平成二十八年度各会計決算特別委員会第三分科会速記録第五号

平成二十九年十月二十五日(水曜日)
第九委員会室
午後一時開議
出席委員 十名
委員長高橋 信博君
副委員長遠藤  守君
副委員長細谷しょうこ君
けいの信一君
滝田やすひこ君
柴崎 幹男君
いび 匡利君
原 のり子君
増田 一郎君
両角みのる君

欠席委員 なし

出席説明員
建設局局長西倉 鉄也君
次長片山  謙君
道路監三浦  隆君
総務部長今村 篤夫君
用地部長関  雅広君
道路管理部長杉崎智恵子君
道路建設部長奥山 宏二君
三環状道路整備推進部長辻  保人君
公園緑地部長日浦 憲造君
河川部長東野  寛君
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務花井 徹夫君
総合調整担当部長鹿田 哲也君
道路保全担当部長田中 慎一君
道路計画担当部長加藤 直宣君
公園計画担当部長細岡  晃君

本日の会議に付した事件
平成二十八年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
建設局関係
・平成二十八年度東京都一般会計決算(質疑)

○高橋委員長 ただいまから、平成二十八年度各会計決算特別委員会第三分科会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、建設局関係の決算に対する質疑を行います。
 これより建設局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成二十八年度東京都一般会計決算中、建設局所管分を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○今村総務部長 去る十月十三日の当分科会において要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の平成二十八年度各会計決算特別委員会第三分科会要求資料をごらんください。
 表紙をおめくりいただきますと、目次に七件の資料の件名が記載してございます。
 一ページをごらんください。骨格幹線道路(主要路線)の予算・決算額の推移でございます。
 この表は、骨格幹線道路の整備につきまして、平成二十四年度から平成二十八年度までの予算額と決算額の推移をあらわしたものでございます。
 二ページをごらんください。道路・街路整備における予算・決算額の推移でございます。
 この表は、道路、街路の整備につきまして、平成二十四年度から平成二十八年度までの予算額と決算額及び決算額を区部、多摩部、島しょ部別にあらわしたものでございます。
 三ページをお開きください。道路補修費の予算・決算額の推移でございます。
 この表は、道路補修費につきまして、平成二十四年度から平成二十八年度までの予算額と決算額及び決算額を区部と多摩部別にあらわしたものでございます。
 四ページをごらんください。中小河川の整備状況の推移でございます。
 この表は、中小河川の整備状況につきまして、平成二十四年度から平成二十八年度までの各年度の整備延長、事業費、治水安全度達成率並びに主な事業をあらわしたものでございます。
 五ページをごらんください。直轄事業負担金の決算額の推移でございます。
 この表は、直轄事業負担金につきまして、平成二十四年度から平成二十八年度までの道路及び河川の決算額を財源別にあらわしたものでございます。
 六ページをごらんください。建設局に係る中小企業への工事発注実績の推移でございます。
 この表は、建設局が発注した工事につきまして、平成二十四年度から平成二十八年度までの件数と金額をあらわしたものでございます。
 七ページをごらんください。都立公園の整備費の予算・決算額の推移でございます。
 この表は、都立公園の整備費につきまして、平成二十四年度から平成二十八年度までの予算額と決算額及び決算額を区部と多摩部別にあらわしたものでございます。
 以上で要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○高橋委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○滝田委員 私からは、六点のテーマについて質問させていただきます。
 一つ目のテーマとして、外かく環状道路の整備について質問いたします。
 外環道は、都心の渋滞解消などによる経済効果や都民の利便性向上など、整備効果の高い重要な道路と考えています。
 まず、外環道の関越から東名区間のこれまでの用地取得及び工事の進捗状況についてご説明願います。

○辻三環状道路整備推進部長 国及び高速道路会社が整備を進める外環は、大深度地下を使用するトンネル構造となりますが、各高速道路と接続するジャンクション部などは用地買収及び区分地上権の設定が必要となります。
 用地の進捗状況につきましては、本年六月末で買収部の九〇%を取得しており、また大深度地下より浅い地下空間を使用する区分地上権の設定は七一%となっております。
 工事につきましては、各ジャンクションで整備が進められており、東名ジャンクションでは本年二月に本線トンネルのシールドマシンが発進し、本掘進に向け、マシンの後続設備を組み立てながら掘り進める初期掘進が行われております。

○滝田委員 用地買収が進み、トンネル部の工事も開始されたということで、事業は進捗していると理解いたしました。
 事業者は国及びNEXCOではありますが、早期開通に向けて、都も積極的に支援に取り組むことが重要と考えています。
 外環道の事業推進に向けた都の取り組みについてお伺いいたします。

○辻三環状道路整備推進部長 都は、外環事業の整備推進に向け、平成二十二年度から大泉ジャンクションの用地取得を国から受託し、本年六月末で九九%を取得するなど支援してまいりました。
 今年度から受託している青梅街道インターチェンジの用地取得につきましては、本年七月に国とともに地元説明会を開催し、測量を進めております。
 引き続き、用地取得を進めるなど積極的に支援を行ってまいります。

○滝田委員 ご説明いただきましたように、引き続き都も事業推進に向けて精力的に取り組んでいただきたいと思います。
 外環道の関越から東名区間の整備に関する費用便益比は、時間短縮の直接便益のみで一・九と推計されています。加えて、都心部の防災性の向上や環境の改善にも資するものと、このことを鑑みると非常に大きな整備効果が期待されるといえます。
 一方で、延長十六キロにもなる地下トンネルを建設するプロジェクトであり、多額の事業費を必要とするのも事実です。
 そこで、外環道の関越から東名区間の整備における総事業費の見込みと、平成二十八年度における都の負担額についてお伺いしたいと思います。

○辻三環状道路整備推進部長 外環の関越から東名間の総事業費につきましては平成二十八年六月に国が公表しておりますが、約一兆六千億円となっております。
 本事業は、有料道路事業と国の直轄事業により整備を行っており、平成二十八年度の都の負担額については、国直轄事業費の四分の一である百五十億円となってございます。

○滝田委員 繰り返しとはなりますが、外環道の整備効果は高く、できる限り早期の開通に向けて着実に整備を進めていただけるように尽力願います。
 技術を駆使した工法となることには理解をいたしますが、安全性や環境面を優先しながらも、事業費の抑制には国、NEXCOに対して働きかけに努めていただきたいと思います。
 また、地上部や都道、外環ノ2の整備に当たっては、引き続き地元からの意見反映に努めてほしいと思います。
 続きまして、二つ目のテーマとして、都が進めている遮熱性舗装等の整備について伺います。
 まず、都道の暑さ対策として実施している遮熱性舗装と保水性舗装の違い、整備効果についてお伺いいたします。

○田中道路保全担当部長 都では、ヒートアイランド対策の一環として、センター・コア・エリアを中心とした重点エリアで遮熱性舗装などの整備を進めております。
 遮熱性舗装は、太陽光を反射する塗料を路面に塗布することで、また保水性舗装は、舗装内に蓄えた水分の蒸発により路面温度の上昇を抑制する舗装であります。抑制効果は、遮熱性舗装は約八度、保水性舗装は約十度であります。
 現在では、路面温度の上昇抑制効果に加え、路面の騒音低減効果にもすぐれた遮熱性舗装を主に整備しております。

○滝田委員 遮熱性舗装をより有効な手段として採用されていること、理解いたしました。
 東京オリンピック・パラリンピックの実施に向けても、道路路面の暑さを緩和するための環境整備は重要になります。
 次に、遮熱性舗装等の整備の考え方及び進捗状況と、平成二十八年度の決算額、一般的な舗装との単価差についてお伺いいたします。

○田中道路保全担当部長 二〇二〇年東京大会までに、マラソンコース等が想定される道路を含む都道において、路面補修工事とあわせて遮熱性舗装などを約百三十六キロメートル整備する計画であり、平成二十八年度までに約百六キロメートル完了しました。また、平成二十八年度の決算額は約三十二億円で、十キロメートルの整備を進めました。
 なお、遮熱性舗装の一平方メートル当たりの単価は、一般的に都で採用している低騒音舗装のおおむね一・三倍の約三万円でございます。
 今後とも、二〇二〇年東京大会に向け、残る三十キロメートルを着実に整備してまいります。

○滝田委員 二〇二〇年に向けて整備が順調に進捗しているとのことですので、しっかりと前に進めていただきたいと思います。
 一方で、普及していくためにはコスト低減が不可欠ですので、その努力も求めておきたいと思います。
 なお、二〇二〇年東京大会に向けてという面もあり、まずは路面温度が注目されていますが、都市のヒートアイランド対策としては、街路樹による日陰の創出、屋上緑化等の整備効果が大きいとの研究もあります。
 中長期での取り組みとしては、路面舗装の対策だけではなくて、最適な施策の組み合わせを考えて実施すべきと考えます。費用対効果を検証の上、関係各局で進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 続けて、三つ目のテーマとなりますが、都が進めている道路照明の省エネ化について伺います。
 省エネ型の道路照明を導入することは、環境負荷の軽減や行政コストの削減に有効と考えますが、都道の道路照明について、これまでの取り組み状況と取り組み効果についてお伺いいたします。

○田中道路保全担当部長 都では、現在約十六万灯の道路照明を管理しております。そのうち、消費電力が大きい水銀ランプ七万三千六百灯について、平成二十年度から省エネ効果の高いセラミックメタルハライドランプなどへの転換を進め、平成二十五年度までに完了しました。セラミックメタルハライドランプへの転換により、既存の水銀ランプに比較して消費電力、CO2排出量ともに約四割削減しました。

○滝田委員 ご説明いただきましたとおり、これまでの取り組みで省エネ化が進んでいると理解いたしますが、今後さらに省エネ化を進めていくために、省エネ効果が高いといわれるLEDの活用などが考えられます。
 今後の取り組み方針について見解を伺いたいと思います。

○田中道路保全担当部長 LEDの道路照明につきましては、平成二十六年度の道路工事設計基準の改定において標準化しております。これに伴い、設置に際し障害が少ないトンネル等において、照明の改修にあわせてLED照明を採用しております。
 平成二十八年度までに十五カ所のトンネルや地下歩道等でLED化を完了し、トンネル照明の消費電力、CO2排出量ともに二割から三割程度削減しました。平成二十九年度は、十四カ所のトンネル等で照明工事を実施する予定であります。
 道路の新設、拡幅時や道路照明の更新等にあわせて順次LED化することでさらなる省エネ化を図ってまいります。

○滝田委員 LED化については、省エネ化がまだ進んでいないトンネル照明などから優先して整備を進めていくことで承知いたしました。
 LED照明について、明るさやブルーライトの量を問題視する意見も聞きますので、適切な品質規格や光度設計を採用して配慮した上で、進めてほしいと思います。
 ご説明いただきましたとおり、道路照明の省エネ化は費用対効果が十分にあり、投資する価値のあるものと理解いたします。
 一方で、市区町村道の照明においては省エネ化が進んでいないところもありますので、都での取り組みや整備効果を共有し、東京全体の省エネ化を促してほしいと思います。
 次に、四つ目のテーマとなりますが、新たなまちのにぎわい空間の創出として、河川占用許可の特例を都としてどのように活用して進めていくのかお伺いしたいと思います。
 まず、河川占用許可の特例の概要についてご説明をお願いいたします。

○東野河川部長 都は、隅田川におけるスーパー堤防やテラスの整備、防災船着き場の一般開放など、人々が水辺に集い、親しめる河川空間の創出に努めてまいりました。また、全国各地で河川空間を活用したまちづくりの動きを背景に、河川敷地の多様な利用を求める声が高まっております。
 こうした中、国は、平成二十三年に規制緩和として河川敷地占用許可準則を一部改正し、地元の発意や地域の合意形成など一定のルールのもと、河川のにぎわいに資する施設等の設置について、民間事業者による河川敷地の占用が可能となりました。

○滝田委員 次に、これまでの取り組み実績と今後の展開についてお伺いいたします。

○東野河川部長 平成二十四年に、都、台東区、地元が連携いたしまして地域の合意形成を図るための協議会を設置し、二十五年にこの制度を都内で初めて活用した民間事業者によるオープンカフェを浅草の隅田川沿いに誘導いたしました。
 また、都は同じく平成二十五年に、水辺のさらなる魅力向上と地域の活性化を目的といたしまして、水辺の景観を楽しみながら飲食ができるかわてらすの社会実験を開始し、これまでに日本橋川において一店舗、隅田川において三店舗でかわてらすが設置されました。
 さらに、隅田川では、川沿いの観光拠点などがございます浅草や両国など四地区をにぎわい誘導エリアに位置づけまして水辺とまちの結びつきを強化し、地域全体のにぎわいを高める取り組みを行うこととしております。このうち、両国におきましては、都と墨田区の保有する公有地に民間活力を導入したホテルやレストランを有する複合施設を設置するほか、船着き場やスーパー堤防を一体的に整備いたします。
 本事業におきましても、河川占用許可の特例を活用し、例えば複合施設前面のスーパー堤防上におけるオープンカフェの設置などを検討してまいります。
 引き続き、地元区や地域と連携しながらにぎわい施設の誘導を図り、人々が集い親しめる魅力的な水辺空間を創出してまいります。

○滝田委員 多くの海外都市では、水辺を魅力的な都市空間として活用しています。急峻な地形で治水の難易度が高い本邦において、単純に海外都市と比較することはできませんが、限られた都市空間を有効活用して魅力を生み出すことは、競争力のある都市をつくる上で改めて意識して取り組むべき課題かと思います。
 また、あとの質問にもつながりますが、都市づくりのグランドデザインにある将来都市像の実現には、道路や河川といった公共空間の多面的な活用を具体化していくことが欠かせないと思っています。モデル事業において効果と課題をしっかりと検証し、民間の発想も取り入れながら、水辺空間のさらなる利用促進を図っていただきたいと思います。
 次に、五つ目のテーマとなりますが、先ほどの河川の件と類似いたしますが、まちのにぎわい空間の創出として、道路占用許可の特例について都としてどのように進めていくのか伺いたいと思います。
 まず道路占用許可の特例の制度概要についてご説明をお願いいたします。

○杉崎道路管理部長 東京の魅力を一層高めていくためには、公共空間としての道路を生かし、周辺地域と一体となったまちの活性化を図っていくことが重要でございます。
 道路占用許可の特例は、都市再生特別措置法や国家戦略特別区域法に基づく規制緩和によりまして、地域の民間企業や町会などが構成する団体が主体となり、オープンカフェ等の設置やイベントを実施することでまちのにぎわいを創出するものでございます。
 現在、都道では、環状二号線新虎通り、丸の内地区の行幸通り、新宿副都心四号線などが対象となっております。

○滝田委員 次に、平成二十八年度の実績と今後の展開についてお伺いいたしたいと思います。

○杉崎道路管理部長 平成二十八年度の実績でございますが、新虎通りでは、特例制度を活用して四棟の食事施設が本年二月新たに設置をされ、日本各地の自治体が出店し魅力を発信する旅する新虎マーケットが開催されました。また、行幸通りでは、東京の食材をPRする東京味わいフェスタなど六件のイベントが、新宿副都心四号線では、キッチンカーなどの出店により飲食を楽しめる新宿シェアラウンジが開催されました。
 今後も引き続き、地元区や関係各部署と連携し、にぎわいの場としての道路空間の活用に積極的に取り組んでまいります。

○滝田委員 交通安全の観点から適切な規制をしなければいけない役割は当然重要であります。一方で、都市づくりのグランドデザインにあるような魅力的な将来都市像を築いていくためには、道路空間も含めた公共空間の多面的な活用の推進が不可欠と考えます。部局をまたがる施策であり、かつ基礎自治体との連携も必要な施策であることから、推進していくためには旗振り役と全体計画が必要と思います。
 ご説明をいただいた事業を通じて知見を積み上げる一方で、今後の推進体制については検討をお願いいたします。
 最後に、六つ目のテーマとして、公園の多面的な活用についてお伺いをいたします。
 本年五月に、東京都公園審議会から都立公園の多面的な活用の推進方策について答申がなされました。また、六月には都市公園法が改正され、公園をより柔軟かつ多面的に活用できるようになりました。
 こうした流れの中で、まず、公園の多面的な活用について、これまでの実績をお伺いいたします。

○日浦公園緑地部長 多様化する都民ニーズに応えていくためには、公園をより柔軟に使いこなし、そのポテンシャルをさらに発揮させることが重要でございます。
 都はこれまで、上野恩賜公園や駒沢オリンピック公園におきまして、民間のアイデアやノウハウを活用したカフェやレストランを導入するなど、公園の多面的な活用を進めてまいりました。

○滝田委員 法改正に先駆けまして、汐入公園等で特区制度による保育所設置の取り組みも行ってきたかと思います。福祉面での活用も、引き続き関係部局と連携して進めていただけますようお願いいたします。
 先ほどご説明いただきましたような事例において、民間のカフェやレストランを導入したことにより、どのような効果があったのかお伺いしたいと思います。

○日浦公園緑地部長 民間を活用したカフェやレストランの導入によりまして、公園に新たなにぎわいが創出されただけでなく、その売り上げの一部を活用して公園の魅力向上や防災機能の強化が図られました。
 具体的には、上野恩賜公園では、花壇や植栽の整備によりまして来園者が快適に利用できる歩行空間が演出されるなど、公園の魅力が向上いたしました。また、駒沢オリンピック公園では、店舗に発災時の情報取得に役立つWiFiの配備や、紙おむつなどの備蓄を行うことで地域の防災機能の強化に寄与いたしました。

○滝田委員 ただ場所を貸して占用使用料の徴収をするということにとどまらず、お話しいただきましたように、民間の知恵などを使ってより効率的な公園管理や魅力向上策につながる仕組みにぜひとも挑戦していただきたいと思います。
 次に、公園の多面的活用に当たっての課題は何かお伺いいたします。

○日浦公園緑地部長 公園は、都民に安らぎとレクリエーションの場を提供し、潤いや風格のある都市づくりに寄与するとともに、都市環境を改善するですとか、防災空間を確保するなど重要な役割を担っております。こうした公園の本来持っている機能を確保しつつ、民間事業者の創意工夫を凝らした事業展開を実現していく必要がございます。
 多面的活用の推進に当たりましては、従前の公園利用との調整や民間事業者の事業採算性を含めた事業の実現性を見きわめることが課題であると認識しております。

○滝田委員 従来の利用者や近隣住民との関係など配慮が必要で、新しいことを進めるためには地域ごとにさまざまなハードルがあると思います。ぜひとも知恵を出し合い、解決策を見つけていく挑戦を続けていただきたいと思います。
 最後に、これからさらに公園の多面的な活用を進めるに当たって、その方針と今後の取り組みについてお伺いをいたします。

○日浦公園緑地部長 少子高齢化や社会の成熟化による価値観の多様化など社会状況が変化する中で、都立公園が潜在的に有する多面的な機能を一層発揮させることは、都立公園の魅力や価値を向上させるとともに、そのストック効果を高めることにもつながるものと認識しております。
 そこで、民間のアイデアやノウハウを活用し、さまざまな来園者がそれぞれの楽しみ方を見つけ快適に過ごせる場を創出する、こういう新たな取り組みを進めてまいります。
 実施に当たりましては、地域や公園利用者の理解を得ながら慎重に進めていくことが必要であることから段階的に進めることといたしまして、まずモデル事業を行います。
 現在、有識者から意見を聞きながら、対象公園の選定や公募要件を検討しておりまして、今後、民間事業者から事業採算性などについてヒアリングを行うこととしております。
 こうした取り組みによりまして、公園の多面的な活用をさらに推進してまいります。

○滝田委員 課題にも挙げていただきましたが、民間の多様なアイデアの発揮が促されることが重要になります。幅広く民間事業者や専門家と情報交換をし、可能性を広げることが大きな一歩となるかと思います。
 また、ニューヨークなど海外都市でも公園や緑地を活用しての都市戦略を打ち出しており、参考としつつ、引けをとらない魅力ある空間づくりに取り組んでいただきたいと思います。
 以上で私からの質問を終わりにいたします。

○けいの委員 私からは、東部低地帯の河川施設の整備について、大きく三点お伺いさせていただきます。
 近年、全国各地で記録的な大雨による水害が多数相次いでおります。つい先日も台風二十一号の接近により、和歌山県では四十八時間に八百ミリを超える記録的な大雨、奈良県では大和川が氾濫するなど甚大な被害が出ております。
 多くの河川がある上、広範囲をゼロメートル地帯が占める東部低地帯では、過去、幾多の水害に見舞われてまいりました。加えて、いつ起きるかわからない首都直下地震など、こういったことに耐え得る防潮堤や護岸の整備は急務であります。
 都は、東日本大震災後、二十四年十二月に、四十キロメートルにわたる防潮堤や水門、護岸の整備から成る東部低地帯の河川施設整備計画を策定いたしました。
 そこで、二十八年度における東部低地帯の各河川施設整備の耐震、耐水対策の取り組み状況と、その整備の完了時期についてお尋ねいたします。

○東野河川部長 都は、平成二十四年の計画策定後、速やかに対策に着手し、二十八年度末には隅田川、中川などにおきまして防潮堤延長の約五割となる二十・五キロメートル、水門、排水機場など二十二施設のうち源森川水門、大島川水門など約三割となる六施設におきまして対策が完了いたしました。
 また、水門より内側の護岸につきましても二十四年度から対策に着手し、二十八年度末には綾瀬川などにおきまして三・八キロメートルが完了いたしました。
 引き続き、防潮堤や水門などにつきましては三十一年度、また水門より内側の護岸につきましては三十三年度の完了に向けて全力で取り組んでまいります。

○けいの委員 津波や高潮から直接守ってもらえる防潮堤や水門などの耐震、耐水対策が着実に進んでいることがわかりました。完了に向けて確実に対策を進めていただくことを期待いたします。
 一方で、都は、堤防の耐震性を高めるとともに、河川環境の向上に資するスーパー堤防の整備を進めておりますが、スーパー堤防は、後背地の開発や公園等と連携し一体的に整備を進めることで親水性がより一層向上いたします。
 都が進めるスーパー堤防の二十八年度の取り組み状況についてお尋ねいたします。

○東野河川部長 都のスーパー堤防は、耐震性の向上や良好な景観の形成及び親水性の向上を目的といたしまして、民間開発や公園整備などまちづくりと一体的に奥行き六十メートル程度の盛り土を行うものでございます。東部低地帯の隅田川や綾瀬川など五河川を整備対象といたしまして、二十八年度は六カ所で工事を実施し、隅田川の千住大橋地区が完成いたしました。二十八年度末における隅田川のスーパー堤防区間は、防潮堤延長の約三割となっております。
 また、両国地区など八地区におきまして、事業スケジュールなどについて関係者と調整しながら調査設計を行いました。

○けいの委員 スーパー堤防事業が民間開発の機会などを捉えて着実に進んでいることがわかりました。
 最後になりますが、私の地元荒川区では、北部八キロメートルが隅田川に接する川の手の地域であり、スーパー堤防の推進が多く求められております。
 そこで、荒川区内でのスーパー堤防整備の取り組み状況を教えてください。

○東野河川部長 荒川区内では、隅田川で最大規模のスーパー堤防で、都施行の再開発事業と一体となって整備いたしました延長二・四キロメートルの白鬚西地区など、防潮堤延長の約五割がスーパー堤防として整備されております。また、西尾久三丁目地区では、公園の計画にあわせましてスーパー堤防を整備することとし、区と工程などを調整しながら事業を進めております。
 引き続き、都民の命と暮らしを守るため、地元区の施設整備や民間開発などとの連携を図りながら、スーパー堤防の整備を積極的に進めてまいります。

○けいの委員 ありがとうございました。
 隅田川に面する都立尾久の原公園では、都がスーパー堤防化し、その上に現在運動場の整備を荒川区が進めております。ほかにも、都のスーパー堤防の上に区立中学が完成するなど、都と区の連携による事業に区民の喜びと安心が多く広がっております。
 しかし、国交省が指定、公表している水害ハザードマップの色は真っ赤なまま変わっていないという不安の声を地元ではよく聞きます。そこに河川がある以上、氾濫した場合は最悪の事態を想定しているのがハザードマップですから、当然のことですが、都のスーパー堤防事業が進んでいることは、まさに命を守る丘を築いている、こういうことを私自身が積極的に都民に語り、安心と安全の向上にも努めてまいりたいと思います。
 今後も着実な計画の実行をお願いして、私からの質問とさせていただきます。ありがとうございました。

○柴崎委員 私からも、昨今全国で豪雨災害、これが発生しておりますので、この河川整備に関する質疑をさせていただきたいと思います。
 ことしも九州の北部あるいは秋田県を襲った豪雨では、かなり大きな被害が発生いたしました。今週もちょうどこれ選挙の投票日ですか、二十二日の日には東京地方を襲った台風二十一号においても、大きな被害はなかったものの水害の恐ろしさ、これは改めて認識をいたしたところでございます。
 人口や資産が集中する東京では、河川の氾濫によりまして甚大な被害が発生いたしております。そのため、水害から都民を守るために治水機能を一層向上させて安全を高めていく、この必要性がございます。
 決算説明資料によりますと、平成二十八年度の中小河川整備には約二百三十七億円が支出をされております。
 そこで、まずお聞きをいたします。
 中小河川の整備状況、これについてお伺いしたいと思います。

○東野河川部長 中小河川におきましては、これまで河道の整備に調節池などを組み合わせ、効果的、効率的に整備を進めてまいりました。
 平成二十八年度は二十六河川で事業を行い、このうち時間五十ミリの降雨に対応するため、護岸の整備につきましては石神井川や空堀川などで一キロメートル、調節池につきましては白子川地下調節池など六カ所で整備を進めました。
 これによりまして、平成二十八年度末の都内全域における時間五十ミリの降雨に対応する護岸整備率は六七%、これに調節池等の効果を含めた治水安全度達成率は八〇%となります。
 これに加えまして、時間五十ミリを超える降雨に対応するため、環状七号線地下広域調節池など新たに四施設の工事に着手いたしました。

○柴崎委員 都内全域で護岸あるいは調節池の整備が着実に進められているということがよくわかりました。今後、なお一層この整備促進を図っていただくようにお願いをしておきます。
 私の地元練馬区におきましては、平成十七年、この豪雨によってかなりの床上浸水、床下浸水、非常に甚大な被害が生じたわけであります。
 しかしながら、今、五十ミリの降雨に対するパーセンテージ、今ご答弁ありましたけれども、まだこの地域、石神井川、五十ミリ対応の改修が完成していないのも事実なんですね。早期完成に向けてぜひ全力で推進をしていただきたい。そして、周辺住民に対しましては、やはり安全・安心を得られるように取り組んでいただきたいと思っております。
 しかしながら、この一方では、この平成十七年の浸水被害を受けて、都はいち早く、近隣の武蔵関公園、この地下に調節池を設置されました。このことによりまして、その後もかなりのゲリラ豪雨、こういった雨が降ったわけでありますが、一切河川の溢水は生じていないんですね。このことは地域の方もよく理解をしていまして、この点については評価をしております。
 そこでお聞きしたいのは、白子川地下調節池、これが水害に対する安全性を高める上で非常に重要な施設であり、またその効果というものが大いに期待されております。
 そこでお伺いしたいのは、白子川地下調節池の概要、そしてその整備状況、これについてお聞きしたいと思います。

○東野河川部長 白子川地下調節池は、白子川流域における水害の早期軽減を図るため、目白通りの地下約三十五メートルに設置する内径十メートル、延長三・二キロメートル、貯留量二十一万二千立方メートルのトンネル式の地下調節池でございます。この調節池が完成いたしますと、調節池下流の安全度が向上するとともに、上流に向けてさらなる河道の整備が可能になるなど、早期に水害を軽減させる効果がございます。
 また、平成二十二年に大規模な浸水被害が生じた石神井川では、緊急豪雨対策として石神井川取水施設を整備いたしまして、白子川地下調節池に石神井川の洪水を流入させることで、二十二年と同様の豪雨に対して河川からの溢水を防止することができます。

○柴崎委員 今ご答弁いただきまして、白子川の地下調節池、この概要と整備効果がよくわかりました。
 そこでお伺いしたいのは、白子川地下調節池と石神井川取水施設の平成二十八年度末までの整備状況、これについてお伺いをしたいと思います。

○東野河川部長 白子川地下調節池は、平成二十六年一月にシールドトンネル工事を完了させまして、その後、発進立坑内部の構築工事や機械電気設備工事を実施してまいりました。二十八年度末には排水ポンプの工事が完了し、取水可能となりました。
 また、石神井川取水施設におきましても、越流堤の整備や石神井川から取水した洪水を白子川地下調節池に導水するための施設整備が二十八年度末に完了し、石神井川からも取水が可能となりました。
 十月二十三日未明に東京を襲った台風二十一号による降雨では、約十七万立方メートルの洪水を石神井川から取水し、効果を発揮いたしました。

○柴崎委員 白子川地下調節池の取水が可能になったということであります。したがって、白子川の治水安全度が非常に向上したということもよくわかりました。同時に、石神井川におきましても下流域の安全度が向上したということのようでございます。
 今後も、護岸や調節池の整備、これはもちろんでありますが、先ほど申し上げましたように、やはり五十ミリ対応の河川改修についてもできるだけ早期に工事を進めていただきたい。そして、地域の安全・安心を一日も早く実現させていくことを要望して、この項目につきましての質疑を終わらせていただきます。
 それでは、続いて、連続立体交差事業に関しましてお伺いをしていきたいと思います。
 都内には、いまだに千を超える踏切が残っているわけでございます。そのうちいわゆるあかずの踏切といわれている踏切、これは都内に約二百五十カ所が存在をしているわけであります。これはもう全国の約半数を占めているわけでございます。
 これらの踏切は、交通渋滞あるいは市街地の分断による都市の活力の低下を招くとともに、緊急あるいは救急の活動の支障となっているわけであります。人と物の流れがスムーズな道路交通の実現や沿線地域の発展、そして都民生活の安全のために、これらの課題を抜本的に解消する連続立体交差事業を推進することは極めて重要だと思っております。
 そこで、平成二十八年度の連続立体交差事業、この成果についてお伺いをしたいと思います。

○奥山道路建設部長 連続立体交差事業は、道路ネットワークの形成を促進し、交通渋滞や地域分断を解消するとともに、踏切事故をなくし地域の活性化に資するなど、極めて効果の高い事業でございます。
 平成二十八年度は、京王京王線など六路線八カ所で事業を進め、このうち西武池袋線石神井公園駅付近、京浜急行本線・空港線京急蒲田駅付近、京成押上線京成曳舟駅付近の三カ所で事業が完了いたしました。
 この完了箇所の一つであります西武池袋線の石神井公園駅付近では、高架化された鉄道に沿って居住環境や駅へのアクセスを向上させる側道が全線開通するとともに、新たに創出されました高架下空間では練馬区の観光案内所が開設されるなど、地域の利便性が向上し、にぎわいが創出されております。

○柴崎委員 事業がこうして実施をされることによりまして、人と物がより円滑に行き交い、また活力のある都市が実現するなど非常に高い効果が得られたということで、地域の方々もその効果を実感しております。
 先ほども触れましたように、都内ではまだまだ多くの踏切が残っているわけでございます。現在事業中の区間では、用地取得や工事を推進することはもちろんでありますが、新たな区間につきましても、鉄道の立体化、この検討を着実に進めていく必要があると思います。
 私の地元では、先ほどもお話、ご答弁にもありましたけれども、いわゆる西武池袋線においては桜台から大泉高校のところまでが鉄道の立体化が完了しているわけであります。
 こうした中で、西武新宿線においてはいまだ数多くの踏切が残されております。平成十三年、過去を振り返りますと、この平成十三年に当時の石原知事と扇千景国交大臣が上石神井の駅周辺を訪れまして、この踏切を待つバスあるいは自動車、歩行者が錯綜して非常に無理な横断が見られるなど、危険な状況を視察されました。
 この視察を受けまして、外環道の地下化に向けて大きくかじが切られたわけでありますが、同時に、この上石神井駅周辺の状況を解決するため、複数の踏切を同時に除去する連続立体交差事業を推進することが必要不可欠であるとの認識に立ったわけであります。
 こうした中で、地元商店街、町会の皆様方が中心となってこの同年、平成十三年には上石神井駅周辺地区まちづくり協議会が立ち上がりました。そしてまた、隣の武蔵関駅周辺におきましては、本年三月、武蔵関駅前まちづくり推進会において進めてきた検討結果を区に提出したところであります。
 これを受けまして、区では駅前広場の整備に関する検討を進めており、ことし六月にはオープンハウスで検討状況を説明をしたわけであります。
 このように、沿線地域では、駅周辺のまちづくりに意欲的に取り組んでいるなど、いずれにいたしましても、やはり鉄道の立体化、これを待ち望んでいるわけであります。
 そこで、この西武新宿線井荻駅から東伏見駅間、今後の取り組みについてお伺いをしたいと思います。

○奥山道路建設部長 西武新宿線の井荻駅から東伏見駅間におきましてはあかずの踏切が十二カ所あるほか、都市計画道路が五カ所で交差することとなり、鉄道立体化による踏切の解消が必要となっております。
 都は、昨年三月、本区間を新規に着工を準備する区間に位置づけました。本区間では、交差することとなる外環ノ2で用地測量が実施されるなど、関連する都市計画道路の整備計画が具体化するとともに、沿線区市によるまちづくりが進められております。
 連続立体交差事業の効果を高めるためには、本事業と並行して、地元区市が駅前広場や関連する街路など、まちづくりに着実に取り組むことが重要でございます。
 今後、構造形式や施工方法の検討を進め、地元区市や鉄道事業者と連携し、事業化に向けて積極的に取り組んでまいります。

○柴崎委員 今ご答弁いただきましたが、駅周辺のまちづくりを推進していく上でも、あるいはこれからまた外環が完成し、外環ノ2、これについても整備をしていく上でもやはり鉄道の立体化というのは必要不可欠であります。地元区ともしっかりと連携を図っていただきながら、早急にお取り組みを進めていただきたい、そのように申し上げたいと思います。
 この項については以上で終わります。
 続きまして、先ほども質疑がありました、重複しないようにお聞きしたいと思いますが、都が平成二十八年度会計において国の直轄事業負担金として、先ほど答弁ありましたが百五十億円を負担している、この外環についてお伺いしたいと思います。
 外環は、東京から放射状に延びる高速道路を都心から半径約十五キロメートル圏で連結をし、首都圏の物流など経済を根幹から支え、そして災害時の緊急輸送、そしてまた迂回機能を確保するにも資する重要な道路であることは、もういうまでもないわけであります。既に開通済みの埼玉県区間に続きまして、千葉県区間の開通が今年度中には予定をされております。現在事業中の関越から東名間についても早期の整備が望まれるわけであります。
 そのため、都はこれまで、国から用地取得を受託し、事業推進に向けた支援をしてきたところであります。各ジャンクション、この用地の取得進捗状況にはかなり差があるように仄聞をいたしております。
 そこで、まず整備に必要な各ジャンクション、そして、インターチェンジ、それぞれの用地取得状況についてお伺いしたいと思います。

○辻三環状道路整備推進部長 用地の進捗状況につきましては、本年六月末で東名ジャンクション九四%、中央ジャンクション九二%となっております。平成二十二年度から都が国から受託している大泉ジャンクションにつきましては九九%となっております。
 また、これまでは工事工程上、各ジャンクション部の用地取得を優先してきたことから、青梅街道インターチェンジにつきましては一四%となっており、今年度から都が新たに受託し進めることとしたところでございます。

○柴崎委員 都が支援をしてきた大泉ジャンクション、これはやはり大きな成果が上がっているということがよくわかりました。
 しかしながら、この青梅街道インターチェンジと本線との一体整備に向けまして、今年度から都が用地取得を支援することにつきましては、大いにこれ賛同するところなんですね。
 一方では、この青梅街道インターチェンジにつきまして、一部に建設反対、そんなことが数々、いろいろな意見があるということも仄聞をいたしております。
 そこで、青梅街道インターチェンジの用地取得に当たりまして、都はどのようにこれから取り組んでいくのか、この点についてお伺いをしたいと思います。

○辻三環状道路整備推進部長 事業を進めるためには、住民の理解と協力が不可欠でございます。そのために、まず本年七月に、国とともに用地補償の手順や測量の進め方に関する地元説明会を開催しまして、三日間で延べ約二百名の方々にご参加いただきました。また八月には、事業の情報提供などを行うオープンハウスにおきまして用地取得の個別相談にも応じております。
 現在、用地取得のための測量作業を進めており、今後も地権者の方々に丁寧に説明し、理解と協力を得ながら進めてまいります。

○柴崎委員 この青梅街道インターチェンジは、いわゆるハーフインターチェンジなんですね。ですから、利便性の向上、あるいは周辺道路の渋滞緩和に関しましても、この積極的推進派の地元の方々からもさまざまな声が出ているのも事実でございます。
 しかしながら、やはりこの本線と一体となった整備に向けまして、極めて重要なインターチェンジであることは事実でございます。
 したがいまして、この早期の開通に向けまして、都の積極的な支援によりまして着実に事業を推進していただきたいというふうに申し上げまして、私の質疑を終了とさせていただきます。

○原委員 二〇一六年度、平成二十八年度の道路橋梁費の決算について伺います。
 道路橋梁費全体の当初予算は三千九百六十七億八千七百万円と、大きな金額になっています。そのうち、環状第二号線などの街路事業費が二千百五十九億六千二百万円を占めています。実際には予定どおりには進んでおらず、減額補正もされて、決算としては一千二百三十一億八千九百九十一万一千円、七一・五%の執行率となっています。
 片や、道路補修費の決算は二百十五億八千九百万円余りです。また、交通安全施設費については、昨年度は無電柱化推進基金積立金が入っているため金額が大きく見えますが、それを除いた当初予算額は三百五十七億円程度となっています。改めて、住民生活に欠かせない既存道路、生活道路の補修や安全対策にもっと予算を振り向けるべきではないかと考えています。
 そこで、幾つか伺います。
 交通安全施設費の事業規模を見ますと、歩道の整備は一千六百十一メートルとあります。これは余りに少ないのではないかと感じています。
 整備したのはどこで何カ所なんでしょうか。また、予定していたができなかったところはないのか伺います。

○田中道路保全担当部長 平成二十八年度に歩道整備を行った箇所は、五日市街道など十二カ所であります。一方、平成二十八年度に整備を予定していた箇所の中には、用地取得に伴う関係人との折衝等に日時を要している箇所もあり、引き続き、事業用地の確保に努めてまいります。

○原委員 それでは、改めて伺いたいと思いますが、歩道整備を進める意義について、都の認識を伺います。

○田中道路保全担当部長 歩道は、歩行者の安全確保はもとより、ライフラインの収容空間の確保など多様な機能を有しており、その整備を推進することは重要でございます。

○原委員 今ご答弁いただいたとおり、本当にそのとおりだと私も思います。しかし、実際には、歩道設置が求められながら実現せずに長年にわたり残されている箇所もあります。
 昨年度の決算では、交通安全施設費の関係は執行率九六・一%というふうになっていますけれども、まだまだ残されているという問題があるというふうに思います。
 例えば、所沢街道の東久留米部分のうち、歩道設置が残されている区間は大変危険な箇所で、住民の方々からも強く要望されて、十年以上にわたり市議会に請願や陳情も繰り返し提出されて、全会一致で採択をされてきている経過もあります。
 二十八年度中にも都と市の協議が進められ、協定を締結していると聞いていますけれども、現在の状況と今後の取り組みについて伺います。

○田中道路保全担当部長 都は、東久留米市南町四丁目から同市八幡町二丁目までの歩道整備を行っていない一・三キロメートルの区間について、東久留米市と歩道整備に関する基本協定を平成二十九年四月に締結いたしました。この基本協定は、用地取得に関する業務を市が、構築に係る設計及び調査並びに工事に関する業務を都が、それぞれ行うことを定めたものでございます。
 今後は、市の協力を得ながら事業化に向けた検討を行ってまいります。

○原委員 協定も締結してということになってきています。いよいよスピードアップして進めていただくことを強く要望しておきたいと思います。
 実際にこの区間では交通事故が起きているということもあります。これ以上おくらせるわけにはいかない場所ではないかと考えています。沿道にお住まいの方はずっと要望していますけれども、年をとってしまい、また体が不自由になり歩くのも怖いので、近くでもタクシーを呼んでいるのでお金がかかり、もう外出できない、こういうようなせつない声もたくさんあります。
 一日も早くスケジュールを明らかにして、住民の方々が見通しを持って安心できるようにしていただくことをこの場では強く要望しておきたいと思います。
 次に、もう一つ、昨年度中に動きがあった道路について伺います。
 東久留米市内の都市計画道路東三・四・一九号線の整備完了に伴い、都道前沢保谷線の一部区間が市に移管されると聞いています。
 移管に関して、都は、市とどのような協議を行っているのか伺います。

○杉崎道路管理部長 都は、新たな道路の整備に伴い、幹線道路から地域内道路に性格が変化した道路について区市町村への移管を進めております。
 お話の都道前沢保谷線のうち、小金井街道から東久留米市道一〇八号線までの約千五百メートルの区間につきましては、都市計画道路東村山三・四・一九号線の整備完了に伴い、東久留米市との間でこれまで移管に向けて必要な協議を行ってきております。
 移管に当たり、市から要望があった箇所につきましては、今年度中に必要な工事を実施し、完了する予定でございます。

○原委員 この道路は通学路を含んでいる場所で、大変危険な場所だということがかねてから近隣の住民の方、また小学校保護者の方々からも指摘をされているところです。通学路だということがなかなかわからない、そういう状況にもなっていまして、グリーンのカラー舗装なども行っていただいている場所もあるのですが、子供たちが通る場所についての安全対策が、なかなか手がついていないという状況だということと認識をしています。
 この通学路だということがわかる表示や安全対策もきちんと行った上で移管をされるのかどうか、また移管の時期はいつなのか伺います。

○杉崎道路管理部長 現在予定をしている工事につきましては、これまでの市との協議に基づき、側溝を現況のふたかけから連続したコンクリート盤に更新、カラー舗装の塗り直し及び交差点の巻き込み部分への車どめの設置など、市からの安全対策等の要望を十分に反映したものとなっております。
 これらの工事が完了した後、平成二十九年度末で都から市へ移管を行う予定でございます。

○原委員 今、協議をされながら、今年度中にさまざまな対策を完了した上で移管もされるということで確認ができましたので、本当にそこは丁寧に進めていただくように要望しておきたいと思います。
 とりわけ、小学校が近くにありまして、子供が登下校に歩く道路、歩道の安全対策をとってほしいということを重ねてお願いをしたいと思います。この点については強く要望しておきたいと思います。
 いろいろその歩道整備については、私の認識ではやはり多摩地域はおくれているのではないかということも感じています。
 歩道整備、先ほど東京都の方でも大変この整備には意義があるということでお話がありましたので、ぜひとも進めていただきたいということを最後にあわせて要望いたしまして、質問は終わりたいと思います。

○遠藤委員 よろしくお願いいたします。
 私の方からは二点、一点目が都立霊園の整備、そして二点目に島しょ地域の災害対策、とりわけ大島の土石流災害後の復興工事等、この二点についてお伺いをしたいと、このように思います。
 きのうも新聞を見ておりました、また電車等々に乗っていますと、例えば樹林型、樹木型の墓地等々のこういう案内が出ております。電車には、海洋散骨、いわゆる海にご遺骨をまくという海洋散骨、こういうのも大変目につくようになってきました。
 これまで我が国を支えてこられた高齢者の皆さんがたくさん亡くなられる、マスコミ的には、多く亡くなる多死時代の到来、突入、または終活、ご自身が、または家族等が亡くなられる、これに向けてさまざまな準備をあらかじめなさると、こういう言葉もあるわけであります。
 こうした中において、都民の皆さんの、都の霊園行政、具体的にいうと都立霊園に対する期待というものも年を追ってふえてくる、このように思ってございます。
 私は、平成二十四年の第三回定例会の一般質問におきまして、都立の小平霊園、ここにおける樹林墓地に関連して質問をさせていただきました。こうしたいわば自然葬の一環というものになるんでしょうか、こうしたもののニーズというのは、死後は自然に返りたいという、こういう大きな思いとあわせて、個別具体的には、お墓の承継者がいないですとか、または一般墓地に比べて使用料が都立霊園の場合には格段に安い等々の社会的または経済的理由があるのではないか、あるのだろう、こういう観点に基づいて質問をさせていただいたわけであります。
 そこで、改めてこの都立霊園、具体にいうと小平霊園でありますけれども、樹林墓地、そして樹木墓地、これを導入した背景、そして、その両者の特色ですとか、または違いですとか、これについてお伺いをしたいと思います。

○日浦公園緑地部長 近年、墓地に対する価値観が多様化している中で、死後は自然に返りたいという都民の思いに応えるため、樹木を植栽した区域の土の中に遺骨を埋蔵する形式である樹林墓地、樹木墓地を整備することといたしました。
 樹林墓地と樹木墓地との違いということでございますけれども、樹林墓地は地中に共同の納骨施設を設け、その中に多くの遺骨を埋蔵するのに対しまして、樹木墓地は納骨施設はなく、シンボルとなる樹木を中心に直接土に触れる形で遺骨を一体ずつ個別に埋蔵する墓地でございます。

○遠藤委員 これは先ほど申し上げましたとおり、平成二十四年から事業そのものがスタートしたわけでありますけれども、それでは、当委員会の決算ということで、二十八年度でありますけれども、樹林墓地、そして樹木墓地の平成二十八年度の公募状況、そして二十四年からスタートしました公募を開始して以降の受け付け状況、それぞれについて答弁を求めたいと思います。

○日浦公園緑地部長 二十八年度の公募状況ということでございますが、樹林墓地は、募集一千六百体に対しまして一万六千三十四体分のお申し込みを受け付けまして、倍率は十・〇倍でございました。一方、樹木墓地は、募集三百体に対しまして、五百二十一体分の申し込みを受け付けておりまして、倍率は一・七倍でございます。
 公募開始以降の受け付け状況につきましては、樹林墓地は、公募の初年度でございます二十四年度は募集五百体に対しまして八千百六十九体分の申し込みを受け付けまして、倍率は十六・三倍ということでございました。翌二十五年度からは、募集規模を一千六百体ということにいたしまして、以降十倍前後の倍率で推移しております。
 一方、樹木墓地でございますが、公募の初年度でございます二十六年度は、募集三百体に対しまして五百二十体分のお申し込みを受け付けまして、倍率は一・七倍でございました。二十七年度も同じく募集三百体に対しまして五百九十六体分の申し込みを受け付けまして、倍率は二・〇倍でございます。

○遠藤委員 この樹林墓地については、公募の初年度が平均して十六・三倍ということでありました。これ平均ですので、最も人気だったのは、当時の申し込み区分は三十一倍ということでかなり高いところ、高どまりしているわけですけれども、年々十倍前後ということであります、樹林墓地ですね。樹木の方は、今ありましたとおり、おおむね二倍前後で推移をしているということでございます。
 ちょっと事前に確認はしなかったんですけれども、平成二十九年度、今年度でありますけれども、申込期間が七月の三日で、七月の十八日に終わって、既に当選の方にはその旨の通知が行っているようでありますけれども、もしも手元に資料があれば、二十九年度、今年度、この樹林墓地、また樹木墓地、最新のデータでどれぐらい申し込みがあったのか、また倍率がどれぐらいだったのか、わかれば参考までに答弁をいただきたいと、このように思います。

○日浦公園緑地部長 今年度、平成二十九年度でございますが、樹林型の墓地につきましては、募集が一千六百に対しまして受け付けが一万四千九百六十九ということで、倍率は九・四倍でございます。一方、樹木墓地でございますけれども、募集が三百に対しまして受け付けが五百十二ということで、倍率は一・七倍ということでございます。

○遠藤委員 突然聞いたにもかかわらず、ありがとうございました。樹林が平均九・四、樹木が一・七ということだったと思います。
 この樹林墓地の方が平均して倍率が高いという、さまざまな要因、理由はあると思いますけれども、大きな点は、やはりみずから使用する墓地を確保する目的、いわゆる生前に申し込みができるという点が大きい要因なんだと思います。
 それでは、具体的にこの二十八年度末までに、これまで樹林墓地では何体分の使用許可を行ったのか、そのうち実際に、今申し上げましたが、これは生前の申し込みができるということでありますので、お申し込みをされた方と、実際に埋納されている体は、違うわけでありますけれども、使用許可を行ったのは何体分か、そしてそのうち実際に埋納、埋蔵されているご遺骨はそれぞれ何体なのかお伺いしたいと思います。

○日浦公園緑地部長 樹林墓地の使用許可ということでございますけれども、平成二十八年度末時点で六千八百三十三体分の使用許可を行いました。このうち、実際に埋蔵されている遺骨数は一千二百四十二体でございます。

○遠藤委員 二十八年度末時点で六千八百三十三体分の使用許可を行ったと。実際にご遺骨の数は千二百四十二体ということであります。ですから、実際に申し込みをされている方と、ご遺骨として埋納、埋蔵されている数は異なるということであります。
 小平霊園、まだこの樹林型墓地の埋納の基数というのかな、ゆとりはかなりあるようでありますけれども、先ほど確認させていただきましたとおり、今年度も既に十倍近い、これは平均だと思いますので、より人気というか、申し込み区分で高いところは恐らくもっと、倍率というんですかね、これは高いんだと思います。引き続きこれは高どまりすると思います。
 そこで、これは最初に申し上げました平成二十四年の三定のときでも要望、質問をいたしましたけれども、このニーズが高い樹林墓地を他の都立霊園にも拡大すべきであると、二十四年度の質問でもいたしましたけれども、それから今回の決算の対象となっています二十八年度、そして今は二十九年度でありますけれども、拡大すべきであると、この考えについて、これまでどういう検討をしてきたのか、そして今後、都としてこの都民ニーズにどう応えるか、これについてお伺いしたいと思います。

○細岡公園計画担当部長 都立霊園に対するニーズに的確に対応するために、郊外にある多摩、八柱、小平及び八王子の霊園につきまして、今後の墓所供給のほか、墓参しやすい環境の整備などの検討を現在行っております。
 この中で、樹林墓地の拡大に向け、各霊園の特性や景観、利便性等を考慮しながら、設置場所や施設の形態等を検討しております。
 今後とも、都民の墓所に対する多様なニーズに応えられるよう、都立霊園の整備に取り組んでまいります。

○遠藤委員 樹林型墓地の拡大に向けて検討していると、していくと、こういうことであると思います。
 可能性として、これは来年以降になると思うんですけれども、いつごろまでにどういう形なのかみたいな、そういう一定の結論みたいなものは出るんでしょうか。それとも、それぞれ個別の霊園ごとに、例えばいついつにやるとか、その残りについてはいついつだみたいな形で、この辺の計画の見通しみたいなものが何かいえればお願いしたいと思います。

○細岡公園計画担当部長 現在、郊外の四霊園につきまして、ただいま申し上げたように、墓参の環境あるいは霊園の特性、そのようなことを総合的に検討しておるところでございます。それらを踏まえまして、適切な場所、規模等を定めてまいりたいと思います。

○遠藤委員 これ以上は聞く舞台ではありませんので聞きませんけれども、やはり潜在ニーズ、これあるわけでありますので、速やかに検討して、また結論を出していただきたいと、このように思います。
 次いで、二つ目のテーマであります島しょの災害対策、特に伊豆大島の土砂災害対策、これについて伺いたいと思います。
 この島しょ地区につきましては、我が党は東京都議会での議席がございません。ゆえに、伝統的に我が党では大田区選出の都議会議員が島しょ地域の担当をさせていただくと、こういう仕切りになっておりますもので、私も初当選以来、大島を初めとする島しょ地域のさまざまな課題について都議会で取り上げさせていただきました。
 平成二十五年十月であります。台風二十六号で、大島町では一時間に百二十二ミリ、総雨量として八百二十ミリを超す大島における観測史上最大の豪雨により土石流災害が発生をいたしました。三十六名の方が亡くなられ、いまだ三名の方が行方不明ということでございます。今月十七日、丸四年が経過したところでありますけれども、私も発災翌日には現地に行きました。ふだんは本当に風光明媚な大島の三原山の山肌がもうざっくりと削られ、そこから港に向け、または麓に向け大量の土砂が流れました。大変恐ろしい、自然の猛威というか、これを実感したことを今なお鮮明に覚えてございます。
 先日も、十六日に行われました追悼式に参加をしてまいりました。まだまだご家族、身内等を失った被災者の方、または負傷した関係者の方々のお心というのは全く晴れていないわけで、さらなる復興加速を都として全力を挙げてもらいたいと、こういう声も聞いてきました。
 そんな中で、このような甚大な被害をもたらす災害に対して、都は、都民の安全・安心を早期に確保するために、住民避難につながるさまざまな取り組みを強化するとともに、緊急的に砂防施設の整備を進めるなど、ソフト、ハード両面から土砂災害対策に取り組んでいく必要があるのではないかと思います。
 当時は、台風接近であるにもかかわらず、町のトップが島の外に出ていた、出たという、こういうガバナンスの欠如という問題もありますけれども、改めてこの事前のソフト、ハード両面からしっかりと対策を講じておくこと、またはその後、残念ながら災害が発生した場合においては、ソフト、ハード両面にわたる事前事後の対策をしっかりととっておくこと、これが必要なのではないかと、このように思います。
 そこで、まずこのソフト対策について、これまでの取り組み状況、二十八年度中心にで結構でございますので、これについて伺いたいと思います。

○東野河川部長 土砂災害から都民の命を守るためには、ソフト対策として、土砂災害警戒区域等の指定により、土砂災害が発生するおそれがある区域を明らかにして、住民等に危険を周知し、迅速な避難行動がとれるように備えをしていくことが重要でございます。
 このため、都は、平成二十六年度に大島町全域で区域指定の前提となる基礎調査を実施いたしまして、延べ十回の住民説明会を行った上で、二十七年六月に土砂災害警戒区域五百四十九カ所、そのうち特別警戒区域五百十二カ所を指定いたしました。
 都は、これらの土砂災害警戒区域指定のデータを大島町に提供することによりまして、ハザードマップの作成を支援し、町が二十七年十月に作成、公表するなど、警戒避難体制の整備を促進しております。
 なお、先日、十月二十二日から二十三日にかけて東京を襲った台風二十一号では、大島町が土砂災害特別警戒区域を対象に避難指示を、土砂災害警戒区域を対象に避難勧告を発令し、災害の防止に努めたところでございます。

○遠藤委員 今、二十五年の台風を踏まえて、ハザードマップの作成、さらにはその精度を向上させる、町とも連携をとってということであります。今答弁がありました二十二日から二十三日の台風でも、都立大島高校を初めとして多くの方が事前に避難をされてしのがれているという、そういう報道もNHK等々で映し出されておりました。この点では二十五年の教訓が生きているのではないかと、このようにその画面を見て思った次第でございます。
 それでは、ハード面、今答弁いただいたのはソフト面の取り組みでありますけれども、ハード面の対策はいかに行われてきたのか、これについて報告をされたいと思います。

○東野河川部長 被災した大島町大金沢のハード対策につきましては、早期に効果を発揮させるために、応急対策、短期対策を実施して一定の安全性を確保し、その後、中長期対策を進めることとしております。
 まず、応急対策といたしまして、仮設導流堤の設置や山腹から流出した土砂をためる施設である堆積工のかさ上げ工事などを出水期前の平成二十六年五月までに完了させました。
 次に、短期対策といたしまして、土砂及び流木が氾濫し被害の大きかった神達地区におきまして、土砂等を堆積工に導く二本の導流堤の整備や斜面の崩壊を防ぐ山腹工事を進め、予定どおり二十八年度末までに完成させました。
 引き続き、中長期対策といたしまして、新たに砂防堰堤の整備などを進めてまいります。

○遠藤委員 二十八年度末までに応急または短期、これが終わったということであります。今後は中長期的な取り組みにかかわってくると、こういう答弁でありました。ぜひ、今後予定されている中長期対策については速やかに着手または終了していただきたいと、このように思います。
 最後になりますけれども、この災害後、現地入りして、さまざまな方から声を聞きました。その中で、やはり東京都の中においても、例えば建設局、港湾局または産業労働局等々の横の連携、さらには、町と東京都、これは大島支庁でありますけれども、それぞれの連携調整が円滑でなかったという、そういう指摘もございました。当時、そのことについては私からも大島支庁には申し上げましたけれども、今後、大島のみならず、他の離島等でも、今こういう時期でさまざまな、これまでに思ってもみないような豪雨が発生する、いわゆる東京の陸地であれば、さまざまな速やかな対応ができますけれども、離島ということでは限界があると思います。
 想定外を想定するというのが大事な教訓でありますので、ぜひこうした事前予防、防止の取り組みもあわせて知恵を絞って取り組みを推進していただきたいと、このことを要望して質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○いび委員 私からは、まず一つには外環道について、特に二十八年度に開催された説明会の内容などに関して、二つ目にそれと特定整備路線について、三つ目には狛江市の水道道路について、以上三点について伺います。
 まず外環道についてですが、二十八年度決算につきましては、これはさきにも同様の質問が出ましたので繰り返しませんけれども、平成二十八年度の都の負担額については、国直轄事業費の四分の一である百五十億円ということでございました。事業主体は国と事業者ですけれども、都としても巨額の負担をしているものであり、相応の責任があるのは当然であります。
 さて、外環道は、関越-東名間距離十六キロ区間の総事業費、現時点で一兆六千億円、大変巨額な事業です。外環道のこの区間は、地下四十メートルより深いところに直径十六メートルの巨大トンネルが建設をされます。地中拡幅部工事は、この連結部分で止水域を含め直径四十メートルから五十メートルの巨大な構造物となります。ですから、その辺のビル内が一個丸ごとおさまるぐらいの大きさであります。
 国交省などが設置した東京外環トンネル施工等検討委員会では、この工事について、世界でも類を見ない規模の技術的困難さを伴う工事とされております。沿線住民の皆さんからは、陥没事故のようなことは起こらないのか、大変心配する声が寄せられております。
 実際にこうしたトンネル工事については、博多の事故を初め、さまざまな事故が繰り返されてきております。
 二〇一六年の十一月八日、博多駅前の道路で大規模な陥没が発生しました。この地域一帯はオフィス街です。ビルが密集し人通りも車も多い場所で、人に被害がなかったのは本当に不幸中の幸いでした。二〇一二年の二月七日、水島製油所の海底シールド工事でセグメントが崩壊して出水、作業員五名が亡くなるという重大事故が起こっています。
 そのほか、首都高横浜北線馬場出入り口では、三十軒の家に最大百三十七ミリの沈下、北陸新幹線高丘トンネルでは百八十九軒に最大百四十ミリの沈下が起こっています。
 以上のように、少なからずさまざまな事故、あるいはこういったトラブルが繰り返されているのが現実です。
 問題は、この外環道のトンネルが予定されているその地上には、家屋など多数の建築物が普通にあるということ、もし博多のようなことが起こったらどうやって住民の安全を確保するのでしょうか。
 調布市議会、そして武蔵野市議会では二〇一七年に、外環道沿線住民の緊急避難計画策定を求める趣旨の意見書が全会一致で可決をされています。これは、地面の陥没などが起こったときに住民の安全を第一に避難計画を策定することを求める内容です。
 そこで伺いますが、平成二十八年度に行われてきたこの外環道の説明会で、陥没事故が起こったときの避難計画をつくるべきだという意見が出されていましたが、実際にこういう問題に対して住民の避難等の対応はできるのか、都は、事業者からどのような対応をとると確認しているのか伺います。

○辻三環状道路整備推進部長 国及び高速道路会社が整備を進める外環では、本線トンネルの工事において、地盤との密着性が高く地下水への影響が少ないシールド工法を採用しております。
 工事の施工に当たりましては、安全対策として、シールドマシンにかかる圧力の程度や掘削量、地表面高さなど複数の項目についてモニタリングを行いながら進めることとしております。万が一、異常が生じた場合には、地元自治体、警察、消防等の関係機関と連携し、周辺住民に周知することで住民の避難等に対応していくと聞いております。

○いび委員 今のご答弁ですけれども、周知して住民避難に対応していくというのは、それ自体当然のことなんですけれども、例えば博多の事故を見ても、トンネル内で地下水が噴出して作業員が撤退し、地上部の陥没が始まるまで十五分です。地盤の崩落というのは、まさに短時間で一気に進む。これは地下水などの枯渇による地盤沈下と全く違うわけで、地下に突然空洞ができて大穴があく、そのことによって陥没が起こるわけですから、これは大変対応するのが難しい問題です。こうしたリスクに対し、住民の安全を保障できるだけの責任ある対応が約束できるのかということです。
 トンネルというのは今の日本にたくさんありますけれども、外環道はそういった建築物があり人々が生活している、その地下を巨大トンネルを掘り進んでいくという工事であり、そういう点では前例のない工事です。こういうリスクに目をつぶったまま進めてはいけないのではないかと思います。
 次に、地下水脈についてですが、外環道のような巨大で、しかも連続的な地下埋設物によって地下水脈が分断されることによる地盤沈下のリスク、これも軽視はできません。博多のような劇的な陥没には至らないまでも、これは数センチ沈むだけでも建物が傾いたり亀裂が入るなどの被害を生じることになるわけです。
 平成二十八年度に行われた住民に対する説明会では、地下水の、この水位のモニタリングを行うということで説明がありました。しかし、地下水位に異常が発見された場合、この原因がわかり解決できるまで工事は中断するのでしょうか。
 東京都は、事業者からどのような対応をとると確認しているのか伺います。

○辻三環状道路整備推進部長 外環では、沿線で地下水位のモニタリング調査を実施し、その結果を公表しながら工事を進めております。そのモニタリング調査の結果により、工事によって予測し得ない環境上の著しい影響が見られた場合には、必要な調査検討を行い、対策を実施すると聞いてございます。

○いび委員 実は、先ほどの質問は、平成二十八年度に調布市の小学校で行われた説明会で私が事業者に説明したものなんですが、そのときは私、異常が発見されたら工事は中断するんですかと聞いたら、しばらく沈黙が続いて、後でお答えしますからということになり、結局回答がありませんでした。いまだに答えは聞いておりません。地下水位のモニタリングはやるけれども、異常が発生した場合の対応のスキームがまともに定まっていないということが露呈したわけです。
 東京都として、二十八年度も含め、予算をつけて事業を推進しているわけですから、これは無関係では済まされません。
 今、必要な対策を実施すると非常に簡潔なお答えがありましたけれども、じゃあ本当にこれは工事をとめられるのかということになります。この外環道は、地下五十メートルを掘り進めるという日本で実質初めての道路工事であり、この道路の周辺は地下水の利用があることから、地下水の保全には万全を期さなければならないということで、国交省のもと、東京外環地下水検討委員会というものが設置されて、地下水位の変動量は十センチ未満としなければならない、管理値を超えたらこの委員会に諮らなければならない、そういう議論もされていると、それぐらい厳しい水準の管理が求められております。この地下水位に異常があったら中断するということもいえない、それから先のことは、いわば考えていないという事業者に任せていいのかという問題ではないでしょうか。
 この件についてはこれで終わりますけれども、もともと一兆六千億円の巨大開発ですが、当初一兆二千八百億円といわれていたものが見直しのたびに膨れ上がってきたものです。そして、それに加えて今度は談合疑惑が浮上しております。
 日本共産党の宮本徹衆議員議員は、三月三十日の衆議院決算行政監視委員会で、東京外かく環状道路工事の入札で事実上の談合が疑われている問題を取り上げ、国による調査を求めました。その後、発注元のNEXCO東日本と中日本は、談合などの疑いを払拭できないとして、業者の選定手続を中止しています。
 東京都は、この巨大工事に対し、都民の安全、あるいは財政負担、環境への影響を踏まえ、中止を求めていくべきであると考えます。
 次に、特定整備路線について伺います。
 石原都政の時代に木密十年プロジェクトの一環として、延焼遮断帯で住宅密集地域を囲んで燃え広がらないまちをつくるとして、十年以内に完成するという特定整備路線が指定をされました。そこでは、今まで優先整備路線にも入っていなかったもの、優先整備路線から外された路線まで急に指定されたことによって、住民の中には反発や戸惑いが広がっています。
 これらの道路計画は半世紀以上も前に計画がつくられ、当時は田んぼや畑が広がっていたところも今では住宅地や商店街になっているなど、まちの状況が一変している現在の状況の中で本当に必要なのか、道路建設で失われるものと引きかえにしてでもその道路をつくる必要があるのか、防災対策としてもほかに手段はないのかなど、住民の声を尊重し、見直すべきものは見直していく必要性があると考えております。
 これらの特定整備路線について、二十八年度決算における執行率を伺います。

○加藤道路計画担当部長 木密地域において燃え広がらないまちを実現する特定整備路線は、延焼を遮断し、避難路や緊急車両の通行路となるなど、地域の防災性を向上させる重要な都市計画道路でございます。
 用地取得の対象となる地権者の協力を得て行っております土地の境界の立会率につきましては、二十八年度末で全体で九割を超えてございます。
 特定整備路線における補正後の予算に対する二十八年度決算の執行率につきましては約五割でございます。
 引き続き、関係権利者お一人お一人に丁寧に説明し、理解と協力を得ながら整備が進むよう取り組んでまいります。

○いび委員 補正後の予算との比較で、執行率約五割というご説明でしたが、これ当初予算との比較で見ますと三七%、三割台です。最もおくれている路線で七%という状況になっております。
 板橋区では、都内屈指の商店街を分断する道路計画に対して裁判が起こっております。品川では、計画路線上に薬科大学があり、大学は計画の見直しを求めていると聞いております。
 特定整備路線の多くは、道路計画そのものに道理がないといわざるを得ません。住民の合意が得られないものについては、強行するのではなく、計画を中止するべきであると考えます。
 次に、狛江の水道道路について伺います。
 先ほど、我が党の原委員の質問に対する答弁で、安全な歩道整備は大変重要であるというお話があり、平成二十八年度の歩道整備を行った箇所についてのご説明がございましたけれども、それに関連して、私もまだこの歩道整備について非常におくれていると思う部分について伺います。
 狛江の水道道路ですけれども、これは地図で見ますと、世田谷から狛江市へと真っすぐ延びています。これが道路は二車線で、とにかく歩道が狭いというのが一番の問題です。ちょっと現地の写真はこんな感じなんですけれども、大きさがわかるように傘を地面に置いてみたんですが、ですから、人と人だったらぎりぎりすれ違うことはできるんですけれども、向こうから自転車が来たらもうすれ違えないという状況です。
 この歩道の拡幅は、とにかく安全という点でも住民の切実な要望となっていますが、この狛江市水道道路の歩道の拡幅についての見解を伺います。
 あわせて、もう一点伺いたいのは、この道路の下に水道管が埋設されているので、文字どおり水道道路といわれているわけですけれども、この水道管の保全のために大型車両の進入を制限しているんです。それが、わかるかな、こんなふうに道路の末端には車どめというんですかね、これが建っていまして、これ以上の車両が入らないように制限をしているわけなんですが、そうはいっても、この延長線上にはいろんな道路が接続していますから、そういうところから大型車両が入ってくることがあるわけです。その車が、この水道道路の出入り口の端っこまで来て、この車どめでひっかかって出られなくなって、今度は延々バックをするという非常に残念な状況が起こっております。
 これは本当に、もとより、この地下の水道管の保全のために大型車を進入させないためにこういうものも置いてあるわけで、これは地下の水道管の保全にもかかわりますし、大体この交通安全にもかかわる問題だと思いますので、この件についても適切な対応を求めるものですが、いかがでしょうか。
 以上二点、お願いします。

○奥山道路建設部長 一点目のご質問に対してお答えいたします。
 狛江市内の調布三・四・二号水道道路線、約一・六キロメートルにつきましては、昨年三月に策定いたしました第四次事業化計画におきまして、世田谷区内の補助第二一四号線とあわせまして、平成三十七年度までに優先的に整備する路線として位置づけております。
 本路線は、歩行者が安全に通行できる歩道を備えた幅員十六メートルの都市計画道路として整備することとしております。

○杉崎道路管理部長 二点目のご質問に対してお答えをいたします。
 水道道路は、水道施設の上部を都道としているため、積載制限を超える車両通行が制限されております。
 都は、本水道道路におきまして、これまで車どめのほか、要所に大型車両の通行制限に関する標識を掲げるなどの対策を既に実施しているところでございます。
 今後も、地元市や関係機関と連携し、必要に応じて適切に対応してまいります。

○いび委員 まず、水道道路の歩道整備の問題ですけれども、これは大変切実な問題でございますので、そのほかの都市計画道路の整備と殊さら関連させずに、これはぜひとも進めていただきたいということを申し上げておきます。
 あと、大型車両の進入の制限の問題につきましても、ご答弁の趣旨でこれはしっかり働きかけて進めていただきたいと思います。
 以上です。

○高橋委員長 ほかに発言がなければお諮りをいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高橋委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で建設局関係を終わります。
 これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
   午後二時四十五分散会

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