委員長 | まつば多美子君 |
副委員長 | 神林 茂君 |
副委員長 | 植木こうじ君 |
加藤 雅之君 | |
和泉ひろし君 | |
川松真一朗君 | |
和泉なおみ君 | |
近藤 充君 | |
西崎 光子君 | |
島田 幸成君 |
欠席委員 なし
出席説明員病院経営本部 | 本部長 | 内藤 淳君 |
経営企画部長 | 矢田部裕文君 | |
サービス推進部長 | 谷田 治君 | |
経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 大久保達也君 | |
福祉保健局 | 局長 | 梶原 洋君 |
次長理事兼務 | 山岸 徳男君 | |
技監 | 笹井 敬子君 | |
総務部長 | 後藤 啓志君 | |
指導監査部長 | 松浦 慎司君 | |
医療政策部長 | 西山 智之君 | |
保健政策部長 | 上田 隆君 | |
生活福祉部長 | 坂本 尚史君 | |
高齢社会対策部長 | 西村 信一君 | |
少子社会対策部長 | 松山 祐一君 | |
障害者施策推進部長 | 高原 俊幸君 | |
健康安全部長 | 小林 幸男君 | |
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 奈良部瑞枝君 | |
事業推進担当部長 | 古賀 元浩君 | |
医療改革推進担当部長 | 成田 友代君 | |
医療政策担当部長 | 矢沢 知子君 | |
地域保健担当部長 | 本多由紀子君 | |
生活支援担当部長 | 高橋 博則君 | |
施設調整担当部長 | 村田 由佳君 | |
子供・子育て施策推進担当部長 | 横手裕三子君 | |
障害者医療担当部長 | 平賀 正司君 | |
食品医薬品安全担当部長 | 仁科 彰則君 | |
感染症危機管理担当部長 | 矢内真理子君 |
本日の会議に付した事件
平成二十七年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
病院経営本部関係
・平成二十七年度東京都一般会計決算(質疑)
福祉保健局関係
・平成二十七年度東京都一般会計決算(質疑)
・平成二十七年度東京都母子父子福祉貸付資金会計決算(質疑)
・平成二十七年度東京都心身障害者扶養年金会計決算(質疑)
○まつば委員長 ただいまから平成二十七年度各会計決算特別委員会第二分科会を開会いたします。
本日から四日間にわたり、本分科会所管局の決算に対する局別質疑を行ってまいります。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、病院経営本部及び福祉保健局関係の決算に対する質疑を行います。
これより病院経営本部関係に入ります。
決算の審査を行います。
平成二十七年度東京都一般会計決算中、病院経営本部所管分を議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○矢田部経営企画部長 去る十月十四日の本分科会におきまして要求のございました資料についてご説明申し上げます。
お手元にお配りしてございます平成二十七年度各会計決算特別委員会第二分科会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
資料は、表紙の目次にございますように、1、各公社病院の経営指標の推移から4、公益財団法人東京都保健医療公社における障害者雇用率の推移までの四点でございます。
恐れ入りますが、一ページをお開きいただきたいと存じます。1、各公社病院の経営指標の推移でございます。
各公社病院における経営指標の推移を平成二十三年度から五カ年にわたって、入院、外来別に記載しております。
二ページをお開き願います。2、各公社病院における医師・歯科医師(診療科別)及び看護職員の定数及び現員の推移でございます。
二ページの(1)から六ページの(5)までは医師及び歯科医師、七ページの(6)は看護職員に関して、過去五年間の定数と現員の推移を記載しております。
八ページをお開き願います。3、公社病院における看護職員の中途退職者数の推移でございます。
公社病院における看護職員の四月一日から三月三十日までの退職者数と三月三十一日の退職者数の推移につきまして、それぞれ記載しております。
九ページをごらんください。4、公益財団法人東京都保健医療公社における障害者雇用率の推移でございます。
公社における各年度六月一日現在の障害者雇用率につきまして、その推移を記載しております。
簡単ではございますが、以上で要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○まつば委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○近藤委員 それでは、私から病院経営本部の二十七年度決算について幾つかお尋ねをさせていただきたいと思います。
東京都の一番大きな仕事は、都民の生命、財産を守ることでありますけれども、その中でその生命のうちの医療とか、病気の治療と、こういったことで公社病院の皆さんにお世話になるわけでございますけども、その公社病院の経営状態と、そして私は最後に公社病院でも未収金が残念ながらありますから、その辺につきましてちょっとお尋ねをさせていただきたいというふうに思います。
先般の分科会の説明におきましても、病院経営本部所管の一般会計における歳出といたしましては、地域病院費における管理費、約百二十四億五千六百万円、病院等の整備に要する経費は約六億三千九百万円であったとの説明を受けました。
病院経営本部が所管する一般会計の大半を占める管理費は、公益財団法人東京都保健医療公社に対する補助金でありますので、現在この公社は六つの公社病院とがん検診センターを運営しているわけでありますが、一般会計を審議するに当たり、まずは公社の経営状態が明らかにされませんと、その内容がよく見えてこないということがあると思います。そのため、公社として経営状況、とりわけ公社病院の収支状況を明らかにする必要はあるんだというふうに思っています。
初めに、平成二十七年度における公社病院の診療実績についてお尋ねをしたいと思います。
○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 東京都保健医療公社は、平成二十四年度から二十八年度までを計画期間としました公社活性化プランⅢに基づき、医療で地域を支えるを基本理念といたしまして、地域医療のさらなる充実のため取り組みを行っております。
平成二十七年度の公社六病院全体の診療実績でございますが、延べ入院患者数は五十七万六千七百八十四人で、前年度と比べ六千五人の減となっております。これは地域の病院や診療所と医療連携を進めた結果、平均在院日数が前年度と比べて〇・三日減となり、十・八日に短縮されたためと分析しております。
一方、新入院患者は四万九千六百十九人であり、前年度と比べまして千二百八十二人増加しております。また、延べ外来患者数は八十五万七千七百八十一人で、前年度と比べまして一万四千九百十九人の増となっております。
○近藤委員 ご説明ありましたように、病院、特に東京都の公社病院でありますけども、こういった信頼の厚い大きな病院にはやはり患者さんがふえているというのが実態なんだというふうに思います。入院の日数は、ドクターたちのご努力によって、早期退院ということにも努めていただいて、地域包括もありますから、違う病院へということにもなりますけども、こういった依存度が大きくなってきているということが今のご説明でわかりました。
次に、平成二十七年度の診療実績を踏まえて、公社病院全体における診療にかかわる収支である医業収支と東京都からの運営費補助金の状況がどのようであったのかを伺いたいと思います。
○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 平成二十七年度の医業収支につきましては、医業収入は総額で約四百二十八億七千七百万円、医業支出は総額で約四百七十八億八千九百万円でありました。この結果、医業収支比率は八九・五%となり、前年度と比べ〇・六ポイント改善しております。また、東京都から公社に対する病院運営費補助金は約五十六億三千百万円で、前年度と比べまして約四億五千五百万円の減となっております。
○近藤委員 ご説明ありました収入と支出を簡単に計算すれば、五十六億のマイナスということになりますけれども、これは多少管理等のこともあるでしょうから、やむを得ないのかなというふうに思いますけれども、前年度と比べて四億五千万円の減となっているという実績もあるわけですから、これはご努力をされているんだというふうに思います。
では、どのような、こういった今私は努力というふうな先にいっちゃいましたけども、どのような経営努力によって収支状況が改善してきたのかをお尋ねしたいと思います。
○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 医業収支に関しましては、平均在院日数の短縮に努め、入院患者一人当たりの単価を引き上げるとともに、救急患者の積極的な受け入れなど、新規患者の獲得に努めたことにより、前年度と比べまして七億五千九百万円の収入増につながったと分析しております。
医業支出につきましては、診療収入の増加に伴う材料費の増、看護師等職員の充足などによる給与費の増があったものの、後発医薬品の導入促進等により、材料費の増加を抑えたことで、前年度と比べまして、五億二千百万円の費用増にとどめることができたということでございます。
今後も地域の医療機関との連携強化や救急患者の積極的な受け入れなど、地域の医療ニーズに応えていくとともに、診療報酬改定に対応しました施設基準の取得による診療単価の向上により、公社病院の経営改善に積極的に取り組んでまいります。
○近藤委員 ただいま説明がありました。地域医療機関との連携強化、または救急患者の積極的な受け入れなどということで、こういった改善がされてきたのだということでございますけども、救急医療の実績と取り組みについてでありますが、平成二十七年度の公社病院の決算状況につきまして、医業収入が増加して改善してきたことは今のご説明のとおりであります。さて公社病院でも積極的に受け入れを行っているという今ご説明にあった救急患者についてでありますが、東京消防庁の統計書によりますと、東京都全体でも医療機関等に収容される数は年々増加傾向にあるというふうに報告があります。都は、救急医療の東京ルールを推進していらっしゃいますから、この公社病院もその一翼を担っているんだというふうに思います。
そこで、救急医療について、平成二十七年度における実績及びその取り組み内容についてお尋ねをしたいと思います。
○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 公社病院では、東京ルールにおいて、地域救急医療センターに参画するなど、救急搬送患者の受け入れを原則断らないというルールを徹底し、受け入れることができなかった理由を検証し、改善を図るなど、救急搬送患者の受け入れ拡大に努めています。
平成二十七年度における公社病院全体で受け入れた救急患者数は八万八千四百六十六人、前年度に比べまして千二百二十四人の増となっております。五年前の平成二十二年度と比べますと一〇・五%増加しております。
また、平成二十七年度は、重症患者の受け入れ体制を強化するため、ハイケアユニットを多摩北部医療センターに四床、豊島病院に八床整備したところでございます。
○近藤委員 ご説明ありがとうございました。救急医療の必要性というのは、これは誰もがいざというときに救急車を呼んで、しっかりした病院で助けてほしい、誰もが思うことであります。まだ私は乗ったことありませんけれども、乗らないにこしたことはないわけですが、救急医療を安直に受け入れると、今度逆に病院もパンクをしてしまうという実態もありますし、ドクターがそれこそ二十四時間寝れないなんていうことはざらにあるわけでございまして、シャープ七一一九だったでしょうか、あれは直接皆さんのところの仕事じゃないんですけれども、例えば消防庁とか、福保の皆さんと連携して、きちっとそういったことも普及をしていただいて、健全な救急搬送、救急医療ということにおつなぎをいただきたい。
極端なことをいうと、私どもの多摩の西部の方へ行くと、ちょっと救急車が面倒を見ていただける範囲が広くなってきますと、高齢者が多くなってきて、タクシーがわりに救急車を呼んでしまうということもありますから、これは直接皆さんの所管ではありませんけれども、ぜひ東京都の仕事として連携をとっていただければありがたいというふうに思います。
さて、経営改善はされてきたものの、未収金というものの存在がございます。救急医療の体制の整備は、都民にとっても安全・安心のため、公社病院が地域から期待される医療分野であることは間違いありません。引き続き救急医療の充実を図るよう心から強くお願いをさせていただきたいというふうに思います。
さて、救急で医療機関を受診できることは、私たち都民にとっても非常に安心できることではありますが、一方で、救急で受診した際には、持ち合わせがない、現金を持っていない、その場で診療費が払えないという人がいらっしゃるんだそうです。
このような救急受診のほか、患者が何らかの理由で支払わない診療費は未収金ということになります。昨年度の各会計決算特別委員会でも私は同様の質問もしたんですが、未収金発生には経済的な理由など、さまざまな理由があるものの、支払っている患者との公平性の観点からお尋ねしていきたいと思います。
普通は、私どもの感覚からすれば、お金を払わなきゃ病院で診てもらえないというふうに思っていますけれども、残念ながら未収金の存在もあることは事実でございます。平成二十七年度の公社病院の未収金の残高の推移についてお尋ねをしたいと思います。
○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 未収金についてでございますけれども、公社病院の収入の大半は、患者の診療費によるものであり、病院経営上も近藤委員のお話にあったとおり、公平性の観点からも重要な問題と認識してございます。各病院は、日々未収金の回収と発生防止に努めております。
平成二十七年度末における公社病院の過年度未収金の残高につきましては四千十七万円となっております。平成二十二年度末の残高六千二百九十一万円と比べまして、二千二百七十四万円の減、率にして三六・一%の減少となっております。
○近藤委員 都民の生命を守るという公社病院の崇高な役目を考えれば、お金なんか気にしないで診てあげるよと本当はいいたいところですけども、江戸時代の赤ひげ先生じゃありませんから、それはなかなかそうはいかない。先ほどから私も申し上げました、今、部長からもご答弁あったように、公平性の観点という点をぜひ重要視していかなきゃいけないんだと思っています。
ただ、ご努力によって未収金が減っていることも事実であります。ただ、あることも事実です。今ご説明ありましたように四千万円ですから、この四千万円が大きいかちっちゃいかという問題もありますが、私にとってはちょっとびっくりする。ただ、これはよく調べてみると、私どものまちの一般の大病院でも未収金というものは存在するんだそうでして、とても大きな悩みの種だというふうに病院経営者から私たちも話を聞くことがあります。
未収金の発生につきましては、患者さんのやむを得ない事情もあるんだとは思いますが、例えばこれは全部が全部ではないんですけれども、外国人の方の未収金もあるというふうに聞いています。例えば外国人の方で日本へ海外旅行に来るような方というのは、十中八九、日本人のクレジットカード保有率よりも、海外の方の方が保有率は高いんですね。ですから、そういう点ではクレジットカードをお持ちであれば、クレジットカードの利用を推進していただくとか、番号をチェックするとか、引き続き発生防止や解消の努力を続けてほしいと思います。
私どもも海外へ旅行するときには、そういった保険に入ったりして、自費で払ってきて、後でクレジット会社からとか、そういった保険会社からバックがあるというようなことがあるわけですけども、いろんな手段があるんだと思います。ただ、回収困難な未収金については、民法上の規定に基づいて、三年を経過したものや債務者の所在地が不明で催告ができなかったものについては、不納欠損処理としているというふうに聞いています。
先ほど申し上げました、何度も申し上げるようですが、公平性の観点という点からは、しっかりと回収努力を行った上でご処理をお願いしたいというふうに思います。私のキャッチフレーズは、正直者がばかを見ないというのがキャッチフレーズでございまして、ぜひそういう点ではご努力をお願いしたいと思います。
そこで、公社病院における今後の未収金の回収努力と未収金の発生予防、お考えがあれば、お尋ねをしたいと思います。
○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 未収金の回収についてでありますが、まず早期対応することが重要であります。そのため、発生直後に電話や文書による催告を行っております。加えて、ボーナス時期を捉え、毎年十二月を未収金対策強化月間といたしまして、集中的な電話催告や訪問徴収を実施しております。その上でもなお、回収困難な場合につきましては、弁護士への債権回収委託を実施するなど、回収に努めております。
次に、未収金の発生予防についてでありますけれども、経済的な問題を抱えている患者の状況を早期に把握し、医療ソーシャルワーカーと連携しながら、公的な医療費助成制度を紹介するなど、支払いに向けた相談に応じております。
また、クレジットカード払いのご案内に加え、診療後に支払いが困難な場合、当日可能な限り、一部の支払いを促すとともに、未払い分につきましては分割納入計画や支払い期限の猶予を設定しております。さらに、未収金対策を強化するため、各病院の担当職員による検討会において、昨年度よりマニュアルの改定に向けた取り組みも進めております。引き続き未収金対策に努めるよう公社に対して適切に指導してまいります。
○近藤委員 大変力強いご答弁をいただきました。ぜひよろしくお願いしたいと思います。いろんな努力をされて、少しずつでも減れば、それはそれでありがたいことだというふうに思います。未収金回収の取り組み、一人一人に納付を働きかける地道な取り組みでありますが、多くの患者さんに対する、先ほどから申し上げているように公平性を保つということを大切にしていただいて、未収金の発生防止と回収に引き続き取り組んでいただくことを強く要望して、私の質問を終わりたいと思います。
○加藤委員 それでは、私からは公社病院の地域医療連携について質問をいたします。
医療連携は、都民が適切な医療機関で医療を受けるため、また限られた医療資源を有効に活用するために非常に重要な制度であります。紹介患者に対する医療提供、医療機器の共同利用等の実施を通じて、かかりつけ医等を支援し、効率的な医療提供体制の構築を図ることを目的として地域医療連携支援病院という国の制度がありまして、紹介率や逆紹介率など、承認要件が定められております。
そして、公社六病院全てが地域医療支援病院として承認されているというふうに聞いております。そこで、承認要件の一つであります他の医療機関からの患者の紹介と、そして公社病院から他の医療機関への逆紹介、これの実績についてまず伺います。
○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 地域医療支援病院に承認される主たる要件といたしましては、患者の紹介率と逆紹介率がございます。三つ基準がございまして、いずれかを満たすという必要がございます。
まず、一つ目の基準でございますけれども、これに該当している平成二十七年度の公社病院は一つございまして、紹介率が八〇%以上あることになっております。
二つ目の基準といたしましては、紹介率が六五%を上回り、かつ逆紹介率が四〇%を上回るということがあります。これにつきましては、二病院が該当しております。
三つ目の基準でございますが、紹介率が五〇%を上回り、かつ逆紹介率が七〇%を上回るという基準がございますけれども、これには三病院が該当してございます。
なお、参考でございますけれども、平成二十七年度の公社病院全体での紹介率は六八・四%、逆紹介率は七四・〇%となっております。
○加藤委員 医療連携を推進していくためには、地域の医療機関との日ごろからの連絡、協力を密接に行っていくことが重要であると思います。
では、地域医療連携を推進していく病院として、二十七年度は具体的にどのような取り組みを行ってきたのか伺います。
○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 公社病院は、地域の中核病院といたしましての役割を担っております。地域の医療機関と連携を図ることは重要であると認識しております。具体的な取り組みといたしましては、各病院において地域の医師会代表や行政関係者等で構成されております運営協議会を定期的に開催し、地域のニーズの把握に努めているほか、医師会の会員等に連携のための情報紙や各診療分野の医師を紹介する医師のプロフィールを定期的に送付してございます。
平成二十七年度は、情報紙を全病院へ延べ七万三千部発行するとともに、医療プロフィールを一万六千部発行しております。また、地域の連携医が予約をとりやすくするため、平成二十七年度から連携医専用の予約枠運用も着手しているところでございます。
これらの取り組みによりまして、平成二十七年度の公社病院全体の紹介患者数は六万六千四百五十六人で、前年度と比較いたしまして三千五百三十九人増加しております。また、逆紹介の患者数は八万二千七百九十六人で、前年度から七千百四十三人増加してございます。
○加藤委員 紹介、逆紹介をやっていただく中で、今いわれた取り組みをやって、それを密接に工夫をしているということがよくわかりました。
この医療連携の推進については、患者を支え、病院と患者、地域を結びつける窓口の役割を持つ患者支援センター、この役割が重要であると思います。我が党は早くからこの重要性に着目しまして、充実を一層進めるべきと主張してまいりました。
そこで、公社病院における患者支援センターの状況及びこれまでの取り組みにつきまして伺います。
○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 地域医療支援病院であります公社病院は、患者が住みなれた地域で安心して療養生活を送れるよう支援していくことが役割の一つであると認識しております。
患者の相談にワンストップで対応する患者支援センターにつきましては、平成二十七年度には全公社病院に設置しております。患者を支える複数の部門を一体的に組織化したものでございます。当センターでは、手術で入院する患者への入院前説明や患者や家族の意思を尊重した退院準備の相談を行っております。また、退院後の生活を見据えて、訪問看護ステーションなどの関係機関へつなぐことにより、次の段階の療養環境に円滑に移行できるよう支援もしております。
○加藤委員 公社の全ての病院に患者支援センターが設置されたことは、患者にとって非常に心強いことだと思います。例えば急性期を脱して、転院が必要となる患者さんは、大変不安を感じていると思います。患者支援センターできめ細かい対応をしていただきたいと思います。
また、超高齢社会を迎え、地域包括ケアシステムの構築が求められている中で、公社病院の役割はさらに重要になっていくと思います。
そこで、公社病院における患者支援センターでの在宅移行支援の取り組みについて伺います。
○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 高齢化の一層の進展が見込まれる中、急性期を脱した患者が安心して在宅療養生活を送れるよう、在宅移行の支援を強化していくことは大変重要なことだと思っております。在宅移行に当たりましては、個々の患者の状況に応じたきめ細かい支援と地域医療機関とのネットワークが欠かせません。このため、平成二十七年度に整備した患者支援センターでは、院内の多職種チームによる支援に取り組むとともに、地域の訪問看護ステーションや包括支援センターとの連携強化を図っているところでございます。
具体的には、手術入院後、介護サービスが必要となった患者さんの場合には、看護師や医療ソーシャルワーカーが在宅療養における生活全般に関する相談に対応し、患者、家族の不安の解消を図ったり、退院時から必要な介護サービスが利用できるよう、地域の包括支援センターにつないだりしております。
また、退院前には、在宅医や訪問看護ステーションの看護師、ケアマネジャー等も含めた合同カンファレンスを開催し、患者に関する情報共有を図り、円滑な在宅療養に移行できるよう支援しております。今後とも地域医療機関との緊密な関係を構築し、地域の医療機関との連携をより一層推進してまいります。
○加藤委員 公社病院が地域の医療機関と連携しながら、在宅移行支援に取り組んでいることを評価いたします。東部医療圏には、残念ながら公社病院がありませんので、私自身は余り公社病院のことをよくは知らないんですけれども、今いろいろやりとりの中で医療連携をしっかりとやっていただいているということで大変安心をしました。
また、墨田区には、東部医療圏の中で墨東病院という都立病院がありますが、あそこで患者支援センターがありますので、イメージはよくわかっておりまして、これが本当に重要だという認識は大変よくわかっております。今後も在宅移行支援のニーズが高まる中で、こうした取り組みを一層進めていただくことを要望しまして、質問を終わります。
○和泉(な)委員 私からはまず病棟が休止している二つの公社病院について伺います。
豊島病院と荏原病院について休止の理由を、豊島病院はNICUにおける医師不足、荏原病院は一般病棟の看護師不足と聞いています。少なくとも、私が都議会議員になって厚生委員会を担当してから三年になりますが、ずっと休止の状態が続いています。
一体いつから休止が続いているのかと過去の委員会資料をさかのぼってみました。そうしましたところ、平成二十二年には既に休止状況となっています。なぜこれほど長期の休止が続いているのでしょうか。再開のためにこれまでどんな努力がされてきたのか伺います。
○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 まず、荏原病院につきましては、平成二十七年度におきましても病棟再開に必要な看護師確保に至っていないことが休止の主な原因でございます。公社では、看護師の採用等に関しまして、これまでもインターンシップ制度の活用や育児短時間勤務制度の導入など、看護師確保に着実に取り組んできたところでございます。
豊島病院につきましては、これまで医師確保に向けて、大学医局等への働きかけを行ってまいりましたが、新生児科医師の確保は大変困難であり、平成二十七年度におきましてもNICUを休止している状況でございます。
○和泉(な)委員 いろいろと努力をされてきたということではあるんだろうというふうに思いますが、しかしそれにしても六年以上たっても病棟再開ができないというのは長過ぎるんじゃないでしょうか。その間にも病棟休止になっていたほかの病院は再開しています。この二つの病院に限って、いつまでたっても再開できない。これは改めてよく原因を分析して、医師確保、看護師確保のために効果的な対策を考える必要があるんじゃないかというふうに思います。
豊島病院の周りには、比較的病院が集積していて、ほかの医療機関で対応できるから大丈夫なんだと都は説明していますけれども、それにしてもNICUは貴重な医療資源です。荏原病院の看護師不足とあわせて、都としても原因をしっかり分析して、具体的な支援をしていただきたいというふうに思います。
続いて、公社病院におけるがん治療について伺います。
公社病院において、がんの放射線治療ができるリニアックを導入している病院について伺います。
○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 高額治療機器の導入につきましては、地域の医療ニーズや他の医療機関との連携状況などを踏まえて判断しているところでございます。リニアックにつきましては、多摩南部、大久保、多摩北部、荏原及び豊島の五病院に導入しているところでございます。
なお、導入していない病院につきましては、放射線治療が必要となったがん患者につきまして、都道府県がん診療連携拠点病院である都立駒込病院や地域がん診療連携拠点病院など、他の医療機関との連携により対応しているところでございます。
○和泉(な)委員 今ご答弁がありましたように、多摩南部、大久保、多摩北部、荏原、豊島、五つの病院にリニアックがあるということは、公社病院は全部で六つですから、残る東部地域病院だけがリニアックが導入されていないということになるんだと思います。
地域医療のニーズを考えながらということでしたけれども、地域の医療ニーズということでいえば、区東北部に入る葛飾は、放射線治療ができる病院は慈恵医大葛飾医療センターしかありません。ここも昨年まで六年間、放射線治療を中止にしていて、やっとことし再開しました。がんの放射線治療が必要な患者さんたちは、新橋にある慈恵医大の本院まで行くとか、二次医療圏外の病院に通わなければなりませんでした。
慈恵医大葛飾医療センターの放射線治療の存続、再開を求める運動を私はこの間続けてきましたが、遠くまで通わなければいけない、それがどんなに大変なことか。放射線治療の後は、電車に乗るのもつらく、帰ってきてから寝ついてしまう。治療の副作用でおなかが緩くなり、途中で何度も電車をおりてトイレに行かなくちゃならない。そういういろんな方たちから切実な声が寄せられていました。
ご承知のとおり、区東北部には、がん診療連携拠点病院がありません。そういう二次医療圏への対策として、東京女子医科大学東医療センターが地域がん診療病院に指定されていますが、ここもやはり放射線治療をやっていません。リニアックがありません。
平成二十六年に、平成三十六年までの計画として作成した葛飾区の健康実現プランを見ますと、葛飾では死亡原因の三割をがんが占めています。また、七十五歳未満年齢調整死亡率、これは人口十万人に対してがんで亡くなる方の人数ですけれども、国や東京都と比較しても高い状況です。
がん検診の受診率を高めて、早期発見を進める、これも大変重要な課題ですが、身近なところで治療につなげる早期治療、これも重要な課題になっているんです。東部地域病院自体も、ホームページではがん診療に力を入れると記載しています。公社病院の中で唯一リニアックがない東部地域病院に重要な医療資源としてリニアックの導入をするために都としての支援を強く求めて、質問を終わります。
○西崎委員 私からは公社病院における緩和ケア病棟に関して何点か伺いたいと思います。
今もがんのお話がありましたけれども、がんは現在、日本人の二人に一人がかかるといわれている病気でありまして、がん患者数は増加傾向にあります。また、がんは全死因の中の第一位で約三割を占めておりまして、都民の健康的な生活や生命に影響を与える重大な疾患となっています。がん患者の多くが高齢者であることを踏まえますと、超高齢社会を迎える中、がん医療の充実はますます重要であります。
そこで、公社病院における平成二十七年度のがん入院患者数と割合についてお聞かせください。
○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 公社病院におきましても、がん医療に対する地域のニーズは高いと認識しております。基本的医療機能として位置づけ、取り組んでいるところでございます。
公社病院全体のがん入院患者数についてでありますけれども、平成二十七年度に実施しましたワンデー調査によりますと、調査日一日当たりのがん入院患者数は三百十五人、入院患者に占める割合は二〇・八%となっております。
○西崎委員 今のお話ですと、がん入院患者数や割合は二〇%を超えているということで、また最近は外来での治療もふえていると思います。がんは、医療の進歩により、早期に発見され、治療を適切に受けることによって完治することができる病気になった一方で、緩和ケアを受けながら療養生活を送る患者もおります。本格的な超高齢社会を迎える中、がん患者に対する緩和ケアの取り組みが重要になると考えます。
そこで、公社病院における緩和ケア病棟について、平成二十七年度の実績を伺いたいと思います。
○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 公社病院では、多摩南部地域病院並びに豊島病院に緩和ケア病床を設置しております。
平成二十七年度の緩和ケア病棟の診療実績でございますが、多摩南部地域病院につきましては、延べ入院患者数三千百八十四人で、前年度と比較いたしまして二百三十九人増、率にしまして八・一%の増でございました。豊島病院につきましては、延べ入院患者数六千四百九十七人で、前年度と比較しまして百十一人の増、率にしまして一・七%の増でございます。また、両病院におきましては、地域からの紹介を積極的に受け入れているところでございます。
○西崎委員 緩和ケア病棟を設置しているのは、今のお話ですと豊島病院と多摩南部地域病院とのことですけれども、両病院とも緩和ケア病棟の入院患者数がふえており、特に地域からの紹介患者を積極的に受け入れているとのお話でした。
緩和ケア病棟における地域医療機関との連携状況はどうなっているのかお話しください。
○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 緩和ケア病棟の運営に当たりましては、患者が病院でも在宅でも切れ目のない緩和ケアを受けられるよう地域の医療機関との緊密な連携が重要でございます。このため、例えば多摩南部地域病院では、地域の在宅医や介護施設、訪問看護ステーション等、患者にかかわるさまざまな関係者が参加したカンファレンスの開催により、連携を強化し、地域からの円滑な受け入れに努めています。平成二十七年度には、カンファレンスを十二回開催し、参加人数は延べ三百三十七人となっております。
一方、緩和ケア病棟に入院した患者が、病状が安定し、退院した際には、自宅や介護施設等でも安心して療養できるよう、地域の医療機関等と連携し、患者のサポート体制を整備しております。さらに、緩和ケア病棟退院後、容体が急変した場合には、緊急受診や再入院を二十四時間受け入れております。
○西崎委員 できるだけ在宅で過ごしたいと思うがん患者は今後ふえると予測される中、地域の在宅医との連携を今後も強化していく必要があると思います。がんと診断された患者の痛みは、身体的な症状だけではないと思います。
私は先月、宮崎市にあるホームホスピスかあさんの家、ここは病院でも施設でもないのですが、最期の住みかとして家庭的なところとして今知られておりますけれども、ここで緩和ケアについて伺ってまいりました。その際に心のケアが非常に重要になってくるというお話を伺いました。
がん対策推進基本計画の中でも、がんと診断されたときから、患者とその家族が精神、心理的苦痛に対する心のケアを含めた緩和ケアを受けられるよう緩和ケアの提供体制をより充実させ、緩和ケアへのアクセスを改善し、こうした苦痛を緩和することが必要とされております。
そこで、がん患者の心のケアについて伺います。
○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 がんと診断をされた患者さんとそのご家族が可能な限り質の高い生活を送るためには、身体的症状の緩和だけでなく、精神、心理的な問題への援助が重要であると考えております。
公社病院では、医師、看護師、薬剤師、臨床心理士などの多職種で構成した緩和ケアチームを全ての病院に設置しております。主治医からの依頼を受け、緩和ケア病棟だけでなく、一般病棟に入院中の患者のもとを訪れるラウンドを毎週行うなど、主治医とともに患者のケアに当たる活動を実施しているところでございます。
○西崎委員 緩和ケアチームの取り組みは、患者さんにとってもとても心強い取り組みだと思います。しかし、患者にとって、ご本人にとって、何よりも心の支えは家族との触れ合いだと思います。
そこで、緩和ケア病棟での患者と家族の触れ合いについて伺います。
○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 緩和ケア病棟では、患者が家族とともに過ごす時間を大切にし、より満足のいくものにできるよう配慮してございます。家族は二十四時間いつでも面会ができ、病室を利用して患者さんと一緒にお泊まりいただいたり、家族向けの家族室にお泊まりいただくことができます。
また、病棟は、自宅で生活しているような落ちついた静かな雰囲気とし、庭園を臨むラウンジには、キッチンを設置してございます。これらの施設を利用し、料理をつくり家族で団らんしながら食事をするなど、大切な時間を快適に過ごしていただける環境を整えております。
○西崎委員 これまで公社病院の緩和ケア病棟について伺ってまいりましたけれども、数年前、私、視察した長野県の諏訪中央病院は、数十年前から緩和ケア病棟が設置されておりまして、ここの病棟のある二階からは、外に出て談話できるウッドデッキが設けられておりました。そこから見る八ヶ岳の風景はすばらしく、印象に残っております。また、中庭、バラ園とハーブガーデンがあり、地域のボランティアの方々が手入れをしているとのことでした。
このように緩和ケア病棟だけではなく、入院中の患者さんにとってはボランティアの人たちとのかかわり合いなども、心のケアにつながると思います。公社病院でもボランティアは活躍しているとは聞いておりますけれども、より多くの地域の人たちがボランティアとして参加していただくことも重要と考えます。今後、緩和ケア病棟のニーズはますます高まると思います。
引き続き緩和ケアに関する取り組みの一層の充実を要望いたしまして、質問を終わります。
○まつば委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○まつば委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で病院経営本部関係を終わります。
○まつば委員長 これより福祉保健局関係に入ります。
決算の審査を行います。
平成二十七年度東京都一般会計決算中、福祉保健局所管分、平成二十七年度東京都母子父子福祉貸付資金会計決算及び平成二十七年度東京都心身障害者扶養年金会計決算を一括して議題といたします。
本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○後藤総務部長 去る十月十四日の当分科会におきまして要求のございました資料についてご説明申し上げます。
お手元の平成二十七年度各会計決算特別委員会第二分科会要求資料をごらんください。
資料は、目次にありますように全部で五項目でございます。
それでは、一ページをお開き願います。福祉保健費の予算及び決算の推移といたしまして、平成二十三年度から二十七年度までの福祉保健費の予算現額、決算額及びそれぞれの一般会計に占める割合などにつきまして記載してございます。
二ページをお開き願います。福祉保健局予算・決算額の推移(一般会計)といたしまして、区分ごとに平成二十三年度から二十七年度までの福祉保健局の予算現額及び決算額を記載してございます。
三ページをごらん願います。シルバーパス発行状況の推移といたしまして、平成二十三年度から二十七年度までの費用別発行実績数、七十歳以上人口及び割合を記載してございます。
四ページをお開き願います。平成二十七年度における福祉保健区市町村包括補助事業の補助額といたしまして、五つの包括補助事業の区市町村ごとの補助額につきまして、五ページにかけて記載してございます。
六ページをお開き願います。区市町村地域生活支援事業の実施状況といたしまして、事業ごとの平成二十八年三月現在の実施区市町村数を記載してございます。
以上、簡単ではございますが、要求資料のご説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○まつば委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○近藤委員 それでは、私からは三点、危険ドラッグ関係、ホームレス対策、母子父子でお尋ねをさせていただきたいと思います。
まず、危険ドラッグでありますけれども、私も都議会議員になりましてから青少年の健全育成ということで、この危険ドラッグについては行政の皆さんのお力を拝借しながら政治活動もしてきたわけでしたが、この有害な薬物から青少年を初め都民を守るため、これまで幾度となくお尋ねをさせていただき、今までやってまいりました。
一昨年、池袋で危険ドラッグ使用者による痛ましい事故が発生しました。その後も事件、事故が多発したことから、我々都議会の熱い思いに応えていただいて、都は規制を強化して、国や警視庁と協力しながら、積極的にその取り締まりを展開していただきました。その結果、平成二十七年には全ての実店舗を閉鎖に追い込んだというすばらしい実績があります。
平成二十七年度の規制及び取り締まりの実績について改めてお尋ねをしたいと思います。
○仁科食品医薬品安全担当部長 都は、危険ドラッグを速やかに規制に結びつけるため、平成二十七年度には東京都薬物情報評価委員会を八回開催し、国内流通前の十三薬物を含む計二十七薬物を知事指定薬物として指定しております。あわせて、都が実施した成分分析や生体影響試験の結果は、国や条例を制定している二十四の道府県に情報提供し、広域的な規制につなげております。
また、平成二十六年四月現在、都内に六十八店舗あった危険ドラッグの販売店舗は、集中的な立入調査により、一年後の平成二十七年四月には三店舗まで減少させ、平成二十七年度には、この三店舗に対して国や警視庁と連携して、延べ百八回の立入調査を実施しました。その結果、平成二十七年七月末までに全店舗の閉鎖を確認しております。その後も店舗が再開しないよう、これまで店舗があった場所や地域など現地に赴き、継続して確認しております。
○近藤委員 二十七年度予算では、直接皆さんの所管の危険ドラッグ対策は一億二千万円余でありますから、そのぐらいの数字でこれだけの実績を上げていただいた、私はすばらしいことだと思います。今お話にありましたように、とりあえずは表で営業している実店舗がゼロになって、その状況が継続をしているというのは、皆さんの都の取り組みの成果であるというふうに評価をさせていただきます。
しかし、私はまだ危険ドラッグとの戦いが終わったとは思っていないんです。今も申し上げましたように、裏のといったらなんですけれども、インターネットを介した販売などによります危険ドラッグの流通が完全になくなってはいません。インターネット販売に対する取り組み、これからもお願いしなければいけないんだと思いますけど、そのお考えをお示しいただきたいと思います。
○仁科食品医薬品安全担当部長 今お話しのとおり、危険ドラッグとの戦いは終わっておりません。今後も引き続き危険ドラッグ対策に取り組まなければなりません。そういう中で危険ドラッグは店舗による販売からインターネットを介したデリバリー販売など、潜在化、巧妙化した方法に移行し、販売者の特定がより困難になっております。
このため、平成二十七年度はインターネット上の危険ドラッグの製品情報に加え、販売サイトの情報もビッグデータの解析対象に追加し、監視体制を強化いたしました。これにより、販売サイトから効果的に買い上げを実施し、平成二十七年度は新たに知事指定した二十七薬物中、十七薬物を販売サイトからの買い上げなど、インターネットを介して入手したものから特定いたしました。
○近藤委員 俗にいうイタチごっこなのかもしれませんけれども、皆さんのご努力、評価をしたいというふうに思います。昨年の全局質疑でも、私、自分で書いた原稿ですから覚えているのですが、東京は危険ドラッグ対策の先駆者であり続けるべきだというふうに申し上げました。これからも国や全国の自治体をリードして、走り続けていただきたいというお願いでありました。この一年間もしっかりと我々の思いをともにして走り続けて頑張ってきてくれたのだと思います。
一方で、危険ドラッグの使用者の一部が大麻に移行した旨の報道もなされていることも一部事実であります。危険ドラッグ対策にあわせて、麻薬、大麻及び覚醒剤等の薬物乱用に対する啓発などの対策もぜひ充実をしていただきたい、心からのお願いでございますので、どうぞよろしくお願いをします。
きょうは今のお願いだけで質問は終わります。
次に、これも毎年継続してやらせていただいているのですが、ホームレスの対策であります。
二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックを迎えるに当たって、やはり私はおもてなしの中でも欠くことのできない直近の問題であるというふうに思います。昨年の平成二十六年度各会計特別委員会におきましても、ホームレスの現状や対策についてお尋ねをいたしました。そのときの答弁では、都内のホームレスの人数は、ピーク時の平成十六年度に比べて、この十年間で約四分の一程度に減少してきたというものでありました。
しかし、都内の河川、駅や公園、この都庁の周りにもホームレスがいます。いまだに目立っているのも事実であります。私、都議会議員になって、間もなく四年になろうとしますけども、すぐそこにいらっしゃる三人は、ずっと同じ人が三人います。
そこで、こういった実態を踏まえて、まず昨年以降のホームレスの現況と推移についてどうなっているのかお尋ねをしたいと思います。
○高橋生活支援担当部長 都は、毎年度八月と一月の年二回、都内の道路、公園、河川敷、駅舎等におけるホームレスの概数調査を行っております。直近である本年八月の調査結果によりますと、都内のホームレス数は一千四百六十三人でございまして、そのうちおよそ九割が特別区内となっております。都内のホームレス数は、昨年同時期の千五百五十五人から九十二人減少しております。ピーク時であった平成十六年度の六千七百三十一人と比べますと五分の一程度にまで減少しております。
○近藤委員 ご説明のように、ピークに比べれば着実に減少傾向が続いているということはわかりました。都内のホームレスが急増したのは、バブル経済の後ですから、ホームレスとなっている人は失業や離婚などを契機に路上生活となったり、疾病や障害などの課題を抱えているなど、一人一人がさまざまな事情を持っていることは多いとは推測します。
こうした方々の自立を支援するため、東京都と二十三区が共同によって、全国に先駆けて、自立支援センターなどを設置していただいて、ホームレス対策に積極的に取り組んできていただいています。
そこで次に、これまでのホームレス対策事業の取り組みの実績について伺いたいと思います。
○高橋生活支援担当部長 都は、特別区と共同で二十三区内に自立支援センターを設置いたしまして、ホームレスに対する緊急一時保護から就労、自立に向けた支援までを一貫して実施しております。自立支援センターは、二十三区内を五ブロックに分け、各ブロックごとに設置し、その中で五年ごとに設置する区を変えております。都は、昨年度で閉鎖となりました港寮、中野寮の二カ所の業務を引き継ぐため、新たに新宿寮と豊島寮を開設し、特別区との連携のもと、円滑な事業継続に努めてまいりました。
自立支援センターの昨年度の利用者数は、緊急一時保護事業が一千四百三十九人、自立支援事業が一千百四十六人でございまして、このうち五百四十七人が就労による自立に結びついております。自立支援センターが開設されました平成十二年度から平成二十七年度末までの累計では、自立支援センターを利用した一万八千三百八人のうち約五割の八千九百三十人が就労により自立を果たしております。また、就労による自立が困難な方については、生活保護を適用するなどの対応を行ってございます。
○近藤委員 ご説明のように、自立支援事業とか、一時保護事業が充実してきて、確かに人数は減ってきている。先ほども台東区の和泉先生にお尋ねしたら、台東区でも随分目に見えて減ってきているという実態もあるようでございます。多摩はまたちょっと違う話なんですけども、ただ私は電車で来て、新宿でおりて、毎朝、そこで三人会いますし、ちょっと夜遅くなると、都庁の下には、顔ぶれはわかりませんけども、相当な方が夜は寝ています。
そういった実態というのは、特に、観光名所の一つとなりかけてきている都庁の中に、もしくは都庁の周辺に多いというのは余り、数字としては減ってはいるんだけれども、目に見えて変化がないというのもちょっと残念なことだというふうには思います。
今もご説明いただいたように、自立支援センターを千五百人の方が利用して、路上生活からの脱却に向けた支援をしていただいたことは事実でありますし、大変心強いことだというふうには思います。その取り組みは大きく評価をしているものであります。
しかし、今申し上げたように、長期間にわたって--高齢化すると、途中で最後はいなくなるわけですが、新しい人も次から次へと出てくる可能性もなきにしもあらずでありますから、そういった長期化をしないような方たちへの積極的な取り組みをお願いをしたいと思いますし、必要だというふうに思います。東京都の皆さんの所見を伺いたいと思います。
○高橋生活支援担当部長 都は、昨年度から都区共同の巡回相談事業におきまして、看護師が支援員と同行しての健康相談の実施や夜間の巡回相談の実施など、取り組みを強化いたしました。また、今年度からは路上生活期間が長期に及んでいたり、あるいは高齢化などによりまして、就労による自立が困難なホームレスに対して、医師等も同行するアウトリーチなどにより、地域生活への移行を重点的に実施してございます渋谷区等に対して支援を行っております。引き続き、特別区と連携して、ホームレスの就労等による地域生活への移行に積極的に取り組んでまいります。
○近藤委員 新たな取り組みを進めていただけることはわかりました。長期化、高齢化したホームレスの方だけに、その対応については難しい点もあると思います。引き続き巡回相談などのアプローチを着実に実施していただいて、一人、また一人と路上生活からの脱却を促すとともに、道路、公園などの施設管理者とも連携していただいて、都内のホームレスの方が地域移行できるよう期待し、お願いをして、次の質問に移りたいと思います。
次には母子父子の貸付金会計について幾つかお尋ねをいたします。
母子父子資金の決算状況を拝見いたしました。そこで、三点質問させていただきたいと思いますが、平成二十七年度の母子父子福祉貸付資金会計の執行率であります。ご説明では六八・二%と低いわけでありますけれど、平成二十七年度の貸付実績と過去五年間の貸付実績の傾向についてお尋ねをしたいと思います。
○松山少子社会対策部長 平成二十七年度の母子父子福祉資金の貸付実績は、貸付件数が六千五件、貸付金額が三十億九千六百万円となっております。過去五年間の貸付実績の推移を見ますと、平成二十三年度が貸付件数七千七百八件、貸付金額四十億六千二百万円となっておりまして、その後、毎年減少しております。
○近藤委員 貸付実績がここ数年減少しているということでありますが、経済的に厳しい状況にあるひとり親家庭にとりましては、母子父子福祉資金のような自立のための支援策、大変必要不可欠であると考えます。
貸し付けの内容にはいろいろとあると思いますが、どのような種類の貸し付けが多いのかお尋ねしたいと思います。
○松山少子社会対策部長 貸し付けの種類としては、子供の授業料などを対象とした修学資金や入学金を対象とした就学支度資金、ひとり親本人が就職するための知識、技能習得を対象とした技能習得資金など、十二種類がございます。平成二十七年度の貸付実績では、修学資金が二十五億六千百万円、就学支度資金が四億二千六百万円となっており、この二つで全体の九六%を占めております。
○近藤委員 ご説明いただいたように修学資金と就学支度資金というのがあるそうですが、いずれも子供が高校や大学等に入学して、学業を続けるために必要な費用の貸し付けであると思います。昨今、子供の貧困の問題がクローズアップされる中で、ひとり親家庭の子供がやがて自立していくことを考えると、子供の学習について支援をすることは非常に重要だと思います。
なぜこの貸付実績が減少しているのかお尋ねしたいと思います。
○松山少子社会対策部長 貸付実績が減少している理由は、貸付額の大部分を占めております修学資金と就学支度資金の貸付実績が減少していることによるものでございます。その背景といたしましては、高等学校の授業料の負担を軽減する就学支援金が導入されましたことや、日本学生支援機構の奨学金の利用者が増加していることなどが考えられます。
○近藤委員 減少の理由をご説明いただきました。安心したのは、貸し渋りではないということはわかりました。ですから、それはそれで必要な方には手厚く面倒を見ていただいているんだということが理解できました。必要な家庭に適切に貸し付けを行うためには、予算が不足しては困りますから、ある程度の見込みを考慮することは必要なことだというふうに思います。
それにしても、予算が三〇%残ってしまっていることも事実でありますので、過去の実績を踏まえて、予算を組んでいるというふうには聞いておりますけれども、もう少し細かく事業の状況を把握して、算定をしていただきたい。また、経済情勢なども加味をしていただければありがたい。
私ども自民、公明の今の国の施策によれば、少しずつ税収も伸びてきている、皆さんの暮らしも少しずつよくなってきているというのが実態であるということは私は理解していますから、そういったことも功を奏しているのではなかろうかなと推測もいたします。
母子父子資金は、ひとり親家庭に対する経済的支援として重要な施策でありますし、今後とも支援が必要な家庭には、貸し付けがきちんと行われるよう要望して、質問を終わりたいと思います。
以上です。
○加藤委員 初めに、介護人材の不足問題を取り上げたいと思います。東京都は、平成二十七年度から国の介護キャリア段位制度を活用して、キャリアパスの導入に取り組む事業者を支援する介護職員キャリアパス導入促進事業を開始しました。
本事業の対象となるためには、国のキャリア段位制度に基づいて、段位の評価を行う職員、いわゆるアセッサーを確保し、その上で段位取得者を輩出することが条件ですが、事業規模が小さい事業者にとっては、職員体制上の問題から、実施することは難しいという声を聞いております。
事業規模の大小にかかわらず、全ての介護事業者がキャリアパスの導入に取り組んでいくことが重要と考えますが、二十七年度の本事業の実績と事業実施上の課題について伺います。
○西村高齢社会対策部長 本事業につきましては、平成二十七年三月に全ての事業者が参加する介護報酬改定の説明会の中で周知したほか、同年五月には事業の詳細について、改めて説明会を開催し、具体的な補助内容や補助金の申請方法などを説明するとともに、国のキャリア段位制度の実施機関であるシルバーサービス振興会からも段位制度の説明を行いました。
また、十一から十二月にかけて、管理者等を対象とした職場の人事管理、人材育成及び経営改善に関するセミナーを実施し、キャリアパス導入に向けた事業所内の体制づくりを支援いたしました。平成二十七年度は、特別養護老人ホームや介護老人保健施設を初め、訪問介護、通所介護など、五十二の介護事業者で本事業を活用したキャリアパスの導入が進められました。
事業実施上の課題といたしましては、国のキャリア段位制度におけるアセッサー講習会の受講機会の拡大や段位取得の認定審査の効率化などがあると認識しております。
○加藤委員 都が行う事業は、国のキャリア段位制度におけるさまざまな課題があるため、実施事業者は五十二事業所にとどまっているということでありました。
その一方で、私が調べたところ、都が本事業を開始した平成二十七年度における実績を見ますと、アセッサー養成数は、全国では前年度と比べて約一〇%減の四千四十六名、逆に都内では約二・四倍の八百八十四名となっております、ふえております。また、新たに段位を取得した職員数は、全国では前年度と比べて約二・三倍の九百三十八名、都内では約三・一倍の百三十六名となっており、この数字を見ると、今後の事業展開は期待できると思います。
そこで、平成二十七年度の事業実績も踏まえた二十八年度の取り組みについて伺います。
○西村高齢社会対策部長 都は、本事業で活用する国のキャリア段位制度の推進を図るために、国及び制度の実施機関であるシルバーサービス振興会に対し、段位制度を効果的に実施できるよう働きかけてまいりました。これを受け、今年度からアセッサー講習会における開催回数の拡大や開催時期の前倒しが実施され、一定の改善が図られたほか、段位取得の認定審査の効率化に向けた検討も進められております。
また、本年五月に開催された事業者向け説明会では、新たに経営コンサルタントによるキャリアパス導入の意義を伝える講演を行いまして、事業者に対し本事業への理解と活用を促進しております。さらに、昨年度と同様、管理者等を対象とした職場の人事管理、経営改善等に関するセミナーを開催する予定でございまして、キャリアパスの導入を支援してまいります。
○加藤委員 都は国に対しまして、制度上の課題を解決するため、引き続き積極的に働きかけていくとともに、とりわけ小規模な事業者も含めまして、全ての介護事業者でキャリアパスの導入が進むよう、本事業の普及、拡大に努めていただきたいと思います。
先ほど取り上げましたキャリアパス導入促進事業のほか、都におきましてさまざまな介護人材対策の事業を実施しておりますけれども、介護人材の確保は、他業種の求人数の増加などにより、全国的に見ても非常に困難な状況であり、中でも東京は突出しております。
また、地域に根差した小規模事業所などでは、介護人材の不足はさらに深刻化しており、不足というより、むしろ減少、激減ではないかというような声も聞いております。
このような介護人材の不足の現状を踏まえ、介護人材の確保、育成、定着の取り組みをさらに進めていくべきと考えますが、見解を伺います。
○西村高齢社会対策部長 都は、これまで介護人材の確保、定着を図るため、東京都福祉人材センターにおける職業紹介、あっせんや就労後の定着、離職防止に向けた相談支援など、さまざまな取り組みを行ってまいりました。本年六月には、区市町村や事業者養成施設、就労支援機関等とも連携し、一体となって福祉人材対策を推進する東京都福祉人材対策推進機構を設立し、人材の掘り起こし、マッチング、定着、再就業などを総合的に支援する体制を整備いたしました。また、本年十一月には、福祉の仕事の魅力ややりがいを発信する若者向けのイベントを実施いたします。
国に対しましては、専門性の高い介護人材の確保、育成、定着のため、総合的な対策を確立し、着実に推進するよう提案要求しております。今後とも介護人材の確保、定着に向け施策の充実を図ってまいります。
○加藤委員 やはり何といいましても、介護人材の不足というのは、賃金の低さ、これが人員不足の大きな理由だと思います。日本人のみならず、外国人労働者さえ、難しい日本語を覚えて、介護に関する専門的な知識を身につけたにもかかわらず、重労働の上、現在の賃金水準だと、コンビニ等の仕事内容が簡単な、表現は悪いですけども、レジ打ち業務の方へ流れてしまうと考えるのが普通ではないでしょうか。
国は、次期介護報酬改定を待たず、来年度から月額平均一万円相当の処遇改善を行うことを決定しており、介護人材の確保に向けた積極的な姿勢が示されたところであります。
ただ一方で、処遇改善加算は介護従事者にしか分配できず、介護従事者を支える事務員には分配できないため、事業現場では職員間での不平等が発生し、経営者によっては、それを解消するため基本報酬から分配せざるを得ない状況も生じています。書類作成の事務負担も大きくいっそのこと加算制度を廃止し、その加算分を基本報酬に組み入れてほしいという声も聞いております。
また、事業者を管理する区市町村の担当課では、ところによっては書類作成のガイドラインがないため、担当者によっては、解釈が変わって現場が混乱することもあったというふうに伺っております。書類作成のためのガイドラインの整備を行っていくべきではないでしょうか。特に訪問介護を行う事業所で働く方は高齢者が多くて、電子機器による書類作成もこなせないという問題も出ております。
したがいまして、都においては、中長期的な視点に立って事業の検証、見直しも行いながら、介護人材の確保、育成、定着に総合的に取り組んでいただきたいと要望いたします。
次に、介護現場のことに関連しまして、通所介護、デイサービスなどの介護保険の在宅サービス事業所について、都民、利用者から見てどの事業者がよいのか悪いのかわかりにくい面があるという話をよく伺っております。
この介護サービスの質については、福祉サービス第三者評価制度といいまして、第三者である評価機関が事業所に出向いて、提供するサービス内容等を評価し、その結果を広く公表するという仕組みがあります。この第三者評価を受けてみずから振り返り、サービスを向上させる工夫をした事業者の話も聞いております。本当に大変すばらしい、いいことだと思います。
ただ、いい制度であるのですが、第三者評価をどれくらいの事業者が受けているのかを見ると、平成二十七年度の実績では、特養では三百四十施設、約七割が受けているのですが、通所介護事業所では百五十四事業所でたったの約五%という結果でございました。これでは都民にとっては判断する情報が全くわかりません。
受審率を向上させるため、第三者評価制度に関する広報なども行われておりますが、今後より一層受審する事業者がふえるよう都としても対策を行ってもらいたいと要望しておきます。
次に、地元にあります東京都リハビリテーション病院について伺います。
東京都リハビリテーション病院は、回復期リハビリテーション病床を百三十一床有し、都におけるリハビリテーション医療の中核的病院として、東部地域を中心に多くの患者を受け入れ、専門性の高いリハビリテーション医療を提供しております。
回復期リハビリテーション病床では、脳血管疾患や大腿骨骨折などの治療を急性期病院で受けた後、障害や麻痺などの後遺症が残った患者に対し、症状が安定し始めた時期に集中的なリハビリテーションを行うことにより、日常生活動作を改善向上し、在宅、社会復帰を実現するものですが、東京都リハビリテーション病院は在宅復帰率が約八割、すごいと思います。
また、患者の自宅を訪問し、機能障害、能力低下の評価、診療を行うとともに、必要な訓練や対応方法の指導、福祉地域リハビリテーション資源の紹介も行っており、着実な成果を上げております。
一方で、地域におけるリハビリテーション支援の拠点として、二次保健医療圏ごとに指定している地域リハビリテーション支援センターとしての役割も担っております。
そこで、東京都リハビリテーション病院が行っている地域のリハビリテーション人材の育成支援のための取り組みにつきまして、昨年度の実施状況を伺います。
○矢沢医療政策担当部長 東京都リハビリテーション病院は、区東部保健医療圏の地域リハビリテーション支援センターといたしまして、地域の実情に応じ医療、福祉、介護等の関係機関の職員の円滑な連携体制の構築やリハビリテーション従事者の研修の実施など、地域リハビリテーション提供体制の充実強化に取り組んでおります。
平成二十七年度は、認知症のある方のリハビリテーションや食事と栄養等をテーマに講義とグループワークによるリハビリ多職種連携研修会を四回開催するとともに、介護技術研修会や墨田区、江東区、江戸川区の医療、福祉職等を対象とした研修会などを実施いたしました。また、二十七年度は、新たに若手の理学療法士及び作業療法士の実務研修の受け入れを行いました。
○加藤委員 今後、高齢化の進展に伴い、脳血管疾患や骨折等の患者の増加が見込まれるため、東京都リハビリテーション病院の役割はますます重要になりますので、引き続き質の高いリハビリテーション医療の提供と地域リハビリテーション支援に取り組んでいただきたいと思います。
次に、退院支援について伺います。
今お話しさせていただいたように、東リハの在宅復帰率は約八割ということでありました。先ほど病院経営本部との質疑で、公社病院の地域医療連携、患者支援センターでの退院支援などについてやりとりをさせていただきました。
東京の高齢化は今後一層進展し、団塊の世代が全て七十五歳以上となる二〇二五年には、都民の約四人に一人が高齢者となると見込まれており、高齢者夫婦のみの世帯や高齢者単独世帯も増加していくと予測されています。
高齢者は、年齢を重ねることでさまざまな疾患を患い入院を経験しますが、そういった方々の中には、退院後の地域での生活に不安を抱える方も多いと聞きます。
都の調査によりますと、長期療養が必要となった場合に、自宅での療養を続けたいと希望する方のうち約六割の方が、家族への負担や在宅医療や在宅介護でどのようなケアが受けられるのかわからないとの理由で、自宅での療養の実現は難しいと思うと思っておられます。
患者が生活の場に戻って、安心して暮らしていけるようにするためには、入院中から患者一人一人の状態に合わせて、退院後の生活を見据えた退院支援を行うなど、在宅療養生活へ円滑に移行できる取り組みを推進することが必要であると考えます。
病院における在宅療養への円滑な移行の推進に向けた二十七年度の主な取り組みと実績について伺います。
○成田医療改革推進担当部長 都は、これまで病院から在宅療養への円滑な移行に向けまして、入院早期から退院後に向けて取り組むべき事項を段階ごとにまとめました退院支援マニュアルを作成するなど、病院の退院支援の取り組みを支援してまいりました。
また、平成二十七年度からは、このマニュアルを活用いたしまして、退院支援を行う看護師等を育成する研修を開催するとともに、退院調整や地域の医療と介護の連携に取り組む看護師等を配置する二百床未満の中小病院等への支援を行っております。
昨年度は二百七十九名の方々が研修を受講するとともに、五十四病院が退院支援に取り組む人材を配置いたしまして、在宅療養への円滑な移行に向けた取り組みを強化しております。
○加藤委員 大変ありがたい取り組みだと思います。民間の中小病院では、退院支援が十分ではないところもありまして、転院も含めて、在宅移行も、全て自助努力に任されて大変困ると、そういう相談が結構多いんです。そうしたことから、病院の取り組みを後押しするこうした都からの支援は大変重要でありまして、入院しても、住みなれた地域へ帰って、安心して暮らしていけるよう、引き続き取り組みを進めていただきたいと要望しまして、質問を終わります。
○和泉(な)委員 私からは、まず大気汚染医療費助成について伺います。
この医療費助成制度は、大気汚染訴訟の和解条項に基づいて創設をされ、二〇〇八年八月から実施してきました。本来国の責任において創設すべき制度であることはいうまでもありませんが、都が先行して独自制度によって患者救済を行ってきたことは大変重要だと思います。患者さんたちからは、この制度のおかげで今まで高くて使えなかった薬が使えるようになり、布団の上で横になって寝ることができるようになったなど、そういう声も聞かれ、大変喜ばれていました。
しかし、国やメーカーなどの追加財政負担が見込めないことから、平成二十六年度末をもって、十八歳以上の患者の新規認定が打ち切られ、平成三十年四月からは月額六千円までの自己負担も行われようとしています。
患者さんたちは、国に対して制度の創設を求めて訴え続けていますが、その必要性を認め、国に先駆けて、制度を創設した都としても、国にその責任を果たすよう求めるべきだと思いますが、都として、この間、国とメーカーなどに対してはどのような働きかけを行ってきたのでしょうか、伺います。
○古賀事業推進担当部長 都は、これまでも国に対し大気汚染による健康被害者に対する総合的な救済策を実施するよう提案要求を行ってまいりました。また、平成二十六年度の制度見直しに当たりましては、自動車メーカーなどの和解関係者に対し新たな財源拠出について働きかけを実施いたしました。さらに、首都高速道路株式会社に対しましては、和解当事者としての応分の負担を求める観点から、平成二十年度以降、毎年度、拠出を求めております。
○和泉(な)委員 ぜひ引き続き国に制度の創設を強く求めていただきたいと思います。
環境省は、大気汚染に関して環境保健サーベイランス調査を毎年行って、大気汚染とぜんそくとの関連性についても解析しています。
平成二十五年は、オッズ比の検討において、大気汚染、NO2、NOxとぜんそくの発症について、有意な正の関連性が認められたなどの調査結果が出ています。平成二十六年度においても、大気汚染物質SPMにおいて、ぜんそくとの有意な正の関連性を示す結果が出ています。
にもかかわらず、新規認定が打ち切られてしまっているんです。しかも、十八歳までぜんそくの医療費助成を受けていた方たちも、十八歳になった途端に助成が受けられなくなります。
新規認定打ち切りの初年度である平成二十七年度に十八歳に到達して、助成がなくなってしまった人は何人いるのでしょうか。
○小林健康安全部長 平成二十七年度中に十八歳に到達し、医療費助成を受けられる期間が満了となった認定患者は千二百九人でございます。
○和泉(な)委員 年間の医療費助成額を認定患者数で割ると、一人当たりの年間助成額は平均して約四万九千円です。一割負担の方や二割負担の方も入れての平均額ですから、三割負担だともっと高くなるかもしれません。
そもそもこの制度が十八歳以上を対象としているのは、十八歳未満の方には既に助成制度があったから対象にする必要がなかったんです。しかし、新規認定を打ち切ったために、十八歳以上の助成制度がありながら、十八歳までぜんそくの認定を受けていた患者さんが、治ったわけでもないのに助成が受けられなくなっているんです。これは余りにも公平性に欠けます。
また、東京公害患者と家族の会には、大学病院にかかっていたので、ずっと制度のことを知らなかったという方たちからも相談があるそうです。新規認定の打ち切りは、このような方たちを助成の対象から排除し、経済的な負担を背負わせています。
環境省のサーベイランス調査でも、ぜんそくとの関連性が示されているわけですから、大気汚染によって、新たにぜんそくになる患者さんたちを救済しなくていいということにはなりません。
冒頭に示したとおり、何十年ぶりかでこの制度によって救われて、布団の上で寝ることができるようになった。しかし、新規認定が打ち切られ、負担の重さから新薬が使えず、新たに布団の上で横になって寝られない、そういう患者さんたちが生まれることが予測されているんです。見放すことはできないんじゃないでしょうか。
国がその責任を果たすべきなのは当然ですが、都としても平成三十年度からの患者負担導入の撤回と、打ち切った新規認定を再開することを強く求めます。
続いて、介護職員キャリアパス導入促進事業について伺います。
舛添前都知事は、この介護職員キャリアパス導入促進事業によって、一人当たり平均二万円の手当になると繰り返し宣伝していました。しかし、このキャリアパス導入促進事業の執行率は五・三%と極端に低くなっています。これはどのような理由によるものだと都は考えているのでしょうか、伺います。
○西村高齢社会対策部長 キャリアパス導入促進事業では、介護事業者が国の介護キャリア段位制度に基づきまして、段位の評価を行うアセッサーを確保し、その上で段位取得者を輩出することを要件としております。
本事業で活用する国のキャリア段位制度は、事業者からアセッサーを養成する講習会が年一回で受講しづらい、段位取得の認定審査に時間がかかるなどの課題が指摘されておりまして、事業開始初年度において、段位取得者が十分に輩出されなかったものと認識しております。
○和泉(な)委員 私も介護事業所の施設長になっている方から話を聞いています。キャリア段位取得のために職員にアセッサー養成の講習を受けさせたが、実際にはアセッサー業務と通常業務の両立は困難だということです。
今ご答弁にあったように、アセッサーの業務にはかなりの時間がかかるため、それにかかり切りになれば、当然通常業務の人手が足りなくなり、一人一人の職員の負担がふえてしまう。結局、キャリア段位取得の申請は見送ったということでした。
都は、このような現場の声に対してどのように受けとめ、介護職の処遇改善のためにどのような見直しを考えているのでしょうか、伺います。
○西村高齢社会対策部長 都は、本事業で活用する国のキャリア段位制度の推進を図るため、国及び制度の実施機関であるシルバーサービス振興会に対しまして段位取得の認定審査の簡略化によるアセッサーの負担軽減など、段位制度を効果的に実施できるよう働きかけております。引き続き国やシルバーサービス振興会に働きかけるとともに、事業者に対する説明会やセミナーを開催するなど、事業の普及拡大に努めてまいります。
○和泉(な)委員 段位取得の認定審査の簡略化でアセッサーの負担軽減と、それが段位制度の効果的な実施だというふうに今ご答弁ありましたが、アセッサーの負担を軽くするために認定審査を簡略化すれば、何のための段位制度かということになりませんか。
アセッサーが独立の業務として、その人件費が保障されていない以上、アセッサーがかかり切りになる時間が多少短くなっても、根本的な事業所の負担は変わらないんじゃないかと思います。とてもそちらに手を回していられない、そういう状況そのものが改善されなければ、どんなにセミナーや説明会で事業所へ説明しても、実際は進まないんじゃないかと思います。
保育士不足と同様に、介護現場の人員不足も深刻で、処遇改善が本当に切実に求められています。前知事がいっていたように月額二万円の引き上げにつながると期待した方は大勢いたと思います。今後少なくとも処遇改善が進んでいるか、その検証を行う必要があると思いますが、いかがですか。
○西村高齢社会対策部長 本事業は、介護職員の育成、定着を図るために、国のキャリア段位制度を活用して、職責に応じた処遇を実現するキャリアパスの導入に取り組む事業者を支援することを目的としております。
介護職員の処遇改善の財源は、サービス提供の対価として事業者に支払われる介護報酬等により賄われることが基本でございまして、都は国に対して事業者が介護人材の定着、確保を図り、健全な事業運営を図ることができる介護報酬とするよう繰り返し提案要求しております。
なお、国は介護人材の処遇について、現行の月額最高二万七千円相当の介護職員処遇改善加算に加え、平成二十九年度から月額平均一万円相当の改善を行うこととしております。
○和泉(な)委員 今の介護報酬がそうなっていないということを都も認識しているという答弁だったと思いますが、それならば、なぜ昨年の介護報酬の大幅引き下げに抗議もせず、容認する立場をとったのでしょうか。もちろん働き続けるための賃金を初めとした処遇改善が十分賄えるだけの介護報酬が必要です。国に責任を果たすよう改めて強く求めてほしいと思います。
あわせて、キャリアパス導入促進事業は、実際には執行率からいっても、今のご答弁を見ても、この制度が当初いわれたような介護職の処遇改善には貢献しない、そういう性質のものでもないという認識を示すご答弁もありましたが、都の補助が介護職員の育成、定着に今後どれほどの効果があるかわからないままでいいということにはならないと思います。
さらに、介護人材確保対策事業は、職場体験事業、資格取得支援事業、トライアル雇用事業などを行っていますが、執行率は四九・三%、潜在的介護職員活用推進事業では、派遣会社に委託をして、介護事業者と介護の資格を有する求職者のマッチングを行う事業ですが、百人の計画に対して実際のマッチングはゼロです。
介護の職場を知ってもらう努力、介護の職場に人を集める努力だけでは、介護の人員不足の問題を解決できないということを示しているんじゃないでしょうか。現にそこで働く人たちが働き続けられる処遇に改善することこそ必要です。
キャリアパス促進導入事業については、先ほどのご答弁では、キャリア段位制度を利用しやすくするため、国に働きかけたり、事業者への周知を進めるということでしたが、そもそもこの制度は対象者が一事業所四人までとなっていることからも明らかなように、一部の人だけを対象にするものであり、その点を改善しない限り、求められる十分な改善にはつながらないと思います。
そして、直接介護に従事する職員だけでなく、介護の現場で働く全ての職員の処遇改善に補助が確実につながる抜本的な対策が必要じゃないでしょうか。国が賃金の改善を図ろうとしているなら、都もさらにそこへ上乗せを行うなど、都内で働く介護労働者の処遇改善に踏み出すよう強く求めて、私の質問を終わります。
○島田委員 私からは、まず初めに待機児童解消に向けた取り組みについてお伺いいたします。
先日、東京都は待機児童解消に向けた緊急対策を発表し、さきの定例会において、緊急対策に関する補正予算が成立しました。その際にも私は厚生委員会で質問させていただきましたが、待機児童問題は喫緊の課題でありまして、保育所整備を一層加速させる必要があります。
東京都の保育関連事業には、施設整備費や借地料に対する補助や保育人材の確保に向けた取り組み、市町村の創意工夫を生かした取り組みを支援する交付金など、さまざまな事業があります。こうした施策を総動員して、保育サービスの拡充に取り組む区市町村や事業者を支援しているところでありますが、待機児童を解消していくためには、東京都がより効果的な施策を展開し、区市町村や事業者の取り組みをさらに後押ししていくことが求められています。
予算についても、区市町村の取り組み状況やニーズなどを踏まえて、より実効性の高い事業に重点配分することが必要だと考えます。平成二十七年度の決算説明書のうち、保育関連事業費を見ると、不用額が最も多い事業は、保育所緊急整備事業が約二十三億、執行率は七七・二%、次いで認定こども園整備事業が約六億円で執行率は一三・六%となっております。
そこで、まずこの二つの事業について、事業の内容と不用額が生じた理由をお伺いいたします。
○横手子供・子育て施策推進担当部長 保育所緊急整備事業と認定こども園整備事業は、施設の創設や改築など、施設整備費の一部を補助する事業でございます。
保育所緊急整備事業は、国が平成二十年に創設した安心こども基金を活用して、都が区市町村に補助を行う事業でありますが、国は平成二十七年度の子ども・子育て支援新制度の開始に合わせ、新たな財政支援の仕組みとして、国から区市町村へ直接補助される保育所等整備交付金を創設いたしました。
保育所緊急整備事業に不用額が生じた主な理由は、平成二十七年度にこれらの二つの補助制度の活用が可能となったことから、保育所緊急整備事業を活用した整備見込みの一部について、保育所等整備交付金が活用されたためでございます。なお、保育所緊急整備事業の活用は、七十五施設であり、保育所等整備交付金の活用は十三施設でございます。
また、認定こども園整備事業については、平成二十七年度から二十八年度にかけて整備を行う二カ年工事について、整備開始時期がおくれ、平成二十七年度の出来高が当初見込みよりも減少したことにより、不用額が生じたものでございます。
○島田委員 今ご説明いただきましたが、不用額が生じているわけでありますが、保育所等の整備促進のための補助事業としては、いずれも必要な事業でありまして、また不用額が生じた理由は、国の制度改正などの影響であるということがわかりました。
いうまでもありませんが、保育サービスを拡充していく上で、量的な拡大と質の向上は車の両輪であります。保育サービスを支えているのは保育士でありまして、箱の増設だけではなく、人、つまり保育士の確保、定着に向けた支援の充実が不可欠であります。
そこで、保育人材の確保、定着に向けた都のこれまでの取り組みについてお伺いいたします。
○横手子供・子育て施策推進担当部長 都は、保育人材の確保、定着を図るため、保育士等のキャリアパスの導入に取り組む事業者を支援するほか、保育人材・保育所支援センターのコーディネーターによる就職相談あっせんから就職後の定着までの支援や働きやすい職場環境づくりに関する事業者向けの研修、保育従事者向けの宿舎借り上げの支援など、都独自のさまざまな施策を実施しております。
○島田委員 ただいま説明をいただいたわけでありますが、都は人材の確保、定着に向けて、さまざまな取り組みを行っているところでございます。こうした取り組みの中でも、保育士の処遇改善に向けた支援は、特に重要だと考えております。
都が昨年度から新たに実施している保育士等キャリアアップ補助について、平成二十七年度の実績についてお伺いいたします。
○横手子供・子育て施策推進担当部長 保育士等キャリアアップ補助の実績は、交付対象施設の約八割に当たる二千三百三十事業所から申請を受けておりまして、八十七億五千六百万円、執行率は九八・七%となっております。
○島田委員 今ご答弁いただきましたが、二千三百三十事業所からの申請ということで、八十七億円余、執行率が九八・七%ということです。これだけ執行率が高いということは、このニーズが非常に高い施策なのではないかというふうに考えているところでございます。
保育士の処遇改善を望む声は多くございまして、さらなる支援の充実が必要と考えますが、都の今後の取り組みについてお伺いいたします。
○横手子供・子育て施策推進担当部長 保育士の処遇改善に対する支援については、国は現在、来年度から二%相当の処遇改善を行うとともに、保育士としての技能、経験を積んだ職員に四万円相当の追加的な処遇改善を実施することを検討しております。都の保育士等キャリアアップ補助につきましては、現在の補助制度の活用実態や国の新たな処遇改善策を踏まえ、さらなる充実を検討してまいります。
○島田委員 今ご答弁いただきましたけども、予算編成にこれからかかると思いますが、ぜひ保育士の処遇改善に取り組んでいただきたいというふうに思います。
待機児童解消に向けて、保育サービスを拡充していくためには、区市町村や事業者に対するさらなる都の支援が、充実が求められておりますので、よろしくお願いを申し上げます。
そしてまた、実績が上がらない事業や活用されていない補助事業は見直して、保育士の処遇改善を含む保育人材確保対策など、真に必要な施策に予算を集中投下することが最も有効だと考えております。保育人材の確保、定着に向けたさらなる施策の充実を要望いたしまして、次に児童虐待についてお伺いいたします。
近年、児童虐待の件数が急増しておりまして、全国では毎年のように過去最多を更新し続けています。この増加の要因としましては、子供の前での配偶者に対する暴力、いわゆる面前DVを心理的虐待として、警察が児童相談所に通告するケースがふえているというようなことや、またマスコミによる児童虐待の事件報道や全国共通ダイヤル三桁化一八九の広報などによりまして、国民の児童虐待に対する意識が高まったということに伴う通告の増加などが挙げられるわけであります。都においても同様の状況のこととお聞きしておりますが、確認のために東京都の児童相談所における児童虐待対応件数について、過去三カ年の実績をお伺いいたします。
○松山少子社会対策部長 都内十一カ所の児童相談所が虐待の疑いで相談を受理して、対応した件数は、平成二十五年度が五千四百十四件、二十六年度が七千八百十四件、二十七年度が九千九百九件となっております。
○島田委員 今お聞きしたように、都でも毎年二千件単位で増加しているところでございます。もちろん潜在化していたものが児童相談所につながったものとも考えられまして、その評価は難しいところでありますが、こうした状況というのは極めて深刻であります。通告や相談に実際に対応する児童相談所では、そのまま業務量の増加につながって、職員一人一人の負担になっていきます。
そこで、急増する児童虐待に対応するため、都議会民進党としましても、相談支援の中心となる児童福祉司の増員をこれまで求めてきたところでございますが、その状況について、十年前、二十七年度、さらには今年度の人数についてお伺いいたします。
○松山少子社会対策部長 児童福祉司につきましては、平成十八年度が百五十九名、二十七年度が二百九名、今年度は二百二十七名となっておりまして、この十年間で六十八名増員しております。
○島田委員 現在の社会の情勢におきまして、職員定数を増加させていくということ自体が厳しい中ではございますが、児童福祉司の増員を図ってきたことは評価をしているところでございます。
一方で、人員をふやしていくときには、あわせて専門性の確保をどう図っていくかということが極めて重要だというふうに思っております。人はふえたけれども、質が伴っていかなければ、増員の効果はなくなってしまいますどころか、逆にマイナスになることも考えられます。
児童福祉司の育成が重要であるというふうに考えますが、児童福祉司の育成に係る都の取り組みについてお伺いいたします。
○松山少子社会対策部長 児童福祉司の育成につきましては、研修とOJTを組み合わせながら実施しております。研修につきましては、毎年度人材育成等を担う児童福祉司の専門課長が中心となって策定する研修計画に基づき、新任、二年目、三年目、中級、上級など、職員の経験に応じた内容で行っております。
特に新任の児童福祉司に対しては、一カ月程度をかけて、児童の発育や心理の基礎知識、親子への指導方法などを習得させる初期研修を初め、家族再統合のための援助や法的対応など、年間を通じて多岐にわたる内容の研修を実施しております。
また、OJTについては、新任職員の個別指導等を担う児童福祉司OBやベテラン児童福祉司が面接への同席や家庭訪問への同行などにより、指導をきめ細かく行い、実務能力の向上に取り組んでおります。
○島田委員 特に虐待問題に関しましては、児童福祉司の役割が非常に大きいというふうに思います。特に若い方々の育成について、ぜひよろしくお願いを申し上げたいというふうに思います。
児童虐待の件数が増加している傾向は、今後もしばらく続くと考えられます。そうした中にあっても、児童相談所には全ての子供が心身ともに健やかに育ち、その持てる力を最大限に発揮できるよう、子供とその家庭を援助していくことが求められます。
それに応えるため、児童福祉司を初めとする専門人材のさらなる増員とその育成にしっかりと取り組んでいただきまして、児童相談所の体制をより一層強化していくことを要望しまして、質問を終わります。
○まつば委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後二時五十八分休憩
午後三時十三分開議
○まつば委員長 休憩前に引き続き分科会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○西崎委員 私からは、まず認知症対策について伺いたいと思います。
東京は、超高齢社会を目前にして高齢者人口がふえていますけれども、今後さらに増加が見込まれます認知症高齢者が住みなれた地域で安心して生活できるよう医療、介護等の支援体制の充実が求められております。
認知症の施策の中心となる区市町村が着実に事業を進めることができるよう積極的に支援をしていくことが重要です。都は、これまで認知症の医療や専門相談、地域のネットワークづくりを担う認知症疾患医療センターの整備を進めるなど、地域における認知症支援の体制整備を進めています。その中でも、平成二十五年度から都独自に配置を進めています認知症支援コーディネーター事業など、早期発見、早期対応への取り組みについては、区市町村における認知症の対応力を高める取り組みとして効果的であると考えます。
そこでまず、区市町村に配置している認知症支援コーディネーターの平成二十七年度の活動内容と実績について伺います。
○西村高齢社会対策部長 認知症支援コーディネーターは、地域包括支援センターで対応困難な事例に対し、助言や同行訪問などの支援を行うとともに、地域拠点型認知症疾患医療センターに配置している認知症アウトリーチチームと連携して、認知症の早期発見、早期対応を進める役割を担っております。
平成二十七年度からは、区市町村ごとに一名であった配置を高齢者人口に応じて二名まで配置できることとし、また、新たにスキルアップを図るための研修を年二回実施するなど、体制の充実を図っております。
平成二十七年度は、二十九区市において五十八名の認知症支援コーディネーターが配置されておりまして、認知症の人の家族などから前年度の三倍を超える九千三百七十九件の相談を受け、適切な医療、介護サービスにつなげております。
○西崎委員 区市町村における早期発見、早期対応の取り組みとしては、認知症支援コーディネーターの配置に加えて、認知症が疑われる人に対して医療、介護の専門職らが当事者や家族を訪問して支援する認知症初期集中支援チームがあります。
都内では、平成二十五年度から私の地元であります世田谷区がモデル事業として、この事業を開始しております。国の新オレンジプランにおいて、区市町村は平成三十年度までにこの認知症初期集中支援チームを配置することとされていますが、その進捗状況と都としての支援策について伺います。
○西村高齢社会対策部長 認知症初期集中支援チームは、平成二十六年度より事業を開始し、初年度は二区市での実施でございましたが、平成二十七年度には十区市で二十四チームが配置され、百八十九名の方を対象に延べ六百回の訪問支援を実施いたしました。区市町村への意向調査の結果、平成二十八年度には、さらに十一区市で認知症初期集中支援チームが配置される予定でございます。
都は、初期集中支援チーム員に必要な知識、技能を習得するため受講が義務づけられている研修費用の負担や、認知症アウトリーチチームが培ってきた訪問支援のノウハウの提供など、区市町村におけるチームの配置を支援しております。また、都が区市町村ごとに整備を進めている認知症疾患医療センターでは、認知症初期集中支援チームの業務の受託、チーム員の派遣など区市町村の実情に応じた協力を行っております。
今後とも、平成三十年度までに区市町村が認知症初期集中支援チームを設置できるよう支援してまいります。
○西崎委員 専門職によります認知症の早期発見、早期対応は非常に重要であり、この取り組みがさらに進むよう都としても積極的に支援をしていくことを要望しておきます。
さて、新オレンジプランでは、早期発見、早期診断とともに介護者への支援が認知症の生活の質を高めるといわれており、介護者の支援を推進していくことが示されています。例えば都内の区市町村でも認知症カフェが設置されつつありますけれども、認知症の人が住みなれた地域で安心して生活できるようにするためには、孤立しがちな認知症の人やその家族が集うことができる場を広げていくことも家族支援の有効な手段であると考えます。
そこで、認知症の人とその家族の交流の場となる認知症カフェに対して、都としてどのような取り組みを行っているのか伺います。
○西村高齢社会対策部長 認知症の人とその家族が在宅生活を継続していくためには、地域において認知症の症状や治療に関する正しい情報を得たり、介護者同士が交流することができる場が必要でございます。
認知症カフェについては、区市町村やNPO、家族会などさまざまな主体が開設しておりまして、平成二十七年度には四十区市町村、二百二十六カ所で実施されております。都は、区市町村包括補助により認知症疾患医療センターなど医療機関と連携した認知症カフェの開設を支援しておりまして、平成二十七年度には七区市において三十五カ所のカフェが実施されております。これらのカフェでは、医師などの医療関係者による講座や個別相談の実施、専門職と家族との交流などが開催され、介護者支援の拠点となっております。
今後とも、区市町村が地域の実情に応じて家族の支援に取り組むことができるよう支援してまいります。
○西崎委員 私の身の回りにも認知症の人を抱える家族がふえてまいりました。家族が目を離した途端に徘回し家に帰れなくなったり、いろいろなトラブルが続き、日常の生活を送るのも困難になると聞きました。今後、増加が見込まれる都内の認知症の人とそのご家族が安心して暮らせるよう、引き続き都としてもしっかり区市町村を支援していくことを要望しておきます。
次に、在宅療養について伺います。
地域での生活を支える地域包括ケアシステムの構築を進めていくためには、医療と介護の連携が欠かせません。疾病を抱えても要介護状態になっても、自宅等の住みなれた生活の場で療養し、自分らしい生活を続けられるようにするためには、医師を初め歯科医師、薬剤師、訪問看護師、介護支援専門員など地域における医療と介護の関係者が連携し、多職種協働により在宅医療、介護を一体に提供することが必要となります。
都は、住民に最も身近な区市町村が、地域の実情に応じて医療、介護の連携に向けた取り組みを進めることができるよう支援するとともに、関係機関と連携した多職種連携の取り組みを進めていますが、こうした在宅療養推進に向けた昨年度の取り組み状況について伺います。
○成田医療改革推進担当部長 都は、地域の在宅療養体制を整備するため、包括補助等を活用いたしまして医療、介護の関係者等が参画する協議会や在宅医療、介護連携に関する相談に対応し、病院から在宅への円滑な移行等を調整する支援窓口の設置等を行う区市町村の取り組みを支援しております。また、在宅療養患者を支える関係多職種が、ICTを活用して効果的に情報共有するための地区医師会の取り組み等につきましても推進しております。
平成二十七年度は、協議会は五十、支援窓口は三十三の区市町村が取り組むとともに、四十五の地区医師会がICTを活用した多職種連携の取り組みを実施しておりまして、地域における医療と介護の連携に関する取り組みが進んできております。
○西崎委員 在宅療養において、これまで課題になっていましたたんの吸引については法整備がされ、平成二十四年度より一定の研修を受講することにより、たんの吸引等の行為が一定の条件のもとでできるようになりましたが、昨年度、介護職員が研修を終了した実績についてお聞かせください。
○西村高齢社会対策部長 都では、平成二十四年二月より特別養護老人ホームなどの施設で、不特定多数の方にたんの吸引等を行う職員を対象とした研修と、在宅療養患者等の特定の方にたんの吸引等を行う職員を対象とした研修を実施しております。このうち、特定の方にたんの吸引等を行う職員を対象とした研修につきましては、個々の利用者ごとに受講することとされております。
平成二十七年度の修了者は、不特定多数の方にたんの吸引等を行う職員を対象とした研修は四百七十八名、特定の方にたんの吸引等を行う職員を対象とした研修は、延べ二千五百三十八名でございまして、合わせて延べ三千十六名となっております。
○西崎委員 今後も在宅医療、介護を一体的に提供できるように進めていってほしいと思います。
次に、子育て支援からゆりかご・とうきょう事業について伺います。
近年、妊娠期から子育て期にわたって、子育て家庭を切れ目なく支援するフィンランドのネウボラという仕組みが注目を集めており、日本でもそれを参考にした支援体制の整備が強く求められています。
ネウボラとは、フィンランド語で助言の場を意味しており、フィンランドでは全ての子育て家庭を対象として、妊娠期から子供の就学期まで、原則として同じ保健師が一貫した支援体制を行っています。
東京都は、地域における妊娠、出産、子育ての切れ目のない支援体制を整備するため、平成二十七年度からゆりかご・とうきょう事業を開始していますが、昨年度の区市町村の取り組み状況についてお聞かせください。
○松山少子社会対策部長 ゆりかご・とうきょう事業は、保健師等の専門職が全ての子育て家庭の状況を妊娠期から把握し、継続した支援体制の整備を進めるため区市町村を支援するものでございまして、昨年度は十三の区市町村が実施いたしました。
自治体によりましては、産前産後と、複数回育児パッケージを渡すことによって家庭の状況を把握する機会をふやすなど独自の工夫をしながら取り組んでおります。
○西崎委員 昨年度は、十三の区市町村がゆりかご・とうきょう事業を実施したということですけれども、今後はもっと多くの自治体で実施することが望まれております。
そして、育児パッケージについてお話を伺いましたけれども、先ほどフィンランドのネウボラのところで触れさせていただきましたが、やっぱりこの事業の特色は、保健師が一貫した支援体制、相談体制を行うというところが重要なかなめになってくると思いますので、単に育児パッケージを提供するだけではなく、ぜひ世田谷など人口がかなり多い保育園の待機児などを抱えている自治体では、こういった人材の養成、確保などもしっかりと支援していっていただきたいと思っております。
そこで、この事業をより広めていくために、都はどのように取り組んでいかれるのか伺います。
○松山少子社会対策部長 都は、より多くの区市町村にゆりかご・とうきょう事業を実施していただくため、区市町村の保健衛生主管課長会や職員向け研修、担当者連絡会等において、事業の意義や先行して実施している自治体の取り組み内容を伝えるなど積極的に働きかけをしております。
今年度は、現時点で三十二の区市町村がゆりかご・とうきょう事業に取り組む予定となっております。
○西崎委員 東京の子育ては、とても孤独に感じるというお話を聞いたことがあります。子育て家庭の不安を軽減するためには、身近な自治体である区市町村が、妊娠期から切れ目なく支援することが重要ですので、都としてもしっかり支援していくことを要望しておきます。
次に、動物愛護について伺いたいと思います。
動物愛護管理法の改正によりまして、動物取扱業の規制が強化されて三年が経過いたしました。この法の改正の焦点は、繁殖業者やペットショップなど動物取扱業者の規制強化でしたけれども、まだまだ不十分という指摘もあります。今後、動物愛護の取り組みを一層進めていくためには、動物取扱業者が規定の遵守や動物の適正管理を徹底することが重要であると思います。
都は、動物取扱業者に対し、どのような指導や行政処分を行っているのか、また平成二十五年の改正法施行後、現在までに行った行政処分等の件数について伺います。
○小林健康安全部長 都は、動物愛護管理法及び動物愛護管理条例に基づき、第一種動物取扱業者に対して、主要施設や設備の管理、動物の管理などの基準の遵守状況等について、定期的に監視指導を実施しております。また、都民等から苦情を受けた場合には、速やかに立入検査を行っております。
問題のある事業者に対しましては、重点的に監視指導を行い、改善が図られない場合は法に基づき改善勧告、改善命令、業務停止命令、登録取り消しを行っております。
平成二十五年の改正法施行から現在までに都が行った行政処分等の件数は、改善勧告二件、改善命令二件、業務停止命令二件、登録取り消し一件でございます。
○西崎委員 昨年、世田谷にあります東京都動物愛護相談センターを訪問して、現状についてお話を伺いました。最近では、犬や猫の殺処分が減っているということですけれども、それには地域での動物愛護推進員の活動が大きな役割を果たしているのではないかと思います。
動物愛護の取り組みを進めていくためには、地域の身近な相談員である動物愛護推進員の活動が重要であります。動物愛護推進員について、平成二十七年度に行った推進員の活動支援の内容についてお聞かせください。
○小林健康安全部長 動物愛護推進員は、地域における動物の愛護と適正な飼養を推進するため、飼い主への助言、飼育が困難となった高齢者への支援、小中学校における動物教室などでの活動を行っており、平成二十八年九月末現在、都内全域で三百三名の推進員を委嘱しております。
都は、推進員の知識の習得やスキルアップを図るための研修会などを実施しており、昨年度はペットの行動学、推進員活動に必要なコミュニケーションの手法、多頭飼育問題のアプローチなどをテーマとした研修会を四回、動物愛護相談センターの事業紹介や意見交換を内容とする情報連絡会を二回開催しております。
また、昨年度は、子供向けに飼い主の責任や終生飼養についてわかりやすく解説したアニメーションDVDや、ペットを飼育する高齢者が心がけることを盛り込んだパンフレットを作成しており、推進員には地域での活動に活用できるよう提供いたしました。さらに、都民の理解を得ながら地域で円滑に活動できるよう、パンフレットや動物愛護イベントなどで、その活動を広く紹介しております。
○西崎委員 いろいろ取り組みは進めているようですけれども、ぜひ今後も地域で頑張っている動物愛護推進員の支援についても一層充実させていってほしいと思います。
最後に、食の安全について伺いたいと思います。
食品を選択するためには、表示の仕方が大変重要であると思います。昨年二月に改定されました食品安全推進計画には、重点施策に法令、条例に基づく適正表示の指導が挙げられております。現在、食品表示法の移行期間でありますけれども、どのように周知しているのか、どのようにアドバイスを実施しているのか、お聞かせください。
○仁科食品医薬品安全担当部長 平成二十七年四月に食品表示法が施行され、経過措置期間の期限である平成三十二年三月三十一日までに、事業者は新たな表示基準に基づく表示に変更しなければなりません。このため、都では事業者が適切な表示を行うことができるよう、表示基準に関するさまざまな普及啓発等を実施しております。
昨年六月には、事業者からの食品表示法に関する相談を一元的に受け付ける東京都食品表示相談ダイヤルを設置し、平成二十七年度には、原材料や栄養成分の表示方法などについて七千三百件を超える相談に対応しております。
また、食品表示法の概要についてパンフレットを作成し、これらの資材を活用して新たな表示基準に関する事業者向け講習会を二十一回、延べ約四千八百人に対して実施いたしました。さらに、表示作成のポイント等をわかりやすく映像で解説したDVDを五千枚作成し、食品の製造者、輸入者や事業者団体などへ配布するとともに、インターネットで動画配信しております。
○西崎委員 現在、全加工食品に義務づけることになりました原産地表示について、具体的な検討がされていますけれども、例えば輸入、または国産という表示も認められるようでは、原産地表示の意味がない、食べ物の安全性を、市民の不安を払拭し、国内産を応援するような表示が求められると思います。今後の議論の行方が注目されるところだと思います。
また、多くのいわゆる健康食品が販売されていますけれども、成分や効能、表示についての疑問や健康被害につながりかねない問題もあります。昨年度の健康食品に対する調査の実績と、違反時にどのような対応をされたのか伺いたいと思います。
○仁科食品医薬品安全担当部長 都では、健康食品による健康被害を防ぐため、毎年度健康の保持増進を標榜するなど法令違反の可能性が高いと思われる市販品を購入した上で、表示や成分が適切であるか調査、確認をしております。
平成二十七年度は百二十六品目を購入し、三品目から医薬品成分を検出し、百三品目で不適正な表示や広告を確認いたしました。医薬品成分を検出した三品目については、製品を販売した都内店舗に対し、販売中止及び自主回収を指示するとともに、ホームページで危険性などを都民に周知いたしました。
また、不適正な表示、広告を行った事業者に対しましては、直接、または製造元等を所管する自治体を通じまして、事業者への改善等指導を行っております。
○西崎委員 口に入るという意味では、食品だけではなくて食器や包材などの材質についても注意が必要であると思います。食器やトレーに有害化学物質が含まれていますと、健康被害を引き起こすおそれがあります。
百円ショップにあふれるプラスチック製品がさまざまな用途に使われており、安全性への懸念を耳にすることも多いです。輸入品がふえる中で、国はポジティブリスト制度の導入を検討するとのことであります。規制強化を図り、安全性を向上するように取り組んでいっていただきたいと思います。
そこで、都は食器やおもちゃなどのサンプル検査を行っていますが、昨年度どのくらい検査を行っているのか、また違反があった場合はどのように対応されたのか伺います。
○仁科食品医薬品安全担当部長 食品衛生法では、器具、容器包装や乳幼児が口にする可能性があるおもちゃなどの安全性を確保するため、鉛などの毒性が顕著な物質について、含有量や溶出量の制限を定めております。
都では、都内の大規模製造施設の商品に使用するスプーンやプラスチック容器などの器具、容器包装のほか、おもちゃについて法定基準に合っているかの確認を行っております。
平成二十七年度は、器具、容器包装六十八検体、幼児用おもちゃ八検体、乳首二検体、合計七十八検体の検査を実施し、違反となった検体はありませんでした。
違反を発見した場合は、食品衛生法に基づき販売禁止等の必要な措置を行うとともに、違反の概要や措置の内容をホームページで公表いたします。
○西崎委員 東京都もしっかり取り組んでいることはわかりましたけれども、食品の安全性に関する情報を手に入れることは、消費者にとって大変重要でありまして、今後もホームページでもわかりやすく見やすい表示を要望して、質問を終わりたいと思います。
○植木委員 私は最初に、最近大きな問題になっております、その一つであります受動喫煙防止の問題について質問したいと思います。
私自身、たばこは生まれてこの方吸ったことないんですけれども、どうしてかといいますと、私が子供のころ、今の電車と違って機関車の時代でして、とにかく換気が悪い中で、当時は禁煙なんていう概念がなく、誰もがどこでもたばこを吸っていて、子供ながらに蒸気機関車の中で、旅行したり田舎に帰ったりするときには本当に苦痛を覚えて、それがきっかけでたばこそのものを嫌いになってって、そういう経験をしてきているんですけども。
この喫煙による煙に含まれるさまざまな有害物質、これが喫煙者が肺に直接吸い込む主流喫煙、主流煙というんですか、それよりも吸っていないときに立ち上がる副流煙、多く有害物質が含まれる副流煙と、それから呼出煙を喫煙者の周りにいる人が吸い込むことにより受動喫煙が起こるわけですね。つまり、他人が吐き出した煙を吸うことによって有害物質を吸い込んでしまう、たばこを吸わない人に健康被害が起きる、こういうことになってしまうわけですね。
受動喫煙に関連する疾患や病態として、成人には脳卒中、肺がん、COPDなどの呼吸器疾患、心疾患、低出生体重児などがあったり、子供たちにも乳幼児突然死症候群、気管支ぜんそくを初め、さまざまな疾患が挙げられています。ですから、より厳しい対策が求められていると思うんですね。
この受動喫煙について、平成二十七年、この決算年度に東京都は受動喫煙に関する都民の意識調査、これを行っていると思うんですけれども、この調査の目的、調査の概要、法規制についてはどのような都民からの意思表示がされているか、まずお答えいただきたいと思います。
○上田保健政策部長 健康増進法では、多数の者が利用する施設を管理する者は、これらを利用する者について、受動喫煙を防止するために必要な措置を講ずるように努めなければならないとしております。平成二十七年度、都民の受動喫煙に関する意識を把握し、今後の施策の参考にすることを目的といたしまして、都内の男女一万人を対象とし調査を実施したものでございます。
結果の概要ですが、回答者数が五千四百九十人であり、喫煙率が一五・六%、受動喫煙に遭うことが多い施設としては、飲食店、駅、空港、ホテル、旅館の順となっております。施設に対して、法的な規制がある方がよいとの回答は、六六・一%でございました。
○植木委員 規制があった方がよいというのが六六・一%、大変多くなってきているというふうに思うんですね。健康増進法でそういうふうに規定されていても、なおかつ、なかなか進まない。これは喫煙される方の嗜好の問題等々いろいろあると思うんですけども、WHO、いわゆる世界保健機構では、たばこ規制枠組み条約に基づいて、たばこ規制枠組み条約第八条の実施のためのガイドライン、これを作成して、たばこによる健康被害を減らそうと懸命に取り組んでおられます。
WHOの資料によりますと、喫煙に起因する年間死亡者数が、世界では能動喫煙によって約五百万人、受動喫煙によって六十万人と報告されていますが、日本人の喫煙、それから受動喫煙による年間の死亡者はどのくらいと推計されているでしょうか。
○上田保健政策部長 平成二十八年八月に国が示した喫煙の健康影響に関する検討会報告書によりますと、日本人の年間死亡者数は、能動喫煙によって約十三万人、受動喫煙によって約一万五千人と推計されております。
なお、受動喫煙による死亡推計数は、肺がん、虚血性心疾患及び脳卒中による死亡とされております。
○植木委員 両方合わせると大変な人数が亡くなられている、肺がんだとか実例も挙げられました。やはりたばこに対して、もっともっと喚起していかなければならないというふうに思うんですね。
最近、駅周辺でポイ捨て禁止とかいろんな取り組みを各自治体で行って、そうした努力は進められておりますけれども、やはり積極的にこれを禁煙にしていく、受動喫煙防止、こういうところまではまだまだ至っていないというふうに思うんですね。そういう意味で、とても深刻な状況があるわけです。
諸外国では、法による規制にさまざまな取り組みをされていると聞いています。例えばWHOとIOC、つまり国際オリンピック委員会では、たばこのないオリンピックを目指すことで合意し、たばこのない五輪、これを目指すと聞いています。それぞれのオリンピックでは、この禁煙対策を行っておられるということですけども、どういう精神で、そして二〇〇四年以降の開催国ではどのような動向になっているのか、実態をお示しください。
○上田保健政策部長 二〇〇四年以降のオリンピック・パラリンピック競技大会の開催地における受動喫煙防止対策は、屋内を全面禁煙とするなど法律や条例で受動喫煙防止対策を講じております。
○植木委員 屋内を初めということで、禁煙が徹底されているというお話がありました。ちなみに、二〇〇四年のアテネでは、法律で医療施設、飲食店、職場等となっています。職場というのは、いわゆる働いている場所ですから、オリンピック施設周辺だけではない、そういうところまで禁煙だと。しかも罰則規定もあるというふうになっていたり、世界の国々を見てみますと、やはり公共施設、職場、飲食店、こういうところを含む、そういう厳しい禁煙対策をとっておられるということが、このオリンピックを契機にかその前からか、この国の実情によって違うんでしょうけども、そういう取り組みがされていたり、市条例、あるいは州法、州による法律ですね、そうしたことが出されていると思うんですけども、いずれにしても、オリンピックの全ての開催の都市で法規制が行われているということです。
日本としても、このWHOのたばこ規制枠組み条約の精神を具体化していくことが求められていると思うんですけども、まず国としてはどのような対応をされているんでしょうか。
○上田保健政策部長 現在、国では二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の基本方針に基づき検討チームを設置し、受動喫煙防止対策の強化に向けて検討を進めているところでございます。
平成二十八年十月には、検討チームに厚生労働省から受動喫煙防止対策の強化について、たたき台が提示されました。今後、関係団体のヒアリングが行われ、立法措置を含めた検討を進める予定と聞いてございます。
○植木委員 WHOによりますと、日本の受動喫煙防止対策の状況は最低レベルだという極端な指摘があって、それだけに具体的な取り組みが問われていると思うんですね。都としても積極的な取り組みを行うことは、首都東京でありますから、国の取り組みを牽引するためにも大変重要だというふうに私は思うんです。
それで、都としての対応について、受動喫煙防止の条例化が重要だと思いますが、具体的な条例づくりは進んでいないという状況があると思うんです。医師会を初めとした多くの関係者や関係団体から条例化を望む声が上がっています。都として条例化を急ぐべきだと考えますが、見解を伺います。
○上田保健政策部長 平成二十八年十月には、先ほどもご答弁いたしましたが、検討チームに厚生労働省から受動喫煙防止対策の強化について、たたき台が提示されました。
都といたしましても、都民の健康増進の観点から受動喫煙防止対策を一層進めてまいります。その中で、条例化につきましても国の動きを踏まえながら総合的に判断してまいります。
○植木委員 今、厚生労働省の示したたたき台のことが出ましたけれども、これは内容を見てみますと、官公庁や運動施設など建物内は禁煙などとなっておられますし、それから特に医療機関、小中学校、これは敷地内禁煙となっている。これは当然ですよね、医療機関や学校教育の現場でたばこが、禁煙でないなんていうのはおかしいですから。しかしながら、事務所や飲食店、駅などについては、原則建物内禁煙、括弧して喫煙室設置可、こういうふうになっていたり例外を認める場所が非常に広範囲にわたっていると。
WHOの指針などに沿って考えますと、全面禁煙以外の措置は、受動喫煙を防ぐものとしては不完全だとくぎを刺しているわけですから、やはり特に長い時間過ごす職場を初めとして、多くの人が集まる場所などでは、対策が不足すれば全体として施策が台なしになっていくと思うんですね。それだけに関係者の指摘は非常に厳しいと。
私たちもこの間、受動喫煙防止対策について求めてきましたが、WHOの指針に沿った対策が必要だと考えています。ぜひ東京都が先行して条例をつくるなど積極的な対策を行うように、条例化を強く要望をしておきます。
次に、震災対策について、ハードとソフトの両面から質問をしたいというふうに思います。
まず、最近とにかく震災で、福祉施設が問題になる事例というのがいろいろ出てきていますね。震災だけじゃなくて火災、水害、いろんなケースがあります。かつて群馬県の渋川市の静養ホームたまゆらという未届けの高齢者施設で火災があって、結局、逃げ切れずに都内の高齢者を含む十人ぐらいが亡くなられた。その後、スプリンクラーの設置を支援するということで答弁が当時あって、施設への補助が行われ、そして国としての義務づけも行われるようになって対策が前進したと、こういうことで一つの何かきっかけがなければ、なかなか前へ進まないというのでは、やはり困るわけで、ふだんからの努力が非常に重要だと思うんですね。特に、みずからの力でなかなか避難できないケースが多い高齢者、水害のときもそうでしたよね。避難訓練の計画があっても、実際にその訓練がきちっと実施されていないと、こういうケースがある。そういう意味で備えを十分にしていくということは、十分過ぎるということはないわけですね。
そこで、今回は高齢者施設や保育所などの民間福祉施設の耐震化について、絞ってお聞きしたいというふうに思います。
都として、震災に対して耐震診断、耐震改修など、どのような目的を持って、どのような対策を進めているのか、まずお示しいただきたいと思います。
○後藤総務部長 高齢者施設、あるいは保育所などの社会福祉施設等は、乳幼児や高齢者など災害時に自力での避難が難しい方が多く利用する施設でありますとともに、その一部は地震発生時に被災者の受け入れ機能を果たしますことなどから、各施設の耐震性の確保は不可欠でございます。したがいまして、東京都は耐震化に取り組む施設を積極的に支援しております。
現在の目標といたしましては、東京都長期ビジョンにおきまして、社会福祉施設等のうち主に災害時要配慮者が利用いたします入所施設及び保育所につきましては、平成三十二年度末に耐震化率一〇〇%とすることとしてございます。
社会福祉施設等の耐震化に向けました取り組みといたしましては、平成二十年度から建物の耐震診断を希望する施設に対しまして、補助率五分の四の耐震診断補助事業を実施してございます。また、平成二十一年度から、耐震診断で改修が必要となりました施設に対しまして、最大で補助率八分の七の耐震改修補助事業を実施しております。
さらに、耐震化促進事業といたしまして、平成二十三年度からは取り組みに消極的な施設を個別に訪問いたしまして、耐震化の手法や補助制度等につきまして、わかりやすく説明する事業でありますとか具体的な工法や利用者への配慮などにつきまして、技術的な助言などを行いますアドバイザーを派遣する事業を行っております。
○植木委員 いろいろ取り組みが行われているという報告だったと思うんですけども、それにしても三十二年度末までに一〇〇%と。計画というのは、できるだけ早い方がいいわけですよね。
これまでの具体的な実際の取り組みの状況と、平成二十七年度の実績はどうなっているでしょうか。
○後藤総務部長 厚生労働省の調査に基づきます耐震化の状況で申し上げますと、平成二十六年十月現在、都内社会福祉施設一万七千三百二十八棟のうち、耐震済みの棟数は一万五千四百七でございまして、耐震化率で申し上げますと八八・九%となっております。
耐震化に向けました都の事業の平成二十七年度の実績でございますけれども、耐震診断補助事業は二棟で八十五万六千円、耐震改修補助事業は六棟で一億二千四百七十六万円となっております。
また、耐震化促進事業では、電話や施設の訪問によります説明は八百九十九件、アドバイザーの派遣によります技術的助言や提案は十五件でございまして、決算額は人件費、あるいはパンフレットの印刷費等で約一千三百七十万円となってございます。
○植木委員 八八・九%、九〇%近いんだけども、なかなかそこが見えてこない状況が今のお話ではあると思うんですね。
実際に、現時点で耐震診断や耐震改修、これを行っていない施設、これは都内にどのくらいあるか、把握状況を教えていただきたいと思います。
○後藤総務部長 平成二十八年七月現在、都内の社会福祉施設等のうち、耐震診断の補助対象で未診断のものは約百四十棟ございまして、そのうち改修中のもの、あるいは廃止予定のもの、さらには二十八年度に診断見込みのものなどを除きますと、約四十棟程度が未診断であると推計されます。
また、未改修の棟数につきましては、耐震診断結果によりまして改修の要否が決まりますため、推計は困難となってございます。
○植木委員 四十棟が残っていると推計されると、改修の方は把握されていないということですが、決算年度も含めて実際にこの五年程度で見ると、進行状況ですね、耐震診断と改修の推移をお示しいただきたいと思います。
○後藤総務部長 耐震診断補助と耐震改修補助のそれぞれの過去五年間の実績棟数でございますけれども、それぞれ平成二十三年度で申し上げますと、八十一、三十四、平成二十四年度が三十八、四十七、平成二十五年度が二十五、十八、平成二十六年度が十、それから八、さらに平成二十七年度は、ただいま申し上げましたとおり、耐震診断が二棟と改修補助が六棟となってございます。
○植木委員 今、決算年度までの推移を示していただいたんですけれども、二十三年当初は積極的に都の施策を活用して、診断も改修も、診断が八十一、改修が三十四と進んだと、これは大変結構なことですけども、年々下がってきているというのが今のデータですよね。決算年度に至っては、診断は二カ所、改修は六カ所。これは、やはり四十棟という、先ほどの未診断はというお話でしたけれども、残っているものというのは、それだけいろんな事情があったり、それから積極的でないのか、そこは一つ一つによって違うからよくわからないんですけども、やはり耐震改修、診断は四十程度、改修に至っていないのは多分それより多いんじゃないかというふうに思うんですよね。
そういう意味で、一つは何で進まないのかということがあると思うんですね。それから、ちょっと実例を話しますと、熊本地震では、複合型の老人福祉施設では定員百三十人のところに地元で被災を受けた個人の在宅で要介護者の方々、それから他の施設でもう施設が大変だということで避難されてきた方、つまり福祉施設がそういう避難施設でもあるケースもあるわけですね。そういう意味で、残りが四十程度というのはどのくらい、一つ一つの規模がわかりませんからあれですけども、たとえ四十でも六十でも、やはり一つ一つ丁寧に最後までやっていかないといけないと思うんですね。
この熊本県の複合型の老人福祉施設では、定員百三十名のところに、さらに三百名集まってしまった。だから、個々の住宅の耐震化はもちろん重要なんですけれども、そうでないところの福祉施設の耐震化、それから避難場所にもならざるを得ないような施設の耐震化、これはやはり非常に重要だと思うんですね。そういう意味で、何としても耐震化を一刻も早く促進すべきだと思いますけれども、見解を伺います。
○後藤総務部長 先ほど申しましたとおり、東京都としましては、これまで耐震化に取り組みます社会福祉施設等の施設に対しまして、施設整備のハード面の支援だけでなく、施設が耐震化に取り組みやすくなりますよう、施設を訪問して説明や助言を行うなどソフト面での支援も行っております。
繰り返しになりますけれども、社会福祉施設等の耐震性の確保というのは不可欠であるというふうに認識しておりまして、各施設の耐震化は重要な課題でございます。こうしたことを踏まえまして、今後とも適切に取り組みを進めてまいります。
○植木委員 先ほど年度ごとの数字を聞きましたけども、決算からわかることは、だんだん診断も改修も減ってきている。残っている施設は、先ほどもいいましたように、いろんな事情があるかもしれない。それだけにとりわけ力を注いでいかなきゃいけない。同時に震災というのはいつ来るかわからない。先日も鳥取で震災がありましたけれども、やはりそういう意味で耐震改修も含めて思い切った措置をとって、目標の前倒しを含めて一刻も早く推進するよう求めて、この質問を終わります。
同じく震災にかかわるものや、あるいは火災にかかわるもの、いろんな原因によって被害を受ける、そういう患者への対応について、支援について、とりわけ在宅人工呼吸器の使用者患者への支援について伺います。
まず、在宅で人工呼吸器を使用している患者、これは都内にどのくらいおられるのでしょうか。そのうち特に難病患者の方とそれ以外の方、それぞれ何人になるのでしょうか。まずそこをお答えいただきたいと思います。
○上田保健政策部長 平成二十三年度に実施した都の調査では、在宅人工呼吸器使用者数は八百四十二人であり、そのうち難病患者は四百十七人、難病患者以外の人工呼吸器使用者は四百二十五人となっております。
○植木委員 平成二十三年ということですから少し前の調査ではありますけれども、やっぱり八百人から九百人ぐらいで、難病患者とそれ以外の方々、約半々という人数がお示しされました。
それで、在宅で人工呼吸器を使用している患者は、震災のときに電気が使えなくなると命取りになるということだと思うんですけども、まず難病患者についてですけれども、都として在宅人工呼吸器使用難病患者非常用電源設備整備補助、こういうのを行っていると伺っています。この制度の目的、それから制度の内容、これについてまずお伺いしたいと思います。
○上田保健政策部長 平成二十三年の東日本大震災の際、計画停電などが行われ電力不足が懸念されたことから、都は緊急対策として難病患者を含めた在宅人工呼吸器使用者を対象とした在宅患者緊急時対応支援事業を平成二十三年度及び平成二十四年度に実施いたしました。
本事業は、この緊急対策事業を引き継いだものでございまして、在宅で人工呼吸器を使用している難病患者の停電時における安全確保を図ることを目的として、平成二十五年度から開始いたしました。
事業の内容は、人工呼吸療法を実施するなど一定の要件を満たす医療機関に対し、在宅で療養している難病患者に無償で貸与するための自家発電装置や無停電装置の購入経費を補助するものでございます。
○植木委員 平成二十五年度から実施されたということですが、この難病患者への補助実績、この推移についてどうなっているかを示していただきたいと思います。
○上田保健政策部長 実績でございますが、平成二十五年度は十一医療機関二十四人、平成二十六年度は十四医療機関二十二人、平成二十七年度は二十二医療機関二十九人でございます。
○植木委員 どのくらい年に受ければ、新しい患者さんなのかもしれませんけども、二十人から二十九人の範囲内ということですね。
さらに難病患者以外の方、当然、以外の疾患の方でも人工呼吸器を使われる方はたくさんいるわけですね。先ほど人数は示されました。この制度は、在宅人工呼吸器使用者療養支援事業というふうにいわれているそうですが、そちらの実績についても、まずお示し願いたいと思います。
○成田医療改革推進担当部長 お話の在宅人工呼吸器使用者療養支援事業につきましては、難病患者以外の在宅人工呼吸器使用者の停電時の安全確保を図るため、区市町村が自家発電装置や吸引器等を在宅人工呼吸器使用者に無償貸与、または給付するための経費を包括補助により支援するものでございます。
事業開始の平成二十五年度から二十七年度までに、包括補助を活用して取り組みを行った区市町村は一区でございました。本事業開始前の平成二十三年度、二十四年度は、難病患者も含めた在宅人工呼吸器使用者を対象とした在宅患者緊急時対応支援事業を実施しておりまして、その実績は自家発電装置二百四十六件、吸引器五百八十九件となっております。
○植木委員 実績は一区ということで、ちょっとびっくりしているんですけども、今二つの事業をお聞きしたんですけども、整理すると、この施策を始めたのは東日本大震災で、山形県の患者さん、人工呼吸器や酸素濃縮装置、こういうのを吸入していた女性の方が亡くなられたということをきっかけにして、厚労省が各都道府県に通達を出し、それで人工呼吸器の販売、製造をしている企業にも通達を出して、震災時にこういうことが起きたから対策をとらなきゃいけないということで始めたという制度ですね。それで、その通達を受けて、一一年度と一二年度に緊急に全ての在宅人工呼吸器使用者を対象として、災害時の電源確保のための設備を無償貸与する事業が行われた。
また、一三年度になりますと、やはり厚労省から難病患者への通達も出て、難病患者は都が直接事業を行い、それ以外の患者は区市町村が事業を行った場合に費用の二分の一を補助すると、こういう仕組みになったと。その結果、先ほど実績が示されたように、難病患者の方々は二十二件から二十九件。ところが、それ以外の患者さんは、都が把握しているのは一件だったと、こういうことですね。
ですから、制度名は区市町村の場合、在宅人工呼吸器使用者療養支援事業、先ほどのお話ですけども、いかにも少ないと思うんですね。それで取り組みを進めるために、区市町村へどういう働きかけを行っているのか、お示し願いたいと思います。
○成田医療改革推進担当部長 区市町村は、災害時要支援者対策の一環といたしまして、在宅人工呼吸器使用者や家族が、災害時に個別の状況に応じて適切な行動がとれるよう、患者ごとに災害時個別支援計画を策定することとなっております。
都は、災害時の支援指針や計画作成の手引を作成いたしまして、この中で停電時に電源を確保する方法や準備すべき物品等についてお示しするなど、区市町村の取り組みを支援しております。
また、在宅人工呼吸器使用者療養支援事業につきましては、区市町村を対象とした包括補助に関する説明会等を通じ周知を図りまして、区市町村における活用を働きかけております。
○植木委員 区市町村にそういう積極的な働きかけをやっているというんですけども、なぜ実績が一区しかないんでしょうか。そこをちょっとお聞かせ願わないと、ちょっとわからないんですが。
○成田医療改革推進担当部長 先ほどの一区のみが活用しているというお話でございますが、先ほども答弁いたしましたが、平成二十三年の東日本大震災の際、計画停電が行われたことに対して、都は緊急対策といたしまして、難病患者を含めた在宅人工呼吸器使用者を対象とした在宅患者緊急時対応支援事業を二十三年、二十四年に実施したところでございます。
その成果といたしましては、実績が自家発電装置二百四十六件、呼吸器五百八十九件となっております。その後、区市町村の取り組みを行う事業を始めまして、現在この包括補助を二十七年度から活用しております区市町村が一区となっております。
○植木委員 それで果たして十分かというと、ちょっとわからないんですよね、いっている意味が。
ある多摩にある病院の方にお聞きしました。指定難病患者ではない方が人工呼吸器をするという患者が来られて、非常用電源などを活用しようということで申請しようとする。ところが、確保のために制度を使えない。都に問い合わせたら区市に問い合わせるようにと、周辺の三市に問い合わせしたら、また保健所にも問い合わせしたけれども、使える制度がないといわれたというわけですね。断られたわけですよ。この病院では、患者への責任から、自分たちで購入しなければならないのか、真剣に検討されたそうです。
先ほどのお話では、区市町村が災害時個別支援計画を策定して対応することだという答弁がありました。しかし、実際に対応していないんじゃないかというふうに私は見るんですけれども、先ほど周辺三市と保健所に問い合わせたら断られたと。こういう現状をどう認識されているんでしょうか。
○成田医療改革推進担当部長 難病患者以外の在宅人工呼吸器使用者への支援につきましては、都は包括補助により区市町村の取り組みを支援しております。これは区市町村が災害時要支援者対策の一環として、名簿の作成や名簿を活用した個別支援計画の策定など個別の状況に応じたきめ細かな対応を行うものとなっているためでございます。
○植木委員 きめ細かな対応をやった結果が一区ということでしょう。どうなんでしょうね。人工呼吸器の非常時の電源確保というのは、まさに命に直結する問題ですから、指定難病に該当するか、そうでないかということで、格差があってはならないと思うんですよね。一方は東京都、一方は区市町村、だから、難病以外の患者の方への支援は、最終的には区市町村の判断となるということですね。住んでいる地域や病名によって、差があっていいのかという問題だと思うんですね。
それから二〇一一年と二〇一二年度は、緊急対策で一定程度やったからいいんだというふうにとれるような答弁だった。これも私は重大だと思いますね。先ほどのある病院というのは、新しい患者さんへの対応なんですよ。もともとそういう病気を持っていらっしゃる方じゃなくて、新しい患者さんなんですよ。
だから、そういう意味で、難病患者に限定せず人工呼吸器の使用者の非常用電源、これを過去に一一年と一二年は難病と、それからそうでない患者一緒にやっていた、一三年から難病が分かれたというわけですから、そういう意味で実績があるわけですから、同じようにすれば漏れなく支援を行うことができるはずじゃないかというふうに思うんですね。
二〇一四年の東京都障害者施策推進協議会の専門部会でも、重症心身障害者の保護者らの団体から、難病患者だけでなくて人工呼吸器を使用している重症者にも非常用電源が貸与されるようにしてほしいという要望が出されています。在宅人工呼吸器使用者患者への非常用電源設備補助については、都として難病患者はもちろん、他の在宅人工呼吸器使用者も含めて、統一的な補助制度というのが実績的にあるわけですから、すべきじゃないかと思うんですけども、いかがでしょうか。
○上田保健政策部長 在宅人工呼吸器使用難病患者に対する非常用電源設備の補助につきましては、国の重症難病患者拠点・協力病院設備整備事業に基づいて行っておりまして、都道府県が実施主体とされてございます。都は、対象医療機関等を拡大して事業を実施しているところでございます。
難病患者以外の在宅人工呼吸器使用者への支援につきましては、先ほど他の理事者の方からもご説明させていただきましたが、都は包括補助によりまして区市町村の取り組みを支援しているところでございます。これは区市町村が災害時要支援者対策の一環として、名簿の作成や名簿を活用した個別支援計画の策定等、個別の状況に応じたきめ細やかな対応を行うものとなっているためでございます。
○植木委員 区市町村が取り組むことになっていると、一人一人の状況をきめ細かく把握して個別の支援計画をつくる。これ自体は非常に重要なことだと私は思うんですね。ただ、その前提となる支援制度について、例えば非常時の電源確保のために重要な外づけのバッテリーは、診療報酬に算定されているという例もあるわけですね。だから、これは支援の実施主体は区市町村では必ずしもないわけですよ、診療報酬ですから。それで、計画づくりに都がやっても支障があるというふうには思えないんですよね。同じように自家発電装置などについても、区市町村の事業でなければならないということでは、私は必ずしもないと思うんですね。
そこで、都として国の事業に基づいてというお話がありましたのでお聞きしますが、国に対しては、在宅人工呼吸器使用者患者の安全確保について要請していると聞いていますけども、その要請内容はどういう内容でしょうか。
○上田保健政策部長 都は、国に対し在宅療養を推進する観点から、在宅人工呼吸器療法を実施する際の予備電源等に対する診療報酬を適切に評価すること、災害発生等による停電時の無償貸与のための非常用電源装置整備費補助について、呼吸器の安全な駆動確保のために必要な物品を対象品目に加えること、また、難病患者以外の在宅人工呼吸器使用患者に対しても同様の補助を行うことを提案要求してございます。
○植木委員 今の国に対して、要望の内容を見ますと、難病患者以外の在宅人工呼吸器使用患者に対しても同様の補助を行うこと、こうなっているんですよ。今の皆さんが国に出した要望。これは補助は全ての在宅人工呼吸器使用者患者に適用すべきであり、受けられる支援に差があってはならないということを都が国にいっているんじゃないですか、私はそう読んだんですけども。また同じ人工呼吸器患者なのに、難病と難病でない人工呼吸器使用者について制度を分けたり、都が扱うとか区市が扱うとかという、こういう合理的な理由はないと思うんですよ。もしあるとしたら合理的な理由がどういうものか、ちょっとお示しいただきたいんです。
○成田医療改革推進担当部長 国へ提案要求している内容につきましては、在宅人工呼吸器使用患者に漏れなく緊急時の対応を行うためのものであって、難病患者以外の患者に対しても国の支援を求めているものでございまして、統一的な制度までを求めているものではございません。
○植木委員 つまり差があってはならないということですよね、今のご答弁は。直ちに統一はできないという先ほどの答弁でした。いろんな制度の仕組みの成り立ちがあって、国の指示があって、最初は統一してやったけども枠組みが少し分かれていったと。そういう経過があるということなら、いずれはやってほしいわけですけど、すぐできないというならば、せめて区市町村に、その重要性について新たに徹底して、これを必要とする方々にひとしく支援が受けられるようにすべきではないかというふうに思うんですけども、いかがでしょうか。
○成田医療改革推進担当部長 お話の在宅人工呼吸器使用者療養支援事業につきましては、多くの区市町村に活用していただきたく考えておりまして、区市町村を対象とした包括補助に関する説明会を通じて周知を図りまして、区市町村における活用を働きかけております。
○植木委員 それは最初の説明でもお聞きしましたけども、それで結果が一区しかやっていないという結論なんですよ。だから重ねてね、これは統一が直ちにできればもちろんいいわけですけども、できないとするならば、当面の対策としてももっと徹底していただきたい、これは重ねてですから、要望しておきます。
今度は仕組みの問題じゃなくて、難病患者に戻りまして、手続の問題についてちょっと伺います。
在宅人工呼吸器使用難病患者非常用電源設備整備補助、この申請についてですが、申請から決定までどのような手続があるのでしょうか。
○上田保健政策部長 東京都補助金等交付規則等の規定に従い、まず医療機関が都への交付申請を行い、これを受けた都は申請書類等を審査し補助金の交付を決定いたします。医療機関は、この決定を受け、非常用電源設備の整備後、都への実績報告を行います。その後、都は補助金の額を確定いたしまして、医療機関へ支払うといった流れとなってございます。
○植木委員 いつ震災があるかわからないという中で、この事業は迅速な交付というのが命だと思うんですよね。都のホームページに出ているこの実施スケジュール、予定表というのを見させていただきました。この交付決定は七月と十月と一月の三回、それまで待たなきゃならない、こういうふうにこれを見ると読めるわけです。どうしてこういう仕組みになっているのか。私は、緊急性から見ても、年三回でしかないというのは改善が必要だと思うんですけども、いかがでしょうか。
○上田保健政策部長 事業のスケジュールにつきましては、在宅難病患者へ人工呼吸療法等を実施する都内の医療機関に対し、あらかじめ通知をしておりまして、四月一日から十二月二十八日まで申請を受け付けてございます。
交付決定につきましては内容の審査が必要になることから、年三回決定の手続を行っているところでございます。
○植木委員 この年三回、しかし、最初からくどいようですけれども、震災というのはそういうペースでいくとは限らないわけですよね。国の通達を見ましても、国の各都道府県に対する文書を一通り見てみたんですけども、そういう時期については一切書いてないんですよ。受け付け時期については、私の知る限りではほかに要綱があるのかわかりませんけども、国は、そういう時期を限定していないんです。それは全部読んだんですけど、どう見ても書いてない、時期は。そういう意味で、迅速化というのはどうしても必要だと思うんですね。
この問題ともう一つあわせて、この事業は今いったように申請時期が決まっていると。さらに、原則として在宅療養を開始した年度に申請しなければならず、申請の期限は十二月二十八日までとされていると。つまり、十二月二十九日以後に在宅療養を開始した場合は、例外として翌年度に申請ができるという。その翌年度の申請も期限を過ぎてしまうと申請できないと、この文書だと読めるんですよね。そのために、必要としている方でも、何らかの理由で申請の時期を逃すと支援が受けられなくなっちゃう。国は何にもその仕組みを書いてないですよ。都の仕組みはそういうふうになっているんです。
それから、以前から療養を行っている方については、二〇一一年、二〇一二年に行った在宅患者緊急時対応支援事業で貸与された、これは自家発電二百四十六件、確かに実績として少なくはないとは思うんですけども、新たなことを考えたりすると、これでいいのかということがあるわけです。
都が一一年に行った調査では、発電機を保有していないという方は少なくとも六百三十五人もおられて、そのうち難病患者は三百二十八人いたと。これを考えると、時期を区切ったり漏れたり翌年度に回したり、三カ月間決定まで待たなきゃいけないということでいいのかということですよ。現に私たちが話を聞いた難病患者の方も、当時バッテリーは支給されたという患者さんがいたんですね。しかし、自家発電装置は、そのときどうしてか医療機関の判断かわかりませんけども、貸与されなかったんです。震災が起きるたびに心配になって、バッテリー、六時間から長いのでも九時間、それはメーカーによって違いますけれども、震災のたびに冷や冷やしていると。こういう方も、この制度は利用できるんだろうかと、一度そういうバッテリーだけ受けた人。こういう問題があるんですね。
だから、国は何も期限を決めていないんですから、柔軟な対応をして私はいいと思うんですよね。法律に違反するというなら、これは問題かもしれませんけども、しかも迅速にというのは国が通達を出しているんですから、必要な方に支援するという姿勢で対応するということを強く求めたいというふうに思っています。
申請締め切り後に療養を開始した方、これも次年度末というようなことにならないように、日付によって差が出てはならないんだと思うんですよ。だから、そもそも申請が年度途中までとなっている理由は、恐らく事業を年度内に完結したいという皆さんの仕事上の思いがあって、そうなっているんだろうと思うんですけど、これは仕事上の思いと同時に、その緊急性、なぜ国がこういう通達を東日本大震災のときに出したのか。その精神に基づいて仕組みというのはつくり直す必要があるというふうに思うんですね。
それから、期間短縮のために努力を行ったとしても、交付決定後に購入しなければならないという制度ですよね、これは。三カ月待つと決定されて、その後に購入しなきゃいけない。患者さんはそのままでいいのかということで、先ほど紹介したように、医療機関では真剣に医療機関としての責任で、自分たちで買う必要があるかという検討をしたというわけですよ。そういうことも含めて、やはり改善をしていく必要があると思うんです。
そういう意味で、このままの今の仕組みで十分といえるのか。原則は最初説明があったように、一定の期間ごとにやっていますけども、これで十分といえるかどうか。そこをちょっとお聞かせ願いたいと思います。
○上田保健政策部長 先ほどもご答弁させていただきましたけれども、事業内容、事業スケジュール等につきましては、医療機関にも、都民の方々にも事前にホームページも含めましてお知らせをさせていただいているところでございますけれども、現状、我々のところには、医療機関から特段のご意見はいただいてはございません。
東京都の補助金等の交付規則等の規定に従って、適正な補助金事務の執行に努めていきたいと考えてございます。
○植木委員 本当に急がない事業であれば、ちゃんと仕組みにのっとってやるのは、それは当然なんですよ。だけども、緊急性で国が通達を出してやっていると。東日本大震災、最初にいいましたように、山形の尾花沢市というんですか、女性が人工呼吸器あるいは酸素濃縮装置で吸入していた方が亡くなられた。それだけじゃないですね、あの震災のときには都内でも計画停電というのがあったんです。先ほど私が聞いた話をちょっとしましたけど、その方は都内の方なんですけども、計画停電のときも冷や冷やしたというわけですね。
それからその後、熊本震災時にも停電で四月十四日に送電施設が停止したと。そのとき人工呼吸器の患者さんたちは、自分たちの知る限りの人たちと連絡をとって、無事を確認したというわけですよ。自分たち自身が、当事者がつくっている会がね。
それから、さきの東京電力のケーブルなどの火災、あれはまさに都内ですよね。あれも一定期間停電になった。いつ起きるかわからないというのは、震災だけじゃなくていろんなケースがあるわけです。だから、法の趣旨をきちっと守ると同時に、緊急性、必要性、患者の実態、そういうものをきちっと備えてほしいんですよ。
先ほど医療機関から要望がないというお話がありましたけれども、じゃあ医療機関から要望があったらちゃんとやるんですね、改善してくれるんですね。私はそこをぜひ求めたいというふうに思っております。
長々と質問いたしましたけれども、人工呼吸器の患者さんはいろんなケースで、震災、火災、計画停電、水害等々で避難するときにもそのことは当然あるわけですね。ですから、いろんなケースを考えて、法の趣旨とそれから患者の実態、医療機関の実態、それらを総合して改善を図っていただきたい、柔軟性を持っていただきたい。そのことを重ねて要望して、質問を終わります。
○まつば委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○まつば委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で福祉保健局関係を終わります。
これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
午後四時三十九分散会
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