委員長 | 佐野いくお君 |
副委員長 | もり 愛君 |
副委員長 | とくとめ道信君 |
加藤 雅之君 | |
小松 大祐君 | |
宮瀬 英治君 | |
斉藤やすひろ君 | |
関野たかなり君 | |
つじの栄作君 | |
ひぐちたかあき君 |
欠席委員 なし
出席説明員収用委員会事務局 | 局長 | 佐藤 敦君 |
議会局 | 局長 | 松山 英幸君 |
管理部長 | 新美 大作君 | |
連絡調整担当部長 | 宮澤 浩司君 | |
議事部長 | 松丸 俊之君 | |
調査部長 | 山内 和久君 | |
主税局 | 局長 | 目黒 克昭君 |
総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 小山 明子君 | |
税制部長 | 副島 建君 | |
税制調査担当部長 | 栗原 哲治君 | |
調整担当部長 | 笹本 勉君 | |
課税部長 | 安藤 敏朗君 | |
資産税部長 | 大久保哲也君 | |
徴収部長 | 川上 秀一君 | |
特別滞納整理担当部長 | 新井 裕二君 |
本日の会議に付した事件
平成二十八年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
収用委員会事務局関係
・平成二十八年度東京都一般会計決算(質疑)
議会局関係
・平成二十八年度東京都一般会計決算(質疑)
主税局関係
・平成二十八年度東京都一般会計決算(質疑)
・平成二十八年度東京都地方消費税清算会計決算(質疑)
○佐野委員長 ただいまから平成二十八年度各会計決算特別委員会第一分科会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、収用委員会事務局、議会局及び主税局関係の決算に対する質疑を行います。
これより収用委員会事務局関係に入ります。
初めに、先般の人事異動に伴い、収用委員会事務局長に佐藤敦君が就任いたしました。
佐藤事務局長から挨拶があります。
佐藤敦君を紹介いたします。
○佐藤収用委員会事務局長 収用委員会事務局長の佐藤敦でございます。
佐野委員長を初め委員の皆様方には、当局の事務事業につきまして平素よりご理解を賜り、厚く御礼申し上げます。私ども職員一同、公正、中立、そして着実に収用事務を進めてまいる所存でございます。今後とも一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
○佐野委員長 挨拶は終わりました。
○佐野委員長 決算の審査を行います。
平成二十八年度東京都一般会計決算中、収用委員会事務局所管分を議題といたします。
本件については、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、要求委員と理事者との調整の結果、取り下げられておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○佐野委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐野委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で収用委員会事務局関係を終わります。
○佐野委員長 これより議会局関係に入ります。
初めに、先般の人事異動に伴い、議会局長に松山英幸君が就任いたしました。
松山局長から挨拶があります。
松山英幸君を紹介いたします。
○松山議会局長 去る十月十六日付の人事異動で議会局長に就任いたしました松山英幸でございます。
佐野委員長を初め委員の皆様方のご指導、ご鞭撻を賜り、都議会がその権能を最大限に発揮できるよう事務局として努力してまいります。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○佐野委員長 挨拶は終わりました。
○佐野委員長 決算の審査を行います。
平成二十八年度東京都一般会計決算中、議会局所管分を議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○加藤委員 それでは、議会局に対して質問するのは初めてですけれども、よろしくお願いいたします。
議会機能の強化について質問いたします。
昨年、小池都知事が誕生し、議会のチェック能力というものがよりクローズアップされるようになりました。地方自治は、国会と違って二元代表制であり、知事と議員が直接有権者から選ばれます。
したがいまして、知事と議会がいい意味での緊張関係を保ちながら、議会は、執行機関をチェックすることは当然といたしまして、執行機関に対しても建設的な提案をしていくということが大切だといわれております。中でも決算審査は、前年度予算の取り組み、成果を問う意味で重要であります。
そして、もう一つの役割である議会側からの提案という点につきましては、質疑などを通じて行ってきているわけではありますけれども、欠けているものの一つとして、議員提出条例が余りにも少ないとの批判がありました。
そこで、自己改革の意味も兼ねまして、議員提出条例について若干やりとりをさせていただきます。私は、議員になる前、公明党の職員としまして、衆議院内の控室、いわゆる国対事務局にいましたので、国会と比較しながら質問したいと思います。
まず、国会は、憲法で国の唯一の立法機関と定められていて、政府提出法案、いわゆる閣法とともに議員立法、衆法、参法が数多く提出されております。
地方議会では、条例案の提出ということになろうかと思いますが、では都議会や地方議会において、議員提出議案はどのような根拠に基づくものなのか、確認の意味で改めてお伺いをいたします。
○松丸議事部長 地方自治法第九十六条において、地方公共団体の議会がその団体意思として議決すべき事項として、条例の制定、改廃等が定められております。そして、地方自治法第百十二条において、議会の議員は同法第九十六条に定める議会の議決すべき事件につき、予算を除き議案を提出することができると定められております。
また、意見書、決議のように議会の意思決定を決定するものにつきましても、その本来の権能に基づき、議員は議案を提出できるものとされております。
○加藤委員 地方自治法が根拠になっており、当然、地方議員も議案提出の権限があるわけですが、それでは都議会において、過去三年間における議員提出議案の実績、また、そのうち条例案の数、中でも政策条例の数と成立した数はどのくらいあるのか伺います。
○松丸議事部長 過去三年間の条例、意見書、決議等の議員提出議案の数ですが、平成二十六年度が八十三件、平成二十七年度が五十七件、平成二十八年度が七十一件となっております。
また、提出された条例案の数は、平成二十六年度が七件、平成二十七年度が六件、平成二十八年度が十一件となっております。そのうち政策条例の数は、平成二十六年度が三件、平成二十七年度が三件、平成二十八年度も三件となっておりますが、成立したものはございません。
○加藤委員 政策条例の数が少なく、また成立したものもないということでありました。この議案の提出ということにつきましては、私は多ければいいというものじゃないというふうに思うんです。単純に提出数が多いから、それが評価されるということではないというふうに思います。パフォーマンスだけで、成立させるための合意形成の努力がなければならないということはいうまでもないと思います。
さきの定例会では、都民ファーストの会と都議会公明党、民進党都議団が共同で提案した東京都子どもを受動喫煙から守る条例が成立したということは、そうしたことから考えますと、画期的なことであるというふうに思います。
ここにいる斉藤委員も中心メンバーの一人として、成立に向けて汗を流しておりました。私はメンバーでありませんでしたけれども、質疑、答弁の打ち合わせ、当然のこととしまして、この業界団体などへのヒアリングや一般都民へのパブリックコメントなど、議員が大変な努力をしているのを横から見ておりました。新たな歴史を開いたというふうに思います。
国会では、議員立法の提出数もさることながら、成立している数も多いわけです。それは議員立法が行政機関だけでは捉えにくい国民の新しいニーズに対応したり、省庁を超えた大きな課題に迅速に対応する役割があるからだと思います。必要に迫られていることも多々あるわけであります。
しかし、役所としては、公平性や継続性を重んずる余りに、また省庁の縦割りといった点からも、動きが鈍くなることがあります。そうしたときこそ、政治主導で風穴をあけるといったことが必要となります。これは都庁でも同じことがいえると思います。
でも、今までは、恐らくそうしたことも、議会から執行機関に働きかけて変えてきたとは思いますけれども、今後は複雑化する社会や多様な住民ニーズにどう応えていくかということで、議会側も任せきりではなく、変わっていかねばならないのではないかと考えております。
そうすると、今度は議員側にも、議案を立案するために、もっと調査活動を強化しなくてはなりませんし、議案を法制化するためのサポート体制、これも厚くしていく必要が出てまいります。
そこで、現在の都議会において、議員提出議案を立案及び審査する事務局の体制がどうなっているのかについて伺います。
○松丸議事部長 議会局内で議員提出議案の立案を補佐する部門といたしましては、議事部議案法制課がございます。議案に関する法的、制度的検討を加えるとともに、議会の書式にのっとった文案の作成補助を行っております。職員数は十六名おり、そのうち議案の検討に携わる職員は十二名でございます。
○加藤委員 国会では、議員立法を補佐するために法制局というのがありまして、議員立法の立案、政府提出法案に対する修正案の立案、法案審議の答弁の補佐なども行います。法制局長のほか、衆院で八十四名、参院で七十五名の職員がいるというふうに伺っております。
衆議院議員の定数が四百六十五名、参議院議員の定数が二百四十二名ですから、単純に法制局の職員一人が議員を何人担当するかを計算しますと、衆院が約五・五名、参院は約三・二名、都議会は十・六名というふうになります。
もし仮に、あり得ないと思いますけれども、都議会議員が皆、議案法制課の担当職員に条例の相談をするとなると、職員の方に大変な労力、負担をかけることになると想像いたします。
また、国会では、このほかにも議員の調査活動をサポートするため、国会図書館の中に調査及び立法考査局がありまして、百九十八名の職員がおります。さらに、衆院、参院に各調査室がありまして、衆院側の調査局の人数は三百十二人おりまして、議員をサポートしてくれます。都議会から見れば、本当にうらやましい限りであります。
給与について見ますと、都の議会局の職員を含めた普通会計部門の職員の一人当たり給与は七百五十一万円というふうに伺いました。委員会に提出されました二十八年度の決算説明書を見ますと、二十九年三月三十一日時点での議会局職員が百四十三名で、職員費の支出済額が十二億四千万円余ですので、一人当たり約八百六十七万円という計算になります。
衆議院では、衆議院事務局と衆議院法制局を合わせた人数が一千七百名、二十八年度の決算額が百五十一億五千万円余ですので、一人当たり約八百九十一万円で、都議会と比べて、少し多いぐらいですけれども、おおむね同じなのかなというふうに思っております。
都議会は、今年度、議員の報酬は二割カット、政務調査費を月額十万円削減、そして費用弁償の廃止を行いました。費用弁償は、過去三年間の平均支出で計算すると、三つ合わせて約六億五千万円余の税金が浮くことになります。先ほどの職員一人当たりの給与で換算すると、年間約七十五名の職員を雇える計算になります、あくまで机上の単純計算なんですけれども。私もさきの都議会議員選挙のときに街頭演説で、これからは住民ニーズに今まで以上に応えていく一つのツールとして、議員提出条例という武器を使っていきたいというふうに訴えました。
地方議会の中でも首都東京は、ほかより早いスピードで少子高齢化の課題などが山積していきます。それだけ、よりスピーディーに住民ニーズに応えていかなければならない場面が多く出てまいります。そうした課題に迅速に応えるためにも、議員の調査活動や議員提出議案の立案をサポートする体制の拡充が必要と考えます。
議会局としては、みずから進んでどうこうするということは難しいと思いますけれども、第一回臨時会で設置された議会改革検討委員会の議論を見守りつつも、法制局や他の地方議会の職員体制を調べて、検討のための報告書を作成したり、人事交流を行うなどして、都議会が今まで以上に都民の負託に応えていくにはどうすればいいのかということを模索していただきたいと思います。
私も会派内外におきまして、議会の議案法制機能の強化について意見を申し上げながら改革に取り組んでまいりますけれども、局としてもぜひ体制強化を検討していただきたいことを要望しまして、質問を終わります。
○佐野委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐野委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で議会局関係を終わります。
○佐野委員長 これより主税局関係に入ります。
決算の審査を行います。
平成二十八年度東京都一般会計決算中、主税局所管分及び平成二十八年度東京都地方消費税清算会計決算を一括して議題といたします。
本件については、いずれも既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○小山総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 去る十月十一日の当分科会におきまして要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
お手元の平成二十八年度各会計決算特別委員会第一分科会要求資料の表紙をおめくりいただき、目次をごらん願います。
今回要求のございました資料は五件でございます。この順番に従いましてご説明申し上げます。
それでは、一ページをお開き願います。要求資料第1号、法人事業税の税率の推移でございます。
この表は、これまでの法人事業税の標準税率、制限税率及び都における超過税率の推移をお示ししたものでございます。
次に、二ページの要求資料第2号、法人都民税の税率の推移でございます。
この表は、これまでの法人都民税の税率の推移を一ページと同様にお示ししたものでございます。
次に、三ページの要求資料第3号、法人二税の超過課税収入額でございます。
この表は、平成十九年度から平成二十八年度までの法人都民税及び法人事業税の収入額及び超過課税相当分の収入額をお示ししたものでございます。
次に、四ページの要求資料第4号、上場株式等の配当及び譲渡益に対する軽減税率適用による個人都民税の影響額でございます。
この表は、平成十九年度からの上場株式等の配当及び譲渡益に対する軽減税率適用による個人都民税の影響額をお示ししたものでございます。
なお、軽減税率の適用につきましては、平成二十五年十二月三十一日をもって適用期間を終了しております。
次に、五ページの要求資料第5号、都税(一般分)の滞納整理における直近五か年の差押件数及び換価等による本税充当額でございます。
この表は、区市町村が徴収する個人都民税を除く都税の滞納整理における平成二十四年度から平成二十八年度までの差し押さえ件数と差し押さえ財産を換価して滞納都税に充当した金額をお示ししたものでございます。
要求のございました資料に関する説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○佐野委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○つじの委員 このたびは都民ファーストの会で主税局に対しての会派としての初めての質疑となりますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。
さて、平成二十八年度決算書添付の都税収入の年次経過の折れ線グラフを見ますと、平成元年以降、直近のおよそ三十年の間に、都税収入はグラフで大きな山と谷があり、特に平成十五年度の都税収入のおよそ四兆円弱と平成十九年度のそれの五・五兆円の間に一兆円を超える幅がありますが、当時を振り返り、東京都主税局ではどのような要因があってこのような結果になったのか、大枠でよいので、分析と見解をお知らせいただければ幸いでございます。
○副島税制部長 都税収入は、景気の動向に左右されやすい不安定な構造となっております。特に都税収入の三割から四割を占める法人都民税及び法人事業税のいわゆる法人二税におきましては、過去においてもバブル景気やリーマンショックなどにより大きく増減を繰り返しております。
委員ご指摘の平成十五年度当時でございますが、平成十三年九月十一日に起きました同時多発テロ事件をきっかけに、世界的に景気が急激に減速した影響から、平成十四年度及び十五年度の都税収入が落ち込んだものでございます。
しかし、その後、平成十九年度までの間、世界経済が堅調に回復するとともに、国内経済においても企業収益が大きく伸びました。
こうしたことから、平成十五年度から十九年度の間に法人二税が約一兆一千億円増収となったことが主な要因となりまして、平成十九年度の都税収入は過去最高の約五兆五千百億円となったものでございます。
なお、その後、リーマンショックの影響を受け、平成二十一年度は都税収入全体で約一兆円の減収となるなど、極めて厳しい状況も生じているところでございます。
○つじの委員 ご答弁いただきありがとうございます。法人二税などについては、一般的に景気動向に大きく左右されるなど、理解、了解いたしました。
次の質疑に移らせていただきます。
第三回都議会定例会の知事所信表明演説にもありました、今後人口減少と超高齢化の大きな変動が確実に東京都にも影響を与える中で、今後の東京都主税局としての安定した都税収入確保の見通しなどあれば、ご教示願います。
○副島税制部長 繰り返しになりますが、都税収入は特に法人二税を中心に景気の動向に左右されやすい構造をしておりまして、また国の税制改正による影響も受けることとなります。したがいまして、今後の都税収入確保の見通しを現時点で明確に申し上げることは非常に難しいことでございます。
一方で、都税収入は、都の重要な施策を支える財源でございまして、今後とも安定的に都税収入を確保することは、私ども主税局の最大の責務であると考えております。
引き続き、最新の経済動向や国の税制改正の動向などを見きわめながら、対応を図っていこうと考えております。
○つじの委員 ご答弁いただきありがとうございます。今後の都税収入確保について、主税局の取り組みをご説明いただいたと考えております。
次の質疑に移らせていただきます。
現政権での経済対策の効果で企業業績は一部好調といわれておりますが、株式投資などしていない一般都民については、相変わらずの苦しい経済状況下に置かれている方々もたくさんいらっしゃると思います。
このような資本を持たない大多数の人にとっては厳しい経済状況が続く中、いわゆる景気が回復したとの実感のない経済状況下で、徴収率は平成二十六年度以降、過去最高を更新しています。
平成二十八年度の東京都の徴収率九八・八%は、大変すばらしい客観的な数字であると思いますが、国税や他自治体などと比較して、どのような違いがあるのかお知らせいただきたいと存じます。
○川上徴収部長 現在公表されております平成二十七年度の国税及び全国地方税の実績資料をもとに、それぞれの徴収率を算出いたしますと、東京都の平成二十七年度徴収率は九八・五%であったのに対し、国税は九七・三%、全国地方税は九七・〇%でございます。
国税及び他自治体とは、徴収する税目や規模が異なることから、単純な比較をすることはできませんが、東京都はこれまで、納付方法の拡大など、全国に先駆けた納税者サービスを通じ、納期内納税を推進してまいりました。
また、滞納になった初期の段階から、文書や電話による納税慫慂を集中的に行うなど、より効率的、効果的な取り組みを進めているところでございます。
○つじの委員 ご答弁いただきありがとうございます。平成二十七年度の他の徴収率との比較では、東京都が比較的高いそれであることが示されたと思います。
徴収率の向上には、世の中の経済状況にかかわらず、主税局独自のさまざまな努力と工夫がなされたと思いますが、納税者が納税しやすい環境整備をどのように取り組んできたのか、時系列で具体的に例示していただければ幸いと存じます。
○川上徴収部長 徴収率向上への取り組みの一つとして、納税者の利便性向上を図るため、多様な納税手法を導入してまいりました。
昭和四十一年度には、個人事業税、固定資産税などを対象として、口座振替による納税を開始いたしました。
平成十六年度には、全国で初めてコンビニエンスストアでの納税を、平成十八年度には、インターネットやATMを利用した納税を開始いたしました。
さらに、二十三年度には、自動車税のクレジットカードによる納税を開始し、二十七年度に全国に先駆け、ほぼ全ての都税に拡大したところでございます。
○つじの委員 ご答弁いただきありがとうございます。東京都が率先して徴収率の向上に五十年ほど前から取り組んできたことが了解できました。大変すばらしい取り組みであると考えております。
次の質疑に移らせていただきます。
平成二十八年度の滞納繰越額は百十三億円と圧縮されていますが、そもそも滞納繰越額が発生する要因は何なのか、主税局の分析をお伺いします。
また、徴収率が過去最高を更新する中で、滞納繰越額の数字も圧縮されていますが、先ほどの徴収率の向上の質問と重なる部分はあるかと思いますが、滞納繰越額が過去最少となった過程で主税局がどのような取り組み、努力、工夫をしてきたのかお伺いしたいと思います。
○川上徴収部長 滞納繰越額は、バブル崩壊時である平成六年度の二千四百七十八億円がピークでありまして、平成二十八年度までに九四・五%を圧縮いたしました。徴収部門は、納期内納税の推進及び滞納事案への早期着手を通じ、できるだけ年度内に滞納を解決するための取り組みを行っております。
しかし、滞納事案のうち、換価の猶予などにより分割納付中の事案、納税交渉中の事案、滞納者の資力を調査中の事案などについては、次年度に繰り越されることにより、これが滞納繰越額となるものでございます。
次に、滞納繰越額の圧縮へのこれまでの取り組みについてでございます。
新たな滞納整理の手法といたしましては、インターネット公売、差し押さえた自動車の車輪に車どめ装置を装着するタイヤロック、同じく差し押さえた自動車のドアミラーに運行を禁ずる旨の公示書を取りつけるミラーズロックなど、創意工夫を凝らした先駆的な取り組みを展開してまいりました。
日々の取り組みといたしましては、文書や電話、訪問などによる積極的な納税催告を行うとともに、納税資力を把握するために財産調査を着実に実施し、納税者の実情を踏まえた親切できめ細かな対応を図っております。また、誠意の見られない滞納者に対しては、毅然とした徴収を行うなど、質の高い滞納整理を進めてきたところでございます。
今後も、これらの取り組みを継続、発展させ、さらなる滞納繰越額の圧縮に取り組んでまいります。
○つじの委員 ご答弁いただきありがとうございます。先駆的な工夫を凝らして徴収を行っていることが理解できました。
主税局は、唯一の歳入局であり、今後も安定した都税収入確保が最大の課題であることは、都政運営にとって誰が考えても明らかでございます。
税収の確保に向けたさまざまな取り組みの実施には、主税局として、人件費など予算をかける必要がありますが、都税確保と、それに取り組む主税局の係るコストのバランスを主税局自体はどのように考えていらっしゃるのかご教示いただきたいと存じます。問題点や課題があるとするならば、今後の改善するべきテーマとして、都民、都職員含めて共有したいと考えております。
○小山総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 平成二十八年度の都税収入は五兆二千三百六十億円でございますが、それに対し、同年度の主税局の人件費を含む徴税費は約六百七十三億円でございます。したがって、例えば都税収入百円を徴収するのに必要な徴税コストは約一・二九円となり、そのうち人件費部分は約〇・四五円となります。
最少のコストで最大の効果を発揮するため、これまでも固定費となる人件費を中心に見直しを進めてきたところでございまして、都税徴収率が最低であった平成七年度の徴税費約一千五十二億円と比較いたしますと、平成二十八年度では約三百七十九億円の減としております。
事務運営の効率化を進める中で、都税徴収率において、平成二十八年度は過去最高の九八・八%を達成することができたのは、研修やOJTなど、局を挙げて、職員一人一人の職務能力向上に努めてきたことも寄与したものと認識しております。
今後、さらなる人材育成に取り組み、効率的で質の高い業務運営を目指しつつ、適正かつ公平な賦課徴収に努めてまいります。
○つじの委員 ご答弁いただきありがとうございます。主税局が事業運営の効率化を図り、職員の方々も強い動機づけと意欲を持って、任務に当たられていることが理解できました。今後も皆様の仕事に対する熱意に期待したいと思います。
以上をもちまして私の質疑を終わりにします。本日は、重ね重ねご答弁いただき、どうもありがとうございました。
○加藤委員 初めに、ふるさと納税について伺います。
ふるさと納税につきましては、ことしの四月に総務省から返礼品の見直しを求める通知が出されておりますけれども、いまだに多くの自治体で寄附者に対し返礼品を贈呈していることや、平成二十七年度の税制改正において、住民税の控除額が引き上げられるとともに、確定申告が不要となるワンストップ特例制度による手続の簡素化などが行われたことで、納税者の利用が増加しているのではないかと思います。
ネットを見ますと、返礼品ランキングなどの紹介サイトもありまして、ふるさと納税のちょっと趣旨とは違う方向に行っているのではないかと危惧をしております。
そこで、ふるさと納税につきまして、直近三カ年の個人都民税からの控除の適用者数とその控除額について伺います。
○安藤課税部長 ふるさと納税による個人都民税からの控除の適用者数は、平成二十六年度分で約三万人、平成二十七年度分で約九万人、制度改正の影響があらわれた平成二十八年度分で約二十七万人でございます。
また、その控除額は、平成二十六年度分で約七億円、平成二十七年度分で約十九億円、平成二十八年度分で約百五億円でございます。
○加藤委員 今、答弁ありましたように、ふるさと納税による影響額は無視できない規模になっております。二十六年度から三倍ずつ人数がふえているんですよね。額も相当な、今、二十八年度は約百五億円という本当に大きな額になっていると思います。
ふるさと納税は、地域の活性化につながるとともに、災害を受けた地域の復興支援に寄与する面もあると思いますけれども、一方で、居住地以外の自治体への寄附が、居住地の自治体の住民税から控除されることになります。
また、ふるさと納税は、地方が特に力を入れておりますので、ふるさと納税の利用者が多くなると、東京など都市部の自治体の税収減につながります。
そこで、ふるさと納税に関する都の認識を伺います。
○副島税制部長 ふるさと納税についてでございますが、本来、住民が行政サービスを受ける自治体に入るべき税収が、寄附金を通じてではございますが、他の自治体に移転することとなりますので、受益と負担という地方税の観点から好ましいものではないと認識しております。
一方で、被災自治体を初め特定の地域を応援したいという納税者の思いを実現する手段としては、国民に定着しつつあるものとも受けとめております。
○加藤委員 そうした意味では、受益と負担の関係をゆがめるという点があると思いますので、国にしっかり問題提起を求めていっていただきたいと思います。
次に、先ほどもちょっとありましたが、クレジット納税についてお伺いをいたします。
クレジット納税につきましては、我が会派といたしましても、たびたび利便性の拡充を求めてまいりました。平成二十八年度の徴収率は九八・八%と近年上昇の一途をたどっており、過去最高を更新したとのことであります。また、滞納繰越額も同様で、圧縮し続けているとのことであります。
このような高い水準を更新している背景には、景気の回復基調もありますが、徴収におけるさまざまな取り組みもあると考えています。取り組みの一つとして、最近の納税者の多様なライフスタイルに可能な限り対応できるよう、納税方法をきめ細かく提供してきたことが挙げられます。
これまで、コンビニエンスストアでの納税、インターネットやATMを利用した納税、クレジットカード納税など、納税方法を多様化してきたと思います。特にクレジットカード納税につきましては、導入以降、納税者の要望に応え、納税者が利用しやすいように取り組んできていると思います。
そこで、クレジットカード納税における納税者の利便性向上のための取り組みと利用状況について伺います。
○川上徴収部長 平成二十三年度から導入した自動車税のクレジットカード納税については、他の税目でも利用したいという納税者の声を受けまして、平成二十七年度から全国に先駆けて、ほぼ全ての都税で利用可能といたしました。また、取扱期間も通年へと拡大いたしました。
利用件数につきましては、平成二十三年度の八万七千件から、平成二十八年度には四十九万四千件と約五・七倍に増加しております。金額につきましては、平成二十三年度の三十九億円から平成二十八年度の二百六億円と約五・三倍に増加しております。
○加藤委員 利用件数、金額ともに大幅に増加していることから、クレジットカード納税は、納税者の利便性や徴収率の向上に大きく貢献していると思います。
しかし、都税のクレジットカード納付を行うために、受託事業者が運営している都税クレジットカードお支払いサイトに対して、本年三月、外部からの不正アクセスがあったとの報道がありました。
三月の財政委員会でも斉藤委員から質問して、不正アクセスの状況についてお伺いしたところでありますけれども、改めて不正アクセスの概要と対応について確認させていただきたいと思いますので、答弁をお願いいたします。
○川上徴収部長 今回の不正アクセスに関しましては、納税者の皆様に多大なご迷惑とご心配をおかけしてしまい、深くおわび申し上げます。
三月十日に不正アクセスについて報告を受けた直後、受託事業者に対してサイトを停止させ、納税者の皆様からの問い合わせ窓口を設置させるとともに、同日、報道発表を行い、広く都民の皆様に公表いたしました。
また、システムセキュリティーの専門機関による詳細調査を実施させたところ、クレジットカード番号、有効期限、メールアドレスの情報が約三十六万件、不正に取得されたことが判明いたしました。
不正アクセスを受けた納税者の皆様には、三月下旬から個別に文書を送付し、おわびと注意喚起を行いました。
なお、現在までクレジットカード等の不正利用等は確認されておりません。サイトは、四月二十四日に再開し、停止期間は約一カ月半となりました。
○加藤委員 今、説明を受けましたとおり、都がサイト運営を委託している受託事業者に対しての不正アクセスということではありますが、せっかく納税者の利便性を高めるために導入したクレジットカード納税が、このような事故で納税者の皆様に不安を抱かせることになってしまい、本当に残念であります。
しかし、社会状況やライフスタイルの変化に応じて、クレジットカードによるインターネット決済は、今後ますます普及していくものと考えています。
そこで、重要になってくるのがセキュリティー対策です。既にサイトは再開しており、今回のように不正に情報を取得しようとする事件は防止できるよう取り組んできたと思います。
そこで、サイトの再開に当たっては、万全の再発防止策を講じたと思いますが、その取り組みにつきまして伺います。
○川上徴収部長 受託事業者においてセキュリティー対策の強化、再発防止策を講じたことから、安全性を確認し、サイトを再開したものでございます。
具体的には、まずソフトウエアの脆弱性を修正し、システム変更やサーバー内の監視等、サイト全体の安全性を強化いたしました。
次に、カード情報やメールアドレスは、サーバー内に保持しない等の措置を講じました。さらに、サイトの運用基準を見直し、危機管理体制を強化いたしました。
今後も、安全なサイト運営のためにセキュリティー対策の強化を継続し、万全を期していくとともに、納税者の皆様に安心してご利用いただけるよう安全性と一層の利便性向上に取り組んでまいります。
○加藤委員 今回の不正アクセスについては、クレジットカード納税が安全で便利な納税ツールとして定着するよう、納税者の皆様にご理解いただき、信頼確保に努めていただきたいと思います。
今後、インターネット上で納税関係手続を完結させるなど、ICTを活用した納税環境の整備を強く推進していくべきと考えております。より一層納税者の利便性向上に寄与するよう取り組んでいただきたいと思います。
最後に、墨田都税事務所の改築についてお伺いをいたします。
私の地元であります墨田区では、かねてから改築中でありました墨田都税事務所が、もとの庁舎所在地である業平一丁目において、地域の皆様の協力もあり、本年竣工し、八月から業務を開始することができました。
先日、庁舎を視察しましたけれども、教育庁との合築となっており、また太陽光発電システムなど環境負荷低減に向けた設備が装備されているなど、さまざまな工夫がなされていることに大変感心したところであります。
そこで、新庁舎改築の経緯と特徴について伺います。
○小山総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 墨田都税事務所旧庁舎は、昭和四十六年三月に建築され、建物及び設備の老朽化が著しいことから、平成二十一年において建てかえの方針が示されました。
都では、庁舎の改築に際しましては、都民の利便性に配慮し、可能な限り、施設の集約化や合同庁舎化を図ることとされていることから、新庁舎においては、教育庁東部学校経営支援センター支所との合築とし、都有施設の有効活用を図ったところでございます。
また、環境対策として、建築物の熱負荷の低減、最新の省エネ設備、多様な再エネ設備の導入等によりまして、エネルギーの使用の合理化を図ることとされていることから、立地状況などを踏まえ、LED照明を初め太陽光発電システム、屋上緑化などの省エネ設備や再エネ設備を効果的に導入しております。
○加藤委員 玄関ホールには、太陽光の発電量を表示するパネルがありまして、来庁者にも環境に配慮している施設であることが一目でわかりやすくなってきております。吹き抜けの本当に明るい庁舎で、そこで働く職員の方も、職場環境が、あの昔のことを考えると、本当によくなったなと、そこでばりばり仕事ができるのではないかと、そのように思っております。
ところで、東日本大震災においては、老朽化から旧庁舎では事務所の窓ガラスにひびが入ったりなどの影響が出て、耐震性能に問題があったと聞いております。墨田都税事務所は、地域住民にとって身近な施設であり、観光客の多いスカイツリーからも地理的に近い位置にあります。
都税事務所改築に際しては、安全・安心の観点から、防災上、震災対応に資する庁舎とすることが必要であると私もかねてから訴えてきたところであります。
そこで、墨田都税事務所における震災対応について伺います。
○小山総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 耐震性能に係る都の基準では、都税事務所のような一般庁舎につきましては、震災後も大きな補修をすることなく使用可能となるよう、病院などと同じ耐震水準を満たすこととされておりまして、災害応急対策活動に必要な施設との位置づけとなっております。
また、墨田都税事務所では、これまでも来庁者の安全な避難誘導訓練や消火訓練などを行っているところであり、引き続き関係部署と協力し、震災時において、都民の生命と安全を確保するため、万全の体制を整えてまいります。
○加藤委員 新庁舎は、大規模震災にも十分耐えられるということがわかりました。今後は、一時滞在施設として活用することも必要と考えます。一時滞在施設は、本当に少ないという状況でありますので、業務開始からまだ日も浅いわけでありますが、今後、都民の生命を守るべく、震災発生時に備え、機敏な行動ができるよう、関係部署との協力体制や、さらなる訓練を心がけていただくようお願いいたしまして、質問を終わります。
○小松委員 私の方から二点、徴収率の向上についてと政策減税について伺いたいと思います。
今回の決算を見ますと、緩やかな景気回復基調が続いたことに加えて、堅調な企業業績を反映して、都税収入は昨年度に比べ五百二十四億円の増と、総額で五兆二千三百六十億円と五年連続の増収となりました。
都の財政基盤を支える都税収入の確保、これは都のさまざまな政策を実施していく上で不可欠なものであり、主税局の役割は大変重要であると考えております。
平成二十八年度の都税の徴収率は、先ほどつじの委員からもありましたけれども、九八・八%と前年度よりもさらに〇・三ポイント上昇、過去最高を更新したというふうに伺っております。主税局のさまざまな努力、工夫がうかがわれます。これは恐らく全国でもトップクラスなんじゃないかなというふうに思っております。
一方、個人の都民税の徴収率は九六・一%、これは決して悪い数字ではないでしょうし、過去最高を更新したというふうに伺っておりますけれども、都税の徴収率に比べるとやや低い水準にあるのかなと思っています。
そこで、個人都民税の徴収率が都税の全体と比べて低い原因を伺いたいと思います。
○新井特別滞納整理担当部長 個人都民税は、区市町村が区市町村民税と合わせて個人住民税として課税、徴収し、都に払い込んでいるものでございます。
個人都民税の徴収率が他と比べて低い理由は、幾つか考えられますが、主な理由としましては、区市町村では分野を超えた人事異動が多いことが挙げられます。一般的に、税務部門から他部門への職員の異動サイクルが短く、専門性の継承が難しくなり、滞納となった事案が長期化、累積化する傾向がございます。
○小松委員 ただいまご答弁があったように、やはり区市町村の場合は、組織の規模が都に比べれば小さいこともあって、滞納整理の知識や経験にたけた人員を恒常的に確保していくということは難しいというふうに認識をしております。
実際、六年前になりますけれど、世田谷区の区議会の方でも質問したときに、まさにこの話をされまして、これ以上、底を上げていくのはなかなか難しい、また専門性も必要になるし、なかなか徴収できないところには徴収できないなりの事情がありますということで、個人情報などで名前は挙げられませんでしたけれど、こうしたケースもありますよということをいろいろ事例で伺いました。
そうした中で、個人都民税というのは、都が直接徴収するわけではなくて、区市町村が個人住民税と合わせて徴収している税ということであるので、なおさらこのような区市町村の実態を踏まえて、都が効果的に支援していくということが大切だと考えます。
事業概要の方でもこうして取り上げていらっしゃいましたけれども、税務の達人プロジェクトなど、東京都は独自にさまざま創意工夫されているなと思っているのですが、個人都民税の徴収率の向上のため、都並びに主税局のノウハウを区市町村へ提供していくということも必要だというふうに思います。
人材交流の側面からどのような取り組みをしているのか伺います。
○新井特別滞納整理担当部長 都ではこれまで、区市町村から実務研修生の受け入れや、区市町村への都職員の派遣等の取り組みを行ってまいりました。平成二十八年度は、実務研修生につきましては、十七自治体から十九名の受け入れをいたしまして、都職員につきましては、六自治体へ派遣いたしました。
実務研修生は、区市町村から引き継いだ困難事案を都職員とともに処理することで、都の滞納整理ノウハウを習得し、派遣元自治体へ還元しているものでございます。また、区市町村への都職員の派遣では、都職員が派遣先吏員の身分を併任し、派遣先の職員と共同で滞納整理に当たることで、都の滞納整理ノウハウの提供を行っております。
今後とも、都と区市町村との人材交流を通じまして、納税者の実情に即したきめ細やかな対応を初めとする都の滞納整理ノウハウの提供を展開してまいります。
○小松委員 ただいまご答弁にありましたように、都と区市町村が相互に人材を交流していくことで、区市町村において都のこうした滞納整理ノウハウが定着していく、これは区市町村自身の徴収率の向上にも効果が期待できる大変有意義な取り組みだと思います。実際座学で学べるものではないというふうに思いますので、こうした効果的な施策を今後も引き続き取り組んでいただきたいと思います。
都はこれまでも、個人都民税の徴収率向上のため、さまざまな取り組みを展開されてきたと思いますが、区市町村への支援は今後もぜひさらに強化していただきたいと思います。
そこで、個人都民税徴収率のさらなる向上のための取り組みについても伺いたいと思います。
○新井特別滞納整理担当部長 平成二十八年度の地方税法の改正により、これまで認められていた累積滞納に加えて、現年度課税分のみの滞納につきましても、区市町村から引き受けができるようになりました。早い段階から滞納整理に着手し、滞納解消を図ることで、徴収率向上に寄与できるものと考えております。
今後とも、区市町村の自主自立的な滞納整理の実現を目指した事業展開を行ってまいります。
○小松委員 区市町村の徴収率の向上、これには都の支援が欠かせないというふうに思います。今後も人材交流を初めとした区市町村の支援に大いに取り組んでいただきたいというふうに思います。
次に、政策減税について伺いたいと思います。
税制を活用した政策の支援、いわゆる政策税制のあり方について伺いたいと思います。
都は、政策目的を実現するための手段の一つとして、課税自主権を活用した政策税制を実施しております。その一例を挙げれば、ことし一月、待機児童解消に向け、民有地を活用した保育所等整備促進税制の創設が発表されました。
土地の所有者が土地活用を図る際に、マンションなどの住宅用に貸し出す場合と保育所等の事業用に貸し出す場合とでは、税額に三倍から四倍の開きがあるということで、事業者だけではなく、保育の実施主体である区からも、特別区長会や特別区議会議長会などからも要望の声が上がったというふうに聞いております。
このように税制を活用して都政における喫緊の課題への対応を行っている事例は、待機児童対策だけではなく、多岐にわたるのではないかというふうに考えています。例えば都民の安全・安心を確保し、災害に強いまちづくりを行っていくことも喫緊の課題だと思います。実際にそうした分野でも、こうした政策減税に取り組まれていると思います。
そこで、都が独自に実施されている防災に関する主な政策税制の概要、そして平成二十八年度決算における影響額、これを伺いたいと思います。
○副島税制部長 都が独自に実施しています政策税制のうち、防災に関する主なものといたしましては、耐震化促進税制及び不燃化特区支援税制がございます。
耐震化促進税制は、災害に強い東京の実現を税制面から支援するため、平成二十年度に創設したものでございます。二十三区内において、旧耐震基準に基づき建築された家屋を住宅に建てかえた場合や、住宅に一定の耐震改修を行った場合に、固定資産税及び都市計画税を減免するものでございまして、平成二十八年度において、約十九億円軽減しております。
不燃化特区支援税制は、不燃化推進特定整備地区制度における特別支援の一つとして、平成二十五年度に創設したものでございまして、不燃化特区内において二つの減免措置を実施しております。
まず、木造等の非耐火建築物から鉄骨造等の耐火または準耐火建築物への建てかえを行った住宅に係る固定資産税及び都市計画税を減免しております。
次に、防災上危険な住宅が除却され、その跡地が適正に管理されていると区が証明した土地に係る固定資産税及び都市計画税を住宅用地並みに八割減免しております。この不燃化特区支援税制により、平成二十八年度におきましては約一億円を軽減しております。
○小松委員 ただいまご答弁をいただきました中に耐震化促進税制、こちらについては二十億円近い影響額があるということでありました。耐震基準を満たしていない住宅の建てかえや耐震改修に対して一定のインセンティブとなっているということがうかがえるのかなと思います。
防災に関する政策税制以外にも、伺うところによりますと、地球温暖化対策のため、中小企業者向けの省エネ促進税制や次世代自動車導入促進税制を実施するなど、税制面から都の重要施策を支えているものというふうに認識をしております。
一方で、政策税制を実施することで、当然のことながら、都全体の財政にとっては減収ということが生じることになるわけであります。まさにバランスが重要なのかなというふうに思います。加えて、税に対する都民の信頼を確保していくために、ほかの納税者との公平性という視点も非常に重要ではないかというふうに考えます。
そこで、都では政策税制のあるべき姿をどのように考えているのか、また、政策税制を効果的に活用するためにどのように検討していくべきなのか、このお考え、見解を伺いたいと思います。
○副島税制部長 私ども主税局の基本的な使命は、都税収入を確保し、都の事務事業を支えていくことでございますけれども、都の政策課題の解決に向けて、税制面から支援していくことも重要な役割であると考えております。
このため、政策税制は、公平、中立、簡素であるべき税制の基本原則の例外として設けられるものであるということを踏まえつつ、規制や補助金などを補うものとして活用していくべきものと認識しております。
また、政策税制の活用に当たりましては、平成二十八年度東京都税制調査会において、政策目的を実現するための施策の必要性に加え、合理性、有効性、相当性の観点から検討する必要があるとの答申をいただいているところでございます。
都といたしましても、税の公平性、政策の重要性や効果、税収への影響など、さまざまな観点から検討していく必要があると認識しております。
○小松委員 政策税制により軽減を図るということは非常に聞こえのよいことでもあります。今後、この政策税制を活用していくという場合には、特定の者だけが恩恵を受ける制度が本当に必要なのかどうか、軽減を受けないほかの納税者から理解や納得が得られるものなのかどうか、ただいまご答弁いただきましたように、さまざまの視点から検討を重ねていただきたいというふうに思います。
政策課題を解消することと税収への影響、これを効果的にどのようにバランスをとっていくのかということがまさに問われているのだと思います。今、答弁の中にも、政策税制の活用、これについて都税調でも答申があったというふうにお答えいただきました。
我々都議会自民党も、七月の都議選に向けて、この政策税制を効果的に使うということを公約で訴えさせていただきましたので、こちらについては財政委員会の事務事業質疑等でも取り上げさせていただいて、議論を深めたいなというふうに思っております。
最後に、少しお話をさせていただきたいのですが、なぜ今回、政策税制を少し取り上げさせていただいたのかという私なりの問題意識を述べたいと思うんです。
十月十四日だったと思いますが、世田谷区の人口が九十万を超えたと。二十三区当然最多なわけでありますが、聞くところによると、二〇三五年には百万都市になるというふうなシミュレーションがあるようであります。
人口がふえること自体が悪いことだ、よいことだということではないことは、行政マンの皆さんはよくわかっていらっしゃると思うのですが、心配しているのは、急激な人口増による行政サービスへの甚大な影響であります。
当然保育園のことはそうですが、世田谷なんかもまさに東側のいわゆる都心に近いエリアは、逆に小学校を統合しなくてはならないぐらい子供たちの人口は減っています。
一方で、環状八号線沿いから西側、多摩に近い地域というのは、小学校各学年既に六クラス、建造した翌年からプレハブ校舎の増築の検討が始まるというような状況であります。
なぜこんなに予測と外れるか、この原因は端的にいうと、都市農地が相続によって、大型なマンション、また大規模な個人の住宅が急激に増加することによって、行政の予測を上回る勢いでふえているということであります。これは小学校だけに限らず、さまざまな行政サービスへの大きな影響があるのだろうというふうに思います。
舛添知事のときから、都市農地を保全しましょうということは、都の大きな長期ビジョンの中でも掲げていただけるようになりました。都市農地は、さまざまな多面的な機能を有するということで、これからどうやって保全していくのかという議論が今進んでいます。
ただ、このことを実際に政策効果を出していこうとすると、当然所管である産労局のみならず、都市整備局、また基礎自治体、そして国と、さまざまな関係者が多岐にわたってくるわけであります。
ただ、これは根本でいけば、やはり相続税、固定資産税のことが要因の大きな部分を占めるわけでありますので、ぜひ主税局の方にも、どこがイニシアチブをとって議論を深めるのかということではなくて、主税局さんの方でも主体的にこの議論に参加していただいて、問題意識を共有しながら、少しでも、行政サービスをしっかりと維持しつつ、また一方で、都市農地という希少性の高い、都民にとっても大変重要な農地をしっかりどうやって保全していくのかということを、先ほどの政策税制の話じゃないですけれども、公平性の観点も踏まえて、しっかりと取り組みたいなという思いからであります。これからもぜひまたどうぞよろしくお願いします。
私からは以上で終わります。
○斉藤委員 私が最後でございます。徴税について各委員から質問がございましたが、私も徴税に関連して、まず質問してみたいと思います。
平成二十八年度決算を拝見しますと、都税徴収率は九八・八%、過去最高を更新しておりまして、近年上昇の一途をたどっている、これはすばらしいことであり、私は目黒区なのですが、税務署の税の関連団体が集まるときにいつもこの話題になりますけれども、〇・一%上げるだけでも大変なことでございます。それが〇・三%上昇したということで、その徴税部門の職員の皆様のご努力に敬意を表するものであります。
それと同時に、官の徴税努力とともに民間、民の青色申告制度の存在も大きく寄与しているのではないかという角度でちょっと質問してみたいと思うんです。
申告納税制度は、昭和二十二年の法制化以来、今に至っているわけですが、当時の所得税では、最高税率が八五%ということもあって、税金を過少申告する納税者も多かったようであります。
そのような納税者には、税務署員が更正処分を行うと、それが日常茶飯事というか、そういう状態だったと。正確な帳簿をつけていない納税者は、反論の資料もないといった状況の中で、結構徴税する側も不透明、不公平感があったというようなことも仄聞しておりますが、そのような状況に対しまして、実はちょっと演説が長くなりますが、大正十二年に開業した目黒の洋品店経営者、喜多村実さんという人がいたのですが、喜多村実氏は、戦後、昭和二十三年になって、私の地元ですが、目黒区の学芸大学駅前にあります共同店舗、金物店でしたが、経営内容を実験的に帳簿を全部新聞紙上で公開しようと、そういう取り組みをしたわけです。
いわゆるありのままの経営実態を申告に反映させる必要があるという信念から、経営内容を帳簿に正確に記録、把握して、内容を誰の前にもわかりやすく公開するという、いわゆるガラス張り経営を提唱したのがこの喜多村氏であったというふうに聞いております。
これに目をとどめたGHQの税制視察団、いわゆる有名なシャウプ博士ですけれども、日本にも納税者自身が記帳し、申告する制度が根づくに違いない、このように判断したことが青色申告制度の導入のきっかけになったといわれています。
このことから、目黒区は青色申告制度発祥の地と正式に伝えられているわけです。税務大学校でも、そういう資料が出ているようでございます。
このように、納税は義務という意識をさらに進めまして、正確で誠実な申告納税を行うという青色申告の精神は大変すばらしいものでありまして、これにインセンティブを付与することで、青色申告をより一層推進していくことが、納税秩序の維持向上にとっても大変重要であろうと、このように考えるわけです。
そこで、青色申告を行う納税者の特典についてお伺いしたいと思います。
○安藤課税部長 青色申告は、毎日の売り上げや仕入れなどの取引内容を帳簿に記録し、正しい記帳に基づいて確定申告する制度でございます。青色申告を行うことによる特典は、所得税では比較的大きなもので三つございます。
まず、不動産所得または事業所得から最高六十五万円を控除できる青色申告特別控除です。
二つ目に、事業主と生計同一で事業に専従している親族に支払う給料が全額必要経費になる青色事業専従者給与の特例です。
三つ目は、事業所得などが赤字になった場合、その赤字金額を翌年以降三年間、各年度の黒字金額から控除できる純損失の繰越控除でございます。
地方税におきましても、個人事業税を例にとりますと、所得税の特典の二つ目の青色事業専従者給与の特例や、同じく三つ目の純損失の繰越控除などの適用がございます。
○斉藤委員 今のご答弁で、みずから正確で誠実な申告納税を行うことで、それにふさわしい特典がある。税は公平、公正、簡素、中立ということもありますけれども、そういうことがありますので、ふさわしい特典があるということが今のご答弁でわかりました。
シャウプ博士は、当時、税務官庁を強化して、調査能力を高める、徹底調査をすべきなのか、それとも業者の誠実な申告、これを推進すべきかといった納税の根本方針について迷っていたところ、最終的には民主的納税という観点から、青色申告の導入を決意したと喜多村氏は後日述べている記録が残っております。
徴収する側と納税者側の信頼の醸成や納税者の協力があって、理想的な税の徴収が可能となる。そのためにも、税は公平、公正、簡素でなければならないと改めて確認させていただいたわけであります。
そこで、次のテーマですが、納税は国民の義務、憲法第三十条に規定されておりますけれども、国民の義務と捉えるだけでなく、納税者が誇りを持って、自分が所属している地域社会を支えていくことを実感いたしまして、そのための負担をどのように分かち合うかをみずから考え、決めていくということは、民主主義の原点であり、非常に重要であると思います。
ふるさと納税もそういう観点からいろいろ議論を深めていただきたいところでありますが、青色申告をしている納税者は、納税者としてみずから進んで納税し、政治に対する参加意識も高いと実感をします。
このような納税意識に関しましては、現在のように景気が右肩上がりのときにこそ、涵養していくべきチャンスでもあるというふうに思うわけです。納税意識が高まることで、現在の都税の高い徴収率が維持できるのではないか、維持するのも大変だと思うのですが、維持できるかと思うわけです。
主税局では、税の意義や役割を都民に正しく伝えるため、小中学校だけでなく、高等学校への租税教育の充実にも取り組んでいると聞いています。私の地元目黒区でも、租税教育を推進するため、学校現場で外部講師を招いての出前授業が多く行われていると聞きました。
そこで、将来の納税者である子供たちの納税意識の向上に向けた主税局の取り組みについて伺います。
○小山総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 租税教育は全国的に広く実施されており、都では、税務関係者、教育関係者等で構成する東京都租税教育推進協議会において、租税教育の開催や教材の作成などの活動を実施しております。
学校で使用する租税教育用副教材につきましては、これまで小中学生向けのみ作成していましたが、高校生など社会に出る前の若い世代が税について学ぶ機会も重要であることから、本年九月、主税局も構成員である同協議会において、全国に先駆けて、高校生版副教材を作成し、都内全高校に配布いたしました。
主税局では、本年十月、目黒区の都立高校でこの副教材を活用した租税教室を実施したところでございます。
今後とも、子供の世代を初め、社会人を含め段階に応じた継続的な租税教育が重要であるという認識のもと、創意工夫を凝らした取り組みを行ってまいります。
○斉藤委員 全国で初めて高校生向けの副教材を発行したということです。これが実物なんです。各委員の皆さん、これを取り寄せてですね、読んでみると大変勉強になります。わかりやすく書いてありますので、ぜひ私たちも学んでいきたいと。どうぞ回してください。とても有意義なことであると思います。
キャリア教育とあわせまして、税について理解を深めることで、社会への参加意識も高められていくというふうに思います。さらには、十八歳からの選挙権付与に係る主権者教育にもつながっていくのではないか。そういうテーマもここにちゃんとおさめられていることは大変すばらしいというふうに思うのですが、今後も例えばこの副教材につきまして、若者が頻繁に活用しているスマートフォンを初めとしたICTを活用することで、授業で工夫しやすく、情報に接しやすい環境づくりを進めるなど、引き続き租税教育の充実に向けて取り組んでいただきたいと思います。
次のテーマでございます。固定資産税、都市計画税についてお伺いします。
租税教育におきましては、子供たちに興味を持ってもらうためには、最も身近な税である消費税を話題に上げることも多いと思います。これは年齢にかかわらず、買い物をしたらかかりますので、そういった税に触れるという点では、消費税というものが挙げられることが多いと思うのですが、国の基幹税である消費税に関しましては、世論を背景に我が党公明党が一貫して、低所得者対策、いわゆる逆進性が非常に高い税制ですので、強い逆進性緩和策として、軽減税率制度の導入に取り組んできたことで、税率引き上げに伴う税負担の緩和を実現したいと、このようにずっと訴えてまいりました。
地方税におきましては、基幹税の一つに固定資産税、都市計画税がありますけれども、都では同じく税負担の緩和を図るため、都独自に三つの軽減措置を実施しているということであります。
今年度も、都議会における決議や我が党による予算要望などを踏まえまして、引き続きこれらの措置を継続していきたいと思いますけれども、そこでまず初めに、改めて三つの軽減措置の概要を伺いますとともに、平成二十八年度決算における三つの軽減措置の影響額についてお伺いしたいと思います。
○副島税制部長 都は、税負担の緩和等を目的といたしまして、固定資産税等に係る三つの軽減措置を独自に実施しているところでございます。
その概要と平成二十八年度における影響額を申し上げますと、第一に、小規模住宅用地に係る都市計画税を二分の一とする軽減措置を実施しておりまして、約三百六億円を軽減しております。
次に、個人または中小企業者が所有する小規模非住宅用地に係る固定資産税及び都市計画税を二割減免する措置を実施しておりまして、約二百三十三億円を軽減しております。
最後に、商業地等に係る固定資産税及び都市計画税につきまして、負担水準が六五%を超える場合に、六五%の水準まで税額を減額する措置を実施しておりまして、約九十二億円を軽減しております。
以上、三つの措置合計で約六百三十億円の軽減を実施したところでございます。
○斉藤委員 三つの軽減措置、合わせて六百三十億円の減税ですね、軽減を実施しているというお話でした。東京都独自の政策減税、先ほどお話がありましたけれども、非常に重要な制度であると思います。
厳しい環境に置かれております中小企業、個人経営や零細も含めて、そういった経営や都民の生活を支える施策の一つと今はしっかりなっておりまして、地域社会の活性化にも大きく寄与しているのではないかと思いますし、現場からもそういう声を多く聞きます。大事な時期に入ってまいりました。現場の声をさらに都政に届けたいと思います。
ところで、来年度は、三年に一度の評価替えの年度に当たります。平成三十年度税制改正におきましては、固定資産税等について、さまざまな議論がなされるものと思われます。
特に、土地に対する固定資産税のうち、商業地等の税負担のあり方については、条例減額制度の継続などにつきまして、次期税制改正の議論の目玉になるというふうに報道もされているところであります。
この条例減額制度が継続されないと、三つの軽減措置の一つであります都独自の商業地等に対する固定資産税等の負担水準の上限引き下げ措置などが、都独自に実施することができなくなるわけでございまして、こういうことのないように国土交通省などからは条例減額制度を継続するよう税制改正要望が国レベルでもなされていると聞いています。
地価が上昇し、固定資産税等の税負担増が見込まれる状況におきましては、厳しい経営状況にある中小企業などを支えるこの条例減額制度を継続していくことが不可欠であります。
そこで、こうした商業地等の税負担のあり方について、都の認識をお伺いしたいと思います。
○副島税制部長 平成三十年度は、三年に一度の評価替えの年度でございまして、全ての土地の評価額が見直されることとなります。商業地をめぐる地価の状況につきましては、都市部では上昇を続ける反面、地方圏では下落しているなど、自治体ごとに異なっている状況にございます。
このため、都といたしましては、平成三十年度税制改正に向けて、商業地等の税負担のあり方を検討する際には、税負担の増加や自治体ごとに異なる地価の状況等に十分配慮することが必要であると認識しております。
具体的に申しますと、商業地等に係る税負担の緩和や急増の抑制を図るため、負担水準の上限引き下げ措置などの条例減額制度について、委員ご指摘のとおり継続することが必要であると認識しておりまして、国に対しても提案要求をしているところでございます。
○斉藤委員 都としても条例減額制度の必要性を認識しているというご答弁、国に対して要望を行っているということを確認いたしましたけれども、この秋から暮れにかけて非常に重要な時期に入りますので、引き続きしっかり現場の声を届けていきたいと思っております。
今後、平成三十年度税制改正に向けて議論が本格化することになると思いますが、地価が高い都の状況や都民の税負担に十分配慮して、条例減額制度が確実に継続されるよう引き続き国に対して強く意見をしていただきたいことを申し上げまして、本日の私の質問を終わりたいと思います。
○佐野委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐野委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で主税局関係を終わります。
これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
午後二時二十二分散会
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