委員長 | 三宅 正彦君 |
副委員長 | 新井ともはる君 |
副委員長 | 鈴木あきまさ君 |
小林 健二君 | |
石川 良一君 | |
河野ゆうき君 | |
ほっち易隆君 | |
中山 信行君 | |
斉藤あつし君 | |
かち佳代子君 |
欠席委員 なし
出席説明員選挙管理委員会事務局 | 局長 | 松井多美雄君 |
政策企画局 | 局長 | 川澄 俊文君 |
外務長 | 宮島 昭夫君 | |
次長理事兼務 | 武市 敬君 | |
理事 | 猪熊 純子君 | |
理事 | 土渕 裕君 | |
総務部長 | 河内 豊君 | |
調整部長 | 中澤 基行君 | |
政策担当部長 | 藤田 聡君 | |
政策担当部長 | 小沼 博靖君 | |
技術政策担当部長 | 加藤 直宣君 | |
渉外担当部長政策担当部長兼務 | 小室 一人君 | |
国家戦略特区推進担当部長 | 山本 博之君 | |
渉外担当部長政策担当部長兼務 | 村岡 教昭君 | |
計画部長 | 小池 潔君 | |
外務部長 | 横山 英樹君 | |
都市外交担当部長 | 川上 文博君 | |
国際共同事業担当部長 | 小菅 政治君 | |
青少年・治安対策本部 | 本部長 | 河合 潔君 |
総合対策部長 | 横山 宏君 | |
青少年対策担当部長 | 坂田 直明君 | |
治安対策担当部長 | 村山 隆君 |
本日の会議に付した事件
平成二十五年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
選挙管理委員会事務局関係
・平成二十五年度東京都一般会計決算(質疑)
政策企画局関係
・平成二十五年度東京都一般会計決算(質疑)
青少年・治安対策本部関係
・平成二十五年度東京都一般会計決算(質疑)
○三宅委員長 ただいまから平成二十五年度各会計決算特別委員会第一分科会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、選挙管理委員会事務局、政策企画局及び青少年・治安対策本部関係の決算に対する質疑を行います。
これより選挙管理委員会事務局関係に入ります。
決算の審査を行います。
平成二十五年度東京都一般会計決算中、選挙管理委員会事務局所管分を議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○かち委員 それでは、二〇一三年度の選挙管理委員会事務局の決算について質問いたします。
選挙権は、憲法十五条によって国民固有の権利であり、成人による選挙を保障することがうたわれています。
しかしながら、この選挙権が今日のように普通選挙制度になるまでには、長い歴史と壮絶な闘いと運動の道のりがありました。かつては、納税力のある二十五歳以上の男子のみでした。戦後やっと二十歳以上の全ての男女が選挙権を得ることになったわけです。
障害者手帳一、二度の方に加え、二〇〇四年度には要介護五の方も郵便投票ができるようになりました。二〇一三年には、知的障害があり成年後見人がついた人も投票権が認められるようになりました。投票の意思がありながら投票行動が困難な方々への保障が少しずつ前進してきてはおりますが、しかしまだまだ、全ての人が平等に選挙情報を得ることができ、投票できる環境には至っていません。
そこで、私は、視覚障害者の方々や高齢社会の中での投票権の保障について何点かお聞きします。
定期的に行われる選挙で、昨年の都議選、参議院選挙で点字投票された方はそれぞれ何人いたでしょうか。
○松井選挙管理委員会事務局長 昨年実施されました都議会議員選挙では九百三十名、参議院議員選挙東京都選挙区では千三十八名の有権者が点字投票を利用されました。
○かち委員 都選管としては、国政選挙、都議会議員選挙では、全盲の方々にどのように選挙公報が周知されているのか伺います。
○松井選挙管理委員会事務局長 東京都選挙管理委員会では、視覚障害のある方々に対しまして、東京都選挙管理委員会が実施する国政選挙や都議会議員選挙、都知事選挙におきまして、選挙公報の点字版と音声版を作成しております。
この選挙公報の点字版、音声版は、短い選挙期間の中で、それらを必要とする方々にできる限り早く確実に届けることを最優先に作成しておりまして、障害者団体との意見交換の場などで周知を図るとともに、区市町村選挙管理委員会にも会議等を通じて協力を依頼しておるところでございます。
○かち委員 選挙期間が限られており、さらに期日前投票が可能になったことは、公示、告示後二日程度で投票が可能となり、それまでに選挙公報を周知することは大変なことだとは思います。そういう中でもご努力されていることはわかりました。
点字の公報とか音声公報などの拡充で、たとえ視覚障害者の方であっても選挙情報が届くことが必要だと思いますが、現況はどのようになっているでしょうか。
○松井選挙管理委員会事務局長 選挙公報の点字版と音声版についてでございますが、昭和四十年の参議院議員選挙から点字版の配布を行い、平成十九年の参議院議員選挙からカセットテープによる音声版、平成二十三年の都知事選挙からCDによる音声版の配布を行っております。
それらの配布についてでございますが、障害者のプライバシー保護や個人情報の取り扱いなどの制約がございまして、東京都選挙管理委員会では配布対象者の把握が困難であります。このことから、区市町村選挙管理委員会等において把握している対象者及び都立の図書館、福祉施設、関係団体等に配布しているところでございます。
なお、新たに希望される方には区市町村選挙管理委員会を通じて配布し、次の選挙からは確実に届くようにしております。
○かち委員 とりわけ国政選挙におけるテレビ、ラジオでの政見放送がいつ放送されるのかを知らせる方法として、ITなどを通じて選管からお知らせすることは可能ではないかと思いますが、いかがですか。
また、点字やテープで各団体に郵送などすることはできるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○松井選挙管理委員会事務局長 東京都選挙管理委員会が実施いたします国政選挙や都知事選挙では、選挙期間中に開設する特設ホームページに、政見放送の番組表を掲載しております。
このホームページに読み上げ機能を付加し、番組表の内容を音声情報により提供することにつきましては、次のような問題がございます。
立候補者の氏名を正確に読み上げることが可能か、政見放送の開始日までに間に合わせることが可能か、あるいは放送開始日を過ぎてから提供可能となった場合、立候補者間の公平性に問題が生じないかなど、解決すべき課題が多いものと考えております。
また、政見放送の番組表の点字版や音声版についてでありますが、早ければ公示日の二日後から放送が開始される政見放送には、作業日程上間に合わない可能性が高く、現状では番組表の点字版、音声版を作成することは難しいと考えております。
○かち委員 限られた選挙期間中に、選管の特設ホームページで政見放送の番組を掲載しているわけではありますね。これを音声付加にすればよいわけです。立候補者の名前を正確に読み上げることが可能かどうかという点で問題があるということでしたけれども、私たちが立候補するときには、必ず立候補届を出しまして、そのときには仮名を振って出します。選挙公報に掲載するときに、そのような仮名を振っておけば間違えることはないのではないかと思うのですが。視覚障害者でなくても、読み方というのは固有なものなので、一般的に必要なのではないかと思います。
ただ、時間的な制約のある中での作業になりますので大変ではあると思いますが、一時的に人手をふやしてでも取り組んでいただきたいと思います。
選挙の投票券には、点字シールを張り、各個人に届くようにすること。また、複数の投票をしなければならない場合、投票箱に点字シールを張るなどは当然だと思いますが、現況はどのようになっているでしょうか。
○松井選挙管理委員会事務局長 投票所入場券に貼付する点字シールにつきましては、国政選挙や都議会議員選挙、都知事選挙の際に東京都選挙管理委員会で作成いたしまして、区市町村選挙管理委員会に必要数を配布しております。このシールにつきましては、投票所入場券に表示されることを拒否される有権者もいらっしゃることから、多くの区市町村選挙管理委員会では、表示の希望があった方に対して貼付しております。
また、投票箱に貼付する点字シールにつきましては、複数の選挙が同時に行われる場合に、東京都選挙管理委員会で作成、配布し、区市町村選挙管理委員会において投票箱に貼付しているところでございます。引き続き区市町村選挙管理委員会に対し、会議等を通じて協力を依頼してまいります。
○かち委員 入場券にシールを張るということに対しては、いろんな考え方や立場の方もおられますので、一律にやればよいものではないけれども、必要としている方に届かないことがないように周知を図っていただきたいと思います。
投票箱へのシール貼付も、自治体によって徹底していない状況があります。都選管として周知徹底するように求めておきます。
さらに、ユニバーサルデザインの建築物が求められている今日、学校の投票所へも誘導ブロックを設置するなども今後検討していただきたいと申し述べておきます。
投票に行きたくても、歩いて行かれない方々への対策が必要です。介護度五でなくても、歩くことが困難な方々の郵便投票対象の拡大が必要だと思いますが、どうでしょうか。
また、介護やサポートがあれば投票所に行かれるという方々もおられます。こうした方々への無料サポート体制の構築が必要であると思いますが、いかがでしょうか。
○松井選挙管理委員会事務局長 郵便投票を行うことができる要件といたしましては、主に身体障害者福祉法に基づく身体障害者手帳の交付を受けた有権者で一定の障害の程度を有する方、介護保険法に基づく被保険者証の要介護区分が五の方などが該当となっております。昨年の都議会議員選挙の時点で郵便投票が可能な有権者が五千七百人いらっしゃいまして、そのうち三千八百四十八人がこの制度を利用されております。
郵便投票の要件拡大につきましては、都道府県選挙管理委員会連合会を通じまして、国へ法改正を要望しているところでございます。
また、郵便投票の要件には該当しなくても、自力で投票所へ行くことが困難な方々のために、投票所までの移動に使用する車椅子の貸し出しや障害者専用駐車場の確保、障害者総合支援法による移動支援などの取り組みが行われております。
○かち委員 介護度五でなくても、さまざまな病気等で在宅療養中の方々、たとえ介護度四であっても、歩行困難な方々がふえている今日の社会状況に対応した改善策の必要性はますます高まっています。
また、移動支援の利用では負担が求められます。健常者は歩いて投票行動ができるのに、障害者はお金を払わなければ投票できないという不公平の解消が必要です。引き続き改善策に取り組んでいただきたいと思います。
事前投票では、どこの投票所でも可能でありますが、投票日当日は指定の学校まで行かなければなりません。高齢で歩くことがままならない方は、それでは遠くて行かれない、近くの学校なら行けるんだけれどもといいながら、棄権されてしまう現状もあります。投票システムの改善が求められますが、いかがでしょうか。
○松井選挙管理委員会事務局長 有権者が居住する区市町村内であれば、どの投票所でも投票できるようになれば、高齢者や障害者を初め一般の方々についても利便性が向上し、投票環境や投票率の向上が見込まれます。
しかしながら、そのためには、二重投票を防止するために各投票所間をネットワークで結び、有権者の投票状況を共有する必要があります。そのような仕組みが既に実現している期日前投票所に比べまして、当日投票所は格段に数が多く、投票所間を有線回線で結ぶ際の通信の安全性の確保やコスト面など、現状では課題が多いものと考えております。現在、総務省が設置しております投票環境の向上方策等に関する研究会においても議論が進められているところでございまして、その推移を見守ってまいります。
○かち委員 四年に一遍とか、その間にも選挙があるわけですけれども、恒常的にあるわけではない、そういう学校などにネットの配線をするのは難しいという課題があるということでしたけれども、今日、そういう電子情報の技術革新というのは目覚ましいものがありますので、必ずやそういうことができるときが来るのではないかというふうに思います。
投票率を引き上げるための努力も求められていますが、投票の意思がありながら、さまざまな障壁のために、選挙公報が正確に伝わらなかったり、投票できないという状況は、最大限なくしていかなければなりません。いろいろお聞きしてまいりましたが、都民の投票権を保障するという立場で、さらなる課題への積極的な取り組みを求めて、私の質問を終わります。
○斉藤委員 それでは、私の方からも決算について質問いたします。
平成二十五年度の二月、つまりはことしの初めですけれども、行われました東京都都知事選挙や日野市、そして町田市の市議会議員選挙のときには、記録的な大雪ということで、これに大変悩まされました。選挙管理委員会の決算書では、余りこのときの詳細がよくわからないんですけれども、ここまでの大雪の中で、候補者の選挙運動も、そしてまた選挙民の投票行動という点でも、そしてまたそれを両方にらんで運営管理する選挙管理委員会にとっても大変だったと思います。このような天候の場合において支出がふえるのはどのようなものなのか、確認したいと思います。
○松井選挙管理委員会事務局長 本年二月の都知事選の際の大雪は投票日の前日まで降り積もり、翌二月九日の投票日も終日残っていました。このことから、道路事情等による投票所や開票所への資機材の運搬や会場設営、除雪作業など、特に区市町村選挙管理委員会の選挙運営に影響が生じました。このため、対処に必要となる職員の超過勤務手当や増員分の人件費、あるいはスコップや融雪剤等の資機材の購入費が増加いたしました。
○斉藤委員 今、支出について、るる伺いました。融雪剤など細かい単価のものもございますから、多分決算書の中では、はっきりわかるという部分ではないと思いますけれども、かなり短期間での準備だったので、要するに支出の部分についても、予算確保のところでは大分悩んだ自治体が多いんじゃないかと思います。
しかしながら、これは支出について聞いたんですが、幾らお金があっても、かなり限られた時間の中でやらなきゃいけなかったということで、恐らくお金だけの問題じゃなくて、段取り自体が、お金があっても予定どおり進むという状態ではなかったんじゃないかと思います。
きょうの委員会には、新井議員が日野市の選出ということで日野市の市議選の状況などもよく把握していると思いますけれども、私も当時、日野市、そしてまた町田市にも選挙期間中に伺いましたし、また西多摩地域には、混乱が落ちついた直後に視察に行きましたが、どこも歩いての移動も困難と、もう誰が見ても大変という道路が多数ありました。
このような状況の中で選挙をやるというのは、本当に大変だったと思うんですけれども、この大雪で、先ほどはちょっとお金の話を聞いたわけですが、実際にはどのような問題が生じたのか、そこを決算ということで伺います。
○松井選挙管理委員会事務局長 投票日当日も解けずに残った雪は、有権者の投票行動に影響を与えたものと考えております。また、投票所や開票所への資機材の運搬に支障を来したり、あるいは除雪作業が必要となるなど、区市町村選挙管理委員会が行う選挙事務にも想定していない問題が生じました。
特に、西多摩郡の町村では大量の積雪や雪崩の影響を受けまして、檜原村では八投票所全て、奥多摩町では十三投票所のうち二カ所の投票所で、投票開始時刻を二時間繰り下げる措置を講じました。青梅市の御岳山地区の投票所では、大量の積雪や交通機関の途絶から、開票所までの投票箱の運搬に要する時間を考慮いたしまして、投票終了時刻を四時間繰り上げることとなりました。
○斉藤委員 今月の十月五日の品川区長選挙も強力な台風の影響ということで、どっちかといえば、強力な台風が来るぞというふうなところがかなり事前に報道されていたということもありましてか、二三%という大変低投票率だったわけですね。大雪や台風による投票率低下を防ぐということは大変なことだと思います。
恐らく東京都知事選挙の場合は、テレビなどでマスコミ報道が連日されておりましたし、これの中で投票日は、おのずと見ている人には伝わってくるということもありますので、まだ東京都知事選挙なんかはよかったんだと思うんですけれども、その後の日野市や町田市の市議会議員選挙では、もともと市議会議員選挙や区議会議員選挙を単独でやっている場合は、テレビなどの広報は少ないですので、普通にやっても投票率というのは心配なわけです。恐らくこういった時期のずれている市区町村の単独での選挙ということで、大変苦労したんじゃないかと思います。
また、今答弁でいただきましたけれども、東京都知事選挙では、多摩の一部の地域などで投票時間の短縮ということもあったわけです。先ほど、かち委員からも、投票に行くという権利については過去非常に長い苦労があり、そしてまたそれを確保するというのは大事なことであるという話がありましたけれども、確かにこの時間の短縮については、有権者の参政権というものを考えると、恐らく現場では大変慎重な判断が求められたことなんじゃないかと思います。
東京都として、今後、冬の選挙を控えている区市町村、同じような大雪になるとは限りませんけれども、今後行われる選挙の参考になるように、平成二十五年度の総括を経た大雪時の対策について、東京都知事選挙の投票所を早く閉めた事案なども視野に入れて、今後どのように取り組んでいくのか、所見を伺います。
○松井選挙管理委員会事務局長 区市町村選挙管理委員会は、投開票を実施するに当たりまして、投票所や開票所への資機材の運搬ルートの見直し等を行い、会場設営を着実に行いました。投票日当日も応援職員を動員し、投票所に至る通路や、あるいは障害者用駐車場の除雪、融雪剤の散布などを夜明け前から行いました。こうしたさまざまな対応によりまして、大雪の影響を最小限に抑えて、投開票事務を無事終了いたしました。
有権者の安全が確保できないなどのやむを得ない事情を除き、投票時間の短縮など投票機会を制限することは極力避けるべきであります。
一方で、投票所に至るまでの道路や歩道の除雪という困難かつ大きな課題があることも事実であります。区市町村の地域ごとに気象条件や交通事情が異なっていることから、それぞれの地域に適した対応が必要となります。今回の各区市町村選挙管理委員会の対応事例等につきましては、会議や研修会などの場を活用いたしまして、情報共有を図っております。
有権者にとって投票所での安全が確保され、支障なく投票できるよう、今後とも各区市町村選挙管理委員会と連携を図りながら、投票環境の向上に努めてまいります。
○斉藤委員 最後に、意見として発言させていただきます。
今回、先ほど話がありましたように、投票所を早く閉めた時間短縮という部分については、場所によっては四時間も縮めているわけです。判断に相当悩みながら実行されたんじゃないかと思うんですけれども、恐らく二十五年度については、こういった時間短縮が特段問題になって話題になったということもありませんので、かなり妥当な判断だったんじゃないかというふうに思っております。
ちょっと私が町田市なんかに行ったときに、非常に狭くて坂道が急なところの先の方まで住宅地が広がっていたりして、やはり道が全部確保できていないと、投票所に行くのも嫌になってしまうというのは、恐らく相当の人にあったんじゃないかというふうに思っております。そういう点では、投票所、もしくは投票所に限らないですね、実際に家から出るところの道の部分がしっかり確保されていれば、投票率はそんなに下がることはないし、逆にそこが難しいと、投票率は恐らく相当下がるということが予測されると思います。
ただ、今回のように投票時間を縮めても皆さんから問題視されなかったというのは、非常にいい判断だったということで、先例になると思うんですね。同時に、だからといって万人がオーケーを出すというのは大変なことですから、今回の判断というのは、そういう意味でも今後参考になる例じゃないかと思います。
一方で、ほかの地域でそのときのことを知っている職員であれば、ある程度その後の判断も非常にスムーズだと思うんですけれども、時々市区町村の職員も、もちろん都の職員も担当がかわりますから、どうしてもそれが上手に伝わらなければ、安易に閉めてしまうということになると、これは本当に参政権を閉じてしまうことになってしまいますので、無理をして開いていくような方向性の中で、どうしてもというときに、まさに閉めるというような判断が必要になってくるんじゃないかと思います。
そういう点では、東京都は、ほかの地域で起こったことを他の地域の選挙管理委員会に伝えるということができる立場ですので、ぜひその部分の基準を、今回のことを踏まえてしっかり記録に残して、このことを安易に考えないようにということで、自治体の選挙管理委員会に伝えてほしいというふうに思っております。
そしてまた、その部分が、まあ大雪でしたけれども、先ほど品川区の台風の話がありましたが、ほかの天候のときに判断をどういうふうにしていくかという参考になると非常にいいと思いますので、ぜひそういう意味で、しっかりそのときの状況、雪のレベルとかその地域の特性など、必要な判断材料になったものについて、これはしっかり本当に伝えて、誤解がないよう、そして安易な判断に走らないようにして、そのときの状況をしっかりほかの選挙管理委員会がイメージできるように、ぜひそこはお願いしたいと思います。
以上で質問を終わります。
○三宅委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三宅委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で選挙管理委員会事務局関係を終わります。
○三宅委員長 これより政策企画局関係に入ります。
これより決算の審査を行います。
平成二十五年度東京都一般会計決算中、政策企画局所管分を議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○河野委員 私からは、アジアヘッドクオーター特区における外国企業の誘致についてお伺いしたいと思います。
かつて金融市場として活況を呈していた東京も、この二十年間のデフレを経て地盤沈下し、都内の外国企業数を見ても、二〇〇五年をピークに減少を続けて、ようやく最近下げどまったというような状況であります。
東洋経済新報社による外資系企業総覧によると、二〇〇五年には二千六百四十五社あった外資系企業が、二〇一二年には二千三百三十一社ということで、三百社減少しております。二〇一四年現在でも、若干プラスになって、しかしながら二〇〇五年から比べると約一割減をしているという状況であります。
そのような状況にある一方、東京は海外との都市間競争にさらされており、日本の経済の機関車的役割を担う立場として、それに打ち勝たなければならないと考えております。
都は、海外から資本や人材を東京に呼び込むことによって、日本経済の活性化、さらには、最近は地方創生といわれておりますが、これらにどのような効果をもたらすのか、まずはその見解についてお伺いしたいと思います。
○山本国家戦略特区推進担当部長 ご回答申し上げます。
世界における都市間競争が激化する中、我が国は今後、本格的な人口減少、少子高齢化を迎えるといわれております。そうした中、東京都が先頭に立ちまして対日直接投資を促進させ、海外から資金、すぐれた人材、技術、経営手法を取り組むことは、新しいものやサービス、ビジネスモデルを創造させ、東京への直接的な投資効果、雇用創出効果をもたらすとともに、日本企業の生産性の向上、さらには我が国の持続的な成長に貢献するものと考えております。
また、誘致企業による販売、製造拠点の他地域への二次投資の拡大に加えまして、各地に存在する高い技術力を有する地場企業とのビジネスマッチングの機会の増加、そういったことで地域の活性化への貢献も期待できるものと考えております。
○河野委員 都として、外国からの資本や人材を呼び込むことにより、日本経済の活性化に貢献していくということでありますが、そのためには実効性の高い施策を展開しなければならないと考えております。
先日、主税局に対しての、かち委員の質問の中でありました都市再生特区には、特例の税制的な優遇措置を得ている企業が幾つかあるようでありますけれども、平成二十三年、民主党政権下において総合特区の取り組みがスタートしたその目玉である国際競争力強化のための法人税の軽減措置は、現在も適用された例がないという実効性の低い制度であるといわざるを得ないかなと思っております。
そのような制度の中で、その制約の中でも、東京都としては国内外でのさまざまな広報活動や、外国企業からのさまざまな相談にワンストップで対応できるビジネスコンシェルジュ東京の開設、そして業務統括拠点や研究開発拠点を設置する外国企業の戦略的誘致など独自の取り組みを積極的に推進しております。
特に平成二十五年度は、事業を始めてから二年を迎えて本格的な取り組みが進んだ重要な年であると考えておりますが、そこで昨年度の具体的な取り組み内容についてお伺いしたいと思います。
○山本国家戦略特区推進担当部長 ご回答申し上げます。
まず、広報活動でございますが、平成二十四年度に立ち上げた特区専用のホームページにおきまして、特区内で利用できるインセンティブ、日本における業種別市場状況の掲載など、内容の充実に取り組んでおります。また、国内での主催セミナーに加えまして、ロンドンでのセミナーにおきましても都の取り組みを積極的に発信しております。
次に、平成二十四年度に設置したビジネスコンシェルジュ東京でございますが、日本進出を考えております外国企業の事業内容、ニーズにかなった専門サービス提供者の紹介、日本企業とのビジネスマッチングの支援などに加えまして、日本での生活に関する手続の情報提供も行っております。
相談対応件数でございますけれども、二十四年度は十月からの半年間、こちらで外国企業九十社、延べ百六十七回に対しまして、昨年度は一年間で外国企業二百七十社、延べ六百七十七回と増加しております。さらに、誘致候補企業の発掘と企業のニーズに即したきめ細かな支援を無償で行う外国企業の戦略的な誘致を、民間企業のノウハウも活用して本格的に開始したところでございます。
○河野委員 待っているだけではなくて、積極的に出向いて取り組みをされているということですので、頑張っていただきたいと思います。
対日投資拡大の具体策の一つとして、平成二十五年度から、業務統括拠点や研究開発拠点を設立する十社の外国企業を特区内に誘致することを目標に、本格的に取り組みを開始したと以前伺ったところでありますが、事業を進めていく上でいろいろ大変なこともあったと思いますが、どのようなプロセスで誘致を行い、その結果どのような企業を誘致できたのか。昨年度の企業誘致の成果について、業種とともに具体的な外国企業の例を含めて伺いたいと思います。また、今後の見通しについてもあわせてお聞かせいただきたいと思います。
○山本国家戦略特区推進担当部長 外国企業の誘致の成果でございますが、まず都は、先ほど申し上げました民間企業のノウハウも活用しまして、数年以内に業務統括拠点または研究開発拠点を設置する可能性があると回答した企業と継続的にコミュニケーションを行いました。その過程で企業ごとの投資の本気度を把握しまして、特に進出の確実性が高い企業に対しましては、日本市場の分析、国際経営戦略の立案など、企業ニーズに即した支援を行ったところでございます。
その結果、年度末までに、当初の目標十社を上回る十一社から特区進出の意思決定を取得することができました。十一社の業種の内訳でございますけれども、医療分野六社、環境分野二社、IT分野二社、コンテンツ・クリエーティブ分野一社でございます。例えば、世界約百カ国で新薬やジェネリック医薬品を供給する企業や、世界最先端の音声認識技術を有する企業などが含まれているところでございます。
今後も、昨年度に積み上げた都の経験の蓄積も生かしながら、目標達成に向けて誘致活動を推進し、二十八年度末までに業務統括拠点、研究開発拠点を設置する外国企業五十社の誘致につながるよう、しっかりと取り組んでまいります。
○河野委員 強い決意で、五十社の拠点ということで頑張っていただきたいと思います。
外国企業誘致の取り組みを推進するためには、誘致した外国企業やその従業員の家族の受け入れ体制も含めた環境整備が重要であります。アジアヘッドクオーター特区は、東京都心・臨海地域、新宿駅周辺地域、渋谷駅周辺地域、品川駅・田町駅周辺地域及び羽田空港跡地の五つの地域から構成され、ビジネス拠点としてそれぞれの特徴を持った地域資源を有しております。これらの地域資源を生かし、どのような環境整備が進められるのか、お伺いいたします。
○山本国家戦略特区推進担当部長 日本経済を支えるビジネスセンターとしての役割を担う東京都心部を例に挙げますと、昨年度は大手町一丁目六地区、六本木一丁目西地区におきまして、非常用発電や帰宅困難者受け入れ機能を有する高い防災対応力を備えた国際的ビジネス拠点の整備が進められたところでございます。
また、日本橋地域におきましては、製薬企業の集積ポテンシャルを生かすため、創薬の拠点となるビジネスプラットホームの構築が官民の重要課題になっております。都としましても、特区制度を活用した規制改革等を通じまして、これらの取り組みを支援してまいります。
さらに生活面では、東京駅周辺にオープンしました聖路加メディローカスや亀田京橋クリニックにおきまして、外国人対応の国際医療サービスの提供が実施されるなどの環境整備が進められております。
○河野委員 今後、外国企業の誘致数の拡大に取り組むということでありますが、こういった取り組みは、平成二十五年六月公表の日本再興戦略に挙げられた、対内直接投資残高を三十五兆円に倍増させるとの方向性にかなうものであり、都としてもさらに施策のレベルアップに努め、しっかりと貢献していくことを強く期待いたします。
これらに加えて、去る十月一日に、東京圏の第一回国家戦略特別区域会議が開催され、舛添知事も出席されたものと聞いております。そこで、東京として外国から資本や人材を呼び込むための課題をどのように認識し、今後、国家戦略特区プロジェクトを展開していくのかお伺いいたします。
○川澄政策企画局長 外国から資本や人材を呼び込むための課題といたしましては、税金や煩雑な行政手続に係るビジネスコストの低減、ビジネス環境、生活環境整備のさらなる充実、日本特有の雇用慣行への外国企業の理解の促進などが指摘されているところでございます。
この観点から、先般の十月一日の東京圏国家戦略特別区域会議における区域計画素案におきましては、法人課税のグローバル企業受け入れ促進の観点からの見直しに加え、法人設立ワンストップ窓口の設置、また新駅整備、起業支援、MICE拠点整備、インターナショナルスクール整備等を含む都内十地区の都市開発プロジェクトのスピーディーな展開、また、我が国の雇用ルールの理解促進に資する雇用労働相談センターの設置等を東京都提案として盛り込んだところでございます。
今後、東京をさらに世界に開かれたグローバルビジネス都市へと進化させていく観点から、今回の国家戦略特区制度の有効活用も含め、さまざまな施策の展開に取り組んでまいります。
○河野委員 ありがとうございます。ぜひ、五年間で五百社という目標を掲げておりますので、それ以上の目標達成を頑張っていただきたいと思います。また、参入してきた企業が東京に来てよかったと思えるような環境整備をぜひ築いていただくことをお願い申し上げて、質問を終わります。
○中山委員 二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックの東京招致が昨年実現したところでありますが、その成功のためには、都庁の総力を挙げて取り組まなければなりません。それには、都市外交の果たす役割がとても重要であります。都市間の交流を活発化させ、友好関係を深め合うことは、平和の祭典であるオリンピック・パラリンピックの理念にもかなうものと考えます。
また、さきの第三回定例会の我が党の高倉議員の代表質問で、都市外交のこれからの展開を質問したところ、舛添知事からは、海外諸都市と交流を促進し、教え、教えられる、お互いにメリットのある関係を構築してまいりますとのご答弁をいただいたところであります。言葉も文化も違う都市間で、教え、教えられる関係をつくるには、トップ外交はもちろんのこと、職員同士の交流が欠かせないと考えます。
そこでまず、政策企画局では、これまで海外に職員をどのように派遣してきたのか、昨年度の実績についてお伺いいたします。
○横山外務部長 都では、これまでも海外に職員を派遣いたしまして、国際関係業務を担い得る語学力、対外交渉能力、グローバルな政策立案能力などの育成に取り組んできております。
昨年度は、外務省を通じまして、インドネシア・ジャカルタにある日本大使館とベトナム・ハノイの日本大使館、そして自治体国際化協会を通じましてニューヨーク事務所、ロンドン事務所、シンガポール事務所に職員を派遣しております。
○中山委員 派遣の状況について理解させていただいたところであります。
ただいまの答弁の中で、自治体国際化協会という名前が出ましたが、都庁関係者はよくご存じであっても、一般都民にはなじみのない組織であります。この組織はどのようなものか、改めてお伺いいたします。
○横山外務部長 自治体国際化協会は、地域の国際化を推進するための地方公共団体の共同組織でございます。昭和六十三年に設立されまして、地方公共団体からの依頼に応じて、海外事情の調査や海外出張時の活動支援を行っております。本部は東京にございます。海外には七つの事務所がございまして、具体的にはニューヨーク、ロンドン、パリ、シンガポール、ソウル、シドニー、そして北京でございます。
○中山委員 自治体国際化協会について、詳細なご説明を頂戴しました。注目すべきは、海外七事務所が東京都の姉妹友好都市のうちの五つと重なっているという点であります。すなわち、ニューヨーク、パリ、ソウル、オーストラリアのニューサウスウェールズ州の州都シドニー、北京であります。
かつて東京都も、ニューヨーク、パリに現地事務所を持っていたわけでありますが、財政上の問題もあり、閉鎖されています。現地事務所を復活させるには、何かと難しい課題があるのかもしれませんが、一方で、自治体国際化協会の現地事務所への職員派遣を拡大することは、先ほど述べたような理由から、姉妹友好都市との関係を深める点でも大いに資するのではないかと考えております。
さきの第三回定例会の代表質問で舛添知事は、来年度中を目途に自治体国際化協会の海外事務所も活用して、姉妹友好都市などへの職員派遣の拡大を検討してまいりますと答弁されましたが、これは理にかなったものであると考えます。
ところで、自治体国際化協会については、決算書を見ますと分担金が計上されています。かなりの額であります。これはどのような根拠で拠出しているものなのか、お伺いいたします。
○横山外務部長 都が拠出しております自治体国際化協会への分担金は、昨年度は二億八千八百万円でございます。この分担金は、年末ジャンボ宝くじの収益金の一部を財源としております。各自治体が宝くじの売り上げに応じた都道府県別の比率で分担金をそれぞれ拠出する仕組みとなっております。東京都は、現在、全国の自治体で最大の拠出元となっております。
○中山委員 分担金は、全国統一ルールにのっとって拠出しているという説明でございました。自治体国際化協会は地方自治体の共同組織であるがゆえに、東京都だけの都合で自治体国際化協会を動かすような、わがままをいうわけにはいかないと思いますけれども、ただ、東京としてもオリンピック・パラリンピックの開催を控え、さまざまな国際的な知見、知己を得なくてはならない事情もあります。また、分担金の最大の拠出元でもあり、やはりできる限り本協会を上手に活用していくべきと考えます。
そこでお伺いしますが、これまでに本協会を活用し、具体的に都民に役立つ施策に結びついた事例はないか、お尋ねいたします。
○横山外務部長 自治体国際化協会は、全国の自治体の共同組織として自治体の海外活動の支援や海外都市の先進事例の調査等を行っております。都も、知事や職員の海外出張時のサポートや依頼調査等でこの自治体国際化協会を大いに活用しているところでございます。
依頼調査に関して申し上げますと、都の依頼に基づきまして、ブラインド等のひもの安全対策についての調査をした事例がございます。この調査結果が都から国への安全対策の要望につながり、国のブラインドひもの安全性に関するJIS原案の検討に貢献しております。
また最近では、だっこひも等にかかわる外国製品の規格や各国における危害情報についての依頼調査を行いまして、東京都商品等安全対策協議会における検討材料とするなど、都民の安全に直接結びつく事例も多数存在しております。
○中山委員 知事外交や職員派遣などの通常的なところでも活用されているし、さらに今、ブラインドひもやだっこひもなどの実例が出てまいりましたが、まさに子供の安全にかかわる部分について、自治体国際化協会が行っている調査が都政に役立っているということは大切なことだと思います。それは、日常の生活に密着した課題の解決を図るのが、自治体の役割であると考えるからであります。
今後は、バリアフリーのあり方、多言語表記の工夫、あるいはオリンピック・パラリンピックに結びつくそうした課題だけではなくて、自転車の活用や環境、エネルギー負荷の少ないロハス的な生活のあり方、文化芸術振興のあり方、美しいまち並みの形成の仕方、さらには伝染病の水際管理や非常時における自治体対応のあり方など、まだまだ日本が先進事例を学ぶ必要のあるさまざまな分野での活用を期待したいと思います。
今後も、このような視点から都としても自治体国際化協会を最大限活用するとともに、職員派遣の拡大について、知事の答弁を一日も早く実現していただくことを要望して、私の質問を終わらせていただきます。
○かち委員 それでは、政策企画局の二〇一三年度の決算の質問をいたします。
私からも、アジアヘッドクオーター特区の取り組みについて伺います。
国際競争に打ち勝っていかなければならないという命題のもとに、都は、二〇一二年度から一六年度までの五年間に、アジア地域の業務統括拠点、研究開発拠点を設置する五十社を含む外国企業五百社の誘致を目指すとしています。
そこで、初歩的な質問で済みませんが、アジア地域の業務統括拠点とは、具体的にどのような展開を想定しているのか、また、研究開発拠点と合わせて五十社誘致を決定した根拠について伺います。
○山本国家戦略特区推進担当部長 ご回答申し上げます。
まず、アジア地域の業務統括拠点とは、グローバル企業のアジアやオセアニア地域における子会社を統括する拠点でございます。具体的には、日本に設立した当該拠点から、子会社の営業活動や経営企画における方針決定、調整などの業務を行うものでございます。
次に、五十社の誘致目標でございます。平成二十三年度の特区の計画策定時におきまして、政府における業務統括拠点、研究開発拠点の全国の年間誘致目標数、特区内におけるこれらの拠点の設置割合、これらを勘案しまして年間十社、事業計画期間五年間で五十社としたところでございます。
○かち委員 先日、主税局決算質疑で、こうした多国籍企業の外国企業が誘致された場合には、国の法人税軽減に加え、都独自に法人事業税、不動産取得税、固定資産税及び都市計画税を五年間全額免除するということを確認しました。
前の知事本局の試算では、五十社誘致された場合には年間八十億円、五年間で四百億円の減税になることが概算されています。大変な優遇税制です。それでは、政策的に五十社誘致をするために、減税以外にどのようなことを行ってきたのでしょうか。
○山本国家戦略特区推進担当部長 減税以外の誘致目標を達成するためのツールでございますけれども、まず、東京の魅力の発信に資する専用ホームページ、セミナー等を活用した広報活動、特区への進出に関心を持つ外国企業へのビジネス支援を英語で行うビジネスコンシェルジュ東京の運営、民間企業のノウハウを活用しました特区内へのグローバル企業の業務統括拠点及び研究開発拠点の戦略的誘致などに取り組んでいるところでございます。
○かち委員 今のご説明の中に、誘致のための戦略的拠点づくりということで、発掘事業として、二〇一三年度ではアクセンチュア株式会社への三億円の委託事業によって十一社を誘致したという内容が含まれているわけですよね。
また、ご説明にはありませんでしたが、さまざまな支援策が行われているんです。例えば、これも昨年制度化したものですが、特区拠点設立補助金制度は、設立しようとする企業に対し、補助対象経費の二分の一以内で上限五百万円の補助金、それとは別に在留資格認定証明書交付代行費用十二万五千円、さらに拠点設立及び各種届け出経費などは、別枠で上限を定めるとしています。
至れり尽くせりの誘致活動をされているわけですが、さらにご説明にもありました外国企業への支援を行うコンシェルジュ東京という事業も行っているわけです。それではこの外国企業誘致に向けて、丸の内に開設したビジネスコンシェルジュ東京の運営委託の企業名、契約金額とその実績について伺います。
○山本国家戦略特区推進担当部長 ビジネスコンシェルジュ東京の運営についてでございます。
この事業は、平成二十四年十月から事業を開始しまして、事業運営の受託者は三菱地所株式会社、契約金額は約二千五百万円でございます。十月から半年間の実績は、外国企業九十社、延べ百六十七回の相談、問い合わせに対応しました。
また、平成二十五年度の事業運営の受託者は三菱地所株式会社、契約金額は約五千万円でございます。平成二十五年度の一年間の実績は、外国企業二百七十社、延べ六百七十七回の相談、問い合わせに対応しました。
具体的な対応でございますけれども、ビジネス交流会におきまして、支援中の外国企業の商品紹介、PRの場を設けるなどのビジネスマッチングや、監査法人や税理士法人の紹介、ニーズにかなったオフィス物件の紹介などの支援を行ったところでございます。
○かち委員 世界を股にかける三菱地所が、ノウハウがあるということでこの二年間委託先となり、誘致のために七千五百万円もの委託経費を費やしているわけです。これを続けていけば、五年間で二億円以上にもなります。
三菱地所といえば、国内でも一、二位を争う大手の不動産会社です。丸の内には百棟ほどの中高層ビルがありますが、その三分の一を三菱地所が占めています。既に環境対応型の高機能ビル、新丸ビルを初め、今後、アジアヘッドクオーター特区の推進にあわせ開発が進む芝フロンティアや田町フロンティアなどと、新規の高機能高層ビルの竣工も次々と行われつつあります。オフィス物件の紹介という点では、みずからも不動産事業者であり、利益誘導につながりかねないと見られても仕方がありません。都の委託事業としての公平性、透明性を担保すべきだと思います。
次の質問は、先ほど河野委員の質問に重なりますので、これまで誘致された十一企業の業種の内訳や規模、今後の見通しについては省きます。そして、誘致した外国企業の受け入れ体制の整備がどのように進んでいるかという点についても省きますが、外国企業の受け入れ体制は、災害時でも事業継続が可能な高機能オフィスなどの整備促進によるビジネス支援機能の導入に取り組んできたとか、また、昨年度は大手町一丁目六地区などにおいて非常用発電機能等を有する防災対応力を備えた国際的ビジネス拠点の整備をしたとか、国際医療サービス施設として聖路加メディローカス等において、外国人対応国際医療サービスが提供されてきているなどというご説明がありました。
外国企業の受け入れのための整備という名のもとに、規制緩和と容積率のアップ、大減税が行われているのが、特定都市再生緊急整備地域の不動産開発です。既に二社の減税が実施され、一社二億八千万円の減税を行ったということも明らかになりました。
しかし、グローバル企業の誘致は、国際的な都市間競争の中で激しさを増しています。誘致した外国企業が海外の他都市へ移転するリスクをどのように見ているのでしょうか。
○山本国家戦略特区推進担当部長 国際的な都市間競争が激化する中、情報通信の技術の活用によりまして、世界の企業は自身にとって最も有利な条件を比較検討し、投資先を選択できるようになったといわれております。都としましても、こういった状況を踏まえまして、都市の魅力の低下による外資系企業の日本からの撤退リスク、こちらについては常に念頭に置いて施策を講じていくことが重要であると考えております。
この観点から、今後、外国企業誘致施策の充実に加え、国家戦略特区制度の有効活用等によりまして投資先としての東京の魅力をさらに高め、世界で一番ビジネスのしやすい都市にするための施策を推進してまいります。
○かち委員 意見を述べますが、先ほどの特区拠点設立補助金制度、この要綱のところには、注意事項として、二年間は事業を継続していただく必要がありますと書いてあります。逆にいえば、東京の特区域に大盤振る舞いの減税のもとで五百万円等の補助金を受けて開設しても、二年たったら移転しても構わないということにもなるのではないかと思います。こういうグローバル企業は、日本の経済の発展のためなどという観点はなく、いかにみずからの利益になるかということだけを目的にしているものです。
今のご答弁にもあるように、世界の投資家や企業は、自身にとって最も有利な条件の投資先を常に探しているわけですから、東京都がこの渦中に巻き込まれていけば、限りなく企業の利便と有利な条件を提供し続けなければならなくなるわけです。こうした外国企業が世界で一番ビジネスしやすい都市を目指すということは、これらの企業の税金を限りなく引き下げて、働く人をいつでも解雇できる生涯派遣や、残業代ゼロの労働体制を提供することになるわけです。税収は大きく減収し、都民や中小企業がそのしわ寄せと影響を受けることは明らかです。
今、このような多国籍企業に対する行き過ぎた減税競争などが世界の多くの国の財政を悪化させていることに、国際的な批判が広がっています。重要なことは、無国籍化した多国籍企業に対し、各国の財政制度や雇用などのルールを守るという社会的責任を果たさせることです。こうした観点から、今推進している経済政策を、暮らし、福祉、中小企業最優先の政策に転換することを強く求めて、私の質問を終わります。
○斉藤委員 政策企画局は、今年度、二十六年度からスタートした局なわけですが、その仕事は、これまでの知事本局の仕事を引き継いでいる部分も多数ございます。恐らく平成二十五年度の当時の知事本局にとって一番大きな事案は、年末の猪瀬都知事の辞任に至る問題の発覚が、突発的な事案としても一番大きかったんじゃないかなというふうに思います。
そこで、猪瀬知事の辞任に伴って、決算でございますので、ぜひ総括、そしてまた確認したいところを何点か伺います。
先ほど中山委員の方から都市外交の話がございました。全般的な、全庁的な都市外交の話があったわけなんですが、ちょっと私は視点を変えて、知事に関係することを伺いたいと思います。
都市外交については、知事みずから海外の都市を訪問するだけではなくて、海外からの賓客の訪問を受けることも大切な都市外交でございます。舛添知事については、自分が海外都市を訪問するのも多いわけですけれども、一方で、多くの海外からの賓客の表敬訪問に対応しているというのも、政策企画局の今のホームページを見るとよくわかります。
一方で、平成二十五年度については、十一月末から十二月の末まで、当時の猪瀬都知事在任中ではありましたけれども、徳洲会からの五千万円の贈与のいわゆる政治と金の問題で報道されて辞任するまでのこの間は、恐らく表敬訪問のような対外的な活動というのは、まずできなかったんじゃないかと思います。そして、十二月末から二月までの知事不在期間も、なかなか対応が難しかったんじゃないかなというふうに思うんですけれども、そこでまず、猪瀬知事と舛添知事の表敬訪問の対応の実績及び猪瀬知事が最後に表敬訪問を受けてから舛添知事が最初に表敬訪問を受けるまで、どのくらい、いわゆる空白期間というものがあったのか、そこを伺います。
○横山外務部長 知事への表敬訪問についてでございます。
猪瀬知事は、約一年間の任期中で十九回、舛添知事は二月の就任以降約八カ月間で二十七回、都市外交に係る表敬に対応しております。
猪瀬知事が最後に表敬訪問を受けましたのは、現政策企画局が所管しているものといたしましては、平成二十五年九月三十日が最後でございます。一方、舛添知事が都知事として初めて表敬訪問を受けましたのは、平成二十六年二月十八日でございます。
○斉藤委員 ただいまの答弁で、舛添知事が前任の知事に比べ積極的に表敬訪問を受けていること、また、猪瀬知事の辞任の前後で約四カ月半の表敬訪問がなかったと、中断していたというふうにいっていいのかもしれませんが、なかったということがわかりました。
もちろん、表敬訪問といっても、時間の調整ができなかったりすることもあるでしょうし、また常に訪問の希望があるわけではないでしょうから、必ずしも相手の訪問の要請を東京都の事情だけで断っているということはまずないと思うんですけれども、しかしながら、本来ならばこの空白期間の時期は、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの招致の決定の後ですから、今後の準備や大会成功に向けての海外都市との関係の一層の強化という点でいうと、交流をより深めたい重要な時期だったといえるのではないでしょうか。
こうした、いわば空白期間が東京の都市外交にどのような影響を与えたのか、平成二十五年度の都市外交についての総括ということで、ぜひ所見を伺います。
○横山外務部長 知事が不在の期間も含めまして、海外都市からの要請を受けました東京都の事業に関する説明、こういったものを行いまして、海外の都市との実務的な交流は着実に行ってまいりました。平成二十五年十月から平成二十六年二月までの都の事業説明の件数は二十二件でございまして、前年度同じ期間をとりますと十四件ということで、むしろ増加しております。
都市外交を推進していくに当たりましては、トップ同士の交流のみならず、実務的な交流を含めまして、多様なレベルで継続的に交流を進めていくということが重要であると認識しております。今後ともあらゆるレベルでの交流を促進することで、都市外交を推進してまいります。
○斉藤委員 石原元都知事も、平成二十四年に突然の辞任をいたしました。このときは十月二十五日に辞任記者会見をして、十一月二十九日に都知事選挙の告示、そして十二月十六日、投開票日というふうになっておりました。これでもやっぱり二カ月ぐらいの空白が恐らくあったと思いますが、それに加えてこの平成二十五年度も、先ほどの答弁にありましたように空白期間があったわけです。
ついつい私ども、この辞任の経緯そのものに目を奪われがちですけれども、そのことによる対外活動の空白にきちんと目を向けなければいけないと思いますし、知事自身による対応が理想とされる対外活動、それをその時期にどのような形で東京都が対応してそれを補ったのか、我々は把握しなければいけないというふうに思っています。
答弁では、トップの交流だけではなくて、さまざまなレベル、特に職員レベルで交流を活発化させることで、全体として都市同士の友好関係を深める効果を持ったということだと思います。その部分では、通常よりも交流の回数が多かったというのは、そういったことを補うという意味もあったのではないかと思います。この知事不在期間も、必要な都市間交流をこういった事務レベルで行っていったというのが確認できたことは大変よかったです。
さきの第三回定例会でも、私ども都議会民主党の代表質問で、今後の海外都市との関係の構築について質問しました。これについては政策企画局長から、都はこれまでも海外からの技術研修生の受け入れや都職員の海外諸都市への研修派遣等を行ってきたと、そして今後こうした取り組みの拡大について検討するなど、人的交流を通じた海外諸都市との信頼関係を深めていくという答弁がありました。
今後も、平成二十五年度の、少し長くなってしまったこの空白期間を埋め合わせる意味も含めて、引き続き都市外交を推進し、海外諸都市との関係強化を図るように要望して、次の質問に移ります。
今度は、昨年度の事業の執行状況に関係して、猪瀬前知事が辞任した影響があるものについて一件伺います。
平成二十五年度東京都一般会計決算説明書を拝見すると、「二〇二〇年の東京」の実現に向けた施策の企画立案として、将来人口推計調査の事務費等が計上されております。まず、昨年度どうして将来人口推計調査を実施したのか、その目的について伺います。
○小池計画部長 人口推計につきましては、昨年度、東京都における少子化対策の新たな展開に向けた支援業務委託という業務委託を行っておりまして、今からおよそ五十年先になります二〇六〇年までの東京都の人口について予測を行いました。
この調査は、昨年公表予定でありました新たな長期ビジョンにおいて、東京の人口、世帯の推移を示し、今後到来する少子高齢社会の状況を明らかにしますとともに、今後の都の施策立案に反映することを目的としたものであります。
○斉藤委員 本来この調査は、猪瀬前知事のもとで公表予定でした新たな長期ビジョンの基礎資料として使われる予定のものだったとのことですが、猪瀬前知事が辞任されてしまった結果、本調査の成果やこれに基づく検討の状況がどうなったのかは非常に気になるところであります。
そこで、この調査の結果が昨年度、平成二十五年度にどのように活用されたのか、そこを伺います。
○小池計画部長 昨年十一月に、新たな長期ビジョンの中間報告に当たる論点整理を公表いたしまして、都が直面する現状や諸課題を分析しますとともに、主要な論点と政策展開における方向性を示しております。
この論点整理の中で、調査の結果を活用しまして、東京の人口が二〇二〇年をピークに減少に転じること、二〇六〇年には一・四人の現役世代が一人の高齢者を支える人口構造になること、単独世帯に占める高齢単独世帯の割合が二〇一〇年の二二%から二〇六〇年には四四%に倍増することなど、二〇六〇年までの東京の人口、世帯の状況を示しております。
○斉藤委員 今の答弁でも、内容的には、全体の施策をつくる上で非常に基礎となる人口等の調査がなされたことはよくわかりました。そしてまた、少なくとも本調査が無駄にならなかったというのを聞いて、そこは非常に安心をしたところであります。
猪瀬前知事の辞任に伴い、この新たな長期ビジョンは公表が見送られてしまい、調査結果も宙に浮いた印象というのは、これは拭えないと。残念なところでございます。
今年度も、十二月の長期ビジョンの策定に向けて作業は進めていると思うんですけれども、昨年度行った人口推計などは活用できるんじゃないかなということを私どもは思うわけなんですが、その辺どうなんでしょうか。そこで、本調査の結果は今後活用される考えがあるのか、所見を伺います。
○小池計画部長 この人口推計は、今後五十年間という長期にわたる予測を行ったものでありまして、少子高齢、人口減少社会を見据えましたこの成果は、現時点でも十分活用できるものと考えております。
年末に公表予定の東京都長期ビジョンにつきましては、現在策定作業を進めているところでありますが、東京の将来を見据えて検討を行っていくに当たりましては、この業務委託の成果に基づく人口推計などのデータも活用していきたいと考えております。
○斉藤委員 ありがとうございました。
前知事の辞任という大変な不測の事態、この状況下にあったとはいえ、都民からいただいた税金を途中で無駄にするということは、やはり避けなくてはいけない。そしてまた、そういう意味では、今回の本委託事業が無駄にならずに、今年度のビジョンにおいても活用されるというのは、非常によかったと安心したところでありますし、ぜひ内容的にも非常に重要な調査であります、いろんな部分で使えるんじゃないかというふうに本当に思いますので、そういう点ではよかったと思います。
今後も予算が適切かつ効果的に執行されることを要望し、また、猪瀬知事が急に辞任したことで、いろんな流れの中で前後がつながりづらいというような予算や事業もあるかと思いますが、その部分を上手に調整して、本当にそれこそ一円も税金が無駄にならないように要望しまして、質問を終わります。
○三宅委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三宅委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で政策企画局関係を終わります。
○三宅委員長 これより青少年・治安対策本部関係に入ります。
決算の審査を行います。
平成二十五年度東京都一般会計決算中、青少年・治安対策本部所管分を議題といたします。
本件については、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○横山総合対策部長 十月八日の当分科会におきまして、要求のございました資料につきまして説明させていただきます。
お手元にお配りしております決算特別委員会第一分科会要求資料、表紙と次のページ、二枚めくっていただきまして、一ページをごらんください。
こちらの資料は、当本部が実施しております、ひきこもり対策事業につきまして、平成二十年度から平成二十五年度までの六年間を、各年度の予算額と決算額の順で三年ごと二段にまとめたものでございます。
数字は以上のとおりでございます。
続きまして、その次のページ、二ページをごらんください。こちらの資料は、平成二十三年度から平成二十五年度までの三年間で区市町村が実施いたしました、ひきこもり対策事業のうち、都が補助をした事業の一覧でございます。
二十三年度でございますが、適切な専門機関への紹介を行います世田谷区のせたがやバトンタッチ事業のほか、足立区、青梅市、日の出町の各事業が載せられています。
下に行きまして、二十四年度は、支援者との交流の場を提供いたします杉並区の青少年の社会適応力向上事業のほか、練馬区、立川市、府中市の各事業でございます。
二十五年度は、日野市のひきこもり等の問題を抱える若者の家族向け、日野市ひきこもり保護者セミナーなどでございます。
以上、簡単でございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○三宅委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○ほっち委員 私から、初めに自転車の安全利用についてお伺いいたします。
私の地元足立区では、昨年一年間で多くの自転車が関係する事故が発生しており、全交通事故のうち、自転車が関与する事故が占める割合は約四一%にも上っております。都内全体における割合が約三五%であるということを考えますと、深刻な数字といわざるを得ません。
また、都内の自転車事故の実態を見てみると、自転車側に何らかの交通違反があったケースが全体の四九%を占めており、多くの事故は、自転車利用者自身がルールを守っていれば防止できたはずであります。
そこで、都では昨年七月に、自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例を施行し、また、ことし一月には、各主体の具体的な取り組み内容を示した自転車安全利用推進計画を策定し、自転車の安全利用を推進しているものと認識していますが、悲惨な事故をなくすためには、学校や各家庭においてルール、マナーを教えるなど、利用者の安全利用意識をこれまで以上に向上させることが重要だと考えます。そこで、どのような具体的取り組みを行っているのか、お伺いいたします。
○村山治安対策担当部長 都はこれまでも、自転車の安全利用を啓発するリーフレットの学校等への配布や、自転車シミュレーターを活用した交通安全教室を年間百五十回開催するなど、児童生徒を初めとした自転車利用者に対する安全利用促進の取り組みを行ってまいりました。
こうした従来の取り組みに加え、今年度については、児童と保護者が集まるイベントへの出展を拡大し、自転車シミュレーターなどを活用した親子向けの啓発を二千人を超える方々に行うなど、各家庭における自転車の安全利用に関する意識の向上を図っているところです。
○ほっち委員 学校や家庭に対する取り組みについては、理解させていただきました。
昨今は、健康志向や環境負荷軽減への意識の高まりにより、自転車を利用する都民がふえております。特に東日本大震災以降、通勤手段として利用する人々が目に見えて増加しているように思われます。
また、都内の自転車事故を時間帯別に見ると、ちょうど人々が通勤する時間帯と重なる朝の八時から十時の時間が最も割合が高くなっており、対策が必要であります。自転車通勤者対策については、地域や家庭などで個々に行うよりも、事業者において責任を持って進めることが効果的だというふうに考えます。
そこで、条例では、従業員への安全教育を実施する努力義務を課しておりますけれども、これまでも都では、業界に対する条例内容の説明や事業者を集めた講習会の開催など、事業者対策を進めてきたようでありますけれども、昨今の利用状態を鑑みれば、さらなる充実策が必要というふうに考えております。どのような取り組みを行っているのか、お伺いいたします。
○村山治安対策担当部長 都は、昨年度に引き続き今年度も、事業者が行う社内自転車安全教室へ講師を派遣しております。また、ことしの七月からは新たに事業者自身が主体となった教育を進められるよう、社内で自転車の安全利用の取り組みを普及、定着させるリーダーを育成するための自転車安全利用TOKYOセミナーを開催し、多くの参加者を得ているところです。リーダーによる社内研修等が行われることで、効率的に自転車の安全利用に関する意識を浸透させることができます。
加えて、都では、事業者が社内教育に活用できる研修用DVDを作成し、業界団体等へ配布するとともにホームページで公開しており、幅広く活用されているところです。引き続き、学校、家庭、事業者などの社会全体による自転車安全教育を推進してまいります。
○ほっち委員 行政だけでなく、自転車に関係するあらゆる主体による安全利用教育を進めているということはわかりましたが、従来型の紙媒体による啓発も大事ですが、安全利用意識をより効果的に浸透させるためには、自転車利用者がみずから興味を持って意欲的に学ぶことができるような工夫を行うことが必要だというふうに考えます。
都では、交通ルールを楽しみながら学べるシミュレーター機器を導入し、学校や企業において出前型の教室を開催するなど、いわゆる参加体験型の安全利用教育を進めているとのことですが、今後も全ての利用者が自転車の安全利用の重要性をみずから認識し、実践することにつながるように工夫しながら、自転車の安全利用を推進していっていただきたいというふうに思います。
続きまして、こころの東京革命についてお伺いしたいと思います。
こちらの、いつも配布されております、こころの東京革命の行動プラン、このリーフレットの表紙に大きく書かれています大人が変われば、子供も変わる、これは都が推進している、こころの東京革命の理念をとてもよくあらわしているというふうに思いますけれども、道で会っても挨拶をしない大人、歩行中や人混みの中でも携帯電話やスマートフォンを操作する大人、電車やバスの中で高齢者や体の不自由な方に席を譲らない大人など、このような大人の行動を見て育った子供が、社会の基本的なルールを守り、社会の一員として自覚を持った大人へと成長するのであろうかというふうに私も日々感じております。
親と大人が責任を持ち、時にはみずからが手本となって子供たちの公徳心や規範意識を育んでいこうという、こころの東京革命の理念は、日本人として普遍的に大切なものであり、我が党も当初から賛同し、ともに進めてきたところであります。ぜひとも親や大人一人一人にこの理念がしっかりと伝わり、具現化できるよう進めていってもらいたいというふうに思っております。
都では、この理念の普及啓発に向けてさまざまな事業を展開しておりますが、その中でも、特に全都的に行う重要な取り組みとして、中学生の職場体験について伺いたいと思います。
これからお話しする話は、以前、私の地元の支援者の方から聞いたお話ですが、中学二年生の男子生徒が部活動で野球を始めたものの、なかなかレギュラーになれずに、そのせいで学校生活も乱れ、練習を次第に休みがちになっていったと。その中で、彼はこの事業に参加し、ホテルで職場体験をした際、ホテルのマネジャーから、日の当たるフロントで仕事ができると思っていたのかもしれないけれども、ホテルの仕事で重要なのは裏方なんだよと、それでも、やると決めたことはしっかりやれよというふうなことをいわれたそうです。仕事に不満のあった生徒に、厳しく論じてくださいましたけれども、彼は、その職場体験後、生活態度が変わって、三年生の最後の大会ではレギュラーの番号をもらって試合に出場したというふうなエピソード、お話を伺いました。
これからもわかるように、中学生という、心も体も大きく変化する時期に、地域の商店や事業所などの職場で仕事を体験することはとても大切なことであります。
そこで、決算資料によりますと、昨年、都内の全区市町村で七万九千六百八名もの中学生が参加しているこの中学生の職場体験事業の概要と、青少年の健全育成上の意義についてお伺いいたします。
○坂田青少年対策担当部長 中学生の職場体験は平成十七年度から実施されまして、都内の全公立中学校の中学生を対象に、三日から五日程度の間、地域の協力のもと、商店や事業所などで中学生が実際の仕事に携わり、その厳しさや楽しさを体験する事業でございます。
青少年・治安対策本部では、本事業を通じて社会の一員としての自覚を中学生に促すとともに、地域で生きていく上での必要なルールやマナーなどを身につける大変貴重な体験の機会であると捉えております。
○ほっち委員 本来、私は、子供の教育は家庭に第一義的な責任があり、親によってしっかりとしつけが行われるべきであるというふうに考えています。
しかし、現状では、まことに残念ながら、家庭の教育力だけに頼っていては、子供が健全に成長できない状況にあります。そのような中、家庭や学校だけではなく、地域や事業所がこの中学生の職場体験をきっかけとして、中学生を地域の子供として皆でかかわり育てていこうと、こういうふうな機運を高めていくという事業の趣旨は、とても意味のあることというふうに思います。
この中学生の職場体験は、都内の全公立中学校の生徒が取り組み、全都的な広がりがある特色ある事業であるということですが、実際に職場体験で中学生を受け入れた方々は、積極的に中学生の健全育成にかかわるなど、狙いどおりの効果を上げているのでしょうか。また、本来の教育の責任者である家庭は、本事業をどのように捉えているのでしょうか。
そこで、関係する方々から寄せられている感想などをあわせて、この中学生の職場体験事業の趣旨の実現状況を伺います。
○坂田青少年対策担当部長 当本部では、事業の状況を把握するためアンケートを行っております。
まず、参加した中学生からは、自分も地域に暮らす一人として笑顔で気持ちのいい挨拶をしてみんなを笑顔にしたい、ルールやマナーを守らないと周りの人が不快な気持ちになってしまうなど、社会の一員としての意識が高まったことを示す声が寄せられております。
次に、受け入れ先の事業所からは、挨拶をしっかりと行うこと、人に対して感謝の気持ちを持つこと、物を大切にすることを指導したとの回答が多く、また約九割の事業所から、生徒の態度や様子が変容したとの回答があるなど、中学生が社会のルールやマナーを身につけ、確実に成長したと実感しているようでございます。
さらに、保護者からは、職場体験を経て成長した息子と話をする中で、私も一人の社会人として子供と向き合う必要性を改めて感じたという感想が聞かれるなど、家庭教育にも大きな影響を与えていることがわかります。
○ほっち委員 中学生の職場体験事業は、初めて社会と接する中学生に対して、家庭ではしつけることが難しい社会のルールやマナーなどを厳しく教えていく機会となり、いわゆる地域の教育力を高め、青少年の健全育成に大きく寄与しているということがお話からよくわかりました。
さらに、家庭における子供とのかかわり方にも影響を与えていることがわかり、改めて本事業は、よい取り組みだなというふうに感じました。
しかし、それぞれの事業所の本来の仕事もありながら、三日間から五日間程度もの長い期間、地域の中学生を受け入れているということは、たとえ青少年の健全育成のためであるとはいいながらも、各事業所にとってかなりの負担があるものと想像ができます。そこをあえて積極的に中学生を受け入れている多くの事業者に、改めて感謝するとともに、これからは地域にとっても、また参加する中学生にとってもメリットとなるように、本事業をますます充実させていかなければならないというふうに考えております。
そこで、この中学生の職場体験事業を今後どのように充実していくのか、お伺いいたします。
○坂田青少年対策担当部長 当本部では、本事業に関係する約六十の団体や諸機関から成る中学生の職場体験推進協議会を定期的に開催いたしまして、効果的な事例や体験プログラムを発表するとともに、よりよい体験となるための協議を進めております。
さらに、その成果を報告書として取りまとめ、約六千五百部を作成いたしまして、学校や教育委員会、事業所などの関係機関へ配布することで幅広く啓発するなど、体験の質が向上するよう努めております。
今後、本事業の趣旨や成果をさらに多くの地域や事業所へ浸透させ、協力いただける受け入れ事業所数を拡大することで、より多様な体験の場を確保するなど、さらなる事業の充実に努めてまいりたいと考えております。
○ほっち委員 以前、この中学生の職場体験を経験した中学生が、既に社会人となって働いている時代であります。次の世代を育てる立場になってきています。この都庁においても、中学生のときに職場体験を経験した職員も採用されているなど、私たちにとっても身近で切実感のある取り組みとなってきております。
ことしの九月にリニューアルした、こころの東京革命のもと、これからも中学生の職場体験をしっかりと推進していただくことを切望し、質問を終わります。
○中山委員 私からは、交通渋滞と青少年のひきこもりの対策についてお伺いします。
まず、集中的な渋滞対策事業についてであります。
車両の集中による東京の慢性的な交通渋滞は、都民の日常生活や企業活動に時間的、経済的な損失を与えており、東京の最大の弱点ともいわれております。都が現在進めている三環状道路など道路ネットワークの整備は、交通渋滞を大きく緩和することが期待されているものであります。
しかしながら、新たな道路整備などハード対策には多くの時間を要するのも事実であります。このため、信号制御の工夫など、今ある道路を有効に使うためのソフト対策があわせて必要となってきます。
東京都庁においては、交通政策を考える場合、社会インフラ整備という視点では都市整備局が、都道に関することは、交差点の改良も含め建設局が担当しておりますが、こうしたソフト対策は、青少年・治安対策本部が担当すると伺っております。
青少年・治安対策本部では、交通安全対策の一環として、ITS技術などを活用した集中的な渋滞対策を実施していると思いますが、具体的にどのように活用しているのか、お伺いいたします。
○村山治安対策担当部長 ITSとは、最先端の情報通信技術により、人、道路、車両の間で情報をやりとりし、事故削減や渋滞解消などを目指す交通システムの総称でございます。
都では、警視庁等と連携し、即効性のある渋滞対策としてITS技術を活用しております。主なものとして、高度な信号制御を行う需要予測信号や、空港直行バスへの優先的な信号制御を行う、PTPSといわれる公共車両優先システムの導入などを進めているところでございます。
○中山委員 私は昨年、日本では九年ぶりに開催されましたITS世界会議東京を視察しました。ITSは、実は大変身近な技術であり、カーナビなど実際の生活の場面でも活用されています。将来的には、車間距離の自動制御やハンドルの自動操作、さらには自動運転など、より高度な利用が期待されていると聞いております。世界会議には、日本はもとより、世界各国のメーカー等二百団体以上が参加しており、自動駐車や自動ブレーキを初めとする自動走行関連の最新技術に注目が集まっておりました。
こうした中で、先ほど答弁のありました需要予測信号やPTPSなどの展示に各国からの関心が非常に高かったことは驚きであり、改めてこの分野における日本の先進性を実感したところであります。
渋滞の解消に有効な高度な技術である需要予測信号やPTPSは、具体的にはどの程度導入されているのか、また、これまでの対策の効果についてお伺いします。
○村山治安対策担当部長 平成二十五年度末現在、需要予測信号制御は、靖国通り、京葉道路、環八通りなど八路線の十三区間に導入しております。また、空港直行バスへのPTPSは、新宿駅周辺など五地区に導入しているところでございます。
ITS技術と道路施設の改善などのさまざまな対策をあわせての効果として、平成二十四年の時点で、ピーク時旅行時間を一二・三%削減しております。
○中山委員 一二・三%というのは、もう大変な成果じゃないかと思います。交差点に到着する交通量を予測し、的確に青時間等を調整するという、より高度な制御を行う需要予測信号を、この東京という大都市において実際に導入し、運用しているということでありました。その点が世界からも高い関心を集めているゆえんであり、この点、私も評価したいと思います。
しかしながら、ITS技術のみで全ての渋滞を解消できるものではないとはいえ、東京の渋滞状況を考えますと、まだまだ十分とはいえないのではないでしょうか。さらに積極的に整備するべきと考えますが、今後の取り組みについてお伺いします。
○村山治安対策担当部長 ご指摘のように、ITS技術は東京の渋滞解消のために有効な技術であると認識しております。今年度は、需要予測信号制御については五つの路線区間に、また、PTPSについては一地区に新たに導入する予定でございます。引き続き警視庁等と連携し、ITS技術を活用した渋滞対策を着実に進めてまいります。
○中山委員 着実な推進をぜひとも期待させていただきたいと思います。
二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックに向けましては、相当な交通需要が予想されるとともに、大会期間中の一時的な交通需要も考えられます。そのためには、冒頭申し上げましたように、三環状道路など道路交通ネットワークの整備を進めるとともに、あわせて本日取り上げたような局所的、ソフト的な対策をさらに実施していく必要があります。
さらに、こうしたITS技術を用いたソフト対策は、選手などの大会関係者車両の定時性の確保などの円滑な交通の実現にも有効であります。二〇二〇年大会に向け、これまでにも増して渋滞削減に向け積極的に取り組みを進めていただきたいと思います。
また、ITSのメリットは、渋滞の削減だけにとどまるものではありません。昨年のITS世界会議では、例えば運転手からは見えにくい歩行者を車自体が検知し、自動でブレーキをかける車両や、前の車との距離や車線を車が認識し、自動で速度調整やハンドル操作を行う車両など、自動走行関連の最先端の技術を見ることができました。
こうした技術の進展は、交通事故の削減にも大いに寄与するものであり、ITSの将来性とともに、各国の最新技術が披露される世界会議という場の重要性を認識したところであります。その意味で、東京で世界会議を開催した成果と、今後の世界会議とのかかわりについてお伺いいたします。
○村山治安対策担当部長 昨年開催したITS世界会議では、自動走行システムが大きな話題を集めるとともに、約二万人の参加をいただき、事故や渋滞の削減に有効なITS技術の現状や未来の可能性について広くアピールできました。
加えて、交通事故削減や渋滞解消に大きく資する自動走行システムの開発が加速化するなど、ITS技術の今後の発展に寄与できたものと認識しております。自動走行などのITS技術は急速に進歩しており、その効果的活用に資するよう、都は今後とも、これまでの成果を引き継ぎつつ、世界会議を通じて最新技術の動向に関する知見を深めてまいります。
○中山委員 自動走行の先駆けのような技術は、駐停車補助機能や追突防止ブレーキなど、既に世に出回っているものもあります。自動走行が今後どのように発展していくか、私は大変に興味があります。オーバースペック的なぜいたく機能となっていくか、交通事故の防止という役割を強めていくか、この分岐点は重要であります。できるならば、交通事故防止の側面でこそ、効果的な役割を担っていただきたいと思います。
ただ、そのような方向で発展していくためには、行政の積極的な関与が必要であります。将来的には、特定区間に限り道路に埋め込んだビーコンからの通信を感知し、法定速度以上のスピードでは走れないようにする機能や、一定以上の車間距離を保って走行する機能、周辺の車両や歩行者の存在を常に感知して、危険な状態での車線変更などができないような機能をオフにして走行することを禁じる社会体制を整えるべきではないかと考えます。
機能開発が進んだ段階では、まずは実験的に首都高速道路や通学路などでの事故防止の成果として確認すべきと考えます。むしろ初めからそうした実証実験を行うことを前提に、東京都も国や交通規制官庁、民間企業などと連携して、その開発を応援するべきと考えます。通学路の不幸な事故も防ぐことが可能となりますし、うっかり追突、無謀な割り込みなどがなくなれば、首都高の事故渋滞の発生は大幅に防げるはずであります。
二〇二〇年、さらにその先を見据えたとき、いつでも誰でも安全で快適に移動できるというITS技術の成果を多くの都民が享受できる社会としていくことが重要であります。都民の暮らしがより豊かになるよう、交通に関するさまざまな場面でITS技術が貢献していくことを期待して、次の質問に移らせていただきます。
引き続いて、ひきこもり支援について伺います。
ひきこもりで悩む若者本人や、我が子の将来を案ずる家族の悩みは切実なものであり、個々のニーズに合わせて身近な地域で気軽に相談し、支援を受けられる環境を整備していくことは大変重要な取り組みと考えます。
ニートやひきこもりと呼ばれる若者の現象は、文明病的な現象かもしれませんが、少しずつ世界的な広がりを見せ始めています。もともといつの世も、若さはどんな財宝よりも価値があり、全てのお子さんは、一人一人かけがえのない可能性を内包した社会的な財産であります。特に少子化が進む日本にあっては、ひきこもり状態にある全ての若者が、ご自分として納得できる社会参加や社会復帰などの自己実現を果たしていくことは、社会全体としても極めて波及効果の高い、喜ばしいことであります。
その意味で、私は、平成十七年と平成十八年の経済・港湾委員会、平成二十二年の予算特別委員会の一般総括質疑、平成二十二年の決算特別委員会の分科会、平成二十四年の第一回定例会の一般質問と、アウトリーチ支援の充実などを求めてまいりました。
都は、平成十九年のひきこもり実態調査を踏まえ、平成二十年度から二十二年度まで、区市町村の支援体制整備に係る東京都ひきこもりセーフティネットモデル事業、若者を支援するNPO法人の育成を図る東京都若者社会参加応援ネット、コンパス事業を実施されています。
平成二十三年度以降は、二つのモデル的取り組みの成果を検証した上で事業を再構築し、区市町村における支援体制整備を促進するとともに、ひきこもり等の若者支援プログラムに沿った支援を提供できるNPO法人等の確保、育成を行ってきたと伺っております。
そこでまず、都のひきこもり対策のこれまでの取り組みについてお伺いいたします。
○坂田青少年対策担当部長 都は、平成十六年度から東京都ひきこもりサポートネットを運営し、ひきこもりの状態にある本人や家族等から、メールと電話による相談に対応してきており、平成二十五年度は五千三百八十九件の相談をいただいております。
また、住民に身近な区市町村の支援体制の整備に向けて、財政支援や職員研修の実施等の支援を行っております。補助事業は、平成二十三年度からの三年間で九自治体が活用したところでございます。
また、都の支援プログラムに沿って、若者の自立支援に向けた活動を行うNPO法人等を確保して地域の体制整備のために活用しておりまして、平成二十五年度は十三団体、今年度は新たな登録を目指す団体が加わりまして十四団体が参加しているところでございます。
○中山委員 自立支援に協力している登録団体が着実にふえているということであり、ある意味、心強く感じた次第であります。
都のひきこもり対策の取り組み状況全般についてお伺いしたところでありますが、住民に身近な地域で支援を提供できる体制づくりが非常に大切であります。そのため、区市町村における支援の事業化の促進は重要な課題です。平成二十三年度に開始した区市町村補助の活用実績は九自治体とのことでありますが、自治体における、ひきこもり支援体制整備についての成果は十分に得られているのか、お伺いいたします。
○坂田青少年対策担当部長 若者がひきこもりの状態になる原因は多様でございまして、その支援も、個々の事例に即したきめ細かな対応が必要であることから、住民との接点を多く持つ区市町村におきまして、担当窓口の設置や対策事業を実施することが効果的でございます。
都の補助制度を活用した自治体は、東京都若者社会参加応援事業に参加するNPO法人等との連携のもと、自立を目指す若者を対象とした相談体制の構築、家族向けの講演会や相談会、庁内の関係機関や支援団体等が構成する連絡調整会議等、地域の実情を踏まえた、ひきこもり支援の取り組みを実施し、着実な成果を上げておるところでございます。
こうした取り組みについて、先進事例として区市町村との情報連絡会の場で周知するとともに、補助制度についても、各区市町村の地域の実情に合わせまして、より活用しやすいものとなるよう要件を緩和する等して、自治体の体制整備の一層の促進を図っているところでございます。
○中山委員 区市町村における事業化のためには、ひきこもり支援の経験、ノウハウを持つNPO法人等の民間支援団体の力を活用していくことが欠かせません。支援を必要とする都民に喜ばれ、広く利用していただけるよう、NPO法人等の支援力を高めていく必要があります。
区市町村における支援体制の整備に向け、ひきこもり等の若者支援プログラムに沿ってひきこもりの若者を支援するNPO法人等について、どのように支援の質を確保し、活用していくのか、見解をお伺いします。
○坂田青少年対策担当部長 地域における支援体制を築くためには、区市町村が連携できるパートナーとして、質の高いサービスを提供できるNPO法人等をさらにふやすとともに、その支援の質の向上に取り組むことが重要でございます。
NPO法人等に対しては、団体のニーズも踏まえ、支援技術の向上に資すためのサポートメニューを実施しており、法律、医療といった分野の専門職による講演会や、支援記録のとり方に関するセミナー等のほか、各団体が持つ支援のノウハウや対応事例等に関する情報交換、共有を図るための交流会の企画を行っているところでございます。
区市町村への支援とNPO法人の確保、育成は、密接不可分であることから、今後ともこの二つの取り組みを両輪といたしまして、ひきこもり等の状態にある若者本人や家族が、住みなれた地域で適切な支援を受けられる環境の整備を促進していくこととしております。
○中山委員 東京都には、今後とも区市町村の体制整備を促進するとともに、NPO団体等へのサポートを通じ、地域の支援体制の整備に着実に取り組んでほしいと考えます。
ことし六月に、ひきこもりの問題を抱えているご家庭への家庭訪問が開始されています。国では、都道府県が実施主体となって、支援員がひきこもりの若者の家庭等への訪問を行う制度があり、都もこの制度を活用したとお聞きしております。
訪問相談の実施については、ことしの都議会第一回定例会代表質問でも我が党から要望しておりますが、都としても導入に至るまで、これまでの取り組みの検証等、検討の過程があったのではと思います。都の訪問相談の導入の経緯とその有効性についてお伺いいたします。
○坂田青少年対策担当部長 ひきこもりの若者の置かれた状況や課題は多様であることから、個々の事例に即したきめ細かな個別支援の提供が必要不可欠でございます。
そこで、都はこれまで、電話や電子メールによる相談事業に加え、ひきこもり等の若者支援プログラム、これに基づきまして、NPO法人等が実施いたします訪問支援や自宅以外の居場所の提供、社会体験活動等、若者の自立支援に関する取り組みを支援してきたところでございます。
特に訪問支援は、支援員がひきこもりの若者の自宅等に出向き、支援機関の紹介や外出の手助け等を行うものでございまして、自宅から外へ出ていくことに抵抗を感じることが多いひきこもりの若者への支援策として、極めて有効でございます。訪問支援の有効性を踏まえるとともに、今後の区市町村における支援体制の整備を一層促進するためにも、都内の全区市町村との連携のもと、国の補助制度を活用して訪問支援を実施することとしたところでございます。
○中山委員 都の訪問相談には大変期待しております。その実施を契機として、ひきこもり等社会的自立に困難を抱える若者の悩みを受けとめ、支援につなげていく地域の体制整備がさらに促進されることを願っております。
本事業に係る最大の課題の一つが、自治体補助が初年度経費だけを対象にしてきたという点でありました。その点は、たしか準備期間が二カ年にわたる場合も対象にするなど、先ほども話がありましたが、二十六年度予算で緩和をしているというふうに伺っておりますが、その点の詳細は、事務事業質疑に委ねたいと思います。
ただ、自立支援に協力する登録団体が順調にふえていく中で、そうした団体を活用する自治体の数も同様にふえていくことが望ましいと考えます。せっかく登録しても、自治体からの依頼が来ないというのでは、力の発揮のしようがありません。
また、登録団体の側も、ことしは自治体から依頼があったけれども、来年はわからないというのでは、人員体制などの計画を立てにくいのではと危惧されます。登録団体は、登録団体となる前の研究団体の時点で、一カ年に限り都補助が出ると伺っております。これも無期限に補助するというのでは、確かに都税の使い方としていかがなものかという懸念は理解できますが、では客観的に、登録団体の経営の安定を整えられる環境整備が制度的に担保されているのかという点は、改めて不断に見直しを試みていく必要があると考えます。
都の自治体に対する補助としては、二カ年にわたる場合も含め初期的経費に限るという概念についても、同じように検証を図っていくべきだと思います。自治体事業や登録団体活動の安定的な維持向上に資する環境整備への配慮に努めていただきたいと思います。
全国の道府県に先駆け、また全世界の諸主要都市に先駆け、平成十六年から、ひきこもり対策に積極的に対応してきた都の先進施策の一つが、ひきこもり施策でございます。今後も世界の模範となる都のひきこもり対策の一層の充実を要望して、質問を終わります。
○三宅委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後二時五十三分休憩
午後三時九分開議
○三宅委員長 休憩前に引き続き分科会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○かち委員 それでは、私からも青少年・治安対策本部の決算質疑で、ひきこもり対策について伺います。
未来ある若者が、何かのつまずきによって不登校になったり、社会とのつき合いができなくなり、ひきこもり状態に陥ることは、本人も家族も苦しみ、ひいては家族崩壊にもなりかねません。このひきこもりが社会問題となり、都が対策をとり始めて十年になります。我が党は、この問題解決のために、繰り返し議会、委員会等で取り上げてまいりました。
本年三月の一定議会でも、里吉都議がこの問題を取り上げ、そうした中で、都が訪問相談事業に今年度から取り組まれることになったことは重要なことです。今後も精力的にこの対策を推進していただきたいという立場から質問します。
そこで、これまでの都のひきこもり対策の取り組み経過と今後の課題についてお聞きします。
都は、二〇〇七年度にひきこもりの実態調査を行い、二万五千人と推定し、ひきこもりの実態を明らかにしましたが、その後の実態把握はどのようになっているでしょうか。
○坂田青少年対策担当部長 都は、平成十九年度のひきこもりの実態調査を踏まえ、二十年度から区市町村における支援体制の整備や民間支援団体を育成するモデル事業を開始いたしました。また、二十三年度からは、さらに取り組みを発展させ、区市町村における若者の自立等支援体制整備事業と東京都若者社会参加応援事業を実施してまいりました。
都は、こうした事業を推進する中で、常にひきこもりの実態の把握に努めておりまして、こちらによりまして取り組みの充実に役立ててきたところでございます。今後とも区市町村との連携を確保しながら、引き続き実態把握に努め、地域における支援体制の整備をさらに進めてまいります。
○かち委員 二〇一〇年に内閣府が行った調査では、十五歳から三十九歳のひきこもりの方は七十万人と推計されています。都の調査よりも年齢幅が大きいので、その分の増もありますでしょうが、類推しますと、都内には七万人前後の若者がひきこもり状態にあるということではないでしょうか。その早期解決が切望されています。そういう意味からも、現状を正確に把握することが必要です。都として、今日のひきこもり状態にある若者の実態調査に取り組まれるよう求めておきます。
モデル事業から始めて、既に六年が経過していますが、その効果について、また課題についてどのように認識しているでしょうか。
○坂田青少年対策担当部長 六年間の効果でございますけれども、平成二十年度から開始いたしました、ひきこもりセーフティネットモデル事業、こちら等によりまして、若者の自立等支援体制のモデルを確立し、NPO法人等が取り組む支援のガイドラインとして、ひきこもり等の若者支援プログラムについても確立したところでございます。
さらに、平成二十三年度より区市町村への補助事業や区市町村職員向け研修を実施いたしまして、区市町村における支援体制の整備を促進するとともに、ひきこもり等の若者支援プログラムによりまして、NPO法人等の確保、育成を進めてきたところでございます。
こうした六年間の取り組みは、課題に対して段階に応じて計画的に進められてきたものでございまして、引き続きNPO法人等との連携のもと、地域におけるひきこもり支援体制を整備してまいります。
○かち委員 モデル事業から始めて、若者支援のガイドラインやプログラムを作成し、支援に取り組むNPO法人や、区市町村職員の研修や人材育成の推進をされてきたとのことですが、ひきこもり解決のためには、元経験者やその家族の方々が最も当事者の苦しみがわかり、どうすれば改善に向かうか、体験的に身につけているものがあります。
こうした方々の活用の意義が大いにあると思いますが、全国的にも都内にも、こうしたひきこもり体験者が中心になって家族会などができていて、精力的に研修会やピアサポーター事業などに取り組んでいます。東京都若者社会参加応援事業に、ひきこもりを脱した若者やその家族で構成する家族会等の当事者団体が参加することはできないのでしょうか。
○坂田青少年対策担当部長 東京都若者社会参加応援事業につきましては、参加できる団体の条件といたしまして、都のプログラムに沿った支援を継続的かつ安定的に提供できる体制及び専門能力を確保する趣旨から公益的事業を実施する非営利法人であること、法人格を取得してから一年以上の活動実績を有すること等を定め、広く公募を行っております。
なお、団体の選定に当たりましては、外部の有識者も含めた委員会での審査、評価を行い、公正性を確保しております。
○かち委員 今のご答弁では、当事者を含む体験者家族会でも、NPOなど法人格を取れば応募資格はあるとのことですね。国においては、昨年度から始まったひきこもりサポーター養成研修事業や、ひきこもりサポーター派遣事業にピアサポーター、ひきこもり経験者も含めて事業を展開しています。ぜひ都もこれにおくれをとらないように、こうした事業に積極的に取り組んでいただきたいと思います。そして、選定審査会においても、家族会の果たす役割の有効性を検証、評価していただきたいと思います。
資料を出していただきましたが、ひきこもり対策の予算、決算の推移を見ると、平成二十年度からの三年間はモデル事業の期間、二十三年度からの三年間は事業化になった期間ですが、当初に比べ予算も決算も減り続けています。モデル事業開始当初に比べ、平成二十五年度では四三%まで落ち込んでいます。その理由についてお聞きします。
○坂田青少年対策担当部長 平成二十年度からの三年間のモデル的取り組みで得た成果を検証した上で、事業の再構築を行い、平成二十三年度からは、区市町村における若者の自立等支援体制整備事業と東京都若者社会参加応援事業に取り組んでおります。これら内容が異なる事業の実施に当たっては、平成二十年度から二十五年度までの六年間を通しまして、毎年度状況の変化に対応して、その都度事業執行に必要な予算額を確保し、計画的に執行してまいったところでございます。
○かち委員 これまでの都の取り組みが、もっと身近な区市町村に広がっていくことが重要であるにもかかわらず、本格事業になってから、平成二十三年度で四自治体、二十四年度で四自治体、二十五年度は一自治体という現状です。都の補助を利用しての区市町村の取り組みが余り広がっていない。どのように認識しているでしょうか。
○坂田青少年対策担当部長 若者がひきこもりの状態になる原因は多様でございまして、個々の事例に応じたきめ細かな支援が必要でございます。こうしたことから、各区市町村では、NPO法人等の活用や既存の制度を応用いたしまして、地域の実情に応じたさまざまな取り組みを行っているところでございます。
これらの一環といたしまして、区市町村は支援体制の整備に都の補助事業を活用しておりまして、区市町村が希望する場合、都は、その申し出に応じて経費の一部を支援しております。こうした補助制度の利用は、その性格上、年度により変化するものでございますが、今後とも補助制度の周知を図り、区市町村の利用を働きかけてまいります。
○かち委員 一定の議会でも紹介しましたが、我が党は、ことし二月、都内自治体を対象に、ひきこもり状態にある者への支援についての調査を行いました。その結果、回答のあった五十三自治体の中で、現在何らかのひきこもり支援を行っている自治体は三十七、約七割ですが、その事業内容では、相談会や家族向けの懇談会などのところが多く、当事者への支援、居場所づくりや社会体験事業などを行っているところは、全体の一割程度にすぎませんでした。
なぜか。それは都の補助金が、事業を始めようとしても、当初の整備費用の一部補助だけだからなのです。こうした事業の展開は、人手も時間も要します。多くの当事者に経済的負担を求めることは厳しい環境にあります。結局、継続することが困難になるということで、二の足を踏んでいるのが実態です。
ひきこもりの実態から抜け出すために、身近な区市町村単位で気軽に相談でき、いつでも受け入れてくれる居場所があって、社会体験を積み重ねていく環境が求められているのです。若者社会参加応援事業を拡大するために、NPO法人等や区市町村への補助を、当初だけでなく、運営費の一部も支援するように拡充を求めておきます。
ひきこもりの長期化、高齢化の対応についてです。
町田市が行ったひきこもりの実態調査では、四十歳以上も一定数いたことがわかりました。都が調査を行ったのは二〇〇七年であり、あれから六、七年が経過しています。そのとき三十歳前後であった若者は、既に三十代後半に差しかかっています。初期対応が支援機関にたどり着かず、長期化してしまっているケースも相当数に上ります。ひきこもりという事態は、苦しむ本人、家族ばかりでなく、社会の損失でもあります。一日も早くこうした事態を解消できるよう、総力を挙げることが求められています。
一旦ひきこもりになると、復帰するまで長い年月がかかります。とりわけ三十代半ばから四十代前半にかけての方々も、実際には支援を求めています。こういう方々も対象にすべきと思いますが、いかがでしょうか。
○坂田青少年対策担当部長 東京都若者社会参加応援事業は、ひきこもりの若者を支援する民間団体の実態調査をもとに、十五歳からおおむね三十四歳までの若者層を主な対象としております。こうした年齢設定の趣旨は、本来、ひきこもりの問題を抱える若者を早期に適切な支援につなげ、ひきこもりの状態が長期化することを未然に防ぐものでございます。
これに対しまして、ひきこもりが長期化して対象年齢を超える場合には、本事業にかかわる団体が実情に応じて柔軟に対応してまいりましたが、都が事業の対象とならない事例について相談を受けた場合には、個々の状況に応じまして、就労、福祉や保健、教育等の関連する専門機関を幅広く紹介しているところでございます。
○かち委員 東京都若者社会参加応援事業は、ひきこもりを早期発見、早期対処で、長期化を未然に防ぐための事業だという趣旨はわかりますが、現にひきこもり状態で長期化している高年齢層が存在しているわけですから、その対策についても具体化が必要です。
この問題解決のためには、就労、保健、医療、福祉、教育など他機関との連携強化が求められます。青少年・治安対策本部がその中核となってリーダーシップをとり、ひきこもり解決のために一層力を尽くしていただくことを求めて、私の質問を終わります。
○新井委員 私からは、平成二十五年度会計に関しまして、東京都のネット、携帯安全講座について、青少年に対応したネットトラブルの相談窓口であります、こたエールについて質問させていただきたいと思っています。
子供たちが携帯電話やインターネットの端末を使って、出会い系のサイトであったりとか、ギャンブル系のサイトに当たって、いわゆる有害なサイトにアクセスして犯罪に巻き込まれることが多くありました。また、コミュニティサイトやゲームサイトによって、子供たち同士でいろいろなトラブルがあるという報告も上がっております。昨今では、通話中心だった携帯、いわゆるガラケーから、いろいろな、多機能の利用ができますスマートフォンの利用が進み、トラブルも多様化しているといわれております。
青少年・治安対策本部では、この携帯やスマートフォン、パソコンの利用におけますトラブル及び犯罪につながるその事業について、私、このリーフレットを持っているんですけれども、ファミリeルール講座といいまして、参加者同士が話し合いで親子のコミュニケーションとルールづくりをしていくと。グループワーク形式で行う講座だったりとか、また出前講演会といいまして、専門の講師を呼んで講義形式でやる、こういったことをやっております。
早くからこの取り組みをやっておりまして、ノウハウだったりとか、いろいろなものを蓄積して、やり始めたときには、こんなに大きく問題になったと思わないんですけれども、いろいろな社会の変化によって、最近ではこういったネットに関する安全講座というものは重要性があり、かつ大変注目されているものだと思っています。
そこで質問ですが、ファミリeルール講座と出前講座の平成二十五年度を含めました近年三年間の実績を問います。
○坂田青少年対策担当部長 ファミリeルール講座につきましては、平成二十三年度が十一回、平成二十四年度が三十一回、平成二十五年度が四十三回でございまして、三年間の延べ受講者数は三千二百六十八人となっております。出前講演会につきましては、平成二十三年度が三百回、平成二十四年度が三百五回、平成二十五年度が四百十四回となっておりまして、三年間の延べ受講者数は十六万八十七名となっております。
○新井委員 ファミリeルール講座が三年間で約四倍にふえているんですね。講演会につきましても、この三年間で百回以上ふえていて、十六万人の方が受けているということです。かなりこのニーズもあるのかなと思っています。
また、このファミリeルールの講座なんかは、これはグループワークの形式でやっているわけですから、恐らく参加した方々の反応を見ながら、いろいろと細かいところで改善を重ねていると思います。
そこで質問ですが、効果的な講座、講演を行うためにどのような工夫をしているのか、お伺いします。
○坂田青少年対策担当部長 インターネットの世界は目まぐるしく変化しておりまして、それに伴って、青少年のインターネットに関するトラブルも日々変化しております。当本部の事業として行っている青少年等を対象としたネットトラブルの相談窓口、東京こどもネット・ケータイヘルプデスク、愛称こたエールでございますが、こちらに寄せられた相談をもとに講座等で使用するネットトラブルの事例を見直し、そのようなトラブルへの対処方法を講座の中に盛り込むなど、常に有意義な講座、講演ができるよう工夫を重ねているところでございます。
○新井委員 講座等で使用するネットトラブルの事例を見直ししながらやっていると聞きました。このファミリeルール講座では、パワーポイントを使いながら皆さんでやっているわけですけれども、そういったパワーポイントの中身を変えながら、その都度いろいろとやっているということです。ことしは、危険ドラッグについてのリクエストがあったと聞いております。実社会に合った講座を開いていくことは大変重要かなと思っています。
そこで、ネットトラブル相談窓口、こたエールの相談受理状況につきまして、平成二十五年度を含めた近年三カ年の実績をお伺いします。
○坂田青少年対策担当部長 東京こどもネット・ケータイヘルプデスク、愛称こたエールの相談件数でございますけれども、平成二十三年度は千四百六十二件、平成二十四年度は千八百三十八件、平成二十五年度は二千二百三十一件となっております。
○新井委員 平成二十五年度では、相談対応日数が約二百九十三日あったと聞いております。一日当たり、これは三人から四人で対応していますから、六件から七件ほど対応をしているということです。また、この広報の効果があったかと思いますけれども、それで三年間で、千四百六十二件が一・五倍の二千二百三十一件までふえているといえます。件数と業務量が必ずしも結びついているわけではございませんが、年々相談件数が増加している中で、こたエール担当者の負担も増加していると思います。今後も適切な対応が可能なのかお伺いします。
○坂田青少年対策担当部長 ネットに関する相談につきましては、マニュアルに従って数分で処理できる案件もあれば、数十分にわたって内容を詳細に聴取し、場合によっては担当者全員で処理方法を協議して回答する必要があるものもございまして、一概に件数と業務量が結びついているとはいえません。
現在では、担当者で個々の相談を丁寧に受け、相手が回答を理解し、あるいは納得できるような説明ができている状態でございます。今後とも適切な相談への対応ができるよう努めてまいります。
○新井委員 平成二十五年度では、相談件数ゼロ件というものはなかったと聞いています。必ずこたエールに対していろいろな相談があったと。最高では、一日当たり二十件対応したこともあったと聞きます。そういったネットトラブルの対策に関して、かなりノウハウも蓄積されて、スキルアップもされてきているかと思います。また、時代によっていろいろと状況も変わってくるかと思うんですが、増加傾向にある相談と減少傾向にある相談についてお伺いします。
○坂田青少年対策担当部長 相談内容の中で最も多いのは架空請求でございまして、毎年、全相談件数の約四割を占めております。平成二十四年度から二十五年度にかけて増加傾向にある相談は、ネットを利用して自分の裸の写真を送ってしまったというような異性交際に関するものでございます。減少傾向にある相談は、迷惑メールや有害サイトに関する対処方法や情報提供に関するものでございます。
○新井委員 携帯からスマートフォンに移行する中で、新たなトラブル事例とその対処方法についてお伺いします。
○坂田青少年対策担当部長 スマートフォンの普及によりましてメール機能が飛躍的に進歩し、LINE、ツイッター、フェイスブックといったソーシャルネットワーキングサービス、SNSといいますけれども、こちらを利用して写真や画像を簡単に送ることができるようになりました。それに伴いまして、青少年がソーシャルネットワーキングサービスを利用して、安易に自分の裸の写真などを送ってしまい、後になって保護者や本人から、送った写真を回収または削除できないかといった相談が多く寄せられるようになってきております。
このような相談に対し、こたエールでは、一度送信した写真を取り戻したり、ネットから完全に削除することはほぼ不可能である、こういうことを前提にしっかりと認識してもらい、その上でネット上にそれらの写真が実際に掲載された場合は、個別に削除する方法があること、相手からさらに写真を要求された場合は絶対に応じないで、最寄りの警察署に相談に行くことなどをアドバイスしているところでございます。
○新井委員 こたエールのネット相談について、相談内容、回答、考察とか記載されたホームページの方をチェックさせていただきました。相当な事例が載っているんですよね。これを一つ一つ読ませていただきましたけれども、最近の傾向として、写真を送ってしまうトラブルというのが大変多いんですね。
また、同性と偽って近づく、例えば女性に対して、同じ女性ですよというふうな感じで、相手が安心するような感じで、同じ女性だから仲よくしましょうと。いろいろな情報をその間に相手から引き出したり、また相手から写真が送られてくる。でも、その写真というのは、本当に相手の写真かというのは、証拠は全くないです。ただ、相手から写真が送られることによって、相手が送っているんだから自分も送らなくちゃなと思って、自分で自宅で写真を撮って送ってしまう。
これは、今スマートフォンで撮影しますと、位置情報も付与されて送られることになってしまいます。ですから、自分で自宅で写真を撮って送ったことによって、自宅が特定されたりだとか、それでその写真が送られたことによって、次から次へといろんな情報を要求してきてしまうという、そういったトラブルが多発していると聞いております。
また、先ほど相手からさらに写真を要求された場合には絶対応じないで、最寄りの警察に相談に行くことということがございました。警察に相談しに行くというのは、これはもう早目に行くことが必要だと思っています。
しかし、相談者というのは、自分も犯罪を犯しているんじゃないか、また、警察に行くことによって、さらにエスカレートしておどされるんじゃないかと。電話だったら相談はできるけれども、まして警察に行って、警察官と話をするというのは、かなりハードルが高いものだと思っています。
そこで、青少年が警察署に相談に行くには不安も多く、精神的な負担も多いと思いますが、どのようにアドバイスしているのかお伺いします。
○坂田青少年対策担当部長 青少年が裸の写真を送る事案においては、相手から強制的に送るよう要求されたり相手に脅迫されるなど、犯罪行為に及んでいるケースもあることから、こたエール担当者が相談者に対し、これは犯罪の可能性があり、場合によっては警察に届け出なければならないと、こういうことをしっかりと認識させる必要がございます。
その上で、本人が希望すれば、青少年・治安対策本部担当者があらかじめ地元の警察署に事案概要について情報提供を行い、相談者が来署した場合に円滑かつ迅速な対応ができるよう、適切にサポートするための連携体制も構築されておるところでございます。
○新井委員 地元の警察の方とぜひこの連携体制ができるよう、そういった取り組みをぜひお願いしたいと思っています。
インターネットというのは、現在では、仕事をする意味でも勉強する意味でもプライベートでも、私たちの生活には欠かせないものとなっています。しかし、今まで質疑があったように、いろいろな落とし穴があるわけでございます。
そこで、有効だといわれるのが、インターネットの有害サイトから子供たちを守るフィルタリングですね、有害サイトのアクセス制御をする、こういったサービスが大変有効だといわれています。
しかし、フィルタリングを導入することによって、子供たちが、例えばLINEとかフェイスブックができなくなってしまうので、お父さんとかお母さんに、フィルタリングを解除してくれというふうに相談することが多いそうです。親としては、LINEとかフェイスブックに子供たちが入れないということは、仲間外れにされちゃうんじゃないかなと思って、そういったフィルタリングを外してしまうことが多いと聞きます。
そこで、青少年を有害情報から守る有効な対策であるフィルタリングについては、ソーシャルネットワーキングサービスが利用できなくなるとの理由で、保護者が安易に解除してしまうと聞いておりますが、フィルタリング促進のために都が行っている施策についてお伺いします。
○坂田青少年対策担当部長 フィルタリング普及率が伸びない要因の一つは、フィルタリングを利用するとソーシャルネットワーキングサービスが使用できなくなると保護者が誤解し、安易に解除手続をしてしまうことでございます。都では本年三月に、フィルタリングを利用してもソーシャルネットワーキングサービスを利用できることを保護者に認識してもらうためのリーフレットを作成いたしまして、携帯電話事業者に対し、青少年の新規契約者全員に配布してもらうよう依頼したところでございます。
その他、ファミリeルール講座、出前講演会におきましても、フィルタリングの重要性やソーシャルネットワーキングサービスが使用できるフィルタリングについて、こちらの説明を取り入れております。今後ともフィルタリング普及率向上のため、保護者や学校関係者を中心とした普及啓発活動を実施してまいります。
○新井委員 フィルタリングを入れたとしても、LINEとかフェイスブックというのはできるということです。
今回、このフィルタリングについていろいろと勉強させていただきました。毎年いろいろと機能はかなり上がってきていて、時間も制約して、例えば十九時から二十一時の間しかインターネットができませんよとか、あとはネットに接続できる時間帯が一時間だけですよとか、そういう時間を絞ったり、また、ウエブだけじゃなくてアプリの制限もできると。子供たちに使わせたくないような、例えばゲームのアプリケーションだったりとか、特定のアプリケーションがインストールできなくなるような、そういった機能を持つフィルタリングソフトもあると聞いています。フィルタリングは大変有効でありますから、東京都のネット、携帯講座、また事業者に対しても、東京都からいろいろと働きかけをしていただきたいと思います。
また、三千八百人の利用状況というデータを都の担当の方からいただいたんですけれども、中学生が半分以上使っていると。また、高校生は八割、携帯かスマートフォンを使っている。それで、使っている人の六五%がスマートフォンを使っているというデータがございました。これはタブレットの普及や、また、スマートフォンもどんどん新しくなってきて、機種変更する方も多くなってきました。こうやって使わなくなったスマートフォンは、無線機能を使えば、普通につなげて使えるんですね。そういったことを考えると、このデータ以上に、中学生や高校生がスマートフォン、タブレットを使っていろんなことをやっているのかなと思っています。
ネットの使い方や、端末の機器とか、数年で大きく変わる可能性もあるわけです。時代に合った東京都のネット、携帯安全に対する取り組みを推進していただくことをお願いしまして、私の質問を終わりにします。
○小林委員 私からは、子供の安全対策についてお伺いいたします。
私の地元練馬区では、昨年六月に、区立大泉第一小学校正門前において三人の児童が切りつけられるという事件が発生し、大変大きく報道されました。また、先月には区のホームページに、光和小学校の運動会を開催した場合、学校に爆弾を仕掛け、児童を誘拐する、また、石神井中学校の体育祭に爆弾を仕掛けるという匿名の書き込みがなされました。石神井中学校は、五月に既に体育祭を終えておりましたが、光和小学校では緊急の保護者会を開催し、運動会を延期する事態となりました。
練馬区としても、民間警備員の配置や安全・安心パトロールカーの巡回を行い、スクールカウンセラーなどを活用し、児童生徒の心のケアを図るといった対応をしておりますが、私のところにも、子供の安全に対する不安の声とともに、安全対策に対するご相談やご意見を数多くいただいております。
全国的にも、ことしは児童の連れ去り事件が多く報道されまして、一月には神奈川県相模原市、北海道札幌市で、七月には岡山県倉敷市で、それぞれ女児が連れ去られ、先月発生した兵庫県神戸市での女児連れ去り事件では、大変に痛ましい結果となってしまいました。
警察庁の調べによりますと、過去十年における十三歳未満が被害に遭った略取誘拐事件は、二〇〇四年の百四十一件以降、二〇〇八年に六十三件まで減少しましたが、ここ数年、またふえ始め、九十件前後で推移しているとのことです。
地域においては、ボランティアによる子供の見守り活動や青色防犯パトロールなどの取り組みが行われておりますが、子供を狙った許しがたい犯罪を断固防ぎ、未来の宝を守っていくためにも、都は、区市町村や警視庁とともに緊密に連携をとり、安心を前進させていく責務があると考えます。
初めに、都として、都内の子供の犯罪被害状況についてどのように捉えているか、基本認識をお伺いします。
○村山治安対策担当部長 刑法犯認知件数は、平成十五年から十一年連続で減少しておりますが、こうした中にあっても、ことし七月には、瑞穂町の公園であめ玉をもらって食べた女児が倒れる事件が発生するなど、都内の子供を狙った犯罪は後を絶たない状況にあり、子供の安全対策が喫緊の課題となっております。
都はこれまで、地域の子供の見守りや子供自身の犯罪被害防止能力を向上させる取り組みを推進してまいりましたが、今後も区市町村や警視庁との連携を一層強化しながら、子供を狙う犯罪をなくすことを目指して対策を進めてまいります。
○小林委員 都では、地域の子供見守り活動を促進するために、町会や自治会、自主防犯ボランティアなど、地域における活動を先導していくリーダーの育成を平成二十二年度から事業展開していることと思います。事業開始から昨年度まで、地域の子供見守り活動を推進するボランティアリーダーの育成実績と、育成の結果による活動の広がりについてお伺いいたします。
○村山治安対策担当部長 都内では、登下校時の定期的なパトロールや声かけ運動など、ボランティア等による子供見守り活動が各地域で展開されておりますが、さらに活動を継続、発展させるためには、中心となって活動していく人材の育成が重要でございます。
このため、都は平成二十二年度から二十四年度までの三年間、子供見守りのボランティアリーダー講座を開催し、二百五十八人のリーダーを育成いたしました。さらに、平成二十五年度からは、学校、警察等と連携した事業が展開できる高度な能力を有するリーダーを育成するための講座を開設し、これまで十七人が修了しております。
平成二十五年度に実施した調査によると、講座の修了者が新たに高齢者による児童生徒の登校見守り隊を結成するなど、各地域で多様な防犯活動を展開しており、見守り活動の広がりにつなげているところでございます。
○小林委員 ただいまご答弁いただきましたとおり、育成されたボランティアリーダーが地域の核となって活動が推進されるわけですが、一方で、防犯ボランティア団体の担い手がご年配の方が中心で、高齢化という課題も散見されております。大学生や高校生を中心とした若い世代による防犯ボランティア活動も、地域において取り組まれております。
地元練馬区においても、私立の東京女子学院中学校・高等学校において、昨年、高校生防犯ボランティア団体の東京女子学院防犯ボランティアが発足いたしました。老若男女を問わず、地域が一体となった取り組みが重要でありますので、引き続き活動の活性化のための講座を充実させたボランティアリーダーの育成をお願いしたいと思います。
都では、本年度より通学路における防犯カメラの整備に対する区市町村補助事業を開始しましたが、このような防犯設備の充実を推進していくことは、地域の安全・安心のための大きな一助となりますが、一方で、子供がみずから危険を回避する能力を高めていく教育も大切であると思います。
警察庁が、昨年発生した児童が連れ去られたり誘拐されたりした事件九十四件を分析したところ、そのうち二十九件が十四時から十八時という下校時間帯に発生。発生場所で最も多かったのは道路上、次いで共同住宅。また、摘発した七十五件のうち三十一件は、容疑者と被害児童は面識がなかったそうであります。
このような分析結果も反映させながら、地域の大人が団結して子供を守る環境を整えていくことは当然として、どのような場所や状況に危険が伴うのかを子供自身が学び、注意していくことにも取り組んでいく必要があります。
都においては、地域安全マップづくり事業に取り組んでおりますが、その意義と事業の推進に当たって重視している点について確認いたします。
○村山治安対策担当部長 都が学校等において普及に努めている地域安全マップづくりは、子供が実際に地域を歩き、誰でも入りやすく、誰からも見えにくいをキーワードに、犯罪が起こりやすい危険な場所を確認して地図にあらわすものでございます。
地域安全マップを作成する過程で、子供が犯罪が起こりやすい危険な場所の特徴を改めて考えることにより、景色を見て、みずから安全、危険を見分けることができる能力を養うことが重要と考えております。こうしたマップづくりを通じて、子供自身の犯罪被害防止能力を高めることは大変重要でございます。
○小林委員 さらに、この地域安全マップづくりを推進するに当たって、作成を指導する指導者の育成をどのように行っているのか、その内容と実績についてお伺いいたします。
○村山治安対策担当部長 都は、正しい地域安全マップづくりの知識や方法を周知するため、平成十七年度以降、指導者を育成するための講習会を開催するとともに、地域安全マップ作成指導用のマニュアルを作成し、都内全ての小学校へ配布しております。平成二十五年度は、講習会等を十回開催し、四百三十三人の教員等が参加しており、平成十七年度以降の累計として八十一回の開催、六千百七十四人の参加となっております。
こうした指導者育成の取り組みにより、平成二十五年度は都内公立小学校の五五・五%で地域安全マップづくりが自主的に行われました。マップづくりを行った学校からは、子供が、放課後や休日も入りやすく見えにくい場所は危険な場所と常に意識しながら歩くようになったとの報告をいただいているところでございます。
○小林委員 事前に危険を回避するために地域のことを学ぶ地域安全マップづくり、この体験学習、大変に大事であるというふうに思いますし、今後もぜひ推進を強化していただきたいと思いますが、万が一、危険に遭遇した際、助けを求めた子供を保護し、警察への通報などを行う子供一一〇番の家の取り組みも進められております。
練馬区では、ひまわり一一〇番という名称で、協力する事業者や家はステッカーを掲示しておりますが、我が家もこのステッカーを自宅に取りつけております。いざというときに真っ先に子供が安心して助けを求められるよう、子供一一〇番の家が有効に機能していくようにしていかねばなりません。
先月、練馬区立豊玉東小学校で、子供一一〇番の家への駆け込み訓練を実施したと聞いておりますが、この駆け込み訓練の内容についてお伺いいたします。
○村山治安対策担当部長 子供一一〇番の家は、子供が危険に遭遇したり困り事があるとき、安心して立ち寄れる場所であり、町会や自治会、PTA等が中心となって自主的に表示させているものでございます。こうした子供一一〇番の家が子供の犯罪被害の防止に効果的に機能するためには、通学路等で危険に遭遇したときに逃げることができる能力を身につけるとともに、逃げてきた子供を実際に子供一一〇番の家で適切に受け入れられることが重要であります。
このため本訓練は、子供がいざというとき、子供一一〇番の家など、知らない人の家に駆け込むことができ、また、駆け込み先の協力者も落ちついて保護、通報が行えるよう、不審者役による声かけに始まり、駆け込み、保護、通報という一連の流れをロールプレーイングで行うものでございます。都は今後、他の区市町村にも訓練の実施を働きかけ、取り組みを広げてまいります。
○小林委員 今回の訓練、私の地元の練馬区で行われたわけでございますけれども、事前にこの駆け込み訓練の実施をすることを私、存じ上げなかったものですから、見学に行けず、大変に残念でありましたけれども、今後も同様の訓練を実施していくとも聞いておりますので、ぜひ一度現場を見学させていただき、さらに勉強させていただきたいというふうに思っております。
地域で子供一一〇番の家がふえても、子供自身が子供一一〇番の家がどこにあるのか、どのように助けを求めればいいのかを知っていくことは極めて大事なことですし、受け入れる側の大人にとっても、知っておかなければならないことがたくさんあるかと思います。
子供一一〇番の家がなくてもいい地域社会を築いていくことが重要でございますけれども、いざというときのために、子供を守るとりでとなれるよう、駆け込み訓練も積極的に広げ、全児童が安心できる環境づくりをさらに進めていただきますようお願いいたしまして、私の質問を終わります。
○三宅委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三宅委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で青少年・治安対策本部関係を終わります。
これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
午後三時五十六分散会
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