平成二十三年度各会計決算特別委員会速記録第三号

平成二十四年十一月二日(金曜日)
第十二委員会室
   午後一時開議
 出席委員 三十一名
委員長山下 太郎君
副委員長高倉 良生君
副委員長高橋 信博君
副委員長泉谷つよし君
理事伊藤こういち君
理事鈴木 隆道君
理事早坂 義弘君
理事尾崎 大介君
理事西岡真一郎君
理事吉田 信夫君
小宮あんり君
畔上三和子君
斉藤やすひろ君
菅  東一君
田中たけし君
くりした善行君
新井ともはる君
しのづか元君
宇田川聡史君
鈴木あきまさ君
滝沢 景一君
神野 吉弘君
鈴木 勝博君
岡田眞理子君
吉倉 正美君
野上 純子君
西崎 光子君
原田  大君
藤井  一君
遠藤  衛君
馬場 裕子君

 欠席委員 なし

 出席説明員
会計管理局長松田 芳和君
教育長比留間英人君
東京都技監建設局長兼務村尾 公一君
知事本局長前田 信弘君
総務局長笠井 謙一君
財務局長中井 敬三君
主税局長新田 洋平君
生活文化局長小林  清君
スポーツ振興局長細井  優君
都市整備局長飯尾  豊君
環境局長大野 輝之君
福祉保健局長川澄 俊文君
産業労働局長中西  充君
港湾局長多羅尾光睦君
青少年・治安対策本部長樋口 眞人君
病院経営本部長塚田 祐次君
中央卸売市場長塚本 直之君
選挙管理委員会事務局長影山 竹夫君
人事委員会事務局長真田 正義君
監査事務局長松井多美雄君
労働委員会事務局長岳野 尚代君
収用委員会事務局長醍醐 勇司君
議会局長産形  稔君
警視庁総務部長室城 信之君
消防総監北村 吉男君

本日の会議に付した事件
平成二十三年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について(質疑)
・平成二十三年度東京都一般会計決算
・平成二十三年度東京都特別区財政調整会計決算
・平成二十三年度東京都地方消費税清算会計決算
・平成二十三年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計決算
・平成二十三年度東京都母子福祉貸付資金会計決算
・平成二十三年度東京都心身障害者扶養年金会計決算
・平成二十三年度東京都中小企業設備導入等資金会計決算
・平成二十三年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計決算
・平成二十三年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計決算
・平成二十三年度東京都と場会計決算
・平成二十三年度東京都都営住宅等事業会計決算
・平成二十三年度東京都都営住宅等保証金会計決算
・平成二十三年度東京都都市開発資金会計決算
・平成二十三年度東京都用地会計決算
・平成二十三年度東京都公債費会計決算
・平成二十三年度東京都多摩ニュータウン事業会計決算
・平成二十三年度東京都臨海都市基盤整備事業会計決算

○山下委員長 ただいまから平成二十三年度各会計決算特別委員会を開会いたします。
 これより決算の審査を行います。
 平成二十三年度東京都各会計歳入歳出決算の認定についてを議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 なお、去る十月十日から行われました各分科会における局別審査につきましては、お手元配布のとおり、報告書が提出されました。
 朗読は省略いたします。

   〔分科会審査報告書は本号末尾に掲載〕

○山下委員長 これより質疑を行います。
 この際、一言申し上げます。
 質疑に当たりましては、さきにご決定いただきました委員会実施要領等に従いまして運営してまいります。委員の皆様方には、円滑かつ充実した審査が行われますよう、ご協力をお願い申し上げます。
 なお、持ち時間につきましては、終了五分前に振鈴で一点、時間満了時に二点を打ち、お知らせいたします。質疑時間はお守り願います。
 次に、理事者に申し上げます。
 答弁に際しましては、質疑の趣旨をよく把握し、簡素明瞭に答弁されますよう、お願いいたします。
 なお、発言の際には、必ず職名を告げ、委員長の許可を得た上で発言されますよう、お願いいたします。
 これより順次発言を許します。
 鈴木勝博委員の発言を許します。

○鈴木(勝)委員 十月二十五日に石原知事の突然の辞任表明がございまして、一昨日の都議会の同意により、辞任が正式に認められました。知事の辞任によりまして、これまでの都政運営の基本指針でございました「十年後の東京」計画、これに続く「二〇二〇年の東京」計画は、今後新たな知事のもと、形を変えることになると思いますけれども、だれが知事になりましても、中長期的なビジョンを持って行財政運営を行っていくことがまさに重要になってまいります。
 本日の全局質疑におきましては、平成二十三年度決算について、私からは大きく三つの観点から質問をさせていただきます。
 一つは、平成二十三年度は「十年後の東京」計画が進められてから、まさに五年目に入りまして、このプログラムの中間決算に当たる節目の決算であるということ、二点目は、昨年の三・一一の東日本大震災に伴いまして、都は緊急対策二〇一一をまとめ、特に緊急度の高い事業の補正予算を昨年の六月に組んだことに対しての決算であるという視点、そして三点目は、全庁挙げて取り組むこのような事業については、決算において適切に評価し、そして次の予算に反映させていくべきであるということでございます。
 こうした観点に立ちまして、順次質問をいたしたいと思います。
 都は、平成十八年に「十年後の東京」計画を策定して以降、この計画を都政運営の基本方針として政策を展開してきましたけれども、東日本大震災後の社会経済状況等を踏まえ、計画期間の半ばに差しかかった昨年、「二〇二〇年の東京」計画を新たに作成をいたしました。まさに二十三年度決算は「十年後の東京」の中間決算に当たり、都はこの全庁挙げての基本計画を総括していく必要があろうかと思います。
 「十年後の東京」計画では、目標を確実に実行するため、三カ年のアクションプランであります実行プログラムを毎年度策定し、集中的、重点的に施策を展開してきました。この計画を実現するために、どれぐらいの予算を計上してきたかということ、施策や事業の組みかえもございましたけれども、単純に同列にはできないことは承知しておりますが、「十年後の東京」計画に基づき策定した実行プログラム二〇〇八、二〇〇九、二〇一〇、二〇一一におきまして、これまで計上されました事業費を単純に足し上げましても、四年間で二兆三千億にも及ぶ財源がこの策定実行プログラムで計画をされました。
 これだけ大規模な財源を予算化してきたわけでございますから、当然これらの大変貴重な都民の税金が、正しく効率よくむだなく使われたかどうかを決算で厳しくチェックをしていく必要があろうかと思います。
 そこで、まず実行プログラムに掲げました事業費の執行状況や「十年後の東京」計画に掲げました目標の達成状況についてお伺いをいたします。

○前田知事本局長 「十年後の東京」計画に基づく実行プログラムは、お話のように本計画に掲げた八つの目標の達成に向けて三カ年の事業計画を明らかにしたアクションプランでございまして、予算と連動させることで高い実効性を担保しております。
 実行プログラムの事業は多岐にわたりますが、実行プログラム二〇一一で挙げれば、三百七十四の事業で構成されております。
 お尋ねのございました四つの実行プログラムの事業費と執行額を単純に足し上げまして執行率を計算いたしますと、八〇・三%となります。
 施策の進進状況もおおむね順調でございまして、例えば「十年後の東京」計画で目標の1に掲げた緑化の推進については、一千ヘクタールの緑の創出という目標に対し、平成二十三年度末までに約五百ヘクタールの緑を生み出しております。
 また、少子化対策では、保育所定員数を約三万三千人分拡充するなど、待機児童の解消に向けた取り組みを進めるとともに、雇用対策では東京しごとセンターにおけるきめ細かい支援を通じて、約六万一千人の就業を実現しているところでございます。

○鈴木(勝)委員 今ご説明をいただきましたけれども、総事業費の執行率は八〇%を超えて、おおむね順調に推移しているということでございましたから、実質使われました、執行された予算、お金というのは、一兆八千億円近い事業費が執行されたということだろうと思います。しかし、これだけ大規模な予算を執行した、その効果というものを都民に相当わかりやすくきちんと説明する必要があろうかと思っております。
 そこで、今説明のありました約五百ヘクタールの緑化事業、約三万三千人の保育所の定員数の拡充などの待機児童対策、そして東京しごとセンターでの六万一千人の就業実績、各局が「十年後の東京」計画を着実に推進してきた結果だとは思っておりますが、具体的にどのような事業を展開してきたのか、お伺いをいたします。

○前田知事本局長 緑化の推進につきましては、学校の校庭芝生化を進めるとともに、約二百五十ヘクタールに上る規模の都市公園の整備や海の森を初めといたしました水辺の緑化などを推進してまいりましたほか、規制や誘導により市街地等の緑化を促進してまいりました。
 また、待機児童の解消の取り組みにつきましては、先ほど三万三千人の拡充と申し上げましたが、そのうち、大都市特有の保育ニーズにこたえる都独自の認証保育所で約一万一千人分の保育所定員数の拡充を図るなど、保育所の整備を促進するとともに、家庭的保育の共同実施、保育サービスを支えます人材の育成、確保などを実施してきたところでございます。
 さらに、リーマンショック以降の厳しい雇用環境の中におけます就業支援では、新卒者等若年者に対する合同企業説明会の開催を初め、採用意欲の高い中小企業とのマッチングなどに取り組むとともに、出産、子育てなどにより離職した女性の再就職支援や高年齢者が中小企業で専門スキルを活用するためのプログラムなどを具体的に展開してまいりました。

○鈴木(勝)委員 今お答えいただいた中で、例えば、緑化の推進では環境局の芝生化事業、そしてまた建設局の都市公園の整備事業、港湾局による海の森の整備など、さまざまな局で多様な事業を展開してきた成果として、約五百ヘクタールの緑を創出してきたということでございます。
 五百ヘクタールというと、どれぐらいの規模になるかというのは、これはわかりやすく、例えば後楽園のグラウンドがどれぐらい入るかとか、いろいろなはかり方があるとは思いますが、これまで一ヘクタールの緑を創出することに幾らの税金を投入してきたのか、一人を就職支援するために、どれぐらいの規模の財源を使ったのか、そういうさまざまな視点によって一般の都民にとってわかりやすい事業の評価や理解のされ方をしていく必要があろうかなというふうにも思っているところでございます。
 一口に緑といっても、芝生公園、海の森等、それぞれの特性などが異なることから、一くくりで扱うことは大変異論があるところかもしれませんけれども、事業の総括を行う手法の一つとして、さまざまな視点で基準をはかっていくということは有効だろうというふうに思っております。ぜひわかりやすく、それぞれの事業がどのような形で行われ、そして、どれぐらいの効率性を持って、その事業が達成できたのか、そして、それぞれどれぐらいの単価でお金がかかっているのか、そういったことをしっかりと説明を果たすべき、その責任があろうかというふうに思っておりますので、ぜひご検討いただきたいというふうに思います。
 今、例として、緑化事業に限らず「十年後の東京」計画に掲げられました施策目標の達成に向けては、数多くの事業の積み重ねや相乗効果が必要になるもの、横断的に複数の局が取り組みを推進していくことが必要になるものがございます。したがいまして、各局が実施しているそれぞれの事業の執行率や実績だけでは「十年後の東京」計画の的確な評価はなかなか単純にはできないと思います。どのように事業の効率性を高めていく必要があるかどうか、そのことについて執行状況を具体的に細かくチェックをしていくことで手がかり、ヒントが見つかるのではないかと思っております。
 緑化事業の中で校庭の芝生化を例にとりまして、これから質問をさせていただきたいと思います。
 「十年後の東京」計画では、水と緑の回廊で包まれた美しいまち東京を復活させることを第一の目標として掲げていますが、その中の校庭芝生化事業は、公立小中高を初め都立学校、私立学校、幼稚園、保育所を対象として複数の局が取り組んでおります。そのうち、直営の都立学校以外の校庭芝生化については、それぞれの施設の設置主体であります区市町村、学校法人及び社会福祉法人などへの補助事業として幅広く展開をされておりますが、まず、校庭芝生化の効果を確認した上で平成二十三年度の補助事業全体の実績がどうであったのかをお伺いさせてください。

○大野環境局長 まず芝生化の効果でございますが、緑化の推進、生物の生育環境の確保に加えまして、子どもたちが屋外で遊ぶ時間の増大、環境学習の教材としての活用、さらには、維持管理への参画を通じて地域コミュニティの形成促進などの効果があると考えております。
 次に、平成二十三年度の実績についてでございますが、公立小中学校四十七校、幼稚園、保育所十五カ所を新たに芝生化しておりまして、これらの整備費に加え、既存の芝生化施設に対する維持管理費、普及啓発経費などを合わせて決算額は約十九億円となっております。
 なお、これまで都内で芝生化された施設数は、公立小中学校、私立学校、幼稚園、保育所を合わせまして四百八十六となっております。

○鈴木(勝)委員 私も校庭の芝生化は、実は一生懸命取り組んでまいりました一人でございまして、校庭芝生化には本当に多様な効果があると思っておりますし、特に小中学生、これから育つ世代のために必要なものだと感じております。
 昨年度の実績は、今お話があったように新たに六十以上の施設が芝生化されたものの、決算資料だけを見てしまいますと、執行率は五割強となっているため、何らかの工夫をして、この芝生化を推進していく必要があろうかと思います。
 そこで、校庭芝生化の補助事業が予算どおり執行できない原因について、都としてどのように分析をしているのか、お伺いをいたします。

○大野環境局長 芝生化に踏み切れない学校などからは、芝生を管理できるか不安である、芝生の維持管理の担い手が不足している、芝生の養生期間は校庭などが利用できないため、学校行事の影響や校庭利用団体からの懸念があるなどの意見をいただいております。

○鈴木(勝)委員 今局長からお話がありましたように、まさに私も地元の足立区で校庭芝生化をこの三年近く取り組んでまいりましたけど、なかなかこの事業が予定どおりに進まないことが多々ありました。今お話しいただいたような、まさに原因で、この足立区でも校庭芝生化が少なかったことでございますが、しかし、せっかく措置をした予算が使われないというのは、施策の目的が十分に達成できていないということと、その分、税金が有効に使われなかったことによる機会費用が損失されているという見方も、一方ではできるんだろうと思います。
 執行率が低いということのみをもって問題だとは申し上げませんけれども、近年の厳しい財政環境においては、限られた財源を投入した施策の効果をより高めていくために知恵を絞っていく必要がこれからあろうかと思います。
 それでは、こうした状況に対し、都はどのような対策を講じていくつもりなのかをお伺いいたします。

○大野環境局長 都は、芝生化に対する学校などの不安や課題に対応するために、専門的、技術的なアドバイザーの派遣を行っているほか、保護者や地域住民の方々を芝生の維持管理のリーダーとして養成する講座の開催、区市町村や学校関係者に理解を深めていただくためのホームページ作成やリーフレットの配布などを行ってきております。また、施設の種類ごとに関係局が協力して説明会を実施しているほか、教育庁とともに芝生化した学校の事例発表会の開催や区市町村への訪問を行うなど、局間連携のもとで取り組みを進めております。

○鈴木(勝)委員 校庭芝生化の推進に向けまして、さまざまな対策を環境局の方で講じていることは理解をしますが、校庭芝生化をさらに推進していくためには、まず東京都が率先して、所有する施設の芝生化を進めていくべきだろうと考えます。
 そこで、直営でございます都立学校において、校庭芝生化の計画目標及び二十三年度末までの達成状況についてお伺いをいたします。また、芝生化の整備後には維持管理経費が必要になると思いますが、一校当たりの維持管理経費についてもあわせてお示しください。

○比留間教育長 「十年後の東京」を受け、平成十九年度に策定をいたしました緑の東京十年プロジェクトにおいて、都立学校につきましては二十三ヘクタールの校庭芝生化を目標としております。平成二十三年度は、高校十四校、特別支援学校三校で計約四・七ヘクタールの芝生化を行い、年度末現在、都立学校合わせて六十五校で目標面積の七八%に当たる約十八ヘクタールの芝生化を実現いたしました。
 今後さらに芝生化を推進することにより、平成二十五年度末には当初目標を達成する見込みでございます。
 また、芝生の維持管理についてでございますが、平成二十三年度決算ベースで見ますと、一校当たり芝生面積は約二千五百平方メートルであり、除草、芝刈り、肥料の散布などに要する経費は約百七十六万円となっております。

○鈴木(勝)委員 今教育長からもお話があったとおり、校庭芝生化の効果は、先ほどありましたように、大変いろいろな効果があると。それにしましても、維持費でいいますと、一校当たりの管理経費が百七十六万円といわれますと、私の地元の足立区でも小中学校合計で百九校ありますので、単純に掛け算しますと、一億九千万円が維持管理で必要となってまいります。
 この金額だけを見てしまいますと、当然区市町村でもしり込みをしてしまう、芝生化になかなか踏み出そうというご理解が得られないんじゃないかなというふうに思います。
 しかし、一方では、既に校庭を芝生化し、維持管理については地域との連携や教育課程に組み込んだ児童参加などの取り組みによりまして、教育の充実と経費の節減を両立している学校があるという話も聞いております。
 校庭芝生化の多様な効果にかんがみますと、一部の学校では児童に芝生化された校庭を活用した教育を提供できるのに、他の学校ではいろいろな事情によりまして校庭を芝生化できないということが認められるのであれば、これは公教育として果たすべき教育の機会均等という理念からも反するといわざるを得ないと思っております。
 校庭芝生化は、単に環境局が所管する緑化事業という枠を超えて、教育庁としても公教育の観点から主体的にこの事業を進めていくべきであるということは、「十年後の東京」に掲げられている事業であることもかんがみますと明らかであろうと思います。
 環境局事業としては、予算どおりの執行が難しくなっている、この公立小中学校における校庭芝生化について教育庁としても主体的に区市町村への働きかけを行うなど推進すべきと考えておりますが、見解をお伺いいたします。

○比留間教育長 校庭の芝生化は、子どもたちの体力を向上させ、自然への理解を深めるなど、教育上有意義な事業でございます。このため、都教育委員会は、これまで環境局とともに各自治体を個別に訪問し、芝生化を強く働きかけるとともに、独自の取り組みとして、百三十一校の公立小中学校で体験事業を実施してまいりました。今後、校庭芝生化を一層推進するためには、学校や区市町村教育委員会と密接な連携を図る必要があることから、今年度より教育庁が予算の執行委任を受け、取り組むことといたしました。
 具体的には、東京都教育の日のテーマを校庭芝生化の推進と定め、芝生の魅力の普及啓発を目的とした記念事業を行うほか、学校現場での実情に即した芝生化への助言などを行っており、全公立学校の芝生化を目標に積極的に取り組んでまいります。

○鈴木(勝)委員 今教育長にお話をいただいたことをお答えいただくために、実は芝生化のこのテーマを取り上げさせていただいたぐらいでございます。元来、校庭の芝生化というのは、特に小中学校においては緑化という目標ではなくて、教育という視点で目標とされるべき施策だと思っております。
 都立高校の校庭芝生化は、緑化面積が施策目標になっておりました。これも元来は、教育的な施策であれば学校数が目標とされていってしかるべきであろうと思います。校庭芝生化が進まない理由は、まさに先ほど環境局長からお話があったように、管理が難しい、管理費にお金がかかるなどの理由から、区がこの事業を積極的に進めていかない現状というのを私も地元で目の当たりにしました。このような課題を解決するためには、教育庁に事業移管をし、教育目標の一環として校庭芝生化を政策目標に掲げて課題解決を図ることが大変重要なことであろうと私自身は思っております。
 今教育長からお話をいただいたように、東京都として取り組むべき校庭芝生化に局の違いを超えて、最も効果の出やすい執行方法の工夫を行っている今回の環境局と教育庁の取り組みというのは、私は決算審査を通じて、都財政のPDCAサイクルを機能させるという、この視点から立てば、庁内すべての部局において、こういったことを参考にして取り組んでいただければなというふうに思うところでもございます。
 繰り返しになりますけれども、重要なことは事業がうまく進進していかない原因をしっかりと確認し、そのことについて各局が共通の認識を持って制度改革や事業移管を推進していくこと。校庭の芝生化を例に、どのような事業を推進していけばいいのかという多少ヒントがあったのだと思っております。
 知事本局に改めてご要望したいというのは、今回のこの校庭芝生化は、子どもたちの身近な緑をつくる重要な事業でもございますが、芝生化の対象によって所管局が異なっております。そうした中、計画全体について責任を負うべき知事本局が維持管理など現場が抱える課題を局横断的に把握をしていただいて、その解消に向けて取り組みを事業所管局とともに検討していただくこと、芝生化が着実に進むよう働きかけていただくことが重要かなと思っております。
 そして、こういった一連の作業がまさに「十年後の東京」の中間決算に当たるこの年、約二千あると聞いております全事業において、各局が行っていただくことが私はベストであろうと思っております。ぜひご理解をいただいて、お願いを申し上げたいと思います。
 次に、東京緊急対策二〇一一についてお伺いをします。
 いうまでもなく、平成二十三年三月の東日本大震災は、都政運営においても大きなインパクトを与え、都ではいち早く都政運営の新たな戦略を策定し、その中で東京緊急対策二〇一一の策定、あるいは「十年後の東京」計画の改定などの方針を明らかにしました。
 この東京緊急対策二〇一一に基づく補正予算は、一千三百億円を超える大規模なものとなりまして、都の総力を挙げた被災地支援、電力危機への対策、産業の再生に向けた支援など、早急に取り組むべきさまざまな予算が組み込まれております。いずれも重要な事項でございますけれども、この中でも都の防災対策の強化は都民の安心・安全に直結する施策でありまして、その実現は喫緊の課題であります。
 今回、都が緊急対策として補正予算まで編成して実施した以上、確実、効果的な執行がなされるべきであり、今回審査している平成二十三年度決算において、このことにつきましても厳しくチェックをしていく必要があろうと思います。
 この補正予算の中には、帰宅困難者対策、防災訓練、耐震化の促進、木造住宅密集地域対策など直ちに行うべきハード、ソフト両面のさまざまな対策、そして中長期の課題を調査検討するための費用が盛り込まれております。
 今回の決算審査では、これらの補正予算の執行状況についてしっかりと確認すべく、私は第三分科会におりましたので、執行状況の思わしくないものについて質疑を行いましたが、執行が思うように進まなかった理由はさまざまでございました。
 防災対策は全庁にわたりますので、執行状況の確認も各局にこれから聞く必要があろうかと思いますが、まずは防災対策の総合調整を担う総務局に総括的にお伺いをしたいと思います。
 平成二十三年度の補正予算を使って、都は防災対策にどのように取り組み、それはどのような形で結実しているのかについてお伺いをいたします。

○笠井総務局長 都は東日本大震災の発生を受け、防災対策の抜本的な見直しに向けた検討事項や直ちに対応すべき事項を東京緊急対策二〇一一に盛り込んだところでございます。
 庁内各局は、緊急輸送道路沿道建築物の耐震化促進やライフラインの機能確保など対策を迅速に推進するとともに、河川、港湾、下水道施設の技術的な検証など、さまざまな調査検討も進めてまいりました。
 総務局におきましても、昨年十一月に東京都防災対応指針を策定し、本年四月には最新の科学的知見を踏まえた首都直下地震等の新たな被害想定を公表したところでございます。
 こうしたさまざまな取り組みや調査検討の成果は現在修正を進めております地域防災計画に盛り込んでおりまして、昨年度の補正予算に基づく全庁の取り組みは、この地域防災計画の修正に結実をしていると考えております。

○鈴木(勝)委員 確かに、東日本大震災から一年半がたちまして、地域防災計画の修正も今月には提出されると聞いております。対策の全体がまとまって示されることは大いに評価をするものでございますけれども、残念ながら、個別の取り組みを見ますと不十分なものもまだまだたくさんございます。
 例えば、第三分科会で質問をさせていただきましたが、緊急輸送道路沿道建築物の耐震化事業は、まさにこれからスピード感を持って確実に実行されなければならない事業でございますが、執行率だけを見てしまいますと、まだまだ低い状況でもございました。
 耐震診断が義務化されたことによりまして、本年度は驚くペースで診断が進んでいるというお答えでございましたので、できるだけ速やかにこの耐震化事業が進むよう改めてお願いを申し上げたいと思っております。
 私は、計画ができましたら、当然ですがそれで終わりではなくて、できた後こそが大切だと思っておりますので、総務局の皆さん方には、防災計画については、特に各局が緊張感を持って事業を進めていただきますよう計画の進進をしっかりと見守っていただいて、進行管理をしていただきますようお願い申し上げます。
 続いて、個々の事業の取り組み状況について質問をいたしたいと思います。
 災害発生時に避難所となる公立学校の耐震化や要救護者を救う病院の耐震化も、人の命にかかわる重要な事業でございまして、東京緊急対策二〇一一にも取り上げられて、六月には補正予算が組まれたところでございます。このうち、公立小中学校等の耐震化支援事業について決算書だけを見ますと、驚いたことに平成二十三年度事業の執行率がわずか一三%以降ということでございました。都内の公立小中学校の耐震化はどのような状況にあるのかを改めてお伺いをいたします。

○比留間教育長 公立学校耐震化支援事業は、公立小中学校などの設置者である区市町村の耐震化工事に係る経費を国と都が協調して支援するものでございまして、区市町村の大きな負担となっていた実際の工事費と国庫補助基本額との差などについて、都が独自に補助を行うものでございます。
 平成二十三年度において、国は東日本大震災を受け早急な耐震化を図るため、年度途中に国庫補助金を増額し、実工事費との差額を大幅に解消した結果、都の補助額は減少いたしました。この国の措置により、平成二十三年度予算執行率は一三%でございますが、都内公立小中学校等の耐震化事業は着実に推進し、年度末における耐震化率は九六・七%となったところでございます。

○鈴木(勝)委員 今の教育長の答弁を聞いて安心をしたところでございます。この公立小中学校等の耐震化支援事業の決算は、今お話あったように予算執行率だけを見てしまいますと、事業評価ができない状況なのかなと、誤った評価をしてしまう可能性があると思います。重要なのは、事業目的がどれだけ達成できたかであって、今回のケースでは、今お話にあったように国費を積極的に活用できたことで都の財政負担を減らしながら、全国的に見ましても九六・七%と、大変進んだ成果を上げているということでございます。
 次に、同じく耐震化を推進している医療施設の耐震化についてお伺いをします。
 学校と同様に人の命にかかわる施設であり、災害時に重要な役割を果たすことになります病院の耐震化も、これも喫緊の課題でございます。
 そこで、都内病院の耐震化の状況と医療機関の耐震化のうち、東京緊急対策二〇一一として実施されました医療施設耐震化緊急対策事業の補助実績と執行率についてお伺いをいたします。

○川澄福祉保健局長 医療施設の耐震化につきましては、平成二十三年十月までに都内全病院の七八・九%が取り組んでおります。また、災害時に中核となる災害拠点病院につきましては、本年六月に新築建てかえ工事に着手した一病院を含め、すべての災害拠点病院が耐震化を進めております。お話の医療施設耐震化緊急対策事業の平成二十三年度の補助実績は、耐震診断十一施設、耐震補強三施設、新築建てかえ一施設、合計十五施設であり、執行率は五八・一%となっております。

○鈴木(勝)委員 病院の耐震化が着実に進んでいるということは理解できました。今の答弁でございましたように、執行率は五八%とのことでございますけれども、仮に、最終補正が行われなかったとしますと、執行率は二五%ということになります。最終補正で予算額を減額したことによりまして執行率が多少高くなっておりますけれども、いずれにしても、緊急対策を策定したときに見込んだ成果は、なかなか思うように上がっていないとはいえるのではないかと思っております。
 病院の耐震化の現状について、私もいろいろと調べてみました。すぐに耐震化に取り組めない理由としまして、病院関係者から聞いた話によりますと、病院の耐震化は病院にとって数十年に一度の大事業になり、病院の建てかえ等に当たっては工事期間中の収益の確保など財政面での課題に加え、建てかえのための土地の確保など、病院経営とのバランスが必要であるため、病院内部での意思決定にも時間がかかって、短い期間で事業の着手をするのは難しいという話でございました。
 こうした状況を踏まえて、都としてどのような工夫を行って病院の耐震化の促進に取り組んでいるのかを改めてお伺いいたします。

○川澄福祉保健局長 都はこれまで、災害拠点病院や救急医療機関を対象に耐震化を促進してまいりましたが、東日本大震災の教訓を踏まえ、災害時にも地域の病院が医療機能をできるだけ確保できるよう東京緊急対策二〇一一において、医療施設緊急対策事業の補助対象をすべての病院に拡大いたしました。また、新たに耐震化を検討する病院が院内調整等に要する期間を考慮して、事業期間についても延長し、平成二十七年度着工分までを対象といたしました。さらに、これまで補助条件としていた新築建てかえ時の病床削減義務を撤廃するなど、より利用しやすい制度としたところでございます。

○鈴木(勝)委員 今局長から答弁をいただきましたように、事業計画の策定に時間を要することを配慮したことや、今お話あった病床削減義務を撤廃するなど、補助事業を利用する病院の事情を理解した上で、今回は都の独自の事業が構築されておりまして、事業者にとって使い勝手をよくしたことは、私自身は大変評価をされるべきであろうと思っております。
 六百四十五あるこの都内の病院、できるだけすべてが平成二十七年度までに、この事業を使って耐震化が進むように、これもぜひお願いを申し上げたいと思います。
 補正予算の事業執行率だけをとらえて分析を行いますと、確かに今申し上げてきました沿道建築物や病院、学校の耐震化は大変緊急かつ重要な施策であるにもかかわらず、執行率だけとらえてしまいますと、その低さに驚きましたけれども、しかし、今まさに局長から答弁でありましたように、その内容を確認して原因を分析すれば、事業がおおむね順調に執行されていることが確認できますし、各局が課題解決に向かって、それぞれ手だてができていることもよくわかります。重要なことは、事業の執行率が問題というのではなくて、事業の進進率が重要なことなんだろうなと思っております。
 全局を挙げて都の防災力強化を進めていくためには、局単位の検証にとどまることなく、局横断的な検証が必要になってこようと思っております。
 今伺ってきました緊急対策二〇一一に掲げられた多くの事業が実行プログラムに指定されておりますが、実行プログラムの検証においては、このような複数の局にまたがる施策をどのように検証していくか、このことにつきまして知事本局にお伺いをいたします。

○前田知事本局長 実行プログラムの改定に当たりましては、目標の確実な達成に向けて、毎年度すべての事業に対して、環境とか防災とか、そういった施策ごとに局横断的な視点から取り組みの実績、進進状況について検証を行いまして、その結果を翌年度の実行プログラムに反映しているところでございます。
 緊急対策二〇一一に掲げられました事業につきましては、複数年度にわたって事業展開が必要なものを中心に実行プログラムで取り上げまして、ただいま申し上げましたような検証作業を通じて施策の進進状況や課題を精査し、その結果を新たな目標設定や事業展開に反映することで、効果的、効率的な施策展開を図っているところでございます。

○鈴木(勝)委員 都政におきまして、施策の横ぐしを刺していくという役割が求められているのが知事本局であろうと思います。局をまたがる施策の検証や課題意識の共有、こういったものは、ぜひ今後もお願いをしたいというところでございます。
 こうした施策の検証をより効果的に行っていくためには、PDCAサイクル、とりわけ決算から翌年度予算という流れの中で事業の見直しを不断に行っていくような仕組みが庁内にも必要だろうと思います。
 事業評価や行政評価といった取り組みは、多くの自治体で導入をされておりますけれども、中には一過性のパフォーマンスになってしまい、なかなか期待したような効果が上がっていない自治体もあると聞いております。
 都においては、平成十八年度から新たな事業評価の取り組みを行っているようですが、そこで、これまで事業評価にどのような成果を上げてきたのかをお伺いいたします。

○中井財務局長 都が現在行っております事業評価は、二次にわたる財政再建推進プランに基づき、集中的に実施した事業見直しの成果を踏まえ、この見直し努力を財政再建を達成した後も継続していくための仕組みとして再構築したものでございます。
 具体的には予算編成の一環として、各局と連携しながら事業の成果や決算状況などを厳しく検証した上で、事業の見直し、再構築、あるいは拡大、充実などの方向づけを行い、その結果を予算等に的確に反映してきているところであります。
 二十四年度予算の編成においても、「十年後の東京」への実行プログラム事業を評価の重点対象としたほか、新たな公会計の視点に基づくコスト分析を一層活用するなど、検証機能をより充実強化し、約二百二十億円の財源確保につなげてきております。
 今後とも、事業局や関係部局との連携を密にし、これまで以上に創意工夫を凝らすなど、都庁の不断の自己改革努力として事業評価の一層の強化や、さらなる活用を図ってまいります。

○鈴木(勝)委員 今局長から答弁がありましたように、しっかりとした目標や予算の礎となるものは、一つ一つの決算をよくも悪くも検証しながら、よりよい事業にしていくという気概を職員が持つことだと思っております。現状に安穏とすることなく、今後もこうした取り組みをぜひ続けていっていただきたいと思っております。
 まさに、現下の景気低迷と長引くデフレの状況によりまして、日本経済は大変厳しい局面にあります。我が国の名目GDPが五百二十兆円あったところから、今四百六十兆円近くに落ち込んでいる中で、東京の総生産額も八十五兆円まで縮小傾向にあります。東京の経済的なポテンシャルは、とてつもなく大きいものでありまして、石原知事がよくお話をされておりました日本の心臓部であり頭脳である東京から日本を変えているという、そういう気概を我々はしっかりと持ち続けていく必要があろうと思います。
 そうした中、都が今年度投入しようとしております予算は、一般歳出ベースで四兆五千億円、さらにいえば石原知事のこの肝いりの実行プログラム事業では、全庁横断的な視点から集中的、重点的に展開する施策として七千五百億円の事業費を掲げております。
 これらの事業の執行状況を的確に分析して、来年度の予算、実行プログラムに反映させるとともに、これらの財源の投入が東京の経済にどのような波及効果をこれからもたらしていくのかを不断に検証いただいて、この今の日本の厳しい状況、日本の経済を牽引する戦略的な投資を東京都みずからが行っていただくことを強く皆さん方にご要望して、質問を終わらせていただきます。

○山下委員長 鈴木勝博委員の発言は終わりました。
 菅東一委員の発言を許します。

○菅委員 初めに、本委員会で我が党の質疑を始めるに当たりまして、まず自治体における決算の意義について、いま一度確認をしたいと思います。
 決算審議を通じて予算執行の成果について検証し、その結果を次の予算編成に生かしていくことは、より効果的、効率的な財政運営を行う上で極めて重要であります。予算編成から事業執行、決算審議、そして次期予算編成へと、検証結果を次の事業計画や施策へつなげていくことが都政をより高みに引き上げることとなります。
 そこで、歳入歳出決算を取りまとめる会計管理者に対し、決算の目的と意義について改めてお尋ねをいたします。

○松田会計管理局長 地方自治体における決算は、一会計年度内の歳入歳出予算に対する実際の収支の状態を計数的に明らかにしたものでございます。その役割は、議会や都民に対しまして予算の執行を通じて地方公共団体の行政目的が効率的に達成されたかどうかの判断材料を提供することでございまして、また次年度以降における行政運営の指標となるものでもございます。
 このような観点に立ちまして、都では平成十八年度決算からは、それまでの決算様式に加えて財務諸表や年次財務報告書など、さまざまな参考資料を議会に提出をいたしまして、多角的な検証が行えるよう努めてきているところでございます。
 今後とも、決算事務を総括する立場から円滑な決算審議に資するよう、正確かつ迅速に決算を調製するとともに、決算資料等についても不断の改善を図ってまいります。
 また、これによりまして、事業執行から決算、その成果の検証を次の施策へ生かすというプロセスの一翼を担ってまいります。

○菅委員 次に、平成二十三年度は、三・一一東日本大震災の発生により、行政の危機管理が問われた一年であったと思います。都は、現場を持った強みを発揮し、発災後速やかな対応を行い、被災地支援とともに都民の命を守る取り組みを進めてきた、このことは大変評価したいと思います。
 さて、昨年の第二回定例会におきまして異例ともいえる大型補正予算一千三百七十四億円を編成したわけでありますが、この予算編成の基本的な考え方を伺いたいと思います。

○中井財務局長 お話の補正予算は、東日本大震災を踏まえて昨年五月二十七日に策定いたしました東京緊急対策二〇一一を実施するに当たり、必要な経費について予算上の措置を講じたものであります。
 その内容でございますが、被災者、被災地支援、電力危機対策、放射能の不安への対応、産業の再生、高度な防災都市づくりという五つの柱で構成されておりまして、大震災による直接的な被害、影響への迅速な対応から将来を見据えた本格対策への準備まで、当時直ちに都がなすべきことを具体化するものとして編成したものでございます。

○菅委員 次に、この補正予算の執行の成果を踏まえた総括、これをお尋ねしたいと思います。

○中井財務局長 この補正予算は、被災地のニーズや都民、中小企業への影響などを的確に把握しながら、短期間で実効性のあるものとすべく、全庁を挙げて検討を行い編成したものであり、当時、都として直ちに着手すべきことはしっかりと盛り込んだものと考えております。
 また、執行段階においても刻々と変化する状況を踏まえながら、現場を持つ都の強みを生かして、知恵を出し工夫を重ねるなど、各局が最大限の努力を行い、迅速、円滑な執行が実現できたものと考えております。
 加えて、財政当局という立場で申し上げれば、年度当初の段階で一千億円を超える補正予算を編成できたのは、これまでの堅実な財政運営により都債の発行余力や基金という財政の力を培ってきたからであり、改めて財政の健全性や弾力性を堅持することの重要性を認識したところでございます。
 首都東京の防災力強化を初め、補正予算に計上された施策の多くは息の長い取り組みとなることから、今後も事業の成果や決算状況の分析、検証を徹底し、それを次の予算編成に生かしていくことが非常に重要であり、こうしたスタンスを引き続き堅持しながらしっかり取り組みを進めてまいります。

○菅委員 昨年度は、大局的な調査検討の年だったと、こういうふうに思います。その上で今年度、本格的なハード、ソフト整備が加速されたと認識しております。今後、来年度予算編成に入っていくわけでありますが、ご答弁いただいたように決算結果をしっかり検証した上で、より実効性がある施策へつなげていただくよう各局、全庁にお願いをし、次の質問に移ります。
 次に、平成二十三年度の最大の課題であった防災対策を総括する意味でお尋ねをいたします。
 去る九月には、地域防災計画の修正案が提示されました。その前段階として、都は昨年十一月に東京都防災対応指針をまとめ、国に先駆けて防災対策全般の見直しの方向性を示しております。我が党も指針の策定に向けて、東日本大震災復旧・復興対策推進本部のワーキングで活発な議論を行い、まず都民の命を守ることを最重点に都民の目線に立った地に足のついた対策を求めてまいりました。我が党の思いにこたえた防災対応指針が地域防災計画という形で結実しつつあるわけであります。
 そこで、昨年度防災対応指針をまとめた成果が地域防災計画の修正にどのように生かされているのか、まずお尋ねをいたします。

○笠井総務局長 都は早期に防災対策の再構築を図るため、昨年十一月に防災対応指針を策定いたしまして、多様な主体の連帯の強化と施策の複線化、多重化という、対策全般にかかわる二つの方向性を示すとともに、防災隣組の構築や木密地域の不燃化促進など、施策ごとの課題と対応の骨格を取りまとめたところでございます。
 現在進めております地域防災計画の修正では、指針の二つの方向性を踏まえ、初動時の自衛隊、警察、消防との連携強化や上下水道のバックアップ機能確保等の施策を盛り込んでおります。また、具体的な減災目標を掲げるとともに、施策ごとに具体的な到達目標を示すなど、対策の充実を図っております。
 今後、こうした対策の内容をわかりやすくまとめた概要版を作成いたしまして、都民の方々に広く周知していくこととしております。

○菅委員 防災対応指針が今回の地域防災計画の修正に十分に生かされていることが確認できました。まず大きな方向性を示し、次にそれを具体的に計画化していく、こういうステップを踏むことで全体として整合性のとれた対策ができるのみならず、国の防災対策もリードすることができると、こう思います。
 そうした意味で、指針の策定は非常に意義あるものでありました。地域防災計画の修正により、防災対策の全体像がまとまってきましたが、これからは、その計画をいかにスピード感を持って、あるいはまた創意工夫をして進めていくかという段階だろうと思います。ぜひとも全庁挙げてしっかり取り組んでいただくよう、お願いをいたします。
 次に、税収確保の点から個人都民税の取り組みについて伺います。
 財政状況が厳しい中、都税の徴収率向上は重要な課題であり、その中でも個人都民税の徴収率向上が重要なポイントになると考えております。
 個人都民税は、平成十九年の所得税から住民税への税源移譲により、税収に占める割合が増加しているとのことでありますが、個人都民税が都税に占める割合及び徴収率の推移はどうなっているのでしょうか、お尋ねをいたします。

○新田主税局長 個人都民税は、区市町村が個人区市町村民税とあわせて賦課徴収しておりますが、その個人都民税が都税に占めます割合は、税源移譲前の平成十八年度は九・一%でございましたが、平成十九年度は一四・一%と五ポイント増加、平成二十年度は一五・五%、平成二十一年度以降は一八%台で推移し、昨年度、平成二十三年度につきましては一八・〇%となっております。ほぼ税源移譲前の倍ということになっております。
 これは固定資産税、都市計画税、法人二税に次ぐ割合でございまして、今や個人都民税は重要な基幹税目となっております。
 一方、徴収率の推移は、平成十八年度は九三・七%、平成十九年度は九四・七%まで上昇いたしました。しかし、その後、世界的な景気低迷の影響などから平成二十年度は九三・六%、二十一年度、九二・八%、二十二年度、九一・九%と低下を続けまして、平成二十三年度は九一・八%となっております。

○菅委員 個人都民税については、都税収入に占める割合が高まる一方で、その徴収率は低下しているという現状にあります。また、都が直接徴収している税と違いまして、市町村が都民税をもあわせて賦課徴収しているということから、区市町村との連携が重要だと思います。
 都は、従来からさまざまな取り組みを行っていると聞いております。個人住民税の徴収については、都と区市町村共通の大きな課題であり、今後さらに東京全体で取り組みを強化すべきと考えますが、見解を伺います。

○新田主税局長 都におきましては、平成十六年度に個人都民税対策室を設置し、区市町村からの困難事案の引き受けや区市町村実務研修生の受け入れ、さらには都職員の派遣など多様な支援を行ってまいりました。また、平成二十三年度は各区市町村を訪問し、課題や要望をお伺いし、取り組みの充実を図ってきたところでございます。本年五月には、こうした取り組みをさらに発展させまして、区市町村とともに個人住民税徴収対策会議を立ち上げ、個人住民税の徴収は都と区市町村が協働で対処すべき喫緊の課題であるとの共通認識のもと、現在、来年二月の取りまとめを目指しまして課題の解決に向けた検討を区市町村と共同で行っております。
 また、取りまとめを待つまでもなく、可能なものにつきましては順次実施していくこととしておりまして、来月十二月になりますが、これをオール東京滞納ストップ強化月間と位置づけまして、広報や文書などによる納税喚起といった徴収対策を都及び全六十二区市町村で連携して実施いたします。
 こうした取り組みを積み重ねていきますことで、都、区市町村が一体となって取り組んでいくという意識の醸成と、さらなる連携の強化を図り、個人住民税の徴収率向上に努めてまいります。

○菅委員 次に、アジアヘッドクオータープロジェクトについて伺います。
 日本経済は二十年もの長きにわたり低迷を続けております。中小企業は疲弊し、以前にも増して厳しい経営を強いられております。また、少子高齢化の進展により、中長期的に見て、総需要の抑制や労働力不足などにより経済成長が低下する可能性が指摘されております。
 こうした厳しい状況の中で日本経済を再生させるためには、海外から人、金、情報を呼び込み、地域経済を活性化させることも真剣に考えていかなければなりません。都もこうした状況を背景に、昨年発表した「二〇二〇年の東京」を支える重要なプロジェクトの一つとして、アジアヘッドクオータープロジェクトを位置づけたものと認識をしております。
 昨年十二月、アジアヘッドクオーター特区が認定され、今後、官民挙げて外国企業誘致に取り組むこととなりますが、改めてアジアヘッドクオータープロジェクトの意義や目的をお尋ねいたします。

○前田知事本局長 アジアヘッドクオーター特区の取り組みは、東京への外国企業誘致を通じて対日投資の促進と中小企業を初めとする国内企業の活性化を目的としております。国際的に活動する外国企業はすぐれた経営ノウハウや海外における販売網などの経営資源を有しております。
 一方、東京を初め国内にはすぐれた技術力を持つ中小企業が多数存在しております。誘致をいたしました外国企業と、これら国内企業との連携により、国内企業の新規需要開拓や高付加価値化を促すことが期待できます。
 このため、先月開設いたしましたビジネスコンシェルジュ東京におきましてビジネス交流会等を行い、積極的なマッチングを実施するなど、特区制度を活用して外国企業誘致と国内企業のビジネスチャンスの拡大を図ってまいります。

○菅委員 次に、首都大学東京について伺います。
 首都大学東京は、平成十七年に四つの大学が統合して開学し、ことしで八年目となりました。既存の学問体系にとらわれない学部設定や現場体験型インターンシップなど先駆的な取り組みを行うことで志願倍率は平成二十一年度以降、年々上昇してきており、こうした実績を我が党は高く評価をいたしております。
 さて、平成二十三年度の都の一般会計決算を見ますと、大学運営を行う公立大学法人に対し、二百十六億円を支出しておりますが、法人はこれを活用して都政の課題にこたえ、さまざまな取り組みを展開していると思います。
 そこで、平成二十三年度における首都大学東京ならではの主な取り組みと、これに対する都の評価についてお尋ねをします。

○笠井総務局長 首都大学東京では、世界で活躍できる人材を育成するため、交換留学に関する協定締結校を平成二十三年度に七校ふやし、十一校とすることなどにより、留学生の派遣数を四十四名に大幅に増加させており、国際化への取り組みを着実に進めております。
 また、東日本大震災からの復興支援のため、放射性物質で汚染された木質系瓦れきの再生利用に関する研究を福島県と共同で行うなど、社会に対する貢献についても積極的に行っております。
 こうしたさまざまな取り組みに対し、東京都地方独立行政法人評価委員会は、年度計画に掲げた施策はおおむね達成しており、全体として平成二十三年度から始まる第二期中期目標期間を順調にスタートしたと評価をしているところでございます。
 今後とも、首都大学東京が都の施策を踏まえ、大都市の課題の解決に貢献する人材を育成、輩出していけるよう、都として一層支援してまいります。

○菅委員 次に、非行少年の立ち直り支援について伺います。
 非行少年は、ごく普通の家庭で育った少年の場合もありますが、中には幼少期より家庭環境に恵まれなかったり、長年、親から虐待を受けて育った少年が多く存在するという専門家の指摘があります。不幸にして罪を犯した少年に対し、その立ち直りを支援していくことは、次代を担う青少年の育成とあわせて犯罪のない安心・安全な地域をつくる上でも重要であります。
 非行少年については、保護司の方々の地域での地道な努力がその立ち直りに大きく貢献しているものと考えます。加えて、行政も少年の立ち直りをサポートする取り組みが求められる。
 都では、非行少年の立ち直り支援として、平成二十年度より非行少年立ち直り支援ワンストップセンター、愛称ぴあすぽを設置し、相談員が個々の少年に寄り添って、居場所の提供を初め、生活の自立支援、就学、就労の支援を行ってきました。
 まずは、この事業のこれまでの取り組みと実績についてお尋ねをいたします。

○樋口青少年・治安対策本部長 非行少年立ち直り支援ワンストップセンター、愛称ぴあすぽの延べ相談支援件数は、事業を開始した平成二十年度は三百四十件、翌二十一年度は四百九十五件でございましたが、家庭裁判所などに働きかけるなど、本事業の意義が関係者に理解されるよう周知に努めてまいりました結果、昨年度は延べ相談支援件数が八百八十三件となり、実績件数は毎年増加しております。

○菅委員 相談支援件数が年々ふえているという答弁があり、取り組みの成果が出ているものと考えます。
 それでは、本事業の今後の取り組みについて伺います。

○樋口青少年・治安対策本部長 非行少年の立ち直りには、少年の就学、就労、そして生活全般の悩みに適切に対応することが大切でございます。ぴあすぽでは、例えば、少年に付き添って学校説明会やハローワークに行くなど、個々の少年に応じた支援を行っておりますが、今後とも、非行からの立ち直りにおいて悩みを抱える少年や保護者のために関係機関と連携し、広く本事業の周知に努め、支援拡大に取り組んでまいります。

○菅委員 ぴあすぽは、少年一人一人に寄り添って支援する事業であり、全国的にも例のない事業であることは評価いたしますが、現在、世田谷区一カ所のみの事業であります。このような都の取り組みが多くの区市町村にも広く理解され、非行少年の立ち直りに積極的に取り組みが図られるよう、都はぴあすぽの拡充について検討するよう要望して質問を終わります。

○山下委員長 菅東一委員の発言は終わりました。
 高倉良生副委員長の発言を許します。

○高倉委員 昨年三・一一に東日本大震災が発生をいたしまして、平成二十三年度は、都の総力を挙げて被災地支援という直面した大きな課題に取り組んだわけであります。私たち都議会公明党は、繰り返し被災地に飛び、現場の生の声をお聞きしながら、都に具体的な支援策を求めてまいりました。
 そこで、最初に東日本大震災への対応について質問をいたします。
 昨年五月、私は都議会公明党の被災地調査チームの一員としまして福島県を訪れ、さまざまな団体の方々と意見交換をいたしました。
 福島の商工団体の方々と懇談をした際に、地震と津波に加えて原発事故、風評被害と何重もの被害によって観光を初め地域の産業が大きな打撃を受けているといったお話がございました。そして、その対策として、少しでも多くの人に福島に来ていただき地域経済を元気にする、そうした具体的な提案がございました。
 それを受けて、都議会公明党が都に強く要望して実現をしたのが昨年九月にスタートをした被災地応援ツアーでございます。被災地応援ツアーの取り組みによって、多くの都民が被災地を旅行に訪れ、宿泊し、食事をし、特産品の買い物をいたしました。人が訪れるということは非常に大きな波及効果があるわけであります。
 都が実施した被災地応援ツアーは、被災地の復興に向けて大きな役割を果たしたと思います。そこで、まず二十三年度の被災地応援ツアーの成果について答弁を求めます。

○中西産業労働局長 被災地応援ツアーは、東日本大震災によりまして観光客数が落ち込んだ被災地の復興支援のための緊急対策といたしまして都内旅行事業者と連携し、平成二十三年九月から実施しております。平成二十三年度は、岩手、宮城、福島の被災三県などを目的地とする旅行を対象といたしまして、参加者一人につき一泊三千円の助成を行い、延べ五万泊分を完売いたしました。本ツアーは被災地の復興支援に一定の貢献をしたものと考えております。

○高倉委員 私は、ことし二月にも改めて福島へ調査に参りました際に、旅館業の団体の方々とさらに意見交換をいたしました。都の被災地応援ツアーに対しては大変に感謝をされておりました。その一方で、小さな旅館も含めて県内全域の宿泊業者に応援ツアーが行き渡るように工夫してほしいと、そういった要望も受けたわけであります。
 こうした具体的な要望は、これまでも都議会公明党として質問で取り上げてきたところでありますけれども、被災地応援ツアーの事業効果を高めるための取り組みについて答弁を求めます。

○中西産業労働局長 被災地応援ツアーについては、その事業効果を高めるために本ツアーに関する都内旅行事業者への説明会の場を利用いたしまして、福島県や現地の観光協会と都内旅行事業者との情報交換の機会を設けております。その際、県内各地の観光施設や宿泊施設等をきめ細かく紹介していただくことにより、県内全域の観光PRの充実を図りました。都は引き続き、事業の効果がより広く行き渡るよう努めてまいります。

○高倉委員 被災地応援ツアーについては、都議会公明党の要望に沿って、今年度も引き続き福島県を対象として実施をされております。
 私は、ことしの七月、福島を訪れ、福島県議会の各会派の皆さんと懇談する機会を得ました。都の支援についてはどの方も大変に評価をされておりました。席上、都議会公明党の東村政調会長が被災地応援ツアーの福島県での継続実施と拡充について報告をいたしましたけれども、そのときには大変盛大な拍手が巻き起こったわけであります。福島県としての期待が大変大きいことを改めて感じました。福島県では、いまだに風評被害の影響が大きく影を落としておりまして、今後も支援を続けることが重要であります。
 来年のNHK大河ドラマでは、新島八重が生まれた会津地方が物語の舞台になると聞いております。こういったドラマもきっかけになり、さらにたくさんの都民が福島に行き、風評被害を払拭していくことが必要であると思います。そして、時とともに、震災の記憶が風化していかないように、被災地を、そして福島を忘れない、そういった意識を持ち続けることが大切ではないかと思います。
 事業の実績状況からも明らかなとおり、被災地からの評価も高く、都民にも反響のある被災地応援ツアーは、さらに継続して実施をしていくべきと思います。強く要望をしておきたいと思います。
 次いで、被災地への教員派遣について質問をいたします。
 東日本大震災による東北各県の甚大な被害の状況を踏まえ、都教育委員会では平成二十三年度、全国に先駆けて宮城県に教員を派遣しまして、教育復興の取り組みを支援いたしております。その後も多くの東京都の教員が宮城県の小中学校で活躍しておりますけれども、震災後の都の教員派遣と、それに続く全国からの宮城県への教員派遣の実績についてお伺いをします。

○比留間教育長 都教育委員会では、宮城県からの教員派遣要請にこたえ、被災後の県の教育復興の取り組みを支援するため、平成二十三年五月から教員を派遣しております。
 平成二十三年度は、県内の小中学校、高等学校、特別支援学校の計五十五校に対し、延べ九十人の教員を派遣いたしました。また、平成二十四年度は、小中学校二十五校に対し、二十五人の教員を一年の任期で派遣をしております。
 なお、他県の派遣状況につきましては、全国に先駆けて教員派遣を実施した都の事例を参考にして、平成二十三年度は八道県から延べ三十六人が、平成二十四年度は一県から五人が宮城県に派遣されていると聞いております。

○高倉委員 今ご答弁にありましたとおり、二十三年度は東京都からは延べ九十人と。そして、全国からは延べ三十六人と。都からの教員の派遣が非常に大きな役割を果たしたことが数字からもよくわかるわけでありまして、これについては高く評価をいたしたいと思います。
 都の教員派遣に対しては、宮城県の教育関係者や派遣先の校長等から多くの感謝の声が寄せられたというふうに聞いております。一方で、派遣教員の被災地での活動は、教員にとっても貴重な体験になりまして、教員自身の成長につながるものだと思います。
 そこで、派遣教員が被災地で取り組んできた具体的な活動の状況と、その経験を子どもたちの教育にどう生かしているのか、お伺いをいたします。

○比留間教育長 派遣教員は、被災した児童生徒の実情に応じたきめ細かな学習指導や心のケアを行うとともに、通学に支障を来す中で登下校指導や避難所運営の支援、不足教材の調達管理などに取り組んできました。派遣が終了し、都の所属校に戻ってからは、被災地での経験を踏まえ、体験談や写真などを教材として、自助、共助の大切さを教えるとともに、教員やPTA対象の研修会で講演を行うなど、防災教育の充実に力を発揮しております。また、被災地の生徒を招いての意見交換会や都立学校生徒による宮城県の学校訪問など、児童生徒の交流を行うことにより被災地の現状の理解を促すとともに、防災意識の啓発を図っております。

○高倉委員 通学に支障を来す中での登下校指導、あるいは避難所運営の支援と、本当にさまざまなところで活動されてきたと思います。震災によって、非常に遠方から通わなければならない、そういった児童生徒の皆さんも大変多くいたと思います。そうしたことに対してきめ細かく対応したということでありますし、また避難所運営にも携わったということは、大変にすばらしいことであると思います。心から感謝と拍手を送りたいと思います。
 派遣教員の被災地での経験が所属する学校でさまざまな形で生かされているということは今のご答弁でよくわかりました。こうした貴重な経験は、所属校だけでなく都全体で活用していくべきと考えますけれども、所見をお伺いいたします。

○比留間教育長 都教育委員会では、本年三月、被災地への派遣について広く周知するため、多数の学校関係者を招いた報告会を開催いたしました。報告会では、派遣教員が学校教育の再開に奮闘し、心のケアに取り組む様子が発表をされました。今年度の派遣終了後も長期にわたり不安定な生活が続く児童への指導など、被災地での活動について報告会を開催していく予定でございます。
 また、区市町村や学校に対しては、派遣教員が被災地派遣で得た経験を学校内外の防災対策等を進める上で積極的に活用するよう働きかけております。
 今後、派遣教員のさまざまな活動をまとめた事例集を作成し、区市町村や学校に配布することにより、都全体で派遣教員の経験を活用してまいります。

○高倉委員 すばらしい派遣教員の皆さんの活動だというふうに思いますので、ぜひ積極的に活用していただきたいと思います。
 そして、今の答弁の中で、今後派遣教員のさまざまな活動をまとめた事例集を作成する、こういうお話がありました。私たちの記憶というのは、やはり時間がたつとともに風化をしていくと思います。しかし、文字に残したものは、これは長く長く残っていくものだと思います。都の派遣教員のすばらしい活躍があったわけでありますから、ぜひ長期間にわたって活用される事例集を作成していただきたいと思います。
 次に、被災地の東京への避難者の雇用支援についてお伺いいたします。
 都内では、現在も九千人を超える被災地の方々が避難生活を続けていらっしゃいます。平成二十三年度末の二十四年二月に実施された都内避難者に対するアンケート調査によりますと、現在の生活資金については、年金、恩給、貯金、給料を挙げている人が多く、次いで東電の就労不能損害補償となっております。
 五十九歳以下で現在仕事をしていない人の約四割は、就職活動中と回答しておりまして、今後、就職活動予定の人も約二割おります。
 また、複数の回答でありますけれども、就職活動中と答えた人のすべてが都内で就職活動をしているというふうに答えております。
 都では、昨年夏から緊急就職支援事業を実施いたしまして、都内での就職を希望する避難者の就業支援をしておりますけれども、具体的な支援内容と平成二十三年度の実績をお伺いいたします。

○中西産業労働局長 都は、平成二十三年八月から東京しごとセンターに緊急就職支援事業に基づく窓口を設置いたしまして、個別担当制のカウンセリングや職業紹介を行うほか、一定期間以上雇い入れを行っていただいた企業に対して助成金を支給しております。
 東日本大震災の被災者及び避難者の平成二十三年度の支援実績につきましては、三百十一人が窓口を利用し、うち百七人が就職をいたしました。昨年八月の事業開始以来、本年九月までに合計四百九十八人を支援し、二百五十七人の就職が実現しております。

○高倉委員 今のご答弁で、二十三年度が百七人、そして本年の九月末までを入れますと、二百五十七人の就職が実現をしているということで、効果、成果は上がっていると思います。
 しかしながら、都内での避難者はまだまだ先ほど申し上げましたように、大変多数の方がいらっしゃるわけであります。当然、就職に悩んでいらっしゃる方も多いというふうに思います。さらなる取り組みが必要であるというふうに思います。
 都議会公明党は、平成二十三年の第二回定例会で、就業支援については、避難者一人一人の立場を踏まえた工夫が必要と訴えてまいりました。これに対して、産業労働局長は、きめ細かい支援に取り組んでいく考えを示されました。避難者の早期の就職のためには、きめ細かなカウンセリングはもちろんのこと、身近なところでの相談も重要であります。
 また、都内の企業の状況について、自分の目で見て直接話を聞くことを通じて情報収集をしたいという方もいらっしゃると思います。
 さらには、普及が進んでいる携帯電話やスマートフォンを初めとするIT機器を使って、いつでもどこでも就職に関する必要な情報を得られる環境というのを整えていくことも必要であると思います。
 こうした避難者の多様なニーズを踏まえた支援について、現在の取り組み状況をお伺いするとともに、あわせて、例えば、ツイッターなどを活用した情報提供方法により支援内容をアピールしていくことについて所見を求めたいと思います。

○中西産業労働局長 避難者の早期就職を実現するためには、一人一人の状況に応じた多様な支援を実施いたしますとともに、その支援に関する情報を適時適切に提供していくことが重要でございます。このため、就職に関する相談については、東京しごとセンターにおける窓口や電話による相談に加え、応急仮設住宅として利用されている国家公務員宿舎、東雲住宅を初め、都内各地で巡回相談も実施しております。
 また、避難者それぞれのニーズに応じて就職活動についてのセミナーや職場見学会、合同就職面接会によるマッチングなど、さまざまな支援を行っております。
 これらの支援に関する情報については、現在、個別郵送やホームページへの掲載などにより周知を図っておりますが、今後は携帯端末の普及を踏まえた情報提供ツールの活用も検討してまいります。
 こうした取り組みによりまして、避難者の生活安定に向けた早期就職を支援してまいります。

○高倉委員 これまで、さまざまな相談のほかに巡回相談、さらには職場の見学会、また合同の就職面接会と、大変きめ細かな取り組みを行ってきているということがよくわかりました。
 今私が申し上げましたけれども、新しい取り組みというのも、ぜひ積極的に推進をしていただきたいというふうに思います。
 続きまして、芸術文化活動、そしてスポーツ交流を通じた被災地支援についてお伺いをいたします。
 東日本大震災の記憶の風化が心配される中で、被災者の方々からは被災地のことを忘れないでほしいと、そういった声が数多く上がっております。被災地の復興に向けた支援については、被災者の方々への心の支援、励ましにつながる支援も継続をしていくことが重要であると思います。
 都議会公明党は、このような支援としまして、芸術文化活動やスポーツ交流を通じての被災地支援を繰り返し提案をしてまいりました。
 まず、平成二十三年度の芸術文化活動、また、スポーツ交流を通じての支援内容につきまして、生活文化局長とスポーツ振興局長にそれぞれお伺いをいたしたいと思います。

○小林生活文化局長 東京都は、震災後直ちに被災地で芸術文化に触れる機会をつくり、被災された方々の心をいやす活動に取り組んでまいりました。
 具体的には、東京都交響楽団が宮城県、福島県で学校などを演奏会場に三十一回の公演を行い、ヘブンアーチストは、宮城県、岩手県、福島県で仮設住宅や学校などを会場に二十一回の公演を行いました。
 また、被災三県や現地NPOと連携をし、住民と協働してアート作品をつくるなど、十九のアートプログラム事業を実施したところであります。
 これらの活動を通じまして、被災地の方々から、子どもたちに笑顔が戻った、それまで住民同士のつながりが希薄だった仮設住宅内に一体感が生まれたなど、多くの感謝の声をいただいております。

○細井スポーツ振興局長 スポーツを通じた被災地支援事業は、アスリートを被災三県に派遣するアスリート派遣事業、子どもたちを東京に招待し、国際大会などを観戦する観戦招待事業、東京マラソンへ高校生ランナーを招待する事業のほか、被災地の子どもたちと東京の子どもたちが都内で交流するスポーツ交流事業を行ってまいりました。
 このうち、平成二十三年度のスポーツ交流事業では、夏休みの期間中に被災三県から計六十九名の小中学生を東京に招待し、延べ二百名を超える都内の小中学生が参加し、交流をしたところでございます。
 具体的には、八王子市の少年サッカークラブと少年野球チーム及び墨田区の少年野球チームが受け入れ先となり、子どもたちの家にホームステイし、合同練習及び交流試合、地域交流のプログラムなどで一緒に体を動かし、スポーツを通じて交流を行ったところでございます。

○高倉委員 今、両局長から答弁をいただきました。生活文化局長から答弁がありました中の東京都交響楽団、三十一回の公演を行ったというお話でありました。
 私ども都議会公明党としても、この東京都交響楽団が実際に被災地で演奏をしているといったところに状況を見に参りました。そうした中で、例えば楽団員の方みずからがパンダの格好をして、子どもたちを初め被災者の方々を温かく迎えていたり、また被災地の方々ですけれども、地震や津波によって楽器を失ってしまったような生徒の皆さんが、久しぶりにそういう楽器による演奏を聞いたといった喜びの声とか、高齢者の方々は避難所で大変窮屈な思いをしておりましたけれども、非常に久しぶりに心が和らいだと、いろんな声がございまして、本当にこの間の取り組みについては感謝を申し上げたいと思います。
 そして、芸術文化や、このスポーツ交流は、被災地の方々にとって大変かけがえのない思い出になったというふうに思います。
 我が党の議員も参加をしたスポーツ交流、例えば八王子での交流では、スポーツの後、サマーランドにも子どもたちが行って、プールで楽しいひとときを過ごしたそうでありますけれども、食事の時間になっても、なかなか子どもたちがプールから上がろうとしなかったと、それぐらい喜んでいたということであります。
 そこで、こうした子どもたちの反響とスポーツ交流のその後の取り組みにつきまして、ご答弁をお願いしたいと思います。

○細井スポーツ振興局長 参加した子どもたちからは、震災の後はつらいこともあったけど、またみんなで野球ができたのはいい思い出などの声もございまして、思い切り汗を流すことで、さまざまなストレスを発散し、明るい笑顔を取り戻してくれたのではないかと思っております。
 平成二十四年度においては、三回から六回に回数をふやすとともに、種目も新たにバレーボールが加わるなど、昨年度以上、幅広く展開することができました。
 受け入れ先の子どもたちや保護者からも、交流することにより貴重な経験をさせてもらうことができたとの感謝の言葉や、この事業の継続を望む声が届くなど、スポーツを通じた被災地支援事業は大きな意義と効果をもたらしているものと考えております。
 今後とも、こうしたスポーツの力を最大限活用して、被災地の復興を支援してまいりたいと考えております。

○高倉委員 被災地の子どもたちと、そして東京の子どもたちが体験を共有するということは極めて大事なことと思います。
 ただいまスポーツ振興局長の方から、今後ともこうしたスポーツの力を最大限活用して復興の支援をしていきたいという力強いお言葉がありましたので、ぜひ期待をいたしたいと思います。
 次に、防災対策につきまして二点お伺いしたいと思います。
 まず、帰宅困難者対策であります。
 帰宅困難者対策につきましては、さきの第一分科会の質疑で我が党の吉倉議員が質疑をいたしまして、本年二月三日に都内主要ターミナル駅三駅で同時に実施した帰宅困難者対策訓練を中心に、この一年間の取り組みを掘り下げて検証をいたしました。
 一斉帰宅の抑制や情報提供など、さまざまな取り組みはこの一年間で進められてきたことが確認できたわけでありまして、我が国初めてとなる都独自の帰宅困難者対策条例の制定など、この間の取り組みは大いに評価できるものと思います。
 本日は、発災直後の混乱がおさまり、帰宅困難者が徒歩で帰宅する場合のサポート体制についてお伺いをいたします。
 都は、東日本大震災発生以前から九都県市で連携してコンビニエンスストアなどの業界団体の協力を得て、徒歩帰宅者に対して、水、トイレ、情報を提供する災害時帰宅支援ステーションの確保に努めてこられました。大震災を踏まえて一層こうした協力体制を拡充していく必要があります。災害時帰宅支援ステーションの拡充に向けた平成二十三年度の都の取り組みをお伺いいたします

○笠井総務局長 都はこれまで、発災直後の一斉帰宅の抑制を徹底した上で、混乱収拾後に帰宅困難者が円滑に帰宅できるよう、九都県市で連携して事業者団体等と協議を重ね、災害時帰宅支援ステーションの拡充を進めてまいりました。
 昨年度は、カラオケや飲食店をチェーン展開する四事業者と協定を締結し、都内で新たに四百九十六カ所を確保したところでございまして、今年度もファミリーレストランの事業者団体等と協定を締結したところでございます。
 そのほか、都内のガソリンスタンドや都立学校も災害時の帰宅困難者への支援ステーションとして体制を整えており、これらを合わせますと、都内のステーションは現在九千カ所を超えております。引き続き事業者団体等と連携し、帰宅支援体制の拡充に取り組んでまいります。

○高倉委員 もう一点の情報通信対策についてお伺いをいたします。
 東日本大震災の当日は、携帯電話がふくそうし、通話できない事態になりました。都民同士の連絡がとれないばかりか、実際に災害対応に必要な連絡もとれない状況でありました。
 都議会公明党は、昨年第三回定例会の質疑で、都と協力業界団体との迅速な情報連絡のために必要な場合には、電話の発信規制の影響を受けない衛星携帯電話の配備を進めるべきと主張いたしました。ほかにも無線機の配備など、さまざまな拡充策が必要であります。
 そこで、災害時の関係団体との通信確保に向けての衛星携帯電話を含めた取り組み状況を明らかにしていただきたいと思います。

○笠井総務局長 発災時の対応を迅速的確に行うためには、防災関係機関などとの連絡手段を確実に確保する必要がございます。
 このため、都はこれまでも、防災行政無線網の大容量化や災害情報システムの機能拡充により通信基盤の強化を図ってまいりましたが、これに加え、現在、初動時の対応を担う業界団体との連絡を確実に行うため、業務用無線機の配備を進めているところでございます。
 また、お話の衛星携帯電話につきましては、コスト面で割高ではあるものの、災害時に通信の発信規制を受けにくいことから、事業所間での連絡や協力団体への連絡手段として、各局において導入が進められております。
 現在の導入台数は、東日本大震災以後に導入した約七十台を含め、合計三百四十台となっております。

○高倉委員 三百四十台まで拡充をされたということで、大変に安全・安心につながっていくものだと思います。さらに、一層の取り組みをお願いしたいと思います。
 続きまして、住宅施策について高齢者の住まいということに関してお伺いいたします。
 高齢者の多くは、在宅において、あるいは住みなれた地域で生活をしたいと望んでおります。また、地域が担う共助の機能が低下している東京では、高齢者の見守りを充実させ、安全・安心を確保していくことが重要であります。
 こうした中、住まいの整備に当たりましては、高齢者が適切な負担で入居でき、緊急時対応や安否確認などの機能を備え、必要な介護、医療サービスが利用できるというケアつき住まいが求められます。都の場合、住まいの問題は都市整備局、介護、医療の問題は福祉保健局と縦割りになっておりますが、サービスつき高齢者向け住宅を推進するためには、両局が連携し、一つになって取り組むことが必要であります。
 都議会公明党は、平成二十一年第四回定例会で、他に先駆けてこの問題を取り上げました。以来、高齢者住まい法の改正を受け、東京版高齢者居住安定確保計画の策定や都市整備局と福祉保健局の積極的な連携を訴えてまいりました。
 そこで、国が高齢者住まい法を改正した後、都は高齢者の住まいに対して住宅部門と福祉部門が連携をし、どう対応してきたのか、経緯をお伺いしたいと思います。

○飯尾都市整備局長 都は、平成二十二年九月に高齢者の居住の安定確保に向けまして、住宅部門と福祉部門とが連携して、総合的、計画的に施策を推進するために、高齢者の居住安定確保プランを策定いたしました。また、本年三月に改定いたしました住宅政策の基本計画でございます住宅マスタープラン及び高齢者政策の基本計画でございます高齢者保健福祉計画におきまして、高齢者向け住宅の供給促進や居住支援を政策目標として位置づけました。
 さらに、本年八月には、こうした上位計画の改定を踏まえ、高齢者の居住安定確保プランの改定を行いまして、住宅と福祉の両部門の緊密な連携のもと施策を推進しております。

○高倉委員 高齢者の住まいに対するこの間の都の連携や対応については確認をいたしました。しかし、国においては、さらに高齢者住まい法を改正し、サービスつき高齢者向け住宅の制度化や補助の仕組みの構築など、高齢者の住まい整備に本腰を入れつつあります。都は、高齢者居住安定確保プラン策定後、高齢者向けケアつき賃貸住宅の供給促進を図ってまいりましたけれども、平成二十三年度の実績についてお伺いをいたします。

○飯尾都市整備局長 高齢者向けケアつき賃貸住宅につきましては、高齢者の居住安定確保プランにおきまして、平成二十一年度から二十六年度までに約六千戸を供給することといたしております。都は住宅の整備に当たりまして、緊急時対応サービスの常時提供や既存建物の改修による場合の独自の床面積基準の設定など、都の実情に合わせ工夫をいたしまして普及に取り組んでおります。
 平成二十三年度は、約千八百戸が供給され、昨年度までの合計は約二千七百戸と着実に整備が進んでおります。

○高倉委員 高齢者向けケアつき賃貸住宅の供給は区市町村の役割でありまして、建設費や家賃助成の実施主体である区市町村による供給促進に向けた取り組みが必要だと思います。
 また、都は実施主体である区市町村に対して、事業のさらなる周知を図っていくことが重要であります。昨年の第三回定例会で、都は区市町村との連携強化や事業者への周知のため、都独自の基準や支援策をわかりやすく示したパンフレットを作成し、積極的に取り組んでいくと意思表明がありました。
 そこで、都として今後、区市町村の取り組みを具体的にどう促進をしていくのか、見解をお伺いしたいと思います。

○飯尾都市整備局長 お話のとおり、区市町村の取り組みを促進するため、本年三月、パンフレットを作成いたしまして周知を行っているところでございます。周知に当たりましては、高齢者向けケアつき賃貸住宅の整備が進んでいない自治体を中心に直接出向きまして、今後の高齢化の動向や高齢者世帯の状況などを自治体別のデータを使って説明するとともに、モデルケースによる建設費補助の負担額や他の自治体における成功事例を紹介するなど働きかけを行っております。さらに、今後、自治体向けの見学会やセミナーの開催など、さまざまな方法を用いまして積極的に取り組みを促してまいります。

○高倉委員 今整備が進んでいない自治体を中心に直接出向いてというお話がありました。
 私の手元に、先ほど答弁がありました二十一年から二十三年までの戸数の整備、それに関連した形で、実際に進んでいる自治体と、それからそうでない自治体とやはりばらつきがあります。また、全く進んでいないようなところもあるわけでありまして、ぜひこうした点について、しっかり取り組みを進めていただきたいというふうに思います。
 こうしたケアつき賃貸住宅の中でも特に必要になってくるのは、介護や医療が必要になっても住み続けられる住宅であります。都は、介護施設や医療施設を併設したサービスつき高齢者向け住宅の整備をモデル事業として進めており、都議会公明党も第一号として完成した住宅を視察したところであります。
 地域の人も利用できるデイサービスや訪問看護ステーションが住宅に併設をされており、居住者が安心して暮らせるとともに、地域にも開かれた住宅として高く評価をされております。
 今後、こうした住宅の整備を積極的に推進をしていく必要があると思いますけれども、見解を伺います。

○川澄福祉保健局長 都は、平成二十一年度から高齢者向け住宅に医療や介護の事業所を併設し、入居者にサービスを提供する医療・介護連携型サービスつき高齢者向け住宅モデル事業を実施しております。これまで社会福祉法人と医療法人が連携した事業運営や区市が所有する公有地を活用した整備など、それぞれ特色のある事業を九件選定し、そのうち六件が現在開設しているところでございます。
 高齢者の地域での暮らしを支えるためには、医療や介護サービス等日常生活の中で切れ目なく提供するという地域包括ケアの考え方に立って施策を推進していくことが重要であり、モデル事業につきましても、こうした観点から詳細な検証を行い、関係局とも連携しながら、高齢者向け住まいの整備方策を検討してまいります。

○高倉委員 今答弁にありましたこのモデル事業でありますけれども、十分に検証して高齢者が医療や介護が必要になっても住み続けられる住宅の整備をさらに促進をしていただきたいと思います。
 今後、ひとり暮らしの高齢者や介護が必要な高齢者がますますふえていくことが見込まれる中で、高齢者の住まいの充実は喫緊の課題であります。都市整備局と福祉保健局がこれまで以上に連携をして、高齢者が安心して住み続けられる住宅をさらに充実していただくことを要望いたしまして、次の質問に移りたいと思います。
 次に、がん対策についてお伺いいたします。
 がん予防の観点から、がん検診を推進することが重要であります。平成二十年度から二十四年度までを計画期間とする都のがん対策推進計画では、職域を含むがん検診受診率五〇%を目指すとしております。
 都は、平成二十三年度には、がん検診受診キャンペーンやがん検診受診率向上事業、子宮がん予防普及啓発事業などに取り組んできておりますけれども、その具体的な内容と計画策定時と比べて受診率がどのぐらい向上したのか、お伺いをしたいと思います。

○川澄福祉保健局長 お話のように、都はこれまで、平成二十年に策定したがん対策推進計画に基づき、都民に対し、リーフレットやホームページ、イベントなどを通じ、がん検診の重要性や具体的な受診方法について周知を図ってきたところでございます。また、がん検診の実施主体である区市町村に対しましては、都が提案する個別の受診勧奨等、効果的な受診率向上策に取り組む際に包括補助事業により支援をしてまいりました。
 平成二十三年度には、特に若い世代に増加している子宮がんについて、対象者と同世代のタレントによるトークショーとライブを開催し、検診の重要性等について呼びかけるなど、重点的に周知を図ったところでございます。
 こうした取り組みにより、胃がん、肺がん、大腸がん、子宮がん、乳がんのいずれも検診受診率は計画策定時に比べ、七%から一五%上昇しております。

○高倉委員 がんの死因の中で、肺がんに次いで二番目に多い胃がんについて、ピロリ菌の検査を含むABC、リスク検診という検査があります。胃がんの原因としてピロリ菌の感染が多いということがわかってきております。ピロリ菌の感染の期間が長いと胃がんになりやすい萎縮性胃炎になるわけであります。
 ピロリ菌感染の有無を調べる検査と萎縮性胃炎の有無を調べるペプシノゲン法を組み合わせまして、胃がんになりやすいか否かのリスクを調べるのが胃がんリスク検診であります。
 この検査は、バリウム検査や内視鏡検査のように、直接胃がんを見つける検診ではありませんけれども、血液検査で済むために検診の負担が軽く、費用も割安なのが特徴であります。
 ピロリ菌感染のある人は、できる限り若い時期に除菌の治療を受けてピロリ菌を退治しますと、胃がんになる可能性はかなり低くなるといわれております。今後のがん予防に効果的な手法ではないかというふうに考えますけれども、都の見解をお伺いいたします。

○川澄福祉保健局長 国が平成二十四年六月に見直したがん対策推進基本計画では、ウイルスや細菌への感染は、がんの原因として寄与が高い因子とされているところでございます。その一つとして、お話のヘリコバクター・ピロリも胃がんと関連する細菌として挙げられておりますが、その除菌の有用性については、内外の知見をもとに検討するとされているところでございます。
 都としては、今後、こうした国の検討状況を注視してまいります。

○高倉委員 この胃がんのリスク検診を積極的に導入をする基礎的自治体も出てきているわけであります。がん対策は、今後総力を挙げて取り組んでいかなければならない重要な課題でありまして、こうした基礎的自治体による動向も都として十分に把握をしていただきまして、必要な取り組み、また支援というものを検討していただきたいと思います。
 最後に、動物の施策についてお伺いをいたします。
 家族の一員としてペットと暮らす人がふえております。東日本大震災では、被災地での愛護動物の保護が課題になりまして、東京でも避難者が連れてきた愛護動物をどうするかが課題になりました。私は昨年の第二回定例会でこの問題を取り上げまして、長期化する避難者の愛護動物への具体的な対応や都が被災地になった場合について、地域防災計画での明確な位置づけを求めたところであります。
 これに対して都は、都内への避難者が連れてきた犬や猫を一時的に預かる動物救援センターを日野市内に設置をいたしました。また、福島の方でも犬や猫を保護するために職員が活躍をされました。
 平成二十三年度に都が取り組んだ経験を踏まえた都の災害時における動物救護対策について、答弁を求めたいと思います。

○川澄福祉保健局長 都は、東日本大震災での動物救護の経験や動物愛護管理法の改正を踏まえ、九月に策定した東京都地域防災計画素案に動物の同行避難を前提とした避難所の受け入れ体制等の整備を新たに盛り込んだところでございます。
 今後、避難所管理運営の指針等を見直し、同行避難対策を定めるとともに、区市町村に対しましては、避難所における動物の取り扱いについて、飼養場所や資材の確保等を具体的に定めたマニュアルの作成を働きかけてまいります。また、被災動物に対する医療の提供や飼い主不明の動物の円滑な保護、収容ができるよう、区市町村や関係団体等との連携を一層強化してまいります。

○山下委員長 高倉良生副委員長の発言は終わりました。
 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後二時四十七分休憩

   午後三時五分開議

○山下委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 泉谷つよし副委員長の発言を許します。

○泉谷委員 まず、最近増加傾向にあるといわれております病気休暇、病気休職についてお伺いいたします。
 まず、病気休暇の定義ですが、負傷または疾病のための療養が必要であり、やむを得ず勤務できない場合に、医師の証明書等に基づき、最小限度必要と認める期間において与えられる休暇で、同一疾病の病気休養が引き続き九十日を超える場合には、病気休職になります。つまり同一疾病の場合、九十日までの病気休暇が取得できるということです。
 そこで、平成二十三年度における取得人数は何人で、総実日数は何日になり、平均取得日数は何日になるのか、お聞きいたします。

○笠井総務局長 知事部局の平成二十三年における病気休暇取得者数は七百五十七人、取得総日数は延べ三万八百二十一日、平均取得日数は四十・七日でございます。

○泉谷委員 ただいまのは知事部局の数であり、そのほか公営企業、教育庁、警視庁、消防庁などを含めますと、この数は大きくはね上がることと思います。
 知事部局では、取得人数は七百五十七人で、総実日数は三万八百二十一日ということで、平均取得日数は四十・七日ということでした。給与に関して、最大九十日までは一〇〇%支払われております。
 そこで、東京都の職員の平均年収はお幾らになるのか、お伺いします。

○笠井総務局長 都職員の平均年収は六百五十六万四千円でございます。

○泉谷委員 平均年収は六百五十六万四千円ということですが、それを年間の平均的な実労働日数、大体二百四十四日ということですので二百四十四日で割り、日給計算に換算しますと--ちょっと待ってください(「今やるの」と呼ぶ者あり)今聞いたんです。今初めて実数は聞いたので、今やるのが当たり前でしょう、事前に聞いておくなんていうことはできないんです。計算しますと二万六千九百円ということになります。病気休暇の総実日数を掛けると、実に八億二千九百万余りにもなります。
 ということは、知事部局だけで八億二千九百万、働かずに、ただ払いをしているということです。そのほか公営企業、教育庁、警視庁、消防庁を含めると、その数は膨大になります。
 また、ここ数年、精神疾患が増加し、取得日数が長期化している傾向が見られますが、次に病気休職ですが、同一疾病による病気休暇が九十日を超えてもなお勤務することのできない場合は、指定医師の診断等に基づき休職処分とする決定をし、三年を超えない範囲で休職期間をここに定めると聞いております。平成二十三年度で何人の職員の方が休職をしているか、お伺いいたします。

○笠井総務局長 知事部局の平成二十三年度における病気休職発令者は二百九十八人でございます。

○泉谷委員 二百九十八人ということです。
 では、民間企業の場合はどのような制度と運用になっているのでしょうか。病気休暇及び病気休職制度については、法律上の規定がないため公式データが公表されておりませんが、そもそも病気休暇制度のある企業は、従業員人数三十人以上の企業が中心で、全体の約二割といわれております。実際に制度を利用している企業は、同じく全体の約一三%といわれております。特に小規模な企業、零細企業といわれておりますが、そういったところはぎりぎりの人員配置で事業を行っているのが現状であり、病気休暇及び病気休職制度ともに設けていないところがほとんどであります。
 さらに、健康保険や共済組合で一年六カ月間支給される疾病手当についても、民間や国家公務員は給与日額の三分の二で六六・六%の給付率に対し、地方公務員共済では給付率が八〇%になり、ここでも高額になっています。
 ちなみに、自営業の方が加入している国民健康保険には疾病手当の制度はありません。
 最後に、誤解のないように申し上げますが、職員の皆様の福利厚生や待遇、ましてや病気やけがで療養されている方を批判しているのではありません。公務員の休暇制度については、育児休業や介護休業など、民間では必要と感じられながらも現実にはなかなかとりづらく、普及しない制度等についても、国の施策とともに民間をリードしていく責務もあると考えております。
 また、まじめで有能な人材が幅広く多く集まる職場環境や待遇に対することが何より重要です。そのためにも、一部の非常識な職員のために公務員全体が非常識と見られないよう、過剰な優遇制度をみずから改善していくことに期待するものです。
 東京都の病気休暇及び休職制度について、民間や納税者の立場から見て、相当かけ離れたものになっていると感じますが、局長の所見を伺います。

○笠井総務局長 病気休暇及び病気休職制度は、病気療養中の職員の生活と治療を一定限度保障し、少数精鋭体制の行政運営を支える貴重な人材として早期に職場へ復帰させ、公務能率を維持していくための重要な制度でございまして、国家公務員の制度に準じたものでございます。
 委員ご指摘の民間企業の病気休暇制度の現状ではありますが、産業労働局の調査によりますれば、都内の中小企業におきましては、病気休暇制度のある企業が四四・一%、病気休職制度に至りましては八四・四%の企業が導入しており、都においては、こうした現状も踏まえ、これまでも民間、国、他団体の制度を参考に適切な運用に努めてまいりました。
 また、地方公務員の傷病手当金の給付率が高いとのご指摘でございますが、実際の給付水準は、国、民間と均衡しているものと認識しております。地方公務員の給付率が高い仕組みとなっておりますのは、地方公務員は本給のみを算定基礎としているのに対して、国、民間は、本給に加えて諸手当も含め幅広い算定基礎としており、この算定基礎の差を給付率で調整し、給付水準を均衡させる仕組みとなっているのでございます。
 今後とも、病気休暇制度につきましては、その制度趣旨を踏まえ、国、他団体はもとより、民間の動向も注視しながら、一層適切な運用に努めてまいります。

○泉谷委員 ただいま病気休養の制度は、中小零細企業で四四・一%ということをいわれましたけれども、三、四人でやっている企業では、そういうものがほとんどないというのが、実際足で調べたところ、ほとんどの企業がそういった制度ができてないということになっております。
 多分、産業労働局が調べた制度というのは、いろんなアンケートを出して、それに答えた企業だけのパーセンテージだと思い、全部の企業にアンケート調査などはしていないと思っております。実際、うちの知り合いがやっているところには、そういった質問も来たこともありませんし、そういうことから、民間が九十日もとれる、そしてお金がもらえるということはないと思います。
 特に、介護でいいますと、ケアマネジャーが一人、病気で九十日やめたら、その業務をほかの人がやらなくてはいけなく、一人ケアマネの場合には、人数が、全部返さなくちゃいけない、あるいは人を入れなくちゃいけないということになりますので、そういった制度は民間では絶対あり得ないことだと思っております。
 次の質問に行きます。
 最近、公務員に対する都民の目は大変厳しいものになっております。そんな中で、ストレスを感じている職員の方も多くいると思われます。
 しかし、ほとんどの職員の皆様は、身近で接している限り、都民の負託にこたえるため、公務員として高い使命感と倫理観を持って職務に精励しておられます。そういう現実があるからこそ、職員の不祥事をニュースで知ると、とてもやりきれない気持ちになります。
 そこで、公営企業や教員も含めた都庁全体で、平成二十三年度に懲戒処分を受けた職員数についてお伺いします。

○笠井総務局長 平成二十三年度に懲戒処分を受けた職員数は、公営企業、教員、警視庁や消防庁を含め、都庁全体で百八十七人でございます。

○泉谷委員 この数につきましては、年々減少していることは評価いたしますが、民間企業であれば、住民から不買運動などさまざまな窮地に陥ります。しかし、都庁はいわば独占企業であり、東京都に住んでいる方であれば、その制度の上に生活が成り立っています。
 したがって、職員で不祥事があろうとも、都庁あるいは都民は、その制度から逃れることはできません。よく親方日の丸と、公務員の職員をやゆする言葉が使われますが、職員の意識の中には、このようなことがあるように思えてなりません。この数について局長はどのようにとらえているのか、お伺いいたします。

○笠井総務局長 職員は、都民の負託にこたえるため、公務員としての高い使命感と倫理観を持って職務に精励する責務を負っており、不祥事は決してあってはならないことでございます。
 これまでの非行防止対策により、懲戒処分者数は減少傾向にありますが、引き続き取り組みの徹底に努めることで、都民の負託にこたえていく必要があると認識をいたしております。

○泉谷委員 総務局として、これまで非行防止にどのように取り組んできたのか、また、依然として非行が発生している現状に対して、今後どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。

○笠井総務局長 都はこれまでも、非行防止対策として服務監察による指導助言のほか、職員の自己点検、研修の実施などを通じて、職員に強く自覚を促す取り組みを実施してまいりました。また、職員が非行を起こした場合における処分の程度と責任を明確化した懲戒処分の指針を策定し、厳正な処分を実施してきたほか、平成十九年には、処分の程度を厳しくすることで職員の意識づけを強化するとともに、平成二十年からすべての処分内容を公表しております。
 今後とも、こうした取り組みを進めるとともに、今般発生した汚職事故に伴う再発防止策の強化も行い、全職員に対し全体の奉仕者としての一層の意識の徹底を図り、非行の未然防止に努めてまいります。

○泉谷委員 次に、介護サービス事業者の指定についてお伺いします。
 介護保険制度におけるサービスの利用方法は、多様な介護サービス事業者の中から、利用者みずからの意思に基づき選択し利用する、利用者本位の仕組みになっております。
 事業者指定に当たっては、人員、設備、運営内容について、基本的には厚生労働省令で定める基準を満たせば、指定を受けることが可能となっていますが、サービスの質の確保という点では十分ではないと私は感じております。その指定申請数は増加の傾向にあり、大変労力の要る作業だと感じております。
 しかし、その反面、閉鎖に追い込まれている事業者も多く存在することも事実としてあります。そう考えていきますと、現在、施設系サービスで行われているような総量規制について、居宅系サービスにも、今後検討していく必要があるかもしれません。
 さて、東京都では、年々増加傾向にあるこの事業者指定の業務のうち、受付業務や一次審査の業務を、平成二十一年度より公益財団法人東京都福祉保健財団に委託しており、二十三年度で三年たちますが、その経過についてお伺いいたします。

○川澄福祉保健局長 指定居宅サービス事業者の新規指定申請に係る受付業務などを東京都福祉保健財団に委託することにより、都においては、新規指定後や指定更新時等の実地調査の規模を拡大することが可能となりました。実地調査では、不適正な運営を未然に防止し、介護サービスの質の確保を図るため、人員配置や事業運営が適切になされているか、きめ細かに確認しており、平成二十三年度は百七十九件の調査を実施いたしました。

○泉谷委員 今後、利用者の増加や介護給付費の増大が見込まれる中、不適切なサービス提供を見直し、介護給付費や介護保険料の増大を抑制することにより、介護保険を持続していかなければなりません。そのためには、介護サービス事業者に対し、指導検査等を通じ、必要な支援や指導を適宜行う必要があります。
 しかし、その増加し続ける事業者に対し、都だけで調査することには限界があります。幸いなことに、平成十八年四月の介護保険法の改正により、東京都と同様に市区町村にも事業者に対する立入調査権限が付与されました。都は、市区町村が実施する指導検査に対する助言などにより、連携した指導検査体制の強化が求められていますが、平成二十三年度ではどのような連携をされたのか、お伺いいたします。

○川澄福祉保健局長 都は、平成十八年四月の介護保険法改正以降、区市町村が適切に指導検査を実施できるよう、日ごろから区市町村からの相談にこたえ助言を行うとともに、指導検査の研修を実施するなど、技術的な支援を行ってまいりました。
 平成二十三年度におきましては研修会を二回開催し、百九十一名が参加したほか、派遣研修生の受け入れや都の指導検査への同行など、実践的な研修を行ったところでございます。こうした取り組みにより、介護保険事業者への区市町村の指導検査実績は、平成十八年度の約七百件から、平成二十三年度の約二千三百件へと、居宅サービスを中心に着実にふえているところでございます。

○泉谷委員 続きまして、二十三年度で事実上、事業者から料金を取って行う公表制度は終わりましたけれども、公表制度についてお伺いいたします。
 従来の介護サービス情報の公表制度は、公表されている情報のわかりにくさや手数料負担が過大であることから、利用者にとっても事業者にとっても評判がよいとはいえない仕組みでしたが、今年度から形を変えることになりました。
 これまでの制度は、事業者より料金を徴収して実施され、インターネット等での公表により、サービスを受ける人たちの選択肢がふえ、介護サービスの質の向上につながるといわれていた制度ですが、実際は、サービスを選択した利用者のアンケート結果を見ますと、介護サービスの質のよし悪しよりも、近い事業者、ケアマネジャーからの勧め等が大半を占めており、公表制度のデータが、当初の目的のために十分活用されていたとはいえない状況でした。
 そこで、お伺いいたします。今般見直された公表制度について、都は、各事業者から提供された多くのデータを活用し、今後の介護保険制度の質の向上に役に立てていただきたいと思うところですが、所見をお伺いします。

○川澄福祉保健局長 介護サービス情報の公表制度は、平成十八年度より介護保険法に基づき実施されておりますが、今回の法改正に伴い、都は今年度、調査方法や事業者の手数料負担などの見直しを行ったところでございます。また、国が管理している介護サービス情報公表システムも、利用者にわかりやすいよう大きく変更され、現在、新たな様式に合わせ、事業者が順次最新の情報を入力しているところでございます。
 都は、こうしたデータを集約し、地域ごとのサービスの分布状況を把握するとともに、保険者である区市町村に提供し、事業所の運営指導に役立てるなど、介護保険制度のより適正な運営に向け、活用を図ってまいります。

○泉谷委員 最後に、木造住宅密集地域における都市計画道路の整備についてお伺いいたします。
 昨年の東日本大震災以降、都民の震災に対する意識が強くなり、自分たちのまちは自分たちで守るを合い言葉に、逃げないで済むまちづくりをしていこうという機運が高まりました。
 そんな中、東京都が平成二十三年度に立ち上げた木密地域不燃化十年プロジェクトは、震災時に特に甚大な被害が想定される整備地域の改善を図る極めて重要な取り組みであるといえます。
 この中で、整備地域における東京都施行の都市計画道路については、特定整備路線として整備を加速することとしており、その候補区間については、六月の公表区間に引き続き、先日すべての区間が公表されたところであります。
 当該地域では、地域の方に歓迎される一方、計画道路とされていたにもかかわらず、都においてその優先順位が低いという理由から長年にわたり放置されてきたことから、この先数十年、計画道路が実施されることがないと考え、新築した方や、あるいはアパートなどを建てた人たちなど、その計画路線に係る住民からは戸惑いの声も聞かれます。そこで、これらの路線についてどのように選定したのか、改めてお伺いします。

○村尾東京都技監 木造住宅密集地域におきましては、延焼遮断や避難、救援救助などのための都市計画道路の整備が極めて重要でございます。そのため、都は、震災時に特に甚大な被害が想定される整備地域において、防災性の向上を図る都施行の都市計画道路を特定整備路線に選定して、整備を推進することといたしました。
 これまで各区と個別に意見交換を行い、地元状況の把握に努め、六月には、延焼遮断に大きな効果が見込まれる新設道路などを特定整備路線の候補区間として公表いたしました。さらに、一定の幅員が確保されている概成区間などにつきましても、関係機関と連携を図り、延焼遮断効果の詳細な検証などを行い、十月にはすべての候補区間を選定いたしました。
 今後とも、地元区と連携し、燃え広がらないまちの実現に向け、命を守る道路を全力で整備してまいります。

○泉谷委員 今お話がありましたけれども、この路線に係る住民には大変戸惑いもあると思いますので、住民説明会などを多数行うことによって、住民みずからが、道路ができてよかったなと思えるようなまちづくり、道路づくりをしていただくことをお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。

○山下委員長 泉谷つよし副委員長の発言は終わりました。
 田中たけし委員の発言を許します。

○田中委員 先ほどの菅委員に引き続き、都議会自民党を代表し、私は、文化、スポーツ、福祉、教育に関し、限られた時間の中、端的にお伺いをしてまいります。
 まず初めに、都立の文化施設について、昨年の東日本大震災の発生を踏まえ、震災対策の観点から伺います。
 都立の美術館、博物館は、東京の文化的な魅力を向上させる重要な役割を担っております。今後とも都立文化施設が国際的に強い発信力を持ち続けていくためには、いつ起こるかわからない大震災に備え、万全の対策を講じておかなければなりません。
 東日本大震災の際には、被災地以外でも多くの建物や設備が被災し、都内において、都立の文化施設でも、江戸東京博物館が一カ月程度の休館を余儀なくされるなどの被害が発生をいたしました。
 都は、東日本大震災後、具体的にどのように都立文化施設の復旧を行い、また、今後に備えた対策に取り組んでいるのか、お伺いをいたします。

○小林生活文化局長 東日本大震災では、江戸東京博物館で常設展示場の天井や空調機器等が破損し、収納棚の一部が変形をいたしました。また、東京文化会館では壁面に亀裂が入り、東京都現代美術館でも石垣が崩れるなど、各都立文化施設に被害が発生をいたしました。
 震災後、都は、平成二十三年度補正予算を活用いたしまして、破損した建物や故障した設備機器等の修復を行うとともに、震災後の電力不足に備えまして、照明のLED化等の対策を講じました。また、貴重な美術品等の転落を防ぐため、江戸東京博物館の収納棚の改修や展示ケースの耐震化を行うなど、当面必要となる応急対策を実施したところでございます。
 さらに、今回の大震災の教訓を踏まえまして、首都圏での震災発生に備えるため、各施設の非構造部材の耐震化状況や水害対策等について調査を実施いたしました。今後は、これらの調査結果を踏まえながら、大規模改修などの機会をとらえて必要な対策を講じ、都立文化施設の震災対策に万全を期してまいります。

○田中委員 我が党の要望にこたえて都が策定した東京緊急対策二〇一一と補正予算に基づき、着実な対策を進めてきたということだと思っております。人類共通の貴重な文化遺産を収蔵、展示している文化施設の耐震性を向上させることは、日本の国際的な信用そのものにかかわる問題であり、このことは、オリンピック・パラリンピックの招致にとっても極めて重要なことであります。こうした基本認識に立って、今後も都立文化施設の安全性の向上に、引き続き計画的に取り組んでいただきたいと思っております。
 次に、スポーツ祭東京二〇一三について伺います。
 我が党は、第二分科会において陸上競技場の整備状況について質疑を行いましたが、来年はいよいよスポーツ祭東京二〇一三が開催されます。先日終了したぎふ清流国体で、東京都選手団は、開催県に次ぐ男女総合成績第二位を獲得し、岐阜県から東京に開催地のバトンが渡されました。
 東京国体では、多摩・島しょ地域を中心に都内全域で競技会が開催されますが、国体の主役である各都道府県を代表する選手には、最高のパフォーマンスを発揮していただけるよう、競技施設の着実な整備が不可欠であります。
 そこで、国体競技を開催する区市町村施設においては、平成二十三年度までにどのように整備が行われたのか、お伺いをいたします。

○細井スポーツ振興局長 競技施設の整備につきましては、可能な限り既存の施設を活用する方針としております。平成二十三年度までに国体開催に必要な整備を行ったものは三十九施設ございまして、そのうち、都は三十三施設の整備に対して約二十六億円の補助を実施しております。これらの施設では、国体競技を行うために必要なグラウンド、床、照明、空調設備の整備を行ってきました。また、十一の施設で車いす使用者の観覧席、手すり、スロープの設置など、ユニバーサルデザイン化が図られました。
 引き続き国体開催に必要な整備を進めることによって、全国規模の大会の開催が可能になるとともに、今後多くの都民がトップレベルの施設でスポーツを楽しむ機会が得られるものと考えております。

○田中委員 スポーツ祭東京二〇一三の開催を契機に、都内のスポーツ環境の整備が進み、より多くの都民の皆さんがスポーツに親しむきっかけともなることを大いに期待をしております。
 東京都全域で開催するスポーツ祭東京二〇一三というビッグイベントを成功させるためには、競技施設の整備を含め、各競技会を開催する区市町村と東京都が十分連携していくことが重要であります。いよいよ来年の開催が迫っているスポーツ祭東京二〇一三の成功に向けた局長のご決意をお伺いいたします。

○細井スポーツ振興局長 スポーツ祭東京二〇一三は、来年一月の冬季大会に始まりまして、秋の本大会では、都内六十二すべての区市町村で何らかの競技会を実施するなど、過去最大の規模で行われるスポーツの祭典でございます。また、この大会は単なる競技会の開催にとどまらず、多摩・島しょの豊かな自然や歴史、文化、観光資源など、東京の魅力を全国に発信する絶好の機会ともなります。
 大会の準備に当たっては、六十二の区市町村を初め、競技団体などさまざまな関係団体と十分に連携を図るとともに、大会運営ボランティアなどの都民参画を進め、大会期間中、全国から集まる約百万人を超える選手や観客の皆様を温かいおもてなしの心でお迎えをしたいと考えております。スポーツ祭東京二〇一三を、都民、国民にスポーツの夢と感動を伝える最高の大会とすべく、今後とも成功に向けて全力を尽くしてまいります。

○田中委員 スポーツ祭東京二〇一三の開催される来年九月には、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックの開催都市が決定されます。ぜひとも東京招致をかち取り、大きな喜びの中でのスポーツ祭東京二〇一三を開催していただきたいと思います。
 次に、喫緊の課題である少子化対策について伺います。
 民主党が目玉政策として掲げた子ども手当は、制度設計について十分に議論を行わずに実施された結果、実施した二年のうちに三回も法律が変わり、そのたびに住民や地方は振り回されました。制度変更のたびに、システムの変更や住民対応、未申請の方への対応に、膨大な申請書の処理と、休日返上で作業に当たった実態があり、結果的に自公政権下で実施してきた児童手当の形に戻ったものであります。
 子ども手当の支給事務を実施する中で、実務を担った区市町村の負担は大変大きいものでありましたが、都は、区市町村の混乱を回避するためにどのような対策を講じたのか、お伺いいたします。

○川澄福祉保健局長 都は、子ども手当について制度の変更の都度、手当額や支給対象などに関して早期に情報提供を行うよう国に強く要望するとともに、実務を担う区市町村が円滑な支給を行えるよう、担当者向けの説明会を開催してまいりました。また、都民に制度を周知するため、都としてもホームページで制度の変更点をわかりやすく解説するほか、区市町村が配布するための広報用チラシのひな形を作成したところでございます。
 さらに、子ども手当に関する制度変更に伴い新たに生じる事務経費につきましても、区市町村の負担が生じることのないよう、財源措置を国に強く働きかけてきたところでございます。

○田中委員 このように、自治体の地道な努力により何とか子ども手当を期限に間に合わせながら支給できたものでありますが、私が調べたところ、この制度変遷に伴う区市町村の事務負担への経費は、平成二十三年度で何と約十四億円もかかっており、これは子ども手当への改悪がなければ生じなかった貴重な税金のむだ遣いであり、これこそ事業仕分けをしてもらいたかったものであります。
 子育て家庭への支援は、子ども手当もさることながら、子育てしながら働きたいという保護者の切実な保育ニーズに対応することも重要であります。
 さきの第二分科会で、私は、ニーズに的確に対応し、さまざまな保育サービスの拡充を図る都の待機児童対策及び認証保育所の実績について質疑を行いました。その中で、ゼロ歳児保育や延長保育など、大都市特有の保育ニーズに的確に対応している認証保育所は、今や認可保育所の三分の一にまで数をふやし、定員についても、昨年度までの過去三年間連続して二千人を超える増員が図られていることが明らかになりました。
 そこで、認証保育所設置がここまで進んだ要因について、都としてどのように分析しているのか、お伺いいたします。

○川澄福祉保健局長 認証保育所は、平成十三年度の制度創設以来、着実に設置が進み、本年十月一日現在六百五十八カ所、定員は二万二千人を超えております。認証に当たっては、大都市特有の保育ニーズに対応したゼロ歳児保育や十三時間開所、待機児童の約九割を占める二歳までの児童の定員を五割以上にすることを義務づけております。また、児童一人当たりの基準面積を弾力的に運用することで、転居や育児休業からの復帰など、年度途中に発生する保育ニーズにも柔軟に対応しているところでございます。
 このように、認可保育所だけではこたえ切れない都民の多様な保育ニーズに的確に対応していることで、認証保育所の設置が進んでいると認識しております。

○田中委員 ただいまご答弁いただきましたように、待機児童の約九割を占めるゼロ歳から二歳を積極的に受け入れ、年度途中の緊急の保育ニーズにも柔軟に対応する認証保育所は、都の待機児童対策にとっても不可欠なものとなっております。
 それにもかかわらず、共産党は、認証保育所は保育環境や保育内容が劣り、保育の質の面でも、認可保育所のみが待機児童対策として重要であると主張し、それに終始した質疑を行ってまいりました。
 そこで、認証保育所における保育の質の確保について、都のご見解をお伺いいたします。

○川澄福祉保健局長 都は、認証保育所における保育サービスの質を確保するため、認可保育所と同様、児童福祉法及び都の要綱に基づいて定期的な指導検査を行い、運営状況や保育内容等を確認しているところでございます。また、認証保育所職員を対象とした研修を実施するとともに、研修を行う区市町村を支援し、質の高い保育を支える人材の育成を図っております。
 平成二十三年度の福祉サービス第三者評価における利用者調査の結果では、約九割の方が家庭と保育所に信頼関係がある、一人一人の子どもが大切にされていると回答しており、認証保育所は、保育内容の面でも都民から高く評価されていると認識しております。

○田中委員 石原都知事が創設し、都議会自民党が推進してきた認証保育所は、都民が質の面でも高く評価し、進んでいるからこそ、これだけ短期間でふえてきておりますし、今や国自身も、認可保育所だけでは待機児童対策は不十分だと認め、家庭的保育や小規模保育、事業所内保育など多様な保育サービスを導入してきております。
 共産党も、認可、認可とばかりいうのではなく、保育環境の現状を踏まえ、保育ニーズにこたえる現実的な主張をぜひともしていただきたいものと思っております。
 我が党は、東京都独自の認証保育所制度を生かし、今後も発展させていくことを強く誓い、次の特別支援教育について質問をいたします。
 地元品川区の児童生徒も通っている都立城南特別支援学校にお邪魔することがあり、児童生徒の様子を拝見しております。そこで、特別支援学校における自立と社会参加を目指す教育についてお伺いをいたします。
 都立肢体不自由特別支援学校には、運動機能の障害が著しく、姿勢の維持などさまざまな場面で医療的な介助を必要とする児童生徒が在籍しており、医療等に関する外部専門家を活用し、教員と連携した指導が必要であると考えております。都教育委員会は、都立肢体不自由特別支援学校において、さまざまな外部専門家の導入を進めておりますが、その基本的な考え方と成果についてお伺いをいたします。

○比留間教育長 都立肢体不自由特別支援学校においては、児童生徒の障害が重度重複化、多様化しており、児童生徒が障害による学習面や生活面の困難を克服し自立を図るためには、教員と医療等の外部専門家とが連携して指導を充実させることにより、教育の質を高めていくことが重要でございます。
 このため、都教育委員会では、運動機能の改善を専門とする理学療法士、日常生活機能の向上を専門とする作業療法士等の外部専門家を導入し、姿勢保持の改善による体力の向上や、補助器具とパソコンを利用したコミュニケーションの実現など、運動機能や日常生活機能の向上を図ってまいりました。
 今後とも、教員と多様な分野の外部専門家との連携により、児童生徒一人一人の能力を最大限に伸長し、自立と社会参加に向けた教育を推進してまいります。

○田中委員 今後も外部専門家の積極的な活用が促進されることを期待しております。
 次に、都立知的障害特別支援学校に関しお伺いをいたします。
 この都立知的障害特別支援学校では、高等部の生徒が平成十三年度から平成二十三年度までの十年間に約一・九倍に増加していると伺っております。社会の一員として企業で働くことを望む障害のある生徒の声にこたえることは、極めて大切であると思っております。
 都教育委員会では、平成十九年度以降、企業就労を目指す高等部職業学科設置校を三校開校し、平成二十七年度までにさらに二校開校するとしております。そこで、都立知的障害特別支援学校高等部職業学科の取り組みと成果についてお伺いをいたします。

○比留間教育長 都立知的障害特別支援学校高等部職業学科では、就労が見込まれる分野の企業の協力を得て、校内に企業の職場を再現した実習室を設置しております。
 例えば、永福学園には喫茶室を、青峰学園には花き栽培温室を、南大沢学園には物流倉庫などの実習室を設置し、それぞれ実践的な職業教育を行っております。こうした職業教育を行うことにより、平成二十三年度の企業就労率は九五・五%となり、企業からは卒業生の職業能力を高く評価されております。
 今後開校する学校においては、既設校の実績を生かすとともに、近年就労先としての需要が拡大しているコンピューターによる情報の入出力業務について学ぶコースを新たに設置するなど、自立と社会参加に向けた職業教育の充実に努めてまいります。

○田中委員 企業の職務を想定した実習は有効で、卒業生の定着も図られます。今後は高等部職業学科の成果を普通科に普及させることを要望しておきます。今後とも、児童生徒のため一層の努力を求めます。
 現在、この決算特別委員会では平成二十三年度の予算執行状況の審査が行われておりますが、まさに石原都政の評価であります。改めて財政再建、公会計制度の導入、都立高校改革、三環状道路の整備を初めとする都市インフラの整備、認証保育所の創設等々、私は石原都政を高く評価をしていきたいと思っております。
 今後は、その成果を生かし、いわゆる石原レガシーをいかに維持発展させていくかが課題だと認識をしております。そのような視点から、今後の理事者のさらなるご尽力を強く期待をいたしまして、私の質問を終わります。

○山下委員長 田中たけし委員の発言は終わりました。
 小宮あんり委員の発言を許します。

○小宮委員 田中委員に引き続きまして、私からは、東京の経済活動を支える中小企業の支援について、海外販路開拓支援、その先の知財の保護、また金融支援についての三点、それから話は変わりますが、木造住宅密集地域の不燃化という、東京が抱える一つの大きな課題について伺ってまいります。
 初めに、海外展開を目指す中小企業に対する支援策について伺います。
 世界経済が減速傾向にある中でも、アジアの国々は活発な経済活動を展開しています。経済の先行きが不透明な中、アジア地域への販路を開拓することにより活路を見出そうという中小企業もふえてきています。
 しかし、アジアなど海外市場で事業を展開するためには、現地ニーズの的確な把握や独特の商習慣への対応など、乗り越えるべきさまざまな課題が存在しています。中小企業が、限られた人材でこうした壁を単独で突破するのは大変なご苦労が伴うことから、行政による積極的な支援が不可欠です。
 都では、中小企業の海外販路開拓を実践的に支援する事業を行っており、海外展開を希望する中小企業が増加する中で、取り組みの強化を進めていると聞いています。そこで、中小企業に対する海外販路開拓支援について、平成二十三年度の具体的な取り組みとその成果について伺います。

○中西産業労働局長 中小企業が海外で販路開拓を進める上で、現地の情報収集などを単独で行うことは困難であることから、行政によるきめ細かな支援が重要でございます。都は、商社OB等をそれぞれの専門分野ごとに海外販路ナビゲーターとして配置し、世界各都市のビジネスデスクから得る情報も活用して、現地の商品ニーズや市場動向、商慣習などに関する具体的なアドバイスを行っております。また、中小企業のすぐれた商品を発掘し、専門商社を通じて現地取引先とのマッチングを実施しております。
 平成二十三年度は、支援対象分野に情報サービス、化学、精密機械、環境・エネルギー・バイオの四分野を加え、合計八分野に拡大いたしますとともに、海外販路ナビゲーターの人数を倍増して支援体制を強化いたしました。その結果、四百四十四件の相談に対応し、百二十二の商品に対して支援を行い、現地企業などと十九件の成約を得たところでございます。
 今後とも、海外販路の開拓に取り組む中小企業を支援するため、積極的に事業展開してまいります。

○小宮委員 具体的な成果も出ているとのことですので、引き続き中小企業のニーズを踏まえて、積極的な支援をお願いしておきます。
 続いて、海外での知的財産に関する支援について伺います。
 海外での取引が活発になるほど、知的財産への配慮はますます欠かせないものとなっています。特に海外進出する中小企業が、特許の申請がおくれたために模倣品の被害に遭うケースが多いと聞きます。さらには、その模倣品が現地で流通するだけでなく、他国に輸出される例もあるといい、こうなってしまいますと、中小企業が海外進出で挽回することは極めて難しくなってしまいます。
 海外進出は、中小企業にとって成長の大きなチャンスであるとともに、一方で、権利侵害などのトラブルで大きな打撃を受ける危険性も見逃すことはできません。東京都知的財産総合センターでは、経営相談を一カ所で総合的にこたえるワンストップ相談窓口の設置や、企業の知財戦略の策定を三カ年にわたり訪問指導するなどの国に先駆けた取り組みにより、これまで中小企業の知的財産面のきめ細かい支援で成果を上げていますが、海外での知的財産のリスクが高まっている状況を踏まえると、着実な支援が必要であると考えますが、二十三年度の取り組みと実績について伺います。

○中西産業労働局長 海外への販路開拓を進める中小企業がふえる中、すぐれた技術や製品を知的財産として保護し、その権利をもとに事業を優位に進めるために支援をすることは重要でございます。
 東京都知的財産総合センターでは、中小企業の海外での知的財産の保護等に関する相談を行っており、近年、相談対象となる国が多様な広がりを見せていることから、平成二十三年度から各国の制度に精通した専門家を配置し体制強化を図るなどして、千件を超える相談に対応いたしました。
 また、海外での知的財産権の取得や保護を推進するため、外国特許出願等の経費の助成を実施しており、平成二十三年度は百五十六の案件を支援いたしました。さらに、海外の知的財産に関するセミナーを二十三回開催し、延べ五百二十人の参加があり、幅広く情報提供を行いました。こうした取り組みを総合的に展開して、海外における中小企業の知的財産の保護と活用を積極的に支援してまいります。

○小宮委員 ぜひ販路開拓と知的財産保護の両面から、中小企業の海外展開に際しての取り組みをしっかりと支援をしていっていただきたいと思います。
 次に、中小企業の資金繰り支援について伺います。
 先日の分科会質疑において、平成二十三年度の中小企業の資金繰り動向や制度融資の利用状況について幅広く伺いました。その中で、都は、中小企業を取り巻く経営環境が依然として厳しい中、震災対応の融資を新設するなど、セーフティーネット融資を重点的に推進してきたとのご答弁をいただいております。中小企業は、海外との厳しい競争にさらされるなど、日々ぎりぎりの状況で経営に取り組んでいます。こうした融資は、そうした企業への支援に大変役に立ったと考えています。
 そこで、本日は、このセーフティーネット融資による中小企業の資金繰り支援への具体的な取り組み状況について伺います。

○中西産業労働局長 都の制度融資では、災害の発生や景気の悪化等により経営に影響を受けている中小企業の資金繰りを支援するセーフティーネットといたしまして、都独自に信用保証料の補助など手厚い措置を講じた経営支援融資を実施しております。
 平成二十三年度は、この経営支援融資を重点的に推進した結果、利用実績は約二万七千件、五千六百五十七億円となり、制度融資額全体の約三割を占めております。また、このうち、東日本大震災に対応するため創設いたしました災害緊急の利用実績は約一万二千件、二千八百三十七億円であり、風評被害や取引先の被災等により売り上げが減少するなど、間接的な被害を受けた中小企業を幅広く支援してまいりました。
 なお、今年度も引き続き都内中小企業は厳しい経営環境にあることから、経営支援融資の一つでございます経営一般について、電気料金値上げの影響を受けている企業を新たに対象に加えたほか、より多くの中小企業が利用できるように融資条件を緩和いたしました。
 今後とも、都内中小企業の資金繰り状況の把握に努め、資金ニーズにかなった制度の充実と利用促進に努めてまいります。

○小宮委員 さきの分科会と本日の質疑を通じて、都が中小企業を取り巻く経営環境の変化に迅速に対応して、金融支援策を実施してきたことはよくわかりました。
 景気が後退局面に入ったという見方もあり、中小企業の資金繰り状況は依然として厳しさが続くと懸念されますが、国は、来年三月には中小企業金融円滑化法を終了させることとしています。都は、中小企業をめぐる情勢の変化をしっかりととらえながら、国とも民間とも違う都独自の支援策を的確に講じることによって、中小企業の資金繰り支援に万全を期していただきたいと思います。
 最後に、木密地域不燃化十年プロジェクトについて伺います。
 都は昨年度、首都直下地震の切迫性等を踏まえ、震災時に大規模な火災によって大きな被害が危惧をされる木造住宅密集地域の改善に向けて、木密地域不燃化十年プロジェクトを立ち上げました。本年一月に実施方針が策定された後、プロジェクトの柱となる不燃化特区や特定整備路線についての取り組みがこれまで着実に進められております。特に、この十月の末には、都が施行するすべての特定整備路線の候補区間が公表されました。整備に対する都民の関心は非常に高まっていると思います。
 そこで、改めてになりますが、特定整備路線の取り組みと意義について伺います。

○村尾東京都技監 木造住宅密集地域における特定整備路線につきましては、震災時に特に甚大な被害が想定される七千ヘクタールの整備地域の防災性向上を図る都施行の都市計画道路でございます。
 都は六月に、新設道路などを対象に特定整備路線の候補区間、二十三区間約二十三キロメートルを公表いたしました。また十月には、一定の道路幅員が確保されている概成区間などにつきましても、詳細に整備効果を検証の上、選定した五区間約三キロメートルを加え、すべての候補区間、二十八区間約二十六キロメートルを公表いたしました。
 特定整備路線の整備により延焼遮断の空間確保とともに、沿道などの建築物の不燃化を促進し、燃え広がらないまちを実現するほか、住民の安全な避難経路の確保、消防活動や救援救助活動の強化などにも多大な効果が見込まれるなど、木造住宅密集地域の安全性を飛躍的に向上していくこととなります。
 今後とも、地元区とも連携を図るとともに、関係権利者に対する特別の支援策について来月までに制度案を公表し、命を守る道路となる特定整備路線の整備に全庁を挙げ全力で取り組んでまいります。

○小宮委員 木密には、暮らす人の事情も年齢もさまざま、権利関係も複雑で、これまで各区において問題が解決されないままで来た、そんな歴史があると思います。今後、関係権利者への配慮等、地元区と連携を図られながら、まずは今回決定の区間についてしっかりと取り組んでいただくことを要望して、質問を終わります。

○山下委員長 小宮あんり委員の発言は終わりました。
 畔上三和子委員の発言を許します。

○畔上委員 二〇一一年度決算の審査に当たって、長期にわたる経済悪化が続くもとで、深刻化する都民の暮らし、福祉、そして中小企業の経営を守るために、どう手だてを尽くしてきたのか、震災対策にどう取り組んできたのかが問われているんだと思います。何点か伺います。
 まず、中小企業支援についてです。
 先ほどもお話がありましたが、こうした厳しい状況の中で、中小企業の金融円滑化法、これが来年の三月までとする金融担当大臣談話が昨日発表されたばかりです。それだけに、ますます都の役割が重要なわけであって、都の施策を改善、拡充することが求められていると思います。
 そこで、都の設備リース事業がどうであったのか、改めて質問をしたいと思います。
 案内パンフでは、中小企業支援対策として、設備の導入を促進し経営基盤の強化を図る、低廉なリース料で提供とされています。そのために、都は百七十五億円を東京都中小企業振興公社に出損をし、二〇〇八年から二〇一二年度まで十二億円から三億円の事業予算を組んできました。
 ところが、リース事業の利用者は事業開始から三年半で三十件、これまでの予算の執行率もゼロ%から八%です。この事業が中小企業にほとんど利用されていないということについてどう認識しているのか、まず伺います。

○中西産業労働局長 リーマンショック以降の景気低迷に加えまして、東日本大震災の影響や長引く円高などの厳しい経営環境の中で、中小企業の設備投資意欲は低い状況にございます。こうしたことが、本事業の実績が上がらない要因と考えております。

○畔上委員 景気低迷が原因というふうにおっしゃいましたが、そういう中でも中小企業は設備投資をしているところもありますし、また、リースへの支援は切実に求められているものです。
 私は、リースで設備投資をした中小企業に聞いてまいりましたが、その会社では、五年リースで都のリース料率一・七九八%より安いリース料率一・六五%、ほかでも一・七%ということでありました。都のリースの事業については、リース料が高くメリットがないといっておりました。さらに、申し込みから決定までに最短でも二カ月もかかるというもので、かかり過ぎだということであります。
 都は、こうした意見をどう受けとめていますか。中小企業の意見を聞いて、事業の問題点の検証をしていらっしゃるんでしょうか、伺います。

○中西産業労働局長 先ほどご答弁いたしましたが、本事業の実績が上がらない理由につきましては、景気低迷の中にありまして、中小企業の設備投資意欲が低い状況にあるというふうにとらえております。本年十月に公表されました日銀短観におきましても、平成二十三年度の中小企業の設備投資実績について、金額ベースで見ますと、全産業で前年度と比較してマイナス四・七%と低い水準で推移しております。こうした現状を踏まえまして、今後とも、事業の普及活動などを通じて本事業の利用を促進してまいります。
 なお、先ほど、一般のリース事業と比べてリース料率が高いというようなお話もございましたが、都の場合は一律のリース料率を設定しておりますので、中小企業にとっては十分低廉なリース料率だというふうに考えております。

○畔上委員 景気が影響していることは否定しませんが、それにしても本当に利用しやすいものなら、こんな実績にとどまらないと思うんです。
 リース事業は、金融機関も子会社をつくって行って参入するなど、競争が激しい業界なわけです。そういう中で、中小企業は相見積もりして選定するので、中小企業から見て、よほどのメリットがない、そういうものは検討の対象にもならないわけですね。利用が進まない要因は、都の事業そのものにあるんじゃないでしょうか。にもかかわらず、都のリース事業を継続し続けているわけです。
 都のこの事業は、保証機関がリース会社である東京都中小企業振興公社と中小企業の間に入って保証料を取って、中小企業の倒産などによる損失回避策、これをとっております。この保証料を取っている保証機関はどこでしょうか。この制度ができてから、昨年度決算までの保証料の補助の累積額を示してください。

○中西産業労働局長 本事業の利用に当たりましては、リース料の支払いを担保いたしますため保証が必要でございます。保証機関である株式会社新銀行東京が保証業務を実施してございます。また、平成二十三年度末までの保証料補助額の合計は約六千百六十六万円でございます。

○畔上委員 今、保証が必要とおっしゃったんですが、民間リース方式にはほとんど見受けられない仕組みであります。この保証機関の保証料を東京都が全額補助して、倒産などの場合に、その保証機関が公社になり変わって返済をして、中小企業から取り立てることになるだけであります。この仕組みは中小企業には何のメリットもない。一方で、保証機関だけは都の金額保証で利益を得る、そういう仕組みといわなければなりません。
 そして、公募だとおっしゃいましたが、この事業の保証機関は、あの新銀行東京なわけです。この事業は、発足当時から新銀行東京の救済策であることが問題にされてきました。この事業が順調にいけば、予算どおりに数億円のお金が新銀行に行くはずだったわけです。利用が低迷している現状では、先ほど約六千百万というお話でしたが、その約六千万が収入になって、赤字になるかならないかの新銀行東京にとっては重要な収入源といえるわけです。新銀行東京のために事業を継続しているといわざるを得ません。
 自治体が手を出してはならない、そういう銀行業に乗り出して、新銀行東京をトップダウンでつくってきたといわれている知事も、既に退任をされました。新銀行東京の救済策をやめて、真に中小企業に役立つ、そういう施策を進める方向に転換すべきです。
 例えば、多くの中小企業はリース物件を設備投資に活用しており、売り上げが伸びない中で、その支払いは大きな負担になっています。そのため、国も、リース支払い猶予についてリース会社が対応するよう要請をしています。
 都として、中小企業に対してリース代補助をすれば、中小企業が元気になって地域経済も活性化する、税収もふえる、よっぽどお金が生きると思うんですが、いかがですか。

○中西産業労働局長 中小企業設備リース事業におきましては、低廉なリース料率を設定いたしますとともに、条件に応じまして都が保証料の全額または半額を補助するなど、中小企業の設備導入の負担を軽減し、経営基盤の強化や生産性の向上に向けた取り組みを支援いたします中小企業のための制度でございます。また、中小企業が設備導入を行います資金調達に当たりましては、ほかに制度融資などで対応もしております。
 したがいまして、リース代補助を行う考えはございません。

○畔上委員 中小企業には使い勝手が悪い、一方で、新銀行だけには都の金額保証で利益が行くと。まさに新銀行救済そのものではありませんか。石原前知事のもとで自由な競争が強調されて、二〇〇一年度に商工指導所、これが廃止、二〇〇三年度には中小企業の政策部門が廃止され、産技研は二〇〇五年度に全国で初めて独法化されて、北区から利便性の悪い臨海部に移転されました。
 深刻な不況の中で中小企業政策をどうするのか、中小業者の参加で、中小零細企業の要求を反映した系統性ある施策づくりが本当に今求められているわけですけれども、中小企業対策審議会、これは二〇〇四年の五月以来、一回も開かれていません。こうしたもとで、都内の製造業の落ち込みは、全国の上位府県の中でも最も激しいものになっているわけです。これまでの中小企業政策を転換して、設備のリース代や仮工場の家賃に対する直接助成の実施など、抜本的に充実をするよう求めておきたいと思います。
 次に、特別養護老人ホーム整備について伺います。
 二〇一一年度決算における特養ホームの整備費補助の決算額は九十一億九千七百二十一万九千円、老人保健施設を含めても百六十二億五千九百六十九万九千円となっております。石原前知事は、何がぜいたくかといえば福祉だ、こうおっしゃって、高齢者の福祉を目のかたきに削ってきました。
 その結果、特養と老人保健施設を合わせた整備費も、十二年前の一九九九年度三百二十二億四千五十九万五千円から毎年のように減らされて、二〇〇八年度決算では五十七億円余、九九年度のわずか一八%まで削減されてしまいました。今回の決算では、約百六十二億円まで回復したことは大変重要だと思いますが、それでも九九年度と比べますと、いまだに半減という状況であります。
 二〇一一年度の東京の特養ホームと老人保健施設及び認知症の高齢者グループホームの整備率は、道府県別で何番目になるのか伺います。

○川澄福祉保健局長 都の直近の調査によりますと、平成二十二年十月一日現在、高齢者人口に対する特別養護老人ホームの定員の割合は全国三十五位、同じく介護老人保健施設は四十七位、認知症高齢者グループホームは四十六位となっております。
 都は、これらのサービスについて、介護保険の保険者である区市町村が介護ニーズを踏まえて算定したサービス見込み量に基づき東京都高齢者保健福祉計画を策定し、計画的な基盤整備を進めているところでございます。例えば、認知症高齢者グループホームにつきましては、平成二十四年度から三年間で約三千人分ふやし、定員を一万人とする目標を掲げているところでございます。
 介護サービスは、施設サービス、在宅サービスをバランスよく整備していくことが重要でございまして、高齢者人口に対する施設サービスの定員数の比率のみで単純に比較することは適当でないと考えております。

○畔上委員 高齢者人口に対して施設が足りているのかどうかというのは大切な指標だと思うんですね。しかも、東京は、ひとり暮らし高齢者や高齢者のみの世帯の割合が他県に比べて高い。住宅事情も悪いことに加えて、今後全国でも急速に高齢化が進むことから、施設の整備は、とりわけ緊急かつ切実な課題となっているわけです。そして、そのためにどう取り組まれているのかという、私は姿勢の問題を見ていかなくちゃいけないと思っているんです。
 都の実行プログラムで何といっているか。少子高齢社会における都市モデルを構築し、世界に範を示すとしています。しかし、事実は、世界どころか日本国内でも最もおくれた水準にあるという到達なわけです。その結果、無届け有料老人ホームや、デイサービスでの宿泊を長期にわたって余儀なくされるという重大な社会現象がこの東京で起きている、こういうことも我が党は再三指摘をしてきましたし、また、在宅で介護されている家族の方々の支援も提案してきたわけです。
 認知症のグループホームについては補助率を引き上げた、これは前進ですが、「二〇二〇年の東京」の三カ年計画で、認知症グループホームを一万人にふやすという計画で、仮にこの目標が達成したとしても、それでも東京都の高齢者介護施設の整備率というのは、全国平均にはるかに届かないのが現状じゃありませんか。
 石原前知事は、十月二十五日の辞職の記者会見の中で、新しい保育所を建てようと思ったら、べらぼうな値段ですよと、こういうお話をされていましたが、人の命にかかわる、人の育ちにかかわる、人の暮らしにかかわるこういう大事な福祉に必要なお金をかけるというのは、都の仕事として当然じゃないでしょうか。局長、いかがでしょうか、簡潔にお答えください。

○川澄福祉保健局長 福祉が必要だということについては、当然の認識でございます。東京都としても、福祉保健費につきましては、一般会計の予算の二〇%という大きな予算をつけまして、さまざまな施策、整備を計画的に行ってきているところでございます。他県と比べて、総体として遜色のあるサービスではないというふうに認識をしております。今後とも、福祉施策の充実に力を尽くしてまいります。

○畔上委員 今、遜色ないとおっしゃったんですけれども、この間削ってきた、だから深刻な事態が生まれているわけですね。
 二〇一〇年度の東京都における特別養護老人ホーム入所希望者調査、これによりますと、特養ホームの入所希望者数は四万三千六十人となっています。待機者は、介護保険が始まった二〇〇〇年九千七百人から、実に四・四四倍ふえていると。
 先日、ある相談のあった要介護四の認知症の六十九歳の方だったんですが、この方は、奥さんのことも、もうよくわからなくなった。時々奥さんに向かって、本当に殺してくれと叫んでいると。奥さんはつらくて苦しくて、介護で疲れ果てています。ご主人は現在入院中ですが、一カ月の入院費は三十万円、わずかな貯金も底をついて、既に特養の申請は済んでいますけれども、もう限界だと、早く入れないんでしょうかと、区役所の窓口にその方が先日相談に行きました。そうしたら、区役所の方からこういわれました。あと三年から四年は待ってください。これが今の東京の実態じゃありませんか。
 特養ホームの整備、この二〇一一年度末の施設数は四百二十八施設、そして定員は三万八千三百二十五人。先ほど、十四施設、千二百四十九人ふえたというお話もありました。
 そこで伺いますが、定期借地利用による特養ホームの整備の促進事業、二〇一一年度、特養ホームでは何施設が利用したのか、その定員数を示してください。

○川澄福祉保健局長 定期借地権の一時金に対する補助事業は、特別養護老人ホーム等の整備促進を図るために平成二十一年度に国が創設し、都は、平成二十二年度から国と同額の補助を独自に上乗せして実施しております。特別養護老人ホームの整備に対する平成二十三年度の補助実績は六施設、定員で四百六十七人分となっております。

○畔上委員 定期借地権利用、これは一定の前進をつくったわけですが、この事業は、介護職員処遇改善等臨時特例基金による昨年度までの事業だったわけですが、これを延長したことは大変重要だったと思います。あわせて、都の都有地活用で福祉インフラ整備事業もやっていらっしゃるわけですが、これも大事だと思います。
 昨年度の実績の定員増のペース千二百四十九人、これでいきますと、東京都の高齢者保健福祉計画の目標である二〇一四年度末に四万六千人分確保するという、この目標さえつくることができない、達成することができないわけです。
 さらに、都の高齢者保健福祉計画では、特養ホームのユニット化七〇%を目指すということや、現状の待機者数からいっても、特養ホームを初めとした介護施設の拡充は、本当に本腰を入れなければならないと思っています。都有地の活用、定期借地権の利用の継続に加えて、用地の補助を求めたいと思います。お金の都合で介護が受けられない、必要な介護が供給不足で受けられない、こんな事態を直ちに改善するために、用地費補助、この復活などで施設整備をするよう求めまして、次の質問に移ります。
 最後に、緊急を要します防災対策の中から、内部河川の耐震化の事業について伺いたいと思います。
 東部低地帯の内部河川の耐震化はどうか。例えば、江東区の耐震護岸整備、昨年の決算では〇・二キロメートル執行ということでありましたが、まだ七〇%の達成です。残り六・九キロメートルも残されたままでありますが、このペースでいきますと、三十四年から五年かかることになるわけです。
 新たな整備計画を立てるということですが、昨年度の決算の総括質疑の際に技監が繰り返し述べられていた、財源確保をいかにしていくかということが問題になるんだと思います。優先順位を定め、目標を定め、計画的に整備したいということでしたが、東部低地帯の内部河川の耐震化完了の目標達成をいつと考えていらっしゃるんでしょうか。また、その総事業費を幾らと見積もっていらっしゃるんでしょうか、伺います。

○村尾東京都技監 東部低地帯では、水門や堤防などの耐震性能の調査を行った結果、想定される最大級の地震によって施設の一部が損傷し、満潮時に津波が重なった場合、浸水による被害が発生する可能性がございます。
 そこで、都は、最大級の地震時にも浸水を防止することを目標とする基本方針を八月に取りまとめ、対策の必要な水門や堤防などを補強し、耐震性を強化することといたしました。現在、整備計画の策定作業を進めており、その中で目標年次など整備目標を検討しております。
 お尋ねの具体の事業費につきましては、民間技術力の活用などさまざまな工夫を加え、今後算出してまいります。

○畔上委員 早急に耐震化完了の整備計画を策定して具体化することを求めたいと思います。
 今、都民の暮らしが本当に大変になる中で、都民の命と暮らし、どう守るのか、どう都の財政運営を行うのか、このことが鋭く問われているんだと思います。先ほど申し上げました中小企業の支援、高齢者の福祉、また河川の耐震化など防災対策を初め、暮らしの安心・安全にこそ軸足を置いて都政運営に努めるべきだと思います。予算の使い方の転換が、私は今こそ求められているときはないと思います。そのことを指摘しまして、質問を終わりたいと思います。

○山下委員長 畔上三和子委員の発言は終わりました。
 西崎光子委員の発言を許します。

○西崎委員 私からは、まず初めに精神障害者支援について伺います。
 都議会生活者ネットワーク・みらいは、入院医療中心から地域生活中心へという精神保健医療福祉施策の基本的な方策のもと、精神障害者の退院を促し、退院後も地域で生活できるよう包括的な支援を行うことが重要と考えまして、これまでも質疑を行ってまいりました。昨年の予算委員会においても、退院可能な精神障害者の地域移行支援対策について伺いました。
 そこで、精神障害者に対する都のこれまでの退院促進支援の取り組み実績についてお聞かせください。

○川澄福祉保健局長 都は、精神障害者の退院を促進するため、平成十八年度から地域で暮らす障害者を支援している地域活動支援センター等に退院促進の支援員を配置し、入院中の精神障害者に対する退院に向けた働きかけや退院後の支援機関との調整を行い、地域移行を進めてまいりました。
 退院促進支援に参画する病院も、平成十八年度の十九病院から、平成二十三年度には六十四病院に拡大し、その間、支援を行った精神障害者は累計で五百五十名、そのうち三百四十一名が退院しているところでございます。

○西崎委員 このような地域移行の取り組みとともに、再入院の防止の観点からも、精神障害者の地域定着、地域生活の安定化のための支援が今まで以上に重要になります。都は、平成二十二年度に二十三区全域と多摩地域の西多摩二次保健医療圏において、医療中断などによって地域での安定した生活が困難な精神障害者を対象として、精神保健福祉センターによる訪問型支援のモデル事業を実施し、平成二十三年度からは本格実施しております。
 そこで、訪問型支援の本格実施後の取り組み状況や、どのような成果が出ているのか、お伺いします。

○川澄福祉保健局長 都は昨年度から、都内全域を対象として精神保健福祉センターに医師、保健師等の多職種の専任チームを配置し、区市町村、保健所と連携しながら訪問型支援を実施するとともに、支援対象者の症状の変化に応じ速やかに受け入れる短期宿泊事業をあわせて開始いたしました。
 訪問型支援につきましては、これまでに二十三区と多摩地域のすべての保健所から支援依頼を受けるなど、取り組みは着実に進んでいるところでございます。また、短期宿泊を適切な時期に利用することにより、利用終了後に約七割の方が家族との同居や単身生活を再開することが可能となるなどの成果が得られているところでもございます。今後とも、区市町村等と連携しながら取り組みを進め、精神障害者の地域生活を支援してまいります。

○西崎委員 地域での支援に当たっては、精神障害者の特性、すなわち疾病と障害が併存することを踏まえ、病状の変化に的確に対応できるよう、地域における保健、医療、福祉の緊密な連携体制の整備が重要であることが、この四月に出されました東京都地方精神保健福祉審議会の意見具申にも書かれておりました。今後も区市町村と連携しながら、精神障害者の地域生活支援を進めていくとともに、家族への相談体制やレスパイト支援なども整備するよう要望します。
 精神疾患はまれなものではなく、だれもがかかる可能性がある病気であり、日本においては、国民の四人に一人が生涯でうつ病などの気分障害、不安障害など、いずれかを経験していることが明らかになっています。
 しかし、精神疾患は適切な医療支援を行うことにより回復が可能なものが多いことから、早期に対応していくことが求められます。また、精神疾患や精神障害者に対する社会の正しい理解は、精神障害者の社会参加を進めていく上で基盤となるものであり、学校、職場などを含めた啓発活動も重要です。
 私はこの夏、三重県立こころの医療センターを視察してまいりました。ここでは若者の精神保健支援を行っており、学校やほかの医療機関と協力しながら、若者の当事者や家族への早期支援を進める一方、学校へ医療スタッフが出向き、精神保健授業を実施しております。日ごろからの啓発活動の取り組みを通じて、子どもの心の病気に対する理解や、相談することの大切さなどを学ぶことができ、効果を上げております。
 都内でも都立学校への専門医の派遣事業を行い、精神科医に、先生、生徒の心の健康問題を相談する事業が進められています。
 そこで、平成二十二年度から実施しています都立学校における専門医派遣事業について、これまでの実績からどういう効果があったのか、伺います。

○比留間教育長 都教育委員会では、都立学校の生徒が抱える不登校などの心の健康問題に対応するため、精神科医を都立高校等に派遣をしております。派遣された精神科医は、具体的事例に関する担任教諭や養護教諭などへの助言や、生徒、保護者向けの講演会を行い、学校保健活動を支援しております。
 学校からは、治療の必要な生徒を医療につなぐことができた、健康問題を抱える生徒への組織的な対応方法の見通しがついたなどの報告が寄せられており、生徒の心の健康問題に対し、教員の知識、理解が深まり、組織的対応力が向上するなどの効果があったものと考えております。

○西崎委員 この派遣事業の回数は年々増加しているようですけれども、今後も子どもの心の健康問題を解決するために、この事業の拡充を求めておきます。
 次に、ユニバーサルデザインのまちづくりについて伺います。
 日本のトイレ事情は、この十年余りで大きく変わりました。駅や列車のトイレがきれいになり、デパートは競って豪華なトイレをつくるようになりました。公共施設においても、障害者や高齢者、子ども連れなどが使える多目的トイレが設置されるのが当たり前になったのは大きな進歩です。
 都は、ユニバーサルデザインのまちづくりを推進するため、とうきょうトイレ整備事業を実施し、区市町村によるだれでもトイレの設置を支援していますが、この事業の目的、趣旨と事業の実績について伺います。

○川澄福祉保健局長 トイレは、外出時の行動範囲を決める上で大きな要素となることから、都は、だれもが社会参加できるまちづくりを総合的に推進するため、平成十八年に策定した公共トイレ整備の指針に基づき、区市町村や事業者による整備の促進を図ってきたところでございます。
 とうきょうトイレ整備事業は、区市町村がこの指針を踏まえて行うトイレの整備や情報提供を支援する事業であり、平成十九年度の事業開始から平成二十三年度までの五カ年で、都内十八区市において、住民に身近な公園や公共施設などの六十八カ所の公共トイレが改修、整備されております。また、その情報は自治体の広報紙やホームページ、バリアフリーマップ等を通じて提供されているところでございます。

○西崎委員 先日の新聞の投書欄に、高齢者に優しい公共トイレをという記事がありました。公共施設のトイレに入った高齢者が、自宅のトイレと違うので操作を間違えて失敗し、それ以降外出しなくなりました。今のトイレはいろいろ機能がつき、メーカーによって操作の仕方もさまざまで、高齢者には不親切な構造になってしまいました。今後、ますます高齢化が進む中で、トイレに困るからといった理由で外出をためらう人がないように、メーカーが協力してユニバーサルデザインにしてほしいというものです。
 今回、実際にさまざまなトイレを調べてみますと、個室トイレでは、使用後に水を流すためのボタン等がどこにあるかわかりにくいものが多く、高齢者が途方に暮れるのもうなずけます。
 国では、消費生活分野における標準化事業として、平成十八年、公共トイレの便器洗浄ボタンや呼び出しボタンの位置や形状の規格をJIS法の改正に盛り込みました。先月新設になりました京王線調布駅のトイレは、まさにそれに沿ったデザインで大変感心いたしましたが、既設のトイレでは、その趣旨が徹底しているようには思えません。こうした公共トイレの使い勝手を改善するために、都としても取り組みを行うべきと考えますが、見解を伺います。

○川澄福祉保健局長 都はこれまで、建築物等を設計する際の整備基準等を解説した福祉のまちづくり条例施設整備マニュアルに、公共トイレのJIS規格に関する説明や、だれでもトイレの洗浄装置はボタン式を基本とすることなどの解説を掲載し、事業者等に周知してまいりました。
 現在、都では福祉のまちづくりに関する施策を推進するため、百貨店、鉄道事業者等の事業者団体等と連絡協議会を開催しており、今後、こうした場や区市町村との連絡会等を通じて、操作方法のわかりやすい表示など、使いやすい公共トイレに向けた改善を働きかけてまいります。

○西崎委員 都はこれまで、消費生活部門において子どものアクセサリーやライターなどの安全性について調査し、国や関係団体に改善を求めてきました。トイレの使い勝手についても、福祉のまちづくり部門だけではなく、関連部署が連携して業界に趣旨の徹底と改善を求めていくことを要望します。
 最後に、消費者行政について伺います。
 都は、消費者の権利をうたった消費生活条例に基づいて、早くから消費者行政を進めてきました。生活者ネットワークは、消費者の立場から食べ物に関する問題や苦情処理、啓発事業や提案制度などについて、これまでも質問してきましたが、増加する悪質商法や不適切な表示などによる消費者被害は後を絶ちません。
 安定した消費生活を送るためには、消費者被害の解決を図る仕組みが必要です。消費者行政は、情報提供や身近な地域で相談に応じたり、調査をもとに事業者への働きかけをするなど、さまざまな課題に取り組むものとして重要です。
 都は、国からの地方消費者行政活性化交付金を平成二十一年度から三年間活用する予定で基金をつくりました。平成二十三年度の活用実績と成果についてお聞かせください。

○小林生活文化局長 平成二十三年度に執行した地方消費者行政活性化基金の額は、都と区市町村の合計で約五億四千四百万円であります。このうち、都の執行額は約一億三千三百万円で、主な使途は、消費者教育や啓発といたしまして、消費者団体との共催による大学生向けのシンポジウムの開催、区市町村を含む消費生活相談員を対象とした実践的研修などでございます。
 区市町村による執行額は、五十二区市町で合計約四億一千百万円でございます。主な使途といたしましては、消費生活センターの相談室や商品テスト室など施設、機材の整備、相談員を対象とした専門研修の実施や相談日数の増加など相談機能の強化、高齢者や子どもなどを対象とした消費者教育、啓発などでございます。

○西崎委員 昨年、食品の放射性物質を測定する事業などにこの基金を活用できることになりました。東日本大震災後、食品中の放射性物質に対する消費者の不安が高まったことを受け、七月に消費者庁から通知されたものです。
 そこで、これを受けて取り組んだ区市町村の実施状況についてお聞かせください。

○小林生活文化局長 平成二十三年度に食品の放射性物質に関する検査等に交付金を活用したのは、三区八市で合計約二千五百六十五万円であります。主な使途といたしましては、学校等における給食用食材の放射性物質検査の業務委託や放射能測定装置の購入などでございます。

○西崎委員 この交付金は、今年度まで一年延長されました。今後の見通しは不透明ですが、身近な区市町村と広域の都と連携しながら、これらの問題に、より積極的に取り組むよう要望して、質問を終わります。

○山下委員長 西崎光子委員の発言は終わりました。
 くりした善行委員の発言を許します。

○くりした委員 私からは、ITを活用した行政改革に関して質問させていただきます。
 近年、急速な発展を見せているコンピューターやネットワーク技術は、行政サービスや庁内業務の中にも既に多くの部分で活用され、この仕組みのあり方によって、業務の効率、そして都民サービスの品質は大きく左右されるといっても、もはや過言ではありません。
 IT活用の推進は、行政改革の一つにほかならないと私も認識をしております。庁内のシステム関連の取り組みについては、業務のあり方と関連をするところについては、局を横断した形で総務局の行政改革推進部が担当していることから、都から見ても、行革とつながりが深い分野だと認識をしていただいているところだと思います。この、今やなくてはならないシステムを支えるために多くの予算が使われているという実情があります。
 そこで、まずお聞きをいたしますが、多くの都庁職員の業務に関連をしている電子都庁基盤の運用管理について、平成二十三年度には約三十億円支出をされておりますが、その中で大きな支出についてはどのようなものがあったか、また支出額については、近年どのように推移をしているのか、お伺いをいたします。

○笠井総務局長 電子都庁基盤の運用管理の主な内訳ですが、まず、職員にパソコン端末を配備し、各種業務システムの利用や電子メールによる連絡調整、インターネットによる情報収集などを行う東京都高度情報化推進システム、これをTAIMSと呼んでおりますけれども、それの運用経費が約十四億円、本庁舎内及び本庁舎と約六百カ所の事業所を接続するデータ通信ネットワークの運用経費が約九億円などであります。
 また、過去三カ年の決算額は、平成二十一年度が約三十四億円、平成二十二年度が約三十一億円、平成二十三年度が約三十億円となっており、機器賃貸料の低下等により減少傾向で推移をしております。

○くりした委員 庁内の方々が局横断的に使うあらゆるシステムのハブともいえる、今お答えをいただいたTAIMSは、地方自治体における代表的な大規模システムとしてもよく知られているわけでありますけれども、それらのネットワーク等の運営費も含めた保守費用が主で、年間、例年約三十億円が支出をされている、そういったことでありました。
 都庁全体で見ると、各局がそれぞれ持っている業務システム等々をすべて合算をすると、約五百億円程度が支出をされているとも聞いております。財政的にも大きな割合を占めていることがわかりました。
 これら多くの予算が費やされているシステムを活用して、業務をより効率化できるように、総務局においては、ここ数年来、業務改革の取り組みを推進していただいているというふうに伺っております。平成二十三年度決算を見ると、約一千三百万円が支出をされておりますが、具体的にどのようなものによるものか、またどういった経費削減や業務の効率化が行われたのか、お伺いをいたします。

○笠井総務局長 ご質問の事業は、システム導入から運用管理までの工程を効率的に行うため、システム検証などの作業を専門家に委託した経費でございます。現在は、この委託の成果を各システムに反映させているところであり、現段階では具体的な効果があらわれるには至っておりませんけれども、今後、経費の適正化、全庁横断的な視点での業務の効率化などに結びつくものと考えております。

○くりした委員 現在、業務の内容やプロセスについて細かく分析をしていただいて、そしてこれからルールを整備し直すことによって、ITの活用をより効率的に、効果的にしていく、いわゆる標準化を行っていただいている状況かと思います。民間企業でも、例年盛んに取り組まれている試みの一つであります。まだ分析の最中であるということで、これが実際に生かされるのはこれからということでありますが、ぜひ確実に業務の効率化が実現をできるように、効果検証も視野に入れてご尽力を続けていただきたいと思います。
 都庁のITシステム活用の歴史の大きな転換点として、平成十三年度に策定をされた電子都庁推進計画があるわけでありますが、もう十年以上前に立てられた計画であるにもかかわらず、現在読み返してみると、時代を先取りしている、当時としては非常に先進的なビジョンに驚かされます。
 しかし、この平成十三年度の計画以降は、この推進計画にかわるものというよりかは、十一年間の間、先ほど質問させていただいたような業務効率の向上に向けた部分的な練り直しに終始をしてきているように感じております。
 そこで、お尋ねをいたしますが、先ほど申し上げたとおり、平成十三年度以降、電子都庁推進計画のような網羅的なIT活用の方針が示されておりませんが、今後、都はどのような形で、この推進計画にかわる都庁IT戦略の方針を策定していくのか、見解をお伺いいたします。

○笠井総務局長 都は、平成十三年にご指摘の電子都庁推進計画を策定いたしまして、都政の幅広い分野へのIT導入を進めてまいりました。その後、平成十九年に業務改善の視点をより重視する観点から、電子都庁推進計画にかわり、今後のIT化取り組み方針を定めました。この方針に沿って、システムの有効性や効率性のさらなる向上を図るため、システム総点検を実施したところでございます。
 現在は、その結果を踏まえ平成二十二年に策定した業務・情報システム最適化計画に基づき、個々のシステムの見直しを行っておりまして、ITと業務改善をより一体的にとらえた、効率的、効果的なシステム構築等を推進しているところでございます。

○くりした委員 お答えをいただいたとおり、確かに改善という意味では、十九年度、そして二十二年度にも行っていただいていて、そしてその中身を見ると、よくやっていただいているのではないかというふうに思っております。
 しかし、これらの内容を見せていただくと、既に存在をしているシステムの活用方法を最適化する、そういったことに主眼を置いているために、かつての推進計画にあったような、次代を見据えた職員の方の仕事のあり方を変えたり、都民サービスが一変するような、そういったチャレンジングなビジョンとは、これは異なるものであるかというふうに私は思っております。
 電子都庁推進計画策定からもう十一年がたったわけでありますが、その間、我々を取り巻くコンピューターやネットワーク環境は大きく変わり続けております。民間企業においては、これらを駆使して、各社が従来の常識にとらわれない新しい働き方、サービスの提供の仕方を競い合っております。
 無論、自治体業務ですから、先進的なだけではなくて、信頼性が置け、なおかつ採算性を重視した技術の導入に厳選すべきであるというふうには思いますが、そういった検討の総ざらいをするためにも、電子都庁推進計画にかわる、新しい、次代を見据えたIT活用のあり方を検討してもいい時期ではないかというふうに思っております。
 近年、IT技術革新の潮流として、スマートフォンを初めとしたモバイル機器の進化を挙げる方は多いと思います。先週の二十五日には、米国のアマゾン社から新しい文書リーダーが日本上陸を果たして話題となったわけでありますが、今後、書籍や文書をデータとして扱っていく流れは加速度的に進んでいくのではないでしょうか。
 庁内、都議会もそうでありますが、見渡してみると、非常に目立つのは書類の多さであります。我々も日々たくさんの書類を消費しているわけでありますが、文書管理をしなくてはいけないという都庁の、お役所の性質上、民間企業と比べても、ふだんは活用されない書類が割合として非常に多いということも特徴として常々感じているところであります。
 具体的に、これらの紙や印刷にどれくらいのコストがかかっているのかということは、都庁でもはっきりと把握をしていないということでありますが、例えばお給料が出たときに配られる給与明細は一人一枚、月に一回配られるあの紙を印刷するだけでも、お聞きをしたら年間百三十万円のコストがかかっているというふうにお答えいただきました。こういったものについては、さまざまな自治体においても、各職員がシステム上で見られるように変わってきているところも多くなっております。あの紙一枚でもそれぐらいかかっているのですから、職員全体という単位で見返してみたときに、こういった紙や印刷のコストは、ばかにできないということがわかると思います。
 そういったことから、業務関係の書類については、長野市などを初めとして、業務効率の向上、コストの削減、自然環境の保護のために、ペーパーレス化を推進する自治体が数多く出てきております。当然、都においても改革の一つとして検討していただいているとは思いますが、これまでそれに向けてどのような取り組みをしてきていただいたのか、お伺いをいたします。

○笠井総務局長 これまで都は、都民サービスから内部事務まで、さまざまな分野でシステムの活用によるペーパーレス化を進めてまいりました。都民サービスとの関係では、利用頻度の高い申請を中心に電子申請を導入するとともに、契約手続における電子入札の実施などを行ってまいりました。
 また、都庁の内部事務では、文書総合管理システムの導入による起案文書や庶務事務システムによる旅行命令など、紙文書による処理を電子化してまいりました。
 各職場におきましては、ファイルサーバーを設置することで、紙文書による保管から電子文書による保管へと移行を進めてきております。

○くりした委員 今お答えをいただきましたとおり、職員向けの業務システムの一部、そして、都民サービスにおいて電子申請を導入するなどの取り組みを行っていただいているということは事実だと思います。
 しかし、一方で、ボリュームとして特に多くを占める庁内で使われている資料や記録については、いまだ紙媒体の活用が主であり、本格的なペーパーレス化については、これからのことだというふうに思っております。さらに踏み込んだペーパーレス化を行うに当たってのメリットとその障壁について、東京都はどのようにそれぞれ考えておりますのか、見解をお伺いいたします。

○笠井総務局長 ペーパーレス化により印刷経費の節減、情報の検索や閲覧が容易になることによる事務の効率化、文書保管スペースの縮小などの効果が期待できます。
 一方で、契約などは文書での締結を原則としていること、パソコンなどの機器を利用しない都民の方々への情報伝達手段として、依然として紙媒体が有効であることなどから、現状においては、すべての紙文書をなくすのは困難でございます。
 今後とも、対象となる事務の特性や費用対効果を踏まえつつ、紙だけに頼らない仕事の仕方への転換を目指してまいります。

○くりした委員 今お答えをいただきましたとおり、確かにすべてがすべて電子データとして持ちかえればよいものではないというふうに思っております。今言及いただいたような、紙でなければいけない業務等もたくさんあると思います。
 ですから、どこまでペーパーレス化できるかについては、検討を念入りに行う必要性があると思いますが、そういった新たなIT活用の検討を進める上でも、前段で申し上げたとおり、技術革新を踏まえての全体的な見直しを、一つやる価値があるのではないかと感じております。
 実は、ペーパーレス化や申請の電子化については、先ほど申し上げた電子都庁推進計画の中でも言及をされて、そして具体的な数値目標についても示されておりました。しかし、それらの達成状況については詳細に検証されることなく、現在に至っているというのが現状であるというふうに聞いております。
 ここは、それらをいま一度すくい上げる意味でも、先進技術を踏まえた新たなIT活用のビジョンを策定し、その中で、先ほど申し上げたような一歩進んだペーパーレス化などを、全国の地方自治体の範となるような挑戦的な取り組みを検討いただくのも、業務効率化とともに、都のプレゼンスをさらに高める大変すばらしい取り組みではないかというふうに思っております。ぜひご検討いただけるようお願い申し上げ、質問を終わらせていただきます。

○山下委員長 くりした善行委員の発言は終わりました。
 以上で本日予定いたしました質疑はすべて終了いたしました。
 お諮りいたします。
 平成二十三年度東京都各会計歳入歳出決算の認定についてに対する質疑は、これをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山下委員長 異議なしと認めます。よって、本件に対する質疑は終了いたしました。
 なお、十一月十四日の十二時四十五分から理事会を、また、十三時から委員会を本委員会室で開会いたしますので、よろしくお願いいたします。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時五十一分散会


平成23年度各会計決算特別委員会 第1分科会審査報告書

 第1分科会で行われた平成23年度東京都一般会計決算等に関する審査の概要を次のとおり報告する。

  平成24年10月25日
                    平成23年度各会計決算特別委員会
                    第1分科会委員長 泉谷つよし

 平成23年度各会計決算特別委員長
           山下太郎 殿

1 本分科会の設置及び審査の経過
 (1) 本分科会は、9月26日に設置され、次の案件を審査した。
  ・平成23年度東京都一般会計決算中、知事本局、青少年・治安対策本部、総務局、財務局、主税局、会計管理局、選挙管理委員会事務局、人事委員会事務局、監査事務局、収用委員会事務局、議会局、東京消防庁、警視庁所管分
・平成23年度東京都特別区財政調整会計決算
  ・平成23年度東京都地方消費税清算会計決算
  ・平成23年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計決算
  ・平成23年度東京都用地会計決算
  ・平成23年度東京都公債費会計決算
 (2) 本分科会は、次のとおり各所管局ごとに審査し、終了した。
  10月10日(説明聴取・資料要求) 会計管理局、主税局、知事本局、青少年・治安対策本部、総務局、選挙管理委員会事務局、人事委員会事務局
  10月12日(説明聴取・資料要求) 警視庁、東京消防庁、財務局、収用委員会事務局、監査事務局、議会局
  10月17日(質疑)        会計管理局、選挙管理委員会事務局、青少年・治安対策本部、知事本局
  10月19日(質疑)        監査事務局、人事委員会事務局、主税局
  10月22日(質疑)        警視庁、東京消防庁、総務局
  10月24日(質疑)        議会局、収用委員会事務局、財務局
2 本分科会における質疑の概要
 (1) 知事本局所管分
  〔1〕 「2020年の東京」計画について
   ア 「10年後の東京」計画の目標年次を待たずに計画の策定に取り組むことになった理由について
   イ 計画目標の完遂に向けた計画の進行管理と検証及び検証結果の予算への反映について
   ウ 東日本大震災発生後の状況の変化に対応した計画内容について
   エ 超高齢社会を見据えた政策の展開について
   オ 都民、自治体の意見・要望を反映させるための取組について
   カ 都民アンケートの調査結果の反映及びパブリックコメントの実施の必要性について
   キ 全庁的な意思決定の手続について
  〔2〕 アジア大都市ネットワーク21について
ア 総会の議論と成果及び今後の取組について
   イ 平成23年度におけるアジアの経済交流の取組について
   ウ 平成23年度における危機管理分野の取組について
   エ アジア地域の人材育成の取組及びアジア各都市の有益な事例について
 (2) 青少年・治安対策本部所管分
  〔1〕 渋滞対策について
   ア 平成23年度における不用額の内訳と未執行の原因及び平成24年度以降の予算執行の見通しについて
   イ ITS世界会議東京2013の開催に向けた準備状況について
   ウ ITS世界会議での技術のアピールによる国際的存在感の向上について
   エ 最先端技術を活用した対策について
   オ 平成23年度におけるハイパースムーズ作戦の取組及び効果について
   カ ハイパースムーズ作戦中間のまとめにおける対象路線の公表及び事業の検証について
   キ 靖国通り、京葉道路及び甲州街道における取組と効果について
   ク 対策の意義及び普及啓発への取組について
  〔2〕 平成23年度における自転車の安全利用に係る予算の執行状況について
  〔3〕 交通安全対策における関係局及び関係機関との連携強化について
  〔4〕 東京こどもネット・ケータイヘルプデスク(こたエール)について
   ア 平成23年度における相談の件数と内容について
   イ 適切な相談窓口となるための取組について
  〔5〕 フィルタリングの活用率を向上させるための取組及び有料サイトからのダウンロードによる子どもへの高額請求の問題について
  〔6〕 ひきこもり対策について
   ア 平成23年度における相談事業、ひきこもり等の若者支援プログラム普及・定着事業及び区市町村の体制整備事業の到達点について
   イ ひきこもり地域支援センターの整備促進に係る国への要望について
   ウ 区市町村への新たな補助制度及びNPOへの支援について
   エ 平成20年度以降の決算額の推移及び関係局との協力体制について
   オ アウトリーチ支援への取組について
   カ ひきこもり外来における対応について
   キ ひきこもりの長期化、高齢化及び重篤化への対応について
   ク ひきこもりサポートネットにおける委託契約について
  〔7〕  都内の映画館、ボウリング場、カラオケボックス等への立入り及び漫画喫茶、インターネットカフェにおけるフィルタリングへの対応について
  〔8〕 東京都若者総合相談(若ナビ)における委託契約及び厳しいコスト感覚を持った不断の検証について
 (3) 総務局所管分
  〔1〕 防災対策について
   ア 国の防災対策との整合性について
   イ 東京都防災対応指針の策定及び東京都地域防災計画の修正における各局の施策との整合性と連携を図るための取組について
   ウ 東京都防災対応指針の策定及び被害想定の見直しにおける区市町村との連携について
   エ 東京緊急対策2011及び補正予算を通じた高度防災都市づくりに向けた取組について
   オ 補正予算による帰宅困難者対策の成果及び課題について
   カ 広域避難の検討について
   キ 防災市民組織の育成強化と防災隣組との関わりについて
   ク 防災市民組織における未組織の解消及び機材配備への支援策について
   ケ マンションにおける防災組織の組織化について
   コ 防災市民組織における役員の高齢化等の課題の現状及び支援について
   サ 多摩地域の消防団に対する支援について
  〔2〕 帰宅困難者対策訓練について
   ア 訓練の検証項目及び成果について
   イ 都民への情報提供訓練及び船舶による代替輸送訓練における検証結果の対策への反映について
   ウ 医療訓練の実施について
   エ 訓練の結果を踏まえた災害時要援護者への対応について
  〔3〕 平成23年度における総合防災訓練の実施内容及び訓練結果の平成24年度への反映について
  〔4〕 被災地における人的支援の取組について
  〔5〕 市町村総合交付金について
   ア 過去3年間の予算額及び決算額の推移について
   イ 交付金に対する認識及び制度の改善状況について
  〔6〕 小笠原航空路について
   ア 航空路の開設に向けた検討状況及び環境保全に配慮した取組について
   イ 小笠原航空路協議会における調査の内容について
  〔7〕 首都大学東京におけるものづくり人材の育成について
   ア 「ものづくりグローバル人材の育成」事業の執行率が低い理由について
   イ 就職支援の取組と就職状況及び多様な育成ルートの設定状況と実績について
   ウ 将来のものづくり人材を確保するための取組について
  〔8〕 職員のメンタルヘルスについて
   ア 精神障害を理由とする30日以上の病気休暇取得者の過去10年間の比率の推移及び30代から40代の割合の高まりについて
   イ 精神障害の原因調査の結果及び労働環境等との分析について
   ウ 過去10年間の定数及び人事管理の変化について
   エ 精神障害を生まない環境づくり、予防対策の重視、回復・職場復帰への支援等の総合的な対策への取組及び労働組合との協議について
  〔9〕 監理団体について
   ア 経営目標の設定におけるプロセスについて
   イ 平成23年度実績において経営目標が達成できなかった指標数について
   ウ 都民の協力と理解を得るための経営評価の透明性の向上について
  〔10〕 職員提案制度について
   ア 平成23年度における応募及び表彰実績について
   イ 表彰された提案の都民へのPRについて
 (4) 財務局所管分
  〔1〕 財政運営について
   ア 平成23年度における経常収支比率の評価について
   イ 東京都年次財務報告書における行政活動キャッシュ・フロー収支差額がマイナスに転じた要因及び評価について
   ウ インフラ資産を始めとする資産の形成について
   エ 都民の期待に応える財政運営の継続について
   オ 実質的な都税収入の定義について
   カ 都税収入等がほぼ同じ平成23年度と平成9年度において実質的な税収に大きな差がある要因及び税収等に占める割合の変化について
   キ 平成23年度における都税収入額、法人二税の税収額と平成22年度との増減額及び今後の財政環境への認識について
   ク 財政調整基金と社会資本等整備基金とを合わせた取崩し額及び残高について
   ケ 基金の活用に対する考え方について
   コ 住宅の耐震化・不燃化への支援及び防災対策への優先的な取組について
  〔2〕 財産の利活用について
   ア 未利用都有地の保有の状態及び利活用の課題について
   イ 関係局に対する総合調整を行う際の基本的な考え方について
   ウ 未利用都有地に対する総合調整及び利活用の実績について
   エ 「今後の財産利活用の指針」における取組状況及び成果について
   オ 地方自治法の改正により可能となった行政財産の余剰部分の貸付状況及び今後の取組の方向性について
   カ 「都有地活用による地域の福祉インフラ整備事業」における平成23年度及びこれまでの合計の貸付実績について
   キ 施策連動型の利活用の今後の取組について
  〔3〕 主要施設10カ年維持更新計画について
   ア 計画の考え方について
   イ 築35年を超える施設に対する維持更新手法の検討について
   ウ 計画事業費の見込み及び計画期間の第Ⅰ期である平成21年度から平成
    23年度までの取組状況について
   エ 東日本大震災の影響を踏まえた今後の計画の進め方について
  〔4〕 庁舎の維持管理について
   ア 営繕費の翌年度繰越額の内容について
   イ 都庁舎における電力供給の多元化への取組状況について
   ウ 新宿移転後の都庁舎の清掃及び建物設備管理の委託経費がピークの時期と金額について
   エ 都庁舎の清掃及び建物設備管理の委託経費における平成23年度の決算額及び最近の執行率について
   オ 都庁舎の修繕計画の内容及び経費の見積りについて
   カ 都庁舎の品質を確保した適切な維持管理について
  〔5〕 委託契約について
   ア 低価格優先の契約による都民サービスの後退について
   イ 平成22年度及び平成23年度の委託契約において履行不能となった事例について
   ウ 平成20年度及び平成23年度の都議会議事堂の清掃委託における契約額の推移について
   エ 契約額の削減による委託事業者の雇用環境悪化の危険性及び発注者としての責任について
  〔6〕 土地信託について
   ア 平成23年度における新宿モノリスの配当実績及び信託契約を延長する前の平成21年度と平成22年度の配当実績について
   イ 平成24年度における事業計画について
   ウ 平成24年度における両国シティコアの事業計画及びテナントの入居状況について
   エ 土地信託という資産運用方法の妥当性及び信託受託者や管理会社へのチェックの強化について
   オ 平成27年度に信託契約を満了するコスモス青山に対する基本的な考えについて
 (5) 主税局所管分
  〔1〕 都税の徴収について
   ア 徴収率、滞納繰越額及び滞納整理収入額の推移について
   イ 滞納整理に関わる職員数及び職員一人当たりの滞納整理収入額について
   ウ 平成23年度における徴収率の回復傾向の要因について
   エ 個人都民税の徴収率が低い理由及び徴収率向上のための対策について
   オ 納期内納税を促進するための取組について
   カ 平成23年度における滞納繰越額の圧縮に向けた取組について
   キ 滞納整理における東日本大震災の影響について
   ク 区市町村に対する取組の方向性及び歳入確保に向けた今後の取組について
  〔2〕 アジアヘッドクォーター特区等の優遇税制について
   ア アジアヘッドクォーター特区及び特定都市再生緊急整備地域における都税の優遇策の概要について
   イ 都市再生緊急整備地域における優遇実績及び特定都市再生緊急整備地域における減税額について
   ウ 優遇税制の協議及び政策税制の検討について
   エ 特定企業に対する法人事業税の優遇実績について
   オ 法人事業税の減税額の見込みについて
  〔3〕 滞納者に対する差押えについて
   ア 差押件数と差押額の推移について
   イ 滞納者への配慮及び職員用の教材的な文書について
   ウ 生計費の取扱い及び個人事業者に対する基本的な対応について
   エ 地方税法第15条の7(滞納処分の停止の要件等)の趣旨について
 (6) 会計管理局所管分
   質疑なし
 (7) 選挙管理委員会事務局所管分
   質疑なし
 (8) 人事委員会事務局所管分
   質疑なし
 (9) 監査事務局所管分
  質疑なし
 (10) 収用委員会事務局所管分
   質疑なし
 (11) 議会局所管分
   質疑なし
 (12) 東京消防庁所管分
  〔1〕 特別区における震災時の消防水利の整備について
  〔2〕 特別区消防団における分団本部施設、装備等の整備について
  〔3〕 自主防災組織の防災対応力の強化への取組について
  〔4〕 震災時における出火防止対策及び初期消火対策への取組について
 (13) 警視庁所管分
  〔1〕 自転車の交通安全について
   ア 平成23年における自転車が関与する交通事故の件数と歩道上での事故の件数及び事故の傾向について
   イ 自転車横断帯の撤去の時期と理由及び進捗状況について
   ウ 自転車横断帯の撤去後における自転車の車道通行のための道路表示の対策について
   エ 自転車の車道走行空間を確保するためのパーキングメーターの撤去について
   オ 自転車による歩道通行を自動車の進行方向と同じ一方通行とすることについて


平成23年度各会計決算特別委員会 第2分科会審査報告書

 第2分科会で行われた平成23年度東京都一般会計決算等に関する審査の概要を次のとおり報告する。

  平成24年10月25日
                    平成23年度各会計決算特別委員会
                    第2分科会委員長 高橋信博

 平成23年度各会計決算特別委員長
           山下太郎 殿

1 本分科会の設置及び審査の経過
 (1) 本分科会は、9月26日に設置され、次の案件を審査した。
  ・平成23年度東京都一般会計決算中、生活文化局、スポーツ振興局、福祉保健局、病院経営本部、教育庁所管分
  ・平成23年度東京都母子福祉貸付資金会計決算
  ・平成23年度東京都心身障害者扶養年金会計決算
 (2) 本分科会は、次のとおり各所管局ごとに審査し、終了した。
  10月10日(説明聴取・資料要求) 生活文化局、スポーツ振興局、教育庁
  10月12日(説明聴取・資料要求) 福祉保健局、病院経営本部
  10月17日(質疑)        生活文化局
  10月19日(質疑)        病院経営本部、福祉保健局
  10月22日(質疑)        教育庁
  10月24日(質疑)        スポーツ振興局

2 本分科会における質疑の概要
 (1) 生活文化局所管分
  〔1〕 私学振興について
   ア 私立学校教育助成の配分方法及び財務状況の公開について
   イ 私立幼稚園就園奨励特別補助の実績と国への働き掛けについて
   ウ 東日本大震災の発生により明らかになった課題について
   エ 防災備蓄物資購入費の補助の仕組みと実績及び拡充について
   オ 私立高等学校における保護者負担軽減策の検討内容について
   カ 私立高等学校における授業料の無償・減免の現状及び補助の拡充について
   キ 私立幼稚園における特別支援教育事業費補助の充実について
  〔2〕 地域国際化の推進について
   ア 平成23年度における東京都在住外国人支援事業助成の実績について
   イ 災害時における在住外国人支援について
  〔3〕 消費生活相談について
   ア 東京都消費生活総合センターにおける相談実績及び機能の充実について
   イ 広域的な相談業務の現状について
  〔4〕 男女平等参画について
   ア 東京ウィメンズプラザにおける相談業務の運営と実績及び相談員の質的向上を図るための取組について
   イ 男女平等参画のための東京都行動計画の改定のポイントについて
   ウ 管理職に占める女性の割合について
   エ ワーク・ライフ・バランスの普及に向けた取組について
  〔5〕 新しい公共とNPOの活動支援について
   ア 認証法人数及び区市町村への情報提供について
   イ 平成23年度における基盤整備事業とモデル事業の内容及び実績について
  〔6〕 地域の底力再生事業について
   ア 地域の防災対策の支援に向けた取組について
   イ 平成23年度における事業助成の実績について
  〔7〕 都民の声事業について
   ア 平成23年度における相談事業の実績及び相談の内容について
   イ 都民の声の都政への反映及び公表について
   ウ 外国人相談への対応について
  〔8〕 私立学校安全対策促進事業費補助について
   ア 補助事業の執行率及び困難な耐震工事の支援に向けた取組について
   イ 耐震化の目標年度の差異について
   ウ 幼稚園の未耐震建物数及び非構造物の耐震化補助に向けた取組について
  〔9〕 朝鮮学校への補助金について
   ア 補助金を交付対象外とした理由について
   イ 調査担当部門設置の時期及び理由について
   ウ 調査の対象と意義及び期間について
   エ 行政の不作為及び朝鮮学校における国籍別の生徒数について
  〔10〕 国際的な音楽コンクールに対する支援について
  〔11〕 芸術団体の活動の機会を広げるための支援と情報提供について
  〔12〕 東京都美術館改修後の来館者の意見及び案内表示等の改善について
 (2) スポーツ振興局所管分
  〔1〕 障害者スポーツについて
   ア 東京都障害者総合スポーツセンター及び東京都多摩障害者スポーツセンターにおける近年の利用者と宿泊者の推移について
   イ 東京都障害者スポーツセンターにおける施設別の利用度及び更衣室やロッカールーム等の整備状況について
   ウ 東京都障害者スポーツセンターの利便性の向上に向けた取組及び施設改善のための財政支援について
   エ 障害者スポーツ専門ポータルサイトの内容について
   オ 老朽化した施設の改修基本計画に対する利用者ニーズの反映について
  〔2〕 公立陸上競技場の整備について
   ア 整備の状況及び公認の意義について
   イ 第3種公認陸上競技場が第2種の公認を得るために必要な整備について
   ウ 施設整備の進め方について
  〔3〕 スポーツ振興について
   ア 平成23年度におけるスポーツ祭東京2013及びオリンピック・パラリンピック招致以外のスポーツ振興事業について
   イ ニュースポーツEXPOの趣旨及び内容について
   ウ 誰でも楽しめるスポーツ体験の機会の提供及び情報の発信について
   エ スポーツ選手の活動場所の確保について
  〔4〕 スポーツ施設の耐震化及び防災対策について
  〔5〕 駒沢オリンピック公園総合運動場の改修状況及び今後の計画について
  〔6〕 アイススケートリンクの数、利用者数及びリンクの整備に向けた検討状況について
  〔7〕 スポーツムーブメントについて
   ア 国際スポーツ大会における共催及び負担する金額の基準について
   イ 世界体操東京2011、競泳ワールドカップ東京2011、東京セブンズ2012及び世界柔道2010の大会総経費及び負担する金額と使途について
   ウ 世界体操東京2011で負担する経費及び負担割合について
 エ 世界体操東京2011のリハーサル大会の内容及び世界体操以外にリハーサル経費を負担した国際大会について
   オ 財団法人日本体操協会から収支報告書が提出された際の領収書の添付及び支出の内訳の公開について
 (3) 福祉保健局所管分
  〔1〕 児童虐待について
   ア 平成23年度における児童相談所の対応件数について
   イ 医療機関からの過去3年間の通告件数の推移及び医療機関との連携について
   ウ 児童福祉司の増員による児童相談所の体制拡充に向けた取組について
   エ 虐待を再発させないための対応について
   オ 虐待対策コーディネーターの配置の実績及び成果について
   カ 人材のスキルアップへの取組及び家庭への支援の充実について
  〔2〕 待機児童対策について
   ア 保育サービスの拡充の実績について
   イ 保育施設の用地の確保に向けた支援策の実績について
   ウ 保育施設の耐震化の実績と課題及び大規模災害に備えた支援について
   エ 保護者の就労状況及びパートタイム労働者や求職者等の保育需要に対応するための取組について
   オ 平成23年度における定期利用保育事業の実績と課題について
   カ 平成24年4月における旧定義の待機児童の総数と年齢別人数及び旧定義による待機児童数が多い理由について
   キ 東京都保育計画において認可保育園の整備の目標数が示されていない理由について
  〔3〕 里親への乳児委託について
   ア 乳児委託研修の実施状況について
   イ 平成23年度における委託件数及び委託が進まない理由と今後の取組について
  〔4〕 東京都こころのケアチームの派遣実績と活動内容及び東京が被災した際の都民のこころのケアについて
  〔5〕 放射能に関するモニタリングと測定結果の公表及び分かりやすい情報提供に向けた取組について
  〔6〕 在宅人工呼吸器使用者への支援について
   ア 在宅療養患者緊急時対応支援事業の概要と実績及び成果について
   イ 在宅人工呼吸器使用者災害時支援指針における災害時個別支援計画の内容及び計画作成に向けた区市町村への支援について
  〔7〕 高齢者の住まいについて
   ア 平成23年度までの特別養護老人ホームの整備状況及び今後の計画について
   イ 都市型軽費老人ホームの整備状況及び整備の促進に向けた取組について
  〔8〕 成年後見制度について
   ア 成年後見制度の活用の実績及び区市町村における取組の推進について
   イ 市民後見人の要請への取組について
  〔9〕 若年性認知症について
   ア 若年性認知症の支援と認知症高齢者の支援との違いについて
   イ 若年性認知症支援モデル事業への取組の経緯と実績及び本格実施以降の状況について
  〔10〕 児童養護施設に入所する児童の学習支援に向けた取組について
  〔11〕 重度心身障害児(者)への支援について
   ア 平成23年度における重度心身障害児(者)の生活実態及び要望の把握について
   イ 通所施設の役割と現状及び平成23年度において増設された施設数と増員された定員数について
   ウ 短期入所施設の増設に向けた取組について
   エ 平成23年度末における施設への入所希望の待機者数及び入所施設の増設について
  〔12〕 学童保育事業について
   ア 平成24年5月1日現在の学童保育待機児童数及び1クラス71人以上の学童クラブの数について
   イ 平成23年度における学童クラブの整備の補助件数について
   ウ 平成23年度における決算規模が予算規模に対して減少した理由について
   エ 平成23年度における都型学童クラブ事業の実績について
   オ 各区市町村に対する学童保育事業の促進に向けた取組及び施設整備補助の拡充について
 (4) 病院経営本部所管分
  〔1〕 公社病院について
   ア 平成23年度における収支状況、運営費補助金の額及び医業収支比率の前年度との対比並びに良好な決算内容の理由について
   イ 平成23年度における紹介及び逆紹介の数値の前年度との対比について
   ウ 医療連携の推進に向けた取組について
   エ 公社病院が目指す今後の方向性について
  〔2〕 平成23年度における東部地域病院、多摩南部地域病院及び荏原病院の紹介率並びに地域医療支援病院として認定された年度について
  〔3〕 荏原病院について
   ア 脳卒中患者への対応について
   イ 民間の医療機関への支援及び地域の医療水準の向上のための取組について
   ウ リハビリテーション医療、在宅支援等の充実に向けた取組について
 (5) 教育庁所管分
  〔1〕 いじめ対策について
   ア 平成23年度の公立小・中学校における児童・生徒のいじめ、暴力行為、不登校の状況及びきめ細かな対応の必要性について
   イ ネット監視の実態及び警察等との連携について
   ウ 東京都いじめホットラインの実績と相談対応及び連絡先の周知について
  〔2〕 地域ぐるみの学校安全体制整備推進事業について
   ア 事業の内容と取組について
   イ スクール・ガードリーダーの活動と情報モラル教育への取組について
   ウ 都立高校生と小学生との交流について
   エ 事業発足の経緯と事業の仕組み及び平成23年度の補助の総額について
   オ 平成23年度における区市町村の取組の実績及び事業の普及について
  〔3〕 校務改善について
   ア 過去5年間の教育管理職選考の倍率について
   イ 小中学校の校務改善推進プランの取組状況及び教職員と子どもが向き合える時間の確保について
   ウ 小中学校の校務改善推進プランにおける校務の役割分担の明確化及び副校長支援のための人材配置について
   エ 教職員の勤務実態の把握及び授業等に集中できる体制の確立について
   オ 各学校から寄せられた声及び退職した校長・副校長の活用について
   カ 経営支援部の設置を始めとする校務改善の拡大に向けた取組について
  〔4〕 教職員のメンタルヘルス対策について
   ア 教職員の精神疾患による病気休職者数について
   イ ストレス検査の実施状況について
   ウ リワークプラザ東京の事業の実施状況について
  〔5〕 特別支援教育について
   ア 特別支援学校介護職員の導入の経緯及び位置付けについて
   イ 特別支援学校における放課後子供教室推進事業及び放課後等活動支援推進事業の取組状況について
   ウ 放課後子供教室における教員、保護者及びボランティアからの意見並びに今後の取組について
   エ 知的障害特別支援学校における企業就労への取組の成果及び職業教育の充実について
   オ 重症心身障害児の通学手段の確保に向けた取組について
  〔6〕 児童・生徒の学力向上のための生活習慣の改善に向けた取組について
  〔7〕 公立・小中学校の耐震化の進捗状況及び校外活動への放射能の影響について
  〔8〕 東京の学校見学バスツアー事業の目的と効果及び受験者の確保について
  〔9〕 新人育成教員の配置の実績と予定数及び配置の拡大に向けた取組について
  〔10〕 若手教員の育成、外国人生徒への指導の充実及び外部人材の活用について
  〔11〕 家庭と子どもの支援員制度の役割及び取組状況について
  〔12〕 図書館管理業務における委託方式の現状及び導入の考え方について
  〔13〕 福島県枠教員採用による被災地支援の取組状況及び教員の育成について
  〔14〕 都立中高一貫教育校の目指す教育及び学校経営に対する同窓会と保護者の意向の反映について
  〔15〕 デュアルシステムの成果及び工業高等学校における人づくりについて
  〔16〕 都立定時制高校について
   ア 平成24年度における八王子拓真高校の受験状況について
   イ 都立の定時制高校に通学する八王子市内在住の生徒数及び八王子市以外の定時制高校に通学する生徒数について
  〔17〕 学校の冷房化について
   ア 小・中学校における冷房化の実績及び平成24年度の見通しについて
   イ 市町村立小・中学校における普通教室の冷房化の進捗状況と補助の継続及び特別教室の冷房化への財政支援について
   ウ 平成23年度の都立高校、特別支援学校における特別教室及び体育館の冷房化の状況について
  〔18〕 少人数学級について
   ア 平成23年度における実績及びいじめとの相関関係について
   イ 中1ギャップの対策の対象となる学校数、学級編成を変更した学校数及びチーム・ティーチング等による加配を行った学校数について
   ウ 教員加配に関わる効果検証に関する調査の報告書の評価について
  〔19〕 小・中学校における事務職員について
   ア 就学援助の加配が行われていない小・中学校の現状について
   イ 事務職員の役割について
   ウ 国の基準に基づく就学援助の加配及び大規模校の加配の実施について
  〔20〕 スクールバス事業について
   ア 平成17年度及び平成23年度における事業の予算額、決算額、コース数及び対象児童・生徒数について
   イ 平成22年度と平成23年度及び平成23年度と平成24年度においてバス事業者が交代した学校の数とバスの台数について
   ウ バス事業者に対する保護者の声への対応について
   エ PTAへの周知徹底及び懇談会の義務付けについて
   オ バス事業者における契約について
   カ 安全確保、障害児の理解、人権尊重等に係る研修の実施について


平成23年度各会計決算特別委員会 第3分科会審査報告書

 第3分科会で行われた平成23年度東京都一般会計決算等に関する審査の概要を次のとおり報告する。

  平成24年10月25日
                    平成23年度各会計決算特別委員会
                    第3分科会委員長 高倉良生

 平成23年度各会計決算特別委員長
           山下太郎 殿

1 本分科会の設置及び審査の経過
 (1) 本分科会は、9月26日に設置され、次の案件を審査した。
  ・平成23年度東京都一般会計決算中、都市整備局、環境局、産業労働局、建設局、港湾局、労働委員会事務局所管分
  ・平成23年度東京都中小企業設備導入等資金会計決算
  ・平成23年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計決算
  ・平成23年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計決算
  ・平成23年度東京都と場会計決算
  ・平成23年度東京都都営住宅等事業会計決算
  ・平成23年度東京都都営住宅等保証金会計決算
  ・平成23年度東京都都市開発資金会計決算
  ・平成23年度東京都多摩ニュータウン事業会計決算
  ・平成23年度東京都臨海都市基盤整備事業会計決算
 (2) 本分科会は、次のとおり各所管局ごとに審査し、終了した。
  10月10日(説明聴取・資料要求) 都市整備局、環境局、港湾局、中央卸売市場
  10月12日(説明聴取・資料要求) 建設局、産業労働局、労働委員会事務局
  10月17日(質疑)        港湾局、都市整備局
  10月19日(質疑)        中央卸売市場、環境局
  10月22日(質疑)        労働委員会事務局、建設局
  10月24日(質疑)        産業労働局

2 本分科会における質疑の概要
(1) 都市整備局所管分
  〔1〕 緊急輸送道路沿道建築物耐震化事業について
   ア 平成23年度における取組及び平成24年度の進捗状況について
   イ 年度末の助成金手続への対応及び今後の耐震化に向けた取組について
  〔2〕 都営住宅の耐震化について
   ア 耐震化の進捗状況及び改定した整備プログラムの概要について
   イ 耐震改修の年次計画の着実な執行に向けた取組について
   ウ 併存店舗付住棟の耐震改修への対応について
   エ 緊急輸送道路沿道の併存店舗付住棟への補助制度の適用に向けた取組について
  〔3〕 耐震シェルター事業について
   ア 事業の概要及び実績について
   イ 事業の執行率を向上させるための取組について
  〔4〕 執行状況について
   ア 当初の予定どおりに工事が執行できないことの原因について
   イ 定められた工期内に工事を完成させるための取組について
  〔5〕 羽田空港の機能強化について
   ア 再拡張以降の航空政策としての取組について
   イ 国際線が就航している諸外国の都市について
   ウ 国際化の推進に向けた取組について
  〔6〕 羽田空港の跡地利用について
   ア 国及び都のこれまでの取組について
   イ 羽田空港跡地まちづくり推進計画の内容について
   ウ 第1ゾーンにおけるまちづくりの取組及び第2ゾーンにおける宿泊施設、複合業務施設の導入の進め方について
    エ 羽田空港移転問題協議会における都の役割について
   〔7〕 沿道一体整備事業について
   ア まちづくりへの取組及びこれまでの実績について
   イ 今後の事業の進め方について
  〔8〕 新空港線「蒲蒲線」の整備について
   ア 平成23年度の取組状況について
   イ 現在検討中の計画の概要について
   ウ 整備の実現のための解決すべき課題について
  〔9〕 一般住宅の空き家の利活用について
   ア 国の調査結果の東京都住宅マスタープランへの反映について
   イ 高齢者向けケア付賃貸住宅事業の進捗状況及び既存ストックの活用実績について
   ウ ソーシャルミックスを目指した誘導策について
  〔10〕 緑確保の総合的な方針について
   ア 崖線の緑を保全するための取組について
   イ 特別緑地保全地区の指定促進のための取組と成果について
  〔11〕 雨水流出抑制事業費補助について
   ア 平成23年度における補助の実績について
   イ 個人住宅における雨水浸透施設の設置促進に向けた取組について
 (2) 環境局所管分
  〔1〕 節電について
   ア 東京都電力対策緊急プログラムの取組に対するこれまでの温暖化対策の
    反映について
   イ 事業者における対策の取組と定着の状況について
   ウ 大規模事業所の対策において評価できる事例の普及と活用について
   エ テナントビルにおける取組及び家庭向けの対策について
   オ 節電アドバイザー事業の活用の拡大に向けた取組について
  〔2〕 地球温暖化対策等推進のための区市町村補助制度の実績と成果について
  〔3〕 世界自然遺産小笠原諸島の保全について
  ア 平成23年度における外来種対策及び固有種保全事業の取組と成果について
  イ 平成23年度における小笠原ビジターセンターの自然遺産保全に係る普及啓発活動の取組と成果について
  〔4〕 地域エネルギーマネジメントシステムの構築に係る実現可能性調査について
   ア 調査の狙い及び調査結果を踏まえた今後の取組について
   イ コージェネレーション設備の導入による環境性・経済性の検証及びデマンドレスポンスの検証と効果について
  〔5〕 東京の環境技術をいかした国際貢献について
   ア  平成23年度における諸外国の都市との国際連携の実績について
   イ 国際協力を推進していくための民間との連携について
   ウ アジア諸都市の低炭素化への貢献及び世界の低炭素都市づくりの先導について
  〔6〕 水銀対策について
   ア 平成23年度に検討対象とした水銀製品の種類及び対策の方向性について
   イ 製品の製造抑制、使用量削減、代替品への転換及び廃棄物の回収・処分策の取りまとめと現在の進捗状況について
   ウ 水銀条約の制定の検討を進めている国への働き掛けについて
  〔7〕 再生可能エネルギーについて
   ア 住宅用太陽光発電導入補助事業の立ち上げの経緯及び全国的な取組について
   イ 平成23年度までの補助事業の成果及び更なる普及に向けた課題について
  ウ 先駆的施策の構築による普及拡大について
  〔8〕 廃棄物の埋立処分について
   ア 東日本大震災発生後の埋立処分場における埋立量の増加について
   イ 新たに受け入れる災害廃棄物の埋立量及びごみの減量策について
  〔9〕 アスベスト対策について
   ア 建築物の解体時における飛散防止の指導について
   イ 都が所有する建築物の解体時における適正な除去対策について
 (3) 産業労働局所管分
  〔1〕 中小企業への金融支援等について
   ア 平成23年度における中小企業の経営環境に対する認識について
   イ 平成23年度における中小企業の資金繰りの状況及び制度融資の実績と利用状況について
   ウ 平成23年度における新保証付融資制度への対応と実績について
   エ 平成23年度に運用を終了したベンチャーファンドの実績について
   オ 企業実態に合った新たな資金需要への取組状況について
  〔2〕 平成23年度における中小企業に対する海外販路開拓支援の取組と実績について
  〔3〕 平成23年度における国内の展示会でのアジアの企業等と中小企業との交流支援の取組状況について
  〔4〕 中小企業向け電力自給型経営促進支援事業について
   ア 平成23年度における事業の普及啓発への取組と実績について
   イ 自家発電設備導入に係る経費助成率の継続措置及び助成対象の拡大の効果について
  〔5〕 平成23年度における専門人材を活用した中小企業の経営強化支援策の取組と実績について
  〔6〕 平成23年度における中小企業BCP策定支援事業の実績について
  〔7〕 中小企業高度化資金貸付制度について
   ア 制度の概要及び近年の貸付実績と都貸付分の返済状況について
   イ 条件変更における貸付先への対応と債権管理体制及び中小企業支援と貸付金の回収のバランスについて
   ウ 制度の見直しの国への要求について
  〔8〕 ものづくり人材の育成及び技能継承支援について
   ア 平成23年度の取組状況について
   イ ベテラン・熟練技能者の活用策について
   ウ 東京ものづくり名工塾の取組及び東京マイスター事業の周知について
  〔9〕 若者の就労支援について
   ア 平成23年度における就活ノウハウセミナー、面接対策セミナー及び合同企業説明会の実績と参加者の反応について
   イ 企業ツアー事業の効果の向上に向けた取組と実績について
  〔10〕 職業能力開発センターについて
   ア 職業訓練の科目設定における中小企業のニーズの反映について
   イ 取得した技術・技能をいかすことのできる就職への取組について
  〔11〕 都市農業について
   ア 平成23年度における農地の保全に向けた地域の取組に対する支援について
   イ 平成23年度における都市農業経営パワーアップ事業の実施状況について
   ウ 都市農業の振興に向けた今後の取組について
  〔12〕 地産地消について
   ア 拡大するための取組状況及び今後の展開について
   イ とうきょう特産食材使用店ガイドの発行の経緯と効果について
   ウ 商標登録江戸東京野菜の取組状況について
  〔13〕 ワーク・ライフ・バランスの推進について
   ア 男女雇用平等参画状況調査の結果の概要について
   イ 企業に向けた普及啓発の取組内容について
   ウ 女性再就職サポートプログラムの事業内容と実績について
  〔14〕 ソーシャルビジネス支援について
   ア 平成23年度で終了したソーシャルベンチャーセンターにおける事業の役割と実績について
   イ ソーシャルインキュベーションオフィス・SUMIDAの実績と効果について
 (4) 中央卸売市場所管分
   質疑なし
 (5) 建設局所管分
  〔1〕 河川の整備等について
   ア 善福寺川の整備事業の進捗状況、工期延長に係る住民等への周知策及び今後の取組について
   イ 入間川分水路の整備事業の進捗状況及び今後の整備予定について
   ウ 野川の水枯れ対策、自然再生事業の取組及び親水環境の整備について
   エ 呑川の水質改善への取組状況及び今後の対応について
   オ 河川事業における親水整備の事例について
  〔2〕 河川の耐震対策について
   ア 平成23年度における東部低地帯への取組について
   イ 大規模地震に対する対策の進め方について
   ウ 呑川における対策の実施状況と今後の対応について
  〔3〕 平成23年度における緊急輸送道路に架かる橋りょうの耐震化の実施状況及び未整備橋りょうへの今後の取組について
  〔4〕 防災公園について
   ア 都立公園における防災機能の充実強化について
   イ 小金井公園及び舎人公園における防災施設の整備状況について
   ウ 舎人公園における非常用発電設備の設置について
  〔5〕 JR中央線連続立体交差事業について
   ア 今後の工事予定について
   イ 高架下利用の取組状況について
  〔6〕 京浜急行本線・空港線連続立体交差事業について
   ア 全線高架化に向けた取組状況及び事業効果について
   イ 高架下利用の考え方及び検討状況について
   ウ 今後の工事の内容について
  〔7〕 都立霊園について
   ア 青山霊園における著名人墓所案内の事業運営及び環境維持への取組について
   イ 小平霊園における樹林墓地の概要及び建設経費につい
   ウ 樹林墓地における埋葬者の名入りの墓碑の作成及び家族のきずなを意識した施策について
   エ 無縁墳墓の処理について
  〔8〕 無電柱化について
   ア 平成23年度までの整備状況及び今後の取組について
   イ センター・コア・エリア以外の地域における現状と今後の取組について
  〔9〕 調布3・4・17号線の整備について
   ア 事業の概要及び現在の取組状況について
   イ 開通により期待される事業効果について
  〔10〕 歩道の整備について
   ア 歩道整備事業の基本的な考え方について
   イ 平成23年度における2メートル以上の広幅員の歩道の整備について
  〔11〕 平成23年度までの街路樹整備の実績及び樹種の選択と管理について
  〔12〕 土木技術支援・人材育成センターにおける地下水位調査の目的及び活用方法について
  〔13〕 都立公園におけるバーベキュー広場の利用申込方法の改善について
 (6) 港湾局所管分
  〔1〕 港湾機能の充実強化について
   ア 貨物集荷策の必要性について
   イ 貨物集荷補助制度の実績及び今後の展開について
   ウ 早朝ゲートオープン実証実験の実績及び効果について
   エ 輸送の効率化に向けたハード面の取組について
   オ 国際コンテナ戦略港湾に選定後の国際競争力強化に向けた取組について
   カ 東京港埠頭株式会社の営業体制の強化に向けた取組について
   キ 港湾利用者ニーズの施策への反映について
   ク 内航船による輸送の活性化への取組について
   ケ 東京港の振興策における今後の基本的な考え方について
  〔2〕 津波・高潮対策について
   ア 平成23年度における対策の強化に向けた取組について
   イ 水門の耐震対策整備及び港南4水門の操作の現状と今後の対応について
  〔3〕 島しょの港湾整備について
   ア 各島と本土を結ぶ大型客船の就航率について
   イ 小離島の就航率を向上させるための港湾整備の取組について
   ウ 利島、御蔵島及び青ヶ島における港湾整備事業の実施状況について
   エ 国の公共事業に係る予算の削減への対応について
  〔4〕 小笠原諸島の港湾施設の整備について
   ア 二見港の課題と港湾施設の状況について
   イ クルーズ船の寄港における港湾施設の対応状況について
   ウ 大型のクルーズ船に対応する施設整備の必要性について
  〔5〕 小笠原航空路委託調査の内容及び経費について
 (7) 労働委員会事務局所管分
   質疑なし

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