平成二十六年度各会計決算特別委員会第一分科会速記録第六号

平成二十七年十月二十八日(水曜日)
第十一委員会室
午後一時開議
出席委員 十名
委員長早坂 義弘君
副委員長山内  晃君
副委員長田中  健君
加藤 雅之君
宮瀬 英治君
斉藤やすひろ君
清水 孝治君
柴崎 幹男君
三宅 正彦君
植木こうじ君

欠席委員 なし

出席説明員
監査事務局局長宗田 友子君
監査担当部長副島  建君
人事委員会事務局局長藤田 裕司君
任用公平部長津国 保夫君
試験部長森山 寛司君
審査担当部長小澤 達郎君
収用委員会事務局局長目黒 克昭君
財務局局長長谷川 明君
経理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務十河 慎一君
契約調整担当部長松永 哲郎君
主計部長岩瀬 和春君
財産運用部長中村 倫治君
利活用調整担当部長山根 恭子君
建築保全部長久保田浩二君
技術管理担当部長中山  衛君
庁舎運営担当部長井上  充君
オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長草野 智文君

本日の会議に付した事件
平成二十六年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
監査事務局関係
・平成二十六年度東京都一般会計決算(質疑)
人事委員会事務局関係
・平成二十六年度東京都一般会計決算(質疑)
収用委員会事務局関係
・平成二十六年度東京都一般会計決算(質疑)
財務局関係
・平成二十六年度東京都一般会計決算(質疑)
・平成二十六年度東京都用地会計決算(質疑)
・平成二十六年度東京都公債費会計決算(質疑)

○早坂委員長 ただいまから平成二十六年度各会計決算特別委員会第一分科会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、監査事務局、人事委員会事務局、収用委員会事務局及び財務局関係の決算に対する質疑を行います。
 これより監査事務局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成二十六年度東京都一般会計決算中、監査事務局所管分を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○早坂委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○早坂委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で監査事務局関係を終わります。

○早坂委員長 これより人事委員会事務局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成二十六年度東京都一般会計決算中、人事委員会事務局所管分を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○早坂委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○早坂委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で人事委員会事務局関係を終わります。

○早坂委員長 これより収用委員会事務局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成二十六年度東京都一般会計決算中、収用委員会事務局所管分を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○早坂委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○早坂委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で収用委員会事務局関係を終わります。

○早坂委員長 これより財務局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、財務局長から幹部職員の紹介があります。

○長谷川財務局長 十月二十三日付の人事異動により、兼務発令のございました財務局の幹部職員をご紹介申し上げます。
 経理部長でオリンピック・パラリンピック調整担当部長を兼務いたします十河慎一でございます。
 よろしくお願い申し上げます。

○早坂委員長 紹介は終わりました。

○早坂委員長 決算の審査を行います。
 平成二十六年度東京都一般会計決算中、財務局所管分、平成二十六年度東京都用地会計決算及び平成二十六年度東京都公債費会計決算を一括して議題といたします。
 本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○清水委員 それでは、私からは平成二十六年度の決算全体につきまして、お伺いしたいと思います。
 私は、平成二十五年、都議会に籍を置かせていただきまして、記念すべき初めての所属委員会が財政委員会でございました。まさに、当該平成二十六年度予算の審議に携わったわけでございます。本日は、先般公表されました年次財務報告書の普通会計決算をもとに、今回の決算に関するその背景や東京都の考えについて、幾点かお伺いしたいと存じます。
 私は、市議会議員のときに、東京都の予算は私の地元でございます立川市の大体百倍の規模だと教わってまいりました。まさに、その全体像は容易に把握することは困難をきわめるわけでございますが、まず初めに、改めて平成二十六年度決算全般に対する当局の認識について、お伺いしたいと存じます。

○岩瀬主計部長 平成二十六年度決算は、歳入面では企業収益の堅調な推移による法人二税の増収などによりまして、都税収入が前年度比四・四%増の四兆七千三百四十九億円となり、三年連続の増収となりました。こうした増収などを活用いたしまして、積極的に基金の積み立てを行うとともに、都債発行や基金の取り崩しを低水準に抑えたことなどによりまして、都債残高を減少させ、活用可能な基金残高を一兆円以上確保するなど、将来を見据えた財政基盤の強化に努めました。
 一方、歳出面におきましては、喫緊の課題でございます子育て支援を初め福祉施策のさらなる充実を図ることはもとより、都市インフラの整備などの中長期的な課題にも着実に対応いたしました。
 このように、平成二十六年度決算は、施策の積極的な展開と財政の健全性の確保という二つの目標を両立できた決算であると考えてございます。

○清水委員 ありがとうございました。ご答弁がございましたとおり、施策の積極的な展開と財政の健全化の確保という二つの点に目配りをしたというところが大きなポイントだったと思うわけでございます。
 それでは次に、その特徴的な部分につきまして、具体的な中身についてお伺いしたいと存じます。先ほど都市インフラの整備などを図ったということでございますが、年次財務報告書によれば、平成二十六年度決算において、投資的経費は減少しているわけでございます。たしか平成二十六年度の一般会計の当初予算では、十年連続増加しますという説明をしていたかと思うわけでございます。
 そこで、お伺いしたいと思います。当初予算説明とは違った結果になってしまったわけでございますけど、平成二十六年度普通会計決算において、フローである投資的経費の状況、そして、あわせてストックであるインフラ資産の状況についてお聞かせ願いたいと思います。そして、投資的経費の減少要因についてお示しを願えればと思います。

○岩瀬主計部長 平成二十六年度普通会計決算におけます投資的経費は、前年度と比べまして十億円減の七千五百七十九億円となりましたが、二十五年度に実施いたしました高輪地区用地の先行取得に係る経費百五十九億円が皆減となったことなどの影響を除きますと、実際には増加してございます。
 また、平成二十六年度末の貸借対照表におけるインフラ資産の状況を見ますと、前年度末と比べて一千二百二十七億円増の十四兆二千百七十六億円となってございまして、年次財務報告書の作成を始めた平成十八年度以降、一貫して増加してございます。
 このように、決算の状況につきまして、フロー、ストックの両面から見ても、都のインフラ整備は着実に進んでいるものと考えております。

○清水委員 ありがとうございました。特定用地の先行取得という特殊な要因を除けば、実質増ということがわかったわけでございます。このことは、これまで都が我が党の要望を受け、必要なインフラ整備を着実に進めてきたことのあかしだと感じているわけでございます。
 私の住む多摩地域でも、近年は南北道路や多摩川にかかる橋梁などの整備がようやく目に見えて進んできたと思っているわけでございまして、地域経済の活性化や防災力の向上という点からも、都の取り組みの成果は、徐々ではありますけど、上がってきているのかなと実感しているわけでございます。
 しかしながら、これまで整備したインフラの維持更新を怠れば、都市は確実に劣化するわけでございます。建物はもちろん、道路、橋梁などは、竣工を迎えた時点から老朽化が進んでしまうという、そういうふうな宿命を負っているわけでございまして、近い将来、膨大な都市インフラの維持更新が必要な時期が必ずやってくるわけでございます。まさに、今後の財政運営において重要なポイントといえるのではないかと思っているわけでございます。
 実際、都の社会資本ストックなどの財産は多岐にわたっておるわけでございまして、自治体の中でもその規模はぬきんでているわけでございます。都のインフラ資産の増加が将来的に一体何をもたらすのか、その裏側にある危険というんですか、負担というんですか、それを我々はしっかりと認識しておかなければならないわけでございます。
 そこで、東京都におけるインフラ資産の状況を踏まえ、財政運営上の今後の課題をどう捉えているのか、ご所見をお伺いしたいと思います。

○岩瀬主計部長 道路や橋梁、公園などの資産は、都民の利便性向上や東京の活力の維持、ひいては国際競争力の向上などに寄与するものでございまして、今後も着実に整備を推進していく必要がございます。一方で、お話のように資産を保有するということは、その価値を維持するための経費や老朽化による将来への更新需要が発生することに、十分留意をしなければなりません。
 例えば、有形固定資産の老朽化の度合いを示す指標でございます有形固定資産老朽化率を見ますと、都におきましては、新たな公会計制度を導入した十八年度以降一貫して上昇しておりまして、二十六年度で四三・一%となるなど、十八年度と比べて九・三ポイント上昇してございます。
 さらに、第三者の推計におきましては、社会資本ストックの維持更新経費は、今後二十年間で合計約六兆円という膨大な財政需要が見込まれてございます。このため、基金残高や都債の発行余力の確保に努めるなど、財政の対応力を引き続き堅持するとともに、資産の形成に当たりましては、将来にわたる維持更新経費の精査などを徹底することが必要であると考えてございます。

○清水委員 ありがとうございました。今後二十年間で合計約六兆円という、とてつもないといいますか、普通会計予算と同等規模の維持更新費用がご答弁で示されたわけでございます。したがいまして、新たな資産を形成していく際には、施設整備などの初期費用に加えまして、維持更新に係る経費など将来にわたるコストも含めて多面的に分析を行うことが重要でございまして、今後も都の取り組みに反映していくことを強く求めておく次第でございます。
 さて、ただいまの答弁にもありましたとおり、社会資本ストックの維持更新や東京の活性化に資するインフラ整備など着実に進めていくためには、その財源の確保が大きな課題となってまいります。先般の財政委員会で我が党の山内委員の質問にもございましたが、景気変動の影響を受けやすい都財政においては、都債と基金の活用、これが重要なポイントとなってまいります。
 先ほどの答弁の中で、今回の決算では都税の増収などを活用して基金への積み立てを行うとともに、都債残高を減少させて財政の健全化を確保したとのお話がございました。具体的には、財務局の決算書を見ておりますと、例えば、財政調整基金に千百八億円、社会資本等整備基金に千五十七億円、防災街づくり基金に一千億円の積み立てを行っていることがわかるわけでございます。また、都債の収入額を見てみますと、当初予算では四千三百八十億円だったのに対し、決算では一千三百九十億円と減らしているわけでございます。
 このような、平成二十六年度決算における基金への積み立てや都債残高の減少が、今後の財政運営にさらなる好影響を与えると思うわけでございますが、具体的にはどのような効果がもたらされるのかお伺いしたいと存じます。

○岩瀬主計部長 基金につきましては、増収となった都税収入のほか、不用額の精査により生み出された財源を最大限活用することによりまして、財源として活用可能な基金の残高を平成二十六年度末時点で一兆八百七十九億円確保いたしまして、年度間の財源調整機能を高め、財政基盤の強化を図ったところでございます。
 さらには、防災街づくり基金を新たに創設することにより、都政の喫緊の課題である防災力の強化に対し、集中的、重点的に政策展開を図るための財源を確保いたしました。また、都債につきましては、後年度の財政負担等を考慮しながら適切な活用を図った結果、平成二十六年度末の残高は、前年度と比べて三千二百億円減の五・二兆円となり、平成以降のピークでございます十二年度の七・七兆円と比べ三二%減少しております。このことによりまして、都債の発行余力を高めることができ、財政対応力のさらなる涵養を図ることができたと考えてございます。

○清水委員 ありがとうございました。今日のような、税収が好調なときに安易に歳出を拡大することなく、将来に目を向け、積極的な基金積み立てや都債残高の減少を図ったことは、いつとは申しませんが、過去の苦い経験を踏まえた適切な対応であり、都の取り組みを高く評価するものでございます。今後とも、財政規律を主眼に据えた運営に努めていただきたいと思うわけでございます。
 さて、最近の新聞報道では、自治体の将来の財政負担の見込みを示す将来負担比率について計上がない、つまり、この指標によるところの実質無借金という自治体の数が、全国区市町村の三分の一を超したというふうな記事が出ておるわけでございます。
 東京都におきましては、先ほどの答弁ございました平成二十六年度の具体的な対応が、将来負担比率の数値にどうあらわれているのか確認したいと同時に、平成二十六年度決算におけます将来負担比率の状況と指標に対する東京都の評価について、お伺いしたいと思います。

○岩瀬主計部長 地方債など自治体が抱える負債の大きさをその自治体の財政規模に対する割合であらわす将来負担比率は、平成二十六年度で四九・七%となり、前年度比で二三・五ポイント改善してございます。これは、算定式の分子である都債現在高の減少や退職手当の制度見直しによる退職手当負担見込み額の減少などによりまして、将来負担額が減少したこと、また、分母となる標準財政規模が都税収入の増加などに伴い拡大したことなどによるものでございます。
 このように、将来負担比率の数値を見ますと都の将来負担が大幅に軽減しているかのように見えますが、数値の算定上使用している将来負担額には、今後の社会資本ストックの更新需要が含まれていないなど、自治体財政の実情を必ずしも正確にあらわすものとはなってございません。社会資本ストックの老朽化対策が全国的な課題となる中で、お話のように将来負担比率の計上がない、つまり、現時点で将来的な負担に対して懸念がないとされる自治体が多数存在するということは、自治体の財政の実態とはかけ離れている部分がございまして、この指標のみをもって財政の健全性を判断することは適切でないと考えております。

○清水委員 ありがとうございました。一見、地方財政が健全化の傾向であるかのように思えるような結果でございますが、この指標そのものに問題があると私も聞いているわけでございます。
 具体的に申しますと、計算式から国が交付税での負担を約束した地方債残高の除外ですとか、あるいは公社、三セクへの短期貸付金のリスクが全く反映されていない点ですとか、なかなか数値にあらわれていない、そのような問題点があるやに聞いているわけでございます。
 その一方で、一部には、全国の自治体の将来負担比率の現状を捉えて、地方財政に余裕が出てきているのではないかと、こういったような見方もあるわけでございまして、こうした国独自の指標に基づく状況判断により、法人課税の不合理な偏在是正措置のように我々地方自治体の財源が脅かされているようでは、真の地方分権はますます遠のいてしまうと思うわけでございます。
 加えて、自治体は社会資本ストックの更新需要や今後ますます増大する社会保障関係経費の増大などを見据えており、だからこそ、堅実な財政運営をしっかりとやっているわけでありまして、今答弁にもあったとおり、将来負担比率にはこれからの財政需要も反映されていないわけであります。我々は、こうした点を十分に認識しなければならないと思います。都民への説明責任を果たす意味でも、今後もできるだけ具体的な数値を示しながら、都財政の実態を明らかにしていくことを要望したいと思います。
 これまでの質疑で、平成二十六年度の決算が、今後の財政需要にも留意しながら施策の積極的な展開と財政の健全性の確保をしっかりと両立させ、十分に考えられた内容であることを明らかにしてまいったつもりでおります。しかしながら、今後の都財政は、先ほど申し上げました地方法人課税の不合理な偏在是正の拡大や年間五千八百億円という税収減に直面することも予想されているわけでありまして、予断を許さない状況が続いているわけであります。
 二〇二〇年とその先を見据えまして、世界で一番の都市東京を実現するためには、施策を積極的に打ち出していく一方、強固な財政基盤を確保するというこの二つの命題を常に私たちは追い求めていかなければなりません。このことは大変困難な課題ではございますが、念じれば花開き、行すれば実は結ぶ、これは私の菩提寺の住職のお言葉なんでございますけど、何事もやり遂げることというかたい意志が重要だと思う次第でございます。
 最後に、この難題にまさに正面から向き合う財務局長に、今後の財政運営に向けたご所見とご決意をお伺いしたいと思います。

○長谷川財務局長 施策の積極的な展開と財政の健全性の確保という二つの異なるベクトルを同時に実現していくということは、ただいま清水委員からもご指摘いただきましたとおり、大変困難ではございますけれども、非常に重要なことであるというふうに認識しております。
 元来、都財政は、景気の変動の影響を受けやすい上に、地方交付税の不交付団体であるということもございまして、不安定な財政構造、そういった宿命のもとにあるというふうにいってもいいと思います。加えて、国による地方法人課税の不合理な偏在是正措置の拡大の動きもございまして、先を見通すことが困難な状況ともなっております。さらには、本日お話のございました社会資本ストックの維持更新経費でありますとか、社会保障関係経費などの将来にわたって避けることのできない歳出に対応していかなければなりません。
 こうした中にありましても、世界一の都市東京の実現に向けた施策を積極的かつ安定的に展開していくために、将来にわたり強固な財政基盤を、まさにかたい意志を持って確保していくということが、私ども財務局の使命であるというふうに考えております。そのため、事業評価など自己改革の取り組みを徹底いたしながら、将来の財政需要を見据えた手だてをしっかりと講じてまいりたいと思います。
 例えば、委員ご指摘の社会資本ストックの維持更新に対しましては、庁内関係部署でしっかりと連携をとることによりまして、長寿命化などの工夫はもとより、更新経費の平準化や縮減を図るなど、たゆまぬ努力を続けてまいります。
 また、歳入の面では、都税収入の動向も踏まえながら、基金や都債を計画的に活用するなどして財源の確保にしっかりと取り組みますとともに、不合理な偏在是正措置に対しましては、都議会の先生方とともに撤廃に向けて最大の努力を尽くしてまいりたいと思っております。今後とも、先生方のご指導、ご支援を賜りながら、健全な財政運営に全力で取り組んでまいります。

○斉藤委員 早速始めたいと思います。私の方からは、まず都有建築物の省エネ化などについてお伺いをしたいと思います。
 都は、平成十八年十二月の「十年後の東京」計画に掲げましたカーボンマイナス東京十年プロジェクトにおきまして、世界で最も環境負荷の少ない都市の実現に向けた率先行動の一環といたしまして、平成十九年に省エネ東京仕様二〇〇七を策定いたしまして、以来、都有建築物を最高水準の省エネ仕様に転換する整備を進めてきたと認識しているところであります。
 その取り組みのさなか、忘れもしない平成二十三年三月に発災しました東日本大震災がございましたが、これに伴う福島第一原子力発電所の事故及び原発からの電力供給停止によりまして、都民や事業者は電力危機に遭遇したわけであります。これを契機といたしまして、都民や事業者に省エネの必要性が広く認識されるようにもなりましたけれども、発災から四年余りが経過した今日、この認識が薄れつつあるようにも感じるわけであります。
 民間を牽引する役割を担う都は、これまでの省エネや再エネに関する技術の導入とその効果の検証結果を踏まえまして、今後も都有建築物のエネルギー消費量の削減にしっかりと取り組むことが必要であると考えますけれども、都の考え方を改めて伺います。

○中山技術管理担当部長 都は環境配慮型の都有建築物の整備を積極的に進めておりまして、東日本大震災に伴う電力危機対策を契機とした節電への取り組み強化として、平成二十三年七月には省エネ・再エネ東京仕様を策定するなど、省エネルギー対策に取り組んでまいりました。
 今後も長期ビジョンに掲げたスマートエネルギー都市東京の実現に向け、都有建築物の改築等に当たり、建物の省エネ化と再生可能エネルギーの利用拡大を図るための率先した取り組みが必要と考えています。さらに、これまでの先駆的取り組みの検証結果等を踏まえ、建築物の性能向上に効果があった技術を積極的にPRするなど普及を図ることで、都有建築物だけでなく、民間建築物の省エネ化の取り組みを牽引していくことも重要と考えております。

○斉藤委員 都がみずから率先して都有建築物の省エネ化や再エネ利用拡大を図り、その技術の普及に取り組むことは、民間を牽引することにもつながり、大切なことだというふうに認識を共有できたと思います。
 こうした取り組みを進めている中、平成二十六年度に完成した施設にはどのような対策を講じたのかを伺いたいと思います。

○中山技術管理担当部長 都有建築物の改築時には、高断熱化や高効率機器の導入、太陽光発電設備や地中熱利用設備の設置など、その建物の規模や用途に応じたさまざまな省エネルギー対策を講じております。
 平成二十六年度に完成した施設のうち、特徴的な省エネルギー対策の事例としては、東京都立川合同庁舎や都立荏原看護専門学校において、中間期の春や秋などに空調設備の代替となる自然換気システムを採用したことや、都立足立高等学校などの学校施設における、照明や空調設備のオン、オフを一括して操作できる集中管理コントローラーの設置などが挙げられます。また、再生可能エネルギーの利用拡大の事例では、太陽光発電設備を十五施設に設置したことが挙げられます。

○斉藤委員 清水委員のお膝元、立川、新庁舎にしっかりと新技術が入っていますので、ご確認ください。
 昨年度に完成した施設にも、省エネ化の取り組みとして、自然換気システムなどを導入し、また、再生可能エネルギーの利用が進んでいることが確認できたわけであります。今後は、オリンピック・パラリンピック競技大会東京大会開催に向け、効果的技術の導入によりまして都内のエネルギー消費量の一層の削減を図って、こうした取り組みを--二〇二〇年のショーケースともいわれているわけですが、世界に発信するショーケースとし、またレガシーとして引き継いでいくことが必要であります。
 そこで、日々進展する技術を積極的に活用しながら、都有建築物のさらなる性能向上にどのように取り組んでいこうとしているのかをお伺いしたいと思います。

○中山技術管理担当部長 都では、現在建設中で五輪競技にも使用される武蔵野の森総合スポーツ施設において、地中熱を利用する先駆的な設備や百キロワットの太陽光発電設備の設置を進めるなど、施設の特性等に応じた効果的かつ最新の技術の導入による環境負荷の低減を図っております。
 また、平成二十三年策定の省エネ・再エネ東京仕様を昨年六月に改正し、LED照明の大幅な導入拡大を盛り込むことを初め、技術の進展や実証建築における検証結果等を踏まえた仕様の拡充を図っています。さらに、本年度から開始した建築技術革新支援事業では、省エネ、再エネ等に関するすぐれた技術を民間から公募して、施設整備に積極的に活用してまいります。
 今後とも、こうした取り組みにより、環境先進都市東京の実現を目指して、都有建築物の環境性能を一層向上させてまいります。

○斉藤委員 ただいまご答弁ございましたが、建築技術革新支援事業ですけれども、昨日、公募案件など募集概要が発表されております。例えば開口部の断熱等--日本の建物というのは、建築は、省エネ関係では窓枠が非常に鍵を握っているというふうに指摘されておりますけれども、新しい技術の提案が大変期待されるところではあります。ぜひとも、多くの民間事業者にすぐれた新技術の提案をしていただきたいと思っております。また、さきのご答弁で環境配慮型の施設づくりの積極推進と東日本大震災に伴う電力危機対策強化のため、省エネ・再エネ東京仕様が策定されたことを確認させていただきました。
 ことし七年ぶりに東京都環境基本計画が見直されるときです。前回の東京都環境基本計画策定は、二〇一六年のオリンピック・パラリンピック東京大会への開催理念の具現化として書き込んであるわけですけれども、気候変動対策への取り組みを初めとして、緑の減少への取り組み、資源の循環利用、より良質な大気環境の創出、土壌汚染など環境の負の遺産の解消に果敢に取り組み、人類、生物の生存基盤が確保され健康で安全に生活でき、そして快適で質の高い生活が享受できる都市を目指すというふうにこれを目指したものでございました。
 二〇一六年東京大会は、実現こそかなわなかったものの、その立候補のレガシーとして、省エネ・再エネ東京仕様を位置づけることができると私は思っております。二〇二〇年に東京大会がいよいよ開催されることが決定をしている今日、新しい環境基本計画策定にあわせまして、省エネ・再エネ東京仕様を一層具体化するとともに、さらに資源循環配慮型の施設づくりといった東京仕様に挑戦をしまして、二〇二〇年東京大会の先を見据えた東京都長期ビジョンの目標達成に向けたレガシーとしていくことを要望して、次の質問に移りたいと思います。
 続きまして、契約関係について質問したいと思います。
 都はここ数年、入札に参加しやすい環境の整備に向けて、さまざまな制度改革を行ってまいりましたけれども、特に、昨年度に実施を決定した最低制限価格制度の適用範囲の拡大、それから市場価格と予定価格のギャップの解消、ジョイントベンチャー基準の見直し、そして全体スライド条項の改正など、主要な取り組みが本年四月から施行開始されていると認識しております。そして、制度改革の効果としましては、今年度になって不調発生率や入札参加数に改善の兆しがあらわれていると聞いております。
 このような中、初めに、都の発注工事におけます入札状況について、昨年度の実績とあわせて今年度これまでの実績をお伺いしたいと思います。

○松永契約調整担当部長 まず、入札時の不調発生率についてでございますが、平成二十六年度通期において全業種平均で一三・五%であり、その前年度の一三・一%と変化はなく、高どまり状態が続いておりました。これに対し、今年度八月末時点では、全業種平均で八・二%となり、前年同時期の一一・三%と比べ低下し、全体として改善しつつあります。
 また、議会付議案件における入札参加者数については、三者以上の入札参加のあった案件が、昨年の二十六年第二回、第三回定例会では計十五件中一件もなかったものが、二十七年度、今年度第二回、第三回定例会におきましては、それぞれ十件中四件、八件中五件に増加し、事業者の応札意欲についても改善しつつあります。
 このように、これまで進めてきた制度改革や運用改善が、四月以降効果をあらわしてきているものと考えておりまして、今後とも、ただいま委員からご指摘のございましたさまざまな制度などを活用し定着させながら、公正、公平な高い透明性と競争性及び品質の確保を基本とした入札契約制度の構築に取り組んでまいります。

○斉藤委員 昨年度、さまざまな制度改革に挑戦しているところでありまして、きょうは決算ですのでその評価、私ども都議会公明党としてもさまざまな改革を提案してまいりましたけれども、それを実行している成果につきまして、様子をさらにフォローアップしながら検証し、評価をしていきたいと思います。現段階でも、私は高い評価はできるのではないかと思っております。
 一連の入札契約制度改革では、公正性、競争性の確保と品質確保が車の両輪でありまして、工事案件での改革の成果を受けて、都議会公明党はこれまでもたびたび委託契約の品質確保の重要性を指摘してまいりました。とりわけ設計の委託業務は、工事と密接に結びついた業務でありますけれども、工事の施工と比較しまして、相当する個々の技術者の能力や経験に非常に大きく左右される業務であります。
 そして、でき上がった図面、構造計算書、仕様書などの設計図書の内容が、その後の工事、そして完成物、さらには完成後の使い勝手や将来の維持管理にまで、事業全体にわたる品質、機能に大きな影響を与える、これが設計です、というふうに考えております。したがって、設計における品質の確保というものは、極めて重要であると指摘してまいりました。
 そこで、都は、設計業務の品質確保上の位置づけについて、どのように認識しているか所見を伺います。

○松永契約調整担当部長 都の工事は、発注者である都が測量、地質調査などの成果物に基づき、設計受託者と相互に協力しながら設計図書を完成し、完成した設計図書に基づいて発注資料を整え、工事を発注しております。したがいまして、工事の前段階で作成する設計図書の内容によって、完成する構築物や施設等の形状、構造、耐久性、利用のしやすさ、周辺環境との調和など、長期間にわたる品質というものが決まることから、非常に重要な役割を担っていると考えております。

○斉藤委員 設計委託業務の成果物である設計図書の内容が全体の品質に大きく関係するという都の認識は、とても重要であると思いますし、私どもと認識を共有していると改めて確認ができたところでございます。
 そこで、品質の確保という観点から、平成二十六年度における委託契約の改革についてお伺いをしたいと思います。設計委託などの制度改革につきましては、価格だけでなく、技術力をより重視することとして、品質の確保とともに設計などの将来を担う人材を育成、確保できる環境を整備するという観点から、東京都では総合評価方式と設計プロポーザル方式を全庁的に推進していると認識しております。そこで、これらの改革の昨年度の実績についてお伺いしたいと思います。

○松永契約調整担当部長 設計委託等における総合評価方式の適用実績といたしましては、平成二十五年度の十五件に対し、平成二十六年度は四十七件、また設計プロポーザル方式の適用実績といたしましては、平成二十五年度の三十八件に対し、平成二十六年度は五十五件となりまして、いずれも増加しております。

○斉藤委員 ただいまのご答弁によりまして、制度改革の実績が増加していることがわかったわけでございますが、いかに設計委託の品質を確保するかが問われている中、都のある局の設計委託業務において、信じられないような極端な低価格入札があったと聞いております。このような、いわゆるダンピングによる入札は、設計業務を担う個々の技術者の労働環境を大きく損ない、都の社会資本整備における適正な品質の確保を揺るがしかねない深刻な問題だと私は認識しておりますし、我が会派もそのように考えているところであります。
 設計の品質は、優秀な人材の確保から生まれるものであることを、発注者である都側も重く受けとめるべきであります。したがって、東京都は、設計委託において、技術者の実績や技術提案などに注目して評価する取り組みをこれまで以上に積極的に推進をして、委託成果物、公共工事全体の品質を高め、さらには設計を担う人材の育成、確保を図ってもらいたいというふうに思うわけであります。
 これらの取り組みのうち総合評価方式は、価格と実績などを総合的に評価する発注方法と理解しておりますけれども、一方の設計プロポーザル方式は、技術者の構想力が重視される手法と聞いております。
 そこで、設計プロポーザル方式における品質確保についてお伺いをしたいと思います。

○松永契約調整担当部長 設計プロポーザル方式は、技術者の経験、知識、構想力、応用力などが要求されますWTO案件を含む一定規模以上の新規工事を対象とした事業者の選定において、全庁的に実施しております。
 選定の具体的な方法は、省エネルギーを初めとした環境対策、施設利用者や近隣住民への配慮など、案件ごとに課題を設定し、それらに対する技術提案と担当技術者の過去の同種設計業務の実績等を評価し、合計点数が最も高い者を特定するものでございます。このように、当該業務の履行に当たり最も技術的にすぐれたものを選定することで、設計業務の品質を確保しております。

○斉藤委員 一定規模以上の工事案件の設計業務におきましては、設計プロポーザル方式を用いるということですので、単純な価格競争での今回の案件のような極端な低価格の入札が発生しないよう、今後、各発注部局に再度設計プロポーザル方式の位置づけについて周知徹底をしていただきたいと思います。
 同時に、これらの制度を適用していない比較的小規模な案件についても、ダンピングに対して何らかの防止策を設ける必要があると考えます。
 そこで、全体的な設計業務におけます品質確保に向け、過度な価格競争の環境を改善する新たな対策についてお伺いしたいと思います。

○松永契約調整担当部長 過度な価格競争が続いた場合、都の発注案件への参加意欲の低下のみならず、若手技術者の減少にもつながり、中長期的な担い手の確保に支障を来すおそれがございます。都は、今後とも設計等の委託業務に対し総合評価を拡大し、プロポーザル方式を適切に運用することで、ダンピングのような過度な価格競争や不良不適格業者の排除につなげ、事業者の技術力向上に対する意欲を高めてまいります。
 また、その他の方策の一つといたしまして、まず、積算能力のない不良不適格業者を排除することを目的といたしまして、平成二十八年一月一日以降に公表される財務局発注の土木設計業務を対象に、電子調達システムを活用して入札参加者に積算内訳書の提出を義務づける試行を行ってまいります。

○斉藤委員 大事な試行の話が今ございました。これから先は、決算ですので、来年度に向けての事務事業質疑やさまざまな質問の機会に譲りたいと思いますけれども、品質の確保は受発注者双方の取り組みで実施されるものです。発注者側にとっては、安い価格で高品質なものがよいわけですけれども、高品質を確保するための適正な価格というものがあると、私は存在すると思うわけであります。
 一方で、過度な競争制度のもとで、何が何でも受注したいというような受注者側の思い、あるいは負担に乗っかるような形で受注者側に負担をかけては、公共調達の公平性というものを損なう結果になるというふうに考えます。その意味で、この品質の問題は、価格設定をいかに行うかということにも関係すると私は思うわけであります。発注者側である都庁職員の方々の能力も高めていかなければならないと思います。
 あくまでも人を見据えながら、設計委託業務というのは、設計する人に着目をして、その方が本当に適正に評価されているかどうか、会社側の、表の会社同士の契約の態度という先に、実際に業務に携わる人が、設計者がいるわけですので、こういった方々がモチベーションを高めて、自分たちの仕事がちゃんと評価されるような、そういった契約のあり方というものを追及していかなければいけないと思うわけでございます。
 都といたしましても、妥当性のある真っ当な取引の中で、品質確保の実現に資する方策について今後も検討していくことを強く要望させていただきまして、私の質問を終わります。

○植木委員 私は、都有地活用の問題などについて質問します。
 平成十五年から福祉インフラ整備事業を進めてきましたが、保育園の待機児童、特養ホームの待機者は、依然と多くなってきています。東京都長期ビジョンでも四年間で認可保育園の待機児をゼロにするという目標を掲げ、特養ホームも現在四万三千人を超える状況だという認識が当時発表されて、まず五万五千人の定員にする、そして二〇二五年までには六万人にすると、こういう計画が出され、福祉保健局を初めとして、全体として努力されているというふうに思うんです。
 各区市町村では、毎年待機児童解消に向けて努力が行われています。そういう中で、東京都として福祉インフラの整備を前進させなければならないということで事業が続けられていますけれども、現在までの到達点、進捗状況についてはどのようなところに来ておるでしょうか。

○中村財産運用部長 都は、地価の高い都市部で不足しております社会福祉施設の整備を進めるため、財務局と福祉保健局との連携のもと、都が直接利用する予定のない未利用都有地を民間事業者に貸し付ける、都有地活用による地域の福祉インフラ整備事業を平成十五年度から実施しております。この福祉インフラ整備事業の実績件数といたしましては、平成二十七年七月末で高齢者施設は二十二件、障害者施設は十件、保育所は八件で、合計で四十件となっております。

○植木委員 今四十件というのは実績ですから、事業者も決定されてという施設に限っていると思うので、未利用地を活用しようということを決めて公募されているところも含めると、これを上回っているというふうに思うんです。
 昨年の第一回定例会で私が日本共産党の代表質問を行いましたが、その中で福祉インフラ整備に関して都有地の活用について質問をしました。それに対して舛添知事は、都有地や監理団体の未利用地に加えて、国有地、民有地などを含めた広範な土地活用について、検討チームを関係局により設置することを指示した、こう答弁してくださいまして、都有地活用などを約束しました。
 この福祉インフラ整備のための土地活用検討チームは、どのような目的を持って始めたのでしょうか。

○中村財産運用部長 少子高齢化対策の充実強化を図る上で喫緊の課題となっております福祉サービス基盤の整備をさらに加速するため、都有地や民有地等の活用方策を広く検討することを目的として設置したものでございます。

○植木委員 広く検討するという内容も、ちょっといってくれるかと思ったんですけれども、いずれにしても、この検討チームは財務局、福祉保健局、都市整備局が中心になり、たしか公営企業関係もオブザーバーとして入っていたと思うんです。こうした検討の中で、公営企業局の用地や住宅供給公社についても活用が期待されておりますが、どのようにこの中で検討されているのでしょうか。

○中村財産運用部長 公営企業会計の用地につきましては、土地活用検討チームにおいて公営企業三局をオブザーバーとして位置づけておりまして、福祉インフラ事業への活用に当たりまして情報交換を行っております。また、東京都住宅供給公社の用地につきましては、都市整備局を通じまして創出用地の提供について情報交換を行っております。公営企業用地や住宅供給公社用地につきましては、それぞれの主体的な検討と判断の結果、一般会計の新たな都有地減額制度と同様の減額方式をとることとなったと承知しております。

○植木委員 このチームの中で公営企業関係についても--公営企業は独自の役割を持っていて、それが当然中心で、一般的な都有施設とイコールではないことはよく承知しておりますけれども、それにしても、この検討チームの中で一緒に検討するということで進められてきたと思うんです。
 私の中野区でも、広町住宅という公社住宅の一部に特養ホームなどの整備を進めることになりまして、現在事業者を公募している最中であります。こうした取り組みで、公社住宅では三カ所が福祉インフラに活用されるという方向で動き始めてきている。水道局では台東区の一カ所、交通局では大塚車庫ということですけれども、財務局が直接の所管ではないのですが、検討チームとして念のため、確認のため、こういうことで動いているということでよろしいでしょうか。

○中村財産運用部長 公営企業等につきましては、それぞれ公営企業の中の判断、それについて財務局もさまざまな相談を受けながら、連携をとりながら検討を進めているところでございます。

○植木委員 具体的な箇所についての答弁はなかったんですけれども、いずれにしても、チームの中ではこうしたことで出発してきていて、その後の整備の方向で具体的に進みつつあるということはいえると思うんです。
 それからもう一つ、国の方で国家公務員宿舎の廃止に伴って生じた国有地を提供するということで、多数のインフラ整備の候補地が出てくるというふうに思うんですけれども、都としてどのように活用、促進する計画でしょうか。

○中村財産運用部長 国有地につきましては、国から区市町村に対しまして廃止予定の国家公務員宿舎用地の情報提供があります。そのため、区市町村においてみずから社会福祉法人等による活用の適否を検討することができます。また、この情報は、同時に国から都に対しても提供があるため、財務局は福祉保健局を初めとしまして、関係各局に即時に情報提供を行っております。

○植木委員 情報提供しながら検討を進めていくということだというふうに思うんです。そうしますと、この間、一定程度取り組みが進んできた。しかしながら、舛添知事になって、二十六年度に長期ビジョンで目標を掲げたわけです。保育については、四年間で待機児をゼロにするというふうに述べて、福祉保健局を先頭に進められていると思うんですけれども、当然都有地をどう活用するかということも、この中にはあるというふうに思うんです。
 それから、チームの中で先ほど具体的な説明はありませんでしたけれども、都営住宅や公社住宅などでは、三十ヘクタールの都有地を活用するという計画も入っているわけです。そういう意味で、これをどう促進させるかというのがこれから大変重要だと思うんですけれども、検討チームでは全庁的に、先ほどいいましたように財務局、福祉保健局、都市整備局、公営企業局が一体となって進めてきたというお話でしたが、その後、検討チームは開催されているのでしょうか。開催されているとすれば、どのような検討を行ってきたのか、その内容や成果を教えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○中村財産運用部長 土地活用検討チームは、昨年七月に検討結果を土地活用方策として取りまとめて公表しておりまして、新たな都有地減額制度や、お話もございましたが都営住宅等の建てかえによります創出用地の活用、区市町村に対する情報提供の充実、福祉インフラ整備促進のための都市開発諸制度の見直しについて、順次具体化するなど一定の成果を得ております。
 現在、土地活用検討チームとしては開催してございませんが、土地活用方策の個別の取り組みにつきましては、日ごろから関係局と情報交換を行い、適切に処理しております。検討内容の成果につきましては、事業の実施を積み重ねながら検証していくものでございまして、さらに、新たな都有地減額制度につきましては、事業者を公募後、契約に至るまで半年以上かかることから、制度適用後一年しか経過していない段階では、検証する段階ではないと考えております。

○植木委員 確かに時間はかかるというのは私もよくわかります。公社住宅にしても、公募に一定期間かかる、審査がある、審査にきちっと適用された事業者が決まれば一番ベストということで、一定の時間はかかるということはよく承知しておりますし、都有地だけでやっているわけじゃないですから、ほかの進行ぐあいとか、福祉保健局関係の進行ぐあいとか、いろいろあると思うんですけれども、いずれにしても、長期ビジョンでは四年間で、保育でいえば待機児をゼロにするということになれば、当然福祉保健局とよく連係プレーをしなきゃならないし、都有地としてどう知事の意向を反映させていくのかということは、非常に大事だと思うんです。
 そういう意味では、適時とおっしゃったのかどうかあれなんですけれども、そうはいっても、ずっと開かないで目標が達成しなかったということでは、知事のビジョンが実行に移れないんだろうと思うんです。
 そういう意味では、現在まだ二年弱ですけれども、やはり二年を区切りにきちっと検討チームをもって、その後の進行状況を全体として把握する、その中で財務局としては都有地としてどうなのか、あるいは国有地としてどうなのかという姿勢が必要だと思うのですが、もう一度お願いしたいと思います。

○中村財産運用部長 繰り返しの答弁になって大変申しわけございませんが、検討内容の成果につきましては、事業の実施を積み重ねながら検証していくものでございまして、制度適用後一年しか経過していない現在では検証する段階ではないと考えております。今後とも、福祉インフラ整備の促進を含めまして、都有地の適正な利活用に着実に取り組んでまいります。

○植木委員 着実に取り組むということで、今はその段階ではないと、検討チームをもう一回開く段階ではないというんですけれども、先ほどもいいましたように、保育の方でいえば、四年で待機児ゼロにするということも考えれば、やはり少なくとも二年に一遍、二年に一遍でいいかどうかわかりませんけれども、二年近くなる段階で、ぜひ検討するようにこれは強く求めておきたいというふうに思っております。
 それから、私の地元の中野区にある警視庁の野方署若葉寮というのが今回用途廃止ということで解体工事の説明会が終わり、解体工事に今着手しているということをお聞きしております。現場見てきました。
 こういう、行政財産が用途廃止になった場合、普通財産になってくると。こういう段階で地域の区市町村から要望があったり、地域の住民から区や都に要望があるような場合には、もちろん都庁内の関係もあるとは思いますけれども、やはり福祉インフラ用地として区市町村と情報交換して、具体化が可能なものは早目に準備してもらうと。結論は、正式に手続が終わってからというふうになってくるだろうと思うんですけれども、少なくともそういう情報交換はできるわけですから、そのように思うんですけれども、いかがでしょうか。

○中村財産運用部長 都有地は都民から負託を受けました貴重な財産でありまして、都の喫緊の課題解決のため最大限有効活用していくことが重要でございます。都が抱えます行政需要は、福祉施設整備を初めとしまして、学校、道路、公園、都民の安全・安心にかかわる施設など多岐にわたっております。
 今後とも関係各局と連携しまして、こうしたさまざまな行政需要に対し土地の形状や立地等を踏まえ、個々の都有地の活用策を計画的に検討した上で、福祉インフラ整備に活用可能と判断した都有地については、区市町村に対して情報提供を行ってまいります。

○植木委員 ぜひ、今幾つかお願いをいたしましたけれども、長期ビジョンの目標に見合った事業展開、時期を逸しないようにお願いしたいというふうに思っています。
 次に、維持更新計画にかかわって質問したいというふうに思います。
 平成二十一年度から始めた主要施設第一次維持更新計画では、目標の到達点が六割程度だったというふうに伺っております。そうした総括の上に、第二次主要施設十か年維持更新計画が提案されてきました。
 第一次、第二次と計画が進行するわけですが、インフラの長寿化など新しい課題もあると思うんですけれども、維持更新の考え方について、まずお示しいただきたいと思います。

○久保田建築保全部長 平成二十一年の主要施設十カ年維持更新計画策定から六年が経過し、その間に新たな行政課題も発生しており、これらに適切に対応するため、本年三月に第二次主要施設十か年維持更新計画を策定いたしました。第二次計画におきましては、前計画で掲げられていた安全・安心の確保、環境負荷の低減、将来コストの縮減、利便性の確保、都有財産の効率的かつ効果的な活用の五つの観点に十分配慮しながら、施設の長寿命化や東日本大震災を踏まえた防災対策、ユニバーサルデザインの推進などの取り組みを進めております。

○植木委員 五つの観点に配慮しながら進めておられるということです。五つ全部やっていると時間がありませんので、その中で幾つかお聞きしたいと思います。
 まず、安全・安心の確保という問題ですが、多くの都民が集まる施設ですから、設計から建設までの間、きちんと施工管理が行われなければならないと思います。ましてや途中の不正を見抜く努力なども必要だと思うんです。そういう意味で、民間であれ、公共であれチェック体制が整っているかが問われます。
 きょうは財務局なんですけれども、やはりちょっと全体としてお聞きしたいと思いますので、設計ができて実際の建築物が安心して都民に提供できると、これは財務局であれ、都市整備であれ、民間であれ同じ、共通していると思うんですけれども、問題は施工の管理がどういうふうに行われているのか、民間と公共との比較も考えておりますので、あえて民間の場合も一般的な事例でお示し願いたいと思います。

○久保田建築保全部長 民間の建築物につきましては、建築基準法に基づく確認申請を行い、建築主事等による建築計画の審査の後、確認済証の交付を経て建築工事に着手することになります。その後は、施工者は基礎工事から躯体仕上げ工事等に至る工程管理や品質管理を行う一方で、設計者は工事監理者として設計意図の伝達や技術的確認を実施いたしまして、工事が設計図書に適合していることを確認していきます。また、建築主事等が現場での中間検査や完了検査を実施しておりまして、これらに合格をしないと建築物を使用することができません。こうした流れの中で、建築工事における適正なチェックが行われてまいります。

○植木委員 二重、三重に、チェック体制に基づいてやっていると。このとおりいけば、都民に安心して一般の建築物でも提供ができると。都有建築物の場合、財務局が直接やってられるもの、都市整備局がやっている、いろいろあると思うんですけれども、具体的にどういう過程を経て、施工管理、チェックがなされるのか、その点についてもお示し願いたいと思います。

○久保田建築保全部長 都有建築物につきましては、都民の安全・安心を守るものでなければならないことから、先ほど答弁をいたしました一連のチェックに加えまして、都は技術職員を監督員として任命をいたしまして、発注者として、施工者及び工事監理者に対する監督業務を行うことにより、一層の品質確保に努めているところでございます。
 例えば監督員は、都の定める基準に基づいて、施工者から提出をされる下請関係を明らかにする施工体制台帳や具体の施工手順を示す施工計画書の確認や承諾を行うとともに、支持層の確認や鉄筋の組み立て、コンクリートの打設など、工程上重要な部分の施工において、みずから立ち会いや検査を行っております。さらに、工事契約の履行状況を確認する都の専門検査員による中間時や完了時の検査など、多重のチェック体制をとることにより、都有建築物の品質管理を確実に行っております。

○植木委員 民間が独自にチェックをやると同時に、都としての責任も二重、三重に努力をされて、体制をとっているということだと思うんですけれども、そういう設計どおりそれが適正に進められ、都としても管理が行われるということで、設計図どおりに整備されていけば何も問題が起こらないわけですが、一たび設計と事実が異なった場合にはどう対応するかが問題になると思うんです。
 このたびの旭化成の基礎ぐいのデータ捏造は、社会的に大変ショックを関係者に与えただけでなく、建築物そのものについての信頼も損ねる結果になったと思うんです。こういう場合に都民が不安にならないように、都有建築物の場合ではどのように対応するのか、財務局や建設を手がける都市整備など、どこがまずどういう責任を持っていくのかについて教えていただきたいと思います。

○久保田建築保全部長 財務局が他の局から工事を委任された都有建築物につきましては、仮に瑕疵が確認された場合には、財務局は工事請負契約に基づきまして、現場の確認、施工記録の調査、施工者へのヒアリングなどを行い、責任の所在を明らかにし、速やかに補修を行うなどの対応をとることといたしております。
 また、当該瑕疵が施工不良等によるもので、その行為等が建築基準法や建設業法などに抵触する疑いがある場合には、法令を所管する都市整備局と連携を図りながら、施工者へのヒアリングなどを行い、法令抵触の有無などの事実関係の確認に当たることといたしております。

○植木委員 都有建築物とは異なりますけれども、民間でもこうした都民の不安が訴えられた場合は、どこが対応することになるのでしょうか。

○久保田建築保全部長 民間の場合につきましては、先ほどご答弁申し上げましたけれども、建築基準法に基づく確認ですとか検査が行われておりますので、まずはそういう建築の確認を行っている、特定行政庁と呼ばれている建築主事がいる部署で相談等を行うことになるかと思います。

○植木委員 いずれにいたしましても、二十六年度には都有建築物もかなり整備されていますが、都民が安心して使い、震災などの避難場所にも活用する、そういう意味で、都有施設については、より一層しっかりとした対応が求められていると思うんです。
 今、担当部署はわかりましたが、実際に都有建築物で工事完成後に瑕疵が発見されたり、捏造されたことが明らかになった場合、現場で建物の検査は具体的にどのような体制で行うのでしょうか。

○久保田建築保全部長 工事完成後にふぐあいが明らかになり、瑕疵が確認された場合には、施工者、工事監理者、当該施設管理者と都監督員が現場や施工記録の確認などを行いまして、発注者や施工者の責任の所在を明確にし、補修の方法や時期等について協議を行うこととしております。

○植木委員 施工者とそれから工事監督者、そして都の監督員、そうした方々が集まって具体的にやるという体制について示されました。例えば、今回の旭化成建材の基礎くい工事で捏造した建物があったことが明らかになりましたが、こういう場合、瑕疵が本当にあるかどうか--書類は捏造ですから、地中の基礎ぐいが支持層まで届いているか、これは直接目に見えないわけです。一旦建設した後はわからないのではないかというのが、都民が見て大変不安があると思うんです。どのようにして瑕疵があるかどうかの安全の確認調査をするのか、具体的に教えてください。

○久保田建築保全部長 今回の旭化成建材の基礎ぐい工事につきましては、既に公表しておりますとおり調査を進めているところでありますが、都が保管する施工記録により、支持層への到達状況やセメント量、セメントの強度など、施工状況を精査いたします。また、現地調査を実施いたしまして、建物の傾斜や外壁のひび割れなどにつきましても確認をいたします。あわせて、工事関係者へのヒアリングを実施するとともに、旭化成建材による国への調査報告とも照合をいたしまして、工事が適切に行われていることを確認してまいります。

○植木委員 今のお話では、保管されている施工記録により、支持層への到達状況、セメントのぐあいと、こういうお話ですけれども、もうちょっと平たくいって、本当にくいが支持層まで届いているかどうかというのが今のお話でわかるのかどうかなんです。つまり、施工記録でわかるということは、施工記録にはそういう支持層まで届いたという証明になる記録があるということなんです。そこをちょっと、明確にわからないものですから、教えていただきたいと思います。

○久保田建築保全部長 先ほど、都有建築物の建築確認から施工の管理までのチェック体制についてご答弁申し上げましたけれども、私どもの監督員が、実際の工事現場で支持層の確認というものもやっておりますので、そういった記録が残されております。そういったものをもう一度確認することによって、しっかり届いているということが確認できるというふうに思っております。

○植木委員 やっぱり工事の質といった場合は、そこが本当に、この建物は基礎ぐいが支持層まで届いているんだよと、そこでのセメントのぐあいだとか、そういうのが記録でちゃんと残っているかどうか、それがチェックできるかどうかというのは、都民的に見て一番の心配事だと思うんです。それが、捏造しているところと同じようにここは届いていないなんていうことになったら大騒ぎになりますので、そこはしっかりとして調査をしていただきたいというふうに思うんです。
 旭化成建材の問題については、現在調査中ということですので、今後に期待するわけですけれども、ぜひ徹底的に調査を進めていただいて、維持更新の目標である安全・安心の施設を整備するということに努力をしていただきたいということを強く要望したいというふうに思います。
 それから、もう一点、維持更新計画では、都有建築物のユニバーサルデザイン導入ガイドライン、これに基づいてバリアフリーを進めると聞いています。パラリンピックもありますので、バリアフリーの推進は欠かせません。私たちが気がつかないちょっとしたことでも、障害者にとっては改善をしてほしいということが多々あります。
 私の経験でも、この都庁が完成した当時は、点字ブロックは焦げ茶色だったんです。弱視の方が、焦げ茶色だと点字ブロックかどうか見境がつかないということで、私が庁舎管理している財務局にいったら、これは設計者の意匠登録があって色を変えられないんだととんでもない答弁をしたんです。本当に、当時私、驚きました。やっぱり改善が必要なものは改善しなきゃならない。結果的には改善をしてもらったわけですけれども、大体、バリアフリーのまちづくりの方では、黄色にするということも書いてあるんです。ところが、設計者の意向だということでだめだった。
 そのほかにもいろいろあるんですけれども、先日ある障害者の方から都庁の第一庁舎の一階のトイレの使い勝手が悪いという話を聞く機会がありました。かつて、ここのトイレでは手すりが壁側にしかなくて、車椅子の方ですけれども、大変困ってしまった。都庁の人によったら、設計者の意匠登録があっていじれないのだと、こういわれたそうです。同じ話です。
 また、車椅子から便器に移って、便器から車椅子に移るときに落ちてしまった。呼び出しボタンを鳴らそうと思ったら、呼び出しボタンが壁側の方にしかなくて手が届かない。しようがないから、自分の靴をそのボタンに投げつけてやったんだけどうまくいかなかったという苦労話を聞きました。その人はそれ以来、第一庁舎のトイレは使っていないそうです。私も現に見てきたんですけれども、いまだに変わっていないんです。今も状況は同じなんです。
 この議会棟のトイレは、誰でもトイレということで、手すりが便器の両側についていると。呼び出しボタンも便器の両側についていて、しかも、ひもまでちゃんとついていて、下の方にもひもが届くようになっていると。これは、先ほどの障害者のお話からすれば、転んでも届くように改善されていると。さらに、オストメイトの患者さんやベッドの必要な方にも対応できるように改善がされてきていると。こういうことですから、議会棟の方はそうなっている。
 それから、またヘルパーの介添えが必要な障害者からは、トイレに入って便器に座るときに、あるいは終わったときにヘルパーに入ってもらう、そういうときに自動扉が全部あいてしまって外から丸見えになってしまう、恥ずかしい、何とかならないか、こういう声もありました。
 バリアフリーのまちづくり、ユニバーサルデザインの導入に基づいて整備をされていると思いますけれども、こうした障害者の生の声、これをどう反映させるかというのは、都庁の話はそういうことですけど、都全体としても私は大事なことだろうというふうに思うんです。
 しかし、改善できるものとできないものとがありますから、当然その上に皆さん方の判断が大事になってくるわけですけれども、具体的に改善が可能なものについては進めていただきたいというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

○井上庁舎運営担当部長 都庁舎におきましては、当初の設計から竣工後二十年以上経過します現在に至るまで、その時々の基準、指針に合わせるとともに、利用者の要望等を踏まえまして、バリアフリー関連の整備を行っております。現在実施しております都庁舎改修工事におきまして、第二本庁舎では、今年度に一、二階などの共用階の誰でもトイレ内の手すりの増設や呼び出しボタンの二カ所設置などを実施し、利便性の向上を図っているところであります。また、来年度以降に予定しております第一本庁舎の共用階の改修工事におきましても、同様の整備を予定しております。
 今後も利用者の要望等を踏まえつつ、誰もが安全で快適に利用できるよう来庁者の利便性の向上を目指しまして、きめ細かく適切にバリアフリー関連の整備に取り組んでまいります。

○植木委員 ぜひ努力をお願いしたいと思うんです。羽田空港の話を一度聞いたことがあるのですが、あそこは国際空港のトイレだからということで、車椅子や視力障害者など障害者別に関係者に集まってもらい、検討会を重ねて、そして改善して、改善したらもう一回集まってもらって、どうかということをやったそうです。
 そういう努力の積み重ねが非常に重要だと思いますので、ぜひ都庁舎、それから維持更新では全体ですけれども、そういう改善の努力を進めていただくよう要望して、質問を終わりにします。

○田中委員 私からは都債、特に他の自治体では発行していない外債についてを伺いたいと思います。
 都の事業を行う上で、社会資本ストックの適正な形成、また更新に対応していくために、必要な財源の確保というのは極めて重要であることはいうまでもありません。都は、その一つの方法として、単なる借金ではなくて、世代間の負担の均衡を図る機能を有する都債による資金調達を行ってきたところであります。
 これまでの経緯をいいますと、都は、平成十二年度以降、二次にわたる財政再建推進プランの取り組みなどを進める中で都債の発行額を調整してきておりまして、平成十三年をピークに五兆円台まで減少させております。その結果、先日出た、東京都の財政状況と都債、読ませていただきましたが、人口一人当たりの都債残高、平成十二年度の六十一万円から本年二十七年は四十四万円まで約三割の減ということで、国とは比較するまでもありませんが、他の地方自治体と比べても公債費の負担比率というのは大変低く、財政基盤の強化を進めてきたことは誰もが知ることでもありまして、高く評価するものであります。
 そんな中で、都債は、国内の市場で最も信用度の高い地方債と認識をしておりますが、現在の、昨今の国の金融政策の影響などから、債券市場は大きく変動をしておりまして、予断を許さないものと思っております。そういった認識もあって、都では国内市場のみに依存しないように、以前より外債を発行していることと思っております。
 そこでまず、平成二十六年度の都の外債の発行状況についてを伺います。

○岩瀬主計部長 都では、戦後におきましては昭和三十九年度を皮切りに、これまで継続的に外債を発行してきております。平成二十六年度におきましても、機関投資家向けには五月に米ドル建て債券を発行いたしまして、ロンドン市場に上場いたしました。本債券の利率は二・一二五%、期間は五年でございます。発行規模は、平成二十五年度から引き続き米ドル建ての外債市場におきまして債券の流動性を確保する観点から一つの目安となる規模でございます、十億ドルとしているところでございます。

○田中委員 平成二十六年度も無事に外債を発行したという報告を受けましたが、冒頭で述べたように他の自治体では外債というものを発行しておりません。国内の債券市場の変動を考えれば、いわゆるリスク分散という観点から、外債を発行することというのは意義があることだとは認識を私自身もしておりますが、都は、地方自治体、ほかは発行していない中で、なぜ外債を発行し続けているのか確認をしたいと思います。

○岩瀬主計部長 外債発行の意義といたしましては、まず、国際資本市場におきまして継続的に発行することで、海外の多様な投資家の参入を可能といたしまして、資金調達手段の多様化を図れることがございます。また、国内だけではなく、多様な市場にアクセスすることで、平時からリスクの分散を図れることもございます。さらに、国内債よりも販売手数料が安価なこと、低コストで資金調達が可能となることもございます。
 なお、他の地方自治体におきましては、戦後、大阪市、横浜市など四団体で政令で限定列挙された事業を対象に、国が債務を保証する政府保証がついた外債の発行実績がございましたが、平成十一年十月に横浜市が発行して以降、実績はございません。

○田中委員 外債の発行というのは、都自体にはメリットがあるということでありますが、為替の変動リスクについてもここで確認をしたいと思います。先ほど、平成二十六年度発行した外債は米ドル建てということでありましたが、例えば米ドル建ての外債であれば、発行から償還まで米ドルと円との間には為替変動があります。これに伴う影響というのは、少なからずあると思っておりますが、まず、この外債発行に対して、投資家に為替変動リスクがどのようなものがあるのかを伺います。

○岩瀬主計部長 昨年五月発行の外債は、主として米ドルで資金運用をしている海外の機関投資家による購入を想定しております。利払い並びに償還とも米ドル建てで行われるため、多くの投資家にとって為替変動の影響はないと考えられます。仮に、償還時に米ドルを円や他の通貨に交換する投資家がいた場合は、為替変動により差損益が発生する可能性がございますが、投資家は債券の金利水準や為替水準など市場環境を総合的に勘案した上で投資を判断していると考えられます。

○田中委員 債券といっても、全てノーリスクというわけではないので、もちろん購入側にも投資家にもリスクはあることはわかりました。
 次に、外債発行をしております発行主体であります東京都に対して、為替の変動リスクがあるのかを伺います。

○岩瀬主計部長 都におきましては、外債の発行時に利払い並びに償還額を金融のさまざまな手法を活用いたしまして、円ベースで固定してございます。したがいまして、都は外債の発行による為替変動リスクは負ってございません。

○田中委員 つまり、金融の為替スワップだとは思うんですけれども、それを使って起債時点で支払い額を固定しているということで、為替の変動リスクは都においてはないと、ヘッジをしているということであると思います。
 一方で、為替リスクとともに先ほどの答弁にありました国内債よりも低コストで資金調達を行っているという話もありましたので、そこを確認しておきたいと思います。一般に、金融取引においてのコストの詳細というのは、金融機関と東京都の関係もありまして、詳細な数字を明らかにできないかとは思いますが、例えば昨年度の例を見ますと、国内の円債というのは年率〇・三%程度であったと思います。
 今回の平成二十六年度二・一二五%の米ドル建て債券を調達した場合、今回十億ドルということでありますので、単純に利息だけを見ましても二・一二五%の場合が年間二十五億を五年間、百二十五億円と。〇・三%でありますと、単純に年間三・六億円の五年間、十八億円ということで、この時点でも大きなコストがかかっているんじゃないかと単純に考えると思うわけでありますが、今お話ありましたように、低コストというのは、調達した外貨を円へ交換することを通じても有利に資金調達を行えているということの理解でよろしいのでしょうか、伺います。

○岩瀬主計部長 お話のように外債の発行時には、都は発行から償還までを通じた円ベースでのコスト比較を行っておりまして、これも今お話ございました為替スワップ、金利スワップ等金融のさまざまな手法をあわせて活用することで、国内債と比しても都にとって将来負担の抑制につながる有利な資金調達が行えてございます。

○田中委員 なかなか数字では出せないのでしょうが、それでも大変有利だということで、この件についての確認をさせてもらいました。
 さらに、今回ロンドンへの上場ということで、一般的に民間企業が上場する理由というのは資金調達でありまして、上場のタイミングというのは、最も有利であるタイミングで行うと。まぁ、その企業も確定しているからだと思っております。つまり、ロンドンで外債を民間が発行する場合は、外債を売ってでも円を欲しいという理由があるからだと思っておりますが、ここまでの答弁で、平成二十六年度の発行実績と外債の発行には、単にそういった理由だけではなく、資金調達手段の多様化によるリスク分散、また、コスト面のメリット、そして、為替変動のリスクも回避しているということをこの場で改めて確認をさせてもらいました。
 さらに、最初の答弁で、平成二十五年度からは引き続き十億ドルの債券を発行したという話もありましたが、都の発行資料によれば、ことし五月にも同規模の外債を発行したと認識をしております。また、その発行時には、都の外債を株式会社東京証券取引所が運営する機関投資家等を対象とした市場である、東京プロボンド市場へ上場をしたということでもあります。
 そこで、今年度、都が上場した東京プロボンド市場というのは、どのような市場なのかを伺います。

○岩瀬主計部長 都は、本年度も五月に十億ドルの外債を発行してございまして、これまで上場してきたロンドン証券取引所に加えまして、東京プロボンド市場にも同時上場を行いました。この東京プロボンド市場は、英語のみでの開示が可能なほか、国内の会計基準のみならず、国際会計基準、米国会計基準など、複数の会計基準を採用しているなど、国内外の金融市場関係者にとって利便性の高い市場でございますが、平成二十三年に設立された創設間もない市場でございまして、その認知度が現時点ではまだ高まっていない状況にございます。

○田中委員 答弁の中で、英語のみで開示が可能ということで調べてみますと、海外企業が日本で円建ての債券、いわゆるサムライ債等を発行すると、翻訳等の料金だけで三千万以上かかるということでありますが、このプロボンド市場では一千万ほどで済むということで、大変利便性は高い市場であるということはわかりますが、しかしながら、今いったようにまだまだ認知度が低く、もっともっと活用されることが望ましいと考えております。
 都としても、そのような取り組みをぜひとも進める必要があると考えます。今回の、都の外債の東京プロボンド市場への上場というのは、都が掲げる国際金融センター構想の取り組みの一つとしても掲げられております。この東京プロボンドへ上場する意義と、またそれによって期待される効果についてもあわせて伺います。

○岩瀬主計部長 東京プロボンド市場は、先ほど申し上げましたとおり、国内外の金融市場関係者にとって利便性の高い市場でございますが、設立されて日が浅いこともございまして、その認知度が現時点でまだ高まっていない状況にございます。
 このため、今般、都が外債を発行するに当たりまして、国内外の金融市場関係者における同市場の認知度を高め、活性化に貢献していくことを念頭に上場したものでございます。この際、あわせて東京プロボンド市場への理解を深めてもらうため、舛添知事及び関係者出席のもと記念イベントを開催して共同会見を行い、コメントを発信しております。こうした取り組みが、当該市場の活性化、ひいては東京の経済のさらなる活性化の契機となることを期待しているところでございます。

○田中委員 さまざまなPR、また、発信もしてもらっているということでございますが、東京証券取引所一部、二部、また、マザーズのような一般的な個人投資家向けの市場ではわかるのですが、なかなかこのプロボンド市場、わかりづらく、私も国際金融センター構想や、また、先ほどいった知事の記念イベント等の中身で知ったところであります。ぜひとも、この市場をさらにPRをしていっていただきたいと思っております。
 そういうことをいう前提としましては、金融市場の低下というのが大変に懸念されているところがあります。中国経済のみならず、東アジアの金融市場というのは大きな発展を遂げておりまして、東アジアだけでなく、ロンドン、ニューヨークのマーケットとも東京市場、一番にするという目標も掲げられておりまして、発展をさせていかなくてはなりません。
 その一つとして、この金融センター構想の中のプロボンド市場の活性化ということも取り上げられております。今後も、都の外債を継続して発行するとともに、プロボンド市場の活用、この数も一昨年は十件ほどの上場数だったのですが、本年を見ると二十五と着実にふえている現状も見受けられます。
 ぜひとも、国内外の金融市場の関係者だけでなく、広く都民にも同市場の認知度を高めてもらって、さらに活性化に努めることを要望いたしまして、私の質問とさせていただきます。
 以上です。

○宮瀬委員 平成二十六年度の決算におきまして、私の方からは、都有地の活用について質問させていただきます。先ほど都有地の質問が出ましたが、切り口が違うかと思いますので、ご容赦いただければと思います。
 都はこれまでも、民間事業者に対し都有地を減額して貸し付ける福祉インフラ整備事業により、地域における福祉インフラの整備を支援してきたかと認識していますが、平成二十六年七月に福祉インフラ整備のための土地活用検討チームによる土地活用方策を取りまとめ、都有地の一層の活用に向けた取り組みを強化する方針を打ち出しました。都有地貸付料のさらなる減額などの土地活用策や、都営住宅の建てかえによる用地創出といった都有地の活用は、まさに東京都の喫緊の課題であります。
 まずは、平成二十六年度決算参考書財務諸表から都有地の活用について、何点か改めてお伺いいたします。九ページには財務局の貸借対照表があり、財務局の資産の全容が記載されています。その中で、土地に着目してまいりますと、平成二十六年度末の数値として、行政財産の土地には約二百五十一億円、普通財産の土地には約三千九十一億円が計上されております。非常に大きな金額だとは思うんですけれども、土地であることから単に金額で示されている状況でありますと、どれぐらいの都有地があってどれぐらいの広さなのか、なかなか私には想像するのが難しい状況であります。
 そこでまず、財務局が所管し、約三千九十一億円とある普通財産の都有地の数と全体の面積及びその中で未利用となっている都有地はいかほどかお伺いをいたします。

○中村財産運用部長 平成二十七年四月一日現在で財務局が所管しております普通財産の都有地は合計で二千百七十三件、面積は約四百八十四ヘクタールでございます。
 この中には、利活用が困難な明治、大正時代から借地権等が設定されている長期の貸付財産、あるいは無人離島や緑地などが含まれておりまして、こうしたものを除いて未利用となっている普通財産は、平成二十七年四月一日現在で合計で三百二十八件、面積は約百九十一ヘクタールであります。

○宮瀬委員 ふだん生活しておりますと、ヘクタールという単語になじみがないので教えていただいたのですが、百九十一ヘクタールといいますと、東京ドーム約四十個分の広さであると。広大な面積であることが考えられます。
 このような土地に対しまして、恒常的に活用されていない土地であっても、一時的にでも利活用しているような例はあるのかお伺いします。また、全く利用されていない土地というのは、例えばどのような状況にあるのかお伺いいたします。

○中村財産運用部長 庁内各局での利活用や区市町村などへの売却、貸し付けまでに一定の期間がかかりますから、その間に駐車場や公共工事の資材置き場の用途で一時的な貸し付けを行っているものや、住宅展示場への貸し付けなど暫定的な利用に供している例がございまして、平成二十七年四月一日現在で、その数は百二十六件となっております。残りの未利用地につきましては、山林地や狭小な不整形地、傾斜地などが多く、売却、暫定利用とも利活用が困難という実態がございます。

○宮瀬委員 ありがとうございます。未利用都有地の三百二十八件のうち、暫定利用を行っている土地は百二十六件ということでありますが、実に率にいたしまして約三八%、残念ながら半分にも満たない状況であるといえます。もちろん山林や傾斜地などといった事情は理解できますが、六割以上の都有地が未利用、つまり使用されていないというのは、やはり改善が必要ではないでしょうか。
 といいますのも、日ごろ地元--私は板橋でありますが、歩いておりますと、都有地の活用に関しましてさまざまなご提案、課題をお聞きすることがあります。例えば、板橋区栄町にあります一千平米ほどの都有地は、地域住民から有効活用するべきだとの声が上がり、板橋区側からも購入要望が出ているにもかかわらず、十年間未利用の状態が続いております。私自身、区や地元住民の方々からどうか使わせてほしい、解決してほしいというお話を直接お伺いいたしました。
 当然、さまざまな経緯や懸案事項があって、貸し出しがなかなか進まなかった。懸案事項があったとはいえ、結果として十年間活用されていないといったことは、一つの事実であります。この解決のために、都も、より積極的に動いていただかなかったと私も思っておりますが、今後は区としっかりコミュニケーションをとり、区民、都民に役立つような活用促進に向けて取り組むことを、ぜひお願いを申し上げます。
 また、同じく板橋区の例で恐縮ではありますが、さきの定例会で契約案件として承認されました志村警察署建てかえに伴う移転におきましては、移転予定地から土壌汚染が見受けられ、工事の着工が大幅におくれてしまっているという状況であります。
 警察官の方とお会いしてお話ししましたが、老朽化した署で、いつ地震が来てもおかしくない、そういった状況で本当に業務が遂行できるのか、一刻も早く新庁舎に移転をするよう、議会に働きかけてほしいとおっしゃっておりました。聞いたところによりますと、区から購入した土地であり、区は公園として活用していたとありますが、もとは都有地であり、じんかい処理場、つまりごみ関係の処理場だったと聞いております。
 そこで、お伺いをいたしますが、都有地の中には、土壌汚染のほかにも地中の障害物など利用に支障がある土地も含まれているかと思います。そのような土地を売却するような場合には、売り主側でしっかりとした対応を行うべきと考えますが、都はどのような方法をとっているのかお伺いいたします。

○中村財産運用部長 都が区市町村等に都有地を売却する際には、その地歴を調べ、例えば、土壌の汚染や地中の障害物があるような都有地につきましては、関係する法令にのっとった土壌汚染対策や地中に残る建物のくいや基礎の撤去などを都が施した後に売却を行っております。
 一方で、軟弱地盤で地下のくいを除去してしまいますと周囲の土地に影響を与えてしまう場合など、土地の状況によっては相手方との同意の上、かかる費用を価格から控除した上、現状のまま土地を売却することもあります。今後とも、個別の土地の状況や地域の実情に応じまして、適切に対応してまいります。

○宮瀬委員 都有地の福祉インフラへの活用という大きな方針がうたわれていることは、今後、その都有地に建てられる施設の利用者は、保育園児や高齢者であることが推測されます。ぜひ、適切な対応をお願いします。
 繰り返しになりますが、都有地は貴重な財産であります。未利用となっている状態は、都民にとっての損失であるといっても過言ではありません。先ほどのご答弁では、未利用の都有地の活用が進まない理由として、土地が小さく不整形であることなどが挙げられておりました。確かに、そのような形状、広さだと、都として活用していくのがなかなか難しいかもしれませんが、その土地の地元にとっては、そのような土地であっても、購入は難しいとしても都から一時借り受けるなどして利用できれば、有意義な場合もございます。地元にとって有意義で、かつ未利用都有地の有効活用にもつながるのであれば、大変望ましいことだと思っております。先ほどのような問題も含め、地元区市町村への丁寧な情報提供や十分なコミュニケーションを図っていくことをお願いしたいと思います。
 その上で、最後になりますが、今後、都として未利用地の都有地についてどのように活用していくのか、見解をお伺いいたします。

○中村財産運用部長 都有地は、都民からの負託を受けた貴重な財産であります。都政の喫緊の課題の解決のため、最大限有効活用していく必要があります。活用に当たりましては、都事業での活用意向を各局に確認し、次に、地元区市町村の事業での利用意向を確認しております。その際、狭小、不整形なものでありましても、道路用地ですとか、公共施設との隣接地など、地元にとって活用可能性がある土地については、地元区市町村に情報提供をしております。その上で、公共目的での利用が見込めない場合には、民間への貸し付け、売却等を検討しております。今後とも、区市町村とも連携し、これらの取り組みに適切に努め、着実に財産利活用を推進してまいります。

○宮瀬委員 ありがとうございます。大変厳しい意見を述べさせていただきましたが、実は感謝させていただきたいこともございます。地元板橋区赤塚にございます都有地がありましたが、地域住民の方々から、子供が遊ぶスペースにぜひしてほしい、地元の町会等で使わせていただきたいという声が非常に上がっておりました。町会にはもちろん貸し出すことはできないということでありましたが、東京都は地域住民や区からの要望に応え、工事着工までの二年間、一時的に貸し出す方針を示していただきました。
 区側のさまざまな事情もあり、実現するかどうかは協議の行方を見守りたいと思いますが、そういった都の取り組みを、ぜひ今後も進めていただきたいと思います。その際、重要になるのは、都側の積極的な情報発信であると考えます。さまざまな制約はあるものの、未利用都有地の活用に向けた区市町村等へのさらなる情報提供により、さまざまな可能性が広がると考えております。
 例えば、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック大会に際し、都民の皆様が何か関連イベントを行ったり、外国人との交流の場とするといった、民間から都有地のアイデアも出てくるかもしれません。例えば、未利用都有地には傾斜地が多いとのことでありますが、傾斜地であればこそ、京都の大文字焼きのような炎やライトアップで大きな文字を書いて多くの人たちに何か五輪のメッセージを伝える、平和のメッセージを伝えるといったことも可能かもしれません。
 未利用の都有地から夢が広がる、そういった柔軟性のある施策を要望し、現在未利用の都有地の有効活用が一層進むことを期待いたしまして、私の質問を終わります。

○早坂委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○早坂委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で財務局関係を終わります。
 以上をもちまして第一分科会における決算の審査は終了いたしました。
 なお、本分科会の審査報告書につきましては、分科会委員長において取りまとめの上、委員会委員長に提出いたしますので、ご了承願います。
 これをもちまして第一分科会を閉会いたします。
   午後二時四十八分散会

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