平成二十四年度各会計決算特別委員会第三分科会速記録第六号

平成二十五年十一月一日(金曜日)
第九委員会室
午後一時開議
出席委員 十名
委員長植木こうじ君
副委員長上野 和彦君
副委員長高橋 信博君
舟坂ちかお君
遠藤  守君
北久保眞道君
西崎 光子君
河野ゆりえ君
今村 るか君
山田 忠昭君

欠席委員 なし

出席説明員
中央卸売市場市場長塚本 直之君
管理部長坂巻政一郎君
事業部長野口 一紀君
新市場整備部長志村 昌孝君
市場政策担当部長日浦 憲造君
財政調整担当部長飯田 一哉君
移転支援担当部長高木 良明君
新市場事業計画担当部長加藤  仁君
基盤整備担当部長加藤 直宣君
施設設備担当部長中山  衛君
建設局局長横溝 良一君
次長前田 敏宣君
道路監邊見 隆士君
総務部長佐藤  敦君
用地部長今村 篤夫君
道路管理部長今村 保雄君
道路建設部長加藤 昌宏君
三環状道路整備推進部長長谷川金二君
公園緑地部長滝澤  達君
河川部長中島 高志君
企画担当部長相場 淳司君
総合調整担当部長梅田 弘美君
道路保全担当部長川合 康文君
道路計画担当部長横井 純夫君
公園計画担当部長五十嵐政郎君

本日の会議に付した事件
平成二十四年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
中央卸売市場関係
・平成二十四年度東京都と場会計決算(質疑)
建設局関係
・平成二十四年度東京都一般会計決算(質疑)

○植木委員長 ただいまから平成二十四年度各会計決算特別委員会第三分科会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、中央卸売市場及び建設局関係の決算に対する質疑を行います。
 これより中央卸売市場関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成二十四年度東京都と場会計決算を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○植木委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○植木委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で中央卸売市場関係を終わります。

○植木委員長 これより建設局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成二十四年度東京都一般会計決算中、建設局所管分を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○佐藤総務部長 去る十月十八日の当分科会におきまして要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の平成二十四年度各会計決算特別委員会第三分科会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
 表紙をおめくりいただきますと、目次に五件の資料の件名が記載してございます。この順番に従いましてご説明申し上げます。
 一ページをお開き願います。骨格幹線道路(主要路線)の予算、決算額の推移でございます。
 この表は、骨格幹線道路の整備につきまして、平成二十年度から平成二十四年度までの予算額と決算額の推移をあらわしたものでございます。
 二ページをお開き願います。道路補修費の予算、決算額の推移でございます。
 この表は、道路補修費につきまして、平成十五年度から平成二十四年度までの予算額と決算額及び決算額を区部と多摩部別にあらわしたものでございます。
 三ページをお開き願います。中小河川の整備状況の推移でございます。
 この表は、中小河川の整備状況につきまして、平成十五年度から平成二十四年度までの各年度の整備延長、事業費、治水安全度達成率並びに主な事業をあらわしたものでございます。
 四ページをお開き願います。直轄事業負担金の決算額の推移でございます。
 この表は、直轄事業負担金につきまして、平成十五年度から平成二十四年度までの道路、河川及び公園の決算額を財源別にあらわしたものでございます。
 五ページをお開き願います。建設局に係る中小企業への工事発注実績の推移でございます。
 この表は、建設局が発注した工事につきまして、平成十五年度から平成二十四年度までの件数と金額をあらわしたものでございます。
 以上で要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○植木委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○舟坂委員 豪雨対策のための中小河川の整備についてから質問をさせていただきます。
 初めに、去る十月十六日の台風二十六号により亡くなられた方のご冥福を心よりお祈り申し上げ、被災された皆様にお見舞いを申し上げます。
 ことしは、この伊豆大島のほかにも、これまで経験したことがない雨という表現となる集中豪雨や台風などにより、島根や京都など全国で甚大な被害が発生しており、治水対策の重要性が強く認識をされました。
 都では、水害を防止するため、中小河川における護岸整備や低地河川における高潮、耐震対策などを進めております。このうち、東部低地帯の高潮対策については、これまで整備が進み、伊勢湾台風級の高潮に対する整備が進んでいると認識しておりますが、残る整備や地震に備えた耐震強化も着実に進めていただきたいと思います。
 一方、中小河川については、近年、短期間かつ局地的に大雨が降る、いわゆるゲリラ豪雨など、現在の整備水準を上回る豪雨が多発し、これらへの対策が急務となっております。
 そこで、豪雨対策のための中小河川の整備について質問をいたします。
 都では、過去に過大な被害が発生した箇所や大規模な浸水被害を未然に防止する箇所を重点的に整備を進めているようですが、決算説明資料によると、平成二十四年度の中小河川の整備は、総額で約二百四十七億円が支出されており、護岸や調節池、分水路整備が行われていることがわかりました。
 そこで、平成二十四年度末までの整備状況と主な整備箇所についてお伺いをいたします。

○中島河川部長 都はこれまで、一時間五十ミリの降雨に対処できるよう河川の拡幅や調節池、分水路の整備などの整備を着実に進め、治水安全度の向上に取り組んでまいりました。
 平成二十四年度には二十五河川で事業を行い、このうち護岸につきましては、石神井川や神田川などで約一・四キロメートルを整備いたしました。調節池は八カ所、分水路は一カ所で事業を実施し、このうち中野区の妙正寺川鷺宮調節池と調布市の入間川分水路は、今年度から取水が可能となっております。
 これにより、二十四年度の中小河川の整備状況を示す治水安全度達成率は、都全体で七七%となりまして、前年度よりも一ポイント向上しております。

○舟坂委員 護岸の整備に加えて、各地で調節池や分水路の整備が進められ、都全体の治水安全度が着実に向上していることがわかりました。中でも、調節池や分水路の整備は、下流の未整備区間などの水害に対する安全性を早期に高め、水害対策として重要な取り組みであると考えます。
 そこで、今年度から取水が可能となった鷺宮調節池と入間川分水路について、その概要と具体的な効果をお伺いいたします。

○中島河川部長 鷺宮調節池は、環状七号線の上流域における水害を早期に軽減させるため、都営住宅の建てかえに伴って約一ヘクタールの土地を生み出す工夫をするなど、公共空間を活用して設置した貯留量三万五千立方メートルの掘り込み式調節池でございます。また、入間川分水路は、住宅が密集し整備が困難な入間川のバイパスとして、調布市道の地下を利用して野川に直接放流する約一千二百メートルの分水路でございます。
 いずれも、平成十七年九月の水害後、速やかに整備計画を立案し用地の確保などを進め、二十二年度から工事に着手し、約三年の期間で取水が可能となっております。今年度、既に両施設において、八月十二日の集中豪雨の際を初めとして、合わせて八回の取水を行っており、下流域の安全性の向上に寄与しております。
 また、これにより、今後、調節池から上流の区間に向けた護岸整備の早期整備、早期着手が可能となります。

○舟坂委員 鷺宮調節池、入間川分水路が整備され、その効果を発揮することによって治水安全度が向上していることを、まず評価いたします。
 一方、近年は、これまでの整備水準を超える降雨が頻発しており、ことしも七月の集中豪雨において、都内で時間で百二ミリを観測し、さきの台風二十六号では、東部低地帯でも時間五十ミリを超える降雨がありました。
 都では、昨年十一月、中小河川における新たな整備方針を策定し、目標整備水準を、区部、多摩の降雨特性の違いを踏まえて、これまでの時間五十ミリから、区部では時間最大七十五ミリに、多摩では時間最大六十五ミリとするように引き上げていると思います。
 そこで、新たな整備方針における整備の考え方についてお伺いをいたします。

○中島河川部長 新たな整備方針では、一時間五十ミリまでの対策は河道整備で、これを超える部分は調節池で対応することを基本とし、新たな整備水準に対応する調節池を増設していくこととしております。
 調節池の設置に当たりましては、速やかに整備を進めていくため、道路下や公園などの公共空間を活用してまいります。また、効果的な対策例として、複数の調節池を連結し、流域を越えて相互に活用する広域調節池の整備などを示しており、現在検討を進めております。
 今後とも、護岸や調節池などの整備を推進し、中小河川における新たな整備水準の達成に向けて取り組んでまいります。

○舟坂委員 今後とも、都民の生命と財産を守る中小河川の整備に、一層全力で治水対策に取り組んでいただくことを期待して、この質問を終わります。
 次は、都立庭園についてお伺いをいたします。
 私の地元葛飾区の柴又、寅さん記念館のそばに、山本亭という、昭和初期の様子を今に残した都選定歴史的建造物の建物と庭園があります。この伝統的な書院づくりと洋風建築とを融合した和洋折衷の建物と純和風の庭園とが見事に調和した様子は、アメリカの日本庭園専門誌の「ジャーナル・オブ・ジャパニーズガーデニング」にも数度にわたり取り上げられるなど、海外においても高く評価されております。
 規模は小さいのですが、お座敷から庭を眺めて過ごす人が多く、来園者がたくさんいらっしゃり、いつもにぎわいを見せており、区民の憩いの場として、都立庭園に劣らぬ人気があります。
 そこで、現在九カ所の都立庭園は、歴史的、文化的価値から文化財として指定を受けているとのことですが、その指定状況を改めてお伺いいたします。

○五十嵐公園計画担当部長 都は、江戸から大正に作庭された貴重な文化遺産である庭園を都民が鑑賞し、庭園文化に触れることができる場所となるよう保全管理に努めております。
 小石川後楽園と浜離宮恩賜庭園は、国の特別名勝と特別史跡に指定されており、六義園は国の特別名勝、旧岩崎邸庭園は国の重要文化財で、他の旧芝離宮恩賜庭園など五つの庭園が国の名勝や史跡等に指定をされています。
 全国には、国の特別名勝と特別史跡とを二重に指定された庭園は、鹿苑寺金閣、慈照寺銀閣など六つしかございませんが、都は、そのうち小石川後楽園と浜離宮恩賜庭園の二つを有してございます。

○舟坂委員 全国に六つしかない国の特別名勝と特別史跡とを二重に指定された庭園のうち、二つが都立庭園であるということは、全国的に見ても、東京都の文化財、庭園は非常に価値の高いものであるということを改めて認識をいたしました。
 そこで、そのうち小石川後楽園は、水戸黄門としてテレビドラマでも有名な水戸光圀公の庭園だそうですが、平成二十四年度にどのような取り組みが行われたか、お伺いをいたします。

○五十嵐公園計画担当部長 小石川後楽園は、水戸徳川家の中屋敷として江戸時代初期につくられ、二代藩主光圀の代に完成した庭園でございます。現在、庭園様式である回遊式築山泉山庭園の池、大泉水を中心とした景観を再現することを目指し、復元事業を行っております。
 平成二十四年度は、十七世紀後半に光圀により建築された得仁堂の修復工事に着手いたしました。その過程で、銅板ぶきの屋根の下から薄い木材を重ねたこけらぶきの屋根があらわれ、建築物の変遷を知る発見がありまして、記録に残しながら工事を進めました。
 また、歴史的景観を構成する重要な池の護岸改修工事を継続いたしました。工事に先立ち、水をせきとめて遺構調査を行いまして、崩れた護岸の積み直しに際し、石材が不足した場合には、新しい材料を水面下に配置するなど景観への配慮を最優先に改修を進めております。

○舟坂委員 引き続き、特別名勝、特別史跡の二重の国指定を受けたもう一つの庭園、浜離宮恩賜庭園における平成二十四年度の取り組みと、東京オリンピック・パラリンピック開催に向けた今後の事業の考え方をお伺いいたします。

○五十嵐公園計画担当部長 浜離宮恩賜庭園は、徳川第十一代将軍家斉の代に完成した庭園でございます。
 現在、海水を引き込む潮入の池と四棟の茶屋との景観を再生することを目指し、三棟目となる燕の茶屋の平成二十六年度の完成に向け、文化庁との協議を進めました。
 昨年の全国都市緑化フェアTOKYOでは、庭園都市江戸東京館を開設し、オモトなどの古典植物や盆栽の展示等を行いました。また、松の手入れ等の伝統技能見学会などを通じ、多くの来園者に江戸園芸文化や庭園技術について広く紹介いたしました。
 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向け、多くの方々をおもてなしの心でお迎えするため、今後も引き続き、燕の茶屋を初めとする建築物の復元やリーフレット等を活用した案内の多言語化を図り、江戸園芸文化や庭園文化の発信を着実に進めてまいります。

○舟坂委員 よくわかりました。
 小石川後楽園と浜離宮恩賜庭園を初めとした都立庭園において、内外からの多くの来訪者に対して、おもてなしの心を持って日本の伝統文化を発信し、着実に事業を進めていただきたいと要望して、この項の質問を終わります。
 次は、無電柱化についての質問をさせていただきます。
 東日本大震災以降、道路の防災機能の強化は急務となっております。中でも、電気通信などライフライン確保や電柱の倒壊により道路が閉鎖される、その防止などに寄与する無電柱化の担う役割は大きいと考えます。災害時における迅速、円滑な救護活動や物資輸送を支える無電柱化の推進は重要であると考えます。
 都議会自民党では、東京から電柱をなくすことを政策目標に掲げ、都内全域での無電柱化を推進していくこととしております。
 そこでお伺いをいたします。平成二十四年度までの区部及びセンター・コア・エリア内の都内の都道整備状況についてお伺いをいたします。

○川合道路保全担当部長 無電柱化事業は、都市防災機能の強化、安全で快適な歩行空間の確保、良好な都市景観の創出を図る上で重要でございます。
 平成二十四年度末の区部の都道における電線類の地中化率は約四九%であり、センター・コア・エリア内については約八〇%となっております。

○舟坂委員 都道における東京都のこれまでの整備状況はわかりました。
 都市機能が特に集中しているセンター・コア・エリア内においては、重点的に取り組んできた結果、整備が進んできているが、諸外国の主要都市に比べ、東京の無電柱化率はまだまだ道半ばであるといわざるを得ません。例えば、私が住んでいる葛飾などのセンター・コア・エリア外の地域においても、整備が必要な路線がたくさんある、そして、事業を推進していただきたいと思います。
 そこで、現在、葛飾区内では、平和橋通りにおいて整備が進められていると聞いておりますが、平和橋通りの平成二十四年度の整備状況をお伺いいたします。

○川合道路保全担当部長 都は、「二〇二〇年の東京」計画に基づき、葛飾区などのセンター・コア・エリア外の区部や多摩地域において、平成三十二年度までの十年間で、無電柱化の整備延長を平成二十二年度比で約二倍とすることを目標に、緊急輸送道路や主要駅周辺などで整備を進めております。特に、センター・コア・エリア外の区部では、環状七号線を平成三十七年度までに完成することを目標に整備を進めております。
 現在、平和橋通りでは、葛飾区内の新小岩駅南側から江戸川区内の八蔵橋までの施設延長約二・五キロメーターで整備を進めております。このうち、葛飾区内の区間につきましては、平成二十四年度に三百メーターの本体工事が完成したところでございます。
 引き続き、良好な都市景観の形成と高度防災都市の実現に向け、都道の無電柱化を積極的に推進してまいります。

○舟坂委員 無電柱化は、都市防災に寄与するのみならず、都市景観を向上させ、安全で快適なまちづくりを進めていくためにも大変重要であります。これからも、東京電力やNTTと十分にその技術を活用させていただく、そして、その機能も活用させていただく。一層進めていただきたいと思います。
 また、東京を世界で一番の都市にしていくためには、センター・コア・エリア外の周辺区部や多摩地区においても、必要な路線では積極的な無電柱化を進めていただきたいと思います。
 次に、都市計画道路の整備についてお伺いをいたします。
 東京の都市計画道路は、人や物の流れの円滑化を図り、都民生活や社会経済活動を支えるとともに、災害時には、避難路や緊急輸送路として都民の生命を守る重要なインフラであります。
 都は、都市計画道路の整備を着実に進め、これまでに約六割が完成していると聞いておりますが、東京のさらなる発展を支えていくためには、まだまだ道半ばであります。東京の最大の弱点である交通渋滞を解消し、災害時にも都民が安全に安心して暮らすことができるよう都市計画道路の整備を推進していくことが不可欠であると考えます。
 そこで、建設局が進めている平成二十四年度の都市計画道路の整備状況についてお伺いをいたします。

○加藤道路建設部長 東京の都市計画道路は、平常時はもとより、震災時においても、首都東京の安全・安心を確保し、都市活動や都市生活を支える上で必要不可欠なインフラでございます。
 平成二十四年度におきましては、百九十五カ所、約百五十キロメートルで事業を進め、このうち十五カ所、約十キロメートルが開通いたしました。例えば区部では、品川区と目黒区にまたがる補助第四六号線が約〇・六キロメートル開通しております。また、多摩におきましては、調布保谷線が三鷹、武蔵野市内の二カ所、約一キロメートルの区間について、一方通行を相互通行にするなど、事業効果早期発現のため、暫定二車線で開通させております。

○舟坂委員 今の答弁をいただき、地域のために、事業効果を早期に発現するよう道路の開通に努力されていることはわかりました。都市計画道路の事業効果に対する都民の期待は大きいわけであります。
 そこで、開通した主な路線の事業効果についてお伺いをいたします。

○加藤道路建設部長 開通しました路線のうち、補助第四六号線につきましては、周辺の狭隘な道路に流入していた通過交通が、三千六百台から四割減の二千百台に減少し、歩行者の安全性向上が図られております。
 また、地元消防署へのアンケート結果では、九割を超える署員から、緊急出動時の移動がスムーズになったとの回答を得ており、消防救急活動の円滑化による防災性の向上などが期待されております。
 調布保谷線につきましては、三鷹、武蔵野市内の開通により、調布市から西東京市までの平均所要時間が五十分から一割減の四十四分に短縮され、交通の円滑化が図られております。
 今後とも、都民の理解と協力を得ながら、首都東京の発展を支え、安全・安心の向上に大きく貢献する都市計画道路の整備を積極的に進めてまいります。

○舟坂委員 都市計画道路の整備により、さまざまな効果が得られることはよくわかりました。
 一方、都内には千百カ所に及ぶ踏切が残されております。これらの踏切は、交通渋滞や市街地の分断を招くとともに、緊急、救急活動の支障にもなっております。
 都はこれまで、踏切解消の抜本対策として、連続立体交差事業を積極的に実施しているようですが、そこで、平成二十四年度の連続立体交差事業の成果についてお伺いをいたします。

○加藤道路建設部長 連続立体交差事業は、数多くの踏切を同時に除却することで、道路ネットワークの形成を促進し、交通渋滞や地域分断を解消するとともに、地域の活性化や防災性の向上に資する極めて効果の高い事業でございます。
 平成二十四年度は、京成押上線など七路線、八カ所で事業を進めまして、このうち京王線調布駅付近の地下化を初めとし、京急本線・空港線京急蒲田駅付近の高架化及び小田急線下北沢駅付近の地下化を行いました。
 これにより、五十一カ所の踏切を除却し、京王線では、狛江通りの踏切で最大二百九十メートルの交通渋滞が解消し、京急本線・空港線では、第一京浜の踏切で最大七百八十メートルの交通渋滞が解消しております。また、小田急線では、下北沢駅前の旧踏切道を横断する歩行者が約三割ふえるなど、まちの回遊性が向上しております。
 今後とも、地元区市及び鉄道事業者と連携し、連続立体交差事業をより一層推進してまいります。

○舟坂委員 京王線の踏切での二百九十メートルの交通渋滞や七百八十メートルに及ぶ第一京浜の踏切、その交通渋滞、それらが、これまでの取り組みによって、平成二十四年度には大きな成果が出た一年であったことがよくわかります。
 しかし、葛飾区内を見ますと、京成高砂駅付近には一時間に五十数分閉まっている踏切が残されており、まちの健全な発展が阻害をされております。地元では開発協議会が組織され、踏切解消の要望活動を行うとともに、周辺まちづくりの検討が進められております。
 都では、京成本線高砂駅から江戸川駅間を事業候補区間に位置づけ、検討を行っていると聞いております。そこで、本区間の鉄道立体化の検討状況についてお伺いをいたします。

○加藤道路建設部長 京成本線高砂駅から江戸川駅間は、補助第二八二号線など都市計画道路と三カ所で交差し、踏切十カ所のうち、あかずの踏切が二カ所あるなど鉄道立体化による踏切を解消する必要がございます。
 これまで、事業範囲や構造形式などの検証を進めてまいりましたが、本区間の鉄道立体化には、京成高砂駅付近にあります車両基地の移設などの課題がございます。そのため、現在、地元区が中心となり、地域のまちづくりの中で、車両基地の用地確保を含めた検討を行っております。
 今後とも、課題の解決状況などを踏まえまして、地元区や鉄道事業者と連携しながら、本区間の鉄道立体化の検討を進めてまいります。

○舟坂委員 状況についてはよくわかりました。
 葛飾区内においては、京成立石駅付近の連続立体交差事業が事業中でもあり、まずはここの立体化を進めるとともに、京成高砂駅付近についても一日も早く事業化をしていただけるよう要望をいたします。
 都民が安全に安心して暮らしていくためには、都市計画道路の整備や連続立体交差事業が必要不可欠であります。引き続き道路整備に全力で取り組まれることを強く要望いたします。
 さて、各部長から答弁をいただき、建設局が高度防災都市づくりの実現に必要な都市基盤の整備を進めていることがよくわかりました。また、二〇二〇年にはこの東京でオリンピック・パラリンピック大会が開催をされます。引き続きこれらの事業を着実に推進することで、高度防災都市の実現に加え、東京の魅力あふれる文化を発信し、オリンピック・パラリンピック大会の成功を祈り、質問を終わります。

○上野委員 私からは、まず都立公園について質問をいたします。
 昨年の九月末から十月までの約一カ月間開催されました全国都市緑化フェアTOKYOでは、約五百十六万人の来場者があったと聞いております。本当に大成功の開催となりました。この間、建設局、なかんずく公園緑地部の皆様には大変なご苦労があったことと思います。改めて、そのご尽力に対しまして、心からの敬意と感謝を申し上げる次第でございます。
 私も閉会式に出席し、上野恩賜公園の会場を見学させていただきました。東京藝術大学の池田先生の監修により学生たちが製作した「立つ人」や、稲や野菜を活用したガーデンには、非常に感動したところであります。また、さまざまな草花で構成された花壇を一カ月間も維持管理され、来場者をおもてなしすることは、大変なご苦労があったことと思います。
 一方、公園を見回しますと、以前は薄暗く、鬱蒼としていた樹林が明るくなり、トイレも新しくなりました。新たに整備されたオープンカフェも非常に盛況であり、長蛇の列となっていたのが、きのうのように思い出されます。
 そこで、まず上野恩賜公園における平成二十四年度に実施した事業についてお尋ねします。

○滝澤公園緑地部長 上野恩賜公園竹の台広場は、全国都市緑化フェアTOKYOで大規模な展示が行われましたように、多様なイベントに対応できる広場とするため、大木中心の明るく見通しのきく樹林地へと整備し、噴水池を全面的に改修いたしました。また、平成二十四年度に新たに開店した二棟のカフェは、来園者が安らぎのある開放的な雰囲気の中で飲食を楽しめる新たな魅力を創出しております。
 竹の台広場のほか、不忍池の周辺におきましても、樹木を整理し、広重の描いた江戸名所百景の景観を再現するとともに、不忍池のほとりにデッキを設置し、来園者が水辺に親しめるように整備いたしました。
 今後も、多くの方々をお迎えするため、江戸、明治から受け継がれてきた歴史や文化的資源、我が国を代表する文化施設の集積という高いポテンシャルを生かし、文化の森、上野恩賜公園再生整備事業に取り組んでまいります。

○上野委員 ぜひ着実に進めていただきたいと思います。
 次に、恩賜上野動物園について質問します。
 都民だけではなく、国内から多くの来園者が訪れており、平成二十三年度に中国から二頭のパンダが来園したことによりまして、さらに来園者がふえたと聞いております。また、上野という人気の観光地にあり、海外からの来園者も多数訪れていることと思います。
 そこで、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック開催を見据えて、今後は、さらに外国人観光客を含む千客万来のサービス強化が必要であると思いますが、都の考え方と今後の取り組みについてお尋ねします。

○滝澤公園緑地部長 恩賜上野動物園を初めとする都立動物園、水族園は、国内外の観光客を誘致する東京の観光資源として重要であると考えております。
 恩賜上野動物園では、国内で二例目となりますゴリラの群の中での出産、子育ての公開や、北極にすむ動物の生態を間近に見られる「ホッキョクグマとアザラシの海」など、展示の工夫を行い、来園者の好評を博しております。
 さらに、観光資源としての魅力をより一層推進する「Visit Zoo Tokyo」の取り組みを平成二十二年度から行っております。この一環として、鉄道事業者と連携しまして、各園を回るスタンプラリーを実施するとともに、海外からの旅行者に都立動物園、水族園を紹介するリーフレットや、園内案内用マップを多言語で作成し、配布するなど、利用の活性化に努めております。
 今後も、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック開催に向け、国内外から訪れる多くの来園者へ、野生動物の魅力を伝える展示の工夫と、誰もが楽しめる魅力あるサービスの提供に取り組んでまいります。

○上野委員 国内外から多くの来訪者をお迎えするため、さまざまな取り組みが行われているということが、今の答弁でもよくわかったわけでございますが、さて、オリンピックを迎え、ユニバーサルデザインの都市づくりを実現するためには、都立公園が、健常者だけでなく、障害者にとっても安らぎの場であることが必要であると思います。
 平成二十三年の第四回定例会の代表質問において、我が党の東村議員が、都営地下鉄や都庁舎への音声案内装置の導入が徐々に進んでいることから、都立公園の誰でもトイレにも音声案内装置の整備を早急に推進すべきと、こう質問いたしました。これに対し、東京都技監から、順次設置に向け検討するとの前向きな答弁があったわけであります。
 そこで、都立公園の誰でもトイレへの音声案内装置の整備について、平成二十四年度の実績と今年度の予定についてお尋ねします。

○滝澤公園緑地部長 車椅子使用者、高齢者、乳幼児を連れた人など、どなたでも円滑に利用できる、いわゆる誰でもトイレにおける目の不自由な方への配慮として、トイレの利用方法を伝える音声案内装置を、平成二十四年度におきまして、上野恩賜公園を初めとしまして十五公園、二十七棟に設置しました。
 平成二十五年度につきましては、代々木公園や篠崎公園、神代植物公園など十一公園、三十棟に設置することとしております。
 今後とも、公園の利用状況を踏まえ、視覚障害者の方々にも使いやすい公園づくりを一層推進するため、都立公園の誰でもトイレにおいて音声案内装置の整備を推進してまいります。

○上野委員 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向け、その他の都立公園や動物園などにおいても、老朽化した施設の改修などユニバーサルデザインの実現とともに、案内の充実など、おもてなしの心で来訪者をお迎えする取り組みを着実に進めていただきたいことを要望いたしまして、次の質問に移ります。
 東部低地帯の河川整備について何点か質問します。
 まず、耐震、耐水対策についてでありますが、私の地元江戸川区を含む東京の東部低地帯には、約三百万人の都民が生活しております。このうち約百五十万人は、東京湾の満潮面よりも低い土地に生活されています。
 これまでも何度もいっておりますが、万が一堤防が壊れると、多くの都民の命と財産を奪う甚大な被害が発生することは間違いない、こう思っているところであります。したがって、そうした事態にならないように、この地域を地震や津波による水害から守らなければなりません。だから、水門や堤防などの安全性を向上させることが極めて重要な課題であり、切迫する首都直下地震、南海トラフ巨大地震に、一刻も早く備える必要があるということでございます。
 そうした中で、都では昨年十二月に、東日本大震災を受けて、将来にわたって考えられる最大級の地震に対応した新たな整備計画を策定し、事業を進めておりますが、まず東部低地帯の新たな整備計画の目的と内容について、改めてお尋ねします。

○中島河川部長 新たな整備計画では、平成二十四年四月に東京都防災会議が公表した被害想定を踏まえ、将来にわたって考えられる最大級の地震が発生した場合にも、河川施設の機能を保持し、浸水を防ぐことを目的としております。
 このため、堤防、水門等について構造物の耐震補強を実施し、また、水門、排水機場等の電気機械設備については、万一施設が浸水した場合においても機能を保持できるよう耐水対策を実施いたします。
 整備対象として、平成二十三年度及び二十四年度に実施した堤防及び水門等の耐震性能調査の結果を踏まえ、堤防約八十六キロ、水門、排水機場等二十二施設について対策を実施し、すべての水門、排水機場及び水門外側の堤防については平成三十一年度までに、水門内側の堤防については平成三十三年度までに、整備を完了させることとしております。

○上野委員 三・一一東日本大震災を受けまして、東部低地帯を守るために速やかに対応したと、こういったお話でありますし、私はその取り組みに対して、建設局に対し高く評価しているところでございます。今後は、整備計画に基づきまして、早急に対策工事に着手することが求められるわけであります。
 そこで次に、耐震対策の平成二十四年度の取り組みについてお尋ねします。

○中島河川部長 新たな整備計画に基づき、耐震対策について、今年度の工事着手に向け、平成二十四年度に大島川水門等の四水門及び隅田川等の三河川で詳細設計を行っております。
 耐水対策につきましては、二十四年度に水門管理センターと木下川排水機場の二施設で、操作盤を高所へ移設するなどの対策工事を実施いたしました。
 計画期間内の完成に向けて、今後とも積極的に耐震、耐水対策を推進してまいります。

○上野委員 東部低地帯を地震や津波から守るため、一刻も早い耐震、耐水対策の完了を期待しております。
 この東部低地帯の中でも、隅田川と荒川に囲まれた江東三角地帯、ここは、地盤沈下が進行した結果、過去に幾多の高潮や洪水などによる水害に見舞われてきたところであります。
 都はその対策として、私の地元を流れる旧中川を含む、特に地盤の低い東側の河川について、閘門や排水機場により、人為的に平常時の水位を低下させて安全性を確保し、その後、河道の整備を行ってきました。
 そこで、水位低下した江東内部河川の平成二十四年度の取り組み状況についてお尋ねします。

○中島河川部長 江東内部河川のうち、地盤が特に低い東側河川は、水門等で周囲を締め切り、平常水位を人工的に周辺地盤高まで低下させておりますが、その後、護岸の補強や修景整備を行っております。
 例えば、旧中川につきましては、水位低下により生じた幅広い河川敷において、遊歩道や植栽を整備し、地域の方に親しまれる空間を生み出しております。
 東側水位低下河川全体としては、平成二十四年度に横十間川等で約一・三キロメートルの護岸補強を実施し、小名木川で一・一キロメートルの修景整備を行っております。これにより、二十四年度末で、全区間約二十七キロのうち約十八キロ、六七%が完成しております。

○上野委員 旧中川では、平成二十四年四月に完成式典が行われました。私も都議会の代表として出席をしたところであります。
 かつて天井川であった旧中川が、現在は多くの地域住民の散策や憩いの場として親しまれる空間に生まれ変わったということでございます。ボートフェスティバルや灯籠流しなど、まさにそのイベントというのが地元でも大変喜ばれているんです。
 また、春には、満開の桜を背景に、ボートに乗りながらスカイツリーを見ることができるという、都内唯一の観光スポットだということをテレビで紹介しておりました。そうしたことも、やっぱり建設局並びに地元区、関係者の努力が、都民の憩いの場としての成果としてあらわれたのだと、こう感謝しているところでございます。
 ただ、その一方で、大雨のときには、下水道からも旧中川に放流されるということも一つの原因であって、水質の悪化というのが見られる。大雨の後に、地域の方々が、もっとここはきれいにならないといけないんじゃないでしょうかという声が、本当に聞こえてくるわけです。
 昨年六月の台風、またことし八月の強い雷雨の後に、ハゼやボラなどの多数の魚が、二年連続で酸欠状態となって死んで浮上していると、マスコミでも報道されていたわけでございます。そうした状況を見て、地元住民の方も大変心配されまして、旧中川の水質は大丈夫ですかと、こうした不安の声というのがあるわけであります。
 このような事態が発生すると、せっかく建設局が、特に河川部が一生懸命頑張ってきた、環境に配慮した、整備された、旧中川が、一瞬にして悪いイメージになってしまうわけであります。こうしたことがあってはいけません。
 二度とこういうことがないようにということで、一生懸命努力はされていることと思います。下水道局としても、合流式下水道の改善、新たなポンプとか貯留池とかつくっている、努力しているところでありますし、建設局としても、快適な水環境の実現に向けて、より一層の水質改善が必要であると、こう考えております。
 そこで、旧中川の水質改善に向けた今後の対応についてお尋ねします。

○中島河川部長 旧中川などの水位低下河川では、浄化維持用水として隅田川からの導水を行っており、平常時の水質は環境基準値を満たしております。
 一方、大雨の際には、四つある下水道のポンプ所から汚水まじりの雨水が旧中川に放流され、BODやDOなどの水質を悪化させる大きな要因となっております。
 このため、副委員長からもお話ありましたように、下水道局では、降雨初期の汚れた雨水を貯留するための雨水貯留池を整備するとともに、大島ポンプ所の放流先を、閉鎖的な水域である旧中川から荒川へ切りかえる工事を実施しております。
 建設局といたしましては、旧中川のさらなる水質改善のため、今年度、河床の泥土調査を行い、その結果を踏まえ、引き続きしゅんせつを実施してまいります。
 今後とも、下水道局と連携して旧中川の水質改善に努めてまいります。

○上野委員 今のご答弁は朗報ですね。地元の方は喜びます。やはり建設局はすごいなと、心があるなと、こう思うんじゃないでしょうかね。今年度、河床の調査を実施して、その結果を踏まえて、引き続き原因物質を少しでも取り除くためにしゅんせつを実施するということですよね。これは本当に喜んでいただけると思います。しっかりと伝えていきたいと思います。
 これまでも、建設局は本当にすごい努力をされて、豪雨対策についても、やっぱり災害がどんどん地球温暖化の中で大きくなるものだから、これまで建設局は頑張ってきた、本当に災害を防いでいるということがなかなか検証されないので、評価されないわけですけれども、そうじゃないんですね。私はすごい評価しておりますよ。
 昭和五十年代でしたか、新宿に私も住んでおりまして、神田川というのは昔からそうですが、暴れ川ということで大変でした。この神田川、妙正寺川のちょうど合流するところ、高田馬場ですね。いつもここは氾濫して、床上浸水とか起きていたわけですけれども、今の木内都議会議員が当時は衆議院議員でしたから、当時の建設大臣を高田馬場に呼んで、ここに東京都の建設局の皆さんと一緒に高田馬場分水路というのをつくられたわけです。それ以降、浸水はない、これはすごいことです。そうした災害を実は防いでいる。
 神田川にしても善福寺川にしても、すごい豪雨、想定を超えるようなものが降った場合は別として、環七地下調節池、これを整備したことによってどれだけ災害を防いでいるかというのは、はかり知れません。そうしたことも、やはりどれだけの災害を防いだかというのをアピールするような場もあってもいいんじゃないかなと思っているわけでございます。
 今後、環七地下調節池、できておりますけれども、さらなる防災力のアップのためには、現在事業中の白子川地下調節池と環七地下調節池を連結するなどの広域にわたる調節池整備をぜひとも実現していただきたい、このことを要望しておきます。
 また、高潮対策、耐震対策につきましても、先ほどの答弁もありましたが、本当に熱心に取り組んでいただいております。ぜひとも、そうした東部低地帯の安全性を確保するだけではなくて、旧中川のような環境に配慮し、水辺に親しめる整備を行い、人々の生活を豊かにしていただきたい。
 東部低地帯の河川がさらに住民に親しまれ、地域の発展に寄与することを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。

○河野委員 私は、今質問もありましたけれども、東部低地帯の河川堤防耐震化、あわせまして緑をふやしていく、この二つの問題で質問させていただきます。
 昨年十二月に、東京都は東部低地帯の河川施設整備計画を策定し、想定される最大級の地震が発生した、そのときに備えて河川施設の耐震度を強化していく目標を定めました。防潮堤四十キロ、護岸四十六キロ、合計八十六キロの堤防、水門や排水機場の耐震化をするという計画で、地震に強い東京に向けての方向が示されました。
 計画では、水門、排水機場、防潮堤は二〇二〇年度、水門内側の堤防も含めたすべての河川施設の完了年度は二〇二二年、平成三十三年度となっています。
 首都直下型地震あるいは海溝型地震の発生確率が高まっているといわれている今、計画の達成に全力を尽くしていただく、このことを初めに要望いたしまして、幾つか質問をさせていただきます。
 きょうは、特に東部低地帯の河川の堤防耐震化の中で、綾瀬川と新中川について質問いたします。
 第一に、これまでの河川施設の耐震化計画と新しく定められました東部低地帯の河川施設計画、この違いですけれども、耐震度を引き上げる、この判断をされた背景、また、構造物の強度などの違いについてご説明をお願いいたします。

○中島河川部長 これまでの耐震対策では、構造物の供用期間中に発生する確率の高い地震を想定して、国の河川砂防技術基準に基づき、河川施設が損傷することがないよう整備を行ってまいりました。
 その後、東日本大震災を契機に、平成二十三年六月に地震や津波の専門家による委員会を立ち上げて、平成二十四年四月の東京都防災会議における被害想定も踏まえ、河川施設の耐震性等について検証いたしました。
 その結果を受け、東京都防災会議が示した海溝型地震や直下型地震といった将来にわたって考えられる最大級の地震に対しても、河川施設の機能を保持するよう対策を進めることといたしました。

○河野委員 防潮堤、護岸、合計八十六キロの耐震化を目標年度までに完成させていく、これは一年ごとの進捗計画をきちんと定めて、事業費も確保するなどの努力が必要だと考えます。
 河川施設整備の耐震化計画全体の事業費の見込み、また、完了まで進捗計画はどういうテンポで進んでいくのか、お聞きいたします。
 あわせて、耐震化がおくれている綾瀬川と新中川、この二つの河川についても、それぞれの進捗計画などをお示しください。

○中島河川部長 総事業費でございますけれども、堤防、水門とを合わせて約千八百億円を見込んでおります。
 今後、すべての水門、排水機場等及び水門外側の堤防については平成三十一年度、水門内側の堤防については三十三年度の完了に向けて、計画的に工事を進めてまいります。
 また、綾瀬川と新中川では、現在、新たな整備計画に基づき、地質調査や護岸の耐震性能調査及び耐震対策の設計を行っております。両河川とも、効率的な施工方法などを検討し、平成三十三年度までの完了に向けて整備を進めてまいります。

○河野委員 私は、どのようなテンポでということもお伺いしたので、次の質問に、あわせてそのこともご答弁をお願いしたいと思います。
 東部低地帯は、幾つもの川に囲まれています。当然ですが、川にはそれぞれの歴史、成り立ちがあります。違いがあるわけですね。
 新中川は、葛飾区から江戸川区を流れて旧江戸川と合流している河川です。洪水防止を目的に中川を分水して開削でつくられて、昭和三十年代の末に完成しています。このとき立ち退きを余儀なくされた住民もいまして、本当に大きな工事だったそうです。当時の周辺の土地の利用状況は、農地が多くて、ハス田や牧場が広がっていました。ハス田は沼のような土地ですから、強固な地盤とはいえないと思います。新中川の堤防は、土で盛り上げている土堤と呼ばれている構造となっています。
 一方、綾瀬川はどうでしょうか。やはり上流の埼玉からの水を分けてつくられた川で、初めは江戸時代に工事が行われ、その後、何回も改修の手が加えられているようです。
 この二つの川の地盤について、都はどのような調査を行い、強度を把握しているのでしょうか。
 現在、護岸の耐震工事を進めている葛飾区の中川、これは東京都も地盤が軟弱であるということを認めていますが、比較して新中川、綾瀬川はどうなっているのでしょうか。
 かつて東京都が、最大級の地震よりも震度が弱いということで想定した堤防の耐震診断、この数値を見ましたけれども、新中川では沈下量--地震が起きたときに沈む量ですね、〇・七五と予測された箇所が一定の範囲で存在するということが出されていました。一メートルの土地高で七五%、〇・七五、これは七十五センチ沈むということになりますから、改めて、地盤の問題についてどのような強度を持っているのか、二つの河川について、都が把握している状況についてご説明をお願いしておきます。

○中島河川部長 テンポのお話ございましたけれども、先ほど申し上げましたとおり、三十三年度の完成に向けて計画的に工事を進めてまいります。
 それから、地盤の話についてでございますが、整備計画策定時の調査におきましては、既往の地質調査結果をもとに、地層ごとの土の性状や液状化層の厚さなど地盤条件の概要を把握しております。
 新中川、綾瀬川、また中川、ともに地盤条件としては余りよくないという状況でございます。そのために東部低地帯の耐震対策を進めるということでもございます。
 現在進めている耐震対策の設計におきましては、詳細な地盤条件を確認するため、地質調査を実施し、その結果に基づき構造計算を行い、地盤改良の範囲を決定するなど、今後、必要な対策を実施してまいります。

○河野委員 東京都が、去年ですか、土木技術支援・人材育成センターが平成二十四年度改訂版として液状化予測を出していて、ホームページにも公開されています。新中川、綾瀬川の付近に液状化が予測されるというところがかなり重ねてあるわけなんですけれども、この予測を見ると、こういう二つの河川の周辺は、地盤は軟弱であるというふうに思わざるを得ませんし、今ご答弁でもそういうことをおっしゃられましたので、ぜひ新たな耐震化の実施に当たりましては、地盤調査も十分に行われるように改めて要望をしておきたいと思います。
 それで、次の質問です。
 綾瀬川の堤防はコンクリートの護岸で、かみそり堤防と呼ばれています。地震で強い揺れが来たときに、厚みがないコンクリート護岸の強度はどうなのか、これも不安です。堤防の下の地盤が耐震化されても、かみそり堤防がそのままでは、全体としての強度は保証されない、そういう疑問もあります。この点で都の認識をお聞きしておきます。

○中島河川部長 綾瀬川の護岸でございますけれども、これまで国の基準に基づき整備を進めてきており、安全性は一定程度確保されておりますが、平成二十三年度及び二十四年度に実施した耐震性能調査の結果、将来にわたって想定される最大級の地震に対しては、コンクリート護岸の強度が不足している区間があることが判明しております。
 このため、コンクリート護岸について、壁の厚さを増して強度を向上させるなど、今後、施工方法も含めた詳細な検討を行い補強してまいります。

○河野委員 綾瀬川はかみそり堤防ということで、川の歴史は新中川よりも古いようですけれども、地域の人たちにとってはいろいろな意味で心配もある河川ですので、ぜひ心配のないように十分に対応願いたいと思います。
 綾瀬川の問題でもう一個あるんですけれども、綾瀬川は、川に沿って、川を覆うような形で首都高速六号線が走っています。護岸の耐震化工事の際、地下に入っている高速道路の橋脚などとの関係はどうなるのか。これは私は素人ですが、そういう土木工学、全く存じ上げませんけれども、素人から考えても、こういう耐震強度が強められるというのは歓迎なんですけれども、これはどうなっていくのか、ちょっと疑問になります。
 首都高速道路があることで耐震の工法が変わることとか、あるいは事業費がかさんで目標年度に完成が間に合わない、こういう事態が起きる心配はないのかどうか、この点もお答えをいただきたいと思います。

○中島河川部長 首都高速道路と平行する区間の耐震対策を実施するに当たりましては、引き続き首都高速道路株式会社との調整を図りながら、具体的な工法の検討を行い、平成三十三年度までの完成に向けて、安全を確保した上で整備を進めてまいります。

○河野委員 全体としては、三十一年、三十三年の目標に向けて全力を尽くすという方向が出されたご答弁だと思います。ぜひその方向でご尽力いただきたいということですが、川の多い東部低地帯は、大地震に対しても豪雨に対しても、絶えず水の被害の不安がつきまとっております。
 東京都が河川施設の耐震化計画を策定し、年度を定めて計画的に事業を進めていく方針を持った、これは本当に貴重なことだと思いますので、ぜひ実現に向けて努力をお願いしておきます。
 また、江戸川ではスーパー堤防建設、こういうことも計画として浮上しているんですけれども、都民の安全のために都が示した河川堤防耐震化、こういうことこそ急ぐべき重要な都の責務であるということを私は痛感いたしますので、この点も力を尽くしていただくように要望をいたします。
 次に、緑の保全と育成について質問いたします。
 都は、「二〇二〇年の東京」の中で、一つ目に、「十年後の東京」で掲げた一千ヘクタールの新たな緑が創出されるとともに、新たに都市公園四百三十三ヘクタールの整備が進むなどとして、緑あふれる東京が実現している。そして二つ目に、街路樹が百万本整備されるとともに、五万本の大径木再生大作戦の展開により、街路樹の回復、更新が進んでいるとして、緑をふやした、そして保全した東京の未来像を描いています。
 この計画が実施され、温暖化対策にも貢献していく、都民の環境と健康を守るための緑政策が実施されることを願ってお聞きいたします。
 今いいました「二〇二〇年の東京」にある百万本の街路樹を守り育てていくには、樹木を植えた後の管理が大事、そういうふうに思います。
 初めに述べたように、五万本の大径木再生大作戦の展開、これがあるわけなんですけれども、災害に強い街路樹へ向けての取り組みと理解するんですけれども、大径木再生大作戦がどのように具体的に実施されてきているのか、また、その効果と今後の取り組みについて伺います。

○五十嵐公園計画担当部長 大径木再生大作戦は、災害時の避難、消火活動等に支障を来さないよう、防災上重要な環状七号線や環状八号線など三十八路線の幹周り九十センチメートル以上の大径木五万本を対象として、災害に強い街路樹へと回復、更新する事業でございます。
 具体的には、樹木医による地下の根株部分の診断を行う街路樹防災診断を実施し、根腐れなどを起こしている不健全な樹木の植えかえや、土壌改良などによる樹勢回復を着実に行ってまいります。
 平成二十四年度には、井ノ頭通りにおいて事業に着手をしております。引き続き、計画的に事業を推進してまいります。

○河野委員 そのように取り組みがされている街路樹ですが、健全な状態を保つには日常的な取り組みが必要だと思います。
 先日、江戸川区内で大きなイチョウの木が倒れまして、道路を塞ぐという出来事がありました。幸いけが人などの被害はなくて、近隣の人も一安心という状況だったんです。
 私、車を運転して、区内いろいろ、都内も歩きますが、都道の街路樹などは時々枯れている、そんなような木も見られます。
 街路樹を良好な状態で管理していく上では、いろんな努力がされていると思うんですけれども、特に樹木の剪定が重要だと思います。多くの種類の木がありますから、剪定の方法も一定ではないと判断をいたします。
 街路樹管理の一環として大切な剪定については、どのように東京都は取り組まれていらっしゃるでしょうか。

○五十嵐公園計画担当部長 街路樹の剪定は、落葉樹が葉を落としている時期に樹形の骨格をつくる冬季剪定と、主に常緑樹について、込み過ぎた枝を除去して通風や採光を良好にする夏季剪定がございまして、樹種や樹勢に応じた剪定を行ってございます。
 また、街路樹剪定士の指導に基づき剪定を実施するなど、より質の高い管理に向け、取り組んでおります。

○河野委員 ご答弁でわかったんですが、冬季剪定、夏季剪定、そういう努力もあるし、樹種や樹勢などで剪定方法を変えていくということで、本当に街路樹の管理、保全、高い専門性の中で進められている。そして、その高い専門性が求められているということが理解できました。
 樹木の育成管理には、樹木医という職種の方も注目されています。そして、今、剪定士という方の役割も大きいことがわかりました。街路樹剪定に携わっている剪定士は、五万本の大径木再生大作戦を進めていく上で、とても大事な職種に当たると思うんですが、剪定士についての役割、これについて、東京都としての現在の認識、位置づけなどについてお聞きをいたします。

○五十嵐公園計画担当部長 街路樹剪定士は、剪定業務従事者の技術力を向上させることを目的に発足した資格制度であり、一般社団法人日本造園建設業協会が認定するものでございます。
 街路樹に関する専門的な知識と技術、技能により、街路樹の健康、美観などを維持する役割や、良好な道路景観を創出することが期待されております。

○河野委員 私も、剪定士ということで仕事をされている方のお話も伺って、大変いろいろなご苦労があることを聞いてまいりました。樹木を良好な状態で管理保全していくには、高い専門性、技術が必要で、そのために努力しているということが語られました。
 東京都が、これから樹木医や剪定士の育成、その支援に力を注いで、専門職が果たされている役割にふさわしい評価をしていただきたい、そして、東京都自身としても努力を後押ししていただきたい、このことを要望しておきます。
 四つ目の質問なんですが、切り取った枝や葉、そのままではごみになってしまいます。これを焼却処理にするのではなくて、堆肥化など積極的にリサイクル、再利用の努力をしていけば、循環型社会への貢献となると思います。
 剪定した街路樹や公園などの樹木の枝、葉、この処理は今どのような方法がとられているのでしょうか。

○五十嵐公園計画担当部長 街路樹を剪定した枝や葉につきまして、区部では、海の森みどりの資源化センターへ搬入することとしてございます。ここでは、剪定した枝や葉はチップ化され、堆肥化し、海の森の造成に活用されています。
 多摩地域では、地元自治体や民間が運営する再資源化施設により、堆肥や園芸資材として活用されております。
 今後も、剪定した枝や葉を有効に活用し、緑のリサイクルを推進してまいります。

○河野委員 堆肥というのは、私、産業労働局の農業のところでも質問いたしましたが、農業にとっても大事、そして樹木の育成にとっても大事、また、近年関心が高まっているガーデニングなどにも生かせて役立つものとなります。
 堆肥化の施設を都が支援していく、これは大事なことで、二十三区内にある中央防波堤海の森の堆肥センターについても、港湾局、環境局、こうした各局と連携して、建設局もぜひ循環型社会のモデルとして施策を展開していただく、このことを要望しておきたいと思います。
 次に、都市公園についてお尋ねをいたします。
 「二〇二〇年の東京」では、十年間で四百三十三ヘクタールの都市公園を整備すると、この目標が示されています。
 都市公園の用地取得費や規模について、いろいろ資料を調べてみました。都が掲げた目標四百三十三ヘクタールとこの十年の取り組み、どうだったのかということで、取得費や規模について積算してみますと、なかなか四百三十三の目標は遠いなというのが私の実感です。
 平成十五年度から平成二十四年度の十年間で都が取得した都市公園用地面積は約九十五万平方メートル、すなわち九十五ヘクタールです。都が定めた四百三十三ヘクタールの整備目標に対しての確実な実現、これはどのように担保されていくのでしょうか。都立公園整備、この大事な役割と整備の方向についてお伺いをいたします。

○五十嵐公園計画担当部長 「二〇二〇年の東京」計画におきましては、都と区市町村合わせて四百三十三ヘクタールの都市公園を整備をすることとしており、このうち、都立公園については百七十ヘクタールの公園整備を目指しております。
 都立公園の整備に当たっては、平成三十二年度までに優先的に整備を推進する区域を定め、毎年度事業執行に必要な予算を確保し、計画的かつ効率的に事業を進めてまいります。

○河野委員 計画的に事業を進められるんですけれども、実績見合いではなかなか難しい問題もあるので、本当に部長が答弁されたように、計画的に効率的に推進をしていただきたいということが、私自身の要望でもありますし、都民みんなの要望にもなっていると思います。
 東京では、高さ百メートルを超える超高層ビルが、二〇〇〇年以降で二百六十三棟も建設されております。一つの超高層ビルが排出するCO2、これを吸収するには、日比谷公園の二十個分の緑が必要だといわれているんです。これまで東京都が進めてきた都市再生の名による巨大開発、こうしたことに力を入れるよりも、温暖化防止に役立ち、都民に憩いをもたらし、健康を守る、そのための緑の保全、育成が大事だと痛感します。
 街路樹や公園など、多くの緑をふやす努力を建設局に改めて求めまして、質問を終わらせていただきます。

○今村委員 ことしは、大島で大きな災害をもたらしたさきの台風二十六号では、私の地元町田市と神奈川県との境界境を流れる境川においても、女性が流され、亡くなるという痛ましい事故がありました。
 今回の台風では、河川の溢水には至りませんでしたが、降雨時に急激な水位上昇を招くような局地的な集中豪雨が昨今多く発生しており、中小河川の整備が急がれています。
 私は、神奈川県との境界を流れる境川の上下流部の県管理区間の整備が進まないという状況の中、都管理区間における中流部の整備の進捗にあわせ、県に対して整備促進を要請するなど水害の軽減の取り組みについて、都議会でもたびたび確認をしてまいりました。左岸、右岸や上流、下流で管理が異なる都県境河川では、都県それぞれの整備の進捗に合わせてさまざまな調整が必要と考えます。
 そこでまず、二〇一二年度決算における中小河川の都全体の整備状況と、都県境の河川の実施状況について、それぞれ伺います。

○中島河川部長 平成二十四年度には、都全体の中小河川において約一・四キロメートルの護岸や八カ所の調節池などの整備を実施いたしました。このうち、都県境の河川につきましては、神奈川県に接する境川や鶴見川など三河川、埼玉県に接する黒目川や白子川など五河川、計八河川で事業を実施中でございまして、約〇・五キロメートルの護岸整備を実施いたしました。
 これらにより、中小河川の整備状況を示す治水安全度達成率は、都全体で七七%となっております。

○今村委員 都における中小河川の護岸整備が進められていることは理解をいたしました。
 しかし、都県境の河川では、他県との連携や都独自の工夫などにより、水害に対する安全性を高めていく取り組みが今後も必要と考えます。
 そこで、都県境にかかわる河川の整備について、具体的にこれまでの取り組みを伺います。

○中島河川部長 都県境の河川では、管理や整備区間について県と役割分担を定め、定期的に進捗状況などについて確認調整しながら整備を進めております。
 例えば鶴見川では、県が管理している下流側の整備が完了したことを受け、その上流である都管理区間において整備を進めております。
 また、白子川など県管理である下流部の整備がおくれている河川については、都管理の上流区間の河道整備を可能とするため、都県境付近に黒目川黒目橋調節池や白子川地下調節池を整備中でございます。

○今村委員 都県境の河川では、下流部の整備が進まない中で、調節池を設置するなど取り組んでいることが理解できました。引き続きさまざまな工夫を加え、治水安全度を高めていく努力をしていただきたいと思います。
 さらに、私の地元、境川の流域においても、二〇〇八年八月、時間当たり百ミリを超える豪雨が上流部であり、市内の幾つもの箇所で溢水し、私も消防団員として警戒を行った経験があります。ことしも、四月と九月には時間五十ミリを超える豪雨が発生しており、そうした降雨に対して早期な対策が必要であります。
 都はこれまでも、時間五十ミリの降雨に対応すべく整備を進めてまいりましたが、昨年十一月に、中小河川の目標整備水準を、区部では時間最大七十五ミリに、多摩では時間最大六十五ミリに引き上げる新たな整備方針を策定いたしました。
 そこで、今後、都県境にかかわる河川についてどのように整備を進めていくのか、お伺いいたします。

○中島河川部長 新たな整備方針では、一時間五十ミリまでは河道整備で、これを超える部分は調節池で対応することを基本としております。
 境川など都県にまたがる河川で、下流側が他県のため河道整備が進まない場合は、新たな整備水準に対応する調節池を先行して整備するなど、効率的、効果的な対策を進めてまいります。
 また、引き続き、河川にかかわる一都三県連絡協議会や個別の都県調整会議などの場において、県区間の整備促進を強く要望してまいります。
 今後とも、さまざまな工夫により、都県境河川における早期の治水安全度向上に向けて取り組んでまいります。

○今村委員 今、力強い部長からの決意ともいえる答弁をいただきましたが、今後とも中小河川の整備を進めて、特に都県境の河川整備については、地元自治体や住民の声を十分に聞き、さらなる取り組みをお願いいたしまして、次の質疑に移りたいと思います。
 都立公園の整備についてでありますけれども、昨年、区内の都立公園の事業がなかなか進んでおらず、都市計画の見直しを求める住民の声が報道されておりました。
 既成市街地において公園事業を進めるためには、用地取得に時間を要するなど、事業が長期化することは仕方がないことであると理解しています。しかし、なかなか事業が進まないために、まちづくりにおいてもさまざまな問題が生じていることもまた事実であります。
 そこで、都立公園における整備の考え方と、二〇一二年度に開園をした面積についてお伺いいたします。

○五十嵐公園計画担当部長 都立公園は、首都東京の魅力を高め、震災時には避難場所や救出救助の活動拠点となるなど、安全で快適な都民生活に欠くことのできない都市施設でございます。
 「二〇二〇年の東京」へのアクションプログラム二〇一三において、防災機能の充実を図るため、都立公園の計画的、重点的な整備を行い、震災時のオープンスペースを確保することとしております。
 都は、都市計画公園緑地の整備方針に基づき、平成三十二年度までに事業に着手する優先整備区域を定め、着実に取り組んでおります。
 平成二十四年度中に開園した都立公園の面積は、大戸緑地や野山北六道山公園など、約十六・三ヘクタールとなっております。

○今村委員 都立公園の整備の考え方や二〇一二年度の成果については、理解をいたしました。
 私の地元町田市にあります小山内裏公園は、多摩丘陵に位置し、谷戸や尾根から成る自然豊かな公園であります。また、こうした自然豊かな都市公園は、自然の保護と、また利便性の向上を両立させていくことは、大変難しい問題と理解をいたしております。
 そこで、新たな都立公園の整備に当たり、地元の意見をどのように取り扱っているのか伺います。

○五十嵐公園計画担当部長 都立公園の整備に当たっては、東京都公園審議会に諮問し、中間のまとめの段階で広く都民意見の募集を行うとともに、地元自治体の意見も踏まえ、整備計画を策定しております。
 整備に際しては、自然環境や地形等に十分配慮した計画に基づき、地元からも親しまれる公園となるよう取り組んでおります。

○今村委員 公園の整備に関して答弁をいただきましたが、東京都全体で都市計画公園、緑地として計画決定されている面積は約一万八百ヘクタールで、このうち約四千九百ヘクタールが既に開園されております。河川の水面や社寺境内地など、公園として整備を要しない区域を除き、二千三百ヘクタールの整備が必要とされています。
 都や市区町村は、このうち四百三十三ヘクタールを平成三十二年までに事業を優先的に進めるとしておりますが、完了まで長い時間を要することが推察されます。
 このように長期間にわたって未着手の事業は、都市計画公園に限らず、都市計画の見直しを行うべきだという意見や、計画の存在を前提に居住しているのだから見直すべきではないという意見など、事業計画に対する意見もさまざまであります。
 このことは、都市計画にかかわることであり、建設局だけでは結論が出ない問題であるかと思いますが、建設局におきましては、現場での管理や整備を通じ、都民福祉向上のためになるような工夫や知恵を出していただき、都民の潤いある都市空間、公園整備を今後も進めていただくよう要望をしておきます。
 次に、青山霊園では、墓所の再貸し付けのための整備や園路や広場などの再生事業に取り組んでいますが、それに関連して質疑を行います。
 都立霊園のうち、青山霊園を含む区部の霊園は、いずれも明治七年に開設され、既に百三十年以上の歴史を有しております。そのため、長い年月が経過していく中で、霊園の使用者が死亡し縁故者もいなくなり無縁墓所となるものがあります。
 そこで、都はこうした無縁墓所についてどのように対応しているのか、まず伺います。

○滝澤公園緑地部長 都では、管理料を五年以上滞納し、使用者の所在が不明となっている墓所を対象としまして、縁故者の申し出を促す立札を現地の墓所に一年間設置しまして、その旨を官報に掲載するとともに、さらに、都みずから使用者の所在や承継資格のある縁故者の調査を行い、できる限り縁故者が使用承継できるように努めております。
 それでも墓所の承継者が見つからない場合には、当該墓所を撤去し、都立八柱霊園の施設に改葬しております。その後、改葬した空き墓所につきまして、新たに貸し付けなどを行っております。

○今村委員 都では、無縁墓所となることを避けるために、使用承継させるように努力していることはわかりました。
 しかし、もともと日本に縁故者が少ない外国籍の方の場合には、最終的に無縁墓所となるケースが生じることは、避けることが困難であると考えます。
 例えば、都立霊園の使用者や埋葬者が外国籍の方であったかどうかなどの理由により、都における無縁改葬の手続や対応が異なることがあるのかどうか、お伺いをいたします。

○滝澤公園緑地部長 都民の墓地需要に応えていくとともに、使用者間の公平性を確保するため、承継者がいない無縁墓所につきましては改葬することになります。改葬に当たっては、日本人であるか外国人であるかによって手続に違いはございません。
 なお、青山霊園において再生事業に取り組む中で、平成十七年度から、歴史的空間としまして外人墓地エリアの保全に努めております。

○今村委員 都が青山霊園の外人墓地エリアの保全に努めていることは、高く評価をいたします。この決定がされる以前には、私のところにも、外国籍の方の墓石が撤去されてしまうので、何とかならないかという相談が寄せられたことがありました。
 青山霊園においては、現在、日本人、外国人を含めた著名人墓所のパンフレットを作成し、使用者の同意を得た上で観光資源として活用しています。また、多磨霊園などにおいても、著名人墓所のパンフレットを作成し、多くの都民の方に利用されております。
 著名人といってもさまざまで、単に名前が世間に広く知られている方もいれば、余り知られていませんが、日本の近代化に功績のあった方も多数いらっしゃいます。著名人墓所の全てとはいいませんが、少なくとも日本の近代化に功績のあった方のお墓が万一無縁墓所となってしまった場合には、また、一定期間が過ぎた墓所については、継承者にかわって都がお墓を管理していくことがあってもよいのではないかと考えます。
 また、名誉都民の方には青山葬儀所の使用料が免除されているように、一定期間を定め管理料を免除するなど、歴史的意義を評価するとの意思をあらわすことも行うことができると考えられます。
 二〇二〇年オリンピック・パラリンピック開催が決定し、今後、多くの外国籍観光客もふえると予測されております。自国の著名人などが手厚く大切にされているということは、その国の方々にとって大変誇りに思うとともに、大変有意義な記憶になると思われます。
 都においては、ぜひそうした努力をしていただきますように、特に歴史的遺構は、その史実から時がたつほどその重要性は増してまいります。都の今後の取り組みを要望し、質疑を終わります。

○西崎委員 私からは、まず初めに道路の景観整備及び自転車走行空間について伺います。
 近年は、都市の再生が進み、例えば東京駅舎の復元など、良好な都市景観の形成が進められてまいりました。
 私も何度か東京駅を利用し、その際、周辺の商業ビルや丸の内の仲通りなどを見てまいりました。東京の顔となる駅舎が復元され、また、周辺のビル、道路などが整備されるにつれて景観も変化してきており、多くの観光客で毎日にぎわっています。国際都市東京として、外国のまちに劣ることのない美しいまちづくりが必要と考えます。
 そこで、都では都道の景観整備を進めていると聞いておりますが、景観整備事業ではどのようなことを行うのかお聞かせください。

○川合道路保全担当部長 快適な道路環境を創出し、美しさや潤いのある道づくりを進めるため、道路の景観整備は重要でございます。
 都では、シンボルロード整備事業及び道路修景事業により、道路の景観整備に取り組んでおります。これらの事業では、歩道のカラー舗装化や道路の緑化、デザイン化された街路灯設置など一体的に整備を行っております。

○西崎委員 シンボルロード整備事業及び道路修景事業により、道路の景観整備に取り組んでいることはわかりました。
 それでは、それらの事業の平成二十四年度の整備状況について伺います。

○川合道路保全担当部長 現在、浅草通りや内堀通りなど四路線、施設延長約九・九キロメートルにおいて事業を実施しております。平成二十三年度までに三・三キロメートルが完了し、平成二十四年度は、浅草通りなどにおいて一・二キロメートルの整備が完了いたしました。
 引き続き、良好な都市景観を形成する上で重要な道路の景観整備を推進してまいります。

○西崎委員 国際都市東京として、良好な都市景観の形成に向け、引き続き道路の景観整備を推進していくことを要望しておきます。
 ところで、今お話にありました浅草通りについては、自転車走行空間の整備も進められています。都民の安全・安心を確保していくためには、自転車走行空間の整備も欠かせないものであると考えます。
 そこで、平成二十四年度までの自転車走行空間の整備状況をお聞かせください。

○川合道路保全担当部長 自転車は、都市内の有効な交通手段の一つであり、歩行者、自転車、自動車、それぞれの安全・安心を確保しながら、自転車走行空間の整備を進めることは重要でございます。
 平成二十四年度は、自転車レーンなど施設延長約七・七キロメートルを整備し、平成二十四年度末現在で百十九・七キロメートルの自転車走行区間が完成しております。
 引き続き、自転車走行空間の整備を推進し、誰もが安全で安心して利用できる道路空間を創出してまいります。

○西崎委員 私も先日、浅草通りを上野駅前から浅草まで歩いてまいりました。小さいんですけれども、写真も撮ってまいりました。モダンな街路灯や自転車道と歩道の間には植樹がされており、また、舗装されました道路は、表面が平らで歩きやすく、とてもきれいな景観でした。一部の整備なので、整備されていない場所との違いがよくわかり、浅草通り全体の整備が終了すれば、自転車の走行空間の環境も大変よくなるのではないかと思います。
 自転車走行空間の整備は、都民の安全・安心の確保のために重要であり、区市町村とも連携して、積極的に整備を推進して自転車走行空間のネットワーク化を進めていっていただきたいと思います。
 次に、土砂災害対策について伺います。
 最近では、台風による被害や豪雨被害がふえてきており、先日の台風二十六号では、伊豆大島で甚大な被害を受け、十月三十一日現在、まだ七名の方の行方がわからない状態です。亡くなられた方々のご冥福を心からお祈り申し上げるとともに、被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。
 さて、昨年の予算特別委員会でも土砂災害について伺いましたけれども、これは伊豆大島だけの問題でもなく、都内にも土砂災害の発生するおそれのある箇所が約一万五千カ所あり、その多くは多摩地域に存在しております。
 そこで、都のこれまでの土砂災害への取り組みについてお聞かせください。

○中島河川部長 台風や集中豪雨などによる土砂災害から都民の生命や財産を守るため、都としてハード、ソフト両面から対策を推進しております。
 ハード対策としては、土石流や崖崩れの危険性の高い箇所などにおいて、土石流をとめる堰堤などを整備する砂防事業や、崖崩れを防止するのり枠などを整備する急傾斜地崩壊対策事業などを実施してまいりました。
 二十四年度は、奥多摩町の塩ノ沢など四十六カ所で砂防事業を、また、桧原村の藤原地区など十七カ所で急傾斜地崩壊対策事業を実施しております。
 ソフト対策といたしましては、崖崩れなどが発生した場合に危険が生じるおそれのある範囲を、土砂災害警戒区域等として指定しております。平成十三年の土砂災害防止法の施行を受け、調査に着手し、十七年度から順次指定を進め、二十四年度は、八王子市など六市町村において区域指定を行っております。

○西崎委員 ハード、ソフト両面から対策をしていることはわかりました。
 ただ、都民の生命を守るためには、ハード対策だけではなく、ソフト対策としての土砂災害警戒区域等の指定をさらに進める必要があると考えます。
 そこで、土砂災害警戒区域等に指定した場合の効果と現在の状況について伺います。

○中島河川部長 土砂災害警戒区域に指定した場合、区市町村には、土砂災害ハザードマップの作成や、災害時における要援護者施設の利用者への情報提供などが義務づけられ、地域の警戒避難体制の整備が着実に促進されます。さらに、警戒区域の中に指定される特別警戒区域では、開発に伴う斜面の崩壊対策や、建物や工作物の強化が義務づけられることとなります。
 平成二十四年度は、警戒区域千五百三十四カ所、特別警戒区域八百三十五カ所を指定し、これにより、二十四年度末までの累計として、警戒区域が五千五百八十七カ所、特別警戒区域が三千五十一カ所となっております。
 今後とも、関係自治体と連携して警戒区域等の指定を推進し、都民の安全確保に取り組んでまいります。

○西崎委員 今の答弁ですと、土砂災害警戒区域に指定すると、区市町村には、土砂災害ハザードマップの作成や、災害時における要援護者施設の利用者への情報提供などが義務づけられ、地域の警戒避難体制の整備が着実に促進できるとありました。
 自治体の危機管理が求められる災害時において、早目早目の対策が打てるよう、ふだんからの取り組みが重要になると考えます。今後、関係自治体と連携して進めていかれることを要望しておきます。
 次に、都立公園の防災対策について伺います。
 昨年の九月一日に、私の地元の駒沢オリンピック公園において、都区合同の総合防災訓練が開催されました。大規模災害時には、自分自身を守る自助、住民同士がお互いに助け合う共助、国や地方公共団体が行う公助が非常に重要になります。
 当日は、共助をテーマに、地域の防災リーダーである消防団員が訓練の中心となり、倒壊家屋からの救出救助や応急救護を行う訓練が実施されておりました。当然、都民も区民も参加されておりました。私は以前、防災対策特別委員会で神戸に視察した際、阪神・淡路の震災でも、近所同士の助け合いで一命を取りとめたことのお話を伺い、そのことを思い出しました。改めて共助の重要性を実感しました。
 また、都立公園は、災害時には避難場所や救急部隊の活動拠点となり、都民の生命、財産を守る重要な施設としての認識を新たにしました。
 そこで、都立公園における防災施設整備の考え方と、平成二十四年度に地元と連携して行われた防災訓練の取り組みについて伺います。

○滝澤公園緑地部長 都立公園は、潤いある都市環境を創出し、都民に憩いや安らぎを与えるとともに、震災時には避難及び防災活動の拠点としまして、重要な役割を担っております。それぞれの公園の果たす役割に応じて必要な整備を行っております。
 大規模救出救助活動拠点やヘリコプター活動拠点である公園では、大型車両が進入できる入り口や園路舗装の強化などの整備を進めており、また、避難場所となる公園では、防災トイレやソーラー式公園灯などの整備を進めております。
 平成二十四年度に、区市や住民、消防署など地元と連携して実施した訓練といたしましては、約一万人が参加しました舎人公園、約千五百人が参加しました光が丘公園などにおきまして、避難誘導訓練や帰宅困難者受け入れ訓練、初期消火訓練、かまどベンチによる炊き出しや防災トイレの組み立て訓練などを実施いたしました。

○西崎委員 都立公園の地域防災計画における位置づけや防災施設の整備の考え方については、よくわかりました。
 私ども生活者ネットワークは、都立公園における防災施設の整備について、以前から区市や地域住民への聞き取り調査を実施しております。
 住民の皆さんからは、災害時には避難場所で煮炊きができることなど要望はさまざまありますが、阪神・淡路大震災の際にトイレに苦労したということはよく知られており、駒沢オリンピック公園において実施された井戸水を利用したマンホール型防災トイレの運用訓練に参加した皆さんの意見を聞きますと、やはり防災トイレに対する関心は大変高いものがあります。
 そこで、都立公園において、地元区市とどのように連携し、マンホール型防災トイレの整備を進めているのか伺います。

○滝澤公園緑地部長 災害時における避難場所の運営は、地元区市が行うこととなっていることから、都立公園のマンホール型防災トイレにつきましては、地元区市の防災部署と事前の協議を行い整備しております。
 具体的には、区市にマンホール型防災トイレの機能を説明し、設置予定数と設置場所を協議するとともに、トイレの目隠しテントを用意してもらうことなど役割分担を確認した上で整備しております。
 整備したトイレは、公園管理者が地元区市と連携して実施する防災訓練で活用され、住民へのトイレの使用法などの周知も図られております。

○西崎委員 ぜひ今後とも区市や住民と連携しながら、地域住民が自発的に活用できるような防災施設の整備を進めていっていただきたいと思います。
 また、都においても、地元の自治体への積極的な支援をお願いしておきたいと思います。
 最後に都立霊園について伺います。
 そもそもお墓というものは、先祖代々、親から子へ、子から孫へと受け継がれるものと考えられてきました。しかし、少子高齢化や核家族化が進展する中で、単身者や子供のいない夫婦のみの世帯もふえており、これに伴い、お墓の承継者がいない人もふえてきております。こうした社会状況の変化に伴い、先祖代々のお墓より、夫婦単位、家族単位のお墓を希望するなど都民の墓地に対する意識も変化してきております。
 そこで、都はこれまで、多様化する都民ニーズに応える観点から、どのような取り組みを都立霊園で行ってきたのか伺います。

○滝澤公園緑地部長 都はこれまで、都民の墓地需要と多様化するニーズに応えるため、従来の一般墓地や芝生墓地に加えまして、承継者のいない方々が生前にみずからのお墓を確保し、墓地に対する不安を解消することができるよう合葬式墓地や樹林墓地などを整備し供給してまいりました。

○西崎委員 合葬式墓地は、使用者にかわって都がお墓の管理をするため、お墓の承継者がいない都民でも安心して利用できる墓地です。合葬式墓地のうち、樹林墓地は、募集の初年度であった昨年度の公募倍率が十六・三倍、今年度募集数を三倍程度にふやしても、なお倍率は九・九倍となっており特に人気が高いです。
 そこで改めて、樹林墓地の特色についてお伺いします。

○滝澤公園緑地部長 樹林墓地は、死後は自然に帰りたいという都民の思いに応え、緑豊かな樹林のもとに設けられた納骨施設に、直接土に触れるよう遺骨を共同埋蔵する形式の墓地でございます。
 また、樹林をシンボルとして活用することで、霊園に潤いをもたらし、墓参者や都民が安らぐことのできる新たな慰霊の空間となっております。

○西崎委員 最近テレビでも報道されましたけれども、樹林墓地に対する都民ニーズは極めて高いことがわかります。
 都立霊園内で、樹林墓地の整備場所の確保などには課題があると思いますが、小平霊園だけではなく、ほかの都立霊園にも樹林墓地を整備していくべきだと考えますけれども、都の見解をお聞かせください。

○滝澤公園緑地部長 都立霊園の公募結果を見ますと、合葬式墓地だけではなく、一般墓地の需要も依然としてあることから、多様な都民の墓地需要に応えていく必要がございます。
 一般墓地につきましては、使用終了に伴う返還や無縁改葬後の空き区画を整備し、再貸し付けをしております。また、平成二十四年度からは、樹林墓地の募集を開始するとともに、新たに八柱霊園にも合葬式墓地を整備し、平成二十五年度から募集を開始したところでございます。
 今後とも、都民の墓地需要と多様化するニーズを踏まえながら、さまざまな墓地の供給について検討してまいります。

○西崎委員 ただいまは都立霊園の状況などについて伺いましたけれども、これから団塊の世代が高齢者の仲間入りをし、十年後には後期高齢者になると、お墓の需要がさらに高まることが予想されております。ひとり暮らしの高齢者がふえていることや子供のいない世帯もふえていることを考えると、合葬式墓地、樹林墓地などへの関心も高まると思います。
 今後も、都民の多様なニーズに応えていけるよう取り組まれることを要望しまして、私の質問を終わります。

○遠藤委員 私からも、建設局の平成二十四年度一般会計の歳入歳出決算について質問させていただきます。
 本題に入る前に、直近の「都政研究」、雑誌であります。皆さん方も読まれている方が多いと思いますけれども、その中に、元副知事の作家の青山やすし先生が、「二〇二〇年オリンピックに向けた東京の課題」と、こういうような小論を寄せておられます。ちょっと長いですけれども、議論の前提にさせていただきたいと思いますので、六四年のオリンピックと今回二〇二〇年のオリンピックの違いというか、これについてこう書かれております。
  東京は一九六四年のオリンピックを契機に首都高速道路、環7など連続立体交差構造の都市につくり変え、新幹線を開通させるなど世界の大都市に例を見ない効率的な都市構造を実現し、それがその後の高度経済成長に大いに寄与した。道路の連続立体交差も新幹線も欧米の模倣ではなく日本の発想だ。そこには新たな時代をリードする日本人の気概が表現されている。結果として一九六四年の東京オリンピックは都市の進化に最も貢献したオリンピックのひとつとなった。
  これに対して二〇二〇年のオリンピックでは、21世紀型の新しい都市モデルを世界に発信するべきだ。具体的には、スポーツ、文化芸術、水とみどりが成熟社会を迎えた21世紀都市の重要な要素となる。これから七年、東京に質の高いオフィスビルやマンションを増やしていくことも大切だが、それ以上に、スポーツや文化芸術の施設を増やし、これらを楽しむ生活習慣を醸成するとともに水とみどり溢れた都市空間を形成し快適な都市像を世界に発信していくべきだ。
 このような論でございます。
 建設局に絡むこと、今の論の中ではいろいろありますけれども、先ほど前の委員の質問にもありましたけれども、私は、緑の整備ということで街路樹の管理、この一点について質問させていただきたいと思います。
 街路樹の管理といってもいろいろありますけれども、今回は、都道における街路樹の管理のうち、とりわけ落ち葉の清掃について、近隣住民の目線から質問させていただきたいと思います。
 一問目であります。
 都道の街路樹は、東京の緑のネットワークを構成する上で重要なものであるというのは、論をまたないわけであります。その整備状況と今後の計画について、答弁をいただきたいと思います。

○五十嵐公園計画担当部長 街路樹は、沿道の生活環境の保全や都市環境の改善、交通の安全確保、景観の向上及び緑陰の確保など、都市にとって重要な役割を果たしております。
 平成二十四年度末現在、都内には、都道のほか国道、区市町村道、合わせて約八十四万本の街路樹が整備されております。
 「二〇二〇年の東京」計画において、平成二十七年度までに百万本に倍増させる街路樹の充実事業を実施しております。具体的には、新規の道路整備に際して街路樹を植栽することに加え、既存の街路に高木や高木の間に花や実のなるものを中心に中木を植栽することなどにより、街路樹を充実させてまいります。

○遠藤委員 二十七年度までに百万本に倍増させると、こういうことであります。
 街路樹が充実していくのはまことに結構であると思います。しかしながら、これを適切に管理していくことがさらに重要なわけでありますけれども、現在、建設局として実施しております都道の街路樹、この管理について答弁を求めたいと思います。

○五十嵐公園計画担当部長 平成二十四年度末現在、東京都が管理している街路樹は約四十四万本となっております。
 その維持管理につきましては、樹種や樹木の生育状況に合わせた剪定、植樹帯の低木管理、植えますの除草、清掃などを、地域の実情を踏まえ、景観にも配慮しながらきめ細かく実施してございます。
 具体的には、街路樹の樹形や生育状況を簡易にチェックできる街路樹よくなるシートを独自に作成して、良好な樹形や健全性の確保に取り組んでいます。また、街路樹診断により不健全な街路樹を早期に発見し、倒木事故等の未然防止に努めております。
 また、落ち葉の清掃などにつきましては、沿道の住民の協力を得ながら実施をしております。

○遠藤委員 最後に部長の答弁で、落葉の清掃などについては沿道の住民の協力を得ながら実施していると、このようにありました。そのとおりだと思います。
 もう間もなくになりますけれども、秋口になると必ず私のもとに、とにかくこの落葉、特に、マンション等々の方は少ないですけれども、一軒家の方から、落ち葉の清掃が本当に大変であると。若いうちはよかったけれども、高齢になると、なかなかこれまでどおりいかないと、こういう相談が、秋口になるとこれからですね、多いです。
 あともう一つ多いのは、いわゆる枝葉の剪定です。これは私だけじゃなくて、各委員の皆さんのもとにもたくさん来るんだと思います。
 ぜひ私は、先ほど部長がおっしゃった沿道住民の協力を得ながら実施していると、こういわれていますので、高齢者の皆さんのこうした声に建設局としてしっかり対応すべきだと、このように思いますけれども、どうでしょうか。

○五十嵐公園計画担当部長 都は、緑のネットワークの形成を推進し、緑豊かな美しい景観を創出するため、街路樹の維持管理に取り組んでおります。
 そこで、街路樹の管理本数の増加と維持管理水準の向上のため、維持管理経費を平成二十年度の約二十四億円から平成二十四年度の約四十億円と増額し、清掃回数を状況に応じふやすなど適切な管理に努めております。
 また、東京ふれあいロード・プログラムに参加している町内会、商店会、学校、企業等百三十三団体が、道路の清掃や植栽の手入れなど道路の美化活動を行っており、その活動に対して支援を行っております。
 今後とも、街路樹の維持管理に要する予算の確保に努めるとともに、地元と調整しながら、落葉樹から常緑樹への樹種変更や発注方法の工夫など、落ち葉清掃に協力いただいている方々への負担軽減を検討してまいります。

○遠藤委員 いい答弁だと思います。なぜいい答弁かというと、清掃回数、ふやしますよと。さらに、町会、商店街、学校等々、さまざまな団体と協力しながら、こうした活動に対して支援をしていますよということで、それに加えて、今回、落葉樹から常緑樹への樹種の変更、そして発注方法も工夫をしますよと。
 既に事前に、私、地元の第二建設事務所の発注、二十四年度ですけれども、それについて、委託についてですね、植樹帯の清掃委託だとか、また緑地の保護の管理委託とか、こういうさまざまな委託事業をされていますけれども、この中で既に、それまではクロスでやっていたものを、清掃に特化して委託をすると。しかも、このいただいた表を見ると、秋から翌年の新年度の当初にかけて、集中的に清掃に特化をして発注をしているということで、こういう動きが始まっていると思います。それをさらに進めるという答弁。あわせて、きょうの質疑のポイントであります落ち葉の清掃に協力していただいている方への負担軽減を検討していくと、こういうことでよろしいですね。首を振っていますので、いいということですから、いい答弁だと思います。
 それに加えて、これは要望でありますけれども、先ほど答弁いただいた東京ふれあいロード・プログラム云々と、百三十三団体ですけれども、都道の総延長の中で百三十三団体、私の地元の環八にも、記憶が違っていなければ、この活動をされている方がいらっしゃると思います。私も見に行かせていただきました。都議にしていただく前にですから、もうかなり前になると思いますけれども、やはり担当しているところは大体、都道でいえば信号の二ブロックか三ブロックぐらい、三、四百メートルの距離だと思います。都全体で百三十三団体ですから、とうとい活動でありますけれども、まだまだ、都道の全ての面積から比べれば、長さからいえば、ほんのわずかの点だと思いますので、ぜひ、例えば大学生や専門学校生の皆さん、こうした方々の力を活用したり、また場合によっては、路上生活されている方、こうした方々の力もかりながら、都道周辺における落ち葉の管理、清掃というものもしていくべきではないのかなと、このように思います。
 そのためには、建設局だけではできませんので、例えば産業労働局の雇用政策にもかかわる点だと思います。または路上生活者の皆さんの力をかりるということは、福祉保健局とも連携しないといけないわけであります。
 冒頭、青山元副知事のコメントを紹介させていただきましたけれども、まさにこれから二〇二〇年に向けて、緑の活用、または、これもあわせていっていますけれども、東京は効率性や安全の面では世界の巨大都市のトップを走っていると。ニューヨークやロンドンに比べて、都市の治安、清潔、秩序、さらには地下鉄云々かんぬんということで、私が改めていうまでもなく、清潔、きれいな都市であるというのが、東京の世界に誇るべき点だと思いますので、ぜひ、これまでの取り組みは評価させていただきたいと思いますけれども、二〇二〇年に向けて、東京のクリーン化作戦、計画、こういったものも局横断でつくって、より美しい都道、そして周辺の環境整備、力を入れていただきたい。このことを強く要望いたしまして、私の質問とさせていただきます。

○植木委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○植木委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で建設局関係を終わります。
 以上をもちまして第三分科会における決算の審査はすべて終了いたしました。
 なお、本分科会の審査報告書につきましては、分科会委員長において取りまとめの上、委員会委員長に提出いたしますので、ご了承願います。
 これをもちまして第三分科会を閉会いたします。
   午後三時十分散会

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