委員長 | 吉田 信夫君 |
副委員長 | 吉倉 正美君 |
副委員長 | 崎山 知尚君 |
加藤 雅之君 | |
小松 久子君 | |
中山ひろゆき君 | |
尾崎あや子君 | |
木村 基成君 | |
高椙 健一君 | |
菅野 弘一君 |
欠席委員 なし
出席説明員環境局 | 局長 | 長谷川 明君 |
次長 | 和賀井克夫君 | |
総務部長 | 池田 俊明君 | |
環境政策担当部長 | 篠原 敏幸君 | |
都市地球環境部長 | 谷上 裕君 | |
都市エネルギー部長 | 櫻井 和博君 | |
都市エネルギー技術担当部長 | 石川 裕通君 | |
環境改善部長 | 木村 尊彦君 | |
環境改善技術担当部長 | 島田 光正君 | |
自然環境部長緑施策推進担当部長兼務 | 笹沼 正一君 | |
資源循環推進部長 | 齊藤 和弥君 | |
調整担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務 | 山根 修一君 |
本日の会議に付した事件
平成二十五年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
環境局関係
・平成二十五年度東京都一般会計決算(質疑)
○吉田委員長 ただいまから平成二十五年度各会計決算特別委員会第三分科会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、環境局関係の決算に対する質疑を行います。
これより環境局関係に入ります。
決算の審査を行います。
平成二十五年度東京都一般会計決算中、環境局所管分を議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○池田総務部長 去る十月八日の当分科会でご要求いただきました資料につきましてご説明申し上げます。
お手元の平成二十五年度各会計決算特別委員会第三分科会資料をごらんください。
表紙をおめくり願います。右側の目次のとおり九項目ございます。
まず、一ページをお開き願います。1、都内の二酸化炭素排出量の部門別推移過去五年分でございます。
平成二十年度から二十四年度までの各年度における産業、家庭、業務、運輸及びその他の各部門の二酸化炭素排出量を記載しております。
二ページをお開き願います。2、二酸化窒素、浮遊粒子状物質及び微小粒子状物質の環境基準達成状況の推移でございます。
(1)の二酸化窒素、(2)の浮遊粒子状物質、それぞれの表におきまして、上段が一般環境大気測定局、下段が自動車排出ガス測定局でございまして、平成二十一年度から二十五年度までの各年度における測定局数、環境基準達成局数及び達成率の状況を記載しております。
三ページをお開き願います。(3)の微小粒子状物質につきましては、平成二十三年度から二十五年度までの状況を同様に記載しております。
四ページをお開き願います。3、二酸化窒素、浮遊粒子状物質及び微小粒子状物質の全国上位十局の推移でございます。
(1)の二酸化窒素につきまして、平成二十年度から二十四年度までの各年度における全国の測定局の年平均値上位十局の推移を記載しております。
五ページをお開き願います。(2)の浮遊粒子状物質につきまして、同様に記載をしております。
六ページをお開き願います。(3)の微小粒子状物質につきましては、平成二十三年度及び二十四年度の推移を同様に記載しております。
七ページをお開き願います。4、緑地保全地域における公有化予算・決算額・面積及び管理予算の推移でございます。
平成十六年度から二十五年度までの各年度における公有化の予算額、決算額及び面積並びに管理費予算額を記載しております。
八ページをお開き願います。5、都内の土壌汚染対策法における要措置区域等の指定件数の推移でございます。
平成十六年度から二十五年度までの各年度における指定区域等の件数を記載しております。
なお、土壌汚染対策法の改正に伴い、区域指定の区分が変更となったため、表を分けて記載しております。
九ページをお開き願います。6、大規模事業所の二酸化炭素排出量の推移でございます。
平成二十二年度から二十四年度までの各年度における二酸化炭素排出量の推移を記載しております。表の上段にある基準年度の値は、事業所が選択した平成十四年度から十九年度までの間のいずれか連続する三カ年度の排出量の平均値でございます。
一〇ページをお開き願います。7、大規模事業所の床面積当たりの二酸化炭素排出量の推移(用途別)でございます。
平成二十二年度及び二十三年度の各年度における事務所、情報通信、放送局等の各用途の二酸化炭素排出量を記載しております。
一一ページをお開き願います。8、中小規模事業所の二酸化炭素排出量の推移でございます。
平成二十二年度から二十四年度までの各年度における二酸化炭素排出量の推移を記載しております。
一二ページをお開き願います。9、都内病院の床面積当たりの二酸化炭素排出量の推移でございます。
平成二十年度から二十四年度までの各年度における病院、医療施設等の二酸化炭素排出量の推移を記載しております。
以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○吉田委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○高椙委員 私は、都議会自民党を代表して、今回、環境局関連の五つの分野に関して質疑を行います。
まずは、中小規模事業所の地球温暖化対策について伺います。
中小規模事業所は、大規模事業所と異なり、資金、人材、ノウハウが十分でないため、事業者の自主的な省エネ努力を引き出す施策が必要です。その点、都が実施している無料省エネ診断は、詳しい診断レポートがもらえ、省エネ対策を実践する上で大変参考になると声を聞いております。
また、都の地球温暖化対策報告書制度は、事業者がみずからの事業による電力やガスの使用量をもとにCO2排出量を年一回算出し、報告するもので、事業活動によるCO2排出量を把握することができるため、中小の事業者でも省エネに取り組みやすい仕組みとなっております。
これらの仕組みは、業界団体などと連携して積極的なPRを行い、利用を拡大していくべきであると思います。
平成二十五年度決算では、こうした中小規模事業所対策の推進に約二億五千七百万円を支出しておりますが、ただいま挙げた二種類の事業に関する平成二十五年度の実績とその取り組み状況についてお伺いします。
○谷上都市地球環境部長 都は、地球温暖化対策報告書、省エネルギー診断などを通じて、中小規模事業所にとって負担が少なく自主的に省エネに取り組める支援策を、区市町村、業界団体などとの連携を図りながら実施してまいりました。
省エネルギー診断は、技術士などが事業所を訪問して、エネルギーの使用状況をチェックし、事業所に適した省エネ対策の提案を行うもので、平成二十五年度の実績は二百七十八件となっております。
なお、平成二十年度の制度開始から六年間で二千四百三十三件の実績がございます。
一方、前年度のCO2排出量を報告する地球温暖化対策報告書は、平成二十五年度には千九百九十三事業者、三万三千五百二十八事業所から受けており、提出事業者数は、制度が始まった平成二十二年度以降、毎年約一〇%の伸びを示しております。
今後も、東京法人会連合会を初めとする業界団体などとの連携協力関係を広げ、省エネルギー診断の普及と報告書提出の増加に向けて取り組んでまいります。
○高椙委員 取り組みの状況はわかりました。
省エネルギー診断も、制度の開始から二千四百件を超える実績があり、中小規模事業所の省エネに大きく貢献しています。この無料省エネ診断のPRを一層強化して、利用者の増加につながるよう、引き続き努力をしていただきたいと思います。
また、地球温暖化対策報告書も、制度開始からことしで五年目になり、毎年三万を超える多くの事業所のデータが集まっているとのことです。
国も省エネ法に基づく報告を受けていますが、事業者に対するフィードバックは何ら行われておらず、データが十分に活用されていないと聞いております。
そこで、都が地球温暖化対策報告書を通じて集めた事業所のCO2排出量などのデータは、大変貴重な情報であり、このデータをさらに有効活用するべきと考えますが、具体的にどのように活用していくのか、お伺いします。
○谷上都市地球環境部長 都は、CO2の排出レベルを自分自身で評価できるようにするための指標である低炭素ベンチマークを、平成二十二年度に提出された地球温暖化対策報告書による実績をベースに平成二十四年五月に作成いたしました。
さらに、本年三月には、事業によるCO2の排出レベルを同種同規模の事業とより正確に比較できるよう、平成二十四年度の実績をもとにして七段階から十五段階に、また、対象の用途もより細かく分け、二十から三十に拡大いたしました。これにより、CO2削減目標の設定と効果の確認に役立っております。
本年六月には、拡大後の低炭素ベンチマークをもとに、中小テナントビルの省エネ性能を入居希望者等にわかりやすく示すカーボンレポートの提供も開始いたしました。
これまでも、収集したデータは都のホームページなどで公表し、事業者が省エネへの取り組み状況をアピールする手段としても活用してまいりましたが、引き続き、多様な方法により活用することで、中小規模事業所の省エネルギー、低炭素化を促進してまいります。
○高椙委員 都は国と違い、現場を持つ自治体として、データを十分に活用し、中小規模事業所の省エネ対策の推進に向けて、事業者の自主的な取り組みを促すさまざまな事業を展開し、効果を上げていることがわかりました。
また、地球温暖化対策報告書により示された業種ごとのCO2排出量のデータを低炭素ベンチマークとして公表し、それを活用して省エネに取り組んだ事業者が効果を発信するPRシートなども用意されているとのことです。
我が党の提案で実現した中小テナントビル向けの省エネ改修効果を見える化するプロジェクトも、今般、募集、説明会が開かれるなど、新たな事業も開始されております。
今後も、よいアイデアを出し、中小規模事業所の省エネ支援に努めていただくことを要望いたします。
次に、大気環境対策についてお伺いします。
微小粒子状物質、いわゆるPM二・五は、杉の花粉の十二分の一という極めて小さい粒子で、吸入すると肺の奥深くまで入り込み、呼吸器や循環器に悪影響を及ぼすといわれております。このため、国は平成二十一年に環境基準を新たに設定いたしました。
これを受けて、都は、三年間で常時監視の測定体制を整え、平成二十五年度から全局での測定が可能となっております。
本年八月、都は、平成二十五年度大気汚染状況の測定結果を報道発表いたしましたが、それによれば、平成二十五年度の都内のPM二・五の環境基準達成率は前年度より悪化しております。
そこで、平成二十五年度のPM二・五の濃度の状況及び環境基準達成率が悪化した原因について、お伺いをいたします。
○木村環境改善部長 PM二・五につきまして、平成二十五年度の環境基準達成率が二十四年度より悪化いたしましたのは、風が弱いため汚染物質が拡散せず、濃度が高くなった日がふえたためでございます。
また、これまでPM二・五は冬に濃度が高くなると思われておりましたが、二十五年度は夏にも風が弱い日が多く、濃度が高い特徴がございました。
ご指摘のとおり、環境基準達成率及び年平均濃度は二十四年度より悪化いたしましたが、二十三年度とほぼ同等でございました。
また、国が健康影響の可能性があるとして定めた注意喚起のための暫定指針値は、一日平均値で一立方メートル当たり七十マイクログラムでございますが、これを超えた日は、都が常時監視体制を整えた三年間、一度もございません。
なお、都では、国が標準測定法を定める前の平成十三年度から平成二十三年度まで、独自に四カ所の測定局でPM二・五を測定してきましたが、その結果によれば、十年間で約五五%削減しており、大気改善は着実に進んでおります。
○高椙委員 平成二十五年度の環境基準達成率が悪化したのは、気象による要因が大きかったとのことですが、環境基準達成率が悪化したのは東京都だけなのか、近県の状況はどうなっているのかをお伺いいたします。
○木村環境改善部長 埼玉県、千葉県、神奈川県とも、PM二・五の環境基準達成率は、二十三年度より二十四年度は達成率がよくなった一方、二十五年度は二十四年度より達成率が悪化しております。これは東京都と同様の傾向でございます。
○高椙委員 近県でも同様であるということは、共通の原因があるのではないでしょうか。原因の一つとしては、一都三県外からの汚染物質の移流が考えられるのではないでしょうか。
高度成長が続くアジアの大都市で、マスクをつけて歩く人の映像や、視界不良で航空機の運航が停止されたなどの報道が流れるなど、PM二・五に対する関心が国内外で高まっています。
そこで、移流の影響についてどう考えるのか、都の見解をお伺いします。
○木村環境改善部長 今回、移流の影響の把握のため、大陸から飛散してくる黄砂が西日本等で観測された日からその翌々日までの都内のPM二・五濃度を見たところ、上昇したという事実は確認できませんでした。
同じ日に、埼玉、千葉、神奈川県におきましても、PM二・五の濃度が上昇したという事実は確認できませんでした。
なお、都内の全局でPM二・五の測定体制が整ったこともあり、これらのデータ等を用いまして、今年度、移流の影響などPM二・五の詳細な解析を行ってまいります。
○高椙委員 今回の測定データからは、一都三県外からの広域的な移流の影響は確認できないことがわかりました。
詳細な解析結果が早く出ることを期待いたします。加えて、正確な情報をわかりやすく都民に伝えていただくことを要望いたします。
今後、PM二・五対策を考えるに当たっては、汚染物質は都県域を越えて相互に移動していることも考えられることから、都単独ではなく、近隣県とも連携して取り組んでいただきたいと思います。
都は、この九月に発表した長期ビジョンの中間まとめで、PM二・五について、おおむね十年後までに環境基準達成率一〇〇%を目指す目標を示しましたが、ぜひとも対策を着実に推進し、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックの際には、一段と澄んだ空気のもとでアスリートが活躍できる環境を確保していただきたいと思います。
次に、自動車環境対策についてお伺いします。
PM二・五については、環境基準の達成までいま一歩という状況ですが、NO2、二酸化窒素と、SPM、浮遊粒子状物質については、近年大幅に改善し、環境基準をほぼ達成しております。
平成二十五年度は、平成十五年度にディーゼル車規制を開始してから十年という節目の年でもあることから、自動車の排出ガス対策についてお伺いします。
まず、この十年間の都の自動車排出ガス削減の取り組みと成果についてお伺いします。
○木村環境改善部長 環境確保条例では、平成十五年度から、排出基準に適合しないディーゼルトラックやバスなどの都内走行を禁止しております。この規制の実効性を確保するため、自動車Gメンによる路上や物流拠点での取り締まりのほか、固定カメラや移動カメラによる継続的な捕捉調査を実施しております。
また、条例に規定する自動車環境管理計画書制度においては、都内で三十台以上の自動車を使用している約千八百事業者に対しまして、PM減少装置の装着や低公害車への買いかえなどの自主的な取り組みについて、五カ年の計画書と毎年の実績報告書の提出を義務づけ、着実な取り組みを促しております。
このほか、PM減少装置の装着補助や低公害車への買いかえ融資のあっせんなどの支援を実施したことも、早期に大気環境の改善が進んだ要因と考えております。
こうした取り組みが功を奏し、規制開始から二年後の平成十七年度には、自動車排出ガス測定局全局においてSPMの環境基準を達成いたしました。
また、NO2については毎年改善が進み、二十二年度以降、自動車排出ガス測定局の九割以上で環境基準を達成しております。
○高椙委員 自動車排出ガス対策は、燃料業界、自動車業界、トラックやバス業界の理解と協力のもとで、東京の空気をきれいにするという共通の目標に一丸となって取り組み、誇るべき成果を上げましたが、自動車環境対策の次なる課題としてCO2削減に向けた取り組みがあります。
自動車からのCO2排出量は、都内全体の排出量の約二割を占めており、着実な削減が必要です。そのためには、エコドライブの推進や低燃費車両への買いかえが重要ですが、事業者の取り組みのレベルを第三者が客観的に評価する手法も有効です。
東京都トラック協会は、平成十八年度からグリーン・エコプロジェクトという燃費改善の取り組みを実施しています。つい先日には、ニューヨークで開かれた国連関連のエコドライブをテーマとした会議に協会が招かれ、CO2削減に有効な取り組みとして、このプロジェクトを発表したと聞いております。
都は、協会のこうした先駆的な取り組みと連携して、トラック事業者の一層の取り組みを促す客観的な評価指標を取り入れた貨物輸送評価制度を構築し、平成二十五年度から本格実施しているところであり、その取り組みの効果が期待されます。
自動車の温暖化対策を着実に進めていくためには、こうした事業者の自主的な取り組みを促す方策が重要と考えますが、都の見解をお伺いします。
○木村環境改善部長 先ほどの自動車環境管理計画書制度は、当初、粒子状物質の削減を目的としておりましたが、平成二十三年度からの第三計画期間ではCO2削減に重点をシフトし、エコドライブの徹底や低燃費車両の計画的導入等を進めております。
二十四年度のCO2排出量は、第二計画期間内と比べて一四%減少し、低公害、低燃費車の導入率は、二十二年度の七%から二十四年度は一四%に拡大しており、事業者の自主的な取り組みは着実に前進しております。
また、貨物輸送評価制度は、貨物輸送事業者のCO2削減の努力を全保有車両の実走行燃費により三つ星で評価する制度であり、評価を取得した事業者は、試行期間の二十四年度は百五社、本格実施の二十五年度は百四十九社、今年度は百九十二社と着実に増加しております。
こうした事業者からは、三つ星という高い目標を目指し、従業員が一丸となり、一層の燃費改善に取り組んでいくといった前向きな声を数多く聞いております。
なお、評価取得事業者は、走行距離当たりのCO2排出量が二割も小さく、貨物輸送評価制度はCO2削減に有効であることから、東京都トラック協会とともに評価取得者の拡大に取り組んでまいります。
○高椙委員 昨年度の本格実施から間もない事業ですが、厳しい経営環境にある運送事業者のやる気を最大限に引き出しており、有意義な手法であると思います。今後も評価を取得する事業者をふやしていっていただきたいと思います。
一方、貨物運送業におけるCO2の着実な削減は、評価を取得した運送事業者だけの頑張りで成り立つものではなく、荷主側が社会的責任の一環として、環境に配慮した運送事業者を選択する流れを生み出していくことが大切です。
そのためにも、都が荷主事業者に対して評価取得運送事業者の利用を働きかけることが必要と考えますが、都の見解をお伺いします。
○木村環境改善部長 荷主事業者に評価を取得した運送事業者を積極的に利用してもらうためには、本制度の意義や評価取得者のCO2削減実績をしっかりと周知するとともに、評価取得者を利用することは、荷主にとっても環境配慮行動の実施をアピールできるメリットがあることを伝えていくことが必要でございます。
そのため都は、荷主側の業界団体などを個別訪問いたしまして、輸配送サービスを利用する際には評価取得者を積極的に選択するよう働きかけるほか、九都県市が共同で作成したパンフレットにおいても本制度を紹介し、周辺県の荷主事業者にもPRしてございます。
こうした取り組みを通じて、評価取得者の受注機会が拡大することで、新たに評価の取得を目指す事業者がふえるという好循環を生み出し、運輸部門におけるCO2のさらなる削減を図ってまいります。
○高椙委員 運送事業者の環境配慮の取り組みを荷主側も理解し、両者の連携により、物流業界全般のCO2削減の取り組みにぜひつなげていただきたいと思います。
CO2の大幅な削減に向けては、ユーザーの環境配慮行動だけでなく、自動車そのものの環境性能の向上が不可欠であります。
最近、小型乗用車では電気自動車やプラグインハイブリッド車の普及が進展し、燃料電池自動車も近々発売が開始されると聞いております。
しかし、積載量が多く、大きな力が必要となるトラックには、これらの技術はまだ展開できないと聞いております。
そこで、トラックについては、ハイブリッド車や通常のディーゼル車のさらなる低公害、低燃費化に向けた技術開発が着実に進められていくようメーカーに働きかけていくべきと考えますが、都の見解をお伺いします。
○木村環境改善部長 トラックメーカーには、今後、我が国や海外においても、さらに厳しい排出ガス規制や燃費規制が課せられていくことになります。また、ユーザーからは、カタログに表記された燃費ではなく、実際に走行した際の燃費の向上を強く求められている状況でございます。
そのような状況を踏まえまして、都は、トラックメーカー四社に対してこの夏ヒアリングを行ったところ、各メーカーともこうした求めに応じるため、ハイブリッド車では、ブレーキ時に発生するエネルギーを再利用する技術の向上や、発進時などにモーターがより大きな力を発揮する技術に取り組んでおり、また、通常のディーゼル車では、排出ガス後処理装置の性能向上やエンジンの小排気量化などに取り組んでおります。
都では、ハイブリッド車への補助を実施するとともに、国の規制基準を上回る低公害、低燃費性能を融資あっせんの対象車両とすることで、メーカーの技術開発を促しております。
引き続き、メーカーに対しまして、より低公害で低燃費な自動車の市場供給を強く働きかけてまいります。
○高椙委員 オリンピック・パラリンピックの開催に向け、東京を訪れるビジネス客や観光客はますますふえていくものと思います。東京を訪れた人たちに、大気環境の改善やCO2削減に向けた東京の先進的な取り組みと成果をアピールできるよう、引き続き自動車に係る環境対策を推進するよう要望し、次の質問に移らせていただきます。
次は、緑地保全対策の推進についてお伺いします。
先週まで、韓国の平昌で、第十二回生物多様性条約締約国会議、いわゆるCOP12が開催され、生物多様性の保全の国際目標である愛知ターゲットの進捗状況について議論がなされました。
残念ながら全体の進捗は芳しくなく、二十ある目標のうち、達成が見込めるのは、陸域の保護地域面積の確保など三つにとどまるとのことです。
私は、この報道を目にして、都の保全地域制度を思い出しました。既に都は、昭和四十九年から、東京に残された貴重な自然環境を保全するため、条例に基づく独自の保全地域の指定を進めておりますが、これはまさに愛知ターゲットの理念にかなった取り組みであると考えます。
また、都は昨年度、保全地域における希少種等保全策を実施しておりますが、単に保護地域を確保するだけでなく、そこに生息、生育する希少種の保全にも取り組むものであり、生物多様性の保全をさらに一歩進める取り組みであると考えます。
そこで、昨年度、具体的にどのような取り組みを行ったのか、お伺いいたします。
○笹沼自然環境部長緑施策推進担当部長兼務 保全地域は、昔ながらの東京の生態系が残る貴重な場所でございまして、そこに生息、生育している希少な動植物を含め、しっかりと保全することは、生物多様性の観点から都が担うべき重要な取り組みの一つと認識しております。
都は、地元の自治体や保全活動団体と連携し、その維持管理を行ってきておりますが、生物多様性の保全に対する国内外での意識の高まりを受けまして、希少種に配慮した取り組みを積極的に行うこととし、平成二十三年度から四カ年計画で保全地域内に生息する希少種の調査を実施しております。
昨年度は三年目の調査を行ったところですが、この時点で約三百種に及ぶ希少種や、都内では見かけなくなった種の存在も判明するなど、保全地域が希少種の宝庫であることを再確認いたしました。
このため都は、専門家の助言を受けつつ、樹林、湿地、田んぼ、草地などの環境ごとに、希少種に配慮した保全手法をわかりやすくまとめた活動団体向けガイドラインを作成いたしました。
○高椙委員 昨年度は、保全地域の希少種の把握を行うとともに、希少種に配慮した保全活動が行えるようガイドラインを作成したとのことです。
私の地元、谷保の城山歴史環境保全地域などでも、長年にわたりボランティア団体が間伐や下草刈りなどの保全活動を行っておりますが、希少種の保全となると専門家の助言が必要でございます。また、団体への新たな人材の加入が進まず、メンバーの固定化、高齢化が進んでいるとの声も聞いております。こうした状況が続くと、希少種の保全だけでなく、保全地域の活動そのものにも影響を与えることが懸念されます。
都は、活動団体における希少種保全のノウハウの底上げや、新たな活動人材の確保、育成に積極的に取り組むべきと考えますが、見解をお伺いします。
○笹沼自然環境部長緑施策推進担当部長兼務 保全地域における希少種の保全対策を強化するため、昨年度は、専門家アドバイザーの派遣を試行的に行いまして、活動団体の方々が現地で直接希少種保全のノウハウを学べる機会を設けました。
また、活動団体間の交流会を開催し、希少種保全の先進的な取り組み事例について情報交換を行いますとともに、参加者の固定化、高齢化といった課題につきましても、相互に意見交換を行う機会を設け、団体間の横の連携を強化いたしました。
今年度は、先ほどご答弁いたしましたガイドラインの説明会の開催やアドバイザーの継続的な派遣によりまして、活動団体における希少種保全のノウハウの向上を図っております。
また、保全地域における活動人材の確保、育成につきましては、現在、東京グリーン・キャンパス・プログラムや東京グリーンシップ・アクションによりまして、大学生や企業の方々に保全地域での活動を体験していただき、保全活動に対する意識の醸成を図っておりますが、今後は、緑地保全活動の経験がない方々も活動に参加しやすい仕組みなど、新たな対策を検討してまいりたいと考えております。
○高椙委員 保全地域における緑地保全活動は永続的な取り組みであり、新たな人材の確保、育成が不可欠です。
保全活動に参加したいと思いながらも、その機会を見出せず、みずから行動に踏み出せない都民等に対し、都が丁寧に対応して、地元の活動団体との仲介を図るなど適切な対策を講じ、生物多様性の宝庫である保全地域を後世に引き継いでいく基盤の強化にしっかり取り組んでいただけるよう要望いたしておきます。
最後になります。東日本大震災に伴う災害廃棄物の処理についてお伺いをいたします。
東日本大震災では、平年ベースの年間廃棄物発生量と比べて、岩手県で九年分、宮城県で十四年分の災害廃棄物が発生したといわれております。
この膨大な災害廃棄物の処理に向けて、地元自治体の努力はもちろんのことですが、東京都を初めとする広域処理も加わることにより、平成二十三年三月十一日の発生からわずか三年後の平成二十六年三月には、両県合わせて千五百万トンに達する災害廃棄物の処理が目標どおり終了いたしました。
このような迅速な処理の進捗には、全国に先駆けて災害廃棄物の受け入れを表明し、処理を開始した都の貢献が大きかったものと考えます。また、都における広域処理においては、自治体における処理に加え、運搬や破砕処理等の実務を担った民間事業者の働きも顕著であったと思います。
そこで改めて、東日本大震災による災害廃棄物の処理に関する実績や成果についてお伺いをいたします。
○齊藤資源循環推進部長 東日本大震災に伴う災害廃棄物の処理に関して、都は、岩手県や宮城県を初めとする関係機関との協定等に基づき広域処理を進めまして、最終的には、被災地近隣の東北各県以外では最大の約十六万八千トンを受け入れて処理いたしました。
内訳で申しますと、約三万一千トンの木くず等可燃性廃棄物は都内清掃工場で焼却し、残り約十三万七千トンについては、主に廃畳、漁網、建設系混合廃棄物といった処理の困難な廃棄物を専門的な技術を有する民間施設に搬入して、破砕、焼却等の処理を行いました。
行政と民間業者とが一体となって広域処理を進めたことにより、例えば宮城県女川町では、災害廃棄物仮置き場の跡地に水産冷凍冷蔵庫が再建されるなど、被災地の早期復興にも役立ったものと認識しております。
○高椙委員 今の答弁のとおり、東日本大震災における災害廃棄物の広域処理では、全体の約八割を民間事業者が処理しており、災害廃棄物の円滑な処理に当たって民間事業者の果たす役割は非常に大きいと認識しております。
将来発生するといわれる首都直下地震などに備えて、都は、都内各自治体とともに、民間事業者とこれまでにも増して緊密な関係を築き、有事の災害廃棄物の処理に関して万全の備えをしていくことが必要でございます。
そこで、民間事業者との連携をどのように図るのか、都の見解をお伺いいたします。
○齊藤資源循環推進部長 災害廃棄物の処理につきましては、行政や民間事業者などの各主体が持てる能力を最大限に発揮し、円滑な処理を進めることが重要だと考えております。
そのため都は、東日本大震災の広域処理における民間事業者との密接な連携をノウハウとして記録に取りまとめ、今後に継承するとともに、東京都震災がれき処理マニュアルにおきまして、民間事業者との連携を明確に位置づけております。
国におきましても、災害廃棄物対策指針におきまして、災害発生時における支援体制の事前検討や、処理体制の構築に当たっての行政と民間事業者との連携の必要性を盛り込むなど、その重要性を認識しております。
現在、国において、巨大災害に備えた災害廃棄物の広域処理に関する検討が進んでおりますので、そうした場などを通じて、民間事業者との円滑な連携について、都として改めて働きかけてまいります。
○高椙委員 災害廃棄物の処理に当たっては、計画策定、収集、運搬、分別、前処理、処分などの各工程において、行政や民間事業者などが適切に役割を分担し、一丸となって取り組むことが重要でございます。
今後も、都として大規模災害に備えた体制整備を着実に進めていただくことを要望して、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○加藤委員 私からは、スマートエネルギー都市の実現に向けた取り組みの中から質問をいたします。
初めに、分散型エネルギーの普及に関する取り組みについて伺います。
都は、我が党の主張を踏まえ、住宅におけるエネルギー利用の効率化や防災力向上のため、蓄電池やエネファーム等とあわせて、太陽光発電設備の導入も支援する補助事業を平成二十五年度から開始しました。この事業を活用し、太陽光発電と蓄電池とあわせて導入することで、災害等の非常時にも家庭において電力を確保することが可能となります。
そこで、平成二十五年度における蓄電池等の導入実績と、あわせて太陽光と蓄電池を組み合わせた導入実績についても伺います。
○石川都市エネルギー技術担当部長 都は、平成二十五年度から、家庭の創エネ・エネルギーマネジメント促進事業を実施しているところであります。
この事業は、HEMS等の導入を条件といたしまして、蓄電池、家庭用燃料電池、ビークル・ツー・ホームシステム等の導入に対する補助を行うもので、これとあわせて太陽光発電設備を導入する場合には補助を上乗せするものでございます。
平成二十五年度における補助実績でございますが、蓄電池千八百九十件、四千四百六十五キロワット、家庭用燃料電池二千百八十二件、千六百三十五キロワット、ビークル・ツー・ホームシステム五件、太陽光発電設備八百五十二件、三千八十五キロワットとなっておりまして、このうち、蓄電池と太陽光発電設備を同時設置したものは四百八十件でございました。
○加藤委員 本事業を活用し、家庭において、電気をつくるだけでなく、あわせてためる動きも広がっていることがわかりました。
ところで、この補助事業は、戸建て住宅だけでなく、マンション等の集合住宅も補助の対象にしていると聞いております。
今答弁のありました補助実績のうち、集合住宅での導入実績はどれだけあったのか伺います。
○石川都市エネルギー技術担当部長 家庭の創エネ・エネルギーマネジメント促進事業における集合住宅の補助実績を見ますと、共用部への蓄電池設置が五件ございます。このうち、太陽光発電設備をあわせて設置したものは二件となっております。
蓄電池等を設置することによりまして、停電時における共用部の照明など、非常用電源の確保も可能になりますことから、今後も引き続きこうした取り組みを進めてまいります。
○加藤委員 平成二十六年度からは、集合住宅におけるエネルギー使用の効率化、最適化に向けたスマートマンション導入促進事業も始まりました。MEMSアグリゲータと呼ばれるエネルギー管理サービスの提供事業者により、さまざまな付加サービスの提供も期待されるところであります。
都の補助事業が充実していることは、我が党の主張に沿うものであります。引き続き、創エネやエネルギーマネジメントの導入に効果的に取り組むことを要望して、次の質問に移ります。
次は、スマートエネルギー都市に不可欠な低炭素の取り組みについて伺います。
十月、二週にわたって超大型台風が日本を縦断し、各地に大きな爪跡を残していきました。地球温暖化に伴う極端な豪雨の増加が目に見えて明らかになってきた気がしてなりません。
九月にニューヨークで開催された国連気候変動サミットでは、アメリカ、中国から、これまでよりも一歩踏み出したような発言も見られました。こうした状況を踏まえると、都においても、温室効果ガス、とりわけCO2の削減がますます急務と思います。
都はこれまで、大規模事業所に対する都市型キャップ・アンド・トレードなど、先駆的なCO2削減の取り組みを展開してきましたが、昨年十二月、エネルギー消費量を二〇二〇年までに二〇〇〇年比二〇%削減するという省エネ目標を定めたことで、都民、事業者の節電、省エネの取り組みが温室効果ガスのさらなる削減につながっていくものと認識しております。
そこでまず、都の温室効果ガスやエネルギー消費量がどうなっているのか。決算説明書にもありますように、都は温室効果ガス排出量の調査を行っていますので、平成二十五年度に実施した調査結果についてお伺いします。
○谷上都市地球環境部長 平成二十五年度の調査では、都内に供給された電気、ガスなどの量に基づきまして、平成二十三年度の温室効果ガスについて、部門別、エネルギー種類別の排出量等を算定いたしました。
特に、平成二十五年度からは、二〇二〇年までに二〇%削減するというエネルギー消費量の削減目標を定めましたことから、温室効果ガス排出量の算定過程で得られるエネルギー消費量のデータについても、詳細に分析し、報告書に取りまとめました。
あわせて、平成二十四年度の温室効果ガス、エネルギー消費量の速報値についても取りまとめました。
平成二十四年度の都内のCO2排出量の速報値を見ますと、全体で五千百二十万トンで、前年比〇・四%の減、部門別に見ますと、産業、業務部門は二千三百四十万トン、家庭部門は千五百十万トンでほぼ前年同程度、運輸部門は千百十万トンで前年比約四%減となっております。
また、エネルギー消費量全体では前年比〇・九%減で、部門別においても、ほぼCO2排出量同様の傾向が見られ、震災直後の平成二十三年度から大きな戻りもなく、CO2削減、省エネ化が進んでおります。
○加藤委員 今ご答弁いただいたところ、きょうの提出資料一ページに載っておりますけれども、これを見ますと、先ほどもやりとりがありました運輸部門が減っているんですね。これは私も思うんですけど、詳細に調べたわけではありませんが、トラック協会がされているグリーン・エコプロジェクト、こうしたことも大きな要因ではないのかなと、そういう気がいたしました。
最新の二十四年度の速報値で、CO2排出量、エネルギー消費量全体で、二十三年度からそれぞれ低減されていることがわかりました。震災直後の二十三年度は無理のある取り組みもあったと聞いていますが、都民、事業者の節電、省エネの取り組みは大きく緩むこともなく、継続していることがうかがえました。
次に、大規模事業所における総量削減義務と排出量取引制度、いわゆるキャップ・アンド・トレード制度における実績について伺います。
最新のデータである平成二十四年度の削減実績につきましては、本日の資料九ページに、引き続き平均で二二%削減を達成しています。
平成二十三年度は、東日本大震災の直後であり、国を挙げて節電に取り組んだ結果、大幅な削減となるのは容易に想像できます。しかし、なぜ二十四年度まで同じ削減率が継続できたのか、その理由について伺います。
○谷上都市地球環境部長 キャップ・アンド・トレード制度の対象である大規模事業所から提出された計画書によりますと、平成二十四年度も基準排出量から二二%という大幅な削減が継続しております。
その削減内容を精査したところ、平成二十三年度に緊急節電として行われた対策のうち、エレベーターの一部停止や過度な照明の間引きなど、負担の大きい取り組みの実施は見直される一方、省エネ効果の大きなLED照明の導入や高効率熱源機器などの導入など、賢い節電、省エネが行われていることが明らかになりました。
事業者からは、前年度と比べて、節電対策についてテナントから理解が得られ、比較的容易に実施できた、節電対策は従業員に十分浸透してきている、特に啓発を行わなくても自主的に取り組めるようになってきたなどの声を聞いております。
これらの無理のない対策は、今後も多くの事業所で予定されていることから、節電、省エネによるCO2削減は着実に進むものと考えております。
○加藤委員 私たち公明党も、これは事業所等ではありませんけれども、いわゆる都民に向けまして、街頭演説等で家庭や個人でできる賢い節電の取り組みのパンフレットを配りまして、都民への啓発活動を精力的に行ってきたところです。
無理のない方法による節電、省エネが定着しているのは大変すばらしいことです。しかしながら、業種、業態によって使用するエネルギーの種類やエネルギーの使い方などに差があり、きめの細かい対策の実施が必要だと思います。
一〇ページを見ていただければわかるとおり、それぞれ、これは二酸化炭素排出量の推移ではありますけれども、用途で、ほとんど下がっているんですけど、情報通信がやっぱり上がっているんですね。この情報通信社会というものの影響かもしれませんけれども、こうしたことを見ながら、都としてどのように取り組んでいるのか伺います。
○谷上都市地球環境部長 エネルギーの利用形態や事業所で使用する機器などには、業種ごとに特徴があり、より効果的かつ効率的に節電、省エネを進めるには、これらの特徴を把握して実施することが重要です。
このため、都では、平成二十三年度から大規模事業所を対象に業種別のセミナーを開催しており、昨年度はホテルなどの四業種について実施いたしました。
このセミナーでは、講師による講演のほか、業種の中ですぐれた事例を紹介して情報を共有するとともに、参加者同士で省エネ対策について意見交換を行っております。
参加者からは、新たな省エネ対策の情報を得ることができた、今後も適宜開催してほしいなどの声をいただいております。
都としても、今後とも業種に応じたきめの細かい省エネ支援に取り組んでまいります。
○加藤委員 本日は、省エネ、エネルギーマネジメントの導入と都内の大規模事業所におけるCO2削減、省エネの取り組みに着目して質疑を行いましたが、都では、低炭素、快適性、防災力を同時に備えたスマートエネルギー都市の実現に向け、多岐にわたる対策を展開しています。
今後も、世界一の環境先進都市に向けて、より一層取り組みを進めていただくよう要望して、質問を終わります。
○尾崎委員 二〇一三年度環境局の決算について質問します。
最初に、エネルギー問題についてです。
東京のエネルギー政策として、再生可能エネルギーの導入拡大と省エネの徹底などが求められます。
二〇一二年度の都内のエネルギー消費量は、大きい順に、業務部門が三五%、家庭部門が三二%、運輸部門が二四%、産業部門が一〇%となっています。
都内には大規模オフィスが乱立していますが、省エネ化、温暖化ガス削減目標の実現を促進する上で、都として二〇一三年度はどのような取り組みをしていますか。
○谷上都市地球環境部長 都は、大規模事業所に対する総量削減義務制度の運用を初め、中小規模事業所に対する地球温暖化対策報告書制度の運用、無料省エネ診断、業種別研修会等を実施しております。
また、都市づくりにおける環境負荷低減の推進として、新築の大規模建築物を対象とした建築物環境計画書制度の適切な運用を行っております。
○尾崎委員 都内の標準的なオフィスとの比較で、エネルギー消費を六二%削減したという東京都中央区にある清水本社ビルは、天井パネル内部に設置したパイプの中に冷温水を流す、太陽光を照明に利用、天井の照明はLED、太陽光発電と蓄電池を商用電力と併用で、LED照明の年間エネルギーは太陽光発電量に匹敵するものだということも明らかになってきています。
大規模オフィスビルについては、これまでの先進的な取り組みの成功例について、その具体的な対策事例、具体的な削減効果量などを紹介し、大規模オフィスの省エネビル化をより一層進めるとともに、大規模オフィス事業所のエネルギー効率状況について、都民に一目でわかるようにすることを求めます。
業務部門の次に多い家庭部門の二酸化炭素排出量は、二〇〇〇年に千四百三十万トン、二〇一二年に千五百十万トン、原子力発電の長期停止などの影響を含めると二千九十万トンという実態について、どのような認識でしょうか。
○谷上都市地球環境部長 家庭部門のCO2排出量は、一世帯当たりの排出量は省エネ対策が進みまして減少傾向にありますが、都内世帯数が増加しておりまして、平成十二年度から平成二十四年度にかけて家庭部門のCO2排出量は五・五%増加し、平成二十三年度からは、わずかに〇・二%増とほぼ横ばいでございます。
○尾崎委員 家庭部門の二酸化炭素排出量は、原子力発電の長期停止などの影響を含めると二千九十万トンと、二〇〇〇年との比較で大きく増加しています。
都内には六百万戸を超える既存住宅のストックがありますが、家庭部門での二酸化炭素排出量の削減のためには、省エネリフォームが欠かせない課題だと考えます。
都は、既存住宅の省エネ性能の向上の重要性から、二〇〇九年三月に省エネ住宅リフォームガイドブックを作成しています。
省エネリフォームは、環境負荷の低減に寄与するだけではなく、光熱費の削減による省コスト、結露の防止などによる住宅の耐久性の向上、断熱性能や気密性の向上による室内環境の快適性の向上、各部屋間の温度差の減少など、健康的な住まいの実現など多くの効果が期待できると、省エネ住宅リフォームガイドブックにも書かれています。
ガイドブックには、複合的な省エネリフォーム工事の実施事例もたくさん紹介されていますが、事例を生かし、広げるための具体的支援がありません。
二〇一二年三月につくられた都市住宅マスタープランでは、次世代省エネ基準の達成割合の引き上げなどの目標を掲げていません。
目標を決めること、省エネリフォーム助成制度を創設し、住宅の照明のLED化、すき間風の防止、遮断壁、二重ガラス、太陽光、太陽熱、地中熱の利用などで、外部エネルギーを極力抑える必要があると考えます。
そのためには、環境局として、都市整備局などと連携して、それぞれの具体的リフォーム事例による費用、省エネ効果を数字で明らかにするなど、普及啓発など多彩な取り組みを進めるよう求めるものです。
大規模事業所の床面積当たりの二酸化炭素排出状況については、資料をいただきましたが、各事業所数は幾らでしょうか。また、都民に一目でわかるようにする必要があると思いますが、いかがでしょうか。
○谷上都市地球環境部長 資料にお示しした大規模事業所の平成二十三年度の事業所数につきましては、それぞれ、事務所三百七十五、情報通信二十六、放送局四、商業百五十四、宿泊二十八、教育六十六、医療六十、文化十七、物流十七、熱供給業四十三を集計しております。
大規模事業所の用途別の床面積当たりの二酸化炭素排出量につきましては、同一用途の事業所の状況と比較することで、みずからの省エネ対策を推進する際の参考になるデータでありますので、大規模事業所に直接資料を送付したほか、既に都のホームページでも広く一般の方々にも公表しております。
○尾崎委員 資料の大規模事業所の床面積当たりの二酸化炭素排出量の推移で見ると、二〇一一年度と基準年度を比較すると、情報通信以外は二酸化炭素排出量を減らしています。情報通信は二酸化炭素排出量で見ると桁違いの排出量です。減らしているところでも、放送局などは減少率で見るとわずかな減にとどまっています。
情報通信は、いわゆるデータセンターだと思いますが、その多くがオフィスビルの二倍から三倍のエネルギー消費量で、効率の悪いところでは十倍にもなるところもあると聞いています。データセンターは、その役割からいっても秘匿性が高く、公共だからこそ実態が把握できる面も強いと思います。それだけに都として省エネ対策に果たす役割は大きなものがあると思います。
ホームページで公表しているということですが、わかりやすくする必要があると思います。
床単位面積当たりの二酸化炭素排出量の多いところの実態について、都はどのように把握していますか。
○谷上都市地球環境部長 床単位面積当たりの二酸化炭素排出量につきましては、業種別に特色がございます。
情報通信につきましては、基準年度から平成二十三年度にかけて増加傾向にございますが、これは、IT化の進展に伴い、床面積当たりの設備容量が高密度化したことなどが理由であると推測してございます。
情報通信以外の業種については、資料にお示ししたとおり、着実に減少していると考えております。
○尾崎委員 オフィスビルのエネルギー消費効率は日進月歩しています。効率の悪い大規模オフィスビルについては、エネルギー多消費型の空調機器の更新、建物の遮断改修、太陽光発電、太陽熱利用などの取り組みを都として積極的に促して、省エネ化、温暖化ガス削減目標を促進する必要があると思います。
多くの病院が、オフィスビルの平均の二倍の二酸化炭素の排出量になっています。効率の悪い病院になると十倍以上のところもあります。専門家の方は、主に冷房エネルギーによるもので、空調機器の更新が必要だということを話していました。都は計画的に空調機器の更新を促進するよう求めるものです。
部門別内訳の中で、産業部門の二酸化炭素排出量の多い大規模事業所の実態について、どのように把握していますか。
○谷上都市地球環境部長 二酸化炭素排出量の多い大規模事業所につきましては、キャップ・アンド・トレード制度の対象事業所であるため、総量削減義務を課しまして、毎年度、地球温暖化対策計画書の都への提出を義務づけております。
この制度により、二酸化炭素削減に向けた推進体制の整備や削減対策の計画的な実施などを求め、排出削減を促進しております。
なお、産業部門全体の二酸化炭素排出量につきましては、ここ数年、減少傾向を示していると考えております。
○尾崎委員 産業部門のエネルギー消費総量は、都内ではほかの部門に比較して低くなっていますが、一工場当たり消費量は高く、エネルギー消費量の上位十事業所の中に五つの工場が入っています。したがって、各工場の省エネ効果は大きく、都として各工場に対して積極的に働きかけるよう求めておきます。
また、上下水道の水再生センター、浄水場もエネルギー消費が大きい事業ですので、各局への働きかけを行うよう求めておきます。
次に、部門別内訳の業務、産業部門の二酸化炭素排出量に占める中小企業の割合について、どのように把握していますか。
○谷上都市地球環境部長 産業、業務部門の二酸化炭素排出量のうち、大規模事業所からの排出量は約四割を占めており、約六割が中小規模事業所からの排出量でございます。
なお、中小規模事業所の中には大企業所有の事業所も含まれておりますが、大半は中小企業と考えて差し支えないものと考えております。
○尾崎委員 環境白書でも、業務、産業部門の六割の二酸化炭素排出量が中小企業によるもので、中小企業への省エネ支援は欠かせないと考えます。
中小オフィスビルについては、LEDの照明化、高効率の空調機や熱源機器などを導入して、二酸化炭素排出量を一五%以上削減するビルオーナーへの改修費、上限で二千万円を補助する制度を立ち上げました。
二酸化炭素排出量削減において、中小企業に対しても環境局がほかの局に呼びかけて支援を強めるべきですが、いかがでしょうか。
○谷上都市地球環境部長 都はこれまで、中小規模事業所の省エネ、CO2削減対策として、無料省エネ診断や区市町村等と連携した研修会を開催するなど、さまざまな支援を行っております。
また、産業労働局や主税局などの他局と連携し、中小企業のCO2削減を支援しているところでございます。
○尾崎委員 高崎市では、商店リニューアル助成をスタートし、制度を活用して客層が変わった、売り上げがふえたなど、商店主の人たちに喜ばれています。この商店リニューアル助成では、空調機、LED照明なども対象として進めています。小規模企業のやる気を引き出し、商店街のお客さんもふえ、地元の工務店の仕事確保にもなっています。地域経済への波及効果が大きいことが明らかになっています。一石二鳥、三鳥、四鳥の取り組みとなっています。
二酸化炭素排出量削減に向けて、ほかの局との連携など積極的に行い、支援の拡充を行うことを強く求めるものです。
次に、立川駐屯地から飛び立つヘリコプターの騒音問題について幾つか質問します。
武蔵村山市の大南地域や東大和市の立野地域の住民の方から、ヘリコプターの騒音がひどくて病気が悪化した、赤ちゃんが昼寝ができない、バリバリと音がひどくてテレビの声も電話の声も聞き取れない、ひどいときには山手線のラッシュ時間のようにヘリコプターが飛んでくると苦情が出ています。
二〇一三年五月二十九日の午前中には、集中的にヘリコプターが飛び、一時間に十三機、三分から四分間隔で次々と飛んでいったということも明らかになっています。
そこで、二〇一三年度の環境改善、航空機騒音対策の実績とその内容について伺います。
○木村環境改善部長 都では、航空機騒音に係る環境基準を適用する地域を指定している四つの空港について、毎年、航空機騒音の測定を行っており、その結果に基づき、低減対策等を関係機関に要請しております。
そのうち、羽田の東京国際空港及び調布飛行場につきましては、全ての調査地点で環境基準を達成しております。
横田基地及び厚木基地につきましては、環境基準を超過した地点があったため、都は、国及び米軍に対し対策の拡充等を要請しております。
立川飛行場につきましては、現在、航空機騒音に係る環境基準を適用する地域を指定する飛行場に該当しておりません。
○尾崎委員 騒音に対する苦情は、二〇一三年度でどのくらいだったでしょうか。
○木村環境改善部長 都と区市町村に寄せられる騒音苦情全体の受け付け件数は、年間三千件以上になっております。
このうち、立川飛行場に係る航空機騒音に係る苦情は、都に直接寄せられた件数が年数件、地元の立川市や周辺の武蔵野市等の市の窓口に寄せられたものは、昨年度六十件程度でございます。
○尾崎委員 騒音の苦情についてですが、私も調べてみました。
二〇一三年度、立川市では六十四件、小平市で六十一件、武蔵村山市で十二件、日野市で十五件など、周辺を含めると年間二百二十六件になります。二〇一二年度は百五十八件でしたので、二〇一三年度は六十八件の苦情がふえています。
ヘリコプターの騒音がひどくノイローゼになりそうだ、苦情をいいたいがどこに連絡したらいいのかわからないという声もたくさん聞きます。
二〇一〇年、武蔵村山市が航空機飛行経路・飛行高度測定調査を実施しています。低空飛行していることがこの調査でわかりました。
住民からは騒音に関する訴えもあり、都民が安心して暮らせる環境を確保すべきだと考えますが、都の見解を伺います。
○木村環境改善部長 先ほどの苦情件数ですが、地元の立川市や周辺の武蔵村山市等の窓口に寄せられた件数でございます。
それから、武蔵村山市の平成二十二年の調査は、立川飛行場から離陸する航空機の飛行経路及び高度を調査したものでございます。
航空機騒音に関しましては、国が平成二十五年から新たな評価基準といたしましてエルデンというものを採用し、ホバリングや陸上移動中などの騒音も新たに評価対象としたため、都は、立川飛行場も環境基準を適用する地域に指定する必要があるか調査中でございます。
その調査といたしまして、都では、平成二十二年度に、立川飛行場の飛行経路の下、またはその近い場所で、航空機の騒音を夏と冬にそれぞれ十八日から三十一日間測定をいたしました。
航空機騒音について、住宅地に適用される環境基準は五十七デシベルでありますが、立川飛行場の北の端から約三百メーターほど離れた立川砂川学習館においては、夏に五十四、冬に五十二デシベルでございました。
約二キロメートル離れた武蔵村山市内の湖南衛生組合においては、夏に四十七、冬に四十九デシベルでございました。
いずれも環境基準の五十七デシベルを超えたところはなく、飛行場から離れるに従い、騒音レベルが下がる傾向にございます。
現在の空港の使用状況であれば、武蔵村山市において環境基準を超過することはないと見ております。
○尾崎委員 今のご答弁で、騒音の新たな評価基準に基づき調査中であることや、環境基準の五十七デシベル以下であったとのことですが、騒音に苦しめられている人々がたくさんいるわけです。
防衛施設局と立川市の事前協議が一九八二年に締結し、午前八時から午後八時まで土曜、日曜、祝日の訓練飛行は行わないとなっています。しかし、約束の時間以外にも飛行し、土曜、日曜、祭日、祝日であっても訓練飛行が行われている疑いがあります。
飛行高度については、基地内で千フィート、約三百メートルまで上昇し、西武線を越えた時点で千五百フィート、約四百六十メートルを維持したまま東に旋回し、小平方面に飛行するとなっています。
これまで、立川駐屯地、警視庁、消防庁も規定の高度は守っていると答えていました。しかし、事前協議が守られていなかったことが明らかになったんです。
ここでパネルをごらんいただきたいと思います。これが武蔵村山市で行った調査の結果をまとめたものです。上の地図の方が航路を示す平面図です。下の図が高度を示す断面図です。
このピンクのシールが張ってある千五百フィートが事前協議をしている約束の高度です。グリーンが自衛隊、青が警察、赤が消防、黒が横田基地から飛び立つ米軍のヘリです。これで見ると、事前協議で約束した高度の千五百フィート、圧倒的にその高度を破っているということが明らかになっているわけです。騒音の原因が、この飛行高度を守っていなかったからだということがこの調査で明らかになりました。
都は、武蔵村山市独自の調査を正面から受けとめて、事前協議が守られていないという認識に立つことを求めます。環境基準を超えていなくても固定測定を行うことを求めます。
都にヘリコプターを含む航空機騒音問題の相談窓口を設置することを求めますが、いかがでしょうか。
○木村環境改善部長 先ほどの測定結果につきましては、その地図に書きました飛行経路の下、またはその付近で測定をしております。測定期間も環境基準を評価するに十分な時間をとった数字でございます。
紛争につきましては、都では、公害紛争処理法に基づいて公害苦情相談員を設置し、相談対応を行っております。
なお、先ほどお答えしたとおり、環境基準を適用する地域を指定している空港につきましては、騒音測定の上、基準を超過する場合においては関係機関に要請を行っております。
立川飛行場周辺に環境基準を適用する地域を指定した場合、都は、測定局を設けて騒音測定を行い、その結果に基づき、関係機関に環境基準の達成、維持を要請していく予定であります。
○尾崎委員 二〇一二年には、近隣八市による立川飛行場周辺自治体連絡会が発足しました。都は、周辺自治体と連携し、騒音の軽減に取り組むことをお願いいたします。そのためにも、都に航空機騒音問題の相談窓口の設置が必要だと考えます。
市町村が実施する騒音測定についても、各種助成制度を創設することや、都としての騒音の全容を把握できるよう、指定しない地域でも固定測定点の増設を行うこと、立川飛行場周辺が地域指定されなかった場合でも測定を行うことを求めるものです。また、周辺住民の健康調査を実施し、実態の把握を求めます。
最後に、都は、都民の健康、安心して暮らせる環境の確保のため、騒音の原因となる低空飛行をやめさせるよう関係機関に働きかけることを強く求めて、質問を終わります。
○中山委員 平成二十五年度の環境局決算について質問させていただきます。先ほどの加藤委員とも重複する部分があるんで、端的に質問させていただきます。
再生可能エネルギーの導入拡大の取り組みについて伺います。
都は、東京都長期ビジョン中間報告で、再生可能エネルギーの電力利用割合を二〇%に拡大する目標を掲げています。平成二十四年の利用割合は約六%であり、この目標の実現のためには、東京にふさわしい都市型の再生可能エネルギーである太陽光発電の普及拡大についても着実に進めていくことが必要であります。
そこでまず、太陽光発電の普及拡大のための支援について、取り組み内容と実績について伺いたいと思います。
○石川都市エネルギー技術担当部長 都は平成二十五年度から、HEMS等の導入を条件としまして、蓄電池、家庭用燃料電池、ビークル・ツー・ホームシステム等の導入に対する補助を行っておりまして、これとあわせて太陽光発電設備を導入する場合には、補助を上乗せしております。
この事業による太陽光発電設備への補助実績でございますが、平成二十五年度は八百五十二件、三千八十五キロワットとなっております。
また、平成二十一年度から平成二十四年度までは、太陽光発電設備を単独で導入した場合にも補助を行っており、その実績は十八万七千七百五十六キロワットとなっております。
○中山委員 繰り返しで大変恐縮なんですけれども、平成二十四年度までで太陽光を単独導入した場合の補助は終わったということでありますが、私の記憶でも、東日本大震災後の二十三年とか二十四年度ぐらいにHEMSとかBEMSとかという言葉が世に出てきて、結構皆さんに認識されたという、そんな年だというふうに思っております。そういう面では、平成二十五年度からの補助事業は、家庭におけるエネルギー利用の効率化、最適化を推進する機器の普及を促進するとともに、さらに太陽エネルギーを中心に再生可能エネルギーの利用拡大を図っていこうということを理解しております。
太陽光発電設備のみを対象とした補助事業は、設置コストが大幅に下がってきたことや、国の固定価格買い取り制度が導入されたこともあり、既に終了していると聞いております。
しかしながら、太陽光発電の普及拡大のためには、国の固定価格買い取り制度に頼るだけではなく、都としても引き続き、太陽光発電の普及拡大に向けた環境整備を図ることが必要であります。
そこで、都は普及拡大に向けた環境整備にどのように取り組んできたのか、伺いたいと思います。
○石川都市エネルギー技術担当部長 太陽光発電の普及拡大のためには、民間の活動を支援することも重要と認識しております。
このため、太陽光発電等の導入を促進するツールとして、都内の建物がそれぞれどの程度太陽光発電の設置に適しているか一目でわかる東京ソーラー屋根台帳を作成し、インターネット上で公開しております。
これによりまして、建物所有者が太陽光発電を設置することへの動機づけにつながりますとともに、さらに、太陽光発電の販売事業者のビジネスチャンスを広げる効果も期待できると考えております。
また、近年、発電事業者が未活用の屋根を長期間借用することで事業展開をする屋根貸しという、太陽光発電の設置手法への関心が高まってきております。
このため都は、屋根貸しにおいて調整すべき条項と留意点を示した契約書モデルとガイドラインを作成して公開いたしますとともに、屋根貸しへの理解を深める屋根貸しセミナーを開催しております。
都は、こうした取り組みを市区町村とも連携しながら進めることで、太陽光発電の一層の普及拡大に取り組んでまいります。
○中山委員 先ほど加藤委員の集合住宅のお話もありましたけれども、再生エネルギーの中でも、太陽光発電の導入においては一番身近な再生エネルギーとして、これまでも普及してまいりました。当初は、パネル自体の技術力初めさまざまな問題点が多く指摘されていましたが、現在は、技術力向上やコスト低下も含めて多くの点で優位性が高まってまいりました。
しかし、都内においては、まだまだ普及する余地というものが残っております。さらに進めることが重要であります。また、それが結果的に意識の普及となって、ほかにも意識を向上させる一つの大きな向上策になってくるのではないかというふうにも思っております。
今後とも、さらなる再生エネルギーの普及の向上に取り組んでいただきたいと要望をさせていただきます。
次の質問ですけれども、木質バイオマスの活用について伺います。
再生可能エネルギーのうち、風力やバイオマス、小水力などは、極めて小さいことがデータから見てとれます。
そのような状況の中で、私は、木質バイオマスを初めとするバイオマス資源は、今後の有望な再生エネルギーではないかと考えます。
多摩の山間部を見ると、残念なことに、長引く木材価格低迷の影響により林業そのものが衰退し、手入れが行き届かない森林がふえる傾向にありますが、そうした中にあっても、木質バイオマス、具体的には間伐材や剪定枝を燃料として活用する取り組みがあり、都もこれに支援してきたと聞いております。
そこで、これまでの木質バイオマスへの支援実績について伺います。
○篠原環境政策担当部長 都は、東京都全体の環境政策の推進に資する区市町村の地域特性に応じた取り組みを支援するために、助成制度を設置しております。
お話の木質バイオマスに関しましても、森林資源を有効に利用するだけでなく、森林の保全や活用にもつながることから、この制度におきまして支援を行っております。
都はこれまでに、木質バイオマスを公共温浴施設の燃料に活用する市町村の取り組みを支援してまいりました。
平成二十五年度におきましては、多摩地域の三つの市町村に対しまして、木材を搬出するための通路、機材の整備、まき需要の開拓など、地域特性に応じた取り組みに助成を行っております。
○中山委員 私どもも、木質バイオマスの成功事例、都内ではないんですけれども、いろいろとテレビや著書で紹介されておりますので、今ご答弁ありましたとおり、都内では、いろんな特性を生かすこと、あるいは要件がいろいろと厳しい中でやっているということであります。
木質バイオマス資源は、山間部から搬出する手間やコストといった課題はありますが、広域に分布していることから、うまく生かせれば、森林の保全や活用はもちろんのこと、地域産業の振興につながるものと考えます。
これからも、地域の木質バイオマスの活用が進むよう、都としても支援を続けていくことを要望し、次の質問に移ります。
次に、食品の廃棄物について伺います。
日本では、年間千七百万トンの食品廃棄物が排出され、このうち食品ロスは年間約五百から八百万トンと推計されております。その中において、食品関連事業から出る食品ロスは約三百から四百万トンと推計され、大きな比率を占めているのが現状であります。
また、日本全体での食品ロスは世界の食料援助量の二倍であり、日本の米収穫量に匹敵する量であると推計されています。
都においても、都内の食品廃棄物の排出量やリサイクルの取り組み事例などを調査したと聞いております。
そこで、全国最大の食品消費地である東京で行った調査結果と、それを踏まえた都の施策について伺いたいと思います。
○齊藤資源循環推進部長 都は、平成二十五年度に事業系食品廃棄物の発生抑制、リサイクル施策を検討するに当たりまして、都内の食品関連事業者における食品廃棄物の排出やリサイクルの実態等を把握するための調査を行いました。
その結果、都内の食品廃棄物の年間総発生量は約九十八万トンであり、このうち、まだ食べられる食品が年間約十六万トン含まれていることがわかりました。
業種別の発生量では、製造業が約十三万トン、卸売業が約七万トン、小売業が約十五万トンであるのに対し、外食産業が約六十一万トンと最も多く、東京は、製造業からの発生量が全体の八割以上を占めるという全国的な傾向とは、大きく異なる傾向を持つということがわかりました。
このため、東京都は九都県市と連携しまして、飲食店において食べ切りを促す食べきりげんまんプロジェクトを実施するなど、外食産業を中心とした食品廃棄物削減施策を実施していきたいと考えております。
○中山委員 答弁ありがとうございました。
びっくりしたことに、全国で八割以上を占めている製造業の食品廃棄物が、都内だと外食産業が最も比率が多いということが判明したわけでございます。つまり、本当に私たちの生活に直結していることがわかったということで、食べきりげんまんプロジェクトを九都県市にわたって実施しているということでございます。
私も、この質問をするに当たり当局にお尋ねをいたしましたが、自分自身のこととしてこのお尋ねをしたときに意識したもので、頼んだものは残さないで食べようと、そのようにこのごろ思っているわけでございます。
したがって、草の根運動として展開していくことが何よりも大切であると、そういう意味では道徳の範疇に入るものだというふうにも思っております。
私たち幼いときには、お百姓さんに申しわけないといわれたものでありまして、今後、外食産業を中心とした食品廃棄物の削減施策を展開していくとのことですが、どちらかといえば、今回の結果をもとに、例えばマスコミの方々、NHKを中心とする報道機関にもその事実をぜひ取材していただいて、幅広く、また、さりげなく都民に広報宣伝していただくことが大切だということを要望して、質問を終了させていただきます。
○小松委員 それでは、まず廃棄物の埋立処分についてお伺いいたします。
都が管理する埋立処分場である中央防波堤外側埋立処分場、そして新海面処分場は限られたスペースでありまして、なるべく埋立量を減らすよう、ごみ減量、リサイクルに積極的に取り組み、一日でも長く使わなければならない、こんな状況です。
しかし、東日本大震災による原子力発電所の事故に伴う放射能汚染の影響等によって、浄水場の発生土や下水処理汚泥、一般廃棄物の焼却灰のリサイクルが進まないということがありまして、埋立処分場に埋め立てざるを得ない、こんな状況になっています。
また、東京都は、岩手、宮城両県の東日本大震災による災害廃棄物の受け入れも広域処理として行ってきています。
そこでお伺いしますが、都の処分場で震災の影響により増加した埋立量は、震災から二年たった二〇一三年度はどのくらい変化があったのか。そしてまた、三・一一大震災による災害廃棄物は、先ほども岩手、宮城両県から十六万八千トンの受け入れがあったとお話がありましたが、このうち都の埋立処分場にどのくらい埋め立てたのか、お伺いいたします。
○齊藤資源循環推進部長 浄水場の発生土の埋立量は、震災直後の平成二十三年度は八万トンでしたが、平成二十五年度は、放射能レベルの低下によりまして一部資源化が回復し、六万トンとなっております。
また、下水道汚泥焼却灰は、平成二十三年度は八万トンでしたが、二十五年度は七万トンに減少しております。
一般廃棄物につきましては、電力の逼迫により、東京二十三区清掃一部事務組合が灰溶融を一部取りやめたため、平成二十三年度は四十二万トンに増加しましたが、二十五年度は三十六万トンに減少し、震災前の水準に戻っております。
これらに産業廃棄物と覆土材を加えた廃棄物系全体の埋立量は、二十三年度には八十万トンと増加をいたしましたが、二十五年度は七十二万トンに減少しております。
また、都が受け入れた岩手県及び宮城県の災害廃棄物は、都内の清掃工場や民間の処理施設で焼却処理、リサイクル、破砕処理した上で埋め立てざるを得ないものを推計で五万トン埋め立てております。
なお、二十四年二月に策定した廃棄物等の埋立処分計画によりますと、災害廃棄物の埋立処分量は、二十四年度と二十五年度の二年間で八万トンとしておりますので、五万トンはこの計画に含まれる範囲内でした。
○小松委員 ただいまのご答弁で、震災直後よりはリサイクルの状況が改善され、埋立量の増加分が減少しているというふうに伺いました。
また、被災地からの廃棄物の受け入れ事業がこれで終了したということで、震災の影響がかなり少なくなっています。
一方、汚泥や焼却灰の放射能レベルは、少しずつ下がってはいるようですが、震災前の水準には戻っていないため、まだ引き続き放射能のチェックを続けながら、資源化等に努めていただきたいと思います。
埋立量は全体では計画内におさまっているということですが、二十三区から出る一般廃棄物については、震災以前の水準に戻ったとはいえ、震災影響分の上乗せ十万トンを入れても計画量を上回っているのが実情です。
埋立処分場の延命化を図るために、二十三区が積極的にごみの減量やリサイクルに取り組み、より一層の埋立量の削減に努める必要があると考えます。
そこでお伺いしますが、二〇一三年度に都は二十三区に対しどのような支援を行ったのか、お伺いいたします。
○齊藤資源循環推進部長 貴重な埋立処分場の延命化を図るためには、都としても、ごみ減量、リサイクルを推進していくことが重要だと考えております。
一般廃棄物のごみ減量、リサイクルにつきましては、まず区市町村が主体的に取り組むべきものですが、都も技術的支援を行っているほか、都全体の環境施策の推進に資する区市町村の各地域の特性に応じた取り組みを支援するため、助成制度を設けております。
二十五年度、区部で申しますと、小型家電のリサイクルの推進について十三区、資源ごみの健全なリサイクルシステムの構築について三区に、この助成制度による支援を行いました。
都は今後も、二十三区及び市町村に対して、助成制度を活用し、廃棄物の減量、リサイクルを推進してまいります。
○小松委員 中央防波堤外側埋立処分場と新海面埋立処分場は、東京港で最後の処分場です。できるだけ長く使わなければなりません。
港湾局にはせんだって、しゅんせつ土の埋立処分についてもお伺いしましたが、埋立量の減少は大命題です。
多摩地域では、日の出町の処分場逼迫を受けまして、各自治体が危機感を持ってごみの減量に取り組んでいます。ごみは自治体と住民の努力によって減量が可能です。二十三区のごみ量は若干減少はしているものの横ばいでありまして、埋立処分量の延命化を図るために、都は二十三区と積極的に連携して、さまざまなごみ減量策を講じ、より一層の埋立量の削減に努めるよう要望いたします。
また、リサイクルを困難にした原発事故による放射能汚染については、まだまだ監視が必要でありまして、今後も注意深くチェックしていただきたいと思います。
続きまして、PM二・五、微小粒子状物質についてお伺いいたします。
先ほども質疑がありまして、PM二・五の二〇一三年度の環境基準の達成率が二〇一二年度と比べて低下していると、この件につきましては、その原因、あるいはまた過去十年間では大気改善は進んでいると、そのようなお話がありました。
そこで、PM二・五の原因については、自然由来のものや人為的由来のものなど、実にさまざまであるというふうに聞いています。
人為的な原因には、大別して移動発生源と固定発生源があって、移動発生源の主なものとして自動車排出ガスがあるということです。
都は、自動車の排出ガス対策を着実に進めていくために、自動車NOx・PM総量削減計画を昨年改定したと伺いました。二〇二〇年度までに、二〇一〇年度比で自動車排出ガスの粒子状物質、PMですが、これを約二割、そして窒素酸化物、NOxを約六割削減するという新たな目標を掲げておられます。
自動車排出ガスの粒子の大きさは、ほぼPM二・五に該当すると考えられておりまして、NOxについても二次生成でPM二・五になると伺っています。
こうしたことから、都が作成された自動車
NOx・PM総量削減計画は、PM二・五の削減にも有効と考えられるわけですが、NOxとPMの削減目標達成に向けてどのように取り組んでいかれるのか、お伺いいたします。
○木村環境改善部長 都では、基準に適合しないディーゼル車に対しまして、自動車Gメンによる幹線道路や物流拠点での取り締まりのほか、固定カメラや移動カメラを活用して捕捉し、改善指導などを行っております。
先週は、九都県市で一斉に、トラックターミナルやサービスエリアなどでディーゼル車の取り締まりを実施したところでございます。
また、エコドライブの徹底や低公害で低燃費な車両の計画的導入につきましては、自動車環境管理計画書制度の対象となる、三十台以上の自動車を使用する事業者などに自主的な取り組みを促しております。
このほか、ハイブリッドトラックの購入補助や低公害、低燃費車への買いかえの融資あっせんを行うなど、目標の達成に向け、自動車の環境対策に総合的に取り組んでまいります。
○小松委員 自動車からのPM二・五発生源対策、さまざまされていることを伺いました。
PM二・五の人為的な発生源としては、移動発生源である今の自動車のほかに、固定発生源として燃焼施設等を有する工場や事業所などもあると聞いています。
この固定発生源におけるPM二・五対策についてはどのように取り組まれているのか、お伺いいたします。
○木村環境改善部長 ガラス製造の加工炉や廃棄物焼却炉など、ばいじんを発生する施設につきましては、環境確保条例に基づき、大気汚染防止法よりも厳しい基準を設けて、ばいじんの排出削減対策を求めており、PM二・五の削減に寄与しております。
委員がおっしゃいましたPM二・五を二次生成する窒素酸化物についても、条例に基づき、大気汚染防止法より厳しい基準を設け、排出を削減しております。
また、法対象外の小規模なボイラーなどの燃焼機器のうち、窒素酸化物と二酸化炭素の排出量が少ない機器を低NOx・高効率小規模燃焼機器として都が認定し、普及に努めております。
平成二十五年度から、新たにコージェネレーション機器を認定対象に追加し、強化を図っております。
引き続き、固定発生源からのPM二・五の削減について、都独自の施策を展開してまいります。
○小松委員 都がPM二・五に対しさまざまな対策に取り組んでおられるということについては、理解しました。
しかし、二〇一三年度の環境基準の達成率は前年度と比較して下がった、これは事実です。悪化したのは気象条件によるものが大きいというふうに先ほどおっしゃいましたが、少ないにこしたことはありません。
まずは自動車や工場などへの対策を進めることで、都民が不安に思うことのないよう、今後は気象状況に左右されずに、PM二・五の環境基準達成率の向上に向け、対策に取り組んでいってほしいと思います。
また、NOxは物が燃焼すると発生するため、私たちの家庭からも発生して、そしてPMを生成する原因ともなるということですので、民生部門についても効率的な燃焼器具を使うなどの啓発を検討していただきたいと思います。
続きまして、多摩市連光寺の緑地保全地域指定について、緑地保全の保全策の推進についてお伺いをいたします。
一昨年、二〇一二年の夏、多摩市の連光寺にある谷戸、谷状になった湿地におきまして、環境省のレッドリストで絶滅危惧種に指定されたキバサナギガイが生息していることが、開発事業者の調査によって明らかになりました。
キバサナギガイというのは、カタツムリの一種だそうで、わずか一・五ミリしかない小さな貝ということです。しかし、全国的に見ても希少な陸産貝類だといいます。
ここの谷戸は、もともと夏には蛍が飛び交うなど良好な自然環境を有しておりまして、地域の市民団体が動植物の調査や観察をするなど、かねてから自然保護に向けた活動をしていました。
さらに、このたびは大変珍しい陸産貝類が発見された場所となったため、数年前に宅地の開発計画が持ち上がりましたが、地域住民からこの地域を保全してほしいという声が高まっていました。
こうした中で、都は、これまでの都議会の常任委員会の場などにおきまして、当該地域について積極的に保全を進めていく考えを明らかにしてこられたわけですが、昨年度は具体的にどんな取り組みが行われたのか、お伺いいたします。
○笹沼自然環境部長緑施策推進担当部長兼務 一昨年の夏、多摩市連光寺の開発予定地におきまして、これまで都内では確認されたことがなかったキバサナギガイやミズコハクガイなど、全国でも生息地域が極めて限られる希少な陸産貝類の生息が開発事業者の調査で判明いたしました。
このため、昨年度は都みずからも自然環境調査を行いまして、希少な貝類が高い密度で生息していることを確認いたしますとともに、貝類の生息に不可欠な湧水など、当該地の自然環境の状況を把握いたしました。
あわせて、地元多摩市と連携しながら、開発事業者との間で、開発自体の見直しを含めまして、希少な貝類とその生息地の保全に向けた協議を継続的に実施してまいりました。
○小松委員 都のそうした積極的かつ継続的な取り組みを経て、本年の第二回定例会において、多摩市連光寺の谷戸を含む緑地一帯を保全地域に指定する考えを明らかにされました。
この現在の進捗状況についてお伺いします。
○笹沼自然環境部長緑施策推進担当部長兼務 これまでの地権者等との協議の結果、今年度、全ての地権者から保全地域に指定することへの同意を取得いたしました。
そこで都は、専門家の助言を受けながら、希少な貝類の生息に必要な湿地の水量と水質を維持することや、現在は見つかっていないアメリカザリガニなどの外来生物を今後発見した場合、即時に駆除することなどを盛り込んだ保全計画案を策定いたしまして、六月に、当該地の保全地域指定につきまして自然環境保全審議会に付議いたしました。
その後、八月には地元住民に対する説明会を開催し、九月には審議会から指定が妥当との答申が得られましたことから、現在、保全地域の指定案と保全計画の案につきまして、公告縦覧の手続を行っているところでございます。
○小松委員 多摩市連光寺の希少な貝類とその生息地の保全について、生活者ネットワークはこれまで、積極的な対策がとられるようその推移を見守ってきました。
ただいまご答弁ありましたように、東京都が粘り強い働きかけをされたことで、当該地の保全地域指定に向けた手続が順調に進んでいると伺いまして、このことは高く評価したいと思います。
都内には、ほかにもこうした地域が出てくることが考えられますので、ぜひこれからも保全に向けて努力していただきたいと思います。
今後、このような希少な貝類の継続的な保全を図るためには、行政だけではなく、地域の住民、そして活動団体など、多様な主体の参画を得ることが重要であると考えます。ぜひこれらの方々ともよく話し合われて、連携しながら保全活動を進めるよう要望しまして、質問を終わります。
○吉倉委員 ただいま議論がありましたが、私からも、平成二十五年度環境局の事業の中で、大気汚染物質として都民の方々が健康への影響を大変心配されているPM二・五について伺います。特に、PM二・五の正確な情報を都民にわかりやすく伝えていくべきとの立場から、幾つか質問いたします。
これまでの答弁で明らかなように、都は、平成十三年度からPM二・五の測定を行うなど、平成二十一年に国が環境基準を制定する前から、全国に先駆け、PM二・五対策に取り組んできております。
そこで、都が先駆的に取り組んでいるPM二・五対策について、測定体制の整備以外に平成二十五年度までに実施してきた内容について伺います。
○木村環境改善部長 都では、PM二・五の削減対策について専門的な見地から意見を聞くために、平成二十年四月に微小粒子状物質検討会を設置いたしました。この検討会では、平成二十三年にPM二・五の発生源別寄与割合、将来濃度予測及び対策の方向性について、国に先駆け報告書を取りまとめました。
また、PM二・五の生成メカニズムが複雑であることから、平成二十年度以降、毎年度季節ごとに、PM二・五の成分濃度の解析や二次生成に関する研究等を東京都環境科学研究所で実施しております。
昨年度には、欧米等でのPM二・五の発生源や削減対策等について調査をいたしました。これらの調査で、夏と冬とで発生源の違いが判明したことや、シミュレーションの精度を上げるためのデータ収集が進んでおります。
都のこれまでの自動車排出ガス対策や工場等固定発生源対策によりまして、二酸化窒素と浮遊粒子状物質の環境基準達成率が大きく向上いたしました。加えまして、PM二・五濃度は十年間で約五五%減少しております。
今後とも、これらの対策に着実に取り組むとともに、二次生成の原因となるVOCの削減対策を九都県市で実施するなど、PM二・五対策の一層の推進を図ってまいります。
○吉倉委員 答弁ありがとうございます。
全国に先駆け、都ではさまざまな取り組みを行っていることがよくわかりました。これからも目に見える形で対策を進めていただきたいと、このように思っております。
東京都が取り組みを進めておりますが、一方で、国は本年三月に、PM二・五による大気汚染に対して総合的に取り組むために、PM二・五に関する専門委員会を設置したと聞いております。こうした国の専門委員会に対して、都は、これまで培ってきたノウハウや知見を国に提言していくべきであります。これが国の取り組みをさらにスピードアップさせることにもつながると考えております。
そこで、国が行っているPM二・五の検討状況と、国の検討に対する都のかかわりについて伺います。
○木村環境改善部長 国は、PM二・五などの環境基準を達成するための対策を総合的に検討するため、中央環境審議会に新たに微小粒子状物質等専門委員会を設置しております。
この委員会では、これまで実施してきた国の施策の評価、生成機構の解明や発生源ごとの寄与割合の把握、それを踏まえた対策を検討するとしており、平成二十六年度中を目途に、国内における発生抑制策のあり方について中間的な取りまとめを行う予定でございます。
都では、この委員会に環境科学研究所の研究者を委員として出席させており、先ほど答弁いたしました都の検討会報告書や成分分析結果が活用されております。
都の取り組みのノウハウや専門的知見を提供するとともに、快適な環境のもとで二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックが開催できるよう、早期の対策を国に求めております。
○吉倉委員 答弁にありましたが、国は平成二十六年度中をめどに、国内における発生抑制策のあり方について中間的な取りまとめを行うということであります。これでは動きが遅く、都民の不安解消になりません。都の知見を最大限に国に提供し、国として進めるべき検討の迅速化を促していただきたい、このように考えております。
ところで、今月九日付の新聞に、APECを控えた北京でPM二・五の濃度が深刻な状態になっており、警報も発令されたとの報道がありました。また、十九日に開催された北京国際マラソンでも、参加を取りやめたり専用マスクを着用したランナーも少なくなかったと報道されております。
北京だけではなく、PM二・五を初めとする大気汚染の課題を抱えている海外の都市も少なくありません。
こうした中で、大気汚染の改善を着実に進めている都の先進的な取り組みは、国外の環境汚染対策への取り組みに対しても大いに生かしていくべきであります。
先般、北京、ソウルを訪問した知事は、PM二・五を含めた大気汚染の改善について、都が積極的に技術協力を行うことを合意いたしました。
そこで、PM二・五などの大気汚染対策の国際協力について、平成二十五年度の取り組みと今後の展開について伺います。
○木村環境改善部長 PM二・五を初めといたします大気汚染対策に関係する国際協力の取り組みといたしまして、平成二十五年度は、北京市やバンコク都に都の担当職員を派遣し、また、都内でワークショップを開催するなどいたしまして、自動車排出ガス対策や工場等でのばい煙対策、さらには、大気環境モニタリング技術などの大気汚染技術に係る技術交流を実施いたしました。
本年度も、北京市やソウル市、バンコク都へ職員の派遣を実施しております。
本年九月に開催されましたソウル市での大気改善フォーラムには、韓国の仁川市や中国の北京市、上海市などと、モンゴルのウランバートル市からの参加者もあり、十市を超える都市における大気汚染の改善目標などについて情報交換が行われ、引き続き交流を促進することが合意されました。
今後とも、発展著しいアジア諸都市の大気汚染問題の解決に向け、相手都市のニーズに合わせた技術やノウハウを提供するなど、国際協力に積極的に取り組んでまいります。
○吉倉委員 これからも、大気質の改善に関する技術支援や人材の育成などを通して、アジア各国が直面する深刻な大気汚染問題の解決にぜひとも協力をしていただきたいと、このように思います。
都には、かつて深刻な大気汚染に悩まされ、その問題を着実に一つ一つ解決した経緯とノウハウがあります。この経験を生かし、PM二・五対策を一層推進し、東京の大気環境をさらに向上させ、都民生活の安心につなげていただくことを念願し、質問を終わります。
○吉田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○吉田委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で環境局関係を終わります。
以上をもちまして第三分科会における決算の審査は終了いたしました。
なお、本分科会の審査報告書につきましては、分科会委員長において取りまとめの上、委員会委員長に提出いたしますので、ご了承願います。
これをもちまして第三分科会を閉会いたします。
午後二時五十七分散会
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