平成二十五年度各会計決算特別委員会第二分科会速記録第四号

平成二十六年十月十七日(金曜日)
第十委員会室
午後一時開議
出席委員 十名
委員長橘  正剛君
副委員長小宮あんり君
副委員長徳留 道信君
小松 大祐君
斉藤やすひろ君
島崎 義司君
塩村あやか君
栗山 欽行君
小山くにひこ君
神野 次郎君

欠席委員 なし

出席説明員
オリンピック・パラリンピック準備局局長中嶋 正宏君
次長理事兼務岡崎 義隆君
総務部長鈴木  勝君
総合調整部長加藤 英典君
準備会議担当部長矢部 信栄君
事業推進担当部長福崎 宏志君
計画調整担当部長鈴木 一幸君
大会準備部長延與  桂君
連絡調整担当部長浦崎 秀行君
連絡調整担当部長小室 明子君
大会計画担当部長児玉英一郎君
競技担当部長根本 浩志君
輸送担当部長荒井 俊之君
スポーツ推進部長早崎 道晴君
スポーツ施設担当部長三浦  隆君

本日の会議に付した事件
平成二十五年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
オリンピック・パラリンピック準備局関係
・平成二十五年度東京都一般会計決算(質疑)

○橘委員長 ただいまから平成二十五年度各会計決算特別委員会第二分科会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、オリンピック・パラリンピック準備局関係の決算に対する質疑を行います。
 これよりオリンピック・パラリンピック準備局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成二十五年度東京都一般会計決算中、オリンピック・パラリンピック準備局所管分を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○鈴木総務部長 去る十月八日の当分科会におきまして要求のございました資料についてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元にお配りしてございます平成二十五年度各会計決算特別委員会第二分科会要求資料をごらんください。
 表紙をおめくりください。資料1、スポーツ振興事業に係る予算及び決算の推移でございます。
 都のスポーツ振興事業に係る予算額及び決算額につきまして、平成二十一年度から二十五年度までの五年間の推移について記載してございます。予算額はいずれも当初予算額となっております。なお、各年度に係る説明は、欄外に記載してございます。
 続きまして、一枚おめくりください。資料2、都立スポーツ施設の指定管理料の推移でございます。
 八つのスポーツ施設の指定管理料につきまして、平成二十二年度から二十六年度までの五年間の推移を記載してございます。なお、平成二十二年度から二十五年度までは決算額、二十六年度は当初予算額となっております。
 一枚おめくりください。資料3、都立体育施設の利用状況でございます。
 当局が所管しております主な施設につきまして、スポーツ利用とスポーツ以外の利用件数を、それぞれ平成二十三年度から二十五年度までの三年間の推移で記載してございます。
 一枚おめくりください。資料4、平成二十五年度スポーツムーブメント事業実績でございます。
 都民のスポーツ機運の醸成を目指しまして、都民が気軽に参加できるスポーツイベントの開催や、さまざまなスポーツ情報の発信を行うスポーツムーブメント事業の予算現額と決算につきまして、各区分ごとに内訳を記載してございます。
 一枚おめくりください。最後に、資料5、平成二十五年度招致推進活動経費の内訳でございます。
 招致推進活動に係ります経費の決算につきまして、各区分ごとに内訳を記載してございます。
 以上、簡単ではございますが、要求資料の説明は終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○橘委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○栗山委員 まず、都の競技力向上についてお伺いをいたします。
 昨年は九月に、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック競技大会の東京開催が決定し、そして五十四年ぶりに国民体育大会が開催されるなど、都にとって文字どおりスポーツイヤーともいえる年でございました。
 二〇二〇年東京大会の開催を契機に、スポーツの機運が盛り上がる中、東京国体では、都は九百名を超える近年まれに見る規模の選手団を結成して、大会に臨みました。都では、そこに至るまで、競技力向上に向けた取り組みを積極的に展開してきた、こうお伺いをいたしております。
 そこでまず、東京国体に向けた都の競技力向上の具体的な事業の展開についてお伺いをいたします。

○早崎スポーツ推進部長 都は、国体開催都市としてふさわしい成績を目指すとともに、オリンピックなど国際舞台における東京育ちの選手の活躍につなげていくため、競技力向上施策を推進してまいりました。
 主な施策として、まず、国体の正式競技である四十競技について、国体候補選手強化事業やジュニア特別強化事業などにより、競技団体が実施する強化練習や強化合宿などを支援してまいりました。また、ジュニア期からの強化策として、都内の体育系の大学と連携し、高校生選手を対象に、動作解析や栄養サポートなど、医科学的な観点を踏まえた強化事業を実施しました。さらに、中学三年生を対象に、高校生からでもトップを目指せる七競技について、東京都ジュニアアスリート発掘・育成事業を実施するとともに、都内の地区体育協会と連携したジュニア育成地域推進事業を実施し、スポーツの普及と裾野の拡大に取り組んでまいりました。

○栗山委員 都が競技団体や地区体育協会などと協働して、体系的に競技力向上のために取り組みをしてきたことがよくわかりました。
 昨年の東京国体において、東京都選手団は具体的にどのような成績だったのか、お伺いをいたします。

○早崎スポーツ推進部長 男女総合成績については、東京都が第一位で三千四百八十六点となり、二位の大阪府とは千六百点を超える大差をつけて総合優勝し、天皇杯を獲得しました。また、女子総合成績についても、東京都が第一位で千六百二十二点となり、二位の大阪府とは七百点を超える大差をつけて優勝し、皇后杯を獲得しました。
 さらに、競技別では、四十競技中半数の二十競技で男女総合優勝を飾っているとともに、男女総合で三十五競技、女子総合で二十三競技が入賞を果たすことができました。

○栗山委員 昨年の東京国体で他の道府県を大きく引き離して天皇杯、皇后杯を獲得するという成果を得たことは、多くの東京育ちの選手が活躍をしたあかしといえます。その中で、都が発掘、育成したジュニア選手はどのような成果を上げたのか、お伺いをいたします。

○早崎スポーツ推進部長 昨年の東京国体には、東京都ジュニアアスリート発掘・育成事業において育成されたジュニア選手の中から、十二名が出場することができました。そのうち、ボートや自転車の選手二名が優勝を果たし、ほか五名の選手が入賞し、東京国体での総合優勝に貢献しました。
 このように、競技に取り組み始めて二、三年程度の限られた期間の中で、着実な成果を上げることができました。

○栗山委員 東京育ちのジュニア選手が活躍する姿は、同世代の子供たちにとって、スポーツに対する希望や憧れを抱くことにつながり、みずからスポーツに取り組む大きなきっかけとなるものというふうに思っております。二〇二〇年の東京オリンピックでは、より多くの東京育ちの選手が活躍をして、地元東京が大いに盛り上がっていくことが不可欠であるというふうに思っております。
 これまで養ってきた競技力向上施策のレガシーを、二〇二〇年東京オリンピックという新たな目標に向けて活用することが重要となってまいります。二〇二〇年東京オリンピックを見据えて、今後、都が競技力向上施策をどのように進めていくのか、お伺いをいたします。

○早崎スポーツ推進部長 これまで競技力向上施策によって育ってきた東京のアスリートは、国民体育大会やインターハイなどの全国大会で優勝や入賞を果たすことなど、着実な成果を上げてきました。ジュニア選手の発掘、育成については、トップアスリート発掘・育成事業として、今年度から対象を中学二年生と中学三年生に拡大、広げた上で、引き続き実施してまいります。また、より多くの東京都の選手が日本代表となるよう、今年度から新たに日本代表選考会出場選手強化事業を設け、競技団体が行うアスリートの海外遠征などにかかる費用を支援します。
 東京国体に向けて取り組んできた競技力向上施策のレガシーを最大限に生かし、東京育ちのアスリートが東京オリンピックなどの世界の舞台で活躍できるよう、選手の育成に取り組んでまいります。

○栗山委員 次に、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取り組みについてお伺いをいたします。
 平成二十五年度は、アジアで初となる東京での二度目の開催をかち取り、招致をなし遂げた後は直ちに大会準備に取りかかるという大きな課題に取り組んできた一年であったものというふうに思います。招致実現に向けて、もちろん都議会も全面的に応援をさせていただいてまいりましたが、政界、経済界、スポーツ界等のほか、全国の自治体や国民の皆様にご協力をいただき、オールジャパン体制で日本中が心を一つにして大きく盛り上がったことが、今回の招致獲得につながったものと確信をする次第でございます。
 二〇二〇年の大会成功に向けて、今後もオールジャパンで機運を盛り上げていくことが極めて重要であろうというふうに思います。これまでの経験から学んださまざまのことを今後に生かしてもらいたいので、こうした観点から質問させていただきたいと思います。
 二〇二〇年大会の招致レースでは、アスリートファースト、コンパクトの大会運営など、東京の強みをアピールいたしましたが、他の都市と比べて国内の支持率が低迷をしていたことが最も大きな弱点であったというふうにいわれております。
 このような状況のもとで、都は、大会機運の盛り上げや支持率の向上に向けてどのような取り組みを進めてきたのか、お伺いをいたします。

○浦崎連絡調整担当部長 平成二十四年夏のロンドン大会での日本選手の活躍によりまして、オリンピック・パラリンピックが各種のメディアに数多く取り上げられ、国民のスポーツへの関心が高まりました。そうした盛り上がりを生かして、国や経済界とも連携し、オールジャパンの体制で取り組みを重層的、複合的に展開し、招致機運の醸成に努めたところでございます。
 今お話がありましたように、二〇二〇年大会の招致に向けては、国内支持率の向上が課題となっておりましたことから、機運の醸成に向け、全国的に活動を盛り上げていくことを目指して取り組みを展開いたしました。都議会議員の皆様のご尽力によりまして、署名活動では百八十万人を超す方々から署名をいただき、都議会を含め、三十九の都道府県議会と十八の政令指定都市の市議会から招致決議をいただくなど、招致の支持の裾野を広げていただきました。また、都内の自治会や町会等の地域の団体や企業、大学などの前回の招致活動から培ってきたネットワークを活用しながら、効果的な招致活動を展開することができました。さらに、「広報東京都」などの紙媒体や、電車内映像広告、街頭での大型ビジョンを活用したPRのほか、公共交通機関やバス、トラック、タクシーなどの業界団体の協力による招致ステッカーの掲出など、広範なPR活動を行いました。
 その結果、平成二十四年五月時点のIOCの調査による国内支持率は四七%でございましたが、平成二十五年三月時点では七〇%にまで高めることができました。

○栗山委員 今、ご答弁で、署名活動では百八十九万人もの方々から署名、招致決議を三十八の道府県と十八の政令市からいただいた。また、さまざまな団体にご協力をいただいた結果、東京招致が決定をしたものというふうに思っています。
 招致に向けてご協力をいただいた、全国の方々の期待に応えていくためにも、大会成功に向けて全力で取り組んでいかなければならないと思います。
 都は、招致決定を受けて本格的に大会準備に取り組むため、大会組織委員会などを設立するなど、新たな体制整備を進めてまいりました。その中で、私が最も大切だと思っているのは、全国の皆さんの声を聞いて応えていただける体制、これを構築をしていくことであろうというふうに思っております。都庁内はもとより、我が国全体でこの連携をさらに強めていく体制を整えていく必要があると思っております。
 今後、具体的にどのように取り組んでいくのか、お伺いをいたします。

○浦崎連絡調整担当部長 二〇二〇年大会の準備を着実に進めていくため、庁内各局で構成をする大会実施準備会議を設置し、全庁で大会準備に取り組む体制を整備するとともに、昨年十月には、招致推進部を大会準備部に改組いたしました。さらに、本年一月にはスポーツ振興局をオリンピック・パラリンピック準備局と改組をし、体制を固めました。
 また、国の関係府省庁との連絡協議会を設置するなど、連絡連携体制を整え、オールジャパンの体制づくりに努めてまいりました。本年一月には、都とJOCが協力し、大会の準備と運営を担う大会組織委員会を設立いたしました。理事には、都、国、JOC、都議会、競技団体、経済界などの代表や文化人、オリンピアン、パラリンピアンなど、各界からバランスよく選任されております。顧問会議には、安倍総理を筆頭に、政財界の代表とともに、被災県を含む全国の自治体の代表を迎え、オールジャパンの事業となっております。
 都としましては、大会の準備を確実に遂行するため、職員の派遣、出捐金の拠出を行うなど、体制の整備に努めてきたところでございます。

○栗山委員 都庁内外の体制づくりを進め、オールジャパンの取り組みを進めてきたということがよくわかりました。引き続き、大会成功に向けてご尽力をいただきたいと思います。
 次に、被災地復興支援についてお伺いをいたします。
 昨年度、二〇二〇年大会の東京招致活動を行っておりましたけれども、その際には、全国の自治体にご支援をいただき、東日本大震災の被災県においても、復興に粉骨砕身し、本当は大変な中、当該県の皆さんにも快くご賛同賜り、応援していただいたこと、これは大変感銘深いものがございます。
 私は、昨年九月に東京開催が決定をしたときに、二〇二〇年に向けて大会準備を進める際には、被災地復興支援を常に念頭に置いて取り組んでいかなければならないと、強く感じておりました。
 このオリンピック・パラリンピックという世界最大のスポーツの祭典は、被災された方々に勇気と希望を与えるとともに、元気になっていく被災地の姿を世界の人々にPRしていく絶好の機会であるというふうに思っております。招致の際には、被災地の代表の方々にも参加をいただいた復興専門委員会において、三十二の事業が提言されておりますけれども、これが絵に描いた餅にならないように、実現に向けて早急に着手をしていただきたいと思います。
 復興がまだ道半ばである現在、大会準備を通じて被災地復興に資するよう、都としてもより一層積極的に取り組んでいくべきであると、こう考えますけれども、所見をお伺いをいたします。

○小室連絡調整担当部長 二〇二〇年大会を被災地復興支援につなげるため、スポーツや大会PRを通じ、復興支援に資するさまざまな取り組みを展開していくことは大変重要でございます。
 都は、平成二十五年度には、千キロメートル縦断リレーやアスリート派遣、被災地交流事業など、さまざまな取り組みを実施してきました。また、この七月には、大会組織委員会を事務局とした被災地復興支援連絡協議会が設置されまして、大会組織委員会、都、国、被災三県と関係団体が連携していくための体制が整備されました。
 現在、協議会におきまして、復興専門委員会の三十二の提言事業における今後の方向性について検討を進めているところでございます。
 今後、都はこの協議会を活用し、被災地の意向を的確に把握しながら、大会組織委員会を初め、関係団体と手を携えて、大会開催準備の段階から着実に復興を後押しできるよう取り組んでまいります。

○栗山委員 最後の質問になりますけれども、二〇二〇年大会を成功に導いていく、そして史上最高の大会としていくためには、東京だけでなく、被災地を含め、北海道から沖縄県まで日本全国からの協力が必要であるということはいうまでもないと思います。そのためにも、大会を契機として、文化、観光振興などで日本全体が活性化して、地域振興に結びつけるようにしていかなければならないと思います。
 東京都として今後どのように取り組んでいくか、局長の決意をお伺いしたいと思います。

○中嶋オリンピック・パラリンピック準備局長
二〇二〇年大会は、東京だけでなく、日本全体の祭典として、被災地はもちろんのこと、全国各地で大会を契機として、スポーツの振興や文化、観光など、地域が持つ魅力を世界へ発信していく絶好の機会でございます。
 このため、去る七月の全国知事会議におきまして、舛添知事から、都道府県間で協力連携を行える組織の設置を提案いたしまして、九月に全国知事会二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会推進本部が設置されました。この推進本部などを通じまして、全国の自治体と連携を図り、文化観光振興や国際交流などの取り組みを進め、オリンピック・パラリンピックによるさまざまな効果を全国で共有していきたいと考えております。
 今後、二〇二〇年大会を史上最高の大会とするためにも、これらの自治体間連携により、日本全国に有形無形のレガシーを残すとともに、招致のときに掲げました被災地復興についても後押しできるよう、都としても積極的に取り組んでまいります。

○栗山委員 ただいま局長より大変力強いご答弁をいただきました。二〇二〇年大会を、東京大会を開催して本当によかった、被災地の方々を初め、日本国民が思ってもらえるような大会にぜひともしていただきたいと思います。
 我が党でも、全力でこうしたことを応援していきたいと思いますし、やはり日本全体の皆さんが世界の人をおもてなしをする、そんな気持ちで、この大会に優しい気持ちを持って取り組んでいただきたいと、こう要望して、質問を終わらせていただきます。

○斉藤委員 私の方からは、昨年開催されましたスポーツ祭東京二〇一三からちょうど一年がたったわけでございます。この大会は、全国で初めて国民体育大会と全国障害者スポーツ大会を一つの祭典として開催したものでございまして、この取り組みにより、多くの都民、私もでございますけれども、障害者スポーツへの関心を高めるきっかけになったと実感をしております。関係者、そしてボランティアの皆様に、心から敬意を表し、感謝申し上げる次第でございます。
 私自身、例えば国体は第六十八回と冠されておりますし、また障害者スポーツ大会は第十三回、この数字の違いは一体どこから来ているかなと思い、調べてみますと、障害者大会は、従来は身体障害者と知的障害者が別々に開催されていたものを、平成十三年の宮城国体の際にそれを統一し、第一回としたところから起算されて十三回。そして、国体開催後に引き続き障害者スポーツ大会を開催することになったということなども学んできたわけでございます。
 そこで、スポーツ祭東京二〇一三を一つの祭典として開催した取り組み内容と、特に全国障害者スポーツ大会における成果はどのようなものであったのかを、まずお伺いしたいと思いますが、オリ・パラ準備局の皆さんの見解を伺いたいと思います。

○鈴木総務部長 スポーツ祭東京二〇一三は、委員お話しのとおり、二つの大会を全国で初めて一つの祭典として開催をし、新たなスポーツ大会のあり方を発信したものでございます。具体的に、国体では、障害のある人も入場行進のプラカーダーや炬火走者などとして式典に出演をしていただきますとともに、大会運営ボランティアとして活動し、大会を支えていただきました。
 加えて、障害のある人も参加できるデモンストレーションスポーツを、過去最大規模の四十四種目実施をいたしまして、多くのスポーツを体験する機会を提供いたしました。国体閉会式と全国障害者スポーツ大会開会式の間の三日間には、障害のある人もない人も一緒に触れ合いながらスポーツを楽しみ、ともに汗を流す東京ユニバーサルスポーツ3daysを実施いたしました。選手、観客、スタッフなど、全国障害者スポーツ大会に携わった人数は約二十一万七千人と、直近大会のおよそ倍となりまして、障害者スポーツ特有の卓越した技術やスピード感を間近で体験していただいたところでございます。
 こうした取り組みによりまして、多くの方々に障害者スポーツの魅力を伝え、理解を深めていただけたと認識しております。

○斉藤委員 一つの祭典として開催した理念、そして取り組み内容がよくわかりました。
 天皇皇后両陛下にもご出席賜りまして、報告書の冒頭にも大変もったいないお言葉がございますけれども、まさしく炬火を掲げて、健常者と障害者が走って並走している姿を、大変優しい面持ちで国民全体に発信されたそのお気持ちも、この報告書から私は拝見いたしました。大変すばらしいシーンであったと思います。
 この、ともにスポーツを楽しめるということはとてもすばらしいことであると思いますが、今回の大会で非常に有意義な価値が創造できたものと感じております。
 今、ご答弁にございましたが、この国体と障害者スポーツ大会をつなぐ三日間、ここのイベントで、この3daysですね、東京ユニバーサルスポーツ3daysというものがあったわけですが、ここで大事な宣言が発信されているということもございます。東京ユニバーサルスポーツ宣言と題されておりますが、ちょっと一文読ませていただきます。
 スポーツには力があります。障害のある人もない人もともに触れ合い、助け合いながらスポーツを楽しみ、連帯の輪を広げていくことで、心のバリアフリーが実現されます。そして、スポーツが切り開く心のバリアフリーは、社会を変革する原動力となります。東京は世界に誇る成熟都市として、スポーツが生活の中に溶け込み、誰もが、いつでも、どこでも、いつまでもスポーツを楽しむことができるスポーツ都市東京を目指すことを誓い、今、ここに東京ユニバーサルスポーツ宣言を行います。昨年の十月十日のことでございます。
 誓いということは、英訳するとプレッジでございますけども、プロミスではありませんので、この宣言を忘れることなく、これを体現するこれからの東京でありたいというふうに考えているわけでございます。
 また、この二〇二〇年の東京五輪、オリンピックとパラリンピック大会をつなぐ約二週間ほど、この立候補ファイルを見ると二週間ほど日にちがあるようでございますが、東京ユニバーサルスポーツウイークスとか、そういうことを冠して、ぜひ今後、この今回のスポーツ祭東京二〇一三の経験をレガシーとして活用して、障害者スポーツの一層の盛り上がりを図って、史上最高の二〇二〇年のパラリンピック大会を開催していただきたいと要望しておきます。
 次に、スポーツを通じた被災地支援について、私も伺いたいと思います。
 先ほど読ませていただきましたこの宣言の冒頭にもありましたが、スポーツには力がある。全くそのとおりであると思うわけでございます。その力を確信し、都議会公明党としても、これまで、東日本大震災の被災地の子供たちが勇気と希望を持てるよう、スポーツを通じた被災地支援を行うことの重要性を幾度となく提案をしてまいりました。都はこれを受けまして、被災地から子供たちを招待しまして、東京の子供たちとのサッカーや野球などの合同練習や試合を通して交流するスポーツ招待交流事業を実施してきたわけでございます。この前スポーツ振興局時代の英断を高く評価をするものでございますが、この事業は、被災地の子供たちはもとより、東京の子供たちにとっても非常に意義のある事業であると思っているわけでございます。
 そこで、まず、平成二十五年度のスポーツ招待交流事業の実績と、参加した子供たちがどのような感想を持ったのかをお伺いしたいと思います。

○早崎スポーツ推進部長 平成二十五年度のスポーツ招待交流事業では、被災三県から合計百三十八人の子供たちを受け入れ、墨田区や八王子市、東大和市など六市で二百六十人を超える地元の子供たちが参加し、合同練習や試合、ホームステイや地域のお祭りなどで交流を深めていただきました。被災地の子供たちからは、大きくなったら甲子園で会おうといわれたので、夢を実現するために野球を続けたいなどの声があり、東京の子供たちも、被災地の子供たちが頑張っている姿を見て、被災地の人たちに負けず日々の練習に励みたいというような声がございました。

○斉藤委員 この被災地の子供たちのこれからの変化ですね。被災直後から現代に至るまで、今に至るまで、いろんな思いがあると思うんですけれども、感想などを聞きますと、現場での復興の進みぐあいというものも実感をするわけでございますが、子供たちは、この交流試合やホームステイなどによりまして、同じ夢を誓い合う仲間ができるなど、スポーツを通して未来への希望を抱くきっかけになったと思います。
 他方、私は都議会公明党の中で、福島県支援チームの一員でございますけれども、被災地に赴きましてお話を伺うと、震災を忘れてほしくない、風化させないでほしいという思いを強く感じて帰ってくるわけでございます。被災地の皆さんは、いわば風化と風評被害の二つの風と闘っているわけであります。
 そこで、スポーツを通じた被災地支援につきましては、震災の記憶を風化させることのないよう、引き続きしっかり取り組んでいかなければならない、またお願いをしたいと考えておりますが、都の見解を伺います。

○早崎スポーツ推進部長 招待された子供たちからの喜びの声だけではなく、受け入れた東京の家庭からも、被災地の子供たちとかかわり合いを持つことで復興について深く考え、被災地を身近に感じられるようになったというような言葉が届くなど、受け入れ側にも大きな意義と効果をもたらしております。
 この事業を通じ、試合で一緒に汗を流し、寝食をともにする中で、互いのきずなを深め、その経験や感動が双方にとってかけがえのない財産となることで、復興への力になるものと考えます。
 今後とも、こうしたスポーツの力を活用した被災地支援事業を実施してまいりたいと思います。

○斉藤委員 過日、予算特別委員会などの場でも、同僚の東村邦浩議員が紹介しておりましたけれども、ホームステイを通じまして子供を受け入れられたお母さんからも、他人に感謝される喜びが自分自身の喜びになるということを、初めて感じましたと。被災地のためにやっているんですけど、それが自分の喜びになっている、すばらしいことであるというふうに思うわけでございますが、スポーツ交流事業など、さまざまな被災地への都民の支援が、復興を加速すると同時に、地元の皆さんの喜びと感謝がそのまま都民の喜びになるという意義は、大変大きいというふうに考えるわけでございます。
 こうした取り組みを今後も重ねながら、二〇二〇年東京五輪パラリンピック大会を迎え、復興した、今度は日本が復興したですけど、復興した喜びと感謝の姿を、来日した世界の皆さんに見ていただきまして、また全世界にそれを発信することによりまして、支援をいただいた多くの国々の皆さんに喜んでいただきたい、このように思うわけでございます。
 日本は、世界とのきずなを一層強めることで、世界平和に貢献しなければならない、これが二〇二〇年の東京の使命であるというふうに考えております。
 続きまして、被災地支援については以上でございますが、最後の質問でございますけれども、オリンピック・パラリンピック競技大会におけます環境対策についてお伺いをしたいと思います。
 都は、二〇一六年の大会招致から二回連続となる二〇二〇年大会招致において勝利をおさめ、開催都市の栄誉をかち取ったわけでございます。オールジャパン、全ての皆さんに感謝しなければなりません。
 二〇二〇年の勝因につきましては、東京都はもとより、国、スポーツ界、東京商工会議所など、経済界が一体となったオールジャパン体制での招致活動が功を奏したと評価されておりますけれども、もちろんそれは前提といたしまして、このすぐれた開催計画ですね。私も改めて立候補ファイルを読ませていただきましたけれども、すぐれた開催計画があったことも忘れてはならないと思うわけでございます。
 特に私が注目していますのは、環境対策についてでございますけれども、二〇一六年の招致の際には、東京大会を特徴づけるものとしまして、大きくアピールをしていた記憶がございますけれども、これはちょっと仄聞ですけれども、余りに先進的でありまして、その意欲的な計画がIOCの一部の方からは理解されなかったのではないかとも聞いているわけでございます。その反省からか、今回の二〇二〇年大会の招致では、充実した宿泊施設や公共交通機関、そして四千億円の開催準備の基金などを背景とした確実な開催、大会運営を打ち出して、環境に関する訴えは大きくは聞こえなかったというふうに、私自身は認識しております。
 しかし、実際に立候補ファイルを拝見しますと、二〇二〇年大会の計画におきましても、前回同様、都の環境に対する取り組みが継続してしっかり記載をされていることがわかります。こうしたことは重立って取り上げられることはなくとも、IOCも高く、実際は評価されていたと確信をするものでございます。
 オリンピック・パラリンピックのような大規模イベントを開催するに際しましては、環境に十分に配慮することが非常に重要でございます。都は積極的に取り組むべきと考えますけれども、改めてこの立候補ファイルにおける都の計画内容をお伺いしておきたいと思います。

○荒井輸送担当部長 立候補ファイルにおきましては、東京は、環境を優先する二〇二〇年大会との環境理念のもと、三つの柱としまして、環境負荷の最小化、自然と共生する都市環境計画、スポーツを通じた持続可能な社会づくりを掲げて、さまざまな環境施策に取り組むこととしておりました。具体的には、新設会場におけるエネルギー使用の抑制や、二酸化炭素排出削減などの環境配慮、コンパクトな会場配置や、低公害車の導入による環境負荷の少ない輸送、大会運営や会場整備での廃棄物の発生抑制や再使用の推進などについて記載しております。

○斉藤委員 今のご答弁で、さまざまな取り組みが予定されることがわかりました。
 中でも、廃棄物の抑制など資源循環ですね。資源循環に配慮した大会とすることは、東京が今後、持続的に発展していく上で大変に重要であると考えます。二〇二〇年大会に向けて、都も多数の競技会場を整備することとなりますけれども、例えば再生材の使用や建設廃棄物の適正な処理などに関する具体的な取り組みについてお伺いしておきたいと思います。

○荒井輸送担当部長 資源循環に関して、立候補ファイルでは、発生抑制、再使用、再利用、エネルギーの回収、都市の自然環境の再生の5Rの普及に取り組むこと、国内法令において循環型社会を形成するためのリサイクルの手続が定められていることなどを述べております。また、再生資材の使用などを含む建築物環境計画書制度にのっとって施設整備を行うこととしております。
 今後、新設会場の整備に当たる関係局と連携を密にしながら、資源循環に関する取り組みの具体化を図ってまいります。

○斉藤委員 ただいまご答弁がございましたけれども、5R、その中に都市の自然環境の再生という、そういったことも今、お伺いしましたけれども、都市における緑地の創出や植生プログラムの実施などとありますが、私も生物多様性に配慮した都市づくりというものをライフワークにしておりますので、ここは環境局ではございませんので、詳しくは述べませんけれども、都市の顔としてとても重要な施策、それがこの立候補ファイルに目標として盛り込まれている。これは大変大事なことであると思います。
 オリンピック・パラリンピックは単なる、先ほど局長のご答弁でございましたけれども、一つのスポーツの大会に終わることなく、その開催都市の社会、経済、文化にも大きなインパクトを与える一大ムーブメントでございます。環境に対する取り組みは、行政だけでは、これはできるものではございません。広く都民や事業者を含めまして、経済界にもご協力いただきまして、それぞれ取り組んでいくことが必要であります。
 この発生抑制、再使用、再利用、エネルギーの回収、都市の自然環境の再生の5Rを官民協働で普及していくなど、すばらしい取り組みが立候補ファイルに明記されているわけでございますので、これをぜひ具体的に実行していくことをここで確認しておきたいと思います。
 また、記述にはないんですけれども、このエネルギーの供給と保護というものがございますけれども、今、東京は、二〇二〇年までに再生可能エネルギーを二〇%、こう目指していこうというような取り組みも、今、鋭意取り組んでいらっしゃるところですけれども、これはオリンピック・パラリンピック準備局が全てやるわけじゃございませんけれども、こういったエネルギーの供給に関しましても、その由来が再生可能エネルギー由来であるということも非常に重要な二〇二〇年になろうかというふうに考えているわけでございます。
 このように資源循環、そして再生可能エネルギー、省エネルギーなどを率先して取り組みまして、二〇二〇年大会を、その先を見据えた世界一の都市東京が取り組む先進的な環境施策の見本市といいますか、ショーケースといいますか、そういった発信の場とすることを求めまして、私の質問を終わりたいと思います。

○徳留委員 二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック成功と同時に、オリンピック・パラリンピック成功の大きなレガシーの一つとして、オリンピック憲章、スポーツ基本法の精神にあるように、スポーツを行うことは人権、人々の権利との見地から、都民スポーツ、競技スポーツの活性化、発展の大きなチャンスにすべきだと考えます。
 知事は、長期ビジョンの中間報告でも、世界に存在感を示すトップアスリートの育成とスポーツ都市東京の実現をうたっています。誰もがスポーツを楽しむことができる環境の実現を強調しています。そのためにも、平成二十五年度策定の都のスポーツ推進計画と平成二十四年度策定の都の障害者スポーツ振興計画、そしてスポーツ実施率向上の具体化が求められていると思います。
 そこで、最初の質問です。要求資料の1のスポーツ振興事業にかかわる予算及び決算の推移を見ると、平成二十三年度から二十五年度の都のスポーツ振興にかかわる予算の推移は、減る傾向になっているのではないか。執行率も八〇%台後半になっています。こうした状況は、二〇二〇年にスポーツ実施率七〇%にしようという数値目標の達成にふさわしいものになっているのかどうか、取り組みの現状について見解を伺います。

○早崎スポーツ推進部長 スポーツ振興事業に係る全体予算の多くを、大規模改修工事を初めとした都立スポーツ施設に係る経費が占めており、平成二十三、二十四年度に実施した東京体育館の大規模改修工事など、対象工事の段階等に応じて、各年度の予算総額にも影響が生じているものでございます。
 一方で、生涯スポーツと競技スポーツの振興や、障害者スポーツの振興に係る経費につきましては、スポーツ実施率の向上に向け、都民にスポーツを実施を促すさまざま施策を推進する観点から、この間、着実に増加しております。
 今後も、都民の日常生活にスポーツを定着させるためのさまざまな施策を実施し、誰もが、いつでも、どこでも、いつまでもスポーツを楽しみ、スポーツの力で人と都市が活性化するスポーツ都市東京の実現を目指してまいります。

○徳留委員 スポーツ振興にかかわる予算は着実に増加しているということでしたが、一連のスポーツの推進振興計画の具体化、これらの実施にとって、今の水準で本当にスポーツ実施率七〇%の数値目標の達成にとって、この現状でいいのか。このことを基準にして、今後のスポーツ振興予算を抜本的に拡充すべきではないかということを要望しておきたいと思います。
 都立を含めて、公共スポーツ施設の利用状況について、抽せんでも当たりにくい、施設をもっとふやしてほしい、こういう声がさまざまなスポーツ団体、クラブなどから、要望として寄せられています。スポーツ実施率七〇%の目標達成のためにも、都や区市町村の公共スポーツの施設の整備拡充を計画的に進め、まさに都民の誰もが、いつでも、どこでも、いつまでもスポーツが楽しめる、そういう条件整備が不可欠だと考えますが、スポーツ施設の利用状況についての認識と施設の整備拡充の取り組み状況について、見解を伺います。

○三浦スポーツ施設担当部長 主な都立スポーツ施設の稼働率は、平成二十五年度実績で、東京体育館メーンアリーナで九九・四%、駒沢オリンピック公園総合運動場体育館で九五・三%、東京武道館大武道場で八〇・五%となっております。
 都は、地域や区市町村を超えるスポーツ大会や国際的な大会も開催できる広域的な機能を重視した施設の整備に取り組んでおり、各施設の整備に当たりましては、主要施設十カ年維持更新計画に基づき、大規模改修、改築を計画的に実施をしております。さらに、平成二十五年度は、新規の施設として、多摩地域におけるスポーツ振興の拠点となる武蔵野の森総合スポーツ施設の整備工事に着手をいたしました。
 なお、二〇二〇年度までに、都民のスポーツ実施率七〇%を達成し、スポーツ環境の充実を図るため、区市町村が所有するスポーツ施設において、競技スペースを拡大する工事や、バリアフリー工事に対する補助制度を今年度に創設をいたしました。

○徳留委員 答弁にありましたように、主な施設の稼働率は九〇%前後だということです。しかし、このことは、平均して九〇%ということは、休日などは文字どおり使えない人がたくさん出るという状況も反映しているのではないかと思います。それだけ利用者が非常に多いということであると同時に、大中小のスポーツ施設を含めて、思うように利用ができない実態があるということではないでしょうか。
 先日の十日付の毎日新聞でも、東京五輪五十年、スポーツの場どうなる、二〇二〇年へ準備、施設潰され、こういう見出しで記事が紹介されていたように、文科省の調査では、都内のスポーツ施設数は約一万二千カ所で、全都道府県で二番目と。しかし、人口比で見ると、東京は約一千百人に一カ所であり、全国平均の五百七十人に一施設に大きく及ばず最低クラスと書かれていました。
 しかも、六年後のオリンピックに向けて、オリンピック会場としての施設建設に伴って、都民がスポーツで汗を流せる場が、都内各地で一時的、恒久的になくなる場所があります。利用者からは代替施設を求める声が上がっていることも、この記事では紹介されています。こうした現状は、オリンピック・パラリンピックを契機に、都民のスポーツの活性化、振興を目指し、実施率七〇%を目指す計画、目標にも逆行するものとなるのではないかと思います。
 私たちも、人口当たりのスポーツ施設が全国最低クラスではないかということを、昨年の本会議の質問でも行いました。その中で、今年度から開始された区市町村のスポーツ施設の拡充に当たっての補助制度は、画期的なことで、歓迎したいと思います。
 しかし、問題は、補助額の合計の上限が二億円にとどまり、東京都のスポーツ推進計画、障害者スポーツ振興計画の本格的な具体化、七〇%を目指すスポーツ実施率の向上から見ると、規模が余りにも小さ過ぎるのではないかと思います。特に、身近なスポーツ施設の拡充は、区市町村が役割を担っており、広域的施設ではなくて、区市町村が身近なところで施設を拡充することができるように支援を抜本的に強化していただくように、強く要望しておきます。
 次に、障害者のスポーツについて質問いたします。
 障害者のスポーツ実施率は、公表されている最新の調査では、平成二十三年八月から九月にかけて行われました最新の調査では四二%にとどまり、一般都民より実施率が低い状況に置かれています。昨年十月、当時のスポーツ振興局の聞き取り調査によりますと、障害者スポーツ指導員の区市町村別の配置状況は、配置されているのはわずか九区市のみ、最高は目黒の五十人、断トツでありますけれども、それ以外は全て数人、一桁という状況にとどまっています。
 障害者のスポーツ実施率七〇%の達成には、スポーツ施設のバリアフリー化と同時に、こうした指導者不足の解決が不可欠と考えますが、平成二十五年度の取り組みの現状についてお伺いいたします。

○早崎スポーツ推進部長 都では、障害者スポーツを支える指導者等の人材育成の取り組みとして、平成二十三年度から障害者スポーツに関するセミナーを実施しています。セミナーは、区市町村の職員やスポーツ推進委員、地域スポーツクラブの関係者などを対象に、障害に関する基礎的知識の付与のほか、障害者スポーツの体験など、障害者スポーツ事業の実施を促す内容となっております。
 なお、平成二十六年度からは、セミナーの開催に加え、公益財団法人日本障がい者スポーツ協会公認、障害者スポーツ指導員養成講習会を開催し、現場で実際に指導に当たる人材の育成を行っています。また、先ほどの答弁のとおり、施設整備については、区市町村が所有するスポーツ施設におけるバリアフリー工事等の取り組みを支援する補助制度を今年度に創設しました。

○徳留委員 障害者スポーツの指導員の養成、バリアフリー化の工事などを推進するという答弁でした。
 都の障害者スポーツ振興計画では、障害者スポーツの意義について、スポーツ全体の振興を推し進め、障害の有無や年齢、性別にかかわらず全ての人がスポーツに親しむことのできる社会、すなわちスポーツ・フォア・オール、みんなのスポーツの実現に大きな貢献になると書かれ、さらに、障害者スポーツの環境改善が進むために、障害のある人とない人の相互理解と交流が広がり、ユニバーサルデザインの推進や共生社会の実現にも貢献することができると明記をされています。こういう見地で、障害者スポーツの振興の具体化を図ってほしいと要望しておきたいと思います。
 次に、競技スポーツの問題についてお伺いをいたします。
 都のスポーツ振興審議会の委員で日本アスリート会議副理事長、早稲田大学のスポーツ科学学術院教授の間野義之さんは、平成二十四年度五月の第二十四期第一回審議会で、スポーツ実施率は週一日以上ですけれども、着実に増加を感じると。しかし、一方で、競技スポーツの実施率は、私たちが調べる限りほとんど横ばいですと。健康に対してウオーキングというものを普及していくのはとても大事ですけれども、文化遺産としての競技スポーツ、近代スポーツというものをどうやって実施させていくのかについて、まだ課題があるのではないかと発言されています。
 私は、これは極めて重要な指摘だと思います。平成二十三年、国会の超党派議員の立法で成立したスポーツ基本法の前文では、スポーツは世界共通の文化である。ここから始まって、スポーツ選手の不断の努力は、人間の可能性の極限を追求する有意義な営みであり、こうした努力に基づく国際競技大会における日本人選手の活躍は、国民に誇りと喜び、夢と希望、感動を与え、国民のスポーツへの関心を高めるものであると明記をされています。こうした競技スポーツの発展、特別な役割は、スポーツ実施率の一般的向上にとどまらず、六年後のオリンピック・パラリンピック成功と、その後のレガシーとしてのスポーツ文化の発展にとっても、重要な指摘だと思います。
 そこで、競技スポーツの裾野の拡大に向けた、平成二十五年度、都の取り組みについてお伺いいたします。

○早崎スポーツ推進部長 都はこれまで、都民がバレーボールやサッカー、バスケットボールといった競技スポーツに親しみを持つ機会を創出するなどの観点から、さまざまな事業を実施しています。例えば、平成二十五年度のスポーツ博覧会では、テニスや車椅子バスケットボールなどさまざまなスポーツを体験するプログラムのほか、サッカーや野球などについて、オリンピアンなど一流アスリートから直接指導を受けるスポーツ教室を実施し、十二万人もの参加を得ました。また、バドミントンや柔道など、各団体が主催する競技大会などに対し、講演を行い、振興を図っております。

○徳留委員 競技スポーツの独自の振興、発展のためには、きっかけづくりと同時に、まさに都民スポーツの合い言葉のようになっている、誰もが、いつでも、どこでも、いつまでもスポーツに取り組める環境整備として、スポーツ施設の拡充の取り組みが必要不可欠だと思います。その意味でも、今年度から開始された区市町村のスポーツ施設の整備に対する補助制度の活用、拡充などに積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 同時に、オリンピック・パラリンピックを目指すトップアスリートの養成と支援の一環としてJOCが取り組んでいる、トップアスリート就職支援ナビゲーション、略称でアスナビと呼ばれていますが、これが実施から五年目を迎えて、就職が決まった人が合計四十六人といわれています。こうした中で、私の地元板橋では、区が協力した面接会を通じて、地元企業に七人の就職内定が実現しました。
 活躍が期待される若手のトップアスリートにとっての不安の一つに、オリンピック・パラリンピック後の生活、雇用の問題があると思います。日本の競技スポーツの文化を支え、発展させると同時に、スポーツの振興、活性化にとって重要な役割を担う若手アスリートが、本番での活躍後に使い捨てのようにならないよう、将来をしっかり支えるアスナビについて都としても支援を行うべきではないかということを、意見として述べておきたいと思います。
 都民スポーツの活性化にとって、草の根からの自主的なスポーツ活動の支援が重要だと思います。しかし、推進計画では、地域スポーツクラブへの支援はあるものの、歴史的に大きな役割を果たしてきた単一種目のスポーツクラブへの支援強化も具体化してほしいと、そういう要望がたくさん寄せられています。平成二十五年度におけるスポーツ団体、クラブなどへの都の支援の実績についてお伺いいたします。

○早崎スポーツ推進部長 地域スポーツクラブは、地域住民が主体的に運営し、子供から高齢者、障害者を含め、誰もが身近にスポーツに親しみ、交流を図れる場として、地域スポーツの推進に欠くことができない存在でございます。
 平成二十五年度は、地域スポーツクラブを対象とした事業として、スポーツ教室への指導者の派遣や、クラブの認知度向上に資するイベントに対する助成などを行いました。また、地域スポーツクラブ以外のスポーツ団体で、各地区の体育協会やレクリエーション協会に加盟している団体に対しては、東京都体育協会などを通じて、ジュニアの育成やシニアスポーツの振興に向けた約九百九十の取り組みに対し支援を行い、約八万八千人の都民に参加していただきました。
 さらに、広くスポーツ団体関係者を対象とする地域スポーツ指導者の資質向上を図る研修会や、公認資格の取得に向けた講習会を開催するなど、地域スポーツの人材育成に努めるほか、各団体が主催する競技大会やスポーツイベントに対して講演を行い、団体の取り組みを促進しております。

○徳留委員 上部団体のない、あるいは加盟していない自主的なクラブ、サークルなどが、都内には数多く存在しています。そして、活発なスポーツ活動に全都各地域で取り組んでおります。こうした自主的な組織、グループに対しても、可能な支援を具体化して激励することが、都民スポーツの発展にも、またスポーツ実施率の向上にも大きく貢献するものだと考えております。ぜひ、こうしたスポーツ団体やグループに対しても、手厚い支援を心からお願いをしたいと思います。
 都として、地域スポーツだけでなく、単一種目のスポーツクラブなどへの支援も強めるべきだと考えますけれども、都の見解を伺います。

○早崎スポーツ推進部長 これまで都では、地域スポーツクラブの設立を促進し、その育成に取り組み、都内の平成二十五年度末における地域スポーツクラブ数は百十六団体となりました。
 都は、単一種目のスポーツクラブでも、地域住民の主体的な運営、幅広い年齢層の参加、技術レベルや目的の多様性が確保されていれば、地域スポーツクラブとして必要な支援を行っております。また、先ほど申し上げたとおり、地域スポーツクラブ以外の単一種目の活動を行っているスポーツ団体に対しても支援を行っております。

○徳留委員 最後に、東京都スポーツ振興審議会委員の阿部正幸東京都スポーツ推進委員協議会会長が、平成二十四年五月の審議会で、憲法の二十五条やスポーツ基本法を紹介しながら、全ての国民は健康で文化的な生活を営む権利を有すると、スポーツを通じて、幸福で豊かな生活を営むことは全ての人々の権利であると、審議会で発言されました。これも重要な、アスリートといいますか、スポーツの専門家の発言だと思います。
 スポーツ実施率七〇%を超えて、知事が再三強調する世界一のスポーツ都市東京をつくっていくためにも、オリンピック・パラリンピックの開催を契機に、東京都の障害者スポーツ振興計画、そしてスポーツ推進計画の裏づけのある具体化が極めて重要になっているし、スポーツの振興発展の大きなチャンスにすべきだということを強く要望して、質問を終わります。

○小山委員 平成二十五年度東京都一般会計決算、オリンピック・パラリンピック準備局所管分についてお伺いをさせていただきます。重複する点もありますので、簡潔に行いたいと思います。
 平成二十五年度は、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの開催決定と、その後のスポーツ祭東京二〇一三の開催など、まさにスポーツイヤーの年でありました。また、東京都スポーツ振興基本計画を改定し、スポーツ祭東京二〇一三以降の新たなスポーツ行動指針として、東京都スポーツ推進計画が策定されました。この新たな計画に基づくさまざまな取り組みを推進することで、二〇二〇年には世界に誇る成熟都市として、スポーツが都民の日常に溶け込み、スポーツを通じて人々が豊かに暮らせるスポーツ都市東京の実現を目指すとしております。
 これまで都では、平成二十年に策定されました東京都スポーツ振興基本計画のもと、さまざまな事業を展開し、週一回以上スポーツを実施する成人の割合であるスポーツ実施率が、この五年間で一四・七ポイント上昇しまして、平成二十四年度には五三・九%となりました。
 平成二十五年に策定をされましたこの東京都スポーツ推進計画では、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックが開催される平成三十二年までを計画期間とされまして、世界トップレベルのスポーツ実施率七〇%を目指すとされております。
 そこで、この東京都スポーツ推進計画の初年度ともなります平成二十五年度に、都はこの計画に基づきどのような取り組みを実施してきたのか、お伺いをさせていただきます。

○早崎スポーツ推進部長 平成二十五年度は、東京都スポーツ推進計画に基づき、各種スポーツイベントの開催のほか、地域スポーツクラブの設立、活動支援や障害者スポーツの場の開拓など、さまざまな事業に取り組んでまいりました。また、新たな取り組みとして、トップアスリートの技術や経験を地域に還元する東京アスリート・サイクル地域貢献モデル事業を開始しました。このほか、国際舞台で活躍する東京育ちの選手をより多く輩出するよう、トップアスリート発掘・育成事業など、さまざまな競技力向上事業を展開するとともに、国際スポーツ大会の開催や、東京国際ユースサッカー大会、ジュニアスポーツアジア交流大会などのスポーツを通じた国際交流を実施しました。
 今後とも、このような取り組みを通じて、都民の日常生活にスポーツを定着させ、誰もが、いつでも、どこでも、いつまでもスポーツを楽しみ、スポーツの力で人と都市が活性化するスポーツ都市東京の実現を目指してまいります。

○小山委員 この東京都スポーツ推進計画では、スポーツをより身近なものとし、これまでスポーツに縁のなかった方にも気軽に楽しんでいただくため、スポーツの概念を幅広く捉えております。ルールに基づいて勝敗や記録を競うスポーツだけでなく、健康づくりのためのウオーキングや気分転換に行う軽い体操、自然に親しむハイキング、介護予防のためのトレーニングなど、目的を持った身体活動の全てをスポーツとして扱われております。
 ぜひ、今ご答弁にありましたように、誰もが、いつでも、どこでも、いつまでもスポーツを楽しめる環境整備をさらに図っていただくようにお願いをしたいと思います。
 また、東京の子供たちに、ご答弁の中にもありましたけれども、アスリート・サイクル地域貢献モデル事業やトップアスリート発掘・育成事業を通じて、スポーツの楽しさやすばらしさを体感してもらうとともに、地域スポーツの裾野の拡大と次世代アスリートの発掘につなげていただきたいと思います。
 私から、都のスポーツ推進において一点課題を挙げるとしますと、やはり障害者スポーツの場の確保がございます。
 昨年、平成二十五年はデフリンピックがブルガリアのソフィアで開催された年でもございました。デフリンピックは、オリンピックと同じ四年に一度、世界規模で行われる聴覚障害者のための総合スポーツ競技大会でありまして、障害者スポーツにおける最初の国際競技大会でもございます。これは、ほかの委員会の中でも申し上げましたが、オリンピック、パラリンピック、スペシャルオリンピックスと、そしてこのデフリンピックの四大会が、国際オリンピック委員会が認める大会とされております。
 私も昨年、このデフリンピックのバスケットボール競技に出場されました日本代表チームの練習場の確保など、ご協力をさせていただきました。やはりその中で痛感をいたしましたのは、障害者スポーツの場の確保というのがなかなか難しいということでございます。ぜひ平成二十四年三月に策定をされております東京都障害者スポーツ振興計画ともあわせて、障害者スポーツの場の確保をさらに図っていただきたいと思います。
 そして、これら障害者、そして健常者、あるいは老壮青、全ての人たちにとって、この都民のスポーツ振興を図っていただき、さらなるスポーツの裾野の拡大を初めとしたスポーツ施策をより一層推進していただきたいと思います。
 また、昨年、平成二十五年度は、第六十八回国民体育大会と第十三回全国障害者スポーツ大会を一つの祭典として実施をしましたスポーツ祭東京二〇一三が開催されました。東京都におけます国民体育大会の開催は、冬季大会が平成十七年の第六十回大会以来八年ぶり二回目と、そして本大会が昭和三十四年の第十四回大会以来五十四年ぶり三回目、そして全国障害者スポーツ大会は初めての開催となりました。多摩・島しょ地域を中心に都内全域で開催をされまして、私の地元の府中市でも、卓球や軟式野球、サッカーなどの各競技が、多くのボランティア関係者の皆様のご協力のもと行われました。
 また、都内だけではなく、都外におきましても、ピストル以外のライフル射撃競技会とクレー射撃競技会が、埼玉県と千葉県で開催されました。都外開催競技におきましては、現地事務所を開設され、競技会の準備運営に当たったと聞いておりますが、そこで、この決算書の二〇ページにもございますように、都外開催競技現地事務所の運営について、事業内容と、この執行率が四九・六%となっている点についてお伺いをさせていただきたいと思います。

○鈴木総務部長 ご質問の両事務所は、大会の前年度から開設をいたしまして、競技会運営はもとより、全国から集まる選手、観覧者等の受け入れを行ったところでございます。運営に当たりましては、移動手段として協賛企業の自動車を活用することや、地元自治体の協力を得て庁舎内に事務所を開設するなど、経費の節減に努めました。
 また、地元自治体より自治会、商工会、観光協会など各種団体との調整に関する協力を得まして、競技会運営を円滑に進めることもできました。一方で、都職員も地元のイベントに協力するなど、交流を深めつつ、競技会開催のアピールをすることができました。
 このような地元自治体や団体と信頼関係を築けたことも、競技会成功の大きな要因だと考えております。

○小山委員 今ご答弁いただきましたように、都外の開催においても、同じように都内の自治体同様、信頼関係の構築など、さまざま取り組まれたということがよくわかりました。また、この運営において経費節減に努められたこと、これは当初予算を、当初立てられた予算に比較して執行率が低かったわけですけども、こういった執行率は本当に評価をしなければならないと、このように考えております。
 ぜひ、ここで得た他の自治体、特に同じような目標に向かって都内外において他の自治体と協力関係を築けたことを、今後の都政にも大いに有益だと考えますし、それらを反映をしていっていただきたいと思います。
 スポーツ祭東京二〇一三は、このような競技会等が都内外各地で開催をされ、成功裏に終えることができました。そこで、改めてお伺いをいたしますが、スポーツ祭東京二〇一三の開催の成果と、その成果を今後どのように都政に生かしていくのか、お伺いをさせていただきます。

○鈴木総務部長 スポーツ祭東京二〇一三では、選手、大会関係者、観覧者など、合わせて百二十八万人を超える方々にご参加をいただきました。全市区町村で競技会を開催し、運営ノウハウが地元に蓄積されますとともに、都内全域で延べ三万人以上がボランティアとして参加をし、都民が身近な地域でスポーツを支え、楽しむ機運が醸成されたと認識しております。
 さらに、全国から訪れる方々へのおもてなしとして、観光ガイドブックの配布や、各会場で地元産野菜を生かした料理を提供するなど、多摩・島しょ地域を中心に東京の魅力を発信いたしました。
 加えて、東京は全国から人々が集まり生活している都市であります。その東京ならではの特性を生かし、東京にいながら、ふるさとやゆかりのある都道府県の選手を応援する、ふるさと四七応援団を結成いたしました。一万人を超える方々が入団をし、都道府県を代表する選手を応援し、スポーツを通じて全国が一つとなることで、大会の盛り上げを図りました。
 スポーツ祭東京二〇一三で得られました大会運営やおもてなしなどの経験と成果を生かし、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック大会に向け、万全な準備を進めてまいります。

○小山委員 今お答えいただきましたように、今回のスポーツ祭東京二〇一三は、オリンピック・パラリンピックの東京開催が決定した直後に開催をされて、まさしく記念すべき大会だったというふうに思います。そしてその大会が、今お答えいただきましたように、都内外、さらには全国の多くの方々とともに連携を図り、さらに、これは多くの皆さんのご協力のもとだと思いますが、大会を終えることができたんだと思います。
 こういった成果の中に、お答えいただいたとおり、大会運営やボランティア、さらにはおもてなしなどといいます、このようなそれぞれの経験を、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの大会につながるものであるようにしていただきたいと思います。
 そして、先ほど来申し上げてまいりましたように、この平成二十五年度が、オリンピック・パラリンピックが再び東京の地で開催されることが決定した記念すべき年であります。足かけ八年にわたる関係者の地道な努力の積み重ねと、オールジャパン体制を構築して総力戦で臨んだ結果が、この開催都市の栄誉に輝いたものと考えております。
 このことを都の予算、会計的に見ますと、招致活動の集大成ともなりましたものが、昨年、平成二十五年度前半の活動であります。また、二〇二〇年大会に向けて準備のスタートを切りましたのが、年度後半の活動内容であると思います。
 この決算説明書の二二ページの中には、招致推進費として十九億四千八百万円余の支出が計上されておりまして、支出内訳で見れば、年度前半の招致活動に約十一億円、そして開催都市決定後の大会組織委員会設立準備等に約八億五千万という結果になっております。
 そこで初めに、平成二十五年度の招致活動、開催都市決定後の大会準備について、都として具体的にどのような経費支出を行ってきたのか、お伺いをさせていただきます。

○延與大会準備部長 まず、平成二十五年度上半期の招致活動につきましては、国際招致活動が解禁されましたことを踏まえまして、IOC総会はもとより、それに至る国際会議等でのプレゼンテーション、ブース出展等を初めとする国際プロモーション活動を中心に支出を行ってまいりました。また、前年度までに徐々に国内招致機運を盛り上げてまいりました、その流れを継続、拡大させるために、ピンバッジやグッズの作成等を行うとともに、開催都市決定の際には、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック開催地決定を迎える会を実施いたしました。
 次に、開催都市決定後の下半期におきましては、大会運営の計画、準備を行う主体となる組織委員会を設立するため、JOCとともに法人設立のための出捐金を拠出いたしました。加えて、都が整備を進めていく競技施設等に係る基礎的な調査委託や、IOC、IPCオリエンテーションセミナーの受け入れ対応など、二〇二〇年大会に向けて着実に準備を進めるための経費を支出いたしました。

○小山委員 平成二十五年度の前半の招致活動については、総仕上げの支出を行いまして、開催都市決定後は、早速、大会開催に向けて必要なスタートを切ったということだというふうに思います。
 その中で特筆すべきことは、二〇二〇年招致にかかわる都の経費につきまして、前回、二〇一六年時に比べて半減させることができたということであります。このことについては、平成二十五年度の取り組みも含めて、改めて経費支出に際して留意、工夫してきた点についてお伺いをさせていただきたいと思います。

○延與大会準備部長 二〇二〇年大会の招致は、計画策定を中心に、前回招致の経験やノウハウを継承、活用したことに加えまして、機運醸成に係る取り組みや国際招致活動について、費用対効果や経費を投入するタイミングなどを考慮いたしまして、めり張りをつけた事業展開を行ってまいりました。とりわけ、平成二十五年におきましては、開催都市が決定される九月のIOC総会に向けまして、テクニカルブリーフィングやスポーツアコード会議など、招致活動において重要な国際PRの場となる国際会議が集中的に開催されました。このため、国際招致活動に重点を置いて経費を支出してきたところでございます。
 こうした取り組みに当たりましては、都議会を初めスポーツ界、政財界などオールジャパン体制で都招致に取り組むことによりまして、招致活動を効果的、効率的に推進できまして、全体として招致経費の削減も図ることができたと考えております。

○小山委員 この招致経費につきましては、私たち都議会民主党として、二〇一六年の前回招致の段階から、引き続きこの効率的、効果的な予算執行ということを求めてきたことでもありまして、前回招致の経験やノウハウを生かされて経費の削減が行われたということを改めて評価をさせていただきたいと思います。
 そして、この招致決定には、やはり国内支持率の向上も大きく寄与したものだと考えております。その点につきましては、オリンピック・パラリンピック推進対策特別委員会の方でも申し上げてまいりましたけれども、二〇一六年の招致と比較しても、二〇二〇年の支持率向上の取り組みでは、若い人材の活用であるとか、あるいはさまざまなメディアのふくそう的な有効活用というものが大いに貢献したものだと考えております。ぜひ、このような取り組みを通じて盛り上げてまいりましたこの機運醸成の取り組みというものを、ぜひ二〇二〇年の大会開催までつなげていただきたいと、このように思っております。
 そこで、招致活動を通じて盛り上げを図ってきたこの機運醸成の取り組みを、二〇二〇年の大会開催に向けてさらに生かしていく必要があると考えますが、平成二十五年度の招致機運醸成の取り組みについてお伺いをさせていただきたいと思います。

○浦崎連絡調整担当部長 平成二十四年夏のロンドン大会では、日本選手が活躍し、各種メディアが数多く取り上げ、国民のスポーツへの関心の高まりもございました。そうした機運を生かしつつ、国や経済界などとも連携し、オールジャパンの体制で招致活動に当たりました。
 招致の取り組みにおきましては、活動の初期から国内支持率の向上が課題となっていたため、招致機運の醸成に向けまして全国的に活動を盛り上げていく、こうしたことを目標にして取り組みを展開いたしました。具体的には、「広報東京都」や街頭での大型ビジョンを活用したPRのほか、交通機関への招致ステッカーの掲出、ツイッター、フェイスブック等のソーシャルネットワーキングサービスや、メディアを通じた情報発信など、広範なPR活動を展開いたしました。また、都内の自治会や町会等の地域団体、企業、大学などの協力を得ながら、さまざまなイベントを通じまして、効果的な招致活動を展開いたしました。
 そうした取り組みの結果、IOCの調査で、平成二十四年五月の時点では、国内支持率は四七%でございましたが、二十五年三月の時点では七〇%にまで高めることができました。

○小山委員 招致成功の陰にはさまざまな機運醸成の取り組みがあったこと、そしてその取り組みが招致決定を強く後押ししたということがうかがえると思います。
 お答えの中にもありましたように、フェイスブックやツイッター、そういったソーシャルネットワーキングサービス、さらには大学生など若い人材を活用していただいたということが、これは非常に大きな効果をもたらしたのではないかというふうに考えております。
 ぜひその取り組みが大会開催時にまで引き続き継続できるようにお願いをしたいと思いますし、まさにその機運醸成の取り組みが、二〇二〇年のボランティア人材の確保であるとか、あるいは大会成功への大きな原動力につながっていくものだと考えております。ぜひそのような視点での取り組みも求めておきたいと思います。
 次に、今後の大会運営に向けて、ことし一月に設立をされました大会組織委員会が重要な役割を担っていくと考えます。今、東京都と連携を十分図りながら準備を行っているわけでありますが、平成二十五年度、都が大会組織委員会の体制整備に向けて支援した取り組みについてお伺いをさせていただきます。

○浦崎連絡調整担当部長 都は、JOCとともに出捐金を拠出し、大会の準備と運営を担う大会組織委員会を設立いたしました。都としては、大会組織委員会を全面的に支援をするため、大会組織委員会の副会長に副知事が就任をし、そしてオリンピック・パラリンピック準備局長が理事を務めております。あわせて、大会の準備を確実に遂行するため、事務局に職員を派遣するなど、今後六年間の大会組織委員会との連携の基礎を固める体制整備を行ったところでございます。

○小山委員 大会組織委員会の構成や財政面で、都の役割は大変大きいと思います。大会組織委員会の陣容は、今後も数や体制を含めて、多く、大きくなっていくと、このように考えております。
 都としてはぜひ、やはり開催都市として、二〇二〇年後の東京の姿をしっかり捉えていただきながら、その組織委員会の中で、その意思をしっかり持ちながら、かつ一体となって、この二〇二〇年大会準備ということに鋭意、力を尽くしていただきたいというふうに思います。
 前回、一九六四年のときと今回の二〇二〇年大会とでは、時代背景や周辺環境も大きく異なっております。前回は戦後復興の象徴となる大会でありましたが、今回は史上最高、世界一の大会の実現、そして何よりも被災地の復興の姿を示す大会であると考えております。
 このような認識のもと、都としてどのように取り組んでいくのか、所見をお伺いしたいと思います。

○浦崎連絡調整担当部長 二〇二〇年大会を世界最高のスポーツの祭典として成功に導くとともに、世界一の都市を目指す東京の姿を世界にアピールすることが重要でございます。
 都は、この大きな目標に向けて全庁を挙げて大会準備に取り組むため、各局の施策を総合的かつ効果的に推進していく体制の整備として、昨年九月に庁内各局で構成する大会実施準備会議を設置したところでございます。大会実施準備会議には、多言語対応部会や文化教育部会を設置いたしまして、二〇二〇年大会を契機に、成熟都市東京の姿を世界に示すとともに、海外の方々をおもてなしし、日本の文化を伝えるための準備を開始しております。
 また、二〇二〇年大会の大きな意義の一つとして、被災地復興の姿を発信し、世界への返礼の場にすること、こうしたことを目標に掲げ、招致活動に取り組んできております。これにあわせて、千キロメートル縦断リレーや被災地アスリート派遣などの取り組みも行ってまいりました。
 今後もこうした取り組みを総合的に進め、史上最高の大会を目指して取り組んでまいります。

○小山委員 今、お答えいただきましたように、史上最高の大会に向けた体制整備と取り組みがなされているということがわかりました。
 ここで一点だけ申し上げておきたいのは、先ほどのご答弁にもありましたように、二〇二〇年大会の大きな意義の一つとして、被災地復興というものを掲げております。私たちにも配られておりますオリンピック・パラリンピックのバッジでございますが、このバッジが今、海外製であります。こういった販促のグッズ、あるいはそういった活動のもろもろの事業について、やはり私は、被災地や被災県に発注がされるとか、あるいは被災地、被災県で、多少それは単価が高かったとしても、こういった意識を持ってこういった事業に当たられるということは、私は必要ではないかと思います。
 これだけ私どもが今回の二〇二〇年大会の中でさまざま捉えている被災地復興の視点ということも非常に大切だと思いますし、大会成功に向けた取り組みはもちろんでありますが、復興の姿を世界に発信していく取り組みについてもぜひしっかり行っていただきたいとお願いをいたしまして、私の質疑を終わらせていただきます。

○橘委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○橘委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上でオリンピック・パラリンピック準備局関係を終わります。
 これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
   午後二時二十五分散会

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