委員長 | 橘 正剛君 |
副委員長 | 小宮あんり君 |
副委員長 | 徳留 道信君 |
小松 大祐君 | |
斉藤やすひろ君 | |
島崎 義司君 | |
塩村あやか君 | |
栗山 欽行君 | |
小山くにひこ君 | |
神野 次郎君 |
欠席委員 なし
出席説明員生活文化局 | 局長 | 小林 清君 |
総務部長 | 桃原慎一郎君 | |
広報広聴部長 | 藤井 秀之君 | |
都民生活部長 | 山中 康正君 | |
消費生活部長 | 山本 明君 | |
私学部長 | 武市 玲子君 | |
文化振興部長 | 鳥田 浩平君 | |
都政情報担当部長 | 佐藤 直樹君 | |
男女平等参画担当部長 | 斎田ゆう子君 | |
文化施設改革担当部長 | 濱田 良廣君 |
本日の会議に付した事件
平成二十五年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
生活文化局関係
・平成二十五年度東京都一般会計決算(質疑)
○橘委員長 ただいまから平成二十五年度各会計決算特別委員会第二分科会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、生活文化局関係の決算に対する質疑を行います。
これより生活文化局関係に入ります。
決算の審査を行います。
平成二十五年度東京都一般会計決算中、生活文化局所管分を議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○桃原総務部長 去る十月六日の当分科会におきまして、要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
お手元に配布の平成二十五年度各会計決算特別委員会第二分科会要求資料の表紙をおめくり願います。
目次に記載のとおり、今回要求のございました資料は九件でございます。
一ページをお開き願います。私立学校経常費補助(一般補助)の生徒一人当たり単価及び全国順位の推移でございます。
平成二十一年度から平成二十五年度までの過去五年間におきます私立学校経常費補助に係る生徒一人当たり単価及びその全国順位につきまして、学種ごとに記載をしております。
なお、(注)の2に記載しておりますとおり、都では、経常費補助のほか、耐震化を促進するための私立学校安全対策促進補助や、私立幼稚園等園児保護者負担軽減事業費補助などによりまして、教育条件の維持向上、保護者の経済的負担の軽減等を図っております。
二ページをお開き願います。2、私立高等学校等授業料軽減助成事業の実績の推移でございます。
都は、公益財団法人東京都私学財団を通じまして、私立高等学校などに通う生徒の保護者のうち、一定所得以下の保護者を対象といたしまして、所得に応じて授業料の一部を助成しておりますが、この事業の実績といたしまして、平成二十一年度から平成二十五年度までの過去五年間における補助総額及び補助対象生徒数の推移を記載しております。
三ページをお開き願います。3、私立学校経常費補助における授業料減免補助実績の推移でございます。
都は、家計状況の急変などの理由によりまして私立学校が生徒の授業料を減免した場合には、私立学校経常費補助の中で、学校に対しまして減免額の一部を補助しております。この補助の実績について、表の左側に記載の学種ごとに、平成二十一年度から二十五年度までの過去五年間における補助校数等及び補助額の推移を記載しております。
四ページをお開き願います。4、私立幼稚園等園児保護者負担軽減事業費補助の実績の推移でございます。
都は、私立幼稚園などに通う幼児の保護者の負担軽減のため、区市町村が行う保護者負担軽減事業に係る経費の一部を補助しておりますが、その補助総額と補助対象となっております延べ幼児数につきまして、平成二十一年度から平成二十五年度までの過去五年間の推移を記載しております。
五ページをお開き願います。5、私立学校の耐震化の状況でございます。
平成二十六年四月一日現在の都内私立学校の耐震化の状況につきまして、表の左側に記載の学種ごとに、全棟数と耐震性のある棟数、その割合である耐震化率を記載しております。
六ページをお開き願います。6、東京都育英資金一般貸付の規模の推移でございます。
平成二十一年度から平成二十五年度までの過去五年間について、(1)に貸し付けの計画額及び実績額の推移を、(2)二表の左側に記載の区分ごとに貸付人員数の推移をそれぞれ記載をしております。
なお、平成十七年度以降は、新規の貸し付け事務を公益財団法人東京都私学財団に移管をしております。
七ページをお開き願います。7、都道府県別私立高等学校生徒納付金平均額でございます。
平成二十五年度における授業料、入学料、施設設備費といった生徒納付金の平均額につきまして、都道府県別に記載をしております。
八ページをお開き願います。8、区市町村別の公衆浴場数の推移でございます。
平成二十二年から二十六年までの過去五年間におきます区市別の公衆浴場数の推移を記載しております。
なお、公衆浴場数につきましては、平成二十五年までは各年の十二月三十一日時点、平成二十六年は九月三十日時点の数となっております。
九ページをお開き願います。9、公衆浴場対策に係る補助金(決算額)の推移でございます。
当局が実施しております公衆浴場対策につきまして、平成二十一年度から二十五年度までの補助金額の実績を記載しております。
以上、簡単でございますが、要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○橘委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○島崎委員 それでは、初めに、私立幼稚園における預かり保育について伺ってまいります。
東京の私立幼稚園は、建学の精神や独自の教育理念に基づく個性豊かな特色ある幼児教育を積極的に展開し、都における幼児教育の進展に大きく寄与してきました。
一方、今日、核家族化や地域のつながりの希薄化、女性の社会進出や働き方の多様化が進んでいる中で、子供に質の高い幼児教育を受けさせたいという保護者の希望は多く、私立幼稚園が行う預かり保育に対する期待も高まっております。
こうした中、都は、平成九年度に預かり保育に対する補助制度を設け、以降も補助単価を増額するなど制度の充実を図り、東京の私立幼稚園が行う子育て支援の取り組みを支援してきました。
そこでまず、これまでの都の対応と都内私立幼稚園における預かり保育の実施状況はどうなっているのか。また、そのニーズが高まっている中、実施率は向上しているのか、状況を伺います。
○武市私学部長 都は平成九年度から、学校法人立、個人立等とを問わず、教育課程に係る教育時間終了後等に行う教育活動である預かり保育を実施する私立幼稚園に対し、補助を実施してまいりました。これまで補助対象に早朝保育を加えたほか、教育時間終了後の保育時間に応じた延長単価の設定、春、夏、冬の長期休暇中の預かり保育への対象拡大を行うなど、段階的に補助制度の充実を図ってまいりました。
平成二十五年度におきましては、都内私立幼稚園の八八・四%に当たる七百二十一園が預かり保育を実施しており、十年前の平成十五年度の七一・二%と比べると大幅に上昇しております。
○島崎委員 九割近い高い実施率は、子供に質の高い幼児教育を受けさせたいという保護者の要望に対し、各園がご努力いただいている結果と認識をしております。
一方で、保護者からは、長期休暇中の預かり保育の実施や通常期における実施日数の増を求める声も多いことから、我が党は昨年の第四回定例会で、保護者の要望を受けてさらなる支援を望む幼稚園もあることを指摘し、支援の一層の充実を求めました。
そこで、都として、預かり保育を行う私立幼稚園に対してどのように支援の充実を図っているのか伺います。
○武市私学部長 都は、預かり時間の延長や長期休暇中の実施など、預かり保育に対する保護者の多様なニーズに、より一層応えようと、年間を通じた預かり保育に取り組む私立幼稚園を支援するため、平成二十六年度から補助制度のさらなる充実を図りました。
具体的には、教育時間終了後三時間を超えた預かり保育及び春、夏、冬の長期休暇中における預かり保育をいずれも実施する場合に、補助単価を増額いたしました。これに加えまして、預かり保育を年間一定日数以上実施する場合に、補助単価を従前の単価の約一・七倍に増額いたしました。今後とも幼稚園団体と十分な意見交換を行った上で、支援に努めてまいります。
○島崎委員 都が、現場の実態を踏まえ補助制度の充実を図ってきたことはよくわかりました。
私は、幼稚園の預かり保育制度を充実させることは、結果的に保育園の待機児童対策にも資するという側面もあると考えております。昨今、女性の就業率の上昇などもあり、保育支援、待機児童対策に大きなスポットが当てられていますが、一方で、先ほど述べられたような、子供に質の高い幼児教育を受けさせたいという保護者の要望とともに、極力みずからの手で子育てをしながら経済的にも充実した生活をしたいという要望も多く、そのような家庭やそれを取り巻く環境にも、都はこれまで以上にスポットを当てていくべきだと考えております。
各幼稚園が保護者の要望に応え、預かり保育をさらに拡充しようとしても、人件費など必要な経費は当然かかってしまいます。今後とも幼稚園団体からの意見も踏まえ、質の高い幼児教育の提供とともに、地域のニーズに即した取り組みを進める私立幼稚園に対し、しっかり支援をしていただくようお願いをして、次の質問に移ります。
超高齢化社会の到来、懸念される首都直下地震、頻発する事件、事故。今、見守りや助け合い、情報共有の観点からも、地域のきずなが求められております。その中にあって、町会や自治会が果たしている役割は極めて大きいものがあります。
町会、自治会が地域の課題解決のために主体的に取り組む活動を支援する地域の底力再生事業助成の平成二十五年度実績を見ると、助成件数は四百八件となっています。昨年度の各会計決算特別委員会第二分科会質疑において、我が党の委員より、都は、町会、自治会による本助成のさらなる活用に取り組んでいくべきとの考えを述べていますが、平成二十五年度の実績をどう捉えているのか伺います。
○山中都民生活部長 平成二十五年度の助成件数は四百八件、助成金額は約一億二千二百万円と、いずれも平成二十四年度とほぼ同程度となっております。初めて本助成事業に申請した新規団体の件数は、平成二十五年度は二百二十四件で、全申請件数の約六割近くを占めております。
一方で、補助率二分の一となるものの、同一事業で継続して申請できる本制度の特徴を踏まえた申請も行われていることから、引き続き多くの町会、自治会が本助成を活用しているものと考えております。
なお、申請内容では、従前から多くの活用実績がある防災活動に係る申請件数は百九十五件で全体の約五割を占めております。青少年健全育成活動や高齢者の見守り活動、防犯活動に係る申請も平成二十四年度に比べて増加しておりまして、町会、自治会の活動の幅が広がっております。
○島崎委員 平成二十四年度と比較して、件数、金額ともにほぼ同程度で推移しているとともに、申請の半数以上が、今まで申請のなかった町会、自治会の皆さんからの申請であることもわかりました。
しかし、町会、自治会の皆さんは、日々地域におけるさまざまな活動に取り組んでおり、本事業を活用する余地はまだまだあるのではないでしょうか。
そこで、都は、平成二十五年度に具体的にどのような活用促進策に取り組み、何が課題として残ったと考えているのか伺います。
○山中都民生活部長 都は、平成二十五年度には新たな活用促進策といたしまして、多くの町会、自治会にとって参考となる事業を集めた事例集を作成いたしました。東京都のホームページへ掲載したほか、区市町村や町会、自治会に対して配布することで、新規申請団体の掘り起こしを行ったところでございます。
また、平成二十四年度の本格実施に伴う制度見直しで、同じ内容の事業であっても、希望する町会、自治会が次年度以降も継続して事業を実施できるようにしたことから、東京都町会連合会を通じて、過去に申請実績のある町会、自治会に対する活用の働きかけを行いました。
一方、都内に約八千八百の町会、自治会があることから、いまだに本助成を活用したことのない団体が多数存在していることや、区部に比べまして多摩地域の町会、自治会の申請数が少ないことから、多摩地域での利用拡大の余地があることなどを考えまして、事業の周知や制度理解のための課題があったものと考えております。
○島崎委員 都は、そうした課題を踏まえて、平成二十六年度予算特別委員会の質疑において、本事業に関し多摩地域での利用促進に向けた取り組みを行うほか、引き続き制度の改善等に取り組んでいくと答弁をしたものと理解をしております。
そこで、今年度具体的にどのような利用促進のための取り組みを行い、その実績、成果はどうだったのか伺います。
○山中都民生活部長 都は今年度より、町会、自治会がより活用しやすくなるよう、概算払いの上限を五割から七割に引き上げたほか、申請書類の簡素化を図りました。
また、区部に比べて申請が少ない多摩地域での活用を促進するため、市長会や町村会で事業説明を実施したほか、特別区も含め希望のあった四区五市へ都の職員が出向きまして、町会、自治会へ直接説明を行う出前説明会を実施したところでございます。この説明会では、現場の町会、自治会との直接のやりとりを通じて、申請に当たっての注意点の周知や、町会、自治会側の疑問点に対する理解促進が図られたものと考えております。
こうした取り組みもありまして、平成二十六年度第三回までの申請状況は、前年度同期と比べて件数で八十件増の三百七十五件、申請金額で約一千七百万円増の約一億一千三百万円となっております。今後とも町会、自治会の要望を踏まえながら、制度の見直しや事業周知の強化、申請事務の簡素化などに取り組んでまいります。
○島崎委員 都がさまざまな取り組みを行っており、平成二十六年度は、申請件数、助成金額ともに増加に転じていることはわかりましたが、これに満足することなく、今後とも努力を続けていただきたいと思います。
私の地元武蔵野市では、戦後、町会組織がGHQによって廃止されて以降、都内区部のように全市網羅的には再組織化されないまま、今日に至っております。武蔵野市における地域コミュニティづくりは、コミュニティ協議会が中心となって取り組まれていることから、残念ながら市内には約三十団体ある町会、自治会による本制度の活用は多くはありません。今年度、一自治会がこの助成金を活用していますが、まだまだ本制度のことを知らない市民の方が多いのではないでしょうか。
いずれにせよ、武蔵野市を含む多摩地域では、まだまだ本事業活用の余地があるものと考えております。地域の底力再生事業助成は、町会、自治会に対する支援として大変重要な施策です。都におかれましては、とりわけ多摩地域の自治体を通じて、ぜひとも本制度のPRを充実させるとともに、都は、町会、自治会からの希望や要望にしっかりと応えていただくことを要望し、次の質問に移ります。
地域コミュニティにも関連する公衆浴場対策について伺います。
公衆浴場は、手軽な料金で気軽に利用できる入浴、衛生施設であるとともに、地域住民の健康づくりの場、交流の場であったりと、地域社会における拠点施設としての役割を担っております。
しかしながら、都内の公衆浴場数は、利用者の減少や経営者の高齢化、後継者難など経営環境の悪化により、右肩下がりで減少の一途をたどっております。都はこれまで、こうした公衆浴場の役割を認識し、その維持を図るべく、厳しい経営環境のもとでも多くの公衆浴場がさまざまな課題に積極的に取り組んでいけるよう、施設設備の老朽化や、老朽化した浴場の耐震化、使用燃料の都市ガス化へのクリーンエネルギー化などの助成事業を実施してきております。
そこで、平成二十五年度の公衆浴場に対する補助実績について伺います。
○山本消費生活部長 平成二十五年度の補助実績についてでございますが、ミニデイサービスや健康づくりの場として施設を改築するための経費を助成する健康増進型公衆浴場支援事業の利用実績につきましては五件、助成総額は約一億五千万円となっております。公衆浴場耐震化促進支援事業につきましては四十三件の利用で、約一億二千万円の助成となっております。
また、公衆浴場クリーンエネルギー化等推進事業につきましては、四十六件の実績がございまして、約八千七百万円の助成となっております。この四十六件のうち、平成二十五年度に補助メニューを新設いたしました照明器具のLED化の利用実績は九件、太陽光発電システムの設置は三件、コージェネレーション設備の導入については六件、既にガス化した設備を更新するための助成は十七件で、新設いたしました補助メニューの利用件数は、合わせて三十五件となっております。
さらに、公衆浴場の魅力を都民に周知し、利用者をふやしていくために、公衆浴場組合の広報誌の発行に対して約千六百万円の助成を行っております。
○島崎委員 ただいまご答弁のあった耐震化促進支援事業とクリーンエネルギー化等推進事業については、都民の安全を確保し、公衆浴場における防災対策と環境対策を促進するため、昨年の予算特別委員会などでも我が党が強く要望してきたものでありますが、我が党の要望により、公衆浴場に対する補助制度の充実についてはどのように図ってきたのか、その内容について伺います。
○山本消費生活部長 公衆浴場の耐震化を進め、都民の安全・安心を確保するため、耐震化に係る助成制度の補助率を平成二十五年度に二分の一から三分の二に引き上げるとともに、応急的な修繕につきましては、補助対象限度額を三百万円から六百万円に引き上げを行いました。
また、使用燃料のクリーン化と省エネを一層促進するため、クリーンエネルギー化等推進事業につきましては、照明器具のLED化、太陽光発電システムの設置、コージェネレーション設備の導入、さらに既設のガス設備を効率のよい最新設備に更新する補助制度を二十五年度に創設いたしました。
○島崎委員 公衆浴場が置かれている厳しい経営環境を理解し、我が党の要望を受けて迅速な対応を行っていただいたことを高く評価したいと思います。制度の充実、改善については、浴場事業者から大変喜ばれていると聞いております。助成制度の改善、充実が行われてまだ二年でありますので、さらに制度の利用を促進させていくために、浴場組合の皆さんと連携しながら積極的なPRに努めていただきたいと思います。
ところで、昨年度、都は、公衆浴場経営の課題などを把握するための調査を実施したと伺っております。それによると、公衆浴場の厳しい経営実態が改めて明らかになる一方、特徴的な取り組みによって利用者をふやしている浴場もあると聞いております。
そこで、こうした浴場に共通する特徴的な取り組みにはどのようなものがあるのか伺います。
○山本消費生活部長 都は昨年九月、浴場の利用促進のために特徴的な取り組みをしている都内の公衆浴場十軒を直接訪問いたしまして、経営方針や経営上の課題、問題点などについてヒアリング調査を行いました。
特徴的な取り組みといたしましては、季節ごとの薬湯、シャンプーやボディーソープの浴室への常備など、利用者サービスの充実を図っております。また、浴場でのコンサートの開催や、物産展、朝市などの多彩な取り組みが行われており、公衆浴場が地域住民の交流の場としての機能を果たしていることが明らかになっております。
利用者を開拓する取り組みといたしましては、介護事業者と連携したデイサービスの実施、周辺のビジネスホテル等との提携、外国人利用者向けのチラシや発券機の多言語表示、ホームページやフェイスブックを活用した広報宣伝などが行われております。
○島崎委員 それぞれの浴場において試行錯誤を重ねながら、さまざまな取り組みが行われていることがわかりました。
今後は、ご答弁のあった特徴的な取り組みを多くの公衆浴場に知らせるとともに、都のきめ細かい公衆浴場への支援策をさらに進めていっていただくことを要望して、私の質問を終わります。
○斉藤委員 私の方からは、東京芸術劇場が、二十五年度、改修されておりますので、その点から質問をさせていただきたいと思います。
東京には、伝統芸能から最先端の現代アートまで、そして生の芸術といわれるアール・ブリュットなど、魅力ある多様な文化資源が集積している都市でございます。
その中核である都立文化施設につきましては、上野の--これはもう一大文化拠点でございますが、上野の東京都美術館は、平成二十四年四月にリニューアルオープンをしておりまして、来月には、目黒駅からほど近い庭園美術館もオープンをいたしますけれども、改修を好機として、また改築を好機としまして、東京の文化的プレゼンスや創造発信力を一段と強化することが重要であると思います。
順次改修を進めてきた都立文化施設の中でも、平成二十四年九月にリニューアルオープンをいたしました池袋の東京芸術劇場につきましては、私のところにも、利用した方から、大ホールの音響が非常によくなったと、改修によって非常によい劇場に変わったという声が届きまして、私自身大変うれしく思っているところでございます。
そこでまず、東京芸術劇場の大規模改修の意義と内容についてお伺いをしたいと思います。
○濱田文化施設改革担当部長 東京芸術劇場は、施設の大規模改修に当たって、音響、照明設備等の更新にとどまらず、質の高い音楽や舞台芸術の表現が可能となるよう、機能の改善、向上を図りました。
ただいまお話のありました大ホールは、音質がよりやわらかくなるように、壁面の一部を木材に変更するなどの改良を行うとともに、客席の椅子の布地やクッションなどを交換し、座り心地がよく、温かみのある鑑賞環境をつくりました。
演劇用の中ホールと小ホールにつきましては、映像や照明を多用する最新の演出手法にも対応できるよう、舞台設備の更新を図りました。このうち中ホールは、どの客席からも役者のせりふが聞き取りやすいようホールのつくりを改良し、また小ホールは、演目に合わせて自在な舞台空間をつくれるよう、舞台の床や構造を改善いたしました。
さらに、劇場の玄関であるアトリウムにつきましては、アトリウムの大きな空間の一階から五階へ直通するエスカレーターを壁際に寄せてつけかえ、乗り継いで上がる形に変更いたしまして、お客様の安心感を向上させるとともに、ホールやアトリウムの内装につきましても、お客様に非日常感や期待感を与える演出を施しました。
○斉藤委員 この改修に当たって、デザイン面も大変大事であると思います。特に、アトリウムの一階から五階に上がるエスカレーターは、入館した方がまず驚くような、すごく斬新なデザインだったわけですけれども、安全面とかさまざまなお声もありまして、今、ハード面のお話ございましたけれども、そういったことの変更もあったようでございます。
あくまでも利用する側のニーズに応える形で、単に設備を更新するだけでなく、さらにグレードアップですね、挑戦をされたことを評価したいと思います。
また、来場者の目線に立ちまして、今ありましたお話、バリアフリーはもちろんですけれども、安心感といった、楽しむ場に安心感はとても大事でございますけれども、そういった配慮したエスカレーターの設計変更も評価するものでございます。
続きまして、この東京芸術劇場にとって、今決算をしている平成二十五年度は、リニューアルオープン後の芸術文化の創造発信拠点として、丸々一年を通して運営された最初の年度に当たるわけでございます。どのような事業展開をしたのか、実績をお伺いをしたいと思います。
○濱田文化施設改革担当部長 東京芸術劇場は、大規模改修を契機に、貸し館中心の運営体制から、芸術文化の創造発信拠点となるように転換を図り、事業の展開に当たっては、創造性に富んだ質の高い音楽や演劇作品を世に送り出すとともに、次代を担う人材の育成にも力を入れることといたしました。
平成二十五年度の主な事業実績としては、音楽分野では、音響を改善した大ホールにおける質の高いコンサートの開催はもとより、例えば、ベネズエラで始まった音楽による画期的な青少年育成プログラム、エル・システマを日本に紹介するなどの取り組みも実施いたしました。
また、〇才から聴こう春休みふれあいコンサートを開催し、幼少期からオーケストラによる生の演奏に触れ、音楽に親しむ機会を提供するなど、新規事業にも積極的に取り組みました。
演劇分野では、中ホールや小ホールを活用し、野田秀樹芸術監督を中心に、多彩で質の高い公演を上演するとともに、将来の活躍が期待される若手劇団の活動を支援する、芸劇eyesなども実施いたしました。
今回のリニューアルを機に、今後ともこうした取り組みを強化し、芸術文化の創造発信拠点としてのさらなる充実を図ってまいります。
○斉藤委員 ただいまご答弁にございましたように、東京芸術劇場は、改修を機に、貸し館中心の体制から、芸術文化の創造発信拠点として飛躍を遂げているわけでございます。すばらしい活動を展開していると思います。
ご紹介のあったものは既に過去に終わったものでございますので、私も、新しい年度についても、今やっているものについてもぜひ拝聴したいと、観劇したいと思っておりますけれども、すばらしい活動を展開していると思います。
私も担当者とお話しして、興味を持って調べてみたのですが、エル・システマですね、ベネズエラの国におきまして、ホセ・アントニオ・アブレウという、政治家で作曲家であり、文化大臣も務められている方ですけれども、大変著名な方でございます。このアブレウが、こういっています。芸術文化は、裕福な一部の人間だけに享受されてはならないと。そういった信念のもと、そうしたものがこのエル・システマという、オーケストラを使っての青少年育成のシステムでございます。これは、音楽は不幸を希望に変えるといたしまして、家庭の経済状況にかかわらず、全ての子供たちが無償で音楽教育を受けられる仕組みでありまして、青少年が芸術の力で貧困から脱して、希望や誇りを持つことができる支援システム、これがエル・システマでございます。
世界的に活躍する一流の音楽家をその中からも輩出しているわけですけれども、音楽の力で子供たちを犯罪と暴力から守って、学業面を含めてよい影響を与えているというふうに聞いております。こうした取り組みを日本に紹介する、都民に、東京に広く紹介する舞台を提供したことも、すばらしいと高く評価できます。機会があれば、ぜひともまた今後もこのエル・システマにつきましては、そういったプログラムを継続、挑戦をしていただきたいと。局長にもぜひお願いをしておきたいと思います。
また、〇才から聴こう春休みふれあいコンサートですけれども、子供さんが小さいと、なかなかクラシックなどは一緒に楽しめない。泣いてしまったりですね、これはマナーとして非常にお母さんたち、お父さんたちも気遣うわけですけれども、入場を制限されることもありますが、こういった子供が小さくてなかなかコンサートに足を運べないお父さん、お母さんにとって、子供とともに音楽を楽しむことのできるすばらしい機会が、ゼロ歳から聞こうということで提供されているわけでございます。
言葉がわからなくても、母体にいるときから、親が感動していることを子供は感じながら一緒に音楽を聞くということを、よく胎教とかも聞いておりますけれども、そういったお母さんなどの感動が子供に伝わっていくと、とてもすばらしいことでもありますし、また生まれたばかりの言葉がわからない状況の子であっても、心地よい状態になるというふうに指摘されております。次代を担う子供にとって、小さいころから一流の音楽、心あるすばらしい音楽に触れることができる機会は、とても大事な機会であると思います。こうした企画も末永く続けていただきたいというふうに思うわけであります。
私の個人的なことで申しわけないんですが、親友がプロデュースしている若手芸術家に、音楽でなくて、ゼロ歳から芸術を、観劇をということで、ゼロ歳からR15指定の劇ですね、一人でやる人形劇を演じる、平常という新進気鋭のアーティストがおります。ゼロ歳児からのそういった演劇なんかもやっているわけですけれども、音楽だけにとどまらず、シアタースタート事業みたいな、そういったプログラムにも私自身も挑戦をしていきたいと思っておりますので、この点もよろしくお願いしたいと思います。
今後とも、芸術文化の創造発信拠点としてさまざまな事業に大いに挑戦し、取り組んでいただきたい、このように思うわけでございます。
次に、芸術文化を活用した被災地支援についてお伺いをしたいと思います。
エル・システマも、そういった文化芸術を通じて貧困から脱するという、希望や勇気を与える力が文化芸術にはございますけれども、被災地に対して、こういった芸術文化の支援もとても重要であります。
東日本大震災から約三年半以上たちまして、被災地では復興に向けたまちづくりが進められているところでございますけれども、いまだに仮設住宅で不自由な生活を余儀なくされ、また、住みなれた地域を離れて、新たなコミュニティの中で精神的なストレスを抱えて暮らしておられる方々も多いと仄聞しております。
芸術文化には、人々の傷ついた心を癒やし、生きる希望を与え、人と人とのきずなを強くする力があります。被災地の人々の心の復興を支えていくためには、芸術文化を活用した息の長い取り組みが必要であると考えます。
我が都議会公明党でも、継続的に、持続的に被災三県の視察も行っておりまして、以前、都議会の質問の中で都の取り組み事例として紹介させていただきましたけれども、人形劇「ひょっこりひょうたん島」、このモデルとなった島を復興のシンボルとしている地域、ここに取り組む事業を初め、都が現地へいち早くアーティストを派遣をし、人々を勇気づけ、復興を支えてきたことは、芸術文化による力を活用した取り組みとして大変に評価できるところでございます。
そこで、支援から三年目となる平成二十五年度の具体的な取り組み状況と成果とともに、今後どのように取り組んでいくのかをお伺いしたいと思います。
○鳥田文化振興部長 都は、震災後直ちに現地に東京都交響楽団やヘブンアーティストを派遣するとともに、現地で活動するNPO等民間団体などと連携し、芸術文化を活用した住民参加型の被災地支援事業に取り組んでまいりました。
平成二十五年度は、東京都交響楽団では二十公演で約六千人、ヘブンアーティストでは十六公演で約二千人と、多くの方々に楽しんでいただきました。住民参加型の事業としては、お話にあった岩手県大槌町のひょっこりひょうたん塾のほか、宮城県沿岸部では、つながる湾プロジェクトで、海に伝わる文化をテーマとしたフォーラムを開催し、沿岸のまち同士のネットワークづくりを支援してまいりました。
住民が県内各地に避難している福島県では、地元の草木や土などの自然素材を生かしたワークショップなどを広く展開し、三県で十八のアートプログラムを実施してまいりました。
このような取り組みにより、人々が徐々に元気を取り戻し、地域コミュニティの再生など、地元の復興につながってきております。
今年度は新たな取り組みといたしまして、地元が主体となって取り組む活動を支えていくため、福島県猪苗代町に開館したアール・ブリュットの美術館へアーティストの日比野克彦氏を派遣し、地域に開かれた美術館とするためにはどうすべきかを地元の人々とともに考えるフォーラムを実施するなど、復興の後押しを進めているところでございます。
今後とも、このような地域のニーズや状況に応じた支援を行っていくため、現地の自治体やNPO等と連携して事業に取り組んでいく所存でございます。
○斉藤委員 ご答弁ございましたけれども、今年度新たな取り組みとして、地元主体で取り組む活動を支えていくと、そういうフレーズがございましたけれども、とても大事な視点だと思います。復興も、本当にこちらが東京から出向いていって励ましていくという視点の時期もありましたけれども、それぞれの地域が、みずからの力で自分たちのふるさとをもう一度盛り上げていこうという機運を高めていくその促進剤として、東京都が応援していくこともとても重要だと思いまして、この福島のアール・ブリュットの美術館ですね、こういった取り組み、これからも各地でこういったものを、ぜひ東京都としてご支援していくことが大事だと思っております。地元主体で取り組む活動というのがキーワードになっていくかなというふうに思うわけでございます。
被災地の復興のために継続した取り組みを行うことが重要でございますが、六年後に開催するオリンピック・パラリンピックを被災地の方々とともに盛り上げていくためにも、今後しっかりと復興を後押ししていくようお願いをし、また私も応援をしていきたいと思っております。
芸術文化は、言葉や障害、環境を超えて、誰もが自由に表現をして親しむことができる、とても身近なものでございます。今後、東京の芸術文化の魅力をさらに高め、日本だけでなく、世界中の人々に楽しんでいただけるよう事業の充実をしていただきたいと、このように思います。
今度、視点を変えまして、私学のことでございます。私立学校におけます体験学習について簡単に質問させていただきたいと思います。
学校生活におきましては、いわゆる教科学習だけでなくて、将来を見据え、学校を離れた場で学校外の人と触れ合うなど、さまざまな経験をすることも重要でございます。国においても、昨年の一月に中央教育審議会におきまして、今後の青少年の体験活動の推進についてという答申が出されまして、青少年の社会を生き抜く力の養成や、規範意識、道徳心などの育成などのため、発達段階に応じた体験学習の必要性などが明らかにされているわけであります。
私立学校は、各学校独自の教育方針のもと、建学精神がその根底にあるわけですが、特色ある教育カリキュラムを持っておりまして、その中には体験型の学習を組み込んでいる学校も多く見受けられます。学校の一つの、両親に対するアピールのポイントにもなっているわけですね。都は、そうした私立学校に対して支援をしていると聞いておりますけれども、その取り組み内容についてお伺いをしたいと思います。
○武市私学部長 私立学校に対する基幹的補助である経常費補助におきまして、都は平成二十年度から、体験学習等特色ある教育の取り組みを行った高等学校に対する特別補助を設けております。これは、生徒がさまざまな体験を通して将来の職業を考えるきっかけとするとともに、生涯にわたる人格形成の基礎を培うことを目的とするものでございます。
具体的には、老人ホームなどの福祉施設での介護体験といった社会奉仕体験、インターンシップなどの職場や職業体験、農村などの都市部と異なる地域との交流を行うなどの交流、触れ合い体験の三分類におきまして、学校の授業として体験活動を実施している場合に一定額を補助しております。
○斉藤委員 都におきまして、体験学習への支援を平成二十年度から既に実施しておりまして、その内容も各学校のさまざまな取り組みが幅広く補助の対象となるなど、私立学校の自主性に配慮してあるものであるというふうに考えます。
特に高校生は、将来の進路や職業について多感な時期でございまして、真剣に向き合う時期である反面、学校によっては、附属校などは中だるみの時期でもあって、成績が急に、目的意識を見失って、迷ってしまう時期もあります。そういったときに、自己の理解を深めて、みずからにふさわしい、将来どうするのかというような職業観だとか進路を考える上では、実体験に基づく職業観、学校から飛び出して現場の方と触れ合って出会ってみるという、こういったものは非常に大事な、より重要な時期に当たるのが高校時代だと思います。
そうした視点からも、体験学習の取り組みへの支援は重要であると考えます。本補助は高等学校が対象とのことですが、平成二十五年度の実績はどうなっているのかをお伺いいたします。
○武市私学部長 平成二十五年度の本補助の実績は、百十七校で百九十七事業となっておりまして、実施率は四九・四%でございます。
○斉藤委員 この決算委員会が、実施率四九・四%をどういうふうに評価するか、これはとても意見が分かれるかもしれませんが、お話を伺うと、これは非常にいい事業なんだと。しかし各学校によっては、取り組むノウハウですとか、さまざま学校の事情もあるということで、この四九・四%、それだけ予算を組んでいるんですけど、これを限りなく高めていくことはもちろん私も重要だと思うんですが、私は、この四九・四%、私学ですから、全校一斉に何か行うようなものとは違います。
そういったことを考えますと、自主性が非常に重んじられる私立の学校におきまして、半数近い高校で実施されている。各学校の取り組みを心強く思うわけであります。今後は、さらに多くの学校で実施されるように、学校の現場のご意見も踏まえながら、都も引き続きぜひ実施を続けていただきたいと、このように強く思うわけでございます。
また、こうした取り組みをさらに進めて、学校の外に出ていく体験学習のほかに、社会の第一線で活躍する方を学校にお招きして、仕事への熱い思いや自身の体験、経験などを語っていただいて、それを聞いていただく、こういったキャリア教育も重要であるというふうに私は考えているわけでございます。
都内のある私立学校から、私の恩師から伺ったんですけれども、キャリア教育というと、主として就労意識の向上の観点から語られがちですけれども、生徒たちにとっては、学校外の、現場の先輩たちのお話を伺うことで、今学校で学んでいることの重要性や意味、こういったものに気づく、こういった気づきになるんだと、とても有意義なものであるんだということを強調されておられました。学校としても学校の先生も、そういった気づいている生徒さんを見ながら、教職員もまた気づいていくということで、また参加した社会人の方も、自分たちの行っている行動が、活動が、未来の日本、東京につながっているということをまた喜んで帰っていく。三者、非常にいい効果があるというふうに聞いております。
各学校は、質の高いキャリア教育を行っておりまして、そうしたことにも魅力を感じて生徒が入学していることと思いますけれども、一方で、充実した内容で実施しようとすると、さまざま費用もかかるのも現実でございます。ご答弁をいただきました幅広い体験学習に対する支援も重要でございます。それは重要です。それと同時に、今度都立高校も、どうやらキャリア教育に力を入れるというふうに、この分科会でも確認をいたしました。そういった充実を図っているようでございますので、ぜひ、公私間格差の話もありますけれども、私学に対する支援も検討する必要があるのではないか、私はそう強く思っているわけでございます。
今後とも、基幹的補助である経常費の充実に努めていただくこととともに、各校の取り組みに応じて交付する特別補助の内容につきましても、例えばキャリア教育の充実を含めまして、現場の状況を踏まえた、あくまでも現場の先生方のお声を伺いながら、お母さんたち、お父さんたちの声を伺いながら、生徒の声を伺いながら、さらなる制度の見直しや充実の検討をお願いして、私の質問を終わりたいと思います。
○徳留委員 生活文化局関係の中で、まず、私立学校への助成問題を中心に質問いたします。
たくさんの資料を作成いただきまして、本当にありがとうございました。
過日の第三回定例会において、全会一致で採択された私学振興に関する意見書にもあるように、都内の私立学校に在学、在園する児童生徒の割合は、高等学校で約六割、幼稚園では約九割を占めており、私立学校が東京の公教育に果たす役割は極めて大きなものがあります。
そういう中で、私立学校の保護者をめぐる経済状況は、公立学校の保護者とも共通しますが、十七年前の一九九七年に消費税が五%に引き上げられて以来、勤労者の所得の平均年収が減り続けています。今では、年間収入で十七年前に比較して六十万円も減って、実質賃金の方も、この間十四カ月連続で前年比を下回る。全体としては、収入が減り続けています。それだけに、義務教育の中学校においては、私立中学校への補助金は公立中学校に係る経費の三割にとどまるなど、私立学校の重過ぎる保護者負担の軽減、公私格差是正に向けての支援など、ますます私学助成の拡充が重要になっていると思います。
また、これまで後ろ向きだった政府がようやく一昨年、二〇一二年の九月に、国連の人権規約の重要な内容になっている中等教育、高等教育における無償教育の漸進的導入の事項も、保留を撤回して批准したように、世界では既に主流になっている授業料の無料化、無償化がおくれている日本でも、本格的な具体化が求められている状況になってきておると思います。
これまで以上に公私間格差解消のための私学への経常費助成、保護者負担の軽減策など公的支援、私学助成制度の拡充を国に求めるとともに、都としても積極的な対応が求められています。
そして、何よりも、各ブロックごとに開かれている私学振興大会に参加しましても、私学関係者や保護者から、私学振興のために助成の拡充、保護者負担の軽減を求める熱い要望が繰り返し寄せられています。まさに党派を超えた要望になっていると思います。
そこで、平成二十五年度の私学助成関係の決算についての質問に入る前に、まず確認の意味で、東京における私立学校の役割と私学助成の意義について、都としてどのように認識されているのかについてお伺いいたします。
○武市私学部長 都内の私立学校に通う児童生徒の割合は大きく、都の公教育において、私立学校は大変重要な役割を担っているものと認識しておりまして、都は、経常費補助を中心に施策の充実を図り、私立学校の振興に努めております。
○徳留委員 答弁では、都の公教育において私学教育は大変重要な役割を担っており、都として経常費補助を中心に私学振興に努めているということでした。
それでは、まず、保護者から強い要望が寄せられている保護者の負担軽減の制度について質問いたします。
平成二十五年度の私立学校の保護者負担の軽減、特に国の就学支援金制度、そして都独自の授業料補助制度である特別奨学金制度の実績について、金額及び支給人数についてお伺いいたします。
○武市私学部長 平成二十五年度の実績でございますが、就学支援金については、約十八万五千人の生徒に対して約二百三十二億七千七百万円、特別奨学金については、約三万九千人の生徒に対して約四十三億五百万円をそれぞれ支給しております。
なお、今年度から、授業料以外の教育費負担を軽減するため、奨学給付金事業も実施しております。
○徳留委員 就学支援金は、今年度から年収九百十万円までの所得制限が導入されましたが、昨年度はまだ導入されていない、そういう状況でしたから、ほぼ全ての私立高校生が支援を受けて、特別奨学金については、約二割の私立高校生が対象として利用しているということであります。現状は、五年間は横ばいになっています。
保護者からは、例えば私立高校の授業料負担は、平均授業料を都立高校と比較すると、平成二十六年度で三・五倍の違いがあり、私学の高校生の負担が大きくなっている、私学の場合は、これ以外にも入学金や施設費などの負担もしなければならないと。こうした教育費の負担軽減と公私格差の解消のためにも、負担軽減の制度のさらなる拡充を求める要望が寄せられています。ぜひこの要望を受けとめていただきたいと思います。
次に、提出していただいた資料、3にあるように、私立学校で、経常費補助を踏まえて学校独自の授業料減免補助の負担軽減に取り組んでいるところがたくさんあります。この補助の内容と取り組みについてお伺いいたします。
○武市私学部長 私立学校に対する授業料減免補助は、各私立学校が家計状況の急変等により生徒の授業料を減免した場合に、減免額の三分の二もしくは五分の四を学校に対して補助するものでございます。
平成二十五年度は、幼稚園から高等学校まで合計して百六十四校に対し、約一億九千二百万円の補助を行いました。
○徳留委員 こうした家計の急変等により困難に直面した生徒の授業料の減免は大変喜ばれており、一層の拡充を求める要望が寄せられています。
さらに、平成二十六年度から国の就学支援金制度の所得制限導入とあわせて創設された私立高校生に対する奨学給付金は、所得の少ない保護者の授業料以外の負担を軽減するものとして大変期待をされています。これは、制度としては都が実施主体ですけれども、生活保護世帯で年間五万二千六百円、年収二百五十万未満の世帯で約三万八千円、そういう支援にすぎません。額や対象の拡充を求める要望も寄せられています。さらなる拡充を求めておきたいと思います。
次に、学校と児童生徒の安全にかかわる重要な分野にかかわって、私立学校安全対策促進事業費補助の予算の執行率が七七・三%になっています。執行率が低くなっているのはどうしてなのかについてお伺いいたします。
○武市私学部長 建物一棟当たりの工事面積が小さかったことなどによりまして不用額が生じたものでございまして、耐震化工事に取り組んだ棟数は、予算積算時よりもふえております。
○徳留委員 私立学校の安全対策促進事業費補助の予算は、資料、5にあるように、私立学校の耐震化のために活用され、現在、耐震化率八九・九%になっています。
都は、東京の防災プラン骨子の中で、切迫している首都直下地震に備えて、避難所機能や医療機能の確保が必要となる学校や病院を初めとした重要な建築物について、財政的、技術的側面からの支援を行い、耐震化を進めますと明記して、さらに、学校施設等における天井材や照明器具などの非構造部材の落下防止対策を進めますと明記して、結論としては、二〇二〇年度までに防災上重要な公共建築物の耐震化完了ということになっています。
私立学校に通う児童生徒の場合は、遠方通学が多くなっておりますし、いざ大規模災害のときは、学校施設にとどまらざるを得ない事態が生まれる可能性があります。学校施設の耐震化は大変重要だと思います。
そこで質問ですが、地震など災害から児童生徒の命と安全を守る上で、災害時に地域住民の避難場所としても重要な役割を担う私立学校の耐震化対策の現状と今後の耐震化目標、耐震化支援の計画についてお伺いいたします。
○武市私学部長 平成二十六年四月一日現在の都内私立学校の耐震化の状況は、幼稚園八七・八%、小学校九六・二%、中学校九七・五%、高等学校九〇・六%となっておりまして、これら全体では八九・九%となっております。
都は、平成三十二年度末までに、これら全ての学校施設について一〇〇%の耐震化を図ることを目標に掲げておりまして、安全対策促進事業費補助によって学校の耐震化工事に係る経費負担の軽減を図るほか、希望する学校に建築士を派遣し、専門家の視点から耐震化に向けたアドバイスなどを行う事業をあわせて実施することで、都内私立学校の耐震化を促進しております。
○徳留委員 答弁では、平成三十二年度末、二〇二〇年度末までに全ての学校施設の耐震化を一〇〇%完了するということでした。首都直下地震が予想されるもとで、児童生徒の命と安全がかかった耐震化は本当に急がれていると思います。前倒しで完了するぐらいの構えで取り組んでいただきたいということを求めておきます。
次に、私立学校の非構造物の耐震化への補助と実績、今後の取り組み計画について、どうなっているのかについてお伺いいたします。
○武市私学部長 非構造部材の耐震化につきましては、学校施設の天井、照明等の落下防止工事などの耐震対策工事を実施する場合に、国と都の制度をあわせて工事経費の三分の二を補助するものでございます。
平成二十五年度は、百二校に対し総額約四億五千万円を補助いたしました。今後とも、非構造部材の耐震対策の必要性について、各学校の担当者を集めた説明会を開催するなど普及啓発に努め、各学校の取り組みを後押ししてまいります。
○徳留委員 私学関係者や保護者からも、生徒の安全を守るために、校舎等の耐震化とともに防災対策に関する補助制度の充実を求める要望が寄せられています。
非構造部材の耐震化の問題は、東日本大震災の際の東京千代田区の九段会館の天井落下の衝撃的な大事故の経験があります。非構造物の耐震化も、実態をよく調査していただいて、計画的に促進を図ることが求められていると思います。
次の質問は、私立幼稚園防災備蓄倉庫整備費補助の予算執行率が四五・一%と、半分以下の執行率にとどまっているのはどうしてなのかについてお伺いいたします。
○武市私学部長 各幼稚園における倉庫整備に係る費用が少額だったことなどによりまして不用額が生じたものでございます。
なお、本補助制度を構築するに当たりましては、幼稚園団体を通じて意向調査を行い、執行に当たっても周知に努めた結果、倉庫の整備を必要とする私立幼稚園の九割以上が本補助制度を活用いたしました。
○徳留委員 なぜ執行率が四五%程度だったかについての答弁がありました。幼稚園の関係者に伺いますと、東日本大震災の教訓から防災倉庫を充実させたいと。けれどもその保管場所がないということから、この備蓄倉庫整備への補助の制度が実施されました。それ自身はよいことですけれども、なぜ備蓄倉庫がつくれないのかという問題では、校庭の建蔽率などとの関係で倉庫をつくることが難しい、そうしたお話を伺っています。
この補助は一年限りで終了してしまいましたけれども、昨年度は整備はできなかったけれども、新たな条件が生まれてつくれることになったとか、あるいは倉庫は無理でも、工夫をすれば置き場所ができるなどということがあると思います。ぜひこうした園のニーズも踏まえて、今後も柔軟に支援していけるよう考えていただきたいということを求めておきます。
さらに、この防災備蓄倉庫の整備にかかわって、東日本大震災の直後の平成二十三年から二十四年に期限つきで実施された私立学校の防災備蓄品の配備について、購入から三年以上が経過して、防災備蓄倉庫の中におさめていた防災備蓄品によっては、そろそろ更新時期を迎えつつあります。こういう中で、防災備蓄品の更新への支援を求める要望も寄せられています。
今、私立学校の関係者、保護者からは、都の来年度予算の編成方針になっている副知事依命通達において、平成二十六年度の予算の範囲内で見積もる、ゼロシーリングを継続する方針が示されたことに不安の声も寄せられています。もし、このようにゼロシーリングになれば、今の保護者をめぐる経済的実態や少子化が進行するもとで、私学の経営や保護者負担にとって困難がますます増大する。教育は未来への投資として社会全体で支えるという理念のもとに、国公私立区別なしに、私学への支援の拡充を訴えています。ぜひこうした熱い要望を受けとめていただくよう強く求めておきます。
次に、公衆衛生への支援の問題について質問をいたします。
同僚委員から質問がありましたけれども、私の地元にある公衆浴場の組合の支部長から、その苦労や努力、要望を聞いてまいりました。そうしたリアルなお話をお伝えしながら質問をさせていただきたいと思います。
資料、8にあるように、区市町村別の公衆浴場数の推移を見ますと、都内の公衆浴場数は毎年三十軒程度のペースで減少して、ことしの九月末現在では六百七十六軒になっています。
私の地元板橋でも、この五年間に公衆浴場は四軒廃業しました。市部ではもともと浴場数が少なかったものが、公衆浴場が一軒もなくなってしまった地域が、多摩市を初め六市に及んでいるとのことです。このまま推移しますと、まだ自家風呂のない木造アパートなど存在する地域が残されている中で、都内から公衆浴場がなくなってしまうのではないかと、そういう危惧の声も上がっています。
私の地元の浴場組合の支部長などからは、公衆浴場の現状、行政への要望などについて、大変リアルな話を伺いました。その中で印象に強く残ったことは、利用者をふやす取り組みを、大変創意工夫しながら一生懸命に頑張っている姿でありました。私の家の数分のところにも公衆浴場はありますが、以前、子供と一緒に利用していたときとは全く違う、さま変わりの工夫がされています。
公衆浴場は、地域住民の保健衛生という本来の役割だけではなくて、触れ合いの場、憩いの場、さらには健康増進、介護予防の場として、さらに地域のコミュニティの場として、大事な役割を担う施設にしたい、そういう思いが寄せられました。
そのために、ショウブ湯とかレモン湯とかリンゴ湯とかラベンダー湯とかハーブ湯とかユズ湯とか、こういう魅力ある浴槽を季節ごとに具体化しておりました。さらには、ウオーキングとかジョギング、マラソンなどと連携して利用者をふやして、健康増進に役立つ魅力を発信しておりました。
そこで質問ですけれども、こうした浴場経営者の皆さんの努力と要望を踏まえて、都は、公衆浴場対策として、現在、具体的にはどのような施策を行っているのかについてお伺いいたします。
○山本消費生活部長 都は、公衆浴場を取り巻く環境やその果たしている役割を踏まえ、施設確保と経営の安定化を図るため、各種の助成策を実施してございます。
具体的には、健康づくりの場として改築するための経費を助成する健康増進型公衆浴場支援事業、浴場の使用燃料を都市ガスなどに転換する経費などについて助成する公衆浴場クリーンエネルギー化等推進事業、施設の耐震補強に要する経費を助成する公衆浴場耐震化促進支援事業などを行ってございます。
○徳留委員 次に、公衆浴場を支援する平成二十五年度の都のこれらの補助制度の利用実績、取り組みについてお伺いいたします。
○山本消費生活部長 二十五年度の主な補助制度の実績についてでございますが、健康増進型公衆浴場支援事業の事業実績は五件で、総額一億五千万円を助成しております。公衆浴場クリーンエネルギー化等推進事業につきましては四十六件、約八千七百万円の助成になっております。公衆浴場耐震化促進支援事業につきましては、四十三件の利用で約一億二千万円の助成となっております。
○徳留委員 都が、比較的費用を要する施設整備の改修等に要する経費補助を中心に、さまざまな手厚い支援を行っていることがわかりました。浴場経営者の皆さんも、感謝の声を上げておられました。
戦後、自家風呂の保有率は低い状況が続いたものの、その後普及が進んでまいりまして、今でも風呂のない賃貸住宅に住んでいる方も多くおられます。こうした方々にとっては、公衆浴場は、健康な生活の維持にとって必要不可欠な存在となっています。また、一人一人の高齢者などにとって、公衆浴場は地域住民との貴重な交流の場、おしゃべりの場、見守りの場として欠かせない役割を果たしているのではないかと思います。
そこで、改めて、今日的な公衆浴場の役割、存在意義についてどのように認識しておられるのか、お伺いしたいと思います。
○山本消費生活部長 公衆浴場は、都民の暮らしにとって公共性が高い貴重な存在であり、都民の公衆衛生の確保、健康づくり、さらには地域住民の交流の場として重要な役割を担っているものと認識しております。
○徳留委員 公衆衛生の確保、健康づくり、地域住民の交流の場として重要な役割を担っているということでした。そうした重要な役割を担っている公衆浴場が、廃業することなく存在、発展していくためにも、自治体の役割が欠かせないと思います。
そこで、こうした公衆浴場の重要な役割をよく踏まえて、浴場経営者から寄せられている要望とともに、経営実態を踏まえて、使い勝手のよい補助制度に改善することが重要だと思います。施策の充実に向けて、どういう取り組みを行ってきたかについてお伺いいたします。
○山本消費生活部長 都は、省エネ対策やCO2削減などの環境対策を推進するため、平成二十五年度に照明器具のLED化等を補助メニューに新設し、クリーンエネルギー化等推進事業を拡充いたしました。また、公衆浴場の耐震化につきましては、助成事業の補助率の引き上げ等を行ってございます。
○徳留委員 公衆浴場の存続、経営の安定にとっても、利用者をどうやってふやしていくのかということが一番重要になっていると痛感いたします。そういう中で、消費税が八%になって、風呂代が四百六十円になりました。これから予定をされている消費税が一〇%になれば、さらに大きな打撃が経営者と利用者に寄せられます。私どもは、これには反対であります。
また、二〇二〇年開催予定のオリンピックに呼応して、東京の魅力紹介、観光行政の一つとして、この公衆浴場を外国人との交流、日本文化の紹介の機会としても支援してほしいと思います。
浴場経営者の皆さんが、自家風呂のある家庭、個人であっても、たまには銭湯に行ってみたいと、家族みんなで銭湯に行って楽しみたいと、健康体操、介護予防、おしゃべりのために、たまには銭湯に行きたいと思ってもらえるような魅力づくり、付加価値づくりに創意工夫を凝らし、真剣な努力をしておられます。
こうした利用者をふやす取り組みに対する支援など、今後とも浴場経営者の声や実情を把握して、公衆浴場の公共性を十分に理解した上で、ハード、ソフトの両面で、より効果的な施策の充実に努めていただきたいということを要望して、質問を終わります。
○小山委員 平成二十五年度東京都一般会計決算、生活文化局所管分についてお伺いをさせていただきます。
平成二十五年は、東京の文化、日本の文化にとって大きな意味を持つ年となりました。それは、平成二十五年九月八日の二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの開催決定にほかならないと思います。
オリンピック・パラリンピックは、スポーツの祭典であると同時に、文化の祭典でもあります。オリンピック憲章は、オリンピズムの根本原則にスポーツと文化と教育の融合をうたっておりまして、オリンピック組織委員会は、複数の文化イベントから成る文化プログラムを計画しなければならないと規定をしております。また、このプログラムは、IOC理事会に事前に提出をして承認を得なければならないとされております。二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックを成功へと導くには文化の力が不可欠でありまして、この文化プログラムへの取り組みが極めて重要だと考えます。
そこで、東京開催決定から約半年間という短い期間ではありましたが、平成二十五年度において、どのようなことから文化プログラムの検討を始められたのか、その取り組みと内容についてお伺いさせていただきます。
○鳥田文化振興部長 二〇一二年のロンドン大会では、英国の歴史と文化を象徴する数多くの文化プログラムが展開され、成熟都市で開催された大会として成功をおさめました。
二〇二〇年の東京大会に向けたオリンピック文化プログラムへの取り組みについては、まず、国内外の文化団体や芸術関係者に幅広く意見を聞くことにいたしました。
その第一歩として、まず本年二月に、二〇一二年ロンドン大会の文化プログラムが成功した要因を把握するため、ロンドン大会組織委員会とロンドン市、芸術文化の専門機関であるアーツカウンシル・イングランドの文化プログラムの責任者三名を東京に招き、意見交換を行ったところでございます。
その中では、組織委員会を中心として、都市やアーツカウンシルが一体となって取り組んだことや、数多くの無料イベントを英国全土で展開したことが効果的であったことなどが挙げられ、一方、反省点としては、組織委員会の中に文化プログラム部門の設置がおくれたことを指摘するなど、参考となる意見を得ることができたところでございます。
○小山委員 昨年の決算委員会やオリンピック・パラリンピック推進対策特別委員会でも申し上げてまいりましたが、二〇一二年ロンドン大会では、かつてない大規模な文化プログラムが実施をされまして、観光や地域振興などの面において、とても大きな波及効果を生み出したことが注目をされました。
大会開催四年前の二〇〇八年から、カルチュラル・オリンピアードと題した大規模な文化プログラムが、ロンドンのみならず英国全土で開催をされまして、合計で約十八万にも及ぶさまざまな文化イベントに四千三百万人の方々が参加をされました。
二〇一二年には、そのフィナーレとして、ロンドン二〇一二フェスティバルと名づけられた大規模な芸術祭がオリンピック開催の一カ月前にスタートをし、パラリンピック閉幕までの十二週間にわたって行われました。フェスティバルには、オリンピック・パラリンピックに参加をいたしました二百四の国から二万五千人以上のアーティストが参加をし、音楽や演劇、ダンス、美術、文学、映画、ファッションなど、多様な文化イベントが繰り広げられまして、近代オリンピック史上最大規模の内容となりました。
このように、二〇一二年のロンドン大会では、英国全土で伝統やアートを発信する文化プログラムが展開をされ、世界中から多くの人々が参加をしたことが機運の醸成に貢献をし、大会の成功を大きく牽引したのだと考えます。
今年度開催をされました東京芸術文化評議会においても、文化プログラムの具体化に向けた議論があり、さまざまな意見があったと聞いております。その多くに共通するものは、都民、国民が一体感を得られるよう、より多くの人々が参加、参画できるような文化プログラムを展開すべきという意見でもありました。
私も、誰もが参加できるプロジェクトをぜひこの文化プログラムにおいて検討すべきと考えておりますが、都の見解をお伺いしたいと思います。
○鳥田文化振興部長 二〇一二年のロンドン大会では、英国全土でさまざまな文化プログラムが展開され、大会の成功を大きく牽引しました。とりわけ、若者や障害者など、誰もが大会に参加する機会を提供したことが多くの特色でございます。
委員からお話があったとおり、東京芸術文化評議会においても、全国で誰もが参加できる盆踊りプロジェクトや、それぞれの得意分野で活躍する文化ボランティアなど、多くの人が参加できる企画の提案がございました。
東京大会に向けた文化プログラムの具体化については、都民はもとより、さまざまなジャンルの芸術家や、国籍や老若男女、障害の有無を問わず、世界中のあらゆる人々が参加し、体験できる文化プログラムの実現に向けて取り組んでいく必要があると認識しております。
○小山委員 私の地元府中市の話で恐縮でございますが、十月十九日に、府中市で、府中市の市制施行六十周年の記念式典と記念の市民パレードがとり行われました。記念の市民パレードは、大國魂神社の参道であります天然記念物の馬場大門ケヤキ並木におきまして、二十四張りの大太鼓と二十二台の山車を初め、府中小唄の民謡流しなど、多くの市民の皆様が参加をして盛大に行われました。
当日、この府中市と友好都市でありますウィーン市のヘルナルス区から、副区長を初めとする訪問団の皆様にお越しをいただきまして、この記念式典と市民パレードに参加をしていただきました。訪問団の皆様には、このパレードで大太鼓をたたいていただいたり、また山車を引いていただくなど、記念行事を体験していただくことができました。そして、訪問団の皆様からは、太鼓や山車のおはやしといった日本文化のすばらしさを称賛していただきましたが、何よりも、実は誰もが参加し、踊っていた、府中小唄を初め東京音頭などの民謡流しを絶賛していただきました。
先ほどのご答弁にもありましたが、まさしく国籍や老若男女、障害の有無を問わず、世界中の誰もが参加し、楽しめることが、今後の文化プログラムにおいて極めて重要だと考えます。
都は、平成二十五年一月、IOCに提出をいたしました立候補ファイルの中で、文化イベントのコンセプトについて、訪れる人々に特別な体験をしてもらうため、東京、日本、そして世界の文化の最高の要素を取り出し、独自のビジョンであるディスカバー・トゥモローから発想を得たさまざまな文化プログラムを展開するとしております。
そこで、オリンピック文化プログラムの具体化に向けた今後の取り組みについてお伺いをさせていただきます。
○鳥田文化振興部長 今年度は、六月に東京芸術文化評議会を再編するとともに、この評議会のもとに新たに文化プログラム検討部会を設置し、文化プログラムの具体化に向けた議論を始めました。また、七月には、文化団体や芸術関係者から幅広く意見を聞くため、ヒアリング調査を開始しているところでございます。
引き続き、幅広い意見を十分に踏まえた上で、文化プログラムの具体化に取り組んでいく所存でございます。
○小山委員 今のご答弁と、そして先ほど一番最初にお答えいただいた中に、ロンドンの事例の中で、やはり一点だけ、ロンドンの反省点としては、組織委員会の中に文化プログラム部門を設置したのが遅かったということが挙げられておりました。
二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの文化プログラムは、まさしくリオデジャネイロの二〇一六年大会の開催後から開始をされることになっております。残すところ二年を切っておりますので、ぜひ早期に、組織委員会内に文化プログラム部門を設置していただきまして、これまでの評議会や検討部会の議論や検討が反映され、具体化されることを求めておきたいと思います。
次に、文化プログラムにおいて大きな役割を果たすことが期待をされております江戸東京博物館についてお伺いさせていただきます。
江戸開府以来四百年にわたる江戸東京の豊かな文化や歴史を、今、いかにして将来へ伝え、国内外へと発信していくかは、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック開催においても重要な視点だと考えます。太平の世が二百五十年続いた江戸では、日本独自の文化芸術が花開くとともに、高い教育水準と倫理規範を有しておりました。
また当時、江戸は世界最大の都市でもありました。その多様で厚みのある文化や歴史を、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックを通じて国内外に披瀝することが、後世において大変大きな意味と意義を持つと考えます。世代を超えて連なるかけがえのないものを未来につないでいくことは、後の世代に対する責任であり、こうした営みの積み重ねにおきまして、博物館や美術館の果たすべき役割は大きいと考えております。
そこで、この中核的役割を果たします江戸東京博物館の設置目的及び平成二十一年度から平成二十五年度までの観覧者数の推移についてお伺いさせていただきます。
○濱田文化施設改革担当部長 江戸東京博物館は、江戸東京四百年にわたる都市の発展の歴史を、人々の暮らしに根差した文化を継承し、後世まで伝えていく博物館であり、江戸期から昭和の高度成長期に至るまでの都市の歴史を、収蔵品や精巧な模型等を活用して楽しく親しみやすく紹介し、わかりやすく学ぶことのできる博物館として、内外の多くのお客様にお越しいただいております。
観覧者数の推移につきましては、平成二十一年度は約百十六万人、平成二十二年度は約百二十三万人、平成二十三年度は約百二十万人、平成二十四年度は約百十二万人、平成二十五年度は約百三十三万人となっております。
○小山委員 今お答えいただきましたように、過去五年間の観覧者数を経年比較いたしますと、平成二十五年度の観覧者数が最も多いことがわかります。
ここにあります内訳の資料を見ますと、江戸の文化を代表します浮世絵の傑作を集めた特別展、大浮世絵展が二十一万人近くと、最も多くの観覧者を集めたことが大きく寄与しているということがわかりました。
また、過去の展覧会を調べてみても、この二十一万人を超えるのは、十八年度に行っております江戸城展ですかね。このように、江戸城展や浮世絵展のような日本の伝統文化を紹介した展覧会が、非常に多くの観覧者を集めているという実績がございます。これは、江戸東京博物館らしいテーマに沿った特別展の企画は、実は常設展とも相まって、観覧者の増加につながっているものと考えております。
もとより、これらの結果は、日ごろの職員の皆さんのたゆまぬ努力によるものだと評価をしたいと思いますし、また、館長さんは大変な意気込みで、ロンドンに行ったら大英博物館、そして東京ではこの江戸博ということをいっていらっしゃいますし、このように平成二十五年度におきます江戸東京博物館についても、ぜひここで実績と評価をお伺いさせていただきたいと思います。
○濱田文化施設改革担当部長 開館二十周年となる平成二十五年度は、これまで収集してきた価値ある資料や集積したノウハウを生かした事業を展開し、過去五年間で最も多い観覧者数となりました。
常設展は、日常の展示に加え、オリンピック・パラリンピックの東京招致が決定した一週間後には、オリンピックがやってくる一九六四-二〇二〇展をいち早く開催し、また、収蔵品を活用した特別展示、東海道五十三次展などの企画によりまして、約八十四万人の観覧者を集めました。
特別展は約四十九万人の観覧者を集め、このうち、お話の大浮世絵展は二十一万人近い観覧者にお越しいただくことができました。
さらに、展覧会のほかにも、特別展と連携したシンポジウムや、子供から大人まで幅広い層に江戸東京の歴史と文化を学べる講座、えどはくカルチャー等を実施いたしました。こうした実績は、学芸員等による日ごろからの調査研究活動などの成果と考えております。
○小山委員 ただいまお答えいただきましたように、非常にさまざま企画をいただいておりまして、それこそオリンピック・パラリンピックの開催が決まった直後に、オリンピックがやってくる一九六四-二〇二〇展ということで開催もしていただいております。大変、そういった意味でいいますと、もちろん歴史的、また文化的なことの展示を含め、迅速かつ的確な対応も、この時々の都政の状況に応じて、この江戸博ではとられているということを評価させていただきたいと思います。
その江戸東京博物館の設置目的は、江戸及び東京の歴史と文化に関する資料を収集し、保管し及び展示して、都民の利用に供するとともに、都民の江戸及び東京の歴史と文化に関する活動並びにそれを通した交流の場を提供し、もって都民の教養、学術及び文化の発展に寄与するとなっております。
このように、江戸及び東京の歴史と文化に関することが設置目的となっておりますが、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック開催を踏まえれば、都民はもとより、世界からの訪問者に対し、今まで以上に江戸や日本の歴史、文化を知っていただき、理解を深めていただくような対応、またそういった取り組みが重要だと考えております。
そこで、その中核施設となります江戸東京博物館について、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックに向けての今後の展開をお伺いさせていただきます。
○濱田文化施設改革担当部長 オリンピック・パラリンピックの開催は、東京ひいては日本の文化の魅力を世界に知ってもらう絶好の機会でございます。特に江戸東京博物館は、海外から来訪する方々に、江戸東京の四百年にわたる歴史と文化を伝える上で重要な役割を果たす施設であり、今後とも、より一層魅力的な施設となる必要がございます。
このため、江戸東京博物館らしい特別展や特集展示の開催に加え、現在、常設展示室の改修を進める中で、幕末維新期や高度経済成長期以降のコーナーを新設するなど、展示内容の充実を図っております。
また、海外からの来訪者に向けまして、展示解説の多言語化の充実にも着手するなど、引き続き来館者サービスの向上にも努めてまいります。
○小山委員 ぜひ二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック開催を見据えて、取り組みを推進していただきたいと思います。
次に、平成二十一年の決算特別委員会で、幾つかの問題点と課題について指摘をさせていただきましたトーキョーワンダーサイトについてお伺いをさせていただきたいと思います。
二十一年の決算特別委員会では、運営や人事組織体制、そして契約についての改善を求めました。そこで、五年を経まして、現在のトーキョーワンダーサイトの事業実績などについて、改めてお伺いしたいと思います。
平成二十一年度と平成二十五年度のトーキョーワンダーサイトの入場者数、開催プログラム、開催日数の実績についてお伺いいたします。
○鳥田文化振興部長 トーキョーワンダーサイト本郷、渋谷など、全体で見ると、入場者数については、平成二十一年度が約二万九千人、二十五年度は約二万七千人となっております。また、開催プログラム数は、二十一年度が五十二プログラム、二十五年度が二十七プログラムとなってございます。延べ開催日数については、二十一年度が七百日、二十五年度は四百二十七日となっております。
二十五年度は、例年と異なり、複数の小規模な美術プログラムにかえて、規模の大きな音楽プログラムをフェスティバル形式で実施したため、開催日数等に差異が生じているものでございます。
○小山委員 ただいま二十一年度、そして二十五年度の実績についてお答えをいただいたわけであります。
プログラムの開催数は減っておりますが、それは二十五年度に新たに取り組まれた音楽プログラムをフェスティバル形式で実施をしたため、若干の差異があるということでございましたけれども、この二十一年と二十五年の、改めて入場者数の数字を確認してみますと、本郷におきましては、二十一年度は一万三千八十九人と、そして、二十五年度については七千九百十五人。そして渋谷は、二十一年度一万二千八百五十五人と、二十五年度は八千二百八十五人。そして青山につきましては、二十一年度三千五人が、二十五年度八百一人となっております。そして、先ほどお答えいただきましたように、他会場というのが新たに設けられて、これが二十一年度は当然ありませんでしたが、二十五年度は九千八百二十八人というふうになっております。それで合計して、二十一年度二万八千九百四十九人が、二十五年度二万六千八百二十九人であったということだというふうに思います。
そこで、平成二十一年度と平成二十五年度の、都からこのトーキョーワンダーサイトへの補助金等総額と各施設の内訳についてお伺いさせていただきたいと思います。
○鳥田文化振興部長 都からの補助金等の支出総額については、平成二十一年度の実績は約三億五千万円でございます。このうち、各施設ごとの内訳は、本郷が約九百万円、渋谷が約二千万円、青山が約三億二千万円となっております。平成二十五年度の実績については、補助金等の支出総額が約四億円でございます。このうち、各施設ごとの内訳は、本郷が約八百万円、渋谷が約千九百万円、青山が三億七千三百万円となってございます。
補助金等の支出総額を二十一年度と二十五年度で比較すると、都が直接実施していたワンダーウォール事業を移管したこと等から、約五千万円の増となっているところでございます。
○小山委員 今お答えをいただきましたそれぞれの補助金の内訳でありますけれども、本郷と渋谷がこれだけ補助金の額が青山に比べて少ないのは、それぞれ、本郷も渋谷も東京都の普通財産であるということを活用されてのこの数字だというふうに思っておりますが、平成二十一年の決算委員会で幾つか指摘をさせていただきました後に、このトーキョーワンダーサイト青山でございますが、この青山については、そのときも、私が伺ったときも、オートロックで簡単に中に入れない構造で、なおかつ賃料、管理費の高コストな状況があったということで、そこについてはぜひ改善をお願いしたいということを申し上げておりました。
このたび移転されることになったとお話を伺っておりますが、そこで、改めてこのトーキョーワンダーサイト青山の移転の詳細についてお伺いをさせていただきたいと思います。
○鳥田文化振興部長 トーキョーワンダーサイト青山は、平成二十六年五月にレジデンス施設を墨田区立川に、事務室を東京都現代美術館内に移転しました。
移転の理由は、現代アートの若手支援策をより効果的に進めるために、現代美術館との連携の強化を図ることとしたこと及びトーキョーワンダーサイト青山の賃料や管理費に係るコスト削減の二点でございまして、このコスト削減は対前年比で約六〇%削減しているというところでございます。
○小山委員 ただいまご答弁いただきましたこの青山の移転につきましては、時間は要したものの、結果としてこのような形になったことを評価させていただきたいと思います。
また、六〇%のコスト削減につながったということであります。ぜひ、移転後の新しい場所で、この事業の趣旨に沿って、なおかつ効率的、効果的な執行を求めておきたいと思います。
残る本郷と渋谷での事業についてでございますが、この五年間の機会を見て、私はこの渋谷と本郷にお伺いをさせていただきましたし、また、この質問もあるということで、昨日も改めてお伺いをさせていただきました。この両施設、伺うたびに思うのは、やはり渋谷と本郷の場所が、通りから一歩奥まっていて、なかなか認識をされづらい場所にあって、なおかつ、私がきのうお伺いしたとき、渋谷に伺ったときは、残念ながらちょっとどなたもいらっしゃらなかったわけであります。本郷の方に伺ったときは、学生の方が二名いらっしゃって、その方にお話を聞いたところ、出展をされている方とご友人の関係であって、ぜひ見たいと思って来たということでありました。
それぞれやはり伺うたびに感じますのは、これらの作品、せっかく新進気鋭の若手の芸術家の作品を多くの都民に見てもらおうという趣旨からすると、若干この二施設についてはまだまだ課題があるのではないかなというふうに考えております。
そこで、これらの本来あるべき若手芸術家の作品が、多くの都民が目に見て触れるような改善をすべきと考えておりますが、その点について東京都としてどのような見解を持っているのか、改めてここでお伺いをさせていただきたいと思います。
○鳥田文化振興部長 トーキョーワンダーサイトは、若手芸術家の発掘、育成、支援を実施しており、本郷と渋谷のスペースについては、できるだけ多くの発展途上の若手芸術家等に幅広く発表の場を提供することを目的としております。したがって、入場者数等のみをもって事業の成果を判断することは適切でないというふうに認識しております。
例えば、平成二十五年度の事業では、音楽や音をテーマとした実験的な公演や展示を紹介するトーキョー・エクスペリメンタル・フェスティバルなどを実施し、日ごろの発表の機会が十分ではない新進若手クリエーターの活動に場を提供しているところでございます。
今後とも、若手芸術家の発掘、育成支援のため、事業の適切な実施を努めていくつもりでございます。
○小山委員 今お答えいただきました若手芸術家の育成支援という趣旨は、何度も申し上げているように、このこと自体には私どもも賛同しておりますし、ぜひ積極的な推進を図っていただきたいということはかねがね申し上げておりますけれども、どうしてもこの本郷や渋谷についても、なかなか多くの都民の目に触れるということには、いまだなっていないのではないかということを、改めて申し上げておきたいと思います。
また、平成二十一年の決算特別委員会でも、入場者数等のみで事業成果の判断をすることは適切でないというような認識も含め、伺っておりますけれども、そのときも入場者数で、カウントの問題であるとか、あるいはプログラム数のカウントについてもさまざまあるということは、私もその場で確認をさせていただいております。もちろん、そのことを一々、私もここでいうつもりはございませんけれども、やはり事業本来の趣旨を考えますと、本当に現在の本郷や渋谷で行うことが望ましいのか、改めてぜひ検討していただくことを強く求めて、私の質疑を終わらせていただきたいと思います。
○塩村委員 私の方からも、平成二十五年度決算に関連しまして質問させていただきます。
まずは、決算書六四ページの育英資金費についてお伺いいたします。
都では、高等学校等に在学をする者のうち、経済的な理由により修学が困難な学生さんに、修学上必要な学資金の一部を貸し付ける育英資金事業を実施しております。私自身も、高校ではなく大学時代でしたが、仕送りがないという関係で、奨学金を利用して学校を卒業しましたので、奨学金のありがたさ、そして事業の意義深さは十二分に理解をしているところです。
昨今、就学支援金や奨学給付金などの保護者負担軽減策が設けられている中でも、平成二十五年度は六千四十八人の貸付人員に対して、二十四億三千八百万円余りの貸し付けを行っており、今後も不可欠な制度だと思っております。とはいっても、これは貸付事業であり、貸し付けをした人からの返還金が将来世代への貸付原資となるため、確実に返還をしてもらうことが大切です。
そこで、育英資金の返還率についてお伺いをいたします。
○武市私学部長 平成二十五年度においては、貸し付けを受けた本人の返還計画に基づき、返還期日が到来した金額のうち、九〇・一%が返還されております。
○塩村委員 ありがとうございます。九〇%を超える高い返還率は、貸し付けを受けた本人が返還に対する意識をしっかりと持っているものだと思います。
一方で、さまざまな事情があると思うのですが、残りの一〇%弱の方が延滞となっております。返還率を上げる取り組みについてお伺いをいたします。
○武市私学部長 貸し付けを受けた生徒に対して返還についての理解をいただくため、在学中に返還のしおりなどを学校経由で配布するとともに、預金口座振替依頼書など、返還に必要な書類をあらかじめ在学中に提出していただいております。貸付期間が終了してから六カ月の据置期間を経過すると、口座引き落としにより返還が開始されますが、引き落としがされなかった場合には、速やかにその旨を本人に通知をして納付を促しております。
なお、大学等への進学、傷病や経済上の事由などにより返還が困難な場合には、申し出により返還を猶予する制度を設けております。
○塩村委員 ありがとうございます。状況によって返還が猶予される制度は、大変に意義のあるものだと思います。ただ、借りている人がその制度を知らなかったり、借りている人の延滞が続いて額が大きくなると、返還に対する意欲も落ちてしまいます。
この返還のモチベーションというものは大変に重要なものですから、制度を理解してもらう必要があると思うのですが、どのように取り組んでいるのかお伺いいたします。
○武市私学部長 生徒に対し、育英資金制度に関する周知や相談対応を行う各学校の担当者を対象に、年に複数回、説明会を実施しております。年度当初には、新たに貸し付けを受ける生徒が返還についての自覚を持つよう、返還金は貸し付けを必要とする次の世代のために活用されるという育英資金の仕組みや生徒自身の返還義務を中心に、また、年度後半には、卒業予定者が返還方法等の正しい理解を持つよう、具体的な手続や猶予制度を中心に、説明を行っております。
○塩村委員 ありがとうございます。さまざまな施策を凝らして高い返還率を維持しているということでした。一度滞納に陥ると、返還意欲が落ちていく傾向になり、負のスパイラルとなってしまいます。引き続き猶予制度の周知を続けていただきたいと思います。
また、一点指摘といいますか、お願いをしたいと思います。
この返還方法なんですが、年一回払いか年二回払いの二つしかありません。実は月賦というか、月払いの選択が、今はできないんですね。年一回または二回ですと、金額がどうしても大きくなってしまい、返還をする方は大変なはずです。
私自身は大学での奨学金だったので、月払いの選択ができました。月々数千円だったと思いますが、それでも本当に大変だったんです。最初の数カ月間は延滞もしたような気がします。
ですので、制度自体も新しい中、つまり、まだ若い方々が返済中だと思うんですね。それでも九割を超える方が年一回または二回の返還を頑張っていると聞いて、本当にすごいなと尊敬をした次第です。
奨学金を、この中にも活用された方がいるとは思いますが、長い期間をかけてこつこつと返済をして、完済をしたという通知が届いたときの気持ちは、いいあらわせないものがあります。十数年をかけて返済をしてきたわけですから、物すごい達成感がありまして、自分が一つ成長した気もしますし、自信もつきました。これはとても大切な体験だと思います。
だからこそ、滞納で返済できなくなるという体験をする人を出してほしくないんですね。制度を利用して成長してほしい、そのように思います。
今は非正規雇用も多く、返済が大変な方も多いと思いますので、より返還のしやすい月払いの返還ができるというような選択ができるよう、今後検討をお願いしたいと思います。お願いしまして、育英資金についての質問を終わります。
次に、決算書四九ページの都民生活費の中から、男女平等参画施策についてお伺いをいたします。
決算書を見ると、男女平等参画施策の企画調整というものがあります。さまざまな企画等を生み出すための予算だと思いますが、まずはこの男女平等参画施策の企画調整の取り組み、また、その執行率が七〇%と、ほかの施策区分と比べると少し低くなっている点、ここが気になります。理由をお伺いいたします。
○斎田男女平等参画担当部長 都における男女平等参画施策に係る決算項目といたしまして、男女平等参画施策の企画調整及び東京ウィメンズプラザの運営がございますが、男女平等参画施策の企画調整では、本庁の男女平等参画課が東京都行動計画に基づき、仕事と生活の調和、いわゆるワークライフバランスの推進、配偶者暴力対策など、男女平等参画社会の実現に向けて普及啓発を初めとしたさまざまな事業を実施しております。
平成二十五年度の主な実績といたしましては、企業の経営者等がワークライフバランスを推進する上での虎の巻となるワーク・ライフ・バランス実践プログラムの印刷、配布や、配偶者暴力被害者を早期発見し適切な支援へとつないでいくための医療関係者に向けたマニュアルの作成などでございます。こうした事業に係る委託等、契約の中で差金が生じたものでございます。
○塩村委員 ありがとうございます。決算書だけでは見えてこない、本当にさまざまな事業をされているということがわかりました。
私はライフワークとして、動物愛護と、女性が働きやすい、そして暮らしやすい東京を公約に掲げて都議選出馬をして、今ここにおります。ですので、その事業の中身を興味深く見てみました。例えば、答弁にもありました冊子、ワーク・ライフ・バランス実践プログラムですが、実によくできているなというふうに感じました。最初は、どうせ役所のつくるものだからと期待をしていないばかりか、内容がいまいちであれば意見をしようと思っていたんですけれども、すばらしいの一言でした。
中小企業の経営者にとっては虎の巻だと聞いていたとおりで、まずこれを入門として使用していけば、基礎の基礎から理解をすることができますし、実践的ですぐに活用もできます。カラーで見やすいですし、取り組みの事例や手順、そして注意点まで丁寧に掲載がされていました。
例えば、ちょっと注意という欄があります。ここにあるんですけれども、小さいんですけれども、すごく下の方なんですけれども、これは、育児をしながら働き続けてほしいという見出しのページなんですけれども、悩みや取り組みを紹介しています。
ここに、独身時代に頑張ってきた女性ほど、結婚や出産によって以前と同じように働けなくなったことに罪悪感や葛藤を抱き、仕事への意欲を失ってやめてしまうことがあります、子育て中の働き方に見合った目標設定と評価、制度利用を踏まえたキャリアアップの提示は、将来に目を向けさせ、仕事への意欲を引き出すことにつながります、このように書いてあるんですね。
なかなかセミナーなどを受けていない男性経営者たちは気づきにくい重要な視点で指摘をしています。
さらに、実際の取り組み事例も豊富に紹介がしてあり、部下に男性社員の育児休暇取得を勧めるというものもありました。主要先進国の中で、男性の家事育児参加率が著しく低い日本において、上司が部下に育児休暇を勧めていくことは、育児休暇を取得しやすいという風土をつくっていくことにもなります。
男性の育児や家事の参加率の低さは、そこから連なる形で、婚姻、少子化に関する問題を生み出す一要因ともいわれております。このお悩み別ワーク・ライフ・バランス実践プログラム一つ見ても、結婚、妊娠、出産の問題の取り組みだけではなく、介護に悩む社員を抱える企業の悩みにも取り組んでおり、本当にすばらしいと思いましたので、ぜひとも一人でも多くの中小企業の経営者や管理職の方の手元に届けて読んでいただきたいなと思います。
執行率の話に戻しますと、執行率の低い契約の中には、競争入札にあるものがあると聞いております。今後とも競争入札をできる限り活用して、最少のコストで最大限の効果を上げることを要望して、次の質問に移ります。
次に、ウエブサイト「TOKYOワーク・ライフ・バランス」では、男女平等参画等の普及啓発を行っていますが、このサイトの存在自体がなかなか知られていないんではないかなというふうに感じております。このサイトの周知をよりしていくべきだと思いますが、見解をお伺いいたします。
〔委員長退席、小宮副委員長着席〕
○斎田男女平等参画担当部長 都は、ワークライフバランスの推進に向けて、企業の先進的な取り組みや、国や区市町村の支援情報などを掲載したウエブサイト「TOKYOワーク・ライフ・バランス」を運営し、さまざまな情報を幅広く発信しております。このウエブサイト自体の周知につきましては、ワーク・ライフ・バランス実践プログラムを初めとした冊子や、東京ウィメンズプラザで実施する講座の開催案内に情報を掲載してございます。
また、関係各局と連携を図り、ワークライフバランスに関するイベントで冊子や開催案内を配布するとともに、各局のウエブサイトにリンクを張るなど、認知度の向上に努めてございます。
○塩村委員 ありがとうございます。内容は、ウエブサイトを見てみたんですけれども、特に企業の総務や人事の方にとって有益なのではと思われます。イベントでの周知はもちろん、できればツイッターやフェイスブック等で何か企画をしまして、周知をしていっていただけたらと思います。そうすることにより、さらに活用していただけるのではないかと思います。
続きまして、東京ウィメンズプラザについてお伺いをいたします。
決算書の歳入欄を見ますと、ホール等使用料の予算現額を四百万円ほど下回っております。その理由をお伺いいたします。
○斎田男女平等参画担当部長 東京ウィメンズプラザの施設の利用状況のうち、視聴覚室や会議室はほぼ例年どおりでございましたが、最も単価の高いホールの利用が前年に比較して減少したため、使用料全体として減収となったものでございます。
○塩村委員 ありがとうございます。それと連動する形で、附帯設備も微減となっております。ホールは二百五十名近い収容規模ですので、大きなイベント等に使用が限られてしまいがちで、埋まりにくいということも理解ができますが、ことしから男女平等参画が以前にも増してアクセラレートしていっておりますので、より多くの皆さんに利用してもらう機会がふえ、ホールの稼働率の向上が期待されると思います。大ホールの稼働率も上がることで、附帯設備の収入率も上がると思いますので、この機運をしっかりと生かしていただきたいと思います。
次に、その東京ウィメンズプラザの平成二十五年度の入館者数についてお伺いをいたします。
また、ウィメンズプラザは、さまざまな相談事業もしています。パンフレットを見てみますと、女性だけではなく、男性の相談もあるようです。相談事業の実績及び皆さんがどのような悩みを抱いているのか、男性の相談も含めて、相談の主な内容をお伺いいたします。
〔小宮副委員長退席、委員長着席〕
○斎田男女平等参画担当部長 東京ウィメンズプラザの平成二十五年度の入館者数は、決算説明書に記載してございますとおり、二十三万九千九百七十七人です。また、東京ウィメンズプラザは、都民に開かれた総合相談窓口として、一般相談、弁護士による法律相談など、さまざまな相談を受け付けております。平成二十五年度の相談件数は一万七千四百五十五件であり、そのうち男性相談は四百四十六件となっております。
全体の相談のうち、主な内容としては、配偶者暴力に関する相談が最も多く、約三割となっており、次いで、不安やいらいら、眠れないなど、心に関する相談が二割強となってございます。
○塩村委員 ありがとうございます。入館者数が二十四万人近くもいらっしゃいますし、相談の数もとても多いということがわかりました。
男女平等参画といいますと、女性の悩みだと思われがちですが、女性だけではなく、男性も悩んでいるということもわかりました。一万七千件を超える相談のうち四百四十六件は、三%程度ですので少なく感じるかもしれませんが、四百四十件を超える男性からの悩みの声が届いていることは見過ごしてはいけないというふうに思います。
現在もパンフレット等に掲載はされておりますが、今後も女性だけではなく、男性の助けにもなるよう、相談先の周知をお願いしたく思います。
また、相談の内容は、配偶者暴力、DVに関する相談が一番多いとのことでした。被害者は体力の劣る女性が圧倒的に多いとのことです。しっかりと対応していただきまして、苦しむ女性、もちろんDVに関しましては、男性も少なからずいるというふうに聞いておりますので、助けになっていただきたいと思います。
次です。男女平等参画をメーンにしている施設ですから、お子さんのいらっしゃる利用者の方もいらっしゃると思います。
図面を見てみますと、東京ウィメンズプラザには保育室がありますが、どのくらいの方が利用されていて、またその利用の条件はあるのでしょうか。保育者の手配は利用者が行うというふうになってはおりますが、保育者は保育士資格を持つ者ではないといけないのでしょうか。例えば知り合いが見るというようなことでもいいのでしょうか。
もう一点お伺いしたいのですが、基本的には利用者が保育者を確保するとのことですが、それができない場合、東京ウィメンズプラザでは保育者の紹介等は行っているのでしょうか。
○斎田男女平等参画担当部長 東京ウィメンズプラザでは、お子さんを持った利用者が安心して施設を利用できるよう保育室を設置しておりますが、平成二十五年度の延べ稼働日数は百三十一日となっております。保育室を利用するに当たっての条件は特になく、また、利用者が保育者をご存じなくお困りの際には、東京ウィメンズプラザで把握している保育者の情報提供を行っております。
○塩村委員 ありがとうございます。延べ百三十一日も稼働しているということで、やはり多くの方がお子さんと一緒に来館をされているようです。保育室も完備し、保育者が確保できない場合の情報提供もしっかりと行われているということで、安心をいたしました。より多くの方に施設を利用して、男女平等参画の理解と促進に協力をいただけるよう、今後も子供を持つ女性にも優しい施設運営をよろしくお願いいたします。
次です。東京ウィメンズプラザは、豊かで平和な男女平等参画の実現に向けて、都民と行政が取り組む具体的、実践的な活動の拠点です。しかし、その活動だけで使用率が一〇〇%になるわけではなく、現在はそれ以外の活動でも利用ができます。また、東京ウィメンズプラザでは、男女平等参画に関する活動を行っている団体の登録制度があると聞いています。
そこでお伺いいたします。東京ウィメンズプラザの利用登録団体数、登録団体による施設利用状況についてお伺いをいたします。
また、本来の目的である男女平等参画に資する目的での利用状況についてもお願いいたします。
○斎田男女平等参画担当部長 東京ウィメンズプラザでは、男女平等参画に関する活動を行っている非営利団体が事前に登録することにより、優先的に予約できるようにするなど、その活動を支援しております。登録団体数は、平成二十六年三月三十一日現在二百七十六団体であり、登録団体が使用した施設利用率は全体の三割強となっております。
また、登録団体を含めた男女平等の推進に係る施設利用は、全体の約八割となっております。
○塩村委員 ありがとうございます。登録団体の施設利用率は三割とのことですが、機運も高まっておりますので、今後はその割合も上がってくることと思います。ぜひとも継続をして、男女平等参画に取り組む団体をふやしていただきたいと思います。
そして、男女平等参画にかかわる施設利用は全体の八割とのことです。想像していたよりもはるかに多く、都民ニーズの高い施設だと再確認ができました。
最後の質問です。この東京ウィメンズプラザの本来の目的を考えると、本来目的での使用率が一〇〇%に近くなることが理想です。本来の目的である男女平等参画に資する目的での利用をふやすための取り組みについてお伺いをいたします。
○斎田男女平等参画担当部長 東京ウィメンズプラザの施設利用につきましては、登録団体の優先予約やインターネットでの直接予約など、必要な人が使いやすい仕組みを整備しております。今年度は、男性参画のための育児介護講座や、経営トップ層に向けたシンポジウムを開催しておりまして、これまでの主な利用者であった女性団体に加えて、男性や企業への働きかけを行っております。
また、東京ウィメンズプラザのホームページにつきまして、都民が必要な情報を的確に入手できるよう、わかりやすいレイアウトやデザインへの変更に取り組み、年度末までにリニューアルすることとしておりまして、今後とも館の認知度向上に努めてまいります。
○塩村委員 二十四時間の検索や予約もできるということですし、局の方でいろいろな知恵を絞っていただいたのだろうなというふうに思います。
女性の視点から見て暮らしやすい社会の制度や仕組みをつくることは、同時に、女性も男性もともに輝く社会、全ての人にとって暮らしやすい社会をつくることでもあると、政府のすべての女性が輝く政策パッケージには記されております。
男性や企業への働きかけも、この機運を一層高める取り組みとなりますし、男性向けに、家庭や地域での参画を促進するための講座や、イクメン育成講座、男性の育児休業取得、ワークライフバランスを進める企業向け講座やセミナーの積極的な開催をお願いしたいと思います。そして、それらのセミナー等のイベントを都民や企業に周知をしていただきたいと思います。開催をするだけではなくて、参加をしてもらうことも重要だというふうに思います。
十一月八日に行われる、もっともっといっしょに青山パパと子教室など、男性の育児参加を促すプログラムは本当にすばらしいと思います。たくさんの都民に参加をしてもらえる取り組みも大事ですので、重ねてお願いいたします。
何度も申しますが、日本の真の男女平等参画の正念場はこの数年です。オリンピックまでに欧米先進諸国に追いつけるのか、正真正銘、世界一の都市東京にするために課されているミッションの一つだと思います。
私もこの数カ月、世界の一線で活躍をする女性リーダーにお会いをさせていただき、駐日アメリカ大使公邸での夕食会、女性版ダボス会議でのレセプション等で意見を交わさせていただきました。やはりまだまだ日本は男女平等参画について発展の余地があり、改善をしていかなくてはいけないと感じた次第です。何でも欧米がいいということではないのですが、成熟度でいえばまた追いついていないというふうに感じております。
しかし、今回の質問で、局長を筆頭に、男女平等参画担当部署の皆さんが本当にさまざまな取り組みをされていることがわかりました。今回の決算は、今のように機運が高まる前のものですから、その取り組みとしては本当にすばらしいというふうに思います。そして、機運が一気に高まったのはことしですので、来年度はぜひともさらなる予算の確保をしていただいて、この機運の高まりを最大限に生かしたアグレッシブな施策の展開を強くお願いしまして、質問を終わります。ありがとうございました。
○神野委員 私からは、三点に関する質問をいたします。
最初に、広報広聴費の中の情報公開事務、特にその中の個人情報保護制度について伺います。
JR東日本によるSuica乗降履歴データの販売が非難を浴び、ベネッセで膨大な顧客情報の漏えい事件が発生するなど、個人情報の取り扱いに対する都民の関心は高まっています。
東京都では、東京都個人情報の保護に関する条例を制定し、都が保有する個人情報の取り扱いに関する具体的なルールを定め、個人情報の漏えいがないように取り組んでいると聞いています。この条例に基づいて、都民は、都が保有する個人情報の中で、自分に関する情報の開示請求を行うことができますが、積極的に自分の個人情報に関与する権利を規定していることは大変意義があるものと考えます。こうした制度が広く都民に知られるとともに、その制度が適正に、適切に運用されることが、個人情報保護を進めていく上で重要です。
そこでまず、都民への周知も含め、個人情報保護制度の運用状況について確認をいたします。
○佐藤都政情報担当部長 都はこれまで、個人情報保護制度につきまして、都民や事業者等への周知を図るとともに、生活文化局に総合相談窓口を設置いたしまして、相談や苦情に対応してまいりました。昨年度は、個人情報の説明会等を都民向け、事業者向けなど、対象を分けて開催したほか、リーフレットやホームページなどを活用いたしまして、法や条例の趣旨の周知に取り組んでまいりました。
こうしたことにより、一定程度の周知が図られたことから、相談件数は、平成二十一年度の千二百九十九件に比べまして、昨年度は三百四十六件と減少しております。
その一方で、昨年度の開示等の決定件数は千九百六十五件となっておりまして、平成二十一年度の約二倍の件数となった平成二十四年度と同水準で高どまりの状況でございます。
開示請求等の内容につきましては、当初から、都立病院のカルテ等の診療情報関係など、自分の情報を確認するための制度の趣旨にのっとった請求が中心でございました。しかし、近年では、一一〇番通報を受理した際に通報内容を記録する一一〇番処理簿や、防犯問題等の相談時に作成する生活安全相談処理結果表などが増加いたしまして、この二つの文書で全体の約三分の一を占めております。
○神野委員 本年三月十九日の文教委員会質疑において、一一〇番を受け付けた際の記録や警察に出向いて相談した際の記録について、特定個人からの開示請求が多くなっているとの答弁がありました。そのような特定個人からの請求状況について、主なものについて、具体的な件数を伺います。
○佐藤都政情報担当部長 特定個人からの請求についてでございますが、ある開示請求者に係る決定件数を見ますと、平成二十二年度から昨年度までの四年間にわたりまして七百六十二件に上っておりまして、中でも、最も多かった平成二十四年度で三百三十三件にも及ぶ事例が見受けられました。また、別の開示請求者の場合では、平成二十一年度から昨年度までの五年間にわたって五百二十六件に上りまして、中でも、最も多かった平成二十三年度で二百六十一件にも及ぶ事例もございました。
これらの請求の中には、自分で一一〇番通報等を何度も繰り返し行った上で、その受け付け記録をみずから短期間に大量に開示請求するなど、自身の情報が適正に管理されていることを確認するという、制度の本来趣旨になじまないものも含まれております。
○神野委員 ただいまの答弁にありましたような、特定個人からの内容に問題がある大量の請求があった場合、その対応で都の通常業務が停滞するなど著しい支障が生じ、他の都民からの請求に対する迅速な対応が困難になるのではないかと危惧せざるを得ません。
文教委員会での答弁では、そのような権利濫用的な請求への対応について、専門的見地から調査、審議を行う個人情報保護審査会において審議をしていくとのことでしたが、審議結果はどうなったのかを伺います。
○佐藤都政情報担当部長 本年六月に個人情報の開示請求に係る権利の濫用についての答申が、都道府県で初めて、東京都個人情報保護審査会から行われました。この答申では、都の個人情報保護条例は個人の権利利益を保護することを目的としているが、個人情報の開示請求等の権利は、都政の適正な運営との均衡を図りつつ、適正に行使されるべきものであることが、改めて確認されました。
その上で、審議の対象となった特定個人からの開示請求につきまして、社会通念上、本人の権利利益の保護という制度の趣旨から外れた請求内容であったり、開示請求等を大量に繰り返し行うなど、円滑な行政事務の遂行への著しい支障があることから、当該個人によるこうした請求は権利の濫用であるとの判断がなされました。
そして、このような場合は、開示請求があった際に、開示、非開示の判断をすることなく、その請求を拒否すべきであるとの対応の方向性の提示がございました。
○神野委員 ただいまの答弁にもありましたように、特定個人による権利濫用的な請求に対しては、通常業務に支障を及ぼさぬよう、毅然とした対応をすべきです。また、大多数の都民からの適正な開示請求については、何ら悪影響があってはなりません。そのためには、開示請求への対応を実際に行う各局の窓口担当者が適切に対応できるよう、個人情報保護制度の所管局である生活文化局が各局をしっかりと支えていくことが必要であると考えます。
そこで、庁内各局への周知方法や支援内容を含め、特定個人の権利濫用的な請求にどのように対応していくのかを伺います。
○佐藤都政情報担当部長 先ほど答弁申し上げました審査会答申につきましては、窓口担当者がそれを踏まえて適切に対応できるよう、権利の濫用と解される請求等の取り扱いについて基準を定めまして、各局への周知を行いました。
今後、各局が権利の濫用を理由に請求を拒否しようとする場合には、審査会答申の詳細な説明や手続の進め方について具体的な助言をするとともに、決定の際には必ず生活文化局が協議を受けるなど、きめ細かな対応を行ってまいります。
引き続き、一般都民からの開示請求につきましては、これまでどおり、個人の権利利益の保護と都政の適正な運営という制度の趣旨にのっとって対応いたしまして、個人情報保護制度の適切な運用を確保してまいります。
○神野委員 窓口担当者や局にかかわらず、特定個人による権利濫用的な請求に対しては、都として一貫した対応がなされ、東京都個人情報の保護に関する条例が制定された趣旨に沿った個人情報保護制度が適切に運用されることを要望し、次の質問へと移ります。
二点目は、消費生活対策費の中の安全対策事業で行われている商品等の安全対策について伺います。
都では、消費生活センターに寄せられた相談などから、危害、危険情報を積極的に掘り起こし、商品等による事故を防止するため、安全対策を推進しており、近年では、使い捨てライターや子供服のデザイン、ブラインド等のひもなど、子供の安全対策について取り組んでいます。
こうした取り組みについては、多くの都民が高い関心を持っていると思います。身近な商品による事故を防ぎ、都民、とりわけ幼い子供の安心を守っていくために、都がどのような安全対策に取り組んできたのかを、私は、一般質問や文教委員会での質疑で数回にわたって取り上げてきましたが、本委員会で、改めてこの取り組みについて総括をしたいと思います。
都では、事業者を巻き込んだ形で議論を行う東京都商品等安全対策協議会を設置し、活用していますが、この協議会の特色について伺います。
○山本消費生活部長 商品等の安全対策を効果的に推進するために、事業者団体との連携や、学識経験者の専門的知識の活用、消費者の意見の反映等が重要でございます。
そのため、商品改善や新たな安全基準が必要な商品等につきましては、学識経験者や消費者団体はもとより、事業者団体も参加する商品等安全対策協議会において具体的な方策を検討してございます。協議会では、事業者団体の協力を得て事故の再現実験等を行い、問題点を共有化するとともに、広く海外事例も分析しながら、実効性ある対策を提言として取りまとめてございます。
○神野委員 事業者、消費者など、さまざまな立場の方が一堂に会し、商品等の安全対策を協議することは非常に有意義なことであると思います。
一方で、事業者にとっては、自社製品の安全性を否定される側面も持っていることから、公開で議論が行われる東京都商品等安全対策協議会に協力することについて、強い抵抗を持つ可能性もあるのではないかと思います。
商品等安全対策協議会が有効に機能するためには、まず、事故情報が共有されることが必要になりますが、事業者からの協力を得るために、都はどのような工夫や調整を行っているのかを伺います。
○山本消費生活部長 本協議会は、提言をまとめる過程におきまして、お話のような事業者の参加も得て、公開での議論や再現実験を行うものであり、国では取り組まれていない都独自の先進的な取り組みといえると考えております。
この取り組みによりまして、より安全な商品の基準づくりや商品改善につなげていくことが可能になりますが、そのためには何よりも、事業者の理解と協力が不可欠でございます。
そこで、まず都は、事業者が十分に事故情報を得ていない状況もあることから、消費生活センターに寄せられている事故情報を初め、病院の事故事例や東京消防庁の救急搬送データなどから事故情報を把握し、事業者にできるだけ詳細な情報を提供することで認識の共有化を図ってございます。
また、協議会でアンケート調査や事故再現実験により原因究明を行うことで、事故防止のための商品改善につながることを事業者に丁寧に説明し、協力を得ております。
○神野委員 都が事業者と情報を共有し、安全な商品づくりに向けて協働することは、消費者被害の防止につながるだけでなく、事業者にとっても、より安全な商品を開発する契機ともなる重要な取り組みと考えます。
昨年度、商品等安全対策協議会で取り組んだ事例の中には、ブラインド等のひもの安全対策がありますが、その具体的な取り組み結果について伺います。
○山本消費生活部長 昨年度の安全対策協議会では、ブラインドのひもが輪になって垂れ下がっているところに子供の首がひっかかり、窒息するなど、深刻な事故に結びついていることを受け、ブラインド等のひもの安全対策に取り組んだところでございます。
協議会では、千人規模のアンケート調査や事故再現実験を行い、事故防止用の安全器具の有効性等を検証するとともに、海外の規制基準等も参考にしながら、本年二月に最終報告を取りまとめてございます。提言では、ひもがなくてもブラインドを上げ下げできる、より安全性の高い商品開発や、JIS化を視野に入れた安全基準づくり、消費者の安全意識の向上等が求められております。
○神野委員 協議会での提言を具体的な成果につなげていくことが、商品の安全性を高める上で何よりも重要ですが、協議会の提言を受けて、都はどのようにその実現化に取り組んできたのかを伺います。
○山本消費生活部長 都は、提言を受けまして直ちに国や事業者団体に要望を行ったことで、国は、今年度からJIS化に向けた検討会を立ち上げ、基準づくりを進めてございます。また、事業者においても、安全性の高い商品の開発に向け、積極的に取り組んでいるところでございます。
都では、ブラインドのひもの危険性や安全対策に関するリーフレットを十万部作成いたしまして、都内の幼稚園や保育所等へ配布するなど、広く消費者への注意喚起を行ってございます。さらに、「広報東京都」にも啓発記事を掲載するとともに、乳幼児を持つ若い保護者がよく見ているツイッターやホームページでも注意喚起を行うなど、さまざまな媒体を活用いたしまして効果的な情報発信を行ってございます。
○神野委員 ブラインド等のひもの安全対策では、協議会の提言に基づき、さまざまな対策が具現化されたことがわかりました。今後とも、商品等安全対策協議会の取り組みを着実に進め、子供たちが少しでも事故に遭うことがないよう、事業者と協力して取り組んでいくことを希望いたします。
最後に、文化振興費の中のアーツカウンシル等による文化の創造・発信について伺います。
イギリスにおけるアーツカウンシルは、芸術文化活動を支援する専門機関として、民間の文化活動の活発化に大きな役割を果たすとともに、ロンドン・オリンピックにおいても、イギリス文化の魅力の発信に大きく貢献したといわれています。
東京においても、民間の芸術文化活動をさらに活発化させ、東京の文化の魅力を世界に発信することを目的とした、日本で初めての本格的なアーツカウンシルとしてアーツカウンシル東京が設置されてから、間もなく二年を迎えようとしています。
このアーツカウンシル東京の主要な事業の一つに、東京芸術文化創造発信助成がありますが、この事業について、まずその目的と対象、実績を伺います。
○鳥田文化振興部長 東京芸術文化創造発信助成は、東京の芸術文化の魅力を世界に発信する創造活動と、その担い手を支援することを目的としており、東京を拠点とする伝統芸能や音楽、演劇など、さまざまなジャンルの芸術団体等に対し、その活動経費の一部を助成するものでございます。
平成二十四年度からアーツカウンシル東京による運用を開始いたしまして、当該年度には九千万円の交付の決定を行い、平成二十五年度には事業規模を一億二千万円と拡充を図りました。
申請件数については、平成二十四年度は百五件だったのに対し、平成二十五年は二百九十九件と大幅に増加しているところでございます。
○神野委員 都では、アーツカウンシル東京が設置される以前にも、東京の芸術文化の魅力を世界に発信する創造活動を支援することを目的とした、東京都芸術文化発信事業助成を行っていました。この事業をアーツカウンシル東京が引き継いだわけですが、行政が直接行うのではなく、アーツカウンシル東京が実施することのメリットについて伺います。
○鳥田文化振興部長 アーツカウンシル東京は、芸術文化に精通した実務経験のある専門スタッフ、いわゆる芸術文化の目ききにより構成されており、芸術団体等に対する助成においても、単なる助成金の支出だけではなく、指導や評価を実施の上、助成を行っているところでございます。この双方向のきめ細かいコミュニケーションを通じ、助成対象の芸術文化活動をより創造性や発信力の高いものへと仕上げることが可能となっております。
また、芸術文化団体のニーズを踏まえ、年度途中の企画等に対応するため、応募機会を年二回にふやすとともに、最大三年間の支援を行う複数年助成制度を導入いたしました。
さらに、芸術文化に係る教育普及活動や芸術支援のためのプロジェクトを新たに助成対象に加えるなど、芸術文化のつくり手の立場に立った制度構築を図ることもできました。
○神野委員 芸術文化に精通した実務経験のある専門スタッフによるアーツカウンシル東京の助成は、若手アーティストたちの人材育成にもつながるなど、芸術文化のつくり手の立場に立った仕組みであり、東京が誇る多様ですぐれた芸術文化活動の発信においても、その効果は大であると思われます。
そこで、東京芸術文化創造発信助成事業における、こうした効果について伺います。
○鳥田文化振興部長 海外において実施される、もしくは海外芸術団体との共同制作による公演展示等の実績については、平成二十四年度は二十八件、平成二十五年度は三十二件と、発信力のある芸術文化活動が展開されているところでございます。
平成二十五年度に新たに設けられた複数年助成制度は、海外との国際的なプロジェクト等に対し、長期的なプランを描くことを可能とし、発信力のある芸術団体の意欲的な取り組みに貢献しているところでございます。また、海外での活躍の幅を広げ、東京を代表する芸術団体へのステップアップを目指す、次世代を担うアーティストたちを複数年で戦略的に支援することが可能となり、海外に通用する若手の人材育成にも寄与しております。
このように、アーツカウンシル東京の専門家による支援は、東京が誇る多様な芸術文化の世界発信のみならず、東京の国際的な地位向上に資する創造性あふれる人材や活動の発掘、支援にもつながっているところでございます。
○神野委員 さまざまな専門的な見地に基づいて、アーツカウンシル東京の助成対象が決定されているわけですが、具体的な助成対象事例としてどのようなものがあるのかを伺います。
○鳥田文化振興部長 例えば、三味線、尺八、筝、太鼓という和楽器によって、和の格好よさを若い人たちに伝える活動を国内中心に行っている邦楽グループがございます。二十五年度の申請では、中国語圏の若者文化発信地である台湾のライブハウスで公演を行うことが企画され、アーツカウンシル東京で助成を実施いたしました。その結果、日本伝統音楽の最前線を東京から台湾の音楽シーンに提示することができました。
また、複数助成の例では、舞台や美術館でのパフォーマンス、映像作品の発表など、ダンスや身体表現の可能性を追求し、多彩な活動で注目を集める若手ダンス集団に対し、一年目は国内外各地域における滞在制作の支援を実施し、二年目となる来年は国内及びアジアツアーの展開を支援する、さらに、三年目は欧米ツアーを実施する計画であり、このダンス集団が世界的な評価につながる戦略を描くことを可能にしてございます。
○神野委員 一九六四年の東京オリンピック・パラリンピックが東海道新幹線を初めとした日本の技術力を世界に発信する好機であったように、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックは日本の文化を世界にアピールする絶好の機会であり、東京オリンピック・パラリンピックを芸術文化の祭典としても成功させる必要があります。
そのためには、発信力のある意欲的な芸術文化への取り組みが必要であるとともに、例えば多摩を初めとした東京の各地域の郷土芸能やお祭りなど、日本独自の文化を取り入れることも重要であると考えます。そのためにも、行政と民間の活動現場を橋渡しすることが可能なアーツカウンシルを活用し、東京のさまざまな芸術文化活動をさらに拡充すべきと考えます。
今年度から、来年に向けて、アーツカウンシル東京の助成をどのように進めていくのか、今後の展開について伺うとともに、その取り組みに向けた局長の決意を最後に伺い、私からの質問を終えます。
○小林生活文化局長 先日、民間調査機関が発表した世界の都市総合ランキングでは、ロンドンが昨年に引き続き一位でありましたが、ロンドンが他の都市に比べて大きな強みとなっているのが、文化交流分野でありました。
オリンピックの文化プログラムを含めて、ロンドンの芸術文化振興に大きな役割を果たしているのが、一九四六年に経済学者ケインズの提唱によって創設されました、芸術文化に対する助成を基軸に幅広く文化政策の執行を担うアーツカウンシルの存在であります。
アーツカウンシル東京は、まだ発足して二年でございますけれども、東京が世界一の文化都市を目指す上で果たすべき役割は極めて大きいものというふうに考えております。
このアーツカウンシル東京の生みの親といってもいいかと思いますけれども、東京芸術文化評議会の福原会長は、二年前にアーツカウンシル東京の発足に当たって次のように申しております。
ロンドン、パリ、ニューヨークあるいは東京のようなメガシティーの文化力は、ある意味、その国の文化を象徴するものであると。東京には、既に文化のポテンシャルが十分にあるけれども、それを編集し直して、総合的な場の魅力に仕立て上げるために、個々の企画者の創造力、創造されたオリジナルな文化を統合して発信する、そのような装置の力が必要なのだと。それがアーツカウンシルであると。そして、東京を国際都市にふさわしい個性豊かな文化を創造する、質の上でも世界最高のメガシティーにすること、東京からの波及効果によって、創造性に満ちた潤いのある地域社会を日本各地に構築すること、同時に、世界に向けた東京の文化発信力を高めること、これがゴールですと、このように申しております。
文化を生み出すプロデューサーや、あるいは博物館、美術館など、キュレーターの企画力と発信力をレベルアップして、東京で、日本で創造された文化を世界に広めていく、そのようなことができる、そうしたプロデューサーやディレクターをこの東京の中で育てていく。そして、東京で、あるいは日本国内で話題になるだけではなくて、世界の話題となって、世界から東京に人を引き寄せるような文化を創造できるような文化都市に、この東京をしていかなければならないということだと思います。
もちろん、これは一朝一夕にできるものではございませんけれども、お話のように、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックは、日本の文化を発信する絶好の機会でありまして、そのためにはアーツカウンシル東京の強化を加速化していく必要があるというふうに思っております。
先ほど部長が答弁いたしましたように、平成二十五年度に導入した複数年助成などの整備や、双方向のきめ細かいコミュニケーションを通じた芸術文化の目ききによる人材発掘などによりまして、アーツカウンシル東京の助成制度は、芸術文化関係者の中でその認知を着実に広げております。特に、演劇や舞踊といった舞台芸術の分野におきましては、六割以上が活動を始めたばかり、もしくは活動を活発にしていく段階にある若い団体からの申請となるなど、次代を担う芸術文化団体の広がりも見せております。
芸術文化は、地域の価値や魅力を構成する重要な要素でありまして、海外や国内他地域から多くの人々を引きつける観光の重要な柱ともなります。東京に集積する伝統を初めとした多彩な文化資源を活用し、東京の魅力を国内外に幅広く発信するためにも、来年度に向けましては、芸術文化に精通した専門人材によるアーツカウンシルならではの地域に根差した芸術文化活動への支援など、新たな視点で民間文化活動の支援の拡充を検討してまいります。
今後は、東京オリンピック・パラリンピックを芸術文化の祭典として史上最高のものにするため、芸術文化の専門家を増強するなど、アーツカウンシル東京のさらなる体制強化と、より幅広い分野からの若手人材の発掘や人材育成も含めた創造発信助成の機能強化に向けて、全力を挙げて取り組んでまいります。
○橘委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○橘委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で生活文化局関係を終わります。
以上をもちまして第二分科会における決算の審査は終了いたしました。
なお、本分科会の審査報告書につきましては、分科会委員長において取りまとめの上、委員会委員長に提出いたしますので、ご了承願います。
これをもちまして第二分科会を閉会いたします。
午後三時四十分散会
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