平成二十四年度各会計決算特別委員会第二分科会速記録第五号

平成二十五年十月二十八日(月曜日)
第十委員会室
午後一時開議
出席委員 十名
委員長小磯 善彦君
副委員長吉住 健一君
副委員長松村 友昭君
山内  晃君
栗山よしじ君
おときた駿君
栗林のり子君
小山くにひこ君
鈴木 錦治君
きたしろ勝彦君

欠席委員 なし

出席説明員
生活文化局局長小林  清君
総務部長桃原慎一郎君
広報広聴部長横山 英樹君
都民生活部長森山 寛司君
消費生活部長藤井 秀之君
私学部長武市 玲子君
文化振興部長関  雅広君
都政情報担当部長佐藤 直樹君
男女平等参画担当部長斎田ゆう子君
文化施設改革担当部長濱田 良廣君

本日の会議に付した事件
平成二十四年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
生活文化局関係
・平成二十四年度東京都一般会計決算(質疑)

○小磯委員長 ただいまから平成二十四年度各会計決算特別委員会第二分科会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、生活文化局関係の決算に対する質疑を行います。
 これより生活文化局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成二十四年度東京都一般会計決算中、生活文化局所管分を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○桃原総務部長 去る十月十八日の当分科会におきまして要求のございました資料についてご説明申し上げます。
 お手元に配布してございます平成二十四年度各会計決算特別委員会第二分科会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
 表紙をおめくり願います。
 目次に記載のとおり、七件の資料がございます。
 一ページをお開き願います。1、東京ウィメンズプラザ相談件数及び相談員数の推移でございます。
 平成二十年度から平成二十四年度までの過去五年間について、相談員数及び東京ウィメンズプラザに寄せられた相談件数について、配偶者暴力相談とその他の相談の区分ごとに記載をしております。また、男性のための悩み相談に寄せられた相談件数について、合計欄の括弧内に内数として記載をしております。
 二ページをお開き願います。2、消費生活相談員数・相談件数の推移及び相談の特徴でございます。
 平成二十年度から平成二十四年度までの過去五年間につきまして、東京都消費生活総合センター及び各区市町村の消費生活相談員数及び相談件数の推移並びに各年度における相談内容の特徴について、それぞれ記載をしております。
 三ページをお開きいただきたいと存じます。3、文化振興施策に係る予算及び決算の推移でございます。
 表の左側に記載の区分ごとに、平成二十一年度から平成二十四年度までの予算現額及び決算額並びに平成二十五年度の当初予算額を記載しております。
 なお、備考欄には、当該事業区分に係る主な事業をそれぞれ記載をしております。
 四ページをお開き願います。4、都立文化施設等に係る予算及び決算の推移でございます。
 表の左側に記載の施設ごとに、平成二十一年度から平成二十四年度までの予算現額及び決算額並びに平成二十五年度の当初予算額を記載しております。
 五ページをお開き願います。5、都立文化施設等の職種別職員数の推移でございます。
 表の左側に記載の施設ごとに、平成二十一年度から平成二十五年度までのそれぞれ四月一日時点における常勤職員数について、雇用形態別及び職種別に区分して記載をしております。
 六ページをお開き願います。6、東京文化発信プロジェクトの内容と予算及び決算の推移でございます。
 東京文化発信プロジェクトの予算額につきまして、表の左側に記載の主要事業の区分ごとに、平成二十一年度から平成二十四年度までは上段に予算現額及び下段に決算額、並びに平成二十五年度の当初予算額を記載しております。
 七ページをお開き願います。7、東京都平和祈念館(仮称)の経緯でございます。
 平成六年五月に東京都平和祈念館(仮称)基本計画が発表され、建設につきまして検討及び議会での審議がなされましたが、平成十一年三月の都議会第一回定例会におきまして付帯決議が付され、現在に至っております。
 以上、簡単でございますが、要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。
 よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○小磯委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○栗山委員 生活文化局、多岐にわたりますので、大きく五点についてお聞きさせていただきたいと思います。
 まず、消費生活行政についてお伺いします。
 先日、経済産業省から、平成二十四年度の電子商取引に関する市場調査の結果が発表されました。いわゆるインターネット取引の動向でありますが、その調査によると、平成二十四年の日本国内のインターネット市場規模は九・五兆円、前年比一二・五%増となっており、まさに右肩上がりの成長を続けているという。スマートフォンのユーザーも急激に増加している状況から、今後はモバイルからのアクセスも加わり、ますます成長が予想されております。
 インターネット通販は、いつでも、どこでも、日本のみならず世界各国のショップから買い物を楽しむことができ、利用する消費者にとって大変魅力的で便利なものであります。
 反面、購入する相手の顔も商品も見えずに、ネット上の情報だけで商品を購入するため、リスクは消費者が背負うことになります。非常にすぐれた商品である、あるいは大変なお買い得であると思わせる、誇大広告と見間違うようなものも散見されます。
 最近、私の周りでも、ネット広告で見たものと届いたものが違うなど、インターネット通販に関する消費者トラブルを耳にいたします。中には詐欺まがいと思わせるような手口もあるとお聞きいたします。
 そこでまず、誇大広告など違法性があるインターネット通販事業者を厳しく取り締まる必要があると思いますが、都の取り組みについてお伺いいたします。

○藤井消費生活部長 国内の通販事業者に対しましては、特定商取引法に基づき、虚偽、誇大広告を行っているものや、住所、連絡先など表示すべき事項のないものへの行政指導、処分を行っております。平成二十四年度は、飲むだけで痩せるなどとうたう健康食品の販売事業者や、読むだけで勉強効率が数百倍高まるなどとうたう効能、効果に根拠がない教材の販売事業者など、二十九事業者に対して指導を行いました。さらに、景品表示法に基づきまして、実際のものよりも著しく優良であると思わせるものや、取引が有利であると思わせる広告表示について指導を行っております。
 具体的には、平成二十一年度から、インターネット広告監視を実施しております。平成二十四年度は二万四千件を監視し、景品表示法違反のおそれがある四百九十九件の表示につきまして改善を指導いたしました。

○栗山委員 今後、ますます拡大することが予想されているインターネット通販市場の健全な形成という観点も必要であります。それには、事業者や事業者団体の育成が有効と考えますが、都の取り組みについてお伺いいたします。

○藤井消費生活部長 平成二十二年度から、事業者自身がより高いコンプライアンスを確保するよう事業者向けの講習会を開催しております。講習会は、通販事業者、訪問販売事業者、広告表示を行う事業者など、販売形態ごとにそれぞれ必要な内容を盛り込み、基礎的な法律の知識に加え、都及び消費者庁が行った処分事例につきまして、具体的な違反箇所の解説等を取り入れるなど工夫をしております。
 平成二十四年度は、千七十七人の参加があり、本年度は十一月五日、六日、十一日に実施いたします。今年度の新しい取り組みといたしまして、事業者や事業者団体から法令遵守に関する取り組みを発表していただき、各事業者が取り組む際の参考にしていただく予定であります。
 また、事業者向けにイラストを多用するなど、法令の知識をわかりやすく解説したパンフレットを作成し、講習会において配布するとともに、ホームページにも掲載しております。昨年度は、景品表示法につきまして、「知っておきたい広告表示のルール」を二千部作成いたしまして、本年度は、近々に特定商取引法の事業者向けパンフレットの作成を予定しております。

○栗山委員 最近、日本語で書かれているサイトでも、実は海外の事業者であり、日本の法律が及ばない悪質な事業者による消費者トラブルもあるとお聞きします。消費者自身も正しい知識を得て、自分のリスクを回避することが必要だと思います。
 それには、消費者に対する教育や情報提供が重要と思いますが、どのように取り組んでいるかお伺いいたします。

○藤井消費生活部長 都では、ホームページ「東京くらしWEB」におきまして、具体的な相談事例やアドバイスを迅速に配信しております。例えば、怪しげなサイトを見分けるポイントとして、連絡先の電話番号や住所がない、支払い方法が代金前払いに限定されている、不自然な日本語表記が見受けられるなど具体的なアドバイスを掲載しています。
 また、中高生などが早いうちからインターネット取引に関する知識を学習できるよう、教育用の教材を作成し、ウエブ上で配信しております。昨年度は、中学生向けにゲーム感覚でインターネットトラブルの対処法を学べる教材を作成いたしました。今後も引き続き、消費者へ適切な注意喚起や消費者教育を行うとともに、事業者団体などと連携し、法令を遵守した事業活動を支援する取り組みを着実に推進してまいります。

○栗山委員 消費者への情報提供や教育、事業者側への働きかけも迅速に行っていることがわかりました。ネット社会は、変化が目まぐるしい社会でございます。新たな悪質な手口もどんどんあらわれると思います。消費者に対する教育を着実に推進するとともに、適正に事業を行っている事業者や事業団体とも連携を強化しながら、今後も時代の先を行く取り組みを続けていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 続きまして、大きな二点目として、東京都消費者行政活性化基金についてお伺いします。
 この基金は、平成二十一年三月、当時の自公連立政権のもと、国が初めて交付した地方消費者行政活性化交付金を受け入れるために創設されました。この間、消費者生活行政の現場などで大いに活用されてきたと聞いております。
 昨年暮れには、新政権のもとで成立した平成二十四年度の大型補正予算により、約四年ぶりに総額約六十億円もの額が追加で交付されることとなりました。都内はもとより、全国の地方自治体の消費者行政の推進に大きな弾みをつけるものであります。
 そこでお伺いしますが、都では、基金創設以来、どれほどの額が活用されてきたのか。都と区市町村それぞれの内訳と、その使途についてもあわせてお伺いいたします。

○藤井消費生活部長 都は、平成二十一年三月に東京都消費者行政活性化基金を創設し、平成二十一年度の事業から活用してまいりました。平成二十四年度までの四年間に、都が約三億五千万円、区市町村が約九億円、総額で約十二億五千万円を執行いたしました。
 都におきましては、若者や高齢者の消費者被害防止を目的としたキャンペーンを近隣の自治体と共同で行うなど、広域的な取り組みを展開するとともに、相談員の養成を初めとする区市町村相談窓口への支援等を実施いたしました。区市町村につきましては、これまでに五十二の区市町で活用され、相談員の増員や研修参加への支援、弁護士等の専門家の活用、相談室の整備など、相談機能の強化に向けた取り組みのほか、消費者被害防止のための講座や、啓発用リーフレットの作成などの取り組みが実施されました。

○栗山委員 都においても、区市町村においても、基金が大変役立たれてきたことがわかりました。
 国の平成二十五年度の当初予算では、さらに五億円が基金に積み増しされ、二十六年度の概算要求でも、十億円の交付金が計上されていくとお聞きしております。地方財政は厳しい状況が続いており、都内の区市町村においても安定的な財源確保が大きな課題になっております。
 さらに、現在のように単年度ごとに交付する仕組みでは、長期的な視野に立って事業を行うことが難しいという声もお聞きいたしております。これまでに基金を活用して行われてきた区市町村の取り組みを後退させないためにも、都は継続的な財政支援について国に求めていくことが必要と考えますが、いかがでしょうか。

○藤井消費生活部長 消費生活行政におきまして、都民に身近な区市町村が果たす役割はますます重要になっており、都はこれまでも、基金の活用に当たり、区市町村に重点的に配分することにより、財源確保を支援してまいりました。国に対しましては、区市町村がこれまで基金を活用することで充実を図ってきた事業が継続できるよう、また安定的な事業の実施が可能となるよう、恒久的な財政支援を行うことを都として要請するとともに、他自治体とも連携しながら要請してまいりました。
 今後とも、機会を捉えて国に対し積極的に働きかけを行ってまいります。

○栗山委員 それでは次に、私立学校の防災対策についてお伺いさせていただきます。
 都は、平成十五年度に私立学校の校舎の耐震化に対する補助制度を設け、以降も補助制度の充実、拡充を図り、東京の私立学校に通う児童生徒、そして教職員にとって安全・安心な教育環境が提供されるよう、十年間にわたり支援を行ってまいりました。
 その結果、都内私立学校の耐震化率はどうなっているのか。また、補助制度開始前と比べてどの程度向上しているのか、状況をお伺いいたします。

○武市私学部長 都はこれまで、補助対象の拡大や補助率の引き上げなど、段階的に補助制度の充実を図ってまいりました。平成二十五年四月一日現在の私立学校の耐震化状況を学種別に見ますと、幼稚園八三・一%、小学校九六・二%、中学校九六・八%、高等学校八九・四%となっており、これら全体では八六・九%となっております。補助制度を開始する前の平成十四年度末時点では、幼稚園四八・一%、小学校六二・九%、中学校六三・六%、高等学校五五・三%でしたので、どの学種におきましても、十年間で三三ポイント以上上昇しております。

○栗山委員 都内の私立学校は、昨今の少子化の中で、さまざまなご苦労のある状況であっても、積極的に校舎の耐震化に取り組んでおります。都は、補助制度の充実に努めてきましたが、それでも耐震化ができずに残っている十数%の学校は、各学校ごとにさまざまな事情で耐震化に踏み切れずにいると思います。そのため、ここから耐震化率をさらに向上させていくには、各学校の事情を踏まえつつ、より一層きめ細かな支援が必要になってきます。都は、そうした観点からも、この事業を今後も実施してほしいと思っておるところでございます。
 さて、東日本大震災では、東京でも交通機関がストップし、多くの児童生徒が学校に宿泊しました。災害発生時に子供たちを学校で保護するためには、食料や水などの備蓄物資が不可欠でありますが、整備状況にばらつきがあり、備蓄が十分でない学校も多かったとお伺いしております。
 この状況を踏まえ、都は平成二十三年度、二十四年度の二カ年にわたり、防災備蓄物資の緊急補助を行ったが、まず補助事業の概要についてお伺いいたします。

○武市私学部長 本事業は、東日本大震災に伴う緊急対策事業として、私立学校の防災機能の総合的な向上を図るため、都の単独事業として防災備蓄物資の整備に要する経費を補助したものでございます。具体的には、約四十五万人の児童生徒を対象に、一人当たり一万円を上限として三日間分の備蓄物資の整備を支援いたしました。また、学校の備蓄状況に応じて、水、食料、毛布はもとより、簡易トイレ、医薬品などの補助対象品目を柔軟に選択できる制度、いわゆるメニュー方式とし、平成二十三年度、二十四年度の二カ年で整備を行えるよう補助を実施いたしました。

○栗山委員 補助事業実施前の平成二十三年当時は、最も整備が進んでいた備蓄物資は水でありましたが、それでも全生徒三日分の整備をしていた学校は、私立中学、高等学校のうち二〇%程度にとどまっておりました。
 学校の備蓄状況にばらつきがあり、必要な物資もそれぞれ異なることから、我が党の要請を受けて学校にとって使い勝手のよいメニュー方式を採用したわけでございますが、決算説明書によると執行率は八六・八%となり、実際にどの程度備蓄整備が進んだのか、お伺いいたします。

○武市私学部長 平成二十三年度は六百五十六校に対し約十二億六千三百万円、二十四年度は千五十七校に対し約二十五億五千五百万円、合計で約三十八億一千八百万円の補助を行いました。
 その結果、平成二十四年度末時点におきまして、全生徒三日間分の水、食料、毛布等の必要な物資の備蓄を整えた学校は、私立小学校、中学校、高等学校、特別支援学校で一〇〇%、近隣から通う園児が多数を占める幼稚園においても約八〇%となっております。

○栗山委員 交通機関を利用する生徒の多い小中高等学校は一〇〇%の整備を済ませ、近隣からの通園が多い幼稚園でも八〇%まで短期間で整備を進めた私学関係者の取り組みに敬意をあらわすとともに、都の施策を評価いたします。我が党の要請を受けて今年度実施している防災備蓄倉庫補助により、私立幼稚園の防災力もさらに高まっていくものと考えております。
 学校における安全・安心な環境整備への支援を初め、我が党は今後とも東京の私学振興に全力で取り組んでいくことを表明し、次の質問に移らせていただきたいと思います。
 続きまして、伝統芸能の振興についてお伺いさせていただきます。
 東京都の文化政策の中でも、日本の文化の礎ともいえる伝統芸能の振興は非常に重要であります。東京の魅力をさらに高め、世界に発信していくためにも、伝統芸能の振興に力を入れ、伝統芸能を広く継承し、発展させていくべきであります。東京における伝統芸能の重要性についてどのように認識しているのか、お伺いいたします。

○関文化振興部長 伝統芸能の公演は、都内二百五十以上の施設で実施されており、雅楽や能狂言、義太夫などといった邦楽の公演だけでも、年間一千七百回以上も開催されております。国際的にも関心の高い、例えばリニューアルされた歌舞伎座などの魅力ある伝統文化資源が東京には集中、集積しております。江戸で開花した伝統芸能は、日本の文化を象徴するものでございまして、東京の芸術文化を世界に発信していく上で重要な資源であると認識しております。

○栗山委員 都は、平成二十年度に、東京文化発信プロジェクトを開始しましたが、このプロジェクトにより伝統芸能振興にさらに力を入れて取り組むようになったとお伺いしております。
 そこで、東京文化発信プロジェクトの開始前から現在に至るまで、伝統芸能の振興施策をどのように充実させてきたのかをお伺いいたします。

○関文化振興部長 東京文化発信プロジェクトは、世界的な文化創造都市東京の実現に向け、演劇、音楽、美術とともに伝統芸能も柱といたしまして、さまざまな事業を展開するため、東京芸術文化評議会からの提言をもとに立ち上げたものでございます。東京文化発信プロジェクトの開始前は、都民芸術フェスティバルにおける日本舞踊などの伝統芸能公演、子供向け体験事業であるこども能チャレンジ、こども芸能体験ひろばなど、平成十九年度に約四千五百万円の事業を実施いたしました。
 平成二十年度より、東京文化発信プロジェクトをスタートいたしまして、新たに東京大茶会やキッズ伝統芸能体験事業を開始し、事業規模も約一億二千八百万円と大幅に拡充をしています。昨年度は、アーツカウンシル東京の伝統芸能のパイロット事業も加わりまして、約二億九千三百万円に増加しております。

○栗山委員 順調に施策を充実させてきたことは結構でございます。
 都議会自民党も、世界に冠たる文化都市東京の創造のため、世界を魅了する伝統芸能を国内外に発信していくことが重要だと考えております。特に、なかなかふだんは見ることができない一流の演者による本格的な舞台の実施も必要であるが、伝統芸能と現代芸術を融合させたプログラム、外国人や初心者にもわかりやすい演目の実施など、東京ならではの取り組みを進めるべきだと思いますが、これまで都はどのような具体的な取り組みを行ってきたのか、お伺いいたします。

○関文化振興部長 都はこれまで、一流の歌舞伎俳優による舞踊公演や、寄席演芸と花街の踊りを組み合わせた公演など、だれもが親しめる本格的な伝統芸能公演を実施してまいりましたが、伝統芸能と現代芸術とを融合した演目や、日ごろ伝統芸能になじみの薄い人にとってもわかりやすい公演などにも取り組んでおります。
 具体的には、平成二十四年度に、日本舞踊とオーケストラのコラボレーション公演や、初心者に向けて伝統芸能の見どころ、聞きどころを集めて紹介する伝統芸能見本市を開催いたしました。また、今年度、都内各所で短期集中的に伝統芸能公演を展開する東京トラッドを今月実施するなど、伝統芸能の魅力を国内外に発信するさまざまな取り組みの充実に努めております。

○栗山委員 一方で、都内各地域で受け継がれてきた伝統芸能の多くは、後継者不足により、保存、継承に苦労をしているとお伺いしております。伝統芸能の継承発展のため、次世代を担う子供たちや伝統芸能活動を担う団体に対し都がどのような支援を行っているのか、お伺いいたします。

○関文化振興部長 次代を担う子供や青少年に、伝統芸能に興味、関心を持ってもらうため、都は、キッズ伝統芸能体験事業、東京大茶会における茶道はじめて体験、子供のための茶道教室、高校生野点などを実施してまいりました。
 また、東京芸術文化創造発信助成によりまして、東京を拠点とする芸術団体等に対し事業費の一部を助成しております。平成二十四年度には、飛鳥山薪能や江戸糸操り人形など七つの伝統芸能事業に対しまして助成を行い、東京の芸術文化の魅力を向上させ、世界に発信していく創造活動とその担い手を支援いたしました。
 今後とも、このような取り組みをさらに進めまして、日本ならではの伝統文化の発信のため、施策の充実に努めてまいります。

○栗山委員 このようなよい制度も、知られていなければ意味がございません。このような施策や助成制度があることを知らない団体も多数あると思われますので、制度を周知し、より一層の伝統芸能振興を図っていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 最後に五点目として、地域の底力再生事業助成についてお伺いいたします。
 町会、自治会が地域の課題解決のために主体的に取り組む活動を支援するため、我が党の提案で平成十九年度からスタートした地域の底力再生事業助成は、どのように取り組まれてきたのか、その状況についてまずお伺いいたします。

○森山都民生活部長 地域の底力再生事業助成は、平成十九年度に予算額三千万円でスタートし、その後、順次予算を拡大してまいりました。平成二十一年度には予算額を一億円に増額し、助成対象事業として伝統文化や市民活動など四つの分野別モデル事業を設けることで、団体が取り組みやすいように改善を図りました。
 また、平成二十三年度には、その年に発生した東日本大震災を受けて喫緊の課題となった防災、節電を目的とする申請を促進するために、過去に本助成を利用しました町会、自治会も、再度の申請ができることといたしました。この五年間取り組んできましたモデル事業の実績を踏まえまして、平成二十四年度より本格実施することとしたところでございます。

○栗山委員 今の答弁にありましたように、モデル事業の期間を経て、平成二十四年度から本格実施となりましたが、その際、どのような事業の見直しが行われたのかお伺いいたします。

○森山都民生活部長 モデル事業の実施期間中は、事業分野を限定した上で、他の地域のモデルとなる先駆的な取り組みを助成の対象としておりましたが、平成二十四年度の本格実施に当たって、地域の課題解決のための取り組みであれば、幅広く助成の対象といたしました。また、同じ内容の事業であっても、補助率を原則二分の一とした上で、次年度以降も希望する町会、自治会が継続して事業を実施できるようにいたしました。
 さらに、助成対象となる事業のうち、高齢者の見守り活動や、青少年の健全育成活動など、都が取り組む特定施策の推進につながる取り組みや、これまで本事業助成を一度も利用したことのない町会、自治会に対して、初年度の補助率を十分の十とするなど、町会、自治会がより活用しやすいように見直しを図っております。

○栗山委員 本格実施に当たりまして、町会、自治会が活用しやすいように見直しされたことはわかりました。
 それでは、本格実施初年度になった平成二十四年度の実績についてお伺いいたします。

○森山都民生活部長 助成件数につきましては、平成二十三年度の三百件に対して、平成二十四年度は四百十六件となっております。百十六件増加しております。助成金額につきましては、平成二十三年度の約一億一千七百万円に対して、平成二十四年度は約一億三千二百万円となっており、約一千四百万円の増加となっております。
 また、平成二十四年度の助成対象事業の特徴としましては、新規団体からの申請件数が二百六十九件、防災活動に係る申請件数が二百五十四件となっており、ともに全申請件数の約六割を占めていることが挙げられます。

○栗山委員 先ほど答弁がありましたように、地域の課題解決のための取り組みであれば、幅広く助成の対象とし、継続して事業を実施できるようにするなど制度を見直したことにより、平成二十三年度と比較して新規団体からの申請が大幅にふえ、大変多くの町会、自治会がこの事業を活用できたことについては評価をしたいと思います。
 一方で、地元町会からは、もっと使いやすいように見直してほしいとの声も上がっております。都としても、さまざまな要望を受けとめ、より申請しやすくするための工夫、見直しを続けていくことを期待しております。
 ところで、本格実施となったにもかかわらず、一度も本事業を活用していない町会、自治会もまだまだ多いのではないでしょうか。本格実施に伴い、区市町村を初め町会や自治会に対してどのような周知、広報に努めたのか、お伺いいたします。

○森山都民生活部長 これまで都は、局のホームページの活用、ガイドラインの作成と配布、区市町村担当者への説明会開催や区市町村広報紙への掲載依頼など、さまざまな方法で事業の周知に努めてまいりました。本格実施に当たりましては、新たに「広報東京都」への記事掲載による事業周知を図っております。また、町会、自治会に対しては、東京都町会連合会や区市町村を通じた事業の周知に努めるとともに、申請に向けました事前相談を新たに始めるなど、町会、自治会へのきめ細やかな対応を図ったところでございます。

○栗山委員 都が事業周知のために、さまざまな取り組みを行っていることはわかりました。平成二十五年度については、まだ募集期間も残っていることから、今後ともPRの努力を続けてほしいと思います。
 地域の底力再生事業助成は、町会、自治会に対する支援策として大変重要な施策でございます。町会、自治会など地域を担う団体の活性化といった観点からも、これまで以上にさらに活用されるように促進していくべきだと考えます。
 また、先ほど申しましたように、町会、自治会からも、さまざまなご意見、ご要望があるところでございます。
 そこで、今後の取り組みに向けた局長の決意を最後にお伺いいたしまして、私の質問とさせていただきます。

○小林生活文化局長 国際都市東京は、世界有数の大都市でございますが、この東京を将来にわたって活力ある都市としていくためには、地域社会の維持と活性化が不可欠でございまして、それぞれの地域の中での主体的な活動を支援し、社会全体の利益につなげていくと。そうしたことは行政の大きな役割であるという認識をしております。
 とりわけ、地域に根差した町会、自治会の活動は、お互いの顔が見えるつながりを強化し、よく自助、共助、公助といわれますが、共助となる取り組みを通じて、例えばひとり暮らしのお年寄りを災害のときどのように守っていけばいいかといった、防災や高齢者の見守り活動を初め、青少年の健全育成活動など、地域の中でのさまざまな課題を解決する、まさに自治の原点ともなるべき活動でございまして、その継続性、あるいは広がりといったものを見ますと、格別のものがあるというふうに考えております。
 この事業は、平成十九年度に都議会の強力なご支援のもと、予算額三千万円からスタートし、その後もその都度、都議会のご支援をいただきまして予算規模を拡大し、使い勝手の改善に努めてまいりました。
 私自身も、スタート時は知事本局で、分野別モデル事業で取り入れた再構築のときはこの生文局の総務部長として、そして本格実施をして予算規模が一億五千万に拡大をした現在と、この誕生からここに至るさまざまな場面で、町会、自治会の活動がいかに地域社会の底力向上に取り組み、効果を上げていくかといったことを見させていただいてまいりました。この事業がスタートするまで、ある意味、都と区市町村の画一的な役割分担論といっていいかもしれませんけれども、町会や連合会の面倒は区や市に見てもらえばいいんだという考え方、そういったことから抜けられずに、地域社会に対する都によります直接的な支援はなかったのではないかという実態があったのではないかというふうに考えております。
 そうした中で、先ほど部長からご答弁いたしましたけれども、この事業によってさまざまな実績があったわけでございますが、そのほかにも、本事業がきっかけとなりまして、例えば区部で構成をされておりました東京都町会連合会と、多摩地区の各市等の町会連合会が連携、連絡をする機会を持つようになるなど、個々の事業にとどまらず、広く東京の地域社会の発展につながる、そうした波及効果も生まれております。
 今後とも、さらに地域を高める事業にチャレンジしたいという町会、自治会の皆様方をご支援させていただきまして、また、その要望、声も十分聞きまして、地域社会の崩壊がさまざまな課題を引き起こしているといわれております大都市東京においてこそ必要とされる、この地域社会の底力再生に全力で取り組んでまいります。

○栗林委員 栗山委員に続きまして栗林と、秋の雰囲気の中で質疑に入らせていただきたいと思います。
 初めに、私学振興を図るための各種補助金の中から伺わせていただきます。決算説明書の中の六一ページにありますけれども、この二つの事業に関して質問させていただきます。
 初めに、私立学校ICT整備費補助についてお伺いいたします。
 高度に情報化が進んだ中で、児童生徒たちに求められる教育を行うには、子供たちの学習や生活の主要な場である学校において、教育の情報化を推進することが重要であります。都は、平成二十三年度から私立小学校、中学校並びに高等学校における電子黒板等の整備を促進するため、その経費の二分の一を補助して、私立学校のICT環境整備の支援に取り組んでいるところでありますが、大変有意義な事業と考えます。
 ところが、二十四年度の執行状況を見たところ、一七・七%と執行率が低くなっています。これはどのような要因によるものなのか伺います。

○武市私学部長 執行率の低い要因は、機器の価格の幅が大きく、各学校が実際に購入した機器の単価が低かったこと及び一校当たりの購入台数が少なかったことなどによるものでございます。
 私立学校ICT整備費補助は、平成二十三年度からの三年間で実施するとしていることから、学校によりましては機器性能の向上などを考慮し、一度に購入せずに、段階的に購入しているような状況もあることなどによりまして、単年度では一校当たりの購入台数が少なくなっております。事業を実施している公益財団法人東京都私学財団におきましては、ICT機器の展示会を開催し、実際に電子黒板の操作体験をする機会を設けたほか、今年度は最終年度となりますことから、昨年度よりも募集期間を長くとるなど、より多くの学校に積極的にご活用いただけるよう努めております。

○栗林委員 このような機器はどんどん更新されていくという現状もあります。電子黒板などICT機器の技術進歩は目覚ましく、一年後にはよりいい性能が、よりいい機器が安く購入できるといった事例も多いと思います。決して、執行率が低いので必要とされなかったということではない、こういった要因があったということがよくわかりました。むしろ、ますます必要になっていく事業ではないかと思います。
 しかし、二十五年度がこの事業の最終年度というふうに聞いております。都においては、より多くの学校が子供たちのために最適な機器を導入できるよう、引き続き周知をお願いしたいと思います。
 続きまして、私立学校省エネ設備等導入モデル事業費補助について伺います。
 私立学校における省エネ設備等の導入は、地球温暖化対策として東京の低炭素型社会への転換に資するとともに、節電及び私立学校の防災力向上にもつながり、意義の大きい取り組みと考えます。都は、率先して省エネに取り組む私立学校を支援するため、省エネ設備等の導入経費について補助をするモデル事業を実施されています。
 そこで、この補助事業の具体的な内容と、また、これまでどのくらいの学校がこの事業を活用したのか、その実績等を伺わせていただきます。

○武市私学部長 私立学校省エネ設備等導入モデル事業費補助は、省エネ型の照明器具や空調設備、太陽光発電設備などを導入する私立の幼稚園、小学校、中学校及び高等学校などに対しまして、その経費の二分の一を補助するものでございます。補助の実施に当たりましては、東京都地球温暖化防止活動推進センターが実施する省エネ診断を受けることを前提としております。
 平成二十一年度の実績は、十五校に対して約六千百万円、二十二年度は、十一校に対して約六千七百万円、二十三年度は、東日本大震災に伴う緊急対策事業として規模拡大するとともに、最大で五分の四となる特別補助率を適用して実施し、七十六校に対して約六億一千六百万円を補助いたしました。
 平成二十四年度は、二十三年度中に事業計画書を提出した学校に対して緊急対策事業の特別補助率を引き続き適用することといたしました。さらに、省エネ診断の対象にならなかった小規模な施設でも、より簡易な省エネアドバイスを受けることで新たに補助対象に加えました。
 こうしたきめ細かな対応を行うとともに、規模の拡大を図りました結果、百三校に対して約十億四千二百万円を補助いたしました。

○栗林委員 省エネ設備の整備というのは、学校の負担も大変大きく、なかなか踏み切れないというところもあるのではないかと思います。こうした中、この事業の平成二十四年度の執行率は五六%と高くはない状況ではありますが、ただいまの説明の中で、都も工夫しながら拡大に努めるというご答弁をいただきました。年々多く、こういった制度を学校が活用していくという、そういうこともわかりました。地球温暖化対策としてはもとより、児童生徒等の環境意識の向上につながる、この事業に対する学校からの期待は大変高く、着実に推進していくことを要望させていただきます。また、これは環境教育というものにも大変有効であると思います。ぜひ積極的に推進をしていただきたいと思います。
 以上、今回は二つの私学に対しての補助事業の中から、その二つの事業について質問させていただきました。高等学校の生徒の六割が私立学校に在学している、この都の現状を考えると、私学助成は都政の最も重要な課題の一つであることは間違いありません。特に、東京の私立学校には、長い伝統に支えられ、また独自性のある、特色にあふれた教育を展開している学校が数多くあります。
 こうした私学の魅力から、生徒の中には、家庭が経済的に苦しくても、もうどうしてもこの私立学校に通いたいというお子様もいらっしゃいます。また、親も、子供の夢を応援したいとか、子供の個性を伸ばしたいとか、そういったことから、やりくりをしながら私学に通わせている親御さんもいらっしゃいます。そういった学校に通わせているお母様たちからは、公立と私立学校との授業料格差を何とか小さくしてほしい、こういう声もいただいているところであります。
 都はこれまでも、私立学校の公教育に果たしている役割の重要性を考慮し、学校の経営安定化を目的とした経常費補助や、所得に応じた修学上の経済的負担の軽減補助、さらには児童生徒の安全確保のため、校舎の耐震対策に最大五分の四の補助を行うなど、他県には例を見ない充実した補助策を講じてきていただいております。その努力は高く評価できるものではありますが、都は、私立学校を望む生徒が経済的理由であきらめることなく、教育内容で学校を選べるような、選択できるような、より一層の公私格差の是正に取り組んでいただくことを強くお願いをするところでございます。よろしくお願いいたします。
 続きまして、ヘブンアーティスト事業について伺います。
 文化芸術の秋ということで、今も各地域では活発に文化祭とかフェスタなどが行われています。私も、十二年前からなんですが、地域の音楽愛好家の皆様と、年に一回、十一月、音楽フェスタを開催しております。十二年も続いています。私は、歌うことも踊ることもできないので、いつも進行役で登場させていただいているんですけれども、そのように地域の中でも、この文化芸術活動が活発になってきております。
 このヘブンアーティスト事業ですけれども、これは大変、私も以前から注目をしていた事業でありますけれども、このヘブンアーティスト事業は、都民が気軽に芸術文化に触れることができる絶好の機会となっています。子供からお年寄りまでの多くの方々が集まってヘブンアーティストを見ているのを、町の中でよく見かけますけれども、演技のレベルが高く、大変すばらしいものだと思っています。
 以前にも一度、質問をさせていただきましたが、この事業も平成十四年に始まり、ことしで十二年目を迎えると聞いています。
 そこで、平成二十四年度にはどれぐらいのアーティストから申し込みがあり、そのうち何名が合格をし、また現在までのアーティスト、活動場所の推移はどのようになっているのかお伺いをします。

○関文化振興部長 ヘブンアーティスト事業でございますが、大道芸人に対して公園など公共の施設を活動場所として開放することで、都民が身近なところで文化に親しむ機会を提供するものでございます。質の高いアーティストを確保するため、毎年公開審査を行い、合格した者にはライセンスを発行しております。
 平成二十四年度に行った審査では、三百三十四組の者から応募がございまして、そのうち合格した三十一組にライセンスを発行いたしました。この事業は、平成十四年に開始いたしましたが、当初、百五十四組でございましたヘブンアーティストは、毎年着実に増加しておりまして、現在三百九十三組が活動をしております。
 日常の活動場所についても充実に努めておりまして、上野公園、地下鉄駅構内など、当初は十三施設から始まりましたが、現在は東京ドームシティ、砧公園など四十九施設にまで広がっております。

○栗林委員 何と、二十四年度は十倍ということで、もうかなりのレベルの高さということもあらわれていると思うんですけれども、このアーティストの活動が広がるとともに、都民が町の中で気軽に文化を楽しめる機会がふえてきたことと思います。また日常の活動場所だけでなく、地域に密着してヘブンアーティストの活動を積極的に支援することも必要であります。
 そこで、地域と連携したヘブンアーティストの取り組み状況について伺います。

○関文化振興部長 都は、地域のにぎわいを創出するために、アーティストが多くの人々の前で活動する機会をふやすために、毎年、上野、丸の内、銀座、新宿、三軒茶屋、渋谷の六つの町で、多くのヘブンアーティストが参加する大規模なフェスティバルを展開しております。開催に当たりましては、地元の商店街や企業などと連携をしながら、駅前の人通りの多い場所の提供など協力を得るとともに、地域の祭りやファッションショーなどのイベントとあわせて実施し、地域に密着した人気の恒例行事として、年間百万人以上の観客を集めております。

○栗林委員 私の地元世田谷の三軒茶屋でももう定着をして、皆さんが楽しみにされるぐらいの事業になってきております。
 ヘブンアーティストがさまざまなエリアで活動し、地域に密着してきたことは、大変いいことであると思います。ヘブンアーティストの魅力は、機動性があるので、もうどこへでも行って、そこでできること、さまざまなジャンルで演じる多くのアーティストがいること、そしてそのパフォーマンスが見る者を引きつけることであると思います。私は、この魅力を生かして、いろいろな場面でヘブンアーティストを活用できると思っています。
 そこで、こうしたヘブンアーティストの特性も生かして、国内外でどのように取り組みを展開しているのか伺います。

○関文化振興部長 都はこれまでも、さまざまな機会を捉えまして、ヘブンアーティストの特性を活用した取り組みに努めてまいりました。
 具体的には、東京を国際的にアピールするため、ワシントンDCで開催された全米桜祭りの公演を行い、東京の文化的な魅力のPRに努めました。また、国内ではオリンピック開催都市の決定直前に行われました駐日各国大使を集めた歓迎イベントでのおもてなしや、岩手、宮城、福島の三県での被災地支援としての公演を行うとともに、都市緑化フェアなど他局のイベントにも積極的に出演しております。

○栗林委員 七年後の東京オリンピック・パラリンピックを控え、この事業が一層広がり、国内だけではなく海外から日本を訪れた人々が心から東京を楽しむためにも、さらに充実することが重要ではないかと思います。
 そこで、今後、ヘブンアーティストの活動をさらに充実させていくために、どのような取り組みをしていくのか伺います。

○関文化振興部長 都はこれまでも、東京の都市としての魅力を高めていくため、フランスやイギリスなどのように、町なかで観光客や市民が大道芸を楽しむことができるよう、ヘブンアーティストの取り組みを充実してまいりました。さらに今年度は、河川敷である隅田川テラスを活動場所に指定するとともに、都庁以外の場所としては初めて多摩地域での公開審査会を開催するなど、新たな取り組みを行っております。
 七年後の東京オリンピック・パラリンピックでは、海外も含め世界中から多くの人々が集い、東京という都市を楽しんでもらうため、スポーツだけではなく、文化の力を活用することが重要でございます。都市のにぎわい創出につなげていくためにも、今後、活動機会のさらなる拡充や、ヘブンアーティストの魅力の向上などに積極的に努めてまいります。

○栗林委員 先日のスポーツ祭東京でも、まさに式典はもう芸術の祭典といえるほどの、やはり芸術が大変注目を浴びた式典でもございました。七年後を考えますと、東京の芸術力の総結集ともいうようなパフォーマンスを期待する方も多くいらっしゃると思います。積極的な取り組みに期待いたしまして質問を終わります。ありがとうございます。

○松村委員 資料の提出、ありがとうございました。
 まず初めに、私立学校の耐震化について伺います。
 私は、一昨日、私が選出の練馬区を含む第十支部の私学振興拡充大会に出席してきました。防災対策に関する補助制度の充実では、子供たちが安全に学校生活が送れるように、私立学校の耐震化及び備蓄品の整備更新などの要望を承ってまいりました。
 そこで、二〇一二年度の私立学校の耐震化率を伺います。また、前年に比べてどの程度前進したのかもお答えください。

○武市私学部長 平成二十五年四月一日現在の都内私立学校の耐震化状況は、幼稚園八三・一%、小学校九六・二%、中学校九六・八%、高等学校八九・四%となっており、これら全体では八六・九%となっております。昨年度は、全体で八三・六%でしたので、三・三ポイント上昇いたしました。

○松村委員 この中でも私立幼稚園の耐震化率が最も低く、八三・一%ということです。前年度は七九・八%でしたから、三・三%前進してはおります。しかし、いつ起きてもおかしくないといわれる地震から、子供の命を守る一刻も猶予ならない課題です。
 都は、私立幼稚園の耐震補強の完了年度を二〇二〇年度としています。昨年の決算で我が党から、前倒しでもして急ぐべきことと、個別的な相談をきめ細かくやるにしても、建物の未耐震の園数を把握するよう指摘しましたが、引き続きそのことを求めておきます。
 そこで、私立学校安全対策促進事業費補助、いわゆる耐震化補助の執行率が八割程度なのはなぜでしょうか。

○武市私学部長 建物一棟当たりの工事規模が小さかったことなどによりまして不用額が生じたものでございまして、耐震診断及び耐震化工事に取り組んだ棟数は、予算積算時よりもふえております。

○松村委員 耐震化がおくれている学校では、耐震化をしたくとも難しいさまざまな事情があり、きめ細かい支援をすることが重要だと思います。
 都として、耐震化を促進するためにどんな努力をしているのでしょうか。

○武市私学部長 私立学校が耐震化を行うに当たりましては、資金面での支援のほか、耐震化工事に関する知識やノウハウを提供することが必要だと認識しております。
 そのため、各学校が耐震化工事に取り組むに当たりまして、専門家の視点で個別の状況に応じたアドバイスを行うため、平成二十三年度から学校へ建築士を派遣し、簡易な耐震診断と耐震化計画策定に向けた支援を行う事業を開始しております。

○松村委員 私の地元練馬には、廃園になった幼稚園も多いというか、あるんですが、現在でも私立幼稚園は四十園あります。古い建物が多いと聞いています。
 元私立幼稚園協会の会長を務められていた園長さんにお会いしてお話を聞きました。この園は、建てかえから二十五年たっているので耐震補助の対象にはならないと聞きましたが、最近の大きな地震に、やはり大変気になっていると。やっていただいた建築士さんに聞いてみたら、おたくは大丈夫だといわれていると。都からいろいろ手紙は来ますけれども、手紙だけではなく、アスベストや放射能汚染のときには歩いて調査に来ていただいたと。大変きめ細かいなということで感謝しておりましたし、耐震問題でもそういうやり方をしていただけたらもっと、私の園じゃなくて古い--練馬には、あの園、あの園というふうに名前を挙げていらっしゃいましたけれども、進むんじゃないでしょうかと。
 都は、耐震化されている建物ではない非構造部材の補助も、ことしから始めたということです。ですから、耐震化は大丈夫といっても大分劣化して、いろんなところを園長さんたち気づいて、やはり子供たちのために心配されているというふうに思うんです。
 そういう点では、先ほど専門家の建築士さんなど、アドバイスを行うアドバイザーですか、それを派遣する事業を二十三年から始めていると。二十四年度の実績もちょっと聞きましたけれども、やはり二十三年度よりも--二十三年度は三十六園に派遣したけれども、二十四年度、本決算年度は十六園ということでした。やはり要望、希望が出て、そして派遣するというよりも、先ほどの園長さんがおっしゃるように、区市とも連携するなりして、やはり子供の命にかかわるというか、子供さんを預かっている側にとっては、大変心配していらっしゃいますから、そういうきめ細かな対応を図ってもらいたいというふうに思います。
 それから、ことしの夏、耐震化というか、耐震補強をした園にも行き、園長さんにもお話を聞きました。一番大変だったのが、期間がないということなんですね。夏休みしかとれないと。
 ですから、どうしてもそこにやはり工事が食い込んでしまって、その分は冬休みを短縮して、子供たちの学習といいますか、そういうものをそこで補うと。それからまた、その園では、鉄骨材などの補強材を入れたために教室が狭くなってしまったと。これは、もう本当に考えてもみなかったというか、当然そうなる結果なんでしょうけれども、そういう同じ耐震という思いでも、いろいろなところに来るし、また実際、耐震補強をやってみたら、思わぬ費用がそれ以外に、補助から出るよりもかかってしまうとか、ましてや建てかえなどになったら、どこか仮園舎を建てなければ到底進まない。そういう恐らく耐震補強などで間に合わないところがさまざまあるから、やはり個人立が多い幼稚園などの耐震化が多く残されているということも感じました。
 最後に、もう一つ紹介したいのが、現会長さんにもお会いしてお話を聞きました。この方も、ことし、この非構造部材の補助ができたということで大変喜ばれて、もう早速これを利用して、窓ガラスにというか、フィルターを張ったりとか、いろいろな取り組みをやったそうです。
 しかし、やはりこれまた期間が短い。例えば、六月に都の説明会があって、私のところはあらかじめ準備していたから、そういうことで申請できたけれども、恐らくは四十園ある練馬の中で私のところ一園だけじゃなかったのかというふうにいっているぐらい、大変、そういう制度ができながらも、やはり期間が短い。そしてもう一つ、やはり大きな矛盾を感じたというのは、東京都は六月に説明会を開いて、申請をしたけれども、国の補助と合わせると三分の二、補助金が出るという話を聞きながら、では、国の方も一緒にあわせて申請しようとしたら、もう既に二月に申請を締め切っているということを聞いて、何なんだろうという思いがしたと。大変感謝しながらも、そういう問題点も指摘されました。
 そこで、これは本当は質問したいんですけれども、これは平成二十四年度の決算なので、やはりぜひ、そういう声もあるということを紹介しながら、この非構造耐震化について、もう一つ、最後にいうのは、「二〇二〇年の東京」へのアクションプログラムは、都立学校は三年で完了と。しかし、公立、私立の学校等は助成制度を創設し、対策を推進としているんですよね。ぜひ、私立学校に対しても目標を持って、推進を強力に図っていただきたいということをお願いして、次の質問に移ります。
 次に、平和事業について伺います。
 今月二十一日の国連総会第一委員会で、核兵器の人道上の影響に関する共同声明が、日本を含めた百二十五カ国の連名で発表されました。声明は、核兵器が無差別的な破壊力によって受け入れがたい人道的結果をもたらすことを指摘しながら、いかなる状況のもとでも決して再び使われないことが人類の生存の利益であるとし、それを保障する唯一の道は、その全面廃絶であると訴えています。核兵器の非人道性、残虐性から、その使用に反対し、廃絶を求める声明が発表されたことは、核兵器のない世界に向けた積極的な動きです。これまで賛同を拒んできた日本政府が声明に名を連ねたことは、広島、長崎の悲劇を体験してきた国の政府として、遅過ぎたとはいえ、当然のこととして歓迎するものです。これも、核兵器廃絶に向けた取り組みが地道に続けられてきたこと、そして平和を求める世論の大きな広がりを反映したものです。
 東京大空襲など、一般民間人の大量犠牲を伴う空襲被害についても、全国に広がっている空襲被害訴訟を通じて、その非人道性が追及されています。東京はかつて、アジア太平洋戦争で、戦争推進の政治的、軍事的拠点となってきたと同時に、百回以上にわたる空襲を受け、十万人を超える人々の命が奪われるなど、悲惨な戦場となりました。戦争がいかに人の命と人間の尊厳、人権を踏みつけるものであるかは、東京の悲惨な戦争体験から知ることができます。
 私もこの夏、東京大空襲を取り上げた大橋喜一作の演劇を観劇し、その重要性を改めて認識しました。ことしは、戦後六十八年、戦争体験のある世代もだんだん高齢化が進んでおり、いかに次代に引き継いでいくかが大きな問題となっています。
 そこで、まずお伺いしますが、東京空襲の記憶を風化させず、次代に引き継ぐことが大切だと考えますが、このことについての見解をお伺いいたします。

○関文化振興部長 都は、戦争の惨禍を再び繰り返さないために、三月十日を東京都平和の日と定めております。毎年、東京都平和の日記念行事といたしまして、東京空襲犠牲者やその遺族、在日大使館関係者の方々を招いた記念式典を開催するとともに、三月十日に合わせまして、都主催の東京空襲資料展を実施しております。また、墨田区の都立横網町公園内に、東京空襲犠牲者を追悼し平和を祈念する碑を建立し、東京空襲の犠牲になった方々のお名前を登載した東京空襲犠牲者名簿をお納めしております。

○松村委員 今、大切と考え、事業を行っているとのことでした。大変重要なことだと思います。
 生活文化局の平和事業の中に、東京都平和の日記念事業と東京空襲メモリアル事業があります。平和の日記念事業は、今もお答えがありましたが、三月十日の東京都平和の日に、平和の意義を確認し、平和意識の高揚を図るため、記念式典など記念行事を実施するとともに、テレビやラジオ、「広報東京都」や新聞広告を利用し、都民への普及啓発を行う事業です。
 東京空襲メモリアル事業は、東京空襲犠牲者名簿の作成、犠牲者を追悼し平和を祈念する碑の維持管理、東京空襲関連資料、これは都民から寄贈された資料約三千五百点を含め五千五百点にも上るものですが、この整理、保管と、東京空襲資料展、また区市町村が主催する資料展への貸し出しが行われています。どれも非常に重要な事業だと思います。中でも、戦争を知らない世代に東京空襲の記憶を引き継いでいくためには、資料展はその有力な方法の一つだと思います。
 そこで、都が行っている東京空襲資料展の二〇一二年度の実績について伺います。

○関文化振興部長 都は昨年度、東京都庁、江戸東京博物館、青梅市役所及び三鷹市役所の四会場で東京空襲資料展を実施いたしました。都庁会場では、平和の日記念式典を行う三月十日に百十七点の資料展示を行い、約五百名の方にごらんいただきました。江戸東京博物館では、三月二日から十日まで百六十二点の資料展示を行いまして、約千八百名の方にごらんをいただきました。また、青梅市役所では、三月四日から十日まで百十三点の資料展示を行い、約九百名の方にごらんをいただきました。三鷹市役所では、三月五日から十二日まで三十七点の資料展示を行い、庁舎ロビーに来庁した多くの方々にごらんをいただきました。

○松村委員 三月十日の東京都平和の日前後に開催しているということでした。都が作成している報告書によれば、今も答弁が幾つかありましたけれども、入場者数は、第一庁舎五階は式典の参加者を中心ということで約五百名、それから江戸東京博物館は千八百五十六名とのことです。青梅市役所と三鷹市役所、場所的に青梅市民、三鷹市民の方が主にごらんになっているのではないかと思います。
 また、次代に引き継ぐという点では、子供たちに知らせていくことも大切です。東京空襲について小中学生に知ってもらう、平和について考えてもらうために、どんな取り組みを行っていますか。

○関文化振興部長 東京空襲犠牲者を追悼し平和を祈念する碑の花壇は、年四回、季節ごとに花々の植えかえを行っております。この花壇のデザインは、都内に在住、在学する小中高校生の応募作品の中から優秀賞に選ばれたものを採用しております。花壇のデザインを子供たちが考えることは、身近なものとしてこの記念碑に親しみ、改めて平和について考える機会につながるものであります。

○松村委員 碑の花壇のデザイン画の募集を通し、平和について考える機会を提供するとともに、記念碑についても知ってもらうとのことで、二〇一二年度には五百九十六、約六百作品の応募があったとお聞きしています。きっと子供たちは、どんなデザインがふさわしいかと考える中で、今も答弁がありましたけれども、戦争や東京空襲について学んだり調べたり、平和について考えてくれると思います。
 これらの取り組みは重要ですが、残念なのは、資料展にしても三月十日前後のみと期間が短いことです。私は、都民や東京を訪問した人たち、東京空襲や平和について知りたいと思った子供たちが、いつでも学べる都の施設なり窓口はどこなのかと、そういう思いで調べてみました。
 今は、インターネットが非常に便利といいますか、多く活用されていますから、インターネットで見てみたのですけれども、例えば江戸東京博物館を見ると、常設展示の中に江戸ゾーン、東京ゾーンというのがありまして、東京ゾーンの明治から昭和の高度成長期までの展示の流れの中で扱われているんです。実際行ってみると、展示全体はもちろん非常に興味深いものですが、東京空襲の扱いとなると、どうしてもその流れの一部として、大枠について触れるというものなのです。
 もう一つ、都立図書館のホームページも見てみましたが、テーマ別お勧め情報とか、江戸・東京資料案内などのページがあるのですが、東京空襲については何も取り上げられていませんでした。東京空襲について知りたかったらこの本がいいですよとか、基礎的な資料が紹介されているとか、そういうふうになっていたらわかりやすいと思うんですけれども、残念ながらなっていませんでした。
 そこで、例えば東京空襲について、いつ、どこの地域が、どんな被害に遭ったのか。地域ごとに何人くらいの方が亡くなられたのかという推計をされているのかなど、基本的なことを知りたい場合、東京都のどこに問い合わせればよいのですか。

○関文化振興部長 生活文化局では、東京空襲の年月日、被災地、被害家屋、お亡くなりになった方の人数など、基本的な情報を記載した東京空襲犠牲者を追悼し平和を祈念する碑のパンフレットを作成しておりまして、問い合わせがあった場合にも都民に提供をさせていただいております。

○松村委員 パンフレットを作成、都民に提供しているということですが、パンフレットには東京空襲日誌ということで、年月日、被災した区市町村名、被害家屋数、死者数の表がありますが、これだけではどんな被害があったのか、特に子供などにかなりわかりづらいと、私は率直に思います。
 例えば、広島の平和記念資料館、これは毎年八月六日に訪れた方々は、口々に非常に充実していたとおっしゃっています。ホームページだけでも、資料館の展示の紹介はもちろん、平和記念公園、どこにどんな慰霊碑や記念碑があるかとか、被爆体験講話やピースボランティアによる解説の案内、子供向けにはキッズ平和ステーションもありますし、毎年の平和宣言や、平和のために広島市がどんな努力をしてきたかも紹介されています。文献や資料など平和データベースも、被爆者の証言ビデオも見ることができます。
 私は、冒頭申し上げました核兵器廃絶の取り組みが前進しているのは、多くの方々の平和への願いと運動と同時に、やはり広島、長崎の被爆体験を忘れずに継承していくための資料館の存在が、大きな役割を果たしていると思います。東京でも、例えば都民レベルで、戦争の記憶、東京空襲の記憶を風化させてはならないと、空襲遺跡を訪ねるフィールドワークや語り継ぐトーク集会などの努力がなされています。
 毎年八月十五日や三月十日前後には、さまざまな活動が新聞各紙で紹介されていますので、皆さんもごらんになっていると思います。例えば、ことしの夏には、表参道周辺に東京山の手空襲跡を訪ねるフィールドワークというのが、約二十七名の参加で行われたそうです。
 表参道地域にお住まいの方に案内をお願いして、表参道駅のところのみずほ銀行前の追悼碑、善光寺別院の供養塔や表参道ヒルズの端には焼けずに生き残った太いケヤキ。戦災のときには川に飛び込んで助かった人も多いけれども、三人の方が橋の上で焼け死んだと。その橋の跡地の石碑などなど、ずっと歩いて回り、六十八年前にはこの地域一帯も、B29が落とす焼夷弾によって炎に包まれ、多くの人々が無念の死を遂げたことを忘れてはならないと、参加者は心を新たにしたとのことです。
 大変貴重な活動で、こうした活動があるなら参加したい、お話を伺いたいという都民や子供たちもいると思いますが、民間レベルの活動ですので、どうすれば参加できるのかの情報のない方の方が多いのではないかと思います。
 また、フィールドワークでは、空襲跡を記した地図をつくって回られたとのことですが、せっかくの記憶も、こうした地図も、あと五年、十年たつと失われてしまいかねません。再開発などで戦争の跡をとどめる建造物などが失われてしまうのを何とか保護できないかと、そういう声も上がっています。
 そこで、平和の大切さを後世に伝えるために、被災体験の語り部の方を紹介する事業、戦跡を保存する事業などが重要と考えますが、いかがでしょうか。

○関文化振興部長 戦後六十八年が経過をいたしまして、戦争を知らない世代が都民の大半を占めており、次世代に戦争体験や平和の尊さを語り継いでいくことは必要でございます。
 三月十日の平和の日記念式典では、東京空襲の体験者やご遺族の方の体験談などによりまして、戦争の悲惨さを伝えていただいております。

○松村委員 平和の日記念式典では、体験談など戦争の悲惨さを伝えているということですけれども、いずれにしても戦争体験や平和の日を語り継いでいくことは必要との認識は大変結構だと思います。
 式典で体験談やお話をいただくことも重要ですけれども、機会があれば、子供たちが聞きたいというなら話してもいいよと、そういう方もいらっしゃると思います。東京都として、その二者というか、話してもいいよと、それからまた聞きたいという方をつなぐ事業、また証言を記録する事業など、ぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 一九九五年三月十日に、当時の都議会、全ての会派を初め、有識者なども一致して採択した東京都民平和アピールでは、その第一に、私たちは次代を担う子供たちに戦争の悲惨さとそれを防止することの大切さを東京大空襲の体験などとともに語り伝えますと、この平和アピールでは訴えています。そのためには、やはり広島平和記念資料館のような拠点となる場所、常時触れることのできる場所が必要です。せっかく都民の方が提供してくれた資料も多くが眠ったままでは、これはやっぱり浮かばれないというか、残念な思いです。
 資料も出していただきました。平和祈念館(仮称)建設の経緯という、出していただきましたけれども、ぜひ東京空襲や平和のとうとさについて研究を深める施設、学習し、発信し、次代に引き継ぐための専門の施設が必要だと考えますけれども、いかがでしょうか。

○関文化振興部長 平成九年から十一年にかけ、当時の都議会におきまして、平和祈念館(仮称)の展示内容などをめぐり議論がございまして、展示内容に係る歴史認識や見解に相違がございました。そして、大方の合意が得られずに、付帯決議がなされたと理解しております。
 したがって、都といたしましては、平和祈念館(仮称)の建設については、都議会で改めて合意がなされなければ、対応は難しいと考えます。

○松村委員 付帯決議がついて、もう十五年近くにもなっていますよね。たってしまいました。この十五年、東京空襲や平和について、積極的に考えたり学んだりする機会と場所を東京都として十分に提供し切れていない、平和の事業が前に進まないというのは本当に私は残念なことだと思います。
 先日、この分科会で質問させていただいた外国人生徒の受け入れについての調査で、私は田柄高校を訪問したとき、この高校は外国文化コースが設置されていて、国際交流が盛んなのですけれども、昨年は尖閣問題など日中関係の悪化で、中国との交流がうまくいかなかったそうです。
 また、修学旅行は毎年韓国に行っていたんですけれども、結局行き先を国内に変更したそうです。韓国だと費用が高くて、参加できない生徒もいるという事情もいっていらっしゃいましたけれども、やはり韓国への修学旅行はやめたとおっしゃいました。
 私は両国間の緊張関係が高校生の教育にも影響していることを本当に残念に、悲しい思いでした。意見の相違やもめごとがあれば、必ず対話で解決するという平和と友好の精神を、日本中、また世界中隅々までに行き渡らせ、貫くことの重要さを改めて感じました。
 ことしの夏、来日した著名なアメリカの映画監督であるオリバー・ストーン氏も、真っ先に広島平和記念資料館を訪問し、その後全国各地で平和の講演を行いました。
 都議会でも平和祈念館の必要性については、全ての会派が一致しているのです。東京にもそのような施設を一日も早くつくることが、都民のみならず、日本と世界の平和を心から願う人々の気持ちと決意に応えるものであると皆さんに訴えたいと思います。
 また、ぜひ都民からの要望のある資料の貸し出しを民間主催の資料展にも拡大するとか、語り部やフィールドワークの紹介事業などを新しく始めるとか、窓口やホームページを充実させるとか、そうしたことも前進させていただきたいと強く求め、質問を終わります。

○小山委員 私から二件についてお伺いをいたします。
 まず一件目として、東京都消費者行政活性化基金を活用した市区町村支援について、消費者行政活性化交付金の継続と拡充を求めてお伺いをしたいと思います。
 先ほどの栗山委員の質疑と重複する部分もございますので、簡潔に行いたいと思います。
 消費者行政活性化交付金は平成二十一年度から平成二十三年度までの三年間を消費者生活相談体制等の集中育成強化期間と位置づけ交付をされ、その後、平成二十五年度まで継続が図られました。
 そこで、平成二十四年度までの東京都消費者行政活性化交付金の執行額と、そのうち市区町村に対し交付した額についてお伺いをさせていただきます。

○藤井消費生活部長 東京都消費者行政活性化基金の執行額は、平成二十一年度には約一億三千九百万円、うち市区町村への交付額は約一億一千百万円、平成二十二年度には約三億八千万円、うち市区町村分は約二億四千三百万円、平成二十三年度には五億四千四百万円、うち市区町村分は約四億一千百万円、平成二十四年度には約一億八千八百万円、うち市区町村分は約一億四千百万円でございました。

○小山委員 ただいまのご答弁から平成二十四年度までの市区町村への交付額はわかりました。
 それでは、この交付金の市区町村での活用のされ方と、その成果についてお伺いをしたいと思います。

○藤井消費生活部長 市区町村では相談員の増員や研修参加支援、弁護士等の専門家の活用など、相談機能の強化に向けた取り組みのほか、講座の開催や印刷物の作成など、消費者教育、啓発事業などが実施されました。
 これらの取り組みにより、市区町村の消費生活行政全体のレベルアップが図られたと考えております。

○小山委員 市区町村では、交付金をもとに相談員の増員や弁護士などの専門家を活用して相談機能の強化が図られるなど、消費生活行政全体のレベルアップにつながったとのご答弁でございました。
 平成二十四年度の国民生活センターの報告書によれば、近年、高齢者の消費者トラブルが増加しておりまして、契約当事者が六十五歳以上の相談が、平成二十四年で消費生活相談全体の約四分の一を占めております。特に目立つものは詐欺的なもうけ話のトラブルでございまして、既に支払ってしまった額も大変大きくなっております。
 中でも、高齢者を中心に複数の業者が介在する買え買え詐欺の被害がふえております。買え買え詐欺は、実体のない勧誘業者が、高値で買い取るからなどといって、消費者に未公開株や社債等の権利を買え買えと勧誘をしまして、高額で購入させ、結局は買い取らないという詐欺的商法だそうで、高齢者の被害が広がっております。
 また、スマートフォンの急速な普及を背景に、この関連する相談がふえておりまして、二十四年、スマートフォンを利用した有料サイトからの料金請求などに関する相談が、平成二十三年は九百五十七件であったのに対し、平成二十四年は一万九百十二件と急増をしております。
 また、この一月の間には、東京五輪詐欺とでもいうんでしょうか、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの入場券がもらえますよなどという誘いで、事業投資や株売買を勧誘されるという相談が消費生活センターに寄せられておりまして、既に高齢者が二百万円の被害に遭ったということがわかっております。
 このように消費生活相談においては、日々新たな悪質商法やトラブル事例等が生じておりまして、相談員の専門的知識の向上やスキルアップが欠かせない状況となっております。
 そこで、市民、都民にとって一番身近な市区町村において、市民、都民の安心・安全の確保、そして消費生活の向上を図るためには、今後も都において、市区町村に対し、交付金を含めた支援を恒常的な制度として継続されることが必要だと考えます。
 そこで、平成二十四年度末の時点では、基金は今年度までの予定ということでございましたが、今後どのようになるのか、お伺いをさせていただきます。

○藤井消費生活部長 基金を活用できる期間は、現時点では平成二十五年度末までとされておりますが、国の平成二十六年度予算概算要求では、基金への積み増しのため十億円が計上され、活用できる期間を一年間延長の予定と聞いております。

○小山委員 国の状況はわかりました。しかし、万が一、この国の消費者行政活性化交付金が継続されない場合など、あるいは、今後についても消費生活相談機能に支障を来たすということも、これは懸念されております。ぜひ、都としてのさらなる財政的支援を要望させていただきたいと思います。
 そこで、平成二十四年度補正予算による交付額が全国で約六十億円であったことを考えますと、先ほどのご答弁の十億円という額は、規模的にかなり小さくなってまいります。そのような中で、消費者行政を後退させることがないよう、都として今後市区町村への支援をどのように行っていくのか、見解を伺います。

○藤井消費生活部長 都はこれまでも市区町村に対しまして、平成二十年度末に基金が創設される以前から、相談マニュアルの作成、提供や相談員研修などを通じた人材育成、消費者教育の講座や教材開発等のノウハウを生かした助言など、さまざまな技術的支援を実施してまいりました。
 また、国に対し、市区町村における計画的かつ継続的な事業の実施に支障が生じることのないよう、恒久的な財政支援について要請してまいりました。
 今後も引き続き市区町村への技術的支援を行うとともに、財政支援にかかわる国への働きかけを行ってまいります。

○小山委員 都のこれまでの技術的支援は評価をするとともに、理解をさせていただきたいと思います。
 先ほどご答弁の中にもありましたけれども、あわせて、ぜひ都として、国の恒久的な制度としての市区町村に対する財政支援を国へしっかり要請していただき、実現をしていただくよう強く求めて、次の質問に移らせていただきます。
 二件目は、東京都の芸術文化の振興について、東京芸術文化創造発信助成の事業目的及び平成二十四年度の実績をお伺いしたいと思います。

○関文化振興部長 東京芸術文化創造発信助成は、東京の芸術文化の魅力を向上させ、世界に発信していく創造活動と、その担い手を支援するため、東京を拠点とするすぐれた民間の芸術文化団体に対して、事業費の一部を助成するものでございます。
 平成二十四年度の助成件数は五十六件、助成金額は八千六百十一万円でございますが、主な内訳を見ますと、演劇分野が二十件、三千六百二十七万円、舞踊分野が十件、千五百十六万円、音楽分野が十件、千三百九十万円などとなっております。

○小山委員 ただいま助成の目的、そして二十四年度の実績についてもお伺いをさせていただきました。この東京芸術文化創造発信助成によって、これまでどのような成果を上げることができたのか、東京都としてどのように認識されているのか、お伺いをしたいと思います。

○関文化振興部長 東京芸術文化創造発信助成の採択に当たりましては、国際都市東京にふさわしい文化の創造や地域社会の構築に結びつくよう、革新性や国際性、将来性などを重視しておりまして、これまでに採択されました民間の芸術団体等が実施した芸術文化活動は、国内外から高い評価を得ております。
 具体的には、最先端技術と融合したアンドロイド演劇のヨーロッパ公演や日本舞踊、能狂言、文楽など、日本の伝統文化を強く発信する伝統公演などは海外でも注目を集めています。
 また、将来の芸術文化の創造発信を担う若手人材の育成につながった事例といたしましては、助成を受けた演劇の演出家である矢内原美邦さんが若手の登竜門である岸田國士戯曲賞を受賞し、日本を代表する若手演出家として注目されております。

○小山委員 先ほどの答弁とあわせまして、事業目的とその成果についてお答えをいただいたわけでありますけれども、ただいまのお答えの中にありました、まさしく国際都市東京をアピールする、大変それにつながっている事業だというふうに思いました。
 あわせて、先ほどのご答弁の中にも、若手人材の育成など、実はこれは二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックの文化プログラムに大変つながるような事業内容ではないかというふうに考えております。
 先般、都では、六月七日に東京都の芸術文化評議会におきまして、二〇二〇年の東京の文化政策検討部会を開かれ、ロンドン・オリンピックの事例が報告をされるとともに、その中でこのように述べられておりました。
 オリンピックが開催されたロンドンでは、二〇〇八年から四年間、カルチュラル・オリンピアードという文化プログラムが行われまして、その集大成としてロンドン二〇一二フェスティバルが、オリンピック開催前の六月二十一日から、パラリンピックが閉幕する九月九日までの十二週間にわたって行われました。
 フェスティバルには、オリンピック・パラリンピックに参加した二百四の国から二万五千人以上のアーティストが参加をされ、音楽や演劇、ダンス、美術、文学、映画、ファッションなど、本当に多様な文化イベントが繰り広げられたということでございます。
 また、フェスティバルの期間中に行われました文化事業の数は六百件、公演や展覧会などのイベント総数では一万三千件、そして無料のものも含めて延べ約二千万人の参加者という大変大規模なイベントが行われたということでございます。
 開催場所は英国全土の市町村、千二百カ所以上で行われたということの報告もございました。
 これらのロンドン・オリンピックの事例、これはオリンピック憲章にございます根本原則として、オリンピズムはという文章から始まるこの文章の中に、スポーツを文化と教育と融合させることでオリンピズムが求めるものは、この後云々とつながっていくんですけれども、まさしくオリンピズムの実現には、スポーツと文化と教育を融合させることなんだということの明記がされております。
 また、それから第五章のオリンピック競技大会の三十九条には、オリンピック競技大会組織委員会は、短くともオリンピック村の開村期間、複数の文化イベントのプログラムを計画しなければならないと、このようにも記されております。
 このようにロンドンでの文化プログラムの取り組みを参考として、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック開催を見据えた施策として、先ほどの東京芸術文化創造発信助成について、制度を改善、充実すべきだというふうに考えますが、都の所見をお伺いしたいと思います。

○関文化振興部長 東京芸術文化創造発信助成につきましては、定期的に実施している芸術文化団体へのアンケート結果などを受けまして、助成対象経費の拡大や前払い金の導入、複数回助成の実施など、これまでも改善に努めてまいりました。
 七年後のオリンピック・パラリンピック東京大会に向けて、発信助成も活用しながら、国内外での文化の発信力を高めていくことが求められております。
 今後とも、これまでの制度改善の効果を検証するとともに、芸術文化団体などからの要望を踏まえながら、助成制度の適切な運用に努めてまいりたいと思います。

○小山委員 今、ご答弁いただきましたけれども、ロンドン・オリンピックの文化プログラムやフェスティバルは、恐らくこれまでのオリンピック史上、最大の規模と内容で開催されたのではないかと思います。公式ホームページによれば、その目的には、英国の誰もがロンドン二〇一二に参加するチャンスを提供し、あらゆる文化に共通する創造性を、とりわけ若者たちに喚起させることだというふうにしております。
 まさにこのロンドン・オリンピックの文化プログラムのあり方というのは、二〇二〇年に東京大会を開催する私たちにとって、また、オリンピックの目的や内容、社会的な役割について、大きな示唆を与えているように思います。
 この東京芸術文化創造発信助成を二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック開催を見据えた制度としてぜひ改善をしまして、この文化プログラムにつながる制度として再構築をしていただきますよう求めまして、私の質疑とさせていただきます。

○おときた委員 私からは私立学校振興費の中から経常費補助についてお伺いをいたします。
 東京都は全国でも私学の数が非常に多い自治体であり、先ほど栗林委員からも言及があったとおり、特に高校生の数は六割近くが私学に通っております。現状、東京都の教育を支えるのに私学の力は欠かせません。
 私学に通わせる家庭の負担を軽減させるためにも、東京都の教育水準向上のためにも、私学振興助成金の重要性は多くの方が認めるところであります。
 平成二十四年度も千七百億円以上が執行された私学振興助成金ですが、その中心を占めるのが経常費の補助です。この中には一般補助と、そして特別補助という項目がございますが、まず、この特別補助の制度詳細と意義についてお伺いいたします。

○武市私学部長 経常費補助につきましては、一般補助と特別補助の二つに分けて算定し、その合計額を各学校に対する補助金として交付しております。
 一般補助が各学校に共通した学校運営費を対象として教職員数や生徒数などの規模に応じて算定しているのに対しまして、特別補助は少人数教育や国際化の推進など、各学校における取り組みを促したい事項について、各学校の取り組みの実績に応じて算定しております。
 経常費補助金の配分方針につきましては、毎年度、知事の附属機関である東京都私立学校助成審議会に諮問し、その答申に基づき決定しております。

○おときた委員 各学校の取り組みに応じてとのことでしたが、それでは平成二十四年度は具体的にどのような取り組みに特別補助は支出されたのかをお伺いいたします。

○武市私学部長 特別補助の具体的な例といたしましては、小中高等学校において国際理解教育を推進するため、外国語の授業を担当するネーティブスピーカーを教員として雇用している場合に補助する国際化推進補助や、中学生や高校生が幼稚園児との触れ合いを通じて家庭生活や親の役割について理解を深められるよう、保育の体験学習を受け入れる幼稚園に補助する保育体験の受け入れ補助などを実施いたしました。
 また、全ての学種において、生徒や教職員を対象に防犯訓練等を行った場合や、AEDを活用した心肺蘇生法実技講習会等を実施する取り組みを行った場合に補助する生徒等の安全対策推進補助などを実施いたしました。

○おときた委員 特別補助の執行でさまざまな取り組みが私学において促されていることがわかりました。
 それでは次に、この特別補助が経常費補助全体に占める割合の直近五年間の推移と、平成二十四年度分については具体的な金額も教えてください。

○武市私学部長 特別補助の経常費補助金全体に占める割合は、平成二十年度四・九%、二十一年度五・〇%、二十二年度五・〇%、二十三年度五・三%、二十四年度五・四%となっておりまして、微増傾向にあります。
 また、平成二十四年度における幼稚園から高等学校までの経常費補助金の総額は、約千百三十八億九千三百万円で、そのうち一般補助は千七十七億五百万円、特別補助は約六十一億八千八百万円でございます。

○おときた委員 単純な助成、単純な補助金となると、それに依存する体質を生み出す可能性がある中で、単に規模だけではなくて、取り組みに応じたインセンティブを与える特別補助の存在は重要です。少しずつですが、その割合がふえているのは歓迎すべき傾向であると思います。
 私学間に健全な競争を促すために、特別補助はますます拡大していくべきであると考えますが、この特別補助の今後の展望と見解についてお伺いいたします。

○武市私学部長 特別補助は、各学校の取り組みを促したい事項について、各学校の取り組み実績に応じて算定しているものでございます。その配分方針につきましては、私立学校助成審議会のご意見を聞きながら、適切に対応してまいります。

○おときた委員 施策誘導的な側面はあるものの、私学間の競争を促すものではないとの趣旨のご回答であったかと思います。
 しかしながら、国際競争力を高めていくためには、教育は非常に重要なものであり、それを支える私学には、公立学校にできないさまざまな取り組みにチャレンジしていただかなければなりません。
 公立学校で既に行われている取り組みを後追いで促すだけでなく、先進的な取り組みを行った私学にも助成を出すなどの制度をぜひとも検討していただき、特別補助の予算や範囲を拡大していくことで競争環境を整えて、私学をより一層、していただくことを要望し、私からの質問を終わります。

○小磯委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、これをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小磯委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で生活文化局関係を終わります。
 これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
   午後二時五十三分散会

ページ先頭に戻る

ページ先頭に戻る