委員長 | 山崎 一輝君 |
副委員長 | 舟坂ちかお君 |
副委員長 | 上野 和彦君 |
白石たみお君 | |
伊藤こういち君 | |
栗山よしじ君 | |
堀 宏道君 | |
松田やすまさ君 | |
野上ゆきえ君 | |
斉藤あつし君 |
欠席委員 なし
出席説明員中央卸売市場 | 市場長 | 村松 明典君 |
次長 | 澤 章君 | |
理事新市場整備部長事務取扱 | 福田 至君 | |
管理部長 | 松永 哲郎君 | |
事業部長 | 白川 敦君 | |
企画担当部長 | 吉村 恵一君 | |
渉外調整担当部長 | 有金 浩一君 | |
市場政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 金子 光博君 | |
財政調整担当部長 | 長嶺 浩子君 | |
移転支援担当部長 | 長田 稔君 | |
新市場整備調整担当部長 | 井上 佳昭君 | |
新市場事業推進担当部長 | 櫻庭 裕志君 | |
移転調整担当部長 | 赤木 宏行君 | |
基盤整備担当部長 | 村井 良輔君 | |
施設整備担当部長 | 佐藤 千佳君 | |
環境局 | 局長 | 遠藤 雅彦君 |
総務部長 | 笹沼 正一君 | |
環境政策担当部長 | 小原 昌君 | |
政策調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 鈴木 研二君 | |
地球環境エネルギー部長 | 松下 明男君 | |
都市エネルギー推進担当部長 | 小川 謙司君 | |
環境改善部長 | 松永 竜太君 | |
環境改善技術担当部長 | 近藤 豊君 | |
自然環境部長 | 志村 昌孝君 | |
緑施策推進担当部長 | 須藤 栄君 | |
資源循環推進部長 | 谷上 裕君 | |
調整担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務 | 風祭 英人君 |
本日の会議に付した事件
平成二十七年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
中央卸売市場関係
・平成二十七年度東京都と場会計決算(質疑)
環境局関係
・平成二十七年度東京都一般会計決算(質疑)
○山崎委員長 ただいまから平成二十七年度各会計決算特別委員会第三分科会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、中央卸売市場及び環境局関係の決算に対する質疑を行います。
これより中央卸売市場関係に入ります。
決算の審査を行います。
平成二十七年度東京都と場会計決算を議題といたします。
本件につきましては既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○山崎委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山崎委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で中央卸売市場関係を終わります。
○山崎委員長 これより環境局関係に入ります。
初めに、過日の分科会で紹介できませんでした幹部職員について、局長から紹介があります。
○遠藤環境局長 去る十月十四日の当委員会を欠席させていただいておりました幹部職員をご紹介させていただきます。
地球環境エネルギー部長の松下明男でございます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
〔理事者挨拶〕
○山崎委員長 紹介は終わりました。
○山崎委員長 決算の審査を行います。
平成二十七年度東京都一般会計決算中、環境局所管分を議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○笹沼総務部長 去る十月十四日の当分科会でご要求いただきました資料につきましてご説明申し上げます。
お手元の平成二十七年度各会計決算特別委員会第三分科会資料をごらんください。
表紙をおめくり願います。
右側の目次のとおり、十一項目ございます。
では、一ページをお開き願います。1、都内の二酸化炭素排出量の部門別推移過去五年分でございます。
平成二十二年度から二十六年度までの各年度における産業、家庭、業務、運輸及びその他の各部門の二酸化炭素排出量を記載してございます。
二ページをお開き願います。2、二酸化窒素、浮遊粒子状物質及び微小粒子状物質の環境基準達成状況の推移でございます。
(1)の二酸化窒素、(2)の浮遊粒子状物質、それぞれの表におきまして、上段が一般環境大気測定局、下段が自動車排出ガス測定局でございまして、平成二十三年度から二十七年度までの各年度における測定局数、環境基準達成局数及び達成率の状況を記載してございます。
三ページをお開き願います。(3)の微小粒子状物質につきまして、同様に記載してございます。
四ページをお開き願います。3、二酸化窒素、浮遊粒子状物質及び微小粒子状物質の全国上位十局の推移でございます。
(1)の二酸化窒素につきまして、平成二十二年度から二十六年度までの各年度における全国の測定局の年平均値上位十局を記載しております。
五ページをお開き願います。(2)の浮遊粒子状物質につきまして、同様に記載してございます。
六ページをお開き願います。(3)の微小粒子状物質につきましては、平成二十三年度から二十六年度までの上位十局を記載してございます。
七ページをお開き願います。4、産業廃棄物として都内から排出されるアスベストの過去七年間廃棄量でございます。
平成十九年度から二十五年度までの各年度における廃石綿等と石綿含有産業廃棄物の排出量を記載してございます。
八ページをお開き願います。5、緑地保全地域における公有化予算・決算額・面積及び管理予算の推移でございます。
平成十八年度から二十七年度までの各年度における公有化の予算額、決算額及び面積並びに管理費予算額を記載してございます。
九ページをお開き願います。6、都内の土壌汚染対策法における要措置区域等の指定件数の推移でございます。
平成二十三年度から二十七年度までの各年度における要措置区域等の件数を記載しております。
一〇ページをお開き願います。7、大規模事業所の二酸化炭素排出量の推移でございます。
平成二十二年度から二十六年度までの各年度における二酸化炭素排出量を記載してございます。
表の上段にある基準年度の値は、事業所が選択した平成十四年度から十九年度までの間のいずれか連続する三カ年度の排出量の平均値でございます。
一一ページをお開き願います。8、大規模事業所の床面積当たりの二酸化炭素排出量の推移(用途別)でございます。
平成二十二年度から二十五年度までの各年度における事務所、情報通信、放送局等の各用途の床面積当たりの二酸化炭素排出量を記載してございます。
一二ページをお開き願います。9、中小規模事業所の二酸化炭素排出量の推移でございます。
平成二十二年度から二十六年度までの各年度における二酸化炭素排出量を記載してございます。
一三ページをお開き願います。10、都内病院の床面積当たりの二酸化炭素排出量の推移でございます。
平成二十年度から二十六年度までの各年度における病院、医療施設等の床面積当たりの二酸化炭素排出量を記載してございます。
一四ページをお開き願います。11、太陽光発電の普及状況(直近五年間)でございます。
平成二十二年度から二十六年度までの各年度における住宅用とその他の太陽光発電の設備容量を記載してございます。
以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○山崎委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○堀委員 私からは、まず気候変動対策についてお伺いをいたします。
ことしは台風が何度となく上陸をし、今までに上陸したことがほとんどないような北海道で猛威を振るい、そして東北地方には甚大な被害をもたらしました。これらは気候変動によるものだと考察しております。また、その影響は食卓にも大きな影響を及ぼしており、農作物だけではありませんで、魚についても大きな影響を及ぼしていると拝察をいたしております。
そういった中で、国として、都として、この気候変動対策は喫緊な課題であると認識をいたしております。
来週からは、国連気候変動枠組条約第二十二回の締約国会議、いわゆるCOP22がモロッコのマラケシュで開催され、十一月四日に発効するパリ協定実現に向けた具体的な議論が行われると聞いております。このパリ協定は都市などが行う気候変動対策を奨励しており、具体的な取り組みの実施が求められております。
都市としては、世界で初めてキャップ・アンド・トレード制度を導入し実績を上げておりますが、業務産業部門CO2排出量の約六割を占める中小規模事業者対策、とりわけ都内に数多く存在する中小テナントビル対策に重点的に取り組んでいく必要があります。
中小テナントビルにおいては、ビルのオーナーが省エネ改修を行っても、実際にエネルギーを使用しているテナントの光熱費削減になるだけでビルオーナーの利益につながらないことから、改修が進みにくい状況にあります。
このため、都は平成二十六年と二十七年度の二カ年間、中小テナントビルの省エネ改修費用に対する支援を行うとともに、これにより得られた改修後の実績データをもとに省エネ改修の効果を見える化し、低炭素ビルが市場から評価される仕組みづくりに取り組んできました。
そこでまず、省エネ改修に対しどのような支援を行い、その結果、どのようなデータが得られたのかについてお伺いをいたします。
○松下地球環境エネルギー部長 中小テナントビルにおいて、設備改修後の省エネレベルが一定の水準以上に向上することを条件といたしまして、ビルのオーナーに対し、LED照明や高効率空調機等の導入費用の一部を助成いたしました。
平成二十六年度と二十七年度の二カ年では、三千平方メートル未満の小規模なオフィスビルを中心に合計九十八件の交付決定を行いました。これら交付決定した事業所から提供されたエネルギー使用量や導入する設備の種類及び台数、テナント入居率等のデータを分析したところ、一事業所当たり平均で約二四%のCO2削減が可能であることが明らかになりました。
○堀委員 今のご答弁で着実に進捗をしていることが確認をされたわけでございますけれども、この事業により、中小テナントビルであっても省エネ改修をすればCO2削減の大きなポテンシャルがあることが改めて確認をされたところでございます。
都は、平成二十六年の予算特別委員会での中小テナントビルの省エネ改修効果の見える化に関する我が党の質問に対して、省エネ改修効果をシミュレーションできる評価ツールを構築すると答弁しておられますが、現在の取り組み状況についてお伺いをいたします。
○松下地球環境エネルギー部長 先ほど申し上げました改修費用の一部を助成する事業を通じて得られた中小テナントビルの省エネ改修後の実績データをもとにいたしまして、ビルのオーナーが容易に省エネ改修効果を予測し、テナントや入居希望者に対してその効果をアピールできるツールの構築に取り組んでまいりました。
具体的には、このツールを活用することで、改修後のCO2やエネルギーの削減効果を数値であらわすとともに、同種、同規模のテナントビルと比較した省エネレベルをグラフでわかりやすく表示できるようになります。このツールは、環境局のホームページで提供を行ってまいります。
また今後、省エネセミナーや省エネ診断等のさまざまな機会を捉えて広報し、このツールの認知度向上を図ってまいります。
こうした取り組みによりまして、テナントビルの省エネ対策を推進し、中小規模事業所の温室効果ガスの削減を支援してまいります。
○堀委員 省エネ改修の効果を見える化することは大変有効であると思います。都は、今回作成したシミュレーションツールをしっかりとPRして、中小テナントビルの省エネを着実に推進してほしいと思います。
次に、資源環境施策について伺います。
資源環境の仕組みづくりに関して、都は、持続可能な資源利用の実現を目指し、モデル事業を実施したと聞いております。
最初に、昨年度のモデル事業の内容について、確認のためお伺いをいたします。
○谷上資源循環推進部長 昨年度のモデル事業は、平成二十七年三月に策定いたしました東京都持続可能な資源利用に向けた取組方針を具体化するため、資源ロスの削減の促進、エコマテリアルの利用の促進、廃棄物の循環利用のさらなる促進の三分野で新たな仕組みづくりや体制の構築等につながる事業者の先駆的な取り組みを選定し、実施したものであります。
具体的には、食品ロス対策、国産合板材型枠や、建設泥土改良土といったエコマテリアルの利用促進、小型電子機器の効果的回収など計六つの事業を行いました。
○堀委員 モデル事業の概要について説明をいただいて理解ができました。
今、答弁のありました建設泥土については、近年、都市再生に伴う建設工事の増加に伴い大量に発生をしており、今後もリニア新幹線や外環道など大規模な工事が予定されていることから、その適正処理と有効活用が課題となっております。
こうした状況もあり、都は、建設泥土のさらなる有効活用を目指して、昨年度のモデル事業の一つとして、建築工事における建設汚泥改良土の利用促進事業を行ったとのことですが、その概要と評価についてお伺いをいたします。
○谷上資源循環推進部長 建設泥土改良土に関するモデル事業につきましては、その再利用促進を目指し、現場で実際に使われることによる認知度の向上や品質管理手法の確立等による廃棄物由来製品への敬遠意識の払拭を目的に実施いたしました。
具体的には、建設泥土を処理施設で改良した上で都内十カ所の現場に無償で提供し、埋め戻し工事での活用を図るものでした。利用現場のアンケートでは、品質が均一で使いやすい、締め固めが容易といった好意的な評価がほとんどであり、十の現場の全てが今後も建設泥土改良土を利用したいと回答し、うち四つの現場では購入してでも利用したいと答えております。
○堀委員 建設泥土に関するモデル事業の内容と成果、今ご報告のとおり、十の現場の全てが今後も建設泥土改良土を利用したいという回答が得られたということで、おおむね良好ということが確認できました。
建設泥土を初めとする産業廃棄物は、その発生から最終処分まで必ずしも一つの都県の枠内で処理しなければならないものではありません。しかし、処分地の負担を考えると、可能な限り排出地の域内で処理することが望まれます。
大量排出地である東京は、スーパーエコタウンの産廃処理など、独自の取り組みを進めてはいるものの、最終的な処分に当たって他県に大きく依存しているのが実態であります。
そのため都は、建設泥土を含む産業廃棄物の有効利用に向けて、モデル事業の成果も活用しながら、なお一層近隣自治体と連携しながら対策を講じる必要があると思います。
こうした観点から、都は今後どのように取り組みを進めていくのか、見解をお伺いいたします。
○谷上資源循環推進部長 ご指摘のとおり、産業廃棄物は自治体の圏域を超えて処理されており、近隣自治体と連携した広域的な取り組みは重要です。
建設泥土については、今年度の九都県市廃棄物問題検討委員会において、都から適正処理に向けた取り組みの強化を提案し、その必要性に関して共通認識を持つとともに、発生状況や処理状況等に関する調査を行いました。
今後も、モデル事業の成果や法令上の課題も踏まえつつ、九都県市の検討の場も活用しながら、近隣自治体や関係団体等と連携して取り組みを進めていくとともに、その有効利用に向けた効果的な方策について検討してまいります。
○堀委員 東京が今後も持続的に発展をしていくためには、都民生活や企業活動を支える都市施設を計画的に更新をして機能の維持向上を図っていかなければなりません。
さきの第三回定例会における我が党の代表質問に対して、都は、エコマテリアルの利用促進を図っていくと答弁しておりました。工事に伴い発生する廃棄物からつくられる建設泥土改良土や再生砕石等については、その有効活用が円滑な都市更新を進める上で欠かせないことだと認識をいたしております。
都には、昨年度のモデル事業を踏まえつつ、エコマテリアルの利用促進に向けてしっかり取り組んでいただくことを要望しておきます。
次に、高圧ガスの震災対策についてお伺いをいたします。
高圧ガスは、工場での溶接やLPガススタンド、病院の液化酸素などさまざまな分野で使用されており、私たちの生活になくてはならないものであります。しかし、東日本大震災では、地震による高圧ガス施設の倒壊などはほとんどなかったものの、千葉県の石油コンビナートでは高圧ガスタンクが傾き、火災が発生いたしました。
東日本大震災から既に五年が経過しましたが、ことし四月には熊本でも非常に大きな地震が発生しております。東京でも首都直下型地震の切迫性が指摘されており、密集した市街地が多い東京において、震災時に高圧ガス施設で被害が生じた場合、大きな事故につながりかねず、震災対策の重要性を改めて認識したところであります。
そこで、都は、震災時における高圧ガス施設の耐震状況を調査したと聞いておりますが、その調査結果はどのようなものであったのかについてお伺いをいたします。
○松永環境改善部長 高圧ガスは非常に圧力が高く、燃焼性を有するものもあり、地震時の事故を予防するため、高圧ガス施設の震災対策を講じておくことが重要でございます。
このため都は、昨年度までの三年間で、一定規模以上の高圧ガス施設を有する二百八十一事業所に専門家を派遣し、耐震設計基準への適合状況や維持管理の状況を調査いたしました。事業所に備えられております耐震設計書を確認し、現地で施設と照合した結果、各施設とも高圧ガス保安法の耐震設計基準に適合しており、耐震設計基準が適用されない古い施設についても同程度の耐震性能を有することが確認できました。
一方、維持管理の状況につきましては、大半の施設で良好でございましたが、支柱の腐食や基礎コンクリートの劣化等のある施設も見られました。
○堀委員 今の答弁では、二百八十一事業所に専門家を派遣したということでございました。都内の高圧ガス施設には耐震対策が施されていることは確認できましたけれども、一方で、一部の施設では維持管理に問題があることもわかりました。高圧ガス施設の耐震性を維持していくためには日常の管理が重要であり、今回の調査結果を有効に活用していくことが求められます。
万が一震災が発生した場合に都民に被害が生じないよう、しっかりと対策を講じていくべきと考えますが、今後の都の取り組みについてお伺いをいたします。
○松永環境改善部長 耐震基準を満たした高圧ガス施設であっても管理を怠ると本来の耐震性能を維持できないため、定期的な設備検査や日常点検をしっかりと行っていくことが重要でございます。
このため都は、日常点検のポイント等を取りまとめたリーフレットを作成し、全事業者に配布するとともに、ホームページにも掲載し広く周知いたしております。
今後は、調査結果を踏まえて、都が行っております事業者への立入検査を通じ、施設の耐震性能を維持するための具体的指導や維持管理に関する意識啓発を行ってまいります。さらに、震災時の高圧ガスによる被害を防止するため、施設の耐震性能を維持するだけではなく、毎年行っております高圧ガス防災訓練などソフト面の取り組みも充実してまいります。
○堀委員 震災時の影響を最小限にとどめるためには、初動対応が重要なのはいうまでもありません。都が業界と協働して実施している高圧ガス防災訓練について、今年度は葛西臨海公園で行われ、約八百名の方々が参加をされたというふうに聞いております。
今後も、より多くの事業者に訓練への参加を促すとともに、施設管理の取り組みを進めるなど、高圧ガスに係る安全確保に万全を尽くしていただくよう要望いたします。
次に、自然環境の保全についてお伺いをいたします。
東京には、奥多摩、檜原といった多摩の森林、丘陵地の里山、市街地に残る農地、屋敷林など多様で豊かな自然があり、魅力を高めております。
こうした自然環境を良好な状態で保全するためには、間伐や下草刈りなど、人間の働きかけが必要であり、その際には、行政の力だけではなくて、都民や企業、NPOといった、そういった団体に参画を促していくことが重要であると考えております。
例えば、私の地元豊島区では、「グリーンとしま」再生プロジェクトとして、学校、公園への植樹から除草、剪定などの維持管理までを地域住民が協力しながら取り組んでおります。こうした取り組みは、都市に潤いや風格ある都市景観をつくり出すだけではなくて、世代間の交流や地域コミュニティの活性化にもつながるなど、まちを元気にする効果も期待できます。
多様な主体との連携に関し、都は、東京都長期ビジョンや環境基本計画の中で自然体験活動への参加者数の目標を掲げ、さまざまな取り組みを展開しておりますが、まず昨年度の事業実績についてお伺いをいたします。
○志村自然環境部長 都はこれまで、自然のすばらしさや自然を守る大切さの理解を深めていただけるよう、都民に自然体験の機会を提供してまいりました。具体的には、自然の保全活動に参加できる事業といたしまして、大学生を対象としたグリーン・キャンパス・プログラム、それから企業、社員とその家族を対象にしたグリーンシップ・アクション、また奥多摩都民の森における森林ボランティア講座などを実施してございます。
また、官民連携の取り組みといたしまして、一般財団法人セブンイレブン記念財団との協働により、高尾の森自然学校を昨年四月に開校いたしまして、都民向けの自然体験プログラムのほか、地元中学生を対象とした環境体験授業を実施するなど、教育部門との連携も行ってございます。
こうした取り組みを通じて、昨年度は延べ約三千五百人の方々に自然体験活動にご参加をいただきました。引き続き、都民、企業などが参加できるプログラムを展開し、自然環境の保全を積極的に図ってまいります。
○堀委員 都市化が進んで、生活の中で自然と触れ合い、その役割や重要性を学べる機会が少なくなっております。より多くの都民に自然に対する理解と共感の輪が広がるよう、積極的に取り組んでいただきたいと思います。
こうした自然体験活動への参加者数をふやす取り組みとあわせ、ボランティアを受け入れる団体の活動をサポートすることも重要であります。
都が指定する保全地域では、地元のボランティア団体が下草刈りを行っておりますが、近年はメンバーの高齢化が進行し、将来の活動を担う人材の不足が懸念されていると聞いております。東京のすばらしい自然を後世に継承していくためには、一人でも多くの方々に団体の活動に参加していただき、継続的な保全活動につなげていく必要があると考えております。
保全活動を行う団体の人材確保を支援するため、都は昨年度から新たな取り組みを開始したと伺っております。これまでの実績と今年度の取り組み状況についてお伺いをいたします。
○志村自然環境部長 東京に残る貴重な自然環境を後世に引き継ぐためには、保全活動を担う新たな人材を掘り起こし、育成していくことが重要であると認識してございます。
このため、都は昨年度から、ウエブサイト「里山へGO!」を開設し、森林、緑地保全活動に関する情報を集約、発信するとともに、メールマガジンで定期的に活動内容等を提供するサービスを開始してございまして、先月末までに約四百名の方々に会員登録をしていただいてございます。また、ウエブサイトを見て保全活動に参加を希望する方からの相談に対応するほか、未経験者の方が保全地域で気軽に活動を体験できるプログラムを実施いたしまして、昨年度は三十代から五十代を中心に延べ二百四十名の方々にご参加をいただきました。その後、参加された方の中からボランティア団体に加入されたという事例も生じてございます。
今年度は、プログラムの回数や開催場所となる保全地域の数をふやすとともに、体験活動の内容をさらに充実いたしまして、新たな担い手の確保に向けた取り組みを一層推進してまいります。
○堀委員 ある団体が東日本大震災以降後に実施したボランティアに関するアンケート調査によれば、八割以上の方が今後ボランティア活動に参加したいと回答しております。
一方で、同じ調査で、ボランティア活動に参加しなかった人にその理由を聞いてみますと、半数以上の方が身近なところに適当な活動の場がなかったと回答しております。自然環境分野に限らず、ボランティア活動への参加意欲があったとしても、どこに行ったらよいのかわからない、問い合わせ先がわからないといったことが、参加を妨げる大きな要因となっているのではないかと思います。
ただいま答弁いただいた情報発信や初心者向けのプログラムなどの都の取り組みは、ボランティア活動に参加するきっかけづくりとして有効であると考えます。
こうした視点からも、今後とも自然の中で活動する魅力を効果的に発信をし、自然環境の保全活動により多くの世代を引きつける取り組みを進めていくことをお願いして、私の質問を終わります。
○伊藤委員 それでは、私からヒートアイランド対策について質問をいたします。
四年後の五輪開催都市となる東京都は、ことしの夏、リオ・オリンピック・パラリンピック競技大会期間中、東京二〇二〇ライブサイトin二〇一六、リオから東京へというイベントを岩手、宮城、福島、そして東京で実施をいたしました。大型画面に映し出されたリオ・オリンピック開会式の生中継に、上野恩賜公園に集った多くの都民の方々とともに私も大変に感動をいたしました。
しかし、当日の東京の気温は、三十四・二度、猛暑の炎天下で体感温度は四十度ぐらいに感じました。都市部はアスファルトやコンクリートが多く、郊外より気温が高いヒートアイランド現象が起きているのを実感した夏でありました。一方、会場の中には、ミストや日陰ゾーンが設けられており、そのスペースに入ると暑さも少し和らぎました。
ことしの夏は梅雨明けも遅く、東京では猛暑日も三日と少なかったようでありますけれども、近年の夏の暑さは本当に厳しくなっており、二〇二〇東京大会開催に向けて暑さ対策は都の重要な課題であると考えます。
本分科会で説明があった決算説明書三一ページを見ると、ヒートアイランド対策暑熱対応事業が実施されているということでありますけれども、まずこの事業の内容と執行状況を伺いたいと思います。
○小川都市エネルギー推進担当部長 ヒートアイランド対策暑熱対応事業は、平成二十七年度、昨年度に開始した事業でございまして、都内各所でのドライ型ミスト等の暑熱対応設備の設置に対して補助を行うクールスポット創出支援事業や、花と緑の整備に対する補助事業などを実施いたしました。予算額は約一億一千七百万円、支出済額は約二千七百万円で、執行率は約二三%でございました。
○伊藤委員 私の地元品川区では、毎年の真夏、区内の公共施設をクールスポットとして位置づけて、真夏の炎天下で外出や買い物などをされる方々に対して、クーラーが効いたところで少し休んでいただけるよう、また熱中症対策として麦茶も提供している、こんなことをやっております。
そこで、今答弁がありましたけれども、都が行ったクールスポット創出支援事業について少し具体的に伺いたいと思います。
この事業は、ドライ型ミストなどの暑熱対応設備導入に対する補助事業とのことでありますけれども、補助制度の概要と、昨年度に導入された設備内容と事業実績を伺いたいと思います。
○小川都市エネルギー推進担当部長 クールスポット創出支援事業の制度でございますが、補助の対象者は、区市町村及び法人、個人の事業者で、補助の対象となる設備は、人が自由に出入りできる都内の施設や空間に整備する暑さを緩和する設備でございます。補助額は設置に要する経費の二分の一、一件当たり上限額を五百万円としてございます。昨年度の実績は、区や民間事業者等に対し七件、合計約一千六百万円の執行でございました。
導入されました具体的な設備内容は、区においては、区立公園へのドライ型ミストやパーゴラと呼ばれるツル性植物を絡ませる日よけ、壁面緑化などでございました。また、民間事業者等におきましては、敷地内の誰でも通行できる空間にサーキュレーターと呼ばれる送風機の設置や、敷地の地表面の温度上昇を抑制するための保水性舗装の敷設などでございました。
○伊藤委員 区や民間においてさまざまな取り組みが行われ、これらに対して支援がなされているということはよくわかりました。大変私はすばらしい事業だと思います。二十七年度からスタートしたということでありますけれども、区市町村や法人、また個人、事業者を対象として、こういう涼しいスポット、クールスポット等をつくっていくというのは、本当に夏の暑さが厳しくなる中で重要な取り組みだというふうに思います。
しかしながら、先ほどの答弁にあったように、執行率が二三%ということでございました。事業初年度で制度の周知が十分でなかったということもあると思いますけれども、二〇二〇東京大会で東京を訪れた多くの外国人の方々に、東京の夏は暑くて困るとか、もうたくさんだという印象だけが残っては残念であります。そうしたことにならないように、おもてなしの事業としても大変重要な事業であるので、今後、区市町村や民間事業者に対するさらなる制度の周知を図るなどして、しっかりと取り組みを進めていただきたいと思います。
こうした事業の実施とともに、暑さ対策として、建設局では道路の遮熱舗装化、福祉保健局では熱中症対策など、各局さまざまに事業に取り組んでおります。暑さ対策を総合的に進めていくためには関係各局の連携が重要であります。
都では、昨年十月に各局等の連携を図るために、東京二〇二〇に向けた東京都「暑さ対策」推進会議を設置したと聞いております。
この推進会議では具体的にはどのようなことを検討したのか、改めて伺いたいと思います。
○小川都市エネルギー推進担当部長 昨年十月に開催いたしました暑さ対策推進会議におきましては、まず気候変動やヒートアイランド現象により東京の平均気温が上昇している現状につきまして認識の共有を図りました。また、東京二〇二〇大会開催に当たりまして、アスリートファーストの観点から、競技会場における暑さ対策の推進や外国人の方も含めた観光客の熱中症予防も重要な課題であることを確認するとともに、関係各局から取り組み状況の報告を行いました。
本会議で検討した内容等に基づきまして、現在、関係各局及び国や組織委員会と連携いたしまして暑さ対策に取り組んでいるところでございます。
○伊藤委員 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を機に、世界中から多くの人が東京を訪れることになるわけであります。その中には、高齢者や小さな子供さん、また障害がある方もいると思います。全ての人に東京を楽しんでいただけるように、環境局が中心となって、おもてなしの観点からも関係各局等で連携して暑さ対策を着実に進めてもらいたいことを要望して、質問を終わります。
○白石委員 私からも、環境局の決算書に基づき、大気汚染対策に関して質問をしたいと思います。
日本の大気汚染などの公害問題は、日本経済が飛躍的に発展した高度経済成長期に工場などから排出された排煙や、自動車の急速な普及に伴い自動車からの排ガスに含まれる有害物質などの処理対策が十分に整備されていないことなどが原因で周辺の大気環境が汚染され、地域住民など多くの人の健康被害が急増いたしました。そして、社会的に規制を強化する仕組みもとられてきました。
近年では、CO2など温室効果ガスの上昇により地球温暖化が進み、集中豪雨の多発により都市部では内水氾濫などが毎年のように引き起こされるなど、地球規模で異常気象による生活の危機が迫っております。そのため、世界的に環境対策が見直され、積極的な取り組みも進められております。
東京は物流拠点などが集積をしていて、慢性的な自動車渋滞など、一極集中による弊害が都民の健康を脅かしています。そのため、一層の環境対策が求められるとともに、大気汚染の改善は東京の抱える重大な課題となっております。
そこで伺いたいと思いますが、決算書の環境改善費の中に大気汚染対策の推進という事業がありますが、その内容と執行率について伺いたいと思います。
○松永環境改善部長 都は、大気汚染対策の推進の事業の中で、一般環境大気測定局四十七局と自動車排出ガス測定局三十五局において、微小粒子状物質、いわゆるPM二・五等のモニタリングを実施しております。また、大気汚染防止法の規制対象施設の指導や、規制対象外のボイラーなどについて、環境性能の高い機器の普及促進に取り組んでおります。平成二十七年度の執行率は九一・六%でございます。
○白石委員 大気の状況などを監視することや、省エネ機器の普及を促進し大気汚染物質の削減を図る取り組みなどを行ってきたというご答弁でした。
そのような取り組みによって二〇一五年度の大気汚染の状況はどのような結果となっているのか伺いたいと思います。
○松永環境改善部長 これまで都が実施してきたさまざまな対策によりまして東京の大気環境は大幅に改善し、浮遊粒子状物質や二酸化窒素につきましてはおおむね環境基準を達成しております。
PM二・五の達成率は、一般環境大気測定局で八五%、自動車排出ガス測定局で四〇%となり、環境基準が定められた以降の五年間の中で最も高い達成率でございました。
○白石委員 昨年度のPM二・五の測定結果は過去五年間で最高だったということですが、単純に喜んでばかりではいられないということだと思います。
日本のPM二・五の環境基準は、環境基本法第十六条第一項に基づく人の健康の適切な保護を図るために維持されることが望ましい水準として、年平均値は一立方メートル当たり十五マイクログラム以下、かつ一日平均値は三十五マイクログラム以下とすることが定められております。
しかし、WHOのガイドラインでは、年間平均濃度値を一立方メートル当たり十マイクログラム以下として、二十四時間の平均濃度値を二十五マイクログラム以下とされています。日本よりも非常にさらに厳しい基準となっております。このWHOの基準で都内の測定局を改めて見直すと、都内全ての測定局が基準値オーバーというふうになります。
そもそも、日本の環境基準値は世界から見ても甘い設定となっております。その甘い基準と比較しても、二〇一五年度のPM二・五の状況は、区部の基準値を満たす一般局は七五%であり、同様に自排局では二三%と、このような到達になっております。この結果が示すとおり、依然として環境基準を満たしていない測定局が多く存在をし、PM二・五抑制対策は引き続き監視の強化と排出源を直接抑制する対策を講じる必要があると考えます。その抑制対策のファーストステップとして、発生源の究明が重要だと思います。
そこで、PM二・五の主な発生源について都はどのように認識をされているのか、見解を伺いたいと思います。
○松永環境改善部長 PM二・五が直接排出される発生源といたしましては、工場、自動車、船舶、航空機などがございます。しかし、PM二・五は、自然界から発生するものや大気中で二次的に生成されるものも多くあり、それらの詳細な発生源や生成過程は未解明なものが多くございます。
○白石委員 PM二・五は、今ご答弁あったとおり、未解明の部分もあるということです。ですが、既に発生源として解明されている工場からの排煙であったり、それから乗り物からの排ガスに対して効果的な抑制対策を講じるための具体的な検討が都としてもさらに求められているというふうに思います。
改めて伺いたいと思いますけれども、PM二・五の人体への健康影響について都はどのように認識をされているのか、またこれまでの取り組みをそれぞれ伺いたいと思います。
○松永環境改善部長 PM二・五は粒子が非常に小さく、肺の奥深くまで入り込みやすいため、呼吸器系疾患など人の健康に影響を及ぼすことが懸念されております。
このため都は、国が環境基準を定める以前の平成十三年からPM二・五を測定するとともに、ディーゼル車規制や工場等の固定発生源対策、揮発性有機化合物、いわゆるVOCなどの対策などを進めてまいりました。その結果、平成十三年からの十年間でPM二・五の濃度は約五五%減少いたしました。
○白石委員 PM二・五が人体に及ぼす影響は、吸入した際に肺の奥深くまで到達をしてとどまることによって、呼吸器系への影響に加えて、循環器系などにも影響することが世界的な疫学研究により指摘もされております。その中でも、子供や高齢者、さらにはぜんそく患者や心疾患を抱える方など、病弱者などには特に影響が及びやすいという研究結果も発表されているとおり、健康に被害を及ぼす危険な物質として、このPM二・五の対策というのは規制を強化することが必要だというふうに思います。
答弁でもあったとおり、ディーゼル車の規制強化によって大幅にPM二・五の大気中濃度を減少させたことは重要な成果だと思います。そもそもディーゼルとガソリンは燃焼の特性が違います。そのため、ディーゼルエンジンは構造上、燃料の不完全燃焼を起こしやすい特徴があり、そのことが原因でPM二・五などの微小粒子状物質などが発生しやすい決定的な課題を抱えております。
都はこれまで、乗用車を除いたトラックなどのディーゼル自動車への規制を行い、PM二・五の削減に取り組んでこられましたが、巨大タンカーなどにもディーゼルが使用されています。大型船舶などへの規制もPM二・五を一層抑制する効果的な対策の一つだと考えます。
現在、船舶などへのディーゼル規制は現段階ではされておりませんので、環境局としても早急に具体的に検討されるよう要望もしておきたいなというふうに思います。
私の地元の品川区を含めた臨海地域では、走行する自動車が多いだけではなく、船舶や航空機が集中をしており、より深刻な大気汚染が懸念をされます。臨海地域における大気汚染物質の測定結果がどうなっているのか伺いたいというふうに思います。
○松永環境改善部長 臨海地域にある中央区晴海、港区台場の二つの測定局の平成二十七年度の年平均値は、都内全域と比較して二酸化窒素で約一・四倍、二酸化硫黄で約一・五倍濃度が高くなっておりますものの、いずれも環境基準を下回っております。PM二・五の濃度は都内平均と同程度ではございますが、中央区晴海の測定局は環境基準を達成いたしておりません。
○白石委員 港区台場の一般局では環境基準値を満たしているというご答弁でした。中央区の晴海の一般局では環境基準を満たしていないというのが現在の状況だということです。
加えて指摘をしたいというふうに思いますが、品川区にある八潮地域は京浜運河沿いにある地域で、外貿コンテナターミナルとして世界から巨大タンカーなども就航する大井ふ頭があります。そこに隣接して物流センターも稼働している地域となっております。東京の中心的な物流拠点となっていることからも、大型船舶や、それからトラックなどの大型車両が集中する特徴を持った八潮地域であり、羽田空港からも約五キロ地点と近いため、大型輸送車両や船舶、航空機が集中する地帯となっております。その八潮一般測定局においても、このPM二・五の環境基準値は満たされていないというのが状況です。臨海地域の大気汚染状況は、他のエリアと比べても格段に改善が求められる地域だと思います。
都は、本年三月にまとめた環境基本計画では、PM二・五の環境基準の全局達成などの目標を掲げています。この目標を達成するためには、より詳細に実態を把握して、臨海地域を含めた新たな対策を進めることが必要と考えますが、都の見解を伺いたいと思います。
○松永環境改善部長 都は今年度、工場や自動車など、さまざまな発生源ごとに排出量を網羅的に調査しており、その結果に基づき今後の対策を検討してまいります。
また、臨海地域につきましては船舶や航空機が集中する特性があることから、国に対して排出実態や影響を把握し、排出抑制対策を講じるよう要望しております。
○白石委員 臨海地域において、PM二・五などの汚染が他のエリアよりも高くなる原因が集中している、このようなために、都は国に対して実態把握と排出抑制対策を講じるように求めているということを確認いたしました。これは非常に重要な認識だと思います。
環境局が懸念されているトラックなどの大型車両や船舶、航空機が集中するエリアだからこそ、実態解明が重要です。その立場で引き続き国に対しても強く働きかけることを私からも要望しておきたいというふうに思います。
また、健康影響が懸念されるPM二・五については、多くの都民の関心も高い問題であることから、都においても引き続き抑制対策を着実に進めるとともに、PM二・五の実態把握をするための調査活動も充実をさせていただきたいというふうに思います。
その角度からさらに質問をしたいと思いますが、一般局、自排局に限らず、より詳細に調査をすべきと考えますが、都の見解を伺いたいと思います。
○松永環境改善部長 都は、PM二・五の濃度を八十二カ所の測定局でモニタリングしております。さらに、季節ごとの発生原因の違いを把握し効果的な対策を検討するため、平成二十年度からは、都内四カ所におきまして四季ごとに二週間、PM二・五を採取し、その成分分析を実施いたしております。
○白石委員 都内のそれぞれの地域特性を考慮した、より正確な実態把握に努めるには、監視測定体制の抜本的な充実を図ることが重要だと思います。また、精度の高い正確な観測のためには、測定方法などを再度検証して練度を高めるということもあわせて必要となります。
二〇〇八年度から行っている成分分析は発生源の究明にもつながる調査でもあることから、その意義は重要だと思います。だからこそ、成分分析を測定する箇所数をふやすことや、短期間の測定となっているので、期間の延長も含めて調査を充実させることを改めて要望もしておきたいと思います。
また、PM二・五の濃度は、改善していくためには、PM二・五自体の調査はもちろん重要ではありますが、PM二・五よりもさらに粒径の小さいナノ粒子の調査も欠かせません。
そこで伺いたいと思いますが、ナノ粒子とはどういったもので、健康への影響はどのようなことが懸念されるのか伺いたいと思います。
○松永環境改善部長 ナノ粒子とは、一般に粒径がナノメートルサイズの粒子のことをいいます。PM二・五が百万分の一メートルの単位であるのに対しまして、ナノメートルは十億分の一メートルの単位であることから、極めて小さな粒子でございます。ナノ粒子は肺の奥深くまで達するだけでなく、血液中にまで入り込むため、心疾患など循環器系への影響があるといわれております。
○白石委員 PM二・五をナノの単位であらわすと二千五百ナノメートルです。ナノ粒子とは百ナノメートル以下の粒子のことを指しますから、PM二・五よりもはるかに細かいことがわかります。
もう少しわかりやすくいいますと、インフルエンザウイルスが百ナノメートルという大きさなので、同等もしくはそれ以下の微細な粒子が対象となります。その微細さから、体内に入ると血液中に侵入し、肝臓、腎臓、心臓、リンパなど全身を駆けめぐることが研究により指摘もされております。このことからも、近年、このナノ粒子が人体に及ぼす影響が問題視をされ、国を挙げた課題となっております。
ナノ粒子を多く排出するのが航空機であることが国の調査で報告をされております。環境省が二〇一〇年から調査をしている船舶・航空機排出大気汚染物質削減に関する検討調査の報告書を私も二〇一〇年から一五年までの分を全て目を通して見ましたが、その調査報告書によりますと、十から二十ナノメートルのナノ粒子が航空機を起因として発生していることが調査結果として報告をされております。
世界では、ナノ粒子など微小粒子が人体にどの程度影響を及ぼすのか疫学研究が進んでおり、研究成果が多数報告もされております。それをもとに、国においても世界的な知見を参考にして、国立環境研究所など関連する機関が連携もしまして、調査研究がこれまで進められてきております。
その調査研究なんかも私も拝見をいたしましたが、世界的に先行している、行われている実験結果では、どの論文や調査報告書を見ても、ナノ粒子が人体に悪影響を及ぼすことはないという報告はされておりません。つまり、ナノ粒子は人体に悪影響を及ぼす危険性があるということです。
例えば、マウスを検体とした動物実験では、ナノ粒子を暴露させた結果、雄、雌ともに異常を示す影響が出たことが報告をされております。その実験結果から得られた知見はどういうものかといいますと、マウスの生殖系に影響を及ぼすというようなことが研究結果でも示されております。また、脳神経系にまで影響を与える可能性も示唆されていると、このような調査報告書も出ております。
粒子が小さいことから、健康影響も懸念されるこのナノ粒子については、環境科学研究所でも先駆的に調査研究を進めていたというふうに思いますが、その状況について伺いたいと思います。
○松永環境改善部長 ナノ粒子は測定自体が大変難しく、また標準的な測定手法も未確立でございます。
東京都環境科学研究所では、自動車の排出ガスなどに含まれるナノ粒子の実態把握に向けた調査手法などを研究いたしております。
○白石委員 今後とも、PM二・五などの大気環境の改善に向けた、そして今質問でも取り上げたナノ粒子も含めて、調査研究を環境科学研究所と連携してさらに進めてほしいということを要望しておきたいと思います。
大気汚染の改善を図るには、それぞれの物質が人体にどのような影響を及ぼすのかの正しいリスク評価を世界的に蓄積された疫学知見に基づいて認識を深めて、正確な実態把握のためにきめ細かい監視体制の整備強化が必要です。さらに、大学や研究機関などとの連携も強化をして原因解明を進めること、そして発生源に対する規制強化に行政が主体的に取り組むことが重要と考えます。
つまり、リスク評価、きめ細かな実態把握、原因解明、規制抑制対策をパッケージとして位置づけて強化充実を図るため、環境局が積極的に施策を展開し、東京の大気汚染の改善にこれまで以上に取り組んでいただきたいということも重ねて要望いたしまして、質問を終わりたいというふうに思います。
○斉藤委員 それでは、私の方からも何点か伺いますが、前半としては、省エネ法の改正を受けた東京都の取り組みについて幾つか伺います。
東京都は、従来より日本を牽引するという意欲で、環境施策についてトップランナーとしてさまざまチャレンジを行ってきました。平成二十五年に改正された省エネ法については翌年の四月より施行されましたけれども、もちろん東京都の取り組みはこの法の先を行っていたというふうなものであったと思います。
大変大きなイベント、節目でありますこの法改正、これを軸に質問をしていきたいと思います。
この省エネ法の改正趣旨としては、一番目として、電力需給バランスを意識したピーク対策をどうするか、二番目として、エネルギー消費量が特に大きく増加している業務、家庭部門での省エネ性能の向上をどうするか、そして、三番目として、運用面からの省エネ対策というのが大変大きな特徴だというふうにいわれています。
まず電力需給バランスを意識した電力の消費のピーク対策について、ピークシフトといっても、設備などの稼働時間帯の変更だけじゃなくて、コージェネレーションシステムを導入した、こういったエネルギー源の変更というのも有効であり、ヒートポンプなどによる熱利用もできるために、節電によるピーク電力削減、エネルギー消費量の削減といった効果が期待できるというふうにされております。
最近よく耳にするようになりましたBEMSですけれども、BEMSが入ったオフィスビルなどではこういった設備導入というのが行われているわけでありますが、平成二十七年度における東京都の取り組みの考え方、そして実績がどうあったのか伺います。
○小川都市エネルギー推進担当部長 電気を使用する施設などで発電を行う分散型電源でありますコージェネレーションシステムは、電力需要の多い時間帯に稼働させることでピークシフトに寄与いたします。あわせまして、排熱を有効利用することで省エネルギー、省CO2に効果を発揮いたします。
このため、都は昨年度、先生お話しのBEMSなどによるエネルギーマネジメントを実施することを条件に、コージェネレーションシステムや電気や熱を融通するための設備を対象といたしました支援事業を開始いたしました。この事業は平成三十一年までの五カ年間を予定しておりまして、初年度に当たる平成二十七年度は三件、総額約十四億円の交付決定を行いました。
○斉藤委員 三件ということで、総額が三件でも十四億円という、億単位の支援というふうなことになっております。
それでは、病院、ホテルなどの経常的に多くの電力を使う施設が東京都内たくさんございますけれども、かなり環境への効果がこういった導入などで期待できるんじゃないかというふうに思うんですが、事業者としてもエネルギーコストを削減できるというメリットがあわせてありますので、これは両者にとっていい方向に向くということであります。中でも、空調設備については、運転の方法によってかなり効率のよいエネルギー消費というものが可能だというふうに聞いております。
さて、そのようなエネルギーコスト削減について、東京都はいわゆる民間に対して範を垂れる側というふうになるわけなんですが、それでしたら、自前の東京都の建築物に対してはどのような取り組みを行ったのでございましょうか。恐らく直接環境局がかかわるもの、そうじゃない、環境局ではない他局の建物についてもいろいろアドバイスなんかも、きっと厳しく指導しているんじゃないかというふうに思うんですけれども、そのあたりはどうなっているんでしょうか。
○松下地球環境エネルギー部長 都は、温室効果ガスやエネルギー消費量の削減にみずから率先して取り組むため、平成二十七年度にスマートエネルギー都庁行動計画を策定いたしました。この計画に基づき、知事部局等を対象として、照明や空調利用時の運用対策の徹底による省エネ、節電の推進や設備更新等における高効率設備の導入推進など、さまざまな省エネルギー対策を進めております。
こうした取り組みの一環といたしまして、環境局では直接各局の事業所に出向きまして、各種測定に基づいた照明設備設定や空調設備の運転最適化など、大規模な取り組みを行わなくてもできる身近な省エネルギー対策につきましてアドバイスを行う、省エネ診断を実施しております。
○斉藤委員 環境局の方で他局の方にも実際に行って、身近な省エネ対策をアドバイスしているというんで、ちょっと来られた方はきっとけげんな顔をしているかもしれないんですけれども、でもこれぐらい環境局がやらないとなかなか他局に浸透するというのは難しいかなというふうに思いますので、遠慮なくやっていただきたいと思います。
都有施設では既にESCOを導入して取り組んでいるというふうにも聞いておりますけれども、エコチューニング、いわゆるソフトESCOについてもぜひ積極的に取り組んで、エネルギーコストの削減、環境負荷の低減、これをぜひ一生懸命やっていただきたいと思います。
私ども都議会民進党は、エネルギーロス、いわゆる熱損失の少ない、このエネルギーロスの少ない建築物の普及については、委員会でも、予算特別委員会でも求めたりしてまいりました。これも引き続き前向きに取り組んでいただきたいと思うんですが、そのほかの手法として、省エネ性能の高い設備投資という方法もございます。よく設備投資、新しいものにして、かえって、そのときは高いものを買っても、エネルギーの分で安くなるというような設備投資という方法があるわけですが、経営上のタイミングというものもありますので、どこでもすぐにできるというふうなことにはなかなかなりません。
ただ、そうはいっても、メンテナンスとかランニングの仕方によって省エネ効果というのは相当変わってくるということで、運用面での省エネの取り組みというのを今後も有効な取り組みとして、そこもまたお願いしておきたいというところであります。
さて、ちょっと冒頭、改正法の話をしましたけれども、この中においても触れておりましたが、家庭においても、せっかく省エネ機器や高効率機器というものを導入しているというか、購入しているのに、十分に使いこなせないまま、大変もったいないことになっているというふうな場合もあります。また、もったいないことになっていること自体を気がついていないという場合も多いわけであります。
家庭用の電気製品なども省エネ性能をうたった新製品は毎年のようにたくさん販売されているわけなんですが、買うときもそこに引かれて購入するという家庭も実際に多いとは思うんですけれども、実際に設置したり、もしくは買ってから省エネモードにするのを忘れていた、もしくは気がつかなかったということで、初期設定そのままに使っているということも結構あるようであります。
その機能を上手に操作できないというふうなこともあって、こういうエネルギーロスが起こるんだと思うんですが、これは家庭という大変細かいところですけれども、これは東京都、何らかアプローチができているのか、そこはどうなんでございましょうか。
○松下地球環境エネルギー部長 家庭の省エネを進めるため、都では、平成二十七年度においても家庭の省エネハンドブックを作成いたしまして、省エネアドバイザーが効率のよい家電の使い方を助言する省エネアドバイスを行っておりますほか、都の認定を受けた診断員が直接家庭を訪問いたしまして省エネ診断を実施するなど、家庭における省エネを促す取り組みを進めてまいりました。
今後も、省エネアドバイザー制度を効果的に活用し、省エネアドバイス等を行う機会をふやしてまいります。また、区市町村が実施する環境イベントにも省エネアドバイザーを派遣するなど、家庭での省エネの取り組みを進めてまいります。
○斉藤委員 なかなか家庭での取り組みというのが東京都は手が出せないんじゃないかなというふうなちょっと心配をしていたんですが、かなりそれなりに家庭の方にも手を出しているということで、非常に細かい作業かとは思いますけれども、ぜひ頑張っていただきたいと思いますし、そういった取り組みが進んでいるということもよくわかりました。
それでは、一方の建築物の方で、建築物環境計画書制度、これについては都市開発諸制度や都市再生特区など、容積率緩和を受ける都市開発において、環境配慮の具体的な指標として使われるなど、建築物の環境性の確保についてこの制度は役割を果たしているというふうにいえると思います。これについて伺います。
環境配慮への取り組みですけれども、各プロジェクトの中でのさまざまな取り組みの一つというふうになると思いますが、この環境計画書制度において平成二十七年度の特徴的な取り組みというものがありましたら、ぜひ教えていただきたい。
○小川都市エネルギー推進担当部長 委員お話しの建築物環境計画書制度では、大規模な建築物の新築等をしようとする建築主に対しまして、エネルギー使用の合理化、資源の適正利用などの四つの分野につきまして積極的な改良、環境配慮を求めるとともに、その措置を記載した計画書の提出を求めるものでございます。
例えば、平成二十七年度に都市再生特区として都市計画決定がなされた事業に係る計画書では、高効率コージェネレーションシステムの導入によるエネルギーの効率的利用やBEMSを利用したエネルギー消費量の詳細把握、また高性能ガラスの採用による断熱性の向上などの記載が見られました。
○斉藤委員 一口に再開発や都市再生といっても、オフィスビルや、ホテルとオフィスが一緒に入っているビル、商業施設も入っているビルなど、さまざまそれぞれ用途によって特徴があります。競争力を担保しながらも環境負荷を低減するには、まさにこの環境計画書制度が目指してきた環境負荷の低い建築物というものが市場において高い評価を得るという構図が東京において実現をしなくてはなかなか進みませんし、この実現をすることが理想であります。ぜひその理想に向けて、東京都については引き続き取り組んでいただきたいと思います。家庭においても、またこういった企業においても、ぜひ頑張って取り組んでいただきたいと思います。
さて、先ほどはコージェネの方で非常に十四億円という大きな支援の費用もありましたが、ちょっとじゃあ、個別にこの再生可能エネルギー関係で一つ伺います。
地中熱について伺います。
東京スカイツリータウンに導入をされているのが結構紹介をされたりして、少し知られてきたかなという感じの地中熱利用設備でございますけれども、東京都は平成二十七年度に導入支援の制度を創設しました。九月に受け付けを開始したというふうになっております。そのかかる費用の総額の六分の一を補助して、一件に当たり上限額は二千万円という内容でございました。これも割と大きな額ですね。この導入経費の総額においては一億二千万円程度の案件というのが一件当たりについて想定されているということでありますから、大変それ自体が大きな仕組みであるということになります。
従来から、普通の家庭のエアコンを見ても、室外機の排熱で外気温が上昇するというものを何となく見ていると、この排熱を、地中との温度差を利用してこのエコを進める地中熱利用というのはなかなかいいシステムだなと、ヒートアイランド現象の緩和も期待できるなというふうに私も見ておりました。
今回、一般企業がこの地中熱利用にどのくらい関心があるのかというのがこの受け付けの状況を見ればわかるかなというふうに期待をしておりました。
都内では、実際に今回の二十七年度の取り組みとは関係なく、既に百件程度の事例があるらしいんですが、少ないようにも思いますし、それでも百件あるんだというふうにも思うわけなんですが、この補助制度の申し込みに平成二十七年度、実際何件ぐらいあったのか伺います。
○小川都市エネルギー推進担当部長 昨年度の補助事業の実績についてでございますが、事業者からの申請はなく、執行には至っておりません。
○斉藤委員 実績がゼロだったというふうなことであります。執行率もゼロということで、ちょっと大変残念でございます。地中熱利用については、冷暖房などの熱需要が一定規模生じる用途の建物でないと、それなりの規模でないと難しいということは承知をしていたんですが、せっかく支援制度をつくりながら、この申請がなかった、活用がなかったということは、本当にちょっと個人的にも残念であります。これでちょっと少し、先々の需要が、どういうところで関心を持っているのかというのも同時にわかるかなと思った分だけ、ちょっと残念でございます。
東京都、地中熱利用の普及拡大に向けては、ちょっとそういうふうに企業の関心が乏しかったというか、なかったというふうなことで、そうなってきますと、この普及拡大、どのような課題があると認識をしているのか、そこはどうなんでございましょうか。
○小川都市エネルギー推進担当部長 地中熱利用の普及拡大における課題でございますが、まず地中熱の導入には、地中からどの程度熱がとれるか事前に把握するための試験を行い、その結果に応じた設備の設計を行う必要があるほか、地中を百メートル程度の深さまで掘削するボーリング工事が必要であり、コストを押し上げる要因となってございます。
また、同じ熱利用でございましても、太陽熱の利用に比べまして歴史が浅く、地中熱の利用に対しては都民、事業者の認知が十分に進んでいないものと考えられます。この二点が大きいものと考えてございます。
○斉藤委員 コスト、特にボーリング調査を先にやらなきゃいけないという意味で、かなり先に準備を進めて、その調査の結果によって設計も進むらしいというふうなこともちょっと背景にあるらしいということで、コストやこの地中熱そのものの認知度というものに対して課題があるんじゃないかということであります。
ところで、それだったらば、それこそ先ほどの話、まさに東京都の、範を垂れる側の方の姿勢として、先ほどもちょっと話を聞きましたけれども、この地中熱においても東京都みずからの施設での導入というものをやっぱり進めて、関心がある企業を掘り起こさなきゃいけませんし、また実際にどのぐらい効果があるのか示さなくてはいけないと思います。
東京都において、地中熱の利用について基本的な考え方というのはどのようになっているんでしょうか。
○小川都市エネルギー推進担当部長 都では施設の新築、改築を行う際に、省エネ・再エネ東京仕様に基づきまして、施設の特性や立地状況に応じて地中熱利用の検討を行い、また導入を図っておるところでございます。現在建設中の武蔵野の森総合スポーツ施設におきましても地中熱利用設備の導入が予定されているところでございます。
○斉藤委員 いろいろ施設が、オリンピック・パラリンピックの予定施設においても導入というものがいわれておりますこの地中熱利用であります。建物自身の方が目立ってしまう報道なんかも多いんですけれども、ぜひこの地中熱の利用については、それを押しのけてでも、一番、どんどんどんどんPRを導入したものについては、いっていかなくてはいけないかなというふうに思います。
こうした地中熱利用を新しい東京都の施設において導入するということについては、都民、事業者にやはり積極的なPRというふうになっておりますし、ぜひこれの建設にかかった方も、企業側の方もこのPRをしてもらいたいなと思います。
決算ですから、申請者がゼロというふうになると、いやこれちょっとニーズがないんじゃないかとか、ちょっと内容的に課題が、問題が多いんじゃないかとかいう話になって、翌年度から意気消沈でやめてしまうみたいなことも出てくるんでしょうけれども、私としては、この地中熱利用、まだまだこれからということで、ここで変に諦めてほしくないなというふうに個人的には思っています。
最後にちょっと伺うんですが、今後の展望として、民間企業の関心を引くこと、これも含めて、実際に今回の反省を踏まえて、普及について東京都はどのように取り組んでいくというふうになるんでしょうか。そこを伺います。
○小川都市エネルギー推進担当部長 都は昨年度、都民、事業者の認知度向上を図るために、地図上に採熱量の目安を示します地中熱ポテンシャルマップを作成いたしまして、ホームページ上で公開いたしております。このマップでは、二百五十メートルから五百メートルの区画で採熱量の目安を色分けで表示するなど、地中熱利用のポテンシャルを直感的に理解できるものとなってございます。
この地中熱ポテンシャルマップを活用した普及啓発を展開いたしまして、地中熱利用のメリットを広く都民、事業者にアピールするとともに、今年度開始いたしました地産地消型再生可能エネルギー導入拡大事業で引き継ぎまして、初期投資に対する支援を継続してまいります。
○斉藤委員 私もちょっとサイトで、ホームページなんかで見ていたら、この地中熱ポテンシャルマップというのがありましたので、随分、こういう取り組みもしているんだなというふうに思いました。以前、太陽光発電については、屋根台帳みたいなものを取り組んでおりましたけれども、多分それの地中熱版なんだなと思って、こういうことももう先んじてやっているんだなというふうに思ったんですが、残念ながらなかなか、わかってもらえなかったというのは悔しいところであります。
特に、大きな規模でないとできないというふうなことで、個人で興味があっても自分の家にというふうになるのはまだまだ相当先だと思いますし、やはり東京都の方の施設なんかで実績積み重ねていかないとなかなか広まっていかないのかなというのも質問を通じて感じるところであります。
ぜひ、この地中熱利用の促進に対する都の取り組みは始まったばかりと私なんかは認識しておりますので、ぜひ今後、きちんと展開をして、ちょっと二十七年度の決算としては残念でございましたけれども、これ以降、その部分を、結果を生かして、反省も含めて生かして、ぜひ積極的に、くどいぐらいにPRをしていただきたいと思います。
以上で質問を終わります。
○野上委員 私からは、再生可能エネルギー拡大に向けた取り組みについて伺います。
二〇一一年三月の東日本大震災が起こりまして、また福島第一原子力発電所事故によって根本的に見直されることになりましたこの日本のエネルギー政策において、再生可能エネルギーを最も重視するべきであるということについては、日本のみならず、国民のみならず、東京都民、特に日本の中で最大のエネルギー消費地である、その場所に住む都民においても特に合意をされていることだというふうに思っております。
そのような状況の中、太陽光発電や、あるいは風力発電等の普及の切り札となることを期待されておりましたのが再生可能エネルギー特別措置法でございます。この法律によって新しい再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度が平成二十四年七月にいわゆるFIT制度が開始され、日本の太陽光発電市場は急速な発展を遂げております。しかし、ここ一、二年、買い取り価格の低下などの影響により太陽光発電の普及は伸び悩んでいるところです。
今後さらに太陽エネルギー利用の普及拡大を図る上で、システムの導入を支援する取り組みは非常に重要であるというふうに考えております。
そこで、平成二十七年度に都が実施した太陽エネルギー利用システムに対する補助実績について伺います。あわせて、過去に都が実施してきた太陽光発電システム補助制度とFIT制度との関係についてお伺いをいたします。
○松下地球環境エネルギー部長 平成二十七年度の家庭の創エネ・エネルギーマネジメント促進事業におきまして、都が太陽光発電システムに対して行った補助実績は千二十五件、三千七百八十二キロワットでございました。また、集合住宅や戸建て住宅に太陽熱利用システムを設置する集合住宅等太陽熱導入対策事業、この事業における補助実績は十一件でございました。
なお、都は、平成二十一年度から二十四年度まで四年間にわたり、太陽光パネル設置に対する補助を実施いたしまして、その後、引き続き平成二十四年七月からは国においてFIT制度が始まり、この間、一貫して太陽光パネルの価格は低減してきております。
○野上委員 固定価格買い取り制度の改正に伴って、八月一日以降、太陽光発電の認定案件が、運転開始前に太陽電池のメーカー、種類を変更できるようになっています。こうしたことから、設備認定後の太陽電池を変えれば調達価格が見直されるため、事実上変更することができるようになりました。こうしたことから、少し太陽光の方にも後押しができるんではないかなというふうに考えております。
ぜひともこうしたチャンスを物にしていただいて、さらなる普及に取り組んでいただきたいと思います。
また、再生可能エネルギーの拡大とあわせて重要なのが、エネルギー利用の高度化、効率化であります。熱電併給が可能なガスコージェネレーションシステムは、熱と電力を同時再生する設備であり、熱を主体に生み出す燃焼機関は電力を生み出す可能性があること、また電気を生み出す燃焼機関は同時に熱を放出している、これを互いに再利用することで限られているエネルギー資源を最大限に活用できるという、非常に大きなポテンシャルがあるというふうに伺っているところです。オフィスビルなどエネルギー需要の大きい施設では、熱を有効に活用できるため、特に高い効果が期待できるところです。
さらに、ICT技術を活用したBEMSを導入し、最新の空調設備やLEDなどの省エネ機器と組み合わせたエネルギーのマネジメントを実施することで、より高いレベルの省エネ、省CO2が実現できると考えております。
こうしたコージェネレーションシステムの導入やエネルギーマネジメントの促進に都はどのように取り組んできたのか伺います。
○小川都市エネルギー推進担当部長 都は昨年度、オフィスビルなどを対象に、スマートエネルギーエリア形成推進事業を開始いたしまして、コージェネレーションシステムや電気、熱を建物間で融通するための設備に対する支援を実施いたしました。実績は三件、合計約十四億円の交付決定を行っております。
○野上委員 他の委員からも質問がありましたけれども、コージェネレーション設備は発電機の一種ですから、非常に、設置工事においてイニシャルコストが非常に高いということはいわれているところです。この交付金額も十四億円ということで、新たな開発であるとか、ある一定以上の地域での開発というか、改修であるとか、そういったことを機会を捉まえて導入をするということが非常に効率的であるということがわかります。
ぜひとも、今後、次年度に向けて区市町村とも連携を図りながら、あるいはある一定以上の改修工事や開発がある部分については、東京都からもご提案やアドバイスなどをしていただきながら、普及に向けて取り組んでいただければと思います。
電力や熱を多く消費する中小の医療福祉施設に対してエネルギーマネジメントを実施して、創エネ、再エネ機器等を導入することも必要であると思います。特に医療機関や福祉施設においては電力の消費が非常に高いところですので、これは非常に効率的であるというふうに考えております。
都が実施しました中小事業所向けエネルギーマネジメントの実績について伺います。
○松下地球環境エネルギー部長 中小医療福祉施設等に対し、熱や電気を有効利用するためESCO事業者を活用することで、創エネ、省エネ機器等の導入を図る中小事業所向け熱電エネルギーマネジメント支援事業を実施いたしまして、平成二十七年度の実績は五件、約二億円でございました。この事業によりエネルギーマネジメントを導入した施設につきましては、平均して一四%、ピーク時の省エネルギーの削減効果があると報告されております。
○野上委員 分散型電源であるコージェネレーションシステムの導入あるいはエネルギーマネジメントシステム構築というのは、今後本格的に導入が始まるデマンドレスポンスにおいても効果が期待できるところでございます。今後ともしっかりと取り組みを進めることを要望いたしておきます。
最後に、将来にわたって安定的にエネルギーを利用していくためには、限りある資源である化石燃料に過度に依存するのではなく、再生可能エネルギーをふやしていくことが必要であるというふうに考えます。
そこで、長期にわたり安定して電力供給を受けていくためには、こうした課題についてどのように認識し、どのように取り組んできたのか伺います。
○松下地球環境エネルギー部長 都民が長期にわたり安定して電力を利用していただくためにも、太陽光発電等の再生可能エネルギーの導入拡大が不可欠であると認識しております。
そのため、平成二十七年度に策定した環境基本計画では、都内の再生可能エネルギーによる電力利用割合を二〇三〇年までに三〇%程度に高めるという目標を掲げており、目標達成には需要と供給の両面からの取り組みが必要であります。需要面では、省エネ、節電の着実な推進によるエネルギー消費量の削減、また供給面では、ソーラー屋根台帳を活用した普及啓発等による太陽光発電の導入を促進いたしました。
○野上委員 地球温暖化防止の観点からも再生可能エネルギーを活用していくことは大変に重要であります。また、この再生可能エネルギーを進めていくことによってやはり技術革新を起こしていくとか、あるいはRアンドDを進めていくことが--再生可能エネルギーを進めていくことによって、その影響というものは産業界にも大きく広がっていく要素があります。この事業については東京都はきちんと目玉として取り組んでいただいて、東京の産業や、あるいは技術革新についてもよい影響を与える事業として進めていただきたいと思います。
これからも再生可能エネルギーの利用拡大に向けた取り組みを着実に進めていただきたいということを要望いたしまして、私からの質問を終わります。
○山崎委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山崎委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で環境局関係を終わります。
以上をもちまして第三分科会における決算の審査は終了いたしました。
なお、本分科会の審査報告書につきましては、分科会委員長において取りまとめの上、委員会委員長に提出をいたしますので、ご了承願います。
これをもちまして第三分科会を閉会いたします。
午後二時三十四分散会
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