平成二十五年度各会計決算特別委員会第三分科会速記録第五号

平成二十六年十月二十日(月曜日)
第九委員会室
午後一時開議
出席委員 十名
委員長吉田 信夫君
副委員長吉倉 正美君
副委員長崎山 知尚君
加藤 雅之君
小松 久子君
中山ひろゆき君
尾崎あや子君
木村 基成君
高椙 健一君
菅野 弘一君

欠席委員 なし

出席説明員
労働委員会事務局局長遠藤 雅彦君
建設局東京都技監建設局長兼務横溝 良一君
次長鈴木 尚志君
道路監邊見 隆士君
総務部長佐藤  敦君
用地部長今村 篤夫君
道路管理部長星野 宏充君
道路建設部長相場 淳司君
三環状道路整備推進部長川嶋 直樹君
公園緑地部長五十嵐政郎君
河川部長中島 高志君
企画担当部長奥山 宏二君
総合調整担当部長梅田 弘美君
道路保全担当部長川合 康文君
道路計画担当部長横井 純夫君
公園管理担当部長桜井 政人君

本日の会議に付した事件
平成二十五年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
労働委員会事務局関係
・平成二十五年度東京都一般会計決算(質疑)
建設局関係
・平成二十五年度東京都一般会計決算(質疑)

○吉田委員長 ただいまから平成二十五年度各会計決算特別委員会第三分科会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、労働委員会事務局及び建設局関係の決算に対する質疑を行います。
 これより労働委員会事務局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成二十五年度東京都一般会計決算中、労働委員会事務局所管分を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○遠藤労働委員会事務局長 去る十月六日に当分科会でご要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の平成二十五年度各会計決算特別委員会第三分科会要求資料をごらんいただきたいと思います。
 表紙をおめくりください。目次にありますとおり、要求のございました資料は二項目でございます。
 一ページをお開き願います。この表は、平成十六年度から平成二十五年度までの管理職を除く職員の定数の推移をお示ししたものでございます。
 次に、二ページをお開き願います。この表は、平成十六年度から平成二十五年度までの管理職を除く職員の平均局在職年数の推移をお示ししたものでございます。
 以上、資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○吉田委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○吉田委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○吉田委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で労働委員会事務局関係を終わります。

○吉田委員長 これより建設局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成二十五年度東京都一般会計決算中、建設局所管分を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○佐藤総務部長 去る十月六日の当分科会におきまして要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の平成二十五年度各会計決算特別委員会第三分科会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
 表紙をおめくりいただきますと、目次に六件の資料の件名が記載してございます。この順番に従いましてご説明申し上げます。
 一ページをお開き願います。骨格幹線道路(主要路線)の予算・決算額の推移でございます。
 この表は、骨格幹線道路の整備につきまして、平成二十一年度から平成二十五年度までの予算額と決算額の推移をあらわしたものでございます。
 二ページをお開き願います。道路補修費の予算・決算額の推移でございます。
 この表は、道路補修費につきまして、平成十六年度から平成二十五年度までの予算額と決算額及び決算額を区部と多摩部別にあらわしたものでございます。
 三ページをお開き願います。中小河川の整備状況の推移でございます。
 この表は、中小河川の整備状況につきまして、平成十六年度から平成二十五年度までの各年度の整備延長、事業費、治水安全度達成率並びに主な事業をあらわしたものでございます。
 四ページをお開き願います。直轄事業負担金の決算額の推移でございます。
 この表は、直轄事業負担金につきまして、平成十六年度から平成二十五年度までの道路、河川及び公園の決算額を財源別にあらわしたものでございます。
 五ページをお開き願います。建設局に係る中小企業への工事発注実績の推移でございます。
 この表は、建設局が発注した工事につきまして、平成十六年度から平成二十五年度までの件数と金額をあらわしたものでございます。
 六ページをお開き願います。都立公園の整備費の予算・決算額の推移でございます。
 この表は、都立公園の整備につきまして、平成十六年度から平成二十五年度までの予算額と決算額及び決算額を区部と多摩部別にあらわしたものでございます。
 以上で要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○吉田委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○木村委員 始めさせていただきます。
 我が党は、世界で一番の都市東京を実現することを目指しています。都民の皆様にお約束した、人と物の流れがスムーズに行き交う首都をつくるという政策に関連し、都市計画道路の整備についてお伺いします。
 都市計画道路の整備は、人と物の流れをスムーズにし、国際競争力を高める上で必要不可欠であります。加えて、災害時は交通や物流を確保し、市街地の延焼を遮断するなど、強靱で安全・安心な都市づくりに寄与することが期待されています。
 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックに向けて、これまで以上に道路整備の着実な取り組みが必要であることは、さきの代表質問において述べたとおりであります。
 そこで、建設局が進めている都市計画道路の整備について、平成二十五年度の状況をお伺いします。

○相場道路建設部長 東京の都市計画道路は、ネットワークを形成し、交通渋滞という首都東京の最大の弱点を克服し、経済を活性化させるとともに、防災性を向上させる等、東京の発展に不可欠な都市基盤であります。平成二十五年度におきましては百九十九カ所、約百六十キロメートルで事業を進め、このうち六カ所、約六キロメートルが開通いたしました。
 例えば、区部では、臨海部と都心部を結ぶ環状第二号線のうち、新橋-虎ノ門間約一・四キロメートルが開通いたしました。多摩におきましては、南北主要五路線の一つである調布保谷線が、西東京市保谷庁舎付近から青梅街道までの約二キロメートルの区間で開通し、また、あきる野市内の五日市街道と睦橋通りを結ぶ秋多三・四・一六号線が、JR五日市線と立体交差する約○・四キロメートルの区間で開通いたしました。

○木村委員 今いただいた答弁のとおり、都市計画道路の整備が着実に進められていることは理解いたしました。都市計画道路が未整備の地区でも、整備による事業効果を一日でも早く享受できるよう、スピード感のある展開をお願いいたします。
 そこでお伺いしますが、平成二十五年度に開通した主な路線の事業効果を教えてください。

○相場道路建設部長 開通した路線のうち、環状第二号線新橋-虎ノ門間につきましては、溜池交差点から第一京浜に至る所要時間が八分から四分へと半分に短縮され、周辺の外堀通りや桜田通りの交通量も減少し、都心部の交通の円滑化が図られました。
 調布保谷線につきましては、西東京市保谷庁舎付近から青梅街道までの所要時間が十分から四分へと六割短縮されました。また、東伏見公園や石神井川の事業と連携し、連続した歩行空間を設け、水と緑のネットワークを創出いたしました。
 秋多三・四・一六号線につきましては、並行する市道の交通量が半減するなど、交通の分散化が図られたほか、鉄道で分断されていた地域から災害時指定避難場所への経路が新たに確保され、地域の防災性が向上いたしました。
 これらの整備に当たりましては、景観に配慮した無電柱化や誰もが安全で快適に移動できるバリアフリー化をあわせて進めております。
 今後とも、都民の理解と協力を得ながら、都市計画道路の整備を積極的に進めてまいります。

○木村委員 都市計画道路が整備されるとさまざまな効果が得られると、改めてわかりました。
 一方、都内にはまだ千を超える踏切が残されていて、これらの踏切は渋滞やまちの分断につながることから、都市の活力や地域力の低下を招いてしまいます。さらに、緊急、救急活動の支障ともなっているのが現状です。また、JR中央線三鷹駅から立川駅間の沿線まちづくりで見られるように、まちの大きな発展のためにも、踏切問題の解決が不可欠となっています。
 これらの問題を抜本的に解消するために、やはり道路と鉄道の連続立体交差事業を一層推進する必要があると思います。
 そこで、平成二十五年度の連続立体交差事業の成果についてお伺いします。

○相場道路建設部長 連続立体交差事業は、道路ネットワークの形成を促進し、交通渋滞や地域分断を解消するとともに、地域の活性化にも資するなど、極めて効果の高い事業でございます。平成二十五年度は八路線十一カ所で連続立体交差事業を進め、このうちJR南武線では、第二期区間である矢野口駅付近から府中本町駅間を高架化し、七カ所の踏切除却により、交通渋滞の解消とともに、地域の安全性が向上いたしました。
 このほか、京成押上線押上駅から八広駅間で上り線を、西武池袋線石神井公園駅付近から大泉学園駅間で下り線を高架化し、いずれも踏切遮断時間が約四割減少いたしました。
 一方、新たに西武新宿線東村山駅付近など三カ所で事業に着手いたしました。
 今後とも、地元市区及び鉄道事業者と連携し、連続立体交差事業をより一層推進してまいります。

○木村委員 人と物の流れがスムーズに行き交う首都圏を実現するには、都市計画道路の整備や連続立体交差事業の推進が必要不可欠です。引き続き道路整備に全力で取り組まれることを強く要望して、次の質問に移ります。
 次に、無電柱化事業について伺います。
 無電中化事業は、災害時の電柱の倒壊による道路閉塞を防ぎ、歩行空間を確保するなど、安心・安全な東京を実現していく上で重要な役割を担っています。
 我が党では、ことしの第三回定例会での代表質問を初め、再三申し上げているとおり、東京を世界で一番の都市としていくためには、オリンピック・パラリンピック開催を契機に、無電柱化を徹底的に推進し、東京から電柱をなくさなければなりません。安心・安全に加えて、広い空と美しいまち並みを実感できるようにする必要があると考えています。
 そこでまず、平成二十五年度までの都道における整備状況について教えてください。

○川合道路保全担当部長 無電柱化事業は、都市防災機能の強化や良好な都市景観の創出、快適な歩行空間の確保を図る上で重要でございます。
 平成二十五年度末の計画幅員で完成した都道における地中化率は約三五%でございます。このうち、オリンピック・パラリンピック開催までに無電柱化の完了を目指しているセンター・コア・エリア内は、約八五%となっております。

○木村委員 都のこれまでの整備状況については理解できました。センター・コア・エリア内については整備が進んでおりますが、諸外国の主要都市と比べて、東京の無電柱化はまだ道半ばであるといえます。安全・安心なまちづくり、そして美しいまち並みのためには、都内全域、全ての都道、そして路地裏に至るまで無電柱化を展開するべきだと思います。
 特に、多摩地域においては積極的に整備を推進していく必要があると考えます。私の地元である小金井市内では、現在、東八道路において整備が進められています。これはとてもうれしいことです。
 そこで、平成二十五年度の整備状況についてお伺いします。

○川合道路保全担当部長 都は、周辺区部や小金井市などの多摩地域において、緊急輸送道路や主要駅周辺などで無電柱化事業に取り組んでおります。現在、東八道路では、小金井市、府中市、三鷹市及び調布市の四市において、施設延長で約十一キロメートルの整備を進めております。
 このうち、小金井市内では、前原交番前交差点から府中運転免許試験場までの約二・六キロメートルで事業を行っており、平成二十五年度には六百六十メーターの本体工事を実施し、これまでに約一・九キロメーターの電線共同溝の本体が完成したところでございます。
 引き続き、高度防災都市の実現と風格ある都市景観の形成に向け、都内全域で無電柱化を積極的に推進してまいります。

○木村委員 無電柱化はさまざまな効果があります。安全・安心な歩行者空間の確保、歩行者に安全な空間とは、自動車にとってもよいことです。加えて、災害に強い安全な東京をつくるためにも重要な事業です。
 私の地元、小金井市の東西道路である都道連雀通りから電柱がなくなったら、私はもちろん、地元の住民や日ごろ連雀通りを使う人はどれほど喜ぶだろうかと、思わず想像してしまいました。多摩地域を含む都内全域における無電柱化事業の推進を強く強く要望して、次の質問に移ります。
 続いて、中小河川の整備について伺います。
 近年、いわゆるゲリラ豪雨といわれる大雨が増加傾向にあります。この夏九月は、区部東部において時間約百ミリの猛烈な雨が降り、記録的短時間大雨情報が発表されました。また、東京には幸い大きな浸水被害はありませんでしたが、台風十八号、十九号と、二週続けて勢力の強い台風が関東地方を直撃しています。
 首都東京を水害から守るためには、早期に中小河川の整備を進める必要があります。中小河川の整備について、都では過去に浸水被害が発生した河川を優先して整備を進めているようですが、決算説明資料によると、平成二十五年度の中小河川の整備は総額で約二百五十六億円が支出されています。
 そこで、中小河川の平成二十五年度の主な整備箇所と二十五年度末までの整備状況について伺います。

○中島河川部長 都はこれまで、一時間に五十ミリの降雨に対応できるよう、護岸や調節池、分水路の整備を着実に進めてまいりました。平成二十五年度には二十七河川で事業を行い、このうち護岸の整備につきましては、石神井川や神田川などで約一・二キロメートルを整備いたしました。また、調節池は六カ所、分水路は一カ所で事業を実施し、このうち入間川では分水路本体が完成し、二十五年度では七月、八月、二度の集中豪雨の際に取水し、効果を発揮しております。
 こうした整備の結果、二十五年度末の時間五十ミリの降雨に対する治水安全度達成率は、都全体で七七%となっております。

○木村委員 集中豪雨が増加する中、水害に対する安全性を早期に高めるため、護岸の整備に加えて、調整池や分水路を整備することが重要であると考えます。整備した分水路が直ちに効果を発揮していることがわかりました。同時に、調整池についても効果の早期発現が望まれます。
 そこで、現在実施中の調整池の整備状況について教えてください。

○中島河川部長 調節池を整備することにより、下流の治水安全度が向上するとともに、上流に向けた護岸整備の促進が可能となります。
 調節池の整備に当たりましては、道路や河川、公園など公共空間を活用することとしております。現在、目白通りや古川の地下にトンネル式の白子川地下調節池や古川地下調節池を整備しており、両施設とも二十五年度に池本体となるシールド工事が完了いたしました。この二施設を含め、公園の敷地を活用した善福寺川調節池など、現在合わせて六調節池を整備中であり、白子川地下調節池は二十六年度末の暫定取水、古川地下調節池及び善福寺川調節池は二十七年度末取水に向けて、設備工事などを実施しております。

○木村委員 それぞれの施設整備が進んで、その効果が早期に発揮されることを期待しています。
 一方、近年増加しているこれまでの整備水準を超える豪雨の対策として、都は平成二十四年に中小河川の新たな整備方針を策定し、目標整備水準を引き上げ、本年六月には東京都豪雨対策基本方針を改定しました。
 そこで、新たな目標整備水準の達成に向けた取り組み状況についてお伺いします。

○中島河川部長 平成二十四年に策定した整備方針では、時間五十ミリの降雨までは護岸整備で、それを超える降雨には新たな調節池で対処することを基本としております。
 これに基づき、二十五年度は、神田川など五流域におきまして調節池の配置や形式などの検討を行いました。これまでに五つの調節池につきまして、設置箇所を決定し、現在、主要構造の検討や現地での測量などを進めております。
 例えば、神田川、石神井川、白子川の三流域では、環七通りと目白通りの地下を利用し、環七地下調節池と白子川地下調節池をトンネルで連結して、流域間で容量の相互融通が可能な広域調節池としてまいります。これにより、局地的かつ短時間の時間百ミリの豪雨にも効果が発揮されます。また、野川流域では、三鷹市の大沢野川グラウンドと一体として整備した掘り込み式の大沢調節池をさらに掘り下げ、容量を拡大させてまいります。
 今後とも、新たな目標整備水準の達成に向け、全力で取り組んでまいります。

○木村委員 新たな調節池の整備に向けて着実に進めていることがわかりました。今後とも、都民の生命と財産を守る中小河川の整備に取り組んでいただくことを要望いたします。
 続いて、恩賜上野動物園の文化財について伺います。
 ご存じのとおり、恩賜上野動物園は、明治十五年に日本で初めての動物園として誕生し、年間三百八十万人もの入場者数を誇る日本一の動物園です。多くの都民から、ニシローランドゴリラを初め、多様な動物たちが注目されています。
 過日、動物園を訪れた私の家族に聞いたところ、正門を入って左手にある日本の動物のエリアの一角で五重塔の工事が行われているということでした。聞けば、恩賜上野動物園の歴史を伝える貴重な文化財、旧寛永寺五重塔の改修工事であるとの説明でした。
 この際、この五重塔の由来や特徴について教えてください。

○桜井公園管理担当部長 恩賜上野動物園内の五重塔は、寛永十六年に建立され、約三百七十五年が経過しており、都内で重要文化財に指定されている二基の五重塔のうちの一つでございます。特徴は、三間五重塔婆と呼ばれる形式であり、五層目の屋根が銅瓦ぶき、ほかの屋根は瓦ぶきとなっておりまして、日光東照宮を手がけた甲良豊後守宗廣の作でございます。明治四十四年に、現在の重要文化財に当たる特別保護建築物に指定され、昭和三十三年に寛永寺から東京都に寄附されまして、現在に至っております。

○木村委員 大変貴重な文化財だと思います。このような由緒ある旧寛永寺五重塔の改修については、文化財ならではの苦労があったとお察ししますが、これまでの取り組みについて教えてください。

○桜井公園管理担当部長 都は、旧寛永寺五重塔の改修に当たりまして、平成二十三年度から文化庁の協力を得ながら、過去の修理履歴や破損状況等の調査を実施いたしました。この調査の結果、速やかに改修が必要であるとされた五重塔の一層部分を対象に、平成二十四年度に設計を行い、平成二十五年度から二十六年度にかけて改修工事を実施いたしました。工事では、一層部分の腐っている木材の交換に加えまして、外壁の漆塗り、欠損している金物の修理を行いました。また、えとの彫刻の彩色は、現在、日光東照宮の修復を手がけている工房で実施をいたしました。

○木村委員 ありがとうございます。詳細な調査検討を実施し、その成果をもとに改修工事が行われたことがよくわかりました。
 恩賜上野動物園に今日まで残されているこの旧寛永寺五重塔のような貴重な建築物を、今後どのように保存していくのでしょうか、お伺いをいたします。

○桜井公園管理担当部長 都はこれまで、江戸時代の庭園である浜離宮恩賜庭園や小石川後楽園などの文化財庭園において保存修復事業を進めておりまして、旧寛永寺五重塔につきましても、同様に文化庁との協議を進めながら、適切な保存管理に努めてまいります。
 また、旧寛永寺五重塔のほか、藤堂高虎が三代将軍徳川家光をもてなす茶室として建てたと伝えられる閑々亭など、動物園内の貴重な財産を保全してまいります。
 これらの文化財などを後世に伝えるとともに、国内外からの来訪者へ東京の魅力の一つとして発信をしてまいります。

○木村委員 貴重な文化財を修復し、後世に引き継いでいくとともに、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの開催に向け、これらの文化財を活用し、おもてなしを進めていただきたいと要望して、私からの質問を終わります。
 ありがとうございました。

○吉倉委員 私からは、平成二十五年度建設局の事業の中で、特に無電柱化事業について伺います。
 この事業は、都の無電柱化推進計画等に基づいて、都市防災機能の強化、安全で快適な歩行空間の確保、さらに良好な都市景観の創出を目的として実施している、大変重要な事業であります。
 ロンドン、パリ、香港などの諸外国の都市が既に無電柱化を一〇〇%達成しているのに比べ、東京の地中化率は大きく立ちおくれていると指摘されてきました。こうした中で、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックの東京開催を目指して、急ピッチでセンター・コア・エリア内の都道の無電柱化に取り組んでいることを評価しております。
 そこでまず、センター・コア・エリアと区部の都道における平成二十五年度末までの無電柱化の整備状況について伺います。

○川合道路保全担当部長 平成二十五年度末までに計画幅員で完成した都道における地中化率は、センター・コア・エリアで約八五%、区部で約五一%となっております。

○吉倉委員 我が国の政治経済、文化の中心的役割を担うセンター・コア・エリア内の都道について、無電柱化を重点的に実施し、区部では地中化率を約五一%まで引き上げたということであります。引き続き、さらに都道の無電柱化を加速させていただきたいと、このように思っております。
 一方、国道、都道といった幹線道路に比べ、区市町村道等の非幹線道路の無電柱化がおくれており、面的な無電柱化は、一部の商業地域を除いて余り進展しておりません。今後、区市町村道での無電柱化についても早急に促進する必要があると申し添えておきたいというふうに思います。
 次に、緊急輸送道路の無電柱化は、切迫する首都直下地震への対応策として極めて重要であります。震災時に倒壊の危険のある電線、電柱をなくすことで、沿道建築物の耐震化とともに、発災時における初動対応を的確かつ迅速に行う上で非常に大切な事業であります。
 そこで、無電柱化の推進に当たり、センター・コア・エリア内の都道に加えて、緊急輸送道路については、この面的なエリアを越えてでも優先的かつ重点的に無電柱化を進めるべきであります。緊急輸送道路における平成二十五年度の無電柱化の取り組み状況を伺います。

○川合道路保全担当部長 緊急輸送道路における無電柱化は、道路の閉塞を防ぐとともに、迅速かつ円滑な救援物資の輸送や救助活動を行うために重要でございます。
 このため、平成二十五年度は、震災時に車両流入禁止区域の境界となる環状七号線を初めとする環状道路や、目白通り及び葛西橋通りなど都県境につながる放射道路等の緊急輸送道路において、無電柱化を推進してきております。

○吉倉委員 どうぞ今後ともよろしくお願いしたいと思います。
 私の地元、新宿区にある目白通りは、都心部から都県境に隣接する地域を結ぶ主要な放射道路であり、特定緊急輸送道路に指定されている重要路線であります。震災時には、救急救命、消火活動、物資の輸送などを行う復旧復興の生命線であり、大動脈です。
 現在、この目白通りにおいて無電柱化事業が進められておりますが、平成二十五年度における新宿区内での整備状況について伺います。

○川合道路保全担当部長 現在、新宿区内の目白通りでは、下落合三丁目から山手通りまで、施設延長で約一キロメートルの整備を進めております。平成二十五年度は二百七十メートルの本体工事を実施し、これまでに六百三十メートルの電線共同溝本体が完成したところでございます。
 引き続き、高度防災都市の実現に向け、無電柱化事業に積極的に取り組んでまいります。

○吉倉委員 答弁ありがとうございます。いうまでもなく、無電柱化は、震災時に緊急輸送道路を守り、その機能を発揮させるための重要な事業であります。今後とも、積極的にこの無電柱化事業を推進していただきたいということを要望し、質問を終わります。

○尾崎委員 二〇一三年度の建設局の決算について質問します。
 私の地元にある空堀川には、オイカワ、モツゴなどの魚や、カルガモ、コサギ、カワセミ、アオサギ、カモなどの鳥が生息し、魚釣りやバードウオッチングなど市民に親しまれ、憩いの空間、子供や市民にとってなくてはならない空間となっています。
 空堀川について幾つか質問いたします。
 二〇一三年度の工事で、空堀川整備の工事はどこまで進んでいますか。その工事の内容はどんなものかお尋ねします。

○中島河川部長 空堀川では、時間五十ミリの降雨に対する安全性を確保するため、地域の環境にも配慮しながら、下流から順次整備を進めております。平成二十五年度は、東大和市の丸山一の橋付近など百五十メートルの護岸整備を行い、これにより延長十四キロメートルのうち十二キロメートルの護岸整備が完了し、整備率は八六%となっております。

○尾崎委員 空堀川は延長十四キロメートルの河川であり、二十五年度は工事で八六%まで進んできたということでした。
 この空堀川の整備工事について、住民説明会はこの間、何回行われてきたでしょうか。

○中島河川部長 平成二十五年度の工事でお答えいたしますが、事業着手に先立ちまして、事業説明会と用地説明会を開催し、地域の方々に対し、整備の進め方や整備概要について説明をしております。また、工事実施前には地元自治会と打ち合わせを行い、工事案内のチラシを施工箇所周辺のおよそ八百戸に配布して回り、周知を図っております。また、丸山一の橋付近の工事区間を含めた下砂橋から東芝中橋までの区間につきましては、地域の自治会や地元市をメンバーとした整備に関する懇談会を四回にわたり開催し、現状と課題を共有しながら、整備内容についての意見交換を行ってまいりました。

○尾崎委員 空堀川は、名前のとおり、昔は水量が少ない河川でした。空堀川に清流を取り戻そう、空堀川をみんなできれいにしていこうと、市民団体やNPO法人などもつくられ、川の掃除をするクリーンアップ、緑化活動などを進めて、東村山市の地域では五月にこいのぼりをたくさんなびかせ、川まつりも開催しているようになりました。川まつりはことしで十六回目を迎え、市民に親しまれる河川になっています。しかし、市民の中には、空堀川の工事は何のためのものなのかという声があります。
 そこで、空堀川の都市計画は何年につくられたものですか。

○中島河川部長 空堀川の都市計画につきましては、昭和四十六年十一月に都市計画決定し、同年十二月より、時間五十ミリの降雨に対する安全性を確保するため、最下流の清瀬市から順次事業を実施してまいりました。

○尾崎委員 ただいまのご答弁で、四十三年前に決定したものだということがわかりました。
 四十三年間で、まちはさま変わりしています。農地は減って、一戸建て住宅が急増しています。四十三年前の都市計画をそのまま実施することが望ましいのかという疑問の声も、市民から上がっています。
 都の計画では、東芝中橋から下砂橋間の河川改修工事が終われば、現在の空堀川は埋め立て、緑道をつくるということですが、市民団体から、埋め立てを中止して、常時現状の水量を流せるようにしてほしいとの要望がありますが、いかがでしょうか。

○中島河川部長 河川の改修に伴って生じる旧河川敷につきましては、新たに整備した河川と一メートル前後の高低差が生じ、日常的に河川水が流れない状況となります。整備に関する懇談会では、旧河川敷の整備内容につきましても意見交換を行っておりますが、河川近隣の工場からの処理水が期待できる区間につきましては水面を残した形で整備し、その他の区間につきましては埋め戻し、緑道として整備することで取りまとめを行っております。
 今後とも、この内容に基づき、着実に整備を進めてまいります。

○尾崎委員 懇談会を開催して意見交換を行いながら取りまとめを行っているということでしたが、参加者からさまざまな意見が出され、十分な議論を尽くしたとはいいがたいところがあります。現河川を埋めないで、親水公園または親水緑道として残してほしいという陳情が東大和市議会に出され、二〇〇七年と二〇〇九年に全会一致で採択され、議長名で都知事宛ての意見書が出されています。市民からは、今の河川を埋め立てられたら新しい河川の水がれも心配だとの声も出ています。
 空堀川の下流、東村山区域では、ここ数カ月で水がなくなっているという状況です。都の見解を伺います。

○中島河川部長 空堀川の整備につきましては、市からの要望等ありましたことから、先ほどご説明したように、整備に関する懇談会で意見交換を行い、整備方針を決めております。空堀川は、もともと特定の水源に乏しいことや川底の浸透がよいことなどから、水量の少ない河川でございますが、できる限り水量を保つようにするため、護岸整備を実施する際、川底に粘土を張るなどの工夫を行っております。

○尾崎委員 川底に粘土張りするということですが、空堀川は砂利や石ころが多いために粘土張りが削られ、効果がないのではないかと心配の声も出されています。
 この写真をちょっとごらんください。これは二〇一二年の四月二十四日に撮影した写真です。これは東村山地域の河川の一部ですが、水が豊富にあります。魚釣りをして楽しんでいる姿も見受けられます。ところが、二〇一三年度の東大和区域の工事が着工されて、最近です、二〇一四年九月十三日に撮影したものですが、このように川の水はなくなっているんです。地域住民や団体の方からは、こんな状況では五月の川まつりは来年できなくなってしまうんじゃないか、子供たちも喜んでいたカヌーもできなくなるんじゃないかと心配の声が出ています。
 東村山区域の水量が減っている原因について、専門家や市民団体は、河川改修工事の進行の中で起こってきているんだという人もいます。都民の貴重な水と緑の空間である河川整備に当たっては、自然環境と景観を保全、育成する多自然川づくりを進め、美しい風景や景観、魚、水辺の鳥、昆虫、小動物などが生息できるような生態系に配慮した改修整備を行うこと、瀬切れの起こる都の管理河川については原因調査などを行い、改善の措置を行うことなどは、市長会からの要望でもあります。
 国土交通省は、多自然川づくり基本指針の留意すべき事項の中にも、平面計画については、その河川が本来有している多様性に富んだ自然環境を保全、創出することを基本として定め、過度の整備またはショートカットを避けること、また掘削などによる河床材料や、横断形の変化や、床どめなどの縦断工事なども、採用は極力避けることと明記しています。
 また、ことし七月一日には、水の憲法といわれる水循環基本法と雨水利用促進法が施行されました。河川整備については、環境保全の視点、まちづくりの視点など、総合的に検討することが必要だと考えます。市民、市民団体の声をよく聞いていただき、工事を進めていただくことを要望して、質問を終わります。

○中山委員 平成二十五年度決算におきまして、道路の景観整備及び自動車走行空間の整備について質問させていただきます。
 都においては、快適な道路環境を創出し、美しさや潤いのある道づくりを進めるため、歩道のカラー舗装化や道路の緑化、デザイン化された街路灯の設置などを一体的に実施する道路景観整備事業に取り組んでいただいております。本年第三回定例会一般質問で触れさせていただきました、私の地元台東区の浅草通りについても整備を進めていただいておりますが、上野と浅草は観光地として国際的にも地名度が高く、多くの観光客の方が浅草通りを利用して、双方のまちを回遊する姿がよく見られます。このような道路において、景観に配慮した整備を進めることはすばらしいことであると考えます。
 そこで、平成二十五年度における道路の景観整備事業の実績について伺いたいと思います。

○川合道路保全担当部長 都では、地域の特色を生かし、景観に配慮する必要のある道路におきまして、歴史や文化、まち並みと調和した景観整備に取り組んでおります。現在、浅草通りや内堀通り等四路線において事業を実施してきており、平成二十五年度は浅草通り等、一キロメートルを整備いたしました。引き続き、良好な都市景観の創出に向け、道路の景観整備を進めてまいります。

○中山委員 今、一例を挙げさせていただきました浅草通りにおいて、複数年度にわたって計画、あるいは沿道や地元自治体への説明、工事を進めていただいてまいりました。当初は本当にさまざまな意見がありまして、浅草通りには、南側沿道に仏壇屋さんが軒を連ねておりまして、仏壇屋さんが、歩道が広くなると荷さばきスペースが狭くなって、あるいは歩道が広くなることによっていろんな不便があるんではないかというような意見もありました。また、南側に仏壇屋さんがあるということで、いわゆる植樹においても、ちょうど品種が低くなるということで、直射日光が当たるんじゃないかということで、さまざまな意見があったということでございます。
 今回、全て満足とはいえないわけでございますけれども、文化的な、植木や落ちついた色の歩道デザインなど、おおむね良好な走行空間、歩行空間といえます。
 今後とも道路整備実績を、さらにこういった浅草通りなど生かしていただくことを要望いたします。
 次の質問に移ります。
 先ほども触れました浅草通りについては、道路景観整備とあわせて、自転車走行空間の整備も行われています。浅草通りでは、広い歩道において歩行者と自転車が通行する位置を植栽帯等で区分した自転車走行空間の整備が進められています。整備前には、そのような整備をしても、自転車利用者、歩行者にマナーよく利用してもらえるのかどうかを懸念する声が、地域の声もありましたが、完成した区間を見てみますと、実際にはきちんと安全で快適に走行空間が利用されており、当初の心配も払拭されました。歩道内での構造的、視覚的な分離や、自転車レーン等の自転車走行空間を整備することは有効であると強く感じた次第です。
 さらに、日常的に自転車を利用する地域の方が自転車走行空間を習慣的に利用するようになれば、他の地域でも利用しようとする心理が働くものと思います。そのためにも、自転車走行空間の整備を推進することが重要と考えます。
 そこで、平成二十五年度における自転車走行空間整備状況について伺いたいと思います。

○川合道路保全担当部長 自転車は都市内の有効な交通手段の一つであり、歩行者、自転車、自動車それぞれの安全・安心を確保しながら、自転車走行空間の整備に取り組んでおります。
 平成二十五年度は、自転車レーン等、施設延長六キロメートルの整備をし、平成二十五年度末現在で百二十六キロメートルの自転車走行空間が完成しております。
 引き続き自転車走行空間の整備を推進し、誰もが安全で安心して利用できる道路空間を創出してまいります。

○中山委員 私の方も地元なので、本当に生活に一番密接した道路でありまして、数カ所、ちょうど自転車空間と歩行者空間が接するスペースがあるんですね。当初、かえってこれ危険ではないかというような意見もあったり、あるいは自転車走行空間に、自転車を駐輪されるんではないかというような懸念もありまして、私も地元の意見、率直にいって同感でありました。
 しかし、人の習慣というのは時間とともに定着するものでありまして、現在は、おおむね自転車は自転車空間で、実際快適なスピードで走っているというのが実情であります。そういう面では、自転車空間が狭くもなく、あるいは広くもなく、ちょうどよいような、人の視覚がそうさせているのだというふうにも思った次第でございます。
 現在、社会問題とされている自転車走行マナーにも、学ぶべきところが今回多いと感じました。ぜひともそういったことを自転車走行空間整備に生かしていただくことを要望したいというふうに思います。
 次に、都立公園について伺います。
 都立公園は、緑等の資源を最大限に活用し、時代の要請や都民のニーズに的確に応える公園づくりが求められています。さらに、公園づくりには、環境、文化、産業、まちづくりなど多様な側面を持っております。私自身も三人の子供を子育て中でありますけれども、子供の成長によって公園に対するニーズも変化してきました。
 例えば幼児期には、公園の遊具がもっと充実してほしいなと思った時期もありましたが、子供が小学校の高学年になり、少年野球を始めれば、キャッチボールができる公園を望んだものであります。若者はレクリエーションの場としての機能を望み、高齢者の方は安らぎや自然の豊かさを望むと思います。さらには、防災機能としての公園として、救援や復興活動の拠点にも重要な役割を担っております。
 都民が望むよりよい公園とするためには、それらの重層的な要素を勘案し、ベストミックスすることが求められています。
 そこで、都立公園の整備に当たって、都民の声をどのように聞き、どのように生かしているのか伺いたいと思います。

○五十嵐公園緑地部長 都市公園は、自然環境の保全機能のほか、防災機能、景観形成機能、レクリエーション機能など多くの機能を有しており、さまざまな世代の都民が利用する都立公園においては、公園の立地特性等に応じて、これらの機能を適切に発揮させるよう計画する必要がございます。
 計画内容の検討に当たりましては、自然環境や景観の保全などに配慮するとともに、当該公園の周辺状況を調査し、あわせて地元自治体の要望や意見等を聞きながら、設置する施設の種類や規模を決定しております。公園全体の整備計画につきましては、都民委員が参画している公園審議会に諮問し、答申を得て決定しており、中間のまとめ段階でパブリックコメントを実施し、広く都民の意見を聴取しております。

○中山委員 答弁ありがとうございます。そもそも都立公園は、市区町村の管理する公園とは違う観点を持って整備されているケースが多々あると思います。つまり、広域的な視点に立つということだというふうにも思います。
 今後とも、都民に愛される公園づくりと的確な整備を要望いたします。
 次の質問に移ります。
 私どもがスカイツリーの展望デッキから見える景色の中で、一番印象を持つのは、やっぱり緑が多いところはどこかということでございます。そして、緑が目立つ場所は、大体おおむね都立公園が多いということがわかりました。
 欧米などの主要都市などと比較すると、依然として緑が少ない水準にあると事業概要に示されております。都では平成十二年十二月、東京の緑に関する、緑の東京計画が策定され、五十年後の東京の緑の望ましい将来像を、水と緑がネットワークされた風格都市東京として将来像を見据えた平成二十七年度までの目標として、都立公園の開園面積を約二千ヘクタールと設定しております。
 そこで、平成二十五年度の整備状況について伺います。

○五十嵐公園緑地部長 平成二十五年度は、大戸緑地や野山北・六道山公園において、丘陵地の豊かな自然を保全するとともに、来園者が散策や自然観察が楽しめるよう、園路や広場を整備いたしました。また、桜ヶ丘公園では、計画した十二カ所のうち、最後となるドッグランを設置いたしました。これらを含め、本年六月一日に新たに約十二・九ヘクタールを開園したことにより、都立公園の開園面積は約二千五ヘクタールとなっております。

○中山委員 今ご答弁がありましたとおり、緑の東京計画の目標を達成したということでありますので、評価するものであります。
 先ほどスカイツリーのデッキから見た一例を挙げましたけれども、そこから見える緑の固まりはほとんど都立公園だということでもあります。本当にそういう面では、東京の緑は、都立公園の存在意義というものは大変大きいといえるわけです。
 しかし、今後、もう少し緑をふやしていこうとなると、既成の市街地において公園の事業を進めるためには、どうしても用地取得に時間を要するなど、さまざまな要件が重なることは考えられます。なお一層推進を要望いたしたいと思います。
 次に、公園のスポーツ施設について伺いたいと思います。
 私の地元台東区は、二十三区内でも一番狭い面積の区であります。当然、公園を初め、スポーツ施設のニーズは多く、都市公園のスポーツ施設はなくてはならない環境下に置かれているわけでございます。
 二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック開催都市として、健康増進からスポーツ人口をふやす取り組みも数々行われています。そんな中で、スポーツ人口をふやすためには、利便性の高いスポーツ施設の整備は欠かせないところであります。
 そこで、平成二十五年度のスポーツ施設整備状況について伺います。

○五十嵐公園緑地部長 都立公園のスポーツ施設は、都民が身近なレクリエーションとしてスポーツに親しむ施設であり、陸上競技場、野球場、テニスコートなど三十二公園に設置しております。
 平成二十五年度は、井の頭恩賜公園の西園区域の拡張にあわせて、野球場一面を新たに整備いたしました。また、東大和公園では、老朽化したテニスコートの人工芝を三面張りかえたほか、芝公園や赤塚公園では野球場の外周ネットを改修し、舎人公園では陸上競技場の三種公認を継続するため、トラックの改修などを行っております。

○中山委員 数々の施設を着々と優先順位を決めて整備をしていくことがわかりました。
 都の方では、これは所管ではありませんけれども、スポーツ人口をふやそうとする目標があるわけでございます。そんな中で、やっぱり特定のスポーツを定期的に行う人たちの牽引によってスポーツ人口をふやすことが、何よりも近道だというふうにも思っております。その牽引力を使わない手はないと思います。
 私の方も、手前どもの話なんですけれども、少年野球をしているわけですけれども、土曜日、日曜日、学校の校庭での練習以外はほとんど、近隣の木場公園であったり、篠崎であったり、そういった野球場を使っているわけでございます。
 今後もスポーツ人口をふやす観点から、的確な整備を要望いたしたいと思います。
 次に、最後に、都市公園における防災施設整備について伺います。
 都市公園は、震災時には避難及び防災活動の拠点にもなっており、それぞれの公園の果たす役割に応じて整備も進んでいると認識しております。大規模救出活動拠点やヘリコプター活動拠点である公園として、大型車両が進入できる入り口や、園路舗装の強化、さらには避難場所としての機能として、防災トイレやソーラー式公園灯などの整備も進んでいると聞いておりますが、平成二十五年度の整備状況と同時に、今後の優先すべき整備内容について伺います。

○五十嵐公園緑地部長 平成二十五年度は、震災時の避難場所や救出救助の活動拠点となる十五公園において、防災機能の充実を図るための調査設計や改修整備を実施いたしました。具体的には、出入り口や園路の改修を代々木公園外三公園において実施いたしました。また、マンホール型の防災トイレを中川公園外三公園に、ソーラー式公園灯を武蔵野公園外三公園に設置いたしました。
 今後、舎人公園において、応急復旧活動に必要な電力を確保することを目的として、非常用発電設備の整備を進めてまいります。

○中山委員 今まで緑をふやしてほしいとか、あるいはスポーツ施設を充実してほしいという要望をさせていただきましたが、まさにこの防災施設整備については、最も都立公園において優先順位が高いといえるというふうに思います。
 ただ、私たちが都民の方からお話を聞くのは、この公園についてどういう整備がされているのかということをよく聞くわけでございまして、私たち自身も、この公園ではどのような整備がなされ、防災上どのような機能を果たされているのかということを、しっかり我々も認識しなければいけないし、都民にもお知らせをしていかなければいけないというふうに思っております。
 そういう面では、防災の観点から、ぜひ都民への情報提供を同時にしっかり行っていただくことを要望いたしまして、質問を終了させていただきます。

○小松委員 それでは、私から街路樹に関して二つお伺いいたします。
 初めに整備についてです。
 東京都は二〇〇六年度に街路樹倍増を打ち出されて、二〇一五年度までに百万本にふやす計画を示しています。都道の街路樹には、東京が緑あふれるまちを目指していく上でとても大切な意味があると思います。
 昨年度までの実績について、どのようになっているのかお伺いいたします。

○五十嵐公園緑地部長 街路樹は、沿道の生活環境の保全や都市環境の改善、交通の安全確保、景観の向上及び緑陰の確保など、都市にとって重要な役割を果たしております。
 街路樹の整備については、道路整備にあわせた新規植栽や、既存の高木の間に中木などを植栽する街路樹の充実事業により、都内の街路樹を百万本に倍増させ、公園や緑地など都内の緑の拠点を街路樹で結ぶグリーンロードネットワークの形成、充実を進めております。
 平成十七年度末に約四十八万本であった国や都、区市町村道を含めた東京の街路樹は、平成二十五年度末までに約八十九万本となっております。

○小松委員 ただいま街路樹の持つさまざまな役割が述べられ、そして百万本の目標達成に着々と近づいておられる、そのことはわかりました。
 最近、ほかの自治体でですが、倒れた木が道路を塞いだり、あるいは枝が落ちたりする事故が報道されています。この十月にも台風がありましたけれども、近年、大型の台風の到来も多い、そんな状況の中で、老朽化した街路樹の対策などのメンテナンスも不可欠です。
 そこでお伺いしたいんですが、街路樹の倒木を防止するとともに、災害に強い街路樹に向けて、都では大径木再生大作戦を展開しておられます。この取り組みについてお伺いいたします。

○五十嵐公園緑地部長 幹回り九十センチメートル以上の街路樹を対象として実施している大径木再生大作戦は、災害時の倒木により避難や救援活動等に支障を来さないよう、防災上重要な環状八号線や新青梅街道など三十八路線において、災害に強い街路樹へと回復、更新する事業でございます。具体的には、樹木医による地下の根株部分の診断を行う街路樹防災診断を実施し、根腐れなどを起こしている不健全な樹木の植えかえや土壌改良などによる樹勢回復を行うものでございます。
 平成二十五年度には、大径木再生指針を作成し、八路線で樹木診断を行いました。例えば、環状七号線では、約十六キロメートルの区間で八百七十八本の診断を行った結果、不健全と判定された十二本を早急に撤去いたしました。
 引き続き計画的に事業を推進してまいります。

○小松委員 私の地元の杉並区でも、街路樹があることで趣のある道路が幾つかあるわけですが、環七でも診断がされたということでした。
 東京は、地方都市の道路と比較すると街路樹の多い都市だと思います。先ほどのご答弁にもありましたけれども、緑の保全、そして都市の景観という、そのほかのさまざまな意味から、街路樹のメンテナンス、計画的に進めていくことをお願いいたします。
 続いて、お墓について伺います。
 昨今、超高齢社会にあって、多くの人が亡くなる多死の時代に入ったといえますが、お墓については、旧来の家族制度と密接に結びついた何々家の墓というようなあり方にとらわれない形状、そしてまた形態を選ぶ人がふえてきています。お墓のあり方が多様になってきているということですが、その一方で、継承者がいなくなる無縁化の問題、また墓守のいないお墓を処分する墓じまいなどが問題になっています。
 都がことし二〇一四年三月に公表した東京都世帯数の予測によりますと、都内の単独世帯は、二〇一〇年に二百九十二万世帯でしたが、二〇三五年には三百二十四万世帯になると見込まれておりまして、この中には、お墓の継承者のいない世帯が相当数あるであろうと考えられます。
 都立霊園におきましても、このような無縁化したお墓を改葬するなどされているようなんですが、無縁となった後で対応するよりも、あらかじめ無縁化を防止する取り組みが重要となってきます。
 そこで、お墓の無縁化を防止するための施設変更制度、これがあると思いますが、この概要と、二〇一三年度の利用実績についてお伺いいたします。

○桜井公園管理担当部長 都では、現在の使用者の中で承継者のいない方を対象に、あらかじめ無縁墓所となる前に、一般墓地などから合葬式墓地へ改葬する施設変更制度を設けております。施設変更では、合葬式墓地への使用料を免除するとともに、既に埋蔵している遺骨に加えまして、使用者本人及びその配偶者も死後に利用することができ、平成二十五年度は三百四十二人が利用いたしました。
 こうした施設変更制度を活用することにより、無縁墓所となることを防止するとともに、新たな空き墓所を生み出して、都民への再貸し付けを行っております。

○小松委員 これから新たにお墓を求める都民にとっては、承継者がいなくても、都が使用者にかわって管理するために、安心して利用でき、そしてまた死後は安らかに自然に帰ることができるというような小平霊園の樹林墓地の二〇一二年度の公募結果を踏まえまして、二〇一三年度はどのように募集されたのかをお伺いいたします。

○桜井公園管理担当部長 樹林墓地につきましては、平成二十四年度の募集数五百体に対しまして、八千百六十九体の応募があり、十六・三倍の倍率となりました。こうした状況を踏まえまして、平成二十五年度は千六百体に募集数をふやしたところ、一万五千八百三十三体の応募があり、倍率は九・九倍となりました。

○小松委員 二〇一三年度の樹林墓地の募集については、募集数をふやすなど、ニーズに応えようと努力されていることはわかりました。しかし、それでも、今のご答弁のように約十倍の応募がある。そして、二〇一四年度の倍率は十・六倍になったというふうに聞いています。都民の人気は大変高い状況にあります。
 特に、生前申込区分の倍率が飛び抜けて高くなっています。小平霊園の合葬式は生前申込区分で最高二十八・六倍、樹林墓地でも二十倍近い状況です。生きているうちにお墓を確保しておきたい、後に残る人にお墓のことで心配をかけたくないと考える人が多いということだと思います。それだけ必要度が高いということであり、このニーズはこれからもさらに高まっていくに違いないと考えます。
 墓地は、区市町村が設置できることになっていますから、東京都以外でも、稲城と府中市が共同して、二〇一二年に稲城・府中墓苑組合という一部事務組合を設立しておりまして、一般墓地や芝生墓地のほか、樹林墓地も整備しています。このような取り組みが区部でも広がっていけばよいとは思いますが、お墓は迷惑施設という固定観念に縛られて、突破口が開かれずにいます。
 しかし、この稲城と府中の事例からも明らかなとおり、樹林墓地のような新たな形式のお墓が都民から求められているのは確かです。引き続き、都においても、小平霊園以外の他の都立霊園においても樹林墓地を整備することを要望しておきます。
 それでは、次の質問に移りたいと思います。外環ノ2に関してお伺いをいたします。
 外環の地上部街路外環ノ2は、そもそも高架構造の外環本線と一体的に整備する都道として、一九六六年に都市計画決定され、一九九九年に就任した当時の石原知事が本線の地下化を打ち出すまで凍結状態に置かれていました。この年、知事が都議会第四回定例会の所信表明でそのことを述べて、事態が大きく動くことになっています。
 二〇〇三年三月には、国交省と東京都が、東京外かく環状道路に関する方針についてとして、一日も早い整備が望まれるため、早く安く完成できるよう十分考慮し、沿線への影響を小さくする、また、地上部への影響を小さくするため、極力大深度地下を活用するなどと発表しました。本線が高架から地下道路へと変更されることになり、二〇〇七年に地下化の都市計画変更決定が行われました。国交省は、東京外かく環状国道事務所のホームページ上で、トンネル構造の説明として、昭和四十一年の都市計画では、外環は高架構造であり、多数の移転や地域分断が伴うことや、騒音、振動等、沿線の環境への影響等の懸念が問題とされました。このため、平成十三年四月には、高架構造を地下構造に変更するたたき台を提示し、沿線の環境への影響を抑えるように検討しましたと記載しています。
 さて、このように外環本線の事業が進む一方、外環ノ2については、二〇〇八年に東京都が検討の視点とプロセスを示し、沿線地域ごとに検討が進められ、練馬区では、大泉ジャンクション部の一キロメートル区間について二〇一二年に着工しました。
 そこで伺います。外環本線は二〇二〇年の開通を目指して事業が進んでいると聞いています。しかし、外環ノ2整備について、二〇一三年度までの事業の進捗状況、そして今後の取り組みはいかがか、お伺いします。

○川嶋三環状道路整備推進部長 外環ノ2の都市計画を所管するのは都市整備局でございますが、目白通りから練馬区道三三号線までの約一キロメートルの区間につきましては、外環本線の事業にあわせて地上部の道路を整備する必要があることから、建設局において、平成二十四年九月に事業認可を取得いたしました。この区間の進捗状況につきましては、平成二十五年四月に初めての用地取得契約を締結して以降、外環本線と重なる土地も含めて、鋭意用地取得を進めてまいりました。
 引き続き、関係権利者のご理解とご協力をいただきながら用地取得を進めていくとともに、工事に向けた調査設計や関係機関との調整を進めてまいります。

○小松委員 二〇〇七年の本線地下化は、地上部の住民の立ち退き影響を最小にすることが目的であったことは疑いようがありません。この時点で外環ノ2の計画が廃止されなかったことは不自然というしかなく、本線の地下化と地上部街路の整備を同時に推進することは、目的に照らして矛盾しています。
 外環ノ2計画が残されたことで、一メートルつくるのに一億円もかかる高価な地下本線に加えて、地上部の収用経費を含めて総額幾らになるのかわからない超大型公共事業が進められることになります。多くの都民は納得ができない話です。
 練馬地域でも、住民の合意が得られたとは決していえない状況の中で事業を進めることは見直すべきと申し上げて、質問を終わります。
   〔川嶋三環状道路整備推進部長発言を求む〕
   〔小松委員「答弁求めていません」と呼ぶ〕

○吉田委員長 速記をとめてください。
   〔速記中止〕

○吉田委員長 速記を再開いたします。

○加藤委員 初めに、都立公園における防災の取り組みについて伺います。
 都はこの四月、首都直下地震発生時に、警察、消防等の各機関と効果的、効率的に連携し、円滑な応急対策活動を展開できるよう、それぞれの役割分担に基づく基本的な連携内容と手順を明確にすることを目的とし、首都直下地震等対処要領を策定しました。特に発災から七十二時間の初動体制の構築が重要であるとし、円滑に救出救助の部隊を受け入れるため、大規模救出救助活動拠点候補地として三十二カ所の屋外施設を位置づけましたが、この中には二十一の都立公園が含まれております。
 このように都立公園は、都市の貴重なオープンスペースであるとともに、その多くは、東京都地域防災計画等により、発災時の救出救助の活動拠点や広域避難場所として位置づけられています。
 そこでまず、都がこれまでに公園の防災機能を高めてきた整備状況を伺います。

○五十嵐公園緑地部長 都はこれまで、東京都地域防災計画等において、救出救助の活動拠点や避難場所など、防災上重要な位置づけを持つ都立公園において、防災機能を高めるための整備を行ってまいりました。救出救助の活動拠点となる公園を初め、医療機関に近接する公園などにおいて、円滑な救援活動のため、ヘリコプターの離発着場となる広場等の整備を、和田堀公園など二十六公園で実施してまいりました。
 避難場所となる公園においては、夜間に避難場所の位置を示す入り口表示灯を汐入公園など五十一公園に、停電時にも点灯する防災公園灯を木場公園など五十三公園に、防災トイレを猿江恩賜公園など五十二公園に整備してまいりました。

○加藤委員 次に、私の地元墨田区の白鬚東地区防災拠点内にある都立東白鬚公園について伺います。
 白鬚東地区は、再開発で整備された十八棟の連続する高層住宅群や、約十ヘクタールの東白鬚公園、学校等から構成される防災拠点であります。先ほど申し上げた大規模救出救助活動拠点候補地の一つともなっています。
 この地域の住民は、防災意識が高いこともあり、日ごろから自主的な防災活動にも熱心に取り組んでいます。東白鬚公園は昭和六十一年に完成し、園内には、当時としては先進的な防災施設が整備されましたが、開園から約三十年が経過し、施設の老朽化も進んでいます。
 地元の方々からは、災害時に利用する防災トイレ、いわゆるマンホール型トイレについては、いち早く改修を進めてほしいという要望が出されています。私は、平成二十四年第三回定例議会の防災対策特別委員会において、防災トイレの水洗化への改良について質問し、都技監から、水洗化にはさまざまな課題があるが、地元の墨田区などと検討を進めていくとの答弁をいただきました。
 そこで、平成二十五年度の東白鬚公園における防災施設の整備と、地元との連携の取り組みについて伺います。

○五十嵐公園緑地部長 災害時に避難場所となる公園では、防災施設の整備とともに、地元区や地域住民との連携が重要であり、東白鬚公園では、都、墨田区及び地元の自治会連合会が協働し、災害時の行動マニュアルを作成しております。
 平成二十五年度は、防災機能のさらなる充実を図るためソーラー式公園灯などを設置するとともに、公園の管理所が中心となり、地元の自治会連合会と連携して防災訓練を実施いたしました。さらに、水洗化への改良については、都や区、地域住民による意見交換会を開催し、水源の確保や使用に当たってのルールづくりなどの検討を重点的に行ってまいりました。
 今後も意見交換を重ね、東白鬚公園の防災機能の向上に向け、地元と連携して取り組んでまいります。

○加藤委員 さきの地域防災計画の修正で、隣接地に給水拠点が位置づけられたこともあり、ますます広域避難場所としての役割や、地区内に避難所となる中学校もありまして、この都立公園の防災機能の充実がより一層求められます。引き続き機能の向上をお願いして、次に移ります。
 今月、台風十八号、十九号が連続して本土に上陸し、豪雨や強風により各地に大きな被害をもたらすとともに、国民生活に大きな影響を与えました。東京においても、東部低地帯の高潮被害が心配されましたが、幸い事なきを得ました。これは、これまで整備を進めてきた防潮堤や水門が機能を発揮した結果であると思います。
 一方、六月には、水循環政策担当大臣を併任した太田国土交通大臣が、隅田川や日本橋川を船で視察し、私も同乗して案内をいたしました。昔の隅田川に比べて水質も改善され、緑化された防潮堤やテラス、スーパー堤防等の整備状況を目の当たりにし、安全で魅力ある水辺になったとの印象を持たれ、また、公共工事の重要性も語られておられました。テラスで散策を楽しむ姿も多くなっており、人々が安心して水辺を楽しめる魅力ある隅田川となったことについて、都のこれまでの取り組みを大いに評価するものであります。
 決算概要によると、隅田川では、堤防の耐震性を高め、あわせて水辺に親しめる環境を創出するスーパー堤防やテラスの整備を行っているとのことですが、まだところどころ通行できないテラス部分があり、引き続き連続化を図っていく必要があると考えます。
 そこで、人々が水辺を散策できるような隅田川のテラス整備について、都の取り組みを伺います。

○中島河川部長 隅田川では、堤防の耐震性を向上させるため、テラス形式で堤防前面の根固め工事を進めており、修景を施した後、水辺の遊歩道として開放しております。平成二十五年度は〇・七キロメートルの修景整備を進めており、このうち蔵前橋から厩橋までの台東区側の〇・五キロメートルの連続化を図るとともに、バリアフリーのためのスロープや夜間照明の設置により、昼夜を問わず誰もが利用できるようにしております。
 この区間の整備により、吾妻橋から神田川合流点までのテラスがつながり、水辺でのウオーキングやジョギング、イベントを楽しめる場として広く親しまれております。
 二十六年度は、白鬚橋下流、墨田区側の〇・六キロメートルの修景整備を進めるなど、引き続き隅田川沿いの回遊性を高めるため、テラスの整備を進めてまいります。

○加藤委員 何といいましても、隅田川は東京下町を代表する河川であります。今後のますますの魅力向上に向けた取り組みを期待します。
 ところで、東部低地帯の中でも、特に地盤が低く軟弱な地域にあるのが、江東内部河川です。私も先日、スカイツリーの船着き場から、北十間川、横十間川、小名木川、そして扇橋閘門と見てまいりました。北十間川や小名木川などでは、護岸の耐震強化等の整備が進んでいることを確認しました。その上で、首都直下地震の発生も心配されている中で、引き続き安全性を向上させていくべきと考えます。
 そこで、平成二十五年度の江東内部河川の整備状況と今後の取り組みについて伺います。

○中島河川部長 江東内部河川では、特に地盤の低い東側については、水門等で締め切ることにより、常時、地盤高より低く水位を下げ、また西側では、高潮や津波の際に水門を閉鎖することにより、水害に対する安全性を確保しております。加えて、地盤改良などによる護岸の耐震化を進めておりまして、平成二十五年度は、北十間川や小名木川など一・五キロメートルで整備を行い、これにより、全体延長五十・三キロメートルのうち三十六・四キロメートル、七二%が完成いたしました。
 二十六年度は、北十間川や横十間川、竪川におきまして一・三キロメートルの整備を行ってまいります。耐震化に当たりましては、例えば小名木川では、石積み風の護岸や柳の植栽など、江戸情緒を感じることのできる遊歩道の整備を進めており、橋梁の構造上、施工が困難な橋の下では、桟橋により連続化するなどしております。
 こうした工夫も重ねながら、今後とも江東内部河川の整備を着実に進め、安全で都民に親しまれる水辺空間となるよう、全力で取り組んでまいります。

○加藤委員 この桟橋方式などで連続していただいていることを高く評価いたします。高齢社会ですから、連続しているかどうかで、利用するかどうかも非常に変わってまいりますので、今後も引き続き工夫をしていっていただきたいというふうに思っております。
 それで、あと、先ほど内部河川の一部を船に乗って見たといいましたけれども、一緒に乗り合わせた方々も、いつまでにこの工事が終わるんだろうということを非常に気にしておりましたので、今後も工事を着実に行って、オリンピック・パラリンピックまでに終わるよう、引き続き取り組んでいただくよう要望します。
 次に、地元墨田区で実施されている京成押上線押上駅から八広駅間の連続立体交差事業について伺います。
 本事業は、明治通りの交通渋滞や踏切事故の解消など、沿線地域に大きな効果をもたらす事業であります。昨年八月には上り線が高架化されましたので、工事は着実に進捗していると思いますし、地元住民もその完成に大きな期待を寄せています。
 先ほども一部やりとりがありましたけれども、本事業の上り線高架化により、どのような効果があらわれたのか伺います。

○相場道路建設部長 本事業は、京成押上線押上駅から八広駅までの約一・五キロメートルの区間を高架化することで、八カ所の踏切を除却し、交通渋滞や地域分断を解消するものでございます。昨年八月に上り線を高架化したことにより、一日の踏切遮断時間が約四割減少し、交差する明治通りでは、最大三百八十メートルありました踏切での交通渋滞が二百三十メートルに減少いたしました。
 また、高架化後に行いましたアンケート調査では、約九割の方が踏切待ちによるいらいらが緩和されたと回答したほか、地元消防署員から、緊急走行時に通行しやすくなったなどの意見をいただいております。

○加藤委員 私も実際、今まではこの踏切は渋滞するので避けていたんですけれども、今は思ったほどでもないので、通るようにしているんですね。本当にあの効果というのが大きいなというふうに思っております。
 こうした上り線の高架化により、多くの効果が得られたことがわかりました。引き続き、事業の早期完成に向けて工事を着実に進めていただきたいと要望いたします。
 次に、鉄道の立体化に伴い、押上駅と八広駅の間にある京成曳舟駅も、高架駅として大きく生まれ変わることになります。京成曳舟駅は、都心側の押上方、反対側の八広方、それぞれ約一万人もの利用者がおります。計画では、押上方に交通広場ができる関係から、どうしてもそちらの乗降をメーンにした内容になるのは当然ですけれども、一方、八広方からの利用者のうち、四割強の方々が明治通りを渡って駅を利用していることが、都の調査結果からも出ています。
 公明党は、地元住民とともに、平成二十年九月、都に対し、八広方から明治通りを渡って駅へ向かうアクセス性向上や、バリアフリー化による駅利用者の利便性向上について、九千名を超える署名の入った要望書を提出しました。そして、三年前、私は平成二十三年十月の各会計決算特別委員会、この第三分科会において、こうした要望を踏まえて取り組まれるよう強く要請を行ったところであります。
 そこで、京成曳舟駅の明治通り側からのアクセス性向上やバリアフリー化の取り組み状況について伺います。

○相場道路建設部長 京成曳舟駅の高架化にあわせ、駅利用者や歩行者等の利便性を向上させることは重要でございます。また、地元からの要望が多数寄せられるなど、地域の関心が高いことも認識してございます。
 現在、明治通り側から、駅改札階へアクセスするエレベーター、エスカレーターの整備や、明治通りの横断歩道の設置位置につきまして、地元墨田区や交通管理者など関係機関との協議を重ねております。
 今後、協議結果を踏まえ、年内には昇降施設の詳細設計に着手いたします。また、地元町会などから成る協議会の場などを活用し、駅へのアクセス性の向上やバリアフリー化等について、地域へ説明をしてまいります。

○加藤委員 協議結果を踏まえて、年内にはこの昇降施設の詳細設計に着手していくということですので、引き続き、この地元要望を踏まえ、駅利用者などの利便性の一層の向上に取り組んでいただきたいと強く要望して、質問を終わります。

○吉田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○吉田委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で建設局関係を終わります。
 これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
   午後二時三十四分散会

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