万人ぐらい人口が減っております。
一方で、女性の社会進出は一層進んでいて、保育園の問題等々が出ているということでございます。
そういったことを踏まえれば、さまざまな分野で社会全体のギアチェンジをしていかなくてはいけないんだということだと思いますけれど、特に仕事と子育てや地域活動、プライベートなど、生活全体のバランスを整えて、その質を高めていくということが求められていると思います。
そこで、ライフワークバランス実現に向けた東京都の取り組み、役割等について伺わせていただきたいと思います。
ライフワークバランスの実現を掲げて登場したのが今の小池知事でありました。ということで、今、現小池知事の登場によって、東京都のライフワークバランス政策というのはどのように変わったのか、変わらないのか、伺いたいと思います。
○小金井雇用就業部長 知事が目指すダイバーシティーの実現に向けて、平成二十八年十二月に策定されました実行プランでは、政策の柱として、誰もが活躍できるまちを掲げ、ライフワークバランスの充実を政策目標のトップに位置づけるなど、積極的な施策の展開を図ることとしております。
また、ライフワークバランスという名称についてでございますが、誰もが人生、生活をもっと大切にすべきとの知事の認識を踏まえ、ワークとライフを逆にしたものでございます。
さらに、働き方改革を二〇二〇年大会のレガシーとすることを目指し、その起爆剤となるテレワークの推進に取り組んでいるところでございます。
昨年度は二月に開催しましたライフ・ワーク・バランスフェスタにおいて、知事みずからオンライン会議を体験するなど、テレワークの有効性を広くPRしたところでございます。
○両角委員 今の部長の力強い答弁を心強く感じたところでございまして、要は今、東京都のダイバーシティーという柱の中の政策目標のトップにライフワークバランス政策の実現というのを掲げて、しっかりやっていくんだという、そのような決意とも受け取らせていただきました。
そこで、ライフワークバランスを実現するということは、そもそも働き方そのものを変えていくという必要があるということにつながることだと思います。そのためには、企業の皆さんの意識、働く方々の意識、働く環境、社会の仕組みを変えていく必要があると思います。
まさに社会的なムーブメントをつくっていかなくてはいけないのではないか、そういうことだろうと思うのですが、このような大きな大きなテーマに対して、東京都は、一体どのような役割を果たすべきと認識し、何をしていこうとされているのか伺います。
○小金井雇用就業部長 働き方改革を社会全体に広げるためには、官民が連携してムーブメントを起こしていく必要があり、都は、その牽引役となることが求められております。そこで、都は、経営者団体や労働団体、さらには国とも連携しながら、先頭に立って働き方改革に関する取り組みを推進しております。
企業における働き方改革の推進には、企業の取り組みに対して支援することも重要でございますが、まずは経営者の意識を変えていくことが必要であることから、その意義やメリットなどをわかりやすく紹介しております。
昨年度は、知事みずからが経営者に向けて働き方改革を促すメッセージを新聞、ビジネス雑誌などにより、効果的に発信したところでございます。
○両角委員 大きな社会ムーブメントを起こしていくための牽引役となるというのが東京都の役割であり、具体的には企業の皆さんの意識も変えるというために普及啓発をすると、あるいは具体的な支援もすると、そういった役割であるというふうに理解をさせていただきました。
それでは、具体的に東京都の役割、そして認識を伺った上で、具体的な事業として、平成二十八年度にまさに働き方改革推進事業、これがスタートしたわけでございますが、この事業の趣旨と事業の内容、実績についてお伺いします。
○小金井雇用就業部長 働き方改革推進事業は、働き方改革の実現に向けて普及啓発を図るとともに、企業の取り組みを後押しすることを目的としております。
具体的には、改革の機運を醸成するための働き方改革推進キャンペーンにおいて、若者にも知名度のあるタレントを起用したメッセージ動画を作成し、JR八路線でのトレインチャンネル放映やラジオ七局におけるCM放送など、多様な媒体を活用して、広く発信いたしました。
また、企業の取り組みを後押しする働き方改革宣言企業制度では、長時間労働の削減や有給休暇の取得促進など、働き方、休み方の見直しにみずから取り組む企業を支援しているところでございます。
宣言に向けては、従業員の勤務実態を把握した上で、原因や課題の分析、二、三年後の目標と取り組み内容の設定に加え、それらを社内に周知することを要件としており、企業にとっては時間と人手を要するものであることから、中小企業でもちゅうちょなく取り組めるよう奨励金により後押ししているところでございます。
○両角委員 二十八年度スタートした事業は多岐にわたっておりますが、啓発のためのCM広告なんかも打っているということでありますが、コアとなるのが働き方改革宣言企業制度ということだろうと思います。
委員の皆様にはペーパーでこのパネルと同じものを渡させていただいて、こちらは産労局さんの方でつくっているものですから、見なくてもよくわかっているというものだと思いますが、この宣言企業制度そのものは、東京には今、約四十五万社の企業があり、九九%がそのうち中小企業ということでありますが、その働き方改革、なかなか進まないということに対して、東京都がこれは補助金を打って、実際に具体的なアクションを促すという、そんな制度でございます。
左側の上のこのボックスにあるのは、まず働き方改革宣言奨励金、これは申し込みの申請がございまして、A4用紙、二枚ぐらい記入をするわけですが、今のみずからの企業の問題点や原因は何だろうと、こういうふうにしていきたいなと、そのようなことを記入して、申請をする。そして、その申請がほぼ受け付けられると、九十何%は通っているようでありますが、これは最大三十万円のお金がいただけますよと。
その上で今度は右側の点々々の中でありますけれど、今まで自分の会社の問題点等を分析、抽出したペーパーを出した上で、では具体的にこれからフレックスタイムを我が社は入れましょうとか、そういうことを実際に制度として整備をする。具体的には、就業規則を改定する等をすれば、最大また三十万円がいただけると。両方合わせて六十万円でございます。
今度は下です。緑の部分の一番左側です。これは働き方改革助成金というのが点々々、最大四十万円というふうに出ておりますが、その就業規則等を変えた上で、実際にフレックス制度を活用するとか、あるいは長期休暇を活用するという社員さんがいらっしゃって、実際の制度活用ができれば、その実績に応じて最大四十万円が出る、具体的に都合百万円が補助金として支給をされる。それでインセンティブを与えることによって、企業の働き方改革を進めていこうと。これは事業の規模としては、五カ年で五千社、毎年度一千社、五十億円の補助金を打つ事業であります。
そういった事業なわけでありますが、そこでまず伺いたいのですが、働き方改革宣言企業の数、平成二十八年度ですね、あと奨励金を活用した企業の規模別の実績を伺いたいと思います。
○小金井雇用就業部長 昨年度における働き方改革宣言企業数でございますが、千三社ということになっております。
そのうち奨励金を活用した企業は九百六十五社で、企業規模別の内訳は、常用雇用労働者数五人以下の企業が二百八十四社、六人から三十人の企業が四百八十一社、三十一人から三百人の企業が百八十五社、三百一人以上の企業が十五社でございました。
昨年度は、小規模零細企業から大企業まで、幅広い企業が本事業を通じて自社の働き方改革に取り組んでいただいたところでございます。
○両角委員 まず、平成二十八年度の実績で見ますと、人気があるわけです、人気があると。ウエブで申し込んで、例えば百社の枠に二百社来ると、百社は一回ご遠慮願うという、そんな仕組みになっておりますので、大変人気があって、九百六十五社、宣言自体は千三社、奨励金を受けているのが九百六十五社ということでありますから、これは受け手から見ると大変いい事業であると、お金をいただけますから。
今お話をいただいた中では、この事業自体は二人の企業から奨励金を受けることができます。三十人以下の企業規模で奨励金をいただいている企業全体の七、八〇%を占めているというのが今のお話、ご回答でわかったわけであります。五人以下の企業で見ると約二五%。二人の企業で奨励金をもらっているのは延べ六十七社ぐらいあるということが、まずそういうことであるということを理解させていただきます。
これは二十八年度からスタートして、これから働き方改革を進める東京都の事業の中核事業として動いていくわけでありますが、五カ年で五千社、総予算規模が五十億円、これを申請されたり、あるいは取り組みをした企業に交付するという事業ということは、先ほどお話をしました。
例えば五千社が全てこれに対応したということで考えましても、都内企業、約四十五万社中の一%に奨励金が交付されるだけであるという形になるわけでありまして、そういうことを考えると、参加企業に総額五十億円近くを分配するというコストと、一方で、そのことによって働き方改革の機運がどこまで広がるのかという効果を比較考量して、まさに本当に真にワイズスペンディングな支出となっているかどうかをしっかりと評価すべきではないか、そこは重要なポイントではないかと思いますが、ご見解を伺います。
○小金井雇用就業部長 本制度の狙いでございますけれども、単に五千社が働き方改革に取り組むことを支援するにとどまらず、生産性の向上や人材確保などのそこで得られた好事例を広く発信することで、改革の輪が社会全体に広がっていくことを期待するものでございます。
そのためには、子会社や関連企業を多く抱える大企業はもとより、都内企業の九九%を占める中小企業においても取り組みが進むよう後押しをすることが必要でございます。
昨年度、奨励金を活用した企業の約八割は、常用雇用労働者数三十人以下の企業でございまして、小規模企業も含め、働き方改革の裾野を広げる効果があったと考えております。
また、若干ちょっと補足をさせていただきますけれども、先ほど委員の方から二人の企業も六十七社程度もらっているということでございます。この制度整備、右側の最大三十万ということでございますけれども、実際に交付金をもらう場合は、本来十人未満の企業には届け出の義務がない就業規則を、いわゆる取り締まり権限を有する労働基準監督署に届け出るということで、かなり小規模企業にとってはハードルが高い事業になってございまして、またいわゆる同居の親族のみでやっているような企業、いわゆる雇用保険の一般被保険者であることを要件としていることから、その従業員が雇用保険の対象とならないような同居の親族のみで構成される場合は対象とならないということをちょっと補完させていただきたいと思います。
○両角委員 私の知り合いにこういうのがありますよと宣伝しておきました。大変やってみたいなという声が多いわけでありますが、今るるご説明いただきましたが、この事業そのものはまだこれから五年続いていく五年スパンのものでありますから、途中の年度にもしっかり検証をして、実際に取り組みによって、どれだけ効果があるのかとか、そういった面をフィードバックしていくべきと思いますが、この事業効果の担保について伺います。
○小金井雇用就業部長 本制度では、専用のポータルサイトにより、広く外部にも宣言内容を公表するなど、取り組みの実効性を高める仕組みになっております。また、宣言後、社会保険労務士などの専門家が全社を訪問し、取り組み状況の確認や今後の進め方について助言を行い、その結果を報告することになっております。
さらに、従業員の働き方の改善だけでなく生産性の向上を図る企業には、経営コンサルタントを派遣し、業務改善やIT導入など、具体的な提案を行う仕組みも用意しております。
こうした取り組みにより、企業ニーズや課題を把握しながら、働き方改革が進むよう支援を行ってまいります。
○両角委員 もちろん効果もあると思いますし、特になかなか取り組みができない中小零細企業にインセンティブを与えるということは重要だと思います。
ただ、多分四十七都道府県でこれだけのことができるのは東京都ぐらいしかないのではないか。やっぱり財政的体力があるからであります。そういった意味で、先ほど評価をすべきとか、事業の検証というお話もさせていただきましたが、こういうものを進めるに当たって、方向性として、もう一個やり方があるのではないか。
要は奨励金を出すというやり方に対して、認証制度をつくっていくというやり方もあるのではないかと思います。ISOとか、そういった認証制度と同じで、働き方改革の一定のこういった今奨励金を出すことによってやっていただくことを、簡易な認証によってやっていただく。それは認証のシステムを整えたり、それを回していくお金はかかります。
しかし、簡易認証をとっていただいた企業は、例えば公共調達、東京都の調達に優先的に入れる、あるいはポイントが加算されるとか、そういった別の、奨励金タイプでないやり方ということもちょっと長いスパンでは考えていただきたい、このように思います。
最後に、テレワーク、サテライトオフィスについて伺います。
テレワーク並びにサテライトオフィスに関するこれまでの都の取り組みと、平成二十八年度の実績と事業効果を伺います。
○小金井雇用就業部長 都は、昨年度、誰もが活躍できる職場環境を整備するための助成金制度を創設しました。本助成金は、女性用トイレやロッカー整備など、女性の職域拡大等に加え、企業のテレワーク導入など、多様な勤務形態の実現の二つのメニューを対象としており、予算規模は両方合わせて百社でございます。
このうちテレワークに係る支援につきましては、モバイル端末の整備やシステム構築などの導入費用を対象に、昨年度十九社に対して交付決定を行いました。
なお、サテライトオフィスにつきましては、今年度から新たにモデル企業を公募の上、在宅勤務、モバイルワーク、サテライトオフィスなど、テレワークの導入や活用を支援する実証事業を開始したところでございます。
○両角委員 これから働き方の改革を進める上での一つの有効な手段として、テレワークとか、サテライトオフィスというのがあると思います。今、例えば電鉄系の会社が共同サテライトオフィスというのを郊外に設けたりして、加盟している企業の社員さんがわざわざ本社に行かなくても、サテライトオフィスで仕事ができるというような状況がだんだん生まれつつあります。
多分育児休業明けのお母さんとか、通勤距離が長い方には非常に有効ではないかということで、特に郊外部、私の地元である八王子とか、多摩ニュータウンの南大沢にこういう共同サテライトオフィスが幾つもあれば、それが利用できる環境が整えば、働き方は、随分楽になるのではないかと常々思っているわけでございます。
しかしながら、民が進める事業であっても、その導入にインセンティブを与えて、後押しをしていただく、そういうことがないと、なかなかそういった八王子エリアとかに共同サテライトオフィスも進出をしてもらえないのだろうというふうに思っていまして、今、予算要求がほとんど出そろうのでしょうか、これからですね。
ぜひこれからの事業の中で共同サテライトオフィスを多摩エリアに設置が促進されるような取り組みを--東京都、今、ライフワークバランス施策というのは大変重要な柱である。だから、予算もかなりつくんだと思うんです。
そういった意味では、共同サテライトオフィスの設置促進ができるような新しい芽出しの事業を、平成三十年度事業でできればいいなと個人的には強く思っております。そのような取り組みを切に要望しまして、私の質問を終わります。
○高橋委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後二時五十三分休憩
午後三時九分開議
○高橋委員長 休憩前に引き続き分科会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○遠藤委員 私からは、産業労働局所管の平成二十八年度一般会計決算のうち、女性の起業、創業支援、これが一つ、そしてこれは、私自身がかつて行いました質問に対するアフターフォローの意味もありますけれども、二点目として、中小企業の情報の利用ですとか管理、そして三点目に同じく中小企業の従業員等の健康支援、健康対策、この三点について質問をさせていただきたい、このように思ってございます。
まず、女性の起業、創業支援についてであります。
いうまでもなく、長時間労働の是正、さらには我が国で年々深刻になってきております少子高齢化による人手不足の深刻化などなど対応するために、男女の区別なく起業、または創業を支援、促進していくことというのは、東京の産業の活性化並びに活力ある東京を実現していくために必要不可欠であると、このように思ってございます。
都内の開業率は、昨年まで六%まで上昇したということでありますけれども、二〇二四年、ここを目標に向けて、それを一〇%、ですからこれから約四%上げていかなければいけない、そういった意味ではまだまだ道半ば、道のりは遠いわけであるわけであります。
こうした中、女性による起業、創業は、この六%のうち全体の二、三割程度ということであります。女性の起業とか、創業というのは、国のデータによっても、例えば男女合わせた起業家全体に占める女性の割合というのは、手元にある資料で三十年前ぐらいからのデータがあるんですけれども、三十年前、失礼、三十五年前ですね、この統計が二〇一二年のものでありますので、二〇一二年からさかのぼって三十年前ということで、一九八二年でありますけれども、その当時、起業家に占める女性の割合は四二%、いいかえると男性は五八%、二十五年前はどうかというと、女性は三九%、男性は六一%、二十年前、女性三九・八%、十五年前、四〇・四%、十年前、三四・三%、そして二〇〇七年ですね。
このような形で、およそ三十年前ぐらいは女性が四二%、男性が五八%に対して、近年、五年前でありますけれども、女性は三割、男性は七割ということで、一〇%、これは東京だけではないのですが、全体の数字でありますけれども、一〇%も起業家に占める女性の割合が減ってきたという事実であります。
一方、起業を希望する割合というのは、ほぼこの三十年から三十五年は一定で、おおむね三割程度ということであります。いかに女性が実際に希望していても、起業したという割合がどんどん下がっているというのが、国を通じて、こういう数値があります。
こうした中、都内では女性の起業というのは着実に増加しているということであります。この動きをさらに加速させ、開業率の向上を図るとともに、多様な生き方、また働き方の実現に結びつけていくべきであると、このように思ってございます。
一方で、女性の起業、または創業というのは、子育てや介護等の生活に根差した分野ですとか、さらに女性特有の感性等々生かした趣味ですとか、特技を生かした分野など、小規模なものが多いというところが特徴、それは男性とはいささか異なる点だと、このように思ってございます。
しかし、規模の大小にかかわりなく、事業を起こす、事を起こすというのは、小規模だからといって、会社の立ち上げや、またはビジネスが軌道に乗るまでの難しさにはこれは変わらないと、このように思うわけであります。
女性の起業家を後押ししていくために、こうした小規模な起業こそ、しっかりと幅広く支援し、かつ丁寧に支援をしていくことが重要なのであろうと、このように思ってございます。
先ほどの両角議員の質疑を聞いていましても、中小、もっといえば零細、こういう方々、またはそういう人たちにどう光を当てていくかというのが極めて重要だと、こういうやりとりであったと思います。
そこで、昨年度のこうした取り組みの実績についてお伺いをしたいと、このように思います。
○坂本商工部長 都は、二十九年一月に丸の内に開設をいたしましたTOKYO創業ステーションにおきまして、女性による小さな規模の起業をきめ細かくサポートできる仕組みを整えたところでございます。
同施設におきましては、昼間に仕事を持つ女性も創業の知識を学び、幅広い人的なネットワークをつくることができるよう、夜間や休日にも先輩の起業家によるセミナーを受講し、交流イベントに参加できる体制といたしました。
また、女性が自分の趣味や経験を生かし、独自のビジネスのアイデアを考え出すプログラムでございます女性プチ起業スクエアを設けているところでございます。
昨年度は、施設開設後に十九名がそれぞれ三日間の講習などを受けたほか、この修了者を含め、起業に意欲を持つ女性を対象といたしまして、個々人の状況に応じた事業計画の作成のサポートも行ったところでございます。
さらに、育児をしながら起業を準備する場合、施設内に用意をした無料の託児室の利用を可能としております。こうした中で、同施設では、昨年度の利用登録三千二百十八人のうち、女性は一千三十三名、このようになっているところでございます。
○遠藤委員 先ほどのデータ、私は起業家に占める女性の割合ということで、現在、三十年前ということでいいましたけれども、改めて訂正でございます。一九八二年なので、今から三十五年前、そしてそれから三十年間のトレンドということで修正を、訂正をさせていただきたいと思います。
わかりました。その上で、私の地元は大田区、中小企業のまちでありますけれども、地元でお会いする女性の経営者、または起業を希望している、こういう方々とさまざま意見交換する機会があると、やはり東京都が主催したり、また国が主催したり、民間が主催したり、さまざまなこうした起業希望者向けのセミナーとか、スクール、ゼミ等々を受講すると非常に勉強になった、意欲が湧いてきたとその場では思うんですけれども、その場限りになって、なかなかこの決意というか、思いが長く続かない。そして、実際に起業、創業にこぎつくのは非常に実はなかなか難しいですと、こういうお声をよく聞きます。
女性の場合、会社勤めの経験が時間的に短いですとか、または出産、育児等のライフイベント等々があって、そうした中、開業準備をしなければいけないという、男性にはないさまざまな課題や困難があると、こういう場合も多いんだと思います。
起業、創業の基礎知識の習得に始まって、そしてその後に実際の起業に至るまで、切れ目なくワンストップで支援し、確実に起業という果実、これにつなげていくサポートが重要なのであろうと、このように思います。
やはりこれも国のデータですけれども、圧倒的に女性の働き方、これは既婚の女性の方でありますけれども、既婚女性の望む働き方ということでアンケート調査、母数は八百三十でありますけれども、その半数、約五〇・四%は自分で仕事を調整できる個人事業主、これを希望されているということであります、五〇・四%。
その次が一六・五%で、パートタイムで働くアルバイト一六・五%、そしてフルタイムで働く正社員は一一・六%等々と続いておりまして、圧倒的に自分で仕事の時間、またはタイミング等々調整できる個人事業主を希望されているというのが国のデータであります、既婚の女性の方であります。
そういったわけで、こうした層に向け、先ほどの答弁の補足にもなるかと思いますけれども、確実に決意、思いから起業につなげていくサポート、ここをどんな視点で工夫をされてきたのか、これについて答弁をいただきたいと、このように思います。
○坂本商工部長 先ほどの答弁で触れさせていただきましたTOKYO創業ステーションでございますが、こちらでは創業のアイデアを具体化した上で、経営のノウハウを学び、起業の計画をつくり、事業を開始できるよう段階に応じた継続的なサポートを行う仕組みとしております。
具体的には、独自のビジネスの方法をつくり上げるため、女性プチ起業スクエア、こちらを修了した後、TOKYO起業塾で経営の知識を体系的に順序立てて学ぶとともに、女性同士が交流をしながら、起業のプランを作成する女性起業ゼミに参加もできる工夫を行ってございます。同ゼミでは、少人数で行っておりまして、二十八年度の二カ月の間ではございましたが、五名がプログラムを修了したところでございます。
このほかに、ビジネスプランを担任の専門家とともにつくり上げるプランコンサルティングの利用者は、女性では二百二十三名となってございます。
TOKYO創業ステーションでは、事業の着手に当たり、必要な資金を確保できるよう、融資相談のコーナーを設けておりまして、昨年度は女性では八件の対応実績が出ているところでございます。これに加えまして、都の女性・若者・シニア創業サポート事業におきましては、女性の起業家等に対し百九十二件の融資を行ってございます。
○遠藤委員 先ほど指摘したとおり、決意、思いから、実際に起業するまで非常にきめ細かくサービスを提供しているなという、そういう感触を受けました。ただ、拠点、千代田区、丸の内、東京駅の目の前というか、国道一号線にある施設ですけれども、なかなかその存在自体が知られていないという面もあろうかと思います。
すばらしい取り組みをしておりますので、ぜひ効果的な情報発信をして、都民の皆さん、特にまた女性の皆さんがこういうサービスが受けられるような、そういうこの施設そのもの自体、TOKYO創業ステーションの施設サービスそのもの自体のキャンペーンをより幅広くしていっていただきたいと、このように思います。
ところで、こうした女性の皆さんが起業、創業するに当たっては、最近、女性を対象にした創業支援施設、TOKYO創業ステーションもその大拠点だと思いますけれども、こうしたところが都内にふえてきております。
大田区にもこうした施設がありまして、決して大田区内の施設は女性専門ということではありません。男性の方ももちろん結構なんですけれども、女性の皆さんを主に対象とした施設がございます。
女性向けに個室のブースを設けていたり、共同の事務スペースなどの施設が設置されておりまして、お互いそこでいろんなコミュニケーションをとったり、また専門家による指導助言、経営相談、またはトータルでそれぞれの方々が個別のブースにおりますので、秘書的な、事務的な担当のセクションもあったりして、私も何度か訪れておりますけれども、極めて有効なこういう施設がございます。
今後、女性起業家、創業家を育む環境のさらなる充実を図るためには、その思いを持っているこうした起業志向、希望する方々を支援するいわゆるインキュベーターという方々の存在もまた、重要なのだろうと思います。
ただし、個々のインキュベーターが女性起業家に提供できる内容というのは、どうしても偏りがあり、また専門、非専門等々あるのだと思います。先ほどいいましたけれども、いろいろとインキュベーターの方々と私も話す機会がありますけれども、そういう拠点いろいろあるけれども、思った以上にコミュニケーションがなかなか実際には進まないのよねという、そういう苦労のお話もお聞きしております。
そこで、こうした施設を運営する事業者と例えば投資家、さらに取引先などを紹介する事業者がお互いコラボしていけば、こうした施設に入っている起業希望者の女性にとって、チャンスはさらに拡大をしていくものと、このように大いに推察をされるわけであります。
都は、こうしたさまざまな強みや特徴を持つインキュベーターの個々人がそれぞれ連携して、女性起業家などを支援する取り組みをこれまで以上にサポートすべきと思いますけれども、平成二十八年度の取り組み実績等についてお伺いしたいと思います。
○坂本商工部長 都では、創業を支援するさまざまな主体がそれぞれの強みを生かしながら連携して、起業家をサポートする取り組みにつきまして、三年間にわたり継続して助成を行っております。
女性の起業家の事業拡大などを後押しするため、経営のスキルアップをサポートする会社が、託児室のある民間のインキュベーション施設と連携するプロジェクトに対しまして、二十七年度に引き続きまして、昨年度も事業経費の三分の二を、二千万円を上限として助成を行いました。
二十八年度に新しく採択した案件でございますが、東京のものづくりの活性化に向け、インキュベーション施設の運営者がマーケティングの専門家と協力いたしまして、すぐれたデザインの製品を開発する起業家向けのセミナーや相談会などを行う取り組みに約八百万円の補助を行っております。
また、創業支援などを専門とする事業者が投資会社と協力をして、起業家と大企業の連携のきっかけなどを後押しするプロジェクトに対しまして、約八百万円の助成も行っております。
こうしたサポートによりまして、起業家に良質なサービスを連携して提供する仕組みづくりを進めたところでございます。
○遠藤委員 女性の創業支援については、これにて終わりますけれども、いずれにしても繰り返しになるようでありますけれども、起業を希望している個々人の女性に対するアナウンス、そしてそうした方々を支えるインキュベーターに対する情報提供、双方になると思います。そして、そこをしっかり連携させていくということで、東京というか、今、本当に圧倒的な情報社会ですので、必要な情報が必要なもとに届かないという、こういう実態もあります。
今、確認をさせていただきました平成二十八年度を中心にすぐれた起業支援、創業支援、女性に対するものを行っておりますので、情報発信の強化をしっかり図っていただきたいと、これを改めて求めておきたいと思います。
次いで、これは私自身のアフターフォローアップの質問であります。
まず、中小企業を対象としたマイナンバー制度、ここへの対応でございます。
ご案内のとおり、平成二十八年一月からマイナンバーの使用が開始され、中小企業においても従業員等の所得税の源泉徴収の業務等で個人番号などが利用されているわけであります。
他方、同時に取得した番号情報の取り扱いは、法令で厳格に規定され、それぞれの会社はしっかりとした情報管理が求められているわけであります。
事前に業務内容の見直しなど、円滑な対応に向けた準備が完了した企業、マイナンバー制度に対する対応でありますけれども、企業は一割に満たない状況であると、こういう結果も報告をされております。
都内の中小、または零細企業においては、引き続き税や社会保障など、各分野において、適切な事務と情報管理が行えるよう、社内の体制をより以上、しっかりと強化していく、これが求められているのだと思います。
このマイナンバー制度への円滑な対応については、平成二十七年の三定の本会議において、私は、特に中小企業に対する産業労働局、都としてのしっかりとした事前の支援、これを求めたところであります。
平成二十八年度、こうした指摘に対しどう産業労働局として対応してきたのか、その取り組みについて伺いたいと、このように思います。
○坂本商工部長 中小企業が社内の社会保険や税金を納付する業務におきまして、社員のマイナンバーの取り扱いや管理を適切に行うことのできるよう、都では、制度の運用の始まる二十八年一月に先立ち、さまざまな相談対応や専門家によるアドバイスを実施いたしました。二十八年度は、中小企業振興公社の総合相談の中で、マイナンバーに関する課題の解決に向けた十一の案件に対応を図っております。
また、都と商工会議所などが連携いたしまして、小規模企業などを対象にマイナンバーの制度や管理の方法等をテーマとしたセミナーを十九回開催いたしまして、四百九十名が受講したところでございます。
○遠藤委員 相談窓口やら、セミナーやら等々で、一定の都としての役割を果たしてこられたのだと、このように思います。引き続きまだまだマイナンバーの取り組みについては、先ほど来繰り返しになりますけれども、中小、零細企業等々の取り組みというのは、裾野を広げていかなければならないのだと思います。
今、答弁を聞いたところ、答弁では、相談ですとか、またはセミナー等々の参加者、これは多いと評価するのか、少ないと評価するのか、またそれがいいのか悪いのか、評価はまだできませんけれども、基本的にはこうしたマイナンバーに対するさまざまな疑問、質問、相談等々は、地元の基礎的自治体の方に行かれて、東京都になると、さらに重いというか複雑というか、こういったところに来ているのだろうと思います。
そういった意味では、都は、よく基礎的自治体の関係者等とも連携を密にとって、こうした普及対策を進めていってもらいたい、このように願っております。
マイナンバーに関する情報のみならず、最近ではサイバー攻撃により、企業の保有するさまざまな情報が流出するリスクがあるわけであります。または実際にそうしたことも行われているわけでございます。
こうした危険性は、二〇二〇年、東京オリンピック・パラリンピックの開催を控えて、ますます高度化、または多様化され、一部報道では、東京が二〇二〇年でターゲットにされているというようなこともいわれております。これは官民問わずだと思います。
そういった中ではセキュリティー対策の強化は喫緊の目前の重要課題であると、このように思います。これへの対処に当たっては、犯罪の未然防止という観点から、警察、警視庁等とも、連携協力して対応していくことが必要不可欠なのであろうと、このように思います。
そこで、昨年度、平成二十八年度、こうした取り組みをどう進めてこられたのか答弁を求めたいと、このように思います。
○坂本商工部長 都では、マイナンバーを含めた情報のセキュリティーの強化に向けまして、警視庁や商工業のさまざまな団体等と連携いたしまして、二十八年四月に東京中小企業サイバーセキュリティ支援ネットワークを設立いたしました。このネットワークが都庁内に専門の窓口をつくりまして、七十件の相談に対応をしたところでございます。
また、こちらの同ネットワークにおきましては、小規模なセミナーの開催や業界の研修等の場での説明などを行いまして、年間で二千六百二十一名に情報管理の知識の提供をきめ細かく行ったところでございます。
○遠藤委員 それでは、最後であります。ストレスチェック、この制度についてお聞きしたいと思います。
国は、従業員のメンタルヘルスの不調を防ぐことを目的として、平成二十七年十二月からストレスチェック制度という新たな制度をスタートしたわけであります。背景は、いうまでもなく、長時間労働や仕事のストレスが原因で精神疾患、これを発症したり、またはそれが講じて過労死、過労自殺に至るケース等々も後を絶たないわけであります。
働く方の心の健康、これは体の健康の維持と同時に極めて重要な課題、日本社会の、そして東京都の課題であると、このように思ってございます。
厚生労働省が公表しました平成二十八年度の過労死等の労災補償状況によると、心の病による労災認定が過去最多を更新したという、こういう具体のデータも出ているわけであります。
ところで、この制度開始から一年半が経過をしましたことしの夏、七月に、国はその実施状況を初めて公に公表したわけであります。六月末時点の実施率、ストレスチェックの実施率は、全体で約八三%、このうち従業員千人以上の大規模事業所は、ほぼ一〇〇%であるのに対し、五十人から九十九人の事業所は約七九%でありまして、従業員数に応じて開きがあるわけであります。
このストレスチェック制度は、従業員五十人以上の事業所には、これは義務が課せられ実施、五十人以下の従業員を擁する事業所には努力義務ということでありますので、千人規模の事業所が一〇〇%、そして五十人から九十九人が七九%ということで、かなり高いのですけれども、問題は、私の関心、こうした層ももちろん大事なんですけれども、五十人未満の従業員を擁する、抱えておられるところに今後どう取り組みの裾野を拡大していくのかということが重要なのであろうと、こういう問題意識を持っております。
このストレスチェックの結果を最終的には職場環境の改善に生かさなければいけないわけでありますけれども、その結果を部署ごとにフィードバックして、フィードバックというか、まず集計して、分析している企業は、事業所は全体の七八%にとどまっているということでありました。これについても先ほどと同じとおり、マイナンバー制度への対応ということで、あわせて私は同じときにストレスチェック制度に関する問題を取り上げまして、中小企業への効果的な情報提供を求めてきました。
この制度の実施率を高めて、実効性のある取り組みとするために、企業に対して継続的な普及啓発を図り、そして実施を促していくべきであると考えますけれども、平成二十八年度の都の取り組み、またそこで見られた実績等々、答弁を求めたいと、このように思います。
○蓮沼事業推進担当部長 ストレスチェック制度の円滑な実施に向けて、都は、昨年度、働く人の心の健康づくり講座、メンタルヘルス推進リーダー養成講座など、企業の管理監督者や人事担当者向けのセミナーを計十六回開催しております。
セミナーでは、産業医、産業カウンセラーや弁護士などの専門家がストレスチェックの制度の必要性とともに、具体的な対応方法や職場環境改善への活用ノウハウを提供するなど、企業における取り組みを促しました。
また、十一月にはメンタルヘルスシンポジウムを開催し、四百十三人が参加いたしました。シンポジウムでは、学識経験者による講演に加え、ストレスチェックを活用して、業務の見直しや従業員の意欲向上などの改善につなげた企業の取り組み事例なども広く紹介しております。
さらに労使双方に向けたリーフレットを四万六千部作成し、経済団体や労働団体を初め、五十人未満の小規模事業者を多く含む業界団体などにも広く配布したほか、ウエブサイトを通して制度の実施を促す普及啓発や情報発信も継続的に行っております。
○遠藤委員 五十人未満の小規模事業者を含む業界団体などにも広く普及していると、こういう答弁でありました。都内の事業所のうち、五十人未満の従業員というのは九割を超えているわけであります。
今、答弁のありましたさまざまな公開講座等々も、主にかなり大規模な従業員を抱える企業等々がメーンになっているのだろうと思いますので、しっかりと中小企業、また零細企業向けにも目を配り、心を配り、ストレスチェック制度の充実した運営に向けて取り組んでいただきたい、このことを要望しまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○柴崎委員 私の方からは平成二十八年度産業労働局関連の決算につきまして、東京の経済の活性化という産業振興の観点から確認をさせていただきます。
平成二十八年度の我が国の経済は、アベノミクスの取り組みのもと、雇用、所得環境が改善をし、緩やかな回復基調が続いたわけであります。
東京は、GDPの約二割を占めております。我が国産業の中心であるわけでございまして、都内GDP百二十兆円を実現し、そして我が国経済を力強く牽引していくためには、産業の基盤である東京の中小企業や、またそこで働く人々が成長、発展していくことが重要だと認識をしております。このためには、都が中小企業の稼ぐ力の向上や起業、創業、さらには人材の確保や観光振興、都市農業の振興など、こうした施策を総合的に展開していくことが不可欠であります。
こうした視点から、平成二十八年度の産業労働局の決算における中小企業対策、観光振興、都市農業振興などについて何点か確認をさせていただきたいと思います。
まず初めに、中小企業活力向上プロジェクトについてお伺いをしたいと思います。
我が国の景気は、先ほど申し上げましたように緩やかな回復傾向にあります。こうした中で、大企業などでは経常利益が過去最高を更新している、こんな状況にあるわけですが、一方では、依然として、景気回復の実感が見られないという中小企業が都内には数多くあるわけでございます。
東京の産業力を高め、そして二〇二〇年以降も持続的な発展を進めていくには、都内経済を支える中小企業一社一社の稼ぐ力、これを高めていくことが不可欠であると我々は考えております。
そのためには、中小企業の個々の実情に応じて、経営課題を具体的に解決をしていくことが重要だと思います。都は、中小企業の経営課題の解決に向けて、きめ細かい支援を行う中小企業活力向上プロジェクト、これを平成二十八年度から実施をしているわけであります。特に外部の専門家の目線で自社の課題を浮き彫りにしていくという経営診断、こうしたものを通じて経営者に気づきの機会を提供することは極めて重要だと思います。
そこで、お伺いします。
都が実施をしている本プロジェクトの昨年度の取り組み状況についてお聞きいたします。
○坂本商工部長 都は、中小企業の経営力の向上を後押しするため、中小企業活力向上プロジェクトによりまして、専門家を活用した経営診断や助言を行うことで、企業が抱える課題の解決を支援しているところでございます。
本事業におきましては、中小企業が商工会議所などを通じて利用の申し込みを行う仕組みとしてございまして、二十八年度には目標の一千社を上回る一千三百七十八社に対しまして、中小企業診断士を派遣し、経営診断を行ったところでございます。
その後に専門家とともに直面する課題の解決を図るため、販路開拓など、短期間での速やかな対応を進めた事例は二百二十七社となってございます。
また、将来の成長に向けて、中長期の計画をつくり、設備投資などの取り組みを行った案件は百七十一社となるなど、中小企業の状況に応じた適切なサポートの実績を上げているところでございます。
昨年度の支援の具体的な成果事例といたしましては、商品の販売の対象を消費者だけではなく、企業にも広げるとともに、大量の生産を効率的に行う工場を見つけることに成功した会社や、製品のブランディングに取り組んで、販路の拡大を実現した企業などが出ているところでございます。
○柴崎委員 今ご答弁いただきましたけれども、これから人口減少社会を迎えるわけでありまして、中小企業は人手不足への対応、それから生産性のさらなる向上など、困難な課題の克服が求められるわけであります。
経営課題に対する気づきから、その解決のため、取り組みに至るまで、引き続き質、量の両面から支援の充実をしていただきたい。同時に、成果事例の発信だとか、普及やさまざまな専門家の活用をより一層推進していただきたい、このように要望しておきます。
続きまして、創業支援についてお伺いいたします。
都内産業の持続的成長を実現するためには、新しい製品ですとか、サービスや雇用の創出につながる創業をふやすことがやはり不可欠だと思います。二〇一六年度の都内開業率は六%に上昇したものの、米国、英国並みの一〇%の水準には依然及ばない状況であります。都は、廉価なオフィスの提供などに加えて、近年では起業希望者同士の交流の場づくり、あるいは創業期の経費助成なども取り組んでおります。
しかしながら、都が運営するインキュベーション、この施設は重要な取り組みでありますが、一部の施設でかなり老朽化しておりまして、今後、入居者の確保が課題となると考えられます。また、一方では、民間で独自のノウハウを有するインキュベーター、これも徐々にふえているのが現状であります。
こうした中、都内開業率一〇%、この実現に向けて、支援の内容については、創業者をめぐる環境の変化や支援メニューの利用ニーズの動向、これらを見きわめながらレベルアップすることが必要だと思います。
こうした点を踏まえて、都の二十八年度の創業支援の取り組み実績についてお伺いいたします。
○坂本商工部長 都は、これまで創業して間もない企業などに対し低廉な家賃でオフィスを提供しながら、経営面からのサポートも行う七つのインキュベーション施設を運営いたしまして、昨年度末の時点では七十の事業者が入居をしているところでございます。
最近では、民間によるインキュベーション施設の提供も進んでおりまして、入居スペースの中に工作機械などを備えて、ものづくりの創業を支援するすぐれた環境を整えている場合などもございます。
こうした取り組み等をサポートするため、都では、民間による施設整備には五千万円、その運営経費には年間二千万円をそれぞれ上限といたしまして、三分の二の補助率で助成を行っておりまして、二十八年度には新しく九つの案件の採択を行ったところでございます。
また、起業した会社の初期の資金負担を減らすため、創業から五年未満の会社につきましては、二年間にわたって人件費や賃料を対象に補助を行う制度を使いまして、二十八年度は二百三十件の申請のうちから百件のサポートを行うというような対応をいたしました。
さらに、創業に関する相談体制の充実を図るため、二十九年一月には丸の内にTOKYO創業ステーションを開設いたしました。年度末までの約二カ月の間で利用者の登録は三千二百十八名となりまして、一千十四件の具体的な相談業務を行ったところでございます。
○柴崎委員 創業希望者の動向及び行政が支援すべき分野、これを的確に見きわめて、一層の支援を充実させていただくことを要望いたします。
続きまして、創業のみならず、やはり事業承継、これも非常に重要なので、お伺いしたいと思います。
我が国の産業の成長を支えてきている中小企業経営者の多くが二〇二〇年ころ大量の引退期を迎えることが見込まれております。そして、多くの会社では、後継者が未定といった状況なわけであります。したがって、中小企業のすぐれた技術、あるいはノウハウを次代に継いでいく事業承継の円滑化は、都内産業の持続的発展のためには、待ったなしの重要な課題だと認識しております。
承継を進めるためには、経営者が事業承継の重要性を認識して、早い段階から計画的に準備し、そして始めることが何よりも重要だと思います。また、後継者の選定や育成など人づくりの取り組みだけでなくて、承継後も安定した事業運営が継続できるよう、経営の足腰を強化する、こうしたことも総合的な取り組みが不可欠なわけであります。
都では、平成二十八年度からセミナー、そしてまた事業承継等の支援に加えて、新たに企業巡回を実施したり、中小企業への働きかけを強化したほか、事業承継に向けた諸課題の解決にいろんなサポートの取り組みを充実させてまいりました。
こうした中で事業承継、再生支援、これにつきまして平成二十八年度の取り組み状況についてお聞きしたいと思います。
○坂本商工部長 都では、中小企業の円滑な事業承継を促すため、中小企業振興公社に専門の相談体制を設けまして、二十八年度には新たに百十六の会社にきめ細かなアドバイス等の支援を行いました。
昨年度からは各地域を巡回する二名の専門家によりまして、事業承継を働きかける取り組みも開始しておりまして、三十五社を相談窓口への来訪に結びつけるなど、現場に出向いての対応を強化いたしました。
これらによりまして、事業の承継に必要な知識を提供することに加えて、経営の改善に向けた計画づくりのサポートを実施したところでございます。また、事業承継にかかわる資金面の負担を軽減するため、二十七年度からサポートに着手した企業を含めて、昨年度は八つの企業に対して承継の法的な手続や事業内容の改善に必要となる経費に関しまして、二百万円を上限に助成を行っております。
さらに事業の後継者の決まった企業に承継のノウハウを伝える講座として、事業承継塾を実施して、三十社に対して八日間のプログラムを提供いたしました。
これらによりまして、中小企業の事業承継を適切にサポートしてまいったところでございます。
○柴崎委員 今ご答弁いただきましたけれども、都だけではなくて、商工会議所、あるいは金融機関、こうしたことも事業承継の支援を実施していく必要があろうかと思います。こうした関係機関と連携を図りながら、総力を挙げて取り組んでいく問題だと思います。
引き継ぐべきすぐれた技術等を有する企業のさらなる掘り起こしとともに、金融面でのサポート、こうしたさまざまな手法の活用など、事業承継を一層促進するためにあらゆる支援策を講じていただきたい、これを要望しておきます。
続いて、中小企業制度融資について伺いたいと思います。
都内の中小企業の資金繰り、DIで見ますと、中小企業の資金繰りは改善傾向にはあるわけでありますが、依然苦しいと回答する企業の方が多いわけであります。
都は、中小企業の資金繰り支援の根幹である制度融資において、中小企業の資金ニーズに応えたさまざまな融資メニューを展開してきたわけであります。こうした中で平成二十八年度には海外展開支援、これを新設するなど制度の拡充をしたところであります。
中小企業は、積極的な事業展開に伴う多額の資金に加えまして、日々の事業運営、あるいは経営改善における必要な資金の確保が不可欠であります。したがいまして、さまざまな経営環境に直面している中小企業の資金繰り支援、この推進が必要であると考えております。
そこで、お伺いいたしたいと思いますが、中小企業制度融資の平成二十八年度の実績についてお聞かせください。
○加藤金融部長 平成二十八年度の制度融資全体の利用実績は約八万四千件、約一兆一千四百七十一億円であり、ここ数年おおむね同水準で推移しております。
また、平成二十八年度末の保証債務残高は約三兆二千七百二十億円であり、リーマンショックの影響の大きかった平成二十一年度をピークに減少基調が続いております。このような中におきましても、創業融資は約九十三億円で前年度比約四二%の増加、設備更新融資は約五十三億円で前年度比約二九%の増加となったほか、平成二十八年度に新たに開始しました海外展開支援融資が約二億円となっております。
また、経営改善に取り組む中小企業が融資の一本化や返済期間の延長などにより負担軽減を図る特別借換融資は、前年度とほぼ同額の約三千三百二十二億円であり、融資額全体の約三割を占めております。
制度融資全体の利用実績は、このように企業の成長や生産性向上に向けた支援の伸びが顕著であり、また経営の安定化を図る資金ニーズについても引き続き高い状況にございます。
○柴崎委員 今、答弁にありましたけど、東京の経済の活性化のためには、前向きな事業展開と経営の安定化、この両面から都内中小企業の円滑な資金繰りを後押しすることは極めて重要だと考えます。
また、この六月には、中小企業の経営改善の促進等を内容とする中小企業信用保険法等の一部を改正する法律案が成立したところであります。こうした中で実績や国の動向を踏まえつつ、引き続き中小企業のニーズに即した効果的な支援に向けた検討を進める必要があると思いますので、その点については継続的によろしくお願いしたいと思います。
続いて、地域の金融機関と連携した新保証付融資制度についてお伺いしたいと思います。
いわゆる地域金融機関の目ききの力と民間保証機関の審査ノウハウ、これを活用した東京都独自の融資制度であるわけであります。この中小企業の資金調達の円滑化に大きな役割を果たしている、このように仄聞しているところであります。
取扱金融機関の拡大や利便性の向上等によりまして、中小企業の利用を促進し、制度融資だけでは十分な資金調達ができない中で、中小企業の資金繰りを支援することは極めて重要だと思っております。
そこで、お伺いしたいのですが、新信用保証付融資制度の平成二十八年度の利便性の向上に向けた取り組み、それと実績についてお聞きしたいと思います。
○加藤金融部長 新保証付融資制度でございますが、委員ご発言のとおり、民間の保証機関が持つ審査ノウハウと地域の金融機関の目きき力を活用した都独自の融資制度であり、信用保証協会が保証を行う制度融資などともあわせて、中小企業の資金調達の多様化に寄与しております。
平成二十八年度には、中小企業の利用実態等を踏まえて、融資限度額の見直しを行い、オリックス株式会社の保証つき融資では一千万円から二千五百万円へ、全国しんくみ保証株式会社の保証つき融資では五百万円から一千万円へと大幅な引き上げを実施するとともに、新たに七つの取り扱い金融機関を指定し、中小企業の利便性の向上を図ったところです。
こうした効果もございまして、保証承諾実績は三千二十二件、約四百七億円であり、前年度と比べ、件数で約二・四倍、金額にして約四倍と大幅に実績が増加しております。
○柴崎委員 資金調達手段の多様化という観点から、中小企業の資金繰りの円滑化に意義のある制度であると思います。したがって、取り扱い金融機関の拡大、そしてまた中小企業への制度の周知に向けた取り組みも必要であると考えます。今後ともさらなる取り組みの充実についてお願いをしたいと思います。
続いて、業界の実情に応じた人材確保の支援についてお伺いしたいと思います。
今、雇用情勢の改善が続いておりまして、人材獲得競争が大変激化をしているわけであります。多くの産業で人手不足が深刻化しております。
都内の有効求人倍率は、二十九年八月現在ですが、二・一〇倍ということです。それが昨年度、平成二十八年四月以来、十七カ月連続でずっと二倍を上回っている、こんな状況なんです。したがって、中小企業の現場では、仕事があっても、断らざるを得ない、こんな状況も見られるなど、中小企業の成長を阻む要因にもなっているわけであります。
人材確保に向けては、業種や業態ごと、それぞれ特有の課題を抱えているわけであります。中小企業単独では、やはり解決することが非常に難しい面が多々あるわけであります。
例えば運送、福祉、建設等、人手不足が顕著な業界では、賃金等の条件は大手企業に遜色ない企業であっても、厳しい労働環境といった業界のイメージが先行してしまって、人材の確保に大変苦慮している、そんなふうに聞いているところであります。
昨今においては、人手不足倒産、こんな事態も危惧されているといわれているぐらいであります。中小企業の人材確保を強力に後押ししていくためには、やはり業界全体で課題の解決が図られるような支援を都として進めていくべきと考えます。
都は、昨年度から業界団体向けの人材確保事業を開始したということでありますが、その取り組み状況についてお聞きしたいと思います。
○蓮沼事業推進担当部長 中小企業は、業種や業態によって、人材確保に関する課題が異なることから、都は、昨年度より業界特有の課題に精通した当該事業者団体による取り組みの支援を開始いたしました。
各団体一億円を上限に、面接力向上を目的としたセミナーや、実際に採用した後も職場定着や能力向上を図るための資格取得などが行えるよう、二年間にわたって支援ができる仕組みとしております。
昨年度は運送や介護、建設、宿泊業界等、企画提案のあった十四団体から事業効果が見込まれる十団体を選定し、各団体は採用支援等にノウハウを持つ民間企業と連携して、課題解決に向けた計画を策定の上、取り組みを開始いたしました。
例えば建設業界では、業界のイメージアップを図るためのPR用ウエブサイトを立ち上げるとともに、企業の採用力を高めるためのコンサルティングを行うほか、合同企業説明会を開催しております。
また、若手社員の能力向上を図るため、土木や管工事に関する施工管理の資格取得を支援するなど、人材育成や定着に向けた取り組みも実施しております。
○柴崎委員 今、答弁いただきましたが、人手不足は労働環境の悪化やそれに伴う離職率の増加とさらなる人材不足への悪循環を招くということにもつながっていくわけであります。
東京の経済を支えている中小企業が人材不足により活力を損なうことがないように、業界全体の人材力の底上げ、そして強化に向けまして、引き続きしっかりサポートしていただくことを要望しておきます。
次に、地域の人材確保支援について伺いたいと思います。
少子高齢化に伴いまして、労働力人口の減少が見込まれているわけであります。したがって、中小企業が持続的な成長を遂げていくためには、柔軟な働き方を戦略的に取り入れ、そして多様な人材の活用を図っていくことが必要なわけであります。
若者はもとより、子育て中の女性や、あるいは高齢者、こういう方々が企業においてその能力を発揮することが今期待されているわけであります。こうした方々は、やはり身近な地域で働くことを希望していることが非常に多いんです。また、一方では、地元の中小企業の求人ニーズと必ずしも結びついていない、これが現状なんです。
したがって、国の労働力調査によれば、全国の非労働力人口約四千四百万人、このうち就業希望者は約三百八十万人ということであります。そのうち約百万人は、近くに就業場所がない等、適当な仕事が見つからないことを理由として挙げているんです。
私の地元の練馬区におきましても、働く意欲はあるのですが、就労に対しまして不安を持つ若者ですとか、地元での就職につなげることが課題である、そんなふうに聞いているわけであります。こうした潜在的な働き手、この方々の活躍の場を提供していくためにも、地域での就業と労働力の確保を進めていくことが重要だと思います。
地域における人材確保の促進に向けた都の認識、そしてまた取り組み状況についてお伺いします。
○蓮沼事業推進担当部長 人手不足が深刻さを増す中、中小企業でも新卒者や実務経験者を求めており、人材確保がより困難になっております。
一方、地域においては、子育て中の女性や経験豊富な高齢者など、就業意欲は高いものの、働き方の制約から活躍の機会を得られない多様な人材が眠っており、両者のマッチングが重要と考えております。
このため、都は、潜在的な労働力を掘り起こし、地域の企業等での就業を進めるため、より現場に近い区市町村が地域の実情に応じて行う人材の確保や育成の取り組みを支援しております。
昨年度、区部では、地域の再就職を希望する女性を対象に、仕事感覚を取り戻すためのセミナーやインターンシップを初め、企業での研修と職場実習を組み合わせて、地元企業への就職につなげるなど、十五の区が行う二十四の事業を支援いたしました。
また、多摩地域では、市町村単位での取り組みに加え、行政区域を超えたマッチングの促進が重要であることから、昨年度から地域の経済団体等を活用した支援を開始いたしました。
具体的には、十一市町村で二十四事業を支援するほか、商工会連合会を中心に自治体や地元企業等が参加する協議会を立ち上げ、工場の見学や紹介予定派遣制度を活用した職場実習など、広域的な支援を行っております。
○柴崎委員 地元の企業で働きたい人のさまざまな事情と人材確保に苦慮する中小企業のニーズ、これを的確に酌み取って結びつけていくことが極めて重要だと思います。そのためには、きめ細やかな支援が求められ、腰を据えた継続的な取り組みが必要であると思います。
中小企業が地域での人材確保を着実に進めるとともに、多様な人材が活躍できるように、地域の実情をよく知る区市町村等の取り組みをしっかりと後押しをして、地域経済の活性化にぜひつなげていただくように、これも取り組みを継続していただきたいと思います。
続いて、観光消費の拡大に向けた取り組みについてお伺いしたいと思います。
海外から東京を訪れる旅行者は昨年は一千三百万人、これを突破したわけであります。観光産業は、関連する産業の裾野が広く、外国人旅行者の消費活動が東京の経済活動に及ぼす影響はますます大きくなっているわけであります。
訪都外国人旅行者の消費額は、平成二十七年度に初めて一兆円を超えたわけであります。平成二十八年度は、ほぼ横ばいとのことでありますが、都内のGDP百二十兆円、この実現に向けまして、観光産業の重要性は非常に高まっているわけであります。
インバウンド消費を伸ばしていくためには、宿泊施設、飲食店、そして小売店などへの支援が必要であります。また、タクシーを利用して便利に都内観光や買い物を楽しめるサポートも必要であります。
一方では、観光関連の個々の事業者が外国人の消費特性を捉えながら、対応の力を高めていただきたいと思っております。
しかしながら、なかなか事業者独力では困難でありますので、きめ細かい支援が不可欠となってくるわけであります。外国人旅行者の一層の消費拡大に向けて、多様な旅行者のニーズを把握する必要があります。そのためには、インバウンド需要を取り込めるよう、事業者のサービスの質を高めていくことが重要だと考えます。
都の昨年度のこうした取り組みの状況について伺います。
○小沼観光部長 都は、昨年度、外国人旅行者に対するサービスの提供の充実を図るため、観光事業者への支援策を強化いたしました。
具体的には、宿泊施設や飲食店、免税店等の事業者向けに外国人旅行者の消費動向や接客ノウハウなどをテーマとしましたセミナーを開催し、六百十四名の参加をいただきました。あわせて、現地に専門家を派遣しまして、SNSによる情報発信や集客の方法等のアドバイスを行うなど、延べ百四十件の支援を実施いたしました。
また、宿泊施設などを対象に実施しております多言語コールセンターサービスにつきまして、外国人旅行者によるショッピングの需要に応えるため、新たに免税店を加え、合計で四千百十八件の利用がございました。
さらに、観光タクシーによるモニターツアーを十コースで実施いたしまして、タクシー事業者に対して外国人のニーズが高い日本の文化を体験できるスポットを提案するなど、サービス向上につながる情報を提供いたしました。
これらのほか、宿泊施設での受け入れ環境を整備するため、館内の案内表示の多言語化やトイレの洋式化などに要する経費の助成を新たに開始し、合計百件の支援を決定いたしました。
今後も、観光事業者の外国人旅行者への対応力を高め、消費の拡大に向けた取り組みを推進してまいります。
○柴崎委員 今後もインバウンド需要をさらに取り込んでいくことは重要だと思います。
例えば事業者が免税店を開設するためには、必要な情報提供を初めとするさまざまなサポート、これもぜひ強化をしていただきたい、そのように思います。
続きまして、都市農業に関しまして質問していきたいと思います。
国は、農林水産業を地域産業を支える重要な産業として位置づけております。そして、成長産業化による地域経済の活性化を目指しているわけであります。特に農業分野におきましては、都市農業振興基本法の制定もございました。都市農業に対する追い風が吹く中、東京農業も大きな成長のポテンシャルを秘めた産業の一つであると認識いたしております。
しかしながら、東京農業、これは農地の減少や高齢化の進行などで厳しい経営環境に置かれているのが現状であります。
一方では、規模拡大や収益性の向上など、経営改善に意欲のある認定農業者数はこの十年間で倍増しているわけであります。
私の地元練馬区におきましても、非常に意欲のある若手後継者が最新の養液栽培システム、これを活用したトマトの栽培に挑戦しております。こうした限られた農地の中で収益性の高い農業経営を目指して、日夜努力しているわけであります。こうした中で東京農業のさらなる振興を図っていくためには、このような意欲のある農業者が最新の施設整備等を通じた経営力の強化に取り組んでいくことは極めて重要だと思っております。
こうした観点から、都は、平成二十八年度より経営力の強化に向けた施設整備などに要する経費を補助する都市農業活性化支援事業、これを開始しているわけでありますが、その取り組み実績についてお伺いしたいと思います。
○藤田農林水産部長 都市農業活性化支援事業は、農業用の生産施設や流通、販売施設などの導入経費を補助することにより、農業者の経営力を強化し、都市農業の一層の活性化を図ることを目的としております。
本事業では、区市町が認定した意欲ある農業者や新規就農者を支援対象とし、パイプハウスを初め農畜産物加工施設や農畜産業用機械などの導入経費を原則二分の一以内で補助することとしております。
特に経営規模拡大による市街化区域内農地の保全や東京二〇二〇大会への農産物供給に向けた生産拡大、認定新規就農者の経営確立など、都が進める重点分野につきましては、補助率を三分の二以内とし、より手厚い支援を行うこととしております。
平成二十八年度は、高収量が得られるトマトの養液栽培施設の整備や屋外イベントなどで活用する乳製品の移動販売車の導入など、合わせて十九件の取り組みを支援いたしました。
こうした取り組みにより、意欲ある農業者の経営力強化を支援し、都市農業のさらなる振興を図っております。
○柴崎委員 今、答弁いただきましたが、こうしたハード面についてもしっかりとサポートしていただいているということでありますので、これからもよろしくお願いしたいと思います。
一方で、ソフト面というんでしょうか、これについてもお伺いしたいと思います。いわゆるチャレンジ農業支援事業についてなんですけれども、農業者の経営改善に向けまして、こうした施設整備等の充実、今ご答弁いただきまして、これはこれで重要なわけであります。そして同時に、生産された農産物、これをいかに消費者にアピールをして、付加価値を高めて販売していくか、これも重要な課題だと思っております。
しかしながら、収益性の向上を目指した農産物のブランド化や販売促進、農産加工品の開発などにつきましては、ノウハウがやはり不足をしているわけであります。したがいまして、都の積極的な支援が必要なわけであります。
こうした状況を踏まえまして、都は、平成二十八年度から経営改善に向けた新たな取り組みに挑戦する意欲のある農業者を支援するチャレンジ農業支援事業、これを開始したわけであります。その取り組み状況、取り組み実績について伺いたいと思います。
○藤田農林水産部長 チャレンジ農業支援事業は、農産物の高付加価値化や六次産業化など、農業者の創意工夫ある取り組みを支援することを目的としております。
本事業では、チャレンジ農業支援センターに配置した中小企業診断士の総合的なコーディネートのもと、経営の多角化など、意欲的に取り組む農業者に対し、デザイナーやICTなどの専門家派遣による助言や、食品事業者など異業種とのマッチングなどを行うとともに、この助言に基づく新たな取り組みに必要な経費についても支援しております。
平成二十八年度は、これらの専門家を九十人の農業者に対し、延べ二百九十三回派遣するとともに、その助言に基づくロゴマーク入りオリジナルパッケージの作成や、インターネット販売が可能なホームページの開設などに係る経費など、二十一件の補助を実施いたしました。
こうした取り組みにより、農産物の高付加価値化や新たな販路開拓など、農業者の収益力の向上を図っております。
○柴崎委員 今、答弁いただきました。地元練馬区の農家からも、将来を見据えて、これまでの農業経営からは、やはり一歩踏み出した新たな取り組みにチャレンジしたい、そんな声も聞こえているんです。
したがって、こうした農家の意欲に応えられるように、農家の経営力強化に向けた都の積極的な支援策、今後も大いに期待しておりますので、ぜひとも力強い支援をしていただきたい。
これをもちまして、私の質疑を終わらせていただきます。
○原委員 私は、農業費の決算について伺います。
都市農業振興基本法、生産緑地法改正などを踏まえて、農業者を支え、都市農業、農地を守る施策の充実が求められています。とりわけ二〇二二年に生産緑地の八割が期間満了を迎えようとしている中、その切実さ、緊急性が高まっていると思います。
依然として経済状況は大変厳しく、このままでは農業を続けられない、農地を手放さざるを得ないという声も多く上がっています。現に生産緑地は、都内全体で十年間で四百四十ヘクタール減少、うち多摩地域が三百六十ヘクタールと減少しているという、そういう状況です。そういう中での昨年度の決算について幾つか伺いたいと思います。
決算の説明書、五十一ページには不用額の説明として、都市農業活性化支援事業などの実績による残として、六億九千百二十八万円と記載があります。平成二十八年度からスタートした都市農業活性化支援事業については、予算現額、決算額、それぞれどのようになっているか伺います。
○藤田農林水産部長 都市農業活性化支援事業単独の平成二十八年度予算現額は四億六千四百六十八万円、決算額は四億二百三十七万円であり、不用額は六千二百三十一万円、執行率八六・六%でございます。
○原委員 今伺ったとおり、都市農業活性化支援事業そのものとしては、執行率はそれなりに高いということはわかりました。ただ、先ほども申し上げましたとおり、まだ始まったばかりの事業です。こうした支援策を農業者に広く活用していただくには、使い勝手をよくしていく必要があると考えています。
改めて、本事業の支援対象や事業規模の要件、また補助率などについて伺います。
○藤田農林水産部長 本事業の支援対象は、区市町が認定した意欲ある農業者など三戸以上で構成する営農集団や法人などであり、一件当たりの最低事業費は五百万円でございます。
なお、地域的な特性や生産品目などによって集団化が困難な場合には、三戸未満でも支援対象としており、この場合、一件当たりの最低事業費は二百万円でございます。
また、補助率につきましては、原則二分の一以内でございますが、東京二〇二〇大会の農産物供給に向けた生産拡大など、都が進める重点分野につきましては三分の二以内としております。
○原委員 この事業について、農業者の方々にお話を伺いますと、事業内容はとてもよいと思うけれども、三戸以上が基本となっている中、一個人で、また事業規模が小さくても活用させてもらえないのかという、そういうご意見がありましたが、今ご説明いただいたとおり、三戸以上でない場合も想定されているということだということはわかりました。
ただ、肝心なのは、申請を区市町にしていくということになりますので、区市町が内容を十分理解して、一件でも相談があったときに十分話を聞いて対応できるかどうか、相談に乗るということが非常に重要だと思っています。
特にいろいろ伺いますと、三戸以上となっているわけですけれども、先ほどいったように一戸でも二戸でも認められるケースもあると。例えば酪農家の方などは、大変人数が少ないですので、そうなると三戸以上といわれても、なかなかそれはできない。
そういう状況も考慮されるということもわかりましたし、あと事業規模が非常に小さい場合に、もうこの事業は使えないのではないかと思われている、また三戸集まった場合に目的がそれぞれ違う農家が集まっても認められないのではないかとか、いろいろ農業者の方は、せっかくの新しい事業だけれども、まだ十分にその辺は伝わっていないのではないかと私は思います。
そういう点で私は、東京都として、改めて事業内容の十分な周知を区市町にも行っていただきたいということを、この場では強く求めておきたいと思います。
そして、この事業を実施していく中での実績を踏まえて、農業者の声を聞きながら、必要な改善は行っていただきたいということを、この点はこの場では求めておきたいと思います。よろしくお願いいたします。
そして、次の質問に移りますが、農地を守る、また農業者を支援していく、市民にも都市農業を身近に感じていただくという点では、農業体験農園が大変有効な事業だと考えています。東京にふさわしい地産地消の一つのスタイルでもあると思っています。
現在、都内に農業体験農園は幾つあるのか伺います。
○藤田農林水産部長 平成二十八年三月末現在、都内には百七の農業体験農園がございます。
○原委員 都内に百七あるということで、今広がってきているということだと認識しています。
農業体験農園について、東京都の支援というものは具体的にどのようなものがあるのか、改めて伺います。
○藤田農林水産部長 都市農業活性化支援事業におきまして、農業体験農園の開設に必要な圃場の整備を初め、農園利用者が共同で利用する休憩所や農機具保管施設などの整備を補助対象としております。
○原委員 つまり体験農園に特化はしていないけれども、活性化支援事業を活用できるということだと思います。これもまだ始まったばかりの事業だということもあって、十分に知られていないのではないかと私は思っています。ぜひ周知をしていただきたいと思いますが、農業体験農園については、各地域、本当に積極的に取り組まれていて、清瀬、東久留米の地域でも熱心に取り組まれている農園がたくさんあります。
非常に市民の評価も高いですし、ある農園は農水省からも呼ばれて聞き取りをされていたり、農園の塾生の方が小学校へ農業についての出張授業に行ったり、一緒に子供たちにトマトづくりを指導するなどの取り組みなども積極的に行われています。
非常に注目できるのは、体験農園で学んだ市民の方々が都市農業を守る大きな力になっていくという、そういう事業だということがわかるというふうに感じています。
自治体によっては、体験農園の利用者の方の利用者負担を軽減する支援も行っています。こういう支援をどこの地域でもやってもらえないかという声もあります。
私は、都として、こうした支援も含めて、今後検討していただきたいということを要望しておきたいと思います。
それで、最後に伺いたいんですけれども、資料をいただきまして、資料の8で過去五年間の新規就農者数の推移を出していただきました。この資料によると、毎年度、数十名の新規就農者がいらっしゃるんですけれども、平成二十八年度は五十人ということになっています。このうち農家の子弟以外の新規就農者は何人いらっしゃるのでしょうか。また、東京都では農家の子弟以外の新規就農者に対してどのような支援を行っているのか伺います。
○藤田農林水産部長 平成二十八年度における農家の子弟以外の新規就農者は九名でございます。
都は、区市町村が営農計画を認定した新規就農者に対して、都市農業活性化支援事業などにより、生産施設などの整備に対する補助を行うほか、国の青年就農給付金事業を活用し、農業経営を軌道に乗せるまでの資金として、年間最大百五十万円を最長で五年間交付する事業を実施しております。
○原委員 わかりました。ぜひこうした事業についてもPRをさらに強めていただきたいと思います。
私も、実際にこの事業を利用して、都内で農業を始めた若いご夫婦のお話を聞きました。会社勤めをしていたんですけれども、体を壊して、いろいろ今後の生活をどうしようか悩んでいるときに、夫婦で体も治し、またメンタル面でも本当に苦労があった中で、農業をしながら生活をつくっていこうというふうに相談をして、この事業を活用しながら、やっていらっしゃるという方もいます。
この事業を使ってこそできた、またもともと農業に本当に関心があって、ぜひやってみたいと思ったことにチャレンジできたという、そういうお話もあります。ぜひこういう事業を積極的にPRして活用していく、そのことをお願いしておきたいと思います。
都市農業については、農業者の長年の取り組みによって、都市農業振興基本法ができて、都市の農地は宅地化すべきものから農地として守っていくべきものというふうに変わりましたし、また防災においても農地の役割の大きさに注目されるようになりました。
そして、いろいろなアンケート調査などを見ても、都民の八割が都市に農地を残してほしいと考えているということも明らかになっています。しかし、実際にそれを実践していくためには、農業者への支援、相続税や固定資産税の負担の軽減、農業の担い手をふやすなど、たくさんの課題があります。
東京都として、東京農業振興プランの第三章で位置づけられている国への制度改善、この要望を強めていただくとともに、東京都としての都市農業支援の施策の充実を求めて、質問は終わります。
○いび委員 私の方からは新・元気を出せ商店街事業について伺います。
商店街の振興について、私の地元の調布市も全体としてはベッドタウン化が進行しつつある地域で、旧甲州街道沿いの商店も少しずつ減って、それがマンションに変わっていくということが続いております。
こうしたもとで東京都の新・元気を出せ商店街事業による支援は、意義のあるものと認識しております。本日いただいた資料を見ましても、それがよく活用されて、効果を上げているということが伝わってくるわけですが、この新・元気を出せ商店街事業について伺います。
二十八年度まで実施されていた商店街買い物弱者支援事業がなくなって、項目としてなくなり、政策課題対応型商店街事業の一つに吸収される形となっております。
二十八年度までの実績がどうだったのか、そこにどのような課題があり、それが新制度に移行することでどのように解決をされることになるのか伺います。
○坂本商工部長 都は、これまで日常の買い物に困難を感じる高齢者などの住民にサポートを行う三カ所の商店街に対して助成を実施いたしました。これによりまして、商店の空白地域で近隣の商店街が店舗を設けて品物を販売する取り組みが行われたほか、宅配や送迎サービスの提供により、買い物に伴う利用者の負担を軽くする仕組みの導入を実現するなどの成果を上げております。
また、都の支援を受けた商店街の中からは、買い物弱者へのサポートが定着し、独自に継続して取り組みを行う事例も出ております。
今年度からは、都が商店街の意向や計画を直接聞くとともに、買い物弱者を支える取り組みを続けやすくするため、補助率を五分の四にまで高めるほか、宅配サービスにかかわる人件費等を三年間にわたり支援する制度としております。こうした仕組みを通じまして、商店街のより積極的な取り組みを促すとともに、その定着を図っております。
○いび委員 基本的には前向きな方向での制度変更であるというふうに理解をいたします。ご答弁の中でもあった買い物弱者への支援などについて、こうしたことについて、さらに着実にこれが前進するように努力していただきたいと思います。
商店街の振興は、地域社会の活性化、また地域のコミュニティの推進としても大変重要です。近年、景気の低迷とさらには大型店の出店などにより、商店街は厳しい状況に置かれております。こうした中での消費税の増税などは絶対に容認できるものではないと考えております。
引き続き商店街に対する支援の継続とさらなる拡充を求めて、質問を終わります。
○高橋委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高橋委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で産業労働局関係を終わります。
以上をもちまして第三分科会における決算の審査は終了いたしました。
なお、本分科会の審査報告書につきましては、分科会委員長において取りまとめの上、委員会委員長に提出いたしますので、ご了承願います。
これをもちまして第三分科会を閉会いたします。
午後四時三十九分散会
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