平成二十四年度各会計決算特別委員会第一分科会速記録第五号

平成二十五年十月二十八日(月曜日)
第十一委員会室
午後一時開議
出席委員 十名
委員長秋田 一郎君
副委員長大場やすのぶ君
副委員長島田 幸成君
加藤 雅之君
松田やすまさ君
西沢けいた君
田中 朝子君
大松あきら君
徳留 道信君
堀  宏道君

欠席委員 なし

出席説明員
議会局局長産形  稔君
管理部長鈴木 省五君
議事部長別宮 浩志君
調査部長熊谷 克三君
青少年・治安対策本部本部長河合  潔君
総合対策部長横山  宏君
青少年対策担当部長坂田 直明君
治安対策担当部長五十嵐 誠君
主税局局長影山 竹夫君
総務部長宗田 友子君
税制部長加藤  隆君
税制調査担当部長大久保哲也君
調整担当部長萱場 明子君
課税部長小山 明子君
資産税部長安藤 敏朗君
徴収部長西海 哲洋君
特別滞納整理担当部長藤井  朗君

本日の会議に付した事件
平成二十四年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
議会局関係
・平成二十四年度東京都一般会計決算(質疑)
青少年・治安対策本部関係
・平成二十四年度東京都一般会計決算(質疑)
主税局関係
・平成二十四年度東京都一般会計決算(質疑)
・平成二十四年度東京都地方消費税清算会計決算(質疑)

○秋田委員長 ただいまから平成二十四年度各会計決算特別委員会第一分科会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、議会局、青少年・治安対策本部及び主税局関係の決算に対する質疑を行います。
 これより議会局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成二十四年度東京都一般会計決算中、議会局所管分を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○秋田委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○秋田委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で議会局関係を終わります。

○秋田委員長 これより青少年・治安対策本部関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成二十四年度東京都一般会計決算中、青少年・治安対策本部所管分を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○松田委員 私からは、若者が長期間にわたって自宅に閉じこもって社会参加できないことが続く、ひきこもりの問題についてお伺いをいたします。
 先週の総務委員会でも、かなり各党からひきこもりについて質問が出ておりましたが、私も二十四年度決算に関しまして質問させていただきます。
 ひきこもりに陥る原因といたしましては、就職活動の失敗や仕事上のつまずき、病気、人間不信、不登校など、さまざまでございますが、共通の課題として深刻なのは、問題を個々の家庭に抱え込み、家族に大きな負担がかかることであります。
 東京都の調査によれば、都内の十五歳から三十四歳までの若者のうち、約二万五千人がひきこもりの状態にあるという結果が出ております。東京の将来を担うべき世代の若者が引きこもる状態が長期化をすれば、自立と社会参加の機会が失われ、都市の活力が損なわれることにもつながるおそれがございます。したがって、ひきこもり対策に取り組み、若者の自立と社会参加を推進していくことは急務であります。
 そこでまず、ひきこもり対策を進めるに当たっての困難な課題と、それに対する取り組みは何なのか、改めてお伺いをいたします。

○坂田青少年対策担当部長 ひきこもりの若者や家族の悩みに的確に対応していくために、自宅への訪問相談や社会参加の機会を提供する等、個々のひきこもりの事例に即した多様な支援の担い手を確保していくことが課題でございます。
 また、住民との接点を多く持つ区市町村において、担当窓口の設置や対策事業の実施等、ひきこもり支援を提供できる体制を整備することも課題となっております。
 そのため、都は、ひきこもり支援のノウハウ、経験を持ち、都が定めたひきこもり等の若者支援プログラムに沿って支援ができるNPO法人等の団体を確保、育成しております。
 さらに、区市町村の支援体制の整備を推進するため、NPO法人等の団体と連携して、ひきこもりの若者の自立支援に取り組む区市町村に対し、財政面での援助等を行っております。

○松田委員 ぜひしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 区市町村の体制整備については、各区市町村がみずからの役割をしっかりと認識し、補助事業も活用しながら着実に推進されるよう、都としても的確に誘導していただきたいと思います。
 一方、こうした地域の支援体制を築くため、市区町村が連携してできるパートナーとして、質の高いサービスを提供できる民間団体を確保していくことは、非常に重要なことと考えられます。
 そこで、答弁にあった、ひきこもり等の若者支援プログラムについてお伺いいたします。都として、NPO法人等の団体をどのように確保しているのか、もう少し具体的にお願いをいたします。

○坂田青少年対策担当部長 ひきこもり等の若者支援プログラムは、都が平成二十三年に取りまとめた、NPO法人等が実施する効果的な支援策のガイドラインでございまして、ひきこもりの若者や家族への支援について、目指すべき方向性や概括的な手段、方法を明示したものでございます。
 内容は、訪問相談による支援、自宅以外の居場所の提供、社会体験活動への参加、こちらの三種類のプログラムで構成されておりまして、NPO法人等の団体は、その特性を生かしながら、このプログラムに沿って、ひきこもり等の若者支援に向けた取り組みを実施しております。
 都は、NPO法人等がこうしたプログラムに沿った取り組みを適正かつ継続的に実施できる専門能力を有するかどうかを、外部の有識者も含めた委員会で審査、評価した上で登録し、公表しております。平成二十四年度は、登録団体八団体、登録を目指す団体三団体、合わせて十一団体を確保しております。
 なお、今年度は、新たな登録を目指す二団体が加わりまして、計十三団体となり、内訳は区部九団体、市部四団体でございます。

○松田委員 東京都が、ひきこもりの若者を支援できるNPO法人を確保して、きめ細やかな支援を目指していることはわかりましたが、私も細かくいろいろ説明を伺いましたが、まだ団体数は少なく、地域的な偏りもあると思われます。
 都内全体で支援体制を整備していくためには、まずは団体の数をふやしていく必要があるのではないでしょうか。また、支援に取り組む人材の確保、育成にも一層力を入れるべきであります。
 私も、ひきこもりから立ち直った親の方々何人かとお話をさせていただきましたが、実際にひきこもりなどを経験して立ち直った若者や家族など、当事者性の高い人たちは、支援を担う側に立った場合、みずからの経験を生かすことができ、効果的な支援が期待できると思われます。
 そこで、きめ細かな支援を提供していくため、お尋ねをいたしますが、ひきこもり支援対策のために当事者性の高い方々を支援員として活用することについて、見解をお伺いいたします。

○坂田青少年対策担当部長 ひきこもり支援は、本人や家族の抱える問題やニーズを的確に把握し、相談対応、カウンセリング、支援計画の策定、実践等の取り組みを通して、自立と社会参加を目指すものであることから、一定の専門的な能力が求められます。そのため、当事者性の高い者が支援員になる場合にも、ひきこもり等の若者支援プログラムに沿った適切な支援を行えるよう、専門的な能力の向上を図る必要がございます。
 その上で、当事者性の高い者による支援は、支援者がみずからの体験を生かし、相手の立場や心情を理解した上でサポートすることができ、本人や家族の信頼を得やすい点で、効果的な支援が期待できると考えております。
 今後とも、ひきこもり等の若者やその家族が安心してきめ細かな支援を続けられるよう、都としても、ひきこもり支援に取り組むNPO法人等を対象としたセミナーや研修会等を通じて、当事者性の高い方々も含め、多様な人材の育成に取り組んでまいります。

○松田委員 ぜひしっかりと、ひきこもり対策に関しましては、多様な関係機関やNPO法人などと連携を密にして、今後とも積極的に取り組んでいただきたいと思っております。
 特に、ひきこもりの問題は家庭の内側に抱えられがちでありまして、外部の支援に結びつけることが非常に難しいことから、支援員が家庭に出向き、本人や家族の相談に応じ、その要望を見きわめながら、適切な支援につなげていくことが重要であります。
 まず、その第一歩として、訪問支援、アウトリーチは非常に重要な役割を果たすと考えております。聞くところによりますと、国では都道府県が実施主体となって訪問支援を行う制度があり、他の自治体では既に実施している例も見られます。
 都の登録団体の中には訪問支援を実施しているものもございますが、まだまだ数も少ないことから、今後はぜひこの制度の活用を検討し、訪問支援を充実していただくことを提案いたしまして、私の質疑を終わらせていただきます。

○加藤委員 それでは、初めに放置自転車の対応について伺います。
 自転車は、便利で身近な乗り物で、都民の生活の足として広く使われておりますが、一方で、さまざまな問題も指摘をされております。
 警視庁の統計によりますと、昨年、都内では、自転車が関与する交通事故が一万七千件も発生しておりまして、自転車利用中に事故で亡くなった方も三十四人に上っております。
 また、自転車利用者が、事故の被害者になるだけでなく、歩道では歩行者優先といった交通ルールやマナーを守らず、歩行者に怖い思いをさせたり、実際に自転車が事故の加害者になったりする例も多いと聞きます。
 また、放置自転車も依然として問題であると思います。自転車の利便性の裏返しではありますが、目的地の周辺の路上に安易に自転車を駐輪する人が後を絶たず、歩行者等の通行の妨げとなるほか、町の景観も損ねています。
 この放置自転車に関しては、都が毎年その状況を調査しているようですが、まず、都内における放置自転車の現状や駐輪場の整備状況をお伺いいたします。

○五十嵐治安対策担当部長 都内の放置自転車につきましては、毎年、都が区市町村の協力を得まして、駅周辺における放置台数等を調査しております。
 昨年十月に行った調査では、都内の駅周辺における自転車等の放置台数は五万二千七百九十六台でございまして、途中、集計方法の変更がございましたが、平成十二年以降、十三年連続で減少を続けております。
 一方、駅周辺における駐輪場の整備は、区市町村を中心に年々進んでおりまして、昨年九月末時点における駅周辺の自転車等の収容可能台数は、約八十九万八千台でございました。

○加藤委員 駐輪場の整備に伴いまして、駅周辺における放置自転車は減少しているとのことでありました。
 駅周辺の駐輪場も、定期利用と一時利用があるんですけれども、恐らく一時利用の設置数は少ないんではないかと、そのように思っております。放置台数が多いのは一時利用者の方だと思いますので、今後はその点も考慮して対応していかなければいけないと、このように思っております。
 現在、都では、駅前放置自転車クリーンキャンペーンを開催しているとも伺っておりますが、今後も、区市町村等と連携した放置自転車対策を継続してほしいと思います。
 さて、駅周辺における対策は一定程度進んでいるようですが、放置自転車の問題は、駅だけの問題ではなく、都市全体に広がっているものと考えます。
 都では、我が党が強く提案しました、自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例を制定し、放置自転車対策も含む自転車の安全利用に向けた取り組みを進めております。
 この条例では、放置自転車対策として、事業者に駐輪場所を確保する努力義務を課しているようですが、その義務の具体的な内容を伺います。また、その規定は、集合住宅を建設し、管理する事業者にも適用されるのでしょうか、あわせて伺います。

○五十嵐治安対策担当部長 東京都自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例第二十九条では、自転車の適正な駐輪を促進するため、事業の実施により自転車の駐輪需要が生じる場合には、その事業者に対して、自転車の駐輪場所を確保するか、または自転車利用者に駐輪場の案内をするなどの措置を講ずべきことを、努力義務として規定してございます。
 この事業の実施により自転車の駐輪需要が生じる場合、例えば、スーパー等の小売事業者の店舗に客が自転車で来場して駐輪する場合が典型的でございますが、集合住宅の分譲や賃貸を行っている事業者につきましても、住宅供給という事業によって住民が自転車を駐輪することになりますので、都は、こうした事業者につきましても、条例の努力義務の対象となり得ると考えてございます。
 努力義務の具体的内容としては、住民の所有する自転車の数に応じた駐輪場を整備したり、住宅周辺の道路上に違法に駐輪しないよう、住民に対して必要な啓発を行ったりする必要がございます。

○加藤委員 住居の供給、管理ということであれば、都営住宅を有する都もそれに当たるので、都としても、しっかりと対応していかなければいけないと思います。
 時代を反映して、車から自転車に乗りかえる人も増加していて、比較的敷地に余裕のある都営住宅でさえ、自転車があふれ返っているところもあります。所管が違うので別の機会に委ねますけれども、現在の駐輪場設置基準が古くて時代にマッチしていないということもあるようです。
 今後、自転車安全利用推進計画を知事が定めていくということもありますので、タイミングを見ながら、この問題を取り上げていきたいと思います。
 続きまして、震災時における道路交通情報等の提供について伺います。
 先日、産官学がITS、高度道路交通システムの技術や政策について紹介し、情報交換などを行う、ITS世界会議東京二〇一三が東京ビッグサイトで開催され、私も視察に行ってまいりました。自動車関連のメーカーや国、自治体などが、安全運転を支援する最先端技術や交通事故削減に向けた取り組みについて紹介、実演等を行っており、大変興味深く見学させてもらいました。
 実際に触れてみて、このITS技術の進展に感心するとともに、改めて、こうした技術を積極的に都の交通対策に活用し、交通事故ゼロの社会、安全な交通社会を目指した取り組みを進めていただきたいというふうに思いました。
 恐らく皆さんも、テレビのニュースで結構取り上げられておりましたので、自動で車だけが運転していって、駐車場の枠内にぴたっととまるという、あれは驚いたと思いますけれども、こうしたITSの技術の紹介がいろいろありました。
 特に、都におけるITSを活用した災害時の交通対策につきましては、以前より我が党から提案をさせていただいているところでありまして、二十四年度の決算では、震災時における情報提供の仕組み検討調査委託として経費が計上されていたと思いますが、その概要についてお伺いをいたします。

○五十嵐治安対策担当部長 震災時における情報提供の仕組み検討調査では、震災時に道路交通情報等を提供し、ドライバーの安全や救急車などの緊急車両の円滑な通行を確保する仕組みの実用化に向けまして技術的な検討を進めるため、二件の検討調査を委託いたしました。
 一つは、大規模地震の発生後における交通規制や火災の状況、駐車場の場所といった情報の提供パターンをコンピューター上でシミュレートし、より効果的な情報提供のあり方について検討、調査するものでございます。
 もう一つは、より迅速かつ正確にドライバーに情報が伝わるよう、情報提供する際の電子地図上の表示方法を検討、調査するものでございます。

○加藤委員 昨年度の調査研究の成果が、今回の世界会議で、都が震災時に有効な情報を集約してスマートフォン等で提供する、東京モデルとして実施した体験型デモンストレーションに反映されたものと思われます。
 私も実際にそれを体験させてもらいましたけれども、やはり体験することで実際の活用イメージが湧き、情報提供の有用性が実感できました。特に、さまざまな情報を地図上に一元的に表示して提供することで、ドライバーが危険地域を避けて行動するために役立つことがよくわかりました。
 ところで、今回の世界会議では、自動車から発信される走行地点等を示す情報、いわゆるプローブ情報の活用についての展示が見受けられました。都で進めています震災時の道路交通情報等の提供においても、プローブ情報を利用した運行実績情報を提供するとのことでありますが、現在の検討状況について伺います。

○五十嵐治安対策担当部長 通行実績情報は、震災発生以降に自動車が実際に走行した地点のデータであり、これらを蓄積することで、地図上の道路が通行できるか否かを把握できることとなるため、物資輸送等の復旧時の活動に役立つ情報であると認識しております。
 都が通行実績情報を提供するに当たりまして、より迅速かつ正確に、実際に走行できる道路を把握するためには、複数の自動車メーカーがそれぞれ収集している情報を集約し、一元的に電子地図上に表示する仕組みが必要でございます。
 都では、現在、こうした仕組みの実用化に向けまして、情報提供のあり方や効果的な表示方法など、技術的な検討、調査を行うとともに、自動車メーカー等と、情報提供の条件や具体的な方法などについて調査を進めております。

○加藤委員 私も、あるメーカーのプローブ情報というものを利用しておりますけれども、渋滞などの情報がわかって、迂回道路を探すのに大変便利です。こうした、各メーカーが収集している情報を集約して一元化する、これは非常に大切なことで、都がしっかりと旗振り役を果たしていってもらいたいと思います。
 そして、携帯電話やスマートフォン等の携帯型情報端末の普及によりまして、誰でも、いつでも、どこでも情報が得られる環境の整備が進んでおります。しかし、大規模災害時には、帰宅困難者等が家族の安否確認や災害状況などの情報を求めて電話やインターネットを利用し、通信インフラが一斉に利用されることが想定をされます。
 都が進める震災時の道路交通情報等の提供の仕組みも、インターネットを利用したものとなると聞いております。こうした状況下でも、迅速かつ的確にドライバーに情報提供できることが重要であると考えますが、この点についての検討状況を伺います。

○五十嵐治安対策担当部長 今お話がありましたとおり、この仕組みの実用化に当たりましては、大規模災害時の通信が混雑する中でも確実に情報が得られ、また、通信インフラを圧迫することで他の重要な通信を妨げないようにすることが必要でございます。
 国におきましても、災害時に通信が途絶えることのない強靱なインフラの整備を進めることとしておりますが、都といたしましても、災害時の通信事情に即した仕組みとなるよう、負荷の小さい地図を採用し、データの軽量化を図るなどの検討を進めてまいります。

○加藤委員 ビッグデータの活用が、今回のITS世界会議の主要なテーマの一つだったと思います。大きな情報を処理した上で、いかに負荷を少なく通信できるかが今後のポイントだというふうに思います。
 また、IT化が進み、安全対策が施されるのはすばらしいんですけれども、一方で、情報の乗っ取りといいますか、車を遠隔操作して乗っ取るということも技術的にはできるわけで、セキュリティーの問題と裏腹であると思います。
 都としても、関係機関と緊密に連携をとり、都市の交通インフラが、ハード、ソフトともに先進的で安全な基盤が速やかに進んでいくようお願いをいたしまして、質問を終わります。

○徳留委員 私からも、自転車問題について質問させていただきます。
 自転車の事故根絶を目指して、安全運転の徹底、自転車の利用環境の改善、拡充の問題について、私自身も、十五年間に及ぶ往復二十キロを超える通勤の経験と、自転車愛好者として都内各地を自転車で移動する機会の多い経験を踏まえて、質問と提案をさせていただきたいと思います。
 自転車に係る問題の対応は、現状は多くの部局にまたがって対策がとられている中で、総合対策のかなめを占める青少年・治安対策本部に所見や答弁をお願いしたいと思います。
 まず、平成二十四年度及び平成二十五年度の現時点までの自転車に関する交通事故数と死亡事故数、同時に、自転車走行空間の整備状況、最新の到達についてお答えください。

○五十嵐治安対策担当部長 警視庁の統計によりますと、平成二十四年中の都内の自転車が関与する交通事故の発生件数は一万七千七十八件でございまして、自転車乗用中の死者数は三十四人でございます。
 また、本年六月末まででは、自転車事故の発生件数は六千九百六十二件、自転車乗用中の死者数は十七人であり、昨年同時期と比べまして、いずれも減少しております。
 次に、建設局の資料によりますと、平成二十四年四月一日現在の都道の総延長は二千三百四十五キロメートルでございまして、自転車道、自転車レーン等の自転車走行空間につきましては、その施設延長は百十二キロメートルとなっております。

○徳留委員 昨年度と今年度の最新の事故の発生状況について、青少年・治安対策本部としてはどのように評価されているんでしょうか。また、現時点の自転車走行空間の整備状況の評価と今後の建設延長の見通しについて、お答えをいただきたいと思います。

○五十嵐治安対策担当部長 都内の交通事故の発生件数及び交通事故の死者数は減少傾向にございまして、自転車事故についても同様の傾向となっております。
 しかし、自転車が関与する交通事故の割合は、平成二十四年についていえば、全交通事故の三六%を占めておりまして、全国平均の一九・九%を上回っております。
 また、自転車利用中の事故死者も多数に上っているほか、自転車が歩行者等に対して加害者となる事故も発生するなど、自転車事故をめぐる情勢は深刻であると認識しております。
 次に、都道における自転車走行空間につきましては、「二〇二〇年の東京」計画におきまして、平成三十二年までに、新たに百キロメートルを整備することとされております。
 建設局では、これを実現するため、昨年十月、東京都自転車走行空間整備推進計画を策定したところでございまして、都道におきましては、今後、この計画に基づいて自転車走行空間の整備が行われるものと認識しております。

○徳留委員 この間、放置自転車が社会問題になると同時に、自転車と歩行者に係る事故、自転車と自動車に係る事故が多発して、社会的にも大きな注目と関心が集まる中で、自転車安全利用条例が制定されて、ことしの七月から施行されています。しかし、自転車にかかわる東京の事故は、交通事故に占める件数が全国平均を上回っており、死亡事故も多く、深刻な事態であるという認識だという答弁でした。
 自転車は本来、環境にも優しく、健康にもプラスになり、身近な移動手段としても、新しい安心・安全なまちづくりに貢献するものだと思います。それだけに、自転車にかかわる事故の根絶の対策は、現状、要因をリアルに点検、分析をして、関係する各部局の縦割りではなくて、青少年・治安対策本部を中心にして、横断的、総合的な対策が不可欠だと思います。
 そこで、自転車の利用者であり、愛好者の立場である私自身の目線から見て、幾つかの質問と提案をさせていただきます。
 まず、放置自転車の実態とその解決の対策の一つである駐輪場の設置状況、先ほども答弁がありました、どうなっているのか。
 そして、この問題は、単なる取り締まりの対象としてではなくて、自転車利用を促進して、もっと前向きに解決するためにも、駅などの、自転車が集中する便利な場所に駐輪場の設置を本格化して、安心して自転車が駐輪できる、そういう環境の整備、拡充が求められているんではないかと思います。ぜひご見解を伺いたいと思います。

○五十嵐治安対策担当部長 都内の放置自転車につきましては、昨年十月に行った調査では、都内の駅周辺における自転車等の放置台数は五万二千七百九十六台でございまして、途中、集計方法の変更がございましたが、平成十二年以降、十三年連続で減少を続けております。
 一方、駅周辺における駐輪場の整備は、区市町村を中心に年々進んでおりまして、昨年九月末時点における駅周辺の自転車等の収容可能台数は、約八十九万八千台でございました。
 駅周辺などにおける駐輪場の整備につきましては、区市町村等の関係者が地域の実情に応じて取り組む必要がございます。都といたしましては、自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例におきまして、複数の区市町村にまたがるなど広域的な取り組みが必要な場合に、都が自転車の利用環境を整備するための協議会を設置できる規定を盛り込んでおります。
 都といたしましては、区市町村等による駐輪場の整備が進みますよう、今後も協議会の設置や区市町村等に対する情報の提供等の必要な対応を行ってまいります。

○徳留委員 次の質問は、歩道の歩行者と自転車の利用のすみ分けや、車道の自動車、自転車の利用のすみ分けを示す路面の標示、標識、さらには色までがまちまちで、こうした標識、標示に真剣に対応しようとすれば、実際には迷ってしまう例が幾つもあるという問題です。
 最も整備されていると実感できるのは、最近、広く拡幅されて完成した山手通りでは、非常にわかりやすい標示がされていると思います。しかし、迷ってしまう例としては、歩道の利用でも、歩行者と自転車のすみ分けがはっきり標示されているかと思うと、全く無標示で、ある意味、強い者が勝ち、早い者が勝ちのような利用状況のところもあります。
 標示の仕方、絵文字なども、道路が変わり、路面が変わると、実際はばらばらの感じがいたします。車道でも、自転車は軽車両で車道通行が原則といいながら、自動車との競合が実際は放置されているのではないかと思います。
 私も、実際に車道の一番左側を走行中に、自動車との接触で三度も引き倒されて被害者になるという経験をいたしました。こうした経験から、危険を感じながらの車道の利用になったり、歩道に逃げたりしているのが実情であります。
 車道の中に、歩道側との間に、側溝を除いて、例えば約一メートル、あるいは二メートルぐらいのスペースを持った白いラインが引かれていると安心感が持てるところなどもあります。ところが、そういうスペースが十分にあっても、ラインなどがなくて無印のために自動車の走行が優先され、自転車で走行するときには、自動車を避けながら、譲りながら、みずからが走行するという実態があります。ひどいところでは、自動車とガードレールとの間に自転車利用者が挟まれるという経験もあります。さらには、違法駐車スペースになっているところもあります。
 そこで質問ですけれども、歩行者、自転車にかかわる標示、標識の仕方、色などが、各部局や道路管理者などの違いによって統一していないのではないかと思っていますけれども、どうなっているんでしょうか。お答えください。

○五十嵐治安対策担当部長 道路標識や標示についてのルールということでございますが、例えば、自転車歩道通行可といった交通規制を示す標識や道路案内標識など、道路に関する標示につきましては、道路交通法や道路法、また、道路標識、区画線及び道路標示に関する命令といった法令に定めがございます。
 また、こうした法令にのっとった道路標識や道路標示のほかにも、各道路管理者や交通管理者が、道路交通の安全の確保といった目的で、自転車ナビラインや自転車ナビマークのように、適宜、法令には定めのない路面標示等を実施しております。

○徳留委員 自転車の安全走行と安全利用にとって、リーフレットなど宣伝物を活用しての啓発、教育、あるいは自転車教室、DVD、動画の活用などによって、自転車利用者へのルールとモラルの徹底が重要であることはいうまでもありません。
 ところが、私は最近、自転車の安全利用を呼びかける四種類のリーフレットを交通安全課からいただきました。わかったことは、内容はある程度知っていたものの、そういう現物を見たのは、長年自転車を愛好している者としては初めてでありました。自転車屋さんからも、そういうものはいただいたことがありませんでした。私の知人の自転車利用者に現物を見せたところ、同じ感想でありました。案外、多くの自転車利用者にも渡っていないのではないかと思ってしまいます。
 こうした実態から見て、このリーフレットの普及は一層重視するとしても、その重要な内容については、歩道や車道の路面に絵文字やナビマーク、ラインで標示して、例えば、このエリアを自転車走行してください、あるいは、自転車はこのエリアをゆっくり走行してくださいということが、相手に知覚されるといいますか、意識されるような、視覚的にもわかるような方法などで徹底してはどうかというふうに常々思っています。
 現状は、歩道も車道も、歩行者と自転車、自動車との共存的な利用が明確になっていない状況が多過ぎる気がします。
 自転車走行の場合は、利用者は大体、前輪の五メートル、十メートルぐらい前方を視野に入れて走っています。今、三メートルぐらいの標識が、親子の標識と自転車の標識があるんですけれども、ほとんど視覚には入りません。それよりも、路面にちゃんと標示をされてあれば、誰もがその標示、標識を見ることができると思います。まさに、自転車走行のときに、安全エリアを実感して、走行方法についても自覚し、意識して、安全への相乗効果が生まれるんではないかと思いますけれども、青少年・治安対策本部としての認識はいかがでしょうか。

○五十嵐治安対策担当部長 自転車の通行ルールが守られ、自転車が安全に利用されるためには、交通安全教育を徹底して自転車利用者にルールを習得してもらうだけではなく、自転車利用者のみならず、自動車の運転者や歩行者等に対して自転車の通行場所をわかりやすく示すことも重要であると認識しております。
 わかりやすい路面標示等の実施につきましては、各道路管理者や交通管理者により行われるものであるところから、当本部といたしましては、これらの関係者に対して必要な働きかけを実施することなどによりまして、自転車の安全な走行空間の確保に努めてまいります。

○徳留委員 歩行者、自転車の利用者が、歩道や車道の利用に当たって、安全利用、安全エリアを自覚して、お互いがそのことを共有することによって、安全性が一層高まっていくのではないかと思います。
 自転車走行空間などの整備延長が進むことに大きな期待を持っていますけれども、二〇二〇年までの目標、計画を伺っても、時間と予算がかかると同時に、現状では自転車走行空間が短過ぎて中途半端で利用しにくい、そんな感じもいたします。
 自転車走行空間を整備拡充しつつも、既存の歩道と車道を、時間的にも予算的にも効果的、効率的に活用して、安全通行、安全走行をリードする標示や標識の徹底が必要ではないかと思います。
 そのためにも、歩行者、自転車利用者の立場、目線に立って、できれば東京全体でも、さらに各部局でも、路面標示、ナビマーク、路上のライン、路面標示の色合いなどは、法定外標示であってもできるだけ早く統一して、同じ標示、標識、絵文字などにしていくべきだと考えますけれども、青少年・治安対策本部としての所見を伺いたいと思います。

○五十嵐治安対策担当部長 自転車の走行空間の整備に関しましては、昨年十月、国土交通省及び警察庁が、安全で快適な自転車利用環境創出ガイドラインを作成いたしまして、各道路管理者や交通管理者に対して示されております。
 このガイドラインにおきましては、自転車の走行空間に関して、路面に着色をする場合の考え方として、例えば、青色系といった同系統の色彩を使用し、道路利用者の混乱を避けるべきなどと記載されております。
 各道路管理者や交通管理者が、各種の法令やこのガイドラインに基づきまして、安全で快適な自転車の利用環境を整備することで、都内における自転車走行空間のネットワーク化が進むものと認識してございます。
 当本部といたしましては、自転車走行空間のネットワーク化に関して、国道事務所、警視庁といった関係者との間で議論しておりまして、今後、必要に応じて、これら関係者を集めて協議会を開催することなどによりまして、安全な自転車走行空間の確保に努めてまいります。

○徳留委員 自転車は、環境にも大変優しく、健康にもとてもよい交通手段だと思います。都市交通の重要な柱の一つとして、また、新しいまちづくりの重要な要素の一つとして位置づけて、総合的な対策を確立していただくことを強く要望しておきたいと思います。
 先日、江東区の臨海部の豊洲地域で、今取り組まれている自転車シェアリング社会実験を見てまいりました。大変環境に優しいまちづくりの社会実験として取り組まれています。現在、一万六千人の方々が登録して、その地域内に二十一カ所のステーションと呼ばれる乗りかえ地点が設置をされて、利用されているそうです。江東区の担当者に聞いたところ、大変好評だと聞きました。
 先日のITSの世界大会にも私も参加したときに、あの国際展示場の駅周辺からビッグサイトの駅周辺にかけて、このステーションを直接見ることができました。東京にとっても、大変未来ある取り組みだと思います。
 願わくば、二〇二〇年東京オリンピックを環境に優しいオリンピックとするためにも、二〇一二年、昨年の夏のロンドン・オリンピックにおいて、自転車先進国といわれるイギリスらしく、車なしのオリンピックに挑戦したように、日本でも、新しい自転車政策の具体化と実践の飛躍の機会にしてほしいと思います。
 そのためにも、自転車事故の根絶を目指す安全対策の点でも、自転車利用の一層の環境改善という点でも、関係の行政機関、都庁の関係部局の横断的な取り組みが不可欠だと思います。その点で、青少年・治安対策本部の果たす役割、特別に重要だと思いますけれども、自転車の安全対策全般について、本部の認識を伺いたいと思います。

○五十嵐治安対策担当部長 自転車が、都市における交通手段として、より一層普及するためには、まずもって安全に利用されることが前提となります。
 このため、当本部といたしましては、自転車が安全に利用されるよう、自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例が本年七月に施行されたことも踏まえまして、関係機関、団体等とも連携しながら、自転車の安全対策を展開してまいります。

○徳留委員 ただいまの答弁にありましたように、ことしの七月から施行されました自転車安全利用の条例は、本格的な具体化、実践はこれからだと思いますけれども、首都東京で、環境に優しい、健康にも優しい自転車が、より安全に、より普及をされていくように心から期待をして、質問を終わりたいと思います。

○西沢委員 私からは、東京都青少年の健全な育成に関する条例についてお伺いをしていきたいと思います。
 平成二十二年に、大分大きな議論、相当な議論がありまして、改正をされたものでございますが、論点としては、それから三年近くたちまして、表現の自由、表現の規制が進んできているのかどうかと、こうした視点に立って質疑をさせていただきたいと思います。
 状況も政権も再び変わりました。都議会も変わりました。状況がこのように大きく変化している中で、条例改正後の現在の状況について、まずお伺いをいたします。

○坂田青少年対策担当部長 平成二十二年の条例改正以前は、子供との性交や強姦、近親相姦など、これを読んだ青少年が、こうした性交等が社会的に許されていると誤解してしまうように描いた漫画等、これはいわゆる新基準でございますが、こちらが書店において、青少年でも容易に買うことができる一般の書棚に売られている状況でございました。
 しかし、条例改正後、現在のところ、そのような漫画等は、一般の書棚では見当たらない状況でございます。

○西沢委員 今のお話は、ゾーニングが進んできたというようなことだと思います。これは構いません。これはまさに進んできたことだろうと思います。それまでは、どんな子供でも手の届く範囲でそうしたものが読めると、新基準に限らず、そうしたものが読める状況があったというようなことを確認しておりますから、こうしたものを進めるのは、もちろん構うものではありません。
 今お話が出ました新基準、こちらの方が論点になろうかと思います。この新基準というのは、漫画やアニメーション等の画像のうち、刑罰法規に触れる性交、性交類似行為または婚姻を禁止されている近親者間における性交、性交類似行為を、不当に賛美または不当に誇張するように、描写または表現しているものというもの、これが平成二十二年の条例で改正をされた新基準でございます。
 この新基準の適用というものがあるのか、適用実績をお伺いいたします。

○坂田青少年対策担当部長 改正条例で追加した、いわゆる新基準でございますが、こちらで指定した図書類は、現在までに適用実績はございません。
   〔委員長退席、大場副委員長着席〕

○西沢委員 今回、新基準で指定したものは、これまで実績がないという答弁でございました。つまり、表現の規制は進んでいないんだよというようなことなのかもしれませんが、だったら、この新基準をなぜつくったのかということにもなります。
 私は、実際はこの条例で規制が進んでいるのではないかというふうに感じるわけであります。つまり、新しく基準が設けられたことによって、それを未然に水面下で規制してしまう、そういった抑制的な効果が働いているんじゃないかと、こういうふうに感じるわけでありますが、いわゆる表現の自由について、抑制的な効果を与えているのではないかと思いますが、見解をお伺いいたします。

○坂田青少年対策担当部長 青少年健全育成条例は、漫画等を描くこと、創作すること、出版すること、十八歳以上の人が買ったり見たりすることにつきましては、何ら制約するものではございません。
 先般の条例改正は、社会的に許されない性交、性交類似行為を、不当に賛美または不当に誇張するように、描写または表現することで、青少年の性に関する健全な判断能力の形成を妨げるおそれのある漫画等について、書店などのいわゆる成人コーナーに置いてもらいまして、青少年が見たり買ったりしないようにするものでございます。
 したがいまして、表現の自由を侵害するものではなく、また、漫画等の描き手の創作活動を抑制するものではないと考えてございます。

○西沢委員 今、これまでの議論と同じですね、描き手の創作活動を抑制するものではないというようなことでございました。それは、平成二十二年改正の東京都青少年の健全な育成に関する条例の主な改正点、QアンドAにも書いてございますが、青少年・治安対策本部、東京都が、これまで、規制するものではないとずっといってきたものでもございます。
 これは、改正されるときから答弁は全く変わっていないわけでありますが、時間がたちました。今、漫画家等の描き手の創作活動を抑制するものではないという答弁がございましたが、では、実際にこうした漫画家さんや関係団体からは、どのような意見が出ているのかをお伺いいたします。

○坂田青少年対策担当部長 図書類の業界団体との打ち合わせ会を、青少年健全育成審議会に関しまして定期的に開催しておりますけれども、改正条例施行後、条例の運用に関しての意見は出ておりません。また、漫画家、あるいは個別の出版社からも、同様に意見は出ていない状況でございます。
   〔大場副委員長退席、委員長着席〕

○西沢委員 今、漫画家などや個別の出版社から同様に意見は出ていないというような答弁がございましたので、改めてここで要望させていただきたいと思いますが、漫画家さんや作家さん、編集者さんなど、現場に近い方からの意見を聞く工夫をぜひしていただきたいというように思います。
 今回、さまざまな意見があるのではないかと思いまして、私はツイッターで呼びかけをさせていただきました。一時期に比べて、そんなには大量に意見をいただくということはありませんでしたが、そうした中において、やはり実際、現場の方では、この新基準ができて、当然、指定されるわけにいかないから、事前に創作活動を自粛したというような方がいらっしゃるという声を耳にいたしました。
 また、それだけではなくて、編集者さんの段階で、編集者さんが、これはちょっと描かないでというような、もしくは、そういうのはやめてくれというような話があると、こうした話もあります。編集者さんの中には、いや、それでも描いてくれと、逆に、こうしたものがあるんだから、よりやってくれというような方もいらっしゃるそうでありますけれども、自分はやるぞと、こうした意気込みを持つ編集者さんもいらっしゃるそうでありますけれども、こうした現場の声というのは、出版社の声としては伝わっていないんじゃないかというふうに思うわけであります。
 今答弁がありました、打ち合わせ会を定期的に開催しているという話で、これで業界団体、関係団体との意見交換はしているよというような話だと思いますが、ここに平成二十五年度の諮問候補図書類に関する打ち合わせ会名簿がございます。自主規制団体名は出版倫理協議会、団体名でいうと、日本書籍出版協会さんや、日本雑誌協会さんや、日本出版取次協会さんや、東京都書店商業組合さん、それから出版倫理懇話会さん、首都圏新聞即売懇談会さん、東京都古書籍商業協同組合さん、日本フランチャイズチェーン協会さんと、こうした団体の方々の名簿がございます。こうした方々との意見交換をしているというようなことだと思います。
 それに付随して出版社の会社名が書かれているわけでありますが、いってみれば、出版社の方々が多いわけであります、業界の方でいえば、関係団体といえば。つまり、現場の声というものが届きにくい環境がその中にあるんじゃないかと、こう思うわけであります。
 ですから、改めてそうした声を聞く工夫をしていただきたいというように思うわけであります。打ち合わせ会をしているから、だから声はないよというようなことではなくて、こうしたことを聞く努力をしていく必要があるということであります。
 こうした状況を踏まえて、今後、条例をどのように運用していくかをお伺いいたします。

○坂田青少年対策担当部長 条例改正時に付されました都議会付帯決議がございます。「作品を創作した者が当該作品に表現した芸術性、社会性、学術性、諧謔的批判性等の趣旨を酌み取り、慎重に運用すること。」と。これを踏まえるとともに、業界団体の意見も真摯に受けとめまして、今後も条例の運用を適切に行っていきたいと考えてございます。

○西沢委員 国の秘密保護法案の関係もあって、少し関心があるテーマになってきているんだと思います。改めて、表現の自由、表現規制について、過度に進めていかないよう申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。

○田中委員 私からは、ITS等を活用した渋滞対策事業、ハイパースムーズ作戦について質問をいたします。
 ITS、いわゆる高度道路交通システムとは、人と道路と自動車の間で情報の受発信を行い、最先端の情報通信や制御技術を活用して、交通事故や渋滞、環境対策など、さまざまな課題を解決するためのシステムです。身近なところでは、私たちもいつも使っているカーナビとかETC、こういったものもITSに入るわけですけれども、関連した技術は多岐にわたって、社会システムを大きく変えるプロジェクトとして、新しい産業や市場をつくり出す可能性を秘めています。
 先ほど、ほかの委員からもございましたけれども、ことしは第二十回ITS世界会議が東京ビッグサイトで開催され、先日、私もお伺いをいたしました。
 文字どおり産官学が一体となった、世界レベルでの交通諸問題の解決と、ビジネスチャンスの創出、拡大に向けた国際会議でしたけれども、東京都を初め全国自治体のブースでは、信号制御、道路、防災などの道路交通管理分野、また、オンデマンドバスなどのバスロケーションシステムやPTPS等の公共交通分野、さらには携帯電話などを使ったテレマティクスサービス分野、さまざまな分野での活用事例が数多く紹介されており、もう既にこんなに実用と結びついているということに驚きました。
 この中でも、特に東京は、集中する車両による渋滞の緩和が喫緊の課題であり、このITSの技術を大いに活用すべきと考えます。その立場から質問をいたします。
 まず、東京都は、平成二十年から、ITS等を活用した渋滞対策事業、ハイパースムーズ作戦を進めていますけれども、その内容とこれまでの成果をお伺いいたします。

○五十嵐治安対策担当部長 ハイパースムーズ作戦の主な内容といたしましては、ITSを活用した取り組みとして、交通の流れを予測して最適な信号制御を行う需要予測信号制御の導入や交通情報板の設置、客待ちタクシー対策などがございます。また、ITS以外では、右左折レーンの設置を初めとした道路施設の改良等の取り組みを実施しております。
 このハイパースムーズ作戦は、平成二十年度から二十七年度までの八年間の事業でございまして、最終年度である二十七年度において、事業対象の三十路線区間全体として、ピーク時の旅行時間を三〇%削減するという目標を設定しております。前期四年間が経過した時点で、一二・三%の削減効果が得られております。

○田中委員 ありがとうございます。
 八年間の事業ということでしたけれども、その中間、昨年の十月には、ハイパースムーズ作戦中間のまとめが出ていたと思います。当該年度、平成二十四年度の具体的な対策内容をお伺いいたします。

○五十嵐治安対策担当部長 平成二十四年度は、昭和通り対策として需要予測信号制御の導入と交通情報板の設置、環七通り、青梅街道対策として需要予測信号制御の導入、環八通り、世田谷通り、甲州街道対策として交通情報板を設置いたしました。これらは、いずれもITS技術を活用した対策でございます。
 このほか、青梅街道対策として、区画線変更などの道路施設の改良を実施いたしました。
 また、渋滞解消に向けた普及啓発活動として、ラジオスポットによるドライバーへの呼びかけなどを行いました。

○田中委員 今ご答弁の中にもあった需要予測信号制御については、先ほどの世界会議での東京都のブースでも詳しく紹介されていました。交差点の五、六百メートル先から車両検知を行って交通事情を事前に予測し、信号待ちの車の数が一番少なくなるように信号制御を行う高度なシステムということですけれども、この需要予測信号制御の導入区間、また、それぞれの具体的な削減率はどれぐらいなのでしょうか。代表的な路線で結構ですので、お伺いをいたします。

○五十嵐治安対策担当部長 需要予測信号制御につきましては、平成二十年度から二十四年度までに、七路線の十区間に導入しております。
 導入区間における主な効果といたしましては、靖国通り、京葉道路の対象区間では、上り線のピーク時旅行時間が平成十九年度比で三六・二%減少しております。また、目白通りの対象区間では上り線にて一七・六%、さらに、環八通りの対象区間では外回りにおいて二二・四%、それぞれピーク時の旅行時間が減少しております。

○田中委員 今、数字をお聞きしましたけれども、非常に削減効果が高いといえると思います。非常に驚きました。今おっしゃったように、私の地元の杉並区でも青梅街道で導入されていますので、渋滞緩和にはこれから大きな期待をしたいと思います。
 次に、東京は、夜の繁華街での客待ちタクシー、先ほどのご答弁にもちょっとありましたけれども、局所的に大渋滞しているところがあります。特に銀座は、タクシーの客待ちなのか、迷惑駐車なのか、区別がつかないほどで、駐車場のようになっているところも珍しくありません。
 最初のご答弁で、ハイパースムーズ作戦で、客待ちタクシーによる渋滞対策にも取り組んでいるということでしたけれども、この対策の具体的な内容と、今のところの状況、効果についてお伺いをいたします。

○五十嵐治安対策担当部長 銀座地区におきましては、深夜時間帯にタクシー乗り場から客待ちタクシーによる長い待機列が発生して、渋滞や景観の悪化を引き起こしておりました。
 このため、東京都、国土交通省関東運輸局、警視庁、タクシー業界などが連携して対策の検討を進め、本年九月から、タクシー業界団体で構成する銀座ショットガン運営協議会によりまして、ITS技術の一つであるETCを活用したタクシー配車システムの本格運用が開始されたところでございます。
 このシステムでは、築地地区に待機車両用の駐車場を確保いたしまして、ETCのシステムを用い、順次、築地地区の駐車場から銀座地区の乗り場へ配車しております。銀座地区の乗り場に一定の台数を超えないよう配車することで待機列の解消を図っておりまして、今後、本対策による渋滞削減効果につきまして、実態調査をするなどして検証してまいります。

○田中委員 ありがとうございます。
 国交省の報告によりますと、渋滞による損失時間、これは年間、国民一人当たり約三十時間にも上るということです。特に、東京二十三区においては、幹線道路における渋滞ポイントが百六十九カ所もあって、それらの渋滞損失を合計すると、都内の全渋滞損失の約五割、五〇%ですね、五千七百億円に相当するとのことです。
 また、渋滞による損失というのは、経済的な損失だけにはとどまらず、渋滞に巻き込まれると、発進、加速、減速、停止と、しょっちゅうブレーキを踏まなければならなくなり、小刻みにそれを繰り返すと、もちろん車の燃費は悪くなって、二酸化炭素排出量も増加して、道路の周辺環境の悪化などをもたらすこと、これは皆さんもよくおわかりだと思います。
 そしてまた、幹線道路の渋滞を避けるために、いわゆる抜け道を通るドライバーも多くいます。抜け道の多くは、幹線道路に平行する狭い生活道路であり、通学路に指定されているところも少なくはありません。例えば、私の地元の近く、環状八号線に平行する生活道路では、交通事故の発生率が都内平均値の五倍ほど高くなっていて、児童や高齢者の皆さんの安全性も脅かされているわけです。
 こういったように、渋滞というのは、単に道が混んでいらいらするだけの問題ではなくて、経済活動の阻害、沿道環境の悪化、そして交通事故の増加などをももたらす大きな社会問題といえます。
 これまで、ハイパースムーズ作戦のいろいろな実績を伺ってまいりましたけれども、このような観点から、これからも、まだまださらなる渋滞対策が必要だと思います。東京都のハイパースムーズ作戦の今後の取り組みについてお伺いをいたします。

○五十嵐治安対策担当部長 今年度は、川越街道、京葉道路、青梅街道におきまして需要予測信号制御を導入するほか、玉川通りなどの対策として交通情報板の設置や道路施設の改良を行う予定でございます。
 今後も、関係機関や関係部局と連携いたしまして、ITSを活用した取り組みなど、即効性のある渋滞対策を着実に推進し、ハイパースムーズ作戦の事業目標である平成二十七年度のピーク時旅行時間三〇%削減に向けまして取り組んでまいります。

○田中委員 ありがとうございます。
 交通渋滞を解消するには、道路の交通容量を拡大する方法、いわゆる道路を広げる拡幅ですね、また、交通需要を調整する方法、これは車の数を減らす、相乗りとか、カーシェアリングとか、時差通勤とかといったものが入ると思いますけれども、こういったいずれの方法でも、道路ネットワークの整備には長い期間と多くの費用がかかります。その意味で、即効性があって効果が実感できる第三の道といえるハイパースムーズ作戦は、非常に重要な取り組みといえます。
 これからも、渋滞解消に向けて、着実に、積極的に事業を実施していただくことを願いまして、以上で私の質問を終わらせていただきます。

○秋田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、これをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○秋田委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で青少年・治安対策本部関係を終わります。

○秋田委員長 これより主税局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成二十四年度東京都一般会計決算中、主税局所管分及び平成二十四年度東京都地方消費税清算会計決算を一括して議題といたします。
 本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○大場委員 我が国の経済は、復興需要等を背景に国内需要が堅調に推移したことにより、都税収入は五年ぶりに増収となりました。都が抱えるさまざまな課題を解決していくためには、都税収入の確保は不可欠ですが、一方、適正、公平な課税、徴収を推進していくためには、徴収率を高め、滞納を解消していくことが重要と考えます。
 そこで、これまでの徴収率と滞納繰越額がどのように推移してきたのか伺います。

○西海徴収部長 都税の徴収率でございますが、バブル崩壊の影響などで、平成七年度には九〇・二%に落ち込みました。そのため、主税局では、組織の再構築や業務運営の抜本的改革といった構造改革を進めた結果、平成十九年度には九七・九%まで上昇いたしました。
 その後、リーマンショックなどの影響から、平成二十年度、二十一年度、二十二年度は徴収率が低下いたしましたが、平成二十三年度から再び上昇し、平成二十四年度は九七・三%にまで回復しております。
 なお、このうち、東京都が直接賦課徴収している一般分につきましては九八・五%で、過去最高となっております。
 一方で、滞納繰越額でございますが、最も多額であった平成六年度は約二千四百七十八億円でございましたが、構造改革などの取り組みの結果、平成二十四年度は約二百五十二億円と、ピーク時のおよそ十分の一にまで圧縮されております。

○大場委員 ただいま構造改革の取り組みというお話がありましたが、徴収率の向上、また、滞納額の圧縮のために、主税局ではさまざまな徴収努力を重ねてきたものと考えますが、では、具体的にどのような取り組みを行ってきたのでしょうか、伺います。

○西海徴収部長 まず、滞納を未然に防止し、納期内納税を促進するため、従来の金融機関での納付、口座振替に加えまして、コンビニ収納、自動車税のクレジット収納などを開始いたしました。
 また、滞納に至った事案につきましては、できるだけ早期に解決することを目指して、都税事務所の現場と徴収部とで組織的に進行管理を徹底するなど、業務運営の抜本的改革を図ってまいりました。
 さらに、新たな滞納整理の手法として、インターネット公売、タイヤロック、ミラーズロックなど、創意工夫を凝らした先駆的な取り組みを展開してまいりました。

○大場委員 今、さまざまな滞納整理手法を展開してきたとのお話の中で、ミラーズロックというお話がありましたが、では、ミラーズロックとは具体的にどのようなものなのでしょうか、お伺いいたします。

○西海徴収部長 従来からありましたタイヤロックにつきましては、自動車のタイヤを挟み込み、物理的に運行不能状態にする装置でございます。これは、マンションなどの機械式駐車場では、機械やほかの自動車を損傷するリスクがございまして、装着が不可能でございました。
 これに対しまして、ミラーズロックは、自動車の運転席側のミラーに公示書を取りつけるとともに、運行を禁止する旨を記載したマグネットシートをドアに張りつける装置でございまして、従来のタイヤロックの欠点を補うものでございます。
 このミラーズロックは、軽量でございまして、機動性にすぐれております。また、非常に目立つことから滞納者の反応が早く、滞納整理の手法といたしましては極めて即効性がございます。
 なお、このミラーズロックにつきましては、都税事務所の職員が現場で工夫しながら発案したものでございまして、平成二十四年度の東京都職員提案制度において最優秀賞を受賞してございます。

○大場委員 ただいまご答弁をいただきましたように、滞納整理のそのような先進的な取り組みにつきましては、他の自治体にも、ぜひともノウハウを提供していただくべきと思いますが、どうお考えでしょうか。
 また、あわせて、先ほどお話のあった、新たな収納方法と滞納整理の手法の普及について伺います。

○西海徴収部長 東京都が、全国に先駆けまして平成十六年度に開始いたしましたコンビニ収納でございますが、現在、およそ八百近い自治体が導入しております。また、インターネット公売につきましては、平成十六年七月に東京都が全国で初めて開始したものでございますが、現在、およそ一千の自治体が参加しております。
 さらに、ミラーズロックは、東京都では平成二十四年度から本格的に実施したものでございますが、マスコミなどにも取り上げたこともございまして、これまで全国の七十一自治体から問い合わせがございました。そのうち、三十二の団体が導入したというふうに聞いております。
 東京都といたしましては、今後も、地方税全体の徴収率向上のため、有用な取り組みにつきましては、広報媒体などを活用いたしまして、積極的に情報提供してまいりたいと考えております。

○大場委員 東京都初の取り組みが全国の自治体に広まっていることは、よいことだと思いますが、区市町村が賦課徴収している個人都民税についてはどうなのでしょうか。
 また、個人都民税は、平成十九年からの国から地方への税源移譲により、平成二十四年度決算では、都税収入の約一八%を占めるまでになっています。その徴収率は、都税全体の徴収率と乖離がありますが、都は、これまでどのような取り組みを行ってきたのでしょうか、伺います。

○藤井特別滞納整理担当部長 平成二十四年度の個人都民税の決算は九二・三%で、都税全体の徴収率九七・三%に対して五ポイントの開きがあります。
 お話のとおり、個人都民税は、他の税目と違い、区市町村が個人区市町村民税とあわせて賦課徴収していることから、徴収率の向上については、都と区市町村との連携が重要と考えております。
 そのため、都では、区市町村からの困難事案の引き受けや実務研修生の受け入れ、都職員の派遣等、さまざまな対策を行っているところです。特に、平成二十四年度の実務研修生の受け入れについては、平成十六年度の個人都民税対策室設置以降で最大の十六名を受け入れるなど、取り組みの強化を図ってまいりました。
 また、平成二十四年度は、区市町村とともに個人住民税徴収対策会議を立ち上げ、課題の共有、広域的な徴収対策の推進を通して、都と区市町村とが一体となって取り組みを進めた結果、徴収率は前年度に比べ〇・五ポイント増の九二・三%と、五年ぶりに前年度を上回ることとなりました。

○大場委員 個人住民税徴収対策会議を立ち上げ、都と市区町村が一体となって取り組みを進めているということは、高く評価をしております。
 特に、都内では、通り一本隔てて隣り合っている区市町村同士、また、住民の行き来も多いことから、区域を越え、徴収への取り組みが伝わりやすく、対応に差がないようにしていくことが重要と考えます。
 また、一体ということは、これまでの都と区市町村との連携と、区市町村相互の協力との二本柱だと思いますが、その中で、区市町村相互の連携としては、具体的にどのような取り組みを進めていらっしゃるのでしょうか、伺います。

○藤井特別滞納整理担当部長 都では、例えば、区市町村職員の人材育成の観点から、各自治体が捜索等を行う中で、職員を相互に派遣する場合、自治体間のコーディネートを行っております。また、事前の打ち合わせ等にも参加し、緊密な連携を図ってまいりました。
 今後も、こうした機会を捉えながら、積極的に区市町村相互の協力関係の構築に努めてまいります。

○大場委員 都がこれまでに行ってきたさまざまな取り組みをお聞きしてきましたが、歳入確保のため、区市町村との連携も含め、今後、主税局はどのように取り組んでいかれるのかを、局長の決意をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。

○影山主税局長 主税局では、これまでも、前例にとらわれない、さまざまな工夫を凝らした取り組みにより、全国の自治体のリーダーとして、地方税の徴収率向上を図ってきたところでございます。今後も、納税者の利便性の向上を図るとともに、納税者の実情を踏まえたきめ細かな徴収により、適正、公正な業務運営を図ってまいります。
 また、都税全体の徴収率をさらに高めていくためにも、区市町村と今まで培ってきました信頼関係をもとに、これまで以上に強力な共同関係を築き、自治体運営にとって不可欠な財源確保という同じ目的のため、一体的かつ広域的な徴収対策に努めてまいります。
 主税局は、都の歳入全体の約七割を占め、都財政を支える重要かつ基幹的な財源であります都税収入の確保に全力を尽くして、引き続き、歳入所管局としての責務を果たしてまいります。

○加藤委員 私からは、まず車体課税について伺います。
 公明党が強く実現を主張してきた自動車税の納税方法として、クレジットカード納税が導入されております。ことし三月の財政委員会でも、我が党の高倉議員が取り上げたと思いますが、決算審査ですので、改めて、クレジットカード納税の概要とこれまでの実績についてお伺いします。

○西海徴収部長 クレジットカード収納でございますけれども、納税者の方がパソコンなどを利用して手続を行い、一定の手数料をクレジットカード会社に支払って、税を納付するものでございます。
 東京都では、納税者の利便性を一層向上させるとともに、納期内納税を促進するため、平成二十三年五月から、新たに自動車税でクレジットカード収納を開始いたしました。平成二十五年度の自動車税の定期課税件数は約二百九十三万九千件であるのに対しまして、クレジットカードによる収納件数は約十三万三千件、納付額は約五十八億円となっておりまして、利用率は定期課税件数のおよそ四・五%でございました。
 なお、クレジットカード収納を導入する前年度に当たります平成二十二年度の自動車税の納期内納税率は七五・一%であったのに対しまして、導入三年目となる平成二十五年度の納期内納税率は七八・六%と、三・五ポイント増加しておりまして、クレジットカード収納による効果があったものと考えております。

○加藤委員 導入前より納期内納税率が上がっており、効果が出ていることがわかりました。
 クレジットカードを利用した納税は、手数料が発生するなど、さまざまな問題はあると思いますけれども、今後、例えば固定資産税についても、年間納税額が少額のものに限ってクレジットカードで納税できるよう、引き続きその拡大を検討していただくよう要望しておきます。
 次に、ことし一月の与党税制改正大綱では、消費税の一〇%引き上げ後に、自動車取得税は廃止になるとされています。地方全体で約二千億円の減収と聞いておりますけれども、都への影響について伺います。

○加藤税制部長 近年、自動車取得税につきましては、エコカー減税等により税収が大きく減少する傾向にある中、二十四年度につきましては、税制改正やエコカー補助金等の影響で一時的に増収となっております。
 このため、自動車取得税が廃止された場合の都の影響額につきまして、過去三年間の平均をベースに試算いたしますと、都税収入は約百九十億円の減収になると見込まれております。
 なお、自動車取得税につきましては、これを原資として、区や市町村に自動車取得税交付金が交付されておりますけれども、東京都につきましては、これが約百三十億円の減になります。このことから、交付金を差し引きました都の実質の影響額は、約六十億円の減と見込んでおります。

○加藤委員 地方全体の総額の約一割ぐらいが都全体の減収と。これをどう埋めるかということが話題となっております。
 その前に、消費税がアップして、そして取得税が廃止になれば、自動車ユーザーの負担が一見軽減されるように思えるんですけれども、そうではないという声もあります。
 こういう試算があるんですが、自動車取得税の課税ベースとなる自動車の取得価格、これは消費税を抜いたもので、新車価格のおおむね九割程度というふうにいわれております。例えば、現在百八十万円の新車を購入するとして、取得価格の九割は百六十二万円。これにかかる取得税が百六十二万円の五%で八万一千円。加えて、消費税が五%、今かかりますから、百八十万円の五%で百八十九万円となり、合わせて百九十七万一千円と、現在はこうなるわけです。
 一方、消費税一〇%増税に合わせて取得税が廃止された場合、車の本体価格百八十万円に一〇%の消費税十八万円がかかりますので、足して百九十八万円の支払いと。差額は何とプラス九千円、負担がふえると、こういう状況なんです。
 消費税アップの五%と取得税廃止の五%という数字だけ見たら、相殺できるように思えるかもしれませんが、実際は負担増になると指摘をされております。
 さらに、軽自動車の場合なら、現在の取得税率は三%ですから、消費増税分の負担は余計に重くなると。ユーザーの負担に加え、地方の減収分を補うため、軽自動車の自動車税が他と比べて低過ぎるから、これをアップさせようという議論も出てきていて、これは弱い者いじめのように思えてなりません。
 そこで、報道では、軽自動車税が増税されるとの話が出ていますけれども、見直しにつきまして、現在の検討状況と今後の見通しについて伺います。

○加藤税制部長 車体課税につきましては、税制抜本改革法等におきまして、安定的な財源を確保した上で、簡素化、負担の軽減、グリーン化を図る観点から見直しを行うこととされております。
 これを受けまして、総務大臣の諮問機関である地方財政審議会に、自動車関係税制のあり方に関する検討会が設置され、環境性能等に応じた課税の仕組みや、消費税率一〇%の時点で廃止することとされております自動車取得税の代替財源などについて検討が行われており、今月末を目途に最終的な報告書が提出される見込みでございます。
 今後は、この報告書等を踏まえて、政府・与党において議論が行われ、平成二十六年度税制改正で具体的な結論を得ることとされております。

○加藤委員 我が党も、車体課税につきましては、簡素な自動車税にすべきと主張をしてきましたが、一方で、貴重な地方の財源である自動車取得税にかわる財源確保は重要であると考えます。しかし、安易に自動車ユーザーの負担増によってその穴埋めをすることはよくないと、そのように考えます。
 したがいまして、軽自動車税などに上乗せすることは、自動車ユーザーの負担を緩和するために導入する取得税廃止の効果も全くなくなってしまうのではないかと考えます。
 そこで、今月末をめどに最終報告も出る見込みということなので、自動車税の徴税の第一線を支えている都が、徴税の大変さを踏まえた上で、国に対し、ユーザーの負担減と自主財源確保の双方を両立していくような具体的な提案を要望していくべきと考えますので、今後、ぜひ検討をお願いしたいと思います。
 次に、世田谷区の商店街が所有していたサザエさんの像について、都が固定資産税、償却資産に課税する方針を示したことが話題となっておりました。
 固定資産税については、土地あるいは住宅や建物に課されるのが一般的だと思っていたんですけれども、このような彫像について、償却資産の固定資産税が課税されるとすると、それはどのような場合なのか伺います。

○安藤資産税部長 固定資産税の対象となる償却資産とは、土地及び家屋以外の事業のために使用することができる資産であり、国税において減価償却が認められるものと地方税法に規定されております。
 お尋ねの彫像、銅像は、通常、この償却資産に該当するため課税対象となります。ただし、所有者が国、都道府県等の場合には非課税となります。また、古い美術品のように、時が経過してもその価値が減少しない資産は、国税において減価償却が認められないため、固定資産税においても課税の対象とはなりません。

○加藤委員 全国各地にキャラクターの銅像がいっぱいありますけれども、所有が国や自治体などは非課税と。キーワードは公共性で、個別に判断するということであるかもしれませんが、商店街という民間の所有ということであっても、昨今、商店街が非常に落ち込んでいる状況にあっては、地域振興に役立てるようなことを目的としたものであれば原則非課税にして、商店街にも元気を与える対応をしていただきたいと、そのように要望したいと思います。
 次に、都全体として、固定資産税のうち、償却資産に係る納税義務者数と課税額はどのようになっているのか伺います。

○安藤資産税部長 平成二十四年度定期課税の納税義務者総数は九十六万八千三百四十九人でございますが、固定資産税には免税点制度が設けられており、同一区市町村内に所在する償却資産の課税標準額の合計が百五十万未満の場合は課税されません。この免税点未満に該当するものが八十四万七千六百三十八人いますので、実際に課税対象となった納税義務者数は十二万七百十一人ということになります。また、課税額は約一千二百八十億円でございます。

○加藤委員 百五十万円未満は免税点ということで、免税点未満が多いという状況がわかりました。
 それでは、次に、国の税制改正で、成長戦略とも絡んで、国内産業の空洞化対策などで、固定資産税の償却資産見直しが議論をされております。大変大事な視点ではあるんですけれども、都や市町村にとっては重要な財源であると考えますので、こうした動きにつきまして、都はどのように考えているのか伺います。

○加藤税制部長 償却資産に係る固定資産税につきましては、シャウプ勧告に基づく制度の創設以来、事業の用に供する償却資産の保有と区市町村の行政サービスとの受益関係に着目して課されております。その税収規模は、二十三区内は都が課税しておりますけれども、約一千三百億円、都内の市町村においては約三百億円と、合計一千六百億円になっております。
 また、全国では約一兆六千億円にも上っておりまして、これは、全国の区市町村にとって安定的かつ貴重な財源となっております。
 償却資産課税の今後に関する議論の詳細につきましては承知しておりませんけれども、仮にこれを廃止あるいは縮減といったことをした場合、都のみならず、全国の区市町村の財政に著しい影響を与えかねないというふうに考えております。

○加藤委員 地方税をどうするかの前に、やっぱり国としては、法人事業税の不合理な暫定措置の確実な撤廃があって初めて議論のスタートになると思っております。これは、都も議会も力を合わせて働きかけていきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 次に、個人都民税の徴収率については、先ほど質問があったと思いますので、私からは関連して、かねてから課題となっている問題を一つお聞きしたいと思います。
 個人都民税の徴税努力はとても大事だと思うんですけれども、個人都民税の徴収率が他の都税より低いのは、根本的に何か制度的な欠陥があるのではないかということを考えてしまいます。それは、個人住民税が前年の所得で課税されるため、都民の所得と納税時期とのタイムラグが発生して、支払うときに大変になるということが想定をされるからです。
 かつて、都の税制調査会では、個人住民税の将来的な検討課題として、現年課税についても検討していたようですが、都はこの問題についてどのように考えるか伺います。

○加藤税制部長 委員ご指摘のように、個人住民税は前年の所得に課税しております。例えば、退職等によりまして収入が大きく減ったような場合、この減った後に納税通知書等々で区市町村に納める、こういった場合があるなど、現行制度には問題があるというふうに考えております。
 一方、所得税と同様に現年課税へ移行するとした場合には、課税の制度を抜本的に改めるとともに、例えば、これはサラリーマンの場合でございますけれども、給与支払い者に、住民税についても所得税と同様の年末調整事務をお願いしなきゃいけないと、こういった必要がございます。
 また、区市町村においても、所得税の場合は申告納税、住民税の場合には特別徴収、または納税通知書をお送りして納めていただく形でございますけれども、こういった納税に対応する体制の整備が必要でございます。こういった、さまざまな検討課題を抱えているというふうに考えております。

○加藤委員 政府税調や社会保障と税の一体改革の中で、現年課税についても取り上げられておりまして、特に社会保障と税の一体改革の中では、番号制度の導入の際に、納税義務者、特別徴収義務者及び地方公共団体の事務負担を踏まえつつ検討するとありますので、今後も引き続き、都の税制調査会等でもよく検討していただければとお願いをいたします。
 最後に、私の地元の墨田都税事務所について伺います。
 この庁舎は、都税事務所の上に都営住宅が併設されている建物です。東日本大震災では、事務所の窓ガラスにひびが入ったりなどの影響が出ました。老朽化で耐震性能の問題もあって、今後、改築がなされる予定と聞いております。都営住宅の居住者も移転を順次行い、近く改築計画の周辺説明会も予定されていると聞いております。
 そこで、庁舎の現況と、どのような改築を目指しているのか伺います。

○宗田総務部長 墨田区業平一丁目にございます現在の墨田都税事務所の庁舎は、昭和四十六年に竣工し、築四十二年が経過しております。庁舎の老朽化が進んでいることから、このたび改築を計画しているところでございます。
 改築に際しましては、地域の皆様のご理解、ご協力をいただき、平成二十六年夏ごろから、墨田区両国四丁目の本所警察署跡地にて仮庁舎で業務を行い、平成二十九年度には、再び現在地と同じ墨田区業平一丁目の新庁舎にて業務を行う予定でございます。
 新庁舎につきましては、より一層耐震性能を向上させ、的確な震災対応ができるものとしてまいります。

○加藤委員 本所警察署の跡地に仮庁舎を建設するわけですけれども、本所警察署が移転したことで、地域住民にとっては、犯罪への抑止力が失われたような不安な気持ちになって、交番建設の要望が以前から出されておりました。
 私も、そうした相談を受けまして、主税局を初め関係部局の方に働きかけまして、今回、都税事務所の仮庁舎建設にあわせて仮交番もできることになりまして、住民の皆様もほっとしているところであります。この場をかりまして、ご協力に感謝をいたします。
 一方、都営住宅部分につきましては、全二十五世帯の小規模ということもありまして、除却して建てかえはしないというふうに聞いております。したがって、全居住者が住みなれたところを永遠に離れることになりまして、しかも高齢者が多いということもあって、移転に当たっては、相当なご負担やさまざまなご苦労がありました。
 耐震性能が低いということで、やむなく移転したわけですから、そうしたことも踏まえて、震災対応に資する庁舎にするとともに、いざというときは、都民の生命を守るべく、一時滞在施設として機敏な行動ができるよう、訓練を心がけていただくよう要望して、質問を終わります。

○秋田委員長 この際、議事の都合により、おおむね五分間休憩いたします。
   午後二時三十八分休憩

   午後二時四十四分開議

○秋田委員長 休憩前に引き続き分科会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○島田委員 それでは、質問させていただきます。
 平成二十四年度の決算でございますが、ご承知のように、都税収入が五年ぶりの増加となりました。二十年のリーマンショック以降、減収が続いたということでありますので、景気の変動に左右されやすいということがよくわかります。そうであっても、一般会計の七割を支える都税収入をできる限り着実に確保することによって、都民の安心・安全を守る積極的な取り組みが可能になるというふうに考えております。
 そこでまず、確認の意味で、二十四年度都税収入の増収の要因についてお伺いいたします。

○加藤税制部長 平成二十四年度の都税収入総額は、復興需要等を背景に国内需要が堅調に推移したことによりまして、四兆二千四百七十一億円と、委員ご指摘のように五年ぶりに増収となっております。
 このうち、一番比率の高い法人二税でございますが、企業収益の持ち直し等により、一千百二十五億円、九・一%の増となっております。また、個人都民税につきましては、雇用環境が改善したことなどから、百九十一億円、二・六%の増となっております。
 先ほど、徴収部長からも申し上げましたけれども、これによりまして、都税全体の徴収率は九七・三%となり、徴税努力等によりまして、二年連続上昇しております。

○島田委員 ありがとうございます。
 平成二十年のリーマンショックの前は全体で五兆三千億程度ということですので、そこまではいきませんけれども、五年ぶりに増収したということで、明るい兆しが少し見え始めたのかなというふうに思っております。
 その中で、今ご答弁ありましたが、特に法人二税が九・一%の増、それから個人都民税が二・六%増ということで、特にこの二つの、法人二税、そして個人都民税の税収が大きく伸びたということでございます。その結果、税収構成にどのような変化があったのかお伺いいたします。

○加藤税制部長 法人二税の都税収入総額に占める割合は、平成二十三年度に二九・八%と、初めて三割を下回っておりました。平成二十四年度は三一・七%と、二年ぶりに三割を超えております。
 ほかの主な税目について申し上げますと、固定資産税、都市計画税が、税収は前年度比二・〇%の減となっておりますけれども、都税収入総額に占める割合は三一・三%と、平成二十一年度以降、三割台前半で推移しております。
 また、個人都民税の割合は、前年度と同じ一八・〇%で、やはり平成二十一年度以降、一八%台で推移しております。

○島田委員 ありがとうございます。
 法人二税の構成比が最も高いということですけれども、固定資産税と都市計画税や個人都民税といった安定的な税で、合わせて五割近くを占めている状況でございます。法人二税に比べて景気による増減が小さいこれらの税を着実に確保することが、都の財政の運営について非常に重要というふうに考えております。
 先ほど来からありますけれども、特に個人都民税の場合、区市町村が自分たちの住民税とあわせて徴収しているわけであります。
 この徴収率、調べてみたんですけれども、各区や各市町村で多少の違いはありまして、区の平均では九二・一%と。それから、市町村では平均九三・五%と、全体のパーセントでありますけれども、各市町村でも多少のばらつきがあるということでございますが、特に都内の市町村の場合は、個人住民税が税収の四割を占めますので、住民税収入の確保は切実な問題であります。
 このようなことを考えまして、都民税が大切なわけでありますが、そのような中、私の地元の西多摩地区では、先日の都政新報にも載っておりましたが、西多摩地区の三市が合同捜索という記事がありました。
 まず、地元西多摩地区の取り組みであるこの記事の内容と、西多摩地区の滞納整理の取り組みについてお伺いいたします。

○藤井特別滞納整理担当部長 この記事は、西多摩地区の複数の自治体が合同で滞納者宅を捜索したことを紹介した記事であります。これは、各市が滞納整理のノウハウや人員が不足しているといった課題がある中、捜索の機会をふやすことで滞納整理の経験を深めていくことを目的に、今年度から始めたものです。都は、必要に応じて職員の派遣等を行っております。
 この取り組みのほかにも、西多摩地区では、毎年、徴収担当職員を対象とした研修会を実施しており、直近では、平成二十三年度以降、都の職員が講師となって、納税交渉やタイヤロックについて等、市町村職員の要望に合わせた内容で研修を実施しております。
 そのほかにも、平成二十年度から各自治体の持ち回りで、西多摩地区で差し押さえた動産を展示する、西多摩地区インターネット公売合同下見会を開催、今年度は四百名近くの見学者があるなど、地域全体で積極的な取り組みを行っているところです。

○島田委員 都政新報に載っておりましたけれども、今ご説明がありましたように、これは自宅と店舗で差し押さえということの記事でございました。滞納整理へ三市が合同捜索ということで、青梅市と福生市、あきる野市がスキル向上を兼ねて、滞納者の方が店舗だとか、あるいは住んでいるところが幾つかあって、その幾つかの本部だとか店舗に行くところとか、あるいは住宅に捜索に入ったということ、市町村が合同して、こうやって捜索を行ったということは初めての取り組みであり、広域での連携による徴税の取り組みということで、非常に大変意義のあるものかなというふうに思ったわけであります。
 ご説明のように、その中で都が支援している部分もあるわけなんですけれども、このように都が合同捜索の中でも市町村の取り組みを支援しているわけでありますけれども、今後、市区町村に対するこのような支援を、どういったところを重点に置くべきと考えているのかお伺いいたします。

○藤井特別滞納整理担当部長 市区町村のような基礎的自治体では、人事異動のローテーションなどから、組織内で税務に精通した職員を育成することが難しく、そのため、滞納整理のノウハウが蓄積されにくい状況があります。そうしたことから、人材育成を通して組織としての徴税力を高めていくことが重要だと考えております。
 都といたしましても、西多摩地区のこの取り組みのように、職員の派遣など、引き続き市区町村への徴収ノウハウの浸透と定着に、市区町村とともに取り組んでいくことで、人材育成を推進し、都と市区町村の徴収率の向上に努めてまいります。

○島田委員 今ご説明がありました。個人の都民税の徴収については、主税局はさまざまな支援を行っているということがわかりました。
 そこで、今度は、支援を行っている主税局の職員の状況について確認をしたいというふうに思いますが、まず、主税局の職員構成とその課題はどのようになっているのかお伺いいたします。

○宗田総務部長 主税局の職員数は、平成二十五年四月一日現在、三千二百四十三人でございます。年齢構成は、五十歳代後半、四十歳前後、二十五歳前後に三つの職員数の山がある一方で、五十歳代前半が大きな谷となっております。
 主税局では、この十年間、団塊世代の職員が大量退職する一方で、毎年百人を超える新規採用職員が配属されており、経験豊富な職員の割合が急速に減少しております。このため、長年にわたり組織として培ってきた税務専門知識、技術をどのように次世代へ継承していくかが、緊急かつ重要な課題となっております。

○島田委員 ご答弁ありがとうございます。
 ご答弁で、主税局においては、職員の大量退職と多くの新規採用職員の配属によって、税務知識やノウハウの継承が喫緊の課題になっているということがわかりました。
 このような状況の中で、今後も引き続き都税収入を着実に確保していくためには、今まで以上に各職員の税務知識、それから能力を維持向上させていくことが不可欠だというふうに思いますが、そのために、主税局ではどのような取り組みを行っていくのか。職員構成を踏まえ、知識、技術の継承についてお伺いいたします。

○宗田総務部長 主税局が、適正、公平な税の賦課徴収、都税収入の確保という使命を引き続き十分に果たしていくためにも、知識、技術を次世代へ確実に承継していくことが不可欠となっております。
 このため、主税局においては、職員一人一人を税務のプロとして育成することを目指し、職員構成の変化等を踏まえた人材育成を組織的に推進し、税務力のさらなる強化を図っているところでございます。
 具体的には、税務経験一年未満の新規採用職員や転入職員に対しては、インストラクター制度を導入し、マンツーマンのOJTにより、職務遂行に必要な知識、ノウハウを短期間で習得させております。
 中堅層に対しては、職場の課題に柔軟に対応できる職場リーダーとして育成するため、高度かつ幅広い専門知識、技術の付与を目指した研修等を実施しております。
 また、職員の育成は管理職の重要な役割であることから、職員のモチベーションアップ、育成等をテーマとした管理職研修を適時実施してございます。
 今後とも、さまざまな工夫を凝らしながら、職員の専門知識、技術の継承を確実に図ってまいります。

○島田委員 ありがとうございます。
 答弁で、主税局では、多くの新規採用職員を迎える中で、未経験者にインストラクターを指名して丁寧に税務知識を習得させたり、中堅層に対しては専門の研修を行ったりして、職員全体の税務知識、能力の向上に努力しているということがわかりました。
 繰り返しになりますが、今後も都税収入を確実に確保していくためには、主税局職員の税務知識、能力の維持向上が不可欠であります。税制度は複雑であるがゆえに、社会情勢の変化に合わせて常に改正されていきます。例えば、民主党政権の時代には、支え合う社会の実現に向けて、市民が参画するさまざまな新しい公共の担い手を支えるために、認定NPO法人の要件緩和や所得税における税額控除の導入など、寄附金税制の拡充を行いました。
 このように、新しい社会の流れに合った税制改正については、改正の趣旨とその背景となる社会の動きも踏まえて深く理解し、納税者にわかりやすく説明することで、税の理解と協力を促していくことが重要であるというふうに考えております。
 主税局においては、引き続き、人材育成により各種の税務力強化のための取り組みを進めていくよう強く要望させていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○田中委員 私からは、税の徴収率、滞納整理、公売等について質問させていただきます。
 税の徴収率に関しては、ほかの委員からも幾つかのご質問がございましたので、ちょっと違う観点からお聞きをしていきたいと思います。
 税の徴収事務というのは、健全な財政基盤を確立していく上での基軸となるものです。また、徴税に当たっては、納税者の公平感を維持していくことが重要であり、真面目に納税している都民のためにも、安易な滞納者には毅然とした姿勢を示すとともに、差し押さえ物件の換価手続の効率化を図るなど、常に徴税事務の適正な執行と、確実に歳入につなげていく努力が求められると思います。こうした観点から何点か質問をさせていただきます。
 まず、当該年度決算では、都民税が個人、法人合計で一兆五千七百八十億円余り、都税収入に占める割合が約三七%となっています。うち、個人分がその約半分の七千六百五十億円余りとなっています。
 しかし、主税局の事務事業説明によると、個人都民税は、ほかの都税と比較して、徴収率が低い水準で推移をしてきたとありますけれども、個人区市町村民税とあわせて賦課徴収している個人都民税の徴収率は改善されてきているのかどうか。最近五年程度の推移及び個人都民税の滞納件数や滞納額の総額をお聞かせください。

○藤井特別滞納整理担当部長 過去五年間の徴収率等の推移でありますが、まず徴収率については、平成二十年度九三・六%、平成二十一年度九二・八%、平成二十二年度九一・九%、平成二十三年度九一・八%と、低下を続けていましたが、個人住民税徴収対策会議の開催など、区市町村と連携した広域的な徴収対策を推進し、平成二十四年度は九二・三%と、五年ぶりに前年度を上回りました。
 次に、滞納件数は、平成二十年度九百三十五万件、平成二十一年度七百七十三万件、平成二十二年度は七百五十九万件、平成二十三年度六百九十二万件、平成二十四年度は六百十万件と、年々減少しております。
 最後に、滞納総額についてでありますが、課税した額から収入された額を差し引き、さらに、そこから不納欠損額を差し引いた未収入額の推移では、平成二十年度五百三十億円、平成二十一年度六百七億円、平成二十二年度六百四十二億円と増加しておりましたが、平成二十三年度六百二十九億円、平成二十四年度は五百八十六億円と、それ以降は減少しております。
 このように、各項目とも、近年それぞれ改善の兆しが見られるところであります。

○田中委員 ありがとうございます。
 次に、都税の滞納者に対する対応についてお聞きをいたします。
 税の滞納者にもさまざまな事情があり、分納納付などができる場合を除き、資力があるにもかかわらず納付しない者については厳しく対処せざるを得ないものであると思います。そのため、滞納整理に当たる職員の方々にとっては、時間的にも、精神的にも、ご苦労が大きいものと思います。
 そこで、お聞きをいたしますけれども、前年度からの繰り越し分及び当該年度に発生した滞納額の総額及びそのうちどの程度滞納額が解消されたのか。また、当該年度に不納欠損処理した額はどの程度か。大まかな数値で結構ですのでお聞かせください。
 あわせて、期限内納付がなされなかった場合、納付の督促、催告、差し押さえ、換価手続、ここに至るまでの一連の手続について、平均的に大体どの程度の時間や期間を要しているのか。都税の代表的な例で結構ですのでお聞かせください。

○西海徴収部長 都税一般分につきまして、平成二十四年度の滞納額は、前年度からの繰り越し分と新規発生分とを合わせまして、およそ八百七十七億円でございます。
 このうち、収入などによって整理した額はおよそ五百五十八億円、また、不納欠損額は約六十七億円でございまして、今年度に繰り越しました滞納繰越額は、約二百五十二億円となります。
 また、都税が納付されない場合の手続の流れということでございますが、督促状を送付した後、電話による催促や自宅への訪問などを経て、それでも納税いただけない場合には、収入や財産を調査いたしまして、納税資力を把握した上で差し押さえを行うというのが一般的なんでございますけれども、督促状を送付した後の滞納整理は、それぞれの納税者の状況に応じた適切な対応を図っていることから画一的ではございませんで、そのため、解決に至るまでの期間もまちまちでございます。

○田中委員 滞納整理に当たっては、最終的に欠損処理を余儀なくされる場合もあり、担当者にとっては、徒労感やじくじたる思いを感じることもおありになるかと思います。職員の方々のご苦労に感謝しつつ、引き続き、安易な税逃れを許さない覚悟を持って、可能な限り徴収率の向上にご尽力をお願いいたしたいと思います。
 徴税事務については、区市町村でも鋭意努力をされているわけですけれども、東京都として、徴収率の向上を目指し、区市町村に対して人材育成や業務連携など、さまざまな支援をされていると聞いています。当該年度の区市町村に対する取り組みの概要についてお聞きをいたします。
 また、これまでの都の支援や連携による成果、実績に対して、都としてどのように評価をされているのか。さらに、今後の課題などがあればお伺いをしたいと思います。

○藤井特別滞納整理担当部長 平成二十四年度の取り組みについては、新たに、主税局長及び区市町村の税務担当部長等から成る個人住民税徴収対策会議を立ち上げ、実務担当者による作業部会を設置いたしました。その結果、昨年十二月をオール東京滞納STOP強化月間として、都及び都内全六十二区市町村が一斉に催告文書を送付することや、口座振替を呼びかける取り組みなどを実施いたしました。こうした取り組みは初めてでありましたが、区市町村の積極的な対応により、都、区市町村による共同の実現に向けた確かな手応えが感じられたところであります。
 今後の課題といたしましては、区市町村における人材育成が重要であると認識しております。そのため、引き続き区市町村からの実務研修生を受け入れていくこと等を通して人材育成を図り、個人都民税の徴収率向上に努めてまいります。

○田中委員 ありがとうございます。
 次に、債権回収と放棄について一点お聞きをいたします。
 各種徴収金の債権管理については、債権管理条例に基づき各局が管理を行い、主税局では、滞納整理のノウハウを活用して、各局への債権回収の支援を行っていると聞いています。どのような具体的な支援を行っているんでしょうか。
 また、当該条例に基づき債権放棄する場合、債権放棄の意思決定に係る一般的な仕組みについてお聞かせください。

○西海徴収部長 東京都が有する債権についてのお尋ねでございますが、債権の種類や債務者、あるいはその金額など多種多様でございまして、それらに応じたきめ細やかな対応が必要でございます。そのため、債権管理の主体は、各債権に係る事業を所管する局が基本となります。
 事業所管局が実情に即した対応を行い、全庁的な債権管理の一層の適正化を推進するため、平成二十年に東京都債権管理条例が制定されましたが、この条例の施行規則には、事業所管局が債権を放棄する場合は、あらかじめ主税局と協議する旨の規定がございます。主税局では、債権放棄を予定している事案につきまして、財務局と共同でヒアリングを行い、債権を放棄することが妥当かどうかを確認しております。
 また、このほかに、同条例に基づきまして適正な債権管理及び回収ができますように、主税局といたしましては、都税の滞納整理で培ったノウハウの提供や個別事案に関する相談など、実践的な支援を実施しているところでございます。

○田中委員 ありがとうございます。
 最後に、公売についてお聞きします。
 まず、都が実施している動産、不動産についての公売の形態及び当該年度における形態区分ごとの取扱件数、回収金額はどのようになっているのかお聞きをいたします。

○西海徴収部長 公売とは、差し押さえた財産を入札や競り売りの方法により売却することでございまして、売却代金は未納の都税に充てられます。
 売却する財産でございますが、不動産や貴金属、自動車などの動産、株式などの有価証券、それに電話加入権などがございまして、財産の状況に応じて有利な売却ができるように努めております。
 東京都で実施している公売は、主には、いわゆるインターネット公売と入札による公売との二種類がございまして、平成二十四年度の実績でございますが、インターネット公売は八回実施いたしまして、売却件数は百八件、売却金額はおよそ五千万円でございます。また、入札による公売は、不動産につきまして九回実施いたしまして、売却件数は二十九件、売却金額は約三億七千万円となっております。

○田中委員 ありがとうございます。
 インターネット公売、それから入札、二種類あるということですが、そのうちのインターネット公売についてお聞きをいたします。
 東京都では、平成十六年度から、差し押さえ物件のインターネット公売が全国に先駆けて実施されています。当時、マスコミでも注目を集めたところですけれども、現在、インターネット公売を実施している都内の自治体数、要するに、東京都が始めたので、その後から始めた自治体数はどの程度あるのか、把握していればお聞かせください。

○西海徴収部長 東京都は、平成十六年度から全国に先駆けてインターネット公売を導入いたしましたが、これによりまして、入札による公売と比べて買い受け希望者が格段に増加し、動産を有利に売却することが可能となりました。
 未納者の財産をより有利に公売することで、未納の税金をより圧縮することが可能となる、このようなインターネット公売の活用の大きなメリットを考えまして、都内の自治体もインターネット公売を導入するようになりました。
 東京都が参加しておりますインターネット公売システム提供会社の公表資料によりますと、平成二十五年九月現在で、区部では二十の自治体、市町村では二十四の自治体、合わせて四十四の区市町村がインターネット公売に参加しております。

○田中委員 大体、着実に広がっていると思いますけれども、東京都で当該年度、インターネット公売にかけた物件の種類はどのようなものがあるのか、あわせて、落札価格で最高額の金額と種類をお聞かせください。
 また、インターネット公売において、これまでトラブルや事故等が発生したことはないか、あわせてお聞かせください。

○西海徴収部長 平成二十四年度は、貴金属、美術品、自動車、船舶などの動産、それと権利関係の複雑でない不動産をインターネット公売で売却いたしました。
 次に、インターネット公売で過去に売却した最も高価な財産でございますが、平成二十三年度に二千七十万百九円で売却いたしました高級外車でございます。
 一方、東京都では、円滑なインターネット公売を実施するために、公売を担当する職員を配置いたしまして、売却可能な公売財産の選定や権利関係の調査、財産の保管などを丁寧に行っておりまして、これまでに大きなトラブルや事故は発生しておりません。

○田中委員 大変なことも多いと思いますけれども、ぜひ今後とも、区市町村への支援も含め、納税の適正化を目指した徴税努力をお願いいたしまして、以上で私の質問を終わらせていただきます。

○西沢委員 私からも、固定資産税関連で何点か質問させていただきたいと思います。
 東京二十三区、特別区内に土地や家屋を所有していると、毎年六月に固定資産税、都市計画税の納税通知書が送られてきます。この納税通知書には、住所、氏名、納税していただく税額などが書かれているわけでございますが、そもそも、どこの誰に、どの不動産に対して幾ら納税していただくという基準日がどうなっているのか、お伺いいたします。

○安藤資産税部長 固定資産税、都市計画税につきましては、課税要件を確定する日として賦課期日が設けられております。この賦課期日は、地方税法第三百五十九条及び第七百二条の六並びに東京都都税条例第百二十七条及び第百八十八条の二十八により、一月一日と決められております。

○西沢委員 課税の基準日が、法律と条例によって一月一日であるという答弁でしたが、基準日から納税通知書の送付まで六カ月間という長い時間の経過があります。税制改正の対応や特別区内の土地、家屋の膨大な件数の税額計算、これは二百九十六万件と聞いておりますが、これの納税通知書の作成などを考えると、それだけの時間がかかるのは必要だというようにも思います。
 課税対象についてですけれども、住民基本台帳や戸籍の管理というのは二十三区の各区役所で行っており、東京都では行っていないと思います。そうしますと、固定資産税の納税者になる人が死亡しているようなケースもあると思いますが、どのように把握をしているのでしょうか。また、死亡している人の名前で納税通知書を送ることができるのかどうかをお伺いいたします。

○安藤資産税部長 土地や家屋の所有者が死亡した場合、一般的には相続登記がなされますので、その情報により死亡の事実を把握いたします。
 しかし、相続登記がおくれている場合につきましては、ご質問のとおり、都は住民基本台帳や戸籍の情報を保有していないため、直接死亡の事実を把握することはできません。そのため、個別に住民票や戸籍等の調査を行い、死亡の事実を把握しております。
 次に、納税義務者が死亡している場合の納税通知書の送付でございますが、地方税法第三百四十三条第二項の規定により、賦課期日において物件を現に所有している者を納税義務者と定め、納税通知書を送付いたします。

○西沢委員 今の答弁からすると、死亡が賦課期日前の場合、納税者の変更を行い、課税をするとのことでありますが、相続が発生した場合、相続人間のさまざまな事情から、すぐ登記できない場合があります。このような場合には、主税局側で調査し、相続人に課税をするのであろうかと思いますが、相続人の特定方法はどのように行っているのか、また、相続人が一人ならば問題ないと思いますが、複数人いる場合はどのようにしているのかお伺いいたします。

○安藤資産税部長 相続人の特定方法についてでございますが、戸籍謄本に基づき、法定相続人を把握して全員に連絡し、物件を相続した方の届け出をしていただいております。相続が確定していない場合には、民法第八百九十八条の規定により、法定相続人全員の共有として課税します。
 なお、相続人が複数人存在する場合には、筆頭者を定め、共有名義で課税いたします。

○西沢委員 死亡人の特定というのは、東京二十三区の場合は独特なんだと思いますが、その情報が入ってこないから、選定、特定する作業というのが必要になってくると。これは、戸籍謄本を取り寄せ、確認するんだと思いますけれども、中には何代にもわたっているものもありまして、本当に大変な地道な作業を繰り返しながら特定して、そして各相続人に通知しながら確定していくということになろうかと思います。
 過去五年分の状況の実績についてお伺いをいたします。

○安藤資産税部長 過去五年間の処理件数についてでございますが、平成二十年度九百五十八件、二十一年度一千九十一件、二十二年度千百七十七件、二十三年度一千二百二件、二十四年度千四百三十四件で、合計五千八百六十二件ということになっております。
 なお、今年度につきましては、九月末現在で七百九十七件を把握しておりまして、現在、事務処理を進めているところでございます。

○西沢委員 ちょっとずつですけど、ふえていっているという現状がうかがえるかと思いますが、これは当然、亡くなられている方、少子高齢化の影響があって、資産を持っている方が亡くなるというような件数は当然ふえていくと思います。
 この件数、先ほど、全部で二百九十六万件の納税通知書を送っているという話がございました。それに比較して、平均的な、亡くなっている方のペースに換算すると、潜在的にはもっと多くあるんじゃないのかなという気がしなくもありませんが、これは一概にはいえないとも思います。つまり、亡くなっているにもかかわらず、その方の名前で課税をし続けているというようなケースがほかにもあるんじゃないかというようにも感じられるわけであります。
 いずれにしても、何代にもわたる処理をすると、相続人の人間同士で顔も合わせたことがないというようなケースが出てくるのではないかと思います。そのような場合の課税はどのように行っているのか、お伺いをいたします。

○安藤資産税部長 法定相続人への連絡の際、事情が理解できないなどのお問い合わせをいただくことが多数ございます。その際には、法令や手続の趣旨を丁寧に説明し、ご理解をいただいているところでございますが、相続が確定しない場合には、法定相続人全員での共有として課税することになります。

○西沢委員 実際、私のところにもそうした方からのご相談があったわけですけれども、手続的には、主税局が行っている処理というのはいいのかもしれませんが、現実的には、相続人間の関係が疎遠になっていることや、当該不動産を自由に使用できないことなどから、納税に非協力的な共有者がいるということも事実でございまして、代表者の方が悩んでいるということがございます。
 主税局の役割は、ただ税を徴収するだけではなく、納税に対してさまざまな悩みを抱えている者が数多くございますので、納税者からの相談には画一的な回答をするのではなく、納税者個々の悩みに応じた解決策、納税方法を提案することが、納税者との信頼関係につながります。今以上の納税者サービスに努めることを要望いたしまして、私の質問を終わります。

○秋田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○秋田委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で主税局関係を終わります。
 これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
   午後三時二十三分散会

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