平成二十七年度各会計決算特別委員会第二分科会速記録第六号

平成二十八年十月三十一日(月曜日)
第十委員会室
午後一時開議
出席委員 十名
委員長まつば多美子君
副委員長神林  茂君
副委員長植木こうじ君
加藤 雅之君
和泉ひろし君
川松真一朗君
和泉なおみ君
近藤  充君
西崎 光子君
島田 幸成君

欠席委員 なし

出席説明員
オリンピック・パラリンピック準備局局長塩見 清仁君
次長理事兼務岡崎 義隆君
理事小山 哲司君
総務部長鈴木  勝君
調整担当部長雲田 孝司君
総合調整部長児玉英一郎君
連絡調整担当部長岡安 雅人君
連携推進担当部長丸山 雅代君
自治体調整担当部長井上  卓君
事業推進担当部長計画調整担当部長兼務戸谷 泰之君
運営担当部長田中  彰君
パラリンピック担当部長障害者スポーツ担当部長兼務萱場 明子君
大会施設部長根本 浩志君
競技・渉外担当部長小野 由紀君
開設準備担当部長鈴木 一幸君
施設担当部長花井 徹夫君
施設整備担当部長小野 幹雄君
輸送担当部長選手村担当部長兼務朝山  勉君
スポーツ施設担当部長田中 慎一君
スポーツ推進部長小室 明子君
スポーツ計画担当部長川瀬 航司君
ラグビーワールドカップ準備担当部長
国際大会準備担当部長兼務
土屋 太郎君

本日の会議に付した事件
平成二十七年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
オリンピック・パラリンピック準備局関係
・平成二十七年度東京都一般会計決算(質疑)

○まつば委員長 ただいまから平成二十七年度各会計決算特別委員会第二分科会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、オリンピック・パラリンピック準備局関係の決算に対する質疑を行います。
 これよりオリンピック・パラリンピック準備局関係に入ります。
 初めに、過日の分科会で紹介できませんでした幹部職員について局長から紹介があります。

○塩見オリンピック・パラリンピック準備局長 去る十月十七日の本分科会を公務のために欠席しておりました幹部職員をご紹介申し上げます。
 自治体調整担当部長の井上卓でございます。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○まつば委員長 紹介は終わりました。

○まつば委員長 決算の審査を行います。
 平成二十七年度東京都一般会計決算中、オリンピック・パラリンピック準備局所管分を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○鈴木総務部長 去る十月十七日の当分科会において要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元にお配りしてございます平成二十七年度各会計決算特別委員会第二分科会要求資料をごらんください。
 表紙をおめくりください。資料1、スポーツ振興事業に係る予算及び決算の推移でございます。
 都のスポーツ振興事業に係る予算額及び決算額について、平成二十三年度から二十七年度までの五年間の推移について記載しております。予算額は、いずれも当初予算額となっております。なお、各年度に係る説明は欄外に記載してございます。
 続きまして、一枚おめくりください。資料2、都立スポーツ施設の指定管理料の推移でございます。
 八つのスポーツ施設の指定管理料につきまして、平成二十四年度から二十八年度までの五年間の推移を記載しております。なお、平成二十四年度から二十七年度までは決算額、二十八年度は当初予算額となっております。
 一枚おめくりください。資料3、平成二十七年度スポーツムーブメント事業実績でございます。
 平成二十七年度のスポーツムーブメント事業の予算現額と決算につきまして、各区分ごとに内訳を記載しております。
 一枚おめくりください。資料4、平成二十七年度区市町村スポーツ施設整備費補助実績でございます。
 区市町村スポーツ施設整備費補助の予算、決算及び実績の内訳を記載しております。
 二枚おめくりください。資料5、平成二十七年度東京都(都立体育施設指定管理者含む)主催の障害者スポーツの定期的な体験会及び教室の開催実績でございます。
 平成二十七年度に東京都及び都立体育施設の指定管理者が主催した障害者スポーツの定期的な体験会及び教室の開催実績を記載しております。
 一枚おめくりください。最後に、資料6、区市町村別スポーツ推進委員委嘱数及び都内障がい者スポーツ指導員登録者数でございます。
 上段の表に、平成二十三年度から二十七年度までの区市町村別のスポーツ推進委員の委嘱数、下段の表に、同じく平成二十三年度から二十七年度までの都内の障害者スポーツ指導員の登録者数を記載しております。
 以上、簡単ではございますが、要求資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○まつば委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○川松委員 この夏、リオデジャネイロ大会における日本選手団の活躍によりまして、オリンピックでは史上最多の四十一個、パラリンピックでは前回大会を上回る二十四個のメダルを獲得するなど、日本中がオリンピックで感動と興奮で満ちあふれたわけであります。
 先日開催されましたメダリストのパレードでは、ロンドン大会のときを上回るおよそ八十万人が沿道に詰めかけて、リオデジャネイロ大会の感動を新たにするとともに、四年後の東京大会への期待を大きくしたところでございます。
 こうした都民、国民の思いをしっかりと受けとめて、大会成功に向けて、東京都は予算執行の面からもしっかりと準備に取り組んでいかなければなりません。私自身も、リオの地に赴きまして、競技会場や選手村における大会運営、輸送の状況など、東京大会の参考となる取り組みを視察してきましたけれども、本分科会におきましては、平成二十七年度の都の取り組みを振り返り、次の準備段階につなげていきたいと思います。
 そこでまず初めに、平成二十七年度におけるオリンピック・パラリンピック準備に関しての位置づけと、そしてその取り組みについて伺います。

○田中運営担当部長 平成二十七年二月に策定いたしました大会開催基本計画を出発点といたしまして、平成二十七年度は組織委員会を初めとする関係者との連携をさらに深め、競技会場等の整備やセキュリティー、ボランティア、輸送等の大会運営を支える取り組み、開催機運の醸成など、ハード、ソフト両面において多岐にわたる開催準備を本格化する年となりました。
 ハード面では、都が整備する競技施設につきまして、後利用の検討や基本設計等を進めますとともに、オリンピックアクアティクスセンターなどの大規模な三施設につきまして、設計施工一括発注方式による契約を締結いたしました。
 ソフト面では、東京を訪れる全ての人の安全・安心を確保するため、安全・安心部会を設置いたしまして、治安対策、サイバーセキュリティー、災害対策、感染症対策の視点から、対処要領策定に向けた検討を開始いたしました。
 また、ボランティアの確保に向け、東京都ボランティア活動推進協議会を立ち上げまして、シンポジウムの開催やウエブサイトの開設等、参加機運の醸成や裾野拡大などに取り組んできたところでございます。
 このほか、パラリンピックにつきましては、新たにパラリンピック準備課を設けるなど、組織体制を強化し、機運醸成や大会運営におけるバリアフリー化、障害者スポーツの振興に取り組むなど、二〇二〇年大会の成功に向けまして、大会準備全般にわたる取り組みを推進してきたところでございます。

○川松委員 ありがとうございます。今お話がありましたように、昨年度は二月の大会開催基本計画を出発点として、さまざまなことを取り組んできたということでありますが、今の答弁の中にありました大規模三施設については、いわゆるデザインビルド方式での契約が締結されたという答弁でございました。
 これら二〇二〇年大会の会場計画は、一昨年の平成二十六年度にレガシー、都民生活への影響、整備費の三つの視点から再検討を実施し、関係者とのたび重なる協議、調整を経て、見直し案をつくり上げてきたということです。そうすると、その成果の上に立ちまして、平成二十七年度は基本設計を進めてきた。
 では、それと同時にこの施設の後利用、レガシーについても、基本設計と並行して、具体的な検討を進めてきたと思いますけれども、この検討の成果についてお聞かせください。

○鈴木開設準備担当部長 新規恒久施設を大会後も有効活用していくためには、大会前の早い段階から民間事業者の経験やノウハウも生かしながら、後利用の方策を十分に検討し、それを施設整備に反映させていく必要がございます。
 昨年十月、オリンピックアクアティクスセンター、海の森水上競技場、有明アリーナ、カヌースラローム会場の四施設について、後利用の計画策定を支援する事業者を公募により選定いたしました。支援事業者からは、基本設計を踏まえた施設コンセプトや事業内容、事業性などについて、さまざまな提案をいただき、関係各局を加えた検討会も設置し、検討を重ねてまいりました。
 こうした検討の結果を本年五月、施設運営計画中間のまとめとして公表したところでございます。新たに整備する競技施設を価値あるレガシーとして将来に引き継いでいけますよう、引き続き施設の後利用について検討を進めてまいります。

○川松委員 ありがとうございます。二十七年度のオリンピック・パラリンピック準備に向けて、今お聞かせいただきましたけれども、とにかくいろいろと検討してきた。いろんなことを見て、そして見直し案をつくり上げてきて、二十六年度から二十七年度そして今年度につながっていく過程が、まだ都民の多くの皆さん方に伝わっていないことが、今のちょっとした混乱を招いているような気もします。ぜひ今後に向けて、皆様方の事業の発信力強化ということも要望させていただきたいと思います。
 こんなことも含めまして、二〇二〇年大会の競技施設が東京に新たなにぎわいと活気をもたらすんだ、そういうすばらしいレガシーとなっていくよう、しっかりと検討していただくことをこちらも要望しておきます。
 また、二〇二〇年大会を成功させるためには、その運営準備に万全を期すことはいうまでもありませんが、開催都市として、都内の各地域において満遍なく開催機運が高まっていくことも重要ではないかと思います。
 そこで、都では、平成二十七年度に区市町村による主体的な取り組みを支援するための大会成功に向けた区市町村支援事業を創設したところです。今後は、二〇二〇年に向け、区市町村がそれぞれの地域の特性を生かしながら、さまざまな取り組みを各地域で進めていくことで、オール東京での盛り上がりにつながっていくと考えております。
 そこで、この二〇二〇年大会を成功させるため、区市町村が行う各地域での取り組みに対し、平成二十七年度はどのような支援を行ったのか伺います。

○井上自治体調整担当部長 都は、大会の成功に向け、区市町村が二〇二〇年大会に向けて、機運醸成や大会後の地域活性化につながるソフト事業の実施を支援するための補助事業を平成二十七年度から開始いたしました。
 初年である平成二十七年度は、各区市町村の取り組みを促進するため、区市町村長会議や担当者会議等での制度説明や事例紹介に加え、区市町村を個別に訪問し、相談対応や意見交換等を行うとともに、有識者を招いてのセミナーを実施いたしました。
 こうした取り組みを通じまして、区市町村では庁舎や各種イベントでの大会の魅力を伝えるパネル展、オリンピアンを招いた講演会、アスリートを招いたスポーツ教室等、さまざまな取り組みが実施されました。また、東京自治会館における展示物を区市町村でのイベント等で活用してもらえるような貸し出しも行いました。
 今後は、各区市町村の特性に応じたさまざまな取り組みが推進されるよう、具体的な取り組み事例を紹介するなど、有用な情報等の提供や大会の成功に向けた区市町村支援事業の的確な運用に努めてまいります。

○川松委員 都内全域での盛り上がりを加速するためにも、引き続き各区市町村の取り組みを後押ししていただきたいと思います。そして、さらに大会成功のためには、東京だけではなくて、オール日本で機運が高まっていくことも必要不可欠です。
 そこで、全国で大会を盛り上げていくために、この年度、どのような取り組みを行ったのか伺います。

○井上自治体調整担当部長 二〇二〇年大会に向け、都内だけではなく、日本全国で大会の機運の醸成を図るためには、全国の自治体と緊密に連携して取り組むことが重要でございます。
 このため、平成二十七年度は、前年度に設置した全国知事会二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会推進本部等を通じまして、事前キャンプ誘致、多言語対応、障害者スポーツ振興等、多岐にわたる大会関連情報の提供を組織委員会、国と連携して、全国に向けて行いました。
 また、昨年十一月には、都議会の多大な協力のもと、全国の地方議会議員を対象としたシンポジウムを開催し、二〇二〇年大会を契機に、全国の自治体が主体的に地域を盛り上げていくきっかけづくりにつなげました。
 今後、全国向けシンポジウムの内容の充実を図り開催していくとともに、フラッグツアーの全国展開や事前キャンプ誘致など、日本各地で大会を身近に感じてもらえるような取り組みを全国の自治体と連携して進め、二〇二〇年に向け機運醸成を図ってまいります。

○川松委員 今ありました去年十一月の地方議会議員を対象としたシンポジウムもたくさんの方に集まっていただいて、そしてまた当地では多くの物産展も行っていて、盛り上がっていました。それがことしにつながって、また来年につながっていくものだと思います。
 二〇一一年の当時の石原知事が、九年後に元気になった日本の姿を発信していこうというところから、このオリンピック二〇二〇年大会の招致に進んでいったと思いますが、ぜひ東京は被災地を初め、全国からさまざまな応援をもらいながら、招致をかち取ったということ、このことをしっかりと肝に銘じて、準備を進めていっていただきたいと思います。
 次に、多言語対応の取り組みについて伺います。
 訪日外国人旅行者は、昨年度、初めて二千万人を突破いたしました。今年度に入っても増加傾向は変わっておらず、半年で累計一千二百万人を超えたということであります。リオ大会でも多くの外国人が大会観戦のためにブラジルを訪れておりました。
 当然のことながら、東京大会でも大会観戦や観光のために多くの外国人が日本を訪れるはずであります。その際には、大会を見るだけではなくて、東京都内を初め全国各地へ足を延ばしていただき、日本文化に触れてもらえればと考えております。
 二〇二〇年大会を盛り上げ、日本や東京の魅力を知ってもらうためには、東京、日本を訪れる外国人の方が言葉の面でも快適な環境で滞在できることが必要になってくると思います。
 そこで、平成二十七年度、多言語対応についてどのような取り組みを行ったのか伺います。

○戸谷事業推進担当部長計画調整担当部長兼務 二〇二〇年に向け、外国人旅行者の受け入れ環境整備の柱である多言語対応を官民一体で推進し、外国人旅行者が快適に滞在できる言葉のバリアフリーを実現するために、都では平成二十六年三月、国との連携のもと、多言語対応協議会を設置いたしまして、現在六十二団体が参加しております。
 平成二十七年度は、七月に総務省と共催で区市町村や道府県、民間団体を対象に、多言語対応・ICT化推進フォーラムを実施いたしました。フォーラムでは、多言語対応に関する先進的事例の紹介や多言語対応に資するICT、情報通信技術のデモンストレーションを行いまして、八百名を超える来場者に対してさまざまな実践的ノウハウを提供いたしました。
 また、十二月には第四回協議会を開催いたしまして、協議会のもとに設置されております交通分科会、道路分科会、観光・サービス分科会の取り組み状況の報告などを行っております。
 今後も協議会に参画する団体や機関との連携を強化するとともに、先進的事例やICTなど、多言語対応の取り組みに資するノウハウ提供の充実を進めまして、言葉のバリアフリーの早期実現を図ってまいります。

○川松委員 この取り組みをさらに広めていくためには、都内の区市町村が主体となって一層積極的に多言語対応に取り組むよう都が支援することも必要ではないかと思います。また、都が多言語音声翻訳システムなどのICTを実際に使う機会を広げていくということも重要と考えます。
 今、話にありました多言語対応・ICT化推進フォーラムでも、さまざまな知恵を生み出していく原点となっているというふうに団体からも伺っているわけですが、こういったことも含めて、大会のレガシーということ、こういうものもレガシーになっていくんだ、そういうふうに思っております。ぜひこうした取り組みをさらに充実していくことを期待したいと思います。
 次に、パラリンピックについてお伺いします。
 我が党は、これまでもパラリンピックの成功なくして、二〇二〇年東京大会の成功はないんだと繰り返し主張してまいりました。パラリンピックは、世界最高峰の障害者スポーツ大会であると同時に、障害者に対する人々の理解を促進する絶好の機会であり、全ての人が互いに尊重し、支え合う共生社会の実現に向けた大きな一歩となります。東京大会は、パラリンピック競技の魅力を理解し、パラリンピアンの懸命な姿やプレーのすばらしさと感動を多くの観客や参加者に共有されて、初めて成功したといえます。
 そこで、より多くの方に二〇二〇年のパラリンピック大会を観戦したいと思っていただけるよう、パラリンピック競技の理解促進や大会成功に向けた機運醸成に積極的に取り組む必要があると考えておりますが、二十七年度はどのような取り組みを行ったのかお伺いいたします。

○丸山連携推進担当部長 二〇二〇年のパラリンピック大会の競技会場を観客で満員にし、大会を成功に導くためには、パラリンピック大会や競技のすばらしさを幅広く都民の方々にお伝えし、開催機運を盛り上げていくことが重要でございます。
 このため都は、昨年七月から新たにパラリンピック競技の体験プログラム、NO LIMITS CHALLENGEを開始し、区市町村や庁内各局と連携して、多くの都民が集まる二十二のイベントで、車椅子テニスやボッチャ等の競技体験、競技用具やパネルの展示等を実施いたしました。
 さらに、二〇二〇年大会の五年前に当たる昨年八月にはカウントダウンイベントを開催し、パラリンピアンによる車椅子バスケットボールのデモンストレーションや競技体験等を通して、大会のPRを実施いたしました。
 引き続き幅広く区市町村等とも連携し、都民の皆様に気軽にパラリンピック競技を体験していただくことなどを通じて、さらに認知度向上と大会開催機運の醸成に取り組んでまいります。

○川松委員 まさにこのNO LIMITS CHALLENGE、本当に日に日に認知度、そして多くの人たちに触れていただく機会がふえていっていると思います。
 先月のリオ大会へは、我が党でも議員団を自主的に派遣しまして、パラリンピックならではの大会運営を視察してまいりました。会場では、車椅子席の設置や点字ブロックの敷設、聴覚障害者用の文字情報の提供など、障害の違いに応じたバリアフリー環境が整備され、障害のある人もない人も同じように大会を楽しんでいる姿が見られたというふうに聞いております。
 このような光景は、障害の有無や種別、性別や年齢等にかかわらず、初めから全ての人が利用しやすい都市環境の縮図であります。大会に向けたバリアフリー化の取り組みを、誰もが暮らしやすい都市をつくり上げていく契機としていかなければなりません。
 そのためにも、二〇二〇年大会を一過性のもので終わらせてはなりません。大会に向けたバリアフリー化の取り組みを利用者の立場に立って進めるとともに、大会後の東京という都市のありようも見据えて取り組んでいくことが重要です。
 そこで、大会に向けたバリアフリー化の推進について、どのように取り組んだのかを伺います。

○萱場パラリンピック担当部長障害者スポーツ担当部長兼務 障害の有無にかかわらず、誰もが参加しやすい大会となるよう、大会におけるバリアフリーは必要不可欠でございます。IPC、国際パラリンピック委員会は、組織委員会に対しハード、ソフト両面のバリアフリー化を目的とする大会時のガイドラインを策定することを求めており、大会時はガイドラインを踏まえた運営を行うこととなります。
 都は、平成二十六年十一月に国や組織委員会とともに協議会を設置し、Tokyo二〇二〇アクセシビリティ・ガイドラインの策定を進めてまいりました。協議会では、二十もの障害者団体等の意見を伺う場を平成二十七年六月から二十八年一月にかけて、三回にわたって設け、可能な限りガイドラインへの反映を行いました。
 本年一月には、構造物の設計段階で必要となる項目について、先行的にガイドラインの暫定基準として取りまとめ、IPCの承認を既に受けてございます。
 また、都が整備する競技施設については、この基準を適切に反映することに加え、より障害者の目線に立った施設となるよう、各施設の設計段階において、障害のある方等に直接意見を伺うアクセシビリティ・ワークショップを本年三月に設置いたしました。ワークショップでいただいた当事者のご意見は、施設設計に積極的に反映してまいります。
 このようにガイドラインの策定時や適用時に当事者等の意見をきめ細やかに反映することにより、大会時だけではなく、大会後も障害の有無にかかわらず、誰もが利用しやすいバリアフリー環境となるよう取り組んでまいります。

○川松委員 ありがとうございます。この視点、大変重要でありますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
 次に、障害者スポーツについて伺います。
 パラリンピックは、トップアスリートの祭典でありますが、障害者スポーツの振興はそれにとどまらず、障害のある方の生活の質の改善や社会参加など、多様な側面を持つものであると理解をしております。
 東京大会に向け、パラリンピック競技はもとより、障害者スポーツ全体を一層盛り上げ、社会に根づかせていくためには、この四年間の取り組みが何より重要であり、それが貴重なレガシーにつながっていくと考えます。
 都は、昨年度、障害者スポーツに係る予算、組織体制とともに大幅に拡充し、多くの新規事業に取り組んでまいりました。これは我が党の思いと歩みをともにするものであります。
 そこで、都は平成二十七年度、障害者スポーツの振興に向け、どのように取り組んだのかを伺います。

○萱場パラリンピック担当部長障害者スポーツ担当部長兼務 都は、平成二十七年度、二〇二〇年に向けて、障害者スポーツ振興の基礎固めを行う一年と位置づけ、新たに課を設置し、理解促進と普及啓発、場の開拓と人材育成、競技力向上の三つの視点全てにおいて事業を拡充、新設いたしました。
 第一の理解促進、普及啓発では、東京国際フォーラムに会場を移し、約一万人が来場した参加体験型イベント、チャレスポTOKYOの実施や普及啓発映像、Be The HEROの制作など、障害者スポーツの認知度の向上に努めてまいりました。
 第二の場の開拓、人材育成では、障害のある人がスポーツを楽しむ機会をふやすため、区市町村への補助制度を創設したほか、地域のスポーツ施設で障害者の受け入れが進むよう、施設管理者が配慮すべき点や工夫をまとめたマニュアルを作成いたしました。
 また、活動にブランクのある障害者スポーツ指導員等に対し、地域のスポーツ教室等の情報提供やフォローアップ研修会の開催などの取り組みを開始いたしました。
 加えて、第三の競技力向上として、新たに東京都パラリンピック選手発掘プログラムや競技団体への支援などを開始したところでございます。
 今後とも二〇二〇年大会とその先を見据え、障害者スポーツが社会に根づいていくよう、障害者スポーツの一層の振興に取り組んでまいります。

○川松委員 今の答弁にありましたように、障害者スポーツが社会に根づくには、まだまだ多くの課題があり、引き続き全力で事業を推進していく必要があると思います。都は、我が党の要望を受けまして、今年度、二百億円の障害者スポーツ振興基金を設置したところです。これを十分に活用しより積極的な取り組みを期待いたします。
 次に、区市町村スポーツ施設整備費補助制度について伺います。
 先日のリオ大会では、多くの都民が改めてスポーツの魅力を実感するきっかけとなったのではないでしょうか。また、これを機にスポーツをやり始めたいと思っている人もたくさんいるのではないかと思います。今まさに都が目標とするスポーツ実施率七〇%達成に向けた取り組みを進める絶好の機会だと私は感じております。
 中でも区市町村立スポーツ施設は、子供から高齢者まで幅広い世代に身近にスポーツを楽しむ場として活用されておりまして、都民の日常的なスポーツの場として定着をしております。こうした施設改修などを加速していくことが、スポーツが日常生活に溶け込む社会の実現につながるものであると思います。
 都は、平成二十六年度から区市町村に対してスポーツ施設整備のための補助制度を設け、都民のスポーツ環境の充実を図っております。しかし、先ほど説明のあった要求資料によりますと、平成二十七年度は予算額十二億円に対して、補助金額は約五億五千万円と執行率が五〇%に満たない状況です。
 そこで、執行率が低い状況について、都の今の考えをお伺いします。

○小室スポーツ推進部長 区市町村に対するスポーツ施設整備費補助制度は、都民が身近な地域でスポーツを行う場を拡大し、誰もが利用しやすいバリアフリーを促進することで、二〇二〇年までに都民のスポーツ実施率七〇%を達成することを目的としまして、平成二十六年度に創設いたしました。
 平成二十七年度からは、施設の利用機会の拡大に向けまして、夜間照明や空調設備の設置など、補助メニューを追加しましたが、ご指摘のとおり、全体の執行率は低く、補助件数も二十六件にとどまりました。執行率が低かった理由としましては、新たな追加メニューに対しまして、区市町村における補正予算等の対応が困難であったことなどが挙げられます。
 また同様に、補助メニューに追加しました事前キャンプ誘致に関する工事につきましては、誘致の本格化がリオ大会後になることや、これまでは既存施設を活用して誘致を目指す区市町村が多かったことから、平成二十七年度は申請がございませんでした。
 今年度は、区市町村に対して活用事例を積極的に紹介し、さらなる周知を行いましたことなどから、現時点で昨年度を上回る二十八件の申請を受けております。今後とも区市町村の意向や要望等を確認しながら、効果的な事業展開を行い、都民のスポーツ活動のさらなる促進に取り組んでまいります。

○川松委員 スポーツ施設整備への補助制度は、長年、区市町村が要望してきたものでありまして、我が党の提案を受けて、都が平成二十六年度に創設したことは画期的なことであります。
 都は、こうした意義のある事業を区市町村への周知の方法をより工夫したり、補助メニューや補助上限額ももっと区市町村にとって使い勝手のよいものにして、さらに執行率を上げるよう本気になって取り組んでいただきたいと思います。本制度が区市町村と連携を密にして、さらに広く活用され、区市町村におけるスポーツ施設の充実につながることを強く要望しておきます。
 次に、オリンピック・パラリンピック準備局が所管するスポーツ施設の指定管理の状況について伺います。
 都は現在、年間延べ百七十万人以上が利用する東京体育館を初め、八つの大規模かつ広域的なスポーツ施設を指定管理により運営しております。また、二〇二〇年大会では、東京体育館は卓球、東京辰巳国際水泳場は水球、有明テニスの森公園はテニス及び車椅子テニスの会場として活用する計画となっております。
 指定管理者制度は、平成十八年度に都に導入されて以来十年を経過し、スポーツ施設や文化施設など、独立採算にはなじまない公共的な施設の運営において、今やすっかり定着した感がございます。
 公共性の強い事業を安定的に提供する一方で、民間事業者の創意工夫により柔軟できめ細やかなサービスの提供や効率的な運営を図る、この両立を可能にするのがまさに指定管理者制度であると考えております。
 指定管理料は、税金で賄われていることですから、指定管理者においては公益性のある立場にあることを認識し、例えば経営の効率化などにより、収支に余剰金が生じた場合には、利用者に還元する視点も持ち合わせてほしいと思います。そのような視点に立って、都が指定管理者に働きかけていくということもあってもよいのかもしれません。
 そこで、平成二十七年度決算におきまして、余剰金が生じた施設はあったのか、あればその余剰金をどのように活用しているのか伺います。

○小室スポーツ推進部長 平成二十七年度決算におきましては、当局所管の八施設のうち、駒沢オリンピック公園総合運動場、東京武道館、東京辰巳国際水泳場、有明テニスの森公園及び若洲海浜公園ヨット訓練所の五施設で収入が支出を上回りまして、余剰金が発生いたしました。
 指定管理者の収入は、利用料収入、自主事業収入及び指定管理料が主たる収入源となっております。余剰金が発生した背景といたしましては、施設や事業に関する積極的な広報や施設を有効活用した自主事業、利用者に対するサービス向上のための事業などによりまして、当初計画を上回る収入を確保したことなどが挙げられます。
 これらの施設では、こうした余剰金を活用し、老朽化している設備の修繕や新規の自主事業の実施などを行い、さらなる利用者サービスの向上に努めております。例えば有明テニスの森公園では、老朽化した車椅子用トイレを再整備し、明るく清潔感のある空間にするとともに、オストメイト利用者も対応可能にするなどの工事を実施いたしました。
 今後もこのような取り組みを一層促進し、都民ファーストの視点に立った施設運営を行ってまいります。

○川松委員 指定管理者は、みずからの創意工夫により収入を確保するとともに、それをまた利用者に還元する工夫も同時に行われているということでございます。平成二十七年度は、五施設で収入が支出を上回ったということでありますが、収支の状況は年度ごとに変動するものです。
 したがって、短期的な状況ではなくて、五年や七年といった長い指定管理期間全体を見据え、安定的にサービスを提供でき、かつ努力に対するインセンティブもしっかり働くよう、必要な経費は都がきちんと認めるなど、適切に指定管理料を設定していただきたいと思います。
 引き続き指定管理者を指導監督し、多くの都民が安心してスポーツを楽しみ、また二〇二〇年大会の会場となる施設については、その準備に本当に皆さん全力で取り組んでいただきたいと思っております。
 さて、最後にラグビーワールドカップについて伺います。
 去年は、ラグビーワールドカップの開催会場として、新国立競技場が使えなくなるという大きな転換点がありました。東京が開催都市としての責任を果たし、二〇一九年大会を何としても成功させるため、都議会では東京スタジアムを代替会場として、開幕戦初め重要な試合を開催するよう求める声明を超党派で発表するなど、精力的に活動してまいりました。
 都議会は、また去年十月に先行大会である、この段階で唯一の先行大会ということになりますけれども、イングランド大会に調査団を派遣し、大会運営やファンゾーン、チームキャンプ地などを実地調査して、課題を明らかにするとともに、世界各国のラグビー界の要人と意見交換を行いました。
 そして、この調査団のイングランド滞在中、東京スタジアムで行われます開会式、開幕戦が二〇一九年九月二十日と決定したわけであります。私は、この開幕戦の盛り上がりこそが、大会全体の成功につながるものと確信しています。それゆえ、ラグビーの世界最高峰の大会を迎えるために、試合会場の準備を初め急ピッチで対応を進めていくことが極めて重要です。
 私自身、平成二十七年都議会第三回定例会におきまして、いち早く東京スタジアムの改修などに取り組むべきという質問を行ったところでありますが、都では昨年度、試合開催会場の変更やイングランド大会の開催という節目を迎える中で、二〇一九年大会の成功に向けて、どのような取り組みを行ったのか伺います。

○土屋ラグビーワールドカップ準備担当部長国際大会準備担当部長兼務 東京スタジアムが昨年九月、新たにラグビーワールドカップの試合開催会場となったことを受けまして、東京スタジアムを大規模スポーツ大会にふさわしい会場とするための調査などに早速着手いたしました。
 具体的には、観客が一体感を持って楽しめる臨場感の工夫や選手が最高のプレーができる競技環境の整備、国内外のVIPが使用するホスピタリティー施設など、ラグビーワールドカップを迎える上での施設面での課題を調査し、仮設席の設置や芝フィールド面の拡張など、さまざまなメニューの実現性について検討を行いました。
 また、会場周辺や交通アクセスにつきましては、昨年のイングランド大会で得てきました観客及びVIPの動線、周辺道路や広域的な移動手段の確保などの課題を踏まえまして、関係局とともにシャトルバスの運行やスタジアム周辺の土地、施設の活用など、課題解決に向けた検討を始めました。

○川松委員 ありがとうございます。去年のイングランド大会では、日本代表の歴史的な大活躍によりまして、日本国内のラグビーへの関心が飛躍的に高まりました。この流れを三年後のラグビーワールドカップにつなげていくことが、大会成功には必要であります。そして、ラグビー人気の裾野が広がるよう、多くの方々にラグビーの魅力を広く伝える普及の取り組みも大切です。
 そこで、都は昨年度、ラグビーワールドカップ二〇一九日本大会の機運醸成にどのように取り組んだのか伺います。

○土屋ラグビーワールドカップ準備担当部長国際大会準備担当部長兼務 二〇一五年イングランド大会では、組織委員会や他の開催都市とともにロンドン市内に設置したジャパン・パビリオンにおきまして、二〇一九年大会の開催都市を紹介し、東京の観光都市としての魅力を発信するなど、二〇一九年大会のプロモーション活動を行いました。
 都内におきましては、東京スタジアムが二〇一九年大会の開会式、開幕戦の会場となったことを記念いたしまして、都庁舎のライトアップ及びパネル展を実施するなどのプロモーション活動を行いました。
 また、ラグビーワールドカップの興奮や日本代表チームの活躍を都民の皆様に伝えるため、町田市、府中市と連携いたしまして、両市におきまして、二〇一五年大会のパブリックビューイングを実施いたしました。
 さらに、日本代表の活躍により盛り上がりましたラグビー熱が二〇一九年大会につながるよう、ラグビートップリーグやスーパーラグビーの試合会場において大会PRを始めるとともに、初めてラグビーに触れるファミリー層もターゲットに、東京都主催のスポーツイベントにおきまして、ラグビー体験を取り入れました。
 今後、平成二十七年度の取り組みを第一歩としまして、二〇一九年大会に向け、ラグビーの魅力がさらに伝わるよう機運醸成に取り組んでまいります。

○川松委員 二〇一九年大会まであと三年です。準備を精力的かつ着実に進めていくことを強く求めておきます。
 そして、この一九年の成功が、その先にある二〇二〇年オリンピック・パラリンピック大会につながっていくということで考えておりますが、大切なことはオール東京、オール日本で二〇一九年、二〇年に向けての目的、意義、あるいは正しい情報、認識を皆さんで共有することが大切なのではないでしょうか。
 そのことについては、オリンピック・パラリンピック準備局の皆さんが背負っている使命というのはとても大きいものと考えます。今、なかなか東京中、日本中が一つにまとまっている状況ではありませんけれども、必ず三年後、四年後には、東京を中心に日本中が盛り上がるんだと、その信念を忘れず、皆さんで力を合わせていきたいと思っています。
 それゆえに、この二つのビッグイベントを多くの関係者とともにつくり上げ、そして成功に導く。都に緊張感を持った取り組みを求めるとともに、私自身も粉骨砕身の覚悟で臨みますことをお誓い申し上げまして、質疑を終わりとさせていただきます。

○加藤委員 初めに、東京マラソンについて質問をいたします。
 東京マラソンは、都心の観光名所を走る冬のスポーツイベントとしてすっかり定着をし、ことし二月には第十回大会を迎えました。大会当日は、コース沿道でランナーを応援するイベントも行われ大変な盛況ぶりであります。
 その東京マラソンが来年二月の大会から東京の中心地、象徴ともいうべき東京駅前、行幸通りにゴールする新コースで行われることとなり、これまで以上にゴールが華やか、にぎやかとなって、ゴールするのが楽しみというふうになると思います。まさにランナーとコース沿道の観衆が一体となった盛り上がりを大変期待しております。
 そこで伺いますが、十回目という節目の大会となった二〇一六大会では、どのような取り組みを行ったのか説明をお願いいたします。

○土屋ラグビーワールドカップ準備担当部長国際大会準備担当部長兼務 東京マラソン二〇一六は、第十回記念にふさわしい大会となるような事業展開を図りました。
 まず、車椅子マラソンレースでは、初めてIPC、国際パラリンピック委員会の公認を取得しまして、パラリンピック代表選手選考対象競技会として開催いたしました。また、車椅子マラソンの定員を二十五人から四十人にふやし、海外のエリート選手を初めて招聘して、障害者スポーツの大会としても注目が集まるよう取り組みました。
 ランナーの参加定員につきましては、第十回記念枠として、前回大会の千人増となる三万七千人としました。また、大会を支えるボランティアにつきましては、一万人を超える方々に給水や手荷物預かりなど、さまざまな場面でご活躍をいただきました。このうち千人は多言語対応ボランティアとして、外国人ランナーのサポートに当たっていただき、障害がある方々には、フィニッシュエリアにおける給食サービスなどを行っていただきました。
 セキュリティー面では、コース沿道の監視カメラや金属探知機の増設に加えて、新たにフィニッシュエリアにおいてドローン対策が導入されました。
 さらに、東京マラソンにあわせ、コース沿道の二十八カ所で音楽やダンス、地域の民俗芸能などのパフォーマンスにより、ランナーを応援するマラソン祭りを行いまして、ランナーと沿道の観衆が一体となった、東京が一つになる日をアピールする大会としました。
 今後も主催者である東京マラソン財団と協力いたしまして、東京マラソンを大きく盛り上げるとともに、大会運営を通じて得られた経験を東京二〇二〇大会にも生かしてまいります。

○加藤委員 次回大会は、今までと違って、蔵前橋で隅田川を渡り両国など地元墨田区内も初めて走るコースで行われることになりました。このコース変更を地元はどれほど待ち望んだかわかりません。
 第一回目の東京マラソンがスタートしたとき、世界一の高さを誇る電波塔、東京スカイツリーがやがて墨田区に開業することが決まっていたこともありまして、地元有志の皆さんがぜひとも東京マラソンを墨田区に呼ぼうよということで、招致する会が立ち上がったのが二〇〇八年二月でした。
 翌年には、約一万六千名もの区民の願いがこもった署名を、招致する会と当時の墨田区長、そして墨田選出の都議らも出席いたしまして、都に提出したのが今では懐かしい出来事であります。その後も招致する会を中心に今日までの八年間、粘り強く諦めずに都や陸連などの関係機関へ働きかけてきた結果、このたび招致が実現したことは感無量であります。
 今後は、おもてなしの心で地元の人々と協力して、新コースのマラソン大会を盛り上げていきたいと思います。都においても、ぜひ墨田区を初めコース沿道の地元としっかり連携をして、東京マラソンを装い新たに、さらに大きく盛り上げていただきたいとお願いいたしまして、次に移りたいと思います。
 一千キロ縦断リレーについて伺います。
 都は、東日本大震災直後からこれまでスポーツを通じた被災地支援事業を展開してきました。中でも平成二十五年度から実施している一千キロ縦断リレーは、毎年工夫を重ね、年々事業の規模を大きくしています。私もランナーとして例年、この事業に参加しておりますが、被災地と全国から集まる参加者とのきずなが年々強まっていることを実感しております。
 そこで、スポーツの力で復興を後押しする一千キロ縦断リレーの平成二十七年度の取り組み内容について伺います。

○小室スポーツ推進部長 三回目の実施となりました平成二十七年度は、岩手県、宮城県など地元の新聞にも大きく取り上げられ、被災地でもかなり認知されてまいりました。事業の認知度向上に伴い、年々参加希望者がふえておりまして、平成二十七年度は初回のおよそ二倍となります約千二百名の方々にご参加いただきました。
 七月二十四日から八月七日までの十五日間、首長を含む多くの地元の方々に応援いただきまして、コースとなっている地元自治体とのつながりが年々深まっていると実感しております。
 子供に震災の記憶を伝えたいと家族で参加される方、震災直後にボランティアとして東北に赴き、その後の状況を確認するために毎年参加している方など、それぞれの復興への思いが参加動機になっている方も多うございます。全国から被災地に思いを寄せる方々が集まり、東日本大震災の記憶を忘れないことが復興に向けた大きな力になっております。
 平成二十七年度の新たな取り組みとしましては、より多くの方が安全に参加できるよう、本事業で初となります公道を封鎖した交通規制区間を青森で設けました。また、障害の有無や年齢にかかわらず、参加できる触れ合いランニング区間では、地元自治体との連携により、地域の方々の協力を得ましてイベントを開催し、リレーを盛り上げました。
 これからも東日本大震災の復興支援事業として、さらに充実させ、被災地に元気を届けてまいります。

○加藤委員 公道封鎖区間を走るということは、大変ふだんできないことで、すばらしいことだと思います。県警を初め、地元関係機関のご協力に心から感謝いたします。規制することで、大きく周知もなされて、一体感といいますか、まち全体が一体感が生まれて、大変よかったというふうに思います。
 我が党も実際に参加して気づいたこと、また参加者などに感想を聞いた上での課題を踏まえ、次への取り組みとしてさまざまな提案を行ってきました。都がそれを受けて、改善を重ねながら、スポーツの力で被災地の復興を後押しすべく、一千キロ縦断リレーにおいて、さまざまな取り組みが行われていることを評価いたします。
 ことしの千キロ縦断リレーの最終日には、グランドゴールである上野恩賜公園で私も知事とともに最終区間のランナーを出迎えました。毎年同じ時期に震災と向き合い、復興を願う人々が集うとてもいい事業だと感じています。できれば、前知事も含めて、ゴールには出席されておりますけども、スタート地点には知事はまだ立たれておりませんので、今後は出席していただきたいと、そのように思います。
 また、最終日、千葉県からゴールに向かって都内を通過するところは、江戸川区、江東区、墨田区、そしてゴール地点である台東区と四区しか通りません。やはりもっと多くの都内を通って、復興への思いを共有できるように工夫をしていただくことが大事だと思います。
 震災から五年が経過した今、震災の記憶を風化させないためにも、国内外における被災地への関心、復興への思いを喚起し続けていくことが重要だと考えています。都も被災地の復興の様子をおさめた映像を制作し、この東日本大震災被災地復興支援映像、二〇二〇年、東京と東北で会いましょうと。漁船に大漁旗を掲げて船出するシーンなど、大変感動的な内容で、皆様もごらんになったと思いますが、こうしたことを制作して発信しております。
 この一千キロ縦断リレーにおいても、ぜひ発信力の強化に一層取り組んでいただき、震災を忘れず復興への思いを共有できる機会として、今後も工夫を凝らしながら実施していただきたいと要望いたしまして、次に移りたいと思います。
 障害者スポーツについて伺います。
 先般開催されたリオデジャネイロ・パラリンピックでは、日本選手団はメダル獲得数ではロンドン大会を上回ったものの、残念ながら金メダルは獲得とならず、世界各国の競技レベルが非常に上がっているということを感じました。二〇二〇年のパラリンピックでは、東京ゆかりのアスリートが世界の強豪を相手に大活躍する姿を見せてくれることで、大会も大いに盛り上がると思います。
 そこで、都が二十七年度に行った障害者アスリートの競技力向上施策の内容について伺います。

○萱場パラリンピック担当部長障害者スポーツ担当部長兼務 都は、平成二十六年十二月に作成した東京都長期ビジョンにおいて、二〇二〇年のパラリンピックに都が発掘、育成、強化するアスリート二十五人が出場することを目標とし、平成二十七年度は選手の競技力向上に本格的に取り組みました。
 具体的には、パラリンピック選手発掘プログラムを初めて実施し、パラリンピックを初めとする国際大会を目指すアスリートの発掘を行いました。定員百名を大きく上回る二百三十名の参加者には、希望の競技を体験してもらうとともに、競技団体の協力を得て、みずからの適性を見出し競技を始める契機となりました。参加者の中には、既に二〇二〇年に向けて、競技団体による強化練習会に参加する人も出ております。
 また、選手の育成を担う競技団体の選手強化活動を支援する障害者スポーツ競技活動支援事業を開始し、都レベルの競技団体に対して、平成二十七年度は一団体当たり七十万円を上限に補助を行いました。本事業により、競技団体の練習会の規模拡大や日本選手権など、レベルの高い大会への参加などが促進され、団体の活動が活性化されたところでございます。
 今後とも一人でも多くの障害者アスリートが二〇二〇年のパラリンピックを初めとするさまざまな国際大会で活躍し、多くの人に深い感動を与えられるよう、競技力向上に向けた支援を行ってまいります。

○加藤委員 東京ゆかりのアスリートの才能が二〇二〇年に開花し、パラリンピックが成功することを切に願っています。今後とも競技団体と連携した選手の競技力向上施策の一層の推進を期待して、質問を終わります。

○和泉(な)委員 リオ・オリンピック・パラリンピックも終わって、いよいよ次の大会は東京での開催ということになります。スポーツが人々に夢と希望、勇気を与え、国や民族の壁を越えて国際交流を深めるものであること、それが互いの文化や歴史への理解を高め、世界の平和にもまた貢献するものであることは、異論を挟む余地のないものだというふうに思います。
 プロテニスプレーヤーのフェデラー選手は、世界的に活躍する有名な選手ですが、なぜ日本には世界的なテニス選手が出てこないのかと聞いた日本の記者に対して、君は何をいっているのか、日本には国枝慎吾がいるじゃないかと答えたそうです。
 いうまでもなく、車椅子テニスの国枝選手のことですが、車椅子を使用していても、いなくても、同じテニス選手として、国枝選手のこれまでの困難な道のりに思いを寄せ、その努力をたたえる、互いを尊重しリスペクトする。スポーツの世界のすばらしさを物語るものとして、深い感銘を受けました。
 また、次の開催地が東京だということもあってか、今回のパラリンピックは、それぞれの困難を乗り越え、自分の能力の限界に挑み競い合うパラリンピアンの姿も、また今まで以上に大きく注目され、選手たちの生き生きとして自信に満ちた表情は、障害者スポーツのすばらしさについて、見る人に強い印象を残すと同時に、障害のある人だけでなく、健常者をも励まし勇気を与えるものになったと感じます。
 二〇二〇年大会に向けて、パラリンピアンとなるような選手の育成だけでなく、スポーツが障害のある方たちの生きがいや暮らしの質を豊かに高めるものとなるような施策の展開もまた必要ではないかと思います。
 その観点から、障害者スポーツの推進について伺います。
 葛飾区内の車椅子の方から、障害のある人も障害者スポーツ指導員になれるようにしてほしいという要望を受けました。この方は、事故で脊髄を損傷し車椅子の生活になりました。しかし、さまざまな活動を行っていて、移動支援なども受けながら、積極的に社会参加をしています。
 その方の話では、障害のある当事者の視点でそれぞれのスポーツの指導を行うことは重要だと思うが、障害のある人はスポーツ指導員になれないということです。まず、この点について確認します。

○萱場パラリンピック担当部長障害者スポーツ担当部長兼務 障害者スポーツ指導員は、公益財団法人日本障がい者スポーツ協会公認の資格であり、養成に当たっては、同協会が定める要項に基づいて実施される障害者スポーツ協会や自治体等の講習会を受講することが必要でございます。
 要項では、障害の有無についての要件は定められておらず、都が開催した講習会や東京都障害者スポーツ協会が開催した講習会においても、障害のある方が受講しており、障害のある方も障害者スポーツ指導員になることが可能でございます。
 また、既に指導員として登録し活動されている指導員の中にも、障害のある方はいらっしゃいます。

○和泉(な)委員 障害のある方も指導員の講座を受講できるし、実際に指導員になって活躍している方もいるという答弁でした。早速この方にもお伝えしたいと思います。
 と同時に、なぜこの方がスポーツ指導員の門戸が障害者には閉じられていると考えてしまったんだろうかということを真摯に受けとめる必要があると思います。実際に指導員になっている障害のある方たちは、どのようなきっかけでスポーツ指導員の養成講習会を知ったんでしょう。障害者スポーツ指導員の講習会開催に当たって、都ではどのようなところにどのようなアナウンスを行っているのか伺います。

○萱場パラリンピック担当部長障害者スポーツ担当部長兼務 障害者スポーツ指導員には、誰でも受講できる初級、地域のリーダーとなる中級、県レベルのリーダーとなる上級の三段階の資格があり、都は初級及び中級障害者スポーツ指導員養成講習会を開催しているほか、東京都障害者スポーツ協会においても、初級障害者スポーツ指導員養成講習会を開催してございます。
 都が開催する初級障害者スポーツ指導員養成講習会は、障害者スポーツ指導員を都内全域に配置することを目的に、区市町村職員に対しては、区市町村の障害者スポーツ主管課を通じて、スポーツ推進委員に対しては、一般社団法人東京都スポーツ推進委員協議会を通じて周知してございます。
 一方、東京都障害者スポーツ協会が開催する初級障害者スポーツ指導員養成講習会については、ホームページで広く受講者を募集してございます。都が開催する中級障害者スポーツ指導員養成講習会については、初級の資格取得後、八十時間以上の活動経験などの要件があるため、ホームページでの周知に加え、受講対象者に個別の通知もしているところでございます。

○和泉(な)委員 指導員の養成が、障害のある方たちに広く開かれたものにするためには、障害者団体や障害のある方たちが所属するさまざまな団体に対するアナウンスも必要ではないでしょうか。また、都内のさまざまなスポーツ施設や公共施設で講習会の情報を掲示するなど、身近な施設で知るきっかけをつくっていただく工夫をぜひお願いしたいと思います。
 障害のある方たちがスポーツ指導員として障害者スポーツ推進のために活躍することは、パラリンピックのみならず、障害のある方たちの日常生活の質を高めるという上でも大きな意義があると思います。
 また、あすへの目標を持って、日々の暮らしを生きがい、やりがいのあるものへと変え、人生を前向きに積極的に生き抜いていく。スポーツがそういう幸福追求の権利の一つとして確立し、障害者も健常者も互いを尊重し合う価値観が広く国民の中に行き渡るような社会をつくる、その一助になることを強く願うものです。
 そして、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックがその役割を果たすことができれば、それは本来のオリンピック憲章の具現化であり、大きな心のレガシーになると思います。都がその立場で障害者スポーツの振興に取り組んでいただくよう求めて、質問を終わります。

○島田委員 まず最初に、オリンピック・パラリンピックの施設についてお伺いをいたします。
 オリンピック・パラリンピックの施設に関しては、連日、マスコミ等でも取り上げておりまして、世論の関心が高いところでございます。小池知事は就任早々、都政改革本部を立ち上げまして、今までとは異なる視点でオリンピック関連施設の見直しを検討しております。
 この件に関しては、議会においては今後オリンピック・パラリンピック特別委員会が開催され、そちらで議論がされることと思われますが、本日の私の質疑においては、二十七年度の予算で実行された基本設計関係施設について、これまでの施設の建設がどう計画されてきたのかをお伺いしたいというふうに思っております。
 まず、施設の建設計画の経過についてお伺いしますが、オリンピック・パラリンピックの計画については、これまで東京都はIOCだとか、IF、NF、組織委員会、国などと必要に応じて協議をしながら、進められてきたというふうに思いますが、このたびの施設見直しに関しましては、今後、東京都と国、IOC、組織委員会の四者の協議で調整していくということであります。今までの計画については、その決定過程だとか、誰が指導していくのかとか、幾分不明確だった部分もあります--という指摘もあります。
 そこで、二十七年度は、アクアティクスセンターなど大規模な施設の基本設計を終えて、デザインビルドの契約をしたということでありますが、オリンピック・パラリンピックで使う新規恒久施設の整備はどのように決定されたのかお伺いいたします。

○小野競技・渉外担当部長 海の森水上競技場やアクアティクスセンターなど、大会開催のために新規に建設する恒久施設につきましては、IOCに了承された競技会場計画をもとに、観客席数などのIOC基準を踏まえ、IF等と協議しながら、都が基本設計などの整備を進めてまいりました。

○島田委員 今ご答弁いただきましたが、各機関、IOCだとか、その他組織と調整しながら、都が基本設計などを進めてきたということでございます。さまざまな機関との調整というのはあろうかというふうに思いますが、また知事もかわっておりまして、それぞれの知事によってもスタンスが異なるというふうには思いますが、基本的には都が主導していくことが重要であるというふうに考えております。
 特にオリンピック・パラリンピックの恒久施設に関しましては、東京都が施工し都民の税金でつくるわけでありますから、オリンピックの開催時にどう使うかということも大変重要であるというふうに思いますが、一方では、施設のオリンピック大会の後の利用、それから施設の維持管理コストが大きな負担とならないかといったようなことを綿密に計画を立てることが重要であるというふうに考えているわけでございます。
 そこで、東京都は新規恒久施設の後利用について、平成二十七年度にどのような検討を行ってきたのかお伺いいたします。

○鈴木開設準備担当部長 都は、アドバイザリー会議を設置し、競技団体や地元自治体の意見も聞きながら、施設の後利用について検討を進め、昨年六月、新規恒久施設に係る後利用の方向性を取りまとめました。
 また、昨年十月には、オリンピックアクアティクスセンター、海の森水上競技場、有明アリーナ、カヌースラローム会場の四施設について、後利用の計画策定を支援する事業者を公募により選定し、関係各局を加えた検討会も設置し検討を重ねてまいりました。
 こうした検討の結果を本年三月アドバイザリー会議で議論し、本年五月施設運営計画中間のまとめとして公表したところでございます。

○島田委員 今ご答弁いただきましたが、基本的にはアドバイザリー会議等で議論してきたということでありますし、そしてまた施設の計画の中間まとめを発表したということでありますが、まだまだそのまとめは不十分なところもあるのかなというふうに私は思うところもあるわけでございます。
 先ほども申し上げましたが、施設はつくったのはいいんですけども、例えば使われないとか、維持コストが多額であるということでは、負の遺産になってしまうこともなりかねません。今後、後利用については、しっかりとその数字も含めて検討していただきたいというふうに思っております。
 また、我が会派は、これまでもコストの縮減について求めてまいりました。その際には建設の資材などの高騰もありまして、建設費の高騰もあったわけでございますし、また招致段階で求められた見積もりから実際の実施計画の見積もりに開きがあるところもあります。
 先日、都政改革本部の方は、総体のオリンピック経費が三兆円を超えるという見込みも述べられたところでございます。建設経費を含めた経費の縮減が大きな課題であるというふうに思いますが、先行して整備を進めている三施設について、整備費の縮減に向けて、昨年度はどのような取り組みを行ってきたのかお伺いをいたします。

○花井施設担当部長 海の森水上競技場、アクアティクスセンター、有明アリーナの三施設につきましては、昨年度に基本設計を終了いたしまして、本年三月に設計施工一括発注による契約を締結してございます。基本設計におきましては、IFやNF等との協議によりまして、具体的な施設条件を精査いたしますとともに、施設計画の合理化や現場施工の効率化等を検討してまいりました。
 また、昨年十月に都立競技施設整備に関する諮問会議を設置いたしまして、外部有識者などから幅広く意見をいただきながら、施設の性能、仕様、コストなどにつきまして検討を重ねてまいりました。今後も実施設計の中でさらに詳細な検討などを行い、引き続きコスト縮減に取り組んでまいります。

○島田委員 今、経費の縮減に向けての取り組みをご説明いただきましたが、改めまして具体的に経費の縮減について取り組んでいただくようお願いを申し上げておきます。
 次に、問題になっております海の森水上競技場、そしてオリンピックアクアティクスセンター、有明アリーナの三施設について、個別にお伺いをさせていただきたいというふうに思っております。
 まず、海の森水上競技場についてでありますが、海の森の競技場については、宮城県の長沼競技場なども現在候補地にあるというふうに聞いているところでございます。先日、私は改めまして海の森水上競技場を視察に行ってきたところでございます。海ということで、海水だとか波の問題、風の問題など課題が多い施設であるということで、これまでオリンピック特別委員会等でも議論がされてきたところでございます。
 この点はここでは議論されてきたというところでございまして挙げませんが、やはり大きな問題は全体の高額な整備費であります。海の森競技場につきましては、平成二十七年度にも基本設計などの支出がありましたが、全体の整備費は重要であると考えております。整備費の中には、今後措置する経費として九十二億円を見込んでいるというふうに聞いておりますが、どのようなものを想定しているのか、またその縮減はどうなったのかお伺いいたします。

○花井施設担当部長 今後措置する経費といたしましては、IF等との協議中の施設整備費、工事中のセキュリティーへの対応費、大会後の改修工事費を見込んでございます。
 例えば競技コースに沿いまして、テレビカメラ撮影用の通路が必要でございますが、そのためのポンツーン設置のあり方につきまして、関係機関と協議を行っております。
 また、工事中のセキュリティーへの対応費は、オリンピック会場整備におきまして、工事期間中に通常以上の厳重なセキュリティー対策が求められておりますことから、その経費を見込んだものでございます。現在、これにつきましても、実施内容について関係機関と協議を行ってございます。こうした協議等を行う中で、引き続きコスト縮減に向けて取り組んでまいります。

○島田委員 今、今後の整備費の九十二億円についてお伺いしたところでございますが、今ご答弁もありましたが、報道などでもありますけども、テレビカメラの撮影の通路、この必要性がどの程度あるのかとか、あるいは工事中のセキュリティーコストは、これはロンドン・オリンピックのものを基礎に算出したということをお聞きしました。場所の状況とかも、ロンドンとは違いますし、そういったところ、テロの対策なんかも、まあその国と国でも違うと思います。
 そうしたこれらの縮減されるところもあると思います。そうしたところには関係機関と協議を行っていただきまして、縮減項目について今後ともしっかり検討をしていただきたいというふうに思っております。
 先ほども指摘させていただきましたが、施設の大会後の後利用計画は極めて重要な要素であるというふうに思っております。先日報道であったんですけども、調査チームの方によりますと、海の森の年間の維持管理経費が約三億円、大会収入などの施設収入などの施設収入費が約一億円と見積もられて、毎年約二億円の赤字になるという報道もあったところでございます。
 海の森水上競技場の施設運営計画、中間まとめには、来場目標が示されておりまして、世界大会も含めた会場としていくということでございますが、平成二十七年度、どのように検討してきたのか、また来場目標を踏まえた収支についてどう考えているのかお伺いをいたします。

○鈴木開設準備担当部長 本年五月に策定した施設運営計画中間のまとめにおける年間来場者目標は、類似施設の利用状況を調査するとともに、施設に関係するさまざまな競技団体や施設運営の経験を有する支援事業者への詳細なヒアリングを行い設定したものでございます。
 なお、海の森水上競技場の年間来場者目標は、競技利用で約三十一万人、レクリエーション利用などで約四万人、合計で約三十五万人を目標としてございます。また、ボート、カヌースプリント、ドラゴンボートなどで国際大会、国内大会を年間三十大会誘致、開催していきたいと考えております。収支につきましては、設計や後利用の検討状況等を踏まえながら、検討を行っているところでございます。

○島田委員 今後の後利用の計画が示されたわけでございます。そしてまた、その収支については、まだ子細なところが今お答えはなかったわけでありますが、ここのところも非常に重要であるところでございますので、ぜひ先ほど報道ベースで、そういう報道があったわけでありますけども、しっかりとその後の年間の管理コストだとか、収入がどれぐらいあるのか、そういうことについても綿密な検討を行っていただきたく要望させていただきます。
 海の森については、先日視察も行ってまいりまして、そこには昼間は余り多く人がいるというようなところではなかったわけでございまして、年間三十五万人という人数を見込んでいるわけでございますが、大会後の海の森競技場のにぎわいの創出について、これまではさまざまな検討があったかというふうに思いますが、どのように考えているのかお伺いをいたします。

○鈴木開設準備担当部長 海の森水上競技場への交通アクセスにつきましては、車での来場を想定した駐車場の確保、都営バスの拡充やシャトルバスの検討などを進めており、関係各局とも連携しながら、アクセスの改善に取り組んでまいります。
 また、こうした取り組みによりまして、海の森水上競技場は、広大で静穏な水面を活用した水上スポーツ体験や水上レジャーはもとより、隣接する仮称海の森公園と連携し、都民が自然を享受し、水辺に親しめる憩いの場となるよう検討を進めてまいります。

○島田委員 次に、オリンピックアクアティクスセンターについてお伺いいたします。
 まず、この基本設計はもう既に済んでいるわけでございますが、二万人という座席数、収容人員、これについてお伺いしますが、私はこの二万人というのは数が多いのではないかなというふうに思っているところでございます。
 実は私、二〇〇〇年にシドニーのオリンピックの際、たまたまほかの競技を見に行ったんですけども、水泳の競技を実際に観戦させていただきました。日本選手のメダルの獲得がありうれしかったのを覚えているわけでございますが、このシドニーの二〇〇〇年の大会の際は、水泳では有名なイアン・ソープ選手ですね、この活躍がありまして、大変オリンピックでも人気の競技だったわけでございます。
 その当時は、一万七千五百人収容の会場が用意されたというふうに思いますが、私もその会場で水泳を実際観戦いたしました。ただ、やはり一万七千五百ですから、会場がすごく広くて、席の場所もあろうかというふうに思いますが、選手は米粒みたいに非常に小さく見えまして、よく見えなかったことを記憶しております。
 野球とか、サッカーという全体が動くような競技とは違いまして、水泳の場合、そういう大きな競技場でありますと、躍動感が場所によっては伝わらないところもありまして、その多い人数が果たしてどうなのかというふうなこともありますし、またそのときだけにしか使わないものに巨額な費用を投じていいのかな、そんな疑問もあるわけでございます。
 水泳の躍動感を伝えるためにはどうしたらいいのか、後利用時の観客数も含めて、適正な施設規模を改めて考えていく必要があるのかと思いますが、そこでアクアティクスセンターは二十七年度には基本設計が終了し、座席数は二万席との計画になっておりますが、その考え方についてお伺いいたします。

○小野競技・渉外担当部長 水泳は、陸上競技、体操と並んでオリンピックの中でも主要競技といわれており、競泳会場の観客数は、北京大会が一万七千席、ロンドン大会が一万七千五百席でございました。基本設計では、これら過去大会の状況や国内での水泳の人気の高さを勘案し、二万席の計画といたしました。

○島田委員 この二万席の席は再度検討する必要があるのかなというふうに思っております。また、アクアティクスセンターにおいては、座席数、二万席を五千席に減築する計画になっております。この点については、減築のコストが七十数億円かかるとしておりまして、そのコストに対する指摘があります。
 減築して、その後の管理費が大幅に縮減されるというのであればよいかと思いますが、管理費の縮減のメリットが余りなく、減築コストが七十億円かかるというのは、なかなか理解しがたいことでもございます。
 オリンピックアクアティクスセンターについて、二十七年度に実施した基本設計において、どのような点を考慮して減築計画を行ったのかお伺いいたします。

○小野施設整備担当部長 オリンピックアクアティクスセンターは、大会時は観客席二万席の規模を建築し、大会後は五千席の規模に減築する設計となっております。減築につきましては、大会後の適切な規模での利用、維持管理や修繕などのランニングコスト、周辺への影響などを総合的に勘案して、計画したところでございます。

○島田委員 今、減築の考え方がありましたけども、その計画について、今後とも検討していただきたくお願いを申し上げます。
 アクアティクスセンターについて、最後に質問させていただきます。たびたび指摘されているところでありますが、後利用に関してであります。
 先日、視察にもお伺いしましたが、この施設の目と鼻の先に辰巳国際水泳場があります。この辰巳国際水泳場を含めて、二つの大規模な水泳場をオリンピック後にどう利用していくかというのは大きな課題であろうかというふうに思っております。
 オリンピックアクアティクスセンターの建設予定地は、近隣に辰巳国際水泳場がありまして、施設の過剰にならないか、アクアティクスセンターの後利用は辰巳国際水泳場を含め、二十七年度はどのような検討を行ったのかお伺いいたします。

○鈴木開設準備担当部長 オリンピックアクアティクスセンターにつきましても、外部有識者等で構成するアドバイザリー会議で議論をし、施設の後利用について検討を進めてきたところでございます。
 本年三月に開催したアドバイザリー会議において、アクアティクスセンターの後利用は、辰巳国際水泳場とあわせて検討すべき、またそれぞれ異なるコンセプトで運営することで、相乗効果を高められるのではないかといったご意見をいただいております。
 本年五月に策定した施設運営計画の中間のまとめでは、アクアティクスセンターは辰巳国際水泳場の機能を引き継ぎ、一方、辰巳国際水泳場は、アクアティクスセンターと異なる機能を有するスポーツ施設としての活用を検討していくこととしております。

○島田委員 今、後利用について、特に辰巳国際水泳場との利用をどうするのかということでございまして、今後は中間のまとめの中では、辰巳国際水泳場はアクアティクスセンターとは異なる機能を有するスポーツ施設としての活用を検討していくということでございます。
 そこに確かに競技用の大きな水泳場が二つあるということで、コストもかかりますし、ニーズもあろうかというふうに思いますので、この点についてもしっかりと後利用計画を早急に立てていただきたく要望を申し上げておきます。
 次に、有明アリーナについてお伺いします。
 これも連日、マスコミ等で取り上げておりまして、先日、川淵さんですか、大きな声で有明アリーナの建設の必要性をマスコミ等で主張されております。一方で、調査チームは、横浜アリーナでの開催も模索しているというような報道もされているところでございます。
 有明アリーナの特徴は、スポーツ以外のイベント利用が期待されるというところでございます。この点では、さきに挙がりました二つの施設よりも、後利用の点ではかなり活用性があるのかなというふうに思っているわけでございます。
 有明アリーナでは、スポーツのほかにもイベントで利用するということを聞いておりますが、昨年度はどのような検討を行ったのかお伺いいたします。

○鈴木開設準備担当部長 有明アリーナの後利用につきましては、民間の支援事業者の協力を得ながら、具体的な検討を行い、本年三月に開催したアドバイザリー会議では、施設運営計画の中間のまとめに向けた議論を行っております。
 このアドバイザリー会議での議論も踏まえ、有明アリーナでは一万五千席の規模を生かし、国際スポーツ大会や大規模な国内大会を開催し、都民に質の高いスポーツ観戦の機会を提供していくこととしております。また、東京の新たな文化発信拠点として、コンサート等の文化イベントを開催し、エンターテインメントの場を提供していくこととしております。

○島田委員 今ご答弁にございましたが、有明アリーナは国際スポーツの大きな大会、そして東京の新たな文化発信拠点としてのコンサートなど、エンターテインメントとしての利用が期待されるところでございます。
 そういう期待もある中、都内には実際には一万人以上使用できるイベント施設は、近隣にも複数存在するわけでございますが、この他施設と競合して勝てるのか、具体的な計画についてお伺いします。

○鈴木開設準備担当部長 スポーツやコンサート等の多目的利用が可能であり、一万人以上収容できるアリーナ施設は、都内に日本武道館、代々木第一体育館、東京体育館、有明コロシアムの四カ所ございます。これらの施設の収容人員は一万人から一万四千人余りでございまして、有明アリーナの規模は一万五千席で都内最大のアリーナとなります。
 コンサートのプロモーターへのヒアリング調査におきましても、こうした座席数の優位性などによりまして、十分なコンサート、イベント需要が見込めるとの回答を得ているところでございます。

○島田委員 今ご答弁の中で有明アリーナの一万五千人ということが、他施設の一万四千人よりまさっているというようなことで、収容人数での優位性があるということでございましたが、一方で、他の施設におきましては、アクセス、交通がいいというようなところもあるわけでございます。有明アリーナのアクセス、交通については、どのような状況なのかお伺いいたします。

○鈴木開設準備担当部長 有明アリーナは、「ゆりかもめ」の有明テニスの森駅及び新豊洲駅から徒歩約八分、りんかい線国際展示場駅及び東雲駅から徒歩約十七分、有楽町線豊洲駅徒歩約十八分の場所に位置してございます。このほかにも東京駅から有明アリーナの前まで都営バスも運行してございます。
 このように有明アリーナは、徒歩圏内に複数の駅がございまして、そのほかの交通手段によるアクセスも可能でありますことから、大会やイベント終了時に一万五千人の観客が一斉に帰路についた場合、複数の駅等に観客が分散いたしまして、混雑が回避できるメリットもあるものと考えております。

○島田委員 今ご答弁の中で交通を分散して、近くに駅はないけども、近隣に駅が幾つもありまして分散して帰れるから、そういった点でのメリットということがあるということでございますが、この点についても交通、大変大事だと、アクセスは大事だと思いますので、この点についても交通のアクセス、他局のことも含めてご検討いただければと、そのように思っております。
 これまで二十七年度のオリンピック・パラリンピックの施設についてお伺いしてまいりました。計画は既に立ててあるということでございますが、その計画の基礎となっている調査が必ずしも十分でないというふうに私も思っているところでございます。特に後利用と施設の管理コストなど多角的に検討しまして、しっかりと数字を出して、ご説明いただければというふうに思っております。
 今後、四者協議だとか、オリンピック・パラリンピック特別委員会でも議論されるところであるというふうにございますが、時間もありません。短い中ではありますが、十分検討し、早急に計画の見直しに取り組んでいただきたいというふうに思っております。
 次に、多摩地域における大会に向けた都の支援についてお伺いをいたします。
 二〇二〇年大会を成功に導くためには、都民一人一人が積極的に大会にかかわり、東京全体で盛り上げていくことが大切であり、そしてそのような取り組みを重ねていくことが地域におけるレガシーになるというふうに考えております。
 リオ大会も終わりまして、オリンピック・パラリンピックの旗が都内全市区町村を巡回するフラッグツアーも始まりまして、先日は私の選挙区であります奥多摩町に小池知事もおいでになりまして、地元住民の多くの方も参加し、大会に向けた機運の醸成の大事な契機となったというふうに思います。
 また、現在、多摩地域においても、市町村ごとにオリンピック・パラリンピックに向けた取り組みを始めていますが、今後さらにそれぞれの地域特性を生かしながら、主体的な取り組みを加速させることにより、それが多摩地域全体の大きなうねりとなりまして、ひいてはオール東京での盛り上がりにつながっていくものと思います。
 大会に向けて、各市町村により都民参加の事業が多摩のさまざまな地域で展開されることが重要でありますが、多摩地域の自治体では事業展開に向けて、大会関連情報や他の自治体での取り組み状況などについての情報を収集し、事業を組み立てたいという声が聞かれます。
 そこで、多摩の各市町村が大会に向けた具体的な事業展開を行うに当たりまして、必要な情報提供について、平成二十七年度はどのような取り組みを行ったのかお伺いいたします。

○井上自治体調整担当部長 二〇二〇年大会の成功に向けては、多摩の市町村も含めた都内全域で地域の特性を踏まえた事業を実施し、オール東京で機運醸成を図っていくことが重要でございます。
 都では、平成二十七年十一月から東京自治会館を市町村での大会に向けた事業推進の拠点とし、大会関連情報や各市町村の取り組み事例を提供するための担当者会議を平成二十八年一月に、また事業セミナーを平成二十七年十一月及び二十八年一月に開催いたしました。
 また、市町村を個別に訪問し、多くの関連部署に参加していただき、オリンピック・パラリンピックに関する情報提供や意見交換を実施したところでございます。こうした取り組みによりまして、市町村におきましては二〇二〇年大会に向けて主体的な取り組みにするための計画策定や地域住民を対象としたオリンピアン、パラリンピアンによる講演会、スポーツ教室の実施等、さまざまな事業が展開されました。
 今後も各市町村に対しましては情報提供や意見交換を積極的に行い、各市町村での事業が一層推進されるよう取り組んでまいります。

○島田委員 各市町村からも要望があったというふうに思います。情報が不足している部分もあります。そういった点でこの東京自治会館、これが一つの情報拠点となりまして、そこを中心にオリンピック・パラリンピックの情報が得られるということであれば、非常にいいのかなというふうに思っておりますので、その点今後もしっかりと多摩地域への情報提供の方をよろしくお願い申し上げます。
 多摩の市町村の具体的な事業展開に当たりましては、都は補助制度によりまして、市町村に対し支援を行っているところでございます。市町村が各地域で住民を対象としたイベントなどを行うに当たっては、イベントを盛り上げるための有用なコンテンツを都が提供することなど、都としても支援を行うことが重要であるというふうに考えます。
 そこで、二〇二〇年大会に向けた各市町村のイベント等の実施に当たりまして、平成二十七年度の市町村に対する支援内容についてお伺いいたします。

○井上自治体調整担当部長 都では、お話の補助事業に加えまして、市町村に対しさまざまな支援を行っております。平成二十七年度は、市町村のイベントにあわせて、パラリンピック競技の体験や展示等を行う東京都パラリンピック体験プログラム、NO LIMITS CHALLENGEを実施するとともに、平成二十七年十一月から東京自治会館で展示しているオリンピック及びパラリンピック競技の紹介パネルや障害者スポーツの競技用具、さらには二〇二〇年に向けた小中学生が描いた作品の貸し出しを行いました。
 さらに、二十八年三月には障害者スポーツの魅力を伝えるための映像、Be The HEROを作成し、市町村に提供したところでございます。貸し出ししたオリンピック・パラリンピックの魅力等を伝えるパネルや競技用具、映像は、市町村の庁舎や各種イベントで活用され、地域の住民の方に二〇二〇年大会への期待感や高揚感を感じてもらう等、大会の機運醸成につながっております。
 今後もこうした取り組みを通じまして、各市町村の地域の特性に応じたさまざまな事業が着実に展開され、地域のレガシーにつながるよう支援してまいります。

○島田委員 大会の成功に向けては、オール東京での取り組みが重要でありまして、多摩地域の各市町村の取り組みが欠かせません。各地域で多くの住民の方の参画をいただくためには、各地域をよく知る各市町村の職員の方々も、大会への高い関心を持ち、二〇二〇年大会を地域を活性化する千載一遇のチャンスと携え、意欲を持って取り組んでもらうことが重要だというふうに考えております。
 こうした各市町村が主体的に大会に向けた取り組みを進めるに当たっては、今後も都の支援を継続して行うことが重要であるという私の考えをお伝えしまして、最後にラグビーワールドカップについてお伺いをいたします。
 私は先日、六月に味の素スタジアムで開催されましたが、日本対スコットランドの試合を見に行ってきました。残念ながら、日本は負けてはしまいましたが、ラグビーワールドカップ日本開催の機運が高まったのではというふうに思っております。
 ラグビーワールドカップをすばらしい大会にする上で、まずはこれまで関心がなかった方々にもラグビーのおもしろさが伝わるよう、ラグビーをさらに普及させていくことが大切だというふうに考えております。そうした活動を通じて、ラグビーファンをふやせば、それが機運の盛り上がりにつながり、二〇一九年大会の成功にもつながるというふうに考えております。
 昨年、都民、国民の熱狂のうちにイングランド大会が閉会しました。そこから一年一年、地道に普及活動を重ねていくことが求められていると考えておりますが、昨年度、ラグビーファンの裾野を拡大するために、都はどのような活動を行ったのか見解をお伺いいたします。

○土屋ラグビーワールドカップ準備担当部長国際大会準備担当部長兼務 二〇一五年イングランド大会では、市民が気軽にラグビーを体験できる機会や場を用意するなどの取り組みを行っておりまして、都におきましてもラグビーボールにさわる体験を含めまして、幅広く都民が気軽にラグビーに触れる機会を設けることが大切と認識してございます。
 そこで、イングランド大会における日本代表のトライシーンが見られるラグビーワールドカップのPR映像を都庁舎のデジタルサイネージや二〇一九年大会のPRブースなどで放映しまして、ラグビーやワールドカップの雰囲気が伝わるよう取り組みました。
 また、ラグビーのルールは難しいとの意見もあることから、日本ラグビーフットボール協会が作成いたしました観戦ガイドをラグビートップリーグなどの試合会場における都のPRブースで配布したり、ラグビーのルールや魅力を当局のホームページやSNSなどで発信しました。
 さらに、スポーツ博覧会など東京都主催イベントでPR活動を行うに際しまして、ラグビーボールをキックして的に当てるゲームやタックル体験を取り入れまして、来場者にラグビーというスポーツに触れる場を用意いたしました。今後も引き続きラグビーの普及に努めてまいります。

○島田委員 ありがとうございます。ラグビーワールドカップ二〇一九年、これをさらに盛り上げ、この大会が成功につながるよう要望いたしまして、質問を終わります。

○西崎委員 私からは障害者スポーツについて、まずお伺いしたいと思います。
 先日、世田谷区の区民スポーツ祭りの式典にリオ大会の競泳で四個のメダルを獲得された木村敬一選手、そして男子ダブルスで銅メダルを獲得しました齋田悟司選手が式典に参加してくださいました。齋田選手は、昨年に引き続いて、世田谷区のスポーツ祭りにいらっしゃるのは二年目なんですが、当日は車椅子テニスを区民に紹介しまして、区民と一緒に障害者スポーツを楽しむことができたのが、さらに障害者スポーツへの理解を進めたのではないかと思います。
 そこで、先日のイベントのような多くの人が集まるところでパラリンピック競技の普及啓発に取り組む必要があると思いますが、都はこうした身近な地域での普及啓発をどのように進めたのか、平成二十七年度の実績を伺います。

○丸山連携推進担当部長 パラリンピック大会や競技のすばらしさを幅広く都民の方々にお伝えし、理解を促進するため、都は昨年七月から新たにパラリンピック競技の体験プログラム、NO LIMITS CHALLENGEを開始いたしました。都の事業に加え、区市町村が主催する地域のイベントやスポーツ大会等と連携し、十四の自治体でパラリンピック競技の体験や展示等を実施いたしました。
 身近な地域での開催により、多くの方々にご参加いただき、大会や競技の理解促進につながったと考えております。引き続き区市町村等と連携し、より多くの都民の皆様に気楽に体験していただくことなどを通じて、パラリンピック競技の普及啓発に取り組んでまいります。

○西崎委員 障害者の方がスポーツを練習したくても、施設を管理している自治体の理解とか、協力がなかなか進まないということを先日のテレビで知りました。特に車椅子バスケットボールをされている方が、床に傷がつくからとスポーツ施設の利用を断られ、練習場所に困っているとのことでした。
 都は、障害のある人のスポーツ施設の受け入れ促進について、どのような取り組みを行っているのかお聞かせください。

○萱場パラリンピック担当部長障害者スポーツ担当部長兼務 身近な地域のスポーツ施設における障害者の受け入れに当たりましては、施設管理者や他の利用者など周囲の正しい理解が不可欠でございます。
 都は、区市町村などのスポーツ施設において、障害のある人の利用を促進するため、平成二十七年度にスポーツ施設管理者が配慮すべき点をまとめたマニュアルを作成いたしました。マニュアルでは、現在のスポーツ用車椅子は改良が重ねられて、転倒しても傷がつきにくいことを紹介してございます。
 また、施設の利用に当たっては、施設側と利用者側が話し合いを行うことで、車椅子が転倒しにくい練習メニューを示してもらったり、傷がついたかもしれないと思ったら、必ず報告してもらうといった関係を構築するなど、十分なコミュニケーションを図り、相互理解を深めるよう提案してございます。
 マニュアルは、区市町村及び都内公立スポーツ施設などに配布するとともに、ホームページでも公開しております。また、区市町村及び公立スポーツ施設の管理者を対象として、このマニュアルを活用した研修会を開催し、すぐに実践できるような事例の発表等を行うなど、積極的な周知を図ってまいりました。
 今後とも障害者スポーツ指導員養成講習会や障害者スポーツセミナー等の機会を捉え、マニュアルの活用を呼びかけるなど、障害のある人もない人も身近な地域でスポーツを行える環境の整備に努めてまいります。

○西崎委員 スポーツ施設利用促進マニュアルという、これをいただきましたけれども、平成二十七年度に作成されたということで、ぜひこれを地域の自治体が活用していただきたいと思っています。こういうマニュアルを作成されたことは非常によかったんではないかと思います。スポーツ施設を管理している自治体の理解が進むよう、これからも都から働きかけていただきたいと思います。
 次に、シニアスポーツ振興について伺います。
 私もスポーツは好きなのですが、若いときほど体を動かさなくなったのは事実です。東京は、二〇二〇年に人口減少になり、二〇二五年に団塊の世代が後期高齢者になることから、いつまでも元気で生活の質を保っていくためには、スポーツを楽しみながら、生活の中に取り込んでいくことが大切だと思います。
 都は、高齢者を対象としたシニア健康スポーツフェスティバルを行っておりますが、平成二十七年度の実施状況についてお聞かせください。

○小室スポーツ推進部長 都は、誰もがいつまでも健康で生き生きと過ごせるようシニア層のスポーツ大会の開催を支援してまいりました。平成八年度に開始しましたシニア健康スポーツフェスティバルは、都内に在住する五十九歳以上の方を対象に、東京都体育協会と共催で毎年実施しております。
 平成二十七年度は、駒沢オリンピック公園総合運動場や東京武道館などを会場に、テニスやサッカーなど十種目を実施いたしました。平成二十七年度は、前年より百九十九人多い三千十八人が参加し、大会参加者は年々増加しております。加えまして、全体のおよそ一割を八十歳以上の方が占め、そのうち八十五歳以上の方が八十人を数え、最高齢である九十四歳の方も元気に参加しておられました。
 シニア健康スポーツフェスティバルは、六十歳以上を対象としたスポーツと文化の祭典であります全国健康福祉祭、いわゆるねんりんピックの東京都選手団の予選も兼ねており、高齢者の仲間づくりや生きがいづくりにも寄与しているところでございます。

○西崎委員 参加された一割が八十歳を超えているということで大変驚きました。人生百年といわれる時代になってまいりまして、先日、私も地域で世田谷で九十八歳の高齢者のおひとり暮らしの方にお会いしたんですけれども、背筋がぴんと伸びていて、とても九十歳代には見えないぐらいでした。若いころから毎朝ラジオ体操をされているのが健康の秘訣だと聞いておりますけれども、日ごろから体を動かすこと、スポーツに参加するということが非常に大切ではないかと思います。
 そこで、地域のスポーツ団体を支援するシニアスポーツ振興事業について、平成二十七年度の取り組み状況をお聞かせください。

○小室スポーツ推進部長 都は、高齢社会の進展を見据え、高齢者の健康の維持増進及び生き生きと充実した生活に寄与することを目的に、平成二十四年度よりシニアスポーツ振興事業を実施しております。この事業は、高齢者を対象とした競技会や講習会を実施する地区体育協会など、地域のスポーツ団体の取り組みに対して、三十万円を上限に支援を行っているものでございます。
 平成二十七年度は、この事業を通じて、都内各地域で行われますゲートボールやダンス、ウオーキングを初めとした二百四十四の競技会や講習会等の取り組みを支援し、六十歳以上の高齢者を中心に一万八千八百七十一人が参加しました。開始から四年を経て、取り組み数、参加者ともに増加し、多くのシニアに楽しんでいただいております。
 今後とも高齢者がスポーツに参加する機会を創出し、シニアスポーツの振興を図ってまいります。

○西崎委員 今後ともぜひ区市町村とも連携して、高齢者が身近な地域でスポーツに参加する機会をぜひつくっていっていただき、シニアスポーツの振興を図っていただくことを要望しまして質問を終わります。

○植木委員 私は、大会成功に向けた区市町村支援事業について伺います。
 都民のスポーツを行う権利を保障し、誰もが楽しめるようにソフト、ハード面からの取り組みが重要だというふうに思います。オリンピック・パラリンピック準備局として、大会の成功に向けた準備とあわせて、都民のスポーツの振興でスポーツを地域に根づかせて、裾野の広い誰もがスポーツ愛好家の一人になれるようなスポーツ振興を行うことが必要だと思います。
 二〇一五年に発表された調査では、週一回以上のスポーツ実施率が六〇・五%で、これを二〇二〇年まで七〇%にするという目標になっています。これも無理やりではなくて、みずから自然にスポーツに取り組んでいる、そういう方向になることが望ましいと私は思っています。
 東京都として、さまざまな全都的な団体や各分野への支援を行うなど、さまざまな努力の方向性はあると思いますけれども、その中でも東京都の役割として、地域に根差したスポーツ振興を幅広く推進していくためには、都内の区市町村を応援する大会成功に向けた区市町村支援事業は、大会成功とあわせて大きな役割を担うことではないかと思っております。
 この事業には、ソフト面からと、それからハード面からの支援とありますけれども、まずソフト面の事業から伺います。二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックの大会成功に向けた区市町村支援事業の目的及び概要をまずご説明願います。

○井上自治体調整担当部長 都は、区市町村が二〇二〇年大会の開催に向けた機運醸成や大会後の地域活性化につながるソフト事業の実施を支援するための補助事業を平成二十七年度から開始いたしました。
 この補助事業には、地域住民に向けた二〇二〇年大会の開催機運の醸成等を図る事業に対する普及啓発等事業と、障害者が身近な地域で継続的にスポーツを楽しめる環境を整える事業に対する障害者スポーツ地域振興事業がございます。

○植木委員 大会成功に向けた機運醸成、これが一つ大事なことだと思うんです。同時に、大会後の地域活性化につながる、そういうソフト事業として、障害者の支援などが二十七年度から開催されたわけですけども、まさに地域のレガシーにつながる、つまり一つ一つの事業や企画が一過性のものでなくて、一過性のものに終わらせない、スポーツを根づかせていくことを目的とする、そういう趣旨で大変重要だと思うんです。
 しかし、決算説明書を見ますと、この大会成功に向けた区市町村支援事業は、予算額も約二億六千万円、それから支出も一億四千万円となっていて、執行率が五六・六%しかない。額の上でも、執行率の上でも、なかなか十分とはいえないんじゃないかというふうに思うんですけれども、この区市町村へのソフト事業に対する補助の普及啓発事業、障害者スポーツ振興事業はそれぞれの事業で幾ら支出して、執行率は何%になるのか、改めてお聞かせ願いたいと思います。

○井上自治体調整担当部長 普及啓発等事業は一億一千百八十五万余円を支出し、執行率六〇・一%、障害者スポーツ地域振興事業には二千九百二十五万余円を支出し、執行率四八・八%となっております。

○植木委員 ソフト系の普及啓発事業及び障害者スポーツ地域振興事業、この二つですが、執行率が低かった理由を教えてください。

○井上自治体調整担当部長 平成二十七年度は、本事業の初年度ということもあり、区市町村におきましては本補助事業の活用方法についての認知不足や補正予算等の対応が困難であったことなど、事業実施に向けた準備が十分に進んでいなかったことなどが原因であったと考えられます。

○植木委員 二十七年度に始まった事業ということで、なかなかスムーズにいかなかったということですけれども、実際にこの二つの事業、普及啓発等事業及び障害者スポーツ地域振興事業、取り組んだ区市及び市町村について、それぞれお示しください。

○井上自治体調整担当部長 平成二十七年度に本補助制度を活用した自治体数につきましては、普及啓発等事業は区が二十三団体、市町村が二十九団体でございまして、障害者スポーツ地域振興事業につきましては区が十五団体、市町村が八団体でございます。

○植木委員 普及啓発については、二十七年度、一区市町村当たりの限度額三百万円だった。今年度は五百万円に引き上げて、予算も増額したと聞いておりますけれども、また障害者スポーツ地域振興事業についても、執行率を高めるためだろうと思うんですけれども、限度額が二百万円だったのを今年度三百万円に引き上げた、これは非常に結構なことだと思うんです。しかし、実施率は、先ほど示されたようにまだ低いというのが現実です。
 私の中野区で昨年どんなことをやっているかお聞きしましたら、中野区主催でにぎわいフェスタという企画の中で、トランポリンの選手を招いて実演をした、あるいは別の企画で車椅子テニスの選手に実演してもらって、参加者による車椅子テニスを体験する企画を行いました。
 こういうことで、障害のある方もない方も区別なく練習できるという、それ自体は私は大変前向きでいいことだと思うんですけども、都の担当者に聞きましたら、この中野区のイベントは、イベントとしては申請しているけれども、障害者のスポーツ教室など、障害者が継続的に取り組める企画ではないという説明を受けました。ソフト系の障害者スポーツ地域振興事業は、本来の目的がイベントなどの単発な普及啓発、つまりイベントは割とどこの区も単発ですから、やりやすい。
 しかし、障害者自身のスポーツ活動の場を広げる、このことが本来の目的であるという振興事業の目的です。そういう意味で企画後にも地域に障害者の活動が根差す取り組みを期待して、それを推進する、そのために補助率も五分の四にわざわざ引き上げて、努力をしているわけです。
 ですから、せっかく前向きな企画を考えているけれども、これをイベントにとどまらず、区市町村が障害者スポーツ地域振興事業の趣旨を生かして、障害者が継続的に参加できるスポーツ教室などの普及に努めように、これは都としても新しい事業ですから、積極的に働きかけることが大変重要な時期に来ているんじゃないかと思うんですけども、いかがでしょうか。

○萱場パラリンピック担当部長障害者スポーツ担当部長兼務 この障害者スポーツ地域振興事業は、区市町村など身近な地域において、障害のある人が継続的に参加できるスポーツ教室や大会を拡充することを制度の趣旨としてございます。
 都においては、これまでも区市町村に対し本事業の趣旨を機会を捉えて周知するとともに、電話で相談を受けたり、区市町村を訪問した際にそれぞれの区市町村の地域特性を勘案しながら、他の自治体の事例を紹介するなど、障害者スポーツを地域に根づかせるため、積極的な働きかけを行っております。
 また、本補助において、継続的に障害者が参加できるスポーツ教室等を企画した上で、単発で障害者スポーツ普及のイベントを行う場合には、当該イベントについても五分の四の補助を適用する仕組みとなってございます。
 なお、今年度は既に中野区から事業が申請されており、その内容が継続的な事業であることから、補助金を支給する方向でございます。

○植木委員 昨年度イベント的にやったというのを、継続的なスポーツ教室とあわせてイベントをやることも補助対象にするということで、中野区も申請したということですから、昨年度に続いて一歩前へ進んだということだろうと思うんです。ぜひその意味で全都的にその趣旨を徹底していただきたいというふうに思います。
 先ほどの答弁でも、普及啓発は二十三区では全区が一応申請をされている。しかし、市町村では、三十九のうち二十九団体。それから、障害者スポーツ地域振興事業、こちらの方は、つまり障害者の今のお話ではわずか市町村では八団体にすぎない、こういう実態になってきていると思うんです。
 都は、障害者スポーツ事業について、プロデュースマニュアルをつくるなど、かなり支援をしていますが、まだまだ十分な活用に至っていない。特に多摩地域はこれからということが今示されたと思うんです。
 二〇一八年から都立多摩障害者スポーツセンターが改修で使えなくなることもあり、多摩地域で身近にスポーツができる環境を整えることが一層求められていると思うんですけども、その点についてはどのように考えておられるでしょうか。

○萱場パラリンピック担当部長障害者スポーツ担当部長兼務 都では、まず平成二十六年度に地域で障害者スポーツ振興事業を実施する際の参考にしていただくため、事業の企画から実施までのスケジュールや参加者への周知の方法、要した費用などを具体的に記載した障害者スポーツプロデュースマニュアルを作成いたしました。
 そして、平成二十七年度に障害者スポーツ地域振興事業を開始したところでございますが、本事業の初年度でもあり、まずは制度の概要や具体的な活用方法について、区市町村に周知を行うことから開始いたしました。
 その上で、区市町村を個別に訪問し、既に健常者向けに行っているスポーツ事業に工夫を加えることで、障害のある人も一緒にスポーツを楽しめる事例を紹介するなど、障害者スポーツの有用性を積極的に広めてまいりました。
 加えて、身近な地域のスポーツ施設における障害者の受け入れが進むよう、昨年度は施設管理者が配慮すべき点や工夫をまとめたマニュアルを作成し、区市町村のスポーツ施設等に配布いたしました。
 さらに、多摩地域においては、東京自治会館で市町村職員を対象に障害者スポーツの有識者を招いてのセミナーを開催し、身近な地域での取り組みの重要性を訴えたところでございます。こうした取り組みにより、多摩地域を含め、障害のある人が身近な地域でスポーツができる環境を整えてまいります。

○植木委員 多摩地域でいろいろ努力を積み重ねてこられて、一定、動きもつくり始めてきておられるということでしたけれども、区部から比べると、まだやはり緒についた段階だと思うんで、一層力を入れて取り組みの推進を図ることを重ねて要望したいというふうに思います。
 障害者スポーツの推進に障害者スポーツ指導員や介護員、ボランティアの育成も欠かせません。二〇一五年度の指導員講習会など、この制度を使っての実績を教えてください。

○萱場パラリンピック担当部長障害者スポーツ担当部長兼務 障害者スポーツ地域振興事業費補助は、障害者が参加できる継続的なスポーツ教室や大会に加え、イベントの開催や人材育成など、区市町村の企画、立案により、多種多様な事業に充てることが可能な制度となってございます。
 平成二十七年度に、この補助制度を活用して行った区市町村事業のうち、人材育成の取り組みは、新宿区のボッチャ指導員養成講座の開催と小平市の障害者スポーツ支援を含めたスポーツボランティア発掘・育成事業の二件でございます。

○植木委員 これは現在二件ということです。ですから、これもこれからの事業だと思います。特に障害者スポーツ指導員の資格講習を行ったところはないということでした。先ほど我が党の和泉委員が障害者本人の指導員の養成問題について質問しましたけれども、障害のある方が初めてスポーツに取り組むときに、指導員の援助は非常に大きいと思います。
 ぜひ今後も、より一層指導員の養成に力を入れていただき、そして障害者スポーツが地域に根差して、特殊なスポーツでなく、障害のある方もない方も一緒に楽しめる、そういうスポーツとして発展されるように願っております。
 あわせて、この事業のハード面、ハード系の区市町村スポーツ施設整備費補助についても伺いますが、これも決算書を見ますと執行率が低い、きょうの資料にも出ていますけども低い。これはどのような理由があるのかお示し願いたいと思います。

○小室スポーツ推進部長 先ほどもご答弁申し上げましたが、執行率が低かった理由としましては、平成二十七年度から追加したメニューに対しまして、区市町村における補正予算等の対応が困難であったことなどが挙げられます。また同様に、補助メニューに追加しました事前キャンプ誘致に関する工事につきましては、誘致の本格化がリオ大会後になることなどから、平成二十七年度は申請がございませんでした。

○植木委員 ソフト系と同様に区市町村でこれらの事業を受け入れるというのは、なかなかやはりまだまだハードルがあるということだろうと思うんです。補正などですぐ対応するのは難しいということでした。ハード系の事業でも、きょういただいた資料を見ましても、例えば段差の解消だとかバリアフリーの点字ブロックや誰でもトイレとか、こういう細かいといったら失礼ですけども、バリアフリーの事業などは割と直ちにできる。
 しかし、施設整備となるとなかなかいかないということだろうと思うんです。きょうの資料でも人工芝とか空調とか運動場の管理棟とか、そういう部分的なものは申請もあって、一定進んでいると思うんですけども、やはり施設を新たにふやすとか、本格的に改善するとか、そういうことになりますと時間も要し、また設計するなどで一朝一夕にはいかないということだろうと思うんです。
 この点で、ソフト事業の方は二〇一五年に始まったわけですが、ハード系の事業は、区市町村スポーツ施設整備費補助、これはその一年前の二〇一四年にこの事業は始まったわけです。たしか初年度はほんのというと失礼ですけども、二億円で足りなくて、二分の一の補助ができなくて、申請があったところで分け合う形になりました。
 そのため、昨年度は十二億円、今年度は現在は二十億円と増額してきたというふうに思うんです。私たち共産党都議団としても、代表質問などで東京都が区市町村と協力してスポーツ施設の整備費を大幅に促進することをこれまでも求めてきました。それだけに今後の取り組みが区市町村で計画的に取り組めるよう推進していくことが大変重要だと思うんです。
 普及啓発事業も、それから障害者スポーツ地域振興事業も、それからスポーツ環境を拡大し、バリアフリー化する整備費事業も、長い目で見て継続、拡充し、そして区市町村の意識の向上を図り、都民の障害者のスポーツ振興や国際理解促進につなげていく、そういう取り組みの一つとして、大変重要だと思うんですけども改めて見解を伺います。

○井上自治体調整担当部長 二〇二〇年大会は、スポーツの振興や国際理解等を促進する絶好の機会であることから、大会に向けた区市町村のさまざまな取り組みを支援するため、本補助制度を創設したところでございます。
 今後、本補助制度をより多くの区市町村で活用してもらうため、引き続き事業説明会や個別訪問による制度説明や事例紹介などを通じまして積極的な活用を働きかけ、さまざまな事業が推進されるよう努めてまいります。

○植木委員 これからも積極的に進めていくという決意が表明されましたけれども、今回、二〇一五年の決算でしたが、二〇一六年度の予算額は、ソフト系で二倍の五億円、それからハード系も一・七倍の二十億円、それぞれ予算額が引き上げられています。もちろん都の施設をつくるとか、都の企画なんかは、もっと金額は大きいわけですよね。そういう意味では、区市町村への支援事業というのは、一つ一つはそれほどの大きな金額ではありませんけれども、区市町村という立場から、その裾野の広がりを期待できる、そういう事業として、これをもっともっと引き上げていく、そういうきっかけにしてほしいと思うんです。
 二〇一五年にこの制度がきちっと確立したばかりでありますので、まだまだ不十分さはあるというお話でありましたけれども、そういう広がりを期待できるだけに、今後も執行率が低いということでなくて、十分趣旨を生かした積極的な取り組みに発展するように、十分引き続きの周知をお願いしたいというふうに思います。
 そして、最初に申し上げましたように、大会成功に向けた区市町村支援事業が二〇二〇年の大会の成功に寄与することはもちろんでありますけれども、大会までの取り組みに終わらせない、一過性の取り組みに終わらせない地域のレガシーとして、裾野の広いスポーツ振興、継続的なスポーツ振興につながるよう重ねて要望して私の質問を終わります。

○まつば委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○まつば委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上でオリンピック・パラリンピック準備局関係を終わります。
 以上をもちまして第二分科会における決算の審査は終了いたしました。
 なお、本分科会の審査報告書につきましては、分科会委員長において取りまとめの上、委員会委員長に提出いたしますので、ご了承願います。
 これをもちまして第二分科会を閉会いたします。
   午後三時十四分散会

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