平成二十五年度各会計決算特別委員会第一分科会速記録第四号

平成二十六年十月十七日(金曜日)
第十一委員会室
午後一時開議
出席委員 十名
委員長三宅 正彦君
副委員長新井ともはる君
副委員長鈴木あきまさ君
小林 健二君
石川 良一君
河野ゆうき君
ほっち易隆君
中山 信行君
斉藤あつし君
かち佳代子君

欠席委員 なし

出席説明員
議会局局長影山 竹夫君
管理部長別宮 浩志君
議事部長新美 大作君
調査部長小山 明子君
財務局局長中井 敬三君
経理部長奥田 信之君
契約調整担当部長松永 哲郎君
主計部長潮田  勉君
財産運用部長岩瀬 和春君
利活用調整担当部長菊地 俊夫君
建築保全部長室木 眞則君
技術管理担当部長妹尾 高行君
庁舎運営担当部長井上  充君
オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長小野寺弘樹君
主税局局長塚田 祐次君
総務部長西海 哲洋君
税制部長加藤  隆君
税制調査担当部長大久保哲也君
調整担当部長萱場 明子君
課税部長山内 和久君
資産税部長安藤 敏朗君
徴収部長熊谷 克三君
特別滞納整理担当部長藤井  朗君

本日の会議に付した事件
平成二十五年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
議会局関係
・平成二十五年度東京都一般会計決算(質疑)
財務局関係
・平成二十五年度東京都一般会計決算(質疑)
・平成二十五年度東京都用地会計決算(質疑)
・平成二十五年度東京都公債費会計決算(質疑)
主税局関係
・平成二十五年度東京都一般会計決算(質疑)
・平成二十五年度東京都地方消費税清算会計決算(質疑)

○三宅委員長 ただいまから平成二十五年度各会計決算特別委員会第一分科会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、議会局、財務局及び主税局関係の決算に対する質疑を行います。
 これより議会局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成二十五年度東京都一般会計決算中、議会局所管分を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○三宅委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○三宅委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で議会局関係を終わります。

○三宅委員長 これより財務局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成二十五年度東京都一般会計決算中、財務局所管分、平成二十五年度東京都用地会計決算及び平成二十五年度東京都公債費会計決算を一括して議題といたします。
 本件については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○奥田経理部長 それでは、先日の分科会におきまして要求のございました資料についてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元に配布してございます平成二十五年度各会計決算特別委員会第一分科会要求資料をごらんください。
 最初に、表紙をおめくりください。今回要求のございました資料は、目次に記載してございますとおり三件でございます。
 まず、一ページをお開き願います。要求資料第1号、性質別歳出の推移(普通会計決算)でございます。
 こちらは、平成十六年度から二十五年度までの十年間における性質別歳出の推移をお示ししたものでございます。
 次に、二ページをお開き願います。要求資料第2号、都債発行額及び都債現在高の推移(普通会計)でございます。
 こちらは、平成十六年度から二十五年度までの十年間における都債発行額及び都債現在高の推移をお示ししたものでございます。
 続いて、三ページをお開き願います。要求資料第3号、目的別普通建設事業費の推移(普通会計決算)でございます。
 こちらは、平成十六年度から二十五年度までの十年間における目的別普通建設事業費の推移を三ページから四ページにかけましてお示ししたものでございます。
 説明は以上です。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○三宅委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○ほっち委員 それでは、平成二十五年度の決算に関して伺います。
 財務局が発表しました平成二十五年度の年次財務報告書によりますと、財政の弾力性を示す経常収支比率は、前年度から六・五%改善し、八六・二%となり、平成二十年度決算以来五年ぶりの八〇%台というふうになりました。
 また、国の財政健全化法に基づく将来負担比率も、都債現在高の減少や退職手当の制度見直しなどにより将来負担額が減少したことから、八五・四%から七三・二%と大きく減少しています。
 景気回復に伴う都税収入の増加なども寄与したことにより、いずれの数値もよい傾向を示しており、こうした動きを見る限り、都財政の健全化は進んでいるように思います。
 しかし一方では、法人実効税率の引き下げや地方法人課税のさらなる不合理な見直しなど、都の財政が大きく減少する可能性もあり、それに加えて、今後はさまざまな財政需要の増大が待ち受けています。こうしたことを踏まえれば、今後の都財政は決して安閑としていられるわけではありません。
 そこで、今回の平成二十五年度決算を、中長期的な財政運営という視点を踏まえ、振り返っていきたいと思いますけれども、まず初めに、平成二十五年度決算全体をどう評価しているのか、お伺いいたします。

○潮田主計部長 平成二十五年度は、国内景気の回復を受けまして企業収益が改善したことにより、法人二税が増加するなど、都税収入が二年連続の増収となりました。そうしたことで、財政指標は、先ほど委員からもご指摘ございましたが、好転している状況でございます。
 しかしながら、都財政におきましては、今後、急速な高齢化による社会保障関係経費の増加や社会資本ストックの更新需要が見込まれるなど、こうした財政指標でははかりにくい膨大な財政需要が内在していることも事実でございます。
 そのため、今回の都税収入の増収等を活用しまして、基金の取り崩しを抑制することで基金残高を確保するとともに、都債につきましては、後年度の財政負担等を勘案して適切に活用することで、都債の発行余力を一層培うことにも注力いたしました。
 このように、平成二十五年度決算は、将来を見据えた財政基盤の強化につきまして、一定程度実現できた決算ではないかと考えております。

○ほっち委員 景気の回復により都税収入が増加したことなどから、後年度の財政負担など東京の将来を見据え、しっかりとその果実を活用し、都債の発行や基金の取り崩しを抑えて財政基盤を強化していたということは重要なことであります。実際、都債の残高は、普通会計ベースで前年度に比べて約二千億円減少しており、将来世代への影響を考慮した適切な対応は評価すべき点であります。
 また一方で、都の歳入の根幹となる都税収入は、経済のグローバル化が進む中、国内景気の動向だけでなく、海外の経済の動向にも大きく左右されます。こうした外的要因があっても、都民サービスの低下を招かないように、基金残高を確保して安定的な財政運営をしていくことは、極めて大切であるというふうに思っております。
 そうした意味で、今回の決算において、基金残高の確保をどう図り、財政基盤を強化したのか、確認しておきたいと思います。
 そこで、二十五年度決算で積み立てを行った主な基金と金額を具体的にお伺いいたします。

○潮田主計部長 平成二十五年度に新たに積み立てをいたしました元金の積立額は、一般会計と特別会計を合わせまして約五千億円となっております。
 その内訳でございますが、年度間の財源調整を目的としました財政調整基金に三百六十九億円、将来の都債の償還に備えるための減債基金に三千二百二十四億円、社会資本の更新などに備えます社会資本等整備基金などに一千百五億円、その他の特定目的基金に二百九十三億円の積み立てを行っております。

○ほっち委員 二十五年度決算における基金の積み立て状況については把握できましたけれども、年次報告書によれば、東京都には全体で約三兆円規模の基金残高があり、これはこうした将来への備えを怠ることなく進めてきた結果だというふうに思いますが、この三兆円という金額のみに着目して、東京都の財政は余裕があるというふうな東京富裕論も一部からは聞こえてきます。
 しかし、報告書に書かれている平成二十五年度残高を見れば、全体の基金残高約三・二兆円のうち、国が定めたルールにのっとって将来の都債の償還に備えて積み立ててきた減債基金で約一・四兆円、そして区市町村への資金貸付などを目的とした定額運用基金で約〇・三兆円を占めており、これらは他の基金とは性質が明確に異なるわけであります。
 ここから、国の経済危機対策による交付金を財源とした緊急雇用創出事業臨時特例基金や、年金給付の財源を確保するための心身障害者扶養年金基金など、使途が明確になっている特定目的基金を除くと、残る金額は約〇・九兆円であります。この〇・九兆円が、財政調整基金や社会資本等整備基金など、いわゆる財源として活用可能な基金の残高であり、年度間の財源調整や今後の財政需要などに柔軟に対応できる基金の残高は一兆円にも満たないわけであります。
 過去を振り返れば、平成十一年度には、決算ベースで財政調整基金が約十億円にまで減少するなど、都財政は危機的な状況にあったものの、その後、都は二度にわたる財政再建推進プランに全力で取り組み、内部努力や施策の見直しなどを徹底した結果、安定的な政策展開を行うための財源をしっかりと確保してまいりました。
 こうしたこれまでの着実な取り組みがあったからこそ、現在の基金残高が確保できているのであり、この場でしっかりと基金についての認識を一にしておきたいと思います。
 そこで、都における基金の意義について改めてお伺いいたします。

○潮田主計部長 基金は、安定的に行政サービスを提供するとともに、将来の財政需要に備えるための財源として、都の財政運営上大変重要な役割を果たしております。
 例えば財政調整基金は、不安定な都税収入を補い、財源が著しく不足する場合などに取り崩すことによりまして、年度間の財源を調整し、財政の健全な運営を図ることを目的とするものでございます。
 また、減債基金は、将来の都債の償還を確実に行うために、毎年度積み立てることによりまして、長期にわたり財政負担の平準化を図り、あわせて地方債の信用を維持しようとするものでございます。
 また、社会資本等整備基金や子育て環境を整備するための安心こども基金などは、特定の財政需要に備え、資金を積み立てるものでございます。
 かつて都財政は、リーマンショック後に一年に一兆円もの都税収入の減収に見舞われましたが、仮に今後同様のことが発生すれば、これまで積み立てた基金もすぐに枯渇してしまうおそれがございます。
 委員ご指摘のように、一部には、都の基金の残高を殊さらに強調し、東京都が富裕であると主張する向きもございますが、こうした主張は、都の財政構造の実態を踏まえていない議論であると考えております。

○ほっち委員 東京都は、景気変動の影響によって、年度間の税収の増減が激しい不安定な歳入構造にある上、地方交付税の不交付団体であるために、税収の減収局面にあっても国による財源保障はありません。
 そうした状況にある中で、安定した行政サービスを都民の皆さんに提供し続けるには、景気の荒波にさらされても、決してのみ込まれることなく、乗り越えていかなければならないわけであります。
 私は、こうした荒波を受けとめる財源をしっかりと確保していくことこそが、都議会自民党が掲げる責任ある政治の実現につながると認識しております。
 先ほどのお話にもありましたが、都の財政運営においては基金が大変重要な役割を果たしており、基金の残高の多寡だけをもって東京都が富裕であるというような意見は誤った認識で、無責任な考え方であります。都の財政運営に対し、私自身も提案していく立場として、根拠のない富裕論には適切に反論していくことが重要だと考えます。
 話題の方を決算関係に戻しますけれども、今回財務局が発表した年次財務報告書では、将来負担に関する内容が幾つか掲載されております。その中でも注目すべきものとして、社会資本ストックの維持更新経費の将来推計が出されております。
 こちらの方、平成二十六年度から四十五年度までの二十年間で約六兆円の財政需要が見込まれているわけであります。今後の膨大な財政需要を考えれば、こうした需要に備えている社会資本等整備基金、そして財政調整基金の残高確保は非常に重要であります。
 このうち、財政調整基金は、昭和五十五年度から義務積み立てを実施しており、経済変動に対応できるよう、法定外の場合にも、都税の増収が見込まれる場合に積み立てを行っています。平成九年には義務積み立ての基準の制度改正を行い、都税収入の伸び率が低水準で推移する中にあっても、確実に基金を積み立てるような見直しを図ったものと記憶しております。
 一方、社会資本等整備基金は、都市交通基盤や福祉施設などの整備に要する経費に充てることを目的として設置されていますけれども、税収増に連動した義務積み立てという制度はなく、今後に備え、税収が好調なときには、しっかりと社会資本等整備基金をみずから積み立てていくことが重要であります。
 今回の決算では、社会資本等整備基金へ約一千百億円の積み立てを行ったと話がありましたが、こうした視点がこれまでの財政運営の中で具体的な数値にどうあらわれているのか、見ておきたいと思います。
 そこで、社会資本等整備基金について、過去の税収動向と積み立て及び取り崩し状況についてお伺いいたします。

○潮田主計部長 お話の社会資本等整備基金は、旧都市交通基盤整備基金などの五基金を、基金の効果的、効率的な活用の観点から平成九年度に一つに統合したものでございます。
 ここ十年間ほどの例で重立ったところで申し上げますと、平成十七年度は、都税収入が前年度に比べて約三千五百億円増加したことによりまして、都有施設の更新や大規模修繕に備えまして、約五百億円の積み立てを行ったところでございます。
 また、平成二十年度には税収総額が約五・三兆円と、平成十九年度に続く過去最高水準となる中で、大規模施設等の改築・改修に関する実施方針、これを策定しましたことを受けまして、今後の需要に着実に対応するため、約二千六百億円を積み立てております。
 一方で、平成二十二年度には、リーマンショック後の景気の冷え込みによりまして、二十一年度に大幅に落ち込んだ税収の低迷が引き続いたことから、基金を約一千百億円取り崩しまして、公園、福祉施設などの整備や鉄道の連続立体交差化事業、あるいは羽田の空港再拡張事業などに充当いたしました。
 直近の平成二十五年度は、都税収入が前年度に比べて約二千四百億円増加したことを踏まえまして、都有施設の維持更新に備え、約千百億円積み立ててございます。

○ほっち委員 都では、将来を見据え、税収が比較的好調なときには社会資本等整備基金を積み立てるとともに、必要なときにはそれを財源として活用してまいりました。これこそがまさに基金の果たすべき本来的な役割であります。
 他の自治体でも、東京都とは財源規模が異なるため、一様な比較は困難でありますけれども、都の社会資本等整備基金に類似した基金を設置しています。
 具体的には、例えば大阪府では、大規模な公共施設や庁舎の整備、府が所有する建築物の耐震化等を図るため、公共施設等整備基金を設置しております。ほかにも愛知県、埼玉県、千葉県などでも同様の趣旨の基金を設置しておりますし、また、区市町村レベルでも、都内では、例えば私の地元の足立区でも公共施設建設資金積立基金を設置していますし、墨田区、八王子市や多摩市、町田市などでも、同様の趣旨の基金を設置しております。
 社会資本ストックの維持更新という問題は、平成二十四年十二月に発生しました中央道の笹子トンネルの天井板崩落事故などもあったことから、国、地方を問わず重要な課題と認識されてきております。また、平成二十六年五月には、国土交通省がインフラ長寿命化計画を策定したところであります。
 今さら申し上げるまでもなく、首都東京には、建築物、橋、道路、港湾、上下水道など多岐にわたる社会資本ストックが広がっております。こうした社会資本ストックの維持更新を着実に進めていくことが、東京の経済を発展させ、都民の暮らしを支えていくことにつながるわけであります。
 今後、都には、先ほども申し上げたとおり、二十年間で約六兆円という多額の財政需要が見込まれており、また、更新経費も年度間でばらつきが生じることが予想されております。
 こうしたことを踏まえれば、中長期的な視野を持って経費の平準化や社会資本ストックの長寿命化を図りつつ、将来への財源の備えを図っていくことが都に課せられた使命だというふうに私は考えております。
 そこで、最後にお伺いしますけれども、将来見込まれる社会資本ストックの維持更新経費の増加を踏まえ、今後の財政運営に向けた決意を財務局長からお伺いいたします。

○中井財務局長 ただいま委員のご指摘のとおり、都が抱える膨大な社会資本ストックの維持更新をいかに安定的、継続的に実施していくかにつきましては、今後の財政運営における大きな課題であると認識しておりまして、これには歳出、歳入の両面にわたる対応が必要であると考えております。
 まず歳出面についてでありますが、社会資本の長寿命化、今、委員の方からもるるお話がございました。これをしっかりと行っていくことが重要であると考えておりまして、現在、主要施設十カ年維持更新計画の改定作業を行っているところでございますが、この中でもこうした観点からの取り組みを進めているところでございます。
 これに加えまして、個々の更新事業の経費の精査も引き続き精力的に行うことなどにより、経費の平準化や縮減を図ってまいりたいと考えております。
 また、歳入面では、社会資本等整備基金や都債を計画的かつ戦略的に活用することにより、世代間の負担のバランスにも十分配慮しながら、インフラ事業に必要な財源を安定的に確保してまいりたいと考えております。
 さらに、資本ストックの維持更新、これを長期的、安定的に進めていくためには、都財政全体の健全性を確保することが不可欠でございまして、これまでも行ってきております事業評価などの手法をさらに活用しながら、施策の実効性や効率性を常に高めるとともに、基金残高の確保などにより、積極的な施策展開力と将来への備え、この双方を両立させる強固な財政基盤の維持に引き続き全力で取り組んでまいる所存でございます。

○ほっち委員 ただいま財務局長より力強いお言葉をいただきました。我が都議会自民党も、七月に発表した政策提言の中に、老朽化した道路や橋の維持更新、そして整備年代の古い上下水道などのライフラインの再生などについて、しっかりと進めることを都民に約束をしています。
 この社会資本ストックの維持更新という重要な問題に対しては、今後もさまざまな場で取り上げ、議論を行い、都民のために尽力していくことを表明しまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

○中山委員 私からは、平成二十五年度一般会計決算に関連して、財務局が担当しております都有建築物における省エネ、再エネ技術の導入推進についてお伺いいたします。
 我が党では、エネルギーの大消費地である東京の低炭素化は、日本全体のエネルギー政策にとって大変重要であり、東京の低炭素化に向けて都が率先するべきとの観点から、都有建築物の省エネ化、再生エネルギーの活用について、かねてから財務局と力を合わせて努力するべく、質疑や提案を重ねてまいりました。
 そうした中で、私自身も、平成二十二年第三回定例会の一般質問あるいは平成二十三年の財政委員会などにおいて、都は、民間ビルの環境性能を大きく上回る模範的な環境建築に挑むべきと、先進的環境技術の積極的な導入について質疑を行ったところであります。
 また、平成二十六年第一回定例会の一般質問において、都庁舎の設備更新の成果の公表と、民間に比べ極めて高い省エネ基準となっている現在の省エネ・再エネ東京仕様を一層充実化させるべきと、さらなる改定を求め、取り組みの成果についても積極的なPRを訴えたところであります。
 中井財務局長からも、省エネ、再エネの導入拡大に向けた検討を進めていくと明確なご答弁をいただいたところであります。
 そうした我が党の強い姿勢も受けとめていただいて、さきの平成二十六年第二回定例会では、我が党の橘議員の代表質問に対し、舛添知事から、東京全体での再生エネルギーの拡大に向けた取り組みを加速し、環境先進都市東京の姿を国内外に示していくとの力強い答弁がありました。
 さらに、中井財務局長からは、都が整備する施設などへの最新の環境技術の活用を図るべく、省エネ・再エネ東京仕様を改正し、環境負荷の低減に積極的に取り組んでいくとのご答弁をいただいたところであります。
 この省エネ・再エネ東京仕様の改正を検討する中で、財務局は、私の地元足立区の足立都税事務所をモデル事業と位置づけて建設し、先行的に新たな省エネ、再エネ技術を導入し、各種技術の有効性を検証しております。
 足立都税事務所は、平成二十四年、二十五年度の予算の中で、平成二十四年十月に着工し、本年一月に完成し、五月に業務を開始しております。私も開所式に足を運びました。
 エントランスホールでは、さまざまな省エネ、再エネの取り組みを来庁者向けにわかりやすく解説したパネルが設置されているとともに、その横の大型液晶画面では、太陽光発電の発電量を初め、庁舎全体のエネルギー収支をグラフやアニメーションを使ってわかりやすく表示されています。私どもの要望のとおり、いわゆる効果の見える化にも力を入れていただいており、私も拝見し、感銘しました。
 行政の施設は、都民の皆様の貴重な税金を使わせていただいて建築、運営されるものであり、みずから積極的に省エネ、再エネに挑戦するとともに、その効果を都民にわかりやすくPRする責務もあることを改めて強く感じたところであります。
 そこで、足立都税事務所における省エネ、再エネ技術の導入状況及び都有建築物のエネルギー消費量の削減に向けた今後の取り組みについて何点か伺います。
 まず、足立都税事務所で行った新たな省エネ技術や再生可能エネルギーの利用設備の積極導入の具体的な目的は何だったのか、また、省エネ、再エネ技術を導入することによって建設コストはどれほど上昇したのかをお伺いいたします。

○妹尾技術管理担当部長 足立都税事務所の改築は、平成二十三年に策定しました省エネ・再エネ東京仕様を改正するための実証建築と位置づけて、新たな省エネ技術や再生可能エネルギーを利用する設備の導入の可能性について検証することを目的として実施いたしました。
 具体的には、導入可能な個々の省エネ、再エネ技術について、エネルギー消費量やライフサイクルコストを試算し、費用対効果を検証したほか、公平かつ透明性を確保する観点から、複数の事業者が競争する技術であることや、材料等の調達のしやすさなどを確認しております。
 新たな省エネ技術や再生可能エネルギーの利用設備の積極導入により、足立都税事務所の建設コストは約二割上昇いたしましたが、ランニングコストを低減できるものであることから、ライフサイクルコストとしては、新たな省エネ技術や再生可能エネルギーの利用設備を導入しなかった場合と変わらないと試算してございます。

○中山委員 建設費はかさんだけれども省エネ技術を導入することによりランニングコストを削減できるので、トータルのコストは変わらないとの試算ということだと思います。
 省エネ技術を導入してランニングコストが減っても、建設コストがかさんでトータルのコストが変わらないんじゃ意味がないんじゃないかと、茶々を入れる向きも今後出てくるかもしれませんので、あえて申し上げたいと思いますけれども、私はそれは違うと思うんですね。
 今回の足立都税事務所は、あくまで現時点での省エネ、再エネ技術の粋を尽くしたモデル事業なんです。省エネ、再エネにつながる可能性のあるものはできる限り導入してみた。その中でコスト的に見れば、ランニングコストの削減効果に比べ、初期コストのかさばりぐあいが無視できないものもあることが、検証してみればわかってくるわけであります。モデル事業の効果は、そうした検証結果によって明らかになった費用対効果の高い省エネ、再エネ技術を選んで普及していけばよいわけであります。
 都が率先して試みて、有効な取り組みが明らかになることにより、東京全体の省エネ、再エネの水準が大きく高まることにつながると考えております。こうした試みを議会人が応援しない限り、未来の成果につながる挑戦を行政当局がしづらくなってしまってはいけませんので、あえて申し上げた次第であります。
 技術の粋を尽くしたモデル事業全体としても、トータルコストをとんとんに持っていったということは、むしろ評価するべきなんじゃないかなと考えております。
 その上で、今回の省エネ実証建築として具体的にどのような技術を導入したのか、また、それらの導入効果をどう見込んだのかをお伺いいたします。

○妹尾技術管理担当部長 室外機など空調関係の機器等も配置する屋上におきまして、スペース上の制約がある中で、最大限設置可能な三十キロワットの太陽光発電設備を設置いたしました。
 また、機械による自然換気システムのほか、ライトシェルフによる自然採光及び室内の明るさによって照明照度を調整する照明制御システムなどを導入してございます。
 さらには、建物の基礎のくいを利用いたしまして、地中熱を有効利用する地中熱利用ヒートポンプを設置しております。
 これらの取り組みにより、東京都地球温暖化対策報告書制度における同規模の事務所の実績平均値と比べて、エネルギー消費量を約六割削減できると見込んでおります。

○中山委員 民間の事務所ビルと比べて、エネルギー消費量を六割も削減できると見込んだとのことでありますが、ある意味、大変大胆な目標を掲げたわけであります。目標が大胆であるだけに、実際の導入効果を検証することが大切になってきます。
 足立都税事務所では、おおむね半年間業務が行われております。この半年間について、省エネ、再エネ技術の導入効果の検証をどのように行ったのか、お伺いいたします。

○妹尾技術管理担当部長 足立都税事務所には、電力使用量、太陽光発電設備や自然換気システム等の稼働状況を常時監視、確認するシステムを導入しております。
 このシステムで得たデータを分析したところ、適切な施設の運用等により、各システムは想定どおり稼働しており、その結果としてエネルギー消費が抑制されていることを確認しております。

○中山委員 電力使用量などのデータを常時収集、分析できる仕組みとなっている点がすばらしいというふうに思います。
 また、データを分析した結果、エネルギー消費が抑えられていることもわかったということでありましたが、平成二十三年に策定した省エネ・再エネ東京仕様も、当時、最新の省エネ設備や多様な再エネ設備を盛り込むなど、省エネ、再エネ仕様としてはかなり先進的、充実したものでありました。
 都は、これを適用して都有建築物を整備しておりますが、足立都税事務所の省エネ技術の導入効果はこの二十三年仕様と比べてどれほどだったのか、お伺いいたします。

○妹尾技術管理担当部長 改正前の仕様で建設した場合と比べまして、エネルギー消費量を約一割削減できると試算しておりましたが、この約半年間のデータを分析しましたところ、試算を上回る二割以上の削減ができていることが確認されました。

○中山委員 業務開始後おおむね半年間のデータであるものの、当初の見込みよりも大きな省エネ効果が確認されたとのことでありました。
 もともと省エネ・再エネ東京仕様は、民間水準よりもはるかに高いものを要求しているわけですから、それよりも二割削減できているということは、最終的に民間事業所よりも六割削減できるということは、十分達成可能なんじゃないかなというふうに期待しております。
 東京全体のエネルギー消費を抑制するためにも、こうした先進的取り組みの成果を踏まえ、他の都有施設でも同様の取り組みを展開していくことが必要であります。また、技術はどんどん進歩していくわけで、新たな技術についても、費用対効果のあるものは積極的に導入を図るべきであります。
 先ほど、トータルコストは、建設コスト増とランニングコスト減とを相殺してとんとんということでありましたけれども、例えば太陽光もそうですし、自然換気などについても、スペックによるかもしれませんけれども、かなり高スペックなものでも、初期経費の回収はおよそ十年というふうにいわれております。まさに費用対効果を見て、効果的なものを選択して採用していけば、さらに効果は上がっていくというふうに思います。
 そこで、今後、足立都税事務所で行った取り組みを他の都有施設にどのように展開していくのか、また、新たな技術の導入について今後どのように取り組んでいくのかをお伺いいたします。

○妹尾技術管理担当部長 足立都税事務所における取り組みで、省エネ・再エネ東京仕様の改正に先立って、各メニューの有効性を確認することができました。その上で、足立都税事務所で得た知見を踏まえて、本年六月に仕様を改正したところでございます。
 この改正した仕様を平成二十七年度から全面適用していきますが、本年度においても、適用が可能な案件においては前倒しして適用してまいります。
 あわせて、新たな技術につきましても、引き続き費用対効果を含めて総合的に検討を行い、必要に応じて仕様への反映を検討してまいります。

○中山委員 前倒しをして検討していくということ、すばらしいと思います。正式改定した後に適用するんだということが普通かもしれませんけれども、そうじゃなくて、いいものはどんどん先にやるということは、とても積極的なことだというふうに思います。
 これまでの質疑で、新たな技術を先取りして整備された足立都税事務所においては、かなりの成果が得られていることがわかりました。また、他の都有施設への展開や新たな技術についても引き続き検討を行い、環境負荷の低減に関する取り組みを進めていくとの答弁でありました。
 舛添知事は、自然エネルギーの占有率を都内において二〇%にする、そのことに挑戦するというふうにいわれております。しかし、再生可能エネルギーの量的拡大は、中長期的には必ずなし遂げていかなければならない課題ではありますけれども、並大抵のことではありません。
 再生可能エネルギーの占有率の高い欧米諸国のほとんどが、実情としては水力発電中心であります。太陽光発電や藻類、ユーグレナなどから得られる油類の抽出にしても、手応えを得られる程度までに量的拡大を果たすためには、膨大な面積の設備規模が必要で、他県での取り組みを応援するグリーン電力的な貢献にとどまらざるを得ないのが実情であります。
 東京が都内の高い技術力を生かし、都内の域内で取り組める課題としては、電力エネルギーや鉱物資源エネルギーの消費削減を大幅になし遂げることしかありません。舛添知事の二〇%達成を目指す戦略の中には、分母である消費エネルギーの削減を大きく推進していくことも念頭に置かれているのではないかと思います。その意味で、財務局が取り組まれる省エネ・再エネ東京仕様が果たす役割は極めて大きいと考えます。
 一般論からいえば、これまで日本の自然エネルギーの取り組みは、太陽光発電などの何とか発電と呼ばれるものが中心でありました。基本的には自然エネルギーを一旦電力に置きかえて、グリーン電力の導入を図ることによって省エネを進める方式で終始一貫していたように思いますが、これはある意味、一旦電力への変換を伴うという意味で効率が悪い側面もあります。
 本来であれば、太陽光はそのまま光として活用し、照明の消費電力の削減を図る、または太陽熱をそのまま温水に生かして利用するなど、自然エネルギーのままで活用する道を拡充させていく方が効率的であります。
 足立都税事務所も、室内に比べて高かったり低かったりする外気を空調としてそのまま自動的に随時活用できる工夫を凝らし、機械空調の消費電力を大幅に削減した自然換気の発想による省エネ効果が大きかったと伺っております。
 都は今後、日本全体が国として進むべき方向の道筋を先取りする形で、光や風、熱などの自然エネルギーをそのまま活用する方途や、都内のベンチャー企業も意欲的に挑戦している蓄電技術などを積極的に活用し、実効性の高い省エネを都施設やオリンピック関連施設などで積極的に導入するべきであります。
 今後も、省エネ技術などの技術革新の動向を十分注視し、費用対効果の高い新たな技術を仕様に採用して、省エネ・再エネ東京仕様の充実を図るなど、環境先進都市東京の実現に全力を注いでいただくことを要望して、質問を終わります。

○かち委員 私からも、財務局の二十五年度決算の質問をさせていただきます。
 東京都主要施設十カ年維持更新計画について伺います。
 二〇〇九年に立てられた十カ年計画からちょうど五年がたちました。そこで、この計画の進行状況についてお聞きします。
 まず、この維持更新計画の総事業費の概算は八千三百億円、対象施設は全施設の八百五十二棟と聞いております。三期に分けて執行しているわけですが、各期ごとの対象棟数と事業費の概算について伺います。

○室木建築保全部長 各期ごとの対象棟数及び事業費の概算についてでございますが、まず最初に、主要施設十カ年維持更新計画の策定時におきます棟数の内訳でございますけれども、第一期は四百十棟、第二期は二百五十四棟、第三期は百八十八棟でございまして、合計八百五十二棟となってございます。
 次に、概算事業費の内訳でございますけれども、第一期は二千七百億円、第二期は三千億円、第三期は二千六百億円となってございまして、合計で八千三百億円程度となっております。

○かち委員 これまでの財政委員会の質疑などで、敷地内にある複数の建物の集約化や、対象以外の附属棟もあわせて工事をやったり、他施設との合築が行われるために、当初の棟数の考え方とこれまでに整備した棟数との関係性が薄いために、棟数での整理はしていないとのことですが、その考え方で、それでは第一期、平成二十一年度から二十三年度の計画の執行状況はどうであったのか、検証されているのでしょうか。

○室木建築保全部長 平成二十一年度から二十三年度におきます第一期計画の進捗状況についてでございます。
 これを予算措置の状況から施設の数で整理いたしますと、第一期の計画施設として、具体に名前が挙がっているものは二百件ございましたが、このうち第一期期間中に百六十八件が着手してございます。
 一方、未着手であった残りのものにつきましても、その後、与条件が整い次第、順次着手しておりまして、二十六年度当初までに十五件が着手または着手見込みとなってございます。
 よって、百六十八件に十五件を加えた百八十三件が着手または着手見込みとなり、これは第一期計画の約九割となっております。

○かち委員 九割が着手または着手見込みということでしたけれども、では残っているものがどうなっているかということなんですが、所管局等の計画などで多少のずれ込みがあるのはやむを得ないと思いますが、計画していて未着手の中に、中野工業高校を初め三つの都立高校が事業計画の検討中、それから江戸東京博物館も事業計画の検討中というふうになっております。これらについての具体的な内容についてお聞きします。

○室木建築保全部長 各局におきまして、維持保全計画の内容に沿うよう最大限の努力がなされておりますので、おおむね順調に推移しているというふうに理解してございます。
 中には、先ほど委員からもございました、さまざまな与条件整備がおくれ、事業着手に至っていないものも多少ございます。
 例えば、先生からご指摘のございました中野工業の関係でございますが、これは住宅密集地の中での工事であり、工事用道路の確保というところの問題で調整をしているというふうに伺っているところでございます。
 また、第四商業につきましては、土地問題の整理のため多少時間を要しているというふうに伺っているところでございます。

○かち委員 それぞれの条件の問題があっておくれているということはわかりました。
 これまでの財政委員会での質疑の中で、十年間というスパンは長いので、その間のさまざまな状況を鑑みて、各期ごとに見直しをするということでしたけれども、それはどのように行われているのでしょうか。

○室木建築保全部長 計画事業の具体的な執行に当たりましては、社会情勢の変化に伴うさまざまな基準の改正ですとか、あるいは新たな行政需要を、個々の事業推進の中で対応していく必要がございます。
 このため、計画事業の整備手法あるいは整備範囲、あるいは整備の費用などにつきましては、予算見積もり段階で十分に検討するなどいたしまして、事業内容の精査に努めてきたところでございます。

○かち委員 当初計画はあくまでも概算配分であって、一期では二千七百億円という概算でしたけれども、その進行状況がどうなのかという点では、少なくとも各期ごとの執行状況、決算状況を検証しなければ実態はつかめないわけですが、そういうことはやっていないということですね。
 これで二期、三期に向けてどういう見直しを検討されているのかということです。現在見直しをされているとのことですが、どのような視点で見直しをされているのか、いつまでに新しい計画を出されるのか、お聞きします。

○室木建築保全部長 計画策定から五年が経過いたしまして、例えば公共施設などの計画的な管理の推進、いわゆる公共建築物の長寿命化に向けた要請など、計画策定以降の新たな行政課題も発生しているところでございます。
 このため、改めて計画の対象とすべき施設を整理し、その整備時期や整備手法などの検討を行う必要があるため、今回改定を行うものであります。
 この新たな計画につきましては、今年度中に策定する予定でございます。

○かち委員 都有施設の維持更新というのは、建物だけではなくて、道路、橋梁、河川の堤防とか港湾、防潮堤など社会的インフラ整備も同様に一斉に更新期を迎えることになります。これらについての維持更新に係る経費は、今後二十年間で二兆三千億円の見込みが示されています。これから発生してくる都有施設の維持更新計画も含め、遅滞なく、安全確保の視点に立って推進することが求められます。
 そういう意味では、限りある財源を何に重点を置いて運営するかが問われています。少子高齢社会を迎える今日、不要不急の大型道路など新規建設を推進するのではなく、暮らし、福祉優先の財政運営に切りかえることを求めておきます。
 次に、都有施設の省エネ、再エネの取り組みについて伺います。
 世界で最も環境負荷の少ない都市の実現に向けて、新しい仕様書を平成二十三年に策定されました。
 この仕様書に基づけば、どのくらいのCO2削減効果になるのか、また、再生エネルギーによってどのぐらいの発電量を生み出すことができるのか、伺います。

○妹尾技術管理担当部長 都は、平成二十三年に定めました省エネ・再エネ東京仕様をことしの六月に改正いたしたところでございます。
 この改正いたしました仕様によれば、これを適用しまして床面積三千平方メートルの庁舎を建設した場合、東京都地球温暖化対策報告書制度における同規模の事務所の実績平均値と比べまして、エネルギー消費量を約六割削減できる見込みでございまして、CO2排出量につきましても同程度排出削減できると考えております。
 再生可能エネルギーの利用につきましては、標準的な装備として、各施設で太陽光発電設備を十キロワット以上設置することなどを挙げております。

○かち委員 先ほどの質疑の中で、足立都税事務所が新しい基準のモデルとして取り組まれ、最大限の省エネ対策、再エネ対策をやられたということで、六割のCO2削減が見込まれるということがご答弁でありましたけれども、こういうモデルがこれから予定されている全ての改築、改修計画の建物に当てはまるとは限らないわけですね。
 これが全てできたら、本当にそのぐらいいくだろうというふうに思うんですけれども、そういう意味で、具体的にあるものを、こういうやり方の中で、新しい基準書の中に最大限のものが書かれているんですけれども、これをどの施設でどれを取り入れて、どうしたらどれぐらいになるのか、全体でどうなるのかというような試算もぜひ出していただきたいというふうに思います。
 また、再生可能エネルギーの設置では、各施設で太陽光発電十キロワット以上となっております。私なんかも新しくなった施設を見るんですが、これだけの大きな建物でこれだけしかつくれないのかというふうに思うわけですけれども、十キロワットというのは年間発電量の一万キロワットであり、約二世帯分弱なんですね。都有施設としては設定規模が小さいのではないかというふうに思います。
 ちなみに、千葉市などでは、屋根貸し事業に取り組む中で、二十三校の小中学校に設置可能な建物があって、一棟当たり平均屋根面積五百平米ということで、この面積に設置できるのは五十キロワット程度だというふうに示しています。
 諸条件はあるでしょうが、可能な面積には五十キロワット程度の太陽光発電を設置するなど、もっと積極的な取り組みを求めたいと思います。
 都が率先垂範して、世界で最も環境負荷を抑制した改築、改修を実行しても、都有施設の四二%にすぎません。あとの五八%の施設についても可能な省エネ、再エネ対策が、太陽光発電など可能なところから、改修時を待つのではなくて設置を進めていくべきだというふうに思いますが、見解を伺います。

○妹尾技術管理担当部長 都は、主要施設十カ年維持更新計画の対象施設のみならず、それ以外の都有施設につきましても、従前から高効率機器や太陽光発電設備などを導入し、建築物の省エネ化や再生可能エネルギーの利用を推進してきたところでございます。
 本年六月には、平成二十三年に策定した省エネ・再エネ東京仕様を改正し、個々の施設の特性や立地状況等に応じて、可能な限り再生可能エネルギーの利用の割合を高めるということを検討することとしております。
 今後も、改正した仕様に基づき、再生可能エネルギーの利用拡大に努めてまいります。

○かち委員 この本庁舎の屋上にも、改修前からかわいい太陽光がついていたのは承知しておりますけれども、既存の施設につけてほしい、都営住宅とかそういうところでも、都立学校でもやってほしいという地域の声があるんですが、なかなかそこまでは進んでいないのが現状です。
 新たに省エネ・再エネ東京仕様を改定し、最新の省エネ技術を取り入れて、率先行動に取り組まれることは重要だと思っています。しかし、この仕様書も、都有施設の改築、改修時の適用であり、既存施設については触れられていません。並行して既存施設についても可能な限り省エネ、再エネ対策に取り組むことによって、目標とする世界で最も環境負荷の少ない都市東京の実現に向けた都みずからの率先行動になるのではないかということを申し上げて、質問を終わります。

○斉藤委員 それでは私の方から、財務局の日ごろの活動に関して幾つか伺います。
 財務局のホームページ、トップページのところを見ますと、その中に、建築工事と建物保全というバナーがございまして、そこをあけるとページが出てまいります。この中に、東京都が所有する施設の耐震化の耐震性に係るリストというのがありまして、ことし六月にも更新されております。
 そこで、都有施設について伺うんですけれども、都はこれまで耐震化にどのように取り組んできたのか、大枠で伺います。

○妹尾技術管理担当部長 都は、平成十九年度に策定いたしました東京都が所有する防災上重要な公共建築物の耐震化整備プログラムに基づき、各局が所管する消防署、警察署、学校、病院など、災害時の活動の拠点となる建築物や多数の都民が利用する建築物などを対象として、計画的に耐震化に取り組んでまいりました。
 具体的には、昭和五十六年五月以前の旧耐震基準を適用して建設された建築物について、耐震診断を実施し、十分な耐震性が確保されていないと判定された建築物については、施設の今後の利用状況に応じて耐震補強、改修などの手法を定め、耐震化に取り組んでまいりました。この結果、平成二十五年度末時点での耐震化率は約九七・四%となっております。
 なお、それぞれの建築物における耐震化の進捗状況につきましても、耐震性に係るリストとして毎年ホームページにて更新しております。

○斉藤委員 財務局のホームページの東京都が所有する施設の耐震化の耐震性に係るリスト、これを見ますと、都が所有する建物について、耐震診断はよくやっているなと、費用もそれなりにかかったんだろうなというのを実感として持つわけです。そしてまた、耐震化も九七%以上進んでいるということで、大分進んでいるなというのもわかります。このリスト自体も非常にわかりやすいことは非常に評価できるんじゃないかと思います。
 しかも、正直いって、このリストを見ると、耐震化が進んだところもわかるんですが、一方で進んでいないところも同時にわかってしまうということで、こういった結果を自分たちで抱え込まずに、まさに一般の都民が見られる形で公表しているというのは、非常にいいと思います。
 現在公開されております、ことし六月公表のものについては、測定した時期が平成二十五年度ということで、決算にはふさわしいかなと思って取り上げるんですが、大半の四千五百十一件が、耐震の指標値でございますIs値、これがAランクですので、安心というふうなことです。
 一方、Is値が残念ながら〇・三以下、いわゆる大地震で倒壊し、または崩壊する危険性が高いというB2ランクのものが、それでもまだ十三物件残っているわけです。恐らく先ほどの九七%から外れるものなんじゃないかなというふうに思うんですけれども、例えば総務局が所管している青山の職員住宅なんかは〇・二六で、後で確認をしたら、今住んでいない棟だということでちょっと安心したんですけれども、そのほかにも、建設局の恩賜上野動物園、ラマ・バク舎は何と〇・一四と突出して低くて、象やホッキョクグマといったものについてはAランクなんですが、随分扱いが違うなというふうに思ったりします。防災上どう関係あるのかなというふうなところなんですが、中にいる動物が、そのときに動物舎が壊れて逃げてしまうということがあるといけないので、動物園関係も対象にしているというふうなことらしいです。
 また、丸の内警察署については〇・二九、これも〇・三を切っています。災害時こそ重要な施設ですから、これを見て都民の人は心配になってしまうんではないかと。そしてまた、東京消防庁の芝消防署・芝単身待機宿舎も〇・二九、ここも災害時に壊れてほしくはない施設であります。
 都民として、こういった結果がよくわかるというのは大変評価できるところなんですけれども、その反面、大変心配になってしまうということもあるんじゃないかと思います。しかしながら、それでもあえて公表しているという、その姿勢について非常に評価しております。
 この調査と公表において、都民の安心を促すわけですが、肝心なところは、同時にこういったことを公表することで、所管局が局の予算を何とか工面して改修や建てかえなどをしてくれるということを促すことが大事なんじゃないかと思います。
 丸の内警察署の話を先ほどしましたが、丸の内警察署のホームページを警視庁の方から見てみると、この写真の端っこの方に、ただいま建てかえ計画中とさりげなく書いてあって、内部での努力というものがかいま見えるんですが、平成二十五年度のこれらB2ランクの十三物件の耐震化、当然のことながら急ぐべきというふうに考えるわけですが、現在までの取り組みについて伺います。

○妹尾技術管理担当部長 防災上重要な公共建築物のうち、耐震化が必要な建築物につきましては、耐震化整備プログラムに基づき計画的に取り組みを推進してきております。
 平成二十五年度末時点で耐震性ランクをB2として公表した十三棟の中には、現在、耐震補強や改築の工事中及び機能を移転後に解体の工事中のものが含まれております。また、それ以外の建築物につきましても、所管局においてそれぞれの対応方針が定められており、現在、それに向けて鋭意調整を進めているところでございます。
 財務局においては、耐震化を計画的かつ効果的に進めることができるよう、各局に対して技術支援を行ってまいります。

○斉藤委員 ありがとうございます。
 恐らくこういったものを公表することによって、各局もお尻に火がついた状態で対応しなきゃならないと、都民が見ているぞというふうなことで、まさにそういうことで鋭意調整を進めてくれるんじゃないかと思います。ぜひ財務局としてはしっかり、迅速な対応を各局が行えるようにいろんな形で促して、結果的に一〇〇%に早期に達するようぜひ頑張っていただきたいと思います。
 やはり財務局のホームページから、もう一点伺いたいと思うんですが、これを見ますと、東京都の工事設計単価表というのがございます。東京都で工事積算に用いる設計材料単価などを公表しているわけなんですけれども、例えば建設資材の一つである珪砂などについては、キロ当たり四十六円というふうな、いろんな材料の項目がリストで出てきますので、これもなかなかわかりやすいなと思います。
 同様に、人件費についても同じページの中で設計労務単価として公表しています。
 それにしても、最近の資材、人件費の高騰は著しく、発注者も事業者にとっても非常に厳しいものがあるんじゃないかと思います。
 そこで、最近の変動についてはどの程度の変動であるか、伺います。

○妹尾技術管理担当部長 資材価格と労務費に関する東京都エリアでの変動状況についてでございますが、まず資材価格については、建設工事で使用される資材の総合的な価格動向をあらわす一般財団法人建設物価調査会の建設資材物価指数では、平成二十四年八月から二十六年八月までの二年間で約五・九%の上昇となっております。
 次に、労務費については、国の公共工事設計労務単価では、平成二十四年四月時点と平成二十六年四月時点で比較すると、職種ごとの変動率の平均で約二七・二%の上昇となっております。

○斉藤委員 先ほどホームページの耐震化の話でも出ましたが、都民から見ますと、財務局が所管する部分というのはちょっとわかりづらいですし、また、目に見えるようなメディアというか、アイテムも非常に限られているわけですので、そういう意味では、ホームページという部分、まさに使いようによっては、都民にとって財務局がやっていることがよくわかる、そして財務局が教えてくれる情報はなるほど役に立つなというふうに評価ができるのも、ホームページの部分は重要な位置を占めているんじゃないかなと思っております。
 そこで、気になるのは、ホームページ上に、先ほどの東京都工事設計単価表などが出ているところに、この公表価格は原則年一回改定と表示されてございます。
 しかし、現在の、そしてまた先ほど答弁いただいたような価格の高騰や変動からすると、恐らく年に一回の改定では現実に追いつかないんじゃないかというふうに心配しているわけですね。恐らく二十五年度についても何回かの改定をしているんじゃないかなというふうに私は推察するわけなんですが、そしてなおかつ事業者も非常に大変ということになっている中で、やはりきめ細かい改定というものをしなきゃいけない、そしてまた、きめ細かいホームページの更新もさらにしなくてはいけないというふうな感じだったんじゃないかなと思います。
 実際、平成二十五年度についてはどのような取り組みを行っていたのか、そこを伺います。

○妹尾技術管理担当部長 公示価格の積算に当たっては、最新の単価を適用し、できるだけ実勢価格を反映するよう努めております。このため、積算単価については、原則年四回、四半期ごとに定期改正を行っています。
 加えて、昨今のように建設資材等の価格変動が著しい場合には、臨時改正を行うこととしており、そのため、生コンクリートや鉄筋鋼材等の主要資材について、毎月、刊行物で価格調査を行い、必要に応じて月単位で改正を行っております。
 これらをあわせて、平成二十五年度においては、定期改正を含め九回の単価改正を行ったところでございます。
 また、ホームページについては、掲載単価の改正があった場合、速やかに改正を行っております。

○斉藤委員 ありがとうございます。
 今のように九回改正を行ったと。また、ホームページも変更があれば変えているということで、現実の変動に追いつく配慮というものをかなりしていただいているんじゃないかと思います。ぜひこの部分については、これを見ていろんな部分で判断をされる。聞くところによると、このホームページ、東京都が出している部分については、主要な材料よりは、むしろマイナーな材料が多くて、いろんな刊行物で追い切れないというような資材の種類なんかを意識してつくられているということで、なおさらこの部分に頼る場面、もしくはホームページで簡単に調べられますので、これをまず見るという事業者さんも多いかと思います。ぜひこれからもそういった部分に気を配って、スムーズな着工につなげられるようにお願いしたいと思います。
 今、人件費や労務に関しての質問をさせていただいたんですが、最後に、財務局さん、契約全般について都庁全体に気を配っているということで、ちょっとお願い事なんでございます。
 現場業者に聞きますと、技術者や労務者等の人の確保が本当に今大変で、以前にはなかったような、支払いが早く確実になされるというふうなことをせっつかれる、そしてまた下請業者や技術者の今後の工事案件への参加や協力に、支払いがうまくいけば、ちゃんと入金ができれば、そういった次の仕事のスムーズさにつながってくるということがあるようでございます。そのためにどうしても、工事が完了すると、下請側から元請側に対して、早く請求書を出して早く職人たちに支払えるようにしてくれというふうな要望が来るそうです。
 これに関して、前回の決算委員会で会計管理局に確認させていただきまして、会計管理局の部分だけ見れば、ほとんど五日間で支払いをしているというふうに確認できたところであります。
 しかしながら、会計管理局が携わる部分以外の日数については、現場の工事が終わった日から数えると、まず完了検査が入って、その検査の結果が出た後、やっと請求となりますので、そのことがわかっていない下請業者やその先の労務者から見れば、それなりに日数がかかっているというふうな印象を受けるわけです。これらの下請、元請業者は、早く技術者、労務者に払ってあげなくてはというふうに焦ってしまうわけなんですね。
 ただ、聞くところによると、財務局は、産業労働局とともに、七月末に工事代金の迅速な支払いの実施についてという形で注意を促していると。その中には、法律で定められた期限の四十日間に対して余裕日数がないような支払い事案があるということで、注意喚起を各局に対してしているんですね。つまり早く支払ってあげるように、ましてや法律に定められた四十日の期限ぎりぎりなんていうのは、以前からいっているけれども、そういうことがないようにというふうな注意喚起をしているということです。
 しかも、その注意の理由として、中小企業事業者らにとって、都から支払われる工事代金は、円滑な資金調達のために非常に重要であるというふうなこともいっているようで、支払い先の事業者の立場に立って指示しているというのは、私から見ても、なかなかいい注意喚起だなと、またそういう視点でいってくれているのもありがたいなというふうに思います。
 そこで、加えてのお願いでございます。元請業者等の視点に立てば、支払い手続の進捗状況についても、東京都の担当者から事業者に対して情報を出すように配慮していただければというふうに思うんですね。様子がわかれば、元請業者が、今こういう手続の途中です、いつごろ入金できそうですというふうに下請業者や技術者に説明できるので、お互いそこでトラブルにならずに、良好な関係を保ちやすいということです。
 そしてまた、東京都の発注担当者から業者への、これはあくまで事務手続上の丁寧な対応というものでありますので、同じ金額、同じ期間であっても、やりとりによって元請が下請に悪い印象を与えない、もしくは次の仕事のときにスムーズに事が運べるというふうなことにつながると思います。
 もちろん、これは入札前の不適切なコミュニケーションというものとは全く違います。もちろんそういうコミュニケーションは言語道断なわけですが、これはあくまで事後の丁寧な対応ということで、今回の件は、工事完了後の事務上の話ということでお願いなわけです。こういうことについては、先日も多摩水道改革推進本部の幹部の方と意見交換をしたときに、ちょっとこういう事情があるんだけれどもというふうな相談をしましたら、業者の事情に鑑みて、そのような趣旨で業者への対応は丁寧に前向きに取り組んでいただけるというような話にそのときはなったんですけれども、こういう工夫を都発注の工事契約全体においてぜひお願いしたいと思います。
 人が集まらない、技術者が確保できないという時代ですので、発注者である都に提案をさせていただき、質問を終わります。

○石川委員 既に東京都は、太陽光を初めとする再生可能エネルギーによる電力の導入を促進してまいりましたが、都内電力使用量に対する再生可能エネルギー電力の利用割合は、一二年度末で約六%となっております。
 また、エネルギーマネジメントシステムの導入により、スマート化の取り組みも広がってきておりますが、地域を超えた街区全体のスマート化は一部にとどまっております。
 本年、舛添知事が就任し、早々に、再生可能エネルギーの比率を電力利用割合全体の二〇%以上とする方針を示しました。そして、その方針に基づき東京都長期ビジョン中間報告が示され、その中で、都内における再生可能エネルギーの導入については、既存建物の屋上や駐車場の上部などの未利用スペースを、太陽光発電や太陽熱利用、地中熱利用、食品廃棄物等のバイオマスの活用を進めるとしております。そして、都内の建物への太陽光発電システムや太陽熱システムの促進のため、ソーラー屋根台帳の活用を図るとしております。また、都の所有する建物の屋上や敷地を活用した太陽光発電システムを一番に挙げております。
 そこでお伺いいたします。
 都施設において、どのように電力利用割合の二〇%を再生可能エネルギーとする目標を達成しようとしているのか、お伺いするものであります。

○妹尾技術管理担当部長 都におきましては、都有建築物の改築等に当たって、施設全体の電力消費量を削減するため、一層の省エネ化を推進するとともに、施設内で再生可能エネルギーにより生み出される電力量を増加させるため、太陽光発電設備などの設備の導入拡大を、個々の施設の特性や立地状況、費用対効果等を検討した上で推進しております。
 今後も、建築物の一層の省エネ化と再生可能エネルギーの利用拡大とを並行して進めることで、再生可能エネルギーによる電力利用割合を高めてまいります。

○石川委員 十年ほど前の財務局のデータによりますと、東京都は、約三万棟、三千万平方メートル、東京ドーム六百五十四個分に相当する公共建築物の床面積を所有しております。また、土地は一万二千五百ヘクタール、山手線の内側のみならず、中央区や港区の外側に達する九区分の面積に相当する土地を持っております。また、東京都の管理施設面積は三千百五十万平方メートルで、そのうちの五五%に当たる千九百五十三万平方メートルは、当時の住宅局の管轄となっております。このような資産を活用することが求められております。
 二〇一二年七月から電力の固定価格買い取り制度が開始されたことにより、建物所有者がみずから太陽光発電を設置する従来の手法だけでなく、発電事業者が一定の面積を有する屋根を借りて太陽光発電施設を設置し、建物所有者が屋根の賃料を得る屋根貸しビジネスという新しい手法への関心が高まっております。
 これは、発電事業者にとっては賃料を払いながらも売電収益が得られる一方、建物所有者にとっては、定期的に賃料が入るとともに、費用負担がなく太陽光発電が設置され、非常用電源としても活用が可能であり、双方にとってメリットのある新たなビジネスモデルであります。行政の所有する建物や土地を屋根貸し事業として活用することは、官民の連携事業ともなり、大いに推進すべきものと考えております。
 また、都内の自治体も積極的に取り組んでおります。
 多摩ニュータウンの中心地であります多摩市では、つくるエネルギーとして、これまでの太陽光発電設置費補助に加えまして、地域主導による太陽光発電屋根貸し事業の普及啓発とともに、市有施設への設置を進めております。これらの取り組みを後押しするために、市民、事業者を対象とした省エネ・創エネチャレンジコンテストを開催し、市域全体で輪を広げ、自立分散型エネルギー社会に向けて大きく歩みを進めていくことを掲げております。
 そして、再生可能エネルギーの普及により、地球温暖化の主な要因となっているCO2の排出量を削減するとともに、自立分散型エネルギー社会への転換を図り、環境負荷の小さい、災害に強いまちをつくることを目指しております。
 多摩市は、再生可能エネルギー普及手法の一つとして、屋根貸しによる公共施設への太陽光発電設備の設置を、民間の集合住宅や事業所への普及に向けてのリーディングプロジェクトとして実施しております。屋根貸しモデルを作成し、屋根貸し手法の普及を図るため、基本的には十キロワットが最低単位ということもあり、百五十平方メートルが最低単位で、二十年間貸し出すことを基本としております。
 東京都は、今まで新設や改修によるソーラー等の設置を進めてきましたが、それだけでなく、既にある都有施設の中で屋根貸しマッチング事業を進めるべきと考えます。考え方をお伺いいたします。

○岩瀬財産運用部長 行政財産である都有施設は、その行政目的の達成を第一に考える必要がございます。
 太陽光発電装置の屋根への設置は、パネルや発電装置を建物に固定するとともに、事業の採算性から長期間の運用が求められることから、建物の構造や耐用年数、その建物の用途としての機能上、安全上支障がないかなど、慎重に検討する必要がございます。
 そのため都は、平成二十一年三月に都有施設省エネ・再エネ等導入指針を策定し、施設の新改築や再エネ設備の導入の機会となり得る設備更新の企画段階で、太陽光発電を含む再エネ設備の導入検討を行うなど、積極的に導入を実施することとし、取り組んでいるところでございます。
 お話の民間太陽光発電装置設置のための既存の都有施設の活用につきましては、今後、事業所管局から具体的な相談があれば、適切に対応してまいります。

○石川委員 具体的には、屋根の傷みの問題を初めとするリスクは、保険を活用することで多くはヘッジすることが可能と考えております。また、二十年という契約期間は、場所や諸条件によっては短縮することが可能といえます。
 都も、行政財産、普通財産含めてたくさんの土地を所有しております。官民が協力する屋根貸し事業を、建物だけではなく土地を活用することで実現が可能と考えます。平らな土地である必要はなくて、斜面地でも問題がないわけであります。適地を求めることは決して難しいことではないと考えますが、いかがでしょうか。

○岩瀬財産運用部長 現時点で未利用の都有地でございましても、都民から負託された貴重な財産でございますので、さまざまな都の施策への活用を検討していくものでございます。具体的には、土地の面積や立地等を踏まえ、事業に要する期間や優先順位等を勘案し、複数の施策間で整合をとっているところでございます。
 未利用都有地への太陽光発電装置の設置につきましては、再生可能エネルギーをめぐる昨今の状況も勘案し、具体的な相談があれば適切に対応してまいります。

○石川委員 今、国では、太陽光発電の買い取り制度の見直しの議論が突如持ち上がりまして、積極的に事業を進めようとしている企業などからは厳しい批判が起こっているところでございます。国は早急に再生可能エネルギー活用の制度の安定化を図る必要があります。
 しかし、長期的視点に立てば、本制度の継続は必然といえます。
 知事の公約でもあり、長期ビジョンの柱の政策の一つでもある、使用電力の二〇%を再生可能エネルギーとすることを二〇二〇年までに達成することは、決して簡単なことではないと思っております。全庁挙げての取り組みが求められておりますし、都の資産をトータルに活用することは、ファシリティーマネジメントの考え方にも合致するわけであります。
 屋根貸し事業について、建物、土地に対して事業者と真摯に対応していただくことを求めまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

○小林委員 私からは、都有地の活用について何点かお伺いさせていただきます。
 舛添知事は、知事選の公約として福祉インフラの整備を掲げ、積極的に都有地を活用することを打ち出されました。
 都においても、本年七月末に土地活用検討チームが福祉インフラ整備促進のための新たな土地の支援策を発表するなど、一層取り組みを強化しており、施設の整備が加速するものと期待しております。
 都議会公明党も、安心して産み育てられる東京にと題した少子社会対策の第一次提言を九月にまとめ、安藤副知事に申し入れをしましたが、その提言の中においても、都有地の利用実態を再度点検し、当面活用予定のない土地については、期限つきの条件などをつけるなどして、保育所設置のために提供すべきとの内容も盛り込んだところです。
 福祉インフラ整備は、都の最重要課題として取り組んでいかねばなりませんが、貴重な財産である都有地は、計画的に都政におけるさまざまな課題に活用すべきであると思いますし、状況によって、福祉インフラ以外の事業についても、当然のことながら活用していくことも検討していかなければなりません。
 そこでまず、財務局が所管する普通財産の保有状況について、その件数と面積をお伺いします。

○岩瀬財産運用部長 平成二十六年四月一日現在で財務局が所管している普通財産の都有地は、合計で二千二百十四件、面積は約四百八十七ヘクタールでございます。

○小林委員 今伺いました普通財産の都有地二千二百十四件のうち、未利用となっている都有地はどのくらいあるのか、また、既に何らかの活用が図られているものがあれば、その件数についてもあわせてお伺いします。

○岩瀬財産運用部長 二千二百十四件の中には、借地権が設定されている長期の貸付財産、利活用が困難な無人離島や緑地保全地が含まれます。これらを除きまして未利用となっている普通財産は、合計で三百三十二件、面積は百九十三ヘクタールでございます。このうち、既に駐車場などの暫定利用に供しているものは百二十三件でございます。

○小林委員 今ご答弁のあった未利用地三百三十二件は、条件が整えば利活用の道が開かれる土地と認識しておりますが、三百三十二件のうち既に百二十三件が暫定利用されているとのことですが、暫定利用の前に、そもそも未利用地がある場合、通常どのようにその活用の検討を進めていくのか、確認のためお伺いいたします。

○岩瀬財産運用部長 都有地は都民から負託された貴重な財産でございまして、未利用地につきましても適切な対応が必要でございます。
 活用に当たりましては、まず、当該の未利用地に対しての行政施策での活用の可能性を確認いたします。その際、都事業を最優先として各局に活用の意向を確認し、次に区市町村に対し意向を確認いたします。その上で、行政需要がなく都にとって不用と判断した場合には、民間への売却を行っております。
 なお、一般的に大規模用地や都心の用地は、直ちに都として使う計画がない場合であっても、将来の需要を見越して売却せず、定期借地による貸し付けや駐車場等の暫定活用を図っております。
 それ以外の活用が難しい狭小地ですとか不整形地につきましては、隣接の地権者に売却交渉するほか、宅地として活用可能な土地は、一般競争入札により売却しております。

○小林委員 先ほどのご答弁にもありましたが、普通財産の都有地二千二百十四件のうち、未利用地が三百三十二件とのことでしたので、千八百八十二件については、何らかの課題があって、利活用になじまない土地ということになろうかと思いますが、これら千八百八十二件についても、ぜひ知恵を絞って、例えば、何らかの制約がかかって活用できないという土地があれば、その制約を取り除くことができないかなど、利活用の道を開いていくための検証をしていく必要もあるのではないかと思います。
 もちろん、千八百八十二件の全部が利活用できる状況にあるとは思いませんが、貴重な都民の財産ですので、この中のわずかでも新たに活用できる土地として生み出していくことは、都民への負託に応えるものと思います。
 これは、当然財務局だけでできることではなく、全庁的に取り組むべきことだと思いますので、ぜひとも今後の施策展開の中で念頭に置いていただきたいというふうに思います。
 財務局では、都の財産の利活用に当たり、平成十二年に財産利活用総合計画、平成十五年に第二次財産利活用総合計画を策定し、平成十九年には、都有財産を取り巻く環境の変化や新たな課題に対応するため、今後の財産利活用の指針を作成し、現在もこの指針をもとに施策を推進していると認識しております。
 この指針の中では、今後の財産利活用の基本的な考え方として、三つの視点に基づく取り組みが示されております。
 一点目は、民間の力を生かした施策連動型の財産利活用の推進、二点目に、コスト感覚を持った各局の主体的な財産利活用の推進、三点目は、財産価値の保全と向上とありますが、私はこの中でも、都民サービスに直接かかわるという意義からも、一点目の民間の力を生かした施策連動型の財産利活用の推進が特に重要であると思います。
 そこで、これまで都が取り組んできた財産の利活用のうち、施策連動型の取り組みに該当するものにはどのようなものがあるのか、お伺いいたします。

○岩瀬財産運用部長 都が進めてまいりました施策連動型の取り組みといたしましては、福祉のインフラ整備を初め、都市再生、まちづくりの観点からの竹芝ステップアップ事業、地震に対する安全性の観点から緊急輸送道路沿道建築物の耐震化事業、環境負荷低減の観点から緑化型駐車場や住宅展示場など、さまざまな取り組みがございます。

○小林委員 土地というのは、まさにその場所に、その形状、面積であって、代替のきかないものでありますので、時に、好条件な利用しやすい土地であれば、当該の土地の活用に当たり、都庁内各局の事業展開において施策がバッティングするということもあるのではないかと思います。
 例えば、一つの土地に複数の局が活用したい旨の意向を示したときに、実際にどのように調整を行って利活用を図るのか、お伺いいたします。

○岩瀬財産運用部長 まず、競合いたしました関係局と財務局とで早急に打ち合わせを行います。使用目的や使用期限などの条件を詳細に把握いたしまして、事業の緊急性、重要性などについても確認いたします。その上で、共存の可能性や代替の土地の検討を行うなど、財務局が調整役として総合調整を行っております。
 また、こうした事態を招かないよう、日ごろから各局の財産担当とは連絡を密にし、情報共有を図ることで、事務事業が円滑に推進されるよう努めているところでございます。

○小林委員 当然のことながら、土地活用と一口にいっても、あいている土地があればすぐに使えるということではなく、活用に当たっては、立地条件や面積などはもとより、活用する側のニーズや関係者との合意形成をきちんと得ていく必要があると考えます。
 冒頭にも申し上げた福祉インフラの整備における都有地の活用は、都として取り組むべき最重要の課題の一つであり、優先的に考慮していかなければならないと思いますが、土地活用に当たっては、都政全般を見渡して、真に都民に役立てる利活用を図っていく必要もあると考えます。
 未利用地の立地や活用可能な条件を考慮し、多様な用途を念頭に置きながら、都民のニーズを的確に判断し、都庁内はもとより関係者を含めた十分な合意形成を図って、活用策を検討すべきと考えますが、見解をお伺いします。

○岩瀬財産運用部長 都有地は都民から負託された貴重な財産でございまして、都政の喫緊の課題解決のために最大限有効活用していく必要がございます。
 そのためには、委員お話しのとおり、財務局が土地活用の面から総合調整権を発揮し、各局の事業を支え、都民ニーズに応えていくことが重要であると認識しております。
 今後とも、未利用地に関する情報把握や情報共有に努め、関係機関と連携を図りながら、施策連動型の財産利活用を積極的に推進してまいります。

○小林委員 効果的な利活用を促進していくためにも、財務局が持つ総合調整機能を発揮していくとともに、関係機関への的確な情報提供に努めていただきたいと思います。
 都議会公明党は、さきの第三回定例会において、都有地の活用に当たり、区市町村に対し丁寧でわかりやすい用地情報の提供と充実を訴えさせていただきました。改めてこの点の推進を強くお願いいたしまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

○三宅委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○三宅委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で財務局関係を終わります。
 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後二時三十六分休憩

   午後二時四十九分開議

○三宅委員長 休憩前に引き続き分科会を開きます。
 これより主税局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成二十五年度東京都一般会計決算中、主税局所管分及び平成二十五年度東京都地方消費税清算会計決算を一括して議題といたします。
 本件については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○西海総務部長 先般の委員会におきまして要求のございました主税局関係の資料についてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の平成二十五年度各会計決算特別委員会第一分科会要求資料の一ページをお開きいただきたいと存じます。要求資料第1号、法人事業税の税率の推移でございます。
 この表は、平成十六年度から平成二十五年度までの法人事業税の税率の推移をお示ししたものでございます。
 次に、二ページの要求資料第2号、法人都民税の税率の推移でございます。
 この表は、平成十六年度から平成二十五年度までの法人都民税の税率の推移をお示ししたものでございます。
 次に、三ページの要求資料第3号、法人二税の超過課税収入額でございます。
 この表は、平成十六年度から平成二十五年度までの法人都民税及び法人事業税の超過課税分の収入額を億円単位でお示ししたものでございます。
 次に、四ページの要求資料第4号、上場株式等の配当及び譲渡益に対する軽減税率適用による個人都民税の影響額でございます。
 この表は、平成十六年度から平成二十五年度までの上場株式等の配当及び譲渡益に対する軽減税率適用による個人都民税の影響額を億円単位でお示ししたものでございます。
 次に、五ページの要求資料第5号、都税(一般分)の滞納整理における直近五カ年の差押件数及び換価等による本税充当額でございます。
 この表は、個人都民税を除く都税一般分の平成二十一年度から平成二十五年度までの差し押さえ件数及び差し押さえた財産を換価等により本税に充当した額を百万円単位でお示ししたものでございます。
 要求のございました資料に関する説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願いいたします。

○三宅委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○ほっち委員 我が国経済は、国内需要が堅調に推移し、景気回復の動きが広がったことにより、都税収入は二年連続の増収となりました。
 しかし、オリンピック・パラリンピックへの準備、急速に進行する少子高齢化、首都直下地震を想定した防災対策など、都が抱えるさまざまな課題を解決していくには、財源となる都税収入の確保は不可欠であり、全国の地方税の徴収率との比較では、東京都の徴収率は比較的高い水準にあります。
 そこで、ここ数年の都税徴収率と滞納繰越額がどのように推移してきたのか、お伺いいたします。

○熊谷徴収部長 都税の徴収率の推移でございますが、平成十九年度に過去最高となる九七・九%を記録いたしましたが、平成二十年度、リーマンショック以降の世界的な景気後退の影響で徴収率が低下に転じまして、平成二十一年度と二十二年度には九六・八%まで低下いたしました。
 このような状況下においても、組織一丸となった徴税努力を重ねた結果、平成二十三年度からは三年連続で上昇し、平成二十五年度の徴収率は九七・七%と、過去三番目の水準まで回復したところでございます。
 全国の地方税の徴収率は、直近の公表値である平成二十四年度の実績で九五・一%となっており、都税徴収率は高い水準にあると考えております。
 一方、滞納繰越額もリーマンショックの影響を受け、平成二十年度に前年度比較で百六十億円の増となる五百八十九億円にまで急増いたしました。
 しかしながら、徴収部門が総力を挙げて圧縮に取り組んだ結果、滞納繰越額は年々減少いたしまして、平成二十五年度は、平成に入ってから最少の百九十一億円まで圧縮したところでございます。

○ほっち委員 徴税努力により、都税徴収率は過去三番目の高さまで向上し、全国地方税と比較しても高い水準を維持しているということであります。また、滞納繰越額も平成以降最少を更新したことについては、評価したいというふうに思っております。
 しかしながら、平成二十五年度の滞納額は約七百七十億円と聞いていますが、これは大きな額であります。また、きちんと納期内に納めている納税者との公平性の問題もあり、今後とも滞納整理の推進は不可欠であります。
 そこで、徴収率を維持し、滞納額を解消するために、どのように滞納整理に取り組んでいるのか、お伺いいたします。

○熊谷徴収部長 滞納整理の取り組みでございますが、主税局では、本庁、都税事務所が一丸となって、滞納事案に早期に着手するとともに、手順を踏み、流れに沿った滞納整理を推進し、徴収率の向上と滞納額の解消に取り組んでいるところでございます。
 具体的には、滞納が生じた場合、まず文書や電話あるいは自宅、会社等への訪問による催告を行うとともに、丁寧な納税相談や財産調査により納税資力を把握した上で、きめ細かな滞納整理を進めております。
 納税に誠意が見られない場合は、預金、給与、不動産等の差し押さえ、タイヤロックやミラーズロックの活用、財産発見のための捜索、公売による換価など、法の規定に基づき毅然とした滞納整理を実施しております。
 こうした滞納整理の推進に当たっては、組織的な進行管理を徹底し、滞納の早期解消を目指した事務運営を行っているところでございます。

○ほっち委員 都がさまざまな取り組みを展開し、滞納の解消、高い徴収率の維持に尽力していることはよくわかりました。
 多くの都民は、苦しい経済事情の中にあっても、公共の福祉を支えるためという認識で納税に協力しております。このようなサイレントマジョリティーを念頭に、今後も、個々の納税者の状況を踏まえ、血の通ったきめ細かな対応と、悪質、不誠実な滞納者に対しては毅然とした対応を行うことにより、税負担の公平性の確保、納税秩序の維持に努めていただくことをお願いしたいというふうに思っております。
 さて、都税徴収率が高い水準を維持している理由はわかりましたが、決算概要を見ると、個人都民税の徴収率は九三・五%となっており、都税全体の徴収率とはやや乖離があります。
 そこで、個人都民税の徴収率が都税徴収率と比べて低い原因と、改善のためにはどのように取り組んできたのか、お伺いいたします。

○藤井特別滞納整理担当部長 個人都民税につきましては、個人の区市町村民税とあわせて住民税として区市町村が課税、徴収し、都に払い込んでおります。
 先ほど徴収部長が答弁いたしましたとおり、平成二十五年度の都税徴収率は九七・七%、一方、個人都民税の徴収率は九三・五%と、四・二ポイントの開きがあります。
 この原因でありますが、区市町村では、一般的に税務部門から他部門への職員の異動サイクルが短く、専門性の継承が難しいことなどから、滞納事案の整理が進まず、長期化、累積化する傾向があるためと考えられております。
 このため都では、徴収困難な事案を引き受けるとともに、これまで蓄積してきた徴税ノウハウを生かし、区市町村に対し、都職員の派遣、各種研修会の開催や実務研修生の受け入れを行うなど、さまざまな取り組みを通じ、個人都民税の徴収率向上を図ってまいりました。
 さらに、平成二十四年度からは、都と区市町村の新たな連携強化の仕組みとして個人住民税徴収対策会議を発足させ、共通課題に対する対策を検討し、都と区市町村が一体となった取り組みも始めております。
 具体的には、毎年十二月をオール東京滞納STOP強化月間として、さまざまな広報活動や、区市町村と連携した捜索、タイヤロックの実施などを通じ、共同取り組みを強化しております。これらの取り組みの結果、個人都民税の徴収率は二年連続で上昇しております。
 加えて、徴収率のさらなる向上のため、安定的な収入確保への寄与度が高い特別徴収制度の定着を図るべく、取り組みを進めております。

○ほっち委員 都が区市町村と連携し、まさにオール東京で個人都民税の徴収率向上に尽力してきたことはよくわかりました。
 ところで、今、特別徴収制度の定着というお話がありましたけれども、特別徴収は、事業主が従業員の給与から住民税を差し引いて居住地の市区町村に納入するものであります。特別徴収は地方税法の原則ではありますけれども、事業主の事務負担がふえるという問題もあると聞いております。
 そこで、都における特別徴収の実施状況と課題、その対応策についてお伺いいたします。

○藤井特別滞納整理担当部長 都における特別徴収の実施状況ですが、都内の給与所得者のうち、特別徴収されている方の割合は六九・一%で、全国平均の七三・二%より低い状況であり、実施率を高めることにより、個人都民税の徴収率の向上が期待できます。
 また、給与所得者にとっても、毎月の給与から差し引かれるため、一回当たりの負担額が軽くなることや、納め忘れがなくなるなどのメリットがあります。
 一方、事業主にとっては、徴収した住民税を従業員の住所地の区市町村ごとに払い込む必要があり、事務量増加につながることから、実施には事業主や税理士等の理解が重要であると考えております。
 このため、平成二十六年度から平成二十八年度の三カ年を特別徴収推進期間とし、都と区市町村が一体となって、PRチラシの配布や広報紙への掲載等を通じ、事業主の理解を得るとともに、税理士会を初めとした関係団体に協力を依頼するなどの取り組みも進めております。

○ほっち委員 都税全体の徴収率をさらに高めていくため、区市町村が課税、徴収している個人都民税をいかに引き上げていくかが重要であり、そのため、特別徴収を推進していく意義というものはよくわかりました。
 都は、区市町村と連携し、引き続いて丁寧に特別徴収の推進に取り組んでいただきたいというふうに思います。
 ここまで、都がこれまでに行ってきたさまざまな取り組みをお聞きしましたが、主税局の役割は、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックの成功など重要施策の実施に向けた歳入確保であります。
 最後に、歳入確保に向け、今後、主税局はどのように取り組んでいくのか、局長の決意をお伺いして、私の質問を終わります。

○塚田主税局長 都税収入は都の歳入の七割を占めております。都財政を支える基幹的な財源でありまして、歳入所管局としての主税局の役割は極めて重要であると認識しております。
 そのため、主税局はこれまでも、前例にとらわれないさまざまな創意工夫を凝らした取り組みと積極的な実践行動により、都税収入の確保に努めてまいりました。
 今後も、適正かつ公平な課税に努めますとともに、納税者の利便性向上を図るなどによりまして、納期内納税を推進してまいります。
 また、滞納に至った場合は、納税者の実情を踏まえたきめ細かな対応を図りつつ、誠意の見られない滞納者には毅然とした徴収を行うなど、質の高い滞納整理を進めていくことが重要と考えております。
 都が重要施策を初めさまざまな施策を展開していく上での原動力となる都税収入を確保し、都政を財政面から強力に支えていくため、主税局職員が一丸となって歳入所管局としての責務を果たしてまいります。

○小林委員 私からは、租税教育と広聴活動についてお伺いさせていただきます。
 主税局では、納税者の利便性向上と新規滞納の抑制のため、給付手段の拡充や個々の納税者の状況に応じた滞納整理を実施し、平成二十五年度の徴収率は、前年度実績をさらに上回る九七・七%となったと伺っております。
 さまざまな徴税努力の大前提となるのが、納税について都民の理解と協力を得るための取り組みであると思います。
 私も税について多くのご相談をいただく機会があります。以前ご相談いただいたある青年は、社会に出てからさまざまな税の問題に触れる機会がふえ、わからないことも多い、ちゃんと学校で教えてもらいたかったと話されていましたが、もっともな大事な指摘であると思いました。
 平成二十四年の東京都税制調査会中間報告において、租税教育について初めて言及され、子供から社会人に至るまで段階に応じた継続的な租税教育の必要性と、これにより租税に対する関心や理解を深め、納税者としての自覚を身につけることの重要性が指摘されております。
 そこでまず、租税教育の現状と平成二十五年度の実施状況について確認いたします。

○西海総務部長 租税教育は、次代を担う児童生徒に対し、租税の意義や役割を理解させ、将来の納税者としての自覚を持った国民を育てるという目的から、全国的に広く実施されているところでございます。
 都においては、都内の教育関係者や東京国税局、東京都主税局等の税務関係者らで構成される東京都租税教育推進協議会が平成四年に設置され、同協議会が推進母体となりまして、都内小中学校の授業などで活用される副教材の作成や税に関する作文の募集など、さまざまな租税教育活動を展開しております。
 また、都税事務所、税務署、税理士会などの納税協力団体、地元の小中学校などが協力、連携いたしまして、各団体の職員が管内の小中学校に直接出向き、税に関する出前授業を行う、いわゆる租税教室を積極的に開催しております。
 東京都全体では、平成二十五年度に千百三十二回の租税教室が実施されまして、小学校のおよそ六割、中学校のおよそ三割が租税教室を開催しております。
 なお、平成二十五年度、都税事務所が主体となった租税教室を七十四回実施しております。

○小林委員 一口に租税教育といっても、税の問題、これは多岐にわたりまして、限られた時間の中で、どこに主眼を置いて取り組んでいくのかが大事であるというふうに思います。
 また、税務署や税理士会などの納税協力団体、地元小中学校などと連携して実施されている租税教室においては、特にこの点が重視されると考えます。
 租税教室を行う上で、具体的にどのような点に重点を置き、工夫を行っているのかをお伺いするとともに、実施された租税教室の効果についてお伺いいたします。

○西海総務部長 租税教室の開催に際しましては、租税教育推進協議会で作成した副読本の活用や、講師養成研修会の開催などを通じまして、授業の質の確保に努めております。
 また、授業を進める上では、児童生徒にとって、税が自分たちの生活に密接にかかわっていることを実感しやすいよう、教室内の備品あるいは地域の公共施設など身近なものを題材としております。
 さらに、授業にクイズやグループ討議を取り入れるなど、授業への参加を促す工夫を行っております。
 次に、租税教室の効果につきましては、出席した児童生徒の声を紹介させていただきますと、例えば、小学生では、税金がなかったらとても大変だということがわかった、税金はしっかりと納めなければならないものだと改めて感じたであるとか、中学生では、税金は自分には余り関係ないと思っていたけれども、今回の授業で身近なものだと感じることができた、これをきっかけに、ニュースなどにも関連づけて、どんどん税に関する知識を取り入れていきたいと思うなどという声があり、租税教室の目的である租税の意義や役割についての理解を深めることにつながっていると考えております。

○小林委員 税の問題は、社会に出れば、避けてはいけない生活に密着したものでありますので、学校教育の現場における租税教室の開催は大変重要な取り組みでもあり、一人も漏れなく租税教室を体験してもらいたいと思います。先ほどの実施状況を伺った答弁の中では、開催状況は小学校が全学校数の六割、中学校が全学校数の三割であるとのことで、基本的には租税教室は学校側の希望制で開催されていると思いますが、開催していない学校に対しても、租税教室の意義や役割を十分に理解してもらい、実施の方向に促していく取り組みも重要であると考えます。
 そこで、租税教室を実施していない学校に対して、都としてどのような働きかけを行っているのか、お伺いします。

○西海総務部長 地区の租税教育推進協議会を単位といたしまして、学校長宛てに租税教室の実施を働きかけるほか、校長会などの場で開催依頼を行っております。
 また、東京都租税教育推進協議会が発行いたします学校向けの情報誌、租推協ニュースと称しておりますけれども、こちらを活用した周知も行っております。
 この誌面には、租税教室の授業風景や児童生徒の受講の感想を掲載することで、租税教室を実施していない学校に対しまして、租税教室についての具体的なイメージを持ってもらうとともに、講師の派遣に関する案内なども行っているところでございます。

○小林委員 より多くの学校で租税教室が実施されるように、また、一人でも多くのお子さんたちがこの授業を受けられるような形で、引き続き積極的な働きかけをお願いしたいと思います。
 また一方で、冒頭にお話ししました青年の話にありますように、社会に出てから税のことがよくわからない、税について改めて知る機会がほとんどないという声もございます。
 小中学校段階だけでなく、社会人向けの租税教育の充実も大事な課題であると思いますが、見解をお伺いします。

○西海総務部長 東京都では、子供から社会人に至るまで、段階に応じた継続的な租税教育が必要であると認識しております。
 平成二十五年度は、都税事務所におきまして、社会人や親子などに対する租税教室を八回実施いたしました。社会人向けの租税教室につきましては、住宅を取得した際に必要な税金についてなど身近なテーマを設定いたしまして、対象者のニーズに対応しているところでございます。
 今後とも、関係各団体とも協力いたしまして、社会人や親子などに向けた租税教室につきましても充実を図ってまいります。

○小林委員 特に社会に出てからは、本当に生活に大きくかかわってくる税の問題でございますので、社会に出てなかなか人に聞きづらいというような点も多々ございますので、ぜひとも社会人向けの租税教育という点も、今後さらに充実を図っていただきたいというふうに思います。
 次に、租税教育や広報活動と並び、税務広報に欠かせない広聴活動についてお伺いします。
 広聴活動については、本庁や都税事務所などの都税相談コーナーにおける相談業務を中心に実施し、平成二十五年度は年間一万五千五百件ほどの相談を受けているというふうに伺っております。
 一万五千五百件の相談内容は、それこそ多様な内容かと思いますが、都民からの要望や意見、苦情などの声についてどのような対応をされているのか、また、具体的にはどのような相談が寄せられているのか、お伺いします。

○西海総務部長 都民の皆様から寄せられる意見、要望や苦情などにつきましては、迅速かつ的確に対応し、税に対する都民の皆様の理解と信頼を深められるように、積極的に取り組んでおります。
 都民の皆様からの声は、本庁及び各都税事務所の都税相談コーナーにおきまして経験豊かな職員が丁寧に対応しておりまして、大半につきましてはその場でご理解を得ているところでございます。
 さらに、必要に応じまして主税局内の各部門が緊密に連携いたしまして、都民の皆様に納得していただくよう適切に説明しております。
 具体的な都税に関する相談内容といたしましては、固定資産税、都市計画税及び不動産取得税の資産税部門に関するものが多く、その内容といたしましては、新築住宅や耐震改修などの軽減措置、あるいは土地の税額の算出方法といったものが重立ったものでございます。

○小林委員 広聴と広報は、活動としてリンクしていくことが必要であると思います。
 さまざまな相談内容は、今、都民がどのような点に関心を持っているのか、また、課題と思っているのかをあらわすものであり、大切な現場の知恵であるともいえます。
 相談から得た現場の知恵、都民の声を、今後の広報に積極的に生かしていくべきだと思いますが、最後に見解をお伺いし、私の質問を終わります。

○西海総務部長 都民の皆さん方の声のうち、相談件数が多いものにつきましては、主税局ホームページのトップページにQアンドAとして掲載するとともに、ツイッターなどのSNSを活用した周知を行っております。
 また、平成二十五年度は、都民の皆様からのご意見を踏まえまして、自動車税の納税通知書に同封するチラシを、よりわかりやすいものになるよう見直しを行いました。
 引き続き、相談等で得た都民の皆様の声を真摯に受けとめまして、今後の業務運営や広報活動に生かしてまいる所存でございます。

○かち委員 私からも、主税局の二〇一三年度の決算について質問させていただきます。
 まず、アジアヘッドクオーター特区の優遇税制についてです。
 東京都では、二〇一二年度から始まったアジアヘッドクオーター特区においては、二〇一六年度までの五年間に五十社の多国籍企業を誘致するということで取り組みが始まっています。
 また、従前の都市再生緊急整備地域、現在二千七百六十ヘクタールありますが、その中にさらに、特定都市再生緊急整備地域の指定を受けた地域が二千五百三十四ヘクタールに及んでいます。この指定を受けた地域は、東京都心・臨海地域、渋谷駅周辺、新宿駅周辺、品川駅・田町駅周辺地域などが指定されています。これらの地域で開発するディベロッパーと誘致した企業には、さまざまな優遇税制を初めとした支援メニューが提示されています。
 そこでお聞きします。
 国が指定した地域で誘致した多国籍企業に対して、税制上の支援措置を集中的に行うものとしていますが、どのような優遇策があるのか、改めてお聞きします。

○加藤税制部長 アジアヘッドクオーター特区では、多国籍企業が統括拠点または研究開発拠点として、特区地域に新たに設立した子法人等に対し、国の法人税の軽減に加え、都独自に法人事業税、不動産取得税、固定資産税及び都市計画税を最大五年間全額減免する税制上の特例措置を講じております。

○かち委員 国の減税はあるんだけれども、それに加えて都独自の法人事業税、不動産取得税、固定資産税及び都市計画税、最大五年間全額免除するというこの特例措置です。
 特定都市再生緊急整備地域内で国の認定を受けた不動産事業者に対する優遇措置はどのようになっていますか。

○加藤税制部長 特定都市再生緊急整備地域は、都市再生緊急整備地域のうち、国際競争力強化の観点から、特に緊急かつ重点的に都市整備を進めるべき地域として指定を受けたもので、地方税法によりまして、国の認定を受けた民間事業者に対し、不動産取得税を二分の一に、公共交通機関との連絡通路等の都市利便施設に係る固定資産税等についても、五年間、二分の一に軽減する措置が設けられております。

○かち委員 ここでも二分の一と、二分の一の五年間軽減措置ということでした。
 認定を受けた特定都市再生緊急整備地域で開発するディベロッパーに対しては、不動産取得税がそれまでは五分の一だったものが二分の一に、条件つきながら、固定資産税等は五分の二だったものが二分の一に五年間減税ということです。
 それで、具体的にはどのようになっているかということです。それでは、実際これまで都市再生緊急整備地域で行われてきた従前の優遇税制のもとで、一三年度、昨年までに何棟でどれくらいの減税が行われたのかお聞きします。

○加藤税制部長 都市再生緊急整備地域での不動産取得税の特例の実績でございますが、過去五年間で七件について適用があり、軽減税額の合計は約六億六千万円となっております。
 また、固定資産税、都市計画税の軽減税額は、合計で約七億八千万円でございます。

○かち委員 これは特定のつかない従前の緊急整備地域での減税の実績なんですが、単純に計算しますと、一社当たり年間四千百十四万円の減税となるわけです。これが従前地域の減税です。
 それでは、特定指定がされてから特定緊急整備地域内で国の認定を受けたディベロッパーで、この間に竣工した建物はどれぐらいあって、不動産取得税と固定資産税等の減税額の実績はどうなっているでしょうか。

○加藤税制部長 特定都市再生緊急整備地域における特例の実績でございますが、不動産取得税につきましては、二棟について適用があり、軽減税額の合計は約五億六千万円でございます。
 また、固定資産税及び都市計画税の軽減税額は、合計で約三百万円でございます。

○かち委員 この制度が実際施行されたのがことしの一月からということなので、まだ実績的には固定資産税などには反映していないようですけれども、それでも、二棟で不動産取得税だけで五億六千万円の減税は、単純計算で、一棟につき二億八千万円の減税ということになるわけです。大変な優遇対策です。
 この制度は、平成二十七年度末までの取得期限ということになっておりますので、今、建設中、竣工予定、そういう建物が非常に集中しているわけですけれども、それが今の東京都の実態です。
 それでは、誘致した多国籍企業は、今日までに十一社と聞いておりますけれども、これらの企業が五十社誘致された場合の減税額の見通しはどのようになるでしょうか。

○加藤税制部長 アジアヘッドクオーター特区についてのお尋ねだと思いますけれども、当時の知事本局の試算によりますと、五十社を誘致した場合の法人事業税の減収額は、最大で年間約八十億円としております。

○かち委員 年間八十億円ですので、五年間にすると四百億円という大変な減税になるわけです。特定の企業に対して五年間法人税全額免除などという異例な対応を、税の公平、中立という立場から、主税局としてどのように認識しているのか伺います。

○加藤税制部長 いわゆる政策税制と申しますのは、特定の政策目的を実現するための支援措置でございますけれども、公平、中立、簡素という税制の基本原則の例外として設けるものでございます。そのため、その政策の目的や効果などを十分に吟味しつつ、真に必要な分野への集中、重点化を徹底する必要があると考えております。
 今回お尋ねの税制につきましては、こうした観点を踏まえつつ、世界で一番ビジネスのしやすい都市として、激化する国際的な都市間競争を勝ち抜くという都の重点施策を税制面から支援するために実施するものでございます。

○かち委員 特定のディベロッパーや特定の企業へのこのような減税対策は、都の税収源としても大変な減収になるわけです。このような不公平税制はやめるべきだと思います。
 世界の多国籍企業の誘致にはこのような各種減税を推進する一方で、滞納者への対応が今問題になっています。
 それで、滞納者への対応についてお聞きします。
 資料を出していただきましたが、滞納者に対する差し押さえの件数とその金額を五年間の平均で見ますと、年間二万四千九百八件、二十六億四千万円という現状ですけれども、これは平均一件十万円余りであり、誘致企業一社の減税額にも満たない額です。この中には、本当に生活に困窮して、払いたくても払えない状況の方々もいるわけです。
 差し押さえに至るまでに、滞納者の個々の実態がどうなっているのか、状況把握や対応の基準などはどのように周知徹底されているのか、お聞きします。

○熊谷徴収部長 地方税法の規定によりますと、納税者が督促を受け、その督促状を発した日から起算して十日を経過した日、この日までに完納しない場合は、納税者の財産を差し押さえしなければならないとされております。
 しかしながら、東京都では、差し押さえの前提として、電話や文書あるいは自宅への訪問などの方法で納税者との接触を試みた上で、納税相談を行い、まずは納税者の自主的な納税を求めることとしております。
 また並行して、財産の保有状況等の調査を実施し、納税者の資力や納税の意思を見きわめることとしております。
 こうした手順につきましては、日ごろから都税事務所への事務指導や研修などにより、徹底を図っているところでございます。

○かち委員 差し押さえるときの条件をどのように認識されているのか、また、差し押さえ財産の禁止の範囲について、改めてお聞きします。

○熊谷徴収部長 まず、差し押さえるときの条件ということでございますが、繰り返しになりますが、脱税事件など一部の悪質な事案を除く一般的な事案につきましては、さまざまな方法により納税者との接触を試み、納税相談を行い、財産の保有状況を調査し、納税者の資力や納税の意思を見きわめた上で、差し押さえするかどうかを判断しております。
 次に、差し押さえ禁止財産の範囲でございますが、国税徴収法第七十六条及び第七十七条では、給料や年金などの差し押さえを禁止する範囲を定めております。
 これは、納税者の生計を維持するため、給料や年金等の所得のうち、所得税、住民税及び社会保険料の各相当額並びに最低生活維持費等の合計額を差し押さえ禁止財産としているものでございます。

○かち委員 今のご説明を聞いている限りにおいては、慎重に差し押さえの条件を見きわめて対応しているように聞こえるのですけれども、実際は必ずしもそうなっていないのが現状です。
 年金や給料は差し押さえてはいけない、保険料や税金を払ってなお最低生活が維持できる水準、一人ならば十万円、プラス家族一人につき四万五千円、さらに、給与であればその二割分も残すことになっているわけです。これらを手元に残すというのは法に定められているわけです。
 ところが、私が相談を受けた方は、中小企業の方で、それまで税金の滞納は一度もなかった。しかし、三年前に倒産して、会社の後始末をしているうちに税金が滞ってしまったと。都庁にも足を運び、相談していたやさきに、たった四万円しかない残金の通帳に二カ月分として振り込まれた四十二万円の年金とともに四十六万円、全てが差し押さえられてしまったというケースです。生活費が年金だけの人から通帳の残金がゼロになる差し押さえで、どうやって生きていけばいいかということです。
 最低限度の生活は保障することが原則であり、年金は差し押さえないといっているのに、このようなやり方は規定に反するのではないでしょうか。

○熊谷徴収部長 判例や国税徴収法の基本通達によりますと、預金は給与や年金とは別個の債権とされておりまして、差し押さえの対象財産となります。したがって、給与や年金の振込口座であっても、預金として口座に現金があれば差し押さえを行う場合がございます。
 滞納整理に当たっては、面談や綿密な調査などを通じ、納税者個々の実情の把握に努めるとともに、換価の猶予や滞納処分の執行停止などの可能性も十分に検討するなど、きめ細かな滞納整理を推進しておりまして、引き続き、納税者の実情に応じた丁寧な対応を心がけてまいります。

○かち委員 今のご答弁のとおりならば、このような事態は起きないというふうに思うんです。また、口座に振り込まれた給与差し押さえの滞納処分取り消し裁判、これが二〇一〇年にありまして、東京高裁において、納税の必要性と納税者の生活実態を尊重するとの見解で和解が成立し、生活費分は取り戻しているんです。
 先ほどからお聞きしているように、大企業には大盤振る舞いの優遇税制に対し、苦しんでいる都民へのこのような理不尽な徴収のやり方は、是正、改善すべきだということを強く求めておきます。
 次に、都市農地の課税について伺います。
 今、都市農地の見方について大きな変化が起きています。
 農水省に設置された都市農業の振興に関する検討会が二〇一二年八月に、都市農業の振興と都市農地の保全について、国民的理解をつくり、都市農業振興の推進、都市農地保全のための制度の見直しなど、中間のまとめを発表しました。また、九月に都市計画制度小委員会が、都市の緑、農の共生を基本理念とするなどの中間のまとめを発表しています。
 このように、都市の農地が、農産物の生産だけではなく、ヒートアイランド現象の抑制、防火機能、防災機能、食育、環境形成など多面的な機能を持っていることが見直しされ、都市生活にとっての重要性が認識されてきているんです。
 しかし、その都市農地は、生産緑地でない市街化区域の農地では、税金が宅地並み課税となり、その負担のため、この十年間ほどで宅地化農地は半減してしまいました。
 税負担の軽減は、都市農業従事者を中心とした強い要求になっています。農地、緑、空間を残すという意味でも大変重要な課題です。
 そこで、都は、市街化区域内の農家が保有する屋敷林、雑木林などについて、宅地並み課税を基本に二割減額しているとのことですが、この基準はいつからのものですか。また、この間、見直しは行われてきたのでしょうか。

○安藤資産税部長 土地の評価は、国が定める固定資産評価基準に基づき行っております。
 お尋ねの屋敷林や雑木林につきましては、耕作の方法によらないで樹木が生育している土地に該当する場合には、評価基準上、山林として評価しております。
 山林の評価額につきましては、固定資産税創設の翌年度より、宅地評価から二割の減額をしております。
 この措置は、その後数回の見直しを経て、昭和四十八年度からは、平地山林と崖地山林の二つに分け、平地に所在する山林につきましては宅地評価から二割の減額、崖地に所在する山林につきましては、宅地評価から四割の減額をしているところでございます。

○かち委員 ということは、四十年余り見直しをされていないということですね。都市農地の多面機能保全の立場で税制面からも見直しが必要です。
 市街化区域にある農家には屋敷林、雑木林等がありますが、それは肥沃な農地をつくる上で欠かせないものです。
 しかし、宅地並み課税とされているため、やむを得ず貴重な緑を切り捨てざるを得ないという事態になっています。防災、緑の景観、食育など多面的な機能を持つ屋敷林、雑木林がなくなることは、市街化区域内の農地、農業の保全、活用に障害となっています。
 都として独自の税の軽減策を求めますが、いかがでしょうか。

○加藤税制部長 先ほどもご答弁申し上げましたが、政策税制といいますのは、公平、中立、簡素という租税原則の例外として設けるものでございまして、政策目的や効果などを十分に吟味する必要があると考えております。
 とりわけ税の軽減ということになりますと、特定の対象について軽減をいたしますと、軽減をされない他の納税者の理解を得られるかどうかといったことも重要な課題になるかと考えます。

○かち委員 都政モニターアンケートでは、都民の八五%が東京に農業、農地を残したいと回答しています。都市農地は、個人の財産にとどまらず、公共の構造物としての意義が大きくなっている今日、都市農地が激減していく現状をいかにして食いとめるかということも、都の政策減税の大きな課題だと思います。
 都としても、重過ぎる相続税の軽減を国に求めることはもちろん、独自の軽減対策をとることを強く求めて、私の質問を終わります。

○斉藤委員 それでは、高齢者に関係するような視点で主税局に何点か伺いたいと思います。
 まず最初に、消費税率が四月から五%から八%となりまして、現在は次の一〇%へ引き上げについての議論の段階に入ってきています。都民の税に対する関心は、従来にも増して高まっているというところでありますが、都税に対する都民の理解と協力を得る上で、親しみやすくわかりやすい広報活動というのは常に大切であります。
 決算資料では、平成二十五年度の主税局の納税広報費は六千八百万円となっておりますが、まずその中身、平成二十五年度の主税局による広報活動の取り組みの内容について伺います。

○西海総務部長 主税局の広報活動につきましては、「ガイドブック都税」や「あなたと都税」などの広報誌やポスターのほか、新聞広告、放送メディア等の広告媒体や、ホームページ、ツイッターなどのSNS、納税通知書へのチラシの同封などにより、都税の仕組みや使い道、税制改正の内容につきまして、タイムリーな情報発信に努めております。
 また、国税の情報などもあわせて記載してお知らせすることで、都民のニーズに応じた広報を行っております。
 次に、広聴活動につきましては、税務相談コーナーを本庁及び都税事務所に設けまして、電話や来庁による相談に応じております。
 また、いつでも必要なときに都民の皆様の疑問に答えられるよう、ホームページにご意見、ご要望欄を設けまして、インターネットメールを利用した広聴を行うとともに、典型的な相談につきましては、自動応答する二十四時間テレホンサービスを実施しております。
 さらに、税務署、区市町村、納税協力団体などと連携いたしました納税キャンペーンの実施や、先ほどもございましたけれども、租税教育の取り組みなどを通じまして、都民への税の理解促進を図っているところでございます。

○斉藤委員 今、いろんな広報活動全般について紹介していただきました。
 広報活動の中には相談業務というものがありますけれども、そのほか、昨今、社会問題になっております振り込め詐欺というか、母さん助けて詐欺というか、これを含めたいわゆる特殊詐欺というふうに分類されるものの被害については、大変大きな問題になっております。
 手口も大変多様化しているわけなんですが、これらの特殊詐欺に分類される中でのいわゆる還付金詐欺というものについては、平成二十五年度、警察庁の統計でいうと、全国になりますけれども、約十六億八千七百九十九万円の被害額と大変大きなものになっております。
 還付金詐欺においては、高齢の方を中心に都税の還付を持ちかけるケースが想定されます。主税局のホームページ、先ほどホームページの話も若干答弁でありましたけれども、この中でにせ都税職員にご注意をというサイトがございまして、都税職員のにせものというか、にせ電話に対する注意喚起を行っております。
 ホームページの中で目立っている場所に配置されていないのが私としては不満なんですけれども、もう少しいい場所にあってもいいのかなと思うんですが、還付金詐欺につながっているようであれば、当然、にせ都税職員は看過できるものではございません。
 主税局において、都税事務所職員を装って、個人情報を不正に取得しようとしたり金銭をだまし取ろうとする、いわゆるにせ都税職員発生状況について、どのように把握しているのか伺います。

○西海総務部長 いわゆるにせ都税職員の発生状況につきましては、都民からの通報により把握しております。
 平成二十五年度の認知件数につきましては十八件となっておりますけれども、幸いに、そのうち還付金詐欺の被害はございませんでした。
 いわゆるにせ都税職員の手口でございますけれども、家族構成や家族の勤務先、不動産の所有状況、カード暗証番号などを主に電話で聞き出そうとするようなものでございます。

○斉藤委員 今答弁いただいた中で、発生件数やその内容について、つまり主税局の方でわかっている範囲で聞くとそれほど多くなくて、還付金詐欺の被害も、聞いているところによると都民に出ていないというような感じで、多少安心したところでありますが、こういう事案は、被害が発生する、しないにかかわらず、都民の行政不信につながる、そしてまた都税業務の支障にならないかというのが大変心配であります。
 件数が少ないとはいえ、にせ都税職員に関しての都民への広報というのは必要なわけでありますから、主税局としては都民に対してどのような方法で注意喚起を促しているか、ここをしっかり確認したいと思います。

○西海総務部長 いわゆるにせ都税職員に関します都民の皆様への周知につきましてでございますけれども、先ほどございました主税局ホームページのほか、主税局が発信しておりますツイッターなどのSNSなどにおいても広報を行っております。
 また、主税局発行の都民向け都税情報紙「あなたと都税」に掲載するほか、生活文化局が発行しております「広報東京都」などでも注意喚起を行っているところでございます。
 さらに、各区市町村が発行する広報紙や納税協力団体などが発行する会報誌など、こういったものへも掲載を働きかけるとともに、納税キャンペーンなどにおけるチラシの配布などによりましても、注意喚起を実施しているところでございます。

○斉藤委員 注意喚起、引き続き行っていただきたいと思います。
 いかんせん、警察庁統計では、こういった特殊詐欺被害がこれだけいわれていながら、なかなか完全な抑止というのが難しい。また、いろんな手口で新たに、想定しないような形で被害に遭ってしまうというようなことは、大変大きな問題であります。
 そういった意味でも、還付金詐欺については、主税局は、都の職員をかたって被害が出ないようにしていかなければいけませんし、特に還付金詐欺の発生については、秋口から年末が非常に多いということですので、まさに注意する時期は今かなというふうに思うんですが、引き続き都民への周知をしっかりしていただくよう要望し、次の質問に移ります。
 さて、先ほど滞納整理などの話もございました。決算の概要でも、また、ほっち委員の質問の中にもありましたが、二十五年度決算、都税徴収率については九七・七%、リーマンショック前の十九年度と、そしてまた十八年度というところに次ぐ高い徴収率で、二十五年度徴収業務としては非常にいい結果だったというふうに評価いたします。日ごろの徴収努力というものがこういう結果に出てきたんじゃないかと思うんですが、一方で、先ほど、かち委員も触れていましたけれども、経済的な事情によって滞納がふえるということは、それでも今後心配しなくてはいけません。
 それとは別に、いわゆる高齢社会の進展が新たな徴収の現場の課題につながらないかというのがちょっと心配でございます。こうした視点から滞納整理について伺いたいと思います。
 例えば、空き家の問題というのが、平成二十五年度でも大分話題になったところであります。高齢者のみ世帯、特に高齢者の独居である場合、私、個人的には、訪問介護の方の事業なんかも現場で携わっているものですから、いろんなご家庭の医療と福祉の接点というものをよく見るんですけれども、例えば高齢者のみで、特に独居でというふうになったときに、何か家の中で事故があった、家の中とは限りません、旅行先とか全然遠いところで入院するというケースも高齢者の方は大変多くて、救急車なんかで運ばれた場合に、そのまま長期入院というケースは少なくありません。
 救急隊とか消防署の方も、個人情報の取り扱いの問題から、余りはっきり正体がわからない人に電話で入院先を問い合わせられても、教えられないという状況があるんですね。そうすると結局、その人は今どこにいるのかというのがそもそもわからないというふうなことがよく起こりまして、周囲の方も、もちろんその方と相互にきちんとした関係を持っている方であっても、その人の居場所が一時的にわからなくなってしまうということがあって、結構困るケースが多いんですね。
 そうすると、さっきいった長期入院というふうなことになって、その後、救急の病院からほかの福祉施設や病院の方に移るということもあるんですが、結果的に、はたから見ていると、住民票はあるけれども空き家というのがふえているなというのが、実は正直、現場で感じる部分であります。もちろん単純に空き家はふえているんですが、こういうようなケースの空き家というのもふえているなというのを実感しております。
 このようなケースでは、お金がないわけではないんだけれども、結果的に固定資産税の滞納というふうになってしまう事例もあるんじゃないかなと推測するんですが、恐らくそういう場合は、先ほど滞納整理の中で、本人に接触なんていう単語も幾つかありましたけれども、恐らく主税局職員は困ってしまう場合が多いと思うんです。このようなケースなんかも視野に入れて、高齢者のことを意識しながら、東京都の滞納整理は今どのように進んでいるのか伺います。

○熊谷徴収部長 平成二十五年度の都税事務所における滞納件数の内訳を見ますと、土地、家屋に課税する固定資産税、都市計画税が七一%を占めております。
 一方、総務局がことし三月に発表した東京都世帯数の予測によりますと、世帯主が六十五歳以上の高齢世帯の数は年々増加し、平成二十七年度には世帯数の約三割近くになると推計しております。また、このうち単独世帯は約八十万世帯に及び、高齢世帯の約四割に達するということでございます。
 こうしたことから、滞納となる納税者の中で、単身の高齢者の割合は一定程度を占めているものと考えられるところでございます。
 都税事務所では、こうした納税者に対しまして、丁寧な説明や対応に努めてございまして、文書や電話あるいは自宅へ伺うなどして、自主的な納税を依頼し、加えて催告等にあわせて納税者の状況についても調査を行っております。
 自主的に納税いただくのが前提でございますが、状況によって差し押さえ等の滞納処分に至る場合もございます。
 また、納税が困難であると判断した場合は、猶予や執行停止など徴収の緩和も行っているところでございます。

○斉藤委員 いろいろ高齢者の方のことを意識して答弁いただいたわけなんですけれども、先ほど申しましたように、医療、福祉の視点から見ると、突然の救急搬送、入院、場合によっては入院の長期化、その後の福祉施設への入所など、そういうのがあったときに、医療、福祉関係者はその流れが追えている。ケアマネジャーなんかでは把握しているということがあります。
 もちろん、生活保護とか福祉行政で直接市役所の絡みなんかがあると、市役所の職員がわかるということもあるんですが、一方で、そういうふうに経済的にもともと福祉なんかに縁がないという人になると、逆にそれを把握しているのは、運んだ前後にかかわっている福祉関係者、医療関係者だけということがたまにございます。
 何せ、そこにかかわる人たちは、税務署の関係者とふだんから接点があるわけではございませんので、また場合によっては、家族も、いるんだけれどもほとんど連絡をとっていないとか、あと海外にいるケースってたまにあるんですけれども、そうなってくると、家族も状況が全くわからないというふうなことになります。
 我々、そういう状況があったときに非常に気になるのは、果たして医療、福祉としては一つ完結をしているんだけれども、いわゆる税務に携わる主税局職員については、今いったみたいな状況で本人と接触ができないわけですから、本人と接触しようと思っても、周りの人が、どこに入院しているかわからないという場合なんかも含めて、もしくは転院をしてしまった後を追えていないという場合も含めて、どういうふうに--本人に接触ができない、もしくはできづらい、本人に接触するまでに相当たどっていかないと難しいというふうな場合があるわけですが、そういった場合に、主税局は通常と同じような滞納整理のための調査、徴収ができるのか、そこをぜひ教えていただきたいと思います。

○熊谷徴収部長 委員お尋ねのような、仮に入院などで一時的に居所を離れている納税者でありましても、当初は他の納税者と同様に滞納整理を進めていくことになります。
 国税徴収法や地方税法に基づく各行政機関への調査や自宅への訪問などを行いまして、納税者の所在の確認に努めながら、財産や所得の状況を把握した上で、滞納整理の方向を見きわめてまいります。
 お話のような事例の場合、納税者本人への納税依頼や相談を実施することが難しく、徴収に時間がかかる場合もあるかと考えられますが、担当者は粘り強く調査を重ねるなど、こうした事例にも適切に対応し、徴収に努めているところでございます。

○斉藤委員 ありがとうございます。
 恐らくケース・バイ・ケースなので、なかなか一くくりに、想定した調査の内容について細かくというふうな形で説明できないと思いますが、それでも法律に基づいていろいろ調査をしていくということで、その部分は大変頼もしい限りだと思うんですが、一方で、先ほど答弁の中でも三割程度が予測されるということで、高齢化が進んでいくということであります。
 実際に僕らは現場の中で、この人、こんなに孤立しているのに、もしくは非常に大変な状況なのに、福祉サービス、役所のサービスを全然使っていないということが、福祉なんかではよくあるんですね。その人も役所の方に相談しなかったなんてことで、状況が把握されていなかったというケースが多いんですけれども、そういうのを見ると、必ずしも全員が、困っている家のことを行政が必ず全部接点を持って把握しているとは限らないのかなということを思う場合がよくあります。
 そういう意味では、想定外に納税者との接点が切れるということがあると思います。そういったときに、職員の労力や時間を一件の納税に対して余計に要することになるのは、回り回って納税の効率化という点で大きな支障になってくるんじゃないかと。
 先ほどるるほかの委員からも話がありましたように、いろんな部分での納税の相談なんかも、どうしても一件一件の時間がすごくかかってしまうと、やはり上手に広く多くの人の相談を受けるというふうな時間の確保、人の確保が難しくなってくる場合もあるんじゃないかなと。それが高齢化が進む中で今後非常にふえていくのではないかなということを大変心配しております。
 ぜひともその部分については、主税局の方でも、現場の方が大変になる可能性がありますので、我々議会もしっかり応援していきたいと思いますし、また、制度的に何か改善する場面があれば、しっかりと取り組んでいければなというふうに思っております。
 以上で主税局への質問を終わります。

○三宅委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○三宅委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で主税局関係を終わります。
 これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
   午後三時五十六分散会

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