平成二十八年度各会計決算特別委員会第三分科会速記録第三号

平成二十九年十月二十日(金曜日)
第九委員会室
午後一時開議
出席委員 十名
委員長高橋 信博君
副委員長遠藤  守君
副委員長細谷しょうこ君
けいの信一君
滝田やすひこ君
柴崎 幹男君
いび 匡利君
原 のり子君
増田 一郎君
両角みのる君

欠席委員 なし

出席説明員
中央卸売市場市場長村松 明典君
次長澤   章君
理事福田  至君
管理部長松永 哲郎君
事業部長白川  敦君
企画担当部長吉村 恵一君
渉外調整担当部長有金 浩一君
市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務松田 健次君
財政調整担当部長長嶺 浩子君
移転支援担当部長赤木 宏行君
新市場整備部長岡安 雅人君
新市場整備調整担当部長影山 忠男君
新市場事業推進担当部長櫻庭 裕志君
移転調整担当部長前田  豊君
事業支援担当部長西坂 啓之君
基盤整備担当部長村井 良輔君
技術調整担当部長鈴木  理君
施設整備担当部長佐藤 千佳君
建設技術担当部長吉野 敏郎君
労働委員会事務局局長池田 俊明君
港湾局局長斎藤 真人君
技監小野 恭一君
総務部長古谷ひろみ君
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務中村 昌明君
港湾経営部長蔵居  淳君
港湾振興担当部長相田 佳子君
臨海開発部長篠原 敏幸君
開発調整担当部長オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長兼務山岡 達也君
臨海副都心まちづくり推進担当部長矢部 信栄君
港湾整備部長原   浩君
計画調整担当部長竹村 淳一君
離島港湾部長小林 英樹君
島しょ・小笠原空港整備担当部長松本 達也君

本日の会議に付した事件
 平成二十八年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
  中央卸売市場関係
  ・平成二十八年度東京都と場会計決算(質疑)
  労働委員会事務局関係
  ・平成二十八年度東京都一般会計決算(質疑)
  港湾局関係
  ・平成二十八年度東京都一般会計決算(質疑)

○高橋委員長 ただいまから平成二十八年度各会計決算特別委員会第三分科会を開会いたします。
 本日から四日間にわたり、本分科会所管局の決算に対する局別質疑を行ってまいります。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、中央卸売市場、労働委員会事務局及び港湾局関係の決算に対する質疑を行います。
 これより中央卸売市場関係に入ります。
 初めに、過日の分科会で紹介できませんでした幹部職員について、市場長から紹介があります。

○村松中央卸売市場長 去る十月十一日の当分科会を欠席させていただきました幹部職員をご紹介させていただきます。
 市場政策担当部長の松田健次でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○高橋委員長 紹介は終わりました。

○高橋委員長 決算の審査を行います。
 平成二十八年度東京都と場会計決算を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○遠藤委員 よろしくお願いいたします。
 私の方から、今、委員長からお話ございました平成二十八年度のと場会計決算、この中におけるHACCP等の安全衛生管理、ここについて絞ってお伺いをしたいと思います。
 初めに、改めて平成二十八年度のと場会計において実施をされました施設整備の内容、概要とその執行金額について、答弁を求めたいと思います。

○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 と畜場の施設設備につきましては、都民に安全で品質の高い食肉を供給するために、常に安定的に稼働していなければならないことから、平成二十八年度と場会計予算の執行に当たりましては、老朽化した施設設備の計画的な更新及び衛生対策の向上に向けた改修工事を実施いたしました。
 具体的に申し上げますと、大動物、主に牛でございますけれども、大動物の係留所の床面が、経年の使用によりまして滑りやすくなっていることから、作業員が牛を誘導する際の安全性や生体牛の転倒によります損傷を防止するため、係留所床面の防滑改修工事、これは滑りにくくするという意味でございますけれども、防滑改修工事を実施いたしました。
 また、小動物、これは豚でございますが、小動物と室の最終工程で使用しております枝肉洗浄機が、故障頻度が高くなっていたことから、作業効率の向上と衛生対策に万全を期すため、交換改修工事を実施したところでございます。
 これらの事業に約三億二千万円を執行いたしました。

○遠藤委員 中央卸売市場の中でも、特に食肉市場は、唯一食肉を取り扱う市場であるとともに、と畜解体を行う芝浦と場、これを併設しており、生産工場としての施設設備の維持管理も不断に行っていかなければならない。こうした取り組みを、平成二十八年度は主に老朽化した施設設備の更新や、また衛生対策のための改築工事を引き続き実施してきたと、こういうことであります。
 加えて、今、答弁ありましたけれども、改修に合わせた衛生対策の高度化を進め、今、求められておりますHACCP化対応へつなげていく、こういうことが大事なんだろうと思います。
 冒頭にも申し上げましたHACCP、これはもう委員の皆さんご案内と思いますけれども、二十八年度決算、そして新たな都議会としても二十期のスタートでありますので、僣越ですけれども、ちょっと確認のためご紹介をしておきたいと思います。
 HACCP、H、A、C、C、Pでありますけれども、これはハザード・アナリシス・アンド・クリティカル・コントロール・ポイントということで、これは厚生労働省のホームページの引用でありますけれども、このHACCPとは、食品の製造、加工工程のあらゆる段階で発生するおそれのある微生物汚染等の危害をあらかじめ分析。危害をあらかじめ分析というのが、これに適合する言葉で、ハザード・アナリシス、その結果に基づいて、製造工程のどの段階でどのような対策を講じればより安全な製品を得ることができるかという重要管理点、これがクリティカル・コントロール・ポイント。重要管理点、これを定めて、この重要管理点を連続的に監視することによって、製品の安全を確保する衛生管理の手法だと、こういうことであります。
 なお、この手法は、国連のFAO、すなわち食糧農業機関と、WHO、世界保健機関の合同機関である食品規格委員会から発表され、各国にその採用を推奨している国際的に認められた、こういう衛生管理手法であると、こういうことであります。
 なお、このHACCP方式と、従来の製造方法の違いについても、この厚労省のホームページの中にはつづられておりまして、従来の抜き取り調査による衛生管理、いわゆるこのポイントとこのポイントをチェックするという、抜き取りポイントによる衛生管理に比べて、このHACCPは、より効果的に問題のある製品の出荷を未然に防ぐことが可能となるとともに、原因の追求を容易にすることが可能になる、さらに、HACCPを導入した施設においては、必要な訓練、教育を受けた従業員によって、定められた手順や方法が日常の製造過程において遵守されることが不可欠である、このようなことが書いてございました。
 さて、このHACCPについてでありますけれども、私は平成二十七年の十一月の、これは公決でありますけれども、公決の質疑の中で、この東京の食肉市場におけるHACCPの導入に向けた現状について確認をさせていただいたところであります。当時は、食肉市場でHACCPの推進会議を立ち上げて、検討を開始して一年に満たない時期でございました。
 その後、二年が経過をしまして、当時は、平成三十年度末までにHACCPの導入の目標、これを掲げておりましたけれども、まずこのHACCP、三十年度末までの導入、ここに向けて、やはりこの食肉市場では、規模の大きさ、さらにはさまざまなプレーヤーがいらっしゃるということで、なかなか困難な取り組みになるのではないか、こんなことも指摘をさせていただきました。
 そこで、今紹介しました食肉市場全体におけるHACCPの進め方について、これまでどんな取り組みをしてきたのか、お伺いしたいと思います。

○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 芝浦と場、そして食肉市場におきまして、HACCPを導入する場合、と畜施設と市場部門とが一体となりまして、生体の入荷から出荷するまでの工程全てにおきまして、一貫連続した衛生管理が行われていることが求められる状況でございます。
 具体的には、福祉保健局の衛生監視のもと、卸会社は生体の受け付け、枝肉の保管や競り販売を、中央卸売市場はと畜解体業務を、そして仲卸業者や内臓業者は購入した枝肉、内臓の加工、販売を行っておりまして、これら全ての業務がHACCP基準を満たしている必要がございます。
 このため、平成二十七年一月に中央卸売市場、福祉保健局、そして業界の代表者で設置をいたしましたHACCP推進会議を活用いたしまして、継続的に各事業者の進捗状況を確認しつつ、導入目標であります平成三十年度末に向けた取り組みを精力的に進めているところでございます。

○遠藤委員 平成三十年度末のHACCP導入に向けて、それぞれつかさつかさで取り組みを行っているということでありました。
 あわせて、先ほどちょっと紹介させていただきましたけれども、HACCPの基本である現場職員の指導とか教育、これもあわせて行っているということでありますので、引き続き、職員の皆さんはもちろんでありますけれども、それぞれの業界の皆さん、事業者の皆さんとの連携を密にしていっていただきたいと思います。
 一方で、この全国のと畜施設では、報道等によりますと、九州地域を中心に、このHACCPの導入が進んでいるという報道もちらほらございます。そこで、この全国のと畜施設におけるHACCPの導入状況について伺いたいと思います。

○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 平成二十九年四月一日現在、全国の一般と畜場の数、百八十三ございますけれども、そのうち牛豚双方もしくはいずれか一方のHACCPを導入しております施設は六十カ所でございます。
 設置形態別の内訳でございますけれども、中央卸売市場に併設されている十カ所のと畜施設のうち、HACCPを導入している施設は二カ所となってございます。また、中央卸売市場と併設されていない、いわゆる食肉センター等の民間や組合等が運営する、その他百七十三のと畜施設のうち、HACCPを導入している施設は五十八カ所でございます。

○遠藤委員 官民それぞれありますけれども、六十カ所、既にHACCPを導入しているうち、いわゆる民間というか食肉センターが管理運営しているところが、施設が五十八と。一方、市場と併設しているところは二カ所ということで、民間の食肉センター、また組合等の運営すると畜施設での導入が圧倒的であると、こういう答弁だと思います。
 それでは、この進んでいる民間等の食肉センターと、導入にいささか時間を要している市場併設型のと畜施設、なぜこの市場併設型のと畜施設へのHACCP導入がおくれているのか、さまざまな課題があると思うので、ちょっと確認をしていきたいと思います。
 まず、民間主導型の食肉センターと市場併設型のと畜場の違いについて、違いがあるから差が出るんだろうと思いますけれども、その違いについて答弁を求めたいと思います。

○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 市場機能を伴わない民間の食肉センターにおきましては、と畜後の枝肉による競り販売を行わないことから、と畜から部分肉加工までを連続した作業工程で処理することができることとなります。また、センターという一つの企業体がと畜から加工部門までを実施するため、意思形成の、合意形成の統一が図りやすいという特徴がございます。
 一方、中央卸売市場に併設の施設では、と畜後の枝肉を競りで販売することから、競りや下見のために入場する多くの購買者の方々に対しまして、衛生管理基準を定め、これを遵守していただく必要があるなど、食肉センターにはないHACCP導入上の課題がございます。また、と畜解体作業から部分肉加工や搬出を行うそれぞれの団体や事業者の方々、こういった方々に対しまして、HACCPの導入など、施設の運営に関する意思決定をするためには、これら市場関係者全体の合意形成を図っていく必要があるということになってございます。

○遠藤委員 卸売市場特有の機能として、競りの売買、販売、これは欠かすことができないということであります。そのためにやはり多くの人たちが出入りをするということで、そこに立ち入られる多くの入場者との合意形成が必要なのであると、こういう答弁だったと思います。
 そういう手続を一つ一つクリアして、そして事業者にも理解を求めていかなければならないというところが、民間のと畜施設にはない手間暇がかかる部分であると、こういった趣旨の答弁であったと思います。
 では、食肉市場におけるHACCP導入に当たって、今、若干答弁がありましたけれども、こうした困難な課題に対して、今後、三十年度末までの導入ということでありますけれども、こうした困難な課題に向けて市場としてどう取り組んでいこうとしているのか、これを伺いたいと思います。

○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 まず、ソフト面でございますけれども、現在、競り場などにおける市場関係者など多くの入場者を含めました市場全体の衛生管理につきまして、共通ルールを策定するためのチームを編成して検討を進めてございます。また、ハード面の課題といたしましては、三十年以上前の衛生基準に基づいて整備されている施設も多いという状況がございまして、平成二十八年度から平成三十年度に向けまして、衛生管理エリアの出入り口にエアシャワーなどの身体保清設備、体をきれいにするという意味でございますけれども、身体保清設備を設置するなど、必要な改修を完了させる計画でございます。
 こうしたソフト面、ハード面での対応の進捗状況に合わせまして、平成三十年度には、試行と修正を加えまして、HACCPの導入につなげてまいります。

○遠藤委員 卸売市場の購買システムが稼働中、日夜稼働中の中で衛生管理を徹底していくことや、また、あそこの市場は本当に老朽化が著しいわけであります。そこに手を加えながら国際基準を満足させていく。繰り返しになりますけれども、都の職員だけではなくて、多くの事業者の皆さんがそれぞれ考えのもと、日夜出入りをしていると。こういう中で、導入に向けた取り組みの困難性というものがわかりました。
 例えばでありますけれども、一例を挙げれば、この牛肉の輸出については、輸出国の定める衛生管理基準等が条件となっているわけでありますけれども、今、進めているこのHACCPの導入と輸出条件についてちょっと確認をさせていただきたいと思います。
 このHACCPの導入で、全ての国への輸出が可能になるとはとても思えないと思いますけれども、このHACCPとさまざまなそうした輸出の条件、また国内における輸出認定の状況、これはどう整理すればよいか、お伺いしたいと思います。

○松田市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 食肉の輸出につきましては、と畜場及びと畜場に併設されます加工施設が、輸出先、相手の国の求める衛生要件を満たしている必要がございます。各国の求める衛生要件でございますけれども、タイやベトナムなど、HACCPの導入を要件としない国や地域がある一方で、シンガポールやメキシコのように、HACCPの要件を求められる国や地域、さらにはアメリカやEUのように、HACCPに加えまして独自の施設基準、衛生基準や動物福祉基準などを求める国や地域もあるというのが実情でございます。
 例えばでございますけれども、具体的な例でございますけれども、アメリカへの輸出要件でございますけれども、HACCP要件に加えまして、対米輸出専用の施設であること、と室内の天井に露出配管、これはむき出しの状態になっている配管でございますけれども、そういった状態の配管が認められない施設設備基準など、多岐にわたる要件が子細に定められているところでございます。
 なお、現在、これらの要件を満たし、対米輸出を実施していると畜施設は全国で十施設ございまして、いずれも民間のと畜施設でございます。

○遠藤委員 それぞれ国によって基準は違うと。タイ、ベトナムから始まり、シンガポール、メキシコ、アメリカ、EUということで、順番に出てきたということは、それぞれのグレードというか、基準が違うと、こういうことでありました。ただし、例えばということで、対米輸出を実施していると畜施設は、現在、全国で十施設ということでありまして、先ほど全国でHACCPが導入済みのところは六十ということでありますので、六十の施設のうち十施設については、少なくとも米国の輸出を満足している。そして、それはいずれも民間の施設であると、こういう理解でよかったと思います。
 そもそも、このHACCPの導入については、都民、国民の皆さんにより安全・安心な食肉を提供すると、こういう大きい命題であると同時に、あわせて、国が、政府が進める農林水産業の輸出力強化戦略の中で、輸出量を拡大するためのツールの一つとしても定められております。いわば国内でしっかりと、より安全・安心な食肉を提供すると同時に、日本産の食肉の国際競争力を高めるためのツールということで、HACCPということであります。
 二年前に私が取り上げさせていただいたとおり、HACCP、この導入にせよ、さらには追加的な輸出認定を得るための、追加的な高度な衛生要件を満たす取り組みにせよ、一般の民間企業であれば、それぞれの長の思いと、または号令一下のもとで速やかに進められるという、こういうケースが多い。それが、先ほど申し上げたとおり、具体的な数値ということで明らかになっているんだと思います。
 他方、さまざまな先ほど答弁がありましたとおり、さまざまな課題が市場併設型のものはあるという、そういう課題、また特に都の食肉市場は老朽化が著しいという、最もHACCPをクリアする上では大変な課題の中での作業になるなということはわかるにせよ、ゆっくりと時間をかけてやっていいという問題ではないともいえるんだと思います。
 繰り返しになりますけれども、平成三十年度の制度化を目指して、国では、国内全ての食品事業者へのHACCPの制度化に向けた検討を進めていくという、こういう大方針を示されております。いわば、これまではHACCPは国際衛生基準、国際基準といわれていたものが、間もなく国内基準となるということで、食肉市場もこの例外ではないと、このように思ってございます。
 二〇二〇年オリンピック・パラリンピックに向けということで、日本、そして東京の食の魅力、先日、都市ランキングが、たしか森財団さんでしょうかね、発表されて、東京は昨年に次いで三位ですね。三位ということが--まち角でインタビューを受けていた外国の方は、やはり日本、東京は食の魅力が極めて高いということでありました。
 食の魅力というのは、それは日本の食に対する安全・安心の信頼のあかしだと思ってございますので、ぜひこの食肉市場におけるHACCP導入に向けた取り組み、課題が多いと思いますけれども、力を合わせて進めていただきたい、そして日本のブランド力を高めていただきたい。このようにお願いしまして、私の質疑とさせていただきます。
 ありがとうございました。

○高橋委員長 ほかに発言がなければ、お諮りをいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高橋委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で中央卸売市場関係を終わります。

○高橋委員長 これより労働委員会事務局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、労働委員会事務局長に池田俊明君が就任いたしました。
 池田事務局長から挨拶があります。
 池田俊明君を紹介いたします。

○池田労働委員会事務局長 去る十月十六日付で労働委員会事務局長を拝命いたしました池田俊明でございます。
 集団的労使紛争の迅速的確な解決という労働委員会の使命を果たすべく、私ども事務局職員一同全力を尽くし、円滑な業務執行に取り組んでまいる所存でございます。
 高橋委員長を初め委員の皆様方には、ご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
 どうぞよろしくお願いいたします。

○高橋委員長 挨拶は終わりました。

○高橋委員長 決算の審査を行います。
 平成二十八年度東京都一般会計決算中、労働委員会事務局所管分を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○池田労働委員会事務局長 去る十月十一日に当分科会で要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の平成二十八年度各会計決算特別委員会第三分科会要求資料をごらんください。
 表紙をおめくりください。目次にございますとおり、要求のございました資料は二件でございます。
 一ページをお開きください。この表は、平成二十四年度から平成二十八年度までの管理職を除く職員の定数の推移を記載したものでございます。
 二ページをお開きください。この表は、平成二十四年度から平成二十八年度までの管理職を除く職員の平均局在職年数の推移を記載したものでございます。
 以上、要求資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○高橋委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○高橋委員長 発言がなければ、お諮りをいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高橋委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で労働委員会事務局関係を終わります。

○高橋委員長 これより港湾局関係に入ります。
 初めに、理事者の欠席について申し上げます。
 港湾局及川調整担当部長は、病気療養のため、本日の分科会に出席できない旨の申し出がありました。ご了承願います。
 決算の審査を行います。
 平成二十八年度東京都一般会計決算中、港湾局所管分を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○古谷総務部長 十月十一日開催の当分科会で要求のございました資料をご説明申し上げます。
 お手元の平成二十八年度各会計決算特別委員会第三分科会要求資料をごらん願います。
 要求のございました資料は、表紙をおめくりいただきまして、目次に記載のとおり七項目でございます。
 それでは、一ページをお開き願います。東京港における耐震強化岸壁の整備状況でございます。
 緊急物資輸送に区分しております岸壁は、(注3)に記載しましたとおり、大規模地震の発生時において、物資の緊急輸送や住民の緊急避難等を行うための施設でございます。
 また、幹線貨物輸送に区分しております岸壁は、(注4)に記載しましたとおり、大規模地震の発生時においても経済活動を支える物流機能を維持するための施設でございます。
 これら二つの区分に分けまして、おのおのの全体計画、整備状況を示したものでございます。
 二ページをお開き願います。港湾整備費におけるふ頭等の新規整備の事業費でございます。
 平成二十四年度から二十八年度までの五年間の港湾整備費について、ふ頭の新規整備分と道路等の新規整備分、その他に区分いたしまして、百万円単位でお示ししてございます。
 三ページをお開き願います。島しょ等港湾整備費における翌年度繰越額及び不用額の推移でございます。
 平成二十四年度から平成二十八年度までの五年間の予算現額、支出済額と予算現額に占める割合、翌年度繰越額及び不用額につきまして、百万円単位で記載してございます。
 四ページをお開き願います。使用料及び手数料の推移でございます。
 平成二十四年度から二十八年度までの五年間の使用料、手数料につきまして、百万円単位で記載してございます。
 五ページをお開き願います。伊豆諸島各島への就航率の推移でございます。
 平成二十四年から二十八年までの五年間の就航率について、大島から青ヶ島まで各島の貨客船と高速ジェット船、それぞれの就航率を記載してございます。なお、単位はパーセントで記載してございます。
 六ページをお開き願います。都営空港等において離陸・着陸時に発生した航空事故の回数でございます。
 平成二十四年度から二十八年度までの五年間における離陸、着陸時に発生した航空事故の回数について、空港ごとに記載してございます。
 七ページをお開き願います。調布飛行場の飛行目的別の離着陸回数でございます。
 平成二十四年度から二十八年度までの五年間における調布飛行場の離着陸回数について、飛行目的別に記載してございます。
 以上をもちまして、簡単ではございますが、要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○高橋委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○細谷委員 それでは、平成二十八年度決算について、大きくは三点質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 まず初めに、臨港道路南北線についてお伺いいたします。
 臨港道路南北線整備は、中央防波堤外側埋立地の新たなコンテナふ頭の整備にあわせて取り組んでいます。首都圏約四千万人の生活と経済活動に必要な物資を安定的に供給する拠点のアクセスとして、大変重要であることはいうまでもありません。
 当道路の完成は、さまざまな経済効果をもたらすと考えられ、着手されていると思いますが、改めてその整備概要についてお尋ねいたします。

○原港湾整備部長 臨港道路南北線は、有明地区の十号地その二埋立地と中央防波堤外側埋立地とを海底トンネルや橋梁等で結ぶ延長約六キロメートル、往復四車線の道路でございます。
 本事業は、国と都が分担して整備を実施しており、主にトンネル部分を国が、橋梁部分を都が担って施行をしております。
 国が整備する海底トンネル部は、このうち約一キロメートルであり、沈埋トンネル工法を採用しております。この工法は、コンクリートや鋼板でつくられる沈埋函七函を工場等で製作し、現地に曳航した後、海底に沈めて連結するものでございます。
 都が整備する橋梁部は、中央防波堤内側埋立地と中央防波堤外側埋立地との間にあります東西水路を横断する全長約二百五十メートルのアーチ形式の橋梁や、東京港臨海道路と立体交差する橋梁など、合計六つの橋梁を整備するものでございます。
 臨港道路南北線は、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会の会場へのアクセスルートとしても期待されますことから、工事実施に当たりましては、厳格な工程管理を行う必要がございます。

○細谷委員 臨港道路南北線は、合計六つもの橋梁を整備することや、さまざま課題を抱えていながら、また複雑で工期の短い難しい工事でありまして、特段慎重さも求められるところから、厳格な工程管理を行うという説明を受けました。
 平成二十八年度の整備状況をお伺いいたします。

○原港湾整備部長 平成二十八年度における工事の進捗状況としましては、海底トンネル部では、沈埋函の工場製作に着手するとともに、それらの仮置き場の整備を実施いたしました。陸上部のトンネルにおきましては、水道管や下水道管等の支障物移設を実施し、掘削を行うための土どめ工事等にも着手したところでございます。
 また、橋梁部におきましては、工場において橋桁の製作を行いますとともに、現地で橋桁の組み立てを行うためのヤード整備を完了いたしました。
 現在は、トンネル及び橋梁部の全ての区間におきまして、精力的に工事を実施しているところでございます。

○細谷委員 東京二〇二〇年オリンピック・パラリンピックの完成を目指した期限が迫っておりますが、今ご答弁いただいたとおり、大変複雑である工事が進められ、さまざまな工夫もされているというふうに考えます。
 整備の工程が多岐にわたり、複雑であることから、さまざまなご努力が今後も必要かと思いますけれども、円滑に推進させるための工夫というものについてどのようにされているのか、お伺いをいたします。

○原港湾整備部長 臨港道路南北線は、中央防波堤外側コンテナターミナルの供用や東京二〇二〇大会でのアクセスルートとしての活用も見据えまして、同大会までに確実に完成する必要がございます。
 このため、国は沈埋函の製作工事におきまして、工場を複数確保するなどの工程短縮策を実施してございます。
 また、都は六つの橋梁を複数の工場で同時並行的に製作を進めるとともに、東西水路や東京港臨海道路を横断する橋梁につきましては、橋梁を一括して架設する工法を採用することなどの工期短縮策を実施しているところでございます。
 引き続き、国と都が連携をいたしまして、トンネル躯体の構築や橋梁の架設などを確実に実施し、東京二〇二〇大会までの完成に向けて全力を挙げて取り組んでまいります。

○細谷委員 ご答弁いただきましてありがとうございます。
 現在、整備中の臨港道路南北線は、東京二〇二〇年オリンピック・パラリンピックの海の森クロスカントリーなどの競技会場への重要なアクセスとなることから、整備の進捗の状況は皆さんから注目されているところであります。また、将来にわたり、東京港の物流の拠点としても機能を強化し、一日も早い完成を目指し、事業を進めていただきたいと思いますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。
 続いて、新たな客船ふ頭の整備と目的について伺います。
 平成二十六年にまとめられました東京クルーズビジョンに、クルーズ客船の寄港には、東京港のイメージアップ、そして臨港エリアにおけるMICE、国際観光拠点の推進、大きな経済効果という点が記されております。近年では、海外においても、クルーズ業界の考え方として、クルーズ船を大型化し、低価格な商品を提供するなどで客層を広げていこうという戦略が主流となっております。
 そこで、改めて、新たな客船ふ頭の重要さを考えるところから、整備の目的と概要についてお伺いいたします。

○原港湾整備部長 都では、近年のクルーズ需要の増大及び客船の大型化に的確に対応することを目的といたしまして、レインボーブリッジにより大型客船が航行の制限を受けない臨海副都心地域に、世界最大の客船に対応可能なふ頭を整備しております。
 具体的には、二〇二〇年春の開業を目指しまして、桟橋構造の岸壁と、その背後にターミナルビルを建設いたします。あわせまして、これらの海上の施設と陸上の都道とを結びます大規模な連絡通路を整備いたします。このうち、ターミナルビルにつきましては、海の玄関口にふさわしい、東京港の新しいランドマークとして整備することとしてございます。

○細谷委員 さて、今ご答弁いただきました整備概要、大変ドラスチックなものと理解いたします。また、皆さん都民の方々が本当に期待して、楽しみに待っていらっしゃると思いますが、また工事の困難も大変伴うものであると考えております。
 平成二十八年の具体的な整備の状況についてお伺いいたします。

○原港湾整備部長 平成二十八年度におきましては、連絡通路の整備に支障となる南極観測船「宗谷」の移設を完了させ、その後、海上で通路の基礎となるくいの打設を開始し、約五割の基礎ぐいの打設を完了してございます。また、大型客船の着岸に必要な水深を確保するため、岸壁前面のしゅんせつを実施するとともに、年度末にはターミナルビルの基礎工事に着手したところでございます。

○細谷委員 ただいまの説明によりまして、平成二十八年度整備は順調に推進されていると受けとめました。
 さて、新客船ターミナルのイメージ資料をひもときますと、大変夢のある快適な空間であるとうかがえます。また、高齢者、障害者の方々にも配慮したバリアフリーを取り入れた施設であるとも伺っております。
 完成への期待が高まるところでありますが、今後の整備スケジュール及び二〇二〇年まで完成するのは本当に大変だと思いますが、その取り組みについて伺います。

○原港湾整備部長 今後の整備スケジュールにつきましては、引き続き連絡通路等の整備を進めていくとともに、岸壁工事やターミナルビルの建築工事につきましても、今年度中に着手する予定でございます。また、ターミナルビルの建築工事に並行して、空調、給排水、エレベーター、エスカレーター等の設備工事も進めてまいります。
 本事業は、こうした多岐にわたる工事を同時期に行うため、計画、設計、工事、管理運営等の関係部署で構成いたします工事進行管理委員会におきまして、横断的かつ綿密な工程管理を行っております。
 今後とも、こうした取り組みを行いながら、二〇二〇年春の開業を目指して積極的に整備を推進してまいります。

○細谷委員 ただいまのご答弁によりますと、本当に綿密にさまざまなことを、困難を乗り越えながら進められていると感じました。
 そこで、ハードの部分は、今、着々と進められていると思いますが、次にソフトの面についてお伺いしたいと思います。
 過去三年間の東京港へのクルーズ客船の寄港数について、また、そのうちの外国船籍の寄港数についてお伺いをいたします。

○相田港湾振興担当部長 東京港のクルーズ客船の寄港数については、平成二十六年が二十五回、平成二十七年が二十四回、平成二十八年が二十九回でございます。
 レインボーブリッジの下を航行できない大型クルーズ客船については、大井水産物ふ頭を臨時的に活用しており、平成二十六年が四回、平成二十七年が二回、平成二十八年が三回寄港しております。
 外国船籍の寄港数は、平成二十六年が十二回、平成二十七年が九回、平成二十八年が十二回でございます。近年は、初入港する外国船籍のクルーズ客船もふえており、新客船ふ頭の供用開始に向け、今後とも東京港に寄港するクルーズ客船の誘致に努めてまいります。

○細谷委員 過去三年間の寄港数を伺いまして、思ったより寄港数が少々少ないのかなというふうに感じております。
 今後、さらに大型の外国船籍などを迎え入れるに当たりましては、レインボーブリッジ下を航行できず、現在では臨時的なふ頭を利用せざるを得ないという状況でございますが、そこについては理解をしていると思いますが、やむを得ないと思うのですけれども、客船の誘致には、この課題を解消し、計画的に進めていくべきと考えております。
 そこで、二〇二〇年完成する新客船ふ頭のクルーズ客船の誘致目標数について伺います。

○相田港湾振興担当部長 都は、東京港がクルーズ客船の拠点港として、国内外からさらに多くの来訪者を呼び込み、大きな経済効果を取り込むとともに、臨海副都心のMICE国際観光拠点化を推進するため、クルーズ客船の誘致施策の方向性を示す東京クルーズビジョンを平成二十六年一月に策定いたしました。
 この東京クルーズビジョンにおいては、東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催や、新客船ふ頭供用開始を踏まえ、平成三十二年について百十三回の寄港数を目標として掲げております。この目標を達成するため、海外の主要なクルーズ船社等を個別に訪問し、多様な魅力を持つ観光拠点としての東京港の優位性を直接アピールするなどの営業活動を重点的に行い、寄港数を確実にふやしてまいります。

○細谷委員 東京クルーズビジョンを見せていただきました。細やかな事例や諸外国の状況など、大変詳細、よくまとめられて研究されていると思っております。
 平成三十二年、百十三回の寄港数を目標に定めているということでございますが、誘致目標達成のためには、さらにご努力が必要であると思います。都民へのクルーズへの関心を高めていかなければ、なかなかそこまでは行き着かないというふうに考えますが、ご見解をお伺いします。

○相田港湾振興担当部長 東京港へクルーズ客船を誘致するためには、クルーズを利用して楽しむ人々、いわゆるクルーズ人口の増加が不可欠であり、都民に、よりクルーズへの関心を持っていただくことが重要であると考えております。
 このため、通常の価格より低廉な料金で利用できる都民クルーズを、昨年度は四回開催し、延べ百五十八人の方々に利用いただきました。さらに、この九月には、臨海副都心で開催された東京味わいフェスタ二〇一七において、新客船ふ頭を含め、クルーズの楽しみを紹介するブースを出展するなど、各種イベントにおけるPR活動に着手したところでございます。
 今後とも、多くの方々のクルーズへの関心を高めるため、あらゆる機会を通じて、新客船ふ頭のPRを行うなどの取り組みにより目標を達成してまいります。

○細谷委員 新客船ふ頭の整備は、ソフト、ハード面、両面、多くの工夫を織り込みながら完成を目指しておると理解いたしました。
 整備には、安全面にも留意の上、一日も早く完成ができるよう取り組んでいただきたいと思います。また、誘致には引き続きしっかりと取り組んでいただき、事業が恒久的に発展されるよう展開していきますことを要望いたします。
 次に、舟運の事業について伺います。
 舟運活性化に向けた東京都の方針、目的を伺います。また、社会実験として運航された成果と今後の取り組みについて伺います。

○蔵居港湾経営部長 都では、身近な観光、交通手段として定着するよう、舟運の活性化に取り組んでおります。そのため、都市整備局、建設局及び港湾局の三局で、運航事業者の定期航路の拡充を目指し、需要を確保できる航路や料金の設定等の検証を行う社会実験を実施しております。
 昨年度は、二カ月間程度の運航で、千人を超える乗船実績が得られるとともに、アンケート結果において、乗船時間は四十分から六十分程度、料金は、距離にもよりますけれども、千円から千五百円程度が望まれるなどの傾向が把握できました。
 今年度は、これらの知見や成果をもとに、新たな定期航路運航の実現に向けて、人気の高い東京港の観光スポットを循環するなど、短い区間での乗りおりが可能な航路を設定して運航しております。
 今後とも、運航事業者などとともに、社会実験などを通じて、より一層舟運が活性化していくように取り組んでまいります。

○細谷委員 観光スポットへの導入など、さまざまな検討が進められているようですが、こうした舟運の存在や旅の楽しさを都民に知ってもらうような取り組みも大切かと思いますが、舟運PRに向けた取り組みについて所見を伺いたいと思います。

○蔵居港湾経営部長 舟運の活性化のためには、東京の船旅や水辺の魅力の周知を進め、認知度をさらに向上させていくことが重要だと認識しております。
 そのため、民間事業者と連携して、ポスターや専用のホームページ等により舟運の存在を広く都民にPRしていくこととしました。専門のホームページでは、航路や日時、船着き場ごとに社会実験のルートを検索できるほか、そのまま予約ができる機能を設けるなど、利用者のニーズにも対応しております。
 また、今年度後半には、臨海部等で実施されるイベント等と連携した不定期船を社会実験として運航し、テレビや雑誌などメディアにも取り上げてもらう機会を設けることにより、都民に東京の船旅の楽しさをPRする機会をさらにふやしてまいります。

○細谷委員 舟運については、社会実験が開始され、今後、採算性なども考えられながら進められると思います。事業者などともしっかりした連携のもと、水の都東京にふさわしい観光の手段として定着するよう、期待をしております。
 臨港道路南北線の整備、新客船ふ頭の整備の二事業と、舟運、それぞれ課題もあるとは思いますが、事業を推進されるため、さまざまな調査検討されていることを評価するとともに、期限に向けて、今後もしっかりと進めていただくことを要望いたしまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

○遠藤委員 では、私から質問をさせていただきます。
 質問に入る前に、先日、十六日でありますけれども、大島の土石流災害から四年を迎えました。現地では追悼式も行われまして、私も出席をしてまいりました。
 前後に、港湾のまた漁協の関係者の皆さんともいろいろと意見を交わしました。この土石流災害における港の整備については、港湾局の皆さん、本当に現場で頑張っていただいて、既に復旧、復興の工事が終わっているということであります。漁師の皆さんも本当に、最近では、一時失われていたイセエビや、またはさまざまな貝ですね、こういうのもようやく根づいてきて、次に向けてのスプリングボードになっているという、こういううれしいお話を聞いてまいりました。尽力いただいた皆さんに感謝を申し上げたいと、このように思います。
 それでは、本日の議題であります平成二十八年度決算のうち、東京港の港湾局が管理をしております水門や防潮堤等の設備における地震、津波、高潮対策、これについて絞って質問をしたいと思います。
 都は、東日本大震災の発生を受けて策定いたしました東京港海岸保全施設整備計画に基づいて、今日まで水門や防潮堤等の耐震化などの取り組みを推進しているわけであります。きょうの議論の前提でありますこの整備計画の概要を改めて伺うとともに、平成二十八年度までのその進捗状況について、初めに伺いたいと思います。

○原港湾整備部長 都は、最大級の地震による津波や高潮からの浸水を防ぐことを目的といたしまして、平成二十四年十二月に策定しました東京港海岸保全施設整備計画に基づき、水門や排水機場の耐震、耐水対策、防潮堤や内部護岸の耐震対策に取り組んでおります。
 計画期間につきましては平成三十三年度までの十年間であり、水門、防潮堤につきましては、東京の沿岸部を第一線で守る重要な施設であることから、平成三十一年度末までに完成させるよう、優先して整備を進めております。
 平成二十八年度までの進捗状況についてでございますが、水門及び排水機場につきましては、整備対象二十施設のうち、天王洲水門など六施設が完成し、新砂水門や辰巳排水機場の再整備など、十三施設で事業を推進してございます。また、防潮堤につきましては、計画延長約十七キロメートルのうち約八キロメートルが完成、約八キロメートルで事業中でございます。内部護岸につきましては、計画延長約二十六キロメートルのうち、約三キロメートルが完成、約十一キロメートルで事業中となってございます。

○遠藤委員 東京港にある水門は、防潮堤とともに、東京の沿岸部を第一線で守る非常に重要な施設であり、今の答弁のとおり、都は率先してこの整備をしているということは、率直に評価をいたしたいと思います。
 ところで、今整備中のもの、またこれからのものとありますけれども、私の地元大田区では、南前堀、そして北前堀、呑川、貴船という、このいわゆる四つある水門、これは港の南と書きますけれども、港南四水門がありまして、平成二十五年の、これは予特でこの四つの大田区内に位置します水門の耐震対策を、早期完成を求めたところであります。
 この四つの水門は特徴的でありまして、この水門の内側は、以前川になって、内陸の方に川が流れていたと。しかし現在では、そこをいわばとめて、その一部を残して埋め立てが行われて、大田区が管理する水域として小型の係留船の置き場等に利用されていると。いいかえれば、一直線ではなくて、幾分内陸部に入っていて、そこをせきとめて、その内側を小型船等々の置き場として利用しているということであります。
 そこで、この港南四水門の、先ほど出ました整備計画における位置づけについて、振り返ってみたいと思います。

○原港湾整備部長 南前堀、北前堀、呑川、貴船の四つの水門、いわゆる港南四水門につきましては、もともと河川だった背後の水域が埋め立てにより行きどまりになりましたため、水門を存続する必要性が薄れておりました。
 このため、整備計画におきましては、平成三十一年度末までに水門を廃止し、防潮堤の整備を進めることといたしました。
 具体的には、津波や高潮に対する安全性向上の観点に加え、地域のまちづくりや小型船係留などの水域利用等につきまして、地元大田区と協議を行いました結果、水門を廃止するとともに、必要な水域を一部残し、その水域を取り囲む形状で防潮堤を整備していくこととしたものでございます。

○遠藤委員 今答弁にありましたとおり、これまでの歴史や、また地元の実情に合わせて、引き続きこの水域の一部を残したまま防潮堤の整備を進めることになったということであります。
 そこで、この港南四水門における防潮堤の整備の二十八年度までの進捗状況と、それぞれの完成時期等について答弁を求めたいと思います。

○原港湾整備部長 港南四水門のうち、南前堀水門における防潮堤につきましては、平成二十四年度に事業着手し、二十八年度の完成に向けて順次工事を進めておりましたが、一部の箇所におきまして水域利用者との調整に時間を要しておりますことから、当初計画よりおくれ、平成三十年度に完成する予定となっております。
 呑川、貴船水門における防潮堤につきましては、平成二十五年度に事業着手し、現在、工事を進めており、当初計画どおり平成三十年度に完成する予定でございます。
 北前堀水門における防潮堤につきましては、早期の事業着手に向け、地元区と連携し、地域住民や水域利用者と協議を進めているところであり、平成三十一年度末までの完成を目指してまいります。

○遠藤委員 今の答弁を総括すると、南前堀については二十四年からスタートしたけれども、若干、この調整に手間取っていると。そして、呑川、貴船両水門については、二十五年に着手をして、おおむね三十年の完成予定で、今のところ順調に推移をしていると。残る北前堀については、目標を掲げ、全力で取り組む決意はあるけれども、なかなか日程的に、個人的なあれですけど、タイトかなと、こういう印象は受けました。
 今ありましたとおり、南前堀水門における防潮堤の完成、これがおくれているということでありますけれども、引き続き早期の完成を目指して、水域利用者には丁寧に説明をして、なるべく早く事業を進めていってもらいたいと思ってございます。
 先ほど来ありますけれども、この水門というか、この奥に入っていく、こういう形状は、私は東京港の全ての水門はよく理解していませんけれども、特殊な形なんだろうと思います。大田区は、ノリの業者がもともといらっしゃったりとか、そこにおける船の利用、小型船の利用等々もあった、こういう歴史的な背景もあったんだと思いますけれども、この小型係留船の利用者との話を、どう円滑に進められるのか否か、ここがこの耐震化の事業のいわばコアになっているんだろうと、このように思います。
 確認ですけれども、こうした小型の係留船が、そこのいわゆる水門から内側にある、いわばこれは水たまりのようなものでありますけれども、ここは大田区が管理しているわけですけれども、こういう小型係留船の皆さんに、工事をするために一時立ち退きを求めたり等々する、こういう協議、交渉の窓口は大田区であり、そこに東京都はどこまで関与しているんでしょうか。ちょっとこの辺だけ答弁を求めたいと思います。

○原港湾整備部長 ご指摘の水門の内側につきましては、現在、地元大田区が条例に基づきまして管理する水域となってございます。水域利用者の方々は、地元区から水域の使用に係る許可を得て係留をしている船舶を利用し、事業等を営んでおられます。
 このため、防潮堤の整備を理由に、なかなか強制的には移動させることができない状況になってございます。
 したがいまして、工事の実施に当たりましては、こうした船舶の代替となる係留場所への移動が必要となってございまして、現在、私ども東京都も地元区と連携いたしまして、この水域利用者との協議を重ねているところでございます。

○遠藤委員 南前堀はおくれていると。残るのは北前堀水門、こういうことであります。事業はまだ着手していないわけであります。
 しかしながら、いわれているとおり、首都直下型地震は発生の確率が極めて高いと。三十年以内に七割ともいわれているうちに、もうその三十年以内といわれてもう久しいわけでありますので、そういった意味ではいつ起こってもおかしくないというのが、多くの識者であります。
 他方、今ありましたとおり、これまで利用しているこういう船舶の方々もいると。交渉が厄介でありますけれども、このまだ手つかずの北前堀水門については、早期の事業に着手すべきであると思いますけれども、平成三十一年度末の完成に向けた具体的な取り組みについて、改めて答弁を求めたいと、このように思います。

○原港湾整備部長 北前堀水門におきましては、ご指摘のとおり、水門内側での小型船の係留が多いことや、地域の生活道路である橋梁があることなどが、防潮堤整備の支障となってございます。
 このため、小型船の係留方法や防潮堤の位置及び形態につきまして、地元区と連携し、地域住民や水域利用者の方々と協議を重ねているところでございます。
 こうした協議を早期に調えまして、地元関係者の理解と協力を得た上で、事業に着手してまいりたいと考えてございます。
 引き続き、平成三十一年度末までの完成に向けまして、全力で取り組みを進めてまいります。

○遠藤委員 ぜひ全力で進めていただきたい。これはもう私も願うところでありますけれども、さっきいったこの南前堀が二十四年からスタートして、二十八年、進めていたけれども、やはりこの水域利用者との間で調整時間を要していると。
 一方、まだ北についてはこれからの事業着手ということで、目標は三十一年度末ということで、三年を切っているわけであります。
 加えて、今答弁ありましたとおり、この小型係留船が多い。さらに、地域の生活道路である橋梁もあるということで、他の三つに比べてより困難性が高いところが、結論として残っているのかなと思いますけれども、これは三十一年度まで二年で、見通しは--全力でやってもらうということはそうなんですけれども、現実的にどうなんでしょうか。もう一回、そこを明らかにしてもらいたいと思います。

○原港湾整備部長 ただいま事業の見通しについてのご質問をいただきましたが、課題は、小型船の水域利用者との調整がいつ調うかということでございます。
 こちらにつきましては、まず全力を挙げて協議を行い、早期に協議を調えました上で、工事に着手する所存でございます。
 工事の規模につきましては、関係者の調整が調えば、三十一年度までの完成は可能であるというふうに考えてございます。

○遠藤委員 三十一年度までの完成は可能であると、こういう答弁でありました。ぜひ頑張っていただきたい、このように思います。そのためにも、地元区と密着を、東京都としてもさらに連携をし、そして地域住民、また先ほど来出ております小型船の係留船の使用者、またその許可を受けている方等々、今、この実際に利用している方と、その許可を受けている方の権利関係も、結構複雑だというような話も聞いて、この方にいえば話が直ちに通るものでもないという、そういう結構複雑な理由とか歴史的背景とか、こういうのも聞いております。
 困難な作業になると思いますけれども、やはり多くの都民の人命、いざという場合、また、特にこの大田区沿岸部の区民の皆さんの安全・安心がかかっておりますので、そこはぜひ乗り越えていただいて、この特に一番おくれております北前堀、これの事業の早期の着手と、今、部長、明言ありました、三十一年度末までの整備に向けてしっかりやっていただきたい。このように依頼申し上げまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

○柴崎委員 私の方は、まず初めに、臨港道路南北線事業についてお伺いしたいと思います。先ほどこの事業に関しての質疑がありましたので、重複しないように、角度を変えて質問してまいりたいと思います。
 東京港の機能強化を図るためには、コンテナ貨物の増大、そして船舶の大型化への対応として、中央防波堤外側埋立地に新たなコンテナふ頭の整備を行うことが必要であるということでありまして、効率的に輸送する道路ネットワーク、この拡充が必要になってくるわけであります。
 こうした中で、東西方向の道路ネットワークにつきましては、東京港臨海道路に加えまして、国道三五七号の東京港トンネルの整備が進んでいるとのことであります。南北方向につきましては、青海縦貫線のみであります。したがいまして、この中央防波堤外側コンテナふ頭につながります臨港道路南北線の整備というのは、これは不可欠なわけであります。
 我が党は、こうしたことから、この臨港道路南北線を早急に整備すべきというふうに、以前から主張しております。都はこれを受けまして、南北線整備を積極的に推進しているとのことであります。
 引き続き精力的に整備を進めていくべきでありますが、まずは昨年度、平成二十八年度の整備状況とその施工上の課題ですね、これについてお伺いしたいと思います。

○原港湾整備部長 平成二十八年度における工事の進捗状況としましては、国が整備するトンネルのうち、海底トンネル部では、沈埋函の工場製作に着手するとともに、それらの仮置き場の整備を完了いたしました。陸上部のトンネルにおきましては、水道管や下水道管の支障物移設を実施し、掘削を行うための土どめ工事等にも着手したところでございます。
 また、都が整備する橋梁部におきましては、工場において橋桁の製作を行いますとともに、現地で橋桁の組み立てを行うためのヤード整備を完了したところでございます。
 今後につきましては、まず、海底トンネル部では、工場で製作した沈埋函七函を曳航し、一函ずつ海底に沈めた上で、それぞれを水密性高く接続させる必要がございます。
 一方、東西水路を横断する橋梁におきましては、一つの橋梁で六千トンを超えるアーチ形式の大型橋梁を陸上部で組み立て、そのまま海上の台船に載せ、一括して架設する必要がございます。
 いずれの工事におきましても、大規模かつ事例も少ない中で、精緻な施工管理を実施しながら、二〇二〇年までの短期間で完成させなければならないことが課題と考えてございます。これらを、高度な施工技術を活用するとともに、工程管理を厳格に実施し、着実に整備を進めてまいります。

○柴崎委員 今ご答弁いただきまして、臨港道路南北線、非常に難易度の高い工事であるということでありますので、やはり国と都がしっかりと連携していただいて工事を進めていただきたいと思います。
 この臨港道路南北線、この工事が行われている中央防波堤地区におきましては、オリンピック・パラリンピックの競技会場を初めといたしまして、東京二〇二〇大会に向けまして、さまざま多くの工事が実施をされているわけであります。これは当然のことでありますが、工事関係の車両、これが増加すると思います。したがいまして、物流に少なからずも影響を与えるのではないかなと、その辺を危惧するところであります。
 そこでお聞きをしたいんですが、中央防波堤地区におきまして、工事関係車両、この増加に伴いまして、物流への影響を軽減させる、そんな取り組みについて伺いたいと思います。

○原港湾整備部長 中央防波堤地区におきましては、臨港道路南北線工事に加え、海の森水上競技場など、東京二〇二〇大会に向けた多くの関連工事を実施しております。工事の進捗に伴い、関係車両が増加するため、昨年度、現況の交通量を調査分析しましたところ、工事箇所付近の主要交差点におきまして渋滞発生が予測されております。
 このため、工事関係車両の交通集中抑制に向けた対応策として、工事関係車両は原則として渋滞交差点を通過しない迂回ルートを走行することや、交通量の少ない夜間輸送または海上輸送へ転換するなど、物流への影響を最小限にとどめるよう努めております。

○柴崎委員 そこで、中央防波堤地区では、外貿コンテナふ頭や新海面処分場の整備を進めているわけでありまして、答弁に今ございましたけれども、臨港道路南北線や海の森水上競技場の工事、さらには東西水路にかかる中潮橋の撤去工事、これも行われているわけであります。
 こうした工事に伴いまして、当然関係車両の増加が物流へ与える影響、これを最小限にとどめるということは、極めて重要だと思います。交通抑制策を引き続き実施していただくように、強くお願いをしておきます。
 そこで、次にお聞きしたいのは、臨港道路南北線や海の森水上競技場などの工事は、東京二〇二〇大会までの完成が不可欠なわけであります。この工程管理が極めて重要だと思います。これ、どのようにして周辺で行われている東京二〇二〇大会の関連施設の整備との工程を調整して工事を推進していくのか、その具体的な取り組みについてお伺いしたいと思います。

○原港湾整備部長 ご指摘のとおり、臨港道路南北線や海の森水上競技場などの東京二〇二〇大会の関連施設工事は、大会までに確実に完成させる必要がございます。
 このため、関係各局、国土交通省、警視庁、海上保安庁等の関係機関で構成する中央防波堤地区関連工事等連絡調整会議を設置し、関連工事間の情報連絡や情報共有、工程管理を厳格に行っているところでございます。
 また、その調整会議のもとに、関係する全工事受注者を集めた協議会を設置いたしまして、現場レベルにおいても工程調整を綿密に実施しております。さらに、円滑な物流を確保するため、工事区域周辺におきまして事業活動を行っている事業者に対しては、工事に伴う交通状況などを適宜説明を行ってきております。
 今後とも、ふくそうする工事を的確に調整し、さまざまな課題を乗り越えつつ、臨港道路南北線を初め、海の森水上競技場などを、東京二〇二〇大会までに確実に完成するよう、全力を挙げて取り組んでまいります。

○柴崎委員 今ご答弁いただきました臨港道路南北線等の整備につきましては、東京港の機能強化に向けて非常に重要な取り組みであります。したがって、確実に完成をさせていただくように要望いたしまして、次の質問に移らせていただきます。
 次にお伺いしたいのは、クルーズ客船、これも先ほど質疑がございました。したがって、先ほどと重ならないように、こちらについても質問をさせていただきたいと思います。
 まず、このクルーズ客船でございますが、新客船ふ頭の整備につきましては、二〇二〇年の開業に向けて順調に進んでいるというふうにお伺いをしているところでございます。これまでもクルーズ客船の寄港につきましては、国内外から多くの観光客が東京を訪れるということで、これは大きな経済効果があるわけでございまして、非常に注目をしてまいりました。
 最近におきましては、報道などでよく取り上げられておりますが、国内でもクルーズへの関心、非常に高まっているとのことであります。世界では、ここ数年で新たなクルーズ客船が建設されるなどの動きがあるということもお聞きをしております。非常に大きなビジネスチャンスといえる状況があらわれてくるのではないか、そういうふうに考えるわけでございます。
 そこで、改めてお伺いしたいと思います。
 世界のクルーズ市場の動向、これ現在はどのようになっているのか、まずその点についてお聞かせください。

○相田港湾振興担当部長 世界のクルーズ市場の動向でございますが、クルーズ船社は、富裕層からいわゆるカジュアル層への顧客拡大戦略が主流となっており、その結果、クルーズの大衆化が急激に進展し、同時にクルーズ客船の大型化も進んでおります。
 アジアにおいては、シンガポール、上海、釜山などの各港が市場拡大を見込み、大型投資による施設整備を競って実施している状況でございます。さらに近年、中国については、買い物目的のショートクルーズが縮小し、十泊前後の観光、体験型のツアーにニーズがシフトしつつあり、首都圏と中国を結ぶ航路もふえつつあります。
 日本においては、海外船社による関東、関西を拠点とする日本発着クルーズが増加し、日本人のみならず、いわゆるフライ・アンド・クルーズと呼ばれる、欧米から飛行機で日本に来た乗客が利用しているケースも多くなってございます。
 このような状況から、クルーズ市場は今後も大きな成長が見込まれ、日本においても相応の需要があると考えております。

○柴崎委員 今ご答弁いただきましたけれども、やはり世界のクルーズ市場、これはこれからまだまだ成長するというふうなことがよくわかりました。また、日本のクルーズ市場、これも将来性が見込めるということもよくわかりました。
 したがって、この新客船ふ頭も、こうした動きを確実に捉えていただいて、世界中からさまざまなクルーズ客船に寄港していただいて、やはり東京にできるだけ多くの観光客が来訪する、このことを期待したいと思います。
 都民の方にも、ぜひこの新客船ふ頭から世界のクルーズ客船に乗っていただきたいな、こういうふうにも考えるわけであります。
 したがいまして、このふ頭の整備も重要なんですが、積極的な誘致活動を行っていくこと、これも非常に重要だと思います。
 都は、この誘致活動、これまでもいろいろと進めてきたと思います。昨年度、平成二十八年度は、具体的にどのような取り組みをこの誘致について行ってきたのか、その点についてお伺いしたいと思います。

○相田港湾振興担当部長 クルーズ船社の配船計画は数年前から決定されることから、新客船ふ頭が開業される二〇二〇年に向けて、都は昨年度から積極的な誘致活動を行ってまいりました。
 具体的には、多くの関係者に新客船ふ頭についての理解を深めてもらうため、都内のホテルで船社に加え、船舶代理店、旅行会社などのクルーズ関係者を一堂に集めた東京クルーズセミナーを開催いたしました。また、海外で開催されるクルーズコンベンションにも出展し、クルーズ関係者への情報発信を行いました。
 さらに、これまでの実績等から、特に寄港が見込めそうなクルーズ船社に対しては、国内はもとより、海外の拠点にも個別に訪問し、新客船ふ頭への寄港を働きかけております。
 こうした取り組みを進めた結果、現在、新客船ふ頭については、複数のクルーズ船社から、具体的な寄港の要望が寄せられているところでございます。

○柴崎委員 今ご答弁いただきましたように、さまざま誘致活動というんでしょうか、さまざまなお取り組みをされているということでございまして、大変すばらしいと思います。
 しかしながら、誘致の効果があらわれ始めたということでありますけれども、ここでなかなか安心をしていられないということなんですね。最近では、国内の多くの港湾でも、クルーズ客船寄港のメリットに着目しているんですね。したがって、それぞれが積極的な誘致活動、これを展開しているようであります。したがいまして、港湾間での競争もかなり激しくなっていくと思います。
 そしてまた、世界の市場動向も変化が激しくなっておりまして、数多くのクルーズ客船を誘致していくために、より東京港の魅力、これをアピールしていただいて、クルーズ船社の東京港へのニーズが定着するように、ぜひ取り組んでいただきたいなと、そのように思うわけであります。
 そこでお伺いしたいんですが、世界中からより多くのクルーズ船、これを誘致するために、今でもさまざまご努力をされ、いろいろ取り組みをされているわけですが、さらに、さらにですね、どのように取り組んでいくのか、その辺の見解を伺いたいと思います。

○相田港湾振興担当部長 クルーズ客船を誘致するためには、世界的なクルーズ市場の動向を踏まえるとともに、日本を含むアジア地区でのクルーズ船社の配船方針なども視野に入れた効果的な誘致活動が必要でございます。
 具体的には、アジア地区への配船に意欲的なクルーズ船社を中心に個別に訪問して、船社の状況を直接情報収集するとともに、新客船ふ頭についてきめ細かな説明を行うなどの誘致活動を進めてまいります。
 また、東京港を一定回数以上利用している船社を都として認定し、公式ホームページ等で広く周知することで、誘致したクルーズ船社の東京港への定着を促す取り組みを行うことといたしました。
 さらに、買い物目的から観光、体験型にシフトしつつある中国発着のクルーズ客船を誘致するため、今年度から中国の旅行博覧会に出展し、東京の観光情報と組み合わせた効果的な東京港のPRを行っております。
 今後とも、こうした取り組みを積極的に展開することで、東京港が多くの人でにぎわう国際的なクルーズ拠点となるよう取り組んでまいります。

○柴崎委員 今お伺いしまして、非常にさまざま誘致活動もいろんな角度からお取り組みされているところでございます。ぜひぜひ、これ二〇二〇年がもう開業でございますので、本当に今からさまざまな形で、これからもご努力をさらにお続けいただきたい。
 そしてまた、先ほど申し上げましたように、これが非常に大きな経済効果をもたらすということでございますので、我々も非常に注目しておりますし、これからの二〇二〇年に向けてさらなる取り組みをお願い申し上げまして、私からの質問を終わらせていただきます。

○いび委員 私の方からは、調布飛行場と、それから離島の就航率の向上ということで、大きく二点について伺います。
 まず、飛行場問題についてですが、平成二十七年に発生した調布飛行場における墜落事故に関して、住民を巻き添えにした重大な事故であるにもかかわらず、二十八年度中には、被害者救済や今後の事故防止について見るべき前進がなかったことは大変重大だと受けとめております。
 まず、調布飛行場をめぐる課題の概略について述べます。
 これが調布飛行場です。(資料を示す)見てのとおり、飛行場の周り、西側が東京スタジアムを初めとするスポーツ施設に面している以外は、住宅密集地に囲まれています。ですから、離陸や着陸のときには、低空で住宅地のすぐ上を飛行機が通り過ぎることになります。これは離島便のドルニエが着陸するときの写真です。下から見上げる角度で撮っているので、十字架により接近しているように見えるというのもありますが、確かに非常に低い高度でおりてくるわけです。これほど住宅密集地に接近した飛行場は、ほかに例がありません。
 調布飛行場は、戦前、陸軍の飛行場として、住民を強制的に立ち退かせて建設されました。戦後、調布市は、飛行場の撤去を要求し、それを東京都も支持して、当時の運輸省も移転先を探すというところまではいったんですが、見つからないという結論になり、事態は膠着状態となりました。
 その時期に、飛行場の近くにある中学校の校庭に小型機が墜落、パイロットが死亡するという重大事故が起こったことで、さらにこの飛行場移転の世論は高まりましたが、その後、東京都は飛行場の存続を打ち出し、それに調布市も追認したことで、調布飛行場は、移転から存続へと大きくかじを切ることになりました。
 そして平成九年に、飛行場存続の条件として、二十七項目の協定と覚書を、東京都と地元三市で交わしました。そこでは、事故や騒音の被害を低減するために、飛行場の機能を制限することが盛り込まれて、一つには、特別有視界飛行方式を採用すること、簡単にいえば、計器飛行は行わないということです。遊覧飛行の禁止、航空管制官の配置を続けること、そして自家用機の移転の促進などが約束をされました。
 しかし、その後、これらの約束は次々と破られていくわけです。航空管制官は国によって撤退されてしまいました。ネット上では、遊覧飛行の体験記が公然と公表され、遊覧飛行の呼びかけが行われる。さらに、東京都自身は飛行場まつりで、体験飛行と称する事実上の遊覧飛行を行ってきました。そして平成二十五年には、計器飛行方式が導入されました。
 調布飛行場の離発着回数は、航空管制官を配置していない全国五十三の地方空港の中で、奄美に次いで二番目となっています。以前は全国一位だった。事故の後、自家用機の自粛が続いているので、その分が減ったということです。
 本日いただいた資料の七ページ、最後のページですが、ここに出ておりますけれども、その他という項目があります。これが大体自家用機なんです。二十七年度が四百十一、二十八年度が三十七、極端に減っていますが、要するに事故の後、自家用機が自粛を続けているということの、これは結果であります。
 ですから、このようにして見ますと、調布飛行場は、その使用について制限されてきたというよりは、もう全国でも有数の小型機空港となったわけです。住宅密集地に隣接し、事故のリスクや騒音などの問題で、どう見ても適切ではない場所で飛行場を存続させ、さらにその機能を拡大してきた中で、平成二十七年に住宅地に小型機が墜落、住民を巻き添えにするという最悪の事故が起こりました。
 調布飛行場を離陸したパイパーPA46型機、離陸直後に住宅地に墜落し、住民とパイロットを含む三人が死亡、五人が重軽傷を負い、家屋は一軒全焼、隣接した家屋も被害を受けています。
 航空機の事故の記録は、運輸安全委員会のホームページで、一九七〇年代の分から集計をされて公表されていますが、墜落して住民を巻き添えにしたという事故は、この調布飛行場の事故が唯一の事例です。それだけの大変な問題が起こったということです。
 済みません、前置きが長くなりましたが、質問に入ります。
 まず、被害者の救済と事故防止について伺います。
 航空事故調査報告書、ようやくまとまって公表されましたが、まずこのことによって賠償が行われることになるのでしょうか。
 二つ目に、東京都は、今回のような事故が起こった場合の被害者に対する救済、支援策を検討していると伺っておりますが、この事故の被害者に対してその制度は適用されるのでしょうか、二点伺います。

○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 ただいま、いび委員からご質問いただいた二点についてお答えさせていただきます。
 本年七月十八日、運輸安全委員会が航空事故調査報告書を公表いたしました。これにより、事故原因が特定されたことから、今後、被害者の損害賠償請求等が進んでいくものと思われます。
 都では、都営空港を離着陸した航空機が都内で事故を起こした場合に、事故被害者を救済する制度を検討しているところでございます。
 二点目のお答えでございますが、一昨年の事故被害者にも適用してほしいという声があることも承知しておりますが、その扱いについては検討中でございます。

○いび委員 この事故が起こってから、地元調布市は、被害者の救済のために、平成二十七年十二月に独自に貸付金制度を創設しました。これは、賠償金が出たらそれで精算するという制度設計ですが、これは本来、東京都がやることです。今、一生懸命検討しているということですけれども、もう二年以上たって、いまだ何を検討しているのか、私は不誠実だと思います。
 続いて、再発防止について伺います。
 自家用機の禁止と移転ということについて、少なくとも公共性という観点から見るならば、まず自家用機の離発着は禁止するべきと考えますが、そうはいっても、駐機してある機体をただ置いていくわけにもいきませんので、これは移転を早急に進めるべきではないでしょうか。
 それからもう一点、離発着回数の抑制という点で、冒頭紹介しましたこの協定が交わされているわけですけれども、その協定の中では、上限二万三千回となっています。これはさらに引き下げていくべきではないでしょうか、二点伺います。

○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 自家用機の移転に関する質問についてでございますが、都はこれまで、他空港への分散移転の働きかけ等を行ってまいりました。その結果、自家用機の登録機数につきましては、国から調布飛行場の管理を引き継いだ平成四年の三十五機から十九機まで削減されたところでございます。引き続き、分散移転に取り組んでまいります。
 また、離発着回数についてでございますが、調布飛行場は、伊豆諸島と本土を結ぶ離島定期便や、防災、医療、消防等の救急活動など、極めて公共性の高い利用がされており、重要な役割を担っております。
 都は、調布飛行場の運営に関し、地元三市と東京都調布離着陸場の整備及び管理運営に関する協定書を結び、年間の離着陸回数を二万三千回を上限としております。引き続きこの協定を遵守してまいります。

○いび委員 自家用機のまず移転については、相手の不利益ということにもよく配慮して、丁寧に、そして着実に進めていただきたいと思います。
 今、答弁で触れていた年間二万三千回の上限についてですが、これは質問の冒頭で紹介した二十七項目の協定のトップに書かれています。そこには、年間二万三千回程度を上限とし、さらに削減に努めることと明記してあります。さらなる削減に努めるべきであるということを申し上げておきます。
 続いて、騒音について伺いますが、これは飛行場の近くの上石原にある測定局の表示です。(資料を示す)電光掲示板に八十三デシベルと表示されているのが見えると思いますが、定期便のドルニエがおりてくると、大体八十三から八十五デシベルぐらいの騒音が観測をされております。
 ちなみに、羽田空港の周辺にはたくさんの測定局がありまして、そのデータも公開されていますが、そこで観測されているのはせいぜい五十デシベルから六十デシベル。八十を超えるような騒音はまずありません。米軍基地の周辺とか、そういうところの、これは測定値に匹敵する数字です。
 ただ、騒音のひどさというものを評価する場合に、ピークの値だけではこれは不十分、不正確です。航空機騒音にかかわる環境基準の評価指標として、日本はLdenを採用しています。これは、等価騒音レベルといって、時間とともに変化する騒音について、一定期間の平均的な騒音の程度を示す指標となっています。簡単にいえば、騒音の大きさだけではなくて、その回数、あるいは夜間、深夜、早朝の騒音はよりひどい騒音として評価するという仕組みになっております。ですから、この離発着回数は、例えば同じだったとしても、深夜、早朝の便があったりすると、このLdenの値が大きくなるわけです。
 この公式の環境基準の指標であるLdenで比較した場合の騒音レベルは、ほかの飛行場と比較してどうでしょうか、伺います。

○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 環境局が発行しております平成二十七年度航空機騒音調査結果報告書によりますと、調布飛行場におけますLden、いわゆる昼夕夜平均騒音レベルでございますけれども、二カ所の固定測定点で、年間平均値がそれぞれ四十九、五十二デシベルとなっております。これは、住宅地の環境基準である五十七デシベル以下となっております。
 測定点と飛行場の距離など、飛行場ごとで異なるため、他空港と数値を比較することは適切ではないと考えております。

○いび委員 調布飛行場の騒音が大体五十二デシベルということでした。羽田空港の騒音測定局のデータは公表されておりますので、私の方から簡単に紹介しますと、羽田空港周辺の十六カ所の測定局のうち、最も騒音がひどいのが木更津下水処理場のところで、ここが大体五十二から五十三デシベル、大体調布飛行場と同じぐらいということになります。あとは八重原小学校、これが五十から五十一デシベル。それ以外のところは、基本三十デシベルから四十デシベルで、はっきりいえば比較になりません。つまり、このLdenという公式に採用されている指標で比較しても、調布飛行場は羽田より騒音がひどいといって差し支えないという状況です。
 先ほど述べたとおり、Ldenは騒音のピークを比較するだけではなく、騒音の回数、さらに深夜、早朝の騒音はより大きく評価するわけです。二十八年度の羽田空港の離陸回数は二十二万四千二百二十九回、調布飛行場は七千二百六十三回、つまり三十倍以上違う。さらに、調布飛行場には羽田のような早朝、深夜の便がありませんが、その違いを踏まえてもなお、騒音値が調布飛行場の方が多いという結果になるということは、これはいかに調布飛行場での一回一回の騒音レベルが、もう非常識に大きいかということの証明です。このことをぜひご理解いただきたいと思います。
 続いて、協定、覚書の問題ですが、この中でも遊覧飛行、体験飛行の禁止について伺います。
 この墜落事故が起こってから、平成二十七年度に続き、平成二十八年度も飛行場まつり、中止になっております。この体験飛行というのは、飛行場まつりで行われてきたものを除いては、一応禁止ということになりました。問題は、どうやって徹底するかということです。
 飛行場管理者である東京都は、飛行場内のことは当然権限ありますけれども、飛んでしまった先のことが管理できるのかということになるわけです。この点について伺います。
 それからもう一つ、飛行場まつりでの体験飛行についても、これは平成二十七年度、二十八年度だけの話にしないで、これはもう本当にやめる決断をするべきではないでしょうか。
 以上、二点伺います。

○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 まず、遊覧飛行、体験飛行の禁止についての徹底についてのご質問でございますが、調布飛行場では、遊覧飛行、体験飛行等を行うために飛行場を使用することは、東京都調布飛行場運営要綱において認めておりません。このことは、調布飛行場で毎月開催しております運航担当者会議の際など、あらゆる機会を通じて周知を図ってまいりました。
 今後も引き続き、空港管理の厳格化に取り組んでまいります。
 次に、調布飛行場まつりにおきまして体験飛行をやめるべきとのご質問でございますが、調布飛行場まつりの今後の開催や、その際の体験飛行の実施につきましては、地元市等の意見を尊重してまいります。

○いび委員 この遊覧飛行、体験飛行について、東京都の取り組みは、今のご答弁ありましたように、基本的には周知する、徹底すると。いわゆる啓発活動の域を出ないものといわざるを得ません。これで徹底できるのかということです。
 はっきりいえば、東京都は飛行場の管理者として、飛行場内のことについては権限がありますが、飛び立った飛行機については、事実上ほとんど何もできないということにならないでしょうか。
 では、飛行場管理者としてできることは何かといえば、やはり離発着回数そのものをさらに厳しく制限することや、自家用機を移転させるということになるのではないかと思います。
 この問題での最後、飛行場の移転について伺います。
 全国で有数の小型機空港として、離発着回数も全国の中で上位、事故の数までトップクラスというのが今の現状です。事故の数、いただいた資料は、調査した期間が短いのでよくわかりませんが、これ平成四年からさかのぼってみますと、調布飛行場の事故が六件、次が大島三件、神津島二件。実はこの飛行場の、調布飛行場の事故の数は全国トップです。大阪の八尾空港と、大体トップ争いをしているという状況なんです。
 いかなる公共性があろうと、この状況は、市民の受忍限度を超えているといわざるを得ません。離島便を初め、他の事業用機についても、これはただ飛ぶなというわけにいきませんから、ほかの飛行場に移転をさせた上で、調布飛行場については閉鎖をするべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。

○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 まず初めに、事故機の遊覧飛行等についての質問でございますが、一昨年の事故、事故機の管理会社等がことしの三月二十九日に航空法違反容疑で書類送検された件につきましては、検察の起訴前の段階であり、都としても、事故当日の飛行の違法性を含め、今後の動向を注視しているところでございます。
 これまでは、東京都調布飛行場運営要綱に基づきまして、飛行目的等が記載された空港使用届け出書を受け付けてきたところでございますが、今後は、届け出書の厳格なチェックを初め、厳しいペナルティーの実施や確認を行うことにより、管理運営のさらなる適正化を図ってまいります。
 次に、飛行場の他の移転先の確保についてのご質問でございますが、調布飛行場は、離島定期便の拠点として、年間約十万人の旅客を運ぶなど、島民の生活と産業に欠かせない極めて重要な施設でございます。また、災害時には緊急消防援助隊の航空部隊が活動拠点とするなど、防災上も欠かせない施設でございます。
 今後とも、管理運営の徹底や万全な安全対策等に取り組みまして、調布飛行場を運営してまいります。

○いび委員 離島のためというふうにいわれますけれども、このように事故が多いということは、離島便も含めて、いわば利用している離島の方も含めて、これは危険にさらされているといわざるを得ません。
 そして、事故を防ぐといいましても、先ほどのやりとりがありましたが、東京都としてできることが、実際、啓発活動の域を出ないものであり、余りにも貧弱であるといわざるを得ません。そもそも対策がその程度では、飛行場の周辺自治体の理解を得ることさえ困難だと思います。
 検討中の被害者の救済策を早急に具体化すること、そして、地元自治体が納得できるような抜本的な安全対策を示すべきであるということを指摘し、次に、離島の船の就航率について伺います。
 昨年、この各会計決算特別委員会において、我が党の白石たみお都議が、御蔵島港の就航率向上について質問を行いましたが、今回は、御蔵島に加え、青ヶ島についても就航率の向上についての取り組みを質問いたします。
 島しょの港湾の就航率について、全体としては平均九〇%へと改善していますが、御蔵島、青ヶ島に関しては、現在でも六〇%半ばとなっております。二〇一六年度の島しょ等港湾整備の執行率は八二・三%となっていますが、御蔵島及び青ヶ島の港湾整備において、港湾整備予算の執行率を伺います。

○小林離島港湾部長 港湾整備におきます予算執行率でございますけれども、御蔵島では六九・二%、青ヶ島で九七・七%でございまして、あわせて九四・〇%となっております。なお、御蔵島におきまして執行率が七〇%程度となっておりますのは、工事の落札差金ですとか、予定していた既存岸壁の補修について、船からの荷役運搬のスペースを一時的に確保する必要があるということで、後年度施行としたものでございます。

○いび委員 青ヶ島ではほぼ予算どおりに執行されているとのことです。御蔵島では、落札差金や予定していた既存岸壁の補修について後年度施行としたことなどによって、執行率が低くなったとのお答えでした。
 次に、御蔵島では、東側の突堤の整備など、就航率改善のため港湾の整備を行っているところですが、完成目途についてはいつの予定になっているか、伺います。

○小林離島港湾部長 御蔵島の島唯一の港でございます御蔵島港には、大型定期船が接岸できる岸壁や停泊するための泊地などを、長年にわたって整備してまいりました。しかし、風や波の影響を受けやすく、ご指摘のとおり、他の島に比べて就航率はいまだ低い状況であることから、現在の岸壁の東側の位置に二つ目の岸壁を整備しております。これにより、風向きによって使用する岸壁を使い分けることが可能となりまして、定期船の就航率が大幅に向上する見込みです。
 事業は、平成二十七年度から現地調査等に着手いたしまして、昨年度は実施設計を行いました。今年度からは、現地での工事に着手しておりまして、早期の完成を目指してまいります。

○いび委員 御蔵島の方からもお話聞きましたが、定期船の欠航により、生活物資の不足や、また島の特産品であるアシタバなどの出荷もできないということで、東側突堤の完成については非常に期待をしているとのことでした。東側突堤の早期の完成とともに、既存岸壁の補修についても早期の完了を要望いたします。
 次に、有人国境離島地域の保全及び特定有人国境離島地域に係る地域社会の維持に関する特別措置法、いわゆる有人国境離島法が、ことし施行されました。東京都では、伊豆諸島南部地域である三宅島、御蔵島、青ヶ島、八丈島が指定をされています。
 この法律では、国及び地方公共団体は、港湾等の整備に努めることを求めており、また国交省、水産庁が来年度予算で、有人国境離島地域内の港湾、漁港、道路及び空港整備について、概算要求をしています。
 都として、いち早く就航率の改善を目指すため、国に対し、御蔵島、青ヶ島への港湾整備への補助金などの支援を強く求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。

○小林離島港湾部長 伊豆諸島における港湾整備につきましては、これまでも政府提案要望等のさまざまな場において、予算の確保について強く求めてきたところでございます。
 今後も、御蔵島、青ヶ島を初め、各島の就航率の向上を目指し、着実に港湾の整備を進めてまいります。

○いび委員 御蔵島、青ヶ島では航空路がなく、船舶が主要な移動手段で、食料品や生活用品などの運搬手段となります。
 就航率の向上は、島民の方の切実な願いであります。有人国境離島法の施行に伴い、国に対してこれまで以上の支援を求めるよう要望いたします。
 あわせて、島しょの港湾においては、冬季に連続欠航が発生することも大きな課題となっています。これらの課題に対しても、早期の改善を目指し、引き続き取り組みを進めていただくよう求めて、質問を終わります。

○高橋委員長 ほかに発言がなければ、お諮りをいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高橋委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で港湾局関係を終わります。
 これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
   午後二時五十三分散会

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