委員長 | 田中たけし君 |
副委員長 | 三宅 正彦君 |
副委員長 | 橘 正剛君 |
副委員長 | 吉田 信夫君 |
理事 | 吉倉 正美君 |
理事 | 小宮あんり君 |
理事 | 新井ともはる君 |
理事 | 徳留 道信君 |
理事 | 崎山 知尚君 |
理事 | 鈴木あきまさ君 |
小林 健二君 | |
加藤 雅之君 | |
小松 大祐君 | |
石川 良一君 | |
小松 久子君 | |
斉藤やすひろ君 | |
河野ゆうき君 | |
ほっち易隆君 | |
島崎 義司君 | |
塩村あやか君 | |
中山ひろゆき君 | |
尾崎あや子君 | |
中山 信行君 | |
木村 基成君 | |
高椙 健一君 | |
栗山 欽行君 | |
小山くにひこ君 | |
神野 次郎君 | |
菅野 弘一君 | |
斉藤あつし君 | |
かち佳代子君 |
欠席委員 なし
出席説明員会計管理局長 | 塚本 直之君 |
教育長 | 比留間英人君 |
東京都技監建設局長兼務 | 横溝 良一君 |
政策企画局長 | 川澄 俊文君 |
総務局長 | 中西 充君 |
財務局長 | 中井 敬三君 |
主税局長 | 塚田 祐次君 |
生活文化局長 | 小林 清君 |
オリンピック・パラリンピック準備局長 | 中嶋 正宏君 |
都市整備局長 | 安井 順一君 |
環境局長 | 長谷川 明君 |
福祉保健局長 | 梶原 洋君 |
産業労働局長 | 山本 隆君 |
港湾局長 | 多羅尾光睦君 |
青少年・治安対策本部長 | 河合 潔君 |
病院経営本部長 | 醍醐 勇司君 |
中央卸売市場長 | 岸本 良一君 |
選挙管理委員会事務局長 | 松井多美雄君 |
人事委員会事務局長 | 真田 正義君 |
監査事務局長 | 石原 清次君 |
労働委員会事務局長 | 遠藤 雅彦君 |
収用委員会事務局長 | 目黒 克昭君 |
議会局長 | 影山 竹夫君 |
警視庁総務部長 | 貴志 浩平君 |
消防総監 | 大江 秀敏君 |
本日の会議に付した事件
平成二十五年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について(質疑)
・平成二十五年度東京都一般会計決算
・平成二十五年度東京都特別区財政調整会計決算
・平成二十五年度東京都地方消費税清算会計決算
・平成二十五年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計決算
・平成二十五年度東京都母子福祉貸付資金会計決算
・平成二十五年度東京都心身障害者扶養年金会計決算
・平成二十五年度東京都中小企業設備導入等資金会計決算
・平成二十五年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計決算
・平成二十五年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計決算
・平成二十五年度東京都と場会計決算
・平成二十五年度東京都都営住宅等事業会計決算
・平成二十五年度東京都都営住宅等保証金会計決算
・平成二十五年度東京都都市開発資金会計決算
・平成二十五年度東京都用地会計決算
・平成二十五年度東京都公債費会計決算
・平成二十五年度東京都臨海都市基盤整備事業会計決算
○田中委員長 ただいまから平成二十五年度各会計決算特別委員会を開会いたします。
これより決算の審査を行います。
平成二十五年度東京都各会計歳入歳出決算の認定についてを議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
なお、去る十月六日から行われました各分科会における局別審査につきましては、お手元配布のとおり、報告書が提出されました。
朗読は省略いたします。
〔分科会審査報告書は本号末尾に掲載〕
○田中委員長 これより質疑を行います。
この際、一言申し上げます。
質疑に当たりましては、さきにご決定いただきました委員会実施要領等に従いまして運営してまいります。委員の皆様方には、円滑かつ充実した審査が行われますよう、ご協力をお願いいたします。
なお、持ち時間につきましては、終了五分前に振鈴で一点、時間満了時に二点を打ち、お知らせいたします。質疑時間はお守り願います。
次に、理事者に申し上げます。
答弁に際しましては、質疑の要旨をよく把握し、簡潔明瞭に答弁されるよう、お願いいたします。
なお、発言の際には、必ず職名を告げ、委員長の許可を得た上で発言されますよう、お願いいたします。
これより順次発言を許します。
河野ゆうき委員の発言を許します。
○河野委員 初めに、本委員会で我が党の質疑を始めるに当たり、自治体における決算の意義というものを確認したいと思っております。
決算審議を通じて予算執行の成果を検証し、その結果を次年度予算の編成に生かしていくことは、PDCAサイクルのCからAの部分として、より効果的、より効率的な行政マネジメントを行う上で極めて重要であると考えます。こうした決算の重要性を鑑み、都議会として、今まで平成十二年までは決算承認の付託というのが十二月に行われていたということです。私も知らなかったんですけど、今回調べて、十二月に決算の付託をされて、それから審議をしていく。ですから、予算委員会と一緒にやりながらというふうなことをやられていたということだったということです。
今のスケジュールのように九月にそれを変更して、両決算特別委員会に付託するようになったのは平成十三年ということでございます。そして分科会方式を採用して、検証結果を次の予算編成に反映できるように変わってきたと聞いております。
そこで、歳入歳出決算を取りまとめる会計管理者に、自治体における決算の意義というものを改めてお聞きしたいと思います。
○塚本会計管理局長 地方自治体における決算は、一会計年度内の歳入歳出予算に対する実際の収支の状態を計数的に明らかにしたものでございます。その役割は、議会や都民の皆様に対し、予算の執行を通じて地方公共団体の行政目的が効率的に達成されたかどうかの判断材料を提供することでございます。加えて、事後検証を通じ、事業の成果や課題を整理し、次年度以降の予算編成に的確に反映させ、より効果的な都政運営を目指すことでもあります。
このことを踏まえ、執行機関としましても、平成十八年度決算から従来の法定決算資料に加え、本格的な複式簿記・発生主義会計に基づく財務諸表や年次財務報告書など、さまざまな参考資料を提出し、多角的な検証が行えるよう努めてまいりました。
また、都議会におかれましては、お話のとおり決算審査の方法を大きく改善し、翌年度予算編成前に審査が終了しております。こうした取り組みにより、都民の目からも都の予算執行状況や財務実績がわかりやすいものとなるとともに、次年度以降の予算編成に決算の検証結果を生かすことが可能となりました。
今後も、決算事務を総括する立場から、円滑な決算審議に資するよう、正確かつ迅速に決算を調製し、説明責任の一層の向上に寄与してまいります。
○河野委員 ありがとうございました。今ご答弁いただいたとおり、決算は次年度の予算編成の前に審査するということが、PDCAサイクルの観点からも非常に重要であるということなわけです。
そもそも決算は、予算の見積もりに遺漏がないか、もしくは議会での議決に従っての執行がされているかというような執行段階での適、不適を判断するというものが主でございますけど、社会情勢の変化とともに、財源も限られている中で、より施策の実効性や効率性を求められるようになり、そのための決算を分析するということが重要になってきて、そして翌年度への反映をさせることが不可欠になってきているというふうに認識をしております。
このような時代の要請を受け、より深く事務事業--要するに政策があって、施策があって、そして事務事業があるわけですけど、この事務事業を分析し評価することが行政改革を進める手法として、行政評価あるいは事務事業評価制度というものを導入している自治体が多くあります。そして、その事務事業評価を、議会が決算の審議の重要なツールとして使っている自治体も多くあります。
私の地元であります板橋区議会でも、行政評価結果を参考にしながら決算審議というのを決算委員会のときにやっております。例えば、ある事業の評価として、行政評価の結果として縮小というふうにされても、その審議の中で、ある議員からは拡大するべきだというふうな反対の意見も出ることもありますし、逆に継続というふうに評価されても、これは縮小するべきだ、もしくは廃止するべきだというような議論をされるのがこの決算委員会の場だと私は認識をしております。
そういうような審議を通じて、その中で理事者側もしくは区長がどのように判断をしていくのか、そして、その判断をした結果として予算編成に反映されていくというのが、私の板橋区議会での経験では、そのような仕組みになっておりました。
また、私が区議会の時代に視察に行かせていただいた多摩市の市議会では、議会自体が幾つかの事務事業を抽出して、それを決算審議に合わせて事業評価をするという、議会自体が事務事業の評価をするという議会もあります。それは、会派が違えば、当然評価も結果も変わってくるわけですけど、それは会派ごとに評価をされて、そしてそれを議会での審議の中で使われるということであります。議会による事業評価は、議会のチェック機能を補完するという意味で、行政内部で行う自己評価的なものとは異なった視点での評価として、意味がある取り組みだと考えております。
しかし、こういった取り組みも、評価対象が膨大な事務事業、数がたくさんありますので、その一部に限定されるというやむを得ない状況もありますし、作業負担が大きいことから、ややもすれば形骸化してしまうということもあるかと思います。
都は、平成十八年度まで行ってきた事業評価という取り組みがあったわけですけど、これを抜本的に見直して、所管が、知事本局が今までやっていた事業評価を財務局に移管されて、事業評価の予算編成のツール的に今は使われていると思っておりますが、そこで、都の事業評価の仕組みと評価に至るプロセスについて、これまでどのように変化、進化させてきたのかをお伺いいたします。
○中井財務局長 現在の都の事業評価は、二次にわたる財政再建推進プランに基づいて集中的に実施してきた事業見直しの成果を踏まえ、自己改革の取り組みを継続していく仕組みとして再構築したものでございます。
具体的には、各局と財務局が連携しながら、都が直接実施する事業だけでなく、監理団体等を通じて実施している事業や特別会計なども含めた全ての事業について、予算編成の一環として、きめ細かく事後検証を行い、評価結果を次年度の予算に的確に反映しております。
また、より多面的な検証を行うため、施設整備や情報システムに関する評価、監査結果に基づく見直しなどについては、専門性やノウハウを有する部署とも連携を強化するなど、評価プロセスの不断の改善を図りながら、着実に実績を積み重ねてきております。
さらに、評価結果については、分析手法を共有する観点などからその一部を公表し、さらなる事業の見直しに結びつけているところでございます。
○河野委員 東京都予算案の概要ということで、ことしの平成二十六年二月に出されている予算の概要ですけど、この中に二十五年度の事業評価として出ているわけですけど、本来、私が経験した板橋区議会においては、この事業評価というのが決算のときに間に合うようにつくられていて、そして決算の中でやられるわけですけど、今は東京都のやり方としては予算の方に反映されるということですので、平成二十五年度に行われた事業が、平成二十七年度の予算編成の際に、この予算の概要の中で出てくるということですので、決算委員会では、細かいところについてはやられないで、予算編成のツールとして使われているんだということがわかるわけですけど、その評価結果の公表というのを、都民に対するアカウンタビリティー、いわゆる説明責任を果たすという上で重要でありますが、各局と見直しや評価の視点を共有するということでも、都庁内での自己改革力の向上にもつながるということで、それはそれで評価するべきことであると私は考えております。
また、評価の視点についても、より多面的に評価を行うよう新たな視点を追加しているということは、より質の高い評価につながるものであり、大切なことであります。これから限りある財源を有効に活用しながら、財政サービスの質を向上させていくことが重要であり、そのためには実施した事業の効果をしっかりと検証し、評価した結果を次年度の予算編成、事業執行に反映していくことが不可欠であります。
そこで、決算分析の活用という点から、事業評価を今後一層強化し、施策の質の向上を図っていくことが、今後の都政運営において重要であると考えますが、見解をお伺いします。
○中井財務局長 東京の新しい都市像を具現化し、都民福祉の向上を進めていくためには、施策展開の基盤となる財政対応力を堅持しつつ、現場感覚にかなった実効性の高い施策を積極的に構築していくことが不可欠でございます。そのためには、全ての施策について、決算の状況などを踏まえ制度の根本にまでさかのぼった見直し、再構築を含め、効率性や実効性を一層高めていく必要がございます。
こうしたことから、今年度の事業評価に当たっては、新たな視点として、施設の新築、改築、運営などにおいて、民間の活用を含めた最適な事業運営手法を検討するなど、さらなる評価プロセスの改善を図ることとしております。
今後とも、創意工夫を凝らしながら事業評価のさらなる進化を図ることで、強固な財政基盤を堅持していくとともに、効果的な事業の実施を進めてまいります。
○河野委員 ありがとうございました。私の考えるには、恐らく平成十八年度以前は、事業評価を以前の知事本局が行うことで行政改革的な視点が主であった。そして、施策の見直しというよりも、量的な削減を財政的に強いられていたという時代の中で、そのような形での事業評価がされていたと考えております。また、そのため、行政のスリム化という視点で、行政評価がされていたということです。
しかし、今は量的な削減ではなく、事業一つ一つの実効性や効率性を高めるため、行政サービスの質の向上のために事業評価が活用されているということなんだと理解いたしました。
都は、事業評価を活用する一方、行政内部とは異なる観点から、外部の視点を入れた行政改革を行う取り組みとして、包括外部監査制度を導入しております。この仕組みと成果について、総務局にお伺いいたします。
○中西総務局長 包括外部監査制度は、自治体における監査機能の独立性と専門性の強化を目的として制度化され、都においては平成十一年度から導入しております。外部の公認会計士が、都の事務事業の中から毎年度テーマを選定して監査を行うことに加えまして、都独自の取り組みとして、改善措置に至るまで検証を行うことで、より実効性を高め、成果を上げております。
さらに、監査結果を各局における事務事業の改善につなげるため、包括外部監査データベースを作成し活用しているほか、事業評価にも反映するなど、全庁的な取り組みを展開しております。
今後とも、包括外部監査制度を効果的に活用し、効率的で質の高い行政運営を実現してまいります。
○河野委員 包括外部監査制度を事務事業の改善に生かし、効率的、効果的な行政運営につなげる取り組みを進めていくと理解いたしました。
都は、みずからが実施し、みずからの自己改革力を高める取り組みである事業評価を今後も強化していくとともに、外部の視点から事業を評価する包括外部監査制度も今後も有効に活用しながら、都の事務事業の一層の改善につながることを期待いたしております。
また、この決算特別委員会においても、そのような自治体での取り組みとして事業評価を取り入れての決算の審議をされているということもありますので、今後の課題なのかなというふうに思いながら、次の質問に移らせていただきたいと思います。
次に、防災対策について何点かお伺いいたします。
本年九月、長野県、岐阜県にまたがる御嶽山が噴火し、戦後最悪となる被害が発生いたしました。亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げるとともに、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。
日本には百十もの活火山があり、その二割、二十一火山が東京の島しょ地域にあります。昨年十一月に噴火した西之島もその一つでありますが、西之島のような無人島や海底火山もあるので、二十一火山のうち、一般住民が居住をしている火山は八島となります。
今回の平成二十五年度決算でも、火山噴火等に関する調査研究費等が計上されておりますが、まず、一般住民が居住している八島の現在の火山の活動状況と、平成二十五年度は、都はどのように火山対策を行ったのかをお伺いいたしたいと思います。
○中西総務局長 八島の火山のうち、過去百年間で噴火したのは大島と三宅島でございますが、今すぐに居住地域に影響を及ぼすような噴火が発生する兆候は、現在見られておりません。その他の六島についても特段の変化はなく、静穏に経過しております。
平成二十五年度の火山対策でございますが、気象庁等と連携して、都も必要な観測機器を設置しており、非常勤職員の防災専門員である火山専門家の助言、指導を受けながら、収集したデータを分析するとともに、隔年で行っております三宅島の水準測量も実施いたしました。加えて、噴火後降雨時に発生する可能性がある泥流や土石流対策としての砂防施設の整備も進めております。
引き続き、ソフト、ハード両面で火山対策を推進してまいります。
○河野委員 今回の御嶽山の水蒸気爆発のように、予知することが困難である場合もあるものの、しっかりとした観測体制を整備するなど、火山活動が穏やかな時期に対策を進めることが重要だと考えております。引き続き取り組んでいただきたいと思います。
一方、気になるのは地元町村の対策です。内閣府の調査によると、都内の一般住民が居住している常時観測火山六島のうち、避難計画まで整備されているのは大島のみ。三宅島は避難計画はなく、そのほかの島では、避難計画等は策定していないということです。近年、噴火がないことから、策定しない島もあるとは思いますが、活火山であるである以上、いつ噴火するかはわかりません。
そこで、今後、避難計画の策定など、火山対策をより進めていくためにどのような取り組みをされるのか、お伺いいたします。
○中西総務局長 数百年、島によっては千年以上噴火がない火山もあり、避難計画等が策定されていない町村がございます。
しかし、今回噴火した御嶽山が昭和五十四年に有史以降初めて噴火したように、噴火の記録がない火山が活動を再開する場合もあり、大島、三宅島以外の四島も含めて対策を進める必要がございます。
そこで、都では、国や町村などの関係機関や火山専門家等を構成員といたします、仮称でございますが、伊豆小笠原火山防災協議会を今年度設置する予定でございます。協議会におきまして、噴火シナリオや火山ハザードマップ、避難計画の検討などを行い、町村の火山対策を積極的に支援してまいります。
今後とも、地元町村と連携しながら火山対策を推進してまいります。
○河野委員 新たに設置する協議会を活用し、火山対策の充実強化に努めていただきたいと思います。
経済活性化については割愛させていただきまして、私の質問を終わります。
○田中委員長 河野ゆうき委員の発言は終わりました。
神野次郎委員の発言を許します。
○神野委員 最初に、私立高校生の留学支援について伺います。
我が党の要望に応え、都は昨年度から、私立高校生に対する留学支援策を開始しました。都内の私立高校では、既に多くの学校が留学制度を持ち、それぞれの建学の精神や教育理念に基づいて、海外の教育機関との連携など独自の取り組みを行っていますが、長期の留学については、その効果が高いとされながらも、保護者の経済的な負担が重いなどの理由で取り組みが進みにくい面がありました。
そうした中、長期留学を対象とする都独自の支援は、各校が行うグローバル人材の育成に係る取り組みを大きく後押しするものとして期待しています。
そこで、まず、私立高校生に対する留学補助制度の概要と、補助を開始した平成二十五年度の実績について伺います。
○小林生活文化局長 昨年度創設した私立高校生の海外留学支援事業は、豊かな国際感覚の醸成や語学力の習得等に効果が高いとされている三カ月以上の長期的な留学を対象とするものであり、保護者の負担を軽減するとともに、各学校が留学に取り組みやすい環境を整えることを目的としております。
留学期間に合わせて補助単価を設定し、一年間の場合には百五十万円補助を行い、以下同様に、おおむね六カ月の場合は七十五万円、おおむね三カ月の場合は五十万円を補助しております。
平成二十五年度は、四十校百七十七人の高校生が本制度を活用いたしました。このうち九校は、海外留学制度を新たに創設したり、留学期間を長期に拡充するなどの取り組みを行っておりまして、各学校における留学制度の充実が図られていると認識をしております。
○神野委員 留学期間が複数設定されていることから、各学校が従前からの取り組みを生かした留学プログラムを設定しやすい点など、本制度は、現場の実態を踏まえた適切なものであると評価をいたします。
各学校において海外留学制度を創設するに当たって、留学する学校をどこにするかを決めるために情報収集するところから始まり、そこから候補先を絞り、さらには現地に出向いて交渉するなど、多岐にわたる作業が必要になりますが、そうした中、この補助制度を契機として長期留学の制度を創設した学校が九校あるというのは、初年度としては大きな成果であると考えます。
一方で、四億の予算を確保した中、初年度とはいえ、執行率が三四・五%と低いことはまことに残念です。そこで、この留学推進のための補助制度が一層活用されるよう、都はどのような取り組みを行っているのかを伺います。
○小林生活文化局長 私学団体や学校現場の先生方からは、昨年度より留学人数を拡大したいという声や、この補助制度を利用した長期留学制度の創設を検討しているとの声をいただくなど、本制度に対しまして、グローバル教育に取り組む私立高校からは高い関心が寄せられております。
補助制度の利用に当たりましては、年に二回申請を受け付けるということとしておりますが、本年七月に行った第一回の受け付けでは、昨年度と比較し二倍を超える人数の申請があり、今年度はより多くの学校にこの制度が活用されるものと考えております。
今後も、さまざまな機会を捉えまして補助制度の周知を行うとともに、私学団体等のご意見を伺いながら、さらに使いやすい制度となるよう工夫をし、より多くの東京の私立高校生が世界を舞台に活躍する国際感覚豊かな人材に成長できるよう支援を行ってまいります。
○神野委員 今後、多くの私立高校がこの制度を活用し、留学する意欲のある高校生が一人でも多く海外に旅立ち、語学の習得だけではなく、留学先のさまざまな文化や価値観に触れることで、グローバルな人材に成長することを大いに期待いたします。そのためにも、多くの私立高校がこの制度を活用できるよう、学校現場の意見を十分に聞きながら、制度の充実と普及に向けた取り組みを進めていただくよう要望いたします。
次に、都立高校生の留学支援について伺います。
都立高校生の留学支援としては、都教育委員会が独自の高校生海外留学プログラムである次世代リーダー育成道場を実施しています。このプログラムは、都立高校全体を対象としているため、国内での事前研修や留学先での特別プログラムの実施など、スケールメリットを生かした取り組みが行われています。
そこで、次世代リーダー育成道場のこれまでの取り組みとその成果について伺います。
○比留間教育長 次世代リーダー育成道場は、平成二十四年度に事業を開始し、一期生百五十人が留学を終えております。平成二十五年度の二期生からは、二百人が一年間の留学を行っております。生徒は、それぞれ異なる現地の高校に在籍をし、現地生徒と同じ授業を受けるほか、大学の講義を受講したりボランティアに励むなど、ホームステイをしながら、日本と異なる厳しい環境の中でさまざまなことに挑戦をしております。
これらのことを通じて、生徒は多様な文化や価値観を理解するとともに、英検準一級程度の高い英語力や、みずからの考えを臆せず主張できる積極性を磨いております。また、将来、国際機関で働くことや海外で医療の仕事につくことを目標とするなど、国際貢献への意欲も高めております。
○神野委員 次世代リーダー育成道場の取り組みを通じて、留学生が充実した留学経験を得られていることがわかりました。今後は、次世代リーダー育成道場の成果を、中高校生や保護者等に広く普及啓発するなど、海外留学への機運を一層高める取り組みを進めていただきたいと思います。
私立高校生を対象とした多様性のある留学制度の補助への取り組みと、都立高校生を対象としたスケールメリットを生かした次世代リーダー育成道場への取り組みの双方が、それぞれの特徴に合った成果を上げ、世界で一番の都市東京を支える若者が育成されることを期待します。
次に、高齢者施策について伺います。
都は、現在、平成二十七年度からの三カ年を期間とする第六期東京都高齢者保健福祉計画の策定を進めていますが、今回の計画改定では、いわゆる団塊の世代が七十五歳以上の後期高齢者となる二〇二五年度、平成三十七年度を見据え、計画を策定することが求められています。
先般、都が発表した長期ビジョンの中間報告では、十年後の政策目標として、特別養護老人ホームについては定員約五万五千から六万人分、認知症高齢者グループホームについては定員約二万から二万三千人とする案が示されました。
そこで、介護基盤整備の中でも、長期ビジョンの中間報告に挙げている特別養護老人ホームと認知症高齢者グループホームについて、現在の整備状況と取り組みについて伺います。
○梶原福祉保健局長 平成二十五年度末現在、特別養護老人ホームは、第五期東京都高齢者保健福祉計画で定めました必要入所定員総数四万三千四十六人に対し、実績は四万一千三百四十人、達成率は九六・〇%であり、認知症高齢者グループホームは、利用者数見込み八千九百五十五人に対し、実績は八千五百八十二人で、達成率は九五・八%となっております。
都はこれまで、特別養護老人ホームの整備率が低い地域の補助単価を最高で一・五倍に加算するほか、都有地の減額貸し付け、定期借地権の一時金への補助など、都独自の支援を実施しており、今年度は都有地貸付料の減額率を拡大するとともに、国有地、民有地の借地料補助等の新たな支援策を創設いたしました。
今年度策定する第六期高齢者保健福祉計画では、特別養護老人ホーム等を含む全ての介護サービスについて、中長期的な視点から新たな整備目標を定めることとしており、今後とも積極的に介護基盤の整備を進めてまいります。
○神野委員 特別養護老人ホームや認知症高齢者グループホームの整備がおおむね計画どおりに進んでいる中、都が整備に係る補助制度を拡充し、さらなる施設整備に向け、積極的に取り組んでいる姿勢がよくわかりました。
昨今の建築コストの高騰の影響を受け、老人福祉施設の建築費も、昨年来上昇しておりますが、今後の高齢者人口の増加を考えますと、現在の整備ペースを維持、もしくはさらに加速する必要があります。そのためにも、こうした建築費上昇に対する適切な対応をお願いしたいと思います。
今後の超高齢化社会を乗り越えていくためには、在宅サービス、施設サービスなどのサービス基盤をバランスよく整備し、高齢者が住みなれた地域で安心して暮らしていけるよう、医療や介護など、必要なサービスを切れ目なく提供する地域包括ケアシステムの構築が必要となります。
都は、地域包括ケアを支える小規模多機能型居宅介護などの地域密着型サービスを拡充するため、地域密着型サービス等重点整備事業を実施しておりますが、この事業の過去三カ年の実績と現在の取り組みについて伺います。
○梶原福祉保健局長 地域包括ケアシステムを構築するためには、小規模多機能型居宅介護を初めとした、区市町村が指定する地域密着型サービスの整備を促進する必要がございます。そのため、都は、小規模多機能型居宅介護、小規模特養等の整備に当たりまして、介護基盤緊急整備等臨時特例基金に加え、施設の定員数に応じた都独自の補助である地域密着型サービス等重点整備事業を実施してございます。
本事業の過去三カ年の補助実績は、平成二十三年度が十三カ所で四千七百万円、平成二十四年度は十三カ所で五千百万円、平成二十五年度は二十一カ所で一億五千九百万円となっております。
今年度は、区市町村における整備が一層進むよう、都の補助率を二分の一から四分の三に引き上げており、今後とも、地域包括ケアを支える地域密着型サービスの整備促進に取り組んでまいります。
○神野委員 地域密着型サービス等重点整備事業における平成二十五年度の補助実績は、過去二年間の三倍以上となっており、平成二十六年度においては、市区町村の財政負担を軽減するなど、より使いやすい補助制度となっていることから、今後のさらなる整備促進が期待されます。
都は引き続き、介護保険の保険者である市区町村と連携し、地域包括ケアシステムの充実に向けて、介護サービス基盤のより一層の整備促進に取り組むことを要望いたします。
今月、十一月は児童虐待防止推進月間でございます。私も、児童虐待がなくなってほしいという気持ちで、このオレンジのリボンをしておりますが、次に、児童虐待対策について伺います。
児童虐待の相談件数は、全国的に増加し続けており、先日、厚生労働省が発表した平成二十五年度の全国の児童相談所における相談対応件数は七万件を突破しました。都の児童相談所においても、同様に増加の一途をたどっており、平成二十五年度に対応した相談件数は、前年比一三%増の五千四百十四件となりました。
児童虐待の相談件数が増加する状況にあっても、児童相談所は、子供の最善の利益を守るために適切に対応していかなければなりません。そこで、これまでの児童相談所の体制強化について伺います。
○梶原福祉保健局長 都はこれまで、深刻化する児童虐待に迅速かつ的確に対応するため、児童福祉司や児童心理司の増員、虐待対策班の設置、保健師の資格を有する医療連携専門員の配置など、児童相談所の体制強化に取り組んでまいりました。
平成二十五年度は、虐待相談の中核を担う児童福祉司を十三名増員するとともに、演習型研修や個別指導などにより、新任職員の援助技術の向上を支援する児童福祉司OBを新たに配置いたしました。また、急増する一時保護需要に対応するため、一時保護所の定員を二十四名分ふやしました。
さらに、今年度は、子供や保護者に、よりきめ細かな心理的ケアが行えるよう、児童心理司を十三名増員いたしますとともに、昨年度配置いたしました児童福祉司OBも増員しておりまして、今後とも、児童相談所のより一層の体制強化に努めてまいります。
○神野委員 児童虐待に適切に対応するために、児童福祉司の増員や一時保護所の定員増など、都が児童相談所の体制強化に積極的に取り組んでいることがよくわかりました。
児童虐待は、その被害者となる児童にとっては、この上なく理不尽なことです。そのような行為の撲滅のために、都には引き続き、より一層の体制強化に取り組んでいただくことを強く要望し、次の質問に移ります。
平成二十五年度は、オリンピック・パラリンピック招致が実現した記念すべき年となりました。関係者の長きにわたる苦労はもとより、都民、国民の熱意が招致に向けて盛り上がっていったことが、成功の大きな要因の一つになったと考えます。
さらに、本委員会で強調すべき点として、二〇二〇年招致に要した都の経費が、前回招致と比較して半減しているといった点が挙げられます。こうした点も踏まえ、改めて都の招致活動の総括について伺います。
○中嶋オリンピック・パラリンピック準備局長
二〇二〇年招致に向けた機運醸成の取り組みは、都議会を初め、国、全国自治体、経済界、スポーツ界などと密接に連携し、オールジャパン体制で展開してまいりました。二〇一二年ロンドン大会での日本人選手の活躍などの追い風もあり、平成二十五年三月時点での国内支持率は、七〇%にまで高まるに至りました。
また、今回の招致活動は、開催計画、国内機運醸成、国際招致活動など全てにわたり、前回の招致活動による経験やノウハウを最大限継承、活用いたしました。中でも国際会議でのプレゼンテーションは、IOC総会に向け、計画面の優位性を強調する内容から、徐々に招致にかける情熱を前面に押し出していく内容とするなど、国際招致活動全体を見据えた戦略的取り組みを展開いたしました。
このように、招致活動を効果的、効率的に推進してきたことで、今回招致に要しました都の経費も、前回招致に比べ大幅な削減を図ることができたと考えております。
○神野委員 今回の招致活動においては、前回の招致活動の経験やノウハウが継承され、生かされたことが、成功につながったことがわかりました。
さて、平成二十五年度は、九月の開催都市決定を受け、大会開催に向けて新たなスタートを切った年でもあります。大会準備として、これまでどのような取り組みを行ってきたのかを伺います。
○中嶋オリンピック・パラリンピック準備局長 都は、開催都市決定後の九月より、直ちに大会開催に向け準備をスタートいたしました。
まず、庁内各局で構成する大会実施準備会議を設置し、全庁挙げて大会準備に取り組む体制を整備いたしました。本年一月には、JOCとともに大会運営の主体となる大会組織委員会を設立し、特に重要な事項について調整を図る調整会議に、知事が大会組織委員会や国、スポーツ界の代表とともに参画しております。また、大会組織委員会の副会長に副知事が就任したほか、事務局へ職員派遣を行うなど、支援の体制を整えてまいりました。
こうした体制のもと、IOC、IPCによるオリエンテーションセミナーやソチ大会のオブザーバープログラムに参加するなど、現場視察と合わせて大会運営準備に関する貴重な知見を得ました。
このように大会組織委員会と緊密に連携し、IOCなどとも積極的に調整を図りながら、大会開催に向けた準備を着実に進めております。
○神野委員 大会開催に向けた準備が着実に進んでいることがわかりました。都民、国民の期待に応え、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックを史上最高の大会にするため、引き続き全力で取り組んでいただくことをお願いし、私の質問を終わります。
○田中委員長 神野次郎委員の発言は終わりました。
橘正剛副委員長の発言を許します。
○橘委員 平成二十五年度の各事業会計の決算審査に当たりまして、都議会公明党を代表いたしまして、全局質疑を行いたいと思います。
初めに、平成二十五年度決算を踏まえた財政運営について質問いたします。
平成二十五年度決算は、堅調な国内需要に支えられた企業収益の改善を背景に、法人二税が伸びるなど、都税収入は前年度と比べると約二千八百億円増加し、二年連続で増収となっております。財務局が公表した年次財務報告書の財務指標を見ましても、経常収支比率が五年ぶりに八〇%台まで改善されたほか、財政健全化法に基づく健全化判断比率についても、改善努力が必要とされる基準を大きくクリアしております。結果として、財政面における一定の健全性を維持していると受けとめていいかと思います。
しかしながら、都税収入の大半を占める法人二税は、景気の変動に大きく影響を受けやすい構造がございます。リーマンショック直後に税収の大幅な減があったように、これは都の財政構造を如実に示しているものと思います。
加えて、都の貴重な財源を奪う地方法人課税の不合理な見直しや、法人実効税率の引き下げによる税収の減少の可能性が懸念される上に、今後、社会保障関係費や社会資本ストックの維持更新経費を初め、膨大な財政需要を抱えているのが都の財政状況であると認識しております。
厳しい財政状況に対し、都はこれまで、我が党と力を合わせて職員定数の削減や、さまざまな経費削減などの行政改革を国に先んじて断行してまいりました。こうした節減、都民の税金を大切に使うという姿勢は、これからも堅持しなければならないということは当然でございます。
しかしながら、切り詰めるだけの行政改革だけでは、政策、施策、発想が萎縮してしまいます。これによって、夢のある政策であるとかアイデアがなかなか出てこない、そうした欠点も内包しているわけであります。また、国際都市間の競争にも勝ち抜くことができないと私は思います。
こうした状況を踏まえますと、政策展開を支える安定した財源をしっかり確保する方策、これも必要であります。同時に、将来の税収につながるような施策に対する予算の効率的、効果的投資、これは同じ政策を打っていくからには、必ず将来的には税収としてはね返ってくる、そして生かされる。そういったやり方がこれから大事になってくる。これが、やっぱり安定する一つの方策だと私は考えております。そしてまた同時に、事業評価制度の一層の活用を広めていく、進めていく、これもまた大事であります。
私は今申し上げましたけれども、この点についての見解を伺う。またあわせて、こうした観点での新規事業として、平成二十五年度はどのような取り組みを行ったのか伺いたいと思います。
○中井財務局長 自立した財政運営が求められる都にとって、安定した財源の確保は極めて重要でございます。地方税を初めとする財源は、地域振興や企業誘致などを通じて、自治体みずからの努力で確保していくことが求められており、都はこれまでも、こうした視点を持ちながら、税源の涵養に努めてきたところでございます。
今後も、中小企業対策や観光振興などの経済活性化策を積極的に展開するとともに、社会資本整備などの経済波及効果の高い取り組みに対しても、適切に財源を投入してまいります。あわせて、事業評価制度を活用し、施策の効率性や実効性を向上させることで、自己改革を通じた財源確保にも引き続き精力的に取り組んでまいります。
なお、平成二十五年度に実施した新規事業としては、都内での創業を支援するインキュベーションHUB推進プロジェクトや、外国人観光客の誘致に向けた成長開拓市場における観光プロモーションなどがございます。
○橘委員 もう一点、将来の安定した収入確保のために大事なことは、都有地の利活用による財産収入の確保という視点、これが大事だと私は思います。都有地活用の方針として、都は、財政再建時には売却中心で行ってまいりました。しかし、現在は、都が直面する喫緊の課題への対応のために、施策連動型の利活用を進めているとのことでございます。
また、都心の大規模用地などは、一度売却すると将来の再取得が難しいために、都として現時点で利用予定がなくても、将来の行政需要を勘案して長期貸付等で利活用し、都の施策の推進と貸し付けによる収入確保の両立を図っていくとの取り組みを行っていると聞いております。
都が、将来の行政需要に備えて確保している都心の大規模用地については、民間事業者にとっても利用価値が高い土地であります。こうした土地については、一時貸しのような短期的な利活用だけではなくて、長期的な利活用による収入確保が可能ではないかと思います。こういう手法も、これからどんどん進めていってはどうかと思います。
例えば、民間事業者に公共に対する貢献などのアイデアを競わせて、都の施策の推進に活用していくことによって都有財産の価値を最大限に発揮させまして、同時に、都財政の長期的、安定的な収入確保の一助になるのではないかとも考えております。
そうした観点から、平成二十五年度の未利用地の活用による貸付料収入の状況と、都施策に連動した長期貸付についての取り組みについて伺います。
○中井財務局長 都有地は、都民から負託を受けた貴重な財産であり、その有効活用は極めて重要でございます。都有地の有効活用を図るため、財務局所管の未利用地三百三十二件のうち、百二十三件で暫定利用を行っており、平成二十五年度は約二十七億円の貸付料収入を確保いたしました。
都心地域の大規模都有地については、施策連動型の都有地活用として、都市整備局と連携し、渋谷区宮下町地区及び港区竹芝地区で都市再生ステップアップ・プロジェクトを実施しております。
具体的には、定期借地により財産収入の確保を図るとともに、民間事業者からまちづくりの経験を踏まえた多彩な提案を公募し、選定された事業者が、まちづくりガイドラインに沿った地域にふさわしい個性と魅力を備えた拠点の形成を進めていく予定であります。
今後とも、都心に残された貴重な都有地については、民間事業者のアイデアを最大限活用できる公募提案型の定期借地を進めるなど、都施策の推進と財産収入の確保の両立を図ってまいります。
○橘委員 都の施策の推進、それからこの行政目的を果たす、それから財産収入も同時に確保する、これはなかなか難しいようでありますけれども、こういった財産収入に結びつけるというものは、民間でもかなりノウハウを持っているようでございます。
私たちも視察、調査等でそういったノウハウをさまざま聞いていまして、そしてまた東京都と連動することによって大きく税収にもつながる、そういったアイデアもたくさん聞いてまいりました。これは折々にまた提案させていただきたいと思いますけれども、これをまた皆様方が察知しまして、そしてそれを具体化していく、こういった取り組みを積極的にやっていただきたいと思います。
次に、都の発注する工事の入札契約について質問いたします。
東日本大震災の復興需要に加えまして、大都市における民間工事も増加する中、建設資材価格の上昇や現場の技術者の不足など、昨今の公共事業を取り巻く状況は依然として厳しいものがございます。
昨年の第四回定例会の我が党の代表質問で、工事の入札不調の原因の一つである主任技術者の専任配置義務を緩和するよう主張いたしました。その際、都からは、緩和に向けて検討していく旨の答弁がございまして、本年四月から実施しているとのことでございます。迅速であるこの対応については、評価したいと思います。
このほかにも、入札不調の要因が多々ございますけれども、資材や労務単価の上昇に伴う予定価格と実勢価格の乖離、これも大きな不調の要因となっております。
そこで、まず、都は単価の定期的な見直しや臨時の見直しを行い、実勢価格を反映するよう努めているとのことでございますけれども、平成二十五年度において著しい価格変動に対応するために行った主な取り組みについて伺います。
○中井財務局長 予定価格の設定に当たっては、実際の施工条件を反映した積算を行うとともに、市場の状況に即した単価を用いることが重要でございます。このため、積算単価については、四半期ごとに年四回定期改正を行うとともに、さらに主要な資材等については、価格動向を定期的に把握し、適時適切に単価の改定を行っているところでございます。
加えて、例年、年度当初の四月に見直しを行う公共工事設計労務単価についても、昨年度においては二月に前倒しして見直しを行い、二月に起工決定する案件から適用をいたしました。
さらに、見直し前の設計労務単価で起工決定済みの案件についても、二月以降に契約となったものについては、受注者が改正した設計労務単価への契約変更を請求できる特例措置を講じるとともに、請求に応じ適切に対応をしたところでございます。
○橘委員 この設計労務単価の見直しは、賃金等の急激な変動の反映でありまして、国におきましては、太田国土交通大臣のリーダーシップのもとに、通常、毎年四月の単価改正をしておりますけれども、これを二カ月も前倒ししました。異例の措置だったと認識しておりますし、国の動きに合わせて都も迅速に対応したことは、これは大きく評価したいと思います。
ただ、新たに発注する工事につきましては、設計労務単価を前倒しして見直すことで受注者の負担を回避できるわけですけれども、既に契約して工事を開始している案件に対しても、価格上昇の影響があるわけでございまして、これらについても物価変動への十分な対応が必要になるわけであります。
そこで、我が党は、本年三月の予算特別委員会総括質疑におきまして、契約後の労務費の上昇を適切に契約金額に反映させるとともに、建設技術者の処遇改善を図るために、これもまた異例中の異例な取り組みでありますけれども、インフレスライド条項の適用を要請いたしました。
これに対し、都として初めて適用となるインフレスライド条項について速やかに対応することとしたとの答弁がございましたけれども、どのような対応を行ったのか、その状況も含めてお伺いします。
○中井財務局長 インフレスライド条項は、契約後に賃金または物価水準の急激な変動があり、契約金額が不適当となった場合に変更を行える制度であり、中小企業が請け負う小規模な工事にも適用できるものであります。
平成二十六年二月の設計労務単価の改正に連動し、都は、その時期に施工中の工事に対してインフレスライド条項を適用することとし、改正後の単価に基づく工事金額の上昇分を契約金額に反映いたしました。
手続の詳細については、工事所管部署に説明を行うとともに、内容をホームページに掲載し、事業者への周知を図ったところでございます。その結果、平成二十六年二月から九月までの八カ月間に、約五百五十件の工事で増額変更の手続が行われたことを確認しております。
○橘委員 今回の物価上昇局面における都の対応は、年度末を挟む多忙な時期に重なったにもかかわらず、単価変更の特例措置や、今答弁にございましたように五百五十ものスライド適用を実現しております。これは多くの現場職員の、多忙な時期に重なったその中でもこれをやったということは、職員の奮闘がなければできないことでありまして、本当に評価したいと思いますし、また感謝を申し上げたいと思います。
このような対応、大変だったとは思いますけれども、苦境にある中小企業にとっては非常にありがたいことだと思います。私も、この例をある事業者から聞いたことがありますけれども、この手続がまた大変だということもおっしゃっておりました。しかし、これができるようになって本当にありがたいという、そういう声も同時に伺っております。
契約制度を所管する財務局と工事を所管する各部局が連携することによって、発注者としての都の役割が果たせる、よい事例になったと私は考えております。今後も、不調やその他の問題に対処するために、都は引き続き、入札契約制度の改善に弾力的に、また機動的に取り組んでいただきたいことを要望いたしまして、次のテーマに移ります。
新公会計制度について伺います。
これまで東京都が、国に先駆けて自治体の公会計制度改革を牽引してきたことは周知の事実でございます。制度の運営が軌道に乗ってからは、この制度を広く普及すべく、都は全国の自治体に対し、新しい公会計制度の有効性を説明し、その導入を支援してまいりました。
一方、国はこの間、総務省が複数の公会計モデルを示し、各自治体に財務書類の作成を要請してきましたけれども、いずれのモデルも不十分なところがございまして、全体的に曖昧な対応を続けてきたわけでございます。その結果、各自治体における公会計制度改革への取り組みはなかなか進んでこなかったというのが、これまでの大まかな経緯だという認識を持っております。
しかし、ここに来て国もようやく重い腰を上げまして、都の方式を含め、複数ある公会計基準の統一を図り、来年一月には全自治体に対し、複式簿記による財務書類の作成を要請する予定であるなど、公会計制度改革を求める動きが本格化しているようでございます。
そこで、まず、国における公会計基準の統一に向けた議論の中で、東京都はこれまでどのような対応を行ってきたのか、まず確認しておきたいと思います。
○塚本会計管理局長 都はこれまで、複数の公会計モデルの並立するという状況が、自治体の公会計制度改革を停滞させる要因になっているとして、総務省に対し、全国標準たり得る会計基準を早期に策定するよう要望してまいりました。また、基準の策定に当たっては、企業会計や国際公会計基準の考え方を参考とするなど、地方自治体にとってわかりやすいものとなるよう求めてまいりました。
さらに、総務省が設置しました今後の新地方公会計の推進に関する研究会に大阪府とともに参加し、先行自治体としての実績と経験をもとに、各種の意見を表明してまいりました。およそ三年半にわたる議論を経まして、ことしの四月、研究会報告書において統一的な基準が示されたところでございます。
この基準は、税収の取り扱いや固定資産の評価などにわかりにくい点がいまだ残っているものの、企業会計をベースとし、複式簿記、固定資産台帳整備が必須とされるなど、これまでの総務省の考え方から大きく踏み出し、都方式に近い考え方が採用されたものでございます。
○橘委員 国の考え方も、かつてはかたくなだったわけですけれども、これが東京都と同様に国際標準に近づいてきたことは、望ましいことだと私は思っております。
東京都は、こうした流れの中で、都自身の取り組みに加えまして、大阪府など先行して新公会計制度を導入している自治体とも連携し、全国への都方式の普及に尽力しているわけでございます。
特に、昨年八月に総務省研究会の中間取りまとめが公表されて以降、公会計制度を取り巻く状況が大きく動き始めておりまして、自治体の関心もこれまでになく高まってきたと認識しております。その中で、都は、二十五年度に新公会計制度の普及に向けてどのような取り組みを行い、どういう成果があったのか、この点について伺います。
○塚本会計管理局長 平成二十五年度は、大阪府などと連携して公会計制度改革の最新の到達点を発信するため、東京、大阪でそれぞれセミナーを開催したほか、新たに自治体トップ向けに、新公会計制度導入のメリットを紹介するパンフレットを作成、配布いたしました。
さらに、多くの自治体にとって共通の課題となっている固定資産台帳整備について、都内自治体と共同研究を行い、円滑に作業を進めるための参考書となる固定資産台帳整備の基本手順を公表いたしました。これらの資料は、実際に制度を運用しているからこそ持ち得る経験やノウハウを示しており、具体的かつリアリティーある内容で、多くの自治体から好評を博しております。
また、各自治体の関心が高まりつつある中、県議会や市議会、自治体職員などを中心に、三十回余りの視察の受け入れや説明会の開催を行ったところでございます。
昨年度に実施した、こうした取り組みが功を奏し、新たに福島県郡山市と東京都荒川区が都方式の導入を決定し、都方式採用団体は十団体と、着実に増加しております。
○橘委員 財政の見える化に資するものでございまして、これは東京都がまずスタートした制度でございますけれども、これが地方に波及していくということは、全国に対する東京都の大きな貢献にもつながると思いますので、行財政運営に有効に活用できる有意義な取り組みを、全国自治体に粘り強く取り組んでいただきたいと思います。理解されるまでは、やっぱり時間がかかるケースも多々あるようでございます。
視察、調査もかなり東京都に来ているようですけど、その方たちに聞いても、やはり難しい点もある。では、現実に我が市では、我が県ではどうなのかという、そういった声もありますけれども、そういった不安を、丁寧に解説することによって、これは見える化に資するものでございますので、粘り強く説明して普及を図っていただきたいと思います。
次に、街路樹百万本計画に関連しまして、マイ・ツリー事業について質問いたします。
東京都は、平成十七年度に、その当時、街路樹は四十八万本であった。これを平成二十七年度末までに、国道、都道、区市町村道を合わせた都内の街路樹を百万本にするという計画を推進してまいりました。現在もこれは進行中でございます。
緑あふれる東京を目指し、グリーンロードネットワークを充実させる取り組みというこの事業については、目標をまず明確にしていること、百万本にするという、期限を区切っていること。これは、ただ単に植えるだけではなくて、高木と高木の間に中木を植えるという、こんな工夫もしている。そしてまた、既存の樹木を伐採することなくやっている。いろんなアイデアと工夫が凝らされた取り組みだと私は評価しております。
まず、この計画のこれまでの実績と今後の取り組みについて伺っておきたいと思います。
○横溝東京都技監 街路樹百万本計画では、季節感あふれる道路空間を創出するため、新設道路への街路樹の植栽に加え、既存の道路において、高木と高木との間に、花や実をつける中木を植栽することなどを進めてまいりました。これによりまして、国や都、区市町村道を含めた東京の街路樹は、平成十七年度末に四十八万本でございましたが、平成二十五年度末までには八十九万本まで増加しております。
引き続き着実に事業を推進し、平成二十七年度末までには都内の街路樹百万本を達成いたします。
○橘委員 八十九万本まで来まして、二十七年度末までには達成しますという技監の力強い決意がございました。
この街路樹の百万本植栽事業におきましては、東京都は、都民等から植栽用の寄附をいただいたマイ・ツリー事業もあわせて行っております。あわせてというよりも、事業の一環として取り組んでいるわけでございます。この取り組みについては、平成十九年の環境・建設委員会の事務事業質疑におきまして、私がこれを提案させていただきました。これがきっかけになったと私は認識しております。
なぜそれを取り上げたかといいますと、東京は集合住宅が非常に多い。そして、戸建てであっても庭のないお宅もたくさんあります。この記念植樹、樹木を百万本にしていくという取り組みの中で、ただ単に都の予算を投入して百万本になったというよりも、都民が本当に喜んで参加しまして、そしてそこに街路樹の百万本が達成できた、こういった取り組みは意義があるのではないかという、そういう発想から始まりまして、そしてそういった住宅事情もございまして、その中には、お子さんの誕生祝いであるとか、お孫さんの誕生祝い、それから入学祝いであるとか、結婚祝いもあるでしょう、そういったものを記念植樹としてできる、そんな意義づけと百万本植樹計画、この二つを連動させた取り組みをしてはどうかという、そんな趣旨で提案をさせていただきました。
そして、マイ・ツリー、私の木ということでありますけれども、寄附者の思いを込めたメッセージ入りのプレートが設置されまして、このマイ・ツリーというのも私が提案したわけじゃなくて、これは局が考えてくださったネーミングでありますけれども、非常に私はいいなと思いました。
実際に、都道の至るところにこれが設置されておりまして、私も幾つかの箇所を見に行きました。その中には、もう本当にじいんとくる言葉が、誰々の幸せのためにであるとか、それから自分のお孫さんの誕生祝いにとか、それからこの地域の発展のためにとか、そういった思いが込められたメッセージがプレートに書かれておりまして、そして寄附した自分の名前が書かれている。これは、皆さんも見るとわかりますけれども、樹木の葉っぱに隠れましてちょっと見えにくい部分というのはあるんですけれども、じっくり見ますと、本当に思いが全部込められた樹木、そしてそこに都民の願いも込められている。そんなじいんとくるものがございますので、ぜひ見ていただきたいと思います。
このマイ・ツリー事業につきましては、いろいろ好評というのは聞いておりますけれども、これまでの応募実績について、まず伺っておきたいと思います。
○横溝東京都技監 マイ・ツリー事業は、都民、企業などから寄附をいただき、都市公園など緑の拠点を街路樹で結ぶグリーンロードネットワークの形成、充実を図るものでございます。都民参加型の事業として、都道や街路樹に対する都民等の関心や愛着を増進する上で大きな役割を果たしております。
寄附をしていただく方の中には、毎年欠かさず応募していただける方ですとか、一度にまとまった本数の応募をしていただける方もおられるほか、社会貢献活動の一環として応募していただく企業もございます。
このような中で、平成二十年度から平成二十五年度末までの六年間で、高木、中木、合わせて五千本を超える応募をいただいておりまして、平成二十七年度に事業を完了する予定でございます。
○橘委員 このマイ・ツリー事業につきましては、都民等から多くの寄附をいただきまして、一定の成果を上げてきたと私は思っております。
しかし、平成二十七年度に終了するというのはちょっと残念な気がいたします。かといって、二百万本計画にしろといったら、そんなに植えるところがあるのかという、そういった課題もありますので無理なことは申し上げませんけれども、この趣旨は生かしていただきたい。そしてまた東京の緑をふやす、それからグリーンロードを広げる、こういったものにこの趣旨を生かしていただきたいなと思います。
そこで、一つ提案をさせていただきたいのでありますけれども、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック、この開催に向けまして、これからいろんな都道の改修であるとか、また、新たな都道もつくることもあるかもしれません。そしてまた都立公園など、こういったことも対象にしまして、特にオリンピックを前にして、これから東京で何が行われるかというと、文化プロジェクト、そういうようなものも行われます。道路で行われるイベント、たくさんあるそうです。
ロンドンを例にとりますと、道路で路上パフォーマンスをやるとか、そういうイベントがたくさん開かれたとも聞いております。東京でもそうなるかもしれません。多分なるでしょう。そしてまた、都立公園というのは全国から参集して、そしてそこで文化プロジェクト、スポーツイベント、そういったものを展開する格好の場が、都立公園の広い場所でもあるわけです。
そうしたところに、都民だけではなくて全国からも、この思い出の場所、東京オリンピックにちなんで、私はここでイベントに参加したんだという、そういった思い出を刻むためにも、マイ・ツリーという趣旨を生かした植樹、東京都の緑をふやすという事業に協力する、そういった趣旨で、都道であるとか、また特にこれから都立公園が中心になるかと思いますけれども、そういったものにこのマイ・ツリーの趣旨を生かす、そしてまた募集する。その現在の取り組みを二〇二〇年に向けて拡充していくべき、新たなというよりも、拡充していくべきと私は思いますけれども、見解を伺います。
○横溝東京都技監 都の緑施策に対する都民の理解と協力の機運を高めるためには、寄附をいただきまして、都道や都立公園の緑をふやしたり、ベンチなどを整備していくことは有意義であると考えてございます。
そのため、都ではこれまで、都道でのマイ・ツリー事業、都立公園での桜の森づくり、思い出ベンチ事業などにおきまして、今、副委員長からお話がありましたとおりメッセージプレートを掲示しまして、寄附をいただいた方々の事業への参加意欲を高めてまいりました。
今後とも、都立公園などで都民参加型の緑をふやす取り組みについて、拡充について検討してまいりたいと思います。
○橘委員 もう一点、これは要望にとどめますけれども、オリンピック・パラリンピック準備局長を中心に、各局に共通することでございます。
これから東京都内では、オリンピック競技施設、そこに観客を誘導する通路、そういったものの周辺整備が進んでいくわけでございます。そのときに、当然のことながら殺風景な会場ではなくて、植樹をしたり、緑豊かな会場の設計になっていくと思います。また、そうしなければならないと思います。
そういうところにも、このマイ・ツリーという趣旨を生かしまして、参加団体であるとか、また全国からそこに応援に来た方たちとか、そういったことが自分の記念にということ、世紀の平和の祭典であるオリンピック・パラリンピック、自分もここに来たんだというしるしを、また記念として残すためにも、このマイ・ツリーという趣旨を生かしての平和への願いであるとか、それからオリンピックに対する私の思いであるとか、そういったものをプレートに記すなり何らかの形で残すことによって、そしてそれが同時に、会場周辺の緑につながるという、そういった取り組みもやっていってはどうかと思います。会場周辺、それから通路、いろんなところにこれから必要になってきます。
けれども、これはオリンピックという特殊な大会の性格上、セキュリティーエリアというのも設けなきゃならないそうであります。だから、緑を全部そこに植えられるかというと、そうでもない。そしてまた、プレートという、いざとなったら危険になるかもしれないというものも考慮しなきゃならないという課題も見えてきておりますけれども、ただ単に植えて、いい会場ができ上がった、周辺整備ができ上がったというだけではなくて、都民や国民が参加する形で、平和への思い、オリンピックへの思いがそこにとどめられる。記念植樹の意義を込めた取り組みをやっていただきたいと思いますので、これは要望でございますが、中嶋局長を初め各局に共通する、いろんな局がこれから担当するわけでございますので、そういった取り組みをお願いしたいと思います。要望しておきます。
次に、鉄道連続立体交差事業について質問いたします。
都における連続立体交差事業は、昭和三十年代から始まっております。しかし、都内にはいまだ千カ所以上の踏切が残されております。これらの踏切は、交通渋滞や市街地の分断など、都市の活力の低下を招く要因となっているとともに、緊急、救急活動の妨げにもなっております。こうした踏切問題を解消するために、抜本的な踏切対策である連続立体交差事業を推進することが重要であると思います。
そこで、まず、平成二十五年度までの連続立体交差事業の取り組み状況について伺います。
○横溝東京都技監 連続立体交差事業は、多くの踏切を同時に除却することで道路ネットワークの形成を促進し、交通の円滑化を図るとともに、市街地の一体化による地域の活性化や防災性の向上に資する極めて効果の高い事業でございます。
このため、都は、本事業を積極的に展開してございまして、これまでに都内で四十三事業を実施し、三百八十四カ所の踏切を除却しております。平成二十五年度は、八路線十一カ所で事業を進め、JR南武線矢野口駅付近から府中本町駅間を高架化し、七カ所の踏切を除却いたしました。
また、京急蒲田駅や京成曳舟駅の周辺におきまして、連続立体交差事業と合わせて再開発事業によるまちづくりが進捗するなど、地域の発展にも大きく寄与しております。
○橘委員 私も、都内を車で走ったり、また電車で回ったりしますと、至るところで連続立体交差事業が行われていて、ああ、あそこもそうなんだということが目につくことが多々ございます。
この踏切対策の促進のために、平成十六年に踏切対策基本方針が策定されまして、ここにおいて鉄道立体化の検討対象区間として、二十の区間が選定されました。この二十の区間の事業化に向けた進捗状況について伺います。
○横溝東京都技監 平成二十五年度には、鉄道立体化の検討対象区間二十カ所のうち、京王線笹塚駅から仙川駅間約七キロメートルなど三カ所を事業化いたしました。また、交差する道路の状況や地元のまちづくりへの取り組みなどを勘案し、東武東上線大山駅付近など六区間を事業候補区間に位置づけ、現在、事業範囲や構造形式などの検討を行っております。
引き続き、鉄道事業者や地元区市と連携を図るとともに、必要な財源の確保に努め、新たな事業化に向けて取り組んでまいります。
○橘委員 今答弁にございましたけれども、私の地元である板橋区内を走る東武東上線の大山駅付近というのは、鉄道立体化の検討対象区間でありました。そして、ことし九月に連続立体交差事業の事業候補区間として位置づけられて、ようやく事業化に向けた検討に着手し、めどがつきつつあると、今そういう状況になっております。
この大山駅付近は、平成十六年策定の検討対象区間に指定されましたけれども、具体的な調査が始まる事業候補区間、この指定、今回されましたけれども、ここに来るまでに、これだけで十年かかっているわけですね。ちょうど十年かかっているわけです。この大山駅を連続立体交差化にしてほしいというのは、私の記憶だと、昭和六十年か六十一年ごろから区民の中で機運が盛り上がりましたけれども、今年度ようやく調査に着手したというところにあります。結果的に、ここまでに大体二十数年かかっているわけです。
というふうにして、これをさらに今後、都市計画手続であるとか工事の期間も考えますと、通常の手続でいっても、大体十七、八年から二十年近くかかると。ちょっとトラブルが起きれば二十年以上かかるという、こんなことも考えられます。
そうしますと、今計画をされているところを含めますと、今現在、検討対象区間も含めまして、いつになったらできるかというと、ざっとこれで、私なりに計算していきますと、大体七、八十年とか、百年近くかかるかもしれない。これは大変な長期間を要する事業になるわけです。もっと短縮することも可能ではないか。
特に、地べたを走っている鉄道というのは、巨大な地震、首都直下地震等が発生しますと、先ほどありました交通渋滞でCO2排出であるとか、そういった課題もありますけれども、首都直下地震を想定しますと、地べたを走っている線路というのは、必ず曲がったりします。
そうしますと、必ず電車は立ち往生する。東京都内の電車というのは数珠つなぎに走っておりますので、巨大な地震が発生したと同時に自動停止しますし、線路がその先曲がったりしますと、数珠つなぎに全部それがつながれていく。そうしますと、こちらの側から、線路をまたいでこちらに避難しようとしてもできない。緊急車両もここを通過できない。そして被害が大きくなる、そういったことも重々想定されるわけでございまして、したがって、これは今の計画どおりにいきますとこれぐらいかかりますということではなくて、いかにこれを短縮することができるのか、それをこれから模索していかなきゃならないと私は思います。
東京都の考えているいろいろな条件もわかります。けれども、これからは防災という観点で、命を守るという観点で取り組んでいかなきゃならないと私は考えております。それにつきましては、今一番時間がかかっている地元との調整、これはあくまでも地元中心ではありますけれども、なぜそこで調整に時間がかかっているかというと、どういうふうになるのか、何が課題なのか、それが住民の皆さん、なかなかわからないという点もあるんです。
だから反対意見が出たり、これはこうすべきだとかいろいろ出て、収拾がつかないという事態も私は見てまいりました。そのところに、正確な情報であるとか、東京都としてはこう考えていますとか、ある程度東京都が積極的に関与し、地元任せではなくて、関与して、それによってこれを促進することは可能であると思います。
こういった点を、今までの大山駅の取り組みを見ながら、地元の合意形成というものを促進していく、こういう立場が大事じゃないかと私は思いますけれども、この点についての見解を伺っておきたいと思います。
○安井都市整備局長 連続立体交差事業は、鉄道周辺の交通渋滞や地域分断の解消などにつながることから、沿線まちづくりにつきまして、関係者間の合意形成を円滑に進め、地域の将来像を共有することが、事業の早期実現を図るためにも大変重要でございます。
このため、都は、区市が行うまちづくりの計画に参画いたしまして、既に事業化してきた区間の事例などをもとに、駅周辺の再開発や駅前広場整備など、道路と鉄道のあり方に関する技術的な支援などを行ってまいりました。
今後とも、都は、連続立体交差事業の実現に向けまして、鉄道事業者との連携強化に努めるとともに、区市におけるまちづくりの検討が促進されますよう積極的に働きかけ、支援してまいります。
○田中委員長 橘正剛副委員長の発言は終わりました。
木村基成委員の発言を許します。
○木村委員 初めに、環境エネルギー施策について伺います。
都は、東京都長期ビジョンの中間報告で、太陽光発電を初めとする再生可能エネルギーによる電力利用割合を二〇%に拡大する目標を掲げています。エネルギー自給率が大変に低い我が国にとって、意義のある数値だと思います。
二〇%というこの目標を実現するためには、都内で膨大に存在する住宅ストックの活用が大きなポイントになると思います。都内の住宅に太陽光発電設備の設置を促進することが重要だと考えます。
都は、平成二十一年度から二十四年度まで住宅用の太陽光発電設備の導入に対して補助を行い、太陽光発電の大幅な普及拡大に取り組んできました。これによって約十八万八千キロワットを創出するとともに、太陽光パネルの設置コストの大幅な低下にも寄与しました。
さらに、平成二十五年度には東京ソーラー屋根台帳を整備し、建物の屋根ポテンシャルを見える化する取り組みも開始しています。この屋根台帳は全国初の取り組みであり、評価しますが、実際に活用されることが大切です。
そこで、整備した屋根台帳に対してどのような反応が寄せられているのか、また、太陽光発電の普及拡大に向けて、屋根台帳をどのように活用するのか伺います。
○長谷川環境局長 都は、太陽光発電の普及拡大を図るため、都内の建物ごとの導入ポテンシャルを把握できる東京ソーラー屋根台帳を平成二十六年三月に公開いたしました。これにより、建物所有者や販売事業者が設置可能な発電容量や予測される発電電力量を容易に把握することが可能となり、設置の可否や売電収入の見通しなどの検討に大いに参考になるという声が寄せられております。
都は、この屋根台帳を活用し、建物種別や用途地域ごとの設置可能容量などを集計して、区市町村の施策立案に資するよう提供いたしますとともに、区市町村が屋根台帳を活用して太陽光の普及促進事業を実施する場合に、財政的支援を行っております。
引き続き、都民や事業者向けのセミナーなどあらゆる機会を活用して、屋根台帳の一層の周知に努めますとともに、区市町村とも連携して、太陽光発電の普及拡大につなげてまいります。
○木村委員 これまでの都の取り組みもあって、住宅用の太陽光発電設備の設置コストは、自立的な普及拡大が期待できる水準に低下するなど、太陽光発電の一層の導入拡大が期待されます。引き続き、都は区市町村とも連携し、都民や事業者の動きを先導していくことを要望いたします。
次に、次世代自動車の普及促進について伺います。
東京の大気環境は、ディーゼル車規制などの効果によって大幅に向上しています。一方、都内には、自動車やトラック、バスなど約四百万台もの車両があり、自動車による排ガスやCO2を一層削減するためには、環境性能の高い次世代自動車の普及が重要だと思います。
水素をエネルギー源とする燃料電池自動車は、間もなく販売されると聞いております。大変に夢のあるエネルギー源ですが、普及にはまだ時間がかかるため、既に市販されている電気自動車やプラグインハイブリッド自動車などの普及を促していくことが必要です。
また、電気自動車の普及に不可欠なインフラである充電スタンドについては、ユーザーが電気の切り忘れを気にせず、安心して利用できる環境を整えることも忘れてはなりません。
次世代自動車の普及は、環境先進都市を築いていく上で欠かすことのできない取り組みであり、都のさまざまな施策を通じ、幅広いユーザーに導入が進み始めていると認識していますが、これまでの実績、そして今後の取り組みについて伺います。
○長谷川環境局長 都は、条例に基づく自動車環境管理計画書制度により、三十台以上の自動車を保有する事業者に、ハイブリッドトラックを初めとする低公害で低燃費な車両の計画的導入を促すなど、次世代自動車の幅広い普及に取り組んでおります。
また、中小事業者などを対象に購入への補助を実施しており、平成二十五年度までの補助実績は、電気自動車とプラグインハイブリッド自動車で約千台、ハイブリッドのトラックとバスで約三百六十台となっております。
加えて、充電設備につきましては、国や民間団体による補助制度の補助の前提となります整備計画を平成二十五年六月に策定し、都内で五百六十カ所の設置を目指すこととしております。
今後も、環境先進都市にふさわしい持続可能な環境交通の実現に向けて、多様な取り組みを引き続き実施し、次世代自動車の普及に努めてまいります。
○木村委員 夢と希望がある環境先進都市の実現に向け、都は引き続き、低公害、低燃費などの次世代自動車の普及に向けて取り組んでいくことを要望します。
電気自動車やプラグインハイブリッド自動車は、平時は環境に優しく、燃料コストを抑えられる車として活用できますが、災害時には蓄電池として活用が可能です。自動車に搭載された電池に蓄えられている電気を活用することにより、ピークシフトなどエネルギーマネジメントにも役立つほか、災害時の非常用電源としても活用することが可能となります。
都は、こうした活用可能性も視野に入れ、電気自動車やプラグインハイブリッド自動車の普及拡大に努めるべきだと考えますが、これまでの取り組みの状況と今後の方向性について伺います。
○長谷川環境局長 電気自動車やプラグインハイブリッド自動車は、住宅や事業所との間で電力を融通し合う機器と組み合わせることで、エネルギーマネジメントの実現に寄与するとともに、停電時には建物への電力供給ができることから、災害時の生活確保や事業継続にも資するものでございます。
都は、平成二十五年度からエネルギーマネジメントの普及の一環として、家庭のエネルギー管理機器、HEMSの設置を条件に、ビークル・ツー・ホームシステム等の導入に対する支援を行っております。また、今年度から、中小事業者等による電気自動車等の購入とともに、あわせてビークル・ツー・ビルシステムを購入する場合にも支援を行っております。
今後も、エネルギーマネジメントや災害時の電源としての活用の観点も踏まえながら、電気自動車等の普及拡大に取り組んでまいります。
○木村委員 間もなく世界初となる燃料電池自動車の市場投入が始まるわけですが、燃料電池自動車は、日本の誇る環境技術の結晶であり、クリーンな環境、循環型エネルギーを利用することから、大いに期待をしています。その普及拡大に向け、ぜひとも都が積極的な役割を果たしていただきたいと思います。
また、都は燃料電池自動車以外にも、電気自動車やプラグインハイブリッド自動車の普及促進について継続して取り組み、次世代自動車全体の市場拡大を積極的に誘導していくことを強く要望して、次の質問に移ります。
多摩地域におけるまちづくりについて伺います。
多摩地域では、人口減少社会の到来や高齢化の進展など、今後の社会経済状況の変化による影響を受けることが懸念されています。こうした状況をマイナスの影響としてだけ捉えるのではなく、人口オーナス期における地域社会の持続的発展を可能にする施策が重要になります。
特に、交通の利便性が高く、一定の機能集積がある駅周辺などでは、中心市街地にふさわしい拠点として多様な都市機能を集積するために、市街地再開発事業等を活用し、複合的な開発によって再生していくべきだと考えます。
そこで、多摩地域では、平成二十五年度においてどのような地区で市街地再開発事業が行われ、どのような効果が期待できるのか、また、都の支援状況についてお伺いします。
○安井都市整備局長 平成二十五年度は、府中駅南口第一地区などで再開発ビルが着工されるなど、立川駅、調布駅、国分寺駅を含む四駅周辺で市街地再開発事業が実施されております。
立川駅周辺では、駅の南北をつなぐ西側新自由通路に接続する広場を整備し、来街者の利便性、回遊性を高めるとともに、商業、業務や居住機能の導入により、多摩地域の中核拠点としての機能強化を図ってまいります。
また、府中駅や調布駅、国分寺駅周辺では道路や広場などを整備するとともに、居住、商業、文化、生活サービスなどの機能を導入し、駅を中心とした身近な生活拠点の形成を進めていくこととしております。
引き続き、市や事業者に対しまして、計画段階からの指導助言や財政的支援などを通じまして再開発事業を促進し、誰もが暮らしやすい魅力ある多摩地域の実現に取り組んでまいります。
○木村委員 私の地元、JR中央線の武蔵小金井駅前は、JR中央線連続立体交差事業に合わせて市街地再開発事業が実施されました。交通広場や市民交流センター、商業、業務施設、住宅等が複合的に整備され、地元や利用者からは大変歓迎されています。
先ごろ、その南側で第二地区として市街地再開発事業が都市計画決定されたのですが、引き続き、小金井市の玄関口にふさわしい、にぎわいのある安全で快適な市街地を形成すべく、再開発事業が順調に進むようご支援をお願いいたします。
次に、緑施策について伺います。
東京を世界で一番の都市にするため、我が党は、さきの政策提言の中で、水と緑に囲まれた潤いを実感できる魅力的な都市をつくるべきであると提起いたしました。とりわけ屋敷林や樹林など、今ある東京の緑を保全する取り組みを進める必要性を訴えてきました。
小金井市は、武蔵野の面影を残す屋敷林や農地、国分寺崖線の緑など、地域に根差した貴重な緑が残っています。このような緑の多くは民有地の緑ですが、地域全体で慈しみ、次の世代につなげていくべき地域共有の財産だと認識しています。
このような民有地における緑の保全を進める上で、都が進めている特別緑地保全地区の指定促進事業は有効な事業であり、我が党としても、かねてよりその推進を主張してまいりました。この事業は、平成二十二年度から五カ年の事業ですが、今年度を残すのみとなっています。
そこで、特別緑地保全地区の指定促進事業の二十五年度の実績について伺うとともに、これまでの事業を実施してきた成果を踏まえ、都として、この事業の効果をどのように認識しているのか伺います。
○安井都市整備局長 特別緑地保全地区は、指定区域内において建築行為などの制限を受けることから、民有地の緑の保全に有効な制度でございます。
一方、指定を行う区市には、地権者から土地の買い取りを求められた場合に、それに応じる義務が生ずることから、都は、土地取得費の補助制度を創設いたしまして、指定の拡大を促してまいりました。
平成二十五年度は、西東京市にある屋敷林、東久留米市内の水辺に残された樹林地の二地区、約〇・四ヘクタールを対象に助成を行っております。また、町田市や小平市などでは、補助制度の活用後におきましても、引き続き指定を拡大しております。こうした効果もあらわれまして、平成二十五年度末時点では、地区数、面積ともに制度創設前の約二倍となる四十一地区、二百八十一ヘクタールの地区が特別緑地保全地区として指定されてございます。
東京に残された貴重な民有地の緑を保全する上で、この制度は効果が大きく、重要であると認識しているところでございます。
○木村委員 都の創設したこの補助制度が呼び水となり、区市による主体的な取り組みが進んだと思います。地域に根差した貴重な緑を保全する上で、本事業はとても意義があるものと思います。多摩地域において残された貴重な緑を保全することは極めて重要であり、区市町村と連携した取り組みが求められます。この特別緑地保全地区指定促進事業について、平成二十七年度以降の取り組みについても、ぜひ前向きな検討をお願いいたします。
緑の施策は、特別緑地保全地区のような既存の緑地を保全する取り組みとともに、新たに緑をつくり出す取り組みも重要です。
東京においては、都市開発の進展に伴って、空地を生み出しながら緑化が図られてきました。特に都心では都市再生の動きが活発であり、六本木ヒルズの毛利庭園や、区立公園と一体的な緑地が整備された東京ミッドタウンなど、緑の空間が以前と比べてかなりふえてきたと感じます。
そこで、都市開発の機会を捉えた緑の創出について、平成二十五年度の取り組み状況を伺います。
○安井都市整備局長 これまで都は、都市開発諸制度などを活用いたしまして、民間による開発を適切に誘導しながら、都市再生の機会を捉えた緑地の拡大に積極的に取り組んでまいりました。
平成二十五年度は、大手町地区において、仲通りの延伸部に隣接した約四千平方メートルのオープンスペースを全面的に緑化した大手町の森が創設、整備されまして、都心においても自然を感じることのできる貴重な空間が創出されております。また、日比谷地区では、隣接する都市公園の緑と視覚的、空間的に一体となるように屋上テラスなどの緑が配置されるなど、平成二十五年度に都が都市計画決定などを行った十五地区におきまして、合計約四・八ヘクタールの緑地が計画されております。
こうした取り組みにより、都心三区を中心に緑地空間が着実に広がっておりまして、引き続き、経済活力とともに快適で潤いのある都心部の形成を目指して、都市再生を進めてまいります。
○木村委員 今ご答弁いただいたように、都市の開発を通じて緑の創出を図っていくことが大切だと思います。都には、これからも積極的な取り組みを期待しております。
次の質問に移ります。
世界で一番の都市東京を実現することを目指している我が党は、人と物の流れがスムーズに行き交う首都をつくるという政策を掲げています。このことに関連し、道路の整備について伺います。
本年六月に圏央道の都内区間が開通し、来年三月には中央環状線の全線開通が予定されています。高速道路ネットワークが着実に整備されてきている中、外環もいよいよ工事に着手し、大泉ジャンクション部等では、その進捗が目に見えるようになってきました。
さて、外環の地上部街路である外環ノ2は、南北方向の重要な幹線道路の一つです。ゆえに、その効果に期待しているところであります。
一方で、外環本線が地下化したことに伴い、地上部の外環ノ2については、地元住民の意見を聞きながら検討を進めていると聞いています。その中で、大泉ジャンクション部の一キロ区間では既に事業着手しています。
そこで、お伺いしますが、この大泉ジャンクション部の一キロ区間のみを事業化した理由は何でしょうか。
○横溝東京都技監 大泉ジャンクション部には、高架構造である関越道と地下構造である外環本線のこの二つをつなぐ連絡道ですとか、目白通りに接続するインターチェンジが設置されるために、高架橋の橋脚ですとか地下トンネルの出入り口ですとか、さまざまな構造物が地上部につくられます。これらの施設整備に伴いまして、都道の土支田通りと井草通りが分断されるため、まずその機能を確保することが必要でございます。
また、この区間では、外環本線と外環ノ2の二つの都市計画線があるため、両方の都市計画線にまたがっている関係権利者の方々に対しまして、用地を同時に取得することで、安心して生活再建が図られるよう配慮する必要がございます。このため、大泉ジャンクション部におきましては、外環ノ2を外環本線と同時に整備することとしたものでございます。
○木村委員 確かに、道路の機能を確保することは住民の生活にとって不可欠です。加えて、用地取得を円滑にして、関係する権利者の生活再建に最大限配慮していることなどを伺いましたので、この区間を早期事業化した目的がよくわかりました。
そこで、お伺いしますが、事業を円滑に推進するためには、地元住民の理解を得ることが不可欠だと思います。事業を進めるに当たって、地元住民への丁寧な説明は行ったのでしょうか。
○横溝東京都技監 外環につきましては、事業化に先立ち、平成二十四年三月に地元説明会を二回実施し、地域の状況や事業の必要性、進め方に関する説明を行いました。その後、同年十二月に、関係権利者の方々に対し用地補償に関する説明会を行っております。また、個別訪問による相談や電話による問い合わせ等を、平成二十四年九月の事業着手までに百五十回以上実施いたしました。
さらに、事業着手後も、本年九月末まで個別対応を二千回以上行うとともに、現地に設置しております外環オープンハウスに置かれております模型ですとか図面を用いて、一目でわかりやすい説明にも努めてございます。
今後とも、地元住民への丁寧な説明を行い、理解と協力を得ながら用地取得し、着実に事業を推進してまいります。
○木村委員 現地の外環オープンハウスは、私も実際に行って見てまいりました。全体像がわかりやすくつくられた模型やパネルなどがあって、理解や協力が得られるように努力しているという印象を受けたことを覚えております。
今伺った内容からも、丁寧な対応をしていると思います。事業の効果が期待されるだけに、着実に推進することと同時に、引き続き、地元住民への丁寧な説明に努めてくださることを要望いたします。
続いて、産業振興の観点から何点か伺います。
まずは、大切な農林水産業、とりわけ林業についてであります。
多摩地域を中心に広がる森林は、木材の供給に加え、水源の涵養や二酸化炭素の吸収など、多様な機能を有する、都民の貴重な財産です。しかし、木材価格の低迷等により林業が衰退し、林地の荒廃も進んでしまいました。
そこで、都は平成十八年度からスギ花粉発生源対策を開始して、停滞した森林循環を動かし、林業の復興と森林再生に向けた取り組みを継続していると認識しております。平成二十七年度までの十年間の事業とされている花粉発生源対策は、ことしで九年目を迎えていますが、これまでの成果と今後の方向性について伺います。
○山本産業労働局長 平成十八年度に開始いたしましたスギ花粉発生源対策によりまして、多摩の森林再生が着実に進展するとともに、多摩産材の利用も飛躍的に拡大をしております。この事業では、これまでに約四百ヘクタールの杉林を伐採し、花粉の少ない杉への植えかえを行うなど、森林整備に取り組んでまいりました。
また、平成二十五年度は多摩産材の供給量が対策開始時の約九倍の二万五千立方メートルに及びまして、公共施設等での活用も進むなど、都民の認知度も高まりつつあります。
今後、都としては、木材価格の低迷など林業の厳しい経営環境が続く中で、都民共有の財産である森林を次世代へ継承していくため、森林の持続的な循環を進める対策の継続に向けた検討を進めてまいります。
○木村委員 林業の経営環境が好転していかない中で、花粉対策に目をつけた森林整備は、林業の復興と森林再生を進める上で大変効果的であり、私は大賛成です。
東京の木、多摩産材の供給を拡大していく観点からも、早期に森林循環の一層の促進に向けた検討を進めるよう求めておきます。
次に、中小企業の海外展開に向けた支援について伺います。
都内中小企業の発展を考えたとき、アジアを中心とした新興国の旺盛な需要を取り込むことが鍵になると考えます。とはいっても、日本国内とは異なる独特の文化や商習慣、頻繁に変更される法規制、収集が難しい現地企業の情報など、中小企業が取引を行う上でさまざまなハードルがあります。私の知っている企業では、自社の製品を海外に輸出する際、日本で使用している材質では現地の規制をクリアできないことがわかり、製品の改良に多額の費用を要したそうです。
海外で通用する技術や製品がありながら、今述べたような障壁が原因で海外展開をちゅうちょする中小企業にとって、都に期待する支援は、現地情報の収集や海外規格への対応など多岐にわたると考えます。
そこで、昨年度の事業実績と、その取り組みを踏まえた課題について伺います。
○山本産業労働局長 都は、中小企業の海外販路開拓を支援するため、商社OBを活用して、商取引に関する実務的な助言や現地企業とのマッチングなどを行っておりまして、昨年度は高い技術を持つ都内計測機器メーカーの製品がタイの金属加工工場に納入されるなど、三十八件の成約につなげることができました。
また、昨年度から新たに、中小企業の製品を海外規格に適合させるための経費の助成を開始し、例えば音響機器をEUに輸出する際に必要な規格の取得や、そのための製品改良への助成など、二十九件の支援を行いました。
今後は、海外展開に足がかりをつくった中小企業が、より安定的に現地でのビジネスを継続できるよう、一層きめ細かな支援が必要であると認識をしております。
○木村委員 海外市場を目指す都内中小企業が増加していく中で、都の支援はますます重要になってきます。多くの企業が海外で事業を展開させられるよう、引き続き積極的な支援を求めます。
こうした意欲がある中小企業にとって、有望な若者を確保し、職場への定着を図っていくことは重要な課題だといえます。第三分科会の質疑で、我が党は、女性の活躍推進の観点から職場環境の整備について伺いましたが、働きやすい職場環境づくりは、若者の採用や定着という観点からも重要です。
中小企業の中には、労働時間制度や福利厚生などまだまだ不十分で、人材確保に悩むケースもあり、こうした課題は業種ごとにさまざまであると聞いています。
そこで、中小企業が若者の人材確保につながるような魅力ある職場環境づくりを進めていくため、業種ごとに共通する課題解決に向けて、都はどのような取り組みを行ったのか伺います。
○山本産業労働局長 都は、職場環境を整備し、若者の採用、定着を図る中小企業を後押しするため、昨年度、課題解決型雇用環境整備事業を開始いたしまして、企業グループ等による業種ごとの実情に即したプロジェクト四件を選定して、支援を行いました。
具体的には、慢性的な長時間労働、高い離職率等の課題を抱えるITや介護などの分野で在宅勤務導入、休暇取得促進など職場環境の改善と、就職セミナー、新人研修など人材確保を促進する取り組みに対しまして経費を助成いたしました。
今後も、中小企業が取り組む働きやすい職場づくりを支援し、若者の確保を促進してまいります。
○木村委員 都内のさまざまな中小企業で、若者や女性が生き生きと働き続け、活躍していけるよう、中小企業の職場環境改善の取り組みを都がしっかりと支援していただくよう求めて、質問を終わります。
○田中委員長 木村基成委員の発言は終わりました。
この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後二時四十九分休憩
午後三時五分開議
○田中委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
新井ともはる理事の発言を許します。
○新井委員 初めに、防災対応能力の強化についてお伺いします。
二十五年度予算では、防災情報ネットワークの構築として九億七千九百万円が計上され、新規事業として情報発信機能の増強が挙げられました。
現在、若者からお年寄りに至るまで、スマートフォンやタブレット端末など、さまざまな情報通信機器を利用していますが、防災にはこうしたツールの活用が期待されます。
都は、平成二十四年十二月から防災ツイッターを開始し、今年度にはフォロワー数が十万人を超えるなど、多くの都民に活用されていますが、このツイッターを災害時にどのように活用しているのか、お伺いします。
○中西総務局長 大規模災害時に被害を軽減するためには、災害情報を迅速に都民に伝え、適切な行動を促すことが重要でございます。
都の地域防災計画では、都が区市町村に対して警報や注意報等の情報を伝達し、その情報を区市町村が住民へ周知することとしておりますが、災害時には多様な通信手段を用意することも重要であり、都といたしましても、ホームページやツイッターを活用し、直接都民に情報を発信しております。
ツイッターでは、災害の知識や気象情報等を発信することで、災害に対する備えを促しておりますが、平成二十五年九月からは、首都直下地震などの際にスマートフォンの画面へ自動的にメッセージを表示いたしますツイッターアラートを導入し、その実効性をさらに高めたところでございます。
今後とも、多くの都民に活用されるよう、ツイッター等による情報発信を積極的に行ってまいります。
○新井委員 このような重要な最新情報を簡単に伝える仕組みは、今後もいろいろと検討していただきたいと思います。
また、十万人のフォロワーがいる都の防災ツイッターは貴重な情報発信の手段であり、今後とも引き続き積極的に活用していただきたいと思います。
次に、都の災害情報システムについてお伺いします。
災害時には、地域の状況を即時に把握し、初動対応を行う市区町村との連携が大変重要です。また、市区町村が発令する避難勧告は、当該地域の住民に速やかに伝達される必要性があります。
都は、災害情報を市区町村と共有し、ホームページ等を通じて情報発信を行うシステムを構築していると聞きますが、平成二十五年度に具体的にどのような強化を図ったか、お伺いをします。
○中西総務局長 都は、市区町村と災害情報を共有し、相互に円滑な対応を実施するため、災害情報システムを整備してまいりました。
平成二十五年度には、総務省のLアラートを活用することで、災害情報システムに登録した市区町村の避難勧告等の情報が即時にマスコミ各社へ提供されるよう改良し、平成二十六年六月から運用を開始しております。
また、都の防災ホームページについても、モバイル端末でも円滑に閲覧できるよう改良してまいりましたが、平成二十五年度には、その速報性をさらに向上させるため、コンテンツマネジメントシステムを導入いたしました。これは、パソコン向けとモバイル端末向けのホームページの同時更新を可能とするもので、これにより、スマートフォンやタブレット端末の普及拡大にも対応できる環境が整備されました。
○新井委員 総務省のLアラートについては、都道府県やメディアの未参加などの課題もあります。しかし、提供されるテキスト情報をデジタルサイネージなど新たなメディアにおいて活用すれば、より有効的な情報を発信できるものだと考えていますので、検討すべきだと思います。
区市町村ともきちんと連携をしながら、都民に対し的確な情報を速やかに伝達するよう、今後とも取り組んでいただきたいと思います。
次に、帰宅困難者対策についてお伺いします。
首都直下地震の大規模災害時には、帰宅困難者対策が大きな課題になることは確実であり、現在、都は、一斉帰宅の抑制や行き場のない帰宅困難者の受け入れ先確保に取り組んでいます。
しかし、帰宅困難者が安心してその場にとどまるためには、家族との安否確認や情報収集ができることが前提であり、また、受け入れ施設も、災害対策本部と円滑に連携して環境を整える必要性があります。
このように、帰宅困難者対策として通信環境整備は必須と考えますが、平成二十五年度は都はどのように取り組んだか、お伺いします。
○中西総務局長 行き場のない帰宅困難者を受け入れるために、都は、都立施設を活用した一時滞在施設をこれまで二百施設、約七万人分設置いたしました。
その中で、平成二十五年度には、帰宅困難者が家族との安否確認や災害情報を収集し、安心して一時滞在施設にとどまれるよう、通信の制約を受けにくいWiFiアクセスポイントを百六十施設に整備いたしました。
さらに、通常のNTT回線等が制約を受ける環境においても、災害対策本部と都立一時滞在施設、さらにその施設間で連絡がとれるよう、平成二十五年度にMCA無線を百七十一施設に配備いたしました。
こうした取り組みにより、災害対策本部において、地域、施設の状況把握が可能となるとともに、円滑な帰宅困難者の受け入れや施設間での連携協力などが可能となっております。
○新井委員 帰宅困難者対策もそうでありますが、災害時において正確な情報を迅速に入手することは、二次被害を防止する点においても大変重要な要素となります。
都としても、市区町村ともよく連携しながら、近年の情報通信技術の進展も視野に入れつつ、災害情報の発信強化、充実に、今後とも積極的に取り組んでいただきたいと思います。
また、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの開催決定を契機に、今後も多くの外国人旅行者が東京を訪れることが期待されます。
WiFiアクセスポイントを都の施設百六十施設に整備したとの答弁がありましたが、一部のキャリアのユーザーだけがつながるのではなく、平時の観光の視点もあわせて検討し、誰もが接続できるようにしていただきたいと思います。
次に、広域災害救急医療情報システム、いわゆるEMISについてお伺いします。
平成七年に発生した阪神・淡路大震災では、医療機関のお互いの情報、行政、他県の医療機関への情報発信、共有ツールがなく、平時とは異なる状況下で医療機関の情報収集が必要と判明しました。
国は、EMISを構築して平成八年から運用を開始し、都においては、震度五以上の地震が発生した場合にはEMISを運用すると伺っています。災害時に情報共有や連絡体制は大変重要です。
そこで、EMISの整備について、平成二十五年度の取り組みと、執行率が三四・二%となった状況についてお伺いをします。
○梶原福祉保健局長 広域災害救急医療情報システム、いわゆるEMISでございますが、災害時に都道府県が集約した医療機関の情報を全国共通のシステムで共有するものでございまして、国が整備、運営をしております。
都においては、従来から整備しておりました救急医療情報システムを平成十一年度に国のEMISに接続して一体的に運用し、全国の災害医療情報を共有しております。
昨年度は、関係機関との情報連絡体制を強化するため、都のシステムを再構築することとし、利用機関を救急告示医療機関から全病院や区市町村等に拡大することなどについて、事前調査を終えておりました。
しかし、昨年十一月、EMISのシステム構成や機能などを大幅に見直す方針が国から示されたことを受けまして、都のシステムの再構築を中止したため、執行率が三四・二%となったものでございます。
○新井委員 東日本大震災の際に、広域バックアップ体制のための情報についてダブりや抜けが生じ、時間的、資源的なロスが生じたり、その後の災害にも課題があったと聞いております。
新しいEMISは、その反省を踏まえ、クラウド化やスマートフォン、タブレット端末からの活用を初め、さまざまな機能の充実を図り、国は、EMISを再構築して、本年八月から運用を開始しています。
都においても、発災時の情報の共有化を図るために、このリニューアルされたシステムを迅速適切に運用することが重要と考えますが、EMISの変更点と活用に当たっての都の対応についてお伺いをします。
○梶原福祉保健局長 これまでのEMISでは、重症患者数、ライフラインの状況など十五項目の病院情報を管理していましたが、新たに運用を開始したEMISは、医師、看護師等スタッフや医薬品の状況など四十三項目が追加され、災害時における病院の情報がより詳細に把握できるようになりました。また、こうした病院情報に加え、DMATの活動状況や搬送患者の情報も共有できることとなりました。
この変更を受けまして、都は、発災時にその機能を十分に活用できるよう、都内三百二十四カ所の救急告示医療機関に対して、本年九月に変更内容を周知するとともに、十月には入力操作訓練等を行いました。
また、新たなEMISでは、救急告示医療機関以外の病院や区市町村等も接続が可能となったことから、現在、順次、EMISの導入について関係機関と調整を進めているところでございます。
○新井委員 先ほど、都はEMISを救急医療情報システムで運用しているとのことでありましたが、今後、リニューアルされたEMISへの移行においては、リアルタイムで稼働している救急医療情報システムや、東京消防庁が管理する救急情報端末に影響を与えない慎重な作業が求められるなど、十分な配慮が必要であることを指摘しておきます。
さて、災害時においては、平時の医療機関の受け入れ可能患者数を超えた患者を各医療機関において的確に受け入れるとともに、都内の医療救護班や都外からの応援医療チームを病院支援のために効果的に配置するなど、医療関係の情報を他の医療機関、消防、行政などと共有し、適切に対応するなど、都民のとうとい命を守ることが可能となるといえます。
そこで、EMISを初めとする災害時においての情報の共有化、集約の一元化に向けて、取り組みについてお伺いします。
○梶原福祉保健局長 災害発生時におきましては、都を初めとする関係機関が地域の被害状況や医療資源の情報を迅速かつ的確に把握することが重要でございます。
このため、都は、東京都災害医療コーディネーターや、各二次保健医療圏に設置した東京都地域災害医療コーディネーターのもとに情報を一元化し、通常の電話回線に加え、EMIS、衛星電話、防災行政無線など、さまざまな通信手段を活用して、関係機関と情報の共有を図る体制を整えております。
現在、各二次保健医療圏では、医療機関を初め都、区市町村、消防などの行政機関や医師会等の関係団体で構成する地域災害医療連携会議や図上訓練を通じて、情報連絡手段の具体的な運用方法を検証しておりまして、今後とも、こうした取り組みを積み重ねながら、災害時における情報連絡体制の強化を図ってまいります。
○新井委員 都立学校におけるICT環境の充実についてお伺いします。
これまで、都立学校ICT計画の推進に当たり、都は、ICTを活用した授業改善を積極的に進めてこられたと聞いております。
都教育委員会は、都立学校のICT環境の充実を図り、教育の情報化を推進していくことが重要と考えますが、都立学校におけますICT化について、これまでの取り組み状況についてお伺いをします。
○比留間教育長 都教育委員会は、画像や音声、動画を活用するなど、都立学校における授業のICT化を進めることにより、児童生徒の学習に対する意欲や達成感を高めるとともに、情報活用能力の向上を図ってまいりました。
具体的には、全ての都立学校を対象に、平成二十年度から二カ年でタブレットパソコン、プロジェクター等のICT機器を一学級当たり一セットなどを基準に配備するとともに、校内LANを整備し、ネットワーク化を図るなど、ICT環境を整備してまいりました。
さらに、平成二十五年度においては、これらのICT機器を最新のものに更新し、充実を図ったところです。
○新井委員 昨年度更新した教育用ICT機器は、それまで配備されていたものと比べて、具体的にどのような点が改善されたのか、お伺いをします。
○比留間教育長 平成二十五年度に配備したICT機器は、これまで以上に機能的で活用しやすいものといたしました。
具体的には、タブレットパソコンを従来よりも高機能でかつ携帯しやすいモデルに変更をいたしました。プロジェクターは、設置作業を要さない固定式の壁かけモデルに変更することにより、準備時間の短縮など利用環境が大幅に改善されたところです。
また、これらの機器の更新と合わせて書画カメラを新たに導入し、教科書や実習、実験の様子をプロジェクターに投影することなどにより、既存の教材をよりわかりやすく活用することができるようにいたしました。
○新井委員 都立学校では、平成二十六年三月にICT機器の更新期を迎えました。ことし六月に新しくなったプロジェクターを都立高校へ見に行きましたが、できれば無線対応していただきたいという現場の先生の声を聞きました。VGA端子など特定端子のケーブルに接続限定するのでなく、無線対応により、端子規格に関係なく、タブレットなどのさまざまな端末から接続できるようになり、活用の幅が広がると考えられますので、さらなる検討を求めておきます。
答弁により、教育用ICT機器が改善されたことは理解しましたが、機器ばかりが幾ら改善されても、それらが実際に活用されなければ意味がありません。
都教育委員会では、学習コンテンツ活用システムにより教育用ICT機器の活用促進を図っていますが、学習コンテンツの充実は図られたのか、また、それらの活用状況及び今後の取り組みについてお伺いします。
○比留間教育長 都教育委員会は、物理の自由落下運動の様子や地学の地殻変動の仕組み、美術のデッサンの技法を映像化するなど、都立学校教員が開発した四千を超える学習コンテンツを全ての都立学校が利用できるシステムを構築しております。
本システムの活用は年々増加しており、平成二十五年度の年間アクセス件数は、利用開始当初の平成二十二年度と比較して約十倍の三十三万件を超えており、一校当たり約一千三百件となっております。
今後とも、すぐれた学習コンテンツを選ぶコンテストの実施や、ICT教育フォーラムでの活用事例の紹介などを通して、各学校における活用を一層推進してまいります。
○新井委員 学習コンテンツ利用が少ない学校があるようでしたら、ぜひその効果や利用を進める上の方法を伝えるなど、積極的な働きかけをお願いしたいと思います。
特別支援学校への障害支援機器の導入については、障害のある児童生徒が十分な教育を受けるために、特に配慮が必要だと考えております。
これまで特別支援学校に対してどのような機器を導入したのか、また、今後の取り組みについてお伺いをします。
○比留間教育長 特別支援学校では、都立高校と同様に、タブレットパソコン、プロジェクター等を配備し、ICT環境を整備するとともに、それらの機器を円滑に活用できるようにするため、障害者用支援機器をあわせて導入をしてまいりました。具体的には、視覚障害校に点字ディスプレーや活字読み上げ装置など、肢体不自由校にトラックボールマウスなどの機器を、各学級数等に応じて配備をしております。
さらに、平成二十五年度には、重度の肢体不自由の児童生徒向けに、目の動きで入力が可能な視点入力装置などを新たに導入をいたしました。
今後とも、児童生徒が意欲を持って学習に取り組めるよう、特別支援学校のICT環境を充実させてまいります。
○新井委員 高齢者人口が約三千五百万人に達するという二〇二五年問題に向かう高齢化と、それに伴う要介護者の増加とともに、最期まで自宅で生活をしたいという都民の願いに応えるために、在宅医療、在宅介護へのニーズはますます高まっています。訪問看護ステーションの整備は社会ニーズといえます。
しかし、訪問看護師は全ての看護師にできるとはいえません。人材不足を補うために、都議会民主党は、平成二十五年度東京都予算で独自に訪問看護ステーションIT化支援事業を要求し、三千五百万円が予算化されました。
この事業は、訪問看護ステーションの業務運営を効率化することなどを目的としたモバイルITシステムを導入する初期費用に対する補助事業でありますが、その取り組み状況と効果についてお伺いをします。
○梶原福祉保健局長 訪問看護ステーションIT化支援事業は、従事している看護職員の数が常勤換算で五・五人以上七人未満の中規模程度の訪問看護ステーションを対象に、平成二十五年度から二カ年でパソコンやモバイル端末等の購入経費を助成する事業であり、平成二十五年度には六十二事業者から補助申請がございました。
助成を受けた事業者からは、モバイル端末を利用することで時間を有効に使えるようになった、利用者の情報をリアルタイムで共有することにより、夜間などの緊急時に迅速に対応できるようになったなどの声が寄せられており、業務運営の効率化や情報の共有化に効果があったものと考えております。
○新井委員 この事業によって、IT化のニーズのある訪問看護ステーションの整備に対応できたのではないかと考えています。
IT機器操作への不安といった理由から、取り組みに消極的な事業所がありますが、IT化による看護職員の負担軽減や、訪問医療看護チームの密な情報共有が進むことは、質の高い訪問医療に寄与するものであります。
今後も、訪問看護ステーションのIT化推進について積極的に取り組んでいただきたいと思います。見解をお伺いします。
○梶原福祉保健局長 訪問看護ステーションのIT化を推進するためには、事業所の管理者がIT化への理解を深めるとともに、看護職員の機器操作の不安を解消することなどが必要でございます。
そのため、都は、管理者向けの研修の中で、IT化への理解促進を図るとともに、事業所運営の効率化を支援する経営コンサルタントによる個別相談においても、IT化に関するさまざまな助言等を行っております。
また、地域の小規模な訪問看護ステーションの人材育成等を支援する教育ステーションでは、新任看護師等と同行する実地研修の中で、IT機器の活用方法を教えているところでございます。
こうした取り組みによりまして、今後とも訪問看護ステーションのIT化を支援してまいります。
○新井委員 人材確保を進めるためには、人材育成の支援といった重層的な取り組みによる設置促進が必要です。若手、新人でも訪問看護の現場での研修を行い、地域医療の担い手を育てていかなければなりません。
既に五カ所指定されています訪問看護教育ステーション事業のモデル事業でございますが、実績と事業の効果、そして今後の展開の方向性についてお伺いします。
○梶原福祉保健局長 教育ステーション事業は、平成二十五年十一月から都内五カ所で実施しており、平成二十六年九月までに、新任看護師等と同行する実地研修に延べ二百四十七名、訪問看護に関心のある看護師を対象とした職場体験研修に延べ二百二十三名を受け入れました。
研修生からは、訪問看護の魅力を体感する機会となった、不足していた技術を学ぶことができた、復職の際は訪問看護ステーションで働きたいなどの声が多く寄せられておりまして、今後とも、こうした取り組みにより、訪問看護師の確保、育成等に取り組んでまいります。
○新井委員 訪問看護ステーションの需要の高まりは時代の変化です。それに伴い、東京都の支援施策も時代に合った工夫が必要だと考えています。
例えば、東京都看護師等修学資金を受けた看護師の返還免除要件であります就業指定医療機関での就業は、看護師勤務三年以上の経験がなくては免除とならないといった規定がありますが、今後は柔軟な対応も必要だと考えています。
そういった施策において、訪問看護師の増加につながるような工夫を今後も引き続き検討していただくことを強く要望し、次の質問に移ります。
最後に、自転車の安全利用についてお伺いします。
私も、地元で開催されています交通安全キャンペーンにも参加していますが、現場では放置自転車がまだまだ多く、自転車利用のルール、マナーを守っていかなければならないと感じています。
都が実施しました平成二十五年度駅前放置自転車の調査によりますと、現在でも、都内で約四万三千台の自転車が駅前に放置されているという状況です。
ことし一月に都が策定した自転車安全利用推進計画では、平成二十七年度中に駅前放置自転車の台数を三万台以下に減少させる数値目標が設定されています。目標の達成に向けては、市区町村による駐車場の整備だけでなく、都が放置防止に向けた啓発を行うことが重要だと考えますが、取り組みについてお伺いします。
○河合青少年・治安対策本部長 放置自転車の削減に向けましては、自転車利用者が、自転車の放置が基本的に法に違反する行為であること、歩行者等の通行の妨げとなるとともに、撤去等に多大な負担が生じていることを認識するよう、一層の普及啓発が必要だと考えております。
そのため、都は、先月実施した駅前放置自転車クリーンキャンペーンでは、従前のポスター等に加え、新たに大型ビジョン等のデジタルサイネージの使用やタレントの活用など多様な情報発信により、これまで行き届かなかった層にも普及啓発を行ってまいりました。
また、自転車安全利用条例においても、自転車利用者のみならず、事業者に対し、自転車で通勤する従業員の駐輪場を確保、確認する規定を設けるなど、社会全体で放置自転車を削減する取り組みを進めているところであります。
○新井委員 昨年度の駅前放置自転車の現状調査では約四万三千台と、目標まで一万台以上減らす必要性があります。引き続きしっかりと取り組みを進めていただきたいと思います。
自転車の安全利用の推進には、ナンバープレートによる自転車の車両管理の徹底も方策の一つだと考えていますが、計画で挙げる数値目標を達成するための取り組みについてお伺いします。
○河合青少年・治安対策本部長 自転車安全利用推進計画は、社会全体で自転車の安全利用を推進することを基本理念としており、都としては、家庭や学校等に加えて、事業者における安全教育を一層充実させることが重要だと考えております。
そこで、従来からの自転車安全教室の開催やキャンペーンの実施などとともに、今年度からは、事業者による従業員研修を支援する教材の提供や、社内リーダーの育成セミナーの開催など、新たな取り組みを展開しております。
なお、ご指摘の車両管理の仕組みは、安全利用を推進する反面、導入には、自転車が車両であるとの認識の徹底や、利用者の負担を伴う点などについての社会的な議論を十分に踏まえる必要がございます。
したがって、都は、計画に掲げる自転車安全利用の取り組みをまずは着実に推進することで、目標の達成を目指してまいります。
○新井委員 次に、自転車走行空間についてお伺いします。
自転車もスムーズに道路を通行できるよう、自転車走行空間の整備に取り組む必要性があります。
まず、都道における自転車走行空間の整備状況と整備の考え方についてお伺いします。
○横溝東京都技監 都はこれまで、誰もが自転車を安全で快適に利用できるようにするため、自転車交通量が多く事故の危険性がある箇所や、自転車乗り入れ台数が多い駅周辺などにおいて、自転車走行空間を整備してまいりました。
平成二十五年度は施設延長六キロメートルを整備し、平成二十五年度末で百二十六キロメートルの自転車走行区間が完成しております。
また、平成二十四年度に策定した自転車走行空間整備推進計画を前倒しし、車道の活用を基本として、オリンピック・パラリンピック開催までに新たに百二十キロメートルを整備してまいります。
○新井委員 自転車走行空間整備推進計画は、事故の危険性が高い箇所などを優先整備区間として重点的に整備する重要な取り組みでありますが、一方で自転車走行空間の連続性を確保することも重要です。このため、都道での取り組みに加え、都道以外の道路とも連携を図り、連続した自転車走行空間を整備していく必要性がございます。
そこで、国や市区町村と連携した自転車走行空間の整備に向けた取り組みについてお伺いしまして、私の質問を終わりにします。
○横溝東京都技監 自転車走行空間の整備に当たりましては、都道だけではなく、国道や区市道を活用し、走行空間のネットワーク化を図ることが重要でございます。
そのため、都は、国や関係区市、警視庁と連携し、国道、都道、区市道をつないで、自転車の走行しやすい空間を連続させる自転車推奨ルートの検討を進めております。
年度内を目途に、オリンピック・パラリンピックの競技会場や観光地の周辺などにおいて、安全性や回遊性を高めるルートを設定してまいります。
今後とも、誰もが安全で安心して利用できる自転車走行空間の整備に積極的に取り組んでまいります。
○田中委員長 新井ともはる理事の発言は終わりました。
吉田信夫副委員長の発言を許します。
○吉田委員 決算特別委員会全局質疑に当たり、私は、都政の重要課題の一つである高齢者介護、その中でも在宅介護について、都としてどのように取り組んできたのかを中心に質疑を行うとともに、財政運営のあり方についても伺ってまいります。
さて、昨年度の予算では、目的別では福祉と保健が前年比二・二%増加し、初めて一兆円を超えたことが強調されました。私たちは、増加の主な原因が、医療や介護の制度上の負担金など当然増で、それだけで四百三十七億円の増であることを指摘いたしました。
さらに、決算の結果を見ると、保健福祉費は前年度よりも、額でも構成比率でも後退いたしました。その中でも、高齢社会対策事業に要した経費も千七百二十八億円から千六百二十五億円と後退、社会福祉施設の整備助成に要した経費も二年連続で後退いたしました。
実際の取り組みはどうであったのかについて伺っていきたいと思います。
私たちは、独居高齢者、高齢者のみ世帯が増加しており、四万人を超える人が特別養護老人ホームの入所を希望している現実を見れば、特養ホームの整備促進は高齢者福祉の重要課題と考えます。
同時に、都は在宅介護を強調してきましたけれども、実際のサービス基盤の整備はおくれており、抜本的な強化が求められています。とりわけ東京では、独居高齢者世帯とともに高齢者夫婦のみの世帯が増加しています。
多くのケアマネジャーの方々に聞きましたけれども、老老介護の深刻な実態が訴えられました。例えば、病気がちの妻が夫の在宅介護で疲れ果て、ショートステイを希望しても、ショートステイのあきがなく、もう共倒れになりかねないというケースが多々あるとの訴えを聞きました。
そこで、初めに、在宅介護支援、地域包括ケアについての基本認識をお伺いいたします。
昨年度、東京都社会福祉審議会は、東京における地域包括ケアシステムの構築に向けてと題する意見具申を提出いたしました。都として意見具申をどう受けとめ、地域包括ケアシステムの構築にどう取り組んできたのか。また、その拠点と位置づけられている小規模多機能型居宅介護事業や定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業の役割をどう認識してきたのか、まず基本的見解をご答弁お願いいたします。
○梶原福祉保健局長 高齢者が介護が必要になっても可能な限り住みなれた地域で生活していくためには、住まい、医療、介護、生活支援サービス等を地域の中で一体的に提供する地域包括ケアシステムを構築していく必要があります。また、地域包括ケアシステムの実現のためには、地域における在宅支援の基盤であり、区市町村が指定、指導監督を行う小規模多機能型居宅介護や定期巡回・随時対応型訪問介護看護などの地域密着型サービスを整備することが必要でございます。
こうした考えに立って、都は、既に平成二十四年に策定した第五期東京都高齢者保健福祉計画の中でも、また、本年九月に発表した長期ビジョンの中間報告におきましても、地域包括ケアシステムの構築を計画の理念に位置づけ、介護サービス基盤の整備、医療と介護の連携、人材の育成、区市町村への支援等、さまざまな取り組みを推進しております。
○吉田委員 都として、可能な限り住みなれた地域で生活できるよう取り組んできたという旨の答弁だったと思います。
問題は、施設や事業所の昨年度の到達です。都は、東京都高齢者保健福祉計画に基づき介護基盤等の整備を進めてきましたけれども、特別養護老人ホーム、そして短期入所生活介護、すなわちショートステイ、さらに認知症高齢者グループホーム、そして小規模多機能型居宅介護について、昨年度計画に対する到達率及び高齢者人口比での全国順位がどうなっているのか、ご答弁お願いいたします。
○梶原福祉保健局長 都道府県の高齢化率というのはさまざまでありますが、介護老人福祉施設の昨年度計画に対する到達率は九五・九%、施設定員の高齢者人口比での全国順位は四十四位、短期入所生活介護の昨年度計画に対する到達率は九一・五%、高齢者人口比での全国順位は四十七位、認知症高齢者グループホームの昨年度計画に対する到達率は九〇・九%、全国順位は四十七位、小規模多機能型居宅介護の昨年度計画に対する到達率は八四・九%、全国順位は四十七位となっております。
○吉田委員 今ご答弁がありました。東京都が立てた計画との関係での到達を見ると、多くの計画が九〇%前後の達成率と。しかし、全国の道府県と比較をした到達を見ると、特養ホームの四十四位、他の事業は全国最下位という状況となっています。
もちろん、土地の取得や人材確保の困難など、東京独特の困難を直視しなければなりませんし、また、事業によっては全国順位も高い事業があることは承知をしています。
しかし、地域密着型サービスの中核的施策で高齢者人口比全国最下位という現実も見て直視した上で、整備の抜本的な強化が求められていると思いますけれども、この現状についてどのように認識をされているでしょうか。
○梶原福祉保健局長 地域包括ケアを実現するためには、施設サービスばかりでなく、日常生活の場で、サービスつき高齢者向け住宅や在宅サービス等をバランスよく整備していくことが重要でございます。
今、副委員長からもございましたが、東京の特定施設入居者生活介護の六十五歳以上の高齢者人口に対する割合は全国二位、定期巡回・随時対応型訪問介護看護は四位、訪問介護は十五位、訪問看護は十七位でございまして、また、東京にはNPOなど多様な主体が活動しているというポテンシャルもあります。こうした東京における社会資源の状況や特性を十分把握して、介護基盤整備を進めることが必要だと考えております。
その上で、今後、要介護高齢者がさらに増加することを踏まえると、特別養護老人ホームの整備も進める必要があると考えており、長期ビジョンの中間報告では二〇二五年度までの整備目標をお示しいたしました。
これまでも、特別養護老人ホームや認知症高齢者グループホーム等の整備に当たって都独自の補助を実施しており、今後とも介護基盤の整備を進めてまいります。
○吉田委員 今ご答弁がありましたが、私も、個々の事業で全国の順位が高いものがあるということは、先ほど指摘をしたとおりです。
しかし、小規模多機能型居宅介護にしても、ショートステイの整備にしても、極めて地域密着型サービスを進めていく上では重要な施策であることは明らかだと思います。それがやはり人口比でおくれているという現状を見て、私は、ぜひ整備を加速していただきたいと思いますし、あわせて重要なことは、東京の場合には、既に国立社会保障・人口問題研究所の調査でも、ひとり暮らし高齢者、独居高齢者の高齢者世帯に占める比率は、現状でも全国第一位です。二〇一〇年度は三八・七%、全国一位、さらに将来推計では、二〇三五年の推計では四四%で引き続き全国一位、こういう状況であるがゆえに、ある面、全国以上にこうした施設整備が求められているということを指摘しておきたいというふうに思います。
私たちは、特養ホームでいえば、用地費補助の復活も含め整備の強化を求めてきましたし、補助単価増額などの一定の努力は重要です。しかし、在宅介護を支援する重要な施策で全国最下位の現実というものは、曖昧にできないというふうに思っております。
私は、答弁でもありましたけれども、年次計画は達成しているけれども全国的には大きくおくれているという状況を打開する上で、都として、中長期的にどこまで到達させるのかという戦略目標を持って取り組むということが極めて重要ではないかと考えます。
この点で、長期ビジョン中間報告では、二〇二五年までに、特別養護老人ホームは十年間で約一万九千人ふやす、認知症高齢者グループホームの定員は十年間で約一万四千人ふやすという目標を掲げたことは重要だと思います。
そこでお伺いしますけれども、他の地域密着型特養ホームやショートステイ、さらに小規模多機能型居宅介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護なども、中長期的目標を持って取り組むことが求められていると思いますが、いかがでしょうか。
○梶原福祉保健局長 前提として、介護基盤の整備は、介護保険の保険者である区市町村が地域のニーズを踏まえて算定したサービス見込み量に基づいて、これまでも高齢者保健福祉計画を策定し、そして、その到達率は九十数%になっているということは、確認をしておきたいというふうに思います。
その上で、都は現在、平成二十七年度から始まる第六期東京都高齢者保健福祉計画の策定を進めておりまして、その中で、介護保険の保険者である区市町村が地域のニーズを踏まえて算定したサービス見込み量を踏まえ、特別養護老人ホームや認知症高齢者グループホームを含む全ての介護サービスにつきまして、二〇二五年度までの必要なサービス量を推計し、中長期的な視野に立った施策の展開を図ることとしております。
○吉田委員 全ての介護サービス基盤について、中長期的な視点に立った目標を持って取り組むという旨の答弁があったことは、極めて重要な点だというふうに思います。
問題は、単に区市町村の見込み量の積み上げというだけではなく、やはり広域自治体としての積極的な目標を持って取り組んでいただきたいということを述べておきたいと思います。
また、目標設定に当たって、身近にサービスを利用できる、いわゆる生活圏域単位に事業所が配置されることが求められていると思います。
社会福祉審議会の意見具申の中でも、生活圏域について、国の研究報告書がおおむね三十分以内に駆けつけられる圏域、中学校区を基本とするとしていると紹介しています。東京の中学校区は約六百です。昨年度時点での小規模多機能型居宅介護事業所数は百六、そのときに神奈川県は百八十四、福岡県は二百四事業所でした。
また、都内定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所は、昨年度四十七カ所、ことし十月時点で七十カ所というふうに聞いていますが、例えば二十三区の中では、一カ所もこの事業所がない区がありますし、一事業所しかない区が五区、二事業所しかない区が六区というのが現状です。生活圏域ごとの配備ということを考えれば、この点では非常におくれているというふうにいわざるを得ないと思います。
小規模多機能型居宅介護や定期巡回・随時対応型訪問介護看護を生活圏域に整備促進していくために、解決が求められる課題、支援すべき課題はどのようなものと認識をしているでしょうか。
○梶原福祉保健局長 生活圏域というのは、まず身近な自治体である区市町村が最もよく把握をしているというふうに思います。その上で、小規模多機能型居宅介護は、登録定員の上限が二十五名であるなど運営上の制約が課題であり、また、定期巡回・随時対応型訪問介護看護は平成二十四年度に創設されたサービスであり、区市町村、事業者、介護支援専門員などの理解が十分でないことや、看護師の確保などに課題がございます。
こうしたことを踏まえまして、都は、基金や都独自の整備費補助による支援を行うとともに、小規模多機能型居宅介護の利用定員等の見直しに関する国への提案要求を行ってまいりました。
また、定期巡回・随時対応型訪問介護看護の整備を進めるために、サービスの内容や職員体制の確保の方策等を盛り込んだ事業者向けの手引も作成しております。
○吉田委員 私は、今回の質疑を準備するに当たって、小規模多機能施設二カ所、定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所一カ所、通所介護事業所一カ所を訪問して、話を聞きました。
さまざまな要望、意見が出されましたけれども、結論的には、経営的に非常に困難である、赤字であるということが、法人経営を除いて共通して出されました。小規模多機能にしても定期巡回にしても定額制ですよね。しかも、例えば定期巡回の場合には、利用者がショートステイを利用したりデイサービスを利用したら、その分、受け取る介護報酬が減額をされるという中で、広い地域、現実的には交通費の何ら保障もない中で進めなければならないと。私が聞いた事業所は、毎月二十万から三十万の赤字だということがありました。
もちろん、これを解決する責任は、主には国にあるでしょうけれども、ぜひ、さまざまな支援策のことが先ほど答弁がありましたけれども、やはり経営難を解決するための支援、さらに、施設、土地の確保を初めとすることに対する支援などの抜本的な強化を求めておきたいというふうに思います。
また、特養ホームのような大規模な施設整備の場合、建築単価等の上昇は整備費に大きな影響を及ぼすことは、先ほどの質疑でもありました。
ある調査機関のレポートでは、昨年度から上昇傾向が強まり、二年間で建築費指数が七・三%上昇したと報告があり、さらに今後も上昇するとの指摘があります。
施設整備に大きな影響を及ぼすこうした建設単価の上昇をどのように認識しているでしょうか、ご答弁ください。
○梶原福祉保健局長 特別養護老人ホームの年度内の完成数は、平成二十三年度から平成二十五年度の三カ年平均で約千四百人分となっておりまして、今年度は十月末時点で既にこれを上回るペースで補助申請を受け付けております。
建築費の動向につきましては、今後とも注視してまいります。
○吉田委員 ぜひ注視し、必要な対応をお願いしたいというふうに思います。
施設整備や経営上の困難とともに、どの事業所でもいわれたのは人材確保の困難です。話を伺って、人材の確保がされなければ現在の事業の継続そのものが困難、ましてや拡大などあり得ないということを私も痛感いたしました。
高齢者保健福祉計画等でも、介護人材は離職率が高く、有効求人倍率が二・一七と高いということを分析し、一定の施策を打ち出していますが、都として介護人材をめぐる状況をどう認識しているのか。私はぜひこの点でも、中長期的な人材確保の目標を持って取り組むことが必要と考えますが、いかがでしょうか。
○梶原福祉保健局長 平成二十五年度の都内介護関係職種の有効求人倍率は三・二九倍と、全職業平均一・二〇倍より高く、求人に対して人材が不足している状況となっております。
都は、介護人材の安定的な確保に向け、介護の仕事の魅力をアピールするイベントや、事業者の採用を支援する大規模な就職説明会、介護の現場を実際に体験する職場体験事業や、離職者等に介護施設等を紹介し、働きながらの資格取得を支援するトライアル雇用事業など、さまざまな取り組みを行ってきております。
また、都は現在、平成二十七年度から始まる第六期の東京都高齢者保健福祉計画の策定を進めておりまして、その中で、区市町村が見込むサービス利用者数等をもとに、二〇二五年度までの介護職員等の必要数を推計することとしております。こうした推計を踏まえながら、介護人材の確保、育成に努めてまいります。
○吉田委員 介護人材の関連で、訪問した二つの事業所からいわれたことは、ヘルパーさんを確保するために独自に初任者研修を行っているけれども、かつては定員二十のほぼ二十人が集まったのに、今、五人程度しか集まらない、運営自体が困難だということが出されました。そして、ぜひこうしたことを支援していただきたいという要望が出されました。
その後、東京都に聞きましたら、今年度から、こうした初任者研修に対して一定の事業所を募って、受講料を無料にするという制度がスタートしたと聞きましたけれども、残念ながら、この事業者は、そうしたことすら伝わっていなかったという現状があります。
こうした福祉法人等が取り組む初任者研修の事業に対しても、支援の手を差し伸べていただきたいという要望を述べておきたいというふうに思います。
次に、誰もが在宅で、あるいは施設でも、安心して介護サービスを利用するというためには、基盤整備と同時に低所得者対策が不可欠だということを改めて痛感いたしました。
ケアマネジャーさんに聞いても、苦労することは、収入が低く限られているために、たとえ施設があったとしても利用が制約されるということでした。
社会福祉審議会の意見具申の中では、低所得高齢者の対応という視点も忘れてはならない、たまゆら事件を持ち出すまでもなく、低所得高齢者への対応を避けて通ることはできないということが提言として書かれていました。この昨年度の提言をどう受けとめ、対応されているのでしょうか、お答えください。
○梶原福祉保健局長 都は、低所得高齢者への対応として、介護サービスの利用者負担軽減について、国の仕組みをもとに、対象サービスや事業主体を都独自に拡大して実施しております。
また、地価の高い都市部においても、軽費老人ホームを利用できるよう、居室面積や職員配置基準を緩和した都市型軽費老人ホームの整備を推進しております。
さらに、今年度から新たに、住宅に困窮し、日常生活に不安のある低所得の高齢者に対し、居住支援協議会等を活用した住まいの確保と見守り等の生活支援の提供を一体的に行う区市町村の取り組みを支援することとしております。
○吉田委員 今、低所得者対応の施策について幾つか紹介がありました。
その中で、介護サービスの利用者負担軽減事業ですけれども、昨年度の利用実績は何人でしょうか。また、ひとり暮らし高齢者の場合、年収、税込みですけれども、百五十万円未満の世帯は何割程度いるというふうに認識をしているでしょうか、お答えください。
○梶原福祉保健局長 平成二十五年度に、国制度である社会福祉法人等による生計困難者に対する利用者負担額軽減制度を利用した延べ人数は一万一千五百五十四人でございます。
また、都独自に対象サービスや事業主体を拡大した生計困難者に対する利用者負担軽減制度を利用した延べ人数は五千九百二十九人となっております。
なお、これらの制度により軽減対象者に発行している確認証の交付実人数は、平成二十五年九月一日現在、千七百五十七人となっております。
ひとり暮らし高齢者で年収百五十万円未満の割合は、あくまでもこれはフローでありますが、平成二十二年度に在宅高齢者六千人を対象に実施した東京都福祉保健基礎調査によると、三三・二%となっております。
○吉田委員 今ご答弁がありました。介護保険の利用者負担を軽減する制度として、東京都が国とともに進めている事業がありますが、延べ人員だと約一万七千人ということになりますけれども、これは利用者が利用した回数を数えて膨らむわけですから、改めて、実際上使える確認証交付数もご答弁いただきましたけれども、これは東京全体で千七百五十七人ということでした。
そして、東京の高齢者の収入状況についてですけれども、ひとり暮らし高齢者の場合には年収百五十万未満、月額でいえば十万ちょっとですね。生活保護の住宅費、生活扶助費の同額あるいはそれ以下ということになりますが、そういう方々が、何とひとり暮らし高齢者世帯の三三%いらっしゃるというのが現状だと思います。
ちなみに、要介護認定を受けた方の数というのは約五十万だと思います。そのうち、この利用料負担軽減制度を利用できる人が千七百五十七人ということで計算すると、わずかに〇・三%にとどまっているということになります。
私はやはり、一つの目安として、年収百五十万未満の方が、ひとり暮らし高齢者では三三%もいらっしゃるという現実から見れば、たとえ努力をしてきたとしても、より抜本的な拡充策が求められているというふうに思います。
高齢者は、一部に超高額所得者がいるために、平均すれば他の世代と遜色はないということがよくいわれてきましたが、実際は所得格差が大きく、低所得者が多いというのが現実ではないでしょうか。
しかも、国が特養利用者への食費や居住費負担軽減の補足給付を縮小するということを打ち出していることも重要です。
ぜひ改めて、東京の高齢者の生活実態に対応した基盤整備のおくれを解決するとともに、収入が少なくとも誰もが利用できる状態をつくるという点での低所得者対策の抜本的強化を求めておきたいというふうに思います。
次に、財政運営について伺います。
冒頭、福祉保健局長は、介護が必要になっても可能な限り住みなれた地域で生活していくための地域包括ケアシステムを構築する必要があると答弁しましたが、特養ホームなどの整備とともに、地域密着型サービスは生活圏域単位に抜本的な整備が求められ、それだけでもこの分野への財政投入の強化が求められていると思います。そういう意味で、改めて財政運営のあり方の検討が求められています。
この点で、財務局が発表した昨年度の年次財務報告書の都財政を考えるでは、都に内在する財政需要として、第一に社会保障関係経費の増加を挙げています。この社会保障関係経費についてどのように推計し、その結果、今後避けることができない財政需要はどのような額として判断しているのでしょうか、お答えをお願いいたします。
○中井財務局長 お話の社会保障関係費の推計は、現行の制度下で既存の事業が継続するという前提で、高齢者分野や子供家庭分野など各分野の事業ごとの決算額をもとに、それぞれに影響を及ぼす人口推計などの変数を乗じた上で、物価上昇を反映するなどして、第三者が試算したものでございます。
この試算によると、社会保障関係費は毎年平均約三百億円の増加が見込まれ、今後二十年間における増加額の累計は約六兆六千億円となっております。
○吉田委員 あわせて、第二に不可避的に財政投入が求められる分野として、社会資本ストックの維持更新費の増加を挙げていますが、この点でもどのように推計しているのか、簡潔にご答弁お願いいたします。
○中井財務局長 社会資本ストックの維持更新経費の推計に当たっては、公会計情報などをもとに、現在保有している社会資本を引き続き維持するという前提のもとで、法定耐用年数が到来した時点で更新すると仮定し、取得価格に建設工事費デフレーターや物価上昇率を乗じるなどして試算をしております。
○吉田委員 今、財務局がまとめた年次報告の中で、二つの不可避的に対応せざるを得ない推計値について答弁をしていただきました。
しかし、これは、社会保障関係でいっても、現状の制度を、単純にといったら失礼かもしれませんが、人口増加で進めていった場合に幾らになるかということですから、施策を強化すれば、当然それだけの増加をさらに加算しなければなりません。
さらに、二つ目の社会資本ストックについても、現在のものを法定的に更新していった場合に幾らかかるかという計算ですから、例えば、今進めている河川や防潮堤あるいは下水道施設などのバージョンアップ、耐震強化を進めていけば、今の推計よりもさらに大きな負担を伴うことは避けることができないと思います。
私は、そうした中で、何よりも少子高齢者対策を初めとする都民生活のための施策を進めていくためには、やはり投資的経費のあり方を抜本的に見直していくことが必要だと思います。しかも、人口減少社会が進む中で、年次報告でも書いてありましたけれども、一定の基金も確保していかなければ、健全財政を確保することはできないと思います。
そういう意味で、投資的経費の中でも、とりわけ新規投資は徹底的に見直しをして必要最小限に抑制する。とりわけ、例えば中央環状、そして圏央道が進む中で、さらに外環道の整備、先ほど話がありましたが、進められていますが、昨年の予算特別委員会の知事答弁でも、例えば上部道路だけで東京都の負担が二千五百億円という答弁がありました。地下も含めれば莫大な負担となります。こうしたことを見直していくという抜本的な財政運営のあり方の検討を求めて、私の質疑を終わります。
○田中委員長 吉田信夫副委員長の発言は終わりました。
石川良一委員の発言を許します。
○石川委員 都の少子化対策について伺います。
増田寛也元総務大臣を座長とする日本創成会議の人口減少問題検討分科会は、二〇四〇年には、全国約一千八百自治体のほぼ半数に当たる八百九十六の自治体が消滅するおそれがあると発表いたしました。
この報告は衝撃的で、地方において少子化や人口移動に歯どめがかからず、東京の自治体の中にも消滅するものもあるという内容となっております。現実には自治体が消滅するわけではなく、東京圏への若者の流入と、少子高齢化によって自治体による行政サービスを維持できなくなること、最終的には国力そのものを失っていくことに、強い警鐘を鳴らすための表現といえるでしょう。今からでも少子化対策のために最大限の努力をする必要があります。
女性が産む子供の平均数を示す合計特殊出生率は、日本全体では一・四三ですが、東京は全国最低の一・一三となっており、この数字を何としてでも上げていかなければなりません。
都としては、少子化対策の大きな柱として子供を育てる環境の整備を進めており、区市町村と連携して、この間、必死になって子育て支援策に取り組んでまいりました。保育園の増設、都独自の認証保育所、幼稚園の持っている機能やストックを活用する認定こども園、家庭的な保育環境を提供する保育ママ制度、また、小規模な保育事業としてのスマート保育、在宅での保育に対する支援、さらには、児童手当や子ども手当などの現金給付事業も行われてきたところであります。
また、市町村の措置による保育所入所の仕組みを保護者が保育所を選択する仕組みに改め、さらに、子供家庭支援センターの創設による地域の相談、援助体制の整備等の改正が行われてきました。また、企業が保育所を設置運営できるように、設置主体の制限の撤廃等も行ってきたところでございます。
そこで、この十年間で、東京都は子育て支援策の軸としての保育サービスの拡充等にどれだけの財源を投入してきたのか、まずお伺いいたします。
○梶原福祉保健局長 都は、平成十七年度に次世代育成支援東京都行動計画を策定し、保育サービス等の子育て支援策の拡充に取り組んでまいりました。
その後も、認可保育所、認証保育所を初め地域の実情に応じた多様な保育サービスを拡充するため、平成十八年度に策定した「十年後の東京」や、保育サービス拡充緊急三か年事業、少子化打破緊急対策事業などにより、都独自のさまざまな支援策を講じ、保育の実施主体である区市町村の取り組みを支援してまいりました。
この十年間に、保育施設の整備や認可、認証保育所の運営費、子育て推進交付金、民間社会福祉施設サービス推進費、保育人材確保事業などに投入した経費は約四千六百億円となっております。
○石川委員 都は、戦後一貫して子供を育てやすい環境づくりに努力し、この十年間だけでも大変な財源を投入してきたわけであります。
しかし、この四十年間を見ても出生率は下落し続け、二〇〇一年に都の出生率が一・〇〇の過去最低も記録をいたしました。
現在、慶應大学塾長を務めております清家篤氏が、十六年ほど前、商学部の教授時代に、東京都市長会主催の講演会の中で、結婚をした若い女性は大抵子供を産んでいる、昭和四十年代前半以降、平均して二・二人の子供を産んでいることは厚生白書でも明らかで、その数値に大きな変化はないが、全体の出生率は約一・四人と極端に減少してきている、その最大の理由は、晩婚化と若い女性が結婚しなくなったことと指摘をしております。
また、最近では、内閣府の少子化危機突破タスクフォースに参加した、人口学が専門の安藏伸治明治大学政治経済学部教授も、日本では嫡出でない子供の出生割合は全出生の二%と低い、つまり実質的な出生率は結婚している女性が産んだ子と結婚した女性の比率から成り立っていることになる、一九七〇年代以降、この有配偶出生率は大きな減少は起きていない、結婚すれば女性の多くは出産する、したがって、出生率の低下は婚姻率の低下が影響していることになる、少子化の原因は未婚化が原因と考えられるのである、未婚化、晩婚化の進行に歯どめをかけるための少子化対策は、既に結婚して子供を持っている人たちに対する育児支援や待機児童問題、子ども手当増額などの次世代育成支援を議論の中心に置くのではなく、若い未婚男女が結婚し家庭を形成しやすくなる環境の整備が必要であると指摘をしております。
子育て支援は重要で、さらに充実を図ることに異論があるわけではありません。しかし、未婚率は一九七〇年代後半から急上昇し始め、二〇〇五年には、男子三十歳代前半でも未婚率が五割に近づき、女子二十歳代後半の未婚率も約六割となっております。過去のデータの示す因果関係から見ても、我が国の少子化の直接の主たる原因は未婚問題と認識をすべきと考えますが、都の認識を伺います。
○梶原福祉保健局長 少子化の直接の要因は、未婚化・晩婚化、初産年齢の上昇、夫婦の出生力の低下の三つといわれております。
こうした現象の背景としては、結婚に対する価値観の多様化や、子育てに関する経済的、心理的負担の増加、若者の社会的自立のおくれなど、さまざまな要因があると認識しております。
○石川委員 若い人が結婚にちゅうちょする要因として指摘されていますのが、結婚後の経済的な安定を図ることであり、収入の増加と雇用の安定のために、非正規雇用から正規雇用化を進めることが求められています。
また、家事や育児のほとんどは、多くの場合、女性が担っています。女性が就業の継続を希望する場合、男女の性別役割分業意識が強いと、結婚すれば家事の負担の上にさらに育児の負担がのしかかってくることが、結婚を思いとどまらせる要因といわれています。
伝統的性別役割分担の再考、男性の親からの自立、夫の家事、育児支援、地域社会と連動した育児支援、学童保育の拡充、不妊治療の支援も求められています。
また、直接的には、結婚をしようという若者の出会いの場を初め、さまざまな支援を行政施策として推進すべきと考えますが、都としては、婚活、いわゆる結婚活動事業推進のために、どのような事業にどのぐらいの予算を投じてきたのか、お伺いいたします。
○梶原福祉保健局長 都は、子供を産み育てたいと望む人たちが安心して子育てできるよう、妊娠、出産に関する相談窓口の設置や多様な保育サービスの整備促進、親同士が地域の中で交流できる子育てひろばの整備への支援など、区市町村や関係機関と連携しながら、妊娠期から子育て期に至るさまざまな施策を実施しております。
また、社会全体が連携して子育てを支援するという考えに立って、今年度、新たに東京子育て応援ファンドを創設し、NPO法人や企業が実施する子育て支援や出会いの場づくりを含むさまざまな先駆的、先進的取り組みの立ち上げを支援していくこととしておりまして、そのモデル事業の実施に一億円の予算を計上しているところでございます。
○石川委員 また、若者の雇用対策のためにどのような事業が進められ、その主な実績とどのぐらいの予算が使われてきたのか伺います。
○山本産業労働局長 都では、若者の正社員としての就職を促進するため、平成二十五年度は合同就職面接会を四回開催し、三千八百六十二名が参加いたしました。
また、研修と就労体験を組み合わせ、雇用に結びつける事業では千六百五十四名を企業現場に派遣し、このうち八百四十八名が正社員として雇用されました。
加えて、しごとセンターのヤングコーナーでは、個々の適性や希望を踏まえたきめ細かな支援を行い、平成二十五年度の就職者数は五千八百八十二名となっております。
こうした若者の雇用就業支援に係る決算額は、約十九億五千四百万円でございます。
○石川委員 先ほどお話をしました清家教授も安藏教授も、個人の生き方にかかわるところに国や行政が関与することに極めて慎重であるべきであると常に前提にしております。確かにそのとおりだとは思いますが、就活、いわゆる就職活動も個人の問題で、そのために既に多くの事業を行い、財源が投入されてきたことは、先ほどの答弁でも明らかなわけであります。
婚活、いわゆる結婚活動も個人の問題ですが、これらの支援活動は、都においては二十六年度初めて始まったばかりです。少子化という事態は、家庭のみならず、地域、自治体、国家の危機に直結するといえるでしょう。
増田元総務大臣は、人口減少により経済規模が縮小しても、一人当たりの所得さえ維持できれば問題はないという主張もある、しかし、これからの人口減少は、総人口の減少を上回る働き手の減少により一人当たりの所得を低下させ、縮小がさらに縮小を招くという縮小スパイラルに陥るリスクがある、よって、人口減少の歯どめが必要であると述べています。
国も、ようやく経済財政諮問会議の中の専門調査会、「選択する未来」委員会が人口減少対策について議論を進めており、少子化対策の政府の予算を倍増させる必要があるという骨子をまとめました。
その中で、少子化対策については、従来の施策は乳幼児期の子育て支援に偏っているとして、晩婚化や晩産化への対応や男性の働き方の改革を含めて、総合的に取り組む必要があると指摘をしています。そのとおりだと思います。
そのような認識のもとに、東京都も区市町村と連携して、少子化問題の本丸は結婚問題であることを明確にし、結婚を望む人に対する婚活事業などについても支援をしていく必要があると考えます。
そこで、都は、長期的な視点で少子化対策をどのように計画の中に落としてきたのか、確認をしておきたいと思います。直近の長期計画であった「二〇二〇年の東京」へのアクションプログラム二〇一三の中で、少子化対策の位置づけについて伺います。
○川澄政策企画局長 平成二十五年一月に策定した「二〇二〇年の東京」へのアクションプログラム二〇一三では、少子化対策を施策の重要な柱の一つである子供を産み育てる家庭を社会全体で支援し、少子化を打破するに位置づけております。
具体的な事業展開としましては、保育サービスの拡充や放課後の居場所づくりの推進、仕事と家庭の両立支援と、若年者、非正規雇用者への就業支援、周産期、小児医療体制の充実、ベビーカーでも移動しやすい子育て支援のまちづくりなどを示しており、福祉、教育、就労、医療などのさまざまな分野にわたって事業を推進することとしております。
○石川委員 残念ながら、少子化対策としての未婚対策はまだほとんど手がつけられていないというのが現状といえます。
舛添知事も、少子化を改善するために新たな有識者会議を設置し、低出生率の要因や取り組むべき対策を検討し、国の施策とも連携していく考えを明らかにしています。
少子化の直接の原因が、結婚を望む人が結婚できない結婚問題であることをしっかりと認識をし、真正面から取り組む必要があります。子育て支援はもちろんですが、安定した就労や仕事と子育ての両立はもちろんのこと、また、雇用や経済的制度の改革、住宅政策を初め、さまざまな支援制度も求められます。
また、制度的な問題が仮に解決したとしても、男女の出会いがなければ結婚に進まないことも確かなことであります。かつての青年団活動を初めとする自然な出会いの場を用意することや、結婚に対する教育を早い時期から進めていくなど、総合的な計画を立てていく庁内プロジェクトの設立が待たれます。
未婚問題は、ひきこもりの問題や単身者世帯の増加、さらには孤独死の問題や地域コミュニティの存続の問題にまで連なる重要なものです。長期計画の中でしっかりと位置づけ、予算化を図っていく大きな決断が待たれることを指摘をして、質問を終わります。
○田中委員長 石川良一委員の発言は終わりました。
塩村あやか委員の発言を許します。
○塩村委員 十五分の持ち時間ですので、早口で進めさせてください。
まずは、決算書より、旧軍人に対する援護等についてです。
日本は、来年、終戦七十周年を迎えます。ことし、集団的自衛権の行使容認の閣議決定等により、平和のあり方に変化が訪れました。未来の平和を語る上で必要なことは、過去から学ぶことにあるように思います。
そこで、数点お伺いをいたします。
決算書によりますと、東京都は、戦没者遺族の戦跡慰霊巡拝に対する旅費補助を行っています。ご遺族の方も年々と高齢になり、終戦七十年を迎える今、この事業の意義と重要性はさらに増していくと考えられます。
そこでお伺いいたします。昨年度の実績と補助額をお伺いいたします。また、次代を担う世代に向けて、これらの事業を充実させる考えはないのか、あわせてお伺いをいたします。
○梶原福祉保健局長 都は、一般財団法人東京都遺族連合会が実施する海外での戦跡慰霊巡拝に参加する遺族に対し、旅費の一部を補助しております。
平成二十五年度は、中部太平洋方面のグアム、サイパン及びテニアン島において慰霊巡拝が実施され、都の旅費補助を活用した参加者は八名、補助の総額は六十万円となっております。
都はこれまで、補助対象となる遺族の範囲を適宜拡大しており、今後とも、遺族等の要望を踏まえ、対応してまいります。
○塩村委員 ありがとうございます。これまでも対象の拡大など事業の充実を行ってきたとのこと、補助対象の方が八名とのことで、今後はもう少し多くの遺族の方や若者に積極的に参加していただけると、より意義深い事業となりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
次です。
都は、戦没者遺骨帰還事業参加者に対する慰労金の支給を、硫黄島を含む諸島地域を対象に行っています。昨年度の実績をお伺いいたします。
また一方で、東京師管区で編成をされた第一師団や第三十二師団はフィリピン方面、第三十五師団はニューギニア方面で多くの犠牲を出しています。こうした方面にたくさんの戦没者の方の遺骨が残されているかと思います。厚生労働省によりますと、その数は百十三万柱とのこと。
また、世界でもまれに見る激戦地となった硫黄島においても、いまだ一万を超える遺骨が未収集の状況にあります。ここは、軍隊として入ってきた兵士だけではなく、年齢は諸説ありますが、大体十六歳から五十九歳の島の住民である男性が、軍の命令により軍属として命を落としています。
同じく戦後七十周年を迎えるに当たり、早期の遺骨収集帰還事業を国に対して働きかけていくべきだと考えますが、見解をお伺いいたします。
○梶原福祉保健局長 国は昨年度、硫黄島への遺骨収集帰還団を計十一回派遣し、全国から二百七十四名が参加いたしました。このうち、都の慰労金を支給した参加者は延べ四十五名であり、支給総額は七十六万五千円となっております。
都は、これまで国に対し、一刻も早い遺骨収集帰還に向け、具体的な情報がある埋葬箇所について、速やかに調査、探索、収容を進めることや、関係省庁等の協力を得ながら、遺骨収集帰還に向けた手だてを尽くすことを提案要求してまいりました。
今後、国は、滑走路地区や外周道路の外側等、これまで調査が不十分であった地域の調査を進めていくとしており、都は引き続き、遺骨収集の促進を国に対し働きかけてまいります。
○塩村委員 ありがとうございます。国に事業の促進を働きかけていただけるということで、力強いご答弁、本当にありがとうございます。
海外に目を向ければ、まだまだ多くの遺骨が未帰還です。先日の新聞に、おじ様をミャンマーで亡くした都民の方が、資料と現地の方の協力でおじ様の遺骨の眠る場所がわかったんですが、個人では遺骨の収集ができず、それ以上は進まず、行政に戦死者の遺骨の収集を早急にお願いしたいと投書がされてありました。
戦争で命を落とした都民の方を、遺骨という形にはなりますが、帰国をしていただき、祖国日本で供養することは重要ですし、その事業に若い世代もかかわっていくことで、平和への強い思いが生まれてくるのではないでしょうか。
また、国内でいえば、硫黄島は、舗装された滑走路の下など、まだまだ多くの遺骨が埋まっております。硫黄島は東京都内であり、海外よりも参加をしやすいということもあると思います。
特に、今の若者たちがより積極的に戦没者遺骨収集帰還事業に参加できるような取り組みも期待したいと思いますので、都の後押しをよろしくお願いいたします。
続きまして、平和継承事業についてお伺いをいたします。
私は被爆二世であることから、被爆者援護事業を行っている厚生委員会にて、被爆体験継承事業について質問を行ってきました。
戦後七十年を迎え、原爆、そして戦争を体験した方も高齢になってきており、被爆者は平均年齢が八十歳近くなり、被爆二世も平均年齢は五十歳です。
東京都は、広島に次いで被爆者の数が多いことをご存じでしょうか。東京には被爆者の会があり、積極的な活動をしています。被爆者と二世は、慰霊祭でも証言に時間を割いたりと、後世に被爆体験を伝えるために腐心をしている様子がうかがえます。証言活動が世界平和の世論をつくる力になるかという問いに、八五%の被爆者が思うと答えています。被爆者や戦争を体験した方の経験、戦争の悲惨さ、そして核兵器がいかに残忍であるかなどを後世に伝えていくことは重要です。
現在、福祉保健局では、被爆者援護事業の一環として、都庁の展望台にて、年に一度開催される原爆展等の支援を行っています。生活文化局では、東京空襲で犠牲となられた方々を追悼するために、東京都平和の日記念式典及び東京空襲資料展を実施しています。つまり、平和継承事業において残念ながら連携ができていない状態です。局を超えて連携をすることで、コストは最小限に、そして効果は最大限に得られるはずです。展示会の開催やイベントなどを検討するべきだと思います。
今後、都における局をまたいだ平和継承事業についての方針をお伺いいたします。
○小林生活文化局長 都は、戦争の惨禍を再び繰り返さないために、三月十日を東京都平和の日と定めております。
毎年、東京都平和の日記念行事として、東京空襲犠牲者やその遺族、在日大使館関係者の方々を招いた記念式典を開催するとともに、三月十日に合わせて都主催の東京空襲資料展等を実施しております。
平和の意義を確認するとともに、次世代に戦争体験や平和のとうとさを語り継いでいくため、他の事業の紹介も行いながら、引き続き都民への周知や啓発に努めてまいります。
○塩村委員 ありがとうございます。生活文化局さんの方で他事業の紹介を行っていただけるとのことで、他局さんとの連携というか、その辺の紹介も行っていただけるものと、前向きな回答と捉えたいと思います。
戦争を体験した人や被爆者の経験は、後世の平和に絶対に役立つはずです。戦後七十年たち、時間がありません。都庁内での調整に時間がかかることは理解はできるんですが、本当に待ったなしの状態だという認識を持っていただいて、縦割りを何とか打破していっていただきたいと思います。
最後に、動物愛護事業についてお伺いをいたします。
昨年九月に動物愛護法が改正され、動物への虐待等への罰則が厳しくなりました。こちらのポスターなんですけれども、犬と猫、「動物の遺棄・虐待は犯罪です。」というようなことで、環境省と警察庁の方でポスターも作成をしているほどの力の入れぐあいです。
動物遺棄、虐待は犯罪--違反をすると、懲役や罰金に処せられますとのことで、動物虐待とは、殺したり傷つけたりする積極的な行為だけではなく、必要な世話を怠ったり、けがや病気の治療をせずに放置したり、十分な餌や水を与えないなど、いわゆるネグレクトと呼ばれる行為も含まれますと、環境省のホームページには書かれています。
昨今、さまざまな動物虐待の事例が報道されておりますが、昨年の動物愛護法の改正を受け、警視庁と都の連携はどのようになっているのでしょうか。都から警察に連絡をした実績、また、動物愛護法の改正を踏まえ、東京都は、動物愛護法違反が疑われるケースについて、今後、警察とどのように連携をして取り組んでいくのかお伺いいたします。
○梶原福祉保健局長 平成二十四年の動物愛護管理法改正では、動物の虐待や遺棄の問題が発生していることを踏まえまして、所有者の責務として終生飼養等が明文化されるとともに、虐待や遺棄等に係る罰則も強化されました。
都は、動物愛護管理法に基づき、動物の虐待等に関連する苦情相談に対して、区市町村や警察とも連携し、関係者への聞き取りや現地調査によって事実を確認した上で、飼い主や事業者に対して指導等を行っており、平成二十五年度に指導等を行ったものは約百四十件、そのうち、寄せられた情報の内容から警察と連携した対応が必要と判断し、警察に連絡した事例は八件となっております。
今後とも、動物の虐待等を防止するため、飼い主や事業者に対し、罰則の強化、終生飼養の責務及び動物の適正な取り扱いについて、正しい知識を持つことができるよう普及啓発を充実させるとともに、区市町村等関係機関との連携を強化してまいります。
○塩村委員 ありがとうございます。警察との連携を強化充実していくとの力強いご答弁、本当にありがとうございます。
日本の動物愛護と福祉は、先進国の世界標準よりもおくれているような状況です。海外にはアニマルポリスがある国もあります。これは今、日本でアニマルポリスと呼ばれているようなものではなく、犯罪を取り締まる組織として機能しているものです。ここまでのものはまだ日本にはないんですね。これでようやく日本も、一歩といえるかどうかわからないんですけれども、一歩追いつくことになるのではないでしょうか。
警視庁は、都からの情報を歓迎するとのことです。ぜひ警視庁との連携を強化していただき、動物愛護と福祉の向上に努めていただくことを要望しまして、質問を終わります。
○田中委員長 塩村あやか委員の発言は終わりました。
小松久子委員の発言を許します。
○小松(久)委員 それではまず、社会的養護についてお伺いします。
子供の養育が困難な親にかわって、一定期間、社会の仕組みのもとで子供を養育する社会的養護は、日本では乳児院や児童養護施設で育つ子供が八五%と圧倒的に多い状況です。
国連子どもの権利委員会は日本に対して、親のケアを受けられない子供の養護を、里親家庭または居住型養護における小集団編成のような家庭的環境のもとで提供することと勧告を出しています。
社会的養護の目指すべきは、第一に、子どもの権利条約で保障された子供の最善の利益であり、安全で安心できる環境の中で愛着が形成され、社会性の発達を促す場となることが必要です。
そこで、都における家庭的養護、養育家庭、ファミリーホーム、グループホームの推進に当たっての整備目標とその進捗状況についてお伺いいたします。
○梶原福祉保健局長 都は、平成二十一年度に策定いたしました次世代育成支援東京都後期行動計画におきまして、社会的養護全体に占める家庭的養護の割合を平成二十六年度までに三五%に拡充することを定め、養育家庭への委託やグループホームの設置を進めてまいりました。
その結果、家庭的養護の割合は、平成二十一年度の二七・四%から、平成二十五年度には三〇・七%へと増加しております。
○小松(久)委員 この中には、六人以下という小規模ではあるけれども、施設の一種であるグループホームも含まれておりまして、里親委託は、東京都では養育家庭とファミリーホーム合わせても約一一%にすぎません。
次世代育成支援東京都後期行動計画は、今年度が最終年度ですが、家庭的養護の整備目標三五%、ただいまおっしゃいましたが、この達成に向けて、二〇一三年度はどのような取り組みを行ったのか、お伺いします。
○梶原福祉保健局長 都はこれまで、家庭的養護の担い手である養育家庭の登録数をふやすため、パンフレットやフリーペーパー、ホームページ等により、制度を都民に広く周知するとともに、十月から十一月の里親月間を中心に体験発表会を開催しており、平成二十五年度は五十一会場で実施いたしました。
また、児童を養育している養育家庭を支援するため、児童相談所による家庭訪問などに加え、民間団体を活用した訪問支援や養育家庭同士の交流促進など、きめ細かな支援を行っております。
さらに、グループホームの設置を促進するため、開設準備経費や家賃を助成するほか、グループホームの職員に対して助言や指導を行う専門の職員や、家事等を行う補助職員を配置するなど、都独自の支援を行っております。
○小松(久)委員 里親委託がふえるようにするためには、里親制度そのものをもっと都民に知らせることが必要であり、広報などのさらなる工夫を要望します。
生活者ネットワークは、児童養護施設を出た後の自立を支える継続した支援として、アフターケアについてこれまでも伺ってきました。いきなり社会に放り出すのではなく、相談に乗ったり、さまざまなサポートをしたりする自立支援コーディネーターが全ての施設に配置されるよう求めてきました。
二〇一三年度における自立支援コーディネーターの設置状況及び施設によるアフターケアの実績についてお伺いします。
○梶原福祉保健局長 都は平成二十四年度から、関係機関とも連携し、入所児童の自立支援や進学に向けた準備から、退所後の相談支援等を行う自立支援コーディネーターを専任で児童養護施設に配置する取り組みを行っており、二十五年度は四十九の施設で実施いたしました。
また、自立支援コーディネーター等によるアフターケアも、約二千人の退所児童に対して実施しており、電話や来所時の相談対応、職場や家庭訪問などの支援は、延べ約二万三千件となっております。
○小松(久)委員 コーディネーターの配置された施設では、一人当たり十回以上のケアを受けることができましたが、それを受けられない子がいるということです。全ての施設にコーディネーターが配置されるよう、施設への働きかけや人材育成、施設側の受け入れ体制づくりなどを推進していただきたいと思います。
また、施設にいた子供が経済的理由によって大学や専門学校への進学を諦めることなく、学び続けられるような支援の仕組みを整備すべきです。
都は独自の補助を実施していると聞いています。二〇一三年度に都内の児童養護施設から大学等への進路選択について、全国の児童養護施設と比べてどのような状況であるのか、お伺いします。
○梶原福祉保健局長 ただいまお答えしたように、都は独自に児童養護施設に対して、入所児童の進学に向けた支援を行う自立支援コーディネーターを配置するとともに、大学や専修学校等に進学する際に必要な入学金などを支援しております。
こうした取り組みによりまして、平成二十五年三月に高等学校を卒業し、大学等へ進学した児童養護施設の児童の割合は、全国の一二・三%に対して都は一九・八%、専修学校等へ進学した児童の割合は、全国の一〇・三%に対して都は一七・七%となっております。
○小松(久)委員 子供の学ぶ機会の保障、そして、施設を出た後でも社会が応援しているというメッセージを伝える意味でも、この取り組みがさらに広がることを期待しています。
東京都の取り組みは、二〇一一年に発覚した杉並区での里子死亡事件が契機となって大きく進展したと聞いています。二〇一〇年に里子として育てられていた三歳の女の子が養育家庭で亡くなった事故について、一年後に里母による暴行の容疑が明るみに出て、社会に衝撃を与えました。
当時、杉並区内で里親として活動していた友人は、地域の里親仲間の一人として、その里母の状況を目にする中で、里子の養育が負担になっているのではないかと疑問を抱いていたといいます。もし里母が子育てに行き詰まっていたのであれば、たとえ里親制度は都の事業でも、子供が区立の保育園に通い、地域で暮らす以上、杉並区の子育て支援と情報共有し、支援できなかったのかと思いますが、当時はその仕組みがありませんでした。
痛ましい事件の後、児童相談所と区の連携が当然のものとして図られるようになり、児相に対する人的配置や家庭的養護制度の充実が飛躍的に進みました。事件が教訓となって、制度の刷新ともいえる充実が図られたことは、せめてもの救いだと思います。
まずは、制度についての社会一般への普及啓発を広げ、里親登録者数の拡大が必要ですが、登録者が拡大すれば、中には里親に向かない人も当然いると思います。しかし、研修やフォローアップの支援を充実させ、地域の子育て支援の仕組みも十分活用しながら、実績を積み上げていただきたいと要望いたします。
次に、ホームレス支援についてです。
いわゆるホームレスに対し、健康で安定した生活ができるよう、また自立を支援するため、東京都は二〇〇〇年度、特別区と協定を締結して共同事業を開始し、翌年には、心身の健康回復とその後の支援方針を検討する緊急一時保護センター、そして、就労による自立と社会生活への復帰を支援する自立支援センターという、二段階の機関を設置して対策に取り組んできています。
この事業は、二十三区を五つのブロックに分けて実施されていますが、二〇一〇年十月からは、二つのセンターの機能を一体化した新型自立支援センターへの移行を開始し、昨年二月に各ブロックで新型への移行が完了しています。二〇一三年度は、年度当初から、全五ブロックで新型自立支援センターとして運営しています。
ことし六月には、ホームレスの自立支援に関する東京都実施計画の第三次計画をまとめました。そこで、この二〇一三年度の実績について伺います。
○梶原福祉保健局長 今お話にありましたように、新型自立支援センターでは、ホームレスの緊急一時保護から自立に向けた支援までを一体的に行っておりまして、利用者個々の心身の回復等に合わせ、入所の早い段階から一貫した就労支援を行っております。
平成二十五年度の実績を見ますと、対象者千八百十四名のうち五百九十九名の方が就労による自立に結びついており、就労による自立が困難な四百七十四名は、生活保護を適用するなどの対応を行っております。
○小松(久)委員 確かに、東京都区部のホームレスの数は、データで見る限り減少しています。この事業が始まった直後の二〇〇一年ころには概数で五千六百人でしたが、昨年は千百人、そしてことしの八月には九百十四人、単純計算で六分の一以下ということになります。
しかし、路上や公園からいなくなっても、インターネットカフェなどで暮らす生活困窮者がいると聞いています。
情報がなく、助けを求めることができない人を発見し、支援につなげるために、どのような取り組みを実施しているのかお伺いします。
○梶原福祉保健局長 都は平成二十年度から、住居を失い、インターネットカフェなどで寝泊まりしながら不安定な就労をしている方を対象に、支援拠点としてTOKYOチャレンジネットを開設し、生活、居住、就労に関する相談援助や資金貸付などの総合的な支援を行っております。
また、この事業を生活に困窮している方に広く周知するため、相談窓口を案内するリーフレットやポケットティッシュなどを、インターネットカフェやコインランドリー、図書館など約八百カ所で常時配布しております。
さらに、渋谷、新宿、上野などの繁華街やその周辺においては、巡回相談も行っておりまして、昨年度は二百七十九回実施いたしました。
こうした取り組みによりまして、昨年度のチャレンジネットへの来所による相談件数は、延べ八千四百八十九件となっております。
○小松(久)委員 ネットカフェで過ごし、身ぎれいにしていれば、ホームレスだとはわかりません。支援が必要な人は必ずしも路上にいるわけではないということです。
見えにくいホームレスとして、終電まで電車の中にいて、その後は朝までまち中を歩き回っているという人もいると聞いています。その理由は、路上で見える形でいると襲われるからだといいます。実際、無抵抗のままのホームレスが、突然見知らぬ何者かに襲撃される事件がたびたび起きていますが、これは犯罪であることはもちろん、重大な人権侵害です。
ホームレス支援をしている市民団体の調査によれば、そのような襲撃事件を起こす加害者のうち、四割近くが子供、若者だということは看過できません。その市民団体がことし八月に、野宿者襲撃の実態を明らかにし、都に要望書を提出したと聞いています。
中高生が関連した都内の野宿者に対する襲撃などについて、二〇一三年度の実態及び人権問題としての対策をお伺いします。
○比留間教育長 平成二十五年度、都内の中学生及び高校生が、江戸川区内で路上生活者のテントに花火を投げつけ、焼いてしまうという事件が起きました。このことを受け、都教育委員会は、区市町村教育委員会及び都立学校宛てに、自他の生命を尊重する指導を徹底するよう通知を出し、再発防止を図ったところでございます。
また、路上生活者の人権の尊重について、児童生徒の発達段階に応じた指導ができるよう、平成二十六年度版人権教育プログラムに指導事例等を掲載し、都内公立学校の全教員に配布することにより、学校の取り組みを支援しております。
○小松(久)委員 江戸川区では、二〇〇九年にも、野宿していた男性が中学生に襲われて重傷を負う事件が発生しています。当時の報道によれば、少年らは、逃げる男性を執拗に追いかけ、鉄パイプなどで殴ったり角材を投げつけたりし、こじきは人間のくず、ゲーム感覚で痛めつけた、怒って追いかけてくるのがおもしろくてやったなどと供述していました。
去年の事例でけが人が出なかったのは何よりですが、もし花火を投げた先に人がいたらと考えると、ぞっとします。現実に、投げつけた花火の火が服に燃え移って大やけどを負ったり、至近距離から花火を発射したことが原因で目を失明したりというような深刻な事件は全国で発生しています。死に至る事件も起き、都内に限っても一九九五年以降、ただ野宿をしたというだけで十人の人が亡くなっています。
さきの市民団体の調査によれば、都内約三百五十人の野宿者のうち、四割は襲撃を受けた経験があり、その三八%に当たる加害者は子供と若者、七五%は二人以上のグループによる襲撃だったといいます。野宿者が人を襲う事件はほとんどありません。しかし、野宿者は子供らから追われ、襲われ続けています。
子供はしばしば、仲間同士のグループで遊びの延長で野宿の場所に出向いていき、襲っています。残虐なケースも少なくありません。戦慄する思いですが、背景には、今の大人社会のホームレスに対する偏見があり、想像力が働かず、それが子供たちに反映していると考えざるを得ません。子供を加害者にしないために、学校の授業でホームレスについて、この社会の課題と合わせてきちんと伝えることだと思います。人権教育として指導に力を入れていただくことを強く要望します。
最後に、女性の野宿者について述べたいと思いますが、女性の場合は、身の安全を守る意味でも必死で身を隠しており、実態が見えにくいという特徴があります。女性の野宿者は、政府の調査でも都の調査でも全体の三%とされていますが、民間による全国調査では七%と報告されています。
ぜひ、この問題は女性の貧困問題として捉え、都としての支援策に取り組んでいただきたいと要望して、終わります。
○田中委員長 小松久子委員の発言は終わりました。
以上で本日予定いたしました質疑は全て終了いたしました。
お諮りいたします。
平成二十五年度東京都各会計歳入歳出決算の認定についてに対する質疑は、これをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 異議なしと認めます。本件に対する質疑は終了いたしました。
なお、十一月十七日の十二時四十五分から理事会を、また、十三時から委員会を本委員会室で開会いたしますので、よろしくお願いいたします。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後四時四十六分散会
第1分科会で行われた平成25年度東京都一般会計決算等に関する審査の概要を次のとおり報告する。
平成26年10月24日
平成25年度各会計決算特別委員会
第1分科会委員長 三宅 正彦
平成25年度各会計決算特別委員長
田中 たけし 殿
1 本分科会の設置及び審査の経過
(1) 本分科会は、9月25日に設置され、次の案件を審査した。
・平成25年度東京都一般会計決算中、政策企画局、青少年・治安対策本部、総務局、財務局、主税局、会計管理局、選挙管理委員会事務局、人事委員会事務局、監査事務局、収用委員会事務局、議会局、東京消防庁、警視庁所管分
・平成25年度東京都特別区財政調整会計決算
・平成25年度東京都地方消費税清算会計決算
・平成25年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計決算
・平成25年度東京都用地会計決算
・平成25年度東京都公債費会計決算
(2) 本分科会は、次のとおり各所管局ごとに審査し、終了した。
10月6日(説明聴取・資料要求) 会計管理局、政策企画局、主税局、収用委員会事務局、選挙管理委員会事務局、警視庁、東京消防庁
10月8日(説明聴取・資料要求) 総務局、財務局、人事委員会事務局、監査事務局、議会局
10月15日(質疑) 会計管理局、警視庁、東京消防庁
10月17日(質疑) 議会局、財務局、主税局
10月20日(質疑) 選挙管理委員会事務局、政策企画局、青少年・治安対策本部
10月22日(質疑) 監査事務局、人事委員会事務局、収用委員会事務局、総務局
2 本分科会における質疑の概要
(1) 政策企画局所管分
〔1〕 アジアヘッドクォーター特区について
ア 外国企業の誘致による日本経済の活性化及び地方創生への効果について
イ 平成25年度における広報活動、ビジネスコンシェルジュ東京及び外国企業の戦略的誘致の取組内容について
ウ 平成25年度における外国企業の誘致の成果及び今後の見通しについて
エ 特区内に進出する外国企業の受入環境の整備について
オ 外国から資本や人材を呼び込む上での課題及び国家戦略特区の今後の展開について
カ アジア地域の業務統括拠点の内容について
キ 研究開発拠点と併せて50社の誘致を目標とする根拠及び減税以外の支援への取組について
ク ビジネスコンシェルジュ東京の運営委託先の企業名、契約金額及び実績について
ケ 誘致した外国企業が海外の他都市へ移転するリスクについて
〔2〕 職員の海外派遣について
ア 平成25年度の実績について
イ 自治体国際化協会の概要及び分担金の根拠について
ウ 自治体国際化協会の活用による都民に役立つ施策について
〔3〕 知事への表敬訪問について
ア 猪瀬前知事と舛添知事の対応実績及び猪瀬前知事が最後に表敬訪問を受けてから舛添知事が最初に表敬訪問を受けるまでの空白期間について
イ 平成25年度の都市外交の総括について
〔4〕 将来人口推計調査について
ア 平成25年度に実施した目的について
イ 猪瀬都政における調査結果の活用及び今後の活用について
(2) 青少年・治安対策本部所管分
〔1〕 自転車の安全利用について
ア 利用者の安全利用意識を向上させる取組について
イ 従業員の安全教育等に係る事業者への取組について
〔2〕 ITS技術の活用について
ア 集中的な渋滞対策について
イ 需要予測信号及びPTPSの導入実績と対策の効果について
ウ ITS技術の今後の取組について
エ 東京で世界会議を開催した成果と今後の関わりについて
〔3〕 中学生の職場体験事業について
ア 事業の概要と青少年の健全育成上の意義について
イ 事業の趣旨の実現状況及び今後の事業の充実について
〔4〕 ひきこもり対策について
ア これまでの取組及び実態の把握について
イ 自治体における支援体制の整備について
ウ NPO法人等の支援について
エ 訪問相談の導入の経緯及びその有効性について
オ 東京都ひきこもりセーフティネットモデル事業の効果と課題について
カ 東京都若者社会参加応援事業への当事者や家族会の参加及び支援の対象年齢について
キ 予算額と決算額の減少の理由について
ク 都の補助を利用した区市町村の取組が広がらないことについて
〔5〕 子どもの安全対策について
ア 子どもの犯罪被害の状況について
イ ボランティアリーダーの育成について
ウ 地域安全マップづくりの推進及び指導者の育成について
エ 子供110番の家への駆込み訓練の内容について
〔6〕 インターネット等の利用について
ア ファミリeルール講座と出前講演会の実績及び実施上の工夫について
イ 東京こどもネット・ケータイヘルプデスク(こたエール)の実績、対応状況及び相談の傾向について
ウ スマートフォンに関する相談について
エ 警察に相談する場合の支援体制について
オ フィルタリングの普及啓発について
(3) 総務局所管分
〔1〕 大島の復興について
ア 復旧・復興に向けた取組について
イ 災害復旧・復興特別交付金の考え方と平成25年度における交付金の活用状況について
ウ 土砂災害による住宅の被害の状況及び被災者の住宅再建支援の取組について
エ 現在の仮設住宅入居者数及び今後の復興住宅整備の見通しについて
オ 土砂災害発生前の防災計画について
カ 土砂災害を踏まえた対策について
キ 災害の歴史をいかした今後の取組について
〔2〕 災害弱者対策及び土砂災害の避難対策について
ア 要支援者名簿の作成及び関係者への情報提供に係る取組状況について
イ 地域の防災力を高めるための各自治体への支援の強化について
ウ 土砂災害を想定した避難対策のガイドライン等の作成について
〔3〕 東日本大震災に係る復興支援について
ア 被災地への職員派遣及び派遣された職員の業務について
イ 都内避難者アンケート調査結果の概要について
〔4〕 公立大学法人首都大学東京について
ア 平成25年の留学生の受入人数と出身国及び5年前と比較した受入人数について
イ 優秀な留学生を受け入れるためのこれまでの施策展開について
ウ 留学生交流の東京の発展への寄与について
エ 中小企業等との産学連携に向けた取組について
オ 産業技術大学院大学における産学連携について
カ 産業界における存在感を高めるための今後の大学のあり方について
キ 平成25年度における授業料の減免と分納の実績について
ク 授業料の減免枠の拡大に向けた支援について
〔5〕 インターネットと人権について
ア インターネットによる人権侵害の状況について
イ 人権侵害を受けた被害者に対する対応について
ウ 人権侵害の未然防止策の取組について
エ 人権に関心がない若年層に対する啓発について
オ 新しい人権課題に対処するための今後の人権施策の展開について
〔6〕 仕事と介護の両立支援について
ア 事業者としての都の両立支援に対する認識について
イ 両立支援制度の内容とその利用の実態について
ウ 介護休暇等を利用しやすい職場づくりに向けた取組について
(4) 財務局所管分
〔1〕 決算について
ア 平成25年度の決算全体の評価について
イ 平成25年度の決算において積立てを行った主な基金と金額について
ウ 基金の意義について
エ 社会資本等整備基金における過去の税収動向と積立て及び取崩しの状況について
オ 将来見込まれる社会資本ストックの維持更新経費の増加を踏まえた今後の財政運営について
〔2〕 足立都税事務所における省エネ・再エネ技術の導入について
ア 新たな省エネ技術や再生可能エネルギーの利用設備の積極的な導入の目的及び導入による建設コストの上昇について
イ 導入した技術の内容及び導入効果の見込みについて
ウ 導入効果の検証及び平成23年に策定した「省エネ・再エネ東京仕様」との比較について
エ 他の都有施設への展開と新たな技術の導入に向けた今後の取組について
〔3〕 省エネ・再エネ東京仕様について
ア 平成26年6月に改正した仕様に基づくCO2削減効果及び再生可能エネルギーにより生み出される発電量について
イ 都有施設における太陽光発電設備等の設置の推進について
〔4〕 都有施設の整備において再生可能エネルギーによる電力利用割合を20%とするための取組について
〔5〕 太陽光発電「屋根貸し」マッチング事業について
ア 都有施設における事業の推進について
イ 事業において建物だけでなく都が所有する土地を活用することについて
〔6〕 都有地の活用について
ア 普通財産の保有件数と面積について
イ 未利用地の件数と面積及び暫定利用の件数について
ウ 未利用地の活用に向けた検討について
エ 財産の利活用における民間の力を活用した施策連動型の取組について
オ 一つの土地に複数の局から活用の意向が示された場合の調整について
カ 多様な用途を念頭に置いた庁内や関係者との合意形成及び活用策の検討について
〔7〕 主要施設10カ年維持更新計画について
ア 各期ごとの対象棟数と事業費の概算について
イ 第1期目(平成21年度から平成23年度まで)の執行状況及び検証について
ウ 第1期の計画施設でありながら第2期等で整備を行うこととなった施設の具体的な内容について
エ 各期ごとの見直し及び新たな計画の予定について
〔8〕 都有施設の耐震化について
ア 耐震化への取組について
イ 平成26年6月に公表された耐震性に係るリストにおける特に危険性の高いB2ランクの建築物の耐震化への取組について
〔9〕 東京都工事設計単価表について
ア 資材及び人件費が高騰している状況下における単価の変動について
イ 原則年1回改定とある単価表の改定に向けた取組について
(5) 主税局所管分
〔1〕 都税の徴収について
ア 徴収率と滞納繰越額の推移について
イ 徴収率の維持及び滞納額を解消するための滞納整理の取組について
ウ 個人都民税徴収率が都税徴収率と比べて低い原因と改善のための取組について
エ 特別徴収の実施状況及び課題と対応について
オ 歳入確保に向けた今後の取組について
〔2〕 滞納者の財産の差押えについて
ア 差押えに至るまでの滞納者の実態把握と対応の基準の周知徹底について
イ 差押時の条件及び差押禁止財産の範囲について
ウ 最低限度の生活保障を原則とした滞納整理について
〔3〕 単身の高齢者に対する滞納整理について
ア 滞納整理の現況について
イ 突然の入院等により居所不明となった滞納者に係る滞納整理のための調査や徴収について
〔4〕 租税教育について
ア 租税教育の現状と平成25年度の実施状況について
イ 租税教室を行う上での工夫と租税教室の効果について
ウ 租税教室を実施していない学校への働き掛けについて
エ 社会人に対する租税教育について
〔5〕 都民からの相談及び広報活動について
ア 都民からの要望や意見・苦情などへの対応と具体的な相談内容について
イ 相談から得た都民の声の活用について
ウ 平成25年度の広報活動の取組内容について
エ 「にせ都税職員」の発生状況の把握及び都民への注意喚起について
〔6〕 アジアヘッドクォーター特区等の優遇税制について
ア 国が指定した地域において誘致した多国籍企業に対する税制上の優遇策について
イ 特定都市再生緊急整備地域において国の認定を受けた不動産事業者に対する優遇措置について
ウ 都市再生緊急整備地域において行われてきた従前の優遇税制の下での不動産取得税・固定資産税等の減税額について
エ 特定指定後に特定都市再生緊急整備地域内でしゅん工した建物の数と不動産取得税・固定資産税等の減税額の実績について
オ 多国籍企業が50社誘致された場合の法人事業税の減収額の見通しについて
カ 特定の企業に5年間法人事業税を全額免除することについて
〔7〕 市街化区域の農家が保有する屋敷林・雑木林等について
ア 屋敷林・雑木林等に係る税の減額及び見直しについて
イ 都独自の税の軽減策について
(6) 会計管理局所管分
〔1〕 会計管理局における支払業務の流れについて
〔2〕 支払業務における標準的な処理日数の超過について
〔3〕 支払の迅速化について
(7) 選挙管理委員会事務局所管分
〔1〕 投票制度等について
ア 平成25年の都議会議員選挙と参議院議員選挙における点字投票者数について
イ 国政選挙と都議会議員選挙における視覚障害者への選挙公報の周知について
ウ 選挙公報の点字版と音声版の現況について
エ 国政選挙の政見放送におけるIT等を活用した番組表の周知及び番組表の点字版と音声版の作成について
オ 選挙の投票券及び投票箱への点字シールの貼付の現況について
カ 歩行困難者における郵便投票の対象拡大及び介助の無料サポート体制の構築の必要性について
キ 投票日当日における投票システムの改善について
〔2〕 選挙における天候の影響について
ア 平成26年2月の大雪に伴う都知事選挙や市議会議員選挙の支出の増加及び大雪により生じた問題について
イ 大雪の影響を踏まえた今後の取組について
(8) 人事委員会事務局所管分
質疑なし
(9) 監査事務局所管分
質疑なし
(10) 収用委員会事務局所管分
質疑なし
(11) 議会局所管分
質疑なし
(12) 東京消防庁所管分
〔1〕 消防団について
ア 平成25年度における特別区消防団の分団本部施設の整備状況、整備率及び今後の整備予定について
イ 平成25年度の女性団員数、女性団員の割合及び今後の見通しについて
ウ トイレの整備などの女性団員への配慮の必要性について
エ 平成25年度における可搬ポンプ積載車と自動中継機能付き可搬ポンプの整備実績、整備率及び今後の取組について
オ 平成25年度における消防団員の確保に向けた取組と成果について
〔2〕 建築物の新築工事や改修工事に関する建築主等からの事前相談への対応について
〔3〕 平成25年12月の消防法令改正への対応について
〔4〕 女性防火クラブや少年消防クラブの組織状況と活動状況について
〔5〕 木造住宅密集地域における災害に迅速に対応するための消防活動体制について
(13) 警視庁所管分
〔1〕 交通安全施設整備費及び交通信号施設整備費の執行率が低い理由について
〔2〕 不用額において信号機改良等工事費の実績残が最も多い理由について
〔3〕 平成25年度における信号機の改良等に関する地域からの要望について
〔4〕 交通安全特定事業計画の概要、期間、進捗状況及び今後の見通しについて
〔5〕 現地の状況に応じたエスコートゾーンと音響式信号機の設置について
第2分科会で行われた平成25年度東京都一般会計決算等に関する審査の概要を次のとおり報告する。
平成26年10月24日
平成25年度各会計決算特別委員会
第2分科会委員長 橘 正剛
平成25年度各会計決算特別委員長
田中 たけし 殿
1 本分科会の設置及び審査の経過
(1) 本分科会は、9月25日に設置され、次の案件を審査した。
・平成25年度東京都一般会計決算中、生活文化局、オリンピック・パラリンピック準備局、福祉保健局、病院経営本部、教育庁所管分
・平成25年度東京都母子福祉貸付資金会計決算
・平成25年度東京都心身障害者扶養年金会計決算
(2) 本分科会は、次のとおり各所管局ごとに審査し、終了した。
10月6日 (説明聴取・資料要求) 病院経営本部、生活文化局、教育庁
10月8日 (説明聴取・資料要求) オリンピック・パラリンピック準備局、福祉保健局
10月15日(質疑) 教育庁
10月17日(質疑) オリンピック・パラリンピック準備局
10月20日(質疑) 福祉保健局、病院経営本部
10月22日(質疑) 生活文化局
2 本分科会における質疑の概要
(1) 生活文化局所管分
〔1〕 私立幼稚園の預かり保育の実施状況、実施率及び支援の充実について
〔2〕 地域の底力再生事業助成について
ア 平成25年度の実績及び新たな利用促進策について
イ 利用促進への具体的な取組及び成果について
〔3〕 個人情報保護制度について
ア 制度の運用状況について
イ 特定個人からの情報の開示請求の件数について
ウ 個人情報保護審査会における特定個人からの情報の開示請求に関する答申について
エ 特定個人からの権利濫用的な情報の開示請求への対応について
〔4〕 東京都商品等安全対策協議会について
ア 協議会の特色について
イ 事業者との調整について
ウ ブラインド等のひもの安全対策の取組結果について
エ 協議会の提言を踏まえた取組及び成果について
〔5〕 東京芸術文化創造発信助成について
ア 事業の目的、対象及び実績について
イ アーツカウンシル東京による事業の実施のメリットについて
ウ 人材育成や芸術文化活動の発信に対する事業の効果について
エ 具体的な助成対象の事例及び事業の今後の展開について
〔6〕 東京芸術劇場の改修の意義と概要及び平成25年度の事業実績について
〔7〕 平成25年度の芸術文化を活用した被災地支援事業の取組と成果について
〔8〕 私学助成について
ア 体験学習等特色ある教育の取組への補助と実績について
イ 私立学校の役割と助成の意義について
ウ 平成25年度における保護者負担軽減事業の実績について
エ 授業料減免補助の内容と取組について
オ 私立学校安全対策促進事業費補助の執行率について
カ 耐震化の現状と目標について
キ 非構造部材の耐震化補助の内容と実績及び今後の取組について
ク 私立幼稚園防災備蓄倉庫整備費補助の執行率について
〔9〕 公衆浴場について
ア 平成25年度の補助事業の実績及び制度の充実について
イ 浴場において実施された特徴的な取組の内容について
ウ 施策の内容及びその充実に向けた取組について
エ 役割と存在意義について
〔10〕 オリンピック文化プログラムについて
ア 平成25年度における取組とその内容について
イ 誰もが参加できる文化プロジェクトの検討について
ウ プログラムの具体化に向けた今後の取組について
〔11〕 江戸東京博物館について
ア 設置目的と観覧者数の推移及び実績の評価について
イ オリンピックに向けた今後の展開について
〔12〕 トーキョーワンダーサイトの運営について
ア 入場者数、開催プログラム数及び開催日数の実績について
イ 平成21年度と平成25年度の補助金の総額と各施設の内訳について
ウ トーキョーワンダーサイト青山の移転について
エ トーキョーワンダーサイト本郷・渋谷について
〔13〕 育英資金について
ア 返還率の現状及び返還率を上げる取組について
イ 育英資金制度への理解に向けた取組について
〔14〕 男女平等参画について
ア 施策の企画調整への取組及び予算の執行率について
イ WEBサイト「TOKYOワーク・ライフ・バランス」の周知について
〔15〕 東京ウィメンズプラザについて
ア 施設利用に係る予算の収支について
イ 平成25年度における入館者数及び相談の実績と内容について
ウ 保育室の利用者数、利用の条件及び保育者が不在の際の情報提供等の対応について
エ 利用登録団体数及び登録団体の利用状況について
オ 男女平等を目的とする利用の割合と利用の促進に向けた取組について
(2) オリンピック・パラリンピック準備局所管分
〔1〕 2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会について
ア 大会を見据えた今後の競技力向上施策について
イ 大会開催の気運の盛り上げや支持率の向上に向けた取組について
ウ 我が国全体の連携を強めるための体制の整備について
エ 環境に配慮した大会開催への取組について
オ 競技施設の整備における再生材の使用や建築廃棄物の適正処理等への取組について
カ 平成25年度における招致活動、開催都市決定後の大会準備に係る経費及び経費削減に向けた取組について
キ 平成25年度における招致気運の醸成への取組について
ク 大会組織委員会の体制整備に向けた支援について
ケ 前回の東京大会との時代背景や周辺環境の相違を踏まえた大会整備への取組について
〔2〕 スポーツ祭東京2013(第68回国民体育大会・第13回全国障害者スポーツ大会)について
ア 競技力向上に向けた具体的な事業展開及び選手団の成績について
イ 発掘・育成したジュニア選手の成果について
ウ 一つの祭典として開催した取組の内容及び全国障害者スポーツ大会の成果について
エ 都外開催競技現地事務所の運営の内容及び予算の執行率について
オ 大会の開催による成果とその活用について
〔3〕 被災地復興支援に向けた取組について
ア 2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の準備を通じた被災地復興及び大会を契機とした我が国全体の活性化と地域振興について
イ 平成25年度におけるスポーツ招待交流事業の実績と参加した子どもたちの感想について
ウ スポーツを通じた被災地支援への今後の取組について
〔4〕 競技スポーツの発展等について
ア スポーツ振興に関わる予算の執行率について
イ 公共スポーツ施設の利用状況と施設の整備・拡充への取組について
ウ 障害者のスポーツ実施率の向上に向けた指導者不足の解消策について
エ 競技スポーツの裾野の拡大に向けた取組について
オ スポーツ団体や地域スポーツクラブへの支援の現状及び単一種目のスポーツクラブ等への支援の強化について
〔5〕 平成25年度における東京都スポーツ推進計画に基づく取組について
(3) 福祉保健局所管分
〔1〕 災害医療体制について
ア 災害時における医療機関のそれぞれの役割と平成25年度の指定状況について
イ 今後の災害拠点病院の確保への取組について
ウ 医療機関が十分に機能を発揮するための連携体制の構築について
エ 地域災害医療連携会議の概要及び平成25年度における開催の実績について
オ 平成25年度における地域災害医療連携会議の予算執行率が低い理由について
カ 災害時における医療連携に対する事前の取組の重要性について
〔2〕 認知症対策について
ア 認知症早期発見・早期診断推進事業の取組状況について
イ 認知症コーディネーターと認知症アウトリーチチームによる支援の実績について
ウ 若年性認知症総合支援センターの平成25年度の相談実績及び面接・訪問による支援の効果について
エ 認知症の早期発見・診断の重要性の周知に向けた取組について
〔3〕 平成25年度における保育人材への支援実績及び国に対する保育人材の確保に要する給付を求める取組について
〔4〕 医療や介護と連携したサービス付き高齢者向け住宅モデル事業の実績と成果について
〔5〕 重症心身障害児(者)の在宅支援について
ア 平成25年度の重症心身障害児(者)通所事業の実施状況について
イ 在宅レスパイト事業の目的、概要及び平成25年度の実績について
〔6〕 中等度難聴児発達支援事業の意義と支援内容及び平成25年度の実績と今
後の見通しについて
〔7〕 成年後見制度について
ア 制度の導入後の申立件数及び今後の区市町村支援について
イ 市民後見人の養成事業の見直しの内容について
〔8〕 保育サービスについて
ア 保育士等処遇改善臨時特例事業の内容と実績及び国の子ども・子育て支援新制度の施行後の事業の取扱いについて
イ 平成25年度の都独自のサービス推進費の役割と実績及び子ども・子育て支援新制度の施行後の取扱いについて
ウ 発達障害等の子どもや保護者への支援に向けた専門職の配置について
エ アレルギーを持つ子どもへの支援の充実に向けた取組について
〔9〕 平成25年度の歯科衛生士への支援の実績及び今後の就学支援について
〔10〕 平成25年度における医師勤務環境改善事業の執行状況、成果と課題及び今後の展開について
〔11〕 平成25年度における訪問看護ステーション設置促進事業の取組内容、予算の執行率が低い理由及び今後の改善について
〔12〕 障害者の就労支援について
ア 「雇用にチャレンジ事業」の雇用人数の推移と実際に企業等の就労に結び付いた人数及び高就職率の要因と今後の取組について
イ 障害者企業見学コーディネート事業の内容及び平成25年度の実績と参加者の感想について
ウ 障害者の一般就労に向けた今後の支援の充実について
〔13〕 不妊治療について
ア 平成25年度における特定不妊治療費助成の予算額、執行率、助成件数及び助成の内容について
イ 国の助成制度の見直しへの対応について
ウ 不妊治療を行っている方への配慮及び男性不妊の割合について
〔14〕 動物愛護管理事業について
ア 平成25年度における第一種動物取扱業者の登録件数及び監視指導の内訳について
イ 監視指導におけるランク分けの状況、それぞれのランクの業者数の推移及びC・Dランクの業者の減少に向けた取組について
ウ 畜犬登録や狂犬病予防接種の実施状況について
エ 法律に触れる動物取扱業者への対応について
オ 動物愛護管理審議会における委員の選定と答申の策定について
カ ボランティアへの支援活動に関する民間との連携について
キ 動物愛護相談センターにおける動物管理体制について
(4) 病院経営本部所管分
〔1〕 公社病院について
ア 平成25年度における公社活性化プランⅢの取組状況について
イ 平成25年度における公社病院の診療実績の平成24年度との対比について
ウ 医業収支及び運営費補助金の状況について
エ 経営改善の具体的な取組及び決算の増減の主な要因について
〔2〕 多摩南部地域病院について
ア 緩和ケア医療の取組内容及び平成25年度の実績について
イ 病床利用率の低さの原因及び今後の対応について
〔3〕 荏原病院について
ア 平成25年度における地域連携の状況及び総合脳卒中センターの取組状況について
イ 地域リハビリテーションセンターとしての取組状況について
ウ 高次脳機能障害支援普及事業の実施の経緯、事業目的、取組内容及び実績について
〔4〕 豊島病院における看護師の勤務環境の現状と今後の改善について
(5) 教育庁所管分
〔1〕 学力向上について
ア 学力向上パートナーシップ事業の概要及び1年目の成果について
イ 東京ベーシック・ドリルの概要、活用状況及び改善・充実について
ウ 子ども一人一人に確かな学力を身に付けさせるための指導について
〔2〕 理数教育について
ア 東京都理数教育振興本部の設置目的及び小・中学校の理数フロンティア校の現状と成果について
イ 理数が好きな子どもの裾野の拡大と能力を伸ばすための取組について
〔3〕 職業観の育成について
ア 専門高校における職業意識を高めるための教育の現状について
イ 普通科の高校における働くことの意義の理解と望ましい職業観の育成に向けた取組について
ウ 普通科の高校における社会や職業に関して体験的に学ぶことのできる活動の充実に向けた取組について
〔4〕 都立高校における社会的・職業的自立支援教育プログラム事業の導入目的及び平成25年度の実施状況と成果について
〔5〕 道徳教育について
ア 幼稚園や保育所、小・中学校、高等学校のそれぞれの段階での道徳教育の推進に向けた取組について
イ 法に関する教育の推進に向けた取組について
ウ 「道徳・奉仕(仮称)」の授業の先行実施校における取組、成果及び教材作成の進捗状況と教材の内容について
〔6〕 公立学校の校庭の芝生化について
ア 平成25年度における校庭芝生化支援事業の実績について
イ 小・中学校の校庭芝生化補助事業が予算どおりに執行できない理由について
ウ 校庭の芝生化の推進に向けた今後の取組について
〔7〕 指導教諭の活用について
ア 指導教諭を任用する制度を導入した狙いと配置の計画について
イ 小・中学校に導入された指導教諭の具体的な役割について
ウ 指導教諭の配置及び模範授業や公開授業の実績について
エ 模範授業で優れた指導技術を学んだ教員が技術を広めるために行う校内OJTの実施状況について
〔8〕 学校リーダー育成プログラムについて
ア プログラムの導入の狙い及び区市町村教育委員会と都教育委員会とが一体となった取組について
イ 学校マネジメント能力の定義について
ウ 学校マネジメント講座の実施状況、効果及び運用上の課題について
エ 学校以外の外部講師から学ぶ機会を設定している理由について
〔9〕 都立高校における教科書の採択について
ア 教科書の採択の手続及び従軍慰安婦の記述がある教科書の使用について
イ 近現代史において様々な見解がある史実の指導について
ウ 正確な事実に基づく歴史教育の推進について
エ 平成25年に実教出版の高校日本史A・Bの教科書が採択されなかった要因について
〔10〕 都立松が谷高校において平成25年度末に出題された定期試験の問題の概要及び偏見のないバランスの取れた教育の推進について
〔11〕 武蔵野市の公立中学校における社会科の指導に関する事実関係とこれまでの対応及び調査の必要性について
〔12〕 学校問題解決サポートセンターの設置目的、具体的な対応、相談件数、相談内容及び周知の方法について
〔13〕 都立学校の改修・改築に係る予算を具体化するための考え方について
〔14〕 都立学校におけるトイレの洋式化について
ア 都立高校及び特別支援学校の洋式トイレの設置の考え方について
イ 特別支援学校における洋式トイレの必要性と教育上の効果について
ウ 都立高校及び特別支援学校におけるトイレの洋式化の整備計画、進捗状況及び今後の整備の推進について
エ だれでもトイレの設置状況及び今後の整備の推進について
〔15〕 都立学校において雨漏りが発生した場合の対応と対策について
〔16〕 特別支援学校のスクールバスについて
ア 乗車時間が60分を超える事例が増加している要因と改善策について
イ 運転手、乗務員等に対する保護者からの不安、苦情などの把握について
ウ バス事業者が契約を辞退した理由及び改善に向けた取組について
エ 安全運行の確保に向けた乗務員の研修等の取組について
〔17〕 BumB東京スポーツ文化館について
ア 平成25年度の改修工事の内容について
イ 社会教育団体・社会体育団体を支援し育成することの重要性について
ウ 平成24年12月から導入された割増料金の徴収について
〔18〕 公立小・中学校の冷房化について
ア 平成25年度の公立学校施設冷房化緊急支援特別事業の実績について
イ 特別教室の冷房化の進捗状況及び良好な教育環境の整備について
〔19〕 学校と家庭の連携推進事業について
ア 事業の目的及び平成25年度までに「家庭と子供の支援員」を配置している区市町村と学校の数について
イ これまでの成果及び活動の充実に向けた今後の取組について
〔20〕 教育管理職選考について
ア 平成25年度の受験者数、合格者数及び倍率について
イ 受験者数の拡大に向けた校務改善を含む副校長の負担軽減への取組について
〔21〕 都立高校入試における採点誤りについて
ア 平成25年度の学力検査に基づく選抜日程及び入試日程の設定について
イ 採点誤りの発生状況及び再発防止に向けた今後の取組について
〔22〕 文化財情報の外国人旅行者への提供について
ア 平成25年度の事業内容及び決算の執行率が低い理由について
イ 東京の魅力をPRする事業の今後の展開について
〔23〕 児童・生徒が互いの人権を尊重し男女平等参画の重要性を学ぶ教育の取組と成果について
〔24〕 社会の状況に対応したメディアリテラシー教育への取組について
〔25〕 動物ふれあい教室について
ア 事業の内容、実施校選定の基準及び飼育される動物の種類と数について
イ 事業を通じて明らかになった課題及び成果の報告について
第3分科会で行われた平成25年度東京都一般会計決算等に関する審査の概要を次のとおり報告する。
平成26年10月24日
平成25年度各会計決算特別委員会
第3分科会委員長 吉田 信夫
平成25年度各会計決算特別委員長
田中 たけし 殿
1 本分科会の設置及び審査の経過
(1) 本分科会は、9月25日に設置され、次の案件を審査した。
・平成25年度東京都一般会計決算中、都市整備局、環境局、産業労働局、建設局、港湾局、労働委員会事務局所管分
・平成25年度東京都中小企業設備導入等資金会計決算
・平成25年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計決算
・平成25年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計決算
・平成25年度東京都と場会計決算
・平成25年度東京都都営住宅等事業会計決算
・平成25年度東京都都営住宅等保証金会計決算
・平成25年度東京都都市開発資金会計決算
・平成25年度東京都臨海都市基盤整備事業会計決算
(2) 本分科会は、次のとおり各所管局ごとに審査し、終了した。
10月6日(説明聴取・資料要求) 労働委員会事務局、都市整備局、建設局、港湾局
10月8日(説明聴取・資料要求) 中央卸売市場、環境局、産業労働局
10月15日(質疑) 都市整備局、港湾局
10月17日(質疑) 中央卸売市場、産業労働局
10月20日(質疑) 労働委員会事務局、建設局
10月22日(質疑) 環境局
2 本分科会における質疑の概要
(1) 都市整備局所管分
〔1〕 木造住宅密集地域の不燃化について
ア 平成25年度における実績及び執行率について
イ 対策の推進に向けた取組について
〔2〕 緊急輸送道路沿道建築物の耐震化について
ア 平成25年度における耐震診断の進捗状況及び助成件数について
イ 耐震診断を確実に実施してもらうための取組について
ウ 耐震改修を進めるための取組について
エ 平成25年度までの耐震化アドバイザー派遣の実績と改修事例を情報提供する取組について
オ 耐震マーク交付の取組について
カ 耐震改修の助成制度における区市町村の助成率の違いによる所有者の負
担の改善について
〔3〕 分譲マンションの耐震化について
ア 耐震改修が進まない要因及び改修に導くための取組について
イ 平成25年度末までのマンション啓発隊の取組状況について
〔4〕 都営住宅について
ア 既存住棟への小型エレベーターの設置状況について
イ エレベーターの設置を促進するための取組について
ウ 自治会からのエレベーターの設置要望の件数について
エ 平成25年度末における入居世帯の名義人が65歳以上の世帯の割合について
オ 居住スペースに対する基準について
カ 平成25年度の若年ファミリー世帯向け期限付入居の募集戸数について
キ 平成25年度に若年ファミリー世帯向け期限付入居の期限が到来した世帯数及びそのうち新たに都営住宅のあっせんに応募した世帯数について
ク 平成25年度における都営住宅の建て替えに着手した件数及び建て替え後の安全性について
ケ 平成25年度における太陽光発電設備の設置実績について
コ 既存の設備よりも規模の大きな太陽光発電設備の設置の可能性について
〔5〕 竹芝地区のまちづくりについて
ア 平成25年度におけるまちづくりの取組について
イ 歩行者デッキの意義と効果及び整備後の維持管理について
ウ 基本協定締結後のエリアマネジメントの取組について
〔6〕 霞ヶ丘アパートの移転について
ア 移転の経緯と居住者への説明について
イ 居住者に対する具体的な対応について
ウ アパートの廃止に関する手続と法的な位置付けについて
エ 移転に向けた対応と今後の取組について
〔7〕 生産緑地について
ア 生産緑地の保全に向けた取組について
イ 都市部に残された貴重な農業・農地を確保・保全するための区市町村への財政支援に係る取組について
ウ 生産緑地指定の面積要件を下回る農地の活用・保全への支援について
エ 災害に強いまちづくりのための農業・農地の活用について
オ 農地の確保・保全に向けた検討について
〔8〕 外環の地上部街路(外環の2)の話し合いの会の取組状況及び今後の取組について
〔9〕 豪雨対策について
ア 豪雨対策基本方針において目標降雨を改定した意義と効果について
イ 公共施設における貯留施設の設置等の流域対策の推進に向けた取組について
ウ 平成25年度における個人住宅の雨水浸透ます等の設置に対する区市への補助の実績及び設置数の状況について
エ 区市町村に対する雨水浸透ます等の設置を促すための取組について
(2) 環境局所管分
〔1〕 大気環境対策について
ア 平成25年度におけるPM2.5の濃度の状況及び環境基準達成率が悪化した原因と近県の達成率について
イ 汚染物質の移流の影響について
ウ 平成25年度までの測定体制整備以外のPM2.5に係る取組について
エ 国のPM2.5に係る対策の検討状況と都の関わりについて
オ 平成25年度の大気汚染対策の国際協力への取組と今後の展開について
カ 燃焼施設等を有する工場や事務所等におけるPM2.5への対策について
〔2〕 自動車環境対策について
ア 過去10年間の排出ガス削減の取組と成果について
イ 事業者の自主的な対策を促す取組について
ウ 荷主事業者に対する評価取得運送事業者の利用への働き掛けについて
エ 自動車メーカーに対するトラックの低公害・低燃費化に向けた技術開発の促進への働き掛けについて
オ NOXとPMの削減目標の達成に向けた取組について
〔3〕 低炭素社会への取組について
ア 平成25年度における温室効果ガス排出量の調査について
イ CO2排出量の削減率の継続について
ウ 業種・業態に合わせたきめ細かい節電・省エネ対策の実施について
エ 平成25年度における省エネ化及び温室効果ガス削減目標の実現に向けた取組について
オ 家庭部門のCO2排出量の実態について
カ 大規模事業所の業種別の事業所数とCO2排出量の公表について
キ CO2排出量の多い事業所について
ク 業務・産業部門のCO2排出量に占める中小企業の割合について
ケ CO2排出量を削減するための関係局と連携した中小企業への支援について
〔4〕 中小規模事業所の地球温暖化対策について
ア 平成25年度における地球温暖化対策報告書制度及び省エネルギー診断の事業の実績と取組状況について
イ 地球温暖化対策報告書を通じて収集したデータの有効活用について
〔5〕 家庭の創エネ・エネルギーマネジメント促進事業について
ア 平成25年度における蓄電池等の導入に対する補助の実績について
イ 平成25年度の集合住宅における導入実績について
〔6〕 再生可能エネルギーの導入拡大について
ア 太陽光発電の普及を拡大するための支援の取組内容と実績について
イ 太陽光発電の普及の拡大に向けた環境整備について
ウ 木質バイオマスへの支援の実績について
〔7〕 緑地保全策の推進について
ア 平成25年度の保全地域における希少種等保全策の取組について
イ 活動団体における希少種保全のノウハウの底上げ及び新たな人材の確保と育成への取組について
ウ 平成25年度における多摩市連光寺の谷戸を含む緑地の保全に関する取組及び保全地域への指定の進捗状況について
〔8〕 廃棄物の処理について
ア 東日本大震災による災害廃棄物の処理の実績と成果について
イ 有事の際の災害廃棄物の処理に関する民間事業者との連携について
ウ 東日本大震災による災害廃棄物等の埋立処分量について
エ 平成25年度における埋立処分場の延命化を図るための23区への支援について
〔9〕 食品関連事業者における食品廃棄物の排出及びリサイクルの実態等の調査の結果と今後の施策について
〔10〕 立川駐屯地におけるヘリコプターの騒音問題について
ア 平成25年度の航空機騒音対策の実績及び苦情の件数について
イ 都民が安心して暮らせる環境の確保について
ウ ヘリコプターを含む航空機騒音問題の相談窓口の設置について
(3) 産業労働局所管分
〔1〕 MICEの開催・誘致について
ア MICEの開催によるメリットについて
イ 国際会議の開催時における東京の魅力を体感してもらう取組について
ウ 誘致プロセスにおいて東京の強みを効果的にアピールする取組について
エ 平成25年度における開催を促すための支援策の充実への取組について
オ MICE振興の一翼を担う東京ビッグサイトの平成25年度の運営状況について
〔2〕 中小企業への支援等について
ア 平成25年度における制度融資の取組内容について
イ 大学等と連携した成長産業分野に参入を目指す中小企業への技術面での新たな支援の実績について
ウ 仕事と家庭生活の両立を進めるための取組について
〔3〕 創業支援について
ア 民間の創業支援機関の活動を後押しする新たな支援策の実施状況と課題について
イ 平成25年度における融資の実績について
ウ 平成18年度をピークに融資の実績が減少傾向にあることについて
エ 新規の起業への支援事業の活用実績及びインキュベーション施設への入居可能な期間について
〔4〕 就労支援について
ア 平成25年度における若者ジョブマッチング事業の実績と取組について
イ 若者ジョブマッチング事業における企業の就労状況の情報伝達について
ウ 平成25年度の若年者緊急就職サポート事業及び重点産業分野就業支援プログラムの実績と取組について
エ 若者の職場定着支援事業の取組内容について
オ 障害者の就労への不安を払しょくするための職場体験の取組について
カ 障害者の就職とその後の定着の促進に向けた取組について
キ 女性再就職サポートプログラムの実績と取組状況について
〔5〕 若者の使い捨てが疑われる企業等の問題への取組と実績及び若者向けの啓発について
〔6〕 労働相談について
ア 労働相談情報センターの周知に関する取組について
イ 平成25年度における労働相談及び街頭労働相談の実績について
ウ 障害者や外国人労働者からの相談への対応について
〔7〕 商店街振興について
ア 小売商業後継者育成・開業支援事業の内容と成果について
イ 新・元気を出せ!商店街事業の実績と効果及び交付金の改善について
ウ 平成25年度における特定施設推進型商店街事業の評価について
〔8〕 地域に隠れた観光資源の発掘への取組及び実績と成果について
〔9〕 平成25年度におけるものづくり産業集積強化支援事業の実績について
〔10〕 東京都産業技術研究センターの認知度の向上と活用に向けた広報について
〔11〕 皮革製造業の出荷額の動向と企業の立地状況について
〔12〕 平成25年度の都立皮革技術センター台東支所における支援の内容と実績について
〔13〕 都立職業能力開発センターの事業目的と実績について
〔14〕 平成25年度の都立城東職業能力開発センター台東分校製くつ科の定員、応募者数及び応募倍率について
〔15〕 東京都エコ農産物認証制度について
ア 制度の内容と実績について
イ 認証された農産物の増加と生産者を増やすための取組について
(4) 中央卸売市場所管分
質疑なし
(5) 建設局所管分
〔1〕 都市計画道路の整備について
ア 平成25年度における整備状況と開通した路線の事業効果について
イ 平成25年度における連続立体交差事業の成果について
ウ 京成押上線の連続立体交差事業の高架化による効果について
エ 京成曳舟駅へのアクセスの向上及びバリアフリー化の取組状況について
オ 外環の2大泉ジャンクション部1キロメートル区間の進捗状況と今後の取組について
〔2〕 道路の無電柱化について
ア 平成25年度までの都道における整備状況について
イ 平成25年度までのセンター・コア・エリアと区部における整備状況について
ウ 平成25年度の緊急輸送道路における取組状況について
エ 平成25年度の東八道路における整備状況について
オ 平成25年度の新宿区内における整備状況について
〔3〕 中小河川の整備について
ア 平成25年度の整備箇所と平成25年度末までの整備状況について
イ 調節池の整備状況について
ウ 新たな目標整備水準の達成に向けた取組状況について
〔4〕 東部低地帯の河川整備について
ア 隅田川テラスの整備について
イ 平成25年度における江東内部河川の整備状況と今後の取組について
〔5〕 空堀川の整備について
ア 平成25年度までの整備工事の進捗状況、工事内容及び地域住民への周知方法について
イ 都市計画の作成時期について
ウ 市民団体からの要望について
エ 河川工事における水量を保つ工夫について
〔6〕 都立公園について
ア 平成25年度における整備状況及び都民の声の反映について
イ 平成25年度におけるスポーツ施設の整備状況について
ウ 平成25年度における防災施設の整備状況及び今後の優先整備事項等について
エ 平成25年度における防災公園の整備について
オ 東白鬚公園における防災施設の整備及び地元との連携への取組について
〔7〕 恩賜上野動物園の文化財について
ア 五重塔の由来と特徴について
イ 五重塔の改修の取組状況及び貴重な建築物の保存について
〔8〕 平成25年度における道路の景観整備事業の実績について
〔9〕 平成25年度における自転車走行空間の整備状況について
〔10〕 街路樹の整備について
ア 平成25年度までの街路樹の整備実績について
イ 大径木再生大作戦の取組状況について
〔11〕 都立霊園について
ア 施設変更制度の概要と平成25年度の利用実績について
イ 平成24年度の公募結果を踏まえた平成25年度の樹林墓地の募集について
(6) 港湾局所管分
〔1〕 東京港の地震・津波・高潮対策について
ア 平成25年度における取組の内容と事業費及び執行率について
イ 整備計画を着実に推進していくための取組について
ウ 生活環境に影響を及ぼす箇所における事業の進め方について
エ 防災施設におけるバックアップ機能の強化について
〔2〕 海浜公園における水浴推進の取組について
ア 水浴環境としての水質の状況及び水浴利用の現状と課題について
イ 平成25年度に実施した葛西海浜公園水浴検討調査委託の概要について
ウ 安全性の確保等に係る行政の果たすべき役割について
〔3〕 東京港の環境対策について
ア 東京港における経済活動によるCO2の排出量について
イ 荷役機械の省エネ型への切替えによるCO2削減の有効性について
ウ 環境対策の取組による東京港のCO2の削減量について
エ 船舶を利用したモーダルシフトの取組と実績について
オ 鉄道の活用によるモーダルシフトの推進について
〔4〕 東京港における太陽光発電設備の設置に向けた取組と今後の展開について
〔5〕 島しょ地域の運賃補助について
ア 平成25年度における貨物運賃補助の実績について
イ 輸送費補助の適用拡大の要望について
ウ 燃料輸送費の補助対象品目の拡大について
エ 島しょ地域と本土との価格差における輸送費等の影響について
〔6〕 小笠原のクルーズ船対策について
ア 係留用ブイの改修工事の整備内容について
イ 大型クルーズ船の寄港予定について
〔7〕 海の森事業について
ア 平成25年度末における整備規模と現在の状況について
イ 苗木作りや植樹への都民等の参加状況について
ウ 東京都海の森倶楽部の活用について
〔8〕 しゅんせつについて
ア 直営しゅんせつと汚泥しゅんせつの目的及び対前年度比について
イ しゅんせつ土の土質及び処分方法について
(7) 労働委員会事務局所管分
質疑なし
Copyright © 1999
Tokyo Metropolitan Assembly All Rights Reserved.