委員長 | 三宅 正彦君 |
副委員長 | 新井ともはる君 |
副委員長 | 鈴木あきまさ君 |
小林 健二君 | |
石川 良一君 | |
河野ゆうき君 | |
ほっち易隆君 | |
中山 信行君 | |
斉藤あつし君 | |
かち佳代子君 |
欠席委員 なし
出席説明員監査事務局 | 局長 | 石原 清次君 |
監査担当部長 | 副島 建君 | |
人事委員会事務局 | 局長 | 真田 正義君 |
任用公平部長 | 津国 保夫君 | |
試験部長 | 森山 寛司君 | |
審査担当部長 | 小澤 達郎君 | |
収用委員会事務局 | 局長 | 目黒 克昭君 |
総務局 | 局長 | 中西 充君 |
危機管理監 | 宮嵜 泰樹君 | |
次長理事兼務 | 中村 長年君 | |
総務部長 | 榎本 雅人君 | |
尖閣諸島調整・特命担当部長 | 野口 毅水君 | |
訟務担当部長 | 和久井孝太郎君 | |
復興支援対策部長 | 川合 純君 | |
復興支援調整担当部長被災地支援福島県事務所長兼務 | 赤木 宏行君 | |
行政改革推進部長 | 三木 暁朗君 | |
自治制度改革推進担当部長 | 奥田 知子君 | |
情報システム部長 | 中島 毅君 | |
首都大学支援部長 | 伊東みどり君 | |
人事部長 | 内藤 淳君 | |
労務担当部長 | 栗岡 祥一君 | |
主席監察員 | 大朏 秀次君 | |
行政部長 | 西村 泰信君 | |
多摩島しょ振興担当部長事業調整担当部長兼務 | 佐々木秀之君 | |
区市町村制度担当部長 | 越 秀幸君 | |
大島災害復興対策担当部長 | 神山 智行君 | |
総合防災部長 | 矢岡 俊樹君 | |
企画調整担当部長 | 裏田 勝己君 | |
防災担当部長 | 小久保 修君 | |
統計部長 | 中村 豊君 | |
人権部長 | 箕輪 泰夫君 |
本日の会議に付した事件
平成二十五年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
監査事務局関係
・平成二十五年度東京都一般会計決算(質疑)
人事委員会事務局関係
・平成二十五年度東京都一般会計決算(質疑)
収用委員会事務局関係
・平成二十五年度東京都一般会計決算(質疑)
総務局関係
・平成二十五年度東京都一般会計決算(質疑)
・平成二十五年度東京都特別区財政調整会計決算(質疑)
・平成二十五年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計決算(質疑)
○三宅委員長 ただいまから平成二十五年度各会計決算特別委員会第一分科会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、監査事務局、人事委員会事務局、収用委員会事務局及び総務局関係の決算に対する質疑を行います。
これより監査事務局関係に入ります。
決算の審査を行います。
平成二十五年度東京都一般会計決算中、監査事務局所管分を議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○三宅委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三宅委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で監査事務局関係を終わります。
○三宅委員長 これより人事委員会事務局関係に入ります。
決算の審査を行います。
平成二十五年度東京都一般会計決算中、人事委員会事務局所管分を議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○三宅委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三宅委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で人事委員会事務局関係を終わります。
○三宅委員長 これより収用委員会事務局関係に入ります。
決算の審査を行います。
平成二十五年度東京都一般会計決算中、収用委員会事務局所管分を議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○三宅委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三宅委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で収用委員会事務局関係を終わります。
○三宅委員長 これより総務局関係に入ります。
決算の審査を行います。
平成二十五年度東京都一般会計決算中、総務局所管分、平成二十五年度東京都特別区財政調整会計決算及び平成二十五年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計決算を一括して議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○鈴木委員 私からは、大島の復興についてお伺いいたします。
昨年の十月十六日、大島町を襲った台風二十六号による記録的な豪雨は、大規模な土砂災害を引き起こし、亡くなられた方、いまだ行方不明の方が合わせて三十九人にも上る甚大な被害をもたらしました。発災後、都議会自由民主党は大島を訪れまして、私も大金沢の堆積工や被害の大きかった神達地区等を視察してまいりました。
そこでは山が崩れ、大量の土砂が多くの家屋を押し流し、跡形もなくなった光景が一帯に広がるとともに、潰された車が発災時の姿のまま残るなど、土砂災害のすさまじさに体が震えて、私自身、今も鮮明な記憶として残っております。
東京都は、土砂災害の発生直後から大島の応急復旧に向けた取り組みを実施して、道路、港湾施設などのインフラ復旧に取り組むとともに、我が党の要請に応えて大島町に対する特別交付金制度を創設したことは高く評価するところでございます。
先月末には、町が大島町復興計画を公表いたしました。今後、この計画が復興へ向けた道しるべとなって、個別具体的な事業が円滑に展開されることを期待しているところでございます。
あれから一年の時が経過して、今月の二十六日には大島町で追悼式が開催されます。都議会自民党としても、幹事長、そして地元、我が分科会の三宅委員長も出席させていただきまして、改めて犠牲になられた方々、ご遺族の方々へ哀悼の意をささげることになってございます。
災害から一年という節目であるとともに、復興へ向けた取り組みが本格化されつつあるこの時期に、これまでの取り組みを検証する意味においても、大島の復旧、復興に向けた取り組みについてお伺いさせていただきたいと思います。
そこで、まず初めに、昨年の台風二十六号による土砂災害発生直後、都はあらゆる面において復旧、復興に向けた取り組みを行ってきたことと思いますが、改めて都の取り組みについてお伺いいたします。
○神山大島災害復興対策担当部長 昨年十月十六日の土砂災害発生を受け、都は自衛隊、警察、消防等の機関と連携した救出救助活動を行うとともに、支援物資の調達、住宅の提供等応急復旧対策や生活再建支援などを進めてまいりました。また、平成二十五年度の補正予算及び今年度の当初予算におきまして百四十九億円を措置し、仮設導流堤の整備や大金沢にある堆積工のかさ上げといった土砂災害対策、瓦れきの島外搬出などを進めております。
あわせて、技術系職員を含む大島町への職員派遣及び大島支庁による技術的な支援により、町道の復旧や復興計画策定の支援を行っております。
○鈴木委員 発災直後から、町の復旧、復興に向けて、都も事業実施や計画策定において組織的に支援するなど、あらゆる面において都が先頭に立って積極的に取り組んでいるということを、今改めてわかりました。瓦れきの島外処理に関しましては、私ども自民党の視察で現地を直後訪れたときに、町長との会談の中で、町長、今一番何がすぐ必要ですかというようなことを私申し上げたことを今も覚えているんですけれども、やっぱりその中でまずは瓦れきの処理ですというようなお話でございました。
そんな中で、東京都としても、私の地元の大田区にも大田清掃工場ございますけれども、島外処理、これが目標として一万二千三十トンということでございますが、畳、布団、あるいは建設の混合廃棄物やタイヤ、あるいは木くず、こういったものを東京都としても受け入れて、本当に平成二十六年の十二月までに予定どおり瓦れきの処理というものも着実に進んでいるということだというふうに思っております。
被害者から寄せられるさまざまな声を聞いているとき、町の復興に向けて何よりも先んじて取り組まなければならないことは、被害者の生活再建支援であります。
そこで、被害者の生活再建支援の取り組みの中で、特に住宅の再建支援に関する都の取り組みについてお伺いいたします。
○神山大島災害復興対策担当部長 都は、土砂災害等により住宅の被害を受けた方々のために、国の制度では支給対象とならない半壊世帯を対象に建設費等を最大二百万円支給するとともに、町の要請に基づきまして平成二十六年一月に応急仮設住宅を建設するなどの取り組みを行ってまいりました。町は、復興計画に基づき、住宅の再建が困難な被災者のために復興町営住宅を建設すべく現在実施設計を行っているところでございまして、都は必要な費用について補助しております。
都は、引き続き被災者の生活再建支援を進めるため、町による被災者の住宅再建に係る取り組みを適切に支援してまいります。
○鈴木委員 住宅の再建支援についても、都は被災者の状況に応じてきめ細かく支援していることがわかりました。今なお三十七戸の仮設住宅に八十二人が暮らしていると伺っております。土砂災害により大切な住まいを失った方々に対し、一刻も早く住宅再建の見通しを立てることが重要であり、都は引き続き町の住宅再建の取り組みを全力で支援していただきたい、このように要望しておきます。
今後、町の復興計画に基づいて復興に向けた取り組みが本格化してまいりますが、島しょ地域の地理的特殊性も含めまして、この事業規模が大きく膨らむことは想像にかたくありません。災害からの復旧、復興を円滑に推進していくためにも、町に対し災害復旧・復興特別交付金等必要な財政支援を行っていくことが重要であります。
そこで、決算に関する部分として、災害復旧・復興特別交付金の考え方と平成二十五年度における交付金の活用状況についてお伺いいたします。
○神山大島災害復興対策担当部長 災害復旧・復興特別交付金は、災害に起因する緊急かつ特殊な財政需要について、被災した自治体に対し財政支援を行い、災害復旧及び復興等の円滑な促進を図ることを目的としておりまして、昨年の台風二十六号による災害について大島町を初めとする被害のあった町村に対して適用しております。
平成二十五年度は、最終補正予算により十億円を計上いたしましたが、大島町において瓦れきの処理、町道等の復旧事業、被災した児童生徒への通学支援などに活用しており、早期の復旧、復興に寄与したと考えております。
平成二十六年度も復旧、復興に必要な財政需要に対しまして十五億円を予算計上しており、都は引き続き町と連携協力して、町の復旧、復興に向けた取り組みを支援してまいります。
○鈴木委員 災害復旧・復興特別交付金が町の復旧、復興事業に有効に役立たれていることがわかりました。しかし、大島の復興はようやく緒についたばかりであり、今後計画に掲げられた事業についてスピーディー感を持って実現していくことが重要であります。
最後に、大島の復興に向けた総務局長の決意をお伺いいたします。
○中西総務局長 大島町の早期復興は、被災者の生活再建や地域の定住促進、島の持続的発展を図る上で極めて重要でございます。本年九月に策定されました町の復興計画では、町道等のインフラ復旧、産業観光復興支援、被害の大きかった元町地区の復興まちづくりなどを積極的に進めることとしており、今後復興に向けた取り組みが本格化してまいります。
都は、大島町への職員の派遣や大島支庁による技術的な支援、災害復旧・復興特別交付金の活用などにより、今後とも復興に向けた町の取り組みを強力に後押ししてまいります。
あわせまして、本格的な導流堤の整備や斜面対策工事等の土砂災害対策を実施し、防災力の強化を図るとともに、基幹産業の一つでございます観光産業を支援するなど、全庁一丸となって一日も早い大島の復興に取り組んでまいります。
○鈴木委員 ただいま局長から大島の復興に向けて力強い決意をお伺いいたしました。復興への歩みを着実に進めていただくことができるかどうかは、今後の取り組みいかんでございます。他の島しょ地域と同様、大島においても常に厳しい自然環境と向き合うこととなりますが、早期に復興を遂げ、持続的に発展していくことが重要なことであると考えます。
都も町とともに一体となって大島の復興に引き続き全力で取り組むことを要望して、私の質問を終わります。
○小林委員 私からは、人権施策についてお伺いいたします。
都では、平成十二年に策定された東京都人権施策推進指針に基づき、女性、子供、高齢者、障害者、外国人など主な人権問題に対し、救済と保護、啓発と教育、支援と助成の三つの観点から施策を推進されていることと思います。これら主要な人権問題とともに、昨今では性的マイノリティーやホームレス、東日本大震災に伴うものなどさまざまな人権問題が提起されておりますが、きょうはインターネットによる人権侵害について何点かお伺いいたします。
パソコンやスマートフォン、タブレット端末の急速な普及やSNS、ソーシャルネットワーキングサービスの利用によるインターネット上の誹謗中傷や差別的な書き込みが大きな社会問題になっております。インターネットは、世界をつなぐグローバル性が大きな特徴であり、広範囲にわたる情報収集能力の迅速さは大変に便利なものではありますが、技術の進歩は使う側の人間によって有益にも有害にもなり得ます。
私も今までに、インターネットによって誹謗中傷を受け、日常生活に多大な支障を来し心の傷を抱えた方々より数々のご相談をいただいたことがあります。インターネットを手段とする人権侵害は、その特性から迅速、広範囲に広がり、被害者がどうすることもできないままに苦しみ、悲しみが増幅されていきます。
匿名性や手軽さゆえにインターネット上で行われてしまうプライバシー侵害や名誉毀損に対し、その重大性を社会で共有し、律していくことが重要であると考えます。
初めに、近年のインターネットによる人権侵害の状況についてお伺いいたします。
○箕輪人権部長 平成二十五年に法務省が取り扱ったインターネット上の人権侵犯事件は過去最高となり、新規で救済を開始した件数は九百五十七件と、前年の六百七十一件を大幅に上回る結果となりました。このうちプライバシー侵害事案は六百件、名誉毀損事案は三百四十二件であり、両事案のうち、プロバイダー等へ削除要請を行ったものは百三十六件でございます。
また、文部科学省が実施した調査によりますと、平成二十五年度の全国の小中高等学校等において、パソコンや携帯電話等で誹謗中傷や嫌なことをされるといったいじめの認知件数は八千七百八十七件で過去最高であり、インターネットを介して子供が加害者や被害者となり、トラブルに巻き込まれる状況がございます。
インターネット上の人権につきましては都民の関心も高く、都が昨年実施した人権に関する世論調査では、七割を超える人がインターネット上で人権が尊重されていないと考えているという調査結果がございました。
○小林委員 昨年は、インターネットによる人権侵犯事件が過去最高とのことで、いいかえれば、それだけ多くの苦しんでいる人がいるということもいえるかと思います。また、七割を超える人がインターネット上での人権侵害に関心を持っているとのことでもありますので、この関心の高い課題に迅速、的確に対応していく必要性があると考えます。
そこで、インターネット上における人権侵害を受けた被害者に対し、都が取り組んでいる対応策についてお伺いいたします。
○箕輪人権部長 都では、インターネットと人権に関する啓発リーフレットや人権部のホームページにおきまして、インターネット上で人権侵害の被害に遭った際の対処方法などを案内しております。また、相談窓口といたしましては、東京都人権プラザにおいて相談を受け付けるとともに、内容に応じて東京法務局など適切な相談機関を紹介しております。
このほか青少年向けネットトラブル相談窓口、東京こどもネット・ケータイヘルプデスク、愛称こたエールと申しますが、ここにおきましてインターネット上の被害者からの相談を受けるなどの対応をとっているところでございます。
○小林委員 この問題は、インターネットがある意味悪用されて人権侵害に至っておりますので、啓発はもちろんのことでございますけれども、教育や技術的な観点、あるいは犯罪性といった点も含めながら、教育庁や青少年・治安対策本部、また警視庁などの関係機関との連携が重要になってくると思います。
被害に遭った人に対し相談対応を充実させていくことも大変に重要ですが、インターネット上での人権侵害を未然に防ぐ対策も重要であります。未然防止策として、都の取り組みについてお伺いいたします。
○箕輪人権部長 人権部のホームページでは、個人情報は書き込まないなどといった人権侵害を防ぐチェックポイントを紹介しております。平成二十五年度には、インターネットによる人権侵害の事例やインターネットの持つ危険性などを紹介した人権啓発映像を作成し、人権をテーマとするさまざまなイベントで上映するとともに、人権部のホームページから動画配信しております。
さらに、区市町村の窓口や都の施設、イベント会場などで配布している啓発リーフレットにおきましても、インターネット上の掲示板を利用する際の注意点を掲載するなど、加害者にも被害者にもならないための啓発を実施しているところでございます。
○小林委員 インターネットの利用人口は、平成二十五年度末では一億四十四万人となっておるそうでございます。世代を超えて多くの年齢層が利用しておりますが、総務省が発表した平成二十五年版の情報通信白書におけるインターネットの利用率を見ますと、十三歳から四十九歳までで九割を超えており、十三歳から二十九歳までが九七・二%と最も高い利用率を示しています。この状況からも、若い世代に対し、人権問題にも及んでしまうインターネット利用におけるルールやマナーを啓発していくことが大変重要であるといえます。
インターネットと人権という課題にあっては、特に若い世代への人権啓発を重視し、充実していくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
○箕輪人権部長 インターネット上の人権侵害に代表されますように、若者が人権侵害の加害者や被害者になることが多く見受けられておりまして、若年層への人権啓発は重要であると認識してございます。
その取り組みの一つといたしまして、都では法務局と連携して平成二十三年度から若者を中心に人気のあるJリーグの試合会場において啓発を実施しております。
平成二十五年度は、在京二チームと連携し、クラブ名やクラブマスコットを入れた啓発グッズを配布するとともに、選手が登場する啓発映像を試合会場で上映するなどの取り組みを行いました。
これらの取り組みに加え、啓発映像の動画配信や各種啓発行事をツイッターで告知するなど、新しい媒体を積極的に活用しております。
○小林委員 私は、平成二十二年の総務委員会においても人権施策について質問させていただき、その当時、東京都人権施策推進指針について、策定から十年が経過し、大きく時代状況が変化した中、改定の必要性について見解をお伺いしました。
当時のご答弁は、国における人権施策の取り組みや東京における人権問題の状況など、社会状況の大きな変化があった場合には、指針の見直しについても検討すべきものと考えているとのことでした。
都議会公明党は、本年の第二回定例会の代表質問において、東京オリンピック・パラリンピックの開催に向け、国際的にも注目をされる今こそ人権指針を見直すべきと訴え、局長より、外部有識者の会議を設置し、見直しに着手するとのご答弁をいただきました。
東京都人権施策推進指針の見直しに着手し、新たな人権課題に対処するため、今後の都の人権施策の展開について見解をお伺いします。
○箕輪人権部長 都は、これまで、平成十二年に策定した東京都人権施策推進指針に基づきまして、女性、子供、高齢者、障害者、同和問題など、さまざまな人権課題に取り組んでまいりました。しかし、人権を取り巻く状況は複雑多様化しており、インターネットの人権侵害を初め、災害時の人権問題、性的マイノリティー、外国人との共生など新しい課題への対応が求められております。
こうした新しい人権課題に対応し、人権が尊重される社会の実現を目指して指針の見直しを進めるとともに、普及啓発に積極的に取り組んでまいります。
○小林委員 ぜひともご答弁にあるように、人権尊重社会の構築を目指し、誇れる人権指針の改定に取り組み、さらなる人権意識の啓発をお願いしたいと思います。
あわせて要望でございますけれども、先ほど若い世代への普及啓発という点で新しい媒体を積極的に活用していくというご答弁もございましたけれども、ネット社会における人権侵害は、インターネットやSNSを手段として問題となっているものですので、逆にインターネットやSNSを使って意識啓発に取り組み、人権を守っていく手段として活用していくことも積極的に検討していただきたいというふうに思います。
例えば、昨年より都庁各局においてツイッターを活用した情報発信を推進していますが、総務局においては総務局本体のアカウントとともに、防災、復興支援対策部、公文書館、大島支庁、小笠原支庁、八丈支庁が独自のアカウントを開設しておりました。人権部としては、総務局本体のアカウントから情報発信しているとは思いますが、人権問題の積極的な普及啓発に取り組んでいく今だからこそ、より情報発信の中身を充実させていく意味でも、人権都独自のアカウント開設やフェイスブックの活用などもぜひ検討していただければというふうに思います。
先ほども申し上げましたが、平成二十二年の総務委員会の質疑の際、苦しんでいる人がいる限り自分も安閑とはしていられない、この感覚こそ人権意識の核であるとの日本の詩人の言葉を紹介させていただきました。都庁も議会も、この感覚を持って人権施策に取り組んでいくことが大切であると考えます。地道ではありますが、人権という人間の根本の課題に取り組む大事な使命を担っているとの誇りを持って施策を推進していただきますようお願いいたしまして、私の質問を終わります。
○かち委員 私からも、まず台風二十六号の大島の土砂災害による被災者の復旧支援と防災対策についてお聞きします。
平成二十五年十月十六日、台風二十六号によって大島町では一時間に八十ミリ前後の猛烈な雨が四時間前後にわたって降り続くなど激しい雨に見舞われ、大規模な土砂災害によって、死者、行方不明者三十九人という痛ましい、まれに見る大惨事となりました。
近年、異常気象ともいえる現象から、台風の進路が日本を縦断するタイプに変化していること、台風周辺の前線の影響で多発的集中的豪雨の発生で全国各地に大雨、洪水、河川の氾濫、土砂災害のような被害が続出しています。そして、必ずというほど犠牲者が発生しています。命は助かったものの、家屋ごと全てが押し流されて一人一人の歴史も財産も失い、家族や関係者を失うという被災者の方々ははかり知れない喪失感に襲われていることと思います。
あれから一年、大島町を初め、都も挙げて復興支援に取り組んできているところでありますが、この教訓を今後も襲ってくる自然災害での防災対策や生活再建支援などに生かしていく立場から何点かお聞きします。
大島の集中豪雨による土砂災害の被害で、全壊棟数、半壊棟数等、住宅の建物被害はそれぞれどれくらいあったのでしょうか。これらの方々への生活再建の補償はどのように行われたのか、お聞きします。
○神山大島災害復興対策担当部長 まず、住宅の建物被害につきましては、昨年の台風二十六号による大島町における住宅の建物被害の内訳でございますが、全壊が五十戸、大規模半壊が十一戸、半壊が十六戸、一部損壊が七十七戸でございます。
次に、これらの被災者のうち、住宅が全壊または大規模半壊した世帯等に対しましては、被災者生活再建支援法に基づきまして最高三百万円まで支援金が支給されます。さらに、国の制度では支給の対象とならない半壊世帯を対象に、都独自の支援として最高二百万円まで支援金を支給しております。
○かち委員 都としては、国の制度にない半壊の対象者にも二百万円の支給を図ってきたことは重要なことです。しかし、私が伺った被災者の方は、築十年の住宅が全壊し、現在仮設住宅で暮らしていますが、全壊した跡地には家を再建したくない。そのためには、代替地を購入しなければならない。しかし、国の再建支援額三百万円ではどうにもならない。せめて建設費の二分の一を上限に支援してもらいたいなどと訴えていました。被災地には義援金等々あったとしても、全てを失った方々にとっては被災以降の生活維持そのものに費やされるものであって、住宅再建に回すゆとりなどないというのが現状です。
昨年、東日本大震災の被災地の岩手県陸前高田市では、国の生活再建支援に持ち家再建の追加支援として、県と市の二百万円に市独自策として百万円を上乗せするという対策などに取り組んでいます。県内十一の市町村でこのような取り組みが始まっています。大島町においても、必要に応じて新たな支援策を検討すると聞いております。都が施行している災害復興特別交付金の活用などを含め、大島町と協議し、有効活用されることを求めておきたいと思います。
現在、何人の方が仮設住宅で生活しているのでしょうか。また、今後の復興住宅の整備の見通しについて伺います。
○神山大島災害復興対策担当部長 被災された方々の中で、現在応急仮設住宅に入居していらっしゃる方は三十五世帯八十二人でございます。町は、大島町復興計画に基づきまして、復興町営住宅の建設に向けまして実施設計を行っているところでございます。
○かち委員 現在、町営住宅の建設は実施計画に入っているとのことですが、仮設住宅に住んでいる方の多くが高齢者であることからも、一日も早く安心して住める公営住宅の完成を期待するところです。
そして、被災者の復興と大島町自身の復興のためには、まだまだ長い道のりがあります。都として引き続き災害復興交付金を初めとした支援の拡充を継続することを求めます。
さて、大島町の土砂災害での犠牲者は、六十五歳以上の高齢者が五四%と過半数を占めています。災害要配慮者、いわゆる災害弱者の避難対策が重要です。
昨年、災害対策基本法の一部改正により、要支援者名簿の作成とその情報の関係者などへの提供が規定されました。具体的には市町村が行うものですが、その取り組み状況について伺います。
○裏田企画調整担当部長 平成二十五年六月に公布され、本年四月に施行された災害対策基本法改正によりまして、区市町村が避難行動要支援者名簿を作成することが義務づけられました。都といたしましては、本年七月に東京都地域防災計画を修正し、法改正内容を反映させるとともに、区市町村の役割として、名簿を、安否確認や避難誘導など、発災時における地域の支援体制の構築に活用していくよう位置づけたところでございます。こうした内容につきまして、関係局が連携して区市町村の担当者向け説明会等で周知を図っております。
現在、各区市町村におきまして、それぞれの地域防災計画の修正や、名簿情報の消防署、警察署、民生委員等の避難支援等関係者への提供に係る本人同意の確認など、取り組みが進められているところでございます。
○かち委員 災害時に支援を必要とする人を取り残さないためにも名簿づくりは必要なことだと思います。同時に、こうした方々は転居や病状変化、死亡等々常に情報が変わりますので、正確で正しい情報を把握しておかなければならない、そうしなければ意味がないわけです。大変手間暇のかかることではあります。さらに、個人情報保護の観点から、名簿の流用、漏えいなどの管理も求められます。などなど、さまざまな課題はありますが、まずは速やかな名簿づくりによって地域の状況をつかむところから始めることが肝要です。都として、その取り組みの進捗状況を速やかに把握するよう求めておきます。
名簿があっても、それぞれの状況によって避難の行動の仕方は異なります。いざというときにどう行動すべきかを具体的に確認しておくことが大切です。避難行動支援を具体的にどう対応するかという問題や、医療や福祉、防災などの各分野の関係者や機関同士の連携、研修、訓練などにより地域の防災力を高めていくことが必要ですが、どのように各自治体への支援強化を図っているのかお聞きします。
○裏田企画調整担当部長 災害対策基本法の改正を受け、国は平成二十五年八月に、これまでのガイドラインを全面改定した避難行動要支援者の避難行動支援に関する取組指針を策定しました。指針では、区市町村が名簿を作成、活用するために取り組むべき事項が示されており、都は、これにつきまして区市町村への周知を図るとともに、東京都地域防災計画に反映いたしました。また、国の中央防災会議が決定した総合防災訓練大綱では、地方公共団体が訓練を実施する際は要配慮者の参加を得た訓練を実施することとしており、都は大綱を区市町村に周知いたしますとともに、区市町村と合同で実施する総合防災訓練におきまして、要配慮者を含めた多くの住民が参加できるよう、区市町村など関係機関と連携しながら取り組んでいるところでございます。
○かち委員 区市町村が町会単位で行う避難訓練などに要支援者の参加を得て行えれば一番よいことですけれども、人によっては重度の方を参加させて、かえって体調を悪化させかねないなどから十分な体験訓練が行われていないのが現状です。日ごろから町会や地域単位でご近所の様子を把握し、民生委員や消防団、あるいは介護事業者や地域支援ボランティアの方々との連携や意思疎通を図る環境を醸成していくことが、区市町村はもちろん、都として支援強化に努めることが大切だと思います。
大島町の土砂災害や広島の災害などから、土砂災害危険箇所の基礎調査は、都も含めて三十二自治体が未了となっていますが、現に都内でも土砂災害危険箇所が三千七百カ所以上あることが指摘されています。都の防災計画によれば、基礎調査の実施状況は、まだ道半ばという状況です。基礎調査が済むまで待っているわけにはいきません。土砂災害を想定した避難対策が求められています。こうした避難対策のガイドライン等の作成状況はどのようになっているでしょうか。
○裏田企画調整担当部長 平成十九年に国が策定いたしました土砂災害警戒避難ガイドラインも踏まえまして、従前から東京都地域防災計画風水害編におきまして、土砂災害も含めた風水害における情報連絡体制や避難体制について定めております。大島での土砂災害等を契機に、国は空振りを恐れず、避難勧告等を早目に出すことを基本として、判断基準を明確化した避難勧告等の判断・伝達マニュアル作成ガイドラインを策定いたしました。
都は、区市町村に対しまして説明会等を通じて、この作成ガイドラインを周知し、それぞれの判断基準の整備を促すとともに、判断の指標となる気象情報等が発表された際は、速やかにそれを伝達しております。
また、こうした国の動きや災害から得られた教訓などを本年七月に修正した東京都地域防災計画風水害編に反映したところでございます。
また、現在の状況でございますけれども、これらにつきましては所管がちょっと異なりますけれども、現在、都におきましては要配慮者対策に係る指針を作成、改定するなどしまして、区市町村はそれらを受けて都の作成した指針を参考に地域の実情に応じたマニュアルを作成して、防災知識の普及啓発に努めるということで地域防災計画にも規定しておるところでございます。
○かち委員 災害からの教訓を生かした大島町では、ことしも二度にわたって台風が直撃したという事態に見舞われましたが、避難勧告等の判断・伝達マニュアルに沿って速やかな避難体制がとられ、高齢者の方々は安心できたという声を聞いております。都内でも、いつ大島のような土砂災害が起きてもおかしくないのが今日の状況です。本年七月に、都の防災計画風水害編に反映したとのことですが、この計画に沿って各自治体がみずからの風水害編に反映し、周知徹底することが求められています。都として、その徹底状況を推進、把握することを求めておきます。
続きまして、首都大学東京の支援について伺います。
大学教育が普遍化している今日、日本の大学の学費は世界一高いという状況です。OECD加盟三十四カ国中十七カ国が大学の授業料を無償にし、無償でない国でも、返済の必要ない給付制の奨学金制度を持っています。どちらも実現していないのは日本の国だけです。日本の高等教育政策は、世界の中から大きく立ちおくれているといわざるを得ません。首都大学東京においても、その授業料は平成に入ってからも上がり続けており、平成元年、当時は都立大学でしたが、それと比べても今日までに一・六倍も上がっています。首都大学東京の学生委員会が行った平成二十五年度の生活実態調査では、こうした環境の中で学ぶ学生たちは、二年、三年の学部生の約七割が毎日アルバイトをしているという結果にもあらわれています。
そこで、平成二十五年度の首都大学東京における授業料減免や分納の申請者数、全額免除者数、半額免除者数は、それぞれどのようになっているでしょうか。
○伊東首都大学支援部長 平成二十五年度における首都大学東京の授業料減免及び分納の申請者数は延べ千八百二十三名となっております。そのうち所得限度額の超過や書類の不備などにより対象外となった学生を除く全員に対して減免等を措置しており、全額免除千五十名、半額免除五百六十三名、分納百四十九名となっております。
○かち委員 さきの調査では、家計の所得三百万円未満が二割弱を占めていましたが、そのうち授業料の減免、分納制度を未申請、制度を知らなかった者が三割を占めるという結果でした。つまり、潜在的な対象者はもっといるということです。
この減免制度について、首都大学では学生向けのパンフを作成しているんですが、そこにはこんなふうに書いてあります。
年々授業料減免申請がふえ、免除対象者がふえている状況です。全額免除基準を満たしている方でも必ずしも全額免除になるとは限りませんので、結果が出るまで授業料を納める準備をしておいてください。
ですから、全額免除の収入基準でも財源が足りなくなれば半額免除になることもあるということです。
現に昨年度は、以前いただいた資料によれば、この半額免除者数の五百六十三人のうち六十二人が調整された学生です。さかのぼって、リーマンショック後の平成二十二年度では三百二十五人もの学生が調整を受けたということになるんです。
地方独立行政法人といえども、都立の大学を持つ東京都として首都大学東京の学生が経済的な問題で学業を続けられなくなるような事態は回避すべきだと思いますが、見解を伺います。
○伊東首都大学支援部長 首都大学東京の学生に対する経済支援策については、大学の自主的な判断により取り組むべきものでございます。首都大学東京といたしましては、他大学の動向や社会経済状況などを見据えながら授業料減免などの学生支援に取り組んでおり、都としては適切に行われているものと認識しております。
○かち委員 適切に行われているといいますが、社会環境の変化に応じて、リーマンショック以降減免申請する学生の増加に対して、国はこの五年間、国立大学の運営費交付金の免除枠をふやして授業料減免に充てられるよう、各大学が授業料収入の九・八%まで引き上げて対応しているではありませんか。
しかし、首都大では、減免予算の比率は、平成十七年の独立行政法人化以降、一度も見直しがされていません。首都大学東京においては、授業料収入の七・六七%分を授業料減免の予算枠としていますが、限られた予算枠では、経済環境の変化により減免申請者が増加すると本来受けるべき減免が受けられないという事態を回避するために、大学が授業料減免枠を拡大できるよう都として支援すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○伊東首都大学支援部長 地方独立行政法人である首都大学東京がみずからの予算の中で授業料減免をどのように設定するかについては、大学が自主的、自立的に判断して行うべきものでございます。
首都大学東京といたしましては、授業料減免の対象となる所得基準に該当する学生全員が何らかの減免を受けられるよう措置していると聞いております。
○かち委員 何らかの減免措置を受けられるといいましても、限られた予算の枠内でのやりくりですので、現にそのしわ寄せが出ているんですから、そこに都として支援の意思を示すことが求められているんです。国もやっているんですから、都としてできないことはありません。ぜひとも前向きな検討を試みるよう重ねて求めまして、私の質問を終わります。
○新井委員 私からは、平成二十五年度会計決算に関しまして、東日本大震災に係る復興支援についてお伺いしたいと思います。
東日本大震災から三年七カ月が過ぎておりますが、いまだ全国には約二十四万三千人の避難者が応急仮設住宅などで不自由な生活を余儀なくされております。一方で、岩手県や宮城県においては、本年の三月に瓦れき処理が終了するなど、復興に向けました取り組みが、徐々にではありますが、目に見える形で成果があらわれております。
被災地の復興は道半ばでありますが、都は発災直後から被災地支援を行ってまいりました。まず、そこで被災地への職員派遣についてお伺いします。
○赤木復興支援調整担当部長被災地支援福島県事務所長兼務 都は、これまで警察、消防を含めて延べ三万人を超える職員を派遣し、総力を挙げて被災地の支援を行ってまいりました。平成二十五年度における派遣職員数は、技術系が七十一名、事務系が三十一名、合わせて百二名でございます。内訳としましては、被災地における技術職員不足の深刻化に対応するため、平成二十四年九月に採用しました任期つき職員四十七名を初め、現役の都職員四十五名、監理団体職員二名を被災自治体に派遣いたしました。このほか、被災三県に設置しました現地事務所に職員八名を配置しております。
○新井委員 派遣された職員は、どのような業務を担当していたのかお伺いします。
○赤木復興支援調整担当部長被災地支援福島県事務所長兼務 被災自治体へ派遣された職員は、発災直後の初期段階では、救出救助活動、避難所運営や罹災証明書発行などの業務を行っておりました。
その後、被災地が必要とする業務は、壊滅的な被害を受けたまちの復興や被災者の生活支援などへと質的に変化してまいりましたことから、復興まちづくり事業や災害公営住宅の建設などに従事する、専門技術や行政経験を有する職員を派遣しております。
○新井委員 都が職員派遣を通じて被災地の復興をさまざまな面で支援していることがよくわかりました。これからも被災地をしっかりと支え、一日も早い復興が成るよう支援を続けていただきたいと思います。
次に、東日本大震災により、東京都内には現在も七千七百人の方々が避難されております。この方々がどのような状況に置かれているのか都は定期的に調査を行い、避難している方たちの現状をしっかりと押さえる必要性があると思っています。
そこで、昨年度に実施しました都内避難者アンケートの結果概要についてお伺いします。
○赤木復興支援調整担当部長被災地支援福島県事務所長兼務 都は、都内避難者の現状やニーズを把握するため、平成二十三年度から毎年アンケート調査を実施しております。平成二十六年二月には、都内に避難されている約三千三百世帯を対象に三回目となるアンケート調査を実施いたしまして、そのうち約千二百世帯から回答がございました。
主な調査結果では、世帯主の年齢は、七十歳代以上が二八%、六十歳代が二一%と高齢世帯の割合が高くなっております。
世帯主の就業状況は、無職が五六%と最も多く、正規雇用が二〇%、非正規雇用が一八%の順でございます。
また、現在の生活で困っていることや不安なことに関する設問につきまして回答が多かったものは、住まいのことが六二%、避難生活の先行きが不明なことが五三%となっております。
○新井委員 避難者の実情についてよくわかりました。今の答弁から、都内避難者は高齢世帯の割合が高くて、住まい、仕事などさまざまな課題を抱えていることがわかりました。
また、避難者支援は都だけの問題でなく、国や被災県の施策とも関連する複雑な面があると思います。避難者支援を実施する上で、その実情を知るアンケート調査は欠かせません。引き続き調査を続けることが重要だと思っています。
今後とも、都は東日本大震災の被災地及び都内避難者への支援を継続していただけることをお願いしまして、私の質問を終わりにします。
○石川委員 大島を初めとする土砂災害に対する対応につきましてお伺いいたします。
十月十六日、死者、行方不明者三十九人を出しました伊豆大島の土石流災害から一年を迎えました。復興に向けた取り組みは始まっていますが、大島町はもとより、都内では土砂災害の危険性の高い土砂災害警戒区域の指定が進んでいません。八月には、広島市の土砂災害での犠牲者は七十四人に上っています。広島市の災害では、土石流が発生した百六十六カ所のうち、七割余りが警戒区域に指定されていませんでした。全国的にも約五十二万カ所の危険箇所がありましたが、警戒区域の指定を受けているのは約三十五万カ所にとどまっています。
東京では約一万五千カ所の危険箇所があると想定されていますが、平成二十六年三月時点で約七千カ所が指定されているにすぎません。指定までの流れは、都道府県が地形をもとに基礎調査を行い、地元の自治体に照会を行い、あわせて地域説明会を行います。地域によっては、説明会を重ね、時間をかけて、地元自治体の判断を尊重して土砂災害警戒区域の指定が行われます。
全国的におくれている理由は、地元説明によって理解を得られない対象地域の住民の反対によるものもありまして、行政の判断で指定が可能であり、まずはちゅうちょなく早期の指定を求めるものであります。
東京では、現在多摩地域の指定を行っているところですが、大島町については前倒しで平成二十七年度に区域指定を行い、平成三十二年度までに都全体の指定作業を終わることを目標にしています。
そこで、総合的に防災を担当しております総務局としては、昨年の大島の土砂災害が発生する前に、どのような防災上の計画を立ててきたのか、お伺いいたします。
○裏田企画調整担当部長 東京都地域防災計画風水害編におきまして、土砂災害を含む風水害に対して、予防対策から応急復旧対策までさまざまな対策について定めておりました。土砂災害につきましては、特に土砂災害対策施設の整備などのハード対策や土砂災害防止法に基づくソフト対策、市区町村長が避難勧告等を発令する際の判断の参考とする土砂災害警戒情報の提供などについて明記しておりました。
実際の大島の災害におきましても、計画に基づきまして気象情報等の伝達や災害発生後の速やかな自衛隊への派遣要請、救助活動、物資の輸送などを実施いたしました。
○石川委員 ことしの台風十八号や台風十九号では、土砂災害等の危険地域の避難勧告や避難指示も早期に出されたと受けとめております。これは、土砂災害警戒区域情報を発表した時点で都道府県は関係市町村に通知し、市町村は避難勧告や避難指示を住民に周知することにちゅうちょしなくなりつつあるというふうにいえるわけであります。いわば、空振りを恐れないという考え方に転換しつつあるわけであります。
そこで、昨年の大島での台風二十六号の襲来による土砂災害の経験を踏まえ、都はどのような対策をとってきたのか、お伺いいたします。
○裏田企画調整担当部長 災害直後に立ち上げました大島応急復旧プロジェクトチームにおきまして、早期復旧に向けた取り組みに加え、実際の災害を踏まえた災害対応力強化に向けた取り組みを検討し、平成二十五年十二月に報告書を取りまとめました。中でも、情報連絡の具体的な方法や関係機関の間での連携等が課題とされたことから、市区町村長が避難勧告等の発令の判断を迅速、確実に行えるよう、情報連絡体制の強化についてもまとめました。
気象情報等を確実に市区町村に伝えるため、気象庁から配信された情報を自動的に市区町村にも発信するとともに、事前に登録した市区町村の防災担当者へも自動メール送信できるシステムを整備、運用することといたしました。
また、市区町村長とのホットライン構築や、島しょにおきましては都の支庁から町村役場へ連絡員を派遣するなど支援体制を整備することといたしました。
これらの対策については、実施できるものについては既に実施し、二十六年七月に修正いたしました地域防災計画にも反映したところでございます。
○石川委員 大島町では、防災訓練を東京都・大島町合同総合防災訓練として平成十八年十一月二十一日に行いました。そこでは、三原山噴火から丸二十年が経過した節目でもあり、町、消防団、支庁、警視庁、東京消防庁、自衛隊など各防災関連機関と島民が多数参加して行われました。島民の自助、共助体制の強化と防災機関等の連携による救助救援体制の確立を目的に、火山噴火災害対策訓練と津波災害対策訓練が行われました。
訓練では、溶岩流により元町と岡田の間、野増と差木地の間の都道が分断されるという事態が想定されました。その結果、二十年前のような迅速な全島避難は困難であることが明らかになりました。
その理由は、大型客船の減少により、一九八六年当時のように大部分の島民を運ぶことができなくなったことや、住民が高齢化していること、老人ホームや養護施設が新設されており、避難上大きな負担となること、また、大島が三地域に分断された場合、発電所は元町にあり、山頂部から北部、南部への電源供給が困難になること、また電話線についても同じく火山観測機器のデータが供給されなくなる可能性があることが明らかになりました。
確かに大規模な総合防災訓練でありましたけれども、土砂災害を想定しての避難訓練は行われませんでした。これは三原山の大噴火による全島民避難という苦い経験を持っていることから、火山噴火や大震災を想定しての津波への対応に主眼を置いていたことによるものと思われます。
しかし、歴史をたどってみると、狩野川台風の襲来の際は、昨年と規模は違いますが、同じような場所で土石流が発生し、死者一名、行方不明者一名の惨事となっております。
当時から比べると、大島での住宅開発が進んだことにより、狩野川台風の崩落の近くに住宅建設が進んできたという経緯があります。これら歴史的な痕跡をしっかりと都や区市町村の防災計画に反映することが昨年の大島の惨事の教訓の一つと考えますが、災害の歴史をどのように生かしていくのか、都の所見をお伺いいたします。
○裏田企画調整担当部長 災害対策におきましては、実災害から得られた教訓や訓練で明らかとなった課題、最新の知見などを踏まえて不断の検証と見直しを行うことが重要でございます。大島の災害においてそうでありましたように、これまでも実際の災害対応につきまして速やかに検証し、常に対策を見直しております。
東日本大震災が発生した後には、首都直下地震等の被害想定を見直し、震災対策全体を再構築した上で地域防災計画の修正を行ったところでございます。
訓練につきましては、大島の災害後の平成二十五年十一月にあきる野市と合同で実施いたしました総合防災訓練におきまして、地域特性も考慮し、震災による土砂災害を想定した救出救助訓練等を実施いたしました。
また、二十六年度からは、年四回の住民参加型の訓練を実施しておりまして、六月には奥多摩町と合同で土砂災害も想定した風水害対策訓練も行いました。
今後とも都内の災害にとどまらず、各地における災害からも教訓を得て対策を検討し、地域防災計画を修正するなど、災害対応力の強化を図ってまいります。
○石川委員 大島町の元町集落は、文禄年間にビャクと呼ばれる崖の斜面の崩落によって、集落が移転した可能性が高いといわれております。
また、大正十二年の関東大震災によって、岡田港に面した斜面で崖崩れが発生し、三人が死亡しています。さらに、昭和三十三年、一九五八年には狩野川台風によって元町地区では百四棟が全半壊し、死者、不明二名の激甚な土砂災害が発生したことは、先ほど指摘したとおりでございます。
このビャクについては、東京都町田市でも何回も発生したことが地名などにも残されています。昨年十月の伊豆大島元町の土砂災害でもビャクという過去の災害の歴史が伝承されていなかったことが被害を拡大した要因との指摘もあるわけであります。
また、伊勢湾台風は、一九五九年、昭和三十四年九月二十六日に潮岬に上陸し、紀伊半島から東海地方を中心として、ほぼ全国にわたって甚大な被害を及ぼした台風であります。被害は、紀伊半島の和歌山県、奈良県、伊勢湾沿岸の三重県、愛知県、日本アルプス寄りの岐阜県を中心に、犠牲者五千九十八人--死者四千六百九十七人、行方不明者が四百一人でございます、負傷者三万八千九百二十一人に上り、さらにほぼ全国に及んだ経済的被害は破格の規模となり、人的被害、経済的被害の規模の大きさから、明治維新以後の最大級の自然災害の一つというふうにいわれております。
東京の多摩地域は、狩野川台風に続いて伊勢湾台風でも各所で土砂災害をもたらしたわけであります。これらの経験をもう一度しっかりと歴史の中からひもとき、区市町村と連携をとりながら防災体制の強化に生かしていただくことを強く求めまして、質問を終わります。
○中山委員 私からは、決算審議に当たりまして首都大学の事業についてお伺いいたしたいと思います。
先般発表されました東京都長期ビジョンの中間報告では、舛添都政の取り組みの政策の方向性を示している都市戦略の一つとして、世界をリードするグローバル都市の実現がとられているところであります。東京が文字どおりの意味で世界をリードするグローバル都市となっていくためには、その東京を支える人材の育成が大変重要であることはいうまでもありません。
首都大学東京の卒業生の皆さんは、ぜひ日本人としてのアイデンティティーを保ちながら、世界で活躍できるグローバル人材に育ってもらいたいと願っているところでございます。
卒業生がグローバル人材に育つためには、日本人学生の海外への留学支援はもちろんのこと、優秀な外国人留学生を戦略的な狙いを持って積極的に受け入れ、外国人留学生と日本人学生との交流を活性化させていくことが大切であります。
そこで、首都大学東京におきましては、これまでも海外からの留学生の受け入れを積極的に行ってきたと思いますが、昨年の海外からの留学生数と出身国の実績についてお伺いします。
あわせて、五年前と比べて受け入れ数はどのように変化しているのかについてもお答えいただきたいと思います。
○伊東首都大学支援部長 平成二十五年五月一日現在における首都大学東京での留学生受け入れ数は三百八十三名であり、出身国等は、受け入れ数の順に、中国、韓国、ベトナム、インドネシア、台湾、インド、タイ、マレーシアなど二十五の国及び地域となっております。
また、平成二十年五月一日現在の留学生受け入れ数は百九十五名となっており、昨年は五年前のほぼ二倍まで増加しております。
○中山委員 留学生の受け入れが大きくふえていることがよくわかりました。その上で、これから肝心なことは、より多くの国々から、より優秀な学生さんに首都大学東京に留学生としてお越しいただくことであります。
アジアを初めとする、より多くの国々の大学から優秀な留学生を呼び込むためには、座して待っているだけではなく、こちらから積極的にプロモーションを仕掛けるなど、戦略的な対策が必要であります。
首都大学東京では、より多くの国々から優秀な留学生を受け入れるため、これまでどのような施策を展開されてきたのか、お伺いいたします。
○伊東首都大学支援部長 首都大学東京では、平成二十五年度、国内外の七都市で開催された日本留学フェア等において個別ブースを設置し、多くの国々から優秀な留学生を受け入れるためのプロモーション活動を展開いたしました。
この四月には、ASEAN地域の大学等との国際連携を強化するため、首都大学東京初の海外拠点として、バンコク事務所を開設したところでございます。また、アジアの将来を担う人材の育成に資する施策に充てるため、都が設置したアジア人材育成基金を活用し、二十五年度末までに百十七名のアジアからの優秀な留学生を首都大学東京の博士課程に受け入れ、アジアの発展や大都市問題の解決に資する高度先端的な研究などに取り組んでおります。
○中山委員 日本人学生が海外の若者と互いに切磋琢磨しながら勉学や研究を行っていくことは、海外からの留学生だけではなく日本人学生にとっても国際的な素養を身につけられる環境で学べることになるわけですから、大変有意義なことであると考えます。
また一方で、これらの留学生との交流が大学に在籍している間だけにとどまるというのでは余りに寂しいし、もったいないと思います。優秀な留学生との交流の機会を、将来の東京にとっても有意義なものとなるよう、都民全体に利益を還元できるような価値を持つものに整えてもらいたいと考えます。
海外の留学生との交流については、これからの東京の発展にどう寄与していくのかという観点も必要だと思いますが、改めてこの点の見解を伺います。
○伊東首都大学支援部長 留学生との共同研究の成果が社会に還元されることとあわせて、留学生が帰国後も母国と東京をつなぐかけ橋として双方の発展に資する人材となってくれることは都にとって大変喜ばしいことでございます。
また、大学にとっても、留学生との連携を深め、海外大学等との交流が発展していくことは、大学の国際化や教育研究の活性化、研究力の向上に資することから、大きな資産となります。
留学生の受け入れが東京の将来の発展により一層寄与するよう、留学生活の終了後も継続したコミュニケーションによって人的ネットワークをより持続的なものとしていくことが重要です。
首都大学東京では、これまで留学生活への支援や留学生との交流事業を進めてきたところであり、今後とも留学生支援や帰国後のフォローアップ等、大学の取り組みについて都として支援してまいります。
○中山委員 今ご答弁の中で留学生活の終了後のコミュニケーション、ネットワークというお話がございましたけれども、この点はとても大事だというふうに思います。都市課題の解決とか、さまざまな形で都民に利益を還元できるように、そのネットワーク、コミュニケーションというものを生かしていただきたいと思います。
首都大学東京の卒業生は、この都庁にも多くいらっしゃるのではと思います。ぜひ卒業生の皆さんには、卒業生組織を活発に運営、活用して、日本人の後輩だけでなく、首都大学東京を卒業する、あるいは留学生活を終えた後の留学生の方々が活躍し、日本や東京の発展に寄与できる環境づくりにご努力を願いたいというふうに思っております。
私は、首都大学東京の卒業生ではありません。また、本分科会の委員の先生方の中にも、首都大学東京の卒業生ではないけれども、その活躍を大きく期待していらっしゃる方々が大勢いらっしゃるというふうに思います。そうした方々が首都大学東京への留学生の活躍を都民全体の利益にかなうものに高めてもらいたいと応援していますのは、例えば、平成二十五年の首都大学東京に対する都からの予算投入は、首都大学東京、産業技術大学院大学、東京都立産業技術高等専門学校の二大学一高専の全体の額でございますけれども、百八十九億円余りというふうに認識しておりますが、首都大学東京が都民の貴重な税金を使って運営される大学であるからであります。
重ねて申し上げますが、都庁に多くいらっしゃる首都大学東京の卒業生の皆さんには、ぜひこの点を前向きに受けとめていただいて、各界、各分野の皆さんと連携し、卒業生組織を有効に機能させ、留学生の活躍を含め、首都大学東京の設立目的にかなう取り組みをお進めいただきたいと願っております。ぜひこの点について新しい知恵が絞られれば幸いでございます。
次に、同じ首都大学に関する質問でございますが、産学連携についてお伺いします。
これからの大学には、地域との協働や産業界や金融機関との連携によるイノベーションの創出をより進めていくことが求められてまいります。都が設立した大学として、研究活動を通じて都民や都政にどう貢献していくのかという視点を持つことも、また非常に重要なことだと考えます。
そこでお伺いしますが、東京の発展を支えている都内の中小企業等との産学連携に向け、首都大学東京では、どのような取り組みを進めているのかお伺いいたします。
○伊東首都大学支援部長 大都市の課題に的確かつ迅速に対応するため、都や区市町村、企業等との連携を推進していくことは、公立大学である首都大学東京の使命でございます。
これまでも、研究者の研究成果をデータベース化するとともに、企業との共同研究や受託研究の受け入れのほか、企業が直面している技術的課題に関する相談に対して教育研究及び技術上の専門的知識に基づく助言を行うなど、企業の業務の活動を支援してまいりました。
また、数々の産学公連携プロジェクトが進められており、平成二十五年度においては、新たな商品やサービスのアイデアを創出することを目的として、企業や金融機関の参加による対話型ワークショップを開催したほか、中小企業への投資支援を行っている投資育成会社との共催による技術交流会や、地元信用金庫との連携により次世代の農業経営者を育成する農業後継者塾の開催などの取り組みを行ったところでございます。
○中山委員 都が設立した大学といたしましては、首都大学東京のほか、先ほど述べましたけれども、産業技術大学院大学があります。
この大学では、産業の活性化に資する意欲と能力を持つ高度専門技術者の育成を進めていると聞いております。半数以上の学生が企業で働きながら学業に励んでいるなど、より産業界に近い存在として、現在どのような産学連携を進めているのでしょうか、お伺いいたします。
○伊東首都大学支援部長 産業技術大学院大学においても、都が設立した公立大学としてシンクタンクとしての機能を積極的に果たしていくことが求められております。
これまでも企業の経営層や技術者を対象にした実践的な専門講座やセミナー、産学公連携を積極的に希望する企業との共同研究を実施してまいりました。
平成二十五年度においては、企業向けの技術経営交流会の開催、地元信用金庫や東京信用保証協会主催の展示会等への出展のほか、企業を初め、学内外問わず自由に参加できる専門講座等を計二十三回にわたり実施したところでございます。
○中山委員 首都大や産技大による産学連携の取り組みについてお伺いしてまいりましたけれども、より一層その内容の充実と強化を進めていただきたいと願っております。
先ほども申し上げましたけれども、多くの都民が、多くの税金が投入される教育機関として、母校でもない首都大学の発展に大変期待しているわけでございますので、都内の地域の産業界から一目置かれるような大学を目指して大学の存在感を高めていくために都として今後大学がどうあるべきと考えているのか、所見をお伺いいたします。
○伊東首都大学支援部長 首都大学東京や産業技術大学院大学には、都が設立した公立大学として、教育研究の成果を活用し、他の教育研究機関、自治体、企業等多様な機関と連携しながら、東京が直面するさまざまな課題の解決に貢献することが求められております。
このことから、平成十七年の開学と同時に、産学公連携センターを設置し、大学近隣の自治体や中小企業と密接なつながりのある信用金庫等の金融機関、東京商工会議所、東京都中小企業振興公社等との連携協定を締結するとともに、金融機関やコンサルタント経験者を外部からコーディネーターとして任用し、大学の研究シーズのPRや中小企業等とのマッチングに取り組んでまいりました。
大学においては産学連携の充実への取り組みを着実に進めており、今後とも学術研究の成果を広く地域社会に還元し、都民生活の向上や産業の活性化に一層貢献できるよう支援してまいります。
○中山委員 実は、先日、アスベストの無害化を効率的、安価な方法で行える研究を行っている方から、ご自分の研究成果について学術的な検証論文の執筆をお願いできる方をご紹介いただきたいという依頼がありまして、私も公立大学法人の首都大学東京の関係者に調査をお願いした経緯がありました。残念ながら、その際は該当する研究者がいないということでございました。これはこれでやむを得ないことと思っております。ただ、都民が同時代的に悩み、興味、関心を持っている課題は多くの場合共通しております。都民から首都大学東京の力をかりたいという要請がある場合には、その人の社会的立場や地位にかかわらず、一個人からのお尋ねである場合も含め、できる限り丁寧にご対応いただき、当面難しくても近い将来に対応できるような粘り強い取り組みをお願いしたいと思っております。
首都大学東京が都民のために役立っている。この評価はまち場の中から底上げ式に高まってくるのが最も効果的と考えますので、ぜひそうした面での体制、環境についても、先ほどの産学連携センターですか、の間口のあり方についてもご配慮を促していただければ幸いであります。
公立学校法人首都大学東京が運営する二大学一高専におかれましては、世界で活躍する将来の東京や日本を支える優秀な若者を育てていくとともに、大都市の課題の解決に寄与する大学を目指して今後もぜひ頑張っていただきたいと願っております。
私も総務委員長をしておりましたときに、産技大の入学式に行きましたけれども、もう中国からの留学生がたくさん、本当にいらっしゃいましたですよね。国同士がなかなかうまくいってなくても、そういうところはちゃんと利用されるんだなというふうに思った次第ですけれども、ともかく、来てくれた人をいかに人材として価値を高めて卒業させていくかということがとても大事じゃないかと思います。そうしていくと、本当に優秀な人が日本に来る、首都大学に来るということになるんではないかというふうに思います。
都としても大学への支援の充実に一層努めていただくことを要望して、質問を終わります。
○斉藤委員 私からも総務局に対する決算での質問を行います。
舛添都知事が、平成二十二年ですから、これは都知事になるずっと前ですけれども、ある報道機関の取材で、仕事と介護の両立というテーマで取材を受けて、ワークライフバランスを重視しないと両立できないというような話で答えておりました。
このワークライフバランス、仕事と育児の両立支援という趣旨ではよく使われる言葉です。ただ一方、団塊の世代全てが後期高齢者となる二〇二五年、いわゆる二〇二五年問題ということで厚労関係の人の間ではよくいわれている問題ですけれども、この二〇二五年に向けて介護対象者が、要介護者といってもいいかもしれませんが、急増すると予測されております。
また、先月発売されたある経済雑誌でも、大手通信会社の社内調査の結果で、表面化していないんだけれども、多くの社員が介護をしながら働いていた経験があるというふうに回答している例を挙げて、ベテラン社員やエース社員といわれる人が介護離職をしている、もしくはしそうだというような状況があるという特集を組んでおりました。
そして、有能なベテラン社員たちが介護のために退職をしてしまうと、会社の事業の存亡にもかかわるような、会社の事業そのものを揺るがすような事態もあるというような予測もこの中で提言しておりました。
東京都においても、恐らく現場の方で、例えばやりとりをしている都民、もしくはいろんな団体の人たちから、あの人はすばらしい職員だと。また、私どもの議員もいろんな中で、あの人はなかなか研究熱心でいいと。もしくは、この部署は非常に少人数だから、本当に一人でも欠けては困るというような場面が都庁関係でもございます。
そこで、ちょっと今回は都庁の人事について、人事部門に関するテーマで介護との関係について聞きたいわけなんですけれども、実際に介護の現場なんかで見てても、昔もちょっとそういうこともあるかなと思ったんですが、最近は本当に、例えば今いった大きな企業なんかですと、海外の方で勤務をする方も大変多いんですけれども、実際に介護のケアマネジャーなんかと--家族の中でキーパーソンがアメリカにいると。ちょっといろんな事情で、多分お仕事の関係だと思うんですが、アメリカにいて、アメリカとメールでやりとりをして、お母さんの介護の話をしているとか、中国の人と国際電話でケアマネジャーがやりとりすることになっているというのは、実際に時々ございます。
そういうふうに、やりとりする事業者の方も大変ですけれども、家族の方は現実に親の方の姿を見ていないので、いろいろ想像力を駆使しながらやってるんでしょうけれども、そういう意味でも家族の方も大変であります。
そういうことが最近ちょっとあるわけなんですが、こうした状況のために、ことし四月に内閣府では、これから介護が必要になるかもしれないという不安を抱えた方や、家族の介護をすることになった方のために、仕事と介護の両立に関する各種支援制度や情報をまとめたポータルサイトを新しく設置いたしました。
私なんかも、先日、現役の都の職員の方ですが、これ数年前の話なんで少し状況が今と違うと思うんですけれども、親二人を、ちょうど入れかわりの形、時期的にちょっとずれていたんだけれども、親二人が立て続けに要介護状態になったために、何とか家族の協力、チームワークで介護を乗り切ったという話を聞いたんですが、そのときに周囲の方の中にも、その方は何とか乗り切ったというふうに自分で感想を持っていたんですが、周囲の職員の中には本当に深刻にこの介護の問題に悩んでいた人が何人かいたというふうにいっております。
ということで、東京都の職員、約十六万人おりますので、恐らく介護と仕事の両立に苦慮をしてる方が多くいらっしゃるんじゃないかと思うんですが、そこで伺うんですが、事業主である東京都は、職員の仕事と介護の両立支援について、どのような認識を持っているのか伺います。
○栗岡労務担当部長 都の職員構成を見ますと、主に介護事情が本格化すると想定されます四十歳以上の職員が全体の六割を超えてきましたことから、今後十年以内に親の介護に直面する職員が増加していくという状況は、都におきましても民間企業と変わらないものと考えてございます。
これらの職員は、管理監督者も含め、知識、経験ともに豊富で職場の中核を担う人材でございまして、突然の介護に直面した場合には、本人の個人的な問題にとどまらず、職場運営に与える影響も大きいものといえます。
介護事情を抱えた職員が安心して公務に専念できるようにするため、仕事と介護の両立支援につきましては、公務能率を維持する観点からも今後ますます重要性が高まるものと認識しております。
○斉藤委員 仕事と介護の両立支援の重要性、東京都にとってその重要性が増していると、そしてそのことを認識しているということについて理解いたしました。
国の統計によりますと、介護を理由とする離職、もしくは転職、これが年間十万人以上は発生すると。そして一方、介護休業制度の利用率については〇・〇六%にとどまっていると、そんな話がございます。
社会全体では仕事と介護の両立の問題というのが大きいわけですけれども、東京都はどういう状況なのか。
そこで、東京都において職員の仕事と介護の両立支援制度や、そしてその利用実態について、ここで伺います。
○栗岡労務担当部長 都におきましては、育児・介護休業法に基づき、介護休暇と短期の介護休暇の二つの両立支援制度を整備してございます。
介護休暇は、最長二年間で最大百八十日間取得が可能な無給の休暇でございまして、主に介護保険サービスを活用して当事者が介護の体制を整備するために利用されてございます。
一方、短期の介護休暇は、毎年五日間取得が可能な有給の休暇でございまして、一時間単位での取得も可能な柔軟な制度となってございます。主にケアマネジャーとの打ち合わせや日用品の買い出しなど、日常的な介護のために活用されてございます。
なお、平成二十五年の知事部局等におけます各休暇の取得率は、介護休暇が〇・一二%、短期の介護休暇が二・〇八%となってございます。
○斉藤委員 育児・介護休業法の介護休業に該当する都の介護休暇の利用率というのは、今の答弁ですと、民間企業に比べて、民間が〇・○六%ということでしたが、東京都の場合は〇・一二%ということで、倍ということであります。
また、もう一つの短期の介護休暇については二・〇八%ということで、職員が制度を有効に活用しているという状況がわかります。
答弁があった短期の介護休暇は、平成二十二年に導入された制度で、無給かつ取得期間に制限がある介護休暇に対して時間単位で取得できる有給休暇ということでありますので、例えば、午前中の要介護者の通院同行、通院するときの同行とか、デイサービスへの送り出しといった一部の介護サービスに立ち会うというような場合に、非常にこれ、需要にぴったり合ってくるんじゃないかなというふうに思います。
今後、民間企業にも、ぜひ東京都から進めて、利用がよりふえるようにすべきだというふうに思います。
そして、介護の事情ですね、それぞれの職員一人一人、介護事情というのは、なかなか職場の中で話題に上りにくく、その相談をなかなかできずに悩んでるという例もあるんじゃないかと思います。制度を利用しやすくする職場づくりというものが非常に大事だと思います。
例えば、保育なんかやってると、保育園に子供を預けたりすると、保育園の送り迎えなんかで、ほかの家族、ほかの家庭と接する場面が割とあります。そうすると、それをちょっと縁にして育児状況なんかをかいま見ることとか、情報交換をしたりするということは、一つチャンスとしてあると思うんですけれども、介護の場合は、保育園みたいに、ほかの家族と接点を持つというような場面が非常に少ないんです。そうすると、ほかの家族の介護をしてる最中の様子というのは、少し積極的に踏み込んでいかないとなかなかわからない。ましてや、仕事と介護の両立なんかでやっていると、なかなかそういう接点を持つ時間がないという、しかもさっきいいましたように、エースだとかベテランだとかいわれている社員、職員になると、なおさらそこまでの余裕がないという方も多いと思います。
ちょっと私心配、恐らくこうじゃないかなというふうに思ってはいるんですけれども、一般的に介護の場合、同じ母親を介護していても、例えば、その人の周辺には兄弟がいるよとか、兄弟がたくさんいるよとか、そういうことは、もともと情報であったりしたときも、実際に介護に入ったときに、じゃ、本当に兄弟がいるからって、全員が介護にかかわれるかというと、実際にはなかなか難しいです。
一番忙しそうな、例えば都の職員の中で彼が一番忙しそうに見えるのに、なぜかその人に介護が来るという状況があったりします。そういったときに、職員自身が非常に困ってはいるんだけれども、さっきいったみたいに、ほかの家族の状況が余りわからないので、自分が今ちょっと窮状を訴えるようなレベルにあるかどうかということを悩んじゃうというか、本当は困ってはいるんだけれども、自分の兄弟が手をかしてくれないということを、困ったこととしてちゃんと訴えていいものだろうかと。それは自分たちの問題じゃないかと。家族の問題であって、なかなか職場に無理をいえるような理由じゃないんじゃないかとか、いろんなことを想像してしまって、いわゆるそういったことでだんだん相談をためらってしまう、もしくは本当に休暇をとりたい、休業をとりたいというときに、結局いい出しづらくなってしまったということがあるんじゃないかと思います。
東京都において、介護休暇等の制度を利用しやすい職場づくり、周囲に自分の困窮をいい出しやすい雰囲気といってもいいかもしれませんが、利用しやすい職場づくりに向けて、どのような取り組みを東京都が行っているか、そこを伺いたいと思います。
○栗岡労務担当部長 仕事と介護の両立が可能な職場をつくるためには、職員に対する制度内容の周知徹底はもとより、職場の管理監督者が介護事情を抱えております職員の状況を十分に把握した職場運営を行うことが重要でございます。
そこで、管理監督者の意識の向上を図るため、毎年度実施しております管理監督者向けのワークライフバランスに関するセミナーにおきまして、従来の仕事と育児の両立支援に加え、今年度新たに仕事と介護の両立支援をテーマに取り上げたところでございます。
みずからも仕事と介護を両立できた経験のある部長級職員が講師となりまして、介護事情を抱えた職員への対応について講演を行い、実践的な職場管理への理解を深めたものと認識してございます。
今後とも制度の周知や管理監督者への意識啓発を継続して行うことで、より一層職員にとって仕事と介護の両立がしやすい職場づくりに取り組んでまいります。
○斉藤委員 法律の方もできて、また各企業も非常に介護における休暇のとり方についても研究をしていると。そしてまた東京都においては、民間の企業に比べると利用率も上がっているし、そしてなおかつ二十二年度からスタートしてます、時間でとれて、なおかつ無給じゃなくて有給という介護休暇制度についても非常に利用が伸びているということで、ある程度その部分については、工夫が進みつつ、またもちろん、まだもっといろんな工夫ができると思うんですけれども、工夫は進んでいると思います。
それに加えて、ぜひ相談しやすい、もしくは休暇をとりたいといえるような雰囲気づくりというのが、これは恐らく東京都庁にということじゃなくて、むしろ民間全体も含めて、そういう雰囲気をつくるというのが次の課題なのかなと思います。
冒頭で、介護離職の特集があった雑誌の話なんかもしましたけれども、介護離職なんかについても、実際には介護で離職をする、介護のことが引き金になって離職をするという方も、なかなか結局最後までそういったことをいい出せずに離職しているという方も多いやに聞いております。
ですので、介護離職にならないように、そしてまた介護の休暇をとりやすいようにして、本当にいい職員、都民にとってもいろんないい仕事をしてくれるいい職員が長く安定的に、そしてまた仕事に集中できるような環境で働き続けられるような雰囲気づくりをぜひお願いしたいと思います。
加えて、最近若干ニュースなんかでも話題になっているわけですが、例えば若年性認知症みたいに発症年齢なんかが割と若い、高齢性の疾患なんかがございます。そうすると、結局介護する側も非常に若い、中には大学生、大学院生、そしてまた場合によっては会社に入ったばかりの新入社員なんだけれども、親の介護でまさに行き詰まってしまう。また、逆に若いからすごく真面目に捉えてしまったり、もしくは若いから逆にさっきいったみたいに、ベテランの上司に対して介護のことで自分はちょっと長く休みたいということが雰囲気的にいえないというふうな、そういう若い介護者の問題について、最近ちょっとNHKなんかでも特集を組んでいたりするわけなんで、ちょっと加えてのお願いなんですけれども、若い世代、二十代とかの新人の職員なんかについても、こういったことが発生する可能性があるんで、ぜひそういった若い職員に対しても、こういった情報がきちんと届くようにぜひ配慮をお願いしたいと思います。
特に、今回ちょっとこの話をしたのは、東京都で制度がしっかりする、もしくは制度についていろんな工夫をしていく、雰囲気づくりに工夫をしていくということがきちんとできると、やはり民間企業の参考になるということが大きいですし、産業労働局とも連携を図って、ぜひ多くの企業で、東京都がやってる制度は非常によさそうだと、社員にもきっとこれだったら評価されるということで導入ができるような、そういうような制度づくりや広報、広報の仕方、そういったものにぜひ工夫を重ねていってほしいというふうに要望を申し上げまして、私の質問を終わります。
○三宅委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三宅委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で総務局関係を終わります。
以上をもちまして第一分科会における決算の審査は終了いたしました。
なお、本分科会の審査報告書につきましては、分科会委員長において取りまとめの上、委員会委員長に提出いたしますので、ご了承願います。
これをもちまして第一分科会を閉会いたします。
午後二時四十二分散会
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