平成二十六年度各会計決算特別委員会第三分科会速記録第四号

平成二十七年十月二十三日(金曜日)
第九委員会室
午後一時開議
出席委員 十名
委員長曽根はじめ君
副委員長高倉 良生君
副委員長小松 大祐君
中山ひろゆき君
まつば多美子君
徳留 道信君
鈴木 章浩君
高木 けい君
大西さとる君
高橋かずみ君

欠席委員 なし

出席説明員
中央卸売市場市場長岸本 良一君
管理部長野口 一紀君
事業部長白川  敦君
新市場整備部長飯田 一哉君
市場政策担当部長金子 光博君
財政調整担当部長坂田 直明君
移転支援担当部長長田  稔君
新市場事業推進担当部長櫻庭 裕志君
移転調整担当部長赤木 宏行君
基盤整備担当部長若林 茂樹君
施設整備担当部長佐藤 千佳君
建設局局長佐野 克彦君
次長福田 良行君
道路監西倉 鉄也君
総務部長佐藤  敦君
用地部長杉崎智恵子君
道路管理部長今村 篤夫君
道路建設部長相場 淳司君
三環状道路整備推進部長川嶋 直樹君
公園緑地部長五十嵐政郎君
河川部長三浦  隆君
企画担当部長伊佐 賢一君
総合調整担当部長前田  豊君
道路保全担当部長川合 康文君
道路計画担当部長東野  寛君
公園管理担当部長日浦 憲造君

本日の会議に付した事件
平成二十六年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
中央卸売市場関係
・平成二十六年度東京都と場会計決算(質疑)
建設局関係
・平成二十六年度東京都一般会計決算(質疑)

○曽根委員長 ただいまから平成二十六年度各会計決算特別委員会第三分科会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、中央卸売市場及び建設局関係の決算に対する質疑を行います。
 これより中央卸売市場関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成二十六年度東京都と場会計決算を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○高木委員 それでは平成二十六年度のと場会計決算についてお伺いをしたいと思います。
 二十六年度と場会計決算における主な施設整備というものは、どのようなものであったのか、まずお伺いしたいと思います。

○金子市場政策担当部長 平成二十六年度と場会計予算の執行に当たっては、老朽化施設設備の計画更新及び衛生対策の向上に向けた改修工事を実施いたしました。
 具体的には、と畜ラインの生体を次の解体工程へ送るための小動物フリーカーブコンベヤーの老朽化、劣化に対応するため、交換改修工事を実施いたしました。
 また、と畜作業の衛生対策上欠かすことのできない小動物高温水設備の機能低下が著しく、ナイフなど機器の消毒槽に必要な高温水の供給が間に合わない事例が頻発していたため、改修工事を実施し、衛生対策に万全を期したところでございます。
 もとよりと畜場の施設設備は、都民に安全な食肉を供給するために、常に安定的に稼働していかなければならないことから、計画的な更新及びこれに合わせた衛生対策上の機能強化などを着実に実施しているところでございます。

○高木委員 かねてからと場については、私たち、施設整備、施設改修を通じて、機能の強化と向上というんですかね、に向けて努力をしてほしいということを要望してきたと思います。
 ただいま答弁があったように、平成二十六年度は主に老朽化した施設あるいは設備の更新や、衛生対策のための改修工事などを実施したということであるわけでありまして、このことについては、市場当局の努力を評価させていただきたいと思っています。
 芝浦と場では、と畜作業をとめることなく、施設や設備の改修を着実に実施をしていく必要があるわけでありまして、困難も伴うことがあると思いますが、都民への安定的な食肉供給を図るために、今後ともぜひしっかり取り組んでもらいたいというふうに思っています。
 さて、十月五日に二年以上交渉が続きましたTPP交渉が大筋合意となりまして、世間では、農産品を初め我が国のさまざまな分野において影響が出るんではないかということが危惧をされているわけであります。
 芝浦と場で取り扱う食肉のうち、牛肉については、輸入牛肉と和牛の関係で見ると、価格帯にある一定のすみ分けができていることから、競合するなどの影響は比較的少ないんではないかというふうにいわれています。
 ところが、国産の豚肉については、値下がりする輸入牛肉に消費がシフトすることが一つは危惧をされておりまして、消費が落ち込むのではないかということもいわれているわけであります。
 これからのことですから、どういうことになるかはまだ予測の段階なんですけれども、いずれにしても牛肉、豚肉ともに、産地や販売先の動向から目を離さずに、ぜひ今後ともさらに激化する競争にいち早く対処して、芝浦ブランドの魅力を発信し続けることこそが、芝浦と場を継続発展させていくための方策ではないかというふうに思うわけであります。
 そのためにも、芝浦と場は、輸出にも対応可能な、いわゆる国際的なスタンダードというものを確立しなければいけない。その一つが、私は前々からいっていましたけれども、国際的な基準でありますHACCPの手法によって、衛生管理を初めとして、衛生的で機能的な設備、施設を整えて、そして業界と協力をするということが大事なんですが、業界と協力しながら、海外へも打って出られる体制を確立すべきだというふうに考えております。
 芝浦と場にとって、国際標準に対応したHACCPの導入や施設の機能強化は、そういう意味では、もう既に待ったなしの状況に入ってきているというふうに思っています。
 そこでご確認をさせていただきたいんですが、と場における品質衛生管理をこれからどのように確立をしていくのか、見解を伺いたいと思います。

○金子市場政策担当部長 食肉市場を、今後も魅力ある競争力の高い市場として運営していくためには、と畜解体を行うと場施設、食肉の取引を行う市場施設における衛生基準の高度化は不可欠であると考えております。
 芝浦と場を含む食肉市場では、平成二十七年一月に都と業界代表者によりHACCP推進会議を立ち上げ、平成三十年度末までのHACCP導入を目標に取り組みを進めているところでございます。
 その一環として、市場全体の衛生管理状態の調査を行い、食品事業者の基本である整理、整頓、清潔、清掃、習慣のいわゆる五Sや、作業員の衛生意識などの一般的衛生管理の現状につきまして、事業者ごとの問題点と改善するべき課題を明らかにしてまいりました。
 現在、都は各事業者に対しまして、市場全体のHACCP導入までの道筋を示したロードマップの考え方をお示しし、事業者ごとのHACCPチームの編成から作業工程上の分析方法について、個別に指導を行っております。
 今後は、各事業者が危害要因の分析を行い、各工程での管理手段を検討の上、HACCP導入に必要なソフト及びハードの条件設定を検討し、その上で施設改修が必要な部分につきましては、HACCP推進会議で全体の調整を図ってまいります。

○高木委員 HACCPは、品質衛生管理上の危険要因というんですかね、危害要因というんですかね、これを分析して、それに対処しつつPDCAサイクルによる不断の見直しを行っていくものと思っていますが、このHACCP導入には、今答弁のあった、いわゆる五Sの徹底--整理、整頓、清掃、清潔、習慣、この五Sの徹底、そして、一般的な衛生管理の重視は、これはもちろんなんですけれども、そのための職員の教育などのソフト面における取り組みというのが基本であるというふうに思っています。これからの取り組みを着実に進めることが、これは非常に重要でありまして、ぜひ目標年度までのHACCP導入の実現に、しっかり取り組んでいただきたいと思っております。
 さて、芝浦と場を含む食肉市場の敷地というのは、およそ六・四ヘクタールといわれておりますが、その中に、平成二十六年度は一日平均で牛が約四百頭、豚が約九百頭、産地から運び込まれていると聞いております。と場部門には、牛、豚の係留施設、五ラインのと畜場が配置をされておりまして、環境対策のための施設である水処理センターでは、と畜場からの汚水を浄化処理しているわけであります。また、市場部門には、冷凍庫、それから競り場、枝肉保管冷蔵庫、それから部分肉加工場などが所狭しと配置をされておりまして、食肉市場全体としての狭隘化というのは、これはもう常々、前々からいわれていたわけであります。
 食肉市場は、生体の入荷から製品出荷までの連続した施設となっておりまして、このどこの施設がストップしても、全ての工程に支障を来してしまいますので、一カ所がだめになりますと、市場機能そのものが全体的に麻痺をしてしまうという特徴があるわけであります。
 このために老朽化が進んだ施設の更新においても、業務をとめることなく確実に、その施設の改修を図っていかなければならないわけで、特に基幹施設の工事というのは、非常に困難を伴う事業であると聞いております。このような状況にあって、今までも大規模な改修工事を行ってきたとのことでありますが、今後求められる衛生基準を満たすための改修について確認をしたいと思うんです。
 狭隘化する市場の中で、老朽化施設の更新や機能強化をこれからどのように進めていくのか、見解を伺いたいと思います。

○金子市場政策担当部長 食肉市場業界からは、さまざまな施設改修を伴う要望が上がっており、衛生対策上も改修、改築が必要な施設が多くございます。
 これまでも、O157やBSE対策のための大規模な衛生対策工事を実施してまいりましたが、改修に当たりましては、新たな施設の整備後に旧施設を撤去するという手法や、業界の協力のもと一部のラインを閉鎖し、残ったラインを一日二回転させることなどによりまして、工事を実施してまいりました。
 今後は老朽化施設の更新に合わせまして、抜本的なHACCP対応型施設への転換が求められること、それから、二〇二〇年の指定フロン生産終了に伴う冷媒更新工事など、待ったなしの施設設備の改修が控えております。これらの工事を計画、施工に当たっては、市場業界の営業に直接大きな影響を与えることから、業界の意向を踏まえるとともに、事前の綿密な調整を図りまして、市場業界と一緒になりまして、しっかりと取り組んでまいりたいというふうに考えております。

○高木委員 工事の施工に当たっては、業界の営業への支障に十分に配慮した上で、調整を進めていただいて、進めていただきたいと思っています。
 さて、日本の高度経済成長をもたらす契機となった昭和三十九年の東京オリンピック大会から、現在では半世紀以上の年月がたちまして、新たな日本の姿を世界に示す東京オリンピック・パラリンピック大会が目前に控えているわけであります。
 この東京大会を契機にいたしまして、東京食肉市場が世界に冠たる市場として、日本の牛肉、豚肉のクオリティーの高さを全世界に示して、世界中の人たちにそのおいしさを味わってもらうというのも、これはある意味で一つの絶好の機会だというふうに思うわけであります。そうした取り組みも、今いろんなところで進められていると思いますけれども、これが一つの大きなきっかけになる可能性があるということだと思います。
 その一方で、先ほど来指摘をしておりますように、食肉市場の現状というのは、狭隘化、老朽化といった厳しい実態にありまして、今後どのようにして魅力ある市場、と場に生まれ変わらせるのかが、非常に重要な要件になってくると思うんです。
 そこで、将来についてのしっかりとした展望を持って、業界の皆さんと今後のあり方について、ぜひとも膝を詰めて話し合って、すばらしい東京食肉市場となるように考えていただきたいなと思うわけであります。
 そこで、最後に、市場長の食肉市場に対する--今までも一生懸命、食肉市場に対しては、老朽化対策を含めてやられてきたと思うんですが、これからの決意をぜひお伺いしたいと思います。

○岸本中央卸売市場長 ただいまお話をいただいております東京食肉市場芝浦と場は、北は北海道から南は九州鹿児島まで全国各地から牛や豚が集まる、日本一の取引規模を誇る市場、と場でございます。
 これまで、新鮮な食肉の供給拠点として都民の食生活を支えるとともに、この市場での取引価格が全国の牛肉、豚肉の取引の基準価格となるという、大変重要な役割を担ってまいりました。こうした役割を将来にわたり果たしていくためには、今日、食品衛生上の国際標準となっておりますHACCPの導入は不可欠でございまして、現在、業界とともに鋭意取り組みを進めているところでございます。
 また、輸出のお話もございましたが、輸出にはHACCPに加えまして、輸出先国が定める独自の衛生基準や施設設備の基準を満たす必要もございます。このため今後は、現在取り組みを進めておりますHACCPに加えまして、輸出が見込まれる国々の基準に対応したソフト、ハードの整備につきましても、業界の意向を踏まえ、検討を進めてまいります。
 委員ご指摘のとおり、敷地全体が狭隘化しておりまして、整備に当たってはさまざまな課題もございますが、業界と十分に議論しながら、必要な施設整備を着実に進め、将来にわたりその役割をしっかりと果たせるよう、全力を挙げて取り組んでまいります。

○高木委員 市場長の力強い決意を聞いたわけでありますが、と場について、一つはやはり、今指摘したようなTPPの話というのは、避けて通れないんだろうと思っていまして、将来的には関税が撤廃をされる方向に、恐らく行くんだろうというふうに思います。牛肉にしろ豚肉にしろ、そういう方向性はもう間違いないと。
 そのときに、これは食肉だけではないんですが、日本のいわゆる農産品といわれるものが、国内だけの消費にとどまることなく、海外にまで輸出をすることができるというのは、これはやっぱりTPPの一つの目的にもなっているんだろうと思っておりまして、そのことを抜きにして、この問題は語れないんだろうと思います。
 つまりは食肉がさらに取引量が多くなって、外国にまでも要するに輸出ができるようになると、こういう状況をつくっていくことが、都政としては当然大事なんだろうと思います。食肉の取引がふえてくるということになりますと、当然、敷地の問題もあるでしょうし、設備の問題もあるでしょうしということで、ぜひ頑張ってもらいたいということが、私が申し上げたいことの趣旨であります。
 今、牛肉などは、東京食肉市場のと畜した、いわゆる製品として出せる肉が、じゃあ、どこの国に行けるのか、どこの国に輸出ができるのかというと、これは大変心もとない状況になっているわけでありまして、やはり世界中の国々に、日本の肉が食べたいというところにはすべからく輸出ができるという状況を、やはり基礎的にこの東京食肉市場がつくっていかなければいけない。全国のそうした食肉市場がそれを見習っていくというような状況に、やはり東京はなっていかなければいけないんだろうというふうに私は思っています。
 ですから、東京食肉市場が飛躍をする一つのきっかけとして、今、申し上げたようなTPPの問題もあったり、あるいはこれから事業を継続、拡大をしていくという中で、我が国においては少子高齢化の傾向というのは、これはもう避けて通れないわけですから、購買力のことを考えても、やはり外に輸出をしていくという方針は、一つの大きな柱として掲げていかなければいけないんだろうと思うんです。
 ですから今、衛生基準、あるいは品質基準といってもいいのかな、そういうものが、今回たまたま私が取り上げましたけれども、今、一番衛生基準が厳しいのはヨーロッパやアメリカだというふうにいわれておりますが、そういうところに日本の肉が堂々と商品として向こうへ行けるように、ぜひしていただきたいと。そして、当然それぞれの国でもおいしいお肉がつくられているんだと思いますが、日本の肉が向こうへ行って、価格や品質や味や、そういうものと比べて遜色なく、市場のシェアを獲得ができるという状況をつくってあげることが、都政の役割だろうなと思います。
 よく輸出入の自由化の話の中で、いわゆるルールとしての関税をなくすとか、ルールとしての自由貿易というのを確立されても、例えば非関税障壁ということがよくいわれていましたが--農薬の問題ですとか、あるいは衛生の問題とかというのは、よくそういうことをいわれるんですけれども、そういうものも含めて、我が国の東京でつくる食肉については、そういう非関税障壁も含めて全部がクリアできるよと、どこへ出しても恥ずかしくないよという状況をつくり上げるということが、私たちの夢でなければいけないんだろうと思います。
 ですからこれは、これから移転をされる豊洲市場もそうでしょうけれども、東京のいわゆる一次産品、口に入る農産物、それから食肉、全てのものについていえることだと思いますが、これからは、私たちの国内だけで消費をされるものということがテーマではなくて、世界全体で勝負ができる、そういうものを外へ出していくためのその一つの基礎づくりが、この市場の役割だというふうに思っています。そのことをぜひ肝に銘じて、食肉問題に、市場問題に取り組んでいただきたいと、こう思っているわけであります。
 どうぞこれからも、今までの努力は私は大変評価をしています。あのBSEのときも、ちゃんと、と場に入ってくる車の洗浄機までつけていただいたり、本当にいろいろやっていただいたと思います。ですから、そのことについては私は大変評価をしている。ですから、これからもこのと場については、ぜひ世界の東京食肉市場となれるように頑張っていただきたいという激励を込めて質問させていただきました。どうぞよろしくお願いします。
 終わります。

○高倉委員 それでは平成二十六年度のと場会計決算について質問させていただきます。
 食肉市場で取り扱う牛、豚の集荷状況でありますけれども、近年は豚の地産地消が進んでいる中で、消費地市場であります東京食肉市場芝浦と場においては、漸減というんでしょうか、少しずつ減っている傾向があるというようなことも耳にしていたわけでありますけれども、平成二十六年度の牛、豚の集荷量や過去五年間の推移について、確認をさせていただきたいと思います。
 過去五年間の牛、豚の集荷状況について、まずお伺いしたいと思います。

○金子市場政策担当部長 過去五年間の牛の集荷状況についてでございますが、平成二十二年度が九万四千七百六十六頭、平成二十三年度が八万九千百七十八頭、平成二十四年度が九万四千三百二十三頭、平成二十五年度が九万七千二十四頭、平成二十六年度が九万八千九百九十六頭で、平成二十三年度以降、毎年増加しております。
 また、豚についてでございますが、平成二十二年度が十七万四千四百四十頭、平成二十三年度が十六万五千頭、平成二十四年度が十八万一千六百四十七頭、平成二十五年度が二十二万五千百六十一頭、平成二十六年度が二十二万二千九十三頭でございます。平成二十三年度までは減少傾向にありましたが、平成二十四年度、平成二十五年度と増加し、平成二十六年度は若干減少したものの、前年度と同程度の水準を維持しております。

○高倉委員 今、集荷状況について数字を述べていただいて、この状況を明らかにしていただいたところでありますけれども、それによりますと、牛についての集荷頭数、これは毎年増加傾向にあるということであります。また、豚についても集荷量の維持に努めてきたということでありまして、ぜひ、消費者への食肉の安定供給を図る意味からも、引き続き努力をお願いしたいというふうに思います。
 ところで、四年前に東日本大震災が発生をしたわけであります。この決算の平成二十六年度は、震災が発生してから三年を経過した年であります。非常にいろんな意味で、特に風評被害といったことも、引き続き心配をされていたときではないかなというふうに思います。
 私ども都議会公明党も、被災地の方に繰り返し足を運びながら、特に根拠のない風評被害ということについては、しっかりとこれを打ち消しながら、安全性を確認していくことが非常に大事であるというようなことで、さまざまな直接のいろんなお話も聞きながら、大消費地東京においての風評被害の払拭に努めてきたつもりであります。
 この東日本大震災では、原子力発電所の事故といった影響もありまして、集荷の減少が危惧をされていたというようなこともあったと思いますけれども、今の話をお伺いしますと、実際に牛について、平成二十三年度には一時減少はしておりましたけれども、その後増加をしてきているという話でありました。
 東日本大震災の後、さまざまな影響があって、集荷を増加させるということについては、大変な困難もあったのではないかというふうに思いますけれども、それについての、牛、豚ともに、近年、集荷数を増加させるための具体的な取り組みについて、お伺いをいたしたいと思います。

○金子市場政策担当部長 牛の集荷については、都と卸会社により放射性物質の全頭検査を実施することで、消費者の安全・安心の確保と風評被害の解消に努めまして、集荷頭数の回復を図りました。
 また、全国的な出荷頭数の減少によりまして、価格が上昇する中、卸会社が既存の出荷者及び大規模生産者の多い北海道からの集荷に尽力することによりまして、集荷頭数を増加させたところでございます。
 豚につきましては、卸会社が中心となりまして、出荷奨励金の充実や新規出荷者の開拓など集荷努力を行いまして、集荷頭数の増加をさせたところでございます。

○高倉委員 本当にさまざまな努力を重ねてこられたと思います。東京食肉市場芝浦と場は、日本を代表する食肉供給の拠点でもあります。今後も引き続き集荷に向けた努力を続けていただきたいと思います。
 先ほど申し上げたように、東日本大震災からことしは四年半がもう経過をしてきているわけであります。そうした中で、先ほど風評被害の話もいたしましたけれども、さまざまな努力によって、牛肉の放射性物質による影響といったことも余り耳にしなくなってきているということだと思います。
 東京都は、平成二十三年十二月から芝浦と場でと畜をされた牛につきまして、放射性物質の全頭検査を行いまして、基準値以下の牛肉については安全確認証を発行して、消費者の安全・安心を確保しているというふうにお聞きをしております。芝浦と場を管理運営する都が検査を実施するということは、大変意義のあることというふうに思います。
 そこで、今までの検査実績や現在の取り組み状況についてお聞きをしておきたいと思います。牛肉の放射性物質全頭検査結果の推移はどのようになっていたのかについて、お伺いしたいと思います。

○金子市場政策担当部長 牛肉の放射性物質の全頭検査は、都と卸会社によりまして、平成二十三年十二月から実施しております。二十六年度末までに三十一万四千六百二十三頭の検査を実施しております。
 これまでに、法に基づく放射性物質の基準値を超える値が検出されたのは、平成二十四年十月に一度だけでございまして、東京食肉市場としては、安全な牛肉を日々供給しているところでございます。

○高倉委員 今、全頭検査の状況、推移について説明をいただいたわけであります。
 今、二十四年十月に一度だけというお話がありましたけれども、二十四年十月というのは、それまでは食品衛生法の規定に基づく放射性物質の基準値は、いわゆるキログラム当たり五百ベクレルという暫定値であったわけでありまして、まさに二十四年の十月以降、これをさらに、いってみれば厳しい状況にいたしまして、キログラム当たり百ベクレルにした後、この一回だけ、一頭だけですね、基準値を超える値が出たということでありますけれども、それ以降は全くないわけであります。そして、都による全頭検査を始めてから、検査頭数も三十一万頭を超えているということであります。
 放射性セシウムの汚染が流通前に確認をされ、基準値を超えた牛肉は流通しないという厳しい措置を講じてきたということについては、食の安全を確保する上で大変大きな意義があったことであると思います。
 ぜひ、こうした取り組みを引き続きしっかりと行っていただきまして、消費者に対しても安全性を十分にアピールしていただくようにお願いいたしまして、質問を終わりたいと思います。

○曽根委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○曽根委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で中央卸売市場関係を終わります。

○曽根委員長 これより建設局関係に入ります。
 初めに、過日の分科会で紹介できませんでした幹部職員について、建設局長から紹介があります。

○佐野建設局長 去る十月九日の当委員会を病気療養のため欠席させていただいておりました幹部職員をご紹介させていただきます。
 総務部長の佐藤敦でございます。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○曽根委員長 紹介は終わりました。

○曽根委員長 決算の審査を行います。
 平成二十六年度東京都一般会計決算中、建設局所管分を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○佐藤総務部長 去る十月九日の当分科会におきまして要求のございました資料につきましてご説明を申し上げます。
 お手元の平成二十六年度各会計決算特別委員会第三分科会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
 表紙をおめくりいただきますと、目次に六件の資料の件名が記載をしてございます。この順番に従いましてご説明を申し上げます。
 一ページをお開き願います。骨格幹線道路(主要路線)の予算・決算額の推移でございます。
 この表は、骨格幹線道路の整備につきまして、平成二十二年度から平成二十六年度までの予算額と決算額の推移をあらわしたものでございます。
 二ページをお開き願います。道路補修費の予算・決算額の推移でございます。
 この表は、道路補修費につきまして、平成二十二年度から平成二十六年度までの予算額と決算額及び決算額を区部と多摩部別にあらわしたものでございます。
 三ページをお開き願います。中小河川の整備状況の推移でございます。
 この表は、中小河川の整備状況につきまして、平成二十二年度から平成二十六年度までの各年度の整備延長、事業費、治水安全度達成率並びに主な事業をあらわしたものでございます。
 四ページをお開き願います。直轄事業負担金の決算額の推移でございます。
 この表は、直轄事業負担金につきまして、平成二十二年度から平成二十六年度までの道路、河川及び公園の決算額を財源別にあらわしたものでございます。
 五ページをお開き願います。建設局に係る中小企業への工事発注実績の推移でございます。
 この表は、建設局が発注した工事につきまして、平成二十二年度から平成二十六年度までの件数と金額をあらわしたものでございます。
 六ページをお開き願います。都立公園の整備費の予算・決算額の推移でございます。
 この表は、都立公園の整備費につきまして、平成二十二年度から平成二十六年度までの予算額と決算額及び決算額を区部と多摩部別にあらわしたものでございます。
 以上で要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○曽根委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○高橋委員 最初に都市計画道路の整備についてお尋ねいたします。
 決算概要には、道路ネットワークを形成する上で、緊急性の高い都市計画道路を重点に整備を進めたとあります。東京を将来にわたり活気があふれ快適な都市とするためには、渋滞を解消し、人と物の流れをスムーズに、移動しやすい環境整備をする必要があります。
 都は、都市計画道路の整備を着実に進め、これまでに約六割が完成していると聞いておりますが、いまだ道半ばだと思います。
 都市計画道路の整備は、経済の活性化や国際競争力を高める上でも必要不可欠であります。また、災害時においても、交通、物流を確保するとともに、市街地の延焼を遮断するなど、強靱で安全・安心な都市づくりに寄与することが期待されております。
 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック大会だけではなく、その先も見据えて、道路整備の着実な取り組みが必要であることは、さきの第三回定例都議会の我が党の代表質問において述べたとおりであります。
 そこで、建設局が進めている都市計画道路の整備について、平成二十六年度の状況をお伺いいたします。

○相場道路建設部長 東京の都市計画道路は、ネットワークの形成で交通渋滞という首都東京の最大の弱点を克服し、経済の活性化や国際競争力の強化に資するとともに、防災性を向上させるなど、安全で快適な都市活動や都民生活を支える上で重要な都市基盤でございます。
 平成二十六年度におきましては、二百十九カ所、約百七十五キロメートルで事業を進め、このうち六カ所、約十二キロメートルが開通いたしました。
 例えば区部では、渋滞の早期解消のため、都と首都高が共同で事業を進めました首都高中央環状品川線が、品川区八潮から目黒区青葉台までの約九・四キロメートルの区間で開通いたしました。この開通により、中央環状線が全線開通するとともに、首都圏三環状道路で最初のリングが完成いたしました。
 また、多摩地域におきましては、南北主要五路線の一つであります調布保谷線が、西東京市保谷庁舎付近から保谷第一小学校付近までの約一キロメートルの区間で開通し、西武池袋線との立体交差化が図られました。

○高橋委員 都市計画道路の整備が着実に進められていることが理解できました。
 今の答弁にあった調布保谷線については、さらに整備が進み、ことしの夏に埼玉県境までの区間が開通し、全線開通したと聞いております。
 そこで、平成二十六年度から現在までに開通した主な路線の事業効果について、伺います。

○相場道路建設部長 開通いたしました路線のうち、中央環状品川線につきましては、新宿から羽田空港までの所要時間が約四十分から約十九分に短縮され、定時性が向上したほか、追突事故が減少するなど安全性も向上いたしました。
 さらに、地上部を走る一般道路の山手通りでは、中央環状線への交通転換が図られ、混雑時において、天王洲アイル交差点から初台交差点までの所要時間が約三割短縮するなど、交通の円滑化が図られました。
 調布保谷線につきましては、調布市内の甲州街道との交差点から埼玉県境までの所要時間が約七十分から約四十分に短縮されました。また、周辺交通の分散が図られ、並行する天文台通りの交通量が約三割、三鷹通りの交通量が約二割減少するなど、多摩地域における南北方向の交通の円滑化が図られました。
 今後とも都民の理解と協力を得ながら、事業効果を実感できる都市計画道路の整備を積極的に推進し、世界一渋滞の少ない都市東京を実現してまいります。

○高橋委員 都市計画道路の事業効果に対する都民からの期待は大きなものであります。今後とも幹線道路ネットワークの整備に、より一層精力的に取り組んでもらうことを強く要望しておきます。
 次に、外環についてでありますが、決算概要には、東京外かく環状道路については、大泉ジャンクション部において用地取得を推進したとあります。
 一昨日は都市整備局所管についてお伺いしましたので、本日は、建設局所管である関越-東名間についてお尋ねをいたします。
 外環は、東京から放射状に延びる高速道路を環状に連結し、首都圏の交通渋滞の緩和や環境改善、さらには災害時の緊急輸送、非常時の迂回機能確保等に資する必要不可欠な高速道路であります。
 関越-東名間については、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催に当たり、都内の交通渋滞を緩和し、円滑な大会運営や質の高い輸送サービスの提供に資するためにも、大会開催までに開通させるべきであります。
 都議会超党派による外環促進議連は、平成十三年に結成して以来、整備促進を図り、一日も早い完成に向けて、要望活動などさまざまな取り組みを行ってまいりました。
 昨年七月には、大深度地下より浅い地下空間を使用するための区分地上権の権利設定が迅速かつ円滑に進むよう、税制改正について議連として国土交通大臣に直接要望してまいりました。
 これを受け、本年一月に税制改正大綱が閣議決定され、外環の区分地上権設定について、本年四月から、ひとしく五千万円の特別控除が適用されることになりました。今後、区分地上権の設定が円滑に進み、トンネル工事のさらなる促進につながるものと考えます。
 そこでまず、平成二十六年度までの整備状況について、お伺いいたします。

○川嶋三環状道路整備推進部長 国など事業者は、平成二十六年四月に東名及び大泉ジャンクション両側から施工するシールドトンネル工事に、同年七月には、大泉ジャンクションにおいて、シールドマシンの発進基地となる立て坑工事に着手いたしました。また、本線トンネルと地上からの連結路トンネルの分岐合流部となる地中拡幅部について、安全性や健全性がより高くなる構造に見直し、本年三月に都市計画が変更されました。
 事業に必要な用地につきましては、東名、中央、大泉の三ジャンクションにおいて、平成二十六年度末で約八割を取得しており、大深度地下より浅い地下空間を使用するための区分地上権の設定についても、先ほど委員からの議連活動のご紹介にありました税制改正を追い風に、精力的に取り組んでございます。

○高橋委員 開通に向け着々と進んでいることがわかりました。
 次に、関越道と外環の端末となっております大泉ジャンクション周辺地域では、連日の交通渋滞や生活道路への通過車両の混入により、交通安全上の問題が生じております。
 外環の整備は、このような交通渋滞の解消、快適で安全な生活道路の確保や、良好なまちづくりの切り札として、地元の期待は非常に高いものであります。
 そこで、大泉ジャンクション周辺地域の平成二十六年度までの整備状況について、伺います。

○川嶋三環状道路整備推進部長 都は、国から大泉ジャンクション周辺地域の用地取得事務を受託してございます。平成二十六年度当初の用地取得率は五〇%であったところ、平成二十六年度末には八二%となり、一年間で三二ポイント上昇いたしました。また、区分地上権の設定につきましても、本年一月から折衝を開始してございます。
 このほか国など事業者は、立て坑工事に加え、関越道と外環本線をつなぐ連結路や工事用道路の整備工事などを進めてございます。

○高橋委員 事業者も都も精力的に事業に取り組んでおり、とりわけ大泉ジャンクション周辺地域の用地取得については、大きく前進していることがわかりました。
 外環の関越-東名間については、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会までの開通に向けてさらなる取り組みを強く要望して、この質問を終わらせていただきます。
 次に、連続立体交差事業についてお尋ねいたします。
 都内には、いまだ千を超える踏切が残されております。これら踏切は、道路交通を阻害するとともに、市街地を分断し、都市の活力や魅力を損なっております。人と物の流れがスムーズな道路交通の実現や、沿線地域の発展のために、これらの課題を抜本的に解消する連続立体交差事業を推進することが重要であります。
 そこで、平成二十六年度の連続立体交差事業の成果について、お伺いいたします。

○相場道路建設部長 連続立体交差事業は、道路ネットワークの形成を促進し、交通渋滞や地域分断を解消するとともに、地域の活性化に資する極めて効果の高い事業でございます。
 平成二十六年度は、西武新宿線、京王線など七路線十カ所で事業を進め、このうち西武池袋線では、石神井公園駅付近から大泉学園駅間の高架化により、残された三カ所の踏切を除却し、交通渋滞が解消されるとともに、地域の安全性が向上いたしました。
 また、京王線調布駅付近では、連続立体交差事業が完了し、現在、調布駅周辺の再開発などまちづくりが進んでおります。
 加えて、新規箇所でございますJR埼京線十条駅付近では、都市計画素案の説明会を開催し、事業化に向けて、都市計画及び環境影響評価の手続を進めております。
 今後とも地元区市及び鉄道事業者と連携し、連続立体交差事業を一層推進してまいります。

○高橋委員 人と物がより円滑に行き交い、活力ある都市を実現するには、連続立体交差事業の推進が必要不可欠であります。引き続き全力で取り組まれることを強く要望しておきます。
 次に、中小河川の整備についてお尋ねいたします。
 先月発生した関東・東北豪雨における鬼怒川決壊の映像は、大自然の猛威と水害の恐ろしさを改めて我々に認識させました。
 線状降水帯というまれに見る雨の降り方だったと聞いておりますが、このような自然現象は、どこの地域においても起こり得ることで、東京もその脅威にさらされています。
 地下街や地下鉄など地下利用が高度に発達している東京では、まちにあふれた洪水が地下へ侵入し、例えば地下鉄の線路が冠水することで交通網が麻痺するなど、都民生活への大きな影響が懸念されます。
 都はこれまでも、護岸や調節池などの河川整備を着実に進めてきておりますが、まだまだ多くの家屋が浸水被害を受けています。こうした自然の脅威から都民の不安を一日も早く解消するためには、施設整備によるハード対策と、万が一の際の避難支援などのソフト対策の両面から、治水対策を早急に進めていくことが非常に重要であります。
 初めに、洪水対策の根幹となる中小河川整備についてでありますが、決算説明書によると、平成二十六年度は総額で約百六十五億円が支出されております。
 そこで、中小河川における二十六年度の主な整備箇所と、二十六年度末までの整備状況についてお伺いいたします。

○三浦河川部長 中小河川の整備方針では、時間五十ミリまでの対策は河道整備で、これを超える部分は調節池で対応することを基本といたしまして、護岸や調節池、分水路の整備を進めております。
 平成二十六年度は、二十七河川で事業を行い、このうち護岸の整備につきましては、石神井川や善福寺川などで約一・三キロメートルを整備いたしました。
 また、調節池や分水路の整備は、白子川地下調節池や入間川分水路など七カ所で事業を実施いたしました。このうち、二十六年度に全ての施設が完成いたしました入間川分水路では、取水開始から現在まで六回取水をし、効果を発揮しております。
 なお、二十六年度末の治水安全度達成率は、都全体で七八%となっております。

○高橋委員 都内全域で護岸や調節池等の整備が進められ、着実に効果を発揮していることがわかりました。
 しかし、冒頭の例をいうまでもなく、雨の降り方は、局地化、激甚化しており、私がかねてより都議会の場において繰り返し提案してきました、白子川地下調節池と環七地下調節池を連結させて相互に活用し、広範囲な地域を水害から守ることが可能となる広域調節池など、レベルアップした整備水準に対応するさまざまな施設整備への取り組みも重要と考えます。
 そこで、新たな整備水準に対応する調節池等の取り組み状況について、伺います。

○三浦河川部長 平成二十六年度は、石神井川など五つの流域におきまして、区部で時間最大七十五ミリなど、新たな整備水準に対応する五カ所の調節池の基本設計を行っております。
 このうち、白子川、石神井川、神田川の三つの領域にまたがりまして、それぞれの、白子川流域の白子川、石神井川流域の石神井川、そして神田川流域にあります妙正寺川、善福寺川、神田川の合計五つの河川から取水を行います仮称環状七号線地下広域調節池につきましては、環七地下調節池と白子川地下調節池を連結する区間の主要構造やルート等の検討を行い、設置ルートを目白通り及び環七通りの地下といたしました。都市計画決定に向けまして、二十七年八月に住民説明会を行うなど準備を進めております。
 仮称環状七号線地下広域調節池など五カ所の調節池につきましては、二十八年度着工に向けまして設計を進めてまいります。

○高橋委員 都民が安心して暮らせる東京の実現を目指し、二十六年度の検討結果を踏まえた来年度の工事着手に向け、一層の取り組みをお願いしておきます。
 ところで、都内を流れる中小河川は、流域の市街化が進み、整備されている下水道等を通じ、雨水の大半が一気に河川に流れ込み、急激に水位が上がるという特徴を持っています。こうした特徴を持つ中小河川では、ハード対策と合わせて、万が一の際の避難のためにも、降雨や河川水位の情報等を速やかに提供していくことが重要であります。
 そこで、水害に対するソフト対策について、平成二十六年度の取り組み状況を伺います。

○三浦河川部長 雨の降り方が局地化、激甚化する中では、ハード対策に加えまして、自助、共助を促すソフト対策を着実に推進することが、被害軽減に大きな効果がございます。
 二十六年度は、住民の迅速な避難行動を促すため、野川、仙川を洪水予報河川に指定をし、浸水想定区域図を公表いたしました。また、善福寺川、妙正寺川を水位周知河川に指定をいたしました。さらに、都内における洪水予報河川等の全ての基準点、二十四カ所の河川水位映像をインターネットで公開をするため、監視カメラ等を整備いたしました。
 なお、二十七年六月よりこの河川水位映像公開をし、また、七月には、善福寺川、妙正寺川の浸水想定区域図を公表いたしました。

○高橋委員 野川、仙川の洪水予報河川の指定など、都民への注意喚起や避難支援に資する情報提供の仕組みが確実に拡大しています。引き続き取り組みを進めていただきたいと思います。
 次に、土砂災害対策についてでありますが、一昨年の伊豆大島、昨年の広島市や、ことし九月の関東・東北豪雨など、全国各地で豪雨による土砂災害が発生し、多くの方が犠牲となられました。
 都内には、土砂災害が発生するおそれのある危険な箇所が多数あり、都はこれまでも、急傾斜地崩壊対策事業や砂防事業などを行ってきています。しかし、危険がある箇所全てでハード対策を行うことは困難であり、都民の命を守るためには、ハード対策と合わせてソフト対策を早急に進めていくことが重要だと思います。
 このため、土砂災害防止法に基づき、土砂災害のおそれのある箇所を警戒区域等に指定し、迅速に避難行動がとれるよう土砂災害の危険性を周知するとともに、警戒避難体制を確立することが急務と考えます。
 都は、平成二十六年度に土砂災害防止法に基づく基礎調査を二年前倒しし、二十九年度までに完了させることを表明しました。決算説明資料によると、二十六年度の急傾斜地調査費は、総額で約八億円が支出されております。
 そこで、土砂災害警戒区域等の指定について、取り組み状況をお伺いいたします。

○三浦河川部長 都内には、多摩・島しょ地域を中心に、土石流や崖崩れ、地すべりなど、土砂災害のおそれのある箇所が合わせて約一万五千カ所存在をしてございます。
 平成二十六年度は、八王子市、町田市におきまして、八百四十七カ所の土砂災害警戒区域等の指定を行っております。なお、二十七年六月に、八王子市及び大島町全域で九百四カ所の警戒区域を指定いたしました。これにより、都内全体で八千七百四十四カ所が指定済みとなり、対象箇所全体のおおむね六割が完了をいたしました。
 また、九月には、二十三区で初めて、世田谷区、北区、板橋区におきまして、指定の前提となる基礎調査結果の公表を行っております。
 残る箇所の基礎調査を二十九年度までに完了させ、結果を速やかに公表するとともに、ハザードマップを作成する区市町村への支援など、警戒避難体制の整備を促進してまいります。

○高橋委員 土砂災害警戒区域等の指定を着実に進めていることがわかりました。
 今後とも局地化、激甚化する集中豪雨による水害や土砂災害から都民の命と財産を守り、安全で安心な東京の実現に向け、さらに危機感を持って取り組みを進めていただきたいと思います。
 次に、都立の文化財庭園におけるおもてなしについてお尋ねいたします。
 我が東京都議会自由民主党が、昨年十二月に発表した東京を世界で一番の都市実現のための政策提言において、日本独自の伝統文化を発信し、その魅力を広めていくために、都立文化財庭園の活用などによるおもてなし空間を整備することを主張しております。
 浜離宮恩賜庭園には、本年二月にイギリスのケンブリッジ公爵殿下、また、六月にはロシア連邦トムスク州知事が来園し、庭園を散策するとともに、お茶屋において抹茶を召し上がるなど、日本の伝統文化を堪能されたと聞いております。
 私も七月に、ライトアップ試行期間中の浜離宮恩賜庭園を視察してまいりましたが、汐留の近代的なビル群を背景にした夜景の演出など、伝統と現代の対比を体感できる浜離宮恩賜庭園は、まさにおもてなし空間として最高の場所であると確信をいたしました。
 また、十月十九日にプレス発表した東京いい庭キャンペーンの取り組みとして、来週末の十月三十日金曜日、三十一日土曜日には、ライトアップを行う予定ともお聞きしております。
 そこで、決算概要には浜離宮恩賜庭園では、燕の御茶屋復元工事が完了したとありますが、改めて、浜離宮恩賜庭園における平成二十六年度の取り組みと今後の整備について、お伺いいたします。

○五十嵐公園緑地部長 浜離宮恩賜庭園は、三百六十年の歴史を有し、特別名勝、特別史跡に指定されている数少ない日本庭園の一つでございます。この庭園は、将軍家の別邸として、タカ狩りや茶会など遊覧や娯楽に利用され、江戸時代を代表する大名庭園であり、他に類を見ない格別な空間を形成しております。
 現在、戦災等で焼失した茶屋群の復元を進めており、中島の茶屋、松の茶屋に続き、本年三月には燕の茶屋の復元が完了いたしました。
 引き続き四棟目となる鷹の茶屋の復元を、平成二十九年度の完成を目指して進めるとともに、延遼館を復元し、世界に誇る庭園において、国内外から訪れる方々が、江戸の伝統文化を体験できる和のおもてなし空間の整備を行ってまいります。

○高橋委員 我が国を代表する庭園である浜離宮恩賜庭園において、おもてなし空間の整備が進められていることは大変喜ばしいことであります。今後も茶屋や延遼館を初め、庭園の復元が着実に進むよう期待しております。
 最後に、都立公園の防災機能の強化についてお尋ねいたします。
 都立公園は、その多くが東京都地域防災計画等により、救出救助活動の拠点や避難場所として位置づけられていますが、都では、これを踏まえてどのような施設整備を行ってきたのか、お伺いいたします。

○五十嵐公園緑地部長 都はこれまで、救出救助活動の拠点となる都立公園において、円滑な救援活動を支援するため、ヘリコプター離着陸場となる広場や緊急車両の出入り口、主要園路の強化や拡幅等の整備を行ってまいりました。
 また、避難場所となる公園においては、非常用マンホールトイレや、ベンチの座面をとるとかまどになるかまどベンチ、テントをかけて仮設避難施設等として使用できる防災パーゴラ等を整備して、公園の防災機能を高めてまいりました。

○高橋委員 これまでの整備によって、公園には発災時の役割に応じた防災施設が配置されていることがわかりました。
 決算概要には、舎人公園で非常用発電設備の整備を進めたとあります。
 舎人公園は、都の地域防災計画において、自衛隊などの救助部隊が被災者の救出及び救助等を行う大規模救出救助活動拠点に位置づけられた公園でありますが、ここに非常用発電設備を整備する目的及び現在の進捗状況について、伺います。

○五十嵐公園緑地部長 舎人公園に整備中の非常用発電設備は、首都直下地震等の際に、公園内で用いる応急復旧活動に必要な電源を確保するとともに、隣接する北足立市場及び日暮里・舎人ライナー等に必要な電力を供給し、地域の防災機能を強化することを設置目的としております。
 平成二十六年度から工事に着手しており、現在は、発電設備の機器等を製作するとともに、建物の基礎工事を行っているところでございます。
 今後とも平成二十九年度の早期の完成に向け、着実に整備を進めてまいります。

○高橋委員 災害対策上、停電に備え、バックアップ電源を確保することは非常に重要であります。早期完成を目指していただきたいと思います。
 また、平成二十六年十二月に策定された東京の防災プランには、停電時にも安心して避難できる都立公園等避難場所の機能強化を進めますとの記載がありますが、具体的にはどのように防災機能の強化を図るのか、伺います。

○五十嵐公園緑地部長 六十一の防災公園について、停電時も管理所等の主要施設が機能を発揮するよう、非常用発電設備を設置するとともに、避難者の安全・安心のために、公園灯や災害情報を提供するデジタルサイネージ等の施設整備を進めてまいります。
 平成二十六年度は、城北中央公園など十一公園の防災整備基本計画の策定に着手いたしました。
 引き続き大規模救出救助活動拠点となる公園や、オリンピック・パラリンピック関連公園等から整備を進め、平成三十二年度までに三十一公園、平成三十六年度までに六十一公園全てにおいて、防災機能の強化に取り組んでまいります。

○高橋委員 災害の発生を防ぐことはできませんが、これに備えることはできます。
 過去の大震災時に、公園は避難場所や救援部隊の宿営地、臨時の診療所等と、救援や救助活動の拠点として重要な役割を果たしました。
 今後とも世界一安全・安心な都市東京の実現に向け、都立公園の防災機能強化を着実に推進していくようお願いいたします。
 答弁漏れがありましたらお願いします。

○五十嵐公園緑地部長 先ほど、舎人公園において整備を進めております非常用発電設備の完成年次、私、二十九と申し上げたようでございますが、正しくは二十八年度の早期でございまして、大変失礼いたしました。申しわけございません。

○まつば委員 私からは、道路の安全・安心対策、そして公園整備、河川整備、大きく三点にわたり質問をいたします。
 最初に、道路の安全・安心対策についてであります。
 まず、都道環状八号線井荻地下歩道のエレベーター設置についてお伺いをいたします。
 都の高齢者人口は増加を続け、高齢者の方や障害がある方々などが、安心して利用できる歩行空間の整備を図っていく必要があると考えております。特に、鉄道などで分断された地域をつなぐ主要な動線となる、立体横断施設のバリアフリー化が重要であります。
 杉並区内の井荻地下歩道には、車椅子対応型のエスカレーターが設置されているものの、利用に際しては補助員を必要とするなど、十分なバリアフリー化が図られていない状況であります。この井荻地下歩道のエレベーター設置につきましては、たび重ねて要望をし、また、平成二十六年の第二回定例会一般質問においても取り上げをさせていただきました。
 改めて、平成二十六年度における都の取り組みについて、お伺いいたします。

○川合道路保全担当部長 井荻地下歩道は、環状八号線と西武新宿線井荻駅との交差部に位置し、地下駐輪場が併設されていることから利用者が多く、地域の南北をつなぐ重要な歩行者動線でございます。
 現在、この地下歩道にはエスカレーターが設置されておりますが、高齢者や車椅子利用者、ベビーカーを利用する子育て世代の利便性向上に配慮し、さらなるバリアフリー化が必要でございます。
 そこで、更新時期を迎えたエスカレーターにかわり、ユニバーサルデザインに配慮した、誰もが乗りおりしやすいエレベーターを設置することとし、平成二十六年度は詳細設計を実施いたしました。今年度はエレベーター設置工事に着手いたします。
 今後とも誰もが安全で快適に通行できる歩行空間の確保に取り組んでまいります。

○まつば委員 地域住民の皆様が大変心待ちにされております。ぜひ着実に設置工事を進めていただきたいというふうに思っております。
 次に、無電柱化事業についてお伺いいたします。
 無電柱化は、道路から電線、電柱をなくすことで、美しいまち並みを形成するとともに、歩道を安全で快適な空間にし、防災にも寄与する重要な事業であります。
 都はこれまで、政治、経済、文化の中心であるセンター・コア・エリア内を中心に事業を進めてきていますが、周辺区部においても無電柱化をさらに進めていくべきと考えております。
 そこで、平成二十六年度末までの区部における都道の整備状況について、伺います。

○川合道路保全担当部長 無電柱化事業は、良好な都市景観の創出や快適な歩行空間の確保、都市防災機能の強化を図る上で重要でございます。
 都は、昨年十二月に策定した新たな無電柱化推進計画に基づき、センター・コア・エリア内はもとより、周辺区部や多摩地域の緊急輸送道路、主要駅周辺を中心に事業を展開していくこととしております。
 平成二十六年度末の計画幅員で完成した都道における地中化率は、センター・コア・エリア内で約九〇%、区部全体で約五四%となっております。

○まつば委員 センター・コア・エリア内での整備は、着実に進んでいるということが明らかになりました。今後は、センター・コア・エリア外の周辺区部などにおいても、事業を推進していただきたいというふうに思います。
 杉並区の中杉通りは、乗降客の多い主要駅である阿佐ケ谷駅、そしてまた、多くの区民が利用する杉並区役所がありまして、大変人通りが多い道路であります。また、都内有数の美しいケヤキ並木があります。
 このケヤキ並木ですけれども、昭和二十九年に地元住民の皆様が、ケヤキ植樹の資金を集めて百二十九本を植樹したのが始まりだと聞いております。植樹から六十年以上が経過をし、一部のケヤキは老朽化をしたものもありまして、強風で倒木をしたということもありました。
 そしてこの間、都もこのケヤキ並木の維持管理を進めてこられたわけです。この進めるに当たっては、マイタウン阿佐谷協議会といいまして、十六町会、十二商店街、阿佐谷地域の連合組織でございますが、ここを中心とした地元の皆様と連絡会議をしっかりと開いていただいて、そして進めていただくというようなことも、私も要望させていただく中で、このようなきちっとした対応を三建にもしていただいたことを評価しております。
 この無電柱化につきましても、都は地元と勉強会などを通じて、意見を交わしながら電柱化事業を進めているというふうに聞いております。
 そこで、中杉通りにおける平成二十六年度の無電柱化事業の取り組み状況について、お伺いいたします。

○川合道路保全担当部長 現在、杉並区内の中杉通りでは、早稲田通りから阿佐ケ谷駅を経由して青梅街道までの区間で、ケヤキ並木の保全と合わせて無電柱化を進めております。
 このうち、早稲田通りから阿佐ケ谷駅までの北側約九百十メーターの区間につきましては、平成二十六年度に歩道の試掘調査を実施するとともに、ケヤキの根の保護に配慮した詳細設計を実施いたしました。
 また、阿佐ケ谷駅から青梅街道までの南側約四百五十メーターの区間につきましては、平成二十六年度に歩道の試掘調査を実施いたしました。
 さらに、既に埋設されている電力管を有効活用することによりまして、掘り返しを減らし、コスト縮減を図りながら事業を進めていくことといたしました。
 引き続き地元の理解と協力を得ながら、着実に事業を推進してまいります。

○まつば委員 今、地元の理解と協力を得ながら着実に事業を推進していくというご答弁もございましたけれども、今月の二十九日にも、中杉通り無電柱化事業連絡会が地元住民の皆様と行われるということで、ご報告も聞いております。ぜひとも地元の皆様と協働していただいて、ご理解いただきながら、中杉通りの無電柱化をぜひ着実に推進をしていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
 次に、都立公園の整備について質問をいたします。
 大都市東京にあって、水と緑のネットワークの形成、また都民の憩いの場、またスポーツなどのレクリエーションの場、また防災の観点からも、都立公園は非常に重要な役割を果たしていると思っております。
 杉並区には、和田堀公園、善福寺川緑地公園、善福寺公園といった、善福寺川沿いに位置するそういった公園がございます。
 そうした公園に加えまして、ぜひ、高井戸公園の事業化をしっかり図っていただきたいということで、平成二十年四月十一日には、町会、自治会、また商店街等の多くの方々のご署名をいただいて、私も同席させていただいて、都に要望させていただいた、そうした経緯もございます。
 また、平成二十三年の環境・建設委員会、また、平成二十四年の第一回定例会の一般質問でも、このことについて取り上げさせていただきました。
 そこで、高井戸公園の整備事業の進捗状況について、お伺いいたします。

○五十嵐公園緑地部長 高井戸公園は、平成二十三年十二月の都市計画公園・緑地の整備方針改定の際に、都市計画決定された十七・四ヘクタールのうち、十二・五八ヘクタールを優先整備区域に位置づけております。
 その後、平成二十五年二月の東京都公園審議会答申に基づき、空の景を感じ、スポーツを楽しむ緑の拠点づくりを基本理念とし、大芝生ゾーン、スポーツゾーン、シンボルプロムナードゾーンの三つのゾーンから成る整備計画を取りまとめております。
 また、優先整備区域のうち、富士見ヶ丘運動場など十・九ヘクタールにつきましては、平成二十四年八月に事業認可を受け、平成二十六年度までに用地取得を完了しております。

○まつば委員 用地取得が順調に進んでいるということがわかりました。
 避難場所に指定されている企業等のグラウンドが、東京都によって公有化されたことで、オープンスペースが維持されたということは非常に重要でございまして、このことについては高く評価をさせていただきます。
 今後は早期に公園として、都民に開放していただくということが望まれるわけでございますが、今後の整備予定について、お伺いいたします。

○五十嵐公園緑地部長 今年度は、取得した用地において、残されている防球フェンスの撤去等を行うとともに、公園の実施設計を進めております。平成二十七年五月には工事説明会を開催し、撤去工事等の進め方や内容について、周辺住民に説明をいたしました。
 今後も地元区と連携して、情報提供等を的確に行い、地域の理解と協力を得ながら、平成三十年度の開園を目指して、公園整備に精力的に取り組んでまいります。

○まつば委員 平成三十年度の開園ということで、今ご答弁ございました。
 整備に当たって、申し上げたいんですけれども、ご承知のとおり、今回取得したグラウンド等は、もともとクローズされていた空間ではありません。民間所有でございましたが、区が借りて区民に開放していたという場所でもありますので、そういう経緯からいたしまして、住民に大変親しまれてきた、そういう場所でもあります。
 私も子供たちから、特に野球少年から、このことについて要望もいただきまして、五十嵐部長にも直接、子供たちからの要望を聞いていただきました。その後、適切な対応をしていただいたものというふうに思っております。
 引き続いて、地元の意見や要望にもきめ細かく対応していただきながら、早期開園に向けまして、公園整備を進めていただきたいと思います。期待をしておりますので、よろしくお願いいたします。
 次に、都立公園におけるトイレの問題について質問したいと思います。
 私、大変、都立公園のトイレにつきまして関心を持っております。きょうは、その中で防災という観点で質問させていただきたいと思いますが、先ほど高橋委員の方から、防災という幅広い視点からご質問がございましたが、私はトイレということでさせていただきます。
 大地震のときなどには、命を守る避難場所としてその役割が大変期待されているのが、都立公園でございます。東日本大震災の際には、日比谷公園とか代々木公園、また上野公園など都立公園に、多くの方々が避難したと聞いております。また、帰宅困難者の方々が駅とかコンビニエンスストア、また都庁舎等もそうだったんですけれども、特に女性トイレが大変長蛇の列で、トイレが不足をしていたという、そうした現実があったわけです。
 本当に首都直下地震というようなことを考えたときには、電気がとまってしまったり水が使えないという、そういったこともありますので、どういう状況になっても利用できるトイレというのが、何よりまして大事だというふうに思っております。
 そこで、都立公園における防災トイレの設置状況について、お伺いいたします。

○五十嵐公園緑地部長 都立公園は、震災時における救出救助の活動拠点として、また、都民を安全に保護する避難場所として、中心的な役割を有しており、計画的に防災公園の整備を行っております。
 平成二十六年度は、上野恩賜公園や六仙公園において、非常時にはくみ取り式として活用できる防災トイレの整備を行い、これまで、救出救助の活動拠点や避難場所などに位置づけられている六十一の公園のうち、五十三公園で防災トイレを設置いたしました。
 今後とも新規公園整備や、既存トイレの改築等に合わせて、防災トイレの設置を着実に進めてまいります。

○まつば委員 今、防災トイレ、着実に進められているという、そういうご報告でございましたけれども、この数も大事でございますので、数をふやしていただくということも含めて、防災トイレ、着実に推進をしていただきたいと思います。
 私は、十年前に都議会議員に初当選させていただいて、最初にいただいたご要望が、善福寺公園の中で男女共同トイレがありまして、この男女共同トイレを男女別にしていただきたいという、そういったものでありました。これ男女別にしていただいたわけですけれども、この十年間で、やっぱりトイレというものに対する環境整備というのは、大分変わってきたなというふうに思っています。
 先日、私も井の頭自然文化園にも行かせていただいたんですが、この文化園、非常にトイレ、充実していまして、デザインも大変よかったですし、清潔感もありましたし、大変感心をさせられたトイレでありました。
 そうしたトイレということがあるわけですけれども、全国的に公園とか観光地などの公衆トイレの多くは、いまだに五Kというふうにいわれています。この五Kというのは、臭い、汚い、暗い、怖い、壊れている--これ五K、こういう問題を抱えているトイレが全国的に多いというふうにいわれています。
 そうした中で、やはり大事なのは、清潔、安全、そして安心への配慮、それからユニバーサルデザイン、女性への配慮ということで、やっぱり男性の数よりも、女性が一・五倍あった方が望ましいといわれております。
 また、子供連れへの配慮、高齢者の方への配慮、障害者の方への配慮ということで、和式から洋式化へしていただくとか、また、環境への配慮ということでは節水型であったり、また、外国人の方への配慮ということも大事なようでございまして、トイレの使い方がわからないということがあったり、水を流さないという文化の国もあるようでありまして、そうすると、多言語化の表示がなかったりすると、トイレが汚くなってしまうということも考えられるわけであります。そうした公衆トイレの考え方というようなものも、一つの東京都の都立公園の大きな考え方に位置づけていただいて、計画的にトイレについて見直していただきたいなというふうに思っております。
 二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックに向けまして、内外から多くの方々が東京を訪れるこの機会に、災害への備えを含めまして、東京のトイレは世界一だというふうに都民の方がいっていただけるような都立公園のトイレの整備、ぜひ、佐野局長、よろしくお願いしたいと思いますので、要望を申し上げさせていただきます。世界一のトイレをぜひ、お願いしたいと思います。
 最後に、善福寺川の整備についてお伺いをいたします。
 杉並区では、平成十七年九月四日、一時間当たり百十二ミリという集中豪雨によりまして、二千三百三十七世帯に上る床上、床下浸水という甚大な被害が発生をいたしました。私も住民の方から、善福寺川があふれそうだというお電話、一報いただきまして、そこに急行いたしましたけれども、その急行したときには、もう既に道路が川のようになって、濁流のように流れているという、そういう状況で、本当に、住民の方々と一緒に、取り残されていらっしゃる方がいないかという救援活動を行わせていただいて、翌日から被災者の方のお見舞いをさせていただきました。
 本当に、汚水まみれになった畳であったり電化製品であったり、また、家具であったり学校の用具であったり、そういう状況の中で、被災された方々は、どこにぶつけていいかわからないような怒りや絶望感や、そうしたものがおありになりまして、私もその思いというのを全身で受けとめさせていただいて、もう二度とこうした水害の被害がない、そうした善福寺川にというのを、私自身もそのことを十年前に決意をさせていただきました。
 大水害の後、特にこの建設局の、当時河川部長、高橋部長だったと思いますが、長島課長でしたでしょうか、本当に大奔走していただいたという、私、印象がございまして、私が最初に当選して初めて出会った都庁マンといってもいい方々で、本当に私も印象深く残っております。
 河川激甚災害対策特別緊急事業という事業に着手をしていただいて、予定どおり平成二十一年度に完成をしていただいて、引き続き護岸整備とか調節池の整備を進めていただいて、治水安全度、向上をしてきているところは高く評価するところでございます。
 本年九月に発生した関東・東北豪雨では、線状降水帯という現象が起きましたので、そういう意味では、豪雨といいますものも新たなステージに入ったというような、新しい、大変な豪雨という状況にもなってきたというふうに思っております。
 こうした中で、浸水被害から都民を守るためにも、河川整備を進めていくことが必要だと思っておりますけれども、平成二十六年度の善福寺川の整備について、お伺いいたします。

○三浦河川部長 平成二十六年度は、これまで進めてまいりました環七通りから済美橋の区間に引き続き、済美橋上流及び和田堀公園内の二つの区間で、合わせて百二十メートルの護岸整備を行っております。これにより、善福寺川の整備状況を示す護岸の整備と調節池の効果を加えた治水安全度達成率は六八%となります。
 また、その上流にある善福寺川緑地では、広場の地下に円筒形の善福寺川調節池を建設中であります。直径六十メートル、深さ二十七メートルとなる本体の掘削作業が完了いたしました。

○まつば委員 着実に整備を進めていただいているということがわかります。
 現在、整備を進めていただいております都立和田堀公園に沿ったところでありますけれども、ここはカワセミ等も生息をしている緑豊かな環境で、都民の憩いの場所ともなっております。
 こうした周辺の環境にも配慮していただきながら、整備を進めていくことが必要だとも考えておりますが、善福寺川における環境に配慮した整備の取り組みについて、お伺いいたします。

○三浦河川部長 善福寺川では、現在の良好な環境に配慮をし、既存の石積みを再利用した護岸の築造を行っております。
 また、和田堀公園内では、川沿いに緑豊かな崖地があり、豊富な湧水があることから、護岸の設置位置を工夫し、崖地を可能な限り保全するとともに、湧水を遮断しないように護岸に水抜き穴を設置するなど、周辺環境に配慮をしております。

○まつば委員 周辺の環境というものにも配慮して整備をしていただいているということでございました。
 まずは、治水上の安全・安心が第一です。この第一の上に、地域の方々の憩いの場となって親しまれるような整備をお願いしたいと思います。
 ことし五月の台風六号や、先月の関東・東北豪雨の際、善福寺川では護岸ぎりぎりまで水位が上がったものの、今までの整備が有効に機能した結果、川からの溢水を防ぐことができました。
 しかしながら、上流地域の整備はこれからでありまして、十年前の被害も大変大きかったのは、特に上流地域でありました。一刻も早く、地域住民が安全で安心な暮らしができるように、水害の解消に向けた河川整備を進めていかなければいけないというふうに思っております。
 この善福寺川の今後の取り組みについて、お伺いいたします。

○三浦河川部長 善福寺川では、水害の早期軽減を目指し、下流から順次護岸を整備することに加え、調節池の設置により下流側の治水安全度を高めながら、上流においても整備を進めていくなど、効率的かつ効果的な整備を行っております。
 具体的には、下流から進めている二つの区間の護岸整備に加え、平成二十四年度から整備している善福寺川調節池の取水が可能となった後、速やかにその上流の護岸整備に着手をし、合わせて三つの区間で並行して進めていくことで、整備のスピードアップを図ってまいります。

○まつば委員 大雨が降るたびに、私も善福寺川沿いを、どんな状況だったのか歩いて調査をしているわけでありますけれども、そのたびに、三建の工事二課長さん、歴代の課長さんですけれども、お会いをいたしまして、本当に現場をよく見て対応していただいているということを私は感じておりますし、そのことには敬意を表したいと思います。
 そうした中で、やはり今さまざま整備をしていただいておりますけれども、この善福寺川調節池を早期に整備をしていただいて、上流に向けた護岸整備、これを一刻も早く着手をしていただきたい、そのことを強く申し上げまして、質問を終わります。

○徳留委員 私は、建設局関係の決算にかかわって幾つか質問いたします。
 決算特別委員会での説明や提出いただいた決算資料で見ますと、建設局の幹線道路整備費がふえ続けています。中でも、毎年の骨格予算の道路整備費が、予算段階でも一千億円前後で推移して、決算でも八百億円を超えております。補助幹線道路など地域幹線道路の整備費もこの十年間で、二百億円程度から昨年度には四百八十七億円と、倍以上にふえています。
 その要因についてどのように見ておられるのかと、同時に、要求資料で見ますと、骨格幹線道路の二十六年度決算では、執行率五八%、不用額で約四百三十億円になっておりますけれども、なぜなのか、あわせて答弁をお願いいたします。

○相場道路建設部長 東日本大震災を契機に、平成二十四年度より木造住宅密集地域におきまして、震災時の火災による延焼を遮断するなど、防災上効果の高い都市計画道路を特定整備路線として予算計上しており、増額の主な要因となっております。
 首都直下地震の切迫性などを踏まえますと、都民の生命と東京の都市機能を守るため、特定整備路線の整備を着実に推進することが重要であり、都は、必要な予算を確保しております。
 骨格幹線道路の平成二十六年度における予算と決算の差額についてでありますが、国庫補助事業におきまして、交付金が実際に配分されず執行できなかったもの、工事請負契約等で発生した落札差金、用地取得におきまして関係権利者が移転先選定等に日時を要し執行できなかったもの、事業の一部を翌年度に継続するため繰り越したものなどでございます。
 なお、差額のうち二百十億円につきましては、平成二十六年度内に予算の執行状況の精査を行った上で減額補正し、一般財源の圧縮に努めております。

○徳留委員 特定整備路線が道路建設費全体を大きく膨らませている要因との答弁でした。不用額の内容についての説明もありました。
 それにしても、特定整備路線は総額で三千億円以上がかかります。五年で完成させるならば、単純計算で毎年六百億円という額になります。しかし、これからの五年間には、オリンピックやパラリンピックの巨額の競技場整備費を初め、世界中から観光に来られる方々に対応したバリアフリーなどの対策も必要になってくると思います。
 また一方で、長期ビジョンに基づく世界一の福祉都市東京を目指して、特養ホームや保育園など、福祉関係施設の整備費も増大をしていくものと思います。さらに、公共事業全体の総量もかなり膨らむことになると思われます。
 そこで質問ですけれども、今後の税収見通しが不透明な中で、莫大な費用のかかる幹線道路関係の予算を、これほどまでに拡大させていっていいのかという問題です。
 道路計画の中には、住民の立ち退きへの反対や、環境問題、商店街分断問題などで、都の計画に対してさまざまな不安や反対の声、運動が広がっている地域もあります。都として、こうした都民、住民の声を聞き入れて、思い切って見直しすべき道路もあるのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

○相場道路建設部長 東京の道路は、経済の活性化や国際競争力の強化とともに、震災時に交通や物流を確保するなど、都市活動や都民生活を支える上で極めて重要な都市基盤でございます。その機能を発揮させるためには、首都圏三環状道路を初め骨格幹線、地域幹線などの整備により、道路ネットワークが形成されることが必要不可欠でございます。
 しかしながら、道路整備はいまだ道半ばであり、交通渋滞は東京の最大の弱点でございます。世界一渋滞の少ない都市東京の実現を目指し、今後とも長期ビジョンに基づき、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京大会のみならず、その先も見据え、着実に道路整備を進めてまいります。

○徳留委員 あくまで道路整備にこだわって着実に進めていくという答弁でした。
 しかし、国の社会資本整備審議会でも、車主役から、歩行者、自転車など車以外の利用者も含めた、多様な利用者が安全・安心して共存できる環境の整備などを口にせざるを得なくなっております。
 また、今回、都が発表した都市計画道路の第四次事業化計画の中間まとめでも、今後大幅に税収増が見込めないことに加えて、社会保障費がさらに大幅に増大することは明らかであり、都市計画道路への大幅な投資額の伸びは見込めない状況ですと認めております。
 舛添知事も、さきの第三回定例会の所信表明で、車中心のモータリゼーション社会からの転換を進めると述べられたように、少なくとも住民の反対が強いなど問題がある道路計画は、思い切って見直すべきではないかということを強調して、次の質問に移ります。
 次は、自転車の走行空間の延伸の問題です。
 自転車は、日々の買い物や通勤、さらにはサイクリングなど、子供からお年寄りまで多くの都民が手軽に利用し、健康にも環境にも優しく、経済的にも最もエコノミーな乗り物であります。
 私も愛好者として、自転車利用のルール、マナーの向上とともに、自転車の安全性と快適性にとっても、自転車の走行空間の整備が非常に大事ではないかと考えます。
 そこで、二〇一四年度、平成二十六年度末までに整備された自転車走行空間の整備手法ごとの延伸距離の実績について、お伺いいたします。

○川合道路保全担当部長 平成二十六年度末で、車道を活用した自転車レーンを約十八キロメートル、歩道内における自転車走行空間を約七十五キロメートル、水道敷や河川敷等を利用した自転車道を約四十四キロメートル、合計で約百三十七キロメートルの自転車走行空間を整備いたしました。

○徳留委員 舛添知事になって以来、自転車走行空間の整備延伸は積極的に位置づけられて、取り組みが進められてきたことは重要だと思います。自転車の愛好者として評価をしております。その上で、今後さらに自転車走行空間を全都的なネットワークとして広げて、都内各地を快適に移動する、走行できるように整備を進めていただきたいと思います。
 その上で、都内を自転車で走り回っての私の経験からも、自転車走行空間の整備を新しい道路の建設や道路の拡幅に合わせて行うだけではなくて、既存道路においても、道路空間に余裕がある場合には、車道の左側通行を、自転車利用者にも自動車の利用者にも周知徹底していくためにも、思い切って、余裕のある路肩への路面標示などによって整備を進めていくべきではないかと考えますけれども、都の自転車走行空間の整備に対する考え方をお伺いしたいと思います。

○川合道路保全担当部長 都は、平成二十四年度に自転車走行空間整備推進計画を策定し、既存道路の中から、自転車交通量が多く事故の危険性がある区間等を優先整備区間と定め、車道の活用を基本に、自転車レーンなど東京の道路事情に応じた整備手法により整備を進めております。

○徳留委員 答弁にあったような整備手法に立てば、都内にはまだまだ既存の道路の中に大きな可能性があるのではないかというのが私の実感です。
 その点で昨年度、都道の明治通りの新宿区間の一部の道路部分と歩道部分が大きく拡幅をされました。しかし、この機会に拡幅された車道や歩道を利用して、自歩道なり自転車レーンなりが整備されるものと、その道路を利用している私としては期待しておりましたけれども、実現をしませんでした。
 車道の左側の安全走行のためにも、こういう場所も、ぜひ自転車走行空間として、今後検討していただきたいということを要望しておきます。
 次に、板橋区相生町から練馬区北町区間の環状八号線の本線が開通してから、ことしで九年経過しております。残念ながら未解決の損害賠償問題などを抱えています。
 本日出されている資料の中でも、平成二十六年度の決算額でいいますと、環八道路関係二億円が掲示されています。沿線住民の組織である環八道路から住民の暮らしと環境を守る会、通称環八の会といわれておりますけれども、繰り返し問題解決を求めた都への要望が出されております。この問題について質問いたします。
 まず、前提として、都の事業や工事によって発生した住民などへの被害や損害などへの対応については、都としては基本的な考え方はどうなっているのかを伺いたいと思います。

○相場道路建設部長 工事に当たりましては、住宅等への損傷が生じないよう最大限配慮しておりますが、万が一、家屋等に損傷事故が発生した場合、建設局では、建設局施行の工事に伴う家屋等損傷事故損害賠償額算定基準により、事故処理方針決定時点の時価で算定いたしました原状回復に必要な費用を賠償することとしております。
 賠償対象の方々に対しましては、賠償額の算定内容につきまして丁寧な説明を行い、対応しております。

○徳留委員 環状八号線のこの区間の工事が終わってから、本線が開通して九年が経過して、側道が開通してからも、もう七年がたっています。損害や被害への対応の基本的な考えについては、答弁があったように、原状回復に必要な費用を賠償すると、適正な説明を十分にといわれました。
 しかし、いまだ工事被害の損害賠償問題は、十六件の関係住民が解決できないままでおられます。高齢の方も多数おられます。そして、将来への不安も広がっています。
 一方で、行政の側としては許されない、対応が不公平なままの例も残されています。本来的には立ち退かなければならないのに、工事終了後も長期にわたって、都道の一部である約三十平方メートルの都有地に居座ったままの住民がおられます。誰が見てもおかしい話ではないかと思います。
 こうした不公平な実態を放置されることがないようにするとともに、損害賠償などの問題解決に向けて、都としての基本的な考え方を堅持して、誠実に早急に、未解決の十六件の損害賠償の問題を解決していただくように力を尽くしてもらいたい、そのことを強く要望しておきます。
 次に、環状八号線のこの区間は、もともと道路がなかった、現道がなかったところ、七千平米の緑豊かな地域に道路を通したために、膨大な自然林、多様な動植物など緑の宝庫が失われました。その緑の量は七万立方メートルと、地元住民の皆さんは、その失われた緑の最大限の回復を求めて、これまでずっと頑張ってこられました。
 都としては、これ以上の土地は買わないという立場のようですが、さらなる緑の回復、緑化によって、自然環境を取り戻すために、現在の道路周辺の既存の土地の中に存在する空間、例えば幅広い歩道の一部を活用して低木を植えるなどして、ぜひ新たな緑の確保をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○相場道路建設部長 板橋区相生町から練馬区北町までの環状第八号線におきましては、約〇・七ヘクタールの樹林地を改変し、新たに約一・三ヘクタールの緑地を整備してまいりましたことを、環境影響評価における事後調査で確認しております。
 さらに、地元の皆様の要望を踏まえ、植樹帯の拡大や壁面緑化を行うことにより、緑豊かな道路空間となるよう努めてまいりました。

○徳留委員 環状八号線を通すために都として膨大な緑を破壊したわけですから、その原状回復のために都が努力をして、周辺住民にとって緑の良好な環境を回復するように責任を果たすのは、都として当然のことではないかと思います。
 しかも、聞くところによりますと、この七月には一度、さらなる追加の緑化のための図面まで作成して、緑地拡大が検討されたと聞いております。今答弁は過去形で終わりましたけれども、こうした努力も終わりにしないで、必ず生かして、ぜひ緑化を広げていただきたい、実現をさせていただきたいと強く要望しておきます。
 次に、環状八号道路周辺の地盤の変動、地盤沈下の問題です。
 二〇〇八年、平成二十年に行われた地盤調査の結果は公表されず、開示請求したものの黒塗りのままで、関係者にとっては内容を確認することができず、納得のできるものではありませんでした。
 もともとが、この道路建設が行われたこの地域は河川敷で、地盤は軟弱なところでありました。その区間の一部で起きている地盤の変動被害について、環八道路との因果関係を明らかにするためにも、この地域の地盤の変動、沈下の実態調査を都としてぜひ実施すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。

○相場道路建設部長 地盤変形につきましては、トンネルなどの構造物工事が完了いたしました平成十七年度に実施しております環境影響評価の事後調査におきまして、地盤の大きな変化は認められておりません。その後、平成二十年度に実施いたしました調査結果でも、変化量はごくわずかでございまして、地盤は安定しているものと判断しております。
 したがいまして、新たな地盤の調査を実施する予定はございません。

○徳留委員 二〇〇八年の地盤調査の結果について、地盤の大きな変化は確認していないと、変化量はわずかであるといいながら、どうして地盤調査をした結果を公表しないのか。情報開示しても黒塗りのままですから、関係住民から不信と疑問が広がるのは当然だと思います。
 都として、被害、損害問題の解決の基本姿勢として、家屋等に損害事故が発生した場合、適正な説明を十分に行って対応すると答弁でもいっているわけですから、ぜひ地盤調査を行って、被害と地盤変動、沈下との因果関係を明らかにし、誠実に納得できる説明と対応をしていただくことを強く求めておきます。
 最後の質問ですが、PM二・五の東京都自動車排出ガス測定局の二〇一四年度、平成二十六年度の測定結果は、都内全域の三十五の測定局の全てで環境基準をオーバーしている状況です。PM二・五は、最近ではぜんそくなどの呼吸器疾患、さらにはがんなどの大きな要因としても注目をされ、対応が重視されています。
 板橋区相生町から練馬区北町間の環八道路では、来年予定の最後の事後調査において、二〇一四年、平成二十六年一月に決められた環境影響評価技術指針に新たに追加されたPM二・五の測定を追加して実施をすべきだと考えますけれども、見解を伺います。

○相場道路建設部長 環状第八号線の環境影響評価の事後調査につきましては、条例に基づき作成いたしました事後調査計画書により実施することとなっております。
 PM二・五の測定につきましては、事後調査計画書の調査項目となっていないことから、実施する予定はございません。

○徳留委員 調査項目には追加しないということでしたが、PM二・五は、国も、肺の奥深くまで入り込んで、ぜんそくや気管支炎、肺がんなどのリスクを高めて、心筋梗塞などの心疾患への影響の懸念を認めています。
 ぜんそく患者は、息を吸うことすらままならない。大気汚染訴訟において、患者は発作が起きるたびに、その苦しさと息のできない恐ろしさにパニックになることを話されています。私の子供二人もぜんそくでしたから、その苦しみは非常によくわかります。
 このPM二・五ですが、直近の平成二十六年度の都の調査を見ても、住宅地域に設置されている一般局の環境基準の達成率は六・五%で、平均値が十六・〇マイクログラム・パー・立方メートルでしたが、それが道路沿道に設置されている自動車排出ガス測定局、いわゆる自排局は、達成率は何とゼロであります。平均値も十七・二マイクログラム・パー・立方メートルと、一般局よりも大きなひどい結果が出ております。ですから、大量の自動車が走行する環状八号道路についても、沿道住民の皆さんの不安はたまらないほど大きいといわなければなりません。
 ところが、環境影響評価書のこれまでの事後評価には入れていなかったことから、PM二・五は測定しないと。それもそのはずなんです。この事後評価の詳細を決めたアセスの文書は平成四年につくられており、当時は、PM二・五の四倍も大きい粒子状物質の規制すら、その二年後になって初めてできるようになった、そういう時代なんです。
 しかし、東京都はディーゼル規制対策のときには、粒子状物質を規制しないのは国の怠慢だと--平成六年にようやく規制が開始されましたけれども、水準は極めて甘くて、実質的には十年近くおくれていると、パンフレットまで出して訴えたのが当時の東京都の対応でした。
 そういう認識を持っていた東京都なら、大型道路ができれば、沿道住民の皆さんの身体をむしばむ危険の高いPM二・五について、たとえ事後調査の仕組みに定められていなかったとしても、せめて参考値として測定を行って住民に周知する。せめて道路建設を進めた側の誠実さが問われている問題だと思います。
 ぜひPM二・五の項目を入れて、事後調査を実施してほしいと強く要望して、質問を終わります。

○曽根委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後二時五十九分休憩

   午後三時十六分開議

○曽根委員長 休憩前に引き続き分科会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○大西委員 一昨日、この場所で港湾局の決算の委員会が行われ、そのときに運河のしゅんせつのことを、ちょっと私は取り上げさせていただきましたが、きょうは、河川の環境についてまず取り上げさせていただきたいと思います。
 将来にわたり東京を持続的に発展させるためには、豊かな河川環境を次世代に引き継ぐ都市を実現することが必要不可欠だと思います。
 市街化の進んだ都市部、特に区部では、河川は都民が身近な場所として、潤いと安らぎを感じることができる貴重な空間であり、豊かな水辺環境に親しみたいとの都民の期待はとても大きなものがございます。
 そのため、都では、河川のしゅんせつや水面清掃、水辺空間の緑化といった事業を鋭意実施していただいていると私は伺っておりますが、そこで、まず河川のしゅんせつや水面清掃の目的について、改めて伺います。

○三浦河川部長 河川では、上流から供給される土砂や水質汚濁の原因となる泥土が河床に堆積をいたします。このため、流下能力の維持や航路の確保、水質改善を目的としてしゅんせつを実施しております。また、河川の美観保持と衛生環境の確保を目的として、水面清掃を実施しております。

○大西委員 今、その目的をおっしゃっていただいたわけでございますが、一方でこのような、私はこの目的というか、この事業は大変重要な事業であるとは感じておりますが、しかし、具体的な方法については余り認識されていないという感が否めません。
 そこで、河川のしゅんせつや水面清掃の具体的な方法について、教えてください。

○三浦河川部長 しゅんせつの主な方法といたしましては、河床を掘る作業船などにより、堆積した泥土等を運搬船に積み込み、東京湾内の処分場まで運んでおります。作業に当たりましては、警戒船を配置し、他の船舶の安全を確保しております。
 また、水面清掃につきましては、十一隻の作業船を用いまして、日曜日を除くほぼ毎日、ごみを収集し、東京湾内の処理施設まで運んでおります。具体的には、水面に浮いたごみをベルトコンベヤーで直接すくい上げる機械作業に加え、この作業では取り切れない細かなごみや大型作業船が入れない河川のごみにつきましては、手作業によりすくい上げております。

○大西委員 今おっしゃったことは、私も隅田川などでよく目にする光景だなと、そう思うんですけど、なかなか頑張っておられるなということでは、評価をさせていただきたいと思います。
 そこで、二十六年度の河川のしゅんせつや水面清掃の実施状況について、伺います。

○三浦河川部長 平成二十六年度は、隅田川など六河川におきまして、十トンダンプで約一万二千台分に相当いたします約七万立方メートルの泥土等のしゅんせつを実施いたしました。また、中川など三十河川におきまして、約三百七十トンのごみを収集するなど、水面清掃を実施いたしました。
 今後とも良好な河川環境を維持するため、しゅんせつや水面清掃を継続して実施してまいります。

○大西委員 これはなかなか地道な作業だと思いますが、これは非常に大切でありますので、ぜひこれからも頑張っていただきたいと思います。
 続いて、水辺空間の緑化についてでありますが、水辺と緑は環境都市の象徴でもあり、しゅんせつや水面清掃による河川環境の向上に加え、都市の潤いと安らぎの創出に大きな役割を果たす緑を充実させていく必要がございます。
 そこで、水辺空間の緑化の取り組み状況と平成二十六年度の実績について、伺います。

○三浦河川部長 これまで都は、隅田川などではスーパー堤防事業により、まちづくりと一体となった緑の空間を生み出すとともに、神田川や空堀川などにおきましては、護岸改修に合わせて、河川管理用通路を緑化して遊歩道として活用するなど、川沿いの公園や街路樹等とつながる水と緑のネットワークを充実させてきております。
 これらの取り組みに合わせまして、日本橋川など市街地が密集をし、緑化が困難な箇所におきましても、護岸にツタをはわせるなどの緑化事業を行っており、平成二十六年度は約二・五キロメートルの区間で実施をいたしました。
 また、緑化後は、これらを適切に管理していくことが重要となるため、定期的に清掃や剪定などを地元区と連携をして行うとともに、隅田川などでは花の植えかえなど、地元ボランティアと協力をして花壇の管理に取り組んでおります。

○大西委員 私どもの地元である足立区は、四方を川に囲まれております。国が管理する川もありますが、ちょっと行けば川に当たるわけですけど、やはりきれいな川辺、今後とも都民が親しめる豊かな水辺環境を整備していくため、しゅんせつや緑化といった地道な作業ですが、着実に推進していくことをお願い申し上げます。
 続きまして、都立霊園について伺います。
 高齢者の増加や核家族化の進展に伴い、これまで社会状況の変化や都民のニーズに応じてさまざまな形式の墓地を供給してきた都立霊園に対する関心と期待は、一層高まっていると思います。
 そこで、二十六年度から小平霊園において新たに貸し付けを開始いたしました樹木墓地というのは、どのような形式の墓地なのでしょうか。二十四年度から貸し付けを開始した樹林墓地との違いは何か、改めて伺います。

○日浦公園管理担当部長 樹木墓地、樹林墓地、いずれも死後は安らかに自然に返りたいという都民の思いに応えるため、樹木を植栽した区域の土の中に遺骨を埋蔵する形式の墓地でございます。
 両者の違いについてですが、樹林墓地は、地中に共同の納骨施設を設け、多くの遺骨を埋蔵するのに対しまして、樹木墓地には納骨施設はなく、シンボルとなる樹木を中心に、直接土に触れる形で遺骨を一体ずつ個別に埋蔵いたします。

○大西委員 樹木墓地と樹林墓地はそれぞれ、死後は安らかに自然に返りたいという都民の思いに応え、整備したものでありますが、都民からの申し込み状況はどのようなものでしょうか。
 樹木墓地、樹林墓地、両方の利用者の二十六年度の募集結果を伺います。

○日浦公園管理担当部長 二十六年度の募集結果でございますが、樹木墓地は、募集数三百体に対しまして五百二十体分の申し込みを受け付け、公募倍率は一・七倍でございました。
 樹林墓地は、募集数一千六百体に対しまして、一万六千九百二十九体分の申し込みを受け付け、公募倍率は十・六倍でございました。

○大西委員 さっきから聞いていると、樹木墓地の方が、一つの穴に一人で入れるからいいなと思うんですけど、樹木墓地と樹林墓地では倍率に大きな差があるわけですよね。一・七倍と十・六倍という、その原因は何かを伺います。

○日浦公園管理担当部長 樹木墓地と樹林墓地の倍率の差についてでございますけれども、樹木墓地では、現在、遺骨を守っている方のみ受け付けていることに対しまして、樹林墓地では、生前からも申し込みを受け付けていることによるものと考えております。

○大西委員 樹木墓地でも生前から受け付けしないのかななんてちょっと思いますけど、都民のお墓に対する多様な考えや希望に応じ、都立霊園ではさまざまな形式の墓地を今整備しておられます。
 多様な形式の墓地を提供することも大切でありますが、一方、都内のお墓に入りたくても入れない、墓所を求める都民は数多く存在いたします。墓所供給数をふやすための都の取り組みを伺います。

○日浦公園管理担当部長 平面墓地に対する根強い需要を考慮し、二十六年度から区画面積は小さいんですが、従来の芝生墓地と同等の埋蔵能力を有する小型芝生墓地の貸し付けを新たに開始いたしました。
 また、より土地を有効に活用し、立体的に使用区画を設定する立体埋蔵施設の整備も進めており、二十六年度は、谷中霊園において四基目の立体埋蔵施設を整備し、二十七年度から貸し付けを開始いたしました。
 今後もこうした取り組みによりまして、墓所の安定した供給に努めてまいります。

○大西委員 従前からある平面墓地、普通のお墓ですね、これを希望する方や、また、自分の死後、子供や孫へ承継する必要がない合葬式の墓地を希望する方など、お墓に対する考え方や希望は多種多様だと思います。多種多様化する都民のニーズに応えるため、そして高齢者の増加に伴い、今後増加するであろう墓所需要数に対応し、安定した供給を行うため、さまざまな形式の墓地を用意する都立霊園の取り組みには、大変意義があり、重要なことだと考えます。
 樹林、樹木墓地、そして小型芝生墓地、立体式など、さまざまな墓地の取り組みをこれからもさらに進めていただいて、都民のニーズにしっかり応えるようにお願いをして、質問を終わります。

○鈴木委員 先ほど、まつば委員からも力強く、無電柱化事業についてお訴えをされておりました。本当にこの事業というのは、大変大事な事業であるというふうに私たちも認識しております。
 そうした観点から、私から、二十六年度決算から見えてくる無電柱化事業について、改めてお伺いします。
 この事業はいうまでもなく、都市防災機能の強化、そして安全で快適な歩行空間の確保、さらに、良好な都市景観の創出を目的として事業化されている事業であります。
 私たち都議会自民党は、東京を世界で一番の都市にするために、首都東京にふさわしい風格のある、そして安心・安全で快適で、美しいまちづくりを目指しておりますが、この無電柱化事業は本当に大変重要な事業でありまして、その推進を着実に、さらに前倒しに加速させていくことが大切であるというふうに思っております。
 特に、知事が頻繁に触れます、森記念財団が毎年まとめている世界の都市総合力ランキングについて、アメリカのコロンビア大学のヴィシャーン・チャクラバーティ実務准教授という方が、グローバル都市として優位に立つには、住民や生活の質を高めなければならないと述べております。大きく順位を落としております交通アクセスだけでなく、真に東京を世界で一番の都市にしていくためには、この無電柱化事業の推進など、都市環境の改善に向けて積極的に取り組んでいくべきだと思っております。
 特に、ロンドン、パリ、香港などの諸外国の都市が既に無電柱化を一〇〇%達成しているのに比べ、東京の地中化率は立ちおくれていると指摘されております。局長、本当にこれでよろしいんでしょうか。
 私たちは、代表質問とか予算、そして決算委員会でも、毎回その進捗について触れさせていただいておりますけれども、世界に誇れる東京を築いていくためには、オリンピック・パラリンピック開催に向けて無電柱化を加速させて、安心・安全、そして美しいまち並みを形成していくことが何よりも必要である。
 そこでまず、平成二十六年度までの都道における整備状況について、改めてお伺いいたします。

○川合道路保全担当部長 無電柱化事業は、都市防災機能の強化や良好な都市景観の創出、快適な歩行空間の確保を図る上で重要でございます。
 都は、新たな無電柱化推進計画に基づき、都市機能が集中するセンター・コア・エリア内はもとより、都市の防災力を高めるため、周辺区部や多摩地域の緊急輸送道路を中心に整備を推進しております。
 平成二十六年度末の計画幅員で完成した都道における地中化率は約三七%、センター・コア・エリア内で約九〇%でございます。

○鈴木委員 今ご答弁ございましたけれども、平成二十六年度末までに計画幅員で完成した部分における地中化率は、センター・コア・エリア内で九〇%、区部では五四%、多摩地区では一六%、都内全域では三七%まで引き上げられてきたということです。
 二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックの東京開催に向けて、急ピッチでセンター・コア・エリア内の都道の無電柱化を推進し、着実に緊急輸送道路を中心として取り組まれていることは評価いたしております。
 しかしながら、道路管理者の課題はあるにせよ、まちづくりにおいては、やはり面的な整備が欠かせないというふうに思っております。第七期の計画にも示されておりますが、ぜひとも、おくれている区市町村道の非幹線道路にも、早急に対応していただきたいというふうに私は思います。
 私は、この決算を通して、何で区市町村を含めた取り組みがなかなか進まないのか、その原因は、やはり財源が大きな問題ではないかなというふうに思っております。この件に関しては、区の担当者ともいろいろお話をさせていただきましたけれども、国の社会資本整備総合交付金を使った都市再生整備計画事業においては、やはり区市町村の単独費が二二・五%負担することになっている。この割合というのは、事業区分でいろいろありますけれども、例えば現在、約一キロメートル整備するごとに約六・三億円かかっている。その内訳は何かというと、事業主体である自治体が四億円、残りの二・三億円は、電線管理者である東電とか、電話線管理者のNTTなどが負担することになっているというふうに伺っておりますけれども、この一キロ当たり四億円の二二・五%の負担というのは、区市町村にとっては大変大きなものといえるというふうに思います。ぜひこの費用の削減に向けていくことが、何よりも大切ではないかなというふうに思っております。
 特に、技術的検証を関係事業者や、そして国と進めることは、本当にもとよりですけれども、こうしたことを着実に、区市町村も含めた非幹線道路の対応に生かしていただきたいというふうに思っております。区市町村道路において、やはり震災、災害が起きたときの避難道路に当たるものにおいては、積極的な無電柱化を推進していただきたいと強く要望いたしておきます。
 何度もいいますが、無電柱化事業というのは、震災時の緊急輸送道路を確保し、沿道の耐震化とともに、その機能を発揮させるために、防災上とても重要な事業であります。
 先ほど杉並区の話がありましたけれど、実は私の地元大田区においても、年間七千万人近い乗降客があり、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックにおいて、空の玄関口として重要な羽田空港があります。空港と都心を結ぶ国道一五号線と、かつての東海道である国道一号線、また、放射道路をつなぐ大切な環状七号線、環状八号線が、震災時に緊急輸送道路として指定されております。そのほかにも、都県境に隣接する地域を結ぶ主要な地方道である中原街道や産業道路といった緊急輸送道路があります。
 現在、その中で、環状七号線は平成三十六年度までに一〇〇%完成予定となっておりますけれども、現在進められている第一次緊急輸送道路である中原街道においては、整備状況はどうなっているのか、お伺いいたします。

○川合道路保全担当部長 現在、大田区内の中原街道では、環七通りから環八通りまで、施設延長で約五キロメートルの整備を進めております。平成二十六年度は四百三十メーターを整備し、これまでに約三・八キロメートルの無電柱化が完了いたしました。
 引き続き、都市防災機能の強化に向け、無電柱化事業に積極的に取り組んでまいります。

○鈴木委員 いろいろな困難なことはあると思いますけれども、着実に取り組まれていることは、本当に高く評価いたしますけれども、先ほどお話をさせていただいたように、ぜひとも、区市町村道において、特に避難道路の無電柱化事業に対しては、本当に費用の圧縮も含めて検討して、取り組んでいただきたいなというふうに思います。
 都市部の無電柱化は着実に進んでいることがわかったわけですけれども、人の命を守る高度防災都市の実現には、無電柱化とは別に、計画に入っていない道路の安全確保も重要であるというふうに思います。
 災害が発生した際、電柱や建物が倒壊するなど道路を閉塞し、援助活動等に支障が出ることが懸念されるわけです。円滑な救援、輸送活動等を行うためには、早期に道路の障害物を除去することが何よりも重要であるというふうに思います。
 そこで、都道における震災時の道路機能の確保について、お伺いいたします。

○川合道路保全担当部長 建設局では、建設業団体などと資機材や労力の提供に関する協定を結びまして、約五百社の地元協力業者により、早期に障害物除去を行う体制を整えております。
 また、発災時に迅速な対応を行うため、総合防災訓練等において、障害物除去作業を地元協力業者と合同で行うなど、相互の習熟度を高めております。平成二十六年度は、杉並区で行われました総合防災訓練や、荒川右岸一帯で行われました東京消防庁の総合震災消防訓練などにおきまして、除去作業を協力業者と合同で実施いたしました。
 今後とも、国や東京消防庁など関係機関や地元の協力業者と連携を強化し、防災対応力の向上を図ってまいります。

○鈴木委員 今ご答弁いただきましたけれども、本当に、震災時の全ての道路機能の確保というのはさまざまな状況がございますから、大変困難をきわめるというふうに思います。
 そのためにも、まず、電線落下などによる二次災害を防ぐということが何よりも大事だというふうに思います。先日配布された防災ブックに示されていることを各自が行えるように、防災訓練などで確認していくことはさることですけれども、災害時の、今お話のありました電線管理者との連携訓練とか、また周辺の通行者に対して、電柱に例えば、落下した電線に対する取扱方法を示すなど、二次災害防止に本当に力強く取り組んでいただきたいなというふうに思います。例えば、電流がストップされたものであっても、取り扱いが理解されていることによって、安心と安全の確保につながるものというふうに思います。ぜひともこうしたことに対して、電柱管理者と対応をしっかりととっていただきたいと強く要望いたします。
 次に、公共空間のにぎわい創出についてをお伺いいたします。
 私も先日、丸の内で行われました味わいフェスタに参加させていただきました。本当に初日は天候もよく、すがすがしい中で、本当にすばらしい事業だったなというふうに思うわけですけれども、虎ノ門地域の再開発なども含めまして、まちづくりというものは、ただハードの面だけでなくて、道路空間を利用することによって、大きくまちが変わってくるんだなということもすごく感じさせていただきました。
 観光を産業として、成長戦略の一つの柱にしていくためには、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックを見据え、東京の魅力をさらに高める取り組みが必要だというふうに思います。そのために、公園でなく、道路空間も生かした新たなにぎわいづくりが求められております。
 東京都においては、道路空間を活用したオープンカフェなどを設置できるようにする東京シャンゼリゼプロジェクトに取り組んでおりますが、まず改めて、この事業の概要についてをお伺いいたします。

○今村道路管理部長 オリンピック・パラリンピックの開催、さらにはその先も見据えまして、東京の魅力を一層高めていくためには、公共空間としての道路を生かし、周辺地域と一体となったまちの活性化を図っていくことが重要でございます。
 東京シャンゼリゼプロジェクトは、都市再生特別措置法や国家戦略特別区域法に基づく道路占用の特例制度を活用し、地域団体によるオープンカフェの設置やイベントの実施などにより、まちのにぎわいを創出していくものでございます。
 昨年六月に、本プロジェクトの第一号として、環状第二号線新虎通りにオープンカフェが設置されました。

○鈴木委員 こうした取り組みがほかの地域に広がっていくことによって、私は、東京はさらに大きく変わっていくものというふうに思っております。
 今お話ありましたけれども、法的な規制緩和が進んできて、道路空間の活用がしやすくなってきた。そしてまた、公開空地については、東京の場合、一定の条件を満たす大規模案件であれば、しゃれた街並みづくり推進条例などを使って、公開空地専用の自由度を広げることも可能になってまいりました。
 しかしながら、道路の本来的な機能というのは、円滑な交通、物流であり、オープンカフェでの利用は本来的機能の利用からは外れるため、公共性や公益に配慮し、地域による合意形成がまず大事であり、そしてオープンカフェが認められるという。パリと比べますと、公共空間の利用がパリにおいては、一定のルールと利用料金を納めるだけで、積極的に利用に結びついているわけですけれども、まだまだこうした状況に結びついていないのが現状であります。
 このような中で、この事業の現在の状況と今後の展開についてをお伺いいたします。

○今村道路管理部長 新虎通りに続き、本年三月には丸の内地区の行幸通りなどが、また、六月には新宿副都心四号線などが、道路法による規制が緩和される国家戦略特別区域の認定を受けました。
 行幸通りでは、今月九日から十一日まで、先ほど委員がお話しになりました東京の食材をPRする東京味わいフェスタが開催されまして、新宿副都心四号線では、昨日から、ビジネスマンや観光客などがキッチンカーによる飲食を楽しめるイベント、新宿シェアラウンジが開催されております。このように取り組みは着実に広がっております。
 引き続き、都市再生特別措置法や国家戦略特別区域法に基づく規制緩和を通じて、地域団体が道路空間をにぎわいの場として一層活用できるよう、積極的に支援してまいります。

○鈴木委員 今ご答弁いただきましたように、法的な規制緩和を活用しながら、そして地域の合意形成を大切にしながら、ある意味、社会実験として着実に推進されてきているんだなということを感じました。
 今後は、取り組みの効果を広く発信していくことが大事だというふうに思っております。そういうことが活用できて、そういったことができるんだということをもっと発信していただいて、そして、歩道空間を利用したにぎわいがさらに広がっていってほしいなというふうに思います。
 私は、先ほどパリの話をしましたけれども、海外とは道路幅員や道路環境も違って、困難なことは承知しております。しかしながら、ぜひとも多くの知見を生かして、研究していただきたいなというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 次に、都立庭園のにぎわい創出についてお伺いいたします。
 先ほどから、都立庭園の活用については、防災上、そしてまた、これから観光の拠点として、さまざま質疑がありましたけれども、別の角度で触れさせていただきたいなというふうに思います。
 東京が持つさまざまな魅力の中で、本当に大きなポイントとなるのが、東京の歴史や、文化、そして緑豊かな空間であるというふうに思います。そうした魅力をあわせ持つ施設として、東京都は、江戸時代につくられた大名庭園などの文化財庭園を有しており、国内外から東京に来られる多くの人々が、江戸東京の文化や歴史を体感し、さまざまな形で庭園を楽しんでいただけるような取り組みを行うことが、私は重要であるというふうに思っております。
 先ほど高橋議員からも、浜離宮恩賜庭園の歴史的な建造物の復元の話、ございましたけれども、やはりそういったことを大事に生かしながら、今後取り組んでいっていただきたいわけですけれども、都立庭園において、平成二十六年度にどのような取り組みが行われたのか、お伺いいたします。

○日浦公園管理担当部長 都立庭園は、浜離宮恩賜庭園など九庭園があり、文化財保護法に基づく特別史跡や特別名勝に指定されるなど、いずれも我が国を代表する名園でございます。また、平成二十六年度には、九庭園合計で、国内外から約二百七十四万人ものお客様が訪れるなど、東京を代表する観光名所でもございます。
 文化や歴史を体感していただくための取り組みとしましては、茶室を活用したお茶会などの体験イベントの開催、松の手入れや雪つりなどの伝統技能見学会の実施、庭園の職員やボランティアによる定期的なガイドを行っております。
 また、昼間とは異なる庭園の雰囲気を楽しんでいただくため、開園時間の延長によりまして、しだれ桜のライトアップや納涼寄席、月見の会などのイベントを行っております。

○鈴木委員 さまざま事業を行っていただいているわけですけれども、文化財庭園は、ただ憩いの場だけでなく、歴史を体感できる、本当にすばらしい、私は庭園だというふうに思っております。
 そして、東京には、こういった都立庭園だけでなく、国や公立、そしてまた民間の庭園なども数多くあるわけでございまして、東京の日本庭園の魅力を発信する上で、各庭園が連携して取り組みを進めていくことが、私は大事だというふうに思っております。
 昨年も、東京いい庭キャンペーン、さまざまな事業をされておるわけですけれども、そこで、東京の日本庭園の連携の取り組みと今後の展開についてをお伺いいたします。

○日浦公園管理担当部長 東京には、都立庭園だけでなく、新宿御苑、旧安田庭園、椿山荘など数多くの庭園があり、美しい景観や伝統文化など、日本庭園の持つさまざまな魅力を発信する上で、連携して取り組みを進めていくことが重要でございます。
 昨年十月に、都立庭園や国公立、民間の庭園など三十の庭園が連携して、東京の日本庭園おもてなし協議会を設立いたしました。この協議会での検討を踏まえ、十一月二十八日のいい庭の日を挟む十六日間にわたり、東京いい庭キャンペーンを展開し、各庭園の特色を生かしたイベントを連携して実施いたしました。
 今後も、東京の日本庭園が持つ魅力を広く発信していくため、庭園共通パンフレットの作成や、複数の庭園をめぐるモデルプランのホームページへの掲載など、協議会を通じて各庭園間の連携を強化してまいります。

○鈴木委員 本当にさまざまなご努力で、東京の庭園というのがさらに輝きを増してきているんだなというふうにも思っておりますし、そして、多くの東京に来られる方々に楽しんでいただけるような、そうした取り組みもされているんだというふうに感じております。
 しかしながら、やはり東京のにぎわいづくりという点、そして、これからこの東京が、産業立国と中心都市としてしていくためには、もっともっと私は取り組みを進めていく必要が、本当にあるんだというふうに思います。
 例えば、開園時間を延長してイベントを行っているという話がありましたけれども、それは本当にイベント期間中だけなんですね。
 そしてまた、海外の方にお話を聞きますと、やはり日本に来て、ちょっと日本の空気を吸ってみたい、そして公園に行ってみたいと思うときには、もう公園は閉まっているというような、そうした時間的な話もよく聞きます。
 そしてまた、夜に公園に行こうと思っても、真っ暗で、逆に怖くて行けない。でも、立地を考えると、海辺にあって、本当にすばらしい公園というのはたくさんあるんだろうというふうに、海外の方はおっしゃっているわけですけれども、そうした声にもしっかりと応えていくような、そうした取り組みというのが求められているのではないかなというふうに思います。
 先ほど、文化財庭園の歴史的建造物の復元とか、本当にさまざま取り組んでいるわけですけれども、例えば、じゃあ、そこに海外の方が来られたときに、この茶室とかこの建物というのは、かつて何に利用されていたのかというのが、一般的な、ここは茶室でしたとか、ここは昔こういったことに使われた広場でしたとかというだけでは、伝わってこないという話も聞くんです。
 やはり歴史的な背景があって、例えば、藤堂高虎が家光公をもてなすためにつくった茶室というのが上野にあるわけですけれども、そういった歴史的背景、そして日本の文化の中で、茶室というのがどのように生かされていたのかということも含めまして、新たに外国人に対するガイドというのも、私は工夫をするべきではないかなというふうに思っております。
 これから、海外の方々が東京にたくさん来られるわけですけれども、今はボランティアでガイドをされている例もありますけれども、それだけでは私は足りないというふうに思います。
 世界の中で、我が国の公園、ランキングというのは、二十位にも一つも入っていないんですね。確かに、ランキング上位の公園というのは、規模も大きいですし、歴史も違い、そしていろんな部分で楽しませたりとか、体感できたりとか、その公園を一様に比較することは、私はいいとは思いませんけれども、しかし、本当に海外の方々が東京の公園に行ってみたいと思っていただけるような、そうした魅力ある公園にぜひとも、今後ともしていただきたいということを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。

○高倉委員 初めに、河川整備についてお伺いをしたいと思います。
 平成十七年九月の記録的な集中豪雨では、私の地元中野区を流れる妙正寺川におきまして、床上、床下浸水合わせて千二百戸を超える甚大な被害が発生をいたしました。私は、直後の都議会本会議の場におきまして、水害対策を抜本的に見直すことが急務であることを強く訴えさせていただきました。
 都は、環状七号線より下流約四キロメートルの区間におきまして、直ちに河川激甚災害対策特別緊急事業に着手をしまして、五年間という短期間で緊急に護岸整備と河床掘削などを行っております。また、平成二十五年度には、環状七号線より上流で整備をしておりました鷺宮調節池が完成するなど、妙正寺川における治水の安全性は向上しておりまして、十七年九月以降、大きな浸水被害は発生をしていないわけであります。
 しかしながら、地球温暖化などによりまして、雨の降り方は大変激しくなっておりまして、さらに整備を進めていくべきであるというふうに考えます。
 そこで、平成二十六年度の妙正寺川の整備について、お伺いしたいと思います。

○三浦河川部長 妙正寺川では、水害を早期に軽減するため、河川激甚災害対策特別緊急事業完了後、速やかに環状七号線より上流の区間で鷺宮調節池を整備し、平成二十五年の取水開始から現在までに洪水を七回取水しており、着実に効果を発揮しております。
 これによりまして、調節池から下流、環状七号線までの約一・五キロメートル区間の安全性が向上したことから、二十六年度より、新たに調節池の上流、下鷺橋から双鷺橋までの〇・四キロメートル区間の護岸整備に着手をいたしました。
 平成二十六年度末の妙正寺川の整備状況を示す護岸の整備と調節池の効果を加えた治水安全度達成率は七二%となります。

○高倉委員 今ご説明をいただきましたけれども、二十六年度も含めまして、およそこの十年間、本当に妙正寺川の水害対策につきましては、建設局を挙げて取り組んでいただいたと。もちろん河川部、そして地元の三建、本当に皆さんが大変努力をして、この間、頑張ってこられて、地域の方々は、大変目に見える形でこの整備が進んでいるということを実感しておりまして、この間の取り組みに対しましては、心から感謝を申し上げる次第でございます。
 そして、鷺宮調節池の完成後、直ちに上流の護岸整備に新たに着手したこと、このことについては大きく評価をすべきことでありまして、着実に推進をしていただきたいと思います。
 妙正寺川につきましては、豪雨対策基本方針における対策強化流域とされておりまして、都は、仮称環状七号線地下広域調節池など、一時間七十五ミリの降雨に対応する新たな調節池の整備に向けた設計を進めているわけでございます。この鷺宮調節池上流におきましても、水害に対する安全性の向上を目指しまして、今後、このような公共空間を活用した新たな調節池の整備を一層推進するとともに、十七年九月の集中豪雨で浸水の被害の生じました江古田川という、いわば妙正寺川の支流があるわけでありますけれども、ここも平成十七年の水害のときには大きな被害が発生しているんですけれども、早期の整備を強く要望しておきたいと思います。
 次に、土砂災害対策についてお伺いをしたいと思います。
 ことし九月に発生をした関東・東北豪雨におきましても、土砂災害による被害が栃木県を中心に発生しまして、一名の方が亡くなられました。
 東京都内には、約一万五千カ所の土砂災害のおそれのある箇所があると想定をされておりますけれども、これまで私ども都議会公明党が指摘をしてきましたとおり、土砂災害のおそれのある箇所には老人ホームや避難所も多く存在をしておりまして、砂防事業や急傾斜地崩壊対策事業を進めていく必要があるというふうに考えております。
 そこで、避難所や要配慮者利用施設の安全確保に向けた土砂災害対策の取り組みについて、お伺いしたいと思います。

○三浦河川部長 土砂災害対策は、ハード、ソフト両面で対策を行うことが重要でございます。
 ソフト対策といたしましては、土砂災害防止法に基づく基礎調査や警戒区域等の指定を進めており、平成二十九年度までに都内全域の基礎調査を完了させます。調査結果に基づきまして、区市町村が警戒区域内に存在する要配慮者利用施設などを確認し、災害時の情報伝達に関する事項などを地域防災計画に定めることにより、警戒避難体制が整備されることとなります。
 ハード対策といたしましては、土砂災害の危険性が高い箇所に避難所や要配慮者利用施設があり、代替施設の確保や建物の補強による対策が困難な場合には、砂防事業や急傾斜地崩壊対策事業を重点的に進めてまいります。

○高倉委員 避難所や要配慮者利用施設の安全確保に向けた土砂災害対策の考え方については、わかりました。
 そこで、避難所や要配慮者利用施設が存在する箇所における平成二十六年度の土砂災害対策の実施状況について、お伺いしたいと思います。

○三浦河川部長 平成二十六年度は、避難所のある檜原村藤原地区など二カ所において急傾斜地崩壊対策事業を、奥多摩町海沢において砂防事業を実施いたしました。また、要配慮者利用施設のある大島町長沢など二カ所において砂防事業を実施いたしました。

○高倉委員 避難所、また要配慮者利用施設の場所における対策というのは、大変優先度が高い取り組みであるというふうに思います。安全確保に向けて、土砂災害対策を全力で推進していただきたいというふうに思います。
 最近は技術革新が進んでおりまして、無人航空機、ドローンというふうによくいわれておりますけれども、この無人航空機の利用が急速に拡大をしておりまして、その可能性が注目をされております。
 昨年発生した広島の土砂災害におきましても、ドローンによる現地調査を行い、いち早く現場の状況を把握したというふうに聞いております。
 東京都の丘陵部や山間部で行われている土砂災害対策においても、ドローンを有効に活用していくことが可能であるというふうに考えます。
 そこで、土砂災害対策におけるドローンの活用に向けた取り組みについて、お伺いしたいと思います。

○三浦河川部長 土砂災害対策施設は、多くが地形の急峻な山間部にあり、人の立ち入りが困難であることから、施設の維持管理におきまして先端技術を活用するなど、効率化を図っていく必要がございます。
 このため、平成二十六年度に新たな維持管理手法の検討を行った結果、GPSを活用した施設の変位計測などと合わせ、無人航空機に搭載したカメラによる施設点検を選定し、検証を行うことといたしました。
 今年度は、山間部におきまして、無人航空機を利用した施設点検を試行する予定でございます。試行結果を踏まえまして、安全性の検証や法規制の動向なども把握しながら、今後、災害時における利用も含めた活用の可能性について検討してまいります。

○高倉委員 先日、私は同僚の議員とともに、東京ビッグサイトで行われた展示会に行ってまいりましたけれども、ここでもさまざまなドローンが展示をされておりまして、いろんな用途に活用されているということを目の当たりにしてまいりました。小さなものもあるわけですけれども、大きなものになりますと、両手を広げるよりもっと大きいようなものもありまして、何十キロという重さのものも積めるようになっていると、そういうようなさまざまな種類のものがありました。
 このドローンにつきましては、災害時の情報収集といったことにも当然役立つわけであります。先般の鬼怒川の決壊の災害の現場におきましても、国の国土地理院が情報収集にドローンを使っておりました。
 また、先日私は、千葉県のある専門学校で行われている取り組みを見てきたんですが、救命救急の現場にAEDをドローンによって搬送する、こうした実験をされておりました。また、農業で農薬の散布にも利用されているわけであります。
 先日、テレビを見ておりましたら、今回のラグビーのワールドカップで、ロンドンで日本の代表が大活躍をしたわけでありますけれども、この練習のときにも、いわゆるスクラムの真上からドローンを使って撮影して、どういう対策が必要なのかと、こんなことも研究しながらやってきたということが紹介されていました。確かにスクラムというのは、横から見ることが多いわけですけれども、真上から見ますと、非常に新鮮な感じが私もしたわけであります。
 例えばこの部屋も、天井は低いわけでありますが、もし上からこの部屋を見ると、大分違った風景に見えるはずでありまして、本当に、上空からといいますか、上からといいますか、空から見るということは、いろんな新たな発見があるものではないかと思います。
 先ほど申し上げました危険箇所の調査、また、都市インフラの維持管理のための点検、こういったところにも十分に私はこれが活用できるものであるというふうに思っておりまして、ぜひ研究、ご検討をよろしくお願い申し上げたいと思います。
 次に、葛西臨海水族園の移動水族館車についてお伺いしたいと思います。
 私ども都議会公明党は、これまで、葛西臨海水族園のすばらしさを広くPRをするとともに、病気などの理由で来園ができない人々のために、学校や病院、福祉施設等へ出張する移動水族館の実現というものを提案してきたわけであります。これを受けて、都は、平成二十六年度末の本年三月に移動水族館車の導入をし、お披露目を行ったわけであります。
 そこで、移動水族館車の導入までの経緯につきまして、改めてお伺いしたいと思います。

○日浦公園管理担当部長 移動水族館車は、園内で実施している生き物の観察や触れ合い体験を通した教育普及活動を園外でも展開することを目的としたものでございます。
 多様な教育プログラムを提供できるよう、二つの大きな水槽を備えた専用トラック、「うみくる号」と、ヒトデやウニなどとの触れ合い体験ができる水槽を運ぶワゴン車、「いそくる号」を導入いたしました。
 この「うみくる号」、「いそくる号」という愛称は、多くの都民に親しんでもらえるよう広く公募を行い、テレビでも出ておりますさかなクンを含む有識者から成る審査会にて、決定したものでございます。

○高倉委員 私も、このお披露目の時期には、実際に水族館車を見させていただきましたけれども、本当にいろんな方々から大変評価をされていたといいますか、お披露目の際にはにぎわっていたというふうに思います。
 実は、被災地の福島県には、アクアマリンふくしまという大変有名な、大きな水族館があります。ここは津波の大きな被害を受けて、大きな動物なんかを葛西臨海水族園でも一時預かったということもあったわけでありますけれども、このアクアマリンふくしまも大型の移動水族館車というのを持っているんです。これはとても大きいです。
 これが、私も以前、本会議で取り上げさせていただきましたけれども、震災後に、アクアマリンふくしまに来る来園者が減ったと。かつては、東京からたくさんの方々が来ておりましたけれども、減ってしまったということで、そのPRと福島の魅力といったものを伝えるために、葛西臨海水族園にも実は来たんです。
 このときも大変ににぎわっておりまして、合計して四日間で一万二千人の人々が訪れたと。でっかい移動水族館車の上に大きな池のような水槽がありまして、そこに福島の海の生物がいるわけです。そこに毎日毎日何千人もの人が来て、親子で手を突っ込んでさわるわけですけど--生き物、大丈夫かなと私も思ってしまったんですが、大変人気があったようでございます。
 このように、移動水族館車を効果的に運用すれば、多くの方々に葛西臨海水族園を知ってもらうことができると思います。また、移動水族館車の導入を機に、福島の方々との交流も一層深めていただきたいというふうに思っております。
 そこで、福島の方々との交流も含め、これまでどのように移動水族館車を運用されてこられたのか、お伺いしたいと思います。

○日浦公園管理担当部長 八月末までは、試行期間といたしまして、協力の得られた病院や特別支援学校、社会福祉施設等を訪問してまいりました。
 九月一日からは、ホームページ等を通じて公募した施設等を訪れる本格実施に移行しておりまして、試行期間も合わせて九月末までに二十八カ所を訪問し、合計約二万八千人に教育プログラムを体験していただきました。
 また、九月五日、六日の両日には、井の頭自然文化園におきまして、アクアマリンふくしまの移動水族館車「アクアラバン」と一緒に教育プログラムを実施し、二つの水族館のPRを行いました。
 今後とも、アクアマリンふくしまとの連携も含め、移動水族館車を積極的に活用し、来園することが難しい方々に生き物と触れ合う機会を提供してまいります。

○高倉委員 最後に、都立公園について質問をいたします。
 二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック開催に向けまして、誰もが安心して過ごせるバリアフリー環境の構築を実現するためには、都立公園が健常者だけではなく、障害者の方にとっても、安心して楽しむことができる憩いの場であることが必要であります。
 こうした中で、都立公園には、視覚障害者への対応といったものも求められるというふうに考えますけれども、その取り組みの一つとして、公園内のトイレに音声案内装置を設置することは大変有効な対策であります。
 例えば、視覚障害者の方がおトイレに入ろうとしますと、間違って男性トイレの方に入ってしまう、こういったこともあったりします。視覚障害者の方から、かつてそういうことがあって驚かれたというふうに語っていたことを聞いたことがありますし、したがって、外出するときはなるべく水分をとらないようにして、つまりおトイレになるべく行かないようにすると。こんなようなことで外出をしている、視覚障害者の方がですね、こういう話もお聞きをしたことがあります。
 これまで、私ども都議会公明党の東村議員が、平成二十三年の第四回定例会の代表質問におきまして、都立公園の誰でもトイレにも音声案内装置の整備を推進すべきと提案いたしました。これに対し都は、設置に向けて検討を開始し、整備が進められてきていると思います。
 そこで、都立公園の誰でもトイレへの音声案内装置の整備につきまして、これまでの実績をお伺いしたいと思います。

○五十嵐公園緑地部長 都立公園では、車椅子使用者、高齢者、乳幼児を連れた人など、どなたでも円滑に利用できる、いわゆる誰でもトイレを整備しております。音声案内装置は、入り口や駐車場付近などにある誰でもトイレに設置を進めております。
 平成二十四年度から音声案内装置の計画的な整備に着手し、これまで三十四公園、八十棟のトイレに設置いたしました。

○高倉委員 これまでの整備実績については、今説明をいただきました。
 設置された音声案内装置は、視覚障害者がトイレを使用する際の円滑な誘導に、大いに貢献をしているというふうに私も理解をいたしております。
 そこで、音声案内装置の設置につきまして、今後の取り組みについてもお伺いいたしたいと思います。

○五十嵐公園緑地部長 平成二十七年度は、府中の森公園や武蔵野の森公園など三十六公園、四十三棟のトイレに音声案内装置を設置する予定でございます。これにより、平成二十四年度に計画した七十公園、百二十三棟のトイレに設置が完了いたします。
 今後、新たに公園を整備する際や、オリンピック・パラリンピック会場となる公園を改修する際などに音声案内装置を設置し、視覚障害者の方々にも利用しやすい公園づくりを推進してまいります。

○高倉委員 今ご説明いただきまして、積極的に取り組んでいらっしゃるということがよくわかりました。
 今後も、さまざまなトイレを整備する際にも、先ほど我が党のまつば議員からもお話がありましたけれども、ぜひともしっかりとさまざまな配慮をお願いしたいと思います。
 先日、私ども都議会公明党におきまして、都内にあります住宅設備機器メーカーといったところの取り組みを視察してまいりました。
 特に、おトイレのことについて視察をしてきたわけでありますけれども、その中で、日本を訪れる外国人の方々が、日本のおトイレに対してどういうことを困っているかという、向こう側からの質問がありまして、私は、もしかするとウォシュレットですかと答えたんですけれども、ウォシュレットももちろん高い要望ではあるんですけれども、いわゆる和式が多いということが、外国の方々は一番困っているというお話がありました。つまり洋式のおトイレがなくて困っていると。和式の場合は、先ほどまつば議員からも話がありましたけれども、使い方がよくわからないというような話もあるわけでありまして、今後、訪日の外国人の数がますます増加をしてくる中で、こうしたトイレの洋式化ということも重要であると思います。
 先ほど質疑の際にも、トイレは文化であるというようなお声もありましたけど、私もまさにそのとおりであると思っております。ぜひ的確な取り組みを強く要望いたしまして、質問を終わりたいと思います。

○中山委員 まず、私からは、指定管理者制度の活用について質問したいと思います。
 建設局では、平成十五年六月に地方自治法が改正され、これまでの公共的な団体にしか委託できなかった公の施設の管理に、住民サービスの向上と行政コストの縮減を目的として、民間の参入を可能とする指定管理者制度が創設されました。それ以降、随時同制度を導入し、現在、百一施設が同制度により運営されております。
 平成二十七年度には、これら全ての施設の指定期間が満了となることから、大規模な再選定に向けて準備が進んでいるといわれております。
 また、同制度導入後は、各施設における管理運営状況の確認や指定管理者に対する指導監督及び評価を適切に行っているものと認識をいたしております。特に、指定管理者には、硬直的な発想ではなく、さまざまな施策にチャレンジする姿勢を求めたいと思います。
 そこで、例えば都市部の公園、東部グループ九公園などで、フォトコンテストなどさまざまな施策を行っておりますが、私の地元にある旧岩崎邸庭園において、指定管理者ならではの特色ある取り組みがあれば、まずご披瀝いただきたいと思います。

○日浦公園管理担当部長 文化財庭園グループの一つであります旧岩崎邸庭園では、職員による園内ガイドに加えまして、ボランティアによる英語ガイドを実施しており、外国人利用者にも文化財庭園の魅力を伝える取り組みを行っております。
 また、修復されたビリヤードをするための部屋である撞球室の雰囲気を多くの方々に楽しんでいただくため、通常は非公開としている撞球室内部を特別に公開するイベントを実施しております。
 さらに、近隣企業からの協賛金による洋館のライトアップや、台東区内の文化施設や大学との共催によるコンサートのほか、地元小中学校の生徒を対象としたガイドの実施など、庭園の魅力をより一層高める取り組みを地域と連携して行っております。

○中山委員 今、一例として旧岩崎邸園を取り上げましたけれども、旧岩崎邸園の通年公開から多分十数年経過したと思います。今の答弁のようなライトアップなど、喜ばれる施設に変わってきたというふうに認識をしております。
 しかし、まだまだこの岩崎邸園自体を知らないという人たちが大変多いというふうに思いますので、また、それも大いに発信をしていただきたいというふうに要望させていただきたいと思います。
 一方、都立公園では、ストックを最大限に活用し、時代の要請や都民のニーズに的確に応える公園づくりが求められております。
 さらに、公園づくりには、環境、文化、産業、まちづくりなど、さまざまな側面を持っております。思い返すと、私自身も三人の子供を育てているわけですが、子供の成長過程によって、公園に対するニーズというものが変化をしてきたと実感いたしております。
 また、先ほどまつば委員の方からもトイレのお話、ありましたけれども、男性、女性あるいは年齢、高齢者、障害のある方、または子供を育てている親、本当にこれは重層的だというふうに思います。
 さらに、首都圏直下型地震などに備えるため、防災機能としての公園として、救援や復興活動の拠点にも重要な役割を担っております。まさにパークマネジメントの推進により、それら重層的な要素を勘案し、ベストミックスすることが求められております。
 そこで、指定管理者としては、都民の声を聞く機会をどう持ち、取り組んでいるのか、伺いたいと思います。

○日浦公園管理担当部長 都立公園では、利用者からの日常的な要望を把握するため、各公園の管理所に意見箱を設置しているほか、毎年、百名以上に利用者アンケートを行っております。
 また、地域のボランティアや自治会などさまざまな団体と、公園利用のルールづくりや発災時の協力体制について話し合う協議会などを設立して、広く意見を聞いております。
 こうした取り組みを通じて利用者の声を把握し、砂場のベンチ増設や、授乳室内の間仕切り設置のほか、防災訓練の実施など、都立公園の管理運営に反映させております。

○中山委員 今、さまざまな声を聞いているということがわかったわけでございますが、まさに都庁にいる理事者の皆さん自身が都立公園を使っている立場であり、例えば介護する側であったり、子育てをする側ということでありますから、まさにそういった純粋な声を反映をこれからもしていただきますように、よろしくお願い申し上げます。
 それでは、監理団体の改革について質問させていただきます。
 建設局では、東京都道路整備保全公社、東京都公園協会、東京動物園協会の三つの監理団体を所管しております。
 近年では、指定管理者制度の導入や公益法人の改革など、監理団体を取り巻く環境は大きく変化しており、民間企業並みの効率的経営が求められております。しかし、一方で、公共的な視点も重要でありまして、効率的経営が公共性の欠如になってしまっては本末転倒であります。
 そこで、公益的な事業充実を図り、効率的な執行体制の確立、経営基盤の強化を図る上で、監理団体の指導監督をどのように推進されているのか、伺いたいと思います。

○佐藤総務部長 建設局では、発災時に救出救助の活動拠点となる防災公園や、長期的視点に立ち都民の貴重な財産について保存、管理などを実施いたします文化財庭園など、政策との連動性や、管理運営の特殊性の高い指定管理施設には監理団体を活用してございます。また、道路用地取得業務や工事監督補助業務などの委託を進め、行政支援、補完機能を拡大してございます。
 このように、多様な都民ニーズや新たな課題に的確に対応してまいるため、監理団体を都政の一体的運営を担う都政グループの一員と捉え、積極的に活用し、公益的な事業の充実に努めております。
 一方、効率的な執行体制や経営基盤のさらなる強化に向けては、所要人員計画、経営目標の設定や評価、事業企画などの機会を捉え、適宜指導監督しておりまして、引き続き努力をしてまいります。

○中山委員 今答弁ありましたとおり、効率性を求める観点と同時に、技術やノウハウを継承するとともに、その知見を継続していくということが重要だというふうに思います。そういう面では、重層的な課題を勘案して取り組んでいただきたいと思います。
 次に、上野公園再生事業について質問させていただきます。
 上野公園を文化の森として再生していくことを目的として、学識経験者や公園内の文化施設長等を構成員とする検討会を設置し、平成二十一年九月に上野恩賜公園再生基本計画を策定いたしました。計画に基づき順次再生計画が進み、多様なイベントを開催できる広場として、オープンカフェや新しい噴水を備えた竹の台広場が完成しました。さらには、不忍池に眺望を楽しむスペースやハスの観察できるデッキを整備され、着々と上野恩賜公園が再生されております。
 多くの人の潤いの場として喜ばれていると評価しておりますが、そこで、平成二十六年度の上野恩賜公園再生整備事業について、内容について、伺いたいと思います。

○五十嵐公園緑地部長 上野恩賜公園は、豊かな緑と文化施設や歴史遺産が一体となった魅力あふれる公園でございます。その魅力をさらに向上させるため、世界に向けた文化の発信強化、魅力ある緑と水の空間創出、快適な利用の推進という三つの基本方針に基づき、エリア別に整備内容を定め、順次整備を進めてまいりました。
 平成二十六年度は、不忍池周辺において、池の景観を楽しめる快適な歩行空間や、発災時でも使用が可能な防災トイレの整備を進めたほか、上野広小路に近接する袴腰エリアでは、照明灯の増設やバリアフリー対策として、手すりの設置などを行ってまいりました。
 今後とも、江戸、明治から受け継がれてきた歴史や文化的資源、我が国を代表する文化施設の集積という高いポテンシャルを生かし、文化の森上野恩賜公園再生整備事業に取り組んでまいります。

○中山委員 今ご答弁がありましたとおり、再生事業の中でも象徴的な施策が進んでおりますから、明らかに現場では再生していることがわかるわけでございます。特に、ハスを観察できるデッキは、本当のハスに囲まれているような体験ができるということで、多くの人に喜ばれております。
 今後は、ちょうど国立西洋美術館、これが世界遺産登録の期待が地元ではかなり高まっておりまして、それには上野公園口のところのアプローチというところが大変重要であるともいわれておりますので、そういった課題にも取り組んでいただきたいと要望をさせていただきたいと思います。
 次に、公共工事の品質確保と職員の能力向上について質問させていただきたいと思います。
 平成二十六年度は、円安の影響を受けまして、全般的な資材の高騰によりまして、建設業界を取り巻く環境は厳しい状況下にありました。そんな中、企業が利益率を上げるためには、企業はできる限りコストの縮減を強いられることになると考えます。コスト削減は、企業にとって効率性を上げることにつながる一方で、コストの圧縮によって品質がおろそかになってしまうといった一面もあります。
 現在、東京都では品確法に基づきまして、工事発注においては、価格及び品質管理が総合的にすぐれた契約がなされるため、総合評価方式による契約を施行し、施工能力審査型、技術実績評価型、技術力評価型、技術提案型など四種類によって、工事の規模や技術課題によって適用されております。また、工事施工時には、建設現場における施工体制の点検実績などにより、工事施工の適正化を推進しております。
 そこで、東京都では、品確法に基づき、平成二十六年度総合評価方式を適用して契約締結した工事件数について、伺いたいと思います。

○佐藤総務部長 建設局では、価格だけではなく、工事の施工に必要な企業の技術力などを総合的に評価して、落札者を決定する総合評価方式を積極的に活用しております。
 平成二十六年度におきましては、総合評価方式の対象となります原則一千万円以上の工事のうち、約二六%に当たる百九十九件で実施をいたしました。
 引き続き、さらなる活用を図ってまいります。

○中山委員 今ご答弁ありましたように、かなり低い価格でも総合評価制度を採用しているということであります。
 現在、横浜市の都筑区の大型分譲マンションの傾きがわかったという問題で、社会的な問題になっておりますけれども、さまざまな種類の公共工事がありますから、できるだけさまざまな視点に立った評価によって公共工事を進めていただきたいと、そのように要望させていただきます。
 次に、工事施工時には、建設現場における職員の技術、技能能力や品質管理に欠かせない目ききを求められていると考えております。
 平成二十一年度は、組織としての技術継承を図ることを目的に、建設技術マイスター制度の運用を開始し、平成二十六年度には百八十三名の指導技術者が局に在籍し、技術助言、研修講師等の活動を行っていると聞いております。
 そこで、建設技術マイスターの平成二十六年度の取り組み状況について、伺いたいと思います。

○伊佐企画担当部長 建設局では、ベテラン職員のすぐれた技術力を局全体で活用するため、建設技術マイスター制度を運用しております。
 平成二十六年度は、この制度に基づき認定された百八十三名の指導技術者が、各部署における技術的課題の解決に向け、電話や面談などにより随時助言を行っております。また、局の集合研修や出先の事務所に出向いて行う、いわゆる出前講座の講師として百二十五の講座を受け持ち、活躍いたしました。
 今後とも、建設技術マイスター制度を最大限に活用し、局の技術力の維持向上や技術系職員の人材育成に努めてまいります。

○中山委員 大変活発にマイスター制度を運用されているということでございます。
 すぐれた技術力というのは一朝一夕では積み上がっていないという観点で、マイスター制度を進めているわけですが、年々、指導者数もふえているということであります。また、現場の目ききという面では、技術力は都の財産でありますから、今後も建設マイスター制度を進めていただきたいと思います。
 最後に、橋梁の管理について質問させていただきたいと思います。
 東京都が管理する橋梁は、一九六四年、東京オリンピック競技大会から高度成長期にかけて集中的に整備されたことから、今後、一斉に更新時期を迎えます。このことに対応するため、都はこれまで、対症療法的な管理から予防保全管理に転換し、最適な時期に最新の技術による対策を実施するために、今後三十年間の総合計画として、橋梁の管理に関する中長期計画を策定いたしました。そして、計画に基づき、耐久性や耐震性の向上する耐震補強事業や長寿命化事業などが行われております。
 そこで、都道における橋梁の耐震化について、平成二十六年度までの進捗状況を伺いたいと思います。

○川合道路保全担当部長 震災時における都民の安全な避難や緊急輸送を確保し、救命、復旧活動を迅速に行うためには、橋梁の耐震性向上が重要でございます。
 都では、阪神・淡路大震災や東日本大震災級の地震にも耐えられるよう、都道において緊急輸送道路等の橋梁四百一橋を対象として、橋脚の補強や落橋防止装置の設置など、必要な耐震化に重点的に取り組んでおります。
 平成二十六年度末までに、対策完了もしくは工事に着手した橋梁は三百九十三橋、九八%となっております。

○中山委員 今の答弁では、緊急輸送道路等の四百一ある橋のうち、三百九十三の橋が、九八%まで完了、着手しているということでございます。この進捗状況を聞くところでは、本当に世界一の都市にふさわしい、評価したいというふうに考えております。
 そこで、都は橋梁の長寿命化にも取り組んでおります。その事業効果について、伺いたいと思います。

○川合道路保全担当部長 都では、高齢化する橋梁の対象として、著名橋や幹線道路の橋梁などを対象に、平成二十一年度から長寿命化事業を進めております。
 この事業は、将来の損傷状況を予測し、最新技術などを活用した適切な対策を実施することで、耐久性や安全性などを確保するものでございます。
 これにより、更新ピークを抑制し、予算の突出を解消するとともに、工事を分散することで交通渋滞が軽減され、円滑な交通ネットワークを継続的に確保できます。

○中山委員 長寿命化事業は、いろいろな視点で耐久性、安全性などを確保していくということでございます。
 工事をまさに分散化することによって、交通渋滞を防ぐということでありますが、地元でも順次工事が進んでいることを見ておるわけですが、そこで、私の地元である白鬚橋について、平成二十六年度の具体的な長寿命化事業の内容を伺いたいと思います。

○川合道路保全担当部長 白鬚橋は、平成二十一年度から長寿命化事業を実施中でございます。この橋梁におきましては、耐震補強に加え、平成二十六年度は、耐久性を向上させるために、床板をコンクリート製から鋼鉄製へ変更するとともに、橋桁の一部補修などを行いました。
 今後とも、長寿命化事業を推進することで都民の安全と安心を確保し、高度防災都市を実現してまいります。

○中山委員 今回の質問をすることに当たって、局の橋梁についての技術力、そして発注者側としての目ききなどを着実に行っていることがわかりました。
 橋梁の耐震化においても、九八%完了、着手ということでございますから、都民にもそのことをもっと発信していただきたいと思います。さらに、局として技術者、人材の発掘するにも力を入れているということでありますから、防災に強い首都東京をさらに進めていただくことを要望し、質問を終わらせていただきたいと思います。

○小松委員 私からも、二点だけ、都立公園の整備状況について質問させていただきたいと思います。
 いうまでもなく、都立公園というものは、市街地にゆとりと潤いを与えることはもとより、にぎわいの場や魅力ある観光資源であるとともに、特にこの大都市東京においては、ヒートアイランド現象の緩和、雨水の浸透や貯留、震災時の避難場所など、多面的な都市活動を支える極めて重要なインフラとしての役割を担っているわけであります。
 この都立公園を含む都市計画公園、緑地の事業化計画としては、都市計画公園・緑地の整備方針というものがあります。この都市計画公園・緑地の整備方針というものは、こちらになりますけれども、平成二十三年十二月に改定されまして、その改定から四年がたとうとしているわけであります。
 首都東京の防災機能の強化を急ぐためにも、計画的かつ効率的な整備が望まれるわけでございますが、都立公園の事業の進捗状況を伺いたいと思います。

○五十嵐公園緑地部長 平成二十三年十二月に改定した都市計画公園・緑地の整備方針では、都立公園について、平成三十二年度までに優先的に事業を進める予定の重点公園、緑地として四十二カ所、優先整備区域として二百八十二ヘクタールを設定いたしました。
 都は、優先整備区域について計画的に事業化を進めており、平成二十六年度は、城北中央公園や大戸緑地、野山北・六道山公園において、新規に事業認可を取得し、優先整備区域の約六〇%を事業化しております。
 また、高井戸公園や東伏見公園などで用地取得や整備を行い、都立公園の開園面積が二千ヘクタールを超えるなど、公園事業を着実に進めております。

○小松委員 都立公園の整備が着実に進んでいるということがわかりました。
 しかし、緑あふれ、災害に強いまちをつくっていくという目標のためには、まだまだ事業化に至っていない優先整備区域の事業化というものを進めていく必要があると思います。
 私の地元にも、まだまだそうした都立公園がありまして、強く期待の声が高まっているわけでございますが、一体いつになるのやらと、これ、三百年たっても公園が成立できないんじゃないか、そんな危惧も、声を聞くわけでございまして、そうした声に対して所見を伺いたいと思います。

○五十嵐公園緑地部長 都市計画公園・緑地の整備方針における優先整備区域につきましては、平成三十二年度までに事業認可の取得を目指しております。また、まだ事業化していない優先整備区域につきましては、事業進捗状況や事業効果等を勘案しながら、順次、事業認可を取得してまいります。
 また、事業認可を取得し、事業を円滑に進めるためには、地元の方々の理解と協力が不可欠でございます。このため、説明会や個別の相談などを丁寧に行い、優先整備区域を早期に事業化できるよう取り組んでまいります。

○小松委員 首都直下地震というものはいつ起きるかわかりません。また、近年では豪雨の増加などもしております。こうした備えも不可欠なことであります。まだ事業化されていない優先整備区域の事業化など、都立公園の整備をさらにスピードアップしていただくよう要望したいと思います。
 そのためには、用地取得や財源の調達など、関係所管部局としっかりと連携をしながら、さまざまな手段の検討、これ知恵を出し合いながら進めていくことを要望して、質問を終わりたいと思います。

○曽根委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○曽根委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で建設局関係を終わります。
 これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
   午後四時四十分散会

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